以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠3とで構成される。遊技枠3は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤2を除く)とを含む構造体である。
遊技枠3の下部表面には打球供給皿(上皿)がある。打球供給皿の下部には、打球供給皿に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。また、遊技枠3の背面には、遊技盤2が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤2は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤2の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域が形成されている。
余剰球受皿を形成する部材には、例えば余剰球受皿の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における余剰球受皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
遊技領域の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置5は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリア5L,5C,5Rがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア5L,5C,5Rがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置5の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置5は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120によって制御される。演出制御用CPU120が、第1特別図柄表示装置4Aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置5で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示装置4Bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置5で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤2における演出表示装置5の右側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示装置器(第1可変表示手段)4Aが設けられている。本実施例では、第1特別図柄表示装置4Aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示装置4Aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤2における演出表示装置5の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示装置(第2可変表示手段)4Bが設けられている。第2特別図柄表示装置4Bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示装置4Bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
本実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bとを特別図柄表示装置と総称することがある。
なお、本実施例では、2つの特別図柄表示装置4A,4Bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示装置を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置5の下方には、第1始動入賞口を有する入賞装置6Aが設けられている。第1始動入賞口に入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第1始動口スイッチ22Aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)を有する入賞装置6Aの下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口を有する可変入賞球装置6Bが設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)に入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第2始動口スイッチ22Bによって検出される。可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81によって開状態とされる。可変入賞球装置6Bが開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置6Bが開状態になっている状態では、第1始動入賞口よりも、第2始動入賞口に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置6Bが閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口に入賞しない。なお、可変入賞球装置6Bが閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口と第2始動入賞口とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、本実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置6Bが設けられているが、第1始動入賞口および第2始動入賞口のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
可変入賞球装置6Bが開放状態に制御されているときには可変入賞球装置6Bに向かう遊技球は第2始動入賞口に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口は演出表示装置5の直下に設けられているが、演出表示装置5の下端と第1始動入賞口との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口に導きづらくして、第2始動入賞口の入賞率の方を第1始動入賞口の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示装置4Aの上部には、第1始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1保留表示部25Aが設けられている。第1保留表示部25Aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示装置4Aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。例えば、後述するタイマ割込処理の表示制御処理(S22)において表示制御を行う処理が実行されることによって実現される。
第2特別図柄表示装置4Bの下部には、第2始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2保留表示部25Bが設けられている。第2保留表示部25Bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示装置4Bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。例えば、後述するタイマ割込処理の表示制御処理(S22)において表示制御を行う処理が実行されることによって実現される。
また、演出表示装置5の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部5Dが設けられている。本実施例では、合算保留記憶表示部5Dにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とに対応する保留表示が第1始動入賞口および第2始動入賞口への入賞順に並べて表示される。なお、合算保留記憶表示部5Dにおいて、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示されるようにしてもよい(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示されるようにしてもよい)。また、合算保留記憶表示部5Dに代えて、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるように構成してもよい。
また、演出表示装置5の表示画面における合算保留記憶表示部5Dの左方には、実行中の変動表示に対応する保留表示を消費保留表示として表示するアクティブ表示エリア5Fの表示領域が設けられている。
演出表示装置5は、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置5における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置5における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示装置4Aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置5において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は開閉板を備え、第1特別図柄表示装置4Aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示装置4Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド82によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤2における演出表示装置5の左側には、普通図柄表示装置20が設けられている。普通図柄表示装置20は、例えば、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様の7セグメント表示やドットマトリクスのLED等から構成され、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報を可変表示する。
遊技球がゲート41を通過しゲートスイッチ21で検出されると、普通図柄表示装置20の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示装置20における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置6Bが所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置6Bの状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示装置20の近傍には、ゲート41を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通保留表示部25Cが設けられている。ゲート41への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ21によって遊技球が検出される毎に、普通保留表示部25Cは点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示装置20の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示装置20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置6Bの開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示装置4A,4Bや演出表示装置5における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、本実施例では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置6Bの開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
なお、可変入賞球装置6Bが開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示装置20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示装置20における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置6Bが所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示装置20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置6Bが開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置6Bの開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置6Bの開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示装置20における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置6Bが開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤2の遊技領域の周囲には、遊技中に点滅表示される遊技効果ランプ9が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口がある。また、遊技領域の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ8R,8Lが設けられている。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドルを操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域に入り、その後、遊技領域を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口に入り第1始動口スイッチ22Aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示装置4Aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置5において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口に入り第2始動口スイッチ22Bで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示装置4Bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置5において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)11における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、演出制御基板12等も示されている。主基板11には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)100が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM101、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM102、プログラムに従って制御動作を行うCPU103およびI/Oポート105を含む。本実施例では、ROM101およびRAM102は遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU103のほかRAM102が内蔵されていればよく、ROM101は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート105は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ100には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路104が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてCPU103がROM101に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(またはCPU103)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路104は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路104は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路104は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路104が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM101等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ100の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路104が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路104が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、第1始動口スイッチ22Aまたは第2始動口スイッチ22Bへの始動入賞が生じたときに乱数回路104から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM102は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給できなくなるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、本実施例では、RAM102の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ100のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ100等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ100等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ100等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ100等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ100等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ100の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23及びアウト球スイッチ24からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ100に与えるスイッチ回路110も主基板11に搭載されている。また、可変入賞球装置6Bを開閉するソレノイド81、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7を開閉するソレノイド82を遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って駆動するソレノイド回路111も主基板11に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板11に搭載されている。
本実施例では、演出制御基板12に搭載されている演出制御手段(演出制御用CPU120で構成される。)が、中継基板15を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置5との表示制御を行う。
演出制御基板12は、演出制御用CPU120およびRAM122を搭載している。なお、RAM122は外付けであってもよい。演出制御基板12において、演出制御用CPU120は、内蔵または外付けのROM121に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板15を介して入力される主基板11からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドにもとづいて、表示制御部123に演出表示装置5の表示制御を行わせる。
また、演出制御用CPU120が備えるRAM122は、その一部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給できなくなるまで)は、演出制御用CPU120が備えるRAMの一部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態を示すデータ(後述する、確変状態フラグや時短状態フラグ)は、バックアップRAMに保存される。ただし、本実施例では、後述する時短状態移行後の変動回数をカウントするための時短後回数カウンタの値は、バックアップRAMには保存されない。
本実施例では、演出制御用CPU120と共動して演出表示装置5の表示制御を行う表示制御部123が演出制御基板12に搭載されている。表示制御部123は、演出制御用CPU120とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、表示制御部123によって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、表示制御部123は、VRAM内の画像データを演出表示装置5に出力する。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置5に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU120は、キャラクタROMから読み出したデータを表示制御部123に出力する。表示制御部123は、演出制御用CPU120から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
中継基板15から入力される演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板12において、まず、図示しない入力ドライバに入力する。中継基板15には、主基板11から入力された信号を演出制御基板12に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板12から中継基板15への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。
さらに、演出制御用CPU120は、図示しない出力ポートを介してランプ制御基板14に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU120は、出力ポートを介して音声制御基板13に対して音番号データを出力する。
ランプ制御基板14において、LEDを駆動する信号は、図示しないLEDドライバに入力される。LEDドライバは、遊技盤側に設けられている遊技効果ランプ9に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプ制御基板14に搭載される。
音声制御基板13において、音番号データは、入力ドライバを介して図示しない音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ8R,8Lに出力する。音声合成用ICに接続された音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図10に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU103は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、スイッチ回路110を介して、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22Bおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU103は、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20、第1保留表示部25A、第2保留表示部25B、普通保留表示部25Cの表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bおよび普通図柄表示装置20については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。CPU103は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU103は、特別図柄プロセス処理を行う(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU103は、普通図柄表示装置20の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU103は、演出制御用CPU120に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU103は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
また、CPU103は、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22Bおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22Bおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置(図示せず)を駆動する。
本実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU103は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。CPU103は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU103は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。CPU103は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を切り替える。また、CPU103は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示装置20における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、本実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、本実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bおよび演出表示装置5にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bおよび演出表示装置5にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
本実施例では、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア5L,5C,5Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置5において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置5における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(本実施例では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(本実施例では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、本実施例では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図3は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図3に示すように、本実施例では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様がリーチ状態を伴わない場合に対応した変動パターンとして、短縮非リーチはずれおよび非リーチはずれが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様がリーチ状態を伴う場合に対応した変動パターンとして、ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれおよび擬似連3スーパーはずれが用意されている。なお、図3に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連1ノーマルはずれを用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連2スーパーはずれを用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連3スーパーはずれを用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。また、図3に示す変動パターンのうち、短縮非リーチはずれは、非リーチはずれに対応して設けられた、非リーチはずれよりも変動時間が短い短縮用の変動パターンである。
また、図3に示すように、本実施例では、特別図柄の可変表示結果が通常大当りまたは確変大当りになる場合に対応した変動パターンとして、ノーマル当り、擬似連1当り、スーパー当り、擬似連2スーパー当りおよび擬似連3スーパー当りが用意されている。また、図3に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連1ノーマル当りを用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連2スーパー当りを用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連3スーパー当りを用いる場合には、再変動が3回行われる。
また、図3に示すように、本実施例では、特別図柄の可変表示結果が突然確変大当りまたは小当りになる場合に対応した変動パターンとして、特殊当りが用意されている。
なお、本実施例では、図3に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連(3回)ありのスーパーリーチの場合には変動時間が40秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチの場合には変動時間が25秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々のテーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
また、本実施例では、遊技状態が通常状態である場合と時短状態である場合とで、変動時間が異なるように構成されているが(図3に示す例では、時短状態である場合には、他の変動パターンに比べて変動時間が短い「短縮非リーチはずれ」が選択される割合が、図6に示すように、高くなるように判定値が設定されている)、これに限らず、通常状態(または時短状態)であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間が異なる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が異なる)ように構成してもよい。例えば、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高くなる)ようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合を異ならせる)ようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合を異ならせる)ようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々のテーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
保留記憶数に応じて異なる変動パターン判定テーブルを用いるように構成するときには、例えば、表示結果がはずれであって、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルは、合算保留記憶数が0〜2である場合に用いられる変動パターン判定テーブルと比較して、リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ)となる割合が少なくなるように判定値が割り当てられる。また、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルは、他の変動パターンに比べて変動時間が短い「短縮非リーチはずれ」が選択される割合が高くなるように判定値が設定される。このことによって、合算保留記憶数が多くなるに従って平均的な変動時間を短くすることができ、可変表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。
また、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルと、合算保留記憶数が0〜2である場合に用いられる変動パターン判定テーブルとには、特定の演出(例えばスーパーリーチ)を伴う変動パターン(またはそのような変動パターンの集合)に対して、共通の判定値(例えば、950〜997など)が割り当てられる。そのため、合算保留記憶数にかかわらず(つまり用いる変動パターン判定テーブルが異なっても)、始動入賞時において、抽出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)の値さえ確認すれば、特定の演出(例えばスーパーリーチ)を伴うか否かをあらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、特定の演出(例えばスーパーリーチ)を伴うことを報知することができ(例えば、その旨を示す演出制御コマンドを演出制御用CPU120に送信し、演出制御コマンドを受信した演出制御用CPU120において先読み演出等の演出を実行することによって実現される)、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、合算保留記憶数が0〜2であるか3以上であるかの2種類について、判定値の割り当てを異ならせる場合を示したが、これに限らず、例えば、合算保留記憶数に応じてさらに細かく段階的に割り当てを異ならせてもよい。この場合、例えば、合算保留記憶数が0,1用の変動パターン判定テーブルと、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用および合算保留記憶数4個用の変動パターン判定テーブルとをあらかじめ用意しておき、リーチを伴う変動パターンや短縮変動の変動パターンに対する判定値の割り当てさらに段階的に異ならせるようにしてもよい。
図4は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(3)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、本実施例では、変動パターンは、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、変動パターン判定テーブルに含まれるいずれかの変動パターンに決定する。
図10に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、本実施例では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図5(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図5(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図5(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図5(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図5(B),図5(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU103は、所定の時期に、乱数回路104のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図5(B),図5(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図5(B),図5(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、本実施例では、図5(B),図5(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、本実施例では、第1始動入賞口に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図5(D),図5(E)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図5(D)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図5(E)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、本実施例では、図5(D),図5(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられている(40分の10の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して3個の判定値が割り当てられている(40分の3の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、本実施例では、第1始動入賞口に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。なお、テーブルに設定される判定値は、個数が異なるとともに重複して割り当てられないようになっている。
なお、本実施例では、図5(D),図5(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態として2ラウンドの突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態として15ラウンドの大当り(確変大当りまたは通常大当り)と決定する場合を説明するが、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、本実施例で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
尚、本実施例では、大当り図柄が導出表示されることで移行する大当り遊技状態を特定遊技状態とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特定遊技状態としては、小当り図柄が導出表示されることで移行する小当り遊技状態、大当り遊技終了後に移行する確変状態や時短状態等であっても良い。
本実施例では、図5(D),図5(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(本実施例では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するS170,S171参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するS134参照)。
また、「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されず、時短状態にのみ移行される大当りである(後述するS167参照)。そして、時短状態に移行した後、特別図柄および演出図柄の変動表示の実行を所定回数(例えば、100回)終了するまで時短状態が維持される(後述するS142〜S145参照)。なお、本実施例では、時短状態に移行した後、所定回数の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するS134参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「確変大当り」や「通常大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(本実施例では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。そして、本実施例では、その2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(本実施例では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するS170,S171参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するS134参照)。
なお、前述したように、本実施例では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される(後述するS147〜S151参照)。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU103は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図6は、ROM101に記憶されている変動パターン判定テーブルを示す説明図である。変動パターン判定テーブルは、大当り種別や遊技状態などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。CPU103は、抽出したランダム3の(1〜997)の値が変動パターンごとに割り当てられたデータ(判定値)と一致した場合に、変動パターンを、一致した変動パターンの判定値に対応するパターンに決定する。なお、図6に示す例では、変動パターンごとに割り当てられる判定値の割合が示されている。例えば、通常遊技状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図6の「はずれ」フィールド)においては、ランダム3の値(1〜997)に対応する判定値のうちの50%が、変動パターン「非リーチはずれ」に設定されている。つまり、図6に示す例では、変動パターン判定テーブルに設定された各値は、可変表示結果が「はずれ」、「はずれ(時短時)」、「通常大当り/確変大当り」または「突然確変大当り/小当り時」である場合に、対応付けられた変動パターンに決定される割合を示している。
図6に示すように、例えば、通常遊技状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図6の「はずれ」フィールド)においては、複数種類の変動パターンのうち、「非リーチはずれ」と判定される割合が最も高く、「擬似連3スーパーはずれ」と判定される割合が最も低い。また、例えば、時短状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図6の「はずれ(時短時)」フィールド)においては、「はずれ」フィールドとは異なり、「非リーチはずれ」と判定されることがなく、「短縮非リーチはずれ」と判定される割合が高くなるように判定値が割り当てられている。このように設定することによって、時短状態においては変動時間が短い変動パターンが選択されやすくなる。
また、可変表示結果を「通常大当り」または「確変大当り」にする旨の判定がなされている場合(図6の「通常大当り/確変大当り」フィールド)においては、擬似連演出を伴う変動パターンのうち、「擬似連3スーパー当り」と判定される割合が最も高く、「擬似連1ノーマル当り」と判定される割合が最も低くなるように判定値が割り当てられている。すなわち、「通常大当り/確変大当り」フィールドにおいては、擬似連演出を伴う変動パターンのうち擬似連回数が多い方の変動パターンが選択されやすい。したがって、擬似連演出は、擬似連回数が多い方が、可変表示結果が大当りとなる期待度が高い。また、図6に示す例では、ノーマルリーチを伴う変動パターン(ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、ノーマル当りおよび擬似連1ノーマル当り)は、スーパーリーチを伴う変動パターン(スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ、擬似連3スーパーはずれ、スーパー当り、擬似連2スーパー当りおよび擬似連3スーパー当り)よりも、可変表示結果が「はずれ」のに選択されやすい。逆に、スーパーリーチを伴う変動パターン(スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ、擬似連3スーパーはずれ、スーパー当り、擬似連2スーパー当りおよび擬似連3スーパー当り)は、ノーマルリーチを伴う変動パターン(ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、ノーマル当りおよび擬似連1ノーマル当り)よりも、可変表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」のときに選択されやすい。したがって、本実施例では、ノーマルリーチを伴う変動パターンよりもスーパーリーチを伴う変動パターンの方が、可変表示結果が大当りとなる期待度が高い。
また、図6に示す例では、可変表示結果を「突然確変大当り」または「小当り」にする旨の判定がなされている場合(図6の「突然確変大当り/小当り」フィールド)においては、変動パターンは「特殊当り」と判定される。
図7および図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7および図8に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置5において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図3に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用CPU120は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置5において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用CPU120は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。本実施例では、後述する入賞時判定処理(図14参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞時にいずれの変動パターンとなるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定結果コマンドのEXTデータに判定結果としての変動パターンを指定する値を設定し、演出制御用CPU120に対して送信するための制御(送信設定)を行う。
図9は、入賞時判定結果指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9に示すように、本実施例では、始動入賞時にいずれの変動パターンになると判定したとかに応じて、EXTデータに値が設定され、入賞時判定結果指定コマンドが送信される。例えば、第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞時に変動パターンが「短縮非リーチはずれ」となると判定した場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。また、例えば、第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞時に変動パターンが「特殊当り」となると判定した場合には、EXTデータに「13(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120は、主基板11に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ100から上述した演出制御コマンドを受信すると、図7および図8に示された内容に応じて演出表示装置5の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声制御基板13に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞があり第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する。
本実施例では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図7および図8に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置5などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御用CPU120に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図11は、主基板11に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU103は、第1始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ22Aがオンしていたら、または第2始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ22Bがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311,S312)。そして、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ22Aまたは第2始動口スイッチ22Bがオンしていなければ、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用CPU120に、表示結果指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用CPU120に、図柄確定指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置5において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド82を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用CPU120に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド82を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用CPU120に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図12は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU103は、まず、第1始動口スイッチ22Aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ22Aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ22Aがオン状態であれば、CPU103は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU103は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU103は、第1始動入賞口および第2始動入賞口への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
本実施例では、第1始動口スイッチ22Aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ22Bがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU103は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ22Aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ22Bがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図13(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図13(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口または第2始動入賞口への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口および第2始動入賞口への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM102に形成されている。
次いで、CPU103は、乱数回路104やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図13(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。なお、S1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図13(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図13(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。本実施例では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM102に形成されている。
次いで、CPU103は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時判定処理を実行する(S1217)。そして、CPU103は、第1保留記憶数カウンタの値にもとづいて第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行い、その後、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S1218)。
なお、S1218の処理を実行することによって、本実施例では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU103は、第1始動入賞口に始動入賞するごとに、必ず第1保留記憶数指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドの両方を演出制御用CPU120に対して送信する。
なお、本実施例では、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置6Bが設けられた第2始動入賞口に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。この場合には、S1215の処理を省略可能であるとともに、図13(A)に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)が不要となる。また、この場合には、CPU103は、高ベース状態でなく(時短フラグがセットされていない場合)、大当り遊技中でないことを条件に、第1始動入賞口に始動入賞したことにもとづく入賞時判定処理(S1217)を行うようにしてもよい。すなわち、条件を満たさない場合には、入賞時判定処理(S1217)の実行を制限するようにし、特定の変動表示の表示結果が大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出(詳細については後述する)を実行させないようにしてもよい。第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成において、第2始動入賞口に始動入賞しやすい遊技状態では、第1始動入賞口に始動入賞したことにもとづく第1特別図柄の変動表示が後回しにされ続けることがあるため、先読み演出を実行しても、予告対象の変動表示がなかなか実行されない状態が生じてしまう可能性がある。しかし、入賞時判定処理(S1217)の実行を制限することで、第1始動入賞口に始動入賞したことにもとづく先読み演出を実行させないようにすることができ、そのような状態を回避することができる。また、高ベース状態や大当り遊技中に入賞時判定処理を制限することによって、大当りとなる保留記憶が記憶されていることが認識できる状態で遊技が行われることを防止することができる。なお、大当り遊技中であるか否かは、例えば、特別図柄プロセスフラグの値で確認される。その場合、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値が5〜7のいずれかであるときに大当り遊技中であると判定する。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100側では入賞時判定処理を常に行い、演出制御用CPU120側で、高ベース状態であるか否か、大当り遊技中であるか否かを判定し、先読み演出の実行を制限するようにしてもよい。
次いで、CPU103は、第2始動口スイッチ22Bがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ22Bがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ22Bがオン状態であれば、CPU103は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU103は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU103は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU103は、乱数回路104やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図13(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU103は、入賞時判定処理を実行する(S1228)。そして、CPU103は、第2保留記憶数カウンタの値にもとづいて第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行い、その後、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S1229)。
なお、S1229の処理を実行することによって、本実施例では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU103は、第2始動入賞口に始動入賞するごとに、必ず第2保留記憶数指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドの両方を演出制御用CPU120に対して送信する。
図14は、S1217,S1218の入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理では、CPU103は、まず、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。本実施例では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時判定処理を実行することによって、あらかじめいずれの変動パターンとなるか否かを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動パターンを予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用CPU120によって大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU103は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグがセットされていれば、CPU103は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。なお、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU103は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(B),図5(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S223)。この場合、CPU103は、第1始動入賞口への始動入賞があった場合(図12に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1217参照)を実行する場合)には、図5(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口への始動入賞があった場合(図12に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1228参照)を実行する場合)には、図5(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(S223のN)、CPU103は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(S224)。本実施例では、CPU103は、S224において、遊技状態が確変状態または時短状態であるか否か(具体的には、時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にS224で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS224で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS224で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
そして、CPU103は、S224の判定結果に応じて、変動パターン判定テーブルのフィールドを選択する(S225)。具体的には、CPU103は、遊技状態が確変状態もしくは時短状態であると判定した場合には、図6に示す変動パターン判定テーブルの「はずれ(時短時)」フィールドを選択する。また、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、図6に示す変動パターン判定テーブルの「はずれ」フィールドを選択する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(S223のY)、CPU103は、図6に示す変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する。(S226)。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU103は、S1216,S1227で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(S227)。この場合、CPU103は、第1始動入賞口への始動入賞があった場合(図12に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1217参照)を実行する場合)には、図5(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口への始動入賞があった場合(図12に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1228参照)を実行する場合)には、図5(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
そして、CPU103は、S227で判定した大当り種別に応じて、変動パターン判定テーブルのフィールドを選択する。(S228)。具体的には、CPU103は、「通常大当り」または「確変大当り」と判定した場合には、変動パターン判定テーブルの「通常大当り/確変大当り」フィールドを選択する。また、「突然確変大当り」と判定した場合には、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する。
次いで、CPU103は、S225,S226,S228で設定した変動パターン判定テーブルのフィールドと、S1216,S1227で抽出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)とを用いて、変動パターンを判定する(S229)。
そして、CPU103は、判定した変動パターンを入賞時判定結果指定コマンドに設定する処理を行う(S230)。具体的には、CPU103は、S229でいずれの変動パターンになると判定したかに応じて、図9に示すような「00(H)」〜「51(H)」のいずれかの値を入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
例えば、第1始動入賞口への始動入賞があった場合(図12に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1217A参照)を実行する場合)には、S229で「非リーチはずれ」の変動パターンになると判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「02(H)」を設定する処理を行う。また、S229で「擬似連3スーパー当り」の変動パターン種別になると判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「12(H)」を設定する処理を行う。
なお、本実施例では、保留記憶数が異なっていても同じ変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが判定されるが、保留記憶数に応じて異なる変動パターン判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合には、保留記憶数にかかわらず、例えば、ノーマルリーチやスーパーリーチなどを伴う変動パターンになるか否かを変動パターン判定用乱数(または変動パターン種別判定用乱数)から判定し、判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよいし、特定の変動パターン(例えば、特定のリーチ演出を行う変動パターンや、特定の擬似連回数の変動パターンなど)になると判定されたときに、判定結果を示す入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、例えば、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であるか否かを判定し、判定結果を示す入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。
図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU103は、保留特定領域(図13(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU103は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
S52〜S54の処理が実行されることによって、本実施例では、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、本実施例では、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。例えば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する場合には、S52において第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数が1以上であるか否かを確認し、1以上であればS54に移行し、0であればS53に移行するようにする。
次いで、CPU103は、RAM102において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM102の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM102の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU103は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
なお、CPU103は、S56において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算すると、減算された保留記憶数カウンタのカウント値にもとづいて第1保留表示部25Aまたは第2保留表示部25Bの表示を変更する制御も行う。
そして、CPU103は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM102の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。なお、CPU103は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM102の所定の領域に保存する。
また、CPU103は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値にもとづいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU103は、第1保留記憶数指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU103は、第2保留記憶数指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU103は、第1始動口スイッチ通過処理のS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM101における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM101における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU103は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU103は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示装置における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、CPU103は、小当り判定テーブル(図5(B),図5(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU103は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(B),図5(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU103は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図5(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図5(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S62)、CPU103は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(S63)、S75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(S62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。
S71では、CPU103は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aを選択する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図5(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bを選択する。
次いで、CPU103は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。なお、この場合、CPU103は、第1始動口スイッチ通過処理のS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図5(D),図5(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU103は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM102における大当り種別バッファに設定する(S74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU103は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図16は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りである場合には(S92のY)、変動パターン判定テーブルの「通常大当り/確変大当り」フィールドを選択し(S93)、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りでない場合には(S92のN)、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する(S94)。そして、S101に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する(S96)。そして、S101に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU103は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S97)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(S97のY)、CPU103は、変動パターン判定テーブルの「はずれ(時短時)」フィールドを選択する(S98)。そして、S101に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(S97のN)、CPU103は、変動パターン判定テーブルの「はずれ」フィールドを選択する(S99)。そして、S101に移行する。
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し(S101)、S93、S94、S96,S98またはS99の処理で選択した変動パターン判定テーブルのフィールドを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。
次いで、CPU103は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S103)。また、CPU103は、特別図柄ポインタが示す図柄変動指定コマンドを、演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S104)。
また、特別図柄の変動を開始する(S105)。例えば、S33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM102に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S106)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S107)。
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用CPU120に図柄確定指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S140に移行する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用CPU120に大当り開始指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM102に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、CPU103は、演出制御用CPU120に通常状態指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S136)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。突然確変大当りの場合には2回。)をセットする(S138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S139)。
S140では、CPU103は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する。確変フラグがセットされていなければ、CPU103は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S141)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態をともなわず、時短状態にのみ制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S142)。
次いで、CPU103は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(S144)、時短フラグをリセットする(S145)。また、CPU103は、演出制御用CPU120に対して通常状態指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S146)。
次いで、CPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S147)。小当りフラグがセットされていれば、CPU103は、演出制御用CPU120に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(S150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(S308)に対応した値に更新する(S151)。
小当りフラグもセットされていなければ(S147のN)、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S152)。
図18は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(S161)、大当り終了指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S162)。ここで、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S163)、処理を終了する。
S164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(S165のY)、CPU103は、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かを確認する(S166)。なお、確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」〜「03」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU103は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(S167)。また、CPU103は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(S168)。また、CPU103は、時短状態指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S169)。そして、S173に移行する。
確変大当りまたは突然確変大当りであれば、CPU103は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(S170)。また、CPU103は、時短フラグをセットする(S171)。また、CPU103は、確変状態指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S172)。そして、S173に移行する。
なお、本実施例では、S167,S171でセットした時短フラグは、可変入賞球装置6Bの開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU103は、普通図柄プロセス処理(S27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置6Bを開放する制御を行う。また、S167,S171でセットした時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S173)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図19は、演出制御基板12に搭載されている演出制御手段としての演出制御用CPU120が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグのセットやデータを格納する処理等を行う(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
図20〜図21は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板11から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド受信バッファは、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(S612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S621)、演出制御用CPU120は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S622)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S623)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S625)、演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S626)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S627)、演出制御用CPU120は、確定コマンド受信フラグをセットする(S628)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU120は、その第1保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第1保留記憶数として第1保留記憶数保存領域に格納する(S652)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数指定コマンドであれば(S654)、演出制御用CPU120は、その第2保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第2保留記憶数として第2保留記憶数保存領域に格納する(S655)。
次いで、受信した演出制御コマンドがいずれかの入賞時判定結果指定コマンドであれば(S664)、演出制御用CPU120は、受信した入賞時判定結果指定コマンドに応じた入賞時判定結果を入賞時判定結果記憶バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた領域に保存し(S665)、先読み演出決定処理を行う(S671)。
なお、本実施例では、合算保留記憶数は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数と、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数とを合算することで求められる。第1保留記憶数は、第1保留記憶数指定コマンドを受信した後に、S652において更新され、第2保留記憶数は、第2保留記憶数指定コマンドを受信した後に、S655において更新されるため、合算保留記憶数も同じタイミングで更新される。また、入賞時判定結果指定コマンドは、始動口スイッチ通過処理のS1218においては、第1保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信され、S1228においては、第2保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信される。そのため、演出制御用CPU120は、合算保留記憶数を更新した後に、入賞時判定結果指定コマンドを受信する。なお、演出制御用CPU120は、S665の処理で、例えば、入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータを入賞時判定結果バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた保存領域にセットする。入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)で、入賞時判定結果が特定されるからである(図9参照)。また、入賞時判定結果バッファにセットされたデータは、後述する演出図柄変動開始処理(S1800の処理が実行されるタイミングなど)において、先にセットされたものから順に削除される。
図21(A)及び図21(B)は、入賞時判定結果を保存する領域(入賞時判定結果記憶バッファ及びアクティブ表示記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図21(A)に示すように、本実施例では、入賞時判定結果記憶バッファにおいて合算保留記憶数の各保留表示(保留記憶)に対応付けられた8個の保存領域が確保されている。また、図21(B)に示すように、アクティブ表示記憶バッファにおいて消費保留表示に対応付けられた1個の保存領域が確保されている。各保存領域には、入賞時判定結果と、先読み演出の対象保留記憶であることを示す先読み対象フラグと、保留表示または消費保留表示の表示態様を示す表示態様フラグと、がそれぞれ記憶可能となっている。
入賞時判定結果記憶バッファ及びアクティブ表示記憶バッファにおいて、先読み対象フラグに「0」がセットされている場合は、当該保留記憶が先読み演出の対象でないことを示し、先読み対象フラグに「1」がセットされている場合は、当該保留記憶が先読み演出の対象であること示す。
また、入賞時判定結果記憶バッファ及びアクティブ表示記憶バッファにおいて、表示態様フラグに「0」がセットされている場合は、当該保留記憶に対応する保留表示(または消費保留表示)が通常態様(本実施例では「○」)で表示されていることを示し、表示態様フラグに「1」がセットされている場合は、当該保留記憶に対応する保留表示が特殊態様(本実施例では「○」の外側に6本の線が描かれている)で表示されていることを示し、表示態様フラグに「2」がセットされている場合は、当該保留記憶に対応する保留表示(または消費保留表示)が第1特別態様(本実施例では「○」内にバツが含まれる)で表示されていることを示し、表示態様フラグに「3」がセットされている場合は、当該保留記憶に対応する保留表示(または消費保留表示)が第2特別態様(本実施例では「○」内に2重バツが含まれる)で表示されていることを示す。尚、本実施例では、アクティブ表示記憶バッファにおいて、表示態様フラグに「4」がセットされる場合があり、その場合は、消費保留表示が非表示態様(消去される態様)になる。
後述するように、本実施例では、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示が消費されて変動表示が開始されるときに、変動表示の対象となる保留表示の表示態様が第1または第2特別態様である場合には、アクティブ表示エリア5Fに移動して消費保留表示となる。このときに、入賞時判定結果記憶バッファにセットされているフラグがアクティブ表示記憶バッファにセットされることで、該セットされた表示態様フラグに対応した表示態様で消費保留表示が表示されるようになっている。
尚、本実施例では、変動表示の対象となる保留表示の表示態様が第1または第2特別態様である場合には、アクティブ表示エリア5Fに移動して消費保留表示となる態様を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示の対象となる保留表示の表示態様が第1または第2特別態様である場合には、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示を消去して、アクティブ表示エリア5Fに消費保留表示を出現させる態様であっても良い。また、この場合に、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示を消去するタイミングは、アクティブ表示エリア5Fに消費保留表示が出現するタイミングの前であっても良いし、アクティブ表示エリア5Fに消費保留表示を出現した後であって当該変動表示が開始されてから所定時間経過したタイミングであっても良い。
また、本実施例では、第1または第2特別態様の保留表示が必ず消費保留表示に移動するようになっているが、通常態様の保留表示(表示態様フラグ「0」)は、消費保留表示とならずに非表示の状態(表示態様フラグ「4」)になる。つまり、通常態様の保留表示は、アクティブ表示エリア5Fに移動するタイミングで消去される。遊技者は、保留表示の表示態様を視認することで、この保留表示が消費保留表示に移動するものであるか否かを把握することができ、保留表示の表示態様に着目するようになるので、遊技興趣を向上できる。
尚、後述するように、特殊態様の保留表示(表示態様フラグ「1」)は、消費保留表示となる前に、第1または第2特別態様(表示態様フラグ「2」または「3」)に変化するので、特殊態様の状態で消費保留表示が表示されることがないようになっている。
尚、本実施例では、特殊態様の保留表示(表示態様フラグ「1」)の場合に、当該特殊態様の保留表示が消費保留表示とならないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特殊態様の保留表示の場合であっても、当該特殊態様の保留表示が消費保留表示として表示される態様であっても良い。更にこの場合に、特殊態様の保留表示が消費保留表示となる場合に、当該消費保留表示を特殊態様で表示しても良いし、当該消費保留表示を表示するときに、保留表示の特殊態様とは異なる別の表示態様に変化するものであっても良い。
なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、いずれの入賞時判定結果であるかを区別するために、第1始動入賞口への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第1入賞時判定結果記憶バッファと、第2始動入賞口への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第2入賞時判定結果記憶バッファとを用意するようにしてもよい。この場合には、第1入賞時判定結果記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されていれば良く、また、第2入賞時判定結果記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されていれば良い。また、この場合には、第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファには、受信した入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータが記憶される。なお、入賞時判定結果記憶バッファ(第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファ)は、演出制御用CPU120が備えるRAMに形成されれば良い。
また、受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S683)。そして、S611に移行する。
次に、先読み演出について説明する。先読み演出とは、演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行され、演出の対象となる変動表示が大当りとなることや特定の変動(例えば、リーチ演出を含むなど)となることを予告する予告演出のことである。本実施例では、先読み演出として、合算保留記憶表示部5Dにおいて、予告対象となる変動表示(保留記憶)に対応する保留表示が、通常の表示態様(以下、通常態様)とは異なる表示態様(特殊態様または第1特別態様もしくは第2特別態様)で表示される演出が行われる。
図22は、先読み演出決定処理を示すフローチャートである。先読み演出決定処理において、演出制御用CPU120は、先ず、入賞時判定結果記憶バッファまたはアクティブ表示記憶バッファに先読み対象フラグがセットされているか否か、つまり、既に先読み演出が実行されているか否かを判定する(S67101)。尚、先読み対象フラグは、後述するS67105aにおいてセットされる。入賞時判定結果記憶バッファまたはアクティブ表示記憶バッファに先読み対象フラグがセットされていれば、演出制御用CPU120は、S67115aに移行し、入賞時判定結果記憶バッファとアクティブ表示記憶バッファとに先読み対象フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する過去の入賞時判定結果(今回受信した入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果を除く)を全て抽出する(S67102)。
次いで、演出制御用CPU120は、抽出した入賞時判定結果が全て「非リーチ」を示す判定結果であるか否かを確認する(S67103)。本実施例では、演出制御用CPU120は、S67103において、抽出した入賞時判定結果が、全て変動パターンが「短縮非リーチはずれ」または「非リーチはずれ」になることを示す値(具体的には、「01(H)」または「02(H)」。図9参照)であるか否かを判定する(すなわち、リーチを伴わないはずれ変動となるか否かを確認する)。
S67103において抽出した入賞時判定結果が全て「非リーチ」を示す判定結果である場合には、演出制御用CPU120は、S67104に移行する。一方、抽出した入賞時判定結果が全て「非リーチ」を示す判定結果でない場合には、演出制御用CPU120は、S67115aに移行する。すなわち、本実施例では、リーチ演出を伴う変動表示が行われる保留記憶がある場合には、新たに受信した入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて先読み演出を実行しないように構成されている。なお、図22に示す例に限らず、リーチ演出を伴う変動表示が行われる保留記憶がある場合であっても、新たに受信した入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて先読み演出を実行するようにしてもよい。
S67104では、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する最新の入賞時判定結果(今回受信した入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果)を抽出し、抽出した入賞時判定結果にもとづいて、先読み演出を実行するか否かを決定する(S67104)。
本実施例では、演出制御用CPU120は、図23(A)に示す先読み演出実行決定テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを決定する。
図23(A)は、先読み演出実行決定テーブルを示す説明図である。先読み演出実行決定テーブルには、入賞時判定結果ごとに決定事項(「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」)に対応する判定値が割り当てられているが、図23(A)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU120は、例えば、先読み演出を実行するか否かを決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項(「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」)に決定する。したがって、図23(A)に示す例では、各入賞時判定結果における「先読み演出を実行する」と「先読み演出を実行しない」とに対応する数値は、決定事項として「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」が選択される割合(%)を示している。
なお、本実施例では、図23(A)に示す先読み演出実行決定テーブルの他に、図23(B)に示す最終表示態様決定テーブル、図24に示す先読み演出パターン決定テーブル、図25に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルおよび図26に示す示唆演出態様決定テーブルについても、実際には判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために割り当てられた判定値の割合が示されている。また、それらのテーブルが用いられる後述するS67106、S67107、S67108、S67110、S67115においても、S67104と同様に、演出制御用CPU120は、例えば、最終表示態様、先読み演出パターン、変化タイミング(シフト回数)または示唆演出の演出態様を決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている事項に決定する。
S67104では、演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果にもとづいて、図23(A)に示す先読み演出実行決定テーブルにおいて入賞時判定結果ごとに定められた割合で、先読み演出を実行するか否かを決定する。例えば、入賞時判定結果で「短縮非リーチはずれ」であることが示されているときには、演出制御用CPU120は、100%の割合で先読み演出を実行しないと決定する。また、例えば、入賞時判定結果で「擬似連3スーパー当り」であることが示されているときには、演出制御用CPU120は、99%の割合で先読み演出を実行すると決定する。
図23(A)に示す先読み演出実行決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)に比べて、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)の方が、先読み演出が実行される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。また、図23(A)に示す先読み演出実行決定テーブルにおいて特徴的なことは、同じ表示結果であっても、期待度が高いリーチ演出が行われる方が(例えばノーマルリーチよりもスーパーリーチが行われる方が)、先読み演出が実行される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、先読み演出が実行されたときには、先読み演出が実行されないときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることや、大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われる割合を高くすることができる。したがって、先読み演出が実行されることに対して遊技者に期待感を持たせることができる。
なお、図23(A)に示す例では、入賞時判定結果で「非リーチはずれ」である場合にも1%の割合で先読み演出を実行すると決定されるが、「非リーチ」(「短縮非リーチはずれ」または「非リーチはずれ」)の場合には、先読み演出を実行すると決定されないようにしてもよい。また、図23(A)に示す例では、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに先読み演出を実行するか否かを決定するための判定値(割合)が設定されているが、例えば、表示結果ごと(例えば、「はずれ」、「通常大当り」もしくは「確変大当り」または「突然確変大当り」もしくは「小当り」)に先読み演出を実行するか否かを決定するための判定値(割合)が設定されていてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、先読み演出を実行すると決定した場合には(S67105のY)、S67105aに移行する。一方、先読み演出を実行しないと決定した場合には(S67105のN)、演出制御用CPU120は、S67115aに移行する。
S67105aでは、演出制御用CPU120は、先読み演出の対象となる保留表示を特定するための先読み対象フラグを、入賞時判定結果記憶バッファにおける最新の入賞時判定結果と同一の記憶領域にセットする(S67105a)。
先読み対象フラグがセットされると、S67101の処理によって、先読み演出を重ねて実行しないように制御される。すなわち、本実施例では、いずれかの保留表示または消費保留表示において先読み演出の実行が決定されている場合には、新たに先読み演出を実行しないように制御される。したがって、複数の保留表示または保留表示と消費保留表示が第1特別態様、第2特別態様や特殊態様で同時に表示されることが防止されているので、遊技者がいずれの保留表示・消費保留表示に注目すればよいか迷うことがなくなり、遊技者を混乱させてしまうことを防止することができる。
次いで、演出制御用CPU120は、先読み演出において、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示を、合算保留記憶表示部5Dにおいて最終的にどの表示態様で表示するかを決定する(S67106)。本実施例では、保留表示の表示態様として、通常態様の他に、特殊態様、第1特別態様および第2特別態様が設けられている。ただし、後述するように、特殊態様で表示された保留表示は、その保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されるまでに、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。したがって、S67106では、合算保留記憶表示部5Dにおける最終的な表示態様は第1特別態様または第2特別態様のいずれかに決定される。以下、第1特別態様と第2特別態様とを特別態様と総称することがある。
図23(B)は、最終表示態様決定テーブルを示す説明図である。S67106において、演出制御用CPU120は、図23(B)に示す最終表示態様決定テーブルを用いて、合算保留記憶表示部5Dにおいて最終的にどの表示態様で表示するか(以下、最終表示態様ともいう)を決定する。具体的には、抽出した最新の入賞時判定結果にもとづいて、最終表示態様決定テーブルにおいて入賞時判定結果(変動表示の表示結果)ごとに定められた割合で、最終表示態様を決定する。例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「はずれ」であることが示されている場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)には、演出制御用CPU120は、80%の割合で最終表示態様を第1特別態様に決定する。また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)には、演出制御用CPU120は、80%の割合で最終表示態様を第2特別態様に決定する。
図23(B)に示す最終表示態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)に比べて、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)の方が、第2特別態様に決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、保留表示が第2特別態様で表示されたときには、第1特別態様で表示されたときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、第1特別態様よりも第2特別態様で表示された方が大当りとなる期待度を高くすることができ、先読み演出が実行されたときに、保留表示がどの表示態様で表示されるかについて着目させることができる。
なお、図23(B)に示す例では、入賞時判定結果で示される表示結果ごと(「はずれ」、「通常大当り」もしくは「確変大当り」または「突然確変大当り」もしくは「小当り」)に最終表示態様を決定するための判定値(割合)が設定されているが、例えば、図23(A)の先読み演出実行決定テーブルと同様に、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに最終表示態様を決定するための判定値(割合)が設定されていてもよい。そのようにすることで、保留表示が第2特別態様で表示されたときに、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることの他に、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も高くすることができる。
また、本実施例では、最終表示態様として第1特別態様と第2特別態様との2種類の表示態様が設けられているが、これに限らず、3種類以上の表示態様を設け、それぞれ期待度が異なる(表示結果に応じて選択される割合が異なる)ようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、先読み演出パターンテーブルを用いて先読み演出の演出パターン(以下、先読み演出パターンともいう)を決定する(S67107)。
本実施例では、先読み演出パターンとして、第1先読み演出パターンと第2先読み演出パターンとが設けられている。第1先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、第1特別態様または第2特別態様で表示される。なお、第1先読み演出パターンは、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されるものと、予告対象の変動表示(保留情報)が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるものとを含む。一方、第2先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様にて表示され、その予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。
保留表示のシフトタイミングとは、後述する演出図柄変動開始処理において、入賞時判定結果記憶バッファにおける1つ目の保留記憶を読み出すとともに、該1つ目の保留記憶を入賞時判定結果記憶バッファから消去し、残りの保留記憶を1つずつシフトするタイミングである(具体的には、S1800が実行されるタイミング)。例えば、入賞時判定結果記憶バッファに5つの保留記憶が記憶されている場合に、シフトタイミングで1つ目の保留記憶が消去されるとともに、2つ目として記憶されていた保留記憶が1つ目の保留記憶領域にシフトされ、3つ目として記憶されていた保留記憶が2つ目の保留記憶表域にシフトされ、4つ目として記憶されていた保留記憶が3つ目の保留記憶領域にシフトされ、5つ目として記憶されていた保留記憶が4つ目の保留記憶領域にシフトされる。
図24は、先読み演出パターン決定テーブルを示す説明図である。S67107において、演出制御用CPU120は、先読み演出パターン決定テーブルと合計保留記憶数とにもとづいて、先読み演出パターンを決定する。具体的には、演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合(すなわち、入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果13指定の場合)、図24(A)に示す当り時先読み演出パターン決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU120は、図24(A)に示す当り時先読み演出パターン決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンと第2先読み演出パターンとのいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」である場合(すなわち、入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定の場合)、図24(B)に示すはずれ時先読み演出パターン決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU120は、図24(B)に示すはずれ時先読み演出パターン決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンと第2先読み演出パターンとのいずれかに決定する。
例えば、入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)であり、合計保留記憶数が2である場合には、演出制御用CPU120は、先読み演出パターンを、35%の割合で第1先読み演出パターンに、65%の割合で第2先読み演出パターンに決定する。また、例えば、入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」であり、合計保留記憶数が2である場合には、演出制御用CPU120は、先読み演出パターンを、65%の割合で第1先読み演出パターンに、35%の割合で第2先読み演出パターンに決定する。
図24に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、変動表示の表示結果が「はずれ」である場合に比べて、変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合の方が、第2先読み演出パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち始動入賞時に保留表示が特殊態様で表示され、その後、特別態様に変化して表示されるとき)には、第1先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち保留表示が一旦特殊態様で表示されることなく特別態様で表示されたとき)に比べて、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができる。また、変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」の場合には、最終表示態様が第2特別態様に決定される割合が高いため、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち始動入賞時に保留表示が特殊態様で表示され、その後、特別態様に変化して表示されるとき)には、特殊態様で表示された保留表示が、第1特別態様よりも大当りとなる期待度が高い第2特別態様に変化する割合が高くなる。したがって、先読み演出がどの先読み演出パターンで実行されるかについて着目させることができる。また、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち始動入賞時に保留表示が特殊態様で表示されたとき)には、特殊態様で表示された保留表示が第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様に変化しやすいため、期待感を高めることができ、遊技興趣を向上させることができる。また、本実施例では、特殊態様で表示された保留表示は、その保留表示(保留情報)に対応する変動表示が開始されるまでに、第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるため、保留表示が特殊態様で表示されてから特別態様に変化するまで、期待感を持続させることができる。
また、図24に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、合算保留記憶数が1の場合には、第2先読み演出パターンに決定されないように判定値が設定されていることである。本実施例では、第2先読み演出パターンにおいて、始動入賞時に特殊態様で表示された保留表示を、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示させるタイミングは、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングである。しかし、合算保留記憶数が1の場合(すなわち予告対象の変動表示に対応する保留表示のみが表示される場合)には、保留表示のシフトが1回行われると、予告対象の変動表示に対応する保留表示は消去されてしまう。そのため、合算保留記憶数が1の場合には、シフトタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させることができない。したがって、合算保留記憶数が1の場合には、第2先読み演出パターンに決定されないように判定値が設定されている。
なお、本実施例では、説明を簡略化するために、第1先読み演出パターンにおいて、保留表示が通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるタイミングと、第2先読み演出パターンにおいて、保留表示が特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるタイミングとを、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングとしているが、これに限らず、他のタイミングであってもよい。例えば、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される変動表示中(1つの変動表示または複数の変動表示にまたがった期間)の任意のタイミングで表示態様を変化させるようにしてもよい。この場合には、例えば、合計保留記憶数が1の場合にも、第2先読み演出パターンに決定可能とし、始動入賞時に保留表示を特殊態様で表示し、その保留表示(保留情報)に対応する変動表示が開始されるまでに特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示させるようにしてもよい。
なお、図24に示す例では、入賞時判定結果で示される表示結果が当りの場合(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)と「はずれ」の場合とに対応する先読み演出パターン決定テーブルがそれぞれ設けられているが、例えば、表示結果が当りであっても、「通常大当り」または「確変大当り」の場合と、「突然確変大当り」または「小当り」の場合とで、異なる割合でいずれかの先読み演出パターンに決定する先読み演出パターン決定テーブルを設けるようにしてもよい。また、例えば、図23(A)の先読み演出実行決定テーブルと同様に、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに、異なる割合でいずれかの先読み演出パターンに決定する先読み演出パターン決定テーブルを設けるようにしてもよい。そのようにすることで、先読み演出が第1先読み演出パターンで実行されたときに、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることの他に、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も高くすることができる。
先読み演出パターンを決定すると、演出制御用CPU120は、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示の表示態様を変化させる変化タイミング(本例では、保留表示のシフト回数)を決定し、決定した変化タイミング(シフト回数)を、変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタにセットする(S67108)。本実施例では、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示の表示態様が変化するタイミングは、任意の保留表示のシフトタイミングである。したがって、変化タイミング(シフト回数)を決定することによって、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して何回目のシフトが行われるタイミングで表示態様を変化させるかが決定される。例えば、変化タイミング(シフト回数)を2と決定すると、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して2回目のシフトが行われるタイミングで、その保留表示の表示態様を変化させる。
図25は、変化タイミング決定テーブルを示す説明図である。S67108において、演出制御用CPU120は、変化タイミング決定テーブルと合計保留記憶数とにもとづいて、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を決定する。具体的には、演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)であり(すなわち、入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果13指定の場合)、S67107で決定した先読み演出パターンが第1先読み演出パターンである場合に、図25(A)に示す当り時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU120は、図25(A)に示す当り時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
なお、図25に示す例において、変化タイミング(シフト回数)が0であるということは、始動入賞のタイミングで保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されることである。始動入賞のタイミングで第1特別態様または第2特別態様で保留表示を表示させる場合には、例えば、新たな保留表示を最初から第1特別態様または第2特別態様で表示することによって実現してもよいし、新たな保留表示を一旦通常態様で表示し、直後に第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することによって実現してもよい。
また、演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」であり(すなわち、入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定の場合)、S67107で決定した先読み演出パターンが第1先読み演出パターンである場合に、図25(B)に示すはずれ時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU120は、図25(B)に示すはずれ時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)であり(すなわち、入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果13指定の場合)、S67107で決定した先読み演出パターンが第2先読み演出パターンである場合に、図25(C)に示す当り時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU120は、図25(C)に示す当り時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」であり(すなわち、入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定の場合)、S67107で決定した先読み演出パターンが第2先読み演出パターンである場合に、図25(D)に示すはずれ時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU120は、図25(D)に示すはずれ時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
例えば、当り時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU120は、50%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)と決定し、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、20%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。また、はずれ時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU120は、20%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)と決定し、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、50%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。
また、例えば、当り時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU120は、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、70%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。また、はずれ時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU120は、70%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。
図25に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて特徴的なことは、第1先読み演出パターンの場合には、変動表示の表示結果が「はずれ」である場合に比べて、変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合の方が、シフト回数が少ない変化タイミングに決定する割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第1先読み演出パターンで先読み演出が行われるとき(すなわち保留表示が一旦特殊態様で表示されることなく特別態様で表示されるとき)には、保留表示がより少ないシフト回数で通常態様から特別態様に変化した方が、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができ、さらに始動入賞時(シフト回数0)に特別態様で表示された方が、より当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、保留表示が変化するタイミングに関心を持たせることができ、遊技興趣を高めることができる。
図25に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて特徴的なことは、第2先読み演出パターンの場合には、変動表示の表示結果が「はずれ」である場合に比べて、変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合の方が、シフト回数が多い変化タイミングに決定する割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われるとき(すなわち始動入賞時に保留表示が特殊態様で表示され、その後、特別態様に変化されるとき)には、特殊態様の保留表示がより多くのシフト回数で(つまり多くのシフトが行われた後に)特別態様に変化した方が、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができる。すなわち、保留表示が特殊態様で表示されてから特別態様に変化するまでの期間が長くなるほど(つまり変化のタイミングが遅くなるほど)、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、保留表示を複数のタイミングで変化させることができるとともに、特殊態様で表示された保留表示が変化するタイミングに注目させることができ、遊技興趣を高めることができる。
なお、本実施例では、説明を簡略化するために、保留表示の表示態様を変化させるタイミングを、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングとしているが、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のタイミングで表示態様を変化可能とする場合には、例えば、変化させるタイミング(特定のシフトタイミングや特定の変動表示中など)を特定可能な複数種類の変化タイミングパターンを設け、入賞時判定結果に応じていずれかを選択するようにしてもよい。
また、図25に示す例では、第1先読み演出パターンの場合にはシフト回数が少ない方(つまり変化のタイミングが早いほど)が有利になり、第2先読み演出パターンの場合にはシフト回数が多い方(つまり変化のタイミングが遅いほど)が有利になるように設定されているが、遊技者にわかりやすくするため、例えば、第1先読み演出パターンの場合にもシフト回数が多い方(つまり変化のタイミングが遅いほど)が有利になるように設定してもよい。また、例えば、第2先読み演出パターンの場合にもシフト回数が少ない方(つまり変化のタイミングが早いほど)が有利になるように設定してもよい。
また、図25に示す例では、入賞時判定結果で示される表示結果が当りの場合(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)と「はずれ」の場合とに対応する先読み演出パターン決定テーブルがそれぞれ設けられているが、例えば、表示結果が当りであっても、「通常大当り」または「確変大当り」の場合と、「突然確変大当り」または「小当り」の場合とで、異なる割合でいずれかの変化タイミング(シフト回数)に決定する変化タイミング決定テーブルを設けるようにしてもよい。また、例えば、図23(A)の先読み演出実行決定テーブルと同様に、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに、異なる割合でいずれかの変化タイミング(シフト回数)に決定する変化タイミング決定テーブルを設けるようにしてもよい。そのようにすることで、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミングに応じて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を異ならせるとともに、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も異ならせることができる。
なお、本実施例では、第2先読み演出パターンでは、始動入賞のタイミングで新たな保留表示が特殊態様で表示される形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞のタイミングでは保留表示を通常態様で表示し、その後の任意のタイミングで保留表示の表示態様を通常態様から特殊態様に変化させ、さらに後の任意のタイミングで保留表示の表示態様を特殊態様から特別態様に変化させるようにしてもよい。
変化タイミング(シフト回数)を決定すると、演出制御用CPU120は、S67107において決定した先読み演出パターンが、第2先読み演出パターンである場合には(S67109のY)、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する(S67110)。本実施例では、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出がシフトタイミングで実行可能である。また、示唆演出は、後述する第1演出態様と第2演出態様のいずれかで実行される。S67110では、保留表示の変化タイミングで実行される示唆演出の演出態様が、後述する第1演出態様、第2演出態様のいずれかに決定される。
本実施例では、示唆演出の演出態様に応じて、異なる割合で保留表示が第1特別態様または第2特別態様に変化する。具体的には、示唆演出が第1演出態様で実行される場合には、保留表示が第1特別態様に変化する割合が高く、示唆演出が第2演出態様で実行される場合には、保留表示が第2特別態様に変化する割合が高い。したがって、示唆演出が実行されることによって、保留表示の表示態様が変化することが示唆され、示唆演出がいずれの演出態様で実行されるかに応じて、いずれの特別態様に変化しやすいかが示唆される。なお、詳細については後述するが、示唆演出は、保留表示の変化タイミング以外のシフトタイミングでも実行される。そのため、これらを区別するために、保留表示の変化タイミングで実行される示唆演出を示唆演出(成功パターン)ともいい、保留表示の変化タイミング以外のシフトタイミングで実行される示唆演出を示唆演出(通過パターン)ともいう。本実施例では、示唆演出(成功パターン)と示唆演出(通過パターン)とのいずれについても、第1演出態様と第2演出態様とが実行される。そのため、示唆演出の演出態様に応じて、保留表示の表示態様が変化する割合が異なるようにしてもよい。
図26(A)は、示唆演出態様決定テーブルAを示す説明図である。S67110において、演出制御用CPU120は、図26(A)に示す示唆演出態様決定テーブルAを用いて、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様(示唆演出種別)を第1演出態様と第2演出態様、とから決定する。
本実施例における第1演出態様とは、演出表示装置5において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる表示制御が行われる演出(図34(D1)参照)であり、第2演出態様とは、演出表示装置5において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる表示制御が行われる演出(図34(D2)参照)である。
また、これら保留表示の変化タイミングで行う第1演出態様と第2演出態様では、最終的に表示態様が変化する保留表示に矢が刺さる表示制御が行われる。
具体的には、図26(A)に示す示唆演出態様決定テーブルAを用いて、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する場合は、抽出した最新の入賞時判定結果にもとづいて、入賞時判定結果(変動表示の表示結果)ごとに定められた割合で、演出態様(示唆演出種別)を第1演出態様と第2演出態様とのいずれかに決定する。例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「はずれ」であることが示されている場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)には、演出制御用CPU120は、80%の割合で示唆演出種別を第1演出態様に決定し、20%の割合で示唆演出種別を第2演出態様に決定する。
また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)には、演出制御用CPU120は、20%の割合で示唆演出種別を第1演出態様に決定し、80%の割合で示唆演出種別を第2演出態様に決定する。また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「突然確変大当り」または「小当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果13指定に相当)には、演出制御用CPU120は、50%の割合で示唆演出種別を第1演出態様に決定し、50%の割合で示唆演出種別を第2演出態様に決定する。
図26(A)に示す第1演出態様と第2演出態様とに注目すると、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)は、示唆演出種別が第1演出態様に決定される割合よりも第2演出態様に決定される割合が低く設定されており、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)は、示唆演出種別が第1演出態様に決定される割合よりも第2演出態様に決定される割合が高く設定されている。
つまり、本実施例においては、第1演出態様と第2演出態様とでは、表示領域の右側ら飛んでくる矢の色が黒(第1演出態様)である場合よりも白(第2演出態様)である場合の方が、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」となり易いように決定割合が設定されている。
また、図26(A)に示す示唆演出態様決定テーブルAにおいては、表示結果が「突然確変大当り」または「小当り」である場合(入賞時判定結果13指定に相当)に第1演出態様に決定される割合は、第2演出態様に決定される割合と同一(50%)であり、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)に第1演出態様に決定される割合よりも低く設定されているとともに、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)に第1演出態様に決定される割合よりも高く設定されている。
また、表示結果が「突然確変大当り」または「小当り」である場合(入賞時判定結果13指定に相当)に第2演出態様に決定される割合は、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)に第2演出態様に決定される割合よりも高く設定されているとともに、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)に第2演出態様に決定される割合よりも低く設定されている。
このような特徴を備えていることによって、示唆演出が第1演出態様で実行されたときには、示唆演出が第2演出態様で実行された時よりも高い割合ではずれになることを予告することができる。また、示唆演出が第2演出態様で実行されたときには、示唆演出が第1演出態様で実行された時よりも高い割合で「通常大当り」または「確変大当り」になることを予告することができる。
また、本実施例では、変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」の場合には、図26(A)に示すように、第2演出態様において示唆演出が実行され易いよう決定割合が設定されているとともに、図23(B)に示すように、最終表示態様が第2特別態様に決定され易いように決定割合が設定されている。一方、変動表示の表示結果が「はずれ」の場合には、図26(A)に示すように、第1演出態様において示唆演出が実行され易いよう決定割合が設定されているとともに、図23(B)に示すように、最終表示態様が第1特別態様に決定され易いように決定割合が設定されている。つまり、変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」となる場合は、保留表示の最終表示態様が第2演出態様になる割合が高いため、示唆演出が第2演出態様で実行されたときには、保留表示の表示態様が第1演出態様のときよりも表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」となる期待度が高い第2特別態様に変化する割合が高くなる。したがって、示唆演出に多様性を持たせることができるとともに、いずれの演出態様の示唆演出が実行されるかに着目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
なお、図26(A)に示す例では、入賞時判定結果で示される表示結果ごと(「はずれ」、「通常大当り」もしくは「確変大当り」または「突然確変大当り」もしくは「小当り」)に示唆演出の演出態様を決定するための割合が定められているが、例えば、図23(A)の先読み演出実行決定テーブルと同様に、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに示唆演出の演出態様を決定するための判定値(割合)を設定するようにしてもよい。そのようにすることで、示唆演出が第2演出態様で実行されたときに、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることの他に、大当りとなる期待度が高い変動パターンが行われる割合も高くすることができる。つまり、入賞時判定結果で示される変動パターンが、スーパーリーチ等の特定の変動パターンである場合と、特定の変動パターンではない場合とで、異なる割合にて示唆演出の態様を決定するようにしても良い。
尚、本実施例では、図26(A)に示すように、遊技者が獲得可能な遊技球数が比較的多い「通常大当り」もしくは「確変大当り」の場合と、「通常大当り」もしくは「確変大当り」に比較して遊技者が獲得可能な遊技球数が少ない「突然確変大当り」もしくは「小当り」の場合とで、異なる割合にて示唆演出の態様を決定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、確変状態に移行する「確変大当り」の場合と、確変状態に移行しない「通常大当り」の場合とで、異なる割合にて示唆演出の態様を決定するようにしても良い。
なお、本実施例では、保留表示の表示態様が変化するシフトタイミングで、示唆演出が必ず実行されるように構成されているが、示唆演出が実行されないことがあってもよい。この場合には、示唆演出によって示唆されることなく、保留表示の表示態様を突然変化させることができるため、意外感を高めることができる。
また、本実施例では、示唆演出の演出態様として第1演出態様、第2演出態様の2種類の演出態様が設けられているが、これに限らず、3種類以上の演出態様を設け、それぞれ期待度が異なる(表示結果に応じて選択される割合が異なる)ようにしてもよい。
示唆演出の演出態様を決定すると、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファにおける最新の入賞時判定結果と同一の記憶領域に、表示態様フラグとして保留表示を特殊態様で表示することを示す「1」をセットする(S67111a)。
なお、本実施例では、いずれかの保留表示が特殊態様で表示されている場合には、先読み演出を重ねて実行しないように制御されるが、これに限らず、先読み演出を重ねて実行することを一定の割合で許容してもよいし、完全に許容してもよい。すなわち、S67111の処理を一定の割合または完全に省略することで、複数の保留表示が特殊態様で表示されることを一定の割合または完全に許容するようにしてもよい。
また、例えば、いずれかの保留表示が特殊態様や第1特別態様または第2特別態様で表示されている場合や、第1特別態様または第2特別態様に変化することが決定されているものの、未だ第1特別態様または第2特別態様にて表示されていない(未変化の状態)である場合において、新たな先読み演出が実行されやすくなるようにしてもよい。すなわち先読み演出が重ねて実行されやすくなるようにしてもよい。また、例えば、特定の遊技状態(例えば、確変状態や時短状態)の場合には、先読み演出が重ねて実行されやすくなるようにしてもよい。例えば、先読み演出を重ねて実行することを一定の割合で許容する構成において、特定の遊技状態である場合には、許容する割合を高くすることによって実現できる。
次いで、演出制御用CPU120は、合算保留記憶表示部5Dにおいて、新たな保留表示を特殊態様で表示させるように制御する(S67112)。なお、S67112では、演出制御用CPU120は、新たな保留表示を特殊態様で表示させるように制御するとともに、S67106で決定した最終表示態様を示す情報と、S67110で決定した示唆演出の演出態様を示す情報とを、RAM122に形成された保存領域に格納する。これらの情報を記憶させておくことで、後述する演出図柄変動開始処理において、いずれの最終表示態様と示唆演出の演出態様とに決定されているかを特定することができる。
また、S67107において決定した先読み演出パターンが、第2先読み演出パターンでない場合には(S67109のN)、すなわち第1先読み演出パターンに決定した場合には、演出制御用CPU120は、S67108で決定した変化タイミングが始動入賞時であるか否かを確認する(S67113)。具体的には、シフト回数カウンタの値が0であるか否かを確認する。そして、変化タイミングが始動入賞時であれば(S67113のY)、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファにおける最新の入賞時判定結果と同一の記憶領域に、表示態様フラグとして保留表示をS67107で決定した第1特別態様で表示することを示す「2」、または、S67107で決定した第2特別態様で表示することを示す「3」をセットし(S67113a)、合算保留記憶表示部5Dにおいて、新たな保留表示をS67107で決定した最終表示態様(第1特別態様または第2特別態様)で表示させるように制御する(S67114)。
また、S67113において変化タイミングが入賞時でなければ(S67113のN)、演出制御用CPU120は、上述のS67110と同様に、示唆演出態様決定テーブルAを用いて保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する(S67115)。次いで、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファにおける最新の入賞時判定結果と同一の記憶領域に、表示態様フラグとして保留表示をS67107で決定した通常態様で表示することを示す「0」で表示することを示す「0」をセットし(S67115a)、合算保留記憶表示部5Dにおいて、新たな保留表示を通常態様で表示させるように制御する(S67116)。なお、S67116においても(例えば、S67115を実行した場合のみ)、S67112と同様に、演出制御用CPU120は、新たな保留表示を表示させるように制御するとともに、S67106で決定した最終表示態様を示す情報と、S67115で決定した示唆演出の演出態様を示す情報とを、RAM122に形成された保存領域に格納する。これらの情報を記憶させておくことで、後述する演出図柄変動開始処理において、いずれの最終表示態様と示唆演出の演出態様とに決定されているかを特定することができる。
以上のように、本実施例では、入賞時判定結果指定コマンドを受信すると、先読み演出決定処理において、新たな保留表示を通常態様、特殊態様、第1特別態様または第2特別態様のいずれかで表示する処理が行われる。
なお、本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、(1)第1特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行うように構成することと、(2)第2特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行うように構成することと、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を対象として先読み演出を行うように構成することとの3種類の構成が考えられる。
第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加えた場合には、第1保留記憶数の上限値(本例では4)に応じて、シフト回数カウンタには最大4がセットされる。ただし、上記(1)の構成で、第1特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行しても、第2始動入賞口への入賞が発生すると、第2特別図柄の変動表示が割り込んで(入賞順ではなく優先して)実行されるため、例えば、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、シフトタイミングであっても、後述する演出図柄変動開始処理のS1802でシフト回数カウンタの値を減算しないように構成することが望ましい。また、上記(3)の構成で、第1特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行した場合も同様に、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、後述する演出図柄変動開始処理のS1802でシフト回数カウンタの値を減算しないように構成することが望ましい。
また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(2)の構成を加えた場合には、第2保留記憶数の上限値(本例では4)に応じて、シフト回数カウンタには最大4がセットされる。この場合には、上記(1)の構成とは異なり、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動表示が行われるときでも、シフトタイミングになればシフト回数カウンタの値を減算する。また、上記(3)の構成で、第2特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行した場合も同様に、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動表示が行われるときでも、シフトタイミングになればシフト回数カウンタの値を減算する。
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、高ベース中には、第1特別図柄の変動表示を対象として先読み演出を行わないように構成してもよい。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、大当り遊技中の第1始動入賞口への入賞にもとづく先読み演出を行わないように構成してもよい。このような構成は、例えば、高ベース中や大当り遊技中には、遊技制御用マイクロコンピュータ100において、第1始動入賞口への入賞が発生しても、S1217の入賞時判定処理を実行しないようにしたり、演出制御用CPU120において受信した入賞時判定結果指定コマンドを破棄したり、先読み演出を実行することに決定されても、実行しないように制御することで実現することができる。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に上記(3)の構成を加える場合に、高ベース中または大当り遊技中には、第1始動入賞口への入賞にもとづく先読み演出を行わないが、第2始動入賞口への入賞にもとづく先読み演出は行うようにしてもよい。このような構成は、例えば、高ベース中や大当り遊技中には、遊技制御用マイクロコンピュータ100において、第1始動入賞口への入賞が発生しても、S1217の入賞時判定処理を実行しないようにしたり、演出制御用CPU120において受信した第1始動入賞口への入賞にもとづく入賞時判定結果指定コマンドを破棄したり、先読み演出を実行することに決定されても、実行しないように制御することで実現することができる。
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加える場合には、第2始動入賞口への入賞にもとづく保留記憶が存在している状態で、第1始動入賞口への入賞が発生したときには、その第1始動入賞口への入賞にもとづく保留記憶を対象とした先読み演出を実行しないようにしてもよい。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加える場合には、第1始動入賞口への入賞にもとづく保留記憶を対象とした先読み演出の実行を決定している状態で、第2始動入賞口への入賞が発生したときには、すでに決定していた先読み演出の実行をキャンセルするようにしてもよい。
なお、本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、第1特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行う構成(上記(1))、または第2特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行う構成(上記(2))を加えるようにしてもよい。また、本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、例えば、高ベース中または大当り遊技中には、第1始動入賞口への入賞にもとづく先読み演出を行わないようにしてもよい。
図27は、図19に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、保留表示更新処理(S798)を実行する。保留表示更新処理では、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファに記憶されている保留記憶数を特定し、該特定した保留記憶数が現在の合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示数と一致しているか否かを判定する。そして、特定した保留記憶数が現在の合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示数と一致していなければ、特定した保留記憶数にもとづいて合算保留記憶表示部5Dにおける保留表示を更新する。尚、当該保留表示更新処理においてアクティブ表示記憶バッファに対応する消費保留表示の更新も行われる。
次いで、演出制御用CPU120は、保留数更新処理(S799)を実行する。保留数更新処理では、演出制御用CPU120は、S798において特定した保留記憶数と、演出表示装置5の左上部に表示されている保留記憶数(保留合計数)とが一致しているか否かを判定する。そして、特定した保留記憶数と演出表示装置5の左上部に表示されている保留記憶数とが一致していなければ、特定した保留記憶数にもとづいて演出表示装置5の左上部に表示されている保留記憶数を更新する。
S798およびS799の実行後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S809のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置5の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)、小当り表示処理(S807)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S806)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S806):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行うとともに、セットされていれば、先読み演出制限フラグをリセットする処理を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(S807):変動時間の終了後、演出表示装置5に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(S808)に対応した値に更新する。
小当り遊技中処理(S808):小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5における小当りに応じた表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S809)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(S809):演出表示装置5において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図28〜図29は、図27に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、アクティブ表示記憶バッファに記憶されている入賞時判定結果、先読み対象フラグ、表示態様フラグ等を削除する(S1800a)。そして、入賞時判定結果記憶バッファのNo.1のエントリ(記憶領域)の内容(入賞時判定結果、先読み対象フラグ、表示態様フラグ)をアクティブ表示記憶バッファにシフトし、他の入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする(S1800b)。
なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、演出制御用CPU120は、第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第1入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の内容をアクティブ表示記憶バッファにシフトし、第1入賞時判定結果記憶バッファの他の内容をシフトする。また、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第2入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の内容をアクティブ表示記憶バッファにシフトし、第2入賞時判定結果記憶バッファの他の内容をシフトする。
尚、S1800bにおいて内容がシフトされたアクティブ表示記憶バッファの内容にもとづく消費保留表示と、入賞時判定結果記憶バッファにもとづく保留表示とは、次に演出制御プロセス処理の保留表示更新処理が実行されることで表示されるようになっている。
次いで、演出制御用CPU120は、変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタの値が0より大きいか否かを確認する(S1801)。シフト回数カウンタの値が0より大きいということは、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示のうちのいずれかについて、表示態様を変化させる先読み演出を実行することが決定されていることを示している。したがって、S1801では、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されているか否かが確認されている。
シフト回数カウンタの値が0より大きくない場合(S1801のN)、すなわち、シフト回数カウンタの値が0であって、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されていない場合には、演出制御用CPU120は、処理をS1804に移行する。
一方、シフト回数カウンタの値が0より大きい場合(S1801のY)、すなわち、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されている場合には、演出制御用CPU120は、シフト回数カウンタの値を1減算する(S1802)。次いで、演出制御用CPU120は、シフト回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(S1803)。S1802でシフト回数カウンタの値を1減算した結果、シフト回数カウンタの値が0になったということは、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示のうちのいずれかの表示態様を変化させる先読み演出を実行するタイミングであることを示している。したがって、S1803では、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングであるか否かが確認されている。
S1803において、シフト回数カウンタの値が0ではない場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングではない場合には、演出制御用CPU120は、処理を後述するS1804に移行する。一方、シフト回数カウンタの値が0である場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングである場合には、演出制御用CPU120は、処理をS1808に移行する。
また、S1808において、演出制御用CPU120は、示唆演出実行回数カウンタの値を1加算(+1)し、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S1809)。そして、読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S1810)。すなわち、演出制御用CPU120によってS1810の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、演出制御用CPU120は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。そして、示唆演出の演出態様と、消費保留表示の最終表示態様と変動パターンとに応じた表示態様変化時用プロセステーブルを選択し(S1811)、S1812に移行する。
表示態様変化時用のプロセステーブルとは、演出図柄の変動表示とともに、演出図柄の変動表示時に、示唆演出(成功パターン)を実行し、特定の保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行する制御を行うためのプロセスデータが設定されたテーブルである。本実施例では、実行する示唆演出(成功パターン)や先読み演出の態様に応じて複数種類の表示態様変化時用のプロセステーブルが設けられている。また、本実施例では、先読み演出決定処理において決定され(図22に示すS67110またはS67115)、記憶されている示唆演出(成功パターン)の演出態様(本例では、第1演出態様、第2演出態様)と、先読み対象フラグから特定された演出対象の保留表示と、先読み演出決定処理において決定され(図22に示すS67106)、記憶されている最終表示態様(本例では、第1表示態様または第2表示態様)とにもとづいて、どのような態様で示唆演出(成功パターン)を実行し、どの保留表示をどのような表示態様に変化させる先読み演出を実行するかを特定することができる。したがって、演出制御用CPU120は、示唆演出(成功パターン)の演出態様と先読み対象フラグによって特定される保留表示の最終表示態様と変動パターンとに応じて、複数種類の表示態様変化時用のプロセステーブルのいずれかを選択し、選択した表示態様変化時用のプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行することによって、先読み演出決定処理で決定された演出態様で示唆演出(成功パターン)を実行し、予告対象の変動表示に対応する保留表示を決定された表示態様に変化させる先読み演出を実行することができる。
S1804では、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S1804)。
次いで、演出制御用CPU120は、S1804で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S1805)。すなわち、演出制御用CPU120によってS1805の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、演出制御用CPU120は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
演出表示装置5における演出図柄の停止図柄の一例を以下に説明する。本例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りまたは小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が「1」「2」「3」や「4」「5」「6」等の階段状に並んだチャンス目図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組合せを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組合せを決定する。なお、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りや小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドや表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。また、演出表示装置5に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、S1806aにおいて演出制御用CPU120は、アクティブ表示記憶バッファに先読み対象フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、アクティブ表示記憶バッファに先読み対象フラグがセットされている場合は、S1821に移行し、アクティブ表示記憶バッファに先読み対象フラグがセットされていない場合は、S1806bに移行する。
S1806bにおいて演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファに先読み対象フラグがセットされている記憶領域が有るか否かを判定する。ここで、入賞時判定結果記憶バッファに先読み対象フラグがセットされている記憶領域が有る場合は、後述するS1806cに移行する。一方、入賞時判定結果記憶バッファに先読み対象フラグがセットされている記憶領域が無い場合、つまり、いずれの保留表示においても先読み演出が実行されておらず、保留表示が通常態様で表示されている場合、S1807bに進む。
S1807bにおいて演出制御用CPU120は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する。そして、シフト後のアクティブ表示記憶バッファの表示態様フラグに非表示態様に対応する値「4」をセットし(S1807c)、後述するS1812に進む。尚、このように表示態様フラグに非表示態様に対応する値「4」をセットすることで、消化保留表示が非表示状態(消去された状態)となる。
また、前述のS1806bにて入賞時判定結果記憶バッファに先読み対象フラグがセットされている記憶領域が有る場合に進むS1806cにおいて、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファにおいて先読み対象フラグがセットされている記憶領域を参照し、該先読み対象フラグがセットされている保留記憶の入賞時判定結果が当り(大当りまたは小当り)であるか否かを判定する(S1806c)。先読み対象フラグがセットされている保留記憶の入賞時判定結果が当りである場合は、S1806dに移行し、先読み対象フラグがセットされている保留記憶の入賞時判定結果がはずれである場合は、S1806eに移行する。
尚、本実施例では、S1806cにおいて、先読み対象フラグがセットされている保留記憶の入賞時判定結果が大当りまたは小当りであるか否かを判定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、S1806cにおいては、先読み対象フラグがセットされている保留記憶の入賞時判定結果が大当りであるか否かのみを判定するようにしても良い。更に、S1806cにおいては、先読み対象フラグがセットされている保留記憶の入賞時判定結果が通常大当りまたは確変大当りであるか否かを判定するようにし、入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りである場合は、S1806eに移行するようにしても良い。
S1806dにおいて、演出制御用CPU120は、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出の演出態様を、図26(B)に示す示唆演出態様決定テーブルBを用いて、示唆演出非実行(演出無し)、第1演出態様、第2演出態様のいずれかに決定する(S1806d)。
ここで、S1806dの処理は、先読み演出によって保留表示の表示態様が変化するタイミングで実行されるものではない。したがって、S1806dでは、保留表示の表示態様が変化することを示唆するものの、結果的には表示態様が変化しないときに実行される示唆演出の演出態様を決定する。なお、本実施例では、保留表示の表示態様が変化するときに実行される示唆演出(成功パターン)と区別するために、表示態様が変化しないときに実行される示唆演出を示唆演出(通過パターン)ともいう。
また、これら保留表示の変化タイミング時以外で行う第1演出態様や第2演出態様では、最終的に矢が保留表示に刺さらずに保留表示の上方を通過する表示制御が行われる。
更に、この示唆演出(通過パターン)は、変動表示中における予め決められた示唆演出タイミングで実行される。また、示唆演出タイミングは、変動パターンのプロセステーブルに記載されており、演出制御用CPU120は、このプロセステーブルの記載を参照し、示唆演出タイミングになったときに示唆演出を実行する制御を行う。
このS1806dにおいて演出制御用CPU120は、図26(B)に示す示唆演出態様決定テーブルBを用いることで、先読み対象(先読み対象フラグがセットされている)保留記憶の入賞時判定結果が当りである場合には、30%の割合で示唆演出種別を第1演出態様に決定し、40%の割合で示唆演出種別を第2演出態様に決定し、30%の割合で示唆演出の非実行(演出無し)に決定する。
また、S1806eにおいて演出制御用CPU120は、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出の演出態様を、図26(C)に示す示唆演出態様決定テーブルCを用いて、示唆演出(通過パターン)の示唆演出種別を示唆演出非実行(演出無し)、第1演出態様、第2演出態様から決定する(S1806e)。
このS1806eにおいて演出制御用CPU120は、図26(C)に示す示唆演出態様決定テーブルCを用いることで、先読み対象(先読み対象フラグがセットされている)保留記憶の入賞時判定結果がはずれである場合には、20%の割合で示唆演出種別を第1演出態様に決定し、10%の割合で示唆演出種別を第2演出態様に決定し、70%の割合で示唆演出の非実行(演出無し)に決定する。
つまり、本実施例では、先読み対象保留記憶の入賞時判定結果が当りである場合は、示唆演出の実行(第1演出態様または第2演出態様の実行)が決定される割合が、先読み対象保留記憶の入賞時判定結果がはずれである場合よりも高くなっている。また、先読み対象保留記憶の入賞時判定結果が当りである場合は、第1演出態様の実行が決定される割合が、先読み対象保留記憶の入賞時判定結果がはずれである場合よりも高くなっている。同様に、先読み対象保留記憶の入賞時判定結果が当りである場合は、第2演出態様の実行が決定される割合が、先読み対象保留記憶の入賞時判定結果がはずれである場合よりも高くなっている。
更に、先読み対象保留記憶が当りである場合は、第2演出態様の実行が決定される割合は、第1演出態様が決定される割合よりも高くなっており、先読み対象保留記憶がはずれである場合は、第2演出態様の実行が決定される割合は、第1演出態様が決定される割合よりも低くなっている。
つまり、本実施例では、先読み対象保留記憶の入賞時判定結果が大当りである場合は、先読み対象保留記憶の入賞時判定結果がはずれである場合よりも示唆演出が実行され易いとともに、示唆演出種別としては、第2演出態様の実行が第1演出態様の実行よりも決定され易くなっている。一方で、先読み対象保留記憶の入賞時判定結果がはずれである場合は、先読み対象保留記憶の入賞時判定結果が大当りである場合よりも示唆演出の非実行が決定され易いとともに、示唆演出種別としては、第1演出態様の実行が第2演出態様の実行よりも決定され易くなっている。このように、保留表示に対して示唆演出(通過パターン)として第2示唆演出が実行されることで、保留表示の表示態様が保留表示のいずれかが特別態様に変化すると遊技者に期待させることができる。
次いで、演出制御用CPU120は、示唆演出(通過パターン)の実行を決定したか否かを判定する(S1806f)。ここで、示唆演出(通過パターン)の実行を決定していない(非実行)場合は、S1807bに移行する。一方、示唆演出(通過パターン)の実行を決定した場合は、示唆演出実行回数カウンタの値に1を加算(+1)し(S1806g)、S1807aに移行する。
S1807aにおいて演出制御用CPU120は、決定した示唆演出(通過パターン)の演出態様と変動パターンとに応じたプロセステーブルを選択し、シフト後のアクティブ表示記憶バッファの表示態様フラグに非表示態様に対応する値「4」をセットし(S1807c)、S1812に進む。
S1812において演出制御用CPU120は、そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる。尚、S1806dまたはS1806eにおいて示唆演出(通過パターン)の実行を決定していない場合(S1807bを経由した場合)は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択すれば良い。
尚、プロセステーブルとは、演出制御用CPU120が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU120は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様や、合算保留記憶表示部5Dにおける先読み演出の態様を含む保留表示の表示態様を示すデータ、アクティブ表示エリア5Fにおける消費保留表示の表示態様を示すデータ、示唆演出の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置5の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU120は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータ(例えば、先読み演出が実行されないときに用いられるプロセステーブルの表示制御実行データに記載された先読み演出の態様を示すデータ)には、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
これらのプロセステーブルは、演出制御基板12におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8R,8L)の制御を実行する(S1813)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプ制御基板14に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8R,8Lからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、本実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S1814)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を終了する(S1815)。
前述したS1806aがYの場合に進むS1821において、演出制御用CPU120は、消費保留表示の表示態様は第2特別態様であるか否か、すなわち、アクティブ表示記憶バッファにセットされている表示態様フラグの値が第2特別態様に対応する「3」であるか否かを判定する(S1821)。ここで、表示態様フラグの値が第2特別態様に対応する「3」である場合は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(S1831)、前述したS1812に移行する。一方、表示態様フラグの値が第2特別態様に対応する「3」でない場合は、示唆演出実行回数カウンタの値に応じて、図30(A)に示す消費保留表示変化決定テーブルを用いて、消費保留表示の表示態様を変化させるか否かを決定する(S1822)。
このS1822において演出制御用CPU120は、示唆演出実行回数カウンタの値が0である場合、つまり、保留表示中において1度も示唆演出が実行されなかった場合は、0%の割合で消費保留表示の変化を決定し、100%の割合で消費保留表示の非変化(変化せず)を決定する。
また、示唆演出実行回数カウンタの値が1である場合、つまり、保留表示中において示唆演出(通過パターン)または示唆演出(成功パターン)が1回実行された場合は、15%の割合で消費保留表示の変化を決定し、85%の割合で消費保留表示の非変化(変化せず)を決定する。
また、示唆演出実行回数カウンタの値が2である場合、つまり、保留表示中において示唆演出(通過パターン)が2回、または、示唆演出(通過パターン)と示唆演出(成功パターン)が1回ずつ実行された場合は、40%の割合で消費保留表示の変化を決定し、60%の割合で消費保留表示の非変化(変化せず)を決定する。
そして、示唆演出実行回数カウンタの値が3である場合、つまり、保留表示中において示唆演出(通過パターン)が3回以上、または、示唆演出(通過パターン)が2回以上実行され、示唆演出(成功パターン)が1回実行された場合は、80%の割合で消費保留表示の変化を決定し、20%の割合で消費保留表示の非変化(変化せず)を決定する。
つまり、本実施例では、保留記憶数が多い状態(例えば、7個)において始動入賞が発生し、該始動入賞の保留記憶を対象に先読み演出を実行すると決定した場合は、保留記憶数が少ない状態(例えば、1個)において始動入賞が発生し、該始動入賞の保留記憶を対象に先読み演出を実行すると決定した場合よりも示唆演出の実行回数が多くなる傾向があるため、保留記憶数が多い状態(例えば、7個)において始動入賞が発生し、該始動入賞の保留記憶を対象に先読み演出を実行すると決定した場合は、保留記憶数が少ない状態(例えば、1個)において始動入賞が発生し、該始動入賞の保留記憶を対象に先読み演出を実行すると決定した場合よりも消費保留表示の表示態様が第1特別態様または第2特別態様に変化し易くなっている。
尚、示唆演出実行回数カウンタの値は、S1822において消費保留表示の変化の有無を決定した後にクリアされる。
尚、本実施例では、示唆演出の実行回数が多いほど消費保留表示の表示態様が変化し易い形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、示唆演出の実行回数が多いほど消費保留表示の表示態様が変化し難いようにしても良い。
尚、本実施例では、保留表示中において1度も示唆演出が実行されなかった場合は、0%の割合で消費保留表示の変化を決定し、100%の割合で消費保留表示の非変化(変化せず)を決定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留表示中において1度も示唆演出が実行されなかった場合においても消費保留表示の変化を決定する場合を設けても良い。
尚、本実施例では、図30(A)に示す消費保留表示変化決定テーブルを用いて示唆演出実行回数カウンタの値に応じて消費保留表示の表示態様を変化させるか否かを決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図30(B)に示す変形例1における消費保留表示変化決定テーブルを用いて消費保留表示の表示態様を変化させるか否かを決定するようにしても良い。
この変形例1では、始動入賞時の判定結果である入賞時判定結果にもとづいて、図30(B)に示す消費保留表示変化決定テーブルにおいて入賞時判定結果(変動表示の表示結果)ごとに定められた割合で、最終表示態様を決定する。例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「はずれ」であることが示されている場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)には、演出制御用CPU120は、98%の割合で「変化なし」に決定する。また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)には、演出制御用CPU120は、98%の割合で「第2特別態様」に変化することを決定する。
図30(B)に示す変形例1における消費保留表示変化決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)に比べて、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)の方が、「第2特別態様」に変化することに決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、消費保留表示が「第2特別態様」に変化したときには、「変化なし」のときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、第2特別態様に変化された方が大当りとなる期待度を高くすることができる。
また、図30(B)に示す変形例1における消費保留表示変化決定テーブルは、消費保留表示の段階で第2特別態様に変化するか否かを決定するために用いているが、前述した保留表示の段階で第2特別態様に変化するか否かを決定するために用いている図23(B)に示す最終表示態様決定テーブルと比較して、入賞時判定結果による変動表示の表示結果に応じて第2特別態様に変化することを決定する割合が異なっている。
例えば、図23(B)に示す最終表示態様決定テーブルでは、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であることが示されている場合に80%の割合で第2特別態様に変化することを決定しているが、図30(B)に示す変形例1における消費保留表示変化決定テーブルでは、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であることが示されている場合に、98%の割合で第2特別態様に変化することを決定する。そのため、保留表示の段階で第2特別態様に変化するときよりも、消費保留表示の段階で第2特別態様に変化するときの方が、その後に「通常大当り」または「確変大当り」となることの信頼度が高まるようになっている。
尚、図30(B)に示す変形例1における消費保留表示変化決定テーブルでは、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であることが示されている場合に、100%の割合で第2特別態様に変化することを決定するようにし、「通常大当り」または「確変大当り」となることを確定的に報知できるようにしても良い。
尚、この変形例1では、始動入賞時の判定結果である入賞時判定結果にもとづいて消費保留表示の最終表示態様を決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞時の判定結果ではなく、変動開始時に変動表示の表示結果を判定するようにし、この変動開始時の判定結果にもとづいて消費保留表示の最終表示態様を決定するようにしても良い。
次いで、演出制御用CPU120は、S1822において消費保留表示の変化を決定したか否かを判定する(S1823)。ここで、消費保留表示の変化を決定した場合はS1825に移行する。一方、消費保留表示の非変化(変化せず)を決定した場合は、後述するS1829aに移行する。
S1825において演出制御用CPU120は、消費保留表示の表示態様を第2特別態様に変化させることをRAM122に記憶する。
尚、本実施例では、保留表示の段階で既に第1特別態様に変化されているときのみS1822に移行するようになっており、このS1822において消費保留表示の変化を決定したときに、入賞時判定結果や変動表示結果に拘らず消費保留表示の表示態様を一義的に第2特別態様に変化することを決定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、消費保留表示の表示態様の変化先を第2特別態様以外に、第3特別態様や第4特別態様などの複数の変化先の特別態様を設けるようにし、S1822において消費保留表示の変化を決定したときに、消費保留表示の変化先を複数の特別態様から異なる割合で決定するようにしても良い。
次いで、演出制御用CPU120は、消費保留表示における示唆演出(成功パターン)の示唆演出態様を、図31(A)に示す消費保留表示示唆演出態様決定テーブルA(成功パターン決定時用)を用いて決定する(S1826a)。
具体的にS1826aでは、演出制御用CPU120は、示唆演出(成功パターン)の示唆演出種別を20%の割合で第1演出態様に決定し、70%の割合で第2演出態様に決定し、10%の割合で示唆演出の非実行(実行せず)に決定する。尚、S1826aにおいて示唆演出の非実行を決定した場合は、示唆演出を実行せずに消費保留表示の表示態様のみが変化する。
次いで、演出制御用CPU120は、当該開始される変動表示の変動パターンが非リーチの変動パターンであるか否かを判定する(S1826b)。ここで、変動パターンが非リーチの変動パターンである場合は、予め決められた示唆演出タイミング(示唆演出の実行タイミング)を記憶し(S1826e)、後述するS1827に進む。一方、変動パターンが非リーチの変動パターンでない場合、つまりリーチ成立を含む変動パターンであるは、S1826cに進む。
S1826cにおいて演出制御用CPU120は、消費保留表示における示唆演出タイミングを図31(C)に示す消費保留表示示唆演出タイミング決定テーブルを用いて決定する。本実施例では、リーチ成立を含む変動パターンである場合に、リーチ成立前に示唆演出を実行する場合と、リーチ成立後に示唆演出を実行する場合の2通りの示唆演出タイミングが設けられており、S1826cにおいていずれか一方の示唆演出タイミング(示唆演出の実行タイミング)を決定する。尚、本実施例では、示唆演出が実行される示唆演出タイミングが、消費保留表示が変化する変化タイミングとなっている。
図31(C)に示す消費保留表示示唆演出タイミング決定テーブルでは、アクティブ表示記憶バッファの入賞時判定結果(変動表示結果)が当りである場合は、35%の割合でリーチ前に示唆演出を実行することを決定し、65%の割合でリーチ演出中(リーチ成立後)に示唆演出を実行することを決定する。また、アクティブ表示記憶バッファの入賞時判定結果(変動表示結果)がハズレである場合は、65%の割合でリーチ前に示唆演出を実行することを決定し、35%の割合でリーチ演出中(リーチ成立後)に示唆演出を実行することを決定する。
つまり、本実施例では、示唆演出の対象となる消費保留表示に対応する変動表示結果が当りである場合に、「リーチ演出中」に示唆演出を実行する割合が高く、示唆演出の対象となる消費保留表示に対応する変動表示結果がハズレである場合に、「リーチ前」に示唆演出を実行する割合が高くなっている。このように、示唆演出タイミングの違いにより消費保留表示に対応する変動表示結果が当りになるか否かを遊技者に示唆することができる。
尚、本実施例では、示唆演出の対象となる消費保留表示に対応する変動表示結果が当りである場合に、「リーチ演出中」に示唆演出を実行する割合が高くなっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、示唆演出の対象となる消費保留表示に対応する変動表示結果が当りである場合に、「リーチ前」に示唆演出を実行する割合が高くしても良い。
次いで、演出制御用CPU120は、決定した示唆演出タイミング(リーチ前またはリーチ演出中の実行タイミング)をRAM122に記憶し(S1826d)、S1827に進む。
S1827において、演出制御用CPU120は、示唆演出(成功パターン)の実行が決定されたか否かを判定する。ここで、示唆演出(成功パターン)の実行が決定された場合は、S1828aに移行する。一方、示唆演出(成功パターン)の実行が決定されていない場合は、S1828bに移行する。
S1828aにおいて、演出制御用CPU120は、消費保留表示における示唆演出態様と示唆演出タイミングと消費保留表示の表示態様変化と変動パターンに応じた消費保留表示態様変化時用プロセステーブルを選択し、S1812に移行する。
消費保留表示態様変化時用のプロセステーブルとは、演出図柄の変動表示とともに、演出図柄の変動表示時に、示唆演出(成功パターン)を実行し、消費保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行する制御を行うためのプロセスデータが設定されたテーブルである。本実施例では、実行する示唆演出(成功パターン)や消費保留表示の表示態様の変化先に応じた複数種類の消費保留表示態様変化時用のプロセステーブルが設けられている。
したがって、演出制御用CPU120は、消費保留表示における示唆演出(成功パターン)の演出態様と消費保留表示の表示態様の変化先と変動パターンとに応じて、複数種類の消費保留表示態様変化時用のプロセステーブルのいずれかを選択し、選択した消費保留表示態様変化時用のプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行することによって、決定された示唆演出(成功パターン)を実行し、消費保留表示を決定された表示態様に変化させる先読み演出を実行することができる。
S1828bにおいて、演出制御用CPU120は、消費保留表示における消費保留表示の表示態様変化と変動パターンに応じた消費保留表示態様変化時用プロセステーブルを選択し、S1812に移行する。
尚、S1828bにおいて選択される消費保留表示態様変化時用のプロセステーブルは、演出図柄の変動表示とともに、演出図柄の変動表示時に、示唆演出(成功パターン)を実行せず、消費保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行する制御を行うためのプロセスデータが設定されたテーブルである。本実施例では、消費保留表示の表示態様の変化先に応じて複数種類の消費保留表示態様変化時用のプロセステーブルが設けられている。
したがって、演出制御用CPU120は、消費保留表示における消費保留表示の表示態様の変化先と変動パターンとに応じて、複数種類の消費保留表示態様変化時用のプロセステーブルのいずれかを選択し、選択した消費保留表示態様変化時用のプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行することによって、消費保留表示を決定された表示態様に変化させる先読み演出を実行することができる。
前述したS1823がNの場合に進むS1829aにおいて、演出制御用CPU120は、消費保留表示における示唆演出(通過パターン)の示唆演出態様を、図31(B)に示す消費保留表示示唆演出態様決定テーブルB(通過パターン決定時用)を用いて決定する。
具体的にS1829aでは、演出制御用CPU120は、示唆演出(通過パターン)の示唆演出種別を30%の割合で第1演出態様に決定し、20%の割合で第2演出態様に決定し、50%の割合で示唆演出の非実行(実行せず)に決定する。S1829aにおいて示唆演出の非実行を決定した場合は、示唆演出を実行せずに消費保留表示の表示態様のみが変化する。
次いで、演出制御用CPU120は、当該開始される変動表示の変動パターンが非リーチの変動パターンであるか否かを判定する(S1829b)。ここで、変動パターンが非リーチの変動パターンである場合は、予め決められた示唆演出タイミング(示唆演出の実行タイミング)を記憶し(S1829e)、後述するS1830に進む。一方、変動パターンが非リーチの変動パターンでない場合、つまりリーチ成立を含む変動パターンであるは、S1829cに進む。
S1829cにおいて演出制御用CPU120は、消費保留表示における示唆演出タイミングを図31(C)に示す消費保留表示示唆演出タイミング決定テーブルを用いて決定する。本実施例では、リーチ成立を含む変動パターンである場合に、リーチ成立前に示唆演出を実行する場合と、リーチ成立後に示唆演出を実行する場合の2通りの示唆演出タイミングが設けられており、S1829cにおいていずれか一方の示唆演出タイミング(示唆演出の実行タイミング)を決定する。
尚、本実施例では、前述したS1826cにおいて用いた消費保留表示示唆演出タイミング決定テーブルと同一のテーブルを用いて示唆演出タイミングを決定しているが、S1826cにおいて用いた消費保留表示示唆演出タイミング決定テーブルと異なるテーブルを用いて示唆演出タイミングを決定するようにしても良い。また、示唆演出が成功パターンである場合(S1826cにて決定する場合)には、当該変動において1回の示唆演出が行われるが、示唆演出が通過パターンである場合(S1829cにて決定する場合)には、当該変動において複数回(例えば、リーチ前とリーチ演出中の双方)の示唆演出が行われるようにしても良い。
次いで、演出制御用CPU120は、決定した示唆演出タイミング(リーチ前またはリーチ演出中の実行タイミング)をRAM122に記憶し(S1829d)、S1830に進む。
S1830において演出制御用CPU120は、消費保留表示における示唆演出態様と示唆演出タイミングと変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し、S1812に移行する。
つまり、本実施例では、図31(A)及び図31(B)に示すように、消費保留表示の表示態様が変化する場合は、90%(20%+70%)の割合で消費保留表示に対して示唆演出が実行されるとともに、消費保留表示の表示態様が変化しない場合は、50%の割合で消費保留表示に対して示唆演出が実行されるため、消費保留表示に対して示唆演出が実行される場合に消費保留表示の表示態様が変化する割合は、(消費保留表示の表示態様が変化し、示唆演出が実行される割合90%)/{(消費保留表示の表示態様が変化し、示唆演出が実行される割合90%)+(消費保留表示の表示態様が変化せず、示唆演出が実行される割合50%)}の式で算出することができる。
一方で、消費保留表示の表示態様が変化する場合は、10%の割合で消費保留表示に対して示唆演出が実行されないとともに、消費保留表示の表示態様が変化しない場合は、50%の割合で消費保留表示に対して示唆演出が実行されないため、消費保留表示に対して示唆演出が実行されない場合に消費保留表示の表示態様が変化する割合は、(消費保留表示の表示態様が変化し、示唆演出が実行されない割合10%)/{(消費保留表示の表示態様が変化し、示唆演出が実行されない割合10%)+(消費保留表示の表示態様が変化せず、示唆演出が実行されない割合50%)}の式で算出することができる。
これら2つの式から、本実施例においては、消費保留表示に対して示唆演出が実行される場合は、消費保留表示に対して示唆演出が実行されない場合と比較して消費保留表示の表示態様が高い割合で第2特別態様に変化する。
更に、消費保留表示に対して実行される示唆演出の示唆演出種別に注目すると、消費保留表示の表示態様が変化する場合は、20%の割合で示唆演出が第1演出態様で実行され、消費保留表示の表示態様が変化しない場合は、30%の割合で示唆演出が第1演出態様で実行されるため、示唆演出が第1演出態様で実行される場合に消費保留表示の表示態様が変化する割合は、(消費保留表示の表示態様が変化し、示唆演出が第1演出態様で実行される割合20%)/{(消費保留表示の表示態様が変化し、示唆演出が第1演出態様で実行される割合20%)+(消費保留表示の表示態様が変化せず、示唆演出が第1演出態様で実行される割合30%)}の式で算出することができる。
一方で、消費保留表示の表示態様が変化する場合は、70%の割合で示唆演出が第2演出態様で実行され、消費保留表示の表示態様が変化しない場合は、20%の割合で示唆演出が第2演出態様で実行されるため、示唆演出が第2演出態様で実行される場合に消費保留表示の表示態様が変化する割合は、(消費保留表示の表示態様が変化し、示唆演出が第2演出態様で実行される割合70%)/{(消費保留表示の表示態様が変化し、示唆演出が第2演出態様で実行される割合70%)+(消費保留表示の表示態様が変化せず、示唆演出が第2演出態様で実行される割合20%)}の式で算出することができる。
これら2つの式から、本実施例においては、消費保留表示に対して示唆演出が第2演出態様で実行される場合は、消費保留表示に対して示唆演出が第1演出態様で実行される場合と比較して消費保留表示の表示態様が高い割合で第2特別態様に変化する。
尚、本実施例では、消費保留表示に対して示唆演出が第2演出態様で実行される場合は、消費保留表示に対して示唆演出が第1演出態様で実行される場合と比較して高い割合で消費保留表示の表示態様が変化する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、消費保留表示に対して示唆演出が第1演出態様で実行される場合は、消費保留表示に対して示唆演出が第2演出態様で実行される場合と比較して高い割合で消費保留表示の表示態様が変化するようにしても良い。
図32は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S1841)、変動時間タイマの値を1減算する(S1842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S1843;Y)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S1844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(S1845)。尚、プロセスタイマがタイムアウトしていない場合は(S1843;N)、S1849に移行する。
S1845の実行後、演出制御用CPU120は、アクティブ表示記憶バッファに先読み対象フラグがセットされているか否かを判定する(S1845a)。アクティブ表示記憶バッファに先読み対象フラグがセットされていない場合はS1846aに移行し、アクティブ表示記憶バッファに先読み対象フラグがセットされている場合は、演出制御用CPU120は、実行中のプロセスデータを参照し、消費保留表示の表示態様の変化タイミングであるか否かを判定する(S1845b)。消費保留表示の表示態様の変化タイミングでない場合は、S1849に移行し、消費保留表示の表示態様の変化タイミングである場合は、アクティブ表示記憶バッファにおける表示態様フラグを、決定した表示態様(RAM122に記憶した表示態様)に応じた値にセットする(S1845c)。そして、消費保留表示を該決定した表示態様にて表示し(S1845d)、S1849に移行する。
S1846aにおいて、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファに先読み対象フラグがセットされている保留記憶があるか否かを判定する(S1846a)。入賞時判定結果記憶バッファに先読み対象フラグがセットされている保留記憶が無い場合は、S1849に移行し、入賞時判定結果記憶バッファに先読み対象フラグがセットされている保留記憶が有る場合は、演出制御用CPU120は、シフト回数カウンタの値が0であるか否か、つまり、先読み対象フラグがセットされている保留記憶の保留表示の表示態様を変化させる変動表示の実行中であるか否かを判定する(S1846b)。シフト回数カウンタの値が0でない場合は、S1849に移行し、シフト回数カウンタの値が0である場合は、先読み対象フラグがセットされている保留記憶の保留表示の表示態様の変化タイミングであるか否かを判定する(S1846c)。
先読み対象フラグがセットされている保留記憶の保留表示の表示態様の変化タイミングでない場合は、S1849に移行し、先読み対象フラグがセットされている保留記憶の保留表示の表示態様の変化タイミングである場合は、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファにおいて先読み対象フラグがセットされている保留記憶の表示態様フラグを最終表示態様に応じた値にセットする(S1846d)。そして、先読み対象フラグがセットされている保留記憶の保留表示を最終表示態様にて表示し(S1846e)、S1849に移行する。
次いで、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S1849)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S1851)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S1850)、S1851に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
なお、本実施例では、入賞時判定結果指定コマンドを受信したことにもとづいて先読み演出を行うか否かを含む決定処理を、先読み演出決定処理において実行しているが、それらの処理を演出図柄変動中処理において実行するようにしてもよい。例えば、演出図柄変動中処理において、入賞時判定結果記憶バッファを監視する処理を含めることで先読み演出を行うか否かを含む決定処理を実行するこができる。
図33は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU120は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(S852)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(S853)。次いで、演出制御用CPU120は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(S855a)。大当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認できる。なお、本実施例では、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。大当りとすることに決定されている場合には、S858に進み、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する。
一方、大当りとすることに決定されていない場合には、更に、小当りとすることに決定されているか否か確認する(S855b)。小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認できる。なお、本実施例では、決定されている停止図柄によって、小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を小当り表示処理(S807)に応じた値に更新する(S856)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(S855bのN)、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S857)。
なお、本実施例では、演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、演出図柄の変動(可変表示)を終了させる(S851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、演出図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
次に、先読み演出の具体例について説明する。図34は、第1先読み演出パターンにもとづく先読み演出の具体例を示す説明図である。図34(A)に示されるように、演出表示装置5において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部5Dに2つの保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示されているとともに、演出表示装置5の左上部に表示されている保留合計数の表示が『2』であるときに始動入賞が行われると、先読み演出の態様(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)および示唆演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示される。更に、演出表示装置5の左上部に表示されている保留合計数の表示が『3』に更新される。図34に示す例では、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンと決定し、最終表示態様を第1特別態様または第2特別態様と決定し、変化タイミングを始動入賞時(シフト回数0)またはシフト回数1と決定する。また、示唆演出(成功パターン)の演出態様を、第1演出態様または第2演出態様に決定する。
本実施例では、第1先読み演出パターンにもとづく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される。また、保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングまたは任意のシフトタイミングである。そこで、変化タイミングが始動入賞時(シフト回数0)に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定された場合には、図34(B1)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留記憶表示部5Dに3つ目の保留表示が第1特別態様(本例では「○」内にバツが含まれる)で表示される。また、変化タイミングが始動入賞時(シフト回数0)に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定された場合には、図34(B2)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留記憶表示部5Dに3つ目の保留表示が第2特別態様(本例では「○」内にバツが2つ含まれる)で表示される。
また、最終表示態様が第1特別態様または第2特別態様であっても、変化タイミングが始動入賞のタイミング(シフト回数0)ではなく、任意のシフトタイミング(ここでは、シフト回数1)に決定された場合には、図34(B3)に示すように、始動入賞のタイミングでは、合算保留記憶表示部5Dに3つ目の保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示される。そして、演出図柄の変動表示が停止し(図34(C))、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフトされるときに消去され、2つ目以降の保留表示がそれぞれシフトされるとともに、保留合計表示が1減算更新される。
そして、変化タイミングがシフト回数1に決定され、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様に決定されている場合には、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる表示制御がおこなわれる(図34(D1))。
そして、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図34(E1)に示すように、示唆演出の実行タイミングで、合算保留記憶表示部5Dの2つ目の保留表示(図34(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が第1特別態様(本例では「○」内にバツが含まれる)に変化して表示される。また、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図34(E2)に示すように、示唆演出の実行タイミングで、合算保留記憶表示部5Dの2つ目の保留表示(図34(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が第2特別態様(本例では「○」内にバツが2つ含まれる)に変化して表示される。
また、変化タイミングがシフト回数1に決定され、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様に決定されている場合には、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる表示制御がおこなわれる(図34(D2))。
そして、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図34(E3)に示すように、示唆演出の実行タイミングで、合算保留記憶表示部5Dの2つ目の保留表示(図34(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が第1特別態様(本例では「○」内にバツが含まれる)に変化して表示される。また、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図34(E4)に示すように、示唆演出の実行タイミングで、合算保留記憶表示部5Dの2つ目の保留表示(図34(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が第2特別態様(本例では「○」内にバツが2つ含まれる)に変化して表示される。
既に説明しているように、本実施例では、示唆演出(成功パターン)の示唆演出態様が第2演出態様であるときには、示唆演出第1演出態様であるときに比べて、保留表示の表示態様が第1特別態様よりも大当りとなる期待度が高い第2特別態様になる割合が高くなるように構成されている。したがって、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様であるとき、すなわち黒い矢が飛んできて保留表示に刺さったときには、保留表示が期待度の低い第1特別態様に変化する割合が高い。つまり図34(D1)から図34(E1)に移行する割合が高い。一方、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様であるとき、すなわち白い矢が飛んできて保留表示に刺さったときには、保留表示が期待度の高い第2特別態様に変化する割合が高い。つまり図34(D2)から図34(E4)に移行する割合が高い。このように構成されることによって、矢が飛んできて保留表示に刺さる示唆演出(成功パターン)であっても、第2演出態様で行われて欲しいと感じさせるとともに、示唆演出が第1演出態様で行われたとき、すなわち黒い矢が飛んできたときには、保留表示に刺さらずに通過して欲しい(示唆演出(通過パターン)であってほしい)と感じさせることができる。
尚、本実施例では、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示に矢が刺さり(示唆演出(成功パターン))、該保留表示の表示態様が特別態様に変化した後は、該保留表示がアクティブ表示エリア5Fに表示されるまで該保留表示の表示態様が変化しない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様の変化パターンとしては、通常態様の保留表示に矢が刺さる(示唆演出(成功パターン))ことで該保留表示の表示態様が第1特別態様に変化した後、再び該保留表示に矢が刺さる(示唆演出(成功パターン))ことで、該保留表示の表示態様が第1特別態様から第2特別態様に更に変化するパターンを設けるようにしても良い。
図35及び図36は、第2先読み演出パターンにもとづく先読み演出の具体例を示す説明図である。図35(A)に示されるように、演出表示装置5において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部5Dに2つの保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示されているとともに、演出表示装置5の左上部に表示されている保留合計数の表示が『2』であるときに始動入賞が行われると、先読み演出(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)および示唆演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示される。図35及び図36に示す例では、先読み演出パターンを第2先読み演出パターンと決定し、最終表示態様を第1特別態様または第2特別態様と決定し、変化タイミングをシフト回数1またはシフト回数2と決定する。また、示唆演出の演出態様を、第1演出態様または第2演出態様と決定する。
本実施例では、第2先読み演出パターンにもとづく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様にて表示され、任意のシフトタイミングで、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。そのため、先読み演出パターンが第2先読み演出パターンと決定されると、図35(B)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留記憶表示部5Dに3つ目の保留表示が特殊態様(本例では「○」の外側に6本の線が描かれている)で表示される。
そして、演出図柄の変動表示が停止し(図35(C))、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフトされるときに消去され、2つ目以降の保留表示がそれぞれシフトされるとともに、保留合計表示が1減算更新される。そして、示唆演出の演出態様が第2演出態様に決定されていると、保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる(第2演出態様)表示制御がおこなわれる(図35(D))。
ここで、変化タイミングがシフト回数1に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図35(E1)に示すように、示唆演出の実行タイミングで、合算保留記憶表示部5Dの2つ目の保留表示(図35(B)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第1特別態様(本例では「○」内にバツが含まれる)に変化して表示される。また、変化タイミングがシフト回数1に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図35(E2)に示すように、示唆演出の実行タイミングで、合算保留記憶表示部5Dの2つ目の保留表示(図35(B)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第2特別態様(本例では「○」内にバツが2つ含まれる)に変化して表示される。
また、変化タイミングがシフト回数2に決定されているときには、図35(E3)に示すように、示唆演出の実行タイミングで、白い矢がいずれの保留表示にも刺さらず通過する示唆演出(第2演出態様の示唆演出(通過パターン))が行われる。なお、図35(E3)に示す示唆演出は、演出図柄変動開始処理において示唆演出(通過パターン)を第2演出態様で実行すると決定されたときに行われる。このように、本実施例では、示唆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から黒い矢(第1演出態様)または白い矢(第2演出態様)が飛んでくる表示制御を行うことで、保留表示の表示態様が変化することを示唆し、矢が保留表示に刺さると(示唆演出(成功パターン)が行われると)表示態様が変化し、矢がいずれの保留表示にも刺さらず通過すると(示唆演出(通過パターン)が行われると)表示態様が変化しない。
その後、演出図柄の変動表示が停止し(図36(F))、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフトされるときに消去され、2つ目以降の保留表示がシフトされる。このとき、保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる(第1演出態様)表示制御がおこなわれる(図36(G))。
そして、変化タイミングがシフト回数2に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図36(H1)に示すように、示唆演出の実行タイミングで、合算保留記憶表示部5Dの1つ目の保留表示(図35(B)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第1特別態様(本例では「○」内にバツが含まれる)に変化して表示される。また、変化タイミングがシフト回数2に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図36(H2)に示すように、示唆演出の実行タイミングでで、合算保留記憶表示部5Dの1つ目の保留表示(図32(B)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第2特別態様(本例では「○」内にバツが2つ含まれる)に変化して表示される。
次いで、図36(H1)に示すように、合算保留記憶表示部5Dの1つ目の保留表示の表示態様が第1特別態様に変化した後は、演出図柄の変動表示が停止し(図36(I))、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフトされるときに消去され、2つ目以降の保留表示がシフトされる。また、保留合計表示が1減算更新される。このとき、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる(第1演出態様)表示制御(図36(J1))、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる(第2演出態様)表示制御(図36(J2))、表示領域の右側からいずれの矢も飛んでこない(示唆演出非実行)表示制御(図36(J3))のいずれかが行われる。
図36(J1)に示すように、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる(第1演出態様)表示制御が実行され、消費保留表示の表示態様が変化しないと決定されている場合には、図36(K1)に示すように、示唆演出の実行タイミングで、黒い矢が消費保留表示に刺さらず通過する示唆演出(第1演出態様の示唆演出(通過パターン))が行われる。また、図36(J1)に示すように、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる(第1演出態様)表示制御が実行され、消費保留表示の表示態様が変化すると決定されている場合には、図36(K2)に示すように、示唆演出の実行タイミングで、黒い矢が消費保留表示に刺さる示唆演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった消費保留表示が第1特別態様から第2特別態様に変化して表示される。
図36(J2)に示すように、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる(第2演出態様)表示制御が実行され、消費保留表示の表示態様が変化しないと決定されている場合には、図36(K3)に示すように、示唆演出の実行タイミングで、白い矢が消費保留表示に刺さらず通過する示唆演出(第2演出態様の示唆演出(通過パターン))が行われる。また、図36(J2)に示すように、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる(第1演出態様)表示制御が実行され、消費保留表示の表示態様が変化すると決定されている場合には、図36(K4)に示すように、示唆演出の実行タイミングで、黒い矢が消費保留表示に刺さる示唆演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった消費保留表示が第1特別態様から第2特別態様に変化して表示される。
更に、図36(J3)に示すように、表示領域の右側からいずれの矢も飛んでこない(示唆演出非実行)表示制御が実行され、消費保留表示の表示態様が変化しないと決定されている場合には、図36(K5)に示すように、示唆演出の実行タイミングで、示唆演出は実行されず、消費保保留表示は変化しない。また、図36(J3)に示すように、示唆演出が実行されず、消費保留表示の表示態様が変化すると決定されている場合には、図36(K6)に示すように、示唆演出の実行タイミングで、示唆演出が実行されずに消費保留表示が第1特別態様から第2特別態様に変化して表示される。
図37は、第1特別態様の消費保留表示に対する示唆演出タイミングを説明する先読み演出の具体例を示す説明図である。図37(A)に示されるように、演出表示装置5において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部5Dに1つの保留表示が第1特別態様(本例では「○」内にバツが含まれる)で表示され、3つの保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示され、合計4つの保留表示がなされており、かつ演出表示装置5の左上部に表示されている保留合計数の表示が『4』であるときに、演出図柄の変動表示が停止し、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の第1特別態様の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフトされ、2つ目以降の保留表示がそれぞれシフトされるとともに、保留合計表示が1減算更新される(図37(B))。
そして、消費保留表示の変化が決定され、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様に決定され、リーチ前の実行タイミングが決定されている場合には、消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5において、リーチ前の示唆演出の実行タイミングで、消費保留表示に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった消費保留表示が第2特別態様(本例では「○」内にバツが2つ含まれる)に変化して表示される(図37(C1))。その後、リーチが成立してリーチ演出が実行される(図37(D1))。
また、消費保留表示の変化が決定され、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様に決定され、リーチ演出中の実行タイミングが決定されている場合には、リーチ前においては示唆演出が実行されず、(図37(C2))、リーチが成立してリーチ演出が実行される(図37(D2))。そして、消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5において、リーチ演出中の示唆演出の実行タイミングで、消費保留表示に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった消費保留表示が第2特別態様(本例では「○」内にバツが2つ含まれる)に変化して表示される(図37(C1))。
このように、保留表示の段階でその表示態様が変化した後に消費保留表示の段階でさらにその表示態様が変化するので、遊技者の期待感を煽ることができる。また、本実施例では、示唆演出の対象となる消費保留表示に対応する変動表示結果が当りである場合に、リーチ演出中に示唆演出を実行する割合が高くなっているため、遊技者が示唆演出タイミングに注目するようになり、変動中における興趣を向上することができる。
図38は、変形例2における先読み演出の具体例を示す説明図である。前記実施例では、通常態様の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフトされたときに消去され、当該通常態様の保留表示にもとづく消費保留表示が表示されない態様となっているが、本変形例2では、原則的に、通常態様の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフトされたときに消去されるものの、この通常態様の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフトされたときであっても、例外的に、当該通常態様の保留表示にもとづいて通常態様の消費保留表示が表示可能となっている。そして、この通常態様の消費保留表示が特別態様に変化するようになっている。
尚、通常態様の保留表示にもとづく消費保留表示を表示するか否かの決定や通常態様の消費保留表示が特別態様に変化するか否かの決定は、当該保留表示の始動入賞時に決定されるものであっても良いし、当該保留表示にもとづく変動開始時に決定されるものであっても良い。
図38(A)に示されるように、演出表示装置5において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部5Dに4つの保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示され、かつ演出表示装置5の左上部に表示されている保留合計数の表示が『4』であるときに、演出図柄の変動表示が停止し、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始される。
そして、消費保留表示の変化が決定され、その変化先が第2特別態様に決定され、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様に決定されている場合には、1つ目の通常態様の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフトされるタイミングで消去され、2つ目以降の保留表示がそれぞれシフトされるとともに、保留合計表示が1減算更新される(図38(B))。
次いで、示唆演出の実行タイミングで通常態様の消費保留表示が表示される(図38(C))。そして、消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5において、消費保留表示に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった消費保留表示が第2特別態様(本例では「○」内にバツが2つ含まれる)に変化して表示される(図38(D))。
本変形例2では、通常態様の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフトされたときに原則的に消費保留表示とならずに消去されるが、消費保留表示の段階で表示態様の変化が決定された通常態様の保留表示は、通常態様の表示態様で消費保留表示としてアクティブ表示エリア5Fにシフトされる。そのため、通常態様の保留表示が消費保留表示となることで意外性のある演出となるので、遊技者は、期待が持てる変動表示であること認識することができる。
尚、本変形例2では、通常態様の消費保留表示が表示される(図38(C))ようになっているが、消費保留表示を通常態様で表示せずに、表示当初から特別態様で消費保留表示を表示しても良い。
また、前記実施例及び前記変形例2では、通常態様の消費保留表示または保留表示が特別態様に変化するか否かの決定が演出図柄変動開始処理にて行われるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、該当する消費保留表示に対応する保留記憶が発生する始動入賞時に、先読み演出決定処理において通常態様の消費保留表示または保留表示が特別態様に変化するか否かの決定を行うようにしても良い。
例えば、図39(A)〜(B)に示すように、変形例3における保留表示態様変化タイミング決定テーブルを用いて、始動入賞時に通常態様の消費保留表示または保留表示が特別態様に変化するか否かの決定を行うようにする。演出制御用CPU120は、図21(A)〜(B)に示す、入賞時判定結果記憶バッファ及びアクティブ表示記憶バッファにおける各保存領域に対応する番号(以下、「保留領域ナンバ」と称する)に対応して、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミングを保留領域ナンバの0(消費保留時)〜7のいずれかに決定する。
保留領域ナンバが0であるということは、保留記憶がアクティブ表示記憶バッファにシフトした状態、つまり、保留表示の段階のときに通常態様であった保留表示を、消費保留表示の段階で通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させることを示している。尚、消費保留表示の段階で当該消費保留表示を通常態様から第1特別態様または第2特別態様にする場合には、当該消費保留表示を通常態様から変化させる態様のみならず、例えば、表示当初から第1特別態様または第2特別態様で消費保留表示を表示することによって実現してもよいし、新たな消費保留表示を一旦通常態様で表示し、直後に第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することによって実現してもよい。
また、演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合(すなわち、入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果13指定の場合)には、図39(A)に示す当り時保留表示態様変化タイミング決定テーブルを用いる。演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」である場合(すなわち、入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定の場合)には、図39(B)に示すはずれ時保留表示態様変化タイミング決定テーブルを用いる。
例えば、図39(A)に示す当り時保留表示態様変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU120は、50%の割合で変化タイミング(保留領域ナンバ)を0(消費保留時)と決定し、30%の割合で変化タイミング(保留領域ナンバ)を1と決定し、20%の割合で変化タイミング(保留領域ナンバ)を2と決定する。また、図39(B)に示すはずれ時保留表示態様変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU120は、20%の割合で変化タイミング(保留領域ナンバ)を0(消費保留時)と決定し、30%の割合で変化タイミング(保留領域ナンバ)を1と決定し、50%の割合で変化タイミング(保留領域ナンバ)を2と決定する。
図39(A)〜(B)に示す保留表示態様変化タイミング決定テーブルにおいて、特徴的なことは、変動表示の表示結果が「はずれ」である場合に比べて、変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合の方が、保留領域ナンバが小さい(シフト回数が多い)変化タイミングに決定する割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、保留表示がより多いシフト回数で通常態様から特別態様に変化した方が、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができ、さらに消費保留表示となったとき(消費保留時)に特別態様で表示された方が、より当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、保留表示が変化するタイミングに関心を持たせることができ、遊技興趣を高めることができる。
例えば、図40(A)〜(B)に示すように、変形例4における保留表示態様変化タイミング決定テーブルを用いて、始動入賞時に通常態様の保留表示が特別態様に変化するか否かの決定を行うようにする。演出制御用CPU120は、図21(A)〜(B)に示す、入賞時判定結果記憶バッファ及びアクティブ表示記憶バッファにおける各保存領域に対応する番号(以下、「保留領域ナンバ」と称する)に対応して、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミングを保留領域ナンバの1〜8のいずれかに決定する。
保留領域ナンバと合計保留記憶数とが同一であるということは、保留記憶の始動入賞時に第1特別態様または第2特別態様で表示を開始することを示している。尚、始動入賞時に第1特別態様または第2特別態様で表示させる場合には、例えば、表示当初から第1特別態様または第2特別態様で保留表示を表示することによって実現してもよいし、新たな保留表示を一旦通常態様で表示し、直後に第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することによって実現してもよい。
また、演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合(すなわち、入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果13指定の場合)には、図40(A)に示す当り時保留表示態様変化タイミング決定テーブルを用いる。演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」である場合(すなわち、入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定の場合)には、図40(B)に示すはずれ時保留表示態様変化タイミング決定テーブルを用いる。
例えば、図40(A)に示す当り時保留表示態様変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU120は、50%の割合で変化タイミング(保留領域ナンバ)を1と決定し、30%の割合で変化タイミング(保留領域ナンバ)を2と決定し、20%の割合で変化タイミング(保留領域ナンバ)を3と決定する。また、図40(B)に示すはずれ時保留表示態様変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU120は、20%の割合で変化タイミング(保留領域ナンバ)を1と決定し、30%の割合で変化タイミング(保留領域ナンバ)を2と決定し、50%の割合で変化タイミング(保留領域ナンバ)を3と決定する。
図40(A)〜(B)に示す保留表示態様変化タイミング決定テーブルにおいて、特徴的なことは、変動表示の表示結果が「はずれ」である場合に比べて、変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合の方が、保留領域ナンバが小さい(シフト回数が多い)変化タイミングに決定する割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、保留表示がより多いシフト回数で通常態様から特別態様に変化した方が、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、保留表示が変化するタイミングに関心を持たせることができ、遊技興趣を高めることができる。
以上、本実施例におけるパチンコ遊技機1あっては、第1特別態様の保留表示にもとづく変動開始時に、演出制御用CPU120が図32に示す演出図柄変動中処理のS1845cにてアクティブ表示記憶バッファにおける表示態様フラグを決定した表示態様に応じた値にセットすることで、表示態様に応じて消去されるタイミングが異なるので、例えば、大当りとなる可能性が高い保留表示の表示態様を特別態様にて表示することで、該特別態様に対応する消費保留表示が長く表示される(保留表示から継続して表示される)ことになるので、開始される変動表示が期待の持てる変動表示であることを遊技者が認識し易くできる。尚、本実施例では、特別態様に対応する消費保留表示が長く表示される(保留表示から継続して表示される)ようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、期待が持てない通常態様に対応する消化保留表示が、期待が持てる特別態様に対応する消化保留表示よりも長く表示される(保留表示から継続して表示される)ようにしても良い。
また、本実施例によれば、図35〜図36に示すように、保留表示の段階で通常態様から第1特別態様に変化した場合に、当該第1特別態様の保留表示にもとづく消費保留表示が第1特別態様で表示された後に第2特別態様に変化可能であることで、変動表示中の興趣を高められる。
また、図38に示す変形例2において、保留表示の段階で通常態様であった場合に、当該通常態様の保留表示にもとづく消費保留表示が通常態様で表示された後に第2特別態様に変化可能であることで、変動表示中の興趣を高められる。
また、前記実施例によれば、図30(B)に示す変形例1における消費保留表示変化決定テーブルは、図23(B)に示す最終表示態様決定テーブルと比較して、入賞時判定結果による変動表示の表示結果に応じて第2特別態様に変化することを決定する割合が異なることで、遊技者が保留表示または消費保留表示の表示態様に注目するようになるので、遊技興趣を高めることができる。
また、本実施例によれば、図31(C)に示す消費保留表示示唆演出タイミング決定テーブルでは、アクティブ表示記憶バッファの入賞時判定結果(変動表示結果)が当りである場合は、35%の割合でリーチ前に示唆演出を実行することを決定し、65%の割合でリーチ演出中(リーチ成立後)に示唆演出を実行することを決定するように決定割合が異なることで、変動表示中に表示される実行中の変動表示に対応する消費保留表示に遊技者をより注目させて、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120が図29に示す演出図柄変動開始処理において、消費保留表示の表示態様を第2特別態様に変化させるときに進むS1826aにて、示唆演出態様の決定に用いる図31(A)に示す消費保留表示示唆演出態様決定テーブルAにおける第2演出態様の決定割合が異なることで、遊技者が実行される演出の種類に着目するようになるので、消費保留表示の表示態様が特別態様に変化することへの興趣を高めることができる。
また、図42に示す変形例6において、保留表示中において示唆演出が1度でも実行された場合は、保留表示中において示唆演出が実行されなかった場合と比較して、消費保留表示の表示態様を第2特別態様に変化することを高い割合で決定することで、消費保留表示が第2特別態様に変化する割合は、示唆演出が実行された場合とされなかった場合とで変化するので、消費保留表示の表示態様が第2特別態様に変化することの興趣を向上することができる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120が、図22に示す先読み演出決定処理のS67101にて入賞時判定結果記憶バッファまたはアクティブ表示記憶バッファに先読み対象フラグがセットされているか否かを判定し、先読み対象フラグがセットされている場合に新たな先読み演出の決定を制限することで、実行される演出が、消費保留表示の表示態様の変化に対応する演出であるか保留表示の表示態様の変化に対応する演出であるかが分かり難くなってしまって遊技興趣が低下してしまうことを防止できる。
また、本実施例によれば、図35〜図36に示すように、消費保留表示の表示態様が第2特別態様に変化可能であることで、遊技者が消費保留表示の表示態様に注目するようになるので、遊技興趣を向上できる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120が図22に示す先読み演出決定処理のS67108にて変化タイミング決定テーブルと合計保留記憶数とにもとづいて、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を決定し、当該変化タイミングで保留表示の表示態様を通常態様から特別態様に変更可能であることで、遊技者が保留表示の変化タイミングに注目するようになるので、遊技興趣を向上できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出が第1演出態様と第2演出態様のいずれで実行されたかに拘らず、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を実行する場合は、該示唆演出を第1演出態様または第2演出態様で実行することを決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出が保留表示の表示態様を第1演出態様よりも高い割合で変化させる(保留表示の変化期待度が高い)第2演出態様(通過パターン)を実行して保留表示の表示態様が変化しなかった場合は、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、第2演出態様のみを実行するようにし、遊技者が保留表示の変化期待度が低下したと考えてしまわないようにしても良い。
変化期待度とは、示唆演出を実行した場合に保留表示が変化する変化割合を示しており、示唆演出が第1演出態様で実行される場合の変化期待度は、示唆演出が第1演出態様で実行されて保留表示が変化する割合(第1演出態様(成功パターン)の実行割合)を、示唆演出が第1演出態様で実行されて保留表示が変化する割合(第1演出態様(成功パターン)の実行割合)と示唆演出が第1演出態様で実行されて保留表示が変化しない割合(第1演出態様(通過パターン)の実行割合)との和で除算することで求めることができる。同様に、示唆演出が第2演出態様で実行される場合の変化期待度は、示唆演出が第2演出態様で実行されて保留表示が変化する割合(第2演出態様(成功パターン)の実行割合)を、示唆演出が第2演出態様で実行されて保留表示が変化する割合(第2演出態様(成功パターン)の実行割合)と示唆演出が第2演出態様で実行されて保留表示が変化しない割合(第2演出態様(通過パターン)の実行割合)との和で除算することで求めることができる。
尚、本発明における変化期待度としては、前述のように示唆演出を実行した場合に保留表示が変化する変化割合と定義しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変化期待度とは、示唆演出を実行して保留表示の表示態様が特別態様に変化する場合に、変動表示結果が第1特別態様よりも大当りとなり易い第2特別態様に変化する割合であっても良い。この場合、示唆演出が第1演出態様(成功パターン)で実行される場合の期待度は、示唆演出が第1演出態様(成功パターン)で実行されて保留表示の表示態様が第2特別態様に変化する割合を、示唆演出が第1演出態様(成功パターン)で実行されて保留表示の表示態様が第2特別態様に変化する割合と示唆演出が第1演出態様(成功パターン)で実行されて保留表示の表示態様が第1特別態様に変化する割合の和で除算することで求めることができる。同様に、示唆演出が第2演出態様(成功パターン)で実行される場合の期待度は、示唆演出が第2演出態様(成功パターン)で実行されて保留表示の表示態様が第2特別態様に変化する割合を、示唆演出が第2演出態様(成功パターン)で実行されて保留表示の表示態様が第2特別態様に変化する割合と示唆演出が第2演出態様(成功パターン)で実行されて保留表示の表示態様が第1特別態様に変化する割合の和で除算することで求めることができる。
具体的には、変形例5として図41(A)〜図41(E)に示すように、演出図柄の変動表示が停止し(図41(A))、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフトされるときに消去され、2つ目以降の保留表示がシフトされる。このとき、保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる(第1演出態様)表示制御がおこなわれる(図41(B))。
次いで、演出図柄の変動表示が停止し、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフトされるときに消去され、2つ目以降の保留表示がシフトされる。このとき、保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる(第1演出態様)表示制御がおこなわれる(図41(C))。そして、演出図柄の変動表示が停止し、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフトされるときに消去され、2つ目以降の保留表示がシフトされる。このとき、消費保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる(第1演出態様)表示制御(図41(D))と、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる(第1演出態様)表示制御(図41(E))とのどちらかが実行される。このように、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として第1演出態様(通過パターン)が実行された場合は、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として第1演出態様と第2演出態様の両方が実行される可能性がある。
一方、図41(F)〜図41(J)に示すように、演出図柄の変動表示が停止し(図41(F))、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフトされるときに消去され、2つ目以降の保留表示がシフトされる。このとき、保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる(第2演出態様)表示制御がおこなわれる(図41(G))。
次いで、演出図柄の変動表示が停止し、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフトされるときに消去され、2つ目以降の保留表示がシフトされる。このとき、保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる(第2演出態様)表示制御がおこなわれる(図41(H))。そして、演出図柄の変動表示が停止し、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフトされるときに消去され、2つ目以降の保留表示がシフトされる。このとき、消費保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる(第2演出態様)表示制御が実行される。白い矢が消費保留表示に刺さらない場合は、白い矢はそのまま表示領域上を通過する(第2演出態様(通過パターン))表示制御が実行され(図41(I))、白い矢が消費保留表示に刺さる場合は、白い矢が消費保留表示に刺さる(第2演出態様(成功パターン))表示制御が実行され、消費保留表示の表示態様が変化する(図41(J))。このように、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として第2演出態様(通過パターン)が実行された場合は、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として第2演出態様のみが実行される。
また、前記実施例では、図30(A)に示すように、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が第1特別態様または第2特別態様に変化することを示唆する示唆演出の実行回数が多いほど、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様を第1特別態様または第2特別態様に変化させる割合が高くなる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様を第1特別態様または第2特別態様変化させる割合は、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が第1特別態様または第2特別態様に変化することを示唆する示唆演出が実行されているか否かのみで決定するようにしても良い。
具体的には、変形例6として、演出制御用CPU120は、演出図柄変動開始処理のS1822において、消費保留表示の変化の有無を図42に示す消費保留表示変化決定テーブルを用いて決定する。本変形例6のS1822では、演出制御用CPU120は、示唆演出実行回数カウンタの値が0である場合、つまり、保留表示中において1度も示唆演出が実行されなかった場合は、10%の割合で消費保留表示の変化を決定し、90%の割合で消費保留表示の非変化(変化せず)を決定する。一方で、示唆演出実行回数カウンタの値が0である場合、つまり、保留表示中において一度でも示唆演出が実行された場合は、90%の割合で消費保留表示の変化を決定し、90%の割合で消費保留表示の非変化(変化せず)を決定する。
つまり、本変形例6においては、保留表示中において示唆演出が1度でも実行された場合は、保留表示中において示唆演出が実行されなかった場合と比較して、消費保留表示の表示態様の第1特別態様または第2特別態様に変化することを高い割合で決定する。このようにすることで、消費保留表示が第1特別態様または第2特別態様に変化する割合は、保留表示中において示唆演出が実行される場合とされない場合とで変化するので、消費保留表示の表示態様が第1特別態様または第2特別態様に変化することの興趣を向上することができる。また、示唆演出が実行されるか否かに対して遊技者を着目させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、前記実施例では、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出が第1演出態様と第2演出態様のいずれで実行されたかに拘らず、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を実行する場合は、該示唆演出を第1演出態様または第2演出態様で実行することを決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出が保留表示の表示態様を第2演出態様よりも低い割合で変化させる(保留表示の変化期待度が低い)第1演出態様で実行されて保留表示の表示態様が変化しなかった場合は、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を第2演出態様で実行することにより、消費保留表示の表示態様が第1特別態様または第2特別態様に変化することへの遊技者の期待感を高めるようにしても良い。
また、前記実施例では、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出が第1演出態様と第2演出態様のいずれで実行されたかに拘らず、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を実行する場合は、該示唆演出を第1演出態様または第2演出態様で実行することを決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出が第1演出態様よりも保留表示の表示態様が変化する割合が高い第2演出態様にて実行されて保留表示の表示態様が変化しなかった場合(第2演出態様(通過パターン))は、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出が第1演出態様にて実行されて消費保留表示の表示態様が変化しないようにしても良い。
また、前記実施例では、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出と、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出との双方を同一の演出態様(黒い矢が飛んでくる第1演出態様と白い矢が飛んでくる第2演出態様)で表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出は、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出の少なくとも一部の演出態様と同一の演出態様を実行可能であればよく、例えば、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出と、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出とは、同一の演出態様の第1演出態様を実行する一方で、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出においては、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出とは表示領域の右側から飛んでくる矢の形状、大きさ、配色等のいずれかが異なる第2演出態様を実行するようにしても良い。また、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出と、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出とは、同一の演出態様の第2演出態様を実行する一方で、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出においては、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出とは表示領域の右側から飛んでくる矢の形状、大きさ、配色等のいずれかが異なる第1演出態様を実行するようにしても良い。
また、本発明の「変化対応演出」は、アクティブ表示エリア5F内に表示されている消費保留表示の表示態様が変化する際に実行される演出であって、保留表示の表示態様が変化することを遊技者に報知(示唆)する演出のことをいう。尚、「変化対応演出」は、消費保留表示の表示態様が変化するタイミングと全く同一のタイミングで実行される演出に限らず、消費保留表示の表示態様の変化前または変化後の所定期間内に実行される演出であっても良い。つまり、消費保留表示の表示態様がこれから変化すること、または既に変化したことを遊技者に報知(示唆)する演出であれば良い。また、変化対応演出は、前記実施例のように、キャラクタ(前記実施例では矢)が所定のアクションを行う作用演出(動画)のみならず、単にキャラクタ画像(静止画)を表示するものであっても良い。また、変化対応演出は、矢が消費保留表示に刺さることによって消費保留表示の「○」内にバツが表示される演出として例示されているが、消費保留表示の表示態様の変化を報知(示唆)するものであれば、他の演出態様であっても良く、消費保留表示の形状や大きさ等を変更するものであっても良い。また、消費保留表示の表示態様が変化するタイミング、またはその前後の期間において、消費保留表示を一時的に隠蔽する演出を変化対応演出として実行しても良い。
また、前記実施例では、変化対応演出が実行される際に、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様を第1特別態様(本実施例では「○」内にバツが含まれる)または第2特別態様(本実施例では「○」内に2重バツが含まれる)に変化させる形態を例示したが、本発明における変化対応演出は、消費保留表示の表示態様のうち、形状、大きさ、配色、等の少なくとも一部を変化する際に実行される演出であれば良い。
また、前記実施例では、変化対応演出として、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示に表示領域の右側から飛んできた矢が刺さる演出を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変化対応演出は、これとともに(またはこれに代えて)、スピーカ8R,8Lから音声を出力する演出や、ランプを点灯させる演出、演出表示装置5とは異なる表示装置に画像を表示する演出であっても良い。
また、前記実施例では、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出と、変化対応演出としてアクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出との双方を同一の演出態様で表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出は実行しないようにしても良い。
また、前記実施例では、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、表示領域の右側から飛んできた矢が刺さる演出を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、該示唆演出は、これとともに(またはこれに代えて)、スピーカ8R,8Lから音声を出力する演出や、ランプを点灯させる演出などを行うようにしてもよい。
また、前記実施例では、図30(A)に示すように、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が特別態様に変化することを示唆する示唆演出の実行回数が多いほど、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様を特別態様に変化させる割合が高くなる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が特別態様に変化することを示唆する示唆演出の実行回数が多いほどアクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様を特別態様に変化させる割合が低くなるようにしても良い。
また、前記実施例では、図30(A)に示すように、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が特別態様に変化することを示唆する示唆演出の成功パターンと通過パターンの合計回数に応じてアクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様を特別態様に変化させる割合を変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が特別態様に変化することを示唆する示唆演出の通過パターンの合計回数のみに応じてアクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様を特別態様に変化させる割合を変化させるようにしても良い。
また、前記実施例では、図30(A)に示すように、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が特別態様に変化することを示唆する示唆演出の実行回数が3回以上の場合は、全て消費保留表示の変化を80%の割合で決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、示唆演出の実行回数が4回以上の場合においても個別に消費保留表示の特別態様への変化を決定する割合を設定するようにしても良い。
また、前記実施例では、図30(A)に示すように、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が特別態様に変化することを示唆する示唆演出の実行回数が多いほど、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様を特別態様に変化させる割合が高くなる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、示唆演出の実行回数が4回や5回等の特定の回数の場合のみ消費保留表示の特別態様への変化を高い割合で決定するようにし、示唆演出の実行回数が他の回数の場合は、消費保留表示の特別態様への変化を前記特定の回数の場合よりも低い割合で決定するようにしても良い。
また、前記実施例では、図30(A)に示すように、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が特別態様に変化することを示唆する示唆演出の実行回数に応じて、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様を特別態様に変化させる割合が異なる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が特別態様に変化することを示唆する示唆演出の実行回数に応じて、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様を第1特別態様に変化させる割合と、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様を第2特別態様に変化させる割合と、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様を特別態様に変化させない割合と、が異なるようにしても良い。
また、前記実施例では、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出と、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出とにおいて表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる第1演出態様と、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる第2演出態様との表示制御を実行する、つまり、双方の示唆演出において共通の演出態様を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出とアクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出とでは、例えば、表示領域の右側から飛んでくるキャラクタの形状や配色等を異ならせることで全く異なる演出態様の表示制御を実行するようにしても良い。
また、前記実施例では、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出と、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出とにおいて表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる第1演出態様と、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる第2演出態様との表示制御を実行する、つまり、双方の示唆演出において共通の演出態様を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出と、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出とでは、一部の演出態様のみを共通して実行するようにしても良い。例えば、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出においては、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる第1演出態様と、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる第2演出態様との表示制御を実行する一方で、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出においては、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる第1演出態様と、第2演出態様と同じく第1演出態様よりも消費保留表示の表示態様が第1特別態様または第2特別態様に変化する割合が高い演出態様として、表示領域の右側から赤い矢が飛んでくる第3演出態様との表示制御を実行するようにすれば良い。尚、第3演出態様としては、第2演出態様の矢と異なる配色とする他、第2演出態様の矢とは異なる形状の矢や、矢以外のキャラクタの表示制御を実行するようにしても良い。
また、前記実施例では、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、消費保留表示の表示態様の変化割合が異なる第1演出態様と第2演出態様のいずれかを実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出としては、消費保留表示の表示態様の変化割合それぞれが異なる3以上の演出態様のいずれかを実行するようにしても良い。
また、前記実施例では、先読み演出決定処理のS67101に示すように、入賞時判定結果記憶バッファまたはアクティブ表示記憶バッファに先読み対象フラグがセットされている場合は、新たに先読み演出を実行しないようにすることで、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示と、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示とで同時に先読み演出が実行されることを回避している形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、入賞時判定結果記憶バッファまたはアクティブ表示記憶バッファに先読み対象フラグがセットされている場合においても新たに先読み演出を実行することで、アクティブ表示エリア5Fに表示されている消費保留表示と、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示とで同時に先読み演出が実行されるようにしても良い。
また、消費保留表示の表示態様を通常態様から第1特別態様に変化させる場合と、第2特別態様に変化させる場合との双方が設けられている場合、消費保留表示の表示態様を通常態様から第1特別態様に変化させると決定している場合は、例えば、示唆演出(成功パターン)として第2演出態様よりも第1演出態様の実行が決定されやすいようにするとともに、消費保留表示の表示態様を通常態様から第2特別態様に変化させると決定している場合は、例えば、示唆演出(成功パターン)として第1演出態様よりも第2演出態様の実行が決定されやすいようにしても良い。
また、前記実施例では、示唆演出を、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる第1演出態様と、該第1演出態様よりも消費保留表示または保留表示の表示態様が変化し易い演出態様として、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる第2演出態様とのいずれかを実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、示唆演出の開始時は表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる第1演出態様であり、途中から該黒い矢が第1演出態様よりも消費保留表示または保留表示の表示態様が変化し易い第2演出態様である白い矢に変化する第3演出態様を設けるようにしても良い。このように、示唆演出の実行中に第1演出態様から第2演出態様に変化する演出態様を設けることで、表示領域の右側から飛んでくる黒い矢が第2演出態様の白い矢に変化する可能性が生じるので、遊技者を示唆演出の演出態様に注目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、前記実施例では、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示に対して各変動表示の開始毎に示唆演出を実行するか否かを個別に決定し、実行された示唆演出の実行回数に応じてアクティブ表示エリア5Fに表示される消費保留表示の表示態様を変化するか否かを決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞が発生した時点で、始動入賞判定結果にもとづいて保留表示に対する示唆演出の実行回数、示唆演出の実行タイミング、消費保留表示の表示態様の変化の有無、消費保留表示の表示態様の変化を決定した場合の変化先(第1特別態様または第2特別態様)等を予め全て決定するようにしても良い。
また前記実施例では、予告対象の変動表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」となるか否かに応じて示唆演出の演出態様の決定割合が異なっている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、予告対象の変動表示における大当り種別(「通常大当り」と「確変大当り」と「突然確変大当り)に応じて示唆演出の演出態様の決定割合が異なるようにしても良い。
なお、前記実施例では、第1先読み演出パターンにおいて、保留表示が特別態様で表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングとシフトタイミングのいずれかであったが、これに限らず、他のタイミングを含むようにしてもよい。例えば、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のタイミング(具体的には、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される1つの変動表示中または複数の変動表示にまたがった期間)で保留表示を特別態様で表示するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第2先読み演出パターンにおいて、保留表示が特殊態様で表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングのみであったが、これに限らず、始動入賞のタイミングでは通常態様で表示し、任意のシフトタイミングで特殊態様に変化して表示するようにしてもよいし、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のタイミング(具体的には、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される1つの変動表示中または複数の変動表示にまたがった期間)で保留表示を特殊態様で表示するようにしてもよい。また、第2先読み演出パターンにおいて、特殊態様で表示された保留表示が特別態様に変化するタイミングについても、シフトタイミングに限らず、保留表示が特殊態様で表示されてから、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のタイミング(具体的には、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される1つの変動表示中または複数の変動表示にまたがった期間)であってもよい。
また、前記実施例では、先読み演出の演出パターンとして、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される第1先読み演出パターンと、始動入賞のタイミングで予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が特殊態様で表示され、任意のシフトタイミングで最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される第2先読み演出パターンとを含むが、第2先読み演出パターンのみ含むようにしてもよい。この場合であっても、先読み演出が行われると、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されるが、特殊態様から特別態様には複数のタイミング(シフトタイミング等の任意のタイミング)で変化されるため、保留表示の表示態様を変化させる演出に多様性を持たせ、遊技興趣を向上させることができる
また、前記実施例では、保留表示が特殊態様で表示されたときには、保留表示は、必ず特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示されるが、例えば、特殊態様のまま変化させないようにしてもよい。この場合には、保留表示が特殊態様から特別態様に変化されることなく、その保留表示(保留情報)に対応する変動表示が開始されたときには、特殊態様から特別態様に変化されたときに比べて大当りとなる割合が低くなるように構成することが望ましい。このようにすることで、保留表示の表示態様が特殊態様から特別態様に変化することに対して、より関心を持たせることができる。また、この場合には、保留表示が特殊態様で表示されている状態の方が、通常状態で表示されている状態に比べて、特別態様に変化して表示される割合が高くなるように構成することが望ましい。このようにすることで、保留表示の表示態様が通常態様から特殊態様に変化することに対して関心を持たせることができ、さらに特殊態様で表示されているときの期待感を高めることもできる。
また、保留表示が特殊態様から特別態様に変化されることなく、その保留表示(保留情報)に対応する変動表示が開始されたときに、当該特殊態様の保留表示を消費保留表示としてアクティブ表示エリア5Fに表示するようにし、その後に当該特殊態様の消費保留表示が第1特別態様または第2特別態様に変化するものであっても良い。
なお、前記実施例では、示唆演出として、演出表示装置5において所定の表示制御が行われているが、これとともに(またはこれに代えて)、スピーカ8R,8Lから音声を出力する演出や、ランプを点灯させる演出などを行うようにしてもよい。また、前記実施例では、示唆演出は、保留表示の変化に作用する演出(矢が突き刺さる(または通過する))であり、演出結果に応じて保留表示が変化するが(矢が突き刺さると保留表示が変化する)、必ずしも保留表示の変化に作用する演出としなくてもよい。例えば、保留表示の表示態様を変化させる場合と変化させない場合とのいずれであっても、示唆演出として、特定の保留表示に矢が突き刺さる演出を行う。そして、保留表示を変化させる場合には、示唆演出によって矢が突き刺さった保留表示を変化させ、変化させない場合には、示唆演出によって矢が突き刺さった保留表示を変化させないようにしてもよい。すなわち、保留表示が変化するときと変化しないときとで、示唆演出の態様(飛んできた矢が特定の保留表示に突き刺さる)は同じであるが、結果(矢が突き刺さった保留表示の表示態様が変化するか否か)が異なるような保留変化演出を行うようにしてもよい。
なお、前記実施例において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=40%:60%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機1における遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
前記遊技者にとって有利な状態とは、遊技者が多くの遊技媒体を獲得できる遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り等)や、獲得できる遊技媒体の期待値が異なる複数種類の特定遊技状態(ラウンド数が異なる大当り等)や、通常遊技状態よりも賞球払出の条件が成立しやすくなる高ベース状態(時短状態)や、前記特定遊技状態となる確率が高い高確率遊技状態(高確率状態)や高確低ベース状態(潜伏確変状態)、特別リーチ状態(例えば、スーパーリーチ等)、当該変動パターンが大当り変動パターンに基づく変動パターンである状態等が含まれる。
また、前記実施例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用CPU120に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ100が他の基板(例えば、図2に示す音声制御基板13やランプ制御基板14など、または音声制御基板13に搭載されている回路による機能とランプ制御基板14に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板12における演出制御用CPU120に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声制御基板13、ランプ制御基板14、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置5を制御する演出制御用CPU120に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用CPU120は、前記実施例における遊技制御用マイクロコンピュータ100から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声制御基板13、ランプ制御基板14または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、前記実施例においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例で示した構成は、パチンコ遊技機にかぎらず、様々な形態の遊技機に適用することができる。例えば、上記の各実施の形態で示した構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(例えば、50個)の遊技玉が封入領域内(例えば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(例えば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行われる。
前記実施例では、保留表示に作用する演出として、画面を横切るように飛んできた矢が、変化する保留表示に刺さる示唆演出を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、該示唆演出をこれら保留表示に作用する演出として、その他の態様の演出、例えば、矢ではなく、遊技機の機種に関係するキャラクタが登場して、変化する保留表示を叩いたり変化する保留表示に衝突したりして作用する演出としても良いし、登場するキャラクタ自体が保留表示に作用するのではなく、登場するキャラクタがボール等の作用物を投射し、該作用物が変化する保留表示に衝突する演出としても良い。
また、前記実施例では、保留表示への作用方向となる矢の飛翔方向を、画面(表示領域)右側から飛んでくる態様のみとした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら作用方向を、複数の異なる方向、例えば、矢の飛翔方向が、画面の右側や左側や上側から飛んでくる態様として良く、このように、保留表示への作用方向が異なる演出を示唆演出として実行する場合にあっては、これら作用方向に応じて、大当りとなる期待度が異なるようにしたり、或いは、矢が刺さって保留表示が変化する期待度が異なるようにすることが好ましい。
尚、保留表示に作用する演出として、上記したようにキャラクタを登場させる場合にあっては、キャラクタが登場する登場位置(出現場所)を異ならせることで、キャラクタが保留表示に作用する作用方向を異ならせるようにしても良い。
また、前記実施例では、示唆演出として、画面を横切るように飛んできた矢が、作用する保留表示を1つのみとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、1の示唆演出において、例えば、複数の矢を飛翔させて、複数の保留表示を変化させるようにしても良い。
また、前記実施例では、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出としては、保留表示の変化を1段階のみとした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、1本目の矢が飛翔して刺さったとき(示唆演出(成功パターン))には保留表示の態様を第1特別態様に変化させ、その後に2本目の矢が飛翔して刺さったとき(示唆演出(成功パターン))に第2特別態様に変化させるように、変化を複数段階にて行うようにしても良い。このように、保留表示の態様を複数段階にて行う場合は、2本目の矢が飛翔して保留表示に刺さらない場合(示唆演出(通過パターン))を設けることで、更に保留表示の表示態様が変化することを示唆するようにしても良い。尚、このように、示唆演出(成功パターン)と示唆演出(通過パターン)を実行することで保留表示の表示態様を複数段階に亘って変化させる場合は、示唆演出(成功パターン)の実行回数、つまり、保留表示の表示態様が変化した回数に応じて消費保留表示の表示態様が変化する割合を異ならせるようにしても良いし、示唆演出(通過パターン)の実行回数に応じて消費保留表示の表示態様が変化する割合を異ならせるようにしても良いし、示唆演出(成功パターン)の実行回数と示唆演出(通過パターン)の実行回数の合計数に応じて消費保留表示の表示態様が変化する割合を異ならせるようにしても良い。
尚、保留表示または消費保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出の演出時間としては、これら示唆演出を全ての変動パターンにおいて実行可能とする場合には、最短の変動パターンの変動時間よりも短い時間とすれば良いし、示唆演出を実行する変動パターンが、全変動パターンのうちの一部の変動パターンだけである場合には、該一部の変動パターンのうちで最短の変動パターンの変動時間よりも短い時間とすれば良い。また、逆に、示唆演出の演出時間が予め規定されている場合においては、変動時間が該示唆演出の演出時間よりも長いことで示唆出を実行可能な変動パターンにおいてのみ、示唆演出を実行するようにすれば良い。
また、前記実施例では、始動入賞時に、大当りとするか否かを判定するためのランダムRを抽出し、該抽出したランダムR自体を保留記憶として記憶する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらランダムR自体を記憶することに代えて、抽出したランダムRによる大当りとするか否かの判定結果を特定可能なデータを記憶しておき、開始条件が成立して変動表示を開始するときには、改めて大当りとするか否かを判定せずに、始動入賞時に記憶されている判定結果を特定して変動表示を行うようにしても良い。つまり、大当りとするか否かの判定を、変動開始時ではなく、始動入賞時等の変動開始時以外のタイミングで行うようにしても良い。
また、前記実施例では、第1通常態様としての消費保留表示における通常態様と、第2通常態様としての保留表示における通常態様とを同一の表示態様(本実施例では「○」)で表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、消費保留表示における通常態様と、保留表示における通常態様とは、少なくとも一部が異なるものであっても良く、例えば、形状が異なるもの、大きさが異なるもの、配色が異なるもののいずれかであっても良い。また、消費保留表示における通常態様と、保留表示における通常態様とは、これら形状、大きさ、配色等全てが異なっていても良い。尚、消費保留表示における通常態様と、保留表示における通常態様とで、形状、大きさ、配色等全てが異なっている場合は、例えば、保留表示の通常表示を宝箱、消費保留表示の通常態様を該宝箱から取り出した宝石等の表示とすることで、消費保留表示の通常態様を、保留表示の通常態様から連想されるものの表示、或いは保留表示の通常態様に関連するもの(物語性が関連するもの、概念性が関連するもの、性質が関連するもの)の表示とすれば良い。
また、前記実施例では、第1特別態様としての消費保留表示における特別態様と、第2特別態様としての保留表示における特別態様とを同一の表示態様(本実施例では「○」内にバツまたは2重バツが含まれる)で表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、消費保留表示における特別態様と、保留表示における特別態様とは、少なくとも一部が異なるものであっても良く、例えば、形状が異なるもの、大きさが異なるもの、配色が異なるもののいずれかであっても良い。また、消費保留表示における特別態様と、保留表示における特別態様とは、これら形状、大きさ、配色等全てが異なっていても良い。尚、消費保留表示における特別態様と、保留表示における特別態様とで、形状、大きさ、配色等全てが異なっている場合は、例えば、保留表示の特別表示を宝箱、消費保留表示の特別態様を該宝箱から取り出した宝石等の表示とすることで、消費保留表示の特別態様を、保留表示の特別態様から連想されるものの表示、或いは保留表示の特別態様に関連するもの(物語性が関連するもの、概念性が関連するもの、性質が関連するもの)の表示とすれば良い。
また、前記実施例では、合算保留記憶表示部5Dにて表示する保留表示とアクティブ表示エリア5Fに表示する消費保留保表示とを同一の表示態様で表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、合算保留記憶表示部5Dにて表示する保留表示とアクティブ表示エリア5Fに表示する消費保留保表示とは、少なくとも一部が異なるものであっても良く、例えば、形状が異なるもの、大きさが異なるもの、配色が異なるもののいずれかであっても良い。尚、合算保留記憶表示部5Dにて表示する保留表示とアクティブ表示エリア5Fに表示する消費保留保表示とにおいて形状が異なる場合は、合算保留記憶表示部5Dにて特別態様で表示される保留表示とアクティブ表示エリア5Fに表示される消費保留表示の態様の一部、例えば、配色を同一とすることで、遊技者が合算保留記憶表示部5Dに表示されていた保留表示のうち、いずれの保留表示に対応した変動表示が実行されているかを判別し易いようにしても良い。また、合算保留記憶表示部5Dにて表示する保留表示とアクティブ表示エリア5Fに表示する消費保留保表示とは、これら形状、大きさ、配色等全てが異なっていても良い。
また、前記実施例では、本発明の「可変表示対応表示手段」として消費保留表示の表示態様を第1特別態様(本実施例では「○」内にバツが含まれる)または第2特別態様(本実施例では「○」内に2重バツが含まれる)に変化させ、本発明の「保留表示手段」として保留表示の表示態様を消費保留表示と同一の第1特別態様または第2特別態様に変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、「可変表示対応表示手段」として表示態様を変化させる消費保留表示の特別態様と「保留表示手段」として表示態様を変化させる保留表示の特別態様とは、少なくとも一部が異なるものであればよく、例えば、形状が異なるもの、大きさが異なるもの、配色が異なるもののいずれかであっても良い。また、「可変表示対応表示手段」として表示態様を変化させる消費保留表示の特別態様と「保留表示手段」として表示態様を変化させる保留表示の特別態様とは、これら形状、大きさ、配色等全てが異なっていても良い。
また、前記実施例では、変動表示を開始するときに、当該変動表示に対応する保留表示を消費保留表示として、保留表示と同一態様でアクティブ表示エリア5Fに表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アクティブ表示エリア5Fに表示する消費保留表示は、当該変動表示を表す表示態様であれば合算保留記憶表示部5Dにて表示する保留表示とは異なる表示態様であっても良い。
また、前記実施例では、消費保留表示の段階で表示態様の変化が決定していない場合において、通常態様の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフトされたときに消費保留表示とならずに消去されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、通常態様の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフトされ後に、当該保留表示を消費保留表示として表示し、所定時間経過後に消去される態様であっても良い。つまり、本発明における「第1タイミング」は、通常態様の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフトされるタイミングでなくても良く、アクティブ表示エリア5Fにシフト後のタイミングであっても良い。
尚、前記実施例では、消費保留表示に対応する変動表示が終了した時点で、該消費保留表示が消去されるようになっているが、本発明の「第2タイミング」としての消費保留表示が消去されるタイミングは、変動表示が終了した時点のみならず、それ以前のタイミングで消費保留表示を消去しても良い。例えば、スーパーリーチなどのリーチ演出が開始された時点で消費保留表示を消去しても良い。また、この場合に、通常態様の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフト後に消費保留表示となって所定のタイミングで終了するときに、この終了タイミングは、特別態様の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフト後に消費保留表示となって終了するタイミングより前のタイミングであれば良い。つまり、通常態様の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフト後に消費保留表示となった場合には、この消費保留表示の表示時間は、通常態様の保留表示がアクティブ表示エリア5Fにシフト後に消費保留表示となった場合の当該消費保留表示の表示時間よりも短い時間となっていれば良い。つまり、本発明の「第2タイミング」とは、消費保留表示を終了するタイミングであって、当該消費保留表示に基づく変動表示の表示終了タイミングと異なるものであっても良い。
尚、本発明の「前記識別情報の可変表示の開始にともなう第1タイミング」は、変動が開始された時点と同一でなくても良く、変動が開始されることで生じる時間的な区切りにもとづいて把握される所定のタイミングのことを示している。つまり、変動が開始される時点と基準として多少時間的に前後しても良い。更に、本発明の「前記識別情報の可変表示の開始にともなう第1タイミング」は、変動開始後の所定時間経過した時点であっても良く、通常態様の消費保留表示が消去されるタイミングであっても良い。
尚、本発明の「第1態様」には、前記実施例のおける通常態様の他に特殊態様が含まれる。また、本発明の「第2態様」には、前記実施例における第1特別態様や第2特別態様が含まれる。また、「第2態様」は、「第1態様」よりも遊技者にとって有利な遊技状態になることを示す期待度が高いものとなっている。
尚、本発明の「第1態様の保留表示を・・・消去可能」とは、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示を消去される態様のみならず、前記実施例のように、保留表示がアクティブ表示エリア5Fに移動して消費保留表示となる態様も含まれる。つまり、「第1態様の保留表示を・・・消去可能」とは、保留表示としての表示を終了して遊技者にとって未だ変動表示の対象となっていない保留記憶に対応する保留表示として認識されない状態になることを示している。
また、前記実施例の図29に示す演出図柄変動開始処理のS1821において、消費保留表示の表示態様が第2特別態様である場合に、消費保留表示の表示態様を変化させないように処理しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2特別態様以上の変化態様、例えば、第3特別態様や第4特別態様に変化可能とし、演出図柄変動開始処理のS1821において、消費保留表示の表示態様が第2特別態様である場合に、さらに第3特別態様や第4特別態様に変化するか否かを決定して、消費保留表示の表示態様を決定された表示態様に変化させるものであっても良い。
更に、前記実施例の図29に示す演出図柄変動開始処理のS1821において、消費保留表示の表示態様が第2特別態様でない場合に、当該消費保留表示の保留表示の段階での最終的な表示態様に応じて当該消費保留表示が第2特別態様に変化するか否かの決定割合を異ならせたものであっても良い。例えば、保留表示の段階での最終的な表示態様が通常態様または第1特別態様であるときに、当該保留表示が消費保留表示となる場合に、保留表示の段階での最終的な表示態様が第1特別態様であるときの方が通常態様であるときと比べて高い割合で第2特別態様の消費保留表示になるものであっても良い。
尚、前記実施例において保留表示(消費保留表示)の表示態様を「変化」するという用語の意味には、保留表示(消費保留表示)の表示態様が変化前と変化後とで連続して表示される態様でなくても良く、例えば、保留表示(消費保留表示)の表示を一旦消去して、その後に表示態様の異なる保留表示(消費保留表示)を新たに表示する態様も含まれる。
特定遊技状態(大当り遊技状態)は可変表示装置にて特定の図柄の組み合わせ(同一図柄のゾロ目)が表示された後に、所定時間(図柄確定停止時間+大当り開始演出時間)経過した後に大入賞口が開放され、特定遊技状態が開始するものを例示したが、これに限らず、可変表示装置にて特定の図柄の組み合わせ(同一図柄のゾロ目)が表示された後に、遊技領域に設けられた特定の領域(特定の通過ゲートセンサ、または入賞センサ)に球を通過させることにより特定遊技状態が開始するものであってもよい。これにより大当りの発生時期を遊技者がコントロールすることができ、大当り開始前に持ち玉が無くなってしまった場合でも玉貸しを行って球を補充する時間を持てることになる。
さらに特定の領域は複数設けてもよく、いずれの特定の領域を通過させるかにより、大当りのラウンド数を異ならせてもよい。また、特定の領域の通過で大当りラウンド数の抽選を行うものでもよい。さらにその場合に、特定の領域が複数あれば、いずれの特定の領域を通過させるかにより、ラウンド数の抽選割合を異ならせるようにしてもよい。