まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、実施例1に係るパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
図1は、実施例1におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。
演出表示装置5の表示領域の下部の左側には、保留記憶表示エリア5Dが設定されている。保留記憶表示エリア5Dでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の白色表示とする。
尚、以下の説明において、保留記憶表示エリア5Dを保留表示エリアと称することがあり、合計保留記憶数は、保留記憶表示エリア5Dに表示される保留記憶表示の数により認識できるようになっている。更に、この保留記憶表示が集まった表示を保留表示と称することがある。
保留記憶表示エリア5Dにおける保留表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせても良い。尚、本実施例においては、『実行』と『実施』とは同義である。
図1に示す例では、保留記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上部と下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、4つのLEDランプを用いて第1特図保留記憶数を表示する。第2保留表示器25Bは、4つのLEDランプを用いて第2特図保留記憶数を表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。尚、第1保留表示器25AにおけるLEDランプの表示色と第2保留表示器25BにおけるLEDランプの表示色とは同一の表示色となっている。
尚、本実施例では、後述するように、第1特図保留記憶数が所定の第1特図上限値(例えば「4」)以下である場合には、第1保留表示器25Aを用いて第1特図保留記憶数を表示するが、第1特図保留記憶数が第1特図上限値を超えて記憶される場合があり、その場合には、該第1特図上限値を超えた第1特図保留記憶数について第2保留表示器25Bを用いて表示する。また、第2特図保留記憶数が所定の第2特図上限値(例えば「4」)以下である場合には、第2保留表示器25Bを用いて第2特図保留記憶数を表示するが、第2特図保留記憶数が第2特図上限値を超えて記憶される場合があり、その場合には、該第2特図上限値を超えた第2特図保留記憶数について第1保留表示器25Aを用いて表示する。
また、本実施例では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが、このように演出表示装置5を用いた演出を行う場合において、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、近年においては演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置5上の表示領域を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。よって、これら現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくいことを解消することを目的として、演出表示装置5に、演出図柄と特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示エリアを設けても良い。これら第4図柄は、第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるとともに、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるようにすれば良い。尚、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されたりすることはないため、常に視認することができる。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。尚、本実施例では、第1特図保留記憶数及び第2特図保留記憶数の合計保留記憶数が所定の合計保留上限値(例えば「8」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数及び第2特図保留記憶数の合計保留記憶数が所定の合計保留上限値(例えば「8」)未満であれば、第2始動条件が成立する。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りAに対応する大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りBに対応する大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として、「3」または「7」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。尚、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
尚、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄は後述する非確変大当りに対応する大当り図柄となり、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが、確変大当りAと同じく第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における所定期間と同じであるが、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)よりも少ない第2回数(例えば、5回)繰返し実行される。尚、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。尚、これら短期開放大当り状態では、ラウンド回数を第2回数である5回とした形態を例示しているが、ラウンド回数は通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)と同一とするが、所定数(例えば6)以降の各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)を、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)とすることで、実質的なラウンド回数を通常開放大当り状態よりも少なくするようにしても良い。
このような短期開放大当り状態では、ラウンド数が通常開放大当り状態よりも少ないことにより、通常開放大当り状態よりも獲得できる出玉(賞球)の期待値が少ない大当り状態であれば良い。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの変動表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rの全部にて演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rにて演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、保留表示予告演出となるものが含まれていてもよい。保留表示予告演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが、予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特図ゲームの保留表示などの表示態様の変化に基づいて示唆される予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される演出図柄の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する演出は、連続予告演出(連続演出)とも称される。尚、特図ゲームが1回実行される間に、演出図柄を一旦仮停止表示させた後、当該演出図柄を再び変動(擬似連変動、再変動)させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の変動表示が実行されているかのように見せる「擬似連」の変動表示演出を実行する遊技機においては、当該擬似的な複数回の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する予告演出も連続予告演出(連続演出)に含まれる。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
尚、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すれば良い。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。尚、小当りを発生させる場合には、小当りに対応する変動表示結果指定コマンド(例えば、コマンド8CX4H(Xは1〜3の任意の値))を設定して、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を通知すれば良い。
コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。
大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドB5XXHは、時短回数の残り回数(変動回数)を通知するための演出制御コマンドであり、時短回数の残り回数(変動回数)に応じたEXTデータが設定されることにより、時短回数の残り回数(変動回数)が通知される。
コマンドC1XXHは、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。また、コマンドC2XXHは、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。尚、これらのコマンドに基づいて保留記憶表示エリア5Dにて特図保留記憶数を特定可能に表示される。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否か及び大当り種別(確変や非確変や突確)の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン判定用の乱数値MR3が、「非リーチ」、「スーパーリーチ」、「その他」のいずれの変動パターンとなるかの判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。
コマンドD100Hは、第1特図保留記憶の表示種別を通知する第1特図表示種別指定コマンドである。また、コマンドD200Hは、第2特図保留記憶の表示種別を通知する第2特図表示種別指定コマンドである。尚、これらのコマンドに基づいて保留記憶表示エリア5Dにて第1特図の保留記憶表示または第2特図の保留記憶表示が各特図に対応した表示態様で表示される。尚、本実施例では、第1特図の保留記憶表示または第2特図の保留記憶表示が同一の表示態様(例えば、白色の丸型の表示態様)で保留記憶表示エリア5Dにて表示される。
また、本実施例では、始動入賞時に発生した保留記憶表示が表示されるときに、保留記憶表示が発生したことの演出効果を高めるためにエフェクト表示が表示される(図27参照)。このエフェクト表示は、第1特図の保留記憶表示に対応する第1特図用のエフェクト表示(例えば、黒色の丸型の外側に複数の放射状に延びる直線が描画される)と第2特図の保留記憶表示に対応する第2特図用のエフェクト表示(例えば、黒色の丸型の外側に複数のゆらめく曲線が描画される)とで異なる表示態様となっている。このエフェクト表示により遊技者は、発生した保留記憶表示が第1特図の保留記憶表示であるのか第2特図の保留記憶表示であるのかを認識できる。尚、このエフェクト表示は、保留記憶表示の表示が開始されるときの短時間のみ表示され、直ぐに終了する。そして、エフェクト表示の終了後には、複数の保留記憶表示のうちいずれの保留記憶表示が第1特図の保留記憶表示であるのか第2特図の保留記憶表示であるのかが分かり難くなる。
更に、本実施例では、原則的に、第1始動入賞が発生したことに基づく保留記憶表示の発生時に第1特図用のエフェクト表示が表示されるが、後述するように、演出制御基板12における記憶領域(始動入賞時受信コマンドバッファ)において、例外的に、第2始動入賞が発生したことに基づく保留記憶表示の発生時に第1特図用のエフェクト表示が表示されることがある。同様に、例外的に、第1始動入賞が発生したことに基づく保留記憶表示の発生時に第2特図用のエフェクト表示が表示されることがある。このエフェクト表示の表示態様は、特図表示種別指定コマンドに基づいて設定され、第1特図表示種別指定コマンドにより第1特図用のエフェクト表示が表示されるとともに、第2特図表示種別指定コマンドにより第2特図用のエフェクト表示が表示される。
尚、本実施例では、第1特図の保留記憶表示または第2特図の保留記憶表示が同一の表示態様で表示されるようになっているが、後述する変形例(図28及び図29参照)に示すように、第1特図の保留記憶表示または第2特図の保留記憶表示が異なる表示態様で保留記憶表示エリア5Dにて表示されるものであっても良い。その場合は、保留記憶表示の表示態様が特図表示種別指定コマンドに基づいて設定され、第1特図表示種別指定コマンドにより第1特図用の保留記憶表示が表示されるとともに、第2特図表示種別指定コマンドにより第2特図用の保留記憶表示が表示される。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、本実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図10に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。
普図表示結果判定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図5は、本実施例における変動パターンを示している。本実施例では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブルの構成例を示している。本実施例の大当り種別決定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブルでは、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「非確変」や「確変大当りA」、「確変大当りB」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例における大当り種別について、図7(B)を用いて説明すると、本実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する確変大当りAや確変大当りBと、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する非確変大当りとが設定されている。
図7に示す大当り種別決定テーブルの設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の判定値(「81」〜「100」の範囲の値)がラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「確変大当りB」の大当り種別に対して判定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別をラウンド数の少ない「確変大当りB」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「確変大当りB」としてラウンド数の少ない短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、得られる賞球が少ない短期開放大当り状態の頻発を回避して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。
尚、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、図8及び図9に示すように、特図表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、特図表示結果を「ハズレ」にすることが事前決定されたときに使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
図8(A)及び図8(B)に示すように、大当り用変動パターン判定テーブルとしては、大当り種別が「確変大当りA」及び「確変大当りB」である場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)と、大当り種別が「非確変大当り」である場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)が予め用意されており、これら大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)と大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)には、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、本実施例では、大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)が使用される場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)が使用される場合にはスーパーリーチαが決定され易いようにこれら大当り用変動パターン判定テーブル(確変A・確変B用)と大当り用変動パターン判定テーブル(非確変用)とに判定値が割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「確変大当りA」または「確変大当りB」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、ハズレ用変動パターン判定テーブルには、合計保留記憶数が1個以下である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルAと、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
尚、本実施例では、第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通の変動パターン判定テーブルを参照して変動パターンに決定するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図用の変動パターン判定テーブルと第2特図用の変動パターン判定テーブルとを予め用意しておき、各特図に応じて変動パターンに決定するようにしても良い。そのような場合には、例えば、後述する特図保留記憶部151Aに記憶された始動入賞種別を参照して第1特図であるか第2特図であるかを特定し、特定された特図に対応する変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを決定する。このようにすることで、各始動入賞口への実際の入賞に対応した変動パターンが決定されるようになる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図10に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図10に示す遊技制御用データ保持エリア150は、特図保留記憶部151Aと、普図保留記憶部151Bと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データと、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データとを記憶する。一例として、特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したかを示す始動入賞種別、第1保留表示器25Aに表示する保留記憶であることを示す特図表示種別、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして記憶する。こうして特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
また、一例として、特図保留記憶部151Aは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したかを示す始動入賞種別、第2保留表示器25Bに表示する保留記憶であることを示す特図表示種別、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして記憶する。こうして特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。尚、特図保留記憶部151Aは、保留データの記憶数が所定の合計保留上限値(例えば「8」)に達するまで記憶する。特図保留記憶部151Aは、第1特図の保留記憶と第2特図の保留記憶とが共通して記憶される共有記憶領域となっている。
尚、本実施例では、後述するように、第1特図の始動入賞時に、第1特図保留記憶数が所定の第1特図上限値(例えば「4」)以下である場合には、第1特図に対応する始動入賞種別が記憶されるとともに、該始動入賞種別に対応して第1特図に対応する特図表示種別が記憶されるようになっているが、第1特図保留記憶数が第1特図上限値を超えて記憶される場合には、該第1特図上限値を超えた第1特図の始動入賞時に、該第1特図に対応する始動入賞種別が記憶されるとともに、該始動入賞種別に対応して第2特図に対応する特図表示種別が記憶されるようになっている。
また、第2特図の始動入賞時に、第2特図保留記憶数が所定の第2特図上限値(例えば「4」)以下である場合には、第2特図に対応する始動入賞種別が記憶されるとともに、該始動入賞種別に対応して第2特図に対応する特図表示種別が記憶されるようになっているが、第2特図保留記憶数が第2特図上限値を超えて記憶される場合には、該第2特図上限値を超えた第2特図の始動入賞時に、該第2特図に対応する始動入賞種別が記憶されるとともに、該始動入賞種別に対応して第1特図に対応する特図表示種別が記憶されるようになっている。
つまり、本実施例では、図10に示す特図保留記憶部151Aにおいて始動入賞種別と特図表示種別とに記憶される各種別は、各特図に対応した同一の種別(例えば、第1特図の始動入賞種別と第1特図の特図表示種別)が記憶されるのみならず、異なる種別(例えば、第1特図の始動入賞種別と第2特図の特図表示種別)が記憶される場合がある。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、それぞれ別個の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。
普図保留記憶部151Bは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Bは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR2〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図11(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図11(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、図11(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、特図表示種別指定コマンド(第1特図表示種別指定コマンドまたは第2特図表示種別指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンドという3つのコマンドが1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける特図保留記憶に対応した格納領域は、これらの始動口入賞指定コマンド、特図表示種別指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンドを対応付けて、格納するための格納領域(エントリ)が確保されている。
尚、主基板11から演出制御基板12へ通知される保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を格納領域(エントリ)に格納しても良い。
これら格納領域(エントリ)の記憶内容は、開始条件が成立して最上位の保留記憶(バッファ番号「1」)の変動表示が開始されるときに、最上位の保留記憶がクリアされ、1つずつ上位にシフトされていく。
尚、該開始条件が成立した保留記憶の内容を格納するバッファ番号「0」の格納領域を設けるようにして、その記憶内容は、当該変動表示を終了するときに実行される演出図柄変動停止処理においてクリアされるようにしても良い。
更に、本実施例の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、主基板11から演出制御基板12へ通知される特図表示種別指定コマンド(第1特図表示種別指定コマンドまたは第2特図表示種別指定コマンド)に基づいて、保留記憶表示の表示態様及びエフェクト表示の表示態様に応じたフラグ値がセットされる特図表示種別フラグを格納する記憶領域が、特図保留記憶に対応する各バッファ番号に対応付けて各格納領域(エントリ)毎に確保されている。このように、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aは、第1特図の保留記憶と第2特図の保留記憶とが共通して記憶される共有記憶領域となっている。
尚、第1特図用の保留記憶表示の表示態様に対応するとともに第1特図用のエフェクト表示の表示態様に対応する「1」が特図表示種別フラグに格納されることで、第1特図用の保留記憶表示が保留記憶表示エリア5Dに表示されるとともに、該第1特図用の保留記憶表示が表示されるときに、第1特図用のエフェクト表示が短期間表示される(例えば、黒色の丸型の外側に複数の放射状に延びる直線が描画される)。また、第2特図用の保留記憶表示の表示態様に対応するとともに第2特図用のエフェクト表示の表示態様に対応する「2」が特図表示種別フラグに格納されることで、第2特図用の保留記憶表示が保留記憶表示エリア5Dに表示されるとともに、該第2特図用の保留記憶表示が短期間表示されるときに、第2特図用のエフェクト表示が表示される(例えば、黒色の丸型の外側に複数のゆらめく曲線が描画される)。尚、本実施例では、第1特図用の保留記憶表示の表示態様と第2特図用の保留記憶表示の表示態様とは、特図表示種別フラグに「1」または「2」のいずれの値が格納されても、同一の表示態様(例えば、白色の丸型の表示態様)で保留記憶表示が保留記憶表示エリア5Dに表示される。
演出制御用CPU120は、第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンドから変動カテゴリ指定コマンドまでが順次送信される。したがって、コマンド受信が行われれば、特図保留記憶に対応するバッファ番号の末尾「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、特図表示種別フラグ、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンドの順に格納されていくことになる。
図11(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、バッファ番号「1」に対応したエントリ(該開始する変動表示の保留記憶に対応したエントリ)に格納されているものが削除されるとともに、バッファ番号「2」以降に対応したエントリ(バッファ番号「2」〜「8」)の記憶内容がシフトされる。例えば、図11(B)に示す格納状態において特図保留記憶の演出図柄の変動表示が終了した場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンド及び特図表示種別フラグが削除され、バッファ番号「2」に格納されている各コマンド及び特図表示種別フラグがバッファ番号「1」にシフトされるとともに、バッファ番号「3」に対応した領域にて格納されている各コマンド及び特図表示種別フラグがバッファ番号「2」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「4」〜「8」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンド及び特図表示種別フラグが、バッファ番号「3」〜「7」に対応した領域にシフトされる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図12のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図12に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。
図13は、特別図柄プロセス処理として、図12に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞判定処理では、図14に示すように、CPU103は、まず、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を合わせた合計保留記憶数が、所定の合計保留上限値(例えば、合計保留上限記憶数としての「8」)となっているか否かを判定する(S100)。ここで、合計保留記憶数が合計保留上限値である場合は(S100;Y)、当該始動入賞判定処理を終了する。一方、合計保留記憶数が合計保留上限値でない場合は(S100;N)、S101に進む。
S101においてCPU103は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する。ここで、第1始動口スイッチ22Aがオンでない場合は(S101;N)、後述するS104に進む。一方、第1始動口スイッチ22Aがオンである場合は(S101;Y)、S102aに進む。
S102aにおいてCPU103は、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を第1特図に対応する値「1」に設定する。次いで、CPU103は、特図保留記憶部151Aにおける最上位の空きエントリの始動入賞種別に第1特図に対応する値を格納し(S102b)、S102cに進む。
S102cにおいてCPU103は、第1特図保留記憶数が、所定の第1特図上限値(例えば、第1特図上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する。ここで、第1特図保留記憶数が第1特図上限値である場合は(S102c;Y)、後述する106aに進む。一方、第1特図保留記憶数が第1特図上限値でない場合は(S102c;N)、S103aに進む。
S103aにおいてCPU103は、特図保留記憶部151Aにおける最上位の空きエントリの特図表示種別に第1特図に対応する値を格納する。次いで、第1特図保留記憶数をカウントする第1特図保留記憶数カウント値を1加算し(S103b)、後述するS108に進む。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。
前述した第1始動口スイッチ22Aがオンでない場合に進むS104において、CPU103は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する。ここで、第2始動口スイッチ22Bがオンでない場合は(S104;N)、当該始動入賞判定処理を終了する。一方、第2始動口スイッチ22Bがオンである場合は(S104;Y)、S105aに進む。
S105aにおいてCPU103は、遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を第2特図に対応する値「2」に設定する。次いで、CPU103は、特図保留記憶部151Aにおける最上位の空きエントリの始動入賞種別に第2特図に対応する値を格納し(S105b)、S105cに進む。
S105cにおいてCPU103は、第2特図保留記憶数が、所定の第2特図上限値(例えば、第2特図上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する。ここで、第2特図保留記憶数が第2特図上限値である場合は(S105c;Y)、前述した103aに進む。一方、第2特図保留記憶数が第2特図上限値でない場合は(S105c;N)、S106aに進む。
S106aにおいてCPU103は、特図保留記憶部151Aにおける最上位の空きエントリの特図表示種別に第2特図に対応する値を格納する。次いで、第2特図保留記憶数をカウントする第2特図保留記憶数カウント値を1加算し(S106b)、S108に進む。こうして、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。
S108においてCPU103は、合計保留記憶数を1加算するように更新する。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
S108の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(S109)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、特図保留記憶部151Aにおける最上位の空きエントリに保留情報としてセットされることで記憶される(S110)。
特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否か、さらには変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を判定するために用いられる。変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンを判定するために用いられる。CPU103は、S109の処理を実行することにより、特別図柄や演出図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む変動表示態様の判定に用いられる乱数値のうち全部を示す数値データを抽出する。尚、本実施例では実行していないが、入賞時乱数判定処理を実行する場合においては、これらの乱数値を用いて判定を行うようにしても良い。
S110の処理に続いて、始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(S111)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図12に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S111の処理に続いて、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(S112)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図12に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S112の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか否かを判定する(S114)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(S114;Y)始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S115)、S104の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(S114;N)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S116)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
このように、本実施例では、第1特図保留記憶数が第1特図上限値(例えば、「4」)に達していない場合には、該第1特図保留記憶の特図表示種別は、第1特図に対応する値になる。そのため、該第1特図の保留記憶は、第1保留表示器25Aにより特定可能に表示される。更に、第1特図保留記憶数が第1特図上限値(例えば、「4」)に達していても、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を合わせた合計保留記憶数が、所定の合計保留上限値(例えば、「8」)に達していない場合には、第1特図保留記憶を記憶することができる。尚、該第1特図上限値を超えた第1特図保留記憶の特図表示種別は、第2特図に対応する値として記憶される。そのため、該第1特図の保留記憶は、第2保留表示器25Bにより特定可能に表示される。
また、第2特図保留記憶数が第2特図上限値(例えば、「4」)に達していない場合には、該第2特図保留記憶の特図表示種別は、第2特図に対応する値になる。そのため、該第2特図の保留記憶は、第2保留表示器25Bにより特定可能に表示される。更に、第2特図保留記憶数が第2特図上限値(例えば、「4」)に達していても、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を合わせた合計保留記憶数が、所定の合計保留上限値(例えば、「8」)に達していない場合には、第2特図保留記憶を記憶することができる。尚、該第2特図上限値を超えた第2特図保留記憶の特図表示種別は、第1特図に対応する値として記憶される。そのため、該第2特図の保留記憶は、第1保留表示器25Aにより特定可能に表示される。
図13に示すように、S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部151Aに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S24の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S24の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
図15は、特別図柄通常処理として、図13のS22にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、現在の合計保留記憶数の値を確認する(S141)。具体的には、合計保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。現在の合計保留記憶数が0であれば処理を終了する。
現在の合計保留記憶数が0でなければ、CPU103は、特図保留記憶部151A(図10参照)に設定されているデータのうち1番目のデータの始動入賞種別が「第1」を示すデータであるか否か確認する(S142)。特図保留記憶部151Aに設定されている1番目のデータの始動入賞種別が「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S142;N)、CPU103は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S144)。特図保留記憶部151Aに設定されている1番目のデータの始動入賞種別が「第1」を示すデータである場合(S142;Y)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S143)。
S141〜S144の処理が実行されることによって、本実施例では、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
尚、本実施例では、特図保留記憶部151Aに設定されている始動入賞種別が「第1」である場合、つまり特別図柄ポインタに「第1」である場合には、第1特別図柄表示器4Aを用いて第1特別図柄の変動表示が実行される。また、特図保留記憶部151Aに設定されている始動入賞種別が「第2」である場合、つまり特別図柄ポインタに「第2」である場合には、第2特別図柄表示器4Bを用いて第2特別図柄の変動表示が実行される。つまり、第1特図上限値を達した場合に入賞した第1特図保留記憶であっても、第1特図上限値に達していない場合に入賞した第1特図保留記憶と同様に、第1特別図柄表示器4Aを用いて第1特図の特図ゲームが実行される。また、第2特図上限値を達した場合に入賞した第2特図保留記憶であっても、第2特図上限値に達していない場合に入賞した第2特図保留記憶と同様に、第2特別図柄表示器4Bを用いて第2特図の特図ゲームが実行される。
次いで、CPU103は、RAM102において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する特図保留記憶部に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する(S145)。
そして、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、特図保留記憶部151Aの内容をシフトする(S146)。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、特図保留記憶部151Aにおける各エントリの内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、特図保留記憶部151Aにおける各エントリの内容をシフトする。
ここで、CPU103は、RAM102の特図保留記憶部151Aにおいて保留記憶数=n(n=2〜8)に対応するエントリに格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応するエントリに格納する。
よって、合計保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域(エントリ)に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
なお、S146においてCPU103は、遊技制御用データ保持エリア150の保留記憶部の内容をシフトするとともに、特図保留記憶部151A(図10参照)に設定されているデータの特図表示種別に基づいて、第1保留表示器25Aを用いて表示する表示用の第1特図保留記憶数と、第2保留表示器25Bを用いて表示する表示用の第2特図保留記憶数とを特定する。そして、当該特定された表示用の第1特図保留記憶数と表示用の第2特図保留記憶数に基づいて、第1保留表示器25Aまたは第2保留表示器25Bの表示を変更する制御も行う。
本実施例では、第1特図保留記憶の始動入賞時に第1特図上限値に達していない場合に入賞した第1特図保留記憶は、第1保留表示器25Aにより表示されるとともに、第1特図上限値を達した場合に入賞した第1特図保留記憶は、第2保留表示器25Bにより表示される。また、第2特図保留記憶の始動入賞時に第2特図上限値に達していない場合に入賞した第2特図保留記憶は、第2保留表示器25Bにより表示されるとともに、第2特図上限値を達した場合に入賞した第2特図保留記憶は、第1保留表示器25Aにより表示される。このように、特図上限値に達していない場合に入賞した保留記憶と特図上限値を達した場合に入賞した保留記憶とで、互いに異なる保留表示器25A,25Bを用いて表示される場合がある。
そして、CPU103は、合計保留記憶数カウンタのカウント値をRAM102の所定の領域に保存した後(S147)、現在の合計保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S148)。
また、S149においてCPU103は、特定された表示用の第1特図保留記憶数と表示用の第2特図保留記憶数に基づいて、保留記憶数指定コマンドを演出制御基板12に送信するための制御(送信設定)を行う。尚、表示用の第1特図保留記憶数が変更された場合には、CPU103は、第1保留記憶数指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。また、表示用の第2特図保留記憶数が変更された場合には、CPU103は、第2保留記憶数指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、すなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。
次いで、CPU103は、特図表示結果判定用乱数MR1の数値を読み出し、該読み出したMR1の数値が大当りの範囲内であるか否かを判定する(S150)。
MR1の値が大当り判定値の範囲内でない場合は(S150;N)、CPU103はS155に移行し、MR1の値が大当り判定値の範囲内である場合は(S150;Y)、CPU103はS151に移行する。
S151では、CPU103は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図7(A)に示す種別判定テーブルを選択する(S152)。
次いで、CPU103は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、大当り種別判定用の乱数値MR2の値と一致する値に対応した種別(「非確変大当り」、「確変大当りA」または「確変大当りB」)を大当りの種別に決定する(S153)。
また、CPU103は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM102における大当り種別バッファに設定する(S154)。例えば、大当り種別が「確変大当りA」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当りB」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「非確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU103は、特別図柄の停止図柄を決定する(S155)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S23)に対応した値に更新する(S156)。
このように本実施例では、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の特図ゲームが実行される。これに対して、例えば、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものとした場合において、第1特図上限値を達した場合に入賞した第1特図保留記憶が記憶されているときには、当該第1特図の保留記憶が第2保留表示器25Bにより表示されるので、第2保留表示器25Bに当該保留記憶が表示されているにもかかわらず、第1保留表示器25Aの保留記憶が全て消化されないと、第2保留表示器25Bの保留記憶が消化されないように遊技者が認識してしまう事態が生じる。本実施例では、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の特図ゲームが実行されるため、第1保留表示器25Aの保留記憶と第2保留表示器25Bとが入賞順に消化されるので、遊技者が保留記憶の消化順を誤認してしまうことがないようにできる。
図16は、変動パターン設定処理として、図13のS23にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(S161)。そして、大当りフラグがオンであれば(S161;Y)、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り用変動パターン判定テーブルを選択してセットする(S162)。
S161にて大当りフラグがオフであるときには(S161;N)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否か(セットされているか否か)を判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを判定する(S163)。そして、時短フラグがオンであれば(S163;Y)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルDを選択してセットする(S164)。
一方、時短制御中ではないとき、つまり、時短フラグがオフであるとき(セットされていないとき)には(S163;N)、例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定し、該特定した合計保留記憶数が2以上であるか否かを判定する(S165)。
特定した合計保留記憶数が2以上でない場合(S165;N)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルAを選択してセットする(S166)。
また、特定した合計保留記憶数が2以上である場合(S165;Y)には、S167に進んで、合計保留記憶数が5以上であるか否かをさらに判定する(S167)。
合計保留記憶数が5以上でない場合(S167;N)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルBを選択してセットする(S168)。
また、合計保留記憶数が5以上である場合(S167;Y)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルCを選択してセットする(S169)。
S162,S164,S166,S168,S169の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、選択された大当り用変動パターン判定テーブルまたはハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Dのいずれかを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(S170)。
尚、大当りフラグがオフであるときには、S170の処理にて変動パターンを決定することにより、演出図柄の変動表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、S170の処理には、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
S170にて変動パターンを決定した後には、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(S171)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
S171の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(S172)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
S172の処理を実行した後、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の変動表示時間である特図変動時間を設定する(S173)。特別図柄の変動表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから変動表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(S174)、変動パターン設定処理を終了する。
S172でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから図12に示すS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。尚、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば変動表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
図17は、特別図柄停止処理として、図13のS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S181)。尚、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」である場合には、第1特別図柄表示器4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合には、第2特別図柄表示器4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板12に図柄確定コマンドを送信する制御を行う(S182)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定し(S183)、大当りフラグがセットされていない場合(S183;N)には、S190に移行する。
一方、大当りフラグがセットされている場合(S183;Y)には、CPU103は、確変フラグや時短フラグがセットされていれば、確変フラグおよび時短フラグをクリアし(S184)、演出制御基板12に、記憶されている大当りの種別に応じて大当り開始1指定コマンド(確変A)、大当り開始2指定コマンド(確変B)、大当り開始3指定コマンド(非確変)を送信するための設定を行う(S185)。
さらにCPU103は、演出制御基板12に通常状態を示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(S186)。
そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S187)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、非確変大当りや確変大当りAの場合には16回。確変大当りBの場合には5回。)をセットする(S188)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S26)に対応した値である“4”に更新する(S189)。
一方、S190においてCPU103は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタの値が「0」である場合(S190;Y)には、S196に進む。
一方、時短回数カウンタの値が「0」でない場合(S190;N)、つまり、時短回数が残存している高ベース状態である場合には、該時短回数カウンタの値を−1する(S191)。そして、減算後の時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S193)、「0」でない場合(S193;N)にはS196に進み、時短回数カウンタの値が「0」である場合(S193;Y)には、時短制御を終了させるために、時短フラグをクリアした後(S194)、確変フラグまたは時短フラグのセット状態に対応した遊技状態(具体的には低確低ベース)に対応した遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S195)、S196に進む。
S196では、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから、当該特別図柄停止処理を終了する。
図18は、大当り終了処理として、図13のS29にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが動作中、つまりタイマカウント中であるか否かを判定する(S201)。大当り終了表示タイマが動作中でない場合(S201;N)には、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示を行う時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S204)、処理を終了する。
一方、大当り終了表示タイマが動作中である場合(S201;Y)には、大当り終了表示タイマの値を1減算する(S205)。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち、大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S206)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(S206;Y)、CPU103は、記憶されている大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBであるかを判定する(S207)。
大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBである場合(S207;Y)には、確変フラグをセットし(S208)、時短フラグをセットし(S209)、時短回数カウンタに「0」をセットした後(S210)、S213に進む。
一方、大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBでない場合(S207;N)には、S211とS212を実行することで、時短フラグをセットするとともに時短回数カウンタに「100」をセットした後、S213に進む。
S213では、大当りフラグをリセットし、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドの送信設定を行う(S214)。そして、セットされた確変フラグや時短フラグに基づく遊技状態を演出制御基板12に通知するための遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S215)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新する(S216)。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図19は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)。その後、S52に移行する。
尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのかを、図20に示すように解析する。
図20は、コマンド解析処理として、図19のS54にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(S221)。このとき、受信コマンドがなければ(S221;N)、当該コマンド解析処理を終了する。
S221にて受信コマンドがある場合には(S221;Y)、例えば、受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S222)。そして、第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンドであるときには(S222;Y)、変動カテゴリ待ち時間を設定し(S223)、S229に移行する。例えば、S223の処理では、変動カテゴリコマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
S222にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(S222;N)、変動カテゴリ待ち時間が経過したか否かを判定する(S224a)。ここで、変動カテゴリ待ち時間が経過した場合には(S224a;Y)、後述するS230に進む。一方、変動カテゴリ待ち時間が経過していない場合には(S224a;N)、S224bに進む。
尚、変動カテゴリ待ち時間内に始動口入賞指定コマンド等が受信されなかった場合には、ノイズ等の影響によりコマンドが正常に受信できなかったものとして所定のエラー処理を行う。また、当該受信できなかったコマンドに対応する格納領域に既に格納された受信済みのコマンドを以後の演出制御に用いないようにしても良い。
S224bにて受信コマンドが第1特図表示種別指定コマンドまたは第2特図表示種別指定コマンドであるか否かを判定する。ここで、受信コマンドが第1特図表示種別指定コマンドまたは第2特図表示種別指定コマンドである場合には(S224b;Y)、S229に移行する。一方、受信コマンドが第1特図表示種別指定コマンドまたは第2特図表示種別指定コマンドでない場合には(S224b;N)、S225aに進む。
S225aにて受信コマンドが図柄指定コマンドであるか否かを判定する。ここで、受信コマンドが図柄指定コマンドである場合には(S225a;Y)、S229に移行し、受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(S225a;N)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(S225b)。
尚、S229にて演出制御用CPU120は、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ(図11(B)参照)における空き領域の先頭に格納し、S221に戻る。
S225bにて受信コマンドが変動カテゴリコマンドでない場合には(S225b;N)、S230に移行する。S230にて演出制御用CPU120は、その他の受信コマンドに応じた設定を行い、S221に戻る。
S225bにて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合には(S225b;Y)、演出制御用CPU120は、該受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ(図11(B)参照)における空き領域の先頭に格納し(S225c)、変動カテゴリ待ち時間をクリアし(S226)、S221に戻る。
図21は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5の保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示を、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図22(A)は、S72において実行される保留表示更新処理の処理内容を示すフローチャートである。本実施例の保留表示更新処理において演出制御用CPU120は、まず、図11(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに記憶されている保留記憶数(現在の合計保留記憶数)を特定し(S261)、その時点において保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶の表示数と一致しているか否か、つまり、保留記憶数に変化(増加または減少)があったか否かを判定する(S262)。該判定において一致している場合(保留記憶数に変化がない場合)には、当該保留表示更新処理を終了し、一致していない場合(保留記憶数に変化がある場合)には、S263に進む。
S263において演出制御用CPU120は、保留記憶表示エリア5Dの表示を行うための表示バッファデータを、その時点で始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける特図保留記憶に基づいて更新することにより、S261で特定した合計保留記憶数の保留記憶表示を保留記憶表示エリア5Dに表示し、保留記憶表示エリア5Dの保留記憶表示を更新する。
次いで、S264において演出制御用CPU120は、新たな保留記憶表示が開始されたときに当該新たな保留記憶表示に対応して短期間表示される保留発生時のエフェクト表示が表示中であるか否かを判定する。ここで、エフェクト表示中である場合は、後述するS266に進む。一方、エフェクト表示中でない場合は、S265に進む。
S265において演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに新たに保留記憶が記憶されたエントリがあるか否かを判定する。ここで、新たに保留記憶が記憶されたエントリがない場合は、当該保留表示更新処理を終了する。一方、新たに保留記憶が記憶されたエントリがある場合は、S269に進む。
S269において演出制御用CPU120は、新たに保留記憶が記憶されたエントリに格納されている特図表示種別フラグを特定し、該特図表示種別フラグに対応する保留発生時のエフェクト表示のプロセステーブルを選択する。そして、保留記憶表示エリア5Dにおける新たに保留記憶が記憶されたエントリに対応する保留記憶表示に、保留発生時のエフェクト表示を重ねて表示を開始し、当該保留表示更新処理を終了する。
尚、本実施例では、特図表示種別フラグの値が「1」であることに対応して第1特図用のエフェクト表示が表示されるとともに、特図表示種別フラグの値が「2」であることに対応して第2特図用のエフェクト表示が表示される(図27参照)。
前述したエフェクト表示中である場合に進むS266において、演出制御用CPU120は、エフェクト表示実行処理を行い、所定時間エフェクト表示を動作させる処理を行う。尚、本実施例では、前述のプロセステーブルに基づいて点滅表示やアニメーション表示によりエフェクト表示が所定時間動作される。
次いで、S267において演出制御用CPU120は、エフェクト表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ここで、エフェクト表示の終了タイミングでない場合は、前述したS265に進む。一方、エフェクト表示の終了タイミングである場合は、該エフェクト表示を終了し(S268)、前述したS265に進む。
尚、本実施例では、前述したように、保留記憶数に変化がある場合には、保留記憶表示エリア5Dの表示を更新し、保留記憶数に変化がない場合には、保留記憶表示エリア5Dの表示を更新しない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留記憶数の増減に関係なく、保留記憶表示エリア5Dの表示を更新するようにしても良いし、或いは、保留記憶数が減少する場合、つまり、保留記憶表示が左にスライドする場合には、保留記憶表示エリア5Dの表示が大きく変化するので、これら保留記憶表示エリア5Dの表示を全て一旦消去(表示バッファデータを消去)してから、保留記憶表示エリア5Dの表示を変更するようにしても良い。
このような処理を行うことにより、変動表示の開始時に実行される処理であって、後述する演出図柄変動開始処理において保留記憶が消費されて、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの保留記憶がシフトされた場合には、シフト後の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの保留記憶に基づいて、図22(B)に示すように、保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示もシフトされて表示されるとともに、始動入賞により、新たな保留記憶があった場合には、新たな保留記憶表示が保留記憶表示エリア5Dに表示されるようになる。
具体的には、図22(B)に示すように、特図保留記憶数が1つであれば1つの保留記憶表示を表示する。この保留記憶表示の表示態様としては、図22(B)に示すように白色の丸型の表示態様にて保留記憶表示エリア5Dに表示される。尚、特図保留記憶数が2つであれば、2つの保留記憶表示が保留記憶表示エリア5Dに表示される。また、特図保留記憶数が3つであれば、3つの保留記憶表示が保留記憶表示エリア5Dに表示され、特図保留記憶数が4つであれば、4つの保留記憶表示が保留記憶表示エリア5Dに表示される。そして、特図保留記憶数が5〜8つである場合も同様に、5〜8の保留記憶表示が保留記憶表示エリア5Dに表示される。
そして、変動表示が実行される毎に、保留記憶が減少(消費)されることに応じて、図22(B)に示すように、保留記憶表示も、所定のシフト方向(本実施例では画面の左方向)にシフトする。
図23は、図21に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S74)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S271)。第1変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S271;Y)、後述するS273aに進む。一方、第1変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S271;N)、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S272)。ここで、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S272;N)、演出図柄変動開始処理を終了し、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S272;Y)、S273aに進む。
S273aにおいて演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおけるバッファ番号「1」のエントリの特図表示種別フラグの値が第1特図用に対応する「1」であるか否かを判定する。ここで、当該特図表示種別フラグの値が第1特図用に対応する「1」である場合は、後述する予告演出決定処理(図24)にて用いる予告決定用フラグの値に第1特図用に対応する「1」の値をセットする(S273b)。一方、当該特図表示種別フラグの値が第1特図用に対応する「1」でない場合、つまり第2特図用に対応する「2」である場合は、予告決定用フラグの値に第2特図用に対応する「2」の値をセットする(S273c)。
次いで演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおけるバッファ番号「1」〜「8」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S274)。具体的には、バッファ番号「2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1」に対応付けて格納するようにシフトする。同様に、各バッファ番号「3」〜「8」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを各バッファ番号「2」〜「7」に対応付けて格納するようにシフトする。尚、バッファ番号「1」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
次いで演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S275)。
次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S276)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
次いで、演出制御用CPU120は、図24に示す予告演出決定処理を実施して、当該変動表示において予告演出を実行するか否かを決定する(S277)。尚、本実施例では、キャラクタが登場するキャラクタ予告演出が実行されるようになっており、当該予告演出決定処理において、キャラクタ予告演出のみを決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの予告演出として、キャラクタ予告演出以外のその他の態様の予告演出、例えば、予告画像が段階的に変化するステップアップ予告や、所定のキャラクタの一群が表示領域を横切る群予告等の実行を決定するようにしても良く、これら異なる態様の予告演出を決定する場合には、予告演出を開始するタイミングが予告演出の態様に応じて異なるので、後述する予告演出開始待ちタイマに、予告演出の態様に応じた異なる期間を設定すれば良い。
本実施例の予告演出決定処理において演出制御用CPU120は、まず、変動表示結果と変動パターンとを特定する(S291)。変動表示結果は、変動開始時において主基板11から送信される変動表示結果(はずれ、確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)を指定するための変動表示結果指定コマンドを格納するための変動表示結果指定コマンド格納領域に記憶されている変動表示結果指定コマンドにより特定することができる。また、変動パターンは、前述したように、変動パターン指定コマンド格納領域に記憶されている変動パターン指定コマンドにて特定できる。尚、本実施例では、予告演出の対象が、大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)、スーパーリーチ、ノーマルリーチであるので、具体的には、変動表示結果が大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)であるのか否かを変動表示結果指定コマンドにより特定し、変動パターンがスーパーリーチであるのか否か、ノーマルリーチであるのか否かを変動パターン指定コマンドにて特定すれば良い。
次いで、演出制御用CPU120は、予告決定用フラグの値に第1特図用に対応する「1」であるか否かを判定する(S292a)。ここで、該予告決定用フラグの値が第1特図用に対応する「1」である場合は、予告演出決定用乱数を抽出するとともに、図25(A)に示す第1特図用予告演出種別決定用テーブルを用いて予告演出の実行の有無と、実行する場合の予告演出の種別とを決定する(S292b)。一方、該予告決定用フラグの値が第1特図用に対応する「1」でない場合、つまり第2特図用に対応する「2」である場合は、予告演出決定用乱数を抽出するとともに、図25(B)に示す第2特図用予告演出種別決定用テーブルを用いて予告演出の実行の有無と、実行する場合の予告演出の種別とを決定する(S292c)。
次いで、演出制御用CPU120は、予告決定用フラグの値をクリアし(S292d)、S293に進む。
尚、本実施例では、予告演出決定用乱数は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。つまり、予告演出決定用乱数の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら予告演出決定用乱数の範囲等は適宜に決定すれば良い。また、これら予告演出決定用乱数を生成するための予告演出決定用乱数カウンタがRAM122に設定されており、該予告演出決定用乱数カウンタが乱数更新処理にてタイマ割込毎に更新される。
本実施例の第1特図用予告演出種別決定用テーブルは、図25(A)に示すように、予告演出に対応するように構成されている。尚、本実施例では、予告演出として、キャラクタAが登場する予告演出Aと、キャラクタBが登場する予告演出Bが実行可能とされている。
第1特図用予告演出種別決定用テーブルにおいては、図25(A)に示すように、「予告演出A」、「予告演出B」、「予告演出なし」のそれぞれに対して、変動表示結果が大当りとなる場合、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合、のそれぞれに異なる判定値が、図25(A)に示す判定値数となるように、割り当てられている。
具体的には、変動表示結果が大当りとなる場合については、「予告演出A」に対して25個の判定値が割り当てられ、「予告演出B」に対して65個の判定値が割り当てられ、「予告演出なし」に対して10個の判定値が割り当てられている。また、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合については、「予告演出A」に対して40個の判定値が割り当てられ、「予告演出B」に対して40個の判定値が割り当てられ、「予告演出なし」に対して20個の判定値が割り当てられている。また、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合については、「予告演出A」に対して60個の判定値が割り当てられ、「予告演出B」に対して10個の判定値が割り当てられ、「予告演出なし」に対して30個の判定値が割り当てられている。
このように判定値が割り当てられていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれやノーマルリーチはずれとなる場合よりも予告演出が実行され易くなるとともに、「予告演出B」が実行され易くなっている。また、ノーマルリーチはずれである場合については、「予告演出なし」が、大当りとなる場合やスーパーリーチはずれの場合よりも決定されやすくなっている。
図25(A)に示すように第1特図用予告演出種別決定用テーブルが設定されていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれ及びノーマルリーチはずれとなる場合に比較して、「予告演出B」が決定され易くなるように設定されている。一方、当該変動表示においてノーマルリーチはずれとなる場合には、当該変動表示において大当りとなる場合やスーパーリーチはずれとなる場合よりも「予告演出なし」が決定され易くなるように設定されている。
本実施例の第2特図用予告演出種別決定用テーブルは、図25(B)に示すように、予告演出に対応するように構成されている。尚、本実施例では、予告演出として、キャラクタCが登場する予告演出Cと、キャラクタDが登場する予告演出Dが実行可能とされている。
第2特図用予告演出種別決定用テーブルにおいては、図25(B)に示すように、「予告演出C」、「予告演出D」、「予告演出なし」のそれぞれに対して、変動表示結果が大当りとなる場合、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合、のそれぞれに異なる判定値が、図25(B)に示す判定値数となるように、割り当てられている。
具体的には、変動表示結果が大当りとなる場合については、「予告演出C」に対して30個の判定値が割り当てられ、「予告演出D」に対して70個の判定値が割り当てられ、「予告演出なし」に対して10個の判定値が割り当てられている。また、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合については、「予告演出C」に対して35個の判定値が割り当てられ、「予告演出D」に対して35個の判定値が割り当てられ、「予告演出なし」に対して30個の判定値が割り当てられている。また、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合については、「予告演出C」に対して50個の判定値が割り当てられ、「予告演出D」に対して10個の判定値が割り当てられ、「予告演出なし」に対して40個の判定値が割り当てられている。
このように判定値が割り当てられていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれやノーマルリーチはずれとなる場合よりも予告演出が実行され易くなるとともに、「予告演出D」が実行され易くなっている。また、ノーマルリーチはずれである場合については、「予告演出なし」が、大当りとなる場合やスーパーリーチはずれの場合よりも決定されやすくなっている。
図25(B)に示すように第2特図用予告演出種別決定用テーブルが設定されていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれ及びノーマルリーチはずれとなる場合に比較して、「予告演出D」が決定され易くなるように設定されている。一方、当該変動表示においてノーマルリーチはずれとなる場合には、当該変動表示において大当りとなる場合やスーパーリーチはずれとなる場合よりも「予告演出なし」が決定され易くなるように設定されている。
このように設定されていることにより、予告演出が実行されないときよりも、予告演出が実行されるときの方が、大当り期待度が高くなっている。更に、予告演出においては、予告演出Aや予告演出Cが実行されるときよりも、予告演出Bや予告演出Dが実行されるときの方が、大当り期待度が高くなっている。
尚、各予告演出の大当り期待度(信頼度)とは、各予告演出が実行されて大当りとなる確率を、各予告演出が実行されて大当りとなる確率と各予告演出が実行されてハズレとなる確率の和で除算した数値である。
尚、本実施例では、変動表示に係る保留記憶が第1特図用の保留記憶であるか第2特図用の保留記憶であるかに応じて実行される予告演出が異なるようになっている。つまり、変動表示に係る保留記憶が第1特図用の保留記憶である場合は、「予告演出A」または「予告演出B」が実行されるとともに、変動表示に係る保留記憶が第2特図用の保留記憶である場合は、「予告演出C」または「予告演出D」が実行される。このように遊技者は、実行される予告演出の種別に基づいて、変動表示に係る保留記憶が第1特図用の保留記憶であるか第2特図用の保留記憶であるかが認識可能になっている。
また、本実施例では、第1特図保留記憶の始動入賞時に第1特図上限値に達していない場合に入賞した第1特図保留記憶に基づく予告演出が第1特図用予告演出種別決定用テーブルにより決定されるとともに、第1特図上限値を達した場合に入賞した第1特図保留記憶は、第2特図用予告演出種別決定用テーブルにより決定される。また、第2特図保留記憶の始動入賞時に第2特図上限値に達していない場合に入賞した第2特図保留記憶に基づく予告演出が第2特図用予告演出種別決定用テーブルにより決定されるとともに、第2特図上限値を達した場合に入賞した第2特図保留記憶は、第1特図用予告演出種別決定用テーブルにより決定される。つまり、遊技者は、始動入賞時に特図上限値に達していない場合に入賞した特図保留記憶であるか、特図上限値を達した場合に入賞した特図保留記であるかが、実行される予告演出の種別に基づいて識別し難くなっている。このように本実施例では、第1特図保留記憶に基づいて第2特図用の「予告演出C」または「予告演出D」が実行される場合があるとともに、第2特図保留記憶に基づいて第1特図用の「予告演出A」または「予告演出B」が実行される場合がある。
図24に戻り、S293において演出制御用CPU120は、いずれかの予告演出の実行を決定したか否か、つまり、「予告演出A」若しくは「予告演出B」、または、「予告演出C」若しくは「予告演出D」のいずれかを決定したか否かを判定する。ここで、いずれの予告演出も決定していない場合、つまり、「予告演出なし」を決定した場合には、当該予告演出決定処理を終了する。一方、いずれかの予告演出を決定した場合には、S294に進んで、決定した予告演出の種別をRAM122の所定領域に記憶する。そして、S295に進んで、予告演出実行決定フラグをセットした後、当該予告演出決定処理を終了する。
図23に戻り、S277の予告演出決定処理の後に、S278において演出制御用CPU120は、予告演出実行決定フラグがセットされているか否か、つまり、S277の予告演出決定処理において、いずれかの予告演出が決定されたか否かを判定する。
予告演出実行決定フラグがセットされている場合には、S279に進んで、予告演出開始待ちタイマに、予告演出開始までの期間として本実施例の予告演出であるキャラクタ予告演出に対応する期間を設定し(S279)、予告演出実行決定フラグをクリアして(S280)、S281に進む。一方、予告演出実行決定フラグがセットされていない場合には、S279経由することなくS281に進む。
これら予告演出開始までの期間としては、本実施例では、キャラクタが登場する予告演出が開始されるタイミングの前に、キャラクタが登場することの前兆を示す演出(図示略)が実施され、該前兆を開始するタイミングが予告演出の開始タイミングとされているので、予告演出を開始するまでの期間よりも短い期間が設定され、これら予告演出の開始タイミングは、予告演出の開始から実行される予告演出のプロセステーブルに基づいて特定されて予告演出が開始されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら前兆の演出を予告演出において実施しない場合にあっては、予告演出の開始タイミングが予告演出の開始タイミングとなるので、予告演出の開始タイミングまでの期間を予告演出開始待ちタイマに設定すれば良い。
S281において演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S282)。
尚、プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのランプ制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を制御するための操作部制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8L,8R、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等))の制御を実行する(S283)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプ制御基板14に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
尚、この実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S284)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S285)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置5に出力し、演出表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値にする(S286)。
図26は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S75)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S301,S302,S303)。また、演出制御用CPU120は、予告演出開始待ちタイマがセットされている(予告演出を行うことに決定されている)か、または予告演出実行中フラグがセットされている(予告演出の実行中である)場合には(S304;Y)、予告演出処理を実行する(S305)。予告演出開始待ちタイマも予告演出実行中フラグもセットされていない場合には、S305の予告演出処理を実施することなく、S306に進む。
S306において演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S307)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S308)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S309)。
次に、変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを確認する(S310)。変動制御タイマがタイマアウトしている場合には(S310;Y)、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S311)。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置5に出力する。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S312)。
また、プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S306;N)、変動制御タイマがタイマアウトしていない場合(S310;N)、S312の実行後、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S313)。変動時間タイマがタイマアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S315)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S314;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S315)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S306の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやランプ制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
次に、保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示の表示態様について図27を参照して説明する。尚、図27(A)は、第1特図上限値(例えば「4」)に達していない場合に入賞した特図保留記憶に基づく保留記憶表示及びエフェクト表示の表示態様について例示している。また、図27(B)は、第1特図上限値(例えば「4」)を達した場合に入賞した第1特図保留記憶に基づく保留記憶表示及びエフェクト表示の表示態様について例示している。
図27(A)に示すように、第1特図の保留記憶表示または第2特図の保留記憶表示が同一の表示態様(例えば、白色の丸型の表示態様)で保留記憶表示エリア5Dにて表示されている。尚、第1特図の保留記憶が第1特図上限値に達していないとともに、第2特図の保留記憶が第2特図上限値に達しておらず、第1特図保留記憶数及び第2特図保留記憶数の合計保留記憶数が合計保留上限値(例えば「8」)に達していない状態となっている。
そして、この第1特図上限値に達していない場合(第1特図上限値が「4」以下の場合)において、変動中において第1特図の始動入賞があった場合は、新しい保留記憶表示がなされるとともに、当該新しい保留記憶表示に重ねて第1特図用のエフェクト表示(例えば、黒色の丸型の外側に複数の放射状に延びる直線が描画される)がなされる。遊技者は、この第1特図用のエフェクト表示が表示されることで、新しい保留記憶表示が第1特図保留記憶に対応している保留記憶表示であることが認識できる。
その後、保留記憶表示の表示が開始されて所定時間経過すると、第1特図用のエフェクト表示が終了する。該エフェクト表示が終了すると、第1特図または第2特図のいずれの保留記憶表示も同一の表示態様で表示されるので、遊技者は、いずれの保留記憶表示が第1特図の保留記憶であるか、第2特図の保留記憶であるかが分かり難くなる。
図27(B)に示すように、第1特図の保留記憶表示または第2特図の保留記憶表示が同一の表示態様(例えば、白色の丸型の表示態様)で保留記憶表示エリア5Dにて表示される。尚、第1特図の保留記憶が第1特図上限値に達しているが、第2特図の保留記憶が第2特図上限値に達しておらず、第1特図保留記憶数及び第2特図保留記憶数の合計保留記憶数が合計保留上限値(例えば「8」)に達していない状態となっている。
そして、この第1特図上限値に達している場合(第1特図上限値が「4」の場合)において、変動中において第1特図の始動入賞があった場合は、新しい保留記憶表示がなされるとともに、当該新しい保留記憶表示に重ねて第2特図用のエフェクト表示(例えば、黒色の丸型の外側に複数のゆらめく曲線が描画される)がなされる。遊技者は、この第2特図用のエフェクト表示が表示されることで、新しい保留記憶表示が実際には第1特図保留記憶であるにもかかわらず、第2特図保留記憶に対応している保留記憶表示であることと認識するようになる。
その後、保留記憶表示の表示が開始されて所定時間経過すると、第2特図用のエフェクト表示が終了する。該エフェクト表示が終了すると、第1特図または第2特図のいずれの保留記憶表示も同一の表示態様で表示されるので、遊技者は、いずれの保留記憶表示が第1特図の保留記憶であるか、第2特図の保留記憶であるかが分かり難くなる。
このようにすることで、一方の特図の始動入賞ばかりが発生しても、保留記憶表示エリア5Dでは、全ての保留記憶表示が同一の表示態様で表示さるので、保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示の見栄えが良くなる。
尚、本実施例では、第1特図または第2特図のいずれの保留記憶表示も同一の表示態様で表示されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図の保留記憶表示及び第2特図の保留記憶表示をそれぞれ異なる表示態様で表示するようにし、エフェクト表示が終了しても、遊技者は、いずれの保留記憶表示が第1特図の保留記憶であるか、第2特図の保留記憶であるかが分かるようにしても良い。
次に、変形例1における保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示の表示態様について図28を参照して説明する。尚、図28(A)は、第1特図上限値(例えば「4」)に達していない場合に入賞した特図保留記憶に基づく保留記憶表示の表示態様について例示している。また、図28(B)は、第1特図上限値(例えば「4」)を達した場合に入賞した第1特図保留記憶に基づく保留記憶表示の表示態様について例示している。
図28(A)に示すように、変形例1では、第1特図の保留記憶表示と第2特図の保留記憶表示とが異なる表示態様で保留記憶表示エリア5Dにて表示されている。例えば、第1特図の保留記憶表示は、白色の丸型の表示態様で表示されるとともに、第2特図の保留記憶表示は、黒色の丸型の表示態様で表示される。尚、第1特図の保留記憶が第1特図上限値に達していないとともに、第2特図の保留記憶が第2特図上限値に達しておらず、第1特図保留記憶数及び第2特図保留記憶数の合計保留記憶数が合計保留上限値(例えば「8」)に達していない状態となっている。
そして、この第1特図上限値に達していない場合(第1特図上限値が「4」以下の場合)において、変動中において第1特図の始動入賞があった場合は、新しい保留記憶表示が第1特図の表示態様で表示される。遊技者は、この第1特図の表示態様の保留記憶表示が表示されることで、新しい保留記憶表示が第1特図保留記憶に対応している保留記憶表示であることが認識できる。
図28(B)に示すように、第1特図の保留記憶表示と第2特図の保留記憶表示とが異なる表示態様で保留記憶表示エリア5Dにて表示されている。尚、第1特図の保留記憶が第1特図上限値に達しているが、第2特図の保留記憶が第2特図上限値に達しておらず、第1特図保留記憶数及び第2特図保留記憶数の合計保留記憶数が合計保留上限値(例えば「8」)に達していない状態となっている。
そして、この第1特図上限値に達している場合(第1特図上限値が「4」の場合)において、変動中において第1特図の始動入賞があった場合は、新しい保留記憶表示が第2特図の表示態様で表示される。遊技者は、この第2特図の表示態様の保留記憶表示が表示されることで、新しい保留記憶表示が実際には第1特図保留記憶であるにもかかわらず、第2特図保留記憶に対応している保留記憶表示であることと認識するようになる。
このようにすることで、一方の特図(例えば、第1特図のみ)の始動入賞ばかりが発生しても、保留記憶表示エリア5Dにて該一方の特図の表示態様の保留記憶表示ばかりが表示されずに、一方の特図(第1特図)の表示態様の保留記憶表示と他方の特図(第2特図)の表示態様の保留記憶表示との双方がバランスよく表示される。
次に、変形例2における保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示の表示態様について図29を参照して説明する。尚、図29(A)は、第1特図上限値(例えば「4」)に達していない場合に入賞した特図保留記憶に基づく保留記憶表示の表示態様について例示している。また、図29(B)は、第1特図上限値(例えば「4」)を達した場合に入賞した第1特図保留記憶に基づく保留記憶表示の表示態様について例示している。
図29(A)に示すように、変形例2では、第1特図の保留記憶表示と第2特図の保留記憶表示とが異なる表示態様で保留記憶表示エリア5Dにて表示されている。例えば、第1特図の保留記憶表示は、白色の丸型の表示態様で表示されるとともに、第2特図の保留記憶表示は、黒色の丸型の表示態様で表示される。尚、第1特図の保留記憶が第1特図上限値に達していないとともに、第2特図の保留記憶が第2特図上限値に達しておらず、第1特図保留記憶数及び第2特図保留記憶数の合計保留記憶数が合計保留上限値(例えば「8」)に達していない状態となっている。
そして、この第1特図上限値に達していない場合(第1特図上限値が「4」以下の場合)において、変動中において第1特図の始動入賞があった場合は、新しい保留記憶表示が第1特図の表示態様で表示される。遊技者は、この第1特図の表示態様の保留記憶表示が表示されることで、新しい保留記憶表示が第1特図保留記憶に対応している保留記憶表示であることが認識できる。
図29(B)に示すように、第1特図の保留記憶表示と第2特図の保留記憶表示とが異なる表示態様で保留記憶表示エリア5Dにて表示されている。尚、第1特図の保留記憶が第1特図上限値に達しているが、第2特図の保留記憶が第2特図上限値に達しておらず、第1特図保留記憶数及び第2特図保留記憶数の合計保留記憶数が合計保留上限値(例えば「8」)に達していない状態となっている。
そして、この第1特図上限値に達している場合(第1特図上限値が「4」の場合)において、変動中において第1特図の始動入賞があった場合は、新しい保留記憶表示が特別表示態様で表示される。この特別表示態様は、第1特図の表示態様及び第2特図の表示態様とは異なる表示態様になっている。例えば、特別表示態様の保留記憶表示は星型の表示態様となっている。遊技者は、この特別表示態様の保留記憶表示が表示されることで、新しい保留記憶表示が特図上限値に達しているときに入賞した保留記憶であることを認識できる。
このようにすることで、一方の特図(例えば、第1特図のみ)の始動入賞ばかりが発生しても、保留記憶表示エリア5Dにて該一方の特図の表示態様の保留記憶表示ばかりが表示されずに、一方の特図(第1特図)の表示態様の保留記憶表示と他方の特図(第2特図)の表示態様の保留記憶表示との双方がバランスよく表示される。
尚、変形例2では、第1特図上限値に達している場合に入賞した第1特図保留記憶の保留記憶表示と、第2特図上限値に達している場合に入賞した第2特図保留記憶の保留記憶表示が、同一の表示態様となっている特別表示態様で表示されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図上限値に達している場合に入賞した第1特図保留記憶の保留記憶表示の特別表示態様と、第2特図上限値に達している場合に入賞した第2特図保留記憶の保留記憶表示の特別表示態様が、それぞれ異なる表示態様となっている特別表示態様で表示されても良い。このようにすることで、遊技者は、新しい保留記憶表示が第1特図保留記憶に対応している保留記憶表示であるか、第2特図保留記憶に対応している保留記憶表示であるかが認識できる。
以上、本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、第1特図上限値を達した場合に入賞した第1特図保留記憶であっても、第1特図上限値に達していない場合に入賞した第1特図保留記憶と同様に、第1特別図柄表示器4Aを用いて第1特図の特図ゲームが実行されることで、第1特図上限値を超えた第1特図保留記憶であっても、第2特図保留記憶の保留表示として表示可能であるので、遊技者が保留記憶を把握することができる。
また、本実施例によれば、図27に示すように、第1特図上限値に達している場合において第1特図の始動入賞があった場合は、新しい保留記憶表示に重ねて第2特図用のエフェクト表示がなされることで、保留記憶が新たに記憶された場合に、遊技者がエフェクト表示によって第1特図保留記憶または第2特図保留記憶のいずれであるものかを認識でき、かつ保留記憶表示の表示態様が第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とのいずれの保留記憶表示に態様していても同一の表示態様であるので、エフェクト表示の終了後や非実行時には、第1特図保留記憶が第1特図上限値を超えた場合であっても、第1特図保留記憶または第2特図保留記憶のいずれの保留記憶であるのかが分かり難くなるので、第1特図保留記憶の保留記憶表示ばかりが増えてしまったように認識されることを防止できる。
また、本実施例によれば、演出制御コマンドには、第1始動口入賞指定コマンド及び第2始動口入賞指定コマンドと第1特図表示種別指定コマンド及び第2特図表示種別指定コマンドとが含まれていることで、始動口入賞指定コマンドと特図表示種別指定コマンドとを主基板11から演出制御基板12に送ることができるので、演出制御基板12がそれぞれの情報にもとづいて適切な制御を行うことができる。
また、本実施例によれば、特図表示種別フラグの値が第1特図用に対応する「1」である場合は、演出制御用CPU120が図24に示す予告演出決定処理にて第1特図用予告演出種別決定用テーブルを用いて予告演出の実行の有無を決定するようになっており、第1特図保留記憶の始動入賞時に第1特図上限値に達していない場合に入賞した第1特図保留記憶、つまり特図表示種別フラグの値が第1特図用に対応する「1」である場合には、第1特図用予告演出の実行が決定され、第1特図上限値を達した場合に入賞した第1特図保留記憶、つまり特図表示種別フラグの値が第2特図用に対応する「2」である場合には、第1特図用予告演出の実行が決定されないことで、第1特図保留記憶に対応して常に予告演出を実行してしまうと、第2特図保留記憶の保留記憶表示として表示された第1特図上限数を超えている第1特図保留記憶について、予告演出の実行により第1特図保留記憶であることが遊技者に分かってしまうので、予告演出の実行により第1特図保留記憶であるか否かを分かり難くすることができる。
また、変形例1によれば、図28に示すように、第1特図上限値に達している場合に入賞した第1特図保留記憶は、第2特図の表示態様の保留記憶表示で表示されることで、第1特図上限値の範囲内で第1特図の表示態様の保留記憶表示が表示され、第2特図上限値の範囲内で第2特図の表示態様の保留記憶表示が表示されるので、第1特図保留記憶が第1特図上限値を超えた場合であっても、第1特図の表示態様の保留記憶表示ばかりが増えてしまったように認識されることを防止できる。
また、変形例2によれば、図29に示すように、第1特図上限値に達している場合に入賞した第1特図保留記憶は、特別表示態様である星型の表示態様の保留記憶表示で表示されることで、第1特図上限値を超えた第1特図保留記憶が生じても、第1特図の表示態様の保留記憶表示ばかりが第1特図上限値を超えて増えてしまったように認識されることを防止できる。
尚、本実施例では、特図上限値に達している場合に入賞した保留記憶であっても、合計保留上限値に達していなければ、有効な入賞として扱うため、保留記憶が特図上限値を超えた場合であっても、遊技者が遊技を一旦止めてしまうことがなくなるので、パチンコ遊技機1の稼働率の低下を防止できる。
尚、パチンコ遊技機1は、発射された遊技球が遊技領域に設けられた多数の釘に衝突しながら流下して入賞口に入賞するものであり、パチンコ遊技機1の設計時において、第1始動入賞口に入賞する割合と、第2始動入賞口に入賞する割合とをゲージ構成により予め想定している。本実施例では、合計保留上限値に達していない場合において、第1特図上限値に達している場合に入賞した保留記憶の表示態様を第2特図用の表示態様として扱い、または第2特図上限値に達している場合に入賞した保留記憶の表示態様を第1特図用の表示態様として扱っているのみで、始動入賞種別自体は、実際の始動入賞口に対応したものとして扱っているので、変動表示を行うときには、実際の始動入賞口に対応した保留記憶として扱われる。つまり、第1始動入賞口または第2始動入賞口に入賞する割合を遊技領域のゲージ構成により想定された割合のまま維持できるようになっている。
次に、実施例2に係るパチンコ遊技機71につき、図30から図60を参照して説明する。このパチンコ遊技機71は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠72を有し、ガラス扉枠72の下部表面には打球供給皿(上皿)73があり、打球供給皿73の下部には、打球供給皿73に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿74や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)75が設けられている。また、遊技盤76の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域77が形成されている。
遊技領域77の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置79が設けられている。演出表示装置79の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。
遊技盤76における演出表示装置79の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)78aが設けられている。この実施例2では、第1特別図柄表示器78aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。第2特別図柄表示器78bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
第1特別図柄表示器78aの下部には、第1始動入賞口713に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器718aが設けられている。
第2特別図柄表示器78bの下部には、第2始動入賞口714に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器718bが設けられている。
また、演出表示装置79の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部718cが設けられている。この実施例2では、合算保留記憶表示部718cにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とに対応する保留表示が第1始動入賞口713および第2始動入賞口714への入賞順に並べて表示される。なお、合算保留記憶表示部718cにおいて、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示されるようにしてもよい(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示されるようにしてもよい)。また、合算保留記憶表示部718cに代えて、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるように構成してもよい。
演出表示装置79は、第1特別図柄表示器78aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器78bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。
また、図30に示すように、可変入賞球装置715の下方には、特別可変入賞球装置720が設けられている。
遊技盤76の右側方下部には、普通図柄表示器710が設けられている。普通図柄表示器710は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート732を通過しゲートスイッチ732aで検出されると、普通図柄表示器710の表示の可変表示が開始される。
図31は、主基板(遊技制御基板)731における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図31には、払出制御基板737および演出制御基板780等も示されている。主基板731には、プログラムに従ってパチンコ遊技機71を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)7560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM754、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM755、プログラムに従って制御動作を行うCPU756およびI/Oポート部757を含む。この実施例2では、ROM754およびRAM755は遊技制御用マイクロコンピュータ7560に内蔵されている。遊技制御用マイクロコンピュータ7560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路7503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ7560においてCPU756がROM754に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ7560(またはCPU756)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU756がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板731以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
図33は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定
用)
(3)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施例2では、変動パターンは、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、変動パターン判定テーブルに含まれるいずれかの変動パターンに決定する。
遊技制御処理における判定用乱数更新処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。
図34(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM754に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図34(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図34(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図34(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図34(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM754に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図34(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図34(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図34(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU756は、所定の時期に、乱数回路7503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図34(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図34(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図34(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図34(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器78aまたは第2特別図柄表示器78bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器78aまたは第2特別図柄表示器78bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施例2では、図34(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施例2では、第1始動入賞口713に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口714に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図34(D),(E)は、ROM754に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図34(D)は、遊技球が第1始動入賞口713に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図34(E)は、遊技球が第2始動入賞口714に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
この実施例2では、図34(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施例2では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される。
また、「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されず、時短状態にのみ移行される大当りである。そして、時短状態に移行した後、特別図柄および演出図柄の変動表示の実行を所定回数(例えば、100回)終了するまで時短状態が維持される。なお、この実施例2では、時短状態に移行した後、所定回数の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する。
また、「突然確変大当り」とは、「確変大当り」や「通常大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施例2では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。そして、この実施例2では、その2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施例2では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU756は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図35は、ROM754に記憶されている変動パターン判定テーブルを示す説明図である。変動パターン判定テーブルは、大当り種別や遊技状態などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。CPU756は、抽出したランダム3の(1〜997)の値が変動パターンごとに割り当てられたデータ(判定値)と一致した場合に、変動パターンを、一致した変動パターンの判定値に対応するパターンに決定する。なお、図35に示す例では、変動パターンごとに割り当てられる判定値の割合が示されている。例えば、通常遊技状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図35の「はずれ」フィールド)においては、ランダム3の値(1〜997)に対応する判定値のうちの50%が、変動パターン「非リーチはずれ」に設定されている。つまり、図35に示す例では、変動パターン判定テーブルに設定された各値は、可変表示結果が「はずれ」、「はずれ(時短時)」、「通常大当り/確変大当り」または「突然確変大当り/小当り時」である場合に、対応付けられた変動パターンに決定される割合を示している。
図35に示すように、例えば、通常遊技状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図35の「はずれ」フィールド)においては、複数種類の変動パターンのうち、「非リーチはずれ」と判定される割合が最も高く、「擬似連3スーパーはずれ」と判定される割合が最も低い。また、例えば、時短状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図35の「はずれ(時短時)」フィールド)においては、「はずれ」フィールドとは異なり、「非リーチはずれ」と判定されることがなく、「短縮非リーチはずれ」と判定される割合が高くなるように判定値が割り当てられている。このように設定することによって、時短状態においては変動時間が短い変動パターンが選択されやすくなる。
また、図35に示す例では、可変表示結果を「突然確変大当り」または「小当り」にする旨の判定がなされている場合(図35の「突然確変大当り/小当り」フィールド)においては、変動パターンは「特殊当り」と判定される。
図36および図37は、遊技制御用マイクロコンピュータ7560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図36および図37に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置79において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図32に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ7100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置79において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ7100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ7100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施例2では、後述する入賞時判定処理(図42参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、始動入賞時にいずれの変動パターンとなるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定結果コマンドのEXTデータに判定結果としての変動パターンを指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ7100に対して送信するための制御(送信設定)を行う。
図38は、入賞時判定結果指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図38に示すように、この実施例2では、始動入賞時にいずれの変動パターンになると判定したとかに応じて、EXTデータに値が設定され、入賞時判定結果指定コマンドが送信される。例えば、第1始動入賞口713または第2始動入賞口714への始動入賞時に変動パターンが「短縮非リーチはずれ」となると判定した場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。また、例えば、第1始動入賞口713または第2始動入賞口714への始動入賞時に変動パターンが「特殊当り」となると判定した場合には、EXTデータに「13(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
演出制御基板780に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ7100(具体的には、演出制御用CPU7101)は、主基板731に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ7560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図36および図37に示された内容に応じて演出表示装置79の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板770に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器78aまたは第2特別図柄表示器78bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ7100に送信する。
この実施例2では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板731から中継基板777を介して演出制御基板780に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板780に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ7100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図36および図37に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器78aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器78bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置79などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ7560から演出制御用マイクロコンピュータ7100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図39は、主基板731に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ7560(具体的には、CPU756)が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器78aまたは第2特別図柄表示器78bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU756は、第1始動入賞口713に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ713aがオンしていたら、または第2始動入賞口714に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ714aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口713または第2始動入賞口714への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(S7311,S7312)。そして、S7300〜S7310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ713aまたは第2始動口スイッチ714aがオンしていなければ、内部状態に応じて、S7300〜S7310のうちのいずれかの処理を行う。
S7300〜S7310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S7300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS7301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S7301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS7302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S7302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ7100に、表示結果指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS7303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S7303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S7301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS7304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S7304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器78aまたは第2特別図柄表示器78bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ7100に、図柄確定指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS7305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS7308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS7300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ7100は、遊技制御用マイクロコンピュータ7560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置79において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(S7305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド721を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS7306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S7306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ7100に送信するための制御(送信設定)や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS7305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS7307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S7307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ7100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS7300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S7308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド721を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS7309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S7309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS7308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS7310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S7310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ7100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS7300に対応した値(この例では0)に更新する。
図40は、S7312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU756は、まず、合計保留記憶数が合計保留記憶上限値(例えば8)に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを合わせた合計保留記憶数をカウントするための合計保留記憶数カウンタの値が8であるか否か)を確認する(S1210)。合計保留記憶数が合計保留記憶上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。一方、合計保留記憶数が合計保留記憶上限値に達していなければ、S1221に移行する。
S1211においてCPU756は、第1始動口スイッチ713aがオン状態であるか否かを確認する。第1始動口スイッチ713aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ713aがオン状態であれば、CPU756は、第1保留記憶数が第1保留上限値(例えば4)に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が第1保留上限値に達していれば、S1224に移行する。一方、第1保留記憶数が第1保留上限値に達していなければ、S1213に移行する。
S1213においてCPU756は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす。そして、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU756は、第1始動入賞口713および第2始動入賞口714への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施例2では、第1始動口スイッチ713aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口713に遊技球が始動入賞した場合)には、「第1」を示すデータをセットする。また、第2始動口スイッチ714aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口714に遊技球が始動入賞した場合)には、「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU756は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ713aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ714aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
尚、この実施例2では、第1始動口スイッチ713aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口713に遊技球が始動入賞した場合)において、第1保留上限値(例えば4)に達しており、かつ合計保留記憶上限値(例えば8)に達していない場合には、「第2」を示すデータをセットする。また、第2始動口スイッチ714aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口714に遊技球が始動入賞した場合)において、第2保留上限値(例えば4)に達しており、かつ合計保留記憶上限値(例えば8)に達していない場合には、「第1」を示すデータをセットする。つまり、各保留上限値(例えば4)に達している場合に入賞したときには、一方の特別図柄の保留記憶が他方の特別図柄の保留記憶として記憶される保留記憶の振り替えが行われる。
図41(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図41(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図41(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図41(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口713または第2始動入賞口714への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口713および第2始動入賞口714への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM755に形成されている。
図41(C)に示すように、例えば、第1始動入賞口713に8個の遊技球が連続して始動入賞した場合において、第1保留上限値(例えば4)に達していないときに始動入賞した保留記憶は、第1特別図柄の保留記憶として記憶され、第1保留上限値(例えば4)に達した後に始動入賞した保留記憶は、第2特別図柄の保留記憶として記憶される。そのため、第1始動入賞口713に8個の遊技球が連続して始動入賞した場合であっても、保留特定領域には、第1特別図柄の保留記憶と第2特別図柄の保留記憶とが記憶されるようになる。
次いで、CPU756は、乱数回路7503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図41(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。なお、S1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図41(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図41(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施例2では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM755に形成されている。
図40に戻り、次いで、CPU756は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時判定処理を実行する(S1217)。そして、CPU756は、第1保留記憶数カウンタの値にもとづいて第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ7100に送信するための制御(送信設定)を行い、その後、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ7100に送信するための制御(送信設定)を行う(S1218)。
なお、S1218の処理を実行することによって、この実施例2では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU756は、第1始動入賞口713に始動入賞するごとに、必ず第1保留記憶数指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ7100に対して送信する。
なお、この実施例2では、第1始動入賞口713と第2始動入賞口714とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置715が設けられた第2始動入賞口714に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。この場合には、S1215の処理を省略可能であるとともに、図41(A)に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)が不要となる。また、この場合には、CPU756は、高ベース状態でなく(時短フラグがセットされていない場合)、大当り遊技中でないことを条件に、第1始動入賞口713に始動入賞したことにもとづく入賞時判定処理(S1217)を行うようにしてもよい。すなわち、条件を満たさない場合には、入賞時判定処理(S1217)の実行を制限するようにし、特定の変動表示の表示結果が大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出(詳細については後述する)を実行させないようにしてもよい。第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成において、第2始動入賞口714に始動入賞しやすい遊技状態では、第1始動入賞口713に始動入賞したことにもとづく第1特別図柄の変動表示が後回しにされ続けることがあるため、先読み演出を実行しても、予告対象の変動表示がなかなか実行されない状態が生じてしまう可能性がある。しかし、入賞時判定処理(S1217)の実行を制限することで、第1始動入賞口713に始動入賞したことにもとづく先読み演出を実行させないようにすることができ、そのような状態を回避することができる。また、高ベース状態や大当り遊技中に入賞時判定処理を制限することによって、大当りとなる保留記憶が記憶されていることが認識できる状態で遊技が行われることを防止することができる。なお、大当り遊技中であるか否かは、例えば、特別図柄プロセスフラグの値で確認される。その場合、CPU756は、特別図柄プロセスフラグの値が5〜7のいずれかであるときに大当り遊技中であると判定する。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ7560側では入賞時判定処理を常に行い、演出制御用マイクロコンピュータ7100側で、高ベース状態であるか否か、大当り遊技中であるか否かを判定し、先読み演出の実行を制限するようにしてもよい。
次いで、CPU756は、第2始動口スイッチ714aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ714aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ714aがオン状態であれば、CPU756は、第2保留記憶数が第2保留上限値(例えば4)に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が第2保留上限値に達していれば、S1213に移行する。一方、第2保留記憶数が第2保留上限値(例えば4)に達していなければ、S1224に移行する。
S1224にいてCPU756は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす。そして、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU756は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU756は、乱数回路7503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図41(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU756は、入賞時判定処理を実行する(S1228)。そして、CPU756は、第2保留記憶数カウンタの値にもとづいて第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ7100に送信するための制御(送信設定)を行い、その後、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ7100に送信するための制御(送信設定)を行う(S1229)。
なお、S1229の処理を実行することによって、この実施例2では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU756は、第2始動入賞口714に始動入賞するごとに、必ず第2保留記憶数指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ7100に対して送信する。
図42は、S1217,S1218の入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理では、CPU756は、まず、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図34(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S7220)。この実施例2では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口713や第2始動入賞口714に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時判定処理を実行することによって、あらかじめいずれの変動パターンとなるか否かを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動パターンを予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ7100によって大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S7220のN)、CPU756は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S7221)。確変フラグがセットされていれば、CPU756は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図34(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S7222)。なお、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS7221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS7221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S7222のN)、CPU756は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図34(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S7223)。この場合、CPU756は、第1始動入賞口713への始動入賞があった場合(図40に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1217参照)を実行する場合)には、図34(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口714への始動入賞があった場合(図40に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1228参照)を実行する場合)には、図34(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(S7223のN)、CPU756は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(S7224)。この実施例2では、CPU756は、S7224において、遊技状態が確変状態または時短状態であるか否か(具体的には、時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にS7224で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS7224で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS7224で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。
そして、CPU756は、S7224の判定結果に応じて、変動パターン判定テーブルのフィールドを選択する(S7225)。具体的には、CPU756は、遊技状態が確変状態もしくは時短状態であると判定した場合には、図35に示す変動パターン判定テーブルの「はずれ(時短時)」フィールドを選択する。また、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、図35に示す変動パターン判定テーブルの「はずれ」フィールドを選択する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(S7223のY)、CPU756は、図35に示す変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する。(S7226)。
S7220またはS7222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU756は、S1216,S1227で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(S7227)。この場合、CPU756は、第1始動入賞口713への始動入賞があった場合(図40に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1217参照)を実行する場合)には、図34(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口714への始動入賞があった場合(図40に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1228参照)を実行する場合)には、図34(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
そして、CPU756は、S7227で判定した大当り種別に応じて、変動パターン判定テーブルのフィールドを選択する。(S7228)。具体的には、CPU756は、「通常大当り」または「確変大当り」と判定した場合には、変動パターン判定テーブルの「通常大当り/確変大当り」フィールドを選択する。また、「突然確変大当り」と判定した場合には、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する。
次いで、CPU756は、S7225,S7226,S7228で設定した変動パターン判定テーブルのフィールドと、S1216,S1227で抽出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)とを用いて、変動パターンを判定する(S7229)。
そして、CPU756は、判定した変動パターンを入賞時判定結果指定コマンドに設定する処理を行う(S7230)。具体的には、CPU756は、S7229でいずれの変動パターンになると判定したかに応じて、図38に示すような「00(H)」〜「51(H)」のいずれかの値を入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
例えば、第1始動入賞口713への始動入賞があった場合(図40に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1217参照)を実行する場合)には、S7229で「非リーチはずれ」の変動パターンになると判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「02(H)」を設定する処理を行う。また、S7229で「擬似連3スーパー当り」の変動パターン種別になると判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「12(H)」を設定する処理を行う。
なお、この実施例2では、保留記憶数が異なっていても同じ変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが判定されるが、保留記憶数に応じて異なる変動パターン判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合には、保留記憶数にかかわらず、例えば、ノーマルリーチやスーパーリーチなどを伴う変動パターンになるか否かを変動パターン判定用乱数(または変動パターン種別判定用乱数)から判定し、判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよいし、特定の変動パターン(例えば、特定のリーチ演出を行う変動パターンや、特定の擬似連回数の変動パターンなど)になると判定されたときに、判定結果を示す入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、例えば、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であるか否かを判定し、判定結果を示す入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。
図43は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S7300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU756は、合算保留記憶数の値を確認する(S751)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU756は、保留特定領域(図41(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S752)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S752のN)、CPU756は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S754)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S752のY)、CPU756は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S753)。
S752〜S754の処理が実行されることによって、この実施例2では、第1始動入賞口713と第2始動入賞口714とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、この実施例2では、第1始動入賞口713と第2始動入賞口714とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。例えば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する場合には、S752において第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数が1以上であるか否かを確認し、1以上であればS754に移行し、0であればS753に移行するようにする。
次いで、CPU756は、RAM755において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM755の乱数バッファ領域に格納する(S755)。具体的には、CPU756は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM755の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU756は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM755の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU756は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S756)。具体的には、CPU756は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU756は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM755の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM755の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU756は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
なお、CPU756は、S756において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算すると、減算された保留記憶数カウンタのカウント値にもとづいて第1特別図柄保留記憶表示器718aまたは第2特別図柄保留記憶表示器718bの表示を変更する制御も行う。
そして、CPU756は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM755の所定の領域に保存した後(S757)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S758)。なお、CPU756は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM755の所定の領域に保存する。
また、CPU756は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値にもとづいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ7100に送信するための制御(送信設定)を行う(S759)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU756は、第1保留記憶数指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU756は、第2保留記憶数指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口713を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口714を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S7300〜S7310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU756は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU756は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図34参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM754における図34(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM754における図34(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU756は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU756は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図34(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S761のY)、S771に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S761のN)、CPU756は、小当り判定テーブル(図34(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU756は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図34(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU756は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図34(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図34(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S762)、CPU756は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(S763)、S775に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(S762のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままS775に移行する。
S771では、CPU756は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S772)。具体的には、CPU756は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図34(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aを選択する。また、CPU756は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図34(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bを選択する。
次いで、CPU756は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S773)。なお、この場合、CPU756は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図34(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU756は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM755における大当り種別バッファに設定する(S774)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU756は、特別図柄の停止図柄を決定する(S775)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S7301)に対応した値に更新する(S776)。
図44は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S7301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU756は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S791)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU756は、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りである場合には(S792のY)、変動パターン判定テーブルの「通常大当り/確変大当り」フィールドを選択し(S793)、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りでない場合には(S792のN)、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する(S794)。そして、S7101に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU756は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S793)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU756は、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する(S796)。そして、S7101に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU756は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S797)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(S797のY)、CPU756は、変動パターン判定テーブルの「はずれ(時短時)」フィールドを選択する(S798)。そして、S7101に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(S797のN)、CPU756は、変動パターン判定テーブルの「はずれ」フィールドを選択する(S799)。そして、S7101に移行する。
次いで、CPU756は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し(S7101)、S793、S794、S796,S798またはS799の処理で選択した変動パターン判定テーブルのフィールドを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S7102)。
次いで、CPU756は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ7100に送信するための制御(送信設定)を行う(S7103)。また、CPU756は、特別図柄ポインタが示す図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ7100に送信するための制御(送信設定)を行う(S7104)。
また、特別図柄の変動を開始する(S7105)。例えば、S733の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM755に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S7106)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S7302)に対応した値に更新する(S7107)。
図45は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S7304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU756は、S732の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器78aまたは第2特別図柄表示器78bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S7131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器78aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器78bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ7100に図柄確定指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S7132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S7140に移行する(S7133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU756は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(S7134)、演出制御用マイクロコンピュータ7100に大当り開始指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S7135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM755に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、CPU756は、演出制御用マイクロコンピュータ7100に通常状態指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S7136)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置79において報知する時間)に相当する値を設定する(S7137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。突然確変大当りの場合には2回。)をセットする(S7138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S7305)に対応した値に更新する(S7139)。
S7140では、CPU756は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する。確変フラグがセットされていなければ、CPU756は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S7141)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態をともなわず、時短状態にのみ制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S7142)。
次いで、CPU756は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(S7144)、時短フラグをリセットする(S7145)。また、CPU756は、演出制御用マイクロコンピュータ7100に対して通常状態指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S7146)。
次いで、CPU756は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S7147)。小当りフラグがセットされていれば、CPU756は、演出制御用マイクロコンピュータ7100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する(S7148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置79において報知する時間)に相当する値を設定する(S7149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(S7150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(S7308)に対応した値に更新する(S7151)。
小当りフラグもセットされていなければ(S7147のN)、CPU756は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S7300)に対応した値に更新する(S7152)。
図46は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S7307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU756は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S7160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S7164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(S7161)、大当り終了指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S7162)。ここで、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置79において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S7163)、処理を終了する。
S7164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU756は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S7165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(S7165のY)、CPU756は、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かを確認する(S7166)。なお、確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS774で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」〜「03」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU756は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(S7167)。また、CPU756は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(S7168)。また、CPU756は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ7100に送信するための制御(送信設定)を行う(S7169)。そして、S7173に移行する。
確変大当りまたは突然確変大当りであれば、CPU756は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(S7170)。また、CPU756は、時短フラグをセットする(S7171)。また、CPU756は、確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ7100に送信するための制御(送信設定)を行う(S7172)。そして、S7173に移行する。
なお、この実施例2では、S7167,S7171でセットした時短フラグは、可変入賞球装置715の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU756は、普通図柄プロセス処理において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置715を開放する制御を行う。また、S7167,S7171でセットした時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
そして、CPU756は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S7300)に対応した値に更新する(S7173)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。演出制御基板780に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ7100(具体的には、演出制御用CPU7101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU7101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU7101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU7101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU7101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU7101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグのセットやデータを格納する処理等を行う(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU7101は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置79の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
図47〜図48は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板731から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU7101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド受信バッファは、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ7560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU7101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU7101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(S612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S621)、演出制御用CPU7101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S622)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S623)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S625)、演出制御用CPU7101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S626)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S627)、演出制御用CPU7101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S628)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU7101は、その第1保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第1保留記憶数として第1保留記憶数保存領域に格納する(S652)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数指定コマンドであれば(S654)、演出制御用CPU7101は、その第2保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第2保留記憶数として第2保留記憶数保存領域に格納する(S655)。
次いで、受信した演出制御コマンドがいずれかの入賞時判定結果指定コマンドであれば(S664)、演出制御用CPU7101は、受信した入賞時判定結果指定コマンドに応じた入賞時判定結果を入賞時判定結果記憶バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた領域に保存し(S665)、先読み演出決定処理を行う(S671)。
なお、この実施例2では、合算保留記憶数は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数と、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数とを合算することで求められる。第1保留記憶数は、第1保留記憶数指定コマンドを受信した後に、S652において更新され、第2保留記憶数は、第2保留記憶数指定コマンドを受信した後に、S655において更新されるため、合算保留記憶数も同じタイミングで更新される。また、入賞時判定結果指定コマンドは、始動口スイッチ通過処理のS1218においては、第1保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信され、S1228においては、第2保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信される。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ7100は、合算保留記憶数を更新した後に、入賞時判定結果指定コマンドを受信する。なお、演出制御用CPU7101は、S665の処理で、例えば、入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータを入賞時判定結果バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた保存領域にセットする。入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)で、入賞時判定結果が特定されるからである(図38参照)。また、入賞時判定結果バッファにセットされたデータは、後述する演出図柄変動開始処理(S1800の処理が実行されるタイミングなど)において、先にセットされたものから順に削除される。
図48(A)は、入賞時判定結果を保存する領域(入賞時判定結果記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図48(A)に示すように、この実施例2では、入賞時判定結果記憶バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた8個の保存領域が確保されている。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、いずれの入賞時判定結果であるかを区別するために、第1始動入賞口713への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第1入賞時判定結果記憶バッファと、第2始動入賞口714への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第2入賞時判定結果記憶バッファとを用意するようにしてもよい。この場合には、第1入賞時判定結果記憶バッファには、第1保留記憶数の第1保留上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されていれば良く、また、第2入賞時判定結果記憶バッファには、第2保留記憶数の第2保留上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されていれば良い。また、この場合には、第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファには、受信した入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータが記憶される。なお、入賞時判定結果記憶バッファ(第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファ)は、演出制御用マイクロコンピュータ7100が備えるRAMに形成されれば良い。
また、受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU7101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S683)。そして、S611に移行する。
次に、先読み演出について説明する。先読み演出とは、演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行され、演出の対象となる変動表示が大当りとなることや特定の変動(例えば、リーチ演出を含むなど)となることを予告する予告演出のことである。この実施例2では、先読み演出として、合算保留記憶表示部718cにおいて、予告対象となる変動表示(保留記憶)に対応する保留表示が、通常の表示態様(以下、通常態様)とは異なる表示態様(後述する特殊態様または第1特別態様もしくは第2特別態様)で表示される演出が行われる。
図49は、先読み演出決定処理を示すフローチャートである。先読み演出決定処理において、演出制御用CPU7101は、先読み演出の実行が制限されていることを示す先読み演出制限フラグがセットされているか否かを確認する(S67101)。なお、先読み演出制限フラグは、後述するS67111においてセットされる。先読み演出制限フラグがセットされていれば、演出制御用CPU7101は、合算保留記憶表示部718cにおいて、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(S67116)。例えば、合算保留記憶表示部718cの1つ目〜5つ目の保留表示が表示されていた場合には、演出制御用CPU7101は、6つ目の保留表示を通常態様で表示するように制御する。
先読み演出制限フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU7101は、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する過去の入賞時判定結果(今回受信した入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果を除く)を全て抽出する(S67102)。
次いで、演出制御用CPU7101は、抽出した入賞時判定結果が全て「非リーチ」を示す判定結果であるか否かを確認する(S67103)。この実施例2では、演出制御用CPU7101は、S67103において、抽出した入賞時判定結果が、全て変動パターンが「短縮非リーチはずれ」または「非リーチはずれ」になることを示す値(具体的には、「01(H)」または「02(H)」。図38参照)であるか否かを判定する(すなわち、リーチを伴わないはずれ変動となるか否かを確認する)。
S67103において抽出した入賞時判定結果が全て「非リーチ」を示す判定結果である場合には、演出制御用CPU7101は、S67104に移行する。一方、抽出した入賞時判定結果が全て「非リーチ」を示す判定結果でない場合には、演出制御用CPU7101は、合算保留記憶表示部718cにおいて、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(S67116)。すなわち、この実施例2では、リーチ演出を伴う変動表示が行われる保留記憶がある場合には、新たに受信した入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて先読み演出を実行しないように構成されている。なお、図49に示す例に限らず、リーチ演出を伴う変動表示が行われる保留記憶がある場合であっても、新たに受信した入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて先読み演出を実行するようにしてもよい。
S67104では、演出制御用CPU7101は、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する最新の入賞時判定結果(今回受信した入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果)を抽出し、抽出した入賞時判定結果にもとづいて、先読み演出を実行するか否かを決定する(S67104)。
この実施例2では、演出制御用CPU7101は、図50(A)に示す先読み演出実行決定テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを決定する。
図50(A)は、先読み演出実行決定テーブルを示す説明図である。先読み演出実行決定テーブルには、入賞時判定結果ごとに決定事項(「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」)に対応する判定値が割り当てられているが、図50(A)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU7101は、例えば、先読み演出を実行するか否かを決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項(「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」)に決定する。したがって、図50(A)に示す例では、各入賞時判定結果における「先読み演出を実行する」と「先読み演出を実行しない」とに対応する数値は、決定事項として「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」が選択される割合(%)を示している。
なお、この実施例2では、図50(A)に示す先読み演出実行決定テーブルの他に、図50(B)に示す最終表示態様決定テーブル、図51に示す先読み演出パターン決定テーブル、図52に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルおよび図53に示す示唆演出態様決定テーブルについても、実際には判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために割り当てられた判定値の割合が示されている。また、それらのテーブルが用いられる後述するS67106、S67107、S67108、S67110、S67115においても、S67104と同様に、演出制御用CPU7101は、例えば、最終表示態様、先読み演出パターン、変化タイミング(シフト回数)または示唆演出の演出態様を決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている事項に決定する。
S67104では、演出制御用CPU7101は、抽出した最新の入賞時判定結果にもとづいて、図50(A)に示す先読み演出実行決定テーブルにおいて入賞時判定結果ごとに定められた割合で、先読み演出を実行するか否かを決定する。例えば、入賞時判定結果で「短縮非リーチはずれ」であることが示されているときには、演出制御用CPU7101は、100%の割合で先読み演出を実行しないと決定する。また、例えば、入賞時判定結果で「擬似連3スーパー当り」であることが示されているときには、演出制御用CPU7101は、99%の割合で先読み演出を実行すると決定する。
図50(A)に示す先読み演出実行決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)に比べて、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)の方が、先読み演出が実行される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。また、図50(A)に示す先読み演出実行決定テーブルにおいて特徴的なことは、同じ表示結果であっても、期待度が高いリーチ演出が行われる方が(例えばノーマルリーチよりもスーパーリーチが行われる方が)、先読み演出が実行される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、先読み演出が実行されたときには、先読み演出が実行されないときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることや、大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われる割合を高くすることができる。したがって、先読み演出が実行されることに対して遊技者に期待感を持たせることができる。
なお、図50(A)に示す例では、入賞時判定結果で「非リーチはずれ」である場合にも1%の割合で先読み演出を実行すると決定されるが、「非リーチ」(「短縮非リーチはずれ」または「非リーチはずれ」)の場合には、先読み演出を実行すると決定されないようにしてもよい。また、図50(A)に示す例では、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに先読み演出を実行するか否かを決定するための判定値(割合)が設定されているが、例えば、表示結果ごと(例えば、「はずれ」、「通常大当り」もしくは「確変大当り」または「突然確変大当り」もしくは「小当り」)に先読み演出を実行するか否かを決定するための判定値(割合)が設定されていてもよい。
次いで、演出制御用CPU7101は、先読み演出を実行すると決定した場合には(S67105のY)、S67105aに移行する。一方、先読み演出を実行しないと決定した場合には(S67105のN)、演出制御用CPU7101は、合算保留記憶表示部718cにおいて、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(S67116)。
S67105aでは、演出制御用CPU7101は、先読み演出の対象となる保留表示を特定するための演出用合算保留記憶数カウンタに、合計保留記憶数をセットする(S67105a)。演出用合算保留記憶数カウンタの値は、演出図柄変動開始処理のS1802aにおいて1減算され、S1811において、先読み演出の対象となる保留表示を特定するために用いられる。例えば、演出用合算保留記憶数カウンタの値が4である場合には、合算保留記憶表示部718cの4つ目の保留表示の表示態様を変化させる先読み演出が実行される。なお、この実施例2では、合算保留記憶数は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数と、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数とを合算することで求められる。第1保留記憶数は、第1保留記憶数指定コマンドを受信した後に、S652において更新され、第2保留記憶数は、第2保留記憶数指定コマンドを受信した後に、S655において更新されるため、合算保留記憶数も同じタイミングで更新される。また、入賞時判定結果指定コマンドは、始動口スイッチ通過処理のS1218においては、第1保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信され、S1228においては、第2保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信される。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ7100は、合算保留記憶数を更新した後に、入賞時判定結果指定コマンドを受信する。
次いで、演出制御用CPU7101は、先読み演出において、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示を、最終的にどの表示態様で表示するかを決定する(S67106)。この実施例2では、保留表示の表示態様として、通常態様の他に、特殊態様、第1特別態様および第2特別態様が設けられている。ただし、後述するように、特殊態様で表示された保留表示は、その保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されるまでに、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。したがって、S67106では、最終的な表示態様は第1特別態様または第2特別態様のいずれかに決定される。以下、第1特別態様と第2特別態様とを特別態様と総称することがある。
図50(B)は、最終表示態様決定テーブルを示す説明図である。S67106において、演出制御用CPU7101は、図50(B)に示す最終表示態様決定テーブルを用いて、最終的にどの表示態様で表示するか(以下、最終表示態様ともいう)を決定する。具体的には、抽出した最新の入賞時判定結果にもとづいて、最終表示態様決定テーブルにおいて入賞時判定結果(変動表示の表示結果)ごとに定められた割合で、最終表示態様を決定する。例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「はずれ」であることが示されている場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)には、演出制御用CPU7101は、80%の割合で最終表示態様を第1特別態様に決定する。また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)には、演出制御用CPU7101は、80%の割合で最終表示態様を第2特別態様に決定する。
図50(B)に示す最終表示態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)に比べて、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)の方が、第2特別態様に決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、保留表示が第2特別態様で表示されたときには、第1特別態様で表示されたときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、第1特別態様よりも第2特別態様で表示された方が大当りとなる期待度を高くすることができ、先読み演出が実行されたときに、保留表示がどの表示態様で表示されるかについて着目させることができる。
なお、図50(B)に示す例では、入賞時判定結果で示される表示結果ごと(「はずれ」、「通常大当り」もしくは「確変大当り」または「突然確変大当り」もしくは「小当り」)に最終表示態様を決定するための判定値(割合)が設定されているが、例えば、図50(A)の先読み演出実行決定テーブルと同様に、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに最終表示態様を決定するための判定値(割合)が設定されていてもよい。そのようにすることで、保留表示が第2特別態様で表示されたときに、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることの他に、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も高くすることができる。
また、この実施例2では、最終表示態様として第1特別態様と第2特別態様との2種類の表示態様が設けられているが、これに限らず、3種類以上の表示態様を設け、それぞれ期待度が異なる(表示結果に応じて選択される割合が異なる)ようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU7101は、先読み演出の演出パターン(以下、先読み演出パターンともいう)を決定する(S67107)。
この実施例2では、先読み演出パターンとして、第1先読み演出パターンと第2先読み演出パターンとが設けられている。第1先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、第1特別態様または第2特別態様で表示される。なお、第1先読み演出パターンは、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されるものと、予告対象の変動表示(保留情報)が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるものとを含む。一方、第2先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、その予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。
保留表示のシフトタイミングとは、後述する演出図柄変動開始処理において、合算保留記憶表示部718cにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部718cにおける合算保留記憶数表示を更新するタイミング(具体的には、S1800が実行されるタイミング)である。例えば、合算保留記憶表示部718cの1つ目〜5つ目の保留表示が表示されていた場合に、シフトタイミングで1つ目の保留表示が消去されるとともに、2つ目に表示されていた保留表示が1つ目の表示領域にシフトされ、3つ目に表示されていた保留表示が2つ目の表示領域にシフトされ、4つ目に表示されていた保留表示が3つ目の表示領域にシフトされ、5つ目に表示されていた保留表示が4つ目の表示領域にシフトされる。
図51は、先読み演出パターン決定テーブルを示す説明図である。S67107において、演出制御用CPU7101は、先読み演出パターン決定テーブルと合計保留記憶数とにもとづいて、先読み演出パターンを決定する。具体的には、演出制御用CPU7101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合(すなわち、入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果13指定の場合)、図51(A)に示す当り時先読み演出パターン決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU7101は、図51(A)に示す当り時先読み演出パターン決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンと第2先読み演出パターンとのいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU7101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」である場合(すなわち、入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定の場合)、図51(B)に示すはずれ時先読み演出パターン決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU7101は、図51(B)に示すはずれ時先読み演出パターン決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンと第2先読み演出パターンとのいずれかに決定する。
例えば、入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)であり、合計保留記憶数が2である場合には、演出制御用CPU7101は、先読み演出パターンを、35%の割合で第1先読み演出パターンに、65%の割合で第2先読み演出パターンに決定する。また、例えば、入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」であり、合計保留記憶数が2である場合には、演出制御用CPU7101は、先読み演出パターンを、65%の割合で第1先読み演出パターンに、35%の割合で第2先読み演出パターンに決定する。
図51に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、変動表示の表示結果が「はずれ」である場合に比べて、変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合の方が、第2先読み演出パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち始動入賞時に保留表示が特殊態様で表示され、その後、特別態様に変化して表示されるとき)には、第1先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち保留表示が一旦特殊態様で表示されることなく特別態様で表示されたとき)に比べて、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができる。また、変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」の場合には、最終表示態様が第2特別態様に決定される割合が高いため、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち始動入賞時に保留表示が特殊態様で表示され、その後、特別態様に変化して表示されるとき)には、特殊態様で表示された保留表示が、第1特別態様よりも大当りとなる期待度が高い第2特別態様に変化する割合が高くなる。したがって、先読み演出がどの先読み演出パターンで実行されるかについて着目させることができる。また、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち始動入賞時に保留表示が特殊態様で表示されたとき)には、特殊態様で表示された保留表示が第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様に変化しやすいため、期待感を高めることができ、遊技興趣を向上させることができる。また、この実施例2では、特殊態様で表示された保留表示は、その保留表示(保留情報)に対応する変動表示が開始されるまでに、第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるため、保留表示が特殊態様で表示されてから特別態様に変化するまで、期待感を持続させることができる。
また、図51に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、合算保留記憶数が1の場合には、第2先読み演出パターンに決定されないように判定値が設定されていることである。この実施例2では、第2先読み演出パターンにおいて、始動入賞時に特殊態様で表示された保留表示を、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示させるタイミングは、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングである。しかし、合算保留記憶数が1の場合(すなわち予告対象の変動表示に対応する保留表示のみが表示される場合)には、保留表示のシフトが1回行われると、予告対象の変動表示に対応する保留表示は消去されてしまう。そのため、合算保留記憶数が1の場合には、シフトタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させることができない。したがって、合算保留記憶数が1の場合には、第2先読み演出パターンに決定されないように判定値が設定されている。
なお、この実施例2では、説明を簡略化するために、第1先読み演出パターンにおいて、保留表示が通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるタイミングと、第2先読み演出パターンにおいて、保留表示が特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるタイミングとを、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングとしているが、これに限らず、他のタイミングであってもよい。例えば、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される変動表示中(1つの変動表示または複数の変動表示にまたがった期間)の任意のタイミングで表示態様を変化させるようにしてもよい。この場合には、例えば、合計保留記憶数が1の場合にも、第2先読み演出パターンに決定可能とし、始動入賞時に保留表示を特殊態様で表示し、その保留表示(保留情報)に対応する変動表示が開始されるまでに特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示させるようにしてもよい。
なお、図51に示す例では、入賞時判定結果で示される表示結果が当りの場合(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)と「はずれ」の場合とに対応する先読み演出パターン決定テーブルがそれぞれ設けられているが、例えば、表示結果が当りであっても、「通常大当り」または「確変大当り」の場合と、「突然確変大当り」または「小当り」の場合とで、異なる割合でいずれかの先読み演出パターンに決定する先読み演出パターン決定テーブルを設けるようにしてもよい。また、例えば、図50(A)の先読み演出実行決定テーブルと同様に、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに、異なる割合でいずれかの先読み演出パターンに決定する先読み演出パターン決定テーブルを設けるようにしてもよい。そのようにすることで、先読み演出が第1先読み演出パターンで実行されたときに、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることの他に、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も高くすることができる。
先読み演出パターンを決定すると、演出制御用CPU7101は、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示の表示態様を変化させる変化タイミング(本例では、保留表示のシフト回数)を決定し、決定した変化タイミング(シフト回数)を、変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタにセットする(S67108)。この実施例2では、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示の表示態様が変化するタイミングは、任意の保留表示のシフトタイミングである。したがって、変化タイミング(シフト回数)を決定することによって、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して何回目のシフトが行われるタイミングで表示態様を変化させるかが決定される。例えば、変化タイミング(シフト回数)を2と決定すると、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して2回目のシフトが行われるタイミングで、その保留表示の表示態様を変化させる。
図52は、変化タイミング決定テーブルを示す説明図である。S67108において、演出制御用CPU7101は、変化タイミング決定テーブルと合計保留記憶数とにもとづいて、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を決定する。具体的には、演出制御用CPU7101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)であり(すなわち、入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果13指定の場合)、S67107で決定した先読み演出パターンが第1先読み演出パターンである場合に、図52(A)に示す当り時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU7101は、図52(A)に示す当り時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
なお、図52に示す例において、変化タイミング(シフト回数)が0であるということは、始動入賞のタイミングで保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されることである。始動入賞のタイミングで第1特別態様または第2特別態様で保留表示を表示させる場合には、例えば、新たな保留表示を最初から第1特別態様または第2特別態様で表示することによって実現してもよいし、新たな保留表示を一旦通常態様で表示し、直後に第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することによって実現してもよい。
また、演出制御用CPU7101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」であり(すなわち、入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定の場合)、S67107で決定した先読み演出パターンが第1先読み演出パターンである場合に、図52(B)に示すはずれ時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU7101は、図52(B)に示すはずれ時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU7101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)であり(すなわち、入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果13指定の場合)、S67107で決定した先読み演出パターンが第2先読み演出パターンである場合に、図52(C)に示す当り時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU7101は、図52(C)に示す当り時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU7101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」であり(すなわち、入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定の場合)、S67107で決定した先読み演出パターンが第2先読み演出パターンである場合に、図52(D)に示すはずれ時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU7101は、図52(D)に示すはずれ時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
例えば、当り時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU7101は、50%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)と決定し、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、20%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。また、はずれ時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU7101は、20%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)と決定し、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、50%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。
また、例えば、当り時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU7101は、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、70%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。また、はずれ時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU7101は、70%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。
図52に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて特徴的なことは、第1先読み演出パターンの場合には、変動表示の表示結果が「はずれ」である場合に比べて、変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合の方が、シフト回数が少ない変化タイミングに決定する割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第1先読み演出パターンで先読み演出が行われるとき(すなわち保留表示が一旦特殊態様で表示されることなく特別態様で表示されるとき)には、保留表示がより少ないシフト回数で通常態様から特別態様に変化した方が、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができ、さらに始動入賞時(シフト回数0)に特別態様で表示された方が、より当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、保留表示が変化するタイミングに関心を持たせることができ、遊技興趣を高めることができる。
図52に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて特徴的なことは、第2先読み演出パターンの場合には、変動表示の表示結果が「はずれ」である場合に比べて、変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合の方が、シフト回数が多い変化タイミングに決定する割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われるとき(すなわち始動入賞時に保留表示が特殊態様で表示され、その後、特別態様に変化されるとき)には、特殊態様の保留表示がより多くのシフト回数で(つまり多くのシフトが行われた後に)特別態様に変化した方が、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができる。すなわち、保留表示が特殊態様で表示されてから特別態様に変化するまでの期間が長くなるほど(つまり変化のタイミングが遅くなるほど)、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、保留表示を複数のタイミングで変化させることができるとともに、特殊態様で表示された保留表示が変化するタイミングに注目させることができ、遊技興趣を高めることができる。
なお、この実施例2では、説明を簡略化するために、保留表示の表示態様を変化させるタイミングを、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングとしているが、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のタイミングで表示態様を変化可能とする場合には、例えば、変化させるタイミング(特定のシフトタイミングや特定の変動表示中など)を特定可能な複数種類の変化タイミングパターンを設け、入賞時判定結果に応じていずれかを選択するようにしてもよい。
また、図52に示す例では、第1先読み演出パターンの場合にはシフト回数が少ない方(つまり変化のタイミングが早いほど)が有利になり、第2先読み演出パターンの場合にはシフト回数が多い方(つまり変化のタイミングが遅いほど)が有利になるように設定されているが、遊技者にわかりやすくするため、例えば、第1先読み演出パターンの場合にもシフト回数が多い方(つまり変化のタイミングが遅いほど)が有利になるように設定してもよい。また、例えば、第2先読み演出パターンの場合にもシフト回数が少ない方(つまり変化のタイミングが早いほど)が有利になるように設定してもよい。
また、図52に示す例では、入賞時判定結果で示される表示結果が当りの場合(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)と「はずれ」の場合とに対応する先読み演出パターン決定テーブルがそれぞれ設けられているが、例えば、表示結果が当りであっても、「通常大当り」または「確変大当り」の場合と、「突然確変大当り」または「小当り」の場合とで、異なる割合でいずれかの変化タイミング(シフト回数)に決定する変化タイミング決定テーブルを設けるようにしてもよい。また、例えば、図50(A)の先読み演出実行決定テーブルと同様に、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに、異なる割合でいずれかの変化タイミング(シフト回数)に決定する変化タイミング決定テーブルを設けるようにしてもよい。そのようにすることで、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミングに応じて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を異ならせるとともに、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も異ならせることができる。
なお、この実施例2では、第2先読み演出パターンでは、始動入賞のタイミングで新たな保留表示が特殊態様で表示されるが、始動入賞のタイミングでは保留表示を通常態様で表示し、その後の任意のタイミングで通常態様から特殊態様に変化させ、さらに後の任意のタイミングで特殊態様から特別態様に変化させるようにしてもよい。
変化タイミング(シフト回数)を決定すると、演出制御用CPU7101は、S67107において決定した先読み演出パターンが、第2先読み演出パターンである場合には(S67109のY)、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する(S67110)。この実施例2では、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出がシフトタイミングで実行可能である。また、示唆演出は、第1演出態様または第2演出態様で実行される。S67110では、保留表示の変化タイミングで実行される示唆演出の演出態様が、第1演出態様または第2演出態様のいずれかに決定される。
この実施例2では、示唆演出の演出態様に応じて、異なる割合で保留表示が第1特別態様または第2特別態様に変化する。具体的には、示唆演出が第1演出態様で実行される場合には、保留表示が第1特別態様に変化する割合が高く、示唆演出が第2演出態様で実行される場合には、保留表示が第2特別態様に変化する割合が高い。したがって、示唆演出が実行されることによって、保留表示の表示態様が変化することが示唆され、示唆演出がいずれの演出態様で実行されるかに応じて、いずれの特別態様に変化しやすいかが示唆される。なお、詳細については後述するが、示唆演出は、保留表示の変化タイミング以外のシフトタイミングでも実行される。そのため、これらを区別するために、保留表示の変化タイミングで実行される示唆演出を示唆演出(成功パターン)ともいい、保留表示の変化タイミング以外のシフトタイミングで実行される示唆演出を示唆演出(通過パターン)ともいう。この実施例2では、示唆演出(成功パターン)と示唆演出(通過パターン)とのいずれについても、第1演出態様または第2演出態様で実行される。そのため、示唆演出の演出態様に応じて、保留表示の表示態様が変化する割合が異なるようにしてもよい。例えば、示唆演出が第1演出態様(例えば、この実施例2の第1演出態様および第2演出態様とは異なる第1演出態様Aとしてもよい)で実行される場合には、保留表示が変化する割合が低く、示唆演出が第2演出態様(例えば、この実施例2の第1演出態様、第2演出態様および第1演出態様Aとは異なる第1演出態様Bとしてもよい)で実行される場合には、保留表示が変化する割合が高くなるようにしてもよい。すなわち、示唆演出が第1演出態様(第1演出態様A)で実行される場合には、示唆演出(成功パターン)である割合が高く、示唆演出が第2演出態様(第1演出態様B)で実行される場合には、示唆演出(通過パターン)である割合が高くなるようにしてもよい。
図53は、示唆演出態様決定テーブルを示す説明図である。S67110において、演出制御用CPU7101は、図53に示す示唆演出態様決定テーブルを用いて、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する。具体的には、抽出した最新の入賞時判定結果にもとづいて、最終表示態様決定テーブルにおいて入賞時判定結果(変動表示の表示結果)ごとに定められた割合で、演出態様を第1演出態様または第2演出態様のいずれかに決定する。例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「はずれ」であることが示されている場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)には、演出制御用CPU7101は、80%の割合で演出態様を第1演出態様に決定し、20%の割合で演出態様を第2演出態様に決定する。また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)には、演出制御用CPU7101は、20%の割合で演出態様を第1演出態様に決定し、80%の割合で演出態様を第2演出態様に決定する。また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「突然確変大当り」または「小当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果13指定に相当)には、演出制御用CPU7101は、50%の割合で演出態様を第1演出態様に決定し、50%の割合で演出態様を第2演出態様に決定する。
図53に示す示唆演出態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)に比べて、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)の方が、第2演出態様に決定される割合が高くなるように設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、示唆演出が第2演出態様で実行されたときには、第1演出態様で表示されたときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることができる。また、変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」の場合には、保留表示の最終表示態様が第2特別態様になる割合が高いため、示唆演出が第2演出態様で実行されたときには、保留表示の表示態様が第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様に変化する割合が高くなる。したがって、示唆演出に多様性を持たせることができるとともに、いずれの演出態様の示唆演出が実行されるかに着目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
なお、図53に示す例では、入賞時判定結果で示される表示結果ごと(「はずれ」、「通常大当り」もしくは「確変大当り」または「突然確変大当り」もしくは「小当り」)に示唆演出の演出態様を決定するための割合が定められているが、例えば、図50(A)の先読み演出実行決定テーブルと同様に、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに示唆演出の演出態様を決定するための判定値(割合)を設定するようにしてもよい。そのようにすることで、示唆演出が第2演出態様で実行されたときに、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることの他に、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も高くすることができる。
なお、この実施例2では、保留表示の表示態様が変化するシフトタイミングで、示唆演出が必ず実行されるように構成されているが、示唆演出が実行されないことがあってもよい。この場合には、示唆演出によって示唆されることなく、保留表示の表示態様を突然変化させることができるため、意外感を高めることができる。
また、この実施例2では、示唆演出の演出態様として第1演出態様と第2演出態様との2種類の演出態様が設けられているが、これに限らず、3種類以上の演出態様を設け、それぞれ期待度が異なる(表示結果に応じて選択される割合が異なる)ようにしてもよい。
示唆演出の演出態様を決定すると、演出制御用CPU7101は、先読み演出の実行が制限されていることを示す先読み演出制限フラグをセットする(S67111)。
先読み演出制限フラグがセットされると、S67101の処理によって、先読み演出を重ねて実行しないように制御される。すなわち、この実施例2では、いずれかの保留表示が特殊態様で表示されている場合には、新たに先読み演出を実行しないように制御される。そのため、複数の保留表示が特殊態様で表示されることが制限される。したがって、複数の保留表示が特殊態様で表示されることで、どの保留表示に注目すればよいか遊技者を混乱させてしまうことを防止することができる。
なお、この実施例2では、いずれかの保留表示が特殊態様で表示されている場合には、先読み演出を重ねて実行しないように制御されるが、これに限らず、先読み演出を重ねて実行することを一定の割合で許容してもよいし、完全に許容してもよい。すなわち、S67111の処理を一定の割合または完全に省略することで、複数の保留表示が特殊態様で表示されることを一定の割合または完全に許容するようにしてもよい。また、例えば、いずれかの保留表示が、特殊態様に限らず、第1特別態様または第2特別態様で表示されている場合にも、先読み演出を重ねて実行しないように制御してもよい。例えば、S67114の処理を実行するときや、S67115の処理を実行するとき、または後述する演出図柄変動開始処理で保留表示を通常態様から特別態様に変化させるタイミングであると判断したとき(例えば、S1803など)に先読み演出制限フラグをセットすることによって実現できる。また、この場合には、特別態様で表示された保留表示が消去されたときに先読み演出制限フラグをリセットするようにしてもよい(すなわち、保留表示が特別態様で表示されている間は先読み演出の実行が制限される)。このようにすることで、いずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されているときには、新たな先読み演出によって他の保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されることが制限されるため、どの保留表示に注目すればよいか遊技者が分かりやすくなる。
また、例えば、いずれかの保留表示が特殊態様や第1特別態様または第2特別態様で表示されている場合には、新たな先読み演出が実行されやすくなるようにしてもよい。すなわち先読み演出が重ねて実行されやすくなるようにしてもよい。また、例えば、特定の遊技状態(例えば、確変状態や時短状態)の場合には、先読み演出が重ねて実行されやすくなるようにしてもよい。例えば、先読み演出を重ねて実行することを一定の割合で許容する構成において、特定の遊技状態である場合には、許容する割合を高くすることによって実現できる。
次いで、演出制御用CPU7101は、合算保留記憶表示部718cにおいて、新たな保留表示を特殊態様で表示させるように制御する(S67112)。なお、S67112では、演出制御用CPU7101は、新たな保留表示を特殊態様で表示させるように制御するとともに、S67106で決定した最終表示態様を示す情報と、S67110で決定した示唆演出の演出態様を示す情報とを、RAMに形成された保存領域に格納する。これらの情報を記憶させておくことで、後述する演出図柄変動開始処理において、いずれの最終表示態様と示唆演出の演出態様とに決定されているかを特定することができる。
また、S67107において決定した先読み演出パターンが、第2先読み演出パターンでない場合には(S67109のN)、すなわち第1先読み演出パターンに決定した場合には、演出制御用CPU7101は、S67108で決定した変化タイミングが始動入賞時であるか否かを確認する(S67113)。具体的には、シフト回数カウンタの値が0であるか否かを確認する。そして、変化タイミングが始動入賞時であれば(S67113のY)、演出制御用CPU7101は、合算保留記憶表示部718cにおいて、新たな保留表示をS67107で決定した最終表示態様で表示させるように制御する(S67114)。
また、S67113において変化タイミングが入賞時でなければ(S67113のN)、演出制御用CPU7101は、上述のS67110と同様に、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する(S67115)。次いで、演出制御用CPU7101は、合算保留記憶表示部718cにおいて、新たな保留表示を通常態様で表示させるように制御する(S67116)。なお、S67116においても(例えば、S67115から移行した場合のみ)、S67112と同様に、演出制御用CPU7101は、新たな保留表示を表示させるように制御するとともに、S67106で決定した最終表示態様を示す情報と、S67115で決定した示唆演出の演出態様を示す情報とを、RAMに形成された保存領域に格納する。これらの情報を記憶させておくことで、後述する演出図柄変動開始処理において、いずれの最終表示態様と示唆演出の演出態様とに決定されているかを特定することができる。
以上のように、この実施例2では、入賞時判定結果指定コマンドを受信すると、先読み演出決定処理において、新たな保留表示を通常態様、特殊態様、第1特別態様または第2特別態様のいずれかで表示する処理が行われる。
なお、この実施例2では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、(1)第1特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行うように構成することと、(2)第2特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行うように構成することと、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を対象として先読み演出を行うように構成することとの3種類の構成が考えられる。
第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加えた場合には、第1保留記憶数の第1保留上限値(本例では4)に応じて、シフト回数カウンタには最大4がセットされる。ただし、上記(1)の構成で、第1特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行しても、第2始動入賞口714への入賞が発生すると、第2特別図柄の変動表示が割り込んで(入賞順ではなく優先して)実行されるため、例えば、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、シフトタイミングであっても、後述する演出図柄変動開始処理のS1802bでシフト回数カウンタの値を減算しないように構成することが望ましい。また、上記(3)の構成で、第1特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行した場合も同様に、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、後述する演出図柄変動開始処理のS1802bでシフト回数カウンタの値を減算しないように構成することが望ましい。
また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(2)の構成を加えた場合には、第2保留記憶数の第2保留上限値(本例では4)に応じて、シフト回数カウンタには最大4がセットされる。この場合には、上記(1)の構成とは異なり、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動表示が行われるときでも、シフトタイミングになればシフト回数カウンタの値を減算する。また、上記(3)の構成で、第2特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行した場合も同様に、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動表示が行われるときでも、シフトタイミングになればシフト回数カウンタの値を減算する。
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、高ベース中には、第1特別図柄の変動表示を対象として先読み演出を行わないように構成してもよい。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、大当り遊技中の第1始動入賞口713への入賞にもとづく先読み演出を行わないように構成してもよい。このような構成は、例えば、高ベース中や大当り遊技中には、遊技制御用マイクロコンピュータ7560において、第1始動入賞口713への入賞が発生しても、S1217の入賞時判定処理を実行しないようにしたり、演出制御用マイクロコンピュータ7100において受信した入賞時判定結果指定コマンドを破棄したり、先読み演出を実行することに決定されても、実行しないように制御することで実現することができる。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に上記(3)の構成を加える場合に、高ベース中または大当り遊技中には、第1始動入賞口713への入賞にもとづく先読み演出を行わないが、第2始動入賞口714への入賞にもとづく先読み演出は行うようにしてもよい。このような構成は、例えば、高ベース中や大当り遊技中には、遊技制御用マイクロコンピュータ7560において、第1始動入賞口713への入賞が発生しても、S1217の入賞時判定処理を実行しないようにしたり、演出制御用マイクロコンピュータ7100において受信した第1始動入賞口713への入賞にもとづく入賞時判定結果指定コマンドを破棄したり、先読み演出を実行することに決定されても、実行しないように制御することで実現することができる。
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加える場合には、第2始動入賞口714への入賞にもとづく保留記憶が存在している状態で、第1始動入賞口713への入賞が発生したときには、その第1始動入賞口713への入賞にもとづく保留記憶を対象とした先読み演出を実行しないようにしてもよい。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加える場合には、第1始動入賞口713への入賞にもとづく保留記憶を対象とした先読み演出の実行を決定している状態で、第2始動入賞口714への入賞が発生したときには、すでに決定していた先読み演出の実行をキャンセルするようにしてもよい。
なお、この実施例2では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、第1特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行う構成(上記(1))、または第2特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行う構成(上記(2))を加えるようにしてもよい。また、この実施例2では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、例えば、高ベース中または大当り遊技中には、第1始動入賞口713への入賞にもとづく先読み演出を行わないようにしてもよい。
図54は、メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU7101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S809のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置79の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ7560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)、小当り表示処理(S807)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置79に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置79におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S806)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S806):演出表示装置79において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行うとともに、セットされていれば、先読み演出制限フラグをリセットする処理を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(S807):変動時間の終了後、演出表示装置79に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(S808)に対応した値に更新する。
小当り遊技中処理(S808):小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置79における小当りに応じた表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S809)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(S809):演出表示装置79において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図55は、図54に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU7101は、まず、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果(最も古い判定結果)を削除し、入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトするとともに、合算保留記憶表示部718cにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部718cにおける合算保留記憶数表示を更新する(S1800)。例えば、合算保留記憶表示部718cの1つ目〜5つ目の保留表示が表示されていた場合に、シフトタイミングで1つ目の保留表示が消去されるとともに、2つ目に表示されていた保留表示が1つ目の表示領域にシフトされ、3つ目に表示されていた保留表示が2つ目の表示領域にシフトされ、4つ目に表示されていた保留表示が3つ目の表示領域にシフトされ、5つ目に表示されていた保留表示が4つ目の表示領域にシフトされる。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、演出制御用CPU7101は、第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第1入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果を削除し、第1入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする。また、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第2入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果を削除し、第2入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする。
次いで、演出制御用CPU7101は、変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタの値が0より大きいか否かを確認する(S1801)。シフト回数カウンタの値が0より大きいということは、合算保留記憶表示部718cに表示されている保留表示のうちのいずれかについて、表示態様を変化させる先読み演出を実行することが決定されていることを示している。したがって、S1801では、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されているか否かが確認されている。
シフト回数カウンタの値が0より大きくない場合(S1801のN)、すなわち、シフト回数カウンタの値が0であって、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されていない場合には、演出制御用CPU7101は、処理をS1804に移行する。
一方、シフト回数カウンタの値が0より大きい場合(S1801のY)、すなわち、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されている場合には、演出制御用CPU7101は、演出用合算保留記憶数カウンタの値を1減算する(S1802a)。また、演出制御用CPU7101は、シフト回数カウンタの値を1減算する(S1802b)。次いで、演出制御用CPU7101は、シフト回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(S1803)。S1802bでシフト回数カウンタの値を1減算した結果、シフト回数カウンタの値が0になったということは、合算保留記憶表示部718cに表示されている保留表示のうちのいずれかの表示態様を変化させる先読み演出を実行するタイミングであることを示している。したがって、S1803では、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングであるか否かが確認されている。
S1803において、シフト回数カウンタの値が0ではない場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングではない場合には、演出制御用CPU7101は、処理をS1804に移行する。一方、シフト回数カウンタの値が0である場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングである場合には、演出制御用CPU7101は、処理をS1808に移行する。
S1804では、演出制御用CPU7101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S1804)。
次いで、演出制御用CPU7101は、S1804で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S1805)。すなわち、演出制御用CPU7101によってS1805の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、演出制御用CPU7101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
演出表示装置79における演出図柄の停止図柄の一例を以下に説明する。本例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU7101は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU7101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りまたは小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU7101は、例えば、停止図柄として3図柄が「1」「2」「3」や「4」「5」「6」等の階段状に並んだチャンス目図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。なお、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りや小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドや表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU7101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。また、演出表示装置79に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU7101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU7101は、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出の演出態様を決定する(S1806)。ここで、S1806の処理は、先読み演出によって保留表示の表示態様が変化するタイミングで実行されるものではない。したがって、S1806では、保留表示の表示態様が変化することを示唆するものの、結果的には表示態様が変化しないときに実行される示唆演出の演出態様を決定する。なお、保留表示の表示態様が変化するときに実行される示唆演出(成功パターン)と区別するために、表示態様が変化しないときに実行される示唆演出を示唆演出(通過パターン)ともいう。
S1806では、演出制御用CPU7101は、先読み演出制限フラグがセットされていないとき、すなわち合算保留記憶表示部718cにおいていずれの保留表示も特殊態様で表示されていないときには、図55(A)に示す示唆演出(通過パターン)決定テーブルの割合で、示唆演出(通過パターン)を実行しない、または第1演出態様もしくは第2演出態様で実行すると決定する。また、演出制御用CPU7101は、先読み演出制限フラグがセットされているとき、すなわち合算保留記憶表示部718cにおいていずれかの保留表示が特殊態様で表示されているときには、図55(B)に示す示唆演出(通過パターン)決定テーブルの割合で、示唆演出(通過パターン)を実行しない、または第1演出態様もしくは第2演出態様で実行すると決定する。なお、示唆演出(通過パターン)決定テーブルには、決定事項(「演出なし」、「第1演出態様」または「第2演出態様」)に対応する判定値が割り当てられているが、図55(A)、(B)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU7101は、例えば、示唆演出(通過パターン)の演出態様を決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項(「演出なし」、「第1演出態様」または「第2演出態様」)に決定する。
例えば、先読み演出制限フラグがセットされていないとき、すなわち合算保留記憶表示部718cにおいていずれの保留表示も特殊態様で表示されていないときには、60%の割合で示唆演出(通過パターン)を実行しないと決定され、30%の割合で示唆演出を第1演出態様で実行すると決定され、10%の割合で示唆演出を第2演出態様で実行すると決定される。また、先読み演出制限フラグがセットされているとき、すなわち合算保留記憶表示部718cにおいていずれかの保留表示が特殊態様で表示されているときには、0%の割合で示唆演出(通過パターン)を実行しないと決定され、60%の割合で示唆演出を第1演出態様で実行すると決定され、40%の割合で示唆演出を第2演出態様で実行すると決定される。
図55(A)、(B)に示すように、この実施例2では、先読み演出制限フラグがセットされている場合、すなわち合算保留記憶表示部718cにおいていずれかの保留表示が特殊態様で表示されている場合には、そうでない場合に比べて高い割合で示唆演出が実行される。したがって、保留表示が特殊態様で表示されているときの期待感を高めることができ、遊技興趣を高めることができる。なお、この実施例2では、保留表示の表示態様が変化するタイミングでも示唆演出が実行されるため、保留表示が特殊態様で表示されているときには、常に示唆演出が実行されるように構成されているが、保留表示が特殊態様で表示されているときであっても、示唆演出が実行されないことがあってもよい。ただし、この場合にも、保留表示が特殊態様で表示されていないときに比べて高い割合で示唆演出が実行されることが望ましい。
また、先読み演出制限フラグがセットされている場合、すなわち合算保留記憶表示部718cにおいていずれかの保留表示が特殊態様で表示されている場合には、その保留表示の最終表示態様が第1表示態様または第2表示態様のいずれであるかに応じて、異なる割合で示唆演出の演出態様を第1演出態様または第2演出態様に決定するようにしてもよい。例えば、最終表示態様が第1表示態様よりも期待度が高い第2表示態様に決定されている場合には、示唆演出の演出態様が第1演出態様よりも期待度が高い第2演出態様に決定される割合を高くするようにしてもよい。また、この実施例2では、後述するように、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置79において、表示領域の右側から矢が飛んでくる表示制御が行われ、保留表示の表示態様が変化する場合(示唆演出(成功パターン)の場合)には、飛んできた矢が予告対象となる保留情報に対応する保留表示に突き刺さる表示制御が行われる。また、保留表示の表示態様が変化しない場合(示唆演出(通過パターン)の場合)には、飛んできた矢がそのまま表示領域を通過する表示制御が行われる。したがって、S1806では、後述するS1811のように、演出用合算保留記憶数カウンタを用いて予告対象となる保留情報に対応する保留表示を特定する必要はない。なお、例えば、保留表示の表示態様を変化させるタイミングであるときと、そのタイミングではないときとの両方で、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置79において、表示領域の右側から矢が飛んできた矢が予告対象となる保留情報に対応する保留表示に突き刺さる表示制御を行い、保留表示の表示態様を変化させるタイミングであるときには、矢が突き刺さった保留表示の表示態様が変化させ(示唆演出(成功パターン)に相当)、保留表示の表示態様を変化させるタイミングではないときには、矢が突き刺さった保留表示の表示態様が変化させない(本例の示唆演出(通過パターン)に相当)ようにしてもよい。この場合には、演出制御用CPU7101は、S1806において、後述するS1811のように、演出用合算保留記憶数カウンタを用いて予告対象となる保留情報に対応する保留表示を特定し、S1807において特定した保留表示に対する示唆演出を実行するためのプロセステーブルを選択するようにしてもよいし、表示されている保留表示の中から矢が突き刺さる保留表示をランダムに決定し、決定した保留表示に対する示唆演出を実行するためのプロセステーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU7101は、決定した示唆演出(通過パターン)の演出態様と変動パターンとに応じたプロセステーブルを選択する(S1807)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S1812)。
尚、プロセステーブルとは、演出制御用CPU7101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU7101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置79等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様や、合算保留記憶表示部718cにおける先読み演出の態様を示すデータ、示唆演出の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置79の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU7101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータ(例えば、先読み演出が実行されないときに用いられるプロセステーブルの表示制御実行データに記載された先読み演出の態様を示すデータ)には、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
これらのプロセステーブルは、演出制御基板780におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU7101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置79、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ727R,727L)の制御を実行する(S1813)。例えば、演出表示装置79において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP7109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板735に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ727R,727Lからの音声出力を行わせるために、音声出力基板770に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施例2では、演出制御用CPU7101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU7101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU7101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S1814)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S1815)。
S1803でシフト回数カウンタの値が0であると判断した場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングである場合には、演出制御用CPU7101は、先読み演出制限フラグがセットされていれば、それをリセットする(S1808)。このような処理が実行されることによって、この実施例2では、保留表示が特殊態様で表示されている期間は新たに先読み演出を実行することを制限することができ、複数の保留表示が特殊態様で表示されることを制限することができる。
次いで、演出制御用CPU7101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S1809)。次いで、演出制御用CPU7101は、S1809で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S1810)。
次いで、演出制御用CPU7101は、示唆演出の演出態様と、演出用合算保留記憶数カウンタによって特定される保留表示の最終表示態様と、変動パターンとに応じた表示態様変化時用のプロセステーブルを選択する(S1811)。そして、S1812に移行する。
表示態様変化時用のプロセステーブルとは、演出図柄の変動表示とともに、演出図柄の変動開始時に、示唆演出(成功パターン)を実行し、特定の保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行する制御を行うためのプロセスデータが設定されたテーブルである。この実施例2では、実行する示唆演出(成功パターン)や先読み演出の態様に応じて複数種類の表示態様変化時用のプロセステーブルが設けられている。また、この実施例2では、先読み演出決定処理において決定され(S67110またはS67115)、記憶されている示唆演出(成功パターン)の演出態様(本例では、第1演出態様または第2演出態様)と、演出用合算保留記憶数カウンタによって特定される演出対象の保留表示(例えば、演出用合算保留記憶数カウンタの値が2のときには、合算保留記憶表示部718cにおける2つ目の保留表示)と、先読み演出決定処理において決定され(S67106)、記憶されている最終表示態様(本例では、第1表示態様または第2表示態様)とにもとづいて、どのような態様で示唆演出(成功パターン)を実行し、どの保留表示をどのような表示態様に変化させる先読み演出を実行するかを特定することができる。したがって、演出制御用CPU7101は、示唆演出(成功パターン)の演出態様と、演出用合算保留記憶数カウンタによって特定される保留表示の最終表示態様と、変動パターンとに応じて、複数種類の表示態様変化時用のプロセステーブルのいずれかを選択し、選択した表示態様変化時用のプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行することによって、先読み演出決定処理で決定された演出態様で示唆演出(成功パターン)を実行し、予告対象の変動表示に対応する保留表示を決定された表示態様に変化させる先読み演出を実行することができる。
図56は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU7101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S1841)、変動時間タイマの値を1減算する(S1842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S1843)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S1844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(S1845)。
次いで、演出制御用CPU7101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S1849)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S1851)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S1850)、S1851に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
なお、この実施例2では、入賞時判定結果指定コマンドを受信したことにもとづいて先読み演出を行うか否かを含む決定処理を、先読み演出決定処理において実行しているが、それらの処理を演出図柄変動中処理において実行するようにしてもよい。例えば、演出図柄変動中処理において、入賞時判定結果記憶バッファを監視する処理を含めることで先読み演出を行うか否かを含む決定処理を実行するこができる。
図57は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU7101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(S852)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(S853)。次いで、演出制御用CPU7101は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(S855a)。大当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認できる。なお、この実施例2では、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。大当りとすることに決定されている場合には、S858に進み、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する。
一方、大当りとすることに決定されていない場合には、更に、小当りとすることに決定されているか否か確認する(S855b)。小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認できる。なお、この実施例2では、決定されている停止図柄によって、小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を小当り表示処理(S807)に応じた値に更新する(S856)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(S855bのN)、演出制御用CPU7101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S857)。
なお、この実施例2では、演出制御用マイクロコンピュータ7100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、演出図柄の変動(可変表示)を終了させる(S851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、演出図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
次に、先読み演出の具体例について説明する。図58は、第1先読み演出パターンにもとづく先読み演出の具体例を示す説明図である。図58(A)に示されるように、演出表示装置79において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部718cに2つの保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示されているときに始動入賞が行われると、先読み演出の態様(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)および示唆演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示される。図58に示す例では、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンと決定し、最終表示態様を第1特別態様または第2特別態様と決定し、変化タイミングを始動入賞時(シフト回数0)またはシフト回数1と決定する。また、示唆演出(成功パターン)の演出態様を、第1演出態様または第2演出態様と決定する。
この実施例2では、第1先読み演出パターンにもとづく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される。また、保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングまたは任意のシフトタイミングである。そこで、変化タイミングが始動入賞時(シフト回数0)に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定された場合には、図58(B1)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留記憶表示部718cに3つ目の保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)で表示される。また、変化タイミングが始動入賞時(シフト回数0)に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定された場合には、図58(B2)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留記憶表示部718cに3つ目の保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)で表示される。
また、最終表示態様が第1特別態様または第2特別態様であっても、変化タイミングが始動入賞のタイミング(シフト回数0)ではなく、任意のシフトタイミング(ここでは、シフト回数1)に決定された場合には、図58(B3)に示すように、始動入賞のタイミングでは、合算保留記憶表示部718cに3つ目の保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示される。そして、演出図柄の変動表示が停止し(図58(C))、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目と3つ目の保留表示がそれぞれシフトされる。
このとき、変化タイミングがシフト回数1に決定され、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様に決定されている場合には、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置79において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる表示制御がおこなわれる(図58(D1))。
そして、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図58(E1)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部718cの2つ目の保留表示(図58(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図58(E2)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部718cの2つ目の保留表示(図58(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
また、変化タイミングがシフト回数1に決定され、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様に決定されている場合には、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置79において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる表示制御がおこなわれる(図58(D2))。
そして、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図58(E3)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部718cの2つ目の保留表示(図58(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図58(E4)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部718cの2つ目の保留表示(図58(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
既に説明しているように、この実施例2では、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様であるときには、第1演出態様であるときに比べて、保留表示の表示態様が第1特別態様よりも大当りとなる期待度が高い第2特別態様になる割合が高くなるように構成されている。したがって、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様であるとき、すなわち黒い矢が飛んできて保留表示に刺さったときには、保留表示が期待度の低い第1特別態様に変化する割合が高い。つまり図58(D1)から図58(E1)に移行する割合が高い。一方、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様であるとき、すなわち白い矢が飛んできて保留表示に刺さったときには、保留表示が期待度の高い第2特別態様に変化する割合が高い。つまり図58(D2)から図58(E4)に移行する割合が高い。このように構成されることによって、矢が飛んできて保留表示に刺さる示唆演出(成功パターン)であっても、第2演出態様で行われて欲しいと感じさせるとともに、示唆演出が第1演出態様で行われたとき、すなわち黒い矢が飛んできたときには、保留表示に刺さらずに通過して欲しい(示唆演出(通過パターン)であってほしい)と感じさせることができる。
図59、図60は、第2先読み演出パターンにもとづく先読み演出の具体例を示す説明図である。図59(A)に示されるように、演出表示装置79において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部718cに2つの保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示されているときに始動入賞が行われると、先読み演出(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)および示唆演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示される。図59、図60に示す例では、先読み演出パターンを第2先読み演出パターンと決定し、最終表示態様を第1特別態様または第2特別態様と決定し、変化タイミングをシフト回数1またはシフト回数2と決定する。また、示唆演出の演出態様を、第1演出態様または第2演出態様と決定する。
この実施例2では、第2先読み演出パターンにもとづく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、任意のシフトタイミングで、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。そのため、先読み演出パターンが第2先読み演出パターンと決定されると、図59(B)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留記憶表示部718cに3つ目の保留表示が特殊態様(本例では「○」の外側に6本の線が描かれている)で表示される。
そして、演出図柄の変動表示が停止し(図59(C))、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目と3つ目の保留表示がそれぞれシフトされる。このとき、示唆演出の演出態様が第2演出態様に決定されていると、保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置79において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる(第2演出態様)表示制御がおこなわれる(図59(D))。
ここで、変化タイミングがシフト回数1に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図59(E1)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部718cの2つ目の保留表示(図59(B)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、変化タイミングがシフト回数1に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図59(E2)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部718cの2つ目の保留表示(図59(B)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
また、変化タイミングがシフト回数2に決定されているときには、図59(E3)に示すように、シフトのタイミングで、白い矢がいずれの保留表示にも刺さらず通過する示唆演出(第2演出態様の示唆演出(通過パターン))が行われる。なお、図59(E3)に示す示唆演出は、演出図柄変動開始処理において示唆演出(通過パターン)を第2演出態様で実行すると決定されたときに行われる。このように、この実施例2では、示唆演出として、演出表示装置79において、表示領域の右側から黒い矢(第1演出態様)または白い矢(第2演出態様)が飛んでくる表示制御を行うことで、保留表示の表示態様が変化することを示唆し、矢が保留表示に刺さると(示唆演出(成功パターン)が行われると)表示態様が変化し、矢がいずれの保留表示にも刺さらず通過すると(示唆演出(通過パターン)が行われると)表示態様が変化しない。
その後、演出図柄の変動表示が停止し(図60(F))、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目の保留表示がシフトされる。このとき、保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置79において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる(第1演出態様)表示制御がおこなわれる(図60(G))。
そして、変化タイミングがシフト回数2に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図60(H1)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部718cの1つ目の保留表示(図59(B)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、変化タイミングがシフト回数2に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図60(H2)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部718cの1つ目の保留表示(図59(B)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
図58に示すように、この実施例2では、第1先読み演出パターンにもとづく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される。このとき、最終表示態様に表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングの他に、任意のシフトタイミングを含む。また、図59および図60に示すように、第2先読み演出パターンにもとづく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、任意のシフトタイミングで最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される。このように、この実施例2では、複数のタイミングで保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能であるため、保留表示の表示態様を変化させるタイミングに多様性を持たせることができるとともに、保留表示が特殊態様で表示されたときには、保留表示に対応する保留記憶にもとづく可変表示が開始されるまでに、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するため、遊技興趣を向上させることができる。
以上に説明したように、この実施例2では、遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、入賞時判定処理等を実行することによって実現される、始動入賞時に変動表示の表示結果および変動パターンを判定する判定手段を備えている。また、演出制御用マイクロコンピュータ7100は、先読み演出決定処理や演出図柄変動開始処理等を実行することによって実現される、判定手段による判定結果にもとづいて保留記憶に対応する保留表示(合算保留記憶表示部718cにおける保留記憶)を第1特別態様または第2特別態様で表示させる先読み演出を実行する演出実行手段を備えている。そして、演出実行手段は、複数のタイミング(始動入賞のタイミングやシフトタイミングなど)で保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能であり、保留表示が特殊態様で表示されたときは、保留表示に対応する保留記憶にもとづく可変表示が開始されるまでに、その保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するように制御するように構成されている。そのように構成されていることによって、複数のタイミングで保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能であるため、保留表示の表示態様を変化させるタイミングに多様性を持たせることができるとともに、保留表示が特殊態様で表示されたときには、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するため、遊技興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ7100は、先読み演出決定処理や演出図柄変動開始処理等を実行することによって実現される、保留表示の表示態様が変化するか否かを示唆する示唆演出(示唆演出(成功パターン)および示唆演出(通過パターン))を実行する示唆演出実行手段を備えている。そして、示唆演出実行手段は、保留表示が特殊態様で表示されているときには、保留表示が特殊態様で表示されていないときに比べて高い頻度で示唆演出を実行するように構成されている。そのように構成されていることによって、保留表示が特殊態様で表示されたときには、高い頻度で示唆演出が実行されるため、期待感を高めることでき、遊技興趣を向上させることができる。
また、この実施例2では、演出実行手段は、判定手段によって表示結果が大当りとなると判定されたときには、大当りとならないと判定したときに比べて高い割合で判定対象となった保留記憶に対応する保留表示を第2特別態様で表示する。また、演出実行手段は、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示する第2先読み演出パターンで先読み演出を行うときには、保留表示を特殊態様で表示することなく第1特別態様または第2特別態様で表示する第1先読み演出パターンで先読み演出を行うときに比べて高い割合で保留表示を第2特別態様で表示するように構成されている。そのように構成されていることによって、保留表示が特殊態様で表示されたときには、大当りとなる期待度が高い第2特別態様で表示される割合が高くなるため、期待感を高めることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、この実施例2では、演出実行手段は、所定条件が成立したとき(例えば、第2先読み演出パターンで先読み演出を実行すると決定し、変化タイミングを入賞時(変動回数0)と決定したときの始動入賞のタイミング)に保留表示を特殊態様で表示し、保留表示に対応する保留記憶にもとづく可変表示が開始されるまでの第1タイミング(例えば、始動入賞後に1回目の保留表示のシフトが行われたタイミング)または第1タイミングとは異なる第2タイミング(例えば、始動入賞後に2回目の保留表示のシフトが行われたタイミング)で保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能である。そして、演出実行手段は、判定手段によって判定結果が大当りとなると判定されたときと、大当りとならないと判定したときとで、異なる割合で第1タイミングまたは第2タイミングで保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するように構成されている。そのように構成されていることによって、保留表示が特殊態様で表示されたときに、どのタイミングで表示態様が変化するかに注目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、この実施例2では、演出制御用マイクロコンピュータ7100は、先読み演出制限フラグをセットする処理を実行することによって実現される、保留表示が特殊態様で表示されているときには新たに保留表示を特殊態様で表示することを制限する制限手段を備えるように構成されている。そのように構成されていることによって、複数の保留表示が特殊態様で表示されたときに、どの保留表示に注目すればよいか遊技者を混乱させてしまうことを防止することができる。
また、この実施例2では、演出実行手段は、判定手段によって表示結果が大当りとなると判定されたときには、大当りとならないと判定されたときに比べて、高い割合で判定対象となった保留記憶に対応する保留表示を第2特別態様で表示する。また、演出実行手段は、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示する第1先読み演出パターンで先読み演出を行うときに、第1演出(例えば、黒い矢が飛んできて保留表示に刺さる第1演出態様の示唆演出(成功パターン))を行い、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するときと、第1演出とは異なる第2演出(例えば、白い矢が飛んできて保留表示に刺さる第2演出態様の示唆演出(成功パターン))を行い、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するときとがある。そして、演出実行手段は、第1演出が行われるときと第2演出が行われるときとで、異なる割合で保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するように構成されている。そのように構成されていることによって、保留表示が特殊態様で表示されたときに、第1演出と第2演出とのいずれが行われるかに注目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
なお、この実施例2では、第1先読み演出パターンにおいて、保留表示が特別態様で表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングと、通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるシフトタイミングとのいずれかであったが、これに限らず、他のタイミングを含むようにしてもよい。例えば、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のタイミング(具体的には、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される1つの変動表示中または複数の変動表示にまたがった期間)で保留表示を特別態様で表示するようにしてもよい。
また、この実施例2では、第2先読み演出パターンにおいて、保留表示が特殊態様で表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングのみであったが、これに限らず、始動入賞のタイミングでは通常態様で表示し、任意のシフトタイミングで特殊態様に変化して表示するようにしてもよいし、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のタイミング(具体的には、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される1つの変動表示中または複数の変動表示にまたがった期間)で保留表示を特殊態様で表示するようにしてもよい。また、第2先読み演出パターンにおいて、特殊態様で表示された保留表示が特別態様に変化するタイミングについても、シフトタイミングに限らず、保留表示が特殊態様で表示されてから、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のタイミング(具体的には、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される1つの変動表示中または複数の変動表示にまたがった期間)であってもよい。
また、この実施例2では、先読み演出の演出パターンとして、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される第1先読み演出パターンと、始動入賞のタイミングで予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が特殊態様で表示され、任意のシフトタイミングで最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される第2先読み演出パターンとを含むが、第2先読み演出パターンのみ含むようにしてもよい。この場合であっても、先読み演出が行われると、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されるが、特殊態様から特別態様には複数のタイミング(シフトタイミング等の任意のタイミング)で変化されるため、保留表示の表示態様を変化させる演出に多様性を持たせ、遊技興趣を向上させることができる
また、この実施例2では、保留表示が特殊態様で表示されたときには、保留表示は、必ず特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示されるが、例えば、特殊態様のまま変化させないようにしてもよい。この場合には、保留表示が特殊態様から特別態様に変化されることなく、その保留表示(保留情報)に対応する変動表示が開始されたときには、特殊態様から特別態様に変化されたときに比べて大当りとなる割合が低くなるように構成することが望ましい。このようにすることで、保留表示の表示態様が特殊態様から特別態様に変化することに対して、より関心を持たせることができる。また、この場合には、保留表示が特殊態様で表示されている状態の方が、通常状態で表示されている状態に比べて、特別態様に変化して表示される割合が高くなるように構成することが望ましい。このようにすることで、保留表示の表示態様が通常態様から特殊態様に変化することに対して関心を持たせることができ、さらに特殊態様で表示されているときの期待感を高めることもできる。
なお、この実施例2では、示唆演出として、演出表示装置79において所定の表示制御が行われているが、これとともに(またはこれに代えて)、スピーカから音声を出力する演出や、ランプを点灯させる演出などを行うようにしてもよい。また、この実施例2では、示唆演出は、保留表示の変化に作用する演出(矢が突き刺さる(または通過する))であり、演出結果に応じて保留表示が変化するが(矢が突き刺さると保留表示が変化する)、必ずしも保留表示の変化に作用する演出としなくてもよい。例えば、保留表示の表示態様を変化させる場合と変化させない場合とのいずれであっても、示唆演出として、特定の保留表示に矢が突き刺さる演出を行う。そして、保留表示を変化させる場合には、示唆演出によって矢が突き刺さった保留表示を変化させ、変化させない場合には、示唆演出によって矢が突き刺さった保留表示を変化させないようにしてもよい。すなわち、保留表示が変化するときと変化しないときとで、示唆演出の態様(飛んできた矢が特定の保留表示に突き刺さる)は同じであるが、結果(矢が突き刺さった保留表示の表示態様が変化するか否か)が異なるような保留変化演出を行うようにしてもよい。
なお、上記の実施例2において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=40%:60%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。
また、本実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは、例えば、擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
前記遊技者にとって有利な状態とは、遊技者が多くの遊技媒体を獲得できる遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り等)や、獲得できる遊技媒体の期待値が異なる複数種類の特定遊技状態(ラウンド数が異なる大当り等)や、通常遊技状態よりも賞球払出の条件が成立しやすくなる高ベース状態(時短状態)や、前記特定遊技状態となる確率が高い高確率遊技状態(高確率状態)や高確低ベース状態(潜伏確変状態)、特別リーチ状態(例えば、スーパーリーチ等)、当該変動パターンが大当り変動パターンに基づく変動パターンである状態等が含まれる。
また、前記実施例では、大当り遊技において大入賞口の開放を実施することで多くの遊技球を獲得できる大当りのみを発生させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変大当りBを、ラウンド遊技における大入賞口の開放時間を著しく短くして、大入賞口が開放したことを遊技者に認識されないようにして、該確変大当りBの発生により、突然に確変状態となったように見せる突確大当りとしても良い。尚、これら確変大当りBを突確大当りとする場合には、該確変大当りBの大当り遊技における大入賞口の開放パターンと同一の開放パターンにて大入賞口を開放する小当りを設けるようにして、確変大当りBや小当りの発生後の遊技状態が、高確状態であるのか、或いは低確状態にあるのかが不明な状態(いわゆる潜伏状態)が発生するようにしても良い。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
また、前記実施例では、特図保留記憶部151Aや始動入賞時受信コマンドバッファ194Aは、第1特図の保留記憶と第2特図の保留記憶とが共通して記憶される共有記憶領域となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特図保留記憶部151Aや始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおいて、第1特図の保留記憶と第2特図の保留記憶とがそれぞれ個別の記憶領域に記憶されるものであっても良い。例えば、第1特図用の記憶領域と第2特図用の記憶領域とを設けるようにし、第1特図上限記憶数以下のときに第1特図の始動入賞があったときには、第1特図用の記憶領域に記憶するようにし、第1特図上限記憶数に達しているときに第1特図の始動入賞があったときには、第2特図用の記憶領域に記憶するようにしても良い。
また、前記実施例では、第1特図上限記憶数の第1特図上限値と第2特図上限記憶数の第2特図上限値とがそれぞれ同一の上限値「4」となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図上限値と第2特図上限値とがそれぞれ異なる上限値であっても良い。
また、前記実施例では、第1特図上限記憶数の第1特図上限値及び第2特図上限記憶数の第2特図上限値が上限値「4」となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの特図上限値は、上限値「4」以外であっても良く、例えば、上限値「4」より低い上限値「3」以下であっても良いし、上限値「4」よりも高い上限値「5」以上であっても良い。
尚、本実施例では、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるものとなっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものであっても良い。
また、前記実施例では、第1保留表示器25AにおけるLEDランプの表示色と第2保留表示器25BにおけるLEDランプの表示色とは同一の表示色となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1保留表示器25A及び第2保留表示器25BのLEDランプの表示色を各特図保留記憶部の始動入賞種別に応じて変えるようにしても良い。例えば、第1特図に対応する始動入賞種別ならば赤色で表示し、第2特図に対応する始動入賞種別ならば青色で表示するようにし、第2保留表示器25BのLEDランプであっても、第1特図に対応する始動入賞種別ならば赤色で表示するようにしても良い。このよううにすることで、第2保留表示器25BのLEDランプの表示色に基づいて、第2特図保留記憶と第1特図上限値を達した場合に入賞した第1特図保留記憶とを区別して表示できる。
また、前記実施例では、第1特図の保留記憶表示または第2特図の保留記憶表示が同一の表示態様で1つの保留記憶表示エリア5Dにて表示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図用の保留記憶表示エリアと第2特図用の保留記憶表示エリアとを設けるようにして、各保留記憶表示エリアにより第1特図の保留記憶であるか、第2特図の保留記憶であるかを遊技者が識別できるようにしても良い。そして、始動入賞時受信コマンドバッファの特図表示種別フラグに応じていずれの保留記憶表示エリアに表示するのかを判別するようにし、特図表示種別フラグに「1」の場合は第1特図用の保留記憶表示エリアに表示するとともに、特図表示種別フラグに「2」の場合は第1特図用の保留記憶表示エリアに表示しても良い。つまり、第1特図上限値に達していない場合に入賞した第1特図保留記憶は、第1特図用の保留記憶表示エリアに表示され、第1特図上限値を達した場合に入賞した第1特図保留記憶は、第2特図用の保留記憶表示エリアに表示されるようにしても良い。
また、前記実施例では、保留記憶表示エリア5Dにおいて変動表示に対応する保留記憶表示は消去されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示に対応する保留記憶表示が変動表示中に表示されるアクティブ保留記憶表示エリアを設けるようにしても良い。その場合には、アクティブ保留記憶表示エリアに表示中の保留記憶表示を、第1特図上限値に達していない場合に入賞した第1特図保留記憶に基づく場合と、第1特図上限値を達した場合に入賞した第1特図保留記憶に基づく場合とで異なる表示態様で表示しても良い。