JP2008119113A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1種遊技仕様と第2種遊技仕様とを混合した仕様に基づく遊技機において、主制御部の負荷を軽減しつつ、適切な予告演出を実行する遊技機を提供する。
【解決手段】遊技球が進入可能であり、特定領域の上部に設置された所定の可動領域を往復移動する可動体と、移動中の可動体の位置を示す位置情報を出力する第1の制御部と、位置情報と、遊技球が所定の部位を通過した時刻を示す時刻情報とに基づいて、可動体内に進入した遊技球が特定領域に入賞する可能性の高低を決定する第2の制御部を備え、第2の制御部は、可能性が高いと決定した場合には、第1の演出を実行するための制御を行い、可能性が低いと決定した場合には、第2の演出を実行するための制御を行う。
【選択図】図16

Description

本発明は、パチンコ機等の遊技機に関する。
パチンコ機は、異なる遊技仕様にしたがった2種類の機種(第1種遊技仕様のパチンコ機と第2種遊技仕様のパチンコ機)に分類できる。
第1種遊技仕様のパチンコ機(通称「デジパチ」)は、一般に、遊技盤に設けられた始動入賞口への遊技球の始動入賞時に遊技機に内蔵するプログラムが大当たり(「特賞」ともいう。)/外れの内部抽選を行い、大当たりの場合には遊技者にとって有利な遊技状態(「特定遊技状態」ともいう。)を提供する。第1種遊技仕様のパチンコ機は、実際の抽選結果を報知する特別図柄を表示する特別図柄表示装置と、演出図柄を表示する液晶ディスプレイ等の演出図柄表示装置を備える。特別図柄は複数の数字や図形等で構成された単純な図柄である一方、演出図柄は人物キャラクタやアニメキャラクタ等と数字等とが組み合わされた多彩な図柄である。特別図柄の表示と演出図柄の表示を別個に行う理由は、両者の役割が異なるからである。つまり、特別図柄の役割は、抽選した結果(大当たり又は外れ)を遊技者に報知することであるのに対して、演出図柄の役割は、遊技者が遊技に興じるような楽しいコンテンツを提供することにある。そこで、第1種遊技仕様のパチンコ機は、演出図柄を音楽、効果音等とシンクロナイズさせて変動させ、あるいは、演出図柄を使って遊技状態の変化を提示すること、さらには、予告演出(リーチや大当たりの前兆演出)を実行することによって、遊技者がわくわくドキドキするような凝った演出を提供する。遊技者は、一般的に、演出の面白さを基準にして遊技する機種を選ぶ傾向にあるため、商品がヒットするかどうかは、演出の面白さに依るところが大きい。
第2種遊技仕様のパチンコ機(通称「羽根物」)とは、始動入賞口へ遊技球が入賞すると、始動遊技状態となって大入賞口(第2種遊技仕様のパチンコ機では通称「羽根」)が開放する。そして、大入賞口内の特定領域(通称「V領域」)に遊技球が入賞(通称「V入賞」)すると、特定遊技状態が発生する。特定遊技状態では、大入賞口が連続開放される。大入賞口の連続開放は、V入賞を条件として所定のラウンド数(例えば、16回)だけ行われる。また、始動遊技状態において、V入賞が生じた場合には、内部抽選が行われ、抽選結果に応じてラウンド数が決定されるように構成されていることがある。そして、決定されたラウンド数は、特定遊技状態において表示器に表示され遊技者に報知される。V入賞後に行われる抽選の結果は遊技者に付与される遊技価値の程度(例えば、景品としての遊技球の払い出し個数)に反映されるので、遊技者は、抽選結果に大きな期待感を抱く。また、第2種遊技仕様のパチンコ機の中には、V入賞が発生する前に、ラウンド数を決定し、決定結果をラウンド数表示器に表示する機種がある。この機種の場合、V入賞が発生する前にラウンド数を予告するように構成されているため、ラウンド数の多い大当たり発生への期待感を遊技者に持たせることできる。しかし、大入賞口に遊技球が入賞しないときや、明らかにV入賞しないタイミングで大入賞口に遊技球が入賞したときは、ラウンド数を予告する意味がないばかりか、結果的には遊技者をがっかりさせることになり遊技者のストレスを増長する。このような問題に対処するために予告演出の実行を制御する遊技機が特許文献1に開示されている。この遊技機では、始動入賞にもとづいて大入賞口が開放されているときに大入賞口に遊技球が入賞しなかった場合には、予告演出を実行しない。また、球通過センサによって球通過が検出されたタイミングが、例えば始動入賞から所定の時間内であって、V入賞の発生し易いタイミングであると判断された場合にだけ、予告演出を実行し、V入賞が発生しにくいタイミングであると判断された場合には、予告演出を実行しない。
第1種遊技仕様のパチンコ機は、遊技球の始動入賞時に大当たり/外れ、演出図柄の変動パターン、停止図柄を決定し、さらには、予告演出を実行するかどうかを決定する。これに対して、第2種遊技仕様のパチンコ機は、変動パターンや停止図柄の決定を行わず、遊技球の始動入賞時に大入賞口を開放して、大入賞口内に設置されているセンサが所定のタイミングで遊技球を検知したか否かに基づいて予告演出を実行するかどうかを決定する。
上述したように、第1種遊技仕様のパチンコ機と第2種遊技仕様のパチンコ機の遊技内容は、大きく異なるが、近頃では、遊技者の幅広いニーズを満たすため、第1種遊技仕様と第2種遊技仕様とを混合した仕様に基づいた遊技機も開発されている。このタイプの遊技機では、始動入賞口に遊技球が入賞して大入賞口が一回開放することを「小当たり」と呼ぶ。小当たり時の大入賞口の開放時間は、約0.6秒である。そして、大入賞口が開放中に遊技球が大入賞口の中に飛び込みV入賞することを「大当たり」と呼ぶ。この大当たりは、小当たりを経由して発生する。大当たりが発生すると大入賞口が所定の回数開放し、遊技者にとって有利な遊技状態となる。したがって、この遊技機には、第1種遊技仕様のパチンコ機にみられるような「外れ」や、リーチを介した大当たりは存在しない。さらに、この遊技機には、発生確率は極めて低いが、始動入賞口に遊技球が入賞するだけで大当たりとなる場合がある(通称、「直当たり」(ちょくあたり))。この場合、大入賞口は開放しないためV入賞することはない。つまり、この大当たりは、大入賞口が開放(小当たりの発生)し、次いで遊技球がV入賞(大当たりの発生)という一連のプロセスを経ずに、突然発生する。
次に、第1種遊技仕様と第2種遊技仕様とを混合した仕様に基づいた遊技機100が内部に備える制御部の構成を、図面を用いて簡単に説明する。
図2は、遊技機100内部の制御部200の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、制御部は、主に、主制御部310と副制御部340と表示制御部370の3つの制御部を備える。
主制御部310は、始動入賞口への入賞による遊技球の検出に基づいて内部で発生させた乱数に応じて、大当たり/小当たりの判定処理、副制御部340への各種コマンドの送信処理及び遊技機全体の制御を行う。また、主制御部310は、特別図柄を表示する特別図柄表示装置102を制御する。
副制御部340は、主制御部310から送信されるコマンドに基づいて、表示制御部370を制御するためのコマンドを作成し、表示制御部370に送信する。また、副制御部340は、遊技領域等に設けられているランプの点滅制御、遊技機のスピーカから出力する音声の制御、モータの回転制御をして、遊技領域等に設置されているキャラクタフィギャア等の演出用の可動物を制御する。
表示制御部370は、副制御部340から送信されるコマンドにしたがって液晶表示装置等である演出図柄表示装置103を制御する。
演出図柄表示装置103が表示する演出図柄の変動態様は、主制御部310が副制御部340に送信する変動パターンコマンドの内容(変動時間)にもとづいて決定される。変動パターンコマンドとは、演出図柄表示装置103が表示する演出図柄の変動態様を指示するコマンドである。副制御部340は、変動パターンコマンドを表示制御部370に送信し、変動パターンコマンドを受信した表示制御部370は、演出図柄表示装置103に対して、変動パターンコマンドが指定する動作を行うことを指示する。
遊技機は、上記制御部を用いて各種コマンドの送受信処理及び各種コマンドの実行処理を行うことによって、バラエティに富んだ演出を遊技者に提供する。演出の一種として、例えば、「予告演出」がある。予告演出とは、リーチや大当たりの前兆演出のことであり、演出図柄表示装置103に表示されている変動中の演出図柄を含む表示内容を一時的かつ比較的高い頻度で変化させることによって、遊技者にとって有利な遊技状態になる可能性が高いことを示し、期待感をふくらませる演出である。具体的には、遊技者にとって有利な状態になる可能性があることを表現するキャッチフレーズ、アニメキャラクタ又は特殊な効果音を一時的に表示/出力する。遊技者は、遊技中にこの予告演出が出現する度にまもなく大当たりが発生するかもしれないという期待感を抱くことができ、長時間にわたって遊技をしても飽きることなく遊技を楽しむことができる。
特開2005−185477号公報
上述した第1種遊技仕様と第2種遊技仕様とを混合した仕様に基づく遊技機においては、各仕様が規定する様々な処理を行わなければならないため、主制御部にかかる負荷は大きい。特にパチンコ機の場合には、主制御部に搭載できるCPUの性能に制限があるため、主制御部が実行する処理を絞り込むことによって主制御部にかかる負荷を軽減させる必要がある。反面、遊技機の面白さを一層高めるためには、予告演出をはじめとする多種多様な演出を提供しなければならず、その演出に要する主制御部の処理もますます複雑化する傾向にある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、第1種遊技仕様と第2種遊技仕様とを混合した仕様に基づく遊技機において、主制御部の負荷を軽減しつつ、適切な予告演出を実行する遊技機を提供することにある。
この目的を達成するために、本発明の遊技機は、始動入賞口への遊技球の入賞を契機に、遊技者に提示する演出の有無を決定する遊技機において、遊技球が進入可能であり、特定領域(V領域)の上部に設置された所定の可動領域を往復移動する可動体(図7の398)と、移動中の可動体の位置を示す位置情報を出力する第1の制御部(図3の310)と、位置情報と、遊技球が所定の部位(図7の397)を通過した時刻を示す時刻情報とに基づいて、可動体内に進入した遊技球が特定領域に入賞する可能性の高低を決定する第2の制御部(図3の340)を備え、第2の制御部は、その可能性が高いと決定した場合には、第1の演出(例えば、図17(a))を実行するための制御を行い、その可能性が低いと決定した場合には、第2の演出(例えば、図17(b))を実行するための制御を行うことを特徴とする。
また、本発明の遊技機は、さらに、演出が、予告演出であることを特徴とする。
本発明によれば、副制御部がV入賞の可能性の高低を所定の演算を実行することにより算出するため、予告的中精度が高い予告演出を実行することができる。また、主に副制御部が予告演出に要する処理を実行するため主制御部にかかる負荷も軽減できる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各図面において同じ機能を有する箇所には同一の符号を付す。
(装置構成)
図1は、本実施形態の遊技機100の正面概観の一例を示す。図1において、本実施形態の遊技機は、遊技機の役物等を盤面に据え付ける遊技盤101、特別図柄表示装置102、演出図柄表示装置103、第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口でもある普通電動役物108(以下、第2の始動入賞口108という。)、普通図柄表示装置作動ゲート(左)105、普通図柄表示装置作動ゲート(右)106、普通図柄表示装置107、大入賞口(「特別電動役物」ともいう。)109、遊技機ハンドル111、特別図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)112、普通図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)113、及び特定領域(「V領域」ともいう。)114等を主に備える。
特別図柄表示装置102は、例えば、液晶ディスプレイ又はCRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED、ドットマトリクス表示装置等があり、複数の数字や図形等の特別図柄を変動表示する。特別図柄表示装置102の停止図柄を予め定めた特定の図柄の組み合わせにすることによって大当たり表示をする。特別図柄表示装置102は、例えば、1桁又は2桁の7セグメントLEDである。
演出図柄表示装置103は、液晶ディスプレイ又はCRTディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED、ドットマトリクス表示装置、モータの回転により可変表示するドラム等であり、複数の数字や図形等からなる演出図柄を変動表示する。
第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108は、遊技者により打ち出された遊技球が入賞すると、内部の特別図柄始動スイッチのONにより入賞を検知し、それを契機に特別図柄は変動を開始する。特別図柄は、所定の変動時間経過後に変動を停止し、抽選結果を報知する。
普通図柄表示装置作動ゲート(左)105及び普通図柄表示装置作動ゲート(右)106は、遊技者により打ち出された遊技球が通過すると、内部の普通図柄作動スイッチがONになることにより、その通過球を検知し、それを契機に普通図柄表示装置107に表示される普通図柄は変動を開始する。
普通図柄表示装置107は、複数のLED等で普通図柄を変動表示(点灯・消灯)する。
大入賞口109は、第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108に遊技球が入賞すると小当たりになり、一回開放する。この小当たり時の大入賞口109の開放時間は、約0.6秒である。そして、大入賞口109が開放中に遊技球が大入賞口109の中に飛び込み、V入賞すると大当たりになる。大当たりが発生すると大入賞口109が所定の回数開放し、大入賞口109が多数の遊技球を受け付け得る状態となる。すなわち、遊技者にとって有利な遊技状態となる。大入賞口109に遊技球が入賞すると、大入賞口109の内部の大入賞口スイッチがONになる。これにより、遊技機は、大入賞口109への遊技球数を把握し、その入賞に伴う賞球(出玉、セーフ玉)払い出しを行う。なお、この遊技機は、第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108に遊技球が入賞するだけで大当たりとなる場合がある。この大当たりは、大入賞口109が開放(小当たりの発生)した後に遊技球がV入賞(大当たりの発生)する、という一連のプロセスを経ずに、突然発生する。この大当たりは、第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108への入賞時に行われる抽選処理によって、当該大当たりが抽選されたときに発生する。この大当たりが発生した場合も、大入賞口109が所定の回数開放し、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
遊技機ハンドル111は、タッチセンサ及びストップボタン(発射停止)116を備える。タッチセンサが、遊技者が遊技機ハンドル111を握ったことを検知し、次いで、遊技機ハンドル111内部の可変抵抗器が、遊技機ハンドル111が右回り又は左回り117に回されたことを検知すると、球発射装置(図示せず)は、遊技球を連続して打ち出す。遊技者は、遊技機ハンドル111を右方向又は左方向117に回して、遊技盤101上へ打ち出される遊技球の打ち出しを調整することができる。また、遊技者がストップボタン116を押すと、球発射装置は、遊技球の打ち出しを停止する。
特別図柄作動記憶表示灯112は、特別図柄の変動中に第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108に入賞すると点灯し(以下、球の保留と呼ぶ)、連続して図柄(特別図柄)変動可能な回数を報知する。尚、当該回数を演出図柄表示装置103に表示してもよい。
普通図柄作動記憶表示灯113は、普通図柄の変動中に普通図柄作動ゲート(左)105又は普通図柄作動ゲート(右)106を通過すると点灯し、連続して図柄(普通図柄)変動可能な回数を報知する。尚、当該回数を演出図柄表示装置103に表示してもよい。
遊技盤101に据え付けられた役物、釘等はその上にガラス板を被されており、ガラス板と遊技盤101との間に確保されたスペースを打ち出された遊技球が落下していく。
遊技機100は、演出切り替えスイッチ120を備える。遊技者は、演出切り替えスイッチ120を操作することにより、演出図柄表示装置103に好みの演出画面を表示させ、又は、演出用可動物の動作を制御することができる。
(遊技機の制御部の構成)
図3は、遊技機100内の制御部300の構成を示すブロック図である。
制御部300は、主に、主制御部310と副制御部340と表示制御部370の3つの制御部から構成される。不正行為防止及び法規上の制約のため、通常、各制御部は機能毎に別々の基板に実装され、通信可能に直接・間接的に接続されている。
主制御部310は、第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108への入賞を検出すると、小当たりにするか又は大当たり(通称「直当たり(ちょくあたり)」)にするかの抽選処理を行う。また、主制御部310は、後述する各種コマンドの送信処理及び遊技機の全体制御を行う。主制御部310は、さらに特別図柄表示装置102も制御する。コマンドは、送信されたコマンド自体を識別して遊技状態を把握するための「コマンドID」部と、識別した遊技状態において、その中での具体的な制御情報種類を識別するための「イベント」部とから成る。
本実施形態では、後述する通り、特に、大入賞口109の内部に、V領域可動体398と、V領域可動体398を駆動するV領域可動体モータ390、V領域可動体398の位置を検出するV領域可動体左端位置センサ392/V領域可動体右端位置センサ394が設置されている。主制御部310は、V領域可動体モータ390の駆動/停止を制御する。また、主制御部310は、V領域可動体左端位置センサ392/V領域可動体右端位置センサ394からオン/オフ信号を受け取り、当該オン/オフ信号に基づいて、V領域可動体動作開始コマンドを副制御部340に送信する。さらに、本実施形態では、大入賞口109の内部に、球貯留片395と、球貯留片ソレノイド396が設置されている。主制御部310は、球貯留片ソレノイド396を制御して球貯留片395を上下動作させる。さらに、主制御部310は、球貯留片395の上下運動に伴い、球貯留片ソレノイドオンコマンドと球貯留片ソレノイドオフコマンドを副制御部340に送信する。
副制御部340は、受信した各種コマンドに基づいて、演出図柄表示装置103に表示する予告演出等の演出を制御する。また、副制御部340は、遊技領域等に設けられているランプの点滅制御、遊技機のスピーカから出力する音声の制御、モータを回転制御することによって遊技領域等に設けられているキャラクタフィギャア等の演出用可動物制御も行う。本実施形態では、後述するとおり、特に、大入賞口109の内部に球貯留センサ397が設置されており、副制御部340は、球貯留センサ397からオン/オフ信号を受け取る。副制御部340は、当該オン/オフ信号、及び、主制御部310から受信した前述のV領域可動体動作開始コマンド、球貯留片ソレノイドオンコマンド、球貯留片ソレノイドオフコマンドに基づいて所定の演算処理を行うことによって本実施形態特有の予告演出を実行する。
表示制御部370は、副制御部340から送信される各種コマンドを受け、演出図柄表示装置103を制御して、演出図柄表示装置103に予告演出を含む様々な演出画面を表示させる。
尚、副制御部340と表示制御部370とを、分離した別個の制御部としてとらえずに、遊技機の演出に係わる制御を協働して行う一つの制御部としてとらえてもよい。
ここで、大入賞口109の内部構造を、図7を参照して説明する。
図7(a)は、球貯留片395が下降した状態を示し、図7(b)は、球貯留片395が上昇した状態を示す。球貯留片395は、主制御部310の制御により上下に動作をする。
球貯留片395が下降した状態(図7(a))では、遊技球は球貯留センサ397が設置されている部位を経由してV領域可動体398の方向に流れ落ちる。これに対して、球貯留片395が上昇した状態(図7(b))では、球貯留片395が、遊技球がV領域可動体398の方向に流れ落ちるのを妨げるため、遊技球は球貯留センサ397が設置されている部位に停留する。球貯留センサ397は、遊技球を検知しているときにオン信号を副制御部340に出力し、遊技球を検知していないときにオフ信号を副制御部340に出力する。
V領域可動体398は、主制御部310の制御により、可動領域に沿って左右に動作する。
主制御部310は、球貯留片395を上昇させると、球貯留片ソレノイドオンコマンドを副制御部340に送信し、球貯留片395を下降させると、球貯留片ソレノイドオフコマンドを副制御部340に送信する。また、主制御部310は、V領域可動体左端位置センサ392がV領域可動体398を検知したとき、及び、V領域可動体右端位置センサ394がV領域可動体398を検知してから所定時間経過後に、V領域可動体動作開始コマンドを副制御部340に送信する。
次に、主制御部310、副制御部340、表示制御部370の各構成・機能を詳細に説明する。
(主制御部の構成・機能)
図4は、主制御部310の内部構成を示すブロック図である。
主制御部310は、CPU422、ROM420、RAM424、大入賞口ソレノイド出力ポート428、普通電動役物ソレノイド出力ポート430、特別図柄表示用出力ポート432、普通図柄表示用出力ポート434、特別図柄作動記憶表示灯用ポート436、普通図柄作動記憶表示灯用ポート438、副制御用コマンド出力ポート440、払出制御用コマンド出力ポート442、外部情報出力ポート444、V領域可動体モータ用出力ポート455、球貯留片ソレノイド用出力ポート456、入力ポート426を備える。
主制御部310は、各種スイッチのオン/オフ情報に基づいて所定の処理を行う。本実施形態では、特に、主制御部310は、V領域可動体左端位置センサ392及びV領域可動体右端位置センサ394のオン/オフ情報を入力し、これらのオン/オフ情報に基づいて内部処理及び副制御部310へのコマンド送信処理を行う。
主制御部310は、出力ポート428〜438、444を介して、特別図柄表示装置102、特別図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)112、普通図柄表示装置107、普通図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)113、大入賞口ソレノイド446、普通電動役物ソレノイド448、外部情報出力部454を直接制御する。一方、主制御部310は、副制御部340に後述する各種コマンドを送信して副制御部340に指示を出す。また、本実施形態では、特に、主制御部310は、V領域可動体モータ390を制御してV領域可動体398を左右に移動させると共に、球貯留片ソレノイド396を制御して球貯留片395を上下に移動させる。さらに、主制御部310は、払出制御部450にコマンドを送信して賞球の払出制御を行う。
次に、主制御部310が入力ポートを介して入力する各種スイッチ、主制御部310の構成要素及び主制御部の制御対象について詳細に説明する。
特別図柄始動スイッチ410は、遊技者により打ち出されて第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108に入賞した遊技球がこのスイッチを通過する時にONとなり、これを契機に、特別図柄表示装置102は特別図柄の変動を開始する。
普通図柄作動スイッチ412は、遊技者により打ち出されて普通図柄表示装置作動ゲート(左)105及び普通図柄表示装置作動ゲート(右)106を通過した遊技球が、このスイッチを通過する時にONとなり、これを契機に普通図柄表示装置107は普通図柄の変動を開始する。
V領域スイッチ414は、大入賞口109へ入賞した遊技球がV領域可動体398を通過することによりV入賞した時にONとなる。
大入賞口スイッチ416は、大入賞口109へ入賞した遊技球がこのスイッチを通過するときにONとなる。すなわち、大入賞口スイッチ416は、大入賞口109に入賞した遊技球を検出するスイッチである。大入賞口109に入賞した遊技球の数は、大入賞口スイッチ416が出力する検出信号をもとに計数される。また、大入賞口スイッチ416は、入賞球をすみやかに検出するために大入賞口109の近傍に設けられている。
CPU422は主制御部全体の制御を行う。
ROM420は、主制御部310用のプログラムや、遊技機を制御するための各種のパラメータの値を記憶する。
RAM424は、主制御部310に対する入出力データや演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを始めとする各種カウンタ等を一時記憶し、又、各保留球の情報を記憶する保留メモリを有する。
特別図柄表示装置102は、複数の数字や図形等の特別図柄を表示する。普通図柄表示装置107は、複数の数字や図形又はLEDの点灯・消灯等の普通図柄を表示する。特別図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)112は、特別図柄の変動予定回数を報知する。普通図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)113は、普通図柄の変動予定回数を報知する。
大入賞口ソレノイド446は、大入賞口109の内部の構成部材の一つで、小当たり時及び大当たり遊技中に、大入賞口109を主制御部310からの指示に基づいて開放/閉鎖する。
普通電動役物ソレノイド448は、普通図柄表示装置107が当たりの普通図柄を停止表示した場合に、主制御部310からの指示に基づいて第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108を開放する。
払出制御部450は、主制御部310から払出制御用コマンドを受け、各種スイッチで入賞が検知された場合に、賞球払出装置452に賞球の払い出しを指示する。
外部情報出力部454は、CPU422からの情報を情報表示装置201へ提供する。情報表示装置201は、遊技機の外部情報出力部454を介して遊技機と接続されている。CPU422は、外部情報出力部454を介して、図柄変動の停止、大当たり状態等がわかる信号を情報表示装置201へ出力する。その信号は、例えば、大当たり信号、入賞数信号、スタート信号、時短信号、扉開放信号である。
(副制御部の構成・機能)
図5は、副制御部340の内部構成を示すブロック図である。
副制御部340は、主制御部310と同様に、CPU514、RAM512、ROM510、各種入力ポート516、各種出力ポート518を備える。CPU514は、副制御部全体の制御を行う。ROM510は、副制御部340用のプログラムや、遊技機を制御するための各種のパラメータの値等を記憶する。
副制御部340は、主制御部310が送信する各種コマンドを受信する。
副制御部340は、球貯留センサ397からオン/オフ信号を入力する。
副制御部340は、主制御部310から受信した各種コマンド及び球貯蓄センサ397からのオン/オフ信号に基づいて、本実施形態特有の予告演出のための処理を実行し、予告演出用のコマンドを表示制御部370に送信する。この処理の詳細については後述する。
副制御部340は、ランプ表示装置520の点滅制御、効果音発生装置522が出力する効果音の発生制御、演出用可動物524の制御等を行う。このように、副制御部340が、液晶表示、ランプ点灯、効果音の生成、演出用可動物の制御等の演出を集中制御することにより、主制御部310の負荷は軽減される。
ランプ表示装置520は、遊技に関連するランプ類の表示装置であり、副制御部340の指示で複数のランプを選択的に点灯/消灯させる。効果音発生装置522は、遊技に関連する音響を発生する。演出用可動物524は、モータ等により回転制御される遊技領域等に設けられている演出用のキャラクタフィギャア等である。
副制御部340は、演出切り替えスイッチ120からの入力を受け付ける。遊技者は、演出切り替えスイッチ120を操作することにより、演出図柄表示装置103に好みの演出画面を表示させ、又は、演出用可動物524の動作を制御することができる。このように、遊技者は演出切り替えスイッチ120を操作することにより、遊技機の演出面に参加することができる。
(主制御部310の処理)
図8は、遊技者により打ち出された遊技球の第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108への入賞を契機に実行される主制御部310の処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部310は、第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108に遊技球が入賞したことを検知すると(S800)、始動入賞保留処理(S802)、特別図柄が変動中かどうかの判定処理(S804)、保留玉の有無の判定処理(S806)を経て、当たり種別の抽選処理を行う(S808)。当たり種別としては、小当たり3R(ラウンド)、小当たり8R、小当たり16R、大当たり16Rの4種類がある。小当たり3R、小当たり8R、小当たり16Rは、開放した大入賞口109の内部に遊技球が飛び込み、次いで、V領域可動体398に遊技球が入賞(V入賞)したときに発生する当たりである。小当たり3Rの場合には、大入賞口109は所定の時間3回開放し、小当たり8Rの場合は、8回開放し、小当たり16Rの場合は、16回開放することによって、遊技者にとって有利な遊技状態となる。これらの小当たりは、S808の抽選処理で抽選されても、まず事前に当たり種別を決定させるだけで、その段階では最終的な確定とはせずに、小当たり動作により大入賞口スイッチにて検出された遊技球が、V領域スイッチにて検出されてはじめて確定する。すなわち、第1段階として当たり種別を決定し、第2段階として決定した当たり種別を遊技球の動向で最終的に確定させるものであり、当たりが確定するまでに複数の条件を有するものである。これに対して、大当たり16Rは、第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108への遊技球の入賞を契機に発生する当たりであり、S808の抽選処理で抽選された場合に直ちに確定する。すなわち、当たり種別の決定(第1段階)と、決定した当たり種別の最終的な確定(第2段階)とが同時に行われ、当たりが確定するまのでの条件は始動入賞口への遊技球の入賞に伴う抽選だけであって、複数の条件を有しない。大当たり16Rの場合は、大入賞口109は所定の時間16回開放することによって、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
抽選結果が大当たり16Rの場合には、主制御部310は、当たり種別として大当たりを設定し(S812)、大当たり用の変動パターンコマンドを設定する(S816)。これに対して、抽選結果が小当たり3R、小当たり8R又は小当たり16Rの場合には、主制御部310は、当たり種別として、小当たり3R、小当たり8R、小当たり16Rのいずれかを設定し(S814)、小当たり用の変動パターンコマンドを設定する(S818)。これらの変動パターンコマンドは、特別図柄の変動を指示するコマンドである。
次いで、主制御部310は、設定した変動パターンコマンドと当たり種別指定コマンドを副制御部340に送信する(S820、S822)。図9は、主制御部310が副制御部340に送信する変動パターンコマンドと副制御部340が表示制御部370に送信する変動パターンコマンドの一例を示す図であり、図10は、当たり種別指定コマンドの一例を示す図である。
図9を参照すると、変動パターン1、2、3、4は、各々、大当たり用の変動パターンコマンド、小当たり3R用の変動パターンコマンド、小当たり8R用の変動パターンコマンド、小当たり16R用の変動パターンコマンドに対応する。例えば、抽選結果が大当たり16Rの場合には、主制御部310は、A001Hの変動パターンコマンドを副制御部340に送信し、それを受けた副制御部340は、同じく、A001Hの変動パターンコマンドを表示制御部370に送信する。また、抽選結果が小当たり3Rの場合には、主制御部310は、A002Hの変動パターンコマンドを副制御部340に送信し、それを受けた副制御部340は、同じく、A002Hの変動パターンコマンドを表示制御部370に送信する。
図10を参照すると、当たり種別が小当たり3Rの場合にはB101H、小当たり8Rの場合にはB102H、小当たり16Rの場合にはB103H、大当たり16Rの場合にはB104Hの当たり種別指定コマンドを主制御部310は副制御部340に送信する。
次に、第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108への入賞後に当たり種別として小当たり3R、8R、16Rのいずれかを抽選した場合の主制御部310の処理内容を、図11を用いて説明する。
主制御部310は、大入賞口109を1回開放し、大入賞口1回目開放コマンドを副制御部340に送信し(S1102、S1104)、大入賞口109の1回目の開放時間が経過すると大入賞口109を閉鎖する(S1108)。
主制御部310は、球貯留片ソレノイド396をオンにすることによって球貯留片395を上昇させ(図7(b))、球貯留片ソレノイドオンコマンドを副制御部340に送信する(S1112)。球貯留片ソレノイドオンコマンドは、球貯留片395が上昇し図7(b)の状態になったことを副制御部340に通知するためのコマンドである。
主制御部310は、球貯留片ソレノイド396のオン時間が経過すると球貯留片ソレノイド396をオフにすることによって球貯留片395を下降させ(図7(a))、球貯留片ソレノイドオフコマンドを副制御部340に送信する(S1118)。球貯留片ソレノイドオフコマンドは、球貯留片395が下降し図7(a)の状態になったことを副制御部340に通知するためのコマンドである。
主制御部310は、開放された大入賞口に飛び込んだ遊技球がV領域を通過(V入賞)したかどうかを判断し(S1122)、V領域を通過した場合には、大当たり開始コマンドを副制御部340に送信する(S1124)。
主制御部310は、大入賞口109を開放すると(S1128)、大入賞口開放コマンドを副制御部340に送信し(S1130)、大入賞口開放時間が経過すると(S1132)、大入賞口109を閉鎖し(S1134)、大入賞口閉鎖時間が経過すると(S1136)、大入賞口109を開放する(S1128)。
主制御部310は、上記の開閉動作を当たり種別に応じて所定回数繰り返し行う。すなわち、当たり種別が小当たり3Rの場合には開閉動作を3回繰り返し、小当たり8Rの場合には開閉動作を8回繰り返し、小当たり16の場合には開閉動作を16回繰り返す。
主制御部310は、所定回数の開閉動作が終了すると、大当たり終了コマンドを副制御部340に送信する(S1140)。
次に、第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108への入賞後に当たり種別として大当たり16Rを抽選した場合(V入賞を経由しない大当たり)の主制御部310の処理内容を、図12を用いて説明する。
主制御部310は、大当たり開始コマンドを副制御部340に送信する(S1202)。
主制御部310は、大入賞口109を開放すると(S1204)、大入賞口開放コマンドを副制御部340に送信し(S1206)、大入賞口開放時間が経過すると(S1208)、大入賞口109を閉鎖し(S1210)、大入賞口閉鎖時間が経過すると(S1212)、大入賞口109を開放する(S1204)。
主制御部310は、上記の開閉動作を16回繰り返す(S1214)。
主制御部310は、16回の開閉動作が終了すると、大当たり終了コマンドを副制御部340に送信する(S1216)。
次に、主制御部310によるV領域可動体398の制御について説明する。
図13は、主制御部310によるV領域可動体398の制御の流れを示すフローチャートである。
主制御部310は、V領域可動体左端位置センサ392がオンかどうかを判定する(S1302)。すなわち、主制御部310は、V領域可動体398が可動領域の左端に移動したかどうかを判定する。判定した結果、V領域可動体左端位置センサ392がオンの場合には、主制御部310は、V領域可動体モータ390を1秒間停止する(S1304)。すなわち、主制御部310は、V領域可動体398を可動領域の左端に1秒間停止させる。次いで、主制御部310は、V領域可動体モータ390を駆動して、V領域可動体398の右方向への移動を開始し(S1306)、V領域可動体動作開始コマンドを副制御部340に送信する(S1308)。V領域可動体動作開始コマンドは、V領域可動体398が移動を開始したことを副制御部340に通知するためのコマンドである。
S1302で判定した結果、V領域可動体右端位置センサ392がオフの場合、主制御部310は、V領域可動体右端位置センサ394がオンかどうかを判定する(S1310)。すなわち、主制御部310は、V領域可動体398が可動領域の右端に移動したかどうかを判定する。判定した結果、V領域可動体右端位置センサ392がオンの場合には、主制御部310は、V領域可動体モータ390を1秒間停止する(S1312)。すなわち、主制御部310は、V領域可動体398を可動領域の右端に1秒間停止させる。次いで、主制御部310は、V領域可動体モータ390を駆動して、V領域可動体398の左方向への移動を開始し(S1314)、V領域可動体動作開始コマンドを副制御部340に送信する(S1316)。
上述したように、主制御部310は、球貯留片ソレノイド396をオン/オフすることによって、球貯留片395を上下に移動する。このとき、主制御部310は、球貯留片395が図7(b)に示す状態になったことを、球貯留片ソレノイドオンコマンドを使って副制御部340に通知し、球貯留片395が図7(a)に示す状態になったことを、球貯留片ソレノイドオフコマンドを使って副制御部340に通知する。さらに、主制御部310は、V領域可動体モータ390を駆動/停止することによって、V領域可動体398を可動領域に沿って左右に移動させる。このとき、主制御部310は、V領域可動体398が左端から右方向へ移動を開始したこと及びV領域可動体398が右端から左方向へ移動を開始したことを、V領域可動体動作開始コマンドを使って副制御部340に通知する。このように、主制御部310は、球貯留片395とV領域可動体398の動き情報(位置情報)を副制御部340に通知するが、その理由は、的中精度が高い予告演出を副制御部340に行わせるためである。大入賞口109に飛び込んだ遊技球がV入賞する可能性は、遊技球が球貯留センサ397の部位に貯留されるタイミングにV領域可動体398が可動領域のどの位置を移動中であるかに大きく依存する。遊技球が貯留されているタイミングにV領域可動体398が可動領域の中央近辺に位置していれば、V入賞する可能性が高く、そうでなければV入賞する可能性は低いと考えられる。V入賞する可能性が高いケース及びV入賞する可能性が低いケースを、タイムチャートを用いて表すと図14、図15のようになる。
図14は、V入賞する可能性が高いケースのタイムチャートである。
1は、主制御部310が球貯留ソレノイド396に出力するオン/オフ信号の波形を表す。この信号は1秒間オンになり、その間、球貯留片395は、図7(b)に示す状態となる。
2は、球貯留センサ397が副制御部340に出力するオン/オフ信号の波形を表す。この信号は、球貯留片ソレノイド396が出力する信号がオフからオンに立ち上がってからt秒後にオンになり、球貯留片ソレノイド396が出力する信号がオンからオフに立ち下がった瞬間にオフになる。オフになるのは、球貯留片395が図7(a)に示す状態となることにより、貯留球センサ397の部位に貯留されていた遊技球が貯留球センサ397から離れてV領域可動体398の可動領域の中央近辺に向かって流れ落ちるからである。
3は、球貯留センサ397の部位に球が貯留されている時間を表す。この時間は、(1−t)秒である。
4は、球貯留解除、すなわち、遊技球が球貯留センサ397の部位から離れて、V領域可動体398の可動領域の中央近辺に到達するまでの時間である。この時間は、計測上、0.3秒である。
7は、V領域可動体左端位置センサ392が出力するオン/オフ信号の波形を表し、8は、V領域可動体右端位置センサ394が出力するオン/オフ信号の波形を表す。
6は、V領域可動体398の左右の動きを示す。可動領域の左方向に移動しているV領域可動体398は、可動領域の左端で1秒間停止してから右方向に移動する。V領域可動体398は、右方向に移動を開始してから6秒後に可動領域の右端に到達し、そこで1秒間停止してから左方向に移動する。要するに、V領域可動体398は、可動領域に沿って、右方向に6秒間移動、右端で1秒間停止、左方向に6秒間移動、左端で1秒間停止の動きを繰り返す。
5は、遊技球がV領域に入る可能性が高い時間帯を表す。V領域可動体398が可動領域の中央近辺を移動しているときに遊技球はV領域に入る可能性は高い。計測上、V領域可動体398が左端から右方向(又は、右端から左方向)に移動を開始してから3秒から4秒の間の1秒間がV領域に入る可能性が高い時間帯である。したがって、4に示されたように、遊技球が可動領域に到達するタイミングが上記の1秒内に収まっているため、遊技球がV領域に入る可能性は高い。
図15は、V入賞する可能性が低いケースのタイムチャートである。
1〜8の内容は上述の内容と同じである。このタイムチャートによると、4に示されたように、遊技球が可動領域に到達するタイミングが上記の1秒以内に収まっていないため、遊技球がV領域に入る可能性は低い。
本実施形態では、副制御部340は、遊技球が可動領域に到達するタイミングが上記の1秒以内に収まるかどうかを計算により求め、遊技球がV領域に入る可能性が高いか低いかを判定する。そして、その判定結果に基づき、V入賞する可能性が高いことを遊技者に報知するための予告演出と、V入賞する可能性が低いことを遊技者に報知するための予告演出の制御を行う。以下、副制御部340による予告演出決定処理を説明する。
(副制御部340の予告演出に係る処理)
図16は、副制御部340による予告演出決定処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部340は、主制御部310からV領域可動体動作開始コマンドを受信したかどうかを判定し(S1602)、当該コマンドを受信した場合には、時計機能を用いて受信した時刻を求め、その時刻をV領域可動体動作開始時刻として設定し(S1604)、S1606の処理に進む。
副制御部340は、主制御部310から球貯留片ソレノイドオンコマンドを受信したかどうかを判定し(S1606)、当該コマンドを受信した場合には、受信した時刻を球貯留片ソレノイドオン時刻として設定し(S1608)、S1610の処理に進む。
副制御部340は、球貯留片ソレノイドオフコマンドを受信したかどうかを判定し(S1610)、当該コマンドを受信した場合には、球貯留片ソレノイドオン時刻をクリアし(S1612)、S1614の処理に進む。
副制御部340は、球貯留センサ397の出力信号がオンかどうかを判定し(S1614)、オンの場合には、球貯留片ソレノイドオン時刻がクリアされているかどうかを判定し(S1616)、クリアされていない場合には、S1618に進む。
副制御部340は、球貯留センサ397がオンとなった時刻を現在時刻として設定する(S1618)。
副制御部340は、次のように、現在時刻及び球貯留片ソレノイドオン時刻を用いて球貯留時間を算出する(S1620)。
球貯留時間(秒)=(1.0−(現在時刻−球貯留片ソレノイドオン時刻))
この時間は、図14の3に示した球残留時間に対応する。ここで、現在時刻−球貯留片ソレノイドオン時刻は、tのことである。
副制御部340は、次のように、球貯留時間を用いて、遊技球が可動領域に到達するまでの時間を算出する(S1622)。
可動領域に到達するまでの時間(秒)=球貯留時間+0.3
この時間は、図14に3に示した球残留時間に、4に示した0.3を加えた時間であり、球貯留センサ397がオンになってから遊技球が可動領域に到達するまでの時間である。
副制御部340は、次のように、現在時刻及びV領域可動体動作開始時刻を用いて、V領域可動体動作開始からの経過時間を算出する(S1624)。
V領域可動体動作開始からの経過時間=現在時刻−V領域可動体動作開始時刻
この時間は、図14の6に示した左から右への移動開始時刻から、2に示した球貯留センサ397がオンになるまでの時間である。
副制御部340は、V領域可動体動作開始からの経過時間に、球貯留センサ397がオンになってから遊技球が可動領域に到達するまでの時間を加算した時間が3秒以上4秒以下であるかどうかを判定し(S1626)、当該時間が3秒以上4秒以下である場合には、第1の予告演出指定コマンドを表示制御部370に送信し、そうでない場合には、第2の予告演出指定コマンドを表示制御部370に送信する。第1の予告演出は、遊技者にV入賞の可能性が高いことを報知するための予告演出であり、第2の予告演出は、V入賞の可能性が低いことを報知するための予告演出である。すなわち、この予告演出の決定処理は、当たり種別が小当たりに決定された場合に、その小当たりが確定するか否かの演出(V入賞予告演出)を選択・決定するためのものである。
副制御部340は、球貯留センサ397がオンになったことを契機に上記の演算処理及び判定処理を行い、予告演出指定コマンドを表示制御部370に送信する。
なお、第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108への入賞後に当たり種別として大当たり16Rを抽選した場合(V入賞を経由しない大当たり)には、上述した予告演出は行われない。すなわち、当たり種別が大当たりに決定された場合には、予告演出を禁止する制御を行い、予告演出を行わない。
(表示制御部の構成・機能)
図6は、表示制御部370の内部構成を示す概略ブロック図である。
表示制御部370は、各種コマンド(変動パターンコマンド、演出図柄表示用コマンド、予告演出指定コマンド等)を受信する入力ポート618、CPU620、プログラムROM610、RAM612、画像処理用LSI(VDP)622、キャラクタROM616、ビデオRAM614、出力ポート624を備える。
CPU620は、受信した各種コマンド及びプログラムROM610に記憶された画像処理プログラムにしたがって、画像表示制御を行う。RAM612は、CPU620に対する入出力データや演算処理のためのデータを一時記憶し、ワーク・エリアやバッファ・メモリとして機能する。VDP622は、CPU620からの図柄更新の指示に従って演出図柄表示装置103に表示するためのスプライト/スクロール等の画像データをビデオRAM614に展開し、CPU620からの出力指示に従って出力ポート624を介して演出図柄表示装置103の表示領域内に画像データを出力・表示する。キャラクタROM616は、CPU620からの指示を受けたVDP622がビデオRAM614に展開する、スプライト/スクロール等の画像データを記憶する。ビデオRAM614は、演出図柄表示装置103の表示領域内に出力する画像データを記憶する。演出図柄表示装置103は、LCD、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等であり、ビデオ信号を可視表示する。
本実施形態では、特に、表示制御部370は、副制御部340から受信した上述の第1又は第2の予告演出指定コマンドにしたがい、予告演出画面を演出図柄表示装置103に表示させる。表示制御部370は、第1又は第2の予告演出指定コマンドを受信すると直ちに予告演出画面を表示するため、その表示タイミングは、球貯留センサ397がオンになったとき、すなわち、球貯留センサ397が遊技球を検知したときである。
表示制御部370は、第1の予告演出指定コマンドを受信したときには、例えば、「V SUPER LOCKON」の文字等を演出図柄表示装置103に表示し(図17(a))、第2の予告演出指定コマンドを受信したときには、例えば、「V LOCKON」の文字等(図17(b))を表示する。遊技者はこれらの表示を見ることによって、V入賞の可能性の高いかどうかをある程度正確に予測できる。
このように、本実施形態では、副制御部340がV入賞の可能性の高低を計算から求めるため、予測的中精度が高い予告演出を遊技者に提供することができる。また、主に副制御部340が上記の予告演出に係る処理を実行するため主制御部310にかかる負荷も軽減できる。
遊技機の正面概観の一例を示す図である。 遊技機の従来の制御部の一実施形態を示すブロック図である。 遊技機の制御部の一実施形態を示すブロック図である。 遊技機の主制御部の一実施形態を示すブロック図である。 遊技機の副制御部の一実施形態を示すブロック図である。 遊技機の表示制御部の一実施形態を示すブロック図である。 本実施形態に係る、大入賞口の内部構造を示す図である。 本実施形態に係る、主制御部の処理の流れを示す図である。 本実施形態に係る、変動パターンコマンドの一例を示す図である。 本実施形態に係る、当たり種別指定コマンドの一例を示す図である。 本実施形態に係る、始動入賞口への入賞後に当たり種別として小当たりを抽選した場合の主制御部の処理の流れを示す図である。 本実施形態に係る、始動入賞口への入賞後に当たり種別として大当たりを抽選した場合の主制御部の処理の流れを示す図である。 本実施形態に係る、主制御部によるV領域可動体の制御の流れを示す図である。 本実施形態に係る、V入賞する可能性が高いケースのタイムチャートを示す図である。 本実施形態に係る、V入賞する可能性が低いケースのタイムチャートを示す図である。 本実施形態に係る、副制御部による予告演出処理の流れを示す図である。 本実施形態に係る、演出図柄表示装置に表示される予告演出の例を示す図である。
符号の説明
100 遊技機
101 遊技盤
102 特別図柄表示装置
103 演出図柄表示装置
104 第1の始動入賞口
105 普通図柄表示装置作動ゲート(左)
106 普通図柄表示装置作動ゲート(右)
107 普通図柄表示装置
108 第2の始動入賞口
109 大入賞口
111 遊技機ハンドル
112 特別図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)
113 普通図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)
114 V領域
120 演出切り替えスイッチ
200、300 制御部
210、310 主制御部
240、340 副制御部
270、370 表示制御部
390 V領域可動体モータ
392 V領域可動体左端位置センサ
394 V領域可動体右端位置センサ
395 球貯留片
396 球貯留片ソレノイド
397 球貯留センサ
398 V領域可動体
410 特別図柄始動スイッチ
412 普通図柄作動スイッチ
414 V領域スイッチ
416 大入賞口スイッチ
420 ROM
422 CPU
424 RAM
426 入力ポート
428 大入賞口ソレノイド出力ポート
430 普通電動役物ソレノイド出力ポート
432 特別図柄表示用出力ポート
434 普通図柄表示用出力ポート
436 特別図柄作動記憶表示灯用ポート
438 普通図柄作動記憶表示灯用ポート
440 副制御用コマンド出力ポート
442 払出制御用コマンド出力ポート
444 外部情報出力ポート
446 大入賞口ソレノイド
448 普通電動役物ソレノイド
450 払出制御部
452 賞球払出装置
455 V領域可動体モータ用出力ポート
456 球貯留片ソレノイド用出力ポート
510 ROM
512 RAM
514 CPU
516 各種入力ポート
518 各種出力ポート
520 ランプ表示装置
522 効果音発生装置
524 演出用可動物
610 プログラムROM
612 RAM
614 ビデオRAM
616 キャラクタROM
618 入力ポート
620 CPU
622 画像処理用LSI(VDP)
624 出力ポート

Claims (2)

  1. 始動入賞口への遊技球の入賞を契機に、遊技者に提示する演出の有無を決定する遊技機において、
    遊技球が進入可能であり、特定領域の上部に設置された所定の可動領域を往復移動する可動体と、
    移動中の前記可動体の位置を示す位置情報を出力する第1の制御部と、
    前記位置情報と、遊技球が所定の部位を通過した時刻を示す時刻情報とに基づいて、前記可動体内に進入した遊技球が前記特定領域に入賞する可能性の高低を決定する第2の制御部を備え、
    前記第2の制御部は、前記可能性が高いと決定した場合には、第1の演出を実行するための制御を行い、前記可能性が低いと決定した場合には、第2の演出を実行するための制御を行うことを特徴とする遊技機。
  2. 前記演出は、予告演出であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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