以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材における例えば上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段として、スティックコントローラを設けた例を示したが、これに限らず、操作手段としては、単なるプッシュボタン、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態の遊技機は、2つの特別図柄表示器8a,8bを備えているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えていてもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
また、遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。飾り図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の飾り図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせが停止表示される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として飾り図柄の変動表示が行われるが、演出表示装置9では、例えば、キャラクタ画像を用いる演出や、大当り判定や変動パターンの決定結果に基づいて報知画像を表示するような演出も実行される。
また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、飾り図柄が揃って停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられている。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられるようにしてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口(第1大入賞口)が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどに限らず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
演出表示装置9の表示画面には、普通図柄の表示結果を示唆するような演出や特別図柄の表示結果および変動パターンの種類を示唆するような演出が行われる演出エリア9Fが表示される。
また、演出表示装置9の左部には、モータ24によって駆動される羽根状の可動部材76が設けられている。可動部材76が左に倒れるような位置に制御されると、遊技球が第2大入賞口に進入可能な状態(開放状態)になる。可動部材76が第2大入賞口を塞ぐような位置に制御されると、遊技球が第2大入賞口に進入不可能な状態(閉鎖状態)になる。第2大入賞口に進入した遊技球は、第2入賞スイッチ71で検出される。
なお、この実施の形態では、15R通常大当りに基づく大当り遊技中、2R確変大当りに基づく大当り遊技中、15R確変大当りに基づく大当り遊技中に、第1大入賞口が開放状態に制御される。また、小当り遊技状態中、突然確変大当りに基づく大当り遊技中、および突然確変見せかけ大当りに基づく大当り遊技中に、第2大入賞口が開放状態に制御される。
「15R通常大当り」は、15ラウンド(各ラウンドの開放可能時間は例えば29秒)の大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に通常状態(非確変状態)に移行させる大当りである。なお、通常状態とは異なる時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)に移行させてもよい。「2R確変大当り」は、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行させる大当りである)。「15R確変大当り」は、15ラウンド(各ラウンドの開放可能時間は例えば29秒)の大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである。
以下、15R確変大当りと15R通常大当りとを「15R大当り」と総称することがある。
「突然確変大当り」は、15R大当りと比較して大入賞口(第2大入賞口)の開放回数が少ない回数(この実施の形態では10秒間の開放を2回)まで許容され、2R確変大当りと比較して大入賞口(第2大入賞口)の開放時間が短い時間(この実施の形態では1回の開放ごとに10秒間)まで許容される大当りであるが、突然確変大当りに基づく大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される。なお、「突然確変大当り」を、「突確大当り」ともいう。
「突然確変見せかけ大当り」は、15R大当りの場合と同様に、大当り遊技中に大入賞口(第2大入賞口)が15回(15ラウンド)開放するが、最初の2回(2ラウンド)については、突然確変大当りの場合と同様に、大入賞口の開放時間は10秒である。よって、突然確変見せかけ大当りに基づく大当り遊技状態が開始された後の初期の段階では、遊技者は、突然確変大当りが生じたのか突然確変見せかけ大当りが生じたのかを区別できず、遊技の興趣を向上させることができる。また、突然確変見せかけ大当りに基づく大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される。なお、「突然確変見せかけ大当り」を、「突確見せかけ大当り」ともいう。また、「突然確変見せかけ大当り(突確見せかけ大当り)」を、単に、「見せかけ大当り」ということがある。
また、この実施の形態では、突然確変大当りが発生したときに実行される大当り遊技のラウンド数は2であるが、15R大当りの場合に比べて各ラウンドの開放時間が極めて短ければ、2ラウンドよりも多いラウンド数にしてもよい。例えば、15R大当りが発生したときに実行される大当り遊技のラウンド数と同じにしてもよい。
「小当り」は、大当りと比較して大入賞口(第2大入賞口)の開放回数が少ない回数(この実施の形態では10秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。この実施の形態では、突然確変大当りに基づく大当り遊技状態と小当り遊技状態とでは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の10秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、本明細書では、小当りについても開放回をラウンドとする。また、見せかけ大当りが発生したときに、第1ラウンドにおいて突然確変大当りおよび小当りのラウンドにおける開放時間と同じ開放時間で2回大入賞口を開放した後大入賞口を長時間開放し、第2ラウンド以降のラウンドでは、15R大当りのラウンドにおける開放時間と同じ開放時間で大入賞口を開放してもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)になる。
また、特別図柄や飾り図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や飾り図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。なお、特別図柄や飾り図柄の平均的な変動時間(平均可変表示時間)が通常の長さである通常状態などは、通常可変表示状態ともいう。また、通常可変表示状態よりも平均可変表示時間が短縮される時短状態などは、短縮可変表示状態ともいう。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2では、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品毎に異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23および第2入賞口スイッチ71からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および第2大入賞口を形成するための可動部材76を開放状態に制御するモータ24を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および飾り図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。単方向性回路は、信号毎に設けられる。さらに、出力ポート571が単方向性回路として構成されることで、主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、トリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿122Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号に基づいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において、CPU56は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM55がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU56へ送出され、CPU56は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、遊技機の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU56は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、遊技機における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う処理である。メイン側エラー処理は、遊技機の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えば遊技機の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板31の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
特別図柄プロセス処理では、RAM55に設けられた特別図柄プロセスフラグの値を遊技機における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置20における大入賞口(第1大入賞口)や可動部材76による大入賞口(第2大入賞口)の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理において、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を遊技状態に応じて更新し、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御して可変入賞球装置15の開閉動作設定などを実行する。
コマンド制御処理は、主基板31から演出制御基板80などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM55に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、出力ポート571に制御データをセットした後、演出制御INT信号の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
この実施の形態では、遊技制御処理は2msごとに起動されることになる。なお、遊技制御処理は、遊技制御用タイマ割込処理に相当する。タイマ割込処理では例えば割込みが発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理は遊技制御メイン処理において実行されるようにしてもよい。
図4は、あらかじめ用意された飾り図柄の変動パターンを示す説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図4に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。「擬似連」は、全ての図柄表示エリアにおいて飾り図柄を仮停止表示させた後、全ての図柄表示エリアにおいて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回行う変動パターンである。
リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれになる飾り図柄を仮停止させた後に飾り図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図4に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図4において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突確見せかけ大当り、突確大当り、2R確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図4に示すように、突確見せかけ大当り、突確大当り、2R確変大当りおよび小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突確見せかけ大当り、突確大当り、2R確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図4に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められているが(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である。)、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。また、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。その場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意し(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意し)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図5は、遊技用乱数となる各乱数を示す説明図である。遊技用乱数は、以下のように使用される。(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(大当りの種別)を決定する(大当り種別判定用)。(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(4)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの変動演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、15R大当り(15R確変大当りおよび15R通常大当り)である場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、2R確変大当り、突確見せかけ大当りまたは突確大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。
また、はずれである場合には、リーチも変動演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが変動演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも変動演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
遊技制御用タイマ割込処理における遊技用乱数更新処理にて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図6(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図6(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図6(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図6(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図6(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図6(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図6(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図6(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図6(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図6(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図6(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図6(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りに決定しないようにしてもよい。その場合、図6(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が時短状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が高ベース状態であるときにも小当りが発生するようにし、かつ、高ベース状態になるか否かを遊技者に推測させるような演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が高ベース状態であるにも関わらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。しかし、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が高ベース状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変状態であるか否かを推測させるような演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
図7は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図7に示す大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を、「15R通常大当り」、「2R確変大当り」、「突確見せかけ大当り」、「突確大当り」、「15R確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、この実施の形態では、一例として、15R通常大当りになるときには特別図柄の停止図柄は「1」であり、2R確変大当りになるときには特別図柄の停止図柄は「9」であり、突確大当りになるときには特別図柄の停止図柄は「3」であり、突確見せかけ大当りになるときには特別図柄の停止図柄は「5」であり、15R確変大当りになるときには特別図柄の停止図柄は「7」である。すなわち、大当りの種別と特別図柄の停止図柄の種別とは対応している。
図7(A)には、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(低確率時の第1特別図柄用)が示されている。図7(B)には、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)が示されている。
高ベース状態では、遊技球が第1始動入賞口13に入賞することに比べて、遊技球が第2始動入賞口14に入賞する機会が多いので、図7(B)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルが使用される機会が極めて多い。また、低ベース状態では、遊技球が第2始動入賞口14に入賞する機会はないので、図7(A)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルが使用される。
なお、第1特別図柄の変動表示が行われる場合にのみ、「突確見せかけ大当り」および「突確大当り」と決定される場合があるようにし、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、「突確見せかけ大当り」および「突確大当り」と決定されないようにしてもよい。
また、この実施の形態では所定の乱数を用いて大当りの種別を決定するが、所定の乱数を用いて特別図柄の停止図柄を決定し、決定された特別図柄の種別に応じて大当りの種別が決まるようにしてもよい。
また、所定の乱数を用いて特別図柄の停止図柄を決定し、決定された特別図柄の種別に応じて大当りの種別を決定する場合に、ある図柄(1つでもよいし複数でもよい)については、そのときの遊技状態に応じて、大当り遊技の終了後に時短状態に移行させる場合があったり、時短状態に移行させない場合があったりしてもよい。
図8(A),(B)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別が15R大当りである場合には、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aが使用され、それ以外の大当りである場合には大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bが使用される。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。
また、大当り種別が15R大当り以外である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が15R大当りである場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「2R確変大当り」、「突確見せかけ大当り」または「突確大当り」になる場合には、15R大当りの場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
図8(C)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Cを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Cは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図8(C)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図9(A)〜(C)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。図9(A)には、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aが示されている。また、図9(B)には、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが示されている。また、図9(C)には、遊技状態が時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135C:確変状態でも使用される)が示されている。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図9に示す例では、遊技状態が時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B,135Cを用いられるが、時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図9(C)に示す例では、1つの確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが用いられるが、確変/時短状態用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルが用いられるが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、合算保留記憶数の値毎に別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルが用意されていてもよい。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じたはずれ変動パターン種別判定テーブルが使用されるが、第1保留記憶数と第2保留記憶数の各々に応じたはずれ変動パターン種別判定テーブルが使用されるようにしてもよい。
なお、図9(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数に関わらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行される。
また、図9(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数に関わらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの変動演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行される。すなわち、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)に記憶されている保留記憶の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)に関わらず、共通の判定値(図9(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるように構成されている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの変動演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
なお、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図9(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択され短縮変動の変動パターンが決定される場合があるが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が時短状態や確変状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図10(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A,137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A,137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各当り変動パターン判定テーブル137A,137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにすることに決定されると、当り変動パターン判定テーブル137Aが選択される。変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにすることに決定されると、当り変動パターン判定テーブル137Bが選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bには、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)が設定されている。
なお、図10(A)に示す当り変動パターン判定テーブル137Aでは、変動パターン種別が、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、図10(B)に示す当り変動パターン判定テーブル137Bでは、変動パターン種別が、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。なお、図10(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの変動演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。その場合には、例えば、特殊CA4−1が、変動演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2が、変動演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図11は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動時間の情報を含む変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図4に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C07(H)は、大当りまたは小当りとするか否か、および大当り種別を特定可能な演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C07(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C07(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8E01(H)は、普通図柄の表示結果が当りになることを示すとともに普通図柄の変動を開始することを示す普通図柄開始指定(当り)コマンドであり、コマンド8E02(H)は、普通図柄の表示結果がはずれになることを示すとともに普通図柄の変動を開始することを示す普通図柄開始指定(はずれ)コマンドである。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A201,A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(以下、大当り開始指定コマンドまたはファンファーレ指定コマンドともいう。)である。大当り遊技または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンドと大当り開始3/小当り開始指定コマンドとがある。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面または小当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技または小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り/小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB001(H)は、遊技状態が低ベース状態であることを示す演出制御コマンド(低ベース状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が高ベース状態であることを示す演出制御コマンド(高ベース状態指定コマンド)である。コマンドB003(H)は、遊技状態が確変状態でないことを示す演出制御コマンド(非確変状態指定コマンド)である。コマンドB004(H)は、遊技状態が確変状態であることを示す演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
なお、低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドおよび確変状態指定コマンドを遊技状態指定コマンドと総称することがある。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンドが送信されるが、保留記憶数そのものを指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。その場合、例えば、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する演出制御コマンドを送信するとともに、保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドとして第1保留記憶数と第2保留記憶数とで共通の演出制御コマンドを送信する。
また、第1保留記憶数を指定する場合と第2保留記憶数を指定する場合とで別々の演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)を送信するようにしてもよい。その場合、例えば、保留記憶数指定コマンドとして、MODEデータとして第1保留記憶数または第2保留記憶数を特定可能な値(例えば、第1保留記憶数を指定する場合には「C0(H)」、第2保留記憶数を指定する場合には「C1(H)」)を含むとともに、EXTデータとして保留記憶数の値を設定した演出制御コマンドを送信する。
また、例えば、同じ第1保留記憶数を指定する場合に、MODEデータを共通にし、EXTデータを異ならせることによって、第1保留記憶数の加算または減算を指定した演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。例えば、共通のMODEデータ「C0(H)」を用い、第1保留記憶数の減算を指定する場合にはコマンドC000(H)を送信するようにし、第1保留記憶数の加算を指定する場合にはコマンドC001(H)を送信するようにしてもよい。さらに、第2保留記憶数を指定する場合にはMODEデータを異ならせて、第2保留記憶数の減算を指定する場合にはコマンドC100(H)を送信するようにし、第2保留記憶数の加算を指定する場合にはコマンドC101(H)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果として、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果として、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する入賞時判定処理(図19参照)において、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに基づいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図13は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13に示すように、この実施の形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、後述する入賞時判定処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「15R通常大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「2R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「見せかけ大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「05(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。また、例えば、「小当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「06(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄6指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
変動カテゴリコマンドでは、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や飾り図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定される。例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態かつはずれとなると判定した場合、後述する入賞時判定処理において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから(図9(A),(B)参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことに基づいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。その他、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから(図9(A),(B)参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことに基づいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図9(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値を抽出して導き出されたものである。このことは、他の変動カテゴリについても同様であり、図8(A)〜(C)や図9(C)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値を抽出してカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
始動入賞時に入賞時判定を行ったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じうる。しかし、この実施の形態では、少なくとも非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別については、合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割り当てられている(図8および図9参照)。したがって、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。そこで、この実施の形態では、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7またはスーパーCA3−3の変動パターン種別になると入賞時判定された変動表示に対して後述する先読み予告演出(先読み予告)が実行される。なお、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別となると判定した場合にのみ、変動カテゴリコマンドを送信し、それ以外の変動パターン種別の入賞時判定結果の場合には変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。また、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3以外となると入賞時判定された場合には、変動パターン種別を特定不能であることを示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
「先読み予告演出」は、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行される予告演出のことである。この実施の形態では、先読み予告演出として、例えば「特殊図柄」や「保留表示」、「モード移行」といった、複数種類の予告演出のいずれかを実行することができる。
「特殊図柄」の先読み予告演出は、飾り図柄の可変表示において最終停止表示される確定飾り図柄の一部または全部を、通常時における飾り図柄とは異なる特殊な飾り図柄に変化させることにより、あるいはチャンス目図柄として予め定められた組合せとすることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する。一例として、予告対象となる可変表示よりも前に実行される可変表示において最終停止表示される飾り図柄を、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない所定の表示色(例えば赤色など)を有する星型などの記号を示すものとすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。「特殊図柄」の先読み予告演出は、「特殊図柄予告」ともいう。
「保留表示」の先読み予告演出は、例えば演出表示装置9の合算保留記憶表示部などにおいて、可変表示の実行条件の成立数を特定可能に表示する表示部位を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する。一例として、合算保留記憶表示部における所定の表示部位にて、表示色を通常時における所定色(例えば青色)とは異なる特定色(例えば金色や虹色など)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。また、表示部位における表示柄を通常時とは異なる特定柄(例えばサクラ柄など)とすることや、表示部位に通常時とは異なるキャラクタを表示することにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できるようにしてもよい。「保留表示」の先読み予告演出は、「保留表示予告」ともいう。
「モード移行」の先読み予告演出は、遊技機における演出状態を通常時における演出モードとは異なる先読み予告モードに移行させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する。一例として、予告対象となる可変表示よりも前に実行される可変表示において演出表示装置9の画面上における背景画像を、通常時の背景画像とは異なる特定表示態様の背景画像に変化させることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。「モード移行」の先読み予告演出は、「モード移行予告」ともいう。
この実施の形態では、遊技状態にかかわらず(例えば、高確率状態や高ベース状態であるか否かや、大当り遊技中であるか否かにかかわらず)、始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、図柄指定コマンドとともに変動カテゴリコマンドが必ず送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドに基づいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやリーチとなるか否かを予告する先読み予告演出を実行する。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図12に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始されるごとに、飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
次に、CPU56が遊技制御用タイマ割込処理にて実行する普通図柄プロセス処理を説明する。図14は、普通図柄プロセス処理を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理において、CPU56は、ゲートスイッチ32aがオン状態となったこと、すなわち遊技球がゲート32を通過したことを検出すると(ステップS411)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS412)を実行する。その後、ステップS400〜S404のいずれかの処理を実行する。
普通図柄通常処理(ステップS400):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行されている状態でなく、かつ、可変入賞球装置15の開放状態でない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン設定処理(ステップS401)を示す値(この例では「1」)に更新する。
普通図柄変動パターン設定処理(ステップS401):普通図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(普通図柄の変動時間)に相当する値を普通図柄プロセスタイマにセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS402)に応じた値(この例では「2」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS402):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止する。また、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間に相当する値をセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせ、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止時処理(ステップS403)を示す値(この例では「3」)に更新する。
普通図柄停止時処理(ステップS403):CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるか否か確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS400)を示す値(この例では「0」)に更新する。普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間に相当する値をセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、可変入賞球装置(普通電動役物)15を開放状態にする。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS404)を示す値(この例では「4」)に更新する。
普通電動役物開放中処理(ステップS404):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、可変入賞球装置15を閉鎖状態にして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS400)を示す値(この例では「0」)に更新する。
図15(A)には、低ベース状態で使用されるテーブルが示されている。図15(A)に示すように、低ベース状態では、2/250の確率で当りと判定される。当りと判定された場合には、可変入賞球装置(普通電動役物)15が1回開放(開放時間は5.8秒)する。なお、低ベース状態では、普通図柄の変動時間(可変表示時間)は、10秒である。ただし、普通図柄の変動時間として複数種類の変動時間を用意し、CPU56は、使用する変動時間をそれらのうちから選択するようにしてもよい。また、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間(例えば、5.8秒よりも短い時間)のいずれかまたは双方を複数種類用意し、CPU56は、開放回数および開放時間のいずれかまたは双方を選択するようにしてもよい。
図15(B)には、高ベース状態(時短状態)で使用されるテーブルが示されている。図15(B)に示すように、高ベース状態では、249/250の確率で当りと判定される。当りと判定された場合には、可変入賞球装置(普通電動役物)15が3回開放(各々の開放時間は1.8秒)する。なお、高ベース状態では、普通図柄の変動時間(可変表示時間)は、1.5秒である。図15に示すように、遊技状態が低ベース状態のときは低い確率で当りになり、高ベース状態のときは極めて高い確率(この例では、略100%であるが、100%でもよい。)で当りになる。
CPU56は、ステップS412のゲートスイッチ通過処理において、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1し、ソフトウェア乱数である普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出して、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域に格納する。また、普通図柄保留記憶表示器41の点灯個数を1増やす。
CPU56は、ステップS400の普通図柄通常処理において、普通図柄の変動を開始することができる状態であり、かつ、ゲート通過記憶数が0でなければ、保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数の値と図15に示された普通図柄当り決定テーブルとを用いて、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。すなわち、普通図柄当り判定用乱数の値が普通図柄当り決定テーブルに設定されている判定値(当りに対応する判定値)のいずれかの一致する場合に、当りと判定する。当りと判定した場合には、普通図柄当りフラグをセットする。なお、CPU56は、遊技状態が低ベース状態であれば(時短フラグがセットされていなければ)、図15(A)に示されたテーブルを使用し、高ベース状態であれば(時短フラグがセットされていれば)、図15(B)に示されたテーブルを使用する。
CPU56は、ステップS401の普通図柄変動パターン設定処理において、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否か確認する。具体的には、時短フラグがセットされているか否か確認する。高ベース状態である場合には、普通図柄プロセスタイマに1.5秒に相当する値を設定する。低ベース状態である場合には、普通図柄プロセスタイマに10秒に相当する値を設定する。また、普通図柄通常処理で当りに決定されている場合(普通図柄当りフラグがセットされている場合)には、普通図柄の表示結果を当りにすることに決定されているとともに普通図柄の変動を開始することを示す普通図柄開始指定(当り)コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。普通図柄通常処理ではずれに決定されている場合には、普通図柄の表示結果をはずれにすることに決定されているとともに普通図柄の変動を開始することを示す普通図柄開始指定(はずれ)コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS402)に対応した値(具体的には「2」)に更新する。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、コマンド制御処理において演出制御コマンドを送信する。
CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動処理(ステップS402)に対応した値であるときに、普通図柄の可変表示(変動)を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマの値を1ずつ減算し、普通図柄プロセスタイマの値が0になると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止時処理(ステップS403)に対応した値(具体的には「3」)に更新する。なお、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止時処理に対応した値にする前に、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間(停止図柄を表示する時間)をセットする。
CPU56は、普通図柄停止時処理において、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、普通図柄プロセスタイマの値を−1する。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは、CPU56は、普通図柄当りフラグがセットされているか否か確認する。普通図柄当りフラグがセットされているときは、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間(5.8秒または1.8秒)に相当する値をセットする。また、CPU56は、可変入賞球装置(普通電動役物)15を開放状態にし、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS404)を示す値(具体的には「4」)に更新する。普通図柄当りフラグがセットされていないと判定したときは、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS400)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
CPU56は、普通電動役物開放中処理において、普通図柄プロセスタイマの値を1ずつ減算し、普通図柄プロセスタイマの値が0になると、可変入賞球装置(普通電動役物)15を閉鎖状態にする。そして、普通電動役物作動時間が5.8秒であった場合(1回の開放が行われる場合すなわち低ベース状態の場合)には、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS400)を示す値(具体的には「0」)に更新する。普通電動役物作動時間が1.8秒であった場合(3回の開放が行われる場合すなわち高ベース状態の場合)には、3回の開放が完了しているときには、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS400)を示す値に更新する。3回の開放が完了していないときには、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間(1.8秒)に相当する値をセットし、再び、可変入賞球装置15を開放状態にする。なお、CPU56は、可変入賞球装置15を直ちに開放状態にするのではなく、所定のインターバル時間が経過したときに開放状態にする。
図16は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が遊技制御用タイマ割込処理において実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS321)。また、特別図柄プロセスフラグの値に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄の表示結果が導出表示された後、大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口(第1大入賞口)を開放状態にする。または、モータ24を駆動して、大入賞口(第2大入賞口)を形成する可動部材76を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口(第2大入賞口)を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図17は、ステップS321の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認する(ステップS211A)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212A)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS211Bに移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213A)、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214A)。次いで、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことによる第1始動入賞時に対応して、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから所定の乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図18参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215A)。ステップS215Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
図18は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図18に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。RAMに形成されているとは、RAM内の領域であることを意味する。
次いで、CPU56は、入賞時判定処理を行う(ステップS216A)。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS217A)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする。その後、遊技制御用タイマ割込処理のコマンド制御処理において演出制御コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS211B)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212B)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213B)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214B)。
そして、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215B)。ステップS215Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時判定処理を行う(ステップS216B)。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS217B)。
図19は、入賞時判定処理(ステップS216A,S216B)を示すフローチャートである。入賞時判定処理において、CPU56は、まず、ステップS215A,S215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施の形態では、特別図柄および飾り図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時判定処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、飾り図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって飾り図柄の変動表示中に大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のN)、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態。高確率/高ベース状態と高確率/低ベース状態とを含む。)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS215A,S215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。なお、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している場合がある。そのため、始動入賞時にステップS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、ステップS215A,S215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS216Aの入賞時判定処理を実行する場合)には、図6(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(ステップS216Bの入賞時判定処理を実行する場合)には、図6(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)に設定する処理を行う(ステップS224)。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS225)。この実施の形態では、CPU56は、ステップS225において、遊技状態が高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否か(具体的には、確変フラグおよび時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にステップS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している場合がある。そのため、始動入賞時にステップS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU56は、ステップS225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(ステップS226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
なお、ステップS225の遊技状態の判定を行うことなく、常に通常状態(低確率/低ベース状態)における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「非リーチはずれ」となる変動パターン種別と「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「非リーチはずれ」や「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS223のY)、CPU56は、「小当り」となることを示すEXTデータ「07(H)」を図柄指定コマンド(図柄7指定コマンド)に設定する処理を行う(ステップS227)。次いで、CPU56は、小当り用の閾値を設定する(ステップS228)。このとき、CPU56は、図8(C)に示す小当り用変動パターン種別判定テーブル132Cの設定に対応して、閾値251を設定すればよい。なお、小当りである場合には、閾値判定を行うことなく、小当りに対応した変動カテゴリコマンドのEXTデータが設定されるようにしてもよい。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS215A,S215Bで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定する(ステップS229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があったとき(ステップS216Aの入賞時判定処理を実行するとき)には、図7(A)に示す大当り種別判定テーブル(第1始動入賞時)を用いて大当り種別が「15R通常大当り」、「2R確変大当り」、「見せかけ大当り」、「突然確変大当り」または「15R確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があったとき(ステップS216Bの入賞時判定処理を実行するとき)には、図7(B)に示す大当り種別判定テーブル(第2始動入賞時)を用いて大当り種別が「15R通常大当り」、「2R確変大当り」、「見せかけ大当り」、「突然確変大当り」または「15R確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。この場合、「15R通常大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「15R通常大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)に設定する処理を行う。また、「2R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「2R確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)に設定する処理を行う。また、「見せかけ大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)に設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「05(H)」を図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)に設定する処理を行う。また、「15R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「15R確変大当り」となることを示すEXTデータ「06(H)」を図柄指定コマンド(図柄6指定コマンド)に設定する処理を行う。そして、CPU56は、ステップS229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(ステップS231)。
次いで、CPU56は、ステップS226,S228,S231で設定した閾値と、ステップS215A,S215Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(ステップS232)。なお、ステップS226,S228,S231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図8,図9参照)を設定するようにし、ステップS232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(ステップS233)。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことに基づいて、後述する先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次に特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
なお、ステップS51において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認するのではなく、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ(図18参照)の1番目(第1保留記憶数=1または第2保留記憶数=1)の保存領域にデータが設定されているか否かを確認し、設定されていれば保留記憶があると判定してステップS52に移行し、設定されていなければ保留記憶がないと判定してステップS51Aに移行してもよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。つまり、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄保留記憶表示器(第1特別図柄保留記憶表示器18aまたは第2特別図柄保留記憶表示器18b)の点灯個数を1減らす(ステップS57)。また、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタまたは第2保留記憶数カウンタ)の値を1減らす(ステップS58)。また、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS59)。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当りにするか否か決定する。すなわち、大当り判定用乱数の値が大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値(図6(A)参照)のいずれかに一致するか否か判定する(ステップS61)。なお、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とを比較する処理)を行う。具体的には、CPU56は、現在の遊技状態に応じて、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、15R確変大当り、突確見せかけ大当りまたは突確大当りとすることに決定された後大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当りとすることに決定した場合には、ステップS65に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
ステップS61で、ランダムR(大当り判定用乱数)の値がいずれの大当り判定値にも一致しないことを確認した場合には、CPU56は、小当り判定テーブル(図6(B),(C)参照)を使用して小当り判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数の値が図6(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。ランダムRの値が小当り判定値に一致しない場合には、すなわち、はずれである場合には、ステップS73に移行する。なお、ステップS62の処理では、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図6(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図6(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。
そして、大当り判定用乱数の値がいずれかの小当り判定値に一致する場合には(ステップS62)、すなわち、小当りとすることに決定した場合には、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS73に移行する。
ステップS65では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS66)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図7(A)に示す第1始動入賞時の大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図7(B)に示す第2始動入賞時の大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「15R通常大当り」、「2R確変大当り」、「突確見せかけ大当り」、「突確大当り」、「15R確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS67)。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS68)。例えば、大当り種別が「15R通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、「2R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、「突確見せかけ大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、「突確大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定され、「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「05」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS73)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄である「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄である「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「15R通常大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。「2R確変大当り」に決定した場合には「9」を特別図柄の停止図柄に決定する。「突確見せかけ大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。「突確大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄である「2」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数に基づいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果に基づいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS74)。
図21は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132B(図8(A),(B)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132C(図8(C)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135C(図9(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS95)。そして、ステップS102に移行する。ステップS95の処理では、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。時短フラグがセットされていない場合には、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する。合算保留記憶数が3未満であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図9(A)参照)を選択する。合算保留記憶数が3以上である場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図9(B)参照)を選択する。時短フラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図9(C)参照)を選択する。なお、時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図9(C)参照)と、保留記憶数に基づく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図9(B)参照)は、異なるテーブルであってもよいし、共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS95で時短フラグがセットされていると判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図9(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94またはS95の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図10参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図11参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS104)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS105)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS107)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS108)。
なお、はずれと決定されている場合において、リーチに関わりなく変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果に基づいて、ステップS95,S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図9に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図9に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果に基づいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、入賞時判定処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」になるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチになるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果7指定のいずれかの表示結果指定コマンド(図12参照)を送信する制御を行う。例えば、大当りフラグがセットされているか否か確認し、セットされていない場合には、小当りフラグがセットされているか否かを確認する。小当りフラグがセットされている場合には、表示結果7指定コマンドを送信する制御を行う。小当りフラグもセットされていないときは、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別に応じた表示結果指定コマンド(表示結果2指定コマンド〜表示結果5指定コマンドのいずれか)を送信する制御を行う。そして、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。例えば、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。その後、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303)において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄の停止時柄を導出表示して、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図22および図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、特図確定表示タイマが作動中であるか否かを確認し(ステップS131A)、特図確定表示タイマが作動中である場合には、ステップS133に移行する。特図確定表示タイマが作動していない場合には、特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに特別図柄の停止図柄となる確定特別図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131B)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS131C)。
そして、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS132A)。時短フラグがセットされている場合には(ステップS132AのY)、遊技状態が時短制御(高開放制御)を実行する高確高ベース状態または低確高ベース状態であることに応じて、例えばRAM55の所定領域(遊技制御タイマ設定部など)に設けられた特図確定表示タイマに、0.5秒に対応するタイマ初期値を設定する(ステップS132B)。時短フラグがセットされていない場合には(ステップS132AのN)、確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS132C)。確変フラグがセットされている場合には(ステップS132CのY)、遊技状態が高確低ベース状態であることに応じて、0.6秒に対応するタイマ初期値を特図確定表示タイマに設定する(ステップS132D)。確変フラグがセットされていない場合には(ステップS132CのN)、遊技状態が低確低ベース状態であることに応じて、時短フラグがセットされているときや確変フラグがセットされているときよりも長い、0.8秒に対応するタイマ初期値を特図確定表示タイマに設定する(ステップS132E)。こうして、ステップS131Bの処理により確定特別図柄が導出表示された後に、ステップS132B、S132D、S132Eのいずれかにて設定された特図確定表示タイマがタイムアウトするまでは、タイマ割込みの発生に応じた特別図柄プロセス処理にて特別図柄停止処理が実行されるごとに、ステップS131Aにて特図確定表示タイマが作動中であると判定されることになる。すなわち、ステップS132B、S132D、S132Eの各処理で設定されたタイマ初期値に対応する特図確定表示時間が経過するまで、次の可変表示は開始されずに特別図柄が停止表示される。
このように、遊技状態が高確高ベース状態または低確高ベース状態であることに応じて時短制御(高開放制御)が行われるときには、特図確定表示時間として0.5秒が設定され(ステップS132B)、遊技状態が高確低ベース状態であるときには、特図確定表示時間として0.6秒が設定される(ステップS132D)。一方、遊技状態が低確低ベース状態であるときには、特図確定表示時間として0.8秒が設定される(ステップS132E)。したがって、時短制御(高開放制御)が行われる高確高ベース状態や低確高ベース状態であるときには、時短制御(高開放制御)が行われない高確低ベース状態や低確低ベース状態であるときよりも、特図確定表示時間が短くなり、変動効率を高めることができる。その一方で、時短制御(高開放制御)が行われない低確低ベース状態では、変動効率が低くなるため、特図ゲームが行われていない時間の発生や、このような時間の長期化を防止できる。なお、低ベース状態(高確低ベース状態と低確低ベース状態)である場合には、一律で特図確定表示時間として0.8秒が設定されるようにしてもよい。
なお、時短制御(高開放制御)が行われているか否かに応じて特図確定表示時間を異ならせるものに限定されず、第1特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるか、第2特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるかに応じて、特図確定表示時間を異ならせることで、変動効率を高めるようにしてもよい。一例として、ステップS131Cの処理を実行した後には、特別図柄ポインタに設定されているデータが「第1」と「第2」のいずれを示しているかを確認する。そして、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には、ステップS132Bの処理に移行して、特図確定表示時間として0.5秒を設定する。一方、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には、ステップS132Eの処理に移行して、特図確定表示時間として0.8秒を設定する。
ここで、時短制御(高開放制御)が実行される高ベース状態であるときには、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄を用いた特図ゲームが実行される頻度が高くなっている。したがって、第2特別図柄を用いた特図ゲームが実行された場合の特図確定表示時間を、第1特別図柄を用いた特図ゲームが実行された場合の特図確定表示時間と比べて短くなるように設定することで、時短制御(高開放制御)が行われる高ベース状態における変動効率を高めることができる。一方、時短制御(高開放制御)が行われない低ベース状態では、変動効率が低くなるため、特図ゲームが行われていない時間の発生や、このような時間の長期化を防止できる。加えて、第2特別図柄を用いた特図ゲームが、第1特別図柄を用いた特図ゲームよりも優先して実行されることで、時短制御(高開放制御)が行われる高ベース状態であるときの変動効率をさらに高めることができる。
あるいは、特別図柄ポインタの設定データや遊技状態以外でも、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であるかはずれ図柄であるかに応じて、異なる特図確定表示時間を設定してもよいし、大当り種別に応じて、異なる特図確定表示時間を設定してもよい。
また、特定の大当り種別に対応した大当り遊技状態が終了した後には、一般的な時短制御よりさらに特別図柄の変動時間が短縮される超時短制御が行われるようにしてもよい。なお、特定の大当り種別は、他の大当り種別(例えば「15R確変大当り」)よりも遊技者にとって有利度の低い大当り種別(例えば「突然確変大当り」)であってもよい。これにより、遊技者にとって有利度の低い「突然確変大当り」に対応する大当り遊技状態(短期開放大当り状態)が終了した後には、遊技者にとって有利度の高い「15R確変大当り」に対応する大当り遊技状態(通常開放大当り状態)が終了した後よりも、特図変動時間がさらに短縮される超時短制御が行われて変動効率が高められて、遊技意欲の低下を抑制することができる。このような超時短制御が行われるときには、時短制御が行われるときと比べて、特図確定表示時間が短くなるように設定してもよい。これにより、変動効率をさらに高めることができる。
ステップS131Aで特図確定表示タイマが作動中である場合には、特図確定表示タイマの値を−1する(ステップS133)。そして、CPU56は、例えば減算後の特図確定表示タイマの値が0になったか否かに対応して、特図確定表示時間が経過したか否かを確認する(ステップS134A)。経過していなければ処理を終了する。
特図確定表示時間が経過した場合には(ステップS134AのY)、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS134B)。大当りフラグがセットされている場合には、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットする(ステップS135A)。また、大当り開始時の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS135B)。具体的には、大当りの種別が15R通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が見せかけ大当りまたは突確大当りである場合には大当り開始3/小当り指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別は、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)によって判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS135C)。さらに、開放回数カウンタに開放回数(例えば、15)をセットする(ステップS135D)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS135E)。
ステップS134Bで大当りフラグがセットされていないことを確認した場合に、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS136A)。セットされている場合には、ステップS142に移行する。確変フラグがセットされていない場合に、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS136B)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態ではないが、時短状態である場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS137)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合に(ステップS139のY)、時短フラグをリセットする(ステップS140)。また、低ベース状態となったことに対応する遊技状態指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS141)。
ステップS142の処理として、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する。小当りフラグがセットされていない場合には、ステップS147に移行する。小当りフラグがセットされている場合に、CPU56は、小当り開始時の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS143)。具体的には、大当り開始3/小当り開始指定コマンドを送信する。また、大入賞口制御タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS144)。さらに、開放回数カウンタに開放回数(具体的には、2回)をセットする(ステップS145)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS146)。
ステップS147の処理として、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する。こうして、遊技状態が低確低ベース状態であることに対応して、図22に示されたステップS132Eの処理を実行した場合には、第1時間となる0.8秒に亘って特別図柄の可変表示結果を停止表示させた後に、次の可変表示を開始させることができる。一方、遊技状態が高確高ベース状態または低確高ベース状態であることに対応して、図22に示されたステップS132Bの処理を実行した場合には、第1時間よりも短い第2時間となる0.5秒に亘って特別図柄の可変表示結果を停止表示させた後に、次の可変表示を開始させることができる。
図24は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが動作中であるか否かを確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが動作中である場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが動作していない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、当り終了時に対応するコマンド(例えば大当り/小当り終了指定コマンドなど)を送信する制御を行う(ステップS162)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、大当りの種別が確変制御を行う確変ありの大当り(15R確変大当り、2R確変大当り、見せかけ大当りまたは突確大当り)であるか否かを確認する(ステップS166)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS68の処理で大当り種別バッファに設定されたデータによって判定される。確変大当りでない場合には、15R通常大当りであれば(ステップS170)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS171)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS172)。そして、ステップS173に移行する。
確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、2R確変大当り以外の場合には時短フラグをセットする(ステップS168)。そして、ステップS173に移行する。なお、この実施の形態では、2R確変大当りの場合には遊技状態を時短状態に移行させないが、2R確変大当りの場合に時短フラグをセットして時短状態に移行させるようにしてもよい。
ステップS166〜S170の処理が実行されることによって、この実施の形態では、確変大当りに基づく大当り遊技を終了するときに、2R確変大当り以外が発生した場合に確変状態(高確率状態)に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される(すなわち、高確率/高ベース状態に移行される)。2R確変大当り以外が発生した場合には、高確率/低ベース状態に移行される。
なお、この実施の形態では、ステップS168,S171の処理でセットされた時短フラグは、可変入賞球装置15の開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。また、時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
ステップS173では、CPU56は、現在の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンド(低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドまたは確変状態指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。ステップS173の処理で、CPU56は、時短状態(高ベース状態)であることを示す時短フラグがセットされている場合には、高ベース状態指定コマンドを送信する制御を行う。時短フラグがセットされていない場合には、低ベース状態指定コマンドを送信する制御を行う。また、確変状態(高確率状態)であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態指定コマンドを送信する制御を行う。確変フラグがセットされていない場合には、非確変状態指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技が終了する度に遊技状態指定コマンドを送信するが、例えば、遊技状態指定コマンドを送信しようとする前に、遊技状態が変化したか否かを判定し、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを送信するようにしてもよい。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS174)。
次に、演出制御基板80における動作を説明する。演出制御基板80では、電力供給が開始されると、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が、演出制御メイン処理となる所定の処理を実行する。演出制御メイン処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされたRAMのクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等をするための初期化処理が実行される。
その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する。そして、タイマ割込フラグの監視を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、乱数更新処理を繰り返し実行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアして、所定の演出制御処理を実行する。演出制御処理には、コマンド解析処理や、演出制御プロセス処理が含まれている。
コマンド解析処理は、主基板31から受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を含んでいる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存されている。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101が、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図12参照)であるのか解析する。
演出制御プロセス処理は、制御状態に応じた各プロセスのうち現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応して、演出表示装置9の表示制御を実行するために選択される処理等を含んでいる。
図25は、コマンド解析処理における受信コマンドに応じた処理内容を示す説明図である。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。演出制御用CPU101は、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって、受信コマンドバッファに受信コマンドが格納されているか否かを判定する。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、デモンストレーション画面を演出表示装置9に表示する。受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする。受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果7指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する。受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンドまたは大当り開始3/小当り開始指定コマンド)であれば、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグまたは大当り開始3/小当り開始指定コマンド受信フラグ)をセットする。受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンド受信フラグをセットする。受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグをセットする。受信した演出制御コマンドが大当り/小当り終了指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、大当り/小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが普通図柄変動開始指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグをセットする。演出制御用CPU101は、普通図柄変動開始指定(当り)コマンドを受信した場合には普通図柄変動開始指定(当り)コマンド受信フラグをセットし、普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンドを受信した場合には普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドをRAMに形成されている入賞時判定結果記憶バッファの空いている最初の保存領域に保存する(ステップS662)。
図26は、入賞時判定結果記憶バッファの具体例を示す説明図である。図26に示すように、入賞時判定結果記憶バッファには、合算保留記憶数の最大値(この例では8)に対応した領域(入賞時判定結果#1〜#8に応じた保存領域)が確保されている。なお、入賞時判定結果記憶バッファは、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMに形成されている。図19に示された入賞時判定処理や図17に示された始動口スイッチ通過処理におけるステップS217A,S217Bにて、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)が実質的に一括して送信される。入賞時判定結果記憶バッファにおいて各入賞時判定結果#1〜#8に応じた保存領域には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数加算指定コマンドを対応付けて保存できるように記憶領域が確保されていればよい。
演出制御用CPU101は、コマンド解析処理において、受信した順にコマンドを入賞時判定結果記憶バッファの空いている最初の保存領域内に格納していく。この実施の形態では、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数加算指定コマンドの順にコマンド送信が行われるので、コマンド受信が正常に行われれば、入賞時判定結果#1〜#8のそれぞれに応じた保存領域に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数加算指定コマンドの順に格納されていくことになる。
また、入賞時判定結果記憶バッファに格納されている各コマンドは、飾り図柄の変動表示を開始するごとに、飾り図柄の変動表示を開始するタイミングで後述する飾り図柄変動開始処理で1つ目の保存領域に格納されているものから削除され、入賞時判定結果記憶バッファの内容がシフトされる。コマンド受信を正常に行えず、例えば保留記憶数加算指定コマンドを受信し損なった場合には、本来、保留記憶数加算指定コマンドが格納されるべき保存領域の内容が「0000(H)」のままの状態となる。
始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数加算指定コマンド)の受信し損ないや不整合が発生した場合には、その始動入賞時のコマンドに対応する保留記憶の変動表示を消化するまで、先読み予告演出の設定が制限される。先読み予告演出の設定が制限される期間(以下、先読み予告演出設定制限期間ともいう)に受信して、その始動入賞時のコマンド受信のタイミングで先読み予告演出の設定処理がされなかったものに対しては、先読み予告演出の設定処理がされていないことを示す未判定情報が設定されてもよい。「先読み予告演出の実行を制限する」とは、先読み予告演出設定制限期間内に発生した始動入賞に対応する保留記憶に対して、全く先読み予告演出の設定を行わず先読み予告演出を実行しないことを意味するが、一部の態様の先読み予告演出の設定および実行を行わないようにしてもよい。
始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数加算指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。また、これら始動入賞時のコマンドのうち、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを認識可能な情報を指定するコマンドである保留記憶数加算指定コマンドを、包括的に表現する場合に、保留記憶情報ともいう。また、始動入賞時の入賞時判定処理(図19参照)で判定される大当りや小当りとなるか否か、大当り種別の判定結果、変動パターン種別の判定結果を示すコマンドである図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを、包括的に表現する場合に、入賞時判定結果指定コマンドや判定結果情報ともいう。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数カウンタの値または第2保留記憶数カウンタの値を+1する。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示(第1保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合)、または第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示(第2保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合)を更新する。具体的には、表示数を1増やす。なお、第1保留記憶数カウンタおよび第2保留記憶数カウンタは、RAMに形成されている。なお、第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドは、前述したように入賞時判定結果記憶バッファの保存領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが保存されている保存領域に保存される。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数カウンタの値または第2保留記憶数カウンタの値を−1する。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示(第1保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合)、または第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示(第2保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合)を更新する。具体的には、表示数を1減らす。
受信した演出制御コマンドが遊技状態指定コマンド(低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドまたは確変状態指定コマンド:図12参照)であれば、演出制御用CPU101は、RAMに確保されている遊技状態データの領域に、受信した遊技状態指定コマンドで特定される遊技状態に応じた値を設定する。以下、遊技状態データの領域に設定された値を遊技状態データという。例えば、低確率低ベース状態(非確変非時短状態)であるときには遊技状態データの値は「01(H)」である。低確率高ベース状態(非確変時短状態)であるときには遊技状態データの値は「02(H)」である。高確率低ベース状態(確変非時短状態)であるときには遊技状態データの値は「03(H)」である。高確率高ベース状態(確変時短状態)であるときには遊技状態データの値は「04(H)」である。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする。
図27は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図27に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、擬似連変動時仮停止図柄乱数SR2、第1所定演出パターン決定用乱数SR3−1、第2所定演出パターン決定用乱数SR3−2、予兆演出決定用乱数SR5および先読み予告演出決定用(擬似連中予告演出決定用)乱数SR6を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、飾り図柄の可変表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、飾り図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの飾り図柄のことである。なお、飾り図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
擬似連変動時仮停止図柄乱数SR2は、擬似連演出を伴う飾り図柄の変動中に仮停止表示させる図柄(仮停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。第1所定演出パターン決定用乱数SR3−1は、普図連動演出となる所定演出が実行されるときの所定演出パターン等を決定するために用いられる乱数である。第2所定演出パターン決定用乱数SR3−2は、特図連動演出となる所定演出が実行されるときの所定演出パターン等を決定するために用いられる乱数である。予兆演出決定用乱数SR5は、特図連動演出となる所定演出が実行されるときに予兆演出の演出態様を決定するために用いられる乱数である。
先読み予告演出決定用(擬似連中予告演出決定用)乱数SR6は、先読み予告演出や擬似連中予告演出の有無や演出態様を決定するために用いられる乱数である。
図28は、演出制御基板80に搭載される演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が演出制御メイン処理(演出制御処理)において実行する演出制御プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、まず、普図連動演出制御処理(ステップ810)および先読み予告決定処理(ステップS811)を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、飾り図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により飾り図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図29は、普図連動演出や特図連動演出となる所定演出の実行区間の一例を示す説明図である。「所定演出」は、特別図柄や飾り図柄の変動表示においてリーチ演出が実行されるか否か、または可変入賞球装置15が遊技球の進入(通過)しやすい状態(例えば、開放状態)に制御されるか否かを報知する演出である。また、この実施の形態では、所定演出において、所定の種類の当り(例えば、大当り)となる可能性が示唆される場合もある。所定演出においては、必ずしも、100%でリーチ演出が実行されることを報知したり、100%で可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを報知する必要はなく、リーチ演出が実行される可能性を示唆する報知をしたり、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御される可能性を示唆する報知をしたりするものであればよい。所定演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって実行される。
図29に示す例において、所定演出は、予兆演出、開始演出、報知用演出、結果報知演出の順に実行される。なお、予兆演出が実行される期間を第1期間といい、開始演出、報知用演出および結果報知演出が実行される期間を第2期間という。第1期間の演出(予兆演出)の実行が省略されることがあってもよい。また、第1期間の演出(予兆演出)が実行されても、第2期間の演出(開始演出、報知用演出および結果報知演出)が実行されないことがある。第1期間の演出(予兆演出)は、第2期間の演出(開始演出、報知用演出および結果報知演出)よりも前に実行されることから、「前段演出」ともいう。第2期間の演出(開始演出、報知用演出および結果報知演出)は、まとめて「報知演出」ともいう。所定演出において予兆演出を実行した後に報知演出を実行しない場合に、報知演出とは異なる発展演出が実行されることもある。
予兆演出は、遊技者に所定演出が開始されることを想起させるような所定態様の演出である。開始演出は、所定演出が開始されたことを遊技者に認識させるための演出である。報知用演出は、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを遊技者に期待させるような演出である。結果報知演出は、遊技者が可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されるか否かを想起可能な演出である。
所定演出は、普通図柄の変動表示の開始を契機として実行の有無や種類が決定される場合と、特別図柄や飾り図柄の変動表示の開始を契機として実行の有無や種類が決定される場合とがある。以下では、普通図柄の変動表示の開始を契機として実行される所定演出を「普図連動演出」といい、特別図柄や飾り図柄の変動表示の開始を契機として実行される所定演出を「特図連動演出」といって区別する場合がある。普図連動演出となる所定演出では、可変入賞装置15が開放状態となって遊技球が進入しやすくなるか否かを報知する演出などが実行可能となる。特図連動演出となる所定演出では、特別図柄の表示結果が大当りとなる可能性やスーパーリーチのリーチ演出といった特定のリーチ演出が実行される可能性などを報知する演出などが実行可能となる。
図30(A)は、所定演出パターンに応じた所定演出の内容を示す説明図である。この実施の形態では、複数種類の所定演出パターンSPA1〜SPA8が、予め用意されている。演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされたROMには、所定演出パターンSPA1〜SPA8を格納するための所定演出パターンテーブルが設けられていればよい。
所定演出パターンSPA1では、予兆演出を実行した後に、普通図柄や特別図柄がはずれとなることを報知する報知演出を実行する。所定演出パターンSPA2では、予兆演出を実行した後に、普通図柄が当りとなる「普通図柄当り」を報知する報知演出を実行する。所定演出パターンSPA3では、予兆演出を実行した後に、リーチ演出が実行される可能性が高いことなどを示唆する「チャンス」のメッセージを報知する報知演出を実行する。所定演出パターンSPA4では、予兆演出を実行した後に、特別図柄が大当りとなる可能性が高いことを示唆する「激熱」のメッセージを報知する報知演出を実行する。
このように、所定演出パターンSPA1〜SPA4では、予兆演出を実行した後に報知演出(開始演出、報知用演出および結果報知演出)を実行して、特別図柄や飾り図柄の変動表示においてリーチ演出が実行されるか否か、または可変入賞球装置15が遊技球の進入(通過)しやすい状態(例えば、開放状態)に制御されるか否か、または大当りとなる可能性などが示唆される。
所定演出パターンSPA5では、予兆演出を実行した後に、報知演出(第2期間の演出)や発展演出を実行せずに所定演出が終了する。すなわち、予兆演出のみが実行されて、所定演出が終了する。所定演出パターンSPA6では、予兆演出を実行した後に、報知演出を実行せず、リーチ演出が実行される可能性が高いことなどを示唆する「チャンス」のメッセージを報知する発展演出を実行する。所定演出パターンSPA7では、予兆演出を実行した後に、報知演出を実行せず、遊技者に付与される特典として2次元コードを表示する発展演出を実行する。所定演出パターンSPA8では、予兆演出を実行した後に、報知演出を実行せず、「モード移行」の先読み予告演出が実行されることを報知する発展演出を実行する。
このように、所定演出パターンSPA5〜SPA8では、予兆演出を実行した後に報知演出が実行されない。所定演出パターンSPA5では、発展演出も実行されない一方で、所定演出パターンSPA6〜SPA8では、発展演出が実行される。所定演出パターンSPA7により遊技者に特典を付与する発展演出や、所定演出パターンSPA8により演出モードが先読み予告モードに移行するモード移行予告の実行を報知する発展演出のように、報知演出とは異なる発展演出は「特定演出」ともいう。
所定演出パターンSPA7による発展演出で表示される2次元コードは、遊技者が所持する端末装置(携帯端末)で撮影することにより所定のデジタルコンテンツを取得するためのものであればよい。なお、遊技者に付与される特典は、遊技機において付与される所定の遊技価値とは異なり、遊技機における遊技の実行や進行とは直接関連しない演出上の価値となるものであればよい。遊技機において付与される遊技価値は、直接的には、賞球となる遊技球の払出しや、これに相当する得点の付与である。こうした遊技球や、その個数に対応する得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、遊技機で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
図30(A)に示すように、この実施の形態では、所定態様の演出となる予兆演出の後に、報知演出が実行されなくても、発展演出を実行(特定演出に発展)する可能性があるため、遊技の興趣を向上させることができる。また、発展演出後に実行されるリーチ演出と、発展演出が実行されることなく実行されるリーチ演出とは、大当りとなる期待度(信頼度)が異なるように定めておいてもよい。そのようにすることで、リーチ演出がどのように実行されるかについて遊技者に関心を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図30(B)は、予兆演出種別ごとの演出内容(演出態様)を示す説明図である。図30(B)に示す例では、予兆演出の種別として、予兆A、予兆Bおよび予兆Cが設けられている。これらの予兆演出は、例えば、演出表示装置9に表示される背景画像やキャラクタ画像が異なることで区別される。演出表示装置9の画面上における画像(背景画像やキャラクタ画像など)の表示態様を異ならせるものに限定されず、例えば、キャラクタ画像を表示する際にスピーカ27から出力される効果音や、枠LED28といった発光体の点灯態様、所定の演出用役物における動作態様などにより、予兆演出における演出態様が区別されてもよい。
図31は、所定演出パターンSPA1〜SPA4により報知演出が実行される所定演出の具体例を示す説明図である。図31(A)に示すように、演出表示装置9において左中右の飾り図柄が変動(可変表示)している状態で、演出表示装置9の表示画面にキャラクタ画像99aが現れる表示制御が実行される。そのような表示制御による演出が予兆演出に相当する。次いで、図31(B)に示すように、表示画面においてキャラクタがコインを回転させる演出のための画像を表示する制御が実行される。この表示制御による演出が開始演出に相当する。そして、図31(C)に示すように、報知用演出としてコインが回転する演出が開始される。
その後、所定演出パターンSPA1では、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されず、リーチ演出も実行されないことを報知する演出として、図31(D1)に示すように、「ハズレ」と描かれたコインの画像を表示する制御が実行される。所定演出パターンSPA2では、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを報知する演出として、図31(D2)に示すように、「開」と描かれたコインの画像を表示する制御が実行される。
図31(D2)に示すような「開」を報知する報知演出が実行されることにより、普通図柄の表示結果が当り(普通図柄当り)となり、可変入賞球装置15が開放状態(遊技球が第2始動入賞口14に進入しやすい状態)となることを遊技者が認識可能に報知する。こうした可変入賞球装置15が開放状態となることの報知は、例えば図15(A),(B)に示すような普通電動役物開放時間の設定に基づいて、可変入賞球装置15を閉鎖状態(閉状態)から開放状態(開状態)に変化させる制御が行われる期間が終了するまで、実行されるようにしてもよい。なお、図15(A),(B)に示すような普通電動役物開放時間の設定に基づいて報知の実行期間を決定するものに限定されず、例えば主基板31から送信される所定の演出制御コマンドに基づいて、報知の実行期間が決定されるように構成されてもよい。
所定演出パターンSPA3では、リーチ演出が実行される可能性が高いことなどを示唆する演出として、図31(D3)に示すように、「チャンス」と描かれたコインの画像を表示する制御が実行される。所定演出パターンSPA4では、表示結果が大当りとなる可能性が高いことなどを示唆する演出として、図31(D4)に示すように、「激熱」と描かれたコインの画像を表示する制御が実行される。これらの図31(D1)〜(D4)に示すような表示制御がなされる期間が結果報知演出の期間に相当する。
図32は、所定演出パターンSPA5により報知演出が実行されず、発展演出も実行されない所定演出の具体例を示す説明図である。図31に示された例と同様に、所定演出パターンSPA5においても、図32(A)に示すように、演出表示装置9において左中右の飾り図柄が変動(可変表示)している状態で、演出表示装置9の表示画面にキャラクタ画像99aが現れる表示制御が実行される。一方、所定演出パターンSPA5では、図31に示された例とは異なり、図32(B)〜(D)に示すように、表示画面内でキャラクタ画像99aが横切る表示制御が実行され、報知演出も発展演出も実行されずに所定演出が終了する。なお、図32(A)〜(C)に示される表示制御による演出が予兆演出に相当する。
図33は、所定演出パターンSPA6〜SPA8により報知演出が実行されず、発展演出が実行される所定演出の具体例を示す説明図である。図31や図32に示された例と同様に、所定演出パターンSPA6〜SPA8においても、図33(A)に示すように、演出表示装置9において左中右の飾り図柄が変動表示(可変表示)している状態で、演出表示装置9の表示画面にキャラクタ画像99aが現れる表示制御が実行される。そして、図33(B),(C)に示すように、表示画面内でキャラクタ画像99aが横切る表示制御が実行される。
その後、所定演出パターンSPA6では、発展演出として、図33(D1)に示すように、一旦は表示画面から消えたキャラクタ画像99aが、「チャンス」と描かれた画像とともに現れる表示制御が実行される。所定演出パターンSPA7では、発展演出として、図33(D2)に示すように、一旦は表示画面から消えたキャラクタ画像99aが、2次元コードが描かれた画像とともに現れる表示制御が実行される。所定演出パターンSPA8では、発展演出として、図33(D3)に示すように、一旦は表示画面から消えたキャラクタ画像99aが、「モードチェンジ」と描かれた画像とともに現れる表示制御が実行される。このときには、モード移行予告が実行されて、例えば「チャンスモード」といった先読み予告モードに移行する。これらの図33(D1)〜(D3)に示すような表示制御がなされる期間が発展演出の期間に相当する。
所定演出パターンSPA6〜SPA8による所定演出では、予兆演出のみが実行される所定演出パターンSPA5の場合と途中まで同じ演出が行われるものの、その後に発展演出が実行される。したがって、予兆演出の後に報知演出が実行されなくても、特定演出に発展する可能性があるため、遊技の興趣を向上させることができる。
図34および図35は、演出制御プロセス処理において実行される普図連動演出制御処理(ステップS810)の一例を示すフローチャートである。普図連動演出制御処理では、所定の条件が成立すると、普図連動演出として所定演出を実行するための制御が行われる。普図連動演出制御処理において、演出制御用CPU101は、普図連動演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS731)。普図連動演出実行中フラグは、普図連動演出として所定演出の実行が開始されるときにセットされる。普図連動演出実行中フラグがセットされていない場合には、特図連動演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS732)。特図連動演出実行中フラグは、特図連動演出として所定演出の実行が開始されるときにセットされる。
ステップS732にて特図連動演出実行中フラグがセットされていない場合に、演出制御用CPU101は、次変動ありフラグ(次に開始される特別図柄および飾り図柄の変動中に所定演出を実行することに決定されていることを示すフラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS741)。次変動ありフラグがセットされている場合には、ステップS761に移行する。
次変動ありフラグがセットされていない場合に、演出制御用CPU101は、未変動期間計測タイマ(特別図柄および飾り図柄の変動(可変表示)が開始されない期間を計測するためのタイマ)が動作停止中(0である)か否か確認する(ステップS742)。未変動期間計測タイマが動作停止中である場合には、ステップS751に移行する。なお、特別図柄の変動と飾り図柄の変動とは同期しているので、以下、特別図柄の変動を例にして説明を行う。
未変動期間計測タイマが動作中である場合に、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動が開始されたか否か確認する(ステップS743)。特別図柄の変動が開始されたか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動開始処理または飾り図柄変動中処理に対応する値であるか否かによって判定される。特別図柄の変動が開始された場合にはステップS771に移行する。
特別図柄の変動が開始されていない場合に、演出制御用CPU101は、未変動期間計測タイマの値を−1する(ステップS744)。そして、未変動期間計測タイマの値が0になったときにはステップS771に移行する(ステップS745)。未変動期間計測タイマの値が0でない場合には、処理を終了する。
ステップS751において、演出制御用CPU101は、普通図柄変動開始指定コマンド(普通図柄変動開始指定(当り)コマンドまたは普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド)を受信したか否か確認する。普通図柄変動開始指定コマンドを受信したか否かは、普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグ(普通図柄変動開始指定(当り)コマンド受信フラグまたは普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド受信フラグ)がセットされているか否かにより判定することができる。普通図柄変動開始指定コマンドを受信していない場合には、処理を終了する。
普通図柄変動開始指定コマンドがセットされている場合に、演出制御用CPU101は、遊技状態データが、高ベース状態を示す値になっているか否か確認する(ステップS752)。遊技状態データは、主基板31から伝送された確変状態指定コマンド(図12参照)を受信したときに、高ベース状態を示す値が設定される。高ベース状態を示す値になっている場合には、処理を終了する。
高ベース状態を示す値になっていない場合に、演出制御用CPU101は、大当り遊技状態であるか否か確認する(ステップS753)。大当り遊技状態であるか否かは、例えば演出制御プロセスフラグの値で確認される。その場合、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値が4以上であるときに大当り遊技状態であるとする。大当り遊技状態である場合には、処理を終了する。
大当り遊技状態でない場合に、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動中であるか否か確認する(ステップS755)。特別図柄の変動中であるか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理または飾り図柄変動停止処理に対応する値であるか否かによって判定される。特別図柄の変動中でない場合には、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動が停止(終了)してから1分以上経過しているか否か確認する(ステップS757)。
なお、例えば、特別図柄の変動が終了してからの時間を計測するためのタイマを用意し、そのタイマの計測値を確認することによって、ステップS757の判定処理が実現される。特別図柄の変動が終了してから1分以上経過している場合には処理を終了する。特別図柄の変動が終了してからの時間が1分未満である場合には、ステップS759に移行する。
また、特別図柄の変動が終了してから1分以上経過している場合に処理を終了することは、遊技者が特別図柄の変動が終了してから暫くの間遊技を継続することを考慮するためである。すなわち、この実施の形態では、低ベース状態における普通図柄の変動時間は10秒であり(図15(A)参照)、ゲート通過記憶数(普通図柄保留数)の上限値は4であるから、[4×10秒]よりもやや多い時間が経過するまでは、ステップS759の処理を実行した方がよいと考えられるからである。
特別図柄の変動中である場合に、演出制御用CPU101は、変動開始から所定時間(この例では、11.5秒)経過しているか否か確認する(ステップS758)。所定時間が経過している場合には、処理を終了する。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチ演出が実行されることになる変動パターンによって飾り図柄の変動(可変表示)が実行されときには、変動開始から11.5秒後にスーパーリーチ演出が開始される。したがって、ステップS758の処理において11.5秒が経過している場合にステップS759の処理を実行しないようにすることで、スーパーリーチ演出が開始された後には普図連動演出として所定演出が実行されないように制限する。
所定時間が経過していない場合に、演出制御用CPU101は、所定演出に関する決定を行う(ステップS759)。そして、ステップS764に移行する。なお、変動開始からの経過時間は、例えば、変動時間タイマ(図39および図48参照)の値によって判定される。
所定演出に関する決定を行うステップS759の処理は、普図連動演出として所定演出を実行するか否か決定する処理であるが、演出制御用CPU101は、その処理において、例えば図36に示す普図連動演出決定テーブルを使用する。演出制御用CPU101は、ステップS759の処理において、第1所定演出パターン決定用乱数SR3−1(図27参照)を抽出し、抽出した乱数SR3−1の値が所定演出を実行する場合の所定演出パターンに対応する判定値のいずれかと一致した場合に、所定演出を実行することに決定する。なお、演出制御用CPU101は、普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド受信フラグがセットされている場合には、普図連動演出決定テーブルにおける「普通図柄はずれ」に関する判定値を使用し、普通図柄変動開始指定(当り)コマンド受信フラグがセットされている場合には、普図連動演出決定テーブルにおける「普通図柄当り」に関する判定値を使用する。また、演出制御用CPU101は、ステップS759の処理を実行したら、普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグをリセットしておく。
図36に示す普図連動演出決定テーブルにおいて、普通図柄の表示結果が「普通図柄はずれ」の場合には、普図連動演出を実行しない演出実行なし、所定演出パターンSPA1および所定演出パターンSPA5のいずれかに、判定値が割り振られている。また、普通図柄の表示結果が「普通図柄当り」の場合には、普図連動演出を実行しない演出実行なし、所定演出パターンSPA2および所定演出パターンSPA5のいずれかに、判定値が割り振られている。したがって、普図連動演出として、所定演出パターンSPA1による所定演出が実行され、予兆演出に続いて、例えば図31(D1)に示されたように「ハズレ」を報知する報知演出が実行された場合には、普通図柄の表示結果がはずれ(普通図柄はずれ)となる。また、普図連動演出として、所定演出パターンSPA2による所定演出が実行され、予兆演出に続いて、例えば図31(D2)に示されたよう「開」を報知する報知演出が実行された場合には、普通図柄の表示結果が当り(普通図柄当り)となる。さらに、普図連動演出として、所定演出パターンSPA5による所定演出が実行されて、予兆演出のみが実行され、報知演出も発展演出も実行されないことがある。
ステップS761において、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動が開始されたか否か確認する。特別図柄の変動が開始されたか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値によって判定される。特別図柄の変動が開始されていない場合には、演出短縮用タイマ(所定演出の演出期間の短縮の程度を決定するためのタイマ)の値を+1する(ステップS762)。特別図柄の変動が開始された場合には、ステップS771に移行する。
ステップS764において、演出制御用CPU101は、普図連動演出として所定演出を実行することに決定されているか否か確認する。なお、ステップS759の処理で普図連動演出となる所定演出を実行することに決定される。普図連動演出を実行することに決定されていない演出実行なしの場合には、処理を終了する。
普図連動演出となる所定演出を実行することに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動中であるか否か確認する(ステップS765)。特別図柄の変動中であるか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理または飾り図柄変動停止処理に対応する値であるか否かによって判定される。特別図柄の変動中でなければ、ステップS770に移行する。特別図柄の変動中である場合に、演出制御用CPU101は、変動パターンがリーチにもならない非リーチはずれであるか否か確認する(ステップS766)。変動パターンがリーチ演出を含む場合には、ステップS771に移行する。
変動パターンがリーチにもならない非リーチはずれである場合に、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動の残り時間(例えば図39および図48に示す変動時間タイマの値で特定される)が普通図柄の変動時間(例えば10秒:可変入賞球装置が遊技球が進入しやすい状態に制御されるまでの期間に相当)よりも短いか否か確認する(ステップS767)。短くない場合には、ステップS771に移行する。なお、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動の残り時間が、普通図柄の変動時間より短い所定時間(例えば、3秒)よりも短いか否か確認するようにしてもよい。
特別図柄の変動の残り時間が短い場合には、演出制御用CPU101は、保留記憶がある(少なくとも第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値とのいずれかが0でない)か否か確認する(ステップS768)。保留記憶がない場合には、ステップS771に移行する。保留記憶がある場合に、演出制御用CPU101は、次変動ありフラグをセットする(ステップS769)。
ステップS770において、演出制御用CPU101は、未変動期間計測タイマに所定の時間(この例では、3秒)に相当する値を設定する。
ステップS771において、演出制御用CPU101は、次変動ありフラグがセットされているか否か確認する。次変動ありフラグがセットされている場合には、演出短縮用タイマの値(ステップS741,S761,S762参照)に応じて演出期間を短縮する(ステップS772)。具体的には、図29に示された所定演出の期間から演出短縮用タイマの値を減算した期間を所定演出の演出期間とする。短縮される期間は、図29に示された結果報知演出の期間であればよい。
次変動ありフラグがセットされていない場合に、演出制御用CPU101は、未変動期間計測用タイマの値(ステップS742,S743,S744参照)が0になっているか否か確認する(ステップS773)。未変動期間計測用タイマの値が0になっていない場合には、演出制御用CPU101は、未変動期間計測用タイマの値に応じて演出期間を短縮する(ステップS774)。具体的には、図29に示された所定演出の期間から未変動期間計測用タイマの値を減算した期間を所定演出の演出期間とする。短縮される期間は、図29に示された結果報知演出の期間であればよい。
ステップS765の処理により特別図柄の変動中ではないと判定された場合に、ステップS770の処理にて未変動期間計測タイマに所定の時間に相当する値を設定して、次回以降のタイマ割込みが発生したときに未だ特別図柄の変動表示が開始されていなければ、ステップS744の処理にて未変動期間計測タイマの値が−1される。そして、未変動期間計測タイマの値が0になったときや、その値が0になるより前に特別図柄の変動表示が開始されたときには、ステップS771以降の処理が実行されて、普図連動演出となる所定演出の実行が開始される。こうして、特別図柄の変動表示が実行されていないときに普図連動演出となる所定演出を実行する場合には、特別図柄の変動表示が開始されるタイミングに基づいて所定演出の実行が開始される。ここで、「特別図柄の変動表示が開始されるタイミングに基づいて」とは、特別図柄の変動表示が開始されるタイミングそのものとなる場合(未変動期間計測タイマの値が0となるより前に特別図柄の変動表示が開始された場合)と、特別図柄の変動表示が開始されずに所定の時間(例えば、3秒)が経過したタイミングとなる場合とを含み、特別図柄の変動表示が開始されたか否かにより何らかの影響を受けることを意味している。
未変動期間計測用タイマの値が0である(未変動期間計測用タイマがタイムアウトしている)場合に、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動中であるか否か確認する(ステップS775)。特別図柄の変動中である場合に、演出制御用CPU101は、第2期間(図29参照)から所定演出を開始させる設定を行う(ステップS776)。特別図柄の変動中でない場合に、演出制御用CPU101は、第1期間(図29参照)から所定演出を開始させる設定を行う(ステップS777)。
次いで、演出制御用CPU101は、普図連動演出タイマに、設定された演出期間に応じた時間に対応する値をセットする(ステップS778)。そして、演出制御用CPU101は、普図連動演出となる所定演出を開始する(ステップS779)。所定演出は、一例として、所定のプロセステーブルに設定されているデータに従って演出制御を実行することによって実現される。その場合、演出制御用CPU101は、ステップS779の処理で、決定された所定演出パターンや演出期間に応じたプロセステーブルを選択し、選択したプロセステーブルに設定されているデータを用いて演出表示装置9の表示制御等を開始する。なお、各プロセステーブルは、あらかじめROMに格納されている。普図連動演出を開始したことに対応して、演出制御用CPU101は、普図連動演出実行中フラグをセットする(ステップS780)。
図37は、演出制御プロセス処理において実行される先読み予告決定処理(S811)の一例を示すフローチャートである。先読み予告決定処理において、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファに保存されている最新の始動入賞時のコマンドをチェックして(ステップS501)、いずれかの受信コマンドがあるか否か確認する(ステップS502)。新たな受信コマンドがない場合には、処理を終了する。
新たな受信コマンドがある場合には、いずれかの先読み予告演出を既に実行されている否か確認する(ステップS503)。なお、ステップS503の処理では、特殊図柄予告、保留表示予告、モード移行予告といった先読み予告演出のいずれかが既に実行されているか否かを判定してもよい。あるいは、特殊図柄予告またはモード移行予告といった一部の先読み予告演出が既に実行されているか否かを判定する一方、保留表示予告については判定を行わず、重複して実行可能としてもよい。既に先読み予告演出を実行している場合にはステップS517に移行する。
未だ先読み予告演出が実行されていない場合に、演出制御用CPU101は、先読み予告制限があるか否か確認する(ステップS504)。例えば、既に受信した始動入賞時のコマンドのうちに受信し損ないや不整合が発生した場合には、そのコマンドに対応する可変表示が開始されるまで、先読み予告演出の実行が制限される。また、遊技状態データが高ベース状態を示す場合や、遊技状態が大当り遊技状態である場合にも、先読み予告演出の実行が制限されてもよい。先読み予告制限がある場合にはステップS517に移行する。
先読み予告制限がない場合に、演出制御用CPU101は、受信コマンドの順序と内容をチェックして(ステップS505)、始動入賞時のコマンドを順番通り全て正常に受信したか否か確認する(ステップS506)。始動入賞時のコマンドとしては、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数加算指定コマンドが1タイマ割込内に一括して主基板31から送信される。入賞時判定結果記憶バッファの保存領域には、MODEデータがそれぞれ「C4(H)」、「C6(H)」、「C0(H)」または「C1(H)」であるコマンドが格納されているはずである(図12参照)。したがって、演出制御用CPU101は、これらのうちいずれかのMODEデータが格納されていなければ、ノイズやMODEデータのデータ化けなどの原因によりコマンドの受信し損ないが発生し、コマンドを正しく受信できなかったと判断できる。
始動入賞時には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数加算指定コマンドの順番に受信するはずである。そのため、入賞時判定結果記憶バッファの保存領域には、MODEデータが「C4(H)」、「C6(H)」、「C0(H)」または「C1(H)」であるコマンドの順番に格納されているはずである。したがって、演出制御用CPU101は、これらのMODEデータが全て格納されていても、順番が異なっていれば(例えば、「C4(H)」よりも前に「C6(H)」が格納されていれば)、ノイズやMODEデータのデータ化けなどの原因によりコマンドを正しく受信できなかったと判断できる。
また、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドは、一定の対応関係を有している。具体的には、図柄指定コマンドとしてはずれを指定する図柄1指定コマンド(C401(H))が保存されている場合には、変動カテゴリコマンドとしてはずれに対応した変動カテゴリを示すコマンドのいずれかが保存されているはずである。それにもかかわらず、大当りや突確見せかけ大当り、突然確変大当り、小当りに対応した変動カテゴリを示すコマンドが保存されていた場合に、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合せず矛盾があると判断できる。
なお、保留記憶数加算指定コマンドとともに合算保留記憶数を示すコマンドが送信される場合には、それぞれのコマンドの内容が整合しているか否か確認してもよい。具体的には、第1始動入賞口13への始動入賞があったことに対応する第1保留記憶数加算指定コマンドや第2始動入賞口14への始動入賞があったことに対応する第2保留記憶数加算指定コマンドが保存されているにもかかわらず、合算保留記憶数が0であることを示すコマンドが保存されている場合に、演出制御用CPU101は、保留記憶数を示すコマンドの内容が整合せず矛盾があると判断できる。
受信した始動入賞時のコマンドが順番通りでなかったり一部が欠落していたり内容が整合せず矛盾があったりするために、正常に受信しなかったと判断した場合にはステップS517に移行する。始動入賞時のコマンドを順番通りに全て正常に受信したと判断した場合に、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファの保存領域に保存されている変動カテゴリコマンドを全て読み取り、1つ前までの始動入賞に対する入賞時判定結果から先読み予告演出を実行可能であるか否か確認する(ステップS508)。例えば、保存されている変動カテゴリコマンドが全て非リーチCA2−1の変動パターン種別を示すものであれば、先読み予告演出を実行可能であると判定する。一方、非リーチCA2−1の変動パターン種別を示す変動カテゴリコマンド以外の変動カテゴリコマンドが保存されている場合には、先読み予告演出を実行可能でないと判定する。また、特別図柄が変動を停止しているときに、変動カテゴリコマンドが1つしか保存されていない場合には、先読み予告演出を実行可能でないと判定してもよい。先読み予告演出を実行可能でない場合にはステップS517に移行する。
先読み予告演出を実行可能である場合に、演出制御用CPU101は、先読み予告演出の有無と種別を決定する(ステップS509)。演出制御用CPU101は、例えば図38に示す先読み予告演出決定テーブルを使用して、先読み予告演出を実行するか否かや、実行する場合における演出種別(特殊図柄予告、保留表示予告およびモード移行予告のいずれか)を決定する。演出制御用CPU101は、ステップS509の処理において、先読み予告演出決定用乱数SR6(図27参照)を抽出し、抽出した乱数SR6の値が先読み予告演出を実行する場合の演出種別に対応する判定値のいずれかと一致した場合に、先読み予告演出を実行することに決定する。図38に示す先読み予告演出決定テーブルにおいて、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれや大当りとなる場合には、スーパーリーチ以外のはずれとなる場合と比べて、先読み予告演出を実行することに決定される割合が高くなる。こうした設定により、先読み予告演出が実行されたときには、スーパーリーチのリーチ演出が実行される可能性や表示結果が大当りとなる可能性が高くなる。
また、入賞時判定結果が大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれやスーパーリーチ以外のはずれとなる場合と比べて、先読み予告演出を実行することに決定される割合が高くなる。特に、先読み予告演出の演出種別が「モード移行」に決定される割合は、入賞時判定結果が大当りとなる場合には十分に高くなる。これにより、モード移行予告が実行されたときには、実行されないときよりも高い割合で、表示結果が大当りとなる。入賞時判定結果がスーパーリーチ以外のはずれとなる場合には、先読み予告演出の演出種別が「モード移行」には決定されない(判定値数が0となる)。したがって、モード移行予告が実行されたときには、予告対象となる可変表示においてスーパーリーチのリーチ演出が実行されること、または表示結果が大当りとなることが確定する。
ステップS509の処理による決定に基づいて、先読み予告演出を実行しない「予告なし」であるか否か確認する(ステップS510)。予告なしである場合にはステップS517に移行する。先読み予告演出を実行する場合に、演出制御用CPU101は、保留表示予告を実行するか否か確認する(ステップS511)。保留表示予告を実行しない場合にはステップS514に移行する。保留表示予告を実行する場合に、演出制御用CPU101は、保留表示予告の演出態様に対応した保留表示予告パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS512)。一例として、演出制御用CPU101は、保留表示予告パターンを決定するための使用テーブルとして、予め用意された保留表示予告パターン決定テーブルを選択してセットする。保留表示予告パターン決定テーブルでは、予告対象となる可変表示に対応する始動入賞の発生に基づいて指定された入賞時判定結果などに応じて、保留表示予告パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、複数の保留表示予告パターンなどに割り当てられていればよい。演出制御用CPU101は、保留表示予告パターン決定用乱数を抽出し、抽出された乱数の値に基づいて、保留表示予告パターン決定テーブルを参照することにより、保留表示予告パターンを決定すればよい。
ステップS512の処理を実行した後には、保留表示予告パターンの決定結果に基づいて、演出表示装置9の合算保留記憶表示部における保留表示を、通常時とは異なる特殊態様で1つ増加させる予告更新制御を行う(ステップS513)。こうして、保留表示予告が実行されるときには、合算保留記憶表示部における保留表示が、通常時とは異なる形状、模様もしくは色彩、または、これらの結合により、1つ増加するように更新されればよい。
ステップS514において、演出制御用CPU101は、先読み予告演出の総実行回数を設定する。例えば、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行されることに対応して、先読み予告演出の演出種別が「特殊図柄」に決定されたときは、予告対象となる可変表示が第2特別図柄の変動表示であれば、第2保留記憶数を−1した変動表示の実行回数を、先読み予告演出の総実行回数として設定すればよい。一方、予告対象となる可変表示が第1特別図柄の変動表示であれば、合算保留記憶数を−1した変動表示の実行回数を、先読み予告演出の総実行回数として設定すればよい。また、先読み予告演出の演出種別が「モード移行」に決定されたときは、第2保留記憶数や合算保留記憶数を−1することなく、先読み予告演出の総実行回数として設定すればよい。
また、演出制御用CPU101は、先読み予告カウンタのカウント初期値として「0」を設定する(ステップS515)。続いて、先読み予告実行設定情報となる所定情報を、例えばRAMの所定領域に格納して記憶させる(ステップS516)。先読み予告実行設定情報は、先読み予告演出の演出種別が「特殊図柄」と「モード移行」のいずれであるかを示す情報や、先読み予告演出の総実行回数を示す情報などを、含んで構成されればよい。また、先読み予告実行設定情報には、予告対象となる可変表示が保留記憶されるときに指定された入賞時判定結果を示す情報が、含まれてもよい。さらに、先読み予告実行設定情報には、予告対象となる可変表示が第1特別図柄の変動表示であるか第2特別図柄の変動表示であるかを示す情報が、含まれてもよい。その後にはステップS517に移行する。
ステップS517において、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の合算保留記憶表示部における保留表示を、通常時の表示態様で1つ増加させる通常更新制御を行う。例えば、第1保留記憶数加算指定コマンドを受信したときには、合算保留記憶表示部にて通常非表示(透明色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている表示部位のうち左端の表示部位)に丸形の表示画像を所定の表示色(青色など)で表示させる。一方、第2保留記憶数加算指定コマンドを受信したときには、合算保留記憶表示部にて通常非表示(透明色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている表示部位のうち左端の表示部位)に星形の表示画像を所定の表示色で表示させる。
図39は、図28に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)の一例を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS601)。また、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)を読み出す(ステップS602)。そして、演出制御用CPU101は、読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンドに応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS603)。そして、決定した停止図柄をRAMに記憶する(ステップS604)。
ステップS603において、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが15R通常大当りまたは15R確変大当りを示している場合に(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドまたは表示結果6指定コマンドである場合)、停止図柄として3図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。ただし、受信した表示結果指定コマンドが15R通常通常大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)は、停止図柄として、偶数図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが15R確変大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果6指定コマンドである場合)は、停止図柄として、奇数図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。
具体的には、15R通常大当りまたは15R確変大当りにすることに決定されている場合には、SR1−1を抽出し、SR1−1を用いて左中右の停止図柄(左中右の図柄が揃った飾り図柄の組合せ)を決定する。15R通常大当りにすることに決定されているときには、決定された図柄が奇数図柄であった場合には、例えば1つずらした図柄を停止図柄にする。また、15R確変大当りにすることに決定されているときには、決定された図柄が偶数図柄であった場合には、例えば1つずらした図柄を停止図柄にする。
受信した表示結果指定コマンドが2R確変大当り、突確見せかけ大当り、突確大当りまたは小当りを示している場合に(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンド、表示結果4指定コマンド、表示結果5指定コマンドまたは表示結果7指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄としてチャンス目である「135」の組合せを決定する。
はずれの場合には、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する(下記の擬似連のチャンス目を除く。)。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。
具体的には、演出制御用CPU101は、例えば、はずれ図柄にすることに決定されていない場合であって、かつ、リーチすることに決定されていない場合には、SR1−1〜SR1−3を抽出し、SR1−1を用いて左図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定し、SR1−3を用いて右図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合には、SR1−1〜SR1−2を抽出し、SR1−1を用いて左右図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定する。なお、決定された左中右図柄がチャンス目であった場合には、例えば、左図柄を1図柄ずらす。
また、ステップS603では、擬似連演出における仮停止図柄として、チャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)が決定される。
続いて、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファの1つ目の保存領域(入賞時判定結果#1に応じた保存領域)に保存されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数加算指定コマンド)を削除し、入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする(ステップS605)。
そして、演出制御用CPU101は、先読み予告設定処理を実行する(ステップS606)。また、特図連動演出決定処理を実行する(ステップS606A)。加えて、擬似連中予告演出を決定する(ステップS606B)。その後、演出制御用CPU101は、特図連動演出として所定演出を実行することに対応して特図連動演出実行中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS607)。特図連動演出実行中フラグがセットされていない場合にはステップS610に移行する。
特図連動演出実行中フラグがセットされている場合に、演出制御用CPU101は、第1期間(図29参照)から特図連動演出となる所定演出を開始させる設定を行う(ステップS608)。また、特図連動演出となる所定演出と変動パターンとに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS609)。
ステップS610において、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する。
その後、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS611)。また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS612)。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS613)。その後、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS614)。
プロセステーブルは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)の組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。例えば、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されていればよい。
プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや演出種類に応じて用意されている。また、大当りの報知に関する演出や大当り遊技中の演出を実行するためのプロセステーブルも用意されている。なお、飾り図柄の変動に関わる画像データは、プロセステーブルには設定されていなくてもよい。この場合、飾り図柄の変動自体は、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、演出制御用CPU101によりプロセステーブルを使用せずに直接制御されるようにすればよい。演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
図40は、飾り図柄変動開始処理において実行される先読み予告設定処理(ステップS606)の一例を示すフローチャートである。先読み予告設定処理において、演出制御用CPU101は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされたRAMの所定領域に先読み予告実行設定情報の記憶があるか否か確認する(ステップS701)。先読み予告実行設定情報の記憶がない場合には処理を終了する。先読み予告実行設定情報の記憶がある場合に、演出制御用CPU101は、先読み予告カウンタの値を+1する(ステップS702)。
次いで、演出制御用CPU101は、例えば先読み予告実行設定情報から特定される先読み予告演出の演出種別に対応して、特殊図柄予告が実行されるか否か確認する(ステップS703)。特殊図柄予告が実行されない場合にはステップS707に移行する。特殊図柄予告が実行される場合に、演出制御用CPU101は、開始条件が成立した今回の可変表示において最終停止表示される飾り図柄の表示結果(停止図柄)の一部または全部を、通常時における飾り図柄とは異なる特殊な飾り図柄、あるいはチャンス目図柄として予め定められた組合せの飾り図柄に、差し替える(ステップS704)。
そして、演出制御用CPU101は、先読み予告カウンタの値が先読み予告演出の総実行回数に達したか否か確認する(ステップS705)。先読み予告演出の総実行回数に達していない場合には処理を終了する。先読み予告演出の総実行回数に達した場合に、演出制御用CPU101は、RAMの所定領域における先読み予告実行設定情報の記憶を消去する(ステップS706)。
ステップS707において、演出制御用CPU101は、先読み予告カウンタの値が1であるか否か確認する。先読み予告カウンタの値が1以外である場合にはステップS709に移行する。先読み予告カウンタの値が1である場合に、演出制御用CPU101は、遊技機における演出状態を通常時とは異なる先読み予告モード(図33(D3)の下方に示されたチャンスモードなど)とするモード移行を開始させるための設定を行う(ステップS708)。
ステップS709において、演出制御用CPU101は、先読み予告カウンタの値が先読み予告演出の総実行回数に達したか否か確認する。先読み予告演出の総実行回数に達していない場合には処理を終了する。先読み予告演出の総実行回数に達した場合に、演出制御用CPU101は、モード移行終了フラグをセットするとともに(ステップS710)、RAMの所定領域における先読み予告実行設定情報の記憶を消去する(ステップS711)。
図41は、飾り図柄変動開始処理において実行される特図連動演出決定処理(ステップS606A)の一例を示すフローチャートである。特図連動演出決定処理において、演出制御用CPU101は、普図連動演出実行中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS521)。普図連動演出実行中フラグがセットされている場合(すなわち、普図連動演出として所定演出が実行されている場合)には処理を終了する。普図連動演出実行中フラグがセットされていない場合に、演出制御用CPU101は、次変動ありフラグがセットされているか否か確認する(ステップS522)。次変動ありフラグがセットされていない場合に、演出制御用CPU101は、未変動期間計測タイマが動作中(0でない)か否か確認する(ステップS523)。次変動ありフラグがセットされている場合または未変動期間計測タイマが0でない場合には、普図連動演出の実行が決定されているものの実行開始を保留している状態であるので、そのまま処理を終了する。
未変動期間計測タイマが動作中でない場合に、演出制御用CPU101は、遊技状態データが、高ベース状態を示す値になっているか否か確認する(ステップS524)。高ベース状態を示す値になっている場合には、処理を終了する。なお、図41に示す特図連動演出決定処理は飾り図柄の変動開始時に実行される処理であるので、大当り遊技状態や小当り遊技状態である場合に特図連動演出となる所定演出が決定されて実行されることはない。高ベース状態を示す値になっていない場合に、演出制御用CPU101は、今回開始する変動表示が擬似連を含む変動パターンであるか否か確認する(ステップS525)。なお、擬似連を含む変動パターンであるか否かは、具体的には、コマンド解析処理で抽出した変動パターンコマンドで指定された変動パターンを確認することによって判定できる。擬似連の変動パターンではない場合にはステップS527に移行する。
擬似連の変動パターンである場合に、演出制御用CPU101は、所定演出の有無および種類を決定するための所定演出決定テーブルとして第1連動演出決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の内容(有無、演出態様)を決定する(ステップS526)。この実施の形態では、擬似連の変動パターンに対応して特図連動演出となる所定演出を実行するための所定演出パターンとして、図42に示すような複数の擬似連時所定演出パターンが、予め用意されている。擬似連の演出が実行される場合には、飾り図柄の変動表示が開始されてから1回目の再変動が行われるより前の初回変動と、再変動が実行された後の各変動表示とに対応して、特図連動演出となる所定演出を実行できればよい。なお、初回変動と再変動の全ての変動表示に対応して特図連動演出が実行されるものに限定されず、一部の変動表示に対応して特図連動演出が実行される一方、その他の変動表示に対応した特図連動演出が実行されないことがあってもよい。
図42(A)は、擬似連の演出において再変動が1回行われる場合に対応して、特図連動演出となる所定演出を実行するための擬似連時所定演出パターンGPA2−1〜GPA2−5を示している。図42(B)は、擬似連の演出において再変動が2回行われる場合に対応して、特図連動演出となる所定演出を実行するための擬似連時所定演出パターンGPA3−1〜GPA3−5を示している。図42(C)は、擬似連の演出において再変動が3回行われる場合に対応して、特図連動演出となる所定演出を実行するための擬似連時所定演出パターンGPA4−1〜GPA4−5を示している。それぞれの擬似連時所定演出パターンは、初回変動や再変動となるそれぞれの変動表示に対応して、図30(A)に示された所定演出パターンSPA1〜SPA8のいずれかによる所定演出を実行できるように、所定演出の有無および種類の組合せが設定されている。
ステップS526において、演出制御用CPU101は、例えば図43に示す第1連動演出決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の有無および種類(報知演出や発展演出の有無、いずれの報知結果や発展内容とするか)を決定する。演出制御用CPU101は、ステップS526の処理において、第2所定演出パターン決定用乱数SR3−2(図27参照)を抽出し、抽出した乱数SR3−2の値が擬似連時所定演出パターンのいずれかに対応する判定値と一致した場合に、所定演出を実行することに決定する。なお、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドで指定された変動パターンにおける擬似連の演出で実行される再変動の回数に応じて、第1連動演出決定テーブルに設定された判定値を使用する。
図43に示す第1連動演出決定テーブルにおいて、特図連動演出を実行しない演出実行なしには、スーパーリーチ以外のはずれとなる場合よりも、スーパーリーチはずれとなる場合に少ない判定値が割り振られており、大当りとなる場合には、さらに少ない判定値が割り当てられている。したがって、擬似連の演出に伴い特図連動演出が実行されたときには、特図連動演出が実行されないときよりも高い割合で、スーパーリーチのリーチ演出が実行されたり、表示結果が大当りとなったりする。
図41に示すステップS527において、演出制御用CPU101は、モード移行予告の実行によるモード移行を開始させるための設定があるか否か確認する(ステップ527)。モード移行を開始させるための設定は、図40に示されたステップS708にて行われる。モード移行を開始させるための設定がない場合にはステップS529に移行する。モード移行を開始させるための設定がある場合に、演出制御用CPU101は、特図連動演出となる所定演出を実行するために、所定演出パターンSPA8を使用パターンに決定する(ステップS528)。図30(A)に示したように、所定演出パターンSPA8では、演出モードが先読み予告モードに移行するモード移行予告の実行を報知する発展演出が実行される。このように、モード移行予告が実行されるときには所定演出パターンSPA8に決定することにより、特図連動演出となる所定演出においてモード移行が行われることを報知してから、モード移行予告により演出モードを先読み予告モードに移行させることができる。
ステップS529において、演出制御用CPU101は、保留表示予告を実行中であるか否かを判定する。例えば図26に示された入賞時判定結果記憶バッファに、保留表示予告による予告対象となる可変表示に対応して、保留表示予告が実行されていることを示す情報を保存する保存領域を設けてもよい。この場合、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファに保存された内容から、保留表示予告が実行されているか否かを判定することができる。
保留表示予告が実行されている場合に、演出制御用CPU101は、所定演出の有無および種類を決定するための所定演出決定テーブルとして第2連動演出決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の内容(有無、演出態様)を決定する(ステップS530)。保留表示予告が実行されていない場合に、演出制御用CPU101は、所定演出の有無および種類を決定するための所定演出決定テーブルとして第3連動演出決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の内容(有無、演出態様)を決定する(ステップS531)。
ステップS530において、演出制御用CPU101は、例えば図44(A)に示す第2連動演出決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の有無および種類(報知演出や発展演出の有無、いずれの報知結果や発展内容とするか)を決定する。ステップS531において、演出制御用CPU101は、例えば図44(B)に示す第3連動演出決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の有無および種類(報知演出や発展演出の有無、いずれの報知結果や発展内容とするか)を決定する。演出制御用CPU101は、ステップS530,S531の処理において、第2所定演出パターン決定用乱数SR3−2(図27参照)を抽出し、抽出した乱数SR3−2の値が所定演出パターンのいずれかに対応する判定値と一致した場合に、所定演出を実行することに決定する。図44(A)に示す第2連動演出決定テーブルにおいて、特図連動演出を実行しない演出実行なしには、図44(B)に示す第3連動演出決定テーブルと比べて、変動表示内容が同一であれば、少ない判定値が割り振られている。したがって、保留表示予告が実行されているときには、保留表示予告が実行されていないときよりも高い割合で、特図連動演出となる所定演出を実行することができる。
なお、保留表示予告が実行されているときに、実行されていないときよりも高い割合で特図連動演出が実行されるものに限定されず、例えば特殊図柄予告やモード移行予告といった、その他の任意の先読み予告演出が実行されているときに、実行されていないときよりも高い割合で特図連動演出が実行されるように、連動演出決定テーブルにおける判定値が設定されてもよい。また、特図連動演出に代えて、あるいは特図連動演出とともに、普図連動演出となる所定演出について、所定の先読み予告演出が実行されているときには、実行されていないときよりも高い割合で普図連動演出が実行されるように、普図連動演出決定テーブル(図36参照)における判定値が設定されてもよい。
保留表示予告その他の先読み予告演出が実行されているときには、ステップS530の処理のように、飾り図柄の変動表示が開始されるごとに所定演出の有無や所定演出パターンを決定するものに限定されず、先読み予告演出が実行される複数回の変動表示にわたる所定演出パターンを、一括して決定するように構成してもよい。この場合には、例えば図42(A)〜(C)に示された擬似連時所定演出パターンと同様の所定演出パターンの組合せを予め用意しておき、図37のステップS514にて設定された予告総実行回数に応じた複数回の変動表示にわたり所定演出を実行するために、所定演出パターンの組合せが決定されるようにしてもよい。
図43に示された第1連動演出実行テーブルにおいても、特図連動演出を実行しない演出実行なしには、図44(B)に示す第3連動演出決定テーブルと比べて、変動表示内容が同一であれば、少ない判定値が割り振られている。したがって、擬似連の演出が実行されるときには、擬似連の演出が実行されないときよりも高い割合で、特図連動演出となる所定演出を実行することができる。
大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれやスーパーリーチ以外のはずれとなる場合と比較して、高い割合で所定演出パターンSPA4に決定される。したがって、図31(D4)に示されたように「激熱」と描かれたコインの画像が表示される報知演出が実行されたときには、変動表示の表示結果が大当りとなる期待感が高まる。
図44(B)に示す第3連動演出決定テーブルでは、所定演出パターンSPA7に判定値が割り振られている一方、図44(A)に示す第2連動演出決定テーブルでは、所定演出パターンSPA7に判定値が割り振られていない。したがって、保留表示予告が実行されているときには、特図連動演出として所定演出が実行される割合が高められるものの、図33(D2)に示されたように2次元コードが表示される発展演出を実行しないように制限される。これにより、保留表示予告と遊技者に特典を付与する発展演出とが同時に実行されないように制限を設けて、保留表示予告や発展演出に対する遊技者の関心が低下(分散)することを防止できる。
所定演出パターンSPA8は、ステップS528の処理のみにて決定される。したがって、図33(D3)に示されたようにモード移行を報知する発展演出が実行されたときには、モード移行予告が実行されて演出モードが変更されることが確定する。なお、モード移行を報知する発展演出が実行されないときでも、所定割合でモード移行予告が実行されて演出モードが変更されることがあってもよい。モード移行を報知する発展演出が実行されたときでも、所定割合でモード移行予告が実行されず演出モードが変更されないことがあってもよい。
その後、演出制御用CPU101は、特図連動演出を実行しない演出実行なしに決定されたか否か確認する(ステップS532)。演出実行なしに決定された場合には処理を終了する。演出実行なし以外に決定された場合に、演出制御用CPU101は、例えば図45に示す予兆演出決定テーブルを用いて、予兆演出を決定する(ステップS533)。演出制御用CPU101は、ステップS532の処理において、予兆演出決定用乱数SR5(図27参照)を抽出し、抽出した乱数SR5の値と一致する判定値が割り振られた予兆演出の種別とすることに決定する。図45に示す例では、予兆Aの種別でキャラAが表示される予兆演出が実行された場合には、報知演出が実行される割合が高い。予兆Bの種別でキャラBが表示される予兆演出が実行された場合や、予兆Cの種別でキャラCが表示される予兆演出が実行された場合には、報知演出が実行される割合は低くなるものの、所定演出パターンSPA3により「チャンス」と描かれたコインの画像が表示されたり、所定演出パターンSPA4により「激熱」と描かれたコインの画像が表示されたりして、リーチ演出が実行される期待感や大当りとなる期待感が高められる。
また、図45に示す例では、予兆Aの種別でキャラAが表示される予兆演出が実行された場合には、所定演出パターンSPA7または所定演出パターンSPA8により発展演出が実行される割合が低い。予兆Bの種別でキャラBが表示される予兆演出が実行された場合には、所定演出パターンSPA8によりモード移行を報知する発展演出が実行される割合が高い。予兆Cの種別でキャラCが表示される予兆演出が実行された場合には、所定演出パターンSPA7により遊技者に特典を付与する発展演出が実行される割合が高い。なお、所定演出パターンSPA7であるときと所定演出パターンSPA8であるときには、予兆Aの種別とは異なる予兆Bまたは予兆Cの種別となる予兆演出が、それぞれに共通の高い割合で実行されるようにしてもよい。すなわち、キャラBまたはキャラCといった、特定のキャラクタが通過表示されたときに、モード移行を報知する発展演出が実行される可能性と、遊技者に特典を付与する発展演出が実行される可能性の双方が、高められるようにしてもよい。
このように、特図連動演出となる所定演出において報知演出が実行されるか否かに応じて異なる割合で、予兆演出における演出態様(キャラクタ画像の種類など)が複数態様のいずれかに決定される。また、特図連動演出となる所定演出において発展演出が実行されるか否かに応じて異なる割合で、予兆演出における演出態様が複数態様のいずれかに決定される。具体的には、所定演出パターンSPA8によりモード移行を報知する発展演出が実行されるか否かに応じて異なる割合で、予兆演出における演出態様が複数態様のいずれかに決定される。また、所定演出パターンSPA7により遊技者に特典を付与する発展演出が実行されるか否かに応じて異なる割合で、予兆演出における演出態様が複数態様のいずれかに決定される。
図41に示すステップS533の処理を実行した後に、演出制御用CPU101は、普通図柄の変動中であるか否か確認する(ステップS534)。普通図柄の変動中であるか否かは、例えば主基板31から伝送された普通図柄変動開始指定コマンドを受信した後に、普通図柄の変動時間に対応した所定時間が経過したか否かや、普通図柄確定コマンドを受信したか否かにより判定することができる。普通図柄の変動中でない場合にはステップS542に移行する。
普通図柄の変動中である場合に、演出制御用CPU101は、普通図柄の変動表示が行われる残り時間が所定時間未満となっているか否か確認する(ステップS535)。例えば、所定時間として特図連動演出となる所定演出の実行期間未満となっているか否かを確認する。残り変動時間が所定時間未満となっていれば、普通図柄の変動表示について保留記憶数(普図保留記憶数)が0となっているか否か確認する(ステップS536)。普図保留記憶数が0でない場合にはステップS542に移行する。
ステップ535で残り変動時間が所定時間未満でなかった場合、または、ステップS536で普図保留記憶数が0であった場合に、演出制御用CPU101は、例えば図46に示す演出開始タイミング決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の開始タイミングを決定する(ステップS537)。演出制御用CPU101は、ステップS537の処理において、演出開始決定用乱数を抽出し、抽出した乱数の値と一致する判定値が割り振られた開始タイミングに決定する。図46に示す例では、特図変動開始時が特図連動演出の開始タイミングとなった場合に、報知演出が実行される割合が高い。リーチ成立後が特図連動演出の開始タイミングとなった場合には、所定演出パターンSPA7や所定演出パターンSPA8により発展演出が実行される割合が高い。なお、所定演出パターンSPA7であるか所定演出パターンSPA8であるかに応じて開始タイミングの決定割合を異ならせてもよい。
このように、特図連動演出となる所定演出において報知演出が実行されるか否かに応じて異なる割合で、複数のタイミングのうちいずれか1のタイミングを選択して、特図連動演出の開始タイミングに決定する。また、特図連動演出となる所定演出において発展演出が実行されるか否かに応じて異なる割合で、複数のタイミングのうちいずれか1のタイミングを選択して、特図連動演出の開始タイミングに決定する。所定演出パターンSPA8によりモード移行を報知する発展演出が実行されるか否かに応じて異なる割合で、複数のタイミングのうちいずれか1のタイミングを選択して、特図連動演出の開始タイミングに決定してもよい。所定演出パターンSPA7により遊技者に特典を付与する発展演出が実行されるか否かに応じて異なる割合で、複数のタイミングのうちいずれか1のタイミングを選択して、特図連動演出の開始タイミングに決定してもよい。
なお、普図連動演出となる所定演出は、図34に示されたステップS758の処理などにより、スーパーリーチ演出が開始された後には実行されないように制限される。これに対応して、特図連動演出となる所定演出についても、スーパーリーチ演出が開始された後には実行されないように制限してもよい。例えば、図46に示すリーチ成立後の開始タイミングは、飾り図柄の表示状態がリーチ状態となってからスーパーリーチ演出が開始されるまでに特図連動演出の実行を完了できるようなタイミングが予め設定されてもよい。あるいは、特図連動演出の開始タイミングは、全てリーチ成立前となるように複数のタイミングが設定されてもよい。
図46に示すように、所定演出パターンSPA7や所定演出パターンSPA8により発展演出が実行される場合には、飾り図柄の変動表示が開始されてからのタイミングが遅くなるにしたがって、多くの判定値が割り振られるように設定されてもよい。これにより、所定演出の実行が開始されるタイミングが遅くなるほど、モード移行を報知する発展演出や、遊技者に特典を付与する発展演出が実行される可能性が高くなり、遊技者の期待感を持続させて、遊技興趣を向上させることができる。
なお、所定演出パターンに応じた開始タイミングの決定割合は、図46に示された設定に限定されず、報知演出が実行される期待感や、発展演出が実行される期待感、モード移行を報知する発展演出が実行される期待感、遊技者に特典を付与する発展演出が実行される期待感などを、適切に高めて遊技興趣を向上させることができるように、予め設定されたものであればよい。
その後、演出制御用CPU101は、決定された特図連動演出の開始タイミングを示す開始タイミング設定情報を、RAMの所定領域などに記憶させておく(ステップS538)。また、ステップS537の処理により決定された開始タイミングが特図変動開始時であるか否か確認する(ステップS539)。特図変動開始時ではない場合にはステップS542に移行する。
特図連動演出の開始タイミングが特図変動開始時である場合に、演出制御用CPU101は、特図連動演出実行中フラグをセットする(ステップS540)。また、特図連動演出となる所定演出の演出期間を計測するための特図連動演出タイマに、所定演出の演出期間に対応する値をセットする(ステップS541)。そして、演出制御用CPU101は、特図連動演出となる所定演出を開始させる設定を行う(ステップS541A)。例えば、所定演出パターンに対応するプロセステーブルを選択して、そのプロセステーブルに設定されているデータを用いて演出表示装置9の表示制御等を開始する。ステップS542の処理において、演出制御用CPU101は、演出待機フラグをセットする。
飾り図柄変動開始処理におけるステップS606Bでは、例えば図47に示す擬似連中予告演出決定テーブルを用いて、擬似連中予告演出の有無および演出実行タイミングなどを決定する。このとき、演出制御用CPU101は、変動パターンが擬似連演出を伴う変動パターンであるか否かを確認する。擬似連演出を伴う変動パターンでなければ、擬似連中予告演出を実行しないことに決定して、ステップS606Bの処理を終了する。擬似連演出を伴う変動パターンである場合には、変動パターンに対応した再変動回数および特図連動演出の有無(実行する/実行しない)に応じて擬似連中予告演出決定テーブルにおけるテーブルデータを選択する。そして、擬似連中予告決定用乱数を抽出し、抽出した乱数の値に一致する判定値に応じて、擬似連中予告演出を実行するか否かと、実行する場合の演出態様となる演出実行タイミングとを決定する。図47に示す擬似連中予告演出決定テーブルにおいて、特図連動演出が実行される場合には、特図連動演出が実行されない場合に比べて多くの判定値が、擬似連中予告演出を実行する旨の決定結果に割り振られている。また、特図連動演出が実行される場合には、特図連動演出が実行されない場合に比べて、後の再変動において擬似連中予告演出を実行する旨の決定結果に、多くの判定値が割り振られている。
一例として、擬似連演出を伴う変動パターンにより可変表示が実行されているときには、特図連動演出となる所定演出が開始されるタイミングよりも前に可変表示の表示結果が大当り図柄になることを示唆する示唆演出として、擬似連中予告演出を実行する。このような示唆演出が実行されたときには、示唆演出が実行されないときに比べて、高い割合で特図連動演出を実行する。これにより、所定演出が実行されていないときでも、示唆演出(擬似連中予告演出)によって遊技の興趣を向上させることができる。
なお、特図連動演出の決定結果に基づいて擬似連中予告演出を実行するか否かが決定されるものに限定されず、先に擬似連中予告演出を実行するか否かを決定し、擬似連中予告演出を実行するか否かの決定結果に応じて異なる割合で、特図連動演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。
図48は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)の一例を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、特図連動演出実行中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS551)。特図連動演出実行中フラグがセットされていれば、特図連動演出タイマの値を−1する(ステップS552)。そして、特図連動演出タイマの値が0になったときには(ステップS553)、特図連動演出を終了する(ステップS554)。このとき、演出制御用CPU101は、特図連動演出実行中フラグをリセットする(ステップS555)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマおよび変動時間タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS556,S557)。また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS558)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替えを行う(ステップS559)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS560)。また、その次に設定されている内容(表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データ)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS561)。
その後、演出制御用CPU101は、特図連動演出待機中処理を実行する(ステップS562)。特図連動演出待機中処理は、開始が保留となっていた特図連動演出を特別図柄や飾り図柄の変動表示中に開始する処理である。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS563)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、図柄確定指定コマンドを受信したか否か確認する(ステップS564)。図柄確定指定コマンドを受信していない場合には処理を終了する。
変動時間タイマがタイムアウトした場合や、図柄確定指定コマンドを受信した場合に、演出制御用CPU101は、モード移行終了フラグがセットされているか否か確認する(ステップS565)。モード移行終了フラグがセットされていない場合にはステップS567に移行する。モード移行終了フラグがセットされている場合には、モード移行予告の終了に対応して、遊技機における演出状態を通常時の演出モードに復帰させるための設定を行う(ステップS566)。そして、ステップS567において、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する。
図49は、飾り図柄変動中処理において実行される特図連動演出待機中処理(ステップS562)の一例を示すフローチャートである。特図連動演出待機中処理において、演出制御用CPU101は、演出待機フラグがセットされているか否か確認する(ステップS562)。演出待機フラグは、図41に示されたステップS542の処理によりセットされる。演出待機フラグがセットされていない場合には、そのまま特図連動演出待機中処理を終了する。
演出待機フラグがセットされている場合に、演出制御用CPU101は、RAMの所定領域に開始タイミング設定情報の記憶があるか否か確認する(ステップS582)。開始タイミング設定情報は、図41に示されたステップS538の処理にて記憶される。開始タイミング設定情報の記憶がない場合にはステップS584に移行する。開始タイミング設定情報の記憶がある場合には、その情報により設定された開始タイミングとなったか否か確認する(ステップS583)。設定された開始タイミングではない場合には処理を終了する。設定された開始タイミングとなった場合には、ステップS585に移行する。
ステップS584において、演出制御用CPU101は、特図連動演出となる所定演出を実行可能に予め設定された複数のタイミングのうちいずれか1のタイミングとなったか否か確認する。いずれのタイミングでもない場合には処理を終了する。いずれか1のタイミングとなった場合には、ステップS585に移行する。
ステップS585において、演出制御用CPU101は、普図連動演出実行中フラグがセットされているか否か確認する。普図連動演出実行中フラグがセットされている場合には、特図連動演出となる所定演出の開始が保留されているうちに普図連動演出となる所定演出が先に開始されたことに対応して、特図連動演出の実行が開始されないように制限する。すなわち、演出待機フラグをリセットするとともに(ステップS586)、開始タイミング設定情報の記憶を消去する(ステップS587)。これにより、普図連動演出と特図連動演出とが同時に実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えることを防止できる。
なお、普図連動演出の実行が開始されたことに対応して開始が保留されていた特図連動演出を実行しないように制限するものに限定されず、特図連動演出となる所定演出の実行が保留されているときには、普図連動演出となる所定演出を実行しないように制限してもよい。例えば、図34に示された普図連動演出制御処理において、ステップS732にて特図連動演出実行中フラグがセットされていないときに、演出待機フラグがセットされているか否か確認する。このとき、演出待機フラグがセットされていれば、ステップS741以降の処理を実行せずに普図連動演出制御処理を終了することで、普図連動演出となる所定演出を実行することに決定されないように制限すればよい。
ステップS585にて普図連動演出実行中フラグがセットされていない場合には、普通図柄の変動中であるか否か確認する(ステップS588)。普通図柄の変動中でない場合はステップS591に移行する。普通図柄の変動中である場合に、演出制御用CPU101は、普通図柄の変動表示が行われる残り時間が所定時間未満となっているか否か確認する(ステップS589)。残り変動時間が所定時間未満となっていれば、普通図柄の変動表示について保留記憶数(普図保留記憶数)が0となっているか否か確認する(ステップS590)。普図保留記憶数が0でない場合はステップS591に移行する。
ステップS591において、演出制御用CPU101は、特図連動演出の実行を開始できる次の開始タイミングがあるか否か確認する。例えば、変動開始2秒後のタイミングでは、次の開始タイミングとして変動開始4秒後のタイミングが残されている。変動開始後4秒後のタイミングでは、次の開始タイミングとして変動開始6秒後のタイミングが残されている。変動開始6秒後のタイミングでは、次の開始タイミングとしてリーチ成立後のタイミングが残されている。ただし、非リーチはずれに対応した変動パターンでは、飾り図柄の表示状態がリーチ状態にならないことから、変動開始6秒後のタイミングでは、次の開始タイミングが残されていない。また、リーチ成立後のタイミングでは、次の開始タイミングが残されていない。このように、次の開始タイミングが残されてある場合には、ステップS595に移行する。
ステップS589にて普通図柄の残り変動時間が所定時間未満ではない場合や、ステップS590にて普図保留記憶数が0である場合、または、ステップS591にて次の開始タイミングが残されていない場合には、特図連動演出となる所定演出の実行を開始させる。すなわち、演出制御用CPU101は、特図連動演出実行中フラグをセットするとともに(ステップS592)、特図連動演出タイマに所定演出の演出期間に対応する値をセットする(ステップS593)。そして、演出制御用CPU101は、特図連動演出となる所定演出を開始するための設定を行う(ステップS594)。例えば、所定演出パターンに対応するプロセステーブルを選択して、そのプロセステーブルに設定されているデータを用いて演出表示装置9の表示制御等を開始する。
その後、ステップS595において、演出制御用CPU101は、開始タイミング設定情報を消去する。
こうして、ステップS583にて設定された開始タイミングであると判定された場合や、ステップS584にて特図連動演出の実行を開始できる複数の開始タイミングのうちいずれか1の開始タイミングであると判定された場合に、ステップS594の処理が実行可能となる一方、開始タイミングでない場合にはステップS594の処理が実行されることはない。したがって、特図連動演出となる所定演出は、特別図柄や飾り図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに予め設定された複数のタイミングのうちいずれか1のタイミングにて、実行を開始することができる。
ステップS588の処理により普通図柄の変動中ではないと判定された場合に、ステップS591の処理にて次の開始タイミングがあると判定されたときは、ステップS595の処理にて開始タイミング設定情報を消去して、次回以降のタイマ割込みが発生したときにステップS584の処理にていずれかの開始タイミングになったか否か確認される。そして、次の開始タイミングとなったときに普通図柄が変動中となったことや、さらに次の開始タイミングがなくなったことに基づいて、ステップS592以降の処理が実行されて、特図連動演出となる所定演出の実行が開始される。図41に示されたステップS534の処理により普通図柄の変動中ではないと判定された場合も同様である。こうして、普通図柄の変動表示が実行されていないときに特図連動演出となる所定演出を実行する場合には、普通図柄の変動表示が開始されるタイミングに基づいて所定演出の実行が開始される。ここで、「普通図柄の変動表示が開始されるタイミングに基づいて」とは、普通図柄の変動表示が開始されるタイミングそのものとなる場合(次の開始タイミングにて普通図柄の変動表示が開始されている場合)と、普通図柄の変動表示が開始されるに所定の時間(最終の開始タイミングとなるまでの時間)が経過したタイミングとなる場合とを含み、普通図柄の変動表示が開始されたか否かにより何らかの影響を受けることを意味している。
図50は、保留表示予告が実行されている場合に特図連動演出となる所定演出が実行される具体例を示す説明図である。この具体例では、第1始動入賞口13を通過した遊技球の検出による始動入賞時に、図19のステップS220にてランダムRが大当り判定値と一致したことに基づいて、図37のステップS509にて保留表示予告を実行することに決定される。これにより、図50(A)に示すように、演出表示装置9において左中右の飾り図柄が変動表示(可変表示)している状態で、合算保留記憶表示部18Hには、通常時の表示態様(例えば青色の表示色)となる表示部位(図50(A)では白塗りの丸形で示す)と、通常時とは異なる特殊態様(例えば金色の表示色)となる表示部位(図40(A)では黒塗りの丸形で示す)とがあるものとする。
このような保留表示予告が実行されている場合には、図41のステップS530にて図44(A)に示された第2連動演出決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の有無や演出態様が決定される。この場合には、図41のステップS531にて図44(B)に示された第3連動演出決定テーブルが用いられる保留表示予告が実行されていない場合と比較して、高い割合で特図連動演出を実行することに決定される。例えばステップS530にて所定演出パターンSPA5に決定されたことに対応して、図50(B)に示すように、演出表示装置9の表示画面内でキャラクタ画像が横切る表示制御が実行される。その後、図50(C)に示すような非リーチはずれの表示結果が導出表示される。
続いて、第1保留記憶数が2であることから、新たな第1特別図柄の変動表示が開始され、これに伴い飾り図柄の変動表示が開始される。このときにも保留表示予告が実行されていることから、保留表示予告が実行されていない場合と比較して、高い割合で特図連動演出を実行することに決定される。そして、所定演出パターンSPA5に決定されたことに対応して、図50(D)に示すように、表示画面内でキャラクタ画像が横切る表示制御が実行される。その後、図50(E)に示すような非リーチはずれの表示結果が導出表示される。
さらに、第1保留記憶数が1であることから、新たな第1特別図柄の変動表示が開始される。この変動表示は、保留表示予告による予告対象となった変動表示であり、その表示結果が大当りとなる。このときには、図41のステップS531にて図44(B)に示された第3連動演出決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の有無や演出態様が決定される。ここでは、保留表示予告が実行されているときと比べれば低い割合になるものの、表示結果が大当りとなることから高い割合で大当り期待度が高い演出態様の特図連動演出を実行することに決定される。例えばステップS531にて所定演出パターンSPA3に決定されたことに対応して、図50(F)に示すように、表示画面内でキャラクタ画像が横切る表示制御が実行され、続いて図50(G),(H)に示すように、表示画面においてキャラクタがコインを回転させる表示制御が実行される。そして、図50(I)に示すように、「チャンス」と描かれたコインの画像を表示する制御が実行される。その後、図50(J)に示すような大当りの表示結果が導出表示される。
なお、保留表示予告による予告対象となった変動表示では、保留表示予告の実行が終了していても、図41のステップS530にて図44(A)に示された第2連動演出決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の有無や演出態様が決定されてもよい。より具体的には、変動表示の開始に伴い保留表示予告の実行が終了するときに、所定の保留予告対象変動開始フラグをセットしておき、図41に示されたステップS529では、保留予告対象変動開始フラグがセットされているときには、保留表示予告が実行されているときと同様に、ステップS530へと処理を移行させればよい。これにより、保留表示予告による予告対象となった変動表示においても、保留表示予告が実行されなかった場合と比較して、高い割合で特図連動演出を実行して、遊技興趣を向上させることができる。
図51は、擬似連の演出が実行される場合に特図連動演出となる所定演出が実行される具体例を示す説明図である。この具体例では、特別図柄の変動表示が開始されることに対応して、図41のステップS526にて図43に示された第1連動演出決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の有無や演出態様が決定される。例えば、表示結果が大当りとなることに対応して、擬似連の演出における再変動が2回実行されるノーマルPB2−4の変動パターン(図4参照)に決定された場合には、図43に示す擬似連2回に対応した判定値が用いられる。この場合には、図41のステップS531にて図44(B)に示された第3連動演出決定テーブルが用いられる擬似連の演出が実行されない場合と比較して、高い割合で特図連動演出を実行することに決定される。例えばステップS526にて擬似連時所定演出パターンGPA3−4(図42(B)参照)に決定された場合には、図51(A)に示すように演出表示装置9において左中右の飾り図柄が変動表示(可変表示)が開始された後、図51(B)に示すように、所定演出パターンSPA5に相当する表示画面内でキャラクタ画像が横切る表示制御が実行される(図42(B)の擬似連時所定演出パターンGPA3−4で初回変動に対応)。その後、図51(C)に示すような擬似連チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止される。
続いて、図51(D)に示すように、1回目の再変動が行われたときには、再び所定演出パターンSPA5に相当する表示画面内でキャラクタ画像が横切る表示制御が実行される(図42(B)の擬似連時所定演出パターンGPA3−4で1回目擬似連に対応)。その後、図51(E)に示すような擬似連チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止される。さらに、図51(F)に示すように、2回目の再変動が行われたときには、表示画面内でキャラクタ画像が横切る表示制御が実行され、続いて図51(G),(H)に示すように、表示画面においてキャラクタがコインを回転させる表示制御が実行される。そして、図51(I)に示すように、「チャンス」と描かれたコインの画像を表示する制御が実行される。その後、図51(J)に示すような大当りの表示結果が導出表示される。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1などの遊技機は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。具体的な一例として、上記実施の形態では、所定演出パターンSPA7により遊技者に特典を付与する発展演出が実行され、所定演出パターンSPA8によりモード移行を報知する発展演出が実行されるものとして説明した。これに対して、遊技者に特典を付与する発展演出と、モード移行を報知する発展演出とのうち、いずれか一方の発展演出のみが実行可能に構成され、他方の発展演出は実行されることがないように構成されたものであってもよい。
また、上記実施の形態では、例えば図41に示されたステップS526の処理などにより、擬似連の演出が実行されるときには、実行されないときに比べて高い割合で所定演出が実行され、例えば図41に示されたステップS530の処理などにより、保留表示予告などの先読み予告演出が実行されたときには、実行されていないときに比べて高い割合で所定演出が実行されるものとして説明した。これに対して、擬似連の演出が実行されるときに高い割合で所定演出を実行するための構成と、先読み予告演出が実行されているときに高い割合で所定演出を実行するための構成とのうち、いずれか一方の構成のみが備えられ、他方の構成は備えられていないものであってもよい。
通常時とは異なる演出モードに移行するモード移行は、先読み予告演出の実行に伴って行われるものに限定されず、例えば遊技状態の変化に伴って行われるものであってもよい。具体的な一例として、突然確変大当りに基づく大当り遊技状態の終了後と、小当りに基づく小当り遊技状態の終了後には、通常時とは異なる共通の演出モード(いわゆる、潜伏確変モード)に移行するものであってもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変大当りや小当りとなる変動表示において、所定演出パターンSPA8による特図連動演出を実行して、モード移行を報知する発展演出が実行されるようにすればよい。あるいは、突然確変大当りに基づく大当り遊技状態の終了後や、小当り遊技状態の終了後に、初回の変動表示において所定演出パターンSPA8による特図連動演出を実行して、モード移行を報知する発展演出を実行してから、潜伏確変モードに移行させるようにしてもよい。
他の一例として、擬似連の演出が実行されることに伴いモード移行が行われるようにしてもよい。例えば、擬似連の演出が実行されるときには、初回変動にて擬似連チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止された後、1回目の再変動が開始されるときに、通常時とは異なる演出モード(いわゆる、擬似連モード)に移行するものであってもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば初回変動において、所定演出パターンSPA8による特図連動演出を実行して、モード移行を報知する発展演出が実行されるようにすればよい。あるいは、1回目の再変動が開始されてから、所定演出パターンSPA8による特図連動演出を実行して、モード移行を報知する発展演出を実行した後に、擬似連モードに移行させるようにしてもよい。
上記実施の形態では、図41に示されたステップS533にて図45に示された予兆演出決定テーブルを使用することで、所定演出パターンに応じた割合で予兆演出における演出態様を複数態様のいずれかに決定するものとして説明した。一方、図34に示されたステップS759にて普図連動演出となる所定演出を決定するときには、図36に示された普図連動演出決定テーブルを使用することで、いずれの所定演出パターンに決定された場合も予兆Aの種別でキャラAを表示する予兆演出に決定されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、普図連動演出となる所定演出を決定したときにも、所定演出パターンに応じて異なる割合で、予兆演出における演出態様を複数態様のいずれかに決定するようにしてもよい。一例として、所定演出パターンSPA1、SPA2、SPA5のいずれに決定されたかに応じて予兆演出の種別(予兆A、予兆B、予兆C)に対する判定値の割り振りが異なる予兆演出決定テーブルを用意して、図35に示されたステップS764にて所定演出を実行すると判定された場合には、この予兆演出決定テーブルを使用して、予兆演出における演出態様を複数態様のいずれかに決定すればよい。この場合、例えば所定演出パターンSPA1または所定演出パターンSPA2であるか、所定演出パターンSPA5であるかに応じて、特定の演出態様(例えば予兆Bの種別など)に対する判定値の設定を異ならせてもよい。これにより、所定演出パターンSPA1や所定演出パターンSPA2により報知演出が実行されるか、所定演出パターンSPA5により報知演出が実行されないかに応じて、異なる割合で特定の演出態様に決定することができる。
上記実施の形態では、図34に示されたステップS743にて特別図柄の変動表示が開始されていないと判定した場合でも、ステップS745にて未変動期間計測タイマの値が0になったと判定されたときに、普図連動演出となる所定演出の実行が開始されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、普図連動演出となる所定演出を実行すると決定された場合であっても、特別図柄の変動表示が開始されずに所定期間が経過したときには、普図連動演出となる所定演出の実行が開始されないように制限してもよい。これにより、可変入賞装置15が開放状態となるか否かを報知するための普図連動演出となる所定演出であっても、特別図柄の表示結果が大当りとなる可能性などに対する遊技者の期待を確実に抱かせて、遊技興趣を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、図49に示されたステップS588にて普通図柄が変動中ではないと判定した場合でも、ステップS591にて次の開始タイミングがないと判定されたときに、特図連動演出となる所定演出の実行が開始されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、特図連動演出となる所定演出を実行すると決定された場合であっても、普通図柄の変動表示が開始されずに所定期間が経過したときには、特図連動演出となる所定演出の実行が開始されないように制限してもよい。これにより、特別図柄の表示結果が大当りとなる可能性などを報知するための特図連動演出となる所定演出であっても、可変入賞装置15が開放状態となるか否かなどに対する遊技者の期待を確実に抱かせて、遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、特定演出となる発展演出が、特図連動演出といった所定演出において実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、所定演出に含まれる報知演出とは異なる任意の演出を、特定演出となる発展演出としてもよい。例えば、モード移行予告となる先読み予告演出において、通常時とは異なる所定の演出モードに移行する旨が報知される演出を、発展演出としてもよい。すなわち、特定演出となる発展演出は、所定態様の演出となる予兆演出が実行された後に、報知演出が実行されないことに対応して実行されるものとして予め設定された演出であればよい。
所定演出パターンによる普図連動演出や特図連動演出となる所定演出の内容は、他の所定演出パターンによる所定演出の内容に変更されるように構成されてもよい。例えば普図連動演出となる所定演出の実行中に、普通図柄当りとなる普通図柄の変動表示が開始されたときには、可変入賞装置15が開放状態となることを報知する普図連動演出となる所定演出の内容に変更されてもよい。また、普図連動演出となる所定演出の実行中に、大当りとなる特別図柄の変動表示が開始されたときには、特別図柄の表示結果が大当りとなる可能性が高いことなどを報知する特図連動演出となる所定演出の内容に変更されてもよい。このような所定演出により可変入賞装置15が開放状態となることや特別図柄の表示結果が大当りとなることに対する遊技者の期待感を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、特図連動演出となる所定演出について、例えば図46に示すように、特図変動開始時、変動開始2秒後、変動開始4秒後、変動開始6秒後、リーチ成立後といった複数の開始タイミングのうちいずれか1のタイミングを選択するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、普図連動演出となる所定演出について、例えば普図変動開始時、変動開始2秒後、変動開始4秒後といった複数の開始タイミングのうちいずれか1のタイミングを選択できるように構成されてもよい。より具体的には、図35に示されたステップS765にて特別図柄の変動中であると判定されたことなどに基づいて、図41に示されたステップS537の処理を適用することなどにより、普図連動演出となる所定演出の開始タイミングを決定すればよい。このときには、所定演出パターンの決定結果に応じて異なる割合で、複数のタイミングのうちいずれか1のタイミングを選択して、普図連動演出の開始タイミングに決定すればよい。例えば、所定演出パターンSPA2により可変入賞球装置15が開放状態となる報知が行われるか否かに応じて異なる割合で、複数のタイミングのうちいずれか1のタイミングを選択して、普図連動演出の開始タイミングに決定してもよい。所定演出パターンSPA5により予兆演出のみが実行されるか、所定演出パターンSPA1または所定演出パターンSPA2により報知演出が実行されるかに応じて異なる割合で、複数のタイミングのうちいずれか1のタイミングを選択して、普図連動演出の開始タイミングに決定してもよい。例えば、普図変動開始時が普図連動演出の開始タイミングとなった場合に、報知演出が実行される割合が高くなるように設定してもよい。
上記実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(スピーカ27、枠LED28等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
上記実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対してコマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行っていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行うようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行うようにしてもよい。
次に、図52〜図57を参照して、特別図柄、第4図柄、普通図柄の表示装置(または表示領域)を複数の表示部(または表示領域)で構成した場合の変形例について説明する。なお、第4図柄とは、飾り図柄と特別図柄と普通図柄とに次ぐ第4の図柄である。この変形例は、各図柄の表示装置(または表示領域)を複数で構成することによって、可変表示が行われているのか、あるいは、停止図柄の導出表示が行われているのかを、遊技者が把握しやすくしたものである。
この変形例において、打球発射装置が操作された状態(所定角度回転された状態)では、遊技球が0.6秒間隔で遊技領域に発射される。そして、可変入賞球装置15は、所定の発射強度で発射(例えば左打ちや右打ちなど)された遊技球が、可変入賞球装置15が拡大開放状態となっているときに高い割合で第2始動入賞口14に入賞する位置に設けられているものとする。
例えば、遊技領域には可変入賞球装置15へと遊技球が誘導されるようにくぎや構造物が設けられていればよい。より具体的には、通過ゲート32が遊技領域の右側(例えば、演出表示装置9の右側)にも設けられており、遊技領域の右側に発射された(右打ちされた)遊技球は、右側の通過ゲート32を通過した後に、高い割合で可変入賞球装置15に誘導されるように、構造物が設けられていれていてもよい。この場合、右打ちされた遊技球は、第1始動入賞口13には入賞しにくい、または入賞しないようにしてもよい。このようにすることで、可変入賞球装置15にて第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい高ベース状態においては、遊技者は右打ちにより遊技を行うようになる。
この場合、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bを複数の表示部(例えば第1表示部及び第2表示部)で構成してもよい。図52は、第2特別図柄表示器8bを第1表示部(LED405)と第2表示部(7セグメントLED406)とで構成した場合に、第2特別図柄の変動中(可変表示中)および変動停止時(停止図柄の導出表示時)における第2特別図柄表示器8bの表示態様を示している。図52(a)に示すように、第2特別図柄の可変表示中は、LED405が所定のパターンで点滅し、このとき7セグメントLED406は全セグメントが消灯状態となっている。そして変動時間が経過すると、LED405が消灯状態となり、7セグメントLED406のセグメントのうちの所定のセグメントが点灯状態となることにより表示結果が導出表示される。例えば、図52(b)に示すように、大当りの場合には「9」を形成する各セグメントが点灯状態となり、はずれの場合には「−」を形成するセグメントが点灯状態となる。なお、この図52の例では、第2特別図柄の変動中及び変動停止時における第2特別図柄表示器8bの表示態様を例示しているが、第1特別図柄の変動中(可変表示中)及び変動停止時(停止図柄の導出表示時)における第1特別図柄表示器8aの表示態様も、これと同様である。なお、第1特別図柄表示器8aは、第1表示部(LED403)と第2表示部(7セグメントLED404)とで構成される。
この変形例において、特別図柄の変動時間は、変動パターン毎に異なるが、特別図柄の確定表示時間(表示結果が7セグメントLED406などに導出表示されている期間)は、一律0.5秒であるものとする。但し、特別図柄の確定表示時間が経過した後に次の可変表示が直ちに開始されない状態(大当り遊技状態や合算保留記憶数が0となった状態)においては、最後に実行された可変表示の表示結果が7セグメントLED406などに継続して表示されるものとする。
ここで、高ベース状態においては、変動パターンのうち変動時間が極めて短い変動パターン(超短縮変動パターン)が選択され、特別図柄の変動時間が200ミリ秒(0.2秒)となる場合がある。そして、仮に、この変形例のような第1表示部(LED405)と第2表示部(7セグメントLED406)の複数の表示部を有さず、単一の表示部のみで超短縮変動パターンの可変表示と停止図柄の導出表示を行うものとした場合、変動時間が極めて短いため、特別図柄の変動中であるか停止図柄が表示されているのかを遊技者が把握することができない。例えば、単一の7セグメントLEDを用いて、各セグメントをリレー式に点灯させて可変表示を行い、変動時間の経過時に停止図柄を導出表示するようにしても、7セグメントLEDが可変表示中であるか停止図柄の導出表示中であるかを遊技者が判別するのは困難または不可能になる。この変形例では、第1特別図柄表示装置8aと第2特別図柄表示装置8bがそれぞれ、第1表示部と第2表示部となるLEDを分離して備えているので、特別図柄の可変表示が行われているのか停止図柄が導出表示されているのかを、遊技者が容易に把握することができる。
画像表示装置9の表示領域における右上方部には、第4図柄表示領域9a〜9dが設けられてもよい(図53参照)。この変形例では、第1特別図柄の可変表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の可変表示が行われる第1表示部としての第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aと、第1特別図柄の停止表示(停止図柄の導出表示)が行われているときに第1特別図柄用の第4図柄の停止表示(赤色表示又は青色表示)が行われる第2表示部としての第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bとが設けられている。また、第2特別図柄の可変表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の可変表示が行われる第1表示部としての第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の停止表示(停止図柄の導出表示)が行われているときに第2特別図柄用の第4図柄の停止表示(赤色表示又は青色表示)が行われる第2表示部としての第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
第1特別図柄の可変表示中には、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aが所定の表示色(例えば黒色)での表示(点灯)と非表示(消灯あるいは背景画像の透過表示)とを、所定の時間間隔で繰り返し継続することで、第1特別図柄用の第4図柄を更新表示する。このときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bが非表示(消灯あるいは背景画像の透過表示)となることで一定の表示状態となる。第1特別図柄の可変表示結果が導出表示(停止表示)されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aを所定の表示色で表示(例えば黒色表示)することで第4図柄の更新表示を停止して一定の表示状態となる。このときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bを第1特別図柄の可変表示結果に応じた所定の表示色で表示(点灯)することで第4図柄の可変表示結果を導出表示(停止表示)する。例えば第1特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」の場合には第4図柄表示領域9bを赤色表示とする一方、第1特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」の場合には第4図柄表示領域9bを青色表示とすればよい。
第2特別図柄の可変表示中には、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cが所定の表示色(例えば白色)での表示(点灯)と非表示(消灯あるいは背景画像の透過表示)とを、所定の時間間隔で繰り返し継続することで、第2特別図柄用の第4図柄を更新表示する。このときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dが非表示(消灯あるいは背景画像の透過表示)となることで一定の表示状態となる。第2特別図柄の可変表示結果が導出表示(停止表示)されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cを所定の表示色で表示(例えば白色表示)することで第4図柄の更新表示を停止して一定の表示状態となる。このときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを第2特別図柄の可変表示結果に応じた所定の表示色で表示(点灯)することで第4図柄の可変表示結果を導出表示(停止表示)する。例えば第2特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」の場合には第4図柄表示領域9dを赤色表示とする一方、第2特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」の場合には第4図柄表示領域9dを青色表示とすればよい。
このように、第1特別図柄表示装置8a(より具体的にはLED403)における第1特図の可変表示と同期して、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおける第1特別図柄用の第4図柄が可変表示される。また、第2特別図柄表示装置8b(より具体的にはLED405)における第2特図の可変表示と同期して、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第2特別図柄用の第4図柄が可変表示される。ここで、同期とは、可変表示の開始時点と終了時点が同じであって、可変表示の期間が一致することをいう。
図53は、第2特別図柄用の第4図柄が可変表示(変動表示)および導出表示(変動停止)されるときの表示態様を示している。第2特別図柄の可変表示中には、図53(a)に示すように、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cが所定のパターンで白色表示と非表示を繰り返すことで点滅する。このとき、第4図柄表示領域9dは非表示の状態となっている。また、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aは、点灯状態(黒色表示の状態)にあり、第4図柄表示領域9bは非表示の状態となっている。そして特図変動時間が経過して第2特別図柄の可変表示結果が導出表示されるときには、図53(b)に示すように、第4図柄表示領域9cが点灯状態(白色表示)となり、第4図柄表示領域9dが表示結果に応じた点灯状態となる。例えば第2特別図柄の可変表示結果が「大当り」であれば赤色表示となる一方、第2特別図柄の可変表示結果が「ハズレ」であれば青色表示となる。第1特図(第1特別図柄)の可変表示中(変動表示中)と導出表示時(変動停止時)における第4図柄表示領域9a、9bの表示態様も、これと同様であればよい。
このように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域は、第4図柄表示領域9aと第4図柄表示領域9bとからなり、別表示部として分離している。第2特別図柄用の第4図柄表示領域は、第4図柄表示領域9cと第4図柄表示領域9dとからなり、別表示部として分離している。仮に、複数の表示部を設けずに、単一の表示部のみで超短縮変動パターンに対応した第4図柄の可変表示と停止図柄の導出表示を行うものとした場合、変動時間が極めて短いために、第4図柄の可変表示中であるか停止図柄の導出表示中であるかを遊技者が把握することが困難または不可能になるという問題が生じる。この変形例では、第4図柄の可変表示が行われる第1表示部(第1特別図柄用の第4図柄表示領域9a、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9c)と、第4図柄の導出表示が行われる第2表示部(第1特別図柄用の第4図柄表示領域9b、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9d)とを分離して備えているので、第4図柄の可変表示が行われているのか停止図柄が導出表示されているのかを、遊技者が容易に把握することができる。
普通図柄表示器10は、LED401、402を備えて構成されてもよい。図54は、普通図柄の可変表示中(変動表示中)と導出表示時(変動停止時)における普通図柄表示器10の表示態様を示している。普通図柄の可変表示中には、図54(a)に示すように、LED401が所定のパターンで点滅する点滅状態になることで普通図柄を更新表示する一方、LED402を消灯状態とすることで一定の表示状態とする。普通図柄の可変表示結果を導出表示(停止表示)するときには、LED401を消灯状態とすることで普通図柄の更新表示を停止して一定の表示状態とする一方、普図表示結果が「普図当り」の場合にはLED402を点灯状態とし、普図表示結果が「普図ハズレ」の場合にはLED402を消灯状態とすることで、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を表示する。
この変形例において、高開放制御(高ベース制御)を伴う時短制御が行われるときに、普通図柄の変動時間が短縮されることになる(例えば0.2秒など)。なお、普通図柄の図柄確定停止時間(表示結果が7セグメントLED402に導出表示されている期間)は、一律に0.5秒であるものとする。普通図柄表示器10には、LED401、402が別表示部として分離して設けられている。仮に、複数の表示部を設けずに、単一の表示部のみで普通図柄の可変表示と停止図柄の導出表示を行うものとした場合、普通図柄の変動時間が極めて短いために、普通図柄の可変表示中であるか停止図柄の導出表示中であるかを遊技者が把握することが困難または不可能になるという問題が生じる。例えば、単一のLEDを用いて、点滅により可変表示を行い、変動時間の経過後に停止図柄を導出表示(当りなら点灯、はずれなら消灯)するようにしても、そのLEDが可変表示中であるか又は停止図柄が導出表示されたのかを遊技者が判別するのは極めて困難である。この変形例では、普通図柄の可変表示が行われる第1表示部としてのLED401と、普通図柄の導出表示が行われる第2表示部としてのLED402とを分離して備えているので、普通図柄の可変表示が行われているのか停止図柄が導出表示されているのかを、遊技者が容易に把握することができる。
この変形例では、例えば図55に示すように、遊技球が通過ゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの期間((1)ゲート通過〜(2)可変入賞球装置到達までの期間)T1は、遊技球が通過ゲート32を通過したことに基づいて普図ゲームが開始されてから普図表示結果が「普図当り」となって可変入賞球装置15において第2始動入賞口14が開放状態となるまでの期間((1)ゲート通過〜(4)開までの期間)t1よりも長くなる。また、上記の期間T1は、遊技球が通過ゲート32を通過したことに基づいて普図ゲームが開始されてから普図表示結果が「普図当り」となったことに基づく第2始動入賞口14の開放状態が終了するまでの期間((1)ゲート通過〜(5)閉までの期間)t2よりも短くなるように、高ベース状態における普通図柄の変動時間と可変入賞球装置15の開放時間を制御するようにしている。
すなわち、t1<T1<t2となるように、高ベース状態における普通図柄の可変表示時間(普図変動時間)と可変入賞球装置15における第2始動入賞口14の開閉制御時間とを制御(設定)する。これにより、通過ゲート32を通過した遊技球は、そのまま第2始動入賞口14を通過(進入)することができる。こうして、高ベース状態において通過ゲート32を通過した遊技球が第2始動入賞口14を通過(進入)せずにアウト口26へと導かれて無駄になることを抑制し、遊技者が不利益になることを防止して遊技意欲を低下させないようにしている。
なお、通過ゲート32から可変入賞球装置15までの間に障害釘が多数配置される場合がある。この場合、遊技球の発射間隔が一定(例えば0.6秒間隔)であっても、各遊技球が通過ゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの期間T1には、遊技球が障害釘に衝突することによるばらつきが生じる。その結果、遊技球が通過ゲート32を通過して、これに伴う可変入賞球装置15の開放制御期間中に第2始動入賞口14を通過(進入)する場合(t1<T1<t2となる場合)もあれば、開放制御期間より前または開放制御期間より後に可変入賞球装置15へと到達する場合(t1>T1またはT1>t2となる場合)もある。後者の場合を極力抑制するために、期間T1の平均値または中央値が、可変入賞球装置15における第2始動入賞口14の開放開始から開放終了までの中間時点(図55に示す(4)開と(5)閉との中間時点)となるように、可変入賞球装置15を制御することが望ましい。具体的には、T1の平均値または中央値に、(t2−t1)/2が合致するように、可変入賞球装置15の開放開始(t1)のタイミングと、開放終了(t2)のタイミングを制御すればよい。このようなタイミング制御を行うことで、T1の平均値または中央値から離れた場合でも、通過ゲート32を通過したより多くの遊技球を第2始動入賞口14に入賞させることができる。
第2始動入賞口14を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ15aによって検出されたことに基づいて、1個の遊技球が賞球として払い出されるようにしてもよい。このように、第2始動入賞口14の入賞による賞球数を「1」とした場合、高ベース状態において、仮に発射された遊技球の全部が第2始動入賞口14を通過(進入)しても、発射された遊技球の数を超えた賞球が払い出されることはなく、高ベース状態において遊技者が過度に有利になることはない。したがって、所定の遊技領域(例えば右遊技領域)に向けて発射(右打ち)された遊技球が極めて高い確率で第2始動入賞口14を通過(進入)するように、遊技領域を構成することができる。
パチンコ遊技機1における遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒といった、一定の間隔に設定されている。一方、高ベース状態における普通図柄の変動時間を0.2秒に設定して、普通図柄の可変表示結果となる停止図柄の表示期間(図柄確定表示時間)を0.5秒に設定する。すなわち、高ベース状態では、およそ0.7秒の周期で普通図柄の可変表示が実行され、その周期は遊技球の発射間隔である0.6秒と概ね一致している。このように、遊技球が通過ゲート32を通過したことに基づいて普通図柄の可変表示が開始されてから、普図表示結果が「普図当り」となって第2始動入賞口14が開放状態(または拡大開放状態)となるまでの期間や、普図表示結果が「普図ハズレ」となって次回の可変表示が開始されるまでの期間は、遊技球の発射間隔である0.6秒と概ね同一になる。これにより、高ベース状態であるときに通過ゲート32を通過したが第2始動入賞口14を通過(進入)せずにアウト口26へと導かれて無駄になる遊技球の発生を抑制して、遊技意欲の低下を防止することができる。なお、これらの期間は、遊技球の発射間隔以下となるように制御(設定)されてもよい。このようにしても、遊技球の発射間隔と概ね同一になる場合と同様の効果を得ることができる。
上記の変形例では、可変入賞球装置15が通過ゲート32の下流にあり、通過ゲート32を通過した遊技球が開放状態となった可変入賞球装置15において第2始動入賞口14に入賞可能であるものとして説明した。これに対して、通過ゲート32の上流に可変入賞球装置が設けられるようにしてもよい。図56(a)および(b)に示す構成例では、可変入賞球装置15’が通過ゲート32’の上流に設けられている。可変入賞球装置15’では、ソレノイド16cによる可動翼片の傾動制御に応じて第2始動入賞口14cが閉鎖状態と開放状態とに変化する。このような構成例において、左遊技領域7A(遊技領域の左側)に向けて発射(左打ち)された遊技球は、可変入賞球装置15’において第2始動入賞口14cが開放状態であるときに、第2始動入賞口14cを通過(進入)しやすい。第2始動入賞口14cを通過(進入)した遊技球は、第2始動口スイッチ14a’によって検出される。第2始動入賞口14cを通過(進入)しなかった遊技球は、所定の釘の配列や画像表示装置9の外枠等によって誘導され、可変入賞球装置15’の左下方に設けられた通過ゲート32’を高い確率で通過する。通過ゲート32’を通過した遊技球はゲートスイッチ32cにより検出される。
図57は、図56(a)および(b)に示すような構成例において、普通図柄の可変表示期間と可変入賞球装置15’における第2始動入賞口14cの状態(閉鎖状態または開放状態)との関係を示している。図57に示す関係において、期間t1は、第1の遊技球が通過ゲート32’を通過したことに基づいて普図ゲームが開始されてから普図表示結果が「普図当り」となって可変入賞球装置15’において第2始動入賞口14cが開放状態となるまでの期間である。期間t2は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示が開始されてから普図表示結果が「普図当り」となったことに基づく第2始動入賞口14cの開放状態が終了するまでの期間である。期間T2は、第1の遊技球が通過ゲート32’を通過してから直後(例えば第1の遊技球が発射されてから0.6秒後)に発射された第2の遊技球が可変入賞球装置15’に到達するまでの期間である。そして、期間T2は、期間t1よりも長くなるとともに期間t2よりも短くなるように、設定されている。
すなわち、t1<T2<t2となるように、高ベース状態における普通図柄の変動時間と可変入賞球装置15’における第2始動入賞口14cの開閉制御時間とを制御(設定)する。これにより、第2の遊技球が可変入賞球装置15’に到達したときに、未だ第2始動入賞口14cが開放状態となっていないことや(t1>T2となること)、既に開放状態が終了していること(T2>t2となること)を防止して、可変入賞球装置15’における第2始動入賞口14cへの入賞率を高めることができる。
この場合、第1の遊技球が第2始動入賞口14cを通過(進入)せずに可変入賞球装置15’から通過ゲート32’へと到達するまでの時間と、期間t1に対応する時間との加算値は、遊技球の発射間隔である0.6秒と同一または発射間隔よりも短くなるように設定してもよい。このような設定では、第2始動入賞口14cが閉鎖状態であるときに、第1の遊技球が通過ゲート32’を通過したことに基づく普図ゲームが開始され、その普図表示結果が「普図当り」となって第2始動入賞口14cが開放状態となることで、第2の遊技球が第2始動入賞口14cを通過(進入)することができる。例えば、第1の遊技球が第2始動入賞口14cを通過(進入)せずに可変入賞球装置15’から通過ゲート32’まで到達するまでの時間が0.2秒である場合に、期間t1を0.4秒程度またはこれより短い時間となるように設定すればよい。
高ベース状態において普図表示結果が「普図当り」となったときに第2始動入賞口14cの開放回数が通常状態よりも増加する場合には、普図ゲームにおいて普通図柄の可変表示が開始されてから第2始動入賞口14cが最初に開放状態となるまでの期間をt1とし、普通図柄の可変表示が開始されてから第2始動入賞口14cを最後に開放状態とする制御が終了するまでの期間をt2としてもよい。この場合にも、通過ゲート32を通過した遊技球が第2始動入賞口14cを通過(進入)しやすくなり、また、第2の遊技球が第2始動入賞口14cを通過(進入)しやすくなって、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
この変形例では、高ベース状態における特別図柄の変動時間を最短で200ミリ秒(0.2秒)としており、この超短縮変動パターンで可変表示結果が「ハズレ」または「大当り」となる変動パターンは、特に可変表示結果が「ハズレ」の場合に比較的高い確率で選択される。こうした特別図柄の変動時間が最短時間である0.2秒を、停止図柄の表示期間(特図確定表示時間)である0.5秒と加算すると0.7秒になる。すなわち、高ベース状態では、およそ0.7秒の周期で特別図柄の可変表示が実行され、その周期は遊技球の発射間隔である0.6秒と概ね一致している。
このように、高ベース状態における特別図柄の可変表示が実行される周期は、遊技球の発射間隔である0.6秒と概ね同一になる。これにより、高ベース状態において右遊技領域(遊技領域の右側)に向けて発射(右打ち)された遊技球が高い確率(例えば90%)で第2始動入賞口14cを通過(進入)したとしても、第2特図保留記憶数が上限値(例えば「4」)に達する可能性が低下して、第2始動入賞口14cを通過(進入)したことによる始動条件(第2始動条件)の成立が無効(特図ゲームが実行されない無効入賞)になる頻度を抑制することができる。
この変形例では、期間t2を、普通図柄の可変表示が開始されてから可変入賞球装置15または可変入賞球装置15’が開放状態に制御され、その開放状態が終了するまでの期間としたが、高ベース状態において普通図柄の表示結果が当りとなったときに可変入賞球装置15や可変入賞球装置15’の開放回数が高められるようにした場合には、普通図柄の可変表示が開始されてから可変入賞球装置15や可変入賞球装置15’が最初の開放状態となる開始タイミングまでを期間t1とし、普通図柄の可変表示が開始されて可変入賞球装置15や可変入賞球装置15’が最後の開放状態となった後の終了タイミングまでを期間t2としてもよい。この場合にも、通過ゲート32を通過した遊技球が可変入賞球装置15の第2始動入賞口14を通過(進入)する確率や、通過ゲート32’を第1の遊技球が通過した後に第2の遊技球が可変入賞球装置15’の第2始動入賞口14cを通過(進入)する確率を、高めることができる。
上記実施の形態においては、飾り図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータ560では、1つ目のコマンドとして、擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとして、リーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。また、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
この発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
この発明は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、図22に示されたステップS132A〜S132Eの処理では、時短フラグと確変フラグがセットされていない通常可変表示状態(低確低ベース状態など)であるときには、例えば0.8秒といった第1時間に亘って特別図柄などの可変表示結果を停止表示させた後に次の可変表示が開始されるように、特図確定表示時間が設定される。一方、時短フラグがセットされている短縮可変表示状態(高確高ベース状態または低確高ベース状態など)であるときには、例えば0.5秒といった第1時間よりも短い第2時間に亘って特別図柄などの可変表示結果を停止表示させた後に次の可変表示が開始されるように、特図確定表示時間が設定される。このように、短縮可変表示状態における表示結果の停止表示時間を短くすることで、変動効率を十分に高めることができる。
例えば遊技球が右打ちされた場合のように、所定の発射強度で発射された遊技球が開放状態となった可変入賞球装置15における第2始動入賞口14を高い割合で通過するように、可変入賞球装置15などが設けられた構成において、超短縮変動パターンなどにより特別図柄の変動時間や特図確定表示時間が遊技球の発射間隔と概ね同一または発射間隔よりも短くなるように設定されてもよい。この場合、一例として、第1特別図柄表示器8aや第2特別図図柄表示器8bは、複数の表示部を分離して備えるように構成し、特別図柄の可変表示中には、図52(a)に示すように、LED405といった第1表示部において特別図柄を更新表示する一方、7セグメントLED406といった第2表示部を一定の表示状態とする。また、特別図柄の表示結果を導出表示させるときには、図52(b)に示すように、第1表示部において特別図柄の更新表示を停止して一定の表示状態とする一方、第2表示部において特別図柄の表示結果を表示する。これにより、特別図柄の平均変動時間や表示結果の停止表示時間が短くなったとしても、特別図柄の可変表示が行われているのか停止図柄が導出表示されているのかを、遊技者が容易に把握することができる。
他の一例として、普通図柄表示器10は、複数の表示部を分離して備えるように構成し、普通図柄の可変表示中には、図54(a)に示すように、LED401といった第1表示部において普通図柄を更新表示する一方、LED402といった第2表示部を一定の表示状態とする。また、普通図柄の表示結果を導出表示させるときには、図54(b)に示すように、第1表示部において普通図柄の更新表示を停止して一定の表示状態とする一方、第2表示部において普通図柄の表示結果を表示する。これにより、普通図柄の平均変動時間や表示結果の停止表示時間が短くなったとしても、普通図柄の可変表示が行われているのか停止図柄が導出表示されているのかを、遊技者が容易に把握することができる。
さらに他の一例として、第4図柄表示領域9a〜9dが設けられ、第4図柄の可変表示中には、図53(a)に示すように、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cといった第1表示部において第4図柄を更新表示する一方、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dといった第2表示部を一定の表示状態とする。また、第4図柄の表示結果を導出表示させるときには、図53(b)に示すように、第1表示部において第4図柄の更新表示を停止して一定の表示状態とする一方、第2表示部において第4図柄の表示結果を表示する。これにより、第4図柄の平均変動時間や表示結果の停止表示時間が短くなったとしても、第4図柄の可変表示が行われているのか停止図柄が導出表示されているのかを、遊技者が容易に把握することができる。また、第4図柄の表示状態を見れば、大当り遊技状態になるか否かを把握できるので、遊技者にとって便利である。
特別図柄ポインタに設定されているデータが「第1」を示す場合には、第1特別図柄を用いた特図ゲームに対応して、図22に示されたステップS132Eの処理により、0.8秒といった第1時間に亘って特別図柄などの可変表示結果を停止表示させた後に次の可変表示が開始されるように、特図確定表示時間が設定されてもよい。また、特別図柄ポインタに設定されているデータが「第2」を示す場合には、第2特別図柄を用いた特図ゲームに対応して、図22に示されたステップS132Bの処理により、0.5秒といった第1時間よりも短い第2時間に亘って特別図柄などの可変表示結果を停止表示させた後に次の可変表示が開始されるように、特図確定表示時間が設定されてもよい。このように、時短制御(高開放制御)が行われるときに高い頻度で実行される第2特別図柄を用いた特図ゲームに対応した特図確定表示時間を短くすることで、短縮可変表示状態における変動効率を高めることができる。一方、時短制御(高開放制御)が行われない通常可変表示状態では、変動効率を低くすることで、可変表示が行われていない時間が発生してしまうことなどを防止できる。
例えば図20に示すステップS52の処理を実行することで、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄を用いた特図ゲームは、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄を用いた特図ゲームに優先させて実行してもよい。これにより、短縮可変表示状態における変動効率をさらに高めることができる。
例えば「15R確変大当り」に対応した第1特定遊技状態となる大当り遊技状態の終了後には、時短制御が行われることにより第1短縮可変表示状態に制御する一方で、「突然確変大当り」などに対応して有利度合いが低い第2特定遊技状態となる大当り遊技状態の終了後には、超時短制御が行われることにより第1短縮可変表示状態よりも平均可変表示時間がさらに短い第2短縮可変表示状態に制御してもよい。これにより、有利度合いが低い大当り遊技状態の終了後に平均可変表示時間が短くなって変動効率が高くなることで、遊技意欲の低下を抑制することができる。
このような超時短制御が行われる第2短縮可変表示状態であるときには、時短制御が行われる第1短縮可変表示状態であるときと比べて、特図確定表示時間が短くなるように設定してもよい。これにより、有利度合いが低い大当り遊技状態の終了後に変動効率をさらに高くすることで、遊技意欲が低下してしまうことを防止できる。
例えば図41に示されたステップS530において図44(A)に示された第2連動演出決定テーブルを使用して所定演出の有無などを決定することで、保留表示予告のような先読み予告演出が実行されているときには、こうした先読み予告演出が実行されていないときに比べて高い割合で、所定演出に含まれる所定態様の演出となる予兆演出が実行される。これにより、例えば所定演出が実行されていないときに先読み予告演出の実行が開始されることで、所定演出が実行されることに対する遊技者の期待を抱かせて、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図41に示されたステップS526において図43に示された第1連動演出決定テーブルを使用して所定演出の有無などを決定することで、擬似連の演出において再変動が実行されるときには、このような再変動が実行されないときに比べて高い割合で、所定演出に含まれる所定態様の演出となる予兆演出が実行される。これにより、例えば予兆演出が実行されたときに擬似連の演出における再変動が実行されることに対する遊技者の期待を抱かせることで、遊技興趣を向上させることができる。また、擬似連の演出における再変動が所定演出よりも先に実行される場合には、所定演出が実行されていないときに再変動が実行されることで、所定演出が実行されることに対する遊技者の期待を抱かせて、遊技興趣を向上させることができる。