以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
該遊技領域7には、中央に設けられる演出表示装置9の天辺からみて、左側の左遊技領域7A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域7B(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域7Aと、第2遊技領域である右遊技領域7Bは、例えば遊技領域7内における演出表示装置9の端面や釘の配列PLなどにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域7に打ち込まれた遊技球は、左遊技領域7Aへと誘導された場合に、例えば釘の配列PLに沿って誘導されることにより、右遊技領域7Bへと誘導不可能または誘導困難となり、また右遊技領域7Bへと誘導された場合に、例えば釘の配列PLに沿って誘導されることにより、左遊技領域7Aへと誘導不可能または誘導困難となる。
左遊技領域7Aには、演出表示装置9の下方に、第1始動入賞口13が設けられている。右遊技領域7Bには、演出表示装置9の右側に、ゲート32,第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15,アタッカーを有する特別可変入賞球装置20が設けられている。通常状態では、特別可変入賞球装置20が開放されず、ゲート32に遊技球を通過させても可変入賞球装置15が頻繁には開放されないため、左遊技領域7Aを狙って遊技球を打ち込み、該遊技球を第1始動入賞口13に入賞させる。確変状態では、ゲート32に遊技球を通過させると可変入賞球装置15が頻繁に開放されるため、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込み、該遊技球を第2始動入賞口14に入賞させる。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20が開放されるため、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込み、該遊技球を特別可変入賞球装置20に入賞させる。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
遊技盤6における中段左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。同じく遊技盤6における中段左側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、演出表示装置9の右側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。ここで、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器8aの上には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの上には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることによって、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、この実施の形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間に従って演出図柄の変動表示が制御される。そのため、変動パターンコマンドにもとづいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、原則として同期して実行されるはずである。ただし、万一変動パターンコマンドのデータ化けなどが生じた場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識している変動時間と、演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識している変動時間との間にズレが生じる可能性がある。そのため、コマンドのデータ化けなどの不測の事態が生じた場合には、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とが完全には同期しない事態が生じる可能性がある。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。この特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)である特殊特定遊技状態において、1〜15ラウンド目に、ソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球は、カウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6における中段右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○(当り図柄)」および「×(はずれ図柄)」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である高確率状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められて、高ベース状態となる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、大当りのうち、所定の確率で確変大当りとなった場合には、大当り遊技終了後にいわゆる確変状態に移行され、遊技状態を、次に大当りが発生する確率が向上する高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン120の押圧操作に応じて操作ボタン120からの信号を入力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLED/ランプドライバ352に入力される。LED/ランプドライバ352は、LEDやランプを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25などに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。
本発明に係るパチンコ遊技機1では、リーチ演出実行手段として機能する演出制御用マイクロコンピュータ100の制御により、識別情報(特別図柄及び演出図柄)の可変表示に伴って所定のリーチ演出が実行されるが、該リーチ演出には、大当り図柄となって大当りが発生する信頼度(大当り信頼度)が異なる複数種類のリーチ演出が含まれる。そして該演出制御用マイクロコンピュータ100は、一のリーチ演出を開始した後に、所定の実行タイミングで、他のリーチ演出に発展させることが可能であると共に、前記信頼度が低いリーチ演出である低信頼度リーチ演出及び前記信頼度が高いリーチ演出である高信頼度リーチ演出のいずれからも、前記他のリーチ演出に発展させることが可能である。ここで「リーチ演出の大当り信頼度」とは、大当りのときの当該リーチ出現率/(はずれのときの当該リーチ出現率+大当りのときの当該リーチ出現率)で定義されるものである。
図4は、他のリーチ演出に発展させる実行タイミングを表すタイミングチャートであり、図5は、他のリーチ演出に発展させる実行タイミングを表す図である。図4及び図5に示すように、本例のリーチ演出には、大当り信頼度が低いリーチA,大当り信頼度が中くらいのリーチB,大当り信頼度が高いリーチC,及び大当り信頼度が非常に高い(いわゆる激熱な)リーチSの4種類のリーチ演出が含まれる。ここでリーチSは、いわゆるスーパーリーチに相当し、リーチAは、いわゆるノーマルリーチに相当するが、該リーチAの大当り信頼度は低いため、該リーチAが実行された場合には、該リーチAが終了するまでの間、遊技者は大当りの発生に対する期待感を持続させることができない。
そこで本例では、一のリーチ演出から所定の実行タイミングで他のリーチ演出に発展させ、しかも低信頼度リーチ演出における実行タイミングは、高信頼度リーチ演出における実行タイミングよりも多く設定することにより、該低信頼度リーチ演出が実行されても、遊技者が大当りの発生に対する期待感を持続させることができるようにしている。
具体的には、図4に示すように、大当り信頼度が低いリーチAでは、演出図柄の可変表示を開始して、リーチ状態(テンパイ)となった後の第1タイミング,第2タイミング,又は可変表示を停止した後の第3タイミングのうちのいずれかの実行タイミングで、リーチSに発展可能である。従って遊技者は、第1タイミングを過ぎても、まだ発展して大当りになるかもしれないという期待感を持続させることができ、また第2タイミングを過ぎても、まだ発展して大当りになるかもしれないという期待感を持続させることができる。
また大当り信頼度が中くらいのリーチBでは、演出図柄の可変表示を開始して、リーチ状態(テンパイ)となった後の第1タイミング,又は第2タイミングのうちのいずれかの実行タイミングで、リーチSに発展可能である。従って遊技者は、第1タイミングを過ぎても、まだ発展して大当りになるかもしれないという期待感を持続させることができる一方、第2タイミングを過ぎると、本来の大当り信頼度(中)で大当りの発生を期待することになる。
また大当り信頼度が高いリーチCでは、演出図柄の可変表示を開始して、リーチ状態(テンパイ)となった後の第1タイミングの実行タイミングで、リーチSに発展可能である。従って遊技者は、第1タイミングを過ぎると、本来の大当り信頼度(高)で大当りの発生を期待することになる。
さらに大当り信頼度が非常に高いリーチSでは、他のリーチ演出に発展しないので、遊技者は、本来の大当り信頼度(激熱)で大当りの発生を期待することになる。
ここでリーチA,B,Cにおける第1タイミングは各々異なっており、リーチA,Bにおける第2タイミングは各々異なっているが、これらのタイミングは同じであっても良く、要は低信頼度リーチ演出の方が高信頼度リーチ演出よりも実行タイミングが多ければ、その異同は問わない。
図5に示すように、リーチAから発展しない可変表示パターンはA0,リーチAから第3タイミングでリーチSに発展する可変表示パターンはA3,リーチAから第2タイミングでリーチSに発展する可変表示パターンはA2,リーチAから第1タイミングでリーチSに発展する可変表示パターンはA1である。またリーチBから発展しない可変表示パターンはB0,リーチBから第2タイミングでリーチSに発展する可変表示パターンはB2,リーチBから第1タイミングでリーチSに発展する可変表示パターンはB1である。またリーチCから発展しない可変表示パターンはC0,リーチCから第1タイミングでリーチSに発展する可変表示パターンはC1である。さらにリーチSの可変表示パターンはS0である。
これら各可変表示パターンにおける大当り信頼度は、発展した場合の方が発展しない場合よりも高くなるように設定されている。具体的には、リーチAから発展する可変表示パターンA3,A2,A1の大当り信頼度が70%であるのに対し、リーチAから発展しない可変表示パターンA0の大当り信頼度は10%である。またリーチBから発展する可変表示パターンB2,B1の大当り信頼度が60%であるのに対し、リーチBから発展しない可変表示パターンB0の大当り信頼度は20%である。またリーチCから発展する可変表示パターンC1の大当り信頼度が50%であるのに対し、リーチCから発展しない可変表示パターンC0の大当り信頼度は30%である。さらにリーチSの可変表示パターンS0の大当り信頼度は40%である。
そして各可変表示パターンを、発展時の大当り信頼度が高い順に並べると、発展するA3,A2,A1>発展するB2,B1>発展するC1>S0>発展しないC0>発展しないB0>発展しないA0となり、非発展時の大当り信頼度が低いリーチ演出ほど、発展時の大当り信頼度が高くなるように設定されている。即ち非発展時の大当り信頼度が低いリーチ演出であっても、発展すれば大当り信頼度が高くなるので、遊技者は大当りの発生に対する期待感を持続させることができる。
なおリーチAにおいて、可変表示パターンA3,A2,A1の発展時の大当り信頼度は同じ(70%)である例について説明したが、各可変表示パターンA3,A2,A1の発展時の大当り信頼度を異ならせても良く、例えば発展時の大当り信頼度が高い順にA3>A2>A1と設定すれば、発展の実行タイミングが遅くなるほど大当りの発生に対する期待感を高くすることができる。同様に、可変表示パターンB2,B1の発展時の大当り信頼度は同じ(60%)である例について説明したが、各可変表示パターンB2,B1の発展時の大当り信頼度を異ならせても良く、例えば発展時の大当り信頼度が高い順にB2>B1と設定すれば、発展の実行タイミングが遅くなるほど大当りの発生に対する期待感を高くすることができる。
また、これら各可変表示パターンにおける確変期待度(即ち当該可変表示パターンを経た大当りの終了後において、次に大当りが発生する確率が向上する高確率状態に制御される期待度)は、発展した場合の方が発展しない場合よりも高くなるように設定されている。具体的には、リーチAから発展する可変表示パターンA3,A2,A1、リーチBから発展する可変表示パターンB2,B1、リーチCから発展する可変表示パターンC1の確変期待度が高く設定されているのに対し、リーチAから発展しない可変表示パターンA0、リーチBから発展しない可変表示パターンB0、リーチCから発展しない可変表示パターンC0の確変期待度は低く設定されている。そして確変大当りと決定された場合には、該確変期待度が高い可変表示パターン(即ち各リーチから発展する可変表示パターン)が選択されやすいように構成されている。従って、低信頼度リーチ演出が実行されても、遊技者が大当りの発生(さらにその後における高確率状態への制御)に対する期待感をさらに持続させることができる。
なお確変期待度として、発展した場合の「高」と発展しない場合の「低」のみが設定されている例について説明したが、さらにリーチの種別に応じて確変期待度を異ならせても良く、例えば確変期待度が高い順に、発展するリーチA>発展するリーチB>発展するリーチC>リーチS>発展しないリーチC>発展しないリーチB>発展しないリーチAと設定しても良い。
またリーチAにおいて、可変表示パターンA3,A2,A1の確変期待度は同じである例について説明したが、各可変表示パターンA3,A2,A1毎に確変期待度を異ならせても良く、例えば確変期待度が高い順にA3>A2>A1と設定すれば、発展の実行タイミングが遅くなるほど大当りの発生(さらにその後における高確率状態への制御)に対する期待感を高くすることができる。同様に、可変表示パターンB2,B1の確変期待度は同じである例について説明したが、各可変表示パターンB2,B1の確変期待度を異ならせても良く、例えば確変期待度が高い順にB2>B1と設定すれば、発展の実行タイミングが遅くなるほど大当りの発生(さらにその後における高確率状態への制御)に対する期待感を高くすることができる。
本例のパチンコ遊技機1では、特別図柄の表示結果がはずれとなる場合において、前記合算保留記憶数に応じて該特別図柄及び演出図柄の変動時間を短縮する(短縮変動とする)ことにより、該保留記憶を早く消化できるように構成されており、具体的には、合算保留記憶数が0〜2であれば通常変動であるが、合算保留記憶数が3〜8であれば短縮変動となる。
図6は、合算保留記憶数に応じたはずれ可変表示パターンの判定値の割当を表す図である。この図6に示すテーブルは、開始条件が成立して(図7のS121でYES)特別図柄の変動を開始する際に(同S123)、大当り判定の結果(同S122)、はずれとすることに決定された場合に使用されるものである。このテーブルに示すように、通常変動(左)と短縮変動(右)とでは、可変表示決定用乱数を用いて選択される可変表示パターンが一部異なるように、判定値の割当が異なっている。具体的には、通常変動の判定値は、非リーチはずれが0〜99,発展しないリーチA〜C(即ち可変表示パターンA0,B0,C0)が100〜209,発展するリーチA〜C(即ち可変表示パターンA1,A2,A3,B1,B2,C1)が210〜239,リーチSが240〜249であるのに対し、短縮変動の判定値は、非リーチはずれが0〜169,発展しないリーチA〜Cが170〜209,発展するリーチA〜C(即ち可変表示パターンA1,A2,A3,B1,B2,C1)が210〜239,リーチSが240〜249である。即ち短縮変動の場合には、発展しないリーチの判定値が減る一方で、非リーチはずれの判定値が増えることにより、非リーチはずれの可変表示パターンが多く選択されて、変動時間を短縮できる。
なお図6に示すのは、特別図柄の表示結果がはずれとなる場合なので、発展しないリーチA〜Cが選択される場合には、非発展時の大当り信頼度が低いリーチA>リーチB>リーチCの順で選択割合が多くなり(図示しないが、この順で判定値が多く割り当てられており)、また発展するリーチA〜Cが選択される場合には、発展時の大当り信頼度が低いリーチC>リーチB>リーチAの順で選択割合が多くなる(図示しないが、この順で判定値が多く割り当てられている)ように構成されている。
また特別図柄の表示結果が大当りとなる場合は、図示しないが、短縮変動は行われず、前述の如く、発展するリーチA>発展するリーチB>発展するリーチC>リーチS>発展しないリーチC>発展しないリーチB>発展しないリーチAの順で選択割合が多くなる(この順で判定値が多く割り当てられている)。
次に図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560及び演出制御用マイクロコンピュータ100で実行される処理の一例を表すフローチャートである。
まず遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、始動条件の成立(即ち第1始動入賞口13に入賞した遊技球の第1始動口スイッチ13aによる検出、又は第2始動入賞口14に入賞した遊技球の第2始動口スイッチ14aによる検出)を待機し(S101)、該始動条件が成立すると(YES)、保留記憶数が上限以下であるか否か(即ち第1始動入賞口13への入賞であれば第1保留記憶数が3以下であるか否か、第2始動入賞口14への入賞であれば第2保留記憶数が3以下であるか否か)を判定する(S102)。
このS102で保留記憶数が上限を超えている(YES)と判定した場合には、S101での始動条件の成立(即ち始動入賞口への入賞)は無効入賞として、処理を終了する。一方、S102で保留記憶数が上限以下である(YES)と判定した場合には、乱数回路503から大当り決定用乱数及び可変表示決定用乱数を抽出してRAM55で記憶し(S103)、該抽出した大当り決定用乱数を図示しない大当り判定テーブルの判定値と照合することにより、S101で成立した始動条件に基づく可変表示により大当りが発生するか否かを判定すると共に、該抽出した可変表示決定用乱数を可変表示パターン判定テーブルの判定値と照合することにより、S101で成立した始動条件に基づく可変表示が特定の可変表示パターンであるかを判定して(S104)、該大当り判定結果及び該特定の可変表示パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する(S105)。
このS104の処理を行う遊技制御用マイクロコンピュータ560は、開始条件が成立したことに基づく可変表示パターンの決定(S122)の前に、始動条件が成立したことに基づいて、S103で抽出した可変表示決定用乱数を用いて、識別情報の可変表示パターンが複数種類の可変表示パターンのうちの特定の可変表示パターンになるか否かを判定する始動判定手段として機能するものである。
この「特定の可変表示パターン」は、はずれの場合には、図6に示すテーブルにおいて、可変表示決定用乱数が170〜209の場合の発展しないリーチA〜Cと、可変表示決定用乱数が210〜239の場合の発展するリーチA〜Cと、可変表示決定用乱数240〜249の場合のリーチSとが含まれ、可変表示決定用乱数が0〜169の場合については特定の可変表示パターンから除かれる。これは可変表示決定用乱数が100〜169の場合、通常変動では発展しないリーチA〜Cであるが短縮変動では非リーチはずれであり、非リーチはずれの場合に先読み予告演出を実行すると、遊技者の期待感を著しく削ぐからである。従ってはずれの場合には、可変表示決定用乱数が170〜249の場合に、次に述べるS106において先読み予告演出を実行するか否かが決定される。一方、「特定の可変表示パターン」は、大当りの場合には、非リーチは無いので、発展しないリーチA〜C,発展するリーチA〜C,及びリーチSのいずれも含まれる。従って大当りの場合には、可変表示決定用乱数が0〜249(即ちすべて)の場合に、次に述べるS106において先読み予告演出を実行するか否かが決定される。
次に演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、S105で受信した大当り判定結果及び特定の可変表示パターンに応じて先読み予告演出を決定し(S106)、該決定した先読み予告演出を実行して(S107)、処理を終了する。
このS106及びS107の処理を行う演出制御用マイクロコンピュータ100は、前記始動判定手段により特定の可変表示パターンになると判定されたことに基づいて、当該特定の可変表示パターンとなると判定された識別情報の可変表示の開始条件が成立する(S121でYES)以前に、前記特定の可変表示パターンとなることを報知する先読み予告演出を実行可能な先読み予告演出実行手段として機能するものであり、具体的には、合算保留記憶表示部18cに表示される保留記憶の表示態様を変化させる(例えば保留記憶の表示態様を、大当りの可能性が高いことを示す「熱」や、大当り確定を示す「当」に変化させる)ことにより、先読み予告演出を実行する。
ここで図8は、可変表示パターンに応じた先読み予告演出の実行割合を表す図であり、前記S106では、S105で受信した大当り判定結果及び可変表示パターンに応じて、この図に示す割合で、先読み予告演出を実行するか否かを決定する。この図において、大当り判定結果がはずれの場合には、各リーチ演出における先読み予告演出の実行割合は、他のリーチ演出に発展させる場合と発展させない場合とで同じに設定されている。一方、大当り判定結果が大当りの場合には、各リーチ演出における先読み予告演出の実行割合は、他のリーチ演出に発展させる場合と発展させない場合とで異なるように設定されている。
本例では、他のリーチ演出に発展しない可変表示パターンA0では、先読み予告演出を実行しない割合が50%,実行する割合が50%と設定されているのに対し、他のリーチ演出に発展する可変表示パターンA1,A2,A3では、先読み予告演出を実行しない割合が80%,実行する割合が20%と設定されており、他のリーチ演出に発展する場合には先読み予告演出が実行され難くなっている。これは、仮に先読み予告演出を実行してから低信頼度リーチ演出であるリーチAが発生すると、リーチSに発展して大当りが発生する確率が高いと遊技者に推測されてしまい、大当りの発生に対する期待感の持続が削がれてしまうからである。これに対し、本例では、遊技者が大当りの発生に対する期待感をさらに持続させることができる。
図7に戻り、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、開始条件の成立(即ち合算保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄及び第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であること)を待機し(S121)、該開始条件が成立すると(YES)、S103で記憶した保留記憶のうちの最古の大当り決定用乱数及び可変表示決定用乱数を用い、該大当り決定用乱数を図示しない大当り判定テーブルの判定値と照合することにより、当該保留記憶に基づく可変表示により大当りが発生するか否かを決定すると共に、該可変表示決定用乱数を図示しない可変表示パターン判定テーブルの判定値と照合することにより、当該保留記憶に基づく可変表示がいずれの可変表示パターンであるかを決定して(S122)、特別図柄(第1保留記憶であれば第1特別図柄、第2保留記憶であれば第2特別図柄)の変動を開始し(S123)、大当り判定結果及び可変表示パターンを示す変動開始コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する(S124)。
このS122において決定される可変表示パターンは、はずれの場合には、図6に示すように、まず非リーチ,発展しないリーチ,発展するリーチ,又はリーチSのいずれにするかが決定されて、発展しないリーチならばA>B>Cの順に多い割合で選択され、発展するリーチならばC>B>Aの順に多い割合で選択された後に該選択されたリーチのいずれかの可変表示パターン(例えばリーチAであれば可変表示パターンA1,A2,A3のいずれか)が選択される。また大当りの場合には、まず発展しないリーチ,発展するリーチ,又はリーチSのいずれにするかが決定されて、発展しないリーチならばC>B>Aの順に多い割合で選択され、発展するリーチならばA>B>Cの順に多い割合で選択された後に該選択されたリーチのいずれかの可変表示パターン(例えばリーチAであれば可変表示パターンA1,A2,A3のいずれか)が選択される。また確変大当りの場合には、発展するリーチの方が発展しないリーチよりも選択されやすく構成されている。なお、まず非リーチ,発展しないリーチ,発展するリーチ,又はリーチSのいずれにするかを決定するのではなく、まず非リーチかリーチかを決定し、リーチならば発展しないリーチ,発展するリーチ,又はリーチSのいずれにするかを決定するものであっても良い。
演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、S124で受信した変動開始コマンドが示す可変表示パターンに従って、演出表示装置9で演出図柄の変動を開始して、図4に示すリーチ演出や他のリーチ演出への発展を実行する(S125)。
ここで図9は、演出表示装置9で表示される画面の一例を表す図である。例えば可変表示パターンA3の場合には、演出図柄の変動を開始し(D01)、テンパイしてリーチAの演出が実行されている途中に(D02)、第3タイミングでリーチSに発展する変動が開始され(D03)、その後に大当り(D04)又ははずれ(D05)となる。
図7に戻り、S124の処理を行った遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、S122で決定した可変表示パターンの変動時間が終了するのを待機し(S126)、該変動時間が終了すると(YES)、S123で変動を開始した特別図柄の変動を停止して(S127)、変動停止コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信し(S128)、S122で大当りと決定されていれば、大当り状態に制御する。演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、S128の変動停止コマンドを受信すると、S125で変動を開始した演出図柄の変動を停止して(S129)、処理を終了する。
なお演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定の実行ポイントで、所定の予告演出を実行するものであっても良く、本例では、例えばテンパイ後のリーチ演出の画面に割り込んで大当り予告を行うカットイン予告演出を実行する。そして低信頼度リーチ演出における所定の実行ポイントは、高信頼度リーチ演出における所定の実行ポイントよりも多く設定すれば、該低信頼度リーチ演出が実行されても、遊技者が大当りの発生に対する期待感を持続させることができる。
図10は、カットイン予告演出の実行ポイントを表すタイミングチャートである。まず大当り信頼度が低いリーチAでは、演出図柄の可変表示を開始して、リーチ状態(テンパイ)となった後の第1ポイント,第2ポイント,又は第3ポイントのうちのいずれかの実行ポイントで、カットイン予告演出を実行可能である。従って遊技者は、第1ポイントを過ぎても、まだカットイン予告演出が実行されて大当りになるかもしれないという期待感を持続させることができ、また第2ポイントを過ぎても、まだカットイン予告演出が実行されて大当りになるかもしれないという期待感を持続させることができる。
また大当り信頼度が中くらいのリーチBでは、演出図柄の可変表示を開始して、リーチ状態(テンパイ)となった後の第1ポイント,又は第2タポイントのうちのいずれかの実行ポイントで、カットイン予告演出を実行可能である。従って遊技者は、第1ポイントを過ぎても、まだカットイン予告演出が実行されて大当りになるかもしれないという期待感を持続させることができる。
なお大当り信頼度が高いリーチCと、大当り信号が非常に高いリーチSでは、演出図柄の可変表示を開始して、リーチ状態(テンパイ)となった後の第1ポイントで、カットイン予告演出を実行可能である。
ここでリーチA,B,C,Sにおける第1ポイントは各々異なっており、リーチA,Bにおける第2ポイントは各々異なっているが、これらのポイントは同じであっても良く、要は低信頼度リーチ演出の方が高信頼度リーチ演出よりも実行ポイントが多ければ、その異同は問わない。
このカットイン予告演出を行う演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101で実行される処理について説明すると、前記図7において、該演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、S124で受信した変動開始コマンドが示す大当り判定結果及び可変表示パターンに基づいて、カットイン予告演出を実行するか否かを決定すると共に、該カットイン予告演出を実行すると決定した場合には実行ポイントを決定し(S124’)、該可変表示パターンに従って、演出表示装置9で演出図柄の変動を開始して、図4に示すリーチ演出や他のリーチ演出への発展,及びS124’で決定した実行ポイントでのカットイン予告演出を実行する(S125’)。
このS124’において、カットイン予告演出を実行するか否かについては、前記変動開始コマンドが示す大当り判定結果がはずれの場合には、カットイン予告演出の実行が決定され難く、該大当り判定結果が大当りの場合には、カットイン予告演出の実行が決定され易く構成されている。またいずれの実行ポイントにするか否かについては、等しい割合で決定され、例えばリーチAならば、第1,第2,又は第3の各実行ポイントが1/3の割合で決定され、リーチBならば、第1又は第2の各実行ポイントが1/2の割合で決定される。なお実行ポイントは、等しい割合ではなく異なる割合で決定されても良い。
ここで図11は、演出表示装置9で表示される画面の一例を表す図である。例えば可変表示パターンA0の場合には、演出図柄の変動を開始し(D01)、テンパイしてリーチAの演出が実行されている途中に(D02)、第1ポイント,第2ポイント,又は第3ポイントのいずれかの実行ポイントでカットイン予告演出(本例では「激熱!」の文字を表示)が実行されて(D03’)、その後に大当り(D04)又ははずれ(D05)となる。
最後に、本発明の変形例について説明する。
上記の実施形態では、図4に示すように、リーチ演出の種類がリーチA,B,C,Sの4種類である例について説明したが、該リーチ演出の種類は、3種類であっても良く、また5種類以上であっても良い。
上記の実施形態では、図4に示すように、発展先の他のリーチ演出がリーチSである例について説明したが、該発展先の他のリーチ演出はリーチS以外であっても良い。具体的には、リーチAからはリーチB又はリーチCに発展するものであっても良く、リーチBからはリーチCに発展するものであっても良い。さらには発展せずに同種のリーチに切り替わるものであっても良い。
上記の実施形態では、図4に示すように、一のリーチ演出から他のリーチ演出に発展する(即ち2段階に変化する)例について説明したが、さらに他のリーチ演出に発展する(即ち3段階に変化する)ものであっても良く、この場合にも、さらに他のリーチ演出に発展する実行タイミングを、低信頼度リーチ演出の方が高信頼度リーチ演出よりも多く設定すると良い。
上記の実施形態では、図4及び図9のD03に示すように、一のリーチ演出から他のリーチ演出に発展すると、該他のリーチ演出は変動開始から実行される例について説明したが、該他のリーチ演出はいきなりテンパイから実行されるものであっても良い。
上記の実施形態では、保留記憶を入賞順に消化する場合において、図6に示すように、第1保留記憶と第2保留記憶の合算保留記憶数が所定数(本例では3)以上であれば短縮変動を行う例について説明したが、保留記憶を第2保留記憶から優先的に消化する場合には、低ベース中は合算保留記憶数が所定数以上であれば短縮変動を行うが、高ベース中は、第2保留記憶が所定数以上であれば第2特別図柄だけ短縮変動を行い、第1特別図柄については保留記憶数にかかわらず短縮変動を行わないものであっても良い。
上記の実施形態では、図7のS122に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560で可変表示パターン及び発展の実行タイミングを決定する例について説明したが、これに限らず、遊技制御用マイクロコンピュータ560で可変表示パターンは決定するが発展の実行タイミングは決定せずに、演出制御用マイクロコンピュータ100で該発展の実行タイミングを決定するものであっても良い。この場合において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、発展先のリーチ演出として、発展の実行タイミング後の残り時間に応じた変動時間のリーチ演出を複数種類(例えばリーチAから第1タイミングで発展した後に実行する長め変動時間のリーチSと、第2タイミングで発展した後に実行する中くらいの変動時間のリーチSと、第3タイミングで発展した後に実行する短めの変動時間のリーチS)持つように構成し、前記決定した実行タイミングに応じて発展先のリーチ演出を実行すれば良い。
上記の実施形態では、図8に示すように、はずれの場合における先読み予告演出の実行割合が、発展するリーチと発展しないリーチで同じである例について説明したが、該先読み予告演出の実行割合は、大当りの場合と同様に、発展するリーチと発展しないリーチで異なるものであっても良い。
上記の実施形態では、図9に示すように、一のリーチ演出におけるリーチ図柄(D02の非確変図柄)が、他のリーチ演出に発展すると変更される(D04の確変図柄となる)例について説明したが、該リーチ図柄自体は変更しなくても、例えば再抽選で確変図柄に成り上がる割合が高いものであっても良い。またリーチ図柄を変えずに、リーチの演出だけを変更するものであっても良い。