以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、始動領域に遊技媒体が進入した後、変動表示の開始条件の成立に基づいて各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示手段を備え、該変動表示手段に導出表示された表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。図2は、大当りおよび小当りを含む当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。図3は、パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板等を示す構成図である。
パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域7が形成されている。この遊技領域7には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域7の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、たとえば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示、可変表示、更新表示、または、巡回表示ともいう)される。たとえば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、たとえば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」(第1特別図柄)といい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」(第2特別図柄)という。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、たとえば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(たとえば、ともに「0」〜「9」を示す数字、および、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、たとえば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域7の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、たとえばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、たとえば3つというような複数の変動表示部となる飾り図柄表示エリアで、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が変動表示される。この飾り図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(たとえば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで、飾り図柄の変動表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の変動表示を行ない、変動表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、たとえば特別図柄や飾り図柄というような、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、たとえば微少な揺れや伸縮等を生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮等も生じさせず、所定時間(たとえば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示すること等が含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで変動表示される飾り図柄には、たとえば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せ等であればよく、キャラクタ画像は、たとえば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字等の記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。たとえば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやはずれとなる組合せ等適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(たとえば7種類や9種類等)。
飾り図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、たとえば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行なわれ、図柄番号が最大(たとえば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(たとえば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(たとえば「左」の飾り図柄表示エリア5L等)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行なって、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留数(保留記憶数)を特定可能な保留記憶情報が保留記憶画像50として表示される。保留記憶画像50は、保留記憶の各々を識別可能であって、保留記憶数を画像の個数に示すものである。ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口61や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口62を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の変動表示というような変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていること等により、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行なわれる。
第1始動入賞口61への遊技球の通過(進入)は、第1始動入賞と呼び、第2始動入賞口62への遊技球の通過(進入)は、第2始動入賞と呼ぶ場合がある。第1始動入賞口61への遊技球の通過(進入)により生じる保留記憶は第1保留記憶と呼び、第1保留記憶の個数は第1保留記憶数と呼ぶ場合がある。また、第1保留記憶を示すデータおよび表示画像は第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶を示すデータおよび表示画像は第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。第1保留記憶の個数は第1保留記憶数と呼ぶ場合がある。第2始動入賞口62への遊技球の通過(進入)により生じる保留記憶は第2保留記憶と呼び、第2保留記憶の個数は第2保留記憶数と呼ぶ場合がある。
始動入賞記憶表示エリア5Hでは、第1保留記憶情報および第2保留記憶情報のそれぞれに対応する画像として保留記憶画像50が表示され、保留記憶画像50の表示個数により、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数としての合算保留記憶数が表示される。この実施の形態では、合算保留記憶数が表示されることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて合算保留記憶数を示す保留記憶画像50は、第1始動入賞口61を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したもの(第1保留記憶情報)であるか、第2始動入賞口62を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したもの(第2保留記憶情報)であるかに応じて、その表示態様(たとえば表示色や形状)を異ならせる。この実施の形態では、第1始動入賞口61を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した第1保留記憶の保留記憶画像50を丸型の青色表示とし、第2始動入賞口62を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した第2保留記憶の保留記憶画像50を丸型の赤色表示とする。このように、第1保留記憶情報と第2保留記憶情報とで色を異ならせることで、各保留記憶画像50が第1保留記憶情報と第2保留記憶情報とのどちらであるかを遊技者が容易に識別可能である。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上部に、保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留記憶数は、第1保留記憶情報(第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶)の記憶数である。第2保留記憶数は、第2保留記憶情報(第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶)の記憶数である。
第1保留記憶数と第2保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合算保留記憶数というが、単に「保留記憶数」というときには、第1保留記憶数、第2保留記憶数および合算保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、たとえば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口61を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口62を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口62を通過(進入)しがたい通常開放状態(遊技者にとって不利な状態)となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口62を通過(進入)しやすい拡大開放状態(遊技者にとって有利な状態)となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口62には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、たとえば第2始動入賞口62を閉鎖すること等により、第2始動入賞口62には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口62は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口61を通過(進入)した遊技球は、普通入賞球装置6Aに設けられた第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口62を通過(進入)した遊技球は、普通可変入賞球装置6Bに設けられた第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(たとえば3個)の遊技球が賞球として払出され、第1保留記憶数が所定の上限値(たとえば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(たとえば3個)の遊技球が賞球として払出され、第2保留記憶数が所定の上限値(たとえば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置70が設けられている。特別可変入賞球装置70は、ソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態(遊技者にとって有利な状態)と閉鎖状態(遊技者にとって不利な状態)とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置70では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置70では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、特別可変入賞球装置70に設けられたカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(たとえば15個)の遊技球が賞球として払出される。こうして、特別可変入賞球装置70において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、たとえば第1始動入賞口61および第2始動入賞口62のような、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払出される。したがって、特別可変入賞球装置70において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置70において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域7の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、たとえば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口61、第2始動入賞口62および大入賞口とは異なる入賞口として、たとえば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(たとえば10個)の遊技球が賞球として払出されればよい。遊技領域7の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取込まれるアウト口26が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域7周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域7における各構造物(たとえば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置70等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)73が設けられている。たとえば、打球操作ハンドル73は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル73には、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域7の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿71(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿71から溢れた余剰球等を、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿72が設けられている。
下皿72を形成する部材には、たとえば下皿72本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿72の中央部分)等に、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(たとえば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置等)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿72の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。たとえば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿71を形成する部材には、たとえば上皿71本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ31Aの上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿71の本体内部等には、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域7に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が、通過ゲート41に設けられたゲートスイッチ21によって検出されたことというような、普通図柄表示器20で普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、たとえば前回の普図ゲームが終了したことというような、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、たとえば「7」を示す数字というような、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、たとえば「7」を示す数字以外の数字や記号というような、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行なわれ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行なわれる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口61を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたこと等により第1始動条件が成立した後に、たとえば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口62を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたこと等により第2始動条件が成立した後に、たとえば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「はずれ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
図2の当り種別表においては、大当りおよび小当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態(低確率状態))に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。
図2に示すように、本実施の形態では、15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、および、突然確変大当りという複数種類の大当りが設けられている。これらは、すべて確変大当りである。突然確変大当りは、突確大当りという略称で呼ばれる場合がある。
ラウンド数が異なる大当り遊技状態としては、15R確変大当りによる15ラウンドの大当り遊技状態と、10R確変大当りによる10ラウンドの大当り遊技状態と、2R確変大当りおよび突然確変大当りによる2ラウンドの大当り遊技状態との複数種類の大当り遊技状態が設けられている。また、ラウンド数が同じであるが各ラウンドの開放時間が異なる大当り遊技状態としては、2R確変大当りによる開放時間が29秒の大当り遊技状態と、突然確変大当りによる開放時間が0.5秒の大当り遊技状態との複数種類の大当り遊技状態が設けられている。小当りにおいては、突然確変大当りと同様の開放回数(2回)および開放時間(0.5秒)の小当り遊技状態となる。
具体的に、15R確変大当りの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置70が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば9個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置70の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、10R確変大当りの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置70が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば9個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置70の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる10ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、2R確変大当りの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置70が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば9個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置70の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、突然確変大当りの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置70が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば9個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置70の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
このように、突然確変大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドおよび10ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では2回)まで許容されるが、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間)大当り種類(種別)である。また、本実施の形態の場合は、2ラウンドの大当りとして、大入賞口の開放時間が極めて短く(0.5秒間)、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)が得られない当りが設けられている。
なお、実質的に賞球が得られない当りとしては、15ラウンドの大当りであるが、1ラウンドあたりの開放時間がたとえば0.5秒間のように極めて短いことにより、実質的に賞球が得られないものであってもよい。また、実質的に賞球が得られない当りとしては、ラウンド数が少ないこと、または、1ラウンドあたりの開放時間が短いことのうち少なくとも一方が実行されることにより実質的に賞球が得られないものであればよい。
また、2ラウンドの大当りとしては、実質的に賞球が得られない当りのみを設けてもよく、賞球を得ることができる当りのみを設けてもよく、実質的に賞球が得られない当りと賞球を得ることができる当りとの両方を設けてもよい。
本実施の形態では、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りに基づく特別遊技状態としては、確変状態に制御されることに付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態(通常変動時間状態)よりも短縮される時短状態に制御される。また、突然確変大当りに基づく特別遊技状態としては、確変状態に制御されるが、時短状態には制御されない。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。なお、15ラウンドの大当りで確変状態に制御されない15R通常大当りを設けてもよく、15R通常大当りで大当り遊技状態に制御された後についても、時短状態に制御されるようにしてもよい。また、15R通常大当りで大当り遊技状態に制御された後は、時短状態に制御されないようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄および演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
また、本実施の形態では、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りによる確変状態については、確変状態に制御されることに付随して、普通可変入賞球装置6Bが開状態になる頻度を高くすることにより普通可変入賞球装置6Bに遊技球が進入する頻度を高くして普通可変入賞球装置6Bへの入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される特別遊技状態となる。一方、突然確変大当りによる確変状態については、確変状態に制御されるが、電チューサポート制御状態に制御されない特別遊技状態となる。
なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。また、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りで大当り遊技状態に制御された後は、電チューサポート制御状態に制御されないようにしてもよい。また、突然確変大当りで大当り遊技状態に制御された後は、電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、普通可変入賞球装置6Bの開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、普通可変入賞球装置6Bの開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、普通可変入賞球装置6Bが開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口62への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、および、画像表示装置5における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口62への入賞頻度が高まることにより、第2特別図柄の始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口62への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、普通可変入賞球装置6B、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより普通可変入賞球装置6Bへの入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
さらに、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか複数を組合せた状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。また、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか1つの状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。このように、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうち、いずれか1つの状態、いずれか複数(すべての組合せを除く)を組合せた状態、または、すべてを組合せた状態に制御するものであれば、どのような制御を行なうようにしてもよい。
本実施の形態では、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りに基づく特別遊技状態として、確変状態に制御されることに付随して、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される。なお、特別遊技状態として、確変状態とは独立して時短状態および電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。その他、特別遊技状態における時短状態と電チューサポート制御状態との関係としては、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよく、時短状態に独立して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態の場合は、突然確変大当りのように大当り遊技状態の終了後において、特別遊技状態として、確変状態に制御されたときに時短状態および電チューサポート制御状態に制御されない場合があるが、確変状態に制御されたときに時短状態および電チューサポート制御状態に必ず制御されるようにしてもよい。また、大当り遊技状態の終了後において、確変状態に制御されず通常状態となるときは、変動表示回数により期間が制限されずに、次回の大当りが発生するまでの間、時短状態および電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態を示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確率/低ベース状態」、「高確率高ベース状態」、「低確率高ベース状態」、および、「高確率/低ベース状態」を用いる。「低確率/低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が/低ベース状態であることを示す状態である。「高確率高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「低確率高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確率/低ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。
本実施の形態において、15R確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確率/高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。
また、本実施の形態において、10R確変大当りは、10ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確率/高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。
また、本実施の形態において、2R確変大当りは、開放期間が長い2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確率/高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。
また、本実施の形態において、突然確変大当りは、開放時間が極めて短い2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態に移行する制御が行なわれ、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確率/高ベース状態)に移行する制御が行なわれずに非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(高確率/低ベース状態)に制御される大当りである。
15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りの場合は、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態よりなる特別遊技状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。変動表示が100回実行されるまでに大当りが発生しないときには、低確率/低ベース状態に移行する制御が行なわれる。なお、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りのすべてまたは一部については、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態のような特別遊技状態が、変動表示回数とは関係なく、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続するようにしてもよい。
また、突然確変大当りの場合は、確変状態よりなる特別遊技状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。変動表示が100回実行されるまでに大当りが発生しないときには、低確率/低ベース状態に移行する制御が行なわれる。なお、突然確変大当りについては、確変状態が、変動表示回数とは関係なく、次回の大当りが発生するまでという条件が成立するまでの期間継続するようにしてもよい。
また、小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベース状態とがともに、小当り遊技状態の開始前に対して変更されない。このように、小当りは、小当り遊技状態終了後に、小当り遊技状態の開始前における遊技状態としての大当り確率およびベース状態が維持される当りである。なお、この実施の形態において、小当りは、小当り遊技状態において、突然確変大当りと同一の開放回数および同一の開放時間で特別可変入賞球装置70を開放する当りである例を示すが、これに限らず、小当りとしては、特別可変入賞球装置70の開放態様が、突然確変大当りのときの開放態様と完全に一致するものでないが、突然確変大当りのときの開放態様と区別しにくいように見えるものであってもよい。つまり、小当りとしては、特別可変入賞球装置70の開放態様が、突然確変大当りと略同一の開放回数および略同一の開放時間で特別可変入賞球装置70を開放する当りであればよい。
突然確変大当りと、小当りとは、特別可変入賞球装置70の開放回数および開放時間が同じであるので、大当り遊技状態および小当り遊技状態中に、突然確変大当りであるか小当りであるかを遊技者が認識しにくい。これにより、突然確変大当りの大当り遊技状態の終了後および小当り遊技状態の終了後において、確変状態となっていることを報知しない共通の演出が行なわれるときには、確変状態となっているか否かを遊技者が認識しにくい。また、突然確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に低ベースとなるので、小当り遊技状態の終了後に大当り確率とベースが変化しない小当りと比べると、突然確変大当りの大当り遊技状態の終了後と、小当り遊技状態の終了後とで遊技者が動作状況を区別しにくい。このような制御状態は、確変状態が潜伏しているような状態であるので潜伏演出状態と呼ばれ、このような潜伏状態にする制御が潜伏演出制御と呼ばれる。なお、突然確変大当りとしては、大当り遊技状態の終了後に、時短状態に制御され、電チューサポート制御に制御されるものを設けてもよい。
この実施形態によるパチンコ遊技機1においては、演出制御用CPU120において、大当り遊技状態の終了後および小当り遊技状態の終了後に、確変状態となっているか否かを報知しない共通の演出をする潜伏制御が行なわれる。たとえば、演出制御用CPU120では、大当り終了時において、小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを受信したときは、大当り遊技状態(小当りの場合は小当り遊技状態)の終了後において共通の背景画像を表示する等、共通の演出を行なう。このような潜伏制御が行なわれることにより、遊技者に対して確変状態であるか否かについての期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、潜伏制御は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から潜伏制御の実行を指示するコマンドを送信し、当該コマンドに応じて、演出制御用CPU120が潜伏制御を実行するようにしてもよい。また、この実施形態では、小当りを設けた例を示したが、これに限らず、小当りは設けなくてもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の変動表示が開始される。そして、飾り図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域で停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(たとえば「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5R等)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(たとえば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(たとえば「中」の飾り図柄表示エリア5C等)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化というような演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9等の発光体における点灯動作(点滅動作)等を、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
飾り図柄の変動表示中には、リーチ演出等の変動表示演出とは異なり、たとえば所定の演出画像を表示すること、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯等のように、飾り図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があること、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、および、変動表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部において飾り図柄の変動表示が開始されてから、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにおいて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、先読み予告演出となるものが含まれている。先読み予告演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性等が予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特図ゲームの保留情報等に基づいて実行可能となる予告演出である。
この実施の形態では、先読み予告演出として、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留記憶数を特定可能に表示する保留記憶画像50を、通常時における表示態様(通常表示態様)とは異なる表示態様に変化させること、すなわち、通常時における通常表示態様とは異なる表示態様で表示することにより、予告対象となる変動表示において「大当り」となる可能性等を予告する保留表示予告が実行されるようになっている。具体的には、保留記憶画像50の表示態様を丸型の通常表示態様とは異なる特別表示態様(たとえば形状が異なるもの)である予告表示態様(強予告表示態様、弱予告表示態様)に変化させる保留表示予告が実行される。予告表示態様は複数種類(強予告表示態様、弱予告表示態様)設けられており、いずれの予告表示態様となったかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知する。
なお、先読み予告演出としては、保留表示予告に加えて、前述した複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の変動表示に亘り、変動表示結果が「大当り」となる可能性等を連続して予告する演出を行なう連続予告演出を実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、このような先読み予告演出とは別に、変動表示が実行されるときに、当該変動表示の変動パターンや変動表示結果に基づいて、当該変動表示結果が「大当り」となる可能性等が予告される変動中予告演出が実行される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、はずれ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の変動表示が開始されてから、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、はずれ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の変動表示が開始されてから、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチはずれ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様と称される。
図3に示すように、パチンコ遊技機1には、主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14というような、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2等の背面には、たとえば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板等というような、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行なう機能、演出制御基板12等からなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(たとえばセグメントLED)等の点灯/消灯制御を行なって第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御等を行なって普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することというような、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、たとえば遊技制御用マイクロコンピュータ100、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、および、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111等が搭載されている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、たとえば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行なうCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行なう乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。I/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8Rおよび遊技効果ランプ9というような演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9等における点灯/消灯動作の全部または一部というような、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
演出制御基板12には、プログラムにしたがって制御動作を行なう演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理等を実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行なう乱数回路104と、I/O125とが搭載されている。
演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、および、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、遊技効果ランプ9等における点灯/消灯駆動を行なうランプドライバ回路等が搭載されている。
図3に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、たとえばセンサと称されるもの等のように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C等の表示制御を行なうための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、たとえば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、たとえば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンド、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、ならびに、遊技効果ランプ9および装飾用LEDの点灯動作等を制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線等が接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、たとえば乱数回路104等により、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。このような演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブル等が格納されている。たとえば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定、決定、および、設定を行なうために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータ等が記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(たとえば画像表示装置5,スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型等)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。演出制御パターンテーブルには、たとえば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
図4は、主基板11側で用いられる各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)MR1:大当りにするか否か、および、小当りにするか否かを判定するランダムカウンタである(大当り判定用)。
(2)MR2:大当りの種類(後述する15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り)を決定するランダムカウンタである(大当り種別決定用)。
(3)MR3:変動パターンの種類(種別)を決定するランダムカウンタである(変動パターン種別決定用)。
(4)MR4:変動パターン(変動時間)を決定するランダムカウンタである(変動パターン決定用)。
(5)MR5:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定するランダムカウンタである(普通図柄当り判定用)。
(6)MR6:MR5の初期値を決定するランダムカウンタである(MR5初期値決定用)。
この実施の形態では、前述したように、特定遊技状態である大当りとして、15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、および、突然確変大当りというような複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(MR1)の値に基づいて大当りとする決定がされたときには、大当り種別決定用乱数(MR2)の値に基づいて、大当りの種別が、これらのうちいずれかの大当り種別に選択決定される。さらに、大当りの種別が選択決定されるときに、同時に大当り種別決定用乱数(MR2)の値に基づいて、大当り図柄も選択決定される。したがって、MR2は、大当り図柄決定用乱数でもある。また、当りとしては、小当りも含まれており、大当り判定用乱数(MR1)が小当り判定用乱数として兼用されている。そして、大当り判定用乱数(MR1)の値に基づいて小当りとする決定がされたときには、小当り図柄が、予め定められた図柄に決定される。
また、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別決定用乱数(MR3)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン決定用乱数(MR4)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。たとえば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。ここで、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動表示であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動表示が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出等の特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りのそれぞれである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数が用いられるが、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図5(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
この実施の形態では、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りとなると、大当り遊技終了後に高確率状態に移行されるとともに高ベース状態に移行される。そして、大当り終了後、特別図柄の変動表示が100回終了するまで確変状態および高ベース状態が継続する。また、突然大当りとなると、大当り遊技終了後に高確率状態に移行されるが高ベース状態に移行されない。そして、大当り終了後、特別図柄の変動表示が100回終了するまで確変状態が継続する。
図5(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行なうときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行なうときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図5(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図5(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図5(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特図の変動表示を行なう場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特図の変動表示を行なう場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図5(C)に示す第2特図用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特図の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行なうように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特図の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行なわないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路104のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(MR1)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図5(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図5(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図5(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。したがって、この実施の形態では、第1始動入賞口61に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口62に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図5(D),(E)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図5(D)は、遊技球が第1始動入賞口61に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図5(E)は、遊技球が第2始動入賞口62に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別決定用の乱数(MR2)に基づいて、大当りの種別を「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図5(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して8個の判定値が割当てられている(40分の8の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して2個の判定値が割当てられている(40分の2の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。したがって、この実施の形態では、第1始動入賞口61に始動入賞して第1特図の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口62に始動入賞して第2特図の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行なわない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行なう場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図5(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1の大当りとしての突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2の大当りとしての15R確変大当り、10R確変大当りおよび2R確変大当りとに決定する場合があるとともに、第1特図の変動表示が実行される場合に高い割合で第1の大当りとすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。たとえば、第1の大当りと比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2の大当りを決定するようにしてもよい。また、たとえば、第1の大当りと比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2の大当りを決定するようにしてもよい。また、たとえば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1の大当りと、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2の大当りとを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2の大当りの遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、たとえば、第1の大当りまたは第2の大当りのいずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1の大当りの場合には15ラウンドすべてを終了し、第2の大当りの場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1の大当りの場合には内部的に15ラウンドすべてを終了していることから大当り遊技を終了し、第2の大当りの場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(あたかも15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図5(D),(E)に示すように、大当り種別として、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンド、10ラウンドおよび2ラウンドの3種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当りや、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」および「突然確変大当り」の4種類である場合を示しているが、4種類に限らず、たとえば、5種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が4種類よりも少なくてもよく、たとえば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
なお、「2R確変大当り」は、後述する「突然確変大当り」と同様に大入賞口の開放回数が2回(2ラウンド)のみ許容される大当りであるが、「突然確変大当り」と異なり、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長い(この実施の形態では29秒)。したがって、「突然確変大当り」の場合には、大当り遊技中に遊技球が大入賞口に入賞することはほとんど期待できないのであるが、「2R確変大当り」となった場合には、大入賞口の開放回数は少ないものの大当り遊技中に遊技球が大入賞口に入賞することを期待することができる。
また、「突然確変大当り」とは、「15R確変大当り」および「10R確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.5秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「15R確変大当り」や、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.5秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することはほとんど期待できない。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.5秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。なお、この実施の形態で示すように大当り種別がすべて確変大当り(この実施の形態では、15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り)であるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、この実施の形態のように大当り種別がすべて確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、高確率状態に移行されるのみで高ベース状態を伴わない突然確変大当りを設けるようにすること(大入賞口の開放パターンも突然確変大当りと小当りの場合とで同じにすること)が好ましい。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、MR2の値と比較される数値であって、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、MR2の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図6(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
たとえば、大当り種別が「10R確変大当り」や「2R確変大当り」である場合に用いられる図6(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「15R確変大当り」である場合に用いられる図6(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、図6(A),(B)に示すように、この実施の形態では、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」または「2R確変大当り」である場合には、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、10R/2R確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび15R確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割当てられることになる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、たとえば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割当てられている。よって、変動表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて突然確変大当り状態に制御する場合には、15R確変大当りや10R確変大当り、2R確変大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図6(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、変動表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。この実施の形態では、図6(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図7(A)〜(D)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Dを示す説明図である。このうち、図7(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図7(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。また、図7(C)は、遊技状態が確変状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示している。また、図7(D)は、遊技状態が確変状態のうちの高確率/低ベース状態(突然確変大当り終了後、100回目の変動表示が終了するまでの状態)である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Dは、変動表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数(ランダム2)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図7に示す例では、遊技状態が高ベース状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B〜135Dを用いる場合を示しているが、高ベース状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図7(C)に示す例では、合算保留記憶数にかかわらず共通の高ベース用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いる場合を示しているが、高ベース用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルを用いる場合を示しているが、はずれ用変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、たとえば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。たとえば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ用変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ用変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。たとえば、第1特図の変動表示を行なう場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、たとえば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。たとえば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(たとえば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。また、このような場合であっても、特定の変動表示パターンとしてのスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対して共通の判定値を割当てるように構成すればよい。
なお、「特定の演出態様」とは、スーパーリーチを伴う変動パターン等、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターン種別、変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、その特定の演出態様による変動表示(たとえば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。たとえば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびはずれと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図7(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図7(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出等の特定演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用変動表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の変動表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数、第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(図7(A),(B)に示す例では1〜79)が割当てられるように構成されている。なお、「リーチ用変動表示パターン以外の変動表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、たとえば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出等の特定演出も伴わず、変動表示結果が大当りとならない場合に用いられる変動表示パターン(変動パターン)のことである。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図7(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択され得る場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。たとえば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、たとえば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が高ベース状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1または2の場合でも(または、たとえば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0または1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図8(A),(B)は、ROM101に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果等に応じて、変動パターン決定用の乱数(MR4)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数(MR4)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の変動表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図8(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図8(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図8(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出等の特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、たとえば、特殊CA4−1は、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図9は、ROM101に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数(MR4)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図10および図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10および図11に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU120は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用CPU120は、コマンド8C01(H)〜8C06(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C06(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特図の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特図の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特図の変動表示を開始するのか第2特図の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の変動表示を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の変動表示を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられ、「突然確変大当り」および「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。たとえば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。たとえば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、および、「2R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が低確率/低ベース状態(通常状態)であることを指定する演出制御コマンド(低確率/低ベース状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が高確率/高ベース状態であることを指定する演出制御コマンド(高確率/高ベース状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が高確率/低ベース状態であることを指定する演出制御コマンド(高確率/低ベース状態指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、以下、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口61と第2始動入賞口62とのいずれに始動入賞したかを指定する始動入賞指定コマンドを送信するとともに、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶情報として送信する演出制御コマンドは、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、保留記憶数が増加したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、小当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果(変動カテゴリ))を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図21参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞時に、大当りとなるか否か、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りまたは小当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用CPU120に対して送信する制御を行なう。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用CPU120に対して送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りまたは小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに基づいて、変動パターン種別決定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図12は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示すように、この実施の形態では、大当りまたは小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
たとえば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、たとえば、「15R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、たとえば、「10R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、たとえば、「2R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。また、たとえば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。また、たとえば、「小当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「05(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄6指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読出すデータを共通化することができる。
図13および図14は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図13および図14に示すように、この実施の形態では、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
たとえば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別決定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別決定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割当てられているのであるから、演出制御用CPU120は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことに基づいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割当てられているのであるから、演出制御用CPU120は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことに基づいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図7(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割当てられた判定値の範囲の境界となり得る値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜12,21〜29についても同様であり、図6(A)〜(D)や図7(C),(D)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割当てられた判定値の範囲の境界となり得る値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
また、たとえば、始動入賞時に、遊技状態が高確率/高ベース状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別決定用乱数の値が1〜219となるか否かを判定する。変動パターン種別決定用乱数の値が1〜219となる場合(すなわち、非リーチCA2−3の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ9コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が220〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「09(H)」を設定した変動カテゴリ10コマンドを送信する。
また、たとえば、始動入賞時に、遊技状態が高確率/低ベース状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別決定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別決定用乱数の値が1〜79となる場合(すなわち、非リーチCA2−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「0A(H)」を設定した変動カテゴリ11コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「0B(H)」を設定した変動カテゴリ12コマンドを送信する。
なお、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態や高確率/低ベース状態)である場合にも、判定値230〜251の範囲にスーパーCA2−7の変動パターン種別を割当てるようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態にかかわらず、スーパーCA2−7の変動パターン種別に対して共通の判定値が割当てられるようにすることができる。そのため、後述する入賞時演出の処理のS232の処理を実行する際に、はずれであれば、遊技状態にかかわらず共通の判定処理を行なえばよくなり、プログラム容量をより低減することができる。また、この場合、S226の遊技状態の判定処理も不要とすることができる。
また、たとえば、始動入賞時に、「10R確変大当り」または「2R確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別決定用乱数の値が1〜74となるか否かを判定する。変動パターン種別決定用乱数の値が1〜74となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が75〜149となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が150〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。
また、たとえば、始動入賞時に、「15R確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別決定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別決定用乱数の値が1〜38となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が39〜79となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。
また、たとえば、始動入賞時に、突然確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別決定用乱数の値が1〜100となるか否かを判定する。変動パターン種別決定用乱数の値が1〜100となる場合(すなわち、特殊CA4−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「16(H)」を設定した変動カテゴリ27コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が101〜251場合(すなわち、特殊CA4−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「17(H)」を設定した変動カテゴリ28コマンドを送信する。
また、たとえば、始動入賞時に、小当りとなると判定した場合、CPU56は、EXTデータに「18(H)」を設定した変動カテゴリ29コマンドを送信する。
なお、始動入賞時に入賞時判定を行なったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じ得る。しかし、この実施の形態では、少なくとも非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別については、合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割当てられているのであるから(図6、図7参照)、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。そのため、この実施の形態では、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7またはスーパーCA3−3の変動パターン種別になると入賞時判定された変動表示に対して後述する先読み予告演出が実行される。なお、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別となると判定した場合にのみ、図13および図14に示す変動カテゴリコマンド(具体的には、変動カテゴリ1コマンド、変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ23コマンド、変動カテゴリ26コマンドのみ)を送信し、それ以外の変動パターン種別の入賞時判定結果の場合には変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。また、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3以外となると入賞時判定された場合には、変動パターン種別を特定不能であることを示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
なお、「先読み予告演出」とは、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行される予告演出のことである。この実施の形態では、先読み予告演出には、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生したタイミングで直ちに実行されるもの(後述する「保留球変化」の態様の先読み予告演出)と、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生した後に開始される変動表示から演出を開始し、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の複数回の変動表示にわたって連続して実行されるもの(後述する「図柄変動時の変動形態の変化」、「モード移行」、「カウントダウン」の態様の先読み予告演出)とがある。ただし、必ずしも複数回の変動表示にわたって予告演出を実行する必要は無く、たとえば、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の1回のみの変動表示において予告演出を行なうものであってもよい。また、たとえば、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の変動表示から予告演出を開始して、その予告演出の対象となる変動表示の直前の変動表示までで予告演出を終了するものであってもよいし、その予告演出の対象となる変動表示にもわたって予告演出を行なうものであってもよい。また、複数回の変動表示にわたって必ずしも連続して実行する必要はなく、たとえば、1回おきまたは2回おきに間欠的に複数回の変動表示において予告演出を実行してもよい。ただし、後述する「カウントダウン」の態様の先読み予告演出に関しては、カウントダウンが1回のみであったり間欠的あったりすると演出が不自然となってしまうので、複数の変動表示にわたって連続して行なうことが望ましい。
なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず(たとえば、高確率状態や高ベース状態であるか否かや、大当り遊技中であるか否かにかかわらず)、始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、必ず図12に示す図柄指定コマンドが送信されるとともに図13および図14に示す変動カテゴリコマンドが送信される。そして、演出制御用CPU120は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドに基づいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやリーチとなるか否かを予告する先読み予告を実行する。
演出制御基板12に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータとしての演出制御用CPU120は、主基板11に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御コマンドを受信すると、図10および図11に示された内容に応じて画像表示装置5の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞があり第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板11から演出制御基板12に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取込み処理を開始する。
図10および図11に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特図の変動に対応した演出図柄の変動表示と、第2特別図柄表示装置4Bでの第2特図の変動表示に対応した演出図柄の変動表示とで共通に使用でき、第1特図および第2特図の変動表示に伴って演出を行なう画像表示装置5等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御用CPU120に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図15は、遊技制御用マイクロコンピュータ100における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図15(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図15(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図15(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図15(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口61または第2始動入賞口62への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口61および第2始動入賞口62への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM102に形成されている。「RAM102に形成されている」とは、RAM102内の領域であることを意味する。
図15(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図15(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM102に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(MR1)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(MR2)、変動パターン種別決定用乱数(MR3)、および、変動パターン決定用乱数(MR4)が記憶される。
第1始動入賞口61または第2始動入賞口62への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路104およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口61への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存され、第2始動入賞口62への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン決定用乱数(MR4)を始動入賞判定処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(MR4)を生成するための変動パターン決定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
この実施の形態において、特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出等における演出表示動作、あるいは、飾り図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、たとえばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図16(A)は、演出制御パターンの構成例を示す説明図である。
特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンというような、それぞれの演出制御パターンは、たとえば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードというような、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、たとえば遊技領域7の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データ等が、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用CPU120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、たとえば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことというような、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、たとえば飾り図柄の変動表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータというような、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、たとえば飾り図柄の変動表示中における飾り図柄の変動表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータというような、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、たとえば遊技効果ランプ9や装飾用LEDというような、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、たとえば操作ボタン30というような操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、すべての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図16(B)は、演出制御パターンの内容にしたがって実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データにしたがって、演出動作の制御内容を決定する。たとえば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像というような演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行なう。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行なうとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行ない、操作検出制御データにより指定される操作有効期間においてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行なう。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図16(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の変動表示中における一部の期間(たとえば予告演出を実行する期間等)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の変動表示中以外の所定期間(たとえば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間等)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、たとえば飾り図柄の変動表示を開始するとき等に、変動パターン指定コマンドに示された変動パターン等に基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、たとえば予告演出というような所定演出の実行を開始するとき等に、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行ない、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行なう。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容にしたがって、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材等)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13等に対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、たとえば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読出してVRAMに一時記憶させること等により展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、たとえば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読出して音声RAM等に一時記憶させること等により展開させる。
図17は、演出制御基板12側のデータ保持エリアおよび始動入賞時受信コマンドバッファを示す説明図である。
図3に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、たとえば図17(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図17(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、たとえば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態等というような演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。たとえば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、たとえば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作等というような各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。たとえば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。たとえば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。たとえば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図17(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(たとえば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。
第1始動入賞口61または第2始動入賞口62への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド(図柄1〜図柄6指定コマンド)、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド(第1または第2始動入賞指定コマンド)、および、合算保留記憶数指定コマンドという4つのコマンドを1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これら図柄指定指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」である。始動入賞時には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドの順にコマンド送信が行なわれる。したがって、コマンド受信が正常に行なわれれば、図17(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図17(B)では、バッファ番号「1」〜「6」に対応する格納領域においてコマンドが格納されている例が示されている。
図17(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、飾り図柄の変動表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。たとえば図17(B)に示す格納状態において新たな飾り図柄の変動表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域において格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」〜「6」のそれぞれに対応した領域において格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」〜「5」に対応した領域にシフトされる。図17(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのうち、バッファ番号「2」に対応した領域については、コマンド受信を正常に行なえず、合算保留記憶数指定コマンドを取りこぼした場合の例が示されている。そのため、図17(B)に示す例では、バッファ番号「2」に対応して、本来、合算保留記憶数指定コマンドが格納されるべき4つ目の記憶領域における内容が「0000(H)」のままとなっている。
また、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域として、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに格納された保留記憶に対応して、次に示すような未判定情報、および、先読み予告情報を格納するための記憶領域が設けられている。
始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納される始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド)に基づいて、先読み予告演出を実行するか否か、および、実行する場合における先読み予告パターンが決定される。このとき、始動入賞時のコマンドに取りこぼしまたは不整合が発生した場合には、そのコマンドに対応する保留記憶情報の変動表示が実行(消化)されるまで、先読み予告演出の設定が行なわれないように制限される。このような先読み予告演出の設定が制限される期間(先読み予告制限中)に始動入賞時のコマンドを受信した場合に、その受信タイミングで先読み予告演出の設定が行なわれなかったものに対応して、未判定情報が「1」(あるいはオン状態)にセットされる(たとえば、図17(B)の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aでは、バッファ番号「2」に対応した未判定情報参照)。
また、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納される始動入賞時のコマンドに基づいて、各保留記憶情報について、前述のような先読み予告を実行するか否かが決定され、先読み予告を実行する決定がされたときに、先読み予告情報が「1」(あるいはオン状態)にセットされる。(たとえば、図17(B)の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号「1」に対応した先読み予告情報参照)
以上に説明したような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおけるデータの格納状態の一例として、図17(B)では、8個の保留記憶情報が発生した(バッファ番号「6」の合算保留記憶数指定情報が「C208(H)」)後、保留記憶情報が2つ消化されて2回の変動表示が行なわれた後の状態が示されている。そして、図17(B)の例では、バッファ番号「1」に対応した保留記憶情報について、先読み予告演出を実行することが決定されて先読み予告情報が「1」にセットされ、次のバッファ番号「2」に対応した保留記憶情報について、始動入賞時の合算保留記憶数指定コマンドを取りこぼして未判定情報が「1」にセットされた状態が示されている。このような状態において、本実施の形態では、バッファ番号「1」に対応した保留記憶情報における先読み予告情報が「1」にセットされていることにより先読み予告演出が実行され、バッファ番号「2」に対応した保留記憶情報における未判定情報が「1」にセットされていることにより、当該保留記憶情報による変動表示が実行されるまで、その後に生じた保留記憶情報(たとえば、図17(B)の格納状態では、バッファ番号「3」〜「6」の保留記憶情報)については先読み予告を実行することが禁止される。
なお、先読み予告演出の実行を制限する場合には、所定期間内に発生した始動入賞に対応する変動表示を対象とする先読み予告演出について、全部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよいし、一部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよい。
また、図17においては、先読み予告情報を始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納する例を示した。しかし、これに限らず、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aとは別に、各始動入賞記憶情報に対応して先読み予告情報を格納する領域を演出制御用データ保持エリア190に設け、当該領域に格納された先読み予告情報を用いて、先読み予告を実行するようにしてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行なう。この初期設定では、たとえばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行なう。これにより、以後、所定時間(たとえば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
図18は、遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図18のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図18に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23というような各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS(単にSと呼ぶ)11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行ない、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、たとえばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5というような遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。RAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが記憶される領域としての遊技制御フラグ設定部が設けられている。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部に設定された特別図柄プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御、および、特別可変入賞球装置70における大入賞口の開閉動作設定等を、所定の手順で行なうために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(たとえばセグメントLEDの点灯、消灯等)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定等を可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。RAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する領域として、各種のバッファが設定された遊技制御バッファ設定部が設けられている。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすること等により、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図19は、特別図柄プロセス処理として、図18に示すS15において実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S101)。
そして、S101で始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特別図柄プロセスフラグの値に応じて、S110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
S110の特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶されている保留データの有無等に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行なわれる。また、特別図柄通常処理では、大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、小当り図柄、はずれ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄および飾り図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特別図柄プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S111の変動パターン設定処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理、および、変動パターン種別の決定結果に基づき変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理等が含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特別図柄プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S110の特別図柄通常処理およびS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄と、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間を含む変動パターンとが決定される。すなわち、特別図柄通常処理および変動パターン設定処理は、MR1〜MR4の抽出値を用いて特別図柄および飾り図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S112の特別図柄変動処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行なう処理、ならびに、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理等が含まれている。たとえば、S112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、RAM102に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行なわれる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行なわれる。このように、S112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特別図柄プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S113の特別図柄停止処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bで特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行なう処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域に記憶される大当りフラグがオンとなっているか否かの判定等が行なわれ、大当りフラグがオンである場合には特別図柄プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特別図柄プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特別図柄プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S114の大当り開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったこと等に基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行なう処理等が含まれている。このときには、たとえば大当り種別が15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当りのいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限が設定される。
大当り種別が15R確変大当りであるときには、大入賞口を開放状態とする期間の上限が「29秒」に設定されるとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定される。また、大当り種別が10R確変大当りであるときには、大入賞口を開放状態とする期間の上限が「29秒」に設定されるとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数が「10回」に設定される。また、大当り種別が2R確変大当りであるときには、大入賞口を開放状態とする期間の上限が「29秒」に設定されるとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数が「2回」に設定される。また、大当り種別が突然確変大当りであるときには、大入賞口を開放状態とする期間の上限が「0.5秒」に設定されるとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数が「2回」に設定される。このような大当りの種別に応じた設定が行なわれると、特別図柄プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S115の大当り開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理、および、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数等に基づいて大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理等を実行した後、特別図柄プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S116の大当り開放後処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理、および、大入賞口開放回数最大値に達した場合に、大当りの種別に応じた大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行なう処理等が含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特別図柄プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特別図柄プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S117の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等というような演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理、および、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御および時短制御のような特別遊技状態を開始するための各種の設定を行なう処理等が含まれている。このような設定が行なわれたときには、特別図柄プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S118の小当り開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、変動表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行なう処理等が含まれている。一例として、変動表示結果が「小当り」となったときには、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突然確変大当り」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「2回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行なわれればよい。このときには、特別図柄プロセスフラグの値が“9”に更新される。
S119の小当り開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間等に基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理等が実行されればよい。
S120の小当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9等というような演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理等が含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特別図柄プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図20は、S101の始動入賞判定処理を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、第1始動口スイッチ22Aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ22Aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ22Aがオン状態であれば、CPU103は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU103は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU103は、図15で説明した第1始動入賞口61および第1始動入賞口62への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口61に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ22Bがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口62に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU103は、図15に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ22Aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ22Bがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図15(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口61または第1始動入賞口62への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口61および第1始動入賞口62への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU103は、乱数回路104やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図15(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。なお、S1216の処理では、大当り判定用乱数(MR1)、大当り種別決定用乱数(MR2)、変動パターン種別決定用乱数(MR3)、および、変動パターン決定用乱数(MR4)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン決定用乱数(MR4)を始動入賞判定処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特図の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(MR3)を生成するための変動パターン決定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU103は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU103は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU103は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行なう(S1221)。
なお、S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU103は、第1始動入賞口61に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用CPU120に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口61への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU103は、第2始動口スイッチ22Bがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ22Bがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ22Bがオン状態であれば、CPU103は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU103は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU103は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU103は、乱数回路104やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図15(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(MR1)、大当り種別決定用乱数(MR2)、変動パターン種別決定用乱数(MR3)、および、変動パターン決定用乱数(MR4)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン決定用乱数(MR4)を始動入賞判定処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第2特図の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(MR3)を生成するための変動パターン決定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU103は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU103は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU103は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行なう(S1232)。
なお、S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU103は、第1始動入賞口62に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用CPU120に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第1始動入賞口62への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図21は、S1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。
入賞時演出処理では、CPU103は、まず、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(MR1)と図5(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口61または第2始動入賞口62に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、予め大当りや小当りとなるか否か、および、大当りの種別、変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用CPU120によって演出図柄の変動表示中に大当りとなることを予告する先読み予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(MR1)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU103は、遊技状態が高確率状態(確変状態。高確率/高ベース状態と高確率/低ベース状態とを含む。)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。高確率フラグがセットされていれば、CPU103は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(MR1)と図5(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。なお、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動開始前に15R確変大当りや、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。
大当り判定用乱数(MR1)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU103は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(MR1)と図5(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S223)。この場合、CPU103は、第1始動入賞口61への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第1始動入賞口62への始動入賞があった場合(S1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(MR1)が小当り判定値とも一致しなければ(S223のN)、CPU103は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S224)。
次いで、CPU103は、現在の遊技状態を判定する処理を行なう(S225)。この実施の形態では、CPU103は、S225において、遊技状態が高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否か(具体的には、高確率フラグおよび高ベースフラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動開始前に15R確変大当りや、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。
そして、CPU103は、S225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(S226)。この実施の形態では、予め閾値判定を行なう閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図13および図14に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
たとえば、CPU103は、遊技状態が高確率/高ベース状態であると判定した場合には閾値219を設定する。この場合、CPU103は、後述するS232において、変動パターン種別決定用乱数の値が閾値219以下であるか否かを判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する(図13参照)。また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「09(H)」を設定すると判定する(図13参照)。
また、たとえば、CPU103は、遊技状態が高確率/低ベース状態であると判定した場合には閾値79を設定する。この場合、CPU103は、後述するS232において、変動パターン種別決定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「0A(H)」を設定すると判定する(図13参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「0B(H)」を設定すると判定する(図13参照)。
また、たとえば、CPU103は、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値79、89、99、169、199、214および229を設定する。この場合、CPU103は、後述するS232において、変動パターン種別決定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(図13参照)。また、閾値89以下である場合(すなわち、80〜89である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(図13参照)。また、閾値99以下である場合(すなわち、90〜99である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(図13参照)。また、閾値169以下である場合(すなわち、100〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(図13参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、170〜199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定する(図13参照)。また、閾値214以下である場合(すなわち、200〜214である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定する(図13参照)。また、閾値229以下である場合(すなわち、215〜229である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「06(H)」を設定すると判定する(図13参照)。また、閾値229以下でない場合(すなわち、230〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「07(H)」を設定すると判定する(図13参照)。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値79以下であるか否かを判定した後に、閾値89以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜79の範囲内となることはなく、80〜89の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99、89および79と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行なう場合も同様である。
なお、S225の遊技状態の判定を行なうことなく、常に通常状態(低確率/低ベース状態)における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「非リーチはずれ」となる変動パターン種別と「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「非リーチはずれ」や「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
大当り判定用乱数(MR1)が小当り判定値と一致した場合には(S223のY)、CPU103は、「小当り」となることを示すEXTデータ「05(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S227)。
次いで、CPU103は、小当り用の閾値を設定する(S228)。なお、この実施の形態では、CPU103は、閾値251を設定するものとし、後述するS232において、変動パターン種別決定用乱数の値が閾値251以下である(1〜251である)と判定して、変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定するものとする(図14参照)。なお、小当りである場合には、閾値判定を行なうことなく、そのままEXTデータ「18(H)」を設定すると判定するようにしてもよい。
S220またはS222で大当り判定用乱数(MR1)が大当り判定値と一致した場合には、CPU103は、S1216,S1227で抽出した大当り種別決定用乱数(MR2)に基づいて大当りの種別を判定する(S229)。この場合、CPU103は、第1始動入賞口61への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第1始動入賞口62への始動入賞があった場合(S1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図5(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU103は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S230)。この場合、「15R確変大当り」となると判定した場合には、CPU103は、「15R確変大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「10R確変大当り」となると判定した場合には、CPU103は、「10R確変大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「2R確変大当り」となると判定した場合には、CPU103は、「2R確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU103は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。
そして、CPU103は、S229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(S231)。
たとえば、CPU103は、「10R確変大当り」または「2R確変大当り」と判定した場合には、閾値74および149を設定する。この場合、CPU103は、後述するS232において、変動パターン種別決定用乱数の値が閾値74以下であるか否かを判定し、閾値74以下である場合(すなわち、1〜74である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(図14参照)。また、閾値149以下である場合(すなわち、75〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(図14参照)。また、閾値149以下でない場合(すなわち、150〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「12(H)」を設定すると判定する(図14参照)。
また、たとえば、CPU103は、「15R確変大当り」と判定した場合には、閾値38および79を設定する。この場合、CPU103は、後述するS232において、変動パターン種別決定用乱数の値が閾値38以下であるか否かを判定し、閾値38以下である場合(すなわち、1〜38である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「13(H)」を設定すると判定する(図14参照)。また、閾値79以下である場合(すなわち、39〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「14(H)」を設定すると判定する(図14参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する(図14参照)。
また、たとえば、CPU103は、「突然確変大当り」と判定した場合には、閾値100を設定する。この場合、CPU103は、後述するS232において、変動パターン種別決定用乱数の値が閾値100以下であるか否かを判定し、閾値100以下である場合(すなわち、1〜100である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「16(H)」を設定すると判定する(図14参照)。また、閾値100以下でない場合(すなわち、101〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「17(H)」を設定すると判定する(図14参照)。
次いで、CPU103は、S226,S228,S231で設定した閾値と、S1216,S1227で抽出した変動パターン種別決定用乱数(MR3)とを用いて、変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(S232)。
なお、S226,S228,S231において、予め定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図6、図7参照)を設定するようにし、S232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別決定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU103は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行なう(S233)。具体的には、CPU103は、S232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図13および図14に示すような「00(H)」〜「0B(H)」、「10(H)」〜「18(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行なう。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別決定用乱数の値の範囲の判定を行なわないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、たとえば、演出制御用CPU120は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことに基づいて、後述する先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S110)を示すフローチャートである。
特別図柄通常処理において、CPU103は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用CPU120に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行ない(S51A)、処理を終了する。
なお、たとえば、CPU103は、S51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
また、S51において、CPU103は、合算保留記憶数の値を確認するのではなく、保留特定領域の1番目の領域にデータが設定されているか否かを確認し、設定されていれば保留記憶があると判定してS52に移行し、設定されていなければ保留記憶がないと判定してS51Aに移行してもよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU103は、保留特定領域(図15(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU103は、特別図柄ポインタ(第1特図について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特図について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口61と第1始動入賞口62とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特図の変動表示または第2特図の変動表示が実行される。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口61と第1始動入賞口62とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特図の変動表示または第2特図の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特図と第2特図とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、たとえば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第1始動入賞口62に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特図の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
また、第2特図の変動表示を優先して実行するように構成する場合、図21に示した入賞時演出処理において、大当り判定用乱数(MR1)の値を、低確率状態における大当り判定値と比較する処理のみを実行するようにし、高確率状態における大当り判定値とは比較しないようにしてもよい(具体的には、S220の処理のみを実行し、S221,S222の処理は行なわないようにしてもよい)。そのように構成すれば、第2特図の変動表示を優先して実行するように構成する場合に、入賞時判定における大当りの判定結果と実際の変動開始時における大当りの決定結果との間にズレが生じることを防止することができる。
次いで、CPU103は、RAM102において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM102の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM102の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU103は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU103は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。なお、CPU103は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM102の所定の領域に保存する。
また、CPU103は、低確率/低ベース状態指定コマンド、高確率/高ベース状態指定コマンド、および、高確率/低ベース状態指定コマンドのような遊技状態指定コマンドのうち、現在の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行なう(S60)。この場合、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているとともに、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされている場合には、高確率/高ベース状態指定コマンドを送信する制御を行なう。また、高確率フラグがセットされており、高ベースフラグがセットされていないときには、高確率/低ベース状態指定コマンドを送信する制御を行なう。また、高確率フラグも高ベースフラグもセットされていないときには、低確率/低ベース状態指定コマンドを送信する制御を行なう。
具体的には、CPU103は、演出制御用CPU120に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S28)において演出制御コマンドを送信する。この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、遊技状態指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドの順に、演出制御コマンドが演出制御用CPU120に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、遊技状態指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に合算保留記憶数減算指定コマンドが送信される。特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用CPU120に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口61を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特図を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第1始動入賞口62を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特図を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S110〜S120の処理を、第1特図を対象とする場合と第2特図を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域からMR1(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU103は、始動入賞判定処理のS1216やS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値や小当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態、高確率/低ベース状態)の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM101における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM101における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU103は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU103は、大当り判定用乱数(MR1)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、高確率フラグがセットされているか否かにより行われる。高確率フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では100回)の変動表示を終了したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(MR1)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、CPU103は、小当り判定テーブル(図5(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU103は、大当り判定用乱数(MR1)の値が図5(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU103は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図5(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図5(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S62)、CPU103は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(S63)、S75に移行する。
なお、MR1の値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(S62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。
S71では、CPU103は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aを選択する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図5(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bを選択する。
次いで、CPU103は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別決定用の乱数(MR2)の値と一致する値に対応した種別(「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。この場合、CPU103は、始動入賞判定処理のS1216やS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別決定用乱数(MR2)を読出し、大当り種別の決定を行なう。また、この場合に、図5(D),(E)に示すように、第1特図の変動表示が実行される場合には、第2特図の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU103は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM102に設けられた大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「10R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「2R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。
次いで、CPU103は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「2R確変大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「10R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R確変大当り」に決定した場合には「9」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、予め特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数に基づいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果に基づいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S111)に対応した値に更新する(S76)。
図23は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S111)を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU103は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図9(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(S92)。そして、S102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図6(D)参照)を選択する(S94)。そして、S102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU103は、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされているか否かを確認する(S95)。なお、高ベースフラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、高ベース状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当り」、「10R確変大当り」、「2R確変大当り」、または、「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では100回)の変動表示を終了したときにリセットされる。
高ベースフラグがセットされていなければ(S95のN)、CPU103は、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(S96)。高確率フラグもセットされていなければ(S96のN)、すなわち、遊技状態が通常状態であれば、CPU103は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(S97)。合算保留記憶数が3未満であれば(S97のN)、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図7(A)参照)を選択する(S98)。そして、S102に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(S97のY)には、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図7(B)参照)を選択する(S99)。そして、S102に移行する。
高確率フラグがセットされている場合(S96のY)には、すなわち、遊技状態が高確率//低ベース状態であれば、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135D(図7(D)参照)を選択する(S100)。そして、S102に移行する。
高ベースフラグがセットされている場合(S95のY)には、すなわち、遊技状態が高確率/高ベース状態であれば(この実施の形態では、低確率/高ベース状態に制御されることはないので、高ベースフラグがセットされていれば高確率/高ベース状態である)、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図7(C)参照)を選択する(S101)。そして、S102に移行する。
この実施の形態では、S95〜S101の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、図7(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が高確率/高ベース状態である場合には、図7(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、S105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図9参照)。したがって、この実施の形態では、遊技状態が高確率/高ベース状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、高確率/高ベース状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図7(C)参照)と、保留記憶数に基づく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図7(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が高ベース状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(たとえば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行なわないようにしてもよい。この場合、たとえば、CPU103は、S95でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図7(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からMR3(変動パターン種別決定用乱数)を読出し、S92、S94、S98、S99、S100またはS101の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。
次いで、CPU103は、S102の変動パターン種別の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図8参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図9参照)のうちのいずれかを選択する(S103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からMR4(変動パターン決定用乱数)を読出し、S103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S105)。なお、始動入賞のタイミングでMR4(変動パターン決定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU103は、変動パターン決定用乱数(MR4)を生成するための変動パターン決定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用CPU120に送信する制御を行なう(S106)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行なう。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行なう。また、CPU103は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用CPU120に送信する制御を行なう(S107)。
次に、CPU103は、RAM102に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理(S112)に対応した値に更新する(S109)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果に基づいて、S95〜S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、予め非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図7に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図7に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果に基づいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるにしたがってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU103は、たとえば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かを予め判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行なうことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して先読み予告演出を行なうように構成することが好ましい。
図24は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S117)を示すフローチャートである。
図24に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(S321)。一例として、図19に示すS116の大当り開放後処理では、特別図柄プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、S321の処理では、たとえば遊技制御プロセスタイマ値を1減算すること等により更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(たとえば「0」等)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。S321で大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(S321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、S321で大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(S321;Yes)、前述した大当り種別バッファに設定された値を読出して(S322)、大当り種別を特定する。そして、CPU103は、確変フラグをオン状態にセットする。次に、S322で読出された大当り種別が「突然確変大当り」であるか否かを判定する(S323)。そして、大当り種別が「突然確変大当り」ではないと判定された場合には(S323;No)、時短フラグをセットし(S324)、S325に進む。これは、大当り種別が「突然確変大当り」以外の大当りのときは、大当り遊技状態の終了後に高確率/高ベース状態に制御するためである。一方、大当り種別が「突然確変大当り」であると判定された場合には(S323;Yes)、時短フラグをセットせずにS325に進む。これにより、「突然確変大当り」のときには、大当り遊技状態の終了後に高確率/低ベース状態に制御される。また、小当りとなるときには、確変フラグおよび時短フラグが小当り終了処理(S120)において変更されず、小当り遊技状態前の遊技状態が維持される。
S325では、特別遊技状態としての確変状態中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(たとえば「100」等)を、特別遊技カウンタに設定する(S325)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S110)に対応した値に更新し(S326)、大当り終了処理を終了する。
特別遊技カウンタは、確変状態中に特図ゲームとしての変動表示が実行されるごとに、たとえば、特別図柄停止処理(S113)において「1」ずつカウントダウンされる。特別図柄停止処理(S113)においては、表示結果が「はずれ」となるときに特別遊技カウンタの値が「0」になれば、確変フラグをリセット状態にするとともに、時短フラグがセットされているときには時短フラグをリセット状態にする。これにより、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りのそれぞれでは、大当り遊技状態の終了後において、はずれとなる特図ゲーム(変動表示)が100回実行されたことを条件として、確変状態および時短状態となる特別遊技状態が終了させられ、突然確変大当りでは、大当り大当り遊技状態の終了後において、はずれとなる特図ゲーム(変動表示)が100回実行されたことを条件として、確変状態となるが時短状態とならない特別遊技状態が終了させられる。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。図25は、演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図22のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図22に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(S801)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行なう。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行なう(S802)。タイマ割込みフラグは、たとえばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(たとえば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(S802;No)、S802の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、たとえば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、たとえば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取込む。このとき取込まれた演出制御コマンドは、たとえば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
S802でタイマ割込みフラグがオンである場合には(S802;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(S803)、コマンド解析処理を実行する(S804)。S804で実行されるコマンド解析処理では、たとえば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読出した後に、その読出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行なわれる。
S804でコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(S805)。S805の演出制御プロセス処理では、たとえば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDというような装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作というような、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行なわれる。
S805の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(S806)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。演出制御用CPU120では、演出用乱数として、飾り図柄の表示結果を決定するために用いるSR1−1,SR1−2,SR1−3(左,中,右の各飾り図柄に対応して設けられている)が用いられる。さらに、演出制御用CPU120では、演出用乱数として、先読み予告としての保留記憶予告決定用の乱数SR2等の各種の演出用乱数が用いられる。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用CPU120では、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、画像表示装置5、遊技効果ランプ9等の各種ランプ、および、スピーカ8L,8R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、飾り図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、飾り図柄の変動表示を停止させる。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、飾り図柄の停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか大当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行ない、前述したような飾り図柄の表示結果決定用の演出用乱数(SR1−1,SR1−2,SR1−3)を用いて決定される。
たとえば、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りのような大当りとなるときには、大当り種別に対応して予め定められた大当り表示結果(ゾロ目の表示結果)が決定される。また、突然確変大当りまたた小当りとなるときには、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなるチャンス目が表示結果として決定される。また、はずれとなるときには、ぞろ目とならない左,中,右の飾り図柄の組合せをはずれ表示結果としてランダムに決定する。ただし、はずれとなるときにおいて、変動パターンコマンドがリーチとなることを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成することが可動なはずれ表示結果を決定し、変動パターンコマンドがリーチとならない(通常変動となる)ことを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成しないようなはずれ表示結果を決定する。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、各ノーマルリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。
図26は、コマンド解析処理として、図25のS804で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図26に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認すること等により、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(S501)。このとき、受信コマンドがなければ(S501;No)、コマンド解析処理を終了する。
S501で受信コマンドがある場合には(S501;Yes)、たとえば受信コマンドのMODEデータを確認すること等により、以下のように、その受信コマンドがどのようなコマンドであるかを判定する。たとえば、その受信コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであるか否かを判定する(S502)。S501で受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(S502;No)、その受信コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(S503)。S503で受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(S503;No)、受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S504)。S504で受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(S504;No)、受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S505)。S505で受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(S505;No)、受信コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであるか否かを判定する(S506)。S506で受信コマンドが合算保留記憶数指定コマンドでない場合には、その他の受信コマンドに応じた設定を行ない(S508)、S501の処理に戻る。
S502〜S506のそれぞれで、該当するコマンドであると判定されたときには、次のように、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納し(S507)、S501の処理に戻る。
S502で受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば受信した図柄指定コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空いている最初の格納領域における図柄指定コマンド用の領域に格納する(S507)。また、S503で受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば、受信した変動カテゴリコマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域における変動カテゴリコマンド用の領域に格納する(S507)。ただし、最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に既に変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド、または、合算保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で変動カテゴリコマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドを取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、受信した変動カテゴリコマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空いている最初の格納領域における変動カテゴリコマンド用の領域に格納する(S507)。そのときには、空いている最初の格納領域における図柄指定コマンド用の領域は、データが格納されていない状態(0000(H))とされる。
また、S504で受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した第1始動入賞指定コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域における始動入賞指定コマンド用の領域に格納する(S507)。ただし、最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に既に始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で第1始動入賞指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを両方とも取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、演出制御用CPU101は、受信した第1始動入賞指定コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空いている最初の格納領域における始動入賞指定コマンド用の領域に格納する(S507)。そのときには、空いている最初の格納領域における図柄指定コマンド用の領域および変動カテゴリコマンド用の領域は、データが格納されていない状態(0000(H))とされる。
S505で受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した第2始動入賞指定コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域における始動入賞指定コマンド用の領域に格納する(S507)。ただし、最新の図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に既に始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で第2始動入賞指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを両方とも取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、受信した第2始動入賞指定コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空いている最初の格納領域における始動入賞指定コマンド用の領域に格納する(S507)。そのときには、空いている最初の格納領域における図柄指定コマンド用の領域および変動カテゴリコマンド用の領域は、データが格納されていない状態(0000(H))とされる。
S506で受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば、受信した合算保留記憶数指定コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび始動入賞指定コマンドが格納されている格納領域における合算保留記憶数指定コマンド用の領域に格納する(S507)。ただし、最新の図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および、始動入賞指定コマンドが格納されている格納領域に既に合算保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で合算保留記憶数指定コマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび始動入賞指定コマンドをすべて取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、受信した合算保留記憶数指定コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空いている最初の格納領域における合算保留記憶数指定コマンド用の領域に格納する(S507)。そのときには、空いている最初の格納領域における図柄指定コマンド用の領域、変動カテゴリコマンド用の領域、および、始動入賞指定コマンド用の領域は、データが格納されていない状態「0000(H)」とされる。
なお、この実施の形態では、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空いている最初の格納領域において、受信したコマンドを各コマンド用の領域に格納していくときにおいて、コマンドを取りこぼしたときには、データが格納されていない状態「0000(H)」となるが、次回の一連のコマンドの受信時には、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空いている最初の格納領域を対象として、受信したコマンドを示すデータが各コマンド用の領域に格納されていくので、前回の一連のコマンド受信時においてコマンドを取りこぼして「0000(H)」となっている領域には、最新の受信コマンドを示すデータは、格納されないように制御される。また、一連のコマンド受信時において取りこぼしたコマンド用の領域には、たとえば、「9999(H)」というようなダミーデータを記憶することにより、既にデータが格納された格納領域においては、データが格納されていない状態「0000(H)」が生じないようにし、コマンドを取りこぼしたことにより「0000(H)」となっている領域が、空いている最初の格納領域と誤認されて当該領域に最新の受信データが誤って記憶されないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。また、これら始動入賞時のコマンドのうち、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを認識可能な情報を指定するコマンドである始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、保留記憶情報ともいう。また、始動入賞時の入賞時演出処理(図21参照)で判定される大当りまたは小当りとなるか否か、大当り種別の判定結果、変動パターン種別の判定結果を示すコマンドである図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを、包括的に表現する場合に、入賞時判定結果指定コマンドともいい、判定結果情報ともいう。
また、始動入賞が発生したときに、乱数値MR1〜MR3等を示す数値データに基づいて、変動表示結果が「大当り」または「小当り」に決定されるか否かの判定結果、大当り種別の判定結果、変動カテゴリの判定結果を指定する演出制御コマンドである図柄指定コマンド、および、変動カテゴリコマンドは、判定結果情報ともいう。
なお、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドのうちいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。各受信コマンドを区別して受信する場合には、取りこぼした受信コマンドの格納領域が空欄となり、1セットとして受信すべき一部の演出制御コマンドのみが過剰に格納されることになる。
図27は、演出制御プロセス処理として、図25のS805で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図27に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、先読み予告演出の有無や演出態様を決定して実行する先読み予告決定処理(S161)、先読み予告制限中に制限を解除するための先読み予告制限解除設定処理(S162)、および、先読み予告の初期化をするための先読み予告初期化処理(S163)を実行する。S161〜S163の具体的な処理内容については、後述する。
演出制御プロセス処理において、先読み予告初期化処理を実行した後には、たとえば演出制御フラグ設定部191等に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
演出プロセスフラグの値が“0”のときには、変動表示開始待ち処理(S170)が実行される。この変動表示開始待ち処理は、主基板11からの変動パターンコマンド等を受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の変動表示を開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。
演出プロセスフラグの値が“1”のときには、変動表示開始設定処理(S171)が実行される。この変動表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の変動表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の変動表示、および、その他の各種演出動作を行なうために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類等に応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理等を含んでいる。
演出プロセスフラグの値が“2”のときには、変動表示中演出処理(S172)が実行される。この変動表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読出し、飾り図柄の変動表示中における各種の演出制御を行なう。このような演出制御を行なった後、たとえば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の変動表示終了を示す終了コードが読出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したこと等に対応して、飾り図柄の変動表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する変動表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して変動表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
演出プロセスフラグの値が“3”のときには、特図当り待ち処理(S173)が実行される。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された、大当り開始指定コマンド、または、小当り/突然確変大当り指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り開始指定コマンドを受信したきには、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。一方、小当り/突然確変大当り指定コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り開始指定コマンドと小当り/突然確変大当り指定コマンドとのいずれも受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「はずれ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
演出プロセスフラグの値が“4”のときには、小当り/突然確変大当り中演出処理(S174)が実行される。この小当り/突然確変大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、たとえば突然確変大当りの大当り遊技状態および小当り遊技状態における共通の演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることというような、突然確変大当りの大当り遊技状態および小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り/突然確変大当り中演出処理では、たとえば主基板11からの小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り/突然確変大当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
演出プロセスフラグの値が“5”のときには、小当り/突然確変大当り終了演出処理(S175)が実行される。この小当り/突然確変大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、たとえば突然確変大当りの大当り遊技状態および小当り遊技状態の終了等に対応した共通の演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、および、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることというような、突然確変大当りの大当り遊技状態および小当り遊技状態の終了時における共通の各種演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
演出プロセスフラグの値が“6”のときには、大当り中演出処理(S176)が実行される。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、たとえば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることというような、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、たとえば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
演出プロセスフラグの値が“7”のときには、エンディング演出処理(S177)が実行される。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、たとえば大当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、および、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることというような、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図28は、画像表示装置5における先読み予告演出の表示例を示す表示画面図である。図28においては、先読み予告演出の表示例を説明するために、(A)に通常表示態様例、(B)に強予告表示態様例、(C)に弱予告表示態様例がそれぞれ示されている。
本実施の形態において、先読み予告演出としては、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留記憶数を特定可能に表示する保留記憶画像50を、通常時における(A)に示す通常表示態様50A(○形状)とは異なる表示態様である(B)の強予告表示態様50B(☆形状)または(C)の弱予告表示態様50C(△形状)のような予告表示態様で表示する(変化させる)保留記憶予告の演出が実行される。このように、保留記憶画像50を予告表示態様とする演出により、予告対象となる保留記憶に基づく変動表示において「大当り」となる可能性を予告する保留記憶予告が行なわれる。
保留記憶予告として、保留記憶画像50が弱予告表示態様50Cで表示されたときには、保留記憶画像50が通常表示態様50Aで表示されているときよりも「大当り」となる可能性が高いことが予告される。また、保留記憶画像50が強予告表示態様50Bで表示されたときには、保留記憶画像50が弱予告表示態様50Cで表示されているときよりも「大当り」となる可能性が高いことが予告される。
なお、先読み予告演出としては、大当りとなる可能性の高さに応じて強予告表示態様50Bと弱予告表示態様50Cとの複数種類の表示態様に分けて表示することなく、1種類の表示態様で表示するようにしてもよい。
図29は、先読み予告演出について、実行の有無、および、実行するときの予告表示態様を決定する判定(以下、先読み予告判定という)をするために用いられるデータテーブルである先読み予告判定テーブルを表形式で示す図である。図29においては、(A)に第1先読み予告判定テーブル、(B)に第2先読み予告判定テーブル、(C)に第3先読み予告判定テーブルが示されている。
新たな保留記憶情報が生じたときに、既に存在している保留記憶情報のうちで入賞時判定処理において、15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、および、突然確変大当り(すべての大当りが対象)のうちのいずれかの大当りとなると判定された大当りの保留記憶情報であって、強予告表示態様50Bまたは弱予告表示態様50Cによる先読み予告が行なわれていないもの(大当り記憶未予告)がないときには、(A)の第1先読み予告判定テーブル(大当り記憶未予告無時判定テーブル)を用いて先読み予告判定が行なわれる。
また、新たな保留記憶情報が生じたときに、既に存在している保留記憶情報のうちで入賞時判定処理において、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当り(実質的に賞球が得られる大当りが対象)のうちのいずれかの大当りとなると判定された保留記憶情報であって、強予告表示態様50Bまたは弱予告表示態様50Cによる先読み予告が行なわれていないもの(大当り記憶未予告)があるときには、(B)の第2先読み予告判定テーブル(15R,10R,2R確変大当り記憶未予告有時判定テーブル)を用いて先読み予告判定が行なわれる。
また、新たな保留記憶情報が生じたときに、既に存在している保留記憶情報のうちで入賞時判定処理において、突然確変大当り(実質的に賞球が得られない大当りが対象)となると判定された保留記憶情報であって、強予告表示態様50Bまたは弱予告表示態様50Cによる先読み予告が行なわれていないもの(大当り記憶未予告)があるときには、(C)の第3先読み予告判定テーブル(突然確変大当り記憶未予告有時判定テーブル)を用いて先読み予告判定が行なわれる。
第1〜第3先読み予告判定テーブルのそれぞれは、先読み予告としての保留記憶予告決定用の乱数SR2(0〜99の100個の値を取り得る)の抽出値と、保留記憶画像50の複数種類の表示態様(強予告表示態様、弱予告表示態様、および、通常表示態様)のそれぞれとの関係が設定されたデータテーブルであり、演出制御基板12のROM121に記憶されている。
図29(A)〜(C)に示される第1〜第3先読み予告判定テーブルのそれぞれにおいては、新たな保留記憶情報、すなわち、今回の予告対象となる保留記憶情報についての大当り・小当りの判定結果(入賞時演出処理での判定結果)別に、強予告表示態様(先読み予告有)、弱予告表示態様(先読み予告有)、および、通常表示態様(先読み予告無)のそれぞれを選択する乱数SR2の値が割振られている。たとえば、本実施の形態では、判定結果が、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りという実質的に賞球が得られる大当りと、実質的に賞球が得られない突然確変大当りと、小当りと、はずれとに分けられ、それぞれについて、表示態様を選択する乱数SR2の値が割振られている。
また、図29(A)〜(C)においては、保留記憶予告決定用の乱数SR2による選択割合を明確化するために、強予告表示態様(先読み予告有)、弱予告表示態様(先読み予告有)、および、通常表示態様(先読み予告無)のそれぞれを選択する乱数SR2が、設定された個数(たとえば、40,30,20・・・)で示されている。たとえば、図29(B)の第2先読み予告判定テーブルでは、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りについては、強予告表示態様を選択する乱数SR2として45個の値が設定され、弱予告表示態様を選択する乱数SR2として35個の値が設定され、通常表示態様を選択する乱数SR2として20個の値が設定されている。
このように判定結果を分けた場合において、遊技者にとっての有利度の大小関係は、賞球が得られるかどうか、および、確変状態となるかどうかに基づけば、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当り>突然確変大当り>小当り>はずれという関係になる。
なお、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りについては、一括して保留記憶予告決定用の乱数SR2の値を設定する例を示したが、これに限らず、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りについては、個別に、保留記憶予告決定用の乱数SR2の値を設定するようにしてもよい。また、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りに、突然確変大当りを含め、一括して保留記憶予告決定用の乱数SR2の値を設定するようにしてもよい。また、小当りは大当りとは異なるので、はずれと小当りとについて、一括して保留記憶予告決定用の乱数SR2の値を設定するようにしてもよい。
図29(A)〜(C)のそれぞれにおいて、15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りについては、突然確変大当り、小当り、および、はずれのときと比べて、先読み予告を実行すると決定される割合が高く、かつ、先読み予告として強予告表示態様を選択する割合が高くなるようにデータが設定されている。
図29(A)〜(C)のそれぞれにおいて、突然確変大当りについては、小当り、および、はずれのときと比べて、先読み予告を実行すると決定される割合が高く、かつ、先読み予告として強予告表示態様を選択する割合が高くなるようにデータが設定されている。
図29(A)〜(C)のそれぞれにおいて、小当りについては、はずれのときと比べて、先読み予告を実行すると決定される割合が高く、かつ、先読み予告として強予告表示態様を選択する割合が高くなるようにデータが設定されている。
このような第1〜第3先読み予告判定テーブルを用いることにより、保留記憶情報について、強予告表示態様、弱予告表示態様、および、通常表示態様のいずれかの表示態様が選択されるので、先読み予告を実行するか否かの判定を行なうことができるとともに、先読み予告を実行するときの予告表示態様を選択決定することができる。
なお、先読み予告判定テーブルとしては、先読み予告を実行するか否かを判定する第1の判定テーブルと、当該第1の判定テーブルにより先読み予告を実行することが決定されたときに先読み予告の予告表示態様を選択決定する第2の判定テーブルとを設けてもよい。
以上のようなデータ設定により、新たな予告対象の保留記憶情報が遊技者にとって有利となる判定結果である程、先読み予告が実行される割合が高くなる。これにより、先読み予告を実行することに基づいて遊技者の興趣を向上させることができる。さらに、新たな予告対象の保留記憶情報が、遊技者にとって有利となる判定結果である程、先読み予告が実行されるときに強予告表示態様での予告が実行される割合が高くなる。これにより、先読み予告を実行することに基づいて、遊技者の興趣をより一層向上させることができる。
また、図29(A)〜(C)の第1〜第3先読み予告判定テーブルを比較すると、先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報がないときには、(A)の第1先読み予告判定テーブルが用いられ、先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報があるときには、第1先読み予告判定テーブルよりも先読み予告が実行される割合が高く設定され、かつ、先読み予告が実行されるときに強予告表示態様での予告が実行される割合が高く設定された(B)の第2先読み予告判定テーブルまたは(C)の第3先読み予告判定テーブルが用いられる。
これにより、先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報があるときには、このような保留記憶情報がないときと比べて、新たな保留記憶情報について先読み予告が実行される割合が高くなるので、新たな保留記憶情報について先読み予告が実行されたときに、先読み予告が行なわれていない保留記憶情報について大当りとなる可能性に関して、遊技者の期待感を高めて遊技者の興味を引付けることができる。さらに、先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報があるときには、このような保留記憶情報がないときと比べて、新たな保留記憶情報について先読み予告が実行されるときに、強予告表示態様での予告が実行される割合が高くなるので、新たな保留記憶情報について先読み予告が実行されるときの予告表示態様により、先読み予告が行なわれていない保留記憶情報について遊技者の期待感をより一層高めて遊技者の興味をより一層引付けることができる。特に、この実施の形態のように高確率状態の期間が変動表示の回数により制限される場合には、大当りをより早期に獲得したいという考えを遊技者が持つので、この実施の形態のような先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報があるか否かで先読み予告が実行される割合が変化する制御が行なわれることに基づいて、遊技者の期待感をさらに高めて遊技者の興味をさらに引付けることができる。
また、先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報があるときに、新たに記憶された大当りとなる保留記憶に対応する保留記憶情報が強または弱の予告表示態様で表示されると、当該予告表示態様で表示されている保留記憶情報に基づく変動表示が実行される前における変動表示において大当りとなることにより、遊技者があまり予期していないタイミングで大当りとなる割合が高くなることがあるので、大当りの発生に関する意外性を生じさせることができる。
また、先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報があるときには、このような保留記憶情報がないときと比べて、新たに記憶された大当りの保留記憶に対応する保留記憶情報が高い割合で予告表示態様により表示されるので、先読み予告が行なわれたときに、大当り表示結果となる可能性に関して、新たに先読み予告が行なわれた時点で存在するすべての保留記憶情報に対して遊技者の期待感を高めることができる。
また、図29(A)〜(C)の第1〜第3先読み予告判定テーブルを比較すると、新たな予告対象の保留記憶情報がはずれとなる場合についても、先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報があるときには、先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報がないときと比べて、先読み予告が実行される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報があるときには、新たな予告対象の保留記憶情報がはずれとなるときであっても先読み予告が行なわれる割合が高くなるので、先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報があるときに、新たな予告対象の保留記憶情報に基づいて先読み予告が実行される頻度が高くなるから、予告表示態様で表示される保留記憶情報が生じたときに、当該保留記憶情報での変動表示が実行されるまでに大当りとなる状況が生じる頻度が高くなる。したがって、先読み予告演出の面白みを向上させて、先読み予告演出が実行されたことに基づく大当りに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
新たな保留記憶情報について前述のような予告表示態様での先読み予告を実行するときには、先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報が存在する可能性が高い状態であることを、画像表示装置5においてメッセージ表示等をすることで報知するようにしてもよい。このようにすれば、保留記憶情報の状況が遊技者にとって解りやすいものになるので、先読み予告による遊技者の期待感をより一層向上させることができる。また、このような報知は、行なわないようにしてもよい。
また、新たな予告対象の保留記憶情報がはずれとなる場合については、先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報があるか否かにかかわらず、先読み予告が実行される割合が変化しないようにデータを設定してもよい。また、新たな予告対象の保留記憶情報がはずれとなる場合については、当該保留記憶情報について、先読み予告演出を実行しないようにしてもよい。
また、図29(A)〜(C)の第1〜第3先読み予告判定テーブルを比較すると、新たな予告対象の保留記憶情報がはずれとなる場合に、予告表示態様のうち弱予告表示態様のみを対象として、先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報があるときには、先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報がないときと比べて、先読み予告が実行される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、強予告表示態様とされる新たな保留記憶情報について、予告表示の信頼性(大当りとなる信頼性)を担保することができる。
なお、新たな予告対象の保留記憶情報がはずれとなる場合には、予告表示態様のうち、強予告表示態様についても、先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報があるときには、先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報がないときと比べて、先読み予告が実行される割合が高くなるようにデータを設定してもよい。これにより、予告表示態様で表示される保留記憶情報が生じたときに、当該保留記憶情報での変動表示が実行されるまでに大当りとなる状況が生じる頻度が高くなり、当該大当りに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
また、保留記憶情報について先読み予告が行なわれているときに、先読み予告が行なわれていないときと比べて、新たな保留記憶情報について先読み予告が実行される割合が高くなるように制御してもよい。そのような制御を行なうときには、たとえば、先読み予告が行なわれている大当りの保留記憶情報があるときに、このような大当りの保留記憶情報がないときと比べて、新たな保留記憶情報について先読み予告が実行される割合が高くなるようにしてもよい。また、たとえば、先読み予告が行なわれている保留記憶情報が大当りの保留記憶情報であるか否かにかかわらず、先読み予告が行なわれているときに、先読み予告が行なわれていないときと比べて、新たな保留記憶情報について先読み予告が実行される割合が高くなるにようにしてもよい。具体的には、前述した図29の先読み予告判定テーブルに代えて、このような先読み予告の割合が設定された先読み予告判定テーブルを設け、当該先読み予告判定テーブルを用いて図30のS709〜S714の処理の代わりに、先読み予告の有無、および、先読み予告の予告表示態様を決定する処理を行なえばよい。このように、保留記憶情報について先読み予告が行なわれているときに、先読み予告が行なわれていないときと比べて、新たな保留記憶情報について先読み予告が実行される割合が高くなるように制御することにより、より多くの保留記憶情報を対象として先読み予告が行なわれるようになり、多くの保留記憶情報を対象として先読み予告が行なわれたときに、どの先読み予告に基づいてどの保留記憶情報が大当りとなるかについて遊技者の期待感をより一層向上させることができる。また、より多くの保留記憶情報を対象として先読み予告が行なわれる状況が生じ得るので、1つの保留記憶情報を対象として1つの先読み予告が実行されている状況で、当該保留記憶情報による変動表示結果が導出されるまで遊技者が遊技を止めることを防ぐことができ、遊技機の稼働率を向上させることができる。
また、はずれとなる保留記憶情報を対象として先読み予告が行なわれているときには、はずれとなる保留記憶情報を対象として先読み予告が行なわれていないときと比べて、新たな保留記憶情報について先読み予告が実行される割合を高くする制御を行なうようにしてもよい。このようにすれば、たとえば、複数個の保留情報を対象として先読み予告が実行される頻度が高くなり、遊技者の期待感をより一層向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100が、たとえば2R確変大当り等の所定の大当りについて、「低確率/低ベース状態」において当該大当りが生じたときに、「高確率/低ベース状態」に移行し、さらに、「高確率/低ベース状態」において当該大当りが生じたときに、「高確率高ベース状態」に移行する制御が行なわれる等、大当りが発生することに基づいて複数段階で遊技者にとって有利な遊技状態に制御するようにしてもよい。このような制御が行なわれる場合には、保留記憶情報において、「低確率/低ベース状態」で当該所定の大当りについての大当り未予告情報があるときの方が、「高確率/低ベース状態」で当該所定の大当りについての大当り未予告情報があるときよりも、新たな保留記憶情報についての方が、先読み予告を実行する割合が高くなるようにデータを設定してもよい。
図30は、図27のS161で実行される先読み予告決定処理の一例を示すフローチャートである。図31は、図30のS706で実行される受信コマンド正常性チェック処理の一例を示すフローチャートである。
先読み予告決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける記憶内容をチェックする(S701)。そして、始動入賞時のコマンドのうちの少なくともいずれかのコマンドが新たな受信コマンドであるか否かを判定する(S702)。S702では、たとえば、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに少なくとも図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1,第2始動入賞指定コマンド、または、合算保留記憶数指定コマンドのうち、いずれかが新たに格納されているか否かを確認することにより受信コマンドの有無を判定できる。いずれのコマンドも新たに受信していなければ(S702;No)、そのまま先読み予告決定処理を終了する。
S702で受信コマンドがあると判定された場合には(S702;Yes)、既に先読み予告演出を実行中であるか否かを判定する(S703)。たとえば、S703の処理では、演出制御フラグ設定部191に設けられた先読み予告実行中フラグがオンであるときに、先読み予告演出を実行中であると判定すればよい。先読み予告実行中フラグは、先読み予告演出が実行されるときにオン状態にセットされる。
この実施の形態では、既に先読み予告演出を実行中であるときには、さらに先読み予告演出を実行するための処理が行なわれないようにして、既に決定した演出態様で先読み予告演出が実行される。一方、変動表示態様が「非リーチ」に決定される旨の入賞時判定結果に基づき先読み予告演出が実行されているときに、変動表示結果が「大当り」に決定される旨の入賞時判定結果やスーパーリーチを伴う変動パターンに決定される旨の入賞時判定結果が得られたときには、実行中の先読み予告演出からスーパーリーチや大当りの予告演出へと切り替えてもよい。なお、既に実行されている先読み予告演出の演出態様にかかわらず、さらに先読み予告演出を実行可能にしてもよい。
S703で先読み予告演出が実行中ではない場合には(S703;No)、先読み予告演出の実行が制限される先読み予告制限中であるか否かを判定する(S704)。S704で先読み予告制限中ではない場合には(S704;No)、現在の遊技状態が時短制御を伴う時短制御中(高ベース状態)であるか否かを判定する(S705)。
S705で時短制御中ではない場合には(S705;No)、始動入賞の発生に基づく受信コマンドの順序と内容をチェックする受信コマンド正常性チェック処理を実行して(S706)、正常に受信できたか否かを判定する(S707)。
具体的に、S707の受信コマンド正常性チェック処理では、図31に示すように、演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている最新の始動入賞時のコマンドの内容を確認し、始動入賞時のコマンドを順番通りにすべて受信したか否かを確認する(S7071)。
具体的に、この実施の形態では、始動入賞時のコマンドとして、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドを1タイマ割込内に一括して受信する筈であるので、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、MODEデータがそれぞれ「C4(H)」、「C6(H)」、「C0(H)」(または「C1(H)」)、および「C2(H)」であるコマンドが格納されている筈である(図11参照)。したがって、演出制御用CPU120は、これらのうちいずれかのMODEデータが格納されていなければ、ノイズやMODEデータのデータ化け等の原因によりコマンドの取りこぼしが発生し、コマンドを正しく受信できなかったと判断できる。
また、この実施の形態では、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの順番に受信する筈であるので、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、MODEデータが「C4(H)」、「C6(H)」、「C0(H)」(または「C1(H)」)、および「C2(H)」の順番に格納されている筈である。したがって、演出制御用CPU120は、これらのMODEデータがすべて格納されていても、順番が異なっていれば(たとえば、「C4(H)」よりも前に「C6(H)」が格納されていれば)、ノイズやMODEデータのデータ化け等の原因によりコマンドを正しく受信できなかったと判断できる。
S7071で受信した始動入賞時のコマンドが順番通りでなかった場合、または、一部が欠落していると判断した場合には、演出制御用CPU120は、受信コマンドが正常ではない(非正常)であると判定し(S7075)、処理を終了する。一方、S7071で始動入賞時のコマンドを順番通りにすべて受信したと判断した場合には、演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている最新の図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しているか否かを確認する(S7072)。具体的には、図柄指定コマンドとしてはずれを指定する図柄1指定コマンド(C400(H))が格納されている場合には、変動カテゴリコマンドとしてはずれに対応した変動カテゴリ1コマンド〜変動カテゴリ12コマンドのいずれかが格納されている筈である(図12および図13参照)。それにもかかわらず、大当り、突然確変大当り、小当りに対応した変動カテゴリ21コマンド〜変動カテゴリ29コマンド(図14参照)が格納されていた場合には、演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合しておらず矛盾があると判断できる。
S7072で図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合していないと判断した場合には、演出制御用CPU120は、受信コマンドが正常ではない(非正常)であると判定し(S7075)、処理を終了する。一方、S7072で図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合していると判断した場合には、演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている最新の始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとの内容が整合しているか否かを確認する(S7073)。具体的には、第1始動入賞口61への始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞口62への始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドが格納されているにもかかわらず、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている合算保留記憶数指定コマンドのEXTデータで示される合算保留記憶数が0であった場合には、演出制御用CPU120は、始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとの内容が整合しておらず矛盾があると判断できる。
S7073で始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとの内容が整合していないと判断した場合には、演出制御用CPU120は、受信コマンドが正常ではない(非正常)であると判定し(S7075)、処理を終了する。一方、S7073で図柄指定コマンドと変動カテゴリコマンドとの内容が整合していると判断した場合には、演出制御用CPU120は、受信コマンドが正常であると判定し(S7074)、処理を終了する。
なお、この実施の形態では、S7071〜S7073の判定処理のうちのいずれか1つでもNと判定した場合に、S7075に移行して受信コマンドが正常ではない(非正常)と判定する(S7075)例を示しているが、このような例に限られない。たとえば、S7071〜S7073の判定処理のうちいずれか2つでNと判定されたことを条件に、S7075に移行して受信コマンドが正常ではない(非正常)と判定する先読み予告演出設定制限期間に移行するようにしてもよく、S7071〜S7073のすべての判定処理においてNと判定されたことを条件に、S7075に移行して受信コマンドが正常ではない(非正常)と判定するようにしてもよい。
また、プログラム上必ずしもS7071〜S7073の3つの判定処理をすべて設けるように構成する必要はなく、S7071〜S7073のうちのいずれか1つの判定処理のみを設けるようにプログラムを構成してもよいし、S7071〜S7073のうちのいずれか2つの判定処理のみを設けるようにプログラムを構成してもよい。
なお、S7071〜S7073の判定処理のうちいずれか1つでも否定された場合に異常が発生したと判定するものに限定されず、たとえば、S7071〜S7073の判定処理のうちいずれか2つが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。あるいは、S7071〜S7073の判定処理のすべてが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。
S707で正常に受信できたと判定された場合には(S707;Yes)、S708〜S714により、図29に示す第1〜第3先読み予告判定テーブルのいずれかを選択して、先読み予告演出を実行するか否かと、先読み予告演出の有無と実行する場合における先読み予告演出の演出態様に対応した先読み予告パターンとを決定する。
S708では、現時点で記憶されているすべての保留記憶情報について、当りはずれと先読み予告の有無とをチェックする(S708)。S708において、各保留記憶情報の当りはずれは、図17(B)の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの図柄指定のデータを確認することによりチェックされる。また、S708において、各保留記憶情報の先読み予告の有無は、図17(B)の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの先読み予告情報を確認することによりチェックされる。
S708でのチェックの結果、15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、および、突然確変大当りのうちいずれかの大当りとなる保留記憶情報であって、保留記憶画像50を強予告表示態様または弱予告表示態様にすることによる先読み予告が行なわれていない情報、すなわち、大当り未予告情報があるか否かを判定する(S709)。
S709で大当り未予告情報がないと判定されたときは、図29(A)の第1先読み予告判定テーブルを選択し(S710)、S714に進む。一方、S709で大当り未予告情報があると判定されたときは、当該大当り未予告情報が15R確変大当り、10R確変大当り、および、2R確変大当りのうちいずれかの大当りに該当するか否かを判定する(S711)。
S711でいずれかの大当りに該当すると判定されたときは、図29(B)の第2先読み予告判定テーブルを選択し(S712)、S714に進む。一方、S711でいずれかの大当りに該当しないと判定されたときは、消去法的に大当り未予告情報は突然確変大当りに該当するものであり、このときには、図29(C)の第3先読み予告判定テーブルを選択し(S713)、S714に進む。
S714では、保留記憶予告決定用の乱数SR2を抽出し、S710,S712,S713のいずれかで選択された先読み予告判定テーブルを用いて、乱数SR2の抽出値と、予告対象となる保留記憶情報の判定結果(15R確変大当り、10R確変大当り、2R確変大当り、突然確変大当り、小当り、または、はずれ)とに基づいて、先読み予告の実行の有無と、先読み予告を実行する場合は予告表示態様(強予告表示態様、弱予告表示態様)とを決定する(S714)。
このような先読み予告判定テーブルの選択により、図29を用いて説明したように、先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報があるときには、このような保留記憶情報がないときと比べて、新たな保留記憶情報について先読み予告が実行される割合が高くなる。また、先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報があるときには、このような保留記憶情報がないときと比べて、新たに記憶された特定表示結果となる保留記憶に対応する保留記憶情報が高い割合で特別表示態様で表示されるので、大当りとなる可能性に関して、すべての保留記憶情報に対して遊技者の期待感を高めることができる。
そして、S714での決定結果に基づいて、先読み予告を実行する決定がされた否かを判定する(S715)。先読み予告を実行する決定がされたと判定されたときは、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの先読み予告情報において、最新の保留記憶情報に対応して先読み予告情報を格納する(S716)。具体的には、最新の保留記憶情報に対応しているバッファ番号の先読み予告情報のデータを(「1」)にセットする。また、S716では、先読み予告実行中フラグをオン状態にセットするというような、先読み予告演出が実行中であることに対応した設定を行なう。
なお、先読み予告情報としては、予告表示態様(強予告表示態様、弱予告表示態様)を特定可能なデータを記憶し、当該データにより特定される予告表示態様に基づいて、新たな保留記憶に対応して実行する保留記憶表示について、先読み予告を実行するか否かを決定する割合と、先読み予告を実行するときの予告表示態様の選択割合との一方または両方を異ならせるようにしてもよい。
そして、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている最新の始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S717)。
S717で第1始動口入賞指定コマンドであるときには(S717;Yes)、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて、S714で決定された予告表示態様(強予告表示態様または弱予告表示態様)の形状であり、かつ、第1保留記憶情報であることを特定する色(青色)の保留記憶画像50(第1予告表示画像)を、合算保留記憶表示として1つ追加更新する表示を行ない(S718)、先読み予告決定処理を終了する。
一方、S717で第2始動口入賞指定コマンドであるときには(S717;No)、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて、S714で決定された予告表示態様(強予告表示態様または弱予告表示態様)の形状であり、かつ、第2保留記憶情報であることを特定する色(赤色)の保留記憶画像50(第2予告表示画像)を、合算保留記憶表示として1つ追加更新する表示を行ない(S719)、先読み予告決定処理を終了する。
なお、この実施の形態では、第1保留記憶情報と第2保留記憶情報とについて、表示色を異ならせることで区別可能に表示する例を示した。しかし、これに限らず、第1保留記憶情報と第2保留記憶情報とは、同じ表示色および同じ形状で表示することで区別不可能に表示するようにしてもよい。
S717〜S719の処理が実行されることにより、先読み予告演出として保留表示予告が実行される場合には、始動入賞が発生して始動入賞時のコマンドを受信したタイミングで直ちに先読み予告の演出を実行させることができる。
なお、遊技状態が大当り遊技状態や小当り遊技状態であるときには、先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。大当り遊技状態であるか否かは、たとえば演出プロセスフラグの値が「6」または「7」のいずれかであるか否かに対応して、判定することができる。また、小当り遊技状態であるか否かは、たとえば演出プロセスフラグの値が「4」または「5」のいずれかであるか否かに対応して、判定することができる。
一方、遊技状態が大当り遊技状態や小当り遊技状態であるときでも、先読み予告演出を実行可能にしてもよい。たとえば始動入賞の発生に基づいて始動入賞時のコマンドを受信した後、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数が所定回数(たとえば「10」)となったときに、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを読出して先読み予告演出を実行するか否かを決定し、そのラウンドを実行中に先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
また、前述のS703で先読み予告演出が実行中であると判定されたとき(S703;Yes)、S704で先読み予告制限中であると判定されたとき(S704;Yes)、S705で時短制御中であると判定されたとき(S705;Yes)、または、S715で「先読み予告実行なし」と判定されたときには(S715;No)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている最新の始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S720)。
S720で第1始動口入賞指定コマンドであるときには(S720;Yes)、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて、通常表示態様であり、かつ、第1保留記憶であることを特定する色(青色)の保留記憶画像50(第1通常表示画像)を、合算保留記憶表示として1つ追加更新する表示を行ない(S721)、先読み予告決定処理を終了する。
一方、S720で第2始動口入賞指定コマンドであるときには(S720;No)、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて、通常表示態様であり、かつ、第2保留記憶であることを特定する色(赤色)の保留記憶画像50(第2通常表示画像)を、合算保留記憶表示として1つ追加更新する表示を行ない(S722)、先読み予告決定処理を終了する。
また、S707で始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判定されたときには(S707;No)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける最新のコマンドに対応して、未判定情報をセットする(S723)。具体的には、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける最新のコマンドに対応するバッファ番号の未判定情報を「1」(またはオン状態)にセットする。
S723の処理を実行した後には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示として、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて、非正常表示態様であることを特定する色(黄色)の保留記憶画像50(非正常表示画像)を、合算保留記憶表示として1つ追加更新する表示を行なう(S724)。そして、演出制御フラグ設定部191等に設けられた先読み予告制限フラグをオン状態にセットするというような、先読み予告制限中の設定を行なってから(S725)、先読み予告決定処理を終了する。
このような先読み予告決定処理では、S707で始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判定したときに、S708〜S719の処理を実行しないことで、該当する保留記憶情報について、先読み予告演出を実行しないように制限される。これにより、始動入賞時のコマンドを正常に受信することができなかったときには、先読み予告演出の実行を制限することができる。そして、信憑性の低い情報に基づいて先読み予告演出が実行されることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。また、第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドのような保留記憶の増加を示すコマンドと、図柄指定コマンド、および、変動カテゴリコマンドのような判定結果を示す情報とが正常に受信できなかったときに、保留記憶情報が予告表示態様で表示されることが制限されるので、不安定な通信状態で受信された情報に基づく予告演出が実行されてしまうのを防ぐことができる。
なお、S707で始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判定したときに先読み予告演出の実行を制限する制御例としては、コマンドを正常に受信できなかった保留記憶情報のみを対象として、先読み予告演出の実行を制限する例をした。しかし、これに限らず、S707で始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判定したときに先読み予告演出を制限する制御例としては、コマンドを正常に受信できなかった保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるまでの期間中において、コマンドを正常に受信できなかった保留記憶情報に加えて、その後に生じた保留記憶情報についての先読み予告演出の実行を制限するようにしてもよい。
また、S707で始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判定したときに先読み予告演出の実行を制限する制御例として、先読み予告演出を全く実行させないのではなく、たとえば、強予告表示態様での先読み予告の実行を禁止する等、複数の予告態様のうちの一部の予告態様を対象として、先読み予告の実行を制限するようにしてもよい。
また、S707で始動入賞時のコマンドを正常に受信できなかったと判定したときに先読み予告演出の実行を制限する制御例として、先読み予告演出を全く実行させないのではなく、たとえば、図柄指定コマンドが正常に受信できなかったときに強予告表示態様での先読み予告の実行を禁止する等、正常に受信できなかったコマンドが関与する先読み予告演出(たとえば、本実施の形態では図柄指定コマンド等が予告表示態様での表示態様の種類を決定する割合に関与する)の実行を制限するようにしてもよい。
また、受信した始動入賞時のコマンドにおいて、始動口入賞指定コマンドのみが欠落している場合にも、先読み予告演出を実行しないように制限されてもよい。すなわち、始動口入賞指定コマンドのような第1保留記憶数と第2保留記憶数のいずれが増加したかを認識可能に指定するコマンドを取りこぼしたときに、先読み予告演出の実行を制限できればよい。これにより、信憑性の低い情報に基づいて先読み予告演出が実行されることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
また、始動口入賞指定コマンドのような、第1保留記憶数と第2保留記憶数のいずれが増加したかを認識可能に指定するコマンドを取りこぼしたときには、その保留記憶に対応する変動表示の実行が終了するまで、先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、先読み予告演出と変動表示結果との整合が取れなくなることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
たとえば図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドのような、始動入賞の発生時における判定結果を認識可能に指定するコマンドの一部または全部を取りこぼしたときには、その保留記憶に対応する変動表示の実行が終了するまで、先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、先読み予告演出と変動表示結果との整合が取れなくなることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
また、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドのような判定結果を認識可能に指定するコマンドの一部を取りこぼした場合に、その他の判定結果情報によって判定結果を認識可能な場合であっても、その判定結果に基づく先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、信憑性の低い情報に基づいて先読み予告演出が実行されることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
また、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドのような判定結果を認識可能に指定する複数のコマンドから認識可能な判定結果が整合しない場合には、いずれかのコマンドから認識可能な判定結果に基づく先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、信憑性の低い情報に基づいて先読み予告演出が実行されることを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
また、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、時短制御に伴う高開放制御が行なわれる高ベース状態であるときには、第1始動入賞口61を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づく先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。高開放制御が行なわれているときには、第2始動入賞口62に遊技球を通過(進入)させて優先的に実行される第2特図を用いた特図ゲームを実行し続けることが可能になる。そのため、大当り遊技状態の終了前から第1特図を用いた特図ゲームの保留データに基づいて先読み予告演出の実行を開始して、大当り遊技状態の終了後にも継続して先読み予告演出を実行すると、変動表示結果が「大当り」となる保留データ等を保持した状態で多数回の変動表示を継続して実行することができ、第2特図を用いた特図ゲームを実行することで変動表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態へと繰り返し制御されることになってパチンコ遊技機1の射幸性が著しく高められるおそれがある。さらに、遊技者が第1特図を用いた特図ゲームで変動表示結果が「大当り」となることを認識しながら、第2始動入賞口62に遊技球を繰り返し通過(進入)させて第2特図を用いた特図ゲームを繰り返し実行するか、第2始動入賞口62に遊技球を通過(進入)させずに第1特図を用いた特図ゲームを実行するかにより、変動表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態へと制御されるタイミングを、遊技者の技量によって大きく変化させられるおそれがある。そこで、高ベース状態であるときには第1始動入賞の発生に基づく先読み予告演出の実行を制限することにより、第1特図を用いた特図ゲームに対応して変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者が認識できないようにして、健全な遊技性を確保することができる。
これに加えて、たとえば高ベース状態であるときに始動口入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドというような保留記憶情報を特定するコマンドの一部または全部を取りこぼした場合には、たとえ図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドというような判定結果情報を特定するコマンドを正常に受信したとしても、先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。これにより、第1特図を用いた特図ゲームに対応して変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者が認識できてしまうことを防止して、健全な遊技性を確保することができる。
一方、たとえば始動口入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドというような保留記憶情報を特定するコマンドの一部を取りこぼした場合に、先読み予告演出の少なくとも一部(たとえば、信頼度の最も低い先読み予告演出等)を実行することは許可してもよい。これにより、正常に受信できたコマンドを可能な限り利用して先読み予告演出を実行することができ、先読み予告演出の実行頻度が過度に低下してしまうことを防止できる。
また、たとえば図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドというような判定結果情報を特定するコマンドの一部を取りこぼした場合に、先読み予告演出の少なくとも一部(たとえば、信頼度の最も低い先読み予告演出等)を実行することは許可してもよい。これにより、正常に受信できたコマンドを可能な限り利用して先読み予告演出を実行することができ、先読み予告演出の実行頻度が過度に低下してしまうことを防止できる。
また、図柄指定コマンド表面側変動カテゴリコマンドというような判定結果情報を特定する複数のコマンドから認識可能な判定結果が整合しない場合に、先読み予告演出の少なくとも一部(たとえば、信頼度の最も低い先読み予告演出等)を実行することは許可してもよい。これにより、正常に受信できたコマンドを可能な限り利用して先読み予告演出を実行することができ、先読み予告演出の実行頻度が過度に低下してしまうことを防止できる。
また、先読み予告として、保留表示予告に加えて、連続予告を実行するときには、先読み予告とは独立的に、連続予告を実行するか否かの判定を行なって連続予告を実行する処理を実行すればよい。
次に、先読み予告制限解除設定処理(S162)の内容を説明する。先読み予告決定処理(S161)を実行した後に実行される先読み予告制限解除設定処理では、先読み予告演出を実行しないように制限される先読み予告制限中であるときに、所定条件の成立に基づき制限を解除するための処理、および、実行中の先読み予告演出が終了したことに応じて、新たな先読み予告演出を実行可能とするための処理が実行される。たとえば、先読み予告制限解除設定処理においては、先読み予告制限フラグがオン状態である場合に、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいてバッファ番号が「1」〜「8」のそれぞれに対応して有効に格納された始動入賞時のコマンドについて、すべての順序と内容が正しくなるように受信できたことを条件に、たとえば先読み予告制限フラグをクリアする等して、先読み予告演出が実行されないようにした制限を解除する。
次に、先読み予告初期化処理(S163)の内容を説明する。図32は、先読み予告初期化処理(S163)の一例を示すフローチャートである。
先読み予告初期化処理においては、先読み予告実行中フラグがオンであるか否かを確認することにより、先読み予告が実行中であるか否かを判定する(S1640)。先読み予告が実行中でないときには、先読み予告初期化処理を終了する。一方、先読み予告が実行中であるときには、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始時であるか否かが判定される(S1641)。S1641では、たとえば、大当り開始指定コマンド、または、小当り/突然確変大当り指定コマンドが受信されたときに、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始時であると判断する。なお、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始時であるか否かは、大当り中演出処理(S176)の開始時と、小当り/突然確変大当り中演出処理(S174)の開始時とのそれぞれにおいて、所定のフラグをセットするようにし、当該所定のフラグがセットされているときに、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始時であると判断するようにしてもよい。
S1641で大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始時ではないと判定されたときには、先読み予告初期化処理を終了する。一方、S1641で大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始時であると判定されたときには、予告表示態様としている保留記憶画像50を通常表示態様とするとともに、先読み予告実行中フラグをオフ状態にリセットすることにより、先読み予告の制御状態を初期化し(S1642)、先読み予告初期化処理を終了する。
このように、大当り遊技状態に制御されたときに、予告表示態様としている保留記憶画像50が通常表示態様とされるとともに、先読み予告実行中フラグがオフ状態にリセットされることにより、先読み予告の制御状態が初期化されるので、遊技者に対して長期間期待感を持たせないようにすることで、遊技者の射幸心を煽りすぎないようにすることができる。
なお、先読み予告決定処理においては、新たな保留記憶情報が生じたときに、S708,S709により、現時点で記憶されているすべての保留記憶情報を対象として、大当り未予告情報があるか否かを判定し、大当り未予告情報があるときに、先読み予告を実行する割合を高くする制御が行なわれる例を示した。しかし、これに限らず、新たな保留記憶情報が生じたときに、S708,S709により、1つ前の保留記憶情報を対象として、大当り未予告情報があるか否かを判定し、大当り未予告情報があるときに、先読み予告を実行する割合を高くする制御が行なわれるようにしてもよい。このようにすれば、予告表示態様で表示されている保留記憶情報の直前の保留記憶情報について、大当りとなる可能性に関して遊技者の期待感を高めることができる。
また、先読み予告決定処理においては、新たな保留記憶情報が生じたときに、たとえば2つ前までの保留記憶情報を対象としてする等、現時点で記憶されているすべての保留記憶情報のうちの予め定められた複数の保留記憶情報を対象として、大当り未予告情報があるか否かを判定し、大当り未予告情報があるときに、先読み予告を実行する割合を高くする制御が行なわれるようにしてもよい。このような制御をする場合には、予告表示態様で表示される保留記憶情報が複数生じたときに、それら複数の保留記憶情報の直前に生じた保留記憶情報について、大当りとなる可能性に関して遊技者の期待感を高めることができる。
また、先読み予告決定処理においては、現時点で記憶されているすべての保留記憶情報のうちの予め定められた複数の保留記憶情報を対象として、大当り未予告情報があるか否かを判定するときには、大当り未予告情報と判定された保留記憶情報に近いタイミングの保留記憶情報である程、先読み予告を実行する割合を高くする制御が行なわれるようにしてもよい。
また、前述した実施の形態では、現在の遊技状態が時短制御を伴う時短制御中(高ベース状態)である場合には(S705;Yes)、先読み予告演出の有無と実行する場合における先読み予告演出の演出態様に対応した先読み予告パターンとを決定するためのS710の処理をスキップし、先読み予告演出を実行しないようになっていた。これに限定されず、高ベース状態においても先読み予告演出が実行されることがあるようにしてもよい。
また、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される制御例では、高ベース状態において第1始動入賞の発生に基づく先読み予告演出した場合、変動表示結果が「大当り」となる保留データ等を保持した状態で多数回の変動表示を継続して実行することができてしまう可能性があるので、高ベース状態であるときには、第2始動入賞口62を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の発生に基づく先読み予告演出のみを実行し、第1始動入賞口61を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動入賞の発生に基づく先読み予告演出を実行しないように制限してもよい。
この前述した実施の形態の先読み予告演出における特別態様において、複数段階に表示態様が変化する先読み予告パターンがあってもよい。たとえば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留記憶表示が2番目以降であるときには、第1態様(たとえば銀色表示)として、保留記憶表示が1番目になったときに、第1態様となった場合よりも大当り信頼度が高い第3態様(たとえば星形表示)とする先読み予告パターンがあってもよい。このような先読み予告パターンを設けることで、遊技者の期待感を段階的に煽る先読み予告演出が実行できるようになる。
また、保留記憶情報としての合算保留記憶情報指定コマンドを正常に受信することができなかったときに先読み予告演出の実行を制限することに代えて、あるいはこれとともに、始動入賞の発生に基づいて抽出された大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データを用いて変動表示結果が「大当り」に決定されると判定されたときには、その判定の対象となった変動表示における表示結果に基づき制御された大当り遊技状態が終了するまでの期間内に発生した始動入賞に基づく先読み予告演出の実行を制限してもよい。これにより、始動入賞が発生したときの遊技状態に応じて変動表示結果や変動カテゴリを判定した結果に基づいて先読み予告演出が実行される場合に、その演出内容の整合性を保ちつつ、遊技興趣を向上させることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図29(A)〜(C)の第1〜第3先読み予告判定テーブル、および、図30のS708〜S714に示すように、先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報があるときには、このような保留記憶情報がないときと比べて、新たな保留記憶情報について先読み予告が実行される割合が高くなるので、新たな保留記憶情報について先読み予告が実行されたときに、先読み予告が行なわれていない保留記憶情報について大当りとなる可能性に関して、遊技者の期待感を高めて遊技者の興味を引付けることができる。
(2) 図30のS707,S723〜S725に示すように、第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドのような保留記憶の増加を示すコマンドと、図柄指定コマンド、および、変動カテゴリコマンドのような判定結果を示す情報とが正常に受信できなかったときに、保留記憶情報が予告表示態様で表示されることが制限されるので、不安定な通信状態で受信された情報に基づく予告演出が実行されてしまうのを防ぐことができる。
(3) 図29(A)〜(C)に示すように、先読み予告が行なわれていない大当りの保留記憶情報があるときには、このような保留記憶情報がないときと比べて、新たに記憶された特定表示結果となる保留記憶に対応する保留記憶情報が高い割合で予告表示態様で表示されるので、大当り結果となる可能性に関して、すべての保留記憶情報に対して遊技者の期待感を高めることができる。
(4) 図27のS163、図32のS1640〜S1642に示すように、大当り遊技状態に制御されたときに、予告表示態様としている保留記憶画像50が通常表示態様とされるとともに、先読み予告実行中フラグがオフ状態にリセットされることにより、先読み予告の制御状態が初期化されるので、遊技者に対して長期間期待感を持たせないようにすることで、遊技者の射幸心を煽りすぎないようにすることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、第1始動入賞口61を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口62を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口61と第2始動入賞口62のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。
(2) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板12、音声制御基板13およびランプ制御基板14が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、画像表示装置5を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ8L,8R等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(3) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用CPU120に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ100が他の基板(たとえば、図3に示す音声制御基板13およびランプ制御基板14、または、音声制御基板13に搭載されている回路による機能とランプ制御基板14に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板12における演出制御用CPU120に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声制御基板13およびランプ制御基板14等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、画像表示装置5を制御する演出制御用CPU120に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用CPU120は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ100から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声制御基板13およびランプ制御基板14から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(4) 前述した実施の形態のパチンコ遊技機1は、遊技者に景品として遊技球が払出され、遊技者は払出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域7に発射して遊技が行なわれる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域7に打込んで遊技者が遊技を行なう遊技機にも本発明を適用することができる。
すなわち、遊技領域7に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示手段を備え、当該変動表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれ、遊技球の打込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域7に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読出しを行なう遊技用記録媒体処理手段としてのカードユニットを備えていてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、パチンコ遊技機1において、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、および、画像表示装置5等の変動表示手段が設けられた例を示した。しかし、これに限らず、このような変動表示手段(一部または全部)は、たとえば、カードユニット等のようなパチンコ遊技機以外の部分に設けられてもよい。このような構成の場合は、パチンコ遊技機以外の部分に設けられた変動表示手段により図柄の変動表示が実行され、前述したような遊技および演出に関する各種制御が実行されることとなる。
(6) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(7) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。