以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。また、プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。また、この実施の形態では、「左」、「中」、「右」のそれぞれの図柄表示エリアでは、演出図柄が停止表示されるときに、上段、中段および下段にそれぞれ演出図柄が停止表示される(従って、図柄表示エリアごとに3つの演出図柄が停止表示される)。そのため、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面上に大当り図柄(本例では、左中右が同じ演出図柄で揃った状態となる図柄の組み合わせ)が形成されうる入賞ラインが5ライン形成される。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられ、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない(または、入賞しにくい)。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aや第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8gでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)18cが設けられている。この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることにより、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
この実施の形態では、確変大当りや突然確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態(確変状態)に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行(この実施の形態では、時短状態に移行)する(従って、この実施の形態では、確変状態に制御される場合には、高確率/高ベース状態に制御される)。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定のバックアップ期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定の演出期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、演出制御手段の動作を説明する。演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、遊技機への電源供給が開始されメイン処理が開始されると、各種の初期化処理や設定処理が実行された後、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように制御する。そして、タイマ割込がかかるごとに、演出制御用CPU101は、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信したコマンドを解析するコマンド解析処理や、演出制御プロセス処理を実行する。
コマンド解析処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンド(演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド)を受信すると、RAMに設けられた変動パターンコマンド格納領域に、受信した変動パターンコマンドを格納する処理を行う。また、演出制御用CPU101は、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560から表示結果指定コマンド(大当りか否かや大当り種別を指定する演出制御コマンド)を受信すると、RAMに設けられた表示結果指定コマンド格納領域に、受信した表示結果指定コマンドを格納する処理を行う。
図4は、演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図5は、図4に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8000)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8001)。
ステップS8001では、例えば、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、例えば、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、例えば、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄として小当り/突然確変大当り図柄(例えば、「135」などの演出図柄の組合せ)を決定する。そして、「はずれ」の場合には、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、疑似連を伴う場合であれば、仮停止表示させる疑似連チャンス目の演出図柄の組み合わせも決定する。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄について、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、確変状態となることを想起させる図柄(この実施の形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、確変状態とならないことを想起させる図柄(この実施の形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示における特殊図柄の設定を行う特殊図柄設定処理を実行する(ステップS8002)。この実施の形態では、通常の演出図柄の変動表示では「1」〜「9」の図柄配列の演出図柄を用いて変動表示が実行されるのであるが、擬似連やスーパーリーチ演出が実行される場合には、「1」〜「9」に特殊図柄(本例では、白抜きや黒塗りの星図柄)を加えた演出図柄を用いて変動表示が実行される場合がある。そして、特殊図柄を加えた演出図柄の変動表示が実行される場合には、特殊図柄を含む仮停止図柄の組み合わせが仮停止表示された後、擬似連チャンス目やリーチ目に差し替えられて、擬似連の再変動やスーパーリーチ演出に発展する。
また、この実施の形態では、特殊図柄を加えた演出図柄の変動表示が実行される場合には、変動開始時に現在表示されている演出図柄に代えて特殊図柄を表示する事前表示が実行される。なお、この実施の形態では、後述するように、特殊図柄を加えた演出図柄の変動表示を実行しない場合であっても事前表示(ガセの事前表示)を実行することに決定される場合がある。
ステップS8002の特殊図柄設定処理で特殊図柄を加えた演出図柄の変動表示を実行することに決定し、特殊図柄の事前表示を行う場合、またはガセの事前表示を実行することに決定した場合であれば(ステップS8003のY)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に現在表示されている演出図柄に特殊図柄を重畳表示して特殊図柄を事前表示する制御を行う(ステップS8004)。
なお、この実施の形態では、左中右3つ全ての図柄表示エリアで特殊図柄を加えた演出図柄の変動表示が実行されて特殊図柄が仮停止表示される場合と、2つの図柄表示エリア(本例では、左と右の図柄表示エリア)で特殊図柄を加えた演出図柄の変動表示が実行されて特殊図柄が仮停止表示される場合と、1つの図柄表示エリア(本例では、左の図柄表示エリア)のみで特殊図柄を加えた演出図柄の変動表示が実行されて特殊図柄が仮停止表示される場合とがある。ステップS8004では、3つの図柄表示エリアで特殊図柄が仮停止表示される場合または事前表示することに決定した場合には、3つ全ての演出図柄に特殊図柄が重畳表示され、2つの図柄表示エリアで特殊図柄が仮停止表示される場合または事前表示することに決定した場合には、2つの演出図柄(本例では、左と右)に特殊図柄が重畳表示され、1つの図柄表示エリアのみで特殊図柄が仮停止表示される場合または事前表示することに決定した場合には、1つの演出図柄(本例では、左)に特殊図柄が重畳表示される。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターン、および特殊図柄を用いた変動表示を実行することに決定した場合にはその特殊図柄に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8005)。
ステップS8005では、例えば、左中右のいずれの図柄表示エリアでも特殊図柄を用いた変動表示を行わない場合であれば、左中右のいずれの図柄表示エリアも「1」〜「9」の通常の演出図柄の図柄配列を用いて変動表示を行うように設定されたプロセステーブルを選択する。また、例えば、1つの図柄表示エリア(本例では、左の図柄表示エリア)のみで特殊図柄を用いた変動表示を行う場合には、左の図柄表示エリアのみ「1」〜「9」に特殊図柄を加えた演出図柄の図柄配列を用い、中と右の図柄表示エリアでは「1」〜「9」の通常の演出図柄の図柄配列を用いて変動表示を行うように設定されたプロセステーブルを選択する。また、例えば、2つの図柄表示エリア(本例では、左と右の図柄表示エリア)のみで特殊図柄を用いた変動表示を行う場合には、左と右の図柄表示エリアのみ「1」〜「9」に特殊図柄を加えた演出図柄の図柄配列を用い、中の図柄表示エリアでは「1」〜「9」の通常の演出図柄の図柄配列を用いて変動表示を行うように設定されたプロセステーブルを選択する。また、例えば、3つ全ての図柄表示エリアで特殊図柄を用いた変動表示を行う場合には、左中右全ての図柄表示エリアで「1」〜「9」に特殊図柄を加えた演出図柄の図柄配列を用いて変動表示を行うように設定されたプロセステーブルを選択する。
ただし、特殊図柄を加えた演出図柄の図柄配列を用いる場合、例えば、疑似連を行う場合であって疑似連チャンス目「223」を仮停止表示する場合に、「2」や「3」の図柄の前に特殊図柄を配置して変動表示を実行してしまったのでは、その後、特殊図柄を一旦仮停止表示したときに図柄配列の前後関係から疑似連チャンス目となることが遊技者に認識されてしまい、特殊図柄の演出効果が減退してしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、特殊図柄を加えた演出図柄の図柄配列を用いる場合には、例えば、一律に「9」と「1」の間に特殊図柄を配置した固定的な図柄配列を用いて変動表示を実行することによって、そのように特殊図柄を一旦仮停止表示したときの図柄配列の前後関係から疑似連チャンス目やリーチ目となることを認識できないようにしている。そして、この場合、特殊図柄を含む図柄の組み合わせを仮停止表示させた後、疑似連チャンス目(例えば、「223」)やリーチ目(例えば、「767」)に差し替えて仮停止表示させるように制御すればよい。
そして、演出制御用CPU101は、ステップS8005で選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8006)。
プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。なお、プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8007)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8008)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8009)。
図6は、特殊図柄設定処理(ステップS8002)を示すフローチャートである。特殊図柄設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、ステップS8000で読み出した変動パターンコマンドで指定される変動パターンが擬似連またはスーパーリーチ演出を含むものであるか否かを確認する(ステップS501)。
擬似連またはスーパーリーチ演出を含む変動パターンであれば(ステップS501のY)、演出制御用CPU101は、特殊図柄の仮停止表示の有無および仮停止表示させる特殊図柄の数を決定するための特殊図柄決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、特殊図柄の仮停止表示の有無および仮停止表示させる特殊図柄の数を決定する(ステップS502)。
図7(A)は、特殊図柄決定テーブルの具体例を示す説明図である。図7(A)に示すように、特殊図柄決定テーブルには、特殊図柄の仮停止表示なし、左のみ白抜きの星図柄を仮停止表示、左中のみ白抜きの星図柄を仮停止表示、左中右全て白抜きの星図柄を仮停止表示、左のみ黒塗りの星図柄を仮停止表示、左中のみ黒塗りの星図柄を仮停止表示、および左中右全て黒塗りの星図柄を仮停止表示に対して、それぞれ判定値が割り振られている。
図7(A)に示すように、この実施の形態では、特殊図柄には、白抜きの星図柄と黒塗りの星図柄との2種類があり、疑似連が実行される場合に白抜きの星図柄が仮停止表示される場合があり、スーパーリーチ演出が実行される場合に黒塗りの星図柄が仮停止表示される場合がある。なお、変動表示中に疑似連とスーパーリーチ演出との両方が実行される場合もありうるが、この実施の形態では、疑似連とスーパーリーチ演出との両方が実行される場合には、疑似連を優先して白抜きの星図柄を仮停止表示させるものとする。なお、そのような態様にかぎらず、例えば、スーパーリーチ演出を優先して黒塗りの星図柄を仮停止表示させるように構成してもよいし、白抜きの星図柄と黒塗りの星図柄との両方を仮停止表示可能に構成してもよい。
なお、この実施の形態では、特殊図柄の種類と実行される演出とが1対1に対応する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、同じ種類の特殊図柄が仮停止表示された場合であっても複数種類の演出が実行されるように構成してもよい。例えば、同じ白抜きの星図柄が仮停止表示された場合であっても擬似連が実行される場合とリーチ演出(スーパーリーチ演出でもよい)が実行される場合とがあるように構成してもよい。また、例えば、同じ黒塗りの星図柄が仮停止表示された場合であってもリーチ演出(スーパーリーチ演出でもよい)が実行される場合と役物演出(演出役物などの可動部材が動作する演出)が実行される場合とがあるように構成してもよい。そのように同じ種類の特殊図柄でも複数の意味をもたせるように構成してもよい。
なお、この実施の形態では、ステップS502で特殊図柄を仮停止表示させることに決定した場合には、変動開始時に特殊図柄の事前表示も実行される。なお、この実施の形態では、左中右全て特殊図柄を仮停止表示させることに決定した場合には、変動開始時に左中右全て特殊図柄が事前表示され、左と右の2つのみ特殊図柄を仮停止表示させることに決定した場合には、変動開始時に左と右の2つのみ特殊図柄が事前表示され、左の1つのみ特殊図柄を仮停止表示させることに決定した場合には、変動開始時に左の1つのみ特殊図柄が事前表示されるものとする。また、白抜きの星図柄を仮停止表示させることに決定した場合には変動開始時に白抜きの星図柄が事前表示され、黒塗りの星図柄を仮停止表示させることに決定した場合には変動開始時に黒塗りの星図柄が事前表示されるものとする。
なお、必ずしも仮停止表示させる特殊図柄と事前表示させる特殊図柄の数と種類とが一致している必要はなく、例えば、特殊図柄を仮停止表示させることに決定した場合には、さらに事前表示させる特殊図柄の数や種類を抽選処理により決定し、仮停止表示させる特殊図柄と事前表示させる特殊図柄の数や種類が異なる場合があるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、白抜きの星図柄が仮停止表示されれば必ず疑似連となり、黒塗りの星図柄が仮停止表示されれば必ずスーパーリーチ演出となる場合を示しているが、必ずしも特殊図柄の種類と演出の種類とが一対一に対応している必要はなく、例えば、白抜きの星図柄が仮停止表示された場合であっても低い割合でスーパーリーチ演出のみが実行されたり、黒塗りの星図柄が仮停止表示された場合であっても低い割合で疑似連が実行されたりする場合があるように構成してもよい。
擬似連およびスーパーリーチ演出のいずれも含まない変動パターンであれば(ステップS501のN)、演出制御用CPU101は、特殊図柄の事前表示(ガセの事前表示)の有無および事前表示させる特殊図柄の数を決定するための特殊図柄事前表示決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、特殊図柄の事前表示(ガセの事前表示)の有無および事前表示させる特殊図柄の数を決定する(ステップS503)。
図7(B)は、特殊図柄事前表示決定テーブルの具体例を示す説明図である。図7(B)に示すように、特殊図柄事前表示決定テーブルには、特殊図柄の事前表示なし、左のみ白抜きの星図柄を事前表示、左中のみ白抜きの星図柄を事前表示、左中右全て白抜きの星図柄を事前表示、左のみ黒塗りの星図柄を事前表示、左中のみ黒塗りの星図柄を事前表示、および左中右全て黒塗りの星図柄を事前表示に対して、それぞれ判定値が割り振られている。
図7(A),(B)に示すように、この実施の形態では、変動開始時に特殊図柄が事前表示された場合には、その後、演出図柄の変動表示中に特殊図柄を含む図柄の組み合わせが仮停止表示されて疑似連やスーパーリーチ演出に発展することに対する期待度(信頼度)が高くなるように、判定値が割り振られている。また、図7(A),(B)に示すように、この実施の形態では、事前表示される特殊図柄の場合が1つのみの場合、2つのみの場合、および3つ全ての場合があり、事前表示される特殊図柄の数が多くなるに従って、その後、演出図柄の変動表示中に特殊図柄を含む図柄の組み合わせが仮停止表示されて疑似連やスーパーリーチ演出に発展することに対する期待度(信頼度)が高くなるように、判定値が割り振られている。
なお、この実施の形態では、図7に示すように、1つの特殊図柄のみが事前表示や仮停止表示される場合には左の図柄表示エリアに特殊図柄が表示される場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、1つの特殊図柄のみが事前表示や仮停止表示される場合に、中の図柄表示エリアに特殊図柄が表示されたり、右の図柄表示エリアに特殊図柄が表示されたりする場合があるように構成してもよい。この場合、いずれの図柄表示エリアに特殊図柄を表示させるかは、乱数にもとづく抽選処理によって決定してもよいし、疑似連やスーパーリーチ演出となる期待度(信頼度)に応じて決定したりしてもよい。
また、この実施の形態では、図7に示すように、2つの特殊図柄のみが事前表示や仮停止表示される場合には左と右の図柄表示エリアに特殊図柄が表示される場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、2つの特殊図柄のみが事前表示や仮停止表示される場合に、左と中の図柄表示エリアに特殊図柄が表示されたり、中と右の図柄表示エリアに特殊図柄が表示されたりする場合があるように構成してもよい。この場合、いずれの図柄表示エリアに特殊図柄を表示させるかは、乱数にもとづく抽選処理によって決定してもよいし、疑似連やスーパーリーチ演出となる期待度(信頼度)に応じて決定したりしてもよい。
その後、演出図柄変動中処理(ステップS802)において、演出制御用CPU101は、ステップS8005で選択したプロセステーブルに従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行することにより、演出図柄の変動表示を実行する。
そして、例えば、スーパーリーチ演出を伴う変動表示であって特殊図柄の仮停止表示を決定した場合であれば、スーパーリーチ演出の実行タイミングとなると、まず特殊図柄設定処理で決定した数の特殊図柄を含む図柄の組み合わせを仮停止表示し、次いで特殊図柄を含む図柄の組み合わせをリーチ目に差し替えてリーチ目が仮停止表示されている状態にしてから、縮小表示の態様で中の演出図柄の変動表示を再び開始してスーパーリーチ演出に発展する演出を行う。
また、例えば、疑似連を伴う変動表示であって特殊図柄の仮停止表示を決定した場合であれば、仮停止表示タイミングとなると、まず特殊図柄設定処理で決定した数の特殊図柄を含む図柄の組み合わせを仮停止表示し、次いで特殊図柄を含む図柄の組み合わせを疑似連チャンス目に差し替えて疑似連チャンス目が仮停止表示されている状態にしてから、左中右の演出図柄の変動表示を再び開始して再変動を行う。
なお、疑似連を伴う変動表示を実行する場合、再変動回数は1回とはかぎらず、2回や3回など複数回の再変動が実行される場合もあるが、この実施の形態では、最初の1回目の仮停止表示のタイミングでのみ特殊図柄の仮停止表示を行うものとする。なお、そのような態様にかぎらず、2回目以降の仮停止表示のタイミングでも特殊図柄を仮停止表示させてから再変動を行うようにし、特殊図柄の仮停止表示を複数回実行可能に構成してもよい。また、仮停止表示ごとに特殊図柄の数が異なるように構成してもよい。また、疑似連とスーパーリーチ演出との両方を伴う変動表示を実行する場合には、特殊図柄として白抜きの星図柄を仮停止表示させて再変動を実行した後に、スーパーリーチ演出の実行タイミングとなると、さらに特殊図柄として黒塗りの星図柄を仮停止表示させてスーパーリーチ演出に発展するように構成してもよい。
また、上記のように、演出図柄の変動表示中に特殊図柄の仮停止表示を複数回実行可能に構成する場合、例えば、再変動の開始ごとに特殊図柄の事前表示を行って特殊図柄の事前表示も複数回実行可能に構成してもよい。
次に、特殊図柄を仮停止表示させる場合の演出態様について説明する。図8および図9は、特殊図柄を仮停止表示させる場合の演出態様の具体例を説明するための説明図である。このうち、図8は、疑似連を伴う変動表示において特殊図柄を仮停止表示させる場合の演出態様の具体例を示している。また、図9は、スーパーリーチ演出を伴う変動表示において特殊図柄を仮停止表示させる場合の演出態様の具体例を示している。図8および図9において、(1)(2)(3)の順に演出画面の態様が遷移する。
まず、図8を用いて、疑似連を伴う変動表示において特殊図柄を仮停止表示させる場合の演出態様について説明する。図8(1)に示すように、前回の変動表示において、はずれ図柄(本例では、「615」)が停止表示された状態で演出図柄の変動表示が終了していたものとする。次いで、新たな変動表示を開始する際に、疑似連を伴う変動表示であることにもとづいて特殊図柄を仮停止表示させることに決定したものとする。この場合、図8(2)に示すように、例えば、演出表示装置9において、現在表示されている演出図柄が一旦光につつまれるような態様のエフェクト表示が実行され、図8(3)に示すように、現在の演出図柄に特殊図柄が重畳表示されて特殊図柄を事前表示するような態様の演出が実行される(ステップS8004参照)。なお、図8に示す例では、左中右3つ全ての図柄表示エリアで特殊図柄が事前表示されたり仮停止表示されたりする場合が示されている。また、図8に示す例では、疑似連を伴う変動表示であることから、特殊図柄として白抜きの星図柄が事前表示されたり仮停止表示されたりする場合が示されている。
次いで、図8(4)に示すように、特殊図柄を加えた演出図柄の図柄配列を用いて演出図柄の変動表示が開始され、図8(5)に示すように、演出図柄の変動表示が実行される。次いで、仮停止表示のタイミングとなると、図8(6)に示すように、まず左の図柄表示エリアに特殊図柄が仮停止表示され、次いで、図8(7)に示すように、右の図柄表示エリアに特殊図柄が仮停止表示され、さらに、図8(8)に示すように、中の図柄表示エリアに特殊図柄が仮停止表示される。そして、図8(9)に示すように、左中右の特殊図柄が疑似連チャンス目(本例では、「223」)に差し替えられ、疑似連チャンス目が仮停止表示されている状態となる。その後、図8(10)に示すように、左中右の演出図柄の変動表示が再び開始され、再変動が実行される。
なお、疑似連を伴う変動表示において特殊図柄を仮停止表示させる態様は、この実施の形態で示したものにかぎらず、様々な態様が考えられる。例えば、図8(9)に示すように擬似連チャンス目に差し替えられた後、さらに特殊図柄へと変化して擬似連が継続するような表示を行うように構成してもよい。また、例えば、途中から図8(8)で仮停止表示された特殊図柄とは異なる特殊図柄が仮停止表示するような表示に変化するように構成してもよい。
次に、図9を用いて、スーパーリーチ演出を伴う変動表示において特殊図柄を仮停止表示させる場合の演出態様について説明する。図9(1)に示すように、前回の変動表示において、はずれ図柄(本例では、「615」)が停止表示された状態で演出図柄の変動表示が終了していたものとする。次いで、新たな変動表示を開始する際に、スーパーリーチ演出を伴う変動表示であることにもとづいて特殊図柄を仮停止表示させることに決定したものとする。この場合、図9(2)に示すように、例えば、演出表示装置9において、現在表示されている演出図柄が一旦光につつまれるような態様のエフェクト表示が実行され、図9(3)に示すように、現在の演出図柄に特殊図柄が重畳表示されて特殊図柄を事前表示するような態様の演出が実行される(ステップS8004参照)。なお、図9に示す例では、左中右3つ全ての図柄表示エリアで特殊図柄が事前表示されたり仮停止表示されたりする場合が示されている。また、図9に示す例では、スーパーリーチ演出を伴う変動表示であることから、特殊図柄として黒塗りの星図柄が事前表示されたり仮停止表示されたりする場合が示されている。
次いで、図9(4)に示すように、特殊図柄を加えた演出図柄の図柄配列を用いて演出図柄の変動表示が開始され、図9(5)に示すように、演出図柄の変動表示が実行される。次いで、スーパーリーチ演出の実行タイミングとなると、図9(6)に示すように、まず左の図柄表示エリアに特殊図柄が仮停止表示され、次いで、図9(7)に示すように、右の図柄表示エリアに特殊図柄が仮停止表示され、さらに、図9(8)に示すように、中の図柄表示エリアに特殊図柄が仮停止表示される。そして、図9(9)に示すように、左中右の特殊図柄がリーチ目(本例では、「767」)に差し替えられ、リーチ目が仮停止表示されている状態となる。その後、図9(10)に示すように、例えば、左と右の演出図柄は停止表示した状態となり中の演出図柄の変動表示が再開されるとともに、演出表示装置9の表示画面の右上方の端部に縮小表示された状態となり、演出表示装置9においてキャラクタなどが登場してスーパーリーチ演出に発展する演出が実行される。
なお、図9(9)のリーチ目を仮停止表示させた状態において、例えば、中の演出図柄(本例では、「6」)のみを仮停止表示させた状態とし、左と右の演出図柄(本例では、「7」)は最終停止表示させた状態としてもよい。また、図9(9)において、例えば、中の図柄表示エリアについては特定の図柄を仮停止表示させた状態とするのではなく、中の図柄表示エリアは変動表示が継続している状態に差し替えるようにしてもよい。
また、図8および図9に示す例では、左中右全ての図柄表示エリアで特殊図柄を事前表示および仮停止表示させる場合を示したが、例えば、特殊図柄の数を2つのみに決定した場合には、左と右の図柄表示エリアでのみ特殊図柄が事前表示および仮停止表示され、特殊図柄の数を1つのみに決定した場合には、左の図柄表示エリアでのみ特殊図柄が事前表示および仮停止表示されることになる。
また、特殊図柄のガセの事前表示を決定した場合には(ステップS503参照)、図8(3)および図9(3)の特殊図柄の事前表示のみが行われ、図8(6)〜(8)および図9(6)〜(8)に示す特殊図柄の仮停止表示は行われない。
また、この実施の形態では、図8(2)および図9(2)に示すように、特殊図柄の事前表示を行う際に現在の演出図柄に対するエフェクト表示を実行するのであるが、このエフェクト表示において特殊図柄が白抜きの星図柄となるか黒塗りの星図柄となるかを示唆するようにしてもよい(例えば、エフェクト表示の表示色を異ならせることにより示唆してもよい)。
また、この実施の形態では、図8(2)および図9(2)に示すエフェクト表示を行った後必ず特殊図柄が重畳表示される場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、エフェクト表示を行ってもその後特殊図柄が重畳表示されない(すなわわち、いわゆるガセのエフェクト表示を行う)場合があるように構成してもよい。
なお、図8および図9に示す例では、前回の変動表示が「615」のはずれ図柄の組み合わせで停止表示された状態から変動表示を開始する場合を示したが、この場合に、新たに開始した変動表示でも最終停止図柄として同じ「615」の組み合わせが停止表示されてしまうと、遊技者に特殊図柄の事前表示によって最終停止図柄が示唆されたとの誤解を与えるおそれがある。そのため、特に特殊図柄の事前表示を行う場合には、新たに開始する変動表示の最終停止図柄として、前回の変動表示の最終停止図柄の組み合わせを除外して決定するようにすることが望ましい。この場合、例えば、前回の変動表示の最終停止図柄を一旦記憶しておき、演出図柄変動開始処理のステップS8001の処理において演出図柄の最終停止図柄を決定する際に、一旦記憶してある前回の変動表示の最終停止図柄の組み合わせを除外して演出図柄の最終停止図柄を決定するようにすればよい(例えば、決定した最終停止図柄が前回と同じ組み合わせであった場合には、それを破棄して最終停止図柄を再決定するようにすればよい)。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、識別情報(本例では、演出図柄)とは異なる特殊表示(本例では、特殊図柄)を少なくとも1つ含む組み合わせを停止表示させたときに、特定演出(本例では、疑似連、スーパーリーチ演出)を実行可能である。また、特殊表示を少なくとも1つ含む組み合わせを停止表示させる可変表示において、該可変表示を開始する際に、識別情報の可変表示領域(本例では、左中右の図柄表示エリア)に特殊表示を示唆する表示を表示可能である(本例では、変動開始時に特殊図柄を事前表示する)。そのため、特殊表示を含む組み合わせが停止表示されることを示唆することができるので、特殊表示を含む組み合わせが停止表示されることに対する期待感を高めることができる。
なお、この実施の形態では、特殊表示(本例では、特殊図柄)が白抜きの星図柄や黒塗りの星図柄である場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、特殊表示として、ひし形やハート形の絵柄を表示したり、キャラクタの絵柄を表示したり、通常の図柄とは異なる表示色の図柄を表示したりするなど、何らかの形式で「1」〜「9」などの通常の演出図柄とは異なる表示であることを認識できるものであればよい。
また、この実施の形態では、変動開始時に特殊図柄を事前表示する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出図柄の変動表示を開始する所定期間前(例えば、1秒前や2秒前)に特殊図柄を事前表示したり、演出図柄の変動表示を開始してから所定期間後(例えば、1秒後や2秒後)に特殊表示を事前表示したりしてもよい。そのように、この実施の形態において、「可変表示を開始する際」とは、必ずしも変動表示を開始するタイミングそのものにかぎらず、変動表示を開始する直前や直後と認識できる期間内も含む概念である。
また、この実施の形態では、特殊表示を示唆する表示として、特殊図柄そのものを事前表示する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、特殊図柄と全く同じ図柄を事前表示するのではなく、仮停止表示される特殊図柄とは大きさや表示色が異なる図柄を事前表示させるなど、仮停止表示される特殊図柄とは多少異なる図柄を事前表示させるようにしてもよい。そのように、この実施の形態において、「特殊表示を示唆する表示」とは、特殊表示(本例では、特殊図柄)と全く同一の表示でもよいし、特殊表示とは多少異なる表示でもよく、何らかの形式で特殊表示を示唆する表示であればよい。
また、この実施の形態では、特定演出が疑似連やスーパーリーチ演出である場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出図柄の変動表示中に予告演出やバトル演出などが実行される場合に、特殊図柄が仮停止表示された後に、特定演出としての予告演出やバトル演出に発展するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、複数種類の特殊表示のうちのいずれかの特殊表示(本例では、特殊図柄としての白抜きの星図柄と黒塗りの星図柄)を少なくとも1つ含む組み合わせを停止表示させるとともに、いずれの特殊表示を含む組み合わせを停止表示させたかに応じて、異なる種類の特定演出を実行する(本例では、特殊図柄として白抜きの星図柄を事前表示および仮停止表示した場合には疑似連を実行し、特殊図柄として黒塗りの星図柄を事前表示および仮停止表示した場合にはスーパーリーチ演出を実行する)。そのため、停止表示される特殊表示の種類に注目させることができる。
なお、この実施の形態では、特殊表示の種類として、特殊図柄の表示色(白抜きと黒塗り)を異ならせる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、星図柄とハート形の図柄を設けるなど特殊図柄の形状を異ならせたりしてもよいし、特殊図柄のサイズを異ならせたりしてもよい。
また、この実施の形態によれば、可変表示を開始する際に、識別情報を特殊表示を示唆する表示により遮蔽する態様により表示することにより、特殊表示を示唆する表示を表示する(本例では、図8(3)および図9(3)に示すように、現在の演出図柄に特殊図柄を重畳表示する)。そのため、停止表示される表示に特殊表示が加わったことをわかりやすく見せることができる。
なお、この実施の形態では、現在の演出図柄に特殊図柄を重畳表示することにより、特殊図柄で完全に遮蔽して演出図柄が全く見えないような態様で事前表示を行う場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、特殊図柄を重畳表示するものの演出図柄を完全には隠さず一部が見えるような態様で事前表示してもよいし、特殊図柄を半透明の状態で表示して演出図柄が薄く見えるような態様で事前表示してもよい。また、例えば、現在の演出図柄を全く隠さず、演出図柄の周囲に小さな特殊図柄をエフェクト表示させることによって事前表示するようにしてもよい。また、例えば、現在の演出図柄に差し替えて特殊図柄を表示することによって事前表示するようにしてもよい。このように、特殊図柄の事前表示は、何らかの形式で、その後、演出図柄の変動表示中に特殊図柄が仮停止表示されることを示唆できるものであればよい。
また、この実施の形態によれば、特殊表示を含む組み合わせを停止表示させない可変表示においても、該可変表示を開始する際に、識別情報の可変表示領域に特殊表示を示唆する表示を表示可能である(本例では、特殊図柄のガセの事前表示を実行可能である)。そのため、特殊表示を示唆する表示の出現頻度を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、疑似連もスーパーリーチ演出も伴わない変動表示である場合に特殊図柄のガセの事前表示を行う場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、疑似連やスーパーリーチ演出を伴う変動表示であっても、特殊図柄の仮停止表示を行わないことに決定した場合に、仮停止表示やスーパーリーチ演出の実行タイミングでは特殊図柄の仮停止表示は行われないものの、変動開始時に特殊図柄のガセの事前表示が行われる場合があるように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、可変表示を開始する際に表示された特殊表示を示唆する表示の数に応じて、期待度が異なる(本例では、図7(A),(B)に示すように、事前表示される特殊図柄の数が多くなるに従って、その後、演出図柄の変動表示中に特殊図柄を含む図柄の組み合わせが仮停止表示されて疑似連やスーパーリーチ演出に発展することに対する期待度(信頼度)が高い)。そのため、特殊表示を示唆する表示の数に注目させることができる。
なお、この実施の形態で示した構成を、例えば、演出表示装置9の表示画面の一部や他の液晶表示装置などに演出図柄の変動表示に対応して小図柄の変動表示を実行するように構成した遊技機に適用することも可能である。小図柄の変動表示を実行する遊技機に適用する場合、例えば、演出図柄の変動表示において特殊図柄を仮停止表示した場合であっても、小図柄の変動表示では「1」〜「9」の通常の図柄を仮停止表示させるように構成してもよい。また、例えば、装飾度が低いなど演出図柄よりも簡略化した特殊図柄の小図柄を仮停止表示させるようにしてもよい。さらに、例えば、演出図柄の変動表示において特殊図柄を仮停止表示しても、小図柄の変動表示は仮停止表示することなく継続して変動表示を実行するように構成してもよい。
なお、上記の実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連(1回の可変表示中に1回以上の図柄の仮停止と再変動とが実行される演出)の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例が示されたが、2つ以上のコマンドで変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドで通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドとして擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチになる前(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとしてリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチになったとき以降(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止以後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示(可変表示)における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2つのコマンドのそれぞれで変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100で選択するようにしてもよい。2つのコマンドを送信する場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定の期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はそのような例に限定されず、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ以上のコマンドで変動パターンを通知するようにすることによって、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。