上記課題を達成するために、請求項1の発明においては、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄、飾り図柄)の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示部(例えば、特別図柄表示器8、可変表示装置9)を備え、前記識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果(例えば、大当り図柄)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御し、さらに前記識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果のうち特別表示結果(例えば、確変図柄(可変表示装置9の停止時に飾り図柄の非確変図柄を表示させるものを含む))となったときには、前記特定遊技状態が終了した後に該特定遊技状態とは異なる遊技状態であって遊技者にとって有利な特別遊技状態(例えば、確変状態)に制御する遊技機(例えば、パチンコ遊技機)であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ60)と、該遊技制御手段からの制御信号(例えば、演出制御コマンド)にもとづいて前記可変表示部の制御を行う演出制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ101)と、遊技者の操作に応じて前記演出制御手段へ操作信号を出力する操作手段(例えば、操作ボタン120)と、を備え、前記遊技制御手段は、前記可変表示部に導出表示される表示結果を前記特定表示結果とするか否かと、前記特定遊技状態が終了した後に前記特別遊技状態に制御するか否かと、を表示結果の導出表示以前に決定する事前決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ60により大当り判定モジュールおよび特別図柄停止図柄設定処理を実行する部分;ステップS48、ステップS301)と、該事前決定手段の決定にもとづいて前記制御信号として、前記識別情報の可変表示の実行の開始と、前記識別情報の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの可変表示時間と、を特定可能な可変表示開始コマンド(例えば、変動パターンコマンド)と、可変表示部に導出表示される識別情報の表示結果を特定可能な表示結果コマンド(例えば、判定結果コマンド)と、を送信するコマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ60により飾り図柄コマンド制御処理を実行する部分;ステップS27)と、前記事前決定手段によって前記特別遊技状態に制御することが決定されるとき、前記特定遊技状態を開始した後に前記特別遊技状態となる旨を表示する報知演出(例えば、大当り中演出、終了時演出)を実行するか否か、または当該報知演出を実行するか否かに加えて当該報知演出を実行する時期(例えば、大当り遊技状態実行中か大当り遊技状態を終了するときか)を決定する報知演出実行決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ60により演出判定モジュールを実行する部分;ステップS66)と、を含み、前記報知演出実行決定手段の決定結果は、前記可変表示開始コマンドおよび前記表示結果コマンドの少なくとも一方を用いて送信され、前記演出制御手段は、前記操作手段から入力された操作信号にもとづいて、複数のモード(例えば、「宇宙モード」、「陸モード」、および「海モード」)のうちいずれかのモードを選択して決定するモード決定手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ101によりモード変更演出処理を実行する部分;ステップS818〜ステップS821)と、前記可変表示に対応する演出と、前記モード毎に固有の前記報知演出(例えば、宇宙モード固有の演出として図42に示すロケット、陸モード固有の演出として図43に示す火山、海モード固有の演出として図44に示す宝箱)を含む複数種類の報知演出と、前記複数種類の報知演出各々と略同等の演出であって前記特別遊技状態か否かを選択するような表示(例えば、図42(H)〜図42(J)、図43(H)〜図43(J)、図44(H)〜図44(J)等の表示)をした後に前記特別遊技状態とはならない旨を表示する複数種類の擬似報知演出(例えば、非昇格時演出決定テーブル(図33(A)〜図33(C)の非昇格時のテーブル)に設定される演出;図42(H)〜図42(L’)、図43(H)〜図43(L’)、図44(H)〜図44(L’))と、のそれぞれに対応する演出データ(例えば、プロセステーブル)が前記モード別に異なる態様(例えば、宇宙、陸、海と異なる態様)で記憶された記憶手段(例えば、演出制御基板80に搭載されるROM)と、前記モード決定手段によって決定されたモードに対応する演出データを用いて、前記可変表示開始コマンドが送信されたときに当該可変表示開始コマンドに応じた前記識別情報の可変表示を前記可変表示部にて実行し、前記表示結果コマンドにより指示された前記可変表示部に導出表示される識別情報の表示結果を導出表示する可変表示制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ101により飾り図柄通常処理から飾り図柄変動停止処理を実行する部分;ステップS801〜ステップS804)と、前記モード決定手段によって決定されたモードに対応する演出データを用いて前記報知演出実行決定手段の決定に応じた前記報知演出を実行する報知演出実行制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ101により大当り中演出決定処理(ステップS863)で大当り中演出のプロセステーブルを選択し、選択したプロセステーブルにもとづいてラウンド中処理(ステップS806)にて大当り中演出を実行する部分と、終了時演出決定処理(ステップS915)で終了時演出のプロセステーブルを選択し、選択したプロセステーブルにもとづいて大当り終了演出処理(ステップS808)にて終了時演出を実行する部分)と、前記事前決定手段によって前記可変表示部に導出表示される表示結果を前記特定表示結果とする決定がなされ、かつ、前記特別遊技状態に制御しない決定がなされたときに、前記特定遊技状態を開始した後に前記擬似報知演出を実行するか否か、または当該擬似報知演出を実行するか否かに加えて当該擬似報知演出を実行する時期を決定する擬似報知演出実行決定手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ101により大当り表示処理のステップS862で大当り再抽選フラグがセットされていない場合に非確変大当り指定フラグがセットされていたら大当り中演出および/または終了時演出を実行するか否かを判定し、大当り中演出を実行する旨の判定がなされたときに大当り中演出決定処理を実行して大当り中演出および/または終了時演出を実行するか否か決定する部分)と、前記モード決定手段によって決定されたモードに対応する演出データを用いて前記擬似報知演出実行決定手段の決定に応じた前記擬似報知演出を実行する擬似報知演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ101により大当り表示処理のステップS862で大当り再抽選フラグがセットされていない場合に非確変大当り指定フラグがセットされていたら大当り中演出を実行するか否かを判定し、大当り中演出を実行する旨の判定がなされたときに大当り中演出決定処理(ステップS863)で大当り中演出のプロセステーブルを選択し、選択したプロセステーブルにもとづいてラウンド中処理(ステップS806)にて大当り中演出を実行する部分、ラウンド中処理のステップS909で大当り終了2指定コマンドを受信したときに終了時演出を実行するか否かを判定し、終了時演出を実行する旨の判定がなされたときにステップS915に移行して終了時演出決定処理(ステップS915)で終了時演出のプロセステーブルを選択し、選択したプロセステーブルにもとづいて大当り終了演出処理(ステップS808)にて終了時演出を実行する部分)と、を含み、前記報知演出実行制御手段は、前記報知演出実行決定手段によって前記報知演出を実行することが決定されたときには、所定の割合で前記モード決定手段によって決定されたモードとは異なるモードに対応する演出データにおける固有の報知演出を実行し(例えば、昇格時演出決定テーブル(図33(A)〜図33(C)の昇格時のテーブル)の他のモード固有の演出にも比較値を振り分けることで他のモード固有の演出も実行される、図33(A)の昇格時演出決定テーブルにおいて他のモード固有の演出である火山1および宝箱1に比較値が振り分けられ、宇宙モードの大当り中演出にて所定の割合で火山1および宝箱1の演出を実行する)、前記擬似報知演出実行手段は、前記モード決定手段によって決定されたモードとは異なるモードに対応する演出データを用いて前記擬似報知演出を実行しない(非昇格時演出決定テーブル(図33(A)〜図33(C)の非昇格時のテーブル)の現在のモード固有の演出にのみ比較値を振り分けることで現在のモード固有の演出のみを実行する、図33(A)の非昇格時演出決定テーブルにおいて宇宙モード固有の演出であるロケット1、ロケット2およびロケット3にのみ比較値が振り分けられ、宇宙モードの大当り中演出にてロケット1、ロケット2およびロケット3の演出のいずれかを実行する)ことを特徴とする。
このように構成することにより、可変表示開始コマンドおよび表示結果コマンドの少なくとも一方を用いて報知演出を実行するか否かを指示するため、既存のコマンドを用いて新たな演出の実行を指示でき、コマンド数を増加させない。また、可変表示開始コマンドおよび表示結果コマンドとは別に報知演出を実行するか否かを指示する制御信号を設けた場合に、報知演出を実行するか否かを指示する制御信号の送信タイミングが遅れることにより、可変表示部に特別表示結果が導出表示された後に報知演出が実行されるという不具合を防止できる。
さらに、大当り遊技状態を開始した後に特別遊技状態となる旨を表示する報知演出を実行するため、遊技者の興趣を向上させることができるとともに、モードに対応する演出データを用いて報知演出を実行するため、演出のバリエーションを増加させることができる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機やパチロット機(遊技球を用いて遊技が行われるスロット機を意味し、パロット機、スリットスロット機などとも呼ばれる)などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)と、を含む構造体である。なお、図1において、紙面方向手前側を前面、奥側を背面と称して説明する。
図1に示すように、ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面に位置する遊技枠の前面枠の前面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技盤6の表面に立設する打球レールによって囲まれた領域である遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近の左右には、それぞれが識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する複数の可変表示部を含む可変表示装置9が設けられている。可変表示装置9には、本例では「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。なお、「左」の可変表示部にて可変表示される飾り図柄を左飾り図柄、「中」可変表示部にて可変表示される飾り図柄を中飾り図柄、「右」可変表示部にて可変表示される飾り図柄を右飾り図柄と呼ぶ。この実施の形態では、可変表示装置9にて可変表示する飾り図柄を、左飾り図柄、右飾り図柄、および中飾り図柄の順で停止表示する。
可変表示装置9は、液晶表示装置(LCD)によって構成される。この実施の形態では、可変表示装置9の3つの可変表示部に表示される飾り図柄として、「0」〜「9」の数字の図柄を用いている。そして、可変表示装置9の表示領域各々にて飾り図柄を「0」から順に表示することにより飾り図柄の可変表示を実行する。
可変表示装置9の上方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、「0」〜「9」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば、7セグメントLED)で構成されている。特別図柄の可変表示は、7セグメント表示器にて「0」〜「9」、「−」を順番に変更して表示することによって行われる。特別図柄表示器8では、可変表示が終了したときの停止図柄が「0」〜「9」のときは大当りを意味し、「−」のときははずれを意味する。特別図柄表示器8にて可変表示の表示結果が大当りとなる確率は、例えば2/630(=1/315)とされる。なお、可変表示装置9は特別図柄表示器8に対応して設けられている。また、特別図柄表示器8は、「00」〜「99」などより多種類の数字を可変表示するようにしてもよく、この場合には、ゾロ目(同一の数字が揃って停止表示)に限らず所定の組み合わせ(例えば、「18」、「82」等)を特定の停止図柄(例えば、確変図柄)とすることにより遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるようにしてもよい。
また、可変表示装置9の下方には、始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、図2に示すソレノイド16により遊技球が入賞しやすい開放状態と、遊技球が入賞し難い閉成状態と、に変化可能である。ソレノイド16は、リンク機構を介して可変入賞球装置15の可動翼片に連結されている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14に遊技球が入った有効入賞球数すなわち始動入賞記憶数(始動入賞口14に遊技球が入賞して特別図柄の可変表示を実行するための条件(始動条件)が成立したが従前の可変表示を実行中である等の理由のために可変表示を実際に開始するための条件(開始条件)が成立していない保留状態を記憶した個数)を表示する4つのLEDからなる特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。すなわち、始動入賞記憶数のうち入賞順に4個まで表示する。特別図柄始動記憶表示器18は、始動入賞口14に有効始動入賞がある毎に、点灯状態とするLEDの数を1増やし、可変表示装置9で可変表示が開始される毎に1減らす。なお、この例では、始動入賞口14への入賞による始動入賞記憶数に上限数(この例では4個まで)を設けているが、上限数を設けなくてもよい。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。ソレノイド21は、リンク機構を介して特別可変入賞球装置の開閉板20に連結されている。開閉板20は、大入賞口(特別可変入賞球装置)を開閉する手段である。大入賞口から遊技盤6の背面に導かれた入賞球はカウントスイッチ23で検出される。また、大入賞口には特定領域とそれ以外の領域とが設けられ、特定領域に侵入した遊技球は特定領域スイッチ24で検出された後、カウントスイッチ23で検出される。なお、カウントスイッチ23では特定領域以外の領域に侵入した遊技球のみ検出するようにしてもよく、この場合には、大入賞口に入賞した遊技球の数(入賞球数)は、カウントスイッチ23で検出した個数と特定領域スイッチ24で検出した個数とを合算した数となる。
ゲート32を遊技球が通過し、ゲートスイッチ32aで検出されると、可変表示装置9と特別図柄表示器8との間に配置される普通図柄表示器10にて表示を変化させる可変表示を開始する。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプ(○のランプ)の点灯で当りを示し、右側のランプ(×のランプ)の点灯ではずれを示す。なお、始動入賞口14は常に上方からの遊技球を受け入れ可能な状態であり、通常は、可動翼片が閉成されて遊技球が入賞しにくい閉成状態に制御されている。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄:○)となる場合に、ソレノイド16を可動して可動翼片を開放させることにより可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ閉成状態よりも遊技球が入賞しやすい開放状態になる。また、普通図柄の当り確率は、例えば1/13とされる。普通図柄表示器10の左右側方には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。遊技球がゲート32を通過する毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
遊技領域7の左右周辺には、遊技状態(この実施の形態では、後述する通常状態、時短状態、確変状態のいずれか)を遊技者に報知するための遊技状態報知ランプ25が設けられている。すなわち、この例では、遊技状態報知ランプ25を用いて、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるのか、時短状態(時間短縮状態および低確率状態)であるのか、確変状態でも時短状態でもない通常状態(低確率状態)であるのかを遊技者に報知する。例えば、確変状態では、遊技領域7の左側部に位置する遊技状態報知ランプ25のみを点灯状態とし、時短状態では、遊技領域7の右側部に位置する遊技状態報知ランプ25のみを点灯状態としてもよい。また、遊技状態報知ランプ25の点灯色を異ならせることによって遊技状態を報知するようにしてもよい。
遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球を遊技領域7から排出させるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。さらに、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にする球貸ユニット50(図2に符号のみ記載)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される。
この実施の形態では、打球操作ハンドル5の上方に、遊技者が操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120が遊技者によって押下されると、電極が接触することによりオン状態となり、オン信号(検出信号)が基板上に搭載されているマイクロコンピュータ(この実施の形態では、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ101;図3参照)に出力される。なお、この実施の形態では打球操作ハンドル5の上方に操作ボタン120が設けられているが、操作ボタン120は遊技者に操作可能な位置に設けられていればよく、例えば、打球供給皿3等の他の箇所に設けられていてもよい。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータ(後述する発射モータ94)の回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に立設する打球レールを通って遊技領域7の上方に放出され、その後、遊技領域7を流下する。
打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技状態が終了している状態、または、前回の可変表示が終了している状態)、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示(変動)を開始するとともに、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示(変動)を開始する。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄始動記憶表示器18の始動入賞記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)であると、特定遊技状態、すなわち大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態では、開閉板20が開状態となって特別可変入賞装置が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまでのラウンドが複数回に亘って実行される。
なお、この実施の形態では、特別図柄の大当り図柄の種類に応じて大当り遊技状態を15ラウンド継続させる15ラウンド大当り(15R大当り、この例では、非確変大当り、確変大当り)と、大当り遊技状態を2ラウンド継続させる2ラウンド大当り(2R大当り、この例では、突確当り)と、に制御する。具体的には、特別図柄表示器8に第1の大当り図柄(例えば、「0」〜「9」の特別図柄の大当り図柄のうち「1」を除く大当り図柄;確変図柄、非確変図柄)が停止表示した場合に15ラウンド大当りに移行制御し、特別図柄表示器8に第2の大当り図柄(例えば、「1」;突確図柄)が停止表示した場合に2ラウンド大当りに移行制御する。
15ラウンド大当りでは、各ラウンドにおいて開閉板20を一定期間(例えば、29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで、開放する。また、2ラウンド大当りでは、各ラウンドにおいて開閉板20を一定期間(例えば、0.8秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで、開放する。なお、15ラウンド大当りでは、2ラウンド大当りに比べて特別可変入賞装置が開放される期間が長い。換言すると、15ラウンド大当りでは、2ラウンド大当りよりも高い割合で多くの遊技球が大入賞口に入賞する。このように、2ラウンド大当りは、15ラウンド大当りに比べて遊技価値が低い状態である。
所定の移行条件が成立した場合、具体的には、特別図柄表示器8における停止時の特別図柄が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄;奇数図柄の大当り図柄)となる場合(確変大当り)および特別図柄表示器8における停止時の特別図柄が突確図柄となる場合(突確当り)には、所定の移行条件が成立しなかった場合(停止時の特別図柄が非確変図柄となる場合)に比べて次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、大当り遊技状態終了後に確変状態(特別遊技状態:識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果とする確率を通常状態であるときに比べて向上させた状態、高確率状態ともいう)という遊技者にとってさらに有利な状態となる。確変状態では、例えば、次に大当りとなる確率が約630分の10となり、確変状態でないとき(この例では、通常状態および時短状態であるとき(約630分の2))の5倍程度に高められる。
本例では、大当りとなるときに確変大当りおよび突確当りとなる確率(確変突入率)は2分の1(具体的には、確変大当りとなる確率が10分の4、突確当りとなる確率が10分の1)とされる。また、確変状態は、所定の確変終了条件が成立するまで(例えば、次に大当りが発生したときまで)継続する。なお、確変状態は、次に大当りが発生するまで、あるいは、所定回数の特別図柄の可変表示が行われるまで継続するようにしてもよい。さらに、確変状態を終了するか否かの抽選を、乱数を用いて行い、その抽選結果に応じて確変状態を終了するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、所定の移行条件が成立しなかった場合、具体的には、特別図柄表示器8における停止時の特別図柄が確率変動を伴わない大当り図柄(非確変図柄;偶数図柄の大当り図柄)となる場合(非確変大当り)に、大当り遊技状態終了後に時短状態(特別遊技状態:通常状態であるときに比べて所定回数の識別情報の可変表示の可変表示時間を短縮する状態)という遊技者にとって有利な状態となる。時短状態では、例えば、所定の時短終了条件が成立するまで(例えば所定回数(例えば100回)の特別図柄の可変表示が行われるまで)、時短状態でない通常状態である場合に比べて、単位時間あたりに始動入賞が発生する回数が高められるとともに、特別図柄の変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)が短縮された状態となる。従って、時短状態では、通常状態と比較して、単位時間あたりに特別図柄の可変表示が実行される回数が高められた状態となり、結果として、単位時間あたりに大当りが発生する確率が高められた状態となる。なお、単位時間あたりに始動入賞が発生する回数を高めるために、時短状態において、例えば、通常状態に比べて可変入賞球装置15の開放時間の延長と開放回数の増加とのうちの一方または双方が行われるようにしたり、普通図柄表示器10における変動時間が短縮されるようにしたり、普通図柄表示器10における普通図柄の停止図柄が当り図柄となる確率を高めたり(例えば、時短状態における確率を13分の12とする)すればよい。
なお、所定の移行条件が成立しなかった場合に、所定の移行条件とは異なる移行条件(時短移行条件)が成立すれば、具体的には、特別図柄表示器8における停止時の特別図柄が時間短縮を伴う大当り図柄(例えば、時短図柄;偶数図柄の大当り図柄のうち特定の大当り図柄;「2」、「6」等)となったとき(時短大当りとなったとき)に大当り遊技状態終了後に時短状態となり、所定の移行条件および時短移行条件が成立しなければ、具体的には、特別図柄表示器8における停止時の特別図柄が確率変動および時間短縮を伴わない大当り図柄(例えば、通常図柄;偶数図柄の大当り図柄のうち特定の大当り図柄とは異なる大当り図柄;「0」、「4」、「8」等)となったとき(通常大当りとなったとき)に大当り遊技状態終了後に通常状態となるようにしてもよい。
特別図柄表示器8に大当り図柄が導出表示されたことにもとづく大当り遊技状態が終了した後、本例では、所定の時短終了条件が成立するまで(例えば所定回数(例えば100回)の特別図柄の可変表示が行われるまで)、時短状態が継続する。そして、時短終了条件が成立したときに時短状態を終了し、通常状態の制御を開始する。この実施の形態では、上述した確変状態にて時短状態における制御も実行される。なお、確変状態にて時短状態における制御を実行しないようにしてもよく、この場合には、時短状態における制御を実行する確変状態(確変時短状態)と、時短状態における制御を実行しない確変状態(確変非時短状態)と、の複数種類の確変状態を設けるようにしてもよい。
また、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の期間が同じであることをいう。また、特別図柄表示器8において大当り図柄(例えば「7」)が停止表示されるときには、可変表示装置9において左・中・右の可変表示部に表示される飾り図柄も大当り図柄(特定表示結果)で停止表示される。
具体的には、確変大当りとする場合には、基本的に可変表示装置9に大当り図柄として同一の奇数図柄からなる飾り図柄の組み合わせ(例えば、「777」)である確変図柄を導出表示し、非確変大当り(この例では、大当り遊技状態終了後に時短状態に制御するため時短大当りともいう)とする場合には、可変表示装置9に大当り図柄として同一の偶数図柄からなる飾り図柄の組み合わせ(例えば、「222」)である非確変図柄を導出表示し、突確当りとする場合には、可変表示装置9に大当り図柄として所定の組み合わせ(この例では、「123」)である突確図柄を導出表示する。通常、大当りとなるときには、可変表示装置9において予め定めた法則に従った表示、すなわち、例えば、「777」などの同一の図柄の組み合わせまたは、「三冠王」などの図柄の並びにより意味をなす組み合わせの飾り図柄を導出表示することで遊技者に当りであることを想起させている。また、確変大当りとする場合に、大当り遊技状態の実行中および/または大当り遊技状態を終了するときに確変大当りであることを報知するときには、特別図柄表示器8に確変図柄(特別表示結果)を導出表示し、可変表示装置9に非確変図柄(例えば、「222」等の同一の偶数図柄からなる飾り図柄の組み合わせ)を表示する。
一方、はずれとなるときには、可変表示装置9において予め定めた法則に従わない表示、すなわち、例えば、「134」、「131」などの同一の図柄の組み合わせとならないまたは、例えば、「冠三王」などの図柄の並びにより意味をなさない組み合わせの飾り図柄を導出表示する。この例では、15ラウンド大当り(非確変大当りおよび確変大当り)となるときには、可変表示装置9においてこのような法則に従った表示である大当り図柄(確変図柄および非確変図柄)を導出表示することにより大当りとなったことを報知する。一方、2ラウンド大当り(突確当り)となるときには可変表示装置9においてこのような法則に従わない表示である突確図柄を導出表示する。そのため、突確図柄が導出表示した場合には、はずれとなったと遊技者に思い込ませることができ、興趣を低下させた後に大当り遊技を実行し、その後、確変状態にするため、意外性のある演出で遊技の興趣を向上させることができる。
なお、可変表示装置9による表示演出を、キャラクタなどの識別情報により行うようにしてもよい。例えば、キャラクタにより表示演出を行う場合には、例えば野球選手を登場させてホームランを打った様子を表示することにより、大当りを示唆するようにすることなどが考えられる。
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
次に、リーチ態様(リーチ)について説明する。この実施の形態におけるリーチ態様とは、停止した飾り図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない飾り図柄については可変表示(変動)が行われていること、および全てまたは一部の飾り図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して可変表示している状態である。
例えば、可変表示装置9における左・中・右の可変表示部のうち左・右の表示部には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の可変表示部は未だ可変表示(変動)が行われている状態、および可変表示部の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して可変表示(変動)している状態(例えば、可変表示装置9における左・中・右の可変表示部の全てに可変表示(変動)が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で可変表示(変動)が行われている状態)がリーチ態様(リーチ)である。
また、リーチ態様(リーチ)の際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と可変表示装置9におけるリーチ態様(リーチ)とをリーチ演出という。また、リーチ態様(リーチ)の際にキャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、可変表示装置9の背景の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
図2は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御用マイクロコンピュータ60)53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、特定領域スイッチ24および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と、が搭載されている。
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、特定領域スイッチ24、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの各スイッチは、入賞検出手段でもある。なお、入賞検出手段は、複数の入賞口に別個に入賞したそれぞれの遊技球をまとめて検出するものであってもよい。また、ゲートスイッチ32aのような通過ゲートであっても、賞球の払い出しが行われるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(例えばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
基本回路53は、遊技制御用マイクロコンピュータ60と、I/Oポート部57とを含む。遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ゲーム制御(遊技制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、およびプログラムに従って制御動作を行うCPU56で実現される。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ60に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよい。このため、ROM54は外付けであってもよい。また、I/Oポート部57が遊技制御用マイクロコンピュータ60に内蔵されていてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ60はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ60が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ60がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ60の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ、状態データ等)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御用マイクロコンピュータ60の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
図示しない電源基板は、交流電源(AC24V)を整流、平滑した直流電源(DC30V、DC24V、DC12V、DC5V)を生成するための基板である。また、電源基板は、主基板31および払出制御基板37の各CPUに駆動電源が供給されていない間、主基板31および払出制御基板37のRAMの記憶内容をバックアップ(保持)記憶するために主基板31および払出制御基板37にバックアップ電源を供給するようになっている。なお、電源基板は、直流電源(例えば、DC30V)を監視し、当該直流電源が所定の電圧以下になったことを検出すると電源断信号を出力する。そして、電源基板から電源断信号が出力されることによって主基板31および払出制御基板37は、バックアップをするための処理を行なうようになっている。
なお、本例では、電源の供給が停止した状態(電源断)であるか否かを検出するための電源監視手段として直流電源(この例ではDC30V)を監視し、監視している直流電源が所定の電圧以下になったことを検出すると電源断信号を出力するものを例示したが、これに限らず、交流電流(AC24V)を直流に変換する途中における全波整流波形の有無を監視し、波形が所定期間検出できなかったときに電源断信号を出力するものでもよい。つまり、監視する対象は電圧に限らず、全波整流波形でも半波整流波形でもよく、パチンコ遊技機1への供給電力が低下していることを検出できるものであればよい。
また、本例では、主基板31および払出制御基板37における入力ポートから電源断信号を入力し、電源断信号が出力されていると判定されたときにバックアップするための処理を実行するものを例示したが、これに限らず、電源断信号をNMI端子へ入力し、ノンマスカブル割込処理にてバックアップするための処理を実行するものでもよい。また、電源断信号をNMI端子へ入力し、電源断信号の入力に応じて電断フラグをセットし、タイマ割込処理あるいはメイン処理にて電断フラグの状態を監視して、電断フラグがセットされていればバックアップするための処理を実行するようにしてもよい。
遊技球を打撃して発射させる打球発射装置は、発射モータ94が回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。発射モータ94を回転させるための電源信号は、電源基板(図示せず)に搭載されている電源からタッチセンサ基板90を介して発射モータ94に供給される。なお、球貸ユニット50から接続信号(VL信号)がインターフェイス基板66を介してタッチセンサ基板90に入力される。また、遊技者が打球操作ハンドル(操作ノブ)5に触れていることはタッチセンサ基板90に搭載されているタッチセンサで検出される。そして、タッチセンサからの検出信号と電源からの信号とがタッチセンサ基板90上の一のAND回路に入力され、当該一のAND回路の出力信号と球貸ユニット50からのVL信号とがタッチセンサ基板90上の他のAND回路に入力され、他のAND回路から発射モータ94に信号が出力される。従って、球貸ユニット50からのVL信号がタッチセンサ基板90に出力されていなかったり、遊技者が打球操作ハンドル5に触れていなかったりすることによりタッチセンサから検出信号が出力されていないときには、発射モータ94の駆動が停止される。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載される演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ101で構成される)が遊技制御用マイクロコンピュータ60からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
図3は、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていない。演出制御基板80は、図示しない演出制御用CPUおよびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ101を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
VDP109は、例えば可変表示装置9による画像表示を行うための表示制御機能及び高速描画機能を有し、演出制御用マイクロコンピュータ101からの描画指令に従った画像処理を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこに図示しないVRAM(VDP109による画像データの展開が行われるフレームバッファメモリ)をマッピングしている。例えばVDP109は、画像表示を行うために使用される各種の画像データ(例えば、可変表示装置9にて表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等)が記憶されるCGROM(図示せず)から読み出した画像データをVRAMの所定領域に展開する。そして、可変表示装置9に対してR(赤)、G(緑)、B(青)信号及び同期信号などからなる映像信号を出力する。一例として、R、G、B信号はそれぞれ8ビットで表され、可変表示装置9はVDP109からの指示に従ってR、G、Bのそれぞれを256階調、これらを合成して約1670万色の多色表示を行うことができる。なお、R、G、B信号のビット数は8ビット以外のビット数であってもよく、また、R、G、B信号の各ビット数が互いに異なる数であってもよい。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、主基板31から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか信号を通過させない(演出制御基板80の内部から主基板31への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。なお、主基板31からの演出制御コマンドおよび演出制御INT信号を、中継基板を介して演出制御基板80に入力させるようにしてもよく、この場合には、主基板31から入力された信号を中継基板から演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段として単方向性回路を搭載してもよい。単方向性回路としては、例えば、ダイオードやトランジスタが使用される。また、単方向性回路は各信号毎に設けられる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ101は、出力ドライバ104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101に入出力するバス(アドレスバス、データバス、および書込/読出信号等の制御信号ラインを含む)はバスドライバ105を介してランプドライバ基板35まで延長されている。
ランプドライバ基板35において、演出制御用マイクロコンピュータ101から入力するバスは、バスレシーバ351を介して出力ポート352に接続される。出力ポート352から出力される各ランプを駆動する信号は、ランプドライバ354で増幅され天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給される。また、出力ポート352から出力される各LEDを駆動する信号は、LED駆動回路355で増幅され賞球LED51、球切れLED52、ボタン内蔵LED120aなどの枠側に設けられている各LEDに供給される。なお、ボタン内蔵LED120aは操作ボタン120に内蔵されるLEDである。また、ボタン内蔵LED120aは、操作ボタン120の操作が有効となる場合に点灯させるようにしてもよいし、常時点灯させてもよい。このボタン内蔵LED120aは、複数種類の発光色で点灯可能なLEDでもよいし、単色で点灯可能なLEDであってもよい。また、ボタン内蔵LEDを複数種類の発光色で点灯可能なLEDで構成した場合に、操作ボタン120の操作が有効であるときに操作ボタン120の操作が有効でないときとは異なる発光色で点灯させるようにしてもよい。
この実施の形態では、枠側に設けられているランプ・LEDは、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ101を含む演出制御手段によって制御される。また、可変表示装置9およびランプ・LED等を制御するためのデータがROMに格納されている。演出制御用マイクロコンピュータ101は、ROMに格納されているデータにもとづいて可変表示装置9およびランプ・LED等を制御する。そして、ランプドライバ基板35に搭載されている出力ポート352および各ドライバまたは駆動回路を介して、ランプ・LEDが駆動される。
なお、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70は独立した基板であるが、それらは、例えば、遊技機裏面において、1つのボックスに収容された状態で設置される。
音声出力基板70において、演出制御基板80からの音番号データは、入力ドライバ702を介して、例えばデジタルシグナルプロセッサによる音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた信号(音声や効果音等を表す信号)を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
なお、この実施の形態では、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用マイクロコンピュータ101からランプドライバ基板35および音声出力基板70に向かう方向の単方向通信によって出力されるが、演出制御用マイクロコンピュータ101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達されるようにしてもよい。
次に遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ60:CPU56およびROM54,RAM55等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ60が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(図示せず)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにRAM55のバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータ60は通常の初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される通常の初期化処理を実行する。
この実施の形態では、電源基板から電源断信号が出力されたことにもとづいてクリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象となるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムとする。そしてバックアップRAM領域に格納するとともに、バックアップフラグ領域に「55H」を設定する。
なお、本例では、電源基板から電源断信号が出力されたことにもとづいてバックアップするための処理としてチェックサムデータの作成やバックアップフラグをセットし、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときにこれらを確認するものを例示したが、これに限らずバックアップするための処理にて出力ポートをクリアする処理や、電源状態が復帰したか否かを監視する処理(瞬停時に復帰させる処理)を実行してもよい。また、その処理の順番は本件実施の形態に限定されるものではない。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、サブ基板(この実施の形態では払出制御基板37および演出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される飾り図柄の初期図柄を示すコマンド(演出制御基板80に対して)や賞球LED51および球切れLED52の消灯を指示するコマンド等がある。
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ60に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、特別図柄表示器8の表示内容(例えば、変動パターン、リーチするか否か等)を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17やステップS18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値や初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17およびステップS18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図5に示すステップS21〜S32の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、特定領域スイッチ24、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS22)。遊技制御用マイクロコンピュータ60は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理、表示用乱数更新処理:ステップS23,S24)。
ここで、上述した判定用乱数、表示用乱数、および初期値用乱数について説明する。図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当り遊技状態の実行中に確変大当りか否かを報知する演出を実行するか否か判定する(大当り中演出判定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否か(本例では、可変表示装置9の飾り図柄をリーチさせるか否か)を決定する(リーチ判定用)
(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
(9)ランダム9:大当り遊技状態を終了するときに確変大当りか否かを報知する演出を実行するか否か判定する(終了時演出判定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS22では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、(7)のランダム1初期値決定用乱数および(8)のランダム6初期値決定用乱数が初期値決定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(9)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。
この実施の形態では、15ラウンド大当り(非確変大当り、確変大当り)とする旨の判定がなされたときには、大当り遊技状態の実行中(具体的には、大当り遊技状態のラウンド実行中)に確変大当りか否かを報知する演出(大当り中演出)を実行するか否か判定するとともに、大当り遊技状態を終了するとき(具体的には、大当り遊技状態の全てのラウンドが終了してから特別図柄表示器8にて特別図柄の可変表示が開始されるまでの間)に確変大当りか否かを報知する演出(終了時演出)を実行するか否か判定する。すなわち、15ラウンド大当りとする旨の判定がなされたときに、ランダム2を用いて大当り遊技状態の実行中に確変大当りか否かを報知する演出を実行するか否か判定するとともに、ランダム9を用いて大当り遊技状態を終了するときに確変大当りか否かを報知する演出を実行するか否か判定する。
遊技制御用マイクロコンピュータ60は、判定用乱数更新処理、初期値用乱数更新処理、および表示用乱数更新処理が終了すると、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。また、特別図柄プロセス処理では、演出制御基板80に対するコマンド(演出制御コマンド)の設定処理も実行する。特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器10の表示制御および可変入賞球装置15の開閉制御に関わる処理が実行される。普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、可変表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS27)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータ(情報出力信号)を、情報出力回路64を介して出力する情報出力処理を行う(ステップS28)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS29)。具体的には、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、パチンコ遊技機1の制御状態をパチンコ遊技機1外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS30)。さらに、所定の条件が成立したとき(例えば、特別図柄プロセス処理にて特別可変入賞装置の開放または閉成が指示されたとき、および、普通図柄プロセス処理にて可変入賞球装置15の開放または閉成が指示されたとき)にソレノイド回路59に駆動指令を行う(ソレノイド出力処理:ステップS31)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態とするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21を駆動する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、確変状態や時短状態などの遊技状態を報知するための遊技状態表示制御データを遊技状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯制御処理を行う(ステップS32)。なお、ここで出力バッファに設定された表示制御データに応じて駆動信号が出力され、遊技状態を報知するための遊技状態報知ランプ25の表示制御が行われることにより、確変状態である旨の表示や時短状態である旨の表示などが実行される。
その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS33)、割込許可状態に設定する(ステップS34)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ60が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図7に示す特別図柄プロセス処理は、図5のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8を制御するための処理が実行される。
遊技制御用マイクロコンピュータ60は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
始動口スイッチ通過処理(ステップS312)では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認し、始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やす(具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を1加算する)とともに大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し、それらを始動入賞記憶数(始動記憶数)の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。始動口スイッチ通過処理では、図6に示された乱数のうち、ランダム1〜ランダム5およびランダム9が抽出される。なお、始動口スイッチ通過処理では、少なくともパチンコ遊技機1の遊技状態(例えば、大当り遊技状態、確変状態、時短状態、等)を決定する際に使用される乱数を抽出するようにすればよく、少なくとも図6に示す各乱数のうちランダム1およびランダム3を抽出する構成であればよい。この場合には、特別図柄および飾り図柄の可変表示に関わる乱数のうちランダム1およびランダム3以外の乱数(この例では、ランダム4、ランダム5、およびランダム9)は、当該乱数にもとづく判定処理または決定処理を実行するときに抽出するようにしてもよい。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、特別図柄についての始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果を大当りとするか否か(15ラウンド大当りとするか否か、および2ラウンド大当りとするか否か)決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):ランダム3の値に応じて特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
変動パターン設定処理(ステップS302):ランダム4の値に応じて変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定し、決定した変動パターンを示す演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を演出制御基板80に送信する。また、決定した特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
特別図柄変動処理(ステップS303):特別図柄の可変表示を行う。また、特別図柄の可変表示を開始してからの経過時間を計測し、特別図柄の変動時間が経過すると(具体的には、後述する特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすると)、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):演出制御基板80に対して、飾り図柄の停止を指示するための図柄停止コマンドを送信する。また、特別図柄表示器8における特別図柄を停止させる。そして、特別図柄の停止図柄が非確変図柄である場合および特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合には、15ラウンド大当りを開始する旨を指示する大当り開始1指定コマンドを送信し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。特別図柄の停止図柄が突確図柄である場合には、2ラウンド大当りを開始する旨を指示する大当り開始2指定コマンドを送信し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に移行するように更新する。特別図柄の停止図柄がはずれ図柄である場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。なお、図柄停止コマンドを送信しない構成としてもよい。この場合、演出制御基板80は、主基板31からの変動パターンコマンドにもとづいて変動時間タイマに変動時間を設定するとともに、その変動時間タイマを更新していくことで飾り図柄の変動時間を独自に監視し、その変動時間が経過したと判定したときに飾り図柄を停止する処理を行うようにすればよい。
15R大当り開放前処理(ステップS305):15ラウンド大当り(15R大当り)にて大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、大入賞口の開放を指示し、ソレノイド出力処理(ステップS31)でソレノイド21に駆動信号を出力させて大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって15R大当り開放中処理の実行時間(15R大当りの1回のラウンドにて大入賞口を開放状態で維持することが可能な最大時間、この例では、29.5秒)を設定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
15R大当り開放中処理(ステップS306):15ラウンド大当り(15R大当り)にて大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新し、全てのラウンドを終えた場合には、大当り遊技状態を終了することを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ101に行わせるための制御を行って内部状態をステップS307に移行するように更新する。具体的には、15ラウンド大当りを終了する旨を通知する大当り終了指定コマンド(確変大当りフラグがセットされていれば大当り終了3指定コマンド(図21参照)を、確変大当りフラグがセットされていなければ大当り終了2指定コマンド(図21参照))を送信する。また、大当り遊技状態を終了するときに確変大当りか否かを報知する演出(終了時演出)を実行する場合には、その旨を示す大当り終了4指定コマンド(図21参照)を送信する。
15R大当り終了処理(ステップS307):15ラウンド大当りを終了する旨を通知する大当り終了指定コマンド(大当り終了2指定コマンドおよび大当り終了3指定コマンド)を送信してから所定期間経過後に内部状態をステップS300に移行するように更新する。また、確変大当りフラグがセットされていれば、遊技状態を確変状態に移行し、確変大当りフラグがセットされていなければ、遊技状態を時短状態に移行する。具体的には、確変大当りフラグがセットされていれば、当該確変大当りフラグをリセットして確変フラグおよび時短フラグをセットし、時短終了条件を監視するための時短回数カウンタに時短継続回数(この例では、100回)をセットする。確変大当りフラグがセットされていなければ、時短フラグをセットし、時短回数カウンタに時短継続回数をセットする。確変フラグがセットされると、通常状態および時短状態に比べて特別図柄の可変表示の結果を大当りとする確率が高くなる。また、時短フラグがセットされると、通常状態および時短状態に比べて特別図柄の可変表示の変動時間が短くなる。なお、大当り遊技状態を終了するときに確変大当りか否かを報知する演出(終了時演出)を実行する場合には、当該演出を実行しない場合に比べて15ラウンド大当りを終了する旨を通知する大当り終了指定コマンドを送信してから内部状態をステップS300に移行するまでの期間を長く設定してもよい。
2R大当り開放前処理(ステップS308):2ラウンド大当り(2R大当り)にて大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、大入賞口の開放を指示し、ソレノイド出力処理(ステップS31)でソレノイド21に駆動信号を出力させて大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって2R大当り開放中処理の実行時間(2R大当りの1回のラウンドにて大入賞口を開放状態で維持することが可能な最大時間、この例では、0.8秒)を設定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に移行するように更新する。
2R大当り開放中処理(ステップS309):2ラウンド大当り(2R大当り)にて大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新し、全てのラウンドを終えた場合には、2ラウンド大当りを終了し、内部状態をステップS310に移行するように更新する。具体的には、2ラウンド大当りを終了する旨を通知する大当り終了指定コマンド(大当り終了5指定コマンド(図21参照))を送信する。
2R大当り終了処理(ステップS310):2ラウンド大当りを終了する旨を通知する大当り終了指定コマンド(大当り終了5指定コマンド)を送信してから所定期間経過後に内部状態をステップS300に移行するように更新する。また、遊技状態を確変状態に移行する。具体的には、確変大当りフラグがセットされていれば、当該確変大当りフラグをリセットして確変フラグおよび時短フラグをセットし、時短終了条件の成立を監視するための時短回数カウンタに時短継続回数(この例では、100回)をセットする。
図8は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図8において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示時間)を示す。なお、図8に示す変動パターンは、特別図柄プロセスタイマが計測する特別図柄の総変動時間と、変動パターンコマンドのEXTデータとして設定される制御コードと、が対応付けられている。特別図柄プロセスタイマは、特別図柄表示器8にて特別図柄の可変表示を開始してからの経過時間(変動時間)を計測するタイマである。
この例では、特別図柄の各変動パターンは、はずれとするか否か、15ラウンド大当りとするか否か、2ラウンド大当りとするか否か、リーチとするか否か、リーチとする場合のリーチ態様、短縮変動とするか否かなど、各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。なお、本例では、リーチ演出は、飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9を用いて行う。なお、15ラウンド大当りとなること、リーチとなることなどを予告する予告演出(大当りにならない場合およびリーチとならない場合にも実行されることがある;擬似予告演出)を行うか否かについて主基板31で決定するようにしてもよい。この場合、さらに、予告演出を行う場合の演出態様を主基板31で決定するようにしてもよい。
なお、「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」とは、リーチ態様を伴う変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。例えば、「ノーマル」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。
また、「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。さらに、「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」では、15ラウンド大当りになる場合と15ラウンド大当りにならない場合とがあり、15ラウンド大当りになる場合には、当該可変表示にて再抽選演出を実行する場合と再抽選演出を実行しない場合とがある。
ここで、「再抽選演出」とは、非確変図柄で15ラウンド大当り(非確変大当り)になることを遊技者に報知した後に所定の表示演出を実行して確変図柄で15ラウンド大当り(確変大当り)または非確変図柄で15ラウンド大当り(非確変大当り)になることを報知する演出であり、例えば、可変表示装置9に大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)が導出表示されることが事前に決定されている場合において、可変表示装置9において左中右の飾り図柄を同一の非確変図柄(非確変図柄が一般的であるが、はずれ図柄であってもよい)が揃った状態で仮停止表示し、その揃った状態の非確変図柄を再び可変表示させてから大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)を導出表示する演出等をいう。この結果、確変図柄が導出表示されたときには、可変表示装置9やスピーカ27などを用いて、非確変大当りから確変大当りに昇格した旨の報知演出(例えば、可変表示装置9に「やったね」と表示する、「やったね」とスピーカ27から出力する等)が実行される一方で、非確変図柄が導出表示されたときには、非確変大当りから確変大当りに昇格しなかった旨の報知演出(例えば、可変表示装置9に「残念」と表示する、スピーカ27から「やったね」と出力する等)が実行される。なお、この実施の形態では、再抽選演出を行う際、仮停止表示された非確変図柄を再度可変表示させてから、非確変図柄または確変図柄を導出表示するものとしたが、仮停止表示された非確変図柄を可変表示させることなく、例えば所定のアニメ画像を伴った演出表示などを行った後に、非確変図柄または確変図柄に変更させるようにしてもよい。
また、「短縮変動」は、識別情報の変動時間が極めて短い変動パターンである。なお、図8に示す変動パターン以外にも、リーチ態様や表示結果(確変大当り、非確変大当り、突確当り)などの様々な組み合わせの変動パターンを備えるようにしてもよい。
図9は、本例で用いられる変動パターンテーブル(HT)の例を示す説明図である。図9には、遊技状態が通常状態であるときに使用される変動パターンテーブル(通常状態用HT(通常状態用変動パターンテーブル);通常状態用はずれ時変動パターンテーブル(TH)と通常状態用リーチ時変動パターンテーブル(TR)と通常状態用大当り時変動パターンテーブル(TA))と、遊技状態が確変状態であるときに使用される変動パターンテーブル(確変状態用HT(確変状態用変動パターンテーブル);確変状態用はずれ時変動パターンテーブル(KH)と確変状態用リーチ時変動パターンテーブル(KR)と確変状態用大当り時変動パターンテーブル(KA))と、遊技状態が時短状態であるときに使用される変動パターンテーブル(時短状態用HT(時短状態用変動パターンテーブル);時短状態用はずれ時変動パターンテーブル(JH)と時短状態用リーチ時変動パターンテーブル(JR)と時短状態用大当り時変動パターンテーブル(JA))とが示されている。
通常状態用変動パターンテーブルとして、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるときに使用される通常状態用はずれ時変動パターンテーブル(TH)と、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるがリーチ態様が出現するときに使用される通常状態用リーチ時変動パターンテーブル(TR)と、特別図柄の可変表示結果が大当りとなるときに使用される通常状態用大当り時変動パターンテーブル(TA)と、の3種類があらかじめ用意されている。
また、確変状態用変動パターンテーブルとして、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるときに使用される確変状態用はずれ時変動パターンテーブル(KH)と、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるがリーチ態様が出現するときに使用される確変状態用リーチ時変動パターンテーブル(KR)と、特別図柄の可変表示結果が大当りとなるときに使用される確変状態用大当り時変動パターンテーブル(KA)と、の3種類があらかじめ用意されている。
さらに、時短状態用変動パターンテーブルとして、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるときに使用される時短状態用はずれ時変動パターンテーブル(JH)と、特別図柄の可変表示結果がはずれとなるがリーチ態様が出現するときに使用される時短状態用リーチ時変動パターンテーブル(JR)と、特別図柄の可変表示結果が大当りとなるときに使用される時短状態用大当り時変動パターンテーブル(JA)と、の3種類があらかじめ用意されている。
各変動パターンテーブルでは、それぞれ、図8に示されている変動パターン番号とランダム4の抽出値と比較される比較値とが対応付けされている。図9に示す各変動パターンテーブルは、変動パターンの選択確率を示すものである。例えば、通常状態用はずれ時変動パターンテーブルでは、変動パターン1に150個全ての比較値が設定されており、変動パターン1が150/150(すなわち100%)の確率で選択される。また、例えば、通常状態用リーチ時変動パターンテーブルでは、変動パターン3に30個の比較値が割り振られており、変動パターン3が30/150の確率で選択される。
また、各変動パターンテーブルに割り振られた比較値の合計は150(ランダム4の更新範囲)になる。また、図9に示す比較値の割り振り状態は一例であり、他の状態に割り振るようにしてもよい。各変動パターンテーブルは、主基板31におけるROM54に格納されているものとする。すなわち、12種類の変動パターンテーブルが設けられ、ROM54に格納されている。
変動パターンを決定する際には、遊技状態および各種判定結果(大当りとするか否か、リーチするか否か等)に応じた変動パターンテーブルが用いられ、ランダム4の抽出値と同一の値の比較値に対応付けされている変動パターン番号が選択され、選択された変動パターン番号の変動パターンに決定される。なお、通常状態用変動パターンテーブルを用いて決定された変動パターン(通常状態変動パターン)であるか、確変状態用変動パターンテーブルを用いて決定された変動パターン(確変状態変動パターン)であるか、時短状態用変動パターンテーブルを用いて決定された変動パターン(時短状態変動パターン)であるかについては、2バイト構成の演出制御コマンドにおける1バイト目のMODEデータによって区別されるようにしてもよい。この場合、演出制御基板80側では、演出制御コマンドの1バイト目のMODEデータによって、受信した演出制御コマンドが通常状態変動パターンを示す変動パターンコマンドであるか、確変状態変動パターンを示す変動パターンコマンドであるか、時短状態変動パターンを示す変動パターンコマンドであるかが認識可能となり、遊技機の制御状態が移行したことを変動パターンコマンドにより認識することが可能となる。
なお、通常状態用はずれ時変動パターンテーブル(TH)に比較値を振り分けることなく、始動入賞記憶数に応じて通常の変動時間(例えば、10秒)の変動パターンまたは通常の変動時間よりも短縮された短縮変動時間(例えば、3秒)の変動パターンのいずれか一方を選択するようにしてもよい。
ここで、リーチ時変動パターンテーブル(TR,JR,KR)と、大当り時変動パターンテーブル(TA,JA,KA)と、を比べると、各変動パターン(リーチの種類)に対するランダム4の値の割当てが異なっている。すなわち、飾り図柄の可変表示における表示結果がリーチ態様を伴うはずれとなるか、大当りとなるかに応じて、選択されるリーチ種類の割合が異なるものとなっている。これにより、表示結果が大当りとなる確率は、飾り図柄の可変表示中に出現するリーチの種類に応じて異なるものとなる。このように、リーチの種類毎に決められる表示結果が大当りとなる確率は、リーチの大当り期待度、あるいは単に、リーチの期待度とも称される。
また、上述したように確変状態では、時短状態における制御が実行されるが、特別図柄表示器8にて特別図柄の可変表示を所定回数(この例では、100回)実行したときに時短終了条件が成立し、時短状態における制御を終了する。確変状態にて時短終了条件が成立すると、確変状態における制御のみ実行され、時短状態における制御が実行されない。具体的には、通常状態に比べて大当りとなる確率が高められるが、特別図柄の変動時間が短縮されない状態となる。確変状態用はずれ時変動パターンテーブル(KH)では、時短状態における制御が実行されている場合には、変動パターン番号2の「短縮変動」に全ての比較値が振り分けられ、通常の変動時間よりも短縮された短縮変動時間(この例では、3秒)が選択される。一方、時短状態における制御が実行されていない場合には、変動パターン1の「通常変動」に全ての比較値が振り分けられ、通常の変動時間(この例では、10秒)が選択される。
図10は、特別図柄通常処理(ステップS300)の例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS41)。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。始動入賞記憶数が「0」であると判定されたときには(ステップS41;Yes)処理を終了する。入賞待機処理を実行する(ステップS42)。入賞待機処理は、始動入賞記憶数が「0」である期間を計測し、所定期間(この例では、30秒)に亘って新たな始動入賞が発生しなかった場合、すなわち、特別図柄表示器8にて所定期間に亘って特別図柄の可変表示が実行されなかった場合に演出制御基板80に客待ちデモ演出の実行を指示するものである。
図11に示す入賞待機処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、まず、デモ指令フラグがセットされているか否か判定する(ステップS55)。デモ指令フラグは、演出制御基板80に客待ちデモ演出の実行を指示する客待ちデモ1指定コマンドを送信したことを示すフラグである。デモ指令フラグがセットされていれば、すなわち、客待ちデモ1指定コマンドを既に送信していれば、以降の処理を実行することなく終了する。一方、デモ指令フラグがセットされていなければ、すなわち、客待ちデモ1指定コマンドを送信していなければ、始動入賞記憶数が「0」である期間を計測するデモ判定タイマを1減算する(ステップS56)。そして、デモ判定タイマがタイムアウトすれば(ステップS57)、客待ちデモ1指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットするとともに(ステップS58)、デモ指令フラグをセットして(ステップS59)、処理を終了する。デモ判定タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS57)、始動入賞記憶数が「0」である期間が所定期間に達していないと判別し、以降の処理を実行することなく終了する。ステップS58でセットされた客待ちデモ1指定コマンドは、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS27)で演出制御基板80に送信される。
このように、この実施の形態では、特別図柄表示器8にて特別図柄の可変表示が実行されない期間を計測し、所定期間に亘って特別図柄の可変表示が行われていない場合には、演出制御基板80に客待ちデモ演出の実行を指示する。なお、特別図柄の可変表示が実行されない期間を演出制御用マイクロコンピュータ101によって計測するようにしてもよい。この場合には、ステップS41で始動入賞記憶数が0であれば、客待ちデモ1指定コマンドを演出制御基板80に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ101が当該客待ちデモ指定コマンドを受信してからの期間を計測し、主基板31から変動パターンコマンドを受信したときに、当該計測期間をリセットするようにすればよい。
ステップS41で始動入賞記憶数が「0」でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、デモ指令フラグがセットされていれば、デモ指令フラグをリセットし(ステップS43)、デモ判定タイマをリセットする(ステップS44)。次いで、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数格納バッファに格納する(ステップS45)。そして、始動入賞記憶数の値を1減らし、各保存領域の内容をシフトする(ステップS46)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各始動入賞記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、始動入賞記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS47)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS48)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当り(15ラウンド大当り、2ラウンド大当り)とすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS49;YES)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当りフラグをセットする(ステップS50)。大当りフラグは特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示の結果が大当りとなることを示すフラグである。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS51)。また、ステップS48では、制御状態が確変状態であるか否かを加味して、確変時の大当り確率または非確変時の大当り確率で判定を行う。すなわち、後述する確変フラグがセットされているか否かを確認し、確変フラグがセットされていれば(遊技状態が確変状態であれば)、確変フラグがセットされていない場合(遊技状態が非確変状態の場合)よりも大当りとする確率が高い確変状態時(高確率時)の大当り確率で判定を行い(具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている高確率大当り判定テーブルを用いて判定し)、確変フラグがセットされていなければ(遊技状態が通常状態若しくは時短状態であれば)、確変フラグがセットされている場合(遊技状態が確変状態の場合)よりも大当りとなる確率が低い非確変状態時(低確率時)の大当り確率で判定を行う(具体的には、大当り判定値の数が高確率大当り判定テーブルよりも少なく設定されている低確率大当り判定テーブルを用いて判定する)。
図12および図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)の例を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当りの有無の決定結果に応じて、特別図柄の停止図柄を決定する。具体的には、ステップS48にて大当りとすることに決定され、大当りフラグがセットされている場合には(ステップS60;Y)、乱数格納バッファに格納されている大当り図柄決定用乱数(ランダム3)の値に従って大当り図柄を決定する(ステップS63)。大当り図柄を決定することによって、確変大当り、非確変大当り、突確当りのいずれかに決定される。
なお、特別図柄停止図柄設定処理で決定する特別図柄の停止図柄は、可変表示装置9に表示する飾り図柄の停止図柄と必ずしも一致しない。すなわち、特別図柄の停止図柄を確変図柄に決定した場合であっても飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を停止表示し、大当り遊技状態を開始した後に確変大当りである旨を報知する場合がある。換言すると、確変大当りとする場合に、特別図柄表示器8に特別図柄の確変図柄を導出表示させるともに可変表示装置9に飾り図柄の確変図柄を導出表示させる第1の確変大当りと、特別図柄表示器8に特別図柄の確変図柄を導出表示させるとともに可変表示装置9に飾り図柄の非確変図柄を導出表示させ、大当り遊技状態を開始した後に確変大当りである旨を報知する第2の確変大当りと、のいずれかに制御することも可能である。
大当り図柄として突確図柄に決定したことにもとづいて突確当りにする場合には(ステップS64a)、突確当りフラグをセットし(ステップS64b)、突確当り指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS64c)。そして、ステップS69に移行する。突確当りフラグは、今回の特別図柄の可変表示の表示結果を突確図柄にすることを示すフラグであり、突確当り指定コマンドは、今回の特別図柄の可変表示の表示結果を突確図柄にすることを示す演出制御コマンドである。
大当り図柄として確変図柄に決定したことにもとづいて確変大当りにする場合には(ステップS65a;Y)、確変大当りフラグをセットする(ステップS65b)。確変大当りフラグは、今回の特別図柄の可変表示の表示結果を確変図柄にすることを示すフラグである。一方、大当り図柄として非確変図柄に決定したことにもとづいて非確変大当りにする場合には(ステップS65a;N)、確変大当りフラグをセットすることなくステップS66に移行する。
このように、この実施の形態では、決定した大当り図柄にもとづいて、確変大当り、非確変大当り、および突確当りのいずれかに決定するが、これに限られるものではない。例えば、大当りとするか否かの判定値として、確変大当りに対応する判定値と、非確変大当りに対応する判定値と、突確当りに対応する判定値と、をそれぞれ設け、特別図柄通常処理のステップS47で読み出した大当り判定用乱数がいずれの判定値と合致するかにより決定するようにしてもよい。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、演出判定モジュールを実行する(ステップS66)。演出判定モジュールでは、大当り遊技状態の実行中に確変大当りであるか否かを報知する演出を実行するか否か、および、大当り遊技状態を終了するときに確変大当りであるか否かを報知する演出を実行するか否かを決定する。遊技制御用マイクロコンピュータ60は、演出判定モジュールにて大当り遊技状態の実行中に確変大当りであるか否かを報知する演出を実行する決定がなされると、大当り中報知フラグをセットし、大当り遊技状態を終了するときに確変大当りであるか否かを報知する演出を実行する決定がなされると、終了時報知フラグをセットする。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当り中報知フラグおよび終了時報知フラグの双方ともにセットされていれば(ステップS67a)、確変大当りフラグがセットされているか否か、すなわち、確変大当りか否か確認する(ステップS67b)。確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS67b;Y)、確変大当り実行中・終了時指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS67c)、確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS67b;N)、非確変大当り実行中・終了時指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS67d)。そして、ステップS69に移行する。
なお、確変大当り実行中・終了時指定コマンドは、大当り遊技状態の実行中および大当り遊技状態を終了するときの双方にて確変大当りか否かを報知する演出を実行することを示すとともに、確変大当りとなることを示す演出制御コマンドであり、非確変大当り指定コマンドは、大当り遊技状態の実行中および大当り遊技状態を終了するときに確変大当りか否かを報知する演出を実行することを示すとともに、非確変大当りとなることを示す演出制御コマンドである。
大当り中報知フラグおよび終了時報知フラグの双方ともにセットされた状態ではない場合には(ステップS67a;N)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当り中報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS67e)。大当り中報知フラグがセットされている場合に(ステップS67e;Y)、確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS67f;Y)、確変大当り実行中指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS67g)、確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS67f;N)、非確変大当り実行中指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS67h)。そして、ステップS69に移行する。
なお、確変大当り実行中指定コマンドは、大当り遊技状態の実行中に確変大当りか否かを報知する演出を実行することを示すとともに、確変大当りとなることを示す演出制御コマンドであり、非確変大当り実行中指定コマンドは、大当り遊技状態の実行中に確変大当りか否かを報知する演出を実行することを示すとともに、非確変大当りとなることを示す演出制御コマンドである。
大当り中報知フラグがセットされていなければ(ステップS67e;N)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、終了時報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS68a)。終了時報知フラグがセットされている場合に(ステップS68a;Y)、確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS68b;Y)、確変大当り終了時指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS68c)、確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS68b;N)、非確変大当り終了時指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS68d)。そして、ステップS69に移行する。
なお、確変大当り終了時指定コマンドは、大当り遊技状態を終了するときに確変大当りか否かを報知する演出を実行することを示すとともに、確変大当りとなることを示す演出制御コマンドであり、非確変大当り実行中指定コマンドは、大当り遊技状態を終了するときに確変大当りか否かを報知する演出を実行することを示すとともに、非確変大当りとなることを示す演出制御コマンドである。
大当り中報知フラグおよび終了時報知フラグの双方ともにセットされていない場合に(ステップS68a;N)、確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS68e;Y)、確変大当り指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS68f)、確変大当りフラグがセットされて否ければ(ステップS68e;N)、非確変大当り指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS68g)。そして、ステップS69に移行する。
なお、確変大当り指定コマンドは、確変大当りとなることを可変表示の停止時に報知することを示す演出制御コマンドであり、非確変大当り指定コマンドは、非確変大当りとなることを可変表示の停止時に報知することを示す演出制御コマンドである。
また、ステップS48にてはずれとすることに決定され、大当りフラグがセットされていない場合には(ステップS60;N)、はずれ図柄として「−」に決定し(ステップS61)、はずれ指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS62)、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS69)。なお、この実施の形態では、ステップS48にてはずれとすることに決定されている場合には、ステップS61にて一のはずれ図柄に決定されるが、複数のはずれ図柄のうちいずれかに決定するようにしてもよい。例えば、はずれ図柄決定用乱数を用いて複数種類のはずれ図柄のうちいずれかに決定するようにしてもよい。
また、確変大当り実行中・終了時指定コマンド、非確変大当り実行中・終了時指定コマンド、確変大当り実行中指定コマンド、非確変大当り実行中指定コマンド、確変大当り終了時指定コマンド、非確変大当り終了時指定コマンド、確変大当り指定コマンド、非確変大当り指定コマンド、突確当り指定コマンド、およびはずれ指定コマンドは、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS27)で演出制御基板80に送信される。
ここで、大当り遊技状態の実行中に確変大当りであるか否かを報知する演出(大当り中演出)および大当り遊技状態を終了するときに確変大当りであるか否かを報知する演出(終了時演出)について説明する。
大当り中演出を実行するときには、可変表示装置9に飾り図柄の表示結果として非確変図柄を導出表示する。そして、大当り遊技状態のラウンドの実行中に所定の演出を実行して確変大当りであるか否かを報知する。具体的には、予め決められた特定の大当り中演出を実行して非確変大当りを確変大当りに昇格させる演出、または、特定の大当り中演出とは異なる大当り中演出を実行して非確変大当りを確変大当りに昇格させない演出を実行する。
終了時演出を実行するときには、可変表示装置9に飾り図柄の表示結果として非確変図柄を導出表示する。そして、大当り遊技状態を終了するときに所定の演出を実行して確変大当りであるか否かを報知する。具体的には、予め決められた特定の終了時演出を実行して非確変大当りを確変大当りに昇格させる演出、または、特定の終了時演出とは異なる終了時演出を実行して非確変大当りを確変大当りに昇格させない演出を実行する。
このように、大当り中演出および終了時演出を実行するときには、可変表示装置9に飾り図柄の表示結果として確変図柄を導出表示しない。すなわち、飾り図柄の表示結果として確変図柄を導出表示することにより、大当り中演出および終了時演出に対する興趣が低下する虞がある。この例では、大当り中演出および終了時演出を実行するときに可変表示装置9に飾り図柄の表示結果として非確変図柄を導出表示することにより、大当り中演出および終了時演出に対する興趣を向上させることができる。
図14(A)は、大当り遊技状態の実行中に確変大当りであるか否かを報知する演出を実行するか否かの判定に用いられる大当り中演出判定テーブルであり、図14(B)は、大当り遊技状態を終了するときに確変大当りであるか否かを報知する演出を実行するか否かの判定に用いられる終了時演出判定テーブルである。
大当り中演出判定テーブルは、今回の可変表示の結果が確変大当りとなる場合に使用されるテーブルと、今回の可変表示の結果が非確変大当りとなる場合に使用されるテーブルと、が設けられ、それぞれにランダム2と比較される判定値(大当り中判定値)が振り分けられている。終了時演出判定テーブルは、今回の可変表示の結果が確変大当りとなる場合に使用されるテーブルと、今回の可変表示の結果が非確変大当りとなる場合に使用されるテーブルと、が設けられ、それぞれにランダム9と比較される判定値(終了時判定値)が振り分けられている。
また、大当り中演出判定テーブルおよび終了時演出判定テーブル各々にて、今回の可変表示の結果が確変大当りとなる場合に使用されるテーブルには、今回の可変表示の結果が非確変大当りとなる場合に使用されるテーブルよりも多くの比較値が振り分けられ、大当り中演出および終了時演出が実行されたときには、非確変大当りを確変大当りに昇格させる演出が実行される割合(昇格期待度)を高めている。換言すると、確変大当りとなる場合には、大当り中演出と終了時演出との両方が高い割合で実行される一方、非確変大当りとなる場合には、大当り中演出と終了時演出との両方が実行される割合が低い。具体的には、大当り中演出を実行せずに終了時演出を実行する場合(一方のみが実行される場合)には、大当り中演出と終了時演出を実行する場合(両方が実行される場合)に比べて昇格期待度が低い。このように、昇格期待度が高い場合により多くの演出が実行されるため、多くの演出が実行されて非確変大当りから確変大当りに昇格しない場合に比べて大当り中演出および終了時演出に対する期待感を高めることができ、興趣が向上する。
図15は、演出判定モジュール(ステップS66)の例を示すフローチャートである。演出判定モジュールにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当り遊技状態の実行中に確変大当りであるか否かを報知する演出を実行するか否か、および、大当り遊技状態を終了するときに確変大当りであるか否かを報知する演出を実行するか否かを決定する。具体的には、確変大当りフラグがセットされている場合には(ステップS151;Y)、図14(A)に示す大当り中演出判定テーブルの確変大当り時を使用するテーブルに設定し(ステップS152)、確変大当りフラグがセットされていない場合には(ステップS151;N)、大当り中演出判定テーブルの非確変大当り時を使用するテーブルに設定する(ステップS153)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、乱数格納バッファに格納されている大当り中演出判定用乱数(ランダム2)を読み出し(ステップS154)、使用するテーブルに設定した大当り中演出判定テーブルに振り分けられる大当り中判定値と合致すれば(ステップS155;Y)、大当り中報知フラグをセットする(ステップS156)。使用するテーブルに設定した大当り中演出判定テーブルに振り分けられる大当り中判定値と合致しなければ(ステップS155;N)、大当り中報知フラグをセットすることなくステップS157に移行する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、確変大当りフラグがセットされている場合には(ステップS157;Y)、図14(B)に示す終了時演出判定テーブルの確変大当り時を使用するテーブルに設定し(ステップS158)、確変大当りフラグがセットされていない場合には(ステップS157;N)、終了時演出判定テーブルの非確変大当り時を使用するテーブルに設定する(ステップS159)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、乱数格納バッファに格納されている終了時演出判定用乱数(ランダム9)を読み出し(ステップS160)、使用するテーブルに設定した終了時演出判定テーブルに振り分けられる終了時判定値と合致すれば(ステップS161;Y)、終了時報知フラグをセットする(ステップS162)。使用するテーブルに設定した終了時演出判定テーブルに振り分けられる終了時判定値と合致しなければ(ステップS161;N)、終了時報知フラグをセットすることなく処理を終了する。
このように、この例では、大当り遊技状態の実行中に確変大当りであるか否かを報知する演出(大当り中演出)を実行するか否かの判定と、大当り遊技状態を終了するときに確変大当りであるか否かを報知する演出(終了時演出)を実行するか否かの判定と、を別々に行う。換言すると、終了時演出を実行するか否かに関わらず大当り中演出を実行するか否かの判定を行うとともに、大当り中演出を実行するか否かに関わらず終了時演出を実行するか否かの判定を行う。そのため、今回の可変表示を開始するときに大当り中演出および終了時演出の両方を実行する旨の判定がなされる場合がある。この場合に、大当り中演出を実行して非確変大当りから確変大当りに昇格させる演出が実行されてしまうと、終了時演出に対する興趣が低下する虞がある。この例では、大当り中演出および終了時演出の両方を実行する判定がなされたときに、演出制御用マイクロコンピュータ101によって大当り中演出を実行するときに非確変大当りを確変大当りに昇格させないため、終了時演出に対する興趣を向上させることができる。
図16は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS302)の例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当りの有無の決定結果等に応じて、図8に示した変動パターンのいずれに決定する。具体的には、ステップS48にて大当りとすることに決定され、大当りフラグがセットされている場合には(ステップS70;Y)、突確当りフラグがセットされているか否か確認することにより突確当りとすることに決定されているか否かを判定する(ステップS76)。そして、突確当りフラグがセットされていなければ(ステップS76;N)、遊技状態に応じた大当り時変動パターンテーブル(通常状態用大当り時変動パターンテーブル(TA)、確変状態用大当り時変動パターンテーブル(KA)、時短状態用大当り時変動パターンテーブル(JA))を選択し(ステップS77)、突確当りフラグがセットされていれば(ステップS76;Y)、突確当り変動パターン(この例では、変動パターン番号15の「突確当り」)に決定する(ステップS78)。
ステップS48にて大当りとしないことに決定され、大当りフラグがセットされていない場合には(ステップS70;N)、乱数格納バッファからリーチ判定用乱数を読み出してリーチ判定モジュールを実行する(ステップS71)。リーチ判定モジュールは、リーチ判定用乱数があらかじめ決められているリーチ判定値と合致したことにもとづいて今回の可変表示にてリーチすることに決定するプログラムである。リーチしないことに決定した場合には(ステップS72;N)、遊技状態に応じたはずれ時変動パターンテーブル(通常状態用はずれ時変動パターンテーブル(TH)、確変状態用はずれ時変動パターンテーブル(KH)、時短状態用はずれ時変動パターンテーブル(JH))を選択し(ステップS73)、リーチすることに決定した場合には(ステップS72;Y)、遊技状態に応じたリーチ時変動パターンテーブル(通常状態用リーチ時変動パターンテーブル(TR)、確変状態用リーチ時変動パターンテーブル(KR)、時短状態用リーチ時変動パターンテーブル(JR))を選択する(ステップS74)。
次いで、選択した変動パターンテーブルと、乱数格納バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム4)とにもとづいて、図8に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップS75)。本例では、変動パターンを決定することによって、特別図柄の変動時間が決定される。なお、変動時間を決定した後、決定した変動時間に応じて異なる表示態様を示す複数種類の変動パターンのうちいずれかを選択するようにしてもよい。この場合には、変動時間に対して複数の制御コードを対応付けるようにすればよい。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、決定した変動パターンを指定する変動パターンコマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS81)、決定した変動パターンに応じた特別図柄の変動時間を示す変動時間データを特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS82)、特別図柄変動開始指定値をセットして特別図柄表示器8での特別図柄の可変表示を開始する(ステップS83)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS84)。
コマンドセット処理を実行することによって演出制御コマンドが演出制御基板80に送信される。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ101に送信されうる各演出制御コマンドはROM54のコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドデータを、演出制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す演出制御INT信号を出力する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、時短フラグがセットされていたら(ステップS85;Y)、時短回数カウンタを1減算する(ステップS86)。そして、時短回数カウンタが0であれば(ステップS87;Y)、時短フラグをリセットし(ステップS88)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値に更新する(ステップS89)。時短フラグがセットされていない場合(ステップS85;N)、および時短回数カウンタが0でない場合(ステップS87;N)には、ステップS89に移行する。
上述したように、時短フラグは、時短状態における制御を実行していることを示すフラグであり、時短回数カウンタは、時短終了条件の成立を監視するためのカウンタである。この例では、大当り遊技状態を終了するときに時短回数カウンタに100がセットされ、ステップS87で0になったときに時短フラグをリセットすることにより時短状態における制御を終了する。
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)の例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、図柄停止コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS91)。図柄停止コマンドは、可変表示装置9の飾り図柄の可変表示を停止して表示結果を導出表示させることを指示する演出制御コマンドであり、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS27)で演出制御基板80に送信される。また、特別図柄変動停止指定値をセットして特別図柄表示器8での特別図柄の可変表示を停止して表示結果を導出表示する(ステップS92)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大当りフラグがセットされているか否か判定する(ステップS93)。
大当りフラグがセットされていなければ(ステップS93;N)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値に更新し(ステップS101)、処理を終了する。一方、大当りフラグがセットされていれば(ステップS93;Y)、突確当りフラグがセットされているか否か判定する(ステップS94)。突確当りフラグがセットされていれば(ステップS94;Y)、大当り開始2指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS95)、開放回数カウンタに「2」をセットした後(ステップS96)、特別図柄プロセスフラグの値を2R大当り開放前処理に対応した値に更新して(ステップS97)、処理を終了する。開放回数カウンタは、大当り遊技状態のラウンド継続回数を示すカウンタであり、大当り開始2指定コマンドは、2ラウンド大当りを開始することを示す演出制御コマンドであり、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS27)で演出制御基板80に送信される。
突確当りフラグがセットされていなければ(ステップS94;N)、大当り開始1指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS98)、開放回数カウンタに「15」をセットした後(ステップS99)、特別図柄プロセスフラグの値を15R大当り開放前処理に対応した値に更新して(ステップS100)、処理を終了する。大当り開始1指定コマンドは、15ラウンド大当りを開始することを示す演出制御コマンドであり、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS27)で演出制御基板80に送信される。
開放回数カウンタに「2」をセットして、特別図柄プロセスフラグの値を2R大当り開放前処理に対応した値に更新することにより、2ラウンド大当りが開始され、開放回数カウンタに「15」をセットして、特別図柄プロセスフラグの値を15R大当り開放前処理に対応した値に更新することにより、15ラウンド大当りが開始される。
図18は、特別図柄プロセス処理における15R大当り開放前処理(ステップS305)の例を示すフローチャートである。15R大当り開放前処理は、15ラウンド大当りにおけるラウンドを開始するときに大入賞口を開放状態に制御するための設定を行う処理である。15ラウンド大当りでは、15R大当り開放前処理にて大入賞口を開放するための処理を行った後、15R大当り開放中処理にて大当り遊技状態におけるラウンド実行中の処理を行い、当該ラウンドを終了して所定のインターバル時間が経過したときに15ラウンド大当りにおける残りラウンドがある場合には、再び15R大当り開放前処理を実行して大入賞口を開放するための処理を行う。15ラウンド大当りにおける残りラウンドがない場合には、15R大当り終了処理を実行する。
15R大当り開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大入賞口の開放時間を計測する開放タイマに大入賞口の開放時間(大当り開放時間、この例では、29.5秒)をセットし(ステップS111)、大入賞口に入賞した遊技球の個数を計数する入賞検出カウンタに初期値(この例では、「0」)をセットする(ステップS112)。開放タイマは、開閉板20を開放状態で維持可能な最大時間を計測するためのタイマであり、入賞検出カウンタは、大入賞口に入賞した遊技球、換言すると、カウントスイッチ23によって検出した遊技球の個数を計数するカウンタである。また、上述したように、15ラウンド大当りでは、2ラウンド大当りに比べて開閉板20を開放状態で維持可能とする最大時間が長いため、15R大当り開放前処理で開放タイマにセットされる最大時間と、2R大当り開放前処理で開放タイマにセットされる最大時間と、は異なる。具体的には、15R大当り開放前処理では、開放タイマに29.5秒をセットし、2R大当り開放前処理では、開放タイマに0.8秒をセットする。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、15ラウンド大当りで実行されたラウンド数を計数する開放回数カウンタを1減算し(ステップS113)、開放中表示指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS114)。開放中表示指定コマンドは、15ラウンド大当りのラウンド実行中における表示制御の開始を指示する演出制御コマンドであり、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS27)で演出制御基板80に送信される。また、開放中表示指定コマンドは、15ラウンド大当りの各ラウンドに応じて用意され、ステップS114では、実行するラウンドに応じた開放中表示指定コマンドをセットする。例えば、2ラウンドを開始するときには、2ラウンドに応じた開放中表示指定コマンドをセットする。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大入賞口を開閉するソレノイド21に駆動信号を出力するための処理として大入賞口開放指定値をセットして開閉板20を開状態にし(ステップS115)、特別図柄プロセスフラグの値を15R大当り開放中処理に対応した値に更新する(ステップS116)。なお、大入賞口開放指定値をセットすることにより、ソレノイド出力処理にてソレノイド21に駆動信号が出力されて大入賞口が開放状態となる。
図19および図20は、特別図柄プロセス処理における15R大当り開放中処理(ステップS306)の例を示すフローチャートである。15R大当り開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、15ラウンド大当りのラウンドが終了してから次のラウンドを開始するまでのインターバル時間を計測するインターバルタイマがタイムアウトしているか判定する(ステップS120)。ステップS120でインターバルタイマがタイムアウトしている状態とは、インターバルタイマにインターバル時間がセットされていない状態、すなわち、15ラウンド大当りのラウンドの実行中であり、ステップS120でインターバルタイマがタイムアウトしていない状態とは、インターバルタイマにインターバル時間がセットされている状態、すなわち、ラウンド間のラウンドインターバル中である。インターバルタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS120;N)、インターバルタイマを1減算し(ステップS121)、インターバルタイマがタイムアウトしたら(ステップS122;Y)、特別図柄プロセスフラグの値を15R大当り開放前処理に対応した値に更新する(ステップS123)。インターバルタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS122;N)、特別図柄プロセスフラグの値を更新することなく処理を終了する。
ステップS120でインターバルタイマがタイムアウトしていれば(ステップS120;Y)、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大入賞口に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS124)。大入賞口に遊技球が入賞していなければ(ステップS124;N)、ステップS127に進む。一方、大入賞口に遊技球が入賞していれば(ステップS124;Y)、すなわちスイッチ処理にてカウントスイッチ23の検出信号が入力された旨の判定がなされていれば、大入賞口に入賞した遊技球の個数(カウントスイッチ23による遊技球の検出数)を入賞検出カウンタに加算し(ステップS125)、大入賞口に入賞した遊技球の個数を計数する入賞検出カウンタのカウント値が所定値(この例では、「10個」)に達していれば(ステップS126;Y)、ステップS129に進み、当該ラウンドを終了させるための処理を行う。
入賞検出カウンタのカウント値が所定値に達していなければ(ステップS126;N)、大入賞口を開放状態に制御してからの経過時間を計測する開放タイマを1減算し(ステップS127)、開放タイマがタイムアウトしていなければ(ステップ128;N)、当該ラウンドにおける大入賞口の開放時間が経過していないと判定して大入賞口の開放状態を継続させて処理を終了する。一方、開放タイマがタイムアウトしていれば(ステップS128;Y)、ステップS129に進み、当該ラウンドを終了させるための処理を行う。
遊技制御用マイクロコンピュータ60は、実行中のラウンドを終了させるための処理として、開放回数カウンタのカウント値が所定値(この例では、15回)でなければ(ステップS129;N)、残りラウンドがあるとして当該ラウンドを終了させるための処理を行う。具体的には、開放後表示指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS130)。開放後表示指定コマンドは、ラウンドインターバル中における表示制御の開始を指示するコマンドであり、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS27)で演出制御基板80に送信される。また、開放後表示指定コマンドは、15ラウンド大当りの各ラウンドインターバルに応じて用意され、ステップS130では、実行するラウンドインターバルに応じた開放後表示指定コマンドをセットする。例えば、2ラウンドを終了したときには、2ラウンドを終了してから3ラウンドを開始するまでのラウンドインターバルに応じた開放後表示指定コマンドをセットする。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大入賞口を開閉するソレノイド21に駆動信号を出力するための処理として大入賞口閉塞指定値をセットして開閉板20を開状態にする(ステップS131)。大入賞口閉塞指定値をセットすることにより、ソレノイド出力処理にてソレノイド21に駆動信号が出力されて大入賞口が閉塞状態となる。そして、インターバルタイマにインターバル時間をセットして処理を終了する(ステップS132)。ステップS132でインターバル時間をセットしてからステップS122でインターバル時間が経過したと判定されるまで特別図柄プロセスフラグの値を更新しないことによって、ラウンドを終了してから所定期間経過するまでは次のラウンドが開始されないように制御される。
開放回数カウンタのカウント値が所定値であれば(ステップS129;Y)、15ラウンド大当りの全てのラウンドを実行したとして15ラウンド大当りを終了させるための処理を行う。具体的には、終了時報知フラグがセットされていれば(ステップS133;Y)、
大当り終了4指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS134)、インターバルタイマに終了時演出時間をセットする(ステップS135)。大当り終了4指定コマンドは、終了時演出の開始を指示する演出制御コマンドであり、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS27)で演出制御基板80に送信される。一方、終了時報知フラグがセットされていなければ(ステップS133;N)、インターバルタイマに終了報知時間をセットする(ステップS136)。なお、終了時演出時間は、終了時演出の実行時間であり、終了報知時間は、15ラウンド大当りを終了する旨の報知の実行時間である。また、この例では、終了時演出時間は、終了報知時間よりも長い。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、確変大当りフラグがセットされていれば(ステップS137;Y)、大当り終了3指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS138)、確変大当りフラグがセットされていなければ(ステップS137;N)大当り終了2指定コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS139)。大当り終了3指定コマンドは、確変大当りを終了することを示す演出制御コマンドであり、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS27)で演出制御基板80に送信される。大当り終了2コマンドは、時短大当りを終了することを示す演出制御コマンドであり、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS27)で演出制御基板80に送信される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、大入賞口を開閉するソレノイド21に駆動信号を出力するための処理として大入賞口閉塞指定値をセットして開閉板20を閉状態にする(ステップS140)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を15R大当り終了処理に対応した値に更新する(ステップS141)。
ここで、遊技制御用マイクロコンピュータ60から演出制御用マイクロコンピュータ101に送信される演出制御コマンドについて説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ60から演出制御用マイクロコンピュータ101に対する演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、ストローブ信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。なお、主基板31から演出制御基板80とは異なる電気部品制御基板(例えば、払出制御基板37)への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
また、この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
そして、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ101から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ101が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。
図21は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図21に示す例において、1バイト目のMODEが「80」の演出制御コマンドは、特別図柄に対応して可変表示装置9にて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。変動パターンコマンドは、例えば、特別図柄表示器8にて特別図柄の可変表示が開始されてから表示結果を導出表示するまでの時間である変動時間や、飾り図柄の可変表示の態様としてリーチ態様を伴うはずれとするかリーチ態様を伴わないはずれとするか、15ラウンド大当りとするか、2ラウンド大当りとするか、さらには15ラウンド大当りとする場合に再抽選演出を実行するかなどを示すEXTデータを含んでいる。すなわち、変動パターンコマンドは、変動時間を示す演出制御コマンドのことであり、表示に使用する変動パターンを指定する変動パターンコマンドである。
1バイト目のMODEが「81」の演出制御コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ60による特別図柄表示器8における事前判定(15ラウンド大当りとするか否か、2ラウンド大当りとするか否か、および確変大当りとするか否か)の判定結果を示す判定結果コマンドである。
また、この例では、大当り遊技状態の実行中に確変大当りか否かを報知する演出の実行および大当り遊技状態を終了するときに確変大当りか否かを報知する演出の実行を判定結果コマンドにより指示する。例えば、コマンド8100(H)は、特別図柄表示器8にはずれ図柄を導出表示することを通知する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)であり、コマンド8101(H)は、特別図柄表示器8に非確変図柄を導出表示することを通知する演出制御コマンド(非確変大当り指定コマンド)であり、コマンド8102(H)は、特別図柄表示器8に確変図柄を導出表示することを通知する演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド)である。
また、コマンド8103(H)は、大当り遊技状態の実行中に確変大当りであるか否かを報知する大当り中演出の実行を指示するとともに、特別図柄表示器8に非確変図柄を導出表示することを通知する演出制御コマンド(非確変大当り実行中指定コマンド)であり、コマンド8104(H)は、大当り中演出の実行を指示するとともに、特別図柄表示器8に確変図柄を導出表示することを通知する演出制御コマンド(確変大当り実行中指定コマンド)である。
また、コマンド8105(H)は、大当り遊技状態を終了するときに確変大当りであるか否かを報知する終了時演出の実行を指示するとともに、特別図柄表示器8に非確変図柄を導出表示することを通知する演出制御コマンド(非確変大当り終了時指定コマンド)であり、コマンド8106は、終了時演出の実行を指示するとともに、特別図柄表示器8に確変図柄を導出表示することを通知する演出制御コマンド(確変大当り終了時指定コマンド)である。
また、コマンド8107(H)は、大当り中演出および終了時演出の実行を指示するとともに、特別図柄表示器8に非確変図柄を導出表示することを通知する演出制御コマンド(非確変大当り実行中・終了時指定コマンド)であり、コマンド8108は、大当り中演出および終了時演出の実行を指示するとともに、特別図柄表示器8に確変図柄を導出表示することを通知する演出制御コマンド(確変大当り実行中・終了時指定コマンド)である。また、コマンド8109(H)は、特別図柄表示器8に突確図柄を導出表示することを通知する演出制御コマンド(突確当り指定コマンド)である。
上述したように、演出制御用マイクロコンピュータ101は、大当り中演出および終了時演出を実行するときには、可変表示装置9に飾り図柄の表示結果として非確変図柄を導出表示する。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ101は、コマンド8103(H)〜コマンド8108(H)を受信したときに、可変表示装置9にて飾り図柄の可変表示の表示結果として確変図柄を導出表示する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、コマンド8103(H)を受信したときには、大当り遊技状態の実行中に非確変大当りを確変大当りに昇格させない旨を報知する大当り中演出を実行し、コマンド8104(H)を受信したときには、大当り遊技状態の実行中に非確変大当りを確変大当りに昇格させる旨を報知する大当り中演出を実行する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、コマンド8105(H)を受信したときには、大当り遊技状態を終了するときに非確変大当りを確変大当りに昇格させない旨を報知する終了時演出を実行し、コマンド8106(H)を受信したときには、大当り遊技状態を終了するときに非確変大当りを確変大当りに昇格させる旨を報知する終了時演出を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、コマンド8107(H)を受信したときには、大当り遊技状態の実行中に非確変大当りを確変大当りに昇格させない旨を報知する大当り中演出を実行するとともに、大当り遊技状態を終了するときに非確変大当りを確変大当りに昇格させない旨を報知する終了時演出を実行し、コマンド8108(H)を受信したときには、大当り遊技状態の実行中に非確変大当りを確変大当りに昇格させない旨を報知する大当り中演出を実行するとともに、大当り遊技状態を終了するときに非確変大当りを確変大当りに昇格させる旨を報知する終了時演出を実行する。
このように、この例では、演出制御用マイクロコンピュータ101は、判定結果コマンドによって、可変表示の表示結果がはずれであるか、非確変大当りであるか、確変大当りであるか、突確当りであるか、を特定することが可能となるとともに、大当り中演出を実行するか、終了時演出を実行するかを特定する。このように、この例では、判定結果コマンドによって大当り中演出を実行するか否かおよび終了時演出を実行するか否かを報知するため、演出制御コマンドのコマンド数を増加させることなく大当り中演出および終了時演出の実行を指示することが可能となる。
また、特別図柄表示器8の表示結果と大当り中演出および終了時演出を実行するか否かを1つの演出制御コマンドによって指示するため、特別図柄表示器8の表示結果を通知する演出制御コマンドと大当り中演出および/または終了時演出を実行するか否かを指示する演出制御コマンドとを別々に設けた場合に、大当り中演出および終了時演出を実行することを指示する演出制御コマンドの送信タイミングが遅れることにより可変表示装置9に確変図柄が導出表示された後、大当り中演出および終了時演出が実行されるという不具合を防止できる。
なお、大当り中演出を実行するか否かおよび/または終了時演出を実行するか否かを変動パターンコマンドによって指示するようにしてもよい。すなわち、判定結果コマンドは、変動パターンコマンドと対で演出制御用マイクロコンピュータ101に指示する演出制御コマンドであり、変動パターンコマンドによって大当り中演出および終了時演出の実行を指示した場合であっても、演出制御用マイクロコンピュータ101は、当該可変表示における特別図柄の停止図柄を把握することができない。そのため、可変表示装置9に確変図柄が導出表示された後、大当り中演出および終了時演出が実行されるという不具合を防止できる。
また、この例では、遊技制御用マイクロコンピュータ60は、所定のタイマ割込にて特別図柄停止図柄設定処理を実行して判定結果コマンドをセットし、飾り図柄コマンド制御処理にて演出制御基板80に送信する。そして、次にタイマ割込が発生したときに変動パターン設定処理を実行して変動パターンコマンドを演出制御基板80に送信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて可変表示装置9にて飾り図柄の可変表示を開始する。つまり、変動パターンコマンドおよび判定結果コマンドの一方にて大当り中演出および終了時演出を実行するか否かを指示することにより、大当り中演出および終了時演出を実行することを指示する演出制御コマンドの送信タイミングの遅れを防止でき、可変表示装置9に確変図柄が導出表示された後、大当り中演出および終了時演出が実行されるという不具合を生じない。
また、コマンド810A(H)は、特別図柄表示器8に小当り図柄を導出表示することを通知する演出制御コマンド(小当り指定コマンド)である。特別図柄表示器8に小当り図柄が導出表示されると、小当り遊技状態が発生する。小当り遊技状態は、大当り遊技状態よりも遊技価値が低い状態であって、遊技者に所定の利益を付与する状態である。小当り遊技状態では、小当りに対応した入賞口(例えば、可変入賞球装置15や小当り用大入賞口等)を所定期間に亘って開放状態にする制御を所定回数繰り返し実行する。なお、本実施形態では、小当り遊技状態を実行するか否かの判定を行わない。すなわち、小当り遊技状態に制御しない。そのため、本実施形態では、小当り指定コマンドを使用しないが、小当り遊技状態に制御可能な遊技機とした場合には、小当り遊技状態に制御するか否かを判定して、小当り遊技状態に制御する旨の判定がなされたときに、小当り指定コマンドを送信する。
コマンド8200(H)は、飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(図柄停止コマンド)である。コマンド9000(H)は、遊技機に電源が投入されたときに送信され、可変表示装置9の初期画面の表示を指示する演出制御コマンド(電源投入指定コマンド)である。コマンド9100(H)は、電源供給の停止からの復旧時に送信され、可変表示装置9の停電復旧画面の表示を指示する演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。
コマンド9200(H)は、遊技状態が通常状態であるときに、可変表示を開始するときに送信され、可変表示装置9に表示する背景画像(可変表示装置9に表示される飾り図柄とは異なる画像であって、飾り図柄の背面側に表示される画像)を通常時の背景画像とすることを指示する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンド9201(H)は、遊技状態が確変状態であるときに、可変表示を開始するときに送信され、可変表示装置9に表示する背景画像を確変状態時の背景画像とすることを指示する演出制御コマンド(高確率状態背景指定コマンド)である。コマンド9202(H)は、遊技状態が時短状態であるときに、可変表示を開始するときに送信され、可変表示装置9に表示する背景画像を時短状態時の背景画像とすることを指示する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。なお、この例では、確変状態にて時短状態の制御が実行される場合には、高確率状態背景指定コマンドが送信される。なお、確変状態にて使用される変動パターンコマンドのMODEデータと、時短状態にて使用される変動パターンコマンドのMODEデータと、通常状態にて使用される変動パターンコマンドのMODEデータと、をそれぞれ異ならせることにより、確変状態であるか、時短状態であるか、通常状態であるかを認識するようにしてもよく、この場合には、上記のコマンド9200(H)〜コマンド9202(H)を使用しないようにしてもよい。また、確変状態にて時短状態の制御が実行されていないときには、コマンド9203(H)を送信するようにしてもよい。
コマンド9300(H)は、特別図柄表示器8にて所定期間に亘って特別図柄の可変表示が実行されないときに送信され、客待ちデモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(客待ちデモ1指定コマンド)である。コマンド9301(H)は、エラー状態(例えば、遊技領域に設けられる入賞口に不正に遊技球を入賞させたことによるエラー)が発生したときに送信され、エラー状態報知の開始を指示する演出制御コマンド(客待ちデモ2指定コマンド)である。
1バイト目のMODEが「A0」〜「A5」の演出制御コマンドは、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。なお、XX(H)は不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。また、コマンドA600(H)は、小当り遊技状態の開始を指示する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。
具体的には、コマンドA300(H)は、大当り遊技状態を終了する旨の表示および大当り遊技状態の終了後に通常状態に制御する旨の表示を指示する演出制御コマンドであり、この例では、大当り遊技状態の終了後に時短状態または確変状態に制御するため使用しない。コマンドA301(H)は、大当り遊技状態を終了する旨の表示および大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御する旨の表示を指示する演出制御コマンドである。
また、コマンドA302(H)は、大当り遊技状態を終了する旨の表示および大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御する旨の表示を指示する演出制御コマンドであり、コマンドA304(H)は、終了時演出の実行を指示する演出制御コマンドである。また、コマンドA305は、突確当りを終了することを指示する演出制御コマンドである。
1バイト目のMODEが「C0」〜「C4」の演出制御コマンドは、始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンド(始動入賞記憶数指定コマンド)であり、始動入賞記憶数が変化したときに送信される。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、遊技制御用マイクロコンピュータ60から上述した演出制御コマンドを受信すると図21に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプ・LEDの表示状態を変更し、必要ならば音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図21に示された例以外の制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信されるようにしてもよい。例えば、賞球LED51や球切れLED52の表示状態、および大当り遊技、小当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信されるようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図22は、演出制御用マイクロコンピュータ101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して演出装置(この実施の形態では、可変表示装置9、ランプ・LED、スピーカ27等)の演出制御を実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101における演出等の判定に用いられる所定範囲の乱数を発生させる乱数カウンタを更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
ここで、主基板31からの演出制御コマンドの受信処理について説明する。この実施の形態では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、コマンド受信バッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。例えば、主基板31から演出制御コマンドを受信した場合にコマンド受信カウンタの値が「0」であれば、受信した演出制御コマンドの「MODE」データをコマンド受信バッファ1の領域に格納してコマンド受信カウンタの値を「1」に更新する。次いで、受信した演出制御コマンドの「EXT」データをコマンド受信バッファ2の領域に格納してコマンド受信カウンタの値を「2」に更新する。これにより、次に主基板31から演出制御コマンドを受信すると、コマンド受信バッファ3の領域から格納されるようになる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようにバッファ構成してもよい。
主基板31からの演出制御用のINT信号は演出制御用マイクロコンピュータ101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用マイクロコンピュータ101において割込がかかる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、受信した演出制御コマンドデータを、コマンド受信個数カウンタが示すコマンド受信バッファに格納する。
演出制御用マイクロコンピュータ101では、2msごとに発生するタイマ割込とは別に、主基板31からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、自動的に割込禁止状態に設定するが、自動的に割込禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。
図23および図24は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信した演出制御コマンドはコマンド受信バッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用マイクロコンピュータ101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値とコマンド受信バッファに対応した読出ポインタとを比較することによって判定される。読出ポインタは、演出制御用マイクロコンピュータ101によって読み出す演出制御コマンドが格納されているコマンド受信バッファを示すポインタである。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には(ステップS611;Y)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、読出ポインタに対応するコマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。上述したように、演出制御コマンドは2バイト構成である。各コマンド受信バッファには1バイトのデータが格納されるため、連続する2つのコマンド受信バッファに格納されるデータにより演出制御コマンドが特定可能となる。ステップS612では、連続する2つのコマンド受信バッファからデータを読み出すことで受信コマンドを読み出す。なお、読み出したら読出ポインタの値を2加算しておく(ステップS613)。
コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドが変動パターン指定の演出制御コマンド(コマンド8000(H)〜コマンド800D(H)のいずれか)であれば(ステップS614;Y)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、そのコマンドのEXTデータを変動パターンデータ格納領域に格納する(ステップS615)とともに変動パターンコマンドを受信した旨を示す変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
また、ステップS614で変動パターンコマンドでないと判定した場合に、演出制御用マイクロコンピュータ101は、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドがはずれ指定コマンド(コマンド8100(H))であれば(ステップS617;Y)、特別図柄表示器8にはずれ図柄が導出表示されることを示すはずれ指定フラグをセットする(ステップS618)。また、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドが非確変大当り指定コマンド(コマンド8101(H))であれば(ステップS619;Y)、特別図柄表示器8に非確変図柄が導出表示されることを示す非確変大当り指定フラグをセットする(ステップS620)。
また、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドが確変大当り指定コマンド(コマンド8102(H))であれば(ステップS621;Y)、特別図柄表示器8に非確変図柄が導出表示されることを示す確変大当り指定フラグをセットする(ステップS622)。また、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドが非確変大当り実行中指定コマンド(コマンド8103(H))であれば(ステップS623;Y)、大当り中演出を実行することを示す大当り再抽選フラグをセットするとともに非確変大当り指定フラグをセットする(ステップS624)。また、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドが確変大当り実行中指定コマンド(コマンド8104(H))であれば(ステップS625;Y)、大当り再抽選フラグをセットするとともに確変大当り指定フラグをセットする(ステップS626)。
また、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドが非確変大当り終了時指定コマンド(コマンド8105(H))であれば(ステップS627;Y)、終了時演出を実行することを示す終了時再抽選フラグをセットするとともに非確変大当り指定フラグをセットする(ステップS628)。また、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドが確変大当り終了時指定コマンド(コマンド8106(H))であれば(ステップS629;Y)、終了時再抽選フラグをセットするとともに確変大当り指定フラグをセットする(ステップS630)。
また、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドが非確変大当り実行中・終了時指定コマンド(コマンド8107(H))であれば(ステップS631;Y)、大当り再抽選フラグ、終了時再抽選フラグおよび非確変大当り指定フラグをセットする(ステップS632)。また、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドが確変大当り実行中・終了時指定コマンド(コマンド8108(H))であれば(ステップS633;Y)、大当り再抽選フラグ、終了時再抽選フラグおよび確変大当り指定フラグをセットする(ステップS634)。
また、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドが突確当り指定コマンド(コマンド8109(H))であれば(ステップS635;Y)、特別図柄表示器8に突確図柄が導出表示されることを示す突確当り指定フラグをセットする(ステップS636)。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、コマンド受信バッファから読み出した演出制御コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するコマンド受信フラグをセットし、必要であれば受信コマンドを保存する(ステップS637)。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、はずれ指定フラグ、非確変大当り指定フラグ、確変大当り指定フラグ、大当り再抽選フラグ、終了時再抽選フラグ、および突確当り指定フラグにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定する。例えば、はずれ指定フラグがセットされていれば、飾り図柄の停止図柄としてはずれ図柄に決定する。
図25は、図22に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S809のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
待機処理(ステップS800):変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ101は、プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理に対応した値に変更する。
飾り図柄通常処理(ステップS801):変動パターンデータ格納領域の格納情報などにもとづいて飾り図柄の変動パターン(飾り図柄変動パターン)を決定する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS802):決定した変動パターンに応じたプロセスデータを選択し、選択したプロセスデータにもとづいて演出装置(可変表示装置9、ランプ・LED、スピーカ27等)を演出制御することにより左中右図柄の可変表示を開始する。
飾り図柄変動中処理(ステップS803):プロセステーブルにもとづいて変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。
飾り図柄変動停止処理(ステップS804):変動時間が終了したことに応じて、飾り図柄の可変表示を停止し停止図柄を表示する。具体的には、変動時間の終了時に、図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄停止コマンド)を受信していたら、飾り図柄の変動を停止し停止図柄を表示する制御を行う。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示、または非確変大当り表示の制御を行う。
ラウンド中処理(ステップS806):15ラウンド大当りのラウンド実行中の表示の制御を行う。例えば、ラウンド数等の表示制御等を行う。そして、開放後表示指定コマンドを受信したらプロセスフラグをラウンド後処理に対応した値に更新する一方、大当り終了指定コマンド(大当り終了2指定コマンドおよび大当り終了3指定コマンド)を受信したら大当り終了演出処理に対応した値に更新する。また、大当り再抽選フラグがセットされていれば、大当り中演出を実行して確変大当りに昇格させるか否か報知する。
ラウンド後処理(ステップS807):15ラウンド大当りのラウンドを終了してから次のラウンドを開始するまでの制御を行う。そして、開放中表示コマンドを受信したらプロセスフラグをラウンド中処理に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS808):15ラウンド大当りを終了するときの制御を行う。例えば、確変状態に制御される旨の表示、時短状態に制御される旨の表示、等を行う。そして、プロセスフラグを飾り図柄通常処理に対応した値に更新する。また、終了時再抽選フラグがセットされていれば、終了時演出を実行して確変大当りに昇格させるか否か報知する。そして、所定期間経過後にプロセスフラグを待機処理に対応した値に更新する。
突確処理(ステップS809):2ラウンド大当りを実行するときの制御を行う。例えば、演出装置を制御して2ラウンド大当りとなったときの演出を実行する。そして、大当り終了5指定コマンドを受信したら所定期間経過後にプロセスフラグを待機処理に対応した値に更新する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ60から図柄停止コマンドを送信しない構成とした場合には、変動パターンコマンドによって指定される変動時間を変動時間タイマにセットして変動時間を計測し、変動時間タイマがタイムアウトしたときに演出制御用マイクロコンピュータ101が飾り図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
図26は、飾り図柄変動パターン毎に設定されているプロセステーブルの一構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、演出制御基板80に搭載されるROM(図示せず)に記憶され、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データ(例えば、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および音番号データ)の組み合わせが複数集まったプロセスデータで構成されている。演出制御実行データは、表示制御実行データとランプ制御実行データと音番号データとを含む。表示制御実行データは、飾り図柄の変動期間中における可変表示装置9の表示状態を示すデータが設定されている。例えば、表示制御実行データ1には、可変表実行時の可変表示装置9の表示状態(飾り図柄の可変表示速度や表示する図柄の大きさ、キャラクタの切替タイミング等)を示すデータが設定されている。また、ランプ制御実行データは、飾り図柄の変動期間中におけるランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。例えば、ランプ制御実行データ1には、可変表示開始時のランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。また、音番号データには、飾り図柄の変動期間中におけるスピーカ27の音出力態様を示すデータが設定されている。このようにプロセステーブルには、時系列的に飾り図柄の可変表示速度や表示する図柄の大きさ、その表示状態での表示期間、キャラクタの切替タイミング等が設定されている。また、ランプ・LEDの表示状態およびスピーカ27の音出力態様も時系列的に設定されている。
そして、飾り図柄の変動期間中において、表示状態を切り替えるタイミング(例えば可変表示装置9において新たなキャラクタが登場するタイミング、ランプ・LEDを点灯状態から消灯状態に切り替えるタイミング)が到来すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、プロセステーブルにおける次のプロセスデータに設定される演出制御実行データに従って、可変表示装置9、ランプ・LEDの表示状態およびスピーカ27の音出力状態を制御する。プロセスタイマ設定値には、切替のタイミングに応じた時間が設定されている。
このように、演出制御用マイクロコンピュータ101が、ROMに記憶されているプログラムおよびプロセスデータにもとづいて演出装置を制御し、複数の演出装置(この実施の形態では可変表示装置9、ランプ・LEDおよびスピーカ27)の制御に関わるプログラムが、演出制御基板80に搭載されているROMに格納されている。そして、それらのプログラムを格納するROMを1つのROMとして構成することができる。従って、部品点数を減らすことができる。また、ROMに記憶されているプロセスデータのうち、プロセスタイマ設定値が共通化されている。従って、演出制御手段のROM容量を節減することができる。なお、演出制御実行データについても、表示制御実行データとランプ制御実行データと音番号データとを共通化できるのであれば、1つの演出制御実行データとしてもよい。このように、この実施の形態では、複数の演出装置の制御に関わるデータのうち少なくとも一部のデータを同一ROMに格納することができる。
なお、図26に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、図27に示すように飾り図柄変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。例えば、プロセステーブル1は、変動パターン番号1の変動パターンに対応したデータである。この例では、特別図柄の変動パターンに対応して飾り図柄の変動パターンが1つだけ用意されるが、少なくとも図8に示した各変動パターンに対応する飾り図柄の変動パターンを用意してあれば、特別図柄の変動パターンに対応して飾り図柄の変動パターンを複数用意してもよく、例えば、各変動パターンに対応する飾り図柄の変動パターンとして遊技状態毎用意してもよい。このように、飾り図柄変動パターンと、特別図柄の変動パターンとは異なるものである。
また、この実施の形態では、演出装置の制御態様(例えば、可変表示装置9に表示制御する演出画像等)が異なる複数のモードが用意されている。具体的には、宇宙空間の演出が実行される宇宙モード、地上の演出が実行される陸モード、および海上の演出が実行される海モード、が用意されている。また、図27に示すようにプロセステーブルは、それぞれのモード毎に用意され、演出制御用マイクロコンピュータ101は、主基板31から変動パターンコマンドを受信したときに、現在のモードに応じたプロセステーブルのうち変動パターンに対応するプロセステーブルにもとづいて演出装置を制御する。
この例では、遊技者が操作ボタン120を操作することにより複数のモードのうちいずれかを選択可能である。また、モードを選択可能または変更可能な時期は限られ、この例では、特別図柄表示器8にて所定期間に亘って特別図柄の可変表示が開始されないとき、すなわち、客待ちデモ1指定コマンドを受信してから変動パターンコマンドを受信するまでの間にモードの選択または変更が可能になる。
図28は、演出制御プロセス処理における待機処理(ステップS800)の一例を示すフローチャートである。図28に示す待機処理を開始すると、演出制御用マイクロコンピュータ101は、まず、変動パターンコマンド受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていなければ(ステップS811;N)、モード変更フラグがセットされているか否か確認する(ステップS815)。モード変更フラグは、後述するステップS821でセットされ、モードを変更したことを示すフラグである。モード変更フラグがセットされていれば(ステップS815;Y)、可変表示装置9、ランプ・LED、スピーカなどを制御して客待ちデモ演出を実行し(ステップS816)、処理を終了する。
モード変更フラグがセットされていなければ(ステップS815;N)、客待ちデモ1指定コマンドを受信しているか否か確認する(ステップS817)。客待ちデモ1指定コマンドを受信していなければ(ステップS817;N)、処理を終了する。一方、客待ちデモ1指定コマンドを受信していれば(ステップS817;Y)、モード変更演出処理を実行する(ステップS818)。モード変更演出処理では、遊技者にモードの変更が可能になったことを報知するとともに、操作ボタン120の操作を有効にし、操作ボタン120の操作に応じてモードを変更する。
このように、この例では、客待ちデモ1指定コマンドを受信したとき、すなわち、特別図柄表示器8にて所定期間に亘って特別図柄の可変表示が開始されないときにモードの変更が可能になる。操作ボタン120の操作が常に(特に、遊技中に)有効であると遊技者が誤って操作ボタン120を操作したときに遊技の邪魔になり煩わしい。本例では、モード変更処理を遊技が行われていない期間に実行するため、遊技者が誤って遊技中に操作ボタン120を操作してモードが変更されることを防止できる。
遊技者によって操作ボタン120が操作され、現在のモードとは異なるモードに変更した場合には(ステップS819;Y)、変更したモードに応じたデータを使用するデータに設定し(ステップS820)、モード変更フラグをセットして処理を終了する(ステップS821)。変更したモードに応じたデータとして、例えば、モードに応じたプロセステーブルが設定される。そして、モードに応じたプロセステーブルにもとづいて演出装置の制御を実行することによりモード別に態様(例えば、背景画像、キャラクタ画像、飾り図柄の画像、ランプ・LEDの点灯態様、スピーカの出力音、など)が異なる演出が実行される。モードを変更しない場合には(ステップS819;N)、処理を終了する。
また、変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば(ステップS811;Y)、変動パターンコマンド受信フラグをリセットするとともに(ステップS812)、モード変更フラグがセットされていればモード変更フラグをリセットし(ステップS813)、プロセスフラグの値を飾り図柄通常処理に応じた値に更新して処理を終了する(ステップS814)。
なお、図示していないが、主基板31から客待ちデモ2指定コマンドを受信した場合、すなわち、エラー状態が発生したことを報知する演出制御コマンドを受信した場合には、ステップS811〜ステップS821の処理に優先してエラー状態の報知が実行される。これにより、被害の拡大を防止できる。
また、モード変更演出処理にて操作ボタン120の操作を有効にしてからの経過時間を計測し、所定の有効期間内に操作ボタン120が操作されなかった場合には、いずれかのモードを選択するようにしてもよい。例えば、有効期間内に操作ボタン120が操作されなかった場合に、所定の乱数を抽出し、当該乱数にもとづいていずれかのモードを選択するようにしてもよい。
また、この例では、モードを変更した後、再び主基板31から客待ちデモ1指定コマンドを受信するまでモードを変更しない構成としたが、これに限らず、モードを変更した後に所定期間に亘って特別図柄の可変表示が開始されなかったとき、すなわち、変動パターンコマンドを受信しなかったときに、モード変更演出処理を実行してモードの変更を可能となるように構成してもよい。
また、電源投入時には、演出制御用マイクロコンピュータ101により予め決められたモードを設定するようにしてもよいし、所定の乱数等を用いてランダムに選んだモードを設定するようにしてもよい。
図29は、演出制御プロセス処理における飾り図柄通常処理(ステップS801)の一例を示すフローチャートである。飾り図柄通常処理では、判定結果コマンドに応じた飾り図柄の停止図柄および飾り図柄の変動パターンを決定する。
すなわち、特別図柄表示器8にはずれ図柄を導出表示する旨を示すはずれ指定フラグがセットされていれば(ステップS831;Y)、受信した変動パターンがリーチ態様を伴うはずれとなる変動パターンであるかを確認する(ステップS838)。受信した変動パターンがリーチ態様を伴わないはずれとなる変動パターンであれば(ステップS838;N)、飾り図柄の停止図柄としてはずれ図柄(この実施の形態では、少なくとも左飾り図柄と右飾り図柄とが異なる図柄となる組み合わせ)を飾り図柄の停止図柄として決定し(ステップS839)、ステップS841に進む。
一方、受信した変動パターンがリーチ変動パターンであれば(ステップS838;Y)、飾り図柄の停止図柄としてリーチはずれ図柄(この実施の形態では、左飾り図柄と右飾り図柄とが同一の図柄であり、中飾り図柄のみが異なる図柄となる組み合わせ)を飾り図柄の停止図柄として決定する(ステップS840)。
はずれ図柄を表示する旨を示すはずれ指定フラグがセットされていない場合に(ステップS831;N)、大当り中演出を実行する旨を示す大当り再抽選フラグまたは終了時演出を実行する旨を示す終了時再抽選フラグがセットされていれば(ステップS832;Y)、飾り図柄の停止図柄として非確変図柄(この実施の形態では、左飾り図柄と中飾り図柄と右飾り図柄とが同一の偶数図柄で揃った状態)を決定する(ステップS834)。すなわち、大当り中演出および終了時演出を実行する場合には、飾り図柄の可変表示の表示結果として確変図柄を導出表示しない。これにより、大当り中演出および終了時演出に対する興趣を向上させることができる。
大当り再抽選フラグまたは終了時再抽選フラグがセットされていなければ(ステップS832;N)、特別図柄表示器8に非確変図柄を導出表示する旨を示す非確変大当り指定フラグがセットされているか否か確認する(ステップS833)。非確変大当り指定フラグがセットされていれば(ステップS833;Y)、飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を決定する(ステップS834)。一方、非確変大当り指定フラグがセットされていなければ(ステップS833;N)、確変大当り指定フラグがセットされているか否か確認する(ステップS835)。確変大当り指定フラグがセットされていれば(ステップS835;Y)、飾り図柄の停止図柄として確変図柄(この実施の形態では、左飾り図柄と中飾り図柄と右飾り図柄とが同一の奇数図柄で揃った状態)を決定する(ステップS836)。また、確変大当り指定フラグがセットされていなければ(ステップS835;N)、突確当り指定フラグがセットされていると判別し、飾り図柄の停止図柄として突確図柄(この実施の形態では、「123」)を決定する(ステップS837)。
そして、ステップS834,S836,S837,S839,S840で決定した飾り図柄の停止図柄および受信した変動パターンにもとづいて飾り図柄変動パターンを決定する(ステップS841)。具体的には、変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータに対応する飾り図柄変動パターンのいずれか(この例では、変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータに対応する1つの飾り図柄変動パターン)に決定する。
また、変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータにより変動時間が指定され、ステップS841では、主基板31から指定された変動時間に対応する複数種類の飾り図柄変動パターンのうちいずれかに決定し、決定した飾り図柄変動パターンに応じた変動時間を変動時間タイマにセットする。なお、演出制御用マイクロコンピュータ101により、飾り図柄変動パターンの少なくとも一部を独自に決定するようにしてもよい。例えば、あらかじめ用意された複数種類の飾り図柄変動パターンのうち、EXTデータによって特定される変動時間および判定結果コマンドによって指示される特別図柄表示器8の表示結果等に合致する複数種類の飾り図柄変動パターンの中から、実行する飾り図柄変動パターンを選択するようにしてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ101により、例えば、飾り図柄の演出内容(例えば、どのキャラクタを用いて演出するかなど)、予告演出の実行の有無や演出内容、ミッション演出の有無や演出内容など、飾り図柄の変動態様の少なくとも一部を独自に決定するようにしてもよい。
また、ステップS841にて飾り図柄変動パターンを決定する際には、例えば、遊技状態が通常状態であるときに使用される変動パターンテーブルと、遊技状態が確変状態であるときに使用される変動パターンテーブルと、遊技状態が時短状態であるときに使用される変動パターンテーブルと、を用いてもよい。この場合には、各飾り図柄変動パターンテーブルに、複数種類の飾り図柄変動パターンを設定するようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ101が、予告演出の実行の有無、および予告演出の演出内容、再抽選演出の実行の有無、などを決定するようにしてもよく、この場合には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、主基板31からの変動パターンコマンドが示す変動時間や変動結果にもとづいて、予告演出を実行するか否か、および予告演出の演出内容、再抽選演出の実行の有無を決定するようにしてもよい。
また、この例では、確変大当りの場合であっても大当り中演出を実行することを示す大当り再抽選フラグおよび終了時演出を実行することを示す終了時再抽選フラグがセットされている場合には、飾り図柄の表示結果として非確変図柄を導出表示する。すなわち、飾り図柄の可変表示の実行期間に非確変図柄を停止表示し、確変大当りであることを報知しない。また、再抽選変動パターンであっても大当り中演出および終了時演出を実行する場合には、飾り図柄の可変表示の実行期間に非確変図柄を停止表示する。すなわち、可変表示の実行期間内に実行される再抽選演出にて確変図柄を導出表示しない。そして、大当り中演出または終了時演出にて確変大当りに昇格させる演出を実行するため、大当り中演出および終了時演出に対する興味が失われることを防止できる。
ステップS841の処理を終了すると演出制御用マイクロコンピュータ101は、プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理に応じた値に更新する(ステップS842)。ステップS842でプロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理に応じた値に更新することにより次回のタイマ割込にて飾り図柄変動開始処理が実行される。
なお、飾り図柄変動開始処理では、演出制御用マイクロコンピュータ101は、現在のモードに応じたプロセステーブルのうちステップS841で決定した変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し、当該プロセステーブルにもとづいて演出装置の制御を開始する。すなわち、モードに応じたデータを用いて飾り図柄の可変表示を開始する。
具体的には、選択したプロセステーブルの最初に設定されるプロセスデータの内容に従って演出装置(可変表示装置9、ランプ・LED、スピーカ27等)を制御する。例えば、表示制御実行データ1の内容に応じた信号を、LCDによる可変表示装置9に与える。また、プロセスデータ中のランプ制御実行データ1にもとづいてランプ・LED制御を行う。例えば、ランプ制御実行データ1の内容に応じた信号を各ランプ・LEDに与える。また、プロセスデータ中の音番号データを音声出力基板70に出力する。音声出力基板70において、音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
上述したように、この実施の形態では、大当り中演出および終了時演出を実行する場合に、飾り図柄の表示結果として非確変図柄を停止表示する。これに限らず、飾り図柄の表示結果として確変図柄を停止表示し、大当り中演出および終了時演出にて確変大当りから非確変大当りに降格させる演出を実行してもよいが、大当り中演出および終了時演出にて確変大当りから非確変大当りに降格させる演出を実行することにより、遊技者の興趣を必要以上に低下させ、大当り中演出および終了時演出に対する期待感を低下させるだけでなく、遊技に対する興味を低下させる虞があるため望ましくない。
図30は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS804)の一例を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理では、飾り図柄の停止図柄を導出表示し、特別図柄の表示結果、すなわち、判定結果コマンドに応じた処理を行う。
具体的には、図柄停止コマンドを受信していれば(ステップS851;Y)、飾り図柄の停止図柄を導出表示する(ステップS852)。なお、ここで導出表示される飾り図柄の停止図柄は、飾り図柄通常処理にて決定された停止図柄である。そして、確変大当り指定フラグまたは非確変大当り指定フラグがセットされていれば(ステップS853;Y)、すなわち、15ラウンド大当りを開始する場合には(ステップS854;Y)、プロセスフラグの値を大当り表示処理に応じた値に更新して処理を終了する(ステップS854)。
確変大当り指定フラグまたは非確変大当り指定フラグがセットされていない場合に(ステップS853;N)、突確当り指定フラグがセットされていれば、すなわち、2ラウンド大当りを開始する場合には(ステップS855)、プロセスフラグの値を突確処理に応じた値に更新して処理を終了する(ステップS856)。
確変大当り指定フラグ、非確変大当り指定フラグ、および突確当り指定フラグがセットされていなければ(ステップS853;N、かつ、ステップS855;N)、はずれ指定フラグをリセットし(ステップS857)、プロセスフラグの値を待機処理に応じた値に更新して処理を終了する(ステップS858)。また、図柄停止コマンドを受信していなければ(ステップS851;N)、処理を終了する。
図31は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS805)を示すフローチャートである。大当り表示処理では、15ラウンド大当りを開始する演出を実行する。
具体的には、大当り開始1指定コマンドを受信していれば(ステップS861;Y)、大当り再抽選フラグがセットされているか否か、すなわち、大当り中演出を実行するか否か確認する(ステップS862)。大当り再抽選フラグがセットされていれば(ステップS862;Y)、大当り中演出の態様を決定する大当り中演出決定処理を実行し(ステップS863)、ステップS866に移行する。大当り再抽選フラグがセットされていなければ(ステップS862;N)、モードに応じた1ラウンド実行中演出のプロセステーブルを選択する(ステップS865)。
そして、選択したプロセステーブルに設定されるプロセスデータ1の内容(プロセステーブルに設定される最初のプロセスデータ)に従って演出装置を制御し(ステップS866)、プロセスデータの値をラウンド中処理に応じた値に更新して処理を終了する(ステップS867)。
図32は、大当り中演出決定処理(ステップS863)を示すフローチャートである。大当り中演出決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、まず、終了時再抽選フラグまたは非確変大当り指定フラグがセットされているか否か確認する(ステップS871)。終了時再抽選フラグがセットされている場合および非確変大当り指定フラグがセットされている場合とは、大当り中演出にて非確変大当りを確変大当りに昇格させない演出を実行する場合である。これらのフラグがセットされていれば(ステップS871;Y)、モードに応じた非昇格時演出決定テーブルを使用するテーブルに設定し(ステップS872)、これらのフラグがセットされていなければ(ステップS871;N)、モードに応じた昇格時演出決定テーブルを使用するテーブルに設定する(ステップS873)。
図33には、昇格時演出決定テーブルおよび非昇格時演出決定テーブルが示されている。昇格時演出決定テーブルおよび非昇格時演出決定テーブルは、モード別に用意され、図33(A)は、宇宙モードに、図33(B)は、陸モードに、図33(C)は、海モードに、それぞれ対応するテーブルである。各テーブルでは、大当り中演出の態様と演出決定用乱数と比較される比較値とが対応付けされ、図33に示すテーブルは、各態様の選択確率を示すものである。各テーブルには、モード別に異なる割合で比較値が振り分けられている。
また、各テーブル(昇格時演出決定テーブルおよび非昇格時演出決定テーブル)では、大当り中演出の態様としてそれぞれのモード固有の態様が設定されている。具体的には、宇宙モードにおいては、大当り中演出の態様としてロケット演出(ロケット1〜ロケット3)が設定され、陸モードにおいては、大当り中演出の態様として火山演出(火山1〜火山3)が設定され、海モードにおいては、大当り中演出の態様として宝箱演出(宝箱1〜宝箱3)が設定されている。非昇格時に使用される非昇格時演出決定テーブルでは、モード固有の態様に比較値が対応付けされ、モード固有の態様が選択される。一方、昇格時に使用される昇格時演出決定テーブルでは、モード固有の態様に加えて、他のモード固有の態様も設定され、モード固有の態様および他のモード固有の態様に比較値が対応付けされ、モード固有の態様または他のモード固有の態様が選択される。
例えば、図33(A)に示す宇宙モードに対応した昇格時演出決定テーブルでは、モード固有の態様としてのロケット1〜ロケット3および他のモード固有の態様としての火山1および宝箱1に比較値が対応付けされるが、図33(A)に示す宇宙モードに対応した非昇格時演出決定テーブルでは、モード固有の態様としてのロケット1〜ロケット3にのみ比較値が対応付けされる。そのため、現在のモードが宇宙モードであるときに大当り中演出で非確変大当りを確変大当りに昇格させない場合には、モード固有の態様(ロケット1〜ロケット3)のみ選択可能となり、大当り中演出で非確変大当りを確変大当りに昇格させる場合には、モード固有の態様(ロケット1〜ロケット3)だけでなく、他のモード固有の態様(火山1、宝箱1)も選択可能となる。すなわち、現在のモード以外のモード固有の態様で大当り中演出が実行された場合には、非確変大当りから確変大当りに昇格させる演出のみ実行される。換言すると、現在のモードとは異なるモード固有の大当り中演出が実行された場合には、昇格期待度が100%である。このように、モードと大当り中演出における昇格期待度とを関連付けたため、大当り中演出に対する期待感を高めることができる。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、非昇格時演出決定テーブルおよび昇格時演出決定テーブルを設定した後、演出決定用乱数を抽出する(ステップS874)。演出決定用乱数は、「0」〜「49」の範囲を有し、図22に示すメイン処理の乱数更新処理(ステップS706)で更新される。そして、抽出した演出決定用乱数と設定した非昇格時演出決定テーブルまたは昇格時演出決定テーブルとにもとづいて大当り中演出の態様を決定する(ステップS875)。決定した大当り中演出の態様は、演出制御用マイクロコンピュータ101の大当り中演出バッファに格納される。
また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、大当り中演出を実行するラウンドを決定する。この例では、演出制御用マイクロコンピュータ101は、大当り中演出の実行期間、すなわち、15ラウンド大当りのラウンドのうちいずれのラウンドにて大当り中演出を実行するか決定する。具体的には、モードに応じたラウンド決定テーブルを使用するテーブルに設定し(ステップS876)、報知ラウンド決定用乱数を抽出する(ステップS877)。そして、設定したラウンド決定テーブルと報知ラウンド決定用乱数とにもとづいて大当り中演出を実行するラウンドを決定し(ステップS878)、決定したラウンドを演出カウンタにセットする(ステップS879)。報知ラウンド決定用乱数は、「0」〜「59」の範囲を有し、図22に示すメイン処理の乱数更新処理(ステップS706)で更新される。
図34には、ラウンド決定テーブルが示されている。ラウンド決定テーブルは、モード別に用意され、各ラウンド決定テーブルでは、大当り中演出を実行するラウンド(この例では、5ラウンド、7ラウンド、15ラウンド)と、報知ラウンド決定用乱数と比較される比較値と、が対応付けされ、図34に示すテーブルでは、各ラウンドの選択確率を示している。また、各ラウンド決定テーブルは、それぞれのモードで選択されるラウンドの割合が異なるように比較値を振り分けている。
このように、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ60により大当り中演出を実行する旨の判定がなされたときに、演出制御用マイクロコンピュータ101にて、大当り中演出を実行するラウンドを決定する。換言すると、遊技制御用マイクロコンピュータ60側では、確変大当りか否かを報知する演出の実行時期(この例では、可変表示を停止するとき、大当り遊技状態の実行中、大当り遊技状態を終了するとき、のいずれか)を決定するが、大当り遊技状態の実行中に確変大当りか否かを報知する演出を実行する旨の決定がなされたときには、演出制御用マイクロコンピュータ101側で当該演出を実行するラウンドを決定する。そのため、遊技制御用マイクロコンピュータ60の処理負担を軽減できる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ60により他の実行期間(例えば、可変表示を停止するとき、または、大当り遊技状態を終了するとき)に確変大当りか否かを報知する演出を実行する旨の決定がなされたときにも、当該実行期間内で確変大当りか否かを報知する演出を実行するタイミングを演出制御用マイクロコンピュータ101によって決定するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ60によって大当り遊技状態を終了するときに確変大当りか否かを報知する演出を実行する旨の決定がなされたときに、演出制御用マイクロコンピュータ101によって、大当り遊技状態を終了する旨の表示を実行した後に確変大当りか否かを報知する演出を実行するか、確変大当りか否かを報知する演出を実行した後に大当り遊技状態を終了する旨の表示を実行するか、を決定するようにしてもよい。
また、大当り中演出および終了時演出を実行する場合に、モードに応じて固有のタイミングで報知するようにしてもよい。例えば、モード別に大当り中演出を実行するラウンドを予め設定するようにしてもよい。また、モード別に終了時演出を実行するタイミング(例えば、大当り遊技状態を終了する旨の表示を実行する以前、大当り遊技状態を終了する旨の表示を実行した後、など)を予め設定するようにしてもよい。この場合には、現在のモードとは異なるモード固有のタイミングで大当り中演出および終了時演出が実行されたときに非確変大当りから確変大当りに昇格させる演出のみ実行するように、換言すると昇格期待度が100%となるようにしてもよい。
また、15ラウンド大当りの複数のラウンドにて大当り中演出を実行するようにしてもよい。例えば、3ラウンドにて大当り中演出を実行し、非確変大当りを確変大当りに昇格させない演出を実行した後、7ラウンドにて再び大当り中演出を実行して非確変大当りを確変大当りに昇格させる演出を実行するようにしてもよい。この場合には、演出制御用マイクロコンピュータ101により、大当り中演出を実行する複数のラウンドを決定するようにしてもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、終了時再抽選フラグまたは非確変大当り指定フラグがセットされていれば(ステップS880;Y)、非昇格時予告テーブルを使用するテーブルに設定し(ステップS881)、予告決定用乱数を抽出する(ステップS883)。終了時再抽選フラグおよび非確変大当り指定フラグがセットされていなければ(ステップS880;N)、昇格時予告テーブルを使用するテーブルに設定し(ステップS882)、ステップS883に進む。予告決定用乱数は、「0」〜「29」の範囲を有し、図22に示すメイン処理の乱数更新処理(ステップS706)で更新される。この実施の形態では、大当り中演出を実行するときに、大当り中演出を実行する以前のラウンドにて大当り中演出の昇格期待度を通知する昇格期待度予告を実行する。
図35には、予告テーブルが示されている。予告テーブルは、非確変大当りを確変大当りに昇格させる場合に選択される昇格時予告テーブルと、非確変大当りを確変大当りに昇格させない場合に使用される非昇格時予告テーブルと、が用意され、予告内容(高期待度の予告、低期待度の予告)と、予告決定用乱数と比較される比較値と、が対応付けされ、図35に示すテーブルでは、予告内容の選択確率を示している。
また、昇格時予告テーブルでは、高期待度(高期待度予告;昇格期待度が高い)の予告を実行する割合が高く設定され、非昇格時予告テーブルでは、低期待度(低期待度予告;昇格期待度が低い)の予告を実行する割合が高く設定される。なお、この例では、大当り中演出にて非確変大当りを確変大当りに昇格させるか否かに応じて昇格時予告テーブルと非昇格時予告テーブルとのいずれかを使用するテーブルに設定するが、実行中の大当り遊技状態が確変大当りであるか否かに応じていずれかを使用するテーブルに設定するようにしてもよい。例えば、非確変大当り指定フラグがセットされていれば非昇格時予告テーブルを選択し、確変大当り指定フラグがセットされていれば昇格時予告テーブルを選択するようにしてもよく、この場合には、大当り表示処理のステップS862で大当り再抽選フラグまたは終了時再抽選フラグがセットされているときに大当り中演出を実行して予告演出を決定するようにすればよい。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、決定した予告が高期待度予告であれば(ステップS885;Y)、モードに応じた高期待度予告のプロセステーブルを選択し(ステップS886)、決定した予告が高期待度予告でなければ(ステップS885;N)、モードに応じた低期待度予告のプロセステーブルを選択し(ステップS887)、処理を終了する。
図36は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド中処理では、大当り表示処理にて選択されたプロセステーブルに従って演出装置を制御する処理が実行される。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、プロセスタイマを1減算し(ステップS901)、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS902;Y)、選択しているプロセステーブルの次のプロセスデータに切り替え(ステップS903)、切り替えたプロセスデータの内容に従って演出装置を制御する(ステップS904)。ステップS902でプロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS902;N)、実行中のプロセスデータにもとづく演出装置の制御を継続して実行する(ステップS904)。大当り遊技状態のラウンド実行中には、例えば、可変表示装置9に飾り図柄変動停止処理で導出表示した大当り図柄、ラウンド数を示す文字、その他のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、大入賞口を閉塞することを示す開放後表示指定コマンドを受信したら(ステップS905;Y)、大入賞口の閉塞中に実行される演出であるラウンドインターバル演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS906)。ラウンドインターバル演出に応じたプロセステーブルはラウンド数に応じて用意され、ステップS906では、ラウンドに対応するプロセステーブルを選択し、ラウンド数に応じた演出を実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って演出装置を制御し(ステップS907)、プロセスフラグの値をラウンド後処理に応じた値に更新して処理を終了する(ステップS908)。
ステップS905で開放後表示指定コマンドを受信していなければ(ステップS905;N)、15ラウンド大当りの終了表示を指示する大当り終了2指定コマンドを受信しているか否か判定し(ステップS909)、大当り終了2指定コマンドを受信していれば(ステップS909;Y)、時短大当り終了表示のプロセステーブルを選択し(ステップS910)、ステップS913に進む。一方、大当り終了2指定コマンドを受信していなければ(ステップS909;N)、大当り終了3指定コマンドを受信しているか否か判定し(ステップS911)、大当り3終了指定コマンドを受信していれば(ステップS911;Y)、確変大当り終了表示のプロセステーブルを選択し(ステップS912)、待機タイマに終了報知待機時間をセットして(ステップS913)、ステップS916に進む。時短大当り終了表示とは、15ラウンド大当りの時短大当りを終了することを報知する表示であり、例えば、「時短100回!」などを表示する演出であり、確変大当り終了表示とは、15ラウンド大当りの確変大当りを終了することを報知する演出であり、例えば、「確変だよ!」などを表示する演出である。また、待機タイマは、15ラウンド大当りを終了してから特別図柄表示器8にて特別図柄の可変表示を開始するまでの待機時間を計測するタイマであるとともに終了報知待機時間は、15ラウンド大当りの終了報知の実行期間を示し、主基板31で計測される終了報知時間と対応している。つまり、待機タイマにより遊技制御用マイクロコンピュータ60と演出制御用マイクロコンピュータ101とを同期させている。
ステップS911で大当り終了3指定コマンドを受信していなければ(ステップS911;N)、大当り終了4指定コマンドを受信しているか否か判定し(ステップS914)、大当り終了4指定コマンドを受信していなければ(ステップS914;N)、処理を終了する。大当り終了4指定コマンドを受信していれば(ステップS914;Y)、終了時演出の態様を決定する終了時演出決定処理を実行する(ステップS915)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、選択したプロセスデータに設定されるプロセスデータ1に従って演出装置を制御し(ステップS916)、プロセスデータの値を大当り終了処理に応じた値に更新して処理を終了する(ステップS917)。
図37は、終了時演出決定処理(ステップS915)を示すフローチャートである。終了時演出決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、まず、非確変大当り指定フラグがセットされているか否か確認する(ステップS921)。非確変大当り指定フラグがセットされている場合とは、終了時演出にて非確変大当りを確変大当りに昇格させない演出を実行する場合である。非確変大当り指定フラグがセットされていれば(ステップS921;Y)、モードに応じた終了時非昇格時演出のプロセステーブルを選択し(ステップS922)、ステップS924に進む。また、非確変大当り指定フラグがセットされていなければ(ステップS921;N)、モードに応じた終了時昇格演出のプロセステーブルを選択する(ステップS923)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ101は有効期間開始タイマをセットするとともに(ステップS924)、有効期間計測タイマをセットする(ステップS925)。この例では、終了時演出として操作ボタン120を用いた演出を行う。具体的には、操作ボタン120の操作を促す表示を行い、操作ボタン120の操作を所定期間に亘って有効とし、当該有効期間内に操作ボタン120が操作されたことにもとづいて所定の結果を表示する。有効期間開始タイマは、終了時演出を開始してから操作ボタン120の操作が有効となる期間の開始タイミングを示すタイマであり、有効期間計測タイマは、終了時演出にて操作ボタン120の操作を有効にしてから操作ボタン120の操作を無効にするまでの期間を示すタイマである。そして、待機タイマに再抽選演出時間をセットして処理を終了する(ステップS926)。待機タイマにセットされる再抽選演出時間は、終了時演出の実行期間を示し、主基板31で計測される終了時演出時間に対応している。また、主基板31にて計測される終了報知時間および終了時演出時間と同様、再抽選演出時間は、終了報知待機時間よりも長い。
この例では、終了時演出にて非確変大当りを確変大当りに昇格させる場合に選択されるプロセスデータがモードに対応して1つ用意され、非確変大当りを確変大当りに昇格させない場合に選択されるプロセスデータがモードに対応して1つ用意される。具体的には、終了時演出にて非確変大当りを確変大当りに昇格させない場合には、ステップS922にてモードに応じて1つだけ用意された終了時非昇格演出のプロセステーブルを選択する。なお、終了時非昇格演出のプロセステーブルと、終了時昇格演出のプロセステーブルと、をモードに応じて複数種類用意してもよく、この場合には、ステップS921で非確変大当り指定フラグがセットされていれば、ステップS922でモードに応じた複数種類の終了時非昇格演出のプロセステーブルのうちいずれかを選択し、ステップS921で非確変大当り指定フラグがセットされていなければ、ステップS923でモードに応じた複数種類の終了時昇格演出のプロセステーブルのうちいずれかを選択するようにしてもよい。また、複数種類の終了時非昇格演出のプロセステーブルおよび複数種類の終了時昇格演出のプロセステーブルのうちいずれかを選択する場合には、所定の乱数にもとづいていずれかを選択するようにしてもよい。また、ステップS922で現在のモードに応じた終了時非昇格演出のプロセステーブルを選択し、ステップS923では、所定の割合で現在のモードとは異なるモードに応じた終了時昇格演出のプロセステーブルを選択するようにしてもよい。すなわち、現在のモードとは異なるモードに対応した終了時演出が実行されたときには非確変大当りを確変大当りに昇格させる演出を実行するように、換言すると昇格期待度が100%となるようにしてもよい。
図38は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS807)を示すフローチャートである。ラウンド後処理では、ラウンド中処理にて選択されたプロセステーブルに従って演出装置を制御し、ラウンドインターバル演出を実行する。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、プロセスタイマを1減算し(ステップS931)、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS932;Y)、選択しているプロセステーブルの次のプロセスデータに切り替え(ステップS933)、切り替えたプロセスデータの内容に従って演出装置を制御する(ステップS934)。ステップS932でプロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS932;N)、実行中のプロセスデータにもとづく演出装置の制御を継続して実行する(ステップS934)。大当り遊技状態のラウンドインターバル中には、例えば、可変表示装置9に飾り図柄変動停止処理で導出表示した大当り図柄、キャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、大入賞口を開放することを示す開放中表示指定コマンドを受信したか否か確認し(ステップS935)、開放中表示指定コマンドを受信していなければ(ステップS935;N)、処理を終了する。開放中表示指定コマンドを受信していれば(ステップS935;Y)、大当り再抽選フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS936)。大当り再抽選フラグは、大当り中演出を実行することを示すフラグである。大当り再抽選フラグがセットされていなければ(ステップS936;N)、モードおよびラウンドに応じたラウンド実行中演出のプロセステーブルを選択し(ステップS941)、プロセスフラグの値をラウンド中処理に応じた値に更新して処理を終了する(ステップS942)。
大当り再抽選フラグがセットされていれば(ステップS936;Y)、大当り中演出を実行するラウンドを示すための演出カウンタを1減算し(ステップS937)、演出カウンタが0になったら(ステップS938)、大当り中演出決定処理で決定した大当り中演出の態様を大当り中演出バッファから読み出し、読み出した態様のプロセステーブルを選択する(ステップS939)。そして、大当り再抽選フラグをリセットし(ステップS940)、ステップS942に進む。ステップS938で演出カウンタが0にならなかったら(ステップS938;N)、ステップS941に進み、通常のラウンドを開始するときと同様の処理、すなわち、大当り中演出を実行しないラウンドと同様の演出を実行するための処理を行う。
図39は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS808)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ101は、プロセスタイマを1減算する(ステップS951)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS952;Y)、選択しているプロセステーブルの次のプロセスデータに切り替え(ステップS953)、切り替えたプロセスデータの内容に従って演出装置を制御する(ステップS954)。ステップS952でプロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS952;N)、実行中のプロセスデータにもとづく演出装置の制御を継続して実行する(ステップS954)。
なお、確変大当りを終了する場合、換言すると終了時再抽選フラグがセットされていないときに大当り終了3指定コマンドを受信した場合には、ラウンド中処理のステップS912で確変大当り終了表示に応じたプロセスデータが選択され、例えば、可変表示装置9において所定のキャラクタなどを表示することにより確変状態の制御を開始する旨を遊技者に報知する。また、非確変大当りを終了する場合、換言すると終了時再抽選フラグがセットされていないときに大当り終了2指定コマンドを受信した場合には、ラウンド中処理のステップS910で非確変大当り終了表示に応じたプロセスデータが選択され、例えば、可変表示装置9において時短状態にて実行可能な可変表示回数(変動回数)を表示するとともに所定のキャラクタなどを表示することにより時短状態の制御を開始する旨を遊技者に報知する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、終了時再抽選フラグがセットされているか否か判定し(ステップS955)、終了時再抽選フラグがセットされていなければ(ステップS955;N)、ステップS964へ進む。上述したように終了時再抽選フラグは大当り遊技状態を終了するとき(大当り終了演出処理を実行しているとき)に非確変大当りを確変大当りに昇格させるか否かを報知する終了時演出を実行することを示すフラグである。
一方、終了時再抽選フラグがセットされていたら(ステップS955;Y)、演出制御用マイクロコンピュータ101は、有効期間開始タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS956)。上述したように、有効期間開始タイマは、終了時演出において操作ボタン120の操作を有効にする期間の開始タイミングを示すタイマである。演出制御用マイクロコンピュータ101は、有効期間開始タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS956;N)、有効期間開始タイマを1減算し(ステップS957)、有効期間開始タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS958)。有効期間開始タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS958;N)、ステップS964に進む。
ステップS956で有効期間開始タイマがタイムアウトした場合(ステップS956;Y)、およびステップS958で有効期間開始タイマがタイムアウトした場合(ステップS958;Y)、には、有効期間計測タイマを1減算し(ステップS959)、操作ボタン120が操作されたことにもとづく操作信号が入力されていなければ(ステップS960;N)、有効期間計測タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS961)。上述したように、有効期間計測タイマは、操作ボタン120の操作を有効にする期間を示すタイマである。有効期間計測タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS961;N)、ステップS964に進む。有効期間計測タイマがタイムアウトした場合(ステップS961;Y)、および操作ボタン120が操作されたことにもとづく操作信号が入力された場合(ステップS960;Y)、には、選択したプロセステーブルにもとづいて終了時演出の結果を表示し(ステップS962)、終了時再抽選フラグをリセットする(ステップS963)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ101は、待機時間計測タイマを1減算し(ステップS964)、待機時間計測タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS965;N)、処理を終了する。待機時間計測タイマがタイムアウトしていれば(ステップS965;Y)、非確変大当り指定フラグおよび確変大当り指定フラグをリセットし(ステップS966)、プロセスフラグの値を待機処理に応じた値に更新して処理を終了する(ステップS967)。
このように、この実施の形態では、大当り中演出または終了時演出を実行することに決定されたときに、可変表示の実行期間における再抽選演出にて非確変図柄を導出表示することにより非確変大当りである旨の報知を行った後、非確変大当りを確変大当りに昇格させる演出または非確変大当りを確変大当りに昇格させない演出を行うため、以後の遊技状態を正確に遊技者に報知でき、遊技者に不利益を与えない。また、可変表示の実行期間に確変大当りである旨を報知した後に大当り中演出または終了時演出を実行することにより大当り中演出および終了時演出に対する興味が失われることを防止できるとともに、大当り中演出および/または終了時演出を実行する以前に昇格期待度を報知するため、昇格期待度に応じて大当り中演出および/または終了時演出に対する興趣を向上させることができる。
次に可変表示装置9にて実行される表示制御の具体的に態様例について説明する。図40は、モード変更演出の一例である。
遊技制御用マイクロコンピュータ60から客待ちデモ1指定コマンドを受信したことにもとづいて演出制御用マイクロコンピュータ101は、モード変更演出を実行する(図40(B))。モード変更演出において演出制御用マイクロコンピュータ101は、操作ボタン120の操作を促す表示として可変表示装置9に「モード変更できます」「ボタンを押してください」を所定期間に亘って表示した後、可変表示装置9にモード選択画面を表示する(図40(C))。
この例では、図40(C)に示すように、モード選択画面として可変表示装置9に選択可能なモードとして、「宇宙モード」、「陸モード」、および「海モード」を表示するとともに、演出制御用マイクロコンピュータ101によって複数のモードのいずれかにランダムで決定する「オート」を表示する。
また、選択中のモードは、例えば、黒抜き表示(背景色を白、文字色を黒、図40(C)の「宇宙」、「陸」、「海」と同様の表示)と白抜き表示(背景色を黒、文字色を白、図40(C)の「オート」と同様の表示)とに交互に表示すること等により選択中であることが可能となるように表示(選択表示)される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、遊技者によって操作ボタン120が操作されて操作信号が入力されたことにもとづいて、予め決められた順序で選択表示するモードを変更し、操作ボタン120の操作を有効とする期間が経過したときにいずれかのモードが選択されていれば選択表示しているモードに決定する(図40(D)〜図40(G))。演出制御用マイクロコンピュータ101は、モードを変更した場合には(ステップS819;Y)、変更したモードに応じたデータを使用するデータに設定することによりモードに応じた演出を実行可能にする(ステップS820)。また、操作ボタン120の操作を有効とする期間を計測するタイマは、例えば、5秒をカウントダウンするものであり、操作ボタン120が操作されてモードを変更する度に5秒に戻ってカウントダウンを再開するようになっている。
また、操作ボタン120の操作を有効とする期間が経過したときに「オート」が選択されていれば、演出制御用マイクロコンピュータ101は、所定の乱数を抽出し、抽出した乱数にもとづいて複数のモードのうちいずれかに決定する。なお、「オート」が選択されたときに、乱数を用いずに、予め決められた所定の順序に応じていずれかのモードに決定するようにしてもよい。例えば、「宇宙モード」、「陸モード」、「海モード」の順序を予め設定し、「オート」が選択されたときに、該順序にもとづいて現在のモードの次に設定されるモードに決定してもよい。
図41は、昇格期待度予告の一例である。遊技制御用マイクロコンピュータ60は、主基板31から変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて飾り図柄通常処理(ステップS801)飾り図柄変動開始処理(ステップS802)、および飾り図柄変動中処理(ステップS803)を実行して可変表示装置9にて飾り図柄の可変表示を開始する(図41(A)〜図41(C))。そして、主基板31から図柄停止コマンドを受信したことにもとづいて飾り図柄変動停止処理(ステップS804)を実行して飾り図柄を停止表示する(図41(D))。図41(D)では、飾り図柄の表示結果として非確変図柄を停止表示する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、大当り表示処理(ステップS805)およびラウンド中処理(ステップS806)を実行し、主基板31から大当り開始1指定コマンドを受信したことにもとづいて15ラウンド大当りを開始することを報知する(図41(E))。また、大当り表示処理(ステップS805)で選択したプロセステーブルにもとづいて大当り遊技状態の1ラウンドを開始する旨を報知する(図41(F))。図41(F)では、大当り遊技状態の1ラウンドを開始する旨の報知として、可変表示装置9に所定のキャラクタを表示するとともに「Round1」を表示することにより遊技者に大当り遊技状態の1ラウンドを開始する旨を通知する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、大当り中演出を実行する場合、すなわち、大当り表示処理のステップS862で大当り再抽選フラグがセットされている場合には、大当り中演出決定処理(ステップS863)を実行し、予告演出を実行するための処理を行う。演出制御用マイクロコンピュータ101は、大当り中演出決定処理(ステップS863)のステップS886およびステップS887で選択したプロセステーブルにもとづいて演出装置を制御することにより、予告演出を実行する(図41(G)〜図41(H)および図41(G)〜図41(H’))。
具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、大当り中演出決定処理(ステップS863)のステップS886およびステップS887で選択したプロセステーブルにもとづいて演出装置を制御し、昇格期待度予告として、操作ボタン120の操作を促す表示として可変表示装置9に「ボタンを押してください!」を表示する(図41(G))。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、大当り中演出決定処理(ステップS863)で予告演出を決定するときに、当該予告演出の開始タイミングを示すタイマをセットする。そして、ラウンド中処理(ステップS806)が実行される毎に予告演出の開始タイミングを示すタイマを1減算し、予告演出の開始タイミングを示すタイマがタイムアウトしたことにもとづいて操作ボタン120の操作を有効にする。
大当り中演出決定処理(ステップS863)で予告演出を決定するときには、演出制御用マイクロコンピュータ101は、当該予告演出にて操作ボタン120の操作が有効となる期間を示すタイマをセットする。そして、予告演出の開始タイミングを示すタイマがタイムアウトしたことにもとづいて操作ボタン120の操作が有効となる期間の計測を開始、具体的には、ラウンド中処理(ステップS806)が実行される毎に操作ボタン120の操作が有効となる期間を示すタイマを1減算する。なお、予告演出開始タイミングを示すタイマには、可変表示装置9にて操作ボタン120の操作を促す表示を行うのに同期して操作ボタン120の操作を有効とするための期間が設定され、例えば、1ラウンド実行中の表示を開始してから可変表示装置9にて操作ボタン120の操作を促す表示を行うまでの期間が設定される。
また、操作ボタン120の操作は所定期間、すなわち、操作ボタン120の操作が有効となる期間を示すタイマがタイムアウトするまで有効となり、演出制御用マイクロコンピュータ101は、ラウンド中処理(ステップS806)が実行される毎に操作ボタン120からの操作信号が入力されたか否かを確認する。有効期間内に操作ボタン120が操作されて操作信号が入力された場合には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、大当り中演出決定処理(ステップS863)のステップS886およびステップS887で選択したプロセステーブルにもとづいて演出装置を制御して可変表示装置9に所定の結果を表示する(図41(H)、図41(H’))。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ101は、操作ボタン120が操作されたことにもとづいて昇格期待度を表示する。
図41に示す例は、宇宙モードでの態様を示し、低期待度予告が実行された場合には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、操作ボタン120が操作されたことにもとづいて大当り中演出決定処理(ステップS863)のステップS887で選択したプロセステーブルにもとづいて所定の結果として可変表示装置9に隕石を表示し(図41(H))、高期待度予告が実行された場合には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、操作ボタン120が操作されたことにもとづいて大当り中演出決定処理(ステップS863)のステップS886で選択したプロセステーブルにもとづいて所定の結果として可変表示装置9にロケットを表示する(図41(H’))。このように、この実施の形態では、大当り中演出を実行する以前のラウンド(この例では、1ラウンド)にて大当り中演出の昇格期待度を通知する昇格期待度予告を実行するため、大当り中演出に対する興趣を向上させることができる。
また、この例では、期待度予告を実行するときに、有効期間内に操作ボタン120が操作されなかったときには、所定の結果を表示しない。すなわち、操作ボタン120の操作が有効となる期間を示すタイマがタイムアウトするまでに操作ボタン120が操作されたことにもとづく操作信号が入力されなければ、図41(H)および図41(H’)の表示を行わない。これにより、操作ボタン120の操作に関連付けて期待度予告を実行することができ、操作ボタン120の操作頻度を向上させることができる。なお、操作ボタン120が操作されることなく有効期間が経過したときにも所定の結果を表示するようにしてもよい。これにより、操作ボタン120の操作をし忘れた遊技者に不快感を与えないようにできる。
図42は、宇宙モードで実行される演出の一例である。演出制御用マイクロコンピュータ101は、宇宙モードに決定されている場合に、ステップS820で宇宙モードに応じたデータを設定し、設定した宇宙モードに応じたデータにもとづいて演出装置を制御する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ101は、図42(A)〜図42(D)に示すように宇宙モードに応じたデータにもとづいて可変表示装置9の背景画像として宇宙を表す態様を表示する。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、大当り表示処理のステップS862で大当り中演出を実行することを示す大当り再抽選フラグがセットされていれば、大当り中演出決定処理(ステップS863)を実行して大当り中演出を実行するための処理を行う。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、大当り中演出決定処理で決定した内容(ステップS871〜ステップS879)にもとづいてラウンド後処理(ステップS807)のステップS939でプロセステーブルを選択する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、ラウンド後処理(ステップS807)で選択したプロセステーブルにもとづいてラウンド中処理(ステップS806)のステップS904で演出装置を制御する。これにより、大当り中演出が実行される。
図42に示す例では、演出制御用マイクロコンピュータ101は、ラウンド後処理(ステップS807)のステップS939で選択したプロセステーブルにもとづいてラウンド中処理(ステップS806)のステップS904で演出装置を制御することにより宇宙モード固有の態様で大当り中演出を実行する。具体的には、可変表示装置9に「昇格チャンス」を表示して遊技者に大当り中演出が開始されることを報知するとともに(図42(H))、「ロケットが宇宙へ行ったら確変!」を表示して大当り中演出の結果に応じて非確変大当りを確変大当りに昇格させることを報知する(図42(I))。ラウンド後処理(ステップS807)のステップS939で選択したプロセステーブルにもとづいて昇格時の演出を実行するとき(例えば、確変大当り実行中指定コマンドを受信したとき)には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、ロケット打ち上げのタイミングをスピーカ27、可変表示装置9の表示などによりカウントダウンした後(図42(J))、ロケットを打ち上げて宇宙に到達した態様を表示する(図42(K))。その後、演出制御用マイクロコンピュータ101は、可変表示装置9に「確変」を表示することにより確変大当りに昇格する旨を報知する(図42(L))。
一方、ラウンド後処理(ステップS807)のステップS939で選択したプロセステーブルにもとづいて非昇格時の演出を実行するとき(例えば、非確変大当り実行中指定コマンド、非確変大当り実行中・終了時指定コマンドおよび確変大当り実行中・終了時指定コマンドを受信したとき)には、昇格時の演出と同様(完全に同じでなくてもよい)の演出を行った後、昇格時の演出とは異なる演出を実行する。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ101は、昇格時の演出と同様にロケット打ち上げのタイミングをスピーカ27、可変表示装置9の表示などによりカウントダウンした後(図42(J))、昇格時の演出とは異なる演出としてロケットの打ち上げが失敗した態様を表示する(図42(K’))。その後、演出制御用マイクロコンピュータ101は、可変表示装置9に「残念」を表示することにより確変大当りに昇格しない旨を報知する(図42(L’))。
図43は、陸モードで実行される演出の一例である。演出制御用マイクロコンピュータ101は、陸モードに決定されている場合に、ステップS820で陸モードに応じたデータを設定し、設定した陸モードに応じたデータにもとづいて演出装置を制御する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ101は、図43(A)〜図43(D)に示すように陸モードに応じたデータにもとづいて可変表示装置9の背景画像として山を表示する。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、大当り表示処理のステップS862で大当り中演出を実行することを示す大当り再抽選フラグがセットされていれば、大当り中演出決定処理(ステップS863)を実行して大当り中演出を実行するための処理を行う。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、大当り中演出決定処理で決定した内容(ステップS871〜ステップS879)にもとづいてラウンド後処理(ステップS807)のステップS939でプロセステーブルを選択する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、ラウンド後処理(ステップS807)で選択したプロセステーブルにもとづいてラウンド中処理(ステップS806)のステップS904で演出装置を制御する。これにより、大当り中演出が実行される。
図43に示す例では、演出制御用マイクロコンピュータ101は、ラウンド後処理(ステップS807)のステップS939で選択したプロセステーブルにもとづいてラウンド中処理(ステップS806)のステップS904で演出装置を制御することにより陸モード固有の態様で大当り中演出を実行する。具体的には、可変表示装置9に「昇格チャンス」を表示して遊技者に大当り中演出が開始されることを報知するとともに(図43(H))、「火山が噴火したら確変!」を表示して大当り中演出の結果に応じて非確変大当りを確変大当りに昇格させることを報知する(図43(I))。ラウンド後処理(ステップS807)のステップS939で選択したプロセステーブルにもとづいて昇格時の演出を実行するとき(例えば、確変大当り実行中指定コマンドを受信したとき)には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、火山が噴火する前兆を示す演出、例えば、スピーカ27から「ゴォォー」を出力させたり、可変表示装置9に表示される山から煙が立ち昇る態様を表示したりした後(図43(J))、山が噴火した態様を表示する(図43(K))。その後、演出制御用マイクロコンピュータ101は、可変表示装置9に「確変」を表示することにより確変大当りに昇格する旨を報知する(図43(L))。
一方、ラウンド後処理(ステップS807)のステップS939で選択したプロセステーブルにもとづいて非昇格時の演出を実行するとき(例えば、非確変大当り実行中指定コマンド、非確変大当り実行中・終了時指定コマンドおよび確変大当り実行中・終了時指定コマンドを受信したとき)には、昇格時の演出と同様(完全に同じでなくてもよい)の演出を行った後、昇格時の演出とは異なる演出を実行する。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ101は、昇格時の演出と同様に火山が噴火する前兆を示す演出、例えば、スピーカ27から「ゴォォー」を出力させたり、可変表示装置9に表示される山から煙が立ち昇る態様を表示したりした後(図43(J))、昇格時の演出とは異なる演出として山が噴火しなかった態様を表示する(図43(K’))。その後、演出制御用マイクロコンピュータ101は、可変表示装置9に「残念」を表示することにより確変大当りに昇格しない旨を報知する(図43(L’))。
図44は、海モードで実行される演出の一例である。演出制御用マイクロコンピュータ101は、海モードに決定されている場合に、ステップS820で海モードに応じたデータを設定し、設定した海モードに応じたデータにもとづいて演出装置を制御する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ101は、図44(A)〜図44(D)に示すように海モードに応じたデータにもとづいて可変表示装置9の背景画像として海中を表す態様を表示する。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、大当り表示処理のステップS862で大当り中演出を実行することを示す大当り再抽選フラグがセットされていれば、大当り中演出決定処理(ステップS863)を実行して大当り中演出を実行するための処理を行う。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、大当り中演出決定処理で決定した内容(ステップS871〜ステップS879)にもとづいてラウンド後処理(ステップS807)のステップS939でプロセステーブルを選択する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、ラウンド後処理(ステップS807)で選択したプロセステーブルにもとづいてラウンド中処理(ステップS806)のステップS904で演出装置を制御する。これにより、大当り中演出が実行される。
図44に示す例では、演出制御用マイクロコンピュータ101は、ラウンド後処理(ステップS807)のステップS939で選択したプロセステーブルにもとづいてラウンド中処理(ステップS806)のステップS904で演出装置を制御することにより海モード固有の態様で大当り中演出を実行する。具体的には、可変表示装置9に「昇格チャンス」を表示して遊技者に大当り中演出が開始されることを報知するとともに(図44(H))、「宝箱の中に財宝が入っていたら確変!」を表示して大当り中演出の結果に応じて非確変大当りを確変大当りに昇格させることを報知する(図44(I))。ラウンド後処理(ステップS807)のステップS939で選択したプロセステーブルにもとづいて昇格時の演出を実行するとき(例えば、確変大当り実行中指定コマンドを受信したとき)には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、宝箱を表示した後に宝箱を開く演出をスピーカ27、可変表示装置9の表示などにより実行した後(図44(J))、宝箱に財宝が入っている態様を表示する(図44(K))。その後、演出制御用マイクロコンピュータ101は、可変表示装置9に「確変」を表示することにより確変大当りに昇格する旨を報知する(図44(L))。
一方、ラウンド後処理(ステップS807)のステップS939で選択したプロセステーブルにもとづいて非昇格時の演出を実行するとき(例えば、非確変大当り実行中指定コマンド、非確変大当り実行中・終了時指定コマンドおよび確変大当り実行中・終了時指定コマンドを受信したとき)には、昇格時の演出と同様(完全に同じでなくてもよい)の演出を行った後、昇格時の演出とは異なる演出を実行する。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ101は、昇格時の演出と同様に宝箱を表示した後に宝箱を開く演出をスピーカ27、可変表示装置9の表示などにより実行した後(図44(J))、昇格時の演出とは異なる演出として宝箱に財宝が入っていない態様を表示する(図44(K’))。そして、演出制御用マイクロコンピュータ101は、可変表示装置9に「残念」を表示することにより確変大当りに昇格しない旨を報知する(図44(L’))。
図42〜図44に示すように、大当り遊技状態の実行中に非確変大当りを確変大当りに昇格させるか否かを報知する演出を実行するため、可変表示装置9に非確変図柄が停止表示した非確変大当りとなった場合に大当り遊技状態が開始された後でも大当り遊技状態が終了するまでは確変大当りに対する期待感を持続させることができる。また、モードに応じた大当り中演出を実行するため、遊技者に違和感を与えない。さらに、現在のモードと異なるモード(例えば、宇宙モードとは異なる海モード)に対応した大当り中演出が実行された(例えば、宇宙モードであるときに海モード固有の演出(宝箱)が実行されたとき)ことを遊技者が認識しやすいともに、現在のモードと異なるモードに対応した大当り中演出を実行したときには必ず確変大当りに昇格させる演出を実行するため、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、図42〜図44では、現在のモードを可変表示装置9に表示することにより遊技者に報知する。具体的には、図42(A)で可変表示装置9の右下部に「宇宙モード」と表示し、図43(A)で可変表示装置9の右下部に「陸モード」と表示し、図44(A)で可変表示装置9の右下部に「海モード」と表示することにより、現在のモードを報知している。これにより、大当り遊技状態終了後にどのモードであるかを遊技者に把握させやすい。なお、可変表示装置9に常に現在のモードを表示してもよいし、可変表示を停止しているときにのみ現在のモードを表示するようにしてもよい。また、可変表示装置9に常に現在のモードを表示し、リーチ演出等の所定の演出が開始されたときに現在のモードの表示を停止するようにしてもよい。
図45は、終了時演出の一例である。演出制御用マイクロコンピュータ101は、ラウンド中処理のステップS914で主基板31から大当り終了4指定コマンドを受信したことにもとづいて終了時演出決定処理(ステップS915)を実行して終了時演出を実行するための処理を行う。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、終了時演出決定処理(ステップS915)のステップS922およびステップS923で選択したプロセステーブルにもとづいて大当り終了演出処理(ステップS808)のステップ954で演出装置を制御する。これにより、終了時演出が実行される。
図45に示す例では、演出制御用マイクロコンピュータ101は、終了時演出決定処理(ステップS915)のステップS922およびステップS923で選択したプロセステーブルにもとづいて大当り終了演出処理(ステップS808)のステップ954で演出装置を制御することにより宇宙モード固有の態様で終了時演出を実行する。具体的には、可変表示装置9に「昇格チャンスファイナル」を表示して遊技者に終了時演出が開始されることを報知するとともに(図45(B))、操作ボタン120の操作を促す表示として可変表示装置9に「ボタンを押してどちらか選んでください」を表示する(図45(C))。
この例では、図45(C)に示すように、可変表示装置9に2枚のカードの裏面を表示し、一方のカードを点滅表示することにより選択中であることを認識可能に表示(選択表示)する。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、2枚のカードを所定のタイミングで交互に点滅表示し、遊技者によって操作ボタン120が操作されたこと(ステップS960;Y)および有効期間が経過したこと(ステップS961;Y)にもとづいて所定の結果を表示する(ステップS962)。
演出制御用マイクロコンピュータ101は、終了時演出決定処理(ステップS915)のステップS923で選択した終了時昇格演出のプロセステーブルにもとづく演出を実行するとき、すなわち、非確変大当りを確変大当りに昇格させる演出を実行するとき(例えば、確変大当り終了時指定コマンドおよび確変大当り実行中・終了時指定コマンドを受信したとき)には、選択されたカードを裏返して「確変」と書かれた表面を表示するとともに、可変表示装置9に「確変おめでとう」を表示することにより確変大当りに昇格する旨を報知する(図45(D)、図45(E)、ステップS962)。一方、終了時演出決定処理(ステップS915)のステップS922で選択した終了時非昇格演出のプロセステーブルにもとづく演出を実行するとき、すなわち、非確変大当りを確変大当りに昇格させない演出を実行するとき(例えば、非確変大当り終了時指定コマンドおよび非確変大当り実行中・終了時指定コマンドを受信したとき)には、選択されたカードを裏返して「カス」と書かれた表面を表示するとともに、可変表示装置9に「残念時短100回」を表示することにより確変大当りに昇格しない旨および時短状態に制御する旨を報知する(図45(D’)、図45(E’)、ステップS962)。
このように、この例では、大当り遊技状態を終了するときに非確変大当りを確変大当りに昇格させるか否かを報知する演出を実行するため、可変表示装置9に非確変図柄が停止表示した非確変大当りとなった場合に大当り遊技状態が開始された後でも大当り遊技状態が終了するまでは確変大当りに対する期待感を持続させることができる。また、図45には、宇宙モードにて実行される終了時演出の一例を示したが、他のモードにて実行される終了時演出の態様は宇宙モードにて実行される終了時演出の態様とは異なる。すなわち、宇宙モード、陸モード、および海モードのそれぞれにて異なる態様で終了時演出が実行される。このように、モードに応じた終了時演出を実行するため、遊技者に違和感を与えない。
また、この実施の形態では、終了時演出では操作ボタン120の操作に関わらず所定の結果を報知する。例えば、図45(C)で操作ボタン120の操作を有効にし、所定の有効期間内に操作ボタン120が操作されなかった場合(ステップS961;Y)にも、演出制御用マイクロコンピュータ101により所定の結果として図45(D)または図45(D’)の演出を行う(ステップS962)。また、演出制御用マイクロコンピュータ101は、終了時演出決定処理(ステップS915)のステップS921で非確変大当り指定フラグがセットされていれば、すなわち、主基板31から非確変大当り終了時指定コマンドまたは非確変大当り実行中・終了時指定コマンドを受信し、実行中の大当りが非確変大当りである場合には、終了時演出決定処理(ステップS915)のステップS922で終了時非昇格演出のプロセステーブルを選択して確変大当りに昇格しない演出を実行する。
一方、演出制御用マイクロコンピュータ101は、終了時演出決定処理(ステップS915)のステップS921で非確変大当り指定フラグがセットされていなければ、すなわち、主基板31から確変大当り終了時指定コマンドまたは確変大当り実行中・終了時指定コマンドを受信し、実行中の大当りが確変大当りである場合には、終了時演出決定処理(ステップS915)のステップS923で終了時昇格演出のプロセステーブルを選択して確変大当りに昇格する演出を実行する。つまり、上記した実施の形態では、終了時演出にて特別図柄の表示結果に応じた結果(確変大当りか、非確変大当りか)を報知する。
なお、終了時演出にて有効期間内に操作ボタン120が操作されなかったときには(ステップS961でY)、ステップS962で結果表示として特別図柄の表示結果とは異なる結果(確変大当りまたは非確変大当り)を報知するようにしてもよいし、常に非確変大当り(この例では、時短大当り)となることを報知する演出を実行するようにしてもよい。この場合に、報知した遊技状態と同じ態様(完全に同じでなくてもよい)で演出装置を制御し、所定のタイミング(例えば、特別図柄表示器8にて所定回数の可変表示が実行されたとき、大当り遊技状態を終了してから所定期間が経過したとき等)で時短状態であるか確変状態であるかを報知する演出を実行するようにしてもよい。例えば、特別図柄の表示結果として確変大当りとなった場合に、終了時演出にて時短大当りである旨を報知して時短状態と同じ態様で演出装置を制御し、大当り遊技状態を終了してから特別図柄表示器8によって特別図柄の可変表示が9回実行されたことにもとづいて、10回目の可変表示にて時短状態を確変状態に昇格させる演出を実行するようにしてもよい。
具体的には、図46に示すように、大当り遊技状態を終了するときに時短大当りであることを報知した後(図46(A)、ステップS962)、時短状態と同じ態様(例えば、可変表示装置9に時短状態の残り回数を表示、時短状態に応じた背景色で背景画像を表示)で演出装置を制御する(図46(B))。そして、主基板31から変動パターンコマンドを受信して所定回数目(例えば、20回目)の可変表示を開始するときに、時短状態を確変状態に昇格させるか否かを報知する演出のプロセスデータを選択し(ステップS802)、選択したプロセスデータにもとづいて飾り図柄変動中処理(ステップS803)で演出装置を制御して可変表示装置9に「いきなり昇格チャンス」を表示するとともに(図46(C))、「ロケットが宇宙へ行ったら確変!」を表示して演出結果に応じて時短状態を確変状態に昇格させるか否かの演出を実行することを報知する(図46(D))。
飾り図柄変動開始処理(ステップS802)で選択した時短状態を確変状態に昇格させる旨を報知する演出のプロセスデータにもとづいて確変状態であることを報知する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り図柄変動中処理(ステップS803)で当該プロセスデータにもとづいて演出装置を制御し、ロケット打ち上げのタイミングをスピーカ27、可変表示装置9の表示などによりカウントダウンした後(図46(E))、可変表示装置9にロケットを打ち上げて宇宙に到達した態様を表示する(図46(F))。その後、演出制御用マイクロコンピュータ101は、可変表示装置9に「確変」を表示することにより時短状態を確変状態に昇格させる旨を報知し(図46(G))、確変状態の態様で演出装置を制御する。なお、確変大当りである場合に大当り遊技状態を終了するときに時短大当りである旨を報知した場合には、大当り遊技状態を終了してから時短状態と同じ態様(完全に同じでもよいし、完全に同じでなくてもよい)で演出装置を制御するが、実際にはパチンコ遊技機は確変状態、すなわち、通常状態および時短状態よりも大当りが発生する確率が高い状態に制御される。
一方、飾り図柄変動開始処理(ステップS802)で選択した時短状態を確変状態に昇格させない旨を報知する演出のプロセスデータにもとづいて時短状態であることを報知する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ101は、飾り図柄変動中処理(ステップS803)で当該プロセスデータにもとづいて演出装置を制御し、確変状態であることを報知する演出と同様(完全に同じでなくてもよい)の演出を行った後、確変状態であることを報知する演出とは異なる演出を実行する。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ101は、確変状態であることを報知する演出と同様にロケット打ち上げのタイミングをスピーカ27、可変表示装置9の表示などによりカウントダウンした後(図46(E))、確変状態であることを報知する演出とは異なる態様としてロケットの打ち上げが失敗した態様を表示する(図46(F’))。その後、演出制御用マイクロコンピュータ101は、可変表示装置9に「残念」を表示することにより確変大当りに昇格しない旨を報知する(図46(G’))。
このように、終了時演出にて有効期間内に操作ボタン120が操作されなかったときに時短大当りである旨を報知するため、操作ボタン120を関連付けて終了時演出を実行でき、操作ボタン120を操作しないことにより遊技者に不利益となる虞があるため、操作ボタン120の操作頻度を向上させることができる。また、この場合には、大当り遊技状態を終了した後の所定のタイミングで時短状態であるか確変状態であるかを報知する演出を実行するため、遊技者に極端に不利益を与えない。また、図46には、宇宙モードにて実行される演出の一例を示したが、他のモードにて実行される演出の態様は宇宙モードにて実行される演出の態様とは異なる。すなわち、宇宙モード、陸モード、および海モードのそれぞれにて異なる態様で確変状態であるか時短状態であるかを報知する演出が実行される。このように、モードに応じた演出を実行するため、遊技者に違和感を与えない。
以上説明したように、この実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、大当り遊技状態の開始後に確変大当りであるか旨を報知する場合には、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示の表示結果として非確変図柄を導出表示し、大当り遊技状態の開始後に実行される大当り中演出または終了時演出にて確変大当りである旨を報知するため、飾り図柄の可変表示にて非確変図柄が導出表示された場合に大当り遊技状態が終了するまでは確変大当りに対する期待感を持続できるとともに、大当り中演出および終了時演出に対する期待感を高めることができる。また、飾り図柄の可変表示にて確変図柄が導出表示した後に大当り中演出または終了時演出を実行した場合に実行中の大当り中演出および終了時演出に対する興味が失われることを防止できる。
また、この実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、大当り遊技状態を終了するときに確変大当りであるか否かを報知する場合(例えば、終了時演出を実行する場合)には、大当り遊技状態の実行中(例えば、大当り中演出)に確変大当りでない旨を報知し、大当り遊技状態を終了するときに(例えば、終了時演出)確変大当りである旨を報知する。そのため、大当り遊技状態が終了するまでは確変大当りに対する期待感を持続できるとともに、終了時演出に対する期待感を高めることができる。また、大当り中演出で確変大当りである旨を報知した後に終了時演出を実行することによって実行中の終了時演出に対する興味が失われることを防止できる。
また、本実施形態では、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ101は、可変表示の実行期間における再抽選演出を実行するか否かを変動パターンコマンド80XX(H)から特定することができ、大当り中演出および終了時演出を実行するか否かを判定結果コマンド81XX(H)から特定することができる。このため、可変表示の実行期間における再抽選演出の実行を指令する演出制御コマンドや、大当り中演出および終了時演出の実行を指令する演出制御コマンドなどを別個設けなくても、可変表示の実行期間における再抽選演出、大当り中演出、および終了時演出を実行することができるようになる。この結果、パチンコ遊技機1は、演出制御コマンドの種類を増加させることなく、多様な演出を実行することが可能となる。
加えて、大当り中演出および終了時演出を実行するか否かと、非確変大当りとするか確変大当りとするかと、を、判定結果コマンド81XX(H)によって示す。変動パターンコマンドによってこれらを示すようにしてもよいが、判定結果コマンド81XX(H)によって示すことにより大当り中演出および終了時演出を実行するか否か、非確変大当りとするか確変大当りとするか、を変動パターンコマンド80XX(H)によって示させる場合に比べて、変動パターンコマンド80XX(H)の種類を減らすことができる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ101は、主基板31から送信された大当り終了4指定コマンドA304(H)を受信するとき、即ち大当り遊技状態を終了するときに、終了時演出の実行を開始するため、大当り遊技状態の全てのラウンドが終了した後においても遊技者に遊技に対する興味を持たせることが可能となる結果、遊技者の遊技に対する興趣を長期間保つことができる。
また、この実施の形態では、大当り遊技状態のラウンド中に大当り中演出を実行する構成としているが、これに限らず、大当り遊技状態を開始してから全てのラウンドを実行するまで(具体的には、大当り表示処理からラウンド後処理を実行する期間内)に行うものであれば、大当り中演出を実行する時期は問わない。例えば、大当り遊技状態における所定のラウンドから複数のラウンドに跨って大当り中演出を実行してもよいし、大当り遊技状態における所定のラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでのラウンドインターバル期間に大当り中演出を実行するようにしてもよい。
また、この例では、確変大当りか否かを報知する演出として確変大当りか否かを選択する演出を実行した後に所定の結果を表示する。例えば、図42(H)〜図42(J)の演出を実行した後に図42(K)および図42(K’)の演出を実行する。そのため、確変大当りに対する期待感を高めることができる。なお、確変大当りか否かを報知する演出として所定の結果のみを表示するようにしてもよい。例えば、図42(H)の表示を行った後、図42(L)および図42(L’)の表示を行って確変大当りに昇格したことまたは確変大当りに昇格しなかったことを報知するようにしてもよい。このように構成することにより、短い期間でも確変大当りか否かを報知する演出を実行することができる。また、確変大当りか否かを報知する演出として、確変大当りか否かを選択する演出を実行した後に所定の結果を報知する演出に加えて、確変大当りか否かを選択する演出を実行することなく所定の結果を報知する演出を所定の割合で実行する構成とした場合には、遊技者に意外性を与えることができ、興趣を向上させることができる。
また、この例では、遊技制御用マイクロコンピュータ60により非確変大当りとなる場合に大当り中演出および終了時演出を実行するか否かを判定し、大当り中演出および/または終了時演出を実行する旨の判定がなされたときに、演出制御用マイクロコンピュータ101により、非確変大当りを確変大当りに昇格させない演出を実行したが、遊技制御用マイクロコンピュータ60では、確変大当りとなるときにだけ大当り中演出および終了時演出を実行するか否かを判定するようにしてもよい。この場合には、非確変大当りとなるときに演出制御用マイクロコンピュータ101により大当り中演出を実行するか否かおよび終了時演出を実行するか否か判定し、実行する旨の判定がなされたときに大当り中演出および/または終了時演出を実行して非確変大当りを確変大当りに昇格させない演出を実行してもよい。例えば、大当り表示処理のステップS862で大当り再抽選フラグがセットされていない場合に非確変大当り指定フラグがセットされていたら大当り中演出および/または終了時演出を実行するか否かを判定し、大当り中演出を実行する旨の判定がなされたときに大当り中演出決定処理を実行するようにしてもよいし、ラウンド中処理のステップS909で大当り終了2指定コマンドを受信したときに終了時演出を実行するか否かを判定し、終了時演出を実行する旨の判定がなされたときにステップS915に移行して終了時演出決定処理を実行するようにしてもよい。なお、非確変大当りとなる場合に演出制御用マイクロコンピュータ101により終了時演習を実行するか否かを判定する場合には、大当り遊技状態の終了を報知する期間と同一の期間で終了時演出を実行する。
また、上記実施の形態における可変表示の実行期間における再抽選演出、大当り遊技状態の開始後に実行される大当り中演出および終了時演出は、大当り遊技状態終了後の遊技状態を、遊技者にとって不利な時短状態から、遊技者にとって有利な確変状態に昇格させる演出表示であるとして説明した。しかしながら、本発明の再抽選演出、大当り中演出、および終了時演出は、これに限定されるものではなく、例えば大当り遊技状態を、遊技者にとって不利なものから有利なものに昇格させる演出表示であるものとしてもよい。具体的には、大当り遊技状態の開始時に可変表示装置9による表示で報知されたラウンド数や大入賞口の開放時間を、再抽選演出、大当り中演出、および終了時演出により昇格させるような演出表示を行うものとしてもよい。例えば大当り遊技状態の開始時にラウンド数を「7」回と報知しておき、その後、大当り中演出、および終了時演出のいずれかを実行してラウンド数が「15」回に昇格した旨を報知するようにする態様であってもよいし、また、大当り遊技状態の開始時に大入賞口の開放時間を「15秒」と報知しておき、その後、再抽選演出、大当り中演出、および終了時演出のいずれかを実行して大入賞口の開放時間が「30秒」に昇格した旨を報知するような態様であってもよい。すなわち、再抽選演出、大当り中演出、および終了時演出は、遊技者の有利度合いが不利な状態から有利な状態へと昇格させるものであれば任意であり、その他のものであってもかまわない。
なお、上述した実施形態では、主基板31および演出制御基板80に各々マイクロコンピュータを搭載し、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ60から演出制御用マイクロコンピュータ101に対して制御信号(演出制御コマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ101によって演出装置の制御(例えば、可変表示装置9の表示制御、スピーカ27の音声出力制御、ランプ・LEDの発光制御等)を実行するものについて示したが、これに限らず、以下に示すものであってもよい。
すなわち、可変表示装置9を表示制御する表示制御用マイクロコンピュータと、スピーカ27を音声出力制御する音声制御用マイクロコンピュータと、ランプ・LEDを発光制御するランプ制御用マイクロコンピュータと、をそれぞれ備える構成としてもよいし、スピーカ27およびランプ・LEDを制御する音ランプ制御用マイクロコンピュータのように複数種類の電気部品(例えば、スピーカ27,ランプ・LED)の制御をまとめて実行するものであってもよい。音声制御用マイクロコンピュータとランプ制御用マイクロコンピュータとをそれぞれ設ける構成とした場合および複数種類の電気部品の制御をまとめて実行する構成とした場合には、リングバッファ形式のコマンド受信バッファを用いるようにしてもよいし、リングバッファ形式でないバッファ形式のコマンド受信バッファを用いるようにしてもよい。
また、音声制御用マイクロコンピュータとランプ制御用マイクロコンピュータとをそれぞれ設ける構成とした場合および複数種類の電気部品の制御をまとめて実行する構成とした場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ60からの信号(制御信号、指令信号、コマンド)を受信するサブマイクロコンピュータ(1次サブマイクロコンピュータ)と、さらに1次サブマイクロコンピュータからの信号(制御信号、指令信号、コマンド)を受信するサブマイクロコンピュータ(2次サブマイクロコンピュータ)を設けてもよい。メインマイクロコンピュータからの信号により特定される指令(指示)を新たに生成した信号(データ変換された信号)により2次サブマイクロコンピュータに指令するものでもよい。
また、信号(制御信号、指令信号、コマンド)を送受信するマイクロコンピュータの間には中継基板が介在してもよいし、信号(制御信号、指令信号、コマンド)が途中で所定の演算等により変換されて送信されるようなものであっても、信号(制御信号、指令信号、コマンド)を送る側の指令(指示)を伝える機能をもつものであればよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ60からの信号(制御信号、指令信号、コマンド)は、音声出力基板70を介して演出制御基板80に入力されるようにしてもよい。
加えて、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機において画像表示装置を有するものであれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態をとっても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態をとっても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。