JP5698192B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機およびコイン遊技機等の遊技機に関し、特に、始動領域への遊技媒体の進入に基づいて各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なった後に表示結果を導出し、変動表示の表示結果が特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関する。
この種の遊技機として一般的に知られているものとしては、たとえば、始動領域に遊技媒体(遊技球)が進入した後、変動表示の開始条件の成立に基づいて各々を識別可能な複数種類の識別情報(飾り図柄)の変動表示を行ない表示結果を導出表示し、導出表示された表示結果が予め定められた特定表示結果(大当り表示結果)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する遊技機があった。
また、このような遊技機は、始動領域へ遊技媒体が進入したことを保留情報として記憶するとともに保留情報を表示する機能を有する。このような機能を有する遊技機の中には、変動表示を開始した後に、通常、停止する識別情報とは異なる特殊識別情報が停止することで、所定条件を満たす保留情報が記憶されていることを報知するものがあった(特許文献1)。
特開2012−19848号公報
しかしながら、特許文献1に記載された遊技機の場合、特殊識別情報が表示されるか否かという演出のみで将来の変動に関する予告が行なわれるため、予告演出に面白みがなく、遊技者の期待感を十分に高めることが困難であった。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、特殊識別情報が表示されることのみで終わらず、遊技者の期待感を十分に高めることができる予告を実行可能な遊技機を提供することを目的とする。
(1) 変動表示を行なった後に表示結果を導出する変動表示手段における変動表示の表示結果が特定表示結果(大当り表示結果)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
未だ開始されていない変動表示を保留情報として記憶可能な保留記憶手段(遊技制御用マイクロコンピュータ100、RAM102、第1保留記憶バッファ、第2保留記憶バッファ)と、
変動表示を開始するときに変動表示の表示結果を前記特定表示結果(大当り表示結果)とするか否かを決定する決定手段(図10のS110)と、
前記決定手段の決定結果に基づいて、変動表示を実行する変動表示実行手段(特別図柄プロセス処理、演出制御プロセス処理)と、
前記保留情報に対応した保留表示を表示する保留表示手段(画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5H)と、
前記保留情報に基づいた予告(先読み予告)を実行するか否かを決定する予告決定手段(図15のS723a)と、
前記予告決定手段が前記予告を実行すると決定したときに、決定の対象となった前記保留情報に基づいた変動表示よりも前の変動表示において前記予告を示唆する特殊識別情報(特殊図柄)を変動表示させて停止表示することに伴って保留表示の表示態様を変更する予告実行手段(図15のS729、S730、S737、S738)と、
表示する特殊識別情報を複数種類の中から選択する特殊識別情報選択手段(図15のS731、図16のビーム演出決定テーブル(ビーム演出が決まると特殊図柄A,Bが定まる))とを備え、
前記予告実行手段は、前記特殊識別情報選択手段が選択した特殊識別情報(特殊図柄A、B)を変動表示させて停止表示することに伴って前記特殊識別情報選択手段が選択した特殊識別情報に対応する態様(保留α、β)に保留表示の表示態様を変更する。
このような構成によれば、特殊識別情報が変動表示されて停止表示されることに伴って保留表示の表示態様を変化させることが可能となるので、特殊識別情報が変動表示されて停止表示されることのみで終わらず、遊技者の期待感を十分に高めることができる予告を実行可能となる。
(2) 上記(1)の遊技機において、
前記予告実行手段(図15のS729、S730、S737)は、
前記変動表示においてリーチが成立した後に未だ変動を継続する識別情報の表示領域部分において前記特殊識別情報を表示する制御(図20のS865、図21の演出パターン1、図22の演出パターン2)と、
前記変動表示においてリーチが成立した後に前記複数種類の識別情報のうちの前記特定表示結果を構成しない識別情報(飾り図柄)を表示してから当該識別情報を前記特殊識別情報に変更する制御(図20のS861、図22の演出パターン3)とを実行可能である。
このような構成によれば、リーチ成立後に特殊識別情報が表示されるため、遊技者に対してリーチの変動に特殊識別情報の表示に関する期待感を抱かせることができる。また、リーチ成立後に一旦特定表示結果を構成しない識別情報が表示された後に、その識別情報が特殊識別情報に変更される場合もあるので、リーチが成立することで遊技者に対して特定表示結果に対する期待感を与えることができるのみならず、そのリーチの後に特定表示結果が表示されなくてもなお、所定の予告に対する期待感を遊技者に与えることができる。このため、特殊識別情報の表示に関する遊技者の期待感をより一層長く持続させることができる。
(3) 上記(1)または(2)の遊技機において、
前記予告実行手段は、前記特殊識別情報選択手段が選択した特殊識別情報(特殊図柄A、B)を表示するとともに複数種類の表示態様(保留α、β)のうち前記特殊識別情報選択手段が選択した特殊識別情報に対応させて前記保留表示手段の表示態様を変更する(図20のS863)。
このような構成によれば、特殊識別情報に対応させて保留表示手段の表示態様が変更されるので、表示態様を変更する際の態様の種類に対して遊技者に期待を抱かせることができる。
(4) 上記(1)〜(3)の遊技機において、
前記変動表示実行手段は、前記予告実行手段により表示された特殊識別情報を複数種類の変化態様のうちのいずれかで変化(たとえば特殊図柄Aが止まり、特殊図柄Aの中からキャラクターaが登場する)させた後、当該変化態様に対応した変動表示の演出(スーパーリーチA、B)を経て前記開始時決定手段の決定結果に基づいた表示結果(たとえば大当り)を導出表示させる。
このような構成によれば、特殊識別情報を複数種類の変化態様のうちのいずれかで変化させた後、変化態様に対応した変動表示の演出を経て開始時決定手段の決定結果に基づいた表示結果を導出表示するので、特殊識別情報の変化態様に対して遊技者に期待感を抱かせることができる。
(5) 上記(1)〜(4)の遊技機において、
前記保留情報は変動表示期間を特定可能な情報(変動パターン(図7参照)を特定可能な情報)を含んでおり(図4の乱数MR3)、
前記予告決定手段は、前記保留情報に基づいた変動表示よりも前に実行される変動表示に対応する保留情報を参照して(図15のS726、S727、S728)、当該保留情報に基づいた変動表示の変動表示期間において、前記予告実行手段が前記保留表示手段の表示態様を所定の予告態様(保留α、β)に変更することが可能であるときに、当該保留情報に基づいた前記変動表示において前記保留情報に基づいた所定の予告(先読み予告)を実行すると決定する(図15のS729、S730)。
このような構成によれば、保留情報に基づいた変動表示よりも前に実行される変動表示に対応する保留情報を参照して、保留表示手段の表示態様を所定の予告態様に変更することが可能であるときに、保留情報に基づいた所定の予告が実行されるので、保留表示手段の表示態様を変更するための演出時間を十分に確保することが可能となる。
(6) 上記(1)〜(5)の遊技機において、
前記保留情報は変動表示期間を特定可能な情報(変動パターン)を含んでおり、
前記予告決定手段は、
実行中の前記変動表示の残り変動表示期間が、前記保留表示手段の表示態様を所定の予告態様(保留α、β)に変更するために必要な所定期間以上であるときに、当該実行中の変動表示において前記特殊識別情報を表示すると決定し(図15のS737)、
実行中の前記変動表示の残り変動表示期間が前記所定期間未満のときには、当該実行中の変動の次の変動表示において前記特殊識別情報を表示する(変形例:S724の次に、現在、実行中の変動の変動残時間が所定時間以上であれば当該変動において特殊図柄を表示し、所定時間未満であれば、次の変動において特殊図柄を表示する)。
このような構成によれば、実行中の変動表示の残り変動表示期間が、保留表示手段の表示態様を所定の予告態様に変更するために必要な所定期間以上であるときには、当該実行中の変動表示において特殊識別情報を表示すると決定し、実行中の変動表示の残り変動表示期間が所定期間未満のときには、当該実行中の変動の次の変動表示において特殊識別情報を表示するので、極力早めに特殊識別情報を表示して遊技者に対して期待感を早めに抱かせることが可能となる。
(7) 上記(1)〜(6)の遊技機において、
変動表示の変動表示態様を決定する変動表示決定手段をさらに備える。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 大当りおよび小当りを含む当り種別の制御の特徴を表形式で説明するための図である。 パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板等を示す構成図である。 主基板側で用いられる各乱数を示す説明図である。 大当り判定テーブルを示す説明図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 変動パターン決定テーブルを示す説明図である。 遊技制御用マイクロコンピュータにおける保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。 遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。 入賞時演出処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。 先読み予告決定処理の一例を示すフローチャートである。 先読み予告決定テーブルとビーム演出決定テーブルとを示す説明図である。 先読み予告の演出パターンを示す説明図である。 変動表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。 スーパーリーチ決定テーブルを示す説明図である。 変動表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。 ノーマルリーチおよびスーパーリーチのそれぞれの場合について、保留記憶の表示態様を変更する演出パターンを示すタイミングチャートである。 ロングリーチAおよびロングリーチBのそれぞれの場合について、保留記憶の表示態様を変更する演出パターンを示すタイミングチャートである。 ノーマルリーチおよびスーパーリーチのそれぞれの場合について、保留記憶の表示態様を変更する演出パターンを示す画面図である。 ロングリーチAおよびロングリーチBのそれぞれの場合について、保留記憶の表示態様を変更する演出パターンを示す画面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、始動領域に遊技媒体が進入した後、変動表示の開始条件の成立に基づいて各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示手段を備え、該変動表示手段に導出表示された表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。図2は、大当りおよび小当りを含む当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。図3は、パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板等を示す構成図である。
パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域7が形成されている。この遊技領域7には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域7の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、たとえば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示、可変表示、更新表示、または、巡回表示ともいう)される。たとえば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、たとえば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」(第1特別図柄)といい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」(第2特別図柄)という。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、たとえば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(たとえば、ともに「0」〜「9」を示す数字、および、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、たとえば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域7の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、たとえばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、たとえば3つというような複数の変動表示部となる飾り図柄表示エリアで、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が変動表示される。この飾り図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(たとえば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで、飾り図柄の変動表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の変動表示を行ない、変動表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、たとえば特別図柄や飾り図柄というような、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、たとえば微少な揺れや伸縮等を生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮等も生じさせず、所定時間(たとえば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示すること等が含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで変動表示される飾り図柄には、たとえば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せ等であればよく、キャラクタ画像は、たとえば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字等の記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。たとえば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せ等適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(たとえば7種類や9種類等)。
また、リーチ状態となった後、「中」の飾り図柄表示エリア5Cには、通常の飾り図柄とは異なる特殊図柄(特殊識別情報)が停止する場合がある。ここで、特殊図柄とは、たとえばシャッター等の形状をした図柄であり通常の飾り図柄のように数字等が表示されるようなものではない。特殊図柄が停止することで、将来の変動を先読み予告する演出が行なわれる場合がある。なお、このような特殊図柄(特殊識別情報)の概念には、特殊図柄であるシャッター図柄が開いた場合に登場するキャラクタ等も含まれる。特殊図柄停止から先読み予告演出にかけての処理は後述する。
飾り図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、たとえば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行なわれ、図柄番号が最大(たとえば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(たとえば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(たとえば「左」の飾り図柄表示エリア5L等)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行なって、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留数(保留記憶数)を特定可能な保留記憶情報が保留記憶画像50として表示される。保留記憶画像50は、保留記憶の各々を識別可能であって、保留記憶数を画像の個数に示すものである。ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口61や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口62を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の変動表示というような変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていること等により、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行なわれる。
第1始動入賞口61への遊技球の通過(進入)は、第1始動入賞と呼び、第2始動入賞口62への遊技球の通過(進入)は、第2始動入賞と呼ぶ場合がある。第1始動入賞口61への遊技球の通過(進入)により生じる保留記憶は第1保留記憶と呼び、第1保留記憶の個数は第1保留記憶数と呼ぶ場合がある。また、第1保留記憶を示すデータおよび表示画像は第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶を示すデータおよび表示画像は第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。第1保留記憶の個数は第1保留記憶数と呼ぶ場合がある。第2始動入賞口62への遊技球の通過(進入)により生じる保留記憶は第2保留記憶と呼び、第2保留記憶の個数は第2保留記憶数と呼ぶ場合がある。
始動入賞記憶表示エリア5Hでは、第1保留記憶情報および第2保留記憶情報のそれぞれに対応する画像として保留記憶画像50が表示され、保留記憶画像50の表示個数により、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数としての合算保留記憶数が表示される。この実施の形態では、合算保留記憶数が表示されることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて合算保留記憶数を示す保留記憶画像50は、第1始動入賞口61を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したもの(第1保留記憶情報)であるか、第2始動入賞口62を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したもの(第2保留記憶情報)であるかに応じて、その表示態様(たとえば表示色や形状)を異ならせる。この実施の形態では、第1始動入賞口61を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した第1保留記憶の保留記憶画像50を丸型の青色表示とし、第2始動入賞口62を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した第2保留記憶の保留記憶画像50を丸型の赤色表示とする。このように、第1保留記憶情報と第2保留記憶情報とで色を異ならせることで、各保留記憶画像50が第1保留記憶情報と第2保留記憶情報とのどちらであるかを遊技者が容易に識別可能である。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上部に、保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留記憶数は、第1保留記憶情報(第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶)の記憶数である。第2保留記憶数は、第2保留記憶情報(第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶)の記憶数である。
第1保留記憶数と第2保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合算保留記憶数というが、単に「保留記憶数」というときには、第1保留記憶数、第2保留記憶数および合算保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、たとえば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口61を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口62を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口62を通過(進入)しがたい通常開放状態(遊技者にとって不利な状態)となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口62を通過(進入)しやすい拡大開放状態(遊技者にとって有利な状態)となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口62には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、たとえば第2始動入賞口62を閉鎖すること等により、第2始動入賞口62には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口62は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口61を通過(進入)した遊技球は、普通入賞球装置6Aに設けられた第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口62を通過(進入)した遊技球は、普通可変入賞球装置6Bに設けられた第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(たとえば3個)の遊技球が賞球として払出され、第1保留記憶数が所定の上限値(たとえば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(たとえば3個)の遊技球が賞球として払出され、第2保留記憶数が所定の上限値(たとえば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置70が設けられている。特別可変入賞球装置70は、ソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態(遊技者にとって有利な状態)と閉鎖状態(遊技者にとって不利な状態)とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置70では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置70では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、特別可変入賞球装置70に設けられたカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(たとえば15個)の遊技球が賞球として払出される。こうして、特別可変入賞球装置70において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、たとえば第1始動入賞口61および第2始動入賞口62のような、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払出される。したがって、特別可変入賞球装置70において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置70において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域7の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、たとえば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口61、第2始動入賞口62および大入賞口とは異なる入賞口として、たとえば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(たとえば10個)の遊技球が賞球として払出されればよい。遊技領域7の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取込まれるアウト口26が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域7周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域7における各構造物(たとえば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置70等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)73が設けられている。たとえば、打球操作ハンドル73は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル73には、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域7の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿71(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿71から溢れた余剰球等を、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿72が設けられている。
下皿72を形成する部材には、たとえば下皿72本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿72の中央部分)等に、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(たとえば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置等)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿72の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。たとえば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿71を形成する部材には、たとえば上皿71本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ31Aの上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿71の本体内部等には、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域7に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が、通過ゲート41に設けられたゲートスイッチ21によって検出されたことというような、普通図柄表示器20で普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、たとえば前回の普図ゲームが終了したことというような、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、たとえば「7」を示す数字というような、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、たとえば「7」を示す数字以外の数字や記号というような、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行なわれ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行なわれる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口61を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたこと等により第1始動条件が成立した後に、たとえば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口62を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたこと等により第2始動条件が成立した後に、たとえば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
図2の当り種別表においては、大当りおよび小当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態(低確率状態))に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。
図2に示すように、本実施の形態では、15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、および、突然確変大当りという複数種類の大当りが設けられている。これらは、すべて確変大当りである。突然確変大当りは、突確大当りという略称で呼ばれる場合がある。
ラウンド数が異なる大当り遊技状態としては、15R確変大当りによる15ラウンドの大当り遊技状態と、10R確変大当りによる10ラウンドの大当り遊技状態と、2R確変大当りおよび突然確変大当りによる2ラウンドの大当り遊技状態との複数種類の大当り遊技状態が設けられている。また、ラウンド数が同じであるが各ラウンドの開放時間が異なる大当り遊技状態としては、2R確変大当りによる開放時間が29秒の大当り遊技状態と、突然確変大当りによる開放時間が0.5秒の大当り遊技状態との複数種類の大当り遊技状態が設けられている。小当りにおいては、突然確変大当りと同様の開放回数(2回)および開放時間(0.5秒)の小当り遊技状態となる。
具体的に、15R確変大当りの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置70が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば9個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置70の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、10R確変大当りの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置70が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば9個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置70の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる10ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、2R確変大当りの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置70が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば9個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置70の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、突然確変大当りの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置70が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば9個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置70の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
このように、突然確変大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドおよび10ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では2回)まで許容されるが、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間)大当り種類(種別)である。また、本実施の形態の場合は、2ラウンドの大当りとして、大入賞口の開放時間が極めて短く(0.5秒間)、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)が得られない当りが設けられている。
なお、実質的に賞球が得られない当りとしては、15ラウンドの大当りであるが、1ラウンドあたりの開放時間がたとえば0.5秒間のように極めて短いことにより、実質的に賞球が得られないものであってもよい。また、実質的に賞球が得られない当りとしては、ラウンド数が少ないこと、または、1ラウンドあたりの開放時間が短いことのうち少なくとも一方が実行されることにより実質的に賞球が得られないものであればよい。
また、2ラウンドの大当りとしては、実質的に賞球が得られない当りのみを設けてもよく、賞球を得ることができる当りのみを設けてもよく、実質的に賞球が得られない当りと賞球を得ることができる当りとの両方を設けてもよい。
本実施の形態では、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りに基づく特別遊技状態としては、確変状態に制御されることに付随して、特別図柄や飾り図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態(通常変動時間状態)よりも短縮される時短状態に制御される。また、突然確変大当りに基づく特別遊技状態としては、確変状態に制御されるが、時短状態には制御されない。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。なお、15ラウンドの大当りで確変状態に制御されない15R通常大当りを設けてもよく、15R通常大当りで大当り遊技状態に制御された後についても、時短状態に制御されるようにしてもよい。また、15R通常大当りで大当り遊技状態に制御された後は、時短状態に制御されないようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄および飾り図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
また、本実施の形態では、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りによる確変状態については、確変状態に制御されることに付随して、普通可変入賞球装置6Bが開状態になる頻度を高くすることにより普通可変入賞球装置6Bに遊技球が進入する頻度を高くして普通可変入賞球装置6Bへの入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される特別遊技状態となる。一方、突然確変大当りによる確変状態については、確変状態に制御されるが、電チューサポート制御状態に制御されない特別遊技状態となる。
なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。また、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りで大当り遊技状態に制御された後は、電チューサポート制御状態に制御されないようにしてもよい。また、突然確変大当りで大当り遊技状態に制御された後は、電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、普通可変入賞球装置6Bの開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、普通可変入賞球装置6Bの開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、普通可変入賞球装置6Bが開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口62への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、および、画像表示装置5における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口62への入賞頻度が高まることにより、第2特別図柄の始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口62への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、普通可変入賞球装置6B、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより普通可変入賞球装置6Bへの入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
さらに、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか複数を組合せた状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。また、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか1つの状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。このように、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうち、いずれか1つの状態、いずれか複数(すべての組合せを除く)を組合せた状態、または、すべてを組合せた状態に制御するものであれば、どのような制御を行なうようにしてもよい。
本実施の形態では、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りに基づく特別遊技状態として、確変状態に制御されることに付随して、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される。なお、特別遊技状態として、確変状態とは独立して時短状態および電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。その他、特別遊技状態における時短状態と電チューサポート制御状態との関係としては、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよく、時短状態に独立して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態の場合は、突然確変大当りのように大当り遊技状態の終了後において、特別遊技状態として、確変状態に制御されたときに時短状態および電チューサポート制御状態に制御されない場合があるが、確変状態に制御されたときに時短状態および電チューサポート制御状態に必ず制御されるようにしてもよい。また、大当り遊技状態の終了後において、確変状態に制御されず通常状態となるときは、変動表示回数により期間が制限されずに、次回の大当りが発生するまでの間、時短状態および電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態を示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確率/低ベース状態」、「高確率高ベース状態」、および、「高確率/低ベース状態」を用いる。「低確率/低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が/低ベース状態であることを示す状態である。「高確率高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確率/低ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。なお本実施の形態では、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す「低確率高ベース状態」は設けられていない。しかし、「低確率高ベース状態」をさらに設けてもよい。
本実施の形態において、15R確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確率/高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。
また、本実施の形態において、10R確変大当りは、10ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確率/高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。
また、本実施の形態において、2R確変大当りは、開放期間が長い2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確率/高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。
また、本実施の形態において、突然確変大当りは、開放時間が極めて短い2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態に移行する制御が行なわれ、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確率/高ベース状態)に移行する制御が行なわれずに非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(高確率/低ベース状態)に制御される大当りである。
15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りの場合は、確変状態、
時短状態、および、電チューサポート制御状態よりなる特別遊技状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。変動表示が100回実行されるまでに大当りが発生しないときには、低確率/低ベース状態に移行する制御が行なわれる。なお、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りのすべてまたは一部については、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態のような特別遊技状態が、変動表示回数とは関係なく、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続するようにしてもよい。
また、突然確変大当りの場合は、確変状態よりなる特別遊技状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。変動表示が100回実行されるまでに大当りが発生しないときには、低確率/低ベース状態に移行する制御が行なわれる。なお、突然確変大当りについては、確変状態が、変動表示回数とは関係なく、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続するようにしてもよい。
また、小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベース状態とがともに、小当り遊技状態の開始前に対して変更されない。このように、小当りは、小当り遊技状態終了後に、小当り遊技状態の開始前における遊技状態としての大当り確率およびベース状態が維持される当りである。なお、この実施の形態において、小当りは、小当り遊技状態において、突然確変大当りと同一の開放回数および同一の開放時間で特別可変入賞球装置70を開放する当りである例を示すが、これに限らず、小当りとしては、特別可変入賞球装置70の開放態様が、突然確変大当りのときの開放態様と完全に一致するものでないが、突然確変大当りのときの開放態様と区別しにくいように見えるものであってもよい。つまり、小当りとしては、特別可変入賞球装置70の開放態様が、突然確変大当りと略同一の開放回数および略同一の開放時間で特別可変入賞球装置70を開放する当りであればよい。
突然確変大当りと、小当りとは、特別可変入賞球装置70の開放回数および開放時間が同じであるので、大当り遊技状態および小当り遊技状態中に、突然確変大当りであるか小当りであるかを遊技者が認識しにくい。これにより、突然確変大当りの大当り遊技状態の終了後および小当り遊技状態の終了後において、確変状態となっていることを報知しない共通の演出が行なわれるときには、確変状態となっているか否かを遊技者が認識しにくい。また、突然確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に低ベースとなるので、小当り遊技状態の終了後に大当り確率とベースが変化しない小当りと比べると、突然確変大当りの大当り遊技状態の終了後と、小当り遊技状態の終了後とで遊技者が動作状況を区別しにくい。このような制御状態は、確変状態が潜伏しているような状態であるので潜伏演出状態と呼ばれ、このような潜伏状態にする制御が潜伏演出制御と呼ばれる。なお、突然確変大当りとしては、大当り遊技状態の終了後に、時短状態に制御され、電チューサポート制御に制御されるものを設けてもよい。
この実施形態によるパチンコ遊技機1においては、演出制御用CPU120において、大当り遊技状態の終了後および小当り遊技状態の終了後に、確変状態となっているか否かを報知しない共通の演出をする潜伏制御が行なわれる。たとえば、演出制御用CPU120では、大当り終了時において、小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを受信したときは、大当り遊技状態(小当りの場合は小当り遊技状態)の終了後において共通の背景画像を表示する等、共通の演出を行なう。このような潜伏制御が行なわれることにより、遊技者に対して確変状態であるか否かについての期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、潜伏制御は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から潜伏制御の実行を指示するコマンドを送信し、当該コマンドに応じて、演出制御用CPU120が潜伏制御を実行するようにしてもよい。また、この実施形態では、小当りを設けた例を示したが、これに限らず、小当りは設けなくてもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の変動表示が開始される。そして、飾り図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域で停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(たとえば「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5R等)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(たとえば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(たとえば「中」の飾り図柄表示エリア5C等)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化というような演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9等の発光体における点灯動作(点滅動作)等を、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
本実施の形態では、飾り図柄の変動が開始した後、一般的には、最初に左図柄が停止し、次に右図柄が停止し、最後に中図柄が停止して表示結果が確定する。特に、最初に停止する図柄を第1停止図柄、次に停止する図柄を第2停止図柄、最後に停止する図柄を第3停止図柄と称する。
また、リーチ状態となった後、「中」の飾り図柄表示エリア5Cには、通常の飾り図柄とは異なる特殊図柄が停止する場合がある。ここで、特殊図柄とは、たとえばシャッター等の形状をした図柄であり通常の飾り図柄のように数字等が表示されるようなものではない。特殊図柄の停止は、先読み予告の契機となる。ただし、特殊図柄が停止した場合に必ず先読み予告が行なわれるとは限らない。たとえば、本実施の形態では、特殊図柄が停止したとしても、その後、スーパーリーチ演出へと発展する場合には先読み予告が行なわれることはない。
先読み予告とは、保留記憶のうちに大当りや小当りなどの特定の当り、あるいはスーパーリーチなどの期待度の高いリーチなどの特定の変動パターンを伴う変動が存在する場合に、そのような保留記憶が存在することをその保留記憶の消化に基づいた変動表示(以下、これを“ターゲットの変動表示”とも称する。)を開始する以前に予告することをいう。たとえば、本実施の形態では、表示結果が大当りとなることが先読み予告される。
特に、本実施の形態では、先読み予告は、ターゲットの保留記憶に対応する保留記憶画像50(図24、25参照)を通常とは異なる保留予告記憶画像51(図24、25参照)に変更することによって行なわれる。以下、このような通常とは異なる保留記憶の態様を“特別表示態様”あるいは“先読み予告態様”とも称する。
このように保留記憶画像50を通常表示態様から特別表示態様へ変更することによる先読み予告が実行される前に、シャッター図柄等の特殊図柄が停止する。たとえば、リーチ状態となった後にシャッター図柄が停止すると、続いて、そのシャッター図柄のシャッターが開き、そこから人物や動物などのキャラクタが出現する。その後、“ビーム演出キャラクタ”が先読み予告対象の保留記憶画像50にビームを発射するなどの所定の動作をし、その動作に基づいて先読み予告対象の保留記憶画像50が通常表示態様から特別表示態様へ変化する。本実施の形態では、特別表示態様として、保留α(金色)とが保留β(銀色)とが用意されている。なお、3種類以上の特別表示態様を設けてもよい。
先読み予告のために特殊図柄を停止させてから保留記憶画像50を変更するまでの一連の演出パターンとして複数種類のパターンが用意されており、その演出パターンによって登場するビーム演出キャラクタが異なる。また、リーチ状態が成立した後にいずれの演出パターンによる演出が実行されるかは、成立したリーチ状態の種類により異なっている。本実施の形態では、たとえば、ノーマルリーチとロングリーチAとロングリーチBとで実行される演出パターンが異なるように制御される。
なお、リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類のリーチパターンが、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の変動表示が開始されてから、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の変動表示が開始されてから、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
以上のように、本実施の形態では、シャッター図柄の停止は先読み予告の契機となる。しかし、シャッター図柄が停止すると必ず先読み予告が実行されるとは限らない。たとえば、シャッター図柄が停止してキャラクタが登場した後に“擬似連”と称される図柄の変動パターンに移行して通常の図柄が導出表示されて外れまたは当りの結果が確定するような場合もある。
この「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行なうことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。本実施の形態では、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに中図柄として特殊図柄が停止し、その中図柄停止後に擬似連変動が行なわれる。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた擬似連を構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行なわれる。「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行なわれることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。なお、擬似連を構成する飾り図柄は、表示された際に完全に停止してもよく、あるいは、停止しているように見えるものの、極めてゆっくりとした速度で動いているようにしてもよい。
図3に示すように、パチンコ遊技機1には、主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14というような、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2等の背面には、たとえば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板等というような、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行なう機能、演出制御基板12等からなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(たとえばセグメントLED)等の点灯/消灯制御を行なって第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御等を行なって普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することというような、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、たとえば遊技制御用マイクロコンピュータ100、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、および、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111等が搭載されている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、たとえば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行なうCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行なう乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。I/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8Rおよび遊技効果ランプ9というような演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9等における点灯/消灯動作の全部または一部というような、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
演出制御基板12には、プログラムにしたがって制御動作を行なう演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理等を実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行なう乱数回路104と、I/O125とが搭載されている。
演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、および、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、遊技効果ランプ9等における点灯/消灯駆動を行なうランプドライバ回路等が搭載されている。
図3に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、たとえばセンサと称されるもの等のように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C等の表示制御を行なうための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、たとえば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、たとえば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンド、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、ならびに、遊技効果ランプ9および装飾用LEDの点灯動作等を制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線等が接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、たとえば乱数回路104等により、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。このような演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブル等が格納されている。たとえば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定、決定、および、設定を行なうために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータ等が記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(たとえば画像表示装置5,スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型等)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
図4は、主基板11側で用いられる各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)MR1:大当りにするか否か、および、小当りにするか否かを判定するためのランダムカウンタである(大当り判定用)。
(2)MR2:大当りの種類(後述する15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り)を決定するためのランダムカウンタである(大当り種別決定用)。
(3)MR3:変動パターン(変動時間)を決定するためのランダムカウンタである(変動パターン決定用)。
(4)MR4:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定するためのランダムカウンタである(普通図柄当り判定用)。
(5)MR5:MR4の初期値を決定するためのランダムカウンタである(MR4初期値決定用)。
この実施の形態では、前述したように、特定遊技状態である大当りとして、15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、および、突然確変大当りというような複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(MR1)の値に基づいて大当りとする決定がされたときには、大当り種別決定用乱数(MR2)の値に基づいて、大当りの種別が、これらのうちいずれかの大当り種別に選択決定される。さらに、大当りの種別が選択決定されるときに、同時に大当り種別決定用乱数(MR2)の値に基づいて、大当り図柄も選択決定される。したがって、MR2は、大当り図柄決定用乱数でもある。また、当りとしては、小当りも含まれており、大当り判定用乱数(MR1)が小当り判定用乱数として兼用されている。そして、大当り判定用乱数(MR1)の値に基づいて小当りとする決定がされたときには、小当り図柄が、予め定められた図柄に決定される。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数が用いられるが、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図5(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
この実施の形態では、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りとなると、大当り遊技終了後に高確率状態に移行されるとともに高ベース状態に移行される。そして、大当り終了後、特別図柄の変動表示が100回終了するまで確変状態および高ベース状態が継続する。また、突然大当りとなると、大当り遊技終了後に高確率状態に移行されるが高ベース状態に移行されない。そして、大当り終了後、特別図柄の変動表示が100回終了するまで確変状態が継続する。
図5(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行なうときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行なうときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図5(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図5(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図5(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特図の変動表示を行なう場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特図の変動表示を行なう場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図5(C)に示す第2特図用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特図の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行なうように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特図の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行なわないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路104のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(MR1)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図5(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図5(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図5(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。したがって、この実施の形態では、第1始動入賞口61に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口62に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図5(D),(E)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図5(D)は、遊技球が第1始動入賞口61に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図5(E)は、遊技球が第2始動入賞口62に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別決定用の乱数(MR2)に基づいて、大当りの種別を「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図5(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して8個の判定値が割当てられている(40分の8の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して2個の判定値が割当てられている(40分の2の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。したがって、この実施の形態では、第1始動入賞口61に始動入賞して第1特図の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口62に始動入賞して第2特図の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行なわない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行なう場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図5(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1の大当りとしての突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2の大当りとしての15R確変大当り、10R確変大当りおよび2R確変大当りとに決定する場合があるとともに、第1特図の変動表示が実行される場合に高い割合で第1の大当りとすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。たとえば、第1の大当りと比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2の大当りを決定するようにしてもよい。また、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間に長短を付けたり、大当りラウンド終了後の遊技状態を通常状態と確変状態とにするなどにより、付与される遊技価値を変更するようにしてもよい。
この実施の形態では、図5(D),(E)に示すように、大当り種別として、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンド、10ラウンドおよび2ラウンドの3種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当りや、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。
なお、「2R確変大当り」は、後述する「突然確変大当り」と同様に大入賞口の開放回数が2回(2ラウンド)のみ許容される大当りであるが、「突然確変大当り」と異なり、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長い(この実施の形態では29秒)。したがって、「突然確変大当り」の場合には、大当り遊技中に遊技球が大入賞口に入賞することはほとんど期待できないのであるが、「2R確変大当り」となった場合には、大入賞口の開放回数は少ないものの大当り遊技中に遊技球が大入賞口に入賞することを期待することができる。
また、「突然確変大当り」とは、「15R確変大当り」および「10R確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.5秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「15R確変大当り」や、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.5秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することはほとんど期待できない。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.5秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。なお、この実施の形態で示すように大当り種別がすべて確変大当り(この実施の形態では、15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り)であるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、この実施の形態のように大当り種別がすべて確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、高確率状態に移行されるのみで高ベース状態を伴わない突然確変大当りを設けるようにすること(大入賞口の開放パターンも突然確変大当りと小当りの場合とで同じにすること)が好ましい。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、MR2の値と比較される数値であって、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、MR2の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図6は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図6に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図7に示された使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU120は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用CPU120は、コマンド8C01(H)〜8C06(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C06(H)を表示結果指定コマンドという。
これらの変動パターン指定コマンドおよび表示結果指定コマンドは、保留記憶に基づいて変動を開始させる際に送信されるコマンドである。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、変動開始の際に対象の保留記憶情報(MR1〜MR3)を参照して、その保留情報に基づく変動の変動パターンや当り外れの結果を事前決定する。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、その事前決定に基づいた変動パターン指定コマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御基板12へ送信する。
コマンド8D01(H)は、第1特図の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特図の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特図の変動表示を開始するのか第2特図の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の変動表示を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の変動表示を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられ、「突然確変大当り」および「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。たとえば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。たとえば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、および、「2R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が低確率/低ベース状態(通常状態)であることを指定する演出制御コマンド(低確率/低ベース状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が高確率/高ベース状態であることを指定する演出制御コマンド(高確率/高ベース状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が高確率/低ベース状態であることを指定する演出制御コマンド(高確率/低ベース状態指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、以下、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口61と第2始動入賞口62とのいずれに始動入賞したかを指定する始動入賞指定コマンドを送信するとともに、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶情報として送信する演出制御コマンドは、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、保留記憶数が増加したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、小当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(表示結果先読みコマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、どのような変動パターンとなるかを示す演出制御コマンド(変動パターン先読みコマンド)である。これらの表示結果先読みコマンドおよび変動パターン先読みコマンドは、始動入賞が発生した際に送信されるコマンドである。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞発生時にMR1〜MR3の乱数を抽出して保留記憶情報として格納するが、その際に併せてそれらの乱数を判定することによって、その保留情報に基づく変動の変動パターンや当り外れの結果を判定する。これを“先読み”と称する。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、その先読み結果に基づいた示結果先読みコマンドおよび変動パターン先読みコマンドを演出制御基板12へ送信する。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図12参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞時に、大当りとなるか否か、小当りとなるか否か、大当りの種別、どのような変動パターンとなるかを判定する。そして、表示結果先読みコマンドのEXTデータに、大当りまたは小当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用CPU120に対して送信する制御を行なう。また、変動パターン先読みコマンドのEXTデータに、変動パターンを指定する値を設定し、演出制御用CPU120に対して送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用CPU120は、表示結果先読みコマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りまたは小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動パターン先読みコマンドに基づいて、どのような変動パターンであるかを認識できる。
なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず(たとえば、高確率状態や高ベース状態であるか否かや、大当り遊技中であるか否かにかかわらず)、始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、必ず表示結果先読みコマンドが送信されるとともに変動パターン先読みコマンドが送信される。そして、演出制御用CPU120は、受信した表示結果先読みコマンドや変動パターン先読みコマンドに基づいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやリーチとなるか否かを予告する先読み予告を実行する。
演出制御基板12に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータとしての演出制御用CPU120は、主基板11に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御コマンドを受信すると、図6に示された内容に応じて画像表示装置5の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞があり第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板11から演出制御基板12に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取込み処理を開始する。
図6に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特図の変動に対応した飾り図柄の変動表示と、第2特別図柄表示装置4Bでの第2特図の変動表示に対応した飾り図柄の変動表示とで共通に使用でき、第1特図および第2特図の変動表示に伴って演出を行なう画像表示装置5等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御用CPU120に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図7は、変動パターン決定テーブルを示す説明図である。変動パターンには、変動時間が5秒の非リーチハズレと、変動時間が20秒のノーマルリーチと、変動時間が40秒のロングリーチAと、変動時間が45秒のロングリーチBと、変動時間が70秒のスーパーリーチAと、変動時間が50秒のスーパーリーチBと、変動時間が15秒の突確パターンと、変動時間が10秒の小当りパターンとがある。遊技制御用マイクロコンピュータ100のROMには、変動パターン決定用の乱数値(MR3)と変動パターンとが当り/ハズレ別に対応づけられた変動パターン決定テーブルが記憶されている。非リーチハズレの変動パターンはハズレが事前決定されているときにのみ選択されるパターンであり、大当りや小当りが決定されているときには変動パターン決定用の乱数値MR3が対応付けられていない。また、「ノーマルリーチ」、「ロングリーチA」、「ロングリーチB」、「スーパーリーチB」、「スーパーリーチA」の順に大当りの期待度が高くなる(「スーパーリーチA」が最も大当り期待度が高い)ように、各変動パターンに対して大当り/ハズレの表示結果別にMR3が割り振られている。なお、図7では、変動パターン決定用の乱数値MR3と変動パターンとの対応関係の記載を省略している。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ROMに記憶されている変動パターン決定テーブルと変動パターン決定用に抽出された乱数値(MR3)とを用いて変動パターンを決定する。なお、図7に示す変動パターンのうち、ビーム演出を伴う変動パターンは、ノーマルリーチと、ロングリーチAと、ロングリーチBとであるが、遊技制御用マイクロコンピュータ100はビーム演出の処理に関わっておらず、演出制御用CPU120がビーム演出の処理を行なう。この点については後述する。
また、変動パターンの選択率は、変動表示を開始する際の保留記憶数に応じて変更されるように制御してもよい。たとえば、変動表示を開始する際の保留記憶数が所定数(たとえば、3つ)以上であるときに用いる変動パターン決定テーブルAと、所定数未満であるときに用いる変動パターン決定テーブルBとを設ける。変動パターン決定テーブルAは、変動パターン決定テーブルBに比べて、変動時間が短い変動パターンが選択される率が高くなるように、各変動パターンと乱数MR3とを対応付ける。また、さらには、変動パターン決定テーブルAの変動パターンは、変動パターン決定テーブルBの変動パターンに比べて、同じ変動パターンでも変動時間が短くなっているようにしてもよい。
このようにすることによって、保留記憶数が所定数以上である場合には、変動時間が短い変動パターンが選択され易くなり、保留記憶の消化促進を図ることが可能となる。その結果、始動入賞したにも関わらず保留記憶されないような無効始動入賞が発生することを極力防止できる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ROMに記憶されている変動パターン決定テーブルと変動パターン決定用に抽出された乱数値(MR3)とを用いて変動パターンを決定する。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ100における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図8(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図8(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図8(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図8(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口61または第2始動入賞口62への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口61および第2始動入賞口62への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM102に形成されている。「RAM102に形成されている」とは、RAM102内の領域であることを意味する。
図8(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図8(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM102に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(MR1)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(MR2)、および、変動パターン決定用乱数(MR3)が記憶される。
第1始動入賞口61または第2始動入賞口62への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路104およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口61への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存され、第2始動入賞口62への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口61または第2始動入賞口62への始動入賞があったときには、表示結果先読みコマンド(図柄1〜図柄6指定コマンド)、変動パターン先読みコマンド、始動入賞指定コマンド(第1または第2始動入賞指定コマンド)、および、合算保留記憶数指定コマンドという4つのコマンドを1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。演出制御用データに設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、これら表示結果先読みコマンド、変動パターン先読みコマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行なう。この初期設定では、たとえばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行なう。これにより、以後、所定時間(たとえば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
図9は、遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図9のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図9に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23というような各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS(以下、単にSと呼ぶ)11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行ない、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、たとえばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4というような遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。なお、MR5のカウント値は、遊技制御用タイマ割込み処理が終了してから再び遊技制御用タイマ割込み処理が実行されるまでの間に更新され、その更新された値がMR4の初期値として設定される。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。RAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが記憶される領域としての遊技制御フラグ設定部が設けられている。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部に設定された特別図柄プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御、および、特別可変入賞球装置70における大入賞口の開閉動作設定等を、所定の手順で行なうために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(たとえばセグメントLEDの点灯、消灯等)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定等を可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。RAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する領域として、各種のバッファが設定された遊技制御バッファ設定部が設けられている。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすること等により、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図10は、特別図柄プロセス処理として、図9に示すS15において実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S101)。始動入賞判定処理の詳細については、図11を用いて後述する。
S101で始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特別図柄プロセスフラグの値に応じて、S110〜S120のいずれかを選択して実行する。
S110の特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶されている保留データの有無等に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行なわれる。また、特別図柄通常処理では、大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、「大当り」または「小当り」とするか否かを、対応する変動表示の開始の際に事前決定する。このステップにより、変動開始の際に可変表示装置の表示結果を事前決定する事前決定手段が構成されている。
さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が事前決定される。また、事前決定の結果は、表示結果指定コマンドによって主基板11から演出制御基板12へと通知される。特別図柄通常処理では、上記の事前決定および表示結果指定コマンドの送信を終えたときに、特別図柄プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S111の変動パターン設定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理では、保留記憶されている変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理と、決定した変動パターンを示す変動パターン指定コマンドを演出制御基板12へ送信する処理とが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特別図柄プロセスフラグの値が“2”に更新される。なお、変動パターンを直接決定するのではなく変動パターン種別を決定し、その値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
S112の特別図柄変動処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行なう処理、ならびに、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理等が含まれている。たとえば、S112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、RAM102に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行なわれる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行なわれる。このように、S112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特別図柄プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S113の特別図柄停止処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bで特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行なう処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域に記憶される大当りフラグがオンとなっているか否かの判定等が行なわれ、大当りフラグがオンである場合には特別図柄プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特別図柄プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特別図柄プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S114の大当り開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったこと等に基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行なう処理等が含まれている。このときには、たとえば大当り種別が15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当りのいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限が設定される。
大当り種別が15R確変大当りであるときには、大入賞口を開放状態とする期間の上限が「29秒」に設定されるとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定される。また、大当り種別が10R確変大当りであるときには、大入賞口を開放状態とする期間の上限が「29秒」に設定されるとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数が「10回」に設定される。また、大当り種別が2R確変大当りであるときには、大入賞口を開放状態とする期間の上限が「29秒」に設定されるとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数が「2回」に設定される。また、大当り種別が突然確変大当りであるときには、大入賞口を開放状態とする期間の上限が「0.5秒」に設定されるとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数が「2回」に設定される。このような大当りの種別に応じた設定が行なわれると、特別図柄プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S115の大当り開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理、および、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数等に基づいて大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理等を実行した後、特別図柄プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S116の大当り開放後処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理、および、大入賞口開放回数最大値に達した場合に、大当りの種別に応じた大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行なう処理等が含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特別図柄プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特別図柄プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S117の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等というような演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理、および、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御および時短制御のような特別遊技状態を開始するための各種の設定を行なう処理等が含まれている。このような設定が行なわれたときには、特別図柄プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S118の小当り開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、変動表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行なう処理等が含まれている。一例として、変動表示結果が「小当り」となったときには、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突然確変大当り」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「2回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行なわれればよい。このときには、特別図柄プロセスフラグの値が“9”に更新される。
S119の小当り開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間等に基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理等が実行されればよい。
S120の小当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9等というような演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理等が含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特別図柄プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図11は、S101の始動入賞判定処理を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、第1始動口スイッチ22Aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ22Aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ22Aがオン状態であれば、CPU103は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU103は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU103は、図8で説明した第1始動入賞口61および第1始動入賞口62への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口61に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ22Bがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口62に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU103は、図8に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ22Aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ22Bがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口61または第1始動入賞口62への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口61および第1始動入賞口62への入賞順番が記憶される。
次に、CPU103は、乱数回路104やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。なお、S1216では、大当り判定用乱数(MR1)、大当り種別決定用乱数(MR2)、および、変動パターン決定用乱数(MR3)が抽出され、保存領域に格納される。
次に、CPU103は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時に予め先読み判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU103は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて表示結果先読みコマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動パターン先読みコマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行なう(S1219)。さらに、CPU103は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行なう(S1221)。
なお、S1218,S1219を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU103は、第1始動入賞口61に始動入賞するごとに、必ず表示結果先読みコマンドおよび変動パターン先読みコマンドの両方を演出制御用CPU120に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221が実行されることによって、第1始動入賞口61への始動入賞が発生したときに、表示結果先読みコマンド、変動パターン先読みコマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次に、CPU103は、第2始動口スイッチ22Bがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ22Bがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ22Bがオン状態であれば、CPU103は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU103は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU103は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次に、CPU103は、乱数回路104やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227では、大当り判定用乱数(MR1)、大当り種別決定用乱数(MR2)、および、変動パターン決定用乱数(MR3)が抽出され、保存領域に格納される。
次に、CPU103は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU103は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて表示結果先読みコマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動パターン先読みコマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU103は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行なう(S1232)。
なお、S1229,S1230を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU103は、第1始動入賞口62に始動入賞するごとに、必ず表示結果先読みコマンドおよび変動パターン先読みコマンドの両方を演出制御用CPU120に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232が実行されることによって、第1始動入賞口62への始動入賞が発生したときに、表示結果先読みコマンド、変動パターン先読みコマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、S1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。
入賞時演出処理では、CPU103は、まず、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(MR1)と図5(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および飾り図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口61または第2始動入賞口62に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、予め大当りや小当りとなるか否か、および、大当りの種別、変動パターンを先読み判定する。そのようにすることによって、飾り図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動表示結果や変動パターンを予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用CPU120によって飾り図柄の変動表示中に大当りとなることを予告する先読み予告を実行する。
大当り判定用乱数(MR1)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU103は、遊技状態が高確率状態(確変状態。高確率/高ベース状態と高確率/低ベース状態とを含む。)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。高確率フラグがセットされていれば、CPU103は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(MR1)と図5(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。なお、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動回数により遊技状態が変わる場合に、変動回数が100回までと100回より後で確変状態から通常状態へと遊技状態が変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。
大当り判定用乱数(MR1)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU103は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(MR1)と図5(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S223)。この場合、CPU103は、第1始動入賞口61への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第1始動入賞口62への始動入賞があった場合(S1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(MR1)が小当り判定値とも一致しなければ(S223のN)、CPU103は、「ハズレ」となることを示すEXTデータを表示結果先読みコマンドに設定する処理を行なう(S224)。
大当り判定用乱数(MR1)が小当り判定値と一致した場合には(S223のY)、CPU103は、「小当り」となることを示すEXTデータを表示結果先読みコマンドに設定する処理を行なう(S225)。
S220またはS222で大当り判定用乱数(MR1)が大当り判定値と一致した場合には、CPU103は、S1216,S1227で抽出した大当り種別決定用乱数(MR2)に基づいて大当りの種別を判定する(S226)。この場合、CPU103は、第1始動入賞口61への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第1始動入賞口62への始動入賞があった場合(S1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次に、CPU103は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを表示結果先読みコマンドに設定する処理を行なう(S227)。この場合、「15R確変大当り」となると判定した場合には、CPU103は、「15R確変大当り」となることを示すEXTデータを表示結果先読みコマンドに設定する処理を行なう。また、「10R確変大当り」となると判定した場合には、CPU103は、「10R確変大当り」となることを示すEXTデータを表示結果先読みコマンドに設定する処理を行なう。また、「2R確変大当り」となると判定した場合には、CPU103は、「2R確変大当り」となることを示すEXTデータを表示結果先読みコマンドに設定する処理を行なう。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU103は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータを表示結果先読みコマンドに設定する処理を行なう。
次に、CPU103は、S1216,S1227で抽出した変動パターン決定用乱数(MR3)を用いて、S224、S225、S227で設定された各表示結果に応じた変動パターンを判定する(S228)。
そして、CPU103は、決定結果に応じたEXTデータを変動パターン先読みコマンドに設定する処理を行なう(S229)。
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S110)を示すフローチャートである。
特別図柄通常処理において、CPU103は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用CPU120に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行ない(S51A)、処理を終了する。
なお、たとえば、CPU103は、S51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
また、S51において、CPU103は、合算保留記憶数の値を確認するのではなく、保留特定領域の1番目の領域にデータが設定されているか否かを確認し、設定されていれば保留記憶があると判定してS52に移行し、設定されていなければ保留記憶がないと判定してS51Aに移行してもよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU103は、保留特定領域(図8(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU103は、特別図柄ポインタ(第1特図について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特図について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口61と第1始動入賞口62とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特図の変動表示または第2特図の変動表示が実行される。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口61と第1始動入賞口62とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特図の変動表示または第2特図の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特図と第2特図とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、たとえば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第1始動入賞口62に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特図の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
また、第2特図の変動表示を優先して実行するように構成する場合、図12に示した入賞時演出処理において、大当り判定用乱数(MR1)の値を、低確率状態における大当り判定値と比較する処理のみを実行するようにし、高確率状態における大当り判定値とは比較しないようにしてもよい(具体的には、S220の処理のみを実行し、S221,S222の処理は行なわないようにしてもよい)。そのように構成すれば、第2特図の変動表示を優先して実行するように構成する場合に、入賞時判定における大当りの判定結果と実際の変動開始時における大当りの決定結果との間にズレが生じることを防止することができる。
次いで、CPU103は、RAM102において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント
値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM102の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM102の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU103は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU103は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。なお、CPU103は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM102の所定の領域に保存する。
また、CPU103は、低確率/低ベース状態指定コマンド、高確率/高ベース状態指定コマンド、および、高確率/低ベース状態指定コマンドのような遊技状態指定コマンドのうち、現在の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための設定を行なう(S60)。この場合、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているとともに、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされている場合には、高確率/高ベース状態指定コマンドが設定される。また、高確率フラグがセットされており、高ベースフラグがセットされていないときには、高確率/低ベース状態指定コマンドが設定される。また、高確率フラグも高ベースフラグもセットされていないときには、低確率/低ベース状態指定コマンドが設定される。
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域からMR1(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU103は、始動入賞判定処理のS1216やS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値や小当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態、高確率/低ベース状態)の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM101における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM101における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU103は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU103は、大当り判定用乱数(MR1)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、高確率フラグがセットされているか否かにより行われる。高確率フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では100回)の変動表示を終了したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(MR1)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、CPU103は、小当り判定テーブル(図5(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU103は、大当り判定用乱数(MR1)の値が図5(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU103は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図5(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また
、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図5(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S62)、CPU103は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(S63)、S75に移行する。
なお、MR1の値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(S62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。
S71では、CPU103は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aを選択する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図5(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bを選択する。
次いで、CPU103は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別決定用の乱数(MR2)の値と一致する値に対応した種別(「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。この場合、CPU103は、始動入賞判定処理のS1216やS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別決定用乱数(MR2)を読出し、大当り種別の決定を行なう。また、この場合に、図5(D),(E)に示すように、第1特図の変動表示が実行される場合には、第2特図の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU103は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM102に設けられた大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「10R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「2R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。
次いで、CPU103は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「2R確変大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「10R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R確変大当り」に決定した場合には「9」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
次に、当り種別の事前決定(S63、S73)またはハズレの事前決定(S62でNO)に応じた表示結果指定コマンドを設定する(S76)。
次に、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S111)に対応した値に更新し(S76)、特別図柄通常処理を終了する。
S60あるいはS76で設定された演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド、表示結果指定コマンド)は、図9のS17に示したコマンド制御処理(S17)において送信される。この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、遊技状態指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドの順に、演出制御コマンドが演出制御用CPU120に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、遊技状態指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に合算保留記憶数減算指定コマンドが送信される。特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用CPU120に対して送信される。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、予め特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数に基づいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果に基づいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
上記の特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口61を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特図を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第1始動入賞口62を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特図を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S110〜S120の処理を、第1特図を対象とする場合と第2特図を対象とする場合とで共通化することができる。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。図14は、演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図14のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図14に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(S801)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行なう。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行なう(S802)。タイマ割込みフラグは、たとえばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(たとえば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(S802;No)、S802を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、たとえば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、たとえば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取込む。このとき取込まれた演出制御コマンドは、たとえば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
S802でタイマ割込みフラグがオンである場合には(S802;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(S803)、コマンド解析処理を実行する(S804)。S804で実行されるコマンド解析処理では、たとえば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読出した後に、その読出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行なわれる。
S804でコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(S805)。S805の演出制御プロセス処理では、たとえば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDというような装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作というような、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行なわれる。
S805の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(S806)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。演出制御用CPU120では、演出用乱数として、飾り図柄の表示結果を決定するために用いるSR1−1,SR1−2,SR1−3(左,中,右の各飾り図柄に対応して設けられている)が用いられる。さらに、演出制御用CPU120では、演出用乱数として、先読み予告としての保留記憶予告決定用の乱数SR2等の各種の演出用乱数が用いられる。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用CPU120では、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、画像表示装置5、遊技効果ランプ9等の各種ランプ、および、スピーカ8L,8R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、飾り図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、飾り図柄の変動表示を停止させる。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、飾り図柄の停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、ハズレとなるか大当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行ない、前述したような飾り図柄の表示結果決定用の演出用乱数(SR1−1,SR1−2,SR1−3)を用いて決定される。
たとえば、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りのような大当りとなるときには、大当り種別に対応して予め定められた大当り表示結果(ゾロ目の表示結果)が決定される。また、突然確変大当りまたた小当りとなるときには、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなるチャンス目が表示結果として決定される。また、ハズレとなるときには、ゾロ目とならない左,中,右の飾り図柄の組合せをハズレ表示結果としてランダムに決定する。ただし、ハズレとなるときにおいて、変動パターンコマンドがリーチとなることを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成することが可動なハズレ表示結果を決定し、変動パターンコマンドがリーチとならない(通常変動となる)ことを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成しないようなハズレ表示結果を決定する。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、ノーマルリーチに対応したリーチ演出が行なわれる。変動パターンコマンドにおいてロングリーチが指定されたときには、各ロングリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。なお、図7には、ノーマルリーチが1種類、ロングリーチが2種類、スーパーリーチが2種類、示されている。しかしながら、ノーマルリーチを含めて、さらにリーチの種類を多く設けてもよい。
図15は、演出制御プロセス処理として、図14のS805で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図15に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、先読み予告の有無や演出態様を決定して実行する先読み予告決定処理(S161)を実行する。S161の具体的な処理内容については、図16を用いて後述する。
演出制御プロセス処理において、先読み予告初期化処理を実行した後には、たとえば演出制御フラグ設定部191等に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS170〜S177のいずれかを選択して実行する。
演出プロセスフラグの値が“0”のときには、変動表示開始待ち処理(S170)が実行される。この変動表示開始待ち処理は、主基板11からの変動パターンコマンド等を受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の変動表示を開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。
演出プロセスフラグの値が“1”のときには、変動表示開始設定処理(S171)が実行される。この変動表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の変動表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の変動表示、および、その他の各種演出動作を行なうために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類等に応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理等を含んでいる。
演出プロセスフラグの値が“2”のときには、変動表示中演出処理(S172)が実行される。この変動表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読出し、飾り図柄の変動表示中における各種の演出制御を行なう。このような演出制御を行なった後、たとえば飾り図柄の変動表示終了を示す終了コードが読出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したこと等に対応して、飾り図柄の変動表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。終了コードが読出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する変動表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して変動表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
演出プロセスフラグの値が“3”のときには、特図当り待ち処理(S173)が実行される。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された、大当り開始指定コマンド、または、小当り/突然確変大当り指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り開始指定コマンドを受信したきには、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。一方、小当り/突然確変大当り指定コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り開始指定コマンドと小当り/突然確変大当り指定コマンドとのいずれも受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
演出プロセスフラグの値が“4”のときには、小当り/突然確変大当り中演出処理(S174)が実行される。この小当り/突然確変大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、たとえば突然確変大当りの大当り遊技状態および小当り遊技状態における共通の演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることというような、突然確変大当りの大当り遊技状態および小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り/突然確変大当り中演出処理では、たとえば主基板11からの小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り/突然確変大当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
演出プロセスフラグの値が“5”のときには、小当り/突然確変大当り終了演出処理(S175)が実行される。この小当り/突然確変大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、たとえば突然確変大当りの大当り遊技状態および小当り遊技状態の終了等に対応した共通の演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、および、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることというような、突然確変大当りの大当り遊技状態および小当り遊技状態の終了時における共通の各種演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
演出プロセスフラグの値が“6”のときには、大当り中演出処理(S176)が実行される。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、たとえば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることというような、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、たとえば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
演出プロセスフラグの値が“7”のときには、エンディング演出処理(S177)が実行される。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、たとえば大当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、および、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることというような、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図16は、図15のS161で実行される先読み予告決定処理の一例を示すフローチャートである。
先読み予告決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファにおける記憶内容をチェックし、その中に第1,第2始動入賞指定コマンド、合算保留記憶数指定コマンド、表示結果先読みコマンド、および変動パターン先読みコマンドを受信しているか否かを判定する(S720)。始動入賞が発生して新たな保留記憶がなされた場合には遊技制御用マイクロコンピュータ100からこれらのコマンドが送信されて、演出制御基板12側で受信コマンドが格納される。これらのコマンドを受信していなければ(S720;No)、そのまま先読み予告決定処理を終了する。
S720でそれらの受信コマンドがあると判定された場合には(S720;Yes)、新たに生じた保留記憶を通常表示態様(通常態様)で保留表示する(S721)。また、このとき、その保留記憶が大当りであるか否か、およびその保留記憶に対する変動パターンを受信コマンドで特定して保留記憶別に記憶する。この大当り/ハズレの記憶および変動パターンの記憶は、後述するS726〜S728の判定に用いられる。
次に、新たに生じた保留記憶以前の保留記憶を参照し、その中に先読み予告対象の予定のある保留記憶があるか否かを判定する(S722)。ここで、先読み予告対象の予定のある保留記憶が有と判定されるのは、今回、新たに生じた保留記憶よりも前の保留記憶について、後述するS723bで先読み予告対象にすることが決定されている場合である。たとえば、飾り図柄の変動中に始動入賞が発生して1つ目の保留記憶が発生したときに、その保留記憶を先読み予告対象とすることが決定され、その先読み予告対象とされた保留記憶の消化前にさらに始動入賞が発生して2つ目の保留記憶が発生すると、S722では既に先読み予告の予定ありと判定される。このように、先読み予告対象の保留の予定がある場合には(S722;Yes)、そのまま先読み予告決定処理を終了する。
S722で先読み予告対象の保留の予定がないと判定された場合には(S722;No)、先読み予告決定テーブルに基づいて、新たに生じた保留記憶を先読み予告対象にするか否かを決定する(S723a)。先読み予告決定テーブルは、演出制御基板12のROM121に記憶されている。先読み予告決定テーブルは、新たに生じた保留記憶が大当りである方がハズレである場合よりも高い割合で先読み予告有に決定されるように構成されている。先読み予告決定テーブルについては図17を用いて後述する。
新たに生じた保留記憶を先読み予告対象にしないと決定したとき(S723b;NO)には、そのまま先読み予告決定処理を終了する。新たに生じた保留記憶を先読み予告対象にすると決定したときには(S723b;Yes)、新たに生じた保留記憶を先読み予告対象として記憶する(S724)。具体的には、新たに生じた保留記憶に対応する所定の先読み予告フラグを設定する。この先読み予告フラグは先読み予告を実行することでクリアする。
次に、演出制御用CPU120は、nを1にセットする(S725)。ここで、nは、複数の保留記憶のうち、最先に生じた保留記憶から順番にその内容をチェックしていくために用いる変数である。このnをはじめに1にセットすることによって、最初のチェック対象の保留記憶が最先に生じた保留記憶とされる。最先に生じた保留記憶は、換言すると、次の変動表示に用いられて消化される保留記憶である。
nを1にセットした後、保留記憶nがハズレのリーチ変動に対応する記憶であるか否かを判定する(S726)。この判定は、保留記憶nが生じたときに受信したコマンド(S720)に基づいて記憶した「大当り/ハズレ」および「変動パターン」の情報に基づいて行なう。保留記憶nがハズレのリーチ変動でない場合には、nをn+1に更新し、参照する保留記憶の順番を次に進める(S732)。
次に、保留記憶nは、今回、新たに生じた保留記憶であるか否かを判定する(S733)。つまり、参照する保留記憶の順番を進めた結果、参照する保留記憶の順番が先読み予告の予定有と判定した保留記憶まで到達してしまったか否かを判定する。保留記憶nが今回、新たに生じた保留記憶でない場合には(S733;No)、S726へ移行する。このような処理が繰り返される。よって、保留記憶nは、最も古い保留記憶(最も先に始動入賞時受信コマンドバッファに記憶されている保留記憶)から順番に記憶内容が確認される。
S726でYes、つまり保留記憶nがハズレのリーチ変動であった場合には(S726;Yes)、保留記憶nがスーパーリーチの変動であるか否かを判定する(S727)。保留記憶nがスーパーリーチの変動である場合には(S727;Yes)、S732へ移行する。
保留記憶nがスーパーリーチの変動でない場合には(S727;No)、保留記憶nはノーマルリーチの変動であるか否かを判定する(S728)。保留記憶nがノーマルリーチである場合には(S728;Yes)、保留記憶nの変動の回において、演出パターン1で、今回、新たに発生した保留記憶に対応する保留表示を通常表示態様から予告表示態様へと変化させることに決定する(S729)。このとき演出パターン1決定フラグが保留記憶に対応づけて記憶される。
保留記憶nの変動がノーマルリーチの変動でない場合(S728)、すなわち、ロングリーチである場合にも、保留記憶nの変動の回において、今回、新たに発生した保留記憶に対応する保留表示を通常表示態様から予告表示態様へと変化させることに決定する(S730)。ただし、保留表示を変化させる演出パターンについては、ロングリーチの種類がロングリーチAであれば演出パターン2とし、ロングリーチの種類がロングリーチBであれば演出パターン3とすることを決定する。このとき、演出パターン2に決定されたときには演出パターン2決定フラグが保留記憶に対応づけて記憶され、演出パターン3に決定されたときには演出パターン2決定フラグが保留記憶に対応づけて記憶される。
このように、本実施の形態では、新たに保留記憶が発生し、かつ、その保留記憶を先読み予告対象とすることが決定された場合には、その保留記憶以前に消化される保留記憶に基づいた変動の回で、その新たに発生した保留記憶を示す保留表示の態様を通常表示態様から予告表示態様に変化させる。そのように保留記憶表示の態様を変化させる先読み予告演出を伴う変動の回は、特に、変動パターンがノーマルリーチまたはロングリーチである変動の回に定められており、スーパーリーチの変動の回ではそのような先読み予告演出は行なわれない。一般に、スーパーリーチは、その他のリーチパターンに比べて大当り期待度が高く、それに対応して大当りに対する遊技者の期待感を高めるための特殊なリーチ変動を伴う場合が多い。そのような大当りに対する期待度を高めるためのスーパーリーチにおいて、仮に、上記のような先読み予告演出を行なうと、大当りに対する遊技者の期待感を高めるためのリーチ演出に支障をきたすおそれがある。このため、本実施の形態では、スーパーリーチの変動の回では先読み予告演出が実行されない。
また、S733でYes、つまり保留記憶nが新たに生じた保留記憶であると判定された場合には、現在、飾り図柄の変動中であるか否かを判定する(S734)。現在変動中でない場合には、先読み予告対象の保留表示をビーム演出なしで通常態様から先読み予告態様に変化させることに決定する(S738)。この場合の保留表示の変化はこうである。まず、新たに保留記憶が生じると、その保留記憶に対応する保留表示として通常表示態様が選択されて一旦、通常表示態様とされる。そして、先読み予告対象の保留表示をビーム演出なしで通常態様から先読み予告態様に変化させることに決定されることによって、保留表示が通常表示態様から先読み予告態様に変化する。なお、実際の表示としては、通常態様として表示されている時間が短いために、遊技者の目からすると、保留記憶表示がされた初めの段階から先読み予告態様で表示されているように感じる。ただし、遊技者の目にもはっきりと通常態様から先読み予告態様に変化しているように見せるために、S738の決定が所定の待ち時間(通常態様を認識させるための時間)をおいてから行なわれるようにしてもよい。
一方、S734において、現在変動中であると判定された場合には、現在の変動がハズレのノーマルリーチの変動パターン、またはハズレのロングリーチの変動パターンであるか否かを判定する(S735)。現在の変動がそれらの変動パターンのいずれでもない場合には(S738;No)、先読み予告対象の保留表示をビーム演出なしで通常態様から先読み予告態様に変化させることに決定する(S738)。
現在の変動がハズレのノーマルリーチまたはロングリーチのいずれかである場合には(S735;Yes)、現在の変動における残りの変動時間でビーム演出が可能か否か(残りの変動時間でビーム演出に必要な時間を確保できるか否か)を判定する(S736)。残りの変動時間でビーム演出が不可能な場合には(S736;No)、先読み予告対象の保留表示をビーム演出なしで通常態様から先読み予告態様に変化させることに決定する(S738)。
残りの変動時間でビーム演出が可能な場合には(S736;Yes)、リーチの種類に応じて演出パターン1〜3で保留表示を変化させることに決定する(S737)。リーチの種類と演出パターンとの関係はS729、S730と同じである。すなわち、リーチの種類がノーマルリーチであれば演出パターン1が選択され、リーチの種類がロングリーチAであれば演出パターン2が選択され、リーチの種類がロングリーチBであれば演出パターン3が選択される。このとき、決定された演出パターンに応じて、演出パターン1決定フラグ、演出パターン2決定フラグ、または演出パターン3決定フラグが保留記憶に対応づけて設定される。
なお、ロングリーチの種類を遊技制御用マイクロコンピュータ100側で決定しているが、遊技制御用マイクロコンピュータ100側では、ロングリーチにするか否かの決定のみを行ない、その種類は演出制御用CPU120が決定するようにしてもよい。このような場合には、演出制御用CPU120側でロングリーチに対応する複数種類の演出パターンと、各演出パターンに対応する先読み予告演出のパターンとを記憶しておき、演出制御用CPU120がその複数種類の演出パターンの中から実行する演出パターンを選択するようにしてもよい。このようにした場合には、演出制御用CPU120がロングリーチの種類およびロングリーチ実行時に保留記憶表示を先読み予告態様へ変化させるときの演出パターンを決定することになる。
S729、S730、S737で演出パターンを決定すると、ビーム演出決定テーブルに基づいて、ビーム演出の種類を決定する(S731)。このとき、決定したビーム演出の種類を特定するためのビーム演出決定フラグ1またはビーム演出決定フラグ2が保留記憶に対応づけて記憶される。ビーム演出決定テーブルは、演出制御基板12のROM121に記憶されている。ビーム演出決定テーブルは、大当りに対して先読み予告有と決定された場合とハズレに対して先読み予告有と決定された場合とで特殊図柄の種類、ビーム演出に用いるビームの種類、および保留表示の予告表示態様が異なるように構成されている。ビーム演出決定テーブルについては図17を用いて後述する。
その後、先読み予告決定処理を終了する。なお、S738で先読み予告対象の保留表示をビーム演出なしで通常態様から先読み予告態様に変化させることに決定した場合もその後、先読み予告決定処理を終了する。
なお、S735のNo、S736のNoで、ビーム演出を行なう時間がないと判断したときには、特殊図柄を停止させて先読み予告演出を行なう処理自体をキャンセルするようにしてもよい。また、図16の先読み予告決定処理では、先読み予告できる保留記憶が存在するか否か、あるいは、現在の変動の残り時間で先読み予告できる余裕があるか否かが先に判定された上で、先読み予告演出のための処理が実行される。しかしながら、このような処理に代えて、先に、先読み予告演出の処理内容を決定した後、先読み予告できる保留記憶が存在するか否か、あるいは、現在の変動の残り時間で先読み予告できる余裕があるか否かを判定し、先読み予告できる保留記憶が存在しない場合、あるいは、現在の変動の残り時間で先読み予告できる余裕がない場合には、決定した先読み予告演出を行なわない(処理のキャンセル)ようにしてもよい。
図17は、先読み予告決定テーブルおよびビーム演出決定テーブルを示す説明図である。先読み予告決定テーブル140Aは、S723aにおいて新たに生じた保留記憶を先読み予告対象にするか否かを決定する場合に用いられる。本実施の形態では、大当り時には先読み予告有りとなる確率が50%、先読み予告無しとなる確率が50%である。また、ハズレ時には先読み予告有りとなる確率が3%、先読み予告無しとなる確率が97%である。このため、ハズレとなる保留記憶よりも大当りとなる保留記憶の方が高い割合で先読み予告対象に決定される。
ビーム演出決定テーブル140Bは、S731においてビーム演出の種類を決定する場合に用いられる。本実施の形態では、大当りとなる保留記憶に対して先読み予告有りと決定された場合には、特殊図柄A、ビームa、保留αとなる確率が70%、特殊図柄B、ビームb、保留βとなる確率が30%である。一方、ハズレとなる保留記憶に対して先読み予告有りと決定された場合には、特殊図柄A、ビームa、保留αとなる確率が10%、特殊図柄B、ビームb、保留βとなる確率が90%である。つまり、特殊図柄A、ビームa、保留αの演出は、特殊図柄B、ビームb、保留βの演出よりも大当りの信頼度が高い演出ということになる。
なお、特殊図柄とビーム演出の組合せで保留αと保留βとのいずれになるのかの割合を異ならせるようにしてもよい。また、特殊図柄から登場するキャラクタの組合せも変更することで保留αと保留βとのいずれになるのかの割合を異ならせるようにしてもよい。このように、特殊図柄とビーム演出とキャラクタと保留表示との関係は適宜変更が可能で、どのような組合せにしてもよい。ここで、特殊図柄Aと特殊図柄Bとでは、シャッターの形状が異なる、シャッターの色が異なるなどの違いがある。
図18は、先読み予告の演出パターンを示す説明図である。リーチの種類に応じてどのような演出パターンによる演出が行なわれているのかを図18により説明する。
リーチの種類がノーマルリーチである場合には、演出パターン1による演出が行なわれる。演出パターン1では、ビーム演出キャラクタ1によるビーム演出が行なわれる。また、最終停止する中図柄として特殊図柄Aまたは特殊図柄Bが選択される。特殊図柄Aが選択された場合には、ビームaが選択されるとともに、先読み予告態様として決定される保留の種類は保留αが選択される。また、特殊図柄Bが選択された場合には、ビームbが選択されるとともに、先読み予告態様として決定される保留の種類は保留βが選択される。
リーチの種類がロングリーチAである場合には、演出パターン2による演出が行なわれる。演出パターン2では、ビーム演出キャラクタ2によるビーム演出が行なわれる。また、ロングリーチAでは、図柄が変動する背景画像がリーチ成立を境にして通常背景から大当りに対して期待の持てる特殊背景に切り替わる。演出パターン2では、その特殊背景に切り替わっている期間において、中図柄として特殊図柄が停止する。中図柄として、特殊図柄Aが選択された場合には、ビームaが選択されるとともに、先読み予告態様として決定される保留の種類は保留αが選択される。また、中図柄として、特殊図柄Bが選択された場合には、ビームbが選択されるとともに、先読み予告態様として決定される保留の種類は保留βが選択される。
リーチの種類がロングリーチBである場合には、演出パターン3による演出が行なわれる。演出パターン3では、ビーム演出キャラクタ3によるビーム演出が行なわれる。また、ロングリーチBでは、図柄が変動する背景画像がリーチ成立を境にして通常背景から大当りに対して期待の持てる特殊背景に切り替わる。さらに、演出パターン3では、その特殊背景に切り替わっている期間において、中図柄としてハズレ図柄が一旦停止し、背景画像が通常背景に切り替わる。その後に、中図柄が再変動をしてシャッター図柄が停止する。なお、ここで言う一旦停止とは図柄の動きが完全に停止するものであってもよく、あるいは、図柄の動きが完全に停止せずに上下に図柄が揺れる動きをしているものであってもよい。
また、中図柄は再変動ではなく、一旦停止したハズレ図柄がシャッター図柄に差し替わるようにしてもよい。さらに、ハズレ図柄をキャラクタが壊すなどのその他の演出によって図柄がシャッター図柄に変更するようにしてもよい。
演出パターン3において最終停止する中図柄として、特殊図柄Aが選択された場合には、ビームaが選択されるとともに、先読み予告態様として決定される保留の種類は保留αが選択される。また、特殊図柄Bが選択された場合には、ビームbが選択されるとともに、先読み予告態様として決定される保留の種類は保留βが選択される。
図示のように、スーパーリーチA、Bと、突確パターンと、小当りパターンとについては、先読み予告の演出パターンが対応していない。つまり、スーパーリーチA、Bと、突確パターンと、小当りパターンとについては、先読み予告演出は実行されない。
図18には、演出パターン1〜3と(特殊図柄、ビーム、保留の種類)との組み合せについての先読み予告の信頼度の高さが6段階で示されている。図示のように、先読み予告の信頼度の高さを高いものから順に1〜6の6段階で分類した場合、高いものから順に、「演出パターン3かつ(特殊図柄A、ビームa,保留α)」、「演出パターン2かつ(特殊図柄A、ビームa,保留α)」、「演出パターン3かつ(特殊図柄B、ビームb,保留β)」、「演出パターン2かつ(特殊図柄B、ビームb,保留β)」、「演出パターン1かつ(特殊図柄A、ビームa,保留α)」、「演出パターン1かつ(特殊図柄B、ビームb,保留β)」となる。
なお、図18に示した先読み予告の演出パターン例では、特殊図柄とビームと保留との関係が「特殊図柄Aとビームaと保留α」、「特殊図柄Bとビームbと保留β」として定まっているが、特殊図柄とビームと保留との別の組合せを設けてもよい。また、特殊図柄とビームと保留との各々の種類をそれぞれ別個に抽選で決定するようにしてもよい。
図19は、図15のS171で実行される変動表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。
変動表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、「ビーム演出有り」に決定されている保留記憶に基づいた変動であるか否かを判定する(S820)。「ビーム演出有り」に決定されている保留記憶に基づいた変動は、図16のS731でビーム演出の種類が決定された保留記憶に基づく変動である。図16に示した先読み予告決定処理では、新たに保留記憶が生じた際に主基板11から送信されたコマンドに基づいて、その保留記憶に基づいた変動を先読み予告のターゲット(先読み予告対象)とするか否かを決定し(図16のS723b)、ターゲットとする場合には、それより前の保留記憶のいずれかの変動または実行中の変動で先読み予告演出を実行するか否かを決定(図16のS729、S730、S737)し、さらにはビーム演出の種類を決定する(図16のS731)。これらの各々の決定の際には、先読み予告演出決定フラグおよびビーム演出決定フラグ(ビーム演出の種類に応じたビーム演出決定フラグ1またはビーム演出決定フラグ2)がその保留記憶に対応づけて設定されている。
図19のS820では、これから開始しようとしている変動が、上記のように図16の先読み予告決定処理にてビーム演出が決定された保留記憶に基づいた変動であるか否か(ビーム演出決定フラグが対応づけて記憶されている保留記憶に基づく変動であるか否か)が判定される。
「ビーム演出有り」に決定されている保留記憶に基づいた変動でない場合には(S820;N)、変動表示の開始の際に受信した変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドに基づいて、変動パターンおよび最終停止図柄を決定する(S825)。その後、S826へ移行する。
「ビーム演出有り」に決定されている保留記憶に基づいた変動である場合には(S820;Y)、リーチの停止図柄(リーチを成立させるための右図柄と左図柄)を決定する(S821)。
S821の後、先読み予告のために決定済みの演出パターンは、演出パターン3であるか否かが判定される(S822)。決定済みの演出パターンが演出パターン3である場合には(S822;Y)、特殊図柄の停止前に一旦停止させる中図柄を決定する(S823)。ここで決定される中図柄は、S821で決定された左右図柄との関係においてハズレを形成するハズレ図柄である。つまり、演出パターン3では、リーチが成立した後、S823で決定されたハズレ図柄が一旦停止し、その後の再変動を経て特殊図柄が中図柄として停止する。
S823の後、または、決定済みの演出パターンが演出パターン3でない場合には(S822;N)、S824へ移行する。S824では、決定済みの演出パターンにて変動を実行することに決定する。次に、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S826)、演出制御プロセスフラグの値を変動表示中演出処理(S172)に対応した値にする(S827)。
なお、上記の処理では、S822において、演出パターン3であるか否かを判定し、演出パターン3であればS823において一旦停止図柄を決定している。しかしながら、処理の共通化を図るために、演出パターンを判定するS823の処理を削除して演出パターン1〜3に関わらず、S823で一旦停止図柄を決定するようにして、後の処理において、演出パターン1,2については「S823で決定された一旦停止図柄」を特殊図柄に上書きするようにしてもよい(したがって、演出パターン1、2では、特殊図柄が一旦停止することはない)。このように処理することによって、S822のステップを削除して処理の共通化を図ることによって、プログラムを単純化できる。
図20は、スーパーリーチ決定テーブルを示す説明図である。図19のS825では、スーパーリーチの変動である場合に、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンドおよび、スーパーリーチ決定テーブルからスーパーリーチの種類を決定する。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、スーパーリーチの大当り信頼度が他のリーチ(ノーマルリーチ、ロングルーリーチ)の大当り信頼度よりも高くなるように、大当り/ハズレの事前決定結果に応じて変動パターンを選択する。スーパーリーチの種類としては、擬似連演出によって図柄の一旦停止/再変動が複数回繰り返されるスーパーリーチAと、擬似連が発生しないスーパーリーチBとが用意されている。
スーパーリーチによるリーチ変動では、特殊図柄が停止する場合があるものの、その後に先読み予告演出が実行されることはなく、特殊図柄が停止した後は、各スーパーリーチに特有のリーチ変動が継続された後、事前決定された表示結果が導出される。このため、スーパーリーチ本来のリーチ演出が先読み予告のためのビーム演出によって妨げられることはない。
具体的に説明する。まず、スーパーリーチAの場合には、当初はノーマルリーチと同じリーチパターンで図柄が変動し、ノーマルリーチの変動パターンにおいて中図柄が停止するタイミングで特殊図柄であるシャッター図柄が一旦停止する。このため、この一旦停止の段階までは、遊技者はスーパーリーチであるかノーマルリーチであるかを変動パターンからは区別できない。シャッター図柄が一旦停止した後、シャッターが開く。開いたシャッター図柄の中には、擬似連の発生を示す人物等のキャラクタあるいは擬似連の発生を示す疑似連告知図柄が停止している。その直後、左右中の全図柄が一斉に再変動を開始し、擬似連演出が実行される。やがて、再度、左右の図柄が停止し、味方のバトルキャラクタが登場し、敵キャラクタとのバトル演出が繰り広げられる。その後、味方のバトルキャラクタが勝利を収めると大当り、バトルに敗れるとハズレとなる。このようにキャラクタ同士のバトルの結果で表示結果を遊技者に提示する演出を“バトル演出”と称する。なお、このように、シャッター図柄から登場する“擬似連の発生を示す人物等のキャラクタ”も、特殊識別情報の一例である。特に、この場合のキャラクタは、後に先読み予告演出を誘発しない特殊識別情報となる。
一方、スーパーリーチBの場合には、中図柄に特殊図柄であるシャッター図柄が停止した後、シャッター図柄のシャッターが開く。開いたシャッターの中から味方のバトルキャラクタが登場し、敵キャラクタとのバトル演出が繰り広げられる。その後、味方のバトルキャラクタが勝利を収めると大当り、バトルに敗れるとハズレとなる。
スーパーリーチAの場合、中図柄に特殊図柄Aが表示された場合に登場するバトルキャラクタはキャラクタaであり、中図柄に特殊図柄Bが表示された場合に登場するバトルキャラクタはキャラクタbである。同様に、スーパーリーチBの場合、中図柄に特殊図柄Aが表示された場合に登場するバトルキャラクタはキャラクタaであり、中図柄に特殊図柄Bが表示された場合に登場するバトルキャラクタはキャラクタbである。上記のとおり、スーパーリーチの大当り信頼度は他のいずれのリーチよりも高いが、スーパーリーチの中でも特殊図柄とバトルキャラクタとの組み合せによって大当り信頼度の高さが異なっている。
図20の「スーパーリーチの大当り信頼度の高さ」には大当り信頼度の高さの順位を示している。最も大当り信頼度の高い組み合せは、スーパーリーチAかつ(特殊図柄A、バトルキャラクタa)である。2番目に大当り信頼度の高い組み合せは、スーパーリーチAかつ(特殊図柄B、バトルキャラクタb)である。3番目に大当り信頼度の高い組み合せは、スーパーリーチBかつ(特殊図柄A、バトルキャラクタa)である。最も大当り信頼度の低い組み合せは、スーパーリーチBかつ(特殊図柄B、バトルキャラクタb)である。
つまり、スーパーリーチにおいて擬似連が行なわれる場合の方が擬似連が行なわれない場合よりも大当り信頼度が高い。また、スーパーリーチの変動において特殊図柄Bが表示されるよりも特殊図柄Aが表示される方が大当り信頼度が高いということになる。なお、図20に示したスーパーリーチ決定テーブルでは、特殊図柄とバトルキャラクタとの関係が「特殊図柄Aとバトルキャラクタa」、「特殊図柄Bとバトルキャラクタb」として定まっているが、「特殊図柄Aとバトルキャラクタb」、「特殊図柄Bとバトルキャラクタa」という組み合せをさらに設けてもよい。また、特殊図柄の種類とバトルキャラクタの種類とをそれぞれ別個に抽選で決定するようにしてもよい。
図21は、図15のS172で実行される変動表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。
変動表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1又は第2停止図柄停止時期であるか否かを判定する(S850)。第1又は第2停止図柄の停止時期である場合には(S850;Y)、第1又は第2停止図柄を停止する(S851)。そして、S852へ移行する。第1又は第2停止図柄の停止時期でない場合には(S850;N)、そのままS852へ移行する。
S852では、現在、実行中の変動表示が演出パターン1〜3のいずれかで先読み予告演出することが決定されている変動表示であるか否かを判定する。「演出パターン1〜3のいずれかで先読み予告演出することが決定されている変動表示」は、図16のS729、S730、S737のいずれかで演出パターン1〜3のいずれかで先読み予告演出の実行が決定された変動表示のことである。S729、S730、S737の各々では、決定された演出パターンに応じて、演出パターン1決定フラグ、演出パターン2決定フラグ、または演出パターン3決定フラグが保留記憶に対応づけて設定される。S852では、図16のS729、S730、S737のいずれかで演出パターンが決定されているか否か(演出パターン1〜3決定フラグが設定されているか)に基づいて判定を行なう。
先読み予告有りに決定されている変動表示でない場合には(S852;N)、第3図柄停止時期であるか否かを判定する(S855)。第3停止図柄の停止時期である場合には(S855;Y)、第3停止図柄を停止する。その後S866へ移行する。第3停止図柄の停止時期でない場合には(S855;N)、そのままS866へ移行する。
S852において、先読み予告有りに決定されている変動表示と判定された場合(S852;Y)には、ビーム演出無しで先読み予告することが決定されている否かを判定する(S853)。この判定は、既にされている図16のS738の決定に基づいて行なわれる。ビーム演出無しで先読み予告することが決定されている場合には(S853;Y)、先読み予告対象の保留表示をビーム演出なしで先読み予告対象に変化させる(S854)。その後、S866へ移行する。
S853で、ビーム演出無しで先読み予告することが決定されていないと判定された場合には(S853;N)、ビーム演出有りの演出パターンのうち、演出パターン3で先読み予告演出をすることが決定されているか否かを判定する(S857)。演出パターン3で先読み予告演出をすることが決定されている場合には(S857;Y)、リーチハズレ図柄の一旦停止時期であるか否かを判定する(S858)。リーチハズレ図柄の一旦停止時期である場合には(S858;Y)、中図柄に予め決定したリーチハズレ図柄を一旦停止する(S859)。その後S860へ移行する。リーチハズレ図柄の一旦停止時期でない場合には(S858;N)、そのままS860へ移行する。
S860では、一旦停止させているリーチハズレ図柄を特殊図柄へ差し替えるための…差替え時期であるか否かを判定する。特殊図柄への差替え時期である場合には(S860;Y)、中図柄(リーチハズレ図柄)を事前決定されている特殊図柄に差替える(S861)。なお、特殊図柄の種類は、図17に示したビーム演出決定テーブルを用いて、図16のS731において決定されている。
次に、ビーム演出キャラクタを登場させてビームを発射させるためのビーム演出タイミングであるか否かを判定する(S862)。ビーム演出のタイミングである場合には(S862;Y)、事前決定されている演出パターン1〜3に応じたビーム演出処理を行なう(S863)。その結果、演出パターンごとに定められたビーム演出キャラクタによるビーム演出が実行される。その後、S866へ移行する。ビーム演出のタイミングでない場合には(S862;N)、そのままS866へ移行し、演出制御プロセスフラグの値を特図当り待ち処理変動表示中演出処理(S173)に対応した値にして(S827)、処理を終える。
S857で、演出パターン3でないと判定された場合には(S857;N)、特殊図柄の停止時期であるか否かを判定する(S864)。特殊図柄の停止時期である場合には(S864;Y)、中図柄として事前決定されている特殊図柄を停止する(S865)。その後、S862へ移行する。特殊図柄の停止時期でない場合には(S864;N)、既に説明したS862以降の処理を実行して変動中演出処理を終える。
図22(a)は、ノーマルリーチの実行中に先読み予告演出として実行される演出パターン1を説明するためのタイミングチャートである。図22(b)は、スーパーリーチ演出を説明するためのタイミングチャートである。図23(a)は、ロングリーチAの実行中に先読み予告演出として実行される演出パターン2を説明するためのタイミングチャートである。図23(b)は、ロングリーチBの実行中に先読み予告演出として実行される演出パターン3を説明するためのタイミングチャートである。
図24は、図22に示したノーマルリーチおよびスーパーリーチのタイミングチャートに対応する画面図である。図25は、図23に示したロングリーチAおよびロングリーチBに対応する画面図である。
初めに、図22(a)および図24を参照して、ノーマルリーチの実行中に先読み予告演出として実行される演出パターン1を説明する。
図22(a)に示すノーマルリーチは、図24の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に対応している。このようなノーマルリーチでは、画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hに表示される保留記憶画像50が1つ消費されることによって、図24(a)に示すように、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の一斉変動が開始する。このときの背景は通常背景5X(図24(a))である。その後、「左」の飾り表示図柄5Lに「7」を示す飾り図柄52が停止し、さらに「右」の飾り表示図柄5Rに「7」を示す飾り図柄53が停止する(図22(a)、図24(b))。この状態がいわゆる「リーチ状態」であり、リーチ表示58(図24(b))が表示されることで、遊技者はリーチ状態を的確に捉えることができる。
リーチとなった後、しばらくすると、中図柄に特殊図柄であるシャッター図柄54が停止する(図22(a)、図24(c))。その後、シャッター図柄54のシャッターが開き、その中からは、演出パターン1に対応するビーム演出キャラクタ1(図22(a))としての女の子のキャラクタ561が登場する(図24(d))。その後、キャラクタ561がビーム58を出すことで(図22(a)のビーム演出)、直近に生じた保留記憶を示す保留記憶画像50が通常の表示から色が変化(たとえば、青色から金色や銀色など)した保留予告記憶画像51へと変更される(図24(e))。ノーマルリーチの場合の背景は、変動期間を通して通常背景5Xのまま変化しない。このような演出が先読み予告として、ターゲットの変動の前に行なわれる。
次に、図22(b)および図24を参照して、スーパーリーチを説明する。図22(b)に示すスーパーリーチは、図24の(a)、(b)、(c)、(f)、(g)に対応している。なお、スーパーリーチが実行される際には先読み予告は実行されないので、図22(b)のタイミングチャートにもビーム演出や保留記憶の変化する様子は示されていない。
まず飾り図柄の一斉変動からリーチが成立してシャッター図柄が停止するまでのパターンは、時間的間隔の相違はあるものの、ノーマルリーチと共通している。このため、図22(b)に関するその点の説明および関連する図24の(a)、(b)、(c)の説明は省略する。
スーパーリーチにはA、Bの2種類がある。図20のスーパーリーチ決定テーブルを説明した際に詳述したように、スーパーリーチAとスーパーリーチBとの違いはシャッター図柄が停止した後に擬似連の演出を経てバトル演出に移行するか(スーパーリーチA)、シャッター図柄が停止した後に擬似連の演出無しにバトル演出に移行するか(スーパーリーチB)の点にある。図22(b)に示す「スーパーリーチ演出」とは、スーパーリーチAの場合の「擬似連演出+バトル演出」と、スーパーリーチBの場合の「バトル演出」との双方を包括的に示している。また、図24(c)から図24(f)への移行は、「擬似連演出」の無いスーパーリーチBの演出パターンを示しており、スーパーリーチAの場合には、図24(c)から図24(f)へ移行する前に「擬似連演出」が行なわれる。
図22(f)に示すように、シャッター図柄54が開いた後は、バトルキャラクタの一例である男の子のキャラクタ57が登場する。その後スーパーリーチ演出が行なわれる。スーパーリーチ演出では、たとえば男の子と敵キャラクタが戦うような演出が繰り広げられる(図24(g)参照)。スーパーリーチ演出時には、背景が通常背景5Xからスーパーリーチ用背景5Yに切り替わる。しかし、スーパーリーチの保留記憶画像50は通常態様のままである。なお、スーパーリーチ演出時に中図柄の変動は継続されるが、この場合には、図柄変動を画面の右端上部などのバトル演出に支障を与えない位置で行なうのが望ましい。このようにすることで、大当り期待度の高いバトル演出に遊技者を注目させることができる。
次に、図23(a)および図25を参照して、ロングリーチAの実行中に先読み予告演出として実行される演出パターン2を説明する。図23(a)に示すロングリーチAは、図25の(a)、(b)、(c)、(d)に対応している。このようなロングリーチAでは、画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hに表示される保留記憶画像50が1つ消費されることによって、図25(a)に示すように、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが変動する。このときの背景は通常背景5Xである(図25(a))。通常背景であることは、図23(a)にも示されている。
その後、「左」の飾り表示図柄5Lに「7」を示す飾り図柄52が停止し、さらに「右」の飾り表示図柄5Rに「7」を示す飾り図柄53が停止し、リーチ状態となる(図23(a)、図25(b))。
その後、リーチ状態において背景が通常背景5Xから、たとえば薄暗く表示されるような特殊背景5Zへと変化する(図23(a)、図25(c))。そして、シャッター図柄54が停止し、演出パターン2の演出が開始する(図23(a))。すなわち、シャッター図柄54の中から演出パターン2に対応するビーム演出キャラクタ562が登場し、ビーム58を直近に生成された保留記憶の表示に向けて放つ(図23(a)の「ビーム演出」)。そのビーム演出によって、直近に生成された保留記憶を示す保留記憶画像50が通常の表示から色が変化した保留予告記憶画像51へと変更される。その後、ロングリーチAの変動時間内で背景画像が特殊背景5Zから通常背景5Xへと変化する(図23(a))。
次に、図23(b)および図25を参照して、ロングリーチBの実行中に先読み予告演出として実行される演出パターン3を説明する。図23(b)に示すロングリーチBは、図25の(a)、(b)、(c)、(e)、(f)、(g)に対応している。ロングリーチBのパターンは、飾り図柄の変動が開始してからリーチが成立するまではロングリーチと同じである。このため、図23(b)に関するその点の説明および関連する図25の(a)、(b)、(c)の説明は省略する。
ロングリーチBでは、リーチが成立して背景が特殊背景5Zに切り替わった後、図25(e)に示すように、特殊背景5Zにおいてハズレ図柄55が一旦停止される(上下に揺動停止)。その後、特殊背景5Zから通常背景5Xへと背景が変化する(図23(b)、図25(f))。その後、ハズレ図柄55がシャッター図柄54と差し替わる(図23(b))。続いて、シャッター図柄の中から演出パターン3に対応する女の子のキャラクタ563が登場し、ビーム58を出し保留を変化させるビーム演出が行なわれる(図25(g))。
このように、ロングリーチBでは、図23(b)にも示すように、リーチ後は通常背景5Xから特殊背景5Zへと背景が変化する。そして、特殊背景においてハズレ図柄55を一旦停止させ、その後通常背景5Xに戻った時にハズレ図柄55がシャッター図柄(特殊図柄)54と差し替わる、演出パターン3による演出が行なわれる(図23(b)の「ビーム演出」)。なお、この後、シャッター図柄が再変動を開始して、大当り図柄が停止して大当りが発生するパターンをさらに設けてもよい。
[先読み予告決定処理の変形例]
次に、図16を用いて説明した先読み予告決定処理の変形例を説明する。
図16に示した先読み予告決定処理のS734〜S736では、現在、変動中である場合のその変動パターンと残りの変動時間とを判定し、残りの変動時間でビーム演出が可能であれば、ビーム演出を伴う演出パターン1〜3のいずれかの実行を決定し(S737)、そうでなければ、ビーム演出を行なうことなく、保留表示を先読み予告態様に変化することを決定した(S738)。
このような制御では、ターゲットの前に消化される保留記憶のうちから先読み予告演出に用いる保留記憶が選択される。しかしながら、このような制御に代えて、現在、変動中である場合には、その変動時間の残り時間で先読み予告演出ができるか否かを初めに判定するようにしてもよい。このような変形例を採用した場合には、現在の変動が優先的に先読み予告のための演出に用いられることになる。このため、先読み予告対象の保留記憶が発生したときに、極力早めに先読み予告演出を実行することができ、遊技者に対して早い段階で先読み予告演出を提供できるという効果が奏される。
具体的な変形例の制御としては、図16のS724で新たに生じた保留記憶を先読み対象として記憶した後、S724に移行して現在変動中であるか否かを判断する。現在変動中であれば、残りの変動時間を判定し、その残りの変動時間でビーム演出が可能であるか否かを判定する(S736)。なお、この判定に先だって、S735のようにリーチパターンを判定してもよく、あるいは判定しなくてもよい。次に、残りの変動時間でビーム演出が可能であると判定したときには、その残りの変動時間でビーム演出を実行して先読み予告を実行する。一方、残りの変動時間でビーム演出が可能でないと判定したときに、S725に移行してnに1をセットし、古い保留記憶から順に読出してビーム演出を伴う先読み予告ができる変動を保留記憶順に検索し、そのような変動に該当する保留記憶があれば、S729〜S731を実行して演出パターンおよびビーム演出の種類を決定する。
以上のような変形例を採用した場合には、現在の変動が優先的に先読み予告のための演出に用いられることになる。このため、先読み予告対象の保留記憶が発生したときに、極力早めに先読み予告演出を実行することができ、遊技者に対して早い段階で先読み予告演出を提供できるという効果が奏される。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) この実施の形態によれば、複数種類の中から選択された特殊図柄(たとえば、特殊図柄A、B)が表示されることに伴って、画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの表示態様を複数種類の予告態様のうち特殊図柄に対応するものとして予め定められた予告態様(たとえば、保留α、保留β)に変化させることが可能となるので、遊技者は将来の変動に対して期待できるとともに、特殊図柄が停止した後の演出に期待を持つことができる。つまり、本実施の形態では、特殊図柄の停止は、先読み予告が実行されることの契機であるものの、特殊図柄が停止した場合に必ず将来の保留記憶に大当りが存在することが約束される訳ではない。特殊図柄が停止し、保留記憶表示の態様が変更されなければ先読み予告がされたことにはならないので、遊技者に対して特殊図柄の停止以降の演出に注目させることができる。
特に、本実施の形態では、特殊図柄が停止した後、ビーム演出キャラクタによるビーム演出を経て、そのビーム演出が保留記憶表示に作用することによって、保留記憶の表示態様が先読み予告態様に変化するため、より一層、特殊図柄の停止以降の演出に対して遊技者の注意を惹くことができる。なお、本実施の形態では、ビーム演出キャラクタが登場すると必ずビーム演出が実行されて先読み予告がなされる場合を例に挙げて説明した。しかしながら、同じリーチ種類による演出でも、特殊図柄が停止してビーム演出キャラクタが登場する場合と登場しない場合とがあるように設計してもよい。また、ビーム演出キャラクタが登場しても、ビーム演出キャラクタがビームを発することなく消えていくような演出(この場合には先読み予告なし)をしてもよい。または、ビーム演出キャラクタがビームを発しても、対象の保留記憶の表示が先読み予告態様に変化しない場合があるようにしてもよい。
(2) また、この実施の形態によれば、リーチ成立後に特殊図柄が表示されるため、リーチの変動に対して大当りに対する期待の他、先読み予告が実行されることに対する期待を遊技者に抱かせることができる。さらに、リーチ成立後に一旦大当りを構成しない識別情報(ハズレ図柄)を表示した後に、特殊図柄に変更する場合もあるので、遊技者は現在の変動がリーチハズレとなると思っても図柄が最終停止するまで先読み予告に対する期待感を持続することができるので、遊技の興趣が向上する。
(3) また、この実施の形態によれば、所定の予告態様(保留α、保留β)に変更する際の態様は複数種類あり(特殊図柄A、ビームaと特殊図柄B、ビームb)、その態様に対応して画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの表示態様が変更されるので、遊技者は所定の予告態様に変更する際の態様の種類に対し期待を抱くことができ、遊技の興趣が向上する。
(4) また、この実施の形態によれば、特殊図柄を複数種類の変化態様(特殊図柄A、特殊図柄B)のうちのいずれかで変化させた後、変化態様に対応した変動表示の演出(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を経て大当り等の表示結果を導出表示するので、遊技者は特殊図柄の変化態様に対し期待を抱くことができ、遊技の興趣が向上する。つまり、停止する特殊図柄によって大当り期待度が異なるので、遊技者は特殊図柄に注目することとなる。
(5) また、この実施の形態によれば、ターゲットの保留情報に基づいた変動表示よりも前に実行される変動表示に対応する保留情報を参照して、画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの表示態様を所定の予告態様に変更することが可能であるときに、ターゲットの保留表示に基づいた所定の予告が実行されるので、画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの表示態様を変更するための演出時間を十分に確保することが可能となる。
(6) また、この実施の形態によれば、実行中の変動表示の残り変動表示期間が、画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの表示態様を所定の予告態様に変更するために必要な所定期間以上であるときには、当該実行中の変動表示において特殊図柄を表示すると決定し、実行中の変動表示の残り変動表示期間が所定期間未満のときには、当該実行中の変動の次の変動表示において特殊図柄を表示するので、画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの表示態様を変更するための演出時間を十分に確保することが可能となる。なお、ここで述べる所定期間とは、特殊図柄が停止し、キャラクタがビーム演出を行なうために必要な期間を想定しており、たとえば、5〜20秒のように比較的長い期間のことである。1秒や2秒といった短い時間の中ではこのようなビーム演出を行なうのには適していない。
(7) また、この実施の形態によれば、変動を行なうための時間がなければ演出時間の確保できる変動において、先読み予告の演出を行なうので、演出用に通常使用するような特殊な変動パターンを持つ必要が無くなり、処理が複雑にならない。
(8) 前述した実施の形態は、特殊図柄としてのシャッター図柄54のシャッターが開き、キャラクタが登場し、そのキャラクタがビーム演出を行なうことで保留表示の態様が変化するようになっていたが、特殊図柄が止まるタイミングで保留が変化してもよい。特殊図柄が止まるタイミングで保留が変化するので、保留を変化させる際の変動時間を短縮することが可能となる。
(9) 前述した実施の形態は、特殊図柄が止まり保留記憶の態様を先読み予告態様とする先読み予告演出は1回の場合を示したが、先読み予告演出を複数回行なってもよい。このような場合には、一度目の先読み予告演出で信頼度の低い保留βに変更し、その後二度目の先読み予告演出で信頼度の高い保留αに変更するようにしてもよい。また、二回以上行なってもよく、このように複数回先読み予告演出が行なわれることで、遊技者は特殊図柄が止まる毎に大きな期待を抱くことが可能となる。なお、先読み予告演出としては、ビーム演出を示したが、ビーム演出に限られない。たとえば、登場したキャラクタが保留記憶画像を「斬る」ことによって、先読み予告態様の新たな保留記憶画像が表示されるような演出であってもよい。あるいは、登場したキャラクタが保留記憶画像の色を塗り替えるような演出であってもよく、特殊図柄が表示されることに伴ない保留記憶画像に対して何らかの作用が奏されることで、保留記憶画像が先読み予告態様に変化するものであればよい。
(10) 本実施の形態では、特殊識別情報の一例として、シャッター図柄を例示した。しかしながら、特殊識別情報はシャッター図柄に限られるものではなく、当たりハズレを定めるための通常の飾り図柄とは異なる図柄であれば、どのような態様の図柄であってもよく、また、図柄ではなく、人物などの特殊なキャラクタで構成してもよい。また、シャッター図柄から登場するようなキャラクタも特殊識別情報の概念に含まれる。たとえば、特殊識別情報は、可変表示装置の表示結果が特定表示結果であるか否かの特定に関わらない識別情報である。
(11) 前述した実施の形態は、第1保留記憶情報と第2保留記憶情報とで色を異ならせるようにしたが、第1保留記憶の保留記憶画像50と第2保留記憶の保留記憶画像50とを共通の色で表示するようにしてもよい。このようにすると、先読み予告態様の色の変化が目立ち、遊技者に先読み予告態様である保留予告記憶画像51に注目させることが可能となる。
(12) 前述した実施の形態は、ノーマルリーチ、ロングリーチ等のリーチ変動において特殊図柄が停止する場合を示したが、特殊図柄を停止する変動はリーチ変動に限られるものではない。たとえば、「左」の飾り図柄表示エリア5L、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにそれぞれリーチとならない飾り図柄を停止させ、「右」の飾り図柄表示エリア5Rに特殊図柄を停止させてもよい。つまり、特殊図柄を停止させる飾り図柄表示エリアの位置を変更することも可能であるし、演出時間を十分に確保できる変動であれば、リーチ変動以外の変動で特殊図柄を停止させてもよい。
(13) 前述した実施の形態は、特殊図柄2種類、ビーム演出2種類、変化する保留の種類2種類となっており、特殊図柄に対応するビーム演出、保留の種類は一義的に決まっていた。しかし、特殊図柄、ビーム演出、保留の種類を複数に増やし、その組合せも複数に増やしてもよい。このようにすれば、先読み予告に関する演出の種類が大幅に増え、遊技の興趣が向上する。
(14) 前述した実施の形態は、先読み予告として大当りを予告しているが、様々な種類のリーチを先読み予告するものでもよい。また、大当りの先読みとリーチの先読み、あるいはその他の種類の先読みを含む複数種類の先読み予告を行なうものとしてもよい。その場合には、先読み予告の対象によって保留表示の先読み予告態様を異なるようにするのが望ましい。また、保留表示は色を変えるのではなく、保留の形を変化させる(丸、星型、三角など)ようなものでもよい。このようにすれば、先読み予告態様に多くのバリエーションを持たすことが可能となる。
(15) 前述した実施の形態は、最終の停止図柄として、中図柄に特殊図柄であるシャッター図柄を停止する場合を示したが、シャッター図柄を最終停止までに差替え、数字の「2」を表すような通常の飾り図柄を停止するようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態は、ビーム演出を行なう場合に特に遊技者は何も操作を行なう必要は無かったが、画像表示装置5の画面上に、「コントローラを引け」、「ボタンを押せ」、などの表示をし、それに合わせて遊技者がスティックコントローラ31A、プッシュボタン31Bを操作することで、ビーム演出が行なわれるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者を保留の変化により注目させることができ、遊技の興趣が向上する。また、遊技者の操作が検出されない場合には、ビーム演出も保留表示の変化もともに生じないようにしてもよい。なお、遊技者が操作を行なわなかった場合には、ビーム演出自体を行なわないようにし、先読み予告演出を行なわないようにしてもよい。また、操作を行なわない場合にも一定時間が経過すると保留記憶の態様を先読み予告態様としてもよい。
(17) 前述した実施の形態は、15R、10R、2R確変大当り後の時短回数は100回までとされていたが、確変大当り後は次回の大当りまで時短状態が継続するようにしてもよい。また、確変大当りとは別に通常大当り(大当り後に低確率高ベースとなる)を設け、この通常大当りの時短回数を100回とするようにしてもよい。
また、突然確変大当り後は、高確率・高ベースとなるような場合を示したが、高確率中や高ベース中に突然確変大当りとなるとその後は高ベースとなるようにしてもよい。つまり、高確率/低ベース状態、低確率/高ベース状態、高確率/高ベース状態で突然確変大当りとなるとその後の状態が高ベースとなるようにしてもよい。
(18) 図7の変動パターン決定テーブルに関して、変動表示を開始する際の保留記憶数が所定数(たとえば、3つ)以上であるときに用いる変動パターン決定テーブルAと、所定数未満であるときに用いる変動パターン決定テーブルBとを設けてもよいことについては、既に説明したとおりである。
ただし、このように2つのテーブルを設けて、保留記憶数に応じて変動パターンの選択率が異なるように制御した場合には、「始動入賞が発生した段階で、抽出された乱数に基づいて先読み判定したときの変動パターン」と、「変動表示が開始する段階で、保留記憶されている乱数に基づいて事前決定したときの変動パターン」とが「始動入賞時の保留記憶数」と「変動表示開始時の保留記憶数」との相違によって異なる場合がある。
すると、始動入賞時の状況では、先読み予告のためのビーム演出を実行可能な変動パターン(ロングリーチ等)であると先読み判定できていても、実際にその変動が開始される際の変動パターン決定時にはビーム演出を実行可能でない極めて変動時間の短い変動パターンが決定される可能性も生じる。この場合、予定していたビーム演出が実行できないという問題が発生し得る。
そこで、保留記憶数に応じた複数の変動パターン決定テーブルを用いるようにしたときには、今回の変動が将来のターゲットの先読み予告を行なう変動として決定されていた場合、実際に変動を開始する時点で、事前決定された変動パターンが先読み予告に必要な時間を確保できる変動パターンであるか否かを演出制御用CPU120が確認することが望ましい。この確認は、変動開始時に主基板11から送信される変動パターンの指定コマンドに基づいて行なうことが可能である。
あるいは、次のように制御することも考えられる。まず、複数種類の変動パターンのうちのいくつかについては、変動パターン決定テーブルAと変動パターン決定テーブルBとで乱数値が重複する範囲があるようにする。たとえば、先読み予告演出の対象であるノーマルリーチについて、変動パターン決定テーブルAでは対応する乱数値の範囲を[n〜n+a]にする一方で、変動パターン決定テーブルBでは[n〜n+a+b]とする。そうすると、保留記憶数の多少に関わらず、抽出された乱数値が[n〜n+a]であるときには、常にノーマルリーチが実行されることになる。
そこで、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、単にノーマルリーチであることを示す変動パターンコマンドを送信するのではなく、その乱数値範囲を示す変動パターンコマンドを送信するようにする。すると、それを受けた演出制御用CPU120は、その乱数値範囲を予め記憶しておけば、今回、受信したノーマルリーチの変動パターンコマンドが、始動入賞時と変動開始時との保留記憶数の変化に関わらず常にノーマルリーチの実行を確約する確約コマンドであるか否かを判定できることになる。その結果、このような確約コマンドを受信した場合に限って、その保留記憶を先読み予告演出を実行する対象として演出制御用CPU120が決定するようにすれば、上記のような問題を解消できる。なお、ここでは、ノーマルリーチを例として説明したが、先読み予告演出をする対象であるロングリーチも同様にして変動パターン決定テーブルAと変動パターン決定テーブルBとで乱数値が重複する範囲があるようにしてもよい。
また、保留記憶数の多少に応じて変動パターン決定テーブルAと変動パターン決定テーブルBとで乱数値範囲が異なるようにするリーチの対象は、表示結果がハズレになるもののみとして、表示結果が当り(大当りや小当り)となるリーチについては保留記憶数の多少に関わらず乱数値範囲を両テーブルで共通にしてもよい。
(19) 前述した実施の形態では、第1始動入賞口61を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口62を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口61と第2始動入賞口62のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。
(20) 前述した実施の形態では、パチンコ遊技機1において、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、および、画像表示装置5等の変動表示手段が設けられた例を示した。しかし、これに限らず、このような変動表示手段(一部または全部)は、たとえば、カードユニット等のようなパチンコ遊技機以外の部分に設けられてもよい。このような構成の場合は、パチンコ遊技機以外の部分に設けられた変動表示手段により図柄の変動表示が実行され、前述したような遊技および演出に関する各種制御が実行されることとなる。
(21) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
61 第1始動入賞口、62 第2始動入賞口、1 パチンコ遊技機、4A 第1特別図柄表示装置、4B 第2特別図柄表示装置、5 画像表示装置、100 遊技制御用マイクロコンピュータ、102 RAM、50 保留記憶画像、5H 始動入賞記憶表示エリア、54 シャッター図柄(特殊図柄)、51 保留予告記憶画像、120 演出制御用CPU。

Claims (2)

  1. 変動表示を行なった後に表示結果を導出する変動表示手段における変動表示の表示結果が特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
    未だ開始されていない変動表示を保留情報として記憶可能な保留記憶手段と、
    変動表示を開始するときに変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを決定する決定手段と、
    前記決定手段の決定結果に基づいて、変動表示を実行する変動表示実行手段と、
    前記保留情報に対応した保留表示を表示する保留表示手段と、
    前記保留情報に基づいた予告を実行するか否かを決定する予告決定手段と、
    前記予告決定手段が前記予告を実行すると決定したときに、決定の対象となった前記保留情報に基づいた変動表示よりも前の変動表示において前記予告を示唆する特殊識別情報を変動表示させて停止表示することに伴って保留表示の表示態様を変更する予告実行手段と、
    表示する特殊識別情報を複数種類の中から選択する特殊識別情報選択手段とを備え、
    前記予告実行手段は、前記特殊識別情報選択手段が選択した特殊識別情報を変動表示させて停止表示することに伴って前記特殊識別情報選択手段が選択した特殊識別情報に対応する態様に保留表示の表示態様を変更する、遊技機。
  2. 変動表示の変動表示態様を決定する変動表示決定手段をさらに備える、請求項1に記載の遊技機。
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