[全体構成]
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品などが取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球(遊技球)を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示(変動表示ともいう)に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、パチンコ遊技機1は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。入賞とは、入賞口などの予め入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。たとえば、後述するタイマ割込処理の表示制御処理(S22)において表示制御を行う処理が実行されることによって実現される。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。たとえば、後述するタイマ割込処理の表示制御処理(S22)において表示制御を行う処理が実行されることによって実現される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留表示部18cが設けられている。この実施の形態では、合算保留表示部18cにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とに対応する保留表示が第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示される。なお、合算保留表示部18cにおいて、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示されるようにしてもよい(たとえば、色や形などで区別するものであってもよい)。また、合算保留表示部18cに代えて、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部と第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部とを設けるように構成してもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。大当り遊技状態に制御される契機となる表示結果(本実施の形態では、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおいて導出表示される特定表示結果(大当り図柄)、および演出表示装置9において停止表示される演出図柄の組合せ)を、総称して「大当り表示結果」ともいう。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、たとえば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、この実施の形態では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。したがって、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合などに高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。したがって、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の可変表示が終了し、開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
[ブロック図]
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。図2には、払出制御基板37および演出制御基板80なども示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラムなどを記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能などの各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、ROM54などの所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電などが生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電などの発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560などに供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560などは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560などは動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560などの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560などの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、パチンコ遊技機1において使用される所定電圧(たとえば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値が予め定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報などの情報出力信号をホールコンピュータなどの外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAMは、その一部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、演出制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAMの一部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態を示すデータ(後述する、確変状態フラグや時短状態フラグ)は、バックアップRAMに保存される。ただし、この実施の形態では、後述する時短状態移行後の変動回数をカウントするための時短後回数カウンタの値は、バックアップRAMには保存されない。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号など(演出図柄を含む)を予め格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
[メイン処理]
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、S1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加などの電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電などの電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段などの電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。そして、S14に移行する。この実施の形態では、CPU56は、S43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、パチンコ遊技機1の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う(S15)。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、パチンコ遊技機1に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置などの遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
[タイマ割込処理]
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路が、パチンコ遊技機1に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数などの各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する出力処理を実行する(S31)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。たとえば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[変動パターン]
図6は、予め用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様がリーチ状態を伴わない場合に対応した変動パターンとして、短縮非リーチはずれおよび非リーチはずれが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様がリーチ状態を伴う場合に対応した変動パターンとして、ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれおよび擬似連3スーパーはずれが用意されている。図6に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連1ノーマルはずれを用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連2スーパーはずれを用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連3スーパーはずれを用いる場合には、再変動が3回行われる。再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。また、図6に示す変動パターンのうち、短縮非リーチはずれは、非リーチはずれに対応して設けられた、非リーチはずれよりも変動時間が短い短縮用の変動パターンである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が通常大当りまたは確変大当りになる場合に対応した変動パターンとして、ノーマル当り、擬似連1当り、スーパー当り、擬似連2スーパー当りおよび擬似連3スーパー当りが用意されている。また、図6に示すように、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連1ノーマル当りを用いる場合には、再変動が1回行われる。また、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連2スーパー当りを用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、擬似連3スーパー当りを用いる場合には、再変動が3回行われる。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が突然確変大当りまたは小当りになる場合に対応した変動パターンとして、特殊当りが用意されている。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(たとえば、擬似連(3回)ありのスーパーリーチの場合には変動時間が40秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチの場合には変動時間が25秒で固定である)を示しているが、たとえば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。たとえば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、たとえば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々のテーブルを用意しておき(たとえば、保留記憶数0〜2用の変動パターン判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合と時短状態である場合とで、変動時間が異なるように構成されているが(図6に示す例では、時短状態である場合には、他の変動パターンに比べて変動時間が短い「短縮非リーチはずれ」が選択される割合が高くなるように判定値が設定されている)、これに限らず、通常状態(または時短状態)であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間が異なる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が異なる)ように構成してもよい。たとえば、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高くなる)ようにしてもよい。また、たとえば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合を異ならせる)ようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせる(すなわち、変動時間が短い変動パターンが選択される割合を異ならせる)ようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々のテーブルを用意しておき(たとえば、保留記憶数0〜2用の変動パターン判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
保留記憶数に応じて異なる変動パターン判定テーブルを用いるように構成するときには、たとえば、表示結果がはずれであって、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルは、合算保留記憶数が0〜2である場合に用いられる変動パターン判定テーブルと比較して、リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ)となる割合が少なくなるように判定値が割り当てられる。また、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルは、他の変動パターンに比べて変動時間が短い「短縮非リーチはずれ」が選択される割合が高くなるように判定値が設定される。このことによって、合算保留記憶数が多くなるに従って平均的な変動時間を短くすることができ、可変表示の作動率が低下してしまう事態を極力防止することができる。
また、合算保留記憶数が3以上である場合に用いられる変動パターン判定テーブルと、合算保留記憶数が0〜2である場合に用いられる変動パターン判定テーブルとには、特定の演出(たとえばスーパーリーチ)を伴う変動パターン(またはそのような変動パターンの集合)に対して、共通の判定値(たとえば、950〜997など)が割り当てられる。そのため、合算保留記憶数にかかわらず(つまり用いる変動パターン判定テーブルが異なっても)、始動入賞時において、抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値さえ確認すれば、特定の演出(たとえばスーパーリーチ)を伴うか否かを予め容易に判定することができる。したがって、その始動入賞に対応した可変表示よりも以前に、特定の演出(たとえばスーパーリーチ)を伴うことを報知することができ(たとえば、その旨を示す演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100において先読み演出などの演出を実行することによって実現される)、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、合算保留記憶数が0〜2であるか3以上であるかの2種類について、判定値の割り当てを異ならせる場合を示したが、これに限らず、たとえば、合算保留記憶数に応じてさらに細かく段階的に割り当てを異ならせてもよい。この場合、たとえば、合算保留記憶数が0,1用の変動パターン判定テーブルと、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用および合算保留記憶数4個用の変動パターン判定テーブルとを予め用意しておき、リーチを伴う変動パターンや短縮変動の変動パターンに対する判定値の割り当てさらに段階的に異ならせるようにしてもよい。
[乱数]
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)(2)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)(3)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)(4)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。この実施の形態では、変動パターンは、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、変動パターン判定テーブルに含まれるいずれかの変動パターンに決定する。
図5に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
[当り判定テーブル]
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図8(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図8(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図8(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図8(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図8(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。したがって、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図8(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられている(40分の10の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して3個の判定値が割り当てられている(40分の3の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。したがって、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。テーブルに設定される判定値は、個数が異なるとともに重複して割り当てられないようになっている。
なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態として2ラウンドの突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態として15ラウンドの大当り(確変大当りまたは通常大当り)と決定する場合を説明するが、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。たとえば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、たとえば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、たとえば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、たとえば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(あたかも15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するS170,S171参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するS134参照)。
また、「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されず、時短状態にのみ移行される大当りである(後述するS167参照)。そして、時短状態に移行した後、特別図柄および演出図柄の変動表示の実行を所定回数(たとえば、100回)終了するまで時短状態が維持される(後述するS142〜S145参照)。この実施の形態では、時短状態に移行した後、所定回数の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するS134参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「確変大当り」や「通常大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。そして、この実施の形態では、その2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するS170,S171参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するS134参照)。
前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される(後述するS147〜S151参照)。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
[変動パターン判定テーブル]
図9は、ROM54に記憶されている変動パターン判定テーブルを示す説明図である。変動パターン判定テーブルは、大当り種別や遊技状態などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。CPU56は、抽出したランダム3の(1〜997)の値が変動パターンごとに割り当てられたデータ(判定値)と一致した場合に、変動パターンを、一致した変動パターンの判定値に対応するパターンに決定する。図9に示す例では、変動パターンごとに割り当てられる判定値の割合が示されている。たとえば、通常遊技状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図9の「はずれ」フィールド)においては、ランダム3の値(1〜997)に対応する判定値のうちの50%が、変動パターン「非リーチはずれ」に設定されている。つまり、図9に示す例では、変動パターン判定テーブルに設定された各値は、可変表示結果が「はずれ」、「はずれ(時短時)」、「通常大当り/確変大当り」または「突然確変大当り/小当り時」である場合に、対応付けられた変動パターンに決定される割合を示している。
図9に示すように、たとえば、通常遊技状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図9の「はずれ」フィールド)においては、複数種類の変動パターンのうち、「非リーチはずれ」と判定される割合が最も高く、「擬似連3スーパーはずれ」と判定される割合が最も低い。また、たとえば、時短状態において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされている場合(図9の「はずれ(時短時)」フィールド)においては、「はずれ」フィールドとは異なり、「非リーチはずれ」と判定されることがなく、「短縮非リーチはずれ」と判定される割合が高くなるように判定値が割り当てられている。このように設定することによって、時短状態においては変動時間が短い変動パターンが選択されやすくなる。
また、可変表示結果を「通常大当り」または「確変大当り」にする旨の判定がなされている場合(図9の「通常大当り/確変大当り」フィールド)においては、擬似連演出を伴う変動パターンのうち、「擬似連3スーパー当り」と判定される割合が最も高く、「擬似連1ノーマル当り」と判定される割合が最も低くなるように判定値が割り当てられている。すなわち、「通常大当り/確変大当り」フィールドにおいては、擬似連演出を伴う変動パターンのうち擬似連回数が多い方の変動パターンが選択されやすい。したがって、擬似連演出は、擬似連回数が多い方が、可変表示結果が大当りとなる期待度が高い。また、図9に示す例では、ノーマルリーチを伴う変動パターン(ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、ノーマル当りおよび擬似連1ノーマル当り)は、スーパーリーチを伴う変動パターン(スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ、擬似連3スーパーはずれ、スーパー当り、擬似連2スーパー当りおよび擬似連3スーパー当り)よりも、可変表示結果が「はずれ」のに選択されやすい。逆に、スーパーリーチを伴う変動パターン(スーパーはずれ、擬似連2スーパーはずれ、擬似連3スーパーはずれ、スーパー当り、擬似連2スーパー当りおよび擬似連3スーパー当り)は、ノーマルリーチを伴う変動パターン(ノーマルはずれ、擬似連1ノーマルはずれ、ノーマル当りおよび擬似連1ノーマル当り)よりも、可変表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」のときに選択されやすい。したがって、この実施の形態では、ノーマルリーチを伴う変動パターンよりもスーパーリーチを伴う変動パターンの方が、可変表示結果が大当りとなる期待度が高い。
また、図9に示す例では、可変表示結果を「突然確変大当り」または「小当り」にする旨の判定がなされている場合(図9の「突然確変大当り/小当り」フィールド)においては、変動パターンは「特殊当り」と判定される。
[コマンド]
図10および図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10および図11に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図16参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時にいずれの変動パターンとなるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定結果コマンドのEXTデータに判定結果としての変動パターンを指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。
図12は、入賞時判定結果指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示すように、この実施の形態では、始動入賞時にいずれの変動パターンになると判定したかに応じて、EXTデータに値が設定され、入賞時判定結果指定コマンドが送信される。たとえば、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時に変動パターンが「短縮非リーチはずれ」となると判定した場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。また、たとえば、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時に変動パターンが「特殊当り」となると判定した場合には、EXTデータに「13(H)」を設定した入賞時判定結果指定コマンドが送信される。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10および図11に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図10および図11に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
[特別図柄プロセス処理]
図13は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311,S312)。そして、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理などを行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理などを行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
[始動口スイッチ通過処理]
図14は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図15(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図15(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図15(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図15(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図15(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
図15(B)は、保留記憶に対応する乱数などを保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図15(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値に基づいて第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、その後、入賞時演出処理の判定結果に基づいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218)。
S1218の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず第1保留記憶数指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。たとえば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。この場合には、S1215の処理を省略可能であるとともに、図15(A)に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)が不要となる。また、この場合には、CPU56は、高ベース状態でなく(時短フラグがセットされていない場合)、大当り遊技中でないことを条件に、第1始動入賞口13に始動入賞したことに基づく入賞時演出処理(S1217)を行うようにしてもよい。すなわち、条件を満たさない場合には、入賞時演出処理(S1217)の実行を制限するようにし、特定の変動表示の表示結果が大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出(詳細については後述する)を実行させないようにしてもよい。第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成において、第2始動入賞口14に始動入賞しやすい遊技状態では、第1始動入賞口13に始動入賞したことに基づく第1特別図柄の変動表示が後回しにされ続けることがあるため、先読み演出を実行しても、予告対象の変動表示がなかなか実行されない状態が生じてしまう可能性がある。しかし、入賞時演出処理(S1217)の実行を制限することで、第1始動入賞口13に始動入賞したことに基づく先読み演出を実行させないようにすることができ、そのような状態を回避することができる。また、高ベース状態や大当り遊技中に入賞時演出処理を制限することによって、大当りとなる保留記憶が記憶されていることが認識できる状態で遊技が行われることを防止することができる。大当り遊技中であるか否かは、たとえば、特別図柄プロセスフラグの値で確認される。その場合、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5〜7のいずれかであるときに大当り遊技中であると判定する。また、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560側では入賞時演出処理を常に行い、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、高ベース状態であるか否か、大当り遊技中であるか否かを判定し、先読み演出の実行を制限するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図20(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。S1227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値に基づいて第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、その後、入賞時演出処理の判定結果に基づいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1229)。
S1229の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず第2保留記憶数指定コマンドおよび入賞時判定結果指定コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
[入賞時演出処理]
図16は、S1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、予めいずれの変動パターンとなるか否かを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動パターンを予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって大当りやスーパーリーチとなることを予告する先読み演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図14に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(S1217参照)を実行する場合)には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図14に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(S1228参照)を実行する場合)には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(S223のN)、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(S224)。この実施の形態では、CPU56は、S224において、遊技状態が確変状態または時短状態であるか否か(具体的には、時短フラグがセットされているか否か)を判定する。始動入賞時にS224で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS224で確変状態や時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動開始前に確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS224で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。
そして、CPU56は、S224の判定結果に応じて、変動パターン判定テーブルのフィールドを選択する(S225)。具体的には、CPU56は、遊技状態が確変状態もしくは時短状態であると判定した場合には、図9に示す変動パターン判定テーブルの「はずれ(時短時)」フィールドを選択する。また、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、図9に示す変動パターン判定テーブルの「はずれ」フィールドを選択する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(S223のY)、CPU56は、図9に示す変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する。(S226)。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定する(S227)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図14に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(S1217参照)を実行する場合)には、図8(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図14に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(S1228参照)を実行する場合)には、図8(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
そして、CPU56は、S227で判定した大当り種別に応じて、変動パターン判定テーブルのフィールドを選択する。(S228)。具体的には、CPU56は、「通常大当り」または「確変大当り」と判定した場合には、変動パターン判定テーブルの「通常大当り/確変大当り」フィールドを選択する。また、「突然確変大当り」と判定した場合には、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する。
次いで、CPU56は、S225,S226,S228で設定した変動パターン判定テーブルのフィールドと、S1216,S1227で抽出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)とを用いて、変動パターンを判定する(S229)。
そして、CPU56は、判定した変動パターンを入賞時判定結果指定コマンドに設定する処理を行う(S230)。具体的には、CPU56は、S229でいずれの変動パターンになると判定したかに応じて、図12に示すような「00(H)」〜「51(H)」のいずれかの値を入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
たとえば、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図14に示す始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(S1217A参照)を実行する場合)には、S229で「非リーチはずれ」の変動パターンになると判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「02(H)」を設定する処理を行う。また、S229で「擬似連3スーパー当り」の変動パターン種別になると判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「12(H)」を設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、保留記憶数が異なっていても同じ変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンが判定されるが、保留記憶数に応じて異なる変動パターン判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合には、保留記憶数にかかわらず、たとえば、ノーマルリーチやスーパーリーチなどを伴う変動パターンになるか否かを変動パターン判定用乱数(または変動パターン種別判定用乱数)から判定し、判定結果に基づいて入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよいし、特定の変動パターン(たとえば、特定のリーチ演出を行う変動パターンや、特定の擬似連回数の変動パターンなど)になると判定されたときに、判定結果を示す入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、たとえば、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であるか否かを判定し、判定結果を示す入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。
[特別図柄通常処理]
図17および図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図15(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。たとえば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する場合には、S52において第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数が1以上であるか否かを確認し、1以上であればS54に移行し、0であればS53に移行するようにする。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
CPU56は、S56において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算すると、減算された保留記憶数カウンタのカウント値に基づいて第1特別図柄保留記憶表示器18aまたは第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示を変更する制御も行う。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値や小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(S63)、S75に移行する。
ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(S62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。
S71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図8(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
[変動パターン設定処理]
図19は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りである場合には(S92のY)、変動パターン判定テーブルの「通常大当り/確変大当り」フィールドを選択し(S93)、大当り種別が通常大当りまたは確変大当りでない場合には(S92のN)、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する(S94)。そして、S101に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S95)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン判定テーブルの「突然確変大当り/小当り」フィールドを選択する(S96)。そして、S101に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S97)。時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(S97のY)、CPU56は、変動パターン判定テーブルの「はずれ(時短時)」フィールドを選択する(S98)。そして、S101に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(S97のN)、CPU56は、変動パターン判定テーブルの「はずれ」フィールドを選択する(S99)。そして、S101に移行する。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し(S101)、S93、S94、S96,S98またはS99の処理で選択した変動パターン判定テーブルのフィールドを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。
次いで、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S103)。また、CPU56は、特別図柄ポインタが示す図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S104)。
また、特別図柄の変動を開始する(S105)。たとえば、S33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S106)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S107)。
[表示結果指定コマンド送信処理]
図20は、表示結果指定コマンド送信処理(S302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図10参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S110)。セットされていない場合には、S116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(S111,S112)。確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(S113,S114)。突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもないときには(すなわち、通常大当りであるときには)、CPU56は、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(S115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(S110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(S117)。小当りフラグもセットされていないときは(S116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(S118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S303)に対応した値に更新する(S119)。
[特別図柄変動中処理]
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
[特別図柄停止処理]
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S131)。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(S132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には(S133のN)、S140に移行する。
大当りフラグがセットされている場合には(S133のY)、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(S135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(S136)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、たとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(たとえば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。突然確変大当りの場合には2回。)をセットする(S138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S139)。
S140では、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する。確変フラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S141)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態をともなわず、時短状態にのみ制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S142)。
次いで、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(S144)、時短フラグをリセットする(S145)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(S146)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S147)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する(S148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、たとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(たとえば2回)をセットする(S150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(S308)に対応した値に更新する(S151)。
小当りフラグもセットされていなければ(S147のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S152)。
[大当り終了処理]
図23は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(S161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(S162)。ここで、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S163)、処理を終了する。
S164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(S165のY)、CPU56は、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かを確認する(S166)。確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」〜「03」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(S167)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(たとえば100回)をセットする(S168)。また、CPU56は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S169)。そして、S173に移行する。
確変大当りまたは突然確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(S170)。また、CPU56は、時短フラグをセットする(S171)。また、CPU56は、確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S172)。そして、S173に移行する。
この実施の形態では、S167,S171でセットした時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(S27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、S167,S171でセットした時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S173)。
[演出制御メイン処理]
次に、演出制御手段の動作を説明する。図24は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定などを行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理などを行う(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
[コマンド受信バッファの構成]
図25は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図10および図11参照)であるのか解析する。
[コマンド解析処理]
図26、図27は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(S612)。読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S622)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S623)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S625)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S626)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S627)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S628)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU101は、その第1保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第1保留記憶数として第1保留記憶数保存領域に格納する(S652)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数指定コマンドであれば(S654)、演出制御用CPU101は、その第2保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第2保留記憶数として第2保留記憶数保存領域に格納する(S655)。
次いで、受信した演出制御コマンドがいずれかの入賞時判定結果指定コマンドであれば(S664)、演出制御用CPU101は、受信した入賞時判定結果指定コマンドに応じた入賞時判定結果を入賞時判定結果記憶バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた領域に保存し(S665)、先読み演出決定処理を行う(S671)。
この実施の形態では、合算保留記憶数は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数と、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数とを合算することで求められる。第1保留記憶数は、第1保留記憶数指定コマンドを受信した後に、S652において更新され、第2保留記憶数は、第2保留記憶数指定コマンドを受信した後に、S655において更新されるため、合算保留記憶数も同じタイミングで更新される。また、入賞時判定結果指定コマンドは、始動口スイッチ通過処理のS1218においては、第1保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信され、S1228においては、第2保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信される。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、合算保留記憶数を更新した後に、入賞時判定結果指定コマンドを受信する。演出制御用CPU101は、S665の処理で、たとえば、入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータを入賞時判定結果バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた保存領域にセットする。入賞時判定結果指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)で、入賞時判定結果が特定されるからである(図12参照)。また、入賞時判定結果バッファにセットされたデータは、後述する演出図柄変動開始処理(S1800の処理が実行されるタイミングなど)において、先にセットされたものから順に削除される。
図27(A)は、入賞時判定結果を保存する領域(入賞時判定結果記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図27(A)に示すように、この実施の形態では、入賞時判定結果記憶バッファにおいて合算保留記憶数に対応付けられた8個の保存領域が確保されている。第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、いずれの入賞時判定結果であるかを区別するために、第1始動入賞口13への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第1入賞時判定結果記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞時の入賞時判定結果を保存する第2入賞時判定結果記憶バッファとを用意するようにしてもよい。この場合には、第1入賞時判定結果記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2入賞時判定結果記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、この場合には、第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファには、受信した入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータが記憶される。入賞時判定結果記憶バッファ(第1入賞時判定結果記憶バッファおよび第2入賞時判定結果記憶バッファ)は、演出制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAMに形成されている。
また、受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S683)。そして、S611に移行する。
[先読み演出決定処理]
次に、先読み演出について説明する。先読み演出とは、演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行され、演出の対象となる変動表示が大当りとなることや特定の変動(たとえば、リーチ演出を含むなど)となることを予告する予告演出のことである。この実施の形態では、先読み演出として、合算保留表示部18cにおいて、予告対象となる変動表示(保留記憶)に対応する保留表示(保留記憶表示ともいう)が、通常の表示態様(以下、通常態様)とは異なる表示態様(後述する特殊態様、第1特有態様、第2特有態様、第1特別態様、第2特別態様)で表示される演出が行われる。
通常態様、特殊態様、特有態様(第1特有態様、第2特有態様)、および特別態様(第1特別態様、第2特別態様)には、一部の態様が互いに共通する共通態様部分が存在し、それ以外の態様が互いに異なる相違態様部分が存在する。本実施の形態では、各表示態様で保留表示が行われたときに、当該保留表示の形が丸である点で共通する。すなわち、通常態様、特殊態様、特有態様(第1特有態様、第2特有態様)、および特別態様(第1特別態様、第2特別態様)における共通態様部分は保留表示の形である。一方、本実施の形態では、各表示態様で保留表示が行われたときに、当該保留表示の色が互いに異なる。たとえば、通常態様では黄色で保留表示が行われ、特殊態様では白色で保留表示が行われ、特有態様(第1特有態様、第2特有態様)では青色で保留表示が行われ、特別態様(第1特別態様、第2特別態様)では赤色で保留表示が行われる。すなわち、通常態様、特殊態様、特有態様(第1特有態様、第2特有態様)、および特別態様(第1特別態様、第2特別態様)における相違態様部分は保留表示の色である。
さらに、特有態様の中でも、第1特有態様と第2特有態様とで、互いに異なる部分が存在する。たとえば、第1特有態様では点灯によって保留表示が行われるのに対して、第2特有態様では点滅によって保留表示が行われる。すなわち、第1特有態様および第2特有態様は、発光形態(保留表示における光の発し方とも言える)が異なる。このように、第1特有態様および第2特有態様は、共通態様部分(保留表示の形)および相違態様部分(保留表示の色)が共通するが、それら以外の発光形態が異なる。
このように、特有態様(第1特有態様、第2特有態様)と、通常態様および特別態様(第1特別態様、第2特別態様)との間に異なる部分があるため、保留表示が特有態様となったことを遊技者に認識させやすい。さらに、第1特有態様と第2特有態様との間にも異なる部分があるため、保留表示が特有態様となったときに、当該特有態様が第1特有態様および第2特有態様のいずれであるかを遊技者に認識させやすい。これにより、保留表示の表示態様を変化させる演出に多様性を持たせつつも分かりやすい演出を行うことができる。以下、第1特有態様と第2特有態様とを特有態様と総称することがあり、第1特別態様と第2特別態様とを特別態様と総称することがある。
図28は、先読み演出決定処理を示すフローチャートである。先読み演出決定処理において、演出制御用CPU101は、合計保留記憶数が0であるか否かを確認する(S67101)。合計保留記憶数が0であれば、演出制御用CPU101は、合算保留表示部18cにおいて、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示(つまり、1つ目の保留表示)を通常態様で表示する(S67117)。合計保留記憶数が0でなければ、演出制御用CPU101は、先読み演出の実行が制限されていることを示す先読み演出制限フラグがセットされているか否かを確認する(S67102)。先読み演出制限フラグは、後述するS67115においてセットされる。先読み演出制限フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、合算保留表示部18cにおいて、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(S67117)。たとえば、合算保留表示部18cの1つ目〜5つ目の保留表示が表示されていた場合には、演出制御用CPU101は、6つ目の保留表示を通常態様で表示するように制御する。
先読み演出制限フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する過去の入賞時判定結果(今回受信した入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果を除く)を全て抽出する(S67103)。
次いで、演出制御用CPU101は、抽出した入賞時判定結果が全て「非リーチ」を示す判定結果であるか否かを確認する(S67104)。この実施の形態では、演出制御用CPU101は、S67104において、抽出した入賞時判定結果が、全て変動パターンが「短縮非リーチはずれ」または「非リーチはずれ」になることを示す値(具体的には、「01(H)」または「02(H)」。図12参照)であるか否かを判定する(すなわち、リーチを伴わないはずれ変動となるか否かを確認する)。
S67104において抽出した入賞時判定結果が全て「非リーチ」を示す判定結果である場合には、演出制御用CPU101は、S67105に移行する。一方、抽出した入賞時判定結果が全て「非リーチ」を示す判定結果でない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留表示部18cにおいて、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(S67117)。すなわち、この実施の形態では、リーチ演出を伴う変動表示が行われる保留記憶がある場合には、新たに受信した入賞時判定結果指定コマンドに基づいて先読み演出を実行しないように構成されている。なお、図28に示す例に限らず、リーチ演出を伴う変動表示が行われる保留記憶がある場合であっても、新たに受信した入賞時判定結果指定コマンドに基づいて先読み演出を実行するようにしてもよい。
演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する最新の入賞時判定結果(今回受信した入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果)を抽出し、抽出した入賞時判定結果に基づいて、先読み演出を実行するか否かを決定する(S67105)。
この実施の形態では、演出制御用CPU101は、図29(A)に示す先読み演出実行決定テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを決定する。
図29(A)は、先読み演出実行決定テーブルを示す説明図である。先読み演出実行決定テーブルには、入賞時判定結果ごとに決定事項(「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」)に対応する判定値が割り当てられているが、図29(A)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、たとえば、先読み演出を実行するか否かを決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項(「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」)に決定する。したがって、図29(A)に示す例では、各入賞時判定結果における「先読み演出を実行する」と「先読み演出を実行しない」とに対応する数値は、決定事項として「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」が選択される割合(%)を示している。
この実施の形態では、図29(A)に示す先読み演出実行決定テーブルの他に、図29(B)に示す最終特別態様決定テーブル、図30に示す先読み演出パターン決定テーブル、図31に示す先読み演出変化タイミング決定テーブル、および図32に示す示唆演出態様決定テーブルについても、実際には判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために割り当てられた判定値の割合が示されている。また、それらのテーブルが用いられる後述するS67108、S67110、S67111、S67113においても、S67105と同様に、演出制御用CPU101は、たとえば、後述する最終特別態様、先読み演出パターン、変化タイミング(シフト回数)または示唆演出の演出態様を決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている事項に決定する。
S67105では、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果に基づいて、図29(A)に示す先読み演出実行決定テーブルにおいて入賞時判定結果ごとに定められた割合で、先読み演出を実行するか否かを決定する。たとえば、入賞時判定結果で「短縮非リーチはずれ」であることが示されているときには、演出制御用CPU101は、100%の割合で先読み演出を実行しないと決定する。また、たとえば、入賞時判定結果で「擬似連3スーパー当り」であることが示されているときには、演出制御用CPU101は、99%の割合で先読み演出を実行すると決定する。
図29(A)に示す先読み演出実行決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)に比べて、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)の方が、先読み演出が実行される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。つまり、保留表示が通常態様から変化しなかったときよりも、先読み演出によって保留表示が通常態様から特有態様、特殊態様、および特別態様のいずれかに変化したときの方が高い割合で表示結果が当りとなる。また、図29(A)に示す先読み演出実行決定テーブルにおいて特徴的なことは、同じ表示結果であっても、期待度が高いリーチ演出が行われる方が(たとえばノーマルリーチよりもスーパーリーチが行われる方が)、先読み演出が実行される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、先読み演出が実行されたときには、先読み演出が実行されないときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることや、大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われる割合を高くすることができる。したがって、先読み演出が実行されることに対して遊技者に期待感を持たせることができる。
なお、図29(A)に示す例では、入賞時判定結果で「非リーチはずれ」である場合にも1%の割合で先読み演出を実行すると決定されるが、「非リーチ」(「短縮非リーチはずれ」または「非リーチはずれ」)の場合には、先読み演出を実行すると決定されないようにしてもよい。また、図29(A)に示す例では、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに先読み演出を実行するか否かを決定するための判定値(割合)が設定されているが、たとえば、表示結果ごと(たとえば、「はずれ」、「通常大当り」もしくは「確変大当り」または「突然確変大当り」もしくは「小当り」)に先読み演出を実行するか否かを決定するための判定値(割合)が設定されていてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行すると決定した場合には(S67106のY)、S67107に移行する。一方、先読み演出を実行しないと決定した場合には(S67106のN)、演出制御用CPU101は、合算保留表示部18cにおいて、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(S67117)。
演出制御用CPU101は、先読み演出の対象となる保留表示を特定するための演出用合算保留記憶数カウンタに、合計保留記憶数をセットする(S67107)。演出用合算保留記憶数カウンタの値は、演出図柄変動開始処理のS1802aにおいて1減算され、S1811において、先読み演出の対象となる保留表示を特定するために用いられる。たとえば、演出用合算保留記憶数カウンタの値が4である場合には、合算保留表示部18cの4つ目の保留表示の表示態様を変化させる先読み演出が実行される。この実施の形態では、合算保留記憶数は、第1保留記憶数保存領域に格納されている第1保留記憶数と、第2保留記憶数保存領域に格納されている第2保留記憶数とを合算することで求められる。第1保留記憶数は、第1保留記憶数指定コマンドを受信した後に、S652において更新され、第2保留記憶数は、第2保留記憶数指定コマンドを受信した後に、S655において更新されるため、合算保留記憶数も同じタイミングで更新される。また、入賞時判定結果指定コマンドは、始動口スイッチ通過処理のS1218においては、第1保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信され、S1228においては、第2保留記憶数指定コマンドを送信した後に送信される。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、合算保留記憶数を更新した後に、入賞時判定結果指定コマンドを受信する。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み演出の演出パターン(以下、先読み演出パターンともいう)を決定する(S67108)。
この実施の形態では、図30に示すように、先読み演出パターンとして、第1先読み演出パターン〜第8先読み演出パターンが設けられている。
第1先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様や特有態様で表示されることなく、通常態様から特別態様(第1特別態様または第2特別態様)に変化して表示される。第1先読み演出パターンにおける最終表示態様は、第1特別態様または第2特別態様となる。具体的には、第1先読み演出パターンでは、入賞時の合計保留記憶数が1の場合において、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示される。また、第1先読み演出パターンでは、合計保留記憶数が2以上の場合において、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が通常態様で表示され、その後予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。なお、入賞時の合計保留記憶数が1の場合に限らず、2以上の場合であっても始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されてもよい。
保留表示のシフトタイミングとは、後述する演出図柄変動開始処理において、合算保留表示部18cにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新するタイミング(具体的には、S1800が実行されるタイミング)である。たとえば、合算保留表示部18cの1つ目〜5つ目の保留表示が表示されていた場合に、シフトタイミングで1つ目の保留表示が消去されるとともに、2つ目に表示されていた保留表示が1つ目の表示領域にシフトされ、3つ目に表示されていた保留表示が2つ目の表示領域にシフトされ、4つ目に表示されていた保留表示が3つ目の表示領域にシフトされ、5つ目に表示されていた保留表示が4つ目の表示領域にシフトされる。
第2先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示され、その後特殊態様から特別態様(第1特別態様または第2特別態様)に変化して表示される。第2先読み演出パターンにおける最終表示態様は、第1特別態様または第2特別態様となる。具体的には、第2先読み演出パターンでは、合計保留記憶数が1の場合には選択されない。また、第2先読み演出パターンでは、入賞時の合計保留記憶数が2の場合において、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が特殊態様で表示され、その後次のシフトタイミングで保留表示が特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。また、第2先読み演出パターンでは、入賞時の合計保留記憶数が3以上の場合において、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が通常態様で表示され、その後予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が通常態様から特殊態様に変化して表示され、その後予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。なお、入賞時の合計保留記憶数が2の場合に限らず、3以上の場合であっても始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が特殊態様で表示されてもよい。
第3先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示に対応する保留表示が、通常態様から第1特有態様に変化して表示され、そのまま予告対象の変動表示が開始される。第3先読み演出パターンにおける最終表示態様は、第1特有態様となる。具体的には、第3先読み演出パターンでは、合計保留記憶数が1の場合には選択されない。また、第3先読み演出パターンでは、入賞時の合計保留記憶数が2の場合において、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が第1特有態様で表示される。また、第3先読み演出パターンでは、合計保留記憶数が3以上の場合において、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が通常態様で表示され、その後予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が通常態様から第1特有態様に変化して表示される。なお、入賞時の合計保留記憶数が2の場合に限らず、3以上の場合であっても始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が第1特有態様で表示されてもよい。
第4先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示に対応する保留表示が、一旦第1特有態様で表示され、その後第1特有態様から特別態様(第1特別態様または第2特別態様)に変化して表示される。第4先読み演出パターンにおける最終表示態様は、第1特別態様または第2特別態様となる。具体的には、第4先読み演出パターンでは、合計保留記憶数が1の場合には選択されない。また、第4先読み演出パターンでは、入賞時の合計保留記憶数が2の場合において、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が第1特有態様で表示され、その後次のシフトタイミングで保留表示が第1特有態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。また、第4先読み演出パターンでは、入賞時の合計保留記憶数が3以上の場合において、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が通常態様で表示され、その後予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が通常態様から第1特有態様に変化して表示され、その後予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が第1特有態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。なお、入賞時の合計保留記憶数が2の場合に限らず、3以上の場合であっても始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が第1特有態様で表示されてもよい。
第5先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示に対応する保留表示が、通常態様から第2特有態様に変化して表示され、そのまま予告対象の変動表示が開始される。第5先読み演出パターンにおける最終表示態様は、第2特有態様となる。具体的には、第5先読み演出パターンでは、合計保留記憶数が1の場合には選択されない。また、第5先読み演出パターンでは、入賞時の合計保留記憶数が2の場合において、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が第2特有態様で表示される。また、第5先読み演出パターンでは、合計保留記憶数が3以上の場合において、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が通常態様で表示され、その後予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が通常態様から第2特有態様に変化して表示される。なお、入賞時の合計保留記憶数が2の場合に限らず、3以上の場合であっても始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が第2特有態様で表示されてもよい。
第6先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示に対応する保留表示が、一旦第2特有態様で表示され、その後第2特有態様から特別態様(第1特別態様または第2特別態様)に変化して表示される。第6先読み演出パターンにおける最終表示態様は、第1特別態様または第2特別態様となる。具体的には、第6先読み演出パターンでは、合計保留記憶数が1の場合には選択されない。また、第6先読み演出パターンでは、入賞時の合計保留記憶数が2の場合において、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が第2特有態様で表示され、その後次のシフトタイミングで保留表示が第2特有態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。また、第6先読み演出パターンでは、入賞時の合計保留記憶数が3以上の場合において、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が通常態様で表示され、その後予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が通常態様から第2特有態様に変化して表示され、その後予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が第2特有態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。なお、入賞時の合計保留記憶数が2の場合に限らず、3以上の場合であっても始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が第2特有態様で表示されてもよい。
第7先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示に対応する保留表示が、一旦第1特有態様で表示され、その後第1特有態様から第2特有態様に変化して表示される。第7先読み演出パターンにおける最終表示態様は、第2特有態様となる。具体的には、第7先読み演出パターンでは、合計保留記憶数が1および2の場合には選択されない。また、第7先読み演出パターンでは、入賞時の合計保留記憶数が3の場合において、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が第1特有態様で表示され、その後次のシフトタイミングで保留表示が第1特有態様から第2特有態様に変化して表示される。また、第7先読み演出パターンでは、入賞時の合計保留記憶数が4以上の場合において、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が通常態様で表示され、その後予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が通常態様から第1特有態様に変化して表示され、その後予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が第1特有態様から第2特有態様に変化して表示される。なお、入賞時の合計保留記憶数が3の場合に限らず、4以上の場合であっても始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が第1特有態様で表示されてもよい。
第8先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示に対応する保留表示が、一旦第1特有態様で表示され、その後第1特有態様から第2特有態様に変化して表示され、さらにその後第2特有態様から特別態様(第1特別態様または第2特別態様)に変化して表示される。第8先読み演出パターンにおける最終表示態様は、第1特別態様または第2特別態様となる。具体的には、第8先読み演出パターンでは、合計保留記憶数が1および2の場合には選択されない。また、第8先読み演出パターンでは、入賞時の合計保留記憶数が3の場合において、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が第1特有態様で表示され、その後予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで保留表示が第1特有態様から第2特有態様に変化して表示され、さらにその後予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで保留表示が第2特有態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。また、第8先読み演出パターンでは、入賞時の合計保留記憶数が4以上の場合において、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が通常態様で表示され、その後予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が通常態様から第1特有態様に変化して表示され、その後予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が第1特有態様から第2特有態様に変化して表示され、さらにその後予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで保留表示が第2特有態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。なお、入賞時の合計保留記憶数が3の場合に限らず、4以上の場合であっても始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が第1特有態様で表示されてもよい。
図30は、先読み演出パターン決定テーブルを示す説明図である。S67108において、演出制御用CPU101は、先読み演出パターン決定テーブルと合計保留記憶数とに基づいて、先読み演出パターンを決定する。具体的には、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(たとえば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合(すなわち、入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果13指定の場合)、図30(A)に示す当り時先読み演出パターン決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、図30(A)に示す当り時先読み演出パターン決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、先読み演出パターンを第1先読み演出パターン〜第8先読み演出パターンのうちいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果がはずれである場合、図30(B)に示すはずれ時先読み演出パターン決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、図30(B)に示すはずれ時先読み演出パターン決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、先読み演出パターンを第1先読み演出パターン〜第8先読み演出パターンのうちいずれかに決定する。
たとえば、入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(たとえば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)であり、合計保留記憶数が4である場合には、演出制御用CPU101は、先読み演出パターンを、5%の割合で第1先読み演出パターンに、10%の割合で第2先読み演出パターンに、5%の割合で第3先読み演出パターンに、16%の割合で第4先読み演出パターンに、5%の割合で第5先読み演出パターンに、26%の割合で第6先読み演出パターンに、5%の割合で第7先読み演出パターンに、28%の割合で第8先読み演出パターンに決定する。また、たとえば、入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果がはずれであり、合計保留記憶数が4である場合には、演出制御用CPU101は、先読み演出パターンを、10%の割合で第1先読み演出パターンに、5%の割合で第2先読み演出パターンに、26%の割合で第3先読み演出パターンに、5%の割合で第4先読み演出パターンに、16%の割合で第5先読み演出パターンに、5%の割合で第6先読み演出パターンに、28%の割合で第7先読み演出パターンに、5%の割合で第8先読み演出パターンに決定する。
図30に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、変動表示の表示結果がはずれである場合に比べて、変動表示の表示結果が当り(たとえば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合の方が、第2先読み演出パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定され、変動表示の表示結果が当り(たとえば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合に比べて、変動表示の表示結果がはずれである場合の方が、第1先読み演出パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち保留表示が特殊態様で表示され、その後、特別態様に変化して表示されるとき)には、第1先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち保留表示が一旦特殊態様で表示されることなく特別態様で表示されたとき)に比べて、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができる。なお、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたときには、第1先読み演出パターンで先読み演出が行われたときに比べて、決定された変動パターンが特定の変動パターン(たとえば、特定のリーチ演出を行う変動パターンや、特定の擬似連回数の変動パターンなど)になる割合が高くなるものであってもよい。
また、後述する図29(B)に示すように、変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」の場合には、最終表示態様が特別態様になったときに、第1特別態様よりも第2特別態様に決定される割合が高いため、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち保留表示が特殊態様で表示され、その後、特別態様に変化して表示されるとき)には、特殊態様で表示された保留表示が、第1特別態様よりも「通常大当り」または「確変大当り」となる期待度が高い第2特別態様に変化する割合が高くなる。したがって、先読み演出がどの先読み演出パターンで実行されるかについて着目させることができる。なお、決定された変動パターンが特定の変動パターン(たとえば、特定のリーチ演出を行う変動パターンや、特定の擬似連回数の変動パターンなど)になる場合には、最終表示態様が特別態様になったときに、第1特別態様よりも第2特別態様に決定される割合が高くなるものであってもよい。また、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち保留表示が特殊態様で表示されたとき)には、特殊態様で表示された保留表示が第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様に変化しやすいため、期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、この実施の形態では、特殊態様で表示された保留表示は、その保留表示(保留情報)に対応する変動表示が開始されるまでに、第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるため、保留表示が特殊態様で表示されてから特別態様に変化するまで、期待感を持続させることができる。
また、図30に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、変動表示の表示結果が当り(たとえば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)であるときには、変動表示の表示結果がはずれであるときよりも、保留表示が最終的に第2特有態様となる第5先読み演出パターンまたは一旦第2特有態様となる第6先読み演出パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。たとえば、変動表示の表示結果が当りであり、合計保留記憶数が4である場合には、31%(5+26)の割合で第5先読み演出パターンまたは第6先読み演出パターンに決定されるのに対して、変動表示の表示結果がはずれであり、合計保留記憶数が4である場合には、21%(16+5)の割合で第5先読み演出パターンまたは第6先読み演出パターンに決定される。合計保留記憶数が4以外の場合においても、変動表示の表示結果が当りであるときには、変動表示の表示結果がはずれであるときよりも、第5先読み演出パターンまたは第6先読み演出パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定されている。このような特徴を備えていることによって、表示結果が当りであるときには、表示結果がはずれであるときよりも高い割合で、保留表示が一旦もしくは最終的に第2特有態様で行われることになる。これにより、保留表示が一旦もしくは最終的に第2特有態様で行われたときには、遊技者に対して表示結果が当りになることを期待させることができる。
さらに、保留表示が最終的に第2特有態様となる第7先読み演出パターンおよび一旦第2特有態様となる第8先読み演出パターンを考慮した場合でも、表示結果が当りであるときには、表示結果がはずれであるときよりも高い割合で、保留表示が一旦もしくは最終的に第2特有態様で行われる。たとえば、合計保留記憶数が4である場合には、当りのときにもはずれのときにも、同じ33%(5+28)の割合で第7先読み演出パターンまたは第8先読み演出パターンに決定される。合計保留記憶数が4以外の場合においても、当りのときとはずれのときとで、同じ割合で第7先読み演出パターンまたは第8先読み演出パターンに決定される。そのため、第7先読み演出パターンおよび第8先読み演出パターンに決定される割合は、上記のように、当りのときには、はずれのときよりも、第5先読み演出パターンまたは第6先読み演出パターンに決定される割合が高くなるという関係性に影響しない。したがって、第7先読み演出パターンおよび第8先読み演出パターンを考慮した場合でも、表示結果が当りであるときには、表示結果がはずれであるときよりも高い割合で、保留表示が一旦もしくは最終的に第2特有態様で行われることになる。これにより、保留表示が一旦もしくは最終的に第2特有態様で行われたときには、遊技者に対して表示結果が当りになることを期待させることができる。なお、決定された変動パターンが特定の変動パターン(たとえば、特定のリーチ演出を行う変動パターンや、特定の擬似連回数の変動パターンなど)になるときには、特定の変動パターンにならないときよりも高い割合で、対象となる保留表示が一旦もしくは最終的に第2特有態様で行われるものであってもよい。また、変動表示の表示結果が「確変大当り」など、遊技者にとって有利な当りになるときには、有利な当りにならないときよりも高い割合で、対象となる保留表示が一旦もしくは最終的に第2特有態様で行われるものであってもよい。
また、図30に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、変動表示の表示結果が当り(たとえば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合には、保留表示が最終的に第1特有態様となる第3先読み演出パターンまたは一旦第1特有態様となる第4先読み演出パターンよりも、保留表示が最終的に第2特有態様となる第5先読み演出パターンまたは一旦第2特有態様となる第6先読み演出パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。たとえば、変動表示の表示結果が当りであり、合計保留記憶数が4である場合には、21%(5+16)の割合で第3先読み演出パターンまたは第4先読み演出パターンに決定されるのに対して、31%(5+26)の割合で第5先読み演出パターンまたは第6先読み演出パターンに決定される。合計保留記憶数が4以外の場合においても、変動表示の表示結果が当りである場合には、第3先読み演出パターンまたは第4先読み演出パターンよりも、第5先読み演出パターンまたは第6先読み演出パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定されている。このような特徴を備えていることによって、表示結果が当りである場合には、保留表示が一旦もしくは最終的に第1特有態様で行われるよりも一旦もしくは最終的に第2特有態様で行われる割合を高くすることができる。これにより、保留表示が一旦もしくは最終的に第2特有態様で行われたときには、保留表示が一旦もしくは最終的に第1特有態様で行われたときよりも、遊技者に対して表示結果が当りになることを期待させることができる。
なお、第7先読み演出パターンおよび第8先読み演出パターンにおいては、いずれも保留表示が第1特有態様にも第2特有態様にも変化する。そのため、第7先読み演出パターンおよび第8先読み演出パターンに決定される割合は、上記のように、当りの場合には、第3先読み演出パターンまたは第4先読み演出パターンよりも、第5先読み演出パターンまたは第6先読み演出パターンに決定される割合が高くなるという関係性に影響しない。したがって、第7先読み演出パターンおよび第8先読み演出パターンを考慮した場合でも、表示結果が当りである場合には、保留表示が一旦もしくは最終的に第1特有態様で行われるよりも一旦もしくは最終的に第2特有態様で行われる割合が高くなる。これにより、保留表示が一旦もしくは最終的に第2特有態様で行われたときには、保留表示が一旦もしくは最終的に第1特有態様で行われたときよりも、遊技者に対して表示結果が当りになることを期待させることができる。なお、決定された変動パターンが特定の変動パターン(たとえば、特定のリーチ演出を行う変動パターンや、特定の擬似連回数の変動パターンなど)になるときには、対象となる保留表示が一旦もしくは最終的に第1特有態様で行われるよりも一旦もしくは最終的に第2特有態様で行われる割合が高くなるものであってもよい。また、変動表示の表示結果が「確変大当り」など、遊技者にとって有利な当りになるときには、対象となる保留表示が一旦もしくは最終的に第1特有態様で行われるよりも一旦もしくは最終的に第2特有態様で行われる割合が高くなるものであってもよい。
さらに、後述する図29(B)に示すように、変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」の場合には、最終表示態様が特別態様になったときに、第1特別態様よりも第2特別態様に決定される割合が高いため、保留表示が第2特有態様となる第6先読み演出パターンで先読み演出が行われたとき(すなわち保留表示が第2特有態様で表示され、その後、特別態様に変化して表示されるとき)には、第2特有態様で表示された保留表示が、第1特別態様よりも「通常大当り」または「確変大当り」となる期待度が高い第2特別態様に変化する割合が高くなる。したがって、先読み演出がどの先読み演出パターンで実行されるかについて着目させることができる。
また、図30に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、変動表示の表示結果が当り(たとえば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合には、保留表示が特有態様(第1特有態様、第2特有態様)から変化しない第3先読み演出パターンまたは第5先読み演出パターンよりも、保留表示が特有態様(第1特有態様、第2特有態様)から特別態様に変化する第4先読み演出パターンまたは第6先読み演出パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。たとえば、変動表示の表示結果が当りであり、合計保留記憶数が4である場合には、10%(5+5)の割合で第3先読み演出パターンまたは第5先読み演出パターンに決定されるのに対して、42%(16+26)の割合で第4先読み演出パターンまたは第6先読み演出パターンに決定される。合計保留記憶数が4以外の場合においても、変動表示の表示結果が当りである場合には、第3先読み演出パターンまたは第5先読み演出パターンよりも、第4先読み演出パターンまたは第6先読み演出パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定されている。一方、変動表示の表示結果が「はずれ」である場合には、保留表示が特有態様(第1特有態様、第2特有態様)から特別態様に変化する第4先読み演出パターンまたは第6先読み演出パターンよりも、保留表示が特有態様(第1特有態様、第2特有態様)から変化しない第3先読み演出パターンまたは第5先読み演出パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。たとえば、変動表示の表示結果がはずれであり、合計保留記憶数が4である場合には、42%(26+16)の割合で第3先読み演出パターンまたは第5先読み演出パターンに決定されるのに対して、10%(5+5)の割合で第4先読み演出パターンまたは第6先読み演出パターンに決定される。合計保留記憶数が4以外の場合においても、変動表示の表示結果がはずれである場合には、第4先読み演出パターンまたは第6先読み演出パターンよりも、第3先読み演出パターンまたは第5先読み演出パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定されている。このような特徴を備えていることによって、保留表示が最終的に特有態様で変動開始するときよりも最終的に特別態様で変動開始するときの方が高い割合で保留記憶に基づく可変表示の表示結果が当りとなる。これにより、保留表示が最終的に特別態様で変動開始したときには、保留表示が最終的に特有態様で変動開始したときよりも、遊技者に対して表示結果が当りになることを期待させることができる。
さらに、保留表示が最終的に特有態様となる第7先読み演出パターンおよび一旦特有態様となり最終的に特別態様になる第8先読み演出パターンを考慮した場合でも、保留表示が最終的に特有態様で変動開始するときよりも最終的に特別態様で変動開始するときの方が高い割合で保留記憶に基づく可変表示の表示結果が当りとなる。たとえば、変動表示の表示結果が当りであり、合計保留記憶数が4である場合には、5%の割合で第7先読み演出パターンに決定されるのに対して、28%の割合で第8先読み演出パターンに決定される。合計保留記憶数が4以外の場合においても、変動表示の表示結果が当りである場合には、第7先読み演出パターンよりも、第8先読み演出パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定されている。一方、変動表示の表示結果がはずれであり、合計保留記憶数が4である場合には、28%の割合で第7先読み演出パターンに決定されるのに対して、5%の割合で第8先読み演出パターンに決定される。合計保留記憶数が4以外の場合においても、変動表示の表示結果がはずれである場合には、第7先読み演出パターンよりも、第8先読み演出パターンに決定される割合が高くなるように判定値が設定されている。そのため、第7先読み演出パターンおよび第8先読み演出パターンに決定される割合は、上記のように、保留表示が最終的に特有態様で変動開始するときよりも最終的に特別態様で変動開始するときの方が高い割合で保留記憶に基づく可変表示の表示結果が当りとなるという関係性に影響しない。したがって、保留表示が最終的に特有態様で変動開始するときよりも最終的に特別態様で変動開始するときの方が高い割合で保留記憶に基づく可変表示の表示結果が当りとなる。これにより、保留表示が最終的に特別態様で変動開始したときには、保留表示が最終的に特有態様で変動開始したときよりも、遊技者に対して表示結果が当りになることを期待させることができる。なお、保留表示が最終的に特有態様で変動開始するときよりも最終的に特別態様で変動開始するときの方が高い割合で、当該保留表示に対応する変動パターンが特定の変動パターン(たとえば、特定のリーチ演出を行う変動パターンや、特定の擬似連回数の変動パターンなど)になるものであってもよい。また、保留表示が最終的に特有態様で変動開始するときよりも最終的に特別態様で変動開始するときの方が高い割合で、当該保留表示に対応する変動表示の表示結果が「確変大当り」など、遊技者にとって有利な当りになるものであってもよい。
また、図30に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、第1特有態様で保留表示が行われているときよりも、第2特有態様で保留表示が行われているときの方が高い割合で、当該保留表示が最終的に特別態様に変化するように判定値が設定されていることである。
たとえば、変動表示の表示結果が当り(たとえば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)であり、合計保留記憶数が4である場合には、保留表示が第1特有態様から特別態様に変化する変化率(つまり、第3先読み演出パターンまたは第4先読み演出パターンに決定される場合における第4先読み演出パターンに決定される割合)は、約76%(16/(5+16))である。一方、変動表示の表示結果が当り(たとえば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)であり、合計保留記憶数が4である場合には、保留表示が第2特有態様から特別態様に変化する変化率(つまり、第5先読み演出パターンまたは第6先読み演出パターンに決定される場合における第6先読み演出パターンに決定される割合)は、約84%(26/(5+26))である。このように、変動表示の表示結果が当りであり、合計保留記憶数が4である場合には、第1特有態様よりも第2特有態様で保留表示が行われているときの方が高い割合で、当該保留表示が最終的に特別態様に変化する。合計保留記憶数が4以外の場合においても、保留表示が第1特有態様から特別態様に変化する変化率よりも、保留表示が第2特有態様から特別態様に変化する変化率の方が高い。
同様に、たとえば、変動表示の表示結果がはずれであり、合計保留記憶数が4である場合には、保留表示が第1特有態様から特別態様に変化する変化率(つまり、第3先読み演出パターンまたは第4先読み演出パターンに決定される場合における第4先読み演出パターンに決定される割合)は、約16%(5/(5+26))である。一方、変動表示の表示結果がはずれであり、合計保留記憶数が4である場合には、保留表示が第2特有態様から特別態様に変化する変化率(つまり、第5先読み演出パターンまたは第6先読み演出パターンに決定される場合における第6先読み演出パターンに決定される割合)は、約24%(5/(5+16))である。このように、変動表示の表示結果がはずれであり、合計保留記憶数が4である場合には、第1特有態様よりも第2特有態様で保留表示が行われているときの方が高い割合で、当該保留表示が特別態様に変化する。合計保留記憶数が4以外の場合においても、保留表示が第1特有態様から特別態様に変化する変化率よりも、保留表示が第2特有態様から特別態様に変化する変化率の方が高い。
これにより、保留表示が特有態様となったときに、当該特有態様が第1特有態様および第2特有態様のいずれであるかに対して遊技者に注目させることができ、保留表示の表示態様を変化させる演出に多様性を持たせ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、保留表示が一旦第2特有態様となりその後最終的に特別態様に変化する第8先読み演出パターンを考慮した場合でも、第1特有態様よりも第2特有態様で保留表示が行われているときの方が高い割合で、当該保留表示が特別態様に変化する。たとえば、変動表示の表示結果が当り(たとえば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)であり、合計保留記憶数が4である場合には、保留表示が第1特有態様から特別態様に変化する変化率(つまり、第3先読み演出パターンまたは第4先読み演出パターンに決定される場合における第4先読み演出パターンに決定される割合)は、約76%(16/(5+16))である。一方、変動表示の表示結果が当り(たとえば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)であり、合計保留記憶数が4である場合には、保留表示が第2特有態様から特別態様に変化する変化率(つまり、第5先読み演出パターン、第6先読み演出パターン、および第8先読み演出パターンのいずれかに決定される場合における第6先読み演出パターンまたは第8先読み演出パターンに決定される割合)は、約91%((26+28)/(5+26+28))である。このように、変動表示の表示結果が当りであり、合計保留記憶数が4である場合には、第1特有態様よりも第2特有態様で保留表示が行われているときの方が高い割合で、当該保留表示が最終的に特別態様に変化する。合計保留記憶数が4以外の場合においても、保留表示が第1特有態様から特別態様に変化する変化率よりも、保留表示が第2特有態様から特別態様に変化する変化率の方が高い。
同様に、たとえば、変動表示の表示結果がはずれであり、合計保留記憶数が4である場合には、保留表示が第1特有態様から特別態様に変化する変化率(つまり、第3先読み演出パターンまたは第4先読み演出パターンに決定される場合における第4先読み演出パターンに決定される割合)は、約16%(5/(5+26))である。一方、変動表示の表示結果がはずれであり、合計保留記憶数が4である場合には、保留表示が第2特有態様から特別態様に変化する変化率(つまり、第5先読み演出パターン、第6先読み演出パターン、および第8先読み演出パターンのいずれかに決定される場合における第6先読み演出パターンまたは第8先読み演出パターンに決定される割合)は、約38%((5+5)/(16+5+5))である。このように、変動表示の表示結果がはずれであり、合計保留記憶数が4である場合には、第1特有態様よりも第2特有態様で保留表示が行われているときの方が高い割合で、当該保留表示が特別態様に変化する。合計保留記憶数が4以外の場合においても、保留表示が第1特有態様から特別態様に変化する変化率よりも、保留表示が第2特有態様から特別態様に変化する変化率の方が高い。
また、図30に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、第1特有態様から最終的に特別態様に変化したときよりも、第2特有態様から最終的に特別態様に変化したときの方が高い割合で、予告対象の変動表示の表示結果が当り(たとえば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)になるように判定値が設定されていることである。
たとえば、合計保留記憶数が4である場合には、保留表示が第1特有態様から特別態様に変化した場合における予告対象の変動表示の表示結果が当りになる割合(つまり、当り時の第4先読み演出パターンまたははずれ時の第4先読み演出パターンに決定される場合における当り時の第4先読み演出パターンに決定される割合)は、約52%(16/(16+5))である。一方、合計保留記憶数が4である場合には、保留表示が第2特有態様から特別態様に変化した場合における予告対象の変動表示の表示結果が当りになる割合(つまり、当り時の第6先読み演出パターンまたははずれ時の第6先読み演出パターンに決定される場合における当り時の第6先読み演出パターンに決定される割合)は、約84%(26/(26+5))である。このように、合計保留記憶数が4である場合には、保留表示が第1特有態様から特別態様に変化したときよりも第2特有態様から特別態様に変化したときの方が高い割合で、予告対象の変動表示の表示結果が当りになる。合計保留記憶数が4以外の場合においても、第1特有態様から特別態様に変化したときよりも第2特有態様から特別態様に変化したときの方が高い割合で、予告対象の変動表示の表示結果が当りになる。
これにより、保留表示の表示態様が特有態様となったときに、当該特有態様が第1特有態様および第2特有態様のいずれであるかに対して遊技者に注目させて予告対象の変動表示の表示結果が当りとなることに期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、保留表示が一旦第2特有態様となりその後最終的に特別態様に変化する第8先読み演出パターンを考慮した場合でも、第1特有態様から特別態様に変化したときよりも第2特有態様から特別態様に変化したときの方が高い割合で、予告対象の変動表示の表示結果が当りになる。たとえば、合計保留記憶数が4である場合には、保留表示が第1特有態様から特別態様に変化した場合における予告対象の変動表示の表示結果が当りになる割合(つまり、当り時の第4先読み演出パターンまたははずれ時の第4先読み演出パターンに決定される場合における当り時の第4先読み演出パターンに決定される割合)は、約52%(16/(16+5))である。一方、合計保留記憶数が4である場合には、保留表示が第2特有態様から特別態様に変化した場合における予告対象の変動表示の表示結果が当りになる割合(つまり、当り時の第6先読み演出パターン、第8先読み演出パターン、およびはずれ時の第6先読み演出パターン、第8先読み演出パターンのいずれかに決定される場合における当り時の第6先読み演出パターンまたは第8先読み演出パターンに決定される割合)は、約87%((26+28)/(26+28+4+4))である。このように、合計保留記憶数が4である場合には、保留表示が第1特有態様から特別態様に変化したときよりも第2特有態様から特別態様に変化したときの方が高い割合で、予告対象の変動表示の表示結果が当りになる。合計保留記憶数が4以外の場合においても、第1特有態様から特別態様に変化したときよりも第2特有態様から特別態様に変化したときの方が高い割合で、予告対象の変動表示の表示結果が当りになる。なお、保留表示が第1特有態様から特別態様に変化したときよりも第2特有態様から特別態様に変化したときの方が高い割合で、当該保留表示に対応する変動パターンが特定の変動パターン(たとえば、特定のリーチ演出を行う変動パターンや、特定の擬似連回数の変動パターンなど)になるものであってもよい。また、留表示が第1特有態様から特別態様に変化したときよりも第2特有態様から特別態様に変化したときの方が高い割合で、当該保留表示に対応する変動表示の表示結果が「確変大当り」など、遊技者にとって有利な当りになるものであってもよい。
また、図30に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、保留表示が一旦第1特有態様になったとしても、その後に、第1特有態様から第2特有態様に変化する先読み演出パターン(第7先読み演出パターン、第8先読み演出パターン)が設けられていることである。
前述したように、本実施の形態では、第1特有態様で保留表示が行われているときよりも、第2特有態様で保留表示が行われているときの方が高い割合で当該保留表示が最終的に特別態様に変化するようになっており、さらに、第1特有態様から特別態様に変化したときよりも第2特有態様から特別態様に変化したときの方が高い割合で、予告対象の変動表示の表示結果が当りになる。このことから、遊技者にとっては、第1特有態様で保留表示が行われるよりも、第2特有態様で保留表示が行われる方が、より当りに対する期待が大きい。言い換えると、第1特有態様で保留表示が行われたときには、第2特有態様で保留表示が行われたときよりも、遊技者を落胆させてしまうことがある。しかしながら、本実施の形態では、保留表示の表示態様が第1特有態様であったとしても、さらに第2特有態様に変化することがあるため、遊技者を落胆させることなく、保留表示の表示態様に対して継続して遊技者に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、保留表示が通常態様から第2特有態様に変化したときや保留表示が入賞時から第2特有態様であるときよりも、保留表示が一旦第1特有態様となり、その後に第2特有態様に変化したときの方が高い割合で、当該保留表示が特別態様に変化する。
たとえば、変動表示の表示結果が当りであり、合計保留記憶数が4である場合には、保留表示が一旦第1特有態様となりその後に第2特有態様に変化したときに、さらに最終的に特別態様に変化する変化率(つまり、第7先読み演出パターンまたは第8先読み演出パターンに決定される場合における第8先読み演出パターンに決定される割合)は、約85%(28/(5+28))である。つまり、保留表示が通常態様から第2特有態様に変化したときもしくは保留表示が入賞時から第2特有態様であるときにおける特別態様への変化率(第5先読み演出パターンおよび第6先読み演出パターンの判定値によって算出される変化率である約84%)よりも、保留表示が第1特有態様から第2特有態様に変化したときにおける特別態様への変化率(第7先読み演出パターンおよび第8先読み演出パターンの判定値によって算出される変化率である約85%)の方が高くなっている。合計保留記憶数が4以外の場合においても、保留表示が通常態様から第2特有態様に変化したときや保留表示が入賞時から第2特有態様であるときよりも、保留表示が一旦第1特有態様となり、その後に第2特有態様に変化したときの方が高い割合で、当該保留表示が特別態様に変化する。
これにより、保留表示の表示態様が第1特有態様であったとしても、さらに第2特有態様に変化したときには、一旦第1特有態様にならずに第2特有態様であるとき(通常態様から第2特有態様に変化したときもしくは入賞時から第2特有態様であるとき)よりも、予告対象の変動表示の表示結果が当りとなることに期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図30に示す先読み演出パターン決定テーブルにおいて特徴的なことは、合算保留記憶数が1の場合には、第2先読み演出パターン〜第8先読み演出パターンのいずれにも決定されないように判定値が設定されていることである。この実施の形態では、たとえば、第2先読み演出パターンにおいて、始動入賞時に特殊態様で表示された保留表示を、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示させるタイミングは、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングである。しかし、合算保留記憶数が1の場合(すなわち予告対象の変動表示に対応する保留表示のみが表示される場合)には、保留表示のシフトが1回行われると、予告対象の変動表示に対応する保留表示は消去されてしまう。そのため、合算保留記憶数が1の場合には、シフトタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させることができない。したがって、合算保留記憶数が1の場合には、第2先読み演出パターンに決定されないように判定値が設定されている。その他の第3先読み演出パターン〜第8先読み演出パターンについても同様の理由で合算保留記憶数が1の場合には決定されない。
なお、この実施の形態では、説明を簡略化するために、保留表示の表示態様が変化して表示されるタイミングを、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングとしているが、これに限らず、他のタイミングであってもよい。たとえば、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される変動表示中(1つの変動表示または複数の変動表示にまたがった期間)の任意のタイミングで表示態様を変化させるようにしてもよい。この場合には、たとえば、合計保留記憶数が1の場合にも、第2先読み演出パターン〜第8先読み演出パターンのいずれかに決定してもよい。さらに、保留表示の表示態様が変化して表示されるタイミングは、予告対象の変動表示中や当該変動表示中以外(たとえば、大当り遊技中)であってもよい。
なお、図30に示す例では、入賞時判定結果で示される表示結果が当りの場合とはずれの場合とに対応する先読み演出パターン決定テーブルがそれぞれ設けられているが、たとえば、表示結果が当りであっても、「通常大当り」または「確変大当り」の場合と、「突然確変大当り」または「小当り」の場合とで、異なる割合でいずれかの先読み演出パターンに決定する先読み演出パターン決定テーブルを設けるようにしてもよい。また、たとえば、図29(A)の先読み演出実行決定テーブルと同様に、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに、異なる割合でいずれかの先読み演出パターンに決定する先読み演出パターン決定テーブルを設けるようにしてもよい。そのようにすることで、先読み演出が第1先読み演出パターンで実行されたときに、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることの他に、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も高くすることができる。
図28に戻り、演出制御用CPU101は、S67108において最終表示態様が特別態様になる先読み演出パターン(つまり、第1先読み演出パターン、第2先読み演出パターン、第4先読み演出パターン、第6先読み演出パターン、および第8先読み演出パターンのいずれか)に決定したか否かを確認する(S67109)。演出制御用CPU101は、最終表示態様が特別態様でない場合には、S67111に移行する。一方、演出制御用CPU101は、最終表示態様が特別態様である場合には、特別態様の種類を決定する(S67110)。
図29(B)は、最終特別態様決定テーブルを示す説明図である。S67110において、演出制御用CPU101は、図29(B)に示す最終表示態様決定テーブルを用いて、最終表示態様を特別態様としたときに、第1特別態様および第2特別態様のいずれの表示態様で表示するかを決定する。具体的には、抽出した最新の入賞時判定結果に基づいて、最終特別態様決定テーブルにおいて入賞時判定結果(変動表示の表示結果)ごとに定められた割合で、特別態様時における最終表示態様(最終特別態様ともいう)を決定する。たとえば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「はずれ」であることが示されている場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)には、演出制御用CPU101は、80%の割合で特別態様時における最終表示態様を第1特別態様に決定する。また、たとえば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)には、演出制御用CPU101は、80%の割合で特別態様時における最終表示態様を第2特別態様に決定する。
図29(B)に示す最終表示態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果がはずれである場合に比べて、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合の方が、第2特別態様に決定される割合が高くなるように判定値が設定され、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合に比べて、表示結果がはずれである場合の方が、第1特別態様に決定される割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、保留表示が第2特別態様で表示されたときには、第1特別態様で表示されたときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、第1特別態様よりも第2特別態様で表示された方が大当りとなる期待度を高くすることができ、先読み演出が実行されたときに、保留表示がどの表示態様で表示されるかについて着目させることができる。
なお、図29(B)に示す例では、入賞時判定結果で示される表示結果ごと(「はずれ」、「通常大当り」もしくは「確変大当り」または「突然確変大当り」もしくは「小当り」)に最終表示態様を決定するための判定値(割合)が設定されているが、たとえば、図29(A)の先読み演出実行決定テーブルと同様に、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに最終表示態様を決定するための判定値(割合)が設定されていてもよい。そのようにすることで、保留表示が第2特別態様で表示されたときに、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることの他に、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も高くすることができる。
次いで、演出制御用CPU101は、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示の表示態様を変化させる変化タイミング(本例では、保留表示のシフト回数)を決定し、決定した変化タイミングを、変化タイミングを特定するためのシフト回数カウンタにセットする(S67111)。この実施の形態では、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示の表示態様が変化するタイミングは、任意の保留表示のシフトタイミングである。したがって、変化タイミングを決定することによって、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して何回目のシフトが行われるタイミングで表示態様を変化させるかが決定される。たとえば、変化タイミング(シフト回数)を2と決定すると、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して2回目のシフトが行われるタイミングで、その保留表示の表示態様を変化させる。決定された先読み演出パターンの種類によっては、保留表示の表示態様を変化させる回数が2回または3回になるときがある。たとえば、第8先読み演出パターンに決定されたときには、通常態様から第1特有態様に変化し、当該第1特有態様から第2特有態様に変化し、さらに当該第2特有態様から特別態様に変化するといったように、保留表示の表示態様が3回変化する。このような場合、演出制御用CPU101は、複数回の変化タイミングを決定し、決定した当該複数回の変化タイミングを、シフト回数カウンタにセットする。たとえば、通常態様から第1特有態様への変化タイミング(シフト回数)を1と決定し、第1特有態様から第2特有態様への変化タイミング(シフト回数)を2と決定し、第2特有態様から特別態様への変化タイミング(シフト回数)を3と決定したときには、各々の変化タイミング(「1」、「2」、「3」)がシフト回数カウンタにセットされる。そして、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して1回目のシフトが行われたときには、1回目の変動に対応する後述する図35のS1802bの処理において、通常態様から第1特有態様への変化タイミング(シフト回数)が0に更新され、第1特有態様から第2特有態様への変化タイミング(シフト回数)が1に更新され、第2特有態様から特別態様への変化タイミング(シフト回数)が2に更新される。この場合、通常態様から第1特有態様への変化タイミング(シフト回数)が0であるため、1回目の変動に対応する図35のS1803の処理でYESと判断され、保留表示が通常態様から第1特有態様へと変化する先読み演出が実行される。次に、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して2回目のシフトが行われたときには、2回目の変動に対応する図35のS1802bの処理において、第1特有態様から第2特有態様への変化タイミング(シフト回数)が0に更新され、第2特有態様から特別態様への変化タイミング(シフト回数)が1に更新される。この場合、第1特有態様から第2特有態様への変化タイミング(シフト回数)が0であるため、2回目の変動に対応する図35のS1803の処理でYESと判断され、保留表示が第1特有態様から第2特有態様へと変化する先読み演出が実行される。次に、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して3回目のシフトが行われたときには、3回目の変動に対応する図35のS1802bの処理において、第2特有態様から特別態様への変化タイミング(シフト回数)が0に更新される。この場合、第2特有態様から特別態様への変化タイミング(シフト回数)が0であるため、3回目の変動に対応する図35のS1803の処理でYESと判断され、保留表示が第2特有態様から特別態様へと変化する先読み演出が実行される。
図31は、変化タイミング決定テーブルの一例を示す説明図である。図31には、先読み演出パターンが第1先読み演出、第2先読み演出、および第6先読み演出に決定された場合における変化タイミング決定テーブルの一例が示されている。S67111において、演出制御用CPU101は、変化タイミング決定テーブルと合計保留記憶数とに基づいて、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を決定する。具体的には、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(たとえば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)であり、S67108で決定した先読み演出パターンが第1先読み演出パターンである場合に、図31(A)に示す当り時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、図31(A)に示す当り時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミングを0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
なお、図31に示す例において、変化タイミングが0であるということは、始動入賞のタイミングで保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されることである。たとえば、第1先読み演出パターンでは、入賞時の合計保留記憶数が1の場合において、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示される。始動入賞のタイミングで第1特別態様または第2特別態様で保留表示を表示させる場合には、たとえば、新たな保留表示を最初から第1特別態様または第2特別態様で表示することによって実現してもよいし、新たな保留表示を一旦通常態様で表示し、直後に第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することによって実現してもよい。
また、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果がはずれであり、S67108で決定した先読み演出パターンが第1先読み演出パターンである場合に、図31(B)に示すはずれ時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、図31(B)に示すはずれ時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミングを0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
たとえば、当り時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU101は、50%の割合で変化タイミングを0(入賞時)と決定し、30%の割合で変化タイミングを1と決定し、20%の割合で変化タイミングを2と決定する。また、はずれ時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU101は、20%の割合で変化タイミングを0(入賞時)と決定し、30%の割合で変化タイミングを1と決定し、50%の割合で変化タイミングを2と決定する。
また、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(たとえば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)であり、S67108で決定した先読み演出パターンが第2先読み演出パターンである場合に、図31(C)に示す当り時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。図31(C)に示す当り時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルは、特殊態様から特別態様への変化タイミングを決定する際に用いられるテーブルである。演出制御用CPU101は、図31(C)に示す当り時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミングを0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果がはずれであり、S67108で決定した先読み演出パターンが第2先読み演出パターンである場合に、図31(D)に示すはずれ時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。図31(D)に示すはずれ時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルは、特殊態様から特別態様への変化タイミングを決定する際に用いられるテーブルである。演出制御用CPU101は、図31(D)に示すはずれ時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミングを0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
たとえば、当り時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU101は、30%の割合で変化タイミングを1と決定し、70%の割合で変化タイミングを2と決定する。また、はずれ時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU101は、70%の割合で変化タイミングを1と決定し、30%の割合で変化タイミングを2と決定する。
また、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(たとえば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)であり、S67108で決定した先読み演出パターンが第6先読み演出パターンである場合に、図31(E)に示す当り時第6先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。図31(E)に示す当り時第6先読み演出変化タイミング決定テーブルは、第2特有態様から特別態様への変化タイミングを決定する際に用いられるテーブルである。演出制御用CPU101は、図31(E)に示す当り時第6先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミングを0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果がはずれであり、S67108で決定した先読み演出パターンが第6先読み演出パターンである場合に、図31(F)に示すはずれ時第6先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。図31(F)に示すはずれ時第6先読み演出変化タイミング決定テーブルは、第2特有態様から特別態様への変化タイミングを決定する際に用いられるテーブルである。演出制御用CPU101は、図31(F)に示すはずれ時第6先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミングを0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
たとえば、当り時第6先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU101は、30%の割合で変化タイミングを1と決定し、70%の割合で変化タイミングを2と決定する。また、はずれ時第6先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いるときに、合計保留記憶数が3である場合には、演出制御用CPU101は、70%の割合で変化タイミングを1と決定し、30%の割合で変化タイミングを2と決定する。
図31に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて特徴的なことは、第1先読み演出パターンの場合には、変動表示の表示結果がはずれである場合に比べて、変動表示の表示結果が当りである場合の方が、シフト回数がより少ない変化タイミングに決定する割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第1先読み演出パターンで先読み演出が行われるとき(すなわち保留表示が一旦特殊態様で表示されることなく特別態様で表示されるとき)には、保留表示がより少ないシフト回数で通常態様から特別態様に変化した方が、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができ、さらに始動入賞時(シフト回数0)に特別態様で表示された方が、より当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、保留表示が変化するタイミングに関心を持たせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
図31に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて特徴的なことは、第2先読み演出パターンの場合には、変動表示の表示結果がはずれである場合に比べて、変動表示の表示結果が当りである場合の方が、シフト回数がより多い変化タイミングに決定する割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第2先読み演出パターンで先読み演出が行われるとき(すなわち始動入賞時に保留表示が特殊態様で表示され、その後、特別態様に変化されるとき)には、特殊態様の保留表示がより多くのシフト回数で(つまり多くのシフトが行われた後に)特別態様に変化した方が、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができる。すなわち、保留表示が特殊態様で表示されてから特別態様に変化するまでの期間が長くなるほど(つまり変化のタイミングが遅くなるほど)、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、保留表示を複数のタイミングで変化させることができるとともに、特殊態様で表示された保留表示が変化するタイミングに注目させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
図31に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて特徴的なことは、第6先読み演出パターンの場合には、変動表示の表示結果がはずれである場合に比べて、変動表示の表示結果が当りである場合の方が、シフト回数がより多い変化タイミングに決定する割合が高くなるように判定値が設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、第6先読み演出パターンで先読み演出が行われるとき(すなわち、保留表示が、一旦第2特有態様で表示され、その後、特別態様に変化されるとき)には、第2特有態様の保留表示がより多くのシフト回数で(つまり多くのシフトが行われた後に)特別態様に変化した方が、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができる。すなわち、保留表示が第2特有態様で表示されてから特別態様に変化するまでの期間が長くなるほど(つまり変化のタイミングが遅くなるほど)、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、保留表示を複数のタイミングで変化させることができるとともに、第2特有態様で保留表示が行われたときに、どのタイミングで表示態様が変化するかに注目させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、この実施の形態では、説明を簡略化するために、保留表示の表示態様を変化させるタイミングを、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングとしているが、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のタイミングで表示態様を変化可能とする場合には、たとえば、変化させるタイミング(特定のシフトタイミングや特定の変動表示中など)を特定可能な複数種類の変化タイミングパターンを設け、入賞時判定結果に応じていずれかを選択するようにしてもよい。
また、図31に示す例では、第1先読み演出パターンの場合にはシフト回数が少ない方(つまり変化のタイミングが早いほど)が有利になり、第2先読み演出パターンや第6先読み演出パターンの場合にはシフト回数が多い方(つまり変化のタイミングが遅いほど)が有利になるように設定されているが、遊技者にわかりやすくするため、たとえば、第1先読み演出パターンの場合にもシフト回数が多い方(つまり変化のタイミングが遅いほど)が有利になるように設定してもよい。また、たとえば、第2先読み演出パターンや第6先読み演出パターンの場合にもシフト回数が少ない方(つまり変化のタイミングが早いほど)が有利になるように設定してもよい。たとえば、第6先読み演出パターンで先読み演出が行われるとき(すなわち、保留表示が、一旦第2特有態様で表示され、その後、特別態様に変化されるとき)には、第2特有態様の保留表示がより少ないシフト回数で特別態様に変化した方が、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くしてもよい。すなわち、保留表示が第2特有態様で表示されてから特別態様に変化するまでの期間が短いほど、予告対象の変動表示において当りが発生する割合を高くしてもよい。
また、図31に示す例では、入賞時判定結果で示される表示結果が当りの場合とはずれの場合とに対応する先読み演出パターン決定テーブルがそれぞれ設けられているが、たとえば、表示結果が当りであっても、「通常大当り」または「確変大当り」の場合と、「突然確変大当り」または「小当り」の場合とで、異なる割合でいずれかの変化タイミングに決定する変化タイミング決定テーブルを設けるようにしてもよい。また、たとえば、図29(A)の先読み演出実行決定テーブルと同様に、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに、異なる割合でいずれかの変化タイミングに決定する変化タイミング決定テーブルを設けるようにしてもよい。そのようにすることで、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミングに応じて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を異ならせるとともに、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も異ならせることができる。
なお、図31には、先読み演出パターンが第1先読み演出、第2先読み演出、および第6先読み演出に決定された場合における変化タイミング決定テーブルの一例が示されていたが、その他の先読み演出パターン(第3先読み演出パターン、第4先読み演出パターン、第5先読み演出パターン、第7先読み演出パターン、第8先読み演出パターン)に決定された場合における変化タイミング決定テーブルも設けられている。さらに、全ての先読み演出パターンにおける保留表示の変化態様(最終表示態様に変化する場合および最終表示態様に至るまでの途中で変化する場合)においても、各々の変化タイミング決定テーブルが設けられている。たとえば、第8先読み演出パターンに決定された場合であれば、第8先読み演出パターンにおける、通常態様から第1特有態様への変化に対する変化タイミング決定テーブルと、第1特有態様から第2特有態様への変化に対する変化タイミング決定テーブルと、第2特有態様から特別態様への変化に対する変化タイミング決定テーブルとが設けられ、各々の変化に対して変化タイミング(シフト回数)が決定される。さらに、これら全ての変化タイミング決定テーブルにおいては、変動表示の表示結果がはずれである場合に比べて、変動表示の表示結果が当りである場合の方が、シフト回数がより少ない変化タイミングに決定する割合が高くなるように判定値が設定されていてもよい。あるいは、変動表示の表示結果がはずれである場合に比べて、変動表示の表示結果が当りである場合の方が、シフト回数がより多い変化タイミングに決定する割合が高くなるように判定値が設定されていてもよい。さらに、表示結果が当りであっても、「通常大当り」または「確変大当り」の場合と、「突然確変大当り」または「小当り」の場合とで、異なる割合でいずれかの変化タイミングに決定されてもよい。
変化タイミングを決定すると、演出制御用CPU101は、保留表示が変化するパターンであるか否かを確認する(S67112)。演出制御用CPU101は、保留表示が変化するパターンでない場合には、S67114に移行する。一方、演出制御用CPU101は、保留表示が変化するパターンである場合には、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する(S67113)。この実施の形態では、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出がシフトタイミング(最終表示態様に変化するシフトタイミングおよび最終表示態様に至るまでの途中で変化するシフトタイミング)で実行可能である。より具体的には、特殊態様、第1特有態様、および第2特有態様のいずれかで保留表示が行われたときに、当該保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出がシフトタイミングで実行される。また、示唆演出は、第1演出態様または第2演出態様で実行される。S67113では、保留表示の変化タイミングで実行される示唆演出の演出態様が、第1演出態様または第2演出態様に決定される。
この実施の形態では、最終表示態様が特別態様となる先読み演出パターンに決定されたときには、示唆演出の演出態様に応じて、異なる割合で保留表示が第1特別態様または第2特別態様に変化する。具体的には、特別態様に変化する直前の保留表示において、示唆演出が第1演出態様で実行される場合には、最終的な保留表示が第1特別態様に変化する割合が高く、示唆演出が第2演出態様で実行される場合には、最終的な保留表示が第2特別態様に変化する割合が高い。したがって、示唆演出が実行されることによって、保留表示の表示態様が変化することが示唆され、示唆演出がいずれの演出態様で実行されるかに応じて、いずれの特別態様に変化しやすいかが示唆される。詳細については後述するが、示唆演出は、保留表示の変化タイミング以外のシフトタイミングでも実行される。そのため、これらを区別するために、保留表示の変化タイミングで実行される示唆演出を示唆演出(成功パターン)ともいい、保留表示の変化タイミング以外のシフトタイミングで実行される示唆演出を示唆演出(通過パターン)ともいう。この実施の形態では、示唆演出(成功パターン)と示唆演出(通過パターン)とのいずれについても、第1演出態様または第2演出態様で実行される。そのため、示唆演出の演出態様に応じて、保留表示の表示態様が変化する割合が異なるようにしてもよい。たとえば、示唆演出が第1演出態様(たとえば、この実施の形態の第1演出態様および第2演出態様とは異なる第1演出態様Aとしてもよい)で実行される場合には、保留表示が変化する割合が低く、示唆演出が第2演出態様(たとえば、この実施の形態の第1演出態様、第2演出態様および第1演出態様Aとは異なる第1演出態様Bとしてもよい)で実行される場合には、保留表示が変化する割合が高くなるようにしてもよい。すなわち、示唆演出が第1演出態様(第1演出態様A)で実行される場合には、示唆演出(成功パターン)である割合が高く、示唆演出が第2演出態様(第1演出態様B)で実行される場合には、示唆演出(通過パターン)である割合が高くなるようにしてもよい。
図32は、示唆演出態様決定テーブルを示す説明図である。S67113において、演出制御用CPU101は、図32に示す示唆演出態様決定テーブルを用いて、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する。具体的には、抽出した最新の入賞時判定結果に基づいて、最終表示態様決定テーブルにおいて入賞時判定結果(変動表示の表示結果)ごとに定められた割合で、演出態様を第1演出態様または第2演出態様に決定する。たとえば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「はずれ」であることが示されている場合(入賞時判定結果1指定〜入賞時判定結果7指定に相当)には、演出制御用CPU101は、80%の割合で演出態様を第1演出態様に決定し、20%の割合で演出態様を第2演出態様に決定する。また、たとえば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果8指定〜入賞時判定結果12指定に相当)には、演出制御用CPU101は、20%の割合で演出態様を第1演出態様に決定し、80%の割合で演出態様を第2演出態様に決定する。また、たとえば、入賞時判定結果で変動表示の表示結果が「突然確変大当り」または「小当り」であることが示されている場合(入賞時判定結果13指定に相当)には、演出制御用CPU101は、50%の割合で演出態様を第1演出態様に決定し、50%の割合で演出態様を第2演出態様に決定する。
図32に示す示唆演出態様決定テーブルにおいて特徴的なことは、表示結果が「はずれ」である場合に比べて、表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」である場合の方が、第2演出態様に決定される割合が高くなるように設定されていることである。このような特徴を備えていることによって、示唆演出が第2演出態様で実行されたときには、第1演出態様で表示されたときに比べて、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることができる。ここで、変動表示の表示結果が当りの場合には、はずれの場合に比べて、最終的な保留表示が特別態様になる割合が高い。そのため、たとえば、通常態様、特殊態様、および特有態様(第1特有態様、第2特有態様)のいずれかで保留表示が行われている場合に示唆演出が第2演出態様で実行されたときには、第1演出態様で実行されたときよりも保留表示の表示態様が特別態様に変化する割合が高くなる。さらに、変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」の場合には、最終的な保留表示が第1特別態様よりも第2特別態様になる割合が高い。そのため、たとえば、通常態様、特殊態様、および特有態様(第1特有態様、第2特有態様)のいずれかで保留表示が行われている場合に示唆演出が第2演出態様で実行されたときには、保留表示の表示態様が第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様に変化する割合が高くなる。したがって、示唆演出に多様性を持たせることができるとともに、いずれの演出態様の示唆演出が実行されるかに着目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、変動表示の表示結果が当りの場合には、はずれの場合に比べて、保留表示が特有態様になる割合が高い。そのため、たとえば、通常態様で保留表示が行われている場合に示唆演出が第2演出態様で実行されたときには、第1演出態様で実行されたときよりも保留表示の表示態様が特有態様に変化する割合が高くなる。さらに、変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」の場合には、保留表示が第1特有態様よりも第2特有態様になる割合が高い。そのため、たとえば、通常態様で保留表示が行われている場合に示唆演出が第2演出態様で実行されたときには、保留表示の表示態様が第1特有態様よりも期待度が高い第2特有態様に変化する割合が高くなる。したがって、示唆演出に多様性を持たせることができるとともに、いずれの演出態様の示唆演出が実行されるかに着目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図32に示す例では、入賞時判定結果で示される表示結果ごとに示唆演出の演出態様を決定するための割合が定められているが、たとえば、図29(A)の先読み演出実行決定テーブルと同様に、入賞時判定結果で示される変動パターンごとに示唆演出の演出態様を決定するための判定値(割合)を設定するようにしてもよい。そのようにすることで、示唆演出が第2演出態様で実行されたときに、予告対象の変動表示において大当りが発生する割合を高くすることの他に、期待度が高いリーチ演出が行われる割合も高くすることができる。
なお、この実施の形態では、保留表示の表示態様が変化するシフトタイミングで、示唆演出が必ず実行されるように構成されているが、示唆演出が実行されないことがあってもよい。この場合には、示唆演出によって示唆されることなく、保留表示の表示態様を突然変化させることができるため、意外感を高めることができる。
また、この実施の形態では、示唆演出の演出態様として第1演出態様と第2演出態様との2種類の演出態様が設けられているが、これに限らず、3種類以上の演出態様を設け、それぞれ期待度が異なる(表示結果に応じて選択される割合が異なる)ようにしてもよい。
示唆演出の演出態様を決定すると、演出制御用CPU101は、S67108において決定した先読み演出パターンが、第2先読み演出パターン、および第5先読み演出パターン〜第8先読み演出パターンのいずれであるかを確認する(S67114)。演出制御用CPU101は、S67108において決定した先読み演出パターンが、第2先読み演出パターン、および第5先読み演出パターン〜第8先読み演出パターンのいずれかである場合には、先読み演出の実行が制限されていることを示す先読み演出制限フラグをセットする(S67115)。
先読み演出制限フラグがセットされると、S67102の処理によって、先読み演出を重ねて実行しないように制御される。すなわち、この実施の形態では、いずれかの保留表示が特殊態様または第2特有態様で表示されている場合には、新たに先読み演出を実行しないように制御される。そのため、複数の保留表示が特殊態様で表示されることが制限される。したがって、複数の保留表示が特殊態様または第2特有態様で表示されることで、どの保留表示に注目すればよいか遊技者を混乱させてしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、いずれかの保留表示が特殊態様または第2特有態様で表示されている場合には、先読み演出を重ねて実行しないように制御されるが、これに限らず、先読み演出を重ねて実行することを一定の割合で許容してもよいし、完全に許容してもよい。すなわち、S67115の処理を一定の割合または完全に省略することで、複数の保留表示が特殊態様または第2特有態様で表示されることを一定の割合または完全に許容するようにしてもよい。また、たとえば、いずれかの保留表示が、特殊態様または第2特有態様に限らず、第1特有態様や第1特別態様または第2特別態様で表示されている場合にも、先読み演出を重ねて実行しないように制御してもよい。たとえば、S67116の処理を実行するとき、または後述する演出図柄変動開始処理で保留表示を通常態様から特別態様に変化させるタイミングであると判断したとき(たとえば、S1803など)に先読み演出制限フラグをセットすることによって実現できる。また、この場合には、特有態様や特別態様で表示された保留表示が消去されたときに先読み演出制限フラグをリセットするようにしてもよい(すなわち、保留表示が特有態様や特別態様で表示されている間は先読み演出の実行が制限される)。このようにすることで、いずれかの保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されているときには、新たな先読み演出によって他の保留表示が通常態様以外の表示態様で表示されることが制限されるため、どの保留表示に注目すればよいか遊技者が分かりやすくなる。
また、たとえば、いずれかの保留表示が特殊態様、特有態様、および特別態様のいずれかで表示されている場合には、新たな先読み演出が実行されやすくなるようにしてもよい。すなわち先読み演出が重ねて実行されやすくなるようにしてもよい。また、たとえば、特定の遊技状態(たとえば、確変状態や時短状態)の場合には、先読み演出が重ねて実行されやすくなるようにしてもよい。たとえば、先読み演出を重ねて実行することを一定の割合で許容する構成において、特定の遊技状態である場合には、許容する割合を高くすることによって実現できる。
次いで、演出制御用CPU101は、合算保留表示部18cにおいて、新たな保留表示をS67108で決定した先読み演出パターンに応じた態様で表示させるように制御する(S67116)。たとえば、第2先読み演出パターンに決定された場合であって、かつ変化タイミングが入賞時(シフト回数カウンタの値が0である場合)であれば、新たな保留表示を特殊態様で表示する。また、たとえば、第5先読み演出パターンに決定された場合であって、かつ変化タイミングが入賞時でなければ、新たな保留表示を通常態様で表示する。S67116では、演出制御用CPU101は、新たな保留表示を先読み演出パターンに応じた態様で表示させるように制御するとともに、S67110で決定した最終表示態様を示す情報と、S67108で決定した先読み演出パターンの種類を示す情報と、S67113で決定した示唆演出の演出態様を示す情報とを、RAMに形成された保存領域に格納する。これらの情報を記憶させておくことで、後述する演出図柄変動開始処理において、いずれの最終表示態様と示唆演出の演出態様とに決定されているかを特定することができる。
また、S67108において決定した先読み演出パターンが、第2先読み演出パターン、および第5先読み演出パターン〜第8先読み演出パターン以外である場合には、すなわち第1先読み演出パターン、第3先読み演出パターン、および第4先読み演出パターンのいずれかに決定した場合には、合算保留表示部18cにおいて、新たな保留表示をS67108で決定した先読み演出パターンに応じた態様で表示させるように制御する(S67116)。たとえば、第3先読み演出パターンに決定された場合であって、かつ変化タイミングが入賞時(シフト回数カウンタの値が0である場合)であれば、新たな保留表示を第1特有態様で表示する。
以上のように、この実施の形態では、入賞時判定結果指定コマンドを受信すると、先読み演出決定処理において、新たな保留表示を通常態様、第1特有態様、第2特有態様、特殊態様、第1特別態様、および第2特別態様のいずれかで表示する処理が行われる。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、(1)第1特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行うように構成することと、(2)第2特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行うように構成することと、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を対象として先読み演出を行うように構成することとの3種類の構成が考えられる。
第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加えた場合には、第1保留記憶数の上限値(本例では4)に応じて、シフト回数カウンタには最大4がセットされる。ただし、上記(1)の構成で、第1特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行しても、第2始動入賞口14への入賞が発生すると、第2特別図柄の変動表示が割り込んで(入賞順ではなく優先して)実行されるため、たとえば、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、シフトタイミングであっても、後述する演出図柄変動開始処理のS1802bでシフト回数カウンタの値を減算しないように構成することが望ましい。また、上記(3)の構成で、第1特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行した場合も同様に、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、後述する演出図柄変動開始処理のS1802bでシフト回数カウンタの値を減算しないように構成することが望ましい。
また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(2)の構成を加えた場合には、第2保留記憶数の上限値(本例では4)に応じて、シフト回数カウンタには最大4がセットされる。この場合には、上記(1)の構成とは異なり、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動表示が行われるときでも、シフトタイミングになればシフト回数カウンタの値を減算する。また、上記(3)の構成で、第2特別図柄の変動表示に対応する保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行した場合も同様に、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動表示が行われるときでも、シフトタイミングになればシフト回数カウンタの値を減算する。
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、高ベース中には、第1特別図柄の変動表示を対象として先読み演出を行わないように構成してもよい。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、大当り遊技中の第1始動入賞口13への入賞に基づく先読み演出を行わないように構成してもよい。このような構成は、たとえば、高ベース中や大当り遊技中には、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1始動入賞口13への入賞が発生しても、S1217の入賞時演出処理を実行しないようにしたり、演出制御用マイクロコンピュータ100において受信した入賞時判定結果指定コマンドを破棄したり、先読み演出を実行することに決定されても、実行しないように制御することで実現することができる。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に上記(3)の構成を加える場合に、高ベース中または大当り遊技中には、第1始動入賞口13への入賞に基づく先読み演出を行わないが、第2始動入賞口14への入賞に基づく先読み演出は行うようにしてもよい。このような構成は、たとえば、高ベース中や大当り遊技中には、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1始動入賞口13への入賞が発生しても、S1217の入賞時演出処理を実行しないようにしたり、演出制御用マイクロコンピュータ100において受信した第1始動入賞口13への入賞に基づく入賞時判定結果指定コマンドを破棄したり、先読み演出を実行することに決定されても、実行しないように制御することで実現することができる。
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加える場合には、第2始動入賞口14への入賞に基づく保留記憶が存在している状態で、第1始動入賞口13への入賞が発生したときには、その第1始動入賞口13への入賞に基づく保留記憶を対象とした先読み演出を実行しないようにしてもよい。また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行する構成に、上記(1)の構成を加える場合には、第1始動入賞口13への入賞に基づく保留記憶を対象とした先読み演出の実行を決定している状態で、第2始動入賞口14への入賞が発生したときには、すでに決定していた先読み演出の実行をキャンセルするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、第1特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行う構成(上記(1))、または第2特別図柄の変動表示のみを対象として先読み演出を行う構成(上記(2))を加えるようにしてもよい。また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか入賞順に変動表示が実行されるが、たとえば、高ベース中または大当り遊技中には、第1始動入賞口13への入賞に基づく先読み演出を行わないようにしてもよい。
[演出制御プロセス処理]
図33は、図24に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングなどを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S805):大当り遊技中の制御を行う。たとえば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御などを行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S806)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S806):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
[変動パターンコマンド受信待ち処理]
図34は、図24に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に更新する(S813)。
[演出図柄変動開始処理]
図35は、図33に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果(最も古い判定結果)を削除し、入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトするとともに、合算保留表示部18cにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(S1800)。たとえば、合算保留表示部18cの1つ目〜5つ目の保留表示が表示されていた場合に、シフトタイミングで1つ目の保留表示が消去されるとともに、2つ目に表示されていた保留表示が1つ目の表示領域にシフトされ、3つ目に表示されていた保留表示が2つ目の表示領域にシフトされ、4つ目に表示されていた保留表示が3つ目の表示領域にシフトされ、5つ目に表示されていた保留表示が4つ目の表示領域にシフトされる。第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成されている場合には、演出制御用CPU101は、第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第1入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果を削除し、第1入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする。また、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第2入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果を削除し、第2入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする。
次いで、演出制御用CPU101は、変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタの値が0より大きいか否かを確認する(S1801)。シフト回数カウンタの値が0より大きいということは、合算保留表示部18cに表示されている保留表示のうちのいずれかについて、表示態様を変化させる先読み演出を実行することが決定されていることを示している。したがって、S1801では、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されているか否かが確認されている。
シフト回数カウンタの値が0より大きくない場合(S1801のN)、すなわち、シフト回数カウンタの値が0であって、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されていない場合には、演出制御用CPU101は、処理をS1804に移行する。
一方、シフト回数カウンタの値が0より大きい場合(S1801のY)、すなわち、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出用合算保留記憶数カウンタの値を1減算する(S1802a)。また、演出制御用CPU101は、シフト回数カウンタの値を1減算する(S1802b)。次いで、演出制御用CPU101は、シフト回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(S1803)。S1802bでシフト回数カウンタの値を1減算した結果、シフト回数カウンタの値が0になったということは、合算保留表示部18cに表示されている保留表示のうちのいずれかの表示態様を変化させる先読み演出を実行するタイミングであることを示している。したがって、S1803では、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングであるか否かが確認されている。
S1803において、シフト回数カウンタの値が0ではない場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングではない場合には、演出制御用CPU101は、処理をS1804に移行する。一方、シフト回数カウンタの値が0である場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、処理をS1808に移行する。
S1804では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S1804)。
次いで、演出制御用CPU101は、S1804で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S1805)。すなわち、演出制御用CPU101によってS1805の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
図36は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図36に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組合せを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りや小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドや表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、たとえば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出の演出態様を決定する(S1806)。ここで、S1806の処理は、先読み演出によって保留表示の表示態様が変化するタイミングで実行されるものではない。したがって、S1806では、保留表示の表示態様が変化することを示唆するものの、結果的には表示態様が変化しないときに実行される示唆演出の演出態様を決定する。保留表示の表示態様が変化するときに実行される示唆演出(成功パターン)と区別するために、表示態様が変化しないときに実行される示唆演出を示唆演出(通過パターン)ともいう。
S1806では、演出制御用CPU101は、先読み演出制限フラグがセットされていないとき、すなわち合算保留表示部18cにおいていずれの保留表示も特殊態様で表示されていないときには、図35(A)に示す示唆演出(通過パターン)決定テーブルの割合で、示唆演出(通過パターン)を実行しない、または第1演出態様もしくは第2演出態様で実行すると決定する。また、演出制御用CPU101は、先読み演出制限フラグがセットされているとき、すなわち合算保留表示部18cにおいていずれかの保留表示が特殊態様で表示されているときには、図35(B)に示す示唆演出(通過パターン)決定テーブルの割合で、示唆演出(通過パターン)を実行しない、または第1演出態様もしくは第2演出態様で実行すると決定する。示唆演出(通過パターン)決定テーブルには、決定事項(「演出なし」、「第1演出態様」または「第2演出態様」)に対応する判定値が割り当てられているが、図35(A)、(B)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、たとえば、示唆演出(通過パターン)の演出態様を決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項(「演出なし」、「第1演出態様」または「第2演出態様」)に決定する。
たとえば、先読み演出制限フラグがセットされていないとき、すなわち合算保留表示部18cにおいていずれの保留表示も特殊態様で表示されていないときには、60%の割合で示唆演出(通過パターン)を実行しないと決定され、30%の割合で示唆演出を第1演出態様で実行すると決定され、10%の割合で示唆演出を第2演出態様で実行すると決定される。また、先読み演出制限フラグがセットされているとき、すなわち合算保留表示部18cにおいていずれかの保留表示が特殊態様で表示されているときには、0%の割合で示唆演出(通過パターン)を実行しないと決定され、60%の割合で示唆演出を第1演出態様で実行すると決定され、40%の割合で示唆演出を第2演出態様で実行すると決定される。
図35(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、先読み演出制限フラグがセットされている場合、すなわち合算保留表示部18cにおいていずれかの保留表示が特殊態様または第2特有態様で表示されている場合には、そうでない場合に比べて高い割合で示唆演出が実行される。したがって、保留表示が特殊態様または第2特有態様で表示されているときの期待感を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。なお、この実施の形態では、保留表示の表示態様が変化するタイミングでも示唆演出が実行されるため、保留表示が特殊態様または第2特有態様で表示されているときには、常に示唆演出が実行されるように構成されているが、保留表示が特殊態様または第2特有態様で表示されているときであっても、示唆演出が実行されないことがあってもよい。ただし、この場合にも、保留表示が特殊態様または第2特有態様で表示されていないときに比べて高い割合で示唆演出が実行されることが望ましい。
また、先読み演出制限フラグがセットされている場合、すなわち合算保留表示部18cにおいていずれかの保留表示が特殊態様または第2特有態様で表示されている場合には、その保留表示の最終表示態様が第1特別態様または第2特別態様のいずれであるかに応じて、異なる割合で示唆演出の演出態様を第1演出態様または第2演出態様に決定するようにしてもよい。たとえば、最終表示態様が第1特別態様よりも期待度が高い第2特別態様に決定されている場合には、示唆演出の演出態様が第1演出態様よりも期待度が高い第2演出態様に決定される割合を高くするようにしてもよい。また、この実施の形態では、後述するように、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から矢が飛んでくる表示制御が行われ、保留表示の表示態様が変化する場合(示唆演出(成功パターン)の場合)には、飛んできた矢が予告対象となる保留情報に対応する保留表示に突き刺さる表示制御が行われる。また、保留表示の表示態様が変化しない場合(示唆演出(通過パターン)の場合)には、飛んできた矢がそのまま表示領域を通過する表示制御が行われる。したがって、S1806では、後述するS1811のように、演出用合算保留記憶数カウンタを用いて予告対象となる保留情報に対応する保留表示を特定する必要はない。なお、たとえば、保留表示の表示態様を変化させるタイミングであるときと、そのタイミングではないときとの両方で、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から矢が飛んできた矢が予告対象となる保留情報に対応する保留表示に突き刺さる表示制御を行い、保留表示の表示態様を変化させるタイミングであるときには、矢が突き刺さった保留表示の表示態様が変化させ(示唆演出(成功パターン)に相当)、保留表示の表示態様を変化させるタイミングではないときには、矢が突き刺さった保留表示の表示態様が変化させない(本例の示唆演出(通過パターン)に相当)ようにしてもよい。この場合には、演出制御用CPU101は、S1806において、後述するS1811のように、演出用合算保留記憶数カウンタを用いて予告対象となる保留情報に対応する保留表示を特定し、S1807において特定した保留表示に対する示唆演出を実行するためのプロセステーブルを選択するようにしてもよいし、表示されている保留表示の中から矢が突き刺さる保留表示をランダムに決定し、決定した保留表示に対する示唆演出を実行するためのプロセステーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、決定した示唆演出(通過パターン)の演出態様と変動パターンとに応じたプロセステーブルを選択する(S1807)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S1812)。
図37は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9などの演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様や、合算保留表示部18cにおける先読み演出の態様を示すデータ、示唆演出の態様を示すデータなどが記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータ(たとえば、先読み演出が実行されないときに用いられるプロセステーブルの表示制御実行データに記載された先読み演出の態様を示すデータ)には、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図37に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を実行する(S1813)。たとえば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S1814)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S1815)。
S1803でシフト回数カウンタの値が0であると判断した場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、先読み演出制限フラグがセットされていれば、それをリセットする(S1808)。このような処理が実行されることによって、この実施の形態では、保留表示が特殊態様で表示されている期間は新たに先読み演出を実行することを制限することができ、複数の保留表示が特殊態様で表示されることを制限することができる。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S1809)。次いで、演出制御用CPU101は、S1809で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて、演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S1810)。
次いで、演出制御用CPU101は、示唆演出の演出態様と、演出用合算保留記憶数カウンタによって特定される保留表示の最終表示態様と、変動パターンとに応じた表示態様変化時用のプロセステーブルを選択する(S1811)。そして、S1812に移行する。
表示態様変化時用のプロセステーブルとは、演出図柄の変動表示とともに、演出図柄の変動開始時に、示唆演出(成功パターン)を実行し、特定の保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行する制御を行うためのプロセスデータが設定されたテーブルである。この実施の形態では、実行する示唆演出(成功パターン)や先読み演出の態様に応じて複数種類の表示態様変化時用のプロセステーブルが設けられている。また、この実施の形態では、先読み演出決定処理において決定され(S67113)、記憶されている示唆演出(成功パターン)の演出態様(本例では、第1演出態様または第2演出態様)と、演出用合算保留記憶数カウンタによって特定される演出対象の保留表示(たとえば、演出用合算保留記憶数カウンタの値が2のときには、合算保留表示部18cにおける2つ目の保留表示)と、先読み演出決定処理において決定され(S67110)、記憶されている最終表示態様とに基づいて、どのような態様で示唆演出(成功パターン)を実行し、どの保留表示をどのような表示態様に変化させる先読み演出を実行するかを特定することができる。したがって、演出制御用CPU101は、示唆演出(成功パターン)の演出態様と、演出用合算保留記憶数カウンタによって特定される保留表示の最終表示態様と、変動パターンとに応じて、複数種類の表示態様変化時用のプロセステーブルのいずれかを選択し、選択した表示態様変化時用のプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行することによって、先読み演出決定処理で決定された演出態様で示唆演出(成功パターン)を実行し、予告対象の変動表示に対応する保留表示を決定された表示態様に変化させる先読み演出を実行することができる。
[演出図柄変動中処理]
図38は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S1841)、変動時間タイマの値を1減算する(S1842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S1843)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S1844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置に対する制御状態を変更する(S1845)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S1849)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S1851)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S1850)、S1851に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズなどに起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
[演出図柄変動停止処理]
図39は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(S852)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(S853)。次いで、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認する(S855)。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S856)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S857)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、演出図柄の変動(可変表示)を終了させる(S851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドに基づく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、演出図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
[大当り表示処理]
図40は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(S804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンドを受信したことを示す大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンドを受信したことを示す大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(S871)。いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされているフラグに応じた遊技開始画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(S872)。また、セットされているフラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグ)をリセットする(S873)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に応じた値に更新する(S874)。
なお、大当り表示用のプロセス処理とは別に小当り表示用のプロセス処理を設けるようにし、小当りである場合には、たとえば、所定期間(大入賞口が0.1秒間2回開放するのに十分な時間。たとえば0.5秒間)、突然確変大当り時と同様の態様の演出を行うようにしてもよい。
S872では、演出制御用CPU101は、大当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。
[大当り終了演出処理]
図41は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(S806)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(S880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、S885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグ、大当り終了2指定コマンド受信フラグ、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(S881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグ、大当り終了2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグ)をリセットし(S882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(S883)、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(S884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
S885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(S886)。経過していなければ処理を終了する。大当り終了演出時間が経過している場合には、演出制御用CPU101は、セットされていれば、先読み演出制限フラグをリセットする(S887)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S892)。
[第1先読み演出パターンに基づく先読み演出の具体例]
次に、先読み演出の具体例について説明する。図42は、第1先読み演出パターンに基づく先読み演出の具体例を示す説明図である。図42(A)に示されるように、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留表示部18cに2つの保留表示が黄色で点灯する通常態様(本例では「○」)で表示されているときに始動入賞が行われると、先読み演出の態様(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)および示唆演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示される。図42では、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンと決定し、最終表示態様を第1特別態様または第2特別態様と決定し、変化タイミングを始動入賞時(シフト回数0)またはシフト回数1と決定する例を示す。また、示唆演出(成功パターン)の演出態様を、第1演出態様または第2演出態様と決定する例を示す。
図42に示す第1先読み演出パターンに基づく先読み演出の例では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される。また、保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングまたは任意のシフトタイミングである。そこで、変化タイミングが始動入賞時(シフト回数0)に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定された場合には、図42(B1)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留表示部18cに3つ目の保留表示が赤色で点灯する第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)で表示される。また、変化タイミングが始動入賞時(シフト回数0)に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定された場合には、図42(B2)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留表示部18cに3つ目の保留表示が赤色で点滅する第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)で表示される。
また、最終表示態様が第1特別態様または第2特別態様であっても、変化タイミングが始動入賞のタイミング(シフト回数0)ではなく、任意のシフトタイミング(ここでは、シフト回数1)に決定された場合には、図42(B3)に示すように、始動入賞のタイミングでは、合算保留表示部18cに3つ目の保留表示が通常態様で表示される。そして、演出図柄の変動表示が停止し(図42(C))、1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目と3つ目の保留表示がそれぞれシフトされる。
このとき、変化タイミングがシフト回数1に決定され、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様に決定されている場合には、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる表示制御が行われる(図42(D1))。
そして、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図42(E1)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留表示部18cの2つ目の保留表示(図42(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が第1特別態様に変化して表示される。また、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図42(E2)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留表示部18cの2つ目の保留表示(図42(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が第2特別態様に変化して表示される。
また、変化タイミングがシフト回数1に決定され、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様に決定されている場合には、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる表示制御が行われる(図42(D2))。
そして、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図42(E3)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留表示部18cの2つ目の保留表示(図42(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が第1特別態様に変化して表示される。また、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図42(E4)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留表示部18cの2つ目の保留表示(図42(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が第2特別態様に変化して表示される。
既に説明しているように、この実施の形態では、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様であるときには、第1演出態様であるときに比べて、保留表示の表示態様が第1特別態様よりも大当りとなる期待度が高い第2特別態様になる割合が高くなるように構成されている。したがって、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様であるとき、すなわち黒い矢が飛んできて保留表示に刺さったときには、保留表示が期待度の低い第1特別態様に変化する割合が高い。つまり図42(D1)から図42(E1)に移行する割合が高い。一方、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様であるとき、すなわち白い矢が飛んできて保留表示に刺さったときには、保留表示が期待度の高い第2特別態様に変化する割合が高い。つまり図42(D2)から図42(E4)に移行する割合が高い。このように構成されることによって、矢が飛んできて保留表示に刺さる示唆演出(成功パターン)であっても、第2演出態様で行われて欲しいと感じさせるとともに、示唆演出が第1演出態様で行われたとき、すなわち黒い矢が飛んできたときには、保留表示に刺さらずに通過して欲しい(示唆演出(通過パターン)であってほしい)と感じさせることができる。
[第2先読み演出パターンに基づく先読み演出の具体例]
図43、図44は、第2先読み演出パターンに基づく先読み演出の具体例を示す説明図である。図43(A)に示されるように、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留表示部18cに2つの保留表示が黄色で点灯する通常態様で表示されているときに始動入賞が行われると、先読み演出(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)および示唆演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示される。図43、図44では、先読み演出パターンを第2先読み演出パターンと決定し、最終表示態様を第1特別態様または第2特別態様と決定し、変化タイミングをシフト回数1またはシフト回数2と決定する例を示す。また、示唆演出の演出態様を、第1演出態様または第2演出態様と決定する例を示す。
図43、図44に示す第2先読み演出パターンに基づく先読み演出の例では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、任意のシフトタイミングで、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。そのため、先読み演出パターンが第2先読み演出パターンと決定されると、図43(B)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留表示部18cに3つ目の保留表示が白色で点灯する特殊態様(本例では「○」の外側に6本の線が描かれている)で表示される。
そして、演出図柄の変動表示が停止し(図43(C))、1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目と3つ目の保留表示がそれぞれシフトされる。このとき、示唆演出の演出態様が第2演出態様に決定されていると、保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる(第2演出態様)表示制御が行われる(図43(D))。
ここで、変化タイミングがシフト回数1に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図43(E1)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留表示部18cの2つ目の保留表示(図43(B3)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第1特別態様に変化して表示される。また、変化タイミングがシフト回数1に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図43(E2)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留表示部18cの2つ目の保留表示(図43(B3)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第2特別態様に変化して表示される。
また、変化タイミングがシフト回数2に決定されているときには、図43(E3)に示すように、シフトのタイミングで、白い矢がいずれの保留表示にも刺さらず通過する示唆演出(第2演出態様の示唆演出(通過パターン))が行われる。図43(E3)に示す示唆演出は、演出図柄変動開始処理において示唆演出(通過パターン)を第2演出態様で実行すると決定されたときに行われる。このように、この実施の形態では、示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から黒い矢(第1演出態様)または白い矢(第2演出態様)が飛んでくる表示制御を行うことで、保留表示の表示態様が変化することを示唆し、矢が保留表示に刺さると(示唆演出(成功パターン)が行われると)表示態様が変化し、矢がいずれの保留表示にも刺さらず通過すると(示唆演出(通過パターン)が行われると)表示態様が変化しない。
その後、演出図柄の変動表示が停止し(図44(F))、1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目の保留表示がシフトされる。このとき、保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる(第1演出態様)表示制御が行われる(図44(G))。
そして、変化タイミングがシフト回数2に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図44(H1)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留表示部18cの1つ目の保留表示(図43(B3)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第1特別態様に変化して表示される。また、変化タイミングがシフト回数2に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図44(H2)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留表示部18cの1つ目の保留表示(図43(B3)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第2特別態様に変化して表示される。
図42に示すように、この実施の形態では、第1先読み演出パターンに基づく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される。このとき、最終表示態様に表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングの他に、任意のシフトタイミングを含む。また、図43および図44に示すように、第2先読み演出パターンに基づく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、任意のシフトタイミングで最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される。このように、この実施の形態では、複数のタイミングで保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能であるため、保留表示の表示態様を変化させるタイミングに多様性を持たせることができるとともに、保留表示が特殊態様で表示されたときには、保留表示に対応する保留記憶に基づく可変表示が開始されるまでに、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するため、遊技の興趣を向上させることができる。
[第3先読み演出パターン〜第6先読み演出パターンに基づく先読み演出の具体例]
図45は、第3先読み演出パターン〜第6先読み演出パターンに基づく先読み演出の具体例を示す説明図である。図45(A)に示されるように、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留表示部18cに2つの保留表示が黄色で点灯する通常態様で表示されているときに始動入賞が行われると、先読み演出(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)および示唆演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示される。図45では、第3先読み演出パターン〜第6先読み演出パターンの各パターンについての例を示す。また、示唆演出の演出態様を第2演出態様と決定する例を示す。
図45に示す第3先読み演出パターン〜第6先読み演出パターンに基づく先読み演出の例では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで通常態様で表示され、任意のシフトタイミングで、第1特有態様または第2特有態様に変化して表示され、その後、さらに任意のシフトタイミングで、第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。
まず、先読み演出パターンが第3先読み演出パターンに決定された場合について説明する。先読み演出パターンが第3先読み演出パターンに決定された場合には、図45(B)に示すように、始動入賞のタイミングでは、合算保留表示部18cに4つ目の保留表示が通常態様で表示される。そして、演出図柄の変動表示が停止し(図45(C))、1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目、3つ目、および4つ目の保留表示がそれぞれシフトされる。
このとき、1回目の変化タイミングがシフト回数1に決定されている場合には、合算保留表示部18cに1回目のシフト後の3つ目の保留表示が青色で点灯する第1特有態様(本例では「○」内に「△」が含まれる)で表示される(図45(D1))。そして、演出図柄の変動表示が停止し(図45(E1))、1回目のシフト後の1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されると、1回目のシフト後の1つ目の保留表示が消去され、1回目のシフト後の2つ目と3つ目の保留表示がそれぞれシフトされる。
このとき、2回目の変化タイミングがシフト回数2に決定され、示唆演出(通過パターン)の演出態様が第2演出態様に決定されている場合には、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる表示制御が行われる(図45(F1))。そして、シフトのタイミングで、白い矢がいずれの保留表示にも刺さらず通過する示唆演出(第2演出態様の示唆演出(通過パターン))が行われる(図45(G3))。このように、先読み演出パターンが第3先読み演出パターンに決定された場合には、保留表示は、通常態様で行われた後に最終表示態様として第1特有態様に変化して行われる。
次に、先読み演出パターンが第4先読み演出パターンに決定された場合について説明する。先読み演出パターンが第4先読み演出パターンに決定された場合には、演出図柄の変動表示が停止して1回目のシフトがされた後、合算保留表示部18cに1回目のシフト後の3つ目の保留表示が青色で点灯する第1特有態様で表示される(図45(D1))。そして、演出図柄の変動表示が停止し(図45(E1))、1回目のシフト後の1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されると、1回目のシフト後の1つ目の保留表示が消去され、1回目のシフト後の2つ目と3つ目の保留表示がそれぞれシフトされる。
このとき、2回目の変化タイミングがシフト回数2に決定され、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様に決定されている場合には、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる表示制御が行われる(図45(F1))。さらに、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、シフトのタイミングで、合算保留表示部18cの2つ目の保留表示(図45(B)で新たに表示された通常態様の保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が第1特有態様から第1特別態様に変化して表示される(図45(G1))。一方、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、シフトのタイミングで、合算保留表示部18cの2つ目の保留表示(図45(B)で新たに表示された通常態様の保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が第1特有態様から第2特別態様に変化して表示される(図45(G2))。このように、先読み演出パターンが第4先読み演出パターンに決定された場合には、保留表示は、通常態様で行われた後に一旦第1特有態様に変化して行われ、その後さらに最終表示態様として第1特別態様または第2特別態様に変化して行われる。
次に、先読み演出パターンが第5先読み演出パターンに決定された場合について説明する。先読み演出パターンが第5先読み演出パターンに決定された場合には、演出図柄の変動表示が停止して1回目のシフトがされた後、合算保留表示部18cに1回目のシフト後の3つ目の保留表示が青色で点滅する第2特有態様(本例では「○」内に「○」が含まれる)で表示される(図45(D2))。そして、演出図柄の変動表示が停止し(図45(E2))、1回目のシフト後の1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されると、1回目のシフト後の1つ目の保留表示が消去され、1回目のシフト後の2つ目と3つ目の保留表示がそれぞれシフトされる。
このとき、2回目の変化タイミングがシフト回数2に決定され、示唆演出(通過パターン)の演出態様が第2演出態様に決定されている場合には、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる表示制御が行われる(図45(F2))。そして、シフトのタイミングで、白い矢がいずれの保留表示にも刺さらず通過する示唆演出(第2演出態様の示唆演出(通過パターン))が行われる(図45(G3))。このように、先読み演出パターンが第5先読み演出パターンに決定された場合には、保留表示は、通常態様で行われた後に最終表示態様として第2特有態様に変化して行われる。
次に、先読み演出パターンが第6先読み演出パターンに決定された場合について説明する。先読み演出パターンが第6先読み演出パターンに決定された場合には、演出図柄の変動表示が停止して1回目のシフトがされた後、合算保留表示部18cに1回目のシフト後の3つ目の保留表示が青色で点滅する第2特有態様で表示される(図45(D2))。そして、演出図柄の変動表示が停止し(図45(E2))、1回目のシフト後の1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されると、1回目のシフト後の1つ目の保留表示が消去され、1回目のシフト後の2つ目と3つ目の保留表示がそれぞれシフトされる。
このとき、2回目の変化タイミングがシフト回数2に決定され、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様に決定されている場合には、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる表示制御が行われる(図45(F2))。さらに、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、シフトのタイミングで、合算保留表示部18cの2つ目の保留表示(図45(B)で新たに表示された通常態様の保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が第2特有態様から第1特別態様に変化して表示される(図45(G1))。一方、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、シフトのタイミングで、合算保留表示部18cの2つ目の保留表示(図45(B)で新たに表示された通常態様の保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が第2特有態様から第2特別態様に変化して表示される(図45(G2))。このように、先読み演出パターンが第6先読み演出パターンに決定された場合には、保留表示は、通常態様で行われた後に一旦第2特有態様に変化して行われ、その後さらに最終表示態様として第1特別態様または第2特別態様に変化して行われる。
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞時演出処理などを実行することによって実現される、始動入賞時に変動表示の表示結果および変動パターンを判定する判定手段を備えている。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み演出決定処理や演出図柄変動開始処理などを実行することによって実現される、判定手段による判定結果に基づいて保留記憶に対応する保留表示(合算保留表示部18cにおける保留記憶)を特殊態様、第1特有態様、第2特有態様、第1特別態様、および第2特別態様のいずれかで保留表示を行う先読み演出を実行する保留表示手段を備えている。さらに、特殊態様、第1特有態様、および第2特有態様で保留表示を行っているときに、当該保留表示をその他の態様に変化させる変化演出実行手段を備えている。そして、変化演出実行手段は、複数のタイミング(始動入賞のタイミングやシフトタイミングなど)で保留表示を特殊態様、第1特有態様、第2特有態様、第1特別態様、および第2特別態様のいずれかに変化させて表示することが可能であり、保留表示が特殊態様、第1特有態様、および第2特有態様のいずれかで表示されたときは、保留表示に対応する保留記憶に基づく可変表示が開始されるまでに、その保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示できるように構成されている。そのように構成されていることによって、複数のタイミングで保留表示を変化させて表示することが可能であるため、保留表示の表示態様を変化させるタイミングに多様性を持たせることができるとともに、保留表示が特殊態様、第1特有態様、および第2特有態様のいずれかで表示されたときには、保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することがあるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み演出決定処理や演出図柄変動開始処理などを実行することによって実現される、保留表示の表示態様が変化するか否かを示唆する示唆演出(示唆演出(成功パターン)および示唆演出(通過パターン))を実行する示唆演出実行手段を備えている。そして、示唆演出実行手段は、保留表示が特殊態様または第2特有態様で表示されているときには、保留表示が特殊態様または第2特有態様で表示されていないときに比べて高い頻度で示唆演出を実行するように構成されている。そのように構成されていることによって、保留表示が特殊態様または第2特有態様で表示されたときには、高い頻度で示唆演出が実行されるため、期待感を高めることでき、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、表示結果が大当りとなると判定されたときには、大当りとならないと判定したときに比べて高い割合で判定対象となった保留記憶に対応する保留表示を第2特別態様で表示する。また、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示する第2先読み演出パターンで先読み演出を行うときには、保留表示を特殊態様で表示することなく第1特別態様または第2特別態様で表示する第1先読み演出パターンで先読み演出を行うときに比べて高い割合で保留表示を第2特別態様で表示するように構成されている。そのように構成されていることによって、保留表示が特殊態様で表示されたときには、大当りとなる期待度が高い第2特別態様で表示される割合が高くなるため、期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、青色点灯である第1特有態様で保留表示が行われているときよりも、青色点滅である第2特有態様で保留表示が行われているときの方が高い割合で、当該保留表示が特別態様に変化する。つまり、図45(E1)に示す青色点灯である第1特有態様で保留表示が行われているときよりも、図45(E2)に示す青色点滅である第2特有態様で保留表示が行われているときの方が高い割合で、図45(G1)に示す赤色点灯である第1特別態様または図45(G2)に示す赤色点滅である第2特別態様での保留表示に変化する。これにより、保留表示が特有態様となったときに、当該特有態様が第1特有態様および第2特有態様のいずれであるかに対して遊技者に注目させることができ、保留表示の表示態様を変化させる演出に多様性を持たせ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、所定条件が成立したとき(たとえば、第2先読み演出パターンで先読み演出を実行すると決定し、変化タイミングを入賞時(変動回数0)と決定したときの始動入賞のタイミング)に保留表示を特殊態様で表示し、保留表示に対応する保留記憶に基づく可変表示が開始されるまでの第1タイミング(たとえば、始動入賞後に1回目の保留表示のシフトが行われたタイミング)または第1タイミングとは異なる第2タイミング(たとえば、始動入賞後に2回目の保留表示のシフトが行われたタイミング)で保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能である。そして、判定結果が大当りとなると判定されたときと、大当りとならないと判定したときとで、異なる割合で第1タイミングまたは第2タイミングで保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するように構成されている。そのように構成されていることによって、保留表示が特殊態様で表示されたときに、どのタイミングで表示態様が変化するかに注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、所定条件が成立したとき(たとえば、第6先読み演出パターンで先読み演出を実行すると決定し、変化タイミングを入賞時(変動回数0)と決定したときの始動入賞のタイミング)に保留表示を第2特有態様で表示し、保留表示に対応する保留記憶に基づく可変表示が開始されるまでの第1タイミング(たとえば、始動入賞後に1回目の保留表示のシフトが行われたタイミング)または第1タイミングとは異なる第2タイミング(たとえば、始動入賞後に2回目の保留表示のシフトが行われたタイミング)で保留表示を第2特有態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能である。そして、判定結果が大当りとなると判定されたときと、大当りとならないと判定したときとで、異なる割合で第1タイミングまたは第2タイミングで保留表示を第2特有態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するように構成されている。そのように構成されていることによって、保留表示が第2特有態様で表示されたときに、どのタイミングで表示態様が変化するかに注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み演出制限フラグをセットする処理を実行することによって実現される、保留表示が特殊態様または第2特有態様で表示されているときには新たに保留表示を特殊態様で表示することを制限する制限手段を備えるように構成されている。そのように構成されていることによって、複数の保留表示が特殊態様または第2特有態様で表示されたときに、どの保留表示に注目すればよいか遊技者を混乱させてしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、表示結果が大当りとなると判定されたときには、大当りとならないと判定されたときに比べて、高い割合で判定対象となった保留記憶に対応する保留表示を第2特別態様で表示する。また、保留表示を特殊態様、第1特有態様、および第2特有態様のいずれかから第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するときに、第1演出(たとえば、黒い矢が飛んできて保留表示に刺さる第1演出態様の示唆演出(成功パターン))を行い、保留表示を特殊態様、第1特有態様、および第2特有態様のいずれかから第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するときと、第1演出とは異なる第2演出(たとえば、白い矢が飛んできて保留表示に刺さる第2演出態様の示唆演出(成功パターン))を行い、保留表示を特殊態様、第1特有態様、および第2特有態様のいずれかから第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するときとがある。そして、第1演出が行われるときと第2演出が行われるときとで、異なる割合で保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するように構成されている。そのように構成されていることによって、保留表示が特殊態様、第1特有態様、および第2特有態様のいずれかで表示されたときに、第1演出と第2演出とのいずれが行われるかに注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[変形例]
なお、この実施の形態では、第1先読み演出パターン〜第8先読み演出パターンにおいて、保留表示が変化するタイミングは、始動入賞のタイミングと、保留表示がシフトするタイミングとのいずれかであったが、これに限らず、他のタイミングを含むようにしてもよい。たとえば、予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のタイミング(具体的には、予告対象の変動表示が開始されるまでに実行される1つの変動表示中または複数の変動表示にまたがった期間)で保留表示を変化するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、先読み演出の演出パターンとして、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される第1先読み演出パターンと、始動入賞のタイミングで予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が特殊態様で表示され、任意のシフトタイミングで最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される第2先読み演出パターンとを含むが、第2先読み演出パターンのみ含むようにしてもよい。この場合であっても、先読み演出が行われると、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されるが、特殊態様から特別態様には複数のタイミング(シフトタイミングなどの任意のタイミング)で変化されるため、保留表示の表示態様を変化させる演出に多様性を持たせ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、保留表示が特殊態様で表示されたときには、保留表示は、必ず特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示されるが、たとえば、特殊態様のまま変化させないようにしてもよい。この場合には、保留表示が特殊態様から特別態様に変化されることなく、その保留表示(保留情報)に対応する変動表示が開始されたときには、特殊態様から特別態様に変化されたときに比べて大当りとなる割合が低くなるように構成することが望ましい。このようにすることで、保留表示の表示態様が特殊態様から特別態様に変化することに対して、より関心を持たせることができる。また、この場合には、保留表示が特殊態様で表示されている状態の方が、通常状態で表示されている状態に比べて、特別態様に変化して表示される割合が高くなるように構成することが望ましい。このようにすることで、保留表示の表示態様が通常態様から特殊態様に変化することに対して関心を持たせることができ、さらに特殊態様で表示されているときの期待感を高めることもできる。
なお、この実施の形態では、示唆演出として、演出表示装置9において所定の表示制御が行われているが、これとともに(またはこれに代えて)、スピーカから音声を出力する演出や、ランプを点灯させる演出などを行うようにしてもよい。また、この実施の形態では、示唆演出は、保留表示の変化に作用する演出(矢が突き刺さる(または通過する))であり、演出結果に応じて保留表示が変化するが(矢が突き刺さると保留表示が変化する)、必ずしも保留表示の変化に作用する演出としなくてもよい。たとえば、保留表示の表示態様を変化させる場合と変化させない場合とのいずれであっても、示唆演出として、特定の保留表示に矢が突き刺さる演出を行う。そして、保留表示を変化させる場合には、示唆演出によって矢が突き刺さった保留表示を変化させ、変化させない場合には、示唆演出によって矢が突き刺さった保留表示を変化させないようにしてもよい。すなわち、保留表示が変化するときと変化しないときとで、示唆演出の態様(飛んできた矢が特定の保留表示に突き刺さる)は同じであるが、結果(矢が突き刺さった保留表示の表示態様が変化するか否か)が異なるような保留変化演出を行うようにしてもよい。なお、示唆演出が行われない実施形態においても、先読み演出によって、保留表示の表示形態が変化するものであってもよい。つまり、示唆演出のような保留表示の変化に作用する演出がなくとも、保留表示の表示形態が変化するものであってもよい。
また、この実施の形態では、第1特有態様から特別態様に変化したときよりも第2特有態様から特別態様に変化したときの方が高い割合で、予告対象の変動表示の表示結果が当りになるが、これに限らず、第2特有態様から特別態様に変化したときよりも第1特有態様から特別態様に変化したときの方が高い割合で、予告対象の変動表示の表示結果が当りになるものであってもよい。
また、この実施の形態では、図28のS67109に示すように、最終表示態様が特別態様となる先読み演出パターンに決定されたときに限り、図29(B)に示す最終特別態様決定テーブルを用いて、第1特別態様とするか、第2特別態様とするかを決定するものであった。しかしながら、これに限らず、最終表示態様が特有態様となる先読み演出パターンに決定されたときにも、変動表示の表示結果が「はずれ」、「通常大当り/確変大当り」、および「突然確変大当り/小当り」のいずれであるかに応じて異なる割合で、第1特有態様とするか、第2特有態様とするかを決定してもよい。この場合において、変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」の場合には、最終表示態様が特有態様になったときに、第1特有態様よりも第2特有態様に決定される割合を高くしてもよい。これにより、保留表示が第2特有態様で表示されたときには、第1特有態様で表示されたときに比べて、予告対象の変動表示において通常大当りまたは確変大当りが発生する割合を高くすることができる。したがって、第1特有態様よりも第2特有態様で表示された方が通常大当りまたは確変大当りとなる期待度を高くすることができ、先読み演出が実行されたときに、保留表示がどの表示態様で表示されるかについて着目させることができる。なお、変動表示の表示結果が「通常大当り」または「確変大当り」の場合には、最終表示態様が特有態様になったときに、第2特有態様よりも第1特有態様に決定される割合を高くしてもよい。また、最終表示態様が特有態様である場合に限らず、保留表示の変化の途中で特有態様となる場合においても、変動表示の表示結果が「はずれ」、「通常大当り/確変大当り」、および「突然確変大当り/小当り」のいずれであるかに応じて異なる割合で、第1特有態様とするか、第2特有態様とするかを決定してもよい。さらに、保留表示の変化の途中で保留表示が第2特有態様で表示されたときには、保留表示が途中で第1特有態様で表示されたときに比べて、予告対象の変動表示において通常大当りまたは確変大当りが発生する割合を高くしてもよい。
また、この実施の形態では、図28のS67108に示すように先に先読み演出パターンを決定し、その後、S67110に示すように最終表示態様の種類を決定するものであった。しかしながら、これに限らず、先に最終表示態様の種類を決定し、その後、決定された最終表示態様となる先読み演出パターンの中から一の先読み演出パターンを決定するものであってもよい。たとえば、まず、変動表示の表示結果が「はずれ」、「通常大当り/確変大当り」、および「突然確変大当り/小当り」のいずれであるかに応じて、最終表示態様を特殊態様、特有態様、および特別態様のいずれにするかを決定し、次に、特殊態様に決定したときには最終表示態様が特殊態様となる先読み演出パターンの中から一の先読み演出パターンを決定し、特有態様に決定したときには最終表示態様が特殊態様となる先読み演出パターンの中から一の先読み演出パターンを決定し、特別態様に決定したときには最終表示態様が特殊態様となる先読み演出パターンの中から一の先読み演出パターンを決定するものであってもよい。さらに、最終表示態様を特有態様としたときには、第1特有態様および第2特有態様のいずれにするかを最終表示態様を決定するときに同時に決定してもよい。また、最終表示態様を特別態様としたときには、第1特別態様および第2特別態様のいずれにするかを最終表示態様を決定するときに同時に決定してもよい。また、上記のように先に最終表示態様を決定する場合においても、保留表示の最終表示態様の種類に応じて、「はずれ」、「通常大当り/確変大当り」、および「突然確変大当り/小当り」のいずれになるかの期待度を異ならせてもよい。たとえば、最終表示態様が第2特別態様、第1特別態様、第2特有態様、第1特有態様、特殊態様の順で大当り期待度が高くなるものであってもよい。
また、この実施の形態では、通常態様、特殊態様、特有態様(第1特有態様、第2特有態様)、および特別態様(第1特別態様、第2特別態様)における共通態様部分が保留表示の形であり、相違態様部分が保留表示の色であり、さらに、第1特有態様と第2特有態様とで互いに異なる部分が発光形態であることを例示した。しかしながら、これに限らず、共通態様部分、相違態様部分、および1特有態様と第2特有態様とで互いに異なる部分は、その他の態様であってもよい。たとえば、共通態様部分が保留表示の色であり、相違態様部分が発光形態であり、第1特有態様と第2特有態様とで互いに異なる部分が保留表示の形であってもよい。さらに、通常態様と特殊態様とでは、保留表示の形以外の一部の態様が同じであり、その他の部分で異なるものであってもよい。たとえば、特殊態様は、通常態様と同様に、保留表示の形が丸で色が黄色であるが、発光形態が異なるものであってもよい(たとえば、通常態様は黄色点灯、特殊態様は黄色点滅)。なお、表示形態における共通態様部分および相違態様部分は、形や色、発光形態に限らず、保留表示の模様や大きさなどであってもよい。また、保留表示の表示形態は、合算保留表示部18cにおける保留表示自体の形態が変化するものに限らず、付随演出(たとえば、キャラクタ画像などが追加される演出)が追加されるものであってもよい。
また、この実施の形態では、通常態様(黄色点灯)、特殊態様(白色点灯)、第1特有態様(青色点灯)、第2特有態様(青色点滅)、第1特別態様(赤色点灯)、および第2特別態様(赤色点滅)といった保留表示の表示形態が設けられており、通常態様からは、特殊態様(白色点灯)、第1特有態様(青色点灯)、および第2特有態様(青色点滅)のいずれかに変化可能であり、特殊態様(白色点灯)、第1特有態様(青色点灯)、および第2特有態様(青色点滅)のいずれかからは、第1特別態様(赤色点灯)または第2特別態様(赤色点滅)に変化可能であった。しかしながら、これに限らず、通常態様から変化可能な表示形態として、特定様態(第1特定態様、第2特定態様)が設けられていてもよい。特定態様のうち、第1特定態様と第2特定態様とは、共通態様部分である保留表示の形が丸である点で同一であり、相違態様部分である保留表示の色が緑色である点で同一であってもよい。また、第1特定態様と第2特定態様とで互いに異なる部分として発光形態が存在するものであってもよい。たとえば、第1特定態様は、保留表示の形が丸であり、かつ緑色に点灯するのに対して、第2特定態様は、保留表示の形が丸であり、かつ緑色に点滅するものであってもよい。さらに、緑色点灯である第1特定態様で保留表示が行われているときよりも、緑色点滅である第2特定態様で保留表示が行われているときの方が高い割合で、当該保留表示が特別態様に変化するものであってもよい。さらに、青色点滅である第2特有態様で保留表示が行われているときよりも、緑色点滅である第2特定態様で保留表示が行われているときの方が高い割合で、当該保留表示が特別態様に変化するものであってもよい。これにより、特有態様に限らず、保留表示の表示態様が特定態様のうちの第1特定態様および第2特定態様のいずれであるかに対しても遊技者に注目させることができ、さらに、特別態様に変化する割合が高い表示態様の中でも、保留表示の表示態様が第2特有態様および第2特定態様のいずれであるかに対しても遊技者に注目させることができるため、保留表示の表示態様を変化させる演出に多様性を持たせ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、変化タイミング決定テーブルの一例として、図31において、第1先読み演出パターン、第2先読み演出パターン、および第6先読み演出パターンのいずれかに決定されたときの変化タイミング決定テーブルを示しているが、その他の先読み演出パターン(第3先読み演出パターン、第4先読み演出パターン、第5先読み演出パターン、第7先読み演出パターン、第8先読み演出パターン)においても、変化タイミング決定テーブルは設けられているものである。さらに、いずれの変化タイミング決定テーブルにおいても、変動表示の表示結果がはずれである場合に比べて、変動表示の表示結果が当りである場合の方が、シフト回数が多い変化タイミングに決定する割合が高くなるように判定値が設定されていてもよい。あるいは、変動表示の表示結果がはずれである場合に比べて、変動表示の表示結果が当りである場合の方が、シフト回数が少ない変化タイミングに決定する割合が高くなるように判定値が設定されていてもよい。さらに、第2特有態様から特別態様への変化タイミングに限らず、第1特有態様から特別態様への変化タイミングについても、変動表示の表示結果がはずれである場合に比べて、変動表示の表示結果が当りである場合の方が、シフト回数が多い変化タイミングに決定する割合が高くなる、あるいは、変動表示の表示結果がはずれである場合に比べて、変動表示の表示結果が当りである場合の方が、シフト回数が少ない変化タイミングに決定する割合が高くなるように判定値が設定されていてもよい。
また、この実施の形態では、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、入賞判定を行い、先読み演出決定処理によって先読み演出パターンを決定するものであったが、先読み演出パターンを決定するタイミングは、これに限らない。たとえば、始動入賞した後に、当該始動入賞に対応する保留表示がシフトするタイミング(たとえば、1回目のシフトタイミングや2回目のシフトタイミングなど)で先読み演出パターンを決定してもよい。この場合、始動入賞時には一律に通常態様で保留表示を行い、当該始動入賞に対応する保留表示がシフトするタイミングで先読み演出パターンが決定されたときには、それ以降、決定した先読み演出パターンに応じた表示態様で保留表示を行うものであってもよい。あるいは、始動入賞に対応する変動表示が開始されるタイミングで先読み演出パターンを決定してもよい。この場合、始動入賞時には一律に通常態様で保留表示を行い、当該始動入賞に対応する変動表示が開始されるタイミングで先読み演出パターンが決定されたときには、それ以降、現在行われている変動表示に対して、決定した先読み演出パターンに応じた特別な保留表示を行うものであってもよい。特別な保留表示としては、たとえば、演出表示装置9の表示画面の下部において、合算保留表示部18cの左側に対応表示領域を別途設け、現在行われている変動表示がスーパーリーチや大当りとなることを、当該対応表示領域に表示された保留表示の色や形、発光形態などによって遊技者に予告するものが考えられる。
また、保留表示の表示態様が変更するタイミングは、保留表示がシフトするタイミングに限らない。たとえば、入賞した後、予告対象の変動が開始されて大当り表示結果が導出されるまでの任意の期間(たとえば、入賞後、予告対象の変動が開始されてリーチ演出の終了時までの期間など)で先読み演出によって保留表示の表示態様が変更されてもよい。
また、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1においては、可動体としての可動表示装置が、演出表示装置9の下方におけるパチンコ遊技機1(遊技領域7)の内部に収納された態様で設けられていてもよい。可動表示装置は、パチンコ遊技機1の内部に収納された可動表示用モータにより上方または下方に動作(上昇動作または下降動作)させられることによって、パチンコ遊技機1内部の収納位置から演出表示装置9の前方位置(出現位置ともいう)に出現する上昇動作と、演出表示装置9の前方位置から下方の当該収納位置に収納される下降動作とを行なうことが可能である。可動表示装置は、可動表示用モータにより駆動される昇降装置と連動連結されており、当該昇降装置による昇降動作により、前述したような収納位置と出現位置との間で上下動させられる。これにより、可動表示装置は、遊技者にとって視認可能な位置と、遊技者にとって視認不可能な位置とのいずれかに存在することが可能となる。なお、可動表示装置については、前述のような収納位置と出現位置との両方が、視認可能である構成としてもよい。また、可動表示装置については、収納位置と出現位置との間の経路についても、視認可能であるように構成してもよい。また、可動表示装置について、収納位置は視認不可能であるが、収納位置と出現位置との間の経路が視認可能であるように構成してもよい。可動表示装置は、演出表示装置9よりも小型の液晶表示装置(LCD)で構成されており、演出画像などの各種の画像を表示することが可能である。なお、演出表示装置9は、液晶表示装置を用いたものに限らず、CRT、プラズマ表示やエレクトロルミネセンス(有機エレクトロルミネセンスを含む)あるいはドットマトリックス表示を利用したものなど、その他の画像表示式のものであってもよい。また、可動表示装置は、液晶表示装置を用いたものに限らず、プラズマ表示やエレクトロルミネセンス(有機エレクトロルミネセンスを含む)あるいはドットマトリックス表示を利用したものなど、可動式の表示装置として用いることが可能なものであれば、その他の画像表示式のものであってもよい。また、可動表示装置を可動表示用モータを駆動源として動作させるものに限らず、モータの他ソレノイドなどのその他の駆動源を用いてもよい。さらに、可動体における画像表示部は、可動体の一部の領域に設けられてもよく、可動体の全体の領域に設けられてもよい。また、そのような可動体は、透光性の画像表示部(画像表示部が透明または半透明であり、画像表示部の表側から裏側を透視可能な透過型の表示装置(たとえば、液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス表示装置など)を備えるものであってもよい。また、本実施の形態における保留表示は、上記のような可動体における画像表示部で行われるものであってもよい。さらに、前述したように、現在行われている変動表示に対して、決定した先読み演出パターンに応じた特別な保留表示を行う場合であれば、当該特別な保留表示を、上記のような可動体における画像表示部で行うものであってもよい。なお、特別な保留表示のみを上記のような可動体における画像表示部で行い、それ以外の保留表示(たとえば、予告対象の変動表示が行われる前までの保留表示)を合算保留表示部18cで行うものであってもよい。
また、この実施の形態では、通常態様からは、特殊態様(白色点灯)、第1特有態様(青色点灯)、および第2特有態様(青色点滅)のいずれかに変化可能であり、特殊態様(白色点灯)、第1特有態様(青色点灯)、および第2特有態様(青色点滅)のいずれかからは、第1特別態様(赤色点灯)または第2特別態様(赤色点滅)に変化可能であった。しかしながら、これに限らず、特殊態様から第1特有態様または第2特有態様に変化し、当該第1特有態様または第2特有態様を経由して第1特別態様または第2特別態様に変化するものであってもよい。この場合において、特殊態様で保留表示が行われているときには、第1特有態様または第2特有態様に変化することを示唆する示唆演出が実行されるものであってもよい。さらに、前述したように、第1特定態様(緑色点灯)および第2特定態様(緑色点滅)を設ける場合、特殊態様から第1特定態様または第2特定態様に変化し、当該第1特定態様または第2特定態様を経由して第1特別態様または第2特別態様に変化するものであってもよい。この場合においても、特殊態様で保留表示が行われているときには、第1特定態様または第2特定態様に変化することを示唆する示唆演出が実行されるものであってもよい。
また、保留表示が特殊態様から第1特有態様または第2特有態様に変化するもの、保留表示が第1特有態様または第2特有態様から特殊態様に変化するものであってもよい。これらの場合においても、第1特有態様で保留表示が行われているときよりも、第2特有態様で保留表示が行われているときの方が高い割合で、当該保留表示が最終的に特別態様に変化するものであってもよい。また、保留表示が特殊態様から第1特有態様または第2特有態様に変化して、そのまま演出図柄の変動を開始してもよい。
また、保留表示が特有態様(第1特有態様または第2特有態様)で行われているときには、保留表示が通常態様や特殊態様で行われているときよりも高い割合で、特別態様に変化するものであることが望ましい。このようにすることで、保留表示の表示態様が通常態様や特殊態様ではなく、特有態様(第1特有態様または第2特有態様)で行われることに対して、遊技者に関心を持たせることができる。さらに、保留表示が特有態様(第1特有態様または第2特有態様)で行われているときには100%の割合で特別態様に変化するのに対して、保留表示が通常態様や特殊態様で行われているときには100%未満の割合で特別態様に変化するものであってもよい。あるいは、保留表示が第2特有態様で行われているときには100%の割合で特別態様に変化するのに対して、保留表示が通常態様、特殊態様、および第1特有態様のいずれかで行われているときには100%未満の割合で特別態様に変化するものであってもよい(なお、この場合、保留表示が第1特有態様で行われているときには、保留表示が通常態様や特殊態様で行われているときよりも高い割合で特別態様に変化するものであることが望ましい)。
また、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示に対応する保留表示が特殊態様、特有態様、および特別態様のいずれかになる場合においては、始動入賞のタイミングでは通常態様となり、その後、特殊態様、特有態様、および特別態様のいずれかに変化する場合と比べて、大当り期待度が高いものであってもよい。
また、この実施の形態では、図42〜図44において通常態様や特殊態様から特別態様に変化するパターンについて説明した。しかしながら、通常態様や特殊態様から第1特有態様や第2特有態様に変化するパターンについても、図42〜図44に示す例は適用できる。たとえば、図42の例に倣って、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様であるときには、保留表示が、通常態様から第2特有態様よりも期待度の低い第1特有態様に変化する割合が高く、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様であるときには、保留表示が、通常態様から第1特有態様よりも期待度の高い第2特有態様に変化する割合が高い演出が行われるものであってもよい。また、図43および図44の例に倣って、保留表示が特殊態様で行われたときにも、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様であるときには、保留表示が、特殊態様から第2特有態様よりも期待度の低い第1特有態様に変化する割合が高く、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様であるときには、保留表示が、特殊態様から第1特有態様よりも期待度の高い第2特有態様に変化する割合が高い演出が行われるものであってもよい。
また、この実施の形態では、保留表示が特殊態様または第2特有態様で表示されている場合には、そうでない場合に比べて高い割合で示唆演出が実行されるものであったが、これに限らず、保留表示が第1特有態様、第1特定態様、および第2特定態様のいずれかで表示されている場合には、そうでない場合に比べて高い割合で示唆演出が実行されるものであってもよい。
また、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに遊技球が入賞しても、第1入賞および第2入賞のいずれであっても、保留表示の表示形態に区別をするものではないが、これに限らず、第1入賞および第2入賞のいずれがされたかに応じて異なる表示態様で保留表示を行うものであってもよい。たとえば、第1入賞したときには、特殊態様で保留表示が行われるが、第2入賞したときには、特殊態様で保留表示が行われないものであってもよい。あるいは、第1入賞したときには、特有態様で保留表示が行われないが、第2入賞したときには、特有態様で保留表示が行われるものであってもよい。
また、上記の実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=40%:60%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータなどの制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無などの変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態で示した構成は、パチンコ遊技機にかぎらず、様々な形態の遊技機に適用することができる。たとえば、上記の各実施の形態で示した構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(たとえば、50個)の遊技玉が封入領域内(たとえば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(たとえば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行われる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。