以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、後述する実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
図1は、本実施例におけるパチンコ機の遊技盤8の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に沿っているので図示及び説明は省略する。遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、図示しない多数の遊技釘が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(図2参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
液晶枠飾り28の下には、第1始動口31(本発明の始動口に該当)とその下に開閉可能な羽根部材を備えた普通電動役物40で構成された第2始動口32(本発明の始動口に該当)とが配置され、液晶枠飾り28の左方には、普通図柄作動ゲート42が配置されている。なお、第2始動口32は、普通電動役物40の羽根部材が開放しないと遊技球が第2始動口32に入球できない構成となっている。
第2始動口32の下方にはアタッカー式の第1大入賞口33aが配置されている。また、第1始動口31の左方には、4個の一般入賞口35aが設けられている。なお、この一般入賞口35aは、入球率が変化しない普通入賞口である。
遊技領域26の右下部には、複数個のLEDからなると共に普通図柄を表示する普図表示装置41と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置41aと、第1特図保留数表示装置29aと、第2特別図柄保留数表示装置30aと、7セグメント表示装置からなる第1特図表示装置29、第2特別図柄表示装置30とが配置されている。
第1始動口31の右上方には、第2大入賞口70(本発明の特定領域を備えた大入賞口に該当)と第2大入賞口70に入球した遊技球を振分ける振り分け装置とが設けられ、該振り分け装置内には特定領域72(本発明の特定領域に該当)と該特定領域72への遊技球の入球が可能な位置と不可能な位置に変位するシャッター部材71が配置されている。本実施例のシャッター部材71は、第2大入賞口70の扉部材が駆動して遊技球の入球が可能な状態になると特定領域72への遊技球の入球が可能な位置に変位し、特定領域72に遊技球が入球(特定領域スイッチ72aが遊技球を検出)すると、特定領域72への遊技球入球が不可能な位置に戻る。従って、第2大入賞口70の扉部材が駆動しない大当り遊技時及び通常時は、シャッター部材71は特定領域72に遊技球が入球不可能な位置で停止している。
第1大入賞口33aと第2大入賞口70を上述した位置に配置することにより、公知の発射ハンドルを液晶枠飾り28の左側に遊技球が流下するように発射調整した場合、第1大入賞口33aへの入賞は可能となるが、第2大入賞口70への入賞は不可能となり、第2大入賞口70へ遊技球を入賞させる場合には、発射ハンドルを液晶枠飾り28の右側に遊技球が流下するように調整する必要がある。
上述したように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ42a(図2参照)が遊技球を検出)すると、図示しない本発明の普図当否判定手段によって当たり遊技状態とするか否かの判定が行われ、判定結果に基づいて、普図表示装置41で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、当たり遊技状態となると、普通電動役物40の羽根部材が駆動して、第2始動口32への入球が可能となるように構成されている。
普通電動役物40の羽根部材が駆動する開放時間は、通常時においては、0.100秒の開放を1回(ショート開放)、又は0.100秒の開放を1回行ったあとに5.400秒の開放を1回(ロング開放)行う2種類の開放パターンのいずれかとなり、普通図柄の当り図柄の種類に応じて何れかの開放パターンが実施される。また、時短状態で作動する開放延長機能(電チューサポート機能)では1回の普通図柄の当りで1.880秒の開放を3回実施する。
第1始動口31に遊技球が入球(第1特図始動口スイッチ31a(図2参照)が遊技球を検出)すると、第1特図表示装置29において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口32である普通電動役物40に遊技球が入球(第2特図始動口スイッチ32a(図2参照)が遊技球を検出)すると、第2特図表示装置30において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。本実施例の普通電動役物40は、本発明の始動口として構成されている。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて各々の特別図柄の変動に連動した擬似図柄の演出変動を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口31と第2始動口32への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動(当否判定)を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無い状態となってから、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。
第1特別図柄及び第2特別図柄が大当り表示態様となる(所定の大当り図柄が確定表示される)と、第1大入賞口33aの扉部材と第2大入賞口70の扉部材とが駆動し遊技球の入球が可能となる。
詳しくは、図10に示すように、第1特別図柄、第2特別図柄のどちらの特別図柄が大当り表示態様となっても、大当り遊技の1ラウンドから12ラウンドまでは第1大入賞口33aの扉部材が28.0秒間、又は第1カウントスイッチ33b(図2参照)が9個の遊技球を検出するまで駆動する。
続く最終13ラウンドは、第2大入賞口70の扉部材が28.0秒間経過するか、又は第2カウントスイッチ70bが9個の遊技球を検出するまで駆動する。
このときシャッター部材71は、大当り表示態様によって、すなわち確定表示される大当り図柄によって異なる駆動態様となるように構成されている。具体的には、確定表示される大当り図柄が入球通常図柄である場合には、特定領域72への入球が可能な位置に変位しないよう制御され、入球確変図柄である場合には、特定領域72への入球が可能な位置に変位するよう制御される。
本実施例では、入球通常図柄が選択された場合、特定領域72への入球を不能とするために、シャッター部材71は、入球不能な位置から変位せずその状態を維持する。また、入球確変図柄が選択された場合、特定領域72への入球を高い確率で発生させるように、シャッター部材71は、入球不能な位置から入球可能な位置に変位する。
上述したように、第1大入賞口33aと第2大入賞口70の複数の大入賞口を設け、特定領域72を備えた第2大入賞口70を液晶枠飾り28の右側に配置することにより、第2大入賞口70に遊技球を入球させるためには発射強度を通常時よりも強く(ハンドルの回動量を大きく)する必要がある。この構成により、意図してハンドルの回動量を増やさなければ第2大入賞口に遊技球が入球しないため、不本意な特定領域72への入球を防ぐことが可能となっている。
本実施例では、振分け装置内の特定領域72への遊技球の入球を、シャッター部材71を用いて入球可能な状態と不可能な状態に振分けているが、シャッター部材71等の変位制御が可能な部材を用いずに、振分け装置内の形状のみによって特定領域72への入球を振分ける構成(例えば、クルーンによる振分け)も考えられる。
続いて、図2に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図2には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に電源が供給される構成となっている。
主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板62を介して第1始動口31に入球した遊技球を検出する第1特図始動スイッチ31aと、第2始動口32である普通電動役物40に入球した遊技球を検出する第2特図始動スイッチ32aと、普通図柄作動ゲート42に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ42aと、第1大入賞口33aに入球した遊技球を検出する第1カウントスイッチ33bと、第2大入賞口70に入球した遊技球を検出する第2カウントスイッチ70bと、第2大入賞口70内に配置された特定領域72に入球した遊技球を検出する特定領域スイッチ72aと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35bとが接続されている。
また、裏配線中継端子板を介して前面枠が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチと、意匠枠が閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチと、が接続されている。なお、主制御装置50の入力端に接続された各種入賞検出スイッチ(第1特図始動スイッチ31a、第2特図始動スイッチ32a、普通図柄作動スイッチ42a、第1カウントスイッチ33b、第2カウントスイッチ70b、特定領域スイッチ72a、一般入賞口スイッチ35b)は、電波(電磁波)ゴトに有効(遊技球検出状態時のみ電波の影響を受ける)なスイッチとしてノーマルクローズタイプ(NCタイプ)の近接スイッチ(遊技球通過孔を備えた形状)を用いている。
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板62を介して第1大入賞口33aの扉部材を駆動する第1大入賞口ソレノイド33cと、第2大入賞口70の扉部材を駆動する第2大入賞口ソレノイド70cと、第2大入賞口70内のシャッター部材71を駆動するシャッターソレノイド71cと、普通電動役物40の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイド42cとが接続されており、図柄表示装置中継端子板64を介して第1特別図柄を表示する第1特図表示装置29と、第1特別図柄の保留記憶数を表示する第1特図保留数表示装置29aと、第2特別図柄を表示する第2特図表示装置30と、第2特別図柄の保留記憶数を表示する第2特図保留数表示装置30aと、普通図柄を表示する普図表示装置41と、普通図柄の保留記憶数を表示する普図保留数表示装置41aとが接続されており、裏配線中継端子板及び外部接続端子板を介して図示しないホールコンピュータと、が接続されている。
主制御装置50は、CPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51及びサブ統合制御装置53に出力する。ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53とは主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
主制御装置50は、本実施例のパチンコ機の遊技を統括制御する本発明の主制御手段である。
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板を介して球タンク又はタンクレール内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチと、裏配線中継端子板及び払出中継端子板66を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチと、各種端子板を介することなく下皿への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチとが接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板及び払出中継端子板66を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータが接続されている。
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50及び発射制御装置52に出力する。ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置52とは払出制御装置51から発射制御装置52への一方向通信回路として構成されている。
また、払出制御装置51は、外部接続端子板を介して賞球に関する情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置52に対して発射停止信号を送信する。発射制御装置52は発射モータを制御して、遊技球を遊技領域26に発射させる。なお、発射制御装置52には払出制御装置51以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチからのタッチ信号、発射停止スイッチから発射停止スイッチ信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルに触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置52に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置53の入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチ14aが接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、図示しない意匠枠及び遊技盤8に備えられる各種LED・ランプ37と、前面枠及びスピーカユニットに備えられるスピーカ10と、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aとはサブ統合制御装置53から演出図柄制御装置54aへの一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ14aの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニット54の演出図柄制御装置54aに出力する。
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチ10aが備えられ、音量調節スイッチ10aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ10へ送信する内容とを判断し、スピーカ10から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
演出図柄制御装置54aは、サブ統合制御装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合制御装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置54bを制御して、疑似図柄等の演出画像を窓部28aに表示させる。
次に、図3を用いて、主制御装置50が行う始動入賞処理について説明する。
始動入賞処理は、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置50に格納(記憶)するとともに、記憶した乱数が予め設定された値か否かについて、当否判定を実施する以前に確認する処理を行い、第1始動口31及び第2始動口32への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置53に送信する処理となる。以後、第1始動口31に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口32に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
本実施例においては、普図保留数表示装置41a、第1特図保留数表示装置29a、第2特図保留数表示装置30aによる各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっている。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置50に格納される。
始動入賞処理を開始すると、先ず、第1特図始動スイッチ31aが遊技球を検出したか否か判定する(S10)。否定判定なら(S10:no)S45に進み、肯定判定なら(S10:yes)、主制御装置50に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S20)。否定判定なら(S20:no)S45に進み、肯定判定であれば(S20:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し第1保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S25)。
S25に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S30)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、リーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上述した判定を行うことによって、記憶した乱数値が遊技者が期待のもてる特定の値か否かを判定する。
続いて、S30の判定結果から第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置53に送信し(S35)(第1先読判定コマンド送信手段)、S25で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信する(S40)。
S40の処理、S10、S20の否定判定(S10:no、S20:no)に続いては、第2特図始動スイッチ32aが遊技球を検出したか否か判定する(S45)。否定判定なら(S45:no)S80に進み、肯定判定なら(S45:yes)、主制御装置50に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S55)。否定判定なら(S55:no)S80に進み、肯定判定であれば(S55:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算する(S60)。
S60に続いては、記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S65)。具体的には、第1保留記憶と同様に、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、リーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上述した判定を行うことによって、記憶した乱数値が遊技者が期待のもてる特定の値か否かを判定する。
続いて、S65の判定結果から第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置53に送信し(S70)、S60で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信して(S75)、S80に進む。
S80では、普通図柄作動スイッチ42aが遊技球を検出したか否か判定する(S80)。否定判定なら(S80:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S80:yes)、主制御装置50に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S85)。否定判定なら(S85:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S85:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し(普図保留記憶手段)、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S90)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信し(S95)(保留記憶数送信手段)、リターンする。
サブ統合制御装置53は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置54b上で表示する各保留記憶数を変化させる制御を行う。また、本実施例では、演出図柄表示装置54b上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置53に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物40のロング開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。
次に図4、5、6、7を用いて主制御装置50が行う特図当否判定処理を説明する。
この処理は、主制御装置50が第1始動口31又は第2始動口32への遊技球の入球時に取得した大当り判定用乱数と抽選時(判定時)の遊技状態(通常遊技状態か確変状態か)とに応じて大当りを生起させるか否か判定(本発明の特図当否判定手段)し、判定結果が大当りなら、大当り図柄判定用乱数に基づいて複数の大当り図柄の中から確定表示を行う大当り図柄を決定し、決定した大当り図柄に応じて大当り遊技の遊技内容や大当り遊技後の遊技状態の種別が決定される。
図4に示す特図当否判定処理を開始すると、主制御装置50は条件装置が未作動か否か判定する(S100)。この判定は大当りフラグに基づいて行われる。大当りフラグとは、特別図柄の抽選で当選した場合(取得した大当り判定用乱数の値が予め定められた所定の値と一致していた場合)に立つフラグである。S100が肯定判定であれば(S100:yes)、特別図柄が変動停止中であるか(S105)、確定図柄の非表示期間であるか(S110)の判定が行われる。
S105、S110の両方が肯定判定なら(S105:yes、S110:yes)、図5に進み、第2保留記憶があるか否か判定する(S120)。肯定判定なら(S120:yes)、S130に進み、否定判定なら(S120:no)、第1保留記憶があるか否か判定する(S125)。否定判定なら(S125:no)特別遊技処理1に進み、肯定判定なら(S125:yes)、S130に進む。このS120とS125の判定順により、第2保留記憶の当否判定を第1保留記憶よりも優先して実施する構成となっている。
S130では、時短フラグが0か否か判定する(S130)。否定判定なら(S130:no)、時短状態中の処理に進む。本実施例では、後述する複数種類の時短状態(時短フラグ=1、2)を備えるものであって、各々で選択する変動パターンテーブルが異なるように構成されている。但し、当該構成を除けば基本的にこの処理は公知の処理と何ら変わりないため、具体的な図示は割愛する。
時短フラグとは、主制御装置50にて記憶される値である。本実施例では、時短フラグの値が「0」のときは、時短状態ではないことを、時短フラグの値が「1」或いは「2」のときは、時短状態であることを主制御装置50が判断するための値である。そして、時短状態では、普通図柄、第1及び第2特別図柄の変動時間が短縮されるとともに、開放延長機能が作動し普通電動役物40の作動回数が増加するとともに作動時間が通常状態よりも延長される。
S130が肯定判定なら(S130:yes)判定する第1保留記憶又は第2保留記憶のシフト処理を行い、これにより最も古い第1保留記憶又は第2保留記憶を当否判定の対象とするとともに、対象となった第1又は第2保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算し(S135)、該減算した保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信する(S140)。
続く、大当り判定用乱数比較処理では、特図当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数と予め設定された特図当否判定テーブルとを比較して、大当り判定用乱数の値が特図当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する(S145)。特図当否判定テーブルは通常確率(低確率1/358.1148)用と高確率用(1/37.6855)の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常確率状態であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率の確変状態であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。(本発明における特図当否判定手段に該当)
続いてS145の比較結果が大当りか否かを判定し(S150)、肯定判定なら(S150:yes)、読み出した大当り図柄決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S155)、決定した大当り図柄の種類に応じて遊技状態設定フラグを設定する(S160)。
遊技状態設定フラグは、大当り図柄の種別に基づき設定されるフラグである。また、遊技状態設定フラグは、大当り遊技中の特定領域72への遊技球の入球に基づいて大当り遊技終了後の遊技状態(本実施例では「通常確率通常時短100回」、「次回大当りまで確変、時短」、「通常確率非常時短100回」)を設定するために、大当りとなる変動終了時(後述するS217のモードバッファ設定処理)まで、主制御装置50が記憶する値である。
図9(1)に示すように、S155で決定した大当り図柄の種類が、上述した「入球通常図柄」なら、遊技状態設定フラグに「0」を設定し、S155で決定した大当り図柄の種類が、上述した「入球確変図柄」なら、遊技状態設定フラグには「1」を設定する。
上述した設定される大当り遊技終了後の遊技状態について更に説明すると、確率状態に係る高確率状態及び低確率状態、時短状態、これに加えて、当該時短状態に係る遊技条件が挙げられる。遊技条件は、例えば、時短回数(時短状態が維持される特別図柄の変動回数)、時短状態中に選択される普通電動役物40の開放パターンが設定される開放パターンテーブル、時短状態中に選択される特別図柄の変動パターンが設定される変動パターンテーブル、等がある。
このように、本実施例では、大当り図柄が決定した時点で、大当り遊技後の確率状態、時短状態、時短状態中の遊技条件等が、設定され、大当り遊技終了時に各種フラグの設定により確定される。
本実施例では、遊技状態設定フラグが「0」に設定された時点で、大当り遊技終了後の遊技状態として「通常確率通常時短100回」となることが設定され、遊技状態設定フラグが「1」に設定された時点で、大当り遊技終了後の遊技状態として「次回大当りまで確変、時短」或いは「通常確率非常時短100回」の2つの状態が設定される。「次回大当りまで確変、時短」と「通常確率非常時短100回」の何れとするかの決定は、大当り遊技の終了時の特定領域72への球通過判定結果を待って決定される。
S160の処理は、特定領域72への球通過判定に先んじて、予め「次回大当りまで確変、時短」と「通常確率非常時短100回」の2つの遊技状態を事前に選択して記憶する処理であって、本発明の遊技状態事前選択手段を構成するものである。
また、遊技状態事前選択手段によって、予め球通過判定の複数の結果に対応した遊技状態並びに遊技条件を決定しておくことで、大当り図柄が選択された時点で決定されるべき時短回数等の遊技条件を、球通過判定の複数の結果に対応して個別に決定しておくことが可能となっている。
図5に戻り、S160に続いては、読み出した大当り判定用乱数、変動パターン決定用乱数の値によって変動パターン(変動時間)を選択する(S165)。S150が否定判定なら(S150:no)、S145の比較処理で小当り判定用の当り値と一致していたか否かを判定し(S170)、肯定判定なら(S170:yes)、読み出した小当り図柄決定用乱数の値に基づいて小当り図柄を決定し(S175)、読み出した小当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数の値によって変動パターン(変動時間)を決定する(S165)。S170が否定判定なら(S170:no)、ハズレ図柄を決定し(S180)、読み出したリーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数の値によって変動パターン(変動時間)を決定する(S165)。
S165の処理に続いては、上述の抽選結果を示すデータ(大当り図柄の種類、小当りの有無、ハズレの種類(リーチの有無)、変動時間等)を含んだ変動指示コマンドをサブ統合制御装置53に出力するとともに、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30において特別図柄を変動表示させる処理を行い(S185)、特別遊技処理1に移行する。従って、サブ統合制御装置53は変動指示コマンドにより、大当り図柄の種類、ハズレ図柄、リーチの有無、変動時間を把握することが出来る。
図4の処理に戻り、S105が否定判定(S105:no)、即ち特別図柄が変動中なら、図6のフローチャートに進み、特図の変動時間(S165で選択した変動パターンに基づく)が経過したか否かを判定し(S200)、否定判定なら(S200:no)特別遊技処理1に進み、肯定判定なら(S200:yes)、図柄停止コマンドをサブ統合制御装置53に出力するとともに、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を制御してS155、S175又はS180で決定した図柄を確定表示させる(S205)。図柄停止コマンドを受信したサブ統合制御装置53は演出図柄制御装置54aに予め決めておいた擬似(演出)図柄を確定表示させる指示信号を出力し、演出図柄制御装置54aは、その信号により演出図柄表示装置54bを制御して擬似(演出)図柄を確定表示させる。これにより、特別図柄と擬似(演出)図柄の変動の開始と終了が同じタイミングになる(同期する)。
S205の処理に続いては、確定表示した特別図柄が大当りを示すか否かを判定し(S210)、肯定判定なら(S210:yes)、確定図柄表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S215)、モードバッファ設定処理を行う(S217)。
モードバッファ設定処理は、S160にて決定した遊技状態設定フラグの内容を大当り遊技終了時まで一時的にモードバッファに置換して記憶設定する処理である。
モードバッファ設定処理では、遊技状態設定フラグの値が「0」である場合にはモードバッファの値を「0」に、遊技状態設定フラグの値が「1」である場合にはモードバッファの値を「1」に設定する。
なお、大当り遊技中には、モードバッファの値が維持されて、大当り遊技終了時に、モードバッファの内容に基づいて、大当り遊技後の遊技状態を決定するための各種フラグが所定の値に設定されることで、置き換えられる。このように、大当り図柄の種別、遊技状態設定フラグ、モードバッファ、及び大当り後の遊技状態が一定の関係性をもって構成されている。
ではここで、遊技状態設定フラグ、モードバッファ、及び大当り遊技後の遊技状態の関係について、図9(2)及び(3)を参照して説明する。
遊技状態設定フラグが「0」であることにより、モードバッファの値が「0」の場合、大当り遊技終了時には「通常確率通常時短100回」が設定される。具体的には、確率状態が通常(低)確率状態で、通常時短状態が変動回数100回を限度として実行される状態に設定される。
遊技状態設定フラグが「1」であることにより、モードバッファの値が「1」の場合、大当り遊技終了時に特定領域72への遊技球通過が確認されれば、「次回大当りまで確変/時短」が設定される。具体的には、確率状態が高確率状態且つ通常時短状態が、変動回数10000回を限度(実質的は、次回大当りまでと略同義)として実行される状態に設定される。
遊技状態設定フラグが「1」であることにより、モードバッファの値が「1」の場合、大当り遊技終了時に特定領域72への遊技球通過が確認されなければ、「通常確率非常時短100回」が設定される。具体的には、確率状態が通常(低)確率状態で、非常時短状態が変動回数100回を限度として実行される状態に設定される。
本実施例では、このように大当り遊技の終了時における特定領域72への遊技球の通過有無の判断を待って、3種類の遊技状態の最終的な設定処理がなされるようになっている。
また、本実施例では、時短状態として、特定領域72への遊技球通過の有無により異なる時短状態を備えている。特定領域72への遊技球通過が有った場合には、「通常時短状態」が、特定領域72への遊技球通過が無かった場合には、「非常時短状態」が設定される。「通常時短状態」は、アクシデント無く予定通りに高確率状態を獲得出来た場合に実行される時短状態であり、「非常時短状態」はアクシデントによって惜しくも高確率状態の獲得を逃してしまった場合の非常時に実行される時短状態である。個々の作用等については、後で詳述するものとする。
尚、本実施例では、モードバッファの値が「0」の場合も、特定領域72への遊技球通過が有った場合と同じ「通常時短状態」が実行される構成となっているが、3種類の時短状態を備えるようにしても良い。そのように構成することによって、遊技の異なる展開に、より対応した時短状態を提供することが可能となる。
モードバッファと各種フラグ及び各種カウンタとの関係について説明する。
モードバッファが「0」の場合、大当り遊技終了時に、確変フラグを「0」、時短フラグを「1」、時短カウンタを「100」に設定する。
モードバッファが「1」の場合、大当り遊技終了時に特定領域72への通過が確認出来れば、確変フラグを「1」、時短フラグを「1」、確変カウンタ及び時短カウンタを「10000」に設定する。
モードバッファが「1」の場合、大当り遊技終了時に特定領域72への通過が確認出来なければ、確変フラグを「0」、時短フラグを「2」、時短カウンタを「100」に設定する。
なお、確変フラグは、主制御装置50にて記憶される値であり、確変フラグの値が「0」のときは、大当り確率が通常状態中(通常確率)であることを、確変フラグの値が「1」のときは、確変状態(高確率状態)であることを主制御装置50が判断するための値である。
図6に戻って、次に、大当りフラグを立てる条件装置作動開始処理を行い(S220)、確変フラグが1か否か(現在が確変状態であるか否か)を判定する(S225)。S225が肯定判定なら(S225:yes)、確変フラグと時短フラグに0を設定し(S230)特別遊技処理1に進む。S225が否定判定なら(S225:no)、時短フラグが1或いは2であるか否か判定し(S235)、否定判定なら(S235:no)特別遊技処理1に進み、肯定判定なら(S235:yes)時短フラグに0を設定して(S240)特別遊技処理1に進む。
尚、本実施例では遊技状態が確変状態であれば必ず時短状態でもあるため、S225の判定が肯定判定なら大当り遊技中は確変機能と時短機能を停止する必要があるため、確変フラグと時短フラグの両方を落す(0をセットする)構成になっている。また、本実施例では時短フラグが立つことで開放延長機能も作動し、時短フラグが落ちると開放延長機能も終了する構成となっている。従って、S230及びS240の処理で開放延長機能も終了する。
S210が否定判定(S210:no)、即ち確定表示した特別図柄が大当りを示さない場合、確定図柄表示設定処理(確定図柄の表示時間設定)を行い(S245)、確変フラグが1か否か判定する(S250)。S250が肯定判定なら(S250:yes)、確変カウンタから−1するデクリメント処理を行い(S255)、確変カウンタの値が0か否か判定する(S260)。S260が否定判定なら(S260:no)S290に進み、肯定判定なら(S260:yes)、確変フラグと時短フラグの両方に0を設定して(S265)S290に進む。
S250が否定判定なら(S250:no)、時短フラグが1或いは2であるか否か判定し(S270)、肯定判定なら(S270:yes)時短カウンタから−1するデクリメント処理を行い(S275)、時短カウンタの値が0か否か判定する(S280)。S280が否定判定なら(S280:no)S290に進み、肯定判定なら(S280:yes)、時短フラグに0を設定して(S285)S290に進む。
S290では確定表示された特別図柄が小当り図柄か否かを判定し(S290)、否定判定なら(S290:no)特別遊技処理1に進み、肯定判定なら(S290:yes)、小当り遊技開始処理を行ない(S295)特別遊技処理1に進む。
図4に戻り、S110が否定判定(S110:no)、即ち特別図柄が確定表示中なら、図7に進みS215又はS245で設定された確定図柄表示時間が終了したか否かを判定する(S300)。否定判定なら(S300:no)特別遊技処理1に進み、肯定判定なら(S300:yes)、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置53に指示信号を送信して疑似(演出)図柄の確定表示を終了させる確定図柄表示終了処理を行い(S305)特別遊技処理1に進む。
次に、図8を用いて、本実施例の第1特別図柄と第2特別図柄の大当り図柄の種類について説明する。図8は、第1特別図柄或いは第2特別図柄が大当りの場合に第1特図表示装置29或いは第2特図表示装置30に表示される図柄の内容を示す表図である。
大当り図柄の数は20個となり、それぞれの図柄が二つのアルファベットの組合せで構成されている。第1特別図柄(及び第2特別図柄)の大当り図柄は、図1を用いて説明したように遊技盤面の端に判別しづらいアルファベットの組合せにより小さく表示されるため、遊技者は大当り図柄の種類を区別するのが難しい構成となっている。20個の大当り図柄は、10個の「入球確変図柄」と10個の「入球通常図柄」に大別される。
従って、第1特別図柄或いは第2特別図柄が大当りとなると、1/2の確率で「入球確変図柄」か「入球通常図柄」かが選択される構成となっている。本実施例では、「入球確変図柄」か「入球通常図柄」かの振り分けが同確率となっているが、これに限定せず、異なる確率としても良い。
次に主制御装置50が実行する特別遊技処理1について、図11乃至図15を参照して説明する。特別遊技処理1は大当り遊技の進行を制御する処理である。図11に示すように特別遊技処理1を開始すると、大当りフラグに基づいて条件装置が未作動か否かを判定する(S310)。S310が肯定判定なら(S310:yes)、小当り遊技として第1大入賞口33aが作動中か否かを判定する(S315)。S315が否定判定なら(S315:no)リターンし、肯定判定なら(S315:yes)、小当り開始演出中であるか否かを判定し(S320)、肯定判定なら(S320:yes)、小当り開始演出の終了時間か否かを判定し(S325)、否定判定なら(S325:no)、リターンし、肯定判定なら(S325:yes)、小当り遊技として第1大入賞口33aを開放する大入賞口開放処理を行い(S330)リターンする。尚、本実施例での小当り遊技は、第1大入賞口33aの開放を0.5秒間行う構成となっている。
S320が否定判定なら(S320:no)、小当り動作中か否か(第1大入賞口33aが0.5秒の開放を行っているか否か)を判定し(S335)、肯定判定なら(S335:yes)、大入賞口への入賞球数が9個未満か否かを判定し(S340)、肯定判定なら(S340:yes)開放してから0.5秒経過したか否かを判定する(S345)。S345が否定判定なら(S345:no)、リターンし、S340の否定判定(S340:no)又はS345が肯定判定なら(S345:yes)、第1大入賞口33aを閉鎖する大入賞口閉鎖処理を行い(S350)、続いて小当り終了演出処理を行い(S355)リターンする。
S335が否定判定で小当り遊技中ではないなら(S335:no)、小当り終了演出が終了する時間か否かを判定し(S360)、否定判定なら(S360:no)リターンし、肯定判定なら(S360:yes)、小当り遊技終了処理を行ない(S365)リターンに抜ける。
図11のS310が否定判定なら(S310:no)、即ち大当りフラグが立っていれば、図12に移行し第1大入賞口33a及び第2大入賞口70が閉鎖中か否か判定し(S380)、肯定判定なら(S380:yes)、大当り遊技の開始演出中か否か判定する(S385)。S385が肯定判定なら(S385:yes)、大当り遊技の開始演出が終了する時間か否かを判定し(S390)、否定判定なら(S390:no)リターンし、肯定判定なら(S390:yes)、第1大入賞口33aを開放する大入賞口開放処理(S395)を行いリターンする。
S385が否定判定なら(S385:no)、即ち大当り遊技の開始演出中ではないなら、インターバル中か否か判定する(S400)。このインターバルとは、第1大入賞口33aが閉じている状態から再度第1大入賞口33a又は第2大入賞口70が開放されるまでの時間のことである。S400が肯定判定なら(S400:yes)、インターバルが終了する時間か否かを判定し(S405)、肯定判定なら(S405:yes)、次回の大当り動作が1ラウンド目から12ラウンド目までの範囲か判定する(S410)。肯定判定なら(S410:yes)、第1大入賞口33aを開放する第1大入賞口開放処理を行い(S415)リターンする。S410が否定判定なら(S410:no)、第2大入賞口70を開放する第2大入賞口開放処理を行い(S420)、シャッター部材71を遊技球入球可能位置に変位させる開放処理を行い(S425)リターンする。
S425のシャッター開放処理では、図示しないが、当該大当りの発生が、何れの大当り図柄によって発生したか、すなわち、「入球確変図柄」か「入球通常図柄」の何れの大当り図柄であったかを判断する。上述した、遊技状態設定フラグ或いは、モードバッファの値を確認して判断する構成でも良い。次いで、「入球確変図柄」であったと判断した場合に限り、シャッター部材71の開放処理を実行するように構成されている。開放処理が実行されると、極めて高い確率で当該ラウンド中に特定領域72への遊技球の通過が見込まれる状態となるように構成されている。
S400が否定判定なら(S400:no)、即ちインターバル中ではないなら、大当り遊技の終了演出中か否か判定し(S430)、否定判定なら(S430:no)リターンし、肯定判定なら(S430:no)、サブ統合制御装置53に大当り開始演出を指示するコマンドを送信する大当り開始演出処理を行い(S435)リターンする。
大当り開始演出処理(S435)では、主制御装置50はサブ統合制御装置53に大当り開始演出指示コマンドを送信し、大当り開始演出指示コマンドを受信したサブ統合制御装置53は、パチンコ機に設けられたランプ、LED37を大当り遊技演出用に激しく発光させたり、大当り遊技用の音をスピーカ10から出力させる。また、サブ統合制御装置53は、演出図柄制御装置54aに信号を送信し、演出図柄表示装置54bにおいて大当り開始演出を表示させる。実施される大当り遊技が入球確変図柄による大当り遊技か、入球通常図柄による大当り遊技か、に係る報知をこの時点で実施しても良い。
次に、S380が否定判定なら(S380:NO)、即ち、第1大入賞口33a又は第2大入賞口70が開放中なら、図13に進み、開放中の大当り遊技が最終13ラウンドか否か、即ち第2大入賞口70が開放中か否か判定する(S450)。S450が肯定判定なら(S450:yes)、遊技状態設定フラグが1か否か判定する(S452)。S452では、モードバッファが1か否かを判定するように構成しても良い。S452が肯定判定なら(S452:yes)、すなわち当該大当りが入球確変図柄が選択されたことによって発生した場合には、次いで特定領域入球フラグが0か否か判定する(S455)。特定領域入球フラグは主制御装置50が記憶する値であり、値が1なら既に特定領域72に遊技球が入球した(特定領域スイッチ72aが遊技球を検出した)ことを主制御装置50が判断し、値が0なら特定領域72に遊技球が入球していない(特定領域スイッチ72aが遊技球を検出していない)ことを判断する。
S455が肯定判定なら、即ち特定領域72に遊技球が未入球なら(S455:yes)、特定領域スイッチ72aが遊技球を検出したか否か判定し(S460)、肯定判定なら(S460:yes)、特定領域入球フラグに1を設定し(S465)、シャッター部材71の駆動を終了する開放終了処理を行う(S470)。
S470の処理、又はS450、S452、S455、S460の否定判定(S450:no、S452:no、S455:no、S460:no)に続いては、図14に進み、作動中の大入賞口(第1大入賞口33a又は第2大入賞口70)への遊技球の入球数が規定数(9個)未満か否かを判定し(S500)、肯定判定なら(S500:yes)、第1大入賞口33a又は第2大入賞口70の最大開放時間が経過したか否かを判定し(S505)、否定判定なら(S505:no)リターンに抜ける。
S500が否定判定(S500:no)又は、S505が肯定判定なら(S505:yes)、開放中の大入賞口(第1大入賞口33a又は第2大入賞口70)を閉鎖する大入賞口閉鎖処理を行う(S510)。S510の処理後は、S510で終了したラウンドが最終13ラウンドであったか否か判定し(S515)、否定判定なら(S515:no)、インターバル処理を開始し(S535)リターンに抜け、肯定判定なら(S515:yes)、シャッターソレノイド71cが駆動しているか、即ち、シャッター部材71が特定領域72に遊技球を誘導する位置にあるか否か判定し(S520)、肯定判定なら(S520:yes)、シャッター部材71閉鎖処理を行う(S521)。
S521の処理後、又はS520が否定判定なら(S520:no)、サブ統合制御装置53に大当り終了演出を指示するコマンドを送信する(S525)。S525の大当り終了演出処理は、S435の大当り開始演出処理と同様に、主制御装置50からサブ統合制御装置53に大当り終了演出指示コマンドを送信することによって、パチンコ機に設けられたランプ、LED37や演出図柄表示装置54bにおいて大当りの終了演出を行うための処理である。
S525に続いては、条件装置停止処理を行い(S530)、図15に進み、モードバッファが1か否か判定し(S555)、肯定判定なら(S555:yes)、特定領域入球フラグが1か否かを判定し(S560)、肯定判定なら(S560:yes)、大当り遊技終了後の遊技状態を「次回大当りまで確変、時短」とするために、確変フラグに1を設定し(S565)、確変カウンタに10000回を設定し(S570)、時短フラグに1を設定し(S575)、時短カウンタに10000回を設定する(S580)。
S560が否定判定、即ち特定領域入球フラグが0ならば(S560:no)、大当り遊技終了後の遊技状態を「通常確率非常時短100回」とするために、確変フラグに0を設定し(S585)、確変カウンタに0を設定し(S590)、時短フラグに2を設定し(S595)、時短カウンタに100を設定する(S597)。
S555が否定判定、即ちモードバッファが0ならば(S555:no)、大当り遊技終了後の遊技状態を「通常確率通常時短100回」とするために、確変フラグに0を設定し(S600)、確変カウンタに0を設定し(S605)、時短フラグに1を設定し(S610)、時短カウンタに100を設定する(S615)。
S580、S597又はS615に続いては、特定領域入球フラグに0を設定し(S620)、続いて、設定されたモードバッファの値に基づいて決定された、大当り遊技後の遊技状態を、演出図柄表示装置54b上で報知する指示信号を、演出図柄制御装置54aに送信する(S625)。次に、決定された大当り遊技後の遊技状態を指定する状態指定コマンドを状態指定コマンドテーブルから選択して、サブ統合制御装置53に送信する処理を実行して(S630)、リターンする。
サブ統合制御装置53では、受信した状態指定コマンドに基づいて、各種演出制御を実行する。
尚、上述した状態指定コマンドを送信する処理は、当該大当り遊技終了のタイミングに限らず、特別図柄の変動開始時、さらに変動終了時にも行うようにしても良い。このようにすることで、遊技状態の切り替わるタイミングに先立って、変更する状態指定コマンドを送信することが出来、サブ統合制御装置53が実行する演出上の不具合を防止することが出来る。
図16を参照して、サブ統合制御装置53が実行する演出モード設定処理について説明する。
サブ統合制御装置53は、上述したS630において主制御装置50から状態指定コマンドを受信すると、所定の記憶領域として例えば状態指定コマンドバッファ等に記憶格納する。大当り遊技が終了すると、状態指定コマンドバッファの内容を参照して確認する処理を実行する(S650)。次いで、S650での確認結果が、通常確率非常時短を指定するコマンドであるか否かを判定する(S655)。肯定判定であれば(S655:yes)、お詫び演出モードへの移行処理が実行されて(S660)、リターンする。否定判定であれば(S655:no)、S650での確認結果が、通常確率通常時短を指定するコマンドであるか否かを判定する(S665)。肯定判定であれば(S665:yes)、時短演出モードへの移行処理が実行されて(S670)、リターンする。否定判定であれば(S665:no)、S650での確認結果が、次回大当りまで確変/時短を指定するコマンドであると判定して確変演出モードへの移行処理が実行されて(S675)、リターンする。
演出モード設定処理において各演出モードに移行した場合には、図示しないが、主制御装置50側の処理として、複数種類の変動パターンを備えた変動パターンテーブル、普通電動役物40の開放パターンを備えた開放パターンテーブル等が、設定された演出モードに対応して選択されるように構成されても良い。これにより、演出モードによって、個々に異なる演出態様を実現することが容易となる。
このような演出モード毎に異なる変動パターンテーブルや開放パターンテーブル等を選択する構成としては、以下のような構成も採用可能である。
お詫びモードが選択された場合の普通電動役物40の開放パターンテーブルについて、時短演出モードや確変演出モードが選択された場合と比較して、開放時間が長く設定され入賞可能性の高い有利な開放状態に設定されるようにしても良い。このように構成することにより、入球確変図柄が選択されたにも拘わらず期待された確変獲得が実現出来なかったことを、入賞率の高い時短状態とすることによって救済し、遊技者の落胆を充分に軽減することが出来る。
お詫びモードが選択された場合の普通電動役物40の開放パターンテーブルについて、時短演出モードや確変演出モードが選択された場合と比較して、開放時間が比較的に短く設定され入賞可能性の低いやや不利な開放状態に設定されるようにしても良い。このように構成することにより、入球確変図柄が選択されたにも拘わらず期待された確変獲得が実現出来なかったことに対して、「おまけ」的な比較的利益度の低い時短状態を提供することで、遊技者の落胆を有る程度軽減すると共に、更に利益度の高い時短状態の獲得に対して遊技者の意欲を掻き立てることが出来る。
お詫びモードが選択された場合の第1特図表示装置29及び第2特図表示装置30における特別図柄の変動パターンテーブルについて、時短演出モードや確変演出モードが選択された場合と比較して、変動時間が短く設定され単位時間当たりの抽選回数が多い有利な変動状態に設定されるようにしても良い。このように構成することにより、入球確変図柄が選択されたにも拘わらず期待された確変獲得が実現出来なかったことを、単位時間当たりの抽選回数が多い時短状態とすることによって救済し、遊技者の落胆を充分に軽減することが出来る。
お詫びモードが選択された場合の第1特図表示装置29及び第2特図表示装置30における特別図柄の変動パターンテーブルについて、時短演出モードや確変演出モードが選択された場合と比較して、変動時間が比較的に長く設定され単位時間当たりの抽選回数がやや少ないやや不利な変動状態に設定されるようにしても良い。このように構成することにより、入球確変図柄が選択されたにも拘わらず期待された確変獲得が実現出来なかったことに対して、「おまけ」的な比較的利益度の低い時短状態を提供することで、遊技者の落胆を有る程度軽減すると共に、更に利益度の高い時短状態の獲得に対して遊技者の意欲を掻き立てることが出来る。
次に、演出モード設定処理により設定された演出モード中の演出図柄表示装置54bによる演出態様について、図17を参照して説明する。
図17(A)乃至(C)には各演出モードに設定された場合の演出表示態様を示す。演出図柄表示装置54bの略横長矩形状に形成されてなる表示領域の上部左側方には、特別図柄に対応した演出図柄の変動表示態様が示されている。また、上部右側方には、現在設定されているモード種別を報知する演出モード種別表示が示されている。中央位置には、本実施例で用いられるキャラクタ表示としての「熊の達吉」の表情によって、演出モードを補助的に報知すると共に、選択された演出モードによる遊技者の遊技意欲の向上を図る演出が実行される。更に、下部では、上述したキャラクタ表示としての「熊の達吉」のコメントを表示することで、キャラクタ表示の表情に加えて明確に報知内容を示すように構成されている。
図17(A)は、上述したS675で確変演出モードに移行設定された場合の演出表示態様を示している。入球確変図柄が選択された後に、特定領域72への入球が有ったことで、期待通りに遊技者が確変を獲得出来たことへの称賛と確変状態の継続した獲得に対する遊技意欲の鼓舞を図る演出(キャラクタの満面の笑顔、及び、コメントとしての「さらに上を目指して!!」)が実行される。
図17(B)は、上述したS670で時短演出モードに移行設定された場合の演出表示態様を示している。入球通常図柄が選択されたことで、確変を獲得し損なったものの設定された時短状態中に再度大当りを引き当てる可能性が残されていることを示唆することで、遊技意欲の鼓舞を図る演出(キャラクタの笑顔、及び、コメントとしての「まだまだこれから!!」)が実行される。
図17(C)は、上述したS660でお詫び演出モードに移行設定された場合の演出表示態様を示している。入球確変図柄が選択されたにも拘わらず、特定領域72への入球が無かったことで、確変を獲得できずに期待を裏切る結果となってしまったことに対する遊技者を慰撫し、且つ期待に叶わなかったけれどもその補填として時短状態が供与することで、遊技者の落胆の軽減を図り、継続した遊技意欲の鼓舞を図る演出(キャラクタの残念そうな表情、及び、コメントとしての「残念でした。でも時短がつくよ!!」)が実行される。
尚、以上に説明してきた実施例では、入球確変図柄(第1時短図柄)が選択された場合、特定領域72への遊技球の通過が有ったときの時短状態(第1時短状態)の時短回数は10000回が設定され、特定領域72への遊技球の通過が無かったときの時短状態(第2時短状態)の時短回数は100回が設定され、遊技条件としての時短回数に関して、第1時短状態の方が第2時短状態よりも有利となるように設定されている。しかし、これに限らず、例えば、第2時短状態の方が第1時短状態よりも有利となるように設定しても良い。
具体的には、例えば、入球確変図柄(第1時短図柄)が選択された場合、特定領域72への遊技球の通過が有ったときには、確変状態が確変回数8回の回数切り(所謂、ST機仕様)として構成され、時短状態もこれに付随して時短回数8回が設定されるように第1時短状態を構成して、一方、特定領域72への遊技球の通過が無かったときには、時短回数が100回に設定されるように第2時短状態を構成しても良い。このようにすることで、当然に獲得出来ると期待していた確変状態(ST)を逸してしまって大いに落胆する遊技者に対して、確変獲得時よりも多い時短回数を供与して大当りの引き戻しを期待させる状態とすることで、充分な救済を実現出来る。
また、第2大入賞口70が作動するラウンドは最終ラウンド以外のラウンドとして構成しても良い。最終ラウンド以外のラウンドで構成するなら、当該ラウンド以降で特定領域への通過結果を受けてこれを反映する演出が大当り中に実行可能となる。つまり、仮に入球確変図柄が選択されたにも拘わらず特定領域72への通過が発生させられなかった場合、大当り遊技の残り時間を遊技者の落胆を軽減する演出の実行に割くことが可能となる。これにより、充分な時間を充当して、落胆した遊技者の心理的救済を図り、且つ、大当り遊技後の継続遊技への意欲の回復を図ることが可能となる。
また、入球通常図柄と入球確変図柄が選択された場合に、大当り遊技中の第13ラウンド(最終ラウンド)における第2大入賞口70の開放時間を同じとして、シャッター部材71の作動態様のみによって、特定領域72への遊技球通過を規制する構成とした。しかし、これに限定することはなく、他の方法を採用しても良い。例えば、何れの図柄が選択された場合であっても、第13ラウンド中におけるシャッター部材71の駆動態様を一定として、第2大入賞口70の開放時間(態様)を、特定領域72への遊技球通過を可能とする態様と不可能とする態様に設定するようにしても良い。またシャッター部材71と第2大入賞口70の駆動態様を協働させて上記作用を為すように構成しても良い。このようにしても、大当り図柄の違いによって、特定領域72への遊技球通過可能性を調整可能である。
更に、入球確変図柄が選択された時点で、特定領域72への遊技球通過の結果を待たずに、「次回大当りまで確変、時短」と「通常確率非常時短100回」が準備されていて、万が一、特定領域72への通過が無かったとしても時短100回により救済される旨の予告報知を、行っても良い。これにより、通過の可否が不確定な特定領域72を備えた当該パチンコ機の構成であっても、安心して大当り遊技に臨むことが可能となる。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
主制御装置50は、主制御手段に相当する。
S145が、特図当否判定手段に相当する。
第2大入賞口70が、大入賞口に相当する。
入球確変図柄が、第1大当り図柄に相当し、入球通常図柄が、第2大当り図柄に相当する。