JP5938606B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、当否判定結果が当たりの場合の特別遊技中にラウンド数を表示可能な遊技機に関する。
従来、パチンコ遊技機等においては、大当たりになった際に大入賞口を閉状態から開状態に少なくとも1回変化させる1回のラウンドを1回又は複数回実行する特別遊技を実行し、ラウンド数が終了する前に通常の遊技とは異なるゲームを実行し、そのゲームに成功した場合にラウンド数を増加させることでラウンド中の趣向性を高める遊技機が提案されている。
特開2004−298360号公報
しかしながら、従来のラウンド数を増加させる遊技機にあっては、ラウンド数の増加が決定された際に、例えば、残りラウンド数に対して増加させるラウンド数をまとめて加算するなど、増加させているときの演出に対しては単純なものとなっており、遊技者にラウンド数が増加しているときの高揚感を与えることができない場合があった。
また、ラウンドが進むごとに現在のラウンド数から減算(例えば15ラウンド→14ラウンド)していくラウンド数表示方法を採用している遊技機では、ラウンド数を増加させる演出の実行中にラウンドを跨いでしまった際に、増加したラウンド数と実際に行われるラウンド数とにずれが生じるなど、整合性を図ることが困難な場合があった。
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであって、ラウンド数表示の整合性を図りつつ、ラウンド数が増加しているように見せる演出の趣向性を高め、遊技者にラウンド数が増加しているときの高揚感を与えることが可能な遊技機の提供を目的とする。
請求項1の発明は、判定条件の成立に基づいて遊技の当否を判定する当否判定手段と、特別図柄を変動表示した後に停止表示した特別図柄で前記当否判定手段による判定結果を表示可能な表示手段と、遊技球が入賞し難い閉状態から入賞し易い開状態に変化可能な大入賞口と、前記当否判定手段の判定結果が当たりとなることに基づいて、前記大入賞口を閉状態から開状態に少なくとも1回変化させる1回のラウンドを1回又は複数回実行する特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、を備えた遊技機において、前記特別遊技中に、残りのラウンド数を数字とは異なる特定表示物の数で前記表示手段に表示するラウンド数表示手段を備え、前記特別遊技は、所定のラウンド数で構成された通常ラウンド数遊技と、前記通常ラウンド数遊技よりもラウンド数が少ない短ラウンド数で構成された短ラウンド数遊技とが少なくともあり、前記通常ラウンド数遊技には、前記ラウンド数表示手段によって当該通常ラウンド数遊技における残りのラウンド数が前記表示手段に前記特定表示物で表示される通常表示タイプと、前記ラウンド数表示手段によって初めに前記短ラウンド数分の残りラウンド数が前記表示手段に特定表示物で表示され、前記短ラウンド数分のラウンド数が終了する前に、当該通常ラウンド数遊技における残りのラウンド数分の前記特定表示物を所定間隔で1つずつ追加する表示が開始され、前記特定表示物の数で示される残りラウンド数があたかも増加しているように見せるラウンド数増加表示タイプがあり、前記ラウンド数表示手段は、前記通常ラウンド数遊技が前記ラウンド数増加表示タイプの場合、前記所定間隔毎における前記特定表示物の追加前に、少なくとも表示されている特定表示物の数に基づいて前記特定表示物を追加するか否かを判定するラウンド数増加判定手段を備え、前記通常ラウンド数遊技と前記短ラウンド数遊技は、複数回のラウンドで構成されると共に、特別遊技開始直後のラウンドがそれ以降のラウンドよりも前記大入賞口に遊技球が進入し難い特別ラウンドで構成され、前記ラウンド数表示手段は、前記特別ラウンド中に前記ラウンド数を表示しないで、前記特別ラウンドの次のラウンドから表示することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記当否判定結果の当たりには、少なくとも大当たりと小当たりがあり、前記大当たりの場合には、前記特別遊技実行手段により、前記通常ラウンド数遊技における通常表示タイプが実行され、前記小当たりの場合には、前記通常ラウンド数遊技における通常表示タイプと、前記通常ラウンド数遊技におけるラウンド数増加表示タイプと、前記短ラウンド数遊技の何れか一つがラウンド数遊技選択手段によって選択され、前記選択された特別遊技が前記特別遊技実行手段で実行されることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2において、前記小当たりの場合における通常ラウンド数遊技の通常表示タイプと、前記通常ラウンド数遊技のラウンド数増加表示タイプと、前記短ラウンド数遊技は、初めに前記大入賞口が1回又は前記短ラウンド数遊技のラウンド数よりも少ないラウンド数開閉し、前記大入賞口内に設けられている特定領域に遊技球が入球したことを起因に、残りのラウンド数分が前記特別遊技実行手段で実行されることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、残りのラウンド数が数字とは異なる特定表示物の数によって示され、さらにラウンド増加手段によって所定間隔でその特定表示物を1つずつ追加していくことで、単に数字だけでラウンド数を表したものよりも趣向性を高め、遊技者にラウンド数が増加しているときの高揚感を与えることが可能となる。
また、所定間隔毎における特定表示物の追加前に、少なくとも表示されている特定表示物の数に基づいて前記特定表示物を追加するか否かを判定するラウンド数増加判定手段を備えることにより、追加される特定表示物の数と実際のラウンド数との整合性を保つことが可能になる。
請求項1の発明によれば、特別ラウンドが含まれるラウンド構成であったとしても、特別ラウンド中には残りラウンド数を表示しないことで、遊技者にそのラウンドを意識させないようにすることが可能となる。
請求項2の発明によれば、小当たりの場合には、通常ラウンド数遊技における通常表示タイプと、通常ラウンド数遊技におけるラウンド数増加表示タイプと、短ラウンド数遊技の何れか一つがラウンド数遊技選択手段によって選択され、選択された特別遊技が前記特別遊技実行手段で実行されるため、通常ラウンド数遊技におけるラウンド数増加表示タイプが実行された場合、特定表示物を追加する表示が実行されるまで、遊技者は短ラウンド数遊技と区別が付かず、特定表示物が追加されるか否かのドキドキ感を抱かせ、ラウンド数の増加に対する高揚感を高めることが可能となる。
請求項3の発明によれば、小当たりの場合における通常ラウンド数遊技の通常表示タイプと、前記通常ラウンド数遊技のラウンド数増加表示タイプと、短ラウンド数遊技は、初めに大入賞口が1回又は短ラウンド数遊技のラウンド数よりも少ないラウンド数開閉し、大入賞口内に設けられている特定領域に遊技球が入球したことを起因に、残りのラウンド数分が前記特別遊技実行手段で実行されるため、ラウンド数の増加に対する高揚感をさらに高めることが可能となる。
本発明の一実施例に係る遊技機の正面図である。 同遊技機の裏側を示す図である。 同遊技機の制御基板や装置等の接続を示すブロック図である。 特別遊技の種類に応じて表示されるメダルの数とラウンド数の関係を示す表である。 特定領域への入賞による16ラウンド特別遊技におけるラウンドのタイムチャートである。 昇格演出の例を示す図である。 同遊技機における主制御基板が行うメイン処理のフローチャートである。 同メイン処理用割り込み処理のフローチャートである。 始動入賞口検出処理のフローチャートである。 ゲート通過処理のフローチャートである。 普通動作処理のフローチャートである。 特別動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特別図柄大当たり判定処理のフローチャートである。 特別遊技種類判別処理のフローチャートである。 特別図柄選択処理のフローチャートである。 特別図柄変動パターン選択処理の第一フローチャートである。 特別図柄変動パターン選択処理の第二フローチャートである。 特別図柄乱数シフト処理のフローチャートである。 変動中処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 特別電動役物処理のフローチャートである。 保留球数処理のフローチャートである。 電源断監視処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 外部INT割り込み処理のフローチャートである。 2msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 オープニングコマンド処理のフローチャートである。 ラウンドコマンド処理のフローチャートである。 昇格演出未実行処理のフローチャートである。 昇格演出実行中処理のフローチャートである。 昇格演出完了処理のフローチャートである。 ラウンド昇格処理の第一フローチャートである。 ラウンド昇格処理の第二フローチャートである。
以下、添付の図面に基づき本発明の実施例を説明する。図1に示す遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であって、遊技盤2の縁に外側誘導レール3及び内側誘導レール4が略円形に配置され、前記外側誘導レール3及び内側誘導レール4によって区画された遊技領域6が前記遊技盤2上に設けられている。前記遊技領域6には遊技球を誘導する誘導釘(図示せず)が遊技盤2の表面に設けられている。また、遊技機1の前面側には、装飾ランプ等からなるランプ装置35、発射装置へ供給する遊技球と払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿36、該上側球受け皿36の満杯時に遊技球を受けるための下側球受け皿37、効果音等を発するスピーカ38、遊技者の発射操作に応じて遊技球を前記遊技領域6へ向けて弾発発射するための発射装置64、遊技者による操作可能な遊技操作スイッチ67が設けられている。図1における符号W1は遊技機の外枠、W2は外枠W1に取り付けられた前枠、Gは前記前枠W2に開閉可能にヒンジで取り付けられたガラス枠である。以下、遊技機1の主要な部分について説明する。
前記遊技領域6には、中心線上の上部から下部に向かって順に表示装置10、第一始動入賞口41、第一大入賞口45、アウト口60が配置されている。前記表示装置10の左下部には普通図柄表示装置50が組み込まれている。前記表示装置10の左側には風車76が設けられ、また、前記第一始動入賞口41の左には左袖入賞口51と左落とし入賞口53が設けられている。一方、前記表示装置10の右側には普通図柄変動開始用ゲート55と、その下方に第二始動入賞口42が設けられ、また前記第二始動入賞口42と前記表示装置10の間に第二大入賞口47が設けられ、さらに前記第一始動入賞口41の右に右袖入賞口52と右落とし入賞口54が設けられている。
前記第一始動入賞口41、第二始動入賞口42、第一大入賞口45、第二大入賞口47、左袖入賞口51、右袖入賞口52、左落とし入賞口53、右落とし入賞口54は、前記遊技領域6に発射された遊技球が入賞可能な複数の入賞口に相当する。また、前記第一始動入賞口41及び第二始動入賞口42は、遊技球が入賞可能な始動入賞口に相当する。前記遊技領域6へ発射されて遊技領域6内を流下する遊技球が前記の各入賞口に入賞(入球)すると1入賞球の入賞に対して所定個数の賞品球(遊技球)が遊技者に払い出される。前記1入賞球の入賞に対する賞品球の払出個数は、前記入賞口毎に設定されている。
前記表示装置10は、特別図柄を変動表示可能な表示手段に相当し、停止表示した特別図柄で当否判定手段による判定結果を報知可能に構成されている。前記表示装置10は、図柄等の画像が表示可能なものであって、液晶,ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の画像表示装置からなり、本実施例では、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成されている。前記表示装置10は、複数の特別図柄を変動パターンに従って所定時間変動表示した後に停止表示可能に構成されている。特別図柄は当否判定結果を表示するための判定図柄であり、当否判定結果を識別可能な識別情報でもある。
前記表示装置10では、左右に並ぶ左特別図柄(左判定図柄)と中特別図柄(中判定図柄)と右特別図柄(右判定図柄)がそれぞれ変動パターンに従って変動表示し、変動パターンに設定されている変動時間変動表示した後、当否判定結果に基づき左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が確定停止特別図柄(確定停止判定図柄)として停止表示される。前記変動パターンは、後述するように複数設けられ、複数の変動パターンから選択された変動パターンに基づいて特別図柄の変動表示が前記表示装置10で行われる。
本実施例において変動および停止表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄は、それぞれ『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9』の10通りの図柄とされている。本実施例では、遊技の当否判定結果が当たりの場合には、前記表示装置10に当たり図柄組合せで特別図柄が停止表示され、外れの場合よりも遊技者にとって有利な特典(遊技球を獲得し易い)を付与する特別遊技(当たり遊技)が特別遊技実行手段により実行される。前記当否判定手段による判定結果の当たりには、大当たりと小当たりがある。また前記特別遊技実行手段が実行する特別遊技には、大当たりの場合に実行される大当たり特別遊技と、小当たりの場合に実行される小当たり特別遊技がある。
大当たりの場合には、前記表示装置10に大当たりの図柄組合せ、この例では『0,0,0』(いわゆる‘0’のぞろ目)や『1,1,1』(いわゆる‘1’のぞろ目)等、同一数字の組合せで特別図柄が停止表示される。
また、小当たりの場合には、前記表示装置10に『1,2,3』の特別図柄で停止表示される。
一方、遊技の当否判定結果が外れの場合には、特別図柄がぞろ目以外の組合せで表示装置10に停止表示される。なお、本実施例では、外れの場合、特別図柄がぞろ目以外の組合せで停止表示されるため、小当たりの場合と同じ特別図柄組合せの『1,2、3』で停止表示されることがあり、停止表示された特別図柄からは小当たりか外れか判別できないようになっている。
また、前記表示装置10において停止表示する図柄の組合せ種類には、リーチ状態を経て停止するリーチ成立組合せと、リーチ状態を経ないで停止するリーチ非成立組合せがある。さらにリーチ成立組合せには、前記左特別図柄、中特別図柄及び右特別図柄がぞろ目の大当たりの図柄組合せと、前記左特別図柄、中特別図柄及び右特別図柄がぞろ目とはならない外れの図柄組合せがある。本実施例におけるリーチ状態は、前記表示装置10で変動停止表示される左特別図柄、中特別図柄及び右特別図柄のうち、最後に停止表示される特別図柄(例えば中特別図柄)を除いて他の特別図柄(例えば左特別図柄と右特別図柄)が同一となる状態(最終停止図柄を除いて大当たりの特別図柄組合せと等しくなる状態であり、最終的に大当たりの特別図柄組合せとなる場合と外れの特別図柄組合せとなる場合が含まれる状態)をいう。また、背景、キャラクター、文字等(音声や発光等も適宜含まれる)による演出が前記表示装置10で特別図柄の変動表示と共に、あるいは特別図柄の変動表示とは別に表示可能となっている。
前記普通図柄表示装置50は、液晶、ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の表示装置からなる。本実施例の普通図柄表示装置50は、LED表示装置からなる。本実施例における普通図柄表示装置50に変動及び停止表示される普通図柄は『○』,『×』の2種類からなる。普通図柄当たりの場合には、前記普通図柄表示装置50に『○』の普通図柄が停止表示され、外れの場合には『×』が表示される。
前記第一始動入賞口41は、上方が開口した形状からなって遊技球が上方から入球(入賞)可能となっている。
一方、前記第二始動入賞口42は、いわゆるベロ式電動チューリップで構成され、上方が開口した装飾部材43内に設けられている。前記第二始動入賞口42は、遊技盤の背面に設けられている始動入賞口ソレノイドによって、前後スライド可能な開閉板が、前記第二始動入賞口42を塞いだ遊技球の入賞し難い閉状態から、遊技盤の前側へスライドして前記第二始動入賞口42へ遊技球が入賞し易い開状態間を変化可能に制御されている。前記第一始動入賞口42の開状態への移行は、前記普通図柄表示装置50で普通図柄が変動した後、普通図柄当たりを示す当たり普通図柄(本実施例では『○』)で確定停止表示された時に行われる。前記普通図柄当たりの場合における前記第二始動入賞口42の開放は、通常状態(非時短状態)では、開放時間0.088秒で1回行われ、一方、時短状態では、開放時間1.7秒で3回行われる。
また、前記遊技盤2の背面には、前記第一始動入賞口41に入賞(入球)した遊技球を検出する第一始動入賞口検出スイッチ(第一始動入賞口センサ)と、前記第二始動入賞口42へ入賞(入球)した遊技球を検出する第二始動入賞口検出スイッチ(第二始動入賞口センサ)がそれぞれの入賞球用通路に設けられている。本実施例において前記第一始動入賞口41あるいは第二始動入賞口42への遊技球の入賞(入球)検出は、遊技データ(乱数値)の取得の起因および前記特別図柄の変動表示開始の起因とされ、さらには、判定条件の成立に設定されている。前記判定条件の成立に起因して当否判定手段により大当たりか、小当たりか、外れかが判定される。
前記第一始動入賞口41あるいは第二始動入賞口42に入賞して前記第一始動入賞口検出スイッチ(第一始動入賞口センサ)、前記第二始動入賞口検出スイッチで検出された遊技球検出数(始動入賞口入賞球数)及び取得した遊技データ(乱数値を予め設定されている設定数まで特別図柄保留球数として記憶し、特別図柄の変動表示を一旦保留して順次特別図柄の変動表示が開始されることにより、記憶されている特別図柄保留球数の数を減らし、遊技データ(乱数値のデータ)を消去している。前記遊技データ(乱数値)の記憶は、前記表示装置10で現在変動中の記憶を含まず、前記第一始動入賞口41の入賞に対して最大4個、また前記第二始動入賞口42の入賞に対して最大4個に設定されている。
なお、前記始動入賞口検出スイッチ(第一始動入賞口検出スイッチ、第二始動入賞口検出スイッチ)による遊技球検出数が最大個数まで記憶されている時には、前記始動入賞口検出スイッチがそれ以上入賞遊技球を検出しても、保留球数としては記憶されない無効球(オーバーフロー入賞球)とされ、その無効球については遊技データの記憶、当否判定及び特別図柄の変動を行うことなく、入賞に対する賞球遊技球が所定数払い出される。
前記普通図柄変動開始用ゲート55は、前記遊技盤2の背面に設けられた普通図柄変動開始スイッチで普通図柄変動開始用ゲート55を通過する遊技球が検出されることに基づいて前記普通図柄表示装置50で普通図柄の変動を開始させるようになっている。また、前記普通図柄の変動表示中に、前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過することによって発生する普通図柄の変動を、前記普通図柄変動装置50における現在変動中の記憶を含めず最大4個普通図柄保留球数として記憶し、普通図柄の変動開始により普通図柄保留球数を減らすようになっている。
また、前記遊技盤2の背面には、前記左袖入賞口51の入賞球を検出する左袖入賞口用検出スイッチ、前記右袖入賞口52の入賞球を検出する右袖入賞口用検出スイッチ、前記左落とし入賞口53及び右落とし入賞口54の入賞球を検出する左落とし入賞口用検出スイッチ及び右落とし入賞口用検出スイッチが設けられている。
前記第一大入賞口45は、前記遊技盤2の背面に設けられた第一大入賞口開放用ソレノイドによって開閉する第一大入賞口開閉板46を備えている。前記第一大入賞口45は、通常は第一大入賞口開閉板46が閉じた状態とされ、当否判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり特別遊技時と、小当たりの場合に実行される小当たり特別遊技において後述の第二大入賞口47内の特定領域49への入賞による特別遊技実行時に、それぞれ設定されているラウンド数開閉される。前記ラウンドは、設定されている時間内に前記第一大入賞口45が閉状態から開状態に少なくとも1回変化することが1ラウンドとなっている。また、前記第一大入賞口45内には、第一大入賞口45に入賞した入賞球を検出する第一大入口入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)が設けられている。
前記第二大入賞口47は、前記遊技盤2の背面に設けられた第二大入賞口開放用ソレノイドによって開閉する第二大入賞口開閉板48を備えている。前記第二大入賞口47は、通常は第二大入賞口開閉板48が起立して閉じた状態とされ、当否判定結果が小当たりの場合に実行される小当たり遊技時に開放される。本実施例では1.6秒間、1回(1ラウンド)開放される。また、前記第二大入賞口47内には、特定領域開閉作動装置44によって作動する特定領域開閉扉により開閉可能な特定領域49が設けられている。前記特定領域49は、入球口が通常は入球(入賞)困難な閉じた状態とされ、前記小当たり遊技時において前記第二大入賞口47が開放された後に所定時間開放されて入球(入賞)可能な状態とされる。本実施例では、前記第二入賞口47の開放開始から約1秒後に、0.388秒間前記特定領域49が入球可能な開放状態とされる。前記第二大入賞口47内には、前記特定領域49に入賞した遊技球を検出する特定領域検出スイッチと、前記特定領域19に入賞しなかった遊技球を検出する第二大入賞口入賞球数カウントスイッチが設けられている。前記小当たり遊技時に、前記特定領域49に遊技球が入賞して検出されると、抽選によって特別遊技の種類が決定され、決定された特別遊技の種類に設定されているラウンド数に応じて前記第一大入賞口45が開閉する。
前記第一始動入賞口検出スイッチ、第二始動入賞口検出スイッチ、左袖入賞口用検出スイッチ、右袖入賞口用検出スイッチ、左落とし入賞口用検出スイッチ、右落とし入賞口用検出スイッチ、第一大入口入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)、特定領域検出スイッチ、第二大入賞口入賞球数カウントスイッチは、入賞装置に入賞した遊技球を検出する入賞検出手段に相当する。
前記発射装置64は、操作レバー65の操作により駆動する発射モータを裏側に有し、該発射モータの駆動により遊技球を弾発発射するようになっている。前記発射装置64により発射された発射球は、前記遊技盤2の表面に立設された内側誘導レール4と外側誘導レール3間で構成される発射球誘導路を介して遊技領域6に誘導される。前記遊技領域6に誘導された遊技球は、転動しつつ下方へ落下し、前記各装置及び各入賞口に入賞するか、或いは何処にも入賞しなければ前記アウト口60から遊技盤2の裏側へ排出される。
前記遊技機1の裏側には、図2に示すように、複数の制御基板や装置等が設けられている。制御基板の主なものとして、主制御基板200、サブ制御基板205、表示制御基板210、音声制御基板220、払出制御基板240、電源基板250、発射制御基板260等がある。符号265は外部端子、281は払出装置、283は球無し検出スイッチ、289は球貯留タンク、291は球誘導樋である。271はRAMクリアスイッチ、272は電源スイッチである。なお各制御基板には制御回路が設けられている。また、各制御基板は、単独でまたは複数まとめてケースに収納された状態で遊技機1の裏側に配置されている。主な制御基板を、図3のブロック図を用いて簡略に示す。
主制御基板200は、遊技情報に従って遊技の進行を制御する制御装置に相当する。前記主制御基板200には、CPU、RAM、ROMおよび複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータを少なくとも備え、サブ制御基板205及び払出制御基板240と接続され、また中継回路を介して第一始動入賞口41、第二始動入賞口42及び第一大入賞口45、第二大入賞口47等と接続されている。前記主制御基板200は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
前記主制御基板200におけるCPUは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ,各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、乱数値も生成し、また指令信号(制御信号あるいはコマンドとも称される)を接続されているサブ制御基板205や装置等へ出力(送信)可能に構成されている。また、前記主制御基板200のCPUは制御プログラムを実行して遊技情報に従って遊技に関わる主制御を行う。遊技情報は、当否判定に関する確率情報や、前記入賞装置への入賞情報や、払出情報、ラウンド状態、演出に関する情報等、遊技の進行に必要な情報である。
前記主制御基板200から出力される指令信号(コマンド)には、入賞コマンド、始動入賞口入賞コマンド、オープニングコマンド、変動コマンド、変動停止コマンド、ラウンド開始コマンド、特別遊技エンディングコマンド等がある。前記始動入賞口入賞コマンドには、前記表示装置10で特別図柄を停止表示させる大当たり判定結果データが少なくとも含まれる。オープニングコマンドは第一大入賞口を開閉する特別遊技開始時のコマンドであり、後述の特別遊技種類が含まれる。前記変動コマンドは、前記表示装置10で特別図柄を変動表示させる変動パターンのコマンドや図柄に関するコマンドが含まれる。変動停止コマンドは特別図柄の変動停止用コマンドである。また、ラウンド開始コマンドは、特別遊技中の各ラウンドの開始用コマンドであり、エンディングコマンドは、特別遊技終了時の表示用コマンドである。前記主制御基板200から出力される指令信号には、その他、普通図柄当たりに関するデータ、電源投入時、異常時、ラウンド時等のデータを挙げることができる。なお、主制御基板200が前記表示装置10の制御に関して出力する指令信号に基づいて、サブ制御基板205が前記表示装置10に表示する内容を設定する。
前記RAMは、保留記憶手段にも相当し、前記第一始動入賞口検出スイッチ及び第二始動入賞口検出スイッチで検出された遊技球の特別図柄保留球数、取得された乱数値の記憶領域、普通図柄変動開始スイッチで検出された遊技球の普通図柄保留球数の記憶領域、CPUで生成される各種乱数値用の記憶領域、遊技に必要な遊技データ等の各種データを一時的に記憶する記憶領域や、遊技情報を記憶する記憶領域やフラグ、CPUの作業領域を備える。
前記ROMは、前記CPUのための制御プログラムや制御データ、前記表示装置での変動表示に関する変動パターンや図柄データ、演出時間等のデータが書き込まれている他、大当たり、普通図柄当たりの判定値等が書き込まれている。
サブ制御基板205は、前記主制御基板200と接続されて主制御基板200から指令信号を受信可能に構成されると共に、前記表示制御基板210と接続されて表示装置10を制御可能に構成されている。前記サブ制御基板205にはCPU、ROM、RAM、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、前記主制御基板200とを結ぶ入出力回路と、前記表示制御基板210、ランプ中継基板、前記音声制御基板220、及び前記遊技操作スイッチ67とを結ぶ入出力回路を備えている。前記サブ制御基板205は、前記主制御基板200と共に遊技の制御を行う制御手段に相当し、前記主制御基板200から出力された指令信号に従って遊技の制御を行う。本実施例ではサブ制御基板205はランプ制御基板を兼ねており、前記主制御基板200から出力された指令信号を受信し、受信した指令信号に基づいて、ランプ中継基板や表示制御基板210へ指令信号を出力している。前記主制御基板200からの指令信号には、前記表示装置10をサブ制御基板205が制御するための指令信号及び前記ランプ装置35に対するデータや信号、入賞コマンド、オープニングコマンド、変動コマンド、変動停止コマンド、ラウンド開始コマンド、特別遊技エンディングコマンド等が含まれ、それらの信号の内容に合わせて遊技の制御を行っている。また、前記サブ制御基板205のROMは制御用のプログラムやデータ定数、前記表示装置10で実行される変動パターンによる演出等や背景演出情報が記憶され、また前記RAMは、主制御基板200のRAMと共に保留記憶手段にも相当し、各種データの記憶領域とCPUによる作業領域を有している。前記ランプ中継基板には装飾ランプ等のランプ装置35が接続され、前記サブ制御基板205からランプ中継基板に送信された指令信号によって、ランプ装置35の作動を制御する。前記サブ制御基板205は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
表示制御基板210は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータと、前記サブ制御基板205を結ぶ入力回路と前記表示装置10を結ぶ出力回路等で構成され、前記サブ制御基板205から送信された制御信号に基づいて、前記表示装置10における表示の制御を行う。前記表示制御基板210のROMには制御用のプログラムが記憶されている。前記表示制御基板210は、前記サブ制御基板205からの指令信号に基づき、表示制御御基板210のCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画像のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて表示装置10に出力される。
音声制御基板220は、前記サブ制御基板205から出力される信号により音声信号を合成し、アンプに出力する。アンプは音声信号を増幅してスピーカ38に出力する。
払出制御基板240は、遊技球の払出を制御する払出制御手段に相当し、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータを有する。前記払出制御基板240は前記主制御基板200と電気的接続手段で接続され、前記主制御基板200から出力される指令信号を受信して払出装置281を制御する。前記払出制御基板240は電源基板250から供給される電源によって作動する。前記払出制御基板240のROMには制御用のプログラムが記憶されている。前記払出制御基板240のRAMは、種々の入賞口(入賞装置)への入賞検出に基づき前記払出装置281により払い出される賞品球(遊技球)の払出個数を、1入賞球の検出に対する払出個数毎に記憶可能となっている。
前記払出装置281は、払出モータの駆動によって回転する払出スクリューを備え、前記球誘導樋291から誘導されてきて払出装置281に至った遊技球を払出スクリューの羽根部分に乗せて払出スクリューが回転することにより徐々に下方へ移動させて遊技球の払い出し行うように構成されている。前記球誘導樋291と払出装置281の間における遊技球の流路に遊技球の存否を検出する前記球無しセンサ283が設けられている。前記払出装置281の球出口には、前記払出装置281から払い出された遊技球を検出する払出センサが設けられている。
電源基板250は、遊技機1の外部より供給される主電源から遊技機1に適する所定電圧の遊技機用電源を生成して主制御基板(遊技制御装置)200やサブ制御基板205、払出制御基板240等に供給するものであり、電源装置に相当する。前記主電源は、遊技店側で所要の電圧、本実施例では直流(AC)24Vに変換されて供給される。
発射制御基板260は、前記発射装置64における発射モータの制御を行う。
前記主制御基板200に設けられる乱数用カウンタとして、大当たり乱数用カウンタ、大当たり図柄乱数用カウンタ、リーチ乱数用カウンタ、特別図柄データ乱数用カウンタ、変動パターン乱数用カウンタ、特別遊技種類判別乱数用カウンタ、普通図柄乱数用カウンタ等がある。各カウンタは乱数値(遊技データ)を更新する。
大当たり乱数用カウンタは、当否判定手段による大当たりと小当たりの当否判定に用いられ、‘0’〜‘629’の乱数からなる。前記大当たり乱数用カウンタの乱数(大当たり乱数)は、遊技機の電源投入時に ‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1加算され、‘629’に至ると次には‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。大当たり乱数値は前記第一始動入賞口41あるいは第二始動入賞口42への入賞に起因して取得され、取得した大当たり乱数値が、大当たり成立数値として設定されている‘0’,‘1’の何れかと一致すれば大当たりとなり(確率2/630)、特別遊技実行手段により前記第一大入賞口45が16ラウンド開閉する大当たりの特別遊技が実行される。さらに、大当たり成立数値‘0’は、通常大当たり(非時短大当たり)に設定され、一方、大当たり成立数値‘1’は時短大当たりに設定されている。すなわち取得された大当たり乱数値が‘0’の場合には通常大当たり(非時短大当たり)になるのに対し、取得された大当たり乱数値が‘1’の場合には時短大当たりになる。
また、取得した大当たり乱数値が、小当たり成立数値と一致すれば小当たりとなり、特別遊技実行手段により前記第二大入賞口47が1ラウンド開閉し、前記特定領域49が開閉する小当たりの特別遊技が実行される。小当たり成立数値は、前記第二始動入賞口42への入賞により取得された大当たり乱数値の当否判定に対してのみ設定されており、前記第一始動入賞口41への入賞により取得された大当たり乱数値に対しては小当たりとならないように構成されている。また、前記第二始動入賞口42への入賞により取得された大当たり乱数値に対する当否判定においては、非時短状態の場合には小当たり成立数値が設定されてなく、時短状態のみに小当たり成立数値が‘2’〜‘629’に設定されている。すなわち、非時短状態では、小当たり確率が0/630に設定され、取得した大当たり乱数値が何れの値であっても小当たりにはならない。一方、時短状態時では、小当たり確率が628/630に設定され、取得した大当たり乱数値が‘2’〜‘629’の場合に小当たりとなる。さらに、小当たり成立数値は、前記特定領域49への入賞に対する特別遊技種類抽選によって決定される特別遊技の種類が、時短有りになるか非時短になるかの抽選にも用いられる。前記小当たり成立数値のうち、奇数には特定領域49への入賞に対する特別遊技種類が時短有りに設定され、一方偶数には非時短に設定されている。
大当たり図柄乱数用カウンタは、当否判定結果が大当たりの場合に前記表示装置10に確定停止する大当たり図柄組合せを決定するものであり、‘0’〜‘9’の乱数からなる。この大当たり図柄乱数は、電源投入時に‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1加算され、‘9’に至ると次には‘0’に戻って再び前記加算を繰り返すようになっている。大当たり図柄乱数は前記第一始動入賞口41又は第二始動入賞口42への入賞に起因して取得される。前記大当たり図柄乱数には、当否判定結果が大当たりの場合に、前記表示装置10で停止表示される大当たり図柄組合せが割り当てられている。本実施例では、大当たり図柄乱数が‘0’の場合には大当たり図柄組合せが『0,0,0』となる0のぞろ目(全図柄同一)、‘1’の場合には大当たり図柄組合せが『1,1,1』となる1のぞろ目(全図柄同一)、‘2’の場合には『2,2,2』となる2のぞろ目、‘3’の場合には『3,3,3』となる3のぞろ目、‘4’の場合には『4,4,4』となる4のぞろ目、以下同様にして大当たり図柄乱数が‘9’の場合の大当たり図柄組合せ『9,9,9』まで、大当たり図柄乱数に大当たり図柄組合せが割り当てられている。
リーチ乱数用カウンタは、前記大当たり乱数値による当否判定結果が外れとなる場合において、リーチ状態を経るか否かを決めるリーチ有無決定用のものであり、‘0’〜‘126’の乱数からなる。このリーチ乱数用カウンタの乱数(リーチ乱数)は、遊技機1の電源投入時に、‘0’から始まり、後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1ずつ加算され、数値が‘126’に至ると、次に‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。リーチ乱数は、前記第一始動入賞口41あるいは第二始動入賞口42への入賞に起因して取得され、当否判定結果が外れの場合に、その数値が予め決定されているリーチ成立数値と対比されてリーチ有無が判断される。本実施例ではリーチ成立数値は、‘5’,‘17’,‘28’,‘40’,‘51’,‘63’,‘74’,‘86’,‘97’,‘109’,‘120’に設定されている。
特別図柄データ乱数用カウンタは、前記大当たり乱数値による当否判定結果が外れとなる場合において、前記表示装置10に停止表示する外れの特別図柄組合せの決定に用いられるものであり、前記表示装置10に停止表示する左特別図柄を決定する特別図柄データ1の乱数用カウンタと、中特別図柄を決定する特別図柄データ2の乱数用カウンタと、右特別図柄を決定する特別図柄データ3の乱数用カウンタとより構成され、各特別図柄データ乱数用カウンタは、‘0’〜‘9’の乱数からなる。
前記特別図柄データ1の乱数は、電源投入時に、‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに ‘1’ずつ加算され、‘9’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。また、前記特別図柄データ2の乱数は、電源投入時に‘0’から始まって、前記特別図柄データ1の乱数が‘0’に書き換えられる際に‘1’ずつ加算され、‘9’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。さらに、前記特別図柄データ3の乱数は、電源投入時に‘0’から始まって、前記特別図柄データ2の乱数が‘0’に書き換えられる際に‘1’ずつ加算され、‘9’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。これによって、特別図柄データ1〜3の乱数範囲が同一であっても、当該特別図柄データ1〜3の乱数が同期(同一の組合せで加算)するのを避けることができる。
前記特別図柄データ1〜3の各乱数は‘0’の場合には『0』、‘1’の場合には『1』、‘2’の場合には『2』というように、当否判定結果の外れ時に前記表示装置10に停止表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄からなる識別情報が割り当てられている。前記特別図柄データ1〜3の乱数は、前記第一始動入賞口41又は第二始動入賞口42への入賞に起因して取得され、取得した特別図柄データ1〜3の乱数の組合せによって、外れ時に前記表示装置10に表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄からなる識別情報が定まる。
変動パターン乱数用カウンタは、前記表示装置10における特別図柄(判定図柄)の変動パターンを変動パターンテーブルから選択する際に用いられるものであり、‘0’〜‘198’の変動パターン乱数を備える。この変動パターン乱数値は、遊技機1の電源投入時に、‘0’から始まり、後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1ずつ加算され、数値が‘198’に至ると、次に‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。前記変動パターン乱数値は、前記第一始動入賞口41あるいは第二始動入賞口42への入賞に起因して取得される。
前記変動パターンテーブルは複数設けられている。本実施例では、第一変動パターンテーブル、第二変動パターンテーブル、第三変動パターンテーブル、第四変動パターンテーブル、第五変動パターンテーブル、第六変動パターンテーブルからなる六種類の変動パターンテーブルが設けられている。各変動パターンテーブルは、前記表示装置10に表示する変動パターンの複数で構成されており、前記主制御基板200のROMに記憶されている。前記変動パターンテーブルからの変動パターンの選択は、本実施例では、遊技状態が時短状態あるいは非時短状態(通常状態)の何れか、及び当否判定結果が当たりか外れか、さらにはリーチ状態の有無に応じて選択された変動パターンテーブルから、変動パターン乱数値に基づいて1つの変動パターンが選択される。各変動パターンには変動パターン乱数値が割り当てられており、取得した変動パターン乱数値と対応する変動パターンが選択される。各変動パターンには変動時間が設定されており、設定された変動時間に合わせて前記表示装置10に表示する特別図柄の変動・停止の表示態様(特別図柄の変動時間を含む)が定められるように構成されている。
特別遊技種類判別乱数用カウンタは、小当たり遊技時における特別遊技種類の決定に用いられる。特別遊技種類の決定(抽選)は、遊技球が前記特定領域49に入賞したことにより実行される。特別遊技種類判別乱数用カウンタは、‘0’〜‘8’の特別遊技種類判別乱数を有する。特定領域に入賞したことにより決定される特別遊技種類には、本実施例では図4に示すように、昇格なし6ラウンド(特別遊技No.0)と、昇格なし16ラウンド(No.1)と、昇格あり16ラウンド(No.2)とがある。図4における「内部ラウンド値」は前記サブ制御基板205の処理におけるラウンド値である。また、図4における「表示なし」は、前記表示装置10で残りラウンド数を表示しないことを示し、一方、「メダル○枚」は、前記表示装置10で残りラウンド数を示すメダルを○枚表示することを示す。「メダル」は、数字とは異なる特定表示物であり、メダル(特定表示物)の数によって残りラウンド数が示される。
昇格なし6ラウンドは、短ラウンド数遊技に相当し、小当たり遊技開始により実行される第二大入賞口47の開閉を1ラウンドとし、その後の第一大入賞口45の開閉5ラウンドを含む合計6ラウンドからなる。前記昇格なし6ラウンドは、合計6ラウンドに対する残りのラウンド数が、ラウンド消化(実行)にしたがって前記表示装置10で減少表示され、途中で増加表示されることがない通常表示タイプである。
昇格なし16ラウンドは、通常ラウンド数遊技の1つに相当し、小当たり遊技開始により実行される第二大入賞口47の開閉を1ラウンドとし、その後の第一大入賞口45の開閉15ラウンドを含む合計16ラウンドからなる。前記昇格なし16ラウンドは、合計16ラウンドに対する残りのラウンド数が、ラウンド消化(実行)にしたがって前記表示装置10で減少表示され、途中で増加表示されることがない通常表示タイプである。
昇格あり16ラウンドは、通常ラウンド数遊技の1つに相当し、小当たり遊技開始により実行される第二大入賞口47の開閉を1ラウンドとし、その後の第一大入賞口45の開閉15ラウンドを含む合計16ラウンドからなる。前記昇格あり16ラウンドは、始めに短ラウンド数遊技分のラウンド数(実施例では6ラウンド)に対する残りのラウンド数が、ラウンド消化(実行)にしたがって前記表示装置10で減少表示される。次に前記短ラウンド数遊技分のラウンドが全て消化(実行)される前に、前記表示装置10に表示される残りのラウンド数を1つのラウンド中に、或いは短ラウンド数遊技を含む複数のラウンド遊技を跨いで1つずつ増加させるラウンド数増加表示が開始され、合計16ラウンド分に対する残りのラウンド数分の値まで前記表示装置に表示される残りのラウンド数が1つずつ増加し、増加完了後にラウンド消化(実行)にしたがって前記表示装置10で減少表示されるラウンド数増加表示タイプである。例えば図4においては6ラウンド目に、前記合計16ラウンド分に対する残りのラウンド数分の値まで、前記表示装置10に表示される残りのラウンド数が1つずつ増加し、増加完了後にラウンド消化(実行)にしたがって前記表示装置10で減少表示される。
なお、前記短ラウンド数遊技及び通常ラウンド数遊技は、特別遊技開始直後の1ラウンド目が、それ以降のラウンドよりも前記第一大入賞口45あるいは前記第二大入賞口47への遊技球の進入が難しい特別ラウンドで構成されている。実施例では、昇格なし6ラウンド遊技、昇格なし16ラウンド遊技及び昇格あり16ラウンド遊技における1ラウンド目における第二大入賞口47の開放時間が、2ラウンド目以降の前記第一大入賞口45の開放時間よりも短くされている。
前記特別遊技種類判別乱数用カウンタの乱数(特別遊技種類判別乱数)は、遊技機の電源投入時に ‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1加算され、‘8’に至ると次には‘0’にされて再び前記加算が繰り返される。特別遊技種類判別乱数値は前記第二始動入賞口42への入賞に起因して取得され、取得された特別遊技種類判別乱数値が‘0’〜‘2’の場合には昇格なし6ラウンドに決定され、‘3’〜‘5’の場合には昇格なし16ラウンドに決定され、‘6’〜‘8’の場合には昇格あり16ラウンドに決定されるように構成されている。
取得された大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値については、前記第一始動入賞口41と第二始動入賞口42の入賞に対してそれぞれ最大4個、一方、前記特別遊技種類判別乱数値については、前記第二始動入賞口42の入賞に対して最大4個、前記主制御基板200のRAMにおける該当領域に前記保留球数と対応させて格納され、順次使用される。
普通図柄乱数用カウンタは、普通図柄当たりの判定に用いられるものであり、‘0’〜‘99’の普通図柄乱数を有し、遊技機1の電源投入時に、‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに ‘1’ずつ加算され、‘99’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。この普通図柄乱数は、前記普通図柄変動開始用ゲート55を通過した遊技球を前記普通図柄変動開始スイッチで検出するごとに取得され、最大4個まで前記主制御基板200のRAMの普通図柄乱数値記憶領域に格納される。前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過することに起因して取得された普通図柄乱数の値が、普通図柄当たり成立数値として設定されている‘1’〜‘99’(99/100の確率)と一致すれば普通図柄当たりとなる。普通図柄当たりの場合には『○』を普通図柄表示装置50に表示し、前記第二始動入賞口42を時短中か否かに対応した開放回数及び開放時間開放し、一方、取得した普通図柄乱数値が普通図柄当たり成立数値と一致しない場合には、普通図柄外れとなって『×』を普通図柄表示装置50に表示し、前記第二始動入賞口42を入賞の困難な状態のままとする。
前記遊技機1の遊技を簡略に説明する。前記遊技機1では、遊技領域6へ向けて発射装置64により発射された遊技球が、前記種々の入賞口に入賞すると入賞口に応じた所定数の遊技球が賞球として前記払出装置281から上側球受け皿36に払い出される。また、前記第一始動入賞口41に遊技球が入賞すると、前記第一始動入賞口41に対する特別図柄保留球数が4未満であれば、特別図柄保留球数を1加算して、大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値等の乱数値を取得し、前記主制御基板200のRAMに、最大4となるまで入賞順に記憶される。そして、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄保留球数が1以上であれば先に取得された大当たり乱数値に基づいて当否判定が行われると共に、当否判定結果及び変動パターン乱数値に基づいて変動パターンテーブルから1つの変動パターンが選択される。そして選択された変動パターンに基づいて前記表示装置10で特別図柄の変動表示が開始される。前記特別図柄保留球数は、本実施例では前記特別図柄の変動開始により前記主制御基板200のRAMから1減算され、変動開始と対応する乱数値が前記主制御基板200のRAMから削除(消去)される。
選択された変動パターンに設定されている変動時間の経過(変動時間の終了)により、前記表示装置10で当否判定結果に基づく特別図柄で停止表示される。当否判定結果が外れの場合には前記表示装置10に左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が外れ図柄組合せ(ぞろ目以外の状態)で停止し、大当たりの特別遊技に移行することがない。
本実施例では、前記第一始動入賞口41の入賞に基づく当否判定結果の当たりは、大当たりのみであり、小当たりは設けられていない。前記当否判定結果が大当たりの場合には、前記表示装置10に左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が大当たり図柄組合せ(本実施例ではぞろ目)で停止し、大当たり特別遊技に移行する。前記第一始動入賞口41に入賞した場合の大当たりによる大当たりの特別遊技は、前記表示装置10でラウンド数の残りを表示しない昇格なし16ラウンド遊技に設定されている。
大当たりの特別遊技状態になると、前記第一大入賞口45の開閉板46が開いて遊技領域6の表面を落下してくる遊技球を受け止め易くして、第一大入賞口45へ入賞可能にし、該第一大入賞口45への入賞があると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。前記第一大入賞口開閉板46は、所定時間(例えば30秒)経過後、或いは入賞球数が所定個数(例えば10個)となった時点で閉じるようにされ、16ラウンド、前記第一大入賞口開閉板46の開閉を繰り返す。
また、本実施例では、通常大当たりになると、特別遊技の終了後、次に時短に設定されるまで、通常状態(非時短状態)とされる。一方、時短大当たりの場合、特別遊技の終了後、次に通常状態(非時短状態)に設定されるまで時短状態とされ、後述する普通図柄当たりとなった場合の前記第二始動入賞口42の開放(拡開)時間が、通常状態(非時短状態)の0.088秒から1.7秒に長くなり、かつ前記第二始動入賞口42の開放(拡開)回数が通常状態(非時短状態)の1回から3回に増える。
また、前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過すると、普通図柄乱数が取得され、その取得乱数値に基づいて普通図柄当たりの判定が行われると共に、前記普通図柄表示装置50で普通図柄が変動を開始し、所定時間変動後に停止する。その際、普通図柄当たりの判定結果が当たりの場合には、当たり普通図柄、この例では『○』で停止し、前記第二始動入賞口42が閉状態から開状態に変化する。なお、前記時短状態の場合に普通図柄当たりになると、前記第二始動入賞口42について1.7秒の開放が3回行われ、一方、通常状態の場合に普通図柄当たりになると、0.088秒の開放が1回行われる。前記第二始動入賞口42に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。
また、前記第二始動入賞口42に遊技球が入賞すると、第二始動入賞口42に対する特別図柄保留球数が4未満であれば、特別図柄保留球数を1加算して、大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値、特別遊技種類判別乱数値等の乱数値を取得し、前記主制御基板200のRAMに、最大4となるまで入賞順に記憶される。そして、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄保留球数が1以上であれば先に取得された大当たり乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われると共に、当否判定結果及び変動パターン乱数値に基づいて変動パターンテーブルから1つの変動パターンが選択される。そして選択された変動パターンに基づいて前記表示装置10で特別図柄の変動表示が開始される。前記特別図柄保留球数は、本実施例では前記特別図柄の変動開始により前記主制御基板200のRAMから1減算され、変動開始と対応する乱数値が前記主制御基板200のRAMから削除(消去)される。
選択された変動パターンに設定されている変動時間の経過(変動時間の終了)により、前記表示装置10で特別図柄が停止表示される。遊技の当否判定結果が外れの場合には前記表示装置10に左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が外れ図柄組合せ(ぞろ目以外の状態)で停止し、特別遊技に移行することがない。
本実施例では、前記第二始動入賞口41への入賞に基づく当否判定結果の当たりには、大当たりと小当たりがある。大当たりの場合には、前記表示装置10に左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が大当たり図柄組合せ(本実施例ではぞろ目)で停止し、大当たりの特別遊技に移行する。前記第二始動入賞口42に入賞した場合の当否判定結果が大当たりによる特別遊技は、前記第一始動入賞口41に入賞して大当たりになった場合と同様であり、前記表示装置10でラウンド数の残りを表示しない昇格なし16ラウンド遊技に設定されている。また、前記第二始動入賞口41への入賞に基づく当否判定結果の当たりが通常大当たりの場合には、特別遊技の終了後、次に時短に設定されるまで、通常状態(非時短状態)とされ、一方、時短大当たりの場合、特別遊技の終了後、次に通常状態(非時短状態)に設定されるまで時短状態とされる。
当否判定結果が小当たりの場合には、前記表示装置10に小当たり特別図柄『1,2,3』が停止表示され、小当たり特別遊技状態に移行する。
小当たり特別遊技状態になると、前記第二大入賞口開閉板48が開いて遊技領域6の表面を落下してくる遊技球を受け止め易くして、前記第二大入賞口47へ入賞可能にする。前記第二大入賞口47への入賞があると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。前記第二大入賞口開閉板48は、所定時間(例えば3秒)経過後、或いは入賞球数が所定個数(例えば10個)となった時点で閉じるようにされている。前記小当たり特別遊技における第二大入賞口47の開閉は1ラウンドのみ実行される。
また、前記小当たり特別遊技における前記第二大入賞口47の開放時、前記第二大入賞口47内の特定領域開閉扉がスライドして前記特定領域49が1.6秒間開放し、特定領域49への入賞が可能になる。前記特定領域49に遊技球が入賞すると、特別遊技種類が抽選され、抽選で決定された特別遊技が実行される。前記特定領域49への入賞により選択される特別遊技種類には、図4に示したように昇格なし6ラウンド、昇格なし16ラウンド、昇格あり16ラウンドがある。なお、前記昇格なし6ラウンド、昇格なし16ラウンド及び昇格あり16ラウンドにおけるラウンド数には、前記小当たり特別遊技時における前記第二大入賞口47の1ラウンドが含まれる。さらに、前記特定領域49への入賞により選択される特別遊技種類が通常状態(非時短状態)であるか時短状態であるかは、前記小当たり時の抽選で通常状態(非時短)が選択されている場合には通常状態(非時短状態)に決定され、一方、前記小当たり時の抽選で時短状態が選択されている場合には、時短状態に決定される。
昇格なし6ラウンド特別遊技では、前記小当たりによる前記第二大入賞口47の1ラウンドの開閉後、前記第一大入賞口45の開閉が残りの5ラウンド分実行され、前記第一大入賞口45に遊技球が入賞すると所定数の遊技球が賞球として払い出される。前記第一大入賞口45は、前記第一大入賞口開閉板46による開放が所定時間(例えば30秒)経過した後、或いは入賞球数が所定個数(例えば10個)となった時点で閉じるようにされ、前記開閉板46の開閉が合計6ラウンドになるまで繰り返される。また、前記昇格なし6ラウンド特別遊技実行中には、前記表示装置10に残りラウンド数分のメダル(特定表示物)が表示され、ラウンドの消化(実行)により、表示されているメダルの数が減少する。本実施例の昇格なし6ラウンド特別遊技では、図4に示すように1ラウンド目に相当する前記小当たり時の第二大入賞口47の開放中は残りのラウンド数が表示されず、2ラウンド目から6ラウンド目に相当する前記第一大入賞口45の開閉に対して前記表示装置10で残りのラウンド数分メダルが表示される。
昇格なし16ラウンド特別遊技では、前記小当たりによる前記第二大入賞口47の1ラウンド開閉後、前記第一大入賞口45の開閉が残りの15ラウンド分実行される。前記第一大入賞口45に遊技球が入賞すると所定数の遊技球が賞球として払い出される。図5には、特定領域へ入賞することにより実行される昇格なしあるいは昇格ありの16ラウンドにおける一部のタイムチャートを示す。図5に示すように、本実施例では、1ラウンド目に前記小当たりによる第二大入賞口47の開放が3秒間実行され、前記第二大入賞口47の閉鎖後、5秒間のオープニング期間が設けられ、このオープニング期間でオープニング演出が実行される。その後、2ラウンド目から16ラウンド目まで、前記第一大入賞口45の30秒間開放と、2秒間の閉鎖(インターバル)が交互に実行される。なお、図5における1ラウンド目は、2ラウンド目以降よりも大入賞口の開放時間が短くされて大入賞口へ遊技球が進入し難くされた特別ラウンドである。
前記2ラウンド目から16ラウンド目において、前記第一大入賞口45は、前記第一大入賞口開閉板46による開放が所定時間(例えば30秒)経過した後、或いは入賞球数が所定個数(例えば10個)となった時点で閉じるようにされ、前記第一大入賞口開閉板46の開閉が合計16ラウンドになるまで繰り返される。また、前記昇格なし16ラウンド特別遊技実行中には、前記表示装置10に残りラウンド数分のメダル(特定表示物)が表示され、ラウンドの消化(実行)により、表示されているメダルの数が減少する。本実施例の昇格なし16ラウンド特別遊技では、図4に示すように1ラウンド目に相当する前記小当たり時の第二大入賞口47の開放中は入賞球が所定個数となる前に所定時間が経過してラウンド遊技が終了し、すなわち、遊技球が侵入し難く遊技球が十分に払い出されないため、遊技者にラウンド遊技が実行されていることを認識させないように残りのラウンド数が表示されず、2ラウンド目から16ラウンド目に相当する前記第一大入賞口45の開放は所定時間が経過する前に入賞球数が所定個数になる可能性が高い、すなわち遊技球が所定個数分すべて払い出すことが可能なため、これらのラウンドに対して前記表示装置10で残りのラウンド数分メダルが表示される
昇格あり16ラウンド特別遊技では、前記小当たりによる前記第二大入賞口47の1ラウンドの開閉後、前記第一大入賞口45の開閉が残りの15ラウンド分実行され、前記第一大入賞口45に遊技球が入賞すると所定数の遊技球が賞球として払い出される。その際、前記表示装置10には、図4に示すように、2ラウンド目から、短ラウンド数遊技分(実施例では6ラウンド分)における残りのラウンド数分のメダルが表示される。そして、例えば3ラウンド目から6ラウンド目において前記表示装置10で昇格演出が開始され、昇格演出の開始を起因に残りのラウンド数分までメダルを1つずつ増加させるラウンド増加表示が前記表示装置10で行われる。図4の例では、6ラウンド目に昇格演出の実行とラウンド数増加表示が行われる。
前記ラウンド数増加表示の開始は、6ラウンド目に限られず、6ラウンド目までに行われる。図6に、昇格演出及びラウンド増加表示開始の具体例として、4ラウンド目に昇格演出とラウンド増加表示開始を行う例を示す。例えば、昇格あり16ラウンドにおける4ラウンド目になると、図6の(6−1)に示すように、前記遊技操作スイッチ67をPUSH(押下)することを促す表示が現れる。また、前記表示装置10には、短ラウンド数遊技のラウンド数(6ラウンド)分における残りラウンド数がメダル(特定表示物)81の数によって示される。図6の(6−1)では、表示されているメダル2枚によって残りラウンド数が2ラウンドであることが示されている。
前記遊技操作スイッチ67をPUSHする指示に従って、遊技者が前記遊技操作スイッチ67をプッシュ(押下)すると、図6の(6−2)に示すように、前記表示装置10には「昇格成功」のメッセージが表示され、メダル(特定表示物)81が画面の外から飛んできて、1つずつ追加表示され、図6の(6−3)に示すように、16ラウンド分の残りラウンド数になるまでメダル(特定表示物)81が1つずつ追加表示される。そのため、遊技者は、ラウンド数が増加したと思い、遊技の興趣が向上する。なお、実施例の昇格演出では、前記遊技操作スイッチ67をPUSH(押下)することによって昇格(ラウンド数の増加)が成功するような演出が行われるが、遊技者が実際に前記遊技操作スイッチ67をPUSH(押下)しなくても、前記昇格成功の表示及びメダル(特定表示物)81の増加表示が行われる。前記メダル(特定表示物)81の増加表示終了後は、ラウンド数の消化(実行)にしたがい、メダル(特定表示物)81が前記表示装置10の画面で1つずつ減少表示される。
なお、前記短ラウンド数遊技分のラウンド数(実施例では6ラウンド)が終了するまでに、残りのラウンド数分のメダル(特定表示物)81を追加できなかった場合、前記短ラウンド数遊技分の次のラウンド(実施例では7ラウンド目)で残りのラウンド数分のメダル(特定表示物)81が追加される。
また、本実施例では、図6に示した昇格演出は、前記昇格なし6ラウンド及び昇格なし16ラウンドにおいても実行され、その場合には図6の(6−1)で遊技操作スイッチ67のPUSHを指示する画面に従って遊技者が遊技操作スイッチ67をPUSH(押下)しても、あるいはPUSH(押下)しなくても、図6の(6−3)のように「昇格失敗」のメッセージが前記表示装置10の画面に表示され、前記メダル(特定表示物)81の追加表示が行われず、昇格なし6ラウンドの場合は短ラウンド数遊技分のラウンドが終了した時点で特別遊技が終了し、一方昇格なし16ラウンドの場合は通常ラウンド数遊技分のラウンド(16ラウンド)が終了した時点で特別遊技が終了する。
以下に前記遊技機1における制御処理を説明する。前記主制御基板200の制御回路に設けられる主なフラグとして、本実施例では大当たりフラグ、大当たり終了フラグ、小当たりフラグ、時短フラグ等が挙げられる。これらのフラグは、初期設定時には全てOFF(=0)にされる。
まず、前記主制御基板200による制御処理について説明する。前記主制御基板200の制御により、図7のフローチャートに示すメイン処理Mが行われる。
メイン処理Mでは、CPU等の初期設定処理(S10)、割り込み禁止処理(S20)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S30)、割り込み許可処理(S40)が行われ、最終処理においてループ処理が行われている間に4ms毎に割り込み処理(S100)が実行される。
CPU等の初期設定処理(S10)では、スタックの設定、割り込み時間の設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTCの設定等が行われる。メイン処理Mは繰り返し行われるが、CPU等の初期設定処理(S10)については、電源投入時のみに必要な初期制御手順であり、最初の1巡目のみに実行され、その後は実行されないが、周知であるので詳細は省略する。
割り込み禁止処理(S20)では、4msecごとに割り込み処理(S100)が入ってきても、割り込み許可となるまで、割り込みを禁止する。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S30)では、種々の乱数が普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S30)ごとに加算され、前記のように各乱数の更新範囲上限値に至ると次に最低値に戻って再び加算が行われる。更新された乱数は前記主制御基板200のRAMに記憶される。割り込み許可処理(S40)では、4msecごとに入ってくる割り込み処理(S100)に対して許可をする。
割り込み処理(S100)では、図8に示すように、出力処理(S101)、入力処理(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)、始動入賞口検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、保留球数処理(S107)、電源断監視処理(S108)、その他の処理(S109)が順に行われる。
出力処理(S101)では、各処理で設定された出力用のコマンド(指令信号)が各制御基板に送信される。
入力処理(S102)では、遊技機1に取り付けられている各種センサ(スイッチ)が検知した場合の信号入力が行われる。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、前記メイン処理Mにおけるループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S30)と同様の処理が行われる。
始動入賞口検出処理(S104)では、図9に示すように、前記普通図柄変動開始用ゲート55への遊技球通過が検出されたか判断される(S104−1)。前記普通図柄変動開始用ゲート55への遊技球通過が検出された場合には後述のゲート通過処理(S104−2)が実行された後に、前記第一始動入賞口41あるいは第二始動入賞口42への入賞が検出されたか判断される(S104−3)。一方、前記普通図柄変動開始用ゲート55への遊技球通過が検出されなかった場合には、ゲート通過処理(S104−2)をジャンプし、前記第一始動入賞口41あるいは第二始動入賞口42への入賞が検出されたか判断される(S104−3)。
前記S104−3で前記第一始動入賞口41あるいは第二始動入賞口42への入賞が検出されたと判断されると、各始動入賞口への入賞に対する前記特別図柄保留球数が4以上か判断され(S104−4)、4以上の場合にはこの始動入賞口検出処理(S104)が終了する。一方、前記特別図柄保留球数が4未満であれば、特別図柄保留球数に1加算され(S104−6)、大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値等の特別図柄関係乱数を取得して主制御基板200のRAMの対応する領域に記憶する特別図柄関係乱数取得処理が行われ(S104−5)、この始動入賞口検出処理(S104)が終了する。なお、前記第二始動入賞口42への入賞に対する特別遊技種類判別乱数値は、前記第二始動入賞口42への入賞により取得されて記憶される。
前記ゲート通過処理(S104−2)では、図10に示すように、前記普通図柄保留球数が4以上か判断され(S104−2−1)、4以上の場合にはこのゲート通過処理(S104−2)が終了する。一方、前記普通図柄保留球数が4未満であれば普通図柄保留球数に1加算され(S104−2−2)、普通図柄乱数値が取得され、取得した普通図柄乱数値が主制御基板200のRAMにおける対応する領域に記憶する普通図柄乱数取得処理が行われ(S104−2−3)、このゲート通過処理(S104−2)が終了する。
普通動作処理(S105)では、図11に示すように、まず前記第二始動入賞口42が開放中か確認される(S105−1)。前記第二始動入賞口42が閉鎖中であれば、普通図柄保留球数が0か確認され(S105−2)、0であればこの普通動作処理(S105)が終了する。一方、普通図柄保留球数が0ではない場合には、前記始動入賞口検出処理(S104)の普通図柄乱数取得処理(S104−5)で取得されて主制御基板200のRAMに記憶されている取得普通図柄乱数値が読み出され(S105−3)、前記取得普通図柄乱数値が普通図柄当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認される(S105−4)。一致しない場合には普通図柄外れと判断され、この普通動作処理(S105)が終了する。一方、前記取得普通図柄乱数値が普通図柄当たり成立数値と一致する場合、さらに現在時短中か確認される(S105−5)。時短中ではない場合には非時短普通図柄当たりとなり、前記第二始動入賞口42を開放時間0.008秒、開放回数1回で開放する開閉部材開放処理1が行われ(S105−6)、その後にこの普通動作処理(S105)が終了する。それに対して、S105−5で時短中と判断されると、時短普通図柄当たりとなり、第二始動入賞口42を開放時間1.7秒、開放回数3回で開放する開閉部材開放処理2が行われ(S105−8)、その後にこの普通動作処理(S105)が終了する。
また、S105−1で第二始動入賞口42が開放中と判断されると、第二始動入賞口42の開放処理時間が経過(終了)したか確認され(S105−8)、始動入賞口開放処理時間が経過していない場合には、この普通動作処理(S105)が終了し、一方、始動入賞口開放処理時間が経過した場合には、第二始動入賞口42を閉鎖する処理が行われ(S105−9)、その後にこの普通動作処理(S105)が終了する。
特別動作処理(S106)では、図12に示すように、特別動作ステータスが1〜4の何れであるか判断される(S106−1〜S106−3)。前記特別動作ステータスが1の場合には特別図柄待機処理(S106−4)が行われ、前記特別動作ステータスが2の場合には変動中処理(S106−5)が行われ、前記特別動作ステータスが3の場合には特別図柄確定処理(S106−6)が行われ、前記特別動作ステータスが4の場合には特別電動役物処理(S106−7)が行われる。
特別動作ステータスが1の場合に行われる特別図柄待機処理(S106−4)では、図13に示すように、特別図柄保留球数が0か否か判断され(S106−4−1)、特別図柄保留球数が0の場合には前記表示装置10が特別図柄の変動中ではない待機画面(待ち受け画面)中か否か判断され(S106−4−9)、待機画面(待ち受け画面)中であれば、この特別図柄待機処理(S106−4)が終了する。一方、待機画面(待ち受け画面)中ではない場合には前記表示装置10を待機画面(待ち受け画面)にするための待機画面設定処理が行われ(S106−4−10)、次に待機中にセットされ(S106−4−11)、その後にこの特別図柄待機処理(S106−4)が終了する。なお、待機画面にする設定処理は、この設定処理がなされてから所定時間の間、前記第一始動入賞口41あるいは第二始動入賞口42に遊技球が入賞しない場合に、待ち受け画面をセットするコマンドが出力されるようにする処理である。
それに対して前記S106−4−1で特別図柄保留球数が0ではないと判断された場合には、特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)が行われる。特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)は、当否判定手段に相当する。
特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)では、図14に示すように、まず、前記第二大入賞口47内の特定領域49に入球(入賞)したか確認される(S106−4−2−1)。特定領域49に入球していない場合、前記始動入賞口検出処理(S104)の特別図柄関係乱数取得処理(S104−6)で取得されて主制御基板200のRAMに記憶されている大当たり乱数値が読み出され(S106−4−2−2)、読み出された大当たり乱数値が大当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され(S106−4−2−3)。取得大当たり乱数値が大当たり成立数値と一致しない場合、前記読み出された大当たり乱数値が小当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され(S106−4−2−4)、一致しない場合外れコマンドがセットされ(S106−4−2−5)、その後にこの特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)が終了する。なお、前記のように、小当たり成立数値は、前記第二始動入賞口42への入賞によし取得された大当たり乱数値の当否判定に対してのみ対して設定されており、前記第一始動入賞口41への入賞に対して取得された大当たり乱数値の当否判定に対しては設定されてないため、前記第一始動入賞口41への入賞に対して取得された大当たり乱数値の当否判定においては、取得された大当たり乱数値が何れの値でも小当たりについては外れとなる。
一方、前記取得大当たり乱数値が小当たり成立数値と一致する場合、小当たりフラグがONにセットされると共に小当たりコマンドがセットされ(S106−4−2−6)、次に前記特定領域49への遊技球の入球に対する時短・非時短の抽選が予め行われる(S106−4−2−7)。前記特定領域49への遊技球の入球に対する時短・非時短の抽選は、前記取得大当たり乱数値が、奇数の小当たり成立数値と一致した場合に時短に決定され、一方偶数の小当たり成立数値と一致した場合に非時短に決定される。その後にこの特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)が終了する。
S106−4−2−3で取得大当たり乱数値と大当たり成立数値が一致すると判断されると、大当たりフラグがONにセットされ(S106−4−2−8)、次に取得大当たり乱数値に基づき時短大当たりか、非時短大当たりか判断され、昇格なし16ラウンド大当たりコマンドがセットされる(S106−4−2−9)。時短大当たりか非時短大当たりかの判断は、取得大当たり乱数値が‘0’の場合には非時短大当たり、一方、取得大当たり乱数値が‘1’の場合には時短大当たりと判断される。その後に、特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)が終了する。
S106−4−2−1で特定領域に入球と判断されると、特別遊技種類判別処理(S106−4−2−10)が行われる。特別遊技種類判別処理(S106−4−2−10)については後述する。次に大当たりフラグがONにセットされ(S106−4−2−11)、前記小当たり時の時短・非時短の抽選に基づき時短当たりか非時短当たりが判断され、判断に基づく大当たりコマンドがセットされ(S106−4−2−12)、その後に特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)が終了する。
前記特別遊技種類判別処理(S106−4−2−10)では、前記特定領域49へ遊技球が入球(入賞)した場合の特別遊技の種類を決定する。前記特別遊技種類判別処理(S106−4−2−10)では、図15に示すように、取得して記憶されている特別遊技種類判別乱数値が読み出され(S106−4−2−10−1)、取得特別遊技種類判別乱数値が、‘0’〜‘2’、‘3’〜‘5’、‘6’〜‘8’の何れか判断される(S106−4−2−10−2、S106−4−2−10−3)。‘0’〜‘2’の場合には、昇格なし6ラウンド当たりのコマンドがセットされ(S106−4−2−10−4)、‘3’〜‘5’の場合には、昇格なし16ラウンド当たりコマンドがセットされ(S106−4−2−10−5)、‘6’〜‘8’の場合には、昇格あり16ラウンド当たりコマンドがセットされ(S106−4−2−10−6)、その後に特別遊技種類判別処理(S106−4−2−10)が終了する。
前記特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)の次に特別図柄選択処理(S106−4−3)が行われる。
特別図柄選択処理(S106−4−3)では、前記特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)で大当たり又は外れとなった場合に、前記表示装置10で停止表示する特別図柄の組合せ(判定結果の表示図柄)が決定され、決定された図柄の元となる図柄データが、前記出力処理(S101)でサブ制御基板205へ送信されるようにここでセットされる。なお、サブ制御基板205の処理では、受信した図柄データに基づく特別図柄の組合せが選択されて、前記表示制御基板210へ出力される。
前記特別図柄選択処理(S106−4−3)では、図16に示すように、まず大当たりフラグがONか判断され(S106−4−3−1)、大当たりフラグがON、すなわち大当たりの場合には前記大当たり図柄乱数に基づく特別図柄が停止特別図柄としてセットされる(S106−4−3−2)。一方、大当たりフラグがONではない、すなわち外れの場合には、特別図柄データ乱数値(特別図柄データ1・特別図柄データ2・特別図柄データ3)を取得し(S106−4−3−3)、前記特別図柄データ1と特別図柄データ2と特別図柄データ3の乱数値が全て一致しているか判断され(S106−4−3−4)、一致している場合にはリーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S106−4−3−5)。リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S106−4−3−6)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S106−4−3−7)。
前記S106−4−3−4で特別図柄データ1と2と3の乱数値が一致していないと判断された場合には、特別図柄データ1と3の乱数値が一致しているか判断される(S106−4−3−8)。特別図柄データ1と3の乱数値が一致している場合には、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S106−4−3−9)。リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S106−4−3−10)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S106−4−3−7)。
前記S106−4−3−8で特別図柄データ1と3の乱数値が一致していない、すなわち特別図柄データ1,2,3が全て異なると判断された場合には、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S106−4−3−11)。リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、前記特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄と停止右特別図柄にセットされると共に、特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄にセットされる(S106−4−3−12)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S106−4−3−10)。前記特別図柄選択処理(S106−4−3)は、図柄データ決定手段に相当し、ここで決定された図柄データがサブ制御基板205に送信されて、サブ制御基板205の処理で図柄データに従って表示装置10に表示する図柄が設定される。本実施例では、表示装置に表示する図柄を主制御基板200で選択しているが、サブ制御基板205で決定してもよいとする。また、主制御基板200で決定した図柄を表示装置と異なる他の表示装置で表示し、主制御基板200で決定した図柄の図柄データに基づいて表示装置に表示する図柄をサブ制御基板205で決定してもよいとする。その際は、主制御基板200とサブ制御基板205による表示方法が異なるが、サブ制御基板205が主制御基板200のデータに基づいて図柄を決定していれば互いの図柄の認識が異なっていても良いとする。
前記特別図柄選択処理(S106−4−3)の次に特別図柄変動パターン選択処理(S106−4−4)が行われる。
特別図柄変動パターン選択処理(S106−4−4)は、変動パターン選択手段に相当し、当否判定結果に基づき複数の変動パターンテーブルから一つの変動パターンテーブルが選択され、選択した変動パターンテーブルから前記変動パターン乱数値により一つの変動パターン(変動コマンド)が選択される。
前記特別図柄変動パターン選択処理(S106−4−4)では、図17及び図18に示すように、まず、時短中か否か判断される(S106−4−4−1)。時短中ではない通常状態(非時短状態)の場合には、大当たりフラグがON(大当たり)か否か判断される(S106−4−4−2)。大当たりフラグがON(大当たり)の場合には、第一変動パターンテーブルから前記変動パターン乱数値に基づいて一つの変動パターン1の変動コマンドが選択される(S106−4−4−3)。一方、大当たりフラグがOFF(外れ)の場合には、取得リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致するか確認され(S106−4−4−4)、一致する場合には第三変動パターンテーブルから前記変動パターン乱数値に基づいて一つの変動パターン3の変動コマンドが選択される(S106−4−4−5)。また、S106−4−4−4で取得リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しないと判断された場合、第四変動パターンテーブルから前記変動パターン乱数値に基づいて一つの変動パターン4の変動コマンドが選択される(S106−4−4−6)。
一方、前記S106−4−4−1で時短中と判断されると、大当たりフラグがON(大当たり)か否か判断される(S106−4−4−7)。大当たりフラグがON(大当たり)の場合には、第二変動パターンテーブルから前記変動パターン乱数値に基づいて一つの変動パターン2の変動コマンドが選択される(S106−4−4−8)。また、大当たりフラグがOFF(外れ)の場合には、取得リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致するか確認され(S106−4−4−9)、一致する場合には、第五変動パターンテーブルから前記変動パターン乱数値に基づいて一つの変動パターン5の変動コマンドが選択される(S106−4−4−10)。一方、S106−4−4−9で取得リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しないと判断された場合、第六変動パターンテーブルから前記変動パターン乱数値に基づいて一つの変動パターン6の変動コマンドが選択される(S106−4−4−11)。
前記変動パターンの変動コマンド選択後、選択した変動コマンドが送信バッファに格納され(S106−4−4−12)、その他の処理が行われ(S106−4−4−13)、その後にこの特別図柄変動パターン選択処理(S106−4−4)が終了する。
前記特別図柄変動パターン選択処理(S106−4−4)の次に特別図柄乱数シフト処理(S106−4−5)が行われる。
特別図柄乱数シフト処理(S106−4−5)では、前記RAMの特別図柄保留球数のデータ記憶領域において、ロード(読み出し)順位一位のアドレスの記憶領域に記憶されていた特別図柄保留球数のデータが、先の処理によりロードされて空席となることに起因して、ロード順位が二位以降のアドレスに記憶されている特別図柄保留球数のデータについて、ロード順位を一つずつ繰り上げるアドレスのシフトが行われる。具体的には、図19に示すように、まず、前記主制御基板200のRAMに記憶されている前記特別図柄保留球数から1減算(例えば保留球数2のものは1にされ、3のものは2にされる等)され(S106−4−5−1)、次に各保留球数に対応するデータが各保留球数から1減算した保留球数のRAMアドレスにシフトされ(S106−4−5−2)、続いて最上位(ロード順位が最後、本実施例では4個目)の特別図柄保留球数に対応するRAMアドレスに0がセットされる(S106−4−5−3)。
前記特別図柄乱数シフト処理(S106−4−5)に次いで、特別図柄変動開始処理(S106−4−6)が行われる。特別図柄変動開始処理(S106−4−6)では、特別図柄の変動開始に必要な処理が行われる。
前記特別図柄変動開始処理(S106−4−6)の次に、特別動作ステータスが2に設定され(S106−4−7)、待機中が解除され(S106−4−8)、前記特別図柄待機処理(S106−4)が終了する。
前記特別動作ステータスが2の場合に行われる変動中処理(S106−5)では図20に示すように、まず特別図柄の変動時間(変動パターンの変動時間)が終了したか否か判断され(S106−5−1)、変動時間が終了していなければこの変動中処理(S106−5)が終了する。一方、変動時間が終了していれば変動停止コマンドがセットされる(S106−5−2)。続いて特別動作ステータスが3にセットされ(S106−5−3)、その他必要な処理(S106−5−4)が行われた後に、この変動中処理(S106−5)が終了する。
前記特別動作ステータスが3の場合に行われる特別図柄確定処理(S106−6)では図21に示すように、まず大当たりフラグがONか否か、すなわち大当たりか否か判断される(S106−6−1)。大当たりフラグがON、すなわち大当たりの場合には、大当たりフラグがOFFにセットされ(S106−6−2)、特別動作ステータスが4にセットされた(S106−6−3)後、この特別図柄確定処理(S106−6)が終了する。一方、大当たりフラグがOFF、すなわち外れの場合には、特別動作ステータスが1にセットされ(S106−6−4)、この特別図柄確定処理(S106−6)が終了する。
前記特別動作ステータスが4の場合に行われる特別電動役物処理(S106−7)は、特別遊技実行手段に相当する。特別電動役物処理(S106−7)では、図22に示すように、前記表示装置10で大当たりオープニングが実施されたか確認される(S106−7−1)。大当たりオープニングが実施されていない場合には、大当たりオープニングを実施させるためのオープニングコマンドがセットされ(S106−7−2)、次に大入賞口(第一大入賞口45或いは第二大入賞口47)の開放中か否か判断される(S106−7−3)。S106−7−2でセットされるオープニングコマンドは、昇格6ラウンド、昇格なし16ラウンド、昇格あり16ラウンドの種類がある。一方、大当たりオープニングが実施済みの場合には、次に大入賞口の開放中か否か判断される(S106−7−3)。
大入賞口の開放中ではない場合、次に大入賞口の開放時間か否か判断される(S106−7−4)。大入賞口の開放時間の場合には大入賞口の開放処理(ラウンド開始コマンドのセット等)が行われ(S106−7−5)、その後にこの特別電動役物処理(S106−7)が終了する。それに対して大入賞口の開放時間となっていないときには、この特別電動役物処理(S106−7)が終了する。
一方、前記S106−7−3で大入賞口が開放中と判断されると、大入賞口に10個遊技球が入賞(S106−7−6)、若しくはラウンド終了時間経過(S106−7−7)の何れかであるか否か判断され、何れでもない場合にはそのままこの特別電動役物処理(S106−7)が終了し、それに対して大入賞口に10個遊技球が入賞、若しくはラウンド終了時間経過の何れかである場合には、大入賞口閉鎖処理(S106−7−8)とラウンドカウンタの値から1減算する処理(S106−7−9)が行われる。なお、前記大入賞口閉鎖処理(S106−7−8)では、大入賞口閉鎖のコマンドが出力バッファにセットされる。続いて、ラウンドカウンタが0か否か判断され(S106−7−10)、ラウンドカウンタが0ではない場合には、そのままこの特別電動役物処理(S106−7)が終了し、それに対してラウンドカウンタが0の場合には、大当たり終了(特別遊技終了)処理(S106−7−11)が行われる。大当たり終了処理では、エンディングの準備が行われ、大当たりエンディングコマンドがセットされる。前記大当たり終了処理(S106−7−11)の次に特別動作ステータスが1にセットされ(S106−7−12)、その後、この特別電動役物処理(S106−7)が終了する。
前記特別動作処理(S106)の次に保留球数処理(S107)が行われる。保留球数処理(S107)では、図23に示すように現在の保留球数がロードされ(S107−1)、保留球数が出力バッファにセットされる(S107−2)
前記保留球数処理(S107)の次に電源断監視処理(S108)が行われる。電源断監視処理(S108)では、図24に示すように、電源断信号が入力したか判断され(S108−1)、電源断信号が入力していない場合にはこの電源断監視処理(S108)が終了する。一方、電源断信号が入力している場合には、現在のデータ(遊技状態)が前記主制御基板200のRAMに記憶され(S108−2)、その後電源断フラグがONに設定され(S108−3)、この電源断監視処理(S108)が終了する。なお、前記主制御基板200のRAMに記憶されるデータ(遊技状態)としては、大きく分けて、表示待機中、図柄変動中、図柄確定表示中、特別遊技中のデータがあり、さらにそれぞれ確変状態(高確率状態)と通常状態(低確率状態)のデータがある。
前記電源断監視処理(S108)の次にその他の処理(S109)が行われる。その他の処理(S109)では、遊技制御に必要なその他の処理が行われる。
前記サブ制御基板(サブ制御装置)205が行う処理について説明する。
前記サブ制御基板205が行うサブ制御メイン処理Jでは、図25に示すように、遊技機1の電源投入時にサブ制御基板205においてCPU初期化処理が行われる(S201)。CPU初期化処理では、外部INT割り込み(受信割り込み)処理(S300)、2msタイマ割り込み処理(S400)、10msタイマ割り込み処理(S500)に対する設定等が行われる。次に、電源断信号がONでRAMの内容が正常か判断される(S202)。電源断信号がONでなかったり、電源断信号がONでRAMの内容が正常でない場合など電源断信号の状態とRAMの内容正常の両方を満たさない場合は、RAMの初期化が行われ(S203)、その後に割り込み禁止処理が行われる(S204)。一方、電源断信号ONとRAMの内容正常の両方を満たす場合には、RAMの初期化を行うことなく割り込み禁止処理が行われる(S204)。S201〜S203の処理は、電源投入時の1順目にのみ実行され、その後は実行されることがない。
割り込み禁止処理(S204)の後、乱数シード更新処理(S205)、割り込み許可処理(S206)がループ処理で行われ、このループ処理の間に、外部INT割り込み処理(S300)、2msタイマ割り込み処理(S400)、10msタイマ割り込み処理(S500)が行われる。
割り込み禁止処理(S204)では、割り込みが入っても割り込みを禁止する。
乱数シード更新処理(S205)では、サブ制御基板205に設けられている予告選択乱数、分割乱数等の乱数更新が行われる。
割り込み許可(S206)では、割り込みの実行を許可する。
外部INT割り込み処理(S300)では、図26に示すように、前記主制御基板200からのストローブ(STB)信号がONか確認され(S301)、ストローブ信号がON、すなわち外部INT入力部にストローブ信号が入力されると、前記主制御基板200から出力されたコマンド(制御信号)の受信およびRAMへの格納が行われる(S302)。それに対し、ストローブ信号がONになっていなければ、その時点でこの外部INT割り込み処理(S300)が終了する。
2msタイマ割り込み処理(S400)では、図27に示すように、ランプデータ出力処理(S401)、Sw/駆動出力処理(S402)、入力処理(S403)、ウオッチドッグタイマ処理(S404)が行われる。ランプデータ出力処理(S401)では、後述の10msタイマ割り込み処理で作成されたランプのデータが出力される。Sw/駆動出力処理(S402)では、駆動データの作成、出力処理が行われる。入力処理(S403)では、スイッチのエッジデータ及びレベルデータが作成される。また、ウオッチドッグタイマ処理(S404)では、ウオッチドッグタイマの処理が行われる。
10msタイマ割り込み処理(S500)では、図28に示すように、スイッチ状態取得処理(S501)、音声制御処理(S502)、報知タイマ判定処理(S503)、受信コマンド解析処理(S504)、ラウンド昇格処理(S505)、Sw処理(S506)、ランプ処理(S507)が行われる。
スイッチ状態取得処理(S501)では、2msタイマ割り込み処理(S400)で作成されたスイッチデータが、10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして格納される。
音声制御処理(S502)では、前記スピーカ38から発する音声のための処理が行われる。
報知タイマ判定処理(S503)では、RAMクリア、扉開放報知等、報知開始、報知解除から一定期間経過後に報知解除を行うための時間管理のための処理が行われる。
受信コマンド解析処理(S504)では、図29に示すように、まず、受信コマンドがオープニングコマンドか確認され(S504−1)、受信コマンドがオープニングコマンドの場合、すなわち特別遊技開始時の場合、オープニングコマンド処理(S504−2)が実行され、その後にこの受信コマンド解析処理(S504)が終了する。一方、受信コマンドがオープニングコマンドとは異なる場合、次に受信コマンドがラウンド開始コマンドか確認される(S504−3)。受信コマンドがラウンド開始コマンドの場合、すなわち特別遊技実行中の個々のラウンド開始時の場合、ラウンドコマンド処理(S504−4)が実行され、その後にこの受信コマンド解析処理(S504)が終了する。また、受信コマンドがオープニングコマンド及びラウンド開始コマンドの何れとも異なる場合には、その他のコマンド処理(S504−5)が行われ、その後にこの受信コマンド解析処理(S504)が終了する。
前記オープニングコマンド処理(S504−2)では、図30に示すように、オープニングコマンドが昇格なし6ラウンドか(S504−2−1)、オープニングコマンドが昇格なし16ラウンドか昇格あり16ラウンドか(S504−2−2)確認される。
オープニングコマンドが昇格なし6ラウンドの場合には、特別遊技種類としてNo.0が設定され(S504−2−3)、昇格演出フラグに未実行が設定され(S504−2−4)、さらに昇格結果フラグに失敗が設定され(S504−2−5)、その後に特別遊技種類に対応するその他の設定処理(S504−2−12)が行われ、このオープニングコマンド処理(S504−2)が終了する。一方、オープニングコマンドが昇格なし16ラウンドの場合には、特別遊技種類としてNo.1が設定され(S504−2−6)、昇格演出フラグに完了が設定され(S504−2−7)、さらに昇格結果フラグに成功が設定され(S504−2−8)、その後に特別遊技種類に対応するその他の設定処理(S504−2−12)が行われ、このオープニングコマンド処理(S504−2)が終了する。また、オープニングコマンドが昇格あり16ラウンドの場合には、特別遊技種類としてNo.2が設定され(S504−2−9)、昇格演出フラグに未実行が設定され(S504−2−10)、さらに昇格結果フラグに成功が設定され(S504−2−11)、その後に特別遊技種類に対応するその他の設定処理(S504−2−12)が行われ、このオープニングコマンド処理(S504−2)が終了する。
前記ラウンドコマンド処理(S504−4)では、図31に示すように、内部ラウンド値がラウンド開始コマンドに対応して更新されて設定される(S504−4−1)。なお「内部ラウンド値」とは、前記サブ制御基板205における制御処理における「ラウンド値」であり、本実施例の特別遊技は内部ラウンド値が2ラウンド目となるラウンド遊技からラウンド数の表示が行われるため(図4参照)表示装置10に表示されたラウンド値とは値が異なる場合がある。また、ラウンド開始コマンドはラウンド毎の開始コマンドである。次に、現在の内部ラウンド値が6ラウンド以下か確認され(S504−4−2)、6ラウンドより大の場合、昇格演出フラグが完了か確認される(S504−4−3)。昇格演出フラグが完了とは異なる場合、昇格演出フラグに完了が設定され(S504−4−4)、次に昇格演出タイマが0にクリアされ(S504−4−5)、特別遊技種類としてNo.1が設定される(S504−4−6)。その後、昇格演出フラグが未実行か確認される(S504−4−7)。一方、S504−4−2で内部ラウンド値が6ラウンド以下と判断された場合、あるいはS504−4−3で昇格演出フラグが完了と判断された場合、次に昇格演出フラグが未実行か確認される(S504−4−7)。
S504−4−7で昇格演出フラグが未実行と判断された場合には昇格演出未実行処理(S504−4−8)が実行され、その後にこのラウンドコマンド処理(S504−4)が終了する。一方、昇格演出フラグが未実行とは異なると判断された場合、次に昇格演出フラグが実行中か確認される(S504−4−9)。昇格演出フラグが実行中の場合には昇格演出実行中処理(S504−4−10)が実行され、それに対して昇格演出フラグが実行中とは異なる場合、昇格演出完了処理(S504−4−11)が実行され、その後にこのラウンドコマンド処理(S504−4)が終了する。昇格演出未実行処理(S504−4−8)、昇格演出実行処理(S504−4−10)、昇格演出完了処理(S504−4−11)、ラウンド昇格処理(S505)はラウンド数表示手段に相当する。
前記昇格演出未実行処理(S504−4−8)では、図32に示すように、現在の内部ラウンド値が3ラウンドか確認され(S504−4−8−1)、現在の内部ラウンド値が3ラウンドの場合、本実施例では3ラウンド目から昇格演出が開始されるため、昇格演出フラグに実行中が設定され(S504−4−8−2)、昇格状態フラグに待機中が設定され(S504−4−8−3)、昇格演出タイマに5000msが設定され(S504−4−8−4)、特別遊技種類に対応する昇格演出開始が設定される(S504−4−8−5)。
次に特別遊技種類と内部ラウンド値に対応する外部表示値の表示(図4参照)が特定表示物(外部表示値分のメダル)によって行われる(S504−4−8−6)。「外部表示値」は、前記表示装置10に表示される残りラウンド数の値である。その後に特別遊技種類に対応するその他の設定処理(S504−4−8−7)が行われ、この昇格演出未実行処理(S504−4−8)が終了する。
また、S504−4−8−1で現在の内部ラウンド値が3ラウンドではないと判断されると、前記S504−4−8−2〜S504−4−8−5の処理をジャンプし、次に特別遊技種類と内部ラウンド値に対応する外部表示の表示が行われ(S504−4−8−6)、その後に特別遊技種類に対応するその他の設定処理(S504−4−8−7)が行われ、この昇格演出未実行処理(S504−4−8)が終了する。
前記昇格演出実行中処理(S504−4−10)では、図33に示すように、演出状態フラグが増加中か、すなわち表示装置10上にメダル(特定表示物)を追加している最中か確認される(S504−4−10−1)。演出状態フラグが増加中ではない場合、特別遊技種類と内部ラウンド値に対応する外部表示値の表示が行われ(S504−4−10−8)、次に特別遊技種類に対応するその他の設定処理(S504−4−10−9)が行われ、その後にこの昇格演出実行中処理(S504−4−10)が終了する。
一方、S504−4−10−1で演出状態フラグが増加中と判断されると、特別遊技種類に対応する上限判定値の設定が行われる(S504−4−10−2)。ここで設定される上限判定値は、内部ラウンド値における残りラウンド数の値である。次に外部表示値が上限判定値よりも大か確認され、大ではない場合にはこの昇格演出実行中処理(S504−4−10)が終了する。一方、外部表示値が上限判定値より大の場合には、外部表示値を現在の残りラウンド数の表示値から−1する設定が行われ(S504−4−10−4)、昇格演出フラグに完了が設定され(S504−4−10−5)、また演出状態フラグに待機中が設定され(S504−4−10−6)、さらに昇格演出タイマが0にクリアされ(S504−4−10−7)、次に特別遊技種類に対応するその他の設定処理(S504−4−10−9)が行われ、その後にこの昇格演出実行中処理(S504−4−10)が終了する。以上のように、メダル(特定表示物)を追加している最中にラウンドを跨いだことで残りのラウンド数が変化し、すでに追加したメダル(特定表示物)の数が残りのラウンド数(上限判定値)を超えて、表示されているラウンド数と実際のラウンド数とに齟齬が生じた場合であっても、現在表示されているラウンド数(外部表示値)とラウンドが進むたびに変化する残りのラウンド数(上限判定値)を比較して調整することで、表示されている特定表示物の数と実際のラウンド数との整合性を保つことが可能となる。
前記昇格演出完了処理(S504−4−11)では、図34に示すように、特別遊技種類と内部ラウンド値に対応する外部表示値の表示が行われ(S504−4−11−1)、次に特別遊技種類に対応するその他の設定処理が行われ(S504−4−11−2)、その後にこの昇格演出完了処理(S504−4−11)が終了する。
前記ラウンド昇格処理(S505)では、図35及び図36に示すように、昇格演出フラグが実行中か確認され(S505−1)、昇格演出フラグが実行中ではない場合、このラウンド昇格処理(S505)が終了する。一方、昇格演出フラグが実行中の場合、昇格演出タイマが0か確認され(S505−2)、昇格演出タイマが0ではない場合、昇格演出タイマが減算され(S505−3)、その後にこのラウンド昇格処理(S505)が終了する。
S505−2で昇格演出タイマが0と判断されると、演出状態フラグが待機中か確認され(S505−4)、演出状態フラグが待機中ではない場合、特別遊技種類に対応する上限判定値が設定され(S505−8)、次に外部表示値が上限判定値以上か確認される(S505−9)。外部表示値が上限判定値未満の場合、外部表示値を1加算する設定が行われ(S505−10)、昇格演出タイマに500msが設定され(S505−11)、その後にこのラウンド昇格処理(S505)が終了する。一方、S505−9で外部表示値が上限判定値以上と判断されると、昇格演出フラグに完了が設定され(S505−12)、演出状態フラグに待機中が設定され(S505−13)、昇格演出タイマが0にクリアされ(S505−14)、その後にこのラウンド昇格処理(S505)が終了する。以上のように、昇格演出タイマに設定された時間が経過する毎(所定間隔毎における特定表示物の追加前)に現在表示されているラウンド数(外部表示値)とラウンドが進むたびに変化する残りのラウンド数(上限判定値)を比較してメダル(特定表示物)を追加するか否かを判定することで、メダル(特定表示物)を追加している最中にラウンドを跨いだとしても、残りのラウンド数を超えるメダル(特定表示物)の表示を抑制することが可能となる。
S505−2で昇格演出タイマが0と判断されると、演出状態フラグが待機中か確認され(S505−4)、演出状態フラグが待機中ではない場合、特別遊技種類に対応する上限判定値が設定され(S505−8)、次に外部表示値が上限判定値以上か確認される(S505−9)。外部表示値が上限判定値未満の場合、外部表示値を1加算する設定が行われ(S505−10)、昇格演出タイマに500msが設定され(S505−11)、その後にこのラウンド昇格処理(S505)が終了する。一方、S505−9で外部表示値が上限判定値以上と判断されると、昇格演出フラグに完了が設定され(S505−12)、演出状態フラグに待機中が設定され(S505−13)、昇格演出タイマが0にクリアされ(S505−14)、その後にこのラウンド昇格処理(S505)が終了する。
また、S505−4で演出状態フラグが待機中と判断された場合、昇格結果フラグが成功か確認される(S505−5)。昇格結果フラグが成功ではないと判断されると、昇格演出フラグに完了が設定され(S505−12)、演出状態フラグに待機中が設定され(S505−13)、昇格演出タイマが0にクリアされ(S505−14)、その後にこのラウンド昇格処理(S505)が終了する。一方、S505−5で昇格結果フラグが成功と判断された場合、演出状態フラグに増加中が設定され(S505−6)、メダル(特定表示物)を1つ増加表示させる間隔として昇格演出タイマに500msが設定され(S505−7)、その後にこのラウンド昇格処理(S505)が終了する。前記ラウンド数昇格処理(S505)におけるS505−4〜S505−11は、ラウンド数増加判定手段に相当する。
前記ラウンド昇格処理(S505)の終了後に行われる前記Sw処理(S506)では、遊技操作スイッチ67の有効時間(操作有効期間)及び動作の管理が行われる
前記ランプ処理(S507)では、出力するランプデータの作成及び演出時間の管理が行われる。
このように、本実施例では、特別遊技の昇格あり16ラウンド遊技中に、残りのラウンド数が数字とは異なる特定表示物の数によって示され、さらにラウンド増加手段によって所定間隔でその特定表示物が1つずつ追加表示されることで、単に数字だけでラウンド数を表したものよりも趣向性を高め、遊技者にラウンド数が増加しているときの高揚感を与えることが可能となる。また、本実施例では、所定間隔毎における特定表示物の追加前に、少なくとも表示されている特定表示物の数に基づいて前記特定表示物を追加するか否かを判定するラウンド数増加判定手段を備えることにより、追加される特定表示物の数と実際のラウンド数との整合性を保つことが可能になる。
本実施例を概念的にまとめると次の通りである。
(1)判定条件の成立に基づいて遊技の当否を判定する当否判定手段と、
特別図柄を変動表示した後に停止表示した特別図柄で前記当否判定手段による判定結果を表示可能な表示手段と、
遊技球が入賞し難い閉状態から入賞し易い開状態に変化可能な大入賞口と、
前記当否判定手段の判定結果が当たりとなることに基づいて、前記大入賞口を閉状態から開状態に少なくとも1回変化させる1回のラウンドを1回又は複数回実行する特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
を備えた遊技機において、
前記特別遊技中に、残りのラウンド数を数字とは異なる特定表示物の数で前記表示手段に表示するラウンド数表示手段を備え、
前記特別遊技は、所定のラウンド数で構成された通常ラウンド数遊技と、前記通常ラウンド数遊技よりもラウンド数が少ない短ラウンド数で構成された短ラウンド数遊技とが少なくともあり、
前記通常ラウンド数遊技には、前記ラウンド数表示手段によって当該通常ラウンド数遊技における残りのラウンド数が前記表示手段に前記特定表示物で表示される通常表示タイプと、前記ラウンド数表示手段によって初めに前記短ラウンド数分の残りラウンド数が前記表示手段に特定表示物で表示され、前記短ラウンド数分のラウンド数が終了する前に、当該通常ラウンド数遊技における残りのラウンド数分の前記特定表示物を所定間隔で1つずつ追加する表示が開始され、前記特定表示物の数で示される残りラウンド数があたかも増加しているように見せるラウンド数増加表示タイプがあり、
前記ラウンド数表示手段は、前記通常ラウンド数遊技が前記ラウンド数増加表示タイプの場合、前記所定間隔毎における前記特定表示物の追加前に、少なくとも表示されている特定表示物の数に基づいて前記特定表示物を追加するか否かを判定するラウンド数増加判定手段を備えることを特徴とする遊技機。
(2)前記ラウンド数増加判定手段は、前記通常ラウンド数遊技が前記ラウンド数増加表示タイプの場合、前記短ラウンド数遊技分のラウンド数が終了するまであるいは、前記短ラウンド数遊技終了後のラウンド遊技が開始するまでに、当該通常ラウンド数遊技全体の残りのラウンド数分の前記特定表示物を追加できなかった場合、表示されている前記特定表示物の数と残りのラウンド数を比較して表示する特定表示物の数を調整し、前記短ラウンド数遊技分の次のラウンドで前記特定表示物を追加することを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(3)前記通常ラウンド数遊技と前記短ラウンド数遊技は、複数回のラウンドで構成されると共に、特別遊技開始直後のラウンドがそれ以降のラウンドよりも前記大入賞口に遊技球が進入し難い特別ラウンドで構成され、
前記ラウンド数表示手段は、前記特別ラウンド中に前記ラウンド数を表示しないで、前記特別ラウンドの次のラウンドから表示することを特徴とする(1)又は(2)に記載の遊技機。
(4)前記当否判定結果の当たりには、少なくとも大当たりと小当たりがあり、
前記大当たりの場合には、前記特別遊技実行手段により、前記通常ラウンド数遊技における通常表示タイプが実行され、
前記小当たりの場合には、前記通常ラウンド数遊技における通常表示タイプと、前記通常ラウンド数遊技におけるラウンド数増加表示タイプと、前記短ラウンド数遊技の何れか一つがラウンド数遊技選択手段によって選択され、前記選択された特別遊技が前記特別遊技実行手段で実行されることを特徴とする(1)から(3)の何れか一項に記載の遊技機。
(5)前記小当たりの場合における通常ラウンド数遊技の通常表示タイプと、前記通常ラウンド数遊技のラウンド数増加表示タイプと、前記短ラウンド数遊技は、初めに前記大入賞口が1回又は前記短ラウンド数遊技のラウンド数よりも少ないラウンド数開閉し、前記大入賞口内に設けられている特定領域に遊技球が入球したことを起因に、残りのラウンド数分が前記特別遊技実行手段で実行されることを特徴とする(4)に記載の遊技機。
前記(1)〜(5)の構成の効果は以下の通りである。
(1)によれば、残りのラウンド数が数字とは異なる特定表示物の数によって示され、さらにラウンド増加手段によって所定間隔でその特定表示物を1つずつ追加していくことで、単に数字だけでラウンド数を表したものよりも趣向性を高め、遊技者にラウンド数が増加しているときの高揚感を与えることが可能となる。
また、所定間隔毎における特定表示物の追加前に、少なくとも表示されている特定表示物の数に基づいて前記特定表示物を追加するか否かを判定するラウンド数増加判定手段を備えることにより、追加される特定表示物の数と実際のラウンド数との整合性を保つことが可能になる。
(2)によれば、万一短ラウンド数遊技中に特定表示物を追加表示しきれなかったとしても、現在表示されている特定表示物の数と残りのラウンド数を比較して表示する特定表示物の数を調整するため、特定表示物の増加中にラウンドが切り替わったとしても残りのラウンド数と表示される特定表示物の数の整合性を保つことが可能となる。
(3)によれば、特別ラウンドが含まれるラウンド構成であったとしても、特別ラウンド中には残りラウンド数を表示しないことで、遊技者にそのラウンドを意識させないようにすることが可能となる。
(4)によれば、小当たりの場合には、通常ラウンド数遊技における通常表示タイプと、通常ラウンド数遊技におけるラウンド数増加表示タイプと、短ラウンド数遊技の何れか一つがラウンド数遊技選択手段によって選択され、選択された特別遊技が前記特別遊技実行手段で実行されるため、通常ラウンド数遊技におけるラウンド数増加表示タイプが実行された場合、特定表示物を追加する表示が実行されるまで、遊技者は短ラウンド数遊技と区別が付かず、特定表示物が追加されるか否かのドキドキ感を抱かせ、ラウンド数の増加に対する高揚感を高めることが可能となる。
(5)によれば、小当たりの場合における通常ラウンド数遊技の通常表示タイプと、前記通常ラウンド数遊技のラウンド数増加表示タイプと、短ラウンド数遊技は、初めに大入賞口が1回又は短ラウンド数遊技のラウンド数よりも少ないラウンド数開閉し、大入賞口内に設けられている特定領域に遊技球が入球したことを起因に、残りのラウンド数分が前記特別遊技実行手段で実行されるため、ラウンド数の増加に対する高揚感をさらに高めることが可能となる。
本実施例では特定表示物をメダルで構成したが、メダルに限られるものではない。また、本実施例では始動入賞口を2つ設けたが、それに限られず例えば1つでもよい。さらに、本実施例では大入賞口を2つ設けたが1つでもよく、1つのみの大入賞口内に特定領域を設けてもよい。また、本発明は前記実施例に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
1 遊技機
2 遊技盤
10 表示装置
41 第一始動入賞口
42 第二始動入賞口
45 第一大入賞口
47 第二大入賞口
64 発射装置

Claims (3)

  1. 判定条件の成立に基づいて遊技の当否を判定する当否判定手段と、
    特別図柄を変動表示した後に停止表示した特別図柄で前記当否判定手段による判定結果を表示可能な表示手段と、
    遊技球が入賞し難い閉状態から入賞し易い開状態に変化可能な大入賞口と、
    前記当否判定手段の判定結果が当たりとなることに基づいて、前記大入賞口を閉状態から開状態に少なくとも1回変化させる1回のラウンドを1回又は複数回実行する特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
    を備えた遊技機において、
    前記特別遊技中に、残りのラウンド数を数字とは異なる特定表示物の数で前記表示手段に表示するラウンド数表示手段を備え、
    前記特別遊技は、所定のラウンド数で構成された通常ラウンド数遊技と、前記通常ラウンド数遊技よりもラウンド数が少ない短ラウンド数で構成された短ラウンド数遊技とが少なくともあり、
    前記通常ラウンド数遊技には、前記ラウンド数表示手段によって当該通常ラウンド数遊技における残りのラウンド数が前記表示手段に前記特定表示物で表示される通常表示タイプと、前記ラウンド数表示手段によって初めに前記短ラウンド数分の残りラウンド数が前記表示手段に特定表示物で表示され、前記短ラウンド数分のラウンド数が終了する前に、当該通常ラウンド数遊技における残りのラウンド数分の前記特定表示物を所定間隔で1つずつ追加する表示が開始され、前記特定表示物の数で示される残りラウンド数があたかも増加しているように見せるラウンド数増加表示タイプがあり、
    前記ラウンド数表示手段は、前記通常ラウンド数遊技が前記ラウンド数増加表示タイプの場合、前記所定間隔毎における前記特定表示物の追加前に、少なくとも表示されている特定表示物の数に基づいて前記特定表示物を追加するか否かを判定するラウンド数増加判定手段を備え、
    前記通常ラウンド数遊技と前記短ラウンド数遊技は、複数回のラウンドで構成されると共に、特別遊技開始直後のラウンドがそれ以降のラウンドよりも前記大入賞口に遊技球が進入し難い特別ラウンドで構成され、
    前記ラウンド数表示手段は、前記特別ラウンド中に前記ラウンド数を表示しないで、前記特別ラウンドの次のラウンドから表示することを特徴とする遊技機。
  2. 前記当否判定結果の当たりには、少なくとも大当たりと小当たりがあり、
    前記大当たりの場合には、前記特別遊技実行手段により、前記通常ラウンド数遊技における通常表示タイプが実行され、
    前記小当たりの場合には、前記通常ラウンド数遊技における通常表示タイプと、前記通常ラウンド数遊技におけるラウンド数増加表示タイプと、前記短ラウンド数遊技の何れか一つがラウンド数遊技選択手段によって選択され、前記選択された特別遊技が前記特別遊技実行手段で実行されることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記小当たりの場合における通常ラウンド数遊技の通常表示タイプと、前記通常ラウンド数遊技のラウンド数増加表示タイプと、前記短ラウンド数遊技は、初めに前記大入賞口が1回又は前記短ラウンド数遊技のラウンド数よりも少ないラウンド数開閉し、前記大入賞口内に設けられている特定領域に遊技球が入球したことを起因に、残りのラウンド数分が前記特別遊技実行手段で実行されることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
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