以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠3とで構成される。遊技枠3は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤2を除く)とを含む構造体である。
遊技枠3の下部表面には打球供給皿(上皿)がある。打球供給皿の下部には、打球供給皿に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。また、遊技枠3の背面には、遊技盤2が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤2は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤2の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域が形成されている。
余剰球受皿を形成する部材には、例えば余剰球受皿の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における余剰球受皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
遊技領域の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示(可変表示ともいう)に同期した演出図柄の変動表示を行う図柄表示エリアがある。よって、演出表示装置5は、演出図柄の変動表示を行う変動表示装置に相当する。図柄表示エリアには、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリア5L,5C,5Rがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア5L,5C,5Rがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置5の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置5は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120によって制御される。演出制御用CPU120が、第1特別図柄表示装置4Aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置5で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示装置4Bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置5で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤2における演出表示装置5の右側には、識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示装置器(第1可変表示手段)4Aが設けられている。本実施例では、第1特別図柄表示装置4Aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示装置4Aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤2における演出表示装置5の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示装置(第2可変表示手段)4Bが設けられている。第2特別図柄表示装置4Bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示装置4Bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
本実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bとを特別図柄表示装置と総称することがある。
なお、本実施例では、2つの特別図柄表示装置4A,4Bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示装置を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(可変表示時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置5の下方には、第1始動入賞口を有する入賞装置6Aが設けられている。第1始動入賞口に入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第1始動口スイッチ22Aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)を有する入賞装置6Aの下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口を有する可変入賞球装置6Bが設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)に入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第2始動口スイッチ22Bによって検出される。可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81によって開状態とされる。可変入賞球装置6Bが開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置6Bが開状態になっている状態では、第1始動入賞口よりも、第2始動入賞口に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置6Bが閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口に入賞しない。なお、可変入賞球装置6Bが閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口と第2始動入賞口とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、本実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置6Bが設けられているが、第1始動入賞口および第2始動入賞口のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
可変入賞球装置6Bが開放状態に制御されているときには可変入賞球装置6Bに向かう遊技球は第2始動入賞口に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口は演出表示装置5の直下に設けられているが、演出表示装置5の下端と第1始動入賞口との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口に導きづらくして、第2始動入賞口の入賞率の方を第1始動入賞口の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示装置4Aの上部には、第1始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1保留表示部25Aが設けられている。第1保留表示部25Aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示装置4Aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。例えば、後述するタイマ割込処理の表示制御処理(S22)において表示制御を行う処理が実行されることによって実現される。
第2特別図柄表示装置4Bの下部には、第2始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2保留表示部25Bが設けられている。第2保留表示部25Bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示装置4Bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。例えば、後述するタイマ割込処理の表示制御処理(S22)において表示制御を行う処理が実行されることによって実現される。
また、演出表示装置5の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部5Dが設けられている。本実施例では、合算保留記憶表示部5Dにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とに対応する保留表示が第1始動入賞口および第2始動入賞口への入賞順に並べて表示される。なお、合算保留記憶表示部5Dにおいて、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示されるようにしてもよい(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示されるようにしてもよい)。また、合算保留記憶表示部5Dに代えて、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるように構成してもよい。
演出表示装置5は、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置5における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置5における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示装置4Aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示装置4Bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置5において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は開閉板を備え、第1特別図柄表示装置4Aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示装置4Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド82によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤2における演出表示装置5の左側には、普通図柄表示装置20が設けられている。普通図柄表示装置20は、例えば、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様の7セグメント表示やドットマトリクスのLED等から構成され、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報を変動表示する。
遊技球がゲート41を通過しゲートスイッチ21で検出されると、普通図柄表示装置20の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示装置20における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置6Bが所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置6Bの状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示装置20の近傍には、ゲート41を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通保留表示部25Cが設けられている。ゲート41への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ21によって遊技球が検出される毎に、普通保留表示部25Cは点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示装置20の変動表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示装置20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置6Bの開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示装置4A,4Bや演出表示装置5における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、本実施例では、時短状態(特別図柄の変動表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置6Bの開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
なお、可変入賞球装置6Bが開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示装置20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示装置20における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置6Bが所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示装置20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置6Bが開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置6Bの開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置6Bの開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示装置20における普通図柄の変動時間(変動表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置6Bが開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤2の遊技領域の周囲には、遊技中に点滅表示される遊技効果ランプ9が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口がある。また、遊技領域の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ8R,8Lが設けられている。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドルを操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域に入り、その後、遊技領域を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口に入り第1始動口スイッチ22Aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示装置4Aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置5において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口に入り第2始動口スイッチ22Bで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示装置4Bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置5において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)11における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、演出制御基板12等も示されている。主基板11には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)100が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM101、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM102、プログラムに従って制御動作を行うCPU103およびI/Oポート105を含む。本実施例では、ROM101およびRAM102は遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU103のほかRAM102が内蔵されていればよく、ROM101は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート105は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ100には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路104が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてCPU103がROM101に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(またはCPU103)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路104は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路104は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路104は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路104が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM101等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ100の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路104が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路104が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、第1始動口スイッチ22Aまたは第2始動口スイッチ22Bへの始動入賞が生じたときに乱数回路104から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM102は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給できなくなるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、本実施例では、RAM102の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ100のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ100等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ100等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ100等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ100等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ100等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ100の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23及びアウト球スイッチ24からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ100に与えるスイッチ回路110も主基板11に搭載されている。また、可変入賞球装置6Bを開閉するソレノイド81、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7を開閉するソレノイド82を遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って駆動するソレノイド回路111も主基板11に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板11に搭載されている。
本実施例では、演出制御基板12に搭載されている演出制御手段(演出制御用CPU120で構成される。)が、中継基板15を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置5との表示制御を行う。
演出制御基板12は、演出制御用CPU120およびRAM122を搭載している。なお、RAM122は外付けであってもよい。演出制御基板12において、演出制御用CPU120は、内蔵または外付けのROM121に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板15を介して入力される主基板11からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドにもとづいて、表示制御部123に演出表示装置5の表示制御を行わせる。
また、演出制御用CPU120が備えるRAM122は、その一部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給できなくなるまで)は、演出制御用CPU120が備えるRAMの一部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態を示すデータ(後述する、確変状態フラグや時短状態フラグ)は、バックアップRAMに保存される。ただし、本実施例では、後述する時短状態移行後の変動回数をカウントするための時短後回数カウンタの値は、バックアップRAMには保存されない。
本実施例では、演出制御用CPU120と共動して演出表示装置5の表示制御を行う表示制御部123が演出制御基板12に搭載されている。表示制御部123は、演出制御用CPU120とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、表示制御部123によって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、表示制御部123は、VRAM内の画像データを演出表示装置5に出力する。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置5に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU120は、キャラクタROMから読み出したデータを表示制御部123に出力する。表示制御部123は、演出制御用CPU120から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
中継基板15から入力される演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板12において、まず、図示しない入力ドライバに入力する。中継基板15には、主基板11から入力された信号を演出制御基板12に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板12から中継基板15への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。
さらに、演出制御用CPU120は、図示しない出力ポートを介してランプ制御基板14に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU120は、出力ポートを介して音声制御基板13に対して音番号データを出力する。
ランプ制御基板14において、LEDを駆動する信号は、図示しないLEDドライバに入力される。LEDドライバは、遊技盤側に設けられている遊技効果ランプ9に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプ制御基板14に搭載される。
音声制御基板13において、音番号データは、入力ドライバを介して図示しない音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ8R,8Lに出力する。音声合成用ICに接続された音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図10に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU103は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、スイッチ回路110を介して、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22Bおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU103は、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示装置20、第1保留表示部25A、第2保留表示部25B、普通保留表示部25Cの表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bおよび普通図柄表示装置20については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。CPU103は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU103は、特別図柄プロセス処理を行う(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU103は、普通図柄表示装置20の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU103は、演出制御用CPU120に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU103は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
また、CPU103は、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22Bおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22Bおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置(図示せず)を駆動する。
本実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU103は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。CPU103は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU103は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。CPU103は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を切り替える。また、CPU103は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示装置20における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、本実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、本実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bおよび演出表示装置5にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bおよび演出表示装置5にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
本実施例では、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア5L,5C,5Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置5において、リーチ状態となった後、特殊演出が実行されて、最終的には所定の小当り図柄(例えば「135」)が停止表示されることがある。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(本実施例では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。
図3は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図3に示すように、本実施例では、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様がリーチ状態を伴わない場合に対応した変動パターンとして、短縮非リーチはずれおよび非リーチはずれが用意されている。また、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様がリーチ状態を伴う場合に対応した変動パターンとして、ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれおよび擬似連3スーパーはずれが用意されている。なお、図3に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連1ノーマルはずれを用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連2スーパーはずれを用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連3スーパーはずれを用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の変動表示を再度実行することである。また、図3に示す変動パターンのうち、短縮非リーチはずれは、非リーチはずれに対応して設けられた、非リーチはずれよりも変動時間が短い短縮用の変動パターンである。
また、図3に示すように、本実施例では、特別図柄の変動表示結果が通常大当りまたは確変大当りになる場合に対応した変動パターンとして、ノーマル当り、擬似連1当り、スーパー当り、擬似連2スーパー当り、擬似連3スーパー当りおよび特殊リーチ当りが用意されている。また、図3に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連1ノーマル当りを用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連2スーパー当りを用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連3スーパー当りを用いる場合には、再変動が3回行われる。
また、図3に示すように、本実施例では、特別図柄の変動表示結果が小当りになる場合に対応した変動パターンとして、特殊リーチ小当りが用意されている。
なお、本実施例では、図3に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連(3回)ありのスーパーリーチの場合には変動時間が40秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチの場合には変動時間が25秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示であるか、或いは、第2特別図柄の変動表示であるかに応じて変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1特別図柄や第2特別図柄ごとに、合算保留記憶数(例えば、合算保留記憶数0〜2用の変動パターン判定テーブル、合算保留記憶数3,4用の変動パターン判定テーブル等)に対応して判定値が割り当てられた別々のテーブルを用意しておき、特別図柄の種別並びに合算保留記憶数の値に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
また、本実施例では、遊技状態が通常状態である場合と時短状態である場合とで、変動時間が異なるように構成されているが(図3に示す例では、時短状態である場合には、他の変動パターンに比べて変動時間が短い「短縮非リーチはずれ」が選択される割合が、図6に示すように、高くなるように判定値が設定されている)、これに限らず、通常状態(または時短状態)であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間が異なる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が異なる)ように構成してもよい。例えば、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高くなる)ようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合を異ならせる)ようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合を異ならせる)ようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々のテーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにすればよい。
保留記憶数に応じて異なる変動パターン判定テーブルを用いるように構成するときには、例えば、表示結果がはずれであって、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルは、合算保留記憶数が0〜2である場合に用いられる変動パターン判定テーブルと比較して、リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ)となる割合が少なくなるように判定値が割り当てられる。また、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルは、他の変動パターンに比べて変動時間が短い「短縮非リーチはずれ」が選択される割合が高くなるように判定値が設定される。このことによって、合算保留記憶数が多くなるに従って平均的な変動時間を短くすることができ、変動表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。
また、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルと、合算保留記憶数が0〜2である場合に用いられる変動パターン判定テーブルとには、特定の演出(例えばスーパーリーチ)を伴う変動パターン(またはそのような変動パターンの集合)に対して、共通の判定値(例えば、950〜997など)が割り当てられる。そのため、合算保留記憶数にかかわらず(つまり用いる変動パターン判定テーブルが異なっても)、始動入賞時において、抽出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)の値さえ確認すれば、特定の演出(例えばスーパーリーチ)を伴うか否かをあらかじめ容易に判定することができる。従って、その始動入賞に対応した変動表示よりも以前に、特定の演出(例えばスーパーリーチ)を伴うことを報知することができ(例えば、その旨を示す演出制御コマンドを演出制御用CPU120に送信し、演出制御コマンドを受信した演出制御用CPU120において先読み演出等の演出を実行することによって実現される)、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、合算保留記憶数が0〜2であるか3以上であるかの2種類について、判定値の割り当てを異ならせる場合を示したが、これに限らず、例えば、合算保留記憶数に応じてさらに細かく段階的に割り当てを異ならせてもよい。この場合、例えば、合算保留記憶数が0,1用の変動パターン判定テーブルと、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用および合算保留記憶数4個用の変動パターン判定テーブルとをあらかじめ用意しておき、リーチを伴う変動パターンや短縮変動の変動パターンに対する判定値の割り当てさらに段階的に異ならせるようにしてもよい。
図4は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(3)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、本実施例では、変動パターンは、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、変動パターン判定テーブルに含まれるいずれかの変動パターンに決定する。
図10に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、本実施例では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図5(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図5(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図5(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図5(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図5(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU103は、所定の時期に、乱数回路104のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図5(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図5(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、本実施例では、図5(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、本実施例では、第1始動入賞口に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図5(D)は、ROM101に記憶されているテーブルであって、保留記憶を用いて大当り種別を決定する場合に使用される大当り種別判定テーブル131aである。
大当り種別判定テーブル131aは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
本実施例では、図5(D)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」がある。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(本実施例では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するS170,S171参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するS134参照)。
また、「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されず、時短状態にのみ移行される大当りである(後述するS167参照)。そして、時短状態に移行した後、特別図柄および演出図柄の変動表示の実行を所定回数(例えば、100回)終了するまで時短状態が維持される(後述するS142〜S145参照)。なお、本実施例では、時短状態に移行した後、所定回数の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するS134参照)。
大当り種別判定テーブル131aには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU103は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
本実施例では、所定量の遊技価値を付与する15ラウンドの大当りとなる確変大当りまたは通常大当りと決定する場合を説明するが、これら所定量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての確変大当りまたは通常大当りに加えて、該遊技価値よりも少ない量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態として、特別可変入賞球装置7の開閉パターンを小当りの開閉パターン(2ラウンド開閉パターン)と同一とした突然確変大当りを決定するようにしても良く、これら突然確変大当りが決定されたときに、特殊リーチ当りの変動パターンを決定することで、図43に示す特殊リーチの演出が実行された後においては、小当りのときも大当りのときも、同一の開閉パターンにて特別可変入賞球装置7が開放されるようにしても良い。
尚、これら2ラウンドの突然確変大当りを決定する場合においては、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで、突然確変大当りの決定割合を、例えば、第1特別図柄の方が第2特別図柄よりも高く(100対0を含む)なるようにしても良い。また、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態で付与される遊技価値の違いは、上記したようなラウンド数よる違いに限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
尚、本実施例では、大当り図柄が導出表示されることで移行する大当り遊技状態を特定遊技状態とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特定遊技状態としては、大当り遊技終了後に移行する確変状態や時短状態等であっても良い。
図6は、ROM101に記憶されている変動パターン判定テーブルを示す説明図である。変動パターン判定テーブルは、大当り種別や遊技状態などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。CPU103は、抽出したランダム3の(1〜997)の値が変動パターンごとに割り当てられたデータ(判定値)と一致した場合に、変動パターンを、一致した変動パターンの判定値に対応するパターンに決定する。なお、図6に示す例では、変動パターンごとに割り当てられる判定値の割合が示されている。例えば、通常遊技状態において変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図6の「はずれ」フィールド)においては、ランダム3の値(1〜997)に対応する判定値のうちの50%が、変動パターン「非リーチはずれ」に設定されている。つまり、図6に示す例では、変動パターン判定テーブルに設定された各値は、変動表示結果が「はずれ」、「はずれ(時短時)」、「はずれ(小当り後10回まで)」、「通常大当り/確変大当り」または「小当り時」である場合に、対応付けられた変動パターンに決定される割合を示している。尚、通常遊技状態とは、後述する遊技状態を示すフラグである確変フラグや時短フラグがいずれもセットされておらず(低確率状態で且つ低ベース状態)、大当り状態や小当り状態でもない遊技状態である。
図6に示すように、例えば、通常遊技状態において変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図6の「はずれ」フィールド)においては、複数種類の変動パターンのうち、「非リーチはずれ」と判定される割合が最も高く、「擬似連3スーパーはずれ」と判定される割合が最も低い。また、例えば、時短状態において変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図6の「はずれ(時短時)」フィールド)においては、「はずれ」フィールドとは異なり、「非リーチはずれ」と判定されることがなく、「短縮非リーチはずれ」と判定される割合が高くなるように判定値が割り当てられている。このように設定することによって、時短状態においては変動時間が短い変動パターンが選択されやすくなる。
また、その時点の遊技状態(低確率状態、低ベース状態、保留記憶数等)に関係なく、変動表示結果を「通常大当り」または「確変大当り」にする旨の判定がなされている場合(図6の「通常大当り/確変大当り」フィールド)においては、擬似連演出を伴う変動パターンのうち、「擬似連3スーパー当り」と判定される割合が最も高く、「擬似連1ノーマル当り」と判定される割合が最も低くなるように判定値が割り当てられている。すなわち、「通常大当り/確変大当り」フィールドにおいては、擬似連演出を伴う変動パターンのうち擬似連回数が多い方の変動パターンが選択されやすい。したがって、擬似連演出は、擬似連回数が多い方が、変動表示結果が大当りとなる期待度が高い。また、図6に示す例では、ノーマルリーチを伴う変動パターン(ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、ノーマル当りおよび擬似連1ノーマル当り)は、スーパーリーチを伴う変動パターン(スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ、擬似連3スーパーはずれ、スーパー当り、擬似連2スーパー当りおよび擬似連3スーパー当り)よりも、変動表示結果が「はずれ」に選択されやすい。逆に、スーパーリーチを伴う変動パターン(スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ、擬似連3スーパーはずれ、スーパー当り、擬似連2スーパー当りおよび擬似連3スーパー当り)は、ノーマルリーチを伴う変動パターン(ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、ノーマル当りおよび擬似連1ノーマル当り)よりも、変動表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」のときに選択されやすい。したがって、本実施例では、ノーマルリーチを伴う変動パターンよりもスーパーリーチを伴う変動パターンの方が、変動表示結果が大当りとなる期待度が高い。
また、図6に示す例では、その時点の遊技状態(低確率状態、低ベース状態、保留記憶数等)に関係なく、「通常大当り」または「確変大当り」にする旨の判定がなされている場合には、25%の割合にて特殊リーチ当りの変動パターンが決定される。尚、これら特殊リーチ当りの決定割合は、本実施例に限定されるものではなく、25%よりも低い割合としたり、或いは、高い割合としても良い。
また、図6に示す例では、その時点の遊技状態(低確率状態、低ベース状態、保留記憶数等)に関係なく、変動表示結果を「小当り」にする旨の判定がなされている場合(図6の「小当り」フィールド)においては、変動パターンは全て「特殊リーチ小当り」と判定される。よって、特殊リーチの演出が発生する場合には、必ず、「通常大当り」または「確変大当り」または「小当り」となる。つまり、特殊リーチの演出が実行される場合には、「通常大当り」または「確変大当り」となる場合もあれば(当り)、「小当り」となる場合(はずれ)もある。
また、図6に示す例では、いずれの遊技状体であっても小当り後10回までの変動において「はずれ」が決定されているときに変動パターンを決定するための「はずれ(小当り後10回まで)」のフィールドが設けられている。この「はずれ(小当り後10回まで)」のフィールドにおいては、図6に示すように、リーチとなる各変動パターン(ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ、擬似連3スーパーはずれ変動パターン)の決定割合が、「はずれ」のフィールドにおけるリーチとなる各変動パターン(ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ、擬似連3スーパーはずれ変動パターン)の決定割合よりも高い値が設定されていることで、小当り後10回までの変動表示においては、小当り後10回までではない変動表示よりも、リーチの変動パターンの決定割合が高くなるとともに、非リーチの変動パターンの決定割合が低くなる。
このように、本実施例では、小当りが発生したときの遊技状態に関係なく、該小当り後10回までのはずれとなる変動表示においては、後述する図24に示すように、先読み演出の実行が高い割合で決定されるリーチはずれの変動パターンの決定割合が高くなるとともに、先読み演出の実行が著しく低い(先読み演出の実行に対する割り当てが「1%」)割合で決定される非リーチはずれの変動パターンの決定割合が低くなる。よって、小当り後10回までの変動表示(はずれ)においては、小当り後10回までではない変動表示(はずれ)よりも、先読み演出の実行が決定される割合が高められることになる。尚、小当り後10回までにおいて大当りとなる場合には、小当り後10回までの変動表示であるか否かにかかわらず、先読み演出の実行が高い割合で決定されるリーチ当りの変動パターンの決定割合は同一である。よって、はずれとなる場合と大当りとなる場合とのトータルとして、小当り後10回までの変動表示においては、小当り後10回までではない変動表示よりも、先読み演出の実行が決定される割合が高められることになる。
尚、本実施例では、「はずれ(小当り後10回まで)」のフィールドを設けることで、小当り後10回までのはずれの変動表示のみについて、ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ、擬似連3スーパーはずれ変動パターンの決定割合を増やす形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、「通常大当り/確変大当り」についても、「通常大当り/確変大当り(小当り後10回まで)」のフィールドを設け、該、「通常大当り/確変大当り(小当り後10回まで)」のフィールドにおいては、ノーマル当り、擬似連1ノーマル当り、スーパー当り、擬似連2スーパー当り、擬似連3スーパー当り変動パターンの決定割合を、「通常大当り/確変大当り」のフィールドにおけるノーマル当り、擬似連1ノーマル当り、スーパー当り、擬似連2スーパー当り、擬似連3スーパー当り変動パターンの決定割合よりも高くすることで、小当り後10回までの変動表示の範囲内で大当りとなる場合においても、先読み演出の実行が決定される割合を高めるようにしても良い。
また、本実施例では、上記したように、小当り後の所定回数である10回までの変動表示について、先読み演出の実行が決定される(先読み演出の実行対象である)リーチの変動パターンの決定割合を高めることにより、先読み演出が実行される割合を高めるものを例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、リーチの変動パターンの決定割合は変更せずに、図24(A)に示す先読み演出実行決定テーブルとして、小当り後の所定回数である10回までの変動表示に対応する保留表示について使用する先読み演出実行決定テーブル(小当り後10回まで)を個別に設け、該先読み演出実行決定テーブル(小当り後10回まで)においては、先読み演出実行に対応する決定割合(判定値の割相手数)を高めることにより、変動パターンの決定割合を変更することなく、先読み演出の実行頻度を、小当り後の所定回数である10回までの変動表示について高めるようにしても良い。
図7および図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7および図8に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図3に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用CPU120は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置5において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用CPU120は、コマンド8C01(H)〜8C04(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C04(H)を表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)という。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。本実施例では、後述する入賞時判定処理(図14参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞時にいずれの変動パターンとなるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定結果コマンドのEXTデータに判定結果としての変動パターンを指定する値を設定し、演出制御用CPU120に対して送信するための制御(送信設定)を行う。
図9は、入賞時判定結果指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9に示すように、本実施例では、始動入賞時にいずれの変動パターンになると判定したとかに応じて、EXTデータに値が設定され、入賞時判定結果指定コマンドが送信される。例えば、第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞時に変動パターンが「短縮非リーチはずれ」となると判定した場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。また、例えば、第1始動入賞口または第2始動入賞口への始動入賞時に変動パターンが「特殊リーチ小当り」となると判定した場合には、EXTデータに「14(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンドがある。
コマンドA003(H)は、小当り遊技の開始を指定(通知)する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了を指定(通知)する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120は、主基板11に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ100から上述した演出制御コマンドを受信すると、図7および図8に示された内容に応じて演出表示装置5の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声制御基板13に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞があり第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する。
本実施例では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図7および図8に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)と第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行う演出表示装置5などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御用CPU120に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図11は、主基板11に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU103は、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。始動口スイッチ通過処理の後、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセット(クリア)される。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用CPU120に、表示結果指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用CPU120に、図柄確定指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置5において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド82を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用CPU120に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド82を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用CPU120に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図12は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU103は、まず、第1始動口スイッチ22Aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ22Aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ22Aがオン状態であれば、CPU103は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU103は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU103は、第1始動入賞口および第2始動入賞口への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
本実施例では、第1始動口スイッチ22Aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ22Bがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU103は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ22Aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ22Bがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図13(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図13(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口または第2始動入賞口への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口および第2始動入賞口への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM102に形成されている。
次いで、CPU103は、乱数回路104やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図13(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。なお、S1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図13(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図13(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。本実施例では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM102に形成されている。
次いで、CPU103は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時判定処理を実行する(S1217)。そして、CPU103は、第1保留記憶数カウンタの値にもとづいて第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行い、その後、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S1218)。
なお、S1218の処理を実行することによって、本実施例では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU103は、第1始動入賞口に始動入賞するごとに、必ず第1保留記憶数指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドの両方を演出制御用CPU120に対して送信する。
そして、小当り後始動入賞カウンタの値が0よりも大きいか否か、つまり、小当り後始動入賞カウンタにカウンタ値が残存しているか否かを判定する(S1219)。小当り後始動入賞カウンタの値が0よりも大きい場合、つまり、小当り後に実行される変動表示回数が10回までの範囲に該当する始動入賞である場合には、小当り後始動入賞カウンタの値を1減算更新した後(S1220)、S1222へ進む一方、小当り後始動入賞カウンタの値が0である場合、つまり、小当り後に実行される変動表示回数が10回までの範囲に該当しない始動入賞である場合には、S1220を経由することなくS1222へ進む。
なお、本実施例では、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置6Bが設けられた第2始動入賞口に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。この場合には、S1215の処理を省略可能であるとともに、図13(A)に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)が不要となる。また、この場合には、CPU103は、高ベース状態でなく(時短フラグがセットされていない場合)、大当り遊技中でないことを条件に、第1始動入賞口に始動入賞したことにもとづく入賞時判定処理(S1217)を行うようにしてもよい。すなわち、条件を満たさない場合には、入賞時判定処理(S1217)の実行を制限するようにし、特定の変動表示の表示結果が大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出(詳細については後述する)を実行させないようにしてもよい。第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成において、第2始動入賞口に始動入賞しやすい遊技状態では、第1始動入賞口に始動入賞したことにもとづく第1特別図柄の変動表示が後回しにされ続けることがあるため、先読み演出を実行しても、予告対象の変動表示がなかなか実行されない状態が生じてしまう可能性がある。しかし、入賞時判定処理(S1217)の実行を制限することで、第1始動入賞口に始動入賞したことにもとづく先読み演出を実行させないようにすることができ、そのような状態を回避することができる。また、高ベース状態や大当り遊技中に入賞時判定処理を制限することによって、大当りとなる保留記憶が記憶されていることが認識できる状態で遊技が行われることを防止することができる。なお、大当り遊技中であるか否かは、例えば、特別図柄プロセスフラグの値で確認される。その場合、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値が5〜7のいずれかであるときに大当り遊技中であると判定する。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100側では入賞時判定処理を常に行い、演出制御用CPU120側で、高ベース状態であるか否か、大当り遊技中であるか否かを判定し、先読み演出の実行を制限するようにしてもよい。
次いで、CPU103は、第2始動口スイッチ22Bがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ22Bがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ22Bがオン状態であれば、CPU103は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU103は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU103は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU103は、乱数回路104やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図13(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU103は、入賞時判定処理を実行する(S1228)。そして、CPU103は、第2保留記憶数カウンタの値にもとづいて第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行い、その後、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S1229)。
なお、S1229の処理を実行することによって、本実施例では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU103は、第2始動入賞口に始動入賞するごとに、必ず第2保留記憶数指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドの両方を演出制御用CPU120に対して送信する。
そして、S1229の処理に次いで、小当り後始動入賞カウンタの値が0よりも大きいか否か、つまり、小当り後始動入賞カウンタにカウンタ値が残存しているか否かを判定する(S1230)。小当り後始動入賞カウンタの値が0よりも大きい場合、つまり、小当り後に実行される変動表示回数が10回までの範囲に該当する始動入賞である場合には、小当り後始動入賞カウンタの値を1減算更新した後(S1231)、当該タイマ割り込みにおける始動口スイッチ処理を終了する一方、小当り後始動入賞カウンタの値が0である場合、つまり、小当り後に実行される変動表示回数が10回までの範囲に該当しない始動入賞である場合には、S1231を経由することなく当該タイマ割り込みにおける始動口スイッチ処理を終了する。
図14は、S1217,S1228の入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理では、CPU103は、まず、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。本実施例では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時判定処理を実行することによって、あらかじめいずれの変動パターンとなるか否かを先読みして確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動パターンを予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用CPU120によって大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU103は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグがセットされていれば、CPU103は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。なお、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU103は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図5(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S223)。この場合、CPU103は、第1始動入賞口への始動入賞があった場合(図12に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1217参照)を実行する場合)には、図5(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口への始動入賞があった場合(図12に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1228参照)を実行する場合)には、図5(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(S223のN)、CPU103は、小当り後始動入賞カウンタのカウンタ値が0であるか否かを判定する(S223a)。小当り後始動入賞カウンタのカウンタ値が0でなければ、S223bに進んで図6に示す変動パターン判定テーブルの「はずれ(小当り後10回まで)」フィールドを選択する。
また、小当り後始動入賞カウンタのカウンタ値が0であれば(S223aのY)、その時点の遊技状態を判定する処理を行う(S224)。本実施例では、CPU103は、S224において、遊技状態が確変状態または時短状態であるか否か(具体的には、時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にS224で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS224で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS224で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
そして、CPU103は、S224の判定結果に応じて、変動パターン判定テーブルのフィールドを選択する(S225)。具体的には、CPU103は、遊技状態が確変状態もしくは時短状態であると判定した場合には、図6に示す変動パターン判定テーブルの「はずれ(時短時)」フィールドを選択する。また、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、図6に示す変動パターン判定テーブルの「はずれ」フィールドを選択する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(S223のY)、CPU103は、図6に示す変動パターン判定テーブルの「小当り」フィールドを選択する。(S226)。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU103は、変動パターン判定テーブルの「通常大当り/確変大当り」フィールドを選択する(S228)。
次いで、CPU103は、S223b、S225,S226,S228で設定した変動パターン判定テーブルのフィールドと、S1216,S1227で抽出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)とを用いて、変動パターンを判定する(S229)。
そして、CPU103は、判定した変動パターンを入賞時判定結果指定コマンドに設定する処理を行う(S230)。具体的には、CPU103は、S229でいずれの変動パターンになると判定したかに応じて、図9に示すような「00(H)」〜「14(H)」のいずれかの値を入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
例えば、第1始動入賞口への始動入賞があった場合(図12に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(S1217参照)を実行する場合)には、S229で「非リーチはずれ」の変動パターンになると判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「02(H)」を設定する処理を行う。また、S229で「擬似連3スーパー当り」の変動パターン種別になると判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「12(H)」を設定する処理を行い、S229で「特殊リーチ当り」の変動パターン種別になると判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「13(H)」を設定する処理を行い、S229で「特殊リーチ小当り」の変動パターン種別になると判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「14(H)」を設定する処理を行う。
なお、本実施例では、保留記憶数が異なっていても同じ変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが判定されるが、保留記憶数に応じて異なる変動パターン判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合には、保留記憶数にかかわらず、例えば、ノーマルリーチやスーパーリーチなどを伴う変動パターンになるか否かを変動パターン判定用乱数(または変動パターン種別判定用乱数)から判定し、判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよいし、特定の変動パターン(例えば、特定のリーチ演出を行う変動パターンや、特定の擬似連回数の変動パターンや、特殊リーチの変動パターンなど)になると判定されたときに、判定結果を示す入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、例えば、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であるか否かを判定し、判定結果を示す入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。
図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU103は、保留特定領域(図13(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU103は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
S52〜S54の処理が実行されることによって、本実施例では、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、本実施例では、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。例えば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する場合には、S52において第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数が1以上であるか否かを確認し、1以上であればS54に移行し、0であればS53に移行するようにすればよい。
次いで、CPU103は、RAM102において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM102の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM102の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU103は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
なお、CPU103は、S56において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算すると、減算された保留記憶数カウンタのカウント値にもとづいて第1保留表示部25Aまたは第2保留表示部25Bの表示を変更する制御も行う。
そして、CPU103は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM102の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。なお、CPU103は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM102の所定の領域に保存する。
また、CPU103は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値にもとづいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU103は、第1保留記憶数指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU103は、第2保留記憶数指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU103は、始動口スイッチ通過処理のS1216やS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM101における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM101における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU103は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU103は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示装置における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセット(クリア)される。具体的には、確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセット(クリア)される。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、CPU103は、小当り判定テーブル(図5(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU103は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU103は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図5(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図5(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S62)、CPU103は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(S63)、S75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(S62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。
S71では、CPU103は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(D)に示す大当り種別判定テーブル131aを選択する(S72)。
次いで、CPU103は、選択した大当り種別判定テーブル131aを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。なお、この場合、CPU103は、始動口スイッチ通過処理のS1216やS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
また、CPU103は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM102における大当り種別バッファに設定する(S74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
次いで、CPU103は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、「通常大当り」に決定した場合には「1」または「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図16は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、変動パターン判定テーブルの「通常大当り/確変大当り」フィールドを選択し(S93)、S101に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S95)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、変動パターン判定テーブルの「小当り」フィールドを選択する(S96)。そして、S101に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU103は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S97)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセット(クリア)される。具体的には、通常大当り、確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセット(クリア)される。時短フラグがセットされていれば(S97のY)、CPU103は、変動パターン判定テーブルの「はずれ(時短時)」フィールドを選択する(S98)。そして、S101に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(S97のN)、CPU103は、小当り後変動回数カウンタの値が0よりも大きいか否か、つまり、カウンタ値が残存しているか否かを判定する(S100a)。該判定で小当り後変動回数カウンタの値が0よりも大きい場合、つまり、カウンタ値が残存している場合には、変動パターン判定テーブルの「はずれ(小当り後10回まで)」のフィールドを選択し(S100b)、小当り後変動回数カウンタの値を1減算更新した後(S100c)、S101に移行する。
また、S100aの判定で「No」、つまり、小当り後変動回数カウンタの値が0である場合には、変動パターン判定テーブルの「はずれ」フィールドを選択する(S99)。そして、S101に移行する。
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し(S101)、S93、S96、S98、S99またはS100bの処理で選択した変動パターン判定テーブルのフィールドを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。
次いで、CPU103は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S103)。また、CPU103は、特別図柄ポインタが示す図柄変動指定コマンドを、演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S104)。
また、特別図柄の変動を開始する(S105)。例えば、S33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM102に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S106)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S107)。
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用CPU120に図柄確定指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S140に移行する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセット(クリア)し(S134a)、小当り後変動回数カウンタ並びに小当り後始動入賞カウンタのカウンタ値をクリア(0をセット)する(S134b)。
そして、演出制御用CPU120に大当り開始指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りのいずれであるかは、RAM102に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、CPU103は、演出制御用CPU120に通常状態指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S136)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、15回)をセットする(S138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S139)。
S140では、CPU103は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する。確変フラグがセットされていなければ、CPU103は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S141)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態をともなわず、時短状態にのみ制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S142)。
次いで、CPU103は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(S144)、時短フラグをリセット(クリア)する(S145)。また、CPU103は、演出制御用CPU120に対して通常状態指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S146)。
次いで、CPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S147)。小当りフラグがセットされていれば、CPU103は、演出制御用CPU120に小当り開始指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(例えば、小当りおいて演出表示装置5に表示する図43(G)の演出を実行する時間)に相当する値を設定する(S149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(S150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(S308)に対応した値に更新する(S151)。
小当りフラグもセットされていなければ(S147のN)、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S152)。
図18は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセット(クリア)し(S161)、大当り終了指定コマンドを送信するための制御(送信設定)を行う(S162)。ここで、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S163)、当該タイマ割り込みにおける大当り終了処理を終了する。
S164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(S165のY)、CPU103は、大当りの種別が確変大当りであるか否かを確認する(S166)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りでなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU103は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(S167)。また、CPU103は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(S168)。また、CPU103は、時短状態指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S169)。そして、S173に移行する。
確変大当りであれば、CPU103は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(S170)。また、CPU103は、時短フラグをセットする(S171)。また、CPU103は、確変状態指定コマンドを演出制御用CPU120に送信するための制御(送信設定)を行う(S172)。そして、S173に移行する。
なお、本実施例では、S167,S171でセットした時短フラグは、可変入賞球装置6Bの開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU103は、普通図柄プロセス処理(S27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置6Bを開放する制御を行う。また、S167,S171でセットした時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S173)。
図19は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU103は、小当り終了表示タイマが設定されて動作中であるか否かを確認し(ステップS180)、小当り終了表示タイマが動作中である(設定されている)場合には、ステップS184に移行する。小当り終了表示タイマが動作中でない(設定されていない)場合には、小当りフラグをリセット(クリア)し(ステップS181)、小当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS182)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置5において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS183)、当該タイマ割り込みにおける小当り終了処理を終了する。
ステップS184では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU103は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S185)。経過していなければ当該タイマ割り込みにおける小当り終了処理を終了する。
小当り終了表示時間を経過していれば(S185のY)、CPU103は、その時点の遊技状態に関係なく、小当り後変動回数カウンタに10をセットする(S186)。そして、その時点における合計保留記憶数を特定し、特定した合計保留記憶数と小当り後変動回数(10回)とに基づいて小当り後始動入賞カウンタにセットする始動入賞数を特定する(S187)。具体的には、当該小当り状態の終了時点における合計保留記憶数が3であった場合、つまり、小当り後に3回の変動表示が実行される保留記憶が既に記憶されている場合には、10回から3回を減じた7を小当り後始動入賞カウンタにセットする始動入賞数として特定する。
尚、本実施例では、小当り後変動回数カウンタに10をセットするS186の処理を、小当りが発生したときの遊技状態に関係なく実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当りが発生したときの遊技状態に応じてS186の処理を実行する場合と実行しない場合とがあっても良い。具体的には、小当りが発生したときの遊技状態が、確変フラグも時短フラグもセットされていない通常遊技状態であるときには、S186の処理を実行して小当り後変動回数カウンタに10をセットし、小当りが発生したときの遊技状態が時短フラグのセットされている高ベース状態(確変状態を含む)であるときには、S186の処理を実行しないことで小当り後変動回数カウンタに10をセットしないようにして、小当りの発生前と発生後とで、変動パターンの決定状況が変化しないようにしても良い。
そして、S187において特定した始動入賞数を小当り後始動入賞カウンタにセットした後(S188)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS192)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図20は、演出制御基板12に搭載されている演出制御手段としての演出制御用CPU120が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグのセットやデータを格納する処理等を行う(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御や、音声制御基板13やランプ制御基板14への制御指示の出力制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
図21〜図22は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板11から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド受信バッファは、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(S612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S621)、演出制御用CPU120は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S622)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S623)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S625)、演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S626)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S627)、演出制御用CPU120は、図柄確定コマンド受信フラグをセットする(S628)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU120は、その第1保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第1保留記憶数として第1保留記憶数保存領域に格納する(S652)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数指定コマンドであれば(S654)、演出制御用CPU120は、その第2保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第2保留記憶数として第2保留記憶数保存領域に格納する(S655)。
次いで、受信した演出制御コマンドがいずれかの入賞時判定結果指定コマンドであれば(S664)、演出制御用CPU120は、受信した入賞時判定結果指定コマンドに応じた入賞時判定結果を図21(A)に示す入賞時判定結果記憶バッファにおいて合算保留記憶数に対応する番号の領域に保存し(S665)、先読み演出決定処理を行う(S671)。
なお、本実施例では、合算保留記憶数は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数と、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数とを合算することで求められる。第1保留記憶数は、第1保留記憶数指定コマンドを受信した後に、S652において更新され、第2保留記憶数は、第2保留記憶数指定コマンドを受信した後に、S655において更新されるため、合算保留記憶数も同じタイミングで更新される。また、入賞時判定結果指定コマンドは、始動口スイッチ通過処理のS1218においては、第1保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信され、S1229においては、第2保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信される。そのため、演出制御用CPU120は、合算保留記憶数を更新した後に、入賞時判定結果指定コマンドを受信する。なお、演出制御用CPU120は、S665の処理で、例えば、入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータから特定される入賞時判定結果を入賞時判定結果バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた保存領域にセットする。尚、2バイト目のデータから特定される入賞時判定結果ではなく、2バイト目のデータ自体を、入賞時判定結果を特定可能なデータとして記憶するようにしても良い(図9参照)。また、入賞時判定結果バッファにセットされたデータは、後述する演出図柄変動開始処理(S1800の処理が実行されるタイミングなど)において、先にセットされたものから順に削除される。
図22(A)は、入賞時判定結果を保存する入賞時判定結果記憶バッファの構成例を示す説明図である。図22(A)に示すように、本実施例では、入賞時判定結果記憶バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた8個の保存領域が確保されている。各保存領域には、入賞時判定結果(入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータでも良い)と、先読み演出の対象保留記憶であることを示す先読み対象フラグと、保留表示の表示態様を示す表示態様フラグと、がそれぞれ記憶可能となっている。
先読み対象フラグは、「0」がセットされている場合は、当該保留記憶が先読み演出の対象でないことを示し、「1」がセットされている場合は、当該保留記憶が先読み演出の対象であること示す。また、表示態様フラグは、「0」がセットされている場合は、当該保留記憶に対応する保留表示が通常態様(本実施例では「○」)で表示されていることを示し、「1」がセットされている場合は、当該保留記憶に対応する保留表示が特殊態様(本実施例では「○」の外側に6本の線が描かれている)で表示されていることを示し、「2」がセットされている場合は、当該保留記憶に対応する保留表示が第1特別態様(本実施例では「○」内にバツが含まれる)で表示されていることを示し、「3」がセットされている場合は、当該保留記憶に対応する保留表示が第2特別態様(本実施例では「○」内に2重バツが含まれる)で表示されていることを示す。
なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、いずれの入賞時判定結果であるかを区別するために、第1始動入賞口への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第1入賞時判定結果記憶バッファと、第2始動入賞口への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第2入賞時判定結果記憶バッファとを用意するようにしてもよい。この場合には、第1入賞時判定結果記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されていれば良く、また、第2入賞時判定結果記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されていれば良い。また、この場合には、第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファには、受信した入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータが記憶される。なお、入賞時判定結果記憶バッファ(第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファ)は、演出制御用CPU120が備えるRAMに形成されれば良い。
また、受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S683)。そして、S611に移行する。
次に、先読み演出について説明する。先読み演出とは、演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行され、演出の対象となる変動表示が大当りまたは小当りとなることや特定の変動(例えば、リーチ演出を含むなど)となることを予告する予告演出のことである。本実施例では、先読み演出として、合算保留記憶表示部5Dにおいて、予告対象となる変動表示(保留記憶)に対応する保留表示が、通常の表示態様(以下、通常態様)とは異なる表示態様(特殊態様または第1特別態様もしくは第2特別態様)で表示される保留変化演出と、演出表示装置5の背景が変化する背景変化演出のいずれかの演出が行われる。
図23は、先読み演出決定処理を示すフローチャートである。先読み演出決定処理において、演出制御用CPU120は、先ず、保留変化フラグまたは背景変化フラグがセットされているか否かを判定する(S67101)。
保留変化フラグまたは背景変化フラグが既にセットされていれば、演出制御用CPU120は、S67105fに移行し、当該処理の対象の(最新の)始動入賞に対応する新たな保留表示を合算保留記憶表示部5Dに通常態様で表示する。例えば、合算保留記憶表示部5Dの1つ目〜5つ目の保留表示が表示されていた場合には、演出制御用CPU120は、6つ目の保留表示を通常態様で表示するように制御した後、当該タイマ割り込みにおける先読み演出決定処理を終了する。
尚、保留変化フラグまたは背景変化フラグは、後述するS67105dの保留変化演出設定処理またはS67105eの背景変化演出設定処理においてセットされる。ここでセットされた保留変化フラグおよび背景変化フラグは、先読み演出のターゲットとなった変動表示についての演出図柄変動停止処理(後述の図34)のS854b及びS854cでリセット(クリア)される。すなわち、当該S67101では、演出制御用CPU120が保留変化フラグまたは背景変化フラグがセットされていることを確認することで、この時点での保留記憶のなかに、先読み演出である保留変化演出または背景変化演出のいずれかを実行することになっている保留記憶が含まれないことを確認している。
このように、本実施例では、保留変化演出を実行することが決定されてから該保留変化演出のターゲットとなる変動表示が終了するまでは、新たに保留変化演出を実行することに決定されず且つ新たに背景変化演出を実行することに決定されないように制限している。また、背景変化演出を実行することが決定されてから該背景変化演出のターゲットとなる変動表示が終了するまでは、新たに保留変化演出を実行することに決定されず且つ新たに背景変化演出を実行することに決定されないように制限している。そして、先読み演出である保留変化演出及び背景変化演出のいずれも実行することになっていなかった場合には、以下で説明するように、最新の始動入賞について、保留変化演出または背景変化演出を実行するか否か、及び実行する場合にはその態様等を決定する処理を実行する。
保留変化フラグ及び背景変化フラグのいずれもセットされていなかった場合には(S67101のN)、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する、当該処理の対象の(最新の)始動入賞より前(過去)の入賞時判定結果(今回受信した入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果を除く)を全て抽出する(S67102)。次いで、演出制御用CPU120は、抽出した入賞時判定結果がすべて「非リーチ」であるか否かを確認する(S67103)。本実施例では、演出制御用CPU120は、当該S67103において、抽出した入賞時判定結果が、全て、「短縮非リーチはずれ」または「非リーチはずれ」の変動パターンであるか否かを判定する(すなわち、リーチを伴わないはずれの変動表示となるか否かを確認する)。抽出した入賞時判定結果のうち少なくとも1以上のコマンドが「非リーチ」を示していなければ(S67103でN)、当該処理の対象の(最新の)始動入賞に対応する新たな保留表示を合算保留記憶表示部5Dに通常態様で表示し(S67105f)、先読み演出決定処理を終了する。
すなわち、S67102及びS67103では、入賞時判定結果記憶バッファに格納された入賞時判定結果のうちの当該処理の対象の(最新の)始動入賞より前(過去)の入賞時判定結果に、リーチ演出を伴う変動表示となるものが含まれていた場合には、当該処理の対象の変動表示に対して、保留変化演出及び背景変化演出をいずれも実行しないこととするための処理を行っている。すなわち、本実施例では、リーチ演出を伴う変動表示が行われる保留記憶がある場合には、新たに受信した入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて先読み演出を実行しないように構成されている。なお、図23に示す例に限らず、リーチ演出を伴う変動表示が行われる保留記憶がある場合であっても、新たに受信した入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて先読み演出を実行するようにしてもよい。
S67102で抽出した入賞時判定結果指定コマンドが、すべて「非リーチ」を示している場合は(S67103でY)、演出制御用CPU120は、当該処理の対象の(最新の)始動入賞に対応する入賞時判定結果に基づいて、先読み演出実行決定テーブル(図29)を参照して、先読み演出を実行するか否かを決定する(S67104)。
S67102で抽出した入賞時判定結果指定コマンドが、すべて「非リーチ」を示している場合は(S67103でY)、演出制御用CPU120は、当該処理の対象の(最新の)始動入賞に対応する入賞時判定結果に基づいて、先読み演出実行決定テーブル(図24(A))を参照して、先読み演出を実行するか否かを決定する(S67104)。
図24(A)は、先読み演出実行決定テーブルを示す説明図である。先読み演出実行決定テーブルには、入賞時判定結果ごとに決定事項(「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」)に対応する判定値が割り当てられているが、図24(A)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU120は、例えば、先読み演出を実行するか否かを決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項(「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」)に決定する。したがって、図24(A)に示す例では、各入賞時判定結果における「先読み演出を実行する」と「先読み演出を実行しない」とに対応する数値は、決定事項として「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」が選択される割合(%)を示している。
なお、本実施例では、図24(A)に示す先読み演出実行決定テーブルの他に、図24(B)に示す最終表示態様決定テーブル、図26に示す先読み演出パターン決定テーブル、図27に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルおよび図28に示す示唆演出態様決定テーブル、図29(A)に示す背景態様決定テーブルについても、実際には判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために割り当てられた判定値の割合が示されている。また、それらのテーブルが用いられる後述するS67106、S67107、S67108、S67110、S67115、およびS67206においても、S67104と同様に、演出制御用CPU120は、例えば、最終表示態様、先読み演出パターン、変化タイミング(シフト回数)、示唆演出の演出態様、または背景態様を決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている事項に決定する。
S67104では、演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果にもとづいて、図24(A)に示す先読み演出実行決定テーブルにおいて入賞時判定結果ごとに定められた割合で、先読み演出を実行するか否かを決定する。例えば、入賞時判定結果で「短縮非リーチはずれ」であることが示されているときには、演出制御用CPU120は、100%の割合で先読み演出を実行しないと決定する(すなわち、常に先読み演出を実行しない)。また、例えば、入賞時判定結果で「擬似連3スーパー当り」であることが示されているときには、演出制御用CPU120は、99%の割合で先読み演出を実行すると決定する。また、入賞時判定結果で「特殊リーチ当り」であることが示されているときには、70%の割合で先読み演出を実行すると決定する。また、入賞時判定結果で「特殊リーチ小当り」であること、つまり小当りであることが示されているときには、30%の割合で先読み演出を実行すると決定する。
図24(A)に示す先読み演出実行決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)に比べて、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果13指定に相当)の方が、先読み演出(保留変化演出または背景変化演出)が実行される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。また、図24(A)に示す先読み演出実行決定テーブルにおいて特徴的なことは、同じ表示結果であっても、期待度が高いリーチ演出が行われる方が(例えばノーマルリーチよりもスーパーリーチが行われる方が)、先読み演出が実行される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、先読み演出が実行されたときには、先読み演出が実行されないときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることや、大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われる割合を高くすることができる。したがって、先読み演出が実行されることに対して、遊技者に期待感を持たせることができる。
なお、図24(A)に示す例では、入賞時判定結果指定コマンドが「非リーチはずれ」を示している場合にも1%の割合で先読み演出を実行すると決定されるが、「非リーチ」(「短縮非リーチはずれ」または「非リーチはずれ」)の場合には、先読み演出を実行すると決定されないようにしてもよい。また、図24(A)に示す例では、入賞時判定結果指定コマンドが示す変動パターンごとに先読み演出を実行するか否かを決定するための判定値(割合)が設定されているが、例えば、表示結果ごと(例えば、「はずれ」、「通常大当り」もしくは「確変大当り」もしくは「小当り」)に先読み演出を実行するか否かを決定するための判定値(割合)が設定されていてもよい。
S67104の後、演出制御用CPU120は、先読み演出を実行すると決定したか否かを確認する(S67105)。先読み演出を実行すると決定した場合には(S67105でY)、S67105aに移行する。一方、先読み演出を実行しないと決定した場合には(S67105でN)、演出制御用CPU120は、合算保留記憶表示部5Dにおいて、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(S67105f)。
S67105aでは、演出制御用CPU120は、先読み演出の対象となる保留表示を特定するための演出用合算保留記憶数カウンタに、合計保留記憶数をセットする(S67105a)。演出用合算保留記憶数カウンタの値は、後述の演出図柄変動開始処理のS1804またはS1814において1減算され、S1811およびS1812において、先読み演出の対象となる保留表示を特定するために用いられる。例えば、先読み演出として保留変化演出を実行するとき、演出用合算保留記憶数カウンタの値が4である場合には、合算保留記憶表示部5Dの4つ目の保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出が実行される。なお、本実施例では、合算保留記憶数は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数と、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数とを合算することで求められる。第1保留記憶数は、第1保留記憶数指定コマンドを受信した後に、コマンド解析処理のS652において更新され、第2保留記憶数は、第2保留記憶数指定コマンドを受信した後に、コマンド解析処理(図26)のS655において更新されるため、合算保留記憶数も同じタイミングで更新される。また、入賞時判定結果指定コマンドは、始動口スイッチ通過処理(図12)のS1218においては、第1保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信され、S1229においては、第2保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信される。そのため、演出制御用CPU120は、合算保留記憶数を更新した後に、入賞時判定結果指定コマンドを受信する。
S67105aの後、入賞時判定結果記憶バッファにおける当該処理の対象の(最新の)始動入賞に対応する先読み対象フラグのデータに、先読み対象であることを示す「1」をセットする(S67105a+)。
そして演出制御用CPU120は、先読み演出種別決定用テーブルにもとづいて、先読み演出として保留変化演出または背景変化演出のいずれの種別を実行するかを決定する(S67105b)。本実施例では、演出制御用CPU120は、図23中で示すように、合算保留記憶数に応じて、保留変化演出を実行することに決定する割合と背景変化演出を実行することに決定する割合とを異ならせている。具体的には、演出制御用CPU120は、(1)合算保留記憶数が2以上の場合は、60%の割合で保留変化演出を実行することに決定し、40%の割合で背景変化演出を実行することに決定し、(2)合算保留記憶数が1の場合は、100%の割合で保留変化演出を実行することに決定する。なお、先読み演出種別決定用テーブルについても、実際には判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために割り当てられた判定値の割合が示されている。また、先読み演出種別決定用テーブルが用いられるときには、演出制御用CPU120は、例えば、先読み演出の種別を決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている事項に決定する。
このように、合算保留記憶数が1の場合には、背景変化演出は実行されず、保留変化演出のみが実行されうるが、これは、この実施形態における背景変化演出が、始動入賞時に背景変化演出を実行すると決定された場合に、その直後に実行される変動表示から背景を変化させるようになっているためである。すなわち、合算保留記憶数が1の場合には、その直後に実行される変動表示がターゲットとなるため、ターゲットの変動表示が実行されるよりも前に大当りの可能性やスーパーリーチの可能性を背景変化演出によって予告することができないためである。
なお、この本実施例では、始動入賞時に背景変化演出を実行することに決定された場合に、その次に実行される変動表示から背景画像を第1背景態様または第2背景態様に変化させる例について説明したが、このような形態に限らず、始動入賞時に背景変化演出を実行することに決定された場合に、当該始動入賞時に実行されている変動表示の背景を第1背景態様または第2背景態様に変化させるようにしても良い。すなわち、合算保留記憶数が1の場合であっても背景変化演出を実行可能としても良い。
次いで、演出制御用CPU120は、上記の処理で、保留変化演出と背景変化演出のどちらを実行することに決定されたかを確認する(S67105c)。保留変化演出を実行すると決定していた場合は(S67105cでY)、演出制御用CPU120は、保留変化演出設定処理を実行する(S67105d)。一方、保留変化演出ではなく、背景変化演出を実行すると決定していた場合は(S67105cでN)、演出制御用CPU120は、背景変化演出設定処理を実行し(ステップS67105e)、その後、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(S67105f)。
図25は、保留変化演出設定処理(先読み演出決定処理(図23)のS67105dの処理)を示すフローチャートである。保留変化演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、最新の保留記憶に対応する保留表示(予告対象となる変動表示(保留記憶)に対応する保留表示)を、最終的にどの表示態様で表示するかを決定する(S67106)。本実施例では、保留表示の表示態様として、通常態様の他に、特殊態様、第1特別態様および第2特別態様が設けられている。ただし、後述するように、特殊態様で表示された保留表示は、その保留表示に対応する保留記憶にもとづく変動表示が開始されるまでの期間に、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。このS67106では、演出制御用CPU120は、最終的な表示態様を第1特別態様または第2特別態様のいずれかに決定し、最終表示態様に変化させる前に特殊態様で表示するか否かについては後述の処理(S67107の先読み演出パターンを決定する処理)で決定する。なお、以下の説明では第1特別態様と第2特別態様とを特別態様と総称することがある。
図24(B)は、最終表示態様決定テーブルを示す説明図である。S67106において、演出制御用CPU120は、図24(B)に示す最終表示態様決定テーブルを用いて、最新の保留記憶に対応する保留表示を、最終的にどの表示態様で表示するか(以下、最終表示態様ともいう)を決定する。具体的には、抽出した最新の入賞時判定結果に基づいて、最終表示態様決定テーブルにおいて入賞時判定結果が示す変動表示の表示結果ごとに定められた割合で、最終表示態様を決定する。例えば、入賞時判定結果指定コマンドが示す変動表示の表示結果が「はずれ」であることが示されている場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)には、演出制御用CPU120は、80%の割合で最終表示態様を第1特別態様に決定し、20%の割合で最終表示態様を第2特別態様に決定する。また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「通常大当り」(特殊リーチ当り以外)または「確変大当り」(特殊リーチ当り以外)であることが示されている場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)には、演出制御用CPU120は、20%の割合で最終表示態様を第1特別態様に決定し、80%の割合で最終表示態様を第2特別態様に決定する。また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「通常大当り」(特殊リーチ当り)または「確変大当り」(特殊リーチ当り)であることが示されている場合(入賞時判定結果13指定に相当)には、演出制御用CPU120は、50%の割合で最終表示態様を第1特別態様に決定し、50%の割合で最終表示態様を第2特別態様に決定する。また、例えば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「小当り」(特殊リーチ小当り)であることが示されている場合(入賞時判定結果14指定に相当)には、演出制御用CPU120は、50%の割合で最終表示態様を第1特別態様に決定し、50%の割合で最終表示態様を第2特別態様に決定する。
図24(B)に示す最終表示態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)に比べて、表示結果が「通常大当り」(特殊リーチ当り以外)または「確変大当り」(特殊リーチ当り以外)である場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)の方が、第2特別態様に決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、保留表示が第2特別態様で表示されたときには、第1特別態様で表示されたときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることができる。すなわち、このような特徴によれば、第1特別態様よりも第2特別態様で表示された方が大当りとなる期待度を高くすることができ、保留変化演出が実行されたときに、保留表示がどの表示態様で表示されるかについて遊技者に興味を持たせることができる。
なお、図24(B)に示す例では、入賞時判定結果指定コマンドで示される表示結果ごと(「はずれ」、「通常大当り」(特殊リーチ当り以外)もしくは「確変大当り」(特殊リーチ当り以外)、「通常大当り」(特殊リーチ当り)もしくは「確変大当り」(特殊リーチ当り)、「小当り」)に最終表示態様を決定するための判定値(割合)が設定されているが、例えば、図24(A)の先読み演出実行決定テーブルと同様に、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターンごとに、最終表示態様を決定するための判定値(割合)がそれぞれ設定されていてもよい。そのようにすることで、保留表示が第2特別態様で表示されたときに、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることに加え、またはこれに代えて、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も高くすることができる。
また、本実施例では、最終表示態様として第1特別態様と第2特別態様との2種類の表示態様が設けられているが、これに限らず、3種類以上の表示態様を設け、それぞれ期待度が異なる(表示結果に応じて選択される割合が異なる)ようにしてもよい。
上記のS67106の処理によって最新の保留記憶に対応する保留表示の最終表示態様が決定されたら、演出制御用CPU120は次に、保留変化演出の演出パターン(以下、先読み演出パターンともいう)を決定する(S67107)。
本実施例では、保留変化演出の先読み演出パターンとして、第1先読み演出パターンと第2先読み演出パターンとが設けられている。第1先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示(保留記憶)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、第1特別態様または第2特別態様で表示される。なお、第1先読み演出パターンは、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示(保留記憶)に対応する保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されるものと、予告対象の変動表示(保留記憶)が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示(保留記憶)に対応する保留表示が通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるものとを含む。一方、第2先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで、一旦特殊態様で表示された後、その予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。
保留表示のシフトタイミングとは、後述する演出図柄変動開始処理(図31)において、合算保留記憶表示部5Dにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部5Dにおける合算保留記憶数表示を更新するタイミング(具体的には、演出図柄変動開始処理(図31)のS1800が実行されるタイミング)である。例えば、合算保留記憶表示部5Dの1つ目〜5つ目の保留表示が表示されていた場合に、シフトタイミングで1つ目の保留表示が消去されるとともに、2つ目に表示されていた保留表示が1つ目の表示領域にシフトされ、3つ目に表示されていた保留表示が2つ目の表示領域にシフトされ、4つ目に表示されていた保留表示が3つ目の表示領域にシフトされ、5つ目に表示されていた保留表示が4つ目の表示領域にシフトされる。
図26は、先読み演出パターン決定テーブルを示す説明図である。S67107において、演出制御用CPU120は、先読み演出パターン決定テーブルと合計保留記憶数とにもとづいて、保留変化演出の先読み演出パターンを決定する。具体的には、演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果が、入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果14指定に対応する入賞時判定結果(「通常大当り」、「確変大当り」または「小当り」)である場合、図26(A)に示す当り時先読み演出パターン決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU120は、図31(A)に示す当り時先読み演出パターン決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンと第2先読み演出パターンとのいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」である場合(すなわち、入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定の場合)、図26(B)に示す当り時先読み演出パターン決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU120は、図26(B)に示すはずれ時先読み演出パターン決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンと第2先読み演出パターンとのいずれかに決定する。
例えば、入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「小当り」)であり、合計保留記憶数が2である場合には、演出制御用CPU120は、先読み演出パターンを、35%の割合で第1先読み演出パターンに、65%の割合で第2先読み演出パターンに決定する。また、例えば、入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」であり、合計保留記憶数が2である場合には、演出制御用CPU120は、先読み演出パターンを、65%の割合で第1先読み演出パターンに、35%の割合で第2先読み演出パターンに決定する。
図26に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、変動表示の表示結果が「はずれ」である場合に比べて、変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「小当り」)である場合の方が、第2先読み演出パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第2先読み演出パターンで保留変化演出が行われたとき(すなわち始動入賞時に保留表示が一旦特殊態様で表示され、その後、特別態様に変化して表示されるとき)には、第1先読み演出パターンで保留変化演出が行われたとき(すなわち保留表示が一旦特殊態様で表示されることなく特別態様で表示されたとき)に比べて、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができる。また、変動表示の表示結果が「通常大当り」(特殊リーチ以外)または「確変大当り」(特殊リーチ以外)の場合には、最終表示態様が第2特別態様に決定される割合が高いため、第2先読み演出パターンで保留変化演出が行われたとき(すなわち始動入賞時に保留表示が特殊態様で表示され、その後、特別態様に変化して表示されるとき)には、特殊態様で表示された保留表示が、第1特別態様よりも大当りとなる期待度が高い第2特別態様に変化する割合が高くなる。したがって、保留変化演出がどの先読み演出パターンで実行されるかについて着目させることができる。また、第2先読み演出パターンで保留変化演出が行われたとき(すなわち始動入賞時に保留表示が特殊態様で表示されたとき)には、特殊態様で表示された保留表示が第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様に変化しやすいため、期待感を高めることができ、遊技興趣を向上させることができる。また、本実施例では、一旦特殊態様で表示された保留表示は、その保留表示(保留記憶)に対応する変動表示が開始されるまでに、第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるため、保留表示が特殊態様で表示されてから特別態様に変化するまで、遊技者の期待感を持続させることができる。
また、図26に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、合算保留記憶数が1の場合には、第2先読み演出パターンに決定されないように判定値が設定されていることである。本実施例では、第2先読み演出パターンにおいて、始動入賞時に一旦特殊態様で表示された保留表示を、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示させるタイミングは、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングである。しかし、合算保留記憶数が1の場合(すなわち予告対象の変動表示に対応する保留表示のみが表示される場合)には、保留表示のシフトが1回行われると、予告対象の変動表示に対応する保留表示は消去されてしまう。そのため、合算保留記憶数が1の場合には、シフトタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させることができない。したがって、図26に示すように、合算保留記憶数が1の場合には、第2先読み演出パターンに決定されないように判定値が設定されている。
なお、本実施例では、説明を簡略化するために、第1先読み演出パターンにおいて、保留表示が通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるタイミングと、第2先読み演出パターンにおいて、保留表示が特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるタイミングとを、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングとしているが、これに限らず、他のタイミングであってもよい。例えば、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される変動表示中(1つの変動表示または複数の変動表示にまたがった期間)の任意のタイミングで表示態様を変化させるようにしてもよい。この場合には、例えば、合計保留記憶数が1の場合にも、第2先読み演出パターンに決定可能とし、始動入賞時に保留表示を特殊態様で表示し、その保留表示(保留情報)に対応する変動表示が開始されるまでに特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示させるようにしてもよい。
なお、図26に示す例では、入賞時判定結果で示される表示結果が当りの場合(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「小当り」)と、「はずれ」の場合とに対応する先読み演出パターン決定テーブルがそれぞれ設けられているが、例えば、表示結果が当りであっても、「通常大当り」または「確変大当り」の場合と、「小当り」の場合とで、異なる割合でいずれかの先読み演出パターンに決定する先読み演出パターン決定テーブルを設けるようにしてもよい。また、例えば、図24(A)の先読み演出実行決定テーブルと同様に、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターンごとに、異なる割合でいずれかの先読み演出パターンに決定する先読み演出パターン決定テーブルを設けるようにしてもよい。そのようにすることで、保留変化演出が第1先読み演出パターンで実行されたときに、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることの他に、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も高くすることができる。
先読み演出パターンを決定した後(保留変化演出設定処理(図25)のS67107の後)、演出制御用CPU120は、予告対象の変動表示(保留記憶)に対応する保留表示の表示態様を変化させる変化タイミング(本例では、保留表示のシフト回数)を決定し、決定した変化タイミング(シフト回数)を、変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタにセットする(S67108)。本実施例では、予告対象の変動表示(保留記憶)に対応する保留表示の表示態様が変化するタイミングは、任意の保留表示のシフトタイミングである。したがって、変化タイミング(シフト回数)を決定することによって、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して何回目のシフトが行われるタイミングで表示態様を変化させるかが決定される。例えば、変化タイミング(シフト回数)を2と決定すると、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して2回目のシフトが行われるタイミングで、その保留表示の表示態様を変化させる。
図27は、変化タイミング決定テーブルを示す説明図である。上述のS67108において、演出制御用CPU120は、変化タイミング決定テーブルと合計保留記憶数とに基づいて、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を決定する。具体的には、演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「小当り」)であり(すなわち、入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果14指定の場合)、S67107で決定した先読み演出パターンが第1先読み演出パターンである場合に、図27(A)に示す当り時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU120は、図27(A)に示す当り時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
なお、図27に示す例において、変化タイミング(シフト回数)が0であるということは、始動入賞のタイミングで保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されることである。始動入賞のタイミングで第1特別態様または第2特別態様で保留表示を表示させる場合には、例えば、新たな保留表示を最初から第1特別態様または第2特別態様で表示することによって実現してもよいし、新たな保留表示を一旦通常態様で表示し、直後に第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することによって実現してもよい。
また、演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」であり(すなわち、入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定の場合)、S67107で決定した先読み演出パターンが第1先読み演出パターンである場合に、図27(B)に示すはずれ時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU120は、図27(B)に示すはずれ時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「小当り」)であり(すなわち、入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果14指定の場合)、S67107で決定した先読み演出パターンが第2先読み演出パターンである場合に、図27(C)に示す当り時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU120は、図27(C)に示す当り時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU120は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」であり(すなわち、入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定の場合)、S67107で決定した先読み演出パターンが第2先読み演出パターンである場合に、図27(D)に示すはずれ時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU120は、図27(D)に示すはずれ時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
例えば、当り時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU120は、50%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)と決定し、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、20%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。また、はずれ時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU120は、20%の割合で変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)と決定し、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、50%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。
また、例えば、当り時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU120は、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、70%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。また、はずれ時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU120は、70%の割合で変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、30%の割合で変化タイミング(シフト回数)を2と決定する。
図27に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて特徴的なことは、第1先読み演出パターンの場合には、変動表示の表示結果が「はずれ」である場合に比べて、変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「小当り」)である場合の方が、シフト回数が少ない変化タイミングに決定する割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第1先読み演出パターンで保留変化演出が行われるとき(すなわち保留表示が一旦特殊態様で表示されることなく特別態様で表示されるとき)には、保留表示がより少ないシフト回数で通常態様から特別態様に変化した方が、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができ、さらに始動入賞時(シフト回数0)に特別態様で表示された方が、より当りが発生する割合を高くすることができる。これによって、保留表示が変化するタイミングに関心を持たせることができ、遊技興趣を高めることができる。
また、図27に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて特徴的なことは、第2先読み演出パターンの場合には、変動表示の表示結果が「はずれ」である場合に比べて、変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「小当り」)である場合の方が、シフト回数が多い変化タイミングに決定する割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第2先読み演出パターンで保留変化演出が行われるとき(すなわち始動入賞時に保留表示が一旦特殊態様で表示され、その後、特別態様に変化されるとき)には、特殊態様で表示された保留表示がより多くのシフト回数で(つまり多くのシフトが行われた後に)特別態様に変化した方が、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができる。すなわち、保留表示が特殊態様で表示されてから特別態様に変化するまでの期間が長くなるほど(つまり変化のタイミングが遅くなるほど)、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、保留表示を複数のタイミングで変化させることができるとともに、特殊態様で表示された保留表示が変化するタイミングに注目させることができ、遊技興趣を高めることができる。
なお、本実施例では、説明を簡略化するために、保留表示の表示態様を変化させるタイミングを、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングとしているが、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のタイミングで表示態様を変化可能とする場合には、例えば、変化させるタイミング(特定のシフトタイミングや特定の変動表示中など)を特定可能な複数種類の変化タイミングパターンを設け、入賞時判定結果指定コマンドに応じていずれかを選択するようにしてもよい。
また、図27に示す例では、第1先読み演出パターンの場合にはシフト回数が少ない方(つまり変化のタイミングが早いほど)が有利になり、第2先読み演出パターンの場合にはシフト回数が多い方(つまり変化のタイミングが遅いほど)が有利になるように設定されているが、遊技者にわかりやすくするため、例えば、第1先読み演出パターンの場合にもシフト回数が多い方(つまり変化のタイミングが遅いほど)が有利になるように設定してもよい。また、例えば、第2先読み演出パターンの場合にもシフト回数が少ない方(つまり変化のタイミングが早いほど)が有利になるように設定してもよい。
また、図27に示す例では、入賞時判定結果指定コマンドで示される表示結果が当りの場合(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「小当り」)と「はずれ」の場合とに対応する先読み演出パターン決定テーブルがそれぞれ設けられているが、例えば、表示結果が当りであっても、「通常大当り」または「確変大当り」の場合と、「小当り」の場合とで、異なる割合でいずれかの変化タイミング(シフト回数)に決定する変化タイミング決定テーブルを設けるようにしてもよい。また、例えば、図24(A)の先読み演出実行決定テーブルと同様に、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターンごとに、異なる割合でいずれかのいずれかの変化タイミング(シフト回数)に決定する変化タイミング決定テーブルを設けるようにしてもよい。そのようにすることで、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミングに応じて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を異ならせるとともに、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も異ならせることができる。
なお、本実施例では、第2先読み演出パターンでは、始動入賞のタイミングで新たな保留表示が特殊態様で表示されるが、始動入賞のタイミングでは保留表示を通常態様で表示し、その後の任意のタイミングで通常態様から特殊態様に変化させ、さらに後の任意のタイミングで特殊態様から特別態様に変化させるようにしてもよい。
S67108の処理で変化タイミング(シフト回数)を決定すると、演出制御用CPU120は、S67107において決定した先読み演出パターンが第1先読み演出パターンと第2先読み演出パターンとのどちらかを確認し(S67109)、第2先読み演出パターンである場合には(S67109のY)、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する(S67110)。本実施例では、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を、シフトタイミングで実行可能である。また、示唆演出は、第1演出態様または第2演出態様のどちらかで実行される。S67110では、演出制御用CPU120が、保留表示の変化タイミングで実行される示唆演出の演出態様を第1演出態様または第2演出態様のいずれかに決定する。
本実施例では、示唆演出の演出態様に応じて、異なる割合で、保留表示が第1特別態様または第2特別態様に変化する。具体的には、示唆演出が第1演出態様で実行される場合には、保留表示が第1特別態様に変化する割合が高く、示唆演出が第2演出態様で実行される場合には、保留表示が第2特別態様に変化する割合が高い。したがって、示唆演出が実行されることによって、保留表示の表示態様が変化することが示唆され、示唆演出がいずれの演出態様で実行されるかに応じて、いずれの特別態様に変化しやすいかが示唆される。なお、詳細については後述するが、示唆演出は、保留表示の変化タイミング以外のシフトタイミングでも実行される。そのため、これらを区別するために、保留表示の変化タイミングで実行される示唆演出を示唆演出(成功パターン)ともいい、保留表示の変化タイミング以外のシフトタイミングで実行される示唆演出を示唆演出(通過パターン)ともいう。本実施例では、示唆演出(成功パターン)と示唆演出(通過パターン)とのいずれについても、第1演出態様または第2演出態様で実行される。そのため、示唆演出の演出態様に応じて、保留表示の表示態様が変化する割合が異なるようにしてもよい。例えば、示唆演出が第1演出態様(例えば、本実施例の第1演出態様および第2演出態様とは異なる第1演出態様Aとしてもよい)で実行される場合には、保留表示が変化する割合が低く、示唆演出が第2演出態様(例えば、本実施例の第1演出態様、第2演出態様および第1演出態様Aとは異なる第1演出態様Bとしてもよい)で実行される場合には、保留表示が変化する割合が高くなるようにしてもよい。すなわち、示唆演出が第1演出態様(第1演出態様A)で実行される場合には、示唆演出(成功パターン)である割合が高く、示唆演出が第2演出態様(第1演出態様B)で実行される場合には、示唆演出(通過パターン)である割合が高くなるようにしてもよい。
図28は、示唆演出態様決定テーブルを示す説明図である。保留変化演出設定処理(図25)のS67110において、演出制御用CPU120は、図28に示す示唆演出態様決定テーブルを用いて、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する。具体的には、抽出した最新の入賞時判定結果にもとづいて、最終表示態様決定テーブルにおいて入賞時判定結果指定コマンドが示す表示結果(変動表示の表示結果)ごとに定められた割合で、演出態様を第1演出態様または第2演出態様のいずれかに決定する。例えば、入賞時判定結果指定コマンドで変動表示の表示結果が「はずれ」であることが示されている場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)には、演出制御用CPU120は、80%の割合で演出態様を第1演出態様に決定し、20%の割合で演出態様を第2演出態様に決定する。また、例えば、入賞時判定結果指定コマンドで変動表示の表示結果が「通常大当り」(特殊リーチ当り以外)または「確変大当り」(特殊リーチ当り以外)であることが示されている場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)には、演出制御用CPU120は、20%の割合で演出態様を第1演出態様に決定し、80%の割合で演出態様を第2演出態様に決定する。また、例えば、入賞時判定結果指定コマンドで変動表示の表示結果が「通常大当り」(特殊リーチ当り)または「確変大当り」(特殊リーチ当り)であることが示されている場合(入賞時判定結果13指定に相当)には、演出制御用CPU120は、50%の割合で演出態様を第1演出態様に決定し、50%の割合で演出態様を第2演出態様に決定する。また、例えば、入賞時判定結果指定コマンドで変動表示の表示結果が、「小当り」である「特殊リーチ小当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果14指定に相当)には、演出制御用CPU120は、50%の割合で演出態様を第1演出態様に決定し、50%の割合で演出態様を第2演出態様に決定する。
図28に示す示唆演出態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)に比べて、表示結果が「通常大当り」(特殊リーチ当り以外)または「確変大当り」(特殊リーチ当り以外)である場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)の方が、第2演出態様に決定される割合が高くなるように設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、示唆演出が第2演出態様で実行されたときには、第1演出態様で表示されたときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることができる。また、変動表示の表示結果が「通常大当り」(特殊リーチ当り以外)または「確変大当り」(特殊リーチ当り以外)の場合には、保留表示の最終表示態様が第2特別態様になる割合が高いため、示唆演出が第2演出態様で実行されたときには、保留表示の表示態様が第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様に変化する割合が高くなる。したがって、示唆演出に多様性を持たせることができるとともに、いずれの演出態様の示唆演出が実行されるかに着目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
なお、図28に示す例では、入賞時判定結果指定コマンドで示される表示結果ごと(「はずれ」、「通常大当り」(特殊リーチ当り以外)もしくは「確変大当り」(特殊リーチ当り以外)、「通常大当り」(特殊リーチ当り)もしくは「確変大当り」(特殊リーチ当り)、「小当り」)に示唆演出の演出態様を決定するための割合が定められているが、例えば、図24(A)の先読み演出実行決定テーブルと同様に、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに示唆演出の演出態様を決定するための判定値(割合)を設定するようにしてもよい。そのようにすることで、示唆演出が第2演出態様で実行されたときに、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることの他に、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も高くすることができる。
なお、本実施例では、保留表示の表示態様が変化するシフトタイミングで、示唆演出が必ず実行されるように構成されているが、示唆演出が実行されないことがあってもよい。この場合には、示唆演出によって示唆されることなく、保留表示の表示態様を突然変化させることができるため、意外感を高めることができる。
また、本実施例では、示唆演出の演出態様として第1演出態様と第2演出態様との2種類の演出態様が設けられているが、これに限らず、3種類以上の演出態様を設け、それぞれ期待度が異なる(表示結果に応じて選択される割合が異なる)ようにしてもよい。
S67110の処理によって示唆演出の演出態様を決定すると、入賞時判定結果記憶バッファにおける当該処理の対象の(最新の)始動入賞に対応する表示態様フラグのデータに1をセットする(S67111a)。
そして演出制御用CPU120は、合算保留記憶表示部5Dにおいて、新たな保留表示を特殊態様で表示させる(S67112)。なお、S67112では、演出制御用CPU120は、新たな保留表示を特殊態様で表示させるように制御するとともに、S67106で決定した最終表示態様を示す情報と、S67110で決定した示唆演出の演出態様を示す情報とを、RAMに形成された保存領域に格納する。これらの情報を記憶させておくことで、後述する演出図柄変動開始処理(図31)において、いずれの最終表示態様と示唆演出の演出態様とに決定されているかを特定することができる。
次いで、演出制御用CPU120は、保留記憶のなかに保留変化演出を実行することになっている保留記憶が含まれることを示す保留変化フラグをセットする(S67117)。なお、保留変化フラグは保留変化演出の対象となる変動表示が終了するまでセットされる。
保留変化フラグがセットされると、前述の先読み演出決定処理(図23)のS67101の処理によって、先読み演出(保留変化演出または背景変化演出)を重ねて実行しないように制御される。すなわち、本実施例では、保留記憶の中に保留変化演出を実行することになっている保留記憶が含まれている場合には、保留変化演出を重ねて実行しないよう制御される。そのため、複数の保留表示が特殊態様または特別態様で表示されることが制限される。したがって、複数の保留表示が特殊態様または特別態様で表示されることで、どの保留表示に注目すればよいか遊技者を混乱させてしまうことを防止することができる。
また、本実施例では、保留記憶の中に保留変化演出を実行することになっている保留記憶が含まれている場合には、背景変化演出を実行しないよう制御される。そもそも、後述する背景変化演出では、予告演出(先読み演出)の対象となる変動表示をあえて明らかにしないことにより興趣を向上させようとしている。一方で、保留変化演出では、上記のとおり、予告演出の対象となる変動表示(保留記憶)を明らかにすることで興趣を向上させようとするものである。したがって、予告演出の対象となる変動表示が明らかな保留変化演出と共に背景変化演出を実行すれば、背景変化演出による興趣向上が見込めないばかりか、遊技の興趣を低下させてしまう場合がある。本実施例では、このような、保留変化演出が実行されるときに、さらに背景変化演出が実行されることによる遊技の興趣低下を回避し、遊技機での予告演出の興趣を向上させることができる。
なお、本実施例では、保留記憶の中に保留変化演出を実行することになっている保留記憶が含まれている場合には、保留変化演出を重ねて実行しないように制御されるが、これに限らず、保留変化演出を重ねて実行することを一定の割合で許容してもよいし、完全に許容してもよい。すなわち、保留変化フラグがセットされている期間であっても、新たな始動入賞が発生したときに該始動入賞に対応した保留記憶を対象として保留変化演出を実行可能とすることで、保留記憶の中に保留変化演出を実行することになる保留記憶が複数含まれることを一定の割合または完全に許容するようにしてもよい。
また、例えば、保留記憶の中に保留変化演出を実行することになっている保留記憶が含まれている場合に、新たな保留変化演出が実行されやすくなるようにしてもよい。すなわち保留変化演出が重ねて実行されやすくなるようにしてもよい。また、例えば、特定の遊技状態(例えば、確変状態や時短状態)の場合には、保留変化演出が重ねて実行されやすくなるようにしてもよい。例えば、保留変化演出を重ねて実行することを一定の割合で許容する構成において、特定の遊技状態である場合には、許容する割合を高くすることによって実現できる。
S67107において決定した先読み演出パターンが、第2先読み演出パターンでない場合には(S67109でN)、すなわち第1先読み演出パターンを実行することに決定した場合には、演出制御用CPU120は、S67108で決定した変化タイミングが始動入賞時であるか否かを確認する(S67113)。具体的には、シフト回数カウンタの値が0であるか否かを確認する。そして、変化タイミングが始動入賞時であれば(S67113でY)、演出制御用CPU120は、賞時判定結果記憶バッファにおける当該処理の対象の(最新の)始動入賞に対応する表示態様フラグのデータに、S67106にて決定した最終表示態様に対応した値(第1特別態様であれば「2」、第2特別態様であれば「3」)をセットする(S67113a)。
そして、合算保留記憶表示部5Dにおいて、新たな保留表示をS67107で決定した最終表示態様で表示させるように制御する(S67114)。次いで、演出制御用CPU120は、保留記憶のなかに保留変化演出を実行することになっている保留記憶が含まれることを示す保留変化フラグをセットする(S67117)。
また、S67113において変化タイミングが入賞時でなければ(S67113でN)、演出制御用CPU120は、上述のS67110と同様に、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する(S67115)。次いで、演出制御用CPU120は、賞時判定結果記憶バッファにおける当該処理の対象の(最新の)始動入賞に対応する表示態様フラグのデータに、通常態様に該当する「0」をセットする(S67115a)。
そして、合算保留記憶表示部5Dにおいて、新たな保留表示を通常態様で表示させるように制御し(S67116)、保留記憶のなかに保留変化演出を実行することになっている保留記憶が含まれることを示す保留変化フラグをセットする(S67117)。なお、S67116においても、S67112と同様に、演出制御用CPU120は、新たな保留表示を表示させるように制御するとともに、S67106で決定した最終表示態様を示す情報と、S67115で決定した示唆演出の演出態様を示す情報とを、RAMに形成された保存領域に格納する。これらの情報を記憶させておくことで、後述する演出図柄変動開始処理において、いずれの最終表示態様と示唆演出の演出態様とに決定されているかを特定することができる。
以上のように、本実施例では、演出制御用CPU120が入賞時判定結果指定コマンドを受信すると、先読み演出決定処理(図23)において、新たな保留表示を、通常態様、特殊態様、第1特別態様または第2特別態様のいずれかで表示する処理が行われる。
なお、本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、(1)第1特別図柄の変動表示のみを対象として保留変化演出を行うように構成することと、(2)第2特別図柄の変動表示のみを対象として保留変化演出を行うように構成することと、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を対象として保留変化演出を行うように構成することとの3種類の構成が考えられる。
第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加えた場合には、第1保留記憶数の上限値(本例では4)に応じて、シフト回数カウンタには最大4がセットされる。ただし、上記(1)の構成で、第1特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出を実行しても、第2始動入賞口への入賞が発生すると、第2特別図柄の変動表示が割り込んで(入賞順ではなく優先して)実行されるため、例えば、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、シフトタイミングであっても、後述する演出図柄変動開始処理(図31)のS1808でシフト回数カウンタの値を減算しないように構成することが望ましい。また、上記(3)の構成で、第1特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出を実行した場合も同様に、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、後述する演出図柄変動開始処理(図31)のS1808でシフト回数カウンタの値を減算しないように構成することが望ましい。
また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(2)の構成を加えた場合には、第2保留記憶数の上限値(本例では4)に応じて、シフト回数カウンタには最大4がセットされる。この場合には、上記(1)の構成とは異なり、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動表示が行われるときでも、シフトタイミングになればシフト回数カウンタの値を減算する。また、上記(3)の構成で、第2特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出を実行した場合も同様に、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動表示が行われるときでも、シフトタイミングになればシフト回数カウンタの値を減算する。
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、高ベース中には、第1特別図柄の変動表示を対象として保留変化演出を行わないように構成してもよい。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、大当り遊技中の第1始動入賞口への入賞にもとづく保留変化演出を行わないように構成してもよい。このような構成は、例えば、高ベース中や大当り遊技中には、遊技制御用マイクロコンピュータ100において、第1始動入賞口への入賞が発生しても、S1217(始動口スイッチ通過処理(図12)参照)の入賞時判定処理(図14)を実行しないようにしたり、演出制御用CPU120において受信した入賞時判定結果指定コマンドを破棄したり、保留変化演出を実行することに決定されても、実行しないように制御することで実現することができる。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に上記(3)の構成を加える場合に、高ベース中または大当り遊技中には、第1始動入賞口への入賞にもとづく保留変化演出を行わないが、第2始動入賞口への入賞にもとづく保留変化演出は行うようにしてもよい。このような構成は、例えば、高ベース中や大当り遊技中には、遊技制御用マイクロコンピュータ100において、第1始動入賞口への入賞が発生しても、S1217(始動口スイッチ通過処理(図12)参照)の入賞時判定処理(図14)を実行しないようにしたり、演出制御用CPU120において受信した第1始動入賞口への入賞にもとづく入賞時判定結果指定コマンドを破棄したり、保留変化演出を実行することに決定されても、実行しないように制御することで実現することができる。
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加える場合には、第2始動入賞口への入賞にもとづく保留記憶が存在している状態で、第1始動入賞口への入賞が発生したときには、その第1始動入賞口への入賞にもとづく保留記憶を対象とした保留変化演出を実行しないようにしてもよい。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加える場合には、第1始動入賞口への入賞にもとづく保留記憶を対象とした保留変化演出の実行を決定している状態で、第2始動入賞口への入賞が発生したときには、すでに決定していた保留変化演出の実行をキャンセルするようにしてもよい。
なお、本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、第1特別図柄の変動表示のみを対象として保留変化演出を行う構成(上記(1))、または第2特別図柄の変動表示のみを対象として保留変化演出を行う構成(上記(2))を加えるようにしてもよい。また、本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、例えば、高ベース中または大当り遊技中には、第1始動入賞口への入賞にもとづく保留変化演出を行わないようにしてもよい。
図29は、背景変化演出設定処理(先読み演出決定処理(図23)のS67105eの処理)を示すフローチャートである。背景変化演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、実行する背景態様を決定する(S67206)。具体的には、演出制御用CPU120は、先読み演出決定処理(図23)の処理で抽出した最新の入賞時判定結果に基づいて、図29(A)に示す背景態様決定テーブルを参照し、入賞時判定結果指定コマンドが示す変動表示の表示結果毎に決められた割合で、背景態様を決定する。例えば、入賞時判定結果指定コマンドが示す変動表示の表示結果が「はずれ」であることが示されている場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)には、演出制御用CPU120は、背景変化演出の背景態様を70%の割合で第1背景態様の晴天モードにし、30%の割合で第2背景態様の落雷モードにする。また、例えば、入賞時判定結が「通常大当り」(特殊リーチ当り以外)または「確変大当り」(特殊リーチ当り以外)であることが示されている場合(例えば、入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)には、演出制御用CPU120は、背景変化演出の背景態様を、30%の割合で第1背景態様の晴天モードにし、70%の割合で第2背景態様の落雷モードにする。また、例えば、入賞時判定結が特殊リーチ当り(「通常大当り」または「確変大当り」)であることが示されている場合(例えば、入賞時判定結果13指定に相当)には、演出制御用CPU120は、背景変化演出の背景態様を、50%の割合で第1背景態様の晴天モードにし、50%の割合で第2背景態様の落雷モードにする。また、例えば、入賞時判定結が特殊リーチ小当り(「小当り」)であることが示されている場合(例えば、入賞時判定結果14指定に相当)には、演出制御用CPU120は、背景変化演出の背景態様を、50%の割合で第1背景態様の晴天モードにし、50%の割合で第2背景態様の落雷モードにする。
尚、本実施例では、入賞時判定結果13指定については、特殊リーチ当りとなる変動パターンについては、「通常大当り」または「確変大当り」となるものの、「通常大当り」または「確変大当り」との判定の対象から除外するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら入賞時判定結果13指定についても、背景態様決定テーブルの「通常大当り」または「確変大当り」との判定対象に含めるようにしても良い。
図29(A)に示す背景態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれである場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)に比べて、表示結果が「通常大当り」(特殊リーチ当り以外)または「確変大当り」(特殊リーチ当り以外)である場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)の方が、第2背景態様に決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、背景変化演出が第2背景態様(落雷モード)で実行されたときには、第1背景態様(晴天モード)で実行されたときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることができる。すなわち、このような特徴によれば、第1背景態様(晴天モード)よりも第2背景態様(落雷モード)で表示された方が大当りとなる期待度を高くすることができ、背景変化演出が実行されたときにどちらの態様で実行されるかについて遊技者に興味を持たせることができる。
なお、図29(A)に示す例では、入賞時判定結果指定コマンドで示される表示結果ごと(「はずれ」、「通常大当り」(特殊リーチ当り以外)もしくは「確変大当り」(特殊リーチ当り以外)、「通常大当り」(特殊リーチ当り)もしくは「確変大当り」(特殊リーチ当り)、または「小当り」)に最終表示態様を決定するための判定値(割合)が設定されているが、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターンごとに、最終表示態様を決定するための判定値(割合)がそれぞれ設定されていてもよい。そのようにすることで、保留表示が第2背景態様で表示されたときに予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることに加え、またはこれに代えて、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も高くすることができる。これによって、背景変化演出のバリエーションを豊富にすることができ、興趣をさらに向上させることができる。
また、本実施例では、背景態様として第1背景態様(晴天モード)と第2背景態様(落雷モード)との2種類の表示態様が設けられているが、これに限らず、3種類以上の背景態様を設け、それぞれ期待度が異なる(表示結果に応じて選択される割合が異なる)ようにしてもよい。
S67206の処理によって実行する背景態様を決定したら、その背景態様を所定の記憶領域に記憶しておき、次に、演出制御用CPU120は、背景変化フラグをセットして(S67217)、背景変化演出設定処理を終了する。
背景変化フラグがセットされると、前述の先読み演出決定処理(図23)のS67101の処理によって、先読み演出(保留変化演出または背景変化演出)を重ねて実行しないように制御される。そのため、背景変化演出が重ねて実行される状態を回避し、また、背景変化演出が実行されているときに保留変化演出を実行しないよう、演出制御用CPU120によって制御される。上述のとおり、そもそも背景変化演出では、予告演出(先読み演出)の対象となる変動表示をあえて明らかにしないことにより興趣を向上させようとしている。一方で、保留変化演出では、予告演出の対象となる変動表示を明らかにすることで興趣を向上させようとするものである。したがって、予告演出の対象となる変動表示が明らかな保留変化演出と共に背景変化演出を実行すれば、背景変化演出による興趣向上が見込めないばかりか、遊技の興趣を低下させてしまう場合がある。本実施例では、このような、背景変化演出が実行されるときに、さらに保留変化演出が実行されることによる遊技の興趣低下を回避し、遊技機での予告演出の興趣を向上させることができる。
なお、本実施例では、保留記憶の中に背景変化演出を実行することになっている保留記憶が含まれている場合には、背景変化演出を重ねて実行しないように制御されるが、これに限らず、背景変化演出を重ねて実行することを一定の割合で許容してもよいし、完全に許容してもよい。すなわち、背景変化フラグがセットされている期間であっても、新たな始動入賞が発生したときに該始動入賞に対応した保留記憶を対象として背景変化演出を実行可能とすることで、保留記憶の中に背景変化演出を実行することになる保留記憶が複数含まれることを一定の割合または完全に許容するようにしてもよい。
また、例えば、保留記憶の中に背景変化演出を実行することになっている保留記憶が含まれている場合に、新たな背景変化演出が実行されやすくなるようにしてもよい。すなわち背景変化演出が重ねて実行されやすくなるようにしてもよい。また、例えば、特定の遊技状態(例えば、確変状態や時短状態)の場合には、背景変化演出が重ねて実行されやすくなるようにしてもよい。例えば、背景変化演出を重ねて実行することを一定の割合で許容する構成において、特定の遊技状態である場合には、許容する割合を高くすることによって実現できる。
図30は、図20に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置5の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。具体的に、変動パターンコマンド受信待ち処理において演出制御用CPU120は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認し、変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセット(クリア)する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に更新する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)、小当り表示処理(S807)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S806)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S806):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行うとともに、セットされていれば、先読み演出制限フラグをリセット(クリア)する処理を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(S807):変動時間の終了後、演出表示装置5に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(S808)に対応した値に更新する。
小当り遊技中処理(S808):小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5における小当りに応じた表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S809)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(S809):演出表示装置5において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図31及び図32は、図30に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、入賞時判定結果記憶バッファのNo.1のエントリ(記憶領域)の内容(入賞時判定結果、先読み対象フラグ、表示態様フラグ)をクリアし、他の入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトするとともに、合算保留記憶表示部5Dにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部5Dにおける合算保留記憶数表示を更新する(S1800)。例えば、合算保留記憶表示部5Dの1つ目〜5つ目の保留表示が表示されていた場合に、シフトタイミングで1つ目の保留表示が消去されるとともに、2つ目に表示されていた保留表示が1つ目の表示領域にシフトされ、3つ目に表示されていた保留表示が2つ目の表示領域にシフトされ、4つ目に表示されていた保留表示が3つ目の表示領域にシフトされ、5つ目に表示されていた保留表示が4つ目の表示領域にシフトされる。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、演出制御用CPU120は、第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第1入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果指定コマンドを削除し、第1入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする。また、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第2入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果指定コマンドを削除し、第2入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする。
次いで、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S1801)。
次いで、演出制御用CPU120は、S1801で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS1802)。すなわち、演出制御用CPU120によってS1802の処理が実行されることによって、変動表示パターン決定手段が決定した変動表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の変動表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、演出制御用CPU120は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
演出表示装置5における演出図柄の停止図柄の一例を以下に説明する。本例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として、例えば、図43(F)に示すように、「343」等の、大当り図柄の組み合わせから中央の演出図柄のみが1つずれた演出図柄の組合せ(チャンス目)を決定する。尚、本実施例では、小当りとなる変動表示においては、通常のリーチ外れの場合と同様に、リーチ状態を維持したはずれの停止図柄が表示される形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これら小当りとなる変動表示において、3図柄が「1」「2」「3」や「4」「5」「6」等の階段状に並んだ演出図柄の組合せ(チャンス目)や、小当り専用の特殊図柄の組合せを決定し、一旦、リーチ状態になった後、停止図柄が導出表示されるときに、リーチ状態が解消されて、これらチャンス目図柄や特殊図柄の組合せが表示されるようにしても良い。
また、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置5に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
S1802で演出図柄の停止図柄を決定したら、演出制御用CPU120は、保留変化フラグがセットされているか否かを確認する(S1803)。保留変化フラグがセットされていた場合(S1803でY)には、保留記憶の中に保留変化演出の対象(ターゲット)になる保留記憶が含まれているか又は保留変化演出の対象(ターゲット)となる変動表示が開始されることを示しているため、保留変化演出の実行又は保留変化演出のターゲット変動開始のためのS1804以降の処理を実行する。
S1804では、演出制御用CPU120は、演出用合算保留記憶数カウンタの値を1減算する(S1804)。次いで、演出制御用CPU120は、上記の演出用合算保留記憶数カウンタの減算の結果、演出用合算保留記憶数カウンタの値が0になったか否かを確認する(S1805)。演出用合算保留記憶数カウンタの値が0になったら(S1805でY)、保留変化演出の対象となった変動表示が実行されるタイミングであることを示しているため、ターゲット変動フラグをセットし(S1806)、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択して(S1806A)、S1820に移行する。なお、ターゲット変動フラグは、保留変化演出の対象となった変動表示、または後述の背景変化演出の対象となった変動表示が実行中であることを示すフラグであり、S1806、またはS1816でセットされ、演出図柄変動停止処理(後述の図34)のS854aで、ターゲットの変動表示が終了することに伴いリセット(クリア)される。
S1805において、演出用合算保留記憶数カウンタの値が0になっていなければ(S1805でN)、保留変化演出の実行のためのS1807以降の処理を実行する。演出制御用CPU120は次に、変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタの値が0より大きいか否かを確認する(S1807)。シフト回数カウンタの値が0より大きいということは、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示のうちのいずれかについて、表示態様を変化させる保留変化演出を実行することが決定されていることを示している。したがって、S1807では、保留変化演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されているか否かが確認されている。
シフト回数カウンタの値が0より大きくない場合(S1807でN)、すなわち、シフト回数カウンタの値が0であって、保留変化演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されていない場合には、演出制御用CPU120は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択して(S1806A)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(図32のS1820)。ここで、始動入賞のタイミングで保留表示を第1特別態様または第2特別態様で表示した場合には、その始動入賞のタイミングで実行される保留変化演出設定処理でシフト回数カウンタの値が0にセットされており、始動入賞のタイミングよりも後のタイミング(決定された変化タイミング)で保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させる場合には、その変化の際の示唆演出を伴う変動表示に係る演出図柄変動開始処理(S1808,S1809)でシフト回数カウンタの値が0になる。従って、保留変化フラグがセットされており(S1803でY)、開始される変動表示がターゲット変動ではなく(S1805でN)、且つ、シフト回数カウンタの値が0である場合(S1807でN)には、いずれかの保留表示が既に第1特別態様または第2特別態様で表示されていることになる。本実施例においては、保留表示が第1特別態様または第2特別態様に変化した場合には、それ以降に当該保留表示の表示態様がさらに変化するケースを設けていないため、いずれかの保留表示が既に第1特別態様または第2特別態様で表示されている場合には、後述する示唆演出(通過パターン)を実行せずに(S1810およびS1811を実行せずに)、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択するようにしている(S1806A)。
一方、シフト回数カウンタの値が0より大きい場合(S1807でY)、すなわち、保留変化演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されている場合には、演出制御用CPU120は、シフト回数カウンタの値を1減算する(ステップS1808)。次いで、演出制御用CPU120は、シフト回数カウンタの値が0になったか否かを確認する(S1809)。S1808でシフト回数カウンタの値を1減算した結果、シフト回数カウンタの値が0になったということは、合算保留記憶表示部5Dに表示されている保留表示のうちのいずれかの表示態様を変化させる保留変化演出を実行するタイミングであることを示している。したがって、S1809では、保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出の変化タイミングであるか否かが確認されている。
S1809において、シフト回数カウンタの値が0ではない場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出の変化タイミングではない場合(S1809でN)には、演出制御用CPU120は、処理をS1810に移行する。一方、シフト回数カウンタの値が0である場合(S1809でY)、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出の変化タイミングである場合には、演出制御用CPU120は、処理をS1812に移行する。
シフト回数カウンタの値が0ではなかった場合(S1809でN)、演出制御用CPU120は、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出の演出態様を決定する(S1810)。ここで、S1810の処理は、保留変化演出によって保留表示の表示態様が変化するタイミングで実行されるものではない。したがって、S1810では、保留表示の表示態様が変化することを示唆するものの、結果的には表示態様が変化しないときに実行される示唆演出の演出態様を決定する。なお、保留表示の表示態様が変化するときに実行される示唆演出(成功パターン)と区別するために、表示態様が変化しないときに実行される示唆演出を示唆演出(通過パターン)ともいう。
S1810では、演出制御用CPU120は、保留変化フラグがセットされていないとき、すなわち合算保留記憶表示部5Dにおいていずれの保留表示も保留変化演出の対象(ターゲット)ではない場合には、図31(A)に示す示唆演出(通過パターン)決定テーブルの割合で、示唆演出(通過パターン)を実行しない、または第1演出態様もしくは第2演出態様で実行すると決定する。また、演出制御用CPU120は、保留変化フラグがセットされているとき、すなわち合算保留記憶表示部5Dにおいていずれかの保留表示が保留変化演出の対象(ターゲット)である場合には、図31(B)に示す示唆演出(通過パターン)決定テーブルの割合で、示唆演出(通過パターン)を実行しない、または第1演出態様もしくは第2演出態様で実行すると決定する。なお、示唆演出(通過パターン)決定テーブルには、決定事項(「演出なし」、「第1演出態様」または「第2演出態様」)に対応する判定値が割り当てられているが、図31(A)、(B)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU120は、例えば、示唆演出(通過パターン)の演出態様を決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項(「演出なし」、「第1演出態様」または「第2演出態様」)に決定する。なお、保留変化フラグは、これまで説明した保留変化フラグがセットされている場合の処理(S1803でYであった場合の処理)では必ずセットされており、保留変化フラグがセットされていないケースは、保留変化フラグがセットされていないと判定され(S1803でN)、後述の背景変化フラグもセットされていなかった場合(S1813でN)に発生する。
例えば、保留変化フラグがセットされていないとき、すなわち合算保留記憶表示部5Dにおいていずれの保留表示も保留変化演出の対象でない場合には、60%の割合で示唆演出(通過パターン)を実行しないと決定され、30%の割合で示唆演出を第1演出態様で実行すると決定され、10%の割合で示唆演出を第2演出態様で実行すると決定される。また、保留変化フラグがセットされているとき、すなわち合算保留記憶表示部5Dにおいていずれかの保留表示が保留変化演出の対象である場合には、0%の割合で示唆演出(通過パターン)を実行しないと決定され、60%の割合で示唆演出を第1演出態様で実行すると決定され、40%の割合で示唆演出を第2演出態様で実行すると決定される。
図31(A)、(B)に示すように、本実施例では、保留変化フラグがセットされている場合、すなわち合算保留記憶表示部5Dにおいていずれかの保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させることが決定されている場合には、そうでない場合に比べて高い割合で示唆演出が実行される。したがって、保留表示が特殊態様で表示されているときの期待感を高めることができ、遊技興趣を高めることができる。なお、本実施例では、保留表示の表示態様が変化するタイミングでも示唆演出が実行されるため、保留表示が特殊態様で表示されているときには、常に示唆演出が実行されるように構成されているが、保留表示が特殊態様で表示されているときであっても、示唆演出が実行されないことがあってもよい。ただし、この場合にも、保留表示が特殊態様で表示されていないときに比べて高い割合で示唆演出が実行されることが望ましい。
また、保留変化フラグがセットされている場合、すなわち合算保留記憶表示部5Dにおいていずれかの保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させることが決定されている場合には、その保留表示の最終表示態様が第1表示態様または第2表示態様のいずれであるかに応じて、異なる割合で示唆演出の演出態様を第1演出態様または第2演出態様に決定するようにしてもよい。例えば、最終表示態様が第1表示態様よりも期待度が高い第2表示態様に決定されている場合には、示唆演出の演出態様が第1演出態様よりも期待度が高い第2演出態様に決定される割合を高くするようにしてもよい。また、本実施例では、後述するように、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から矢が飛んでくる表示制御が行われ、保留表示の表示態様が変化する場合(示唆演出(成功パターン)の場合)には、飛んできた矢が予告対象となる保留記憶に対応する保留表示に突き刺さる表示制御が行われる。また、保留表示の表示態様が変化しない場合(示唆演出(通過パターン)の場合)には、飛んできた矢がそのまま表示領域を通過する表示制御が行われる。したがって、S1810では、後述するS1812のように、演出用合算保留記憶数カウンタを用いて予告対象となる保留記憶に対応する保留表示を特定する必要はない。なお、例えば、保留表示の表示態様を変化させるタイミングであるときと、そのタイミングではないときとの両方で、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から矢が飛んできた矢が予告対象となる保留記憶に対応する保留表示に突き刺さる表示制御を行い、保留表示の表示態様を変化させるタイミングであるときには、矢が突き刺さった保留表示の表示態様が変化させ(示唆演出(成功パターン)に相当)、保留表示の表示態様を変化させるタイミングではないときには、矢が突き刺さった保留表示の表示態様が変化させない(本例の示唆演出(通過パターン)に相当)ようにしてもよい。この場合には、演出制御用CPU120は、S1810において、後述するS1812のように、演出用合算保留記憶数カウンタを用いて予告対象となる保留記憶に対応する保留表示を特定し、S1811において特定した保留表示に対する示唆演出を実行するためのプロセステーブルを選択するようにしてもよいし、表示されている保留表示の中から矢が突き刺さる保留表示をランダムに決定し、決定した保留表示に対する示唆演出を実行するためのプロセステーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、決定した示唆演出(通過パターン)の演出態様と変動パターンとに応じたプロセステーブルを選択する(S1811)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(図32のS1820)。
S1809でシフト回数カウンタの値が0であると判断した場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出の変化タイミングである場合には、演出制御用CPU120は、示唆演出の演出態様、演出用合算保留記憶数カウンタによって特定される保留表示の最終表示態様、及び変動パターンに応じた表示態様変化時用のプロセステーブルを選択する(S1812)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(図32のS1820)。
表示態様変化時用のプロセステーブルとは、演出図柄の変動表示とともに、演出図柄の変動開始時に、示唆演出(成功パターン)を実行し、特定の保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出を実行する制御を行うためのプロセスデータが設定されたテーブルである。本実施例では、実行する示唆演出(成功パターン)や保留変化演出の態様に応じて複数種類の表示態様変化時用のプロセステーブルが設けられている。また、本実施例では、保留変化演出設定処理(図25)において決定され(S67110またはS67115)、記憶されている示唆演出(成功パターン)の演出態様(本例では、第1演出態様または第2演出態様)と、演出用合算保留記憶数カウンタによって特定される演出対象の保留表示(例えば、演出用合算保留記憶数カウンタの値が2のときには、合算保留記憶表示部5Dにおける2つ目の保留表示)と、保留変化演出設定処理(図25)において決定され(S67106)、記憶されている最終表示態様(本例では、第1表示態様または第2表示態様)とにもとづいて、どのような態様で示唆演出(成功パターン)を実行し、どの保留表示をどのような表示態様に変化させる保留変化演出を実行するかを特定することができる。したがって、演出制御用CPU120は、示唆演出(成功パターン)の演出態様と、演出用合算保留記憶数カウンタによって特定される保留表示の最終表示態様と、変動パターンとに応じて、複数種類の表示態様変化時用のプロセステーブルのいずれかを選択し、選択した表示態様変化時用のプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行することによって、保留変化演出設定処理で決定された演出態様で示唆演出(成功パターン)を実行し、予告対象の変動表示に対応する保留表示を決定された表示態様に変化させる保留変化演出を実行することができる。
S1803の処理において、保留変化フラグがセットされておらず(S1803でN)、背景変化フラグがセットされていた場合(S1813でY)場合には、保留記憶の中に背景変化演出の対象(ターゲット)である保留記憶が含まれているか又は背景変化演出の対象(ターゲット)となる変動表示が開始されることを示しているため、背景変化演出の実行又は背景変化演出のターゲット変動開始のためのS1814以降の処理を実行する。
S1814では、演出制御用CPU120は、演出用合算保留記憶数カウンタの値を1減算する(S1814)。次いで、演出制御用CPU120は、上記の演出用合算保留記憶数カウンタの減算の結果、演出用合算保留記憶数カウンタの値が0になったか否かを確認する(S1815)。演出用合算保留記憶数カウンタの値が0になったら(S1815でY)、背景変化演出の対象となった変動表示が実行されるタイミングであることを示しているため、ターゲット変動フラグをセットし(S1816)、S1817に移行する。なお、ターゲット変動フラグは、背景変化演出の対象となった変動表示、または保留変化演出の対象となった変動表示が実行中であることを示すフラグであり、S1806、またはS1816でセットされ、演出図柄変動停止処理(後述の図34)のS854aでリセット(クリア)される。ここで、ターゲット変動フラグは、この後に実行される演出図柄変動停止処理(図34)において、保留変化フラグまたは背景変化演出フラグをリセット(クリア)するため(S854bまたはS854cを実行するため)にセットされるものである。
S1816でターゲット変動フラグをセットした場合、または、S1815において、演出用合算保留記憶数カウンタの値が0になっていない場合(S1815でN)、演出制御用CPU120は次に、背景変化演出の背景態様と、変動パターンとに応じたプロセステーブルを選択する(S1817)。背景変化演出の背景態様は、背景変化演出設定処理(図29)のS67206で決定されて記憶されている背景態様に基づいており、変動パターンは、S1801において変動パターンコマンド格納領域から読み出したデータに基づいている。プロセステーブルの選択処理の後、演出制御用CPU120は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(図32のS1820)。
S1813で、演出制御用CPU120は、背景変化フラグがセットされていないことを確認した場合には(N)、S1810に移行して、図31(A)に示す保留変化フラグがセットされていない場合の示唆演出(通過パターン)決定テーブルの割合で、示唆演出(通過パターン)を実行しない、または第1演出態様もしくは第2演出態様で実行すると決定する。
尚、プロセステーブルとは、演出制御用CPU120が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータ(制御データ)が設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU120は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御や、演出効果音の出力並びに遊技効果ランプ9の点灯制御(指示)を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様や、合算保留記憶表示部5Dにおける保留変化演出の態様を示すデータ、示唆演出の態様を示すデータ、及び背景変化演出の態様を示すデータ等が記載されている。すなわち、演出表示装置5の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU120は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータ(例えば、保留変化演出が実行されないときに用いられるプロセステーブルの表示制御実行データに記載された保留変化演出の態様を示すデータ)には、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。尚、 これらのプロセステーブルは、演出制御基板12におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8R,8L)の制御を実行する(S1821)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプ制御基板14に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8R,8Lからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、本実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S1822)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(図33)に対応した値にする(S1823)。
図33は、演出制御プロセス処理(図30)における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S1841)、変動時間タイマの値を1減算する(S1842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S1843)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S1844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(S1845)。
次いで、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS1849)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S1851)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S1850)、S1851に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
なお、本実施例では、入賞時判定結果指定コマンドを受信したことにもとづいて先読み演出(保留変化演出または背景変化演出)を行うか否かを含む決定処理を、先読み演出決定処理(図23)において実行しているが、それらの処理を演出図柄変動中処理において実行するようにしてもよい。例えば、演出図柄変動中処理において、入賞時判定結果記憶バッファを監視する処理を含めることで先読み演出を行うか否かを含む決定処理を実行することができる。
図34は、演出制御プロセス処理(図30)における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU120は、まず、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセット(クリア)し(S852)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS853)。次いで、演出制御用CPU120は、ターゲット変動フラグがセットされているかを確認する(S854)。なお、ターゲット変動フラグは、演出図柄変動開始処理(図31)のS1806、またはS1816でセットされる。ターゲット変動フラグがセットされていない場合(S854でN)には、S855aに移行する。
ターゲット変動フラグがセットされていた場合(S854でY)には、即ち、ターゲット変動が終了した場合には、演出制御用CPU120は、ターゲット変動フラグをリセット(クリア)し(S854a)、保留変化フラグがセットされていれば保留変化フラグをリセット(クリア)し(S854b)、背景変化フラグがセットされていれば背景変化フラグをリセット(クリア)する(S854c)。このように保留変化フラグ及び背景変化フラグをリセット(クリア)することで、先読み演出決定処理(図23)において、始動入賞に対応した変動表示(保留記憶)を対象として先読み演出(保留変化演出または背景変化演出)の実行を決定することが可能となる(S67101でNと判定されるため)。
次いで、演出制御用CPU120は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(S855a)。大当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認できる。なお、本実施例では、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。大当りとすることに決定されている場合には、S858に進み、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する。
一方、大当りとすることに決定されていない場合には、更に、小当りとすることに決定されているか否か確認する(S855b)。小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認できる。なお、本実施例では、決定されている停止図柄によって、小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を小当り表示処理(S807)に応じた値に更新する(S856)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(S855bのN)、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S857)。
なお、本実施例では、演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、演出図柄の変動(変動表示)を終了させる(S851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、演出図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、変動表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
次に、保留変化演出における保留表示の態様、および背景変化演出における背景態様について、具体的に説明する。図35(a)は、保留表示の態様の具体例を示す説明図である。既に説明しているが、図35(a)にも示されるように、本実施例では、保留表示の態様には、(1)通常態様、(2)特殊態様、(3)第1特別態様、及び(4)第2特別態様の4通りの態様が設けられている。(1)通常態様の保留表示は、「○」で表示される。(2)特殊態様の保留表示は、「○」の上下にそれぞれ3本の線が表示された態様で表示される。(3)第1特別態様の保留表示は、「○」の中に「×」が含まれる態様で表示される。(4)第2特別態様の保留表示は、「○」の中に2つの「×」が含まれる態様で表示される。なお、これらの保留表示の態様については、これら以外の種々の態様を採用可能である。
図35(b)は、背景変化演出における背景態様の具体例を示す説明図である。既に説明しているが、図35(b)にも示されるように、本実施例では、背景変化演出における背景態様には(1)第1背景態様、及び(2)第2背景態様の2通りの背景態様が設けられている。(1)第1背景態様では、演出表示装置5の図柄表示エリアには、晴天モードと呼ばれる、晴天の風景を示す背景画像が表示される。(2)第2背景態様では、演出表示装置5の図柄表示エリアには、落雷モードと呼ばれる、落雷の風景を示す背景画像が表示される。この2通りの背景態様は、背景変化演出が実行されているときに、演出図柄の変動表示の背景画像として表示されるものである。なお、これらの背景態様については、これら以外の種々の態様を採用可能である。
次に、保留変化演出及び背景変化演出の先読み演出(予告演出)の具体例について説明する。ここでは、(1)図36、(2)図37〜図38、(3)図39〜図40、及び(4)図41〜図42の4通りの具体例について説明する。
図36は、第1先読み演出パターンにもとづく保留変化演出が実行されるときの具体例を示す説明図である。図36(A)に示されるように、演出表示装置5において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部5Dに2つの保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示されているときに始動入賞が行われ、保留変化演出が実行されることに決定されると(先読み演出決定処理のS67105、及びS67105b)、保留変化演出設定処理(図25)で保留変化演出の態様(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)および示唆演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示される。図36に示す例では、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンと決定し、最終表示態様を第1特別態様または第2特別態様と決定し、変化タイミングを始動入賞時(シフト回数0)またはシフト回数1と決定する。また、示唆演出(成功パターン)の演出態様を、第1演出態様または第2演出態様と決定する。
上述のとおり、本実施例では、第1先読み演出パターンにもとづく保留変化演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される。また、保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングまたは任意のシフトタイミングである。そこで、変化タイミングが始動入賞時(シフト回数0)に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定された場合には、図36(B1)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留記憶表示部5Dに3つ目の保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)で表示される。また、変化タイミングが始動入賞時(シフト回数0)に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定された場合には、図36(B2)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留記憶表示部5Dに3つ目の保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)で表示される。
また、最終表示態様が第1特別態様または第2特別態様であっても、変化タイミングが始動入賞のタイミング(シフト回数0)ではなく、任意のシフトタイミング(ここでは、シフト回数1)に決定された場合には、図36(B3)に示すように、始動入賞のタイミングでは、合算保留記憶表示部5Dに3つ目の保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示される。そして、演出図柄の変動表示が停止し(図36(C))、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目と3つ目の保留表示がそれぞれシフトされる。
このとき、変化タイミングがシフト回数1に決定され、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様に決定されている場合には、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる表示制御がおこなわれる(図36(D1))。
そして、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図36(E1)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部5Dの2つ目の保留表示(図36(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図36(E2)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部5Dの2つ目の保留表示(図36(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
また、変化タイミングがシフト回数1に決定され、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様に決定されている場合には、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる表示制御がおこなわれる(図36(D2))。
そして、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図36(E3)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部5Dの2つ目の保留表示(図36(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図36(E4)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部5Dの2つ目の保留表示(図36(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
既に説明しているように、本実施例では、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様であるときには、第1演出態様であるときに比べて、保留表示の表示態様が第1特別態様よりも大当りとなる期待度が高い第2特別態様になる割合が高くなるように構成されている。したがって、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様であるとき、すなわち黒い矢が飛んできて保留表示に刺さったときには、保留表示が期待度の低い第1特別態様に変化する割合が高い。つまり、図36(D1)から図36(E1)に移行する割合が高い。一方、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様であるとき、すなわち白い矢が飛んできて保留表示に刺さったときには、保留表示が期待度の高い第2特別態様に変化する割合が高い。つまり、図36(D2)から図36(E4)に移行する割合が高い。このように構成されることによって、矢が飛んできて保留表示に刺さる示唆演出(成功パターン)であっても、第2演出態様で行われて欲しいと感じさせるとともに、示唆演出が第1演出態様で行われたとき、すなわち黒い矢が飛んできたときには、保留表示に刺さらずに通過して欲しい(示唆演出(通過パターン)であってほしい)と感じさせることができる。
図37及び図38は、第2先読み演出パターンにもとづく保留変化演出の具体例を示す説明図である。図37(A)に示されるように、演出表示装置5において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部5Dに2つの保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示されているときに始動入賞が行われ、保留変化演出が実行されることに決定されると(先読み演出決定処理のS67105、及びS67105b)、保留変化演出設定処理(図25)で保留変化演出(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)および示唆演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示される。図37及び図38に示す例では、先読み演出パターンを第2先読み演出パターンと決定し、最終表示態様を第1特別態様または第2特別態様と決定し、変化タイミングをシフト回数1またはシフト回数2と決定する。また、示唆演出の演出態様を、第1演出態様または第2演出態様と決定する。
上述のとおり、本実施例では、第2先読み演出パターンにもとづく保留変化演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、任意のシフトタイミングで、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。そのため、先読み演出パターンが第2先読み演出パターンと決定されると、図37(B)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留記憶表示部5Dに3つ目の保留表示が特殊態様(本例では「○」の外側に6本の線が描かれている)で表示される。
そして、演出図柄の変動表示が停止し(図37(C))、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目と3つ目の保留表示がそれぞれシフトされる。このとき、示唆演出の演出態様が第2演出態様に決定されていると、保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる(第2演出態様)表示制御がおこなわれる(図37(D))。
ここで、変化タイミングがシフト回数1に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図37(E1)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部5Dの2つ目の保留表示(図37(B)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、変化タイミングがシフト回数1に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図37(E2)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部5Dの2つ目の保留表示(図37(B)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
また、変化タイミングがシフト回数2に決定されているときには、図37(E3)に示すように、シフトのタイミングで、白い矢がいずれの保留表示にも刺さらず通過する示唆演出(第2演出態様の示唆演出(通過パターン))が行われる。なお、図37(E3)に示す示唆演出は、演出図柄変動開始処理において示唆演出(通過パターン)を第2演出態様で実行すると決定されたときに行われる。このように、本実施例では、示唆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から黒い矢(第1演出態様)または白い矢(第2演出態様)が飛んでくる表示制御を行うことで、保留表示の表示態様が変化することを示唆し、矢が保留表示に刺さると(示唆演出(成功パターン)が行われると)表示態様が変化し、矢がいずれの保留表示にも刺さらず通過すると(示唆演出(通過パターン)が行われると)表示態様が変化しない。
その後、演出図柄の変動表示が停止し(図38(F))、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目の保留表示がシフトされる。このとき、保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる(第1演出態様)表示制御がおこなわれる(図38(G))。
そして、変化タイミングがシフト回数2に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図38(H1)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部5Dの1つ目の保留表示(図37(B)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、変化タイミングがシフト回数2に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図38(H2)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部5Dの1つ目の保留表示(図37(B)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
図36に示すように、本実施例では、第1先読み演出パターンにもとづく保留変化演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される。このとき、最終表示態様に表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングの他に、任意のシフトタイミングを含む。また、図37および図38に示すように、第2先読み演出パターンにもとづく保留変化演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングにおいて特殊態様で表示され、任意のシフトタイミングで最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される。このように、本実施例では、複数のタイミングで保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能であるため、保留表示の表示態様を変化させるタイミングに多様性を持たせることができるとともに、保留表示が特殊態様で表示されたときには、保留表示に対応する保留記憶にもとづく変動表示が開始されるまでに、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するため、遊技興趣を向上させることができる。
以上に説明したように、本実施例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定処理(図14参照)等を実行することによって実現される、始動入賞時に変動表示の表示結果および変動パターンを判定する判定手段を備えている。また、演出制御用マイクロコンピュータは、先読み演出決定処理(図23参照)や演出図柄変動開始処理(図31参照)等を実行することによって実現される、判定手段による判定結果にもとづいて保留記憶に対応する保留表示(合算保留記憶表示部5Dにおける保留記憶)を第1特別態様または第2特別態様で表示させる保留変化演出を実行する演出実行手段を備えている。そして、演出実行手段は、複数のタイミング(始動入賞のタイミングやシフトタイミングなど)で保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能であり、保留表示が特殊態様で表示されたときは、保留表示に対応する保留記憶にもとづく変動表示が開始されるまでに、その保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するように制御するように構成されている。そのように構成されていることによって、複数のタイミングで保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能であるため、保留表示の表示態様を変化させるタイミングに多様性を持たせることができるとともに、保留表示が特殊態様で表示されたときには、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するため、遊技興趣を向上させることができる。
また、本実施例では、演出制御用マイクロコンピュータは、先読み演出決定処理(図23参照)や演出図柄変動開始処理(図31)等を実行することによって実現される、保留表示の表示態様が変化するか否かを示唆する示唆演出(示唆演出(成功パターン)および示唆演出(通過パターン))を実行する示唆演出実行手段を備えている。そして、示唆演出実行手段は、保留表示が特殊態様で表示されているときには、保留表示が特殊態様で表示されていないときに比べて高い頻度で示唆演出を実行するように構成されている。そのように構成されていることによって、保留表示が特殊態様で表示されたときには、高い頻度で示唆演出が実行されるため、期待感を高めることでき、遊技興趣を向上させることができる。
また、本実施例では、演出実行手段は、判定手段によって表示結果が大当りとなると判定されたときには、大当りとならないと判定したときに比べて高い割合で判定対象となった保留記憶に対応する保留表示を第2特別態様で表示する。また、演出実行手段は、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示する第2先読み演出パターンで保留変化演出を行うときには、保留表示を特殊態様で表示することなく第1特別態様または第2特別態様で表示する第1先読み演出パターンで保留変化演出を行うときに比べて高い割合で保留表示を第2特別態様で表示するように構成されている。そのように構成されていることによって、保留表示が特殊態様で表示されたときには、大当りとなる期待度が高い第2特別態様で表示される割合が高くなるため、期待感を高めることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、本実施例では、演出実行手段は、所定条件が成立したとき(例えば、第先読み演出パターンで保留変化演出を実行すると決定し、変化タイミングを入賞時(変動回数0)と決定したときの始動入賞のタイミング)に保留表示を特殊態様で表示し、保留表示に対応する保留記憶にもとづく変動表示が開始されるまでの第1タイミング(例えば、始動入賞後に1回目の保留表示のシフトが行われたタイミング)または第1タイミングとは異なる第2タイミング(例えば、始動入賞後に2回目の保留表示のシフトが行われたタイミング)で保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能である。そして、演出実行手段は、判定手段によって判定結果が大当りとなると判定されたときと、大当りとならないと判定したときとで、異なる割合で第1タイミングまたは第2タイミングで保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するように構成されている。そのように構成されていることによって、保留表示が特殊態様で表示されたときに、どのタイミングで表示態様が変化するかに注目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、本実施例では、演出制御用マイクロコンピュータは、先読み演出制限フラグをセットする処理を実行することによって実現される、保留表示が特殊態様で表示されているときには新たに保留表示を特殊態様で表示することを制限する制限手段を備えるように構成されている。そのように構成されていることによって、複数の保留表示が特殊態様で表示されたときに、どの保留表示に注目すればよいか遊技者を混乱させてしまうことを防止することができる。
また、本実施例では、演出実行手段は、判定手段によって表示結果が大当りとなると判定されたときには、大当りとならないと判定されたときに比べて、高い割合で判定対象となった保留記憶に対応する保留表示を第2特別態様で表示する。また、演出実行手段は、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示する第1先読み演出パターンで保留変化演出を行うときに、第1演出(例えば、黒い矢が飛んできて保留表示に刺さる第1演出態様の示唆演出(成功パターン))を行い、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するときと、第1演出とは異なる第2演出(例えば、白い矢が飛んできて保留表示に刺さる第2演出態様の示唆演出(成功パターン))を行い、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するときとがある。そして、演出実行手段は、第1演出が行われるときと第2演出が行われるときとで、異なる割合で保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するように構成されている。そのように構成されていることによって、保留表示が特殊態様で表示されたときに、第1演出と第2演出とのいずれが行われるかに注目させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
図39及び図40は、第2先読み演出パターンに基づく保留変化演出が実行された後、さらに背景変化演出が実行されるときの具体例を示す説明図である。図39(1)に示されるように、演出表示装置5において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部5Dに2つの保留表示が通常態様で表示されているときに新たな始動入賞が行われ、始動入賞時の判定結果が「非リーチはずれ」であるものとする。この始動入賞時の先読み演出決定処理で、保留変化演出が実行されることに決定されると(先読み演出決定処理(図23)のS67104)、保留変化演出設定処理(先読み演出決定処理(図23)のS67105d及び図25の保留変化演出設定処理)で保留変化演出の態様(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)及び示唆演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示される。図39に示す例では、先読み演出パターンを第2先読み演出パターンと決定し、最終表示態様を第1特別態様と決定し、変化タイミングをシフト回数1と決定する。また示唆演出(成功パターン)の演出態様を第1演出態様と決定する。
上記のとおり、ここでは先読み演出パターンを第2先読み演出パターンと決定されているので、図39(2)に示されるように、合算保留記憶表示部5Dの3つ目に表示される新たな保留表示が特殊態様で表示される。これにより、遊技者は、保留変化演出の対象となる保留表示(変動表示)を認識可能である。そして、変動中の変動表示は「非リーチはずれ」であるため、図39(3)に示されるように、演出図柄の変動表示がはずれ図柄である「528」で停止する。次いで、1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目と3つ目との保留表示が、それぞれ1つ目と2つ目とにそれぞれシフトされる(図39(4))。ここで、保留変化演出の変化タイミングがシフト回数1で、演出態様が第1演出態様と決定しているので、1回目の保留表示のシフトが行われるこのタイミングで、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5の表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる表示制御が行われる(図39(4))。そして、図39(5)に示されるように、合算保留記憶表示部5Dの2つ目に特殊態様で表示された保留表示に黒い矢が刺さる演出が行われ、この保留表示が、特殊態様から第1特別態様へとその表示態様が変化する演出が行われる。そして、この変動表示は「非リーチはずれ」であるため、図39(6)に示されるように、演出図柄の変動表示が、はずれ図柄である「415」で停止する。
次いで、1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目の第1特別態様で表示された保留表示が、1つ目にシフトされる(図39(7))。ここで、さらに新たな始動入賞が行われ、始動入賞時の判定で「リーチはずれ」と判定されたものとするが、この時点では保留変化演出が実行中であり、保留変化フラグがセットされているため(保留変化演出設定処理(図25)のステップS67117で保留変化フラグがセットされていたため)、リーチを伴う変動表示パターンと判定されたにもかかわらず、先読み演出決定処理(図23)のS67101でYとなり、さらに先読み演出(保留変化演出または背景変化演出)が実行されることはない。よって、この新たな始動入賞に対応して、図39(8)で示されるように、合算保留記憶表示部5Dの2つ目には新たな保留表示が通常態様で表示される(先読み演出決定処理(図23)のS67105f)。そして、ここで変動中の変動表示は「非リーチはずれ」であるため、図39(9)で示されるように、演出図柄の変動表示が、はずれ図柄である「249」で停止される。
次いで、1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されると、1つ目の、第1特別態様で表示されていた保留表示が消去され、2つ目の保留表示が1つ目にシフトされる(図39(10))。なお、ここで開始された変動表示は、保留変化演出のターゲット(対象)となっている変動表示であるため、演出図柄変動開始処理(図31)のS1806でターゲット変動フラグがセットされる。ここでは、変動中の変動表示は「非リーチはずれ」であるため、図39(11)で示されるように、演出図柄の変動表示がはずれ図柄である「381」で停止される。ここで、セットされているターゲット変動フラグと保留変化フラグがリセット(クリア)される(演出図柄変動停止処理(図34)のステップS854a、及びS854b)。すなわち、ターゲットの変動表示終了に伴って、背景変化演出を実行することが可能となる。
次いで、1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、すべての保留表示が消去された状態となる(図39(12))。ここで、さらに3つの新たな始動入賞が行われると、それぞれの始動入賞に対して、入賞時判定処理(始動口スイッチ通過処理(図12)のS1217またはS1228、図14参照)が実行される。ここでは、1つ目の始動入賞は「非リーチはずれ」、2つ目の始動入賞は第2背景態様(落雷モード)の背景変化演出を伴う「スーパーリーチ大当り」、3つ目の始動入賞は「非リーチはずれ」と決定される。具体的には、この2つ目の始動入賞に対しては、入賞時判定処理(図14)で大当りと判定され(S220)た後、変動パターンが「スーパーリーチ大当り」と判定され(S229)、その後のコマンド解析処理(図21及び図22)の先読み演出決定処理(S671、図23)で背景変化演出を実行することに決定され(S67105b)、背景変化演出設定処理(S67105e、図29)で背景態様を第2背景態様(落雷モード)と決定される(S67206)。なお、ここでは背景変化フラグがセットされる(背景変化演出設定処理(図29)のS67217)。これによって、図39(13)に示されるように、合算保留記憶表示部5Dには、3つの新たな保留表示が通常態様で表示される。
ここで、変動中の変動表示が「リーチはずれ」であるため、図39(14)に示されるように、演出図柄の左右の図柄が「5」で停止し、中央の図柄が変動を継続するリーチ演出が実行された後、図39(15)に示すように、演出図柄の変動表示がはずれ図柄である「565」で停止される。
次いで、1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されると、1つ目の保留情報が消去され、2つ目及び3つ目の保留表示が、それぞれ1つ目及び2つ目にシフトされる(図40(16))。さらに、ここで1つ目の保留表示に対応する変動表示は第2背景態様(落雷モード)の背景変化演出の対象(ターゲット)に決定されており、背景変化フラグがセットされているため(演出図柄変動開始処理(図31)のS1813でYと判定され)、第2背景態様の背景変化演出を伴うプロセステーブルが選択されて(S1817)、プロセステーブルに沿った演出が実行される(S1821)。これによって、図40(16)に示されるように、第2背景態様(落雷モード)の背景変化演出を伴った変動表示が開始される。なお、このように背景変化演出が実行されたときに、遊技者は2つの保留表示(2つの保留記憶)のうちのいずれを対象(ターゲット)として背景変化演出が実行されているかを把握することはできない。
次いで、上記のとおり、変動中の変動表示は「非リーチはずれ」と決定されているため、演出表示装置5にははずれ図柄である「643」が停止される(図40(17))。そして、1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されるとともに、1つ目の保留情報が消去され、2つ目の保留表示が1つ目にシフトされる(図40(18))。ここで開始された変動表示は、背景変化演出のターゲットとなった変動表示であり、本実施例では、図31のS1816およびS1817に示されるように、ターゲットの変動表示における背景態様も、背景変化演出を実行すると決定されたときに決定された背景態様(図29のS67206で決定された背景態様)となる。そして、ここで開始された変動表示は、上記のとおり「スーパーリーチ大当り」の変動パターンであるため、図40(19)に示すように、演出図柄の左右の図柄が「7」で停止し、中央の図柄が変動を継続するリーチ演出が実行される。そして、図40(20)に示すように、スーパーリーチの演出としてのバトル演出が実行される。このとき、変動表示は演出表示装置5の右下に表示されている。そして、ここで変動中の変動表示は「確変大当り」であると決定されているため、味方キャラが勝利するバトル演出が実行され(図40(21)〜図40(22))、最終的に確変大当り図柄である「777」が導出表示される(図40(23))。
図41及び図42は、背景変化演出が実行された後、第2先読み演出パターンに基づく保留変化演出が実行されるときの具体例を示す説明図である。図41(51)に示されるように、演出表示装置5において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部5Dに1つの保留表示が通常態様で表示されているときに、2つの新たな始動入賞が行われ、1つ目の始動入賞は「非リーチはずれ」と決定され、2つ目の始動入賞に対して第1背景態様(晴天モード)の背景変化演出が実行されることに決定される。具体的には、この2つ目の始動入賞に対しては、入賞時判定処理(図14)ではずれと判定された後、変動パターンが「非リーチはずれ」と判定され(S229)、その後のコマンド解析処理(図21及び図22)の先読み演出決定処理(S671、図23)で背景変化演出を実行することに決定され(S67105b)、背景変化演出設定処理(S67105e、図29)で背景態様を第1背景態様(晴天モード)と決定される(S67206)。なお、ここでは背景変化フラグがセットされる(背景変化演出設定処理(図29)のS67217)。これによって、合算保留記憶表示部5Dには、2つ目及び3つ目の保留表示が通常態様で表示される(図41(52))。そして、ここで変動中の変動表示は「非リーチはずれ」であるため、図41(53)で示されるように、演出図柄の変動表示がはずれ図柄である「528」で停止される。
次いで、1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されると、1つ目の保留情報が消去され、2つ目及び3つ目の保留表示が、それぞれ1つ目及び2つ目にシフトされる(図41(54))。さらに、ここで3つ目の保留表示に対応する変動表示は第1背景態様(晴天モード)の背景変化演出を伴うことに決定されており、背景変化フラグがセットされているため(演出図柄変動開始処理(図31)のS1813でYと判定され)、第1背景態様の背景変化演出を伴うプロセステーブルが選択されて(ステップS1817)、プロセステーブルに沿った演出が実行される(S1821)。これによって、図41(54)に示されるように、第1背景態様(晴天モード)の背景変化演出を伴った変動表示が開始される。なお、このように背景変化演出が実行されたときに、遊技者は2つの保留表示(2つの保留記憶)のうちのいずれを対象(ターゲット)として背景変化演出が実行されているかを把握することはできない。
そして、ここで変動中の変動表示は「非リーチはずれ」と決定されているため、演出表示装置5の図柄表示エリアにははずれ図柄である「415」が停止される(図41(55))。次いで、1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されるとともに、1つ目の保留表示が消去され、2つ目の保留表示が1つ目にシフトされる(図41(56))。
ここで、さらに新たな始動入賞が行われ、始動入賞時の判定で「リーチはずれ」と判定されたものとするが、この時点では背景変化演出が実行中であり、背景変化フラグがセットされているため(背景変化演出設定処理(図29)のS67217で背景変化フラグがセットされていたため)、リーチを伴う変動表示パターンと判定されたにもかかわらず、この始動入賞に対しては保留変化演出または背景変化演出は実行されない(先読み演出決定処理(図23)のS67101でYと判定されるため)。そして、図41(57)に示されるように、この新たな始動入賞に対応する保留表示として、合算保留記憶表示部5Dの2つ目に、新たな保留表示が通常態様で表示される。そして、変動中の変動表示は「非リーチはずれ」と決定されているため、図柄表示エリアには、はずれ図柄である「249」が停止される(図41(58))。
次いで、1つ目の保留表示に対応する保留記憶に基づく変動表示が開始されるとともに、1つ目の保留表示が消去され、2つ目の保留表示が1つ目にシフトされる(図41(59))。ここで開始された変動表示は、背景変化演出のターゲットとなった変動表示であり、本実施例では、図31のS1816およびS1817に示されるように、ターゲットの変動表示における背景態様も、背景変化演出を実行すると決定されたときに決定された背景態様(図29のS67206で決定された背景態様)となる。そして、ここで開始された変動表示は、背景変化演出のターゲットの変動表示であるため、ここではターゲット変動フラグがセットされる(演出図柄変動開始処理(図31)のS1816)。
次いで、変動中の変動表示は「非リーチはずれ」であるため、図41(60)に示されるように、図柄表示エリアには、はずれ図柄である「381」が停止される。ここで、演出図柄変動停止処理(図34)においては、ターゲット変動フラグがセットされているため、S854でYと判定され、ターゲット変動フラグのリセット(クリア)(S854a)及び背景変化フラグのリセット(クリア)(S854c)が行われる。すなわち、ターゲットの変動表示終了に伴って、保留変化演出を実行することが可能となる。
次いで、図41(61)に示されるように、1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されるとともに、1つ目の保留表示が消去される。ここで、2つの新たな始動入賞が行われ、それぞれの始動入賞に対して入賞時判定処理(始動口スイッチ通過処理(図12)のS1217またはS1228、図14参照)が実行される。ここでは、1つ目の始動入賞は「非リーチはずれ」、2つ目の始動入賞は第2先読み演出パターンに基づく保留変化演出を伴う「スーパーリーチ大当り」と決定される。すなわち、2つ目の始動入賞に対しては、入賞時判定処理(図14)で大当りと判定され(ステップS220)た後、変動パターンが「スーパーリーチ大当り」と判定され(S229)、その後のコマンド解析処理(図21及び図22)の先読み演出決定処理(S671、図23)で保留変化演出を実行することに決定され(S67105c)、保留変化演出設定処理(図25)で、最終表示態様が第2特別態様と決定され(S67106)、保留変化演出の先読み演出パターンが第2先読み演出パターンと決定され(S67107)、変化タイミングがシフト回数1と決定される(S67108)。また示唆演出(成功パターン)の演出態様を第2演出態様と決定する。これによって、図41(62)に示されるように、合算保留記憶表示部5Dには、1つ目の新たな保留表示が通常態様で表示され、2つ目の新たな保留表示が特殊態様で表示される。これにより、遊技者は、保留変化演出の対象となる保留表示(変動表示)を認識可能である。
ここで、変動中の変動表示が「リーチはずれ」であるため、図41(63)で示されるように、演出図柄の左右の図柄が「5」で停止し、中央の図柄が変動を継続するリーチ演出が実行された後、図41(64)で示すように、演出図柄の変動表示がはずれ図柄である「565」で停止される。
次いで、1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目の特殊態様で表示された保留表示が1つ目にシフトされる(図41(65))。ここで、上記のとおり、保留変化演出の変化タイミングがシフト回数1で、演出態様が第2演出態様と決定しているので、1回目の保留情報のシフトが行われるこのタイミングで、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置5の表示領域の右側から白い矢が飛んでくる表示制御が行われる。(図41(65))。そして、図42(66)に示されるように、合算保留記憶表示部5Dの1つ目に特殊態様で表示された保留表示に白い矢が刺さる演出が行われ、この保留表示が、特殊態様から第2特別態様へとその表示態様が変化する演出が行われる。そして、図42(67)に示されるように、演出図柄の変動表示が、はずれ図柄である「643」で停止する。
次いで、1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、これによって合算保留記憶表示部5Dに表示される保留表示はすべて消去された状態となる(図42(68))。この変動表示は、保留変化演出のターゲット(対象)であるため、ターゲット変動フラグがセットされる(演出図柄変動開始処理(図31)のS1806)。ここで開始された変動表示は、上記のとおり「スーパーリーチ大当り」であるため、図42(69)に示すように、まず、演出図柄の左右の図柄が「7」で停止し、中央の図柄が変動を継続するリーチ演出が実行される。そして、図42(70)に示すように、スーパーリーチの演出としてのバトル演出が実行される。このとき、変動表示は演出表示装置5の右下に表示されている。そして、ここでは「確変大当り」であると決定されているため、味方キャラが勝利するバトル演出が実行され(図42(71)〜図42(72))、最終的に確変大当り図柄である「777」が導出表示される(図42(73))。そして、ターゲット変動フラグ及び保留変化演出フラグがリセット(クリア)される(演出図柄変動停止処理(図34)のS854a、及びS854b)。
次に、本実施例の特殊リーチについて、図43を用いて説明する。尚、特殊リーチは、図6に示すように、小当りとすることが決定された場合には100%の割合で決定され(特殊リーチ小当り)、「通常大当り」または「確変大当り」に決定されたときにおいて25%の割合で決定される(特殊リーチ当り)変動パターンである。
変動開始時において特殊リーチ当りまたは特殊リーチ小当りの変動パターンが決定された場合には、図43(A)に示すように、演出表示装置5において演出図柄の変動が、特別図柄の変動に連動して開始された後、図43(B)に示すように、図柄表示エリア5L,5Rに同じ演出図柄(例えば、「3」)が停止されてリーチ状態となる。尚、図43では、合算保留記憶表示部5Dに1の保留表示が通常態様で表示されている例を示している。
リーチ状態となった後、演出図柄の変動表示の表示態様は、図43(c)に示すように、補助識別情報である小図柄による変動表示態様に変更されるとともに、演出表示装置5には、マスクをかぶったキャラクタAと、マントを羽織ったキャラクタBとが登場する演出が実行される。
そして、「Fight」の表示を契機として、キャラクタAとキャラクタBとが対戦する演出画像が表示される。この対戦の演出表示においては、図43(c)に示すように、キャラクタAは黒い矢を武器として使用して対戦し、キャラクタBは白い矢を武器として使用して対戦する演出画像が表示される(図43(D))。
尚、本実施例では、上述したように、示唆演出においては、黒い矢よりも白い矢の方が保留変化において、大当りとなる期待度が高い第2特別態様となる割合が大きいことで遊技者にとって有利となるものであるので、白い矢を使用して対戦するキャラクタBが、遊技者の味方となるキャラクタとして設定されている。
変動パターンとして特殊リーチ当り(「通常大当り」または「確変大当り」)が変動開始時に決定されている場合には、図43(D)に示す、矢を使用した対戦においてキャラクタBが有利となっていき、図43(E)に示す対戦に勝利した演出画像が、大当りの停止図柄(例えば「333」)が停止表示されるとともに表示された後、大当り状態に移行する。
一方、変動パターンとして特殊リーチ小当り(小当り)が変動開始時に決定されている場合には、図43(D)に示す、矢を使用した対戦においてキャラクタBが不利となっていき、図43(F)に示す対戦に敗北した演出画像が、リーチはずれの停止図柄「343」が停止表示されるとともに表示された後、小当り状態に移行する。
小当り状態においては、前述したように、大入賞口の0.1秒間の開放が2回実行されるとともに、これら大入賞口の開放制御が実行される小当り状態の期間において、小当り演出として図43(G)に示すように、対戦に敗北したキャラクタBが悔しがって画面内を暴れる演出画像が表示される。
そして、小当り状態が終了した後、合算保留記憶表示部5Dに表示されていた1の保留表示に対応する保留記憶にもとづいて小当り後の1回目の変動表示が開始されることに応じて、図43(H)に示すように、合算保留記憶表示部5Dの保留表示が消去される。
そして、これら小当り後の1回目の変動表示が開始された後に、第1始動入賞口に2つの遊技球が連続して始動入賞した場合には、該始動入賞に対応する2つの保留表示が図43(J)に示すように合算保留記憶表示部5Dに表示される。
これら小当り後、1回目の変動表示中における2つの始動入賞(第2始動入賞口への始動入賞も含む)は、小当り後2回目の変動表示並びに3日目の変動表示に対応し、小当り後10回目の変動表示までの範囲内の変動表示に該当し、前述した小当り後始動入賞カウンタ値が9や8であるので、S223aでNと判定されてS223bに進み、図6に示す変動パターン判定テーブルの「はずれ(小当り後10回まで)」フィールドが選択されて、当該始動入賞に対応する変動表示における変動パターンが判定される。
つまり、S223bにてセットされる変動パターン判定テーブルの「はずれ(小当り後10回まで)」フィールドにおいては、前述したように、「はずれ」のフィールドに比較して、先読み演出の実行対象とされているリーチの変動パターンの決定割合が高められているので、リーチとなる各変動パターンとなると判定されやすくなり、その結果として先読み演出の実行も決定されやすくなる。
このように、先読み演出の実行が高められることにより、例えば、小当り後1回目の変動表示中における2つ目の始動入賞について、先読み演出の実行が決定され、例えば、S67105bにおいて保留変化演出が決定されるとともに、最終表示態様として第2特別態様がS67106で決定され、先読みパターンとして第1先読みパターンがS67107で決定され、変化タイミングとして最初のシフトタイミング(シフト回数カウンタ=1)がS67108で決定され、変化時の示唆演出の態様として第2演出態様(白い矢)がS67115で決定された場合には、図43(K)に示すように、小当り後2回目の変動表示の開始タイミングにおいて、特殊リーチ演出においてキャラクタBが使用した武器である白い矢の示唆演出(キャラクタAが使用した武器である黒い矢の示唆演出の場合もある)が実行され、保留表示が通常表示から第2特別態様に変更される保留変化演出が実行されるようになり、特殊リーチにおいて、遊技者にとって有利な価値が付与されないことを示唆する演出となる特殊リーチ小当りの演出が実行されたとしても、その後において先読み演出の実行頻度が、所定の変動回数である10回となるまでの範囲(但し、全ての変動表示がはずれの場合に限る)において高まるので、遊技興趣を向上できる。
尚、本実施例では、小当り後の10回の変動表示について、先読み演出の実行頻度を高めるようにしているので、保留変化演出ではなく、背景変化演出が実行される場合もある形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら小当り後の10回のはずれの変動表示については、先読み演出として、先読みの対象を遊技者が認識することができる保留変化演出を決定しやすくしたり、或いは、保留変化演出のみを決定するようにしても良い。
つまり、先読み演出全体の実行頻度を高めるのではなく、先読み演出に含まれる一部の演出だけ、実行頻度を高めるようにしても良い。
尚、本発明において「実行頻度を高める」ことには、実行しないものを実行することが含まれる。
以上、上記した実施例によれば、複数の保留記憶を対象として先読み演出の実行を決定するようにしているので、1の変動表示を対象とする演出に比較して、演出による遊技興趣を向上できる。つまり、先読み演出を、複数の保留記憶を対象とすることで、複数の保留表示のうち、いずれか1つの保留表示について先読み演出の実行が決定されれば、先読み演出が実行されるため、先読み演出の実行頻度を高められるだけではなく、先読み演出の対象となる変動表示が増えることにより、演出による遊技興趣を向上できる。よって、本発明において、「高い頻度にて複数の保留情報を対象とする予告演出を実行する」ことは、2以上の複数の保留記憶(保留情報)が存在する(記憶されている)ときにおいて、これら複数の保留記憶(保留情報)のうちの一部の複数の保留記憶(保留情報)を対象とした予告演出を実行すること(例えば、3つの保留記憶が存在し、そのうち2つの保留記憶が小当り後に発生した始動入賞によるものである場合に、小当り後に発生した始動入賞による2つの保留記憶の入賞時判定結果により先読み演出の実行を決定して実行すること)、並びに複数の保留記憶(保留情報)の全てを対象とした予告演出を実行すること(例えば、3つの保留記憶が存在し、そのうち2つの保留記憶が小当り後に発生した始動入賞によるものである場合に、小当りの前後に関係なく、小当り後においてあらためて、3つの保留記憶の全ての入賞時判定結果により先読み演出の実行を決定して実行すること)が含まれる。
尚、上記実施例では、小当り後10回までの変動表示において、ノーマルはずれやスーパーはずれの変動パターンの決定割合を増やすために、はずれ(小当り後10回まで)のフィールドを設けた変動パターン判定テーブルを使用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらはずれ(小当り後10回まで)のフィールドを設けない変動パターン判定テーブルを使用しても良く、この場合であっても、複数の保留表示について1つでも先読み演出の実行が決定されれば、先読み演出が実行されるので、データ容量の増加を抑えつつ、1の変動表示のみを対象として演出の実行の有無を決定する場合に比較して、演出の実行頻度を高めることができる。
また、上記実施例によれば、先読み演出として、保留変化演出を実行するので、新たな保留情報を記憶すること、つまり始動入賞させることに対する意欲を遊技者に与えることができる。
また、上記実施例によれば、はずれ(小当り後10回まで)のフィールドを設けた変動パターン判定テーブルを使用することで、特定の可変表示パターンであるノーマルはずれやスーパーはずれの変動パターンの決定割合を、小当り後10回までにおいて高めるようにしているので、単に先読み演出の実行頻度が高まるだけではなく、先読み演出の予告対象における変動表示においてノーマルリーチやスーパーリーチが発生するようになるので、遊技者の期待感を向上できる。
また、上記実施例によれば、特殊リーチにおける対戦演出においてキャラクタAやキャラクタBや使用した武器である黒い矢や白い矢による示唆演出が、保留表示の態様が変化するときにも実行される、つまり、特殊リーチの演出と先読み演出(予告演出)である保留変化演出とが関連しているので、特殊リーチにおいて有利な価値が付与されないことが示唆されたこと、つまり、大当りとならずに小当りとなったことが示唆されても、未だ関連している演出が発生していることで有利な価値が付与される可能性があるのではないかという期待を持たせることができるので、有利な価値が付与されないことが示唆されたことによる興趣の低下を抑えることができる。
尚、上記実施例では、特殊リーチの演出と保留変化演出とが関連していることを、黒い矢や白い矢である同一の武器を使用することで示した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、保留変化演出における示唆演出として、特殊リーチに登場したキャラクタAやキャラクタBが登場して、保留表示に作用して保留表示の表示態様を変化させるようにすることで、特殊リーチの演出と保留変化演出とが関連していることを示すようにしても良いし、これら同一のアイテム(武器)や同一のキャラクタを用いるのではなく、例えば、同じ色や同じ柄を用いることで関連していることを示すようにしても良いし、遊技機が対象としている物語において強く結びついている言葉や記号や文字や画像(風景等)等を用いた演出を行うことで、特殊リーチの演出と保留変化演出とが関連していることを示すようにしても良く、これら関連の形態としては、遊技者が特殊リーチの演出と保留変化演出とが関連していることを認識できるものであれば、どのような形態であっても良い。
つまり、「関連していること」の形態としては、特殊リーチの演出と保留変化演出において少なくとも一部が共通する態様の演出を含むものであっても良いし、これら共通する態様の演出を全く含まなくても、特殊リーチにおける演出における態様と一部が異なる類似した演出や近似した演出(例えば、大きさが違う黒い矢や白い矢や、矢の本数が違う演出など)であっても良い。
また、上記実施例では、有利な価値として、獲得できる遊技球の数が多い大当りと、獲得できる遊技球の数が少ない小当りとした形態、すなわち、遊技者が獲得できる遊技球の数(遊技に使用可能な遊技価値)とする形態を例示したが、本発明はこれらの形態に限定されるものではなく、大当りと小当り以外の形態、例えば、小当りではなく「はずれ」であっても良いし、同じ大当りであっても、遊技者が獲得できる遊技球数が多い15ラウンド大当りと獲得できる遊技球数が少ない5ラウンド大当りを付与することや(15ラウンド大当りとすること5ラウンド大当りとすること同意)、大当りとなる確率が向上する確変状態を付与すること(確変大当りとすることと通常大当りを付与することと同意)や、確変状態に制御される回数が所定回数(例えば70回)である第1確変状態と所定回数(70回)よりも確変状態に制御される回数が多い(例えば100回)である第2確変状態を付与すること(第1確変状態に移行する確変大当りAと第2確変状態に移行する確変大当りBを付与することと同意)や、進入した遊技球が特定領域(Vゾーン)を通過することで確変状態が付与される所謂確変アタッカーにおいて、遊技球が特定領域(Vゾーン)を通過し難い第1状態と該第1状態よりも遊技球が特定領域(Vゾーン)を通過しやすい第2状態を付与すること(第1状態に移行する当りAと第2状態に移行する当りBとを付与することと同意)や、始動入賞の頻度やベースが向上する時短状態を付与すること(時短状態となる大当りを付与することと時短状態とならない大当りを付与することと同意)や、時短状態に制御される回数が所定回数(例えば50回)である第1時短状態と所定回数(50回)よりも時短状態に制御される回数が多い(例えば80回)である第2時短状態を付与すること(第1時短状態に移行する通常大当りAと第2時短状態に移行する通常大当りBを付与することと同意)や、ポイント数や経験値(レベル)に応じて演出等が追加されるものにおいて、第1ポイント数や第1経験値(0を含む)を付与するか第1ポイント数や第1経験値よりも多い第2ポイント数や第2経験値を付与すること(第1ポイント数や第1経験値を付与する演出と第2ポイント数や第2経験値を付与する演出を実行することと同意)等としても良く、遊技者にとって有利な度合いが違うもの(遊技状態)を付与するものであれば、どのようなもの(遊技状態)であっても良い。よって、示唆演出としては、上記した有利な価値が付与されるか否かが示唆されるものであれば良く、本実施例のような特殊リーチに限られない。尚、この場合の「示唆」には、有利な価値が付与されることが100%であること、若しくは有利な価値が付与されないことが100%であることを示すこと、或いは、有利な価値が付与される可能性が高いこと、若しくは有利な価値が付与されない可能性が高いことを示すことが含まれる。
また、上記実施例では、遊技者にとって有利な価値が付与されないことを示唆する示唆演出を構成する、図43(G)に示す小当り中に実行されるキャラクタが悔しがる演出の実行中において特別可変入賞球装置7を開放する形態、つまり、特別可変入賞球装置7を開放と同時に示唆演出を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら示唆演出を実行するタイミングとしては、特別可変入賞球装置7を開放前としても良いし、特別可変入賞球装置7を開放後としても良い。
また、上記実施例では、先読み演出(予告演出)の対象となる変動表示を認識可能な保留変化の予告演出(第1予告演出)が実行されるときは、予告演出の対象となる変動表示を認識しがたい背景変化の予告演出(第2予告演出)の実行を禁止している(先読み演出決定処理(図28)のS67101によって、保留変化フラグまたは背景変化フラグがセットされていた場合には、保留変化演出及び背景変化演出のいずれも実行しないこととしている)。ここで、そもそも背景変化演出(第2予告演出)では、予告演出の対象となる変動表示をあえて明らかにしないことにより興趣を向上させようとしているにもかかわらず、予告演出の対象となる変動表示が明らかな保留変化演出(第1予告演出)と共にこの背景変化演出(第2予告演出)を実行すれば、背景変化演出(第2予告演出)による興趣向上が見込めないばかりか、遊技の興趣を低下させてしまう場合がある。この実施形態では、このような、保留変化演出(第1予告演出)が実行されるときに、さらに背景変化演出(第2予告演出)が実行されることによる遊技の興趣低下を回避し、遊技機での予告演出の興趣を向上させることができる。
また、上記実施例では、予告演出の対象となる変動表示をあえて明らかにしないことにより興趣を向上させようとする背景変化演出(第2予告演出)を、予告演出の対象となる変動表示を明らかにして興趣を向上させようとする保留変化演出(第1予告演出)と同時に開始しないため(先読み演出決定処理(図23)で、演出制御用マイクロコンピュータ(演出制御用CPU120)が、保留変化フラグがセットされていた場合に(S67101でY)、背景変化演出を実行しない(S67105bが実行されない)ようにしているため、保留変化演出と背景変化演出とが同時に開始されることを規制している)、遊技者が興味を持ちづらい状況で背景変化演出(第2予告演出)が実行されることによる遊技の興趣低下を回避し、遊技機での予告演出の興趣を向上させることができる。具体的には、保留表示のシフトタイミング(すなわち演出図柄の変動表示が開始されるタイミング)で示唆演出の実行が開始されると共に、当該変動表示の背景画像が第1背景態様または第2背景態様に変化することを禁止することにより、背景変化演出の興趣を損ねないようにしている。
また、上記実施例では、予告演出の対象となる変動表示を明らかにして興趣を向上させようとする保留変化演出(第1予告演出)が実行された後に、予告演出の対象となる変動表示をあえて明らかにしないことにより興趣を向上させようとする背景変化演出(第2予告演出)を実行することを規制しているため(先読み演出決定処理(図23)で、演出制御用CPU120が、保留変化フラグがセットされていた場合に(S67101でY)、背景変化演出を実行しない(S67105bが実行されない)ようにしているため、保留変化演出が開始された後に背景変化演出が開始されることを規制している)、遊技者が興味を持ちづらい状況で背景変化演出(第2予告演出)が実行されることによる遊技の興趣低下を回避し、遊技機での予告演出の興趣を向上させることができる。
また、上記実施例では、予告演出の対象となる変動表示を明らかにして興趣を向上させようとする保留変化演出(第1予告演出)が開始された後は、この保留変化演出(第1予告演出)が終了するまでは、予告演出の対象となる変動表示をあえて明らかにしないことにより興趣を向上させようとする背景変化演出(第2予告演出)を実行することを規制しているため(先読み演出決定処理(図23)で、演出制御用CPU120が、保留変化フラグがセットされていた場合に(S67101でY)、背景変化演出を実行しない(S67105bが実行されない)ようにしており、保留変化演出のターゲットの変動表示が終了するまでは保留変化フラグがセットされている(S854b)ため、保留変化演出が開始され、この保留変化演出の対象となる変動表示が終了するまでは、背景変化演出が開始されることを規制している)、遊技者が興味を持ちづらい状況で背景変化演出(第2予告演出)が実行されることによる遊技の興趣低下を回避し、遊技機での予告演出の興趣を向上させることができる。具体的には、保留変化演出のターゲットとなった変動表示が実行されているときには、その変動表示の状態(例えばスーパーリーチとなるか否か)や表示結果(大当りとなるか否か)について、遊技者は関心を抱くものであるから、仮に保留変化演出のターゲットとなった変動表示が実行されているときに背景変化演出を開始したとても、背景変化演出の興趣を損ねることになる。そのため、保留変化演出のターゲットとなった変動表示が実行されているときにも、背景変化演出の実行を制限することが好ましい。
また、上記実施例では、予告演出の対象となる変動表示を認識しがたい背景変化演出(第2予告演出)が実行されるときには、予告演出の対象となる変動表示を遊技者が認識可能な保留変化演出(第1予告演出)の実行を禁止、または抑制している。ここで、そもそも保留変化演出(第1予告演出)では、予告演出の対象となる変動表示を明らかにすることで興趣を向上させようとしているにもかかわらず、予告演出の対象となる変動表示をあえて明らかにしないことにより興趣を向上させようとする背景変化演出(第2予告演出)と共にこの保留変化演出(第1予告演出)を実行すれば、背景変化演出(第2予告演出)による興趣向上が見込めないばかりか、遊技の興趣を低下させてしまう場合がある。本実施例では、このように、背景変化演出(第2予告演出)が実行されるときに、さらに保留変化演出(第1予告演出)が実行されることによる遊技の興趣低下を回避し、遊技機での予告演出の興趣を向上させることができる。
また、上記実施例では、予告演出の対象となる変動表示を明らかにして興趣を向上させようとする保留変化演出(第1予告演出)を、予告演出の対象となる変動表示をあえて明らかにしないことにより興趣を向上させようとする背景変化演出(第2予告演出)と同時に開始しないため、保留変化演出(第1予告演出)の実行に伴い遊技者が第2予告演出に対する興味を失うことによる興趣低下を回避し、遊技機での予告演出の興趣を向上させることができる。具体的には、保留表示のシフトタイミング(すなわち演出図柄の変動表示が開始されるタイミング)で示唆演出の実行が開始されると共に、当該変動表示の背景画像が第1背景態様または第2背景態様に変化することを禁止することにより、背景変化演出の興趣を損ねないようにしている。
また、上記実施例では、予告演出の対象となる変動表示をあえて明らかにしないことにより興趣を向上させようとする背景変化演出(第2予告演出)が実行された後に、予告演出の対象となる変動表示を明らかにして興趣を向上させようとする保留変化演出(第1予告演出)を実行することを規制しているため(先読み演出決定処理(図23)で、演出制御用CPU120が、背景変化フラグがセットされていた場合に(S67101でY)、保留変化演出を実行しない(S67105bが実行されない)ようにしているため、背景変化演出が開始された後に保留変化演出が開始されることを規制している)、保留変化演出(第1予告演出)の実行に伴い遊技者が背景変化演出(第2予告演出)に対する興味を失うことによる興趣低下を回避し、遊技機での予告演出の興趣を向上させることができる。
また、上記実施例では、予告演出の対象となる変動表示をあえて明らかにしないことにより興趣を向上させようとする背景変化演出(第2予告演出)が開始された後は、この背景変化演出(第2予告演出)が終了するまでは予告演出の対象となる変動表示を明らかにして興趣を向上させようとする保留変化演出(第1予告演出)を実行することを規制しているため、保留変化演出(第1予告演出)の実行に伴い遊技者が背景変化演出(第2予告演出)に対する興味を失うことによる興趣低下を回避し、遊技機での予告演出の興趣を向上させることができる。具体的には、この実施形態では、保留変化演出のターゲットとなった変動表示における背景画像も、当該保留変化演出における第1背景態様または第2背景態様(当該保留変化演出を実行するとS67105bで決定されたときの背景変化演出設定処理(S67206)で決定された背景態様)であるため、遊技者は実行されている変動表示が背景変化演出のターゲットであるか否かを認識し難い状況にあり、このようにターゲットの変動表示が実行されているか否かを認識し難くすることにより興趣を高めるものであるところ、仮に、背景変化演出のターゲットとなった変動表示が実行されているときに保留変化演出を実行すると、背景変化演出の興趣を損ねることになる。そのため、背景変化演出のターゲットとなった変動表示が実行されているときにも、保留変化演出の実行を制限することが好ましい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、上記実施例では、先読み予告として保留変化予告と背景変化予告とを実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら保留変化予告と背景変化予告以外の予告演出、例えば、予告対象の変動表示までの複数の変動表示において、段階敵に違うキャラクタや態様の異なるキャラクタが登場する等のように、複数の変動に亘って連続する連続演出や、始動入賞して先読み演出を実行すると決定したときに、変動表示の表示を停止して、あたかも遊技機が故障したのではないかと思わせるようなフリーズ演出を実行するようにしても良い。
また、上記実施例では、特殊リーチ演出ではずれとなったときにおいてのみ、小当り後の10回までの変動表示においてリーチの変動パターンに決定される割合を高めることで先読み演出の実行頻度を高めた形態、つまり、遊技者にとって不利なことが示唆された場合において先読み演出の実行頻度を高め、遊技者にとって有利なことが示唆された場合(大当りとなった場合)には先読み演出の実行頻度を高めない形態を例示していが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者にとって有利なことが示唆された場合においても先読み演出の実行頻度を高めるようにしても良い。具体的には、例えば、上述したように、遊技者にとって有利な価値として、例えば、10ポイントが付与されることを示唆する演出(第1ミッション演出)と50ポイントが付与されることを示唆する演出(第2ミッション演出)とを実行する場合において、第1ミッション演出(遊技者にとって不利なことが示唆された場合に相当)が実行された場合には、先読み演出の実行決定割合を通常の割合よりも高い第1割合に所定期間(例えば、8回の変動表示まで)高めるとともに、第2ミッション演出(遊技者にとって有利なことが示唆された場合に相当)が実行された場合には、先読み演出の実行決定割合を第1割合よりも高い第2割合に所定期間(例えば、8回の変動表示まで)高めるようにしても良い。
また、上記実施例では、本発明の示唆演出となる特殊リーチの演出が実行された後、所定期間である10回の変動表示が実行されるまでの期間において、先読み演出の実行割合を高めた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら先読み演出の実行割合が高められる期間を、例えば、10回以外の変動回数としたり、或いは、変動回数ではなく、次の大当りや小当りが発生するまでの期間としても良い。また、実行される示唆演出の種類や形態に応じて、先読み演出の実行割合が高められる期間を異なる期間とするようにしても良い。
また、上記実施例では、先読み演出(保留変化演出または背景変化演出)の実行が禁止される期間として、先読み演出が決定されてから、保留変化演出または背景変化演出が実行される変動表示(ターゲット変動)が終了するまでの期間において保留変化フラグや背景変化フラグがセットされていることにより、これら保留変化フラグや背景変化フラグがセットされている期間において新たな始動入賞があっても先読み演出の実行を決定しないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、保留変化演出または背景変化演出が開始されたタイミングにおいて保留記憶として記憶されている全ての保留記憶に対応する変動表示が終了するまでは、先読み演出が実行されることを規制(制限)する、つまり、保留変化演出または背景変化演出が開始されたタイミングにおいて記憶されている保留記憶が全て消化されるまで、先読み演出の実行が新たに決定されないように、例えば、保留変化フラグや背景変化フラグをリセット(クリア)しないようにすれば良い。
また、上記実施例では、先読み演出の対象となる変動表示を遊技者が認識可能な第1予告演出が、保留変化演出である例について説明したが、このような形態に限らず、第1予告演出は、例えば、カウントダウン演出等の他の演出であっても良い。カウントダウン演出では、変動表示の実行毎に「3」「2」「1」「0」というようにターゲットの変動表示が実行されるまでの変動表示回数を報知する演出が実行される(具体的にはS1808で減算された後のシフト回数カウンタの値を報知するためのプロセステーブルが選択される)ことにより、遊技者は、先読み演出の対象となる変動表示が、あと何回後に実行される変動表示であるかを認識可能である。
また、上記実施例では、先読み演出の対象となる変動表示を第1予告演出よりも認識し難い第2予告演出が、背景変化演出である例について説明したが、このような形態に限らず、第2予告演出は、例えば、保留表示のシフトタイミング(1800のタイミング)で特殊音が出力される音演出等の他の演出であっても良い。音演出では保留表示のシフトタイミングで特殊音が出力されるが、遊技者は、その特殊音がいずれの保留表示(保留記憶)に対応したものであるかを認識できない。
また、上記実施例では、先読み演出の対象を遊技者が認識可能な第1予告演出が、保留変化演出の1つのみである例について説明したが、第1予告演出として、例えば、保留変化演出とカウントダウン演出の2つの演出を実行可能としても良い。さらに、この場合には、1の変動表示(保留記憶)を対象として、保留変化演出とカウントダウン演出の2つの演出を実行可能としても良い。また、上記の実施形態では、先読み演出の対象を第1予告演出よりも認識し難い第2予告演出が、背景変化演出の1つのみである例について説明したが、第2予告演出として、例えば、背景変化演出と特殊音を出力する音演出の2つの演出を実行可能としても良い。さらに、この場合には、1の変動表示(保留記憶)を対象として、背景変化演出と音演出の2つの演出を実行可能としても良い。
また、上記実施例では、始動入賞時に背景変化演出を実行することに決定された場合に、その直後に開始される変動表示から背景画像が変化する(第1背景態様または第2背景態様となる)例について説明したが、このような形態に限らず、保留変化演出における保留表示の表示態様が変化するタイミングと同様に、背景画像が変化するタイミングが複数存在するようにしても良い。例えば、始動入賞時の合算保留記憶数に応じて背景画像の変化タイミングを決定するようにしても良く、始動入賞時の判定結果(大当りとなるか否かやスーパーリーチとなるか否か等)に応じて背景画像の変化タイミングを決定するようにしても良い。
ここで、始動入賞時のタイミングで背景画像を変化させる(始動入賞時に実行されている変動表示の背景態様を変化させる)ことを可能とした場合には、新たに表示された保留表示に対応した背景変化演出であることを遊技者は把握可能であるが、その後に新たな保留表示が表示されたり保留表示がシフトされたりすることにより、遊技者は、背景変化演出がいずれの保留表示に対応したものであるかを認識し難くなる。
また、上記実施例では、始動入賞時の判定において当該始動入賞に対応した変動表示を対象として保留変化演出を実行することに決定した場合には、保留変化フラグをセットして、それ以降の所定期間(例えば、保留変化演出の対象となった変動表示が終了するまでの期間)は背景変化演出の実行を禁止する例について説明したが、このような形態に限らず、保留変化演出を実行することに決定した場合に、それ以降の所定期間は、所定の割合、ただし保留変化演出を実行することに決定されなかった場合よりも低い割合で背景変化演出を実行するようにしても良い。
また、上記実施例では、始動入賞時の判定において当該始動入賞に対応した変動表示を対象として背景変化演出を実行することに決定した場合には、背景変化フラグをセットして、それ以降の所定期間(例えば、背景変化演出の対象となった変動表示が終了するまでの期間)は保留変化演出の実行を禁止する例について説明したが、このような形態に限らず、背景変化演出を実行することに決定した場合に、それ以降の所定期間は、所定の割合、ただし背景変化演出を実行することに決定されなかった場合よりも低い割合で保留変化演出を実行するようにしても良い。
また、上記実施例では、始動入賞時の判定において当該始動入賞に対応した変動表示を対象として保留変化演出を実行することに決定した場合には、保留変化フラグをセットして、それ以降の所定期間(例えば、保留変化演出の対象となった変動表示が終了するまでの期間)は保留変化演出および背景変化演出の双方の先読み演出の実行を禁止する例について説明したが、このような形態に限らず、保留変化演出を実行することに決定した場合に、それ以降の所定期間は、背景変化演出の実行のみを禁止して、保留変化演出は実行可能としても良い。
また、上記実施例では、始動入賞時の判定において当該始動入賞に対応した変動表示を対象として背景変化演出を実行することに決定した場合には、背景変化フラグをセットして、それ以降の所定期間(例えば、背景変化演出の対象となった変動表示が終了するまでの期間)は保留変化演出および背景変化演出の双方の先読み演出の実行を禁止する例について説明したが、このような形態に限らず、背景変化演出を実行することに決定した場合に、それ以降の所定期間は、保留変化演出の実行のみを禁止して、背景変化演出は実行可能としても良い。
また、上記実施例では、一の変動表示を対象として保留変化演出または背景変化演出のいずれか一方のみを実行可能であるとともに、保留変化演出を実行することに決定した場合には、それ以降の所定期間(例えば、保留変化演出の対象となった変動表示が終了するまでの期間)は背景変化演出の実行を規制し、背景変化演出を実行することに決定した場合には、それ以降の所定期間(例えば、背景変化演出の対象となった変動表示が終了するまでの期間)は保留変化演出の実行を規制することにより、一の変動表示を対象として保留変化演出および背景変化演出の双方の演出が実行されることを禁止するとともに、異なる変動表示を対象として保留変化演出および背景変化演出が実行されることも禁止する例について説明したが、このような形態に限らず、一の変動表示を対象として保留変化演出および背景変化演出の双方の演出が実行されることを禁止する一方で、異なる変動表示を対象として保留変化演出および背景変化演出が実行されることは禁止しないようにしても良い。
このように、一の変動表示を対象として保留変化演出および背景変化演出の双方の演出が実行されることを禁止する一方で、異なる変動表示を対象として保留変化演出および背景変化演出が実行されることは禁止しないようにする場合には、上記の実施形態の如く、始動入賞のタイミングで、当該始動入賞に対応した変動表示(可変表示)を対象として保留変化(第1予告演出)または背景変化演出(第2予告演出)のいずれか一方のみを実行することに決定する(両方実行することには決定しない)ようにすると良く、このとき、保留変化演出フラグや背景変化フラグによって、後の始動入賞に対しての先読み演出を制限しないようにすると良い。
すなわち、一の変動表示(一の保留記憶)を対象として第1予告演出を実行した場合には当該変動表示を対象として第2予告演出を実行しない、または、一の変動表示(一の保留記憶)を対象として第1予告演出を実行した場合には、第1予告演出を実行しなかった場合よりも低い割合で当該変動表示を対象として第2予告演出を実行する、ようにしても良い。これによれば、遊技者が予告演出の対象となる変動表示を認識している状態(第1予告演出が実行された後)で、予告演出の対象となる変動表示をあえて明らかにしないことにより興趣を向上させようとしている第2予告演出が実行されることを制限することで、第2予告演出の興趣低下を抑止することができる。また、一の変動表示(一の保留記憶)を対象として第2予告演出を実行した場合には当該変動表示を対象として第1予告演出を実行しない、または、一の変動表示(一の保留記憶)を対象として第2予告演出を実行した場合には、第2予告演出を実行しなかった場合よりも低い割合で当該変動表示を対象として第1予告演出を実行する、ようにしても良い。これによれば、遊技者が予告演出の対象となる変動表示を認識し難い状態(予告演出の対象となる変動表示をあえて明らかにしないことにより興趣を向上させようとしている第2予告演出が実行された後)で、予告演出の対象となる変動表示を認識可能な第1予告演出が実行されること(ターゲットが遊技者に把握されてしまうこと)を制限することで、第2予告演出の興趣低下を抑止することができる。
なお、上記したように、「一の変動表示を対象として第1予告演出(保留変化演出)が実行されるときには、当該変動表示(第1予告演出の対象となる変動表示)とは異なる変動表示を対象として第2予告演出(背景変化演出)を実行しない、又は、一の変動表示を対象として第1予告演出が実行されるときには、当該変動表示(第1予告演出の対象となる変動表示)とは異なる変動表示を対象として第1予告演出が実行されないときよりも低い割合で第2予告演出を実行する、」ようにした場合には、一の変動表示を対象として第1予告演出が実行された後に、当該変動表示とは異なる変動表示を対象として第2予告演出が実行されることを制限することにより、複数の異なる変動表示を対象として第1予告演出と第2予告演出が実行されることによる遊技者の混乱を抑止することができる。
また、上記したように、「一の変動表示を対象として第2予告演出(背景変化演出)が実行されるときには、当該変動表示(第2予告演出の対象となる変動表示)とは異なる変動表示を対象として第1予告演出(保留変化演出)を実行しない、又は、一の変動表示を対象として第2予告演出が実行されるときには、当該変動表示(第2予告演出の対象となる変動表示)とは異なる変動表示を対象として第2予告演出が実行されないときよりも低い割合で第1予告演出を実行する、」ようにした場合には、一の変動表示を対象として第2予告演出が実行された後に、当該変動表示とは異なる変動表示を対象として第1予告演出が実行されることを制限することにより、複数の異なる変動表示を対象として第2予告演出と第1予告演出が実行されることによる遊技者の混乱を抑止することができる。
また、上記実施例では、始動入賞時の判定において、先読み演出を実行すると決定された場合には保留変化演出または背景変化演出のいずれか一方のみを実行することに決定されることにより、一の変動表示を対象として保留変化演出および背景変化演出の双方が実行されることがない例について説明したが、このような形態に限らず、例えば、始動入賞時の判定において保留変化演出を実行するか否かを決定するとともに、変動表示が開始されるときに、そのタイミングで記憶されている保留記憶に対応した始動入賞時の判定結果にもとづいて、背景変化演出を実行するか否かを決定するようにしても良い。例えば、シフト後の入賞時判定結果記憶バッファに格納されている入賞時判定結果指定コマンドを全て確認して、いずれかの入賞時判定結果指定コマンド(例えばスーパーリーチの判定結果)に対応した変動表示を対象として背景変化演出を実行することに決定するようにしても良い。
このような形態とした場合には、始動入賞時に保留変化演出を実行すると決定された変動表示について、該変動表示よりも前の変動表示が開始されるタイミングで背景変化演出の対象とすることが決定される可能性があるが、始動入賞時に保留変化演出を実行すると決定された変動表示については、その後に決定される背景変化演出の対象から除外するようにすると良い。このようにすることで、一の変動表示を対象として保留変化演出および背景変化演出の双方の演出が実行されることを規制することができる。
また、上記実施例では、保留変化演出と背景変化演出のいずれかを実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、始動入賞時の判定において背景変化演出を実行するか否かを決定するとともに、変動表示が開始されるときに、そのタイミングで記憶されている保留記憶に対応した始動入賞時の判定結果にもとづいて、保留変化演出を実行するか否かを決定するようにしても良い。例えば、シフト後の入賞時判定結果記憶バッファに格納されている入賞時判定結果を全て確認して、いずれかの入賞時判定結果(例えばスーパーリーチの判定結果)に対応した変動表示を対象として保留変化演出を実行することに決定するようにしても良い。
このような形態とした場合には、始動入賞時に背景変化演出を実行すると決定された変動表示について、該変動表示よりも前の変動表示が開始されるタイミングで保留変化演出の対象とすることが決定される可能性があるが、始動入賞時に背景変化演出を実行すると決定された変動表示については、その後に決定される保留変化演出の対象から除外するようにすると良い。このようにすることで、一の変動表示を対象として背景変化演出および保留変化演出の双方の演出が実行されることを規制することができる。
また、上記実施例では、背景変化演出が実行されるときの背景態様が変動表示の表示結果(「はずれ」、「通常大当り/確変大当り(特殊リーチ当り以外)」、「通常大当り/確変大当り(特殊リーチ当り)」、「小当り」)に応じて決定される例について説明したが、このような形態に限らず、背景変化演出が実行されるときの背景態様が大当り種別に応じて決定されるようにしても良い。例えば、大当り種別が通常大当りである場合には、第1背景態様が選択される割合が80%、第2背景態様が選択される割合が20%であり、大当り種別が確変大当りである場合には、第1背景態様が選択される割合が20%、第2背景態様が選択される割合が80%であるようにしても良い。また、第2背景態様の変動表示で大当りとなった場合には、必ず大当り種別が確変大当りとなるようにしても良い。
また、例えば、ラウンド数が5ラウンド(例えば、最長で29秒の開放時間となる大入賞口の開放が5回)の5R大当りと、ラウンド数が15ラウンド(例えば、最長で29秒の開放時間となる大入賞口の開放が15回)の15R大当りとが存在する場合に、大当り種別が5R大当りである場合には、第1背景態様が選択される割合が80%、第2背景態様が選択される割合が20%であり、大当り種別が15R大当りである場合には、第1背景態様が選択される割合が20%、第2背景態様が選択される割合が80%であるようにしても良い。また、第2背景態様の変動表示で大当りとなった場合には、必ず大当り種別が15R大当りとなるようにしても良い。
このように、通常大当りや5R大当りといった有利度の低い第1特定遊技状態と、確変大当りや15R大当りといった遊技者にとっての有利度の高い第2特定遊技状態という複数種別の特定遊技状態が存在する場合に、背景変化演出の背景態様に応じて第1特定遊技状態となる可能性、第2特定遊技状態となる可能性を示唆するようにしても良い。
また、上記実施例では、変動表示(保留記憶)について開始条件(例えば、変動表示が実行されておらず且つ大当り遊技状態にも制御されていない)が成立したときには、その変動表示(保留記憶)に対応した保留表示(1番目の保留表示)が消去される例について説明したが、このような形態に限らず、開始条件が成立した変動表示(保留記憶)に対応した保留表示が、変動表示対応表示領域にシフトして当該変動表示が終了するまで変動表示対応表示(いわゆるアクティブ保留とも称される)として表示されるようにしても良い。ここで、保留表示が変動表示対応表示領域にシフトする際に、その保留表示の表示態様が維持されるものとする。すなわち、保留表示が通常態様である場合には、該保留表示に対応した変動表示対応表示も通常態様で表示されることになり、保留表示が特別態様である場合には、該保留表示に対応した変動表示対応表示も特別態様で表示されることになる。これにより、遊技者は、保留変化演出のターゲットとなった変動表示が実行されていることを容易に把握することができ、変動表示の状態や表示結果に注目させることができる。
ここで上記実施例では、ターゲットの変動表示が終了するまでは、新たな先読み演出が実行されないように制限をしているため、このように変動表示対応表示領域に変動表示対応表示を表示するようにした場合、特別態様の変動表示対応表示が表示されているとき(すなわち保留変化演出のターゲットの変動表示が実行されているとき)には、新たな先読み演出が実行されないことになる。そのため、上記実施例は、変動表示対応表示を表示する形態においても有効である。
また、上記実施例では、背景変化演出のターゲットとなる変動表示が実行されるときにも、その背景画像が当該背景変化演出における背景態様(第1背景態様または第2背景態様)となる例について説明したが(図40(18)(19)および図41(59)(60))、このような形態に限らず、背景変化演出のターゲットとなる変動表示における背景画像は、当該背景変化演出における背景態様とはならないようにしても良く、通常背景としても良い。
尚、上記実施例においては、大当り遊技状態が終了するタイミング(例えば、大当り終了演出処理のS886でYESと判定されてからS892が実行される前)で、保留変化フラグや背景変化フラグをリセット(クリア)するようにしても良い。また、第2実施形態においては、先読み禁止フラグをリセット(クリア)するようにしても良い。すなわち、大当り遊技状態が終了したことに伴い、先読み演出の制限を解除するようにしても良い。
また、上記実施例では、保留変化演出を実行することに決定された場合に、該保留変化演出が実行される前のタイミングであっても、該保留変化演出の対象の変動表示とは異なる変動表示又は該保留変化演出の対象と共通の変動表示を対象とする背景変化演出を実行することには決定されない例について説明したが、このような形態に限らず、保留変化演出を実行することに決定された場合に、該保留変化演出が実行される前のタイミングでは、該保留変化演出の対象の変動表示とは異なる変動表示又は該保留変化演出の対象と共通の変動表示を対象とする背景変化演出を実行することに決定可能であるが、該保留変化演出が実行された以降のタイミングでは、該保留変化演出の対象の変動表示とは異なる変動表示又は該保留変化演出の対象と共通の変動表示を対象とする背景変化演出を実行することの決定(または背景変化演出の実行)を制限するようにしても良い。
また、上記実施例では、背景変化演出を実行することに決定された場合に、該背景変化演出が実行される前のタイミングであっても、該背景変化演出の対象の変動表示とは異なる変動表示又は該背景変化演出の対象と共通の変動表示を対象とする保留変化演出を実行することには決定されない例について説明したが、このような形態に限らず、背景変化演出を実行することに決定された場合に、該背景変化演出が実行される前のタイミングでは、該背景変化演出の対象の変動表示とは異なる変動表示又は該背景変化演出の対象と共通の変動表示を対象とする保留変化演出を実行することに決定可能であるが、該背景変化演出が実行された以降のタイミングでは、該背景変化演出の対象の変動表示とは異なる変動表示又は該背景変化演出の対象と共通の変動表示を対象とする保留変化演出を実行することの決定(または保留変化演出の実行)を制限するようにしても良い。
また、上記実施例では、保留変化演出を実行することに決定された場合に、該保留変化演出が実行される前のタイミングであっても、該保留変化演出の対象の変動表示とは異なる変動表示を対象とする保留変化演出または背景変化演出を実行することには決定されない例について説明したが、このような形態に限らず、保留変化演出を実行することに決定された場合に、該保留変化演出が実行される前のタイミングでは、該保留変化演出の対象の変動表示とは異なる変動表示を対象とする保留変化演出または背景変化演出を実行することに決定可能(該決定に応じて保留変化演出または背景変化演出を実行可能)であるようにしても良い。
例えば、先の決定に係る保留変化演出における保留表示の最終表示態様が第1特別態様(期待度低)であって、後の決定に係る保留変化演出における保留表示の最終表示態様が第2特別態様(期待度高)である場合には、先の決定に係る保留変化演出を実行せずに後の決定に係る保留変化演出を実行するようにしても良い。また、例えば、先の決定に係る保留変化演出における保留表示の最終表示態様が第1特別態様(期待度低)であって、後の決定に係る背景変化演出における背景態様が第2背景態様(期待度高)である場合には、先の決定に係る保留変化演出を実行せずに後の決定に係る背景変化演出を実行するようにしても良い。このように、予告演出の期待度に応じて予告演出の種別や予告演出のターゲットを変更するようにしても良い。
また、例えば、先の決定に係る保留変化演出の対象となる変動表示の表示結果がはずれであって、後の決定に係る保留変化演出または背景変化演出の対象となる変動表示の表示結果が大当りである場合には、先の決定に係る保留変化演出を実行せずに後の決定に係る保留変化演出または背景変化演出を実行するようにしても良い。このように、予告演出の対象となる変動表示の表示結果に応じて予告演出の種別や予告演出のターゲットを変更するようにしても良い。
また、上記実施例では、背景変化演出を実行することに決定された場合に、該背景変化演出が実行される前のタイミングであっても、該背景変化演出の対象の変動表示とは異なる変動表示を対象とする保留変化演出または背景変化演出を実行することには決定されない例について説明したが、このような形態に限らず、背景変化演出を実行することに決定された場合に、該背景変化演出が実行される前のタイミングでは、該背景変化演出の対象の変動表示とは異なる変動表示を対象とする保留変化演出または背景変化演出を実行することに決定可能(該決定に応じて保留変化演出または背景変化演出を実行可能)であるようにしても良い。
例えば、先の決定に係る背景変化演出における背景態様が第1背景態様(期待度低)であって、後の決定に係る背景変化演出における背景態様が第2背景態様(期待度高)である場合には、先の決定に係る背景変化演出を実行せずに後の決定に係る背景変化演出を実行するようにしても良い。また、例えば、先の決定に係る背景変化演出における背景態様が第1背景態様(期待度低)であって、後の決定に係る保留変化演出における保留表示の最終表示態様が第2特別態様(期待度高)である場合には、先の決定に係る背景変化演出を実行せずに後の決定に係る保留変化演出を実行するようにしても良い。このように、予告演出の期待度に応じて予告演出の種別や予告演出のターゲットを変更するようにしても良い。
また、例えば、先の決定に係る保留変化演出の対象となる変動表示の表示結果がはずれであって、後の決定に係る保留変化演出または背景変化演出の対象となる変動表示の表示結果が大当りである場合には、先の決定に係る保留変化演出を実行せずに後の決定に係る保留変化演出または背景変化演出を実行するようにしても良い。このように、予告演出の対象となる変動表示の表示結果に応じて予告演出の種別や予告演出のターゲットを変更するようにしても良い。
また、上記実施例では、保留変化演出を実行することに決定された場合に、該保留変化演出が実行される前のタイミングであっても、該保留変化演出の対象の変動表示と共通の変動表示を対象とする背景変化演出を実行することには決定されない例について説明したが、このような形態に限らず、保留変化演出を実行することに決定された場合に、該保留変化演出が実行される前のタイミング(例えば先の決定に係る始動入賞後の演出図柄変動開始処理や演出図柄変動中処理)では、該保留変化演出の対象の変動表示と共通の変動表示を対象とする背景変化演出を実行することに決定可能(該決定に応じて背景変化演出を実行可能)であるようにしても良い。
例えば、先の決定に係る保留変化演出における保留表示の最終表示態様が第1特別態様(期待度低)であって、後の決定に係る背景変化演出における背景態様が第2背景態様(期待度高)である場合には、その変動表示を対象として先の決定に係る保留変化演出を実行せずに後の決定に係る背景変化演出を実行するようにしても良い。このように、予告演出の期待度に応じて一の変動表示を対象とした予告演出の種別を変更するようにしても良い。なお、予告演出の期待度に応じて一の変動表示を対象とした予告演出の実行タイミング(保留表示の表示態様が変化するタイミングや背景画像の態様が変化するタイミング)を変更するようにしても良い。
また、上記実施例では、背景変化演出を実行することに決定された場合に、該背景変化演出が実行される前のタイミングであっても、該背景変化演出の対象の変動表示と共通の変動表示を対象とする保留変化演出を実行することには決定されない例について説明したが、このような形態に限らず、背景変化演出を実行することに決定された場合に、該背景変化演出が実行される前のタイミング(例えば先の決定に係る始動入賞後の演出図柄変動開始処理や演出図柄変動中処理)では、該背景変化演出の対象の変動表示と共通の変動表示を対象とする保留変化演出を実行することに決定可能(該決定に応じて保留変化演出を実行可能)であるようにしても良い。
例えば、先の決定に係る背景変化演出における背景態様が第1背景態様(期待度低)であって、後の決定に係る保留変化演出における保留表示の最終表示態様が第2特別態様(期待度高)である場合には、その変動表示を対象として先の決定に係る背景変化演出を実行せずに後の決定に係る保留変化演出を実行するようにしても良い。このように、予告演出の期待度に応じて一の変動表示を対象とした予告演出の種別を変更するようにしても良い。なお、予告演出の期待度に応じて一の変動表示を対象とした予告演出の実行タイミング(保留表示の表示態様が変化するタイミングや背景画像の態様が変化するタイミング)を変更するようにしても良い。
また、上記実施例では、第1予告演出を実行することに決定された場合には、第2予告演出の実行を制限するとともに(例えば、第1予告演出の対象となる変動表示が終了するまでは第2予告演出の実行を決定せず)、第2予告演出を実行することに決定された場合には、第1予告演出の実行を制限する(例えば、第2予告演出の対象となる変動表示が終了するまでは第1予告演出の実行を決定しない)例について説明したが、このような形態に限らず、第1予告演出を実行することに決定された場合には、第2予告演出の実行を制限するが(例えば、第1予告演出の対象となる変動表示が終了するまでは第2予告演出の実行を決定せず)、第2予告演出を実行することに決定された場合には、第1予告演出の実行を制限しない(例えば、背景変化フラグがセットされている期間であっても保留変化演出を実行することに決定可能である)ようにしても良い。これによれば、第2予告演出の実行後に第1予告演出が実行されるまでは、対象の変動表示を認識し難いという第2予告演出の特徴が損なわれないため、第1予告演出および第2予告演出の双方によって適切に興趣を高めることができる。
また、第2予告演出を実行することに決定された場合には、第1予告演出の実行を制限するが(例えば、第2予告演出の対象となる変動表示が終了するまでは第1予告演出の実行を決定せず)、第1予告演出を実行することに決定された場合には、第2予告演出の実行を制限しない(例えば、保留変化フラグがセットされている期間であっても背景変化演出を実行することに決定可能である)ようにしても良い。
また、上記実施例では、第1予告演出を実行する場合には、該第1予告演出の対象となる変動表示が終了するまでの期間、第2予告演出の実行を制限する例について説明したが、このような形態に限らず、該第1予告演出の対象となる変動表示の開始条件が成立したことに基づいて第2予告演出の実行制限を解除するようにしても良い。例えば、保留変化演出の対象となる変動表示が開始されるときには、該変動表示に対応する保留表示が消去されることになるため、これ以降のタイミングで背景変化演出が実行されたとしても、背景変化演出の興趣が損なわれることがない。
また、上記実施例では、第2予告演出を実行する場合には、該第2予告演出の対象となる変動表示が終了するまでの期間、第1予告演出の実行を制限する例について説明したが、このような形態に限らず、該第2予告演出の対象となる変動表示の開始条件が成立したことに基づいて第1予告演出の実行制限を解除するようにしても良い。例えば、背景変化演出の対象となる変動表示においては、その背景画像を第1背景画像および第2背景画像としない場合(ターゲットの変動表示における背景画像を背景変化演出の対象としない場合)には、該変動表示における背景画像が通常背景態様となるため、これ以降のタイミングで保留変化演出が実行されたとしても、背景変化演出の興趣が損なわれることがない。
なお、上記実施例では、第1先読み演出パターンにおいて、保留表示が特別態様で表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングと、通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるシフトタイミングとのいずれかであったが、本発明はこれに限定されるものではなく他のタイミングを含むようにしてもよい。例えば、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のタイミング(具体的には、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される1つの変動表示中または複数の変動表示にまたがった期間)で保留表示を特別態様で表示するようにしてもよい。
また、上記実施例では、第2先読み演出パターンにおいて、保留表示が特殊態様で表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングのみであったが、これに限らず、始動入賞のタイミングでは通常態様で表示し、任意のシフトタイミングで特殊態様に変化して表示するようにしてもよいし、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のタイミング(具体的には、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される1つの変動表示中または複数の変動表示にまたがった期間)で保留表示を特殊態様で表示するようにしてもよい。また、第2先読み演出パターンにおいて、特殊態様で表示された保留表示が特別態様に変化するタイミングについても、シフトタイミングに限らず、保留表示が特殊態様で表示されてから、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のタイミング(具体的には、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される1つの変動表示中または複数の変動表示にまたがった期間)であってもよい。
また、上記実施例では、保留変化演出の演出パターンとして、予告対象となる変動表示(保留記憶)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される第1先読み演出パターンと、始動入賞のタイミングで予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が特殊態様で表示され、任意のシフトタイミングで最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される第2先読み演出パターンとを含むが、第2先読み演出パターンのみ含むようにしてもよい。この場合であっても、保留変化演出が行われると、予告対象となる変動表示(保留記憶)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されるが、特殊態様から特別態様には複数のタイミング(シフトタイミング等の任意のタイミング)で変化されるため、保留表示の表示態様を変化させる演出に多様性を持たせ、遊技興趣を向上させることができる。
また、上記実施例では、保留表示が特殊態様で表示されたときには、保留表示は、必ず特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示されるが、例えば、特殊態様のまま変化させないようにしてもよい。この場合には、保留表示が特殊態様から特別態様に変化されることなく、その保留表示(保留記憶)に対応する変動表示が開始されたときには、特殊態様から特別態様に変化されたときに比べて大当りとなる割合が低くなるように構成することが望ましい。このようにすることで、保留表示の表示態様が特殊態様から特別態様に変化することに対して、より関心を持たせることができる。また、この場合には、保留表示が特殊態様で表示されている状態の方が、通常状態で表示されている状態に比べて、特別態様に変化して表示される割合が高くなるように構成することが望ましい。このようにすることで、保留表示の表示態様が通常態様から特殊態様に変化することに対して関心を持たせることができ、さらに特殊態様で表示されているときの期待感を高めることもできる。
なお、上記実施例においては、示唆演出として、演出表示装置5において所定の表示制御が行われているが、これとともに(またはこれに代えて)、スピーカから音声を出力する演出や、ランプを点灯させる演出などを行うようにしてもよい。また、上記実施例では、示唆演出は、保留表示の変化に作用する演出(矢が突き刺さる(または通過する))であり、演出結果に応じて保留表示が変化するが(矢が突き刺さると保留表示が変化する)、必ずしも保留表示の変化に作用する演出としなくてもよい。例えば、保留表示の表示態様を変化させる場合と変化させない場合とのいずれであっても、示唆演出として、特定の保留表示に矢が突き刺さる演出を行う。そして、保留表示を変化させる場合には、示唆演出によって矢が突き刺さった保留表示を変化させ、変化させない場合には、示唆演出によって矢が突き刺さった保留表示を変化させないようにしてもよい。すなわち、保留表示が変化するときと変化しないときとで、示唆演出の態様(飛んできた矢が特定の保留表示に突き刺さる)は同じであるが、結果(矢が突き刺さった保留表示の表示態様が変化するか否か)が異なるような保留変化演出を行うようにしてもよい。なお、この場合おいて、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=40%:60%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記実施例においては、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御基板12(演出制御用CPU120)に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ100が他の基板(例えば、図3に示す音声制御基板13やランプ制御基板14など、または音声制御基板13に搭載されている回路による機能とランプ制御基板14に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板12における演出制御用マイクロコンピュータに送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声制御基板13、ランプ制御基板14、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置5を制御する演出制御用マイクロコンピュータに送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータは、上記の実施例における遊技制御用マイクロコンピュータ100から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声制御基板13、ランプ制御基板14または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記実施例においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御マイクロコンピュータ(演出制御用CPU120)に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御マイクロコンピュータは2つのコマンドの組み合わせから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的なついては演出制御マイクロコンピュータ(演出制御用CPU120)の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記実施例で示した構成は、パチンコ遊技機にかぎらず、様々な形態の遊技機に適用することができる。例えば、上記の各実施の形態で示した構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(例えば、50個)の遊技玉が封入領域内(例えば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(例えば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行われる。
また、上記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機1における遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしても良い。
また、上記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。尚、始動入賞口を1つのとした場合には、特別図柄を1つのみとすれば良い。