以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。また、打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞しやすくなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられている。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果が導出表示されたとき、特定遊技状態に制御される。特定表示結果とは予め定められた表示結果であり、例えば、本実施の形態では、大当り図柄がある。特定遊技状態とは、遊技者にとって有利な第1状態と遊技者にとって不利な第2状態とに変化可能な可変入賞手段を第1状態に変化させることであり、本実施の形態では、開状態と閉状態とに変化可能な特別可変入賞球装置20を開状態とする大当り遊技状態がある。例えば、特定表示結果として大当り図柄が導出表示されたとき、特定遊技状態として大当り遊技状態に制御される。各特定遊技状態において、閉状態とされている開閉版がソレノイド21によって開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる高ベース状態へ移行することがある。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態(特別図柄時短状態)に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなり)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。また、音声合成用IC703は演出制御基板80から所定の要求を受け付けた場合に音声を生成しスピーカ27に出力する。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
図4は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、擬似連の演出を伴う変動パターンが含まれており、すなわち、選択される変動パターンにもとづいて擬似連を実行可能な構成である。
本実施の形態では、擬似連を伴う擬似連変動において、「中」の図柄表示エリア9Cに「NEXT」が縦書きされたNEXT図柄(以下、「チャンス目」ということがある)が停止表示されるとともに再変動が行われるものである。なお、本実施の形態における大当り図柄はいずれかの数字図柄が揃って停止表示されるものであるため、NEXT図柄は大当り図柄を構成し得ない図柄となっている。擬似連変動においては、1回または2回の再変動を行うものであるが、3回以上の再変動を実行可能であることとしてもよい。1回目の再変動は、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rにそれぞれ異なる演出図柄が停止表示されているとき(非リーチ図柄が停止表示されているとき)にチャンス目が停止表示されることにより発生し、2回目の再変動は、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rに同一の演出図柄が停止表示されているとき(リーチ図柄が停止表示されているとき)にチャンス目が停止表示されることにより発生するものとする。なお、再変動が行われるタイミングについては、変動パターン毎に異なるタイミングが定められていることとしてもよい。例えば、変動パターンAにおいては変動開始から3秒後と8秒後に再変動を行うことが決定されており、変動パターンBにおいては変動開始から10秒後に再変動を行うことが決定されていることとしてもよい。
また、擬似連変動において、チャンス目を停止表示する前に共通画像を表示する場合がある。共通画像とは、上述したチャンス目(NEXT図柄)と、後述する失敗図柄(「NOT」が縦書きされたNOT図柄)とに共通する態様を有する画像であり、具体的には「T」が記載されたT画像(図8(b)参照)である。なお、本実施の形態における大当り図柄はいずれかの数字図柄が揃って停止表示されるものであるため、NOT図柄は大当り図柄を構成し得ない図柄となっている。
例えば、図4における「擬似連(共通画像)」の項目には、各変動パターンに対して、回数毎の擬似連の有無および共通画像の表示の有無が対応付けられている。「×」は再変動を行わないことを、「○(あり)」は共通画像を表示した後にチャンス目を停止表示して再変動を行うことを、「○(なし)」は共通画像を表示せずにチャンス目を停止表示して再変動を行うことを示している。具体的に、非リーチPA1−3、ノーマルPA2−2,2−5、スーパーPB3−2,3−5は1回の再変動を伴う擬似連変動を示す変動パターンであり、ノーマルPA2−3,2−6、スーパーPB3−3,3−6は2回の再変動を伴う擬似連変動を示す変動パターンである。また、1回目の再変動はいずれも「○(あり)」であり、2回目の再変動はいずれも「○(なし)」である。このように、非リーチ図柄が停止表示されているときにチャンス目が停止表示される場合(すなわち、1回目の再変動開始契機)には、共通画像を表示した後にチャンス目を停止表示するものである一方、リーチ図柄が停止表示されているときにチャンス目が停止表示される場合(すなわち、2回目の再変動開始契機)には、共通画像を表示することなくチャンス目を停止表示するものである。なお、これに限るものではなく、1回目の再変動であっても共通画像を表示しない変動パターンや、2回目の再変動であっても共通画像を表示する変動パターンが設けられていることとしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、所定間隔(例えば、4ms)のタイマ割込ごとに各種の演出制御処理を実行する。演出制御用CPU101は、例えば、演出制御プロセス処理を行い、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9や、枠LED28、スピーカ27などの各演出装置の制御を実行する。
図5は、演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)、変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)のいずれかに対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレ指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図6は、図5に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、RAMに設けられた変動パターンコマンド格納領域(遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した変動パターンコマンドを格納する領域)から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、およびRAMに設けられた表示結果指定コマンド格納領域(遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した表示結果指定コマンドを格納する領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、擬似連を指定する変動パターンも用いる場合に、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(中図柄がNEXT図柄である所定の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
そして、演出制御用CPU101は、予告演出を設定するための予告演出設定処理を実行する(ステップS8003)。ここでは、例えば、開始する変動が大当りであるか否か、大当りである場合はいずれの大当り種別であるか、または読み出した変動パターンなどにもとづいて、所定の予告演出(例えば、後述するステップアップ予告演出、カットイン予告演出、群予告演出など)の実行の有無について決定する。
次に、演出制御用CPU101は、開始する変動が擬似連を伴わない非リーチはずれであるか否かを判定する(ステップS3910)。具体的には、変動パターンが非リーチPA1−1,1−2のうちいずれかである場合に、擬似連を伴わない非リーチはずれであると判定する。擬似連を伴わない非リーチはずれでない場合(擬似連を伴う非リーチはずれ、リーチはずれ、または大当りである場合)には、ステップS3914へ移行する。
擬似連を伴わない非リーチはずれである場合には、演出制御用CPU101は、再変動失敗演出の実行の有無を決定するための再変動失敗演出実行抽選処理を行う(ステップS3911)。再変動失敗演出とは、上述した共通画像を表示した後に、中図柄として失敗図柄(NOT図柄)を停止表示する演出である。具体的には、図7(A)に示す再変動失敗演出実行抽選テーブルを用いて再変動失敗演出の実行の有無を決定する。図7(A)は、再変動失敗演出実行抽選テーブルを示す説明図である。例えば、図7(A)に示すように、再変動失敗演出は、5%の割合で実行が決定されるものであるが、具体的な実行割合についてはこれに限るものではない。
ステップS3911において再変動失敗演出を実行しないことが決定された場合(ステップS3912のN)、ステップS3914へ移行する。再変動失敗演出を実行することが決定された場合(ステップS3912のY)、演出制御用CPU101は、再変動失敗演出を設定し(ステップS3913)、ステップS8004へ移行する。ステップS3913では、具体的に、再変動失敗演出に応じたプロセステーブルを選択可能に設定する(例えば、再変動失敗演出を実行することを示すフラグをセットする)とともに、ステップS8002において決定した停止図柄のうち、中図柄を失敗図柄(NOT図柄)に差し替えて設定し直す処理を行う。なお、ステップS8002よりも前のタイミングにおいて再変動失敗演出の実行の有無を決定可能であることとしてもよく、その場合は、再変動失敗演出を実行する場合に応じた停止図柄(中図柄が失敗図柄(NOT図柄)である組合せ)をステップS8002において決定することとしてもよい。
ステップS3914では、演出制御用CPU101は、開始する変動が擬似連変動であるか否かを判定する(ステップS3914)。具体的には、変動パターンが非リーチPA1−3、ノーマルPA2−2,2−3,2−5,2−6、スーパーPB3−2,3−3,3−5,3−6のいずれかである場合に、擬似連変動であると判定する。擬似連変動でない場合には、再変動失敗演出を実行するか否かを判定する(ステップS3915)。具体的には、ステップS3913において再変動失敗演出を実行することを示すフラグをセットしておき、該フラグがセットされている場合に、再変動失敗演出を実行すると判定する。再変動失敗演出を実行しない場合には、ステップS8004へ移行する。擬似連変動であるか(ステップS3914のY)、または再変動失敗演出を実行する場合(ステップS3915のY)、NEXT図柄が停止表示されることを示唆する示唆演出の実行の有無を決定するための示唆演出実行抽選処理を行う(ステップS3916)。本実施の形態において、共通画像を搖動表示させる演出を示唆演出として実行可能である。ステップS3916では、具体的には、図7(B)に示す示唆演出実行抽選テーブルを用いて示唆演出の実行の有無を決定する。図7(B)は、示唆演出実行抽選テーブルを示す説明図である。例えば、図7(B)に示すように、示唆演出は、擬似連変動である場合の方が、非擬似連変動(すなわち、再変動失敗演出を実行する変動)よりも高い割合で実行される構成となっている。これにより、示唆演出を実行した場合には、NEXT図柄が停止表示されて再変動が行われることに対する信頼度が高いことを示すものである。
ステップS3916において示唆演出を実行しないことが決定された場合(ステップS3917のN)、ステップS8004へ移行する。示唆演出を実行することが決定された場合(ステップS3917のY)、演出制御用CPU101は、示唆演出を設定し(ステップS3918)、ステップS8004へ移行する。ステップS3918では、示唆演出に応じたプロセステーブルを選択可能に設定する(例えば、示唆演出を実行することを示すフラグをセットする)。
ステップS8004において、演出制御用CPU101は、変動パターン、予告演出を実行する場合にはその予告演出、ステップS3913において再変動失敗演出の実行が設定された場合には再変動失敗演出、およびステップS3917において示唆演出の実行が設定された場合には示唆演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8005)。
プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。また、プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。また、プロセステーブルは、停止図柄(導出表示図柄および仮停止図柄を含む)、および示唆演出の実行の有無毎に設けられている。
ステップS8005の後、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、LEDおよび役物)を制御する(ステップS8006)。ステップS8006の後、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8007)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8008)。
図8は、本実施の形態における共通画像を表示する際の表示例である。具体的に、図8には、共通画像を表示する場合におけるタイミング毎の演出表示装置9の表示例について示している。例えば、まず、擬似連変動であるか、または再変動失敗演出を実行する変動である場合、タイミング(a)に示すように、左右図柄が非リーチ図柄にて停止表示される。このとき、擬似連変動である場合には、未だ再変動は行われていないものである。そして、タイミング(b)に示すように、中図柄として共通画像50を表示する。このとき、共通画像50を搖動表示する示唆演出を行うことにより、NEXT図柄が停止表示されることに対する期待感を遊技者に与えることができる。そして、擬似連変動である場合には、タイミング(c)に示すように、NEXT図柄51が停止表示され、再変動が行われる。このとき、赤色のエフェクト53を表示することにより、NEXT図柄51を停止表示したことを強調するものである。また、再変動失敗演出を実行する変動においては、タイミング(b)の後、タイミング(d)に示すように、NOT図柄52が停止表示され、そのまま変動が終了する。なお、タイミング(d)の後に、NOT図柄52がNEXT図柄に変化し、再変動が行われるパターンの演出が設けられていることとしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、識別情報(本例では、演出図柄)の可変表示を行い、表示結果が特定の組み合わせ(本例では、大当り図柄)となった場合に、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、識別情報の可変表示を制御し、少なくとも一部の可変表示領域(本例では、「中」の図柄表示エリア9C)において、特定の組み合わせを構成し得ない特定識別情報(本例では、NEXT図柄)と、特定の組み合わせを構成し得ず、且つ、特定識別情報と一部の態様が共通する所定識別情報(本例では、NOT図柄)とを停止表示(「停止表示」とは、変動が終了する際の確定停止表示と、再変動が開始される直前の仮停止表示とを含む概念である。すなわち、「停止表示」は、搖動表示であってもよいし、固定表示であってもよい。)させることが可能な可変表示制御手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS8002,S3913においてセットした図柄に対応するプロセステーブルをステップS8004において選択し、選択したプロセステーブルを用いてステップS802を実行する部分)と、特定識別情報が停止表示されたときに特定演出(本例では、再変動)を実行する特定演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS8004を実行することによりプロセステーブルを選択し、選択したプロセステーブルを用いてステップS802を実行する部分)とを備え、可変表示制御手段は、特定演出を実行する場合(本例では、擬似連を伴う変動パターンが選択された場合)には、特定識別情報および所定識別情報に共通する態様を示す共通画像(本例では、T画像。NEXT図柄およびNOT図柄に共通する「N」が記載されたN画像であってもよい。)を表示した後に特定識別情報を停止表示することが可能であり、特定演出を実行しない場合(本例では、擬似連を伴わない変動パターンが選択された場合)には、共通画像を表示した後に所定識別情報を停止表示することが可能であり、所定識別情報を停止表示した後に識別情報の可変表示を終了する(本例では、はずれ目にて変動を終了させる)こととした。これにより、共通画像が表示された後に、特定識別情報および所定識別情報のうちいずれの識別情報が停止表示されるかに注目させることができ、興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態において、「特定識別情報」としてNEXT図柄を用いて説明したが、これに限るものではない。例えば、文字の記載された図柄に限るものではなく、所定のマークやキャラクタを「特定識別情報」としてもよい。その場合、「共通画像」は、マークの一部(例えば、端部)の画像や、キャラクタの一部(例えば、キャラクタの足)の画像とし、「所定識別情報」は、端部のみが特定識別情報と共通するマークや、足のみが特定識別情報と共通するキャラクタなどであってもよい。
なお、本実施の形態では、特定識別情報(NEXT図柄)および所定識別情報(NOT図柄)における全ての態様(例えば、絵柄や文字の造形、色調、模様および表示範囲)が共通しているT画像を「共通画像」として説明したが、「共通画像」とは、特定識別情報および所定識別情報において一部の態様が共通しているものであればよい。例えば、特定識別情報および所定識別情報において、文字が共通している一方で色調が異なる画像を「共通画像」としてもよい。具体的には、文字色が赤色であるNEXT図柄を特定識別情報とし、文字色が青色であるNOT図柄を所定識別情報とする場合に、文字色が緑色のT画像を共通画像としてもよい。すなわち、共通画像と、特定識別情報および所定識別情報とで、表示色が異なることとしてもよい。
また、共通画像の表示態様として、特定識別情報が停止表示されることに対する信頼度の異なる複数の表示態様が設けられていることとしてもよい。例えば、表示色が単色である表示態様よりも、表示色が虹色である表示態様の方が、NEXT図柄が停止表示される信頼度が高いこととしてもよい。また、NEXT図柄が停止表示される場合にのみ選択され得る特殊表示態様が設けられていることとすれば、該特殊表示態様の共通画像を表示したときに、NEXT図柄を停止表示することを遊技者に報知することができる。
また、本実施の形態では、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて「特定識別情報」および「所定識別情報」を停止表示可能であることとしたが、少なくとも一部の可変表示領域に表示されるものであれば、複数の図柄表示エリアにおいて「特定識別情報」および「所定識別情報」を停止表示可能であることとしてもよい。
また、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおける停止図柄が特定の組み合わせを「特定識別情報」としてもよい。具体的には、中図柄が左図柄より「1」大きい数字図柄であり、右図柄が中図柄より「1」大きい数字図柄である組合せや、左図柄および中図柄が同一図柄であり、右図柄が該同一図柄との差が「1」の数字図柄である組合せを「特定識別情報」としてもよい。
また、本実施の形態では、「特定演出」として再変動を実行可能であることとしたが、これに限るものではない。例えば、未だ開始していない変動を予告対象とする演出(いわゆる、先読み予告演出)、突然確変大当りまたは小当りとなったことを報知する演出、保留表示の表示態様を変化させる演出、実行中の変動に対応する表示(いわゆる、アクティブ表示)の表示態様を変化させる演出、またはリーチ演出など、いずれの演出を「特定演出」として実行可能であることとしてもよい。
なお、本実施の形態では、擬似連を伴わない非リーチはずれであれば、常に再変動失敗演出を実行可能であることとしたが、これに限るものではない。例えば、特定の遊技状態(例えば、高ベース状態、低ベース状態、高確率状態、低確率状態)に制御されている場合や、特定の演出モード(例えば、高確率状態であるか否かを遊技者に認識させにくくする潜伏モード、所定の条件が成立した場合に遊技者に有利な有利価値が付与されるミッションモード)に制御されている場合のみ、再変動失敗演出の実行が可能であることとしてもよい。
また、本実施の形態において、共通画像を表示しているときに、特別識別情報および所定識別情報のうちいずれの識別情報を停止表示するかを示唆する示唆演出(本例では、共通画像を搖動表示する演出)を実行可能な示唆演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップ3918の設定にもとづいたプロセステーブルをステップS8004において選択し、選択したプロセステーブルを用いてステップS802を実行する部分)を備えたこととした。これにより、特定識別情報および所定識別情報のうちいずれの識別情報が停止表示されるかに注目させることができる。
また、本実施の形態では、「示唆演出」として共通画像が搖動する演出を実行可能であることとしたが、これに限るものではない。例えば、共通画像を少しずつ表示する演出や、共通画像を点滅させる演出や、共通画像を強調表示する演出や、共通画像とはかかわりない何らかの演出を「示唆演出」として実行可能であることとしてもよい。
また、本実施の形態では、示唆演出の実行の有無により信頼度を示すこととしたが、これに限るものではなく、複数の演出態様が設けられており、実行する示唆演出の演出態様によって信頼度を示すこととしてもよい。例えば、搖動度合いの大きい第1態様と、搖動度合いの小さい第2態様とが示唆演出の演出態様として設けられており、第1態様における示唆演出の方が、第2態様における示唆演出よりも高い信頼度を示すこととしてもよい。
なお、本実施の形態では、示唆演出の実行の有無を変動開始時に決定することとした(ステップS3916参照)が、これに限るものではない。例えば、左右図柄がリーチ図柄であっても共通画像を表示し得る遊技機においては、共通画像を表示するタイミングにおいて、左右図柄がリーチ図柄であれば示唆演出を実行することを決定する一方、左右図柄が非リーチ図柄であれば示唆演出を実行しないことを決定するものであってもよい。
また、本実施の形態では、特定識別情報(NEXT図柄)が停止表示されることに対する信頼度が高い演出として「示唆演出」を行うこととしたが、これに限るものではなく、所定識別情報(NOT図柄)が停止表示されることに対する信頼度が高い演出として「示唆演出」を実行可能であることとしてもよい。
また、本実施の形態において、特定演出実行手段は、複数のタイミング(本例では、左右図柄が非リーチ図柄にて停止表示されたタイミング、左右図柄がリーチ図柄にて停止表示されたタイミング)において特定演出を実行可能であり、可変表示制御手段は、特定演出を実行するタイミングに応じて、共通画像を表示する場合と表示しない場合とがある(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左右図柄が非リーチ図柄にて停止表示されたときに再変動を行う場合には共通画像を表示する一方、左右図柄がリーチ図柄にて停止表示されたときに再変動を行う場合には共通画像を表示しない。図4参照。)こととした。これにより、意外性をもたせることができる。
なお、本実施の形態では、左右図柄に非リーチ図柄が停止表示されているタイミングおよび左右図柄にリーチ図柄が停止表示されているタイミングにおいて特定演出を実行可能であることとしたが、これに限るものではない。例えば、変動開始からの経過時間が異なる複数のタイミング(例えば、3秒後と7秒後)にて特定演出を実行可能であることとしてもよい。
また、本実施の形態において、可変表示制御手段は、所定識別情報よりも強調して特定識別情報を停止表示することが可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、NEXT図柄を停止表示するときにエフェクト表示を行う一方、NOT図柄を停止表示するときにはエフェクト表示は行わない。図8(c),(d)参照。)こととした。これにより、特定識別情報が停止表示されて特定演出が実行されることに対する昂揚感を遊技者に与えることができる。
また、本実施の形態において、エフェクト表示を行うことにより特定識別情報を強調して停止表示することとしたが、これに限るものではない。例えば、特定識別情報を点滅表示させたり、拡大表示させたりすることにより、強調することとしてもよい。
また、本実施の形態では説明を省略したが、通常の演出図柄よりも表示範囲の小さい小図柄を表示可能であることとしてもよい。なお、所定の期間(例えば、所定の演出の実行中)のみ小図柄を表示することとしてもよいし、常に小図柄を表示することとしてもよい。演出図柄として特定識別情報や所定識別情報を停止表示する場合には、特定識別情報や所定識別情報をそのまま小さくした図柄、または特定識別情報や所定識別情報を簡易化した図柄を小図柄として停止表示することとしてもよい。例えば、演出図柄としての特定識別情報が5つの星印である場合に、1つの星印(簡易化した図柄)を小図柄として停止表示することとしてもよい。また、特定識別情報や所定識別情報とはかかわりのない図柄を小図柄として停止表示することとしてもよい。例えば、演出図柄として所定識別情報(NOT図柄)を停止表示する場合には、はずれ図柄(例えば、ステップS8002において決定されたはずれ図柄)を小図柄として停止表示することとしてもよい。
なお、上記の各実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の各実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の各実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の各実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。