以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについて重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態における遊技機1の外観構成を示す正面図である。この遊技機1は、遊技者の指示操作に基づいて発射装置により打ち出される遊技球が各種入賞口に入賞すると賞球を払い出すように構成された弾球式の遊技機である。図1に示すように、遊技機1は、ホール(店舗)の島設備などに固定される遊技機本体1aを有し、その遊技機本体1aの正面側に、透明ガラス板2が嵌め込まれた前枠扉3を有している。そして遊技機本体1aは、前枠扉3の内側に遊技球を転動させる遊技盤10を備えている。
前枠扉3は遊技機本体1aの左端部において回動可能に軸支されており、遊技機本体1aの前面側を開閉可能な構成である。透明ガラス板2は、前枠扉3が遊技機本体1aの前面側を閉鎖した状態で、遊技機本体1aの内側に取り付けられる遊技盤10を視認可能にするためのものである。また前枠扉3の下部中央には、正面側に張り出した棚状の球貯留部4が設けられる。この球貯留部4の上面には、遊技者が操作可能な操作ボタン6が設けられると共に、遊技盤10に打ち出すための遊技球を貯留しておくための球貯留部4が設けられる。また前枠扉3は、球貯留部4の右下部に、遊技者が遊技球を発射させるために時計回り方向に回転操作可能なハンドルレバー5を備えている。さらに前枠扉3は、透明ガラス板2の上方及び球貯留部4の下方に、遊技の進行に伴って各種パターンで点灯する枠ランプ7を備えている。また枠ランプ7は、透明ガラス板2の左右両側にも設けられる。つまり、枠ランプ7は、透明ガラス板2を介して視認可能な遊技盤10の周囲を取り囲むように配置されており、遊技盤10で行われる演出と対応したパターンで点灯又は消灯することにより、遊技機1の全体での発光演出を行うものである。また遊技機1は、透明ガラス板2の上方に位置する枠ランプ7の左右両側に、遊技の進行に伴って各種演出用の音響出力を行うスピーカー8を備えている。
遊技盤10は、前枠扉3が閉じられた状態のとき、その盤面と前枠扉3に嵌め込まれた透明ガラス板2との間に遊技球が転動可能な遊技領域を形成する。遊技者によってハンドルレバー5が時計回り方向に操作されると、その操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技領域の左上部に打ち出され、その後、遊技球が遊技領域を転動しながら流下する。そして遊技球が遊技盤10に設けられた各種入賞口に入賞すると、遊技機1は、球貯留部4の貯留皿に賞球を払い出す。
遊技盤10の中央には、遊技の進行に伴って各種演出を行うためのセンター役物11が設けられる。このセンター役物11には、遊技盤10のほぼ中央に位置するように配置されたカラー液晶ディスプレイなどの画像表示器12が設けられる。この画像表示器12は、遊技機1において遊技演出が行われるときに演出用の画像を表示するものである。また遊技盤10は、センター役物11の周囲に、多数の釘や風車などの他、第1始動口13,第2始動口14,第1大入賞口15,第2大入賞口16およびスルーゲート21といった公知の部材を備えている。またこの他にも、図示を省略する普通入賞口なども設けられる。さらに、遊技盤10は、遊技球が転動する遊技領域の外側における盤面左下部に、特別図柄の変動表示を行って特別遊技判定(大当たり判定)の判定結果に応じた特別図柄を表示したり、第1始動口13及び第2始動口14に遊技球が入賞したことによる保留数を表示したり、或いは、スルーゲート21を遊技球が通過したことによる普通図柄の抽選結果を表示したりするための図柄表示器22を備えている。
図1に示す遊技盤10では、スルーゲート21がセンター役物11の右側に設けられている。したがって、遊技盤10の遊技領域に打ち出される遊技球が矢印F2で示すようにセンター役物11の右側の遊技領域に進入する場合、そのような遊技球はスルーゲート21を通過する可能性がある。このスルーゲート21は、遊技機1において普通図柄抽選が行われる条件となるゲートであり、遊技球がこのゲートを通過すると遊技機1において普通図柄抽選が開始される。
第1始動口13はセンター役物11の下方位置に設けられており、第2始動口14はその第1始動口13の右側に設けられている。第1始動口13は、遊技盤10の遊技領域に打ち出される遊技球が矢印F1で示すようにセンター役物11の中央最上部を超えることなくセンター役物11の左側の遊技領域を流下する場合に入球する可能性がある位置に設けられる。つまり、遊技盤10の遊技領域に打ち出される遊技球が矢印F2で示すようにセンター役物11の中央最上部を超えてセンター役物11の右側の遊技領域を流下するときには、第1始動口13に入球する可能性は極めて低くなる。また第2始動口14は、遊技盤10の遊技領域に打ち出される遊技球が矢印F2で示すようにセンター役物11の中央最上部を超えてセンター役物11の右側の遊技領域を流下する場合に入球する可能性がある位置に設けられる。つまり、遊技盤10の遊技領域に打ち出される遊技球が矢印F1で示すようにセンター役物11の中央最上部を超えることなくセンター役物11の左側の遊技領域を流下するときには、第2始動口14に入球する可能性は極めて低くなる。
第2始動口14は、その左右に羽根状の開閉部材である電動チューリップ14aを備えており、電動チューリップ14aが左右に開放していれば遊技球が第2始動口14に入球し易い状態となる。この電動チューリップ14aは、通常状態において第2始動口14の入賞開口部を閉鎖しており、遊技球がスルーゲート21を通過したことに伴って行われる普通図柄抽選に当選すると、そのときの遊技状態に応じて所定時間および所定回数左右方向へ開放する。したがって、電動チューリップ14aは、普通図柄抽選の結果に応じて第2始動口14の入賞開口部を開放することにより遊技球が第2始動口14に入球することを補助する補助部材である。なお、電動チューリップ14aの構造は必ずしも上述したように左右方向に開閉する構造に限られるものではなく、例えば遊技盤10の前後方向に進退して第2始動口14の入賞開口部を開閉するものであっても構わない。
第1始動口13および第2始動口14のそれぞれは、所定球数の賞球を払い出すための入賞口であると共に、遊技機1において遊技者に有利な特別遊技を行うか否かの特別遊技判定(大当たり判定)が行われる条件となる入賞口である。これら始動口13,14に入賞した遊技球が図示を省略する始動検知領域を通過して始動条件が成立すると、遊技機1において特別遊技判定が行われる。遊技機1において特別遊技判定が行われると、図柄表示器22において特別図柄の変動表示が開始されると共に、センター役物11などにおいてもその特別遊技判定の結果に応じた遊技演出が開始される。例えば画像表示器12では、3つの装飾図柄12a、12b、12cを上下方向或いは左右方向に変動させる図柄変動演出が開始される。そして特別図柄の変動表示が開始されてから所定時間が経過すると、図柄表示器22における特別図柄の変動表示およびセンター役物11における図柄変動演出が終了し、遊技者に対して特別遊技判定の結果が表示される。このとき表示される特別遊技判定の結果が大当たりなどの所定の当たりに当選したことを示すものであれば、遊技機1はその後、遊技者にとって有利な特別遊技を開始する。
ここで、遊技機1の仕様の一例を説明する。まず、遊技機1の特別遊技判定では、特別遊技へ移行させるか否かを判定する。そして、特別遊技へ移行させると判定した場合、次に特別遊技の種類を判定する。具体的には、まず特別遊技において第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放する回数(ラウンド数)と、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放する時間(開放パターン)を決定する。すなわち、特別遊技では、第1大入賞口15又は第2大入賞口16のいずれかが択一的に開放されるため、特別遊技判定では第1大入賞口15又は第2大入賞口16を特別遊技中に開放する回数(ラウンド数)を決定するのである。また、各ラウンドにおいて開放状態が維持される時間に応じて、例えば30秒程度の比較的長い時間開放するよう設定されるラウンド(ロング開放ラウンド)と、0.2秒程度の極めて短い時間開放するラウンド(ショート開放ラウンド)とがあり、特別遊技判定では各ラウンドにおける開放時間(開放パターン)を決定する。
さらに、特別遊技判定では、特別遊技の種類として特別遊技が終了した後に設定する遊技状態を決定する。遊技状態を特定する要素として、特別遊技判定に当選する確率と、特別図柄の変動時間が挙げられる。まず特別遊技判定の当選確率についてみると、特別遊技判定に当選する確率が例えば1/68程度である高確率状態と、特別遊技判定に当選する確率が1/400程度である通常確率状態に分かれる。次に、特別図柄の変動時間についてみると、変動時間が比較的短い時短状態と、変動時間が時短状態に比べて長い非時短状態に分かれる。さらに、時短状態では、非時短状態に比べて普通図柄の変動時間が短く(例えば3秒程度)、また、チューリップ14aの開放時間が長く設定される(例えば3秒程度)。加えて時短状態では、非時短状態に比べて普通図柄抽選の当選確率が高い確率に設定される(例えば90%程度)。そのため、時短状態では、非時短状態に比べて特別図柄の変動時間が短いため特別遊技判定結果を早く表示すると共に、第2始動口14へ入球しやすい状態となるため、遊技者は遊技球を減らすことなく特別図柄を変動させることが可能となる。よって、時短状態は非時短状態に比べて遊技者にとって有利な遊技状態であると言えるのである。
遊技機1においてRAMクリア処理がされると、遊技状態は通常確率状態で且つ非時短状態に設定される(通常遊技状態ST1)。そして、特別遊技判定に当選すると、第1大入賞口15又は第2大入賞口16が開放する特別遊技状態ST2に移行することになる。第1始動口13又は第2始動口14への入賞に基づくラウンド数及び開放パターンとして、ロング開放ラウンドが16回設定される場合(16ラウンド)、ロング開放ラウンドが4回設定される場合(4ラウンド)、或いはショート開放ラウンドが4回設定される場合(実質0ラウンド)などがある。実質0ラウンドとなるのは、ショート開放ラウンドにおける大入賞口の開放時間が極めて短いため、遊技者にとって特別遊技において賞球を得ることが極めて困難であるからである。そして、ラウンド数及び開放パターンに加え、特別遊技終了後の遊技状態として、例えば所定の変動表示回数(例えば100回)の間、高確率状態で且つ時短状態となる特定遊技状態ST4や、所定の変動表示回数(例えば100回)の間、通常確率状態で且つ時短状態となる時短遊技状態ST3や、或いは、通常確率状態で且つ非時短状態となる通常遊技状態ST1などに設定される。
以上より、特別遊技判定における当選パターンの一例として、16ラウンドで特定遊技状態ST4に設定される場合(16ラウンド確変)、4ラウンドで特定遊技状態ST4に設定される場合(4ラウンド確変)、実質0ラウンドで特定遊技状態STに設定される場合(実質0ラウンド確変(突然確変))、16ラウンドで時短遊技状態ST3に設定される場合(16ラウンド非確変)、4ラウンドで時短遊技状態ST3に設定される場合(4ラウンド非確変)、実質0ラウンドで時短遊技状態ST3に設定される場合(実質0ラウンド非確変(突然時短))などが挙げられる。遊技機1は、第1始動口13又は第2始動口14への入賞に基づく特別遊技判定において、各当選パターンに所定の当選割合で当選するよう設定する。
そして本実施形態において、例えば遊技機1は、第1始動口13への入賞に基づく特別遊技判定において当選した場合、16ラウンド確変が20%、4ラウンド確変が20%、実質0ラウンド確変(突然確変)が20%であり、16ラウンド非確変が20%で4ラウンド非確変が20%と設定する。また、遊技機1は、第2始動口14への入賞に基づく特別遊技判定において当選した場合、16ラウンド確変が60%、4ラウンド確変が20%、実質0ラウンド確変(突然確変)が20%と設定する。実質0ラウンド確変の場合、上述したとおり、特別遊技において遊技者は賞球を獲得するのが困難であるが、特別遊技終了後の遊技状態が特定遊技状態ST4に設定されることから、実質0ラウンド確変も遊技者にとって特に有利な遊技状態に含まれるのである。遊技機1が上記のような仕様による場合、特別遊技状態ST2が終了すると、遊技状態が特定遊技状態ST4又は時短遊技状態ST3に設定される。これにより、通常遊技状態ST1に比べて遊技者にとって有利な遊技状態が継続する。遊技状態の遷移についての詳細な説明は後ほど行う。
なお、図柄表示器22は、遊技盤10の隅に配置されており、遊技者にとって視認し難い位置に設けられていると共に、特別図柄の変動表示の表示態様なども遊技者にとっては識別し難い表示態様で表示される。これに対し、画像表示器12などは、特別遊技判定の結果が大当たりなどの当たりであるか否かを遊技者が判別しやすい表示態様で表示する。それ故、遊技者は、特別遊技判定の結果などを、主にセンター役物11などで行われる図柄変動演出の結果などによって認識する。そして遊技者は、センター役物11で行われる様々な演出を視認しながら遊技を進行させるようになる。
第1大入賞口15は、遊技盤10において第2始動口14のさらに右側に設けられている。第1大入賞口15は、遊技盤10の遊技領域に打ち出される遊技球が矢印F2で示すようにセンター役物11の中央最上部を超えてセンター役物11の右側の遊技領域を流下する場合に入球する可能性がある位置に設けられる。つまり、遊技盤10の遊技領域に打ち出される遊技球が矢印F1で示すようにセンター役物11の中央最上部を超えることなく、センター役物11の左側の遊技領域を流下するときには、第1大入賞口15に入球する可能性はない。この第1大入賞口15は、通常、閉鎖された状態となっている。そして、遊技機1において第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球したことを条件として行われる特別遊技判定において大当たりに当選すると、その後に開始される特別遊技(大当たり遊技)の予め定められた所定ラウンドにおいて、第1大入賞口15が開放される。第1大入賞口15が開放すると、所定時間が経過するまでの間、又は、所定数の入賞がカウントされるまでの間、その開放状態が継続する。したがって、第1大入賞口15が開放状態になると、所定時間が経過するまでの間に遊技球を所定数まで入賞させることが可能であり、それにより遊技者は賞球を獲得することができる。そして開放状態に駆動された第1大入賞口15は、所定時間が経過した時点又は所定数の入賞がカウントされた時点で閉鎖状態に戻る。
ただし、第1大入賞口15が開放されるラウンドにおいて、第1大入賞口15の開放状態が維持される開放時間は、特別遊技判定において当選した当たりの種別に応じて定められ、例えば30秒程度の比較的長い時間に設定されるラウンド(ロング開放ラウンド)と、0.2秒程度の極めて短い時間に設定されるラウンド(ショート開放ラウンド)との2種類がある。そのため、遊技者が多くの賞球を獲得し得るラウンドはロング開放ラウンドであり、ショート開放ラウンドの場合は開放中の第1大入賞口15に遊技球を入賞させることが困難であり、賞球を獲得することが難しい。
第2大入賞口16は、センター役物11の右側に設けられている。そのため、遊技盤10の遊技領域に打ち出される遊技球が矢印F2で示すようにセンター役物11の中央最上部を超えてセンター役物11の右側の遊技領域を流下するときには、第2大入賞口16に対して入球する可能性があり、矢印F1で示すようにセンター役物11の中央最上部を超えることなく遊技球がセンター役物11の左側の遊技領域を流下するときには、第2大入賞口16に入球する可能性はない。この第2大入賞口16も、通常は閉鎖された状態となっている。そして遊技機1において第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球したことを条件として行われる特別遊技判定において当選すると、その後に開始される特別遊技(大当たり遊技)の予め定められた所定ラウンドにおいて、所定時間が経過するまでの間又は所定数の入賞がカウントされるまでの間、第2大入賞口16が開放状態となる。したがって、第2大入賞口16が開放状態になると、所定時間が経過するまでの間に遊技球を所定数まで入賞させることが可能であり、それにより遊技者は賞球を獲得することができる。そして開放状態に駆動された第2大入賞口16は、所定時間を経過した時点又は所定数の入賞がカウントされた時点で閉鎖状態に戻る。なお、特別遊技では、第1大入賞口15および第2大入賞口16のいずれかが択一的に開放するラウンドが所定回数実行されるので、第1大入賞口15および第2大入賞口16が同時に開放状態となることはない。また、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放する特別遊技は、遊技者に対して多くの賞球を獲得することができる機会を付与する遊技であるため、遊技者にとって特別有利な遊技状態(特別遊技状態)である。
ただし、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放するラウンド遊技が複数回行われる場合であっても、それら複数回の全てがショート開放ラウンドとなることもある。全ラウンドがショート開放ラウンドである場合、遊技者はその特別遊技中に賞球を獲得することが実質的に困難である。そのため、そのような特別遊技が行われる場合には、例えば、特別遊技の終了後の遊技状態を遊技者にとって有利な遊技状態(特定遊技状態ST4)へと移行させることにより、遊技者に有利な遊技価値を付与するように構成される。
第2大入賞口16が開放されるラウンドにおいて、第2大入賞口16の開放状態が維持される開放時間も、第1大入賞口15と同様、例えば30秒程度の比較的長い時間に設定されるラウンド(ロング開放ラウンド)と、0.2秒程度の極めて短い時間に設定されるラウンド(ショート開放ラウンド)との2種類がある。遊技者が多くの賞球を獲得し得るラウンドはロング開放ラウンドであり、ショート開放ラウンドの場合は開放中の第2大入賞口16に遊技球を入賞させることが困難であり賞球を獲得することが難しい。
また、遊技盤10の中央最下部にはいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球をアウト球として遊技盤10の背面側へ排出するアウト口23が設けられている。
図2は、遊技盤10の背面側に取り付けられる遊技機1の制御機構を示すブロック図である。遊技盤10の背面側には、遊技機1の主たる動作を制御する主制御基板30と、主制御基板30から出力される信号やコマンドに基づいて各部の動作を制御するサブ制御基板31とが設けられている。サブ制御基板31は、例えば図2に示すように、払出制御基板32、演出制御基板33、画像制御基板34、ランプ制御基板35等で構成される。またサブ制御基板31には、図示を省略する発射制御基板も含まれる。発射制御基板は、遊技者によるハンドルレバー5の操作角度に応じて図示を省略する発射装置を動作させることにより、操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技盤10に打ち出されるように制御する。
主制御基板30は、CPU30aとROM30bとRAM30cとを有する。この主制御基板30には、遊技球が第1始動口13に入賞したことを検知する第1始動口スイッチ41、遊技球が第2始動口14に入賞したことを検知する第2始動口スイッチ42、スルーゲート21を遊技球が通過したことを検知するスルーゲートスイッチ43、電動チューリップ14aを開閉させる電チューソレノイド44、第1大入賞口15を開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド45、第1大入賞口15に遊技球が入賞したことを検知する第1大入賞口スイッチ46、第2大入賞口16を開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド47、及び第2大入賞口16に遊技球が入賞したことを検知する第2大入賞口スイッチ48がそれぞれ接続されている。また、主制御基板30には図柄表示器22が接続されている。なお、図柄表示器22は、特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示器22aと、普通図柄の変動表示を行うための普通図柄表示器22bとを備えている。
主制御基板30は、第1始動口スイッチ41、第2始動口スイッチ42、第1大入賞口スイッチ46及び第2大入賞口スイッチ48のそれぞれが遊技球の入賞を検知した場合、払出制御基板32に対して賞球コマンドを送出する。払出制御基板32は、CPU32aとROM32bとRAM32cとを備え、遊技盤10の背面側に設けられた払出モーター32dを制御するように構成されており、主制御基板30から賞球コマンドを入力すると、入賞した入賞口に応じて所定球数の払い出しを行う。
また主制御基板30は、普通図柄の抽選や、特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行うように構成される。例えば遊技球がスルーゲート21を通過した場合、主制御基板30は、電動チューリップ14aを開放するか否かを決定するための普通図柄抽選を行い、その普通図柄抽選に当選すれば電チューソレノイド44を所定時間又は所定回数駆動させて電動チューリップ14aを開放させる。なお、普通図柄抽選に当選して電動チューリップ14aが開放すると、第2始動口14に対して遊技球が入賞し易い状態となるため、電動チューリップ14aが開放した状態は遊技者にとって有利な遊技状態のひとつである。
また主制御基板30は、遊技球が第1始動口13や第2始動口14に入賞したことを検知して始動条件が成立した場合には、その入賞に基づく遊技データを取得して特別遊技判定を行い、特別図柄表示器22aにおいてその判定結果に基づく所定時間の特別図柄の変動表示を開始する。そして主制御基板30は、特別図柄表示器22aにおいて特別図柄の変動表示を開始することに伴い、その特別遊技判定の結果に応じた所定時間の演出を行わせるべく、演出制御基板33に対して信号やコマンドを送出する。
また遊技球が第1始動口13や第2始動口14に入賞したことを検知した時点で先の特別図柄の変動表示が終了していない場合、主制御基板30は、その入賞に伴って取得した遊技データを記憶し、特別遊技判定や特別図柄の変動表示を一時的に保留する。そして先の特別図柄の変動表示が終了して次の変動表示を開始することが可能なタイミングになると、主制御基板30は、保留を消化して遊技データを読み出し、その読み出した遊技データに基づいて次の特別遊技判定を行うと共に、その特別遊技判定の結果に基づいて特別図柄の変動表示を開始する。
また主制御基板30は、特別遊技判定において所定の当たりに当選していることが判明した場合、特別図柄の変動表示を所定時間行った後に、その当たりの種別に応じた特別遊技を開始すると共に、その特別遊技中の各ラウンドにおいて第1大入賞口ソレノイド45又は第2大入賞口ソレノイド47を択一的に開放状態へ駆動させることにより、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放する。また、主制御基板30は、特別遊技を開始することに伴い、演出制御基板33に対してその特別遊技に対応した特別遊技演出を行わせるべく、信号やコマンドを送出する。
演出制御基板33は、CPU33aとROM33bとRAM33cとを備えており、主制御基板30からの信号やコマンドに基づいて遊技機1で行う具体的な演出内容を決定する。そして演出制御基板33は、画像制御基板34及びランプ制御基板35のそれぞれを制御することにより、その決定した具体的な演出内容に基づく演出を実行する。つまり、演出制御基板33は、主制御基板30からの指示に基づき、遊技機1の全体で行う具体的な演出を決定すると共に、その実行を統括的に制御するものである。特に、主制御基板30によって特別遊技判定が行われて特別図柄の変動表示が所定時間行われる場合、演出制御基板33は、その所定時間の間、特別遊技判定の結果を示唆するための示唆遊技演出の実行を制御する。例えば、演出制御基板33は、画像表示器12において3つの装飾図柄12a、12b、12cを変動させる図柄変動演出を行うことにより、特別遊技判定の結果が大当たりであるか否かを示唆する示唆遊技演出を行う。この示唆遊技演出では、通常の図柄変動演出から様々な演出に移行させて特別遊技判定の結果に応じた各種演出が行われることもある。そして示唆遊技演出では、特別図柄の変動表示が終了する所定時間経過後に、特別遊技判定の結果に応じた停止図柄で3つの装飾図柄12a、12b、12cを停止させた状態に表示することにより、特別遊技判定の結果を遊技者に報知する。
また演出制御基板33には操作ボタン6が接続されている。そのため、演出制御基板33は、例えば示唆遊技演出などの各種演出を行っている状態で遊技者がボタン操作を行うことが可能な所定のタイミングになると、遊技者による操作ボタン6の操作を受け付け、操作ボタン6が操作されたことを検知した場合にはそのボタン操作に応じた演出を行うことが可能である。
さらに、主制御基板30により特別遊技が行われる場合、演出制御基板33は、特別遊技判定において当選した当たりの種類に応じた特別遊技演出の実行を制御する。
画像制御基板34は、CPU34aとROM34bとRAM34cとVRAM34dとを備えており、画像表示器12に表示する画像を制御するものである。この画像制御基板34は、演出制御基板33からの指示に基づいて、主制御基板30で行われた特別遊技判定の結果に応じた示唆遊技演出を行うべく、装飾図柄12a、12b、12cを変動させる図柄変動演出を開始すると共に、その図柄変動演出をリーチ演出などの様々な演出に移行させて演出画像を表示することができる。VRAM34dは、画像表示器12に表示するための画像を書き込むメモリである。CPU34aは、演出制御基板33から受信するコマンドや信号に基づいて、VRAM34dに対する背景画像表示処理、装飾図柄表示処理、操作演出画像表示処理などの各種処理を実行することにより、画像表示器12に対して、背景画像、装飾図柄画像、操作演出画像などを重畳的に表示することができる。画像制御基板34は、スピーカー8から各種の演出音を出力して音楽や効果音などを発生させるように構成されている。
ランプ制御基板35は、CPU35aとROM35bとRAM35cとを備えており、枠ランプ7を制御する。このランプ制御基板35は、演出制御基板33からの指示に基づいて、枠ランプ7などを含む各種のランプを点灯させる。
図3は、主制御基板30における主たる機能構成を模式的に示したブロック図である。主制御基板30のRAM30cには、遊技データ格納部60と、保留記憶部61と、特定遊技カウンタ68とが設けられる。遊技データ格納部60は、大当たり乱数や図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数などの各種乱数を遊技データとして格納するものである。遊技データ格納部60に格納される各種乱数は、それぞれ定められた範囲内の値を採り得る乱数であり、その値が図示を省略する乱数更新部により逐次更新される。そのため、遊技データ格納部60から遊技データが読み出されるタイミングによって、各種乱数の値が異なる値となる。大当たり乱数は、特別遊技判定において特別遊技へ移行させるか否かを判定するのに用いられる乱数である。図柄乱数は、特別遊技へ移行させると判定された場合に、特別遊技の種類を決定するのに用いられる乱数である。すなわち、主制御基板30は、図柄乱数に基づいて特別遊技終了後の遊技状態を、特定遊技状態ST4、時短遊技状態ST3、又は通常遊技状態ST1のいずれの遊技状態に設定するか判定するのである。リーチ乱数は、特別遊技判定においてハズレである場合に、演出制御基板33がリーチ演出を含む演出パターンを決定可能な変動時間を設定するか否かを判定するのに用いられる乱数である。変動パターン乱数とは、特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定するのに用いられる乱数である。なお、遊技データ格納部60には、普通図柄抽選に用いられる普通図柄乱数なども遊技データとして格納される。保留記憶部61は、遊技データ取得部51により遊技データ格納部60から読み出された遊技データを所定の上限数まで保留しておくための記憶領域である。
主制御基板30のROM30bには、特別遊技判定テーブル62と、変動パターンテーブル63とが予め記憶されている。特別遊技判定テーブル62は、特別遊技判定を行うために参照されるテーブルである。この特別遊技判定テーブル62には、第1テーブル62aと第2テーブル62bとが含まれる。第1テーブル62aは、特別遊技判定において特別遊技を行うと判定される確率が通常確率であるときに参照されるテーブルである。第2テーブル62bは、特別遊技判定において特別遊技を行うと判定される確率、つまり大当たりとなる確率が通常確率よりも高い高確率状態のときに参照されるテーブルである。第1テーブル62aでは大当たり乱数が大当たりとなる当選値として所定数の値が定められており、第2テーブル62bでは大当たり乱数が大当たりとなる当選値として第1テーブル62aよりも多くの値が定められている。
変動パターンテーブル63は、主制御基板30において特別遊技判定が行われた場合に、特別図柄の変動表示に関する変動時間を決定するために参照されるテーブルである。変動パターンテーブル63には、特別遊技判定の結果や特別遊技の種類に応じて参照されるテーブルや、リーチ乱数が所定の値を示す場合に参照されるテーブルなど、図示を省略する複数のテーブルが含まれる。また、時短状態又は非時短状態など現在の遊技状態に応じて異なるテーブルが参照される。一例として、非時短状態においてリーチ演出を含む演出パターンを決定可能な変動パターンが選択される確率は10%程度であり、他方、時短状態においてリーチ演出を含む演出パターンを決定可能な変動パターンが選択される確率は、非時短状態の場合においてリーチ演出を含む演出パターンを決定可能な変動パターンが選択される確率に比べて低い。そして変動パターンテーブル63に含まれるそれら複数のテーブルは、いずれも変動パターン乱数に対して特別図柄の変動時間が1対1で対応付けられたテーブルとなっている。そのため、この変動パターンテーブル63を参照すれば、特別遊技判定の結果やリーチ乱数の乱数値などに対応する特別図柄の変動時間を一義的に決定することができる。
このような変動パターンテーブル63は、特別遊技判定で大当たりであると判定されると、特別図柄の変動時間が例えば90秒以上などの比較的長い時間が決定されるように予め変動パターンが定められている。また、特別遊技判定でハズレであると判定された場合には、特別図柄の変動時間が例えば90秒未満の比較的短い時間が決定されるように変動パターンが予め定められている。ただし、特別遊技判定の結果がハズレであっても、リーチ乱数が所定の値を示すことにより、演出制御基板33においてリーチ演出を含む演出パターンを決定可能な変動パターンが決定された場合には、大当たりの場合と同様、特別図柄の変動時間として例えば90秒以上などの比較的長い時間が決定されることがある。
主制御基板30のCPU30aは、遊技機1の状態や動作を統括的に制御し、遊技を進行させる遊技制御部50として機能する。この遊技制御部50は、様々な処理部として機能するが、図3にはその一部の機能を例示する。すなわち、例えば遊技制御部50は、遊技機1の遊技状態を切り換えたり、遊技を進行させたりするために、遊技データ取得部51、特別遊技判定部52、特別図柄変動制御部53、特別遊技制御部54及び遊技状態設定部55として機能する。
遊技データ取得部51は、第1始動口スイッチ41および第2始動口スイッチ42のそれぞれが遊技球の入賞を検知した場合に、そのタイミングで遊技データ格納部60から大当たり乱数,図柄乱数,変動パターン乱数及びリーチ乱数を含む遊技データを取得する。遊技データ取得部51は、遊技データを取得すると、その遊技データを保留記憶部61に格納する。保留記憶部61は、第1始動口13への入賞によって取得された遊技データを記憶する第1保留記憶部61aと、第2始動口14への入賞によって取得された遊技データを記憶する第2保留記憶部61bとを有しており、第1始動口13への入賞により取得された遊技データと第2始動口14への入賞により取得された遊技データとを区別してそれぞれ所定の上限数(例えば4つ)まで記憶することが可能である。そのため、遊技データ取得部51は、第1始動口13への入賞により取得した遊技データを第1保留記憶部61aへ格納し、第2始動口14への入賞により取得した遊技データを第2保留記憶部61bへ格納する。なお、第1保留記憶部61a及び第2保留記憶部61bのそれぞれに既に上限数の遊技データが格納されている場合、遊技データ取得部51は、遊技データ格納部60から取得した遊技データを破棄し、遊技データを格納する処理を行わない。
特別遊技判定部52は、始動条件成立により遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるか否かの特別遊技判定を行う処理部である。特別遊技判定部52は、特別遊技及び特別図柄の変動表示のいずれも実行中でないことを以て、特別遊技判定を行うための始動条件が成立したものとし、保留記憶部61に記憶されて保留状態にある遊技データを読み出し、その遊技データに基づき特別遊技判定を行う。すなわち、特別遊技判定部52は、遊技データに含まれる大当たり乱数に基づいて特別遊技判定テーブル62を参照し、当該大当たり乱数が大当たりの当選値に一致するか否かを判定する。上述したように特別遊技判定テーブル62には第1テーブル62aと第2テーブル62bとがあり、特別遊技判定部52は、遊技データ読み出し時点の確率状態に応じて第1テーブル62a又は第2テーブル62bのいずれか一方を選択し、大当たり乱数がその選択したテーブルに定められた大当たりの当選値に一致するか否かを判定する。このような特別遊技判定により、保留記憶部61から読み出した遊技データの当選又はハズレが確定する。なお、第1テーブル62aは、大当たりとなる確率が例えば1/400程度に設定されたテーブルであり、第2テーブル62bは、第1テーブル62aよりも大当たりとなる確率が高く、例えば1/68程度に設定されたテーブルである。
特別遊技判定部52は、大当たり乱数が当選値に一致していた場合、さらに遊技データに含まれる図柄乱数に基づき特別遊技の種類を判定する。すなわち特別遊技判定部52は、特別遊技判定において当選したと判定した場合、さらに特別遊技が終了した後の遊技状態を、例えば特定遊技状態ST4や時短遊技状態ST3に設定するなどの決定を行う。また、後述するように、特別遊技判定部52により判定された特別遊技の種類に応じて、特別遊技制御部54により大入賞口の開放時間、ラウンド数や開放パターンなどが決定される。つまり、特別遊技の種類によって、遊技者が特別遊技において獲得可能な賞球数が異なるのである。
特別遊技判定部52は、特別図柄変動制御部53によって特別図柄の変動表示が行われているときには、保留記憶部61からの遊技データの読み出しを行わない。この場合、特別図柄変動制御部53によって行われている特別図柄の変動表示が終了し、次の変動表示を行うことが可能になったタイミングで、特別遊技判定部52は、保留記憶部61から次の遊技データの読み出しを行い、その読み出した遊技データに基づいて特別遊技判定を行う。特別遊技判定部52は、第1保留記憶部61aに格納されている遊技データよりも、第2保留記憶部61bに格納されている遊技データを優先的に読み出して保留消化を行うよう構成される。また、特別遊技判定部52は、読み出した遊技データに含まれる大当たり乱数に基づいて、特別遊技終了後の遊技状態を決定する。すなわち、特別遊技判定部52は、特別遊技判定において大当たりであると判定した場合、さらに特別遊技状態が終了した後の遊技状態を決定し、特別遊技状態が終了した後に、遊技状態設定部55にその決定した遊技状態へと遊技状態を移行させる。
特別図柄変動制御部53は、特別遊技判定部52による特別遊技判定の結果を表示するため特別図柄の変動表示を行う処理部である。具体的には、特別図柄変動制御部53は、特別遊技判定部52によって特別遊技判定が行われると、その特別遊技判定の結果に基づき変動パターンテーブル63を参照し、特別図柄の変動時間を決定して特別図柄表示器22aにおいて行う特別図柄の変動表示を制御する。また、特別図柄変動制御部53は、特別図柄の変動時間を決定して特別図柄の変動表示を開始するとき、演出制御基板33に対して変動開始コマンドを送出する。この変動開始コマンドには、特別遊技の判定結果や特別遊技判定において当選する場合の特別遊技の種類、特別図柄の変動時間や停止図柄などに関する情報が含まれる。そのため、演出制御基板33は、特別図柄変動制御部53から送出される変動開始コマンドを受信すると、特別図柄表示器22aにおいて特別図柄の変動表示が行われている間、特別遊技判定の結果に対応した演出を行うことができるようになる。
特別遊技制御部54は、特定遊技判定部52により特別遊技状態へ移行させると判定されたことを条件として特別遊技の制御を行う処理部である。すなわち特別遊技制御部54は、特別遊技判定部52による特別遊技判定において所定の当たりに当選し、遊技者にとって有利な特別遊技へ移行させることが決定された場合に機能する。特別遊技制御部54は、特別遊技判定部52が図柄乱数に基づいて決定した特別遊技の種類に応じて、例えば第1大入賞口15及び第2大入賞口16の開放時間、ラウンド数や開放パターン、或いはエンディング時間などを決定する。そして特別遊技制御部54は特別遊技を開始する。特別遊技制御部54は、特別遊技を開始することに伴い、決定した開放パターンに基づいて複数ラウンドのうちの各ラウンドで第1大入賞口15及び第2大入賞口16のそれぞれを択一的に開放させることにより、特別遊技中において第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放状態へ作動させる開放特別遊技を制御する。
遊技状態設定部55は、特別遊技終了後の遊技状態を設定する処理部である。特別遊技制御部54により決定された開放パターンに基づく第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放が終了すると、特別遊技制御部54はエンディングを行って特別遊技を終了させる。特別遊技が終了すると、遊技状態設定部55は、特別遊技判定部52により決定された特別遊技の種類に基づいて、遊技機1の遊技状態を所定の遊技状態へ移行させる。すなわち、特別遊技判定部52が図柄乱数に基づき特別遊技終了後の遊技状態を特定遊技状態ST4に設定すると判定した場合には、遊技状態設定部55は遊技状態を特定遊技状態ST4へ移行させる。他方、特別遊技判定部52が特別遊技終了後の遊技状態を時短遊技状態ST3に設定すると判定した場合、遊技状態設定部55は遊技状態を時短遊技状態ST3へ移行させる。
図4は、遊技機1の遊技状態の遷移を示す図である。まず遊技機1に電源が投入され、RAMクリアが行われると、遊技機1は初期遊技状態として設定されている通常遊技状態ST1で起動する。通常遊技状態ST1は、特別遊技判定に当選する確率が通常確率状態であり、しかも時短が設定されずに遊技を進行させる状態である。この通常遊技状態ST1では、スルーゲート21を遊技球が通過して行われる普通図柄抽選に当選した場合であっても、電動チューリップ14aが第2始動口14を開放する時間が極めて短く、第2始動口14へ遊技球が入賞する可能性は低い。そのため、通常遊技状態ST1では、遊技者はハンドルレバー5を操作することにより、図1の矢印F1で示すように、遊技盤10の遊技領域に打ち出す遊技球がセンター役物11の左側領域を流下していくように調整し、遊技球を第1始動口13に入賞させることを狙って遊技を行う。なお、電源投入の際にRAMクリアが行われない場合、電源供給停止時に主制御基板30のRAM30cに記憶されていた遊技データに基づいて遊技状態が設定される。そのため、RAMクリアが行われない場合、遊技機1は初期遊技状態ではなく電源供給停止時における遊技状態で起動する。
そして、通常遊技状態ST1において遊技球が第1始動口13へ入賞することによって大当たりが発生すると、遊技機1は大当たり遊技ST2を開始する。大当たり遊技ST2が開始されると、センター役物11の右側に配置された第1大入賞口15及び第2大入賞口16のそれぞれが所定のラウンドで開放する。そのため遊技者は、遊技機1において大当たり遊技ST2が行われる間、ハンドルレバー5を操作することにより、図1の矢印F2で示すように、遊技盤10の遊技領域に打ち出す遊技球がセンター役物11の右側領域を流下していくように調整し、遊技球を第1大入賞口15又は第2大入賞口16に入賞させることを狙って遊技を行う。
所定のラウンド終了により大当たり遊技ST2が終了する。特別遊技ST2終了の後、特別遊技判定(大当たり判定)における決定に基づき、時短遊技状態ST3又は特定遊技状態ST4に移行する。時短遊技状態ST3は、特別遊技判定に当選する確率が通常遊技状態ST1と同じ通常確率で遊技を進行させる。もっとも、時短遊技状態ST3では、特別図柄の変動表示において非時短の遊技状態に比べて短い変動時間が設定される(例えば5秒程度)。また、普通図柄の変動表示においても、非時短の遊技状態の場合における変動時間(例えば30秒程度)と比べて短い変動時間(例えば3膨程度)が設定される。また、スルーゲート21を遊技球が通過して行われる普通図柄抽選に当選した場合に、電動チューリップ14aが第2始動口14を開放する時間も長くなる。例えば、通常遊技状態ST1における電動チューリップ14aの開放時間が0.2秒程度の短い時間であるのに対し、時短遊技状態ST3における電動チューリップ14aの開放時間は3.5秒程度に設定される。さらに、普通図柄抽選に当選する確率についても、通常遊技状態ST1における当選確率が50%程度であるのに対して、時短遊技状態ST3における当選確率はこれより高く、90%程度である。そのため、通常遊技状態ST1と比較して時短遊技状態ST3では、第2始動口14へ遊技球が入賞する可能性が高まる。そのため、時短遊技状態ST3では、遊技者はハンドルレバー5を操作することにより、図1の矢印F2で示すように、遊技盤10の遊技領域に打ち出す遊技球がセンター役物11の右側領域を流下していくように調整し、遊技球をスルーゲート21に通過させると共に、第2始動口14に入賞させることを狙って遊技を進行させる。これにより、遊技球を頻繁に第2始動口14へ入賞させることができるため、大当たり遊技ST2で獲得した持ち玉をそれ程減らすことなく遊技を進行させることができると共に、大当たり判定を短時間で連続的に繰り返し行わせることができる。この時短遊技状態ST3は、例えば第2始動口14への入賞に伴う特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)行われるまで継続し、所定回数が経過するまでに次の特別遊技判定に当選しなかった場合には、通常遊技状態ST1へ戻る。
通常遊技状態ST1と時短遊技状態ST3とを対比すると、時短遊技状態ST3では上述のように遊技球が第2始動口14へ頻繁に入賞するため、特別遊技判定が行われる機会を通常遊技状態ST1よりも頻繁に獲得することができる。そのため、時短遊技状態ST3は、遊技者にとって通常遊技状態ST1よりも有利な遊技状態である。したがって、時短遊技状態ST3へ移行する前の特別遊技状態ST2において行われる特別遊技のラウンドが全てショート開放ラウンドであっても、特別遊技状態ST2の終了後に時短遊技状態ST3へ移行することにより、遊技者は通常遊技状態ST1よりも有利な遊技価値を獲得することができる。
他方、特定遊技状態ST4へ移行した場合、特定遊技状態ST4では、特別遊技判定に当選する確率が通常遊技状態ST1又は時短遊技状態ST3よりも高い高確率となる。この特定遊技状態ST4では、時短遊技状態ST3と同様、スルーゲート21を遊技球が通過して行われる普通図柄抽選に当選した場合に電動チューリップ14aが第2始動口14を開放する時間が比較的長くなり、通常遊技状態ST1と比較して第2始動口14へ入賞する可能性が高くなる。また、第1始動口13又は第2始動口14へ入賞することにより行われる特別遊技判定の結果を表示する変動表示の時間が、通常遊技状態ST1の場合と比べて短く設定される。そのため、特定遊技状態ST4では、遊技者はハンドルレバー5を操作することにより、図1の矢印F2で示すように、遊技盤10の遊技領域に打ち出す遊技球がセンター役物11の右側領域を流下していくように調整し、遊技球をスルーゲート21に通過させると共に、第2始動口14に入賞させることを狙って遊技を進行させる。これにより、遊技球を頻繁に第2始動口14へ入賞させることができるため、特別遊技ST2で獲得した持ち玉をそれ程減らすことなく遊技を進行させることができると共に、特別遊技判定を短時間で連続的に繰り返し行わせることができる。この特定遊技状態ST4は、例えば第2始動口14への入賞に伴う特別図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)行われるまで継続する。すなわち、特別遊技判定結果に基づき、特別遊技ST2終了後に高確率状態及び時短状態が所定回数(例えば100回)の変動表示が行われるまで維持されるため、高確率状態で且つ時短状態となる特定遊技状態ST4が所定回数の変動表示が行われる間継続するのである。その所定回数が経過するまでに次の特別遊技判定に当選しなかった場合には、通常遊技状態ST1へ戻る。
時短遊技状態ST3と特定遊技状態ST4とを対比すると、特定遊技状態ST4では上述のように特別遊技判定において当選する確率が高確率となるため、遊技者は早期に特別遊技判定において当選する機会を獲得することができる。そのため、特定遊技状態ST4は、遊技者にとって時短遊技状態ST3よりも有利な遊技状態である。したがって、特定遊技状態ST4へ移行する前の特別遊技ST2におけるラウンドが全てショート開放ラウンドであっても、特別遊技ST2の終了後に特定遊技状態ST4へ移行することにより、遊技者は通常遊技状態ST1や時短遊技状態ST3よりも有利な遊技価値を獲得することができる。
図3に戻って、遊技状態設定部55は、遊技機1の遊技状態を例えば特定遊技状態ST4に設定する際に、RAM30cに格納される特定遊技カウンタ68に特定遊技状態ST4において行われる変動表示の回数(例えば100回)を初期値としてセットする。そして、特定遊技カウンタ68は、変動表示が行われる毎に値を1ずつ減じることにより、特定遊技状態ST4において行われる変動表示の残回数を計測する。
上記のような遊技状態の遷移に応じて、主制御基板30は、これら遊技状態の相互遷移を統括的に制御して遊技を進行させると共に、その遊技の進行に応じた演出を演出制御基板33に行わせる。例えば、通常遊技状態ST1から特別遊技ST2に移行する際に、主制御基板30は演出制御基板33に通常遊技状態ST1から特別遊技ST2へ移行することを報知する演出を行わせる。また主制御基板30は、特別遊技ST2が終了して時短遊技状態ST3に移行する場合、特別遊技ST2が終了し、時短遊技状態ST3へ移行することを報知する演出を演出制御基板33に行わせる。例えば特別遊技ST2のエンディングにおいて時短遊技状態ST3へ移行することを示唆するメッセージ等を画像表示器12に表示してもよい。また、特別遊技ST2が終了して特定遊技状態ST4に移行する場合、例えば特別遊技ST2のエンディングにおいて「確変モード突入」というメッセージ等を画像表示器12に表示させることにより特定遊技状態ST4に移行することを示唆する演出を行わせる。
また、本実施形態において後述するように演出制御基板33は特定遊技状態ST4において行われる変動表示を複数回毎に分割し、それぞれ演出モードを設定して変動表示の際に各演出モードに対応する演出を演出装置に行わせる。一例として、演出モードごとに対戦型の演出を行うモードや、操作ボタン6等を操作する操作演出を実行するモードや、所定のストーリーを看取させる動画像を表示するモードを設ける。そこで、特定遊技カウンタ68にて計測する変動表示の残回数が演出モードの移行タイミングにおいて行われる変動表示を示す値となる場合に、主制御基板30は演出制御基板33に演出モードの移行を示唆するメッセージを表示するなど、遊技者に演出モードの移行を感知させる移行演出を行わせる。
次に、主制御基板30において行われる動作手順について説明する。図5は、主制御基板30における主要動作を示すフローチャートである。主制御基板30のCPU30aは、電源投入時や電源断時などの特殊な場合を除き、通常の動作時において図5に示すフローチャートに基づく処理をタイマ割込処理として一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。この処理が開始されると、主制御基板30は、乱数更新処理(ステップS101)、第1始動口スイッチ処理(ステップS102)、第2始動口スイッチ処理(ステップS103)、ゲートスイッチ処理(ステップS104)、各種スイッチ処理(ステップS105)、賞球処理(ステップS106)、特別図柄処理(ステップS107)、大入賞口処理(ステップS108)、普通図柄処理(ステップS109)、電チュー処理(ステップS110)、及び出力処理(ステップS111)を一連の処理として順次実行し、それら一連の処理が終了すると、その後は初期値乱数更新処理(ステップS112)を繰り返し実行する。その後、時間が経過し、再びタイマによる割込が発生することにより、再び乱数更新処理(ステップS101)以降の処理の実行を開始する。以降このような処理が繰り返される。
乱数更新処理(ステップS101)では、乱数更新部(図示せず)によって、RAM30cの遊技データ格納部60に格納されている大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数などの各種乱数の値を更新する処理が行われる。第1始動口スイッチ処理(ステップS102)では、上述の遊技データ取得部51が第1始動口スイッチ41の状態を監視し、第1始動口13に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ41がオンとなった場合に遊技データ格納部60から遊技データを取得する処理が行われる。第2始動口スイッチ処理(ステップS103)では、上述の遊技データ取得部51が第2始動口スイッチ42の状態を監視し、第2始動口14に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ42がオンとなった場合に遊技データ格納部60から遊技データを取得する処理が行われる。ゲートスイッチ処理(ステップS104)では、遊技データ取得部51がスルーゲートスイッチ43の状態を監視し、スルーゲート21を遊技球が通過してスルーゲートスイッチ43がオンとなった場合に普通図柄を抽選するために普通図柄乱数を取得する処理が行われる。各種スイッチ処理(ステップS105)では、その他全てのスイッチ(例えば第1大入賞口スイッチ46など)からの信号を入力する処理が行われる。賞球処理(ステップS106)では、各種入賞口への入賞数を計数し、その計数値に基づいて賞球コマンドを設定する処理が行われる。特別図柄処理(ステップS107)では、特別遊技判定部52及び特別遊技制御部54による特別図柄の変動およびその図柄変動に伴う処理が行われる。大入賞口処理(ステップS108)では、第1大入賞口15及び第2大入賞口16を開閉する特別遊技の動作が制御される。普通図柄処理(ステップS109)では、普通図柄変動およびその図柄変動に伴う処理が行われる。電チュー処理(ステップS110)では、電動チューリップ14aの開閉動作を制御する。また、出力処理(ステップS111)では、主制御基板30から払出制御基板32及び演出制御基板33に対して制御用コマンドや遊技データなどを出力する処理が行われる。各基板に出力するコマンドやデータは、ステップS102からS110の各処理において生成され、予めRAM30cにセットされている。そのため、この出力処理ではRAM30cにセットされたコマンドやデータを読み出して出力する。そして初期値乱数更新処理(ステップS112)では、遊技データ格納部に格納されている大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数などの各種乱数の初期値が更新される。ステップS101からS111を実行した後の残余時間において、この初期値乱数更新処理を繰り返し実行することにより、各種乱数の初期値をその都度更新することができる。そして、この残余時間は遊技機1の動作状態に応じて長くなったり短くなったりするため、残余時間中における初期値乱数更新処理(ステップS112)の実行回数が毎回異なるものとなり、各種乱数の初期値の更新値を不規則な値にすることができる。それ故、大当たりを不正に発生させようとした場合でも大当たり乱数の初期値が不明なため、遊技者は大当たり乱数が大当たりの当選値となるタイミングを知ることができず、ひいては不正を防止することが可能となる。
図6は、第1始動口スイッチ処理(図5のステップS102)及び第2始動口スイッチ処理(図5のステップS103)の詳細を示すフローチャートである。まず図6(a)に示すように、第1始動口スイッチ処理(ステップS102)では、第1始動口13に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ41がオンになったか否かを判断する(ステップS201)。ここで第1始動口スイッチ41がオンになっていない場合には遊技データを取得する条件が成立していないので第1始動口スイッチ処理を終了する。第1始動口スイッチ41がオンになっていれば、遊技データを取得する条件が成立するため、第1保留記憶部61aに記憶されている保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップS202)。図例の場合、上限値を4としている。そして保留数U1が上限値に達している場合には(ステップS202でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、第1始動口スイッチ処理を終了する。一方、保留数U1が上限値未満である場合(ステップS202でYES)、保留数U1の値を1加算する(ステップS203)。そして第1始動口13に入賞したことによる遊技データを遊技データ格納部60から読み出し、その遊技データに含まれる各種乱数の値を第1保留記憶部61aに格納する(ステップS204)。このとき読み出した大当たり乱数62によって、「大当たり」となるか又は「ハズレ」となるかが確定する。また、「大当たり」である場合、同時に読み出した図柄乱数63の値によってその特別遊技の種類が確定する。また、「ハズレ」である場合、読み出したリーチ乱数65の値によってリーチ演出が行われるか否かが確定する。そして主制御基板30は、読み出した各種乱数を含む遊技データを演出制御基板33に送信するための送信用遊技データとしてセットする(ステップS205)。このときセットする送信用遊技データには、第1始動口13に入賞したことによって取得した遊技データであることを示す情報が付与される。そして遊技データのセットが完了すれば、第1始動口スイッチ処理を終了する。
次に、図6(b)に示すように、第2始動口スイッチ処理(図5のステップS103)では、第2始動口14に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ42がオンになったか否かを判断する(ステップS301)。ここで第2始動口スイッチ42がオンになっていない場合には、遊技データを取得する条件が成立していないので第2始動口スイッチ処理を終了する。第2始動口スイッチ42がオンになっていれば、遊技データを取得する条件が成立するため、第2保留記憶部61bに記憶されている保留数U2が上限値未満か否かを判断する(ステップS302)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数U2が上限値に達している場合には(ステップS302でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、第2始動口スイッチ処理を終了する。一方、保留数U2が上限値未満である場合(ステップS302でYES)、保留数U2の値を1加算する(ステップS303)。そして第2始動口14に入賞したことによる大当たり抽選のための遊技データを遊技データ格納部60から読み出し、その遊技データに含まれる各種乱数の値を第2保留記憶部61bに格納する(ステップS304)。このとき読み出した各種乱数の値により、大当たりであるか否か、またハズレの場合はリーチ演出を行うか否かなどが確定する。そして主制御基板30は、読み出した各種乱数を含む遊技データを演出制御基板33に送信するための送信用遊技データとしてセットする(ステップS305)。このときセットする送信用遊技データには、第2始動口14へ入賞したことによって取得した遊技データであることを示す情報が付与される。そして、遊技データのセットが完了すれば、第2始動口スイッチ処理を終了する。
次に図7は、ゲートスイッチ処理(図5のステップS104)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、スルーゲート21を遊技球が通過してスルーゲートスイッチ43がオンになったか否かを判断する(ステップS401)。スルーゲートスイッチ43がオンになっていない場合には、補助遊技データを取得する条件が成立していないため、ゲートスイッチ処理を終了する。スルーゲートスイッチ43がオンになっている場合には、補助遊技データを取得する条件が成立するため、補助遊技データの保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップS402)。図例の場合、上限値を4個としている。そして保留数Gが上限値に達している場合には(ステップS402でNO)、それ以上保留数を増加させることができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。一方、保留数が上限値未満の場合(ステップS402でYES)、保留数Gの値を1加算する(ステップS403)。そして、遊技球がスルーゲートを通過したことによる普通図柄抽選のための普通図柄乱数を読み出し、その乱数値を、RAM30cに格納する(ステップS404)。なお、このとき読み出される乱数の値により、遊技球がスルーゲート21を通過したことによる普通図柄抽選の当否が確定する。
図8は、特別図柄処理(図5のステップS107)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が特別遊技中であるか否かを判断する(ステップS501)。特別遊技中であれば(ステップS501でYES)、その特別遊技が終了するまで新たな特別図柄の変動表示を行うことができないため、特別図柄の変動処理を開始することなく特別図柄処理を終了する。これに対して、特別遊技中でない場合(ステップS501でNO)、主制御基板30は、遊技機1の現在の状態が特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS502)。特別図柄の変動表示中でない場合(ステップS502でNO)、保留数U2が1以上であるか否かを判断する(ステップS503)。保留数U2が1以上である場合(ステップS503でYES)、主制御基板30は、第2保留記憶部61bにおいて最も先に記憶された遊技データを読み出し(ステップS504)、その保留数U2の値を1減算する(ステップS505)。そして第2保留記憶部61bに記憶されている他の保留の記憶領域を順にシフトさせる(ステップS506)。
一方、保留数U2が0である場合(ステップS503でNO)、主制御基板30は、保留数U1が1以上であるか否かを判断する(ステップS507)。保留数U1が1以上である場合(ステップS507でYES)、主制御基板30は、第1保留記憶部61aにおいて最も先に記憶された遊技データを読み出し(ステップS508)、その保留数U1の値を1減算する(ステップS509)。そして、第1保留記憶部61aに記憶されている他の保留の記憶領域を順にシフトさせる(ステップS510)。また保留数U1が0である場合(ステップS507でNO)、始動条件である第1始動口13又は第2始動口14へ入賞したことによる保留がないことを意味するため、特別図柄の変動表示を開始せずに特別図柄処理を終了する。
ステップS504とステップS508のいずれか一方で遊技データの読み出しが行われた場合、その読み出した遊技データに基づく大当たり判定のための処理(ステップS511〜S517)へと進む。すなわち、主制御基板30は、まず現在の遊技機1の遊技状態が高確率状態(特定遊技状態ST4)であるか否かを判断し(ステップS511)、高確率状態であれば高確率用判定テーブルを選択して読み出し(ステップS512)、高確率状態でなければ通常確率用判定テーブルを選択して読み出す(ステップS513)。そして、主制御基板30は遊技者に有利な特別遊技として特別遊技を行うか否か判定するための特別遊技判定処理を実行する(ステップS514)。この特別遊技判定処理(ステップS514)では、ステップS504又はS508で読み出された遊技データに含まれる大当たり乱数に基づき大当たりの当否が判定されると共に、その判定結果に応じて特別図柄の変動表示を行う変動時間が決定される。なお、この大当たり判定処理の詳細については後述する。
主制御基板30は、特別遊技判定処理(ステップS514)を行った後、その特別遊技判定処理で決定された変動時間に対応する装飾図柄12a、12b、12cの変動演出(示唆遊技演出)を演出制御基板33に行わせるための変動開始コマンドをRAM30cにセットする(ステップS515)。そして主制御基板30は、特別遊技判定処理で決定された変動時間に基づいて特別図柄表示器22aにおける特別図柄の変動表示を開始し(ステップS516)、その変動表示を変動時間が経過するまで継続させるために、変動時間の計測を開始する(ステップS517)。
一方、ステップS502において特別図柄の変動表示中であった場合(ステップS502でYES)、主制御基板30は、その変動時間が終了したか否かを判断する(ステップS518)。ここでは、特別図柄の変動表示開始に伴いステップS517で計測が開始された変動時間が特別遊技判定処理(ステップS514)で決定された変動時間に達したか否かが判断される。そして変動時間が終了していなければ(ステップS518でNO)、特別図柄の変動表示が継続されるので、そのまま特別図柄処理を終了する。これに対し、変動時間が終了した場合には(ステップS518でYES)、主制御基板30は、演出制御基板33によって行われている図柄変動演出を停止させるための変動停止コマンドをRAM30cにセットする(ステップS519)。そして特別図柄表示器22aにおける特別図柄の変動表示を特別遊技判定の結果に対応する停止図柄で停止させ(ステップS520)、計測された変動時間をリセットする(ステップS521)。そして、主制御基板30は停止中処理(ステップS522)を実行する。なお、停止中処理の詳細については後述する。
図9は、特別遊技判定処理(図8のステップS514)の詳細を示すフローチャートである。この処理を開始すると、主制御基板30は、ステップS512又はS513で選択したテーブルに基づき、遊技データに含まれる大当たり乱数が大当たりであるか否かの特別遊技判定を行う(ステップS541)。そして大当たりに当選していれば(ステップS542でYES)、図柄乱数に基づき大当たりの種類を判定する(ステップS543)。ここでは特別遊技におけるラウンド数や開放パターンを決定すると共に、当該特別遊技終了後の遊技状態を、通常確率状態で且つ時短状態となる時短遊技状態ST3に設定するか、或いは高確率状態で且つ時短状態となる特定遊技状態ST4に設定するかが判定される。大当たりの種類の判定を行う際には、判定対象となる図柄乱数が第1保留記憶部61aから読み出された乱数である場合と、第2保留記憶部61bから読み出された乱数である場合とで参照するテーブルが異なる。そのため、同じ図柄乱数であっても、第1保留記憶部61aから読み出された場合と、第2保留記憶部61bから読み出された場合とで異なる特別遊技の種類が判定されることもある。そして特別遊技の種類が確定すると、主制御基板30は、特別図柄の変動表示後に停止させる停止図柄としてその特別遊技の種類に対応した特別図柄をセットする(ステップS544)。続いて主制御基板30は、ROM30bの変動パターンテーブル63から大当たり用変動パターンテーブルを参照し(ステップS545)、変動パターン乱数などに基づいて特別図柄の変動時間を決定する(ステップS546)。なお、参照される変動パターンテーブルは、特別遊技判定に当選したか否かに加えて、特別遊技判定に当選した場合に図柄乱数に基づき判定される特別遊技の種類に応じて選択される。
また特別遊技判定に当選していない場合(ステップS542でNO)、主制御基板30は、特別図柄の変動表示後にハズレ図柄を停止図柄としてセットする(ステップS547)。そして現在の遊技状態が特定遊技状態ST4であるか否かを判断し(ステップS548)、特定遊技状態ST4である場合、主制御基板30は、ROM30bの変動パターンテーブル63から特定遊技用変動パターンテーブルを参照する(ステップS549)。なお、この場合に参照される変動パターンテーブルは、特別遊技判定においてハズレの場合に参照するテーブルである。次に、特定遊技状態ST4の残り変動回数SCを確認する。そして、残り変動回数SCが、演出制御基板33により演出モードが切り換えられるタイミングにおける変動表示を示す値(a)であるか否かを判定する(ステップS550)。すなわち、残り変動回数SCの値が(a)の場合、主制御基板30は演出制御基板33において移行演出を含む演出パターンを選択できるような変動時間に対応する変動パターンを選択する。例えば、特定遊技状態ST4における残り変動回数が70回である変動表示に伴って演出モードが移行する場合、(a)=70となるときに、主制御基板30は演出制御基板33が移行演出を含む演出パターンを選択可能な変動時間に対応する変動パターンを選択する。また、後述するように、本実施形態において特定遊技状態ST4における残り変動回数が5回となるときに、演出モードが移行する。そして、(a)=95となるときに、主制御基板30は演出制御基板33において移行演出を含む演出パターンを選択できるような変動時間に対応する変動パターンを選択する。そして、残り変動回数SC=(a)である場合(ステップS550でYES)、主制御基板30は、演出制御基板33にて移行演出を含む演出パターンを選択可能な変動時間に対応する変動パターンを決定する(ステップS551)。他方、残り変動回数SC=(a)でない場合(ステップS550でNO)、主制御基板30は、演出制御基板33にて移行演出を含む演出パターンを選択可能な変動時間に比べて短い変動時間に対応する変動パターンを決定する(ステップS552)。
一方、現在の遊技状態が特定遊技状態ST4でなかった場合(ステップS548でNO)、時短遊技状態ST3であるか否かを判断する(ステップS553)。時短遊技状態ST3である場合、主制御基板30は、ROM30bの変動パターンテーブル63から時短遊技用変動パターンテーブルを参照し(ステップS554)、変動パターン乱数やリーチ乱数などに基づいて特別図柄の変動時間を決定する(ステップS555)。
さらに、時短遊技状態ST3でもなかった場合(ステップS553でNO)、主制御基板30は、ROM30bの変動パターンテーブル63から通常遊技用変動パターンテーブルを参照すると共に(ステップS556)、保留記憶部61に記憶されている保留数(例えば第1保留記憶部61aに記憶されている保留数U1の値)を確認する(ステップS557)。そして主制御基板30は、変動パターン乱数とリーチ乱数と保留数とに基づいて通常遊技用変動パターンテーブルに定められている特別図柄の変動時間を決定する(ステップS558)。例えば、保留数が上限数に達している場合には、特別図柄の変動表示を効率的に消化していくようにするため、保留数が上限数に達していない場合よりも短い変動時間を決定する。例えば、リーチ乱数の値いかんにかかわらず、演出制御基板33においてリーチ演出を含む演出パターンを選択できない変動時間を決定する。以上で、大当たり判定処理(ステップS514)が終了する。
次に図10は、停止中処理(図8のステップS522)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、特別図柄の変動表示が停止した後、遊技機1の遊技状態を特別遊技に移行させたり、時短遊技状態ST3を通常遊技状態ST1に移行させたり、特定遊技状態ST4を通常遊技状態ST1に移行させたりする処理を行う。この停止中処理を開始すると、主制御基板30は、特別遊技を発生させるか否かを判断し(ステップS571)、特別遊技を発生させる場合(ステップS571でYES)、その特別遊技の種類に対応した特別遊技をセットする(ステップS572)。そして演出制御基板33に特別遊技に対応した演出を行わせるための大当たり開始コマンドをRAM30cにセットする(ステップS573)。その後、主制御基板30は、特別遊技を開始する(ステップS574)。
また、主制御基板30は、大当たりを発生させないと判断した場合(ステップS571でNO)、現在の遊技状態が特定遊技状態ST4であるか否かを判断する(ステップS575)。その結果、特定遊技状態ST4である場合(ステップS575でYES)、主制御基板30は、特定遊技状態ST4での残り変動回数SCの値を1減算する(ステップS576)。なお、この残り変動回数SCは、特別遊技ST2が終了して特定遊技状態ST4へ移行するときに所定値(例えば100)がセットされ、残り変動回数SCが0になると特定遊技状態ST4から通常遊技状態ST1に戻る。特別遊技判定結果に基づき、特別遊技ST2終了後に変動回数SCにセットされた回数の変動表示が行われる間、高確率状態及び時短状態がそれぞれ維持される。そして、SC=0となったとき、すなわちセットされた回数の変動表示が終了したとき、高確率状態及び時短状態が終了して、通常確率状態且つ非時短状態となる通常遊技状態ST1に移行するのである。主制御基板30は残り変動回数SCが0になったか否かを判断し(ステップS577)、0になっていれば(ステップS577でYES)それ以後の遊技状態を通常遊技状態ST1にセットする(ステップS578)。
さらに主制御基板30は、現在の遊技状態が特定遊技状態ST4でないと判断した場合(ステップS575でNO)、現在の遊技状態が時短遊技状態ST3であるか否かを判断する(ステップS579)。その結果、時短遊技状態ST3である場合(ステップS579でYES)、主制御基板30は、時短遊技状態ST3での残り変動回数JCの値を1減算する(ステップS580)。なお、この残り変動回数JCは、特別遊技が終了して時短遊技状態ST3へ移行するときに所定値(例えば100)がセットされるものである。主制御基板30は、この残り変動回数JCの値を1減算した後、残り変動回数JCが0になったか否かを判断し(ステップS581)、0になっていれば(ステップS581でYES)それ以後の遊技状態を通常遊技状態ST1にセットする(ステップS582)。なお、現在の遊技状態が通常遊技状態ST1であった場合(ステップS579でNO)、その後は特に何も行わない。以上で、停止中処理(ステップS522)が終了する。
次に図11及び12は大入賞口処理(図5のステップS108)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、特別遊技となった場合の第1大入賞口15および第2大入賞口16の開閉動作が制御される。主制御基板30は、遊技機1の現在の遊技状態が特別遊技中であるか否かを判断する(ステップS601)。特別遊技中でない場合(ステップS601でNO)、第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開閉動作は行われないため、特別遊技処理を終了する。これに対し、特別遊技中である場合(ステップS601でYES)、主制御基板30は、遊技機1が停止中処理(図10)で開始させた特別遊技のオープニング動作中であるか否かを判断する(ステップS602)。なお、停止中処理においてセットされた特別遊技(図10のステップS572)のオープニングは、特別遊技の種類(例えば、高確率状態へ移行させる場合や時短を設定する場合)に応じて異なり得るものであり、例えばオープニング時間が特別遊技の種類に応じて異なる。遊技機1がオープニング動作中である場合(ステップS602でYES)、主制御基板30は予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップS603)。オープニング時間を経過していない場合(ステップS603でNO)、オープニング動作が継続されるので特別遊技処理を終了する。
オープニング時間を経過している場合(ステップS603でYES)、主制御基板30は、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放するラウンド値Rに対して1加算する(ステップS604)。このラウンド値Rは、大当たりの発生時点においては0に初期化されており、ステップS604で1を加算することによって今回行うべきラウンドの値となる。そして主制御基板30は、特別遊技の種別を確認して第1大入賞口15および第2大入賞口16の開放パターンを確認し(ステップS605)、今回のラウンドRにおける第1大入賞口15又は第2大入賞口16の開放時間をセットした上で(ステップS606)、開放パターンに応じて第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放する(ステップS607)。既に述べたように、例えばロング開放ラウンドにおいては約30秒間、第1大入賞口15又は第2大入賞口16のいずれかを開放し、ショート開放ラウンドにおいては約0.2秒間、第1大入賞口15又は第2大入賞口16のいずれかを2回開放する。ステップS607で第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放すると、主制御基板30は開放時間の計測を開始する。そして、主制御基板30は、ステップS606でセットされた開放時間が経過したか否かを判断し(ステップS608)、開放時間が経過していない場合(ステップS608でNO)、さらに開放中の大入賞口に対して所定の上限個数(例えば10個程度)の遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS609)。その結果、開放時間が経過しておらず、しかも入賞個数が上限値に達していない場合(ステップS609でNO)には、開放中の大入賞口を閉鎖する必要がないため、特別遊技処理を終了する。
一方、開放時間が経過している場合(ステップS608でYES)、又は開放中の大入賞口への入賞個数が上限値に達している場合(ステップS609でYES)には、主制御基板30は、現在開放中の第1大入賞口15又は第2大入賞口16を閉鎖する(ステップS610)。そして、現在のラウンドRが最終ラウンドを示す値であるか否かを判断する(ステップS611)。すなわち、特別遊技判定処理(図9)において図柄乱数に基づき特別遊技の種類を判定した際に(図9のステップS543)、特別遊技における大入賞口を開放するラウンド数が決定されている。主制御基板30は、現在のラウンド数Rが前記のとおり決定されたラウンド数(最終ラウンド)に達したか否かを判定するのである。最終ラウンドでない場合(ステップS611でNO)には特別遊技が継続するため、そのまま特別遊技処理を終了する。
現在のラウンドRが最終ラウンドであった場合(ステップS611でYES)、主制御基板30は、特別遊技を終了させるためのステップS612以降の処理を実行する。すなわち、主制御基板30は現在のラウンド値Rを0にリセットし(ステップS612)、大当たり判定処理(図9)におけるステップS543での特別遊技の種類判定で、当該特別遊技終了後に特定遊技状態ST4(高確率遊技状態)に移行すると判定されたか否かを判断する(ステップS613)。特定遊技状態ST4に移行すると判断された場合(ステップS613でYES)、主制御基板30は、当該特別遊技終了後の遊技状態として特定遊技状態ST4をセットし(ステップS614)、特定遊技状態ST4での残り変動回数SCの値(例えば100)をセットする(ステップS615)。これに対し、特別遊技終了後に特定遊技状態ST4に移行しないと判断された場合(ステップS613でNO)、主制御基板30は当該特定遊技終了後の遊技状態として時短遊技状態ST3をセットし(ステップS616)、時短遊技状態ST3での残り変動回数JCの値を所定回数(例えば100回)にセットする(ステップS617)。
そして主制御基板30は、特別遊技のエンディングを開始してエンディングのための時間計測を開始し(ステップS618)、エンディング終了のタイミングであるか否かを判断する(ステップS619)。なお、オープニングと同様に、停止中処理においてセットされた特別遊技(図10のステップS572)のエンディングは、特別遊技の種類(例えば、高確率状態へ移行させる場合や時短を設定する場合)に応じて異なり得るものである。エンディングを開始してから所定時間が経過していない場合には、エンディングが未終了であると判断し(ステップS619でNO)、引き続きエンディングを継続するため特別遊技処理を終了する。またエンディングを開始してから所定時間が経過しているときには、エンディングが終了したと判断し(ステップS619でYES)、演出制御基板33に特別遊技のための演出を終了させるべく、特別遊技終了コマンドをセットし(ステップS620)、特別遊技を終了する(ステップS621)。
一方、ステップS602の判断において遊技機1がオープニング中でないと判断した場合(ステップS602でNO)、図12のフローチャートに進み、主制御基板30は、第1大入賞口15又は第2大入賞口16が開放中であるか否かを判断する(ステップS651)。そして開放中である場合は(ステップS651でYES)、図11に示すステップS608以降の処理を実行する。また開放中でない場合は(ステップS651でNO)、遊技機1が特別遊技のエンディング中であるか否かを判断する(ステップS652)。そしてエンディング中である場合(ステップS652でYES)、図11に示すステップS619以降の処理を実行する。またエンディング中でない場合は(ステップS652でNO)、第1大入賞口15又は第2大入賞口16が閉鎖した後の経過時間が予め設定された各ラウンドの実施間隔(例えば2秒程度のインターバル時間)を経過したか否かを判断する(ステップS653)。そして、インターバル時間を経過していない場合には(ステップS653でNO)、まだ次のラウンドを実施するタイミングではないので、大入賞口処理を終了する。これに対し、インターバル時間が経過した場合は(ステップS653でYES)、次のラウンドを実施すべく、図11に示すステップS604以降の処理を実行する。
上記のような特別遊技処理により、遊技機1において特別遊技が開始されると、その特別遊技の種類に応じた開放パターンで第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放させるラウンドが所定回数(例えば16ラウンド)行われる。
次に図13は、普通図柄処理(図5のステップS109)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が補助遊技中であるか否かを判断する(ステップS701)。補助遊技中とは、普通図柄抽選に当選して電動チューリップ14aの開放動作中であることを示している。遊技機1において補助遊技が行われると、第2始動口14に遊技球が入賞し易くなるため、このような補助遊技もまた遊技者にとって有利な遊技状態のひとつである。そして補助遊技中である場合(ステップS701でYES)、主制御基板30は、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する。また補助遊技中でない場合(ステップS701でNO)、遊技機1の現在の状態が普通図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS702)。普通図柄が変動表示中でない場合(ステップS702でNO)、主制御基板30は普通図柄抽選の保留数Gが1以上であるか否かを判断する(ステップS703)。保留数Gが0である場合には(ステップS703でNO)、普通図柄抽選の始動条件となるスルーゲート21への遊技球通過がないことを意味するため、普通図柄の変動表示を開始することなく普通図柄処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(ステップS703でYES)、主制御基板30は、最も先に記憶された保留に対応する遊技データ(普通図柄乱数)を読み出し(ステップS704)、保留数Gの値を1減算し(ステップS705)、他の保留を記憶している記憶領域をシフトさせる(ステップS706)。そして主制御基板30は、保留から読み出した普通図柄乱数が所定の当選値であるか否かの当たり判定を行い、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップS707)。普通図柄抽選の当選確率は、時短が設定された遊技状態においては、例えば90%程度の高い確率に設定されているのに対し、時短が設定されていない遊技状態においては例えば50%程度であり、時短が設定されている場合に比べて低い当選確率が設定される。普通図柄抽選に当選すると(ステップS707でYES)、主制御基板30は、普通図柄抽選に当選したことを示す図柄(当たり図柄)をRAM30cにセットする(ステップS708)。また、普通図柄抽選に当選しなかった場合(ステップS707でNO)、普通図柄抽選に外れたことを示す図柄(ハズレ図柄)をRAM30cにセットする(ステップS709)。
そして主制御基板30は、遊技機1の現在の遊技状態が通常遊技状態ST1であるか否かを判断し(ステップS710)、通常遊技状態ST1である場合(ステップS710でYES)、普通図柄の変動時間を長時間(図例の場合は29秒)に設定する(ステップS711)。また現在の遊技状態が通常遊技状態ST1ではなく、時短遊技状態ST3又は特定遊技状態ST4のいずれかであると判断した場合(ステップS710でNO)、普通図柄の変動時間を短時間(図例の場合は3秒)に設定する(ステップS712)。そして主制御基板30は、ステップS711又はS712でセットされた変動時間に基づき、普通図柄表示器22bにおいて普通図柄の変動表示を開始し(ステップS713)、その変動時間の計測動作を開始する(ステップS714)。
また普通図柄の変動表示中であった場合(ステップS703でYES)、主制御基板30は、普通図柄の変動時間が終了したか否かを判断する(ステップS715)。つまり、ステップS714で計測開始された変動時間が、ステップS711又はS712でセットされた変動時間に達したか否かが判断される。そして変動時間が終了していない場合(ステップS715でNO)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理を終了する。また、変動時間が終了した場合(ステップS715でYES)、主制御基板30は、普通図柄の変動表示を停止させ、ステップS708またはS709でセットされた図柄を表示する(ステップS716)。その後、計測された変動時間をリセットする(ステップS717)。そして普通図柄抽選に当選したか否かを判断し(ステップS718)、当選していれば(ステップS718でYES)電動チューリップ14aを開放させるための補助遊技を開始する(ステップS719)。これにより遊技状態は補助遊技中となる。一方、普通図柄抽選に当選していなければ(ステップS718でNO)、その変動時間の計測動作を開始する(ステップS714)。
次に図14は、補助遊技処理(図5のステップS110)の詳細を示すフローチャートである。この処理ではまず、遊技機1の現在の状態が補助遊技中であるか否かを判断する(ステップS801)。補助遊技でない場合(ステップS801でNO)、電動チューリップ14aは開放しないため、補助遊技処理を終了する。補助遊技中であった場合(ステップS801でYES)、主制御基板30は、電動チューリップ14aが開放中であるか否かを判断し(ステップS802)、電動チューリップ14aが開放中でない場合には(ステップS802でNO)、さらに現在の遊技状態が通常遊技状態ST1であるか否かを判断する(ステップS803)。そして通常遊技状態ST1である場合(ステップS803でYES)、主制御基板30は電動チューリップ14aの開放時間を短時間(図例の場合は0.2秒)に設定する(ステップS804)。また通常遊技状態ST1ではなく、時短遊技状態ST3又は特定遊技状態ST4である場合(ステップS803でNO)、主制御基板30は電動チューリップ14aの開放時間を長時間(図例の場合は3.5秒)に設定する(ステップS805)。そして主制御基板30は、電動チューリップ14aを開放し(ステップS806)、開放後の経過時間の計測を開始する(ステップS807)。一方、電動チューリップ14aが既に開放中であった場合(ステップS802でYES)、ステップS804からS807の処理をスキップする。その後、主制御基板30は、ステップS804又はS805でセットされた開放時間を経過したか否かを判断し(ステップS808)、開放時間を経過していない場合(ステップS808でNO)、電動チューリップ14aの開放が継続されるので補助遊技処理を終了する。また開放時間を経過した場合(ステップS808でYES)、主制御基板30は、電動チューリップ14aを閉鎖し(ステップS809)、補助遊技を終了させた後に(ステップS810)補助遊技処理を終了する。なお、電動チューリップ14aの開放時間の決定について、図例のように主制御基板30が通常遊技状態か否かを判定することにより決定する場合(ステップS804)のほか、普通図柄抽選の当選図柄において電動チューリップ14aの開放時間が長い(例えば3.5秒)図柄Aと、電動チューリップ14aの開放時間が短い(例えば0.2秒)図柄Bの2つの当選図柄を予め設定する。そして、通常遊技状態ST1における普通図柄抽選に当選した場合、図柄Aを選択する確率を0%とし、図柄Bを選択する確率を100%とし、時短遊技状態ST3又は特定遊技状態ST4における普通図柄抽選に当選した場合に、図柄Aを選択する確率を100%とし、図柄Bを選択する確率を0%とする。そうすると、通常遊技状態ST1において普通図柄抽選に当選した場合、必ず図柄Bが選択されるため電動チューリップ14aの開放時間は短くなる。他方、時短遊技状態ST3又は特定遊技状態ST4において普通図柄抽選に当選した場合、必ず図柄Aが選択されるため電動チューリップ14aの開放時間は長い。
次に、図15は、出力処理(図5のステップS111)の詳細を示すフローチャートである。この処理では、主制御基板30からサブ制御基板31に対して各種データやコマンドなどが出力される。まず主制御基板30は、送信用遊技データがセットされている場合、それを演出制御基板33に送信する(ステップS901)。なお、送信用遊技データがセットされていなければ、ステップS901の送信処理は行われない。次に変動開始コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、特別図柄の変動時間に対応する図柄変動演出を行うことを指示する(ステップS902)。これにより、演出制御基板33によって装飾図柄12a、12b、12cを変動させる変動演出が開始される。なお、変動開始コマンドがセットされていなければ、ステップS902の送信処理は行われない。次に変動停止コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、演出制御基板33によって実行されている変動演出を停止させて特別遊技判定に当選したか否かを遊技者に報知させる指示を行う(ステップS903)。なお、変動停止コマンドがセットされていなければ、ステップS903の送信処理は行われない。次に特別遊技開始コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、特別遊技開始に伴う演出動作の開始を指示する(ステップS904)。このとき送信される特別遊技開始コマンドには、特別遊技後の遊技状態が時短遊技状態ST3と確変遊技状態ST4とのいずれであるかを示す情報が含まれる。なお、特別遊技開始コマンドがセットされていなければ、ステップS904の送信処理は行われない。次に特別遊技終了コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、特別遊技ST2に対応した演出の終了を指示する(ステップS905)。なお、特別遊技終了コマンドがセットされていなければ、ステップS905の送信処理は行われない。次に、普通図柄変動開始コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33に送信し、普通図柄変動演出を行うことを指示する(ステップS906)。なお、普通図柄変動開始コマンドがセットされていなければ、ステップS906の送信処理は行われない。そして最後にその他各種コマンドがセットされていれば、それを演出制御基板33や払出制御基板32に送信することで、各部を制御する(ステップS907)。例えば遊技球が各種入賞口に入賞したことに伴う賞球コマンドはこのとき払出制御基板32に対して送信され、払出制御基板32によって賞球の払い出しが行われる。以上で出力処理が終了する。
以上のように、主制御基板30は、遊技球が第1始動口13又は第2始動口14に入賞することを条件として特別図柄の変動表示を開始すると共に、演出制御基板33に対してその特別図柄の変動表示に連動して各種の演出を実行させるように制御する。
次に、演出制御基板33の構成について説明する。図16は、演出制御基板33における機能構成を模式的に示したブロック図である。演出制御基板33は、上述したように主制御基板30から様々なコマンドを入力し、それらコマンドに応じた演出を行う。また、演出制御基板33は、遊技者によって操作ボタン6が操作された場合に操作ボタン6から操作信号を入力し、遊技者のボタン操作に応じた演出を行うことができる。以下、このような演出制御基板33の構成及び動作について詳しく説明する。
図16に示すように、演出制御基板33のCPU33aは、特定遊技状態における演出モードを設定する演出状態設定部101と、主制御基板30から受信するコマンドに応じた演出を画像表示器12や演出用ランプ等に行わせる演出制御部102として機能する。
演出状態設定部101は、特定遊技状態において行われる所定回数の変動表示を複数に分割し、それぞれ異なる演出状態を設定する処理部である。主制御基板30から受信するコマンドにより、演出制御基板33が遊技機1の遊技状態が例えば特定遊技状態ST4に設定されたことを検知すると、演出状態設定部101は特定遊技カウンタ103に特定遊技状態ST4において行われる変動表示の回数(例えば100回)を初期値としてセットし、変動表示が行われる毎に1ずつ値を減じることにより特定遊技状態ST4で行われる変動表示の残回数をカウントさせる。そして、例えばROM33bに格納される演出モード情報(図示せず)を読み出して、特定遊技カウンタ103でカウントされる変動表示の残回数が演出モードを移行させるタイミングとなる変動表示を示す値になった場合に、現在の演出モードをこれとは異なる演出モードに移行させる。すなわち、演出状態設定部101は、特定遊技状態において行われる変動表示を演出モード情報に基づいて所定回数の変動表示毎に複数に分割し、それぞれ分割された変動表示毎に演出モードを設定するのである。
図17は、特定遊技状態ST4における演出モード設定の一例を示す図である。特別遊技状態が終了して特別遊技終了後の遊技状態が特定遊技状態ST4に設定された場合に、所定回数(例えば100回)の変動表示が行われる間、特定遊技状態ST4が継続する。演出状態設定部101は、この所定回数の変動表示を複数に分割し、分割したことにより形成された変動表示のグループ毎に演出モードを設定する。図例では、演出状態設定部101は第1演出モードM1と第2演出モードM2と第3演出モードM3を設定する。
演出状態設定部101は、各演出状態継続中に特別遊技判定部52により行われる複数の特別遊技判定において特別遊技状態へ移行させると判定される期待度が演出モード毎に異なるように特定遊技状態ST4に含まれる変動表示を分割してそれぞれ演出モードを設定してもよい。例えば図18の表に例示するように、特定遊技状態ST4が100回の特別図柄変動が行われる間継続する場合に、演出状態設定部101は特別遊技状態ST4開始時から30回目の変動表示が終了するまでの間を第1演出モードM1とし、31回目の変動表示開始時から95回目の変動表示が終了するまでの間を第2演出モードM2とし、96回目の変動表示開始時から100回目の変動表示が終了するまでの間を第3演出モードM3とする。このように各演出モードに含まれる変動表示の回数を異ならせることにより、それぞれの演出モードが継続している期間中に特別遊技判定で大当たりに当選する期待値が異なる。特に、ある演出モードに含まれる変動表示の回数よりこの演出モードの次の演出モードに含まれる変動表示の回数の方が多い場合、後者において行われる複数の特別遊技判定において当選する期待値の方が前者の期待値より高くなるため、演出モードが後の演出モードに移行することにより遊技の興趣性が高まる。
なお、第1演出モードM1と、第2演出モードM2と、第3演出モードM3の変動時間が異なるよう設定されてもよい。例えば、第1演出モードM1の特別図柄変動における特別遊技判定結果が大当たりに当選している場合の変動時間につき、第2演出モードM2又は第3演出モードM3の特別図柄変動が大当たりに当選している場合の変動時間に比べて短い変動時間の変動パターンが選択される。他方、第2演出モードM2の特別図柄変動における特別遊技判定結果が大当たりに当選している場合の変動時間につき、第1演出モードM1又は第3演出モードM3の特別図柄変動が大当たりに当選している場合の変動時間に比べて長い変動時間の変動パターンが選択される。主制御基板30は、特別遊技判定において大当たり遊技を発生させると判定した場合に、特定遊技状態ST4の残り変動回数SCを確認し、残り変動回数SCに応じた変動時間の変動パターンを決定する。
第1演出モードM1の特別図柄変動において大当たりに当選している場合に、変動時間の短い変動パターンを選択することにより、特定遊技状態ST4が開始して最初の演出モードにおける大当たり結果を速やかに表示させ、遊技にスピード感を与えることが可能となる。他方、第2演出モードM2の特別図柄変動において大当たりに当選している場合に、変動時間が長い変動パターンを選択することにより、演出に多くの内容を盛り込み、遊技者を楽しませることにより遊技の興趣性を高めることができる。特に、第2演出モードM2に含まれる変動表示の回数が他の演出モードに比べて多く設定される場合に、第2演出モードM2の特別図柄変動において大当たりに当選する際に行われる演出が、他の演出モードの特別図柄変動における演出に比べて長い時間行われ、演出の中に多くの内容を盛り込むことにより、特定遊技状態ST4の遊技における盛り上がりを設けることが可能となる。
また、第3演出モードM3の特別図柄変動において特別遊技判定結果がハズレである場合の変動時間を、第1演出モードM1又は第2演出モードM2においてハズレ結果を表示する特別図柄変動の変動時間に比べて長くしてもよい。特定遊技状態ST4の最終の演出モードである第3演出モードM3に含まれる変動表示の回数は少ない。そこで、各変動表示の変動時間を長く設定し、遊技者を煽る演出を行うことにより、遊技者の遊技に対する集中度を高めることが可能となる。
演出制御部102は、変動表示中又は特別遊技中に所定の演出を所定の演出手段に行わせる処理部である。そして演出制御部102は、演出モードごとに異なる態様の演出を所定の演出手段に行わせる。演出制御部102は、さらに特定遊技状態ST4において行われる特別図柄変動に対応する図柄変動演出を制御する特定遊技演出制御部110と、特別遊技が行われる場合にこれに応じた特別遊技演出を行わせる特別遊技演出制御部111とを備える。ROM33bは、複数の演出パターンを予め格納する。ROM33bは、第1演出モードM1にて行う第1演出パターン105aと、第2演出モードM2にて行う第2演出パターン105bと、第3演出モードM3にて行う第3演出パターン105cとを格納する。また、ROM33bは、これら以外に例えば通常遊技状態において行う演出パターン等、その他の演出パターン105dも格納する。
特定遊技演出制御部110は、特定遊技状態ST4における図柄変動演出を各種演出装置に行わせる処理部である。特定遊技演出制御部110は、主制御基板30から変動開始コマンドを受信すると、演出状態設定部101によりいずれの演出モードに設定されているかを確認し、ROM33bから演出モードに対応する演出パターンを選択する。これにより、特定遊技演出制御部110は、第1演出モードM1から第3演出モードM3の演出モードに応じて、それぞれ異なる態様の演出を行わせることが可能となる。
特別遊技演出制御部111は、主制御基板30から特別遊技開始コマンドを受信すると、演出状態設定部101によりいずれの演出モードに設定されているかを確認し、ROM33bから演出モードに対応する特別遊技演出の演出パターンを選択する。遊技状態が特定遊技状態ST4であり、第1演出モードM1に含まれる特別図柄において大当たりに当選した場合、特別遊技演出制御部111は、ROM33bから第1演出パターン105aを読み出し、特別遊技判定結果に応じた特別遊技演出の演出パターンを決定する。また、第2演出モードM2に含まれる特別図柄において特別遊技判定に当選した場合、特別遊技演出制御部111は、ROM33bから第2演出パターン105bを読み出し、特別遊技判定結果に応じた特別遊技演出の演出パターンを決定する。第3演出モードM3に含まれる特別図柄において特別遊技判定に当選した場合、特別遊技演出制御部111は、ROM33bから第3演出パターン105cを読み出し、特別遊技判定結果に応じた特別遊技演出の演出パターンを決定する。これにより、特別遊技演出制御部111は、特定遊技状態ST4における第1演出モードM1から第3演出モードM3のいずれかにおいて特別遊技が行われる場合、演出モードに応じて特別遊技演出を行わせることが可能となる。
特定遊技演出制御部110は、特定遊技状態ST4において特別遊技状態終了後に行われた変動表示の回数に応じて演出状態設定部101により設定された演出状態に対応する演出を行わせ、演出状態設定部101により設定された演出状態が異なる演出状態へ移行する際、演出状態の移行を示唆する移行演出を行わせる。特定遊技演出制御部110は、主制御基板30から変動開始コマンドを受信すると、演出状態設定部101に演出モードを確認してからROM33bに格納される演出パターンのいずれかを読み出して演出パターンを選択する。ここで、当該変動が演出モードを移行させるタイミングとなる変動表示である場合、特定遊技演出制御部110は演出モードの移行を示唆する移行演出をセットする。つまり、移行演出を行う場合、移行演出を行わない場合の変動表示において選択される変動パターンとは異なる変動パターンが選択され、移行演出を行う分の時間が加算された変動パターンが選択されるのである。そして移行演出を行うことにより、遊技者に演出モードが移行することを認識させることができ、特定遊技状態ST4において演出が単調となって遊技者が退屈するということを防止できる。
移行演出は、例えば演出モードが新たな演出モードへ移行し、新たな演出モードが開始してから行う。本実施形態では、新たな演出モードが開始し、この新たな演出モードにおける1回目の変動表示における所定タイミングで行う。さらに新たな演出モードにおける1回目の変動表示の冒頭で移行演出を行ってもよいし、或いは1回目の変動表示が終了するまでのいずれのタイミングで移行演出を行ってもよい。特に新たな演出モードにおける1回目の変動表示の冒頭で移行演出を行うことにより、遊技者の注目を集め易い変動開始時において演出モードが移行したことを遊技者に効果的に知らせることが可能となる。
これとは異なり、演出モードにおける最後の変動表示において移行演出を行ってもよい。演出モードの最後の変動表示において移行演出を行う場合、例えば変動停止直前のタイミングにおいて行う。遊技者は変動表示が停止して特別遊技判定結果が報知される際、液晶画面を注目する。そこで、変動表示が停止する直前のタイミングで移行演出を行うことにより遊技者に効果的に演出モードが移行することを報知可能となる。なお、上述したように、演出モードが切り替わる際に行われる演出である場合、主制御基板30は移行演出を実行可能な図柄変動時間を決定する。この場合、移行演出を行わない場合の変動時間と比較して、移行演出を行う場合の変動時間は、例えば共にリーチなしハズレである場合に、後者の変動時間が長く設定されることになる。さらに、演出モードの最後の変動表示にて表示される特別遊技判定に当選した場合に、移行演出を行わないとしてもよい。すなわち、特定遊技状態ST4において特別遊技判定結果が大当たりである場合、特別遊技終了後は新たに所定回数の変動表示が行われる間継続する特定遊技状態ST4が設定されるため、現在の演出モードから次の演出モードへの移行は行われない。よって、演出モードの最後の変動表示において特別遊技判定に当選している場合、移行演出を行うことなく特別遊技判定結果を表示し、特別遊技ST2が終了した後に新たな特定遊技状態ST4へ移行する。
他方、演出モードが移行し、新たな演出モードにおける最初の変動表示にて表示される特別遊技判定結果が大当たりである場合に、移行演出を行ってもよい。この場合、移行演出を行った後、新たな演出モードにおける図柄変動演出を行い、特別遊技判定の当選結果を報知する。或いは、移行演出を行った後に、通常の図柄変動演出とは異なる態様の図柄変動演出を実行するとしてもよい。例えば、移行演出を行った後に、可動役物を移動させる演出を行ってもよいし、液晶画面を一時的に暗転させる演出(ブラックアウト)を行ってもよい。新たな演出モードにおける最初の変動表示において移行演出を行うと共に、通常の図柄変動演出とは異なる態様の図柄変動演出を実行することにより、移行演出に加え、更にインパクトの強い演出効果を奏することができるのである。
さらに、上記とは異なり、移行演出を行わず、新たな演出モードに移行したことを示す移行演出を行わず、通常の図柄変動演出を行って特別遊技判定において当選したことを報知してもよい。特別遊技終了後は、所定回数の変動表示が行われる間継続する新たな特定遊技状態ST4が設定されるからである。そして、図柄変動演出及び特別遊技演出は、新たな演出モードにおける演出態様で行ってもよい。或いは、先の演出モードにおける演出態様で行ってもよい。移行演出を行わないことにより、変動結果が表示されるまでの時間が長期化することなく、速やかに特別遊技判定の当選結果を表示して特別遊技ST2を開始することが可能となる。
また、移行演出を行う特別図柄変動における特別遊技判定が大当たりに当選する場合、移行演出と共にリーチ演出を行う。これに対して、移行演出を行う特別図柄変動において特別遊技判定に当選していない場合に、リーチ演出を行わない。移行演出を行う変動パターンは、移行演出を行わない場合の変動パターンに比べて変動時間が長く設定される。また、リーチ演出を行う場合の変動時間は、リーチ演出を行わない場合の変動時間より長く設定される。移行演出を行うと共にリーチ演出も行うとすると、これらを行わない場合に比べて変動時間が相当程度長くなる。そこで、移行演出を行う特別図柄変動において特別遊技判定に当選していない場合は、リーチ演出を行わないとすることにより、変動時間が長期化することを防止し、遊技者に倦怠感を与えないようにすることが可能となる。
また、演出制御部102は、特別遊技判定部52による特別遊技判定により特別遊技ST2へ移行させると判定された場合に、当該特別遊技判定に対応する変動表示中に動画像を進行させる第1の演出を行わせ、当該特別遊技判定に対応する特別遊技中に第1の演出の動画像の続きからさらに動画像を進行させる第2の演出を行わせてもよい。第1演出モードM1において主制御基板30から変動開始コマンドを受信し、特別遊技判定に当選している場合に、特定遊技演出制御部110は、例えば所定のストーリーに基づく動画像を表示するドラマ演出を特別図柄変動に対応する演出パターンとして選択可能である。そして、特別図柄変動が終了して特別遊技に移行すると、特別遊技演出制御部111は、特別図柄変動の際に行われていたドラマ演出と同じストーリーのドラマ演出を選択し、特別図柄変動終了時の動画像の続きから動画像を進行させる演出を行わせてもよい。或いは、同じドラマ演出でなくとも、特別図柄変動時のドラマ演出と関連性のあるドラマ演出を選択し、特別遊技において実行させてもよい。
次に、各演出モードにおける変動表示又は特別遊技における具体的な演出態様を説明する。図19は第1演出モードM1における演出の推移を示したタイミングチャートである。図19(a)は、特別図柄変動結果が表示されることに応じて装飾図柄を停止させて特別遊技判定結果を遊技者に報知する確定演出が行われない場合の一例を示す図である。タイミングt1において特別図柄変動が開始すると、主制御基板30から演出制御基板33に対して変動開始コマンドが送信される。演出制御基板33が変動開始コマンドを受信すると、特定遊技演出制御部110は第1演出モードM1であることを確認し、ROM33bから第1演出パターン105aを読み出し、変動開始コマンドにて指示される変動時間に対応する演出パターンを決定する。第1演出モードM1では、例えば所定のストーリーに基づく動画像を画像表示器12に表示させるドラマ演出を演出パターンとして決定し、実行させる。特別図柄変動が所定時間行われ、タイミングt2において停止されると、主制御基板30から演出制御基板33に対して変動停止コマンドが送信される。演出制御基板33が変動停止コマンドを受信すると、特定遊技演出制御部110はドラマ演出を停止させる。特別図柄変動が終了して特別遊技が開始されると、主制御基板30から演出制御基板33に対して特別遊技開始コマンドが送信される。演出制御基板33が当該コマンドを受信すると、特別遊技演出制御部111は、演出モードが第1演出モードM1であることを確認して、ROM33bから第1演出パターン105aを読み出す。特別遊技演出制御部111は、第1演出パターン105aから特定遊技演出制御部110が特別図柄変動中に行ったドラマ演出と関連しており当該ドラマ演出の続きとなる演出パターンを選択し、例えば特別図柄変動中に画像表示器12に表示された動画像の続きにあたる動画像を画像表示器12に表示させる。特別遊技演出制御部111は、特別遊技演出としてドラマ演出を所定時間行い、タイミングt3において特別遊技が終了することにより特別遊技終了コマンドを受信するとドラマ演出を終了させる。このように特別図柄変動中及び特別遊技中において関連性を有する演出を行うことにより、遊技者は所定のストーリーを感得できるので、ストーリーの面白味を味わいながら遊技を進めることが可能となる。第1演出モードM1では、リーチ演出を行ってもよいし、リーチ演出を行わなくともよい。第1演出モードM1に含まれる変動表示においてリーチ演出を行わず、特別図柄変動中及び特別遊技中に一連の内容を有するドラマ演出を行う場合には、リーチ演出によりドラマが中断されることなく表示されるため、遊技者はより集中してドラマのストーリーを楽しみながら遊技を進めることができる。なお、装飾図柄12aと12cとが同じ図柄を示して停止し、中央に配置された装飾図柄12bが変動を継続するリーチ状態へ移行する場合においても、ドラマ演出を継続的に行う。この場合、リーチ状態への移行を示唆するリーチ示唆演出を行わない。リーチ示唆演出の一例として、装飾図柄12aと12cが仮停止してリーチになるかのように見せる演出や、所定のキャラクター等の画像を表示することが挙げられる。リーチ示唆演出を行わず、ドラマ演出を継続的に行うことによって、ドラマ演出が途切れることなく行われ、遊技者がドラマ演出にて表現されるストーリーを感得し易くなる。これとは異なり、上述したようなリーチ示唆演出を行ってもよい。
図19(b)は、図19(a)に示した例とは異なり、第1演出モードM1においてドラマ演出が行われる間に特別遊技判定結果を報知する確定演出を行う場合の一例を示すタイミングチャートである。タイミングt1にて特別図柄変動が開始されると、特定遊技演出制御部110は主制御基板30から受信した変動開始コマンドに応じて演出パターンを第1演出パターン105aから決定し、決定した演出パターンに基づく画像を画像表示器12に表示させる。タイミングt2において特別図柄変動が停止され、特別遊技が開始するのに伴い、特別遊技演出制御部111は、タイミングt2からt3までの特別遊技演出のオープニングで特別遊技判定結果を報知する確定演出を行わせる。タイミングt3において確定演出を終了させると、特別遊技演出制御部111は特別図柄変動中に行われていたドラマ演出と関連するドラマ演出を行わせる。これにより、遊技者は確定演出が行われた後に特別図柄変動中に画像表示器12に表示されていた所定のストーリーを感得させる動画像と関連する動画像を見ることができる。特に、特別図柄変動中に行われるドラマ演出の続きとなるドラマ演出を確定演出終了後に行う場合、遊技者は一連のストーリーを感得しながら遊技を進めることが可能となる。第1演出モードM1の特別図柄変動において操作ボタン6などの操作を要しない。これにより、遊技者はドラマ演出において表現されるストーリーを楽しむことに集中できる。
図20(c)は、特別図柄変動中にドラマ演出を停止させ、確定演出を行わせる場合の一例を示すタイミングチャートである。タイミングt1にて特別図柄変動が開始されると、特定遊技演出制御部110は変動開始コマンドに応じて演出パターンを第1演出パターン105aから決定し、ドラマ演出に決定した場合には当該ドラマ演出に基づく画像を画像表示器12に表示させる。特定遊技演出制御部110は特別図柄変動中のタイミングt2においてドラマ演出を終了させ、確定演出を行わせる。そして、遊技者に特別遊技判定結果を報知する。さらに特別図柄変動がタイミングt3にて終了し、演出制御基板33が変動終了コマンドを受信すると、特定遊技演出制御部110は確定演出を終了させる。タイミングt3にて特別遊技が開始され、演出制御基板33が主制御基板30から特別遊技開始コマンドを受信すると、特別遊技演出制御部111は第1演出パターン105aから特別遊技判定結果に対応する演出パターンを決定する。図例では特別遊技演出制御部111はドラマ演出を選択し、特別図柄変動中に行われたドラマ演出に関連するドラマ演出をタイミングt3から開始する。そして、タイミングt4にて特別遊技が終了されるのに応じてドラマ演出を終了させる。このように確定演出を特別図柄変動中に行って遊技者に特別遊技判定結果を報知することにより、遊技者に対して特別遊技を行うことを認識させることができるため、遊技者は特別遊技が開始するとすぐにこれに応じて遊技を進めることができる。
次に第2演出モードM2に含まれる特別図柄変動及び特別遊技における演出について説明する。図21(a)は、第2演出モードM2における特別図柄変動及び特別遊技における演出の遷移の一例を示すタイミングチャートである。タイミングt1において特別図柄変動が開始すると、変動開始コマンドが主制御基板30から演出制御基板33に送信される。そして、演出制御基板33が当該コマンドを受信すると、特定遊技演出制御部110は第2演出モードM2であることを確認し、ROM33bから第2演出パターン105bを読み出して図柄変動演出の演出パターンを決定する。図例のように疑似連演出と、操作演出と、リーチ演出を含む演出パターンをした場合、特定遊技演出制御部110はそれぞれの演出を所定のタイミングにおいて行わせる。疑似連演出とは、変動している装飾図柄がハズレを示す態様で変動を停止し、停止した装飾図柄を微動させる状態(以下、「仮停止」という)を所定時間継続した後に、再び装飾図柄の変動を開始させるという再変動演出が実行される演出をさす。図例における疑似連演出は、リーチ演出へ移行することを示唆するリーチ示唆演出として機能する。また、第2演出モードM2におけるリーチ示唆演出の一態様として、所定のキャラクター等の画像をリーチ演出開始前に表示することが挙げられる。特定遊技演出制御部110は第2演出モードM2においてリーチ演出を行う演出パターンを選択することが可能である。タイミングt5において特別図柄変動が終了すると、特定遊技演出制御部110は図柄変動演出を終了させる。そして、タイミングt5において特別遊技が開始されると、特別遊技演出制御部111は第2演出パターン105bから特別遊技演出を決定し、決定した特別遊技演出を行わせる(図示せず)。
第2演出モードM2の特別図柄変動では、操作演出が行われる。これにより、遊技者は、遊技者自身が参加しているかのような内容の演出を楽しむことができる。そして、第2演出モードM2の特別図柄変動において特別遊技判定に当選した場合に、遊技者は自分の操作により当選したと思うため、より当選における達成感を高めることができる。本実施形態において、第2演出モードM2に含まれる変動表示の回数が、第1演出モードM1又は第3演出モードM3のそれぞれに含まれる変動表示の回数より多く設定される。これにより、特定遊技状態ST4において遊技者が参加する操作演出が多く行われることになり、遊技における集中度及び特別遊技判定当選における達成度を高めることができるのである。
最後に、第3演出モードM3における特別図柄変動及び特別遊技における演出について説明する。図21(c)は、第3演出モードM3における特別図柄変動及び特別遊技における演出の遷移の一例を示すタイミングチャートである。タイミングt1において特別図柄変動が開始されると、主制御基板30から演出制御基板33に対して変動開始コマンドが送信され、演出制御基板33が変動開始コマンドを受信すると特定遊技演出制御部110は第3演出モードであることを確認し、ROM33bに格納される第3演出パターン105cを読み出す。そして、変動開始コマンドに応じた演出パターンを決定する。なお、第3演出モードM3は図17に示すように特定遊技状態ST4における演出モードのうち最後に位置する演出モードである。そのため、第3演出モードM3において特定遊技演出制御部110はリーチ演出を行う演出パターンを選択しないとしてもよい。リーチ演出を行う場合、特別図柄変動時間が比較的長くなるため、リーチ演出を行わないことによってリーチ演出を行う場合に比べて特別図柄変動時間を短く設定でき、特別遊技判定の結果を早期に遊技者に報知することが可能となる。特に特定遊技状態ST4における変動表示の残り回数が少なくなる演出モードにおいて、遊技者は高確率の遊技状態が継続するうちに特別遊技判定に当選したいと考えるため、特別遊技判定結果が早く表示されることを望み、特別図柄変動が長引くことを嫌う。そこで、第3演出モードM3において特定遊技演出制御部110はリーチ演出を行う演出パターンを選択しないことにより、特別遊技判定結果を早期に遊技者に対して報知可能となるのである。
これとは異なり、第3演出モードM3においてリーチ演出を行ってもよい。例えばリーチ演出の一態様は、装飾図柄12aと12cが同じ図柄を示して停止し、装飾図柄12bのみが継続的に変動を行う。装飾図柄12bは所定時間変動を行った後に停止して特別遊技判定結果を遊技者に対して報知する。なお、第3演出モードM3においてリーチ演出を行う場合に、リーチ演出へ移行することを示唆するリーチ示唆演出を行ってもよいし、行わなくともよい。リーチ示唆演出を行う場合、例えば疑似連演出をリーチへの移行前に行ってもよい。また、リーチへの移行前に、所定のキャラクター等の画像を表示させてもよい。他方、リーチ示唆演出を行わない場合には、遊技者はリーチに移行するか否かを意識することなく操作演出に集中できる。
また、第3演出モードM3では、例えば操作演出において遊技者に操作ボタン6を連打することを求め、操作ボタン6の連打回数に応じた演出が行われる。これにより、遊技者は特定遊技状態ST4の最後の演出モードにおいて特別遊技判定に当選するため、集中して操作ボタン6の操作を行う。特に、本実施形態のように第3演出モードM3に含まれる変動回数を、他の演出モードに含まれる変動回数に比べて少なく設定することにより、遊技者は第3演出モードM3において特別遊技判定に当選することへのプレッシャーをより強く感じながら操作ボタン6を操作するため、遊技への集中度が高まり、特別遊技判定に当選した場合には、他の演出モードにおいて当選するよりも大きな達成感、充実感を得ることができる。
図21(b)の例では、操作演出と疑似連演出とを行う演出パターンが選択されている。特別図柄変動中の所定タイミングにおいてそれぞれの演出が行われ、特別図柄変動がタイミングt3において終了すると、特定遊技演出制御部110はこれらの演出を含む図柄変動演出を終了させる。タイミングt3において特別遊技が開始されると、特別遊技演出制御部111は、第3演出モードM3に応じた第3演出パターン105cを読み出し、特別遊技演出パターンを決定する。
次に、各演出モードにおける演出が行われる場合の具体的な表示態様について説明する。まず、第1演出モードM1において変動表示が行われ、変動表示終了後に特別遊技が行われる場合の画像表示器12に表示される演出画像の表示態様につき説明する。図22は、第1演出モードM1における画面遷移の一例を示す図である。図22(a)に示すように装飾図柄12a、12b、12cが完全停止している状態において、演出制御基板33が変動開始コマンドを受信すると、図22(b)のように装飾図柄12a、12b、12cが変動を開始する。特定遊技演出制御部110によりドラマ演出を行う演出パターンが選択されている場合、画像表示器12の中央付近から装飾図柄12a、12b、12cの画像が抹消され、代わりに所定のストーリーに基づく動画像が表示される。例えば図22(c)に示すようにドラマ演出におけるストーリーに登場する人物を示す人物画像D10が画像表示器12に表示され、当該登場人物の台詞を表示する吹き出しD15も表示される。これにより、当該登場人物が所定のストーリーに基づき台詞を話していることが遊技者により認識され得る。また、画像表示器12の所定位置において小図柄120a、120b、120cを表示してもよい。小図柄により変動表示を行うことにより、遊技者は人物画像D10及び吹き出しD15を良好に看取できるため、ドラマ演出におけるストーリーを理解できる。小図柄120a、120b、120cの表示位置として、画像表示器12における人物画像D10及び吹き出しD15の表示位置とは異なる位置に表示してもよい。本実施形態において小図柄とは、装飾図柄12a、12b、12cより小さいサイズの画像により構成される図柄であり、対応する各装飾図柄12a、12b、12cの状態を反映する図柄である。小図柄は、装飾図柄を単に所定サイズに縮小させた表示態様であってもよいし、装飾図柄の数字等により構成される図柄を除いた装飾部分を除去した表示態様であってもよい。小図柄は、例えば画面G1内における端部付近などに表示される。
さらに図22(d)に示すように、例えば登場人物が台詞を話し続けながら異なった角度からの顔の表情を表示するなどして登場人物の顔の表情や動作を示す動画像を表示することにより、吹き出しD15に表示される台詞のみならず、登場人物の顔の表情や動作を総合的に認識することで遊技者はドラマや映画を見ているのと同じようにストーリーを理解することができる。図22(e)に示すように特別図柄変動が停止するタイミングにおいて小図柄120a、120b、120cを停止させることにより、特別遊技判定において当選したことを示している。なお、小図柄120a、120b、120cを同時に停止させるのではなく、左側に配置される小図柄120aと右側に配置される小図柄120cを同一図柄で停止させ、中央に配置される小図柄120bを継続的に変動させるリーチ演出を行ってもよい。小図柄と共に登場人物の人物画像D20が画像表示器12に表示され、また、当該登場人物の台詞を表示する吹き出しD15も表示されている。すなわち、小図柄が停止することにより特別遊技判定結果を遊技者に報知すると共に、ドラマ演出を継続して表示することにより特別遊技判定結果を見ながらドラマ演出も見ることができる。ドラマ演出が途切れないため遊技者はドラマ演出におけるストーリーを継続的に楽しむことができるのである。
特別図柄変動が終了して特別遊技判定結果に基づき特別遊技が行われると、図22(f)に示すように特別遊技における現在のラウンドを示すラウンド表示D25が画像表示器12の所定位置に表示される。また、遊技球が遊技盤10の右側を転動するようハンドルレバー5を操作するよう遊技者に対して指示する指示画像D30を表示してもよい。ここで、変動表示中に行われたドラマ演出の続きに当たるドラマ演出が特別遊技演出として選択されており、変動表示中に画像表示器12に表示されていたのと同じ登場人物の人物画像D10及びD20が引き続き表示されている。これにより遊技者は特別図柄変動中及び特別遊技中においてドラマ演出に基づくストーリーを楽しむことが可能となるのである。
図23は、第1演出モードM1において特別遊技判定結果を遊技者に報知する確定演出が行われる場合の画面遷移の一例を示す図である。図23(a)では画像表示器12の中央付近にて装飾図柄12a、12b、12cが変動中である。当該特定図柄変動においてドラマ演出が設定されており、図23(b)に示すようにドラマ演出が開始すると登場人物の人物画像D10が画像表示器12に表示されると共に、装飾図柄12a、12b、12cが消去され、画像表示器12の小図柄120a、120b、120cが表示される。図23(c)において小図柄120a、120b、120cが仮停止し、引き続き図23(d)のように小図柄120a、120b、120cが完全停止することにより変動表示結果が表示される。図23(e)に示すように特別遊技演出が開始すると登場人物の人物画像が画像表示器12から消去され、再度装飾図柄12a、12b、12cが画像表示器12の中央付近に表示され、特別遊技結果が遊技者に対して報知される。そして図23(f)のようにラウンド遊技が開始すると、装飾図柄12a、12b、12cが画面から消去され、図23(d)において表示されたドラマ演出の続きの動画像が表示され、特別遊技が行われる間、特別遊技演出としてドラマ演出が行われる。ドラマ演出の基づく動画像を一旦画面から消去して確定演出を行うことにより、遊技者は当該変動の結果が大当たりであったことを容易に認識できる。その後、確定演出前に行われていたドラマ演出の続きとなるドラマ演出を特別遊技において行うことで、遊技者は一連のストーリーに基づくドラマ演出を楽しみながら遊技を進めることが可能となるのである。
図24は、演出モードが第1演出モードM1になった際に、これを報知するための移行演出を行う場合における画面の遷移の一例を示す図である。図24(a)のように装飾図柄12a、12b、12cが停止した状態において新たな保留が記憶され、主制御基板30から変動開始コマンドを演出制御基板33が受信すると、演出状態設定部101は第1演出モードM1に設定する。そして、特定遊技演出制御部110は、演出開始コマンドに含まれる変動時間を確認し、移行演出を行わない場合と比べて長い演出パターンを選択し、移行演出をセットする。そして、特別図柄変動が開始すると、図24(b)に示すようにまず移行演出に基づく移行画像D40を画像表示器12に表示する。移行演出は、第1演出モードM1における変動表示の際に行われる演出とは異なる態様の演出である。移行演出が所定時間の間行われると、図24(c)に示すように再び装飾図柄12a、12b、12cが画面の中央付近に表示され、変動を開始する。そして図柄変動演出としてドラマ演出が選択された場合に、図24(d)のようにドラマ演出における登場人物の人物画像D10が表示されると共に、装飾図柄12a、12b、12cが画面から消去され、代わりに小図柄120a,120b,120cが画面において表示され、変動を行う。そして、図24(e)に示すように小図柄が完全に停止して特別遊技判定結果を表示し、特別遊技に移行させるとの判定結果である場合には、図24(f)に示すように特別遊技に移行する。そして、図柄変動演出として行われたドラマ演出と関連し、これの続きとなるドラマ演出を特別遊技演出として行う。この場合、遊技者は特別図柄変動中及び特別遊技中を通してドラマ演出のストーリーを楽しむことができる。
次に、第2演出モードM2における具体的な演出画像について説明する。図25は、第2演出モードM2における画面遷移の一例を示す図である。まず、図25(a)に示すように装飾図柄12a、12b、12cが画像表示器12の画面中央付近に表示され、しかも変動を行っている。左端と右端の装飾図柄が同じ図柄で停止することにより図25(b)ではリーチ演出が行われる。なお、リーチ演出へ移行する前に、例えば左端と右端の装飾図柄を同じ図柄で一旦仮停止させてから再び変動を開始するなどのリーチ示唆演出を行ってもよい。或いは、リーチ示唆演出として、リーチ演出へ移行する前に所定のキャラクターなどを表示させてもよい。さらにリーチ演出から発展リーチ演出に進むと、例えばキャラクター同士が対戦を行う対戦演出が開始され、人物画像D50及びD55が画面に表示される。この場合、装飾図柄は画面から消去され、代わりに画面の所定位置に小図柄120a、120b、120cを表示してもよい。小図柄を表示する場合、小図柄の両端の図柄が同図柄で停止しておりリーチ中であることが示される。対戦演出が行われる場合、図25(d)のように登場人物同士が戦う動画像等が表示される。その際、操作演出を含む場合には操作ボタン6の操作を促す画像D60が画面所定位置に表示されてもよい。図25(e)は、対戦演出が実行されて一方の登場人物が勝利していることを示す。この場合に小図柄120a、120b、120cは当たりを示す図柄にて仮停止し、微動している。最後に図25(f)に示すように小図柄において示されていたのと同内容の装飾図柄が画面中央付近に再び表示され、遊技者に対して特別遊技判定に当選したことが報知される。
図26及び27は、演出モードが第1演出モードM1から第2演出モードM2に移行して移行演出が行われる場合における画面遷移の一例を示す図である。図26(a)では装飾図柄12a、12b、12cが画面中央付近にて表示されており、これら装飾図柄は完全に停止して特別遊技判定結果を表示している。そして新たな保留が記憶されて特別遊技判定結果を表示する変動開始コマンドを演出制御基板33が受信すると、特定遊技演出制御部110は当該コマンドで指示される変動時間に応じた演出パターンを決定する。ここで、当該変動開始コマンドに含まれる変動時間は移行演出の実行可能な変動時間である。特定遊技演出制御部110は演出状態設定部101に演出モードが第1演出モードM1から第2演出モードM2へ移行するタイミングであることを確認した上で、移行演出を含む図柄変動演出パターンを決定する。決定された図柄変動演出の実行が開始されると、図26(b)に示すように第2演出モードM2への移行を示唆する移行演出が実行され、画像表示器12に移行演出画像D70が表示される。なお、図例では移行演出が行われている間、装飾図柄は表示されておらず、また、装飾図柄の変動演出は行われていない。しかし本発明はこれに限られず、移行演出を行うと共に装飾図柄を表示して変動演出を行わせてもよいし、或いは、小図柄を表示して小図柄を用いて変動演出を行わせてもよい。
そして移行演出が所定時間行われると、移行演出画像D70が画面から消去されて図26(c)のように装飾図柄12a、12b、12cが表示される。そして各装飾図柄は変動を開始し、所定時間経過後に図26(d)のように変動を停止して当該変動における特別遊技判定結果を報知する。そして新たな変動開始コマンドを受信すると、図26(e)に示すように装飾図柄が変動を開始する。当該特別図柄変動において特別遊技判定に当選する場合の演出態様として、例えば図26(f)に示すように左端と右端の装飾図柄が同じ数字を表示して停止し、リーチ演出を行うことがある。そして、通常リーチ演出が所定時間行われると、通常リーチ演出が終了して図27(g)に示すように対戦演出が開始し、図27(h)及び(i)のように所定時間対戦演出が行われた後に、装飾図柄12a、12b、12cが同じ数字を表示して変動を停止して特別遊技判定に当選したことを報知する。特別遊技判定結果が報知された後に、特別遊技ST2が開始されると特別遊技演出制御部111は図27(k)のように画像表示器12に特別遊技演出に基づく動画像等を表示させる。
次に、第3演出モードM3における特別図柄変動にて行われる図柄変動演出の表示態様を説明する。図28は第3演出モードM3における画面遷移の一例を示す図である。第2演出モードM2に含まれる変動表示が全て行われて第3演出モードM3に移行し、第3演出モードM3における最初の変動表示が開始する際には図28(a)に示すように第3演出モードM3へ移行することを示唆する移行演出が行われ、画面中央付近に移行演出画像D100が表示される。所定時間の間移行演出が行われると、移行演出画像D100が画面から消去され、装飾図柄12a、12b、12cが画面中央付近に表示され変動を開始する。そして、特別遊技判定結果に応じて図柄変動演出の演出パターンが決定される。例えば特別遊技判定に当選した場合に、図28(c)に示すように操作演出が実行されてもよい。操作演出の一例として、遊技者に操作ボタン6を連打させ、連打回数に応じて大当たりへの期待感を煽る動画像を表示することがある。そして操作演出が所定時間行われた後に特別遊技判定結果が報知される。図例では、操作ボタン6を示すボタン画像D105が画面に表示され、操作ボタン6の連打を促すメッセージ画像D109がボタン画像D105に隣接して表示される。また、操作ボタン6の連打数に応じて増減可能な値を表すインジケータD107が表示される。
図28(d)に示すように遊技者が操作ボタン6を連打すると、連打数に応じてインジケータD107の数値が高まり、目盛りが最大値へ近づいてゆく。インジケータD107の目盛りが最大値まで上昇すると大当たりに当選するような期待感を遊技者に抱かせ、遊技の興趣性を高めるのである。操作演出中は操作ボタン6の連打に遊技者の意識を集中させるため、装飾図柄を画面から消去し、代わりに画面の所定位置に小図柄120a、120b、120cを表示させて小図柄を変動させる。例えば画面におけるボタン画像D105やメッセージ画像D109、及びインジケータD107と重なり合わない位置に小図柄を表示してもよい。そして、図28(e)のようにインジケータD107の目盛りが最大値まで達すると、遊技者は特別遊技判定に当選するのではないかと強く期待する。最後に図28(f)に示すような停止した装飾図柄を画面に表示させ、特別遊技判定結果を報知する。図例では装飾図柄12a、12b、12cが同じ数字を表示して停止しており、特別遊技判定に当選したことが報知されている。
第3演出モードM3における特別図柄変動では、操作演出が行われた後にリーチ演出を行うことなく特別遊技判定結果を表示する。すなわち、第3演出モードM3が特定遊技状態ST4における最後の演出モードである場合、特定遊技状態ST4における残りの特別図柄変動回数が少なくなっており、遊技者は特定遊技状態ST4において特別遊技判定に当選することを強く望む。そのため、変動表示が開始してすぐに特別遊技判定結果を知りたいと考えるようになる。そこで、ある程度時間がかかるリーチ演出を行わないことにより特別遊技判定結果を速やかに報知することが可能となる。
これとは異なり、第3演出モードM3における特別図柄変動中にリーチ演出を行ってもよい。リーチ演出の態様の一例として、左側に配置される小図柄120aと右側に配置される小図柄120cとを同一図柄で停止させ、中央に配置される小図柄120bを継続的に変動させる。そして、小図柄120bを所定時間継続的に変動させてから所定の図柄を示して完全に停止させて特別遊技判定結果を表示する。リーチ演出へ移行する前に、リーチに移行することを示唆するリーチ示唆演出を行わない。これにより、遊技者を操作演出に集中させることができ、特定遊技状態ST4の最後の演出モードとなる第3演出モードM3において、遊技者を徒に煽ることなく遊技を進めることが可能となる。これとは異なり、第3演出モードM3においてリーチ示唆演出を行うことにより、遊技者の大当たりへの期待感を煽ってもよい。
次に、特定遊技状態ST4において疑似連演出が行われる場合を説明する。上述したように疑似連演出とは、変動している装飾図柄がハズレを示す態様で変動を停止し、停止した装飾図柄を微動させる状態(以下、「仮停止」という)を所定時間継続した後に、再び装飾図柄の変動を開始させるという再変動演出が実行される演出をさすものとする。例えば第2演出モードM2における図柄変動演出において、疑似連演出を行う演出パターンを決定してもよい。疑似連演出では仮停止を1回又は複数回行うことが可能であり、仮停止回数が多くなるのに比例して遊技者に対して与える大当たりへの期待感は増大する。図29に示すように、本実施形態において疑似連演出にレベル1乃至5が設定される。例えばレベル1においては疑似連演出にて装飾図柄の仮停止が1回行われ、レベル2では装飾図柄の仮停止が2回行われ、レベル3では装飾図柄の仮停止が3回行われ、レベル4では装飾図柄の仮停止が4回行われ、レベル5では装飾図柄の仮停止が5回行われる。そして、レベル5が期待度の最も高い場合であり、ここからレベルが下がる毎に期待度が低くなる。
図29の疑似連レベル判定テーブルにて例示するように、リーチ演出を行うことなくハズレとなる特別遊技判定結果において疑似連演出を行う場合、レベル1が選択される確率が最も高く、次いでレベル2、レベル3の順に選択される確率が低くなる。そして、この場合においてレベル4及び5は選択されない。次にリーチ演出を行った後にハズレとなる特別遊技判定結果において疑似連演出を行う場合、レベル4が選択される可能性が最も高く、次いでレベル3,レベル2,レベル1の順に選択される確率が低くなる。最後に、特別遊技判定結果が大当たりであるときに疑似連演出を行う場合、レベル5が選択される確率が最も高く、50%以上の確率でレベル5が選択されてもよい。次いでレベル4,レベル3,レベル2の順に選択される確率が低くなり、レベル1は選択されない。このように、大当たり又はリーチ有りのハズレの場合、レベル4やレベル5の疑似連演出が設定される可能性が高く、他方、リーチ無しのハズレの場合、レベル1やレベル2が選択される可能性が高く設定することにより、仮停止回数が増えるのに比例して特別遊技判定に当選する確率が高まる。そうすると、仮停止回数が増えるのに比例して遊技者の大当たりへの期待度も高まるのである。
図30は、疑似連演出が行われる場合の画面遷移の一例を示す図である。図30(a)は第2演出モードM2における図柄変動演出が行われる画面の例である。装飾図柄12a、12b、12cが画面中央付近に表示されると共に、特別遊技状態ST4における特別図柄変動の残り回数を示す残回数カウンタD120が表示される。残回数カウンタD120はRAM33cに保存される特定遊技カウンタ103に対応し、特別図柄変動が1回行われる毎に値を1ずつ減じる。図30(b)に示すように新たに特別図柄変動が開始することに伴い装飾図柄12a、12b、12cが変動を開始すると、残回数カウンタD120に示される値が1減算される。当該特別図柄変動が終了して装飾図柄が完全に停止して特別遊技判定結果が報知された(図30(c))後に、さらに特別図柄変動が開始する。ここで、当該特別図柄変動に対応する図柄変動演出において疑似連演出を行う場合、図30(d)において装飾図柄の変動が開始し、所定時間経過後に装飾図柄の変動を仮停止させる(図30(e))。図30(e)に示すように、装飾図柄12a、12b、12cは仮停止している間、変動を停止した状態で微動している。これにより遊技者に対して仮停止であることが示され、疑似連演出が実行されていることを示唆するのである。所定時間仮停止を継続させた後に装飾図柄の変動を再開する(図30(f))。ここで、装飾図柄の変動が開始しても残回数カウンタD120の値を1減算することなく従前の値を維持するカウントロック演出を合わせて実行してもよい。図30(f)では、新たな特別図柄変動が開始したにもかかわらず残回数カウンタD120の値は1減算されないで従前の値「58」の表示を維持している。疑似連演出を行う際に合わせてカウントロック演出も行うことにより、遊技者には疑似連演出が行われていることがより明確に示される。
図31は、カウントロック演出における表示態様とこれに対応する期待度との関係を示した表である。カウントロック演出において、残回数カウンタD120の表示態様として例えばレベル1乃至3の3つの態様がある。レベル1は残回数カウンタD120の表示を変化させずに微動させる態様であり、大当たりへの期待度が低い場合に選択される。レベル2は残回数カウンタD120にチェーンが巻き付けられ、合わせて「HOLD!」の文字を表示する態様であり、大当たりへの期待度がレベル1と比べて高くなる中程度の場合に選択される。レベル3は残回数カウンタD120にワイヤが巻き付けられ、合わせて「HOLD!」の文字を表示する態様であり、大当たりへの期待度が最も高い場合に選択される。
図32は、カウントロック演出が実行される場合に選択されるレベルを判定する判定テーブルの一例である。カウントロック演出を行う場合にいずれのレベルを選択するかは、疑似連演出におけるレベルに対応する。すなわち、疑似連演出において大当たりへの期待度が高いレベルが選択される場合、カウントロック演出においても期待度が高いレベルが選択される。また、疑似連演出において大当たりの期待度が低くなるのに応じて、カウントロック演出においても期待度が低いレベルが選択される。図例では、特別遊技判定結果がリーチ無しハズレである場合、疑似連演出のレベル1が選択される確率が最も高く、次いでレベル2又はレベル3が選択される可能性が高くなっており、レベル4又はレベル5が選択されることはない。そして、疑似連演出のレベル1が選択される場合にカウントロック演出のレベル1の態様が選択され、疑似連演出におけるレベル2が選択される場合にカウントロック演出のレベル2の態様が選択される。特別遊技判定結果がリーチ無しハズレである場合、カウントロック演出のレベル3の態様は選択されない。次に特別遊技判定結果がリーチ有りハズレである場合、疑似連演出のレベル3又はレベル4が選択される確率が最も高く、この場合にカウントロック演出のレベル2の態様が選択される。次いで疑似連演出のレベル1又はレベル2が選択される確率が高くなっており、この場合にカウントロック演出のレベル1の態様が選択される。なお、リーチ有りハズレの場合、疑似連演出におけるレベル5の態様は選択されず、また、カウントロック演出のレベル3の態様は選択されない。最後に、特別遊技判定結果が大当たりである場合、疑似連演出におけるレベル4又はレベル5の態様が選択される可能性が最も高く、図例のように90%程度の確率で選択される。疑似連演出におけるレベル4又はレベル5の態様が選択されるとき、カウントロック演出においてレベル3の態様が選択される。そして、次いで疑似連演出におけるレベル3の態様が選択される確率が高く、この場合にカウントロック演出のレベル2の態様が選択される。特別遊技判定結果が大当たりである場合に疑似連演出のレベル1又はレベル2の態様が選択される確率は極めて低く、疑似連演出のレベル1又はレベル2の態様が選択されたとき、カウントロック演出のレベル1が選択される。上述したように、カウントロック演出のレベルは疑似連演出のレベルに応じて選択される。そして、疑似連演出のレベルは、大当たりへの期待度の高さに応じて選択されることからすると、カウントロック演出のレベルは大当たりへの期待度に対応するといえる。すなわち、カウントロック演出においてレベル3の態様が最も大当たりに当選する期待度が高く、次いでレベル2の態様において大当たりに当選する期待度が高く、レベル1の態様が最も大当たりに当選する期待度が低い。
図33及び図34は、第2演出モードM2での特別図柄変動において疑似連演出及びカウントロック演出が行われる場合の画面遷移の例を示す図である。図33(a)において装飾図柄12a、12b、12cが停止した状態で特別遊技判定結果を表示している。新たに特別図柄変動が開始するのに伴い、図33(b)に示すように装飾図柄が変動を開始するのに伴い、残回数カウンタD120に表示される値が装飾図柄の変動開始に伴い1減じられる。図33(b)のように残回数カウンタD120の表示態様がカウントロック演出のレベル3の態様に変化すると、遊技者は疑似連演出が実行されることを認識可能であり、しかも、カウントロック演出のレベル3の態様で表示されていることから、当該特別図柄変動の結果において特別遊技判定に当選している可能性が高いのではないかと推測できる。よって、遊技者は期待感を持って遊技を進めることができる。次いで図33(c)に示すように装飾図柄が仮停止すると、変動を停止したまま装飾図柄が微動する状態が所定時間継続する。そして、所定時間経過後に図33(d)のように装飾図柄の変動が再開する。この場合に残回数カウンタD120の値は1減じられることなく従前の値が維持される。図33(e)のように再度装飾図柄が変動を停止して2度目の仮停止を行うと、装飾図柄が所定の図柄を表示しながら微動する状態が所定時間継続する。所定時間経過後に装飾図柄が再び変動を開始すると共に、残回数カウンタD120の値は1減じられることなく従前の値が維持される。そして、図34(g)のように左端と右端の装飾図柄が停止するとリーチ演出が開始され、さらに図34(h)〜図34(j)に示すような戦闘演出に発展する。戦闘演出が実行されると装飾図柄が画面から消去され、登場人物同士が戦闘を行う動画像が表示される。なお、戦闘演出実行中に画面に小図柄が表示され、継続的に変動してもよい。所定時間の間、図34(h)〜図34(j)のような戦闘演出が行われた後、図34(k)に示すように再度装飾図柄12a、12b、12cが停止した状態で画面中央付近に表示され、当該特別図柄変動の結果が大当たりであったことを報知する。図18で例示したように第2演出モードM2における図柄変動演出ではリーチ演出を行うことがあり、第1演出モードM1や第3演出モードM3と比べて長い変動時間を設定される場合がある。このように長い変動時間を設定された場合に疑似連演出を実行可能であり、遊技の興趣性を高めることができる。また、図18に示したように第2演出モードM2に含まれる特別図柄変動の回数を最も多くなるよう演出モードを設定する場合、第2演出モードM2において特別遊技判定に当選する期待値が最も高くなる。そうすると、期待値の最も高い第2演出モードM2において、疑似連演出やカウントロック演出を行うことにより遊技者の期待感を煽ることができ、大当たりに当選した場合、遊技者は一種の達成感を得ることができる。
図33及び図34では第2演出モードM2にて行われる図柄変動演出として疑似連演出やカウントロック演出を設定する例を示したが、第2演出モードM2に限られず、第3演出モードM3において疑似連演出やカウントロック演出を設定してもよい。図35及び図36は、第3演出モードM3において疑似連演出及びカウントロック演出が実行される場合の画面変遷の例を示す図である。図35(a)では、第2演出モードM2における最後の特別図柄変動が終了し、これに応じて装飾図柄12a、12b、12cが完全に停止して特別遊技判定結果がハズレであることを遊技者に報知している。ここで特別図柄変動を行う変動表示コマンドを演出制御基板33が受信すると、特定遊技演出制御部110は演出モードが第3演出モードM3に移行することを確認し、変動時間に応じて移行演出を行う演出パターンを選択する。特別図柄変動が開始すると、図35(b)に示すようにまず移行演出を実行し、第3演出モードM3へ演出モードが移行することを遊技者に示唆する。所定時間の間移行演出が行われると、図35(c)のように装飾図柄12a、12b、12cが画面中央付近に表示され、変動を開始する。これに伴い、残回数カウンタD120の値が「6」から1減じられて「5」に変化する。そして、操作演出が実行されると、装飾図柄が画面から消去され、操作ボタン6を連打するよう指示する表示が画面に表示される。装飾図柄が画面から消去されると共に小図柄120a、120b、120cが画面上の所定位置に表示されて変動を継続し、図35(d)のように特別図柄変動終了の際に完全停止して特別遊技判定結果を報知してもよい。図35(e)のように次の特別図柄変動が開始すると、操作演出が実行されて操作ボタンを連打するよう指示する画像が表示される。また、小図柄120a、120b、120cの変動が開始するのに伴い、残回数カウンタD120の値が「5」から1減じられて「4」に変化する。
当該特別図柄変動に対応する図柄変動演出において疑似連演出及びカウントロック演出が設定される場合、図35(f)のように小図柄が仮停止すると共に、残回数カウンタD120の表示態様がカウントロック演出のレベル3の態様に変化する。疑似連演出と共にカウントロック演出を行うことにより、遊技者は疑似連演出が行われていることを良好に認識可能である。小図柄の仮停止が所定時間継続した後に、図36(g)に示すように小図柄の変動が再開されると共に、カウントロック演出により残回数カウンタD120の値が1減じられることなく「4」のまま表示される。再び図35(h)にて小図柄が仮停止し、所定時間が経過した後に図35(i)に示すように再度変動を開始する。仮停止が複数回連続することにより、遊技者は当該特別図柄変動において大当たりに当選するのではないかとの期待を強く抱くことができる。そして、操作演出において操作ボタン6を精力的に操作してインジケータD107に表示される値を上げるようになり、遊技への集中が高まる。図36(j)に示すようにインジケータの目盛りが最大値を示し、その後に大当たりに当選したことを報知する装飾図柄12a、12b、12cが表示されると(図36(k))、遊技者は達成感を得ることができる。最後に、遊技者は図36(l)において示されるような特別遊技を行う。第3演出モードM3は特定遊技状態ST4における最後の演出モードであり、そのため特別図柄変動の残り回数が少なくなっている。そうすると、第3演出モードM3において遊技者は、特定遊技状態ST4が継続する間に特別遊技判定に当選することを強く望んでいる。このような状態で疑似連演出やカウントロック演出を実行することにより、遊技者は大当たりへの期待感を強く抱き、遊技への集中力が高まる。
次に、第2演出モードM2における図柄変動演出として戦闘演出が行われる場合、戦闘演出に合わせて行われる選択演出につき説明する。選択演出とは、演出途中で選択肢を遊技者に選ばせ、選ばれた選択肢に対応する演出を実行するものである。ここで選択肢には「武器」などのアイテムであったり、味方キャラクターであったり、ストーリーであってもよく、演出を分岐させるための選択肢を広く含む。
図37は、第2演出モードM2で戦闘演出が行われる場合に戦闘演出実行中に行われる選択演出の画面遷移の一例を示す図である。図37(a)において、選択演出の画面は、複数の武器アイテムが表示された正面視左から右へスクロールする帯状のリール画像D150と、リール画像D150に表示される武器アイテムの中からいずれかの武器を選択するか確定させる選択枠D160と、リール画像D150がスクロールしている間の所定タイミングにて操作ボタン6を押下操作するよう促す演出ボタン画像D155とを備える。リール画像D150は、武器Aを表示した選択肢D150aと、武器Bを表示した選択肢D150bと、図37(a)に表示されていないが、武器Cを表示した選択肢D150cと、武器Dを表示した選択肢D150dをさらに備える。図37(b)に示すようにリール画像D150は矢印方向にスクロールすると、画面に例えば武器A、武器B、武器C、武器Dの順に左から表示される。そして、画面を左から右方向へ移動して、武器A、武器B、武器C、武器Dの順に画面の右端に到達した順に消去される。なお、リール画像には武器A乃至武器Dが並ぶとは限らず、例えば武器B、武器C、武器Dで構成される場合や、武器C及び武器Dで構成される場合、或いは武器Dのみで構成される場合もあり得る。そして、図37(c)に示すように、リール画像のスクロールが停止したときに選択枠D160内に表示される武器が選択される。図例では選択枠D160内に表示されている武器Cが選択されたということになる。いずれの武器が選択されるかは乱数判定により予め決定される。もっとも、遊技者が操作ボタン6を操作するタイミングにより必ずしも予め決定された武器アイテムが選択されるとは限らない。
図38(a)に示すように各武器アイテムはそれぞれ異なる期待度を有しており、例えば武器Aが最も期待度が低く、武器B、武器C、武器Dの順に期待度が高く設定される。図38(b)は武器アイテム選択テーブルの一例を示す図である。特別遊技判定結果がリーチ演出を行うことなくハズレとなる場合(リーチ無しハズレ)において、武器Aが選択される確率が最も高く、次いで武器B、武器Cの順に選択される確率が低く設定される。なおリーチ無しハズレの場合、武器Dが選択されることはない。次に特別遊技判定結果がリーチ演出を行った後にハズレとなる場合(リーチ有りはズレ)において、武器Cが選択される確率が最も高く、次いで武器B、武器A、武器Dの順に選択される確率が低い。最後に、特別遊技判定結果が大当たりである場合において、武器Dが選択される確率が最も高く、次いで武器C、武器Bの順に選択される確率が低くなるよう設定される。なお、大当たりの場合に武器Aが選択されることはない。
このように乱数判定により予め決定される武器アイテムを「選択アイテム」といい、実際に選択された武器アイテムを「確定アイテム」という。上述したように遊技者が操作ボタン6を操作するタイミングによって、必ずしも選択アイテムが実際に選択されるとは限らず、選択アイテムと確定アイテムとが異なることが生じうる。演出制御基板33における操作演出制御部(図示せず)は、図37(b)のように遊技者が操作ボタン6を操作した時点で選択肢の右端が選択枠の右端より右側にある場合、当該選択肢は選択枠を通り過ぎたものとして扱われ、選択されない。そして、当該選択肢の左側に表示される選択肢を選択する。
また、遊技者が操作ボタン6を押下操作した時点で選択アイテムが選択枠内にある場合、操作演出制御部は選択アイテムが選択枠内に表示される状態でリール画像D150を停止させる。この場合、選択アイテムと確定アイテムとは一致する。これに対して、遊技者が操作ボタン6を押下操作した時点で選択アイテムが選択枠内にない場合、リール画像を右方向に滑らせて選択アイテムが選択枠内にある状態でリール画像を停止させることが可能である。このように設定することにより、例えば遊技者が操作ボタン6を押下したタイミングでリール画像を停止させると選択アイテムと比べて著しく期待度が高い武器アイテムを確定アイテムとしてしまったり、或いは選択アイテムと比べて著しく期待値が低い武器アイテムを確定アイテムとしてしまう事態が起こるのを回避し、選択アイテムの期待値と同じ又は僅差の武器アイテムを確定アイテムとすることが可能となる。リール画像D150を滑らせることが可能な選択肢の数は所定値に設定可能であるが、所定値は「選択肢の数(N)−2」を最大値とする。なぜなら、この値を超えると、遊技者がいつ操作ボタン6を押下操作しようとも必ず選択アイテムが選択枠内に表示させた状態で停止することが可能となってしまい、遊技の興趣性を著しく損なうからである。
図39は、操作ボタン6の押下タイミングに応じたリール画像D150の停止態様の一例を示すテーブルである。リール画像D150における選択肢として配列される武器アイテムの配列パターンの例としてパターン1乃至4の配列態様を例示する。そして、例えばパターン1において、乱数抽選により選択された選択アイテムが武器Aであり、遊技者が操作ボタン6を押下操作したタイミングがリール画像D150における「1」が選択枠D160内にある位置であった場合、リール画像D150は「1」が選択枠D160内にある位置で停止し、その結果選択される武器アイテムは武器Aである。この場合、リール画像D150は滑ることなく押下タイミングに応じて停止する。同じくパターン1において、乱数抽選により選択された選択アイテムが武器Aであり、遊技者が操作ボタン6を押下操作したタイミングがリール画像D150における「2」が選択枠D160内にある位置であった場合、リール画像D150は「2」が選択枠D160内にある位置で停止し、その結果選択される武器アイテムは武器Bである。この場合、選択アイテム(武器A)と確定アイテム(武器B)とは相異するが、図38(a)に示すように武器Aと武器Bの期待度に大きな差はない。また、図例の配列の場合、リール画像D150を滑らせることが可能な選択肢の数は2であるため、リール画像D150を滑らせたとしても武器C又は武器Dを確定アイテムとすることができるだけであり、これでは選択アイテムである武器Aとの期待度の差が大きくなる。そこで、リール画像D150を滑らせることなく、武器Bの配列位置「2」が選択枠D160内にある時点において停止させたのである。他方、操作ボタン6の押下タイミングが選択枠D160内に配列位置「3」にある武器Cが表示されるときである場合、リール画像D150は2つの選択肢を滑ることにより配列位置「1」において停止する。この場合、選択枠D160内に武器Aが表示され、選択アイテムと確定アイテムが共に武器Aとなる。
次に、演出制御基板33において行われる主たる動作手順につき説明する。図40は、演出制御基板33における主要動作を示すフローチャートである。演出制御基板33のCPU33aは、電源投入時などの特殊な場合を除き、通常の動作時において図40に示すフローチャートに基づく処理を繰り返し実行する。
演出制御基板33は、まず主制御基板30から遊技データを受信したか否かを判定し(ステップS1001)、遊技データを受信したと判定した場合(ステップS1001でYES)、遊技データ受信処理を行う(ステップS1002)。この遊技データ受信処理では、主制御基板30から受信した遊技データをRAM33cの所定の記憶領域に保存する。他方、遊技データを受信していないと判定した場合(ステップS1001でNO)、遊技データ受信処理(ステップS1002)をスキップする。次に、主制御基板30から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS1003)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1003でYES)、特別図柄変動に対応する図柄変動演出の演出パターンを決定する変動演出決定処理を行い(ステップS1004)、変動演出を開始する(ステップS1005)。変動演出決定処理の具体的な処理手順については後述する。主制御基板30から変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1003でNO)、ステップS1004及びS1005の処理をスキップする。
次に、図柄変動演出を実行中であるか否かを判定し(ステップS1006)、図柄変動演出中であると判定した場合(ステップS1006でYES)には変動中処理を行う(ステップS1007)。変動中処理の具体的な処理手順については後述する。図柄変動演出を実行中でないと判定した場合(ステップS1006でNO)、変動中処理(ステップS1007)をスキップする。
次に図柄変動演出を停止させる変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS1008)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1008でYES)、図柄変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(ステップS1009)。変動演出終了処理の具体的な処理手順については後述する。他方、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1008でNO)、変動演出終了処理(ステップS1009)をスキップする。
次に、主制御基板30から特別遊技演出を開始させるための特別遊技開始コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS1010)、特別遊技開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1010でYES)、特別遊技演出を決定して開始する特別遊技演出開始処理を行う(ステップS1011)。特別遊技演出開始処理の具体的な処理手順については後述する。他方、特別遊技開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS1010でNO)、特別遊技演出開始処理(ステップS1011)をスキップする。次に演出制御基板33は、主制御基板30から特別遊技演出を終了させるための特別遊技終了コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS1012)、特別遊技終了コマンドを受信したと判定した場合(ステップS1012でYES)、特別遊技演出を終了させる(ステップS1013)。特別遊技終了コマンドを受信していないと判定した場合には(ステップS1012でNO)、ステップS1013をスキップする。最後に、その他のコマンドを受信したか否かを判定し(ステップS1014)、受信したと判定した場合(ステップS1014でYES)には受信したコマンドに応じた演出処理を行わせて(ステップS1015)ステップS1001に戻る。
図41は、変動演出決定処理(図40のステップS1004)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。演出制御基板33はまず主制御基板30から受信した変動開始コマンドに含まれる変動時間を確認する(ステップS1101)。次に、遊技機1の遊技状態が特定遊技状態ST4であるか否かを判定し(ステップS1102)、特定遊技状態ST4であると判定した場合(ステップS1102でYES)、演出モードの移行タイミングであるか否かを判定する(ステップS1103)。演出モードの移行タイミングであると判定した場合(ステップS1103でYES)、ステップS1101で確認した変動時間に応じて移行演出を含む演出パターンを選択する(ステップS1104)。他方、演出モードの移行タイミングでないと判定した場合(ステップS1103でNO)、変動時間に応じて移行演出を含まない演出パターンを選択する(ステップS1105)。
ステップS1102において、特定遊技状態ST4でないと判定された場合(ステップS1102でNO)には変動時間に応じた演出パターンを選択する(ステップS1106)。演出パターンが選択された後に、選択した演出パターンを画像演出基板等へ送信するようセットして(ステップS1107)変動演出決定処理を終了する。
図42は、変動中処理(図40のステップS1007)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。演出制御基板33は、実行中の演出パターンに疑似連演出が設定されているか否かを判定し(ステップS1201)疑似連演出が設定されていないと判定した場合(ステップS1201でNO)、変動中処理を終了する。疑似連演出が設定されている判定した場合(ステップS1201でYES)、装飾図柄が仮停止中であるか否かを判定する(ステップS1202)。仮停止中であると判定した場合(ステップS1202でYES)、さらに当該仮停止を終了させるタイミングであるか否かを判定する(ステップS1203)。仮停止を終了させるタイミングであると判定した場合(ステップS1203でYES)、仮停止を終了させて(ステップS1204)装飾図柄の変動を再開させて(ステップS1205)変動中処理を終了する。なお、仮停止演出と共にカウントロック演出が設定されている場合には、装飾図柄の変動を再開させる際にカウントロックを実行し、残回数カウンタD120に表示される値を維持する。
他方、装飾図柄が仮停止中でないと判定した場合(ステップS1202でNO)、さらに装飾図柄の仮停止を開始するタイミングであるか否かを判定する(ステップS1210)。仮停止を開始するタイミングでないと判定した場合(ステップS1210でNO)、変動中処理を終了する。他方、仮停止を開始するタイミングであると判定した場合(ステップS1210でYES)、装飾図柄を仮停止させて変動中処理を終了する。
図43は、変動演出終了処理(図40のステップS1009)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。演出制御基板33は、主制御基板30から変動停止コマンドを受信すると、装飾図柄の変動を停止させて(ステップS1301)特別遊技判定結果を遊技者に対して報知する。次に、図柄変動演出としてドラマ演出を実行中であるか否かを判定し(ステップS1302)、ドラマ演出を実行中であればドラマ演出フラグをオンにする(ステップS1303)。特定遊技状態ST4の第1演出モードM1で行われる特別図柄変動においてドラマ演出が設定される場合、特別図柄変動において行われたドラマ演出と関連するドラマ演出が、当該特別図柄変動に続く特別遊技においても設定される。そこで、ドラマ演出フラグをオンにし、例えばRAM33cの所定の記憶領域に格納されるドラマ演出テーブル(図示せず)を更新する。図柄変動演出としてドラマ演出が実行中でないと判定した場合、ステップS1303をスキップする。最後に、演出制御基板33は図柄変動演出を終了させて変動演出終了処理を終了する。
図44は、特別遊技演出開始処理(図40のステップS1011)の詳細な処理手順の一例を示したフローチャートである。まず、演出制御基板33は、主制御基板30から受信した特別遊技開始コマンドから大当たりの種別を確認する(ステップS1401)。次に、ドラマ演出フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS1402)、ドラマ演出フラグがオンであると判定した場合(ステップS1402でYES)、当該特別遊技の直前に行われた特別図柄変動において行われていたドラマ演出と関連するドラマ演出の演出パターンを選択する(ステップS1404)。なお、特別図柄変動において行われていたドラマ演出については、例えばRAM33cのドラマ演出テーブル(図示せず)を参照して確認する。特別遊技演出として行うドラマ演出を選択した後、ドラマ演出フラグをオフにする(ステップS1405)。他方、ドラマ演出フラグがオンでないと判定した場合(ステップS1402でNO)、ドラマ演出とは異なる特別遊技演出パターンを選択する(ステップS1403)。演出パターンを選択すると、演出制御基板33は画像制御基板34やランプ制御基板35にコマンドとして送信する演出パターンをセットして(ステップS1406)特別遊技演出開始処理を終了する。
なお、第1演出モードM1においてドラマ演出を実行する場合に、特別図柄変動及び特別遊技を通して一連のストーリーからなるドラマ演出を実行してもよい。ドラマ演出が途中で途切れることなく実行されることにより、遊技者は特別図柄変動及び特別遊技において継続して当該ドラマ演出におけるストーリーを楽しむことができる。そこで、特別図柄変動が開始して特別遊技が終了するまでの間、ドラマ演出を途切れることなく実行させるため、変動演出終了処理(図43のフローチャート)及び特別遊技演出開始処理(図44のフローチャート)において説明した処理手順とは異なる手順で処理を行ってもよい。
図45は、ドラマ演出実行中に変動停止コマンドを受信した場合における変動演出終了処理(図40のステップS1009)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。演出制御基板33は、主制御基板30から変動停止コマンドを受信すると、装飾図柄の変動を停止させて遊技者に対して特別遊技判定結果を報知する(ステップS1501)。次に、ドラマ演出を実行中であるか否かを判定し(ステップS1502)、ドラマ演出を実行中でないと判定した場合(ステップS1502でNO)、図柄変動演出を終了させて(ステップS1503)変動演出終了処理を終了する。他方、ドラマ演出を実行中であると判定した場合(ステップS1502でYES)には、ステップS1503をスキップして変動演出終了処理を終了する。これにより、実行中のドラマ演出は特別図柄変動が終了してから特別遊技が開始するまでの間においても停止させられることなく継続的に実行される。
図46は、特別図柄変動終了後も継続的に実行される場合における特別遊技演出開始処理(図40のS1011)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。特別遊技開始コマンドを受信すると、演出制御基板33はまずドラマ演出を実行中であるか否かを判定する(ステップS1601)。ドラマ演出を実行中でないと判定した場合(ステップS1601でNO)、特別遊技開始コマンドから大当たりの種別を確認する(ステップS1602)。そして、大当たりの種別に応じた演出パターンを選択し(ステップS1603)、画像制御基板34やランプ制御基板35に送信するコマンドとして演出パターンをセットして(ステップS1604)特別遊技演出開始処理を終了する。他方、ドラマ演出を実行中であると判定した場合(ステップS1601でYES)、ステップS1602乃至S1604の処理をスキップして特別遊技演出開始処理を終了する。ドラマ演出が実行されている場合には継続してこれを実行させ、大当たりに応じた演出パターンを新たに設定することなく特別遊技演出開始処理を終了することにより、特別図柄変動および特別遊技において継続してドラマ演出を実行させることが可能となるのである。
以上のように本実施形態の遊技機1は、始動条件成立により遊技者に有利な遊技状態へ移行させるか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定部52と、特別遊技判定部52による特別遊技判定の結果を表示するため特別図柄の変動表示を行う特別図柄変動制御部53と、特別遊技判定部52により特別遊技状態へ移行させると判定されたことを条件として特別遊技の制御を行う特別遊技制御部54と、特別遊技状態終了後に所定回数の変動表示が行われる間の遊技状態を通常遊技状態とは異なる特定遊技状態ST4に設定する遊技状態設定部55と、変動表示中に所定の演出を演出手段に行わせる演出制御部102と、特定遊技状態において行われる所定回数の変動表示を複数に分割し、それぞれ異なる演出状態を設定する演出状態設定部101とを備え、演出制御部102は、特定遊技状態ST4において特別遊技状態終了後に行われた変動表示の回数に応じて演出状態設定部101により設定された演出状態に対応する演出を行わせ、演出状態設定部101により設定された演出状態が異なる演出状態へ移行する際、演出状態の移行を示唆する移行演出を行わせることを特徴とする。特定遊技状態ST4において演出状態が移行する際に演出状態の移行を示唆する移行演出を行うことにより、特定遊技状態ST4において遊技者に新たな演出状態に対する期待感を抱かせることが可能であり、遊技の興趣性を高める。
上記実施形態において述べた場合のほか、本発明は種々の変形例を含む。
また、上記実施形態において、第1演出モードM1における特別図柄変動時及び特別遊技時に実行される演出として、所定のストーリーを感得させるドラマ演出を実行する場合について説明したが、本発明はこれに限られず、キャラクターの動画像が表示される演出であって特段ストーリーを感得させるような演出でなくともよい。また、特別図柄変動時と特別遊技時に行われる演出が一連の内容を有する演出である場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば同一のキャラクターが特別図柄変動時と特別遊技時に行われる演出において登場するなど、両者の演出が関連性を有する場合を広く含むものである。
また、上記実施形態において、第2演出モードM2において特別図柄変動時に行われる演出でリーチ演出を行い、第1演出モードM1及び第3演出モードM3において特別図柄変動時に行われる演出がリーチ演出を行わない場合について説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、第1演出モードM1及び第3演出モードM3における特別図柄変動時にリーチ演出を行ってもよく、或いは、第2演出モードM2における特別図柄変動時にリーチ演出を行わないものであってもよい。
また、上記実施形態において、遊技状態が特定遊技状態ST4に移行した場合に演出モードを分割し、各演出モードにより異なる態様の演出を行う場合について説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば時短遊技状態ST3において複数の変動表示を分割してそれぞれ異なる演出モードを設定し、演出モードごとに異なる態様の演出を行ってもよい。同様に、所定回数の変動表示が行われる間、時短を含まない高確率遊技状態が設定される場合において、複数の変動表示を分割してそれぞれ異なる演出モードを設定し、演出モードごとに異なる態様の演出を行ってもよい。
また、上記実施形態において第1演出モードM1、第2演出モードM2及び第3演出モードM3において、可動役物の可動態様がそれぞれ異なってもよい。例えば、第1演出モードM1において可動役物が動作を行う確率が最も低く、第2演出モードM2において可動役物が動作を行う確率が最も高く設定されてもよい。すなわち、第1演出モードM1ではドラマ演出が行われるため、遊技者は画面表示器12に表示されるドラマのストーリーに集中したい。そこで、第1演出モードM1における可動役物が動作を行う確率を低く設定することにより、遊技者が集中してドラマ演出を楽しむことができる。他方、第2演出モードM2ではキャラクター同士による対戦演出が行われる。そこで、可動役物を頻繁に動作させることにより、対戦における動きを楽しむことができる。そして、特定遊技状態ST4において複数の演出モードを設定し、可動役物が可動する確率に差を設けることにより、演出モードごとにより演出に変化をつけることができ、特に、対戦演出が行われる第2演出モードM2において最も可動する確率を高めることによって遊技者を演出内容により引き込むことが可能となるのである。さらに、複数の演出モードを設定し、可動役物が可動する確率に差を設けることにより、可動役物による演出が有効な演出モードにおいて積極的に可動役物を動作させ、可動役物による演出効果が低い演出モードでは可動役物を積極的に動作させないとすることにより、可動役物の消耗を抑制することが可能となる。
また、上記実施形態において説明した第2大入賞口16の構成とは異なり、第2大入賞口16が以下に説明する構成を備えてもよい。図47は、第2大入賞口16の一構成例を示す拡大図である。センター役物11の右側部には、第2大入賞口16が開放状態のとき、その第2大入賞口16に入賞した遊技球が転動する転動領域が形成されている。図47は、その転動領域を拡大して示す図である。この転動領域の下部には、例えば図47(a)に示すように、第2大入賞口16に入球した遊技球の入賞を検知して遊技盤10の背面側へ排出するための排出口20が設けられる。第2大入賞口16が図47(a)に示すように閉鎖状態にあるとき、遊技盤10に打ち出され、第2大入賞口16に入球する遊技球B2、B3は転動領域に進入する。この転動領域17の一部の領域には、スルーゲートB1と同様に遊技球が通過可能であり、且つ、その遊技球の通過を検知可能なように構成されたVゲート18が設けられている。すなわち、転動領域は第2大入賞口16に入球した遊技球B2、B3を排出口20へ案内する経路として、Vゲート18を通過する経路である第1通過領域17aと、Vゲート18を通過しない経路である第2通過領域17bとの2つの通過領域を有している。
例えば、図47(b)に示すように、Vゲート18が第2大入賞口16に入球した遊技機B2の通過を検知すると、その特別遊技が終了した後の特別遊技判定において大当たりに当選する確率が通常確率よりも高い高確率状態となる。つまり、Vゲート18は、その後の大当たりに当選する確率を、通常の低確率状態(通常確率状態)よりも高くなる高確率状態へと移行させるための契機となるゲート(通過領域)である。また、Vゲート18の上部には、第2大入賞口16の開放動作と連動して駆動され、遊技盤10の盤面に対して前後方向に進退することによりVゲート18への侵入経路を開閉するシャッター19が設けられる。このシャッター19は、例えば第2大入賞口16が開放状態に駆動されると、その開放タイミングから1〜2秒程度の所定時間遅延したタイミングで、Vゲート18への侵入経路を開放する。したがって、図47(c)に示すように、シャッター19がVゲート18を封鎖している時に第2大入賞口16に遊技球B3が入球すると、その遊技球B3は第1通過領域17aへ進入しないので、Vゲート18を通過することなく、第2通過領域17bを経由して排出口20へと導かれる。これに対し、図47(b)に示すように、シャッター19がVゲート18の上方を開放している時に第2大入賞口16に遊技球B2が入球すると、その遊技球B2は、第1通過領域17aへと進入し、Vゲート18を通過して排出口20へと導かれる。このようにシャッター19は、第2大入賞口16へ入球した遊技球を振り分ける振分手段として機能する。
上記のように、本実施形態の遊技機1は、大当たりに当選して行われる特別遊技中に第2大入賞口16に遊技球が入球し、その入球した遊技球が転動領域に設けられた第1通過領域17aを通過すると、その後の大当たりに当選する確率状態を低確率状態から高確率状態へと変化させる構成である。そして、シャッター19の開閉パターンは、特別遊技判定において大当たりの種類を判定する際に確定される。シャッター19は1回あたりの開放時間が1秒未満の極めて短い時間のみ開放されるパターン(ショート開放パターン)と、1〜2秒程度開放されるパターン(ロング開放パターン)がある。例えば第2始動口14への入球に基づき行われる特別遊技判定においてロング開放パターンが選択される確率に比べ、第1始動口13への入球に基づき行われる特別遊技判定においてロング開放パターンが選択される確率は、例えば半分程度に低く設定されてもよい。
なお、本発明において、演出制御基板33はさらに事前判定部を備え、新たな保留が記憶されると新たな保留について事前判定を行い、演出制御部102は、事前判定部による事前判定結果に応じた演出を行う。一例として、移行演出を行う特別図柄変動を行う際に、演出制御基板33の保留記憶部に記憶される保留に事前判定に当選した保留が存在する場合、移行演出の演出態様を通常の移行演出とは異なる態様に変化させてもよい。第1始動口41又は第2始動口42に入球すると、保留記憶部61に保留を記憶すると共に、演出制御基板33に保留記憶データを送信し、演出制御基板33の保留記憶部に保留を記憶する。事前判定部は、保留が記憶されると事前判定を行い、当該保留が大当たりに当選する場合又は所定のリーチ演出を行う場合に、事前判定当選と判定する。移行演出を行う特別図柄変動が開始する際に事前判定結果を参照し、事前判定に当選した保留が存在する場合、移行演出の態様を、通常の移行演出の態様とは異なる態様に変化させる。例えば、移行演出の背景色を通常の移行演出を行う場合の背景色と異なる色で表示してもよいし、演出モードが移行した旨を表示する文字の色を変化させてもよい。或いは、通常の移行演出において表示されないキャラクターを表示させてもよいし、スピーカーから出力する音声を、通常の移行演出とは異ならせてもよく、役物を可動させてもよい。移行演出を通常の移行演出の演出態様とは異なる態様で実行することにより、遊技者に対して当該変動又は未消化の保留において大当たりに当選するのではないかとの期待感を与え、遊技の興趣性を高める。
また、上記実施形態において、遊技状態が特定遊技状態ST4に移行した場合に、演出態様の異なる第1演出モードM1、第2演出モードM2及び第3演出モードM3が予め設定された順序で行われる場合について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、いずれの演出モードを行うかを遊技者が選択できる場合を含む。大当たり遊技が終了して遊技状態が特定遊技状態ST4に移行すると、演出状態設定部101は、遊技者によりいずれの演出モードが選択されるか、遊技者の入力を受け付ける画面を画像表示器12に表示する。所定時間内に演出モードの選択について入力を検知すると、演出状態設定部101は選択された演出モードを設定する。そして、演出モードが次の演出モードへ移行するタイミングが到来すると、例えば演出モードにおける最終の特別図柄変動において、次の演出モードを遊技者に選択させる移行演出を行う。移行演出中に遊技者による演出モードの選択を検知すると、演出状態設定部101は、選択された演出モードを設定し、移行演出終了後に、選択された演出モードを開始する。なお、移行演出中に演出モードが選択されなかった場合には、予め設定される順序に従い演出モードを設定する。選択された演出モード中の変動表示において大当たりに当選する場合に、選択された演出モードに対応する特別遊技演出が行われる。移行演出の際に、遊技者は現在の演出モードと同じ演出モードを次回の演出モードとして選択することが可能であり、例えば最初に第2演出モードM2を選択し、第2演出モードM2が終了して次の演出モードに移行する際の移行演出において、遊技者はさらに第2演出モードM2を選択可能である。すなわち、複数の演出モードが設定され、各演出モードに対応する演出が行われる場合、遊技者は好みに応じて演出モードを選択できる。
最後に、上記実施形態とは異なり、各演出モードに含まれる変動表示の回数は、第1演出モードM1が最も多く、次いで第2演出モードM2が多く、第3演出モードM3が最も少ないとしてもよい。また、各演出モードに含まれる変動表示の回数が全て同じであってもよく、或いは第1演出モードM1と第2演出モードM2に含まれる変動表示の回数が同じであってもよい。
また、上記実施形態において詳述したほか、本発明には以下の発明が含まれる。
(1)始動条件成立により遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定手段(52)と、前記特別遊技判定手段による特別遊技判定の結果を表示するため特別図柄の変動表示を行う変動表示制御手段(53)と、前記特別遊技判定手段により前記特別遊技状態へ移行させると判定されたことを条件として特別遊技の制御を行う特別遊技制御手段(54)と、前記特別遊技終了後に所定回数の変動表示が行われる間の遊技状態を通常の遊技状態とは異なる特定遊技状態に設定する遊技状態設定手段(55)と、前記特定遊技状態において行われる前記所定回数の変動表示を複数に分割し、それぞれ異なる演出状態を設定する演出状態設定手段(101)と、前記演出状態設定手段により設定された前記演出状態毎に異なる態様の演出を所定の演出手段に行わせる演出制御手段(102)とを備え、前記演出状態設定手段は、各演出状態継続中に前記特別遊技判定手段により行われる複数の特別遊技判定において前記特別遊技状態へ移行させると判定される期待度が前記演出状態毎に異なるよう分割することを特徴とする遊技機。
(2)始動条件成立により遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定手段(52)と、前記特別遊技判定手段による特別遊技判定の結果を表示するため特別図柄の変動表示を行う変動表示制御手段(53)と、前記特別遊技判定手段により前記特別遊技状態へ移行させると判定されたことを条件として特別遊技の制御を行う特別遊技制御手段(54)と、前記特別遊技終了後に所定回数の変動表示が行われる間の遊技状態を通常の遊技状態とは異なる特定遊技状態に設定する遊技状態設定手段(55)と、前記特定遊技状態において行われる前記所定回数の変動表示を複数に分割し、それぞれ異なる演出状態を設定する演出状態設定手段(101)とを備え、前記演出状態設定手段は、各演出状態に含まれる変動表示の回数がそれぞれ異なるよう前記所定回数の変動表示を分割し、前記各演出状態継続中に前記特別遊技判定手段により行われる複数の特別遊技判定において前記特別遊技状態へ移行させると判定される期待値を前記演出状態毎に異ならせることを特徴とする遊技機。
(3)始動条件成立により遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定手段(52)と、前記特別遊技判定手段による特別遊技判定の結果を表示するため特別図柄の変動表示を行う変動表示制御手段(53)と、前記特別遊技判定手段により前記特別遊技状態へ移行させると判定されたことを条件として特別遊技の制御を行う特別遊技制御手段(54)と、前記特別遊技終了後に所定回数の変動表示が行われる間の遊技状態を通常の遊技状態とは異なる特定遊技状態に設定する遊技状態設定手段(55)と、前記特定遊技状態において行われる前記所定回数の変動表示を複数に分割し、それぞれ異なる演出状態を設定する演出状態設定手段(101)と、前記演出状態設定手段により設定された前記演出状態毎に異なる態様の演出を所定の演出手段に行わせる演出制御手段(102)とを備え、前記演出状態設定手段は、前記演出状態のうち第1の演出状態と第2の演出状態の間に設定する第3の演出状態に含まれる変動表示の回数が前記第1の演出状態又は前記第2の演出状態に含まれる変動表示の回数より多くなるよう分割することを特徴とする遊技機。
(4)始動条件成立により遊技者に有利な特別遊技状態へ移行させるか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定手段(52)と、前記特別遊技判定手段による特別遊技判定の結果を表示するため特別図柄の変動表示を行う変動表示制御手段(53)と、前記特別遊技判定手段により特別遊技状態へ移行させると判定されたことを条件として特別遊技の制御を行う特別遊技制御手段(54)と、変動表示及び特別遊技中に演出手段に所定の演出を行わせる演出制御手段(102)とを備え、前記演出制御手段は、前記特別遊技判定手段による特別遊技判定により特別遊技状態へ移行させると判定された場合に、当該特別遊技判定に対応する変動表示中に第1の演出を行わせ、当該特別遊技判定に対応する特別遊技中に前記第1の演出と関連する第2の演出を行わせることを特徴とする遊技機。
(5)上記(4)に記載の遊技機であって、前記第1の演出は、動画映像を進行させる演出であり、前記第2の演出は、前記第1の演出の前記動画映像の続きから前記動画映像を進行させる演出であることを特徴とする遊技機。
上記の実施形態では、特別遊技判定における図柄乱数に基づいて、特別遊技終了後に行われる特別遊技判定にて特別遊技に移行させると判定される確率を通常確率に比べて高い高確率に設定するか、又は通常確率に設定するかを決定する場合を説明した。しかし、本発明はこのような態様に限られるものではなく、第2大入賞口16の入賞領域にVゲート18を設け、このVゲート18を遊技球が通過すると、その後の特別遊技判定において特別遊技に移行させると判定される確率を高確率に設定してもよい。このように、Vゲート18を遊技球が通過したか否かに応じて、その後の特別遊技判定において特別遊技に移行させると判定される確率を高確率又は通常確率に設定することにより、遊技者による遊技球の発射操作に応じて遊技球がVゲート18を通過することにより高確率に設定されるため、遊技者に達成感や充実感を与え、遊技の興趣性をより一層高めることができる。
図47は、第2大入賞口16が開放状態のとき、第2大入賞口16に入球した遊技球が転動する転動領域17について説明する図である。この転動領域17の下部には、例えば図47(a)に示すように、第2大入賞口16に入球した遊技球を検知して遊技盤10の背面側へ排出するための排出口20が設けられる。第2大入賞口16が図47(a)に示すように閉状態であるとき、遊技盤10に打ち出された遊技球B1は、転動領域17に進入することはない。これに対して図47(b)に示すように、第2大入賞口16が開状態であるときに遊技盤10に打ち出された遊技球B2は、第2大入賞口16に入球し、転動領域17に進入する。この転動領域17の一部の領域にはスルーゲート21と同様に遊技球が通過可能であり、且つ、その遊技球の通過を検知可能に構成されたVゲート18が設けられている。すなわち、転動領域17は、第2大入賞口16に入球した遊技球B2を排出口20へ案内する経路として、Vゲート18を通過する経路である第1通過領域17aと、Vゲート18を通過しない経路である第2通過領域17bの2つの通過領域を有している。
図47(b)は、遊技球が第1通過領域17aを通過する場合を示す図である。Vゲート18が遊技球B2の通過を検知すると、その特別遊技が終了した後の特別遊技判定において、特別遊技へ移行させると判定される確率が、通常確率よりも高い高確率に設定される。そして、Vゲート18の上部には、第2大入賞口16の開放動作と連動して駆動され、例えば遊技盤10の盤面に対して前後方向に進退することにより、Vゲート18への遊技球の進入経路を開閉するシャッター19が設けられる。第2大入賞口16及びシャッター19の開閉動作のパターンについては後ほど詳説する。シャッター19は、例えば第2大入賞口16が開状態に駆動されるのに伴ってVゲート18への進入経路を開放するように駆動される。すなわち、第2大入賞口16及びVゲート18への進入経路のいずれもが開放されているときに第2大入賞口16に遊技球B2が入球すると、遊技球B2は第1通過領域17aへと進入し、Vゲート18を通過して排出口20へと導かれる。ただし、第2大入賞口16に遊技球B2が入球した場合であっても、シャッター19がVゲート18を閉鎖していれば、遊技球B2は第2通過領域17bへ進入する。すなわち、第2大入賞口16に入球できたとしても、Vゲート18を通過できない場合があるのである。
図48は、特別遊技におけるラウンド毎の大入賞口の開放パターンの一例を示す図である。図48(a)および(b)に示す開放パターンは、上述した本発明の一実施形態であるVゲート18の構成を備えていない実施例の特別遊技における開放パターンに置き換え可能である。具体的には、図48(a)は、第2大入賞口16がショート開放されるラウンドを有する場合の開放パターンの一例を示したものであり、上述した実施形態においてロング開放ラウンドが4回設定される場合(4ラウンド)に置き換えられる。開放パターンPA1では、図48(a)に示すように、第1ラウンドから第4ラウンドまで第1大入賞口15がロング開放となり、第5ラウンドから最終ラウンドとなる第16ラウンドまでは第1大入賞口15又は第2大入賞口16が全てショート開放となる開放パターンである。また、第2大入賞口16がショート開放となる第14ラウンド及び第16ラウンドにおいて、Vゲート18もまたショート開放となる。図49(a)は、第2大入賞口16がショート開放される場合の動作の一例を示すタイミングチャートである。第1大入賞口15が開放されるラウンドがタイミングT100で終了し、第1大入賞口15が閉状態となり、タイミングT100からT101までの間のインターバル時間を設けた後に、タイミングT101において第2大入賞口ソレノイド47が作動して第2大入賞口16を開放させる。そして、タイミングT103において第2大入賞口ソレノイド47が停止して第2大入賞口16が閉鎖される。ショート開放の場合には、第2大入賞口16が開放される時間ta1は例えば0.2秒程度の短い時間に制御される。シャッター19を開放させるVゲートソレノイド(図示せず)は、タイミングT101において作動し、タイミングT103よりも前に到来するタイミングT102において停止する。すなわち、シャッター19がVゲート18への進入経路を開放する時間ta2は、例えば0.1秒以下という短い時間であり、第2大入賞口16の開放時間ta1よりも短い。なお、これとは異なり、シャッター19がVゲート18への進入経路を開放する時間ta2を、第2大入賞口16が開放される時間ta1と同じ時間としてもよい。このように、第2大入賞口16がショート開放される開放パターンPA1において、遊技球を第2大入賞口16に入球させることは困難である。また、第2大入賞口16に遊技球が入球したとしても、その遊技球がVゲート18を通過する可能性は低い。すなわち、開放パターンPA1において、遊技者が遊技球を第2大入賞口16に入球させてさらにVゲート18を通過させることにより、当該特別遊技が終了した後に行われる特別遊技判定において、特別遊技へ移行させると判定される確率が高確率になる可能性は低いのである。
これに対して、図48(b)は第2大入賞口16がロング開放されるラウンドを有する場合の開放パターンPA2の一例を示したものであり、上述した実施形態におけるロング開放ラウンドが4回設定される場合(4ラウンド)に置き換えられる。開放パターンPA2では、第1ラウンドから第4ラウンドまで第1大入賞口15がロング開放となり、第5ラウンドから第13ラウンドまで第1大入賞口15がショート開放となる。そして、第14ラウンド及び第16ラウンドにおいて第2大入賞口16がロング開放となる。また、第2大入賞口16がロング開放となる第14ラウンド及び第16ラウンドにおいて、Vゲート18もまたロング開放となる。図49(b)は、第2大入賞口16がロング開放される場合の動作の一例を示すタイミングチャートである。第1大入賞口15が開放されるラウンドがタイミングT200で終了して第1大入賞口15が閉状態となり、タイミングT200からT201までの間のインターバル時間を設けた後に、タイミングT201からタイミングT205までの間、第2大入賞口16のロング開放を行うラウンドが行われる。図例では、まず上述したショート開放のラウンドと同様にタイミングT201からT203までの間、例えば0.2秒程度の短い時間第2大入賞口16を開放させ、タイミングT203において一旦第2大入賞口16を閉状態とさせる。そして、タイミングT203より後に到来するタイミングT204において第2大入賞口16を開放させ、タイミングT205までの間、ショート開放より長い時間(例えば25秒程度)継続して開放させる。図例のようにラウンド開始時に第2大入賞口16を開放パターンPA1と同様にショート開放させ、一旦第2大入賞口16を閉状態として所定時間経過した後にロング開放させる場合に、ショート開放終了タイミングT203からロング開放開始タイミングT204までの間に、演出制御基板33に第2大入賞口16へ向けて遊技球を発射することを遊技者に促す演出を行わせる。これにより、遊技者は第2大入賞口16及びVゲート18がロング開放されることを知ることができ、期待感を高める。また、第2大入賞口16を開放させる第2大入賞口ソレノイド47と同様に、タイミングT204からVゲートソレノイドを作動させ、Vゲート18を遊技球が通過可能に制御する。そして、図例ではVゲートソレノイドをタイミングT205より例えば1.5秒程度後に到来するタイミングT206において停止させる。すなわち、第2大入賞口16が開放される時間tb1よりもVゲートソレノイドが作動してVゲート18がロング開放される時間tb2が長くなる。そうすると例えば、第2大入賞口16の開放時間終了の直前に第2大入賞口16に入球した遊技球が、タイミングT205においてラウンドが終了したときに第2大入賞口16内の転動領域17に滞留している場合に、Vゲート18に進入可能な状態を継続させることにより、ラウンド終了間際に第2大入賞口16に入球した遊技球についてもVゲート18を通過できる機会を与えることができる。このように、第2大入賞口16がロング開放されるパターンPA2では、上記パターンPA1に比べて遊技球を第2大入賞口16に入球させることが容易である。また、Vゲート18もまた第2大入賞口16と共に長い時間開放されるため、第2大入賞口16に入球した遊技球がVゲート18を通過する可能性が高い。そうすると、開放パターンPA2において、遊技者が遊技球を第2大入賞口16に入球させ、この遊技球がVゲート18を通過することにより、当該特別遊技終了後に行われる特別遊技判定において、特別遊技へ移行させると判定される確率が高確率になる可能性は、パターンPA1に比べて高くなるのである。なお、Vゲートソレノイドが停止するタイミングT206は、第1大入賞口15が開放されるラウンドの開始タイミングT207より前であってもよいし、これより後であってもよい。また、図例とは異なり、Vゲートソレノイドをラウンド終了タイミングT205において停止させるとしてもよい。さらに、第2大入賞口16を図例とは異なり、ラウンド開始タイミングT201からラウンド終了タイミングT205までの間、継続して開放させてもよい。
次に、特別遊技における第1大入賞口15及び第2大入賞口16の開閉動作の制御の処理手順について説明する。図50及び図51は、第2大入賞口16がVゲート18を備える場合における大入賞口処理(図5のステップS108)の一例を示すフローチャートである。まず、主制御基板30において、現在の遊技状態が特別遊技中であるか否かを判定する(ステップS2401)。現在特別遊技中でないと判定した場合(ステップS2401でNO)、大入賞口処理を終了する。他方、現在特別遊技中であると判定した場合(ステップS2401でYES)、次に、停止中処理(図10)で開始させた特別遊技のオープニング動作中であるか否かを判定する(ステップS2402)。なお、オープニングは時短設定など特別遊技の種類に応じて異なり得るものである。オープニング動作中であると判定した場合(ステップS2402でYES)、さらに予め設定されたオープニングが行われるオープニング時間を経過したか否かを判定する(ステップS2403)。
オープニング時間を経過したと判定した場合(ステップS2403でYES)、主制御基板30は、第1大入賞口15又は第2大入賞口16を開放するラウンド値Rに対し1加算する(ステップS2404)。そして、特別遊技の種類を確認し、開放パターンを確認する(ステップS2405)。開放パターンを確認すると、ラウンド値Rに応じた大入賞口の開放時間をセットする(ステップS2406)。上述したように、例えばショート開放ラウンドの場合の大入賞口の開放時間は0.2秒程度であり、ロング開放ラウンドの場合の開放時間は25秒程度である。開放時間をセットすると、ラウンド値Rに対応する第1大入賞口15又は第2大入賞口16のいずれかを開放する(ステップS2407)。大入賞口を開放すると、主制御基板30は、遊技球のVゲート18通過を検知したか否かを判定し(ステップS2410)、通過を検知したと判定した場合(ステップS2410でYES)、通過フラグをオフからオンに設定する(ステップS2411)。他方、遊技球の通過を検知しなかったと判定した場合(ステップS2410でNO)、ステップS2411をスキップする。
次に、主制御基板30は、ステップS2406でセットした大入賞口の開放時間が経過したか否かを判定し(ステップS2412)、開放時間が経過したと判定した場合には(ステップS2412でYES)開放中の大入賞口を閉鎖する。大入賞口が開状態から閉状態に移行したときに1つのラウンドが終了したことになる。なお、開放時間が経過していないと判定した場合(ステップS2412でNO)、予め設定されているラウンド内に入賞可能な上限値の遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS2413)。入球した遊技球数が上限値に達していないと判定した場合には(ステップS2413でNO)大入賞口処理を終了し、上限値に達したと判定した場合には大入賞口を閉鎖させて(ステップS2417)当該ラウンドを終了させる。大入賞口を閉鎖させると、次に、現在のラウンド値Rが最終ラウンドを示す値であるか否かを判定する(ステップS2418)。ラウンド値Rが最終ラウンドを示す値であると判定した場合(ステップS2418でYES)、ラウンド値Rを0にリセットする(ステップS2420)。そして、当該特別遊技終了後の特別遊技判定における当選確率を設定するため、Vゲート18を通過したことに基づき通過フラグがオンになっているか否かを判定する(ステップS2421)。他方、ステップS2418でラウンド値Rが最終ラウンドを示す値でないと判定した場合(ステップS2418でNO)、大入賞口処理を終了する。
通過フラグがオンにセットされていると判定した場合(ステップS2421でYES)、主制御基板30は、当該特別遊技終了後の特別遊技判定において、特別遊技へ移行させると判定される確率を通常確率より高い高確率にセットする(ステップS2423)。そして、高確率状態において特別遊技判定を行う変動表示の回数(SC)を予め設定される回数にセットするのである。高確率状態において特別遊技判定を行う変動表示の回数(SC)をセットすると、次にオンにセットされている通過フラグをオフにセットする(ステップS2424)。他方、通過フラグがオンにセットされていない場合(ステップS2421でNO)、当該特別遊技終了後の特別遊技判定において特別遊技へ移行させると判定される確率を通常確率にセットする(ステップS2425)。
次に、当該特別遊技に対応する特別遊技判定における図柄乱数に基づいて時短が設定されるか否かを判定する(ステップS2426)。時短が設定されると判定した場合(ステップS2426でYES)、主制御基板30は、当該特別遊技終了後に時短が設定される変動表示の回数(JC)をセットする(ステップS2430)。時短が設定される変動表示回数(JC)は、ステップS2423でセットされる高確率状態において特別遊技判定を行う変動表示回数(SC)と同じであってもよいし、異なってもよい。なお、当該特別遊技に対応する特別遊技判定時における遊技状態に応じて、当該特別遊技終了後に時短が設定される変動表示の回数(JC)をセットしてもよい。或いは、当該特別遊技中にVゲート18を遊技球が通過したか否かに応じて、時短が設定される変動表示回数(JC)をセットしてもよい。他方、時短が設定されないと判定した場合(ステップS2426でNO)にはステップS2430をスキップする。
次に、主制御基板30は、特別遊技のエンディングを開始してエンディングのための時間計測を開始する(ステップS2435)。そしてエンディング終了のタイミングが到来したか否かを判定し(ステップS2437)、エンディング終了タイミングが到来したと判定した場合(ステップS2437でYES)、演出制御基板33に特別遊技のための演出を終了させるために特別遊技終了コマンドをセットし(ステップS2438)特別遊技を終了する。他方、エンディング終了タイミングが到来していないと判定した場合(ステップS2437でNO)、引き続きエンディングを継続するため特別遊技処理を終了する。
なお、ステップS2402でオープニング中でないと判定した場合(ステップS2402でNO)、図51のフローチャートに進み、さらに大入賞口が開放中であるか否かを判定する(ステップS2451)。大入賞口が開放中であると判定した場合に(ステップS2451でYES)、図50のステップS2410以降の処理を実行する。他方、大入賞口が開放中でないと判定した場合(ステップS2451でNO)、さらに特別遊技のエンディング中であるか否かを判定する(ステップS2452)。そして、エンディング中であると判定した場合(ステップS2452でYES)、図50のステップS2437以降の処理を実行する。エンディング中でないと判定した場合(ステップS2452でNO)、各ラウンドのインターバル時間を経過したか否かを判定し(ステップS2453)、インターバル時間を経過していると判定した場合(ステップS2453でYES)、次のラウンドを開始させるためステップS2404以降の処理を実行する。他方、インターバル時間を経過していないと判定した場合(ステップS2453でNO)、大入賞口処理を終了する。
上記大入賞口処理において、開放パターンに応じて第1大入賞口15又は第2大入賞口16が開放される。そして、第2大入賞口16の入賞領域内に設けられるVゲート18を遊技球が通過したことを検知すると、遊技機1は、大入賞口処理が行われる当該特別遊技が終了した後の特別遊技判定において特別遊技へ移行させると判定される確率を高確率に設定する。他方、当該特別遊技においてVゲート18を遊技球が通過したことが検知されなかった場合、当該特別遊技終了後の特別遊技判定において、特別遊技へ移行させると判定される確率を通常確率に設定する。すなわち、上述したようなVゲート18を備える構成によると、特別遊技において遊技球がVゲート18を通過したか否かにより、当該特別遊技終了後の特別遊技判定において、高確率又は通常確率に設定されるのかが決定されるのである。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、始動条件成立により遊技者にとって有利な特別遊技状態へ移行させるか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定手段と、前記特別遊技判定手段による特別遊技判定の結果を表示するため特別図柄の変動表示を行う変動表示制御手段と、前記特別遊技判定手段により前記特別遊技状態へ移行させると判定されたことを条件として特別遊技の制御を行う特別遊技制御手段と、前記特別遊技終了後に所定回数の変動表示が行われる間の遊技状態を通常の遊技状態とは異なる特定遊技状態に設定する遊技状態設定手段と、前記特定遊技状態において行われる前記所定回数の変動表示を複数に分割し、それぞれ異なる演出状態を設定する演出状態設定手段と、前記演出状態設定手段により設定された前記演出状態ごとに異なる態様の演出を所定の演出手段に行わせる演出制御手段とを備え、前記演出制御手段は、前記演出状態のうち第1の演出状態において、前記特別遊技判定の結果に応じてリーチ演出へ移行する可能性があることを示唆する示唆演出を行い、前記演出状態のうち前記第1の演出状態とは異なる第2の演出状態において、前記特別遊技判定の結果に応じて前記示唆演出を前記第1の演出状態より低い確率で行うことが可能であることを特徴とする遊技機である。