以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材における例えば上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取り付け位置は、これに限られない。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。なお、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えていてもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技(大当り遊技状態ともいう。)及び小当り遊技(小当り遊技状態ともいう。)が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
また、遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。飾り図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の飾り図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つの領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において「大当り」に対応する飾り図柄の組み合せ(例えば、大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせなど)が停止表示される。また、第1特別図柄表示器8aにおいて小当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて小当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において「小当り」に対応する飾り図柄の組み合せ(例えば、小当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせなど)が停止表示される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として飾り図柄の変動表示が行われるが、演出表示装置9では、例えば、キャラクタ画像を用いる演出や、大当り判定や変動パターンの決定結果に基づいて報知画像を表示するような演出も実行される。
また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、同じ飾り図柄が揃って停止表示されることがある。また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄又は小当りが停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、又は、リーチ状態になって、所定のチャンス目の飾り図柄の組み合わせが最終的に停止表示されることがある。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。なお、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられている。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられるようにしてもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(ここでは、大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(ここでは、大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口(第1大入賞口)が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどに限らず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
また、演出表示装置9の左部には、モータ24によって駆動される羽根状の可動部材76が設けられている。可動部材76が左に倒れるような位置に制御されると、遊技球が第2大入賞口に進入可能な状態(開放状態)になる。可動部材76が第2大入賞口を塞ぐような位置に制御されると、遊技球が第2大入賞口に進入不可能な状態(閉鎖状態)になる。第2大入賞口に進入した遊技球は、第2入賞スイッチ71で検出される。
なお、この実施の形態では、15R通常大当りに基づく大当り遊技中、2R確変大当りに基づく大当り遊技中、15R確変大当りに基づく大当り遊技中に、第1大入賞口が開放状態に制御される。また、小当り遊技状態中、突然確変大当りに基づく大当り遊技中、および突然確変見せかけ大当りに基づく大当り遊技中に、第2大入賞口が開放状態に制御される。
「15R通常大当り」は、15ラウンド(各ラウンドの開放可能時間は例えば29秒)の大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に通常状態(非確変状態)に移行させる大当りである。なお、通常状態とは異なる時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)に移行させてもよい(他の大当りでも適宜同様。)。「2R確変大当り」は、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行させる大当りである。「15R確変大当り」は、15ラウンド(各ラウンドの開放可能時間は例えば29秒)の大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである。確変状態とは、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)のことをいう。以下、15R確変大当りと15R通常大当りとを「15R大当り」と総称することがある。
「突然確変大当り」は、15R大当りと比較して大入賞口(第2大入賞口)の開放回数が少ない回数(この実施の形態では10秒間の開放を2回)まで許容され、2R確変大当りと比較して大入賞口(第2大入賞口)の開放時間が短い時間(この実施の形態では1回の開放ごとに10秒間)まで許容される大当りであるが、突然確変大当りに基づく大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される。なお、「突然確変大当り」を、「突確大当り」ともいう。「突然確変見せかけ大当り」は、15R大当りの場合と同様に、大当り遊技中に大入賞口(第2大入賞口)が15回(15ラウンド)開放するが、最初の2回(2ラウンド)については、突然確変大当りの場合と同様に、大入賞口の開放時間は10秒である。よって、突然確変見せかけ大当りに基づく大当り遊技状態が開始された後の初期の段階では、遊技者は、突然確変大当りが生じたのか突然確変見せかけ大当りが生じたのかを区別できず、遊技の興趣を向上させることができる。また、突然確変見せかけ大当りに基づく大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される。なお、「突然確変見せかけ大当り」を、「突確見せかけ大当り」ともいう。また、「突然確変見せかけ大当り(突確見せかけ大当り)」を、単に、「見せかけ大当り」ということがある。
また、この実施の形態では、突然確変大当りが発生したときに実行される大当り遊技のラウンド数は2であるが、15R大当りの場合に比べて各ラウンドの開放時間が極めて短ければ、2ラウンドよりも多いラウンド数にしてもよい。例えば、15R大当りが発生したときに実行される大当り遊技のラウンド数と同じにしてもよい。
「小当り」は、大当りと比較して大入賞口(第2大入賞口)の開放回数が少ない回数(この実施の形態では10秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。この実施の形態では、突然確変大当りに基づく大当り遊技状態と小当り遊技状態とでは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の10秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、本明細書では、小当りについても開放回をラウンドとする。また、見せかけ大当りが発生したときに、第1ラウンドにおいて突然確変大当りおよび小当りのラウンドにおける開放時間と同じ開放時間で2回大入賞口を開放した後大入賞口を長時間開放し、第2ラウンド以降のラウンドでは、15R大当りのラウンドにおける開放時間と同じ開放時間で大入賞口を開放してもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、時短状態(後述の高ベース状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの少なくともいずれかが高められる。時短状態の有無に係わらず、確変状態にて、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの少なくともいずれかが高められるようにしもてよい。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、時短状態は、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態を含む。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合(低ベース状態)と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。なお、確変状態のときには、時短状態の有無にかかわらず、高ベース状態になるようにしてもよい。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)になる。
また、特別図柄や飾り図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や飾り図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2では、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55(後述の各種フラグや各種カウンタや各種タイマなども設けられる。)、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が処理を実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品毎に異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および第2入賞スイッチ71からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および第2大入賞口を形成するための可動部材76を開放状態に制御するモータ24を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御基板37を介して、球払出装置97を制御し、入賞が発生した入賞口に対応した数の賞球を払い出す制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および飾り図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAM(後述の各種フラグや各種カウンタや各種タイマなども設けられる。)を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。つまり、演出制御用CPU101は、VDP109を介して画像を表示する表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。単方向性回路は、信号毎に設けられる。さらに、出力ポート571が単方向性回路として構成されることで、主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力され、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、トリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿122Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート107を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号に基づいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた制御データを音声データROM704から取得し、この制御データに基づいて音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。このような構成によって、音番号データに応じた音声がスピーカ27から音声出力される。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において、CPU56は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM55がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU56へ送出され、CPU56は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、遊技機の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU56は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、遊技機における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を受け取り、それらの状態判定を行う処理である。メイン側エラー処理は、遊技機の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えば遊技機の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板31の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
特別図柄プロセス処理では、RAM55に設けられた特別図柄プロセスフラグの値を遊技機における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置20における大入賞口(第1大入賞口)や可動部材76による大入賞口(第2大入賞口)の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理において、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を遊技状態に応じて更新し、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御して可変入賞球装置15の開閉動作設定などを実行する。
コマンド制御処理は、主基板31から演出制御基板80などのサブ側の制御基板に対して制御コマンド(例えば、特別図柄プロセス処理や、普通図柄プロセス処理で送信設定される演出制御コマンドなど)を伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM55に設けられた送信コマンドバッファ(例えば、ポインタ)の値(例えば、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレス)によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、出力ポート571に制御データをセットした後、演出制御INT信号の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
この実施の形態では、遊技制御処理は2msごとに起動されることになる。なお、遊技制御処理は、遊技制御用タイマ割込処理に相当する。タイマ割込処理では例えば割込みが発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理は遊技制御メイン処理において実行されるようにしてもよい。
図4は、あらかじめ用意された飾り図柄の変動パターンを示す説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図4に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。「擬似連」は、全ての図柄表示エリアにおいて飾り図柄を仮停止表示させた後、全ての図柄表示エリアにおいて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回行う変動パターンである。
リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれになる飾り図柄を仮停止させた後に飾り図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図4に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図4において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突確見せかけ大当り、突確大当り、2R確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図4に示すように、突確見せかけ大当り、突確大当り、2R確変大当りおよび小当りでない大当り(15R大当り)の場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突確見せかけ大当り、突確大当り、2R確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図4に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められているが(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である。)、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。また、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。その場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意し(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意し)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図5は、遊技用乱数となる各乱数を示す説明図である。遊技用乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(大当りの種別)を決定する(大当り種別判定用)。
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。
(4)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。この実施の形態では、後述するように、15R大当り(15R確変大当りおよび15R通常大当り)である場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、2R確変大当り、突確見せかけ大当りまたは突確大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも変動演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが変動演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも変動演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
遊技制御用タイマ割込処理における遊技用乱数更新処理にて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図6(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図6(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図6(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図6(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図6(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図6(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図6(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図6(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図6(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図6(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図6(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄(可変表示の表示結果)を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄(可変表示の表示結果)を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図6(A)のように、大当り判定テーブルを用いる場合には、確変状態でない非確変時には、300分の1の割合で大当りと決定されるのに対して、確変状態時には、30分の1の割合で大当りと決定される。従って、この実施の形態では、確変時(確変状態のとき)には、非確変時と比較して、「大当り」と決定される割合が高い。図6(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りに決定しないようにしてもよい。その場合、図6(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。
図7は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図7に示す大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を、「15R通常大当り」、「2R確変大当り」、「突確見せかけ大当り」、「突確大当り」、「15R確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。一例として、15R通常大当りになるときには特別図柄の停止図柄は「1」であり、2R確変大当りになるときには特別図柄の停止図柄は「9」であり、突確大当りになるときには特別図柄の停止図柄は「3」であり、突確見せかけ大当りになるときには特別図柄の停止図柄は「5」であり、15R確変大当りになるときには特別図柄の停止図柄は「7」である。すなわち、大当りの種別と特別図柄の停止図柄の種別とは対応している。
図7(A)には、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(低確率時の第1特別図柄用)が示されている。図7(B)には、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)が示されている。
高ベース状態では、遊技球が第1始動入賞口13に入賞することに比べて、遊技球が第2始動入賞口14に入賞する機会が多いので、図7(B)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルが使用される機会が極めて多い。また、低ベース状態では、遊技球が第2始動入賞口14に入賞する機会はないので、図7(A)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルが使用される。
第1特別図柄の変動表示が行われる場合にのみ、「突確見せかけ大当り」および「突確大当り」と決定される場合があるようにし、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、「突確見せかけ大当り」および「突確大当り」と決定されないようにしてもよい。また、所定の乱数を用いて特別図柄の停止図柄を決定し、決定された特別図柄の種別に応じて大当りの種別を決定してもよく、ある図柄(1つでもよいし複数でもよい)については、そのときの遊技状態に応じて、大当り遊技の終了後に時短状態に移行させる場合があったり、時短状態に移行させない場合があったりしてもよい。
図8(A),(B)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される。大当り種別が15R大当りである場合には、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aが使用され、それ以外の大当りである場合には大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bが使用される。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。また、大当り種別が15R大当り以外である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が15R大当りである場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「2R確変大当り」、「突確見せかけ大当り」または「突確大当り」になる場合には、15R大当りの場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
図8(C)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Cを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Cは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図8(C)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図9(A)〜(C)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。図9(A)には、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aが示されている。また、図9(B)には、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが示されている。また、図9(C)には、遊技状態が時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135C:確変状態でも使用される)が示されている。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図9(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数に関わらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行される。
また、図9(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数に関わらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの変動演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行される。すなわち、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)に記憶されている保留記憶の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)に関わらず、共通の判定値(図9(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるように構成されている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの変動演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
図10(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A,137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A,137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各当り変動パターン判定テーブル137A,137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにすることに決定されると、当り変動パターン判定テーブル137Aが選択される。変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにすることに決定されると、当り変動パターン判定テーブル137Bが選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bには、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)が設定されている。
なお、図10(A)に示す当り変動パターン判定テーブル137Aでは、変動パターン種別が、ノーマルCA3−1と、ノーマルCA3−2と、スーパーCA3−3とに種別分けされている。また、図10(B)に示す当り変動パターン判定テーブル137Bでは、変動パターン種別が、特殊CA4−1と、特殊CA4−2とに種別分けされている。なお、図10(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの変動演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。その場合には、例えば、特殊CA4−1が、変動演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2が、変動演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図11は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。図11に示すはずれ変動パターン判定テーブル138Aでは、変動パターン種別が、非リーチCA2−1と、非リーチCA2−2と、非リーチCA2−3と、ノーマルCA2−4と、ノーマルCA2−5と、ノーマルCA2−6と、スーパーCA2−7とに種別分けされている。はずれ変動パターン判定テーブル138Aには、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、飾り図柄の可変表示結果が「ハズレ」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)が設定されている。
図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動時間の情報を含む変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図4に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C07(H)は、大当りまたは小当りとするか否か、および大当り種別を特定可能な演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C07(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C07(H)を表示結果指定コマンドという。コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。コマンド8E01(H)は、普通図柄の表示結果が当りになることを示すとともに普通図柄の変動を開始することを示す普通図柄開始指定(当り)コマンドであり、コマンド8E02(H)は、普通図柄の表示結果がはずれになることを示すとともに普通図柄の変動を開始することを示す普通図柄開始指定(はずれ)コマンドである。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A002,A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(以下、大当り開始指定コマンドまたはファンファーレ指定コマンドともいう。)である。大当り遊技または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドには、大当りの種別に応じた大当り開始1指定コマンドと、大当り開始2指定コマンドと、大当り開始3/小当り開始指定コマンドとがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。コマンドA301(H)は、大当り終了画面または小当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技または小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り/小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB001(H)は、遊技状態が低ベース状態(非時短状態)であることを示す演出制御コマンド(低ベース状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が高ベース状態(時短状態)であることを示す演出制御コマンド(高ベース状態指定コマンド)である。コマンドB003(H)は、遊技状態が確変状態でないことを示す演出制御コマンド(非確変状態指定コマンド)である。コマンドB004(H)は、遊技状態が確変状態であることを示す演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。なお、低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドおよび確変状態指定コマンドを遊技状態指定コマンドと総称することがある。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。保留記憶数そのものを指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。第1保留記憶数を指定する場合と第2保留記憶数を指定する場合とで別々の演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果(所謂先読み結果)として、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果として、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する入賞時判定処理(図19参照)において、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する(所謂先読み)。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに基づいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図13は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13に示すように、この実施の形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。例えば、後述する入賞時判定処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、図柄1指定コマンドを送信する。また、例えば、「15R通常大当り」となると判定された場合には、図柄2指定コマンドを送信する。また、例えば、「2R確変大当り」となると判定された場合には、図柄3指定コマンドを送信する。また、例えば、「見せかけ大当り」となると判定された場合には、図柄4指定コマンドを送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、図柄5指定コマンドを送信する。また、例えば、「15R確変大当り」となると判定された場合には、図柄6指定コマンドを送信する。また、例えば、「小当り」となると判定された場合には、図柄7指定コマンドを送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
変動カテゴリコマンドでは、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や飾り図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定される。例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態かつはずれとなると判定した場合、後述する入賞時判定処理において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから(図9(A),(B)参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことに基づいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。その他、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから(図9(A),(B)参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことに基づいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図9(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値を抽出して導き出されたものである。このことは、他の変動カテゴリについても同様であり、図8(A)〜(C)や図9(C)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値を抽出してカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
始動入賞時に入賞時判定を行ったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じうる。しかし、この実施の形態では、少なくとも非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別については、合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割り当てられている(図8および図9参照)。したがって、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。そこで、この実施の形態では、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7またはスーパーCA3−3の変動パターン種別になると入賞時判定された変動表示に対して後述する先読み予告演出(先読み予告)が実行される。
「先読み予告演出」は、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行される予告演出のことである。この実施の形態では、先読み予告演出として、例えば「特殊図柄」や「保留表示」、「モード移行」といった、複数種類の予告演出のいずれかを実行することができる。
「特殊図柄」の先読み予告演出は、飾り図柄の可変表示において最終停止表示される確定飾り図柄の一部または全部を、通常時における飾り図柄とは異なる特殊な飾り図柄に変化させることにより、あるいはチャンス目図柄として予め定められた組合せとすることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する。一例として、予告対象となる可変表示よりも前に実行される可変表示において最終停止表示される飾り図柄を、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない所定の表示色(例えば赤色など)を有する星型などの記号を示すものとすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。「特殊図柄」の先読み予告演出は、「特殊図柄予告」ともいう。
「保留表示」の先読み予告演出は、例えば演出表示装置9の合算保留記憶表示部などにおいて、可変表示の実行条件の成立数を特定可能に表示する表示部位を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する。一例として、合算保留記憶表示部における所定の表示部位にて、表示色を通常時における所定色(例えば青色)とは異なる特定色(例えば金色や虹色など)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。また、表示部位における表示柄を通常時とは異なる特定柄(例えばサクラ柄など)とすることや、表示部位に通常時とは異なるキャラクタを表示することにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できるようにしてもよい。「保留表示」の先読み予告演出は、「保留表示予告」ともいう。
「モード移行」の先読み予告演出は、遊技機における演出状態を通常時における演出モードとは異なる先読み予告モードに移行させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する。一例として、予告対象となる可変表示よりも前に実行される可変表示において演出表示装置9の画面上における背景画像を、通常時の背景画像とは異なる特定表示態様の背景画像に変化させることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。「モード移行」の先読み予告演出は、「モード移行予告」ともいう。
この実施の形態では、遊技状態にかかわらず(例えば、高確率状態や時短状態であるか否かや、大当り遊技中であるか否かにかかわらず)、始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、図柄指定コマンドとともに変動カテゴリコマンドが必ず送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドに基づいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやリーチとなるか否かを予告する先読み予告演出を実行する。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図12に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
次に、CPU56が遊技制御用タイマ割込処理にて実行する普通図柄プロセス処理を説明する。図14は、普通図柄プロセス処理を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理において、CPU56は、ゲートスイッチ32aがオン状態となったこと、すなわち遊技球がゲート32を通過したことをゲートスイッチ32aからの検出信号などに基づいて判定し(S411)、ゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると、ゲートスイッチ通過処理(S412)を実行する。その後、ゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出していないか、ゲートスイッチ通過処理のあとは、普通図柄プロセスフラグの値に応じてS400〜S404のいずれかの処理を実行する。
CPU56は、S412において、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1し、ソフトウェア乱数である普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出して、RAM55に設けられた、ゲート通過記憶数の値に対応したRAM55に設けられた保存領域に格納する。また、普通図柄保留記憶表示器41の点灯個数を1増やす。
CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が初期値である「0」のときに、S400の普通図柄通常処理を実行する。CPU56は、普通図柄通常処理において、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行されている状態でなく、かつ、可変入賞球装置15が開放状態でない場合)であり、かつ、ゲート通過記憶数(RAM55に設けられたゲート通過記憶数カウンタのカウント値などで特定すればよい。)が0でなければ、保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数の値と図15に示された普通図柄当り決定テーブルとを用いて、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。すなわち、普通図柄当り判定用乱数の値が普通図柄当り決定テーブルに設定されている判定値(当りに対応する判定値)のいずれかの一致する場合に、当りと判定する。当りと判定した場合には、普通図柄当りフラグをセットする。当りとするか否かの決定を行った場合には、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン設定処理(S401)を示す値(この例では「1」)に更新する。当りとするか否かの決定を行わない場合などには、普通図柄通常処理を終了する。なお、CPU56は、遊技状態が低ベース状態であれば(後述の時短フラグがセットされていなければ)、図15(A)に示されたテーブルを使用し、高ベース状態であれば(後述の時短フラグがセットされていれば)、図15(B)に示されたテーブルを使用する。
図15(A)には、低ベース状態で使用されるテーブルが示されている。図15(A)に示すように、低ベース状態では、2/250の確率で当りと判定される。当りと判定された場合には、可変入賞球装置(普通電動役物)15が1回開放(開放時間は5.8秒)する。なお、低ベース状態では、普通図柄の変動時間(可変表示時間)は、10秒である。ただし、普通図柄の変動時間として複数種類の変動時間を用意し、CPU56は、使用する変動時間をそれらのうちから選択するようにしてもよい。また、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間(例えば、5.8秒よりも短い時間)のいずれかまたは双方を複数種類用意し、CPU56は、開放回数および開放時間のいずれかまたは双方を選択するようにしてもよい。
図15(B)には、高ベース状態(時短状態)で使用されるテーブルが示されている。図15(B)に示すように、高ベース状態では、249/250の確率で当りと判定される。当りと判定された場合には、可変入賞球装置(普通電動役物)15が3回開放(各々の開放時間は1.8秒)する。なお、高ベース状態では、普通図柄の変動時間(可変表示時間)は、1.5秒である。図15に示すように、遊技状態が低ベース状態のときは低い確率で当りになり、高ベース状態のときは極めて高い確率(この例では、略100%であるが、100%でもよい。)で当りになる。
CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が「1」のときに、S401の普通図柄変動パターン設定処理を実行する。CPU56は、普通図柄変動パターン設定処理において、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否か確認する。具体的には、後述の時短フラグがセットされているか否か確認する。高ベース状態である場合には、普通図柄プロセスタイマに1.5秒に相当する値を設定する。低ベース状態である場合には、普通図柄プロセスタイマに10秒に相当する値を設定する。また、普通図柄通常処理で当りに決定されている場合(普通図柄当りフラグがセットされている場合)には、普通図柄の表示結果を当りにすることに決定されているとともに普通図柄の変動を開始することを示す普通図柄開始指定(当り)コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する送信設定を行う。普通図柄通常処理ではずれに決定されている場合には、普通図柄の表示結果をはずれにすることに決定されているとともに普通図柄の変動を開始することを示す普通図柄開始指定(はずれ)コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する送信設定を行う。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(S402)に対応した値(具体的には「2」)に更新する。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、コマンド制御処理において演出制御コマンドを送信する。
CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が「2」のときに、S402の普通図柄変動処理(普通図柄を変動させる処理)を実行する。普通図柄変動処理を実行するごとに、CPU56は、普通図柄表示器10を表示制御し、普通図柄の可変表示(変動)を実行し、普通図柄プロセスタイマの値を1減算する。減算後、普通図柄プロセスタイマの値が0になると(タイマがタイムアウトすると)、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させ、停止図柄(普通図柄当りフラグがセットされていれば「当り」に対応する普通図柄。普通図柄当りフラグがセットされていなければ「はずれ」に対応する普通図柄。)を導出表示する。この停止図柄は、普図表示結果ともいう。普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止時処理(S403)に対応した値(具体的には「3」)に更新する。普通図柄プロセスタイマの値が0にならない場合には普通図柄変動処理を終了する。なお、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止時処理に対応した値にする前に、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間(停止図柄を表示する時間)をセットする。
CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が「3」のときに、S403の普通図柄停止時処理を実行する。CPU56は、普通図柄停止時処理において、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、普通図柄プロセスタイマの値を−1する。このときには、停止図柄の表示を継続する処理を行う。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは、CPU56は、停止図柄の表示を終了し、普通図柄当りフラグがセットされているか否か確認する。普通図柄当りフラグがセットされているときは、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間(5.8秒または1.8秒、時短フラグがセットされている場合には、1.8秒。)に相当する値をセットする。また、CPU56は、可変入賞球装置(普通電動役物)15を開放状態にし、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(S404)を示す値(具体的には「4」)に更新する。普通図柄当りフラグがセットされていないと判定したときは、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S400)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が「4」のときに、S404の普通電動役物開放中処理を実行する。CPU56は、普通電動役物開放中処理を実行するごとに、普通図柄プロセスタイマの値を1ずつ減算し、普通図柄プロセスタイマの値が0になると、可変入賞球装置(普通電動役物)15を閉鎖状態にする。そして、普通電動役物作動時間が5.8秒であった場合(1回の開放が行われる場合すなわち低ベース状態の場合)には、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S400)を示す値(具体的には「0」)に更新する。普通電動役物作動時間が1.8秒であった場合(3回の開放が行われる場合すなわち高ベース状態の場合)には、3回の開放が完了しているときには、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S400)を示す値に更新する。3回の開放が完了していないときには、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間(1.8秒)に相当する値をセットし、再び、可変入賞球装置15を開放状態にする。なお、CPU56は、可変入賞球装置15を直ちに開放状態にするのではなく、所定のインターバル時間が経過したとき(普通電動役物開放中処理を実行するごとに所定のタイマ値を減算していき、タイマ値が0になったときなど)に開放状態にする。普通図柄プロセスタイマの値が「0」になっていない場合には、開放状態が維持される。
図16は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が遊技制御用タイマ割込処理において実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動口スイッチ通過処理を実行する(S321)。また、特別図柄プロセスフラグの値に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。小当りフラグは、小当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマにタイマ初期値をセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドなどを送信する送信設定を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過するまでは、特別図柄変動中処理が実行されるごとに、特別図柄の変動のための表示制御が実行される。そして、変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値(特別図柄変動中処理が実行されるごとに「1」減じられる。)が0になる)すると、特別図柄の表示結果を導出表示するとともに、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する送信設定を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄停止処理では、大当りフラグ、小当りフラグなどの状態に応じて処理を行うとともに、大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、大当り種別に応じて、ソレノイド21を駆動して大入賞口(第1大入賞口)を開放状態にする、または、モータ24を駆動して、大入賞口(第2大入賞口)を形成する可動部材76を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間(大当り種別やラウンド数などに応じた実行時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する送信設定や大入賞口の閉成条件の成立(例えば、大入賞口開放前処理で初期化されたカウンタのカウント値が所定値に達した、又は、大入賞口開放中処理の実行時間が経過(例えば、大入賞口開放中処理ごとにタイマ値を1減算し、タイマ値が「0」になる。)したこと)を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。なお、S305に対応した値に更新する場合には、CPU56は、直ちに更新を行うのではなく、所定のインターバル時間が経過したとき(大入賞口開放中処理を実行するごとに所定のタイマ値を減算していき、タイマ値が0になったときなど)に前記更新を行うようにする。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口(第2大入賞口)を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、モータ24を駆動して大入賞口(第2大入賞口)を開放状態にする。また、タイマによって小当り開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し(例えば、小当り開放前処理で初期化されたカウンタのカウント値が所定値に達した、又は、小当り開放中処理の実行時間が経過(例えば、大入賞口開放中処理ごとにタイマ値を1減算し、タイマ値が「0」になる。)したこと)、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。なお、S308に対応した値に更新する場合には、CPU56は、直ちに更新を行うのではなく、所定のインターバル時間が経過したとき(小当り開放中処理を実行するごとに所定のタイマ値を減算していき、タイマ値が0になったときなど)に前記更新を行うようにする。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図17は、S321の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aからの検出信号などに基づいて第1始動口スイッチ13aがオンしたか否か(遊技媒体の入賞があったか否か)を確認する(S211A)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(S212A)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、または、第1始動口スイッチ13aがオンしていない場合、S211Bに移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ(S212A;No)、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(S213A)、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S214A)。次いで、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことによる第1始動入賞時に対応して、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから所定の乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図18参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S215A)。S215Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。
図18は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図18に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。RAMに形成されているとは、RAM内の領域であることを意味する。
次いで、CPU56は、入賞時判定処理を行う(S216A)。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する送信設定を行う(S217A)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。その後、遊技制御用タイマ割込処理のコマンド制御処理において演出制御コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、第1始動口スイッチ13aからの検出信号などに基づいて第2始動口スイッチ14aがオンしたか否か(遊技媒体の入賞があったか否か)を確認する(S211B)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(S212B)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、又は、第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、処理を終了する。第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ(S212B;No)、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(S213B)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S214B)。
そして、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S215B)。S215Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)や変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時判定処理を行う(S216B)。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する送信設定を行う(S217B)。
図19は、入賞時判定処理(S216A,S216B)を示すフローチャートである。入賞時判定処理において、CPU56は、まず、S215A,S215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および飾り図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否かなどを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時判定処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、飾り図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100が先読み予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220;No)、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態。高確率/高ベース状態と高確率/低ベース状態とを含む。)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S215A,S215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。なお、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222;No)、又は、確変フラグがセットされていなければ(S221;No)、CPU56は、S215A,S215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S223)。この場合、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S216Aを実行する場合)には、図6(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S216Bを実行する場合)には、図6(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(S223;No)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)に設定する処理(図柄指定コマンドを送信する設定処理を含む)を行う(S224)。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(S225)。この実施の形態では、CPU56は、S225において、遊技状態が高確率状態であるか否かおよび高ベース状態(時短状態)であるか否か(具体的には、確変フラグおよび時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している場合がある。そのため、始動入賞時にS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU56は、S225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値(ここでは、時短状態であれば、閾値219、非時短状態であれば、閾値79、89、99、169、199、214および229)を設定する(S226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
なお、S225の遊技状態の判定を行うことなく、常に通常状態(低確率/低ベース状態)における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「非リーチはずれ」となる変動パターン種別と「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「非リーチはずれ」や「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(S223;Yes)、CPU56は、「小当り」となることを示すEXTデータ「07(H)」を図柄指定コマンド(図柄7指定コマンド)に設定する処理(図柄指定コマンドを送信する設定処理を含む)を行う(S227)。次いで、CPU56は、小当り用の閾値を設定する(S228)。このとき、CPU56は、図8(C)に示す小当り用変動パターン種別判定テーブル132Cの設定に対応して、閾値251を設定すればよい。なお、小当りである場合には、閾値判定を行うことなく、小当りに対応した変動カテゴリコマンドのEXTデータが設定されるようにしてもよい。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S215A,S215Bで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定する(S229)。この場合、第1始動入賞口13への始動入賞があったとき(S216Aを実行するとき)には、図7(A)に示す大当り種別判定テーブル(第1始動入賞時)を用いて大当り種別が「15R通常大当り」、「2R確変大当り」、「見せかけ大当り」、「突然確変大当り」、「15R確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があったとき(S216Bを実行するとき)には、図7(B)に示す大当り種別判定テーブル(第2始動入賞時)を用いて大当り種別が「15R通常大当り」、「2R確変大当り」、「見せかけ大当り」、「突然確変大当り」、「15R確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理(図柄指定コマンドを送信する設定処理を含む)を行う(S230)。この場合、「15R通常大当り」となると判定した場合には、EXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)に設定する処理を行う。また、「2R確変大当り」となると判定した場合には、EXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)に設定する処理を行う。また、「見せかけ大当り」となると判定した場合には、EXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)に設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、EXTデータ「05(H)」を図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)に設定する処理を行う。また、「15R確変大当り」となると判定した場合には、EXTデータ「06(H)」を図柄指定コマンド(図柄6指定コマンド)に設定する処理を行う。そして、S229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値(例えば、15R大当りであれば、閾値38,79。それ以外の大当りであれば、閾値100)を設定する(S231)。
次いで、CPU56は、S226,S228,S231で設定した閾値と、S215A,S215Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲(閾値で区切られる数値の範囲)となるかを判定する(S232)。なお、S226,S228,S231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図8,図9参照)を設定するようにし、S232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理(変動カテゴリコマンドを送信する設定処理を含む)を行う(S233)。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことに基づいて、後述する先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する送信設定を行い(S51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、S51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次に特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
なお、S51において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認するのではなく、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ(図18参照)の1番目(第1保留記憶数=1または第2保留記憶数=1)の保存領域にデータが設定されているか否かを確認してもよい。
合算保留記憶数が0でなければ(S51;No)、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(S52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、特別図柄ポインタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれについて特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。第2保留記憶数が0であれば、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。S52〜S54の処理が実行されることによって、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、特別図柄ポインタが「第1」の場合には、第1保留記憶バッファの第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出す。また、特別図柄ポインタが「第2」の場合には、第2保留記憶バッファの第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出す。そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」の場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する。また、特別図柄ポインタが「第2」の場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する。また、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄保留記憶表示器(第1特別図柄保留記憶表示器18aまたは第2特別図柄保留記憶表示器18b)の点灯個数を1減らす(S57)。次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当りにするか否か決定する。すなわち、大当り判定用乱数の値が大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値(図6(A)参照)のいずれかに一致するか否か判定する(S61)。具体的には、CPU56は、現在の遊技状態に応じて、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するとき(例えば、大当り遊技状態に制御されるとき)にリセットされる。
大当りとすることに決定した場合には(S61;Yes)、S65に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。S61で、ランダムR(大当り判定用乱数)の値がいずれの大当り判定値にも一致しないことを確認した場合には(S61;No)、CPU56は、小当り判定テーブル(図6(B),(C)参照)を使用して小当り判定の処理を行う(S62)。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数の値が図6(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。ランダムRの値が小当り判定値に一致しない場合には(S62;No)、すなわち、はずれである場合には、S73に移行する。なお、S62の処理では、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図6(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図6(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、大当り判定用乱数の値がいずれかの小当り判定値に一致する場合には(S62;Yes)、すなわち、小当りとすることに決定した場合には、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(S63)、S73に移行する。
S65では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S66)。具体的には、特別図柄ポインタが「第1」の場合には、図7(A)に示す第1始動入賞時の大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」の場合には、図7(B)に示す第2始動入賞時の大当り種別判定用テーブルを選択する。次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「15R通常大当り」、「2R確変大当り」、「突確見せかけ大当り」、「突確大当り」、「15R確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S67)。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S68)。例えば、大当り種別が「15R通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、「2R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、「突確見せかけ大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、「突確大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定され、「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「05」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S73)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄である「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別(大当り種別バッファの設定値で特定できる。)の決定結果に応じて、大当り図柄である「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。なお、例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数に基づいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果に基づいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S74)。
図21は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132B(図8(A),(B)参照)のいずれかを選択する(S92)。そして、S102に移行する。大当り種別が15R大当りの場合には、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aを使用テーブルとし、大当り種別が15R大当り以外の場合には、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bを使用テーブルとする。
大当りフラグがセットされていない場合には(S91;No)、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S93)。小当りフラグがセットされている場合には(S93;Yes)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132C(図8(C)参照)を選択する(S94)。そして、S102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には(S93;No)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135C(図9(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(S95)。そして、S102に移行する。S95の処理では、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。時短フラグがセットされていない場合には、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する。合算保留記憶数が3未満であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図9(A)参照)を選択する。合算保留記憶数が3以上である場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図9(B)参照)を選択する。時短フラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図9(C)参照)を選択する。なお、時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルと、保留記憶数に基づく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルは、異なるテーブルであってもよいし、共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、S92、S94またはS95の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。
次いで、CPU56は、S102の変動パターン種別の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図10参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図11参照)のうちのいずれか(S102で決定した変動パターン種別を含むテーブル)を選択する(S103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、S103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照すること(S102で決定した変動パターン種別に対応する判定値を使用する。)によって、変動パターンをS102で決定した変動パターン種別に含まれる複数種類のうちのいずれかに決定する(S104)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する送信設定を行う(S105)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する送信設定を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する送信設定を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する送信設定を行う(S106)。次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値(タイマ初期値)を設定する(S107)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S108)。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果7指定のいずれかの表示結果指定コマンド(図12参照)を送信する制御を行う。例えば、大当りフラグがセットされているか否か確認し、セットされていない場合には、小当りフラグがセットされているか否かを確認する。小当りフラグがセットされている場合には、表示結果7指定コマンドを送信する制御を行う。小当りフラグもセットされていないときは、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信設定する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別(例えば、大当り種別バッファの格納データに基づいて特定できる。)に応じた表示結果指定コマンド(表示結果2指定コマンド〜表示結果6指定コマンドのいずれか)を送信設定する。そして、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する送信設定を行う。例えば、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信設定する。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信設定する。その後、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S303)に対応した値に更新する。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S133)。大当りフラグがセットされている場合に、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に当り開始時に対応するコマンド(例えば大当り開始指定コマンドなど)を送信する送信設定を行う(S135)。具体的には、大当りの種別が15R通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信設定する。大当りの種別が15R確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信設定する。大当りの種別がそれ以外である場合には大当り開始3/小当り指定コマンドを送信設定する。なお、大当りの種別は、RAM55(大当り種別バッファ)に記憶されている大当り種別を示すデータによって判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S137)。また、大入賞口開放回数カウンタに大当り種別に応じた開放回数(例えば、15など)をセットする(S138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S139)。大当り表示時間タイマのタイマ値は、大入賞口開放前処理が実行されるごとに1減算される。大入賞口開放前処理では、このタイマ値が「0」になったときに(大当り表示時間が経過したときには)、大入賞口を開放する制御を行う。
S133で大当りフラグがセットされていないことを確認した場合に(S133;No)、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S140)。セットされている場合には、S147に移行する。確変フラグがセットされていない場合に、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S141)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態ではないが、時短状態である場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合に(S144;Yes)、時短フラグをリセットする(S145)。また、低ベース状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S146)。時短フラグがセットされていない場合(S140;No)、時短回数カウンタの値が0になっていない場合(S144;No)は、S147に移行する。
S147の処理として、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する。小当りフラグがセットされていない場合には、S152に移行する。小当りフラグがセットされている場合に、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始3/小当り開始指定コマンドを送信する送信設定を行う(S148)。また、大入賞口制御タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S149)。また、開放回数カウンタに開放回数(具体的には、2回)をセットする(S150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(S308)に対応した値に更新する(S151)。大入賞口制御タイマのタイマ値は、小当り開放前処理が実行されるごとに1減算される。小当り開放前処理では、このタイマ値が「0」になったときに(小当り表示時間が経過したときには)、大入賞口を開放する制御を行う。S152では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する。
図23は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが動作中であるか否かを確認し(S160)、大当り終了表示タイマが動作中である場合には、S164に移行する。大当り終了表示タイマが動作していない場合には、大当りフラグをリセットし(S161)、当り終了時に対応するコマンド(例えば大当り/小当り終了指定コマンドなど)を送信する送信設定を行う(S162)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S163)、処理を終了する。S164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S165)。経過していなければ、処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過している場合には(S165;Yes)、CPU56は、大当りの種別が確変制御を行う確変ありの大当り(15R確変大当り、2R確変大当り、見せかけ大当りまたは突確大当り)であるか否かを確認する(S166)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS68の処理で大当り種別バッファに設定されたデータによって判定される。確変大当りでない場合には(S166;No)、15R通常大当りであれば(S170;Yes)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(S171)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(S172)。そして、S173に移行する。15R通常大当りでない場合(S170;No)も、S173に移行する。
確変大当りであれば(S166;Yes)、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(S167)。また、CPU56は、2R確変大当り以外の場合には時短フラグをセットする(S168)。そして、S173に移行する。なお、この実施の形態では、2R確変大当りの場合には遊技状態を時短状態に移行させないが、2R確変大当りの場合に時短フラグをセットして時短状態に移行させるようにしてもよい。
S166〜S170の処理が実行されることによって、この実施の形態では、確変大当りに基づく大当り遊技を終了するときに、2R確変大当り以外が発生した場合に確変状態(高確率状態)に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される(すなわち、高確率/高ベース状態に移行される)。2R確変大当り以外が発生した場合には、高確率/低ベース状態に移行される。なお、この実施の形態では、S168,S171の処理でセットされた時短フラグは、可変入賞球装置15の開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。また、時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
S173では、CPU56は、現在の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンド(低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドまたは確変状態指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する送信設定を行う。S173の処理で、CPU56は、時短状態(高ベース状態)であることを示す時短フラグがセットされている場合には、高ベース状態指定コマンドを送信設定する。時短フラグがセットされていない場合には、低ベース状態指定コマンドを送信設定する。また、確変状態(高確率状態)であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態指定コマンドを送信設定する。確変フラグがセットされていない場合には、非確変状態指定コマンドを送信設定する。なお、例えば、遊技状態指定コマンドを送信しようとする前に、遊技状態が変化したか否かを判定し、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを送信するようにしてもよい。その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S174)。
次に、演出制御基板80における動作を説明する。演出制御基板80では、電力供給が開始されると、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が、演出制御メイン処理となる所定の処理を実行する。演出制御メイン処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされたRAMのクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等をするための初期化処理が実行される。
その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する。そして、タイマ割込フラグの監視を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、乱数更新処理を繰り返し実行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアして、所定の演出制御処理を実行する。演出制御処理には、コマンド解析処理や、演出制御プロセス処理が含まれている。
コマンド解析処理は、主基板31から受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を含んでいる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存されている。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101が、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図12参照)であるのか解析する。演出制御プロセス処理は、制御状態に応じた各プロセスのうち現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応して、演出表示装置9の表示制御を実行するために選択される処理等を含んでいる。
図24は、コマンド解析処理における受信コマンドに応じた処理内容を示す説明図である。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。演出制御用CPU101は、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって、受信コマンドバッファに受信コマンドが格納されているか否かを判定する。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、デモンストレーション画面を演出表示装置9に表示する。受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする。受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果7指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する。受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンドまたは大当り開始3/小当り開始指定コマンド)であれば、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグまたは大当り開始3/小当り開始指定コマンド受信フラグ)をセットする。受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする。受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする。また、大入賞口開放中指定コマンドをRAMに形成されている大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納する。受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする。また、大入賞口開放後指定コマンドをRAMに形成されている大入賞口開放後指定コマンド格納領域に格納する。受信した演出制御コマンドが大当り/小当り終了指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、大当り/小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが普通図柄変動開始指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグをセットする。演出制御用CPU101は、普通図柄変動開始指定(当り)コマンドを受信した場合には普通図柄変動開始指定(当り)コマンド受信フラグをセットし、普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンドを受信した場合には普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド受信フラグをセットする。受信した演出制御コマンドが図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドをRAMに形成されている入賞時判定結果記憶バッファの空いている最初の保存領域に保存する。
図25は、入賞時判定結果記憶バッファの具体例を示す説明図である。図25に示すように、入賞時判定結果記憶バッファには、合算保留記憶数の最大値(この例では8)に対応した領域(入賞時判定結果#1〜#8に応じた保存領域)が確保されている。なお、入賞時判定結果記憶バッファは、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMに形成されている。図19に示された入賞時判定処理や図17に示された始動口スイッチ通過処理におけるS217A,S217Bにて、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)が実質的に一括して送信される。入賞時判定結果記憶バッファにおいて各入賞時判定結果#1〜#8に応じた保存領域には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数加算指定コマンドを対応付けて保存できるように記憶領域が確保されていればよい。
演出制御用CPU101は、コマンド解析処理において、受信した順にコマンドを入賞時判定結果記憶バッファの空いている最初の保存領域内に格納していく。この実施の形態では、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数加算指定コマンドの順にコマンド送信が行われるので、コマンド受信が正常に行われれば、入賞時判定結果#1〜#8のそれぞれに応じた保存領域に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数加算指定コマンドの順に格納されていくことになる。
また、入賞時判定結果記憶バッファに格納されている各コマンドは、飾り図柄の変動表示を開始するごとに、飾り図柄の変動表示を開始するタイミングで後述する飾り図柄変動開始処理で1つ目の保存領域に格納されているものから削除され、入賞時判定結果記憶バッファの内容がシフトされる。コマンド受信を正常に行えず、例えば保留記憶数加算指定コマンドを受信し損なった場合には、本来、保留記憶数加算指定コマンドが格納されるべき保存領域の内容が「0000(H)」のままの状態となる。
始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数加算指定コマンド)の受信し損ないや不整合が発生した場合には、その始動入賞時のコマンドに対応する保留記憶の変動表示を消化するまで、先読み予告演出の設定が制限される。先読み予告演出の設定が制限される期間(以下、先読み予告演出設定制限期間ともいう)に受信して、その始動入賞時のコマンド受信のタイミングで先読み予告演出の設定処理がされなかったものに対しては、先読み予告演出の設定処理がされていないことを示す未判定情報が設定されてもよい。「先読み予告演出の実行を制限する」とは、先読み予告演出設定制限期間内に発生した始動入賞に対応する保留記憶に対して、全く先読み予告演出の設定を行わず先読み予告演出を実行しないことを意味するが、一部の態様の先読み予告演出の設定および実行を行わないようにしてもよい。
始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数加算指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。また、これら始動入賞時のコマンドのうち、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを認識可能な情報を指定するコマンドである保留記憶数加算指定コマンドを、包括的に表現する場合に、保留記憶情報ともいう。また、始動入賞時の入賞時判定処理(図19参照)で判定される大当りや小当りとなるか否か、大当り種別の判定結果、変動パターン種別の判定結果を示すコマンドである図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを、包括的に表現する場合に、入賞時判定結果指定コマンドや判定結果情報ともいう。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数カウンタの値または第2保留記憶数カウンタの値を+1する。また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18Hの表示を更新する。具体的には、表示数を1増やす。なお、第1保留記憶数カウンタおよび第2保留記憶数カウンタは、RAMに形成されている。なお、第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドは、前述したように入賞時判定結果記憶バッファの保存領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが保存されている保存領域に保存される。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数カウンタの値または第2保留記憶数カウンタの値を−1する。また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18Hの表示を更新する。具体的には、表示数を1減らす。
受信した演出制御コマンドが遊技状態指定コマンド(低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドまたは確変状態指定コマンド:図12参照)であれば、演出制御用CPU101は、RAMに確保されている遊技状態データの格納領域に、受信した遊技状態指定コマンドで特定される遊技状態に応じた値を設定する。以下、遊技状態データの領域に設定された値を遊技状態データという。例えば、低確率低ベース状態(非確変非時短状態)であるときには遊技状態データの値は「01(H)」である。低確率高ベース状態(非確変時短状態)であるときには遊技状態データの値は「02(H)」である。高確率低ベース状態(確変非時短状態)であるときには遊技状態データの値は「03(H)」である。高確率高ベース状態(確変時短状態)であるときには遊技状態データの値は「04(H)」である。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする。
図26は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図26に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、擬似連変動時仮停止図柄乱数SR2、第1所定演出パターン決定用乱数SR3−1、第2所定演出パターン決定用乱数SR3−2、予兆演出決定用乱数SR5および先読み予告演出決定用(擬似連中予告演出決定用)乱数SR6を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、飾り図柄の可変表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、飾り図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの飾り図柄のことである。なお、飾り図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
擬似連変動時仮停止図柄乱数SR2は、擬似連演出を伴う飾り図柄の変動中に仮停止表示させる図柄(仮停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。第1所定演出パターン決定用乱数SR3−1は、普図連動演出となる所定演出が実行されるときの所定演出パターン等を決定するために用いられる乱数である。第2所定演出パターン決定用乱数SR3−2は、特図連動演出となる所定演出が実行されるときの所定演出パターン等を決定するために用いられる乱数である。予兆演出決定用乱数SR5は、所定演出が実行されるときに予兆演出の演出態様を決定するために用いられる乱数である。先読み予告演出決定用(擬似連中予告演出決定用)乱数SR6は、先読み予告演出や擬似連中予告演出の有無や演出態様を決定するために用いられる乱数である。
図27は、演出制御基板80に搭載される演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が演出制御メイン処理(演出制御処理)において実行する演出制御プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、まず、普図連動演出制御処理(ステップ810)および先読み予告決定処理(S811)を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、飾り図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(S801)に対応した値(例えば、「1」)に変更する。
飾り図柄変動開始処理(S801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(S802)に対応した値(例えば、「2」)に更新する。
飾り図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(S803)に対応した値(例えば、「3」)に更新する。
飾り図柄変動停止処理(S803):飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値(例えば、「4」又は「0」)に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当り又は小当りの発生を報知するための画面(大当りと小当りで共通としてもよい。)を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値(例えば、「5」)に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値(例えば、「6」)に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値(例えば、「7」)に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値(例えば、「5」)に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態又は小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御(大当りと小当りで共通としてもよい。)を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値(例えば、「0」)に更新する。
図28は、普図連動演出や特図連動演出となる所定演出の実行区間の一例を示す説明図である。「所定演出」は、飾り図柄の変動表示においてリーチ演出が実行されるか否か、または可変入賞球装置15が遊技球の進入(通過)しやすい状態(例えば、開放状態)に制御されるか否かを報知する演出である。また、この実施の形態では、所定演出において、所定の種類の当り(例えば、大当り)となる可能性が示唆される場合もある。所定演出においては、必ずしも、100%でリーチ演出が実行されることを報知したり、100%で可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを報知する必要はなく、リーチ演出が実行される可能性を示唆する報知をしたり、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御される可能性を示唆する報知をしたりするものであればよい。所定演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって実行される。
図28に示す例において、所定演出は、予兆演出、開始演出、報知用演出、結果報知演出の順に実行される。なお、予兆演出が実行される期間を第1期間といい、開始演出、報知用演出および結果報知演出が実行される期間を第2期間という。第1期間の演出(予兆演出)の実行が省略されることがあってもよい。また、第1期間の演出(予兆演出)が実行されても、第2期間の演出(開始演出、報知用演出および結果報知演出)が実行されないことがある。第1期間の演出(予兆演出)は、第2期間の演出(開始演出、報知用演出および結果報知演出)よりも前に実行されることから、「前段演出」ともいう。第2期間の演出(開始演出、報知用演出および結果報知演出)は、まとめて「報知演出」ともいう。所定演出において予兆演出を実行した後に報知演出を実行しない場合に、報知演出とは異なる発展演出が実行されることもある。
予兆演出は、遊技者に所定演出が開始されることを想起させるような所定態様の演出である。開始演出は、所定演出が開始されたことを遊技者に認識させるための演出である。報知用演出は、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されること、飾り図柄の変動表示においてリーチ演出が実行されること、所定の種類の当り(例えば、大当り)となる可能性が示唆されることを遊技者に期待させるような演出である。結果報知演出は、遊技者が可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されるか否か、飾り図柄の変動表示においてリーチ演出が実行されること、所定の種類の当り(例えば、大当り)となる可能性が示唆されることを想起可能な演出である。
所定演出は、普通図柄の変動表示の開始を契機として実行の有無や種類が決定される場合と、特別図柄や飾り図柄の変動表示の開始を契機として実行の有無や種類が決定される場合とがある。以下では、普通図柄の変動表示の開始を契機として実行される所定演出を「普図連動演出」といい、特別図柄や飾り図柄の変動表示の開始を契機として実行される所定演出を「特図連動演出」といって区別する場合がある。普図連動演出となる所定演出では、可変入賞装置15が開放状態となって遊技球が進入しやすくなるか否かを報知する演出などが実行可能となる。特図連動演出となる所定演出では、特別図柄の表示結果が大当りとなる可能性やスーパーリーチのリーチ演出といった特定のリーチ演出が実行される可能性などを報知する演出などが実行可能となる。
図29(A)は、所定演出パターンに応じた所定演出の内容を示す説明図である。この実施の形態では、複数種類の所定演出パターンSPA1〜SPA8が、予め用意されている。演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされたROMには、所定演出パターンSPA1〜SPA8を格納するための所定演出パターンテーブルが設けられていればよい。
所定演出パターンSPA1では、予兆演出を実行した後に、普通図柄や特別図柄がはずれとなることを報知する報知演出を実行する。所定演出パターンSPA2では、予兆演出を実行した後に、普通図柄が当りとなる「普通図柄当り」を報知する報知演出を実行する。所定演出パターンSPA3では、予兆演出を実行した後に、リーチ演出が実行される可能性が高いことなどを示唆する「チャンス」のメッセージを報知する報知演出を実行する。所定演出パターンSPA4では、予兆演出を実行した後に、特別図柄が大当りとなる可能性が高いことを示唆する「激熱」のメッセージを報知する報知演出を実行する。このように、所定演出パターンSPA1〜SPA4では、予兆演出を実行した後に報知演出(開始演出、報知用演出および結果報知演出)を実行して、特別図柄や飾り図柄の変動表示においてリーチ演出が実行されるか否か、または可変入賞球装置15が遊技球の進入(通過)しやすい状態(例えば、開放状態)に制御されるか否か、または大当りとなる可能性などが示唆される。
所定演出パターンSPA5では、予兆演出を実行した後に、報知演出(第2期間の演出)や発展演出を実行せずに所定演出が終了する。すなわち、予兆演出のみが実行されて、所定演出が終了する。所定演出パターンSPA6では、予兆演出を実行した後に、報知演出を実行せず、リーチ演出が実行される可能性が高いことなどを示唆する「チャンス」のメッセージを報知する発展演出を実行する。所定演出パターンSPA7では、予兆演出を実行した後に、報知演出を実行せず、遊技者に付与される特典として2次元コードを表示する発展演出を実行する。所定演出パターンSPA8では、予兆演出を実行した後に、報知演出を実行せず、「モード移行」の先読み予告演出が実行されることを報知する発展演出を実行する。このように、所定演出パターンSPA5〜SPA8では、予兆演出を実行した後に報知演出が実行されない。所定演出パターンSPA5では、発展演出も実行されない一方で、所定演出パターンSPA6〜SPA8では、発展演出が実行される。所定演出パターンSPA7により遊技者に特典を付与する発展演出や、所定演出パターンSPA8により演出モードが先読み予告モードに移行するモード移行予告の実行を報知する発展演出のように、報知演出とは異なる発展演出は「特殊演出」ともいう。
所定演出パターンSPA7による発展演出で表示される2次元コードは、遊技者が所持する端末装置(携帯端末)で撮影することにより所定のデジタルコンテンツを取得するためのものであればよい。なお、遊技者に付与される特典は、デジタルコンテンツを取得するための2次元コードの表示に限定されず、例えば演出表示装置9の画面上にプレミアキャラクタとなる所定の演出画像を表示してもよい。あるいは、所定の演出ポイントが特典として付与されてもよい。そして、演出ポイントの合計値(演出ポイント獲得数)が所定数に達したときに、プレミアキャラクタの表示や、デジタルコンテンツを取得するための2次元コードの表示が行われるようにしてもよい。あるいは、演出ポイント獲得数が所定数に達することで、例えば予告演出やリーチ演出といった、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果が導出されるまでに実行される所定演出の演出態様を、通常の演出態様とは異なる特別な演出態様に変更してもよい。なお、演出ポイント獲得数が所定数に達するごとに、演出レベルが予め用意された複数レベルのいずれかに切り替えられることにより、所定演出の演出態様が変更されるようにしてもよい。あるいは、擬似連の演出における再変動回数が増えたかのような印象を与えるための演出を実行することで、遊技者に特典が付与されてもよい。例えば、擬似連の演出における再変動を3回実行する変動パターンが指定された場合に、2回目の仮停止後に、救済を想起させるような所定の画像を演出表示装置9に表示した後、再変動を行う。一般に、再変動回数が多いほど大当り信頼度が高いことから、擬似連の演出における再変動回数が2回であるかのような印象を与えた後に、特典が付与されたとして、再変動回数が増えたかのような印象を遊技者に与えるようにすればよい。
このように、遊技者に付与される特典は、遊技機において付与される所定の遊技価値とは異なり、遊技機における遊技の実行や進行とは直接関連しない演出上の価値となるものであればよい。遊技機において付与される遊技価値は、直接的には、賞球となる遊技球の払出しや、これに相当する得点の付与である。こうした遊技球や、その個数に対応する得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、遊技機で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、遊技機において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
図29(A)に示すように、この実施の形態では、所定態様の演出となる予兆演出の後に、報知演出が実行されなくても、発展演出を実行(特殊演出に発展)する可能性があるため、遊技の興趣を向上させることができる。また、発展演出後に実行されるリーチ演出と、発展演出が実行されることなく実行されるリーチ演出とは、大当りとなる期待度(信頼度)が異なるように定めておいてもよい。そのようにすることで、リーチ演出がどのように実行されるかについて遊技者に関心を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図29(B)は、予兆演出種別ごとの演出内容(演出態様)を示す説明図である。図29(B)に示す例では、予兆演出の種別として、予兆A、予兆Bおよび予兆Cが設けられている。これらの予兆演出は、例えば、演出表示装置9に表示される背景画像やキャラクタ画像が異なることで区別される。予兆Aでは、黄色の背景画像が表示され、キャラAのキャラクタ画像が表示される。予兆Bでは、赤色の背景画像が表示され、キャラBのキャラクタ画像が表示される。予兆Cでは、虹色の背景画像が表示され、キャラCのキャラクタ画像が表示される。なお、背景画像とキャラクタ画像の双方を異ならせるものに限定されず、一方のみを異ならせてもよい。また、キャラクタそのものを異ならせるものに限定されず、キャラクタの表示色や大きさ、一部の形状、模様などを異ならせるものであってもよい。演出表示装置9の画面上における画像(背景画像やキャラクタ画像など)の表示態様を異ならせるものに限定されず、例えば、キャラクタ画像を表示する際にスピーカ27から出力される効果音や、枠LED28といった発光体の点灯態様、所定の演出用役物における動作態様などにより、予兆演出における演出態様が区別されてもよい。
図30は、所定演出パターンSPA1〜SPA4により報知演出が実行される所定演出の具体例を示す説明図である。図30(A)に示すように、演出表示装置9において左中右の飾り図柄が変動(可変表示)している状態で、演出表示装置9の表示画面にキャラクタ画像9aが現れる表示制御が実行される。そのような表示制御による演出が予兆演出に相当する。次いで、図30(B)に示すように、表示画面においてキャラクタがコインを回転させる演出のための画像を表示する制御が実行される。この表示制御による演出が開始演出に相当する。そして、図30(C)に示すように、報知用演出としてコインが回転する演出が開始される。
その後、所定演出パターンSPA1では、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されず、リーチ演出も実行されないことを報知する演出として、図30(D1)に示すように、「ハズレ」と描かれたコインの画像を表示する制御が実行される。所定演出パターンSPA2では、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを報知する演出として、図30(D2)に示すように、「開」と描かれたコインの画像を表示する制御が実行される。
図30(D2)に示すような「開」を報知する報知演出が実行されることにより、普通図柄の表示結果が当り(普通図柄当り)となり、可変入賞球装置15が開放状態(遊技球が第2始動入賞口14に進入しやすい状態)となることを遊技者が認識可能に報知する。こうした可変入賞球装置15が開放状態となることの報知は、例えば図15(A),(B)に示すような普通電動役物開放時間の設定に基づいて、可変入賞球装置15を閉鎖状態(閉状態)から開放状態(開状態)に変化させる制御が行われる期間が終了するまで、実行されるようにしてもよい。普通電動役物開放時間は、例えば、遊技状態データが、高ベース状態又は低ベース状態を示す値になっているかで特定すればよい。
なお、図15(A),(B)に示すような普通電動役物開放時間の設定に基づいて報知の実行期間を決定するものに限定されず、例えば主基板31から送信される所定の演出制御コマンドに基づいて、報知の実行期間が決定されるように構成されてもよい。より具体的には、主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560が演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する演出制御コマンドとして、普通電動役物となる可変入賞球装置15を閉鎖状態から開放状態に変化させる制御の終了を指定する演出制御コマンド(例えば普通電動役物開放制御終了コマンド)を予め用意する。図14に示すS404の普通電動役物開放中処理では、普通電動役物開放時間が経過したとき(普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき)、または普通電動役物開放時間が経過する前でも第2始動入賞口14に進入(通過)した遊技球の検出個数が所定個数(例えば3)に達したときに、可変入賞球装置15を閉鎖状態にする。こうして可変入賞球装置15を開放状態から閉鎖状態に戻すときに、普通電動役物開放制御終了コマンドが送信されるようにする。演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出制御用CPU101が普通電動役物開放制御終了コマンドを受信したと判定したときに、例えば図30(D2)に示すような「開」を報知する報知演出の実行を終了させる制御を行い、可変入賞球装置15が開放状態となることの報知を終了させればよい。これにより、普通電動役物開放時間が経過するより前に可変入賞球装置15を閉鎖状態にする場合でも、可変入賞球装置15が開放状態となることの報知を適切に終了させることができ、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
所定演出パターンSPA3では、リーチ演出が実行される可能性が高いことなどを示唆する演出として、図30(D3)に示すように、「チャンス」と描かれたコインの画像を表示する制御が実行される。所定演出パターンSPA4では、表示結果が大当りとなる可能性が高いことなどを示唆する演出として、図30(D4)に示すように、「激熱」と描かれたコインの画像を表示する制御が実行される。これらの図30(D1)〜(D4)に示すような表示制御がなされる期間が結果報知演出の期間に相当する。
図31は、所定演出パターンSPA5により報知演出が実行されず、発展演出も実行されない所定演出の具体例を示す説明図である。図30に示された例と同様に、所定演出パターンSPA5においても、図31(A)に示すように、演出表示装置9において左中右の飾り図柄が変動(可変表示)している状態で、演出表示装置9の表示画面にキャラクタ画像9aが現れる表示制御が実行される。一方、所定演出パターンSPA5では、図30に示された例とは異なり、図31(B)〜(D)に示すように、表示画面内でキャラクタ画像9aが横切る表示制御が実行され、報知演出も発展演出も実行されずに所定演出が終了する。なお、図31(A)〜(D)に示される表示制御による演出が予兆演出に相当する。
図32は、所定演出パターンSPA6〜SPA8により報知演出が実行されず、発展演出が実行される所定演出の具体例を示す説明図である。図30や図31に示された例と同様に、所定演出パターンSPA6〜SPA8においても、図32(A)に示すように、演出表示装置9において左中右の飾り図柄が変動表示(可変表示)している状態で、演出表示装置9の表示画面にキャラクタ画像9aが現れる表示制御が実行される。そして、図32(B),(C)に示すように、表示画面内でキャラクタ画像9aが横切る表示制御が実行される。
その後、所定演出パターンSPA6では、発展演出として、図32(D1)に示すように、一旦は表示画面から消えたキャラクタ画像9aが、「チャンス」と描かれた画像とともに現れる表示制御が実行される。所定演出パターンSPA7では、発展演出として、図32(D2)に示すように、一旦は表示画面から消えたキャラクタ画像9aが、2次元コードが描かれた画像とともに現れる表示制御が実行される。所定演出パターンSPA8では、発展演出として、図32(D3)に示すように、一旦は表示画面から消えたキャラクタ画像9aが、「モードチェンジ」と描かれた画像とともに現れる表示制御が実行される。このときには、モード移行予告が実行されて、例えば「チャンスモード」といった先読み予告モードに移行する。これらの図32(D1)〜(D3)に示すような表示制御がなされる期間が発展演出の期間に相当する。
所定演出パターンSPA6〜SPA8による所定演出では、予兆演出のみが実行される所定演出パターンSPA5の場合と途中まで同じ演出が行われるものの、その後に発展演出が実行される。したがって、予兆演出の後に報知演出が実行されなくても、特殊演出に発展する可能性があるため、遊技の興趣を向上させることができる。
図33および図34は、演出制御プロセス処理において実行される普図連動演出制御処理(S810)の一例を示すフローチャートである。普図連動演出制御処理において、演出制御用CPU101は、普図連動演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S731)。普図連動演出実行中フラグは、普図連動演出として所定演出の実行が開始されるときにセットされる。普図連動演出実行中フラグがセットされていない場合には、特図連動演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S732)。特図連動演出実行中フラグは、特図連動演出として所定演出の実行が開始されるときにセットされる。
S732にて特図連動演出実行中フラグがセットされていない場合に(S732;No)、演出制御用CPU101は、次変動ありフラグ(次に開始される特別図柄および飾り図柄の変動中に所定演出を実行することに決定されていることを示すフラグ)がセットされているか否か確認する(S741)。特図連動演出実行中フラグがセットされている場合には(S732;Yes)、処理を終了する。次変動ありフラグがセットされている場合には(S741;Yes)、S761に移行する。次変動ありフラグがセットされていない場合に(S741;No)、演出制御用CPU101は、未変動期間計測タイマ(特別図柄および飾り図柄の変動(可変表示)が開始されない期間を計測するためのタイマ)が動作停止中(0である)か否か確認する(S742)。未変動期間計測タイマが動作停止中である場合には、S751に移行する。なお、特別図柄の変動と飾り図柄の変動とは同期しているので、以下、特別図柄の変動を例にして説明を行う。
未変動期間計測タイマが動作中である場合に(S742;No)、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動が開始されたか否か確認する(S743)。特別図柄の変動が開始されたか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動開始処理または飾り図柄変動中処理に対応する値であるか否かによって判定される。特別図柄の変動が開始された場合には、S771に移行する。特別図柄の変動が開始されていない場合に、未変動期間計測タイマの値を−1する(S744)。そして、未変動期間計測タイマの値が0になったときにはS771に移行する(S745;Yes)。未変動期間計測タイマの値が0でない場合には(S745;No)、処理を終了する。
S751において、演出制御用CPU101は、普通図柄変動開始指定コマンド(普通図柄変動開始指定(当り)コマンドまたは普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド)を受信したか否か確認する。これは、普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグ(普通図柄変動開始指定(当り)コマンド受信フラグまたは普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド受信フラグ)がセットされているか否かにより判定することができる。普通図柄変動開始指定コマンドを受信していない場合には、処理を終了する。普通図柄変動開始指定コマンドを受信した場合に、遊技状態データが、高ベース状態を示す値(「02(H)」又は「04(H)」)になっているか否か確認する(S752)。高ベース状態を示す値になっている場合には、処理を終了する。高ベース状態を示す値になっていない場合に、演出制御用CPU101は、大当り遊技状態(ここでは、小当り遊技状態も含む。)であるか否か確認する(S753)。大当り遊技状態(ここでは、小当り遊技状態も含む。)であるか否かは、例えば演出制御プロセスフラグの値で確認される。その場合、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値が「5」以上であるときに大当り遊技状態(ここでは、小当り遊技状態も含む。)であるとする。大当り遊技状態(ここでは、小当り遊技状態も含む。)である場合には(S753;Yes)、処理を終了する。
大当り遊技状態(ここでは、小当り遊技状態も含む。)でない場合に(S753;No)、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動中であるか否か確認する(S755)。特別図柄の変動中であるか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理または飾り図柄変動停止処理に対応する値であるか否かによって判定される。特別図柄の変動中でない場合には、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動が停止(終了)してから1分以上経過しているか否か確認する(S757)。なお、例えば、特別図柄の変動が終了してからの時間を計測するためのタイマを用意し、そのタイマの計測値を確認することによって、S757の判定処理が実現される。特別図柄の変動が終了してから1分以上経過している場合には、処理を終了する。特別図柄の変動が終了してからの時間が1分未満である場合には、S759に移行する。特別図柄の変動が終了してから1分以上経過している場合に処理を終了することは、遊技者が特別図柄の変動が終了してから暫くの間遊技を継続することを考慮するためである。
特別図柄の変動中である場合に(S755;Yes)、演出制御用CPU101は、変動開始から所定時間(この例では、11.5秒)経過しているか否か確認する(S758)。所定時間が経過している場合には、処理を終了する。なお、この実施の形態では、スーパーリーチ演出が実行されることになる変動パターンによって飾り図柄の変動(可変表示)が実行されときには、変動開始から11.5秒後にスーパーリーチ演出が開始される。したがって、S758の処理において11.5秒が経過している場合にS759の処理を実行しないようにすることで、スーパーリーチ演出が開始された後には普図連動演出として所定演出が実行されないように制限する。所定時間が経過していない場合に(S758;No)、演出制御用CPU101は、所定演出に関する決定を行う(S759)。そして、S764に移行する。なお、変動開始からの経過時間は、例えば、変動時間タイマ(図38および図46参照)の値によって判定される。
所定演出に関する決定を行うS759の処理は、普図連動演出として所定演出を実行するか否か決定する処理であるが、演出制御用CPU101は、その処理において、例えば図35に示す普図連動演出決定テーブルを使用する。図35に示す普図連動演出決定テーブルには、普通図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合(普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド受信フラグがセットされている場合に相当)と普通図柄の表示結果を当り図柄にする場合(普通図柄変動開始指定(当り)コマンド受信フラグがセットされている場合に相当)との各々に応じて、所定演出を実行することに対応する判定値と所定演出を実行しないことに対応する判定値とが設定されている。なお、普図連動演出決定テーブルには、少なくとも所定演出を実行することに対応する判定値が設定されていればよい。また、図35には、判定値そのものではなく、判定値数(割振数)が示されている。
演出制御用CPU101は、S759の処理において、第1所定演出パターン決定用乱数SR3−1(図26参照)を抽出し、抽出した乱数SR3−1の値が所定演出を実行する場合の所定演出パターンに対応する判定値のいずれかと一致した場合に、所定演出を実行することに決定する。なお、演出制御用CPU101は、普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド受信フラグがセットされている場合には、普図連動演出決定テーブルにおける「普通図柄はずれ」に関する判定値を使用し、普通図柄変動開始指定(当り)コマンド受信フラグがセットされている場合には、普図連動演出決定テーブルにおける「普通図柄当り」に関する判定値を使用する。また、演出制御用CPU101は、S759の処理を実行したら、普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグをリセットしておく。
図35に示す普図連動演出決定テーブルにおいて、普通図柄の表示結果が「普通図柄はずれ」の場合には、普図連動演出を実行しない演出実行なし、所定演出パターンSPA1および所定演出パターンSPA5のいずれかに、判定値が割り振られている。また、普通図柄の表示結果が「普通図柄当り」の場合には、普図連動演出を実行しない演出実行なし、所定演出パターンSPA2および所定演出パターンSPA5のいずれかに、判定値が割り振られている。したがって、普図連動演出として、所定演出パターンSPA1による所定演出が実行され、予兆演出に続いて、例えば図30(D1)に示されたように「ハズレ」を報知する報知演出が実行された場合には、普通図柄の表示結果がはずれ(普通図柄はずれ)となる。また、普図連動演出として、所定演出パターンSPA2による所定演出が実行され、予兆演出に続いて、例えば図30(D2)に示されたように「開」を報知する報知演出が実行された場合には、普通図柄の表示結果が当り(普通図柄当り)となる。さらに、普図連動演出として、所定演出パターンSPA5による所定演出が実行されて、予兆演出のみが実行され、報知演出も発展演出も実行されないことがある。
S761において、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動が開始されたか否か確認する。特別図柄の変動が開始されたか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値によって判定される。特別図柄の変動が開始されていない場合には、演出短縮用タイマ(所定演出の演出期間の短縮の程度を決定するためのタイマ)の値を+1する(S762)。特別図柄の変動が開始された場合には、S771に移行する。
普図連動演出実行中フラグがセットされている場合には(S731;Yes)、普図連動演出タイマのタイマ値を1減じ(S734)、減じたあとのタイマ値が「0」であるかを判定し(S735)、タイマ値が「0」である場合には、普図連動演出の実行を終了する制御を行って(S736)、普図連動演出実行中フラグをリセットする(S737)。S737のあと、又は、タイマ値が「0」でない場合には、本処理が終了する。
S764において、演出制御用CPU101は、S759で普図連動演出として所定演出を実行することに決定されているか否か確認する。普図連動演出を実行することに決定されていない演出実行なしの場合には(S764;Yes)、処理を終了する。普図連動演出となる所定演出を実行することに決定されている場合には(S764;No)、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動中であるか否か確認する(S765)。特別図柄の変動中であるか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理または飾り図柄変動停止処理に対応する値であるか否かによって判定される。特別図柄の変動中でなければ、S770に移行する。特別図柄の変動中である場合に、演出制御用CPU101は、変動パターンがリーチにもならない非リーチはずれであるか否か確認する(S766)。変動パターンがリーチ演出を含む場合には、S771に移行する。変動パターンがリーチにもならない非リーチはずれであるか否かは、変動パターンコマンド格納領域に格納された変動パターンコマンドによって判定できる。
変動パターンがリーチにもならない非リーチはずれである場合に(S766;Yes)、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動の残り時間(例えば、図38および図46に示す変動時間タイマの値で特定される。)が普通図柄の変動時間(例えば、10秒:可変入賞球装置が遊技球が進入しやすい状態に制御されるまでの期間に相当)よりも短いか否か確認する(S767)。短くない場合には、S771に移行する。なお、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動の残り時間が、普通図柄の変動時間より短い所定時間(例えば、3秒)よりも短いか否か確認するようにしてもよい。特別図柄の変動の残り時間が短い場合には、演出制御用CPU101は、保留記憶がある(少なくとも第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値とのいずれかが0でない)か否か確認する(S768)。保留記憶がない場合には、S771に移行する。保留記憶がある場合に、次変動ありフラグをセットする(S769)。S770において、未変動期間計測タイマに所定の時間(この例では、3秒)に相当する値を設定する。
S771において、演出制御用CPU101は、次変動ありフラグがセットされているか否か確認する。次変動ありフラグがセットされている場合には、演出短縮用タイマの値(S741,S761,S762参照)に応じて演出期間を短縮する(S772)。具体的には、図28に示された所定演出の期間から演出短縮用タイマの値を減算した期間を所定演出の演出期間とする。短縮される期間は、図28に示された結果報知演出の期間であればよい。次変動ありフラグがセットされていない場合に、演出制御用CPU101は、未変動期間計測用タイマの値(S742,S743,S744参照)が0になっているか否か確認する(S773)。未変動期間計測用タイマの値が0になっていない場合には、演出制御用CPU101は、未変動期間計測用タイマの値に応じて演出期間を短縮する(S774)。具体的には、図28に示された所定演出の期間から未変動期間計測用タイマの値を減算した期間を所定演出の演出期間とする。短縮される期間は、図28に示された結果報知演出の期間であればよい。
S765の処理により特別図柄の変動中ではないと判定された場合に、S770の処理にて未変動期間計測タイマに所定の時間に相当する値を設定して、次回以降のタイマ割込みが発生したときに未だ特別図柄の変動表示が開始されていなければ、S744の処理にて未変動期間計測タイマの値が−1される。そして、未変動期間計測タイマの値が0になったときや、その値が0になるより前に特別図柄の変動表示が開始されたときには、S771以降の処理が実行されて、普図連動演出となる所定演出の実行が開始される。こうして、特別図柄の変動表示が実行されていないときに普図連動演出となる所定演出を実行する場合には、特別図柄の変動表示が開始されるタイミングに基づいて所定演出の実行が開始される。ここで、「特別図柄の変動表示が開始されるタイミングに基づいて」とは、特別図柄の変動表示が開始されるタイミングそのものとなる場合(未変動期間計測タイマの値が0となるより前に特別図柄の変動表示が開始された場合)と、特別図柄の変動表示が開始されずに所定の時間(例えば、3秒)が経過したタイミングとなる場合とを含み、特別図柄の変動表示が開始されたか否かにより何らかの影響を受けることを意味している。
未変動期間計測用タイマの値が0である(未変動期間計測用タイマがタイムアウトしている)場合に(S773;Yes)、演出制御用CPU101は、特別図柄の変動中であるか否か確認する(S775)。特別図柄の変動中である場合に、第2期間(図28参照)から所定演出を開始させる設定を行う(S776)。特別図柄の変動中でない場合に、第1期間(図28参照)から所定演出を開始させる設定を行う(S777)。
次いで、演出制御用CPU101は、普図連動演出タイマに、設定された演出期間に応じた時間に対応する値をセットする(S778)。そして、演出制御用CPU101は、普図連動演出となる所定演出を開始する(S779)。所定演出は、一例として、所定のプロセステーブルに設定されているデータに従って演出制御を実行することによって実現される。その場合、演出制御用CPU101は、S779の処理で、決定された所定演出パターンや演出期間に応じたプロセステーブルを選択し、選択したプロセステーブルに設定されているデータを用いて演出表示装置9の表示制御等を開始する。これ以降、決定された所定演出パターンや演出期間に応じた所定演出の実行のための演出動作制御が行われる。例えば、演出制御用CPU101は、普図連動演出制御処理を実行するたびに、S735でNoと判定したあとに、普図連動演出タイマのタイマ値に応じたデータ(プロセステーブルに含まれるデータ)を用いて、演出表示装置9の表示制御等を行うことによって、普図連動演出の実行を実現するようにしてもよい。なお、各プロセステーブルは、あらかじめROMに格納されている。普図連動演出を開始したことに対応して、演出制御用CPU101は、普図連動演出実行中フラグをセットする(S780)。
図36は、演出制御プロセス処理において実行される先読み予告決定処理(S811)の一例を示すフローチャートである。先読み予告決定処理において、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファに保存されている最新の始動入賞時のコマンドをチェックして(S501)、いずれかの受信コマンドがあるか否か確認する(S502)。新たな受信コマンドがない場合には、処理を終了する。新たな受信コマンドがある場合には、いずれかの先読み予告演出を既に実行されている否か確認する(S503)。なお、S503の処理では、特殊図柄予告、保留表示予告、モード移行予告といった先読み予告演出のいずれかが既に実行されているか否かを判定してもよい。あるいは、特殊図柄予告またはモード移行予告といった一部の先読み予告演出が既に実行されているか否かを判定する一方、保留表示予告については判定を行わず、重複して実行可能としてもよい。既に先読み予告演出を実行している場合(S503;Yes)にはS517に移行する。
未だ先読み予告演出が実行されていない場合に(S503;No)、演出制御用CPU101は、先読み予告制限があるか否か確認する(S504)。例えば、既に受信した始動入賞時のコマンドのうちに受信し損ないや不整合が発生した場合には、そのコマンドに対応する可変表示が開始されるまで、先読み予告演出の実行が制限される。また、遊技状態データが高ベース状態を示す場合や、遊技状態が大当り遊技状態である場合にも、先読み予告演出の実行が制限されてもよい。先読み予告制限がある場合にはS517に移行する。先読み予告制限がない場合に、受信コマンドの順序と内容をチェックして(S505)、始動入賞時のコマンドを順番通り全て正常に受信したか否か確認する(S506)。始動入賞時のコマンドとしては、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数加算指定コマンドが1タイマ割込内に一括して主基板31から送信される。入賞時判定結果記憶バッファの保存領域には、MODEデータがそれぞれ「C4(H)」、「C6(H)」、「C0(H)」または「C1(H)」であるコマンドが格納されているはずである(図12参照)。したがって、演出制御用CPU101は、これらのうちいずれかのMODEデータが格納されていなければ、ノイズやMODEデータのデータ化けなどの原因によりコマンドの受信し損ないが発生し、コマンドを正しく受信できなかったと判断できる。
始動入賞時には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数加算指定コマンドの順番に受信するはずである。そのため、入賞時判定結果記憶バッファの保存領域には、MODEデータが「C4(H)」、「C6(H)」、「C0(H)」または「C1(H)」であるコマンドの順番に格納されているはずである。したがって、演出制御用CPU101は、これらのMODEデータが全て格納されていても、順番が異なっていれば(例えば、「C4(H)」よりも前に「C6(H)」が格納されていれば)、ノイズやMODEデータのデータ化けなどの原因によりコマンドを正しく受信できなかったと判断できる。
また、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドは、一定の対応関係を有している。具体的には、図柄指定コマンドとしてはずれを指定する図柄1指定コマンド(C401(H))が保存されている場合には、変動カテゴリコマンドとしてはずれに対応した変動カテゴリを示すコマンドのいずれかが保存されているはずである。それにもかかわらず、大当りや突確見せかけ大当り、突然確変大当り、小当りに対応した変動カテゴリを示すコマンドが保存されていた場合に、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合せず矛盾があると判断できる。
なお、保留記憶数加算指定コマンドとともに合算保留記憶数を示すコマンドが送信される場合には、それぞれのコマンドの内容が整合しているか否か確認してもよい。具体的には、第1始動入賞口13への始動入賞があったことに対応する第1保留記憶数加算指定コマンドや第2始動入賞口14への始動入賞があったことに対応する第2保留記憶数加算指定コマンドが保存されているにもかかわらず、合算保留記憶数が0であることを示すコマンドが保存されている場合に、演出制御用CPU101は、保留記憶数を示すコマンドの内容が整合せず矛盾があると判断できる。
受信した始動入賞時のコマンドが順番通りでなかったり一部が欠落していたり内容が整合せず矛盾があったりするために、正常に受信しなかったと判断した場合(S506;No)にはS517に移行する。始動入賞時のコマンドを順番通りに全て正常に受信したと判断した場合に(S506;Yes)、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファの保存領域に保存されている変動カテゴリコマンドを全て読み取り、1つ前までの始動入賞に対する入賞時判定結果から先読み予告演出を実行可能であるか否か確認する(S508)。例えば、保存されている変動カテゴリコマンドが全て非リーチCA2−1の変動パターン種別を示すものであれば、先読み予告演出を実行可能であると判定する。一方、非リーチCA2−1の変動パターン種別を示す変動カテゴリコマンド以外の変動カテゴリコマンドが保存されている場合には、先読み予告演出を実行可能でないと判定する。また、特別図柄が変動を停止しているときに、変動カテゴリコマンドが1つしか保存されていない場合には、先読み予告演出を実行可能でないと判定してもよい。先読み予告演出を実行可能でない場合(S508;No)にはS517に移行する。
先読み予告演出を実行可能である場合に、演出制御用CPU101は、先読み予告演出の有無と種別を決定する(S509)。演出制御用CPU101は、例えば図37に示す先読み予告演出決定テーブルを使用して、先読み予告演出を実行するか否かや、実行する場合における演出種別(特殊図柄予告、保留表示予告およびモード移行予告のいずれか)を決定する。図37に示す先読み予告演出決定テーブルには、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドで指定された入賞時判定結果に応じて、先読み予告演出を実行しない予告なしに対応する判定値と先読み予告演出を実行する場合の演出種別に対応する判定値とが設定されている。図37には、判定値そのものではなく、判定値数(割振数)が示されている。
演出制御用CPU101は、S509の処理において、先読み予告演出決定用乱数SR6(図26参照)を抽出し、抽出した乱数SR6の値が先読み予告演出を実行する場合の演出種別に対応する判定値のいずれかと一致した場合に、先読み予告演出を実行することに決定する。図37に示す先読み予告演出決定テーブルにおいて、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれや大当りとなる場合には、スーパーリーチ以外のはずれとなる場合と比べて、先読み予告演出を実行することに決定される割合が高くなる。こうした設定により、先読み予告演出が実行されたときには、スーパーリーチのリーチ演出が実行される可能性や表示結果が大当りとなる可能性が高くなる。
また、入賞時判定結果が大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれやスーパーリーチ以外のはずれとなる場合と比べて、先読み予告演出を実行することに決定される割合が高くなる。特に、先読み予告演出の演出種別が「モード移行」に決定される割合は、入賞時判定結果が大当りとなる場合には十分に高くなる。これにより、モード移行予告が実行されたときには、実行されないときよりも高い割合で、表示結果が大当りとなる。入賞時判定結果がスーパーリーチ以外のはずれとなる場合には、先読み予告演出の演出種別が「モード移行」には決定されない(判定値数が0となる)。したがって、モード移行予告が実行されたときには、予告対象となる可変表示においてスーパーリーチのリーチ演出が実行されること、または表示結果が大当りとなることが確定する。
S509の処理による決定に基づいて、先読み予告演出を実行しない「予告なし」であるか否か確認する(S510)。予告なしである場合にはS517に移行する。先読み予告演出を実行する場合(S510;Yes)に、演出制御用CPU101は、保留表示予告を実行するか否か確認する(S511)。保留表示予告を実行しない場合にはS514に移行する。保留表示予告を実行する場合に、保留表示予告の演出態様に対応した保留表示予告パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(S512)。一例として、演出制御用CPU101は、保留表示予告パターンを決定するための使用テーブルとして、予め用意された保留表示予告パターン決定テーブルを選択してセットする。保留表示予告パターン決定テーブルでは、予告対象となる可変表示に対応する始動入賞の発生に基づいて指定された入賞時判定結果などに応じて、保留表示予告パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、複数の保留表示予告パターンなどに割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU101は、保留表示予告パターン決定用乱数を抽出し、抽出された乱数の値に基づいて、保留表示予告パターン決定テーブルを参照することにより、保留表示予告パターンを決定すればよい。
S512の処理を実行した後には、保留表示予告パターンの決定結果に基づいて、演出表示装置9の合算保留記憶表示部における保留表示を、通常時とは異なる特殊態様で1つ増加させる予告更新制御を行う(S513)。こうして、保留表示予告が実行されるときには、合算保留記憶表示部における保留表示が、通常時とは異なる形状、模様もしくは色彩、または、これらの結合により、1つ増加するように更新されればよい。
S514において、演出制御用CPU101は、先読み予告演出の総実行回数を設定する。例えば、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行されることに対応して、先読み予告演出の演出種別が「特殊図柄」に決定されたときは、予告対象となる可変表示が第2特別図柄の変動表示であれば、第2保留記憶数を−1した変動表示の実行回数を、先読み予告演出の総実行回数として設定すればよい。一方、予告対象となる可変表示が第1特別図柄の変動表示であれば、合算保留記憶数を−1した変動表示の実行回数を、先読み予告演出の総実行回数として設定すればよい。また、先読み予告演出の演出種別が「モード移行」に決定されたときは、第2保留記憶数や合算保留記憶数を−1することなく、先読み予告演出の総実行回数として設定すればよい。
また、演出制御用CPU101は、先読み予告カウンタのカウント初期値として「0」を設定する(S515)。続いて、先読み予告実行設定情報となる所定情報を、例えばRAMの所定領域に格納して記憶させる(S516)。先読み予告実行設定情報は、先読み予告演出の演出種別が「特殊図柄」と「モード移行」のいずれであるかを示す情報や、先読み予告演出の総実行回数を示す情報などを、含んで構成されればよい。また、先読み予告実行設定情報には、予告対象となる可変表示が保留記憶されるときに指定された入賞時判定結果を示す情報が、含まれてもよい。さらに、先読み予告実行設定情報には、予告対象となる可変表示が第1特別図柄の変動表示であるか第2特別図柄の変動表示であるかを示す情報が、含まれてもよい。その後にはS517に移行する。
S517において、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の合算保留記憶表示部における保留表示を、通常時の表示態様で1つ増加させる通常更新制御を行う。例えば、第1保留記憶数加算指定コマンドを受信したときには、合算保留記憶表示部にて通常非表示(透明色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている表示部位のうち左端の表示部位)に丸形の表示画像を所定の表示色(青色など)で表示させる。一方、第2保留記憶数加算指定コマンドを受信したときには、合算保留記憶表示部にて通常非表示(透明色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている表示部位のうち左端の表示部位)に星形の表示画像を所定の表示色で表示させる。
図38は、図27に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(S801)の一例を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S601)。また、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)を読み出す(S602)。そして、演出制御用CPU101は、読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンドに応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S603)。そして、決定した停止図柄をRAMに記憶する(S604)。
S603において、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンドが15R通常大当りまたは15R確変大当りを示している場合に(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドまたは表示結果6指定コマンドである場合)、停止図柄として3図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。例えば、SR1−1を抽出し、SR1−1を用いて左中右の停止図柄(左中右の図柄が揃った飾り図柄の組合せ)を決定する。15R通常大当りにすることに決定されているときには、決定された図柄が奇数図柄であった場合には、例えば1つずらした図柄を停止図柄にする。また、15R確変大当りにすることに決定されているときには、決定された図柄が偶数図柄であった場合には、例えば1つずらした図柄を停止図柄にする。
受信した表示結果指定コマンドが2R確変大当り、突確見せかけ大当り、突確大当りまたは小当りを示している場合に(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンド、表示結果4指定コマンド、表示結果5指定コマンドまたは表示結果7指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄としてチャンス目である「135」の組合せを決定する。
はずれの場合には、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する(下記の擬似連のチャンス目を除く。)。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。
具体的には、演出制御用CPU101は、例えば、はずれ図柄にすることに決定されていない場合であって、かつ、リーチすることに決定されていない場合には、SR1−1〜SR1−3を抽出し、所定のテーブルを参照して、SR1−1を用いて左図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定し、SR1−3を用いて右図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合には、SR1−1〜SR1−2を抽出し、SR1−1を用いて左右図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定する。なお、決定された左中右図柄がチャンス目であった場合には、例えば、左図柄を1図柄ずらす。
また、S603では、擬似連演出における仮停止図柄として、チャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)が決定される。
続いて、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファの1つ目の保存領域(入賞時判定結果#1に応じた保存領域)に保存されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数加算指定コマンド)を削除し、入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする(S605)。そして、先読み予告設定処理を実行する(S606)。また、特図連動演出決定処理を実行する(S606A)。演出制御用CPU101は、特図連動演出として所定演出を実行することに対応して特図連動演出実行中フラグがセットされているか否か確認する(S607)。特図連動演出実行中フラグがセットされていない場合にはS610に移行する。
特図連動演出実行中フラグがセットされている場合に、演出制御用CPU101は、第1期間(図28参照)から特図連動演出となる所定演出を開始させる設定を行う(S608)。また、特図連動演出となる所定演出と変動パターンとに応じたプロセステーブルを選択する(S609)。S610において、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する。その後、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S611)。また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S612)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(LEDを駆動する信号であり、ランプ制御実行データともいう。)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S613)。その後、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S614)。プロセステーブルは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)の組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。例えば、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されていればよい。
プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや演出種類に応じて用意されている。また、大当りの報知に関する演出や大当り遊技中の演出を実行するためのプロセステーブルも用意されている。なお、飾り図柄の変動に関わる画像データは、プロセステーブルには設定されていなくてもよい。この場合、飾り図柄の変動自体は、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、演出制御用CPU101によりプロセステーブルを使用せずに直接制御されるようにすればよい。
図39は、飾り図柄変動開始処理において実行される先読み予告設定処理(S606)の一例を示すフローチャートである。先読み予告設定処理において、演出制御用CPU101は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされたRAMの所定領域に先読み予告実行設定情報の記憶があるか否か確認する(S701)。先読み予告実行設定情報の記憶がない場合には処理を終了する。先読み予告実行設定情報の記憶がある場合に、演出制御用CPU101は、先読み予告カウンタの値を+1する(S702)。先読み予告カウンタには、図36に示されたS515の処理にてカウント初期値となる0が設定される。その後、S702の処理が実行されるごとに、先読み予告カウンタの値が1ずつ加算されていくことになる。
次いで、演出制御用CPU101は、例えば先読み予告実行設定情報から特定される先読み予告演出の演出種別に対応して、特殊図柄予告が実行されるか否か確認する(S703)。特殊図柄予告が実行されない場合にはS707に移行する。特殊図柄予告が実行される場合に、演出制御用CPU101は、開始条件が成立した今回の可変表示において最終停止表示される飾り図柄の表示結果(停止図柄)の一部または全部を、通常時における飾り図柄とは異なる特殊な飾り図柄、あるいはチャンス目図柄として予め定められた組合せの飾り図柄に、差し替える(S704)。これにより、特殊図柄予告が実行される可変表示では、最終停止表示される飾り図柄の一部または全部を、特殊な飾り図柄またはチャンス目図柄として予め定められた組合せの飾り図柄とすることができる。
そして、演出制御用CPU101は、先読み予告カウンタの値が先読み予告演出の総実行回数に達したか否か確認する(S705)。先読み予告演出の総実行回数は、図36に示されたS514の処理にて予め設定されている。先読み予告演出の総実行回数に達していない場合には処理を終了する。先読み予告演出の総実行回数に達した場合に、RAMの所定領域における先読み予告実行設定情報の記憶を消去する(S706)。
S707において、演出制御用CPU101は、先読み予告カウンタの値が1であるか否か確認する。先読み予告カウンタの値が1以外である場合にはS709に移行する。先読み予告カウンタの値が1である場合に、遊技機における演出状態を通常時とは異なる先読み予告モード(図32(D3)の下方に示されたチャンスモードなど)とするモード移行を開始させるための設定を行う(S708)。例えば、開始条件が成立した今回の可変表示中に演出モードを先読み予告モードへと移行させるための演出パターンを、予め用意された複数パターンのうちいずれかに決定してもよい。また、先読み予告モードとして、例えば演出表示装置9の画面上における背景画像の表示といった、演出態様が異なる複数種類の先読み予告モードを設けてもよい。この場合、S708の処理では、開始条件が成立した今回の可変表示中に移行させる先読み予告モードを、複数種類のうちいずれかに決定してもよい。移行先となる先読み予告モードの決定割合は、予告対象となる可変表示で大当りとなるか否かや大当り種別、リーチ演出などに応じて、異なる割合で決定してもよい。例えば、先読み予告モードに移行させる場合には、その先読み予告モードに対応するフラグをセットするなどして、現在のモードを特定可能とし(先読み予告実行設定情報に含むデータによって特定してもよい。)、S609やS610において、セットされたフラグや変動パターンなどに対応するプロセステーブルを選択するなどして、予告モードに応じた、かつ、変動パターンなどに応じた飾り図柄の可変表示や演出を実行するようにしてもよい。
S709において、演出制御用CPU101は、先読み予告カウンタの値が先読み予告演出の総実行回数に達したか否か確認する。先読み予告演出の総実行回数に達していない場合には処理を終了する。先読み予告演出の総実行回数に達した場合に、演出制御用CPU101は、モード移行終了フラグをセットするとともに(S710)、RAMの所定領域における先読み予告実行設定情報の記憶を消去する(S711)。
図40は、飾り図柄変動開始処理において実行される特図連動演出決定処理(S606A)の一例を示すフローチャートである。特図連動演出決定処理において、演出制御用CPU101は、普図連動演出実行中フラグがセットされているか否か確認する(S521)。普図連動演出実行中フラグがセットされている場合(すなわち、普図連動演出として所定演出が実行されている場合)には処理を終了する。普図連動演出実行中フラグがセットされていない場合に、次変動ありフラグがセットされているか否か確認する(S522)。次変動ありフラグがセットされていない場合に、未変動期間計測タイマが動作中(0でない)か否か確認する(S523)。次変動ありフラグがセットされている場合または未変動期間計測タイマが0でない場合には、普図連動演出の実行が決定されているものの実行開始を保留している状態であるので、そのまま処理を終了する。
未変動期間計測タイマが動作中でない場合(S523;Yes)に、演出制御用CPU101は、遊技状態データが、高ベース状態を示す値になっているか否か確認する(S524)。高ベース状態を示す値になっている場合には、処理を終了する。なお、図40に示す特図連動演出決定処理は飾り図柄の変動開始時に実行される処理であるので、大当り遊技状態や小当り遊技状態である場合に特図連動演出となる所定演出が決定されて実行されることはない。高ベース状態を示す値になっていない場合に、演出制御用CPU101は、今回開始する変動表示が擬似連を含む変動パターンであるか否か確認する(S525)。なお、擬似連を含む変動パターンであるか否かは、具体的には、コマンド解析処理で抽出した変動パターンコマンドで指定された変動パターンを確認することによって判定できる。擬似連の変動パターンではない場合(S525;No)にはS527に移行する。
擬似連の変動パターンである場合に(S525;Yes)、演出制御用CPU101は、所定演出の有無および種類を決定するための所定演出決定テーブルとして第1連動演出決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の内容(有無、演出態様)を決定する(S526)。この実施の形態では、擬似連の変動パターンに対応して特図連動演出となる所定演出を実行するための所定演出パターンとして、図41に示すような複数の擬似連時所定演出パターンが、予め用意されている。演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵または外付けされたROMには、それぞれの擬似連時所定演出パターンを格納するための擬似連時所定演出パターンテーブルが設けられていればよい。擬似連の演出が実行される場合、飾り図柄の変動表示が開始されてから1回目の再変動が行われるより前の初回変動と、再変動が実行された後の各変動表示とに対応して、特図連動演出となる所定演出を実行できればよい。なお、初回変動と再変動の全ての変動表示に対応して特図連動演出が実行されるものに限定されず、一部の変動表示に対応して特図連動演出が実行される一方、その他の変動表示に対応した特図連動演出が実行されないことがあってもよい。
図41(A)は、擬似連の演出において再変動が1回行われる場合に対応して、特図連動演出となる所定演出を実行するための擬似連時所定演出パターンGPA2−1〜GPA2−5を示している。図41(B)は、擬似連の演出において再変動が2回行われる場合に対応して、特図連動演出となる所定演出を実行するための擬似連時所定演出パターンGPA3−1〜GPA3−5を示している。図41(C)は、擬似連の演出において再変動が3回行われる場合に対応して、特図連動演出となる所定演出を実行するための擬似連時所定演出パターンGPA4−1〜GPA4−5を示している。それぞれの擬似連時所定演出パターンは、初回変動や再変動となるそれぞれの変動表示に対応して、図29(A)に示された所定演出パターンSPA1〜SPA8のいずれかによる所定演出を実行できるように、所定演出の有無および種類の組合せが設定されている。
S526において、演出制御用CPU101は、例えば図42に示す第1連動演出決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の有無および種類(報知演出や発展演出の有無、いずれの報知結果や発展内容とするか)を決定する。図42に示す第1連動演出決定テーブルには、擬似連の演出における再変動の実行回数に応じて、所定演出を実行しないことに対応する判定値と所定演出を実行する場合の擬似連時所定演出パターンに対応する判定値とが設定されている。図42には、判定値そのものではなく、判定値数(割振数)が示されている。
演出制御用CPU101は、S526の処理において、第2所定演出パターン決定用乱数SR3−2(図26参照)を抽出し、抽出した乱数SR3−2の値が擬似連時所定演出パターンのいずれかに対応する判定値と一致した場合に、所定演出を実行することに決定する。なお、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドで指定された変動パターンにおける擬似連の演出で実行される再変動の回数に応じて、第1連動演出決定テーブルに設定された判定値を使用する。
図42に示す第1連動演出決定テーブルにおいて、特図連動演出を実行しない演出実行なしには、スーパーリーチ以外のはずれとなる場合よりも、スーパーリーチはずれとなる場合に少ない判定値が割り振られており、大当りとなる場合には、さらに少ない判定値が割り当てられている。したがって、擬似連の演出に伴い特図連動演出が実行されたときには、特図連動演出が実行されないときよりも高い割合で、スーパーリーチのリーチ演出が実行されたり、表示結果が大当りとなったりする。
図40に示すS527において、演出制御用CPU101は、モード移行予告の実行によるモード移行を開始させるための設定があるか否か確認する(ステップ527)。モード移行を開始させるための設定は、図39に示されたS708にて行われる。モード移行を開始させるための設定がない場合にはS529に移行する。モード移行を開始させるための設定がある場合に、特図連動演出となる所定演出を実行するために、所定演出パターンSPA8を使用パターンに決定する(S528)。図29(A)に示したように、所定演出パターンSPA8では、演出モードが先読み予告モードに移行するモード移行予告の実行を報知する発展演出が実行される。このように、モード移行予告が実行されるときには所定演出パターンSPA8に決定することにより、特図連動演出となる所定演出においてモード移行が行われることを報知してから、モード移行予告により演出モードを先読み予告モードに移行させることができる。
S529において、演出制御用CPU101は、保留表示予告を実行中であるか否かを判定する。例えば図25に示された入賞時判定結果記憶バッファに、保留表示予告による予告対象となる可変表示に対応して、保留表示予告が実行されていることを示す情報を保存する保存領域を設けてもよい。この場合、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファに保存された内容から、保留表示予告が実行されているか否かを判定することができる。保留表示予告が実行されている場合に、演出制御用CPU101は、所定演出の有無および種類を決定するための所定演出決定テーブルとして第2連動演出決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の内容(有無、演出態様)を決定する(S530)。保留表示予告が実行されていない場合に、所定演出の有無および種類を決定するための所定演出決定テーブルとして第3連動演出決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の内容(有無、演出態様)を決定する(S531)。
S530において、演出制御用CPU101は、例えば図43(A)に示す第2連動演出決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の有無および種類(報知演出や発展演出の有無、いずれの報知結果や発展内容とするか)を決定する。S531において、演出制御用CPU101は、例えば図43(B)に示す第3連動演出決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の有無および種類(報知演出や発展演出の有無、いずれの報知結果や発展内容とするか)を決定する。第2連動演出決定テーブルや第3連動演出決定テーブルには、変動表示の表示結果や変動パターンに基づく変動表示内容に応じて、所定演出を実行しないことに対応する判定値と所定演出を実行する場合の所定演出パターンに対応する判定値とが設定されている。図43(A),(B)には、判定値そのものではなく、判定値数(割振数)が示されている。
演出制御用CPU101は、S530,S531の処理において、第2所定演出パターン決定用乱数SR3−2(図26参照)を抽出し、抽出した乱数SR3−2の値が所定演出パターンのいずれかに対応する判定値と一致した場合に、所定演出を実行することに決定する。図43(A)に示す第2連動演出決定テーブルにおいて、特図連動演出を実行しない演出実行なしには、図43(B)に示す第3連動演出決定テーブルと比べて、変動表示内容が同一であれば、少ない判定値が割り振られている。したがって、保留表示予告が実行されているときには、保留表示予告が実行されていないときよりも高い割合で、特図連動演出となる所定演出を実行することができる。
なお、保留表示予告が実行されているときに、実行されていないときよりも高い割合で特図連動演出が実行されるものに限定されず、例えば特殊図柄予告やモード移行予告といった、その他の任意の先読み予告演出が実行されているときに、実行されていないときよりも高い割合で特図連動演出が実行されるように、連動演出決定テーブルにおける判定値が設定されてもよい。また、特図連動演出に代えて、あるいは特図連動演出とともに、普図連動演出となる所定演出について、所定の先読み予告演出が実行されているときには、実行されていないときよりも高い割合で普図連動演出が実行されるように、普図連動演出決定テーブル(図35参照)における判定値が設定されてもよい。
保留表示予告その他の先読み予告演出が実行されているときには、S530の処理のように、飾り図柄の変動表示が開始されるごとに所定演出の有無や所定演出パターンを決定するものに限定されず、先読み予告演出が実行される複数回の変動表示にわたる所定演出パターンを、一括して決定するように構成してもよい。この場合には、例えば図41(A)〜(C)に示された擬似連時所定演出パターンと同様の所定演出パターンの組合せを予め用意しておき、図36のS514にて設定された予告総実行回数に応じた複数回の変動表示にわたり所定演出を実行するために、所定演出パターンの組合せが決定されるようにしてもよい。
図42に示された第1連動演出実行テーブルにおいても、特図連動演出を実行しない演出実行なしには、図43(B)に示す第3連動演出決定テーブルと比べて、変動表示内容が同一であれば、少ない判定値が割り振られている。したがって、擬似連の演出が実行されるときには、擬似連の演出が実行されないときよりも高い割合で、特図連動演出となる所定演出を実行することができる。
大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれやスーパーリーチ以外のはずれとなる場合と比較して、高い割合で所定演出パターンSPA4に決定される。したがって、図30(D4)に示されたように「激熱」と描かれたコインの画像が表示される報知演出が実行されたときには、変動表示の表示結果が大当りとなる期待感が高まる。
図43(B)に示す第3連動演出決定テーブルでは、所定演出パターンSPA7に判定値が割り振られている一方、図43(A)に示す第2連動演出決定テーブルでは、所定演出パターンSPA7に判定値が割り振られていない。したがって、保留表示予告が実行されているときには、特図連動演出として所定演出が実行される割合が高められるものの、図32(D2)に示されたように2次元コードが表示される発展演出を実行しないように制限される。これにより、保留表示予告と遊技者に特典を付与する発展演出とが同時に実行されないように制限を設けて、保留表示予告や発展演出に対する遊技者の関心が低下(分散)することを防止できる。
所定演出パターンSPA8は、S528の処理のみにて決定される。したがって、図32(D3)に示されたようにモード移行を報知する発展演出が実行されたときには、モード移行予告が実行されて演出モードが変更されることが確定する。なお、モード移行を報知する発展演出が実行されないときでも、所定割合でモード移行予告が実行されて演出モードが変更されることがあってもよい。モード移行を報知する発展演出が実行されたときでも、所定割合でモード移行予告が実行されず演出モードが変更されないことがあってもよい。
その後、演出制御用CPU101は、特図連動演出を実行しない演出実行なしに決定されたか否か確認する(S532)。演出実行なしに決定された場合には処理を終了する。演出実行なし以外に決定された場合に、例えば図44に示す予兆演出決定テーブルを用いて、予兆演出を決定する(S533)。予兆演出決定テーブルには、所定演出パターンに応じて、予兆A(キャラAの通過表示)、予兆B(キャラBの通過表示)、予兆C(キャラCの通過表示)といった複数の予兆演出の種別に判定値が設定されている。図44には、判定値そのものではなく、判定値数(割振数)が示されている。
演出制御用CPU101は、S532の処理において、予兆演出決定用乱数SR5(図26参照)を抽出し、抽出した乱数SR5の値と一致する判定値が割り振られた予兆演出の種別とすることに決定する。図44に示す例では、予兆Aの種別でキャラAが表示される予兆演出が実行された場合には、報知演出が実行される割合が高い。予兆Bの種別でキャラBが表示される予兆演出が実行された場合や、予兆Cの種別でキャラCが表示される予兆演出が実行された場合には、報知演出が実行される割合は低くなるものの、所定演出パターンSPA3により「チャンス」と描かれたコインの画像が表示されたり、所定演出パターンSPA4により「激熱」と描かれたコインの画像が表示されたりして、リーチ演出が実行される期待感や大当りとなる期待感が高められる。
また、図44に示す例では、予兆Aの種別でキャラAが表示される予兆演出が実行された場合には、所定演出パターンSPA7または所定演出パターンSPA8により発展演出が実行される割合が低い。予兆Bの種別でキャラBが表示される予兆演出が実行された場合には、所定演出パターンSPA8によりモード移行を報知する発展演出が実行される割合が高い。予兆Cの種別でキャラCが表示される予兆演出が実行された場合には、所定演出パターンSPA7により遊技者に特典を付与する発展演出が実行される割合が高い。なお、所定演出パターンSPA7であるときと所定演出パターンSPA8であるときには、予兆Aの種別とは異なる予兆Bまたは予兆Cの種別となる予兆演出が、それぞれに共通の高い割合で実行されるようにしてもよい。すなわち、キャラBまたはキャラCといった、特定のキャラクタが通過表示されたときに、モード移行を報知する発展演出が実行される可能性と、遊技者に特典を付与する発展演出が実行される可能性の双方が、高められるようにしてもよい。
このように、特図連動演出となる所定演出において報知演出が実行されるか否かに応じて異なる割合で、予兆演出における演出態様(キャラクタ画像の種類など)が複数態様のいずれかに決定される。また、特図連動演出となる所定演出において発展演出が実行されるか否かに応じて異なる割合で、予兆演出における演出態様が複数態様のいずれかに決定される。具体的には、所定演出パターンSPA8によりモード移行を報知する発展演出が実行されるか否かに応じて異なる割合で、予兆演出における演出態様が複数態様のいずれかに決定される。また、所定演出パターンSPA7により遊技者に特典を付与する発展演出が実行されるか否かに応じて異なる割合で、予兆演出における演出態様が複数態様のいずれかに決定される。
図40に示すS533の処理を実行した後に、演出制御用CPU101は、普通図柄の変動中であるか否か確認する(S534)。普通図柄の変動中であるか否かは、例えば主基板31から伝送された普通図柄変動開始指定コマンドを受信した後に、普通図柄の変動時間に対応した所定時間が経過したか否かや、普通図柄確定コマンドを受信したか否かにより判定することができる。普通図柄の変動中でない場合にはS542に移行する。普通図柄の変動中である場合に、演出制御用CPU101は、普通図柄の変動表示が行われる残り時間が所定時間未満となっているか否か確認する(S535)。例えば、所定時間として特図連動演出となる所定演出の実行期間未満となっているか否かを確認する。残り変動時間が所定時間未満となっていれば、普通図柄の変動表示について保留記憶数(普図保留記憶数)が0となっているか否か確認する(S536)。普図保留記憶数が0でない場合にはS542に移行する。
ステップ535で残り変動時間が所定時間未満でなかった場合(S535;No)、S536で普図保留記憶数が0であった場合に(S536;Yes)、演出制御用CPU101は、例えば図45に示す演出開始タイミング決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の開始タイミングを決定する(S537)。演出開始タイミング決定テーブルには、所定演出パターンに応じて、特図変動開始時、変動開始2秒後、変動開始4秒後、変動開始6秒後、リーチ成立後といった複数の開始タイミングに判定値が設定されている。図45には判定値そのものではなく判定値数(割振数)が示されている。
演出制御用CPU101は、S537の処理において、演出開始決定用乱数を抽出し、抽出した乱数の値と一致する判定値が割り振られた開始タイミングに決定する。図45に示す例では、特図変動開始時が特図連動演出の開始タイミングとなった場合に、報知演出が実行される割合が高い。リーチ成立後が特図連動演出の開始タイミングとなった場合には、所定演出パターンSPA7や所定演出パターンSPA8により発展演出が実行される割合が高い。なお、所定演出パターンSPA7であるか所定演出パターンSPA8であるかに応じて開始タイミングの決定割合を異ならせてもよい。
このように、特図連動演出となる所定演出において報知演出が実行されるか否かに応じて異なる割合で、複数のタイミングのうちいずれか1のタイミングを選択して、特図連動演出の開始タイミングに決定する。また、特図連動演出となる所定演出において発展演出が実行されるか否かに応じて異なる割合で、複数のタイミングのうちいずれか1のタイミングを選択して、特図連動演出の開始タイミングに決定する。所定演出パターンSPA8によりモード移行を報知する発展演出が実行されるか否かに応じて異なる割合で、複数のタイミングのうちいずれか1のタイミングを選択して、特図連動演出の開始タイミングに決定してもよい。所定演出パターンSPA7により遊技者に特典を付与する発展演出が実行されるか否かに応じて異なる割合で、複数のタイミングのうちいずれか1のタイミングを選択して、特図連動演出の開始タイミングに決定してもよい。
なお、普図連動演出となる所定演出は、図33に示されたS758の処理などにより、スーパーリーチ演出が開始された後には実行されないように制限される。これに対応して、特図連動演出となる所定演出についても、スーパーリーチ演出が開始された後には実行されないように制限してもよい。例えば、図45に示すリーチ成立後の開始タイミングは、飾り図柄の表示状態がリーチ状態となってからスーパーリーチ演出が開始されるまでに特図連動演出の実行を完了できるようなタイミングが予め設定されてもよい。あるいは、特図連動演出の開始タイミングは、全てリーチ成立前となるように複数のタイミングが設定されてもよい。
図45に示すように、所定演出パターンSPA7や所定演出パターンSPA8により発展演出が実行される場合には、飾り図柄の変動表示が開始されてからのタイミングが遅くなるにしたがって、多くの判定値が割り振られるように設定されてもよい。これにより、所定演出の実行が開始されるタイミングが遅くなるほど、モード移行を報知する発展演出や、遊技者に特典を付与する発展演出が実行される可能性が高くなり、遊技者の期待感を持続させて、遊技興趣を向上させることができる。なお、所定演出パターンに応じた開始タイミングの決定割合は、図45に示された設定に限定されず、報知演出が実行される期待感や、発展演出が実行される期待感、モード移行を報知する発展演出が実行される期待感、遊技者に特典を付与する発展演出が実行される期待感などを、適切に高めて遊技興趣を向上させることができるように、予め設定されたものであればよい。
その後、演出制御用CPU101は、決定された特図連動演出の開始タイミングを示す開始タイミング設定情報を、RAMの所定領域などに記憶させておく(S538)。また、S537の処理により決定された開始タイミングが特図変動開始時であるか否か確認する(S539)。特図変動開始時ではない場合にはS542に移行する。特図連動演出の開始タイミングが特図変動開始時である場合に、特図連動演出実行中フラグをセットする(S540)。また、特図連動演出となる所定演出の演出期間を計測するための特図連動演出タイマに、所定演出の演出期間に対応する値をセットする(S541)。そして、演出制御用CPU101は、特図連動演出となる所定演出を開始させる設定を行う(S541A)。例えば、所定演出パターンに対応するプロセステーブルを選択して、そのプロセステーブルに設定されているデータを用いて演出表示装置9の表示制御等を開始する。S542の処理において、演出制御用CPU101は、演出待機フラグをセットする。
図46は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(S802)の一例を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、特図連動演出実行中フラグがセットされているか否か確認する(S551)。特図連動演出実行中フラグがセットされていれば、特図連動演出タイマの値を−1する(S552)。そして、特図連動演出タイマの値が0になったときには(S553;Yes)、特図連動演出を終了する(S554)。このとき、特図連動演出実行中フラグをリセットする(S555)。特図連動演出実行中フラグがセットされていない場合、又は、特図連動演出タイマの値が0になっていないときには(S553;No)、S556に移行する。なお、特図連動演出タイマの値が0になっていないときには、特図連動演出タイマの値に応じたデータ(プロセステーブルに含まれるデータ)を用いて、演出表示装置9の表示制御等を行うことによって、特図連動演出の実行を実現するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマおよび変動時間タイマのそれぞれの値を−1する(S556,S557)。また、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(S558)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替えを行う(S559)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S560)。また、その次に設定されている内容(表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データ)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S561)。プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には、タイマ値に応じたデータ(変動パターンなどに応じて選択されたプロセステーブルに含まれるデータ)を用いて、演出表示装置9の表示制御等を行うことによって、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出の実行を実現するようにしてもよい。
プロセスタイマがタイムアウトしていない場合(S558;No)、又は、S561のあと、演出制御用CPU101は、特図連動演出待機中処理を実行する(S562)。特図連動演出待機中処理は、開始が保留となっていた特図連動演出を特別図柄や飾り図柄の変動表示中に開始する処理である。また、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(S563)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、図柄確定指定コマンドを受信したか否かを確定コマンド受信フラグのセットの有無によって確認する(S564)。図柄確定指定コマンドを受信していない場合には処理を終了する。
変動時間タイマがタイムアウトした場合(S563;Yes)や、図柄確定指定コマンドを受信した場合に(S564;Yes)、演出制御用CPU101は、モード移行終了フラグがセットされているか否か確認する(S565)。モード移行終了フラグがセットされていない場合にはS567に移行する。モード移行終了フラグがセットされている場合には、モード移行予告の終了に対応して、遊技機における演出状態を通常時の演出モードに復帰させるための設定(例えば、先読み予告モードに対応するフラグをリセットするなどして、S609やS610において、通常時の演出モードに対応するプロセステーブルを選択するようにする設定)を行う(S566)。そして、S567において、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する。
図47は、飾り図柄変動中処理において実行される特図連動演出待機中処理(S562)の一例を示すフローチャートである。特図連動演出待機中処理において、演出制御用CPU101は、演出待機フラグがセットされているか否か確認する(S581)。演出待機フラグは、図40に示されたS542の処理によりセットされる。演出待機フラグがセットされていない場合には、そのまま特図連動演出待機中処理を終了する。演出待機フラグがセットされている場合に、RAMの所定領域に開始タイミング設定情報の記憶があるか否か確認する(S582)。開始タイミング設定情報は、図40に示されたS538の処理にて記憶される。開始タイミング設定情報の記憶がない場合にはS584に移行する。開始タイミング設定情報の記憶がある場合には、その情報により設定された開始タイミングとなったか否か確認する(S583)。設定された開始タイミングではない場合には処理を終了する。設定された開始タイミングとなった場合には、S585に移行する。
S584において、演出制御用CPU101は、特図連動演出となる所定演出を実行可能に予め設定された複数のタイミング(例えば、図45に示されたタイミング)のうちいずれか1のタイミングとなったか否か確認する。例えば、変動時間タイマのタイマ値に基づいて、この確認を行う。いずれのタイミングでもない場合(S584;No)には処理を終了する。いずれか1のタイミングとなった場合には、S585に移行する。S585において、演出制御用CPU101は、普図連動演出実行中フラグがセットされているか否か確認する。普図連動演出実行中フラグがセットされている場合には、特図連動演出となる所定演出の開始が保留されているうちに普図連動演出となる所定演出が先に開始されたことに対応して、特図連動演出の実行が開始されないように制限する。すなわち、演出待機フラグをリセットするとともに(S586)、開始タイミング設定情報の記憶を消去する(S587)。これにより、普図連動演出と特図連動演出とが同時に実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えることを防止できる。
なお、特図連動演出となる所定演出の実行が保留されているときには、普図連動演出となる所定演出を実行しないように制限してもよい。例えば、図33に示された普図連動演出制御処理において、S732にて特図連動演出実行中フラグがセットされていないときに、演出待機フラグがセットされているか否か確認する。このとき、演出待機フラグがセットされていれば、S741以降の処理を実行せずに普図連動演出制御処理を終了することで、普図連動演出となる所定演出を実行することに決定されないように制限すればよい。S585にて普図連動演出実行中フラグがセットされていない場合(S585;No)には、普通図柄の変動中であるか否か確認する(S588)。普通図柄の変動中でない場合はS591に移行する。普通図柄の変動中である場合に、演出制御用CPU101は、普通図柄の変動表示が行われる残り時間が所定時間未満となっているか否か確認する(S589)。残り変動時間が所定時間未満となっていれば、普通図柄の変動表示について保留記憶数(普図保留記憶数)が0となっているか否か確認する(S590)。普図保留記憶数が0でない場合はS591に移行する。
S591において、演出制御用CPU101は、特図連動演出の実行を開始できる次の開始タイミングがあるか否か確認する。例えば、変動開始2秒後のタイミングでは、次の開始タイミングとして変動開始4秒後のタイミングが残されている。変動開始後4秒後のタイミングでは、次の開始タイミングとして変動開始6秒後のタイミングが残されている。変動開始6秒後のタイミングでは、次の開始タイミングとしてリーチ成立後のタイミングが残されている。ただし、非リーチはずれに対応した変動パターンでは、飾り図柄の表示状態がリーチ状態にならないことから、変動開始6秒後のタイミングでは、次の開始タイミングが残されていない。また、リーチ成立後のタイミングでは、次の開始タイミングが残されていない。このように、次の開始タイミングが残されてある場合には(S591;No)、S595に移行する。
S589にて普通図柄の残り変動時間が所定時間未満ではない場合(S589;No)や、S590にて普図保留記憶数が0である場合(S590;Yes)、または、S591にて次の開始タイミングが残されていない場合(S591;No)には、特図連動演出となる所定演出の実行を開始させる。すなわち、演出制御用CPU101は、特図連動演出実行中フラグをセットするとともに(S592)、特図連動演出タイマに所定演出の演出期間に対応する値をセットする(S593)。そして、演出制御用CPU101は、特図連動演出となる所定演出を開始するための設定を行う(S594)。例えば、所定演出パターンに対応するプロセステーブルを選択して、そのプロセステーブルに設定されているデータを用いて演出表示装置9の表示制御等を開始する。その後、S595において、演出制御用CPU101は、開始タイミング設定情報を消去する。
こうして、S583にて設定された開始タイミングであると判定された場合や、S584にて特図連動演出の実行を開始できる複数の開始タイミングのうちいずれか1の開始タイミングであると判定された場合に、S594の処理が実行可能となる一方、開始タイミングでない場合にはS594の処理が実行されることはない。したがって、特図連動演出となる所定演出は、特別図柄や飾り図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに予め設定された複数のタイミングのうちいずれか1のタイミングにて、実行を開始することができる。
S588の処理により普通図柄の変動中ではないと判定された場合に、S591の処理にて次の開始タイミングがあると判定されたときは、S595の処理にて開始タイミング設定情報を消去して、次回以降のタイマ割込みが発生したときにS584の処理にていずれかの開始タイミングになったか否か確認される。そして、次の開始タイミングとなったときに普通図柄が変動中となったことや、さらに次の開始タイミングがなくなったことに基づいて、S592以降の処理が実行されて、特図連動演出となる所定演出の実行が開始される。図40に示されたS534の処理により普通図柄の変動中ではないと判定された場合も同様である。こうして、普通図柄の変動表示が実行されていないときに特図連動演出となる所定演出を実行する場合には、普通図柄の変動表示が開始されるタイミングに基づいて所定演出の実行が開始される。ここで、「普通図柄の変動表示が開始されるタイミングに基づいて」とは、普通図柄の変動表示が開始されるタイミングそのものとなる場合(次の開始タイミングにて普通図柄の変動表示が開始されている場合)と、普通図柄の変動表示が開始されるに所定の時間(最終の開始タイミングとなるまでの時間)が経過したタイミングとなる場合とを含み、普通図柄の変動表示が開始されたか否かにより何らかの影響を受けることを意味している。
図48は、特図連動演出となる所定演出の開始タイミングを示すタイミング図である。図40に示されたS537の処理では、図45に示された演出開始タイミング決定テーブルを用いて、特図連動演出の開始タイミングが、特図変動開始時、変動開始2秒後、変動開始4秒後、変動開始6秒後、リーチ成立後といった複数のタイミングのうち、いずれか1のタイミングに決定される。そして、特図変動開始時に決定された場合には、図48(A)に示すように、特別図柄や飾り図柄の変動表示が開始されるタイミングT10にて、特図連動演出となる所定演出の実行が開始される。変動開始2秒後に決定された場合には、図48(B)に示すように、変動開始から2秒後のタイミングT11にて、特図連動演出となる所定演出の実行が開始される。変動開始4秒後に決定された場合には、図48(C)に示すように、変動開始から4秒後のタイミングT12にて、特図連動演出となる所定演出の実行が開始される。変動開始6秒後に決定された場合には、図48(D)に示すように、変動開始から6秒後のタイミングT13にて、特図連動演出となる所定演出の実行が開始される。リーチ成立後に決定された場合には、図48(E)に示すように、飾り図柄の表示状態がリーチ状態となったリーチ成立後のタイミングT14にて、特図連動演出となる所定演出の実行が開始される。このように、この実施の形態では、複数のタイミングのうちいずれか1のタイミングを選択して、特図連動演出の開始タイミングとすることができる。
図47に示された特図連動演出待機中処理では、S583にて開始タイミング設定情報により設定された開始タイミングになったと判定されたときと、S584にて特図連動演出の実行を開始できるタイミングとして予め定められた複数のタイミングのいずれかになったと判定されたときに、S588に移行して普通図柄の変動中であるか否かを確認して、変動中であることなどに基づいて特図連動演出の実行を開始できるようにしている。したがって、特図連動演出となる所定演出は、普通図柄の変動表示が実行されていないときに所定演出を実行する場合には、普通図柄の変動表示が開始されるタイミングに基づいて、予め設定された複数のタイミングのうちいずれか1のタイミングにて、その実行を開始することができる。
図49は、保留表示予告が実行されている場合に特図連動演出となる所定演出が実行される具体例を示す説明図である。この具体例では、第1始動入賞口13を通過した遊技球の検出による始動入賞時に、図19のS220にてランダムRが大当り判定値と一致したことに基づいて、図36のS509にて保留表示予告を実行することに決定される。これにより、図49(A)に示すように、演出表示装置9において左中右の飾り図柄が変動表示(可変表示)している状態で、合算保留記憶表示部18Hには、通常時の表示態様(例えば青色の表示色)となる表示部位(図49(A)では白塗りの丸形で示す)と、通常時とは異なる特殊態様(例えば金色の表示色)となる表示部位(図49(A)では黒塗りの丸形で示す)とがあるものとする。
このような保留表示予告が実行されている場合には、図40のS530にて図43(A)に示された第2連動演出決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の有無や演出態様が決定される。この場合には、図40のS531にて図43(B)に示された第3連動演出決定テーブルが用いられる保留表示予告が実行されていない場合と比較して、高い割合で特図連動演出を実行することに決定される。例えばS530にて所定演出パターンSPA5に決定されたことに対応して、図49(B)に示すように、演出表示装置9の表示画面内でキャラクタ画像が横切る表示制御が実行される。その後、図49(C)に示すような非リーチはずれの表示結果が導出表示される。
続いて、第1保留記憶数が2であることから、新たな第1特別図柄の変動表示が開始され、これに伴い飾り図柄の変動表示が開始される。このときにも保留表示予告が実行されていることから、保留表示予告が実行されていない場合と比較して、高い割合で特図連動演出を実行することに決定される。そして、所定演出パターンSPA5に決定されたことに対応して、図49(D)に示すように、表示画面内でキャラクタ画像が横切る表示制御が実行される。その後、図49(E)に示すような非リーチはずれの表示結果が導出表示される。
さらに、第1保留記憶数が1であることから、新たな第1特別図柄の変動表示が開始される。この変動表示は、保留表示予告による予告対象となった変動表示であり、その表示結果が大当りとなる。このときには、図40のS531にて図43(B)に示された第3連動演出決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の有無や演出態様が決定される。ここでは、保留表示予告が実行されているときと比べれば低い割合になるものの、表示結果が大当りとなることから高い割合で大当り期待度が高い演出態様の特図連動演出を実行することに決定される。例えばS531にて所定演出パターンSPA3に決定されたことに対応して、図49(F)に示すように、表示画面内でキャラクタ画像が横切る表示制御が実行され、続いて図49(G),(H)に示すように、表示画面においてキャラクタがコインを回転させる表示制御が実行される。そして、図49(I)に示すように、「チャンス」と描かれたコインの画像を表示する制御が実行される。その後、図49(J)に示すような大当りの表示結果が導出表示される。
なお、保留表示予告による予告対象となった変動表示では、保留表示予告の実行が終了していても、図40のS530にて図43(A)に示された第2連動演出決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の有無や演出態様が決定されてもよい。より具体的には、変動表示の開始に伴い保留表示予告の実行が終了するときに、所定の保留予告対象変動開始フラグをセットしておき、図40に示されたS529では、保留予告対象変動開始フラグがセットされているときには、保留表示予告が実行されているときと同様に、S530へと処理を移行させればよい。これにより、保留表示予告による予告対象となった変動表示においても、保留表示予告が実行されなかった場合と比較して、高い割合で特図連動演出を実行して、遊技興趣を向上させることができる。
図50は、擬似連の演出が実行される場合に特図連動演出となる所定演出が実行される具体例を示す説明図である。この具体例では、特別図柄の変動表示が開始されることに対応して、図40のS526にて図42に示された第1連動演出決定テーブルを用いて、特図連動演出となる所定演出の有無や演出態様が決定される。例えば、表示結果が大当りとなることに対応して、擬似連の演出における再変動が2回実行されるノーマルPB2−4の変動パターン(図4参照)に決定された場合には、図42に示す擬似連2回に対応した判定値が用いられる。この場合には、図40のS531にて図43(B)に示された第3連動演出決定テーブルが用いられる擬似連の演出が実行されない場合と比較して、高い割合で特図連動演出を実行することに決定される。例えばS526にて擬似連時所定演出パターンGPA3−4(図41(B)参照)に決定された場合には、図50(A)に示すように演出表示装置9において左中右の飾り図柄が変動表示(可変表示)が開始された後、図50(B)に示すように、所定演出パターンSPA5に相当する表示画面内でキャラクタ画像が横切る表示制御が実行される(図41(B)の擬似連時所定演出パターンGPA3−4で初回変動に対応)。その後、図50(C)に示すような擬似連チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止される。
続いて、図50(D)に示すように、1回目の再変動が行われたときには、再び所定演出パターンSPA5に相当する表示画面内でキャラクタ画像が横切る表示制御が実行される(図41(B)の擬似連時所定演出パターンGPA3−4で1回目擬似連に対応)。その後、図50(E)に示すような擬似連チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止される。さらに、図50(F)に示すように、2回目の再変動が行われたときには、表示画面内でキャラクタ画像が横切る表示制御が実行され、続いて図50(G),(H)に示すように、表示画面においてキャラクタがコインを回転させる表示制御が実行される。そして、図50(I)に示すように、「チャンス」と描かれたコインの画像を表示する制御が実行される。その後、図50(J)に示すような大当りの表示結果が導出表示される。
この実施の形態では、上記の構成によって、識別情報(例えば、特別図柄や飾り図柄など)の可変表示を行って表示結果を導出表示し、前記表示結果として予め定められた特定表示結果(例えば、大当り図柄など)が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御する遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)が構成される。そして、この実施の形態では、上記の構成によって、パチンコ遊技機1は、遊技媒体(例えば、遊技球など)が所定領域(例えば、ゲート32など)に進入(例えば、通過など)したことにもとづいて、所定の可変入賞装置(例えば、可変入賞球装置15など)に遊技媒体が進入しやすい進入容易状態に制御可能な可変入賞装置制御手段(例えば、普通図柄プロセス処理を実行するCPU56など)と、前記識別情報の可変表示が行われているときに、当該識別情報の表示結果が前記特定表示結果になることを示唆する特定演出(例えば、スーパーリーチのリーチ演出など)を実行する特定演出実行手段(例えば、S802の処理を実行する演出制御用CPU101など)と、前記可変入賞装置が前記進入容易状態に制御されるか否かを報知するための所定演出(例えば、普図連動演出としての所定演出など)を実行する所定演出実行手段(例えば、所定演出を実行する演出制御用CPU101など)と、前記特定演出が実行されるときに行われる前記識別情報の可変表示中では前記所定演出の実行を制限する所定演出制限手段(例えば、S758などの処理を実行する演出制御用CPU101など)と、を備えることになる。
この実施の形態では、特に上記のような構成によって、所定演出制限手段によって、所定演出の実行が制限されることによって、所定演出によって特定演出の演出効果が低減することを無くすか少なくすることができる。
なお、所定演出は、特図連動演出なども含めた所定演出とし、この所定演出の実行を特定演出の期間中に制限することによって、所定演出によって特定演出の演出効果が低減することを無くすか少なくすることができる。この場合には、例えば、特図連動演出などの所定演出の実行についても、普図連動演出と同様に、可変表示の開始から11.5秒が経過したと判定したときに、制限するようにすればよい。所定演出の実行を制限するとは、この実施の形態のように、所定演出を実行しないようにすることの他、特定演出が実行されていない期間中に所定演出が実行されるときなどに比べて、所定演出の実行割合が下げられることも含む。この場合には、例えば、S758などにおいて、11.5秒が経過したと判定したときに(S758;Yes)、S759と同様に所定演出の実行の有無を決定すればよい。そして、このときに、例えば、所定演出を実行しない決定する決定割合が、S759で参照するテーブルでの決定割合よりも低いテーブルを用いるようにすればよい。特定演出は、この実施形態のようにスーパーリーチに限らず、リーチ演出全般としてもよい。この場合には、例えば、リーチ成立後には、特定演出の実行を制限するような制御を行えばよい。例えば、S759では、リーチ成立の有無を判定し、図45の演出開始タイミング決定テーブルでは、「リーチ成立後」を省けばよい。
この実施の形態では、上記の構成によって、前記特定演出実行手段は、前記識別情報の可変表示が開始されてから所定期間経過後(例えば、11.5秒後)に前記特定演出を実行し、前記所定演出制限手段は、前記識別情報の可変表示が開始されてから所定期間経過後の期間において前記所定演出の実行を禁止する(例えば、S758など)ようにしてもよい。このような構成によれば、より確実に、所定演出の実行を制限できる。前記の所定期間は、11.5秒に限らず、リーチ演出の態様等によって適宜変更可能である。
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、上記の実施形態などの様々な変形および応用も含む。例えばパチンコ遊技機1などの遊技機は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態などで説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下に、変形例などを示すが、下記の各変形例の少なくとも一部は、他の変形例の少なくとも一部と組み合わさったり、置換されたりすることが可能である。また、技術的に矛盾が生じない範囲で、下記の各変形例の構成の少なくとも一部を上記の実施の形態などで説明した構成に適用すればよい。
(変形例1)
上記パチンコ遊技機1は、前記識別情報の可変表示の表示結果を当該表示結果が導出表示される前に事前決定する事前決定手段(例えば、S61やS62の処理などを実行するCPU56など)と、低確率状態(例えば、通常状態など)よりも前記事前決定手段が前記表示結果を前記特定表示結果にすると決定する確率が高い高確率状態(例えば、確変状態など)に制御する高確率状態制御手段(例えば、S167の処理を実行するCPU56など)と、を備えることになるが、さらに、前記高確率状態に制御されているときと制御されていないときとで前記識別情報の可変表示において共通の演出を実行する共通演出実行手段(例えば、潜伏モード(図51など参照)を実行する演出制御用CPU101など)と、をさらに備えるようにしてもよい。
共通の演出を実行するとは、所謂潜伏モードなどによって実現される。以下、潜伏モードについて説明する。潜伏モードでは、例えば、15R確変大当り又は15R通常大当りなどに基づく大当り遊技状態などの実行後、又は、突然確変大当りに基づく大当り遊技状態の終了後や、小当り遊技状態の終了後、に実行される飾り図柄の可変表示において(確変状態及び非確変状態の両者になっている可能性がある共通の期間に実行される可変表示において)、現在が非確変状態であるか、確変状態であるかが分からないように、通常状態のときとは異なる共通の演出を実行するようにする。共通の演出によって、遊技者は、現在が確変状態であることを期待するなどして、遊技の興趣が向上する。潜伏モード移行は、潜伏モード移行前の可変表示(例えば、潜伏モードに移行するきっかけとなる大当りや小当りが導出表示される可変表示)にて、所定演出パターンSPA8による特図連動演出を実行して、モード移行を報知する発展演出が実行されるようにしてもよい。または、大当り遊技状態などの終了後の初回の変動表示において所定演出パターンSPA8による特図連動演出を実行して、モード移行を報知する発展演出を実行してから、潜伏確変モードに移行させるようにしてもよい。
潜伏モードは、図51に示すように、潜伏モードの開始後(大当り遊技状態終了直後)、可変表示の回数が所定回数に達するまで実行される。具体的には、大当り遊技状態終了直後から数える可変表示の実行回数が所定回数に達するまで継続する。所定回数は、例えば、図51に示すように、複数種類(20回、25回、30回など)用意されてもよい。この場合、非確変状態における潜伏モードでは、その期間が短くなりやすいようにし(つまり、所定回数が少なくなりすいようにし)、確変状態における潜伏モードでは、その期間が長くなりやすいようにする(つまり、所定回数が多くなりやすいようにする)とよい。また、この変形例では、所定回数が20回であった場合よりも、25回であった場合の方が、その潜伏モードが確変状態下でのものである可能性(つまり、現在が確変状態である可能性)が高くなっている。また、30回実行されると、その潜伏モードが確変状態下でのものであること(つまり、現在が確変状態であること)が確定するようになっている。つまり、非確変状態下での潜伏モード下では、30回の可変表示が実行されない。
潜伏モードの実行の有無や、期間の長さ(所定回数)などは、演出制御用CPU101で決定される。例えば、大当り終了演出処理などにおいて、演出制御用CPU101は、大当りの大当り種別(大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグのセット状態)などに基づいて、これから、15R確変大当たりに基づいて確変状態に制御されるか、15R通常大当たりに基づいて非確変状態(時短状態)に制御されるかを判定し、判定結果に応じた所定のテーブルを参照することによって、潜伏モードへの移行の有無(100%移行するものでもよい。)や、潜伏モードの期間(前記所定回数)を決定すればよい。このとき、確変状態に制御されている場合には、潜伏モードの期間の期間が長くなりやすく、確変状態に制御されていない場合には、潜伏モードの期間の期間が短くなりやすいような決定割合で、潜伏モードの期間(前記所定回数)が選択されるように、参照されるテーブルが設定されていればよい。そして、例えば、演出制御用CPU101は、所定のカウンタに、前記所定回数をカウント初期値としてセットし、可変表示を行うごとに所定のカウンタのカウント値を減じていき、カウント値が0になるまで、潜伏モードを実行するためのプロセステーブルをS609やS610で可変表示時に使用するテーブルとして選択するようにすればよい。
潜伏モードの期間が長ければ、確変状態である可能性が高まったり、確変状態であることが確定することによって、遊技者は潜伏モードの期間が長いことを期待するようになる。
潜伏モードの実行の有無や、期間の長さ(所定回数)などをCPU56側で決定してもよい。この場合には、例えば、これらを大当り終了処理時などに決定する。また、例えば、潜伏モード用の変動パターンを用意して、現在が潜伏モードであることを潜伏モード用の変動パターンのコマンドを送信することによって、演出制御用CPU101側に通知するようにすればよい。演出制御用CPU101は、この通知に基づいて潜伏モードを実行するようにすればよい。
また、潜伏モードでは、潜伏モードの期間が報知されることになる。演出制御用CPU101は、大当り遊技状態後の最初の可変表示にて、この期間を報知するためのプロセステーブルを選択し、実行すればよい。潜伏モードの実行の有無や、期間の長さ(所定回数)などをCPU56側で決定する場合には、期間の長さを予め演出制御コマンドなどで、演出制御用CPU101に通知するようにし、演出制御用CPU101は、この通知に基づいて報知を行えばよい。
また、潜伏モードの期間が延長されることを所定のタイミングで報知するようにしてもよい。他えば、図51のように、潜伏モードの期間は、最初20回と報知しておき、その後、前記で決定されている所定回数に応じて、可変表示5回分ずつ期間を延長していけばよい。延長の報知は、延長前の潜伏モードの期間の最後の可変表示に行われる他、適宜のタイミングで行えよい。例えば、演出制御用CPU101は、所定のカウンタが所定回数分(例えば、20回や、18回、15回など)減じられたときに、延長の報知を実行するためのプロセステーブルを選択して延長の報知を実行するようにすればよい。延長の報知の事項の有無を可変表示の実行毎にテーブルと乱数値とを用いて決定してもよい。また、この変形例では、潜伏モードの期間を最初に決めて、その期間のうちの一部を延長期間分として扱うが、延長は、潜伏モード期間中の適宜のタイミングで決定してもよい。
(変形例2)
前記の所定演出実行手段は、前記所定演出(例えば、普図連動演出としての所定演出など)を、特定期間(例えば、潜伏モードなど)において第1の割合で実行し、前記特定期間以外の非特定期間(例えば、通常モードなどの所定のモードのときなど)において前記第1の割合よりも低い第2の割合で実行するようにしてもよい。潜伏モードは、例えば、変形例1のようなものであればよい。
上記構成は、例えば、S759において、所定演出の実行の有無などを図52に示すテーブル(また、図52では、判定値そのものではなく、判定値数(割振数)が示されている。)を参照することによって決定することで実現される。図52(A)及び(B)の第1普図連動演出決定テーブル及び第2普図連動演出決定テーブルは、潜伏モード中において(例えば、潜伏モード中には、潜伏モードフラグをセットするなどして、現在が潜伏モード中であるか確認してもよいし、前記の所定のカウンタのカウント値を参照して、現在が潜伏モード中であるか確認してもよい。)、参照される。図52(C)の第2普図連動演出決定テーブルは、潜伏モード中でないときに参照される。図52のように、所定演出を実行しない「演出実行なし」の決定割合が、潜伏モード中の方が低くなっている(普通図柄はずれ、普通図柄当り同士を比べた場合。以下、他の変形例などでも同様。)。このため、所定演出は、潜伏モードのときに、非潜伏モードのときよりも実行割合が高くなっている。
このような構成によれば、特定期間中において、所定演出が実行されやすくなるので、例えば、特定期間が盛り上がり、遊技の興趣が向上する。
なお、上記特定期間は、先読みモード(上記モード移行中のモード)の期間や、特定回数の可変表示が実行される期間や、他の演出モードの期間中などであってもよい。演出制御用CPU101は、これら期間のときに、所定演出を実行しやすくすればよい。また、非特定期間は、特定期間以外の全ての期間でなく、通常状態のときの期間や、モードが通常のときの通常モードの期間など、所定の非特定期間(但し、少なくとも遊技状態が通常状態の期間を含むとよい。)であってもよい。また、所定演出は、特図連動演出などを含むものであってもよい(以下の変形例でも適宜同様)。
(変形例3)
また、前記特定期間(変形例2なども参照)は、前記識別情報の可変表示が複数回実行される期間(例えば、図51など参照)であり、前記所定演出実行手段は、前記特定期間において実行される前記識別情報の可変表示の回数が前記特定期間の開始から数えて所定回数に達したときよりも前記所定回数に達していないときの方が高い割合で前記所定演出を実行する(例えば、図52参照)、ようにしてもよい。潜伏モードは、例えば、変形例1のようなものであればよい。
上記構成は、例えば、S759において、所定演出の実行の有無などを図52に示すテーブル(また、図52では、判定値そのものではなく、判定値数(割振数)が示されている。)を参照することによって決定することで実現される。図52(A)の第1普図連動演出決定テーブルは、潜伏モード中において初回から数えた可変表示の実行回数が1回目から15回目(例えば、前記の所定のカウンタのカウント値を参照して、現在が潜伏モード中であるか確認してもよい。)にあるときに参照され、図52のように、所定演出を実行しない「演出実行なし」の決定割合が、実行回数が1回目から15回目の方が低くなっている。このため、所定演出は、実行回数が1回目から15回目のときの方が、実行回数が16回目から30回目のときよりも実行割合が高くなっている。
このような構成によれば、特定期間の開始後に所定演出が実行されやすく、特定期間開始直後の期間における遊技の興趣が向上する。また、上記のように、特定期間を可変とすれば、特定期間が短く決定された場合であっても、特定期間の始めの方で、所定演出の実行割合が高くなるので、所定演出が実行される可能性が高まり、遊技の興趣が向上する。
(変形例4)
上記変形例1などでは、パチンコ遊技機1は、通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(例えば、潜伏モードなど)に制御する有利状態制御手段(例えば、潜伏モードを実行する演出制御用CPU101など)と、前記有利状態に制御される有利状態制御期間を報知する期間報知手段(例えば、潜伏モードの期間を報知する演出制御用CPU101など)と、を備えることになる。このような場合、所定演出実行手段は、前記可変入賞装置が前記進入容易状態に制御されるか否かを演出の結果として報知するか、前記期間報知手段によって報知された前記有利状態制御期間にさらなる期間が加算され前記有利状態制御期間が延長されたことを演出の結果として報知する、前記所定演出(例えば、普通図柄の可変表示の表示結果を報知可能であり、潜伏モードの期間延長を報知可能な所定演出、図56など参照)を実行する(例えば、所定演出を実行する演出制御用CPU101など)ようにしてもよい。
上記構成を実現するには、例えば、変形例1において、期間の延長を報知する場合に、所定演出の形態でこの報知を行うようにすればよい。例えば、期間の延長の報知の実行の有無などは、普図連動演出を実行するときに例えばはずれなどに代えて実行してもよいし、特図連動演出を実行するときに発展演出の1つとして実行するようにしてもよい。このような場合には、このような所定演出パターンを用意し、この所定演出パターンに対応するプロセステーブルを用いて、このような演出を実行するようにすればよい。
図56のこの変形例における演出画像の一例を示すものである。図56では、潜伏モードであることが「チャンスモード」の表示によって報知され、潜伏モードの残り期間(残りの可変表示の実行回数)が「残り10G」の表示によって報知されている(図56(A)〜(D)参照)。そして、図56(A)〜(D)のように、所定演出が実行され、演出の結果として、潜伏モードが可変表示5回分延びたことが報知される(図56(C)の「+5G」)。その後、潜伏モードの残り期間(残りの可変表示の実行回数)が「残り15G」の表示になり(図56(D))、残り期間が延長されていることが確認できる。
なお、上記有利状態は、実際に遊技者にとって有利になっている状態のほか、遊技者に現在が有利かもしれないと認識される状態(実際に有利か否かは問わない。)も含む。例えば、有利状態は、潜伏モードなど、遊技者にとって有利となっている可能性があるが、有利であるかないか(例えば、有利状態であるか通常状態であるか)が遊技者にとって分からない又は分かりづらいことで、遊技者が、現在が有利かもしれないと認識する状態なども含む。上記有利状態は、先読みモードや、大当り遊技状態なども含まれる。
所定演出において、期間の延長が報知されることで、所定演出に対する興味が増加し、遊技の興趣が向上する。特に、変形例1のような潜伏モードでは、潜伏期間が長い方が、確変状態になっている可能性が高く(遊技者にとって有利になっている可能性が高く)、所定演出において、期間の延長が報知されることに、遊技者は興味を持つので、遊技の興趣が向上する。これは、上記有利状態として、先読みモード(特に、モード期間が長ければ長いほど、先読みターゲットの大当り期待度が高くなるモード)や、ランクアップボーナスが行われる大当り遊技状態なども含まれる。ランクアップボーナスが行われる大当り遊技状態は、大当り遊技状態中に、ラウンドが延長されることを報知する演出が実行されるようなものである。
(変形例5)
上記変形例などにおいて、パチンコ遊技機1は、遊技に関連する遊技関連情報(例えば、経験値など)を所定タイミングにおいて出力可能となる出力設定を遊技者からの操作に基づいて行う設定手段(例えば、変形例において、経験値を2次元コードとして出力する出力設定を行う演出制御用CPU101など)を備え、前記所定演出実行手段は、前記特定期間又は前記有利状態に制御されている期間において、前記出力設定が行われていないときよりも前記出力設定が行われている場合の方が高い割合で前記所定演出を実行する(例えば、図53など)、ようにしてもよい。このような構成は、例えば、以下のような構成によって実現される。
遊技関連情報は、例えば、遊技に関連した情報であればよく、特に遊技の進行状況によって異なる内容になる情報などであるとよい。また、上記遊技者に特典を与えるための情報や特典の情報などであってもよい。例えば、遊技の進行によって蓄積される、経験値、大当り回数、小当り回数、可変表示の実行回数、リーチ演出の実行回数、擬似連の実行回数などの情報であればよい。遊技関連情報は、2次元コードなどの形で出力される。遊技者は、この2次元コードを携帯電話機などで取り込むことで、所定のホームページなどにアクセスし、前記遊技関連情報の内容に応じたコンテンツなどの特典を得ることができる(遊技関連情報の内容は、所定のサーバなどに蓄積することもできる。)。
遊技者は、この遊技関連情報を所定タイミングにおいて出力可能となる出力設定(つまり、遊技関連情報の遊技者への付与)の有無を、パチンコ遊技機1への操作によって設定することができる。例えば、演出制御用CPU101は、デモ画面を演出表示装置9に表示しているときに、当該出力設定の受付を行う旨の表示を行い、当該出力設定を受け付ける。当該出力設定は、例えば、プッシュボタン120やスティックコントローラ122などを操作することで行われる。プッシュボタン120やスティックコントローラ122などが操作されると、演出制御用CPU101は、この操作が、遊技関連情報の出力設定を行うものであるかを判定し、この設定を行うものであれば、出力設定用フラグなどをセットすることなどによって当該出力設定を行う。なお、操作は、実際の部材を操作することのほか、無線通信などによって前記出力を要求する情報などを送信することも含む。遊技関連情報の出力タイミングは、例えば、デモ表示時、ユーザから所定の操作があった時など、適宜のタイミングで行えばよい。
このような設定が行われた場合には、例えば、変形例1などの潜伏モード中において、S759において、所定演出の実行の有無などを図53に示す第4普図連動演出決定テーブル(また、図53では、判定値そのものではなく、判定値数(割振数)が示されている。)を参照することによって決定すればよい。なお、前記の出力設定中以外の状態のときには、図52の各テーブルを参照する。図52や図53を参照すると、潜伏モード中において、「演出実行なし」の決定割合が、潜伏モード中ではあるが出力設定されていないとき(図52(A)及び(B)参照)よりも、低くなっているので、潜伏モード中では、出力設定中に所定演出が実行されやすくなる。潜伏モード中でなくても、出力設定中に所定演出が実行されやすくするようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技に関連する遊技関連情報についての出力設定を行っている遊技者に対して特定期間中や有利状態中の興趣を所定演出の実行によって向上させることができる。
(変形例6)
なお、遊技関連情報は、例えば、所定演出のはずれ報知のときに所定の割合で内容が変化する(例えば、経験値が蓄積される)ものであってもよい(図55)。演出制御用CPU101は、例えば、はずれ報知の所定演出(SPA1)で所定演出を実行するときに、テーブルや乱数値を用いて所定割合で、経験値を付加するか判定する。経験値を付加する場合には、図55のように、例えば、「経験値+10」という報知する画像を演出の結果として表示するようにすればよい。演出制御用CPU101により、遊技関連情報の内容はRAMに記憶され、更新され、2次元コードに変換されて出力される。遊技関連情報の内容の変更が所定演出のはずれ時(特に普通図柄のはずれ時)に報知されることによって、遊技者は、出力設定時に所定演出に注目するので、遊技の興趣が向上する。
(変形例7)
変形例5などにおいて、パチンコ遊技機1は、前記有利状態期間の延長期間を決定する延長期間決定手段(例えば、有利状態期間を決定することで延長期間を決定する演出制御用CPU101など)を備え、前記所定演出は、前記さらなる期間を報知することによって、前記有利状態制御期間が延長されたことを演出の結果として報知する演出であり(例えば、図55参照など)、前記所定演出実行手段は、前記出力設定が行われているときには前記さらなる期間として第1の期間を報知する前記所定演出を第1の回数だけ実行し、前記出力設定が行われていないときには前記さらなる期間として第2の期間を報知する前記所定演出を前記第1の回数とは異なる第2の回数だけ実行可能であり、かつ、前記第1の回数だけ実行された前記所定演出によって報知される前記第1の期間の合計期間と前記第2の回数だけ実行された前記所定演出によって報知される前記第2の期間の合計期間とがともに前記延長期間決定手段によって決定された前記延長期間となるように、前記所定演出を実行可能である、ようにしてもよい。
なお、有利状態期間の延長期間を決定するとは、上記変形例1のように、潜伏モードの期間を決定することをも含む概念である。これによって、実質的に延長期間が0回か、5回か、10回かに決定されるからである。また、変形例1などにおいて、延長が必ず実行され、その延長期間が一種類しかない態様があってもよい。この場合には、有利状態に制御すると決定したりすることで(例えば、15R大当りとすると決定することで、有利状態にすると決定することも含む。)、有利状態期間の延長期間を決定するものとする。有利状態期間の延長期間を決定するとは、このような概念を含むものである。
演出制御用CPU101は、例えば、変形例5などにおいて、出力設定が行われている場合と、出力設定が行われていない場合とで、1回の所定演出で報知する、潜伏モードの延長期間の長さを異ならせればよい。例えば、図54のように、出力設定中では、1回の報知で5回分の可変表示の期間が延長されたことを報知するとともに当該報知を2回行い(図54(A)参照)、出力設定されていないときには、1回の報知で2回分の可変表示の期間が延長されたことを報知するとともに当該報知を5回行う(図54(B)参照)。これによって、出力設定中と未設定中とで最終的な延長期間が同じであっても、異なる回数に分けて延長期間が報知される。
このような構成によれば、演出を多様化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。特に変形例6のような場合においては、前記の出力設定中には、遊技関連情報の内容の変更が所定演出のはずれ時(特に普通図柄のはずれ時)に報知されるので、所定演出による延長報知の回数を未出力設定時よりも少なくすることで、潜伏モードなどの期間延長を報知する所定演出の実行頻度を少なくし、代わりに遊技関連情報の内容の変更の報知を行う所定演出などの他の演出の実行を多くすることができ、遊技の興趣が向上する。なお、1回の所定演出で報知する、潜伏モードの延長期間の長さは、報知毎に変化するものであってもよい。例えば、1回目の報知は6回分の可変表示の延長報知、2回目の報知は4回分の可変表示の延長報知など。このような場合の延長報知で報知される可変表示の回数は、予め設定されていればよい。また、テーブルなどを参照してその都度決定してもよい。前記の出力設定中には、前記同様、多めの可変表示の回数を報知するようにし、所定演出による延長報知の回数(潜伏モードなどの期間延長を報知する所定演出の実行頻度)を未出力設定時よりも少なくするようにするとよい。
(変形例8)
パチンコ遊技機1は、前記特定演出が実行されるときと前記所定演出が実行されるときとに使用される第1の演出装置(例えば、演出表示装置9など)と、前記第1の演出装置とは異なる第2の演出装置(例えば、枠LED28やスピーカ27など)と、前記所定演出制限手段によって前記所定演出の実行が制限されて前記所定演出が実行されないときに前記第2の演出装置によって前記可変入賞装置が前記進入容易状態に制御されることを報知する報知手段(例えば、変形例において、普図連動演出としての所定演出を実行できないときに、枠LED28で普図表示結果を報知する演出制御用CPU101など)と、をさらに備える、ようにしてもよい。例えば、演出制御用CPU101は、普図連動演出としての所定演出を実行しないと決定したときには、普図表示結果が大当りとなったときや、可変入賞装置を開放状態とするときに、枠LED28を発光させたり、スピーカ27から所定の音を出力させたりすることで、可変入賞装置を開放状態とすることなどを報知するようにすればよい。このような構成によれば、所定演出が実行されないときであっても、可変入賞装置が進入容易状態に制御されることを別の方法で報知できる。
(変形例9)
前記所定演出が実行されたが、前記可変入賞装置が前記進入容易状態に制御されなかった場合(例えば、普通図柄の可変表示結果がはずれ図柄だった場合など)に、所定の特典を遊技者に付与する演出を実行する特典付与手段(例えば、2次元コードを出力する演出制御用CPU101など)を備えていてもよい、ようにしてもよい。例えば、所定演出のパターンがSPA1の場合に、演出制御用CPU101は、所定割合で2次元コードを出力する発展演出を含む所定演出を実行するようにすればよい。または、所定演出のパターンがSPA1の場合に、演出制御用CPU101は、所定演出のパターンをSPA7に差し替えるようにしてもよい。このような構成によれば、可変入賞装置が進入容易状態に制御されなかった場合でも、遊技者に特典を付与することによって遊技の興趣が低下することを防止することができる。
(変形例10)
パチンコ遊技機1は、前記識別情報の可変表示を行う第1表示手段(例えば、変形例における画像表示装置5)と、前記第1表示手段にて行われる前記識別情報の可変表示に関連した画像を表示する第2表示手段(例えば、変形例における副画像表示装置51)と、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、プッシュボタン120や、スティックコントローラ122など)と、を備えるようしてもよい。
操作手段は、プッシュボタン120や、スティックコントローラ122、単なるプッシュボタン、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段であってもよい。パチンコ遊技機1は、図57のように、画像表示装置5(演出表示装置9に対応する。)と、副画像表示装置51と、いうような2つの異なる表示装置を備えるように構成される。これらは、図58のように、演出制御基板12(演出制御基板80に対応する。)の演出制御用CPU101などによって制御される。
そして、パチンコ遊技機1は、前記操作手段への操作が有効となる操作有効期間(例えば、リーチ演出においてユーザからの操作を受け付ける操作受付期間など)内に前記操作手段への操作があったことに基づいて所定の操作時演出(例えば、操作によって発展するリーチ演出など)を前記第1表示手段にて実行する操作時演出実行手段(例えば、リーチ演出を実行する演出制御用CPU101)と、前記操作有効期間であることを遊技者に報知する操作有効報知(例えば図59、図60などを参照)を実行する操作有効報知実行手段(例えば、操作が可能なことを報知する演出を実行する演出制御用CPU101)と、を備え、前記操作有効報知実行手段は、前記操作有効報知を前記第1表示手段又は前記第2表示手段にて実行可能であり、前記第1表示手段にて前記操作有効報知を実行するときと、前記第2表示手段にて前記操作有効報知を実行するときと、で異なる態様の前記操作有効報知を実行可能である(例えば図59、図60などを参照)、ようにしてもよい。
例えば、演出制御用CPU101は、画像表示装置5にてリーチ演出を実行するが、リーチ演出を実行するときに、所定の期間(操作有効期間)において(例えば、プロセスデータなどによって規定されていればよい。)プッシュボタン120や、スティックコントローラ122などからの操作を受け付ける。操作の受け付け時には、操作を促す画像であって、現在が操作有効期間であることを遊技者に報知する操作有効報知の表示が行われる。演出制御用CPU101は、例えば、操作有効報知として、プッシュボタン120の操作有効期間であることを示す画像を副画像表示装置51に表示し(図59参照)、スティックコントローラ122の操作有効期間であることを示す画像を画像表示装置5に表示する(図60参照)。このように、異なる態様の操作有効報知を異なる表示装置で表示するとよい。操作有効報知を表示するためのデータは、例えば、変動パターンに応じて選択されるプロセスデータに含まれていればよい。演出制御用CPU101は、操作有効期間において適切な操作が行われた場合には、その操作に応じた演出(操作時演出)を実行する(図59、図60参照)。なお、適切な操作が無くても、操作有効期間後に操作時演出を実行するようにしてもよいし、適切な操作が無い場合には、操作有効期間後に操作時演出とは異なる演出を実行するようにしてもよい。異なる態様の操作有効報知とは、同じ操作手段に対する操作についての操作有効報知の態様を異ならせた場合も含む。例えば、プッシュボタン120への操作を促す画面が異なることによって異なる態様となった複数の操作有効報知を用意し、この異なる態様の操作有効報知をそれぞれ異なる表示装置で表示するようにしてもよい。例えば、画像表示装置5よりも副画像表示装置51の方が小さいので、同じ操作手段に対する操作についての操作有効報知の画像であっても、副画像表示装置51に表示する画像の方を画像表示装置5に表示する画像よりも簡略化したり小さくしたりした画像にしてもよい。例えば、画像表示装置5では、プッシュボタン120の画像とともにPUSHなど操作を促すメッセージを表示するが、副画像表示装置51では、プッシュボタン120の画像のみ(簡略化したもの)を表示するようにしてもよい。また、例えば、画像表示装置5ではリーチ演出などの演出が実行されるので、同じ操作手段に対する操作についての操作有効報知の画像であっても、画像表示装置5に表示する画像は他の演出の邪魔にならないように他の画像が透過する半透明の画像とし、副画像表示装置51に表示する画像は他の演出を考慮しなくてよいので他の画像が透過しない画像としてもよい。
このような構成によれば、第2表示手段でも操作有効報知が実行されるので、操作有効報知が、識別情報の可変表示の邪魔になる機会を低減することができる。さらに、第1表示手段と第2表示手段とで異なる態様の操作有効報知が実行されるので、演出が多様化し、遊技の興趣が向上する。
なお、操作有効報知は、画像表示装置5にてスーパーリーチなどの特定のリーチ演出が実行されているときには、画像表示装置5にて操作有効報知を行わず、副画像表示装置51にて行うようにしてもよい。また、画像表示装置5にてノーマルリーチなどの特定のリーチ演出よりも大当り期待度(可変表示の表示結果が特定表示結果になる可能性の一例)が低いものを実行しているときには、画像表示装置5にて操作有効報知を行うようにしてもよい。このように、前記操作有効報知実行手段は、前記第1表示手段にて特定演出(例えば、スーパーリーチの演出など)が実行されているときには、前記操作有効報知を前記第2表示手段にて実行する、ようにしてもよい。操作時演出としてスーパーリーチが実行されるとしたときに、図59では、副画像表示装置51にて操作有効報知が行われている。このような構成によれば、操作有効報知が特定演出の邪魔になることを防止できる。
例えば、操作有効報知の態様に応じて大当り期待度が異なるようにしてもよい。これは、例えば、操作有効報知の態様に応じて異なる操作時演出が実行される場合に、操作時演出の種類に応じて大当り期待度を異ならせるなどして、実現される。または、操作時演出は、操作有効報知の態様に応じて異ならないようにしてもよく、この場合には、操作時演出の態様の決定割合を調整することで、大当り期待度を異ならせても良い。このような場合、大当り期待度の高い操作有効報知を画像表示装置5にて行うようにするとよい。操作時演出を基本的には画像表示装置5で実行される特定演出などの邪魔にならないように副画像表示装置51にて実行するが、大当り期待度が高い操作有効報知は遊技者に注目させたいので、大当り期待度の高い操作有効報知を画像表示装置5にて特定演出中に行うようにしてもよい。例えば、スティックコントローラ122の操作有効報知の大当り期待度がプッシュボタン120の操作有効期間報知よりも高いような場合には、図60のように、画像表示装置5にてスティックコントローラ122の操作有効報知が行われている。このように、前記操作有効報知実行手段は、前記特定表示結果が導出表示される割合が異なる複数種類の態様にて前記操作有効報知を実行可能であり、前記割合が他の所定の態様よりも高い態様の前記操作有効報知を第1表示手段にて実行する(例えば、図59、図60において、図59の演出の方が大当り期待度が高いなど)、ようにしてもよい。なお、他の所定の態様は、他の全ての態様であってもよい。このような構成によれば、操作有効報知の態様などに遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
また、例えば、スティックコントローラ122の操作有効報知を実行する表示装置と、プッシュボタン120の操作有効期間報知を実行する表示装置と、を異なるものに固定してもよい。例えば、図59や60のように、スティックコントローラ122の操作有効報知については、画像表示装置5で行い(図60)、プッシュボタン120の操作有効報知については、副画像表示装置51にて行うようにしてもよい(図59)。逆に、同じ操作有効期間報知であっても、画像表示装置5で表示するか、副画像表示装置51で表示するかを適宜決定するようにしてもよい。このように、パチンコ遊技機1は、前記操作手段は、第1操作手段(例えば、スティックコントローラ122など)と、前記第1操作手段とは異なる第2操作手段(例えば、プッシュボタン120など)とを備え、前記操作有効報知には、現在が、前記第1操作手段への操作が有効となる第1操作有効期間であることを遊技者に報知する第1操作有効報知(例えば、図60を参照など)と、現在が、前記第2操作手段への操作が有効となる第2操作有効期間であることを遊技者に報知する第2操作有効報知(例えば、図59を参照など)と、があり、前記操作有効報知実行手段は、前記第1操作有効報知を前記第1表示手段にて実行し、前記第2操作有効報知を前記第2表示手段にて実行する(例えば、図59及び図60を参照など)、ようにしてもよい。このような構成によれば、いずれの表示手段にて操作有効報知が行われたかによって第1操作手段又は第2操作手段のいずれを操作すればよいかが遊技者にとって分かりやすく、遊技の興趣が向上する。
なお、操作有効報知は、実際の操作有効期間よりも早く終了するようにしてもよい。これは、例えば、変動パターンなどに応じて選択されるプロセステーブルにおけるデータによって規定されていればよい。早くする時間は、例えば、遊技者が、表示画像を見てから実際にプッシュボタン120を操作したり、スティックコントローラ122を操作したりするのに必要な期間(例えば、0.1秒など)よりも長い時間であればよい。このように、前記操作有効報知実行手段は、前記操作有効期間の終了よりも所定期間前までの期間にて前記操作有効報知を実行する(例えば、変形例のように、実際の操作受付期間よりも短い期間だけ、図59や図60における操作を受け付ける旨の演出を実行する演出制御用CPU101など)、ようにしてもよい。このような構成によれば、操作有効報知の終了間際のタイミングで操作手段への操作が行われた場合に、操作手段への操作を操作有効期間内に行ったにもかかわらず操作時演出が実行されないと遊技者に誤解させてしまう可能性を無くすか少なくすることができる。
(変形例11)
変形例1などにおいて、潜伏モードの期間などの特定期間や有利状態などにおける残りの期間(例えば、可変表示の回数で規定される。)を、スピーカなどの音声出力手段やLEDなどの発光手段など、画像を表示する表示手段以外の出力手段によって報知してもよい。例えば、残りの可変表示5回毎や、残りの可変表示が少なくなってきたときなどに、この報知を行ってもよい。また、この報知は、表示手段においてやってもよい。前記期間の延長はあった場合には、残り期間の報知を禁止するようにしてもよい。特に、一度報知した残り期間の再報知のみを禁止するようにしてもよい。例えば、特定期間における残り可変表示が5回であることを報知したあとに、特定期間が延長されて残り可変表示が8回になったとき、特定期間における残りの可変表示が再度5回になったとしても、報知を行わないようする。また、特定期間における残りの可変表示が5回毎など所定回数毎に達するごとに注目を浴びやすい報知(音量や光量の大きい派手な演出など)を行い、その他の場合にはあまり前記よりも注目を浴びにくい報知(音量や光量の小さい地味な演出など)を行うようにしてもよい。この場合には、期間延長があった場合に、注目の浴びやすい報知の再実行を禁止するようにしてもよい。これによって、残り期間の報知が繰り返され、演出がしつこくなるのを防止して、遊技の興趣の低下を防止できる。
(変形例12)
上記実施の形態では、所定演出パターンSPA7により遊技者に特典を付与する発展演出が実行され、所定演出パターンSPA8によりモード移行を報知する発展演出が実行されるものとして説明した。これに対して、遊技者に特典を付与する発展演出と、モード移行を報知する発展演出とのうち、いずれか一方の発展演出のみが実行可能に構成され、他方の発展演出は実行されることがないように構成されたものであってもよい。
(変形例13)
上記実施の形態では、例えば図40に示されたS526の処理などにより、擬似連の演出が実行されるときには、実行されないときに比べて高い割合で所定演出が実行され、例えば図40に示されたS530の処理などにより、保留表示予告などの先読み予告演出が実行されたときには、実行されていないときに比べて高い割合で所定演出が実行されるものとして説明した。これに対して、擬似連の演出が実行されるときに高い割合で所定演出を実行するための構成と、先読み予告演出が実行されているときに高い割合で所定演出を実行するための構成とのうち、いずれか一方の構成のみが備えられ、他方の構成は備えられていないものであってもよい。
(変形例14)
普図連動演出となる所定演出を決定したときにも、所定演出パターンに応じて異なる割合で、予兆演出における演出態様を複数態様のいずれかに決定するようにしてもよい。一例として、所定演出パターンSPA1、SPA2、SPA5のいずれに決定されたかに応じて予兆演出の種別(予兆A、予兆B、予兆C)に対する判定値の割り振りが異なる予兆演出決定テーブルを用意して、図34に示されたS764にて所定演出を実行すると判定された場合には、この予兆演出決定テーブルを使用して、予兆演出における演出態様を複数態様のいずれかに決定すればよい。
(変形例15)
普図連動演出となる所定演出を実行すると決定された場合であっても、特別図柄の変動表示が開始されずに所定期間が経過したときには、普図連動演出となる所定演出の実行が開始されないように制限してもよい。これにより、可変入賞装置15が開放状態となるか否かを報知するための普図連動演出となる所定演出であっても、特別図柄の表示結果が大当りとなる可能性などに対する遊技者の期待を確実に抱かせて、遊技興趣を向上させることができる。
(変形例16)
特図連動演出となる所定演出を実行すると決定された場合であっても、普通図柄の変動表示が開始されずに所定期間が経過したときには、特図連動演出となる所定演出の実行が開始されないように制限してもよい。これにより、特別図柄の表示結果が大当りとなる可能性などを報知するための特図連動演出となる所定演出であっても、可変入賞装置15が開放状態となるか否かなどに対する遊技者の期待を確実に抱かせて、遊技興趣を向上させることができる。
(変形例17)
所定演出に含まれる報知演出とは異なる任意の演出を、特殊演出となる発展演出としてもよい。例えば、モード移行予告となる先読み予告演出において、通常時とは異なる所定の演出モードに移行する旨が報知される演出を、発展演出としてもよい。すなわち、特殊演出となる発展演出は、所定態様の演出となる予兆演出が実行された後に、報知演出が実行されないことに対応して実行されるものとして予め設定された演出であればよい。
(変形例18)
所定演出パターンによる普図連動演出や特図連動演出となる所定演出の内容は、他の所定演出パターンによる所定演出の内容に変更されるように構成されてもよい。例えば普図連動演出となる所定演出の実行中に、普通図柄当りとなる普通図柄の変動表示が開始されたときには、可変入賞装置15が開放状態となることを報知する普図連動演出となる所定演出の内容に変更されてもよい。普図連動演出となる所定演出の実行中に、大当りとなる特別図柄の変動表示が開始されたときには、特別図柄の表示結果が大当りとなる可能性が高いことなどを報知する特図連動演出となる所定演出の内容に変更されてもよい。このような所定演出により可変入賞装置15が開放状態となることや特別図柄の表示結果が大当りとなることに対する遊技者の期待感を高めて遊技興趣を向上させることができる。
(変形例19)
普図連動演出となる所定演出について、例えば普図変動開始時、変動開始2秒後、変動開始4秒後といった複数の開始タイミングのうちいずれか1のタイミングを選択できるように構成されてもよい。より具体的には、図34に示されたS765にて特別図柄の変動中であると判定されたことなどに基づいて、図40に示されたS537の処理を適用することなどにより、普図連動演出となる所定演出の開始タイミングを決定すればよい。このときには、所定演出パターンの決定結果に応じて異なる割合で、複数のタイミングのうちいずれか1のタイミングを選択して、普図連動演出の開始タイミングに決定すればよい。例えば、所定演出パターンSPA2により可変入賞球装置15が開放状態となる報知が行われるか否かに応じて異なる割合で、複数のタイミングのうちいずれか1のタイミングを選択して、普図連動演出の開始タイミングに決定してもよい。所定演出パターンSPA5により予兆演出のみが実行されるか、所定演出パターンSPA1または所定演出パターンSPA2により報知演出が実行されるかに応じて異なる割合で、複数のタイミングのうちいずれか1のタイミングを選択して、普図連動演出の開始タイミングに決定してもよい。例えば、普図変動開始時が普図連動演出の開始タイミングとなった場合に、報知演出が実行される割合が高くなるように設定してもよい。
(変形例20)
この発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。この発明は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態、通信回線等を介して他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
(変形例21)
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御マイクロコンピュータの方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(その他の変形例)
上述の実施の形態において、演出制御用CPU101が、所定の操作時演出の一例である「リーチ演出」を行うときに、スティックコントローラ122またはプッシュボタン120による操作を促す画像であって現在が操作有効期間であることを遊技者に報知する操作有効報知を画像表示装置5または副画像表示装置51に表示して、操作有効期間に、操作を受付けるようにした。なお、演出は、「リーチ演出」に限定されず、他の演出、たとえば、画像表示装置5または副画像表示装置51での他の表示演出、スピーカ27での音演出、枠LED28などのランプでのランプ演出であってもよい。
しかし、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122に替えて、遊技者が操作可能な他の操作手段(たとえば、タッチセンサ、タッチパネル、近接センサ、遊技者の手などの体の一部を検知するフォトセンサなど)の操作を受付けるようにしてもよい。
ここで、プッシュボタン120は、押されている状態と押されていない状態とに変化可能である。また、スティックコントローラ122は、いずれかの方向に傾けられている状態と傾けられていない状態とに変化可能である。なお、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122以外の操作手段についても、操作状態と非操作状態とに変化可能であればよい(たとえば、タッチセンサやタッチパネルであれば触れられている状態と触れられていない状態、近接センサであれば近接検知している状態と近接検知していない状態、フォトセンサであれば光が遮られている状態と遮られていない状態に変化可能であればよい)。
ここで、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122は、操作状態において電圧5VのHighレベル信号を出力し、非操作状態において電圧0VのLowレベル信号を出力する。たとえば、プッシュボタン120は、ベースとベースに摺動可能な操作部とを含み、操作部の位置が変化可能で、操作部が押し込まれた操作状態の場合に操作部の検出片がベース側のフォトセンサの光を遮ることでHighレベルの信号を出力し、非操作状態の場合に検出片がフォトセンサの光を遮っていないときはLowレベルの信号を出力する。
また、スティックコントローラの場合、傾倒方向センサユニット123として、4方向または4の倍数の方向など複数方向へのスティックの傾倒をそれぞれ検出する複数の検出部を設けるものであってもよい。この場合、検出部は、スティックの傾倒が検出可能なものであれば、どのようなセンサであってもよく、たとえば、フォトセンサであってもよいし、近接センサであってもよい。たとえば、フォトセンサである場合は、操縦桿が傾けられた操作状態の場合に操縦桿の一部がフォトセンサの光を遮ることでHighレベルの信号を出力し、非操作状態の場合に操縦桿の一部がフォトセンサの光を遮っていないときはLowレベルの信号を出力する。
演出制御用コンピュータ100は、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122からの信号の電圧の変化に基づいて、Lowレベル信号からHighレベル信号に立ち上がったときに、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122が、それぞれ、操作状態になったと判断し、Highレベル信号からLowレベル信号に立ち下がったときに、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122が、それぞれ、非操作状態になったと判断する。なお、逆の判断をするようにしてもよい。
なお、操作手段の操作部が操作状態の位置にある場合と非操作状態の位置にある場合とを、別々にフォトセンサなどのセンサで検出するようにするようにしてもよい。ここで、操作状態の位置と非操作状態の位置との2つの位置だけでなく、2以上の多段階でデジタル的に位置を検出するようにしてもよいし、無段階でアナログ的に位置を検出するようにしてもよい。
また、操作手段の操作部が操作状態の位置にある場合と非操作状態の位置にある場合とを、基準位置からの操作部の距離を検出することで判別するようにしてもよい。
演出制御用コンピュータ100は、操作手段の操作部の位置に基づいて、操作手段が操作状態であるか非操作状態であるかを判断する。
また、操作手段がタッチセンサやタッチパネルである場合は、遊技者が指などで接触することで操作状態であることを示す信号が出力され、非接触状態では非操作状態であることを示す信号が出力される。操作手段が近接センサである場合は、遊技者の指などの体の一部が近接検知されることで操作状態であることを示す信号が出力され、近接検知されないことで非操作状態であることを示す信号が出力される。操作手段が遊技者の体の一部を検知するフォトセンサである場合は、遊技者の指などの体の一部が光を遮ることで操作状態であることを示す信号が出力され、遮っていないことで非操作状態であることを示す信号が出力される。それぞれ、逆の信号が出力されるようにしてもよい。
演出制御用コンピュータ100は、操作有効期間にプッシュボタン120またはスティックコントローラ122が非操作状態から操作状態に変化したこと(たとえば、プッシュボタン120またはスティックコントローラ122からの信号がLowレベル信号からHighレベル信号に立ちあがったこと)を条件として、前述の「リーチ演出」などの所定の操作時演出を実行する。一方、操作有効期間になったときにプッシュボタン120またはスティックコントローラ122が既に操作状態である場合(たとえば、プッシュボタン120またはスティックコントローラ122からの信号がLowレベル信号からHighレベル信号に立ちあがったのではないが既にHighレベル信号である場合)は、前述の所定の操作時演出の実行を制限する。
たとえば、所定の操作時演出を実行しないことで所定の操作時演出の実行を制限する。これによれば、遊技者がプッシュボタン120またはスティックコントローラ122を操作しようとしていないときにプッシュボタン120またはスティックコントローラ122が操作状態となっていること(たとえば、プッシュボタン120の操作部の故障の場合、プッシュボタン120の操作部の上に物が置かれている場合)が考えられるが、そのような場合は所定の操作時演出が実行されないので、遊技者の意図しない演出が実行されてしまうのを防止することができる。
なお、所定の操作時演出に替えて所定の操作時演出と異なるの演出を実行することで所定の操作時演出の実行を制限するようにしてもよい。これによれば、遊技者がプッシュボタン120またはスティックコントローラ122を操作しようとしていないときにプッシュボタン120またはスティックコントローラ122が操作状態となっていることが考えられるが、そのような場合に所定の操作時演出とは異なる演出が実行されるので、プッシュボタン120またはスティックコントローラ122が操作状態となったままであることを報知することができる。
また、演出制御用コンピュータ100が、操作有効期間にプッシュボタン120またはスティックコントローラ122が非操作状態から操作状態に変化した場合と、操作有効期間になったときにプッシュボタン120またはスティックコントローラ122が既に操作状態である場合とで異なる処理を行なうのであれば、上述のような方法に限定されず、他の方法であってもよい。これによっても、遊技者がプッシュボタン120またはスティックコントローラ122を操作しようとしていないときにプッシュボタン120またはスティックコントローラ122が操作状態となっていることが考えられるが、そのような場合に所定の操作時演出とは異なる処理が実行されるので、プッシュボタン120またはスティックコントローラ122が操作状態となったままであることを報知することができる。
また、プッシュボタンは、操作有効期間となり所定条件が成立すること(たとえば、大当りとなる期待度が高いプッシュボタンの操作を促す演出が実行されること)を条件として押し込む方向と逆の方向(遊技者側の方向)に操作部がせり出す構造になっており、せり出した状態で押し込む操作が可能となり、せり出していないときには、押し込む操作ができないようになるものであってもよい。そして、操作部がせり出していない状態では部品片がフォトセンサの光を遮り、せり出した状態では部品片がフォトセンサの光を遮らないように、部品片が操作部に設けられる。フォトセンサは、光が遮られるとLowレベル信号を出力し、光が遮られていないときはHighレベル信号を出力する。
この場合、プッシュボタンをせり出させる制御を行なっているにも関わらず、フォトセンサからLowレベル信号が出力されたままとなっている場合は、操作有効期間になったときに既に操作状態であるとして、所定の操作時演出の実行を制限するようにしてもよい。
所定の操作時演出の実行を制限することに合わせて、エラー表示(たとえば、プッシュボタンが押されたままの状態になっている旨の表示、プッシュボタンを押されていない状態にすることを促す表示、プッシュボタンを操作していないのに操作状態となっている場合には店員を呼出すことを促す表示)を行なうようにしてもよい。エラー表示ではなく所定の操作時演出と異なる演出を実行することで所定の操作時演出の実行を制限するようにしてもよい。また、画像表示装置5および副画像表示装置51のいずれかで実行される所定の操作時演出の実行を制限するようにしてもよい。この場合に、所定の操作時演出の実行が制限されている方の表示装置または制限されていない方の表示装置で、上述のエラー表示をするようにしてもよい。
また、スティックコントローラ122の場合は、操作有効期間となったときに複数の検出部のうちのいずれか少なくとも1つが既に傾倒を検出している場合は、所定の操作時演出の実行を制限するようにしてもよい。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取り付けた構成としたが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。