以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
図1は、本実施例におけるパチンコ機の遊技盤8の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に沿っているので図示及び説明は省略する。遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、図示しない多数の遊技釘が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(図2参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
液晶枠飾り28の下には、第1始動口31(本発明の始動口に該当)とその下に開閉可能な羽根部材を備えた普通電動役物40で構成された第2始動口32(本発明の始動口に該当)とが配置され、液晶枠飾り28の左方には、普通図柄作動用ゲート42が配置されている。なお、第2始動口32は、普通電動役物40の羽根部材が開放しないと遊技球が第2始動口32に入球できない構成となっている。
第2始動口32の下方にはアタッカー式の大入賞口33aが配置されている。また、第1始動口31の左方には、4個の一般入賞口35aが設けられている。なお、この一般入賞口35aは、入球率が変化しない普通入賞口である。
遊技領域の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置41と、普通図柄保留数表示装置41aと、第1特別図柄保留数表示装置29aと、第2特別図柄保留数表示装置30aと、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置29、第2特別図柄表示装置30とが配置されている。
第1始動口31の右上方には、第2大入賞口70(本発明の特定領域を備えた大入賞口に該当)と第2大入賞口70に入球した遊技球を振分ける振り分け装置とが設けられ、該振り分け装置内には特定領域72(本発明の特定領域に該当)と該特定領域72への遊技球の入球が可能な位置と不可能な位置に変位するシャッター部材71が配置されている。本実施例のシャッター部材71は、第2大入賞口70の扉部材が駆動して遊技球の入球が可能な状態になると特定領域72への遊技球の入球が可能な位置に変位し、特定領域72に遊技球が入球(特定領域スイッチ72aが遊技球を検出)すると、特定領域72への遊技球入球が不可能な位置に戻る。従って、第2大入賞口70の扉部材が駆動しない大当り遊技時及び通常時は、シャッター部材71は特定領域72に遊技球が入球不可能な位置で停止している。
第1大入賞口33aと第2大入賞口70を上記した位置に配置することにより、公知の発射ハンドルを液晶枠飾り28の左側に遊技球が流下するように発射調整した場合、第1大入賞口33aへの入賞は可能となるが、第2大入賞口70への入賞は不可能となり、第2大入賞口70へ遊技球を入賞させる場合には、発射ハンドルを液晶枠飾り28の右側に遊技球が流下するように調整する必要がある。
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ42a(図2参照)が遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置41で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、普通電動役物40の羽根部材が駆動して、第2始動口32への入球が可能となるように構成されている。
普通電動役物40の羽根部材が駆動する開放時間は、通常時においては、0.100秒の開放を1回(ショート開放)、又は0.100秒の開放を1回行ったあとに5.400秒の開放を1回(ロング開放)行う2種類の開放パターンのいずれかとなり、普通図柄の当り図柄の種類に応じて何れかの開放パターンが実施される。また、時短状態で作動する開放延長機能(本発明の「特典遊技状態」の1つに該当)では1回の普通図柄の当りで1.880秒の開放を3回実施する。
第1始動口31に遊技球が入球(第1始動口スイッチ31a(図2参照)が遊技球を検出)すると、第1特別図柄表示装置29において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口32である普通電動役物40に遊技球が入球(第2始動口スイッチ32a(図2参照)が遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置30において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて各々の特別図柄の変動に連動した擬似図柄の演出変動を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口31と第2始動口32への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動(当否判定)を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。
第1特別図柄及び第2特別図柄が大当り表示態様となると、第1大入賞口33aの扉部材と第2大入賞口70の扉部材とが駆動し遊技球の入球が可能となる。詳しくは、図11に示すように、第1特別図柄、第2特別図柄のどちらの特別図柄が大当り表示態様となっても、大当り遊技の1ラウンドから12ラウンドまでは第1大入賞口33aの扉部材が28.0秒間、又は第1カウントスイッチ33bが9個の遊技球を検出するまで駆動する。続く最終13ラウンドは、第2大入賞口70の扉部材が28.0秒間、又は第2カウントスイッチ70bが9個の遊技球を検出するまで駆動する。このときシャッター部材71は、第2大入賞口72の扉部材が開放駆動すると同時に特定領域72への遊技球入球が可能な位置に変位し、28.0秒間経過、又は特定領域スイッチ72aが遊技球を検出すると特定領域72への遊技球入球が不可能な位置に戻る。
上記したように、第1大入賞口33aと第2大入賞口70の複数の大入賞口を設け、特定領域72を備えた第2大入賞口70を液晶枠飾り28の右側に配置することにより、第2大入賞口70に遊技球を入球させるためには発射強度を通常時よりも強く(ハンドルの回動量を大きく)する必要がある。この構成により、意図してハンドルの回動量を増やさなければ第2大入賞口に遊技球が入球しないため、不本意な特定領域72への入球を防ぐことが可能となっている。
本実施例では、振分け装置内の特定領域72への遊技球の入球を、シャッター部材71を用いて入球可能な状態と不可能な状態に振分けているが、シャッター部材71等の変位制御が可能な部材を用いずに、振分け装置内の形状のみによって特定領域72への入球を振分ける構成(例えば、クルーンによる振分け)も考えられる。
続いて、図2に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図2には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。
主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板62を介して第1始動口31に入球した遊技球を検出する第1特図始動スイッチ31aと、第2始動口32である普通電動役物40に入球した遊技球を検出する第2特図始動スイッチ32aと、普通図柄作動ゲート42に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ42aと、第1大入賞口33aに入球した遊技球を検出する第1カウントスイッチ33bと、第2大入賞口70に入球した遊技球を検出する第2カウントスイッチ70bと、第2大入賞口70内に配置された特定領域72に入球した遊技球を検出する特定領域スイッチ72aと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35bとが接続されている。
また、裏配線中継端子板を介して前面枠が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチと、意匠枠が閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチと、が接続されている。なお、主制御装置50の入力端に接続された各種入賞検出スイッチ(第1特図始動スイッチ31a、第2特図始動スイッチ32a、普通図柄作動スイッチ42a、第1カウントスイッチ33b、第2カウントスイッチ70b、特定領域スイッチ72a、一般入賞口スイッチ35b)は、電波(電磁波)ゴトに有効(遊技球検出状態時のみ電波の影響を受ける)なスイッチとしてノーマルクローズタイプ(NCタイプ)の近接スイッチ(遊技球通過孔を備えた形状)を用いている。
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板62を介して第1大入賞口33aの扉部材を駆動する第1大入賞口ソレノイド33cと、第2大入賞口70の扉部材を駆動する第2大入賞口ソレノイド70cと、第2大入賞口70内のシャッター部材71を駆動するシャッターソレノイド71cと、普通電動役物40の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイド42cとが接続されており、図柄表示装置中継端子板64を介して第1特別図柄を表示する第1特図表示装置29と、第1特別図柄の保留記憶数を表示する第1特図保留数表示装置29aと、第2特別図柄を表示する第2特図表示装置30と、第2特別図柄の保留記憶数を表示する第2特図保留数表示装置30aと、普通図柄を表示する普通図柄表示装置41と、普通図柄の保留記憶数を表示する普図保留数表示装置41aとが接続されており、裏配線中継端子板及び外部接続端子板を介して図示しないホールコンピュータと、が接続されている。
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51及びサブ統合制御装置53に出力する。ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53とは主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板を介して球タンク又はタンクレール内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチと、裏配線中継端子板及び払出中継端子板66を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチと、各種端子板を介することなく下皿への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチとが接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板及び払出中継端子板66を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータが接続されている。
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50及び発射制御装置52に出力する。ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置52とは払出制御装置51から発射制御装置52への一方向通信回路として構成されている。
また、払出制御装置51は、外部接続端子板を介して賞球に関する情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置52に対して発射停止信号を送信する。発射制御装置52は発射モータを制御して、遊技球を遊技領域26に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置52には払出制御装置51以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチからのタッチ信号、発射停止スイッチから発射停止スイッチ信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルに触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置52に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置53の入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチ14aが接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、図示しない意匠枠及び遊技盤8に備えられる各種LED・ランプ37と、前面枠及びスピーカユニットに備えられるスピーカ10と、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aとはサブ統合制御装置53から演出図柄制御装置54aへの一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ14aの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニット54の演出図柄制御装置54aに出力する。
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチ10aが備えられ、音量調節スイッチ10aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ10へ送信する内容とを判断し、スピーカ10から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
演出図柄制御装置54aは、サブ統合制御装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合制御装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置54bを制御して、疑似図柄等の演出画像を窓部28aに表示させる。
次に、図3を用いて、主制御装置50が行う始動入賞処理について説明する。始動入賞処理は、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置50に格納(記憶)するとともに、記憶した乱数が予め設定された値か否かを当否判定を実施する以前に確認する処理を行い、第1始動口31及び第2始動口32への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置53に送信する処理となる。以後、第1始動口31に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口32に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄始動ゲート42を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
本実施形態においては、普図保留数表示装置41a、第1特図保留数表示装置29a、第2特図保留数表示装置30aによる各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっている。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置50に格納される。
始動入賞処理を開始すると、第1特図始動スイッチ31aが遊技球を検出したか否か判定する(S10)。否定判定なら(S10:no)S45に進み、肯定判定なら(S10:yes)、主制御装置50に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S20)。否定判定なら(S20:no)S45に進み、肯定判定であれば(S20:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し第1保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S25)。
S25に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S30)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、リーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、記憶した乱数値が遊技者が期待のもてる特定の値か否かを判定する。
続いて、S30の判定結果から第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置53に送信し(S35)(第1先読判定コマンド送信手段)、S25で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信する(S40)。
S40の処理、S10、S20の否定判定(S10:no、S20:no)に続いては、第2特図始動スイッチ32aが遊技球を検出したか否か判定する(S45)。否定判定なら(S45:no)S80に進み、肯定判定なら(S45:yes)、主制御装置50に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S55)。否定判定なら(S55:no)S80に進み、肯定判定であれば(S55:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算する(S60)。
S60に続いては、記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S65)。具体的には、第1保留記憶と同様に、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、リーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、記憶した乱数値が遊技者が期待のもてる特定の値か否かを判定する。
続いて、S65の判定結果から第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置53に送信し(S70)(第2先読判定コマンド送信手段)、S60で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信して(S75)、S80に進む。
S80では、普通図柄作動スイッチ42aが遊技球を検出したか否か判定する(S80)。否定判定なら(S80:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S80:yes)、主制御装置50に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S85)。否定判定なら(S85:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S85:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し(普図保留記憶手段)、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S90)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信し(S95)(保留記憶数送信手段)、リターンする。
サブ統合制御装置53は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置54b上で表示する各保留記憶数を変化させる制御を行う。また、本実施例では、演出図柄表示装置54b上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置53に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物40のロング開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。
次に図4、5、6、7を用いて主制御装置50が行う特図当否判定処理を説明する。この処理は、本発明における当否判定手段と図柄決定手段とを含む処理となり、主制御装置50が第1始動口31又は第2始動口32への遊技球の入球時に取得した大当り判定用乱数と抽選時(判定時)の遊技状態(通常遊技状態か確変状態か)とに応じて大当りを生起させるか否か判定(本発明の当否判定手段)し、判定結果が大当りなら、大当り図柄判定用乱数に基づいて複数の大当り図柄の中から確定表示を行う大当り図柄を決定し(本発明の図柄決定手段)、決定した大当り図柄に応じて大当り遊技の種類が決定する。
この場合の大当り図柄の種類と大当り遊技の関係は、大当り図柄の種類が「入球確変図柄」なら、大当り遊技の最終13ラウンドで実施される第2大入賞口70の作動中に特定領域72に遊技球が入球すると、大当り遊技終了後の遊技状態として確変状態を決定し、最終13ラウンドの作動が終了するまでに特定領域72に遊技球が入球しない(入球させない)と大当り遊技終了後の遊技状態として通常確率状態を決定する。
また、大当り図柄の種類が「入球通常図柄」なら、大当り遊技の最終13ラウンドで実施される第2大入賞口70の作動中に特定領域72に遊技球が入球すると、大当り遊技終了後の遊技状態として通常確率状態を決定し、最終13ラウンドの作動が終了するまでに特定領域72に遊技球が入球しない(入球させない)と大当り遊技終了後の遊技状態として確変状態を決定する。従って、特図当否判定処理で大当りに当選した場合、引き続いて行われる処理(特図当否判定処理中の処理)によって大当り遊技終了後の遊技状態が決定する構成ではなく、特図当否判定処理によって生起した大当り遊技中(後述する特別遊技処理1中)に特定領域72を遊技球が通過するか否かによって大当り遊技終了後の遊技状態が決定する構成となっている。
なお、大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態なら、確変機能、時短機能及び開放延長機能が特別図柄の変動が10000回実施されるまで作動し、大当り遊技終了後の遊技状態が通常確率状態なら、時短機能及び開放延長機能が特別図柄の変動が100回実施されるまで作動する(特別図柄の抽選確率及び時短機能及び開放延長機能の作動回数が異なる)。これにより、確変状態の方が遊技者にとって有利な遊技状態となり本発明の特典遊技状態に該当する(通常確率状態が通常遊技状態に該当)。大当り遊技終了後の遊技状態が確変状態の場合、特別図柄の変動回数が10000回実施されるまで確変機能、時短機能及び開放延長機能が作動するが、確変状態では10000回の当否判定が実施されるまでにほぼ当選するため、実際には次回の大当りまで確変状態(時短、開放延長状態)となる。
図4に示す特図当否判定処理を開始すると、主制御装置50は条件装置が未作動か否か判定する(S100)。この判定は大当りフラグに基づいて行われる。大当りフラグとは、特別図柄の抽選で当選した場合(取得した大当り判定用乱数の値が予め定められた所定の値と一致していた場合)に立つフラグである。S100が肯定判定であれば(S100:yes)、特別図柄が変動停止中であるか(S105)、確定図柄の非表示期間であるか(S110)の判定が行われる。
S105、S110の両方が肯定判定なら(S105:yes、S110:yes)、図5に進み、第2保留記憶があるか否か判定する(S120)。肯定判定なら(S120:yes)、S130に進み、否定判定なら(S120:no)、第1保留記憶があるか否か判定する(S125)。否定判定なら(S125:no)特別遊技処理1に進み、肯定判定なら(S125:yes)、S130に進む。このS120とS125の判定順により、第2保留記憶の当否判定を第1保留記憶よりも優先して実施する構成となっている。
S130では、時短フラグが0か否か判定する(S130)。否定判定なら(S130:no)、時短状態中の処理に進むが、この処理は公知の処理と何ら変わりない(選択する変動パターンの時間設定が異なる)ため説明は割愛する。
時短フラグとは、主制御装置50にて記憶される値であり、時短フラグの値が「0」のときは、時短状態ではないことを、時短フラグの値が「1」のときは、時短状態であることを主制御装置50が判断するための値であり、時短状態では、普通図柄、第1及び第2特別図柄の変動時間が短縮されるとともに、開放延長機能が作動し普通電動役物40の作動回数が増加するとともに作動時間が通常状態よりも延長される。
S130が肯定判定なら(S130:yes)判定する第1保留記憶又は第2保留記憶のシフト処理を行い、これにより最も古い第1保留記憶又は第2保留記憶を当否判定の対象とするとともに、対象となった第1又は第2保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算し(S135)、該減算した保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信する(S140)。
続く、大当り判定用乱数比較処理では、特図当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数と予め設定された特図当否判定テーブルとを比較して、大当り判定用乱数の値が特図当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する(S145)。特図当否判定テーブルは通常確率(低確率1/358.1148)用と高確率用(1/37.6855)の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常確率状態であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率の確変状態であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。(本発明における当否判定手段に該当)
続いてS145の比較結果が大当りか否かを判定し(S150)、肯定判定なら(S150:yes)、読み出した大当り図柄決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S155)、決定した大当り図柄の種類に応じて遊技状態設定フラグを設定する(S160)。
遊技状態設定フラグは大当り遊技中の特定領域72への遊技球の入球に基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を決定するために主制御装置50が記憶する値であり、図10(1)に示すように、S155で決定した大当り図柄の種類が、上述した「入球通常図柄」なら、遊技状態設定フラグに「0」を設定し、S155で決定した大当り図柄の種類が、上述した「入球確変図柄」なら、遊技状態設定フラグには「1」を設定する。
主制御装置50は、遊技状態設定フラグの値が「0」なら、最終13ラウンドの第2大入賞口70の作動中に特定領域72に遊技球が入球すると、その時点で大当り遊技終了後の遊技状態に「通常確率時短100回」を決定し、第2大入賞口70の作動中に特定領域72に遊技球が入球しなければ、第2大入賞口70の作動が終了した時点で大当り遊技終了後の遊技状態に「次回大当りまで確変、時短」を決定し、確変フラグと時短フラグに1を設定し、確変カウンタと時短カウンタに10000を設定する。
遊技状態設定フラグの値が「1」なら、最終13ラウンドの第2大入賞口70の作動中に特定領域72に遊技球が入球すると、その時点で大当り遊技終了後の遊技状態に「次回大当りまで確変、時短」を決定し、第2大入賞口70の作動中に特定領域72に遊技球が入球しなければ、第2大入賞口70の作動が終了した時点で大当り遊技終了後の遊技状態に「通常確率時短100回」」を決定し、確変フラグに0を時短フラグに1を設定し、時短カウンタに100を設定する。
なお、確変フラグは、主制御装置50にて記憶される値であり、確変フラグの値が「0」のときは、大当り確率が通常状態中(通常確率)であることを、確変フラグの値が「1」のときは、確変状態(高確率状態)であることを主制御装置50が判断するための値である。
図5に戻り、S160に続いては、読み出した大当り判定用乱数、変動パターン決定用乱数の値によって変動パターン(変動時間)を選択する(S165)。S150が否定判定なら(S150:no)、S145の比較処理で小当り判定用の当り値と一致していたか否かを判定し(S170)、肯定判定なら(S170:yes)、読み出した小当り図柄決定用乱数の値に基づいて小当り図柄を決定し(S175)、読み出した小当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数の値によって変動パターン(変動時間)を決定する(S165)。S170が否定判定なら(S170:no)、ハズレ図柄を決定し(S180)、読み出したリーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数の値によって変動パターン(変動時間)を決定する(S165)。
S165の処理に続いては、上述の抽選結果を示すデータ(大当り図柄の種類、小当りの有無、ハズレの種類(リーチの有無)、変動時間等)を含んだ変動指示コマンドをサブ統合制御装置53に出力するとともに、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30において特別図柄を変動表示させる処理を行い(S185)、特別遊技処理1に移行する。従って、サブ統合制御装置53は変動指示コマンドにより、大当り図柄の種類、ハズレ図柄、リーチの有無、変動時間を把握することが出来る。
図4の処理に戻り、S105が否定判定(S105:no)、即ち特別図柄が変動中なら、図6のフローチャートに進み、特図の変動時間(S165で選択した変動パターンに基づく)が経過したか否かを判定し(S200)、否定判定なら(S200:no)特別遊技処理1に進み、肯定判定なら(S200:yes)、図柄停止コマンドをサブ統合制御装置53に出力するとともに、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を制御してS155、S175又はS180で決定した図柄を確定表示させる(S205)。図柄停止コマンドを受信したサブ統合制御装置53は演出図柄制御装置54aに予め決めておいた擬似(演出)図柄を確定表示させる指示信号を出力し、演出図柄制御装置54aは、その信号により演出図柄表示装置54bを制御して擬似(演出)図柄を確定表示させる。これにより、特別図柄と擬似(演出)図柄の変動の開始と終了が同じタイミングになる(同期する)。
S205の処理に続いては、確定表示した特別図柄が大当りを示すか否かを判定し(S210)、肯定判定なら(S210:yes)、確定図柄表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S215)、大当りフラグを立てる条件装置作動開始処理を行い(S220)、確変フラグが1か否か(現在が確変状態であるか否か)を判定する(S225)。S225が肯定判定なら(S225:yes)、確変フラグと時短フラグに0を設定し(S230)特別遊技処理1に進む。S225が否定判定なら(S225:no)、時短フラグが1か否か判定し(S235)、否定判定なら(S235:no)特別遊技処理1に進み、肯定判定なら(S235:yes)時短フラグに0を設定して(S240)特別遊技処理1に進む。
尚、本実施例では遊技状態が確変状態であれば必ず時短状態でもあるため、S225の判定が肯定判判定なら大当り遊技中は確変機能と時短機能を停止する必要があるため、確変フラグと時短フラグの両方を落す(0をセットする)構成になっている。また、本実施例では時短フラグが立つことで開放延長機能も作動し、時短フラグが落ちると開放延長機能も終了する構成となっている。従って、S230及びS235の処理で開放延長機能も終了する。
S210が否定判定(S210:no)、即ち確定表示した特別図柄が大当りを示さない場合、確定図柄表示設定処理(確定図柄の表示時間設定)を行い(S245)、確変フラグが1か否か判定する(S250)。S250が肯定判定なら(S250:yes)、確変カウンタから−1するデクリメント処理を行い(S255)、確変カウンタの値が0か否か判定する(S260)。S260が否定判定なら(S260:no)S290に進み、肯定判定なら(S260:yes)、確変フラグと時短フラグの両方に0を設定して(S265)S290に進む。
S250が否定判定なら(S250:no)、時短フラグが1か否か判定し(S270)、肯定判定なら(S270:yes)時短カウンタから−1するデクリメント処理を行い(S275)、時短カウンタの値が0か否か判定する(S280)。S280が否定判定なら(S280:no)S290に進み、肯定判定なら(S280:yes)、時短フラグに0を設定して(S285)S290に進む。
S290では確定表示された特別図柄が小当り図柄か否かを判定し(S290)、否定判定なら(S290:no)特別遊技処理1に進み、肯定判定なら(S290:yes)、小当り遊技開始処理を行ない(S295)特別遊技処理1に進む。
図4に戻り、S110が否定判定(S110:no)、即ち特別図柄が確定表示中なら、図7に進みS215又はS245で設定された確定図柄表示時間が終了したか否かを判定する(S300)。否定判定なら(S300:no)特別遊技処理1に進み、肯定判定なら(S300:yes)、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置53に指示信号を送信して疑似(演出)図柄の確定表示を終了させる確定図柄表示終了処理を行い(S305)特別遊技処理1に進む。
次に、図8、9を用いて第1特別図柄と第2特別図柄の大当り図柄の種類について説明する。図8は、第1特別図柄が大当りの場合に第1特図表示装置29に表示される図柄の内容を示す図表となる。大当り図柄の数は20個となり、それぞれの図柄が二つのアルファベットの組合せで構成されている。第1特別図柄(及び第2特別図柄)の大当り図柄は、図1を用いて説明したように遊技盤面の端に判別しづらいアルファベットの組合せにより小さく表示されるため、遊技者は大当り図柄の種類を区別するのが難しい構成となっている。20個の大当り図柄は、10個の「入球確変図柄」と10個の「入球通常図柄」に大別でき、10個の「入球確変図柄」のうち5個は大当り遊技中に「入球確変図柄」であることを示唆する報知が実施される。従って、「入球確変図柄」で大当りとなった場合は、1/2の確率で報知が実施される。また、10個の「入球通常図柄」のうち5個は大当り遊技中に「入球通常図柄」であることを示唆する報知が実施される。従って、「入球通常図柄」で大当りとなった場合も、1/2の確率で報知が実施される。
従って、第1特別図柄が大当りとなると、1/2の確率で「入球確変図柄」か「入球通常図柄」かが報知される構成となっており、第1特別図柄では、この1/2が本発明の所定の確率に該当する。
図9は、第2特別図柄が大当りの場合に第2特図表示装置30に表示される図柄の内容を示す図表となる。この場合も大当り図柄の数は20個となり、それぞれの図柄が二つのアルファベットの組合せで構成されている。第2特別図柄も、10個の「入球確変図柄」と10個の「入球通常図柄」に大別でき、10個の「入球確変図柄」のうち7個は大当り遊技中に「入球確変図柄」であることを示唆する報知が実施される。従って、「入球確変図柄」で大当りとなった場合は、7/10の確率で報知が実施される。また、10個の「入球通常図柄」のうち7個が大当り遊技中に「入球通常図柄」であることを示唆する報知が実施される。従って、「入球通常図柄」で大当りとなった場合も、7/10の確率で報知が実施される。
これにより、第2特別図柄が大当りとなると7/10の確率で「入球確変図柄」か「入球通常図柄」かが報知される構成となっており、第2特別図柄では、この7/10が本発明の所定の確率に該当する。
具体的な報知の内容については図を用いて後述するが、「入球確変図柄」か「入球通常図柄」かの報知が実施された場合、報知内容に従って特定領域72に遊技球を入球させるか又は入球を回避させることによって、ほぼ確実に大当り遊技終了後の遊技状態として確変状態(時短、開放延長状態を含む)を遊技者自身の発射操作によって獲得することができる。報知が実施されない場合は、遊技者自身の判断に従って特定領域72に遊技球を入球させるか、最終13ラウンド中の遊技球の獲得を放棄してでも特定領域72への入球を回避するが、自身の判断によって大当り遊技終了後の確変状態が獲得できた場合は、より大きな達成感を得ることができる。
なお、特定領域72への入球を回避する場合に13ラウンドでの遊技球の獲得を放棄するのは、第2大入賞口70に遊技球が入賞した場合、シャッター部材71の変位によって必ず特定領域72に遊技球が入球するためであり、1回分の第2大入賞口70の作動を無駄にしてでも、大当り遊技終了後に次回の大当りがほぼ確約された確変状態に移行させるほうが遊技者にとって有利な選択となる。
上述した大当り図柄の報知確率は、第1特別図柄よりも第2特別図柄の方が高く設定されている。この構成により、第1特別図柄よりも第2特別図柄の方が確変状態が継続する確率が高くなる。通常遊技で主となる第1特別図柄の遊技で大当りが生起し、最終13ラウンドの遊技者の発射操作によって特典遊技(本実施例においては次回大当りまで確変及び開放延長状態)が獲得できれば、特典遊技は第2特別図柄が主となる遊技が行われるため、遊技者が特典遊技を継続して獲得する可能性が高くなる。
この構成を更に昇華させ、特典遊技を挟んで大当り遊技が連続するほど大当り図柄の種類を報知する所定の確率を上げる構成も考えられる。この構成では、大当りが継続すればするほど更に継続しやすい状況となり、大当り回数を制限するリミッタを設けることによって、リミッタまで継続した場合の達成感を享受する機会を増やすことができる。
また、上記とは逆に、特典遊技を介した大当り遊技が連続するほど大当り図柄の種類を報知する所定の確率を下げる構成も考えられる。この構成では、大当りが継続するほど報知に頼った継続が困難になり、更なる継続を獲得するためには遊技者自身の判断が大きく影響することになる。従って、継続した場合の達成感は更に大きなものとなる。なお、本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄の大当り図柄の種類はともに20個としたが、この数に限るわけではなく、数が多ければ多いほど遊技者が図柄の種類を判別するのが困難な構成とし易く好適といえる。
次に主制御装置50が実行する特別遊技処理1を図12、13、14、15、16を用いて説明する。特別遊技処理1は大当り遊技の進行を制御する処理であり、本願発明における遊技状態決定手段を含む処理となる。図12に示すように特別遊技処理1を開始すると、大当りフラグに基づいて条件装置が未作動か否かを判定する(S310)。S310が肯定判定なら(S310:yes)、小当り遊技として第1大入賞口33aが作動中か否かを判定する(S315)。S315が否定判定なら(S315:no)リターンし、肯定判定なら(S315:yes)、小当り開始演出中であるか否かを判定し(S320)、肯定判定なら(S320:yes)、小当り開始演出の終了時間か否かを判定し(S325)、否定判定なら(S325:no)、リターンし、肯定判定なら(S325:yes)、小当り遊技として第1大入賞口33aを開放する大入賞口開放処理を行い(S330)リターンする。尚、本実施例での小当り遊技は、第1大入賞口33aの開放を0.5秒間行う構成となっている。
S320が否定判定なら(S320:no)、小当り動作中か否か(第1大入賞口33aが0.5秒の開放を行っているか否か)を判定し(S335)、肯定判定なら(S335:yes)、大入賞口への入賞球数が9個未満か否かを判定し(S340)、肯定判定なら(S340:yes)開放してから0.5秒経過したか否かを判定する(S345)。S345が否定判定なら(S345:no)、リターンし、S340の否定判定(S340:no)又はS345が肯定判定なら(S345:yes)、第1大入賞口33aを閉鎖する大入賞口閉鎖処理を行い(S350)、続いて小当り終了演出処理を行い(S355)リターンする。
S335が否定判定で小当り遊技中ではないなら(S335:no)、小当り終了演出が終了する時間か否かを判定し(S360)、否定判定なら(S360:no)リターンし、肯定判定なら(S360:yes)、小当り遊技終了処理を行ない(S365)リターンに抜ける。
図12のS310が否定判定なら(S310:no)、即ち大当りフラグが立っていれば、図13に移行し第1大入賞口33a及び第2大入賞口70が閉鎖中か否か判定し(S380)、肯定判定なら(S380:yes)、大当り遊技の開始演出中か否か判定する(S385)。S385が肯定判定なら(S385:yes)、大当り遊技の開始演出が終了する時間か否かを判定し(S390)、否定判定なら(S390:no)リターンし、肯定判定なら(S390:yes)、第1大入賞口33aを開放する大入賞口開放処理(S395)を行いリターンする。
S385が否定判定なら(S385:no)、即ち大当り遊技の開始演出中ではないなら、インターバル中か否か判定する(S400)。このインターバルとは、第1大入賞口33aが閉じている状態から再度第1大入賞口33a又は第2大入賞口70が開放されるまでの時間のことである。S400が肯定判定なら(S400:yes)、インターバルが終了する時間か否かを判定し(S405)、肯定判定なら(S405:yes)、次回の大当り動作が1ラウンド目から12ラウンド目までの範囲か判定する(S410)。肯定判定なら(S410:yes)、第1大入賞口33aを開放する第1大入賞口開放処理を行い(S415)リターンする。S410が否定判定なら(S410:no)、第2大入賞口70を開放する第2大入賞口開放処理を行い(S420)、シャッター部材71を遊技球入球可能位置に変位させる開放処理を行い(S425)リターンする。
S400が否定判定なら(S400:no)、即ちインターバル中ではないなら、大当り遊技の終了演出中か否か判定し(S430)、否定判定なら(S430:no)リターンし、肯定判定なら(S430:no)、サブ統合制御装置53に大当り開始演出を指示するコマンドを送信する大当り開始演出処理を行い(S435)リターンする。
大当り開始演出処理(S435)では、主制御装置50はサブ統合制御装置53に大当り開始演出指示コマンドを送信し、大当り開始演出指示コマンドを受信したサブ統合制御装置53は、パチンコ機に設けられたランプ、LED37を大当り遊技演出用に激しく発光させたり、大当り遊技用の音をスピーカ10から出力させる。また、サブ統合制御装置53は、演出図柄制御装置54aに信号を送信し、演出図柄表示装置54bにおいて大当り開始演出を表示させるが、実施される大当り遊技が入球確変図柄による大当り遊技か、入球通常図柄による大当り遊技かの報知もこの時点から実施される。
次に、S380が否定判定なら(S380:NO)、即ち、第1大入賞口33a又は第2大入賞口70が開放中なら、図14に進み、開放中の大当り遊技が最終13ラウンドか否か、即ち第2大入賞口70が開放中か否か判定する(S450)。S450が肯定判定なら(S450:yes)、特定領域入球フラグが0か否か判定する(S455)。特定領域入球フラグは主制御装置50が記憶する値であり、値が1なら既に特定領域72に遊技球が入球した(特定領域スイッチ72aが遊技球を検出した)ことを主制御装置50が判断し、値が0なら特定領域72に遊技球が入球していない(特定領域スイッチ72aが遊技球を検出していない)ことを判断する。
S455が肯定判定なら、即ち特定領域72に遊技球が未入球なら(S455:yes)、特定領域スイッチ72aが遊技球を検出したか否か判定し(S460)、肯定判定なら(S460:yes)、特定領域入球フラグに1を設定し(S465)、シャッター部材71の駆動を終了する開放終了処理を行い(S470)、遊技状態設定フラグの値が1か否か判定する(S475)。S475が肯定判定なら(S475:yes)、モードバッファに1を設定し(S480)、否定判定なら(S475:no)、モードバッファに0を設定する(S485)。S480、又はS485に続いては、特定領域72への入球によって決定した大当り遊技終了後の遊技状態を、演出図柄表示装置54b上で報知する指示信号を、演出図柄制御装置54aに送信する(S490)。本実施例では、特定領域72への遊技球入球時に、該入球によって決定した大当り遊技終了後の遊技状態を報知するが、図柄の種類が報知されていなかった場合は、このタイミングで報知するのではなく、最終13ラウンドの大当り動作が終了した時点で報知してもよい。これにより、特定領域72に入球させてから大当り遊技が終了するまでの時間は、自分の判断が正しかったのか間違っていたのかの結果を待つ時間を作ることができ、大当り遊技終了後の遊技に向けて期待感に抑揚をつけることができる。
モードバッファは、大当り遊技実行中(詳しくは最終13ラウンドの実行中)に決定した大当り遊技終了後の遊技状態を大当り遊技が終了するまで(大当り遊技終了時に遊技状態を設定するまで)記憶する装置であり、設定するモードバッファの値により大当り遊技終了時に設定される遊技状態が異なる内容になる。具体的な内容は、図10(3)に示すように、モードバッファの値が「0」なら、大当り遊技終了時に大当り遊技終了後の遊技状態として「通常確率時短100回(確変F=0、時短F=1、時短カウンタ=100)」を設定し、モードバッファの値が「1」なら、大当り遊技終了時に大当り遊技終了後の遊技状態として「次回大当りまで確変、時短(確変F=1、時短F=1、時短及び確変カウンタ=10000)」を設定する。
S490の処理、又はS450、S455、S460の否定判定(S450:no、S455:no、S460:no)に続いては、図15に進み、作動中の大入賞口(第1大入賞口33a又は第2大入賞口70)への遊技球の入球数が規定数(9個)未満か否かを判定し(S500)、肯定判定なら(S500:yes)、第1大入賞口33a又は第2大入賞口70の最大開放時間が経過したか否かを判定し(S505)、否定判定なら(S505:no)リターンに抜ける。
S500が否定判定(S500:no)又は、S505が肯定判定なら(S505:yes)、開放中の大入賞口(第1大入賞口33a又は第2大入賞口70)を閉鎖する大入賞口閉鎖処理を行う(S510)。S510の処理後は、S510で終了したラウンドが最終13ラウンドであったか否か判定し(S515)、否定判定なら(S515:no)、インターバル処理を開始し(S535)リターンに抜け、肯定判定なら(S515:yes)、シャッターソレノイド71cが駆動しているか、即ち、シャッター部材71が特定領域72に遊技球を誘導する位置にあるか否か判定し(S520)、肯定判定なら(S520:yes)、シャッター部材71閉鎖処理を行う(S521)。
S521の処理後、又はS520が否定判定なら(S520:no)、サブ統合制御装置53に大当り終了演出を指示するコマンドを送信する(S525)。S525の大当り終了演出処理は、S435の大当り開始演出処理と同様に、主制御装置50からサブ統合制御装置53に大当り終了演出指示コマンドを送信することによって、パチンコ機に設けられたランプ、LED37や演出図柄表示装置54bにおいて大当りの終了演出を行うための処理である。
S525に続いては、条件装置停止処理を行い(S530)、図16に進み特定領域入球フラグが1か否か判定する(S550)。S550が肯定判定、即ち大当り遊技中に特定領域72に遊技球が入球していれば、(S550:yes)、モードバッファが1か否か判定し(S555)、肯定判定なら(S555:yes)、大当り遊技終了後の遊技状態を「次回大当りまで確変、時短」とするために、確変フラグに1を設定し(S565)、確変カウンタに10000回を設定し(S566)、時短フラグに1を設定し(S570)、時短カウンタに10000回を設定する(S575)。
S555が否定判定、即ちモードバッファが0なら(S555:no)、大当り遊技終了後の遊技状態を「通常確率時短100回」とするために、確変フラグに0を設定し(S590)、確変カウンタに0を設定し(S591)、時短フラグに1を設定し(S595)、時短カウンタに100を設定する(S600)。
S550が否定判定、即ち、大当り遊技中に特定領域72に遊技球が入球していなければ(S550:no)、遊技状態設定フラグが0か否か判定する(S560)。肯定判定なら(S560:yes)、大当り遊技終了後の遊技状態を「次回大当りまで確変、時短」とするために、上記したS565からS575の設定を行い、S560が否定判定なら(S560:no)、大当り遊技終了後の遊技状態を「通常確率時短100回」とするために、上記したS590からS600の設定を行う。
S575、又はS600に続いては、特定領域入球フラグに0を設定し(S580)、リターンに抜ける。
以上が主制御装置50の実行する特別遊技処理1となるが、図14及び図16の構成が、本発明の「特定領域への遊技球の入球の有無に応じて大当り遊技終了後の遊技状態を決定する遊技状態決定手段」に該当する。大当り遊技終了時(第2大入賞口70の作動が終了時)に実行される図16の処理構成は、大当り遊技中に特定領域72に遊技球が入球していた場合は、既に大当り遊技終了後の遊技状態が特定領域72入球時に決定しているため、該決定内容を記憶しているモードバッファの値を参照して大当り遊技終了後の遊技状態を設定し、大当り遊技中に特定領域72に遊技球が入球していない場合は、第2大入賞口70の開放が終了した時点で大当り遊技終了後の遊技状態が確定し、大当り図柄の種類に応じて設定された遊技状態設定フラグの値を参照して大当り遊技終了後の遊技状態が設定される。
次に、実施例1においてサブ統合制御装置53が実行する変動指示コマンド受信処理1について図17を用いて説明する。この変動指示コマンド受信処理1の一部は、本発明における「所定の確率で大当り図柄の種類を示唆する報知を実施する報知手段」の一部を構成する。
変動指示コマンド受信処理1を開始すると、変動指示コマンドを受信したか否か判定する(S610)。否定判定なら(S610:no)リターンし、肯定判定なら(S610:yes)、振り分け乱数を抽出し(S615)、受信した変動指示コマンドの内容とS615で抽出した振分乱数の値に応じてサブ統合制御装置53が記憶する複数種類の演出態様の中から演出図柄表示装置54bに表示する演出表示態様の種類を選択し(S620)、選択した演出表示態様を演出図柄表示装置54bに表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S635)。
S635に続いては、受信した変動指示コマンドが大当りを示す内容か否か判定する(S640)、否定判定なら(S640:no)リターンし、肯定判定なら(S640:yes)、受信した変動指示コマンドが示す大当り図柄の種類が報知有りを示す図柄か否か判定する(S645)。肯定判定なら(S645:yes)、更に大当り図柄の種類が入球確変図柄か否か判定し(S650)、肯定判定なら(S650:yes)、報知フラグに1を設定して(S655)リターンし、否定判定なら(S650:no)、報知フラグに2を設定して(S660)リターンする。S645が否定判定なら(S645:no)、報知フラグに0を設定して(S665)リターンする。S645とS650の判定が、予め大当り図柄に設定された報知を実施するか否かの所定確率に従って報知内容を設定する構成となる。
報知フラグは、サブ統合制御装置53が記憶する値であり、値が1なら特定領域72への入球を促す報知の実施をサブ統合制御装置53が判断し、値が2なら特定領域72への入球を回避する報知の実施を判断し、値が0なら特定領域への入球に係る報知を実施しないことを判断する。
本実施例では、受信した変動指示コマンドが示す大当り図柄の種類と、演出図柄表示装置54bで表示する大当りを示す演出(疑似)図柄とは関連性がなく、大当りを示す演出図柄の種類から特別図柄の種類を判別するのが不可能な構成となっている。
なお、大当り確定時に演出図柄表示装置54bに表示される大当りを示す演出図柄の種類が、最終ラウンドの特定領域への入球及び入球回避を示唆する構成も考えられる。具体的には、例えば、演出図柄が「777」「333」であれば、特定領域への入球によって大当り遊技終了後に確変が獲得できることを示唆し、「111」「555」「999」であれば、特定領域への入球回避によって確変が獲得できることを示唆し、他の大当りとなる演出図柄であれば、どちらの場合も存在する(本実施例における報知を行わないに該当)構成としてもよい。この構成により、大当り遊技中に実施される演出図柄表示装置54b上の演出表示の構成を崩すことなく(演出に邪魔な表示を行うことなく)、特定領域72への入球又は入球回避を遊技者に認識させることが可能となる。
次に、サブ統合制御装置53が実行する大当り開始演出指示コマンド受信処理について図18を用いて説明する。この大当り開始演出指示コマンド受信処理も報知手段の一部を構成する。大当り開始演出指示コマンド受信処理を開始すると、大当り開始演出指示コマンドを受信したか否か判定する(S680)。否定判定なら(S680:no)、リターンし、肯定判定なら(S680:yes)、各種LED、ランプ37を制御して大当りインターバルの発光態様を開始し、スピーカ10から大当りインターバル用の効果音の出力を開始し、演出図柄表示装置54bで大当りインターバル演出の表示を開始する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S685)。
S685に続いては、サブ統合制御装置53が記憶する報知フラグの値が1か否か判定する(S690)。肯定判定なら(S690:yes)、特定領域72への入球を促す報知を実施する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S695)、リターンする。S690が否定判定なら(S690:no)、報知フラグの値が2か否か判定し(S700)、否定判定なら(S700:no)リターンし、肯定判定なら(S700:yes)、特定領域72への入球回避を促す報知を実施する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S705)、リターンする。
次に、図19、20を用いて、大当りインターバルから演出図柄表示装置54bに表示される特定領域72への入球に係る報知内容について説明する。図19(1)は、13ラウンド(最終ラウンド)の第2大入賞口70開放中に特定領域72への入球を促す報知(報知フラグの値が「1」の場合に実施される報知内容)となる。具体的には、図例は1ラウンド中の報知を示し(画面左上に実施中のラウンドを表示)、画面中央にキャラクタである熊の達吉(笑顔)が表示され、その上部に「13ラウンドはV入賞を目指せ」の文字列を表示する。
上記した文字列は、大当り開始インターバルの開始から、最終13ラウンドで特定領域72に遊技球が入球するまで、若しくは特定領域72に遊技球が入球せずに最終13ラウンドが終了(第2大入賞口70の作動が終了)するまで表示される。
図19(2)は、13ラウンド(最終ラウンド)の第2大入賞口70開放中には特定領域72への入球回避を促す報知(報知フラグの値が「2」の場合に実施される報知内容)となる。具体的には、図例は1ラウンド中の報知を示し(画面左上に実施中のラウンドを表示)、画面中央にキャラクタである熊の達吉(笑顔)が表示され、その上部に「13ラウンドはV入賞を回避しろ」の文字列を表示する。
上記した文字列も、大当り開始インターバルの開始から、最終13ラウンドで特定領域72に遊技球が入球するまで、若しくは特定領域72に遊技球が入球せずに最終13ラウンドが終了(第2大入賞口70の作動が終了)するまで表示される。
図20は、大当り遊技中の演出図柄表示装置54bにおいて、特定領域72への入球に関する報知を実施しない場合(報知フラグの値が「0」)の表示例となる。具体的には、上記した文字列が表示されない構成となっている。
上述したように、特定領域72に係る報知を実施する場合は、大当りインターバルの開始から特定領域72に遊技球が入球するまで、又は特定領域72に遊技球が入球しないまま第2大入賞口70の作動が終了するまで演出図柄表示装置54b上に文字列が表示されるが、この報知タイミングに限るわけではなく、報知を開始するタイミングは、所定の大当りラウンドが開始された時点としてもよいし、所定の大当りラウンドが終了した時点としてもよい。
次に、図21を用いて、最終13ラウンドの第2大入賞口70の作動中に特定領域72に遊技球が入球した場合の演出図柄表示装置54bの表示内容(図14、S490の処理に応じた表示内容)を説明する。図21の(1)は、特定領域72への入球を促す報知に応じて最終13ラウンドの第2大入賞口70作動中に、特定領域72に遊技球が入球した場合(モードバッファに1が設定(S480)されてからS490が行われた場合)の表示内容となる。
具体的な表示は、上記で説明した特定領域72への入球を促す文字列(「13ラウンドはV入賞を目指せ」)が、「大当り後は確率変動」の文字列に変化する。遊技者は、この文字列の変化により、特定領域72へ遊技球を入球させたことによって大当り遊技終了後の遊技状態が確変(特典遊技状態)に決定したことを認識する。
図21の(2)は、特定領域72への入球回避を促す報知に応じずに最終13ラウンドの第2大入賞口70作動中に、特定領域72に遊技球を入球させた場合(モードバッファに0が設定(S485)されてからS490が行われた場合)の表示内容となる。
具体的な表示は、特定領域72への入球を促す文字列(「13ラウンドはV入賞を回避しろ」)が、「大当り後は通常確率」の文字列に変化する。遊技者は、この文字列の変化により、特定領域72へ遊技球を入球させたことによって大当り遊技終了後の遊技状態が通常確率に決定したことを認識する。
次に、図22を用いて、大当り遊技終了時(第2大入賞口70の作動終了時)の演出図柄表示装置54bの表示内容を説明する。大当り遊技終了時(図15、S525のよる大当り終了演出指示コマンド受信時)から次回の当否判定が開始されるまでの大当り終了インターバルの期間では、該次回以降の当否判定が確率変動状態で実施されるか、又は通常確率状態で実施されるかを報知する。
具体的には、大当り図柄が入球確変図柄(遊技状態設定フラグ=1)で最終13ラウンドで特定領域72に入球した場合、若しくは、大当り図柄が入球通常図柄(遊技状態設定フラグ=0)で最終13ラウンドの第2大入賞口70の作動が終了するまで特定領域72に遊技球が入球しなかった場合、図22(1)に示すように画面中央の上部に「確率変動」の文字列を表示する。
また、大当り図柄が入球通常図柄(遊技状態設定フラグ=0)で最終13ラウンドで特定領域72に入球した場合、若しくは、大当り図柄が入球確変図柄(遊技状態設定フラグ=1)で最終13ラウンドの第2大入賞口70の作動が終了するまで特定領域72に遊技球が入球しなかった場合、図22(2)に示すように画面中央の上部に「通常確率」の文字列を表示する。
以上が実施例1の説明となる。本実施例では、大当り遊技の最終ラウンドとして第2大入賞口70が作動を開始すると、最初に第2大入賞口70に入賞した遊技球は、シャッター部材71の変位により必ず特定領域72に誘導される構成となっているが、シャッター部材71のような特定領域72への誘導装置を備えず、振分け装置内の形状のみで特定領域72への入球を振分ける構成(第2大入賞口70に入賞した遊技球の全てが所定の確率で特定領域72に入球する(入球しない)構成可)としてもよい。この場合、第2大入賞口70が作動を開始してから所定時間経過した後に特定領域72への入球又は入球回避を促す報知を実施する構成も考えられる。
この構成は例えば、第2大入賞口70の残りの作動時間が10秒となってから報知を開始するものであり、大当り遊技の最初から報知する場合よりも、全ての大当りにおいて遊技者に特定領域72への入球を検討させる期間を与えることができ、第2大入賞口70の作動が開始されてからも、報知が実施される前に遊技者自身の判断で入球させることが可能となる。
つまり、報知が実施されるか否かが判然としない状態において、予定の報知タイミングまでの賞球を捨てても、より高い確率で特典遊技の獲得を目指す者は、報知を待って対応する。また、入球確変図柄が選択されているという自らの判断を信じて特定領域72への入球を目指す者、特典遊技状態の獲得よりも当該ラウンドの賞球獲得を目指す者、など、様々な個別具体的な遊技者の意思を反映して、当該ラウンドの遊技は多彩となる。
また、報知を実行するタイミングを第2大入賞口70への遊技球の入球を契機とする構成、即ち、特定領域を設けた大入賞口は、遊技球が入球すると該入球した遊技球の何れもが所定の確率で特定領域に入球する構成とし、報知手段は該大入賞口に遊技球が入球したことを契機に報知を実施する構成も考えられる。
これは例えば、第2大入賞口70の作動開始時には報知がなされていないため、特定領域70への通過による結果が遊技者の利益となるか不利益となるかは判らない。しかし、第2大入賞口70への少なくとも1個の入賞を契機として報知が実行されるため、遊技者は第2大入賞口70へ入賞させざるを得ない状況となる。これにより、例えば、第2大入賞口70への最初の入賞球が特定領域72に入球してしまった場合、大当り図柄が入球確変図柄であれば、結果的に特典遊技となるため利益が獲得でき問題ないが、入球通常図柄であった場合、報知を実施させるために行った行為によって利益を逃すことになる。この様に、第2大入賞口70の作動時には様々な葛藤が生まれることが想定され、緊張感溢れる遊技を実現できる。
次に実施例2について説明する。本実施例に於いて遊技機の基本構成は実施例1と共通である。従って、重複する部分は実施例1を援用として説明を進める。
本実施例と実施例1の異なる点は、大当り図柄の構成となり、実施例1では全ての大当り図柄が入球確変図柄か入球通常図柄かのどちらかに設定されていたが、本実施例の大当り図柄は、「入球確変図柄」と「入球通常図柄」とに加え、特定領域72へ遊技球が入球するかしないかに拘わらず大当り遊技終了後に特典遊技状態(「次回大当りまで確変、時短」)を設定する「確変図柄」と、同様に、特定領域72へ入球するかしないかに拘わらず大当り遊技終了後に通常遊技状態(「通常確率時短100回」)を設定する「通常図柄」との4種類で構成される。
本実施例の大当り図柄の内容を図23、24を用いて説明する。図23は、本実施例において、第1特別図柄が大当りの場合に第1特図表示装置29に表示される図柄の内容を示す図表となり、大当り図柄の数及び表示態様は実施例1と共通となっている。
具体的には、20個の大当り図柄は、5個の「入球確変図柄」と5個の「入球通常図柄」と5個の「確変図柄」(本発明の特典図柄に該当)と5個の「通常図柄」(本発明の通常図柄に該当)とで構成されている。5個の「入球確変図柄」のうち2個は大当り遊技中に「入球確変図柄」であることを示唆する報知が実施される。従って、「入球確変図柄」で大当りとなった場合は、2/5の確率で報知が実施される。また、5個の「入球通常図柄」のうち2個は大当り遊技中に「入球通常図柄」であることを示唆する報知が実施される。従って、「入球通常図柄」で大当りとなった場合も、2/5の確率で報知が実施される。従って、実施例2においても、所定の確率で大当り図柄の種類を示唆する報知を実施する構成となる。
また、5個の「確変図柄」のうち3個は大当り遊技中に報知を行うが、この場合の報知内容は「入球確変図柄」の報知内容と同一の内容で実施され、「通常図柄」の場合は報知を実施しない。また、「確変図柄」で当選した場合の大当り遊技の内容は、「入球確変図柄」で当選した場合と同一内容(第1大入賞口33aと第2大入賞口70との作動タイミング、作動終了条件、シャッター部材71変位条件等が同一)となる。この構成は、入球特典図柄(入球確変図柄)で当選した場合と特典図柄(確変図柄)で当選した場合とで大当り遊技を同一内容とすることを条件に、報知手段は、図柄決定手段が特典図柄を決定すると、所定の確率で大当り図柄の種類が入球特典図柄であることを示唆する報知を実施する構成、若しくは、報知手段は、図柄決定手段が特典図柄を決定すると、所定の確率で入球特典図柄であることを示唆する報知と同一態様の報知を実施する構成といえる。
この構成により、実際の入球確変図柄(入球特典図柄)で当選するよりも多くの入球確変図柄で当選したように錯覚させ、結果的に自力(特定領域72へ遊技球を入球させる)で特典遊技を獲得したと思う回数を増加させ遊技者の満足感を増幅することが可能となる。
図24は、本実施例において、第2特別図柄が大当りの場合に第2特図表示装置30に表示される図柄の内容を示す図表となり、第2特別図柄においても大当り図柄の数及び表示態様は実施例1と共通となっている。
具体的には、20個の大当り図柄は、第1特別図柄と同様に、5個の「入球確変図柄」と5個の「入球通常図柄」と5個の「確変図柄」(本発明の特典図柄に該当)と5個の「通常図柄」(本発明の通常図柄に該当)とで構成されている。但し、報知を行う比率は第1特別図柄とは異なり、5個の「入球確変図柄」のうち3個が大当り遊技中に「入球確変図柄」であることを示唆する報知を実施する。また、5個の「入球通常図柄」のうち3個が大当り遊技中に「入球通常図柄」であることを示唆する報知を実施する。従って、実施例2の第2特別図柄においても、所定の確率で大当り図柄の種類を示唆する報知を実施する構成となる。また、5個の「確変図柄」と5個の「通常図柄」の内容は、第1特別図柄と同一となっている。
次に、大当り図柄の種類と当否判定処理のS160で設定する遊技状態設定用フラグの値の関係について、図25を用いて説明する。本実施例では、上述したように、実施例1から2種類の大当り図柄が増加しているため、遊技状態設定用フラグの値もその数に応じて2個増えている。これは、増加した大当り図柄の種類に応じて、大当り遊技終了後の遊技状態の設定方法が異なるためであり、具体的な設定内容は後述する。
図25(1)に示すように、S155で決定した大当り図柄の種類が、「入球通常図柄」なら、遊技状態設定フラグに「0」を設定し、「入球確変図柄」なら、遊技状態設定フラグには「1」を設定し、「確変図柄」なら、遊技状態設定フラグには「2」を設定し、「通常図柄」なら、遊技状態設定フラグには「3」を設定する。
遊技状態設定フラグの値「0」、「1」は実施例1と同一の内容を示し、値が「2」の場合は、大当り遊技終了時に特定領域72への遊技球入球に拘わらず大当り遊技終了後の遊技状態として「次回大当りまで確変、時短」を設定し、値が「3」の場合は、大当り遊技終了時に特定領域72への遊技球入球に拘わらず大当り遊技終了後の遊技状態として「通常確率時短100回」を設定する。
次に、図26、27、28、29、30を用いて実施例2において主制御装置50が実行する特別遊技処理2を説明する。この処理は、実施例1で説明した特別遊技処理1と基本構成を同じとするため、共通箇所の説明は特別遊技処理1を援用し、異なる部分を説明する。なお、この特別遊技処理2も、大当り遊技の進行を制御する処理であり、本願発明における遊技状態決定手段を含む処理となる。
特別遊技処理2の図26は、特別遊技処理1の図12と同一構成であり、図27は図13と同一構成であり、図29は図15と同一構成であるため説明は援用とする。図28は、特別遊技処理1の図14と基本構成を同一とし、異なるのは、図14のS460とS465とに対応するS860とS870との間に1つの判定処理を追加している。
具体的には、S860で特定領域スイッチ72aが遊技球を検出したか否か判定し(S860)、肯定判定だった場合(S860:yes)、S160で設定された遊技状態設定用フラグの値が2未満、即ち、大当り遊技終了後の遊技状態が特定領域72への遊技球入球に応じて変化する大当り図柄が決定されていたか否か判定する(S865)。否定判定、即ち遊技状態設定用フラグの値が「2」又は「3」なら(S865:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S865:yes)、S870に進み、特別遊技処理1のS465以降と同一の処理を実行する。
この処理の追加により、遊技状態設定用フラグの値が「0」又は「1」の場合のみ特定領域72に入球すると特定領域入球Fを設定し、遊技状態設定用フラグの値が「2」又は「3」の場合は、特定領域72の入球は無視して、最終ラウンド終了時に遊技状態設定フラグの値に応じて大当り遊技終了後の遊技状態を設定する。
図30は、特別遊技処理1の図16と基本の処理構成を同一とするが、図16のS550に対応するS1000が否定判定の場合、具体的には、特定領域入球フラグの値が「0」で、第2大入賞口70の作動が終了するまで特定領域72に遊技球が入球しなかった場合には、図31のフローチャートに進む。
図31では、第2大入賞口70が作動する最終ラウンド中に特定領域72に遊技球が入球しなかった場合、遊技状態設定用フラグの値に応じて大当り遊技終了後の遊技状態設定処理を振分ける処理を行う。具体的には、図31に進むと、遊技状態設定フラグの値が0ではないか否か判定し(S1050)、否定判定、即ち、遊技状態設定フラグの値が「0」なら(S1050:no)、図25(2)の図表に示したように、最終ラウンドで特定領域72に遊技球が入球しなかった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態に「次回大当りまで確変、時短」を設定するために図30のS1010(図16のS565に対応)に進む。
S1050が肯定判定なら(S1050:yes)、遊技状態設定フラグの値が1ではないか否か判定し(S1055)、否定判定、即ち、遊技状態設定フラグの値が「1」なら(S1055:no)、図25(2)の図表に示したように、最終ラウンドで特定領域72に遊技球が入球しなかった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態に「通常確率時短100回」を設定するために図30のS1025(図16のS590に対応)に進む。
S1055が肯定判定なら(S1055:yes)、遊技状態設定フラグの値が2ではないか否か判定し(S1060)、否定判定、即ち、遊技状態設定フラグの値が「2」なら(S1060:no)、図25(2)の図表に示したように、最終ラウンドの特定領域72への入球に拘わらず大当り遊技終了後の遊技状態に「次回大当りまで確変、時短」を設定するために図30のS1010(図16のS565に対応)に進み、S1060が肯定判定、即ち、遊技状態設定フラグの値が「3」なら(S1060:yes)なら、図25(2)の図表に示したように、最終ラウンドの特定領域72への入球に拘わらず大当り遊技終了後の遊技状態に「通常確率時短100回」を設定するために図30のS1025(図16のS590に対応)に進む。
以上が実施例2における特別遊技処理2となり、図28、30及び図31の構成も、本発明の「特定領域への遊技球の入球の有無に応じて大当り遊技終了後の遊技状態を決定する遊技状態決定手段」に該当する。本実施例においても、実施例1と同様に、大当り遊技終了時(第2大入賞口70の作動が終了時)に実行される図30の処理構成は、大当り遊技中に特定領域72に遊技球が入球していた場合は、既に大当り遊技終了後の遊技状態が特定領域72入球時に決定しているため、該決定内容を記憶しているモードバッファの値を参照して大当り遊技終了後の遊技状態を設定する。
大当り遊技中に特定領域72に遊技球が入球していない場合は、第2大入賞口70の開放が終了した時点で大当り遊技終了後の遊技状態が確定し、大当り図柄の種類に応じて設定された遊技状態設定フラグの値を参照して大当り遊技終了後の遊技状態を決定し設定する。加えて本実施例では、特定領域72への遊技球の入球にかかわらず当否判定処理時に大当り遊技終了後の遊技状態を決定する大当り図柄の種類(「確変図柄」「通常図柄」)を設けている。
本実施例では、当否判定時の大当り図柄選択処理によって「確変図柄」又は「通常図柄」が選択された場合、他の「入球確変時柄」及び「入球通常図柄」と同様に図柄の種類に応じて遊技状態設定用フラグを設定したが、この時点で大当り遊技終了後の遊技状態を決定することとなる「確変図柄」又は「通常図柄」が選択された場合は、遊技状態設定フラグの値を設定するのではなく、モードバッファの値を設定する構成としてもよい。
次に、図32を用いて実施例2においてサブ統合制御装置53が実行する変動指示コマンド受信処理2を説明する。この処理は、実施例1で図17を用いて説明した説明した変動指示コマンド受信処理1に「確変図柄」及び「通常図柄」を示すコマンドを受信した場合の処理を追加したものであり、図17のS645に対応するS1125の肯定判定以降の処理が異なる内容となっている。
具体的には、S1125が肯定判定なら(S1125:yes)、受信した変動指示コマンドが確変図柄を示すか否か判定する(S1130)。否定判定なら(S1130:no)、受信した変動指示コマンドが入球通常図柄を示すか否か判定し(S1135)、S1130が肯定判定(S1130:yes)又は、S1135が否定判定、即ち受信した変動指示コマンドが入球確変図柄なら(S1135:no)、報知フラグに1を設定してリターンする。S1135が肯定判定なら(S1135:yes)報知フラグに2を設定してリターンする。これにより、確変図柄で報知を実施する場合と、入球確変図柄で報知を実施する場合とで同一の報知を実施する構成となる。
以上が実施例の説明となる。実施例1、2ともに第1特別図柄と第2特別図柄との種類を類似した構成(例えば、ELはどちらも入球確変図柄の報知有り)としたが、全く違う構成(例えば、ELは第1特別図柄では入球確変図柄の報知有りだが第2特別図柄では入球通常図柄報知無しとする)としてもよく、これにより、遊技者が更に大当り図柄の種類を判別するのが困難となる。
また、実施例1、2では、大当り遊技終了後の遊技状態を決定するタイミングを、特定領域72への遊技球入球時、又は特定領域72を備えた第2大入賞口70の作動終了時としたが、当否判定処理時に選択した大当り図柄の種類に応じて当否判定処理時に大当り遊技終了後の遊技状態を仮決定する構成とし、特定領域72の遊技球通過によって仮決定した遊技状態を変更するという構成も考えられる。
但し、この構成の場合、当否判定処理時に大当り遊技終了後の遊技状態として特典遊技を決定した場合は、遊技者は特定領域72へ遊技球を入球させて大当り遊技終了後の遊技状態を変更する必要がないため、変更の必要が生じるのは当否判定処理時に大当り遊技終了後の遊技状態として通常遊技状態が決定した場合にとなる。従って、大当り遊技終了後の遊技状態を特典遊技にするために、特定領域72へ遊技球を入球させる遊技性を発揮する機会は減少するが、当否判定処理時の図柄選択確率に基づいた特典遊技の獲得と、図柄選択確率で外れた場合(当否判定処理時に通常遊技状態が決定した場合)には、自力での特典遊技の獲得を目指すことができる2段階の特典獲得遊技(1回目に外れた場合は2回目のチャンスを与える)を提供することが可能となる。
実施例では、大当り遊技の内容(第1大入賞口33a及び第2大入賞口70の作動回数)を1種類として最終ラウンドを特定領域72を備えた第2大入賞口を作動させる構成としたが、この構成に限るものではなく、図柄の種類に応じて大当り遊技の内容と、第2大入賞口70を作動させるラウンドを変化させてもよい。変化させる構成では、大当り遊技自体によって獲得する遊技球が少ない大当り遊技(大入賞口の作動回数が少ない大当り遊技)では、特定領域72への入球に係る報知を実施する所定の確率を高くして特典獲得割合を増加させ、大入賞口の作動回数が多い大当り遊技では報知を実施する所定の確率を低くして特典獲得割合を減少させることによって、遊技球を獲得するバランスを均等にすることができる。また、これとは逆の設定(大入賞口の作動回数が多い大当り遊技ほど報知を実施する所定の確率を高くする)とすることで、射幸性の高い遊技機を提供することも可能となる。
また、実施例では図19を用いて説明した特定領域72への入球または入球回避を促す報知内容は1種類としたが、報知内容を変化させる構成も考えられる。例えば、大当り開始時には、入球させた方が得なのか入球を回避したほうが得なのかの判断がし難い内容の報知を行い、第1大入賞口33aの作動を消化するに従ってどちらが得なのかを徐々に明確にしていく構成となる。
また、実施例で説明したパチンコ機を、所定数の遊技球を遊技機内で循環させて遊技を行う封入式弾球遊技機とする構成も考えられる。この場合、封入式弾球遊技機の特徴のひとつである発射遊技球数の計数を用いて、任意の遊技者(遊技を行うために必要なICカードに付与されたユニークIDにより、遊技者を特定することが可能)が、遊技を開始(ICカードの挿入)してから最初に大当りを取得するまでの発射遊技球数に応じて報知を実施する所定の確率を変化させる構成も考えられる。この構成では、最初の大当りを取得するまでに比較的多くの遊技球を発射した場合は高い確率で報知を実施することにより、遊技者の損失を軽減することが可能となる。