以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。本発明の遊技機をパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に適用した実施例を図1〜図10に示す。
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
本体枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機1の外枠を構成している。中枠3はプラスチック製であり、本体枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。前面枠4における遊技盤20の周囲には、LED等のランプ類(図示略)が設けられている。これらのランプ類は、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bと、上皿部5の遊技球を下皿部6に排出する球抜きボタン5cとを備えている。皿外縁部5aの上面には、演出ボタン5dや球貸ボタン5e等が設けられている。
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から下皿部6に遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。下皿部6の左端には灰皿7が設けられている。下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット(図示略)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。
また、遊技機1には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるためのスピーカ10a〜10dが設けられている。スピーカ10a〜10dは、遊技機1の上部に設けられた上部スピーカ10a、10bと遊技機1の下部に設けられた下部スピーカ10c、10dとからなる。さらに、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について説明する。図2は遊技盤20の正面図である。遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に着脱可能に取り付けられているとともに、裏機構盤(図示略)によりその背面側が覆われている。
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面(盤面)に設けられた外レール22と内レール23とにより略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、中央装置24、普通図柄作動ゲート27、大入賞装置(特別電動役物)33、始動口28、左入賞口34、35、右入賞口36、37、第1装飾部材50、第2装飾部材60等の遊技装置が配設されている。また、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
中央装置(センター役物)24は遊技領域21の略中央部に配置され、演出表示装置25を備えている。本実施例では、演出表示装置25として大型の液晶表示装置を用いており、演出表示装置25の表示領域では各種演出表示が行われる。
図2に戻り、大入賞装置33は遊技領域21における中央装置24の下方に配置されている。第1装飾装置50は遊技領域21における大入賞装置33の左側に配置され、第2装飾装置60は遊技領域21における大入賞装置33の右側に配置されており、装飾装置50、60はいわゆるサイド飾りを構成している。また、第1装飾装置50には左入賞口34、35が一体化されており、第2装飾装置60には右入賞口36、37が一体化されている。
普通図柄作動ゲート27は、中央装置24の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s(図3参照)が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過することで、普通図柄が変動開始する。
始動口28は、中央装置24の中央位置の下方に設けられている。始動口28は、遊技盤20の盤面上を流下する遊技球を受け入れる遊技球受入口が形成された2つの入球口を上下方向に並べて配置したもので、上側に設けられた第1始動口28aと下側に設けられた第2始動口28bとから構成されている。
第1始動口28aは、遊技球受入口の大きさが変化せず遊技球の入球可能性が一定である固定式の始動口として構成された通常始動口となっており、遊技球の入球が常時可能となっている。一方、第2始動口28bはいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部を備えており、この一対の翼片部の上端間隙が遊技球受入口となっている。この一対の翼片部は、各々左右方向に傾動することで開閉動作を行うものとされており、この開閉動作により、第2始動口28bは一対の翼片部の遊技球受入口の大きさが変化する可変始動口として構成されている。第2始動口28bは、翼片部が開動作することで入球可能性が高い状態となり、翼片部が閉動作することで入球可能性が低い状態となる。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、一対の翼片部が開動作して第2始動口28bの遊技球受入口が拡大され、第2始動口28bは普通電動役物として機能する。
始動口28の内部には、遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ28s(図3参照)と、翼片部を作動させるための始動口ソレノイド28c(図3参照)とが備えられている。この一対の翼片部28cが左右に開動作した場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが通常時より拡大され、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となる。一方、一対の翼片部28cが立設された場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが遊技球の直径より僅かに大きい(遊技球1個が通過可能な)通常の大きさとされ、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態(閉鎖状態)となる。遊技球が始動口28a、28bに入球することで、後述の特別図柄が変動開始する。本実施例の遊技機1は2種類の特別図柄を有しており、遊技球が第1始動口28aに入球することで、第1特別図柄が変動開始し、遊技球が第2始動口28bに入球することで、第2特別図柄が変動開始する。
大入賞装置33は、始動口28の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bと、この開閉板33bを開閉するための大入賞口ソレノイド33c(図3参照)と、遊技球の入球を検知する入球検知スイッチ33s(図3参照)とから主に構成されている。
大入賞装置33の左斜め上方と右斜め上方には、左入賞口34〜37が設けられている。これらの内部には、それぞれ入賞口入球検知スイッチ(図示せず)が設けられている。
第1装飾部材50には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、普通図柄表示部51、普図保留表示部52、第1特別図柄保留表示部53、第2特別図柄保留表示部54が構成されている。同様に第2装飾部材60には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、第1特別図柄表示部61、第2特別図柄表示部62が構成されている。
普通図柄表示部51は、1個のLEDから構成されており、このLEDにより普通図柄の表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過することにより普通図柄が変動開始し、所定時間経過後に普通図柄が当り普通図柄の表示態様あるいは外れ普通図柄の表示態様で停止表示される。そして、普通図柄が予め設定された当り普通図柄の表示態様で停止表示すると、第2始動口28bが所定時間(例えば0.1秒)だけ開放される。
本実施例では、普通図柄当否判定用乱数が用意されており、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した際に、第2始動口28bを作動させるか否かの普通図柄当否判定に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は、当り普通図柄の表示態様に決定される。一方、外れと判定された場合には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は外れ普通図柄の表示態様に決定される。なお、普通図柄当否判定および普通図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御基板200のCPU200aによって行われる。
ここで、普通図柄の保留について説明する。普図保留表示部52には普通図柄保留数が表示され、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球の数を最大保留数(本実施例では4個)まで保留可能となっている。そして、次回の普通図柄当否判定が行われ普通図柄の変動表示が開始する毎に、未始動回数(保留数)が消化され、普通図柄保留数が1個ずつ減少する。普図保留表示部52は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。普通図柄の保留および保留消化は、後述の主制御基板200のCPU200aによって行われ、普通図柄の保留に伴って、普通図柄当否判定用乱数が主制御基板200のRAMの所定領域に記憶される。
次に、特別図柄について説明する。第1特別図柄表示部61と第2特別図柄表示部62は、それぞれ7個のLEDから構成されており、これらのLEDにより第1特別図柄と第2特別図柄が表示される。これらの特別図柄表示部61、62を構成する各LEDは、点灯および消灯が可能となっており、これら各LEDの点灯および消灯の組合せにより特別図柄の複数の表示態様を表示できる。そして、7個のLEDで表示される特別図柄の組合わせのうち、特定の組合せが当り特別図柄(大当り図柄)の組合せとして設定されており、当り特別図柄以外の組合せが外れ特別図柄(外れ図柄)と設定されている。本実施例では、特別図柄の変動表示を各LEDが点灯と消灯を繰り返す点滅表示で行うものとしている。
第1特別図柄表示部61では、第1始動口28aに遊技球が入球することにより第1特別図柄が変動開始し、所定時間経過後に第1特別図柄が大当り図柄の組合せあるいは外れ図柄の組合せで停止表示される。第2特別図柄表示部62では、第2始動口28bに遊技球が入球することにより第2特別図柄が変動開始し、所定時間経過後に第2特別図柄が大当り図柄の組合せあるいは外れ図柄の組合せで停止表示される。第1特別図柄表示部62の第1特別図柄と第2特別図柄表示部62の第2特別図柄は、同時に変動表示しないように構成されている。つまり、始動口28a、28bのうち一方に遊技球が入球し、この入球に対応して特別図柄表示部61、62のうち一方で特別図柄が変動表示している際に、他方の始動口に遊技球が入球した場合には、他方の特別図柄表示部での特別図柄の変動は保留される。
ここで、特別図柄の保留について説明する。第1特別図柄保留表示部53と第2特別図柄保留表示部54はそれぞれ2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、それぞれ4個を上限として保留数を表示することができる。
第1始動口28aに入球した遊技球数は、第1特別図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)に達するまで保留可能となっており、次回の第1特別図柄当否判定が行われ第1特別図柄の変動表示が開始する毎に、未始動回数(保留数)が消化され、第1特別図柄保留数が1個ずつ減少する。また、第2始動口28bに入球した遊技球数は、第2特別図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)に達するまで保留可能となっており、次回の第2特別図柄当否判定が行われ第2特別図柄の変動表示が開始する毎に、未始動回数(保留数)が消化され、第2特別図柄保留数が1個ずつ減少する。なお、第1、第2特別図柄の保留および保留消化は、後述の主制御基板200のCPU200aによって行われるもので、この主制御基板200のCPU200aが、本発明の第1保留手段および第2保留手段に相当している。
本実施例では、遊技球が第1始動口28aに入球した際に、特別遊技状態を発生させるか否かの第1特別図柄当否判定に用いられる第1特別図柄当否判定用乱数と、遊技球が第2始動口28bに入球した際に、特別遊技状態を発生させるか否かの第2特別図柄当否判定に用いられる第2特別図柄当否判定用乱数が用意されている。第1特別図柄の保留に伴って、第1特別図柄当否判定用乱数が主制御基板200のRAMの所定領域に記憶され、第2特別図柄の保留に伴って、第2特別図柄当否判定用乱数が主制御基板200のRAMの所定領域に記憶される。
これらの特別図柄当否判定用乱数には、予め当否判定用の当り値が設定されており、遊技球が第1始動口28aまたは第2始動口28bに入球したタイミングで取得された特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に大当りと判定される。そして、第1特別図柄当否判定の結果が大当りの場合には、第1特別図柄表示部61で停止表示される第1特別図柄は大当り図柄の組合せのいずれかに決定され、第2特別図柄当否判定の結果が大当りの場合には、第2特別図柄表示部62で停止表示される第2特別図柄は大当り図柄の組合せのいずれかに決定される。本実施例の遊技機1は、特別図柄当否判定の結果が大当りとなる確率(大当り確率)を、通常の遊技機の大当り確率(1/300程度)に比べ高確率(1/100以上)に設定している。また、本実施例では、第1特別図柄当否判定より第2特別図柄当否判定の方が大当りとなる確率が高く設定されており、第1特別図柄が大当り図柄で停止表示される確率より、第2特別図柄が大当り図柄で停止表示される確率の方が高くなっている。つまり、第1特別図柄当否判定より第2特別図柄当否判定の方が遊技者にとって有利な判定条件(抽選条件)となっている。
一方、第1特別図柄当否判定が外れの場合には、第1特別図柄表示部61で停止表示される第1特別図柄が外れ図柄の組合せに決定され、第2特別図柄当否判定が外れの場合には第2特別図柄表示部62で停止表示される第2特別図柄が外れ図柄に決定される。
また、特別図柄当否判定、特別図柄の変動態様の決定、特別図柄の停止図柄の決定は、後述の主制御基板200のCPU200aによって行われるように構成されている。なお、第1特別図柄表示部61が本発明の第1図柄表示手段に相当し、第2特別図柄表示部62が本発明の第2図柄表示手段に相当し、主制御基板200のCPU200aが本発明の図柄表示制御手段に相当している。さらに、第1特別図柄の変動表示を用いた第1特別図柄当否判定および第2特別図柄の変動表示を用いた第2特別図柄当否判定を行う主制御基板200のCPU200aが本発明の第1抽選手段および第2抽選手段に相当している。
本実施例の遊技機では、第1特別図柄保留数と第2特別図柄保留数の双方が存在する場合(1以上の場合)には、第1特別図柄保留数が所定保留数に到達しているか否かによって、第1特別図柄当否判定と第2特別図柄当否判定のいずれが優先的に実行されるかが異なる。第1特別図柄保留数が所定保留数に到達している場合には、第2特別図柄当否判定が第1特別図柄当否判定より優先して実行され、第1特別図柄保留数が所定保留数に到達していない場合には、第1特別図柄当否判定が第2特別図柄当否判定より優先して実行される。本実施例では「所定保留数」を第1特別図柄保留数の最大保留数である「4」に設定している。
具体的には、第2特別図柄保留数が「1」以上であり、かつ、第1特別図柄保留数が「1〜3」の場合には、先に第1特別図柄当否判定(第1特別図柄の変動表示)が行われ、第1特別図柄保留数が消化される。そして、第1特別図柄保留数がゼロになった後に、第2特別図柄当否判定(第2特別図柄の変動表示)が行われ、第2特別図柄保留数が消化される。
また、第2特別図柄保留数が「1」以上であり、かつ、第1特別図柄保留数が「4」の場合には、先に第2特別図柄当否判定(第2特別図柄の変動表示)が行われ、第2特別図柄保留数が消化される。そして、第2特別図柄保留数がゼロになった後に、第1特別図柄当否判定(第1特別図柄の変動表示)が行われ、第1特別図柄保留数が消化される。
第1特別図柄表示部61で停止表示された第1特別図柄の組合せが当り特別図柄の組合せであった場合、あるいは第2特別図柄表示部62で停止表示された第2特別図柄の組合せが当り特別図柄の組合せであった場合に、すなわち、第1特別図柄当否判定の結果が大当りだった場合、あるいは第2特別図柄当否判定の結果が大当りだった場合に、特別遊技実行手段としての主制御基板200のCPU200aは遊技者に相対的に有利な特別遊技(大当り遊技)を開始させる。特別遊技は、大入賞装置33を作動させることで、大入賞口33aへの遊技球の入球に関して遊技者に利益を付与するものであり、主制御基板200のCPU200aは本発明の特典付与手段に相当している。特別遊技は、後述の特別電動役物遊技処理(図9参照)が繰り返し実行されることによって実現される。
特別遊技中(大当り遊技中)は、大入賞装置33が作動し、大入賞口33aへの遊技球の入球に応じて、所定数の賞球(例えば、1個の入球に対して15個の賞球)が払い出される。具体的には、特別遊技の開始により、大入賞装置(特別電動役物)33を連続して作動させ、大入賞口33aを連続して開放状態とする。大入賞装置33の作動開始により、大入賞口33aが開放して遊技球受入状態となる。この遊技球受入状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、遊技球受入状態の開始後における大入賞口33aの開放時間が所定時間(本実施例では30秒)に達したとき、もしくは遊技球受入状態の開始後、大入賞口33aに入球した遊技球数が所定数(本実施例では10個)に達したときとすることができる。
この遊技球受入状態の開始から終了までを1ラウンドとした場合、特別遊技は、所定数のラウンドが行われることで終了する。大入賞装置33では、遊技球受入状態が終了してから所定時間(例えば2秒)が経過した後に、大入賞口33aが開放して再び遊技球受入状態となり、次のラウンドが開始する。このような開始から終了までを1ラウンドとする遊技球受入状態は、所定の最高継続ラウンド数(本実施例では15ラウンド)が終了するまで繰り返し継続される。
本実施例の遊技機では、特別遊技(大当り遊技)の終了後、変動時間短縮機能や開放時間延長機能、確率変動機能が作動する特定遊技(いわゆる時短遊技および確変遊技)が開始される。
特別図柄が通常大当り図柄で停止表示した場合には、特別遊技(大当り遊技)の終了後、変動時間短縮機能および第2始動口28bの開放時間を延長させる開放時間延長機能が作動開始し、時短遊技が開始される。変動時間短縮機能には、普通図柄変動時間を短縮させる普通図柄変動時間短縮機能と、特別図柄変動時間を短縮させる特別図柄変動時間短縮機能とが含まれている。また、開放時間延長機能の作動により、第2始動口28bの開放時間は、例えば、通常時「0.1秒」であったのが「4.5秒(1.5秒×3回開放)」に延長される。変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、特別遊技の終了後、次回特別遊技が開始するまでの間、または特別図柄の変動回数が第1所定回数(本例では100回)に到達するまで作動する。変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、主制御基板200のCPU200aの制御により作動または停止されるものであり、主制御基板200のCPU200aが本発明の開放時間延長手段に相当している。
特別図柄が確変大当り図柄で停止表示した場合には、特別遊技(大当り遊技)の終了後、確率変動機能が作動開始し、確変遊技が開始される。確率遊技では、上記変動時間短縮機能および開放時間延長機能に加え、特別図柄当否判定の確率、すなわち特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率を変更(向上)させる確率変動機能が作動する通常確変状態と、上記変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動せず、確率変動機能のみが作動する潜伏確変状態とが設定されている。確率変動機能は、特別遊技終了後、次回特別遊技が開始されるまで、または特別図柄の変動回数が第2所定回数に到達したときに終了する。ここで、「第2所定回数」は、10回以下で設定することができ、本実施例では4回に設定している。このように本実施例の遊技機は、確率変動機能の作動期間が短く、次回の特別遊技の開始が確保(約束)されていない限定確変遊技を行ういわゆるST機として構成されている。確変遊技は、主制御基板200のCPU200aの制御により実現されるものであり、主制御基板200のCPU200aが本発明の確率変動手段に相当している。
次に、演出表示装置25で表示される演出図柄について説明する。演出表示装置25の表示領域には、演出図柄を表示する演出図柄表示部25aが設けられている。演出図柄表示部25aの演出図柄は第1特別図柄表示部61の第1特別図柄または第2特別図柄表示部62の第2特別図柄に連動して表示される。
演出図柄表示部25aは、右図柄が表示される右図柄表示領域、中図柄が表示される中図柄表示領域、左図柄が表示される左図柄表示領域からなる3つの図柄表示領域から構成されている。各図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向(縦方向)に図柄変動方向が設定されている。各図柄表示領域は、「1」〜「9」からなる図柄をそれぞれ表示可能となっている。
演出図柄は、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示開始により変動表示を開始し、第1特別図柄または第2特別図柄が何れかの図柄で停止表示されると、演出図柄は第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄に応じた図柄で停止表示される。演出図柄では、3桁同一の偶数図柄の組合せが特別図柄の通常大当り図柄に対応し、3桁同一の奇数図柄の組合せが本図柄の確変大当り図柄に対応し、それら以外の図柄の組合せが特別図柄の外れ図柄に対応している。演出図柄の変動態様および停止図柄の決定は、主制御基板200のCPU200aから送信されるコマンドに基づいてサブ制御基板260のCPU260aによって行われるように構成されている。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図3に基づいて説明する。図3は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、電子制御装置は、主制御基板200と、その主制御基板200に接続された副制御基板230、260、280とを含んで構成されている。副制御基板は、払出制御基板(賞球制御基板)230、サブ制御基板260及び演出表示制御基板280から構成される。
各制御基板200、230、260、280には、図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御基板200、230、260、280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御基板200及び払出制御基板230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御基板200及び払出制御基板230のRAMデータが保持される。
主制御基板200は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御基板230、260に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御基板230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
主制御基板200のCPU200aは、CPUコア、内蔵RAM(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)等を備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御基板200は、CPU200aが主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより特別図柄の当否判定を行う当否判定手段(第1抽選手段、第2抽選手段)を構成している。また、主制御基板200のCPU200aは、特別図柄当否判定を実行する際に、ROMに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから特定の変動パターンを決定する。なお、本実施例の主制御基板200のCPU200aの制御周期は4msに設定されている。
主制御基板200には、盤面入力中継基板201と盤面出力中継基板202とが接続されている。盤面入力中継基板201には、普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s、始動口入賞検知スイッチ28s、大入賞口入球検知スイッチ33sが接続されており、これらの信号が主制御基板200に入力するように構成されている。盤面出力中継基板202には、図柄表示装置54、61、62、始動口ソレノイド28c、大入賞口ソレノイド105が接続されており、主制御基板200からの制御信号が出力される。
払出制御基板230は、主制御基板200のCPU200aと同様の構成を有するCPUを備えている。払出制御基板230には、発射制御基板250、CRユニット13等が接続されている。主制御基板200から払出制御基板230には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。
サブ制御基板260には、CPU260aや図示しないROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、入出力ポートにおいて主制御基板200に接続されている。サブ制御基板260は、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ10a〜10dから出力される効果音、演出表示装置25による図柄表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。
主制御基板200からサブ制御基板260には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御基板200から演出表示制御基板280には、サブ制御基板260を介して、特別図柄(疑似図柄)の表示制御を指示する各種図柄制御制御コマンドが送信される。サブ制御基板260から演出表示制御基板280には、演出表示制御を指示する各種演出表示制御コマンドが同時に送信される。
サブ制御基板260には、演出表示制御基板280が接続されている。演出表示制御基板280には、CPU、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいてサブ制御基板260に接続されている。演出表示制御基板280には演出表示装置25が接続されている。演出表示制御基板280は、CPUがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして演出表示装置25の表示制御を行うように構成されている。演出表示制御基板280のROMには、演出表示装置25で表示される演出用図柄の画像データが格納されている。
サブ制御基板260には、装飾駆動基板261を介して各種LED・ランプ262が接続されている。各種LED・ランプ262は、遊技効果を高めるためのものであり、これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。また、サブ制御基板260にはアンプ基板263が接続されている。アンプ基板263にはスピーカ10a〜10dが接続されている。スピーカ10a〜10dからは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。さらに、サブ制御基板260には、演出ボタン基板264を介して演出ボタン5dが接続されている。サブ制御基板260のCPUは、主制御基板200や演出ボタン5dからの各種指令(演出パターン指定コマンドの受信)に基づいて、各種LED・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ10a〜10dから出力される効果音データの選択・出力処理や、演出表示装置25での演出表示のパターンの選択・実行処理等を行う。
次に、本実施例の遊技機1の作動を図4〜図9のフローチャートに基づいて説明する。図4は、主制御基板200のCPUがROMに格納されたプログラムに基づいてCPU200aが実行するメインジョブの一例を示している。図4に示すメインジョブは、電源投入処理S100を実行した後、遊技開始処理S200、普通図柄遊技処理S300、普通電動役物遊技処理S400、特別図柄遊技処理S500、特別電動役物遊技処理S600の各ステップが、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。電源断発生処理S700は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセットが発生した場合に電源投入処理S100に移るようになっている。
電源投入処理S100は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、電源投入時にはRAM初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定等が行われ。遊技開始処理S200では、各種スイッチ状態の検出、各種乱数の更新、賞球制御等が行われる。
普通図柄遊技処理S300では、まず、普通図柄の当否判定を行って、普通図柄表示部51(図2参照)にて普通図柄を当り図柄で停止表示させるか、外れ図柄で停止表示させるかを決定する。次に、普通図柄の変動表示時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動表示時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させ、普通図柄の当り図柄が停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる(第2始動口28bを開放状態とする)。普通図柄遊技処理では、以上のようにして、普通図柄の変動表示および停止表示を行い、普通図柄が当り図柄で停止表示された場合には、第2始動口28bを作動させる処理を行う。第2始動口28bが作動すると、一対の翼片部が左右に開動作して、第2始動口28bが開放状態となる。
普通電動役物遊技処理S400では、第2始動口28bを開放状態に維持する開放時間が経過したか否かを判定し、開放時間が経過していない場合には、第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったか否かを判定する。開放状態にある第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったと判定されるか、開放状態にある第2始動口28bの開放時間が経過していると判定された場合には、一対の翼片部28cが閉動作して、第2始動口28bは通常状態となる。
次に、特別図柄遊技処理S500を図5〜図8のフローチャートに基づいて説明する。まず、始動口入賞処理を行う(S501)。ここで、始動口入賞処理について図6のフローチャートに基づいて説明する。
まず、第1始動口28aに入賞したか否かを判定し(S501a)、第1始動口28aに入賞していないと判定された場合には(S501a:NO)。S501dの処理に移行する。一方、第1始動口28aに入賞したと判定された場合には(S501a:YES)、第1特別図柄保留数が4未満であるか否かを判定する(S501b)。この結果、第1特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S501b:YES)、第1特別図柄当否判定用の乱数を取得して記憶する(S501c)。
次に、第2始動口28bに入賞したか否かを判定し(S501d)、第2始動口28bに入賞していないと判定された場合には(S501d:NO)。そのままリターンする。一方、第2始動口28bに入賞したと判定された場合には(S501d:YES)、第2特別図柄表示数が4未満であるか否かを判定する(S501e)。この結果、第2特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S501e:YES)、第1特別図柄当否判定用の乱数を取得して記憶する(S501f)。
次に、図5に戻り、特別遊技中(大当り遊技中)であるか否かを判定する(S502)。この結果、特別遊技中であると判定された場合には(S502:YES)、そのままリターンし、特別遊技中でないと判定された場合には(S502:NO)、第1特別図柄または第2特別図柄が変動中であるか否かを判定する(S503)。この結果、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれかが変動中であると判定された場合には(S503:YES)、後述のS510の処理に移行し、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれもが変動中でないと判定された場合には(S503:NO)、第1特別図柄または第2特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S504)。第1特別図柄または第2特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S504:YES)、後述のS513の処理に移行し、第1特別図柄または第2特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S504:NO)、第2特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S505)。
この結果、第2特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S505:NO)、開放時間延長機能が作動中であるか否かを判定する(S506)。この結果、開放時間延長機能が作動中でないと判定された場合には(S506:NO)、第2特別図柄変動表示処理を行う(S507)。
ここで、第2特別図柄変動表示処理S507を図7のフローチャートに基づいて説明する。まず、記憶されている第2特別図柄当否判定用乱数を読み出し(S507a)、第2特別図柄当否判定を行う(S507b)。確率変動機能が作動中(確変遊技中)の場合には、確率変動時の当否判定を行い、確率変動機能が作動中でないと判定された場合には、非確率変動時の当否判定を行う。
次に、第2特別図柄の変動パターンの決定処理を行う(S507c)。この第2特別図柄変動パターンは、第2特別図柄の変動時間や、その変動におけるリーチ演出の有無を規定するものである。第2特別図柄当否判定の結果が確変大当りである場合には、確変大当り用の停止図柄と変動パターンを決定し、第2特別図柄当否判定の結果が通常大当りである場合には、通常大当り用の停止図柄と変動パターンを決定する。それら以外の場合には、第2特別図柄当否判定の結果が外れであり、リーチ演出の有無に応じて外れ停止図柄とその変動パターンを決定する。
次に、第2特別図柄表示部62で第2特別図柄の変動表示を開始し(S507d)、第2特別図柄保留数を1減算する(S507e)。第2特別図柄の変動表示開始とともに、サブ制御基板260のCPU260aに演出パターン指定コマンドを出力し、演出表示装置25における演出図柄の変動表示を開始させる。演出パターン指定コマンドは、S507cで決定された変動パターンを指定するコマンドである。
次に、図5に戻り、S506の判定処理で開放時間延長機能が作動中であると判定された場合には(S506:YES)、第1特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S508)。この結果、第1特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S508:YES)、上述の第2特別図柄変動表示処理を行い(S507)、第1特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S508:NO)、第1特別図柄保留数が4であるか否かを判定する(S509)。
この結果、第1特別図柄保留数が4であると判定された場合には(S509:YES)、上述の第2特別図柄変動表示処理を行い(S507)、第1特別図柄保留数が4でないと判定された場合には(S508:NO)、第1特別図柄変動表示処理を行う(S510)。このように、開放時間延長機能作動中では、第1特別図柄保留数および第2特別図柄保留数が共にゼロでない、すなわち1以上と判定され(S505:NO,S508:NO)、かつ第1特別図柄保留数が4であると判定された場合には(S509:YES)、第1特別図柄の当否判定(変動表示)よりも第2特別図柄の当否判定(変動表示)が優先的に実行される。一方、第1特別図柄保留数および第2特別図柄保留数が共にゼロでない、すなわち1以上と判定され(S505:NO,S508:NO)、第1特別図柄保留数が4でないと判定された場合には(S509:NO)、第2特別図柄の当否判定(変動表示)よりも第1特別図柄の当否判定(変動表示)が優先的に実行される。
次に、第1特別図柄変動表示処理S510を図8のフローチャートに基づいて説明する。まず、記憶されている第1特別図柄当否判定用乱数を読み出し(S510a)、第1特別図柄当否判定を行う(S510b)。確率変動機能が作動中(確変遊技中)の場合には、確率変動時の当否判定を行い、確率変動機能が作動中でないと判定された場合には、非確率変動時の当否判定を行う。
次に、第1特別図柄の変動パターンの決定処理を行う(S510c)。この第1特別図柄変動パターン決定処理は、図7に示すS507cの第2特別図柄変動パターン決定処理と同様の処理である。
次に、第1特別図柄表示部61で第1特別図柄の変動表示を開始し(S510d)、第1特別図柄保留数を1減算する(S510e)。第1特別図柄の変動表示開始とともに、サブ制御基板260のCPU260aに演出パターン指定コマンドを出力し、演出表示装置25における演出図柄の変動表示を開始させる。演出パターン指定コマンドは、S510cで決定された変動パターンを指定するコマンドである。
次に、図5に戻り、S505の判定処理で、第2特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S505:YES)、第1特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S511)。この結果、第1特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S511:YES)、そのままリターンし、第1特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S511:NO)、上述の第1特別図柄変動表示処理を行う(S510)。
次に、上記S503で第1特別図柄または第2特別図柄が変動中であると判定された場合には(S503:YES)、変動中の特別図柄の変動表示時間が経過しているか否かを判定する(図5(b)のS512)。この結果、特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定された場合には(S512:NO)、そのままリターンし、特別図柄の変動表示時間が経過していると判定された場合には(S512:YES)、特別図柄の変動を停止し(S513)、特別図柄の停止表示時間を設定する(S514)。
次に、特別図柄の停止図柄表示時間が経過したか否かを判定する(S515)。この結果、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していないと判定された場合には(S515:NO)、そのままリターンし、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していると判定された場合には(S515:YES)、特別図柄の停止図柄が大当り図柄の組合せであるか否かを判定する(S516)。この結果、特別図柄の停止図柄が大当り図柄の組合せであると判定された場合には(S516:YES)、特別遊技(大当り遊技)を開始させる(S517)。
次に、確率変動機能が作動中であるか否かを判定し(S518)、確率変動機能が作動中であると判定された場合は(S518:YES)、確率変動機能を作動停止させる(S519)。そして、開放時間延長機能が作動中であるか否かを判定し(S520)、開放延長機能が作動中であると判定された場合には(S520:YES)、開放延長機能を作動停止させる(S521)。
上記S516で特別図柄の停止図柄が大当り図柄の組合せでないと判定された場合には(S516:NO)、確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(S522)。
S522で確率変動機能が作動中でないと判定された場合には(S522:NO)、変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S526)。この結果、変動時間短縮機能作動中でないと判定された場合は(S526:NO)、そのままリターンし、変動時間短縮機能作動中であると判定された場合は(S526:YES)、特別図柄の変動回数を計数し(S527)、変動回数が予め設定された変動回数(本例では100回)に到達したか否かを判定する(S528)。この結果、変動回数が予め設定された変動回数(100回)に到達していないと判定された場合には(S528:NO)、そのままリターンし、変動回数が予め設定された変動回数(100回)に到達したと判定された場合には(S528:YES)、変動時間短縮機能を作動停止させ(S529)、開放時間延長機能を作動停止させる(S530)。
一方、S522で確率変動機能が作動中であると判定された場合には(S522:YES)、特別図柄の変動回数を計数し(S523)、変動回数が予め設定された変動回数(本例では4回)に到達したか否かを判定する(S524)。この結果、変動回数が予め設定された変動回数(4回)に到達していないと判定された場合には(S524:NO)、そのままリターンし、変動回数が予め設定された変動回数(4回)に到達したと判定された場合には(S524:YES)、確率変動機能を作動停止させ(S525)、上述のS526の処理に進む。
なお、S523の処理やS527の処理で計数される特別図柄の変動回数は、第1特別図柄および第2特別図柄の両方の変動回数を合算したもので、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動回数に相当する。また、S528の処理の判定条件として設定される変動回数は変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動停止(終了)条件に相当するもので、本発明の「第1所定回数」相当する。また、S524の処理で判定条件として設定される変動回数は確率変動機能の作動停止(終了)条件に相当するもので、本発明の「第2所定回数」相当する。
次に、特別電動役物遊技処理S600について図9のフローチャートに基づいて説明する。まず、特別遊技中(大当り遊技中)であるか否かを判定し(S601)、特別遊技中でないと判定された場合には(S601:NO)、そのままリターンし、特別遊技中であると判定された場合には(S601:YES)、大入賞口33aが開放中であるか否かを判定する(S602)。この結果、大入賞口33aが開放中であると判定された場合には(S602:YES)、大入賞口33aの開放時間が経過したか否かを判定し(S603)、大入賞口33aの開放時間が経過していないと判定された場合には(S603:NO)、大入賞口33aに最大入賞数が入賞したか否かを判定する(S604)。
この結果、大入賞口33aに最大入賞数が入賞していないと判定された場合には(S604:NO)、そのままリターンし、大入賞口33aに最大入賞数が入賞していると判定された場合(S604:YES)または大入賞口33aの開放時間が経過していると判定された場合には(S603:YES)、大入賞口33aを閉鎖する(S605)。
上記S602で、大入賞口33aが開放中でないと判定された場合には(S602:NO)、特別遊技のラウンド数が所定回数に達したか否かを判定する(S606)。この結果、特別遊技のラウンド数が所定回数に達していないと判定された場合には(S606:NO)、大入賞口33aの閉鎖時間(インターバル時間)が経過しているか否かを判定し(S607)、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していないと判定された場合には(S607:NO)、そのままリターンし、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していると判定された場合には(S607:YES)、大入賞口33aを開放させる(S608)。
上記S606で、特別遊技のラウンド数が所定回数に達していると判定された場合には(S606:YES)、特別遊技を終了する(S609)。そして、特別遊技の開始契機となった特別図柄当否判定の結果(大当り図柄の種類)が確変大当りか否かを判定する(S610)。この結果、特別図柄当否判定の結果が確変大当りであると判定された場合には(S610:YES)、確率変動機能を作動開始させ(S611)、変動時間短縮機能を作動開始させ(S612)、開放延長機能を作動開始させる(S613)。
S610の判定処理で特別図柄当否判定が確変当りでないと判定された場合には(S610:NO)、変動時間短縮機能を作動開始させ(S612)、開放延長機能を作動開始させる(S613)。
ここで、図5〜図9のフローチャートに示した処理と本発明との対応について説明しておくと、S501cおよびS510eの処理が本発明の第1保留手段の一態様で、S501fおよびS507eの処理が本発明の第2保留手段の一態様で、S510bが本発明の第1抽選手段の一態様で、S507bが本発明の第2抽選手段の一態様である。また、S517,S611,S612,S613の処理が、本発明の特典付与手段の一態様である。
次に、特別図柄の変動表示順序について説明する。図10は、第1特別図柄保留数と第2特別図柄保留数に基づいて優先的に変動表示される特別図柄(特別図柄当否判定)を示している。
上述のように、第1特別図柄保留数と第2特別図柄保留数の双方が存在する場合(1以上の場合)には、第1特別図柄保留数が所定数(4個)に到達しているか否かによって、第1特別図柄当否判定と第2図柄当否判定のいずれが優先的に実行されるかが異なる。
例えば第1特別図柄保留数と第2特別図柄保留数の双方が「3」の場合には、第1図柄保留数が「4」に到達していないので、第2特別図柄の変動表示(第2特別図柄当否判定)より第1特別図柄の変動表示(第1特別図柄当否判定)が優先される。このため、図10における矢印Aで示すように、「第1特別図柄」→「第1特別図柄」→「第1特別図柄」→「第2特別図柄」→「第2特別図柄」→「第2特別図柄」の順で変動表示する。
また、第1特別図柄保留数が「4」で第2特別図柄保留数が「3」の場合には、第1図柄保留数が「4」に到達しているので、第1特別図柄の変動表示(第1特別図柄当否判定)より第2特別図柄の変動表示(第2特別図柄当否判定)が優先される。このため、図10における矢印Bで示すように、「第2特別図柄」→「第2特別図柄」→「第2特別図柄」→「第1特別図柄」→「第1特別図柄」→「第1特別図柄」→「第1特別図柄」の順で変動表示する。
以上説明した本実施例の構成によれば、特別遊技状態終了後における止め打ち防止を図ることができる。つまり、開放時間延長機能作動中には第2始動口28bが入球容易となり、第2特別図柄の保留が発生しやすくなるが、第1特別図柄保留数が「4」になっていないと、第1特別図柄の変動表示が優先的に実行されてしまい、第2特別図柄の保留が上限に達した後は第2始動口28bへの入球が無駄になってしまう。第2特別図柄の変動表示(第2特別図柄当否判定)を優先的に実行させるためには、第1特別図柄保留数を「4」にする必要があるので、遊技者は第1特別図柄保留数を増加させるために第1始動口28aに遊技球を入球させようとする。これにより、2つの特別図柄を利用して開放時間延長機能作動時における遊技者の止め打ち防止を図ることができ、特別遊技終了後における遊技機の稼働率を向上させることができる。
また、本実施例のような限定確変遊技を採用している遊技機1では、確変遊技が終了するまで遊技球を発射せずに特別図柄の保留を消化させることが多いので、止め打ち防止に特に効果がある。さらに、本実施例では、第2特別図柄当否判定の方が第1特別図柄当否判定より有利な抽選が行われるので、確変遊技中に第2特別図柄当否判定を実行させることが遊技者に有利となる。このため、短期間で終了する確変遊技中に第2特別図柄当否判定を実行させるために、遊技者は第1始動口28aに遊技球を入球させようとするので、より効果的に遊技者の止め打ち防止を図ることができ、遊技機の稼働率を向上させることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上記各実施例では、第1始動口28aへの遊技球入球を契機とする第1特別図柄当否判定手段による当否判定確率(抽選確率)よりも、第2始動口28bへの遊技球入球を契機とする第2特別図柄当否判定手段による当否判定確率(抽選確率)の方を高く設定することで、第1特別図柄当否判定よりも第2特別図柄当否判定の方が遊技者にとって有利に働くものとして説明した。しかしながら、第1特別図柄当否判定よりも第2特別図柄当否判定の方が遊技者にとって有利に働くようにするのであれば、他の形態を採用することもできる。例えば、大当り遊技で実行可能なラウンド数を「7ラウンド」と「15ラウンド」の2種類設定し、第1特別図柄当否判定手段による当否判定で「大当り」となった場合は、「7ラウンド選択確率が40/100(40%),15ラウンド選択確率が60/100(60%)」の条件でラウンド抽選を行い、第2特別図柄当否判定手段による当否判定で「大当り」となった場合は、「7ラウンド選択確率が15/100(15%),15ラウンド選択確率が85/100(85%)」の条件でラウンド抽選を行う構成としてもよい。この場合、第2特別図柄当否判定手段による当否判定で「大当り」となった場合の方が、大当り遊技のラウンド数が「15ラウンド」に決定される可能性(確率)が高くなるように抽選条件が設定されることとなり、第1特別図柄当否判定よりも第2特別図柄当否判定の方が遊技者にとって有利に働くこととなる。
また、時短遊技回数を「30回」、「50回」、「100回」の3種類設定し、第1特別図柄当否判定手段による当否判定で「大当り」となった場合は、「30回選択確率が40/100(40%),50回選択確率が50/100(50%),100回選択確率が10/100(10%)」の条件で時短回数抽選を行い、第2特別図柄当否判定手段による当否判定で「大当り」となった場合は、「30回選択確率が25/100(25%),50回選択確率が50/100(50%),100回選択確率が25/100(25%)」の条件で時短回数抽選を行う構成としてもよい。この場合、第2特別図柄当否判定手段による当否判定で「大当り」となった場合の方が、時短遊技回数が最小の「30回」に決定される可能性(確率)が低くなるように抽選条件が設定されることとなり、第1特別図柄当否判定よりも第2特別図柄当否判定の方が遊技者にとって有利に働くこととなる。
1…遊技機、25…演出表示装置、28…始動口、33…大入賞装置、53…第1特別図柄保留表示部、54…第2特別図柄保留表示部、61…第1特別図柄表示部(第1図柄表示手段)、62…第2特別図柄表示部(第2図柄表示手段)、200…主制御基板(開放時間延長手段、確率変動手段、特別遊技実行手段、特典付与手段、図柄表示制御手段、第1保留手段、第2保留手段、第1抽選手段、第2抽選手段)、260…サブ制御基板。