<第1実施形態>
図1に示すように本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、演出ボタン25右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
図2に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体80を備える。遊技盤本体80は木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体80の前面には外周壁(ガイドレール)31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、外周壁31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘などが配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、演出画像として静止画や動画を表示可能であり、例えば、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ流路を形成するワープ流路形成部材614と、当該ワープ流路を通過した遊技球が転動可能なステージ部620とが設けられている。センターケース40のステージ部620は、第1始動入賞口36の上方に配置されているため、ステージ部620上で転動した遊技球は第1始動入賞口36に入賞し易くなっている。また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
センターケース40の右方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ34a(図19参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には、二つの一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右部には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ35a(図19参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口36(第1始動入賞領域)が設けられている。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図19参照)によって検出される。また、センターケース40の右下方の遊技領域32には、特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える第2始動入賞口97(第2始動入賞領域)が設けられている。第2始動入賞口97に入賞した遊技球は、始動口3スイッチ97a(図19参照)によって検出される。
センターケース40の右方の遊技領域32のうち、普図始動ゲート34と第2始動入賞口97との間には、普通変動入賞装置37が設けられている。本実施形態では、普通変動入賞装置37の入賞口(普電入賞口37d)への入賞によって、特図1変動表示ゲームがすぐに実行されるか、特図1始動入賞記憶(第1始動記憶)が記憶される構成としている。すなわち、本実施形態において、普通変動入賞装置37の入賞口(普電入賞口37d)は、特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞領域である。そして、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図19参照)によって検出され、始動口2スイッチ37aによって遊技球が検出された場合には、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームをすぐに実行するか、特図1始動入賞記憶を記憶する。このように、本実施形態では、普電入賞口37dと第1始動入賞口36とが第1始動入賞領域(特図1の始動口)に相当し、第2始動入賞口97が第2始動入賞領域(特図2の始動口)に相当する。
遊技制御装置(遊技制御手段)100は、普図変動表示ゲームの所定の抽選結果に基づいて普通変動入賞装置37の可動部材37bを開状態と閉状態とに変換する制御を行う普電ソレノイド37c(変換制御手段)に接続する(図19参照)。普通変動入賞装置37の構成の詳細については後述するが、本実施形態において、普通変動入賞装置37の可動部材37bは、普電ソレノイド37cによって前後方向に進退(スライド)することで、普電入賞口37dを開放する(普電入賞口37dへ遊技球が流入可能な状態にする)所謂ベロ型の普通電動役物である。なお、普通変動入賞装置37の可動部材37bとして、例えば、普電ソレノイド37cによって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで普電入賞口37dを開放するアタッカ形式の普通電動役物を設けてもよい。遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド37cを介して可動部材37bを開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入可能な開状態に変化させる。
また、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、通常遊技状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで時短状態(普電サポート(電サポ)状態)を発生させる。
センターケース40の右下方の遊技領域32には、特別変動入賞装置38が設けられている。特別変動入賞装置38は、図15〜図18に示すように、開閉部材990が前後方向に進退(スライド)することで、大入賞口38dを遊技球が流入可能な状態に変換する。特別変動入賞装置38は、特図変動表示ゲームの結果によって、大入賞口38dを閉じた閉状態から開状態に変換し、大入賞口38d内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。特別変動入賞装置38に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図19参照)によって検出される。
すなわち、本実施形態の特別変動入賞装置38は、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材990が大入賞口38dを閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材990が退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。そして、特別変動入賞装置38に到着した遊技球は、前壁突出部954と突出部992による斜め後方への誘導と、凹部993や後壁突出部964による斜め前方への誘導が繰り返されて、前後に蛇行しながら右から左へ流下する。これにより、流下路38fに前壁突出部954や後壁突出部964、突出部992、凹部993などの起伏がなく直線的に流下する場合よりも開閉部材990上に遊技球が滞留する時間が長くなる。そのため、開閉部材990上に遊技球が常に存在する状態となり、特別変動入賞装置38の開放時間が短い場合であっても開閉部材990を開放した際に開閉部材990上に存在している遊技球が落下して大入賞口38dに入賞する可能性が高く、短い開放であっても遊技者に入賞に対する期待感を持たせることができる。
また、開閉部材990を開放する際に開閉部材990上に滞留していた遊技球は、突出部992に接触することで跳ねて大入賞口38dから離れる方向へ誘導される。また、跳ねた遊技球は流路前壁952の前壁突出部954や、流路後壁962の後壁突出部964などに接触することで更に大入賞口38dから離れることもある。また、突出部992は遊技球が通過可能な間隔をおいて配されているため、この間隔を通って突出部992に接触せずに落下することもある。このように、突出部992や前壁突出部954、後壁突出部964を備えることで、開閉部材990を開放する際の遊技球の転動態様が多彩となり、遊技の興趣を向上することができる。また、開閉部材990を開放した際に開閉部材990上に存在している複数の遊技球の大入賞口38dへの流入タイミングをずらすことができ、大入賞口38d内で球詰まりが発生することを防止できる。なお、後述する普通変動入賞装置37での遊技球を滞留させる構成を特別変動入賞装置38での遊技球を滞留させる構成として用いても良いし、逆に、特別変動入賞装置38での遊技球を滞留させる構成を普通変動入賞装置37での遊技球を滞留させる構成として用いても良い。
図2に戻り、第1始動入賞口36の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体80の右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された特図1変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)51及び特図2変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)52と、LEDランプで構成された特図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部53とを備える。
また、一括表示装置50には、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部55、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊技者に有利な打ち方(遊技状態に対応した打ち方)を報知する第1遊技状態表示部56、特図変動表示ゲームの確率状態(高確率状態又は低確率状態)を報知する確率表示部57が設けられている。なお、一括表示装置50には、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する確率状態表示部、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。
更に、普図変動表示ゲームを表示する普図表示部58や、普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部59、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する時短状態報知部60等が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームにおいては、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するようにし、特図1と特図2との区別が可能なように構成されている。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメント(特図1であれば加えて右方下側の8番目のセグメント)を点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
記憶表示部53は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を複数のLEDの消灯、点灯(点滅)により表示する。ラウンド表示部55はLEDランプ等で構成され、特別遊技状態中でない場合には全てのLEDを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応してLEDを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部55は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
第1遊技状態表示部56は、例えば左打ちを行うことで遊技を進行するように定められた状態の場合(通常打ち時)には全てのLEDを消灯状態にし、右打ちを行うことで遊技を進行するように定められた状態の場合(右打ち時)には全てのLEDを点灯状態にする。確率表示部57は、大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合には全てのLEDを消灯状態にし、大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合には全てのLEDを点灯状態にする。
図3は、遊技機10が有する遊技盤30の分解斜視図である。図3に示すように、遊技盤30は、略矩形板状の遊技盤本体80と、センターケース40の前側部分を構成する前方構成部材600と、センターケース40の後側部分を構成するとともに遊技盤30に必要な各種部材が取り付けられた後方構成部材700と、を備える。後方構成部材700は、前方に開口した凹部を有する略矩形箱状の後方ベース部材710を有しており、当該凹部の内部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44をなす、各種可動役物ユニットが設けられている。
前方構成部材600には、一般入賞口35、ワープ流路形成部材614、ステージ部620等が設けられている。また、遊技盤本体80には、前方構成部材600の他に、普図始動ゲート34、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、一括表示装置50等が設けられている。
また、図2や図3に示すように、普通変動入賞装置37の右方には、前側が透明なカバーで覆われ上下に連通する流下路615が形成され、普通変動入賞装置37への入賞に失敗した遊技球(具体的には、普通変動入賞装置37に到着したにもかかわらず当該普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球)は、流下路615を通って下方へ流下する。この流下路615の下方には誘導部616が設けられている。誘導部616は、上面617が左方へ下る傾斜面になっており、流下路615を下方へ流下する遊技球を上面617で受け止めて、第2始動入賞口97や特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するようになっている。
〔普通変動入賞装置〕
次に、図4から図12を参照して、普通変動入賞装置37の構成の一例について説明する。図4は、普通変動入賞装置37の分解斜視図である。また、図5(a)は、可動部材37bが閉状態である普通変動入賞装置37の上面図であり、図5(b)は、可動部材37bが開状態である普通変動入賞装置37の上面図である。
図5に示すように、普通変動入賞装置37は、遊技盤本体80の前面に沿って配される流路後壁373aと、当該流路後壁373aの前方に配される流路前壁371aとに挟まれて、遊技球が一列で流下可能な流下路37fを備える。この流下路37fは、前面側から見て右へ下るように傾斜しており、遊技球は一列で右方へ向かって流下するようになっている。また、普通変動入賞装置37は、当該普通変動入賞装置37の内部(具体的には、前ベース部材373及び後ベース部材375によって構成されるベース部の内部)に、遊技球が一列で通過可能な略U字状の迂回路37gを備える。図4に示すように、迂回路37gの入口37g1(迂回路37gの一方の端部)及び出口37g2(迂回路37gの他方の端部)は流路後壁373aに形成されており、遊技球は、入口37g1を介して一つずつ流下路37fから迂回路37gへ流入し、出口37g2を介して一つずつ迂回路37gから流下路37fへ流出するようになっている。
図4に示すように、流路前壁371aは、後方へ突出して流路後壁373aを貫通する突出部371bを有する。突出部371bは、流下路37fを流下している遊技球が衝突する位置であって、迂回路37gの入口37g1と出口37g2との間の位置に配設されている。したがって、突出部371bは、流下路37fにおける遊技球の流下を、途中で(すなわち、流下路37fの終点(下流端部)に流入する前に)阻むことによって、当該遊技球を迂回路37gへ誘導するようになっている。そして、流下路37fの途中に突出部371bが設けられているため、遊技球は、迂回路37gを通過しないと、流下路37fの終点に流入できない。
図5に示すように、流下路37fの中央部分及び右端部分の底面と迂回路37gの底面とは、前後方向にスライド可能な可動部材37bによって構成されている。可動部材37bは、図5(a)に示すように前方へ突出して普通変動入賞装置37(普電入賞口37d)に遊技球が入賞できない状態である閉状態と、図5(b)に示すように後方へ退避して普電入賞口37dに遊技球が入賞できる状態である開状態と、に変換可能となっている。すなわち、流下路37fを流下する遊技球は、可動部材37bが閉状態である場合には可動部材37bの上面を転動して普電入賞口37dへ流入不能であり、可動部材37bが開状態である場合には普電入賞口37dへ流入可能である。
具体的には、流下路37fを流下する遊技球は、可動部材37bが閉状態である場合には、可動部材37bの上面を転動する。すなわち、流下路37fを突出部371bまで流下し、当該突出部371bに衝突して迂回路37gへ流入する。また、可動部材37bの上面を転動する遊技球が突出部371bに衝突する前に可動部材37bが開状態になった場合や、流下路37fを流下する遊技球が可動部材37bの上面に流入した際に可動部材37bが開状態である場合には、当該遊技球は、迂回路37gを通過せずに普電入賞口37dへ流入する。
また、迂回路37gを通過して流下路37fの終点に流入した遊技球は、可動部材37bが開状態である場合には、普電入賞口37dへ流入する。一方、迂回路37gを通過して流下路37fの終点に流入した遊技球は、可動部材37bが閉状態である場合には、普電入賞口37dへ流入せずに、普通変動入賞装置37の外部へ進出して、例えば流下路615を通って誘導部616へ流下する。すなわち、当該遊技球は、普通変動入賞装置37への入賞に失敗した遊技球(普通変動入賞装置37に到着したにもかかわらず当該普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球)に相当する。なお、可動部材37bが閉状態である場合に流路前壁371aとの間には隙間が存在するが、遊技球が流入できない程度の隙間である。
図4に示すように、普通変動入賞装置37は、始動口2スイッチ37aと、可動部材37bや普電ソレノイド37cを有する可動部材ユニット374とを備える。さらに、普通変動入賞装置37は、流路前壁371aを備える前飾り部材371と、流路後壁373aを備える前ベース部材373と、可動部材37bなどが取り付けられる後ベース部材375と、後ベース部材375の後面を覆う後カバー部材377と、前LED基板372a及び当該前LED基板372aを前飾り部材371の後面に固定するための前基板ホルダ372と、後LED基板376a及び当該後LED基板376aを後ベース部材375の後面に固定するための後基板ホルダ376とを備える。
少なくとも前飾り部材371と前ベース部材373と後ベース部材375とは、光を透過可能な材質からなる。前飾り部材371の後方には装飾手段として前LED基板372aが配されているとともに、後ベース部材375の後方には装飾手段として後LED基板376aが配されており、光によって普通変動入賞装置37を装飾することが可能となっている。
前飾り部材371は、板状の前面部371cを備えている。前面部371cの前面はガラス枠15のカバーガラス14の後面に近接して配されるようになっていて、この前面の前方を遊技球が流下することはないようにされる。また、前面部371cの前面は遊技者から視認可能な面であり、装飾が施されている。また、板状の前面部371cの上部は、流下路37fの前側の側壁をなす流路前壁371aとなっている。
図5に示すように、流路前壁371aの後面側には、後方へ突出する複数(本実施形態では2個)の上流側前壁突起部371dが設けられている。この上流側前壁突起部371dは、左右の側面が斜面となった三角柱状の突起である。この上流側前壁突起部371dは、流下路37fを流下する遊技球を蛇行させて球威を抑制するために、右方へ流下する遊技球を後方へ誘導する機能を有する。すなわち、流下路37fを流下する遊技球が接触可能な接触部をなす。
また、図5に示すように、流路前壁371aの後面側には、後方へ突出する下流側前壁突起部371eが設けられている。この下流側前壁突起部371eは、左右の側面が斜面となった三角柱状の突起である。この下流側前壁突起部371eは、流下路37fの終点に流入した遊技球を蛇行させて球威を抑制するために、右方へ流下する遊技球を後方へ誘導する機能を有する。すなわち、流下路37fを流下する遊技球が接触可能な接触部をなす。さらに、この下流側前壁突起部371eは、普通変動入賞装置37の周囲(普通変動入賞装置37の外部)を流下する遊技球が、普通変動入賞装置37の内部へ下流側(流下路37fの終点側)から侵入することを防止する機能を有する。
図6(a)は、前飾り部材371の裏面図である。図6(a)に示すように、前飾り部材371の後面側は、板状の前面部371cの後面から後方へ延出するリブ状の延出壁371fが複数設けられている。この延出壁371fは、設けられた場所によりそれぞれ機能が異なっており、流下路37fの底面(具体的には、流下路37fの始点(上流端部)の底面)を形成する底面部371f1、普電入賞口37dの側壁や底面をなす普電入賞口形成部371f2、普電入賞口37dに入賞した遊技球を誘導する誘導流路37eを形成する誘導流路形成部371f3、始動口2スイッチ37aを取り付ける取付部を形成するスイッチ取付部形成部371f4、普通変動入賞装置37の周囲を流下する遊技球の内部への侵入を防止する周囲壁371f5としての機能を有する。
流下路37fの底面を形成する底面部371f1は、後面側から見て左側に傾斜する傾斜面となっている。普電入賞口形成部371f2は、普電入賞口37dに流入した遊技球を誘導流路37eへ集めるように傾斜している。誘導流路37eへは遊技球が一列で流入可能であり、誘導流路37eへの流入部分には始動口2スイッチ37aが設けられている。これにより、普電入賞口37dに流入した全ての遊技球は始動口2スイッチ37aで検出された後に誘導流路37eへ流入することとなる。誘導流路形成部371f3により形成される誘導流路37eは、普電入賞口37dからの遊技球を遊技盤30の後面側へ誘導する流路であり、前面部371cの後面には遊技球を後方へ誘導するためのリブ371gが形成されている。
前LED基板372a及び前基板ホルダ372は、前飾り部材371の後面のうちの周囲壁371f5よりも内側(周囲壁371f5に囲まれた部分)に配設されている。また、前飾り部材371の後面のうちの周囲壁371f5に囲まれた部分には、光を散乱させるための加工(図6(a)に示す例では凹凸加工)が施されている。これにより、前LED基板372aや後LED基板376aからの光によって普通変動入賞装置37を効果的に装飾することが可能となっているとともに、前LED基板372a自体や前基板ホルダ372などを前飾り部材371の前方から前飾り部材371を透して視認することが困難となっている。また、図6(b)に示すように、前ベース部材373の下部には、前LED基板372a等の熱を放出するための孔部が複数(図6(b)に示す例では7つ)設けられている。これらの孔部も、前飾り部材371に施した光を散乱させるための加工によって、前飾り部材371の前方から視認困難となっている。
図4に示すように、前ベース部材373は、板状の後面部373bを備えている。後面部373bの前面には前飾り部材371が取り付けられるようになっており、後面部373bの前面のうち前飾り部材371で隠されない部分には装飾が施されている。後面部373bの上部は、流下路37fの後側の側壁をなす流路後壁373aとなっている。また、流路後壁373aの下端となる位置には、可動部材37bを前ベース部材373の後面側から挿通するための前後に貫通した可動部材挿通部373cが形成されている。
また、図5に示すように、前ベース部材373の前面側には、前方へ突出する複数(本実施形態では2個)の後壁突起部373dが設けられている。この後壁突起部373dは、左右の側面が斜面となった三角柱状の突起であり、流路前壁371aに複数設けられた上流側前壁突起部371dのそれぞれの後方に、上流側前壁突起部371dに対してわずかに下流側に位置するように設けられている。この後壁突起部373dは、流下路37fを流下する遊技球を蛇行させて球威を抑制するために、右方へ流下する遊技球を前方へ誘導する機能を有する。すなわち、流下路37fを流下する遊技球が接触可能な接触部をなす。
図6(b)は、前ベース部材373の裏面図である。図6(b)に示すように、後面部373bの中央部分であって前飾り部材371において誘導流路37eが形成された部分と対向する部分には、誘導流路37eが後面部373bの後面側に連通するように前後に貫通した貫通部373eが形成されている。また、図6(b)に示すように、前ベース部材373の後面側には、板状の後面部373bの後面から後方へ延出するリブ状の延出壁373fが複数設けられている。この延出壁373fは、設けられた場所によりそれぞれ機能が異なっており、誘導流路37eを形成する誘導流路形成部373f1、普通変動入賞装置37の周囲を形成する周囲壁373f2としての機能を有する。
誘導流路形成部373f1は、貫通部373eに流入した遊技球を後方へ案内するように誘導流路37eを形成する。また、誘導流路形成部373f1の下端部には、後方へ遊技球を誘導するためのリブ373gが形成されている。誘導流路形成部373f1の下端部と、当該下端部に形成されたリブ373gとは、上面が後方へ下る傾斜面とされており、貫通部373eに流入した遊技球をこれら上面で受け止めて後方へ誘導するようになっている。誘導された遊技球は、遊技機10の外部へと遊技球を排出する排出流路へ流入するようになっている。
周囲壁373f2は、遊技盤本体80における普通変動入賞装置37を取り付ける部分に形成された前後に貫通する貫通部の形状に合わせて形成されており、普通変動入賞装置37を遊技盤本体80に取り付けた際には周囲壁373f2は貫通部に挿通された状態となる。また、周囲壁373f2よりも外側に位置する後面部373bの後面は、普通変動入賞装置37を遊技盤本体80に取り付けた際に遊技盤本体80の前面に当接した状態となる。この部分には位置決めのためのボスやねじ止めのためのねじ穴が複数形成されている。
図4に示すように、後ベース部材375は、前ベース部材373の周囲壁373f2と前後に一致する周壁375aを備える。また、図4に示すように、後ベース部材375のうちの前ベース部材373に形成された可動部材挿通部373cと対向する位置には、前後方向に動作する可動部材37bを案内及び支持する一対の可動部材保持部375bが設けられている。一対の可動部材保持部375bは、所定の間隔(間隙375c)をあけて配設されており、可動部材37bの下面に当接可能であって可動部材37bを案内及び支持することが可能なように前後方向に沿って延在するように設けられている。
図4に示すように、後ベース部材375の前面側には、可動部材37bと当該可動部材37bを動作するための動作機構(駆動機構)とを備える可動部材ユニット374が取り付けられている。この可動部材ユニット374は、前後方向にスライド動作可能な可動部材37bと、可動部材37bを動作するための普電ソレノイド37cと、普電ソレノイド37cからの駆動力を可動部材37bに伝達するスライダ374a及びクランク374bとを備える。
可動部材ユニット374は、図5(a)に示すように可動部材37bを前方へ突出させた閉状態と、図5(b)に示すように可動部材37bを後方へ退避させた開状態とに変換可能である。なお、可動部材37bは、後ベース部材375に形成された可動部材保持部375bや前ベース部材373に形成された可動部材挿通部373cを介して普電入賞口37dの上方に出現可能となっている。
図7(a)は、可動部材ユニット374の分解斜視図であり、図7(b)は、可動部材37bの正面図である。また、図8(a)は、可動部材37bの上面図であり、図8(b)は、可動部材37bの下面図である。図7(a)に示すように、可動部材37bは、上段部37b1と、当該上段部37b1よりも低い位置に設けられた第1中段部37b2と、当該第1中段部37b2よりも低い位置に設けられた第2中段部37b3と、当該第2中段部37b3よりも低い位置に設けられた下段部37b4とが、左右方向に並んだ段差形状をなしている。上段部37b1が最も左側に配されるとともに下段部37b4が最も右側に配されるよう、上段部37b1、第1中段部37b2、第2中段部37b3、下段部37b4の順で並んでおり、遊技球を左から右へ流下させるようになっている。
上段部37b1は、可動部材37bが閉状態である際に普電入賞口37dの上方へ延出する前端部分が、流下路37fの底面をなす流下路形成部とされている。上段部37b1の流下路形成部は、上段部37b1の流下路形成部以外の部分よりも一段低くなっている。また、上段部37b1の流下路形成部以外の部分の右端部からは、下壁突出部37b5が前方に向けて延出している。この下壁突出部37b5は、左側面が斜面となっており、流下路形成部の幅(前後方向の長さ)を徐々に狭めるように設けられている。この下壁突出部37b5は、流下路37fを流下する遊技球を蛇行させて球威を抑制するために、右方へ流下する遊技球を前方へ誘導する機能を有する。すなわち、流下路37fを流下する遊技球が接触可能な接触部をなす。
第1中段部37b2は、可動部材37bが閉状態である際に普電入賞口37dの上方へ延出する前端部分が、流下路37fの底面をなす流下路形成部とされており、当該前端部分以外の部分(すなわち、流下路形成部以外の部分)が、迂回路37gの底面をなす迂回路形成部とされている。第1中段部37b2のうち、流下路形成部と迂回路形成部との境界部分は、可動部材37bが閉状態である際に迂回路37gの入口37g1の直下に配される。
第1中段部37b2は、前端よりも後端が下側に位置するように傾斜している。これにより、例えば図8(a)に示すように、迂回路37gの上流部を前側から後側へと遊技球が転動しやすくなっている。また、第1中段部37b2の上面には、上方へ突出し前後に延在する蛇行状の左突条部37b6が形成されている。これにより、迂回路37gを転動する遊技球を蛇行させて球威を抑制できるようになっている。
第2中段部37b3は、可動部材37bが閉状態である際に普電入賞口37dの上方へ延出する前端部分が、流下路37fを流下する遊技球を迂回路37gへ誘導する突出部371bの直下に配される。
下段部37b4は、可動部材37bが閉状態である際に普電入賞口37dの上方へ延出する前端部分が、流下路37fの底面(具体的には、流下路37fの終点の底面)をなす流下路形成部とされており、当該前端部分以外の部分(すなわち、流下路形成部以外の部分)が、迂回路37gの底面をなす迂回路形成部とされている。下段部37b4のうち、流下路形成部と迂回路形成部との境界部分は、可動部材37bが閉状態である際に迂回路37gの出口37g2の直下に配される。
下段部37b4は、前端よりも後端が上側に位置するように傾斜しているとともに、後端部分が第1中段部37b2の後端部分と面一になっている。これにより、例えば図8(a)に示すように、迂回路37gの下流部を後側から前側へと遊技球が転動しやすくなっている。なお、下段部37b4の後端部分は、第1中段部37b2の後端部分よりも低い位置に設けられていてもよい。また、下段部37b4の上面には、上方へ突出し前後に延在する蛇行状の右突条部37b7が形成されている。これにより、迂回路37gを転動する遊技球を蛇行させて球威を抑制できるようになっている。
このように、可動部材37bには、下壁突出部37b5や左突条部37b6や右突条部37b7のような起部が設けられている。さらに、前飾り部材371には、上流側前壁突起部371dのような起部が設けられているとともに、前ベース部材373には、後壁突起部373dのような起部が設けられている。このような起部によって、可動部材37b上に遊技球が滞留する時間が長くなるようにされている。
また、図6(b)に示すように、可動部材37bの左端部及び右端部には下方へ延出する摺動部37b8が形成されている。この摺動部37b8は前後方向に沿って延在するように形成されており、前ベース部材373に形成された一対の保持部373hの上面に当接することで可動部材37bが保持部373h上で摺動可能となる。
図7(b)や図8(b)に示すように、可動部材37bの下面の中央部分には、下方へ突出する接続ピン37b9が設けられている。また、図7(a)に示すように、普電ソレノイド37cからの駆動力を可動部材37bに伝達するクランク(駆動アーム)374bには、接続ピン37b9を挿通可能な貫通部374b1が形成されており、貫通部374b1に接続ピン37b9の先端部(下端部)が挿通することで、可動部材37bとクランク374bとが接続される。
また、図7(b)や図8(b)に示すように、可動部材37bの下面の中央部分のうち、接続ピン37b9の前側及び後側には、下方へ突出し前後方向に沿って延在する案内リブ37b10が設けられている。この案内リブ37b10は、前ベース部材373が有する一対の保持部373hの間に前後方向に沿って形成された間隙373i(図6(b)参照)や、後ベース部材375が有する一対の可動部材保持部375bの間に前後方向に沿って形成された間隙375c(図4参照)に挿入可能である。これらの間隙373i,375cに可動部材37bの案内リブ37b10が上方から挿入することで、可動部材37bの前後方向への直線移動(スライド移動)を案内することができる。すなわち、前ベース部材373の間隙373iや後ベース部材375の間隙375cに可動部材37bの案内リブ37b10が嵌ることで、可動部材37bの左右方向への移動が規制されるため、可動部材37bの移動を前後方向への移動に限定することができる。
図7(a)に示すように、普電ソレノイド37cからの駆動力を可動部材37bに伝達するクランク374bは、略L字状の部材であり、一端部には可動部材37bの接続ピン37b9を挿通可能な貫通部374b1が形成されており、他端部には凸部374b2が形成されている。また、普電ソレノイド37cからの駆動力を可動部材37bに伝達するスライダ374aには、クランク374bの凸部374b2を挿通可能な凹部374a1が形成されており、凹部374a1に凸部374b2が挿通することで、スライダ374aとクランク374bとが接続される。また、クランク374bの屈曲部には上下方向に沿った回動軸374b3が形成されており、クランク374bは、この回動軸374b3を中心として回動可能となっている。なお、回動軸374b3は、後ベース部材375によって上下から挟まれて回動可能に保持される。
図7(a)に示すように、スライダ374aは、上下方向に直交する平板状の本体部374a2と、本体部374a2の左端に接続され当該本体部374a2に直交する左壁部374a3と、本体部374a2の前端に接続され当該本体部374a2に直交する前壁部374a4と、前壁部374a4から前方へ突出する突出片374a5とを備えて構成される。クランク374bの凸部374b2を挿通可能な凹部374a1は、本体部374a2に形成されている。
スライダ374aの左壁部374a3は、普電ソレノイド37cの駆動軸37c1に係合されており、スライダ374aは、駆動軸37c1が伸長(本実施形態の場合、駆動軸37c1の先端が右へ移動)すると当該駆動軸37c1に押されて右へと移動し、駆動軸37c1が退縮(本実施形態の場合、駆動軸37c1の先端が左へ移動)すると当該駆動軸37c1に引かれて左へと移動する。
図6(b)に示すように、前ベース部材373の後面側には、左右方向に沿って延在する窪み部373jが設けられている。窪み部373jには、スライダ374aの突出片374a5が挿入可能であり、この窪み部373jに突出片374a5が後方から挿入することで、スライダ374aの左右方向への直線移動(スライド移動)を案内することができる。また、スライダ374aの前壁部374a4は、前ベース部材373の窪み部373jにスライダ374aの突出片374a5が後方から挿入した際に、前ベース部材373の後面に当接する。これにより、前ベース部材373に対するスライダ374aの前後位置が所定の前後位置に設定されるようになっている。
可動部材37bを開状態から閉状態へと変換する場合には、普電ソレノイド37cの駆動軸37c1を伸長させる。駆動軸37c1が伸長すると、スライダ374aが右へスライド移動して、クランク374bが回動軸374b3を中心に上面側から見て反時計回り方向に回動するため、接続ピン983aが前方に向かうように移動して可動部材37bが前方へ突出する。これにより、可動部材37bが閉状態(図5(a)に示す状態)となって、普電入賞口37dへの遊技球の入賞が不能となる。
一方、可動部材37bを閉状態から開状態へと変換する場合には、普電ソレノイド37cの駆動軸37c1を退縮させる。駆動軸37c1が退縮すると、スライダ374aが左へスライド移動して、クランク374bが回動軸374b3を中心に上面側から見て時計回り方向に回動するため、接続ピン37b9が後方に向かうように移動して可動部材37
bが後方へ退避する。これにより、可動部材37bが開状態(図5(b)に示す状態)となって、普電入賞口37dへの遊技球の入賞が可能となる。
図9から図12には、普通変動入賞装置37における遊技球の転動態様を示した。なお、図9から図12では、説明のために、一部の部材の図示を省略している。普通変動入賞装置37に到着した遊技球(流下路37fの始点に流入した遊技球)は、まず、上流側に位置する上流側前壁突起部371dによって斜め後側へ誘導され、次いで、上流側に位置する後壁突起部373dによって斜め前側へ誘導されて、可動部材37bの上段部37b1の前端部分に流入する。
可動部材37bの上段部37b1に流入した遊技球は、下流側に位置する上流側前壁突起部371dによって斜め後側へ誘導され、次いで、下流側に位置する後壁突起部373dや可動部材37bの下壁突出部37b5によって斜め前側へ誘導されて、可動部材37bの第1中段部37b2の前端部分に流入する。すなわち、遊技球は前後に蛇行しながら流下路37fを流下する。これにより、流下路37fに下壁突出部37b5や上流側前壁突起部371dや後壁突起部373dなどの起部がなく直線的に流下する場合よりも可動部材37b上に遊技球が滞留する時間が長くなる。
可動部材37bの第1中段部37b2に流入した遊技球は、突出部371bに衝突し、当該突出部371bや後方へ下り傾斜している第1中段部37b2によって後側へ誘導されて、図9(a)に示すように、迂回路37gの入口37g1から当該迂回路37gへ流入する。図10に示すように、後ベース部材375の内部には、迂回路37gを転動する遊技球を、第1中段部37b2から下段部37b4へと誘導する第1ガイド片375dと、下段部37b4上を後側から前側へと誘導する第2ガイド片375eとが設けられている。遊技球は、図10に示すように第1中段部37b2上を転動して後ベース部材375の内部に流入すると、図11に示すように第1ガイド片375dによって右側へ誘導されて、下段部37b4に流入する。
可動部材37bの下段部37b4に流入した遊技球は、図12に示すように第2ガイド片375eや前方へ下り傾斜している下段部37b4によって前側へ誘導されて、図9(b)に示すように、迂回路37gの出口37g2から流下路37fの終点(下段部37b4の前端部分)へ流入する。ここで、第1中段部37b2には蛇行状の左突条部37b6が形成されているため、遊技球は左右に蛇行しながら後側へと迂回路37gの上流部を転動する。また、下段部37b4には蛇行状の右突条部37b7が形成されているため、遊技球は左右に蛇行しながら前側へと迂回路37gの下流部を転動する。
さらに、図6(b)に示すように、前ベース部材373は迂回路37gの上流部と下流部とを隔てる隔壁373kを備えており、この隔壁373kの後端部のうち迂回路37gの上流部に対応する部分には、中間突起部373k1が形成されている。したがって、遊技球は、迂回路37gの上流部(すなわち、第1中段部37b2上)を転動している最中に、中間突起部373k1に衝突しバウンドして、入口37g1側へと一旦押し戻される。これにより、迂回路37gに左突条部37b6や右突条部37b7や中間突起部373k1などの起部がなく直線的に転動する場合よりも可動部材37b上に遊技球が滞留する時間が長くなる。
このように、流下路37fには下壁突出部37b5や上流側前壁突起部371dや後壁突起部373dなどの起部が設けられているとともに、迂回路37gには左突条部37b6や右突条部37b7や中間突起部373k1などの起部が設けられているため、可動部材37b上に遊技球が滞留する時間が長くなる。また、これらの起部を備えることで、可動部材37b上を転動する遊技球の転動態様が多彩となり、遊技の興趣を向上することができる。また、これらの起部を備えることで、可動部材37bを開放した際に可動部材37b上に存在している複数の遊技球の普電入賞口37dへの流入タイミングをずらすことができ、普電入賞口37d内で球詰まりが発生することを防止できる。
普通変動入賞装置37に到着した遊技球は、流下路37fを流下して、まず可動部材37bの上段部37b1に流入する。遊技球が上段部37b1に流入した際、可動部材37bが開状態である場合には、当該遊技球は、迂回路37gを通過せずに普電入賞口37dへ流入する。一方、遊技球が上段部37b1に流入した際、可動部材37bが閉状態である場合には、当該遊技球は、流下路37fを流下して突出部371bへ向かう。そして、遊技球が突出部371bに衝突する前に可動部材37bが開状態になった場合には、当該遊技球は、迂回路37gを通過せずに普電入賞口37dへ流入する。一方、遊技球が突出部371bに衝突する前に可動部材37bが開状態にならなかった場合には、当該遊技球は、突出部371bに衝突して迂回路37gへ向かう。
遊技球が迂回路37gを転動している最中に可動部材37bが開状態になった場合も、遊技球が迂回路37gを転動している最中に可動部材37bが開状態にならなかった場合も、当該遊技球は、引き続き迂回路37gを転動して出口37g2へ向かう。そして、遊技球が迂回路37gの出口37g2から出てきた際、可動部材37bが開状態である場合には、当該遊技球は、普電入賞口37dへ流入する。一方、遊技球が迂回路37gの出口37g2から出てきた際、可動部材37bが閉状態である場合には、当該遊技球は、普電入賞口37dへ流入せずに、普通変動入賞装置37の外部(遊技領域32)へ進出して、普通変動入賞装置37への入賞に失敗した遊技球となる。
ここで、前ベース部材373の隔壁373kに形成された中間突起部373k1(図6(b)参照)は、遊技球を蛇行させて可動部材37b上に遊技球が滞留する滞留時間を長くする機能だけでなく、遊技球が迂回路37gを転動している最中に可動部材37bが作動(前後に移動)した場合でも十分な滞留時間を確保する機能も有する。例えば遊技球が迂回路37gの下流部(すなわち、下段部37b4上)を転動している最中に可動部材37bが開状態に変換した場合には、当該遊技球は、可動部材37bとの摩擦抵抗や、右突条部37b7等との接触などによって、迂回路37gの下流部内で後側(上流側)へと引き戻されるため、遊技球が迂回路37gの下流部を転動している最中に可動部材37bが状態変換しなかった場合よりも可動部材37b上に遊技球が滞留する滞留時間が長くなる。
一方、例えば遊技球が迂回路37gの上流部(すなわち、第1中段部37b2上)を転動している最中に可動部材37bが開状態に変換した場合には、当該遊技球は、可動部材37bとの摩擦抵抗や、左突条部37b6等との接触などによって、迂回路37gの上流部内で後側(下流側)へと引き込まれるため、遊技球が迂回路37gの上流部を転動している最中に可動部材37bが状態変換しなかった場合よりも可動部材37b上に遊技球が滞留する滞留時間が短くなる。これに対し、本実施形態の普通変動入賞装置37は迂回路37gの上流部に中間突起部373k1を設けているため、遊技球は、迂回路37gの上流部内で後側(下流側)へと引き込まれる際に、中間突起部373k1に衝突してバウンドする。すなわち、遊技球は、下流側へ引き込まれる途中で、中間突起部373k1に衝突して、迂回路37gの上流部内で前側(上流側)へと一旦押し戻されるため、遊技球が迂回路37gの上流部を転動している最中に可動部材37bが開状態に変換した場合であっても、遊技球の可動部材37b上における十分な滞留時間を確保することができる。
以上のことから、本実施形態の遊技機10は、前面側に遊技球が流下可能な遊技領域32が形成される遊技盤本体80と、遊技領域32に設けられた変動入賞装置(本実施形態の場合、普通変動入賞装置37)と、を備えた遊技機であって、変動入賞装置は、遊技盤本体80に当該変動入賞装置を取り付けるための取付壁部(後面部373b)と、遊技領域32を流下する遊技球が入賞可能な入賞領域(本実施形態の場合、普電入賞口37d)と、入賞領域を閉じる閉状態と、入賞領域を開く開状態とに変換可能な開閉部材(可動部材37b)と、遊技球が転動可能な流路(流下路37f)と、遊技球を滞留させるための滞留領域(迂回路37g)と、流路を転動(流下)する遊技球を滞留領域へと誘導する誘導部(突出部371b)と、を備えている。そして、流路は、閉状態の開閉部材によって取付壁部の前面側に形成され、開閉部材が開状態である場合には、当該開閉部材が閉状態である場合に当該流路が形成される空間を介して、遊技球が入賞領域に入賞するよう構成され、滞留領域は、開閉部材の状態にかかわらず取付壁部の後面側に形成され、流路に連通する複数の連通口を有し、誘導部によって誘導されて当該複数の連通口のうちの一の連通口(入口37g1)を介して流路から流入してきた遊技球を、当該複数の連通口のうちの前記一の連通口とは異なる連通口(出口37g2)を介して流路へと流出可能に構成されている。
具体的には、本実施形態の遊技機10は、前面側に遊技球が流下可能な遊技領域32が形成される遊技盤本体80と、遊技領域32に設けられた変動入賞装置(本実施形態の場合、普通変動入賞装置37)と、を備えた遊技機であって、変動入賞装置は、遊技盤本体80に当該変動入賞装置を取り付けるための取付壁部(後面部373b)と、遊技領域32を流下する遊技球が入賞可能な入賞領域(普電入賞口37d)と、前後にスライド移動することで、入賞領域に遊技球が入賞不能若しくは入賞困難な閉状態と、入賞領域に遊技球が入賞可能な開状態とに変換可能なスライド部材(可動部材37b)と、遊技球が転動可能な第1流路(流下路37f)及び第2流路(迂回路37g)と、第1流路を転動(流下)する遊技球を第2流路へと誘導する誘導部(突出部371b)と、を備えている。そして、第1流路は、スライド部材が閉状態である場合に、当該スライド部材によって取付壁部の前面側に形成され、スライド部材が開状態である場合には、当該スライド部材が閉状態である場合に当該第1流路が形成される空間を介して、遊技球が入賞領域に入賞するよう構成され、第2流路は、スライド部材の状態にかかわらず当該スライド部材によって取付壁部の後面側に形成され、両端が第1流路に連通する連通口であり、誘導部によって誘導されて当該両端のうちの一方の連通口(入口37g1)を介して第1流路から流入してきた遊技球を、当該両端のうちの他方の連通口(出口37g2)を介して第1流路へと流出可能に構成されている。
すなわち、本実施形態の普通変動入賞装置37は、流下路37f(流路、第1流路)に、迂回路37g(滞留領域、第2流路)を追加した構成となっている。このように迂回路37gを追加することで、迂回路37gがない場合よりも可動部材37b(開閉部材、スライド部材)の上面に遊技球が滞留する滞留時間が長くなる。したがって、入賞口(本実施形態の場合、普電入賞口37d)に遊技球が入賞しやすくなり、所定の遊技状態(本実施形態の場合、時短状態)中における遊技球の減少を抑制することが可能となるため、遊技の興趣を高めることができる。また、右側遊技領域(遊技領域32のうちセンターケース40の右方の領域)に遊技球滞留機能を具備する普通変動入賞装置37を配設したため、遊技者は、右側遊技領域での遊技球の転動態様を楽しむことができる。さらに、本実施形態において、前飾り部材371は、光を透過可能な材質からなり、普通変動入賞装置37内での遊技球の転動態様も十分に視認可能であるため、右側遊技領域での遊技球の転動態様をより楽しむことができる。
なお、遊技領域32に設けられた変動入賞装置は、普通変動入賞装置37に限定されず、適宜変更可能であり、例えば、特別変動入賞装置38であってもよい。具体的には、変動入賞装置は、例えば、特別変動入賞装置38の流下路38f(流路、第1流路)に、迂回路37g(滞留領域、第2流路)を追加したものであってもよい。また、入賞口を閉じる閉状態と入賞口を開く開状態とに変換可能な開閉部材は、スライド部材に限定されず、適宜変更可能である。本実施形態の場合、例えば図13(a)に示すように、開閉部材として、前後にスライド移動することで入賞口を開閉するスライド部材(可動部材37b)を設けたが、開閉部材は、これに限定されず、例えば図13(b)に示すように、回動軸Zを中心に回動することで入賞口を開閉する回動部材(可動部材37b)であってもよい。
また、遊技球を滞留させるための滞留領域は、迂回路37g(第2流路)に限定されず、適宜変更可能である。具体的には、滞留領域は、例えば、上流部と下流部とが分かれていない空間、すなわち、迂回路37gから、当該迂回路37gの上流部と下流部とを隔てる隔壁373kを取り除いた空間や、迂回路37gから、隔壁373kのうち前端部分(入口37g1と出口37g2と隔てる部分)以外の部分を取り除いた空間などであってもよい。
また、本実施形態においては、一方の連通口(入口37g1)を介して第1流路(流下路37f)から第2流路(迂回路37g)へ遊技球が流入する割合は、他方の連通口(出口37g2)を介して第1流路(流下路37f)から第2流路(迂回路37g)へ遊技球が流入する割合よりも高く、スライド部材(可動部材37b)に、一方の連通口が、他方の連通口よりも高い位置に配されるような高低差(本実施形態の場合、段差や傾斜)を設けるよう構成することが可能である。このように構成することによって、遊技球が第1流路(流下路37f)や第2流路(迂回路37g)をスムーズに転動できるようになるため、第1流路や第2流路で球詰まりが発生することを防止できる。
また、本実施形態においては、スライド部材(可動部材37b)の上面に、第1流路(流下路37f)又は第2流路(迂回路37g)を転動する遊技球の球威を抑制するための球威抑制部(本実施形態の場合、下壁突出部37b5、左突条部37b6、右突条部37b7)を設けるよう構成することが可能である。このように構成することによって、スライド部材(可動部材37b)の上面に遊技球が滞留する滞留時間を更に長引かせることができるようになるため、所定の遊技状態(本実施形態の場合、時短状態)中における遊技球の減少を抑制することが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態では、球威抑制部として、流下路37fに下壁突出部37b5や上流側前壁突起部371dや後壁突起部373dなどの起部(凸部)を設けるとともに、迂回路37gに左突条部37b6や右突条部37b7や中間突起部373k1などの起部(凸部)を設けたが、球威抑制部は、これらに限定されず、適宜変更可能である。また、球威抑制部として、流下路37fや迂回路37gに、伏部(凹部)を設けてもよい。具体的には、例えば、可動部材37bの上面に伏部として蛇行する溝を形成し、遊技球が当該溝に沿って蛇行しながら転動するよう構成してもよい。また、球威抑制部として、流下路37fや迂回路37gに、起伏(起部と伏部の両方)を設けて、遊技球が当該起伏によって蛇行等しながら転動するよう構成してもよい。また、球威抑制部は、起部(凸部)や伏部(凹部)に限定されず、適宜変更可能である。
また、本実施形態においては、遊技領域32に、遊技球滞留機能を具備する滞留装置(普通変動入賞装置37)の他、球威を抑制する部材(障害釘、風車、流下路615、誘導部616等)、すなわち遊技球滞留機能を具備する滞留部材が配設されている。したがって、滞留装置と滞留部材とによって、右側遊技領域に遊技球を滞留させることができるため、右側遊技領域での遊技球の転動態様をより楽しむことができる。また、表面に凹凸を設けることで遊技球を滞留させる手法、摩擦係数の高い素材を用いることで遊技球を滞留させる手法、駆動源(ソレノイド等)の駆動力で一定の動作を行うことで遊技球を滞留させる手法、振分装置を設けることで遊技球を滞留させる手法等によって、所定の部材や装置に遊技球滞留機能を持たせてもよい。
また、普通変動入賞装置37は、起部や迂回路37gによって遊技機10の前後方向に遊技球を滞留させることができるため、滞留部材(普通変動入賞装置37以外の滞留装置であってもよい)は、前後方向以外の方向(遊技機10の左右方向や上下方向)に遊技球を滞留させることができるよう構成することが好ましい。これにより、滞留部材(及び/又は普通変動入賞装置37以外の滞留装置)と普通変動入賞装置37とによって、遊技機を3次元的に滞留させることができるようになるため、滞留時間を稼ぐことができるとともに、遊技球の転動に対する興趣が向上する。
また、迂回路37gの途中にアウト口30cや一般入賞口35など(以下「アウト口30c等」という。)を設けてもよい。これにより、普通変動入賞装置37への入賞に失敗した遊技球が、普通変動入賞装置37から出てくるか否かにも遊技者の注目を集めることができ、興趣が向上するとともに、出玉率が大きくなりすぎないように調整することや、迂回路37g内での球詰まりの発生を防止することが可能となる。
また、迂回路37gの途中にアウト口30c等を設ける場合、可動部材37bが動作した際にアウト口30c等に遊技球が流入するようにしてもよい。具体的には、例えば図14に示すように、可動部材37bのうちの当該可動部材37bが閉状態のときに迂回路37gを形成する部分に貫通孔37b11を設ける。そして、可動部材37bが開状態(閉状態であってもよい)のときには、貫通孔37b11とアウト口30cとの上下方向の位置が一致して(貫通孔37b11がアウト口30cの直上に位置して)、可動部材37b上の遊技球がアウト口30cに流入可能な状態になり、可動部材37bが閉状態(開状態であってもよい)のときには、貫通孔37b11とアウト口30cとの上下方向の位置が一致せず(貫通孔37b11がアウト口30cの直上からずれて)、可動部材37b上の遊技球がアウト口30cに流入不能若しくは流入困難な状態になるよう構成することも可能である。
図19は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、停電が発生し当該遊技機への電源供給が停止しても遊技に関する情報を記憶保持可能であるとともに、停電復旧後には記憶保持された情報に基づき遊技を再開可能とする遊技情報記憶保持手段をなす。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り、小当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(低確率状態或いは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第2始動入賞口97内の始動口3スイッチ97a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38内に配設される複数個(1〜x、本実施形態では2個)大入賞口スイッチ38a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a及びゲートスイッチ34aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ97aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させる大入賞口ソレノイド38b及び普通変動入賞装置37を開成させる普電ソレノイド37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
なお、特に限定されるわけではないが、上記第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第2始動入賞口97内の始動口3スイッチ97a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、ゲートスイッチ34aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
次に、図20を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)〕
次に、遊技制御装置100の遊技制御による遊技状態の遷移(移行)について説明する。図21は、本実施形態における遊技状態の遷移を示す遊技状態遷移図(ゲームフロー)を例示する図である。遊技状態には、通常遊技状態ST1、第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3、第3特定遊技状態ST4、第4特定遊技状態ST5がある。なお、この他に特別遊技状態として、第1特別結果(大当り)に基づく第1特別遊技状態と第2特別結果(小当り)に基づく第2特別遊技状態があるがここでは省略する。各遊技状態では、遊技制御装置100で制御されることとなる第1特別結果が導出される特図確率、演出制御装置300で制御されて遊技の演出態様を定める演出モード、当該遊技状態において主に狙うべき始動領域である主始動領域、主として実行するべき特図変動表示ゲームの種類である主変動特図、及び遊技球の発射方向が定められている。
本実施形態の遊技機10においては、左打ちにより第1始動入賞口36への入賞を狙うことができ、右打ちにより普通変動入賞装置37や第2始動入賞口97への入賞を狙うことができるようになっている。すなわち、遊技者の意思により狙う始動領域を選択可能となっている。また、各遊技状態では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち、いずれか一方を主として遊技を進行することを想定して設計されており、この設計に従い遊技者が遊技を進行するように、設計上で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームを主として遊技を進行した方が遊技者にとって有利となるように構成されている。なお、以下の説明では、各遊技状態で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームをメイン変動と称し、他方の特図変動表示ゲームをイレギュラー変動と称することがある。
通常遊技状態ST1は、特図確率が低確率状態であり、普通変動入賞装置37の単位時間当たりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートがなく、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短もない状態である。また、演出態様を規定する演出モードは通常モードとされる。主変動特図は特図1変動表示ゲームであり、主始動領域は第1始動入賞口36であって、この第1始動入賞口36を狙うため発射方向は左打ちとされている。すなわち、特図1変動表示ゲームをメイン変動とし、特図2変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。後述するようにこの通常遊技状態ST1では、特図2変動表示ゲームについて非常に長い変動時間が設定されるようになっている。これにより、特図2変動表示ゲームの実行が時間的に非効率的となり、通常遊技状態ST1における小当りの獲得を狙った特図2変動表示ゲームの実行を遊技者が選択しないようにしている。
第1特定遊技状態ST2は、特図確率が高確率状態であり、普通変動入賞装置37の単位時間当たりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートがある状態である。普電サポートがある場合は特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短もありとなる。演出態様を規定する演出モードはチャンスモードとされる。また、主変動特図は特図1変動表示ゲームであるが主始動領域は普通変動入賞装置37であり、この普通変動入賞装置37を狙うため発射方向は右打ちとされている。すなわち、特図1変動表示ゲームをメイン変動とし、特図2変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。この第1特定遊技状態ST2では、特図1変動表示ゲームの変動時間が通常遊技状態ST1の場合よりも短縮される時短状態となり、右打ちを行って普通変動入賞装置37を狙い、特図1変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって有利となる。
第2特定遊技状態ST3は、特図確率が低確率状態である他は第1特定遊技状態ST2と同じである。また、第3特定遊技状態ST4は、演出態様を規定する演出モードが確変モードとされ、普電サポートの終了条件が転落抽選の当選か大当りとなる特図変動表示ゲームの開始となる他は第1特定遊技状態ST2と同じである。
第4特定遊技状態ST5は、特図確率が基本的には高確率状態である。ただし、第4特定遊技状態ST5中に転落抽選に当選した場合には、低確率状態に移行するが第4特定遊技状態ST5が維持される。また、普通変動入賞装置37の単位時間当たりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートはなしとなる特図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短はありとなる状態である。演出態様を規定する演出モードは小当りRUSHとされる。また、主変動特図は特図2変動表示ゲームであり、主始動領域は第2始動入賞口97であって、この第2始動入賞口97を狙うため発射方向は右打ちとされている。すなわち、特図2変動表示ゲームをメイン変動とし、特図1変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。
この第4特定遊技状態ST5では、特図2変動表示ゲームの変動時間が通常遊技状態ST1の場合よりも短縮される時短状態となり、右打ちを行って第2始動入賞口97を狙い、特図2変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって有利となる。特図2変動表示ゲームは特図1変動表示ゲームよりも小当りの確率が高く、かつ、大当りよりも小当りの方が当選する確率が高いため、この第4特定遊技状態ST5では小当りが高頻度で発生して遊技者の持球が増加する。このように小当りが高頻度で発生することから演出モードは小当りRUSHと称するモードとされている。
この5つの遊技状態のうち、通常遊技状態ST1が最も遊技者にとって不利な状態である。第2特定遊技状態ST3は普電サポートがあるので通常遊技状態ST1よりも遊技者にとって有利な状態であり、第1特定遊技状態ST2及び第3特定遊技状態ST4は高確率状態であるので、通常遊技状態ST1や第2特定遊技状態ST3よりも遊技者にとって有利な状態である。さらに、第4特定遊技状態ST5は、小当りの頻発により遊技者の持球が増加する状態であるので、通常遊技状態ST1、第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3及び第3特定遊技状態ST4よりも遊技者にとって有利な状態である。
遊技状態の移行は、特別結果の導出に基づく特別遊技状態の終了、規定ゲーム数の消化、低確率状態への移行抽選である転落抽選に当選すること、大当りとなる特図変動表示ゲームの開始により行われる。基本的には、特別遊技状態の開始の契機となった特別結果が、当該特別遊技状態の終了後に高確率状態とする確変大当りである場合には第1特定遊技状態ST2に移行し、当該特別遊技状態の終了後に低確率状態とする通常大当りである場合には第2特定遊技状態ST3に移行する。
第2特定遊技状態ST3において特別遊技状態の終了から100回(サポート回数)の特図変動表示ゲームを実行した場合は通常遊技状態ST1に移行する。また、第1特定遊技状態ST2において転落抽選に当選した場合は、第2特定遊技状態ST3に移行する。この場合第2特定遊技状態ST3に滞在する期間は、第1特定遊技状態ST2で実行したゲーム数を含めて特別遊技状態の終了から100回の特図変動表示ゲームを実行するまでの期間となる。第1特定遊技状態ST2と第2特定遊技状態ST3は、演出モードが同じチャンスモードとされるので、移行したことを遊技者が把握困難である。
第1特定遊技状態ST2において転落抽選に当選せず、特別結果も導出されずに100回の特図変動表示ゲームを実行した場合は、第3特定遊技状態ST4に移行する。ここでは演出モードが確変モードとなるので、高確率状態であることを遊技者が把握可能となる。この第3特定遊技状態ST4において転落抽選に当選した場合は、通常遊技状態ST1に移行する。また、第3特定遊技状態ST4において転落抽選に当選せず、大当りとなる特図変動表示ゲームが開始された場合は、第4特定遊技状態ST5に移行する。
第4特定遊技状態ST4は大当りとなる特図変動表示ゲームを実行する期間のみ滞在する。特図1変動表示ゲームが大当りとなる特図変動表示ゲームである場合、特図2変動表示ゲームで小当りが導出されてから当該小当りに基づく特別遊技状態が実行される期間は特図1変動表示ゲームが中断されるので、特図1変動表示ゲームの変動時間と中断の期間を合わせた期間にわたり滞在することとなる。
この第4特定遊技状態ST5を設けたことで、大当りに基づく特別遊技状態が開始される前に小当りにより遊技者の持球を増加させる期間を設けることができ、第4特定遊技状態ST5での持球の増加とこれに続く特別遊技状態での持球の増加とにより、遊技者に多くの利益を付与することができる。特に、第4特定遊技状態ST5に移行可能な状況は、確変大当りに基づく特別遊技状態が終了してから100回の特図変動表示ゲームを実行しても次の大当りが導出されなかったいわゆる嵌り状態であり、このような状況で遊技者に利益を付与可能としたことで大当りが導出されない不満感を解消することができる。また、逆に嵌り状態となることを期待するという従来の遊技機にはない興趣を持たせることができる。
図22、図23には、遊技の進行の一例を示した。図22(a)には、確変大当りが発生した後に規定数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行する前に転落抽選に当選した場合を示した。この例ではまず、低確率状態かつ普電サポートなしである通常遊技状態ST1となっており、演出は通常遊技状態ST1に対応した通常モード演出となっている。この通常遊技状態ST1は左打ちを行うことで遊技を進行するように定められた状態であるので、遊技制御装置100は第1遊技状態表示部56を消灯状態とする。また、演出制御装置300は右打ちを指示する右打ち指示報知を行わない。
この通常遊技状態ST1において実行された特図1変動表示ゲームの結果が第1特別結果をなす確変大当りとなり、当該特図1変動表示ゲームの終了後に第1特別遊技状態となっている(t11)。第1特別遊技状態では、特別変動入賞装置38が開放されて多量の賞球を獲得可能となる。また、演出状態は第1特別遊技状態に対応した第1特別遊技演出となる。この第1特別遊技状態は、右打ちを行うことで遊技を進行するように定められた状態であるので、遊技制御装置100は第1遊技状態表示部56を点灯状態とする。また、演出制御装置300は右打ちを指示する右打ち指示報知を行う。
この第1特別遊技状態が終了すると、高確率状態かつ普電サポートありとなる第1特定遊技状態ST2となる(t12)。第1特定遊技状態ST2では、普通変動入賞装置37への入賞が容易となるため、特図1変動表示ゲームを主体として遊技が進行する。また、特図1変動表示ゲームの変動時間は通常遊技状態ST1よりも短縮され、短時間で多数の特図変動表示ゲームを実行可能である。この第1特定遊技状態では演出状態がチャンスモード演出となる。この第1特定遊技状態ST2は、右打ちを行うことで遊技を進行するように定められた状態であるので、遊技制御装置100は第1遊技状態表示部56を点灯状態とする。また、演出制御装置300は右打ちを指示する右打ち指示報知を行う。
この例では、この第1特定遊技状態ST2において転落抽選に当選しており、これに基づき低確率状態に移行して第2特定遊技状態ST3となる(t13)。普電サポートはありのままとなる。第2特定遊技状態ST3も普通変動入賞装置37への入賞が容易となるため、特図1変動表示ゲームを主体として遊技が進行する。また、特図1変動表示ゲームの変動時間は通常遊技状態ST1よりも短縮され、短時間で多数の特図変動表示ゲームを実行可能である。この第2特定遊技状態でも演出状態はチャンスモード演出が維持された状態となり、転落抽選に当選したことを把握困難としている。この第2特定遊技状態ST3は、右打ちを行うことで遊技を進行するように定められた状態であるので、遊技制御装置100は第1遊技状態表示部56を点灯状態とする。また、演出制御装置300は右打ちを指示する右打ち指示報知を行う。
その後、第2特定遊技状態ST3において第1特別遊技状態の終了(t12)からの特図変動表示ゲームの実行回数が規定数に到達すると、普電サポートが終了して通常遊技状態ST1となる(t14)。この例では確率状態がすでに低確率状態となっているので、低確率状態のまま維持される。また、通常遊技状態ST1への移行に伴い、左打ちを行うことで遊技を進行するように定められた状態となるので、遊技制御装置100は第1遊技状態表示部56を消灯状態とする。また、演出制御装置300は右打ちを指示する右打ち指示報知を終了する。ここでの移行条件の成立は、第1特別遊技状態の終了から数えて101回目の特図変動表示ゲームが通常確率状態で開始されることである。この場合、移行条件が成立した101回目の特図変動表示ゲームの開始に伴い、移行した遊技状態に対応するように遊技を進行する発射方向と当該発射方向の報知態様が変更されるようになっている。
図22(b)には、確変大当りが発生した後に規定数の特図変動表示ゲームを実行しても転落抽選に当選しなかった場合を示した。通常遊技状態ST1において確変大当りが導出されて第1特別遊技状態となり(t21)、この第1特別遊技状態の終了後に第1特定遊技状態ST2となるまで(t22)は図22(a)と同じである。
この例では、第1特定遊技状態ST2において転落抽選に当選せず、第1特定遊技状態ST2のまま第1特別遊技状態の終了(t22)からの特図変動表示ゲームの実行回数が規定数(ここでは100回)に到達している(t23)。この場合は、規定数となる特図変動表示ゲームの終了後に第3特定遊技状態ST4に移行する。
第3特定遊技状態ST4でも高確率状態かつ普電サポートありとなり、第2特定遊技状態ST3も普通変動入賞装置37への入賞が容易となるため、特図1変動表示ゲームを主体として遊技が進行する。また、第3特定遊技状態では演出状態が確変モード演出となり、遊技者が高確率状態であることを明確に把握可能となる。この第3特定遊技状態ST4は、右打ちを行うことで遊技を進行するように定められた状態であるので、遊技制御装置100は第1遊技状態表示部56を点灯状態とする。また、演出制御装置300は右打ちを指示する右打ち指示報知を行う。
その後、この第3特定遊技状態ST4において転落抽選に当選すると、低確率状態に移行するとともに普電サポートが終了して通常遊技状態ST1に移行する(t24)。転落抽選の当選は特図変動表示ゲームの開始時に行われるようになっており、転落抽選に当選した場合には当該特図変動表示ゲームの開始から移行演出(第1特定演出)が行われる。この移行演出は後述するように、第3特定遊技状態ST4において大当りとなる特図変動表示ゲームを開始する場合と、第3特定遊技状態ST4において転落抽選に当選した場合とで共通して実行されるものであり、転落抽選に当選したことや大当りであることがすぐには把握できないようにして遊技者の不安感や期待感を煽り、遊技の興趣を向上するものである。
また、通常遊技状態ST1への移行に伴い、左打ちを行うことで遊技を進行するように定められた状態となるので、遊技制御装置100は第1遊技状態表示部56を消灯状態とする。また、演出制御装置300は右打ちを指示する右打ち指示報知を終了する。よって、移行演出においては右打ち指示報知は行われない。
図23(a)には、第1特定遊技状態ST2において第1特別結果が導出される場合を示した。この場合、第1特別結果となる特図変動表示ゲームが開始されても(t31)、確率状態は高確率状態のままとされるとともに普電サポートもありのままとされる。また、演出状態もチャンスモード演出のままとされる。そして、当該特図変動表示ゲームが終了すると特別遊技状態が開始される(t23)。特別遊技状態の開始に伴い低確率状態に移行するとともに普電サポートが終了する(t32)。また、この例では第1特別結果をなす通常大当りが導出されており、当該第1特別結果に基づく第1特別遊技状態が終了すると、低確率状態かつ普電サポートありとなる第2特定遊技状態ST3となる(t33)。
また、第1特定遊技状態ST2、第1特別遊技状態及び第2特定遊技状態ST3のいずれも右打ちを行うことで遊技を進行するように定められた状態であるので、遊技制御装置100は第1遊技状態表示部56を点灯状態のまま維持する。また、演出制御装置300は右打ちを指示する右打ち指示報知を維持する。
なお、第2特定遊技状態ST3で第1特別結果が導出される場合も同様に、第1特別結果となる特図変動表示ゲームが開始されても確率状態は低確率状態のままとされるとともに普電サポートもありのままとされる。さらに、演出状態もチャンスモード演出のままとされる。そして、特別遊技状態の開始に伴い低確率状態が維持されるとともに普電サポートが終了することとなる。すなわち、第1特定遊技状態ST2や第2特定遊技状態ST3において第1特別結果となる特図変動表示ゲームが開始されても遊技状態は変化しない。
図23(b)には、第3特定遊技状態ST4において第1特別結果が導出される場合を示した。この場合、第1特別結果となる特図変動表示ゲームが開始されると、確率状態は高確率状態のままとされるが普電サポートが終了し、第4特定遊技状態ST5となる(t40)。普電サポートが終了することで第2始動入賞口97への入賞が可能となり、第4特定遊技状態ST5では特図2変動表示ゲームを主体として遊技が進行するようになる。また、演出状態は第4特定遊技状態に対応した小当りRUSH演出となる。この第4特定遊技状態ST5は当該特図1変動表示ゲームの終了まで継続される。
また、第4特定遊技状態ST5の開始時には移行演出が行われる。移行演出は第3特定遊技状態ST4において大当りとなる場合又は転落抽選に当選した場合に実行されるが、図22(b)に示したように転落抽選に当選した場合は、当該転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始から右打ち指示報知が行われない状態となる。よって、大当りとなる場合の移行演出において右打ち指示報知が行われると、そのことから大当りとなることを遊技者が把握できてしまう。このため、右打ち指示報知については移行演出の実行中において一時的に表示しない状態とする(t40〜t41)。
ただし、第1遊技状態表示部56については遊技状態に対応して点灯状態のまま維持する。すなわち、この移行演出の期間においては、第1遊技状態表示部56の表示と右打ち指示報知の実行とが対応しない状態となる。よって、第1遊技状態表示部56の表示を知っている遊技者にとっては、これを知らない遊技者よりも早いタイミングで第4特定遊技状態ST5に移行すること、つまり大当りとなることを知ることができる。
なお、右打ち指示報知を再開するタイミング(t41)は、例えば移行演出において第4特定遊技状態ST5に移行することが判明するタイミングとする。もちろん、このタイミングに限られるものではなく、例えばこのタイミングよりも早く右打ち指示報知を再開すれば、右打ち指示報知によって第4特定遊技状態ST5に移行すること、つまり大当りとなることを示唆できる。
第4特定遊技状態ST5は、小当りの確率が特図1変動表示ゲームよりも高くなっている特図2変動表示ゲームを高頻度で実行可能な遊技状態である。図23(b)の例では、第4特定遊技状態ST5の開始(t40)の後に第2始動入賞口97に入賞して特図2変動表示ゲームが開始されている(t42)。この特図2変動表示ゲームは結果がはずれで終了している。その後、新たに第2始動入賞口97に入賞して特図2変動表示ゲームが開始されている(t43)。この特図2変動表示ゲームは結果が第2特別結果をなす小当りとなるものであり、当該特図2変動表示ゲームの終了に伴い第2特別遊技状態となる(t45〜t46)。この第2特別遊技状態では、特別変動入賞装置38が開放されて賞球を獲得可能となる。第2特別遊技状態も右打ちを行うことで遊技を進行する状態であるので、遊技制御装置100は第1遊技状態表示部56を点灯状態のまま維持する。また、演出制御装置300は右打ちを指示する右打ち指示報知を維持する。
特図1変動表示ゲームは特図2変動表示ゲームでの小当りの導出に伴い中断され(t44)、当該第2特別遊技状態の終了に伴い特図1変動表示ゲームが再開される(t46)。中断中は変動時間が進行しないため、特図1変動表示ゲームの実行時間は、特図1変動表示ゲームの開始時に設定された時間に加えて特図2変動表示ゲームの小当りの停止表示時間と第2特別遊技状態の期間の分だけ延長されることとなる。また、第3特定遊技状態ST4で開始された第1特別結果となる特図1変動表示ゲームは、第1特定遊技状態ST2で第1特別結果となる特図1変動表示ゲームの変動時間よりも長いものとされている。このため、十分な第4特定遊技状態ST5の期間を確保可能となっている。
第2特別遊技状態が終了した後、新たに第2始動入賞口97に遊技球が入賞すると特図2変動表示ゲームが実行される(t47)。その後も複数回の特図2変動表示ゲームの実行と第2特別遊技状態の発生があり、これにより多量の賞球を獲得可能となる。
そして、特図1変動表示ゲームの変動時間が終了すると第1特別結果が停止表示され(t48)、停止表示時間が終了すると特図1変動表示ゲームが終了する(t49)。これに伴い第4特定遊技状態ST5が終了して第1特別遊技状態が開始される(t49)。また、特図1変動表示ゲームで第1特別結果が導出されることに伴い、実行中の特図2変動表示ゲームがはずれ結果で強制的に終了される(t48)。
このように、第1特別遊技状態の前に第4特定遊技状態ST5が設定されることで、第4特定遊技状態ST5で発生する小当りに基づき獲得可能な賞球と、第1特別遊技状態で獲得可能な賞球とによって遊技者が多量の賞球を獲得可能となる。
また、図23(b)に示したように、第3特定遊技状態ST4においては大当りとなる特図変動表示ゲームの開始に伴い普電サポートを終了することで、図22(b)に示したように第3特定遊技状態ST4において転落抽選に当選した場合と普電サポートの変化が同じとなる。これにより、第3特定遊技状態ST4において普電サポートが終了したことにより、転落抽選の当選と、大当りの当選という遊技者にとって大きく価値の違う事象のいずれかが発生することを報知でき、遊技者に不安感や期待感を与えて遊技の興趣を向上することができる。
特に、第3特定遊技状態ST4において大当りとなる特図変動表示ゲームを開始する場合と、第3特定遊技状態ST4において転落抽選に当選した場合との何れにおいても、特図変動表示ゲーム開始から一定時間は共通の移行演出を実行し、右打ち指示報知が行われない状態となることで、転落抽選に当選したことや大当りであることがすぐには把握できないようにすることができ、遊技者の不安感や期待感を煽ることができてより遊技の興趣を向上することができる。
図24には表示装置41における表示の一例を示した。図24(a)には通常遊技状態ST1での表示の一例を示した。表示装置41の表示領域の中央には、飾り特図変動表示ゲームをなす第1飾りゲームのうち特図1変動表示ゲームに関する飾り特図変動表示ゲームを表示する第1飾り特図1ゲーム表示部85aが設けられる。ここでは、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。結果は3つの識別情報の組み合わせにより構成される結果態様で表示され、特図変動表示ゲームの結果に応じて大当り、小当り、はずれのいずれかの結果態様が表示される。なお、通常遊技状態ST1においては特図1変動表示ゲームがメイン変動となるので、イレギュラー変動となる特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームは表示しないが表示するようにしても良い。
また、表示領域の中央下部には第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する第1記憶表示部83aが設けられる。第1記憶表示部83aに表示される飾り特図始動記憶表示は、第1始動記憶と一対一に対応し、記憶順に並んで表示されるものであり、ここでは3つの第1始動記憶があることを示している。左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示であり、消化される毎に左へ移行するようになっている。また、それぞれの始動記憶に対応する特図1変動表示ゲームの結果や変動パターン等の先読み結果をその表示態様により示唆することが可能である。なお、図24(a)では、消化順序が1番目の第1始動記憶について飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる先読み演出が行われている。
第1記憶表示部83aの左方には、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部84が設けられる。この実行中記憶表示部84には、特図変動表示ゲームの開始時に第1記憶表示部83aの左端にある飾り特図始動記憶表示が移行し、実行される特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等をその表示態様により示唆するようになっている。
表示領域の右上部には、第1始動記憶数を表示する第1始動記憶数表示部86aが設けられる。第1始動記憶数表示部86aでは、第1始動記憶の数を数字により表示するようになっており、図24(a)では3つの第1始動記憶があることを示している。また、表示領域の左上部には、現在の演出モードを表示する演出モード表示部87が設けられる。ここでは通常モードであること、すなわち通常遊技状態ST1であることが示されている。
なお、本実施形態では特図2変動表示ゲームの開始を保留するための第2始動記憶は発生しないので、第2始動記憶を表示する始動記憶表示部は設けられていないが、特図2変動表示ゲームの開始を保留するための第2始動記憶を発生するようにした場合は第1記憶表示部83a、第1始動記憶数表示部86aと同様に第2始動記憶を表示するようにする。
また、第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3、第3特定遊技状態ST4における表示も背景表示や各表示部の配置位置が異なるものの、基本的には図24(a)の表示と同様の表示を行う。
図24(b)には、第4特定遊技状態ST5での表示の一例を示した。表示装置41の表示領域の右上部には、第1始動記憶の数を表示する第1始動記憶数表示部86aと、飾り特図変動表示ゲームをなす第1飾りゲームのうち特図1変動表示ゲームに関する飾り特図変動表示ゲームを表示する第1飾り特図1ゲーム表示部85aと、飾り特図変動表示ゲームをなす第2飾りゲームのうち特図1変動表示ゲームに関する飾り特図変動表示ゲームを表示する第2飾り特図1ゲーム表示部88aが設けられる。
第1始動記憶数表示部86aでは、第1始動記憶の数を数字により表示するようになっており図24(b)では第1始動記憶が0であることを示している。第1飾り特図1ゲーム表示部85cでは、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。第2飾り特図1ゲーム表示部88aでは、複数の識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。結果は1つの識別情報により構成される結果態様で表示され、大当りを示す「○」と、小当りを示す「△」と、はずれを示す「×」のいずれかが表示される。
表示領域の右下部には、飾り特図変動表示ゲームをなす第1飾りゲームのうち特図2変動表示ゲームに関する飾り特図変動表示ゲームを表示する第1飾り特図2ゲーム表示部85bと、飾り特図変動表示ゲームをなす第2飾りゲームのうち特図2変動表示ゲームに関する飾り特図変動表示ゲームを表示する第2飾り特図2ゲーム表示部88bが設けられる。
第1飾り特図2ゲーム表示部85bでは、第1飾り特図1ゲーム表示部85aと同様に飾り特図変動表示ゲームを表示する。また、第2飾り特図2ゲーム表示部88bでは、第2飾り特図1ゲーム表示部88aと同様に飾り特図変動表示ゲームを表示する。なお、本実施形態では特図2変動表示ゲームの開始を保留するための第2始動記憶は発生しないので、第2始動記憶の数を表示する第2始動記憶数表示部は設けられていないが、特図2変動表示ゲームの開始を保留するための第2始動記憶を発生するようにした場合は第1始動記憶数表示部86aと同様に第2始動記憶の数を表示する第2始動記憶数表示部を設けるようにする。
また、表示領域の中央ではキャラクタ等による演出表示を行う演出表示部89が設けられる。この演出表示部89では主にメイン変動となる特図2変動表示ゲームの変動パターンや結果に応じた演出を表示するようになっており、遊技者が演出表示により特図変動表示ゲームの進行状況や結果を把握できるようになっている。
第4特定遊技状態ST5では、図24(a)の第1飾り特図1ゲーム表示部85aのように識別情報を大きく表示するような表示は行わないが、結果が導出される際にのみ結果態様を大きく表示するようにしても良い。例えば、結果が導出される特図変動表示ゲームに対応した第1飾り特図1ゲーム表示部85a又は第1飾り特図2ゲーム表示部85bから識別情報が拡大されて表示領域の中央に表示されるようにし、停止表示時間の終了とともに元の表示部に識別情報が縮小するような表示を行う。このような表示を行っている間でも第1飾り特図1ゲーム表示部85a及び又は第1飾り特図2ゲーム表示部85bの表示は維持された状態とする。
演出モード表示部87には小当りRUSHモードであること、すなわち第4特定遊技状態ST5であることが示される。また、表示領域の左下部には、第2特別遊技状態の実行中に当該第2特別遊技状態で獲得した賞球数を示す賞球数表示部91が設けられる。ここでは第2特別遊技状態で30個の賞球を獲得したことが示されている。さらに、表示領域の左下部には、第3特定遊技状態ST4の終了に伴う第4特定遊技状態ST5の開始から第1特別遊技状態に移行するまでに獲得した賞球数を示す累計賞球数表示部92が設けられる。ここではこれまで600個の賞球を獲得したことが示されている。
なお、累計賞球数表示部92において第1特別遊技状態での獲得賞球数も加算するようにし、第3特定遊技状態ST4の終了に伴う第4特定遊技状態ST5の開始から第1特別遊技状態の終了までに獲得した賞球数を示すようにしても良い。さらに、第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3及び第3特定遊技状態ST4で獲得した賞球数も加算するようにし、通常遊技状態ST1の終了から通常遊技状態ST1に戻るまでに獲得した賞球数を示すようにしても良い。ただし、第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3及び第3特定遊技状態ST4では一定数の賞球数の獲得はあるもののそれ以上に持球を消費するので、第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3及び第3特定遊技状態ST4での賞球数については加算しないようにしても良い。
表示領域の中央下部には、所定の開始条件の成立により開始されるとともに、所定の終了条件が成立することで終了する特定期間における大当り回数が表示を示す連続回数表示部96が設けられる。この連続回数表示部96は、通常遊技状態ST1以外の遊技状態において表示可能である。図24(b)では、3回の大当りが発生していることを示している。
特定期間の開始条件は通常遊技状態ST1で大当りが導出されることで成立し、特定期間の終了条件は通常遊技状態ST1でない遊技状態から通常遊技状態ST1に戻ることで成立する。よって、連続回数表示部96には原則として、特定期間の開始条件が成立した大当りである通常遊技状態ST1での大当りを1回目とし、再び通常遊技状態ST1に戻るまでに発生した大当りの回数が表示される。
ただし、特定の場合には例外的に通常遊技状態ST1で導出された大当りであっても1回目とせずにそれまでの加算結果を引き継いで加算するようにしている。本実施形態における特定の場合としては、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームで大当りが導出される場合や、転落抽選に当選した一方の特図変動表示ゲームの終了前に開始された他方の特図変動表示ゲームが大当りとなって再び特定遊技状態に移行する場合が挙げられる。
例えば、第3特定遊技状態ST4における特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合には、当該特図変動表示ゲームの開始時に通常遊技状態ST1に移行するが、この転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行中には転落抽選に当選したことを示唆又は報知する第1特定演出が行われる。この第1特定演出では特図変動表示ゲームの終了間際に転落抽選に当選したことが明確に報知されるため、遊技者は当該特図変動表示ゲームが終了するまでは転落抽選に当選したことを明確に把握しておらず、未だ高確率状態であると信じて遊技を行っている。さらに、この場合に大当りとなる特図変動表示ゲームが並行して実行されていることを示唆又は報知する演出を行うこともある。また、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームで大当りとなる場合は、第1特定演出の結果として転落抽選に当選したことを明確に報知しないことがある。このため、通常遊技状態ST1に移行したことだけを条件として連続回数表示部96の値をリセットすると特定期間が継続していると思っている遊技者が不信感を持つ可能性がある。
このようなことから、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームや、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了前に開始された特図変動表示ゲームで大当りが導出される場合には、結果の導出時が通常遊技状態ST1であっても特定遊技状態で導出された大当りと同等に扱い、連続回数表示部96に表示される回数については通常遊技状態ST1に移行する前の大当り回数を引き継いで加算を行うようにしている。
なお、累計賞球数表示部92において通常遊技状態ST1の終了から通常遊技状態ST1に戻るまでに獲得した賞球数を示すようにした場合についても同様に、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームや、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了前に開始された特図変動表示ゲームで大当りが導出される場合には、特定遊技状態で導出された大当りと同等に扱い、通常遊技状態ST1に移行する前の賞球数を引き継いで加算を行うようにする。
すなわち、演出制御装置300は、所定の開始条件の成立により開始されるとともに、所定の終了条件が成立することで終了する特定期間を設定可能であり、特定期間の開始から終了までにおける遊技の情報(大当り回数や獲得した賞球数)を累積して報知することが可能である。また、特定の場合には通常遊技状態ST1に移行する前の情報を引き継いで加算を行うようにしている。
また、表示領域の右下部には右打ちを指示する右打ち指示報知99が表示される。この右打ち指示報知99は、第4特定遊技状態ST5の他、第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3、第3特定遊技状態ST4、第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態でも表示される。左打ちで遊技を進行する状態では右打ち指示報知99は表示されないが、右打ちで遊技を進行する状態でも右打ち指示報知99が表示されない場合もある(例えば図23(b)のt40〜t41)。すなわち右打ち指示報知99が表示されないことは左打ちであることを明確に示す状態ではない。
図24(c)から(h)には、第3特定遊技状態ST4で転落抽選に当選した場合や大当りとなる場合などに実行される移行演出の一例を示した。図24(c)に示すように特図1変動表示ゲームが開始されると、第1飾り特図1ゲーム表示部85aにおいて変動表示が開始され、その後、図24(d)に示すように移行演出が開始される。この移行演出は、味方キャラクタ89aと敵キャラクタ89bが戦う演出となっており、戦いの結果により特図変動表示ゲームの結果や転落抽選の有無を報知するものとなっている。また、飾り特図変動表示ゲームや始動記憶表示は、図24(b)に示したものと同様の表示で行う。
この移行演出の開始に伴い右打ち指示報知99を終了する。これは上述したように移行演出が大当りとなる場合(右打ちを維持)又は転落抽選に当選した場合(左打ちに移行)に実行されるので、右打ちを明確に報知すると大当りであることが把握できてしまうためである。
図24(e)に示すようにキャラクタが戦う演出が行われ、所定時間が経過すると戦いの結果が示される。転落抽選に当選した特図変動表示ゲームで結果がはずれ又は小当りとなる場合は、図24(f)に示すように味方キャラクタ89aが敗北する結果となる。その後、図24(a)に示したような通常遊技状態ST1の演出に移行する。また、通常遊技状態ST1の演出に移行した際に左打ちに戻すように指示する指示表示を行う。一方、特図変動表示ゲームで結果が大当りとなる場合は、図24(g)に示すように味方キャラクタ89aが勝利する結果となる。その後、図24(b)に示したような第4特定遊技状態ST5の演出に移行し、右打ち指示報知99を再開する。
また、転落抽選に当選せず特図変動表示ゲームで結果がはずれ又は小当りとなる場合に、いわゆるガセ演出として移行演出を行うようにしても良い。この場合は図24(e)に示すようにキャラクタが戦う演出を行った後に図24(h)に示すように引き分けの結果となるようにする。その後、図24(c)に示したような第3特定遊技状態ST4の演出に戻るようにし、右打ち指示報知99を再開する。
なお、第4特定遊技状態への移行タイミングを大当りとなる特図変動表示ゲームの開始時としたが、大当りとなる特図変動表示ゲームの実行中であれば良く、開始時以降であっても良い。また、大当りとなる特図変動表示ゲームの実行とは関係なく、所定の移行条件の成立により第4特定遊技状態に移行するようにしても良い。所定の移行条件としては、移行抽選に当選することや、所定のゲーム数を実行すること、特図変動表示ゲームで特定の結果が導出されることなどが挙げられる。
また、特図2変動表示ゲームの実行権利である第2始動記憶を複数記憶可能とした場合に、当該第2始動記憶について対応する特図2変動表示ゲームの開始前に大当りとなるか否かについて事前判定を行い、大当りとなる第2始動記憶があることが判明した場合には、当該大当りとなる第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームの開始より前に第4特定遊技状態に移行するようにしても良い。
また、転落抽選に当選することにより高確率状態が終了するようにしたが、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行することで高確率状態が終了するようにしても良いし、次回の第1特別結果の導出まで高確率状態とするようにしても良い。
以上のことから、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、始動入賞口をなし、遊技球が入賞不能な閉状態と、遊技球の入賞が容易な開状態と、に変換可能であり、入賞により変動表示ゲームの実行権利を発生可能な普通変動入賞装置37と、を備え、制御手段は、普通変動入賞装置37の動作状態を、第1動作状態と、該第1動作状態よりも入賞が容易な第2動作状態と、の何れかの動作状態で制御し、変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率状態を低確率状態と、該低確率状態よりも高い高確率状態との何れかに設定し、高確率状態である場合に、変動表示ゲームの実行毎に低確率状態へ移行させるための転落抽選を行うように構成され、第2動作状態である場合に転落抽選に当選した場合には、第1動作状態に移行することが可能であり、第2動作状態である場合に転落抽選に当選していなくても、特別結果となる変動表示ゲームを実行する場合には第1動作状態に移行することが可能であることとなる。したがって、転落抽選に当選した場合と大当りが導出される場合とで、普通変動入賞装置37の動作状態の変化を同じようにすることができて区別しにくくでき、遊技の興趣を向上することができる。
また、制御手段は、特別遊技状態の終了から所定回数の変動表示ゲームを実行するまでの所定期間に第2動作状態を設定することが可能であり、当該所定期間の経過後は高確率状態である場合に第2動作状態を設定可能であり、所定期間においては、第2動作状態である場合に転落抽選に当選しても第1動作状態に移行せず、第2動作状態である場合に転落抽選に当選せずに特別結果となる変動表示ゲームを実行する場合でも第1動作状態に移行しないようし、所定期間の経過後に高確率状態が継続している場合においては、転落抽選に当選した場合と、転落抽選に当選せずに特別結果となる変動表示ゲームを実行する場合と、のいずれかの条件が成立することに基づき第1動作状態に移行するようにしたこととなる。したがって、転落抽選に当選した場合と大当りが導出される場合とで、普通変動入賞装置37の動作状態の変化を同じようにすることができて区別しにくくでき、遊技の興趣を向上することができる。
また、始動入賞口をなす第1始動入賞口36と、普通変動入賞装置37の下流側であって当該普通変動入賞装置37へ入賞可能な経路を経て入賞可能となる位置に配された始動入賞口をなす第2始動入賞口97と、を備え、制御手段は、第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行し、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームは同時に実行可能であり、少なくとも第2変動表示ゲームの結果には、遊技状態にかかわらず導出される確率が一定の第2特別結果があり、第1変動表示ゲームの実行中に第2変動表示ゲームの結果が第2特別結果となって遊技者に有利な第2特別遊技状態が実行される場合には、当該第2特別遊技状態の実行中において当該第1変動表示ゲームを中断するように構成されていることとなる。したがって、大当りとなる特図変動表示ゲームが開始されることに基づき小当りの確率が高い第2変動表示ゲームを多数実行可能となり、遊技者に利益を付与することができるので、遊技の興趣を向上することができる。
また、高確率状態では、変動表示ゲームの実行時間を低確率状態よりも短くなるようにし、特別結果には、遊技状態に応じて導出される確率を変化させることが可能な第1特別結果と、遊技状態にかかわらず導出される確率が一定の第2特別結果と、があり、第2変動表示ゲームにおける第2特別結果が導出される確率は、第1特別結果が導出される確率よりも高い確率とし、変動表示ゲームの結果が第1特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態として第1特別遊技状態を実行し、変動表示ゲームの結果が第2特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態として第2特別遊技状態を実行し、第1変動表示ゲームの実行中に第2変動表示ゲームの結果が第2特別結果となって第2特別遊技状態が実行される場合には、当該第2特別遊技状態の実行中において当該第1変動表示ゲームを中断し、当該第2特別遊技状態の終了に伴い当該第1変動表示ゲームを再開するように構成されていることとなる。したがって、大当りとなる特図変動表示ゲームが開始されることに基づき小当りの確率が高い第2変動表示ゲームを多数実行可能となり、遊技者に利益を付与することができるので、遊技の興趣を向上することができる。
なお、本実施形態では、一方の変動表示ゲームの実行中に他方の変動表示ゲームの結果が第2特別結果となって第2特別遊技状態が実行される場合には、当該他方の変動表示ゲームの変動時間が終了して第2特別結果が停止表示された時から第2特別遊技状態の終了まで一方の変動表示ゲームを中断するようにしたが、当該他方の変動表示ゲームの停止表示時間が終了して第2特別遊技状態が開始された時から第2特別遊技状態の終了まで一方の変動表示ゲームを中断するようにしても良い。後述する変形例においても同様である。
また、本実施形態では、一方の変動表示ゲームの実行中に他方の変動表示ゲームの結果が第1特別結果となって第1特別遊技状態が実行される場合には、当該他方の変動表示ゲームの変動時間が終了して第1特別結果が停止表示された時に一方の変動表示ゲームをはずれ結果で強制的に停止させるようにしたが、当該他方の変動表示ゲームの停止表示時間が終了して第1特別遊技状態が開始された時に一方の変動表示ゲームをはずれ結果で強制的に停止するようにしても良い。後述する変形例においても同様である。
また、特図1と特図2で中断や強制停止の開始時が異なるようにしても良く、特別結果が停止表示された時と、特別遊技状態が開始された時と、から選択されるようにしても良い。さらに、中断や強制停止の開始時は、特別結果が停止表示された時や特別遊技状態が開始された時に限られず他のタイミングで開始しても良い。中断の終了時についても特別遊技状態の終了時以外のタイミングでも良い。また、一方の変動表示ゲームの実行中に他方の変動表示ゲームの結果が第1特別結果となって第1特別遊技状態が実行される場合も中断状態を発生させるとしても良い。また、特図1と特図2のぞれぞれについて、第1特別結果や第2特別結果が導出された場合に、中断とするか強制停止とするかについては任意に設定可能である。
本実施形態の普通変動入賞装置37は、可動部材37bの上面に遊技球を滞留させる遊技球滞留機能を具備しているため、可動部材37bが閉状態である間に可動部材37b上に遊技球を滞留させて、可動部材37bが開状態になると遊技球を飲み込む(可動部材37b上に滞留している遊技球を落下させて普電入賞口37dへ入賞させる)ことができる。したがって、普通変動入賞装置37への入賞に失敗する遊技球、すなわち普通変動入賞装置37に到着したにもかかわらず普電入賞口37dに入賞できない遊技球を減らすことができる。
また、普通変動入賞装置37の下方に第2始動入賞口97が配設されているため、普通変動入賞装置37への入賞に失敗した遊技球は、第2始動入賞口97に入賞可能である。本実施形態の場合、普通変動入賞装置37の遊技球滞留機能によって、普通変動入賞装置37への入賞に失敗する遊技球が減るため、主始動領域が普電入賞口37dである遊技状態(第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3、第3の特定遊技状態ST4)において、第2始動入賞口97へ入賞させにくくできる。
第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3、第3の特定遊技状態ST4の主始動領域は普電入賞口37dであり、第4特定遊技状態ST5の主始動領域は第2始動入賞口97であるため、第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3、第3の特定遊技状態ST4の場合、すなわち高/低確率サポ有状態のときには第2始動入賞口97への入賞が不能(困難)であり、第4特定遊技状態ST5の場合、すなわち高確率サポ無状態のときのみ第2始動入賞口97への入賞が可能であることが好ましい。第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3、第3の特定遊技状態ST4のときに第2始動入賞口97に遊技球が入賞して小当りが発生すると、出玉率が設計値から大きく乖離する虞がある。
普通変動入賞装置37への入賞率は、下記の式(1)を用いて算出することができる。
入賞率[%]=普電入賞口37dに入賞した遊技球の個数/普通変動入賞装置37に到着した遊技球(流下路37fの始点に流入した遊技球)の個数×100・・・(1)
本実施形態では、第2始動入賞口97を遊技領域32の右下に配置し、当該第2始動入賞口97の上方に普通変動入賞装置37を配置している。そして、普通変動入賞装置37は、遊技球滞留機能を具備しているため、普通変動入賞装置37への入賞に失敗する遊技球を減らすことができる。さらには、普通変動入賞装置37の可動部材37bの動作終了から動作開始までの時間や、普通変動入賞装置37における遊技球の滞留時間(流下路37fの始点から終点までを遊技球が転動するのにかかる時間)などを調整することによって、普図の当り状態での普通変動入賞装置37への入賞の失敗をほぼ0にする、すなわち普図の当り状態での普通変動入賞装置37への入賞率をほぼ100%にすることも可能である。普図の当り状態での普通変動入賞装置37への入賞率をほぼ100%にすることで、当該普通変動入賞装置37の下方に配設されている第2始動入賞口97へ入賞させにくくできるため、狙い通りの性能(出玉率)を実現することができる。
一方、高確率サポ無状態(第4特定遊技状態ST5)のときは、普通変動入賞装置37が開かないため、第2始動入賞口97へ遊技球を入賞させることができ、小当りRUSHを実現することができる。このように、本実施形態によれば、高確率サポ無状態(第4特定遊技状態ST5)のときのみ第2始動入賞口97へ入賞させるよう構成可能であるとともに、狙い通りの性能が実現できる。
ここで、例えば図25(a)に示すように、普図変動の時間(すなわち、普図変動時間)が200m秒であり、普図停止の時間(すなわち、普図表示時間)が100m秒であり、普電作動の時間(すなわち、普図の当り状態1回あたりのトータルの普電開放時間とトータルのウェイト時間との和)が5800m秒であり、エンディングの時間(すなわち、普電残存球処理時間と普図エンディング時間との和)が700m秒である場合、可動部材37bの動作終了から動作開始までの時間は、少なくとも1000m秒(=700m秒+200m秒+100m秒)になる。この場合に、流下路37fや迂回路37gの長さ、流下路37fや迂回路37gに設ける起伏の個数や形状等を適宜設計して、普通変動入賞装置37における遊技球の滞留時間を1000m秒に近づけることによって、普図の当り状態での普通変動入賞装置37への入賞率をほぼ100%にすることが可能となる。
無論、ここで示した例のように、可動部材37bの動作終了から動作開始までの時間に応じて、普図の当り状態での普通変動入賞装置37への入賞率がほぼ100%になるよう、普通変動入賞装置37における遊技球の滞留時間を設定してもよいし、逆に、普通変動入賞装置37における遊技球の滞留時間に応じて、普図の当り状態での普通変動入賞装置37への入賞率がほぼ100%になるよう、可動部材37bの動作終了から動作開始までの時間を設定してもよい。
すなわち、本実施形態においては、普通変動入賞装置37における遊技球の滞留時間と、可動部材37bの動作終了から動作開始までの時間と、の一方を、他方に応じた時間(他方と略同一の時間、他方以上の時間等)に設定することで、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞率を高めることができる。また、起部や伏部などの球威を抑制する部分を増やす等して普通変動入賞装置37における遊技球の滞留時間を増加させることで、普電のインターバル中(可動部材37bの動作終了から動作開始までの間)、可動部材37b上により多くの遊技球を滞留させることができ、可動部材37bが開状態となったときに、その可動部材37b上に滞留していた遊技球を入賞させることができるため、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞率が向上する。
また、本実施形態において、普通変動入賞装置37は遊技球滞留機能を具備しており、当該普通変動入賞装置37の下方に第2始動入賞口97や特別変動入賞装置38が配設されているため、遊技球が発射されてから第2始動入賞口97や特別変動入賞装置38に到着するまでの時間を、普通変動入賞装置37が遊技球滞留機能を具備していない場合よりも長くすることができる。したがって、推奨しない打ち方がされることを回避できるとともに、大入賞口の開放パターン(開閉部材990の開閉パターン)の自由度を高めることができる。
通常遊技状態ST1では左打ちが推奨されているが、通常遊技状態ST1のときに右打ちがされて遊技球が第2始動入賞口97に入賞すると、特図2変動表示ゲームが実行される。通常遊技状態ST1では、第2の特定遊技状態よりも特図2変動表示ゲームの変動時間が長時間に設定されているが、狙い打ち(止め打ちやタイミング打ちなど)を行うことによって、大入賞口への入賞を狙うことは可能である。特別変動入賞装置38の上方に配設されている普通変動入賞装置37が遊技球滞留機能を具備していない場合には、通常遊技状態ST1中に特図2変動表示ゲームが実行された際に、小当り遊技状態の開始(大入賞口の開放開始)とともに遊技球を打ち始める等の狙い打ちを行うことによって、小当り遊技状態の終了までに遊技球を特別変動入賞装置38に到着させて大入賞口へ入賞させることが可能となる。したがって、通常遊技状態ST1中に特図2変動表示ゲームを実行させるために、推奨しない打ち方(右打ち)がされてしまう虞がある。
これに対し、本実施形態の場合、特別変動入賞装置38の上方に配設されている普通変動入賞装置37が遊技球滞留機能を具備しているため、遊技球が特別変動入賞装置38に到着するまでに時間がかかる。したがって、通常遊技状態中に特図2変動表示ゲームが実行された際に、小当り遊技状態の開始(大入賞口の開放開始)とともに遊技球を打ち始める等の狙い打ちを行っても、遊技球は、小当り遊技状態の終了までに特別変動入賞装置38に到着できない。したがって、通常遊技状態ST1中に特図2変動表示ゲームを実行させても無駄であるため、通常遊技状態ST1中に特図2変動表示ゲームを実行させる打ち方、すなわち通常遊技状態ST1において推奨しない打ち方がされることを回避できる。このように、本実施形態によれば、攻略による不正入賞、すなわち、通常遊技状態ST1において右打ちで小当りを発生させ、狙い打ちを行って小当り入賞(小当りの期間における大入賞口への入賞)を獲得することを防ぐことができる。
また、特別変動入賞装置38の上方に配設されている普通変動入賞装置37が遊技球滞留機能を具備していない場合、攻略による不正入賞を防ぐ(推奨しない打ち方がされることを回避する)ためには、短開放を1回だけ行う等、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンに制限を設ける必要があった。これに対し、本実施形態の場合、特別変動入賞装置38の上方に配設されている普通変動入賞装置37が遊技球滞留機能を具備しているため、遊技球が特別変動入賞装置38に到着するまでに時間がかかる。したがって、小当り遊技状態中に大入賞口が複数回開放しても、攻略による不正入賞を防ぐことが可能であるため、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンの自由度を高めることができる。
ここで、例えば、特別変動入賞装置38の上方に配設されている普通変動入賞装置37が遊技球滞留機能を具備しておらず、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到着するまでに約2秒かかるとする。このような場合に、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンが、例えば図25(b)に示すようなパターン、すなわち1.8秒の開放を1回だけ行うパターンであれば、小当り遊技状態の開始とともに遊技球を打ち始める等の狙い打ちを行っても、遊技球が特別変動入賞装置38に到着するころには小当り遊技状態が終了しているため、遊技球は大入賞口に入賞できない。
一方、このような場合に、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンが、例えば図25(c)に示すようなパターン、すなわち「0.5秒開状態→1.0秒閉状態→0.5秒開状態→1.0秒閉状態→0.5秒開状態」のパターンであれば、小当り遊技状態の開始とともに遊技球を打ち始める等の狙い打ちを行うことで、小当り遊技状態の終了までに遊技球を特別変動入賞装置38に到着させることができるため、遊技球は大入賞口に入賞可能である。したがって、このような場合に、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンとして、大入賞口を複数回開放する開放パターン等を採用すると、攻略による不正入賞を防ぐことができない。その一方で、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンとして大入賞口を複数回開放する開放パターン等を採用すること、すなわち小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンの自由度を高めることができれば、小当り性能の向上(小当り遊技状態での出玉増加)を実現できるが、攻略による不正入賞によって実現できない。
攻略による不正入賞を防ぐことと小当り性能を向上させることとを両立するために、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到着するまでの時間を遅延させる滞留装置(本実施形態の場合、普通変動入賞装置37)等を設けるとする。仮に、その滞留装置によって2秒遅延する(2秒の遅延時間が付与される)と、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到着するまでに約4秒かかることとなる。
これにより、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンが、例えば図25(c)に示すようなパターン、すなわち「0.5秒開状態→1.0秒閉状態→0.5秒開状態→1.0秒閉状態→0.5秒開状態」のパターンである場合、開閉部材990の動作終了までに3.5秒(=0.5秒+1.0秒+0.5秒+1.0秒+0.5秒)かかるのに対し、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到着するまでに約4秒かかる。すなわち、本実施形態においては、小当り遊技状態における開閉部材990の動作開始から動作終了までの時間よりも、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到着するまでの時間が長くなるように、小当り遊技状態における開閉部材990の開閉パターン(大入賞口の開放パターン)に応じて、普通変動入賞装置37における遊技球の滞留時間を決定するよう構成可能である。
小当り遊技状態における開閉部材990の動作開始から動作終了までの時間(この例では、3.5秒)よりも、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到着するまでの時間(この例では、約4秒)を長くすることで、小当り遊技状態の開始とともに遊技球を打ち始める等の狙い打ちを行っても、遊技球が特別変動入賞装置38に到着するころには小当り遊技状態が終了していることとなる。したがって、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンとして大入賞口を複数回開放する開放パターンを採用しても、攻略による不正入賞を防ぐことができる。
このように、本実施形態によれば、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到着するまでの時間に遅延時間を付与する滞留装置等を設けることによって、攻略による不正入賞を防ぎつつ、小当り性能を向上させることができる。また、当該遅延時間が長いほど、小当り遊技状態のトータル時間を延ばすことができるため、小当り性能を高めることができる。また、当該遅延時間が長いほど、特別変動入賞装置38に到着するまでに時間がかかるため、攻略による不正入賞も難しくなる。また、このような滞留装置等を設けることは、普電サポート中の狙い打ちだけでなく、小当りRUSH中の狙い打ちに対しても効果がある。また、当該遅延時間が長いほど、狙い打ちが難しくなるため、打ちっぱなしにしなくてはならなくなり、ホールの運用上でも安定したデータが取得可能となる。
また、本実施形態の場合、通常遊技状態ST1において、右打ちをして第2始動入賞口97に入賞して小当りが発生し、その後、普図始動ゲート34に遊技球が通過して普図が当った場合、普通変動入賞装置37の遊技球滞留機能によって、普通変動入賞装置37への入賞に失敗する遊技球を減らすことができるため、普通変動入賞装置37の下方に配設されている特別変動入賞装置38へ入賞させにくくできる。すなわち、本実施形態によれば、普通変動入賞装置37の遊技球滞留機能によって、遊技球が特別変動入賞装置38に到着するまでに時間がかかるため、攻略による不正入賞を防ぐことができる。さらに、普通変動入賞装置37の遊技球滞留機能によって、普通変動入賞装置37への入賞に失敗する遊技球を減らすことができる(特別変動入賞装置38へ入賞させにくくできる)ため、攻略による不正入賞による被害を最小限に抑えることができる。
また、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンの自由度を高めることによって、小当り性能の向上(小当り遊技状態での出玉増加)を実現できるだけでなく、大入賞口38dを開放する回数を増やすことも可能となるため、遊技者は大入賞口38dに遊技球が流入するか否かを楽しむことができ、遊技の興趣が向上する。なお、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到着するまでの時間として、滞留装置がない場合には約2秒、滞留装置がある場合には約4秒を例示したが、これらの到着時間はあくまでも実測値の平均値であり、無論、実際の到着時間には誤差がある。
また、通常遊技状態のときに右打ちされた場合に行う注意喚起(エラー報知)は、所定個数の遊技球が第2始動入賞口97に入賞したという条件を満たした際に行ってもよいし、所定個数の遊技球が普図始動ゲート34を通過したという条件を満たした際に行ってもよいし、第2始動入賞口97に入賞した遊技球の個数と普図始動ゲート34を通過した遊技球の個数との和が所定個数に達したという条件を満たした際に行ってもよい。これにより、間違って右打ちしたのにすぐに注意喚起されてしまって、興趣が低下してしまう、遊技意欲が低下してしまう等の不都合を回避できる。また、通常遊技状態のとき、第2始動入賞口97に入賞した遊技球をカウントするカウンタや、普図始動ゲート34を通過した遊技球をカウントするカウンタは、所定タイミングでクリアするよう構成してもよいし、あるいは、第1始動入賞口36に入賞する度に−1更新するよう構成してもよい。
図26には、大当り及び小当りの確率と、大当りに当選した場合の大当り種類の振分確率、小当りに当選した場合の小当り種類の振分確率を示した。なお、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果(第1特別結果)であり、小当りは条件装置の作動を伴わない特別結果(第2特別結果)である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
大当り(第1特別結果)となる確率である大当り確率は特図1と特図2で共通であり、低確率状態である通常遊技状態と高確率状態である特定遊技状態での確率はそれぞれ図26(a)に示すような確率となっている。本実施形態の遊技機では、確変大当りに基づく特別遊技状態(第1特別遊技状態)の終了後に高確率状態となり、特図変動表示ゲームの実行毎に行われる転落抽選に当選すると低確率状態になるように構成されている。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
小当り(第2特別結果)となる確率である小当り確率は図26(b)に示すような確率となっている。この小当り確率は特図1よりも特図2の方が高くなっている。また、小当り確率は遊技状態や大当り確率にかかわらず常に一定である。大当りと小当りの抽選においては大当りと小当りは重複して当選しない。
また、図26(c)には特図1と特図2で選択可能な大当り種類と、各大当り種類の振分確率を示し、図26(d)には特図1と特図2で選択可能な小当り種類と、各小当り種類の開放時間と開放回数及び振分確率を示した。なお、小当りは特図1に設けず、特図2のみに設定するようにしても良い。
図27、図28には、特図変動表示ゲームの変動パターンを示した。図27(a)には、通常遊技状態(低確率状態)で結果がはずれとなる場合の変動パターンを示した。通常遊技状態では、特図1変動表示ゲームをメイン変動とし、特図2変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。この設計に従い遊技者が遊技を進行するように、特図2については、何れの変動パターンが選択された場合であっても、約10分の変動時間が設定される長変動が選択されるようになっている。すなわち、通常遊技状態において、特図2変動表示ゲームの変動時間として決定可能な変動時間は、特図1変動表示ゲームの変動時間として決定可能な変動時間よりも長くなっている。特図2変動表示ゲームは小当りの確率が特図1変動表示ゲームよりも高いが、はずれ結果の場合や後述する小当りの場合に変動時間を長時間とすることで、通常遊技状態では特図2変動表示ゲームの実行が時間的に非効率的となるようにし、通常遊技状態においては遊技者に特図1変動表示ゲームを主として遊技を進行させるようにしている。
図27(b)には、特定遊技状態(第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3、第3特定遊技状態ST4、第4特定遊技状態ST5)で結果がはずれとなる場合の変動パターンを示した。この場合、特図1変動表示ゲームでのリーチなしの変動パターンは通常遊技状態である場合より変動時間が短い変動パターンのみが選択である。第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3及び第3特定遊技状態ST4では特図1変動表示ゲームがメイン変動となり、通常遊技状態よりも変動時間が短縮された時短状態となる。また、特図2変動表示ゲームについてはリーチなしの変動パーンのみが選択可能である。第4特定遊技状態ST5では特図2変動表示ゲームがメイン変動となり、通常遊技状態よりも変動時間が短縮された時短状態となる。
図28(a)には、通常遊技状態で結果が大当りとなる場合の変動パターンを示した。特図2についてはリーチ状態を発生させない変動パターンのみ選択可能である。なお、通常遊技状態において、特図2変動表示ゲームが大当りとなる場合の変動時間は、特図1変動表示ゲームが大当りとなる場合に選択可能な変動時間よりも長い変動時間となっている。
図28(b)には、第1特定遊技状態及び第2特定遊技状態で結果が大当りとなる場合の変動パターンを示した。特図1変動表示ゲームについては通常遊技状態と同等の変動時間の変動パターンが選択される。また、特図2変動表示ゲームについては特図1変動表示ゲームのSP3リーチと同等の変動時間の変動パターンが設定される。
図28(c)には、第3特定遊技状態で結果が大当りとなる場合の変動パターンを示した。特図1変動表示ゲームについては非常に長い変動時間が設定されている。これにより第4特定遊技状態に移行した後の十分な時間を確保可能とし、特図2変動表示ゲームの小当りによる賞球の獲得機会を確保可能としている。また、特図1変動表示ゲームの変動時間が長い方が小当りの発生機会が増加するため獲得可能な賞球が多くなり遊技者にとって有利である。このため、特図1変動表示ゲームの変動時間として長さが異なる複数種類の時間を選択できるようにし、獲得可能な利益が異なる場合があるようにして遊技の興趣を高めるようにしている。
また、特図2変動表示ゲームについては短い変動時間とされている。第3特定遊技状態においてイレギュラー変動となる特図2変動表示ゲームで大当りが発生する場合には、第4特定遊技状態に移行したとしても小当りを頻発させることができないため、迅速に大当りが導出されるようにしている。なお、第4特定遊技状態は、第3特定遊技状態において大当りとなる特図変動表示ゲームが開始された際に移行するため、基本的には大当りとなる特図変動表示ゲームが新たに開始されることはないため、第4特定遊技状態で結果が大当りとなる場合の変動パターンは規定していない。
図28(d)には、通常遊技状態で結果が小当りとなる場合の変動パターンを示した。特図2についてはリーチ状態を発生させず、約10分の変動時間が設定される長変動が選択されるようになっている。図28(e)には、特定遊技状態(第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3、第3特定遊技状態ST4、第4特定遊技状態ST5)で結果が小当りとなる場合の変動パターンを示した。何れもリーチ状態を発生させず、非常に短い変動時間の変動パターンが選択される。
図29には、大当り(第1特別結果)に基づく特別遊技状態(第1特別遊技状態)及び小当り(第2特別結果)に基づく特別遊技状態(第2特別遊技状態)における特別変動入賞装置の開閉パターンを示した。特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームで大当り種類が10R確変大当りとなった場合は大入賞口開閉パターン1に従い特別変動入賞装置38が開放される。大入賞口開閉パターン1では、5000msのファンファーレ期間の後、初回のラウンド(1R)で29000msの開放期間が設定される。その後、2000msのインターバル期間と29000msの開放期間が設定されるラウンドを繰り返して10ラウンドまで行い、11000msのエンディング期間の経過後、特別遊技状態が終了する。また、特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームで大当り種類が4R確変大当り又は4R通常大当りとなった場合は大入賞口開閉パターン2に従い特別変動入賞装置38が開放される。この開閉パターンは10R大当りの開閉パターンとラウンド数が異なるだけである。
なお、各開閉パターンでのインターバル期間とエンディング期間に記載の時間は、残存球処理時間とインターバル時間又はエンディング時間を加算した時間である。例えば、大入賞口開閉パターン1でのインターバル期間は2000msであり、このうち前半の1400msが残存球処理時間であり、後半の600msがインターバル時間である。また、大入賞口開閉パターン1でのエンディング期間は11000msであり、このうち前半の1400msが残存球処理時間であり、後半の9600msがエンディング時間である。
小当りの開閉パターンについては図示するようなファンファーレ期間、開放期間、インターバル期間(残存球処理時間を含む)及びエンディング期間(残存球処理時間を含む)となっており、これに従い特別変動入賞装置38が開放される。また、大当りと小当りのいずれの開閉パターンにおいても、各ラウンドにおいて規定数の入賞があった場合にはその時点で当該ラウンドの開放期間が終了する。小当りの開放時間は大当りでの開放時間よりも短く、特別遊技状態における特別変動入賞装置38への入賞数は少なくなる。よって、小当りは大当りよりも遊技者に付与可能な遊技価値が低いものである。すなわち、特別結果には、第1特別遊技状態を発生可能な第1特別結果(大当り)と、該第1特別遊技状態よりも遊技者に付与可能な遊技価値が低い第2特別遊技状態を発生可能な第2特別結果(小当り)と、が含まれていることとなる。
小当りの開閉パターンは、第4特定遊技状態であるか否かによりファンファーレ期間とエンディング期間の長さが異なり、第4特定遊技状態である場合の方が長くなるようにされている。第4特定遊技状態では小当りに関する報知や入賞による賞球数の報知などの演出を行うため、これらの時間を確保するようにしている。また、第4特定遊技状態では小当りが頻発するため、ファンファーレ期間とエンディング期間を長くすることで特別遊技状態の消化にかかる時間を長くし、単位時間当たりの賞球数が多くなり過ぎないようにしている。また、特別変動入賞装置の開放時間については第4特定遊技状態であるか否かに関わらず同じである。ここでは各小当りの開閉パターンでは1回の開放のみを行うようにしているが、複数回の開放を行うことも可能である。この場合、特別変動入賞装置38を一旦閉鎖するインターバル時間についても特定遊技状態であるか否かに関わらず同じとする。
なお、第4特定遊技状態であるか否かによりファンファーレ期間とエンディング期間の長さの両方を異ならせるとしたが、一方のみを異ならせるようにしても良い。また、大当りの開閉パターンについても第4特定遊技状態であるか否かによりファンファーレ期間とエンディング期間の長さの一方又は両方を異ならせるようにしても良い。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。また、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に飾り特図変動表示ゲームと称する。また、大当り(第1特別結果)と小当り(第2特別結果)を区別しない場合は、単に当り(特別結果)と称する。また、大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態と、小当りに基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態と、を区別しない場合は、単に特別遊技状態と称する。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、一般入賞口35、第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97、特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97、特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図19参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
本実施形態の遊技機10においては、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで第1始動入賞口36や、当該第1始動入賞口36の左方に配設された一般入賞口35への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38、第2始動入賞口97、当該第2始動入賞口97の上方に配設された一般入賞口35への入賞を狙うことができるようになっている。
第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への入賞球は、内部に設けられた始動口1スイッチ36a又は始動口2スイッチ37aによって特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。特図1変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、第1始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って第1始動記憶が記憶されて、第1始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに第1始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲームが開始され、この際に第1始動記憶数が1減算される。一方、特図1変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲームが行われてその特図1変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に遊技球が入賞すると、第1始動記憶数が上限数未満ならば、第1始動記憶数が1加算されて第1始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、第1始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図1変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、第1始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された第1始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲームが開始される。
第2始動入賞口97への入賞球は、内部に設けられた始動口3スイッチ97aによって特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出される。特図2変動表示ゲームを開始可能な状態において第2始動入賞口97への入賞があった場合には、当該入賞に基づき即座に特図2変動表示ゲームが実行される。また、特図2変動表示ゲームを直ちに開始できない状態、例えば、既に特図2変動表示ゲームが行われてその特図2変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第2始動入賞口97に遊技球が入賞しても第2始動記憶は発生しない。なお、特図2変動表示ゲームを開始可能な状態において第2始動入賞口97への入賞があった場合には、処理の都合上第2始動記憶が一旦発生するが、当該第2始動記憶は即座に消化されることとなるため、特図2変動表示ゲームの開始を保留するための第2始動記憶は発生しない。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図19参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として所定回数(例えば、第1始動記憶については最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部53(特図1保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、第1始動記憶に基づいて特図1表示器51(第1変動表示装置)で特図1変動表示ゲームを行い、第2始動入賞口97への入賞に基づいて、特図2表示器52(第2変動表示装置)で特図2変動表示ゲームを行う。特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは同時に実行可能であるが、一方の特図変動表示ゲームの実行中に、他方の特図変動表示ゲームが第1特別結果(大当り)となった場合には、当該一方の特図変動表示ゲームを特別結果以外の結果(はずれ結果)として終了させるようにしている。また、一方の特図変動表示ゲームの実行中に、他方の特図変動表示ゲームが第2特別結果(小当り)となった場合には、当該小当りに基づく特別遊技状態の終了まで当該一方の特図変動表示ゲームを中断するようにしている。
すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、普電入賞口37d(第1始動入賞領域)又は第1始動入賞口36(第1始動入賞領域)への遊技球の入賞に基づいて特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の実行制御を行う第1実行制御手段をなす。また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、第2始動入賞口97(第2始動入賞領域)への遊技球の入賞に基づいて特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の実行制御を行う第2実行制御手段をなす。
特図1表示器51及び特図2表示器52では、変動表示を行った後、所定の結果態様を停止表示する。そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合は、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が第1特別結果に対応する特別結果態様(大当り結果態様)となって大当りとなり、第1特別遊技状態(いわゆる大当り状態)となる。また、特図変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が第2特別結果に対応する特別結果態様(小当り結果態様)となって小当りとなり、第2特別遊技状態(いわゆる小当り状態)となる。すなわち、特図1表示器51が、第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づく第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)を表示可能な第1変動表示手段をなす。また、特図2表示器52が、第2始動入賞口97への遊技球の入賞に基づく第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)を表示可能な第2変動表示手段をなす。
また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、大当り遊技状態(第1特別遊技状態)の終了後、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状況(当り確率が高確率であることや普電サポートがあること)で遊技を進行可能な遊技状態(特定遊技状態)を発生させる制御を行うことが可能である。すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100が特定遊技状態発生手段をなす。
また、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの実行に対応して、表示装置41にて複数種類の飾り識別情報(数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。表示装置41での飾り特図変動表示ゲームには、特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームと、特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームとがあり、これらは別々の表示領域に表示される。そして、対応する特図変動表示ゲームの変動に伴い変動表示が行われ、対応する特図変動表示ゲームでの結果態様の導出に伴い結果に対応した表示が行われる。
すなわち、表示装置41が、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)及び第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に対応して飾り識別情報を変動表示する飾り変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な飾り変動表示手段をなす。なお、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームで別々の表示装置を使用するとしても良いし、一方の飾り特図変動表示ゲームのみを表示するとしても良い。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
本実施形態の遊技機では特図2変動表示ゲームの方が小当りの確率が高いが、低確率状態である通常遊技状態である場合には特図2変動表示ゲームの変動パターンとして変動時間が非常に長い(約10分)長変動が選択される。これにより、通常遊技状態では特図2変動表示ゲームの実行が時間的に非効率的となり、通常遊技状態における小当りの獲得を狙った特図2変動表示ゲームの実行を遊技者が選択しないようにしている。よって通常遊技状態では、左打ちを行って第1始動入賞口36を狙い、特図1変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって有利となる。なお、長変動の時間は約10分としたがこれより長くても良いし、短くても良い(5分、50分、10時間など)。
以上のことから、始動入賞口(第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機10において、遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態において開放される特別変動入賞装置(特別変動入賞装置38)と、を備え、遊技制御手段は、特別遊技状態の開始から特別変動入賞装置の開放の開始までの期間であるファンファーレ期間と、特別遊技状態における最後の特別変動入賞装置の開放が終了してから当該特別遊技状態の終了までの期間であるエンディング期間と、を設定可能であり、同一の特別結果に基づく特別遊技状態であっても、当該特別結果が導出された際の遊技状態に応じてファンファーレ期間とエンディング期間の一方又は両方の長さを異ならせることが可能であるようにしたこととなる。したがって、遊技状態に応じた実行態様とすることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、始動入賞口をなす第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37と、始動入賞口をなす第2始動入賞口97と、第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき第1変動表示ゲームを実行する第1変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、第2始動入賞口97への遊技球の入賞に基づき第2変動表示ゲームを実行する第2変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、第2変動表示ゲームの実行時間を通常状態よりも短くなるように設定した特定遊技状態(第4特定遊技状態)を発生可能な特定遊技状態発生手段(遊技制御装置100)と、を備え、遊技制御手段は、同一の特別結果に基づく特別遊技状態におけるファンファーレ期間とエンディング期間の一方又は両方の長さを、特別結果が導出された際の遊技状態が特定遊技状態でない場合よりも特別結果が導出された際の遊技状態が特定遊技状態である場合の方が長くなるようにするようにしたこととなる。したがって、遊技状態に応じた実行態様とすることができ、遊技の興趣を向上することができる。例えば、特定遊技状態では演出を実行する時間を確保でき、特定遊技状態でない場合は遊技を迅速に進行できるようになる。
また、特別結果には、遊技状態に応じて導出される確率を変化させることが可能な第1特別結果と、遊技状態にかかわらず導出される確率が一定の第2特別結果と、があり、第2特別結果が導出される確率は、第1特別結果が導出される確率よりも高い確率とされるようにしたこととなる。したがって、遊技状態に応じた実行態様とすることができ、遊技の興趣を向上することができる。特に、確率を変更しない第2特別結果についてファンファーレ期間とエンディング期間の一方又は両方の長さを異ならせるようにしたことで、導出確率は変化しないが実行態様を変化させることができる。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図30及び図31に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図32に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図30に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップX1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップX2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップX3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップX4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップX5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップX6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップX7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップX8からX12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップX8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップX9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップX9;Y)は、ステップX8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップX10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップX10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップX9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップX10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップX9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップX11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップX12)。タイマの値が0でない場合(ステップX12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップX8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップX12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップX13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップX14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップX15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップX16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップX16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップX17)、正常であれば(ステップX17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップX18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップX18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップX19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップX20)。チェックサムが一致する場合(ステップX20;Y)は、図31のステップX21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップX16;Y)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップX17;NもしくはステップX18;N)、チェックサムが正常でない(ステップX20;N)と判定された場合は、図31のステップX25へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図31のステップX21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップX21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号フラグ領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
次に、特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが中断中であるかを判定する(ステップX22)。特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームの中断とは、後述するように両方の特図変動表示ゲームを実行している場合に、一方で第2特別結果(小当り)が導出されることで他方の特図変動表示ゲームを中断し、特別遊技状態の終了後に再開する再開制御における特図変動表示ゲームの中断である。中断中である場合には中断されている特図変動表示ゲームに応じて、特図1ゲーム中断フラグ又は特図2ゲーム中断フラグがセットされ、これらのフラグは遊技機への電源供給が停止されている間でも記憶保持されるようになっている。
特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが中断中でない場合(ステップX22;N)は、ステップX24に移行する。また、特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが中断中である場合(ステップX22;Y)は、中断中の特図に対応する中断中コマンドを設定する(ステップX23)。
その後、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている特図ステータスに対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップX24)、ステップX30へ進む。本実施形態の場合、ステップX24では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定のコマンド、中断中コマンド等の複数のコマンドを送信する。画面指定コマンドとしては、特図1及び特図2について何れも後述する普段処理中である場合、すなわち特図変動表示ゲームの実行中でもなく特別遊技状態中でもない場合である客待ち中であれば客待ちデモ画面のコマンドを送信し、それ以外であれば復旧画面のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
一方、ステップX16、X17、X18、X20からステップX25へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップX25)、ビジー信号フラグ領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップX26)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップX27)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップX28)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップX29)、ステップX30へ進む。本実施形態の場合、ステップX29では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや普電サポートありとした特図変動表示ゲームの実行回数の情報であるサポート回数情報コマンドも送信する。
ステップX30では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップX30のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップX31)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップX32)、割込みを許可する(ステップX33)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップX34)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップX34の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップX35)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップX36)。停電監視信号がオンでない場合(ステップX36;N)は、初期値乱数更新処理(ステップX34)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップX34)の前に割り込みを許可する(ステップX33)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップX34での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップX36;Y)は、ステップX35で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップX37)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップX37;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップX36)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップX37;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップX38)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップX39)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップX40)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップX41)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップX42)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップX43)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップX44)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理はクロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。すなわち、所定周期で開始される割込みルーチンである。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図32のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップX101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX102)。ステップX102では、メイン処理におけるステップX4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップX103)を行う。
それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップX104)を行う。なお、メイン処理におけるステップX5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップX105)、乱数更新処理1(ステップX106)、乱数更新処理2(ステップX107)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、賞球の設定、前面枠やガラス枠の開放や、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38への不正入賞などのエラーの監視を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX108)を行う。
次に、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ97aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップX109)を行う。始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口36や普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97への遊技球の入賞に基づき、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行う。そして、特図1変動表示ゲームに関する処理を行う特図1ゲーム処理(ステップX110)、特図2変動表示ゲームに関する処理を行う特図2ゲーム処理(ステップX111)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップX112)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップX113)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップX114)を行う。さらに、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップX115)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における始動口スイッチ監視処理(ステップX109)の詳細について説明する。図33に示すように、始動口スイッチ監視処理では、まず、始動口1(第1始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップX491)、ハード乱数取得処理を行う(ステップX492)。そして、当該ハード乱数取得処理で第1始動入賞口36への入賞に基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるかを判定する(ステップX493)。
第1始動入賞口36への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ステップX493;N)は、ステップX499へ移行する。なお、この場合は始動口入賞なし情報が設定されている。一方、第1始動入賞口36への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されている場合(ステップX493;Y)は、通常遊技状態中であるかを判定する(ステップX494)。そして、通常遊技状態中である場合(ステップX494;Y)は、ステップX497に移行する。また、通常遊技状態中でない場合(ステップX494;N)は、右打ち指示報知コマンドを準備し(ステップX495)、演出コマンド設定処理を行う(ステップX496)。その後、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップX497)、特図始動口1スイッチ処理を行う(ステップX498)。
演出制御装置300では、右打ち指示報知コマンドを受信することに基づき、表示や音声等により遊技者に対して右打ちをするように指示する右打ち指示報知を行う。特定遊技状態中や特別遊技状態中である場合は右打ちの方が遊技者にとって有利であり、左打ちでなければ入賞しないようになっている第1始動入賞口36で特定遊技状態中や特別遊技状態中において入賞を検出した場合に右打ち指示報知を行うようにしている。
次に、始動口2(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップX499)、ハード乱数取得処理を行い(ステップX500)、第2始動入賞口97への入賞に基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるかを判定する(ステップX501)。
第2始動入賞口97への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ステップX501;N)は、ステップX509に移行する。なお、この場合は始動口入賞なし情報が設定されている。一方、第2始動入賞口97への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されている場合(ステップX501;Y)は、普電(普通変動入賞装置37)が作動中であるか、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップX502)、普電が作動中である場合(ステップX502;Y)は、ステップX504に移行する。一方、普電が作動中でない場合(ステップX502;N)は、普電不正発生中であるかを判定する(ステップX503)。
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
普電不正発生中である場合(ステップX503;Y)は、ステップX509に移行する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。また、普電不正発生中でない場合(ステップX503;N)は、通常遊技状態中であるかを判定する(ステップX504)。そして、通常遊技状態中でない場合(ステップX504;N)は、ステップX507に移行する。また、通常遊技状態中である場合(ステップX504;Y)は、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップX505)、演出コマンド設定処理を行う(ステップX506)。その後、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップX507)、特図始動口2スイッチ処理を行って(ステップX508)、ステップX509に移行する。
演出制御装置300では、左打ち指示報知コマンドを受信することに基づき、表示や音声等により遊技者に対して左打ちをするように指示する左打ち指示報知を行う。通常遊技状態中である場合は左打ちの方が遊技者にとって有利であり、右打ちでなければ入賞しないようになっている普通変動入賞装置37で通常遊技状態中において入賞を検出した場合に左打ち指示報知を行うようにしている。
次に、始動口3(第2始動入賞口97)入賞監視テーブルを準備し(ステップX509)、ハード乱数取得処理を行う(ステップX510)。そして、当該ハード乱数取得処理で第2始動入賞口97への入賞に基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるかを判定する(ステップX511)。
第2始動入賞口97への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ステップX511;N)は、始動口スイッチ監視処理を終了する。なお、この場合は始動口入賞なし情報が設定されている。一方、第2始動入賞口97への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されている場合(ステップX511;Y)は、通常遊技状態中であるかを判定する(ステップX512)。そして、通常遊技状態中でない場合(ステップX512;N)は、ステップX515に移行する。また、通常遊技状態中である場合(ステップX512;Y)は、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップX513)、演出コマンド設定処理を行う(ステップX514)。その後、始動口3による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップX515)、特図始動口3スイッチ処理を行い(ステップX516)、始動口スイッチ監視処理を終了する。
演出制御装置300では、左打ち指示報知コマンドを受信することに基づき、表示や音声等により遊技者に対して左打ちをするように指示する左打ち指示報知を行う。通常遊技状態中である場合は左打ちの方が遊技者にとって有利であり、右打ちでなければ入賞しないようになっている第2始動入賞口97で通常遊技状態中において入賞を検出した場合に左打ち指示報知を行うようにしている。
〔特図始動口1スイッチ処理〕
図34には、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口1スイッチ処理(ステップX498)を示した。この特図始動口1スイッチ処理では、まず、第1始動入賞口36への入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号1出力回数をロードし(ステップX521)、ロードした値を+1更新して(ステップX522)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップX523)。そして、出力回数がオーバーフローしない場合(ステップX523;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号1出力回数領域にセーブし(ステップX524)、特図1保留数(第1始動記憶数)が上限値未満かを判定する(ステップX525)。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップX523;Y)は、ステップX525に移行する。ここでは出力回数を255まで記憶できるが、上限まで記憶している場合には+1更新によりループして0となってしまうため、更新後の値のセーブを行わない。
特図1保留数が上限値(ここでは4)未満である場合(ステップX525;Y)は、後述する特図保留情報判定処理において変動パターンの振り分けに用いる特図1情報設定フラグをセットし(ステップX526)、特図1保留数を+1更新する(ステップX527)。次に、特図1保留数に対応する乱数格納領域(特図1用の乱数格納領域)のアドレスを算出し(ステップX528)、上述のハード乱数取得処理で準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップX529)。
その後、大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップX530)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX531)。さらに、小当り図柄乱数を抽出してRWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX532)。続いて変動パターン乱数1から3を抽出して各乱数に対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップX533)。そして、先読み処理である特図保留情報判定処理(ステップX534)を行い、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップX535)、演出コマンド設定処理を行って(ステップX536)、特図始動口1スイッチ処理を終了する。
なお、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口2スイッチ処理(ステップX508)は、始動口信号に関するステップX521〜X524において、普通変動入賞装置37への入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する始動口信号2について処理を行う他は図34に示した処理と同じである。すなわち、遊技制御装置100(RAM111C)が、第1始動入賞口36及び普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し、該所定の乱数を第1始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な第1始動記憶手段をなす。
〔特図保留情報判定処理〕
図35には、上述の特図始動口1スイッチ処理における特図保留情報判定処理(ステップX534)を示した。図示を省略する特図始動口2スイッチ処理でも同じ処理を行う。特図保留情報判定処理は、特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該特図1始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。この特図保留情報判定処理では、まず、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を行う(ステップX543)。そして、判定結果が大当りである場合(ステップX544;Y)は、大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップX545)、準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップX546)、停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備する(ステップX551)。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップX544;N)は、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を行う(ステップX547)。そして、判定結果が小当りである場合(ステップX548;Y)は、小当りの停止図柄情報を設定し(ステップX549)、停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備する(ステップX551)。また、判定結果が小当りでない場合(ステップX548;N)は、はずれの停止図柄情報を設定し(ステップX550)、停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備する(ステップX551)。
停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備(ステップX551)した後、演出コマンド設定処理を行う(ステップX552)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図1情報設定処理(ステップX553)を行い、特図1変動表示ゲームの変動態様を設定する特図1変動パターン設定処理を行う(ステップX554)。
そして、特図1変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップX555)、演出コマンド設定処理を行い(ステップX556)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップX553における特図1情報設定処理、ステップX554における特図1変動パターン設定処理は、特図1普段処理の特図1変動開始処理で特図1変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームの結果を含む先読み停止図柄コマンドと、当該特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、特図1始動記憶に対応した結果関連情報(大当り又は小当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図1変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、第1始動記憶手段に記憶された第1始動記憶に基づき、第1変動表示ゲームの結果及び変動態様情報を当該第1変動表示ゲームの開始以前に決定することが可能な第1決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
なお、この特図保留情報判定処理は特図1変動表示ゲームに対してのみ行われ、特図変動表示ゲームの開始を保留するための始動記憶を発生しない特図2変動表示ゲームに対しては行われない。また、第4特定遊技状態である場合には先読み処理を行わないようにしても良い。これは、第4特定遊技状態中は特図2変動表示ゲームが主体となる状態であり、この特図2変動表示ゲームで特別結果が導出されることにより特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止されることがほとんどであるためである。すなわち、ほとんどがはずれとなるため先読み結果の報知にあまり意味がないことや、特図1変動表示ゲームで特別結果となる先読み結果を報知した後に強制的にはずれ結果に変更されることで予告との矛盾が生じてしまうことがあるからである。
ただし、特図2変動表示ゲームについては当該特図2変動表示ゲームの開始を保留するための始動記憶を発生しないため、第4特定遊技状態の最初の期間第1始動記憶があるうちは特図1変動表示ゲームのみが行われる可能性が高く、このような場合には当該第1始動記憶について先読み演出を行うようにしても良い。このような先読み演出を行う第1始動記憶のうち、第4特定遊技状態の開始前に発生したものについては先読み処理が行われているのでその結果を用い、第4特定遊技状態の開始後に発生したものについては、このような先読み演出の対象となるものについて先読み処理を行うようにする。もちろん確率状態に関係なく先読み処理は行い、別の処理にて当該先読み処理の結果に基づく先読み演出を行うか否かを判断するようにしても良い。
〔特図始動口3スイッチ処理〕
図36には、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口3スイッチ処理(ステップX516)を示した。この特図始動口3スイッチ処理では、まず、第2始動入賞口97への入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号3出力回数をロードし(ステップX561)、ロードした値を+1更新して(ステップX562)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップX563)。そして、出力回数がオーバーフローしない場合(ステップX563;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号3出力回数領域にセーブし(ステップX564)、始動口3(第2始動入賞口97)入賞無効中であるかを判定する。
始動口3入賞無効中とは、特別結果(大当り又は小当り)となった特図1変動表示ゲームの停止中(後述の特図表示中処理中)、第1又は第2特別遊技状態中及び特図2変動表示ゲームの実行中である。この始動口3入賞無効中である場合(ステップX565;Y)は、特図始動口3スイッチ処理を終了する。また、始動口3入賞無効中でない場合(ステップX565;N)は、特図2保留数を1に設定し(ステップX566)、特図2用の乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップX567)、上述のハード乱数取得処理で準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップX568)。
その後、大当り図柄乱数を抽出し(ステップX569)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX570)。さらに、小当り図柄乱数を抽出してRWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX571)。続いて変動パターン乱数2及び3を抽出して各乱数に対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップX572)、特図始動口3スイッチ処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第2始動入賞口97への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出して記憶する始動入賞記憶手段をなす。なお、特図2変動表示ゲームについては変動パターンの種類が少ないことから変動パターン乱数1は用いない。
〔特図1ゲーム処理〕
図37には、上述のタイマ割込み処理における特図1ゲーム処理(ステップX110)を示した。特図1変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図1の表示の設定を行う。この特図1ゲーム処理では、まず、特図1変動表示ゲームが中断されている場合にセットされる特図1中断中フラグがセットされているかを判定する(ステップY100)。この特図1中断中フラグがセットされていない場合(ステップY100;N)、すなわち、特図1変動表示ゲームの中断が行われていない場合は、ステップY101に移行して、以降の特図1変動表示ゲームに関する処理を行う。一方、特図1中断中フラグがセットされている場合(ステップY100;Y)、すなわち、特図1変動表示ゲームが中断されている場合は、ステップY101〜Y118の特図1変動表示ゲームに関する処理を行わず、ステップY119に移行する。これにより、特図1変動表示ゲームの中断中は特図1変動表示ゲームが進行せず(特図1ゲーム処理タイマの更新が行われず)、変動表示のみが継続するようになる。
ステップY101では、特図2の大当り/小当り中であるか、すなわち、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態中であるかを判定する(ステップY101)。そして、特図2の大当り/小当り中でない場合(ステップY101;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を行い(ステップY102)、特図1ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(ステップY103)。また、特図2の大当り/小当り中である場合(ステップY101;Y)は、ステップY103に移行する。
大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視し、大入賞口への入賞に基づいて演出制御装置300に送信する大入賞口カウントコマンドを設定する処理や、大入賞口へ規定数の入賞があった場合に大入賞口を閉鎖するための処理を行う。特図1ゲーム処理では、特図1変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入賞口スイッチ監視処理を行うようにしており、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態については後述する特図2ゲーム処理において大入賞口スイッチ監視処理を行う。
次に、特図1ゲーム処理タイマの値が0であるかを判定する(ステップY104)。特図1ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップY104;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップY119に移行して、それ以降の処理を行う。また、特図1ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップY104;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図1ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図1ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップY105)。そして、当該テーブルを用いて特図1ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(ステップY106)、特図1ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(ステップY107)。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図1変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図1変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図1変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1普段処理(ステップY108)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図1の停止表示時間の設定や、特図1表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1変動中処理(ステップY109)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図1変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1表示中処理(ステップY110)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップY111)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップY112)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図1大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップY113)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図1普段処理(ステップY108)を行うために必要な情報の設定等を行う特図1大当り終了処理(ステップY114)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップY115)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップY116)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップY117)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図1普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1小当り終了処理(ステップY118)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備し(ステップY119)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップY120)を行って、特図1ゲーム処理を終了する。この特図1ゲーム処理が第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。
〔特図2ゲーム処理〕
図38には、上述のタイマ割込み処理における特図2ゲーム処理(ステップX111)を示した。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図2の表示の設定を行う。この特図2ゲーム処理は、基本的には上述の特図1ゲーム処理と同様の処理を特図2について行うものである。
この特図2ゲーム処理では、まず、特図2変動表示ゲームが中断されている場合にセットされる特図2中断中フラグがセットされているかを判定する(ステップY130)。この特図2中断中フラグがセットされていない場合(ステップY130;N)、すなわち、特図2変動表示ゲームの中断が行われていない場合は、ステップY131に移行して、以降の特図2変動表示ゲームに関する処理を行う。一方、特図2中断中フラグがセットされている場合(ステップY130;Y)、すなわち、特図2変動表示ゲームが中断されている場合は、ステップY131〜Y151の特図2変動表示ゲームに関する処理を行わず、ステップY152に移行する。これにより、特図2変動表示ゲームの中断中は特図2変動表示ゲームが進行せず(特図2ゲーム処理タイマの更新が行われず)、変動表示のみが継続するようになる。
ステップY131では、特図1の大当り/小当り中であるか、すなわち、特図1変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態中であるかを判定する(ステップY131)。そして、特図1の大当り/小当り中でない場合(ステップY131;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を行い(ステップY132)、特図2ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(ステップY133)。また、特図1の大当り/小当り中である場合(ステップY131;Y)は、ステップY133に移行する。
大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視し、大入賞口への入賞に基づいて演出制御装置300に送信する大入賞口カウントコマンドを設定する処理や、大入賞口へ規定数の入賞があった場合に大入賞口を閉鎖するための処理を行う。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入賞口スイッチ監視処理を行うようにしており、特図1変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態については上述した特図1ゲーム処理において大入賞口スイッチ監視処理を行う。
次に、特図2ゲーム処理タイマの値が0であるかを判定する(ステップY134)。特図2ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップY134;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップY152に移行して、それ以降の処理を行う。また、特図2ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップY134;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0であるかを判定する(ステップY135)。
この特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0でない場合(ステップY135;N)は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を−1更新し(ステップY150)、特図2ゲーム処理タイマ領域に長変動用タイマ値(ここでは60000ms)をセーブして(ステップY151)、ステップY152以降の処理を行う。
小当りの発生確率が高い特図2変動表示ゲームを通常遊技状態で遊技者が意図的に実行することを防止するため、通常遊技状態における特図2変動表示ゲームの変動時間は非常に長い時間(例えば10分)とされている。しかし、特図2ゲーム処理タイマとして利用できる領域は限られているため、タイマ初期値として上限値を設定しても変動時間を一度で計時することは困難である。そこで、規定時間(ここでは60000ms)の計時を行う回数である繰り返し回数を用いて複数回の計時により変動時間を計時するようにしている。
特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0である場合(ステップY135;Y)は、特図2ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図2ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップY136)。そして、当該テーブルを用いて特図2ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(ステップY137)、特図2ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(ステップY138)。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図2変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図2変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図2変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2普段処理(ステップY139)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図2の停止表示時間の設定や、特図2表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2変動中処理(ステップY140)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図2変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2表示中処理(ステップY141)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップY142)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップY143)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図2大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップY144)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図2普段処理(ステップY108)を行うために必要な情報の設定等を行う特図2大当り終了処理(ステップY145)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップY146)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップY147)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップY148)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図2普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2小当り終了処理(ステップY149)を行う。
その後、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備し(ステップY152)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップY153)を行って、特図2ゲーム処理を終了する。この特図2ゲーム処理が第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。以上の特図2ゲーム処理は、基本的には上述の特図1ゲーム処理と同様の処理を特図2について行うものであり、以降の説明では特図1ゲーム処理と特図2ゲーム処理とで対応する処理を並行して説明する。
〔特図1普段処理〕
図39には、上述の特図1ゲーム処理における特図1普段処理(ステップY108)を示した。この特図1普段処理では、まず、特図1が変動開始可能であるかを判定する(ステップY201)。この判定における特図1が変動開始可能である状態とは、大当り又は小当りとなる特図2変動表示ゲームの変動停止から特別遊技状態の終了までの間でないことである。なお、特図1変動表示ゲームの実行中や特図1変動表示ゲームに基づく特別遊技状態中も変動開始できない状態ではあるが、その場合は特図1普段処理が実行されていない状態であるため、ここではこれについては判定しなくても良い。
特図1が変動開始可能でない場合(ステップY201;N)は、特図1ゲーム処理番号領域に特図1普段処理番号をセーブし(ステップY217)、特図1普段処理を終了する。また、特図1が変動開始可能である場合(ステップY201;Y)は、左打ち指示報知済みであるか、すなわち左打ち指示報知フラグがセットされているかを判定する(ステップY202)。左打ち指示報知済みである場合(ステップY202;Y)は、ステップY206に移行する。また、左打ち指示報知済みでない場合(ステップY202;N)は、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップY203)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY204)。その後、左打ち指示報知フラグをセットし(ステップY205)、特図1保留数が0であるかを判定する(ステップY206)。左打ち指示報知フラグは、第2特定遊技状態が終了する際にクリアされるようになっており、これにより通常遊技状態に移行する際に左打ち指示報知が行われることとなる。
そして、特図1保留数が0である場合(ステップY206;Y)は、ステップY217に移行する。また、特図1保留数が0でない場合(ステップY206;N)は、現在の確率状態に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップY207)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY208)。その後、特図1変動表示ゲームに関する情報の設定等を行う特図1変動開始処理を行い(ステップY210)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップY211)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY212)。なお、飾り特図保留数コマンドを準備する処理(ステップY210)を行う時点では特図1変動表示ゲームの開始に基づく特図1保留数の減算は行われておらず、現在の特図1保留数から−1した特図1保留数に対応する保留数コマンドを準備している。
次に、特図ステータス領域に特図1変動中をセット(情報加算)する(ステップY212)。ここで特図ステータスとは、特図変動表示ゲームの状態を示すものであり、0〜5の何れかがセットされる。特図ステータス0は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示し、特図ステータス1は特図1変動表示ゲームのみが実行されている状態を示し、特図ステータス2は特図2変動表示ゲームのみが実行されている状態を示す。また、特図ステータス3は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの両方が実行されている状態を示し、特図ステータス4は大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態であることを示し、特図ステータス5は小当りに基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態であることを示す。ここでは特図1変動表示ゲームが開始されるので、特図ステータスとして1又は3がセットされる。
次に、第4特定遊技状態中であるかを判定する(ステップY213)。そして、第4特定遊技状態中である場合(ステップY213;Y)は、ステップY216に移行する。また、第4特定遊技状態中でない場合(ステップY213;N)は、特図1変動チェックフラグをセットする(ステップY215)。すなわち、第4特定遊技状態以外で特図1変動表示ゲームが開始された場合に特図1変動チェックフラグがセットされ、特図1変動表示ゲームがメイン変動となる期間での特図1変動表示ゲームの実行を確認することが可能となる。その後、特図1変動中処理移行設定処理を行って(ステップY216)、特図1普段処理を終了する。
〔特図2普段処理〕
図40には、上述の特図2ゲーム処理における特図2普段処理(ステップY139)を示した。この特図2普段処理では、まず、特図2が変動開始可能であるかを判定する(ステップY221)。この判定における特図2が変動開始可能である状態とは、大当り又は小当りとなる特図1変動表示ゲームの変動停止から特別遊技状態の終了までの間でないことである。なお、特図2変動表示ゲームの実行中や特図2変動表示ゲームに基づく特別遊技状態中も変動開始できない状態ではあるが、その場合は特図2普段処理が実行されていない状態であるため、ここではこれについては判定しなくても良い。
特図2が変動開始可能でない場合(ステップY221;N)は、特図2ゲーム処理番号領域に特図2普段処理番号をセーブし(ステップY237)、特図2普段処理を終了する。また、特図2が変動開始可能である場合(ステップY221;Y)は、特図2保留数が0であるかを判定する(ステップY222)。なお、上述したように、特図2保留(第2始動記憶)は、特図2変動表示ゲームを開始可能な状態において第2始動入賞口97への入賞があった場合に、当該入賞に基づく特図2変動表示ゲームの開始処理を行うために一時的に発生するもので、第1始動記憶のように特図変動表示ゲームの開始を保留するためのものではない。
そして、特図2保留数が0でない場合(ステップY222;N)は、現在の確率状態に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップY223)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY224)。その後、特図2変動表示ゲームに関する情報の設定等を行う特図2変動開始処理を行い(ステップY225)、特図ステータス領域に特図2変動中をセット(情報加算)する(ステップY226)。ここでは特図2変動表示ゲームが開始されるので、特図ステータスとして2又は3がセットされる。
次に、通常遊技状態中であるかを判定する(ステップY227)。そして、通常遊技状態中でない場合(ステップY227;N)は、ステップY230に移行する。また、通常遊技状態中である場合(ステップY227;Y)は、特図2変動チェックフラグをセットする(ステップY229)。すなわち、特図2変動表示ゲームがイレギュラー変動となる期間で特図2変動表示ゲームが開始された場合に特図2変動チェックフラグがセットされる。これにより、遊技者が意図的にイレギュラー変動となる特図2変動表示ゲームの実行を行わせていることを確認できる。その後、特図2変動中処理移行設定処理を行って(ステップY230)、特図2普段処理を終了する。
一方、特図2保留数が0である場合(ステップY222;Y)は、特図1保留数が0であるかを判定する(ステップY231)。そして、特図1保留数が0である場合(ステップY231;Y)は、特図1が変動中であるかを判定する(ステップY232)。そして、特図1が変動中でない場合(ステップY232;N)は、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップY233)、開示済みでない場合(ステップY233;N)は客待ち状態の設定に関する処理を行う。また、特図1保留数が0でない場合(ステップY231;N)、特図1が変動中である場合(ステップY232;Y)又は客待ちデモが開始済みである場合(ステップY233;Y)は、ステップY237に移行する。
客待ち状態の設定に関する処理では、まず、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットし(ステップY234)、現在の確率状態に対応する客待ちデモコマンドを準備して(ステップY235)、演出コマンド設定処理を行い(ステップY236)、ステップY237に移行する。客待ちデモコマンドを現在の確率状態に対応するものとすることで、確率状態に応じて異なる客待ち画面を表示することが可能となる。
また、何らかの原因により演出制御装置300が再起動した場合、バックアップ機能を備えない演出制御装置300は遊技状態の情報を喪失してしまうため、適切な演出を行うことができなくなってしまうが、客待ちデモコマンドを現在の確率状態に対応するものとすることで、このコマンドの受信からは遊技状態に応じた演出を行うことができ、遊技状態の変更に基づく確率情報コマンドが送信されるのを待つよりも早く遊技状態に応じた演出に復帰できるようになる。
また、本実施形態の遊技機では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとが同時に実行可能であり、特図1変動表示ゲームについての処理によって確率状態が変化することも考えられるので、特図変動表示ゲームの開始ごとに変動開始確率情報コマンドを送信するようにしている(ステップY207、Y223)。これにより、演出制御装置300において遊技状態に応じた適切な演出を行うことが可能となる。
また、変動開始確率情報コマンドを特図変動表示ゲームの開始ごとに送信するようにしたことで、演出制御装置300が再起動した場合でもこのコマンドの受信からは遊技状態に応じた演出を行うことができ、遊技状態の変更に基づく確率情報コマンドが送信されるのを待つよりも早く遊技状態に応じた演出に復帰できるようになる。なお、客待ちデモコマンドや変動開始確率情報コマンドに、演出制御装置300が再起動した場合に遊技状態に応じた演出に復帰できるようにするためのその他の情報を含ませるようにしても良い。
〔特図1変動開始処理〕
図41には、上述の特図1普段処理における特図1変動開始処理(ステップY209)を示した。この特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。まず、高確率状態から通常確率状態への移行を抽選する転落抽選処理を行い(ステップY239)、普電サポートを設定する期間を管理するサポート管理処理を行う(ステップY240)。次に、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップY241)、特図1変動表示ゲームの結果情報としてはずれ情報、大当り情報又は小当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップY242)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップY243)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図1情報設定処理(ステップY244)を行い、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップY245)。
その後、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図1変動パターン設定処理(ステップY246)を行い、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップY247)を行う。これらの処理により、これから実行される特図1変動表示ゲームの結果や変動パターン(変動時間)が決定される。そしてこの後に、同時に実行可能である特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの間で不都合が生じないように調整するための処理を行う。
特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは同時に実行可能であるが、一方で特別結果(大当りや小当り)が導出された際には他方については抽選結果にかかわらず強制的にはずれ結果として終了するようになっている。特に、特図2変動表示ゲームについては小当りとなる確率が高いため、特図2変動表示ゲームが先に停止する場合は特図1変動表示ゲームについてこのような処理がなされる可能性が高い。よって、例えば特図1変動表示ゲームで期待度の高い演出をしているにもかかわらず、強制的にはずれ結果で停止されてしまうこととなり、遊技者が不信感を抱くこととなってしまう。そこで、これから開始しようとする特図1変動表示ゲームの終了前に特図2変動表示ゲームが終了する可能性がある場合には、期待度の高い演出が選択されないようにしたりするなどの対応ができるようにしている。
このためにまず、第4特定遊技状態中であるかを判定し(ステップY248)、第4特定遊技状態中である場合(ステップY248;Y)は、ステップY257に移行する。第4特定遊技状態である場合は特図2変動表示ゲームを主体として遊技を進行する状態である。この状態では特図2変動表示ゲームの変動時間が短く、かつ、高い頻度で実行されるため、特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止される可能性が高いことはわかっており、特図1変動表示ゲームにおいては期待度の高い演出が選択されないように予め設定されているので、ここでは特別な処理は行わない。
また、第4特定遊技状態中でない場合(ステップY248;N)は、特図2が変動中であるかを判定する(ステップY249)。特図2が変動中でない場合(ステップY249;N)は、ステップY257に移行する。この場合はこれから特図2変動表示ゲームが開始されたとしても当該特図2変動表示ゲームの変動時間は非常に長い変動時間となる。よって、特図1変動表示ゲームが強制的に停止される可能性は低いため、ここでは期待度の高い演出が選択されないようにするための処理は行わない。
特図2が変動中である場合(ステップY249;Y)は、実行中の特図2変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し(ステップY250)、はずれである場合(ステップY250;Y)はステップY257に移行する。この場合は特図1変動表示ゲームが強制的に停止されない場合である。また、実行中の特図2変動表示ゲームの結果がはずれでない場合(ステップY250;N)は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0であるかを判定する(ステップY251)。特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0である場合(ステップY251;Y)は、ステップY254に移行する。また、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0でない場合(ステップY251;N)は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が4以上であるかを判定する(ステップY252)。
特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が4以上である場合(ステップY252;Y)は、ステップY257に移行する。この場合は、特図2変動表示ゲームの残り変動時間が十分に長く、特図1変動表示ゲームの方が先に終了することとなるため、期待度の高い演出が選択されないようにするための処理は行わない。
また、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が4以上でない場合(ステップY252;N)は、特図2変動表示ゲームの残り変動時間を算出し(ステップY253)、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満であるかを判定する(ステップY254)。これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満である場合(ステップY254;Y)は、ステップY257に移行する。この場合は特図1変動表示ゲームの方が先に終了することとなるため、期待度の高い演出が選択されないようにするための処理は行わない。
また、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満でない場合(ステップY254;N)は、特図1の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを準備し(ステップY255)、演出コマンド設定処理を行い(ステップY256)、第4特定遊技状態を設定するための第4特定遊技状態設定処理を行って(ステップY257)、特図1変動開始処理を終了する。このコマンドには、特図2変動表示ゲームの結果が大当りと小当りのいずれであるかの情報も含まれている。演出制御装置300では、特図1の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを受信することに基づき、当該特図1変動表示ゲームについて期待度の高い演出の選択を規制したり特定の実行態様を設定したりするなどの処理を行うようになっている。
なお、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満でない場合(ステップY254;N)に、特図1変動パターン設定処理(ステップY246)で設定した変動パターンに関する情報(前後半変動パターン番号等)を再設定する処理を行って、演出制御装置300が期待度の高い演出を選択しない変動パターンに変更するようにしても良い。なお、変動パターンを再設定する処理においては、変動時間を変更しないようにしても良いし、変更するようにしても良い。また、特図1の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを準備する処理(ステップY255)については行うようにしても良いし、行わないようにしても良い。
すなわち、遊技制御装置100で行われる特図1変動パターン処理(ステップY246)は、通常遊技状態において第1変動表示ゲームの変動時間を含む変動態様情報を決定する場合に、第2変動表示ゲームの変動態様情報を参照することなく当該第1変動表示ゲームの変動態様情報を決定することが可能な第1変動態様決定手段をなす。さらに遊技制御装置100で行われる上記の変動パターンを再設定する処理は、第1変動態様決定手段によって当該第1変動表示ゲームの変動時間を含む変動態様情報を決定した際に第2変動表示ゲームが実行中である場合に、当該第2変動表示ゲームの変動態様情報に含まれる変動時間を参照して、決定されている第1変動表示ゲームの変動時間を変更することなく変動パターンに関する情報を再決定することが可能である第2変動態様決定手段をなす。
また、特図1変動パターン設定処理(ステップY246)において一度決定された変動パターンを後に変更するのではなく、特図1変動パターン設定処理(ステップY246)において変動パターンを決定する際に、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満でないかを判定する処理(ステップY254)を行うようにして、遊技状況に応じた変動パターンを最初から決定するようにしても良い。
〔特図2変動開始処理〕
図42には、上述の特図2普段処理における特図2変動開始処理(ステップY225)を示した。この特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理である。まず、高確率状態から通常確率状態への移行を抽選する転落抽選処理を行い(ステップY259)、普電サポートを設定する期間を管理するサポート管理処理を行う(ステップY260)。次に、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップY261)、特図2変動表示ゲームの結果情報としてはずれ情報、大当り情報又は小当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップY262)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップY263)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図2情報設定処理(ステップY264)を行い、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップY265)。
その後、特図2変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図2変動パターン設定処理(ステップY266)を行い、特図2変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップY267)を行い、第4特定遊技状態を設定するための第4特定遊技状態設定処理を行って(ステップY268)、特図2変動開始処理を終了する。
なお、特図2変動開始処理では、同時に実行可能である特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの間で不都合が生じないように調整するための処理は行わない。これは、特図1変動表示ゲームでの小当りの確率が低いため、特図2変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で終了させられる機会が少ないためである。ただし、特図1変動表示ゲームと同様に、強制的にはずれ結果で停止される場合には期待度の高い演出の選択を規制するようにしても良い。
〔転落抽選処理〕
図43には、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理で行われる転落抽選処理(ステップY239、Y259)転落抽選処理を示した。この転落抽選処理では、まず、高確率中であるかを判定し(ステップY581)、高確率中でない場合(ステップY581;N)は、転落抽選処理を終了する。また、高確率中である場合(ステップY581;Y)は、転落抽選乱数を取得し(ステップY582)、判定値に参照して転落抽選に当選したかを判定する(ステップY583)。
転落抽選に当選していない場合(ステップY583;N)は、転落抽選処理を終了する。この場合は高確率状態が維持される。また、転落抽選に当選した場合(ステップY583;Y)は、低確率状態に移行するための処理を行う。まず、高確率終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY584)。ここでは大当り2信号をOFFにするように設定する。さらに、高確率状態の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY585)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFFに設定する。そして、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブし(ステップY586)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする(ステップY587)。これにより、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームから低確率状態となるようにされる。
次に、普電サポートを終了する処理を行う。なお、転落抽選の当選とともに普電サポートを終了させるのは第3特定遊技状態で転落抽選に当選した場合である。まず、普電サポート中であるかを判定し(ステップY588)、普電サポート中でない場合(ステップY588;N)は、転落抽選処理を終了する。また、普電サポート中である場合(ステップY588;Y)は、普電サポートとする特図変動表示ゲームの実行回数を管理するサポート回数が0であるかを判定する(ステップY589)。
サポート回数が0でない場合(ステップY589;N)、すなわち特別遊技状態の終了から規定数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行していない場合(第1特定遊技状態の場合)は、第2特定遊技状態に移行して普電サポートが継続されるので転落抽選処理を終了する。また、サポート回数が0である場合(ステップY589;Y)、すなわち特別遊技状態の終了から規定数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行したが転落抽選に当選せずに第3特定遊技状態となっている場合は、通常遊技状態に移行するためにステップY590以降の普電サポートを終了する処理を行う。
普電サポートを終了する処理では、まず、時短終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY590)。ここでは大当り2信号をOFFにするように設定する。さらに、時短終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY591)。ここでは、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFFに設定する。
そして、遊技状態表示番号領域に特図低確率、時短なしの番号をセーブし(ステップY592)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率、サポなしフラグをセーブする(ステップY593)。その後、普図低確率を設定して(ステップY594)、転落抽選処理を終了する。これにより、低確率状態かつ普電サポートなし状態となって通常遊技状態に移行することとなる。なお、高確率状態の終了や普電サポートの終了の情報は、演出制御装置300に送信されるようになっており、演出制御装置300ではこの情報に基づき演出モードの変更などの処理を行う。
〔サポート管理処理〕
図44には、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理で行われるサポート管理処理(ステップY240、Y260)を示した。このサポート管理処理では、まず、普電サポート中であるかを判定し(ステップY1521)、普電サポート中でない場合(ステップY1521;N)は、サポート管理処理を終了する。また、普電サポート中である場合(ステップY1521;Y)は、普電サポートとする特図変動表示ゲームの実行回数を管理するサポート回数が0でなければ−1更新し(ステップY1522)、サポート回数が0であるかを判定する(ステップY1523)。
サポート回数が0でない場合(ステップY1523;N)、すなわち特別遊技状態の終了から規定数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行していない場合(第1特定遊技状態又は第2特定遊技状態が継続する場合)は、サポート管理処理を終了する。また、サポート回数が0である場合(ステップY1523;Y)、すなわち特別遊技状態の終了から規定数(ここでは100回)を超える特図変動表示ゲームが開始される場合や、すでに特別遊技状態の終了から規定数を超える特図変動表示ゲームを実行したが転落抽選に当選せずに第3特定遊技状態となっている場合は、高確率状態であるかを判定する(ステップY1524)。
高確率状態である場合(ステップY1524;Y)は、第3特定遊技状態に移行又は第3特定遊技状態が継続するので、サポート管理処理を終了する。また、高確率状態でない場合(ステップY1524;N)は、第2特定遊技状態を終了して通常遊技状態へ移行するためにステップY1525以降の普電サポートを終了する処理を行う。
普電サポートを終了する処理では、まず、時短終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1525)。ここでは大当り2信号をOFFにするように設定する。さらに、時短終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1526)。ここでは、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFFに設定する。
そして、遊技状態表示番号領域に特図低確率、時短なしの番号をセーブし(ステップY1527)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率、サポなしフラグをセーブする(ステップY1528)。その後、普図低確率を設定し(ステップY1529)、左打ち指示報知フラグをクリアして(ステップY1530)次回の特図変動表示ゲームの開始時に左打ち指示報知がなされるようにし、サポート管理処理を終了する。これにより、第2特定遊技状態が終了して通常遊技状態に移行することとなる。
〔大当りフラグ1設定処理〕
図45には、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップY242)を示した。この大当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブし(ステップY271)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップY272)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードして準備し(ステップY273)、特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。
その後、実行中の特図2変動表示ゲームの大当り判定の結果である大当りフラグ2は大当りであるかを判定し(ステップY275)、大当りである場合(ステップY275;Y)は、ステップY279に移行する。すなわち、同時に実行される特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの両方を大当りとしないようにしている。また、大当りでない場合(ステップY275;N)は、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップY276)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップY276)の判定結果が大当りである場合(ステップY277;Y)は、ステップY272にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップY278)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップY276)の判定結果が大当りでない場合(ステップY277;N)は、取得した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップY279)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップY279)の判定結果が小当りである場合(ステップY280;Y)は、ステップY271にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ1領域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップY281)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(ステップY279)の判定結果が小当りでない場合(ステップY280;N)は、大当りフラグ1設定処理を終了する。この場合は、大当りフラグ1領域及び小当りフラグ1領域には、はずれ情報がセーブされた状態となる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
図46には、上述の特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップY262)を示した。この大当りフラグ2設定処理では、まず、小当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブし(ステップY291)、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップY292)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域から大当り乱数をロードして準備し(ステップY293)、特図2大当り乱数格納領域を0クリアする。
その後、実行中の特図1変動表示ゲームの大当り判定の結果である大当りフラグ1は大当りであるかを判定し(ステップY295)、大当りである場合(ステップY295;Y)は、ステップY299に移行する。すなわち、同時に実行される特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの両方を大当りとしないようにしている。また、大当りでない場合(ステップY295;N)は、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップY296)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップY296)の判定結果が大当りである場合(ステップY297;Y)は、ステップY292にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップY298)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップY296)の判定結果が大当りでない場合(ステップY297;N)は、取得した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップY299)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップY299)の判定結果が小当りである場合(ステップY300;Y)は、ステップY291にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ2領域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップY301)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(ステップY299)の判定結果が小当りでない場合(ステップY300;N)は、大当りフラグ2設定処理を終了する。この場合は、大当りフラグ2領域及び小当りフラグ2領域には、はずれ情報がセーブされた状態となる。
〔大当り判定処理〕
図47には、上述の大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップY276、Y296)を示した。この大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップY311)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(ステップY312)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップY312;Y)、すなわち大当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY317)、大当り判定処理を終了する。なお、判定結果としてのはずれとは、大当りの抽選にはずれたことを示すものである。また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップY312;N)は、高確率状態であるかを判定する(ステップY313)。
そして、高確率状態である場合(ステップY313;Y)は、高確率中の上限判定値を設定し(ステップY314)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップY316)。また、高確率状態でない場合(ステップY313;N)は、低確率中の上限判定値を設定し(ステップY315)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップY316)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップY316;Y)、すなわち大当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY317)、大当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップY316;N)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップY318)、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
図48には、上述の大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における小当り判定処理(ステップY279、Y299)を示した。この小当り判定処理では、まず、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満かを判定する(ステップY321)。なお、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。また、大当り判定値と小当り判定値とが重なることはない。
対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(ステップY321;Y)、すなわち小当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY326)、小当り判定処理を終了する。なお、判定結果としてのはずれとは、小当りの抽選にはずれたことを示すものである。また、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合(ステップY321;N)は、特図1の情報設定中であるか、すなわち特図1変動表示ゲームについての判定であるかを判定する(ステップY322)。
そして、特図1の情報設定中である場合(ステップY322;Y)は、特図1用の小当り上限判定値を設定し(ステップY323)、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいかを判定する(ステップY325)。また、特図1の情報設定中でない場合(ステップY322;N)、すなわち特図2変動表示ゲームについての判定である場合は、特図2用の小当り上限判定値を設定し(ステップY324)、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいかを判定する(ステップY325)。
大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(ステップY325;Y)、すなわち小当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY326)、小当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(ステップY325;N)、すなわち小当りである場合は、判定結果として小当りを設定し(ステップY327)、小当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図49には、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップY243)を示した。この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(ステップY331)、大当りである場合(ステップY331;Y)は、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップY332)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定し(ステップY333)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄退避領域にセーブする(ステップY334)。この処理により大当り種類が選択される。なお、特図1変動表示ゲームの停止図柄を特図1停止図柄領域ではなく特図1停止図柄退避領域にセーブするようにしたのは、特図2変動表示ゲームで特別結果が導出された場合に強制的にはずれ結果に変更される可能性があるためである。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップY335)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図1停止図柄パターン領域にセーブする(ステップY336)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得して特図1ラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY337)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して特図1大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY338)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備する(ステップY346)。
一方、大当りでない場合(ステップY331;N)は、小当りフラグ1は小当りであるかを判定し(ステップY339)、小当りである場合(ステップY339;Y)は、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(ステップY340)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(ステップY341)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄退避領域にセーブする(ステップY342)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図1停止図柄パターン領域にセーブし(ステップY343)、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備する(ステップY346)。
また、小当りフラグ1は小当りでない場合(ステップY339;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄退避領域にセーブし(ステップY344)、はずれ停止図柄パターンを特図1停止図柄パターン領域にセーブして(ステップY345)、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備する(ステップY346)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図1コマンドを飾り特図1コマンド領域にセーブし(ステップY347)、演出コマンド設定処理(ステップY348)を行う。この飾り特図1コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップY349)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(ステップY350)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップY351)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図50には、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップY263)を示した。なお、特図2停止図柄設定処理は、特図1停止図柄設定処理と同じ処理を、特図2を対象として行うものである。この特図2停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ2が大当りかを判定し(ステップY361)、大当りである場合(ステップY361;Y)は、特図2大当り図柄乱数格納領域から大当り図柄乱数をロードする(ステップY362)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定し(ステップY363)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄退避領域にセーブする(ステップY364)。この処理により大当り種類が選択される。なお、特図2変動表示ゲームの停止図柄を特図2停止図柄領域ではなく特図2停止図柄退避領域にセーブするようにしたのは、特図1変動表示ゲームで特別結果が導出された場合に強制的にはずれ結果に変更される可能性があるためである。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップY365)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図2停止図柄パターン領域にセーブする(ステップY366)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得して特図2ラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY367)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して特図2大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY368)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備する(ステップY376)。
一方、大当りでない場合(ステップY361;N)は、小当りフラグ2は小当りであるかを判定し(ステップY369)、小当りである場合(ステップY369;Y)は、特図2小当り図柄乱数格納領域から小当り図柄乱数をロードする(ステップY370)。次に、特図2小当り図柄テーブルを設定し(ステップY371)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄退避領域にセーブする(ステップY372)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図2停止図柄パターン領域にセーブし(ステップY373)、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備する(ステップY376)。
また、小当りフラグ2は小当りでない場合(ステップY369;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄退避領域にセーブし(ステップY374)、はずれ停止図柄パターンを特図2停止図柄パターン領域にセーブして(ステップY375)、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備する(ステップY376)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図2コマンドを飾り特図2コマンド領域にセーブし(ステップY377)、演出コマンド設定処理(ステップY378)を行う。この飾り特図2コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップY379)、特図2大当り図柄乱数格納領域を0クリアし(ステップY380)、特図2小当り図柄乱数格納領域を0クリアして(ステップY381)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、第1始動記憶手段に記憶された第1始動記憶に基づき、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の結果及び変動態様情報を当該第1変動表示ゲームの開始以前に決定することが可能な第1決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、第2始動入賞口97への遊技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し、当該所定の乱数に基づき第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果及び変動態様情報を当該第2変動表示ゲームの開始以前に決定することが可能な第2決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
以上のことから、第1始動入賞口36は、遊技領域32の一側に発射した遊技球が入賞可能な位置に配設され、第2始動入賞口97は、遊技領域32の他側に発射した遊技球が入賞可能な位置に配設され、変動表示ゲームの変動態様情報には、当該変動表示ゲームの実行時間を特定可能な変動時間に関する情報が含まれ、通常状態(通常遊技状態)において第2決定手段によって第2変動表示ゲームの変動時間として決定されることが可能な変動時間は、第1決定手段によって第1変動表示ゲームの変動時間として決定されることが可能な変動時間よりも長いこととなる。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンドなどが挙げられる。なお、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
すなわち、遊技制御装置100が、第1決定手段の決定結果に基づいて第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の実行制御を行うことが可能な第1変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、特図1ゲーム処理の全体から、第1変動表示ゲーム実行制御手段が第1変動表示ゲームに関する一連の実行制御を行うものとも言える。さらに、遊技制御装置100が、第2決定手段の決定結果に基づいて第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の実行制御を行うことが可能な第2変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、特図2ゲーム処理の全体から、第2変動表示ゲーム実行制御手段が第2変動表示ゲームに関する一連の実行制御を行うものとも言える。
また、遊技制御装置100が、第1決定手段によって決定された第1変動表示ゲームの結果及び変動態様情報並びに第2決定手段によって決定された第2変動表示ゲームの結果及び変動態様情報を制御情報として演出制御手段(演出制御装置300)へ送信することが可能な送信手段をなす。また、遊技制御装置100が、第1変動表示ゲーム及び第2変動表示ゲームのそれぞれについて、変動表示ゲームの開始に応じて変動時間の計測を開始し、当該計測時間が変動時間を経過した場合に当該変動表示ゲームの変動時間の計測を終了する計測手段をなす。
なお、低確率状態である通常遊技状態における特図2変動表示ゲームについて結果がはずれ又は小当りである場合には、変動時間が非常に長い長変動が設定されるが、この場合には、変動時間についての情報を演出制御装置300には送信せず、長変動であることのみを示すコマンドを送信するようにしても良い。長変動の場合は単に変動表示を行えばよく詳細に演出を決定する必要がないので、演出制御装置300では長変動であることのコマンドを受信することに基づき変動表示を開始するようにする。変動時間の管理は遊技制御装置100のみで行い、変動時間が終了することに基づき停止コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300では停止コマンドを受信することに基づき変動表示を停止するようにする。このようにすれば、演出制御装置300での制御の負担を軽減することができる。
〔第4特定遊技状態設定処理〕
図51には、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理で行われる第4特定遊技状態設定処理(ステップY257、Y268)を示した。この第4特定遊技状態設定処理では、まず、普電サポート中であるかを判定し(ステップY1501)、普電サポート中でない場合(ステップY1501;N)は、第4特定遊技状態設定処理を終了する。また、普電サポート中である場合(ステップY1501;Y)は、普電サポートとする特図変動表示ゲームの実行回数を管理するサポート回数が0であるかを判定する(ステップY1502)。
サポート回数が0でない場合(ステップY1502;N)、すなわち特別遊技状態の終了から規定数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行していない場合(第1特定遊技状態又は第2特定遊技状態の場合)は、第4特定遊技状態設定処理を終了する。また、サポート回数が0である場合(ステップY1502;Y)、すなわち特別遊技状態の終了から規定数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行したが転落抽選に当選せずに第3特定遊技状態となっている場合は、今回開始される特図変動表示ゲームの結果が大当りであるかを判定する(ステップY1503)。
今回開始される特図変動表示ゲームの結果が大当りでない場合(ステップY1503;N)は、第3特定遊技状態が継続するので第4特定遊技状態設定処理を終了する。また、今回開始される特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合(ステップY1503;Y)は、第4特定遊技状態へ移行するためにステップY1504以降の普電サポートを終了する処理を行う。
普電サポートを終了する処理では、まず、時短終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1504)。ここでは大当り2信号をOFFにするように設定する。さらに、時短終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1505)。ここでは、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFFに設定する。
そして、遊技状態表示番号領域に特図高確率、時短なしの番号をセーブし(ステップY1506)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率、サポなしフラグをセーブする(ステップY1507)。その後、普図低確率を設定して(ステップY1508)、第4特定遊技状態フラグをセーブして(ステップY1509)、第4特定遊技状態設定処理を終了する。これにより、高確率状態かつ普電サポートなし状態となって第4特定遊技状態設定に移行することとなる。
なお、第4特定遊技状態フラグは第4特定遊技状態であることを認識可能とするために設定されるフラグであり、特別遊技状態の開始に伴いクリアされるようになっている。この第4特定遊技状態フラグは、第4特定遊技状態中に転落抽選に当選した場合でもクリアされないため、第4特定遊技状態中の転落により遊技状態が低確率状態かつ普電サポートなしとなっても第4特定遊技状態であることを認識可能となる。
〔特図1変動中処理移行設定処理〕
図52には、特図1普段処理における特図1変動中処理移行設定処理(ステップY216)を示した。この特図1変動中処理移行設定処理では、まず、特図1ゲーム処理番号として「1」を設定し(ステップY601)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY602)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップY603)、特図1の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY604)。ここでは特別図柄1変動中信号をONに設定する。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップY605)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(ステップY606)。さらに、特図1変動中図柄番号領域に初期値をセットして(ステップY607)、特図1変動中処理移行設定処理を終了する。
特図1変動中図柄番号領域にセットする初期値は0であり、これによりすべてのセグメントが消灯した状態から変動表示が開始されるようになる。結果態様を表示した状態では少なくとも一つのセグメントが点灯しているので、すべてのセグメントを消灯した状態から変動表示を開始することで変動表示が開始したことを即座に認識することが可能となる。
〔特図2変動中処理移行設定処理〕
図53には、特図2普段処理における特図2変動中処理移行設定処理(ステップY230)を示した。この特図2変動中処理移行設定処理では、まず、特図2ゲーム処理番号として「1」を設定し(ステップY611)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY612)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップY613)、特図2の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY614)。ここでは特別図柄2変動中信号をONに設定する。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップY615)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(ステップY616)。さらに、特図2変動中図柄番号領域に初期値をセットして(ステップY617)、特図2変動中処理移行設定処理を終了する。
特図2変動中図柄番号領域にセットする初期値は0であり、これによりすべてのセグメントが消灯した状態から変動表示が開始されるようになる。結果態様を表示した状態では少なくとも一つのセグメントが点灯しているので、すべてのセグメントを消灯した状態から変動表示を開始することで変動表示が開始したことを即座に認識することが可能となる。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52において変動表示を開始する際にはすべてのセグメントを消灯状態とした状態から開始するとしたが、これに限られるものではない。例えば、何れの結果態様の点灯態様とも異なる点灯態様から変動表示を開始するようにしても良いし、何れの結果態様でも用いられないセグメントがあれば少なくとも当該セグメントを点灯した状態から変動表示を開始するようにしても良い。また、必ず毎回同じ一のセグメントを点灯した状態から変動表示を開始するようにしてもよい。また、特図1表示器51と特図2表示器52で変動を開始する際の点灯態様は同じでも良いし異なっていても良い。
〔特図1変動中処理〕
図54には、上述の特図1ゲーム処理における特図1変動中処理(ステップY109)を示した。この特図1変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新し(ステップY621)、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして準備して(ステップY622)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY623)。
次に、飾り特図1停止コマンドを準備して(ステップY624)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY625)。本実施形態の遊技機では、変動開始時に設定した変動時間よりも前に強制的に停止する場合もあるため、変動を停止する際には停止コマンドを演出制御装置300に送信するようにしている。そして、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定する(ステップY626)。ここでは、はずれの場合に600ms、大当りの場合に2000ms、小当りの場合に136msの表示時間が設定される。
その後、特図1はずれであるか、すなわち特図1変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定する(ステップY627)。特図1はずれである場合(ステップY627;Y)は、ステップY647に移行する。また、特図1はずれでない場合(ステップY627;N)、すなわち大当り又は小当りである場合は、特図2変動表示ゲームも実行中であるかを判定する(ステップY628)。なお特図2変動表示ゲームが実行中であるか否かは特図ステータスを参照することで把握できる。
そして、特図2変動表示ゲームが実行中でない場合(ステップY628;Y)は、ステップY643に移行する。また、特図2変動表示ゲームが実行中である場合(ステップY628;Y)は、特図1大当りであるか、すなわち特図1変動表示ゲームの結果が大当りであるかを判定する(ステップY629)。特図1大当りでない場合(ステップY629;N)、すなわち特図1変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特図2ゲーム中断フラグをセットし(ステップY640)、飾り特図2中断コマンドを準備して(ステップY641)、演出コマンド設定処理(ステップY642)を行い、ステップY643に移行する。
すなわちこの場合は、特図1変動表示ゲームが小当りとなることに基づき、実行中の特図2変動表示ゲームが中断させられる場合である。なお、特図2変動表示ゲームがすでに変動表示を終了しているが表示時間(停止時間)が終了していない場合も中断の対象となる。中断された特図2変動表示ゲームは小当り(第2特別結果)に基づく特別遊技状態(第2特別遊技状態)の終了に伴い再開される。
一方、特図1大当りである場合(ステップY629;Y)は、特図2表示中処理中であるかを判定する(ステップY630)。すなわちこの場合は、特図1変動表示ゲームが特別結果になることに基づき、実行中の特図2変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止させられる場合である。なお、特図2変動表示ゲームがすでに変動表示を終了しているが表示時間(停止時間)が終了していない場合も強制停止の対象となる。
特図2表示中処理中である場合(ステップY630;Y)は、ステップY632に移行する。また、特図2表示中処理中でない場合(ステップY630;N)は、図柄確定回数出力回数を+1更新し(ステップY631)、特図2の表示時間として上記で設定した特図1の表示時間+4msの表示時間を設定する(ステップY632)。特図2の表示時間として特図1の表示時間+4msの表示時間を設定することで、特図1と特図2の表示時間が同時に終了するようになる。なお、すでに特図2変動表示ゲームが表示時間中であった場合にも表示時間が再設定され、新たに表示時間が開始されるようになる。
次に、特図2ゲーム処理タイマ領域に表示時間をセーブして(ステップY633)、飾り特図2はずれ図柄コマンドを設定して準備し(ステップY634)、飾り特図2コマンド領域に図柄コマンドをセーブして(ステップY635)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY636)。その後、飾り特図2停止コマンドを準備して(ステップY637)、演出コマンド設定処理を行い(ステップY638)、特図2表示中処理移行設定処理2を行う(ステップY639)。
そして、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして当り図柄コマンド領域にセーブし(ステップY643)、特図1小当りであるか、すなわち特図1変動表示ゲームの結果が小当りであるかを判定する(ステップY644)。特図1小当りである場合(ステップY644;Y)は、ステップY647に移行する。また、特図1小当りでない場合(ステップY644;N)、すなわち大当りである場合は、特図1ラウンド数上限値情報領域から情報をロードしてラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY645)、特図1大入賞口開放情報領域から情報をロードして大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY646)。
その後、特図1停止図柄退避領域から情報をロードして特図1停止図柄領域にセーブし(ステップY647)、特図1表示中処理移行設定処理1を行って(ステップY648)、特図1表示中処理を終了する。
〔特図2変動中処理〕
図55には、上述の特図2ゲーム処理における特図2変動中処理(ステップY140)を示した。この特図2変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新し(ステップY651)、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして準備して(ステップY652)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY653)。
次に、飾り特図2停止コマンドを準備して(ステップY654)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY655)。そして、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定する(ステップY656)。ここでは、はずれの場合に600ms、大当りの場合に2000ms、小当りの場合に136msの表示時間が設定される。
その後、特図2はずれであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定する(ステップY657)。特図2はずれである場合(ステップY657;Y)は、ステップY677に移行する。また、特図2はずれでない場合(ステップY657;N)、すなわち大当り又は小当りである場合は、特図1変動表示ゲームも実行中であるかを判定する(ステップY658)。なお特図1変動表示ゲームが実行中であるか否かは特図ステータスを参照することで把握できる。
そして、特図1変動表示ゲームが実行中でない場合(ステップY658;Y)は、ステップY673に移行する。また、特図1変動表示ゲームが実行中である場合(ステップY658;Y)は、特図2大当りであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果が大当りであるかを判定する(ステップY659)。特図2大当りでない場合(ステップY659;N)、すなわち特図2変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特図1ゲーム中断フラグをセットし(ステップY670)、飾り特図1中断コマンドを準備して(ステップY671)、演出コマンド設定処理(ステップY672)を行い、ステップY673に移行する。
すなわちこの場合は、特図2変動表示ゲームが小当りとなることに基づき、実行中の特図1変動表示ゲームが中断させられる場合である。なお、特図1変動表示ゲームがすでに変動表示を終了しているが表示時間(停止時間)が終了していない場合も中断の対象となる。中断された特図1変動表示ゲームは小当り(第2特別結果)に基づく特別遊技状態(第2特別遊技状態)の終了に伴い再開される。
一方、特図2大当りである場合(ステップY659;Y)は、特図1表示中処理中であるかを判定する(ステップY660)。すなわちこの場合は、特図2変動表示ゲームが特別結果になることに基づき、実行中の特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止させられる場合である。なお、特図1変動表示ゲームがすでに変動表示を終了しているが表示時間(停止時間)が終了していない場合も強制停止の対象となる。
特図1表示中処理中である場合(ステップY660;Y)は、ステップY662に移行する。また、特図1表示中処理中でない場合(ステップY660;N)は、図柄確定回数出力回数を+1更新し(ステップY661)、ステップY663に移行する。
次に、特図1ゲーム処理タイマ領域に表示時間をセーブして(ステップY663)、飾り特図1はずれ図柄コマンドを設定して準備し(ステップY664)、飾り特図1コマンド領域に図柄コマンドをセーブして(ステップY665)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY666)。その後、飾り特図1停止コマンドを準備して(ステップY667)、演出コマンド設定処理を行い(ステップY668)、特図1表示中処理移行設定処理2を行う(ステップY669)。
そして、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして当り図柄コマンド領域にセーブし(ステップY673)、特図2小当りであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果が小当りであるかを判定する(ステップY674)。特図2小当りである場合(ステップY674;Y)は、ステップY677に移行する。また、特図2小当りでない場合(ステップY674;N)、すなわち大当りである場合は、特図2ラウンド数上限値情報領域から情報をロードしてラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY675)、特図2大入賞口開放情報領域から情報をロードして大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY676)。
その後、特図2停止図柄退避領域から情報をロードして特図2停止図柄領域にセーブし(ステップY677)、特図2表示中処理移行設定処理1を行って(ステップY678)、特図2表示中処理を終了する。
〔特図1表示中処理移行設定処理1〕
図56には、上述の特図1変動中処理での特図1表示中処理移行設定処理1(ステップY648)を示した。この特図1表示中処理移行設定処理1では、まず、特図1表示中処理に係る特図1ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY681)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY682)。
次に、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY683)。ここでは特別図柄1変動中信号をOFFに設定する。その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップY684)、特図1変動中処理移行設定処理1を終了する。
〔特図2表示中処理移行設定処理1〕
図57には、上述の特図2変動中処理での特図2表示中処理移行設定処理1(ステップY678)を示した。この特図2表示中処理移行設定処理1では、まず、特図2表示中処理に係る特図2ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY691)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY692)。
次に、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY693)。ここでは特別図柄2変動中信号をOFFに設定する。その後、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(ステップY694)、特図2変動中処理移行設定処理1を終了する。
〔特図1表示中処理移行設定処理2〕
図58には、上述の特図2変動中処理での特図1表示中処理移行設定処理2(ステップY669)を示した。この特図1表示中処理移行設定処理2では、まず、特図1表示中処理に係る特図1ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY701)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY702)。
次に、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY703)、その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブする(ステップY704)。
ここまでは上述の特図1表示中処理移行設定処理1と同様であり、以下、はずれ結果とするための情報の設定を行う。まず、停止図柄パターン領域にはずれ停止図柄パターンをセーブし(ステップY705)、特図1ラウンド数上限値情報領域をクリアする(ステップY706)。
次に、特図1大入賞口開放情報領域をクリアし(ステップY707)、小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブして(ステップY708)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップY709)。そして、特図1停止図柄退避領域をクリアし(ステップY710)、特図1停止図柄領域にはずれ停止図柄番号をセーブして(ステップY711)、特図1表示中処理移行設定処理2を終了する。
〔特図2表示中処理移行設定処理2〕
図59には、上述の特図1変動中処理での特図2表示中処理移行設定処理2(ステップY639)を示した。この特図2表示中処理移行設定処理2では、まず、特図2表示中処理に係る特図2ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY721)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY722)。
次に、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY723)、その後、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブする(ステップY724)。
ここまでは上述の特図2表示中処理移行設定処理1と同様であり、以下、はずれ結果とするための情報の設定を行う。まず、停止図柄パターン領域にはずれ停止図柄パターンをセーブし(ステップY725)、特図2ラウンド数上限値情報領域をクリアする(ステップY726)。
次に、特図2大入賞口開放情報領域をクリアし(ステップY727)、小当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブして(ステップY728)、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップY729)。そして、特図2停止図柄退避領域をクリアし(ステップY730)、特図2停止図柄領域にはずれ停止図柄番号をセーブして(ステップY731)、特図2表示中処理移行設定処理2を終了する。
以上の図54〜図59の処理により、一方の特図変動表示ゲームが第1特別結果(大当り)となった場合に他方の特図変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止されることとなる。すなわち、特図1変動表示ゲームが特別結果となることに基づき特図2変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止される第1終了制御処理がなされ、特図2変動表示ゲームが特別結果となることに基づき特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止される第2終了制御処理がなされることとなる。
以上のことから、第1変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)は、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の実行制御を行っている場合に、第2変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)によって実行制御が行われている第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が第1特別結果となった場合に、当該実行制御を行っている第1変動表示ゲームを特別結果以外の結果として終了させることが可能であり、第2変動表示ゲーム実行制御手段は、第2変動表示ゲームの実行制御を行っている場合に、第1変動表示ゲーム実行制御手段によって実行制御が行われている第1変動表示ゲームが第1特別結果となった場合に、当該実行制御を行っている第2変動表示ゲームを特別結果以外の結果として終了させることが可能であることとなる。これにより、一方の変動表示ゲームで特別結果が導出された際に他方の変動表示ゲームを強制的にはずれ結果で停止させることでき、同時変動を行う場合であっても不具合が生じることのないようにすることができる。
〔特図1表示中処理〕
図60、図61には、上述の特図1ゲーム処理における特図1表示中処理(ステップY110)を示した。この特図1表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて小当りフラグ1領域に設定された小当りフラグ1をロードして(ステップY751)、小当りフラグ1領域をクリアする(ステップY752)。
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて大当りフラグ1領域に設定された大当りフラグ1ロードして(ステップY753)、大当りフラグ1領域をクリアする(ステップY754)。そして、特図1は大当りか、すなわちロードされた大当りフラグ1が大当り情報かを判定し(ステップY755)、大当りでない場合(ステップY755;N)は、ステップY777に移行する。また、大当りである場合(ステップY755;Y)は、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY756)。
そして、特図2異常変動解除コマンドを準備し(ステップY757)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY758)。すなわち、第1特別遊技状態の発生に伴い異常変動報知を終了する。その後、ラウンド数上限値テーブルを設定し(ステップY759)、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、10又は4)を取得してラウンド数上限値領域にセーブする(ステップY760)。さらに、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップY761)。
次に、特図1停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドを当り図柄コマンド領域からロードして準備し(ステップY762)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY763)。その後、ファンファーレコマンドを準備して(ステップY764)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY765)。
次に、大入賞口開放情報と特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY766)。本実施形態の場合、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000ms)を設定して(ステップY767)、設定した大当りファンファーレ時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY768)。そして、大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY770)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップY771)。次に、処理番号として3を設定し(ステップY774)、特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY775)。さらに、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY776)を行い、特図1表示中処理を終了する。
一方、ステップY755にて、特図1は大当りでない場合(ステップY755;N)、すなわち大当りフラグ1がはずれ情報である場合は、ロードした小当りフラグ1が小当り(小当り情報)かを判定する(ステップY777)。そして、小当りフラグ1が小当りである場合(ステップY777;Y)は、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップY783)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY784)。さらに、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップY785)、演出コマンド設定処理を行って(ステップY786)、通常遊技状態中かを判定する(ステップY787)。
通常遊技状態中でない場合(ステップY787;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY788)。ここでは発射位置指定信号1をOFFにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップY789)。これにより第1遊技状態表示部56が消灯状態となり、左打ちを指示する表示となる。
一方、通常遊技状態中である場合(ステップY787;Y)は、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY790)。ここでは発射位置指定信号1をONにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップY791)。これにより第1遊技状態表示部56が点灯状態となり、右打ちを指示する表示となる。
その後、大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY793)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY794)、特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY797)を行い、特図1表示中処理を終了する。
また、ステップY777にて、小当りフラグ1が小当りでないと判定した場合(ステップY777;N)は、特図ステータス領域の特図1変動中をクリア(情報減算)し(ステップY806)、特図1普段処理移行設定処理1を行って(ステップY807)、特図1表示中処理を終了する。
〔特図2表示中処理〕
図62、図63には、上述の特図2ゲーム処理における特図2表示中処理(ステップY141)を示した。なお、この特図2表示中処理は、上述の特図1表示中処理と同等の処理を、特図2を対象として行うものである。この特図2表示中処理では、まず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて小当りフラグ1領域に設定された小当りフラグ1をロードして(ステップY811)、小当りフラグ2領域をクリアする(ステップY812)。
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて大当りフラグ2領域に設定された大当りフラグ2ロードして(ステップY813)、大当りフラグ2領域をクリアする(ステップY814)。そして、特図2は大当りか、すなわちロードされた大当りフラグ2が大当り情報かを判定し(ステップY815)、大当りでない場合(ステップY815;N)は、ステップY837に移行する。また、大当りである場合(ステップY815;Y)は、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY816)。
そして、特図2異常変動解除コマンドを準備し(ステップY817)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY818)。すなわち、第1特別遊技状態の発生に伴い異常変動報知を終了する。その後、ラウンド数上限値テーブルを設定し(ステップY819)、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、10又は4)を取得してラウンド数上限値領域にセーブする(ステップY820)。さらに、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップY821)。
次に、特図2停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドを当り図柄コマンド領域からロードして準備し(ステップY822)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY823)。その後、ファンファーレコマンドを準備して(ステップY824)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY825)。
次に、大入賞口開放情報と特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY826)。本実施形態の場合、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000ms)を設定して(ステップY827)、設定した大当りファンファーレ時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY828)。そして、大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY830)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップY831)。次に、処理番号として3を設定し(ステップY834)、特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY835)。さらに、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY836)を行い、特図2表示中処理を終了する。
一方、ステップY815にて、特図2は大当りでない場合(ステップY815;N)、すなわち大当りフラグ2がはずれ情報である場合は、ロードした小当りフラグ2が小当り(小当り情報)かを判定する(ステップY837)。そして、小当りフラグ2が小当りである場合(ステップY837;Y)は、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップY843)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY844)。さらに、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップY845)、演出コマンド設定処理を行って(ステップY846)、通常遊技状態中かを判定する(ステップY847)。
通常遊技状態中でない場合(ステップY847;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY848)。ここでは発射位置指定信号1をOFFにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップY849)。これにより第1遊技状態表示部56が消灯状態となり、左打ちを指示する表示となる。
一方、通常遊技状態中である場合(ステップY847;Y)は、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY850)。ここでは発射位置指定信号1をONにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップY851)。これにより第1遊技状態表示部56が点灯状態となり、右打ちを指示する表示となる。
その後、大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY853)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY854)、特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY857)を行い、特図2表示中処理を終了する。
また、ステップY837にて、小当りフラグ2が小当りでないと判定した場合(ステップY837;N)は、特図ステータス領域の特図2変動中をクリア(情報減算)し(ステップY866)、特図2普段処理移行設定処理1を行って(ステップY867)、特図2表示中処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームが第1特別結果となったことに基づき、条件装置の作動を伴って特別変動入賞装置を開放する第1特別遊技状態を発生させる第1特別遊技発生手段をなすとともに、変動表示ゲームが第2特別結果となったことに基づき、条件装置の作動を伴わずに特別変動入賞装置を開放する第2特別遊技状態を発生させる第2特別遊技発生手段をなす。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
図64には、上述の特図1表示中処理及び特図2表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY776、Y836)の詳細について説明する。このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理では、まず、大当り(第1特別遊技状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY871)。ここでは大当り又は小当りで出力する大当り1信号をONに設定する。次に高確率状態と時短状態(特別図柄の変動時間短縮状態)の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY872)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFFに設定する。
その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステップY873)、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブして(ステップY874)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする(ステップY875)。
そして、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(ステップY876)。これにより高確率状態及び時短状態が終了し、通常確率状態かつ通常状態となる。
次に、特図ステータス領域に大当り中情報をセーブし(ステップY878)、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY880)、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップY881)。
その後、特図2異常変動フラグ領域に解除フラグをセーブし(ステップY882)、特図2異常変動数を記憶する特図2異常数領域をクリアする(ステップY883)。さらに、特図1変動回数領域を0クリアし(ステップY884)、特図2異常変動報知タイマ領域を0クリアして(ステップY885)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理を終了する。すなわち、大当りの発生に伴い、特図2異常変動に関する情報を全てクリアする。
〔特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理〕
図65には、上述の特図1表示中処理における特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY797)を示した。この特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップY891)、当該処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY892)。
次に、小当りファンファーレ時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY893)。ここでは現在の遊技状態を参照して、特定遊技状態である場合は小当りファンファーレ時間として1000msを設定し、特定遊技状態でない場合は小当りファンファーレ時間として4msを設定する。そして、小当りの開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY894)。ここでは大当り又は小当りで出力する大当り1信号をONに設定する。さらに、特図1小当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY895)。ここでは特別図柄1小当り信号をONに設定する。
その後、特図ステータス情報に小当り中情報をセーブし(ステップY896)、ラウンドLEDポインタ領域に小当り表示ポインタをセーブして(ステップY897)、特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理を終了する。
〔特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理〕
図66には、上述の特図2表示中処理における特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY857)を示した。この特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップY901)、当該処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY902)。
次に、小当りファンファーレ時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY903)。ここでは現在の遊技状態を参照して、特定遊技状態である場合は小当りファンファーレ時間として1000msを設定し、特定遊技状態でない場合は小当りファンファーレ時間として4msを設定する。そして、小当りの開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY904)。ここでは大当り又は小当りで出力する大当り1信号をONに設定する。さらに、特図2小当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY905)。ここでは特別図柄2小当り信号をONに設定する。
その後、特図ステータス情報に小当り中情報をセーブし(ステップY906)、ラウンドLEDポインタ領域に小当り表示ポインタをセーブして(ステップY907)、特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
図67には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップY111、Y142)を示した。このファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップY951)、大入賞口開放情報とラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備し(ステップY952)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY953)。
次に、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大当り中処理制御ポインタ初期値を設定し(ステップY954)、ポインタ初期値を大当り中処理制御ポインタ領域にセーブする(ステップY955)。そして、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大入賞口開放時間を設定し(ステップY956)、処理番号として4を設定する(ステップY957)。ここで設定する開放時間としては、例えば29000msである。
次に特図1の大当りであるかを判定し(ステップY958)、特図1の大当りである場合(ステップY958;Y)は、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY959)、大入賞口開放時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY960)。一方、特図1の大当りでない場合(ステップY958;N)は、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY961)、大入賞口開放時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY962)。
そして、大入賞口の開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY963)。ここでは特別電動役物作動中信号をONに設定する。次に、特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放するために大入賞口ソレノイド出力データ領域に大入賞口オンデータをセーブし(ステップY964)、大入賞口への入賞数を計数する大入賞口カウント数をクリアして(ステップY965)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
図68には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップY112,Y143)を示した。この大入賞口開放中処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップY1005)。そして、最終ラウンドでない場合(ステップY1005;N)は、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備し(ステップY1006)、演出コマンド設定処理(ステップY1008)を行う。また、最終ラウンドである場合(ステップY1005;Y)は、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備し(ステップY1007)、演出コマンド設定処理(ステップY1008)を行う。
次に、大入賞口開放情報に対応する残存球処理時間を設定し(ステップY1009)、処理番号として大入賞口残存球処理にかかる5を設定する(ステップY1010)。残存球処理時間としては、600ms、800ms又は1400msが設定される。そして、特図1の大当りであるかを判定する(ステップY1011)。
特図1の大当りである場合(ステップY1011;Y)は、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY1012)、残存球処理時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY1013)。一方、特図1の大当りでない場合(ステップY1011;N)は、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY1014)、残存球処理時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY1015)。その後、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップY1016)、大入賞口開放中処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理〕
図69には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップY113、Y144)を示した。この大入賞口残存球処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップY1041)。
そして、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップY1041;N)は、大入賞口開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1042)。ここでは、特別電動役物作動中信号をOFFに設定する。次に、大入賞口開放情報と今回のラウンド数とに対応するインターバル時間を設定し(ステップY1043)、処理番号としてファンファーレ/インターバル中処理にかかる3を設定する(ステップY1044)。
ラウンドとラウンドの間のインターバル期間は、ラウンドの終了から残存球処理時間が経過し、さらに該残存球処理時間の経過からインターバル時間が経過するまでの期間とされる。例えば、特図1大入賞口開閉パターン1であれば1400msの残存球処理時間と600msのインターバル時間が設定されるので、インターバル期間は2000msとなり、このインターバル期間において、表示装置41等でインターバル演出が実行される。
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップY1041;Y)は、大当り終了処理移行設定処理を行い(ステップY1045)、停止図柄パターンに対応するエンディング時間を設定して(ステップY1046)、処理番号として特図1大当り終了処理又は特図2大当り終了処理にかかる6を設定する(ステップY1047)。
そして、特図1の大当りであるかを判定する(ステップY1048)。特図1の大当りである場合(ステップY1048;Y)は、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY1049)、設定した時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1050)、大入賞口残存球処理を終了する。一方、特図1の大当りでない場合(ステップY1048;N)は、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY1051)、設定した時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1052)、大入賞口残存球処理を終了する。
最終ラウンドの終了から特別遊技状態の終了までのエンディング期間は、最終ラウンドの終了から残存球処理時間が経過し、さらに該残存球処理時間の経過からエンディング時間が経過するまでの期間とされる。例えば、特図1大入賞口開閉パターン1であれば1400msの残存球処理時間と9600msのエンディング時間が設定されるので、エンディング期間は11000msとなり、このエンディング期間において、表示装置41等でエンディング演出が実行される。
〔大当り終了処理移行設定処理〕
図70には、上述の大入賞口残存球処理における大当り終了処理移行設定処理(ステップY1045)を示した。この大当り終了処理移行設定処理においては、まず、大入賞口の開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1071)。ここでは、特別電動役物作動中信号をOFFに設定する。
次に、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップY1072)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリアして(ステップY1073)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をクリアする(ステップY1074)。
そして、ラウンド数の上限値判定用のフラグを記憶するラウンド数上限値情報領域の情報をクリアし(ステップY1075)、大入賞口の開放情報判定用のフラグを記憶する大入賞口開放情報領域の情報をクリアして(ステップY1076)、大入賞口の開閉態様を設定するための大当り中制御ポインタ領域の情報をクリアし(ステップY1077)、大当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔特図1大当り終了処理〕
図71には、上述の特図1ゲーム処理における特図1大当り終了処理(ステップY114)を示した。この特図1大当り終了処理では、まず、特図1普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップY1101)、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY1102)。
次に、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1103)。ここでは、大当り1信号及び大当り3信号をOFFに設定する。そして、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1104)。ここでは、条件装置作動中信号、役物連続作動装置作動中信号、特別図柄1当り信号及び特別図柄2当り信号をOFFに設定する。
次に、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1105)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1106)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1108)。なお、特図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。そして、特図2ゲームウェイト時間値(ここでは8ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY1109)。
この特図1大当り終了処理を行うことで特図1及び特図2の何れについても特図変動表示ゲームを開始可能となるが、タイマ割込み処理においては特図1ゲーム処理の後に特図2ゲーム処理を行うため、特図1大当り終了処理を行ったタイマ割込みで特図2ゲーム処理において特図変動表示ゲームを開始する処理が行われて特図1変動表示ゲームよりも特図2変動表示ゲームの方が先に開始可能となってしまう。そこで、ステップY1109において特図2ゲームウェイト時間値を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブすることで、特図2変動表示ゲームについての開始処理を次回のタイマ割込み処理まで遅らせるようにし、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同一のタイマ割込みで処理されるようにしている。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後に、第1変動表示ゲーム実行制御手段が第1変動表示ゲームの開始に関する処理を実行可能となるまで、第2変動表示ゲーム実行制御手段が第2変動表示ゲームの開始に関する処理を実行可能な状態としないようにするゲーム処理待機手段をなす。
次に、特別結果が確変大当りであるかを判定し(ステップY1110)、確変大当りである場合(ステップY1110;Y)は、高確率状態を設定する処理を行う。この処理では、まず高確率状態と時短状態(特別図柄の変動時間短縮状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1111)。ここでは、大当り2信号をONに設定する。なお、大当り2信号は特別遊技状態中もONとなっており、これを継続するようにしている。次に、高確率状態及び時短状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1112)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号及び特別図柄2変動時間短縮状態信号をONに設定する。
次に、遊技状態表示番号領域に高確率、時短ありの番号をセーブし(ステップY1114)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率、サポありフラグをセーブする(ステップY1116)。さらに、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブして(ステップY1117)、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1126)。ここでは発射位置指定信号1をONに設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1127)、普電サポートを設定する特図変動表示ゲームの実行回数を管理するためのサポート回数に初期値(ここでは100回に相当する値)をセーブして(ステップY1128)、特図1大当り終了処理を終了する。
一方、確変大当りでない場合(ステップY1110;N)は、低確率状態を設定する処理を行う。この処理では、まず低確率状態と時短状態の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1119)。ここでは、大当り2信号をONに設定する。なお、大当り2信号は特別遊技状態中もONとなっており、これを継続するようにしている。次に、低確率状態及び時短状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1120)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号をOFFに設定し、特別図柄1変動時間短縮状態信号及び特別図柄2変動時間短縮状態信号をONに設定する。
次に、遊技状態表示番号領域に低確率、時短ありの番号をセーブし(ステップY1122)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率、サポありフラグをセーブする(ステップY1124)。さらに、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブして(ステップY1125)、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1126)。ここでは発射位置指定信号1をONに設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1127)、普電サポートを設定する特図変動表示ゲームの実行回数を管理するためのサポート回数に初期値(ここでは100回に相当する値)をセーブして(ステップY1128)、特図1大当り終了処理を終了する。
〔特図2大当り終了処理〕
図72には、上述の特図2ゲーム処理における特図2大当り終了処理(ステップY145)を示した。この特図2大当り終了処理は上述の特図1大当り処理でのステップY1109を行わない以外は同等の処理である。まず、特図2普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップY1131)、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY1132)。
次に、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1133)。ここでは、大当り1信号及び大当り3信号をOFFに設定する。そして、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1134)。ここでは、条件装置作動中信号、役物連続作動装置作動中信号、特別図柄1当り信号及び特別図柄2当り信号をOFFに設定する。
次に、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1135)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1136)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1138)。なお、特図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。
次に、特別結果が確変大当りであるかを判定し(ステップY1110)、確変大当りである場合(ステップY1139;Y)は、高確率状態を設定する処理を行う。この処理では、まず高確率状態と時短状態(特別図柄の変動時間短縮状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1140)。ここでは、大当り2信号をONに設定する。なお、大当り2信号は特別遊技状態中もONとなっており、これを継続するようにしている。次に、高確率状態及び時短状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1141)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号及び特別図柄2変動時間短縮状態信号をONに設定する。
次に、遊技状態表示番号領域に高確率、時短ありの番号をセーブし(ステップY1143)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率、サポありフラグをセーブする(ステップY1145)。さらに、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブして(ステップY1146)、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1155)。ここでは発射位置指定信号1をONに設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1156)、普電サポートを設定する特図変動表示ゲームの実行回数を管理するためのサポート回数に初期値(ここでは100回に相当する値)をセーブして(ステップY1157)、特図2大当り終了処理を終了する。
一方、確変大当りでない場合(ステップY1139;N)は、低確率状態を設定する処理を行う。この処理では、まず低確率状態と時短状態の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1148)。ここでは、大当り2信号をONに設定する。なお、大当り2信号は特別遊技状態中もONとなっており、これを継続するようにしている。次に、低確率状態及び時短状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1149)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号をOFFに設定し、特別図柄1変動時間短縮状態信号及び特別図柄2変動時間短縮状態信号をONに設定する。
次に、遊技状態表示番号領域に低確率、時短ありの番号をセーブし(ステップY1151)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率、サポありフラグをセーブする(ステップY1153)。さらに、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブして(ステップY1154)、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1155)。ここでは発射位置指定信号1をONに設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1156)、普電サポートを設定する特図変動表示ゲームの実行回数を管理するためのサポート回数に初期値(ここでは100回に相当する値)をセーブして(ステップY1157)、特図2大当り終了処理を終了する。
これらの特図1大当り処理及び特図2大当り処理により、確変大当りに基づく特別遊技状態の終了後には高確率状態かつ普電サポートありの第1特定遊技状態が設定されることとなる。また、通常大当りに基づく特別遊技状態の終了後には低確率状態かつ普電サポートありの第2特定遊技状態が設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後に、ゲームの結果が特別結果のうちの第1特別結果となる確率を低確率状態よりも高めた高確率状態とすることが可能な確率設定手段をなす。また、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生可能な特定遊技状態発生手段をなす。
〔小当りファンファーレ中処理〕
次に、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(ステップY115、Y146)の詳細について説明する。図73に示すようにこの小当りファンファーレ中処理では、まず、小当り開放中コマンドを準備し(ステップY1201)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1202)。次に、小当り動作の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1203)。ここでは特別電動役物作動中信号をONに設定する。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に大入賞口オンデータをセーブし(ステップY1204)、大入賞口への入賞数を計数する大入賞口カウント数領域をクリアする(ステップY1205)。
その後、処理番号として小当り中処理にかかる8を設定し(ステップY1206)、小当り種類が小当り1であるかを判定する(ステップY1207)。小当り種類が小当り1である場合(ステップY1207;Y)は、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし(ステップY1208)、小当り開放時間1(ここでは48ms)を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1209)、小当りファンファーレ中処理を終了する。
また、小当り種類が小当り1でない場合(ステップY1207;N)は、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし(ステップY1210)、小当り種類に対応する開放時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1211)、小当りファンファーレ中処理を終了する。小当り種類に対応する開放時間としては、小当り2の場合に1000ms、小当り3の場合に1200ms、小当り4の場合に1600msを設定する。
〔小当り中処理〕
図74には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における小当り中処理(ステップY116、Y147)を示した。この小当り中処理では、まず、小当り終了画面コマンドを準備し(ステップY1241)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1242)。次に、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップY1243)、処理番号として小当り残存球処理にかかる9を設定する(ステップY1244)。
その後、小当り種類が小当り1であるかを判定する(ステップY1245)。小当り種類が小当り1である場合(ステップY1245;Y)は、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし(ステップY1246)、小当り残存球処理時間1(ここでは600ms)を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1209)、小当り中処理を終了する。
また、小当り種類が小当り1でない場合(ステップY1245;N)は、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし(ステップY1248)、小当り種類に対応する小当り残存球処理時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1249)、小当り中処理を終了する。小当り種類に対応する小当り残存球処理時間としては、小当り2の場合に600ms、小当り3又は4の場合に800msを設定する。
〔小当り残存球処理〕
図75には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップY117、Y148)を示した。この小当り残存球処理では、まず、特図1の小当りであるかを判定する(ステップY1271)。特図1の小当りである場合(ステップY1271;Y)は、処理番号として特図1小当り終了処理にかかる10を設定して(ステップY1272)、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY1273)。次に、小当りエンディング時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1274)、ステップY1278に移行する。
また、特図1の小当りでない場合(ステップY1271;N)は、処理番号として特図2小当り処理にかかる10を設定して(ステップY1275)、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY1276)。次に、小当りエンディング時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1277)、ステップY1278に移行する。
特図1、特図2の何れの小当りであっても、小当りエンディング時間の設定(ステップY1274、Y1277)においては現在の遊技状態を参照して、特定遊技状態である場合は小当りエンディング時間として1200ms又は1400msを設定し、特定遊技状態でない場合は小当りエンディング時間として100msを設定する。これにより、残存球処理時間とエンディング時間を併せたエンディング期間の長さは、特定遊技状態である場合は2000msとなり、特定遊技状態でない場合は700ms又は900msとなる。
そして、小当り動作の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1278)。ここでは、特別電動役物作動中信号をOFFに設定する。さらに、大入賞口カウント数領域をクリアして(ステップY1279)、小当り残存球処理を終了する。
〔特図1小当り終了処理〕
図76には、上述の特図1ゲーム処理における特図1小当り終了処理(ステップY118)を示した。この特図1小当り終了処理では、まず、処理番号として特図1普段処理にかかる0を設定し(ステップY1301)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1302)。
次に、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1303)。ここでは、特別図柄1小当り信号をOFFに設定する。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1304)、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1305)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1306)。特図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。
次に、通常遊技状態中であるかを判定し(ステップY1307)、通常遊技状態中でない場合(ステップY1307;N)は、ステップY1310に移行する。また、通常遊技状態中である場合(ステップY1307;Y)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1308)。ここでは、発射位置指定信号1をOFFに設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1309)、特図2変動表示ゲームが中断中であるかを判定する(ステップY1310)。
特図2変動表示ゲームが中断中でない場合(ステップY1310;N)は、特図2ゲーム中断フラグ領域をクリアし(ステップY1313)、特図2ゲームウェイト時間値として特図2ゲーム処理タイマ領域8msに相当する値(ここでは2)をセーブして(ステップY1314)、特図1小当り終了処理を終了する。また、特図2変動表示ゲームが中断中である場合(ステップY1310;Y)は、飾り特図2再開コマンドを準備し(ステップY1311)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1312)。その後、特図2ゲーム中断フラグ領域をクリアして(ステップY1313)、特図2ゲームウェイト時間値として特図2ゲーム処理タイマ領域8msに相当する値をセーブして(ステップY1314)、特図1小当り終了処理を終了する。
これにより、特図1変動表示ゲームでの小当りに基づく特別遊技状態の終了に伴い、中断されていた特図2変動表示ゲームが再開されるようになる。また、特図2ゲームウェイト時間値として特図2ゲーム処理タイマ領域8msに相当する値をセーブすることで、特図2変動表示ゲームについての開始処理を次回のタイマ割込み処理まで遅らせるようにし、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同一のタイマ割込みで処理されるようにしている。
〔特図2小当り終了処理〕
図77には、上述の特図2ゲーム処理における特図2小当り終了処理(ステップY149)を示した。この特図2小当り終了処理では、まず、処理番号として特図2普段処理にかかる0を設定し(ステップY1331)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1332)。
次に、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1333)。ここでは、特別図柄2小当り信号をOFFに設定する。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1334)、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブして(ステップY1335)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1336)。特図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。
次に、通常遊技状態中であるかを判定し(ステップY1337)、通常遊技状態中でない場合(ステップY1337;N)は、ステップY1340に移行する。また、通常遊技状態中である場合(ステップY1337;Y)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1338)。ここでは、発射位置指定信号1をOFFに設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1339)、特図1変動表示ゲームが中断中であるかを判定する(ステップY1340)。
特図1変動表示ゲームが中断中でない場合(ステップY1340;N)は、特図1ゲーム中断フラグ領域をクリアし(ステップY1343)、特図2小当り終了処理を終了する。また、特図1変動表示ゲームが中断中である場合(ステップY1340;Y)は、飾り特図1再開コマンドを準備し(ステップY1341)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1342)。その後、特図1ゲーム中断フラグ領域をクリアして(ステップY1343)、特図2小当り終了処理を終了する。これにより、特図1変動表示ゲームでの小当りに基づく特別遊技状態の終了に伴い、中断されていた特図2変動表示ゲームが再開されるようになる。
すなわち、遊技制御装置100が、第1変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と第2変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)のいずれか一方の変動表示ゲーム実行制御手段によって一方の変動表示ゲームの実行制御を行っている場合に、他方の変動表示ゲーム実行制御手段によって実行制御が行われている他方の変動表示ゲームが特別結果となった場合に、一方の変動表示ゲームを中断して他方の変動表示ゲームに基づく特別遊技状態が終了したのちに中断していた一方の変動表示ゲームを再開する再開制御を実行可能な再開制御手段をなす。
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311では、図78に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。
〔メイン処理〕
図78に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)には、画面描画を指示する(ステップC16)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、演出を制御する盤演出設定処理(ステップC20)を行って、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図79には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステップC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC210;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図80には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップC234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC234;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC241;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するために必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
〔変動系コマンド処理〕
図81には、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC236)を示した。この変動系コマンド処理では、まず、特図種別が未確定であるかを判定する(ステップC361)。特図種別とは、特図の種別が特図1か特図2かを示す情報であり、上述の図柄系コマンド処理のステップC251で設定される情報である。
この特図種別が未確定である場合(ステップC361;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、特図種別が未確定でない場合(ステップC361;N)、すなわち特図種別が設定されている場合は、変動コマンドと図柄コマンドの組み合わせをチェックし(ステップC362)、変動コマンドと図柄種別が不整合であるかを判定する(ステップC363)。
変動コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップC363;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、変動コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップC363;N)は、変動コマンドから変動パターン種別を判別する(ステップC364)。図柄種別とは図柄のカテゴリを意味し、図柄種別には例えば、はずれ図柄、10R大当り図柄、4R大当り図柄、小当り図柄などがある。変動コマンドと図柄種別が不整合である場合とは、はずれの変動コマンド(変動パターンコマンド)を受信したのに、10R大当り図柄の図柄コマンドを受信していた時のような、演出を行う上で矛盾してしまう組み合わせ(変動コマンドと図柄種別の組み合わせ)であることを意味する。
変動コマンドから変動パターン種別を判別する処理(ステップC364)では、受信したコマンドに応じて、特図の変動表示演出の大まかな分類である変動パターン種別を判別する。そして、変動コマンドに応じた演出を行うための情報を設定する変動演出設定処理を行う(ステップC365)。
次に、P機状態(パチンコ機の状態)として特図変動中を設定する(ステップC366)。ここで、特図変動中とは、特図の変動中(客待ちデモ中や大当り中、或いはファンファーレ中等でないこと)を表している。さらに、先読み演出回数(先読み実行回数)がゼロでなければ先読み演出回数を−1更新(先読み演出回数を1だけ減らす処理)し(ステップC367)、変動系コマンド処理を終了する。
〔変動演出設定処理〕
図82には、上述の変動系コマンド処理における変動演出設定処理(ステップC365)を示した。この変動演出設定処理では、まず、変動パターン種別がリーチなし変動であるかを判定する(ステップC381)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(ステップC381;Y)は、機種コード及び特図種別とその時点の演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC382)。なお演出モードは、演出制御装置300が管理する遊技モードに相当し、機種によって当然異なるが、ここでは通常モード、確変モードなどがある。さらに、各モード内に予告演出の振り分け率や表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出態様を異ならせた複数のモードを設けている。
次に、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(ステップC383)。これによりリーチなし変動の場合には、各変動中に出現する予告演出の抽選内容(具体的には各予告演出態様の出現率)を保留数に応じて変化させることが可能となる。その後、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC386)。
一方、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(ステップC381;N)は、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC384)。そして、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC385)、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC386)。
次に、後半変動の予告演出を抽選する。なお、特図変動表示ゲームの後半変動とはいわゆるリーチアクション(例えば、特図の複数列の表示領域のうち特定領域を除く表示領域が大当りとなる特別結果態様(特別な図柄の組合せ)で変動表示が停止していて、特定領域のみで変動表示している状態)の変動表示である。一方、特図変動表示ゲームの前半変動とはリーチアクション開始前までの変動表示である。
まず、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC387)。後半予告振分グループアドレステーブルは、後半予告振分グループテーブルのアドレスを選択するためのテーブルである。そして、後半予告振分グループアドレステーブルを参照してACTに対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC388)、後半予告振分グループテーブルを使って後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(ステップC389)。
その後、MODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定し(ステップC390)、予告抽選結果に対応する演出の内容を決定する(ステップC391)。これにより、飾り特図変動表示ゲームの変動時間や主なリーチ内容などの演出や予告が決定されることとなる。さらに、決定された特図変動表示ゲームの変動パターン(リーチ演出など)や予告内容、遊技状態も参照して停止図柄を決定する停止図柄設定処理を行う(ステップC392)。
次に、変動演出の表示設定を行い(ステップC393)、予告演出の表示設定を行う(ステップC394)。これらの処理により、上述したように設定された飾り特図変動表示ゲームでの演出や予告が実行可能となる。その後、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行う(ステップC395)。この処理では特図変動表示ゲームを開始する際に対応する始動記憶の減少に対応して飾り始動記憶表示を減少させる設定を行う。
そして、BGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である装飾番号を設定し(ステップC396)、特図種別に対応する飾り特図変動(識別情報の変動表示)の表示設定を行う(ステップC397)。さらに、識別情報の変動表示とは別に飾り特図変動表示ゲームを表示する第4図柄の変動表示を設定するために、特図種別に対応する第4図柄変動の表示設定を行い(ステップC398)、変動演出設定処理を終了する。
〔単発系コマンド処理〕
図83には、上述の受信コマンド解析処理における単発系コマンド処理を示した。この単発系コマンド処理では、まず、MODEは遊技制御装置100に設定された機種に関する情報を含む機種指定コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC261)。そして、MODEは機種指定コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC261;Y)は、内部情報をコマンドに対応する機種情報に書き換える機種設定処理を行い(ステップC262)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC261で、MODEは機種指定コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC261;N)は、RAM111Cの初期化を行ったことを示すRAM初期化コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC263)。そして、MODEはRAM初期化コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC263;Y)には、RAM初期化処理を行い(ステップC264)、単発系コマンド処理を終了する。RAM初期化処理(ステップC264)では、初期化の必要な領域を初期化し、RAM初期化画面情報を設定する。さらに、RAM初期化が行われた際の演出を行うためにRAM初期化用シナリオデータを設定する。
また、ステップC263で、MODEはRAM初期化コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC263;N)は、MODEはRAM111Cの初期化を行わずに停電から復旧したことを示す停電復旧コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC265)。そして、MODEは停電復旧コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC265;Y)には、停電復旧処理を行い(ステップC266)、単発系コマンド処理を終了する。停電復旧処理(ステップC266)では、初期化の必要な領域を初期化し、停電復旧画面を表示するための復旧画面情報を設定する。さらに、停電復旧の際の演出を行うために停電復旧用シナリオデータを設定する。
また、ステップC265で、MODEは停電復旧コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC265;N)は、MODEは客待ちデモの開始を示す客待ちデモコマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC267)。そして、MODEは客待ちデモコマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC267;Y)には、客待ちデモ処理を行い(ステップC268)、単発系コマンド処理を終了する。客待ちデモ処理(ステップC268)では、P機(パチンコ機)状態を客待ちデモ中に設定し、客待ち演出を行うために客待ち用シナリオデータを設定する。
また、ステップC267で、MODEは客待ちデモコマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC267;N)には、MODEは特図1保留であるかを判定する(ステップC269)。そして、MODEは特図1保留である場合(ステップC269;Y)には、発生した保留に対応する飾り始動記憶表示を表示装置41に表示する処理などを行う特図1保留情報設定処理を行い(ステップC270)、単発系コマンド処理を終了する。また、ステップC269で、MODEは特図1保留に対応するものでないと判定した場合(ステップC269;N)には、MODEは特図2保留であるかを判定する(ステップC271)。そして、MODEは特図2保留である場合(ステップC271;Y)には、発生した保留に対応する処理などを行う特図2保留情報設定処理を行い(ステップC272)、単発系コマンド処理を終了する。すなわち、演出制御装置300が、個々の始動記憶に対応した始動記憶表示(飾り始動記憶表示)により始動記憶に関する情報を表示する始動記憶報知表示を行う始動記憶表示手段をなす。
また、ステップC271で、MODEは特図2保留でない場合(ステップC271;N)には、MODEは確率情報であるかを判定する(ステップC273)。そして、MODEは確率情報である場合(ステップC273;Y)には、現在の確率状態に関する設定を行う確率情報設定処理を行い(ステップC274)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC273で、MODEは確率情報でない場合(ステップC273;N)には、MODEはエラー/不正であるかを判定する(ステップC275)。そして、MODEはエラー/不正である場合(ステップC275;Y)には、エラー報知を行うなどの対応する処理を行うエラー/不正設定処理を行い(ステップC276)、単発系コマンド処理を終了する。エラー/不正設定処理(ステップC276)では、エラーや不正に関するコマンドを受信した際の報知の処理や、右打ち指示報知コマンド又は左打ち指示報知コマンドを受信した際の警告表示の処理等が行われる。
また、ステップC275で、MODEはエラー/不正でない場合(ステップC275;N)には、MODEは演出モード切替であるかを判定する(ステップC277)。そして、MODEは演出モード切替である場合(ステップC277;Y)には、演出モードを切り替える処理を行う演出モード切替処理を行い(ステップC278)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC277で、MODEは演出モード切替でない場合(ステップC277;N)には、MODEは図柄停止であるかを判定する(ステップC279)。そして、MODEは図柄停止でない場合(ステップC279;N)は、単発系コマンド処理を終了する。また、MODEは図柄停止である場合(ステップC279;Y)には、正常なコマンドであるかを判定する(ステップC280)。正常なコマンドであるかの判定では、例えば飾り特図停止コマンドの対象が現在変動中の特図を対象としたものであるかを判定する。
そして、正常なコマンドでない場合(ステップC280;N)は、単発系コマンド処理を終了する。また、正常なコマンドである場合(ステップC280;Y)は、対応する特図の停止設定を行い(ステップC281)、全図柄が停止したなら遊技状態フラグを通常状態に設定して(ステップC282)、単発系コマンド処理を終了する。これにより、対応する飾り特図変動表示ゲームの変動表示が停止する。遊技状態フラグは現在の遊技状態を示すフラグであり、通常状態の他、変動中、大当り中、小当り中などの状態を示すフラグがあり、状況に応じて適切なフラグが設定される。
〔大当り系コマンド処理〕
図84には、上述の受信コマンド解析処理における大当り系コマンド処理(ステップC238)を示した。この大当り系コマンド処理では、まず、MODEはファンファーレであるかを判定する(ステップC401)。すなわち、受信したコマンドが図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドや小当りファンファーレコマンドであるかを判定する。そして、MODEはファンファーレである場合(ステップC401;Y)は、大当り種類や小当りに応じたファンファーレ表示画像の設定、連続回数表示部96の値を加算する処理などを行うファンファーレ演出設定処理を行い(ステップC402)、P機状態をファンファーレ中に設定して(ステップC403)、大当り系コマンド処理を終了する。
MODEはファンファーレでない場合(ステップC401;N)は、MODEはラウンドであるかを判定する(ステップC404)。すなわち、受信したコマンドが特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドであるかを判定する。そして、MODEはラウンドである場合(ステップC404;Y)は、ラウンド数表示情報の更新などを行うラウンド演出設定処理を行い(ステップC405)、P機状態をラウンド中に設定し(ステップC406)、大当り系コマンド処理を終了する。
MODEはラウンドでない場合(ステップC404;N)は、MODEはインターバルであるかを判定する(ステップC407)。すなわち、受信したコマンドがラウンド間のインターバルに関するインターバルコマンドであるかを判定する。そして、MODEはインターバルである場合(ステップC407;Y)は、インターバル中の演出の設定を行うインターバル演出設定処理を行い(ステップC408)、P機状態をインターバル中に設定し(ステップC409)、大当り系コマンド処理を終了する。また、MODEはインターバルでない場合(ステップC407;N)は、MODEはエンディングであるかを判定する(ステップC410)。すなわち、受信したコマンドが最終ラウンド終了後のエンディングに関するエンディングコマンドや、小当り終了時の小当り終了画面コマンドであるかを判定する。
MODEはエンディングである場合(ステップC410;Y)は、大当りや小当り終了時のエンディング演出の設定などを行うエンディング演出設定処理を行い(ステップC411)、P機状態をエンディング中に設定し(ステップC412)、大当り系コマンド処理を終了する。また、MODEはエンディングでない場合(ステップC410;N)は、MODEはカウントであるかを判定する(ステップC413)。すなわち、受信したコマンドが特別変動入賞装置への入賞に基づく大入賞口カウントコマンドであるかを判定する。
MODEはカウントでない場合(ステップC413;N)は、大当り系コマンド処理を終了する。MODEはカウントである場合(ステップC413;Y)は、特別変動入賞装置38への入賞に対応した演出を設定するカウント演出設定処理(ステップC414)を行い、大当り系コマンド処理を終了する。
以上のような演出制御装置300における処理により、図22、図23に示したような演出状態に応じた演出や、図24に示したような表示装置41における演出表示などが行われることとなる。
〔第1変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、第3特定遊技状態ST4において開始される大当りとなる特図変動表示ゲームについての変動時間の振り分けが異なる。
本変形例では、図28(c)に示した第3特定遊技状態で結果が大当りとなる場合の変動パターンの振り分けに替えて図85に示す変動パターンの振り分けを行う。図85に示す変動パターンの振り分けでは、特別遊技状態の終了後に実行した特図変動表示ゲームの実行回数により振り分けが異なるようにされている。
図85(a)に示すように特別遊技状態の終了後101〜150ゲーム目である場合、すなわち、第3特定遊技状態の開始から50ゲーム以内である場合は、最も短い変動時間である150000msの変動パターンが最も高い割合で選択されるようになっている。また、図85(b)に示すように特別遊技状態の終了後151〜200ゲーム目である場合、すなわち、第3特定遊技状態の開始から51〜100ゲームである場合は、変動時間が2番目に短い250000msの変動パターンが最も高い割合で選択されるようになっている。
また、図85(c)に示すように特別遊技状態の終了後201〜250ゲーム目である場合、すなわち、第3特定遊技状態の開始から101〜250ゲームである場合は、変動時間が3番目に短い300000msの変動パターンが最も高い割合で選択されるようになっている。そして、図85(d)に示すように特別遊技状態の終了後251ゲーム目以降である場合、すなわち、第3特定遊技状態の開始から251ゲーム以上である場合は、最も変動時間が長い450000msの変動パターンが最も高い割合で選択されるようになっている。
つまり、第3特定遊技状態で実行したゲーム数が多いほど長い変動時間が選択される割合が高くなるようにされている。長い変動時間が選択されるほど第4特定遊技状態の滞在期間がながくなり獲得可能となる賞球数が多くなるため、高確率状態であるにもかかわらず長期間大当りが導出されない嵌り状態が長いほど遊技者に多くの利益を付与可能となる。これにより、大当りが導出されない不満感を解消することができる。また、逆に嵌り状態が長期間継続することを期待するという従来の遊技機にはない興趣を持たせることができる。
なお、図85に示した振り分けは一例であって、テーブルを変更するゲーム数の区切りや、各テーブルでの変動時間の振り分けなどは任意に設定可能である。上述の効果を奏するためには、第3特定遊技状態の滞在時間が長いほど大当りとなる特図変動表示ゲームについて長い変動時間の選択割合が高くなるようにすれば良い。例えば、第3特定遊技状態で実行した特図変動表示ゲームの実行時間の累計値が長いほど大当りとなる特図変動表示ゲームについて長い変動時間の選択割合が高くなるようにしても良い。
また、逆に第3特定遊技状態の滞在時間(ゲーム数や実行時間)が長いほど大当りとなる特図変動表示ゲームについて長い変動時間の選択割合が低くなるようにしても良い。このようにすることで、早期に特別結果が導出させることができた遊技者に対して特典を与えることができる。また、第3特定遊技状態の滞在時間が所定範囲の場合に大当りとなる特図変動表示ゲームについて長い変動時間の選択割合が最も高くなるようにしても良い。例えば、第3特定遊技状態の開始から101〜250ゲームである場合に大当りとなる特図変動表示ゲームについて長い変動時間の選択割合が最も高くなるようにしても良い。また、このような期間を複数設けても良い。このようにすれば、第3特定遊技状態の中に有利な期間と不利な期間を設けることができて、遊技の興趣を向上することができる。
以上のことから、始動入賞口(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、始動入賞口をなす第1始動入賞口36と、始動入賞口をなし、遊技球が入賞不能な閉状態と、遊技球の入賞が容易な開状態と、に変換可能であり、入賞により変動表示ゲームの実行権利を発生可能な普通変動入賞装置37と、普通変動入賞装置37の下流側であって当該普通変動入賞装置へ入賞可能な経路を経て入賞可能となる位置に配された始動入賞口をなす第2始動入賞口97と、を備え、制御手段は、普通変動入賞装置37の動作状態を、第1動作状態と、該第1動作状態よりも入賞が容易な第2動作状態と、の何れかの動作状態で制御し、変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率状態を低確率状態と、該低確率状態よりも高い高確率状態との何れかに設定し、第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口97への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行し、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームは同時に実行可能であり、高確率状態では、変動表示ゲームの実行時間を低確率状態よりも短くなるようにし、特別結果には、遊技状態に応じて導出される確率を変化させることが可能な第1特別結果と、遊技状態にかかわらず導出される確率が一定の第2特別結果と、があり、第2変動表示ゲームにおける第2特別結果が導出される確率は、第1特別結果が導出される確率よりも高い確率とし、変動表示ゲームの結果が第1特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態として第1特別遊技状態を実行し、変動表示ゲームの結果が第2特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態として第2特別遊技状態を実行し、高確率状態かつ第2動作状態である場合に特別結果となる変動表示ゲームを実行する場合には第1動作状態に移行するようにし、当該変動表示ゲームの実行時間を前回の特別遊技状態の終了からの変動表示ゲームの実行回数に応じて選択するようにしたこととなる。したがって、特別遊技状態の終了からの変動表示ゲームの実行回数に応じて遊技者に付与する利益を異ならせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
〔第2変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技状態の遷移が異なる。
図86には本変形例での遊技状態の遷移を示した。本変形例では第3特定遊技状態ST4は設定されておらず、第1特定遊技状態ST2において転落抽選に当選せず、特別結果も導出されずに100回の特図変動表示ゲームを実行した場合は、第4特定遊技状態ST5に移行する。そして、第4特定遊技状態ST5において転落抽選に当選した場合は、通常遊技状態ST1に移行する。また、第4特定遊技状態ST5において確変大当りが導出された場合は特別遊技状態の後に第1特定遊技状態ST2に移行し、通常大当りが導出された場合は特別遊技状態の後に第2特定遊技状態ST3に移行するようになっている。
図87には、本変形例の第4特定遊技状態ST5において選択される変動パターンを示した。図87(a)は、結果がはずれの場合であって転落抽選に当選しない特図変動表示ゲームの変動パターンであり、図87(b)は、結果が小当りの場合であって転落抽選に当選しない特図変動表示ゲームの変動パターンである。いずれも通常遊技状態よりも変動時間が短縮されたものとなっている。また、図87(c)に示すように、結果がはずれ又は小当りの場合であって転落抽選に当選した特図変動表示ゲームについては、同じ変動時間が設定されるとともに、共通の特定演出が実行される。
さらに、図87(d)に示すように、結果が大当りとなる特図変動表示ゲームについては、イレギュラー変動となる特図1変動表示ゲームに対しては転落抽選に当選しない場合には20000msが設定され、転落抽選に当選した場合には10000msが設定されるとともに、結果がはずれ又は小当りの場合に転落抽選に当選した場合と共通の特定演出が設定される。また、メイン変動となる特図2変動表示ゲームに対しては転落抽選の当選の有無にかかわらず10000msが設定されるとともに、結果がはずれ又は小当りの場合に転落抽選に当選した場合と共通の特定演出が設定される。
この転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動時間は、通常遊技状態ST1において大当りとなる特図変動表示ゲームの変動の変動時間(図28参照)よりも短くなっている。このため、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが先に開始又は同時に開始された場合には、必ず転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが先に終了する。これにより、少なくとも転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが先に開始又は同時に開始された場合には両方の特図変動表示ゲームの変動時間を参照することなく演出内容を決定でき、処理を簡単にすることができる。
なお、転落抽選は特図変動表示ゲームの開始時に行われ、その後に変動パターンが決定されることから、図87(c)、(d)において転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動パターンとしているものについて厳密に言えば通常遊技状態ST1の場合に選択される変動パターンであるが、理解を容易にするため第4特定遊技状態ST5での変動パターンとして説明する。
図88、図89には、第4特定遊技状態ST5が終了する際の演出の実行態様を示した。図88(a)には、結果がはずれとなる特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合を示した。第4特定遊技状態ST5である状態では小当りRUSH演出が設定される。この第4特定遊技状態ST5では特図2変動表示ゲームを主体として遊技が進行する(t71、t72)。また、小当りが高い確率で導出され、小当りが導出された場合には(t73)、第2特別遊技状態となり(t73〜t76)、特別変動入賞装置38の開放(t74〜t75)が行われる。
そして、新たな特図2変動表示ゲームが開始された際に転落抽選に当選しており、確率状態が低確率状態とされ(t76)、遊技状態は通常遊技状態ST1となる。転落抽選に当選した特図変動表示ゲームについては変動時間として一定の時間(ここでは10000ms)が設定され(t76〜t77)、この特図変動表示ゲームの実行中は第1特定演出が行われる。この特図変動表示ゲームの終了後は通常遊技状態ST1に対応した通常モード演出となる(t78)。
また、連続回数表示部96では、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが終了するまではそれまでの大当り回数(ここでは3回)を表示した状態が維持され、当該特図変動表示ゲームの終了に伴い表示を終了するとともに大当り回数が0クリアされる。すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時には通常遊技状態ST1に移行しており、遊技の情報を累積する特定期間の終了条件が成立しているが、この時点では表示が維持され、当該特図変動表示ゲームの終了に伴い表示を終了するようになっている。これにより、転落抽選に当選したことが先にわかってしまうことを防止できる。
また、本変形例の遊技機では、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームでは通常遊技状態ST1に移行していても右打ちで遊技を進行する状態を維持するようになっている。よって当該特図変動表示ゲームでは、第1遊技状態表示部56は点灯状態を維持し、右打ち指示報知も維持される(t76〜t78)。また、右打ちで遊技を進行する状態を維持することから、この期間に第2始動入賞口97への入賞があっても左打ち指示報知コマンドを送信しない。なお、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームにおいても左打ち指示報知コマンドについては送信可能とし、演出制御装置300でこの期間は左打ち指示を行わないようにしていも良い。
そして、当該特図変動表示ゲームが終了すると(t78)、第1遊技状態表示部56は遊技状態に応じて消灯状態とされ、右打ち指示報知も終了する。このようにすることで、第1遊技状態表示部56の表示や右打ち指示報知、左打ち指示報知によって転落抽選に当選したことが早期に分かってしまうことを防止でき、遊技の興趣の低下を防止できる。
図88(b)には、結果が大当りとなる特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合を示した。この場合も図88(a)と同様に、新たな特図2変動表示ゲームが開始された際に転落抽選に当選しており、確率状態が低確率状態とされ(t81)、遊技状態は通常遊技状態ST1となる。大当りとなる特図変動表示ゲームについては変動時間として一定の時間(ここでは10000ms)が設定される(t81〜t82)。この特図変動表示ゲームの実行中は第1特定演出が行われる(t81〜t83)。そして、この特図変動表示ゲームの終了後は第1特別遊技状態となり第1特別遊技演出となる(t83)。なお、特図2変動表示ゲームが大当りとなる場合は転落抽選に当選しているか否かにかかわらず、変動時間として一定の時間(ここでは10000ms)が設定され、第1特定演出が実行される。
また、連続回数表示部96では、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが終了するまではそれまでの大当り回数(ここでは3回)を表示した状態が維持される。この例では当該特図変動表示ゲームが大当りであるため、当該特図変動表示ゲームの終了に伴い大当り回数が+1更新される。すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時には通常遊技状態ST1に移行しており、遊技の情報を累積する特定期間の終了条件が成立しているが、この時点では表示が維持される。さらに、この場合は転落抽選に当選した特図変動表示ゲームで大当りが導出されて特定期間の開始条件が成立するので、特定の場合として通常遊技状態ST1に移行する前の大当り回数を引き継いで加算を行うようにしている。これにより、累積された遊技の情報について遊技者の認識との齟齬が生じることを防止でき、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームでは通常遊技状態ST1に移行していても右打ちで遊技を進行する状態を維持するようになっている。よって当該特図変動表示ゲームでは、第1遊技状態表示部56は点灯状態を維持し、右打ち指示報知も維持される(t81〜t82)。また、この期間に第2始動入賞口97への入賞があっても左打ち指示報知は行わない。この例では結果が特別結果となり右打ちで遊技を進行する第1特別遊技状態となるので、特図変動表示ゲームが終了しても第1遊技状態表示部56及び右打ち指示報知は維持されたままとなる。
このようにすることで、第1遊技状態表示部56の表示や右打ち指示報知、左打ち指示報知によって転落抽選に当選したことが早期に分かってしまうことを防止でき、遊技の興趣の低下を防止できる。また、一旦左打ちに戻させるようにすると、第1特別遊技状態での右打ちの開始が遅れて特別変動入賞装置38への入賞の開始が遅れるおそれがあるが、右打ちで遊技を進行する状態を維持することで特別変動入賞装置38への入賞の開始が遅れることを防止できる。
図89(a)には、結果が小当りとなる特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合を示した。この場合も図88(a)と同様に、新たな特図2変動表示ゲームが開始された際に転落抽選に当選しており、確率状態が低確率状態とされ(t91)、遊技状態は通常遊技状態ST1となる。転落抽選に当選した特図変動表示ゲームについては変動時間として一定の時間(ここでは10000ms)が設定される(t91〜t92)。この特図変動表示ゲームの実行中は第1特定演出が行われる(t91〜t93)。この特図変動表示ゲームが終了すると第2特別遊技状態となるが(t93)、この第2特別遊技状態でも第1特定演出が継続される(t93〜t94)。その後、第2特別遊技状態の終了に伴い通常モードとなる(t94)。
また、連続回数表示部96では、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが終了し、第2特別遊技状態が終了するまではそれまでの大当り回数(ここでは3回)を表示した状態が維持され、当該第2特別遊技状態の終了に伴い表示を終了するとともに大当り回数が0クリアされる。すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時には通常遊技状態ST1に移行しており、遊技の情報を累積する特定期間の終了条件が成立しているが、この時点では表示が維持され、当該特図変動表示ゲームで導出された小当りに基づく第2特別遊技状態でも表示が維持される。そして、当該第2特別遊技状態の終了に伴い表示を終了するようになっている。これにより、転落抽選に当選したことが先にわかってしまうことを防止できる。
また、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームでは通常遊技状態ST1に移行していても右打ちで遊技を進行する状態を維持するようになっている。よって当該特図変動表示ゲームでは、第1遊技状態表示部56は点灯状態を維持し、右打ち指示報知も維持される(t91〜t93)。また、この期間に第2始動入賞口97への入賞があっても左打ち指示報知は行わない。さらに、小当りに基づく第2特別遊技状態においても右打ちで遊技を進行する状態が維持され(t93〜t94)、当該第2特別遊技状態の終了に伴い(t94)、第1遊技状態表示部56は遊技状態に応じて消灯状態とされ、右打ち指示報知も終了する。
このようにすることで、第1遊技状態表示部56の表示や右打ち指示報知、左打ち指示報知によって転落抽選に当選したことが早期に分かってしまうことを防止でき、遊技の興趣の低下を防止できる。また、一旦左打ちに戻させるようにすると、第2特別遊技状態での右打ちの開始が遅れて特別変動入賞装置38への入賞の開始が遅れるおそれがあるが、右打ちで遊技を進行する状態を維持することで特別変動入賞装置38への入賞の開始が遅れることを防止できる。特に小当りに基づく第2特別遊技状態では、特別変動入賞装置38の開放時間が短いため、右打ちで遊技を進行する状態を維持することで確実に入賞させることが可能となる。
図89(b)には、結果が小当りとなる特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合であって、当該特図変動表示ゲームの実行中に大当りとなる特図変動表示ゲームが開始された場合を示した。この場合も図88(a)と同様に、新たな特図2変動表示ゲームが開始された際に転落抽選に当選しており、確率状態が低確率状態とされ(t111)、遊技状態は通常遊技状態ST1となる。転落抽選に当選した特図変動表示ゲームについては変動時間として一定の時間(ここでは10000ms)が設定され(t111〜t113)、この特図変動表示ゲームの実行中(t111〜t114)及び第2特別遊技状態中(t114〜t115)は第1特定演出が行われる。この第1特定演出の内容は、図89(a)に示した場合の第1特定演出と同様である。
この例では、第1特定演出の実行中に大当りとなる特図1変動表示ゲームが開始されている(t112)。これに伴い、大当りとなる特図1変動表示ゲームの開始を示唆、報知するための第2特定演出が第1特定演出に追加されて開始される(t112)。第2特定演出は特図2変動表示ゲームの終了まで継続され(t114)、その後に第2特別遊技状態となる。
特図1変動表示ゲームは特図2変動表示ゲームでの小当りの導出に伴い中断され(t113〜t115)、第2特別遊技状態の終了に伴い特図1変動表示ゲームが再開される(t115)。大当りとなる特図変動表示ゲームが実行されていない場合は、図89(a)に示したように第2特別遊技状態の終了に伴い通常モードの演出となるが、ここでは大当りとなる特図変動表示ゲームが実行されている期間にわたり第3特定演出を実行する(t115〜116)。これにより、遊技者に大当りとなることを示唆又は報知することができ、転落抽選に当選したことで遊技をやめてしまわないようにすることができる。その後、特図1変動表示ゲームの終了に伴い第1特別遊技状態となる(t117)。
また、連続回数表示部96では、図89(a)と同様に転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの後の第2特別遊技状態でもそれまでの大当り回数(ここでは3回)を表示した状態が維持される。その後、一時的に非表示の状態となるが、大当りとなる特図変動表示ゲームの終了に伴い、大当り回数が+1更新された状態で再開される。すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時には通常遊技状態ST1に移行しており、遊技の情報を累積する特定期間の終了条件が成立しているが、この時点では表示が維持される。さらに、当該特図変動表示ゲームの終了前に開始された大当りとなる特図変動表示ゲームの終了に伴い、通常遊技状態ST1に移行する前の大当り回数を引き継いで加算を行うようにしている。この大当りとなる特図変動表示ゲームは、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了前に開始された大当りとなる特図変動表示ゲームである。これにより、累積された遊技の情報について遊技者の認識との齟齬が生じることを防止でき、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームでは通常遊技状態ST1に移行していても右打ちで遊技を進行する状態を維持するようになっている。よって当該特図変動表示ゲームでは、第1遊技状態表示部56は点灯状態を維持し、右打ち指示報知も維持される(t111〜t114)。また、この期間に第2始動入賞口97への入賞があっても左打ち指示報知は行わない。さらに、小当りに基づく第2特別遊技状態においても右打ちで遊技を進行する状態が維持され(t114〜t115)、当該第2特別遊技状態の終了に伴い(t115)、第1遊技状態表示部56は遊技状態に応じて消灯状態とされ、右打ち指示報知も終了する。また、第2始動入賞口97への入賞があった場合には左打ち指示報知を行うようにする。
この例では、後に特別結果となることにより右打ちで遊技を進行する第1特別遊技状態となるが、第2特別遊技状態の終了に伴い演出状態は通常モード演出に第3特定演出を付加した演出となるので(t115〜t116)、一旦は通常遊技状態に対応した左打ちで遊技を進行する状態とし、第1特図変動表示ゲームで特別結果が導出されることが発射方向から判明してしまうことを防止している。
以上のように転落抽選に当選した場合や大当りの場合に第1特定演出を行うことで、低確率への移行と大当りの導出という遊技者にとって大きく価値の違う事象のいずれかが発生することを報知でき、遊技者に不安感や期待感を与えて遊技の興趣を向上することができる。また、第1特定演出の実行中に大当りとなる特図変動表示ゲームが開始された場合には第2特定演出や第3特定演出を行うことで、第1特定演出により転落抽選に当選したことを報知している場合でも遊技者に大当りとなる可能性を報知でき、転落したことにより遊技をやめてしまうことを防止できる。
また、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが大当りとなる場合や、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了前に大当りとなる特図変動表示ゲームが開始された場合は、結果の導出時が通常遊技状態ST1であっても特定遊技状態で導出された大当りと同等に扱い、連続回数表示部96の値については通常遊技状態ST1に移行する前の大当り回数を引き継いで加算を行うようにしている。これにより、第1特定演出、第2特定演出及び第3特定演出の実行により未だ特定遊技状態であると認識している遊技者との齟齬が生じることを防止でき、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームでは通常遊技状態ST1に移行していても右打ちで遊技を進行する状態を維持するようにしたことで、転落抽選に当選したことが早期に分かってしまうことを防止できる。
図90には表示装置41における表示の一例を示した。図90(a)から(g)には、第4特定遊技状態ST5で転落抽選に当選した場合や大当りとなる場合などに実行される第1特定演出の一例を示した。図90(a)に示すように特図2変動表示ゲームが開始されると、第1飾り特図2ゲーム表示部85b及び第2飾り特図2ゲーム表示部88bにおいて変動表示が開始されるとともに、第1特定演出が開始される。この第1特定演出は、味方キャラクタ89aと敵キャラクタ89bが戦う演出となっており、戦いの結果により特図変動表示ゲームの結果や転落抽選の有無を報知するものとなっている。
また、表示領域の左下部には右打ちを指示する右打ち指示報知99が表示されている。ここでの右打ち指示報知99は、図24(b)に示したような第4特定遊技状態ST5において第1特定演出が行われていない状態における右打ち指示報知99とは異なる報知態様となっている。第1特定演出が行われる場合には、既に通常遊技状態ST1に転落している場合がある。遊技を進行するための発射方向は、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームにおいては通常遊技状態ST1であっても右打ちが維持されるが、通常遊技状態ST1は本来左打ちで遊技を進行する状態である。このように、遊技状態に対応した本来の発射方向と、指示する発射方向が一致していない可能性がある場合には、右打ち指示報知99の報知態様を異ならせるようにしている。
図90(b)に示すようにキャラクタが戦う演出が行われ、変動時間が終了すると戦いの結果が示される。転落抽選に当選した特図変動表示ゲームで結果がはずれとなる場合は、図90(c)に示すように味方キャラクタ89aが敗北する結果となる。また、第1飾り特図2ゲーム表示部85b及び第2飾り特図2ゲーム表示部88bにおいてもはずれの結果態様が表示される。
転落抽選に当選した特図変動表示ゲームでは、このような第1特定演出が実行されている状態はすでに通常遊技状態ST1に移行しているが、右打ちで遊技を進行する状態が維持されており、この第1特定演出の実行中も表示領域の右下部には右打ちを指示する右打ち指示報知99が表示される。
その後、図90(d)に示すようにシャッターを模した表示であるシャッター表示93が閉じる表示が行われ、図90(e)に示すようにシャッター表示93が完全に閉じて第4特定遊技状態ST5の終了と当該第4特定遊技状態ST5で獲得した賞球数の報知、連続回数表示部96で報知されていた大当り回数の報知が行われる。すなわち、シャッター表示93は転落抽選に当選したことを報知する画像をなす。そして、通常遊技状態ST1の演出表示に移行する。また、通常遊技状態ST1の演出表示に移行するのに伴い、右打ち指示報知99が終了する。なお、結果がはずれの場合は図90(c)の段階で右打ち指示報知99を終了するようにしても良い。
転落抽選に当選した特図変動表示ゲームで結果が小当りとなる場合は、図90(c)に示すように味方キャラクタ89aが敗北する結果となり、第1飾り特図2ゲーム表示部85b及び第2飾り特図2ゲーム表示部88bにおいては小当りの結果態様が表示される。その後、図90(c)の表示のまま第2特別遊技状態となり、当該第2特別遊技状態の終了時に図90(d)及び(e)の表示が行われる。
転落抽選の当選の有無に関係なく特図変動表示ゲームで結果が大当りとなる場合は、図90(b)に示すようにキャラクタが戦う演出を行った後に図90(f)に示すように味方キャラクタ89aが勝利する結果となる。また、第1飾り特図2ゲーム表示部85b及び第2飾り特図2ゲーム表示部88bにおいて大当りの結果態様が表示される。そしてこの後に特別遊技状態が開始される。
このように結果が大当りの場合、連続回数表示部96に表示される大当り回数が+1更新され、図90(b)等で示されていた3回から4回に更新される。大当りとなる特図変動表示ゲームで転落抽選に当選していない場合は第4特定遊技状態ST5における大当りであり、遊技の情報を累積する特定期間中に発生した大当りとなるので連続回数表示部96の値は+1更新する。
また、大当りとなる特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合には、一旦通常遊技状態ST1に移行しているが、例外的に特定の場合として通常遊技状態ST1における大当りであっても1回目とせずにそれまでの加算結果を引き継いで加算するようにしている。上述したように、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行中には転落抽選に当選したことを示唆又は報知する第1特定演出が行われるが、大当りの場合には転落したことが明確に報知されないので、遊技者は転落抽選に当選したことを明確に把握していないことから、それまでの加算結果を引き継いで加算することで違和感のない報知とすることができる。また、右打ち指示報知99も継続して行われるので、通常遊技状態ST1に転落したことを意識させないようにすることができる。
なお、転落抽選に当選せず特図変動表示ゲームで結果がはずれ又は小当りとなる場合に、いわゆるガセ演出として第1特定演出を行うようにしても良い。この場合は図90(d)に示すようにキャラクタが戦う演出を行った後に図90(g)に示すように引き分けの結果となるようにする。また、第1飾り特図2ゲーム表示部85b及び第2飾り特図2ゲーム表示部88bにおいてもはずれ又は小当りの結果態様を表示する。
図91には、第2特定演出及び第3特定演出の一例を示した。ここでは図89(b)に示したように特図2変動表示ゲームの結果が小当りとなる場合の例を示したが、特図2変動表示ゲームの結果がはずれの場合も同様である。図91(a)に示すように転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームが開始されて第1特定演出が開始され、図91(b)に示すようにこの第1特定演出の実行中に大当りとなる特図1変動表示ゲームが開始されると、第1特定演出の前側に重なるように第2特定演出として「Warning!!」と表示された帯94が表示される。この帯94は図91(c)に示すように第1特定演出で結果が示される際にも表示されており、第1特定演出が示す結果とは別の結果があることを示唆するようにしている。
図91(d)に示すように第2特別遊技状態の実行中は帯94を表示しない。そして、第2特別遊技状態が終了して大当りとなる特図1変動表示ゲームが再開されると、図91(e)に示すように第3特定演出として、「激熱待機中!!」の帯95が表示される。また、この時点で右打ち指示報知99を終了する。その後、図91(f)に示すようにシャッター表示93が開いて通常モード演出が見えるようになり、図91(g)に示すように通常モード演出で変動表示が行われる際にも帯95が表示され続ける。そして、図91(h)に示すように大当りの結果態様が表示され、図91(i)に示すように第1特別遊技状態となる。第1特別遊技状態の開始に伴い右打ち指示報知99が開始される。
連続回数表示部96の表示は、図91(f)に示すように通常遊技状態ST1の演出である通常モード演出となると一時的に終了するが、図91(i)に示すように第1特別遊技状態の演出となると表示が開始される。ここでは転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了前に開始された特図変動表示ゲームが大当りとなる場合であって、一旦通常遊技状態ST1に移行してはいるが転落前の大当り回数に引き続き加算を行うようになっており、転落前での3回から4回に更新されている。なお、連続回数表示部96の表示を通常モード演出となると一時的に終了するようにしたが、ここでも継続して表示するようにしても良い。これにより、大当りとなる可能性があることを示唆又は報知することもできる。
なお、第2特定演出や第3特定演出を帯状の表示としたが、これ以外の表示であっても良い。また、第1特定演出の前側に重なるように第2特定演出や第3特定演出を表示するようにしたが、第1特定演出に替えて第2特定演出や第3特定演出を行うようにしても良い。また、第2特定演出と第3特定演出の一方のみ行うようにしても良い。
以上のことから、始動入賞口(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)を備え、制御手段は、第1条件の成立に伴い遊技状態を変化させることを決定した場合に、当該遊技状態の変化を報知する第1特定演出を実行可能であり、当該第1特定演出の実行中に第2条件が成立したことに伴い遊技状態を変化させることを決定した場合に、当該第1特定演出に加えて又は当該第1特定演出に替えて、第2条件の成立に伴う遊技状態の変化を報知する第2特定演出を実行可能であることとなる。したがって、第1特定演出の開始後に第2条件が成立した場合でも当該第2条件の成立に基づく遊技状態の変更を報知でき、遊技の興趣を向上することができる。
また、始動入賞口をなす第1始動口(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)及び第2始動口(第2始動入賞口97)と、を備え、制御手段は、第1始動口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行し、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームは同時に実行可能であり、一方の変動表示ゲームの実行に伴い第1条件が成立して遊技状態を変化させることを決定した場合に、当該遊技状態の変化を報知する第1特定演出を実行可能であり、当該第1特定演出の実行中に他方の変動表示ゲームの実行に伴い第2条件が成立して遊技状態を変化させることを決定した場合に、当該第1特定演出に加えて又は当該第1特定演出に替えて、第2条件の成立に伴う遊技状態の変化を報知する第2特定演出を実行可能であることとなる。したがって、第1特定演出の開始後に第2条件が成立した場合でも当該第2条件の成立に基づく遊技状態の変更を報知でき、遊技の興趣を向上することができる。また、二つの変動表示ゲームを同時変動する場合にもそれぞれの変動表示ゲームの実行に基づく遊技状態の変更を報知でき、遊技の興趣を向上することができる。
また、制御手段は、第1特定演出の終了後から第2条件の成立に伴う遊技状態の変化までの期間において、第2条件の成立に伴う遊技状態の変化を報知する第3特定演出を実行可能であることとなる。したがって、第2条件の成立に基づく遊技状態の変更を報知でき、遊技の興趣を向上することができる。
図92(a)には、特定遊技状態で大当りとなる特図変動表示ゲームが開始されたが、当該特図変動表示ゲームの実行中に転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが開始されたことで通常遊技状態ST1に転落した場合であって、当該転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが大当りとなる特図変動表示ゲームよりも先に終了する場合の一例を示した。
図92(a)に示す例では、第4特定遊技状態ST5において大当りとなる特図1変動表示ゲームが開始されている(t121)。そして、この特図1変動表示ゲームの実行中に転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームが開始されている(t122)。この特図2変動表示ゲームの開始に伴い確率状態は低確率状態に移行し、遊技状態は通常遊技状態ST1となる。
転落抽選に当選した特図変動表示ゲームについては変動時間として一定の時間(ここでは10000ms)が設定されるので、遊技機においては転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームが開始された時点の特図1変動表示ゲームの残り変動時間から何れが先に終了するかが把握可能である。ここでは転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームは大当りとなる特図1変動表示ゲームよりも先にはずれ結果で終了することが把握されている。
その後、転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームは大当りとなる特図1変動表示ゲームよりも先にはずれ結果で終了し(t124)、新たな特図2変動表示ゲームが開始されている。転落抽選に当選した特図変動表示ゲームでは通常遊技状態ST1に移行していても右打ちで遊技を進行する状態が維持され、第1遊技状態表示部56は点灯状態を維持し、右打ち指示報知も維持される(t122〜t124)。また、この期間に第2始動入賞口97への入賞があっても左打ち指示報知は行わない。そして、当該転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了(t124)により、左打ちで遊技を進行する状態とされて第1遊技状態表示部56が消灯状態とされるとともに右打ち報知が終了する。
その後、大当りとなる特図1変動表示ゲームの変動表示が終了することに伴い、実行中の特図2変動表示ゲームは強制的にはずれ結果で停止される(t125)。その後、特図1変動表示ゲームの停止表示時間が終了すると第1特別遊技状態が開始される(t126)。第1特別遊技状態の開始に伴い、右打ちで遊技を進行する状態となり、第1遊技状態表示部56が点灯状態とされるとともに右打ち報知が開始される。
図92(a)に示したような例においては、演出として演出状態1と演出状態2のいずれかを実行可能である。演出状態1は図91に示したような演出である。まず、第4特定遊技状態ST5では、特図2変動表示ゲームをメイン変動として遊技が進行するので、大当りとなる特図1変動表示ゲームが開始された時点(t121)では演出状態に変化はなく遊技が進行する。そして、転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームが開始されると(t122)、第1特定演出が開始される。この第1特定演出の内容は、図91(a)〜(e)に示したように味方キャラクタ89aと敵キャラクタ89bが戦う演出であり、ここでは転落抽選に当選しているので、最終的に味方キャラクタ89aが敗北し、シャッター表示93が閉鎖されて第4特定遊技状態ST5が終了する旨の演出が行われる(t122〜t124)。
この第1特定演出の実行中であって転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームの実行中における所定タイミングとなると(t123)、大当りとなる特図1変動表示ゲームの実行を示唆又は報知するための第2特定演出が追加される。第2特定演出は当該特図2変動表示ゲームの終了まで継続される。この第2演出の内容は、図91(b)、(c)に示したような「Warning!!」と表示された帯94を表示する演出となっている。
その後、転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームの終了に伴い第3特定演出が開始される(t124)。この第3特定演出の内容は、図91(f)、(g)に示したように「激熱待機中!!」と表示された帯95を表示する演出となっている。このような演出状態1とすることで遊技者に大当りとなることを示唆又は報知することができ、転落抽選に当選したことで遊技をやめてしまわないようにすることができる。
そして、大当りとなる特図1変動表示ゲームの変動表示が停止すると(t125)、図91(h)に示したように飾り特図1ゲーム表示部85aが結果に対応した表示で停止して大当りとなったことが示される。さらに、停止表示時間(t125〜t126)において、図91(i)に示したように結果態様が明確に表示される。
連続回数表示部96の表示は、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了(t124)により図91(f)に示したような通常遊技状態ST1の演出である通常モード演出となるので一時的に終了するが、図91(i)に示したような第1特別遊技状態の演出となると表示が開始される。ここでは転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了前に開始された特図変動表示ゲームが大当りとなる場合であって、一旦通常遊技状態ST1に移行してはいるが転落前の大当り回数に引き続き加算を行うようになっており、転落前での3回から4回に更新される。
演出状態2は演出状態1に対して転落抽選に当選したことを示唆又は報知する第1特定演出を行わない演出である。図93にはこの演出状態2の一例を示した。第4特定遊技状態ST5では、特図2変動表示ゲームをメイン変動として遊技が進行するので、大当りとなる特図1変動表示ゲームが開始された時点(図92(a)のt121)では、図93(a)に示すように演出状態に変化はなく遊技が進行する。
その後、転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームが開始された時点では(図92(a)のt122)、図93(b)に示すように演出状態に変化はなく遊技が進行し、当該特図2変動表示ゲームの所定のタイミングとなると(図92(a)のt123)、図93(c)に示すように大当りとなる特図1変動表示ゲームの実行を示唆又は報知するための第2特定演出が第1特定演出に追加されて開始される。第2特定演出は当該特図2変動表示ゲームの終了まで継続される(図92(a)のt124)。この第2演出の内容は、図93(c)、(d)に示すような「Warning!!」と表示された帯94を表示する演出となっている。
その後、転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームの終了に伴い第3特定演出が開始される(図92(a)のt124)。この第3特定演出の内容は、図93(e)に示すように「激熱待機中!!」と表示された帯95を表示する演出となっている。また、キャラクタ89aの台詞の内容により大当りとなる特図1変動表示ゲームの実行を示唆又は報知するようにしている。このような演出状態2とすることで、遊技者に転落抽選に当選したことを意識させずに大当りとなることを示唆又は報知することができる。
そして、大当りとなる特図1変動表示ゲームの変動表示が停止すると(図92(a)のt125)、図93(f)に示すように第1飾り特図1ゲーム表示部85a、第2飾り特図1ゲーム表示部88aが結果に対応した表示で停止し、キャラクタ89aにより大当りとなったことが示される。さらに、停止表示時間(図92(a)のt125〜t126)において図93(g)に示すように結果態様が明確に表示され、図93(h)に示すように第1特別遊技状態の演出が開始される。
右打ち報知は、図93(e)に示すように転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームが終了したことに伴い終了し、図93(h)に示すように第1特別遊技状態の開始に伴い開始される。なお、この演出状態2においては、転落抽選に当選して通常遊技状態ST1に移行しても小当りRUSH演出が継続されるので、右打ち報知についても終了させずに継続して行うようにし、第2始動入賞口97への入賞があっても左打ち指示報知は行わないようにしても良い。
連続回数表示部96の表示は、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが終了しても表示が維持され、第1特別遊技状態の演出となると表示が+1更新開始される。この場合も一旦通常遊技状態ST1に移行してはいるが転落前の大当り回数に引き続き加算を行うようになっており、転落前での3回から4回に更新される。
すなわち、特定期間中に開始される一方の特図変動表示ゲームの実行中に終了条件が成立(転落抽選に当選)する場合であって、当該一方の変動表示ゲームの開始前に開始された他方の変動表示ゲームにより終了条件の成立の後に新たな特定期間の開始条件が成立(大当りが導出)する場合には、終了演出(第1特定演出)を実行しないことが可能である。また、終了演出に加えて又は終了演出に替えて特定の演出(第2特定演出、第3特定演出)を実行可能であることとなる。
なお、演出の実行態様としては上記したものに限られず、例えば、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時には後に大当りが発生することが判明しているので、第1特定演出として図90(f)に示したような大当りを示す結末となる演出を転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始から行うようにしても良い。
図92(b)には、特定遊技状態で大当りとなる特図変動表示ゲームが開始されたが、当該特図変動表示ゲームの実行中に転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが開始されたことで通常遊技状態ST1に転落した場合であって、大当りとなる特図変動表示ゲームの変動時間が先に終了する場合の一例を示した。
図92(b)に示す例では、第4特定遊技状態ST5において大当りとなる特図1変動表示ゲームが開始されている(t131)。そして、この特図1変動表示ゲームの実行中に転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームが開始されている(t132)。この特図2変動表示ゲームの開始に伴い確率状態は低確率状態に移行し、遊技状態は通常遊技状態ST1となる。この時点で遊技機においては大当りとなる特図1変動表示ゲームが転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームよりも先に変動時間が終了することが把握されている。
その後、大当りとなる特図1変動表示ゲームの変動時間が、転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームの変動時間よりも先に終了し、これに伴い当該特図2変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止される(t133)。その後、特図1変動表示ゲームの停止表示時間が終了すると第1特別遊技状態が開始される(t134)。
このような場合は、転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームの開始時において、転落抽選に当選したことを示唆又は報知する第1特定演出を行わないことが選択され、図93(c)に示したような大当りとなる特図1変動表示ゲームの実行を示唆又は報知するための第2特定演出が行われる。このような演出状態とすることで、遊技者に転落抽選に当選したことを意識させずに大当りとなることを示唆又は報知することができる。
また、この例においても、通常遊技状態ST1以外で大当りとなる特図変動表示ゲームが開始されたが、当該特図変動表示ゲームの実行中に転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが開始されて通常遊技状態ST1に転落した場合であって転落抽選の当選により一旦通常遊技状態ST1に移行してはいるが、連続回数表示部96の値については転落前の大当り回数に引き続き加算を行うようになっている。
また、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームでは通常遊技状態ST1に移行していても右打ちで遊技を進行する状態が維持され、第1遊技状態表示部56は点灯状態を維持し、右打ち指示報知も維持される(t132〜t134)。また、第2始動入賞口97への入賞があっても左打ち指示報知は行わない。よって、この例では右打ちで遊技を進行する状態が維持されたままとなる。
以上のように特定期間である特定遊技状態中や特別遊技状態中は右打ちで遊技を進行し、特定期間でない通常遊技状態ST1では左打ちで遊技を進行するので、右打ち指示報知を遊技状態に対応させると特定期間であるか否かを遊技者が把握可能となってしまう。このため、連続回数表示部96の値を転落前の大当り回数に引き続き加算を行う場合には、現時点の遊技球の発射方向を明確に示さないか、一旦通常遊技状態ST1に移行した期間でも特定遊技状態での発射方向をそのまま示すことで転落したことを遊技者に意識させないようにすることができる。
また、上述の説明では、第4特定遊技状態ST5の終了による特定期間の終了時における連続回数表示部96の表示の引継ぎについて説明したが、第1特定遊技状態ST2や第2特定遊技状態ST3及び第3特定遊技状態ST4の終了による特定期間の終了時においても同様に、特定期間の開始条件がすぐに成立する特定の場合には連続回数表示部96の値を引き継いで加算するようにしても良い。
なお、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了まで右打ちで遊技を進行する状態を維持するとしたが、当該特図変動表示ゲームの途中まで右打ちで遊技を進行する状態を維持するようにしても良い。例えば、特図変動表示ゲームの開始から所定時間までは右打ちで遊技を進行する状態を維持するようにし、当該所定時間に達すると第1特定演出において転落したことが明確となるようにしても良い。このようにすることで、転落抽選に当選したことが早期に分かってしまうことを防止できるとともに、遊技状態に応じた発射方向への変更をなるべく早く行うことができるようになる。
また、遊技制御装置100では転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了まで右打ちで遊技を進行する状態を維持して、第1遊技状態表示部56について特図変動表示ゲームの終了まで点灯状態を維持するが、演出制御装置300では右打ち指示報知99を第1遊技状態表示部56の表示とは連動せずに終了するようにしても良い。例えば、第1特定演出において転落したことが明確となる時点で終了するようにしても良い。
また、図89(b)に示した例のように転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームの実行中に特図1変動表示ゲームが開始された場合(t112)には、右打ち指示報知99を終了しても良く、左打ちで遊技を進行する状態に移行するようにしても良い。すなわち、通常遊技状態ST1に対応した本来の発射方向によって開始可能な特図1変動表示ゲームが開始された場合には、遊技者が通常遊技状態ST1であることを見越して左打ちを開始したものとして扱い、右打ち指示報知99を終了及び/又は左打ちで遊技を進行する状態に移行するようにしても良い。
このような条件で右打ち指示報知99の終了や左打ちで遊技を進行する状態に移行することを可能とすることで、第1特定演出の実行中に一時的に左打ちをすることで転落しているか否かを知ることができるという新たな遊技性を持たせることもできる。さらに、第1特定演出が実行されているにもかかわらず高確率状態である場合、すなわち特別結果となる場合には、左打ちにより特図1変動表示ゲームが開始されても右打ち指示報知99を終了せず、右打ちで遊技を進行する状態も維持されるようにする。これにより、第1特定演出の実行中に一時的に左打ちをすることで特別結果となるか否かを知ることができるという新たな遊技性を持たせることもできる。
また、第4特定遊技状態ST5においてイレギュラー変動となる特図1変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合には、当該特図1変動表示ゲームの開始に伴い、左打ちで遊技を進行する状態に移行するとともに右打ち指示報知99を終了するようにしても良いし、特図2変動表示ゲームと同様に転落抽選に当選した特図1変動表示ゲームの終了まで右打ちで遊技を進行する状態を維持するとともに右打ち指示報知99を維持するようにしても良い。
また、図92(a)に示したように、第4特定遊技状態ST5においてイレギュラー変動となる特図1変動表示ゲームの実行中に、メイン変動となる特図2変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合に、特図1変動表示ゲームが大当りとなる場合には転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームが終了しても右打ちで遊技を進行する状態を維持するとともに右打ち指示報知99を維持するようにしても良い。すなわち、図92(a)におけるt124〜t126の期間も右打ちで遊技を進行する状態を維持するとともに右打ち指示報知99を維持するようにしても良い。
また、上述の例では転落抽選に当選した場合について説明したが、図22(a)に示したように第2特定遊技状態ST3となっている状態で第1特別遊技状態の終了から100回の特図変動表示ゲームを実行した場合にも同様に、通常遊技状態ST1に移行した特図変動表示ゲーム(101回目の特図変動表示ゲーム)では右打ちで遊技を進行する状態を維持するようにしても良い。また、上述の遊技状態の遷移では存在しないが、特別遊技状態を介さずに左打ちで遊技を進行する状態から右打ちで遊技を進行する状態に移行することがあるようにした場合には、移行した特図変動表示ゲームでは左打ちで遊技を進行する状態を維持するようにしても良い。
また、継続して表示する発射方向の指示としては右打ち指示報知99のみを行うようにしたが、左打ち指示報知のみを行うようにしても良いし、右打ち指示報知99と左打ち指示報知を遊技状態に応じて表示可能としても良い。
以上のことから、始動入賞口(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、遊技の制御を行う遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、始動入賞口をなす第1始動口(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)及び第2始動口(第2始動入賞口97)と、を備え、遊技制御手段は、第1始動口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行し、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームは同時に実行可能であり、演出制御手段は、所定の開始条件の成立により開始されるとともに、所定の終了条件が成立することで終了する特定期間を設定可能であり、特定期間の開始から終了までにおける遊技の情報を累積して報知することが可能であり、特定期間中に開始された一方の変動表示ゲームの実行中に終了条件が成立した場合であって、当該一方の変動表示ゲームの終了前に開始された他方の変動表示ゲームにより終了条件の成立の後に新たな特定期間の開始条件が成立する場合には、当該開始条件の成立に基づき新たに開始される特定期間では、当該一方の変動表示ゲームの開始時に設定されていた特定期間で累積された遊技の情報に引き続いて遊技の情報の累積を行うことが可能であることとなる。したがって、累積された遊技の情報について遊技者の認識との齟齬が生じることを防止し、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、遊技制御手段は、終了条件が成立したことを報知する終了演出(第1特定演出)を実行可能であり、特定期間中に開始される一方の変動表示ゲームの実行中に終了条件が成立する場合であって、当該一方の変動表示ゲームの開始前に開始された他方の変動表示ゲームにより終了条件の成立の後に新たな特定期間の開始条件が成立する場合には、終了演出を実行しないことが可能であることとなる。したがって、累積された遊技の情報について遊技者の認識との齟齬が生じることを防止し、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、遊技制御手段は、終了条件が成立したことを報知する終了演出を実行可能であり、特定期間中に開始される一方の変動表示ゲームの実行中に終了条件が成立する場合であって、当該一方の変動表示ゲームの開始前に開始された他方の変動表示ゲームにより終了条件の成立の後に新たな特定期間の開始条件が成立する場合には、終了演出に加えて又は終了演出に替えて特定の演出を実行可能であることとなる。したがって、累積された遊技の情報について遊技者の認識との齟齬が生じることを防止し、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、特定期間中に開始された変動表示ゲームの実行中に終了条件が成立した場合であって、当該実行中の変動表示ゲームの終了に伴い新たな特定期間の開始条件が成立する場合には、当該変動表示ゲームの終了に伴い新たに開始される特定期間では、当該変動表示ゲームの開始時に設定されていた特定期間で累積された遊技の情報に引き続いて遊技の情報の累積を行うことが可能であることとなる。したがって、累積された遊技の情報について遊技者の認識との齟齬が生じることを防止し、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、遊技球が流下可能な遊技領域32を備え、遊技領域32に設けられた始動入賞口(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、遊技領域は、一側の遊技領域と他側の遊技領域とを備え、遊技者が遊技球の発射勢を調整することで一側の遊技領域と他側の遊技領域のいずれに遊技球を流下させるかを選択可能に構成され、遊技制御手段は、複数の遊技状態のうちから一の遊技状態を設定可能であり、所定の移行条件が成立することに基づき遊技状態を移行するように構成され、各遊技状態については、一側の遊技領域と他側の遊技領域のいずれに遊技球を発射することで遊技を進行するかが予め定められており、演出制御手段は、設定された遊技状態に対応して遊技球を発射すべき遊技領域を指示する発射方向指示報知を実行可能であり、所定の移行条件が成立したゲームにおいては、遊技状態の移行が行われても移行前の遊技状態に対応した発射方向指示報知を実行可能であることとなる。したがって、遊技状態が移行したことが早期に判明して遊技の興趣が低下してしまうことを防止できる。
また、遊技制御手段は、所定の移行条件が成立したゲームにおける遊技球を発射すべき遊技領域について、遊技状態の移行が行われても移行前の遊技状態に対応した遊技領域とするようにしたこととなる。したがって、遊技状態が移行したことが早期に判明して遊技の興趣が低下してしまうことを防止できる。また、遊技制御装置100で規定される発射方向と演出制御装置300による発射方向の報知に矛盾が生じることを防止できる。
また、所定の移行条件は、遊技球を発射すべき遊技領域の変更を伴う遊技状態の移行を行うものであり、演出制御手段は、所定の移行条件が成立したゲームと、結果が特別結果となるゲームとで、共通の特定演出を実行可能であることとなる。したがって、共通の特定演出の実行により、移行条件の成立と特別結果の導出の何れかであることを示唆して遊技の興趣を高めることができるとともに、この共通の特定演出の実行中に移行条件の成立と特別結果の導出のいずれであるかが判ってしまうことを防止できる。
また、演出制御手段は、現在の遊技状態に対応した発射方向指示報知を行う場合と、現在の遊技状態に対応しない発射方向指示報知を行う場合とで、報知態様を異ならせることが可能であることとなる。したがって、現在の遊技状態に対応しない発射方向指示報知であることを示唆することが可能となる。
また、演出制御手段は、所定の移行条件が成立したゲームで遊技状態の移行が行われ、かつ、移行前の遊技状態に対応した発射方向指示報知を実行している状態において、移行後の遊技状態に対応した遊技球の発射を検出した場合には、発射方向指示報知を移行後の遊技状態に対応するように変更するようにしたこととなる。したがって、遊技者が現実の発射方向を把握している場合には発射方向指示報知を行わないようにすることができる。
また、一側の遊技領域に始動入賞口をなす第1始動口(第1始動入賞口36)を設け、他側の遊技領域に始動入賞口をなす第2始動口(第2始動入賞口97)を設け、遊技制御手段は、第1始動口への遊技球の入賞に基づきゲームとして第1ゲーム(特図1変動表示ゲーム)を実行し、第2始動口への遊技球の入賞に基づきゲームとして第2ゲーム(特図2変動表示ゲーム)を実行し、第1ゲームと第2ゲームは同時に実行可能であり、特別結果には第1特別結果(大当り)と第2特別結果(小当り)が含まれ、ゲームの結果が第1特別結果となる確率は、第1ゲームと第2ゲームとで同じ確率であって、低確率状態と、該低確率状態よりも高い高確率状態との何れかに設定され、高確率状態である場合に、ゲームの実行毎に低確率状態へ移行させるための転落抽選を行うように構成され、ゲームの結果が第2特別結果となる確率は、低確率状態及び高確率状態のいずれであっても同じ確率であり、他側の遊技領域へ遊技球を発射して遊技を進行する遊技状態においては、一側の遊技領域へ遊技球を発射して遊技を進行する遊技状態よりも第2ゲームの変動時間が短いようにしたこととなる。したがって、発射方向により遊技性を異ならせることができ、遊技の興趣を向上することができる。なお、上述の実施形態では、右側の遊技領域にも第1始動口をなす普通変動入賞装置37を設けたが、右側の遊技領域には第1始動口を設けないようにしても良い。
〔第3変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技状態の遷移及び演出の実行態様が異なる。また、これに応じて連続回数表示部96での表示について転落前の値を引き継ぐ場合が異なる。
図94には本変形例での遊技状態の遷移を示した。本変形例では第2変形例と同様に第3特定遊技状態ST4は設定されておらず、第1特定遊技状態ST2において転落抽選に当選せず、特別結果も導出されずに100回の特図変動表示ゲームを実行した場合は、第4特定遊技状態ST5に移行する。各遊技状態における確率状態などは第2変形例の場合と同じである。そして、第4特定遊技状態ST5において転落抽選に当選した場合は、通常遊技状態ST1に移行する。
また、第1特定遊技状態ST2,第2特定遊技状態ST3及び第4特定遊技状態ST5において確変大当りが導出された場合の移行先が第2変形例と異なっており、本変形例では特別遊技状態の後に第4特定遊技状態ST5に移行し、通常大当りが導出された場合は特別遊技状態の後に第2特定遊技状態ST3に移行するようになっている。すなわち、同じ確変大当りであっても通常遊技状態ST1で導出された場合と、特定遊技状態で導出された場合とで移行する遊技状態が異なり、遊技者にとっては得られる価値が異なることとなる。
本変形例での各遊技状態において選択される変動パターンは、基本的に第2変形例の場合と同じであるが、第4特定遊技状態ST5において選択される変動パターンが一部異なる。また、本変形例における演出の実行態様も基本的には第2変形例の場合と同じであるが一部が異なっている。本変形例では、大当りが導出された際の遊技状態によってその後の遊技状態の移行先が異なるため、遊技者に大当りが導出された際の遊技状態を明確に把握させ、違和感や不信感を与えないようにする必要がある。このため、演出の実行態様が第2変形例の場合と一部が異なっている。以下に、第2変形例と異なる場合について説明する。
図95には、本変形例の第4特定遊技状態ST5において選択される変動パターンを示した。図95(a)〜(c)は第2変形例の場合と同じである。図95(d)に示すように、結果が大当りとなる特図変動表示ゲームについては、イレギュラー変動となる特図1変動表示ゲームに対しては転落抽選に当選しない場合には20000msが設定され、転落抽選に当選した場合には10000msが設定される。これらの場合には、結果がはずれ又は小当りの場合に転落抽選に当選した場合おいて設定される特定演出は設定されない。
また、メイン変動となる特図2変動表示ゲームに対しては転落抽選の当選の有無にかかわらず10000msが設定される。このうち、転落抽選に当選していない場合は特定演出が設定され、転落抽選に当選した場合には特定演出は設定されない。転落抽選に当選した大当りとなる特図変動表示ゲームについて特定演出を設定しないのは、転落抽選に当選したことを早い段階から遊技者に把握させるために通常モード演出を行うためである。
図96(a)には、結果が大当りとなる特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合を示した。基本的には図88(b)に示した第2変形例の場合と同じであるが、演出状態や連続回数表示部96の表示内容が図88(b)に示した第2変形例の場合と異なる。
新たな特図2変動表示ゲームが開始された際に転落抽選に当選しており、確率状態が低確率状態とされ(t81)、遊技状態は通常遊技状態ST1となる。また、転落抽選に当選した大当りとなる特図変動表示ゲームが開始されることに伴い、小当りRUSH演出が終了して通常モード演出となり、通常モード演出での大当り演出が実行される(t81〜t82)。
さらに、転落抽選に当選して通常遊技状態ST1に移行したことに伴い(t81)、右打ちで遊技を進行する状態が終了し、第1遊技状態表示部56が消灯状態となるとともに右打ち指示報知が終了する。また、第2始動入賞口97への入賞があれば左打ち指示報知を行う状態を開始する。すなわち、第4特定遊技状態ST5において、転落抽選に当選し、かつ、大当りとなる特図変動表示ゲームが開始された場合には、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始に伴い、右打ちで遊技を進行する状態を終了するとともに右打ち指示報知を終了するようにしている。
このように通常モード演出とすることや、第1遊技状態表示部56や右打ち指示報知、左打ち指示報知も通常遊技状態ST1に対応した状態とすることで、大当りの導出が通常遊技状態ST1で行われたことを明確に示すことができ、遊技者が特別遊技状態の終了後における遊技状態の移行先に疑問を持つことを防止できる。また、第1特定演出が実行されずに通常モード演出に移行することで、通常とは異なる状況であることを遊技者に示唆することができ、期待感を高めることができる。そして、この特図変動表示ゲームの終了後は第1特別遊技状態となり第1特別遊技演出となる(t83)。
連続回数表示部96では、通常遊技状態ST1への移行に伴い特定期間の終了条件が成立したので、表示を終了するとともに大当り回数が0クリアされる(t81)。その後、大当りとなる特図変動表示ゲームの終了に伴い新たな特定期間の開始条件が成立したので
連続回数表示部96の表示が開始される。この場合、大当りが導出された際の遊技状態は通常遊技状態ST1であるので、連続回数表示部96の値は1とし、通常遊技状態ST1で導出された大当りであることを遊技者が把握可能とする。これにより、第1特別遊技状態の終了後すぐに第4特定遊技状態ST5に移行しないことを把握可能となる。
なお、小当りRUSH演出を終了して通常モード演出とする際に図91(d)に示したような小当りRUSH演出終了時の結果表示を行うようにしても良い。さらに、図91(e)〜(h)のような演出を行うようにしても良い。
図96(b)には、結果が小当りとなる特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合であって、当該特図変動表示ゲームの実行中に大当りとなる特図変動表示ゲームが開始された場合を示した。基本的には図89(b)に示した第2変形例の場合と同じであるが、連続回数表示部96の表示内容が図89(b)に示した第2変形例の場合と異なる。
連続回数表示部96では、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの後の第2特別遊技状態でもそれまでの大当り回数(ここでは3回)を表示した状態が維持される。すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時には通常遊技状態ST1に移行しており、遊技の情報を累積する特定期間の終了条件が成立しているが、この時点では表示が維持される。そして、当該第2特別遊技状態の終了に伴い表示を終了するとともに大当り回数が0クリアされる(t115)。
また、特定演出を行う転落抽選に当選した特図変動表示ゲームでは通常遊技状態ST1に移行していても右打ちで遊技を進行する状態を維持するようになっている。よって当該特図変動表示ゲームでは、第1遊技状態表示部56は点灯状態を維持し、右打ち指示報知も維持される(t111〜t114)。また、第2始動入賞口97への入賞があっても左打ち指示報知を行なわないようにする。さらに、小当りに基づく第2特別遊技状態においても右打ちで遊技を進行する状態が維持され(t114〜t115)、当該第2特別遊技状態の終了に伴い(t115)、第1遊技状態表示部56は遊技状態に応じて消灯状態とされ、右打ち指示報知も終了する。
その後、大当りとなる特図変動表示ゲームの終了に伴い第1特別遊技状態が開始され、連続回数表示部96の表示が開始される。この場合、大当りが導出された際の遊技状態は通常遊技状態ST1であり新たな特定期間が開始されるので、連続回数表示部96の値は1とし、通常遊技状態ST1で導出された大当りであることを遊技者が把握可能とする。これにより、第1特別遊技状態の終了後すぐに第4特定遊技状態ST5に移行しないことを把握可能となる。
また、表示装置41においては図91に示した演出を行うようになっていて、第2特別遊技状態の終了に伴い通常モードの演出となることや、第1遊技状態表示部56や右打ち指示報知、左打ち指示報知も通常遊技状態ST1に対応した状態とすることで、通常遊技状態ST1に移行していることを把握可能となる。なお、この例においては図91(i)における連続回数表示部96の値は1となる。
また、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行時間(t111〜t113)は、通常遊技状態ST1で開始された大当りとなる特図変動表示ゲームの変動時間(t112〜t113及びt115〜t116を合算した時間)よりも短い。よって、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが先に開始又は同時に開始された場合には、必ず転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが先に終了する。このため、大当り結果が導出される前に通常遊技状態ST1であることを遊技者に知らせる時間を確保でき、通常遊技状態ST1で導出された大当りであることを遊技者に対して確実に把握させることが可能である。また、少なくとも転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが先に開始又は同時に開始された場合には両方の特図変動表示ゲームの変動時間を参照することなく演出内容を決定でき、処理を簡単にすることができる。
なお、転落抽選に当選して通常遊技状態ST1に移行したことに伴い(t111)、右打ちで遊技を進行する状態を維持するとともに右打ち指示報知を終了するようにしても良い。さらに、転落抽選に当選して通常遊技状態ST1に移行したことに伴い(t111)連続回数表示部の表示を非表示として大当り回数を0クリアするようにしても良い。
以上のことから、始動入賞口(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、遊技の制御を行う遊技制御手段(遊技制御装置100)と、始動入賞口をなす第1始動口(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)及び第2始動口(第2始動入賞口97)と、を備え、遊技制御手段は、第1始動口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行し、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームは同時に実行可能であり、所定の開始条件の成立により開始されるとともに、変動表示ゲームの開始の際に成立可能な所定の終了条件が成立することで終了する特定期間を設定可能であり、特別結果の導出が特定期間中であるか否かにより遊技者に付与される遊技価値が異なり、特定期間の終了条件が成立する変動表示ゲームの実行時間は、特定期間でない場合に開始される特別結果となる変動表示ゲームの実行時間よりも短いこととなる。したがって、終了条件が成立する変動表示ゲームの開始後に開始条件が成立する変動表示ゲームが開始された場合には、特定期間が終了した状態で特別結果が導出されるので、得られる遊技価値について遊技者の認識との齟齬が生じることを防止し、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、遊技制御手段は、終了条件が成立する変動表示ゲームの実行中において、終了条件が成立したことを報知する終了演出(第1特定演出)を実行可能であることとなる。したがって、得られる遊技価値について遊技者の認識との齟齬が生じることを防止し、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、特定期間の開始条件は特別結果の導出に伴い成立可能であるが、特定期間の設定対象をどの期間にするかにより開始条件の成立時点が異なる。すなわち、特定期間として特定遊技状態の他に特別遊技状態を含む場合には、特定遊技状態でない状態での特別結果の導出に伴う特別遊技状態が開始されたことで開始条件が成立することとなる。また、特定期間を特定遊技状態のみとして特別遊技状態を含まない場合には、特定遊技状態でない状態での特別結果の導出に伴う特別遊技状態が終了して特定遊技状態が開始されたことで開始条件が成立することとなる。
図97(a)には、大当りとなる特図1変動表示ゲームが転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームよりも先に開始されており、転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームの変動時間が大当りとなる特図1変動表示ゲームの変動時間よりも先に終了する場合の演出状態の一例を示した。基本的には図92(a)に示した第2変形例の場合と同じであるが、演出状態や連続回数表示部96の表示内容が図92(a)に示した第2変形例の場合と異なる。なお、演出状態1及び2は、図92(a)に示した演出と対応するものであって、以下主に異なる部分について説明する。
演出状態1では、連続回数表示部96の表示について転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了に伴い表示を終了するとともに大当り回数が0クリアされる(t124)。その後、大当りとなる特図変動表示ゲームの終了に伴い第1特別遊技状態が開始され、連続回数表示部96の表示が開始される。この場合、大当りが導出された際の遊技状態は通常遊技状態ST1であるので、連続回数表示部96の値は1とし、通常遊技状態ST1で導出された大当りであることを遊技者が把握可能とする。
また、表示装置41においては図91に示した演出を行うようになっていて、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了に伴い通常モードの演出となることから通常遊技状態ST1に移行していることを把握可能となる。なお、この例において図91(i)における連続回数表示部96の値は1となる。
演出状態2では、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが開始されることに伴い(t122)、小当りRUSH演出が終了して通常モード演出となり第2特定演出が実行される。当該転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了後(t124)、大当りとなる特図変動表示ゲームの終了(t126)まで第3特定演出が行われ、その後第1特別遊技状態となる。このように通常モード演出とすることで、大当りの導出が通常遊技状態ST1で行われたことを明確に示すことができ、遊技者が特別遊技状態の終了後における遊技状態の移行先に疑問を持つことを防止できる。また、第1特定演出が実行されずに通常モード演出に移行することで、通常とは異なる状況であることを遊技者に示唆することができ、期待感を高めることができる。
連続回数表示部96では、通常遊技状態ST1への移行に伴い表示を終了するとともに大当り回数が0クリアされる(t122)。その後、大当りとなる特図変動表示ゲームの終了に伴い第1特別遊技状態が開始され、連続回数表示部96の表示が開始される。この場合、大当りが導出された際の遊技状態は通常遊技状態ST1であるので、連続回数表示部96の値は1とし、通常遊技状態ST1で導出された大当りであることを遊技者が把握可能とする。なお、小当りRUSH演出を終了して通常モード演出とする際に図91(d)に示したような小当りRUSH演出終了時の結果表示を行うようにしても良い。さらに、図91(e)〜(h)のような演出を行うようにしても良い。
また、遊技を進行する状態や第1遊技状態表示部56の表示及び右打ち指示報知については、演出状態1と2のいずれも転落抽選に当選して通常遊技状態ST1に移行したことに伴い(t121)、右打ちで遊技を進行する状態が終了し、第1遊技状態表示部56が消灯状態となるとともに右打ち指示報知が終了する。すなわち、第4特定遊技状態ST5において、転落抽選に当選し、かつ、大当りとなる特図変動表示ゲームが実行されている場合には、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始に伴い、右打ちで遊技を進行する状態を終了するとともに右打ち指示報知を終了するようにしている。
なお、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了(t124)まで右打ちで遊技を進行する状態を維持するとともに右打ち指示報知を維持するようにしても良いし、大当りとなる特図1変動表示ゲームが実行されていることから特別結果の導出まで(t126)右打ちで遊技を進行する状態を維持するとともに右打ち指示報知を維持するようにしても良い。
図97(b)には、転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームの変動時間よりも大当りとなる特図1変動表示ゲームの変動時間が先に終了する場合の演出状態の一例を示した。基本的には図92(b)に示した第2変形例の場合と同じであるが、演出状態や連続回数表示部96の表示内容が図92(b)に示した第2変形例の場合と異なる。
特図2変動表示ゲームの開始に伴い確率状態は低確率状態に移行し、遊技状態は通常遊技状態ST1となる。この時点で遊技機においては大当りとなる特図1変動表示ゲームの変動時間は転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームの変動時間よりも先に終了することが把握されている。この場合、転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームの開始時において通常モード演出とするとともに、転落抽選に当選したことを示唆又は報知する第1特定演出を行わないことが選択されて第2特定演出が行われる。
また、連続回数表示部96では、通常遊技状態ST1への移行に伴い表示を終了するとともに大当り回数が0クリアされる(t132)。その後、大当りとなる特図変動表示ゲームの終了に伴い第1特別遊技状態が開始され、連続回数表示部96の表示が開始される。この場合、大当りが導出された際の遊技状態は通常遊技状態ST1であるので、連続回数表示部96の値は1とし、通常遊技状態ST1で導出された大当りであることを遊技者が把握可能とする。なお、小当りRUSH演出を終了して通常モード演出とする際に図91(d)に示したような小当りRUSH演出終了時の結果表示を行うようにしても良い。さらに、図91(e)〜(h)のような演出を行うようにしても良い。
また、遊技を進行する状態や第1遊技状態表示部56の表示及び右打ち指示報知については、転落抽選に当選して通常遊技状態ST1に移行したことに伴い(t132)、右打ちで遊技を進行する状態が終了し、第1遊技状態表示部56が消灯状態となるとともに右打ち指示報知が終了する。すなわち、第4特定遊技状態ST5において、転落抽選に当選し、かつ、大当りとなる特図変動表示ゲームが実行されている場合には、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始に伴い、右打ちで遊技を進行する状態を終了するとともに右打ち指示報知を終了するようにしている。
なお、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが大当りとなる特図変動表示ゲームの終了前の所定期間内に開始されて通常モード演出を十分な時間にわたり表示できない場合には、大当りとなる特図変動表示ゲームの停止時間において転落抽選に当選したことの報知を行うようにしても良い。
また、転落抽選に当選した後の大当りが通常遊技状態ST1での大当りであることを示すために通常モード演出にするとしたが、通常遊技状態ST1での大当りであることを遊技者が把握できるようにするものであれば良く、通常モード演出とすることに限られない。例えば、通常モード演出とせずに第2特定演出や第3特定演出のような付加的な演出を行うのみにより通常遊技状態ST1であることを示すようにしても良いし、音声により通常遊技状態ST1であることを示すようにしても良い。また、動作可能な役物が特定遊技状態である場合と通常遊技状態ST1である場合とで滞在する位置が異なるようにし、役物を通常遊技状態ST1の位置に戻すことで通常遊技状態ST1であることを示すようにしても良い。
また、特定期間である特定遊技状態中や特別遊技状態中は右打ちで遊技を進行し、特定期間でない通常遊技状態ST1では左打ちで遊技を進行するので、遊技球の発射方向の指示表示によって通常遊技状態ST1に戻っていることを示すことも可能である。特に、図96,97に示した場合には、通常遊技状態ST1に戻った際に左打ちを指示する指示表示を強調して表示することで、より強く遊技者に認識させることができる。
また、第4特定遊技状態ST5の終了による特定期間の終了時における連続回数表示部96の表示の引継ぎについて説明したが、第1特定遊技状態ST2や第2特定遊技状態ST3及び第3特定遊技状態ST4の終了による特定期間の終了時においても同様に、通常遊技状態ST1に移行したことを明確に示すようにしても良い。さらに、第1特定遊技状態ST2や第2特定遊技状態ST3及び第3特定遊技状態ST4が終了することとなる特図変動表示ゲームの変動時間については、通常遊技状態ST1において開始される大当りとなる特図変動表示ゲームの変動時間よりも短くするようにしても良い。
また、上述の実施形態及び各変形例では、特別結果の図柄により高確率状態とするか否かを決定するようにしているが、特別遊技状態において特定領域を遊技球が通過するか否かにより高確率状態とするか否かを決定するようにしても良い。
〔第4変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、演出の実行態様により特図変動表示ゲームの結果を示唆可能となっている。
図98には、SP1リーチのうちのSP1リーチAについての実行態様と選択割合を示した。SP1リーチには、SP1リーチAとSP1リーチBが含まれており、所定の割合で選択されるようになっている。さらに、SP1リーチAには図98に示すように、はずれ通常演出、大当り通常演出、違和感演出A、違和感演出B、違和感演出C及び違和感演出Dがあり、所定の割合で選択されるようになっている。図98(b)に示すように結果がはずれの場合は、はずれ通常演出のみが選択される。また、図98(c)に示すように結果が大当りの場合は、はずれ通常演出以外の演出から選択される。
SP1リーチAとSP1リーチBは演出内容が大きく異なり、例えば演出のストーリーが異なる演出である。また、SP1リーチAに含まれるはずれ通常演出、大当り通常演出、違和感演出A、違和感演出B、違和感演出C及び違和感演出Dは、演出の切り替えタイミングや演出内容が似たものとなっており、例えば演出の切り替えタイミングが同じであったり、同じストーリーの演出を行うが変化のタイミングや実行期間、登場するキャラクタなどがわずかに異なったりするものとなっている。
図98(a)に示すようにはずれ通常演出は、特図変動表示ゲームの変動開始から所定時間が経過すると第1所定演出をなすNリーチ演出となり、さらに所定時間が経過すると第2所定演出(特定演出)をなすSPリーチA演出に発展する。その後、はずれ結果で変動表示が停止する。これに対して大当り通常演出は、はずれ通常演出と共通の演出内容を実行した後に大当りの結果を導出する演出を行うようになっており、この大当りの結果を導出する演出を行う分だけ、はずれ通常演出よりも変動停止するまでの時間が長いものとなっている。
これらのはずれ通常演出及び大当り通常演出は、SPリーチAが選択される場合に最も高い確率で選択されるものである。よって、SPリーチAとなる場合の大部分は、大当り通常演出が実行される期間である第1実行期間で終了する。すなわち、はずれ通常演出及び大当り通常演出が第1実行期間で終了する第1演出をなす。これらのはずれ通常演出及び大当り通常演出が反復して実行されることで、はずれ通常演出及び大当り通常演出で共通に実行される演出内容がSPリーチAの演出であると遊技者に強く印象付けるルーチン状態を形成することができる。特に、第1所定演出をなすNリーチ演出から第2所定演出(特定演出)をなすSPリーチA演出への移行タイミングは、はずれ通常演出及び大当り通常演出で同じタイミングとなっており、この移行タイミングを遊技者に強く印象付けてルーチン状態を形成することができる。
また、違和感演出A〜Dは、大当り通常演出の実行時間が第1実行期間であるのに対して、第2実行期間の分だけ実行時間が長いものとなっている。すなわち違和感演出A〜Dが第1実行期間及び第2実行期間にわたり実行される第2演出をなす。違和感演出A〜Dにおいて変動開始からNリーチ演出となるまでのタイミングは大当り通常演出と同じであるが、その他の部分で差異がある。すなわち、遊技者に印象付けられたSPリーチAの演出との違和感を覚える部分がある。
違和感演出Aは、第2所定演出をなすSPリーチA演出への発展タイミングは大当り通常演出と同じであるが、SPリーチA演出への発展から変動停止までの期間が第2実行期間の分だけ長いものとなっている。この違和感演出Aの演出内容は、はずれ通常演出及び大当り通常演出で共通の演出内容を実行するものであり、はずれ通常演出及び大当り通常演出であれば停止するタイミングを超えて変動表示が継続することで遊技者に違和感を与えるようになっている。すなわち、違和感演出Aについては停止表示に移行するタイミングがはずれ通常演出及び大当り通常演出と異なっている。
違和感演出Bは、第2所定演出をなすSPリーチA演出への発展タイミングが大当り通常演出よりも早くなっている。この違和感演出BではNリーチ状態の期間が短いことで遊技者に違和感を与える。また、SPリーチA演出への発展後は、はずれ通常演出及び大当り通常で共通の演出内容を実行するが、SPリーチA演出への発展が早かった分だけはずれ通常演出及び大当り通常演出で共通の演出内容が行われた後も変動表示が継続するようになり、これによっても遊技者に違和感を与えるようになっている。
違和感演出Cは、第2所定演出をなすSPリーチA演出への発展タイミングが大当り通常演出よりも遅くなっている。この違和感演出CではNリーチ状態の期間が長いことで遊技者に違和感を与える。また、SPリーチA演出への発展後は、はずれ通常演出及び大当り通常で共通の演出内容を実行するが、SPリーチA演出の実行期間は、はずれ通常演出及び大当り通常よりも長く、はずれ通常演出及び大当り通常演出で共通の演出内容が行われた後も変動表示が継続するようになり、これによっても遊技者に違和感を与えるようになっている。なお、SPリーチA演出への発展から変動停止までの期間を、大当り通常演出同じとすれば、Nリーチ状態の期間が長いこと以外は大当り通常演出と同じとなり、遊技者に違和感を与えつつ明確に大当りであることを察知させないようにすることができる。
違和感演出Dは、第2所定演出をなすSPリーチA演出への発展がないものとなっており、Nリーチ状態が長時間継続することにより違和感を与えるようになっている。なお、違和感演出Dは、SPリーチA演出への発展がないので、Nリーチについての違和感演出であるとも言える。ここでは変動時間が違和感演出A〜Cと同じであるのでSPリーチAの違和感演出として含めたが、SPリーチAの違和感演出として含めないようにしても良い。
図98(b)に示すように結果がはずれとなる場合でSPリーチAが選択された場合には、はずれ通常演出のみが選択され、図98(c)に示すように結果が大当りとなる場合でSPリーチAが選択された場合には、ほとんどが大当り通常演出となり、違和感演出A〜Dは僅かな割合で選択される。このように違和感演出A〜Dは、SPリーチAが選択される場合にはずれ通常演出や大当り通常演出よりも低い確率で選択されるものである。よって、SPリーチAとなる場合でもほとんど出現しないものである。
大当りとなる場合にこのような違和感演出A〜Dをわずかな確率で実行可能としたことで、はずれ通常演出及び大当り通常演出が高頻度で実行されることにより遊技者に印象付けられたルーチン状態を逸脱した違和感状態を形成可能であり、この違和感状態によって大当りであることを暗示することができる。
また、はずれ通常演出と大当り通常演出は、変動停止するタイミングが異なる以外は演出内容が同じであるので、遊技者は変動停止するタイミングの直前まで結果がわからない状態となる。これに対して違和感演出B〜Dでは、大当り通常演出よりもはずれ通常演出との差異を感じることができる時点が早い。よって、早い段階で遊技者が違和感を覚えることで大当りとなることを推測することができるようになる。
また、違和感演出A〜Cは、はずれ通常演出及び大当り通常と共通の演出内容を実行するので、遊技者は違和感を覚えたとしても違和感演出であると確信を持ちにくく、大当りであるかもしれないとの興味を持って演出に注目するようになるので、遊技の興趣を向上することができる。
図99、図100には、SPリーチAの各パターンにおける表示装置41での表示の一例を示した。図99(a)に示すように通常遊技状態ST1においてメイン変動となる第1特図変動表示ゲームが実行されていない状態で新たな第1始動記憶が発生すると、図99(b)に示すように特図1変動表示ゲームが開始されて第1飾り特図1ゲーム表示部85aで変動表示が開始される。第1特図変動表示ゲームの変動開始から所定時間が経過すると、図99(c)に示すように左変動表示領域と右変動表示領域で同じ識別情報が仮停止するリーチ状態となって第1所定演出をなすNリーチ演出となる。
このNリーチ演出では、中変動表示領域において識別情報の値が大きくなる方向へ高速で変動表示する状態が所定時間継続され、その後、変動表示の速度が低下して図99(d)に示すように中変動表示領域の識別情報を明確に視認可能な状態で低速で変動表示する状態となる。中変動表示領域の識別情報を明確に視認可能な状態で低速で変動表示する状態は、少なくとも左右の変動表示領域で停止している識別情報と同じ識別情報(ここでは「2」)の2つ手前の識別情報(ここでは「0」)から行われる。図99(d)では左右の変動表示領域で停止している識別情報と同じ識別情報がすでに通過して次の識別情報(ここでは「3」)が通過している状態となっている。
はずれ通常演出、大当り通常演出及び違和感演出Aの場合は、図99(d)に示すように左右の変動表示領域で停止している識別情報の次の識別情報が通過している状態となると、図99(e)に示すように第2所定演出をなすSPリーチA演出に発展する。なお、違和感演出Bの場合は、図99(d)に示す状態の手前の状態である図100(a)に示すような左右の変動表示領域で停止している識別情報と同じ識別情報が通過している状態となるとでSPリーチA演出に発展する。
また、違和感演出Cの場合は、図99(d)に示す状態より後の状態である図100(e)に示すような左右の変動表示領域で停止している識別情報の2つ先の識別情報(ここでは「4」)が通過している状態となるとSPリーチA演出に発展する。また、違和感演出Dの場合は、図99(d)に示すような低速で中変動表示領域が変動表示する状態が図100(i)〜(l)のように継続されてSPリーチA演出に発展しない。
このように、SPリーチA演出への発展タイミングが異なることで違和感が生じ、遊技者が大当りであることを推測することが可能となる。また、中変動表示領域において通過する識別情報の値により、SPリーチA演出への移行タイミングがはずれ通常演出や大当り通常演出と異なっていることを知ることができるようにしており、視覚的にも把握しやすくされている。すなわち、第1演出(はずれ通常演出及び大当り通常演出)における第2所定演出への移行タイミングと、第2演出(ここでは違和感演出B及びC)における第2所定演出への移行タイミングと、では、仮停止した識別情報と同じ識別情報の変動表示する変動表示領域における表示位置が異なるようにしている。もちろん視覚的には判別困難となるように、第1演出における第2所定演出への移行タイミングと、第2演出における第2所定演出への移行タイミングと、で仮停止した識別情報と同じ識別情報の変動表示する変動表示領域における表示位置が同じとなるようにしても良い。
図99(e)に示すようなSPリーチA演出を所定時間行った後、はずれ通常演出の場合は図99(f)に示すようにはずれ結果で変動表示が停止する。大当り通常演出の場合は、はずれ通常演出よりもSPリーチA演出が長く継続して図99(g)に示すように特別結果態様で変動表示が停止する。
また、違和感演出Aの場合は、図99(h)に示すように大当り通常演出よりもSPリーチA演出が長く継続し、図99(i)に示すように特別結果態様で変動表示が停止する。図100(a)〜(d)に示す違和感演出Bの場合や、図100(e)〜(h)に示す違和感演出Cの場合も、違和感演出Aと同じく大当り通常演出よりもSPリーチA演出が長く継続して特別結果態様で変動表示が停止する。また、図100(i)〜(m)に示す違和感演出Dの場合も大当り通常演出よりも長い変動時間を経て特別結果態様で変動表示が停止する。このように違和感演出A〜Dでは、SPリーチA演出への移行タイミングや変動停止のタイミングについてはずれ通常演出及び大当り通常演出と異なる点があり、遊技者に違和感を与えて大当りであることを暗示することができる。
本変形例では、大当り通常演出の選択確率が違和感演出A〜Dの選択確率よりも10倍以上高くされており、さらに、はずれの場合にはずれ通常演出が所定の確率で選択される。このように、違和感演出A〜Dの選択確率に対してはずれ通常演出及び大当り通常の選択確率が十分に大きいことで違和感演出A〜Dが実行される機会を少なくし、実行された場合には違和感を与えることができるようになる。
はずれ通常演出及び大当り通常演出が選択される確率に対する違和感演出A〜Dの選択確率は、少なくとも2倍以上の差があれば選択機会に差が生まれるので違和感を与える効果は生じる。逆に30倍以上の差があれば違和感を与える効果は高まるが、違和感演出A〜Dの選択機会が極端に少なくなってしまう。よって、10〜30倍程度の差があることが最も効果的である。もちろん2〜10倍や30倍以上の差があっても効果は生じる。
なお、上述の例ではSP1リーチAについて説明したが、SP1リーチBにも同様に複数種類のパターンが含まれるようにしても良い。また、SP2リーチやSP3リーチにも同様にAとBがあり、これらの中にはさらに複数種類のパターンが含まれるようにしても良い。また、Nリーチについても同様に複数種類のパターンが含まれるようにしても良い。
また、結果が大当りの場合に、大当り通常演出又は違和感演出A〜Dを選択可能であるが、大当り通常演出を実行する場合と違和感演出A〜Dを実行する場合との間には変動時間の差異があるため遊技制御装置100が大当り通常演出と違和感演出A〜Dの何れを行うかを選択しているとも言える。違和感演出A〜Dのいずれを選択するかは演出制御装置300のみでも実行可能である。もちろん、大当り通常演出及び違和感演出A〜Dの変動時間を同じ変動時間としても良く、このようにすれば演出制御装置300のみにおいて大当り通常演出及び違和感演出A〜Dのうちから任意に選択することが可能となり、選択の自由度を高めることができる。
すなわち、演出制御装置300が、ゲームに関連して演出を実行可能な演出制御手段をなすとともに、第1演出(はずれ通常演出及び大当り通常演出)と第2演出(違和感演出A〜D)を実行可能な演出実行手段をなす。また、遊技制御装置100又は演出制御装置300が、第1演出又は第2演出を選択可能な演出選択手段をなす。大当り通常演出と違和感演出A〜Dの変動時間の設定によっては、演出制御装置300のみで演出選択手段を構成することも可能である。
また、第2所定演出をなすSPリーチA演出への移行タイミングを異ならせることで違和感を生じさせるとしたが、これ以外の演出への移行タイミングの差異により違和感を生じさせるようにしても良い。例えば、第1所定演出への移行タイミングを各演出パターンで異ならせることで違和感を生じさせるようにしても良い。また、第2所定演出からさらに第3所定演出へ移行する場合に当該移行タイミングを異ならせることで違和感を生じさせるようにしても良い。すなわち、同一の演出内容として、予め定められた順序で複数の演出を移行させるようにした複数の演出パターンにおいて、一又は複数の移行タイミングを異ならせることで違和感を生じさせるようにすれば良い。
また、移行タイミングをゲームの開始タイミングを基準として異ならせるようにしたが、変動開始に限られないゲームにおける任意のタイミング(各演出パターンで共通しないタイミングで良い)に設定される基準時を設け、当該基準時から見た演出の移行タイミングに差異を持たせるようにしても良い。この基準時においては特定の演出を行うことで遊技者に基準時であることを示し、当該基準時からの見た演出の移行タイミングの差異を遊技者が把握容易としても良い。
図101、図102には、違和感演出の別例を示した。図101には、SP1リーチのうちのSP1リーチAについての実行態様と選択割合を示した。この例では、はずれ通常演出、大当り通常演出、違和感演出A、違和感演出B及び違和感演出Cがあり、所定の割合で選択されるようになっている。図101(b)に示すように結果がはずれの場合は、はずれ通常演出のみが選択される。また、図101(c)に示すように結果が大当りの場合は、はずれ通常演出以外の演出から選択される。
図101(a)に示すようにはずれ通常演出は、特図変動表示ゲームの変動開始から所定時間が経過するとNリーチ演出となり、さらに所定時間が経過するとSPリーチA演出に発展する。その後、はずれ結果で変動表示が停止する。これに対して大当り通常演出及び違和感演出A〜Cは、はずれ通常演出と共通の演出内容を実行した後に大当りの結果を導出する演出を行うようになっており、この大当りの結果を導出する演出を行う分だけ、はずれ通常演出よりも変動停止するまでの時間が長いものとなっている。
変動開始からNリーチ演出が開始されるまでの期間である第1実行期間では、キャラクタAが出現する演出を実行可能である。はずれ通常演出及び大当り通常演出では、変動開始から所定時間経過した所定タイミングで特定演出としてキャラクタAが出現するようになっているのに対し、違和感演出Aではこの所定タイミングよりも早いタイミングで特定演出としてキャラクタAが出現し、違和感演出Bではこの所定タイミングよりも遅いタイミングで特定演出としてキャラクタAが出現する。また、違和感演出CではキャラクタAが出現しない。すなわち特定演出を実行しない。
はずれ通常演出及び大当り通常演出は、SPリーチAが選択される場合に最も高い確率で選択されるものである。これらのはずれ通常演出及び大当り通常演出が反復して実行されることで、はずれ通常演出及び大当り通常演出で共通に実行される演出内容がSPリーチAの演出であると強く印象付けるルーチン状態を形成することができる。特に、特定演出としてキャラクタAが出現するタイミングについて強く印象付けることで、はずれ通常演出や大当り通常演出よりも低い確率で選択される違和感演出A〜Cが選択された場合に印象付けられたルーチン状態を逸脱した違和感状態を形成可能であり、この違和感状態によって大当りであることを暗示することができる。
はずれ通常演出と大当り通常演出は、変動停止するタイミングが異なる以外は同じ演出となるので、遊技者は変動停止するタイミングの直前まで結果がわからない状態となる。これに対して違和感演出A〜Cでは、大当り通常演出よりもはずれ通常演出との差異を感じることができる時点が早い。よって、遊技者が違和感を覚えることで大当りとなることを推測することができるようになる。また、違和感演出A〜Cは、特定演出をなすキャラクタAが出現する演出のタイミングが異なるのみであってその他の演出内容は同じであるので、遊技者は第1実行期間で違和感を覚えたとしても違和感演出であると確信を持ちにくく、大当りであるかもしれないとの興味を持って演出に注目するようになるので、遊技の興趣を向上することができる。
図102には、SPリーチAの各パターンにおける表示装置41での表示の一例を示した。図102(a)〜(e)には、はずれ通常演出及び大当り通常演出での表示の一例を示した。図102(a)に示すように通常遊技状態ST1においてメイン変動となる第1特図変動表示ゲームが実行されていない状態で新たな第1始動記憶が発生すると、特図1変動表示ゲームが開始されて第1飾り特図1ゲーム表示部85aで変動表示が開始される。
はずれ通常演出及び大当り通常演出では、第1特図変動表示ゲームの変動開始から所定時間が経過すると図102(b)に示すように流れ星を模した演出が行われ、その後に図102(c)に示すように星を模したキャラクタAが出現する特定演出が行われる。そして、図102(d)に示すようにキャラクタAが出現する特定演出が終了した後に、図102(a)に示すように左変動表示領域と右変動表示領域で同じ識別情報が仮停止するリーチ状態となってNリーチ演出となる。さらにその後にSPリーチ演出Aに発展し、結果態様が導出される。
図102(f)〜(j)には、違和感演出Aでの表示の一例を示した。図102(f)に示すように通常遊技状態ST1においてメイン変動となる第1特図変動表示ゲームが実行されていない状態で新たな第1始動記憶が発生すると、特図1変動表示ゲームが開始されて第1飾り特図1ゲーム表示部85aで変動表示が開始される。
違和感演出Aでは、はずれ通常演出及び大当り通常演出において図102(b)に示したような流れ星を模した演出が行われるタイミングで図102(g)に示すようにキャラクタAが出現する演出が行われる。このため、図102(b)に示したような流れ星を模した演出は行われない。このようにキャラクタAが出現する特定演出のタイミングが早いことや、流れ星を模した演出が実行されないことから遊技者が違和感を覚えることとなる。また、図102(h)〜(j)に示すようにキャラクタAが出現する特定演出が終了した後に左変動表示領域と右変動表示領域で同じ識別情報が仮停止するリーチ状態となってNリーチ演出となるまでの時間が長いことからも違和感を覚えることとなる。
違和感演出Bについては記載を省略するが、はずれ通常演出及び大当り通常演出において図102(b)に示したような流れ星を模した演出が行われるタイミングでは演出を行わず、図102(c)に示したようにキャラクタAが出現する特定演出が行われるタイミングで流れ星を模した演出を行う。そして、はずれ通常演出及び大当り通常演出において図102(d)に示すようにキャラクタAが出現する特定演出が終了しているタイミングでキャラクタAが出現する特定演出が行われる。このように特定演出の開始が遅れることで違和感を覚えることとなる。また、キャラクタAが出現する演出が終了してからリーチ状態となるまでの時間が短いことでも違和感を覚えることとなる。
違和感演出Cでは、図102(l)に示すようにはずれ通常演出及び大当り通常演出と同じタイミングで流れ星を模した演出が行われる。しかし、その後にキャラクタAが出現する特定演出が行われずにリーチ状態となる。このようにキャラクタAが出現する演出が行われないことで遊技者が違和感を覚えることとなる。
なお、この例では変動開始からNリーチ状態となるまでの期間を対象として違和感が生じるようにしたが、これ以外の期間を対象としても良い。また、図98〜図100に示した例と組み合わせても良い。
また、特定演出をなすキャラクタAが出現する演出の実行タイミングを、ゲームの開始タイミングを基準として異ならせるようにしたが、変動開始からNリーチ演出となるまでに共通に実行される共通演出において共通演出の開始を基準とした特定演出の実行タイミングが異なっているとも言える。よって、変動開始に限られないゲームにおける任意のタイミング(各演出パターンで共通しないタイミングで良い)において予め定められた共通演出を実行するようにし、この共通演出のうちで特定演出を実行するタイミングが異なることで違和感を生じさせることが可能である。この場合、共通演出の開始から特定演出が開始されるまでの間隔や、特定演出が終了してから共通演出が終了するまでの間隔により違和感を生じさせることが可能である。
また、違和感状態を形成するための演出の差異は上述したような実行タイミングに限られない。例えば、図103に示すように、6つの角をもつ星形のキャラクタAに対して7つの角を持つ星形のキャラクタBに置き換るなど、遊技者が発見困難な程度の差異としても良い。また、音声、表示又はLEDの同期タイミングが異なるなど、音声、表示、LEDの間での実行タイミングの差異を用いて違和感状態を形成するようにしても良い。また、表示やLEDにおける色や、音声の再生速度、音程の高低などの差異を用いて違和感状態を形成するようにしても良い。
また、本変形例では、一のゲームと他のゲームとの間で違和感を与える演出について説明したが、一のゲーム中で違和感を与えるようにしても良い。例えば、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて複数の識別情報を所定時間変動表示した後に仮停止する単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出するいわゆる擬似連変動表示態様を行う場合に、各単位変動表示において選択する演出どうしで違和感を与えるようにしても良い。この場合、単位変動表示において第1演出又は第2演出を実行可能とし、第1演出の選択確率を第2演出の選択確率よりも高めるようにする(例えば10倍以上)。第1演出と第2演出は共通の演出内容を実行するが演出の実行タイミングが異なるものとする。そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合にのみ第2演出を選択可能とすることで、第2演出の実行により生じる違和感により大当りの発生を暗示することができる。
また、導出される特別結果の種類により選択可能な違和感演出を異ならせたり、各違和感演出の選択確率を異ならせたりして、大当りであることの暗示と大当りの種類の暗示を行うことができるようにしても良い。また、RTC338の情報に基づき、日時や時刻に応じて選択できる違和感演出を異ならせたり、各違和感演出の選択確率を異ならせたりしても良い。また、出現した演出などを遊技履歴情報として記憶、表示できるようにし、違和感演出であったことを履歴情報で確認できるようにしても良い。
また、遊技機に設けられた操作手段を操作することで特別結果の導出確率を複数種類の確率設定値から選択して設定できるようにし、設定された確率設定値により選択可能な違和感演出を異ならせたり、各違和感演出の選択確率を異ならせたりして、大当りであることの暗示と確率設定値の暗示を行うことができるようにしても良い。
また、違和感演出であることを遊技者が把握容易とするための補助表示を行うようにしても良い。上述の例では、中変動表示領域における識別情報の値が補助表示としても機能するが、これとは別の補助表示を行うようにしても良い。例えば、時間を表示するタイマを表示し、SPリーチA演出への発展タイミングをタイマ表示により確認できるようにしても良い。タイマ表示の値は、変動開始などのある基準点からの経過時間を加算表示するものであっても良いし、ある基準点までの残り時間を減算表示するものであっても良い。
また、実行中の特図変動表示ゲームについての演出として違和感演出を行うようにしたが、これ以外の演出で違和感演出を行うようにしても良い。例えば、始動記憶についての事前判定結果を報知する先読み演出において、大当りとなる始動記憶やSPリーチとなる始動記憶のような期待度の高い始動記憶について普段とは異なる先読み演出とする違和感演出を行うようにしても良い。先読み演出における違和感演出としては、第1記憶表示部83aの飾り特図始動記憶表示の表示において、非常に低い確率で選択される表示を設けるようにしたり、変化の過程として非常に低い確率で選択される過程を設けるようにしたりする。
以上のことから、ゲームに関連して演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備えた遊技機において、演出制御手段は、第1実行期間にて第1所定演出(SPリーチA)を実行可能な第1演出(はずれ通常演出及び大当り通常演出)と第2演出(違和感演出A〜D)を実行可能な演出実行手段(演出制御装置300)と、第1演出又は前記第2演出を選択可能な演出選択手段(演出制御装置300)と、を備え、前記演出選択手段は、前記ゲームの結果がはずれとなる際に前記第1所定演出を実行する場合に、第1の割合(図98(b)参照)で前記第1演出が実行されるように選択可能であると共に、前記ゲームの結果が当りとなる際に前記第1所定演出を実行する場合に、第2の割合(図98(c)の大当り通常演出の実行割合)で前記第1演出を実行又は第3の割合(図98(c)の違和感演出A〜Dの実行割合)で前記第2演出を実行するように選択可能であり、前記演出実行手段は、前記第1所定演出を実行する場合に、前記第1実行期間にて前記第1演出を反復実行してルーチン状態を形成し、前記ゲームの結果が当りとなる際に前記第1所定演出を実行する場合に、前記第1実行期間にて前記第2演出を実行することで、前記ルーチン状態を逸脱した違和感状態を形成可能であることとなる。
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。このパチンコ機では、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入賞すること(始動入賞)に基づいて、遊技領域に設けられた変動表示装置に表示される複数の識別情報(図柄、記号など)を変動表示する変動表示ゲームを開始し、所定時間経過後に停止した複数の識別情報の態様が予め定められた特別結果態様であった場合には、遊技者に多くの賞球を払い出す特別遊技状態となるものがある(例えば特開2017−121302号公報)。このような従来の遊技機では、長時間遊技を行うことで演出が単調となり、遊技の興趣が高まらないという問題があった。上記発明によれば、一定期間遊技を行うことで形成されたルーチン状態を逸脱したことで結果を示唆することができるなど従来に無い多彩な演出を行うことが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
また、前記演出実行手段は、前記ゲームの結果がはずれとなる際に前記第1所定演出を実行する場合に、前記第1実行期間にて前記第1演出を反復実行してルーチン状態を形成し、前記ゲームの結果が当りとなる際に前記第1所定演出を実行する場合に、前記第1実行期間にて前記第2演出を実行することで、前記ルーチン状態を逸脱した違和感状態を形成可能であることとなる。
また、前記演出実行手段は、前記ゲームの結果が当りとなる際に前記第1所定演出を実行する場合に、前記第1実行期間にて前記第1演出を反復実行してルーチン状態を形成し、前記ゲームの結果が当りとなる際に前記第1所定演出を実行する場合に、前記第1実行期間にて前記第2演出を実行することで、前記ルーチン状態を逸脱した違和感状態を形成可能であることとなる。
また、前記演出実行手段は、前記第1所定演出を実行する場合に、前記第1実行期間にて前記第1演出を反復実行してルーチン状態を形成し、前記ゲームの結果が当りとなる際に前記第1所定演出を実行する場合に、前記第1実行期間にて前記第1所定演出を実行し、該第1実行期間に続く第2実行期間にて前記第1所定演出を継続して実行することで、前記ルーチン状態を逸脱した違和感状態を形成可能であることとなる。
また、前記演出実行手段は、前記ゲームの結果がはずれとなる際に前記第1所定演出を実行する場合に、前記第1実行期間にて前記第1演出を反復実行してルーチン状態を形成し、前記ゲームの結果が当りとなる際に前記第1所定演出を実行する場合に、前記第1実行期間にて前記第1所定演出を実行し、該第1実行期間に続く第2実行期間にて前記第1所定演出を継続して実行することで、前記ルーチン状態を逸脱した違和感状態を形成可能であることとなる。
また、前記演出実行手段は、前記ゲームの結果が当りとなる際に前記第1所定演出を実行する場合に、前記第1実行期間にて前記第1演出を反復実行してルーチン状態を形成し、前記ゲームの結果が当りとなる際に前記第1所定演出を実行する場合に、前記第1実行期間にて前記第1所定演出を実行し、該第1実行期間に続く第2実行期間にて前記第1所定演出を継続して実行することで、前記ルーチン状態を逸脱した違和感状態を形成可能であることとなる。
また、遊技球が流下可能な遊技領域32を備え、前記遊技領域32に設けられた始動入賞口(第1始動口36、普通変動入賞装置37、第2始動口97)への遊技球の入賞に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、ゲームに関連して演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備え、前記演出制御手段は、同一の演出内容として特定演出を実行する複数の演出パターンのうちから一の演出パターンを選択して実行することが可能であり、前記複数の演出パターンには第1演出と、当該第1演出とは前記特定演出の実行タイミングが異なる一又は複数の第2演出と、があり、前記ゲームの結果が前記特別結果となる場合の前記第1演出の選択確率を、前記第2演出の選択確率よりも高くしたこととなる。したがって、遊技が単調になることを防止し、遊技の興趣を高めることができる。なお、特定演出は、図98に示したSPリーチA演出のような移行して開始される演出としても良いし、図101に示したような特定のキャラクタが登場する演出としても良い。
また、演出制御手段は、前記ゲームの結果が前記特別結果とならない場合は、前記第1演出のみを選択し、前記ゲームの結果が前記特別結果となる場合は、前記第1演出又は前記第2演出を選択し、当該第2演出が実行された場合に遊技者に違和感を生じさせるようにするようにしたこととなる。
また、演出制御手段は、前記ゲームの開始タイミングに対する前記特定演出の開始タイミングが前記第1演出と前記第2演出とで異なるようにするようにしたこととなる。したがって、遊技者はゲームの開始タイミングを基準とした特定演出の実行タイミングを観察することで、第2演出であることを把握可能となる。
また、演出制御手段は、前記第1演出と前記第2演出とで共通に実行される共通演出の実行中に前記特定演出を実行するように構成され、前記共通演出の開始タイミングに対する前記特定演出の開始タイミングが前記第1演出と前記第2演出とで異なるようにしたこととなる。したがって、遊技者は共通演出の開始タイミングを基準とした特定演出の実行タイミングを観察することで、第2演出であることを把握可能となる。共通演出の開始タイミングは必ずしもゲームの開始タイミングから一定のタイミングなくても良い。
また、遊技球が流下可能な遊技領域32を備え、前記遊技領域32に設けられた始動入賞口(第1始動口36、普通変動入賞装置37、第2始動口97)への遊技球の入賞に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、ゲームに関連して演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備え、前記演出制御手段は、前記同一の演出内容として、第1所定演出と、当該第1所定演出の後に開始される第2所定演出と、を順次実行する複数の演出パターンのうちから一の演出パターンを選択して実行することが可能であり、前記複数の演出パターンには第1演出と、当該第1演出とは前記第2所定演出への移行タイミングが異なる一又は複数の第2演出と、があり、前記ゲームの結果が前記特別結果となる場合の前記第1演出の選択確率を、前記第2演出の選択確率よりも高くしたこととなる。したがって、遊技が単調になることを防止し、遊技の興趣を高めることができる。
また、前記演出制御手段に制御され、前記ゲームに対応して複数の変動表示領域で複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示装置41を備え、前記演出制御手段は、前記第2所定演出への移行タイミングにおいて、一部の前記変動表示領域では前記識別情報が仮停止し、残りの前記変動表示領域では前記識別情報を判別可能な状態で変動表示した状態となるようにされ、前記第1演出における前記第2所定演出への移行タイミングと、前記第2演出における前記第2所定演出への移行タイミングと、では、前記仮停止した識別情報と同じ識別情報の前記変動表示する前記変動表示領域における表示位置が異なるようにしたこととなる。したがって、遊技者は識別情報の位置関係に基づき第2演出であることを把握可能となる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。