JP7232512B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果とな
った場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機に関する。
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。このパチンコ機では、遊技領域に設け
られた始動口に遊技球が入賞すること(始動入賞)に基づいて、遊技領域に設けられた変
動表示装置に表示される複数の識別情報(図柄、記号など)を変動表示する変動表示ゲー
ムを開始し、所定時間経過後に停止した複数の識別情報の態様が予め定められた特別結果
態様であった場合には、遊技者に多くの賞球を払い出す特別遊技状態となるものがある(
例えば、特許文献1参照)。
特開2017-121302号公報
特許文献1のような従来の遊技機では、長時間遊技を行うことで演出が単調となり、遊
技の興趣が高まらないという問題があった。本発明の目的は、遊技の興趣を高めることで
ある。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、
前記ゲームに関連して演出を実行可能な演出制御手段を備え、
前記演出制御手段は、
第1所定演出と、当該第1所定演出の後に開始される第2所定演出と、を実行する複数の演出パターンのうちから一の演出パターンを選択して実行することが可能であり、
前記複数の演出パターンには、
前記ゲームの結果がはずれとなる場合に選択され、前記第2所定演出へ第1の移行タイミングで移行するはずれ第1演出と、
前記ゲームの結果が前記特別結果となる場合に最も高い頻度で選択可能であり、前記第2所定演出へ前記第1の移行タイミングで移行する当り第1演出と、
前記ゲームの結果が前記特別結果となる場合に前記当り第1演出よりも低い頻度で選択可能であり、前記ゲームの結果が前記はずれとなる場合に選ばれない第2の移行タイミングで前記第2所定演出へ移行する当り第2演出と、
前記ゲームの結果が前記特別結果となる場合に前記当り第1演出よりも低い頻度で選択可能であり、前記ゲームの結果が前記はずれとなる場合に選ばれない第の移行タイミングで前記第2所定演出へ移行する当り第3演出と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、遊技の興趣を高めることができる。
本発明の一実施形態の遊技機を前面側から見た斜視図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤の分解斜視図である。 普通変動入賞装置を説明する図である。 普通変動入賞装置を説明する図である。 普通変動入賞装置を説明する図である。 普通変動入賞装置を説明する図である。 普通変動入賞装置を説明する図である。 普通変動入賞装置を説明する図である。 普通変動入賞装置を説明する図である。 普通変動入賞装置を説明する図である。 普通変動入賞装置を説明する図である。 普通変動入賞装置の変形例を説明する図である。 普通変動入賞装置の変形例を説明する図である。 特別変動入賞装置の正面図である。 特別変動入賞装置の上面図である。 開閉部材の動作を説明する図であって、(a)閉状態、(b)開状態である。 特別変動入賞装置での遊技球の転動態様を説明する図である。 遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。 遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。 遊技状態の遷移を説明するための図である。 遊技状態の変化の一例を説明するための図である。 遊技状態の変化の一例を説明するための図である。 表示装置での演出の一例を説明するための図である。 普通変動入賞装置の動作と各種時間との関係を説明する図である。 特別結果の構成を説明する図である。 変動パターンの種類を説明する図である。 変動パターンの種類を説明する図である。 特別変動入賞装置の開閉パターンを説明する図である。 メイン処理を説明するフローチャートである。 メイン処理を説明するフローチャートである。 タイマ割込み処理を説明するフローチャートである。 始動口スイッチ監視処理を説明するフローチャートである。 特図始動口1スイッチ処理を説明するフローチャートである。 特図保留情報判定処理を説明するフローチャートである。 特図始動口3スイッチ処理を説明するフローチャートである。 特図1ゲーム処理を説明するフローチャートである。 特図2ゲーム処理を説明するフローチャートである。 特図1普段処理を説明するフローチャートである。 特図2普段処理を説明するフローチャートである。 特図1変動開始処理を説明するフローチャートである。 特図2変動開始処理を説明するフローチャートである。 転落抽選処理を説明するフローチャートである。 サポート管理処理を説明するフローチャートである。 大当りフラグ1設定処理を説明するフローチャートである。 大当りフラグ2設定処理を説明するフローチャートである。 大当り判定処理を説明するフローチャートである。 小当り判定処理を説明するフローチャートである。 特図1停止図柄設定処理を説明するフローチャートである。 特図2停止図柄設定処理を説明するフローチャートである。 第4特定遊技状態設定処理を説明するフローチャートである。 特図1変動中処理移行設定処理を説明するフローチャートである。 特図2変動中処理移行設定処理を説明するフローチャートである。 特図1変動中処理を説明するフローチャートである。 特図2変動中処理を説明するフローチャートである。 特図1表示中処理移行設定処理1を説明するフローチャートである。 特図2表示中処理移行設定処理1を説明するフローチャートである。 特図1表示中処理移行設定処理2を説明するフローチャートである。 特図2表示中処理移行設定処理2を説明するフローチャートである。 特図1表示中処理を説明するフローチャートである。 特図1表示中処理を説明するフローチャートである。 特図2表示中処理を説明するフローチャートである。 特図2表示中処理を説明するフローチャートである。 ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理を説明するフローチャートである。 特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理を説明するフローチャートである。 特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理を説明するフローチャートである。 ファンファーレ/インターバル中処理を説明するフローチャートである。 大入賞口開放中処理を説明するフローチャートである。 大入賞口残存球処理を説明するフローチャートである。 大当り終了処理移行設定処理を説明するフローチャートである。 特図1大当り終了処理を説明するフローチャートである。 特図2大当り終了処理を説明するフローチャートである。 小当りファンファーレ中処理を説明するフローチャートである。 小当り中処理を説明するフローチャートである。 小当り残存球処理を説明するフローチャートである。 特図1小当り終了処理を説明するフローチャートである。 特図2小当り終了処理を説明するフローチャートである。 メイン処理を説明するフローチャートである。 受信コマンドチェック処理を説明するフローチャートである。 受信コマンド解析処理を説明するフローチャートである。 変動系コマンド処理を説明するフローチャートである。 変動演出設定処理を説明するフローチャートである。 単発系コマンド処理を説明するフローチャートである。 大当り系コマンド処理を説明するフローチャートである。 第1実施形態の第1変形例での変動パターンの種類を説明する図である。 第1実施形態の第2変形例での遊技状態の遷移を説明する図である。 第1実施形態の第2変形例での変動パターンの種類を説明する図である。 第1実施形態の第2変形例での演出の実行態様の一例を説明するための図である。 第1実施形態の第2変形例での演出の実行態様の一例を説明するための図である。 第1実施形態の第2変形例での表示装置における演出の一例を説明するための図である。 第1実施形態の第2変形例での表示装置における演出の一例を説明するための図である。 第1実施形態の第2変形例での演出の実行態様の一例を説明するための図である。 第1実施形態の第2変形例での表示装置における演出の一例を説明するための図である。 第1実施形態の第3変形例での遊技状態の遷移を説明する図である。 第1実施形態の第3変形例での変動パターンの種類を説明する図である。 第1実施形態の第3変形例での演出の実行態様の一例を説明するための図である。 第1実施形態の第3変形例での演出の実行態様の一例を説明するための図である。 第1実施形態の第4変形例での演出の実行態様と選択割合を説明するための図である。 第1実施形態の第4変形例での演出の一例を説明するための図である。 第1実施形態の第4変形例での演出の一例を説明するための図である。 第1実施形態の第4変形例での演出の実行態様と選択割合を説明するための図である。 第1実施形態の第4変形例での演出の一例を説明するための図である。 第1実施形態の第4変形例での演出の一例を説明するための図である。 本発明の一実施形態の遊技機を前面側から見た斜視図である。 遊技盤の正面図である。 特別結果の構成を説明する図である。 変動パターンの種類を説明する図である。 変動パターンの種類を説明する図である。 特別変動入賞装置の開閉パターンを説明する図である。 遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。 遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。 メイン処理を説明するフローチャートである。 メイン処理を説明するフローチャートである。 (a)はチェックサム算出処理を説明するフローチャートであり、(b)は初期値乱数更新処理を説明するフローチャートである。 タイマ割込み処理を説明するフローチャートである。 入力処理を説明するフローチャートである。 スイッチ読み込み処理を説明するフローチャートである。 出力処理を説明するフローチャートである。 払出コマンド送信処理を説明するフローチャートである。 乱数更新処理1を説明するフローチャートである。 乱数更新処理2を説明するフローチャートである。 入賞口スイッチ/状態監視処理を説明するフローチャートである。 不正&入賞監視処理を説明するフローチャートである。 入賞数カウンタ更新処理を説明するフローチャートである。 演出コマンド設定処理を説明するフローチャートである。 特図2異常変動監視処理を説明するフローチャートである。 (a)は特図2異常変動数の変化を説明する図であり、(b)は特図2異常変動報知が行われる例を説明する図である。 ワンショットエラー監視処理を説明するフローチャートである。 (a)はイレギュラー変動数の変化を説明する図であり、(b)はワンショットエラー報知が行われる例を説明する図である。 遊技機状態チェック処理を説明するフローチャートである。 払出ビジー信号チェック処理を説明するフローチャートである。 始動口スイッチ監視処理を説明するフローチャートである。 ハード乱数取得処理を説明するフローチャートである。 特図始動口1スイッチ処理を説明するフローチャートである。 特図保留情報判定処理を説明するフローチャートである。 特図始動口2スイッチ処理を説明するフローチャートである。 特図1ゲーム処理を説明するフローチャートである。 特図2ゲーム処理を説明するフローチャートである。 大入賞口スイッチ監視処理を説明するフローチャートである。 特図1普段処理を説明するフローチャートである。 特図2普段処理を説明するフローチャートである。 特図1変動開始処理を説明するフローチャートである。 特図2変動開始処理を説明するフローチャートである。 大当りフラグ1設定処理を説明するフローチャートである。 大当りフラグ2設定処理を説明するフローチャートである。 大当り判定処理を説明するフローチャートである。 小当り判定処理を説明するフローチャートである。 特図1停止図柄設定処理を説明するフローチャートである。 特図2停止図柄設定処理を説明するフローチャートである。 特図1情報設定処理を説明するフローチャートである。 特図2情報設定処理を説明するフローチャートである。 特図1変動パターン設定処理を説明するフローチャートである。 特図2変動パターン設定処理を説明するフローチャートである。 2バイト振り分け処理を説明するフローチャートである。 振り分け処理を説明するフローチャートである。 変動開始情報設定処理を説明するフローチャートである。 特図1変動中処理移行設定処理を説明するフローチャートである。 特図2変動中処理移行設定処理を説明するフローチャートである。 特図1変動中処理を説明するフローチャートである。 特図2変動中処理を説明するフローチャートである。 特図1表示中処理移行設定処理1を説明するフローチャートである。 特図2表示中処理移行設定処理1を説明するフローチャートである。 特図1表示中処理移行設定処理2を説明するフローチャートである。 特図2表示中処理移行設定処理2を説明するフローチャートである。 特図1表示中処理を説明するフローチャートである。 特図1表示中処理を説明するフローチャートである。 特図2表示中処理を説明するフローチャートである。 特図2表示中処理を説明するフローチャートである。 ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理を説明するフローチャートである。 特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理を説明するフローチャートである。 特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理を説明するフローチャートである。 ファンファーレ/インターバル中処理を説明するフローチャートである。 大入賞口開放中処理移行設定処理1を説明するフローチャートである。 大入賞口開放中処理移行設定処理2を説明するフローチャートである。 大入賞口開放中処理を説明するフローチャートである。 大入賞口残存球処理を説明するフローチャートである。 大当り終了処理移行設定処理を説明するフローチャートである。 特図1大当り終了処理を説明するフローチャートである。 特図2大当り終了処理を説明するフローチャートである。 小当りファンファーレ中処理を説明するフローチャートである。 小当り中処理を説明するフローチャートである。 小当り残存球処理を説明するフローチャートである。 特図1小当り終了処理を説明するフローチャートである。 特図2小当り終了処理を説明するフローチャートである。 図柄変動制御処理を説明するフローチャートである。 セグメントLED編集処理を説明するフローチャートである。 磁石不正監視処理を説明するフローチャートである。 盤電波不正監視処理を説明するフローチャートである。 外部情報編集処理を説明するフローチャートである。 始動口1信号編集処理を説明するフローチャートである。 メイン賞球信号編集処理を説明するフローチャートである。 図柄確定回数信号編集処理を説明するフローチャートである。 メイン処理を説明するフローチャートである。 受信コマンドチェック処理を説明するフローチャートである。 受信コマンド解析処理を説明するフローチャートである。 変動系コマンド処理を説明するフローチャートである。 変動演出設定処理を説明するフローチャートである。 単発系コマンド処理を説明するフローチャートである。 大当り系コマンド処理を説明するフローチャートである。 各リールの図柄配置を説明する図である。 飾り特別結果を説明する図である。 低確率状態での飾りゲームの実行態様の一例を説明する図である。 高確率状態での飾りゲームの実行態様の一例を説明する図である。 特定の実行態様での飾りゲームの一例を説明する図である。 低確率状態での小当り発生時の演出の一例を説明する図である。 高確率状態での小当り発生時の演出の一例を説明する図である。 報知部での報知の一例を説明する図である。 カウント演出設定処理を説明するフローチャートである。 報知情報設定処理を説明するフローチャートである。 遊技ポイントによる演出の一例を説明する図である。 第2実施形態の第1変形例:飾り特別結果を説明する図である。 第2実施形態の第2変形例:リール回転演出を説明する図である。 第2実施形態の第2変形例:リール回転演出を説明する図である。 第2実施形態の第2変形例:リール回転演出を説明する図である。 第2実施形態の第2変形例:リール回転演出を説明する図である。 第2実施形態の第2変形例:リール回転演出を説明する図である。 第2実施形態の第2変形例:リール回転演出を説明する図である。 第2実施形態の第2変形例:リール回転演出を説明する図である。 第2実施形態の第2変形例:リール回転演出を説明する図である。 第2実施形態の第3変形例:変動パターンの種類を説明する図である。 第3実施形態:タイマ割込み処理を説明するフローチャートである。 第3実施形態:検出コマンド送信処理を説明するフローチャートである。 第3実施形態:入賞口スイッチ/状態監視処理を説明するフローチャートである。 第3実施形態:演出制御装置のメイン処理を説明するフローチャートである。 第3実施形態:エラー判定処理を説明するフローチャートである。 第3実施形態:ワンショットエラー判定処理を説明するフローチャートである。 第3実施形態:ワンショットエラー報知が行われる例を説明する図である。 第3実施形態:シュート球切れエラー判定処理を説明するフローチャートである。 第3実施形態:オーバーフローエラー判定処理を説明するフローチャートである。 第3実施形態:払出異常エラー判定処理を説明するフローチャートである。 第3実施形態:ワンショットエラー判定処理の変形例を説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態の遊技機を前面側から見た斜視図である。 遊技盤の正面図である。 遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。 遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。 特別結果の構成を説明する図である。 特別遊技状態における動作態様を説明する図である。 特別遊技状態における動作態様を説明する図である。 遊技状態の遷移を説明するための図である。 メイン処理を説明するフローチャートである。 メイン処理を説明するフローチャートである。 タイマ割込み処理を説明するフローチャートである。 確率設定変更/確認処理を説明するフローチャートである。 性能表示装置における表示を説明するフローチャートである。 始動口スイッチ監視処理を説明するフローチャートである。 特図始動口スイッチ共通処理を説明するフローチャートである。 特図保留情報判定処理を説明するフローチャートである。 特図保留情報判定処理を説明するフローチャートである。 先読み大当り判定処理を説明するフローチャートである。 特図1ゲーム処理を説明するフローチャートである。 特図2ゲーム処理を説明するフローチャートである。 特図2ゲーム処理を説明するフローチャートである。 特図1普段処理を説明するフローチャートである。 特図2普段処理を説明するフローチャートである。 特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理を説明するフローチャートである。 転落抽選処理を説明するフローチャートである。 大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理を説明するフローチャートである。 大当り判定処理を説明するフローチャートである。 小当り判定処理を説明するフローチャートである。 特図1停止図柄設定処理を説明するフローチャートである。 特図2停止図柄設定処理を説明するフローチャートである。 特図1情報設定処理を説明するフローチャートである。 特図2情報設定処理を説明するフローチャートである。 特図1変動パターン設定処理を説明するフローチャートである。 特図2変動パターン設定処理を説明するフローチャートである。 変動開始情報設定処理を説明するフローチャートである。 時間短縮変動回数更新処理を説明するフローチャートである。 特図1変動中処理を説明するフローチャートである。 特図2変動中処理を説明するフローチャートである。 特図1表示中処理を説明するフローチャートである。 特図2表示中処理を説明するフローチャートである。 特図2表示中処理を説明するフローチャートである。 ファンファーレ/インターバル中処理を説明するフローチャートである。 ファンファーレ/インターバル中処理を説明するフローチャートである。 特図1大当り終了処理を説明するフローチャートである。 特図2大当り終了処理を説明するフローチャートである。 大当り終了設定処理1及び大当り終了設定処理2を説明するフローチャートである。 大当り終了設定処理3を説明するフローチャートである。 小当りファンファーレ中処理を説明するフローチャートである。 特図2小当り終了処理を説明するフローチャートである。 遊技制御装置が有するROMのデータ構造の一例を示す図である。 大当り判定について説明する図である。 演出制御装置のメイン処理を説明するフローチャートである。 受信コマンドチェック処理を説明するフローチャートである。 受信コマンド解析処理を説明するフローチャートである。 変動系コマンド処理を説明するフローチャートである。 大当り系コマンド処理を説明するフローチャートである。 (a)は確率設定値の変更時や確認時に表示する設定履歴カレンダーの一例を示す図であり、(b)ホール設定画面の一例を示す図である。 エンディング演出設定処理の一例を説明するフローチャートである。 設定示唆演出判定処理の一例を説明するフローチャートである。 変動演出設定処理の一例を説明するフローチャートである。 エンディング演出設定処理の変形例を説明するフローチャートである。 ホール設定画面の変形例を示す図である。 設定示唆演出判定処理の第1変形例を説明するフローチャートである。 設定示唆演出として表示する設定履歴カレンダーの一例を示す図である。 設定示唆演出判定処理の第2変形例を説明するフローチャートである。
<第1実施形態>
図1に示すように本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(
支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠1
2の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)1
2には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(
透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異
常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例
えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例え
ば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠
12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はス
ピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知
されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設
けるようにしても良い。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(
貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が
流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する
下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21
の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25a
を内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)に
は、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。
さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりす
る鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチ
パネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍に
サブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、演出ボタン25右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操
作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるため
に操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)
等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を
回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30
前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル
29を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り
特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤
30の正面図である。
図2に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体8
0を備える。遊技盤本体80は木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体80の前面
には外周壁(ガイドレール)31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10
は、外周壁31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行う
ように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や
障害釘などが配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えなが
ら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンター
ケース40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複
数の識別情報を変動表示する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置
されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン
管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表
示領域)には、演出画像として静止画や動画を表示可能であり、例えば、複数の識別情報
(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等
の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として
割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対
応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出
のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画
像等)が表示される。
センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側
に導くためのワープ流路を形成するワープ流路形成部材614と、当該ワープ流路を通過
した遊技球が転動可能なステージ部620とが設けられている。センターケース40のス
テージ部620は、第1始動入賞口36の上方に配置されているため、ステージ部620
上で転動した遊技球は第1始動入賞口36に入賞し易くなっている。また、センターケー
ス40の上部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられて
いる。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能
となっている。
センターケース40の右方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート
)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通
過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ34a(図19参照)が設けられている。
遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示
ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には、二つの一般入賞口35が配置されて
おり、センターケース40の右部には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら
一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ35a
(図19参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図1変動表示ゲーム(第1特図変動
表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口36(第1始動入賞領域)が設けられて
いる。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図19参照)
によって検出される。また、センターケース40の右下方の遊技領域32には、特図2変
動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える第2始動入賞口97(第2
始動入賞領域)が設けられている。第2始動入賞口97に入賞した遊技球は、始動口3ス
イッチ97a(図19参照)によって検出される。
センターケース40の右方の遊技領域32のうち、普図始動ゲート34と第2始動入賞
口97との間には、普通変動入賞装置37が設けられている。本実施形態では、普通変動
入賞装置37の入賞口(普電入賞口37d)への入賞によって、特図1変動表示ゲームが
すぐに実行されるか、特図1始動入賞記憶(第1始動記憶)が記憶される構成としている
。すなわち、本実施形態において、普通変動入賞装置37の入賞口(普電入賞口37d)
は、特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞
領域である。そして、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37
a(図19参照)によって検出され、始動口2スイッチ37aによって遊技球が検出され
た場合には、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームをすぐに実行するか、特図1
始動入賞記憶を記憶する。このように、本実施形態では、普電入賞口37dと第1始動入
賞口36とが第1始動入賞領域(特図1の始動口)に相当し、第2始動入賞口97が第2
始動入賞領域(特図2の始動口)に相当する。
遊技制御装置(遊技制御手段)100は、普図変動表示ゲームの所定の抽選結果に基づ
いて普通変動入賞装置37の可動部材37bを開状態と閉状態とに変換する制御を行う普
電ソレノイド37c(変換制御手段)に接続する(図19参照)。普通変動入賞装置37
の構成の詳細については後述するが、本実施形態において、普通変動入賞装置37の可動
部材37bは、普電ソレノイド37cによって前後方向に進退(スライド)することで、
普電入賞口37dを開放する(普電入賞口37dへ遊技球が流入可能な状態にする)所謂
ベロ型の普通電動役物である。なお、普通変動入賞装置37の可動部材37bとして、例
えば、普電ソレノイド37cによって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで普電
入賞口37dを開放するアタッカ形式の普通電動役物を設けてもよい。遊技制御装置10
0は、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド
37cを介して可動部材37bを開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入可能な開
状態に変化させる。
また、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表
示ゲームの当り確率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高
めたり、通常遊技状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くした
りすることで時短状態(普電サポート(電サポ)状態)を発生させる。
センターケース40の右下方の遊技領域32には、特別変動入賞装置38が設けられて
いる。特別変動入賞装置38は、図15~図18に示すように、開閉部材990が前後方
向に進退(スライド)することで、大入賞口38dを遊技球が流入可能な状態に変換する
。特別変動入賞装置38は、特図変動表示ゲームの結果によって、大入賞口38dを閉じ
た閉状態から開状態に変換し、大入賞口38d内への遊技球の流入を容易にさせることで
、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。特別変動入賞装置38
に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図19参照)によ
って検出される。
すなわち、本実施形態の特別変動入賞装置38は、補助遊技としての特図変動表示ゲー
ムの結果如何によって開閉部材990が大入賞口38dを閉じた閉状態(遊技者にとって
不利な閉塞状態)から開閉部材990が退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入
れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。そして、特別変動入賞装置3
8に到着した遊技球は、前壁突出部954と突出部992による斜め後方への誘導と、凹
部993や後壁突出部964による斜め前方への誘導が繰り返されて、前後に蛇行しなが
ら右から左へ流下する。これにより、流下路38fに前壁突出部954や後壁突出部96
4、突出部992、凹部993などの起伏がなく直線的に流下する場合よりも開閉部材9
90上に遊技球が滞留する時間が長くなる。そのため、開閉部材990上に遊技球が常に
存在する状態となり、特別変動入賞装置38の開放時間が短い場合であっても開閉部材9
90を開放した際に開閉部材990上に存在している遊技球が落下して大入賞口38dに
入賞する可能性が高く、短い開放であっても遊技者に入賞に対する期待感を持たせること
ができる。
また、開閉部材990を開放する際に開閉部材990上に滞留していた遊技球は、突出
部992に接触することで跳ねて大入賞口38dから離れる方向へ誘導される。また、跳
ねた遊技球は流路前壁952の前壁突出部954や、流路後壁962の後壁突出部964
などに接触することで更に大入賞口38dから離れることもある。また、突出部992は
遊技球が通過可能な間隔をおいて配されているため、この間隔を通って突出部992に接
触せずに落下することもある。このように、突出部992や前壁突出部954、後壁突出
部964を備えることで、開閉部材990を開放する際の遊技球の転動態様が多彩となり
、遊技の興趣を向上することができる。また、開閉部材990を開放した際に開閉部材9
90上に存在している複数の遊技球の大入賞口38dへの流入タイミングをずらすことが
でき、大入賞口38d内で球詰まりが発生することを防止できる。なお、後述する普通変
動入賞装置37での遊技球を滞留させる構成を特別変動入賞装置38での遊技球を滞留さ
せる構成として用いても良いし、逆に、特別変動入賞装置38での遊技球を滞留させる構
成を普通変動入賞装置37での遊技球を滞留させる構成として用いても良い。
図2に戻り、第1始動入賞口36の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかっ
た遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。また、遊技領域32の外側であっ
て遊技盤本体80の右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2
変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された特図1
変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)51及び特図2変動表示ゲーム
用の特図2表示器(第2特図変動表示部)52と、LEDランプで構成された特図1変動
表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部53とを備える。
また、一括表示装置50には、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回
数)を表示するラウンド表示部55、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊技者に有利な
打ち方(遊技状態に対応した打ち方)を報知する第1遊技状態表示部56、特図変動表示
ゲームの確率状態(高確率状態又は低確率状態)を報知する確率表示部57が設けられて
いる。なお、一括表示装置50には、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確
率状態となっていることを表示する確率状態表示部、大当りが発生すると点灯して大当り
発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。
更に、普図変動表示ゲームを表示する普図表示部58や、普図変動表示ゲームの始動記
憶数報知用の記憶表示部59、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する時
短状態報知部60等が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示
ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている
間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例
えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特図1表示器51における
特図1変動表示ゲームにおいては、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けら
れた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するようにし、特図1
と特図2との区別が可能なように構成されている。そして、ゲームの結果が「はずれ」の
ときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメント(特図1であれば加えて右方下
側の8番目のセグメント)を点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結
果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を
点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
記憶表示部53は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口36、普通
変動入賞装置37への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を複数のLE
Dの消灯、点灯(点滅)により表示する。ラウンド表示部55はLEDランプ等で構成さ
れ、特別遊技状態中でない場合には全てのLEDを消灯状態にし、特別遊技状態中には特
別結果に応じて選択されたラウンド数に対応してLEDを点灯状態にする。なお、ラウン
ド表示部55は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
第1遊技状態表示部56は、例えば左打ちを行うことで遊技を進行するように定められ
た状態の場合(通常打ち時)には全てのLEDを消灯状態にし、右打ちを行うことで遊技
を進行するように定められた状態の場合(右打ち時)には全てのLEDを点灯状態にする
。確率表示部57は、大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合には全ての
LEDを消灯状態にし、大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合には全てのL
EDを点灯状態にする。
図3は、遊技機10が有する遊技盤30の分解斜視図である。図3に示すように、遊技
盤30は、略矩形板状の遊技盤本体80と、センターケース40の前側部分を構成する前
方構成部材600と、センターケース40の後側部分を構成するとともに遊技盤30に必
要な各種部材が取り付けられた後方構成部材700と、を備える。後方構成部材700は
、前方に開口した凹部を有する略矩形箱状の後方ベース部材710を有しており、当該凹
部の内部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44をなす、各種可動
役物ユニットが設けられている。
前方構成部材600には、一般入賞口35、ワープ流路形成部材614、ステージ部6
20等が設けられている。また、遊技盤本体80には、前方構成部材600の他に、普図
始動ゲート34、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動
入賞装置37、特別変動入賞装置38、一括表示装置50等が設けられている。
また、図2や図3に示すように、普通変動入賞装置37の右方には、前側が透明なカバ
ーで覆われ上下に連通する流下路615が形成され、普通変動入賞装置37への入賞に失
敗した遊技球(具体的には、普通変動入賞装置37に到着したにもかかわらず当該普通変
動入賞装置37に入賞しなかった遊技球)は、流下路615を通って下方へ流下する。こ
の流下路615の下方には誘導部616が設けられている。誘導部616は、上面617
が左方へ下る傾斜面になっており、流下路615を下方へ流下する遊技球を上面617で
受け止めて、第2始動入賞口97や特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するよう
になっている。
〔普通変動入賞装置〕
次に、図4から図12を参照して、普通変動入賞装置37の構成の一例について説明す
る。図4は、普通変動入賞装置37の分解斜視図である。また、図5(a)は、可動部材
37bが閉状態である普通変動入賞装置37の上面図であり、図5(b)は、可動部材3
7bが開状態である普通変動入賞装置37の上面図である。
図5に示すように、普通変動入賞装置37は、遊技盤本体80の前面に沿って配される
流路後壁373aと、当該流路後壁373aの前方に配される流路前壁371aとに挟ま
れて、遊技球が一列で流下可能な流下路37fを備える。この流下路37fは、前面側か
ら見て右へ下るように傾斜しており、遊技球は一列で右方へ向かって流下するようになっ
ている。また、普通変動入賞装置37は、当該普通変動入賞装置37の内部(具体的には
、前ベース部材373及び後ベース部材375によって構成されるベース部の内部)に、
遊技球が一列で通過可能な略U字状の迂回路37gを備える。図4に示すように、迂回路
37gの入口37g1(迂回路37gの一方の端部)及び出口37g2(迂回路37gの
他方の端部)は流路後壁373aに形成されており、遊技球は、入口37g1を介して一
つずつ流下路37fから迂回路37gへ流入し、出口37g2を介して一つずつ迂回路3
7gから流下路37fへ流出するようになっている。
図4に示すように、流路前壁371aは、後方へ突出して流路後壁373aを貫通する
突出部371bを有する。突出部371bは、流下路37fを流下している遊技球が衝突
する位置であって、迂回路37gの入口37g1と出口37g2との間の位置に配設され
ている。したがって、突出部371bは、流下路37fにおける遊技球の流下を、途中で
(すなわち、流下路37fの終点(下流端部)に流入する前に)阻むことによって、当該
遊技球を迂回路37gへ誘導するようになっている。そして、流下路37fの途中に突出
部371bが設けられているため、遊技球は、迂回路37gを通過しないと、流下路37
fの終点に流入できない。
図5に示すように、流下路37fの中央部分及び右端部分の底面と迂回路37gの底面
とは、前後方向にスライド可能な可動部材37bによって構成されている。可動部材37
bは、図5(a)に示すように前方へ突出して普通変動入賞装置37(普電入賞口37d
)に遊技球が入賞できない状態である閉状態と、図5(b)に示すように後方へ退避して
普電入賞口37dに遊技球が入賞できる状態である開状態と、に変換可能となっている。
すなわち、流下路37fを流下する遊技球は、可動部材37bが閉状態である場合には可
動部材37bの上面を転動して普電入賞口37dへ流入不能であり、可動部材37bが開
状態である場合には普電入賞口37dへ流入可能である。
具体的には、流下路37fを流下する遊技球は、可動部材37bが閉状態である場合に
は、可動部材37bの上面を転動する。すなわち、流下路37fを突出部371bまで流
下し、当該突出部371bに衝突して迂回路37gへ流入する。また、可動部材37bの
上面を転動する遊技球が突出部371bに衝突する前に可動部材37bが開状態になった
場合や、流下路37fを流下する遊技球が可動部材37bの上面に流入した際に可動部材
37bが開状態である場合には、当該遊技球は、迂回路37gを通過せずに普電入賞口3
7dへ流入する。
また、迂回路37gを通過して流下路37fの終点に流入した遊技球は、可動部材37
bが開状態である場合には、普電入賞口37dへ流入する。一方、迂回路37gを通過し
て流下路37fの終点に流入した遊技球は、可動部材37bが閉状態である場合には、普
電入賞口37dへ流入せずに、普通変動入賞装置37の外部へ進出して、例えば流下路6
15を通って誘導部616へ流下する。すなわち、当該遊技球は、普通変動入賞装置37
への入賞に失敗した遊技球(普通変動入賞装置37に到着したにもかかわらず当該普通変
動入賞装置37に入賞しなかった遊技球)に相当する。なお、可動部材37bが閉状態で
ある場合に流路前壁371aとの間には隙間が存在するが、遊技球が流入できない程度の
隙間である。
図4に示すように、普通変動入賞装置37は、始動口2スイッチ37aと、可動部材3
7bや普電ソレノイド37cを有する可動部材ユニット374とを備える。さらに、普通
変動入賞装置37は、流路前壁371aを備える前飾り部材371と、流路後壁373a
を備える前ベース部材373と、可動部材37bなどが取り付けられる後ベース部材37
5と、後ベース部材375の後面を覆う後カバー部材377と、前LED基板372a及
び当該前LED基板372aを前飾り部材371の後面に固定するための前基板ホルダ3
72と、後LED基板376a及び当該後LED基板376aを後ベース部材375の後
面に固定するための後基板ホルダ376とを備える。
少なくとも前飾り部材371と前ベース部材373と後ベース部材375とは、光を透
過可能な材質からなる。前飾り部材371の後方には装飾手段として前LED基板372
aが配されているとともに、後ベース部材375の後方には装飾手段として後LED基板
376aが配されており、光によって普通変動入賞装置37を装飾することが可能となっ
ている。
前飾り部材371は、板状の前面部371cを備えている。前面部371cの前面はガ
ラス枠15のカバーガラス14の後面に近接して配されるようになっていて、この前面の
前方を遊技球が流下することはないようにされる。また、前面部371cの前面は遊技者
から視認可能な面であり、装飾が施されている。また、板状の前面部371cの上部は、
流下路37fの前側の側壁をなす流路前壁371aとなっている。
図5に示すように、流路前壁371aの後面側には、後方へ突出する複数(本実施形態
では2個)の上流側前壁突起部371dが設けられている。この上流側前壁突起部371
dは、左右の側面が斜面となった三角柱状の突起である。この上流側前壁突起部371d
は、流下路37fを流下する遊技球を蛇行させて球威を抑制するために、右方へ流下する
遊技球を後方へ誘導する機能を有する。すなわち、流下路37fを流下する遊技球が接触
可能な接触部をなす。
また、図5に示すように、流路前壁371aの後面側には、後方へ突出する下流側前壁
突起部371eが設けられている。この下流側前壁突起部371eは、左右の側面が斜面
となった三角柱状の突起である。この下流側前壁突起部371eは、流下路37fの終点
に流入した遊技球を蛇行させて球威を抑制するために、右方へ流下する遊技球を後方へ誘
導する機能を有する。すなわち、流下路37fを流下する遊技球が接触可能な接触部をな
す。さらに、この下流側前壁突起部371eは、普通変動入賞装置37の周囲(普通変動
入賞装置37の外部)を流下する遊技球が、普通変動入賞装置37の内部へ下流側(流下
路37fの終点側)から侵入することを防止する機能を有する。
図6(a)は、前飾り部材371の裏面図である。図6(a)に示すように、前飾り部
材371の後面側は、板状の前面部371cの後面から後方へ延出するリブ状の延出壁3
71fが複数設けられている。この延出壁371fは、設けられた場所によりそれぞれ機
能が異なっており、流下路37fの底面(具体的には、流下路37fの始点(上流端部)
の底面)を形成する底面部371f1、普電入賞口37dの側壁や底面をなす普電入賞口
形成部371f2、普電入賞口37dに入賞した遊技球を誘導する誘導流路37eを形成
する誘導流路形成部371f3、始動口2スイッチ37aを取り付ける取付部を形成する
スイッチ取付部形成部371f4、普通変動入賞装置37の周囲を流下する遊技球の内部
への侵入を防止する周囲壁371f5としての機能を有する。
流下路37fの底面を形成する底面部371f1は、後面側から見て左側に傾斜する傾
斜面となっている。普電入賞口形成部371f2は、普電入賞口37dに流入した遊技球
を誘導流路37eへ集めるように傾斜している。誘導流路37eへは遊技球が一列で流入
可能であり、誘導流路37eへの流入部分には始動口2スイッチ37aが設けられている
。これにより、普電入賞口37dに流入した全ての遊技球は始動口2スイッチ37aで検
出された後に誘導流路37eへ流入することとなる。誘導流路形成部371f3により形
成される誘導流路37eは、普電入賞口37dからの遊技球を遊技盤30の後面側へ誘導
する流路であり、前面部371cの後面には遊技球を後方へ誘導するためのリブ371g
が形成されている。
前LED基板372a及び前基板ホルダ372は、前飾り部材371の後面のうちの周
囲壁371f5よりも内側(周囲壁371f5に囲まれた部分)に配設されている。また
、前飾り部材371の後面のうちの周囲壁371f5に囲まれた部分には、光を散乱させ
るための加工(図6(a)に示す例では凹凸加工)が施されている。これにより、前LE
D基板372aや後LED基板376aからの光によって普通変動入賞装置37を効果的
に装飾することが可能となっているとともに、前LED基板372a自体や前基板ホルダ
372などを前飾り部材371の前方から前飾り部材371を透して視認することが困難
となっている。また、図6(b)に示すように、前ベース部材373の下部には、前LE
D基板372a等の熱を放出するための孔部が複数(図6(b)に示す例では7つ)設け
られている。これらの孔部も、前飾り部材371に施した光を散乱させるための加工によ
って、前飾り部材371の前方から視認困難となっている。
図4に示すように、前ベース部材373は、板状の後面部373bを備えている。後面
部373bの前面には前飾り部材371が取り付けられるようになっており、後面部37
3bの前面のうち前飾り部材371で隠されない部分には装飾が施されている。後面部3
73bの上部は、流下路37fの後側の側壁をなす流路後壁373aとなっている。また
、流路後壁373aの下端となる位置には、可動部材37bを前ベース部材373の後面
側から挿通するための前後に貫通した可動部材挿通部373cが形成されている。
また、図5に示すように、前ベース部材373の前面側には、前方へ突出する複数(本
実施形態では2個)の後壁突起部373dが設けられている。この後壁突起部373dは
、左右の側面が斜面となった三角柱状の突起であり、流路前壁371aに複数設けられた
上流側前壁突起部371dのそれぞれの後方に、上流側前壁突起部371dに対してわず
かに下流側に位置するように設けられている。この後壁突起部373dは、流下路37f
を流下する遊技球を蛇行させて球威を抑制するために、右方へ流下する遊技球を前方へ誘
導する機能を有する。すなわち、流下路37fを流下する遊技球が接触可能な接触部をな
す。
図6(b)は、前ベース部材373の裏面図である。図6(b)に示すように、後面部
373bの中央部分であって前飾り部材371において誘導流路37eが形成された部分
と対向する部分には、誘導流路37eが後面部373bの後面側に連通するように前後に
貫通した貫通部373eが形成されている。また、図6(b)に示すように、前ベース部
材373の後面側には、板状の後面部373bの後面から後方へ延出するリブ状の延出壁
373fが複数設けられている。この延出壁373fは、設けられた場所によりそれぞれ
機能が異なっており、誘導流路37eを形成する誘導流路形成部373f1、普通変動入
賞装置37の周囲を形成する周囲壁373f2としての機能を有する。
誘導流路形成部373f1は、貫通部373eに流入した遊技球を後方へ案内するよう
に誘導流路37eを形成する。また、誘導流路形成部373f1の下端部には、後方へ遊
技球を誘導するためのリブ373gが形成されている。誘導流路形成部373f1の下端
部と、当該下端部に形成されたリブ373gとは、上面が後方へ下る傾斜面とされており
、貫通部373eに流入した遊技球をこれら上面で受け止めて後方へ誘導するようになっ
ている。誘導された遊技球は、遊技機10の外部へと遊技球を排出する排出流路へ流入す
るようになっている。
周囲壁373f2は、遊技盤本体80における普通変動入賞装置37を取り付ける部分
に形成された前後に貫通する貫通部の形状に合わせて形成されており、普通変動入賞装置
37を遊技盤本体80に取り付けた際には周囲壁373f2は貫通部に挿通された状態と
なる。また、周囲壁373f2よりも外側に位置する後面部373bの後面は、普通変動
入賞装置37を遊技盤本体80に取り付けた際に遊技盤本体80の前面に当接した状態と
なる。この部分には位置決めのためのボスやねじ止めのためのねじ穴が複数形成されてい
る。
図4に示すように、後ベース部材375は、前ベース部材373の周囲壁373f2と
前後に一致する周壁375aを備える。また、図4に示すように、後ベース部材375の
うちの前ベース部材373に形成された可動部材挿通部373cと対向する位置には、前
後方向に動作する可動部材37bを案内及び支持する一対の可動部材保持部375bが設
けられている。一対の可動部材保持部375bは、所定の間隔(間隙375c)をあけて
配設されており、可動部材37bの下面に当接可能であって可動部材37bを案内及び支
持することが可能なように前後方向に沿って延在するように設けられている。
図4に示すように、後ベース部材375の前面側には、可動部材37bと当該可動部材
37bを動作するための動作機構(駆動機構)とを備える可動部材ユニット374が取り
付けられている。この可動部材ユニット374は、前後方向にスライド動作可能な可動部
材37bと、可動部材37bを動作するための普電ソレノイド37cと、普電ソレノイド
37cからの駆動力を可動部材37bに伝達するスライダ374a及びクランク374b
とを備える。
可動部材ユニット374は、図5(a)に示すように可動部材37bを前方へ突出させ
た閉状態と、図5(b)に示すように可動部材37bを後方へ退避させた開状態とに変換
可能である。なお、可動部材37bは、後ベース部材375に形成された可動部材保持部
375bや前ベース部材373に形成された可動部材挿通部373cを介して普電入賞口
37dの上方に出現可能となっている。
図7(a)は、可動部材ユニット374の分解斜視図であり、図7(b)は、可動部材
37bの正面図である。また、図8(a)は、可動部材37bの上面図であり、図8(b
)は、可動部材37bの下面図である。図7(a)に示すように、可動部材37bは、上
段部37b1と、当該上段部37b1よりも低い位置に設けられた第1中段部37b2と
、当該第1中段部37b2よりも低い位置に設けられた第2中段部37b3と、当該第2
中段部37b3よりも低い位置に設けられた下段部37b4とが、左右方向に並んだ段差
形状をなしている。上段部37b1が最も左側に配されるとともに下段部37b4が最も
右側に配されるよう、上段部37b1、第1中段部37b2、第2中段部37b3、下段
部37b4の順で並んでおり、遊技球を左から右へ流下させるようになっている。
上段部37b1は、可動部材37bが閉状態である際に普電入賞口37dの上方へ延出
する前端部分が、流下路37fの底面をなす流下路形成部とされている。上段部37b1
の流下路形成部は、上段部37b1の流下路形成部以外の部分よりも一段低くなっている
。また、上段部37b1の流下路形成部以外の部分の右端部からは、下壁突出部37b5
が前方に向けて延出している。この下壁突出部37b5は、左側面が斜面となっており、
流下路形成部の幅(前後方向の長さ)を徐々に狭めるように設けられている。この下壁突
出部37b5は、流下路37fを流下する遊技球を蛇行させて球威を抑制するために、右
方へ流下する遊技球を前方へ誘導する機能を有する。すなわち、流下路37fを流下する
遊技球が接触可能な接触部をなす。
第1中段部37b2は、可動部材37bが閉状態である際に普電入賞口37dの上方へ
延出する前端部分が、流下路37fの底面をなす流下路形成部とされており、当該前端部
分以外の部分(すなわち、流下路形成部以外の部分)が、迂回路37gの底面をなす迂回
路形成部とされている。第1中段部37b2のうち、流下路形成部と迂回路形成部との境
界部分は、可動部材37bが閉状態である際に迂回路37gの入口37g1の直下に配さ
れる。
第1中段部37b2は、前端よりも後端が下側に位置するように傾斜している。これに
より、例えば図8(a)に示すように、迂回路37gの上流部を前側から後側へと遊技球
が転動しやすくなっている。また、第1中段部37b2の上面には、上方へ突出し前後に
延在する蛇行状の左突条部37b6が形成されている。これにより、迂回路37gを転動
する遊技球を蛇行させて球威を抑制できるようになっている。
第2中段部37b3は、可動部材37bが閉状態である際に普電入賞口37dの上方へ
延出する前端部分が、流下路37fを流下する遊技球を迂回路37gへ誘導する突出部3
71bの直下に配される。
下段部37b4は、可動部材37bが閉状態である際に普電入賞口37dの上方へ延出
する前端部分が、流下路37fの底面(具体的には、流下路37fの終点の底面)をなす
流下路形成部とされており、当該前端部分以外の部分(すなわち、流下路形成部以外の部
分)が、迂回路37gの底面をなす迂回路形成部とされている。下段部37b4のうち、
流下路形成部と迂回路形成部との境界部分は、可動部材37bが閉状態である際に迂回路
37gの出口37g2の直下に配される。
下段部37b4は、前端よりも後端が上側に位置するように傾斜しているとともに、後
端部分が第1中段部37b2の後端部分と面一になっている。これにより、例えば図8(
a)に示すように、迂回路37gの下流部を後側から前側へと遊技球が転動しやすくなっ
ている。なお、下段部37b4の後端部分は、第1中段部37b2の後端部分よりも低い
位置に設けられていてもよい。また、下段部37b4の上面には、上方へ突出し前後に延
在する蛇行状の右突条部37b7が形成されている。これにより、迂回路37gを転動す
る遊技球を蛇行させて球威を抑制できるようになっている。
このように、可動部材37bには、下壁突出部37b5や左突条部37b6や右突条部
37b7のような起部が設けられている。さらに、前飾り部材371には、上流側前壁突
起部371dのような起部が設けられているとともに、前ベース部材373には、後壁突
起部373dのような起部が設けられている。このような起部によって、可動部材37b
上に遊技球が滞留する時間が長くなるようにされている。
また、図6(b)に示すように、可動部材37bの左端部及び右端部には下方へ延出す
る摺動部37b8が形成されている。この摺動部37b8は前後方向に沿って延在するよ
うに形成されており、前ベース部材373に形成された一対の保持部373hの上面に当
接することで可動部材37bが保持部373h上で摺動可能となる。
図7(b)や図8(b)に示すように、可動部材37bの下面の中央部分には、下方へ
突出する接続ピン37b9が設けられている。また、図7(a)に示すように、普電ソレ
ノイド37cからの駆動力を可動部材37bに伝達するクランク(駆動アーム)374b
には、接続ピン37b9を挿通可能な貫通部374b1が形成されており、貫通部374
b1に接続ピン37b9の先端部(下端部)が挿通することで、可動部材37bとクラン
ク374bとが接続される。
また、図7(b)や図8(b)に示すように、可動部材37bの下面の中央部分のうち
、接続ピン37b9の前側及び後側には、下方へ突出し前後方向に沿って延在する案内リ
ブ37b10が設けられている。この案内リブ37b10は、前ベース部材373が有す
る一対の保持部373hの間に前後方向に沿って形成された間隙373i(図6(b)参
照)や、後ベース部材375が有する一対の可動部材保持部375bの間に前後方向に沿
って形成された間隙375c(図4参照)に挿入可能である。これらの間隙373i,3
75cに可動部材37bの案内リブ37b10が上方から挿入することで、可動部材37
bの前後方向への直線移動(スライド移動)を案内することができる。すなわち、前ベー
ス部材373の間隙373iや後ベース部材375の間隙375cに可動部材37bの案
内リブ37b10が嵌ることで、可動部材37bの左右方向への移動が規制されるため、
可動部材37bの移動を前後方向への移動に限定することができる。
図7(a)に示すように、普電ソレノイド37cからの駆動力を可動部材37bに伝達
するクランク374bは、略L字状の部材であり、一端部には可動部材37bの接続ピン
37b9を挿通可能な貫通部374b1が形成されており、他端部には凸部374b2が
形成されている。また、普電ソレノイド37cからの駆動力を可動部材37bに伝達する
スライダ374aには、クランク374bの凸部374b2を挿通可能な凹部374a1
が形成されており、凹部374a1に凸部374b2が挿通することで、スライダ374
aとクランク374bとが接続される。また、クランク374bの屈曲部には上下方向に
沿った回動軸374b3が形成されており、クランク374bは、この回動軸374b3
を中心として回動可能となっている。なお、回動軸374b3は、後ベース部材375に
よって上下から挟まれて回動可能に保持される。
図7(a)に示すように、スライダ374aは、上下方向に直交する平板状の本体部3
74a2と、本体部374a2の左端に接続され当該本体部374a2に直交する左壁部
374a3と、本体部374a2の前端に接続され当該本体部374a2に直交する前壁
部374a4と、前壁部374a4から前方へ突出する突出片374a5とを備えて構成
される。クランク374bの凸部374b2を挿通可能な凹部374a1は、本体部37
4a2に形成されている。
スライダ374aの左壁部374a3は、普電ソレノイド37cの駆動軸37c1に係
合されており、スライダ374aは、駆動軸37c1が伸長(本実施形態の場合、駆動軸
37c1の先端が右へ移動)すると当該駆動軸37c1に押されて右へと移動し、駆動軸
37c1が退縮(本実施形態の場合、駆動軸37c1の先端が左へ移動)すると当該駆動
軸37c1に引かれて左へと移動する。
図6(b)に示すように、前ベース部材373の後面側には、左右方向に沿って延在す
る窪み部373jが設けられている。窪み部373jには、スライダ374aの突出片3
74a5が挿入可能であり、この窪み部373jに突出片374a5が後方から挿入する
ことで、スライダ374aの左右方向への直線移動(スライド移動)を案内することがで
きる。また、スライダ374aの前壁部374a4は、前ベース部材373の窪み部37
3jにスライダ374aの突出片374a5が後方から挿入した際に、前ベース部材37
3の後面に当接する。これにより、前ベース部材373に対するスライダ374aの前後
位置が所定の前後位置に設定されるようになっている。
可動部材37bを開状態から閉状態へと変換する場合には、普電ソレノイド37cの駆
動軸37c1を伸長させる。駆動軸37c1が伸長すると、スライダ374aが右へスラ
イド移動して、クランク374bが回動軸374b3を中心に上面側から見て反時計回り
方向に回動するため、接続ピン983aが前方に向かうように移動して可動部材37bが
前方へ突出する。これにより、可動部材37bが閉状態(図5(a)に示す状態)となっ
て、普電入賞口37dへの遊技球の入賞が不能となる。
一方、可動部材37bを閉状態から開状態へと変換する場合には、普電ソレノイド37
cの駆動軸37c1を退縮させる。駆動軸37c1が退縮すると、スライダ374aが左
へスライド移動して、クランク374bが回動軸374b3を中心に上面側から見て時計
回り方向に回動するため、接続ピン37b9が後方に向かうように移動して可動部材37
bが後方へ退避する。これにより、可動部材37bが開状態(図5(b)に示す状態)と
なって、普電入賞口37dへの遊技球の入賞が可能となる。
図9から図12には、普通変動入賞装置37における遊技球の転動態様を示した。なお
、図9から図12では、説明のために、一部の部材の図示を省略している。普通変動入賞
装置37に到着した遊技球(流下路37fの始点に流入した遊技球)は、まず、上流側に
位置する上流側前壁突起部371dによって斜め後側へ誘導され、次いで、上流側に位置
する後壁突起部373dによって斜め前側へ誘導されて、可動部材37bの上段部37b
1の前端部分に流入する。
可動部材37bの上段部37b1に流入した遊技球は、下流側に位置する上流側前壁突
起部371dによって斜め後側へ誘導され、次いで、下流側に位置する後壁突起部373
dや可動部材37bの下壁突出部37b5によって斜め前側へ誘導されて、可動部材37
bの第1中段部37b2の前端部分に流入する。すなわち、遊技球は前後に蛇行しながら
流下路37fを流下する。これにより、流下路37fに下壁突出部37b5や上流側前壁
突起部371dや後壁突起部373dなどの起部がなく直線的に流下する場合よりも可動
部材37b上に遊技球が滞留する時間が長くなる。
可動部材37bの第1中段部37b2に流入した遊技球は、突出部371bに衝突し、
当該突出部371bや後方へ下り傾斜している第1中段部37b2によって後側へ誘導さ
れて、図9(a)に示すように、迂回路37gの入口37g1から当該迂回路37gへ流
入する。図10に示すように、後ベース部材375の内部には、迂回路37gを転動する
遊技球を、第1中段部37b2から下段部37b4へと誘導する第1ガイド片375dと
、下段部37b4上を後側から前側へと誘導する第2ガイド片375eとが設けられてい
る。遊技球は、図10に示すように第1中段部37b2上を転動して後ベース部材375
の内部に流入すると、図11に示すように第1ガイド片375dによって右側へ誘導され
て、下段部37b4に流入する。
可動部材37bの下段部37b4に流入した遊技球は、図12に示すように第2ガイド
片375eや前方へ下り傾斜している下段部37b4によって前側へ誘導されて、図9(
b)に示すように、迂回路37gの出口37g2から流下路37fの終点(下段部37b
4の前端部分)へ流入する。ここで、第1中段部37b2には蛇行状の左突条部37b6
が形成されているため、遊技球は左右に蛇行しながら後側へと迂回路37gの上流部を転
動する。また、下段部37b4には蛇行状の右突条部37b7が形成されているため、遊
技球は左右に蛇行しながら前側へと迂回路37gの下流部を転動する。
さらに、図6(b)に示すように、前ベース部材373は迂回路37gの上流部と下流
部とを隔てる隔壁373kを備えており、この隔壁373kの後端部のうち迂回路37g
の上流部に対応する部分には、中間突起部373k1が形成されている。したがって、遊
技球は、迂回路37gの上流部(すなわち、第1中段部37b2上)を転動している最中
に、中間突起部373k1に衝突しバウンドして、入口37g1側へと一旦押し戻される
。これにより、迂回路37gに左突条部37b6や右突条部37b7や中間突起部373
k1などの起部がなく直線的に転動する場合よりも可動部材37b上に遊技球が滞留する
時間が長くなる。
このように、流下路37fには下壁突出部37b5や上流側前壁突起部371dや後壁
突起部373dなどの起部が設けられているとともに、迂回路37gには左突条部37b
6や右突条部37b7や中間突起部373k1などの起部が設けられているため、可動部
材37b上に遊技球が滞留する時間が長くなる。また、これらの起部を備えることで、可
動部材37b上を転動する遊技球の転動態様が多彩となり、遊技の興趣を向上することが
できる。また、これらの起部を備えることで、可動部材37bを開放した際に可動部材3
7b上に存在している複数の遊技球の普電入賞口37dへの流入タイミングをずらすこと
ができ、普電入賞口37d内で球詰まりが発生することを防止できる。
普通変動入賞装置37に到着した遊技球は、流下路37fを流下して、まず可動部材3
7bの上段部37b1に流入する。遊技球が上段部37b1に流入した際、可動部材37
bが開状態である場合には、当該遊技球は、迂回路37gを通過せずに普電入賞口37d
へ流入する。一方、遊技球が上段部37b1に流入した際、可動部材37bが閉状態であ
る場合には、当該遊技球は、流下路37fを流下して突出部371bへ向かう。そして、
遊技球が突出部371bに衝突する前に可動部材37bが開状態になった場合には、当該
遊技球は、迂回路37gを通過せずに普電入賞口37dへ流入する。一方、遊技球が突出
部371bに衝突する前に可動部材37bが開状態にならなかった場合には、当該遊技球
は、突出部371bに衝突して迂回路37gへ向かう。
遊技球が迂回路37gを転動している最中に可動部材37bが開状態になった場合も、
遊技球が迂回路37gを転動している最中に可動部材37bが開状態にならなかった場合
も、当該遊技球は、引き続き迂回路37gを転動して出口37g2へ向かう。そして、遊
技球が迂回路37gの出口37g2から出てきた際、可動部材37bが開状態である場合
には、当該遊技球は、普電入賞口37dへ流入する。一方、遊技球が迂回路37gの出口
37g2から出てきた際、可動部材37bが閉状態である場合には、当該遊技球は、普電
入賞口37dへ流入せずに、普通変動入賞装置37の外部(遊技領域32)へ進出して、
普通変動入賞装置37への入賞に失敗した遊技球となる。
ここで、前ベース部材373の隔壁373kに形成された中間突起部373k1(図6
(b)参照)は、遊技球を蛇行させて可動部材37b上に遊技球が滞留する滞留時間を長
くする機能だけでなく、遊技球が迂回路37gを転動している最中に可動部材37bが作
動(前後に移動)した場合でも十分な滞留時間を確保する機能も有する。例えば遊技球が
迂回路37gの下流部(すなわち、下段部37b4上)を転動している最中に可動部材3
7bが開状態に変換した場合には、当該遊技球は、可動部材37bとの摩擦抵抗や、右突
条部37b7等との接触などによって、迂回路37gの下流部内で後側(上流側)へと引
き戻されるため、遊技球が迂回路37gの下流部を転動している最中に可動部材37bが
状態変換しなかった場合よりも可動部材37b上に遊技球が滞留する滞留時間が長くなる
一方、例えば遊技球が迂回路37gの上流部(すなわち、第1中段部37b2上)を転
動している最中に可動部材37bが開状態に変換した場合には、当該遊技球は、可動部材
37bとの摩擦抵抗や、左突条部37b6等との接触などによって、迂回路37gの上流
部内で後側(下流側)へと引き込まれるため、遊技球が迂回路37gの上流部を転動して
いる最中に可動部材37bが状態変換しなかった場合よりも可動部材37b上に遊技球が
滞留する滞留時間が短くなる。これに対し、本実施形態の普通変動入賞装置37は迂回路
37gの上流部に中間突起部373k1を設けているため、遊技球は、迂回路37gの上
流部内で後側(下流側)へと引き込まれる際に、中間突起部373k1に衝突してバウン
ドする。すなわち、遊技球は、下流側へ引き込まれる途中で、中間突起部373k1に衝
突して、迂回路37gの上流部内で前側(上流側)へと一旦押し戻されるため、遊技球が
迂回路37gの上流部を転動している最中に可動部材37bが開状態に変換した場合であ
っても、遊技球の可動部材37b上における十分な滞留時間を確保することができる。
以上のことから、本実施形態の遊技機10は、前面側に遊技球が流下可能な遊技領域3
2が形成される遊技盤本体80と、遊技領域32に設けられた変動入賞装置(本実施形態
の場合、普通変動入賞装置37)と、を備えた遊技機であって、変動入賞装置は、遊技盤
本体80に当該変動入賞装置を取り付けるための取付壁部(後面部373b)と、遊技領
域32を流下する遊技球が入賞可能な入賞領域(本実施形態の場合、普電入賞口37d)
と、入賞領域を閉じる閉状態と、入賞領域を開く開状態とに変換可能な開閉部材(可動部
材37b)と、遊技球が転動可能な流路(流下路37f)と、遊技球を滞留させるための
滞留領域(迂回路37g)と、流路を転動(流下)する遊技球を滞留領域へと誘導する誘
導部(突出部371b)と、を備えている。そして、流路は、閉状態の開閉部材によって
取付壁部の前面側に形成され、開閉部材が開状態である場合には、当該開閉部材が閉状態
である場合に当該流路が形成される空間を介して、遊技球が入賞領域に入賞するよう構成
され、滞留領域は、開閉部材の状態にかかわらず取付壁部の後面側に形成され、流路に連
通する複数の連通口を有し、誘導部によって誘導されて当該複数の連通口のうちの一の連
通口(入口37g1)を介して流路から流入してきた遊技球を、当該複数の連通口のうち
の前記一の連通口とは異なる連通口(出口37g2)を介して流路へと流出可能に構成さ
れている。
具体的には、本実施形態の遊技機10は、前面側に遊技球が流下可能な遊技領域32が
形成される遊技盤本体80と、遊技領域32に設けられた変動入賞装置(本実施形態の場
合、普通変動入賞装置37)と、を備えた遊技機であって、変動入賞装置は、遊技盤本体
80に当該変動入賞装置を取り付けるための取付壁部(後面部373b)と、遊技領域3
2を流下する遊技球が入賞可能な入賞領域(普電入賞口37d)と、前後にスライド移動
することで、入賞領域に遊技球が入賞不能若しくは入賞困難な閉状態と、入賞領域に遊技
球が入賞可能な開状態とに変換可能なスライド部材(可動部材37b)と、遊技球が転動
可能な第1流路(流下路37f)及び第2流路(迂回路37g)と、第1流路を転動(流
下)する遊技球を第2流路へと誘導する誘導部(突出部371b)と、を備えている。そ
して、第1流路は、スライド部材が閉状態である場合に、当該スライド部材によって取付
壁部の前面側に形成され、スライド部材が開状態である場合には、当該スライド部材が閉
状態である場合に当該第1流路が形成される空間を介して、遊技球が入賞領域に入賞する
よう構成され、第2流路は、スライド部材の状態にかかわらず当該スライド部材によって
取付壁部の後面側に形成され、両端が第1流路に連通する連通口であり、誘導部によって
誘導されて当該両端のうちの一方の連通口(入口37g1)を介して第1流路から流入し
てきた遊技球を、当該両端のうちの他方の連通口(出口37g2)を介して第1流路へと
流出可能に構成されている。
すなわち、本実施形態の普通変動入賞装置37は、流下路37f(流路、第1流路)に
、迂回路37g(滞留領域、第2流路)を追加した構成となっている。このように迂回路
37gを追加することで、迂回路37gがない場合よりも可動部材37b(開閉部材、ス
ライド部材)の上面に遊技球が滞留する滞留時間が長くなる。したがって、入賞口(本実
施形態の場合、普電入賞口37d)に遊技球が入賞しやすくなり、所定の遊技状態(本実
施形態の場合、時短状態)中における遊技球の減少を抑制することが可能となるため、遊
技の興趣を高めることができる。また、右側遊技領域(遊技領域32のうちセンターケー
ス40の右方の領域)に遊技球滞留機能を具備する普通変動入賞装置37を配設したため
、遊技者は、右側遊技領域での遊技球の転動態様を楽しむことができる。さらに、本実施
形態において、前飾り部材371は、光を透過可能な材質からなり、普通変動入賞装置3
7内での遊技球の転動態様も十分に視認可能であるため、右側遊技領域での遊技球の転動
態様をより楽しむことができる。
なお、遊技領域32に設けられた変動入賞装置は、普通変動入賞装置37に限定されず
、適宜変更可能であり、例えば、特別変動入賞装置38であってもよい。具体的には、変
動入賞装置は、例えば、特別変動入賞装置38の流下路38f(流路、第1流路)に、迂
回路37g(滞留領域、第2流路)を追加したものであってもよい。また、入賞口を閉じ
る閉状態と入賞口を開く開状態とに変換可能な開閉部材は、スライド部材に限定されず、
適宜変更可能である。本実施形態の場合、例えば図13(a)に示すように、開閉部材と
して、前後にスライド移動することで入賞口を開閉するスライド部材(可動部材37b)
を設けたが、開閉部材は、これに限定されず、例えば図13(b)に示すように、回動軸
Zを中心に回動することで入賞口を開閉する回動部材(可動部材37b)であってもよい
また、遊技球を滞留させるための滞留領域は、迂回路37g(第2流路)に限定されず
、適宜変更可能である。具体的には、滞留領域は、例えば、上流部と下流部とが分かれて
いない空間、すなわち、迂回路37gから、当該迂回路37gの上流部と下流部とを隔て
る隔壁373kを取り除いた空間や、迂回路37gから、隔壁373kのうち前端部分(
入口37g1と出口37g2と隔てる部分)以外の部分を取り除いた空間などであっても
よい。
また、本実施形態においては、一方の連通口(入口37g1)を介して第1流路(流下
路37f)から第2流路(迂回路37g)へ遊技球が流入する割合は、他方の連通口(出
口37g2)を介して第1流路(流下路37f)から第2流路(迂回路37g)へ遊技球
が流入する割合よりも高く、スライド部材(可動部材37b)に、一方の連通口が、他方
の連通口よりも高い位置に配されるような高低差(本実施形態の場合、段差や傾斜)を設
けるよう構成することが可能である。このように構成することによって、遊技球が第1流
路(流下路37f)や第2流路(迂回路37g)をスムーズに転動できるようになるため
、第1流路や第2流路で球詰まりが発生することを防止できる。
また、本実施形態においては、スライド部材(可動部材37b)の上面に、第1流路(
流下路37f)又は第2流路(迂回路37g)を転動する遊技球の球威を抑制するための
球威抑制部(本実施形態の場合、下壁突出部37b5、左突条部37b6、右突条部37
b7)を設けるよう構成することが可能である。このように構成することによって、スラ
イド部材(可動部材37b)の上面に遊技球が滞留する滞留時間を更に長引かせることが
できるようになるため、所定の遊技状態(本実施形態の場合、時短状態)中における遊技
球の減少を抑制することが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態では、球威抑制部として、流下路37fに下壁突出部37b5や上流
側前壁突起部371dや後壁突起部373dなどの起部(凸部)を設けるとともに、迂回
路37gに左突条部37b6や右突条部37b7や中間突起部373k1などの起部(凸
部)を設けたが、球威抑制部は、これらに限定されず、適宜変更可能である。また、球威
抑制部として、流下路37fや迂回路37gに、伏部(凹部)を設けてもよい。具体的に
は、例えば、可動部材37bの上面に伏部として蛇行する溝を形成し、遊技球が当該溝に
沿って蛇行しながら転動するよう構成してもよい。また、球威抑制部として、流下路37
fや迂回路37gに、起伏(起部と伏部の両方)を設けて、遊技球が当該起伏によって蛇
行等しながら転動するよう構成してもよい。また、球威抑制部は、起部(凸部)や伏部(
凹部)に限定されず、適宜変更可能である。
また、本実施形態においては、遊技領域32に、遊技球滞留機能を具備する滞留装置(
普通変動入賞装置37)の他、球威を抑制する部材(障害釘、風車、流下路615、誘導
部616等)、すなわち遊技球滞留機能を具備する滞留部材が配設されている。したがっ
て、滞留装置と滞留部材とによって、右側遊技領域に遊技球を滞留させることができるた
め、右側遊技領域での遊技球の転動態様をより楽しむことができる。また、表面に凹凸を
設けることで遊技球を滞留させる手法、摩擦係数の高い素材を用いることで遊技球を滞留
させる手法、駆動源(ソレノイド等)の駆動力で一定の動作を行うことで遊技球を滞留さ
せる手法、振分装置を設けることで遊技球を滞留させる手法等によって、所定の部材や装
置に遊技球滞留機能を持たせてもよい。
また、普通変動入賞装置37は、起部や迂回路37gによって遊技機10の前後方向に
遊技球を滞留させることができるため、滞留部材(普通変動入賞装置37以外の滞留装置
であってもよい)は、前後方向以外の方向(遊技機10の左右方向や上下方向)に遊技球
を滞留させることができるよう構成することが好ましい。これにより、滞留部材(及び/
又は普通変動入賞装置37以外の滞留装置)と普通変動入賞装置37とによって、遊技機
を3次元的に滞留させることができるようになるため、滞留時間を稼ぐことができるとと
もに、遊技球の転動に対する興趣が向上する。
また、迂回路37gの途中にアウト口30cや一般入賞口35など(以下「アウト口3
0c等」という。)を設けてもよい。これにより、普通変動入賞装置37への入賞に失敗
した遊技球が、普通変動入賞装置37から出てくるか否かにも遊技者の注目を集めること
ができ、興趣が向上するとともに、出玉率が大きくなりすぎないように調整することや、
迂回路37g内での球詰まりの発生を防止することが可能となる。
また、迂回路37gの途中にアウト口30c等を設ける場合、可動部材37bが動作し
た際にアウト口30c等に遊技球が流入するようにしてもよい。具体的には、例えば図1
4に示すように、可動部材37bのうちの当該可動部材37bが閉状態のときに迂回路3
7gを形成する部分に貫通孔37b11を設ける。そして、可動部材37bが開状態(閉
状態であってもよい)のときには、貫通孔37b11とアウト口30cとの上下方向の位
置が一致して(貫通孔37b11がアウト口30cの直上に位置して)、可動部材37b
上の遊技球がアウト口30cに流入可能な状態になり、可動部材37bが閉状態(開状態
であってもよい)のときには、貫通孔37b11とアウト口30cとの上下方向の位置が
一致せず(貫通孔37b11がアウト口30cの直上からずれて)、可動部材37b上の
遊技球がアウト口30cに流入不能若しくは流入困難な状態になるよう構成することも可
能である。
図19は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御
する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコ
ンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出
力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力
部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(
CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割
込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113など
を有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイド
やモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,D
C5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC-
DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直
流電圧を生成するDC-DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコ
ン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420
と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信
号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが
、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制
御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及
び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電
源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成
部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで
構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン11
1(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデー
タが保持されるようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、停電が発生し当該
遊技機への電源供給が停止しても遊技に関する情報を記憶保持可能であるとともに、停電
復旧後には記憶保持された情報に基づき遊技を再開可能とする遊技情報記憶保持手段をな
す。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視
してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させると
ともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその
時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このR
AM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき
遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶され
ている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化
スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行す
るメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割
込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A
、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRA
M(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数
の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作
業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM11
1Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ
状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パター
ンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている
変動パターン乱数1~3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテー
ブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるは
ずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテ
ーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の
変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテー
ブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前
半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パター
ン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置
が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特
別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)
となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、
既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をい
う。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示
結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からは
ずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しなが
ら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態
に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示
される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に
決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条
件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表
示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情
報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものであ
る場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同
一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての
変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示
領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、
ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表
示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可
能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペ
シャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3
リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチな
し<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<
プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも
特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動
表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が
導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれること
もある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大
当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装
置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや
表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しない
が、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や
大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(
各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定
するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を
生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基
づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数
生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えてい
る。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111B
に記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブ
ルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り
、小当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(低確
率状態或いは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの
中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111A
は、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パタ
ーンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得
手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフ
ェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従っ
て、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また
、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの
払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電
波センサ62、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37
内の始動口2スイッチ37a、第2始動入賞口97内の始動口3スイッチ97a、入賞口
スイッチ35a、特別変動入賞装置38内に配設される複数個(1~x、本実施形態では
2個)大入賞口スイッチ38a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34aに接続さ
れ、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負
論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近
接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V-11Vと
されることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやス
イッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような
異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給さ
れデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F1
21の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッ
チ97a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a及びゲートスイッチ34aの
検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、
盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常
検知信号は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技
機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機1
0のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10
の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力さ
れるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出
信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板10
0から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。
さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37
a及び始動口3スイッチ97aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコ
ン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル
変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動
作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポー
ト123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE
2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポ
ート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設
けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号
(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステー
タス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の
遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以
上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチ
スイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込ん
でデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設
けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信
号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられてお
り、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。
電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッ
チ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイ
コン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として
扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には
制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、
遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部
130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さず
に直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポ
ート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リ
セット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するように
してもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,
124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111に
よって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリ
セットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポート
から遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによ
って廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊
技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ
132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置
200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊
技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試
験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号
などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。この
バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技
制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力
される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通
さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給で
きない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加
工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデー
タバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。な
お、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装
置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達
するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン11
1から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御され
たポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成さ
せる大入賞口ソレノイド38b及び普通変動入賞装置37を開成させる普電ソレノイド3
7cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力
部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続さ
れているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括
表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを
出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板7
1へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフ
ォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部
管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外
部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシ
ュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド
38bや普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出
力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表
示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ1
38b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジ
ット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137か
ら管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ド
ライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにする
ため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置
50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デ
ジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引
き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード
端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よ
りセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択された
LEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第
4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給
される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊
技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設ける
ようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラ
ムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ13
9は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送
受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通
常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を
利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられて
いない。
なお、特に限定されるわけではないが、上記第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ
36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第2始動入賞口97内の始
動口3スイッチ97a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、ゲートスイッ
チ34aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現
象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する
)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出
スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、
機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
次に、図20を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC
)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマン
ドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロ
セッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音
などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314
を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納し
たPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作
業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能な
FeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手
段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイ
コン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイ
コン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御
用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定し
てVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装
飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理する
ためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映
像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラク
タなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデ
オRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パ
ラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを
送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することがで
きる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や
遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYN
C、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312
から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割
込み信号INT0~n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの
状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する
映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回
路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力
されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介し
て表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主
制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続
されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INT
が入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた
上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパ
ワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成さ
れた音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力さ
れる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受
信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンド
I/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特
図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御
指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111
はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動
作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられ
ているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制
御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾
装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤3
0(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41
における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体
制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこ
れらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコ
ン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作さ
せるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演
出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵さ
れている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演
出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッ
チ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、
演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイ
コン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300
やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モ
ータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モー
タやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5
Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するよう
に構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2V
のような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3V
やDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられ
る。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マ
イコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン
311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314
、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなど
を駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリ
セット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FA
N45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆
動するようにされている。
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)〕
次に、遊技制御装置100の遊技制御による遊技状態の遷移(移行)について説明する
。図21は、本実施形態における遊技状態の遷移を示す遊技状態遷移図(ゲームフロー)
を例示する図である。遊技状態には、通常遊技状態ST1、第1特定遊技状態ST2、第
2特定遊技状態ST3、第3特定遊技状態ST4、第4特定遊技状態ST5がある。なお
、この他に特別遊技状態として、第1特別結果(大当り)に基づく第1特別遊技状態と第
2特別結果(小当り)に基づく第2特別遊技状態があるがここでは省略する。各遊技状態
では、遊技制御装置100で制御されることとなる第1特別結果が導出される特図確率、
演出制御装置300で制御されて遊技の演出態様を定める演出モード、当該遊技状態にお
いて主に狙うべき始動領域である主始動領域、主として実行するべき特図変動表示ゲーム
の種類である主変動特図、及び遊技球の発射方向が定められている。
本実施形態の遊技機10においては、左打ちにより第1始動入賞口36への入賞を狙う
ことができ、右打ちにより普通変動入賞装置37や第2始動入賞口97への入賞を狙うこ
とができるようになっている。すなわち、遊技者の意思により狙う始動領域を選択可能と
なっている。また、各遊技状態では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのう
ち、いずれか一方を主として遊技を進行することを想定して設計されており、この設計に
従い遊技者が遊技を進行するように、設計上で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲー
ムを主として遊技を進行した方が遊技者にとって有利となるように構成されている。なお
、以下の説明では、各遊技状態で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームをメイン変
動と称し、他方の特図変動表示ゲームをイレギュラー変動と称することがある。
通常遊技状態ST1は、特図確率が低確率状態であり、普通変動入賞装置37の単位時
間当たりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートがなく、特図変動表示ゲ
ームや普図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短もない状態である。また、演出態様
を規定する演出モードは通常モードとされる。主変動特図は特図1変動表示ゲームであり
、主始動領域は第1始動入賞口36であって、この第1始動入賞口36を狙うため発射方
向は左打ちとされている。すなわち、特図1変動表示ゲームをメイン変動とし、特図2変
動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。後述するようにこの通常
遊技状態ST1では、特図2変動表示ゲームについて非常に長い変動時間が設定されるよ
うになっている。これにより、特図2変動表示ゲームの実行が時間的に非効率的となり、
通常遊技状態ST1における小当りの獲得を狙った特図2変動表示ゲームの実行を遊技者
が選択しないようにしている。
第1特定遊技状態ST2は、特図確率が高確率状態であり、普通変動入賞装置37の単
位時間当たりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートがある状態である。
普電サポートがある場合は特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変動時間を短縮す
る時短もありとなる。演出態様を規定する演出モードはチャンスモードとされる。また、
主変動特図は特図1変動表示ゲームであるが主始動領域は普通変動入賞装置37であり、
この普通変動入賞装置37を狙うため発射方向は右打ちとされている。すなわち、特図1
変動表示ゲームをメイン変動とし、特図2変動表示ゲームをイレギュラー変動とするよう
に設計されている。この第1特定遊技状態ST2では、特図1変動表示ゲームの変動時間
が通常遊技状態ST1の場合よりも短縮される時短状態となり、右打ちを行って普通変動
入賞装置37を狙い、特図1変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって有利となる。
第2特定遊技状態ST3は、特図確率が低確率状態である他は第1特定遊技状態ST2
と同じである。また、第3特定遊技状態ST4は、演出態様を規定する演出モードが確変
モードとされ、普電サポートの終了条件が転落抽選の当選か大当りとなる特図変動表示ゲ
ームの開始となる他は第1特定遊技状態ST2と同じである。
第4特定遊技状態ST5は、特図確率が基本的には高確率状態である。ただし、第4特
定遊技状態ST5中に転落抽選に当選した場合には、低確率状態に移行するが第4特定遊
技状態ST5が維持される。また、普通変動入賞装置37の単位時間当たりの開放時間を
向上させて入賞を容易とする普電サポートはなしとなる特図変動表示ゲームの変動時間を
短縮する時短はありとなる状態である。演出態様を規定する演出モードは小当りRUSH
とされる。また、主変動特図は特図2変動表示ゲームであり、主始動領域は第2始動入賞
口97であって、この第2始動入賞口97を狙うため発射方向は右打ちとされている。す
なわち、特図2変動表示ゲームをメイン変動とし、特図1変動表示ゲームをイレギュラー
変動とするように設計されている。
この第4特定遊技状態ST5では、特図2変動表示ゲームの変動時間が通常遊技状態S
T1の場合よりも短縮される時短状態となり、右打ちを行って第2始動入賞口97を狙い
、特図2変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって有利となる。特図2変動表示ゲームは
特図1変動表示ゲームよりも小当りの確率が高く、かつ、大当りよりも小当りの方が当選
する確率が高いため、この第4特定遊技状態ST5では小当りが高頻度で発生して遊技者
の持球が増加する。このように小当りが高頻度で発生することから演出モードは小当りR
USHと称するモードとされている。
この5つの遊技状態のうち、通常遊技状態ST1が最も遊技者にとって不利な状態であ
る。第2特定遊技状態ST3は普電サポートがあるので通常遊技状態ST1よりも遊技者
にとって有利な状態であり、第1特定遊技状態ST2及び第3特定遊技状態ST4は高確
率状態であるので、通常遊技状態ST1や第2特定遊技状態ST3よりも遊技者にとって
有利な状態である。さらに、第4特定遊技状態ST5は、小当りの頻発により遊技者の持
球が増加する状態であるので、通常遊技状態ST1、第1特定遊技状態ST2、第2特定
遊技状態ST3及び第3特定遊技状態ST4よりも遊技者にとって有利な状態である。
遊技状態の移行は、特別結果の導出に基づく特別遊技状態の終了、規定ゲーム数の消化
、低確率状態への移行抽選である転落抽選に当選すること、大当りとなる特図変動表示ゲ
ームの開始により行われる。基本的には、特別遊技状態の開始の契機となった特別結果が
、当該特別遊技状態の終了後に高確率状態とする確変大当りである場合には第1特定遊技
状態ST2に移行し、当該特別遊技状態の終了後に低確率状態とする通常大当りである場
合には第2特定遊技状態ST3に移行する。
第2特定遊技状態ST3において特別遊技状態の終了から100回(サポート回数)の
特図変動表示ゲームを実行した場合は通常遊技状態ST1に移行する。また、第1特定遊
技状態ST2において転落抽選に当選した場合は、第2特定遊技状態ST3に移行する。
この場合第2特定遊技状態ST3に滞在する期間は、第1特定遊技状態ST2で実行した
ゲーム数を含めて特別遊技状態の終了から100回の特図変動表示ゲームを実行するまで
の期間となる。第1特定遊技状態ST2と第2特定遊技状態ST3は、演出モードが同じ
チャンスモードとされるので、移行したことを遊技者が把握困難である。
第1特定遊技状態ST2において転落抽選に当選せず、特別結果も導出されずに100
回の特図変動表示ゲームを実行した場合は、第3特定遊技状態ST4に移行する。ここで
は演出モードが確変モードとなるので、高確率状態であることを遊技者が把握可能となる
。この第3特定遊技状態ST4において転落抽選に当選した場合は、通常遊技状態ST1
に移行する。また、第3特定遊技状態ST4において転落抽選に当選せず、大当りとなる
特図変動表示ゲームが開始された場合は、第4特定遊技状態ST5に移行する。
第4特定遊技状態ST4は大当りとなる特図変動表示ゲームを実行する期間のみ滞在す
る。特図1変動表示ゲームが大当りとなる特図変動表示ゲームである場合、特図2変動表
示ゲームで小当りが導出されてから当該小当りに基づく特別遊技状態が実行される期間は
特図1変動表示ゲームが中断されるので、特図1変動表示ゲームの変動時間と中断の期間
を合わせた期間にわたり滞在することとなる。
この第4特定遊技状態ST5を設けたことで、大当りに基づく特別遊技状態が開始され
る前に小当りにより遊技者の持球を増加させる期間を設けることができ、第4特定遊技状
態ST5での持球の増加とこれに続く特別遊技状態での持球の増加とにより、遊技者に多
くの利益を付与することができる。特に、第4特定遊技状態ST5に移行可能な状況は、
確変大当りに基づく特別遊技状態が終了してから100回の特図変動表示ゲームを実行し
ても次の大当りが導出されなかったいわゆる嵌り状態であり、このような状況で遊技者に
利益を付与可能としたことで大当りが導出されない不満感を解消することができる。また
、逆に嵌り状態となることを期待するという従来の遊技機にはない興趣を持たせることが
できる。
図22、図23には、遊技の進行の一例を示した。図22(a)には、確変大当りが発
生した後に規定数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行する前に転落抽選に
当選した場合を示した。この例ではまず、低確率状態かつ普電サポートなしである通常遊
技状態ST1となっており、演出は通常遊技状態ST1に対応した通常モード演出となっ
ている。この通常遊技状態ST1は左打ちを行うことで遊技を進行するように定められた
状態であるので、遊技制御装置100は第1遊技状態表示部56を消灯状態とする。また
、演出制御装置300は右打ちを指示する右打ち指示報知を行わない。
この通常遊技状態ST1において実行された特図1変動表示ゲームの結果が第1特別結
果をなす確変大当りとなり、当該特図1変動表示ゲームの終了後に第1特別遊技状態とな
っている(t11)。第1特別遊技状態では、特別変動入賞装置38が開放されて多量の
賞球を獲得可能となる。また、演出状態は第1特別遊技状態に対応した第1特別遊技演出
となる。この第1特別遊技状態は、右打ちを行うことで遊技を進行するように定められた
状態であるので、遊技制御装置100は第1遊技状態表示部56を点灯状態とする。また
、演出制御装置300は右打ちを指示する右打ち指示報知を行う。
この第1特別遊技状態が終了すると、高確率状態かつ普電サポートありとなる第1特定
遊技状態ST2となる(t12)。第1特定遊技状態ST2では、普通変動入賞装置37
への入賞が容易となるため、特図1変動表示ゲームを主体として遊技が進行する。また、
特図1変動表示ゲームの変動時間は通常遊技状態ST1よりも短縮され、短時間で多数の
特図変動表示ゲームを実行可能である。この第1特定遊技状態では演出状態がチャンスモ
ード演出となる。この第1特定遊技状態ST2は、右打ちを行うことで遊技を進行するよ
うに定められた状態であるので、遊技制御装置100は第1遊技状態表示部56を点灯状
態とする。また、演出制御装置300は右打ちを指示する右打ち指示報知を行う。
この例では、この第1特定遊技状態ST2において転落抽選に当選しており、これに基
づき低確率状態に移行して第2特定遊技状態ST3となる(t13)。普電サポートはあ
りのままとなる。第2特定遊技状態ST3も普通変動入賞装置37への入賞が容易となる
ため、特図1変動表示ゲームを主体として遊技が進行する。また、特図1変動表示ゲーム
の変動時間は通常遊技状態ST1よりも短縮され、短時間で多数の特図変動表示ゲームを
実行可能である。この第2特定遊技状態でも演出状態はチャンスモード演出が維持された
状態となり、転落抽選に当選したことを把握困難としている。この第2特定遊技状態ST
3は、右打ちを行うことで遊技を進行するように定められた状態であるので、遊技制御装
置100は第1遊技状態表示部56を点灯状態とする。また、演出制御装置300は右打
ちを指示する右打ち指示報知を行う。
その後、第2特定遊技状態ST3において第1特別遊技状態の終了(t12)からの特
図変動表示ゲームの実行回数が規定数に到達すると、普電サポートが終了して通常遊技状
態ST1となる(t14)。この例では確率状態がすでに低確率状態となっているので、
低確率状態のまま維持される。また、通常遊技状態ST1への移行に伴い、左打ちを行う
ことで遊技を進行するように定められた状態となるので、遊技制御装置100は第1遊技
状態表示部56を消灯状態とする。また、演出制御装置300は右打ちを指示する右打ち
指示報知を終了する。ここでの移行条件の成立は、第1特別遊技状態の終了から数えて1
01回目の特図変動表示ゲームが通常確率状態で開始されることである。この場合、移行
条件が成立した101回目の特図変動表示ゲームの開始に伴い、移行した遊技状態に対応
するように遊技を進行する発射方向と当該発射方向の報知態様が変更されるようになって
いる。
図22(b)には、確変大当りが発生した後に規定数の特図変動表示ゲームを実行して
も転落抽選に当選しなかった場合を示した。通常遊技状態ST1において確変大当りが導
出されて第1特別遊技状態となり(t21)、この第1特別遊技状態の終了後に第1特定
遊技状態ST2となるまで(t22)は図22(a)と同じである。
この例では、第1特定遊技状態ST2において転落抽選に当選せず、第1特定遊技状態
ST2のまま第1特別遊技状態の終了(t22)からの特図変動表示ゲームの実行回数が
規定数(ここでは100回)に到達している(t23)。この場合は、規定数となる特図
変動表示ゲームの終了後に第3特定遊技状態ST4に移行する。
第3特定遊技状態ST4でも高確率状態かつ普電サポートありとなり、第2特定遊技状
態ST3も普通変動入賞装置37への入賞が容易となるため、特図1変動表示ゲームを主
体として遊技が進行する。また、第3特定遊技状態では演出状態が確変モード演出となり
、遊技者が高確率状態であることを明確に把握可能となる。この第3特定遊技状態ST4
は、右打ちを行うことで遊技を進行するように定められた状態であるので、遊技制御装置
100は第1遊技状態表示部56を点灯状態とする。また、演出制御装置300は右打ち
を指示する右打ち指示報知を行う。
その後、この第3特定遊技状態ST4において転落抽選に当選すると、低確率状態に移
行するとともに普電サポートが終了して通常遊技状態ST1に移行する(t24)。転落
抽選の当選は特図変動表示ゲームの開始時に行われるようになっており、転落抽選に当選
した場合には当該特図変動表示ゲームの開始から移行演出(第1特定演出)が行われる。
この移行演出は後述するように、第3特定遊技状態ST4において大当りとなる特図変動
表示ゲームを開始する場合と、第3特定遊技状態ST4において転落抽選に当選した場合
とで共通して実行されるものであり、転落抽選に当選したことや大当りであることがすぐ
には把握できないようにして遊技者の不安感や期待感を煽り、遊技の興趣を向上するもの
である。
また、通常遊技状態ST1への移行に伴い、左打ちを行うことで遊技を進行するように
定められた状態となるので、遊技制御装置100は第1遊技状態表示部56を消灯状態と
する。また、演出制御装置300は右打ちを指示する右打ち指示報知を終了する。よって
、移行演出においては右打ち指示報知は行われない。
図23(a)には、第1特定遊技状態ST2において第1特別結果が導出される場合を
示した。この場合、第1特別結果となる特図変動表示ゲームが開始されても(t31)、
確率状態は高確率状態のままとされるとともに普電サポートもありのままとされる。また
、演出状態もチャンスモード演出のままとされる。そして、当該特図変動表示ゲームが終
了すると特別遊技状態が開始される(t23)。特別遊技状態の開始に伴い低確率状態に
移行するとともに普電サポートが終了する(t32)。また、この例では第1特別結果を
なす通常大当りが導出されており、当該第1特別結果に基づく第1特別遊技状態が終了す
ると、低確率状態かつ普電サポートありとなる第2特定遊技状態ST3となる(t33)
また、第1特定遊技状態ST2、第1特別遊技状態及び第2特定遊技状態ST3のいず
れも右打ちを行うことで遊技を進行するように定められた状態であるので、遊技制御装置
100は第1遊技状態表示部56を点灯状態のまま維持する。また、演出制御装置300
は右打ちを指示する右打ち指示報知を維持する。
なお、第2特定遊技状態ST3で第1特別結果が導出される場合も同様に、第1特別結
果となる特図変動表示ゲームが開始されても確率状態は低確率状態のままとされるととも
に普電サポートもありのままとされる。さらに、演出状態もチャンスモード演出のままと
される。そして、特別遊技状態の開始に伴い低確率状態が維持されるとともに普電サポー
トが終了することとなる。すなわち、第1特定遊技状態ST2や第2特定遊技状態ST3
において第1特別結果となる特図変動表示ゲームが開始されても遊技状態は変化しない。
図23(b)には、第3特定遊技状態ST4において第1特別結果が導出される場合を
示した。この場合、第1特別結果となる特図変動表示ゲームが開始されると、確率状態は
高確率状態のままとされるが普電サポートが終了し、第4特定遊技状態ST5となる(t
40)。普電サポートが終了することで第2始動入賞口97への入賞が可能となり、第4
特定遊技状態ST5では特図2変動表示ゲームを主体として遊技が進行するようになる。
また、演出状態は第4特定遊技状態に対応した小当りRUSH演出となる。この第4特定
遊技状態ST5は当該特図1変動表示ゲームの終了まで継続される。
また、第4特定遊技状態ST5の開始時には移行演出が行われる。移行演出は第3特定
遊技状態ST4において大当りとなる場合又は転落抽選に当選した場合に実行されるが、
図22(b)に示したように転落抽選に当選した場合は、当該転落抽選に当選した特図変
動表示ゲームの開始から右打ち指示報知が行われない状態となる。よって、大当りとなる
場合の移行演出において右打ち指示報知が行われると、そのことから大当りとなることを
遊技者が把握できてしまう。このため、右打ち指示報知については移行演出の実行中にお
いて一時的に表示しない状態とする(t40~t41)。
ただし、第1遊技状態表示部56については遊技状態に対応して点灯状態のまま維持す
る。すなわち、この移行演出の期間においては、第1遊技状態表示部56の表示と右打ち
指示報知の実行とが対応しない状態となる。よって、第1遊技状態表示部56の表示を知
っている遊技者にとっては、これを知らない遊技者よりも早いタイミングで第4特定遊技
状態ST5に移行すること、つまり大当りとなることを知ることができる。
なお、右打ち指示報知を再開するタイミング(t41)は、例えば移行演出において第
4特定遊技状態ST5に移行することが判明するタイミングとする。もちろん、このタイ
ミングに限られるものではなく、例えばこのタイミングよりも早く右打ち指示報知を再開
すれば、右打ち指示報知によって第4特定遊技状態ST5に移行すること、つまり大当り
となることを示唆できる。
第4特定遊技状態ST5は、小当りの確率が特図1変動表示ゲームよりも高くなってい
る特図2変動表示ゲームを高頻度で実行可能な遊技状態である。図23(b)の例では、
第4特定遊技状態ST5の開始(t40)の後に第2始動入賞口97に入賞して特図2変
動表示ゲームが開始されている(t42)。この特図2変動表示ゲームは結果がはずれで
終了している。その後、新たに第2始動入賞口97に入賞して特図2変動表示ゲームが開
始されている(t43)。この特図2変動表示ゲームは結果が第2特別結果をなす小当り
となるものであり、当該特図2変動表示ゲームの終了に伴い第2特別遊技状態となる(t
45~t46)。この第2特別遊技状態では、特別変動入賞装置38が開放されて賞球を
獲得可能となる。第2特別遊技状態も右打ちを行うことで遊技を進行する状態であるので
、遊技制御装置100は第1遊技状態表示部56を点灯状態のまま維持する。また、演出
制御装置300は右打ちを指示する右打ち指示報知を維持する。
特図1変動表示ゲームは特図2変動表示ゲームでの小当りの導出に伴い中断され(t4
4)、当該第2特別遊技状態の終了に伴い特図1変動表示ゲームが再開される(t46)
。中断中は変動時間が進行しないため、特図1変動表示ゲームの実行時間は、特図1変動
表示ゲームの開始時に設定された時間に加えて特図2変動表示ゲームの小当りの停止表示
時間と第2特別遊技状態の期間の分だけ延長されることとなる。また、第3特定遊技状態
ST4で開始された第1特別結果となる特図1変動表示ゲームは、第1特定遊技状態ST
2で第1特別結果となる特図1変動表示ゲームの変動時間よりも長いものとされている。
このため、十分な第4特定遊技状態ST5の期間を確保可能となっている。
第2特別遊技状態が終了した後、新たに第2始動入賞口97に遊技球が入賞すると特図
2変動表示ゲームが実行される(t47)。その後も複数回の特図2変動表示ゲームの実
行と第2特別遊技状態の発生があり、これにより多量の賞球を獲得可能となる。
そして、特図1変動表示ゲームの変動時間が終了すると第1特別結果が停止表示され(
t48)、停止表示時間が終了すると特図1変動表示ゲームが終了する(t49)。これ
に伴い第4特定遊技状態ST5が終了して第1特別遊技状態が開始される(t49)。ま
た、特図1変動表示ゲームで第1特別結果が導出されることに伴い、実行中の特図2変動
表示ゲームがはずれ結果で強制的に終了される(t48)。
このように、第1特別遊技状態の前に第4特定遊技状態ST5が設定されることで、第
4特定遊技状態ST5で発生する小当りに基づき獲得可能な賞球と、第1特別遊技状態で
獲得可能な賞球とによって遊技者が多量の賞球を獲得可能となる。
また、図23(b)に示したように、第3特定遊技状態ST4においては大当りとなる
特図変動表示ゲームの開始に伴い普電サポートを終了することで、図22(b)に示した
ように第3特定遊技状態ST4において転落抽選に当選した場合と普電サポートの変化が
同じとなる。これにより、第3特定遊技状態ST4において普電サポートが終了したこと
により、転落抽選の当選と、大当りの当選という遊技者にとって大きく価値の違う事象の
いずれかが発生することを報知でき、遊技者に不安感や期待感を与えて遊技の興趣を向上
することができる。
特に、第3特定遊技状態ST4において大当りとなる特図変動表示ゲームを開始する場
合と、第3特定遊技状態ST4において転落抽選に当選した場合との何れにおいても、特
図変動表示ゲーム開始から一定時間は共通の移行演出を実行し、右打ち指示報知が行われ
ない状態となることで、転落抽選に当選したことや大当りであることがすぐには把握でき
ないようにすることができ、遊技者の不安感や期待感を煽ることができてより遊技の興趣
を向上することができる。
図24には表示装置41における表示の一例を示した。図24(a)には通常遊技状態
ST1での表示の一例を示した。表示装置41の表示領域の中央には、飾り特図変動表示
ゲームをなす第1飾りゲームのうち特図1変動表示ゲームに関する飾り特図変動表示ゲー
ムを表示する第1飾り特図1ゲーム表示部85aが設けられる。ここでは、左、中、右の
変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示
ゲームを表示する。結果は3つの識別情報の組み合わせにより構成される結果態様で表示
され、特図変動表示ゲームの結果に応じて大当り、小当り、はずれのいずれかの結果態様
が表示される。なお、通常遊技状態ST1においては特図1変動表示ゲームがメイン変動
となるので、イレギュラー変動となる特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示
ゲームは表示しないが表示するようにしても良い。
また、表示領域の中央下部には第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示す
る第1記憶表示部83aが設けられる。第1記憶表示部83aに表示される飾り特図始動
記憶表示は、第1始動記憶と一対一に対応し、記憶順に並んで表示されるものであり、こ
こでは3つの第1始動記憶があることを示している。左端の飾り特図始動記憶表示が最先
に記憶された第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示であり、消化される毎に左へ
移行するようになっている。また、それぞれの始動記憶に対応する特図1変動表示ゲーム
の結果や変動パターン等の先読み結果をその表示態様により示唆することが可能である。
なお、図24(a)では、消化順序が1番目の第1始動記憶について飾り特図始動記憶表
示の表示態様を変化させる先読み演出が行われている。
第1記憶表示部83aの左方には、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記
憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部84が設けられる。この実行中記憶表示部8
4には、特図変動表示ゲームの開始時に第1記憶表示部83aの左端にある飾り特図始動
記憶表示が移行し、実行される特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等をその表示態
様により示唆するようになっている。
表示領域の右上部には、第1始動記憶数を表示する第1始動記憶数表示部86aが設け
られる。第1始動記憶数表示部86aでは、第1始動記憶の数を数字により表示するよう
になっており、図24(a)では3つの第1始動記憶があることを示している。また、表
示領域の左上部には、現在の演出モードを表示する演出モード表示部87が設けられる。
ここでは通常モードであること、すなわち通常遊技状態ST1であることが示されている
なお、本実施形態では特図2変動表示ゲームの開始を保留するための第2始動記憶は発
生しないので、第2始動記憶を表示する始動記憶表示部は設けられていないが、特図2変
動表示ゲームの開始を保留するための第2始動記憶を発生するようにした場合は第1記憶
表示部83a、第1始動記憶数表示部86aと同様に第2始動記憶を表示するようにする
また、第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3、第3特定遊技状態ST4に
おける表示も背景表示や各表示部の配置位置が異なるものの、基本的には図24(a)の
表示と同様の表示を行う。
図24(b)には、第4特定遊技状態ST5での表示の一例を示した。表示装置41の
表示領域の右上部には、第1始動記憶の数を表示する第1始動記憶数表示部86aと、飾
り特図変動表示ゲームをなす第1飾りゲームのうち特図1変動表示ゲームに関する飾り特
図変動表示ゲームを表示する第1飾り特図1ゲーム表示部85aと、飾り特図変動表示ゲ
ームをなす第2飾りゲームのうち特図1変動表示ゲームに関する飾り特図変動表示ゲーム
を表示する第2飾り特図1ゲーム表示部88aが設けられる。
第1始動記憶数表示部86aでは、第1始動記憶の数を数字により表示するようになっ
ており図24(b)では第1始動記憶が0であることを示している。第1飾り特図1ゲー
ム表示部85cでは、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停
止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。第2飾り特図1ゲーム表示部88
aでは、複数の識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲーム
を表示する。結果は1つの識別情報により構成される結果態様で表示され、大当りを示す
「○」と、小当りを示す「△」と、はずれを示す「×」のいずれかが表示される。
表示領域の右下部には、飾り特図変動表示ゲームをなす第1飾りゲームのうち特図2変
動表示ゲームに関する飾り特図変動表示ゲームを表示する第1飾り特図2ゲーム表示部8
5bと、飾り特図変動表示ゲームをなす第2飾りゲームのうち特図2変動表示ゲームに関
する飾り特図変動表示ゲームを表示する第2飾り特図2ゲーム表示部88bが設けられる
第1飾り特図2ゲーム表示部85bでは、第1飾り特図1ゲーム表示部85aと同様に
飾り特図変動表示ゲームを表示する。また、第2飾り特図2ゲーム表示部88bでは、第
2飾り特図1ゲーム表示部88aと同様に飾り特図変動表示ゲームを表示する。なお、本
実施形態では特図2変動表示ゲームの開始を保留するための第2始動記憶は発生しないの
で、第2始動記憶の数を表示する第2始動記憶数表示部は設けられていないが、特図2変
動表示ゲームの開始を保留するための第2始動記憶を発生するようにした場合は第1始動
記憶数表示部86aと同様に第2始動記憶の数を表示する第2始動記憶数表示部を設ける
ようにする。
また、表示領域の中央ではキャラクタ等による演出表示を行う演出表示部89が設けら
れる。この演出表示部89では主にメイン変動となる特図2変動表示ゲームの変動パター
ンや結果に応じた演出を表示するようになっており、遊技者が演出表示により特図変動表
示ゲームの進行状況や結果を把握できるようになっている。
第4特定遊技状態ST5では、図24(a)の第1飾り特図1ゲーム表示部85aのよ
うに識別情報を大きく表示するような表示は行わないが、結果が導出される際にのみ結果
態様を大きく表示するようにしても良い。例えば、結果が導出される特図変動表示ゲーム
に対応した第1飾り特図1ゲーム表示部85a又は第1飾り特図2ゲーム表示部85bか
ら識別情報が拡大されて表示領域の中央に表示されるようにし、停止表示時間の終了とと
もに元の表示部に識別情報が縮小するような表示を行う。このような表示を行っている間
でも第1飾り特図1ゲーム表示部85a及び又は第1飾り特図2ゲーム表示部85bの表
示は維持された状態とする。
演出モード表示部87には小当りRUSHモードであること、すなわち第4特定遊技状
態ST5であることが示される。また、表示領域の左下部には、第2特別遊技状態の実行
中に当該第2特別遊技状態で獲得した賞球数を示す賞球数表示部91が設けられる。ここ
では第2特別遊技状態で30個の賞球を獲得したことが示されている。さらに、表示領域
の左下部には、第3特定遊技状態ST4の終了に伴う第4特定遊技状態ST5の開始から
第1特別遊技状態に移行するまでに獲得した賞球数を示す累計賞球数表示部92が設けら
れる。ここではこれまで600個の賞球を獲得したことが示されている。
なお、累計賞球数表示部92において第1特別遊技状態での獲得賞球数も加算するよう
にし、第3特定遊技状態ST4の終了に伴う第4特定遊技状態ST5の開始から第1特別
遊技状態の終了までに獲得した賞球数を示すようにしても良い。さらに、第1特定遊技状
態ST2、第2特定遊技状態ST3及び第3特定遊技状態ST4で獲得した賞球数も加算
するようにし、通常遊技状態ST1の終了から通常遊技状態ST1に戻るまでに獲得した
賞球数を示すようにしても良い。ただし、第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態S
T3及び第3特定遊技状態ST4では一定数の賞球数の獲得はあるもののそれ以上に持球
を消費するので、第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3及び第3特定遊技状
態ST4での賞球数については加算しないようにしても良い。
表示領域の中央下部には、所定の開始条件の成立により開始されるとともに、所定の終
了条件が成立することで終了する特定期間における大当り回数が表示を示す連続回数表示
部96が設けられる。この連続回数表示部96は、通常遊技状態ST1以外の遊技状態に
おいて表示可能である。図24(b)では、3回の大当りが発生していることを示してい
る。
特定期間の開始条件は通常遊技状態ST1で大当りが導出されることで成立し、特定期
間の終了条件は通常遊技状態ST1でない遊技状態から通常遊技状態ST1に戻ることで
成立する。よって、連続回数表示部96には原則として、特定期間の開始条件が成立した
大当りである通常遊技状態ST1での大当りを1回目とし、再び通常遊技状態ST1に戻
るまでに発生した大当りの回数が表示される。
ただし、特定の場合には例外的に通常遊技状態ST1で導出された大当りであっても1
回目とせずにそれまでの加算結果を引き継いで加算するようにしている。本実施形態にお
ける特定の場合としては、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームで大当りが導出される
場合や、転落抽選に当選した一方の特図変動表示ゲームの終了前に開始された他方の特図
変動表示ゲームが大当りとなって再び特定遊技状態に移行する場合が挙げられる。
例えば、第3特定遊技状態ST4における特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場
合には、当該特図変動表示ゲームの開始時に通常遊技状態ST1に移行するが、この転落
抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行中には転落抽選に当選したことを示唆又は報知
する第1特定演出が行われる。この第1特定演出では特図変動表示ゲームの終了間際に転
落抽選に当選したことが明確に報知されるため、遊技者は当該特図変動表示ゲームが終了
するまでは転落抽選に当選したことを明確に把握しておらず、未だ高確率状態であると信
じて遊技を行っている。さらに、この場合に大当りとなる特図変動表示ゲームが並行して
実行されていることを示唆又は報知する演出を行うこともある。また、転落抽選に当選し
た特図変動表示ゲームで大当りとなる場合は、第1特定演出の結果として転落抽選に当選
したことを明確に報知しないことがある。このため、通常遊技状態ST1に移行したこと
だけを条件として連続回数表示部96の値をリセットすると特定期間が継続していると思
っている遊技者が不信感を持つ可能性がある。
このようなことから、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームや、転落抽選に当選した
特図変動表示ゲームの終了前に開始された特図変動表示ゲームで大当りが導出される場合
には、結果の導出時が通常遊技状態ST1であっても特定遊技状態で導出された大当りと
同等に扱い、連続回数表示部96に表示される回数については通常遊技状態ST1に移行
する前の大当り回数を引き継いで加算を行うようにしている。
なお、累計賞球数表示部92において通常遊技状態ST1の終了から通常遊技状態ST
1に戻るまでに獲得した賞球数を示すようにした場合についても同様に、転落抽選に当選
した特図変動表示ゲームや、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了前に開始され
た特図変動表示ゲームで大当りが導出される場合には、特定遊技状態で導出された大当り
と同等に扱い、通常遊技状態ST1に移行する前の賞球数を引き継いで加算を行うように
する。
すなわち、演出制御装置300は、所定の開始条件の成立により開始されるとともに、
所定の終了条件が成立することで終了する特定期間を設定可能であり、特定期間の開始か
ら終了までにおける遊技の情報(大当り回数や獲得した賞球数)を累積して報知すること
が可能である。また、特定の場合には通常遊技状態ST1に移行する前の情報を引き継い
で加算を行うようにしている。
また、表示領域の右下部には右打ちを指示する右打ち指示報知99が表示される。この
右打ち指示報知99は、第4特定遊技状態ST5の他、第1特定遊技状態ST2、第2特
定遊技状態ST3、第3特定遊技状態ST4、第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態で
も表示される。左打ちで遊技を進行する状態では右打ち指示報知99は表示されないが、
右打ちで遊技を進行する状態でも右打ち指示報知99が表示されない場合もある(例えば
図23(b)のt40~t41)。すなわち右打ち指示報知99が表示されないことは左
打ちであることを明確に示す状態ではない。
図24(c)から(h)には、第3特定遊技状態ST4で転落抽選に当選した場合や大
当りとなる場合などに実行される移行演出の一例を示した。図24(c)に示すように特
図1変動表示ゲームが開始されると、第1飾り特図1ゲーム表示部85aにおいて変動表
示が開始され、その後、図24(d)に示すように移行演出が開始される。この移行演出
は、味方キャラクタ89aと敵キャラクタ89bが戦う演出となっており、戦いの結果に
より特図変動表示ゲームの結果や転落抽選の有無を報知するものとなっている。また、飾
り特図変動表示ゲームや始動記憶表示は、図24(b)に示したものと同様の表示で行う
この移行演出の開始に伴い右打ち指示報知99を終了する。これは上述したように移行
演出が大当りとなる場合(右打ちを維持)又は転落抽選に当選した場合(左打ちに移行)
に実行されるので、右打ちを明確に報知すると大当りであることが把握できてしまうため
である。
図24(e)に示すようにキャラクタが戦う演出が行われ、所定時間が経過すると戦い
の結果が示される。転落抽選に当選した特図変動表示ゲームで結果がはずれ又は小当りと
なる場合は、図24(f)に示すように味方キャラクタ89aが敗北する結果となる。そ
の後、図24(a)に示したような通常遊技状態ST1の演出に移行する。また、通常遊
技状態ST1の演出に移行した際に左打ちに戻すように指示する指示表示を行う。一方、
特図変動表示ゲームで結果が大当りとなる場合は、図24(g)に示すように味方キャラ
クタ89aが勝利する結果となる。その後、図24(b)に示したような第4特定遊技状
態ST5の演出に移行し、右打ち指示報知99を再開する。
また、転落抽選に当選せず特図変動表示ゲームで結果がはずれ又は小当りとなる場合に
、いわゆるガセ演出として移行演出を行うようにしても良い。この場合は図24(e)に
示すようにキャラクタが戦う演出を行った後に図24(h)に示すように引き分けの結果
となるようにする。その後、図24(c)に示したような第3特定遊技状態ST4の演出
に戻るようにし、右打ち指示報知99を再開する。
なお、第4特定遊技状態への移行タイミングを大当りとなる特図変動表示ゲームの開始
時としたが、大当りとなる特図変動表示ゲームの実行中であれば良く、開始時以降であっ
ても良い。また、大当りとなる特図変動表示ゲームの実行とは関係なく、所定の移行条件
の成立により第4特定遊技状態に移行するようにしても良い。所定の移行条件としては、
移行抽選に当選することや、所定のゲーム数を実行すること、特図変動表示ゲームで特定
の結果が導出されることなどが挙げられる。
また、特図2変動表示ゲームの実行権利である第2始動記憶を複数記憶可能とした場合
に、当該第2始動記憶について対応する特図2変動表示ゲームの開始前に大当りとなるか
否かについて事前判定を行い、大当りとなる第2始動記憶があることが判明した場合には
、当該大当りとなる第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームの開始より前に第4特定
遊技状態に移行するようにしても良い。
また、転落抽選に当選することにより高確率状態が終了するようにしたが、特別遊技状
態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行することで高確率状態が終了するよう
にしても良いし、次回の第1特別結果の導出まで高確率状態とするようにしても良い。
以上のことから、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームを実行し、当該
変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生す
る遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、始動入賞口を
なし、遊技球が入賞不能な閉状態と、遊技球の入賞が容易な開状態と、に変換可能であり
、入賞により変動表示ゲームの実行権利を発生可能な普通変動入賞装置37と、を備え、
制御手段は、普通変動入賞装置37の動作状態を、第1動作状態と、該第1動作状態より
も入賞が容易な第2動作状態と、の何れかの動作状態で制御し、変動表示ゲームの結果が
特別結果となる確率状態を低確率状態と、該低確率状態よりも高い高確率状態との何れか
に設定し、高確率状態である場合に、変動表示ゲームの実行毎に低確率状態へ移行させる
ための転落抽選を行うように構成され、第2動作状態である場合に転落抽選に当選した場
合には、第1動作状態に移行することが可能であり、第2動作状態である場合に転落抽選
に当選していなくても、特別結果となる変動表示ゲームを実行する場合には第1動作状態
に移行することが可能であることとなる。したがって、転落抽選に当選した場合と大当り
が導出される場合とで、普通変動入賞装置37の動作状態の変化を同じようにすることが
できて区別しにくくでき、遊技の興趣を向上することができる。
また、制御手段は、特別遊技状態の終了から所定回数の変動表示ゲームを実行するまで
の所定期間に第2動作状態を設定することが可能であり、当該所定期間の経過後は高確率
状態である場合に第2動作状態を設定可能であり、所定期間においては、第2動作状態で
ある場合に転落抽選に当選しても第1動作状態に移行せず、第2動作状態である場合に転
落抽選に当選せずに特別結果となる変動表示ゲームを実行する場合でも第1動作状態に移
行しないようし、所定期間の経過後に高確率状態が継続している場合においては、転落抽
選に当選した場合と、転落抽選に当選せずに特別結果となる変動表示ゲームを実行する場
合と、のいずれかの条件が成立することに基づき第1動作状態に移行するようにしたこと
となる。したがって、転落抽選に当選した場合と大当りが導出される場合とで、普通変動
入賞装置37の動作状態の変化を同じようにすることができて区別しにくくでき、遊技の
興趣を向上することができる。
また、始動入賞口をなす第1始動入賞口36と、普通変動入賞装置37の下流側であっ
て当該普通変動入賞装置37へ入賞可能な経路を経て入賞可能となる位置に配された始動
入賞口をなす第2始動入賞口97と、を備え、制御手段は、第1始動入賞口36又は普通
変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを
実行し、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第2変動表示ゲ
ームを実行し、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームは同時に実行可能であり、少な
くとも第2変動表示ゲームの結果には、遊技状態にかかわらず導出される確率が一定の第
2特別結果があり、第1変動表示ゲームの実行中に第2変動表示ゲームの結果が第2特別
結果となって遊技者に有利な第2特別遊技状態が実行される場合には、当該第2特別遊技
状態の実行中において当該第1変動表示ゲームを中断するように構成されていることとな
る。したがって、大当りとなる特図変動表示ゲームが開始されることに基づき小当りの確
率が高い第2変動表示ゲームを多数実行可能となり、遊技者に利益を付与することができ
るので、遊技の興趣を向上することができる。
また、高確率状態では、変動表示ゲームの実行時間を低確率状態よりも短くなるように
し、特別結果には、遊技状態に応じて導出される確率を変化させることが可能な第1特別
結果と、遊技状態にかかわらず導出される確率が一定の第2特別結果と、があり、第2変
動表示ゲームにおける第2特別結果が導出される確率は、第1特別結果が導出される確率
よりも高い確率とし、変動表示ゲームの結果が第1特別結果となった場合に、遊技者に有
利な特別遊技状態として第1特別遊技状態を実行し、変動表示ゲームの結果が第2特別結
果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態として第2特別遊技状態を実行し、第1
変動表示ゲームの実行中に第2変動表示ゲームの結果が第2特別結果となって第2特別遊
技状態が実行される場合には、当該第2特別遊技状態の実行中において当該第1変動表示
ゲームを中断し、当該第2特別遊技状態の終了に伴い当該第1変動表示ゲームを再開する
ように構成されていることとなる。したがって、大当りとなる特図変動表示ゲームが開始
されることに基づき小当りの確率が高い第2変動表示ゲームを多数実行可能となり、遊技
者に利益を付与することができるので、遊技の興趣を向上することができる。
なお、本実施形態では、一方の変動表示ゲームの実行中に他方の変動表示ゲームの結果
が第2特別結果となって第2特別遊技状態が実行される場合には、当該他方の変動表示ゲ
ームの変動時間が終了して第2特別結果が停止表示された時から第2特別遊技状態の終了
まで一方の変動表示ゲームを中断するようにしたが、当該他方の変動表示ゲームの停止表
示時間が終了して第2特別遊技状態が開始された時から第2特別遊技状態の終了まで一方
の変動表示ゲームを中断するようにしても良い。後述する変形例においても同様である。
また、本実施形態では、一方の変動表示ゲームの実行中に他方の変動表示ゲームの結果
が第1特別結果となって第1特別遊技状態が実行される場合には、当該他方の変動表示ゲ
ームの変動時間が終了して第1特別結果が停止表示された時に一方の変動表示ゲームをは
ずれ結果で強制的に停止させるようにしたが、当該他方の変動表示ゲームの停止表示時間
が終了して第1特別遊技状態が開始された時に一方の変動表示ゲームをはずれ結果で強制
的に停止するようにしても良い。後述する変形例においても同様である。
また、特図1と特図2で中断や強制停止の開始時が異なるようにしても良く、特別結果
が停止表示された時と、特別遊技状態が開始された時と、から選択されるようにしても良
い。さらに、中断や強制停止の開始時は、特別結果が停止表示された時や特別遊技状態が
開始された時に限られず他のタイミングで開始しても良い。中断の終了時についても特別
遊技状態の終了時以外のタイミングでも良い。また、一方の変動表示ゲームの実行中に他
方の変動表示ゲームの結果が第1特別結果となって第1特別遊技状態が実行される場合も
中断状態を発生させるとしても良い。また、特図1と特図2のぞれぞれについて、第1特
別結果や第2特別結果が導出された場合に、中断とするか強制停止とするかについては任
意に設定可能である。
本実施形態の普通変動入賞装置37は、可動部材37bの上面に遊技球を滞留させる遊
技球滞留機能を具備しているため、可動部材37bが閉状態である間に可動部材37b上
に遊技球を滞留させて、可動部材37bが開状態になると遊技球を飲み込む(可動部材3
7b上に滞留している遊技球を落下させて普電入賞口37dへ入賞させる)ことができる
。したがって、普通変動入賞装置37への入賞に失敗する遊技球、すなわち普通変動入賞
装置37に到着したにもかかわらず普電入賞口37dに入賞できない遊技球を減らすこと
ができる。
また、普通変動入賞装置37の下方に第2始動入賞口97が配設されているため、普通
変動入賞装置37への入賞に失敗した遊技球は、第2始動入賞口97に入賞可能である。
本実施形態の場合、普通変動入賞装置37の遊技球滞留機能によって、普通変動入賞装置
37への入賞に失敗する遊技球が減るため、主始動領域が普電入賞口37dである遊技状
態(第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3、第3の特定遊技状態ST4)に
おいて、第2始動入賞口97へ入賞させにくくできる。
第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3、第3の特定遊技状態ST4の主始
動領域は普電入賞口37dであり、第4特定遊技状態ST5の主始動領域は第2始動入賞
口97であるため、第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3、第3の特定遊技
状態ST4の場合、すなわち高/低確率サポ有状態のときには第2始動入賞口97への入
賞が不能(困難)であり、第4特定遊技状態ST5の場合、すなわち高確率サポ無状態の
ときのみ第2始動入賞口97への入賞が可能であることが好ましい。第1特定遊技状態S
T2、第2特定遊技状態ST3、第3の特定遊技状態ST4のときに第2始動入賞口97
に遊技球が入賞して小当りが発生すると、出玉率が設計値から大きく乖離する虞がある。
普通変動入賞装置37への入賞率は、下記の式(1)を用いて算出することができる。
入賞率[%]=普電入賞口37dに入賞した遊技球の個数/普通変動入賞装置37
に到着した遊技球(流下路37fの始点に流入した遊技球)の個数×100・・・(1)
本実施形態では、第2始動入賞口97を遊技領域32の右下に配置し、当該第2始動入
賞口97の上方に普通変動入賞装置37を配置している。そして、普通変動入賞装置37
は、遊技球滞留機能を具備しているため、普通変動入賞装置37への入賞に失敗する遊技
球を減らすことができる。さらには、普通変動入賞装置37の可動部材37bの動作終了
から動作開始までの時間や、普通変動入賞装置37における遊技球の滞留時間(流下路3
7fの始点から終点までを遊技球が転動するのにかかる時間)などを調整することによっ
て、普図の当り状態での普通変動入賞装置37への入賞の失敗をほぼ0にする、すなわち
普図の当り状態での普通変動入賞装置37への入賞率をほぼ100%にすることも可能で
ある。普図の当り状態での普通変動入賞装置37への入賞率をほぼ100%にすることで
、当該普通変動入賞装置37の下方に配設されている第2始動入賞口97へ入賞させにく
くできるため、狙い通りの性能(出玉率)を実現することができる。
一方、高確率サポ無状態(第4特定遊技状態ST5)のときは、普通変動入賞装置37
が開かないため、第2始動入賞口97へ遊技球を入賞させることができ、小当りRUSH
を実現することができる。このように、本実施形態によれば、高確率サポ無状態(第4特
定遊技状態ST5)のときのみ第2始動入賞口97へ入賞させるよう構成可能であるとと
もに、狙い通りの性能が実現できる。
ここで、例えば図25(a)に示すように、普図変動の時間(すなわち、普図変動時間
)が200m秒であり、普図停止の時間(すなわち、普図表示時間)が100m秒であり
、普電作動の時間(すなわち、普図の当り状態1回あたりのトータルの普電開放時間とト
ータルのウェイト時間との和)が5800m秒であり、エンディングの時間(すなわち、
普電残存球処理時間と普図エンディング時間との和)が700m秒である場合、可動部材
37bの動作終了から動作開始までの時間は、少なくとも1000m秒(=700m秒+
200m秒+100m秒)になる。この場合に、流下路37fや迂回路37gの長さ、流
下路37fや迂回路37gに設ける起伏の個数や形状等を適宜設計して、普通変動入賞装
置37における遊技球の滞留時間を1000m秒に近づけることによって、普図の当り状
態での普通変動入賞装置37への入賞率をほぼ100%にすることが可能となる。
無論、ここで示した例のように、可動部材37bの動作終了から動作開始までの時間に
応じて、普図の当り状態での普通変動入賞装置37への入賞率がほぼ100%になるよう
、普通変動入賞装置37における遊技球の滞留時間を設定してもよいし、逆に、普通変動
入賞装置37における遊技球の滞留時間に応じて、普図の当り状態での普通変動入賞装置
37への入賞率がほぼ100%になるよう、可動部材37bの動作終了から動作開始まで
の時間を設定してもよい。
すなわち、本実施形態においては、普通変動入賞装置37における遊技球の滞留時間と
、可動部材37bの動作終了から動作開始までの時間と、の一方を、他方に応じた時間(
他方と略同一の時間、他方以上の時間等)に設定することで、普通変動入賞装置37への
遊技球の入賞率を高めることができる。また、起部や伏部などの球威を抑制する部分を増
やす等して普通変動入賞装置37における遊技球の滞留時間を増加させることで、普電の
インターバル中(可動部材37bの動作終了から動作開始までの間)、可動部材37b上
により多くの遊技球を滞留させることができ、可動部材37bが開状態となったときに、
その可動部材37b上に滞留していた遊技球を入賞させることができるため、普通変動入
賞装置37への遊技球の入賞率が向上する。
また、本実施形態において、普通変動入賞装置37は遊技球滞留機能を具備しており、
当該普通変動入賞装置37の下方に第2始動入賞口97や特別変動入賞装置38が配設さ
れているため、遊技球が発射されてから第2始動入賞口97や特別変動入賞装置38に到
着するまでの時間を、普通変動入賞装置37が遊技球滞留機能を具備していない場合より
も長くすることができる。したがって、推奨しない打ち方がされることを回避できるとと
もに、大入賞口の開放パターン(開閉部材990の開閉パターン)の自由度を高めること
ができる。
通常遊技状態ST1では左打ちが推奨されているが、通常遊技状態ST1のときに右打
ちがされて遊技球が第2始動入賞口97に入賞すると、特図2変動表示ゲームが実行され
る。通常遊技状態ST1では、第2の特定遊技状態よりも特図2変動表示ゲームの変動時
間が長時間に設定されているが、狙い打ち(止め打ちやタイミング打ちなど)を行うこと
によって、大入賞口への入賞を狙うことは可能である。特別変動入賞装置38の上方に配
設されている普通変動入賞装置37が遊技球滞留機能を具備していない場合には、通常遊
技状態ST1中に特図2変動表示ゲームが実行された際に、小当り遊技状態の開始(大入
賞口の開放開始)とともに遊技球を打ち始める等の狙い打ちを行うことによって、小当り
遊技状態の終了までに遊技球を特別変動入賞装置38に到着させて大入賞口へ入賞させる
ことが可能となる。したがって、通常遊技状態ST1中に特図2変動表示ゲームを実行さ
せるために、推奨しない打ち方(右打ち)がされてしまう虞がある。
これに対し、本実施形態の場合、特別変動入賞装置38の上方に配設されている普通変
動入賞装置37が遊技球滞留機能を具備しているため、遊技球が特別変動入賞装置38に
到着するまでに時間がかかる。したがって、通常遊技状態中に特図2変動表示ゲームが実
行された際に、小当り遊技状態の開始(大入賞口の開放開始)とともに遊技球を打ち始め
る等の狙い打ちを行っても、遊技球は、小当り遊技状態の終了までに特別変動入賞装置3
8に到着できない。したがって、通常遊技状態ST1中に特図2変動表示ゲームを実行さ
せても無駄であるため、通常遊技状態ST1中に特図2変動表示ゲームを実行させる打ち
方、すなわち通常遊技状態ST1において推奨しない打ち方がされることを回避できる。
このように、本実施形態によれば、攻略による不正入賞、すなわち、通常遊技状態ST1
において右打ちで小当りを発生させ、狙い打ちを行って小当り入賞(小当りの期間におけ
る大入賞口への入賞)を獲得することを防ぐことができる。
また、特別変動入賞装置38の上方に配設されている普通変動入賞装置37が遊技球滞
留機能を具備していない場合、攻略による不正入賞を防ぐ(推奨しない打ち方がされるこ
とを回避する)ためには、短開放を1回だけ行う等、小当り遊技状態における大入賞口の
開放パターンに制限を設ける必要があった。これに対し、本実施形態の場合、特別変動入
賞装置38の上方に配設されている普通変動入賞装置37が遊技球滞留機能を具備してい
るため、遊技球が特別変動入賞装置38に到着するまでに時間がかかる。したがって、小
当り遊技状態中に大入賞口が複数回開放しても、攻略による不正入賞を防ぐことが可能で
あるため、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンの自由度を高めることができ
る。
ここで、例えば、特別変動入賞装置38の上方に配設されている普通変動入賞装置37
が遊技球滞留機能を具備しておらず、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到
着するまでに約2秒かかるとする。このような場合に、小当り遊技状態における大入賞口
の開放パターンが、例えば図25(b)に示すようなパターン、すなわち1.8秒の開放
を1回だけ行うパターンであれば、小当り遊技状態の開始とともに遊技球を打ち始める等
の狙い打ちを行っても、遊技球が特別変動入賞装置38に到着するころには小当り遊技状
態が終了しているため、遊技球は大入賞口に入賞できない。
一方、このような場合に、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンが、例えば
図25(c)に示すようなパターン、すなわち「0.5秒開状態→1.0秒閉状態→0.
5秒開状態→1.0秒閉状態→0.5秒開状態」のパターンであれば、小当り遊技状態の
開始とともに遊技球を打ち始める等の狙い打ちを行うことで、小当り遊技状態の終了まで
に遊技球を特別変動入賞装置38に到着させることができるため、遊技球は大入賞口に入
賞可能である。したがって、このような場合に、小当り遊技状態における大入賞口の開放
パターンとして、大入賞口を複数回開放する開放パターン等を採用すると、攻略による不
正入賞を防ぐことができない。その一方で、小当り遊技状態における大入賞口の開放パタ
ーンとして大入賞口を複数回開放する開放パターン等を採用すること、すなわち小当り遊
技状態における大入賞口の開放パターンの自由度を高めることができれば、小当り性能の
向上(小当り遊技状態での出玉増加)を実現できるが、攻略による不正入賞によって実現
できない。
攻略による不正入賞を防ぐことと小当り性能を向上させることとを両立するために、遊
技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到着するまでの時間を遅延させる滞留装置
(本実施形態の場合、普通変動入賞装置37)等を設けるとする。仮に、その滞留装置に
よって2秒遅延する(2秒の遅延時間が付与される)と、遊技球が発射されてから特別変
動入賞装置38に到着するまでに約4秒かかることとなる。
これにより、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンが、例えば図25(c)
に示すようなパターン、すなわち「0.5秒開状態→1.0秒閉状態→0.5秒開状態→
1.0秒閉状態→0.5秒開状態」のパターンである場合、開閉部材990の動作終了ま
でに3.5秒(=0.5秒+1.0秒+0.5秒+1.0秒+0.5秒)かかるのに対し
、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到着するまでに約4秒かかる。すなわ
ち、本実施形態においては、小当り遊技状態における開閉部材990の動作開始から動作
終了までの時間よりも、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到着するまでの
時間が長くなるように、小当り遊技状態における開閉部材990の開閉パターン(大入賞
口の開放パターン)に応じて、普通変動入賞装置37における遊技球の滞留時間を決定す
るよう構成可能である。
小当り遊技状態における開閉部材990の動作開始から動作終了までの時間(この例で
は、3.5秒)よりも、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到着するまでの
時間(この例では、約4秒)を長くすることで、小当り遊技状態の開始とともに遊技球を
打ち始める等の狙い打ちを行っても、遊技球が特別変動入賞装置38に到着するころには
小当り遊技状態が終了していることとなる。したがって、小当り遊技状態における大入賞
口の開放パターンとして大入賞口を複数回開放する開放パターンを採用しても、攻略によ
る不正入賞を防ぐことができる。
このように、本実施形態によれば、遊技球が発射されてから特別変動入賞装置38に到
着するまでの時間に遅延時間を付与する滞留装置等を設けることによって、攻略による不
正入賞を防ぎつつ、小当り性能を向上させることができる。また、当該遅延時間が長いほ
ど、小当り遊技状態のトータル時間を延ばすことができるため、小当り性能を高めること
ができる。また、当該遅延時間が長いほど、特別変動入賞装置38に到着するまでに時間
がかかるため、攻略による不正入賞も難しくなる。また、このような滞留装置等を設ける
ことは、普電サポート中の狙い打ちだけでなく、小当りRUSH中の狙い打ちに対しても
効果がある。また、当該遅延時間が長いほど、狙い打ちが難しくなるため、打ちっぱなし
にしなくてはならなくなり、ホールの運用上でも安定したデータが取得可能となる。
また、本実施形態の場合、通常遊技状態ST1において、右打ちをして第2始動入賞口
97に入賞して小当りが発生し、その後、普図始動ゲート34に遊技球が通過して普図が
当った場合、普通変動入賞装置37の遊技球滞留機能によって、普通変動入賞装置37へ
の入賞に失敗する遊技球を減らすことができるため、普通変動入賞装置37の下方に配設
されている特別変動入賞装置38へ入賞させにくくできる。すなわち、本実施形態によれ
ば、普通変動入賞装置37の遊技球滞留機能によって、遊技球が特別変動入賞装置38に
到着するまでに時間がかかるため、攻略による不正入賞を防ぐことができる。さらに、普
通変動入賞装置37の遊技球滞留機能によって、普通変動入賞装置37への入賞に失敗す
る遊技球を減らすことができる(特別変動入賞装置38へ入賞させにくくできる)ため、
攻略による不正入賞による被害を最小限に抑えることができる。
また、小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンの自由度を高めることによって
、小当り性能の向上(小当り遊技状態での出玉増加)を実現できるだけでなく、大入賞口
38dを開放する回数を増やすことも可能となるため、遊技者は大入賞口38dに遊技球
が流入するか否かを楽しむことができ、遊技の興趣が向上する。なお、遊技球が発射され
てから特別変動入賞装置38に到着するまでの時間として、滞留装置がない場合には約2
秒、滞留装置がある場合には約4秒を例示したが、これらの到着時間はあくまでも実測値
の平均値であり、無論、実際の到着時間には誤差がある。
また、通常遊技状態のときに右打ちされた場合に行う注意喚起(エラー報知)は、所定
個数の遊技球が第2始動入賞口97に入賞したという条件を満たした際に行ってもよいし
、所定個数の遊技球が普図始動ゲート34を通過したという条件を満たした際に行っても
よいし、第2始動入賞口97に入賞した遊技球の個数と普図始動ゲート34を通過した遊
技球の個数との和が所定個数に達したという条件を満たした際に行ってもよい。これによ
り、間違って右打ちしたのにすぐに注意喚起されてしまって、興趣が低下してしまう、遊
技意欲が低下してしまう等の不都合を回避できる。また、通常遊技状態のとき、第2始動
入賞口97に入賞した遊技球をカウントするカウンタや、普図始動ゲート34を通過した
遊技球をカウントするカウンタは、所定タイミングでクリアするよう構成してもよいし、
あるいは、第1始動入賞口36に入賞する度に-1更新するよう構成してもよい。
図26には、大当り及び小当りの確率と、大当りに当選した場合の大当り種類の振分確
率、小当りに当選した場合の小当り種類の振分確率を示した。なお、大当りとは条件装置
の作動を伴う特別結果(第1特別結果)であり、小当りは条件装置の作動を伴わない特別
結果(第2特別結果)である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当
り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り
状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための
特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装
置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセ
ットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオン
オフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされる
スイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が
電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一
般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使
用している。
大当り(第1特別結果)となる確率である大当り確率は特図1と特図2で共通であり、
低確率状態である通常遊技状態と高確率状態である特定遊技状態での確率はそれぞれ図2
6(a)に示すような確率となっている。本実施形態の遊技機では、確変大当りに基づく
特別遊技状態(第1特別遊技状態)の終了後に高確率状態となり、特図変動表示ゲームの
実行毎に行われる転落抽選に当選すると低確率状態になるように構成されている。また、
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態
様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両
方が高確率状態となる。
小当り(第2特別結果)となる確率である小当り確率は図26(b)に示すような確率
となっている。この小当り確率は特図1よりも特図2の方が高くなっている。また、小当
り確率は遊技状態や大当り確率にかかわらず常に一定である。大当りと小当りの抽選にお
いては大当りと小当りは重複して当選しない。
また、図26(c)には特図1と特図2で選択可能な大当り種類と、各大当り種類の振
分確率を示し、図26(d)には特図1と特図2で選択可能な小当り種類と、各小当り種
類の開放時間と開放回数及び振分確率を示した。なお、小当りは特図1に設けず、特図2
のみに設定するようにしても良い。
図27、図28には、特図変動表示ゲームの変動パターンを示した。図27(a)には
、通常遊技状態(低確率状態)で結果がはずれとなる場合の変動パターンを示した。通常
遊技状態では、特図1変動表示ゲームをメイン変動とし、特図2変動表示ゲームをイレギ
ュラー変動とするように設計されている。この設計に従い遊技者が遊技を進行するように
、特図2については、何れの変動パターンが選択された場合であっても、約10分の変動
時間が設定される長変動が選択されるようになっている。すなわち、通常遊技状態におい
て、特図2変動表示ゲームの変動時間として決定可能な変動時間は、特図1変動表示ゲー
ムの変動時間として決定可能な変動時間よりも長くなっている。特図2変動表示ゲームは
小当りの確率が特図1変動表示ゲームよりも高いが、はずれ結果の場合や後述する小当り
の場合に変動時間を長時間とすることで、通常遊技状態では特図2変動表示ゲームの実行
が時間的に非効率的となるようにし、通常遊技状態においては遊技者に特図1変動表示ゲ
ームを主として遊技を進行させるようにしている。
図27(b)には、特定遊技状態(第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3
、第3特定遊技状態ST4、第4特定遊技状態ST5)で結果がはずれとなる場合の変動
パターンを示した。この場合、特図1変動表示ゲームでのリーチなしの変動パターンは通
常遊技状態である場合より変動時間が短い変動パターンのみが選択である。第1特定遊技
状態ST2、第2特定遊技状態ST3及び第3特定遊技状態ST4では特図1変動表示ゲ
ームがメイン変動となり、通常遊技状態よりも変動時間が短縮された時短状態となる。ま
た、特図2変動表示ゲームについてはリーチなしの変動パーンのみが選択可能である。第
4特定遊技状態ST5では特図2変動表示ゲームがメイン変動となり、通常遊技状態より
も変動時間が短縮された時短状態となる。
図28(a)には、通常遊技状態で結果が大当りとなる場合の変動パターンを示した。
特図2についてはリーチ状態を発生させない変動パターンのみ選択可能である。なお、通
常遊技状態において、特図2変動表示ゲームが大当りとなる場合の変動時間は、特図1変
動表示ゲームが大当りとなる場合に選択可能な変動時間よりも長い変動時間となっている
図28(b)には、第1特定遊技状態及び第2特定遊技状態で結果が大当りとなる場合
の変動パターンを示した。特図1変動表示ゲームについては通常遊技状態と同等の変動時
間の変動パターンが選択される。また、特図2変動表示ゲームについては特図1変動表示
ゲームのSP3リーチと同等の変動時間の変動パターンが設定される。
図28(c)には、第3特定遊技状態で結果が大当りとなる場合の変動パターンを示し
た。特図1変動表示ゲームについては非常に長い変動時間が設定されている。これにより
第4特定遊技状態に移行した後の十分な時間を確保可能とし、特図2変動表示ゲームの小
当りによる賞球の獲得機会を確保可能としている。また、特図1変動表示ゲームの変動時
間が長い方が小当りの発生機会が増加するため獲得可能な賞球が多くなり遊技者にとって
有利である。このため、特図1変動表示ゲームの変動時間として長さが異なる複数種類の
時間を選択できるようにし、獲得可能な利益が異なる場合があるようにして遊技の興趣を
高めるようにしている。
また、特図2変動表示ゲームについては短い変動時間とされている。第3特定遊技状態
においてイレギュラー変動となる特図2変動表示ゲームで大当りが発生する場合には、第
4特定遊技状態に移行したとしても小当りを頻発させることができないため、迅速に大当
りが導出されるようにしている。なお、第4特定遊技状態は、第3特定遊技状態において
大当りとなる特図変動表示ゲームが開始された際に移行するため、基本的には大当りとな
る特図変動表示ゲームが新たに開始されることはないため、第4特定遊技状態で結果が大
当りとなる場合の変動パターンは規定していない。
図28(d)には、通常遊技状態で結果が小当りとなる場合の変動パターンを示した。
特図2についてはリーチ状態を発生させず、約10分の変動時間が設定される長変動が選
択されるようになっている。図28(e)には、特定遊技状態(第1特定遊技状態ST2
、第2特定遊技状態ST3、第3特定遊技状態ST4、第4特定遊技状態ST5)で結果
が小当りとなる場合の変動パターンを示した。何れもリーチ状態を発生させず、非常に短
い変動時間の変動パターンが選択される。
図29には、大当り(第1特別結果)に基づく特別遊技状態(第1特別遊技状態)及び
小当り(第2特別結果)に基づく特別遊技状態(第2特別遊技状態)における特別変動入
賞装置の開閉パターンを示した。特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームで大当
り種類が10R確変大当りとなった場合は大入賞口開閉パターン1に従い特別変動入賞装
置38が開放される。大入賞口開閉パターン1では、5000msのファンファーレ期間
の後、初回のラウンド(1R)で29000msの開放期間が設定される。その後、20
00msのインターバル期間と29000msの開放期間が設定されるラウンドを繰り返
して10ラウンドまで行い、11000msのエンディング期間の経過後、特別遊技状態
が終了する。また、特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームで大当り種類が4R
確変大当り又は4R通常大当りとなった場合は大入賞口開閉パターン2に従い特別変動入
賞装置38が開放される。この開閉パターンは10R大当りの開閉パターンとラウンド数
が異なるだけである。
なお、各開閉パターンでのインターバル期間とエンディング期間に記載の時間は、残存
球処理時間とインターバル時間又はエンディング時間を加算した時間である。例えば、大
入賞口開閉パターン1でのインターバル期間は2000msであり、このうち前半の14
00msが残存球処理時間であり、後半の600msがインターバル時間である。また、
大入賞口開閉パターン1でのエンディング期間は11000msであり、このうち前半の
1400msが残存球処理時間であり、後半の9600msがエンディング時間である。
小当りの開閉パターンについては図示するようなファンファーレ期間、開放期間、イン
ターバル期間(残存球処理時間を含む)及びエンディング期間(残存球処理時間を含む)
となっており、これに従い特別変動入賞装置38が開放される。また、大当りと小当りの
いずれの開閉パターンにおいても、各ラウンドにおいて規定数の入賞があった場合にはそ
の時点で当該ラウンドの開放期間が終了する。小当りの開放時間は大当りでの開放時間よ
りも短く、特別遊技状態における特別変動入賞装置38への入賞数は少なくなる。よって
、小当りは大当りよりも遊技者に付与可能な遊技価値が低いものである。すなわち、特別
結果には、第1特別遊技状態を発生可能な第1特別結果(大当り)と、該第1特別遊技状
態よりも遊技者に付与可能な遊技価値が低い第2特別遊技状態を発生可能な第2特別結果
(小当り)と、が含まれていることとなる。
小当りの開閉パターンは、第4特定遊技状態であるか否かによりファンファーレ期間と
エンディング期間の長さが異なり、第4特定遊技状態である場合の方が長くなるようにさ
れている。第4特定遊技状態では小当りに関する報知や入賞による賞球数の報知などの演
出を行うため、これらの時間を確保するようにしている。また、第4特定遊技状態では小
当りが頻発するため、ファンファーレ期間とエンディング期間を長くすることで特別遊技
状態の消化にかかる時間を長くし、単位時間当たりの賞球数が多くなり過ぎないようにし
ている。また、特別変動入賞装置の開放時間については第4特定遊技状態であるか否かに
関わらず同じである。ここでは各小当りの開閉パターンでは1回の開放のみを行うように
しているが、複数回の開放を行うことも可能である。この場合、特別変動入賞装置38を
一旦閉鎖するインターバル時間についても特定遊技状態であるか否かに関わらず同じとす
る。
なお、第4特定遊技状態であるか否かによりファンファーレ期間とエンディング期間の
長さの両方を異ならせるとしたが、一方のみを異ならせるようにしても良い。また、大当
りの開閉パターンについても第4特定遊技状態であるか否かによりファンファーレ期間と
エンディング期間の長さの一方又は両方を異ならせるようにしても良い。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しな
い場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。また、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特
図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に飾り特図変動表示ゲームと称する。また、
大当り(第1特別結果)と小当り(第2特別結果)を区別しない場合は、単に当り(特別
結果)と称する。また、大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態と、小当り
に基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態と、を区別しない場合は、単に特別遊技状
態と称する。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(
パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技
領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えな
がら遊技領域32を流下し、一般入賞口35、第1始動入賞口36、普通変動入賞装置3
7、第2始動入賞口97、特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に
設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口3
5、第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97、特別変動入賞装
置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置
200(図19参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又
は下皿23に排出される。
本実施形態の遊技機10においては、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球
を発射(いわゆる左打ち)することで第1始動入賞口36や、当該第1始動入賞口36の
左方に配設された一般入賞口35への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発
射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動
入賞装置38、第2始動入賞口97、当該第2始動入賞口97の上方に配設された一般入
賞口35への入賞を狙うことができるようになっている。
第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への入賞球は、内部に設けられた始動口
1スイッチ36a又は始動口2スイッチ37aによって特図1変動表示ゲームの始動入賞
球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶され
る。特図1変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、第1始動記憶数が0の状態で、第
1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴
って第1始動記憶が記憶されて、第1始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに第1
始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲームが開始され、この際に第1始動記憶数が1減
算される。一方、特図1変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1
変動表示ゲームが行われてその特図1変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技
状態となっている場合に、第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に遊技球が入賞
すると、第1始動記憶数が上限数未満ならば、第1始動記憶数が1加算されて第1始動記
憶が1つ記憶されることになる。そして、第1始動記憶数が1以上となった状態で、特図
1変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図1変動表示ゲームの終了若しくは特別遊
技状態の終了)となると、第1始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された第1始動
記憶に基づいて特図1変動表示ゲームが開始される。
第2始動入賞口97への入賞球は、内部に設けられた始動口3スイッチ97aによって
特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出される。特図2変動表示ゲームを開始可能
な状態において第2始動入賞口97への入賞があった場合には、当該入賞に基づき即座に
特図2変動表示ゲームが実行される。また、特図2変動表示ゲームを直ちに開始できない
状態、例えば、既に特図2変動表示ゲームが行われてその特図2変動表示ゲームが終了し
ていない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第2始動入賞口97に遊技球が入賞
しても第2始動記憶は発生しない。なお、特図2変動表示ゲームを開始可能な状態におい
て第2始動入賞口97への入賞があった場合には、処理の都合上第2始動記憶が一旦発生
するが、当該第2始動記憶は即座に消化されることとなるため、特図2変動表示ゲームの
開始を保留するための第2始動記憶は発生しない。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図
柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置
100(図19参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として所定回数
(例えば、第1始動記憶については最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特
図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部53(特図1
保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り
特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、第1始動記憶に基づいて特図1表示器51(第1変動表示装置
)で特図1変動表示ゲームを行い、第2始動入賞口97への入賞に基づいて、特図2表示
器52(第2変動表示装置)で特図2変動表示ゲームを行う。特図1変動表示ゲームと特
図2変動表示ゲームは同時に実行可能であるが、一方の特図変動表示ゲームの実行中に、
他方の特図変動表示ゲームが第1特別結果(大当り)となった場合には、当該一方の特図
変動表示ゲームを特別結果以外の結果(はずれ結果)として終了させるようにしている。
また、一方の特図変動表示ゲームの実行中に、他方の特図変動表示ゲームが第2特別結果
(小当り)となった場合には、当該小当りに基づく特別遊技状態の終了まで当該一方の特
図変動表示ゲームを中断するようにしている。
すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、普電入賞口37d(第1始動入賞
領域)又は第1始動入賞口36(第1始動入賞領域)への遊技球の入賞に基づいて特図1
変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の実行制御を行う第1実行制御手段をなす。
また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、第2始動入賞口97(第2始動入賞領域
)への遊技球の入賞に基づいて特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の実行
制御を行う第2実行制御手段をなす。
特図1表示器51及び特図2表示器52では、変動表示を行った後、所定の結果態様を
停止表示する。そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合は、特図1表示器
51若しくは特図2表示器52の表示態様が第1特別結果に対応する特別結果態様(大当
り結果態様)となって大当りとなり、第1特別遊技状態(いわゆる大当り状態)となる。
また、特図変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特図1表示器51若しくは特図
2表示器52の表示態様が第2特別結果に対応する特別結果態様(小当り結果態様)とな
って小当りとなり、第2特別遊技状態(いわゆる小当り状態)となる。すなわち、特図1
表示器51が、第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づく
第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)を表示可能な第1変動表示手段をなす。ま
た、特図2表示器52が、第2始動入賞口97への遊技球の入賞に基づく第2変動表示ゲ
ーム(特図2変動表示ゲーム)を表示可能な第2変動表示手段をなす。
また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、大当り遊技状態(第1特別遊技状態)
の終了後、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状況(当り確率が高確率であることや普電
サポートがあること)で遊技を進行可能な遊技状態(特定遊技状態)を発生させる制御を
行うことが可能である。すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100が特定遊技状態
発生手段をなす。
また、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの実行に対応して、表示装置41
にて複数種類の飾り識別情報(数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特
図変動表示ゲームが実行されるようになっている。表示装置41での飾り特図変動表示ゲ
ームには、特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームと、特図2変動表
示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームとがあり、これらは別々の表示領域に表示
される。そして、対応する特図変動表示ゲームの変動に伴い変動表示が行われ、対応する
特図変動表示ゲームでの結果態様の導出に伴い結果に対応した表示が行われる。
すなわち、表示装置41が、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)及び第2変
動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に対応して飾り識別情報を変動表示する飾り変動
表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な飾り変動表示手段をなす。なお、飾
り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームで別々の表示装置を使用するとして
も良いし、一方の飾り特図変動表示ゲームのみを表示するとしても良い。また、遊技機1
0に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示
ゲームを実行するようにしても良い。
本実施形態の遊技機では特図2変動表示ゲームの方が小当りの確率が高いが、低確率状
態である通常遊技状態である場合には特図2変動表示ゲームの変動パターンとして変動時
間が非常に長い(約10分)長変動が選択される。これにより、通常遊技状態では特図2
変動表示ゲームの実行が時間的に非効率的となり、通常遊技状態における小当りの獲得を
狙った特図2変動表示ゲームの実行を遊技者が選択しないようにしている。よって通常遊
技状態では、左打ちを行って第1始動入賞口36を狙い、特図1変動表示ゲームを行う方
が遊技者にとって有利となる。なお、長変動の時間は約10分としたがこれより長くても
良いし、短くても良い(5分、50分、10時間など)。
以上のことから、始動入賞口(第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入
賞装置37)への遊技球の入賞に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果と
なった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機10において、遊技を統括
的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態において開放される
特別変動入賞装置(特別変動入賞装置38)と、を備え、遊技制御手段は、特別遊技状態
の開始から特別変動入賞装置の開放の開始までの期間であるファンファーレ期間と、特別
遊技状態における最後の特別変動入賞装置の開放が終了してから当該特別遊技状態の終了
までの期間であるエンディング期間と、を設定可能であり、同一の特別結果に基づく特別
遊技状態であっても、当該特別結果が導出された際の遊技状態に応じてファンファーレ期
間とエンディング期間の一方又は両方の長さを異ならせることが可能であるようにしたこ
ととなる。したがって、遊技状態に応じた実行態様とすることができ、遊技の興趣を向上
することができる。
また、始動入賞口をなす第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37と、始動入賞口を
なす第2始動入賞口97と、第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の
入賞に基づき第1変動表示ゲームを実行する第1変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御
装置100)と、第2始動入賞口97への遊技球の入賞に基づき第2変動表示ゲームを実
行する第2変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、第2変動表示ゲーム
の実行時間を通常状態よりも短くなるように設定した特定遊技状態(第4特定遊技状態)
を発生可能な特定遊技状態発生手段(遊技制御装置100)と、を備え、遊技制御手段は
、同一の特別結果に基づく特別遊技状態におけるファンファーレ期間とエンディング期間
の一方又は両方の長さを、特別結果が導出された際の遊技状態が特定遊技状態でない場合
よりも特別結果が導出された際の遊技状態が特定遊技状態である場合の方が長くなるよう
にするようにしたこととなる。したがって、遊技状態に応じた実行態様とすることができ
、遊技の興趣を向上することができる。例えば、特定遊技状態では演出を実行する時間を
確保でき、特定遊技状態でない場合は遊技を迅速に進行できるようになる。
また、特別結果には、遊技状態に応じて導出される確率を変化させることが可能な第1
特別結果と、遊技状態にかかわらず導出される確率が一定の第2特別結果と、があり、第
2特別結果が導出される確率は、第1特別結果が導出される確率よりも高い確率とされる
ようにしたこととなる。したがって、遊技状態に応じた実行態様とすることができ、遊技
の興趣を向上することができる。特に、確率を変更しない第2特別結果についてファンフ
ァーレ期間とエンディング期間の一方又は両方の長さを異ならせるようにしたことで、導
出確率は変化しないが実行態様を変化させることができる。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置
100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御
について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図30及び図31に示
すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図32に示すタイマ割込
み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始され
る。このメイン処理においては、図30に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ス
テップX1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先
頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップX2
)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップX3)、所定のレジスタ(例えば
Dレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX4)。本実
施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h~01FFhで、上位としては00
hか01hをとり、ステップX4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号
を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップX5)。発射許可信号は遊技制
御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場
合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップX6)、
電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップX7)。この処理では所定の初
期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々
の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログ
ラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより
、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制
御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってし
まい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制
御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅ら
せて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定
の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の
対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行わ
れる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部
のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防
止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、
待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ11
2の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状
態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作し
たり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要
がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を
行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行
った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行った後、待機時間の計時
と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップX8からX12)を行う。
まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して
読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップX8)、停電監視信号が
オンであるかの判定を行う(ステップX9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップX9;Y)は、ステップX8で設定したチェ
ック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップX10)。そ
して、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップX10;
N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップX9)に戻る。また、チェック回
数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップX10;Y)、すなわち、停
電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、
所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノ
イズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対
処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電
監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせてい
る期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に
適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可さ
れておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの
停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が
発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップX9;N)、すなわち、停電が発生し
ていない場合には、電源投入ディレイタイマを-1更新し(ステップX11)、タイマの
値が0であるかを判定する(ステップX12)。タイマの値が0でない場合(ステップX
12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数
を設定する処理(ステップX8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップX
12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書
込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップX13)、全出
力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップX14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実
施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステ
ップX15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンに
されたかを判定する(ステップX16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップX16;N)は、RWM内の停電検査領域
1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステ
ップX17)、正常であれば(ステップX17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が
正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップX
18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップX18;Y)、RWM内
の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップX19)、
算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップX2
0)。チェックサムが一致する場合(ステップX20;Y)は、図31のステップX21
へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップX16;Y)と判定された場合や、
停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップX17
;NもしくはステップX18;N)、チェックサムが正常でない(ステップX20;N)
と判定された場合は、図31のステップX25へ移行して初期化の処理を行う。すなわち
、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が
、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化
手段をなす。
図31のステップX21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(
ステップX21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及
びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な
状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号フラグ領域もク
リアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様に
タッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タ
ッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
次に、特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが中断中であるかを判定する(
ステップX22)。特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームの中断とは、後述す
るように両方の特図変動表示ゲームを実行している場合に、一方で第2特別結果(小当り
)が導出されることで他方の特図変動表示ゲームを中断し、特別遊技状態の終了後に再開
する再開制御における特図変動表示ゲームの中断である。中断中である場合には中断され
ている特図変動表示ゲームに応じて、特図1ゲーム中断フラグ又は特図2ゲーム中断フラ
グがセットされ、これらのフラグは遊技機への電源供給が停止されている間でも記憶保持
されるようになっている。
特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが中断中でない場合(ステップX22
;N)は、ステップX24に移行する。また、特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示
ゲームが中断中である場合(ステップX22;Y)は、中断中の特図に対応する中断中コ
マンドを設定する(ステップX23)。
その後、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている特図ステータ
スに対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ス
テップX24)、ステップX30へ進む。本実施形態の場合、ステップX24では、機種
指定コマンド、特図1保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定のコマンド、中断中
コマンド等の複数のコマンドを送信する。画面指定コマンドとしては、特図1及び特図2
について何れも後述する普段処理中である場合、すなわち特図変動表示ゲームの実行中で
もなく特別遊技状態中でもない場合である客待ち中であれば客待ちデモ画面のコマンドを
送信し、それ以外であれば復旧画面のコマンドを送信する。また、機種によっては、これ
らのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
一方、ステップX16、X17、X18、X20からステップX25へジャンプした場
合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップX25)、ビジー信
号フラグ領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして
(ステップX26)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップX2
7)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップX2
8)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域
である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送
信して(ステップX29)、ステップX30へ進む。本実施形態の場合、ステップX29
では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコ
マンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でR
AM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機
種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや普電サポートありと
した特図変動表示ゲームの実行回数の情報であるサポート回数情報コマンドも送信する。
ステップX30では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込
み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)
回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジ
ェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号
(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに
対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱
数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップX30のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う
(ステップX31)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レ
ジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111
Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここ
では大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽
出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替え
て異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定め
るパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱
数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビ
ット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数
のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにし
ても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)
の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する
乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定
領域にセーブしてから(ステップX32)、割込みを許可する(ステップX33)。本実
施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数
レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値
(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ
、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理
(ステップX34)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態において
は、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱
数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロッ
クと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当
り図柄乱数、小当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期と
なるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))
を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数
においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタ
ート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或
いは-1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバ
ラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更
新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェア
で更新される乱数である。
上記ステップX34の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停
電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)
を設定し(ステップX35)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップX3
6)。停電監視信号がオンでない場合(ステップX36;N)は、初期値乱数更新処理(
ステップX34)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処
理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステ
ップX34)の前に割り込みを許可する(ステップX33)ことによって、初期値乱数更
新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイ
マ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回
避することができる。
なお、上記ステップX34での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込
み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した
場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値
乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要がある
が、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処
理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、
それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップX36;Y)は、ステップX35で設定した
チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップX37)
。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップX3
7;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップX36)に戻る。また、チェ
ック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップX37;Y)、すなわ
ち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップX38
)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップX39)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップX40
)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップX41)。
さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップ
X42)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップX43)を行った後、RW
Mへのアクセスを禁止する処理(ステップX44)を行ってから、遊技機の電源が遮断さ
れるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源
遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報
が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主
制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御
装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該
主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待
機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停
電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電
の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御
装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判
定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、
外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作された
ことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置
100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにし
ていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへの
アクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理はクロックジェネレータ
内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されるこ
とで開始される。すなわち、所定周期で開始される割込みルーチンである。遊技用マイコ
ン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図32
のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップX1
01)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使
っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと
同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位ア
ドレスをセットする(ステップX102)。ステップX102では、メイン処理における
ステップX4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサや
スイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処
理(ステップX103)を行う。
それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノ
イド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出
力処理(ステップX104)を行う。なお、メイン処理におけるステップX5で発射停止
の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許
可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由し
て発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可
信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から
見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発
射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており
、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成され
ている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力す
る払出コマンド送信処理(ステップX105)、乱数更新処理1(ステップX106)、
乱数更新処理2(ステップX107)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口
2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ
38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、賞球の設定、前面枠やガラス枠の開
放や、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38への不正入賞などのエラーの監視を
行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX108)を行う。
次に、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ97a
の入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップX109)を行う。始動口スイッチ
監視処理では、第1始動入賞口36や普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97への遊
技球の入賞に基づき、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行う。そして、特図1変動表
示ゲームに関する処理を行う特図1ゲーム処理(ステップX110)、特図2変動表示ゲ
ームに関する処理を行う特図2ゲーム処理(ステップX111)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表
示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処
理(ステップX112)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判
定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップX113)、盤電波センサ62からの検出
信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップX1
14)を行う。さらに、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部
情報編集処理(ステップX115)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可す
る処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定
する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお
、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を
復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における始動口スイッチ監視処理(ステップX109)
の詳細について説明する。図33に示すように、始動口スイッチ監視処理では、まず、始
動口1(第1始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップX491)、ハード
乱数取得処理を行う(ステップX492)。そして、当該ハード乱数取得処理で第1始動
入賞口36への入賞に基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報
があるかを判定する(ステップX493)。
第1始動入賞口36への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ス
テップX493;N)は、ステップX499へ移行する。なお、この場合は始動口入賞な
し情報が設定されている。一方、第1始動入賞口36への入賞に基づき始動口入賞あり情
報が設定されている場合(ステップX493;Y)は、通常遊技状態中であるかを判定す
る(ステップX494)。そして、通常遊技状態中である場合(ステップX494;Y)
は、ステップX497に移行する。また、通常遊技状態中でない場合(ステップX494
;N)は、右打ち指示報知コマンドを準備し(ステップX495)、演出コマンド設定処
理を行う(ステップX496)。その後、始動口1による保留の情報を設定するテーブル
を準備し(ステップX497)、特図始動口1スイッチ処理を行う(ステップX498)
演出制御装置300では、右打ち指示報知コマンドを受信することに基づき、表示や音
声等により遊技者に対して右打ちをするように指示する右打ち指示報知を行う。特定遊技
状態中や特別遊技状態中である場合は右打ちの方が遊技者にとって有利であり、左打ちで
なければ入賞しないようになっている第1始動入賞口36で特定遊技状態中や特別遊技状
態中において入賞を検出した場合に右打ち指示報知を行うようにしている。
次に、始動口2(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップX49
9)、ハード乱数取得処理を行い(ステップX500)、第2始動入賞口97への入賞に
基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるかを判定する(
ステップX501)。
第2始動入賞口97への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ス
テップX501;N)は、ステップX509に移行する。なお、この場合は始動口入賞な
し情報が設定されている。一方、第2始動入賞口97への入賞に基づき始動口入賞あり情
報が設定されている場合(ステップX501;Y)は、普電(普通変動入賞装置37)が
作動中であるか、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状
態となっているか否かを判定し(ステップX502)、普電が作動中である場合(ステッ
プX502;Y)は、ステップX504に移行する。一方、普電が作動中でない場合(ス
テップX502;N)は、普電不正発生中であるかを判定する(ステップX503)。
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生
判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装
置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である
。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、
このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。
そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であ
る場合に不正発生中と判定する。
普電不正発生中である場合(ステップX503;Y)は、ステップX509に移行する
。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。また、普電不正発生中で
ない場合(ステップX503;N)は、通常遊技状態中であるかを判定する(ステップX
504)。そして、通常遊技状態中でない場合(ステップX504;N)は、ステップX
507に移行する。また、通常遊技状態中である場合(ステップX504;Y)は、左打
ち指示報知コマンドを準備し(ステップX505)、演出コマンド設定処理を行う(ステ
ップX506)。その後、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステ
ップX507)、特図始動口2スイッチ処理を行って(ステップX508)、ステップX
509に移行する。
演出制御装置300では、左打ち指示報知コマンドを受信することに基づき、表示や音
声等により遊技者に対して左打ちをするように指示する左打ち指示報知を行う。通常遊技
状態中である場合は左打ちの方が遊技者にとって有利であり、右打ちでなければ入賞しな
いようになっている普通変動入賞装置37で通常遊技状態中において入賞を検出した場合
に左打ち指示報知を行うようにしている。
次に、始動口3(第2始動入賞口97)入賞監視テーブルを準備し(ステップX509
)、ハード乱数取得処理を行う(ステップX510)。そして、当該ハード乱数取得処理
で第2始動入賞口97への入賞に基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入
賞あり情報があるかを判定する(ステップX511)。
第2始動入賞口97への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ス
テップX511;N)は、始動口スイッチ監視処理を終了する。なお、この場合は始動口
入賞なし情報が設定されている。一方、第2始動入賞口97への入賞に基づき始動口入賞
あり情報が設定されている場合(ステップX511;Y)は、通常遊技状態中であるかを
判定する(ステップX512)。そして、通常遊技状態中でない場合(ステップX512
;N)は、ステップX515に移行する。また、通常遊技状態中である場合(ステップX
512;Y)は、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップX513)、演出コマンド
設定処理を行う(ステップX514)。その後、始動口3による保留の情報を設定するテ
ーブルを準備し(ステップX515)、特図始動口3スイッチ処理を行い(ステップX5
16)、始動口スイッチ監視処理を終了する。
演出制御装置300では、左打ち指示報知コマンドを受信することに基づき、表示や音
声等により遊技者に対して左打ちをするように指示する左打ち指示報知を行う。通常遊技
状態中である場合は左打ちの方が遊技者にとって有利であり、右打ちでなければ入賞しな
いようになっている第2始動入賞口97で通常遊技状態中において入賞を検出した場合に
左打ち指示報知を行うようにしている。
〔特図始動口1スイッチ処理〕
図34には、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口1スイッチ処理(ステ
ップX498)を示した。この特図始動口1スイッチ処理では、まず、第1始動入賞口3
6への入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数であ
る始動口信号1出力回数をロードし(ステップX521)、ロードした値を+1更新して
(ステップX522)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップX523
)。そして、出力回数がオーバーフローしない場合(ステップX523;N)は、更新後
の値をRWMの始動口信号1出力回数領域にセーブし(ステップX524)、特図1保留
数(第1始動記憶数)が上限値未満かを判定する(ステップX525)。一方、出力回数
がオーバーフローする場合(ステップX523;Y)は、ステップX525に移行する。
ここでは出力回数を255まで記憶できるが、上限まで記憶している場合には+1更新に
よりループして0となってしまうため、更新後の値のセーブを行わない。
特図1保留数が上限値(ここでは4)未満である場合(ステップX525;Y)は、後
述する特図保留情報判定処理において変動パターンの振り分けに用いる特図1情報設定フ
ラグをセットし(ステップX526)、特図1保留数を+1更新する(ステップX527
)。次に、特図1保留数に対応する乱数格納領域(特図1用の乱数格納領域)のアドレス
を算出し(ステップX528)、上述のハード乱数取得処理で準備した大当り乱数をRW
Mの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップX529)。
その後、大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップX530)、RWMの大当り図柄
乱数格納領域にセーブする(ステップX531)。さらに、小当り図柄乱数を抽出してR
WMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX532)。続いて変動パターン
乱数1から3を抽出して各乱数に対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブす
る(ステップX533)。そして、先読み処理である特図保留情報判定処理(ステップX
534)を行い、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップ
X535)、演出コマンド設定処理を行って(ステップX536)、特図始動口1スイッ
チ処理を終了する。
なお、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口2スイッチ処理(ステップX
508)は、始動口信号に関するステップX521~X524において、普通変動入賞装
置37への入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する始動
口信号2について処理を行う他は図34に示した処理と同じである。すなわち、遊技制御
装置100(RAM111C)が、第1始動入賞口36及び普通変動入賞装置37への遊
技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し、該所定の乱数を第1始動記憶として所定の上限
数まで記憶可能な第1始動記憶手段をなす。
〔特図保留情報判定処理〕
図35には、上述の特図始動口1スイッチ処理における特図保留情報判定処理(ステッ
プX534)を示した。図示を省略する特図始動口2スイッチ処理でも同じ処理を行う。
特図保留情報判定処理は、特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームの開始タイミン
グより前に当該特図1始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
この特図保留情報判定処理では、まず、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに
より大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を行う(ステップX543)。そして
、判定結果が大当りである場合(ステップX544;Y)は、大当り図柄乱数チェックテ
ーブルを設定し(ステップX545)、準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報
を取得して(ステップX546)、停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準
備する(ステップX551)。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップX544;N)は、大当り乱数値が小当
り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を行う(
ステップX547)。そして、判定結果が小当りである場合(ステップX548;Y)は
、小当りの停止図柄情報を設定し(ステップX549)、停止図柄情報に対応する先読み
停止図柄コマンドを準備する(ステップX551)。また、判定結果が小当りでない場合
(ステップX548;N)は、はずれの停止図柄情報を設定し(ステップX550)、停
止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備する(ステップX551)。
停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備(ステップX551)した後、
演出コマンド設定処理を行う(ステップX552)。次に、変動パターンを設定するため
のパラメータである特図情報を設定する特図1情報設定処理(ステップX553)を行い
、特図1変動表示ゲームの変動態様を設定する特図1変動パターン設定処理を行う(ステ
ップX554)。
そして、特図1変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番
号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準
備して(ステップX555)、演出コマンド設定処理を行い(ステップX556)、特図
保留情報判定処理を終了する。なお、ステップX553における特図1情報設定処理、ス
テップX554における特図1変動パターン設定処理は、特図1普段処理の特図1変動開
始処理で特図1変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームの結果を含む先読み
停止図柄コマンドと、当該特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームでの変動パター
ンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信され
る。これにより、特図1始動記憶に対応した結果関連情報(大当り又は小当りか否かや変
動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する特図1始動記憶に基づく特図
1変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることが
でき、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その
特図1変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが
可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、第1始動記憶手段に記憶された第1始動記憶に基づ
き、第1変動表示ゲームの結果及び変動態様情報を当該第1変動表示ゲームの開始以前に
決定することが可能な第1決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動入賞記憶
手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく
変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手
段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始
動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行わ
れる前であればいつでもよい。
なお、この特図保留情報判定処理は特図1変動表示ゲームに対してのみ行われ、特図変
動表示ゲームの開始を保留するための始動記憶を発生しない特図2変動表示ゲームに対し
ては行われない。また、第4特定遊技状態である場合には先読み処理を行わないようにし
ても良い。これは、第4特定遊技状態中は特図2変動表示ゲームが主体となる状態であり
、この特図2変動表示ゲームで特別結果が導出されることにより特図1変動表示ゲームが
強制的にはずれ結果で停止されることがほとんどであるためである。すなわち、ほとんど
がはずれとなるため先読み結果の報知にあまり意味がないことや、特図1変動表示ゲーム
で特別結果となる先読み結果を報知した後に強制的にはずれ結果に変更されることで予告
との矛盾が生じてしまうことがあるからである。
ただし、特図2変動表示ゲームについては当該特図2変動表示ゲームの開始を保留する
ための始動記憶を発生しないため、第4特定遊技状態の最初の期間第1始動記憶があるう
ちは特図1変動表示ゲームのみが行われる可能性が高く、このような場合には当該第1始
動記憶について先読み演出を行うようにしても良い。このような先読み演出を行う第1始
動記憶のうち、第4特定遊技状態の開始前に発生したものについては先読み処理が行われ
ているのでその結果を用い、第4特定遊技状態の開始後に発生したものについては、この
ような先読み演出の対象となるものについて先読み処理を行うようにする。もちろん確率
状態に関係なく先読み処理は行い、別の処理にて当該先読み処理の結果に基づく先読み演
出を行うか否かを判断するようにしても良い。
〔特図始動口3スイッチ処理〕
図36には、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口3スイッチ処理(ステ
ップX516)を示した。この特図始動口3スイッチ処理では、まず、第2始動入賞口9
7への入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数であ
る始動口信号3出力回数をロードし(ステップX561)、ロードした値を+1更新して
(ステップX562)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップX563
)。そして、出力回数がオーバーフローしない場合(ステップX563;N)は、更新後
の値をRWMの始動口信号3出力回数領域にセーブし(ステップX564)、始動口3(
第2始動入賞口97)入賞無効中であるかを判定する。
始動口3入賞無効中とは、特別結果(大当り又は小当り)となった特図1変動表示ゲー
ムの停止中(後述の特図表示中処理中)、第1又は第2特別遊技状態中及び特図2変動表
示ゲームの実行中である。この始動口3入賞無効中である場合(ステップX565;Y)
は、特図始動口3スイッチ処理を終了する。また、始動口3入賞無効中でない場合(ステ
ップX565;N)は、特図2保留数を1に設定し(ステップX566)、特図2用の乱
数格納領域のアドレスを算出して(ステップX567)、上述のハード乱数取得処理で準
備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップX568)。
その後、大当り図柄乱数を抽出し(ステップX569)、RWMの大当り図柄乱数格納
領域にセーブする(ステップX570)。さらに、小当り図柄乱数を抽出してRWMの小
当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX571)。続いて変動パターン乱数2及
び3を抽出して各乱数に対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステ
ップX572)、特図始動口3スイッチ処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100
が、第2始動入賞口97への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出して記憶する始動
入賞記憶手段をなす。なお、特図2変動表示ゲームについては変動パターンの種類が少な
いことから変動パターン乱数1は用いない。
〔特図1ゲーム処理〕
図37には、上述のタイマ割込み処理における特図1ゲーム処理(ステップX110)
を示した。特図1変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図1の表示の設定を行う。
この特図1ゲーム処理では、まず、特図1変動表示ゲームが中断されている場合にセット
される特図1中断中フラグがセットされているかを判定する(ステップY100)。この
特図1中断中フラグがセットされていない場合(ステップY100;N)、すなわち、特
図1変動表示ゲームの中断が行われていない場合は、ステップY101に移行して、以降
の特図1変動表示ゲームに関する処理を行う。一方、特図1中断中フラグがセットされて
いる場合(ステップY100;Y)、すなわち、特図1変動表示ゲームが中断されている
場合は、ステップY101~Y118の特図1変動表示ゲームに関する処理を行わず、ス
テップY119に移行する。これにより、特図1変動表示ゲームの中断中は特図1変動表
示ゲームが進行せず(特図1ゲーム処理タイマの更新が行われず)、変動表示のみが継続
するようになる。
ステップY101では、特図2の大当り/小当り中であるか、すなわち、特図2変動表
示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態中である
かを判定する(ステップY101)。そして、特図2の大当り/小当り中でない場合(ス
テップY101;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を行い(ステップY102)、特図
1ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新する(ステップY103)。また、特図2の
大当り/小当り中である場合(ステップY101;Y)は、ステップY103に移行する
大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッ
チ38aでの遊技球の検出を監視し、大入賞口への入賞に基づいて演出制御装置300に
送信する大入賞口カウントコマンドを設定する処理や、大入賞口へ規定数の入賞があった
場合に大入賞口を閉鎖するための処理を行う。特図1ゲーム処理では、特図1変動表示ゲ
ームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入
賞口スイッチ監視処理を行うようにしており、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は
小当りになることに基づき実行される特別遊技状態については後述する特図2ゲーム処理
において大入賞口スイッチ監視処理を行う。
次に、特図1ゲーム処理タイマの値が0であるかを判定する(ステップY104)。特
図1ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップY104;N)、すなわちタイムア
ップしていない場合は、ステップY119に移行して、それ以降の処理を行う。また、特
図1ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップY104;Y)、すなわちタイムア
ップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図1ゲーム処理番号に対応する処理
に分岐させるために参照する特図1ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する
(ステップY105)。そして、当該テーブルを用いて特図1ゲーム処理番号に対応する
処理の分岐先アドレスを取得し(ステップY106)、特図1ゲーム処理番号によるサブ
ルーチンコールを行う(ステップY107)。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図1変動表示ゲー
ムの変動開始を監視し、特図1変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図1
変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1普段処理(ステップY108)
を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図1の停止
表示時間の設定や、特図1表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1変動
中処理(ステップY109)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図1変動表示ゲー
ムの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や
、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンフ
ァーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1表示中処理(
ステップY110)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間
の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うフ
ァンファーレ/インターバル中処理(ステップY111)を行う。ステップY107にて
、特図1ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければイ
ンターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定
する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中
処理(ステップY112)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最
終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、
特図1大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステ
ップY113)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「6」の場合は
、特図1普段処理(ステップY108)を行うために必要な情報の設定等を行う特図1大
当り終了処理(ステップY114)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際
の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中
処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップY1
15)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンデ
ィングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り
中処理(ステップY116)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に
大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理
を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップY117)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図1普段処理を行
うために必要な情報の設定等を行う特図1小当り終了処理(ステップY118)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備し(
ステップY119)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップY120)を
行って、特図1ゲーム処理を終了する。この特図1ゲーム処理が第1変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。
〔特図2ゲーム処理〕
図38には、上述のタイマ割込み処理における特図2ゲーム処理(ステップX111)
を示した。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図
2の表示の設定を行う。この特図2ゲーム処理は、基本的には上述の特図1ゲーム処理と
同様の処理を特図2について行うものである。
この特図2ゲーム処理では、まず、特図2変動表示ゲームが中断されている場合にセッ
トされる特図2中断中フラグがセットされているかを判定する(ステップY130)。こ
の特図2中断中フラグがセットされていない場合(ステップY130;N)、すなわち、
特図2変動表示ゲームの中断が行われていない場合は、ステップY131に移行して、以
降の特図2変動表示ゲームに関する処理を行う。一方、特図2中断中フラグがセットされ
ている場合(ステップY130;Y)、すなわち、特図2変動表示ゲームが中断されてい
る場合は、ステップY131~Y151の特図2変動表示ゲームに関する処理を行わず、
ステップY152に移行する。これにより、特図2変動表示ゲームの中断中は特図2変動
表示ゲームが進行せず(特図2ゲーム処理タイマの更新が行われず)、変動表示のみが継
続するようになる。
ステップY131では、特図1の大当り/小当り中であるか、すなわち、特図1変動表
示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態中である
かを判定する(ステップY131)。そして、特図1の大当り/小当り中でない場合(ス
テップY131;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を行い(ステップY132)、特図
2ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新する(ステップY133)。また、特図1の
大当り/小当り中である場合(ステップY131;Y)は、ステップY133に移行する
大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッ
チ38aでの遊技球の検出を監視し、大入賞口への入賞に基づいて演出制御装置300に
送信する大入賞口カウントコマンドを設定する処理や、大入賞口へ規定数の入賞があった
場合に大入賞口を閉鎖するための処理を行う。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲ
ームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入
賞口スイッチ監視処理を行うようにしており、特図1変動表示ゲームの結果が大当り又は
小当りになることに基づき実行される特別遊技状態については上述した特図1ゲーム処理
において大入賞口スイッチ監視処理を行う。
次に、特図2ゲーム処理タイマの値が0であるかを判定する(ステップY134)。特
図2ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップY134;N)、すなわちタイムア
ップしていない場合は、ステップY152に移行して、それ以降の処理を行う。また、特
図2ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップY134;Y)、すなわちタイムア
ップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回
数が0であるかを判定する(ステップY135)。
この特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0でない場合(ステップY135;N)
は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を-1更新し(ステップY150)、特図2
ゲーム処理タイマ領域に長変動用タイマ値(ここでは60000ms)をセーブして(ス
テップY151)、ステップY152以降の処理を行う。
小当りの発生確率が高い特図2変動表示ゲームを通常遊技状態で遊技者が意図的に実行
することを防止するため、通常遊技状態における特図2変動表示ゲームの変動時間は非常
に長い時間(例えば10分)とされている。しかし、特図2ゲーム処理タイマとして利用
できる領域は限られているため、タイマ初期値として上限値を設定しても変動時間を一度
で計時することは困難である。そこで、規定時間(ここでは60000ms)の計時を行
う回数である繰り返し回数を用いて複数回の計時により変動時間を計時するようにしてい
る。
特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0である場合(ステップY135;Y)は、
特図2ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図2ゲームシーケン
ス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップY136)。そして、当該テーブルを用
いて特図2ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(ステップY137
)、特図2ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(ステップY138)。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図2変動表示ゲー
ムの変動開始を監視し、特図2変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図2
変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2普段処理(ステップY139)
を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図2の停止
表示時間の設定や、特図2表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2変動
中処理(ステップY140)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図2変動表示ゲー
ムの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や
、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンフ
ァーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2表示中処理(
ステップY141)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間
の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うフ
ァンファーレ/インターバル中処理(ステップY142)を行う。ステップY138にて
、特図2ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければイ
ンターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定
する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中
処理(ステップY143)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最
終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、
特図2大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステ
ップY144)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「6」の場合は
、特図2普段処理(ステップY108)を行うために必要な情報の設定等を行う特図2大
当り終了処理(ステップY145)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際
の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中
処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップY1
46)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンデ
ィングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り
中処理(ステップY147)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に
大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理
を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップY148)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図2普段処理を行
うために必要な情報の設定等を行う特図2小当り終了処理(ステップY149)を行う。
その後、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備し(
ステップY152)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップY153)を
行って、特図2ゲーム処理を終了する。この特図2ゲーム処理が第2変動表示ゲーム(特
図2変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。以上の特図2ゲーム処
理は、基本的には上述の特図1ゲーム処理と同様の処理を特図2について行うものであり
、以降の説明では特図1ゲーム処理と特図2ゲーム処理とで対応する処理を並行して説明
する。
〔特図1普段処理〕
図39には、上述の特図1ゲーム処理における特図1普段処理(ステップY108)を
示した。この特図1普段処理では、まず、特図1が変動開始可能であるかを判定する(ス
テップY201)。この判定における特図1が変動開始可能である状態とは、大当り又は
小当りとなる特図2変動表示ゲームの変動停止から特別遊技状態の終了までの間でないこ
とである。なお、特図1変動表示ゲームの実行中や特図1変動表示ゲームに基づく特別遊
技状態中も変動開始できない状態ではあるが、その場合は特図1普段処理が実行されてい
ない状態であるため、ここではこれについては判定しなくても良い。
特図1が変動開始可能でない場合(ステップY201;N)は、特図1ゲーム処理番号
領域に特図1普段処理番号をセーブし(ステップY217)、特図1普段処理を終了する
。また、特図1が変動開始可能である場合(ステップY201;Y)は、左打ち指示報知
済みであるか、すなわち左打ち指示報知フラグがセットされているかを判定する(ステッ
プY202)。左打ち指示報知済みである場合(ステップY202;Y)は、ステップY
206に移行する。また、左打ち指示報知済みでない場合(ステップY202;N)は、
左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップY203)、演出コマンド設定処理を行う(
ステップY204)。その後、左打ち指示報知フラグをセットし(ステップY205)、
特図1保留数が0であるかを判定する(ステップY206)。左打ち指示報知フラグは、
第2特定遊技状態が終了する際にクリアされるようになっており、これにより通常遊技状
態に移行する際に左打ち指示報知が行われることとなる。
そして、特図1保留数が0である場合(ステップY206;Y)は、ステップY217
に移行する。また、特図1保留数が0でない場合(ステップY206;N)は、現在の確
率状態に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップY207)、演出コマン
ド設定処理を行う(ステップY208)。その後、特図1変動表示ゲームに関する情報の
設定等を行う特図1変動開始処理を行い(ステップY210)、特図1保留数に対応する
飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップY211)、演出コマンド設定処理を行う
(ステップY212)。なお、飾り特図保留数コマンドを準備する処理(ステップY21
0)を行う時点では特図1変動表示ゲームの開始に基づく特図1保留数の減算は行われて
おらず、現在の特図1保留数から-1した特図1保留数に対応する保留数コマンドを準備
している。
次に、特図ステータス領域に特図1変動中をセット(情報加算)する(ステップY21
2)。ここで特図ステータスとは、特図変動表示ゲームの状態を示すものであり、0~5
の何れかがセットされる。特図ステータス0は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲ
ームの何れも実行されていない状態を示し、特図ステータス1は特図1変動表示ゲームの
みが実行されている状態を示し、特図ステータス2は特図2変動表示ゲームのみが実行さ
れている状態を示す。また、特図ステータス3は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示
ゲームの両方が実行されている状態を示し、特図ステータス4は大当りに基づく特別遊技
状態である第1特別遊技状態であることを示し、特図ステータス5は小当りに基づく特別
遊技状態である第2特別遊技状態であることを示す。ここでは特図1変動表示ゲームが開
始されるので、特図ステータスとして1又は3がセットされる。
次に、第4特定遊技状態中であるかを判定する(ステップY213)。そして、第4特
定遊技状態中である場合(ステップY213;Y)は、ステップY216に移行する。ま
た、第4特定遊技状態中でない場合(ステップY213;N)は、特図1変動チェックフ
ラグをセットする(ステップY215)。すなわち、第4特定遊技状態以外で特図1変動
表示ゲームが開始された場合に特図1変動チェックフラグがセットされ、特図1変動表示
ゲームがメイン変動となる期間での特図1変動表示ゲームの実行を確認することが可能と
なる。その後、特図1変動中処理移行設定処理を行って(ステップY216)、特図1普
段処理を終了する。
〔特図2普段処理〕
図40には、上述の特図2ゲーム処理における特図2普段処理(ステップY139)を
示した。この特図2普段処理では、まず、特図2が変動開始可能であるかを判定する(ス
テップY221)。この判定における特図2が変動開始可能である状態とは、大当り又は
小当りとなる特図1変動表示ゲームの変動停止から特別遊技状態の終了までの間でないこ
とである。なお、特図2変動表示ゲームの実行中や特図2変動表示ゲームに基づく特別遊
技状態中も変動開始できない状態ではあるが、その場合は特図2普段処理が実行されてい
ない状態であるため、ここではこれについては判定しなくても良い。
特図2が変動開始可能でない場合(ステップY221;N)は、特図2ゲーム処理番号
領域に特図2普段処理番号をセーブし(ステップY237)、特図2普段処理を終了する
。また、特図2が変動開始可能である場合(ステップY221;Y)は、特図2保留数が
0であるかを判定する(ステップY222)。なお、上述したように、特図2保留(第2
始動記憶)は、特図2変動表示ゲームを開始可能な状態において第2始動入賞口97への
入賞があった場合に、当該入賞に基づく特図2変動表示ゲームの開始処理を行うために一
時的に発生するもので、第1始動記憶のように特図変動表示ゲームの開始を保留するため
のものではない。
そして、特図2保留数が0でない場合(ステップY222;N)は、現在の確率状態に
対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップY223)、演出コマンド設定処
理を行う(ステップY224)。その後、特図2変動表示ゲームに関する情報の設定等を
行う特図2変動開始処理を行い(ステップY225)、特図ステータス領域に特図2変動
中をセット(情報加算)する(ステップY226)。ここでは特図2変動表示ゲームが開
始されるので、特図ステータスとして2又は3がセットされる。
次に、通常遊技状態中であるかを判定する(ステップY227)。そして、通常遊技状
態中でない場合(ステップY227;N)は、ステップY230に移行する。また、通常
遊技状態中である場合(ステップY227;Y)は、特図2変動チェックフラグをセット
する(ステップY229)。すなわち、特図2変動表示ゲームがイレギュラー変動となる
期間で特図2変動表示ゲームが開始された場合に特図2変動チェックフラグがセットされ
る。これにより、遊技者が意図的にイレギュラー変動となる特図2変動表示ゲームの実行
を行わせていることを確認できる。その後、特図2変動中処理移行設定処理を行って(ス
テップY230)、特図2普段処理を終了する。
一方、特図2保留数が0である場合(ステップY222;Y)は、特図1保留数が0で
あるかを判定する(ステップY231)。そして、特図1保留数が0である場合(ステッ
プY231;Y)は、特図1が変動中であるかを判定する(ステップY232)。そして
、特図1が変動中でない場合(ステップY232;N)は、客待ちデモが開始済みである
かを判定し(ステップY233)、開示済みでない場合(ステップY233;N)は客待
ち状態の設定に関する処理を行う。また、特図1保留数が0でない場合(ステップY23
1;N)、特図1が変動中である場合(ステップY232;Y)又は客待ちデモが開始済
みである場合(ステップY233;Y)は、ステップY237に移行する。
客待ち状態の設定に関する処理では、まず、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラ
グをセットし(ステップY234)、現在の確率状態に対応する客待ちデモコマンドを準
備して(ステップY235)、演出コマンド設定処理を行い(ステップY236)、ステ
ップY237に移行する。客待ちデモコマンドを現在の確率状態に対応するものとするこ
とで、確率状態に応じて異なる客待ち画面を表示することが可能となる。
また、何らかの原因により演出制御装置300が再起動した場合、バックアップ機能を
備えない演出制御装置300は遊技状態の情報を喪失してしまうため、適切な演出を行う
ことができなくなってしまうが、客待ちデモコマンドを現在の確率状態に対応するものと
することで、このコマンドの受信からは遊技状態に応じた演出を行うことができ、遊技状
態の変更に基づく確率情報コマンドが送信されるのを待つよりも早く遊技状態に応じた演
出に復帰できるようになる。
また、本実施形態の遊技機では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとが同
時に実行可能であり、特図1変動表示ゲームについての処理によって確率状態が変化する
ことも考えられるので、特図変動表示ゲームの開始ごとに変動開始確率情報コマンドを送
信するようにしている(ステップY207、Y223)。これにより、演出制御装置30
0において遊技状態に応じた適切な演出を行うことが可能となる。
また、変動開始確率情報コマンドを特図変動表示ゲームの開始ごとに送信するようにし
たことで、演出制御装置300が再起動した場合でもこのコマンドの受信からは遊技状態
に応じた演出を行うことができ、遊技状態の変更に基づく確率情報コマンドが送信される
のを待つよりも早く遊技状態に応じた演出に復帰できるようになる。なお、客待ちデモコ
マンドや変動開始確率情報コマンドに、演出制御装置300が再起動した場合に遊技状態
に応じた演出に復帰できるようにするためのその他の情報を含ませるようにしても良い。
〔特図1変動開始処理〕
図41には、上述の特図1普段処理における特図1変動開始処理(ステップY209)
を示した。この特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である
。まず、高確率状態から通常確率状態への移行を抽選する転落抽選処理を行い(ステップ
Y239)、普電サポートを設定する期間を管理するサポート管理処理を行う(ステップ
Y240)。次に、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1
変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップY241)、特図1変動表示ゲーム
の結果情報としてはずれ情報、大当り情報又は小当り情報を設定する大当りフラグ1設定
処理(ステップY242)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップY
243)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定す
る特図1情報設定処理(ステップY244)を行い、特図1変動表示ゲームの変動パター
ンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変
動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップY245)。
その後、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図1
変動パターン設定処理(ステップY246)を行い、特図1変動表示ゲームの変動開始の
情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップY247)を行う。これらの処理により
、これから実行される特図1変動表示ゲームの結果や変動パターン(変動時間)が決定さ
れる。そしてこの後に、同時に実行可能である特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲ
ームの間で不都合が生じないように調整するための処理を行う。
特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは同時に実行可能であるが、一方で特別
結果(大当りや小当り)が導出された際には他方については抽選結果にかかわらず強制的
にはずれ結果として終了するようになっている。特に、特図2変動表示ゲームについては
小当りとなる確率が高いため、特図2変動表示ゲームが先に停止する場合は特図1変動表
示ゲームについてこのような処理がなされる可能性が高い。よって、例えば特図1変動表
示ゲームで期待度の高い演出をしているにもかかわらず、強制的にはずれ結果で停止され
てしまうこととなり、遊技者が不信感を抱くこととなってしまう。そこで、これから開始
しようとする特図1変動表示ゲームの終了前に特図2変動表示ゲームが終了する可能性が
ある場合には、期待度の高い演出が選択されないようにしたりするなどの対応ができるよ
うにしている。
このためにまず、第4特定遊技状態中であるかを判定し(ステップY248)、第4特
定遊技状態中である場合(ステップY248;Y)は、ステップY257に移行する。第
4特定遊技状態である場合は特図2変動表示ゲームを主体として遊技を進行する状態であ
る。この状態では特図2変動表示ゲームの変動時間が短く、かつ、高い頻度で実行される
ため、特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止される可能性が高いことはわか
っており、特図1変動表示ゲームにおいては期待度の高い演出が選択されないように予め
設定されているので、ここでは特別な処理は行わない。
また、第4特定遊技状態中でない場合(ステップY248;N)は、特図2が変動中で
あるかを判定する(ステップY249)。特図2が変動中でない場合(ステップY249
;N)は、ステップY257に移行する。この場合はこれから特図2変動表示ゲームが開
始されたとしても当該特図2変動表示ゲームの変動時間は非常に長い変動時間となる。よ
って、特図1変動表示ゲームが強制的に停止される可能性は低いため、ここでは期待度の
高い演出が選択されないようにするための処理は行わない。
特図2が変動中である場合(ステップY249;Y)は、実行中の特図2変動表示ゲー
ムの結果がはずれであるかを判定し(ステップY250)、はずれである場合(ステップ
Y250;Y)はステップY257に移行する。この場合は特図1変動表示ゲームが強制
的に停止されない場合である。また、実行中の特図2変動表示ゲームの結果がはずれでな
い場合(ステップY250;N)は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0である
かを判定する(ステップY251)。特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0である
場合(ステップY251;Y)は、ステップY254に移行する。また、特図2ゲーム処
理タイマの繰り返し回数が0でない場合(ステップY251;N)は、特図2ゲーム処理
タイマの繰り返し回数が4以上であるかを判定する(ステップY252)。
特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が4以上である場合(ステップY252;Y)
は、ステップY257に移行する。この場合は、特図2変動表示ゲームの残り変動時間が
十分に長く、特図1変動表示ゲームの方が先に終了することとなるため、期待度の高い演
出が選択されないようにするための処理は行わない。
また、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が4以上でない場合(ステップY252
;N)は、特図2変動表示ゲームの残り変動時間を算出し(ステップY253)、これか
ら実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満
であるかを判定する(ステップY254)。これから実行する特図1変動表示ゲームの変
動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満である場合(ステップY254;Y)
は、ステップY257に移行する。この場合は特図1変動表示ゲームの方が先に終了する
こととなるため、期待度の高い演出が選択されないようにするための処理は行わない。
また、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残
り変動時間未満でない場合(ステップY254;N)は、特図1の変動時間の方が長いこ
とを通知するコマンドを準備し(ステップY255)、演出コマンド設定処理を行い(ス
テップY256)、第4特定遊技状態を設定するための第4特定遊技状態設定処理を行っ
て(ステップY257)、特図1変動開始処理を終了する。このコマンドには、特図2変
動表示ゲームの結果が大当りと小当りのいずれであるかの情報も含まれている。演出制御
装置300では、特図1の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを受信することに
基づき、当該特図1変動表示ゲームについて期待度の高い演出の選択を規制したり特定の
実行態様を設定したりするなどの処理を行うようになっている。
なお、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残
り変動時間未満でない場合(ステップY254;N)に、特図1変動パターン設定処理(
ステップY246)で設定した変動パターンに関する情報(前後半変動パターン番号等)
を再設定する処理を行って、演出制御装置300が期待度の高い演出を選択しない変動パ
ターンに変更するようにしても良い。なお、変動パターンを再設定する処理においては、
変動時間を変更しないようにしても良いし、変更するようにしても良い。また、特図1の
変動時間の方が長いことを通知するコマンドを準備する処理(ステップY255)につい
ては行うようにしても良いし、行わないようにしても良い。
すなわち、遊技制御装置100で行われる特図1変動パターン処理(ステップY246
)は、通常遊技状態において第1変動表示ゲームの変動時間を含む変動態様情報を決定す
る場合に、第2変動表示ゲームの変動態様情報を参照することなく当該第1変動表示ゲー
ムの変動態様情報を決定することが可能な第1変動態様決定手段をなす。さらに遊技制御
装置100で行われる上記の変動パターンを再設定する処理は、第1変動態様決定手段に
よって当該第1変動表示ゲームの変動時間を含む変動態様情報を決定した際に第2変動表
示ゲームが実行中である場合に、当該第2変動表示ゲームの変動態様情報に含まれる変動
時間を参照して、決定されている第1変動表示ゲームの変動時間を変更することなく変動
パターンに関する情報を再決定することが可能である第2変動態様決定手段をなす。
また、特図1変動パターン設定処理(ステップY246)において一度決定された変動
パターンを後に変更するのではなく、特図1変動パターン設定処理(ステップY246)
において変動パターンを決定する際に、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時
間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満でないかを判定する処理(ステップY25
4)を行うようにして、遊技状況に応じた変動パターンを最初から決定するようにしても
良い。
〔特図2変動開始処理〕
図42には、上述の特図2普段処理における特図2変動開始処理(ステップY225)
を示した。この特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理である
。まず、高確率状態から通常確率状態への移行を抽選する転落抽選処理を行い(ステップ
Y259)、普電サポートを設定する期間を管理するサポート管理処理を行う(ステップ
Y260)。次に、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2
変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップY261)、特図2変動表示ゲーム
の結果情報としてはずれ情報、大当り情報又は小当り情報を設定する大当りフラグ2設定
処理(ステップY262)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップY
263)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定す
る特図2情報設定処理(ステップY264)を行い、特図2変動表示ゲームの変動パター
ンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変
動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップY265)。
その後、特図2変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図2
変動パターン設定処理(ステップY266)を行い、特図2変動表示ゲームの変動開始の
情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップY267)を行い、第4特定遊技状態を
設定するための第4特定遊技状態設定処理を行って(ステップY268)、特図2変動開
始処理を終了する。
なお、特図2変動開始処理では、同時に実行可能である特図1変動表示ゲームと特図2
変動表示ゲームの間で不都合が生じないように調整するための処理は行わない。これは、
特図1変動表示ゲームでの小当りの確率が低いため、特図2変動表示ゲームが強制的には
ずれ結果で終了させられる機会が少ないためである。ただし、特図1変動表示ゲームと同
様に、強制的にはずれ結果で停止される場合には期待度の高い演出の選択を規制するよう
にしても良い。
〔転落抽選処理〕
図43には、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理で行われる転落抽選処理(ス
テップY239、Y259)転落抽選処理を示した。この転落抽選処理では、まず、高確
率中であるかを判定し(ステップY581)、高確率中でない場合(ステップY581;
N)は、転落抽選処理を終了する。また、高確率中である場合(ステップY581;Y)
は、転落抽選乱数を取得し(ステップY582)、判定値に参照して転落抽選に当選した
かを判定する(ステップY583)。
転落抽選に当選していない場合(ステップY583;N)は、転落抽選処理を終了する
。この場合は高確率状態が維持される。また、転落抽選に当選した場合(ステップY58
3;Y)は、低確率状態に移行するための処理を行う。まず、高確率終了に関する信号を
外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY584)。ここでは大当り2信号をO
FFにするように設定する。さらに、高確率状態の終了に関する信号を試験信号出力デー
タ領域にセーブする(ステップY585)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号をOF
F、特別図柄2高確率状態信号をOFFに設定する。そして、遊技状態表示番号領域に低
確率中の番号をセーブし(ステップY586)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確
率フラグをセーブする(ステップY587)。これにより、転落抽選に当選した特図変動
表示ゲームから低確率状態となるようにされる。
次に、普電サポートを終了する処理を行う。なお、転落抽選の当選とともに普電サポー
トを終了させるのは第3特定遊技状態で転落抽選に当選した場合である。まず、普電サポ
ート中であるかを判定し(ステップY588)、普電サポート中でない場合(ステップY
588;N)は、転落抽選処理を終了する。また、普電サポート中である場合(ステップ
Y588;Y)は、普電サポートとする特図変動表示ゲームの実行回数を管理するサポー
ト回数が0であるかを判定する(ステップY589)。
サポート回数が0でない場合(ステップY589;N)、すなわち特別遊技状態の終了
から規定数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行していない場合(第1特定
遊技状態の場合)は、第2特定遊技状態に移行して普電サポートが継続されるので転落抽
選処理を終了する。また、サポート回数が0である場合(ステップY589;Y)、すな
わち特別遊技状態の終了から規定数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行し
たが転落抽選に当選せずに第3特定遊技状態となっている場合は、通常遊技状態に移行す
るためにステップY590以降の普電サポートを終了する処理を行う。
普電サポートを終了する処理では、まず、時短終了に関する信号を外部情報出力データ
領域にセーブする(ステップY590)。ここでは大当り2信号をOFFにするように設
定する。さらに、時短終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステッ
プY591)。ここでは、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時
間短縮状態信号をOFFに設定する。
そして、遊技状態表示番号領域に特図低確率、時短なしの番号をセーブし(ステップY
592)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率、サポなしフラグをセーブする(ス
テップY593)。その後、普図低確率を設定して(ステップY594)、転落抽選処理
を終了する。これにより、低確率状態かつ普電サポートなし状態となって通常遊技状態に
移行することとなる。なお、高確率状態の終了や普電サポートの終了の情報は、演出制御
装置300に送信されるようになっており、演出制御装置300ではこの情報に基づき演
出モードの変更などの処理を行う。
〔サポート管理処理〕
図44には、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理で行われるサポート管理処理
(ステップY240、Y260)を示した。このサポート管理処理では、まず、普電サポ
ート中であるかを判定し(ステップY1521)、普電サポート中でない場合(ステップ
Y1521;N)は、サポート管理処理を終了する。また、普電サポート中である場合(
ステップY1521;Y)は、普電サポートとする特図変動表示ゲームの実行回数を管理
するサポート回数が0でなければ-1更新し(ステップY1522)、サポート回数が0
であるかを判定する(ステップY1523)。
サポート回数が0でない場合(ステップY1523;N)、すなわち特別遊技状態の終
了から規定数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行していない場合(第1特
定遊技状態又は第2特定遊技状態が継続する場合)は、サポート管理処理を終了する。ま
た、サポート回数が0である場合(ステップY1523;Y)、すなわち特別遊技状態の
終了から規定数(ここでは100回)を超える特図変動表示ゲームが開始される場合や、
すでに特別遊技状態の終了から規定数を超える特図変動表示ゲームを実行したが転落抽選
に当選せずに第3特定遊技状態となっている場合は、高確率状態であるかを判定する(ス
テップY1524)。
高確率状態である場合(ステップY1524;Y)は、第3特定遊技状態に移行又は第
3特定遊技状態が継続するので、サポート管理処理を終了する。また、高確率状態でない
場合(ステップY1524;N)は、第2特定遊技状態を終了して通常遊技状態へ移行す
るためにステップY1525以降の普電サポートを終了する処理を行う。
普電サポートを終了する処理では、まず、時短終了に関する信号を外部情報出力データ
領域にセーブする(ステップY1525)。ここでは大当り2信号をOFFにするように
設定する。さらに、時短終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステ
ップY1526)。ここでは、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変
動時間短縮状態信号をOFFに設定する。
そして、遊技状態表示番号領域に特図低確率、時短なしの番号をセーブし(ステップY
1527)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率、サポなしフラグをセーブする(
ステップY1528)。その後、普図低確率を設定し(ステップY1529)、左打ち指
示報知フラグをクリアして(ステップY1530)次回の特図変動表示ゲームの開始時に
左打ち指示報知がなされるようにし、サポート管理処理を終了する。これにより、第2特
定遊技状態が終了して通常遊技状態に移行することとなる。
〔大当りフラグ1設定処理〕
図45には、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップY
242)を示した。この大当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ1領域にはず
れ情報をセーブし(ステップY271)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする
(ステップY272)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大
当り乱数をロードして準備し(ステップY273)、特図1大当り乱数格納領域(保留数
1用)を0クリアする。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうち
で最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。
その後、実行中の特図2変動表示ゲームの大当り判定の結果である大当りフラグ2は大
当りであるかを判定し(ステップY275)、大当りである場合(ステップY275;Y
)は、ステップY279に移行する。すなわち、同時に実行される特図1変動表示ゲーム
と特図2変動表示ゲームの両方を大当りとしないようにしている。また、大当りでない場
合(ステップY275;N)は、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否か
に応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップY276)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップY276)の判定結果が大当りである場合(ステッ
プY277;Y)は、ステップY272にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域
に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップY278)、大当りフラグ1設定処理を終
了する。一方、大当り判定処理(ステップY276)の判定結果が大当りでない場合(ス
テップY277;N)は、取得した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じ
て小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップY279)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップY279)の判定結果が小当りである場合(ステッ
プY280;Y)は、ステップY271にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ1領域
に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップY281)、大当りフラグ1設定処理を終
了する。一方、小当り判定処理(ステップY279)の判定結果が小当りでない場合(ス
テップY280;N)は、大当りフラグ1設定処理を終了する。この場合は、大当りフラ
グ1領域及び小当りフラグ1領域には、はずれ情報がセーブされた状態となる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
図46には、上述の特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップY
262)を示した。この大当りフラグ2設定処理では、まず、小当りフラグ2領域にはず
れ情報をセーブし(ステップY291)、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする
(ステップY292)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域から大当り乱数をロー
ドして準備し(ステップY293)、特図2大当り乱数格納領域を0クリアする。
その後、実行中の特図1変動表示ゲームの大当り判定の結果である大当りフラグ1は大
当りであるかを判定し(ステップY295)、大当りである場合(ステップY295;Y
)は、ステップY299に移行する。すなわち、同時に実行される特図1変動表示ゲーム
と特図2変動表示ゲームの両方を大当りとしないようにしている。また、大当りでない場
合(ステップY295;N)は、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否か
に応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップY296)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップY296)の判定結果が大当りである場合(ステッ
プY297;Y)は、ステップY292にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域
に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップY298)、大当りフラグ2設定処理を終
了する。一方、大当り判定処理(ステップY296)の判定結果が大当りでない場合(ス
テップY297;N)は、取得した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じ
て小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップY299)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップY299)の判定結果が小当りである場合(ステッ
プY300;Y)は、ステップY291にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ2領域
に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップY301)、大当りフラグ2設定処理を終
了する。一方、小当り判定処理(ステップY299)の判定結果が小当りでない場合(ス
テップY300;N)は、大当りフラグ2設定処理を終了する。この場合は、大当りフラ
グ2領域及び小当りフラグ2領域には、はずれ情報がセーブされた状態となる。
〔大当り判定処理〕
図47には、上述の大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における大当
り判定処理(ステップY276、Y296)を示した。この大当り判定処理では、まず、
大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップY311)、対象の大当り乱数の値が下限
判定値未満かを判定する(ステップY312)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大
当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数
が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値で
ある上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップY312;Y)、すなわ
ち大当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY317)、大当り判
定処理を終了する。なお、判定結果としてのはずれとは、大当りの抽選にはずれたことを
示すものである。また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップY312
;N)は、高確率状態であるかを判定する(ステップY313)。
そして、高確率状態である場合(ステップY313;Y)は、高確率中の上限判定値を
設定し(ステップY314)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定す
る(ステップY316)。また、高確率状態でない場合(ステップY313;N)は、低
確率中の上限判定値を設定し(ステップY315)、対象の大当り乱数の値が上限判定値
より大きいかを判定する(ステップY316)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップY316;Y)、すなわち大当
りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY317)、大当り判定処理
を終了する。また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップY316
;N)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップY31
8)、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
図48には、上述の大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における小当
り判定処理(ステップY279、Y299)を示した。この小当り判定処理では、まず、
対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満かを判定する(ステップY321)。なお
、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連
続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である下限判定値以上で
、かつ、小当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、小当りであると判
定される。また、大当り判定値と小当り判定値とが重なることはない。
対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(ステップY321;Y)、
すなわち小当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY326)、小
当り判定処理を終了する。なお、判定結果としてのはずれとは、小当りの抽選にはずれた
ことを示すものである。また、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合(ステ
ップY321;N)は、特図1の情報設定中であるか、すなわち特図1変動表示ゲームに
ついての判定であるかを判定する(ステップY322)。
そして、特図1の情報設定中である場合(ステップY322;Y)は、特図1用の小当
り上限判定値を設定し(ステップY323)、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値
より大きいかを判定する(ステップY325)。また、特図1の情報設定中でない場合(
ステップY322;N)、すなわち特図2変動表示ゲームについての判定である場合は、
特図2用の小当り上限判定値を設定し(ステップY324)、対象の大当り乱数の値が小
当り上限判定値より大きいかを判定する(ステップY325)。
大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(ステップY325;Y)、すなわ
ち小当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY326)、小当り判
定処理を終了する。また、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(ステ
ップY325;N)、すなわち小当りである場合は、判定結果として小当りを設定し(ス
テップY327)、小当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図49には、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップY
243)を示した。この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りか
を判定し(ステップY331)、大当りである場合(ステップY331;Y)は、特図1
大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップY3
32)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定し(ステップY333)、ロードした大
当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄退避領域にセーブする(
ステップY334)。この処理により大当り種類が選択される。なお、特図1変動表示ゲ
ームの停止図柄を特図1停止図柄領域ではなく特図1停止図柄退避領域にセーブするよう
にしたのは、特図2変動表示ゲームで特別結果が導出された場合に強制的にはずれ結果に
変更される可能性があるためである。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップY335)、停止図柄
番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図1停止図柄パターン領域にセーブする(
ステップY336)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)
での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄
番号に対応するラウンド数上限値情報を取得して特図1ラウンド数上限値情報領域にセー
ブし(ステップY337)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して特図1
大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY338)。これらの情報は、特別遊技状
態の実行態様を設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特
図1コマンドを準備する(ステップY346)。
一方、大当りでない場合(ステップY331;N)は、小当りフラグ1は小当りである
かを判定し(ステップY339)、小当りである場合(ステップY339;Y)は、特図
1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(ステップY
340)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(ステップY341)、ロードした
小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄退避領域にセーブする
(ステップY342)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停止図柄番号
に対応する停止図柄パターンを取得して特図1停止図柄パターン領域にセーブし(ステッ
プY343)、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備する(ステップY
346)。
また、小当りフラグ1は小当りでない場合(ステップY339;N)は、はずれ時の停
止図柄番号を特図1停止図柄退避領域にセーブし(ステップY344)、はずれ停止図柄
パターンを特図1停止図柄パターン領域にセーブして(ステップY345)、停止図柄パ
ターンに対応する飾り特図1コマンドを準備する(ステップY346)。以上の処理によ
り、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図1コマンドを飾り特図1コマンド領域にセーブし(ステップY347
)、演出コマンド設定処理(ステップY348)を行う。この飾り特図1コマンドは、後
に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験
信号出力データ領域にセーブして(ステップY349)、特図1大当り図柄乱数格納領域
(保留数1用)を0クリアし(ステップY350)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保
留数1用)を0クリアして(ステップY351)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図50には、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップY
263)を示した。なお、特図2停止図柄設定処理は、特図1停止図柄設定処理と同じ処
理を、特図2を対象として行うものである。この特図2停止図柄設定処理では、まず、大
当りフラグ2が大当りかを判定し(ステップY361)、大当りである場合(ステップY
361;Y)は、特図2大当り図柄乱数格納領域から大当り図柄乱数をロードする(ステ
ップY362)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定し(ステップY363)、ロー
ドした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄退避領域にセー
ブする(ステップY364)。この処理により大当り種類が選択される。なお、特図2変
動表示ゲームの停止図柄を特図2停止図柄領域ではなく特図2停止図柄退避領域にセーブ
するようにしたのは、特図1変動表示ゲームで特別結果が導出された場合に強制的にはず
れ結果に変更される可能性があるためである。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップY365)、停止図柄
番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図2停止図柄パターン領域にセーブする(
ステップY366)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)
での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄
番号に対応するラウンド数上限値情報を取得して特図2ラウンド数上限値情報領域にセー
ブし(ステップY367)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して特図2
大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY368)。これらの情報は、特別遊技状
態の実行態様を設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特
図2コマンドを準備する(ステップY376)。
一方、大当りでない場合(ステップY361;N)は、小当りフラグ2は小当りである
かを判定し(ステップY369)、小当りである場合(ステップY369;Y)は、特図
2小当り図柄乱数格納領域から小当り図柄乱数をロードする(ステップY370)。次に
、特図2小当り図柄テーブルを設定し(ステップY371)、ロードした小当り図柄乱数
に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄退避領域にセーブする(ステップY3
72)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停止図柄番号に対応する停止
図柄パターンを取得して特図2停止図柄パターン領域にセーブし(ステップY373)、
停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備する(ステップY376)。
また、小当りフラグ2は小当りでない場合(ステップY369;N)は、はずれ時の停
止図柄番号を特図2停止図柄退避領域にセーブし(ステップY374)、はずれ停止図柄
パターンを特図2停止図柄パターン領域にセーブして(ステップY375)、停止図柄パ
ターンに対応する飾り特図2コマンドを準備する(ステップY376)。以上の処理によ
り、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図2コマンドを飾り特図2コマンド領域にセーブし(ステップY377
)、演出コマンド設定処理(ステップY378)を行う。この飾り特図2コマンドは、後
に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験
信号出力データ領域にセーブして(ステップY379)、特図2大当り図柄乱数格納領域
を0クリアし(ステップY380)、特図2小当り図柄乱数格納領域を0クリアして(ス
テップY381)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、
遊技制御装置100が、第1始動記憶手段に記憶された第1始動記憶に基づき、第1変動
表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の結果及び変動態様情報を当該第1変動表示ゲーム
の開始以前に決定することが可能な第1決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、
第2始動入賞口97への遊技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し、当該所定の乱数に基
づき第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果及び変動態様情報を当該第2変
動表示ゲームの開始以前に決定することが可能な第2決定手段をなす。また、遊技制御装
置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動
パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
以上のことから、第1始動入賞口36は、遊技領域32の一側に発射した遊技球が入賞
可能な位置に配設され、第2始動入賞口97は、遊技領域32の他側に発射した遊技球が
入賞可能な位置に配設され、変動表示ゲームの変動態様情報には、当該変動表示ゲームの
実行時間を特定可能な変動時間に関する情報が含まれ、通常状態(通常遊技状態)におい
て第2決定手段によって第2変動表示ゲームの変動時間として決定されることが可能な変
動時間は、第1決定手段によって第1変動表示ゲームの変動時間として決定されることが
可能な変動時間よりも長いこととなる。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に
送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基
づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設
定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数
)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コ
マンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンドなどが挙げ
られる。なお、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装
置300での処理を効率よく進めることができる。
すなわち、遊技制御装置100が、第1決定手段の決定結果に基づいて第1変動表示ゲ
ーム(特図1変動表示ゲーム)の実行制御を行うことが可能な第1変動表示ゲーム実行制
御手段をなす。また、特図1ゲーム処理の全体から、第1変動表示ゲーム実行制御手段が
第1変動表示ゲームに関する一連の実行制御を行うものとも言える。さらに、遊技制御装
置100が、第2決定手段の決定結果に基づいて第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲ
ーム)の実行制御を行うことが可能な第2変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、特
図2ゲーム処理の全体から、第2変動表示ゲーム実行制御手段が第2変動表示ゲームに関
する一連の実行制御を行うものとも言える。
また、遊技制御装置100が、第1決定手段によって決定された第1変動表示ゲームの
結果及び変動態様情報並びに第2決定手段によって決定された第2変動表示ゲームの結果
及び変動態様情報を制御情報として演出制御手段(演出制御装置300)へ送信すること
が可能な送信手段をなす。また、遊技制御装置100が、第1変動表示ゲーム及び第2変
動表示ゲームのそれぞれについて、変動表示ゲームの開始に応じて変動時間の計測を開始
し、当該計測時間が変動時間を経過した場合に当該変動表示ゲームの変動時間の計測を終
了する計測手段をなす。
なお、低確率状態である通常遊技状態における特図2変動表示ゲームについて結果がは
ずれ又は小当りである場合には、変動時間が非常に長い長変動が設定されるが、この場合
には、変動時間についての情報を演出制御装置300には送信せず、長変動であることの
みを示すコマンドを送信するようにしても良い。長変動の場合は単に変動表示を行えばよ
く詳細に演出を決定する必要がないので、演出制御装置300では長変動であることのコ
マンドを受信することに基づき変動表示を開始するようにする。変動時間の管理は遊技制
御装置100のみで行い、変動時間が終了することに基づき停止コマンドを演出制御装置
300に送信し、演出制御装置300では停止コマンドを受信することに基づき変動表示
を停止するようにする。このようにすれば、演出制御装置300での制御の負担を軽減す
ることができる。
〔第4特定遊技状態設定処理〕
図51には、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理で行われる第4特定遊技状態
設定処理(ステップY257、Y268)を示した。この第4特定遊技状態設定処理では
、まず、普電サポート中であるかを判定し(ステップY1501)、普電サポート中でな
い場合(ステップY1501;N)は、第4特定遊技状態設定処理を終了する。また、普
電サポート中である場合(ステップY1501;Y)は、普電サポートとする特図変動表
示ゲームの実行回数を管理するサポート回数が0であるかを判定する(ステップY150
2)。
サポート回数が0でない場合(ステップY1502;N)、すなわち特別遊技状態の終
了から規定数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行していない場合(第1特
定遊技状態又は第2特定遊技状態の場合)は、第4特定遊技状態設定処理を終了する。ま
た、サポート回数が0である場合(ステップY1502;Y)、すなわち特別遊技状態の
終了から規定数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行したが転落抽選に当選
せずに第3特定遊技状態となっている場合は、今回開始される特図変動表示ゲームの結果
が大当りであるかを判定する(ステップY1503)。
今回開始される特図変動表示ゲームの結果が大当りでない場合(ステップY1503;
N)は、第3特定遊技状態が継続するので第4特定遊技状態設定処理を終了する。また、
今回開始される特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合(ステップY1503;Y
)は、第4特定遊技状態へ移行するためにステップY1504以降の普電サポートを終了
する処理を行う。
普電サポートを終了する処理では、まず、時短終了に関する信号を外部情報出力データ
領域にセーブする(ステップY1504)。ここでは大当り2信号をOFFにするように
設定する。さらに、時短終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステ
ップY1505)。ここでは、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変
動時間短縮状態信号をOFFに設定する。
そして、遊技状態表示番号領域に特図高確率、時短なしの番号をセーブし(ステップY
1506)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率、サポなしフラグをセーブする(
ステップY1507)。その後、普図低確率を設定して(ステップY1508)、第4特
定遊技状態フラグをセーブして(ステップY1509)、第4特定遊技状態設定処理を終
了する。これにより、高確率状態かつ普電サポートなし状態となって第4特定遊技状態設
定に移行することとなる。
なお、第4特定遊技状態フラグは第4特定遊技状態であることを認識可能とするために
設定されるフラグであり、特別遊技状態の開始に伴いクリアされるようになっている。こ
の第4特定遊技状態フラグは、第4特定遊技状態中に転落抽選に当選した場合でもクリア
されないため、第4特定遊技状態中の転落により遊技状態が低確率状態かつ普電サポート
なしとなっても第4特定遊技状態であることを認識可能となる。
〔特図1変動中処理移行設定処理〕
図52には、特図1普段処理における特図1変動中処理移行設定処理(ステップY21
6)を示した。この特図1変動中処理移行設定処理では、まず、特図1ゲーム処理番号と
して「1」を設定し(ステップY601)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセー
ブする(ステップY602)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップY603)、特図1の変動開始に
関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY604)。ここでは特別
図柄1変動中信号をONに設定する。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグ
をセーブし(ステップY605)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1
表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(ステップ
Y606)。さらに、特図1変動中図柄番号領域に初期値をセットして(ステップY60
7)、特図1変動中処理移行設定処理を終了する。
特図1変動中図柄番号領域にセットする初期値は0であり、これによりすべてのセグメ
ントが消灯した状態から変動表示が開始されるようになる。結果態様を表示した状態では
少なくとも一つのセグメントが点灯しているので、すべてのセグメントを消灯した状態か
ら変動表示を開始することで変動表示が開始したことを即座に認識することが可能となる
〔特図2変動中処理移行設定処理〕
図53には、特図2普段処理における特図2変動中処理移行設定処理(ステップY23
0)を示した。この特図2変動中処理移行設定処理では、まず、特図2ゲーム処理番号と
して「1」を設定し(ステップY611)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセー
ブする(ステップY612)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップY613)、特図2の変動開始に
関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY614)。ここでは特別
図柄2変動中信号をONに設定する。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグ
をセーブし(ステップY615)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2
表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(ステップ
Y616)。さらに、特図2変動中図柄番号領域に初期値をセットして(ステップY61
7)、特図2変動中処理移行設定処理を終了する。
特図2変動中図柄番号領域にセットする初期値は0であり、これによりすべてのセグメ
ントが消灯した状態から変動表示が開始されるようになる。結果態様を表示した状態では
少なくとも一つのセグメントが点灯しているので、すべてのセグメントを消灯した状態か
ら変動表示を開始することで変動表示が開始したことを即座に認識することが可能となる
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52において変動表示を開始する際にはすべ
てのセグメントを消灯状態とした状態から開始するとしたが、これに限られるものではな
い。例えば、何れの結果態様の点灯態様とも異なる点灯態様から変動表示を開始するよう
にしても良いし、何れの結果態様でも用いられないセグメントがあれば少なくとも当該セ
グメントを点灯した状態から変動表示を開始するようにしても良い。また、必ず毎回同じ
一のセグメントを点灯した状態から変動表示を開始するようにしてもよい。また、特図1
表示器51と特図2表示器52で変動を開始する際の点灯態様は同じでも良いし異なって
いても良い。
〔特図1変動中処理〕
図54には、上述の特図1ゲーム処理における特図1変動中処理(ステップY109)
を示した。この特図1変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新し(ステ
ップY621)、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして準備して(ステップ
Y622)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY623)。
次に、飾り特図1停止コマンドを準備して(ステップY624)、演出コマンド設定処
理を行う(ステップY625)。本実施形態の遊技機では、変動開始時に設定した変動時
間よりも前に強制的に停止する場合もあるため、変動を停止する際には停止コマンドを演
出制御装置300に送信するようにしている。そして、停止図柄パターンに対応する表示
時間を設定する(ステップY626)。ここでは、はずれの場合に600ms、大当りの
場合に2000ms、小当りの場合に136msの表示時間が設定される。
その後、特図1はずれであるか、すなわち特図1変動表示ゲームの結果がはずれである
かを判定する(ステップY627)。特図1はずれである場合(ステップY627;Y)
は、ステップY647に移行する。また、特図1はずれでない場合(ステップY627;
N)、すなわち大当り又は小当りである場合は、特図2変動表示ゲームも実行中であるか
を判定する(ステップY628)。なお特図2変動表示ゲームが実行中であるか否かは特
図ステータスを参照することで把握できる。
そして、特図2変動表示ゲームが実行中でない場合(ステップY628;Y)は、ステ
ップY643に移行する。また、特図2変動表示ゲームが実行中である場合(ステップY
628;Y)は、特図1大当りであるか、すなわち特図1変動表示ゲームの結果が大当り
であるかを判定する(ステップY629)。特図1大当りでない場合(ステップY629
;N)、すなわち特図1変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特図2ゲーム中断
フラグをセットし(ステップY640)、飾り特図2中断コマンドを準備して(ステップ
Y641)、演出コマンド設定処理(ステップY642)を行い、ステップY643に移
行する。
すなわちこの場合は、特図1変動表示ゲームが小当りとなることに基づき、実行中の特
図2変動表示ゲームが中断させられる場合である。なお、特図2変動表示ゲームがすでに
変動表示を終了しているが表示時間(停止時間)が終了していない場合も中断の対象とな
る。中断された特図2変動表示ゲームは小当り(第2特別結果)に基づく特別遊技状態(
第2特別遊技状態)の終了に伴い再開される。
一方、特図1大当りである場合(ステップY629;Y)は、特図2表示中処理中であ
るかを判定する(ステップY630)。すなわちこの場合は、特図1変動表示ゲームが特
別結果になることに基づき、実行中の特図2変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止
させられる場合である。なお、特図2変動表示ゲームがすでに変動表示を終了しているが
表示時間(停止時間)が終了していない場合も強制停止の対象となる。
特図2表示中処理中である場合(ステップY630;Y)は、ステップY632に移行
する。また、特図2表示中処理中でない場合(ステップY630;N)は、図柄確定回数
出力回数を+1更新し(ステップY631)、特図2の表示時間として上記で設定した特
図1の表示時間+4msの表示時間を設定する(ステップY632)。特図2の表示時間
として特図1の表示時間+4msの表示時間を設定することで、特図1と特図2の表示時
間が同時に終了するようになる。なお、すでに特図2変動表示ゲームが表示時間中であっ
た場合にも表示時間が再設定され、新たに表示時間が開始されるようになる。
次に、特図2ゲーム処理タイマ領域に表示時間をセーブして(ステップY633)、飾
り特図2はずれ図柄コマンドを設定して準備し(ステップY634)、飾り特図2コマン
ド領域に図柄コマンドをセーブして(ステップY635)、演出コマンド設定処理を行う
(ステップY636)。その後、飾り特図2停止コマンドを準備して(ステップY637
)、演出コマンド設定処理を行い(ステップY638)、特図2表示中処理移行設定処理
2を行う(ステップY639)。
そして、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして当り図柄コマンド領域にセ
ーブし(ステップY643)、特図1小当りであるか、すなわち特図1変動表示ゲームの
結果が小当りであるかを判定する(ステップY644)。特図1小当りである場合(ステ
ップY644;Y)は、ステップY647に移行する。また、特図1小当りでない場合(
ステップY644;N)、すなわち大当りである場合は、特図1ラウンド数上限値情報領
域から情報をロードしてラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY645)、特
図1大入賞口開放情報領域から情報をロードして大入賞口開放情報領域にセーブする(ス
テップY646)。
その後、特図1停止図柄退避領域から情報をロードして特図1停止図柄領域にセーブし
(ステップY647)、特図1表示中処理移行設定処理1を行って(ステップY648)
、特図1表示中処理を終了する。
〔特図2変動中処理〕
図55には、上述の特図2ゲーム処理における特図2変動中処理(ステップY140)
を示した。この特図2変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新し(ステ
ップY651)、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして準備して(ステップ
Y652)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY653)。
次に、飾り特図2停止コマンドを準備して(ステップY654)、演出コマンド設定処
理を行う(ステップY655)。そして、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定す
る(ステップY656)。ここでは、はずれの場合に600ms、大当りの場合に200
0ms、小当りの場合に136msの表示時間が設定される。
その後、特図2はずれであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果がはずれである
かを判定する(ステップY657)。特図2はずれである場合(ステップY657;Y)
は、ステップY677に移行する。また、特図2はずれでない場合(ステップY657;
N)、すなわち大当り又は小当りである場合は、特図1変動表示ゲームも実行中であるか
を判定する(ステップY658)。なお特図1変動表示ゲームが実行中であるか否かは特
図ステータスを参照することで把握できる。
そして、特図1変動表示ゲームが実行中でない場合(ステップY658;Y)は、ステ
ップY673に移行する。また、特図1変動表示ゲームが実行中である場合(ステップY
658;Y)は、特図2大当りであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果が大当り
であるかを判定する(ステップY659)。特図2大当りでない場合(ステップY659
;N)、すなわち特図2変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特図1ゲーム中断
フラグをセットし(ステップY670)、飾り特図1中断コマンドを準備して(ステップ
Y671)、演出コマンド設定処理(ステップY672)を行い、ステップY673に移
行する。
すなわちこの場合は、特図2変動表示ゲームが小当りとなることに基づき、実行中の特
図1変動表示ゲームが中断させられる場合である。なお、特図1変動表示ゲームがすでに
変動表示を終了しているが表示時間(停止時間)が終了していない場合も中断の対象とな
る。中断された特図1変動表示ゲームは小当り(第2特別結果)に基づく特別遊技状態(
第2特別遊技状態)の終了に伴い再開される。
一方、特図2大当りである場合(ステップY659;Y)は、特図1表示中処理中であ
るかを判定する(ステップY660)。すなわちこの場合は、特図2変動表示ゲームが特
別結果になることに基づき、実行中の特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止
させられる場合である。なお、特図1変動表示ゲームがすでに変動表示を終了しているが
表示時間(停止時間)が終了していない場合も強制停止の対象となる。
特図1表示中処理中である場合(ステップY660;Y)は、ステップY662に移行
する。また、特図1表示中処理中でない場合(ステップY660;N)は、図柄確定回数
出力回数を+1更新し(ステップY661)、ステップY663に移行する。
次に、特図1ゲーム処理タイマ領域に表示時間をセーブして(ステップY663)、飾
り特図1はずれ図柄コマンドを設定して準備し(ステップY664)、飾り特図1コマン
ド領域に図柄コマンドをセーブして(ステップY665)、演出コマンド設定処理を行う
(ステップY666)。その後、飾り特図1停止コマンドを準備して(ステップY667
)、演出コマンド設定処理を行い(ステップY668)、特図1表示中処理移行設定処理
2を行う(ステップY669)。
そして、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして当り図柄コマンド領域にセ
ーブし(ステップY673)、特図2小当りであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの
結果が小当りであるかを判定する(ステップY674)。特図2小当りである場合(ステ
ップY674;Y)は、ステップY677に移行する。また、特図2小当りでない場合(
ステップY674;N)、すなわち大当りである場合は、特図2ラウンド数上限値情報領
域から情報をロードしてラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY675)、特
図2大入賞口開放情報領域から情報をロードして大入賞口開放情報領域にセーブする(ス
テップY676)。
その後、特図2停止図柄退避領域から情報をロードして特図2停止図柄領域にセーブし
(ステップY677)、特図2表示中処理移行設定処理1を行って(ステップY678)
、特図2表示中処理を終了する。
〔特図1表示中処理移行設定処理1〕
図56には、上述の特図1変動中処理での特図1表示中処理移行設定処理1(ステップ
Y648)を示した。この特図1表示中処理移行設定処理1では、まず、特図1表示中処
理に係る特図1ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY681)、特図1ゲーム処理
番号領域に処理番号をセーブする(ステップY682)。
次に、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステッ
プY683)。ここでは特別図柄1変動中信号をOFFに設定する。その後、特図1表示
器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動
停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップY684)、特
図1変動中処理移行設定処理1を終了する。
〔特図2表示中処理移行設定処理1〕
図57には、上述の特図2変動中処理での特図2表示中処理移行設定処理1(ステップ
Y678)を示した。この特図2表示中処理移行設定処理1では、まず、特図2表示中処
理に係る特図2ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY691)、特図2ゲーム処理
番号領域に処理番号をセーブする(ステップY692)。
次に、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステッ
プY693)。ここでは特別図柄2変動中信号をOFFに設定する。その後、特図2表示
器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動
停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(ステップY694)、特
図2変動中処理移行設定処理1を終了する。
〔特図1表示中処理移行設定処理2〕
図58には、上述の特図2変動中処理での特図1表示中処理移行設定処理2(ステップ
Y669)を示した。この特図1表示中処理移行設定処理2では、まず、特図1表示中処
理に係る特図1ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY701)、特図1ゲーム処理
番号領域に処理番号をセーブする(ステップY702)。
次に、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップ
Y703)、その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報と
して、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセ
ーブする(ステップY704)。
ここまでは上述の特図1表示中処理移行設定処理1と同様であり、以下、はずれ結果と
するための情報の設定を行う。まず、停止図柄パターン領域にはずれ停止図柄パターンを
セーブし(ステップY705)、特図1ラウンド数上限値情報領域をクリアする(ステッ
プY706)。
次に、特図1大入賞口開放情報領域をクリアし(ステップY707)、小当りフラグ1
領域にはずれ情報をセーブして(ステップY708)、大当りフラグ1領域にはずれ情報
をセーブする(ステップY709)。そして、特図1停止図柄退避領域をクリアし(ステ
ップY710)、特図1停止図柄領域にはずれ停止図柄番号をセーブして(ステップY7
11)、特図1表示中処理移行設定処理2を終了する。
〔特図2表示中処理移行設定処理2〕
図59には、上述の特図1変動中処理での特図2表示中処理移行設定処理2(ステップ
Y639)を示した。この特図2表示中処理移行設定処理2では、まず、特図2表示中処
理に係る特図2ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY721)、特図2ゲーム処理
番号領域に処理番号をセーブする(ステップY722)。
次に、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップ
Y723)、その後、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報と
して、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセ
ーブする(ステップY724)。
ここまでは上述の特図2表示中処理移行設定処理1と同様であり、以下、はずれ結果と
するための情報の設定を行う。まず、停止図柄パターン領域にはずれ停止図柄パターンを
セーブし(ステップY725)、特図2ラウンド数上限値情報領域をクリアする(ステッ
プY726)。
次に、特図2大入賞口開放情報領域をクリアし(ステップY727)、小当りフラグ2
領域にはずれ情報をセーブして(ステップY728)、大当りフラグ2領域にはずれ情報
をセーブする(ステップY729)。そして、特図2停止図柄退避領域をクリアし(ステ
ップY730)、特図2停止図柄領域にはずれ停止図柄番号をセーブして(ステップY7
31)、特図2表示中処理移行設定処理2を終了する。
以上の図54~図59の処理により、一方の特図変動表示ゲームが第1特別結果(大当
り)となった場合に他方の特図変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止されることと
なる。すなわち、特図1変動表示ゲームが特別結果となることに基づき特図2変動表示ゲ
ームが強制的にはずれ結果で停止される第1終了制御処理がなされ、特図2変動表示ゲー
ムが特別結果となることに基づき特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止され
る第2終了制御処理がなされることとなる。
以上のことから、第1変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)は、第1変
動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の実行制御を行っている場合に、第2変動表示ゲ
ーム実行制御手段(遊技制御装置100)によって実行制御が行われている第2変動表示
ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が第1特別結果となった場合に、当該実行制御を行って
いる第1変動表示ゲームを特別結果以外の結果として終了させることが可能であり、第2
変動表示ゲーム実行制御手段は、第2変動表示ゲームの実行制御を行っている場合に、第
1変動表示ゲーム実行制御手段によって実行制御が行われている第1変動表示ゲームが第
1特別結果となった場合に、当該実行制御を行っている第2変動表示ゲームを特別結果以
外の結果として終了させることが可能であることとなる。これにより、一方の変動表示ゲ
ームで特別結果が導出された際に他方の変動表示ゲームを強制的にはずれ結果で停止させ
ることでき、同時変動を行う場合であっても不具合が生じることのないようにすることが
できる。
〔特図1表示中処理〕
図60、図61には、上述の特図1ゲーム処理における特図1表示中処理(ステップY
110)を示した。この特図1表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当
りフラグ1設定処理にて小当りフラグ1領域に設定された小当りフラグ1をロードして(
ステップY751)、小当りフラグ1領域をクリアする(ステップY752)。
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて大当りフラグ1領域に
設定された大当りフラグ1ロードして(ステップY753)、大当りフラグ1領域をクリ
アする(ステップY754)。そして、特図1は大当りか、すなわちロードされた大当り
フラグ1が大当り情報かを判定し(ステップY755)、大当りでない場合(ステップY
755;N)は、ステップY777に移行する。また、大当りである場合(ステップY7
55;Y)は、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号
(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1
当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY756)。
そして、特図2異常変動解除コマンドを準備し(ステップY757)、演出コマンド設
定処理を行う(ステップY758)。すなわち、第1特別遊技状態の発生に伴い異常変動
報知を終了する。その後、ラウンド数上限値テーブルを設定し(ステップY759)、ラ
ウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、10又は4)を取
得してラウンド数上限値領域にセーブする(ステップY760)。さらに、ラウンド数上
限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してラウンドLEDポインタ領域にセ
ーブする(ステップY761)。
次に、特図1停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドを当り図柄コマンド領域か
らロードして準備し(ステップY762)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY7
63)。その後、ファンファーレコマンドを準備して(ステップY764)、演出コマン
ド設定処理を行う(ステップY765)。
次に、大入賞口開放情報と特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態に対応する
信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY766)。本実施形態の場合、
大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセ
ーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000ms
)を設定して(ステップY767)、設定した大当りファンファーレ時間を特図1ゲーム
処理タイマ領域にセーブする(ステップY768)。そして、大入賞口不正入賞数領域を
クリアし(ステップY770)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラ
グをセーブする(ステップY771)。次に、処理番号として3を設定し(ステップY7
74)、特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY775)。さらに、ファン
ファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY776)を行い、特図1表示中
処理を終了する。
一方、ステップY755にて、特図1は大当りでない場合(ステップY755;N)、
すなわち大当りフラグ1がはずれ情報である場合は、ロードした小当りフラグ1が小当り
(小当り情報)かを判定する(ステップY777)。そして、小当りフラグ1が小当りで
ある場合(ステップY777;Y)は、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードして
準備し(ステップY783)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY784)。さら
に、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップY785)、演出コマンド設定処
理を行って(ステップY786)、通常遊技状態中かを判定する(ステップY787)。
通常遊技状態中でない場合(ステップY787;N)は、左打ち指示に関する信号を試
験信号出力データ領域にセーブする(ステップY788)。ここでは発射位置指定信号1
をOFFにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号
をセーブする(ステップY789)。これにより第1遊技状態表示部56が消灯状態とな
り、左打ちを指示する表示となる。
一方、通常遊技状態中である場合(ステップY787;Y)は、右打ち指示に関する信
号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY790)。ここでは発射位置指定
信号1をONにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の
番号をセーブする(ステップY791)。これにより第1遊技状態表示部56が点灯状態
となり、右打ちを指示する表示となる。
その後、大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY793)、大入賞口不正監視
期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY794)、特図1小当
りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY797)を行い、特図1表示中処理を
終了する。
また、ステップY777にて、小当りフラグ1が小当りでないと判定した場合(ステッ
プY777;N)は、特図ステータス領域の特図1変動中をクリア(情報減算)し(ステ
ップY806)、特図1普段処理移行設定処理1を行って(ステップY807)、特図1
表示中処理を終了する。
〔特図2表示中処理〕
図62、図63には、上述の特図2ゲーム処理における特図2表示中処理(ステップY
141)を示した。なお、この特図2表示中処理は、上述の特図1表示中処理と同等の処
理を、特図2を対象として行うものである。この特図2表示中処理では、まず、特図2変
動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて小当りフラグ1領域に設定された小当り
フラグ1をロードして(ステップY811)、小当りフラグ2領域をクリアする(ステッ
プY812)。
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて大当りフラグ2領域に
設定された大当りフラグ2ロードして(ステップY813)、大当りフラグ2領域をクリ
アする(ステップY814)。そして、特図2は大当りか、すなわちロードされた大当り
フラグ2が大当り情報かを判定し(ステップY815)、大当りでない場合(ステップY
815;N)は、ステップY837に移行する。また、大当りである場合(ステップY8
15;Y)は、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号
(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2
当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY816)。
そして、特図2異常変動解除コマンドを準備し(ステップY817)、演出コマンド設
定処理を行う(ステップY818)。すなわち、第1特別遊技状態の発生に伴い異常変動
報知を終了する。その後、ラウンド数上限値テーブルを設定し(ステップY819)、ラ
ウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、10又は4)を取
得してラウンド数上限値領域にセーブする(ステップY820)。さらに、ラウンド数上
限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してラウンドLEDポインタ領域にセ
ーブする(ステップY821)。
次に、特図2停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドを当り図柄コマンド領域か
らロードして準備し(ステップY822)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY8
23)。その後、ファンファーレコマンドを準備して(ステップY824)、演出コマン
ド設定処理を行う(ステップY825)。
次に、大入賞口開放情報と特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態に対応する
信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY826)。本実施形態の場合、
大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセ
ーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000ms
)を設定して(ステップY827)、設定した大当りファンファーレ時間を特図2ゲーム
処理タイマ領域にセーブする(ステップY828)。そして、大入賞口不正入賞数領域を
クリアし(ステップY830)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラ
グをセーブする(ステップY831)。次に、処理番号として3を設定し(ステップY8
34)、特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY835)。さらに、ファン
ファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY836)を行い、特図2表示中
処理を終了する。
一方、ステップY815にて、特図2は大当りでない場合(ステップY815;N)、
すなわち大当りフラグ2がはずれ情報である場合は、ロードした小当りフラグ2が小当り
(小当り情報)かを判定する(ステップY837)。そして、小当りフラグ2が小当りで
ある場合(ステップY837;Y)は、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードして
準備し(ステップY843)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY844)。さら
に、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップY845)、演出コマンド設定処
理を行って(ステップY846)、通常遊技状態中かを判定する(ステップY847)。
通常遊技状態中でない場合(ステップY847;N)は、左打ち指示に関する信号を試
験信号出力データ領域にセーブする(ステップY848)。ここでは発射位置指定信号1
をOFFにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号
をセーブする(ステップY849)。これにより第1遊技状態表示部56が消灯状態とな
り、左打ちを指示する表示となる。
一方、通常遊技状態中である場合(ステップY847;Y)は、右打ち指示に関する信
号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY850)。ここでは発射位置指定
信号1をONにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の
番号をセーブする(ステップY851)。これにより第1遊技状態表示部56が点灯状態
となり、右打ちを指示する表示となる。
その後、大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY853)、大入賞口不正監視
期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY854)、特図2小当
りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY857)を行い、特図2表示中処理を
終了する。
また、ステップY837にて、小当りフラグ2が小当りでないと判定した場合(ステッ
プY837;N)は、特図ステータス領域の特図2変動中をクリア(情報減算)し(ステ
ップY866)、特図2普段処理移行設定処理1を行って(ステップY867)、特図2
表示中処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームが第1特別結果となったことに基づ
き、条件装置の作動を伴って特別変動入賞装置を開放する第1特別遊技状態を発生させる
第1特別遊技発生手段をなすとともに、変動表示ゲームが第2特別結果となったことに基
づき、条件装置の作動を伴わずに特別変動入賞装置を開放する第2特別遊技状態を発生さ
せる第2特別遊技発生手段をなす。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
図64には、上述の特図1表示中処理及び特図2表示中処理におけるファンファーレ/
インターバル中処理移行設定処理(ステップY776、Y836)の詳細について説明す
る。このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理では、まず、大当り(第1特
別遊技状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY8
71)。ここでは大当り又は小当りで出力する大当り1信号をONに設定する。次に高確
率状態と時短状態(特別図柄の変動時間短縮状態)の終了に関する信号を試験信号出力デ
ータ領域にセーブする(ステップY872)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号をO
FF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、
特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFFに設定する。
その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリア
し(ステップY873)、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブして(ステッ
プY874)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする(ステップ
Y875)。
そして、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧
時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(ステップY876)。
これにより高確率状態及び時短状態が終了し、通常確率状態かつ通常状態となる。
次に、特図ステータス領域に大当り中情報をセーブし(ステップY878)、右打ち指
示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY880)、遊技状態表
示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップY881)。
その後、特図2異常変動フラグ領域に解除フラグをセーブし(ステップY882)、特
図2異常変動数を記憶する特図2異常数領域をクリアする(ステップY883)。さらに
、特図1変動回数領域を0クリアし(ステップY884)、特図2異常変動報知タイマ領
域を0クリアして(ステップY885)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定
処理を終了する。すなわち、大当りの発生に伴い、特図2異常変動に関する情報を全てク
リアする。
〔特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理〕
図65には、上述の特図1表示中処理における特図1小当りファンファーレ中処理移行
設定処理(ステップY797)を示した。この特図1小当りファンファーレ中処理移行設
定処理では、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定し
て(ステップY891)、当該処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステ
ップY892)。
次に、小当りファンファーレ時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステッ
プY893)。ここでは現在の遊技状態を参照して、特定遊技状態である場合は小当りフ
ァンファーレ時間として1000msを設定し、特定遊技状態でない場合は小当りファン
ファーレ時間として4msを設定する。そして、小当りの開始に関する信号を外部情報出
力データ領域にセーブする(ステップY894)。ここでは大当り又は小当りで出力する
大当り1信号をONに設定する。さらに、特図1小当りの開始に関する信号を試験信号出
力データ領域にセーブする(ステップY895)。ここでは特別図柄1小当り信号をON
に設定する。
その後、特図ステータス情報に小当り中情報をセーブし(ステップY896)、ラウン
ドLEDポインタ領域に小当り表示ポインタをセーブして(ステップY897)、特図1
小当りファンファーレ中処理移行設定処理を終了する。
〔特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理〕
図66には、上述の特図2表示中処理における特図2小当りファンファーレ中処理移行
設定処理(ステップY857)を示した。この特図2小当りファンファーレ中処理移行設
定処理では、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定し
て(ステップY901)、当該処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステ
ップY902)。
次に、小当りファンファーレ時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステッ
プY903)。ここでは現在の遊技状態を参照して、特定遊技状態である場合は小当りフ
ァンファーレ時間として1000msを設定し、特定遊技状態でない場合は小当りファン
ファーレ時間として4msを設定する。そして、小当りの開始に関する信号を外部情報出
力データ領域にセーブする(ステップY904)。ここでは大当り又は小当りで出力する
大当り1信号をONに設定する。さらに、特図2小当りの開始に関する信号を試験信号出
力データ領域にセーブする(ステップY905)。ここでは特別図柄2小当り信号をON
に設定する。
その後、特図ステータス情報に小当り中情報をセーブし(ステップY906)、ラウン
ドLEDポインタ領域に小当り表示ポインタをセーブして(ステップY907)、特図2
小当りファンファーレ中処理移行設定処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
図67には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理におけるファンファーレ/
インターバル中処理(ステップY111、Y142)を示した。このファンファーレ/イ
ンターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップY95
1)、大入賞口開放情報とラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備し(ステップY
952)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY953)。
次に、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大当り中処理制御ポインタ初期値を設
定し(ステップY954)、ポインタ初期値を大当り中処理制御ポインタ領域にセーブす
る(ステップY955)。そして、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大入賞口開
放時間を設定し(ステップY956)、処理番号として4を設定する(ステップY957
)。ここで設定する開放時間としては、例えば29000msである。
次に特図1の大当りであるかを判定し(ステップY958)、特図1の大当りである場
合(ステップY958;Y)は、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブし(ステ
ップY959)、大入賞口開放時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステッ
プY960)。一方、特図1の大当りでない場合(ステップY958;N)は、処理番号
を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY961)、大入賞口開放時間を特図
2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY962)。
そして、大入賞口の開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ス
テップY963)。ここでは特別電動役物作動中信号をONに設定する。次に、特別変動
入賞装置38の開閉扉38cを開放するために大入賞口ソレノイド出力データ領域に大入
賞口オンデータをセーブし(ステップY964)、大入賞口への入賞数を計数する大入賞
口カウント数をクリアして(ステップY965)、ファンファーレ/インターバル中処理
を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
図68には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大入賞口開放中処
理(ステップY112,Y143)を示した。この大入賞口開放中処理では、まず、実行
中の特別遊技状態における現在のラウンド数とラウンド数上限値領域のラウンド数上限値
とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップY1005)
。そして、最終ラウンドでない場合(ステップY1005;N)は、ラウンド間のインタ
ーバルに係るインターバルコマンドを準備し(ステップY1006)、演出コマンド設定
処理(ステップY1008)を行う。また、最終ラウンドである場合(ステップY100
5;Y)は、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係る
エンディングコマンドを準備し(ステップY1007)、演出コマンド設定処理(ステッ
プY1008)を行う。
次に、大入賞口開放情報に対応する残存球処理時間を設定し(ステップY1009)、
処理番号として大入賞口残存球処理にかかる5を設定する(ステップY1010)。残存
球処理時間としては、600ms、800ms又は1400msが設定される。そして、
特図1の大当りであるかを判定する(ステップY1011)。
特図1の大当りである場合(ステップY1011;Y)は、処理番号を特図1ゲーム処
理番号領域にセーブし(ステップY1012)、残存球処理時間を特図1ゲーム処理タイ
マ領域にセーブする(ステップY1013)。一方、特図1の大当りでない場合(ステッ
プY1011;N)は、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY1
014)、残存球処理時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY10
15)。その後、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステッ
プY1016)、大入賞口開放中処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理〕
図69には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大入賞口残存球処
理(ステップY113、Y144)を示した。この大入賞口残存球処理では、まず、実行
中の特別遊技状態における現在のラウンド数とラウンド数上限値領域のラウンド数上限値
とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップY1041)
そして、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップY
1041;N)は、大入賞口開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブす
る(ステップY1042)。ここでは、特別電動役物作動中信号をOFFに設定する。次
に、大入賞口開放情報と今回のラウンド数とに対応するインターバル時間を設定し(ステ
ップY1043)、処理番号としてファンファーレ/インターバル中処理にかかる3を設
定する(ステップY1044)。
ラウンドとラウンドの間のインターバル期間は、ラウンドの終了から残存球処理時間が
経過し、さらに該残存球処理時間の経過からインターバル時間が経過するまでの期間とさ
れる。例えば、特図1大入賞口開閉パターン1であれば1400msの残存球処理時間と
600msのインターバル時間が設定されるので、インターバル期間は2000msとな
り、このインターバル期間において、表示装置41等でインターバル演出が実行される。
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップY1
041;Y)は、大当り終了処理移行設定処理を行い(ステップY1045)、停止図柄
パターンに対応するエンディング時間を設定して(ステップY1046)、処理番号とし
て特図1大当り終了処理又は特図2大当り終了処理にかかる6を設定する(ステップY1
047)。
そして、特図1の大当りであるかを判定する(ステップY1048)。特図1の大当り
である場合(ステップY1048;Y)は、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセー
ブし(ステップY1049)、設定した時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(
ステップY1050)、大入賞口残存球処理を終了する。一方、特図1の大当りでない場
合(ステップY1048;N)は、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(ス
テップY1051)、設定した時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップ
Y1052)、大入賞口残存球処理を終了する。
最終ラウンドの終了から特別遊技状態の終了までのエンディング期間は、最終ラウンド
の終了から残存球処理時間が経過し、さらに該残存球処理時間の経過からエンディング時
間が経過するまでの期間とされる。例えば、特図1大入賞口開閉パターン1であれば14
00msの残存球処理時間と9600msのエンディング時間が設定されるので、エンデ
ィング期間は11000msとなり、このエンディング期間において、表示装置41等で
エンディング演出が実行される。
〔大当り終了処理移行設定処理〕
図70には、上述の大入賞口残存球処理における大当り終了処理移行設定処理(ステッ
プY1045)を示した。この大当り終了処理移行設定処理においては、まず、大入賞口
の開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1071)
。ここでは、特別電動役物作動中信号をOFFに設定する。
次に、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステ
ップY1072)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリア
して(ステップY1073)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数
上限値領域の情報をクリアする(ステップY1074)。
そして、ラウンド数の上限値判定用のフラグを記憶するラウンド数上限値情報領域の情
報をクリアし(ステップY1075)、大入賞口の開放情報判定用のフラグを記憶する大
入賞口開放情報領域の情報をクリアして(ステップY1076)、大入賞口の開閉態様を
設定するための大当り中制御ポインタ領域の情報をクリアし(ステップY1077)、大
当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔特図1大当り終了処理〕
図71には、上述の特図1ゲーム処理における特図1大当り終了処理(ステップY11
4)を示した。この特図1大当り終了処理では、まず、特図1普段処理に係る処理番号と
して「0」を設定し(ステップY1101)、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセ
ーブする(ステップY1102)。
次に、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY
1103)。ここでは、大当り1信号及び大当り3信号をOFFに設定する。そして、大
当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1104)
。ここでは、条件装置作動中信号、役物連続作動装置作動中信号、特別図柄1当り信号及
び特別図柄2当り信号をOFFに設定する。
次に、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1105)、
大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY110
6)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1108)。なお、特図ステータス
領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されて
いない状態を示す特図ステータス0となる。そして、特図2ゲームウェイト時間値(ここ
では8ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY1109)。
この特図1大当り終了処理を行うことで特図1及び特図2の何れについても特図変動表
示ゲームを開始可能となるが、タイマ割込み処理においては特図1ゲーム処理の後に特図
2ゲーム処理を行うため、特図1大当り終了処理を行ったタイマ割込みで特図2ゲーム処
理において特図変動表示ゲームを開始する処理が行われて特図1変動表示ゲームよりも特
図2変動表示ゲームの方が先に開始可能となってしまう。そこで、ステップY1109に
おいて特図2ゲームウェイト時間値を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブすることで、
特図2変動表示ゲームについての開始処理を次回のタイマ割込み処理まで遅らせるように
し、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同一のタイマ割込みで処理されるよ
うにしている。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後に、第1変動表
示ゲーム実行制御手段が第1変動表示ゲームの開始に関する処理を実行可能となるまで、
第2変動表示ゲーム実行制御手段が第2変動表示ゲームの開始に関する処理を実行可能な
状態としないようにするゲーム処理待機手段をなす。
次に、特別結果が確変大当りであるかを判定し(ステップY1110)、確変大当りで
ある場合(ステップY1110;Y)は、高確率状態を設定する処理を行う。この処理で
は、まず高確率状態と時短状態(特別図柄の変動時間短縮状態)の開始に関する信号を外
部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1111)。ここでは、大当り2信号を
ONに設定する。なお、大当り2信号は特別遊技状態中もONとなっており、これを継続
するようにしている。次に、高確率状態及び時短状態の開始に関する信号を試験信号出力
データ領域にセーブする(ステップY1112)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号
、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号及び特別図柄2変動時間
短縮状態信号をONに設定する。
次に、遊技状態表示番号領域に高確率、時短ありの番号をセーブし(ステップY111
4)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率、サポありフラグをセーブする(ステッ
プY1116)。さらに、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)を
セーブして(ステップY1117)、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域
にセーブする(ステップY1126)。ここでは発射位置指定信号1をONに設定する。
そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1127
)、普電サポートを設定する特図変動表示ゲームの実行回数を管理するためのサポート回
数に初期値(ここでは100回に相当する値)をセーブして(ステップY1128)、特
図1大当り終了処理を終了する。
一方、確変大当りでない場合(ステップY1110;N)は、低確率状態を設定する処
理を行う。この処理では、まず低確率状態と時短状態の開始に関する信号を外部情報出力
データ領域にセーブする(ステップY1119)。ここでは、大当り2信号をONに設定
する。なお、大当り2信号は特別遊技状態中もONとなっており、これを継続するように
している。次に、低確率状態及び時短状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域
にセーブする(ステップY1120)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄
2高確率状態信号をOFFに設定し、特別図柄1変動時間短縮状態信号及び特別図柄2変
動時間短縮状態信号をONに設定する。
次に、遊技状態表示番号領域に低確率、時短ありの番号をセーブし(ステップY112
2)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率、サポありフラグをセーブする(ステッ
プY1124)。さらに、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)を
セーブして(ステップY1125)、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域
にセーブする(ステップY1126)。ここでは発射位置指定信号1をONに設定する。
そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1127
)、普電サポートを設定する特図変動表示ゲームの実行回数を管理するためのサポート回
数に初期値(ここでは100回に相当する値)をセーブして(ステップY1128)、特
図1大当り終了処理を終了する。
〔特図2大当り終了処理〕
図72には、上述の特図2ゲーム処理における特図2大当り終了処理(ステップY14
5)を示した。この特図2大当り終了処理は上述の特図1大当り処理でのステップY11
09を行わない以外は同等の処理である。まず、特図2普段処理に係る処理番号として「
0」を設定し(ステップY1131)、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブす
る(ステップY1132)。
次に、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY
1133)。ここでは、大当り1信号及び大当り3信号をOFFに設定する。そして、大
当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1134)
。ここでは、条件装置作動中信号、役物連続作動装置作動中信号、特別図柄1当り信号及
び特別図柄2当り信号をOFFに設定する。
次に、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1135)、
大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY113
6)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1138)。なお、特図ステータス
領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されて
いない状態を示す特図ステータス0となる。
次に、特別結果が確変大当りであるかを判定し(ステップY1110)、確変大当りで
ある場合(ステップY1139;Y)は、高確率状態を設定する処理を行う。この処理で
は、まず高確率状態と時短状態(特別図柄の変動時間短縮状態)の開始に関する信号を外
部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1140)。ここでは、大当り2信号を
ONに設定する。なお、大当り2信号は特別遊技状態中もONとなっており、これを継続
するようにしている。次に、高確率状態及び時短状態の開始に関する信号を試験信号出力
データ領域にセーブする(ステップY1141)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号
、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号及び特別図柄2変動時間
短縮状態信号をONに設定する。
次に、遊技状態表示番号領域に高確率、時短ありの番号をセーブし(ステップY114
3)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率、サポありフラグをセーブする(ステッ
プY1145)。さらに、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)を
セーブして(ステップY1146)、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域
にセーブする(ステップY1155)。ここでは発射位置指定信号1をONに設定する。
そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1156
)、普電サポートを設定する特図変動表示ゲームの実行回数を管理するためのサポート回
数に初期値(ここでは100回に相当する値)をセーブして(ステップY1157)、特
図2大当り終了処理を終了する。
一方、確変大当りでない場合(ステップY1139;N)は、低確率状態を設定する処
理を行う。この処理では、まず低確率状態と時短状態の開始に関する信号を外部情報出力
データ領域にセーブする(ステップY1148)。ここでは、大当り2信号をONに設定
する。なお、大当り2信号は特別遊技状態中もONとなっており、これを継続するように
している。次に、低確率状態及び時短状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域
にセーブする(ステップY1149)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄
2高確率状態信号をOFFに設定し、特別図柄1変動時間短縮状態信号及び特別図柄2変
動時間短縮状態信号をONに設定する。
次に、遊技状態表示番号領域に低確率、時短ありの番号をセーブし(ステップY115
1)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率、サポありフラグをセーブする(ステッ
プY1153)。さらに、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)を
セーブして(ステップY1154)、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域
にセーブする(ステップY1155)。ここでは発射位置指定信号1をONに設定する。
そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1156
)、普電サポートを設定する特図変動表示ゲームの実行回数を管理するためのサポート回
数に初期値(ここでは100回に相当する値)をセーブして(ステップY1157)、特
図2大当り終了処理を終了する。
これらの特図1大当り処理及び特図2大当り処理により、確変大当りに基づく特別遊技
状態の終了後には高確率状態かつ普電サポートありの第1特定遊技状態が設定されること
となる。また、通常大当りに基づく特別遊技状態の終了後には低確率状態かつ普電サポー
トありの第2特定遊技状態が設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、
特別遊技状態の終了後に、ゲームの結果が特別結果のうちの第1特別結果となる確率を低
確率状態よりも高めた高確率状態とすることが可能な確率設定手段をなす。また、遊技制
御装置100が、特別遊技状態の終了後に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特
定遊技状態を発生可能な特定遊技状態発生手段をなす。
〔小当りファンファーレ中処理〕
次に、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における小当りファンファーレ中
処理(ステップY115、Y146)の詳細について説明する。図73に示すようにこの
小当りファンファーレ中処理では、まず、小当り開放中コマンドを準備し(ステップY1
201)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1202)。次に、小当り動作の開
始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1203)。ここで
は特別電動役物作動中信号をONに設定する。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領
域に大入賞口オンデータをセーブし(ステップY1204)、大入賞口への入賞数を計数
する大入賞口カウント数領域をクリアする(ステップY1205)。
その後、処理番号として小当り中処理にかかる8を設定し(ステップY1206)、小
当り種類が小当り1であるかを判定する(ステップY1207)。小当り種類が小当り1
である場合(ステップY1207;Y)は、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセー
ブし(ステップY1208)、小当り開放時間1(ここでは48ms)を特図1ゲーム処
理タイマ領域にセーブして(ステップY1209)、小当りファンファーレ中処理を終了
する。
また、小当り種類が小当り1でない場合(ステップY1207;N)は、特図2ゲーム
処理番号領域に処理番号をセーブし(ステップY1210)、小当り種類に対応する開放
時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1211)、小当りファン
ファーレ中処理を終了する。小当り種類に対応する開放時間としては、小当り2の場合に
1000ms、小当り3の場合に1200ms、小当り4の場合に1600msを設定す
る。
〔小当り中処理〕
図74には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における小当り中処理(ス
テップY116、Y147)を示した。この小当り中処理では、まず、小当り終了画面コ
マンドを準備し(ステップY1241)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY12
42)。次に、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップ
Y1243)、処理番号として小当り残存球処理にかかる9を設定する(ステップY12
44)。
その後、小当り種類が小当り1であるかを判定する(ステップY1245)。小当り種
類が小当り1である場合(ステップY1245;Y)は、特図1ゲーム処理番号領域に処
理番号をセーブし(ステップY1246)、小当り残存球処理時間1(ここでは600m
s)を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1209)、小当り中処理
を終了する。
また、小当り種類が小当り1でない場合(ステップY1245;N)は、特図2ゲーム
処理番号領域に処理番号をセーブし(ステップY1248)、小当り種類に対応する小当
り残存球処理時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1249)、
小当り中処理を終了する。小当り種類に対応する小当り残存球処理時間としては、小当り
2の場合に600ms、小当り3又は4の場合に800msを設定する。
〔小当り残存球処理〕
図75には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における小当り残存球処理
(ステップY117、Y148)を示した。この小当り残存球処理では、まず、特図1の
小当りであるかを判定する(ステップY1271)。特図1の小当りである場合(ステッ
プY1271;Y)は、処理番号として特図1小当り終了処理にかかる10を設定して(
ステップY1272)、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY
1273)。次に、小当りエンディング時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(
ステップY1274)、ステップY1278に移行する。
また、特図1の小当りでない場合(ステップY1271;N)は、処理番号として特図
2小当り処理にかかる10を設定して(ステップY1275)、処理番号を特図2ゲーム
処理番号領域にセーブする(ステップY1276)。次に、小当りエンディング時間を特
図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1277)、ステップY1278に移
行する。
特図1、特図2の何れの小当りであっても、小当りエンディング時間の設定(ステップ
Y1274、Y1277)においては現在の遊技状態を参照して、特定遊技状態である場
合は小当りエンディング時間として1200ms又は1400msを設定し、特定遊技状
態でない場合は小当りエンディング時間として100msを設定する。これにより、残存
球処理時間とエンディング時間を併せたエンディング期間の長さは、特定遊技状態である
場合は2000msとなり、特定遊技状態でない場合は700ms又は900msとなる
そして、小当り動作の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステ
ップY1278)。ここでは、特別電動役物作動中信号をOFFに設定する。さらに、大
入賞口カウント数領域をクリアして(ステップY1279)、小当り残存球処理を終了す
る。
〔特図1小当り終了処理〕
図76には、上述の特図1ゲーム処理における特図1小当り終了処理(ステップY11
8)を示した。この特図1小当り終了処理では、まず、処理番号として特図1普段処理に
かかる0を設定し(ステップY1301)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセー
ブする(ステップY1302)。
次に、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY
1303)。ここでは、特別図柄1小当り信号をOFFに設定する。そして、大入賞口不
正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1304)、ラウ
ンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1305)、特図ステータ
ス領域をクリアする(ステップY1306)。特図ステータス領域のクリアにより、特図
1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステ
ータス0となる。
次に、通常遊技状態中であるかを判定し(ステップY1307)、通常遊技状態中でな
い場合(ステップY1307;N)は、ステップY1310に移行する。また、通常遊技
状態中である場合(ステップY1307;Y)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出
力データ領域にセーブする(ステップY1308)。ここでは、発射位置指定信号1をO
FFに設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(ス
テップY1309)、特図2変動表示ゲームが中断中であるかを判定する(ステップY1
310)。
特図2変動表示ゲームが中断中でない場合(ステップY1310;N)は、特図2ゲー
ム中断フラグ領域をクリアし(ステップY1313)、特図2ゲームウェイト時間値とし
て特図2ゲーム処理タイマ領域8msに相当する値(ここでは2)をセーブして(ステッ
プY1314)、特図1小当り終了処理を終了する。また、特図2変動表示ゲームが中断
中である場合(ステップY1310;Y)は、飾り特図2再開コマンドを準備し(ステッ
プY1311)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1312)。その後、特図2
ゲーム中断フラグ領域をクリアして(ステップY1313)、特図2ゲームウェイト時間
値として特図2ゲーム処理タイマ領域8msに相当する値をセーブして(ステップY13
14)、特図1小当り終了処理を終了する。
これにより、特図1変動表示ゲームでの小当りに基づく特別遊技状態の終了に伴い、中
断されていた特図2変動表示ゲームが再開されるようになる。また、特図2ゲームウェイ
ト時間値として特図2ゲーム処理タイマ領域8msに相当する値をセーブすることで、特
図2変動表示ゲームについての開始処理を次回のタイマ割込み処理まで遅らせるようにし
、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同一のタイマ割込みで処理されるよう
にしている。
〔特図2小当り終了処理〕
図77には、上述の特図2ゲーム処理における特図2小当り終了処理(ステップY14
9)を示した。この特図2小当り終了処理では、まず、処理番号として特図2普段処理に
かかる0を設定し(ステップY1331)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセー
ブする(ステップY1332)。
次に、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY
1333)。ここでは、特別図柄2小当り信号をOFFに設定する。そして、大入賞口不
正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1334)、ラウ
ンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブして(ステップY1335)、特図ステー
タス領域をクリアする(ステップY1336)。特図ステータス領域のクリアにより、特
図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ス
テータス0となる。
次に、通常遊技状態中であるかを判定し(ステップY1337)、通常遊技状態中でな
い場合(ステップY1337;N)は、ステップY1340に移行する。また、通常遊技
状態中である場合(ステップY1337;Y)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出
力データ領域にセーブする(ステップY1338)。ここでは、発射位置指定信号1をO
FFに設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(ス
テップY1339)、特図1変動表示ゲームが中断中であるかを判定する(ステップY1
340)。
特図1変動表示ゲームが中断中でない場合(ステップY1340;N)は、特図1ゲー
ム中断フラグ領域をクリアし(ステップY1343)、特図2小当り終了処理を終了する
。また、特図1変動表示ゲームが中断中である場合(ステップY1340;Y)は、飾り
特図1再開コマンドを準備し(ステップY1341)、演出コマンド設定処理を行う(ス
テップY1342)。その後、特図1ゲーム中断フラグ領域をクリアして(ステップY1
343)、特図2小当り終了処理を終了する。これにより、特図1変動表示ゲームでの小
当りに基づく特別遊技状態の終了に伴い、中断されていた特図2変動表示ゲームが再開さ
れるようになる。
すなわち、遊技制御装置100が、第1変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置1
00)と第2変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)のいずれか一方の変動
表示ゲーム実行制御手段によって一方の変動表示ゲームの実行制御を行っている場合に、
他方の変動表示ゲーム実行制御手段によって実行制御が行われている他方の変動表示ゲー
ムが特別結果となった場合に、一方の変動表示ゲームを中断して他方の変動表示ゲームに
基づく特別遊技状態が終了したのちに中断していた一方の変動表示ゲームを再開する再開
制御を実行可能な再開制御手段をなす。
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マ
イコン(CPU)311では、図78に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理
を行う。
〔メイン処理〕
図78に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプ
ログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定
を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割
込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC
5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値を
セーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理として
ループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアす
る(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信
号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を
行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で
行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があっ
た時に、演出内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLED
や液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う
(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を
更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェッ
ク処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編
集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定
する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を
行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/3
0秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画
像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施
形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/6
0秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイ
ミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り
替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切
り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した
場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステ
ップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)に
は、画面描画を指示する(ステップC16)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する
制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18など
のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレ
ノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、演出を制御する盤演出設
定処理(ステップC20)を行って、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図79には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信
コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを
受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(
ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)
。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、受信
コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ス
テップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算す
る(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204
)、コマンド読出インデックスを0~31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コ
マンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。
このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、
受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマン
ド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中
に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)
を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位
でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定し
た場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド
受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、
コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステッ
プC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分の
コマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信
数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、
ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと
判定した場合(ステップC210;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。こ
のように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信した
コマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存でき
る構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図80には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した
。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトを
ACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常
範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びA
CTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)
には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC23
4)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でない
と判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップ
C234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC2
34;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(
ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する
(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドであ
る。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235
;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理
を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定す
る(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファ
ーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作
(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MO
DEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大
当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合
(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定す
る(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の
停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマ
ンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(
ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系
コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄
コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立する
コマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄
停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどが
ある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC24
1;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処
理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判
定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると
判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC2
44)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した
場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否
かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲で
あると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステッ
プC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、
MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)
には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するため
に必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出
ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表
示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンにな
るか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始
動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演
出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド
)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知ら
せるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信さ
れる。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に
遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
〔変動系コマンド処理〕
図81には、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC2
36)を示した。この変動系コマンド処理では、まず、特図種別が未確定であるかを判定
する(ステップC361)。特図種別とは、特図の種別が特図1か特図2かを示す情報で
あり、上述の図柄系コマンド処理のステップC251で設定される情報である。
この特図種別が未確定である場合(ステップC361;Y)は、変動系コマンド処理を
終了する。また、特図種別が未確定でない場合(ステップC361;N)、すなわち特図
種別が設定されている場合は、変動コマンドと図柄コマンドの組み合わせをチェックし(
ステップC362)、変動コマンドと図柄種別が不整合であるかを判定する(ステップC
363)。
変動コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップC363;Y)は、変動系コマ
ンド処理を終了する。また、変動コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップC3
63;N)は、変動コマンドから変動パターン種別を判別する(ステップC364)。図
柄種別とは図柄のカテゴリを意味し、図柄種別には例えば、はずれ図柄、10R大当り図
柄、4R大当り図柄、小当り図柄などがある。変動コマンドと図柄種別が不整合である場
合とは、はずれの変動コマンド(変動パターンコマンド)を受信したのに、10R大当り
図柄の図柄コマンドを受信していた時のような、演出を行う上で矛盾してしまう組み合わ
せ(変動コマンドと図柄種別の組み合わせ)であることを意味する。
変動コマンドから変動パターン種別を判別する処理(ステップC364)では、受信し
たコマンドに応じて、特図の変動表示演出の大まかな分類である変動パターン種別を判別
する。そして、変動コマンドに応じた演出を行うための情報を設定する変動演出設定処理
を行う(ステップC365)。
次に、P機状態(パチンコ機の状態)として特図変動中を設定する(ステップC366
)。ここで、特図変動中とは、特図の変動中(客待ちデモ中や大当り中、或いはファンフ
ァーレ中等でないこと)を表している。さらに、先読み演出回数(先読み実行回数)がゼ
ロでなければ先読み演出回数を-1更新(先読み演出回数を1だけ減らす処理)し(ステ
ップC367)、変動系コマンド処理を終了する。
〔変動演出設定処理〕
図82には、上述の変動系コマンド処理における変動演出設定処理(ステップC365
)を示した。この変動演出設定処理では、まず、変動パターン種別がリーチなし変動であ
るかを判定する(ステップC381)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(
ステップC381;Y)は、機種コード及び特図種別とその時点の演出モードに対応する
前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC382)。なお演出モー
ドは、演出制御装置300が管理する遊技モードに相当し、機種によって当然異なるが、
ここでは通常モード、確変モードなどがある。さらに、各モード内に予告演出の振り分け
率や表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出態様を異ならせた複数のモード
を設けている。
次に、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、特図種別の保留
数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(ステップC383)
。これによりリーチなし変動の場合には、各変動中に出現する予告演出の抽選内容(具体
的には各予告演出態様の出現率)を保留数に応じて変化させることが可能となる。その後
、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステ
ップC386)。
一方、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(ステップC381;N)は、機
種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレス
テーブルを設定する(ステップC384)。そして、前半予告振分グループアドレステー
ブルを参照して、MODE、変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブル
のアドレスを取得し(ステップC385)、前半予告振分グループテーブルを使って前半
変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC386)。
次に、後半変動の予告演出を抽選する。なお、特図変動表示ゲームの後半変動とはいわ
ゆるリーチアクション(例えば、特図の複数列の表示領域のうち特定領域を除く表示領域
が大当りとなる特別結果態様(特別な図柄の組合せ)で変動表示が停止していて、特定領
域のみで変動表示している状態)の変動表示である。一方、特図変動表示ゲームの前半変
動とはリーチアクション開始前までの変動表示である。
まず、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する後半予告振分グルー
プアドレステーブルを設定する(ステップC387)。後半予告振分グループアドレステ
ーブルは、後半予告振分グループテーブルのアドレスを選択するためのテーブルである。
そして、後半予告振分グループアドレステーブルを参照してACTに対応する後半予告振
分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC388)、後半予告振分グループテ
ーブルを使って後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(ステップC389
)。
その後、MODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定し(ステップC390)、
予告抽選結果に対応する演出の内容を決定する(ステップC391)。これにより、飾り
特図変動表示ゲームの変動時間や主なリーチ内容などの演出や予告が決定されることとな
る。さらに、決定された特図変動表示ゲームの変動パターン(リーチ演出など)や予告内
容、遊技状態も参照して停止図柄を決定する停止図柄設定処理を行う(ステップC392
)。
次に、変動演出の表示設定を行い(ステップC393)、予告演出の表示設定を行う(
ステップC394)。これらの処理により、上述したように設定された飾り特図変動表示
ゲームでの演出や予告が実行可能となる。その後、特図種別に対応する保留減少の表示設
定を行う(ステップC395)。この処理では特図変動表示ゲームを開始する際に対応す
る始動記憶の減少に対応して飾り始動記憶表示を減少させる設定を行う。
そして、BGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である
装飾番号を設定し(ステップC396)、特図種別に対応する飾り特図変動(識別情報の
変動表示)の表示設定を行う(ステップC397)。さらに、識別情報の変動表示とは別
に飾り特図変動表示ゲームを表示する第4図柄の変動表示を設定するために、特図種別に
対応する第4図柄変動の表示設定を行い(ステップC398)、変動演出設定処理を終了
する。
〔単発系コマンド処理〕
図83には、上述の受信コマンド解析処理における単発系コマンド処理を示した。この
単発系コマンド処理では、まず、MODEは遊技制御装置100に設定された機種に関す
る情報を含む機種指定コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC261)
。そして、MODEは機種指定コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップ
C261;Y)は、内部情報をコマンドに対応する機種情報に書き換える機種設定処理を
行い(ステップC262)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC261で、MODEは機種指定コマンドに対応するものでないと判定
した場合(ステップC261;N)は、RAM111Cの初期化を行ったことを示すRA
M初期化コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC263)。そして、M
ODEはRAM初期化コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC263
;Y)には、RAM初期化処理を行い(ステップC264)、単発系コマンド処理を終了
する。RAM初期化処理(ステップC264)では、初期化の必要な領域を初期化し、R
AM初期化画面情報を設定する。さらに、RAM初期化が行われた際の演出を行うために
RAM初期化用シナリオデータを設定する。
また、ステップC263で、MODEはRAM初期化コマンドに対応するものでないと
判定した場合(ステップC263;N)は、MODEはRAM111Cの初期化を行わず
に停電から復旧したことを示す停電復旧コマンドに対応するものであるかを判定する(ス
テップC265)。そして、MODEは停電復旧コマンドに対応するものであると判定し
た場合(ステップC265;Y)には、停電復旧処理を行い(ステップC266)、単発
系コマンド処理を終了する。停電復旧処理(ステップC266)では、初期化の必要な領
域を初期化し、停電復旧画面を表示するための復旧画面情報を設定する。さらに、停電復
旧の際の演出を行うために停電復旧用シナリオデータを設定する。
また、ステップC265で、MODEは停電復旧コマンドに対応するものでないと判定
した場合(ステップC265;N)は、MODEは客待ちデモの開始を示す客待ちデモコ
マンドに対応するものであるかを判定する(ステップC267)。そして、MODEは客
待ちデモコマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC267;Y)には、
客待ちデモ処理を行い(ステップC268)、単発系コマンド処理を終了する。客待ちデ
モ処理(ステップC268)では、P機(パチンコ機)状態を客待ちデモ中に設定し、客
待ち演出を行うために客待ち用シナリオデータを設定する。
また、ステップC267で、MODEは客待ちデモコマンドに対応するものでないと判
定した場合(ステップC267;N)には、MODEは特図1保留であるかを判定する(
ステップC269)。そして、MODEは特図1保留である場合(ステップC269;Y
)には、発生した保留に対応する飾り始動記憶表示を表示装置41に表示する処理などを
行う特図1保留情報設定処理を行い(ステップC270)、単発系コマンド処理を終了す
る。また、ステップC269で、MODEは特図1保留に対応するものでないと判定した
場合(ステップC269;N)には、MODEは特図2保留であるかを判定する(ステッ
プC271)。そして、MODEは特図2保留である場合(ステップC271;Y)には
、発生した保留に対応する処理などを行う特図2保留情報設定処理を行い(ステップC2
72)、単発系コマンド処理を終了する。すなわち、演出制御装置300が、個々の始動
記憶に対応した始動記憶表示(飾り始動記憶表示)により始動記憶に関する情報を表示す
る始動記憶報知表示を行う始動記憶表示手段をなす。
また、ステップC271で、MODEは特図2保留でない場合(ステップC271;N
)には、MODEは確率情報であるかを判定する(ステップC273)。そして、MOD
Eは確率情報である場合(ステップC273;Y)には、現在の確率状態に関する設定を
行う確率情報設定処理を行い(ステップC274)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC273で、MODEは確率情報でない場合(ステップC273;N)
には、MODEはエラー/不正であるかを判定する(ステップC275)。そして、MO
DEはエラー/不正である場合(ステップC275;Y)には、エラー報知を行うなどの
対応する処理を行うエラー/不正設定処理を行い(ステップC276)、単発系コマンド
処理を終了する。エラー/不正設定処理(ステップC276)では、エラーや不正に関す
るコマンドを受信した際の報知の処理や、右打ち指示報知コマンド又は左打ち指示報知コ
マンドを受信した際の警告表示の処理等が行われる。
また、ステップC275で、MODEはエラー/不正でない場合(ステップC275;
N)には、MODEは演出モード切替であるかを判定する(ステップC277)。そして
、MODEは演出モード切替である場合(ステップC277;Y)には、演出モードを切
り替える処理を行う演出モード切替処理を行い(ステップC278)、単発系コマンド処
理を終了する。
また、ステップC277で、MODEは演出モード切替でない場合(ステップC277
;N)には、MODEは図柄停止であるかを判定する(ステップC279)。そして、M
ODEは図柄停止でない場合(ステップC279;N)は、単発系コマンド処理を終了す
る。また、MODEは図柄停止である場合(ステップC279;Y)には、正常なコマン
ドであるかを判定する(ステップC280)。正常なコマンドであるかの判定では、例え
ば飾り特図停止コマンドの対象が現在変動中の特図を対象としたものであるかを判定する
そして、正常なコマンドでない場合(ステップC280;N)は、単発系コマンド処理
を終了する。また、正常なコマンドである場合(ステップC280;Y)は、対応する特
図の停止設定を行い(ステップC281)、全図柄が停止したなら遊技状態フラグを通常
状態に設定して(ステップC282)、単発系コマンド処理を終了する。これにより、対
応する飾り特図変動表示ゲームの変動表示が停止する。遊技状態フラグは現在の遊技状態
を示すフラグであり、通常状態の他、変動中、大当り中、小当り中などの状態を示すフラ
グがあり、状況に応じて適切なフラグが設定される。
〔大当り系コマンド処理〕
図84には、上述の受信コマンド解析処理における大当り系コマンド処理(ステップC
238)を示した。この大当り系コマンド処理では、まず、MODEはファンファーレで
あるかを判定する(ステップC401)。すなわち、受信したコマンドが図柄情報(停止
図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドや小当りファンファ
ーレコマンドであるかを判定する。そして、MODEはファンファーレである場合(ステ
ップC401;Y)は、大当り種類や小当りに応じたファンファーレ表示画像の設定、連
続回数表示部96の値を加算する処理などを行うファンファーレ演出設定処理を行い(ス
テップC402)、P機状態をファンファーレ中に設定して(ステップC403)、大当
り系コマンド処理を終了する。
MODEはファンファーレでない場合(ステップC401;N)は、MODEはラウン
ドであるかを判定する(ステップC404)。すなわち、受信したコマンドが特別遊技状
態のラウンド数に対応するラウンドコマンドであるかを判定する。そして、MODEはラ
ウンドである場合(ステップC404;Y)は、ラウンド数表示情報の更新などを行うラ
ウンド演出設定処理を行い(ステップC405)、P機状態をラウンド中に設定し(ステ
ップC406)、大当り系コマンド処理を終了する。
MODEはラウンドでない場合(ステップC404;N)は、MODEはインターバル
であるかを判定する(ステップC407)。すなわち、受信したコマンドがラウンド間の
インターバルに関するインターバルコマンドであるかを判定する。そして、MODEはイ
ンターバルである場合(ステップC407;Y)は、インターバル中の演出の設定を行う
インターバル演出設定処理を行い(ステップC408)、P機状態をインターバル中に設
定し(ステップC409)、大当り系コマンド処理を終了する。また、MODEはインタ
ーバルでない場合(ステップC407;N)は、MODEはエンディングであるかを判定
する(ステップC410)。すなわち、受信したコマンドが最終ラウンド終了後のエンデ
ィングに関するエンディングコマンドや、小当り終了時の小当り終了画面コマンドである
かを判定する。
MODEはエンディングである場合(ステップC410;Y)は、大当りや小当り終了
時のエンディング演出の設定などを行うエンディング演出設定処理を行い(ステップC4
11)、P機状態をエンディング中に設定し(ステップC412)、大当り系コマンド処
理を終了する。また、MODEはエンディングでない場合(ステップC410;N)は、
MODEはカウントであるかを判定する(ステップC413)。すなわち、受信したコマ
ンドが特別変動入賞装置への入賞に基づく大入賞口カウントコマンドであるかを判定する
MODEはカウントでない場合(ステップC413;N)は、大当り系コマンド処理を
終了する。MODEはカウントである場合(ステップC413;Y)は、特別変動入賞装
置38への入賞に対応した演出を設定するカウント演出設定処理(ステップC414)を
行い、大当り系コマンド処理を終了する。
以上のような演出制御装置300における処理により、図22、図23に示したような
演出状態に応じた演出や、図24に示したような表示装置41における演出表示などが行
われることとなる。
〔第1変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、
上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分につ
いては同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊
技機は、第3特定遊技状態ST4において開始される大当りとなる特図変動表示ゲームに
ついての変動時間の振り分けが異なる。
本変形例では、図28(c)に示した第3特定遊技状態で結果が大当りとなる場合の変
動パターンの振り分けに替えて図85に示す変動パターンの振り分けを行う。図85に示
す変動パターンの振り分けでは、特別遊技状態の終了後に実行した特図変動表示ゲームの
実行回数により振り分けが異なるようにされている。
図85(a)に示すように特別遊技状態の終了後101~150ゲーム目である場合、
すなわち、第3特定遊技状態の開始から50ゲーム以内である場合は、最も短い変動時間
である150000msの変動パターンが最も高い割合で選択されるようになっている。
また、図85(b)に示すように特別遊技状態の終了後151~200ゲーム目である場
合、すなわち、第3特定遊技状態の開始から51~100ゲームである場合は、変動時間
が2番目に短い250000msの変動パターンが最も高い割合で選択されるようになっ
ている。
また、図85(c)に示すように特別遊技状態の終了後201~250ゲーム目である
場合、すなわち、第3特定遊技状態の開始から101~250ゲームである場合は、変動
時間が3番目に短い300000msの変動パターンが最も高い割合で選択されるように
なっている。そして、図85(d)に示すように特別遊技状態の終了後251ゲーム目以
降である場合、すなわち、第3特定遊技状態の開始から251ゲーム以上である場合は、
最も変動時間が長い450000msの変動パターンが最も高い割合で選択されるように
なっている。
つまり、第3特定遊技状態で実行したゲーム数が多いほど長い変動時間が選択される割
合が高くなるようにされている。長い変動時間が選択されるほど第4特定遊技状態の滞在
期間がながくなり獲得可能となる賞球数が多くなるため、高確率状態であるにもかかわら
ず長期間大当りが導出されない嵌り状態が長いほど遊技者に多くの利益を付与可能となる
。これにより、大当りが導出されない不満感を解消することができる。また、逆に嵌り状
態が長期間継続することを期待するという従来の遊技機にはない興趣を持たせることがで
きる。
なお、図85に示した振り分けは一例であって、テーブルを変更するゲーム数の区切り
や、各テーブルでの変動時間の振り分けなどは任意に設定可能である。上述の効果を奏す
るためには、第3特定遊技状態の滞在時間が長いほど大当りとなる特図変動表示ゲームに
ついて長い変動時間の選択割合が高くなるようにすれば良い。例えば、第3特定遊技状態
で実行した特図変動表示ゲームの実行時間の累計値が長いほど大当りとなる特図変動表示
ゲームについて長い変動時間の選択割合が高くなるようにしても良い。
また、逆に第3特定遊技状態の滞在時間(ゲーム数や実行時間)が長いほど大当りとな
る特図変動表示ゲームについて長い変動時間の選択割合が低くなるようにしても良い。こ
のようにすることで、早期に特別結果が導出させることができた遊技者に対して特典を与
えることができる。また、第3特定遊技状態の滞在時間が所定範囲の場合に大当りとなる
特図変動表示ゲームについて長い変動時間の選択割合が最も高くなるようにしても良い。
例えば、第3特定遊技状態の開始から101~250ゲームである場合に大当りとなる特
図変動表示ゲームについて長い変動時間の選択割合が最も高くなるようにしても良い。ま
た、このような期間を複数設けても良い。このようにすれば、第3特定遊技状態の中に有
利な期間と不利な期間を設けることができて、遊技の興趣を向上することができる。
以上のことから、始動入賞口(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動
入賞口97)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの
結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において
、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、始動入賞
口をなす第1始動入賞口36と、始動入賞口をなし、遊技球が入賞不能な閉状態と、遊技
球の入賞が容易な開状態と、に変換可能であり、入賞により変動表示ゲームの実行権利を
発生可能な普通変動入賞装置37と、普通変動入賞装置37の下流側であって当該普通変
動入賞装置へ入賞可能な経路を経て入賞可能となる位置に配された始動入賞口をなす第2
始動入賞口97と、を備え、制御手段は、普通変動入賞装置37の動作状態を、第1動作
状態と、該第1動作状態よりも入賞が容易な第2動作状態と、の何れかの動作状態で制御
し、変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率状態を低確率状態と、該低確率状態より
も高い高確率状態との何れかに設定し、第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37へ
の遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動入
賞口97への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行し、
第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームは同時に実行可能であり、高確率状態では、変
動表示ゲームの実行時間を低確率状態よりも短くなるようにし、特別結果には、遊技状態
に応じて導出される確率を変化させることが可能な第1特別結果と、遊技状態にかかわら
ず導出される確率が一定の第2特別結果と、があり、第2変動表示ゲームにおける第2特
別結果が導出される確率は、第1特別結果が導出される確率よりも高い確率とし、変動表
示ゲームの結果が第1特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態として第1
特別遊技状態を実行し、変動表示ゲームの結果が第2特別結果となった場合に、遊技者に
有利な特別遊技状態として第2特別遊技状態を実行し、高確率状態かつ第2動作状態であ
る場合に特別結果となる変動表示ゲームを実行する場合には第1動作状態に移行するよう
にし、当該変動表示ゲームの実行時間を前回の特別遊技状態の終了からの変動表示ゲーム
の実行回数に応じて選択するようにしたこととなる。したがって、特別遊技状態の終了か
らの変動表示ゲームの実行回数に応じて遊技者に付与する利益を異ならせることができ、
遊技の興趣を向上することができる。
〔第2変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、
上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分につ
いては同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊
技機は、遊技状態の遷移が異なる。
図86には本変形例での遊技状態の遷移を示した。本変形例では第3特定遊技状態ST
4は設定されておらず、第1特定遊技状態ST2において転落抽選に当選せず、特別結果
も導出されずに100回の特図変動表示ゲームを実行した場合は、第4特定遊技状態ST
5に移行する。そして、第4特定遊技状態ST5において転落抽選に当選した場合は、通
常遊技状態ST1に移行する。また、第4特定遊技状態ST5において確変大当りが導出
された場合は特別遊技状態の後に第1特定遊技状態ST2に移行し、通常大当りが導出さ
れた場合は特別遊技状態の後に第2特定遊技状態ST3に移行するようになっている。
図87には、本変形例の第4特定遊技状態ST5において選択される変動パターンを示
した。図87(a)は、結果がはずれの場合であって転落抽選に当選しない特図変動表示
ゲームの変動パターンであり、図87(b)は、結果が小当りの場合であって転落抽選に
当選しない特図変動表示ゲームの変動パターンである。いずれも通常遊技状態よりも変動
時間が短縮されたものとなっている。また、図87(c)に示すように、結果がはずれ又
は小当りの場合であって転落抽選に当選した特図変動表示ゲームについては、同じ変動時
間が設定されるとともに、共通の特定演出が実行される。
さらに、図87(d)に示すように、結果が大当りとなる特図変動表示ゲームについて
は、イレギュラー変動となる特図1変動表示ゲームに対しては転落抽選に当選しない場合
には20000msが設定され、転落抽選に当選した場合には10000msが設定され
るとともに、結果がはずれ又は小当りの場合に転落抽選に当選した場合と共通の特定演出
が設定される。また、メイン変動となる特図2変動表示ゲームに対しては転落抽選の当選
の有無にかかわらず10000msが設定されるとともに、結果がはずれ又は小当りの場
合に転落抽選に当選した場合と共通の特定演出が設定される。
この転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動時間は、通常遊技状態ST1におい
て大当りとなる特図変動表示ゲームの変動の変動時間(図28参照)よりも短くなってい
る。このため、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが先に開始又は同時に開始された
場合には、必ず転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが先に終了する。これにより、少
なくとも転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが先に開始又は同時に開始された場合に
は両方の特図変動表示ゲームの変動時間を参照することなく演出内容を決定でき、処理を
簡単にすることができる。
なお、転落抽選は特図変動表示ゲームの開始時に行われ、その後に変動パターンが決定
されることから、図87(c)、(d)において転落抽選に当選した特図変動表示ゲーム
の変動パターンとしているものについて厳密に言えば通常遊技状態ST1の場合に選択さ
れる変動パターンであるが、理解を容易にするため第4特定遊技状態ST5での変動パタ
ーンとして説明する。
図88、図89には、第4特定遊技状態ST5が終了する際の演出の実行態様を示した
。図88(a)には、結果がはずれとなる特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合
を示した。第4特定遊技状態ST5である状態では小当りRUSH演出が設定される。こ
の第4特定遊技状態ST5では特図2変動表示ゲームを主体として遊技が進行する(t7
1、t72)。また、小当りが高い確率で導出され、小当りが導出された場合には(t7
3)、第2特別遊技状態となり(t73~t76)、特別変動入賞装置38の開放(t7
4~t75)が行われる。
そして、新たな特図2変動表示ゲームが開始された際に転落抽選に当選しており、確率
状態が低確率状態とされ(t76)、遊技状態は通常遊技状態ST1となる。転落抽選に
当選した特図変動表示ゲームについては変動時間として一定の時間(ここでは10000
ms)が設定され(t76~t77)、この特図変動表示ゲームの実行中は第1特定演出
が行われる。この特図変動表示ゲームの終了後は通常遊技状態ST1に対応した通常モー
ド演出となる(t78)。
また、連続回数表示部96では、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが終了するま
ではそれまでの大当り回数(ここでは3回)を表示した状態が維持され、当該特図変動表
示ゲームの終了に伴い表示を終了するとともに大当り回数が0クリアされる。すなわち、
転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時には通常遊技状態ST1に移行しており
、遊技の情報を累積する特定期間の終了条件が成立しているが、この時点では表示が維持
され、当該特図変動表示ゲームの終了に伴い表示を終了するようになっている。これによ
り、転落抽選に当選したことが先にわかってしまうことを防止できる。
また、本変形例の遊技機では、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームでは通常遊技状
態ST1に移行していても右打ちで遊技を進行する状態を維持するようになっている。よ
って当該特図変動表示ゲームでは、第1遊技状態表示部56は点灯状態を維持し、右打ち
指示報知も維持される(t76~t78)。また、右打ちで遊技を進行する状態を維持す
ることから、この期間に第2始動入賞口97への入賞があっても左打ち指示報知コマンド
を送信しない。なお、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームにおいても左打ち指示報知
コマンドについては送信可能とし、演出制御装置300でこの期間は左打ち指示を行わな
いようにしていも良い。
そして、当該特図変動表示ゲームが終了すると(t78)、第1遊技状態表示部56は
遊技状態に応じて消灯状態とされ、右打ち指示報知も終了する。このようにすることで、
第1遊技状態表示部56の表示や右打ち指示報知、左打ち指示報知によって転落抽選に当
選したことが早期に分かってしまうことを防止でき、遊技の興趣の低下を防止できる。
図88(b)には、結果が大当りとなる特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合
を示した。この場合も図88(a)と同様に、新たな特図2変動表示ゲームが開始された
際に転落抽選に当選しており、確率状態が低確率状態とされ(t81)、遊技状態は通常
遊技状態ST1となる。大当りとなる特図変動表示ゲームについては変動時間として一定
の時間(ここでは10000ms)が設定される(t81~t82)。この特図変動表示
ゲームの実行中は第1特定演出が行われる(t81~t83)。そして、この特図変動表
示ゲームの終了後は第1特別遊技状態となり第1特別遊技演出となる(t83)。なお、
特図2変動表示ゲームが大当りとなる場合は転落抽選に当選しているか否かにかかわらず
、変動時間として一定の時間(ここでは10000ms)が設定され、第1特定演出が実
行される。
また、連続回数表示部96では、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが終了するま
ではそれまでの大当り回数(ここでは3回)を表示した状態が維持される。この例では当
該特図変動表示ゲームが大当りであるため、当該特図変動表示ゲームの終了に伴い大当り
回数が+1更新される。すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時には
通常遊技状態ST1に移行しており、遊技の情報を累積する特定期間の終了条件が成立し
ているが、この時点では表示が維持される。さらに、この場合は転落抽選に当選した特図
変動表示ゲームで大当りが導出されて特定期間の開始条件が成立するので、特定の場合と
して通常遊技状態ST1に移行する前の大当り回数を引き継いで加算を行うようにしてい
る。これにより、累積された遊技の情報について遊技者の認識との齟齬が生じることを防
止でき、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームでは通常遊技状態ST1に移行していて
も右打ちで遊技を進行する状態を維持するようになっている。よって当該特図変動表示ゲ
ームでは、第1遊技状態表示部56は点灯状態を維持し、右打ち指示報知も維持される(
t81~t82)。また、この期間に第2始動入賞口97への入賞があっても左打ち指示
報知は行わない。この例では結果が特別結果となり右打ちで遊技を進行する第1特別遊技
状態となるので、特図変動表示ゲームが終了しても第1遊技状態表示部56及び右打ち指
示報知は維持されたままとなる。
このようにすることで、第1遊技状態表示部56の表示や右打ち指示報知、左打ち指示
報知によって転落抽選に当選したことが早期に分かってしまうことを防止でき、遊技の興
趣の低下を防止できる。また、一旦左打ちに戻させるようにすると、第1特別遊技状態で
の右打ちの開始が遅れて特別変動入賞装置38への入賞の開始が遅れるおそれがあるが、
右打ちで遊技を進行する状態を維持することで特別変動入賞装置38への入賞の開始が遅
れることを防止できる。
図89(a)には、結果が小当りとなる特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合
を示した。この場合も図88(a)と同様に、新たな特図2変動表示ゲームが開始された
際に転落抽選に当選しており、確率状態が低確率状態とされ(t91)、遊技状態は通常
遊技状態ST1となる。転落抽選に当選した特図変動表示ゲームについては変動時間とし
て一定の時間(ここでは10000ms)が設定される(t91~t92)。この特図変
動表示ゲームの実行中は第1特定演出が行われる(t91~t93)。この特図変動表示
ゲームが終了すると第2特別遊技状態となるが(t93)、この第2特別遊技状態でも第
1特定演出が継続される(t93~t94)。その後、第2特別遊技状態の終了に伴い通
常モードとなる(t94)。
また、連続回数表示部96では、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが終了し、第
2特別遊技状態が終了するまではそれまでの大当り回数(ここでは3回)を表示した状態
が維持され、当該第2特別遊技状態の終了に伴い表示を終了するとともに大当り回数が0
クリアされる。すなわち、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時には通常遊技
状態ST1に移行しており、遊技の情報を累積する特定期間の終了条件が成立しているが
、この時点では表示が維持され、当該特図変動表示ゲームで導出された小当りに基づく第
2特別遊技状態でも表示が維持される。そして、当該第2特別遊技状態の終了に伴い表示
を終了するようになっている。これにより、転落抽選に当選したことが先にわかってしま
うことを防止できる。
また、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームでは通常遊技状態ST1に移行していて
も右打ちで遊技を進行する状態を維持するようになっている。よって当該特図変動表示ゲ
ームでは、第1遊技状態表示部56は点灯状態を維持し、右打ち指示報知も維持される(
t91~t93)。また、この期間に第2始動入賞口97への入賞があっても左打ち指示
報知は行わない。さらに、小当りに基づく第2特別遊技状態においても右打ちで遊技を進
行する状態が維持され(t93~t94)、当該第2特別遊技状態の終了に伴い(t94
)、第1遊技状態表示部56は遊技状態に応じて消灯状態とされ、右打ち指示報知も終了
する。
このようにすることで、第1遊技状態表示部56の表示や右打ち指示報知、左打ち指示
報知によって転落抽選に当選したことが早期に分かってしまうことを防止でき、遊技の興
趣の低下を防止できる。また、一旦左打ちに戻させるようにすると、第2特別遊技状態で
の右打ちの開始が遅れて特別変動入賞装置38への入賞の開始が遅れるおそれがあるが、
右打ちで遊技を進行する状態を維持することで特別変動入賞装置38への入賞の開始が遅
れることを防止できる。特に小当りに基づく第2特別遊技状態では、特別変動入賞装置3
8の開放時間が短いため、右打ちで遊技を進行する状態を維持することで確実に入賞させ
ることが可能となる。
図89(b)には、結果が小当りとなる特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合
であって、当該特図変動表示ゲームの実行中に大当りとなる特図変動表示ゲームが開始さ
れた場合を示した。この場合も図88(a)と同様に、新たな特図2変動表示ゲームが開
始された際に転落抽選に当選しており、確率状態が低確率状態とされ(t111)、遊技
状態は通常遊技状態ST1となる。転落抽選に当選した特図変動表示ゲームについては変
動時間として一定の時間(ここでは10000ms)が設定され(t111~t113)
、この特図変動表示ゲームの実行中(t111~t114)及び第2特別遊技状態中(t
114~t115)は第1特定演出が行われる。この第1特定演出の内容は、図89(a
)に示した場合の第1特定演出と同様である。
この例では、第1特定演出の実行中に大当りとなる特図1変動表示ゲームが開始されて
いる(t112)。これに伴い、大当りとなる特図1変動表示ゲームの開始を示唆、報知
するための第2特定演出が第1特定演出に追加されて開始される(t112)。第2特定
演出は特図2変動表示ゲームの終了まで継続され(t114)、その後に第2特別遊技状
態となる。
特図1変動表示ゲームは特図2変動表示ゲームでの小当りの導出に伴い中断され(t1
13~t115)、第2特別遊技状態の終了に伴い特図1変動表示ゲームが再開される(
t115)。大当りとなる特図変動表示ゲームが実行されていない場合は、図89(a)
に示したように第2特別遊技状態の終了に伴い通常モードの演出となるが、ここでは大当
りとなる特図変動表示ゲームが実行されている期間にわたり第3特定演出を実行する(t
115~116)。これにより、遊技者に大当りとなることを示唆又は報知することがで
き、転落抽選に当選したことで遊技をやめてしまわないようにすることができる。その後
、特図1変動表示ゲームの終了に伴い第1特別遊技状態となる(t117)。
また、連続回数表示部96では、図89(a)と同様に転落抽選に当選した特図変動表
示ゲームの後の第2特別遊技状態でもそれまでの大当り回数(ここでは3回)を表示した
状態が維持される。その後、一時的に非表示の状態となるが、大当りとなる特図変動表示
ゲームの終了に伴い、大当り回数が+1更新された状態で再開される。すなわち、転落抽
選に当選した特図変動表示ゲームの開始時には通常遊技状態ST1に移行しており、遊技
の情報を累積する特定期間の終了条件が成立しているが、この時点では表示が維持される
。さらに、当該特図変動表示ゲームの終了前に開始された大当りとなる特図変動表示ゲー
ムの終了に伴い、通常遊技状態ST1に移行する前の大当り回数を引き継いで加算を行う
ようにしている。この大当りとなる特図変動表示ゲームは、転落抽選に当選した特図変動
表示ゲームの終了前に開始された大当りとなる特図変動表示ゲームである。これにより、
累積された遊技の情報について遊技者の認識との齟齬が生じることを防止でき、遊技の興
趣の低下を防止することができる。
また、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームでは通常遊技状態ST1に移行していて
も右打ちで遊技を進行する状態を維持するようになっている。よって当該特図変動表示ゲ
ームでは、第1遊技状態表示部56は点灯状態を維持し、右打ち指示報知も維持される(
t111~t114)。また、この期間に第2始動入賞口97への入賞があっても左打ち
指示報知は行わない。さらに、小当りに基づく第2特別遊技状態においても右打ちで遊技
を進行する状態が維持され(t114~t115)、当該第2特別遊技状態の終了に伴い
(t115)、第1遊技状態表示部56は遊技状態に応じて消灯状態とされ、右打ち指示
報知も終了する。また、第2始動入賞口97への入賞があった場合には左打ち指示報知を
行うようにする。
この例では、後に特別結果となることにより右打ちで遊技を進行する第1特別遊技状態
となるが、第2特別遊技状態の終了に伴い演出状態は通常モード演出に第3特定演出を付
加した演出となるので(t115~t116)、一旦は通常遊技状態に対応した左打ちで
遊技を進行する状態とし、第1特図変動表示ゲームで特別結果が導出されることが発射方
向から判明してしまうことを防止している。
以上のように転落抽選に当選した場合や大当りの場合に第1特定演出を行うことで、低
確率への移行と大当りの導出という遊技者にとって大きく価値の違う事象のいずれかが発
生することを報知でき、遊技者に不安感や期待感を与えて遊技の興趣を向上することがで
きる。また、第1特定演出の実行中に大当りとなる特図変動表示ゲームが開始された場合
には第2特定演出や第3特定演出を行うことで、第1特定演出により転落抽選に当選した
ことを報知している場合でも遊技者に大当りとなる可能性を報知でき、転落したことによ
り遊技をやめてしまうことを防止できる。
また、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが大当りとなる場合や、転落抽選に当選
した特図変動表示ゲームの終了前に大当りとなる特図変動表示ゲームが開始された場合は
、結果の導出時が通常遊技状態ST1であっても特定遊技状態で導出された大当りと同等
に扱い、連続回数表示部96の値については通常遊技状態ST1に移行する前の大当り回
数を引き継いで加算を行うようにしている。これにより、第1特定演出、第2特定演出及
び第3特定演出の実行により未だ特定遊技状態であると認識している遊技者との齟齬が生
じることを防止でき、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームでは通常遊技状態ST1に移行していて
も右打ちで遊技を進行する状態を維持するようにしたことで、転落抽選に当選したことが
早期に分かってしまうことを防止できる。
図90には表示装置41における表示の一例を示した。図90(a)から(g)には、
第4特定遊技状態ST5で転落抽選に当選した場合や大当りとなる場合などに実行される
第1特定演出の一例を示した。図90(a)に示すように特図2変動表示ゲームが開始さ
れると、第1飾り特図2ゲーム表示部85b及び第2飾り特図2ゲーム表示部88bにお
いて変動表示が開始されるとともに、第1特定演出が開始される。この第1特定演出は、
味方キャラクタ89aと敵キャラクタ89bが戦う演出となっており、戦いの結果により
特図変動表示ゲームの結果や転落抽選の有無を報知するものとなっている。
また、表示領域の左下部には右打ちを指示する右打ち指示報知99が表示されている。
ここでの右打ち指示報知99は、図24(b)に示したような第4特定遊技状態ST5に
おいて第1特定演出が行われていない状態における右打ち指示報知99とは異なる報知態
様となっている。第1特定演出が行われる場合には、既に通常遊技状態ST1に転落して
いる場合がある。遊技を進行するための発射方向は、転落抽選に当選した特図変動表示ゲ
ームにおいては通常遊技状態ST1であっても右打ちが維持されるが、通常遊技状態ST
1は本来左打ちで遊技を進行する状態である。このように、遊技状態に対応した本来の発
射方向と、指示する発射方向が一致していない可能性がある場合には、右打ち指示報知9
9の報知態様を異ならせるようにしている。
図90(b)に示すようにキャラクタが戦う演出が行われ、変動時間が終了すると戦い
の結果が示される。転落抽選に当選した特図変動表示ゲームで結果がはずれとなる場合は
、図90(c)に示すように味方キャラクタ89aが敗北する結果となる。また、第1飾
り特図2ゲーム表示部85b及び第2飾り特図2ゲーム表示部88bにおいてもはずれの
結果態様が表示される。
転落抽選に当選した特図変動表示ゲームでは、このような第1特定演出が実行されてい
る状態はすでに通常遊技状態ST1に移行しているが、右打ちで遊技を進行する状態が維
持されており、この第1特定演出の実行中も表示領域の右下部には右打ちを指示する右打
ち指示報知99が表示される。
その後、図90(d)に示すようにシャッターを模した表示であるシャッター表示93
が閉じる表示が行われ、図90(e)に示すようにシャッター表示93が完全に閉じて第
4特定遊技状態ST5の終了と当該第4特定遊技状態ST5で獲得した賞球数の報知、連
続回数表示部96で報知されていた大当り回数の報知が行われる。すなわち、シャッター
表示93は転落抽選に当選したことを報知する画像をなす。そして、通常遊技状態ST1
の演出表示に移行する。また、通常遊技状態ST1の演出表示に移行するのに伴い、右打
ち指示報知99が終了する。なお、結果がはずれの場合は図90(c)の段階で右打ち指
示報知99を終了するようにしても良い。
転落抽選に当選した特図変動表示ゲームで結果が小当りとなる場合は、図90(c)に
示すように味方キャラクタ89aが敗北する結果となり、第1飾り特図2ゲーム表示部8
5b及び第2飾り特図2ゲーム表示部88bにおいては小当りの結果態様が表示される。
その後、図90(c)の表示のまま第2特別遊技状態となり、当該第2特別遊技状態の終
了時に図90(d)及び(e)の表示が行われる。
転落抽選の当選の有無に関係なく特図変動表示ゲームで結果が大当りとなる場合は、図
90(b)に示すようにキャラクタが戦う演出を行った後に図90(f)に示すように味
方キャラクタ89aが勝利する結果となる。また、第1飾り特図2ゲーム表示部85b及
び第2飾り特図2ゲーム表示部88bにおいて大当りの結果態様が表示される。そしてこ
の後に特別遊技状態が開始される。
このように結果が大当りの場合、連続回数表示部96に表示される大当り回数が+1更
新され、図90(b)等で示されていた3回から4回に更新される。大当りとなる特図変
動表示ゲームで転落抽選に当選していない場合は第4特定遊技状態ST5における大当り
であり、遊技の情報を累積する特定期間中に発生した大当りとなるので連続回数表示部9
6の値は+1更新する。
また、大当りとなる特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合には、一旦通常遊技
状態ST1に移行しているが、例外的に特定の場合として通常遊技状態ST1における大
当りであっても1回目とせずにそれまでの加算結果を引き継いで加算するようにしている
。上述したように、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行中には転落抽選に当選
したことを示唆又は報知する第1特定演出が行われるが、大当りの場合には転落したこと
が明確に報知されないので、遊技者は転落抽選に当選したことを明確に把握していないこ
とから、それまでの加算結果を引き継いで加算することで違和感のない報知とすることが
できる。また、右打ち指示報知99も継続して行われるので、通常遊技状態ST1に転落
したことを意識させないようにすることができる。
なお、転落抽選に当選せず特図変動表示ゲームで結果がはずれ又は小当りとなる場合に
、いわゆるガセ演出として第1特定演出を行うようにしても良い。この場合は図90(d
)に示すようにキャラクタが戦う演出を行った後に図90(g)に示すように引き分けの
結果となるようにする。また、第1飾り特図2ゲーム表示部85b及び第2飾り特図2ゲ
ーム表示部88bにおいてもはずれ又は小当りの結果態様を表示する。
図91には、第2特定演出及び第3特定演出の一例を示した。ここでは図89(b)に
示したように特図2変動表示ゲームの結果が小当りとなる場合の例を示したが、特図2変
動表示ゲームの結果がはずれの場合も同様である。図91(a)に示すように転落抽選に
当選した特図2変動表示ゲームが開始されて第1特定演出が開始され、図91(b)に示
すようにこの第1特定演出の実行中に大当りとなる特図1変動表示ゲームが開始されると
、第1特定演出の前側に重なるように第2特定演出として「Warning!!」と表示
された帯94が表示される。この帯94は図91(c)に示すように第1特定演出で結果
が示される際にも表示されており、第1特定演出が示す結果とは別の結果があることを示
唆するようにしている。
図91(d)に示すように第2特別遊技状態の実行中は帯94を表示しない。そして、
第2特別遊技状態が終了して大当りとなる特図1変動表示ゲームが再開されると、図91
(e)に示すように第3特定演出として、「激熱待機中!!」の帯95が表示される。ま
た、この時点で右打ち指示報知99を終了する。その後、図91(f)に示すようにシャ
ッター表示93が開いて通常モード演出が見えるようになり、図91(g)に示すように
通常モード演出で変動表示が行われる際にも帯95が表示され続ける。そして、図91(
h)に示すように大当りの結果態様が表示され、図91(i)に示すように第1特別遊技
状態となる。第1特別遊技状態の開始に伴い右打ち指示報知99が開始される。
連続回数表示部96の表示は、図91(f)に示すように通常遊技状態ST1の演出で
ある通常モード演出となると一時的に終了するが、図91(i)に示すように第1特別遊
技状態の演出となると表示が開始される。ここでは転落抽選に当選した特図変動表示ゲー
ムの終了前に開始された特図変動表示ゲームが大当りとなる場合であって、一旦通常遊技
状態ST1に移行してはいるが転落前の大当り回数に引き続き加算を行うようになってお
り、転落前での3回から4回に更新されている。なお、連続回数表示部96の表示を通常
モード演出となると一時的に終了するようにしたが、ここでも継続して表示するようにし
ても良い。これにより、大当りとなる可能性があることを示唆又は報知することもできる
なお、第2特定演出や第3特定演出を帯状の表示としたが、これ以外の表示であっても
良い。また、第1特定演出の前側に重なるように第2特定演出や第3特定演出を表示する
ようにしたが、第1特定演出に替えて第2特定演出や第3特定演出を行うようにしても良
い。また、第2特定演出と第3特定演出の一方のみ行うようにしても良い。
以上のことから、始動入賞口(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動
入賞口97)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの
結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において
、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)を備え、制御
手段は、第1条件の成立に伴い遊技状態を変化させることを決定した場合に、当該遊技状
態の変化を報知する第1特定演出を実行可能であり、当該第1特定演出の実行中に第2条
件が成立したことに伴い遊技状態を変化させることを決定した場合に、当該第1特定演出
に加えて又は当該第1特定演出に替えて、第2条件の成立に伴う遊技状態の変化を報知す
る第2特定演出を実行可能であることとなる。したがって、第1特定演出の開始後に第2
条件が成立した場合でも当該第2条件の成立に基づく遊技状態の変更を報知でき、遊技の
興趣を向上することができる。
また、始動入賞口をなす第1始動口(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)及
び第2始動口(第2始動入賞口97)と、を備え、制御手段は、第1始動口への遊技球の
入賞に基づき変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動口への遊技球
の入賞に基づき変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行し、第1変動表示ゲーム
と第2変動表示ゲームは同時に実行可能であり、一方の変動表示ゲームの実行に伴い第1
条件が成立して遊技状態を変化させることを決定した場合に、当該遊技状態の変化を報知
する第1特定演出を実行可能であり、当該第1特定演出の実行中に他方の変動表示ゲーム
の実行に伴い第2条件が成立して遊技状態を変化させることを決定した場合に、当該第1
特定演出に加えて又は当該第1特定演出に替えて、第2条件の成立に伴う遊技状態の変化
を報知する第2特定演出を実行可能であることとなる。したがって、第1特定演出の開始
後に第2条件が成立した場合でも当該第2条件の成立に基づく遊技状態の変更を報知でき
、遊技の興趣を向上することができる。また、二つの変動表示ゲームを同時変動する場合
にもそれぞれの変動表示ゲームの実行に基づく遊技状態の変更を報知でき、遊技の興趣を
向上することができる。
また、制御手段は、第1特定演出の終了後から第2条件の成立に伴う遊技状態の変化ま
での期間において、第2条件の成立に伴う遊技状態の変化を報知する第3特定演出を実行
可能であることとなる。したがって、第2条件の成立に基づく遊技状態の変更を報知でき
、遊技の興趣を向上することができる。
図92(a)には、特定遊技状態で大当りとなる特図変動表示ゲームが開始されたが、
当該特図変動表示ゲームの実行中に転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが開始された
ことで通常遊技状態ST1に転落した場合であって、当該転落抽選に当選した特図変動表
示ゲームが大当りとなる特図変動表示ゲームよりも先に終了する場合の一例を示した。
図92(a)に示す例では、第4特定遊技状態ST5において大当りとなる特図1変動
表示ゲームが開始されている(t121)。そして、この特図1変動表示ゲームの実行中
に転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームが開始されている(t122)。この特図2
変動表示ゲームの開始に伴い確率状態は低確率状態に移行し、遊技状態は通常遊技状態S
T1となる。
転落抽選に当選した特図変動表示ゲームについては変動時間として一定の時間(ここで
は10000ms)が設定されるので、遊技機においては転落抽選に当選した特図2変動
表示ゲームが開始された時点の特図1変動表示ゲームの残り変動時間から何れが先に終了
するかが把握可能である。ここでは転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームは大当りと
なる特図1変動表示ゲームよりも先にはずれ結果で終了することが把握されている。
その後、転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームは大当りとなる特図1変動表示ゲー
ムよりも先にはずれ結果で終了し(t124)、新たな特図2変動表示ゲームが開始され
ている。転落抽選に当選した特図変動表示ゲームでは通常遊技状態ST1に移行していて
も右打ちで遊技を進行する状態が維持され、第1遊技状態表示部56は点灯状態を維持し
、右打ち指示報知も維持される(t122~t124)。また、この期間に第2始動入賞
口97への入賞があっても左打ち指示報知は行わない。そして、当該転落抽選に当選した
特図変動表示ゲームの終了(t124)により、左打ちで遊技を進行する状態とされて第
1遊技状態表示部56が消灯状態とされるとともに右打ち報知が終了する。
その後、大当りとなる特図1変動表示ゲームの変動表示が終了することに伴い、実行中
の特図2変動表示ゲームは強制的にはずれ結果で停止される(t125)。その後、特図
1変動表示ゲームの停止表示時間が終了すると第1特別遊技状態が開始される(t126
)。第1特別遊技状態の開始に伴い、右打ちで遊技を進行する状態となり、第1遊技状態
表示部56が点灯状態とされるとともに右打ち報知が開始される。
図92(a)に示したような例においては、演出として演出状態1と演出状態2のいず
れかを実行可能である。演出状態1は図91に示したような演出である。まず、第4特定
遊技状態ST5では、特図2変動表示ゲームをメイン変動として遊技が進行するので、大
当りとなる特図1変動表示ゲームが開始された時点(t121)では演出状態に変化はな
く遊技が進行する。そして、転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームが開始されると(
t122)、第1特定演出が開始される。この第1特定演出の内容は、図91(a)~(
e)に示したように味方キャラクタ89aと敵キャラクタ89bが戦う演出であり、ここ
では転落抽選に当選しているので、最終的に味方キャラクタ89aが敗北し、シャッター
表示93が閉鎖されて第4特定遊技状態ST5が終了する旨の演出が行われる(t122
~t124)。
この第1特定演出の実行中であって転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームの実行中
における所定タイミングとなると(t123)、大当りとなる特図1変動表示ゲームの実
行を示唆又は報知するための第2特定演出が追加される。第2特定演出は当該特図2変動
表示ゲームの終了まで継続される。この第2演出の内容は、図91(b)、(c)に示し
たような「Warning!!」と表示された帯94を表示する演出となっている。
その後、転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームの終了に伴い第3特定演出が開始さ
れる(t124)。この第3特定演出の内容は、図91(f)、(g)に示したように「
激熱待機中!!」と表示された帯95を表示する演出となっている。このような演出状態
1とすることで遊技者に大当りとなることを示唆又は報知することができ、転落抽選に当
選したことで遊技をやめてしまわないようにすることができる。
そして、大当りとなる特図1変動表示ゲームの変動表示が停止すると(t125)、図
91(h)に示したように飾り特図1ゲーム表示部85aが結果に対応した表示で停止し
て大当りとなったことが示される。さらに、停止表示時間(t125~t126)におい
て、図91(i)に示したように結果態様が明確に表示される。
連続回数表示部96の表示は、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了(t12
4)により図91(f)に示したような通常遊技状態ST1の演出である通常モード演出
となるので一時的に終了するが、図91(i)に示したような第1特別遊技状態の演出と
なると表示が開始される。ここでは転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了前に開
始された特図変動表示ゲームが大当りとなる場合であって、一旦通常遊技状態ST1に移
行してはいるが転落前の大当り回数に引き続き加算を行うようになっており、転落前での
3回から4回に更新される。
演出状態2は演出状態1に対して転落抽選に当選したことを示唆又は報知する第1特定
演出を行わない演出である。図93にはこの演出状態2の一例を示した。第4特定遊技状
態ST5では、特図2変動表示ゲームをメイン変動として遊技が進行するので、大当りと
なる特図1変動表示ゲームが開始された時点(図92(a)のt121)では、図93(
a)に示すように演出状態に変化はなく遊技が進行する。
その後、転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームが開始された時点では(図92(a
)のt122)、図93(b)に示すように演出状態に変化はなく遊技が進行し、当該特
図2変動表示ゲームの所定のタイミングとなると(図92(a)のt123)、図93(
c)に示すように大当りとなる特図1変動表示ゲームの実行を示唆又は報知するための第
2特定演出が第1特定演出に追加されて開始される。第2特定演出は当該特図2変動表示
ゲームの終了まで継続される(図92(a)のt124)。この第2演出の内容は、図9
3(c)、(d)に示すような「Warning!!」と表示された帯94を表示する演
出となっている。
その後、転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームの終了に伴い第3特定演出が開始さ
れる(図92(a)のt124)。この第3特定演出の内容は、図93(e)に示すよう
に「激熱待機中!!」と表示された帯95を表示する演出となっている。また、キャラク
タ89aの台詞の内容により大当りとなる特図1変動表示ゲームの実行を示唆又は報知す
るようにしている。このような演出状態2とすることで、遊技者に転落抽選に当選したこ
とを意識させずに大当りとなることを示唆又は報知することができる。
そして、大当りとなる特図1変動表示ゲームの変動表示が停止すると(図92(a)の
t125)、図93(f)に示すように第1飾り特図1ゲーム表示部85a、第2飾り特
図1ゲーム表示部88aが結果に対応した表示で停止し、キャラクタ89aにより大当り
となったことが示される。さらに、停止表示時間(図92(a)のt125~t126)
において図93(g)に示すように結果態様が明確に表示され、図93(h)に示すよう
に第1特別遊技状態の演出が開始される。
右打ち報知は、図93(e)に示すように転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームが
終了したことに伴い終了し、図93(h)に示すように第1特別遊技状態の開始に伴い開
始される。なお、この演出状態2においては、転落抽選に当選して通常遊技状態ST1に
移行しても小当りRUSH演出が継続されるので、右打ち報知についても終了させずに継
続して行うようにし、第2始動入賞口97への入賞があっても左打ち指示報知は行わない
ようにしても良い。
連続回数表示部96の表示は、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが終了しても表
示が維持され、第1特別遊技状態の演出となると表示が+1更新開始される。この場合も
一旦通常遊技状態ST1に移行してはいるが転落前の大当り回数に引き続き加算を行うよ
うになっており、転落前での3回から4回に更新される。
すなわち、特定期間中に開始される一方の特図変動表示ゲームの実行中に終了条件が成
立(転落抽選に当選)する場合であって、当該一方の変動表示ゲームの開始前に開始され
た他方の変動表示ゲームにより終了条件の成立の後に新たな特定期間の開始条件が成立(
大当りが導出)する場合には、終了演出(第1特定演出)を実行しないことが可能である
。また、終了演出に加えて又は終了演出に替えて特定の演出(第2特定演出、第3特定演
出)を実行可能であることとなる。
なお、演出の実行態様としては上記したものに限られず、例えば、転落抽選に当選した
特図変動表示ゲームの開始時には後に大当りが発生することが判明しているので、第1特
定演出として図90(f)に示したような大当りを示す結末となる演出を転落抽選に当選
した特図変動表示ゲームの開始から行うようにしても良い。
図92(b)には、特定遊技状態で大当りとなる特図変動表示ゲームが開始されたが、
当該特図変動表示ゲームの実行中に転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが開始された
ことで通常遊技状態ST1に転落した場合であって、大当りとなる特図変動表示ゲームの
変動時間が先に終了する場合の一例を示した。
図92(b)に示す例では、第4特定遊技状態ST5において大当りとなる特図1変動
表示ゲームが開始されている(t131)。そして、この特図1変動表示ゲームの実行中
に転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームが開始されている(t132)。この特図2
変動表示ゲームの開始に伴い確率状態は低確率状態に移行し、遊技状態は通常遊技状態S
T1となる。この時点で遊技機においては大当りとなる特図1変動表示ゲームが転落抽選
に当選した特図2変動表示ゲームよりも先に変動時間が終了することが把握されている。
その後、大当りとなる特図1変動表示ゲームの変動時間が、転落抽選に当選した特図2
変動表示ゲームの変動時間よりも先に終了し、これに伴い当該特図2変動表示ゲームが強
制的にはずれ結果で停止される(t133)。その後、特図1変動表示ゲームの停止表示
時間が終了すると第1特別遊技状態が開始される(t134)。
このような場合は、転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームの開始時において、転落
抽選に当選したことを示唆又は報知する第1特定演出を行わないことが選択され、図93
(c)に示したような大当りとなる特図1変動表示ゲームの実行を示唆又は報知するため
の第2特定演出が行われる。このような演出状態とすることで、遊技者に転落抽選に当選
したことを意識させずに大当りとなることを示唆又は報知することができる。
また、この例においても、通常遊技状態ST1以外で大当りとなる特図変動表示ゲーム
が開始されたが、当該特図変動表示ゲームの実行中に転落抽選に当選した特図変動表示ゲ
ームが開始されて通常遊技状態ST1に転落した場合であって転落抽選の当選により一旦
通常遊技状態ST1に移行してはいるが、連続回数表示部96の値については転落前の大
当り回数に引き続き加算を行うようになっている。
また、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームでは通常遊技状態ST1に移行していて
も右打ちで遊技を進行する状態が維持され、第1遊技状態表示部56は点灯状態を維持し
、右打ち指示報知も維持される(t132~t134)。また、第2始動入賞口97への
入賞があっても左打ち指示報知は行わない。よって、この例では右打ちで遊技を進行する
状態が維持されたままとなる。
以上のように特定期間である特定遊技状態中や特別遊技状態中は右打ちで遊技を進行し
、特定期間でない通常遊技状態ST1では左打ちで遊技を進行するので、右打ち指示報知
を遊技状態に対応させると特定期間であるか否かを遊技者が把握可能となってしまう。こ
のため、連続回数表示部96の値を転落前の大当り回数に引き続き加算を行う場合には、
現時点の遊技球の発射方向を明確に示さないか、一旦通常遊技状態ST1に移行した期間
でも特定遊技状態での発射方向をそのまま示すことで転落したことを遊技者に意識させな
いようにすることができる。
また、上述の説明では、第4特定遊技状態ST5の終了による特定期間の終了時におけ
る連続回数表示部96の表示の引継ぎについて説明したが、第1特定遊技状態ST2や第
2特定遊技状態ST3及び第3特定遊技状態ST4の終了による特定期間の終了時におい
ても同様に、特定期間の開始条件がすぐに成立する特定の場合には連続回数表示部96の
値を引き継いで加算するようにしても良い。
なお、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了まで右打ちで遊技を進行する状態
を維持するとしたが、当該特図変動表示ゲームの途中まで右打ちで遊技を進行する状態を
維持するようにしても良い。例えば、特図変動表示ゲームの開始から所定時間までは右打
ちで遊技を進行する状態を維持するようにし、当該所定時間に達すると第1特定演出にお
いて転落したことが明確となるようにしても良い。このようにすることで、転落抽選に当
選したことが早期に分かってしまうことを防止できるとともに、遊技状態に応じた発射方
向への変更をなるべく早く行うことができるようになる。
また、遊技制御装置100では転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了まで右打
ちで遊技を進行する状態を維持して、第1遊技状態表示部56について特図変動表示ゲー
ムの終了まで点灯状態を維持するが、演出制御装置300では右打ち指示報知99を第1
遊技状態表示部56の表示とは連動せずに終了するようにしても良い。例えば、第1特定
演出において転落したことが明確となる時点で終了するようにしても良い。
また、図89(b)に示した例のように転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームの実
行中に特図1変動表示ゲームが開始された場合(t112)には、右打ち指示報知99を
終了しても良く、左打ちで遊技を進行する状態に移行するようにしても良い。すなわち、
通常遊技状態ST1に対応した本来の発射方向によって開始可能な特図1変動表示ゲーム
が開始された場合には、遊技者が通常遊技状態ST1であることを見越して左打ちを開始
したものとして扱い、右打ち指示報知99を終了及び/又は左打ちで遊技を進行する状態
に移行するようにしても良い。
このような条件で右打ち指示報知99の終了や左打ちで遊技を進行する状態に移行する
ことを可能とすることで、第1特定演出の実行中に一時的に左打ちをすることで転落して
いるか否かを知ることができるという新たな遊技性を持たせることもできる。さらに、第
1特定演出が実行されているにもかかわらず高確率状態である場合、すなわち特別結果と
なる場合には、左打ちにより特図1変動表示ゲームが開始されても右打ち指示報知99を
終了せず、右打ちで遊技を進行する状態も維持されるようにする。これにより、第1特定
演出の実行中に一時的に左打ちをすることで特別結果となるか否かを知ることができると
いう新たな遊技性を持たせることもできる。
また、第4特定遊技状態ST5においてイレギュラー変動となる特図1変動表示ゲーム
で転落抽選に当選した場合には、当該特図1変動表示ゲームの開始に伴い、左打ちで遊技
を進行する状態に移行するとともに右打ち指示報知99を終了するようにしても良いし、
特図2変動表示ゲームと同様に転落抽選に当選した特図1変動表示ゲームの終了まで右打
ちで遊技を進行する状態を維持するとともに右打ち指示報知99を維持するようにしても
良い。
また、図92(a)に示したように、第4特定遊技状態ST5においてイレギュラー変
動となる特図1変動表示ゲームの実行中に、メイン変動となる特図2変動表示ゲームで転
落抽選に当選した場合に、特図1変動表示ゲームが大当りとなる場合には転落抽選に当選
した特図2変動表示ゲームが終了しても右打ちで遊技を進行する状態を維持するとともに
右打ち指示報知99を維持するようにしても良い。すなわち、図92(a)におけるt1
24~t126の期間も右打ちで遊技を進行する状態を維持するとともに右打ち指示報知
99を維持するようにしても良い。
また、上述の例では転落抽選に当選した場合について説明したが、図22(a)に示し
たように第2特定遊技状態ST3となっている状態で第1特別遊技状態の終了から100
回の特図変動表示ゲームを実行した場合にも同様に、通常遊技状態ST1に移行した特図
変動表示ゲーム(101回目の特図変動表示ゲーム)では右打ちで遊技を進行する状態を
維持するようにしても良い。また、上述の遊技状態の遷移では存在しないが、特別遊技状
態を介さずに左打ちで遊技を進行する状態から右打ちで遊技を進行する状態に移行するこ
とがあるようにした場合には、移行した特図変動表示ゲームでは左打ちで遊技を進行する
状態を維持するようにしても良い。
また、継続して表示する発射方向の指示としては右打ち指示報知99のみを行うように
したが、左打ち指示報知のみを行うようにしても良いし、右打ち指示報知99と左打ち指
示報知を遊技状態に応じて表示可能としても良い。
以上のことから、始動入賞口(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動
入賞口97)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの
結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において
、遊技の制御を行う遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技の演出を制御する演出
制御手段(演出制御装置300)と、始動入賞口をなす第1始動口(第1始動入賞口36
、普通変動入賞装置37)及び第2始動口(第2始動入賞口97)と、を備え、遊技制御
手段は、第1始動口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第1変動表示ゲーム
を実行し、第2始動口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第2変動表示ゲー
ムを実行し、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームは同時に実行可能であり、演出制
御手段は、所定の開始条件の成立により開始されるとともに、所定の終了条件が成立する
ことで終了する特定期間を設定可能であり、特定期間の開始から終了までにおける遊技の
情報を累積して報知することが可能であり、特定期間中に開始された一方の変動表示ゲー
ムの実行中に終了条件が成立した場合であって、当該一方の変動表示ゲームの終了前に開
始された他方の変動表示ゲームにより終了条件の成立の後に新たな特定期間の開始条件が
成立する場合には、当該開始条件の成立に基づき新たに開始される特定期間では、当該一
方の変動表示ゲームの開始時に設定されていた特定期間で累積された遊技の情報に引き続
いて遊技の情報の累積を行うことが可能であることとなる。したがって、累積された遊技
の情報について遊技者の認識との齟齬が生じることを防止し、遊技の興趣の低下を防止す
ることができる。
また、遊技制御手段は、終了条件が成立したことを報知する終了演出(第1特定演出)
を実行可能であり、特定期間中に開始される一方の変動表示ゲームの実行中に終了条件が
成立する場合であって、当該一方の変動表示ゲームの開始前に開始された他方の変動表示
ゲームにより終了条件の成立の後に新たな特定期間の開始条件が成立する場合には、終了
演出を実行しないことが可能であることとなる。したがって、累積された遊技の情報につ
いて遊技者の認識との齟齬が生じることを防止し、遊技の興趣の低下を防止することがで
きる。
また、遊技制御手段は、終了条件が成立したことを報知する終了演出を実行可能であり
、特定期間中に開始される一方の変動表示ゲームの実行中に終了条件が成立する場合であ
って、当該一方の変動表示ゲームの開始前に開始された他方の変動表示ゲームにより終了
条件の成立の後に新たな特定期間の開始条件が成立する場合には、終了演出に加えて又は
終了演出に替えて特定の演出を実行可能であることとなる。したがって、累積された遊技
の情報について遊技者の認識との齟齬が生じることを防止し、遊技の興趣の低下を防止す
ることができる。
また、特定期間中に開始された変動表示ゲームの実行中に終了条件が成立した場合であ
って、当該実行中の変動表示ゲームの終了に伴い新たな特定期間の開始条件が成立する場
合には、当該変動表示ゲームの終了に伴い新たに開始される特定期間では、当該変動表示
ゲームの開始時に設定されていた特定期間で累積された遊技の情報に引き続いて遊技の情
報の累積を行うことが可能であることとなる。したがって、累積された遊技の情報につい
て遊技者の認識との齟齬が生じることを防止し、遊技の興趣の低下を防止することができ
る。
また、遊技球が流下可能な遊技領域32を備え、遊技領域32に設けられた始動入賞口
(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞
に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な
状態を発生する遊技機において、遊技を統括的に制御する遊技制御手段(遊技制御装置1
00)と、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、遊技
領域は、一側の遊技領域と他側の遊技領域とを備え、遊技者が遊技球の発射勢を調整する
ことで一側の遊技領域と他側の遊技領域のいずれに遊技球を流下させるかを選択可能に構
成され、遊技制御手段は、複数の遊技状態のうちから一の遊技状態を設定可能であり、所
定の移行条件が成立することに基づき遊技状態を移行するように構成され、各遊技状態に
ついては、一側の遊技領域と他側の遊技領域のいずれに遊技球を発射することで遊技を進
行するかが予め定められており、演出制御手段は、設定された遊技状態に対応して遊技球
を発射すべき遊技領域を指示する発射方向指示報知を実行可能であり、所定の移行条件が
成立したゲームにおいては、遊技状態の移行が行われても移行前の遊技状態に対応した発
射方向指示報知を実行可能であることとなる。したがって、遊技状態が移行したことが早
期に判明して遊技の興趣が低下してしまうことを防止できる。
また、遊技制御手段は、所定の移行条件が成立したゲームにおける遊技球を発射すべき
遊技領域について、遊技状態の移行が行われても移行前の遊技状態に対応した遊技領域と
するようにしたこととなる。したがって、遊技状態が移行したことが早期に判明して遊技
の興趣が低下してしまうことを防止できる。また、遊技制御装置100で規定される発射
方向と演出制御装置300による発射方向の報知に矛盾が生じることを防止できる。
また、所定の移行条件は、遊技球を発射すべき遊技領域の変更を伴う遊技状態の移行を
行うものであり、演出制御手段は、所定の移行条件が成立したゲームと、結果が特別結果
となるゲームとで、共通の特定演出を実行可能であることとなる。したがって、共通の特
定演出の実行により、移行条件の成立と特別結果の導出の何れかであることを示唆して遊
技の興趣を高めることができるとともに、この共通の特定演出の実行中に移行条件の成立
と特別結果の導出のいずれであるかが判ってしまうことを防止できる。
また、演出制御手段は、現在の遊技状態に対応した発射方向指示報知を行う場合と、現
在の遊技状態に対応しない発射方向指示報知を行う場合とで、報知態様を異ならせること
が可能であることとなる。したがって、現在の遊技状態に対応しない発射方向指示報知で
あることを示唆することが可能となる。
また、演出制御手段は、所定の移行条件が成立したゲームで遊技状態の移行が行われ、
かつ、移行前の遊技状態に対応した発射方向指示報知を実行している状態において、移行
後の遊技状態に対応した遊技球の発射を検出した場合には、発射方向指示報知を移行後の
遊技状態に対応するように変更するようにしたこととなる。したがって、遊技者が現実の
発射方向を把握している場合には発射方向指示報知を行わないようにすることができる。
また、一側の遊技領域に始動入賞口をなす第1始動口(第1始動入賞口36)を設け、
他側の遊技領域に始動入賞口をなす第2始動口(第2始動入賞口97)を設け、遊技制御
手段は、第1始動口への遊技球の入賞に基づきゲームとして第1ゲーム(特図1変動表示
ゲーム)を実行し、第2始動口への遊技球の入賞に基づきゲームとして第2ゲーム(特図
2変動表示ゲーム)を実行し、第1ゲームと第2ゲームは同時に実行可能であり、特別結
果には第1特別結果(大当り)と第2特別結果(小当り)が含まれ、ゲームの結果が第1
特別結果となる確率は、第1ゲームと第2ゲームとで同じ確率であって、低確率状態と、
該低確率状態よりも高い高確率状態との何れかに設定され、高確率状態である場合に、ゲ
ームの実行毎に低確率状態へ移行させるための転落抽選を行うように構成され、ゲームの
結果が第2特別結果となる確率は、低確率状態及び高確率状態のいずれであっても同じ確
率であり、他側の遊技領域へ遊技球を発射して遊技を進行する遊技状態においては、一側
の遊技領域へ遊技球を発射して遊技を進行する遊技状態よりも第2ゲームの変動時間が短
いようにしたこととなる。したがって、発射方向により遊技性を異ならせることができ、
遊技の興趣を向上することができる。なお、上述の実施形態では、右側の遊技領域にも第
1始動口をなす普通変動入賞装置37を設けたが、右側の遊技領域には第1始動口を設け
ないようにしても良い。
〔第3変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、
上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分につ
いては同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊
技機は、遊技状態の遷移及び演出の実行態様が異なる。また、これに応じて連続回数表示
部96での表示について転落前の値を引き継ぐ場合が異なる。
図94には本変形例での遊技状態の遷移を示した。本変形例では第2変形例と同様に第
3特定遊技状態ST4は設定されておらず、第1特定遊技状態ST2において転落抽選に
当選せず、特別結果も導出されずに100回の特図変動表示ゲームを実行した場合は、第
4特定遊技状態ST5に移行する。各遊技状態における確率状態などは第2変形例の場合
と同じである。そして、第4特定遊技状態ST5において転落抽選に当選した場合は、通
常遊技状態ST1に移行する。
また、第1特定遊技状態ST2,第2特定遊技状態ST3及び第4特定遊技状態ST5
において確変大当りが導出された場合の移行先が第2変形例と異なっており、本変形例で
は特別遊技状態の後に第4特定遊技状態ST5に移行し、通常大当りが導出された場合は
特別遊技状態の後に第2特定遊技状態ST3に移行するようになっている。すなわち、同
じ確変大当りであっても通常遊技状態ST1で導出された場合と、特定遊技状態で導出さ
れた場合とで移行する遊技状態が異なり、遊技者にとっては得られる価値が異なることと
なる。
本変形例での各遊技状態において選択される変動パターンは、基本的に第2変形例の場
合と同じであるが、第4特定遊技状態ST5において選択される変動パターンが一部異な
る。また、本変形例における演出の実行態様も基本的には第2変形例の場合と同じである
が一部が異なっている。本変形例では、大当りが導出された際の遊技状態によってその後
の遊技状態の移行先が異なるため、遊技者に大当りが導出された際の遊技状態を明確に把
握させ、違和感や不信感を与えないようにする必要がある。このため、演出の実行態様が
第2変形例の場合と一部が異なっている。以下に、第2変形例と異なる場合について説明
する。
図95には、本変形例の第4特定遊技状態ST5において選択される変動パターンを示
した。図95(a)~(c)は第2変形例の場合と同じである。図95(d)に示すよう
に、結果が大当りとなる特図変動表示ゲームについては、イレギュラー変動となる特図1
変動表示ゲームに対しては転落抽選に当選しない場合には20000msが設定され、転
落抽選に当選した場合には10000msが設定される。これらの場合には、結果がはず
れ又は小当りの場合に転落抽選に当選した場合おいて設定される特定演出は設定されない
また、メイン変動となる特図2変動表示ゲームに対しては転落抽選の当選の有無にかか
わらず10000msが設定される。このうち、転落抽選に当選していない場合は特定演
出が設定され、転落抽選に当選した場合には特定演出は設定されない。転落抽選に当選し
た大当りとなる特図変動表示ゲームについて特定演出を設定しないのは、転落抽選に当選
したことを早い段階から遊技者に把握させるために通常モード演出を行うためである。
図96(a)には、結果が大当りとなる特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合
を示した。基本的には図88(b)に示した第2変形例の場合と同じであるが、演出状態
や連続回数表示部96の表示内容が図88(b)に示した第2変形例の場合と異なる。
新たな特図2変動表示ゲームが開始された際に転落抽選に当選しており、確率状態が低
確率状態とされ(t81)、遊技状態は通常遊技状態ST1となる。また、転落抽選に当
選した大当りとなる特図変動表示ゲームが開始されることに伴い、小当りRUSH演出が
終了して通常モード演出となり、通常モード演出での大当り演出が実行される(t81~
t82)。
さらに、転落抽選に当選して通常遊技状態ST1に移行したことに伴い(t81)、右
打ちで遊技を進行する状態が終了し、第1遊技状態表示部56が消灯状態となるとともに
右打ち指示報知が終了する。また、第2始動入賞口97への入賞があれば左打ち指示報知
を行う状態を開始する。すなわち、第4特定遊技状態ST5において、転落抽選に当選し
、かつ、大当りとなる特図変動表示ゲームが開始された場合には、転落抽選に当選した特
図変動表示ゲームの開始に伴い、右打ちで遊技を進行する状態を終了するとともに右打ち
指示報知を終了するようにしている。
このように通常モード演出とすることや、第1遊技状態表示部56や右打ち指示報知、
左打ち指示報知も通常遊技状態ST1に対応した状態とすることで、大当りの導出が通常
遊技状態ST1で行われたことを明確に示すことができ、遊技者が特別遊技状態の終了後
における遊技状態の移行先に疑問を持つことを防止できる。また、第1特定演出が実行さ
れずに通常モード演出に移行することで、通常とは異なる状況であることを遊技者に示唆
することができ、期待感を高めることができる。そして、この特図変動表示ゲームの終了
後は第1特別遊技状態となり第1特別遊技演出となる(t83)。
連続回数表示部96では、通常遊技状態ST1への移行に伴い特定期間の終了条件が成
立したので、表示を終了するとともに大当り回数が0クリアされる(t81)。その後、
大当りとなる特図変動表示ゲームの終了に伴い新たな特定期間の開始条件が成立したので
連続回数表示部96の表示が開始される。この場合、大当りが導出された際の遊技状態は
通常遊技状態ST1であるので、連続回数表示部96の値は1とし、通常遊技状態ST1
で導出された大当りであることを遊技者が把握可能とする。これにより、第1特別遊技状
態の終了後すぐに第4特定遊技状態ST5に移行しないことを把握可能となる。
なお、小当りRUSH演出を終了して通常モード演出とする際に図91(d)に示した
ような小当りRUSH演出終了時の結果表示を行うようにしても良い。さらに、図91(
e)~(h)のような演出を行うようにしても良い。
図96(b)には、結果が小当りとなる特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合
であって、当該特図変動表示ゲームの実行中に大当りとなる特図変動表示ゲームが開始さ
れた場合を示した。基本的には図89(b)に示した第2変形例の場合と同じであるが、
連続回数表示部96の表示内容が図89(b)に示した第2変形例の場合と異なる。
連続回数表示部96では、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの後の第2特別遊技
状態でもそれまでの大当り回数(ここでは3回)を表示した状態が維持される。すなわち
、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時には通常遊技状態ST1に移行してお
り、遊技の情報を累積する特定期間の終了条件が成立しているが、この時点では表示が維
持される。そして、当該第2特別遊技状態の終了に伴い表示を終了するとともに大当り回
数が0クリアされる(t115)。
また、特定演出を行う転落抽選に当選した特図変動表示ゲームでは通常遊技状態ST1
に移行していても右打ちで遊技を進行する状態を維持するようになっている。よって当該
特図変動表示ゲームでは、第1遊技状態表示部56は点灯状態を維持し、右打ち指示報知
も維持される(t111~t114)。また、第2始動入賞口97への入賞があっても左
打ち指示報知を行なわないようにする。さらに、小当りに基づく第2特別遊技状態におい
ても右打ちで遊技を進行する状態が維持され(t114~t115)、当該第2特別遊技
状態の終了に伴い(t115)、第1遊技状態表示部56は遊技状態に応じて消灯状態と
され、右打ち指示報知も終了する。
その後、大当りとなる特図変動表示ゲームの終了に伴い第1特別遊技状態が開始され、
連続回数表示部96の表示が開始される。この場合、大当りが導出された際の遊技状態は
通常遊技状態ST1であり新たな特定期間が開始されるので、連続回数表示部96の値は
1とし、通常遊技状態ST1で導出された大当りであることを遊技者が把握可能とする。
これにより、第1特別遊技状態の終了後すぐに第4特定遊技状態ST5に移行しないこと
を把握可能となる。
また、表示装置41においては図91に示した演出を行うようになっていて、第2特別
遊技状態の終了に伴い通常モードの演出となることや、第1遊技状態表示部56や右打ち
指示報知、左打ち指示報知も通常遊技状態ST1に対応した状態とすることで、通常遊技
状態ST1に移行していることを把握可能となる。なお、この例においては図91(i)
における連続回数表示部96の値は1となる。
また、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの実行時間(t111~t113)は、
通常遊技状態ST1で開始された大当りとなる特図変動表示ゲームの変動時間(t112
~t113及びt115~t116を合算した時間)よりも短い。よって、転落抽選に当
選した特図変動表示ゲームが先に開始又は同時に開始された場合には、必ず転落抽選に当
選した特図変動表示ゲームが先に終了する。このため、大当り結果が導出される前に通常
遊技状態ST1であることを遊技者に知らせる時間を確保でき、通常遊技状態ST1で導
出された大当りであることを遊技者に対して確実に把握させることが可能である。また、
少なくとも転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが先に開始又は同時に開始された場合
には両方の特図変動表示ゲームの変動時間を参照することなく演出内容を決定でき、処理
を簡単にすることができる。
なお、転落抽選に当選して通常遊技状態ST1に移行したことに伴い(t111)、右
打ちで遊技を進行する状態を維持するとともに右打ち指示報知を終了するようにしても良
い。さらに、転落抽選に当選して通常遊技状態ST1に移行したことに伴い(t111)
連続回数表示部の表示を非表示として大当り回数を0クリアするようにしても良い。
以上のことから、始動入賞口(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動
入賞口97)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの
結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において
、遊技の制御を行う遊技制御手段(遊技制御装置100)と、始動入賞口をなす第1始動
口(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)及び第2始動口(第2始動入賞口97
)と、を備え、遊技制御手段は、第1始動口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームと
して第1変動表示ゲームを実行し、第2始動口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲーム
として第2変動表示ゲームを実行し、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームは同時に
実行可能であり、所定の開始条件の成立により開始されるとともに、変動表示ゲームの開
始の際に成立可能な所定の終了条件が成立することで終了する特定期間を設定可能であり
、特別結果の導出が特定期間中であるか否かにより遊技者に付与される遊技価値が異なり
、特定期間の終了条件が成立する変動表示ゲームの実行時間は、特定期間でない場合に開
始される特別結果となる変動表示ゲームの実行時間よりも短いこととなる。したがって、
終了条件が成立する変動表示ゲームの開始後に開始条件が成立する変動表示ゲームが開始
された場合には、特定期間が終了した状態で特別結果が導出されるので、得られる遊技価
値について遊技者の認識との齟齬が生じることを防止し、遊技の興趣の低下を防止するこ
とができる。
また、遊技制御手段は、終了条件が成立する変動表示ゲームの実行中において、終了条
件が成立したことを報知する終了演出(第1特定演出)を実行可能であることとなる。し
たがって、得られる遊技価値について遊技者の認識との齟齬が生じることを防止し、遊技
の興趣の低下を防止することができる。
また、特定期間の開始条件は特別結果の導出に伴い成立可能であるが、特定期間の設定
対象をどの期間にするかにより開始条件の成立時点が異なる。すなわち、特定期間として
特定遊技状態の他に特別遊技状態を含む場合には、特定遊技状態でない状態での特別結果
の導出に伴う特別遊技状態が開始されたことで開始条件が成立することとなる。また、特
定期間を特定遊技状態のみとして特別遊技状態を含まない場合には、特定遊技状態でない
状態での特別結果の導出に伴う特別遊技状態が終了して特定遊技状態が開始されたことで
開始条件が成立することとなる。
図97(a)には、大当りとなる特図1変動表示ゲームが転落抽選に当選した特図2変
動表示ゲームよりも先に開始されており、転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームの変
動時間が大当りとなる特図1変動表示ゲームの変動時間よりも先に終了する場合の演出状
態の一例を示した。基本的には図92(a)に示した第2変形例の場合と同じであるが、
演出状態や連続回数表示部96の表示内容が図92(a)に示した第2変形例の場合と異
なる。なお、演出状態1及び2は、図92(a)に示した演出と対応するものであって、
以下主に異なる部分について説明する。
演出状態1では、連続回数表示部96の表示について転落抽選に当選した特図変動表示
ゲームの終了に伴い表示を終了するとともに大当り回数が0クリアされる(t124)。
その後、大当りとなる特図変動表示ゲームの終了に伴い第1特別遊技状態が開始され、連
続回数表示部96の表示が開始される。この場合、大当りが導出された際の遊技状態は通
常遊技状態ST1であるので、連続回数表示部96の値は1とし、通常遊技状態ST1で
導出された大当りであることを遊技者が把握可能とする。
また、表示装置41においては図91に示した演出を行うようになっていて、転落抽選
に当選した特図変動表示ゲームの終了に伴い通常モードの演出となることから通常遊技状
態ST1に移行していることを把握可能となる。なお、この例において図91(i)にお
ける連続回数表示部96の値は1となる。
演出状態2では、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが開始されることに伴い(t
122)、小当りRUSH演出が終了して通常モード演出となり第2特定演出が実行され
る。当該転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了後(t124)、大当りとなる特
図変動表示ゲームの終了(t126)まで第3特定演出が行われ、その後第1特別遊技状
態となる。このように通常モード演出とすることで、大当りの導出が通常遊技状態ST1
で行われたことを明確に示すことができ、遊技者が特別遊技状態の終了後における遊技状
態の移行先に疑問を持つことを防止できる。また、第1特定演出が実行されずに通常モー
ド演出に移行することで、通常とは異なる状況であることを遊技者に示唆することができ
、期待感を高めることができる。
連続回数表示部96では、通常遊技状態ST1への移行に伴い表示を終了するとともに
大当り回数が0クリアされる(t122)。その後、大当りとなる特図変動表示ゲームの
終了に伴い第1特別遊技状態が開始され、連続回数表示部96の表示が開始される。この
場合、大当りが導出された際の遊技状態は通常遊技状態ST1であるので、連続回数表示
部96の値は1とし、通常遊技状態ST1で導出された大当りであることを遊技者が把握
可能とする。なお、小当りRUSH演出を終了して通常モード演出とする際に図91(d
)に示したような小当りRUSH演出終了時の結果表示を行うようにしても良い。さらに
、図91(e)~(h)のような演出を行うようにしても良い。
また、遊技を進行する状態や第1遊技状態表示部56の表示及び右打ち指示報知につい
ては、演出状態1と2のいずれも転落抽選に当選して通常遊技状態ST1に移行したこと
に伴い(t121)、右打ちで遊技を進行する状態が終了し、第1遊技状態表示部56が
消灯状態となるとともに右打ち指示報知が終了する。すなわち、第4特定遊技状態ST5
において、転落抽選に当選し、かつ、大当りとなる特図変動表示ゲームが実行されている
場合には、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始に伴い、右打ちで遊技を進行す
る状態を終了するとともに右打ち指示報知を終了するようにしている。
なお、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了(t124)まで右打ちで遊技を
進行する状態を維持するとともに右打ち指示報知を維持するようにしても良いし、大当り
となる特図1変動表示ゲームが実行されていることから特別結果の導出まで(t126)
右打ちで遊技を進行する状態を維持するとともに右打ち指示報知を維持するようにしても
良い。
図97(b)には、転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームの変動時間よりも大当り
となる特図1変動表示ゲームの変動時間が先に終了する場合の演出状態の一例を示した。
基本的には図92(b)に示した第2変形例の場合と同じであるが、演出状態や連続回数
表示部96の表示内容が図92(b)に示した第2変形例の場合と異なる。
特図2変動表示ゲームの開始に伴い確率状態は低確率状態に移行し、遊技状態は通常遊
技状態ST1となる。この時点で遊技機においては大当りとなる特図1変動表示ゲームの
変動時間は転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームの変動時間よりも先に終了すること
が把握されている。この場合、転落抽選に当選した特図2変動表示ゲームの開始時におい
て通常モード演出とするとともに、転落抽選に当選したことを示唆又は報知する第1特定
演出を行わないことが選択されて第2特定演出が行われる。
また、連続回数表示部96では、通常遊技状態ST1への移行に伴い表示を終了すると
ともに大当り回数が0クリアされる(t132)。その後、大当りとなる特図変動表示ゲ
ームの終了に伴い第1特別遊技状態が開始され、連続回数表示部96の表示が開始される
。この場合、大当りが導出された際の遊技状態は通常遊技状態ST1であるので、連続回
数表示部96の値は1とし、通常遊技状態ST1で導出された大当りであることを遊技者
が把握可能とする。なお、小当りRUSH演出を終了して通常モード演出とする際に図9
1(d)に示したような小当りRUSH演出終了時の結果表示を行うようにしても良い。
さらに、図91(e)~(h)のような演出を行うようにしても良い。
また、遊技を進行する状態や第1遊技状態表示部56の表示及び右打ち指示報知につい
ては、転落抽選に当選して通常遊技状態ST1に移行したことに伴い(t132)、右打
ちで遊技を進行する状態が終了し、第1遊技状態表示部56が消灯状態となるとともに右
打ち指示報知が終了する。すなわち、第4特定遊技状態ST5において、転落抽選に当選
し、かつ、大当りとなる特図変動表示ゲームが実行されている場合には、転落抽選に当選
した特図変動表示ゲームの開始に伴い、右打ちで遊技を進行する状態を終了するとともに
右打ち指示報知を終了するようにしている。
なお、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが大当りとなる特図変動表示ゲームの終
了前の所定期間内に開始されて通常モード演出を十分な時間にわたり表示できない場合に
は、大当りとなる特図変動表示ゲームの停止時間において転落抽選に当選したことの報知
を行うようにしても良い。
また、転落抽選に当選した後の大当りが通常遊技状態ST1での大当りであることを示
すために通常モード演出にするとしたが、通常遊技状態ST1での大当りであることを遊
技者が把握できるようにするものであれば良く、通常モード演出とすることに限られない
。例えば、通常モード演出とせずに第2特定演出や第3特定演出のような付加的な演出を
行うのみにより通常遊技状態ST1であることを示すようにしても良いし、音声により通
常遊技状態ST1であることを示すようにしても良い。また、動作可能な役物が特定遊技
状態である場合と通常遊技状態ST1である場合とで滞在する位置が異なるようにし、役
物を通常遊技状態ST1の位置に戻すことで通常遊技状態ST1であることを示すように
しても良い。
また、特定期間である特定遊技状態中や特別遊技状態中は右打ちで遊技を進行し、特定
期間でない通常遊技状態ST1では左打ちで遊技を進行するので、遊技球の発射方向の指
示表示によって通常遊技状態ST1に戻っていることを示すことも可能である。特に、図
96,97に示した場合には、通常遊技状態ST1に戻った際に左打ちを指示する指示表
示を強調して表示することで、より強く遊技者に認識させることができる。
また、第4特定遊技状態ST5の終了による特定期間の終了時における連続回数表示部
96の表示の引継ぎについて説明したが、第1特定遊技状態ST2や第2特定遊技状態S
T3及び第3特定遊技状態ST4の終了による特定期間の終了時においても同様に、通常
遊技状態ST1に移行したことを明確に示すようにしても良い。さらに、第1特定遊技状
態ST2や第2特定遊技状態ST3及び第3特定遊技状態ST4が終了することとなる特
図変動表示ゲームの変動時間については、通常遊技状態ST1において開始される大当り
となる特図変動表示ゲームの変動時間よりも短くするようにしても良い。
また、上述の実施形態及び各変形例では、特別結果の図柄により高確率状態とするか否
かを決定するようにしているが、特別遊技状態において特定領域を遊技球が通過するか否
かにより高確率状態とするか否かを決定するようにしても良い。
〔第4変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、
上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分につ
いては同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊
技機は、演出の実行態様により特図変動表示ゲームの結果を示唆可能となっている。
図98には、SP1リーチのうちのSP1リーチAについての実行態様と選択割合を示
した。SP1リーチには、SP1リーチAとSP1リーチBが含まれており、所定の割合
で選択されるようになっている。さらに、SP1リーチAには図98に示すように、はず
れ通常演出、大当り通常演出、違和感演出A、違和感演出B、違和感演出C及び違和感演
出Dがあり、所定の割合で選択されるようになっている。図98(b)に示すように結果
がはずれの場合は、はずれ通常演出のみが選択される。また、図98(c)に示すように
結果が大当りの場合は、はずれ通常演出以外の演出から選択される。
SP1リーチAとSP1リーチBは演出内容が大きく異なり、例えば演出のストーリー
が異なる演出である。また、SP1リーチAに含まれるはずれ通常演出、大当り通常演出
、違和感演出A、違和感演出B、違和感演出C及び違和感演出Dは、演出の切り替えタイ
ミングや演出内容が似たものとなっており、例えば演出の切り替えタイミングが同じであ
ったり、同じストーリーの演出を行うが変化のタイミングや実行期間、登場するキャラク
タなどがわずかに異なったりするものとなっている。
図98(a)に示すようにはずれ通常演出は、特図変動表示ゲームの変動開始から所定
時間が経過すると第1所定演出をなすNリーチ演出となり、さらに所定時間が経過すると
第2所定演出(特定演出)をなすSPリーチA演出に発展する。その後、はずれ結果で変
動表示が停止する。これに対して大当り通常演出は、はずれ通常演出と共通の演出内容を
実行した後に大当りの結果を導出する演出を行うようになっており、この大当りの結果を
導出する演出を行う分だけ、はずれ通常演出よりも変動停止するまでの時間が長いものと
なっている。
これらのはずれ通常演出及び大当り通常演出は、SPリーチAが選択される場合に最も
高い確率で選択されるものである。よって、SPリーチAとなる場合の大部分は、大当り
通常演出が実行される期間である第1実行期間で終了する。すなわち、はずれ通常演出及
び大当り通常演出が第1実行期間で終了する第1演出をなす。これらのはずれ通常演出及
び大当り通常演出が反復して実行されることで、はずれ通常演出及び大当り通常演出で共
通に実行される演出内容がSPリーチAの演出であると遊技者に強く印象付けるルーチン
状態を形成することができる。特に、第1所定演出をなすNリーチ演出から第2所定演出
(特定演出)をなすSPリーチA演出への移行タイミングは、はずれ通常演出及び大当り
通常演出で同じタイミングとなっており、この移行タイミングを遊技者に強く印象付けて
ルーチン状態を形成することができる。
また、違和感演出A~Dは、大当り通常演出の実行時間が第1実行期間であるのに対し
て、第2実行期間の分だけ実行時間が長いものとなっている。すなわち違和感演出A~D
が第1実行期間及び第2実行期間にわたり実行される第2演出をなす。違和感演出A~D
において変動開始からNリーチ演出となるまでのタイミングは大当り通常演出と同じであ
るが、その他の部分で差異がある。すなわち、遊技者に印象付けられたSPリーチAの演
出との違和感を覚える部分がある。
違和感演出Aは、第2所定演出をなすSPリーチA演出への発展タイミングは大当り通
常演出と同じであるが、SPリーチA演出への発展から変動停止までの期間が第2実行期
間の分だけ長いものとなっている。この違和感演出Aの演出内容は、はずれ通常演出及び
大当り通常演出で共通の演出内容を実行するものであり、はずれ通常演出及び大当り通常
演出であれば停止するタイミングを超えて変動表示が継続することで遊技者に違和感を与
えるようになっている。すなわち、違和感演出Aについては停止表示に移行するタイミン
グがはずれ通常演出及び大当り通常演出と異なっている。
違和感演出Bは、第2所定演出をなすSPリーチA演出への発展タイミングが大当り通
常演出よりも早くなっている。この違和感演出BではNリーチ状態の期間が短いことで遊
技者に違和感を与える。また、SPリーチA演出への発展後は、はずれ通常演出及び大当
り通常で共通の演出内容を実行するが、SPリーチA演出への発展が早かった分だけはず
れ通常演出及び大当り通常演出で共通の演出内容が行われた後も変動表示が継続するよう
になり、これによっても遊技者に違和感を与えるようになっている。
違和感演出Cは、第2所定演出をなすSPリーチA演出への発展タイミングが大当り通
常演出よりも遅くなっている。この違和感演出CではNリーチ状態の期間が長いことで遊
技者に違和感を与える。また、SPリーチA演出への発展後は、はずれ通常演出及び大当
り通常で共通の演出内容を実行するが、SPリーチA演出の実行期間は、はずれ通常演出
及び大当り通常よりも長く、はずれ通常演出及び大当り通常演出で共通の演出内容が行わ
れた後も変動表示が継続するようになり、これによっても遊技者に違和感を与えるように
なっている。なお、SPリーチA演出への発展から変動停止までの期間を、大当り通常演
出同じとすれば、Nリーチ状態の期間が長いこと以外は大当り通常演出と同じとなり、遊
技者に違和感を与えつつ明確に大当りであることを察知させないようにすることができる
違和感演出Dは、第2所定演出をなすSPリーチA演出への発展がないものとなってお
り、Nリーチ状態が長時間継続することにより違和感を与えるようになっている。なお、
違和感演出Dは、SPリーチA演出への発展がないので、Nリーチについての違和感演出
であるとも言える。ここでは変動時間が違和感演出A~Cと同じであるのでSPリーチA
の違和感演出として含めたが、SPリーチAの違和感演出として含めないようにしても良
い。
図98(b)に示すように結果がはずれとなる場合でSPリーチAが選択された場合に
は、はずれ通常演出のみが選択され、図98(c)に示すように結果が大当りとなる場合
でSPリーチAが選択された場合には、ほとんどが大当り通常演出となり、違和感演出A
~Dは僅かな割合で選択される。このように違和感演出A~Dは、SPリーチAが選択さ
れる場合にはずれ通常演出や大当り通常演出よりも低い確率で選択されるものである。よ
って、SPリーチAとなる場合でもほとんど出現しないものである。
大当りとなる場合にこのような違和感演出A~Dをわずかな確率で実行可能としたこと
で、はずれ通常演出及び大当り通常演出が高頻度で実行されることにより遊技者に印象付
けられたルーチン状態を逸脱した違和感状態を形成可能であり、この違和感状態によって
大当りであることを暗示することができる。
また、はずれ通常演出と大当り通常演出は、変動停止するタイミングが異なる以外は演
出内容が同じであるので、遊技者は変動停止するタイミングの直前まで結果がわからない
状態となる。これに対して違和感演出B~Dでは、大当り通常演出よりもはずれ通常演出
との差異を感じることができる時点が早い。よって、早い段階で遊技者が違和感を覚える
ことで大当りとなることを推測することができるようになる。
また、違和感演出A~Cは、はずれ通常演出及び大当り通常と共通の演出内容を実行す
るので、遊技者は違和感を覚えたとしても違和感演出であると確信を持ちにくく、大当り
であるかもしれないとの興味を持って演出に注目するようになるので、遊技の興趣を向上
することができる。
図99、図100には、SPリーチAの各パターンにおける表示装置41での表示の一
例を示した。図99(a)に示すように通常遊技状態ST1においてメイン変動となる第
1特図変動表示ゲームが実行されていない状態で新たな第1始動記憶が発生すると、図9
9(b)に示すように特図1変動表示ゲームが開始されて第1飾り特図1ゲーム表示部8
5aで変動表示が開始される。第1特図変動表示ゲームの変動開始から所定時間が経過す
ると、図99(c)に示すように左変動表示領域と右変動表示領域で同じ識別情報が仮停
止するリーチ状態となって第1所定演出をなすNリーチ演出となる。
このNリーチ演出では、中変動表示領域において識別情報の値が大きくなる方向へ高速
で変動表示する状態が所定時間継続され、その後、変動表示の速度が低下して図99(d
)に示すように中変動表示領域の識別情報を明確に視認可能な状態で低速で変動表示する
状態となる。中変動表示領域の識別情報を明確に視認可能な状態で低速で変動表示する状
態は、少なくとも左右の変動表示領域で停止している識別情報と同じ識別情報(ここでは
「2」)の2つ手前の識別情報(ここでは「0」)から行われる。図99(d)では左右
の変動表示領域で停止している識別情報と同じ識別情報がすでに通過して次の識別情報(
ここでは「3」)が通過している状態となっている。
はずれ通常演出、大当り通常演出及び違和感演出Aの場合は、図99(d)に示すよう
に左右の変動表示領域で停止している識別情報の次の識別情報が通過している状態となる
と、図99(e)に示すように第2所定演出をなすSPリーチA演出に発展する。なお、
違和感演出Bの場合は、図99(d)に示す状態の手前の状態である図100(a)に示
すような左右の変動表示領域で停止している識別情報と同じ識別情報が通過している状態
となるとでSPリーチA演出に発展する。
また、違和感演出Cの場合は、図99(d)に示す状態より後の状態である図100(
e)に示すような左右の変動表示領域で停止している識別情報の2つ先の識別情報(ここ
では「4」)が通過している状態となるとSPリーチA演出に発展する。また、違和感演
出Dの場合は、図99(d)に示すような低速で中変動表示領域が変動表示する状態が図
100(i)~(l)のように継続されてSPリーチA演出に発展しない。
このように、SPリーチA演出への発展タイミングが異なることで違和感が生じ、遊技
者が大当りであることを推測することが可能となる。また、中変動表示領域において通過
する識別情報の値により、SPリーチA演出への移行タイミングがはずれ通常演出や大当
り通常演出と異なっていることを知ることができるようにしており、視覚的にも把握しや
すくされている。すなわち、第1演出(はずれ通常演出及び大当り通常演出)における第
2所定演出への移行タイミングと、第2演出(ここでは違和感演出B及びC)における第
2所定演出への移行タイミングと、では、仮停止した識別情報と同じ識別情報の変動表示
する変動表示領域における表示位置が異なるようにしている。もちろん視覚的には判別困
難となるように、第1演出における第2所定演出への移行タイミングと、第2演出におけ
る第2所定演出への移行タイミングと、で仮停止した識別情報と同じ識別情報の変動表示
する変動表示領域における表示位置が同じとなるようにしても良い。
図99(e)に示すようなSPリーチA演出を所定時間行った後、はずれ通常演出の場
合は図99(f)に示すようにはずれ結果で変動表示が停止する。大当り通常演出の場合
は、はずれ通常演出よりもSPリーチA演出が長く継続して図99(g)に示すように特
別結果態様で変動表示が停止する。
また、違和感演出Aの場合は、図99(h)に示すように大当り通常演出よりもSPリ
ーチA演出が長く継続し、図99(i)に示すように特別結果態様で変動表示が停止する
。図100(a)~(d)に示す違和感演出Bの場合や、図100(e)~(h)に示す
違和感演出Cの場合も、違和感演出Aと同じく大当り通常演出よりもSPリーチA演出が
長く継続して特別結果態様で変動表示が停止する。また、図100(i)~(m)に示す
違和感演出Dの場合も大当り通常演出よりも長い変動時間を経て特別結果態様で変動表示
が停止する。このように違和感演出A~Dでは、SPリーチA演出への移行タイミングや
変動停止のタイミングについてはずれ通常演出及び大当り通常演出と異なる点があり、遊
技者に違和感を与えて大当りであることを暗示することができる。
本変形例では、大当り通常演出の選択確率が違和感演出A~Dの選択確率よりも10倍
以上高くされており、さらに、はずれの場合にはずれ通常演出が所定の確率で選択される
。このように、違和感演出A~Dの選択確率に対してはずれ通常演出及び大当り通常の選
択確率が十分に大きいことで違和感演出A~Dが実行される機会を少なくし、実行された
場合には違和感を与えることができるようになる。
はずれ通常演出及び大当り通常演出が選択される確率に対する違和感演出A~Dの選択
確率は、少なくとも2倍以上の差があれば選択機会に差が生まれるので違和感を与える効
果は生じる。逆に30倍以上の差があれば違和感を与える効果は高まるが、違和感演出A
~Dの選択機会が極端に少なくなってしまう。よって、10~30倍程度の差があること
が最も効果的である。もちろん2~10倍や30倍以上の差があっても効果は生じる。
なお、上述の例ではSP1リーチAについて説明したが、SP1リーチBにも同様に複
数種類のパターンが含まれるようにしても良い。また、SP2リーチやSP3リーチにも
同様にAとBがあり、これらの中にはさらに複数種類のパターンが含まれるようにしても
良い。また、Nリーチについても同様に複数種類のパターンが含まれるようにしても良い
また、結果が大当りの場合に、大当り通常演出又は違和感演出A~Dを選択可能である
が、大当り通常演出を実行する場合と違和感演出A~Dを実行する場合との間には変動時
間の差異があるため遊技制御装置100が大当り通常演出と違和感演出A~Dの何れを行
うかを選択しているとも言える。違和感演出A~Dのいずれを選択するかは演出制御装置
300のみでも実行可能である。もちろん、大当り通常演出及び違和感演出A~Dの変動
時間を同じ変動時間としても良く、このようにすれば演出制御装置300のみにおいて大
当り通常演出及び違和感演出A~Dのうちから任意に選択することが可能となり、選択の
自由度を高めることができる。
すなわち、演出制御装置300が、ゲームに関連して演出を実行可能な演出制御手段を
なすとともに、第1演出(はずれ通常演出及び大当り通常演出)と第2演出(違和感演出
A~D)を実行可能な演出実行手段をなす。また、遊技制御装置100又は演出制御装置
300が、第1演出又は第2演出を選択可能な演出選択手段をなす。大当り通常演出と違
和感演出A~Dの変動時間の設定によっては、演出制御装置300のみで演出選択手段を
構成することも可能である。
また、第2所定演出をなすSPリーチA演出への移行タイミングを異ならせることで違
和感を生じさせるとしたが、これ以外の演出への移行タイミングの差異により違和感を生
じさせるようにしても良い。例えば、第1所定演出への移行タイミングを各演出パターン
で異ならせることで違和感を生じさせるようにしても良い。また、第2所定演出からさら
に第3所定演出へ移行する場合に当該移行タイミングを異ならせることで違和感を生じさ
せるようにしても良い。すなわち、同一の演出内容として、予め定められた順序で複数の
演出を移行させるようにした複数の演出パターンにおいて、一又は複数の移行タイミング
を異ならせることで違和感を生じさせるようにすれば良い。
また、移行タイミングをゲームの開始タイミングを基準として異ならせるようにしたが
、変動開始に限られないゲームにおける任意のタイミング(各演出パターンで共通しない
タイミングで良い)に設定される基準時を設け、当該基準時から見た演出の移行タイミン
グに差異を持たせるようにしても良い。この基準時においては特定の演出を行うことで遊
技者に基準時であることを示し、当該基準時からの見た演出の移行タイミングの差異を遊
技者が把握容易としても良い。
図101、図102には、違和感演出の別例を示した。図101には、SP1リーチの
うちのSP1リーチAについての実行態様と選択割合を示した。この例では、はずれ通常
演出、大当り通常演出、違和感演出A、違和感演出B及び違和感演出Cがあり、所定の割
合で選択されるようになっている。図101(b)に示すように結果がはずれの場合は、
はずれ通常演出のみが選択される。また、図101(c)に示すように結果が大当りの場
合は、はずれ通常演出以外の演出から選択される。
図101(a)に示すようにはずれ通常演出は、特図変動表示ゲームの変動開始から所
定時間が経過するとNリーチ演出となり、さらに所定時間が経過するとSPリーチA演出
に発展する。その後、はずれ結果で変動表示が停止する。これに対して大当り通常演出及
び違和感演出A~Cは、はずれ通常演出と共通の演出内容を実行した後に大当りの結果を
導出する演出を行うようになっており、この大当りの結果を導出する演出を行う分だけ、
はずれ通常演出よりも変動停止するまでの時間が長いものとなっている。
変動開始からNリーチ演出が開始されるまでの期間である第1実行期間では、キャラク
タAが出現する演出を実行可能である。はずれ通常演出及び大当り通常演出では、変動開
始から所定時間経過した所定タイミングで特定演出としてキャラクタAが出現するように
なっているのに対し、違和感演出Aではこの所定タイミングよりも早いタイミングで特定
演出としてキャラクタAが出現し、違和感演出Bではこの所定タイミングよりも遅いタイ
ミングで特定演出としてキャラクタAが出現する。また、違和感演出CではキャラクタA
が出現しない。すなわち特定演出を実行しない。
はずれ通常演出及び大当り通常演出は、SPリーチAが選択される場合に最も高い確率
で選択されるものである。これらのはずれ通常演出及び大当り通常演出が反復して実行さ
れることで、はずれ通常演出及び大当り通常演出で共通に実行される演出内容がSPリー
チAの演出であると強く印象付けるルーチン状態を形成することができる。特に、特定演
出としてキャラクタAが出現するタイミングについて強く印象付けることで、はずれ通常
演出や大当り通常演出よりも低い確率で選択される違和感演出A~Cが選択された場合に
印象付けられたルーチン状態を逸脱した違和感状態を形成可能であり、この違和感状態に
よって大当りであることを暗示することができる。
はずれ通常演出と大当り通常演出は、変動停止するタイミングが異なる以外は同じ演出
となるので、遊技者は変動停止するタイミングの直前まで結果がわからない状態となる。
これに対して違和感演出A~Cでは、大当り通常演出よりもはずれ通常演出との差異を感
じることができる時点が早い。よって、遊技者が違和感を覚えることで大当りとなること
を推測することができるようになる。また、違和感演出A~Cは、特定演出をなすキャラ
クタAが出現する演出のタイミングが異なるのみであってその他の演出内容は同じである
ので、遊技者は第1実行期間で違和感を覚えたとしても違和感演出であると確信を持ちに
くく、大当りであるかもしれないとの興味を持って演出に注目するようになるので、遊技
の興趣を向上することができる。
図102には、SPリーチAの各パターンにおける表示装置41での表示の一例を示し
た。図102(a)~(e)には、はずれ通常演出及び大当り通常演出での表示の一例を
示した。図102(a)に示すように通常遊技状態ST1においてメイン変動となる第1
特図変動表示ゲームが実行されていない状態で新たな第1始動記憶が発生すると、特図1
変動表示ゲームが開始されて第1飾り特図1ゲーム表示部85aで変動表示が開始される
はずれ通常演出及び大当り通常演出では、第1特図変動表示ゲームの変動開始から所定
時間が経過すると図102(b)に示すように流れ星を模した演出が行われ、その後に図
102(c)に示すように星を模したキャラクタAが出現する特定演出が行われる。そし
て、図102(d)に示すようにキャラクタAが出現する特定演出が終了した後に、図1
02(a)に示すように左変動表示領域と右変動表示領域で同じ識別情報が仮停止するリ
ーチ状態となってNリーチ演出となる。さらにその後にSPリーチ演出Aに発展し、結果
態様が導出される。
図102(f)~(j)には、違和感演出Aでの表示の一例を示した。図102(f)
に示すように通常遊技状態ST1においてメイン変動となる第1特図変動表示ゲームが実
行されていない状態で新たな第1始動記憶が発生すると、特図1変動表示ゲームが開始さ
れて第1飾り特図1ゲーム表示部85aで変動表示が開始される。
違和感演出Aでは、はずれ通常演出及び大当り通常演出において図102(b)に示し
たような流れ星を模した演出が行われるタイミングで図102(g)に示すようにキャラ
クタAが出現する演出が行われる。このため、図102(b)に示したような流れ星を模
した演出は行われない。このようにキャラクタAが出現する特定演出のタイミングが早い
ことや、流れ星を模した演出が実行されないことから遊技者が違和感を覚えることとなる
。また、図102(h)~(j)に示すようにキャラクタAが出現する特定演出が終了し
た後に左変動表示領域と右変動表示領域で同じ識別情報が仮停止するリーチ状態となって
Nリーチ演出となるまでの時間が長いことからも違和感を覚えることとなる。
違和感演出Bについては記載を省略するが、はずれ通常演出及び大当り通常演出におい
て図102(b)に示したような流れ星を模した演出が行われるタイミングでは演出を行
わず、図102(c)に示したようにキャラクタAが出現する特定演出が行われるタイミ
ングで流れ星を模した演出を行う。そして、はずれ通常演出及び大当り通常演出において
図102(d)に示すようにキャラクタAが出現する特定演出が終了しているタイミング
でキャラクタAが出現する特定演出が行われる。このように特定演出の開始が遅れること
で違和感を覚えることとなる。また、キャラクタAが出現する演出が終了してからリーチ
状態となるまでの時間が短いことでも違和感を覚えることとなる。
違和感演出Cでは、図102(l)に示すようにはずれ通常演出及び大当り通常演出と
同じタイミングで流れ星を模した演出が行われる。しかし、その後にキャラクタAが出現
する特定演出が行われずにリーチ状態となる。このようにキャラクタAが出現する演出が
行われないことで遊技者が違和感を覚えることとなる。
なお、この例では変動開始からNリーチ状態となるまでの期間を対象として違和感が生
じるようにしたが、これ以外の期間を対象としても良い。また、図98~図100に示し
た例と組み合わせても良い。
また、特定演出をなすキャラクタAが出現する演出の実行タイミングを、ゲームの開始
タイミングを基準として異ならせるようにしたが、変動開始からNリーチ演出となるまで
に共通に実行される共通演出において共通演出の開始を基準とした特定演出の実行タイミ
ングが異なっているとも言える。よって、変動開始に限られないゲームにおける任意のタ
イミング(各演出パターンで共通しないタイミングで良い)において予め定められた共通
演出を実行するようにし、この共通演出のうちで特定演出を実行するタイミングが異なる
ことで違和感を生じさせることが可能である。この場合、共通演出の開始から特定演出が
開始されるまでの間隔や、特定演出が終了してから共通演出が終了するまでの間隔により
違和感を生じさせることが可能である。
また、違和感状態を形成するための演出の差異は上述したような実行タイミングに限ら
れない。例えば、図103に示すように、6つの角をもつ星形のキャラクタAに対して7
つの角を持つ星形のキャラクタBに置き換るなど、遊技者が発見困難な程度の差異として
も良い。また、音声、表示又はLEDの同期タイミングが異なるなど、音声、表示、LE
Dの間での実行タイミングの差異を用いて違和感状態を形成するようにしても良い。また
、表示やLEDにおける色や、音声の再生速度、音程の高低などの差異を用いて違和感状
態を形成するようにしても良い。
また、本変形例では、一のゲームと他のゲームとの間で違和感を与える演出について説
明したが、一のゲーム中で違和感を与えるようにしても良い。例えば、特図変動表示ゲー
ムの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて複数の識別情報を所定時間変動表示した後に
仮停止する単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出するいわゆる擬似連変
動表示態様を行う場合に、各単位変動表示において選択する演出どうしで違和感を与える
ようにしても良い。この場合、単位変動表示において第1演出又は第2演出を実行可能と
し、第1演出の選択確率を第2演出の選択確率よりも高めるようにする(例えば10倍以
上)。第1演出と第2演出は共通の演出内容を実行するが演出の実行タイミングが異なる
ものとする。そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合にのみ第2演出を選
択可能とすることで、第2演出の実行により生じる違和感により大当りの発生を暗示する
ことができる。
また、導出される特別結果の種類により選択可能な違和感演出を異ならせたり、各違和
感演出の選択確率を異ならせたりして、大当りであることの暗示と大当りの種類の暗示を
行うことができるようにしても良い。また、RTC338の情報に基づき、日時や時刻に
応じて選択できる違和感演出を異ならせたり、各違和感演出の選択確率を異ならせたりし
ても良い。また、出現した演出などを遊技履歴情報として記憶、表示できるようにし、違
和感演出であったことを履歴情報で確認できるようにしても良い。
また、遊技機に設けられた操作手段を操作することで特別結果の導出確率を複数種類の
確率設定値から選択して設定できるようにし、設定された確率設定値により選択可能な違
和感演出を異ならせたり、各違和感演出の選択確率を異ならせたりして、大当りであるこ
との暗示と確率設定値の暗示を行うことができるようにしても良い。
また、違和感演出であることを遊技者が把握容易とするための補助表示を行うようにし
ても良い。上述の例では、中変動表示領域における識別情報の値が補助表示としても機能
するが、これとは別の補助表示を行うようにしても良い。例えば、時間を表示するタイマ
を表示し、SPリーチA演出への発展タイミングをタイマ表示により確認できるようにし
ても良い。タイマ表示の値は、変動開始などのある基準点からの経過時間を加算表示する
ものであっても良いし、ある基準点までの残り時間を減算表示するものであっても良い。
また、実行中の特図変動表示ゲームについての演出として違和感演出を行うようにした
が、これ以外の演出で違和感演出を行うようにしても良い。例えば、始動記憶についての
事前判定結果を報知する先読み演出において、大当りとなる始動記憶やSPリーチとなる
始動記憶のような期待度の高い始動記憶について普段とは異なる先読み演出とする違和感
演出を行うようにしても良い。先読み演出における違和感演出としては、第1記憶表示部
83aの飾り特図始動記憶表示の表示において、非常に低い確率で選択される表示を設け
るようにしたり、変化の過程として非常に低い確率で選択される過程を設けるようにした
りする。
以上のことから、ゲームに関連して演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置30
0)を備えた遊技機において、演出制御手段は、第1実行期間にて第1所定演出(SPリ
ーチA)を実行可能な第1演出(はずれ通常演出及び大当り通常演出)と第2演出(違和
感演出A~D)を実行可能な演出実行手段(演出制御装置300)と、第1演出又は前記
第2演出を選択可能な演出選択手段(演出制御装置300)と、を備え、前記演出選択手
段は、前記ゲームの結果がはずれとなる際に前記第1所定演出を実行する場合に、第1の
割合(図98(b)参照)で前記第1演出が実行されるように選択可能であると共に、前
記ゲームの結果が当りとなる際に前記第1所定演出を実行する場合に、第2の割合(図9
8(c)の大当り通常演出の実行割合)で前記第1演出を実行又は第3の割合(図98(
c)の違和感演出A~Dの実行割合)で前記第2演出を実行するように選択可能であり、
前記演出実行手段は、前記第1所定演出を実行する場合に、前記第1実行期間にて前記第
1演出を反復実行してルーチン状態を形成し、前記ゲームの結果が当りとなる際に前記第
1所定演出を実行する場合に、前記第1実行期間にて前記第2演出を実行することで、前
記ルーチン状態を逸脱した違和感状態を形成可能であることとなる。
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。このパチンコ機では、遊技領域に設け
られた始動口に遊技球が入賞すること(始動入賞)に基づいて、遊技領域に設けられた変
動表示装置に表示される複数の識別情報(図柄、記号など)を変動表示する変動表示ゲー
ムを開始し、所定時間経過後に停止した複数の識別情報の態様が予め定められた特別結果
態様であった場合には、遊技者に多くの賞球を払い出す特別遊技状態となるものがある(
例えば特開2017-121302号公報)。このような従来の遊技機では、長時間遊技
を行うことで演出が単調となり、遊技の興趣が高まらないという問題があった。上記発明
によれば、一定期間遊技を行うことで形成されたルーチン状態を逸脱したことで結果を示
唆することができるなど従来に無い多彩な演出を行うことが可能となり、遊技の興趣を高
めることができる。
また、前記演出実行手段は、前記ゲームの結果がはずれとなる際に前記第1所定演出を
実行する場合に、前記第1実行期間にて前記第1演出を反復実行してルーチン状態を形成
し、前記ゲームの結果が当りとなる際に前記第1所定演出を実行する場合に、前記第1実
行期間にて前記第2演出を実行することで、前記ルーチン状態を逸脱した違和感状態を形
成可能であることとなる。
また、前記演出実行手段は、前記ゲームの結果が当りとなる際に前記第1所定演出を実
行する場合に、前記第1実行期間にて前記第1演出を反復実行してルーチン状態を形成し
、前記ゲームの結果が当りとなる際に前記第1所定演出を実行する場合に、前記第1実行
期間にて前記第2演出を実行することで、前記ルーチン状態を逸脱した違和感状態を形成
可能であることとなる。
また、前記演出実行手段は、前記第1所定演出を実行する場合に、前記第1実行期間に
て前記第1演出を反復実行してルーチン状態を形成し、前記ゲームの結果が当りとなる際
に前記第1所定演出を実行する場合に、前記第1実行期間にて前記第1所定演出を実行し
、該第1実行期間に続く第2実行期間にて前記第1所定演出を継続して実行することで、
前記ルーチン状態を逸脱した違和感状態を形成可能であることとなる。
また、前記演出実行手段は、前記ゲームの結果がはずれとなる際に前記第1所定演出を
実行する場合に、前記第1実行期間にて前記第1演出を反復実行してルーチン状態を形成
し、前記ゲームの結果が当りとなる際に前記第1所定演出を実行する場合に、前記第1実
行期間にて前記第1所定演出を実行し、該第1実行期間に続く第2実行期間にて前記第1
所定演出を継続して実行することで、前記ルーチン状態を逸脱した違和感状態を形成可能
であることとなる。
また、前記演出実行手段は、前記ゲームの結果が当りとなる際に前記第1所定演出を実
行する場合に、前記第1実行期間にて前記第1演出を反復実行してルーチン状態を形成し
、前記ゲームの結果が当りとなる際に前記第1所定演出を実行する場合に、前記第1実行
期間にて前記第1所定演出を実行し、該第1実行期間に続く第2実行期間にて前記第1所
定演出を継続して実行することで、前記ルーチン状態を逸脱した違和感状態を形成可能で
あることとなる。
また、遊技球が流下可能な遊技領域32を備え、前記遊技領域32に設けられた始動入
賞口(第1始動口36、普通変動入賞装置37、第2始動口97)への遊技球の入賞に基
づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態
を発生する遊技機において、ゲームに関連して演出を実行可能な演出制御手段(演出制御
装置300)を備え、前記演出制御手段は、同一の演出内容として特定演出を実行する複
数の演出パターンのうちから一の演出パターンを選択して実行することが可能であり、前
記複数の演出パターンには第1演出と、当該第1演出とは前記特定演出の実行タイミング
が異なる一又は複数の第2演出と、があり、前記ゲームの結果が前記特別結果となる場合
の前記第1演出の選択確率を、前記第2演出の選択確率よりも高くしたこととなる。した
がって、遊技が単調になることを防止し、遊技の興趣を高めることができる。なお、特定
演出は、図98に示したSPリーチA演出のような移行して開始される演出としても良い
し、図101に示したような特定のキャラクタが登場する演出としても良い。
また、演出制御手段は、前記ゲームの結果が前記特別結果とならない場合は、前記第1
演出のみを選択し、前記ゲームの結果が前記特別結果となる場合は、前記第1演出又は前
記第2演出を選択し、当該第2演出が実行された場合に遊技者に違和感を生じさせるよう
にするようにしたこととなる。
また、演出制御手段は、前記ゲームの開始タイミングに対する前記特定演出の開始タイ
ミングが前記第1演出と前記第2演出とで異なるようにするようにしたこととなる。した
がって、遊技者はゲームの開始タイミングを基準とした特定演出の実行タイミングを観察
することで、第2演出であることを把握可能となる。
また、演出制御手段は、前記第1演出と前記第2演出とで共通に実行される共通演出の
実行中に前記特定演出を実行するように構成され、前記共通演出の開始タイミングに対す
る前記特定演出の開始タイミングが前記第1演出と前記第2演出とで異なるようにしたこ
ととなる。したがって、遊技者は共通演出の開始タイミングを基準とした特定演出の実行
タイミングを観察することで、第2演出であることを把握可能となる。共通演出の開始タ
イミングは必ずしもゲームの開始タイミングから一定のタイミングなくても良い。
また、遊技球が流下可能な遊技領域32を備え、前記遊技領域32に設けられた始動入
賞口(第1始動口36、普通変動入賞装置37、第2始動口97)への遊技球の入賞に基
づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態
を発生する遊技機において、ゲームに関連して演出を実行可能な演出制御手段(演出制御
装置300)を備え、前記演出制御手段は、前記同一の演出内容として、第1所定演出と
、当該第1所定演出の後に開始される第2所定演出と、を順次実行する複数の演出パター
ンのうちから一の演出パターンを選択して実行することが可能であり、前記複数の演出パ
ターンには第1演出と、当該第1演出とは前記第2所定演出への移行タイミングが異なる
一又は複数の第2演出と、があり、前記ゲームの結果が前記特別結果となる場合の前記第
1演出の選択確率を、前記第2演出の選択確率よりも高くしたこととなる。したがって、
遊技が単調になることを防止し、遊技の興趣を高めることができる。
また、前記演出制御手段に制御され、前記ゲームに対応して複数の変動表示領域で複数
の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示装置41を備え、前記演出制
御手段は、前記第2所定演出への移行タイミングにおいて、一部の前記変動表示領域では
前記識別情報が仮停止し、残りの前記変動表示領域では前記識別情報を判別可能な状態で
変動表示した状態となるようにされ、前記第1演出における前記第2所定演出への移行タ
イミングと、前記第2演出における前記第2所定演出への移行タイミングと、では、前記
仮停止した識別情報と同じ識別情報の前記変動表示する前記変動表示領域における表示位
置が異なるようにしたこととなる。したがって、遊技者は識別情報の位置関係に基づき第
2演出であることを把握可能となる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊
技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機
、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をス
ロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用す
るスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンな
どの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて
適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと
考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって
示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意
図される。
次に、第2の実施形態の遊技機10について説明する。
なお、第1の実施形態と異なる形態の遊技機10であり、以下、第1の実施形態と同様
の構成を有する部分についても符号を付しての説明を改めて行う。
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
<第2実施形態>
図104に示すように本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外
枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図105参照)は
前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本
体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス
枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異
常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例
えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例え
ば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠
12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はス
ピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知
されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設
けるようにしても良い。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(
貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が
流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する
下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21
の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25a
を内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)に
は、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。
さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりす
る鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。なお、本実施形態ではタッチパネル2
9を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体で
あってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置
の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、演出ボタン25右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操
作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるため
に操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)
等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を
回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30
前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル
29を操作することによって、表示装置41(図105参照)における変動表示ゲーム(
飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができ
る。
次に、図105を用いて遊技盤30の一例について説明する。図105は、本実施形態
の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成さ
れている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース3
3及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、盤演出装置44の
一つであり回転可能なリール6a,6b,6cを有する変動表示装置4や表示装置41を
備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。変動表示装置4や表示
装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥
まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は変動表示装置4や表
示装置41の周囲を囲い、変動表示装置4や表示装置41よりも前方へ突出し周囲の遊技
領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
変動表示装置4は特図変動表示ゲームに対応してリール6を動作させて複数の識別情報
を変動表示した後に停止表示する飾り特図変動表示ゲームを表示するものである。この変
動表示装置4は、図柄表示窓5(窓部)からリール6の動作により変動表示される図柄を
視認可能となっている。リール6は、円筒形の左リール6a、中リール6b、右リール6
cが水平方向に並設されて構成されている。これらのリール6a,6b,6cの外周面に
は、周方向に沿って並ぶように複数の図柄(識別情報)が配されている。また、各リール
6a,6b,6cにはそれぞれ、ステッピングモータであるリール用モータが設けられて
おり、各リール6a,6b,6cを独立して動作することが可能となっている。すなわち
、リール用モータが各リール6a,6b,6cを駆動する電気的駆動源をなす。
リール用モータによりリール6を動作させることによって、図柄表示窓5から視認され
る複数種類の図柄を、例えば上から下へと循環するように変動させたり、揺れるように変
動させたりする(変動表示)。一方、リール6が停止している状態では、各リール6a,
6b,6cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄、つまり3×3の計9つの
図柄が図柄表示窓5を介して視認可能となっている。すなわち、図柄表示窓5を透して、
飾り特図変動表示ゲームの停止結果を導出表示するためのリール6a,6b,6cの有効
表示部を視認可能となっている。よって、リール6a,6b,6cが複数の図柄を変動表
示可能な複数の変動表示部をなす。
図柄表示窓5から視認される3×3の図柄行列に対しては、所定の有効ラインが設定さ
れる。本実施形態では各リール6a,6b,6c上段の図柄を横切る上段ライン、中段の
図柄を横切る中段ライン、下段の図柄を横切る下段ライン、左リール6a下段-中リール
6b中段-右リール6c上段にかけて各リール6a,6b,6cを斜めに横切るライン(
右上がりライン)、左リール6a上段-中リール6b中段-右リール6c下段にかけて各
リール6a,6b,6cを斜めに横切るライン(右下がりライン)が有効ラインとなって
いる。この有効ライン上に形成された図柄組合せ態様(出目)により結果を表示するよう
になっている。
図105に戻り、表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、
CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表
示可能な領域(表示領域)には、特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を
高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。また、表示画面には遊技の進行に基
づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディン
グ表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出
装置44が備えられている。この盤演出装置44は図105に示す状態から表示装置41
の中央へ向けて動作可能となっている。また、センターケース40の右部には、複数の色
で発光可能なLEDを備える報知部72として、第1報知部72a、第2報知部72b、
第3報知部72c、第4報知部72dが備えられている。この報知部72は、遊技者が多
数の賞球を獲得可能な後述する有利期間において、特別結果の導出回数を報知する機能と
、特別遊技状態の終了から次の特別結果の導出までに獲得した賞球数に関する情報を報知
する機能と、を有しており、LEDの発光態様によりこれらの情報を報知するようになっ
ている。
センターケース40の左上部には、遊技において所定条件を満たすことにより付与され
る遊技ポイントを報知するポイント報知部73が設けられている。ポイント報知部73は
10000ポイント、5000ポイント、1000ポイント、100ポイントの4つの表
示部を備え、それぞれにLEDが備えられている。付与される遊技ポイントを報知する際
には、ルーレットのように各表示部を順次点灯させた後に対応する表示部を点灯した状態
とする。図105では100ポイントが付与されたことが示されている。
また、センターケース40の左下部には、所定期間において獲得した遊技ポイントの累
積値を示す累積値報知部74が設けられている。さらに、累積値報知部74の上方には、
獲得した遊技ポイントにより特図変動表示ゲームが大当りとなる期待度を報知するための
期待度報知部75が設けられている。この期待度報知部75は5つの発光部を備え、所定
期間において獲得した遊技ポイントに応じて発光部が点灯し、点灯する数が多いほど期待
度が高いことを報知するものである。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、三つの一般入賞口3
5が配置され、センターケース40の下方右側には、一つの一般入賞口35が配置されて
いる。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図110参照
)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、特図1変動表示ゲームの
開始条件を与える第1始動入賞口36(始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。
第1始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図110参照)によ
り検出される。また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下方には、特図2変
動表示ゲームの開始条件を与える第2始動入賞口37(始動入賞口、始動入賞領域)が設
けられている。第2始動入賞口37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図1
10参照)により検出される。
遊技領域32におけるセンターケース40の右下方には、特別遊技状態の開始条件を与
えるゲート34が設けられており、このゲート34には通過する遊技球を検出可能なゲー
トスイッチ34aが設けられている。特図変動表示ゲームにおいて大当りとなる特別結果
が導出された後に遊技球がこのゲート34を通過することにより特別遊技状態が開始され
るようになっている。また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方であって、
第1始動入賞口36の右側には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れな
い状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(上大入賞口)38が配
設されている。
第1特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっ
ているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲーム
の結果如何によって上大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放
状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、第1特別変動入賞装置38は
、例えば、駆動装置としての上大入賞口ソレノイド38b(図110参照)により駆動さ
れる開閉扉38cによって開閉される上大入賞口を備え、大当りや小当りに基づく特別遊
技状態中は、上大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより上大入賞口内
への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっ
ている。
上大入賞口の内部(入賞領域)には、当該上大入賞口に入った遊技球を検出する検出手
段としての上大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図110参照)が配設され
ている。本実施形態の遊技機では、上大入賞口スイッチ38aが2つ設けられ、上大入賞
口内に流入した遊技球は何れかの上大入賞口スイッチ38aに検出されるようになってい
る。このように上大入賞口スイッチ38aを複数設けることで、上大入賞口内に流入した
遊技球を迅速に検出できる。
第1始動入賞口36の直下には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れ
ない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(下大入賞口)39が
配設されている。第2特別変動入賞装置39は、上端側が手前側に倒れる方向に回動する
ことで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な開閉扉39cを備えている。
第2特別変動入賞装置39は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっ
ているアタッカ形式の開閉扉39cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲーム
の結果如何によって下大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放
状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、第2特別変動入賞装置39は
、例えば、駆動装置としての下大入賞口ソレノイド39b(図110参照)により駆動さ
れる開閉扉39cによって開閉される下大入賞口を備え、大当りや小当りに基づく特別遊
技状態中は、下大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより下大入賞口内
への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっ
ている。
下大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段
としての下大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)39a(図110参照)が配設されて
いる。また、第2特別変動入賞装置39の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球
を回収するアウト口30aが設けられている。
なお、第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39の配置はこれに限られる
ものではない。例えば、図105において第1特別変動入賞装置38の上側又は下側に隣
設して第2特別変動入賞装置39を設けるようにしても良い。この場合、上下に完全に重
なっていても良いし、左右にずれて一部のみが上下に重なるようにしても良い。また、開
閉扉38c、39cについてもアタッカ形式に限られず、大入賞口を閉鎖することが可能
な板状の部材をスライド移動させることにより大入賞口を開放することが可能なスライド
形式など、他の形式としても良い。
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センター
ケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側
遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射
(いわゆる左打ち)することで第1始動入賞口36への入賞を狙うことができ、右側遊技
領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで第2始動入賞口37や第1特別変動入
賞装置38への入賞を狙うことができるようになっている。なお、第2特別変動入賞装置
39は左右どちらの遊技領域に遊技球を発射しても狙うことができる。
ここで、本実施形態の遊技機10において、右側遊技領域に対応する位置には、センタ
ーケース40の右端部に取り付けられた流路形成部材42が配設されており、右側遊技領
域へと発射された遊技球は、流路形成部材42によって形成される流路を通過するよう構
成されている。なお、流路形成部材42の少なくとも前面の材質は、流路形成部材42に
よって形成される流路を通過する遊技球を外部から視認可能な材質になっているので、遊
技者等は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球(すなわち、右側
遊技領域を流下する遊技球)を、流路形成部材42の前方から流路形成部材42を透して
視認することができる。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲーム
をなす特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括
表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された特図1
変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)51及び特図2変動表示ゲーム
用の特図2表示器(第2特図変動表示部)52と、LEDランプで構成された特図1変動
表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54とを備える。
また、一括表示装置50には、大当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置38又は
第2特別変動入賞装置39の開閉回数)を表示するラウンド表示部55、左打ち(通常打
ち)と右打ちのうち遊技者に有利な打ち方(遊技状態に対応した打ち方)を報知する第1
遊技状態表示部56、特図変動表示ゲームの確率状態(高確率状態又は低確率状態)を報
知する確率表示部57が設けられている。なお、一括表示装置50には、遊技機10の電
源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する確率状態表示部、
大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていて
もよい。更に、従来の遊技機のように普図変動表示ゲームを実行し、該普図変動表示ゲー
ムが特定結果となったことに基づいて遊技球が入賞可能となる第2始動入賞口を構成する
普通変動入賞装置を備えた場合に、普図変動表示ゲームを表示する普図表示部や、普図変
動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部、時短状態が発生すると点灯して時短状態
発生を報知する時短状態報知部等が設けられていても良い。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示
ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている
間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例
えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特図1表示器51における
特図1変動表示ゲームにおいては、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けら
れた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するようにし、特図1
と特図2との区別が可能なように構成されている。そして、ゲームの結果が「はずれ」の
ときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメント(特図1であれば加えて右方下
側の8番目のセグメント)を点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結
果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を
点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
記憶表示部54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口36への入
賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を複数のLEDの消灯、点灯(点滅)
により表示する。ラウンド表示部55はLEDランプ等で構成され、特別遊技状態中でな
い場合には全てのLEDを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択され
たラウンド数に対応してLEDを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部55は7セグメ
ント型の表示器で構成してもよい。
第1遊技状態表示部56は、例えば右打ちよりも左打ちの方が遊技者にとって有利な遊
技状態の場合(通常打ち時)には全てのLEDを消灯状態にし、左打ちよりも右打ちの方
が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(右打ち時)には全てのLEDを点灯状態にする
。確率表示部57は、大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合には全ての
LEDを消灯状態にし、大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合には全てのL
EDを点灯状態にする。
図106には、大当り及び小当りの確率と、大当りに当選した場合の大当り種類及び小
当りに当選した場合の小当り種類とを示した。なお、大当りとは条件装置の作動を伴う特
別結果(第1特別結果)であり、小当りは条件装置の作動を伴わない特別結果(第2特別
結果)である。「条件装置」はソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウ
ェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段
であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とさ
れる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、
本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
大当り(第1特別結果)となる確率である大当り確率は特図1と特図2で共通であり、
低確率状態である通常遊技状態と高確率状態である特定遊技状態での確率はそれぞれ図1
06(a)に示すような確率となっている。本実施形態の遊技機では、低確率状態での第
1特別結果の導出を初回とし、第1特別結果の導出回数が5回となるまでの期間において
、特別遊技状態の終了後に高確率状態とするように構成されている。5回目の第1特別結
果に基づく特別遊技状態の終了後には低確率状態が設定される。また、特図1変動表示ゲ
ーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率
状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態と
なる。
小当り(第2特別結果)となる確率である小当り確率は図106(b)に示すような確
率となっている。この小当り確率は特図1よりも特図2の方が高くなっている。また、小
当り確率は遊技状態や大当り確率にかかわらず常に一定である。大当りと小当りの抽選に
おいては大当りと小当りは重複して当選しない。
また、図106(c)には特図1と特図2で選択可能な大当り種類と、各大当り種類で
開放される特別変動入賞装置及び振分確率を示し、図106(d)には特図1と特図2で
選択可能な小当り種類と、各小当り種類で開放される特別変動入賞装置及び開放時間と開
放回数を示した。小当り2については特図1と特図2の何れでも導出可能とされている。
なお、小当りは特図1に設けず、特図2のみに設定するようにしても良い。
図107、図108には、特図変動表示ゲームの変動パターンを示した。図107(a
)には、低確率状態で結果がはずれとなる場合の変動パターンを示した。上述したように
本実施形態の遊技機10においては、左打ちにより第1始動入賞口36への入賞を狙うこ
とができ、右打ちにより第2始動入賞口37への入賞を狙うことができるようになってい
る。すなわち、遊技者の意思により特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとの何
れを主として実行するかを選択できるようになっている。また、遊技状態によっては、特
図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち、いずれか一方を主として遊技を進行
することを想定して設計されており、この設計に従い遊技者が遊技を進行するように、設
計上で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームを主として遊技を進行した方が遊技者
にとって有利となるように構成されている。なお、以下の説明では、各遊技状態で主とす
ると定めた一方の特図変動表示ゲームをメイン変動と称し、他方の特図変動表示ゲームを
イレギュラー変動と称することがある。
低確率状態では、特図1変動表示ゲームをメイン変動とし、特図2変動表示ゲームをイ
レギュラー変動とするように設計されている。この設計に従い遊技者が遊技を進行するよ
うに、特図2については、何れの変動パターンが選択された場合であっても、約10分の
変動時間が設定される長変動が選択されるようになっている。すなわち、通常遊技状態に
おいて、特図2変動表示ゲームの変動時間として決定可能な変動時間は、特図1変動表示
ゲームの変動時間として決定可能な変動時間よりも長くなっている。特図2変動表示ゲー
ムは小当りの確率が特図1変動表示ゲームよりも高いが、はずれ結果の場合や後述する小
当りの場合に変動時間を長時間とすることで、低確率状態では特図2変動表示ゲームの実
行が時間的に非効率的となるようにし、低確率状態においては遊技者に特図1変動表示ゲ
ームを主として遊技を進行させるようにしている。
図107(b)には、高確率状態で結果がはずれとなる場合の変動パターンを示した。
この場合、一つの変動パターンのみが選択可能である。この高確率状態では、上述の低確
率状態の場合とは逆に、特図2変動表示ゲームをメイン変動とし、特図1変動表示ゲーム
をイレギュラー変動とするように設計されている。
ここで、高確率状態でイレギュラー変動となる特図1変動表示ゲームではずれ結果とな
る場合の変動時間は、低確率状態でイレギュラー変動となる特図2変動表示ゲームではず
れ結果となる場合の変動時間(図107(a)参照)よりも短く設定されている。これは
、後述するように高確率状態において特図2変動表示ゲームが大当り又は小当りとなる場
合の変動時間として短い時間が設定されているためである。
つまり、特図2変動表示ゲームの変動時間が短く、時間的に効率良く実行可能となる高
確率状態では、小当りの確率が低い特図1変動表示ゲームの方が明らかに不利であり、そ
れほど長時間の変動時間を設定しなくても遊技者に特図2変動表示ゲームを主として遊技
を進行させることができる。よって、特図1変動表示ゲームの変動時間としては必要以上
に長い変動時間を設定しなくても良いが、特図2変動表示ゲームと同時に実行された場合
には特図2変動表示ゲームが主として遊技が進行するように、特図2変動表示ゲームの変
動時間に対して充分に長い変動時間として、特図2変動表示ゲームの大当り又は小当りに
より強制的に停止させられるようにしている。
図108(a)には、低確率状態で結果が大当りとなる場合の変動パターンを示した。
特図2についてはリーチ状態を発生させない変動パターンのみ選択可能である。なお、低
確率状態において、特図2変動表示ゲームが大当りとなる場合の変動時間を、特図1変動
表示ゲームが大当りとなる場合に選択可能な変動時間よりも長い変動時間としても良い。
図108(b)には、高確率状態で結果が大当りとなる場合の変動パターンを示した。何
れもリーチ状態を発生させず、非常に短い変動時間の変動パターンが選択される。
特に、特図1変動表示ゲームについては、特図2変動表示ゲームで大当り又は小当りと
なる場合に選択可能な変動時間も含めて比較すると短い変動時間が選択されるようになっ
ている。これにより、高確率状態であってもイレギュラー変動となる特図1変動表示ゲー
ムがメイン変動となる特図2変動表示ゲームより先に停止する可能性を高め、特図1変動
表示ゲームの大当りが強制的にはずれ結果に変更される可能性が低くなるようにしている
。なお、特図2の変動パターンの振分を前述の大当り種類によって行うようにしているが
、乱数等により決定するようにしてもよい。
図108(c)には、低確率状態で結果が小当りとなる場合の変動パターンを示した。
特図2についてはリーチ状態を発生させず、約10分の変動時間が設定される長変動が選
択されるようになっている。図108(d)には、高確率状態で結果が小当りとなる場合
の変動パターンを示した。何れもリーチ状態を発生させず、非常に短い変動時間の変動パ
ターンが選択される。なお、特図1変動表示ゲームについては、高確率状態におけるはず
れの場合と同じ時間としているが、これもはずれの場合と同様に特図2変動表示ゲームの
大当り又は小当りにより強制的に停止させられるのに充分な時間となっている。高確率状
態において特図1変動表示ゲームがはずれ又は小当りとなる場合の変動時間については、
特図2変動表示ゲームの大当り又は小当りにより強制的に停止させられるのに充分な時間
であれば、ここに示した時間より短くても良い。
図109には、大当り(第1特別結果)に基づく特別遊技状態(第1特別遊技状態)及
び小当り(第2特別結果)に基づく特別遊技状態(第2特別遊技状態)における特別変動
入賞装置の開閉パターンを示した。特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームで大
当り種類が16R大当りとなった場合は上大入賞口開閉パターン1に従い第1特別変動入
賞装置38が開放される。上大入賞口開閉パターン1では、5000msのファンファー
レ期間の後、初回のラウンド(1R)で29000msの開放期間が設定される。その後
、2000msのインターバル期間と29000msの開放期間が設定されるラウンドを
繰り返して16ラウンドまで行い、11000msのエンディング期間の経過後、特別遊
技状態が終了する。また、特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームで大当り種類
が10R大当りとなった場合は上大入賞口開閉パターン2に従い第1特別変動入賞装置3
8が開放される。この開閉パターンは16R大当りの開閉パターンとラウンド数が異なる
だけである。
なお、各開閉パターンでのインターバル期間とエンディング期間に記載の時間は、残存
球処理時間とインターバル時間又はエンディング時間を加算した時間である。例えば、上
大入賞口開閉パターン1でのインターバル期間は2000msであり、このうち前半の1
400msが残存球処理時間であり、後半の600msがインターバル時間である。また
、上大入賞口開閉パターン1でのエンディング期間は11000msであり、このうち前
半の1400msが残存球処理時間であり、後半の9600msがエンディング時間であ
る。
小当りの開閉パターンについては図示するようなファンファーレ期間、開放期間、イン
ターバル期間(残存球処理時間を含む)及びエンディング期間(残存球処理時間を含む)
となっており、これに従い第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39が開
放される。また、大当りと小当りのいずれの開閉パターンにおいても、各ラウンドにおい
て規定数の入賞があった場合にはその時点で当該ラウンドの開放期間が終了する。小当り
の開放時間は大当りでの開放時間よりも短く、特別遊技状態における特別変動入賞装置へ
の入賞数は少なくなる。よって、小当りは大当りよりも遊技者に付与可能な遊技価値が低
いものである。すなわち、特別結果には、第1特別遊技状態を発生可能な第1特別結果(
大当り)と、該第1特別遊技状態よりも遊技者に付与可能な遊技価値が低い第2特別遊技
状態を発生可能な第2特別結果(小当り)と、が含まれていることとなる。
小当りの開閉パターンは、特定遊技状態であるか否かによりファンファーレ期間とエン
ディング期間の長さが異なり、特定遊技状態である場合の方が長くなるようにされている
。後述するように特定遊技状態では小当りに関する報知や入賞による賞球数の報知などの
演出を行うため、これらの時間を確保するようにしている。また、特定遊技状態では小当
りが頻発するため、ファンファーレ期間とエンディング期間を長くすることで特別遊技状
態の消化にかかる時間を長くし、単位時間当たりの賞球数が多くなり過ぎないようにして
いる。また、特別変動入賞装置の開放時間については特定遊技状態であるか否かにかかわ
らず同じである。ここでは各小当りの開閉パターンでは1回の開放のみを行うようにして
いるが、複数回の開放を行うことも可能である。この場合、特別変動入賞装置を一旦閉鎖
するインターバル時間についても特定遊技状態であるか否かにかかわらず同じとする。
なお、特定遊技状態であるか否かによりファンファーレ期間とエンディング期間の長さ
の両方を異ならせるとしたが、一方のみを異ならせるようにしても良い。また、大当りの
開閉パターンについても特定遊技状態であるか否かによりファンファーレ期間とエンディ
ング期間の長さの一方又は両方を異ならせるようにしても良い。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しな
い場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。また、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特
図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に飾り特図変動表示ゲームと称する。また、
大当り(第1特別結果)と小当り(第2特別結果)を区別しない場合は、単に当り(特別
結果)と称する。また、大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態と、小当り
に基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態と、を区別しない場合は、単に特別遊技状
態と称する。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(
パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技
領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えな
がら遊技領域32を流下し、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口37
、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32
の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一
般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、第1特別変動入賞装置38又
は第2特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の
賞球が、払出制御装置200(図110参照)によって制御される払出ユニットから、ガ
ラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
第1始動入賞口36への入賞球は、内部に設けられた始動口1スイッチ36aによって
特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(
例えば、4個)を限度に記憶される。特図1変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、
第1始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口36に遊技球が入賞すると、始動権利の発
生に伴って第1始動記憶が記憶されて、第1始動記憶数が1加算されるととともに、直ち
に第1始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲームが開始され、この際に第1始動記憶数
が1減算される。一方、特図1変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に
特図1変動表示ゲームが行われてその特図1変動表示ゲームが終了していない状態や、特
別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口36に遊技球が入賞すると、第1始動記
憶数が上限数未満ならば、第1始動記憶数が1加算されて第1始動記憶が1つ記憶される
ことになる。そして、第1始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲームが
開始可能な状態(前回の特図1変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)とな
ると、第1始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された第1始動記憶に基づいて特図
1変動表示ゲームが開始される。
第2始動入賞口37への入賞球は、内部に設けられた始動口2スイッチ37aによって
特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出される。特図2変動表示ゲームを開始可能
な状態において第2始動入賞口37への入賞があった場合には、当該入賞に基づき即座に
特図2変動表示ゲームが実行される。また、特図2変動表示ゲームを直ちに開始できない
状態、例えば、既に特図2変動表示ゲームが行われてその特図2変動表示ゲームが終了し
ていない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第2始動入賞口37に遊技球が入賞
しても第2始動記憶は発生しない。なお、特図2変動表示ゲームを開始可能な状態におい
て第2始動入賞口37への入賞があった場合には、処理の都合上第2始動記憶が一旦発生
するが、当該第2始動記憶は即座に消化されることとなるため、特図2変動表示ゲームの
開始を保留するための第2始動記憶は発生しない。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図
柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置
100(図110参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として所定回
数(例えば、第1始動記憶については最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この
特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部54(特図
1保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾
り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、第1始動入賞口36への入賞又は第1始動記憶に基づいて、特
図1表示器51(第1変動表示装置)で特図1変動表示ゲームを行い、第2始動入賞口3
7への入賞に基づいて、特図2表示器52(第2変動表示装置)で特図2変動表示ゲーム
を行う。特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは同時に実行可能であるが、一方
の特図変動表示ゲームの実行中に、他方の特図変動表示ゲームが特別結果(大当り又は小
当り)となった場合には、当該一方の特図変動表示ゲームを特別結果以外の結果(はずれ
結果)として終了させるようにしている。
特図1表示器51及び特図2表示器52では、変動表示を行った後、所定の結果態様を
停止表示する。そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合は、特図1表示器
51若しくは特図2表示器52の表示態様が第1特別結果に対応する特別結果態様(大当
り結果態様)となって大当りとなり、遊技球がゲート34を通過してゲートスイッチ34
a(図110参照)で検出されることに基づき第1特別遊技状態(いわゆる大当り状態)
となる。また、特図変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特図1表示器51若し
くは特図2表示器52の表示態様が第2特別結果に対応する特別結果態様(小当り結果態
様)となって小当りとなり、第2特別遊技状態(いわゆる小当り状態)となる。すなわち
、特図1表示器51が、第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づく第1変動表示ゲー
ム(特図1変動表示ゲーム)を表示可能な第1変動表示手段をなす。また、特図2表示器
52が、第2始動入賞口37への遊技球の入賞に基づく第2変動表示ゲーム(特図2変動
表示ゲーム)を表示可能な第2変動表示手段をなす。
また、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの実行に対応して、変動表示装置
4や表示装置41にて複数種類の飾り識別情報(数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動
表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。表示装置41での飾
り特図変動表示ゲームには、特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲーム
と、特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームとがあり、これらは別々
の表示領域に表示される。そして、対応する特図変動表示ゲームの変動に伴い変動表示が
行われ、対応する特図変動表示ゲームでの結果態様の導出に伴い結果に対応した表示が行
われる。
すなわち、変動表示装置4や表示装置41が、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲ
ーム)及び第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に対応して飾り識別情報を変動
表示する飾り変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な飾り変動表示手段
をなす。なお、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームで別々の表示装置
を使用するとしても良いし、一方の飾り特図変動表示ゲームのみを表示するとしても良い
。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41の
みで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
本実施形態の遊技機では特図2変動表示ゲームの方が小当りの確率が高いが、低確率状
態である通常遊技状態である場合には特図2変動表示ゲームの変動パターンとして変動時
間が非常に長い(約10分)長変動が選択される。これにより、通常遊技状態では特図2
変動表示ゲームの実行が時間的に非効率的となり、通常遊技状態における小当りの獲得を
狙った特図2変動表示ゲームの実行を遊技者が選択しないようにしている。よって通常遊
技状態では、左打ちを行って第1始動入賞口36を狙い、特図1変動表示ゲームを行う方
が遊技者にとって有利となる。なお、長変動の時間は約10分としたがこれより長くても
良いし、短くても良い(5分、50分、10時間など)。
そして、大当りが発生して特別遊技状態となった場合には右打ちにより第1特別変動入
賞装置38を狙うことができる。なお、大当り又は小当りに基づく特別遊技状態で第2特
別変動入賞装置39が開放される場合は、右打ちでも左打ちでも狙うことができる。大当
りに基づく特別遊技状態の終了後には高確率状態である特定遊技状態となる場合がある。
この特定遊技状態では、特図2変動表示ゲームの変動時間は短い時間となるため、右打ち
を行って第2始動入賞口37を狙い、特図2変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって有
利となる。特定遊技状態では小当りに基づく特別変動入賞装置の開放と大当りに基づく特
別変動入賞装置の開放が高頻度で発生し、遊技者が多量の遊技球を獲得可能である。
以上のことから、始動入賞口(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37)への遊技球
の入賞に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に
有利な特別遊技状態を発生する遊技機10において、遊技を統括的に制御する遊技制御手
段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態において開放される特別変動入賞装置(第1
特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)と、を備え、遊技制御手段は、特別
遊技状態の開始から特別変動入賞装置の開放の開始までの期間であるファンファーレ期間
と、特別遊技状態における最後の特別変動入賞装置の開放が終了してから当該特別遊技状
態の終了までの期間であるエンディング期間と、を設定可能であり、同一の特別結果に基
づく特別遊技状態であっても、当該特別結果が導出された際の遊技状態に応じてファンフ
ァーレ期間とエンディング期間の一方又は両方の長さを異ならせることが可能であるよう
にしたこととなる。したがって、遊技状態に応じた実行態様とすることができ、遊技の興
趣を向上することができる。
また、始動入賞口をなす第1始動入賞口36と、始動入賞口をなす第2始動入賞口37
と、第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき第1変動表示ゲームを実行する第1変
動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、第2始動入賞口37への遊技球の
入賞に基づき第2変動表示ゲームを実行する第2変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御
装置100)と、第2変動表示ゲームの実行時間を通常状態よりも短くなるように設定し
た特定遊技状態を発生可能な特定遊技状態発生手段(遊技制御装置100)と、を備え、
遊技制御手段は、同一の特別結果に基づく特別遊技状態におけるファンファーレ期間とエ
ンディング期間の一方又は両方の長さを、特別結果が導出された際の遊技状態が特定遊技
状態でない場合よりも特別結果が導出された際の遊技状態が特定遊技状態である場合の方
が長くなるようにするようにしたこととなる。したがって、遊技状態に応じた実行態様と
することができ、遊技の興趣を向上することができる。例えば、特定遊技状態では演出を
実行する時間を確保でき、特定遊技状態でない場合は遊技を迅速に進行できるようになる
また、特別結果には、遊技状態に応じて導出される確率を変化させることが可能な第1
特別結果と、遊技状態にかかわらず導出される確率が一定の第2特別結果と、があり、第
2特別結果が導出される確率は、第1特別結果が導出される確率よりも高い確率とされる
ようにしたこととなる。したがって、遊技状態に応じた実行態様とすることができ、遊技
の興趣を向上することができる。特に、確率を変更しない第2特別結果についてファンフ
ァーレ期間とエンディング期間の一方又は両方の長さを異ならせるようにしたことで、導
出確率は変化しないが実行態様を変化させることができる。
図110は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御
する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコ
ンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出
力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力
部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(
CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割
込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113など
を有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイド
やモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,D
C5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC-
DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直
流電圧を生成するDC-DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコ
ン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420
と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信
号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが
、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制
御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及
び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電
源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成
部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで
構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン11
1(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデー
タが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で
生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出し
て停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電
源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このR
AM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき
遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶され
ている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化
スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行す
るメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割
込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A
、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRA
M(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数
の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作
業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM11
1Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ
状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パター
ンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている
変動パターン乱数1~3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテー
ブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるは
ずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテ
ーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の
変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテー
ブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前
半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パター
ン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置
が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特
別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)
となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、
既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をい
う。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示
結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からは
ずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しなが
ら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態
に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示
される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に
決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条
件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表
示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情
報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものであ
る場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同
一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての
変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示
領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、
ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表
示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可
能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペ
シャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3
リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチな
し<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<
プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも
特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動
表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が
導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれること
もある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大
当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装
置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや
表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しない
が、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や
大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(
各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定
するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を
生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基
づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数
生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えてい
る。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111B
に記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブ
ルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り
、小当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(低確
率状態或いは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの
中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111A
は、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パタ
ーンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得
手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフ
ェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従っ
て、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また
、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの
払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電
波センサ62、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37内
の始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、第1特別変動入賞装置38内に配設
される複数個(1~x、本実施形態では2個)上大入賞口スイッチ38a、第2特別変動
入賞装置39の下大入賞口スイッチ39a、ゲート34内のゲートスイッチ34aに接続
され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような
負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(
近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V-11V
とされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサや
スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったよう
な異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給さ
れデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F1
21の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ
35a、上大入賞口スイッチ38a、下大入賞口スイッチ39a及びゲートスイッチ34
aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のう
ち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される
異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、
遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技
機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機
10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入
力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、
検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板10
0から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。
さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37
aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように
構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル
変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動
作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポー
ト123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE
2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポ
ート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設
けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号
(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステー
タス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の
遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以
上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチ
スイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込ん
でデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設
けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信
号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられてお
り、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。
電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッ
チ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイ
コン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として
扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には
制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、
遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部
130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さず
に直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポ
ート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リ
セット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するように
してもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,
124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111に
よって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリ
セットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポート
から遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによ
って廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊
技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ
132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置
200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊
技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試
験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号
などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。この
バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技
制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力
される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通
さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給で
きない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加
工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデー
タバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。な
お、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装
置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達
するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン11
1から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御され
たポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され第1特別変動入賞装置38を開
成させる上大入賞口ソレノイド38b及び第2特別変動入賞装置39を開成させる下大入
賞口ソレノイド39bの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられて
いる。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノ
ード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポ
ート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオ
ン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板7
1へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフ
ォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部
管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外
部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシ
ュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される上大入賞口ソレノイ
ド38bや下大入賞口ソレノイド39bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を
生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力され
る一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ド
ライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み
側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート
137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力す
る第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにする
ため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置
50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デ
ジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引
き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード
端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よ
りセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択された
LEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第
4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給
される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊
技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設ける
ようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラ
ムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ13
9は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送
受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通
常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を
利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられて
いない。
なお、特に限定されるわけではないが、上記第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ
36a、第2始動入賞口37内の始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、上大
入賞口スイッチ38a、下大入賞口スイッチ39a、ゲートスイッチ34aには、磁気検
出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を
検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。
また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠
(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有する
マイクロスイッチを用いることができる。
次に、図111を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC
)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマン
ドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロ
セッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音
などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314
を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納し
たPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作
業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能な
FeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手
段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイ
コン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイ
コン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御
用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定し
てVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装
飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理する
ためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映
像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラク
タなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデ
オRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パ
ラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを
送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することがで
きる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や
遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYN
C、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312
から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割
込み信号INT0~n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの
状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する
映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回
路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力
されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介し
て表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主
制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続
されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INT
が入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた
上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパ
ワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成さ
れた音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力さ
れる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受
信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンド
I/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特
図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御
指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111
はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動
作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられ
ているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制
御回路332が設けられている。この盤装飾装置46には、遊技ポイントに関する演出を
行うポイント報知部73、累積値報知部74及び期待度報知部75や、遊技者が多数の賞
球を獲得可能な後述する有利期間における報知を行う報知部72も含まれる。
また、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオー
ド)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回
路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(
例えば変動表示装置4や、表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可
動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモー
タ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/デ
ータバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15
にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設
け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵さ
れている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演
出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッ
チ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、
演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイ
コン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300
やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モ
ータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モー
タやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5
Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するよう
に構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2V
のような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3V
やDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられ
る。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マ
イコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン
311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314
、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなど
を駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリ
セット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FA
N45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆
動するようにされている。
これらの制御回路においては、第1始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36
aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値
等を抽出してRAM111Cに第1始動記憶を記憶する。この第1始動記憶の大当り判定
用乱数値等をROM111Bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの
当りはずれや変動パターンを決定する処理を行う。また、第2始動入賞口37に備えられ
た始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図2変動表示ゲー
ムの大当り判定用乱数値等を抽出してRAM111Cに第2始動記憶を記憶する。この第
2始動記憶の大当り判定用乱数値等をROM111Bに記憶されている判定値と比較し、
特図2変動表示ゲームの当りはずれや変動パターンを決定する処理を行う。なお、第2始
動記憶は、特図2変動表示ゲームを開始可能な状態でのみ発生可能であり、特図2変動表
示ゲームを開始するために必要な情報を一時的に記憶するものであって、特図2変動表示
ゲームの開始を保留するものではない。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図
2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置30
0に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄(識別情報)
を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。す
なわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始
動入賞口36、第2始動入賞口37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う
遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、変動表
示装置4や表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示
する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号
に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発
光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等
)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当り
や小当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとと
もに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては
、CPU111Aは、例えば、上大入賞口ソレノイド38bにより第1特別変動入賞装置
38の開閉扉38cを開放させ、上大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う
。または、下大入賞口ソレノイド39bにより第2特別変動入賞装置39の開閉扉39c
を開放させ、下大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放
から所定の開放時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放するこ
とを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技
)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合
に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲ
ームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様
を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態
の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特
図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、低確率状態に比べて高い状態である。また
、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果
態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの
両方が高確率状態となる。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置
100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御
について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図112及び図113
に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図115に示すタイ
マ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始され
る。このメイン処理においては、図112に示すように、まず、割込みを禁止する処理(
ステップX1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の
先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップX
2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップX3)、所定のレジスタ(例え
ばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX4)。本
実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h~01FFhで、上位としては0
0hか01hをとり、ステップX4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信
号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップX5)。発射許可信号は遊技
制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している
場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップX6)、
電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップX7)。この処理では所定の初
期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々
の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログ
ラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより
、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制
御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってし
まい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制
御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅ら
せて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定
の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の
対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行わ
れる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部
のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防
止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、
待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ11
2の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状
態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作し
たり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要
がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を
行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行
った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行った後、待機時間の計時
と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップX8からX12)を行う。
まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して
読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップX8)、停電監視信号が
オンであるかの判定を行う(ステップX9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップX9;Y)は、ステップX8で設定したチェ
ック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップX10)。そ
して、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップX10;
N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップX9)に戻る。また、チェック回
数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップX10;Y)、すなわち、停
電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、
所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノ
イズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対
処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電
監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせてい
る期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に
適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可さ
れておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの
停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が
発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップX9;N)、すなわち、停電が発生し
ていない場合には、電源投入ディレイタイマを-1更新し(ステップX11)、タイマの
値が0であるかを判定する(ステップX12)。タイマの値が0でない場合(ステップX
12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数
を設定する処理(ステップX8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップX
12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書
込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップX13)、全出
力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップX14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実
施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステ
ップX15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンに
されたかを判定する(ステップX16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップX16;N)は、RWM内の停電検査領域
1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステ
ップX17)、正常であれば(ステップX17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が
正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップX
18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップX18;Y)、RWM内
の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップX19)、
算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップX2
0)。チェックサムが一致する場合(ステップX20;Y)は、図113のステップX2
1へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップX16;Y)と判定された場合や、
停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップX17
;NもしくはステップX18;N)、チェックサムが正常でない(ステップX20;N)
と判定された場合は、図113のステップX23へ移行して初期化の処理を行う。すなわ
ち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100
が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期
化手段をなす。
図113のステップX21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする
(ステップX21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域
及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能
な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号フラグ領域も
クリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様
にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、
タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
その後、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている特図ステータ
スに対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ス
テップX22)、ステップX28へ進む。本実施形態の場合、ステップX22では、機種
指定コマンド、特図1保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数
のコマンドを送信する。画面指定コマンドとしては、特図1及び特図2について何れも後
述する普段処理中である場合、すなわち特図変動表示ゲームの実行中でもなく特別遊技状
態中でもない場合である客待ち中であれば客待ちデモ画面のコマンドを送信し、それ以外
であれば復旧画面のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加
えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
一方、ステップX16、X17、X18、X20からステップX23へジャンプした場
合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップX23)、ビジー信
号フラグ領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして
(ステップX24)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップX2
5)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップX2
6)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域
である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送
信して(ステップX27)、ステップX28へ進む。本実施形態の場合、ステップX27
では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコ
マンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でR
AM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機
種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマ
ンドも送信する。
ステップX28では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込
み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)
回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジ
ェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号
(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに
対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱
数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップX28のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う
(ステップX29)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レ
ジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111
Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここ
では大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽
出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替え
て異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定め
るパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱
数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビ
ット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数
のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにし
ても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)
の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する
乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定
領域にセーブしてから(ステップX30)、割込みを許可する(ステップX31)。本実
施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数
レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値
(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ
、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理
(ステップX32)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態において
は、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱
数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロッ
クと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当
り図柄乱数、小当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期と
なるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))
を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数
においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタ
ート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或
いは-1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバ
ラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更
新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェア
で更新される乱数である。
上記ステップX32の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停
電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)
を設定し(ステップX33)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップX3
4)。停電監視信号がオンでない場合(ステップX34;N)は、初期値乱数更新処理(
ステップX32)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処
理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステ
ップX32)の前に割り込みを許可する(ステップX31)ことによって、初期値乱数更
新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイ
マ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回
避することができる。
なお、上記ステップX32での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込
み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した
場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値
乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要がある
が、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処
理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、
それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップX34;Y)は、ステップX33で設定した
チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップX35)
。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップX3
5;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップX34)に戻る。また、チェ
ック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップX35;Y)、すなわ
ち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップX36
)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップX37)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップX38
)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップX39)。
さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップ
X40)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップX41)を行った後、RW
Mへのアクセスを禁止する処理(ステップX42)を行ってから、遊技機の電源が遮断さ
れるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源
遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報
が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主
制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御
装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該
主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待
機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停
電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電
の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御
装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判
定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、
外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作された
ことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置
100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにし
ていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへの
アクセスを許可するようにしていることとなる。
〔チェックサム算出処理〕
図114(a)には、上述のメイン処理におけるチェックサム算出処理(ステップX1
9、X40)を示した。このチェックサム算出処理では、まず、算出アドレスの開始値と
してRWMの先頭アドレスを設定し(ステップX51)、繰り返し数を設定し(ステップ
X52)、算出値として「0」を設定する(ステップX53)。繰り返し数には使用して
いるRAMのバイト数が設定される。
その後、算出アドレスの内容に算出値を加算した値を新たな算出値とし(ステップX5
4)、算出アドレスを+1更新して(ステップX55)、繰り返し数を-1更新し(ステ
ップX56)、チェックサムの算出が終了したかを判定する(ステップX57)。算出が
終了していない場合(ステップX57:N)は、ステップX54へ戻って上記処理を繰り
返す。また、算出が終了した場合(ステップX57:Y)は、チェックサム算出処理を終
了する。
〔初期値乱数更新処理〕
図114(b)には、上述のメイン処理における初期値乱数更新処理(ステップX32
)を示した。この初期値乱数更新処理では、まず、大当り図柄初期値乱数を+1更新し(
ステップX61)、小当り図柄初期値乱数1を+1更新して(ステップX62)、初期値
乱数更新処理を終了する。ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームで
の大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数、「小当り図柄初期値乱数」は、特
図変動表示ゲームでの小当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。
このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けること
によって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理はクロックジェネレータ
内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されるこ
とで開始される。すなわち、所定周期で開始される割込みルーチンである。遊技用マイコ
ン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図11
5のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップX1
01)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使
っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと
同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位ア
ドレスをセットする(ステップX102)。ステップX102では、メイン処理における
ステップX4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサや
スイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処
理(ステップX103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき
、ソレノイド(上大入賞口ソレノイド38b、下大入賞口ソレノイド39b)等のアクチ
ュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップX104)を行う。なお、メイ
ン処理におけるステップX5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われるこ
とで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。こ
の発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加
工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示
す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可
信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許
可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技
球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力す
る払出コマンド送信処理(ステップX105)、乱数更新処理1(ステップX106)、
乱数更新処理2(ステップX107)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口
2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、上大入賞口スイッチ38a、下大入賞口スイ
ッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス
枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX108
)を行う。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口ス
イッチ監視処理(ステップX109)を行う。始動口スイッチ監視処理では、第1始動入
賞口36や第2始動入賞口37への遊技球の入賞に基づき、各種乱数(大当り乱数など)
の抽出を行う。そして、特図1変動表示ゲームに関する処理を行う特図1ゲーム処理(ス
テップX110)、特図2変動表示ゲームに関する処理を行う特図2ゲーム処理(ステッ
プX111)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表
示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処
理(ステップX112)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判
定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップX113)、盤電波センサ62からの検出
信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップX1
14)を行う。さらに、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部
情報編集処理(ステップX115)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可す
る処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定
する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお
、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を
復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔入力処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入力処理(ステップX103)の詳細について
説明する。図116に示すように、入力処理においては、まず入力ポート1、即ち、第1
入力ポート122に取り込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(ステップX12
1)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリア
し(ステップX122)、読み込まれた入力ポート1の状態をRWM内のスイッチ制御領
域1にセーブ(格納)する(ステップX123)。
次に、入力ポート2、即ち、第2入力ポート123のアドレスを準備し(ステップX1
24)、RWM内のスイッチ制御領域2のアドレスを準備する(ステップX125)。
そして、未使用のビットデータを準備(ステップX126)した後、反転するビットデ
ータを準備し(ステップX127)、スイッチ読込み処理(ステップX128)を行う。
その後、入力ポート3、即ち、第3入力ポート124のアドレスを準備し(ステップX
129)、RWM内のスイッチ制御領域3のアドレスを準備する(ステップX130)。
そして、未使用のビットデータを準備(ステップX131)した後、反転するビットデ
ータを準備し(ステップX132)、スイッチ読込み処理(ステップX133)を行い、
入力処理を終了する。
なお、本実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが
、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
また、上記の未使用のビットデータや反転するビットデータについての情報は、各入力
ポートに対応して用意された情報を用いるようになっている。
〔スイッチ読込み処理〕
次に、上述の入力処理におけるスイッチ読込み処理(ステップX128、X133)の
詳細について説明する。図117に示すように、スイッチ読込み処理においては、まず、
対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態を読み込む(ステップX141)。そして、
8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップX
142)、反転の必要なビットを反転(ステップX143)した後、対象のスイッチ制御
領域のポート入力状態1にセーブ(格納)する(ステップX144)。その後、2回目の
読込みまでのディレイ時間(0.1ms)が経過するのを待つ(ステップX145)。
ディレイ時間(0.1ms)が経過すると、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状
態の2回目の読込みを行う(ステップX146)。そして、8ビットのポートのうち未使
用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップX147)、反転の必要なビッ
トを反転(ステップX148)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態2にセ
ーブ(格納)する(ステップX149)。その後、1回目と2回目の読込みで状態が同じ
ビットを1、違うビットを0とした確定ビットパターンを作成し(ステップX150)、
確定ビットパターンとポート入力状態2との論理積をとり、今回確定ビットとする(ステ
ップX151)。
次に、1回目と2回目の読込みで状態が同じビットを0、違うビットを1とした未確定
ビットパターンを作成し(ステップX152)、未確定ビットパターンと前回割り込み時
の確定状態との論理積をとり、前回保持ビットとする(ステップX153)。これにより
、スイッチのチャタリング等によるノイズを除去した信号の状態を得ることができる。そ
して、今回確定ビットと前回保持ビットを合成し、今回確定状態としてセーブし(ステッ
プX154)、前回と今回の確定状態との排他的論理和をとり、立上りエッジとしてセー
ブして(ステップX155)、スイッチ読み込み処理を終了する。
なお、スイッチの読込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(例えば2ms)には、各
割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読込みを行なって前回の読込みの結果と
比較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込
み処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しい判定が行
なえないおそれがある。これに対し、本実施例のように、所定の時間差をおいて1回の割
込み処理の中で2回のスイッチ読込み処理を行うことで、上記のような不具合を回避する
ことが可能となる。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップX104)の詳細について
説明する。図118に示すように、出力処理では、まず、一括表示装置(LED)50の
セグメントのデータを出力するポート135(図110参照)にオフデータを出力(リセ
ット)する(ステップX161)。次に、上大入賞口ソレノイド38b、下大入賞口ソレ
ノイド39bのデータを出力するソレノイド出力ポート134に出力するデータを合成し
て出力する(ステップX162)。
そして、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジット
カウンタの値を更新して(ステップX163)、デジットカウンタの値に対応するLED
のデジット線の出力データを取得し(ステップX164)、取得した情報と外部情報デー
タを合成する(ステップX165)。そして、合成したデータをデジット出力用のポート
136及び外部情報出力用のポート137に出力する(ステップX166)。その後、デ
ジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データ
をロードし(ステップX167)、ロードしたデータをセグメント出力用のポート135
に出力する(ステップX168)。
続いて、外部情報端子板71へ出力するデータをロードして合成し(ステップX169
)、合成したデータと発射許可の出力データを合成して(ステップX170)、合成した
データを外部情報出力用のポート137へ出力する(ステップX171)。次に、試射試
験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータ
をロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力す
る(ステップX172)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上
の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端
子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップX173)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に
出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成した
データを出力する(ステップX174)。さらに、試射試験装置の試験信号を出力する中
継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板7
0上の試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップX175)。そして
、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力す
るデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5へ合成したデータ
を出力し(ステップX176)し、出力処理を終了する。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップX105)の
詳細について説明する。図119に示すように払出コマンド送信処理では、まず、入賞数
カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする(ステップX181)。
入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111Cに設けられ、入賞数カウン
タ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御
装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信す
るために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞の
データが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶
可能な賞球指令カウンタをなす。
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定
数(ここでは10個)になる毎に外部装置へ出力するメイン賞球信号を送信するために用
いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデー
タが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記
憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他
に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)にな
る毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、
不正な払い出しを監視することが可能となっている。
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(例
えば、3個賞球、10個賞球、15個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入
賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようにな
っている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされ
ている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当て
られ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号
が送信先の状態に関係なく送信可能であるのに対し、払出コマンドが送信先である払出制
御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積さ
れる可能性があるためである。
入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする処理(ステップX181)に
おいては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされ
た入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。そして、カウント
数がない場合(ステップX181:N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域のア
ドレスを更新し(ステップX182)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェ
ックが終了したかを判定する(ステップX183)。この判定で、すべてのチェックが終
了した(ステップX183;Y)と判定すると、ステップX192に移行する。一方、す
べてのチェックが終了していない(ステップX183;N)と判定すると、ステップX1
81へ戻って上記処理を繰り返す。
また、上記ステップX181で、カウント数がある(ステップX181;Y)と判定し
た場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(-1)し(ステップX18
4)、対象の入賞数カウンタ領域に対応する払出数を取得する(ステップX185)。そ
して、賞球残数領域の値と取得した払出数を加算して新たな賞球残数とし(ステップX1
86)、賞球残数領域にセーブする(ステップX187)。なお、この処理の前における
賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端
数が記憶されている。
その後、加算結果からメイン賞球信号の出力の基準となる所定数である10を減算し(
ステップX188)、減算結果が0以上であるかを判定する(ステップX189)。減算
結果が0以上でない場合(ステップX189;N)は、ステップX192に移行する。な
お、この場合は減算した結果は賞球残数領域にセーブされないため、減算前の値が賞球残
数領域に記憶された状態となる。減算結果が0以上である場合(ステップX189;Y)
は、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新し(ステップX190)、減算結果を賞
球残数領域にセーブして(ステップX191)、ステップX188に戻る。
これにより、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるよう
になる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い
出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外
部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中な
どの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅
延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防
止することができる。
ステップX192では、払出コマンド送信タイマが0でなければ-1更新し(ステップ
X192)、払出コマンド送信タイマが0になったかを判定する(ステップX193)。
払出コマンド送信タイマが0でない場合(ステップX193;N)は、払出コマンド送信
処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが0である場合(ステップX193;Y
)は、払出ビジー信号フラグがビジー中であるかを判定する(ステップX194)。
払出ビジー信号は払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す
信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態とさ
れる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか
否かを示す信号とも言える。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置
200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。払出ビジー信号フラグ
は、払出ビジー信号の状態に基づき払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状
態か否かを設定した情報であって、払出制御を即座に開始可能なアイドル状態、払出制御
を即座に開始可能でないビジー状態、状態が不定である不定状態の何れかが設定される。
なお、不定状態は、例えば電源投入時の処理でビジー信号フラグ領域がクリアされるこ
とで設定される。この不定状態は、払出ビジー信号の状態が、払出制御を即座に開始可能
なこと又は不能なことを示す状態に所定期間に亘り維持されることに基づき、アイドル状
態又はビジー状態が設定されることで解消する。つまり、停電が発生し該停電から復帰し
た場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出
力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御装置200に送信せず、払出制御装置
200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出
力されたことに対応して賞球指令を払出制御装置200に送信する。これにより、払出制
御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞
球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止でき
る。
この払出ビジー信号フラグがビジー中である場合(ステップX194;Y)は、払出コ
マンド送信処理を終了する。なお、ここでは不定状態である場合もビジー中であるものと
判定する。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマ
ンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにする
ことで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
払出ビジー信号フラグがビジー中でない場合(ステップX194;N)は、入賞数カウ
ンタ領域1にカウントがあるかをチェックする(ステップX195)。入賞数カウンタ領
域1にカウントがあるかをチェックする処理(ステップX195)においては、賞球数別
に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領
域に「0」でないカウント数があるかを判定する。
そして、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域にカウント数がない場合(ステップ
X195;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域のアドレスを更新し(ステッ
プX196)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定
する(ステップX197)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップX19
7;Y)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終
了していない(ステップX197;N)と判定すると、ステップX195へ戻って上記処
理を繰り返す。
また、上記ステップX195で、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域にカウント
数がある(ステップX195;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカ
ウント数を-1更新し(ステップX198)、対象の入賞数カウンタ領域1のアドレスに
対応する払出コマンドを取得する(ステップX199)。そして、取得したコマンドを払
出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップX200)、払出コマンド送信タイマ領
域に初期値をセーブして(ステップX201)、払出コマンド送信処理を終了する。払出
コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として例えば200ms
が設定される。
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され
、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンド
に基づき所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制
御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能で
あるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を
払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づ
いて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可
能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われて
いない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発
生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバ
ックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
従来の遊技機(例えば、特開2000-312759号公報の遊技機)では、何らかの
原因により電源の遮断状態が発生した場合、払出制御装置200は自身の記憶手段にデー
タをバックアップし、電源遮断直前のデータによる払出制御状態を維持するようにしてい
る。しかしながら、従来の遊技機では、バックアップするための機能が必要となるため、
コストアップにつながるという問題があった。本発明によれば、払出制御装置200にバ
ックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できるようにすることが
できる。
また、外部の装置に送信されるメイン賞球信号は払出ビジー信号の状態に関係なく出力
されるので、遅滞なくメイン賞球信号を出力でき、ホールコンピュータなどの外部の装置
では賞球の払い出しの時期を正確に把握でき、例えばベース値を正確に把握できるように
なる。また、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタと、メイン賞球信号に
関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタとを別々に備えるので、送信タイミング
が異なる賞球指令とメイン賞球信号の情報を別々に管理でき、情報を確実に管理すること
ができる。
以上のことから、統括的に遊技制御を行うとともに、遊技領域32に設けられた入賞領
域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、一般入賞口35、第1特別変動入賞装置
38、第2特別変動入賞装置39)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技
制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、
遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段
は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示
す状態信号(ビジー信号)に基づいて賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、停
電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御手段から払出制御を開始可能であるこ
とを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段に送信せず
、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継
続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしていること
となる。
また、遊技領域32に賞球数の異なる入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口
37、一般入賞口35、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)を複数
設け、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球数毎に、遊技球の払出制御を指示す
る賞球指令の未送信の有無を特定可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)を備え
、状態信号が払出制御を開始可能であることを示し、かつ、各賞球指令カウンタに未送信
の賞球指令がある場合に、賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するよ
うにし、状態信号が当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かの特定を、各賞
球指令カウンタに未送信の賞球指令があるか否かの特定よりも先に行うようにしているこ
ととなる。
また、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域(第1始動入賞口36、第2
始動入賞口37、一般入賞口35、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置3
9)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100
)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制
御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力され
る当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可
能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段(
遊技制御装置100)と、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された
賞球数に関する情報を含む賞球信号(メイン賞球信号)を遊技機の外部に出力する外部情
報出力手段(遊技制御装置100)と、を備え、外部情報出力手段は、払出制御手段から
出力される状態信号が、払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かに関係なく賞球
信号の出力を行うようにしたこととなる。
また、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、停電が発生し該停電から復帰した
場合には、状態信号が払出制御を開始可能であることを示していたとしても、直ちに賞球
指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信せず、状態信号が払出制御を開始可能
であることを示している状態が所定期間に亘って継続していることに対応して賞球指令を
払出制御手段に送信するようにしたこととなる。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞
球指令カウンタ(遊技制御装置100)と、賞球信号(メイン賞球信号)に関する情報を
記憶可能な賞球信号カウンタ(遊技制御装置100)と、を備え、賞球指令送信手段(遊
技制御装置100)は、所定の入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、一
般入賞口35、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)への一の入賞を
単位として賞球指令を生成し、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場
合に一の賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するように構成され、賞
球指令カウンタ(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当
該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うととも
に、払出制御手段への賞球指令への送信に対応させて更新を行うことで、送信していない
賞球指令の数を記憶可能とし、外部情報出力手段は、所定の入賞領域への遊技球の入賞に
伴い払い出しが決定された賞球数を累積し、累積値が所定数に達する毎に賞球信号を遊技
機の外部に出力するように構成され、賞球信号カウンタは、所定の入賞領域への一の入賞
を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更
新を行うとともに、外部情報出力手段による賞球数の累積処理に対応させて更新を行うこ
とで、未だ累積処理を行っていない賞球数を記憶可能であることとなる。
〔乱数更新処理1〕
図120には、タイマ割込み処理(図115参照)における乱数更新処理1(ステップ
X106)を示した。乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り
図柄乱数、小当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。この乱
数更新処理1では、まず、大当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちである
かを判定する(ステップX221)。
大当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップX221;N)は、小当り図柄
乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップX224)。
また、大当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップX221;Y)は、次回初
期値として大当り図柄初期値乱数をロードし(ステップX222)、ロードした大当り図
柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジ
スタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップX223)。その後、小当り図柄
乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップX224)。
小当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップX224;N)は、乱数更新処
理1を終了する。また、小当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップX224
;Y)は、次回初期値として小当り図柄初期値乱数をロードし(ステップX225)、ロ
ードした小当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート
値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定し(ステップX226)、乱数
更新処理1を終了する。
〔乱数更新処理2〕
図121には、タイマ割込み処理(図115参照)における乱数更新処理2(ステップ
X107)を示した。乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動
パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、本実施形態の
遊技機では、変動パターン乱数として1バイトの乱数(変動パターン乱数2、3)と、2
バイトの乱数(変動パターン乱数1)があり、乱数更新処理2は両方を更新対象とし、割
込みが発生するごとに更新対象を切り替えて処理する。しかも、更新対象の乱数が2バイ
トの場合には、上位のバイトと下位のバイトに対して異なる割込み時に更新処理を行うよ
うになっている。即ち、メイン処理に対する一の割込み処理において実行される乱数更新
処理2による2バイトの変動パターン乱数1(リーチ変動態様決定用乱数)の更新は、上
位1バイト若しくは下位1バイトの何れかについて実行されるように構成されている。
この乱数更新処理2では、まず、更新すべき複数の乱数のうちいずれの乱数を今回の更
新処理の対象とするかを順番に指定するための乱数更新スキャンカウンタを更新する(ス
テップX231)。次に、乱数更新スキャンカウンタの値に対応する演出乱数更新テーブ
ルのアドレスを算出する(ステップX232)。そして、算出されたアドレスに基づいて
参照したテーブルから乱数の上限判定値を取得する(ステップX233)。このとき参照
するテーブルには、乱数の種類ごとに上限判定値、即ち、乱数が一巡したか否かを判定す
るための値が格納されている。
続いて、例えば本実施例において遊技用マイコンに設けられているM1カウンタの値を
ロードする(ステップX234)。M1カウンタの値を使用することで、乱数にランダム
性を付与することができる。次に、M1カウンタの値をマスクするためのマスク値を取得
してM1カウンタの値をマスクする(ステップX235)。なお、マスク値は、更新対象
の乱数によって異なるビット数、例えば、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する
場合には、M1カウンタの下位3ビットに、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを
更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットに設定されている。乱数の種類によって
上限値が異なるためである。なお、マスク値として、変動パターン乱数1の下位1バイト
を更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットを、また、変動パターン乱数1の上位
1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットを例示したが、数値は一例で
あってこれに限られるものではない。
次に、更新する乱数領域(乱数カウンタ)が2バイト乱数の上位1バイトであるかを判
定する(ステップX236)。そして、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトである場
合(ステップX236;Y)は、加算値として上位1バイトをマスク値によってM1カウ
ンタの値をマスクすることによって残った値(以下、これをマスクした値と称する)に「
1」を加算したマスク更新値に設定し、下位1バイトを「0」に設定して(ステップX2
37)、ステップX239に進む。また、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトでない
場合(ステップX236;N)は、加算値として上位1バイトを「0」に設定し、下位1
バイトを上記マスク更新値に設定して(ステップX238)、ステップX239に進む。
なお、マスクした値に「1」を加算するのは、マスクした値が「0」になる場合があり、
「0」を後に加算すると加算する前の値から変化しないので、それを避けるためである。
そして、更新する乱数が2バイト乱数かを判定し(ステップX239)、2バイト乱数
である場合(ステップX239;Y)は、更新する乱数領域の値(2バイト)を設定して
(ステップX240)、ステップX242に進む。また、更新する乱数が2バイト乱数で
ない場合(ステップX239;N)は、乱数値の上位1バイトとして「0」を設定し、乱
数値の下位1バイトとして、更新する乱数領域の値(1バイト)を設定し(ステップX2
41)、ステップX242へ進む。
ステップX242では、乱数値にステップX237又はX238で決定した加算値を加
算した値を新たな乱数値とし、この新たな乱数値がステップX233で取得した上限判定
値よりも大きいかを判定する(ステップX243)。そして、新たな乱数値が上限判定値
より大きくない場合(ステップX243;N)は、新たな乱数値を1バイト乱数又は2バ
イト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップX245)。また、新たな乱数値が上
限判定値より大きい場合(ステップX243;Y)は、新たな乱数値から上限判定値を減
算した値を再度の新たな乱数値とし(ステップX244)、この値を1バイト乱数又は2
バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップX245)。
次に、更新した乱数が2バイト乱数であるかを判定し(ステップX246)、2バイト
乱数でない場合(ステップX246;N)は、乱数更新処理2を終了する。また、2バイ
ト乱数である場合(ステップX246;Y)は、新たな乱数値(再度の新たな乱数値を算
出した場合はその値)を2バイト乱数の上位の乱数領域にセーブし(ステップX247)
、乱数更新処理2を終了する。
このように、CPU111Aは、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パター
ンを決定するための変動パターン乱数を更新する。従って、CPU111Aは、第1始動
入賞口36や第2始動入賞口37の始動領域への遊技球の流入に基づいて抽出される各種
乱数のうち、特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)を決定するための変動パタ
ーン乱数を更新する乱数更新手段をなす。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図19には、タイマ割込み処理(図115参照)における入賞口スイッチ/状態監視処
理(ステップX107)を示した。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、上大
入賞口(第1特別変動入賞装置38)内の一方の上大入賞口スイッチ38aに対応する入
賞口監視テーブル1を準備し(ステップX301)、大入賞口が開いていないにもかかわ
らず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監
視処理(ステップX302)を実行する。
入賞口監視テーブル(不正監視テーブル)には、対象のスイッチに入力があるかを判定
するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数
領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個
数)、入賞口スイッチテーブルのアドレス、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が
定義されている。また、入賞口スイッチテーブルには、監視の繰り返し数(スイッチの数
)、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1のアドレス、入賞数カウンタ領域2のア
ドレスの情報が定義されている。これらの不正監視テーブルや入賞テーブルは、監視対象
のスイッチのそれぞれに応じたものが用意されている。
その後、下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)内の他方の下大入賞口スイッチ39
aに対応する入賞口監視テーブル2を準備し(ステップX303)、不正な入賞がないか
監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップX304)を実行
する。次に、常時入賞可能な入賞口スイッチ(ここでは始動口1スイッチ36a、始動口
2スイッチ37a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準
備し(ステップX305)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップX30
6)を行う。そして、特図1変動表示ゲームを主体として実行することが予定されている
通常遊技状態における特図2変動表示ゲームの実行を監視する特図2異常変動監視処理(
ステップX307)及びワンショットエラー監視処理(ステップX317)を行う。
次に、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を
今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(ス
テップX308)。この状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。その後、
状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テー
ブル1を準備する(ステップX309)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を
判定する遊技機状態チェック処理(ステップX310)を行う。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャ
ンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異
常検知信号1に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合
は払出制御装置200からのシュート球切れスイッチ信号に基づく状態の監視が設定され
る。状態スキャンカウンタの値が2である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状
態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合は払出異常ステータス信
号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態
監視テーブル2を準備する(ステップX311)。そして、エラーが発生しているかなど
の状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップX312)を行う。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャ
ンカウンタの値が0である場合はガラス枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく
状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は前面枠開放検出スイ
ッチから出力される信号に基づく状態の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタ
の値が2である場合は枠電波不正信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウ
ンタの値が3である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値が0であるかを判定し(ステップX313)、エラー
スキャンカウンタの値が0でない場合(ステップX313;N)は、入賞口スイッチ/状
態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監
視対象がない場合である。また、エラースキャンカウンタの値が0である場合(ステップ
X313;Y)は、遊技機状態監視テーブル3を準備し(ステップX314)、エラーが
発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップX315)を行
う。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャ
ンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異
常検知信号2に基づく状態の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状
態スキャンカウンタが1から3の場合は定義されていない。
その後、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号に基
づきビジー信号フラグを設定する払出ビジー信号チェック処理(ステップX316)を行
って、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、ステップX314からX316
の処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が0の場合のみ実行さ
れるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ
割込みが4ms毎に行われる場合は、16ms毎にステップX314からX316の処理
が行われることとなる。
〔不正&入賞監視処理〕
図123には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における不正&入賞監視処理(ス
テップX302,X304)を示した。この不正&入賞監視処理は、第1特別変動入賞装
置38の二つの上大入賞口スイッチ38aの各々、第2特別変動入賞装置39の下大入賞
口スイッチ39aに対して行なわれる処理である。大入賞口(特別変動入賞装置38、3
9)については、無理やり開閉扉を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行な
われ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
この不正&入賞監視処理においては、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監
視期間フラグをチェックし(ステップX321)、不正監視期間中であるかを判定する(
ステップX322)。不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが上大入賞口
スイッチ38aである場合は第1特別変動入賞装置38を開放する特別遊技状態中以外の
期間であり、エラー監視対象の入賞口スイッチが下大入賞口スイッチ39aである場合は
第2特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態中以外の期間である。
そして、不正監視期間である場合(ステップX322;Y)は、対象の入賞口スイッチ
に入力があるかを判定する(ステップX323)。対象の入賞口スイッチに入力がない場
合(ステップX323;N)は、対象の報知タイマ更新情報をロードする(ステップX3
32)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップX323;Y)は、対
象の不正入賞数を+1更新し(ステップX324)、加算後の不正入賞数が監視対象の不
正発生判定個数(例えば5個)を超えたかを判定する(ステップX325)。
判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際
に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球が大入賞口スイッチの有効期間を過ぎ
て入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しないようにするためで
あり、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。
そして、判定個数を超えていない場合(ステップX325;N)は、対象の入賞口スイ
ッチの入賞口監視テーブルを準備する(ステップX330)。また、判定個数を超えた場
合(ステップX325;Y)は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップX32
6)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば60000ms)をセーブする(
ステップX327)。次に、対象の不正発生コマンドを準備し(ステップX328)、不
正フラグとして不正入賞発生フラグを準備して(ステップX329)、準備した不正フラ
グを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップX340)。
一方、不正監視期間でない場合(ステップX322;N)は、対象の入賞口スイッチの
入賞口監視テーブルを準備し(ステップX330)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更
新処理(ステップX331)を行う。そして、対象の報知タイマ更新情報をロードし(ス
テップX332)、報知タイマの更新許可の有無を判定する(ステップX333)。そし
て、報知タイマの更新が許可されない場合(ステップX333;N)は、不正&入賞監視
処理を終了する。また、報知タイマの更新が許可される場合(ステップX333;Y)は
、対象の報知タイマが0でなければ-1更新する(ステップX334)。なお、報知タイ
マの最小値は0に設定されている。
報知タイマの更新は、エラー監視対象の入賞口スイッチが一方の上大入賞口スイッチ3
8aである場合は許可され、エラー監視対象の入賞口スイッチが他方の上大入賞口スイッ
チ38aである場合は許可されない。これにより、第1特別変動入賞装置38についての
不正報知について、報知タイマの更新が倍の頻度で行われてしまい、規定時間(例えば6
0000ms)の半分でタイムアップしてしまうことを防止している。なお、エラー監視
対象の入賞口スイッチが下大入賞口スイッチ39aである場合は報知タイマの更新は常に
許可される。
その後、報知タイマの値が0であるかを判定し(ステップX335)、値が0でない場
合(ステップX335;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、不正&入賞監視
処理を終了する。また、値が0である場合(ステップX335;Y)、すなわちタイムア
ップした又はすでにタイムアップしていた場合は、対象の不正解除コマンドを準備し(ス
テップX336)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップX337
)。そして、報知タイマの値が0になった瞬間であるかを判定する(ステップX338)
報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップX338;Y)、すなわち今回
の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、対象の不正入賞数をクリア
し(ステップX339)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(
ステップX340)。また、報知タイマの値が0になった瞬間でない場合(ステップX3
38;N)、すなわち前回以前の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合
は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップX340)。
そして、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップX
340;Y)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不
正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップX340;N)は、準備した不正フラグを
対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップX341)、演出コマンド設定処理を行い(
ステップX342)、不正&入賞監視処理を終了する。以上の処理により、エラーの発生
に伴いエラー報知コマンドが演出制御装置300に送信され、エラーの解除に伴い不正入
賞エラー解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、エラー報知の開始、終了が設
定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
図124には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理及び不正&入賞監視処理における
入賞数カウンタ更新処理(ステップX306,X331)を示した。この入賞数カウンタ
更新処理においては、まず、入賞口監視テーブルの入賞口スイッチテーブルから監視する
入賞口スイッチの個数を取得し(ステップX351)、対象の入賞口スイッチに入力(正
確には入力の変化)があるかを判定する(ステップX352)。
入力がない場合(ステップX352:N)は、テーブルアドレスを次のレコードのアド
レスに更新し(ステップX361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステッ
プX362)。また、入力がある場合(ステップX352;Y)は、対象の入賞数カウン
タ領域1の値をロードし(ステップX353)、ロードした値を+1更新して(ステップ
X354)、オーバーフローするか判定する(ステップX355)。そして、オーバーフ
ローが発生していない場合(ステップX355;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領
域1にセーブし(ステップX356)、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(
ステップX357)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップX355;Y)は
、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップX357)。
対象の入賞数カウンタ領域2の値をロード(ステップX357)した後、ロードした値
を+1更新して(ステップX358)、オーバーフローするか判定する(ステップX35
9)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップX359;N)は、更新
後の値を入賞数カウンタ領域2にセーブし(ステップX360)、テーブルアドレスを次
のレコードのアドレスに更新して(ステップX361)、全スイッチの監視が終了したか
を判定する(ステップX362)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップX3
59;Y)は、テーブルアドレスを次のレコードのアドレスに更新して(ステップX36
1)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップX362)。
全スイッチの監視が終了していない場合(ステップX362;N)は、対象の入賞口ス
イッチに入力があるかを判定する処理(ステップX352)に戻る。また、全スイッチの
監視が終了した場合(ステップX362;Y)は、入賞数カウンタ更新処理を終了する。
以上の処理により、入賞領域への入賞に基づき入賞数カウンタ領域1及び2が更新されて
入賞の情報が記憶されることとなる。
〔演出コマンド設定処理〕
図125には、上述の不正&入賞監視処理での演出コマンド設定処理(ステップX34
2)を示した。なお、この演出コマンド設定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他
の処理における演出コマンド設定処理に共通する処理である。この演出コマンド設定処理
では、まず、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込んで(ステップX371
)、送信バッファが満杯であるかを判定する(ステップX372)。
送信バッファが満杯である場合(ステップX372;Y)は、ステップX371に戻る
。また、送信バッファが満杯でない場合(ステップX372;N)は、コマンドデータ(
MODE(上位バイト))を演出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップX373
)、シリアル送信バッファのステータスを読み込んで(ステップX374)、送信バッフ
ァが満杯であるかを判定する(ステップX375)。
送信バッファが満杯である場合(ステップX375;Y)は、ステップX374に戻る
。また、送信バッファが満杯でない場合(ステップX375;N)は、コマンドデータ(
ACTION(下位バイト))を演出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップX3
76)、演出コマンド設定処理を終了する。
このように、演出制御装置300に対してはシリアル通信でコマンドを送信するように
したことで、遊技制御装置100の負担を軽減できるとともに、コマンドの解析を困難に
することができる。また、コマンドの送出タイミングが早まるとともに、データ線の本数
を減らすことができる。さらに、演出制御装置300においてもストローブ内でのコマン
ドの取り込みが必要なくなり、負担を軽減することができる。
〔特図2異常変動監視処理〕
図126には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における特図2異常変動監視処理
(ステップX307)を示した。上述したように、本実施形態の遊技機では、低確率状態
である通常遊技状態である場合には特図1変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって有利
であるが、これを知らない遊技者や、意図的に特図2変動表示ゲームの実行を狙う遊技者
が右打ちを行うことも考えられる。特図2異常変動監視処理では、このような遊技者に対
して左打ちを行うように促す報知を行うための処理を行う。
なお、ここでの異常変動とは、主ではない特図変動表示ゲームであるイレギュラー変動
を意味する。通常遊技状態であっても第2始動入賞口37への入賞は可能であるのでイレ
ギュラー変動であっても正当な特図変動表示ゲームであり、糸を付けた遊技球や磁石の使
用、電波の発射等により不正に入賞を検出させて特図変動表示ゲームを実行するような不
正行為とは異なる。ただし、遊技機の設計上で主とすると定めた特図変動表示ゲームでは
ない特図変動表示ゲームが実行され続けることは好ましくないことであり、ここではこの
ようなイレギュラー変動を検出して特図2異常変動数を計数し、特図2異常変動数が規定
値に達すると対応する処理を行うようにしている。もちろん糸を付けた遊技球や磁石の使
用、電波の発射等により第2始動入賞口37で不正に入賞を検出させてイレギュラー変動
となる特図2変動表示ゲームを実行した場合にも特図2異常変動数は計数される。つまり
、不正行為であるか否かにかかわらず、イレギュラー変動となる特図2変動表示ゲームを
実行した場合には特図2異常変動数が計数される。
この特図2異常変動監視処理では、まず、特図1変動チェックフラグがあるかを判定す
る(ステップX381)。特図1変動チェックフラグは、通常遊技状態(低確率状態)で
特図1変動表示ゲームが開始された場合に設定されるフラグである。この特図1変動チェ
ックフラグがない場合(ステップX381;N)は、特図2変動チェックフラグがあるか
を判定する(ステップX387)。また、特図1変動チェックフラグがある場合(ステッ
プX381;Y)は、特図1変動チェックフラグをクリアし(ステップX382)、特図
1変動数を+1更新する(ステップX383)。
そして、特図1変動数が規定値(例えば7)よりも小さいかを判定し(ステップX38
4)、規定値よりも小さい場合(ステップX384;Y)は、特図2変動チェックフラグ
があるかを判定する(ステップX387)。また、規定値よりも小さくない場合(ステッ
プX384;N)は、通常遊技状態(低確率状態)で特図2変動表示ゲームが実行される
ことにより加算される特図2異常変動数が0でなければ-1更新し(ステップX385)
、特図1変動数を0クリアして(ステップX386)、特図2変動チェックフラグがある
かを判定する(ステップX387)。なお、特図2異常変動数の最小値は0に設定されて
いる。
特図2変動チェックフラグは、通常遊技状態(低確率状態)で特図2変動表示ゲームが
開始された場合に設定されるフラグである。この特図2変動チェックフラグがあるかの判
定(ステップX387)において、特図2変動チェックフラグがある場合(ステップX3
87;Y)は、特図2変動チェックフラグをクリアし(ステップX388)、特図2異常
変動フラグ領域にセーブされているフラグは特図2異常変動発生フラグであるかを判定す
る(ステップX389)。特図2異常変動発生フラグである場合(ステップX389;Y
)、すなわち特図2異常変動報知の実行中である場合は、特図2異常変動報知タイマに初
期値(例えば60000ms)を設定して(ステップX395)、特図2異常変動監視処
理を終了する。また、特図2異常変動発生フラグでない場合(ステップX389;N)、
すなわち特図2異常変動報知の実行中でない場合(特図2異常変動フラグ領域にセーブさ
れているフラグが特図2異常変動解除フラグである場合)は、特図2異常変動数を+1更
新して(ステップX390)、特図2異常変動数が規定値(例えば7)よりも小さいかを
判定する(ステップX391)。
特図2異常変動数が規定値よりも小さい場合(ステップX391;Y)は、特図2異常
変動監視処理を終了する。また、特図2異常変動数が規定値よりも小さくない場合(ステ
ップX391;N)は、左打ちをして特図1変動表示ゲームを主体として遊技を進めるこ
とが推奨される通常遊技状態(低確率状態)であるにもかかわらず、遊技者が右打ちをし
て特図2変動表示ゲームを実行させている場合であるため、遊技者に左打ちをするように
促す報知を行うための処理を行う。
具体的には、特図2異常変動フラグ領域に特図2異常変動発生フラグをセーブし(ステ
ップX392)、特図2異常変動発生コマンドを準備して(ステップX393)、演出コ
マンド設定処理を行う(ステップX394)。これにより、特図2異常変動エラーの検出
に伴い特図2異常変動発生コマンドが演出制御装置300に送信されて、特図2異常変動
エラーが発生した旨の報知の開始が設定されることとなる。特図2異常変動エラーが発生
した旨の報知では、例えば、「ビーヴォー、ビーヴォー」という音声がスピーカ19a,
19bから出力されるとともに、枠装飾装置18の全赤色ランプ(演出ボタン25の系統
は除く)が点滅するようになっている。その後、特図2異常変動報知タイマに初期値(例
えば60000ms)を設定して(ステップX395)、特図2異常変動監視処理を終了
する。
すなわち、低確率状態で主ではない変動表示ゲーム(イレギュラー変動)である特図2
変動表示ゲームが開始されることに基づき特図2変動チェックフラグが設定され、この特
図2変動チェックフラグの設定に基づき、異常判定数をなす特図2異常変動数が規定値を
上限に異常発生方向に更新(ここでは加算)されることとなる。また、主となる変動表示
ゲーム(メイン変動)の開始に基づき異常解除数をなす特図1変動数が更新(ここでは加
算)され、当該異常解除数が所定条件を満たすことに基づき異常判定数をなす特図2異常
変動数が異常解除方向に更新(ここでは減算)されることとなる。よって、遊技制御装置
100が、主ではない変動表示ゲームの開始に基づき異常判定数を異常発生方向に更新す
る異常判定数管理手段をなす。
一方、特図2変動チェックフラグがない場合(ステップX387;N)は、特図2異常
変動フラグ領域にセーブされているフラグは特図2異常変動発生フラグであるかを判定す
る(ステップX396)。特図2異常変動発生フラグでない場合(ステップX396;N
)、すなわち特図2異常変動報知の実行中でない場合(特図2異常変動フラグ領域にセー
ブされているフラグが特図2異常変動解除フラグである場合)は、特図2異常変動監視処
理を終了する。また、特図2異常変動発生フラグである場合(ステップX396;Y)、
すなわち特図2異常変動報知の実行中である場合は、特図2異常変動報知タイマを-1更
新し(ステップX397)、タイムアップしたかを判定する(ステップX398)。
タイムアップしていない場合(ステップX398;N)は、特図2異常変動監視処理を
終了する。また、タイムアップした場合(ステップX398;Y)は、特図2異常変動数
を0クリアして(ステップX399)、特図2異常変動フラグ領域に特図2異常変動解除
フラグをセーブする(ステップX400)。そして、特図2異常変動解除コマンドを準備
し(ステップX401)、演出コマンド設定処理を行って(ステップX402)、特図2
異常変動監視処理を終了する。これにより、特図2異常変動エラーの解除に伴い特図2異
常変動解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、特図2異常変動エラーが発生し
た旨の報知の終了が設定されることとなる。
図127には、遊技の進行に伴う特図2異常変動監視処理による処理についての一例を
示した。図127(a)に示す例では通常遊技状態において、特図2異常変動数が3であ
り、特図1変動数が4である状態となっている。この状態から次の特図1変動表示ゲーム
が開始されると(t11)、特図1変動数は4から5に変化する。また、特図2変動表示
ゲームが開始されると(t12)、特図2異常変動数は3から4に変化する。
その後、特図1変動表示ゲームが開始される毎に特図1変動数は+1更新される(t1
3、t14)。ここで、特図1変動数が規定値である7に達すると(t14)、特図2異
常変動数が-1更新されて4から3に変化するとともに、特図1変動数は0クリアされる
。以降も同様に、特図1変動表示ゲームが開始される毎に特図1変動数は+1更新され(
t15~t17)、特図1変動数が規定値である7に達すると(t17)、特図2異常変
動数が-1更新されて3から2に変化するとともに、特図1変動数は0クリアされる。す
なわち、規定数(ここでは7回)の特図1変動表示ゲームを実行する毎に特図2異常変動
数が減算されるようになっている。
図127(b)には特図2異常変動報知が行われる場合を示した。この例では通常遊技
状態において、特図2異常変動数が5である状態となっている。この状態から特図2変動
表示ゲームが開始されると(t21)、特図2異常変動数は5から6に更新される。さら
に特図2変動表示ゲームが開始されると(t22)、特図2異常変動数が規定値である7
に達する。
これにより、特図2異常変動発生フラグがセーブされ、このフラグに基づき特図2異常
変動エラーが発生したことを示す外部情報と遊技機エラー状態信号の遊技機外部の装置へ
の出力が開始され、遊技店の管理装置等で特図2異常変動エラーの発生を把握可能となる
。また、演出制御装置300に対して特図2異常変動発生コマンドが送信される。演出制
御装置300ではこのコマンドの受信に基づき、表示や音声等により特図2異常変動エラ
ーが発生した旨の報知を開始する。すなわち、遊技制御装置100及び演出制御装置30
0が、異常判定数(特図2異常変動数)が所定条件を満たす(規定値となる)ことに基づ
き、所定の対応を行う対応手段をなす。
また、特図2異常変動数が規定値である7に達した時点から特図2異常変動報知タイマ
での計時が開始され(t22)、所定時間(ここでは60秒)が経過することにより(t
23)、特図2異常変動数は0クリアされ、外部情報と遊技機エラー状態信号の出力が停
止する。また、演出制御装置300に対して特図2異常変動解除コマンドが送信され、演
出制御装置300ではこのコマンドの受信に基づき、特図2異常変動エラーが発生した旨
の報知を終了する。
なお、特図2異常変動数が規定値(ここでは7)に達している状態で特図2異常変動が
発生したと判定された場合には、特図2異常変動数は更新されず、特図2異常変動報知タ
イマに初期値が再設定される。すなわち、特図2異常変動報知の実行中に特図2異常変動
が発生した場合には、最後の特図2異常変動の発生から所定時間(ここでは60秒)が経
過したことに基づいて、当該特図2異常変動報知(遊技制御装置100による外部情報や
遊技機エラー状態信号の出力、演出制御装置300による特図2異常変動エラーが発生し
た旨の報知)が終了する。よって、所定時間の経過前に新たに特図2変動表示ゲームが開
始された場合は特図2異常変動数が規定値で維持され、その時点から新たに所定時間の計
時が開始される。これにより、特図2異常変動エラーが発生した旨の報知がされているに
もかかわらず特図2変動表示ゲームを実行する場合には、報知の期間がこれに応じて延長
されることとなる。
このように、特図2異常変動数が規定値(例えば7)に達することに基づき特図2異常
変動エラーが発生したと判定することで、例えば意図せずに右側の遊技領域に遊技球が入
って第2始動入賞口37に入賞してしまった場合に、すぐに特図2異常変動エラーである
と判定されることを防止できる。さらに、所定回数の特図1変動表示ゲームを行うことで
特図2異常変動数が減算されるようにしたことで、意図しない第2始動入賞口37への入
賞について発生した特図2異常変動数はその後に遊技を行っていれば解消されるようにな
り、単なるミスや他の遊技者の遊技の結果が累積して特図2異常変動エラーであると判定
されることを防止できる。
なお、所定回数の特図1変動表示ゲームを行っても、特図2異常変動数が減算されない
よう構成することも可能である。すなわち、特図2異常変動監視処理(図126)におい
て、ステップX381~X386の処理を行わないよう構成することも可能である。
また、特図2異常変動報知を行うこととなる特図2異常変動数の規定値や、特図2異常
変動数を減算する処理を行うこととなる特図1変動数の規定値は任意に設定可能である。
ここで設定するそれぞれの規定値は、通常遊技状態で遊技者が特図2変動表示ゲームの開
始を狙わないようにさせることができるような値であればどのような値でも良い。本実施
形態では、特図2異常変動数の規定値と特図1変動数の規定値を同じ値にしたが、無論、
これらの規定値は互いに異なる値であっても良い。
また、停電が発生して復旧した場合には、停電発生前の状態から監視を再開するように
する。
また、特図2異常変動報知を行っている場合であっても入賞に対する賞球の払出は通常
通り行う。
また、特図2異常変動報知の実行中に特図1変動数が規定値に達した場合には、その時
点で特図2異常変動数は-1更新されるが、当該特図2異常変動報知は中止されることな
く予定通り行われ、当該特図2異常変動報知の終了時に特図2異常変動数が0クリアされ
る。すなわち、特図2異常変動報知の実行中に特図2異常変動数が-1更新された場合(
特図2異常変動数が規定値よりも小さくなった場合)でも、当該特図2異常変動報知には
影響を与えないようになっている。
また、特図2異常変動報知の実行中に第1特別遊技状態(大当りに基づく特別遊技状態
)が発生した場合には、第1特別遊技状態の開始時に、当該特図2異常変動報知が終了す
る。すなわち、第1特別遊技状態の開始時に、遊技制御装置100は、外部情報や遊技機
エラー状態信号の出力を停止し、演出制御装置300に対して特図2異常変動解除コマン
ドを送信し、特図1変動数及び特図2異常変動数を0クリアする。
〔ワンショットエラー監視処理〕
図128には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理におけるワンショットエラー監視
処理(ステップX317)を示した。上述したように、本実施形態の遊技機では、低確率
状態である通常遊技状態である場合には特図1変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって
有利であるが、これを知らない遊技者や、意図的に特図2変動表示ゲームの実行を狙う遊
技者が右打ちを行うことも考えられる。特図2異常変動監視処理では、このような遊技者
に対して左打ちを行うように促す報知(特図2異常変動報知)を行うための処理を行う。
そして、ワンショットエラー監視処理では、特図2異常変動監視処理での報知(特図2異
常変動報知)に先立って、このような遊技者に対して左打ちを行うように促す報知(ワン
ショットエラー報知)を行うための処理を行う。
なお、ワンショットエラー監視処理では、特図2異常変動監視処理と同様、特図1変動
数(すなわち、通常遊技状態(低確率状態)での特図1変動表示ゲーム(メイン変動)の
実行回数)と、特図2異常変動数(すなわち、通常遊技状態(低確率状態)での特図2変
動表示ゲーム(イレギュラー変動)の実行回数)とをカウントする。しかし、ワンショッ
トエラー監視処理と特図2異常変動監視処理とでは、これらの変動数を0クリアする条件
等が異なるため、ワンショットエラー監視処理では、特図2異常変動監視処理で用いるカ
ウンタとは異なるカウンタを用いる。すなわち、ワンショットエラー監視処理において特
図1変動数を記憶する記憶領域と、特図2異常変動監視処理において特図1変動数を記憶
する記憶領域とは異なる。また、ワンショットエラー監視処理において特図2異常変動数
を記憶する記憶領域と、特図2異常変動監視処理において特図2異常変動数を記憶する記
憶領域とは異なる。したがって、便宜上、ワンショットエラー監視処理では、特図1変動
数のことをメイン変動数と称し、特図2異常変動数のことをイレギュラー変動数と称する
また、イレギュラー変動数の規定値は、特図2異常変動数の規定値よりも小さい値とな
っている。これにより、特図2異常変動報知に先立ってワンショットエラー報知を行うこ
とができる。すなわち、ワンショットエラー報知が行われたにもかかわらず特図2変動表
示ゲームを実行する場合に、特図2異常変動報知が行われることとなる。
また、特図2異常変動数は規定値に達している状態では更新されないが(ステップX3
89~X390)、イレギュラー変動数は規定値に達している状態でも更新される。すな
わち、特図2異常変動数は規定値を上回る値になり得ないが、イレギュラー変動数は規定
値を上回る値になり得る。さらに、特図2異常変動数は報知タイマがタイムアップすると
0クリアされるが(ステップX399)、イレギュラー変動数は報知タイマがタイムアッ
プしても0クリアされない。よって、本実施形態では、イレギュラー変動数を減算する処
理を行うこととなるメイン変動数の規定値は、特図2異常変動数を減算する処理を行うこ
ととなる特図1変動数の規定値よりも小さい値となっている。これにより、ワンショット
エラー報知の頻発を抑制することができる。
このワンショットエラー監視処理では、まず、特図1変動チェックフラグがあるかを判
定する(ステップX411)。特図1変動チェックフラグは、通常遊技状態(低確率状態
)で特図1変動表示ゲームが開始された場合に設定されるフラグである。この特図1変動
チェックフラグがない場合(ステップX411;N)は、特図2変動チェックフラグがあ
るかを判定する(ステップX417)。また、特図1変動チェックフラグがある場合(ス
テップX411;Y)は、特図1変動チェックフラグをクリアし(ステップX412)、
メイン変動数を+1更新する(ステップX413)。
そして、メイン変動数が規定値(例えば5)よりも小さいかを判定し(ステップX41
4)、規定値よりも小さい場合(ステップX414;Y)は、特図2変動チェックフラグ
があるかを判定する(ステップX417)。また、規定値よりも小さくない場合(ステッ
プX414;N)は、通常遊技状態(低確率状態)で特図2変動表示ゲームが実行される
ことにより加算されるイレギュラー変動数が0でなければ-1更新し(ステップX415
)、メイン変動数を0クリアして(ステップX416)、特図2変動チェックフラグがあ
るかを判定する(ステップX417)。なお、イレギュラー変動数の最小値は0に設定さ
れている。
特図2変動チェックフラグは、通常遊技状態(低確率状態)で特図2変動表示ゲームが
開始された場合に設定されるフラグである。この特図2変動チェックフラグがあるかの判
定(ステップX417)において、特図2変動チェックフラグがある場合(ステップX4
17;Y)は、特図2変動チェックフラグをクリアし(ステップX418)、イレギュラ
ー変動数を+1更新して(ステップX419)、ワンショットエラーフラグ領域にセーブ
されているフラグはワンショットエラー発生フラグであるかを判定する(ステップX42
0)。ワンショットエラー発生フラグである場合(ステップX420;Y)、すなわちワ
ンショットエラー報知の実行中である場合は、ワンショットエラー報知タイマに初期値(
例えば15000ms)を設定して(ステップX425)、ワンショットエラー監視処理
を終了する。また、ワンショットエラー発生フラグでない場合(ステップX420;N)
、すなわちワンショットエラー報知の実行中でない場合(ワンショットエラーフラグ領域
にセーブされているフラグがワンショットエラー解除フラグである場合)は、イレギュラ
ー変動数が規定値(例えば3)よりも小さいかを判定する(ステップX421)。
イレギュラー変動数が規定値よりも小さい場合(ステップX421;Y)は、ワンショ
ットエラー監視処理を終了する。また、イレギュラー変動数が規定値よりも小さくない場
合(ステップX421;N)は、左打ちをして特図1変動表示ゲームを主体として遊技を
進めることが推奨される通常遊技状態(低確率状態)であるにもかかわらず、遊技者が右
打ちをして特図2変動表示ゲームを実行させている場合であるため、遊技者に左打ちをす
るように促す報知を行うための処理を行う。
具体的には、ワンショットエラーフラグ領域にワンショットエラー発生フラグをセーブ
し(ステップX422)、ワンショットエラー発生コマンドを準備して(ステップX42
3)、演出コマンド設定処理を行う(ステップX424)。これにより、ワンショットエ
ラーの検出に伴いワンショットエラー発生コマンドが演出制御装置300に送信されて、
ワンショットエラーが発生した旨の報知の開始が設定されることとなる。ワンショットエ
ラーが発生した旨の報知では、例えば、「ブーブー、左打ちしてください、ブーブー、ブ
ーブー、ブーブー」という音声がスピーカ19a,19bから出力されるとともに、枠装
飾装置18の全赤色ランプ(演出ボタン25の系統は除く)が点滅するようになっている
。その後、ワンショットエラー報知タイマに初期値(例えば15000ms)を設定して
(ステップX425)、ワンショットエラー監視処理を終了する。
すなわち、低確率状態で主ではない変動表示ゲーム(イレギュラー変動)である特図2
変動表示ゲームが開始されることに基づき特図2変動チェックフラグが設定され、この特
図2変動チェックフラグの設定に基づき、異常判定数をなすイレギュラー変動数が異常発
生方向に更新(ここでは加算)されることとなる。また、主となる変動表示ゲーム(メイ
ン変動)の開始に基づき異常解除数をなすメイン変動数が更新(ここでは加算)され、当
該異常解除数が所定条件を満たすことに基づき異常判定数をなすイレギュラー変動数が異
常解除方向に更新(ここでは減算)されることとなる。よって、遊技制御装置100が、
主ではない変動表示ゲームの開始に基づき異常判定数を異常発生方向に更新する異常判定
数管理手段をなす。
一方、特図2変動チェックフラグがない場合(ステップX417;N)は、ワンショッ
トエラーフラグ領域にセーブされているフラグはワンショットエラー発生フラグであるか
を判定する(ステップX426)。ワンショットエラー発生フラグでない場合(ステップ
X426;N)、すなわちワンショットエラー報知の実行中でない場合(ワンショットエ
ラーフラグ領域にセーブされているフラグがワンショットエラー解除フラグである場合)
は、ワンショットエラー監視処理を終了する。また、ワンショットエラー発生フラグであ
る場合(ステップX426;Y)、すなわちワンショットエラー報知の実行中である場合
は、ワンショットエラー報知タイマを-1更新し(ステップX427)、タイムアップし
たかを判定する(ステップX428)。
タイムアップしていない場合(ステップX428;N)は、ワンショットエラー監視処
理を終了する。また、タイムアップした場合(ステップX428;Y)は、ワンショット
エラーフラグ領域にワンショットエラー解除フラグをセーブする(ステップX429)。
そして、ワンショットエラー解除コマンドを準備し(ステップX430)、演出コマンド
設定処理を行って(ステップX431)、ワンショットエラー監視処理を終了する。これ
により、ワンショットエラーの解除に伴いワンショットエラー解除コマンドが演出制御装
置300に送信されて、ワンショットエラーが発生した旨の報知の終了が設定されること
となる。
図129には、遊技の進行に伴うワンショットエラー監視処理による処理についての一
例を示した。図129(a)に示す例では通常遊技状態において、イレギュラー変動数が
1であり、メイン変動数が2である状態となっている。この状態から次の特図1変動表示
ゲームが開始されると(t31)、メイン変動数は2から3に変化する。また、特図2変
動表示ゲームが開始されると(t32)、イレギュラー変動数は1から2に変化する。
その後、特図1変動表示ゲームが開始される毎にメイン変動数は+1更新される(t3
3、t34)。ここで、メイン変動数が規定値である5に達すると(t34)、イレギュ
ラー変動数が-1更新されて2から1に変化するとともに、メイン変動数は0クリアされ
る。以降も同様に、特図1変動表示ゲームが開始される毎にメイン変動数は+1更新され
(t35~t37)、メイン変動数が規定値である5に達すると(t37)、イレギュラ
ー変動数が-1更新されて1から0に変化するとともに、メイン変動数は0クリアされる
。すなわち、規定数(ここでは5回)の特図1変動表示ゲームを実行する毎にイレギュラ
ー変動数が減算されるようになっている。
図129(b)にはワンショットエラー報知が行われる場合を示した。この例では通常
遊技状態において、イレギュラー変動数が1である状態となっている。この状態から特図
2変動表示ゲームが開始されると(t41)、イレギュラー変動数は1から2に更新され
る。さらに特図2変動表示ゲームが開始されると(t42)、イレギュラー変動数が規定
値である3に達する。
これにより、ワンショットエラー発生フラグがセーブされる。ワンショットエラーの場
合には、ワンショットエラーが発生したことを示す外部情報や遊技機エラー状態信号の遊
技機外部の装置(遊技店の管理装置等)への出力は行われないが、演出制御装置300に
対するワンショットエラーが発生したことを示すコマンド(ワンショットエラー発生コマ
ンド)の送信は行われる。演出制御装置300ではこのコマンドの受信に基づき、表示や
音声等によりワンショットエラーが発生した旨の報知を開始する。すなわち、遊技制御装
置100及び演出制御装置300が、異常判定数(イレギュラー変動数)が所定条件を満
たす(規定値となる)ことに基づき、所定の対応を行う対応手段をなす。
また、イレギュラー変動数が規定値である3に達した時点からワンショットエラー報知
タイマでの計時が開始され(t42)、所定時間(ここでは15秒)が経過することによ
り(t43)、演出制御装置300に対してワンショットエラー解除コマンドが送信され
、演出制御装置300ではこのコマンドの受信に基づき、ワンショットエラーが発生した
旨の報知を終了する。なお、イレギュラー変動数は、所定時間(ここでは15秒)が経過
しても0クリアされずに継続加算される。
また、イレギュラー変動数が規定値(ここでは3)に達している状態でイレギュラー変
動が発生したと判定された場合には、イレギュラー変動数が更新されて、ワンショットエ
ラー報知タイマに初期値が再設定される。すなわち、ワンショットエラー報知の実行中に
イレギュラー変動が発生した場合には、最後のイレギュラー変動の発生から所定時間(こ
こでは15秒)が経過したことに基づいて、当該ワンショットエラー報知(演出制御装置
300によるワンショットエラーが発生した旨の報知)が終了する。よって、所定時間の
経過前に新たに特図2変動表示ゲームが開始された場合はイレギュラー変動数が規定値以
上の状態で更新され、その時点から新たに所定時間の計時が開始される。これにより、ワ
ンショットエラーが発生した旨の報知がされているにもかかわらず特図2変動表示ゲーム
を実行する場合には、報知の期間がこれに応じて延長されることとなる。
このように、イレギュラー変動数が規定値(例えば3)に達することに基づきワンショ
ットエラーが発生したと判定することで、例えば意図せずに右側の遊技領域に遊技球が入
って第2始動入賞口37に入賞してしまった場合に、すぐにワンショットエラーであると
判定されることを防止できる。さらに、所定回数の特図1変動表示ゲームを行うことでイ
レギュラー変動数が減算されるようにしたことで、意図しない第2始動入賞口37への入
賞について発生したイレギュラー変動数はその後に遊技を行っていれば解消されるように
なり、単なるミスや他の遊技者の遊技の結果が累積してワンショットエラーであると判定
されることを防止できる。
なお、所定回数の特図1変動表示ゲームを行っても、イレギュラー変動数が減算されな
いよう構成することも可能である。すなわち、ワンショットエラー監視処理(図128)
において、ステップX411~X416の処理を行わないよう構成することも可能である
また、ワンショットエラー報知を行うこととなるイレギュラー変動数の規定値や、イレ
ギュラー変動数を減算する処理を行うこととなるメイン変動数の規定値は任意に設定可能
である。ここで設定するそれぞれの規定値は、通常遊技状態で遊技者が特図2変動表示ゲ
ームの開始を狙わないようにさせることができるような値であればどのような値でも良い
。本実施形態では、イレギュラー変動数の規定値とメイン変動数の規定値を互いに異なる
値にしたが、無論、これらの規定値は同じ値であっても良い。
また、停電が発生して復旧した場合には、停電発生前の状態から監視を再開するように
する。この場合、停電復旧時にメイン変動数やイレギュラー変動数を0クリアしても良い

また、ワンショットエラー報知を行っている場合であっても入賞に対する賞球の払出は
通常通り行う。
また、ワンショットエラー報知の実行中にメイン変動数が規定値に達した場合には、そ
の時点でイレギュラー変動数は-1更新されるが、当該ワンショットエラー報知は中止さ
れることなく予定通り行われる。すなわち、ワンショットエラー報知の実行中にイレギュ
ラー変動数が-1更新された場合(イレギュラー変動数が規定値よりも小さくなった場合
)でも、当該ワンショットエラー報知には影響を与えないようになっている。
また、ワンショットエラー報知の実行中に第1特別遊技状態(大当りに基づく特別遊技
状態)が発生した場合には、第1特別遊技状態の開始時に、当該ワンショットエラー報知
が終了する。すなわち、第1特別遊技状態の開始時に、遊技制御装置100は、演出制御
装置300に対してワンショットエラー解除コマンドを送信し、メイン変動数及びイレギ
ュラー変動数を0クリアする。
具体的には、後述の特図1表示中処理(図165)や特図2表示中処理(図167)で
は説明を省略するが、これら表示中処理では、ステップY757,Y817において特図
2異常変動解除コマンドを準備する処理を行い、ステップY758,Y818において演
出コマンド設定処理を行った後、ワンショットエラー解除コマンドを準備する処理を行い
、演出コマンド設定処理を行ってから、ステップY762,Y822の処理を行う。
また、後述のファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(図169)では説明
を省略するが、この移行設定処理では、ステップY822において、特図2異常変動フラ
グ領域に特図2異常変動解除フラグをセーブするとともに、ワンショットエラーフラグ領
域にワンショットエラー解除フラグをセーブする。また、ステップY883において、特
図2異常変動数を記憶する特図2異常数領域を0クリアするとともに、イレギュラー変動
数を記憶するイレギュラー数領域を0クリアする。さらに、ステップY884において、
特図1変動数を記憶する特図1変動回数領域を0クリアするとともに、メイン変動数を記
憶するメイン変動回数領域を0クリアする。そして、ステップY885において、特図2
異常変動報知タイマ領域を0クリアするとともに、ワンショットエラー報知タイマ領域を
0クリアする。すなわち、大当りの発生に伴い、特図2異常変動及びワンショットエラー
に関する情報を全てクリアする。
〔遊技機状態チェック処理〕
図130には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における遊技機状態チェック処理
(ステップX310、X312、X315)を示した。この遊技機状態チェック処理では
、まず、状態スキャンカウンタに対応する状態監視テーブルを取得し(ステップX451
)、監視対象である信号がオンであるかを判定する(ステップX452)。
状態監視テーブルには、状態スキャンカウンタに対応した情報が定義されている。この
情報としては、例えば、状態監視領域の先頭アドレスの下位アドレス、対象の信号情報が
保存されているスイッチ制御領域のポート入力状態領域の下位アドレス、対象の信号のビ
ットだけを取り出すマスクデータ、信号オンの判定データ、状態オフコマンド(エラー系
の場合はエラー報知終了コマンドをなす)、状態オンコマンド(エラー系の場合はエラー
報知開始コマンドをなす)、状態オフ監視タイマ比較値、状態オン監視タイマ比較値が含
まれる。
対象の信号がオンでない場合(ステップX452:N)は、状態フラグとして状態オフ
フラグを準備し(ステップX453)、対象の状態オフコマンドを取得して準備する(ス
テップX454)。その後、対象の状態オフ監視タイマ比較値を取得して(ステップX4
55)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップX459)。
対象の信号がオンでない場合(ステップX452:N)とは、エラー系の信号ではエラー
でない(正常である)ことを示す状態であり、タッチスイッチからの信号ではタッチされ
ていないことを示す状態である。
一方、対象の信号がオンである場合(ステップX452:Y)は、状態フラグとして状
態オンフラグを準備し(ステップX456)、対象の状態オンコマンドを取得して準備す
る(ステップX457)。その後、対象の状態オン監視タイマ比較値を取得して(ステッ
プX458)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップX45
9)。対象の信号がオンである場合(ステップX452:Y)とは、エラー系の信号では
エラーである(異常や不正である)ことを示す状態であり、タッチスイッチからの信号で
はタッチされていることを示す状態である。
対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致した場合(ステップX459;Y)
、すなわち信号の状態が変化していない場合は、対象の状態監視タイマを+1更新して(
ステップX462)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判
定する(ステップX463)。また、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致
しない場合(ステップX459;N)、すなわち信号の状態が変化した場合は、対象の信
号制御領域に今回の信号状態をセーブする(ステップX460)。そして、対象の状態監
視タイマをクリアし(ステップX461)、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステ
ップX462)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定す
る(ステップX463)。
対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上でない場合(ステップX463;N
)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、対象の状態監視タイマの値が監視タイ
マ比較値以上である場合(ステップX463:Y)は、状態監視タイマを-1更新して比
較値-1の値に留め(ステップX464)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域
の値と比較する(ステップX465)。
そして、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致する場合(ステップ
X465;Y)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、準備した状態フラグと対
象の状態フラグ領域の値とが一致しない場合(ステップX465;N)は、準備した状態
フラグを対象の状態フラグ領域にセーブし(ステップX466)、演出コマンド設定処理
を行って(ステップX467)、遊技機状態チェック処理を終了する。これにより、ステ
ップX454で準備した状態オフコマンド又はX457で準備した状態オンコマンドが演
出制御装置300に送信されることとなる。
〔払出ビジー信号チェック処理〕
図131には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における払出ビジー信号チェック
処理(ステップX316)を示した。この払出ビジー信号チェック処理においては、まず
、払出制御装置200から入力される払出ビジー信号がオンであるかを判定する(ステッ
プX471)。なお、払出ビジー信号は、払出制御装置200が払出制御を開始できない
場合にオン状態とされるようになっている。
払出ビジー信号がオンでない場合(ステップX471;N)は、状態フラグとしてアイ
ドル状態フラグを準備して(ステップX472)、オフ確定監視タイマ比較値(例えば3
2ms)を設定する(ステップX473)。また、払出ビジー信号がオンである場合(ス
テップX471;Y)は、状態フラグとしてビジー状態フラグを準備して(ステップX4
74)、オン確定監視タイマ比較値(例えば32ms)を設定する(ステップX475)
その後、ビジー信号状態領域の値は今回の信号の状態と同じであるかを判定、すなわち
オン、オフの変化があったかを判定し(ステップX476)、同じである場合(ステップ
X476;Y)は、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップX479)。また、
同じでない場合(ステップX476;N)は、ビジー信号状態領域に今回の信号の状態を
セーブし(ステップX477)、ビジー信号監視タイマを0クリアして(ステップX47
8)、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップX479)。
次に、ビジー信号監視タイマの値が、先に設定したオン確定監視タイマ比較値又はオフ
確定監視タイマ比較値よりも大きいか、すなわち信号確定時間(例えば32ms)に達し
たかを判定する(ステップX480)。
信号確定時間に達していない場合(ステップX480;N)は、払出ビジー信号チェッ
ク処理を終了する。また、信号確定時間に達した場合(ステップX480;Y)は、ビジ
ー信号監視タイマを-1更新して、先に設定したオン確定監視タイマ比較値又はオフ確定
監視タイマ比較値の-1の値に留め(ステップX481)、準備した状態フラグを払出ビ
ジー信号フラグ領域にセーブして(ステップX482)、払出ビジー信号チェック処理を
終了する。
この処理により、払出ビジー信号に基づきビジー信号フラグが設定される。この際に、
払出ビジー信号の状態が変化してもすぐにはビジー信号フラグを変更せず、信号確定時間
に亘り変化した状態が継続した場合にビジー信号フラグを変更するようにしており、ノイ
ズ等の影響を受け難くしている。
また、電源投入時にビジー信号フラグがクリアされるので、何れかの信号状態が信号確
定時間に亘り継続するまではビジー信号フラグは設定されず不定状態となる。これにより
、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可
能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令が払出制御装置
200に送信されないようになり、払出制御装置200から払出制御を開始可能であるこ
とを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令が払出
制御装置200に送信されるようになる。これにより、払出制御装置200が賞球指令を
受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようにな
り、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における始動口スイッチ監視処理(ステップX109)
の詳細について説明する。図132に示すように、始動口スイッチ監視処理では、まず、
始動口1(第1始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップX491)、ハー
ド乱数取得処理を行う(ステップX492)。そして、当該ハード乱数取得処理で第1始
動入賞口36への入賞に基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情
報があるかを判定する(ステップX493)。
第1始動入賞口36への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ス
テップX493;N)は、ステップX499へ移行する。なお、この場合は始動口入賞な
し情報が設定されている。一方、第1始動入賞口36への入賞に基づき始動口入賞あり情
報が設定されている場合(ステップX493;Y)は、低確率中であるかを判定する(ス
テップX494)。そして、低確率中である場合(ステップX494;Y)は、ステップ
X497に移行する。また、低確率中でない場合(ステップX494;N)は、右打ち指
示報知コマンドを準備し(ステップX495)、演出コマンド設定処理を行う(ステップ
X496)。その後、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップ
X497)、特図始動口1スイッチ処理を行う(ステップX498)。
演出制御装置300では、右打ち指示報知コマンドを受信することに基づき、表示や音
声等により遊技者に対して右打ちをするように指示する右打ち指示報知を行う。高確率状
態中である場合は右打ちの方が遊技者にとって有利であり、左打ちでなければ入賞しない
ようになっている第1始動入賞口36で高確率状態中において入賞を検出した場合に右打
ち指示報知を行うようにしている。
次に、始動口2(第2始動入賞口37)入賞監視テーブルを準備し(ステップX499
)、ハード乱数取得処理を行い(ステップX500)、第2始動入賞口37への入賞に基
づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるかを判定する(ス
テップX501)。
第2始動入賞口37への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ス
テップX501;N)は、始動口スイッチ監視処理を終了する。なお、この場合は始動口
入賞なし情報が設定されている。一方、第2始動入賞口37への入賞に基づき始動口入賞
あり情報が設定されている場合(ステップX501;Y)は、高確率中であるかを判定す
る(ステップX502)。そして、高確率中である場合(ステップX502;Y)は、ス
テップX507に移行する。また、高確率中でない場合(ステップX502;N)は、大
当り中、すなわち大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態中であるかを判定
する(ステップX503)。
大当り中である場合(ステップX503;Y)は、ステップX507に移行する。また
、大当り中でない場合(ステップX503;N)は、左打ち指示報知コマンドを準備し(
ステップX505)、演出コマンド設定処理を行う(ステップX506)。その後、始動
口2による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップX507)、特図始動口2
スイッチ処理を行って(ステップX508)、始動口スイッチ監視処理を終了する。
演出制御装置300では、左打ち指示報知コマンドを受信することに基づき、表示や音
声等により遊技者に対して左打ちをするように指示する左打ち指示報知を行う。低確率状
態中である場合は左打ちの方が遊技者にとって有利であり、右打ちでなければ入賞しない
ようになっている第2始動入賞口37で低確率状態中において入賞を検出した場合に左打
ち指示報知を行うようにしている。なお、第1特別遊技状態では第1特別変動入賞装置3
8が開放されるため、低確率状態であっても左打ち指示報知を行わないようにしている。
〔ハード乱数取得処理〕
図133には、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップ
X492、X500)を示した。このハード乱数取得処理では、まず、始動口入賞なし情
報を設定し(ステップX511)、対象のスイッチに入力があるかを判定する(ステップ
X512)。
対象のスイッチに入力がない場合(ステップX512;N)は、ハード乱数取得処理を
終了する。また、対象のスイッチに入力がある場合(ステップX512;Y)は、乱数ラ
ッチレジスタステータスを読み込み(ステップX513)、対象の乱数ラッチレジスタに
ラッチデータがあるかを判定する(ステップX514)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップX514;N)は、ハ
ード乱数取得処理を終了する。また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場
合(ステップX514;Y)は、対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱
数をロードして準備する(ステップX515)。そして、始動口入賞あり情報を設定して
(ステップX516)ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図始動口1スイッチ処理〕
図134には、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口1スイッチ処理(ス
テップX498)を示した。この特図始動口1スイッチ処理では、まず、第1始動入賞口
36への入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数で
ある始動口信号1出力回数をロードし(ステップX521)、ロードした値を+1更新し
て(ステップX522)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップX52
3)。そして、出力回数がオーバーフローしない場合(ステップX523;N)は、更新
後の値をRWMの始動口信号1出力回数領域にセーブし(ステップX524)、特図1保
留数(第1始動記憶数)が上限値未満かを判定する(ステップX525)。一方、出力回
数がオーバーフローする場合(ステップX523;Y)は、ステップX525に移行する
。ここでは出力回数を255まで記憶できるが、上限まで記憶している場合には+1更新
によりループして0となってしまうため、更新後の値のセーブを行わない。
特図1保留数が上限値(ここでは4)未満である場合(ステップX525;Y)は、後
述する特図保留情報判定処理において変動パターンの振り分けに用いる特図1情報設定フ
ラグをセットし(ステップX526)、特図1保留数を+1更新する(ステップX527
)。次に、特図1保留数に対応する乱数格納領域(特図1用の乱数格納領域)のアドレス
を算出し(ステップX528)、上述のハード乱数取得処理で準備した大当り乱数をRW
Mの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップX529)。
その後、大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップX530)、RWMの大当り図柄
乱数格納領域にセーブする(ステップX531)。さらに、小当り図柄乱数を抽出してR
WMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX532)。続いて変動パターン
乱数1から3を抽出して各乱数に対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブす
る(ステップX533)。そして、先読み処理である特図保留情報判定処理(ステップX
534)を行い、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップ
X535)、演出コマンド設定処理を行って(ステップX536)、特図始動口1スイッ
チ処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100(RAM111C)が、第1始動入賞
口36への遊技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し、該所定の乱数を第1始動記憶とし
て所定の上限数まで記憶可能な第1始動記憶手段をなす。
〔特図保留情報判定処理〕
図135には、上述の特図始動口1スイッチ処理における特図保留情報判定処理(ステ
ップX534)を示した。特図保留情報判定処理は、特図1始動記憶に基づく特図1変動
表示ゲームの開始タイミングより前に当該特図1始動記憶に対応した結果関連情報の判定
を行う先読み処理である。この特図保留情報判定処理では、まず、高確率状態中であるか
を判定し(ステップX541)、高確率状態中である場合(ステップX541;Y)は、
特図保留情報判定処理を終了する。また、高確率状態中でない場合(ステップX541;
N)は、大当り中、すなわち大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態中であ
るかを判定する(ステップX542)。
大当り中である場合(ステップX542;Y)は、特図保留情報判定処理を終了する。
また、大当り中でない場合(ステップX542;N)は、大当り乱数値が大当り判定値と
一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を行う(ステップX
543)。そして、判定結果が大当りである場合(ステップX544;Y)は、大当り図
柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップX545)、準備した大当り図柄乱数に対応
する停止図柄情報を取得して(ステップX546)、停止図柄情報に対応する先読み停止
図柄コマンドを準備する(ステップX551)。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップX544;N)は、大当り乱数値が小当
り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を行う(
ステップX547)。そして、判定結果が小当りである場合(ステップX548;Y)は
、小当りの停止図柄情報を設定し(ステップX549)、停止図柄情報に対応する先読み
停止図柄コマンドを準備する(ステップX551)。また、判定結果が小当りでない場合
(ステップX548;N)は、はずれの停止図柄情報を設定し(ステップX550)、停
止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備する(ステップX551)。
停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備(ステップX551)した後、
演出コマンド設定処理を行う(ステップX552)。次に、変動パターンを設定するため
のパラメータである特図情報を設定する特図1情報設定処理(ステップX553)を行い
、特図1変動表示ゲームの変動態様を設定する特図1変動パターン設定処理を行う(ステ
ップX554)。
そして、特図1変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番
号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準
備して(ステップX555)、演出コマンド設定処理を行い(ステップX556)、特図
保留情報判定処理を終了する。なお、ステップX553における特図1情報設定処理、ス
テップX554における特図1変動パターン設定処理は、特図1普段処理の特図1変動開
始処理で特図1変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームの結果を含む先読み
停止図柄コマンドと、当該特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームでの変動パター
ンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信され
る。これにより、特図1始動記憶に対応した結果関連情報(大当り又は小当りか否かや変
動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する特図1始動記憶に基づく特図
1変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることが
でき、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その
特図1変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが
可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、第1始動記憶手段に記憶された第1始動記憶に基づ
き、第1変動表示ゲームの結果及び変動態様情報を当該第1変動表示ゲームの開始以前に
決定することが可能な第1決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動入賞記憶
手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく
変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手
段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始
動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行わ
れる前であればいつでもよい。
なお、この特図保留情報判定処理は特図1変動表示ゲームに対してのみ行われ、特図変
動表示ゲームの開始を保留するための始動記憶を発生しない特図2変動表示ゲームに対し
ては行われない。また、高確率中である場合には先読み処理を行わないようにしている。
これは、高確率状態中は特図2変動表示ゲームが主体となる状態であり、この特図2変動
表示ゲームで特別結果が導出されることにより特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結
果で停止されることがほとんどであるためである。すなわち、ほとんどがはずれとなるた
め先読み結果の報知にあまり意味がないことや、特図1変動表示ゲームで特別結果となる
先読み結果を報知した後に強制的にはずれ結果に変更されることで予告との矛盾が生じて
しまうことがあるからである。
ただし、特図2変動表示ゲームについては当該特図2変動表示ゲームの開始を保留する
ための始動記憶を発生しないため、特定遊技状態の最初の期間第1始動記憶があるうちは
特図1変動表示ゲームのみが行われる可能性が高く、このような場合には当該第1始動記
憶について先読み演出を行うようにしても良い。このような先読み演出を行う第1始動記
憶のうち、特定遊技状態の開始前に発生したものについては先読み処理が行われているの
でその結果を用い、特定遊技状態の開始後に発生したものについては、このような先読み
演出の対象となるものについて先読み処理を行うようにする。もちろん確率状態に関係な
く先読み処理は行い、別の処理にて当該先読み処理の結果に基づく先読み演出を行うか否
かを判断するようにしても良い。
〔特図始動口2スイッチ処理〕
図136には、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口2スイッチ処理(ス
テップX508)を示した。この特図始動口2スイッチ処理では、まず、第2始動入賞口
37への入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数で
ある始動口信号2出力回数をロードし(ステップX561)、ロードした値を+1更新し
て(ステップX562)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップX56
3)。そして、出力回数がオーバーフローしない場合(ステップX563;N)は、更新
後の値をRWMの始動口信号2出力回数領域にセーブし(ステップX564)、始動口2
(第2始動入賞口37)入賞無効中であるかを判定する。
始動口2入賞無効中とは、特別結果(大当り又は小当り)となった特図1変動表示ゲー
ムの停止中(後述の特図表示中処理中)、第1又は第2特別遊技状態中及び特図2変動表
示ゲームの実行中である。この始動口2入賞無効中である場合(ステップX565;Y)
は、特図始動口2スイッチ処理を終了する。また、始動口2入賞無効中でない場合(ステ
ップX565;N)は、特図2保留数を1に設定し(ステップX566)、特図2用の乱
数格納領域のアドレスを算出して(ステップX567)、上述のハード乱数取得処理で準
備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップX568)。
その後、大当り図柄乱数を抽出し(ステップX569)、RWMの大当り図柄乱数格納
領域にセーブする(ステップX570)。さらに、小当り図柄乱数を抽出してRWMの小
当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX571)。続いて変動パターン乱数2及
び3を抽出して各乱数に対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステ
ップX572)、特図始動口2スイッチ処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100
が、第2始動入賞口37への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出して記憶する始動
入賞記憶手段をなす。なお、特図2変動表示ゲームについては変動パターンの種類が少な
いことから変動パターン乱数1は用いない。
〔特図1ゲーム処理〕
図137には、上述のタイマ割込み処理における特図1ゲーム処理(ステップX110
)を示した。特図1変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図1の表示の設定を行う
。この特図1ゲーム処理では、まず、特図2の大当り/小当り中であるか、すなわち、特
図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状
態中であるかを判定する(ステップY101)。
特図2の大当り/小当り中でない場合(ステップY101;N)は、大入賞口スイッチ
監視処理を行い(ステップY102)、特図1ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新
する(ステップY103)。また、特図2の大当り/小当り中である場合(ステップY1
01;Y)は、ステップY103に移行する。
大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた上大入賞口
スイッチ38aや第2特別変動入賞装置39内に設けられた下大入賞口スイッチ39aで
の遊技球の検出を監視する処理を行う。特図1ゲーム処理では、特図1変動表示ゲームの
結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入賞口ス
イッチ監視処理を行うようにしており、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当り
になることに基づき実行される特別遊技状態については後述する特図2ゲーム処理におい
て大入賞口スイッチ監視処理を行う。
次に、特図1ゲーム処理タイマの値が0であるかを判定する(ステップY104)。特
図1ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップY104;N)、すなわちタイムア
ップしていない場合は、ステップY119に移行して、それ以降の処理を行う。また、特
図1ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップY104;Y)、すなわちタイムア
ップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図1ゲーム処理番号に対応する処理
に分岐させるために参照する特図1ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する
(ステップY105)。そして、当該テーブルを用いて特図1ゲーム処理番号に対応する
処理の分岐先アドレスを取得し(ステップY106)、特図1ゲーム処理番号によるサブ
ルーチンコールを行う(ステップY107)。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図1変動表示ゲー
ムの変動開始を監視し、特図1変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図1
変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1普段処理(ステップY108)
を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図1の停止
表示時間の設定や、特図1表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1変動
中処理(ステップY109)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図1変動表示ゲー
ムの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や
、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンフ
ァーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1表示中処理(
ステップY110)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間
の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うフ
ァンファーレ/インターバル中処理(ステップY111)を行う。ステップY107にて
、特図1ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければイ
ンターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定
する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中
処理(ステップY112)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最
終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、
特図1大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステ
ップY113)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「6」の場合は
、特図1普段処理(ステップY108)を行うために必要な情報の設定等を行う特図1大
当り終了処理(ステップY114)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際
の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中
処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップY1
15)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンデ
ィングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り
中処理(ステップY116)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に
大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理
を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップY117)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図1普段処理を行
うために必要な情報の設定等を行う特図1小当り終了処理(ステップY118)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備し(
ステップY119)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップY120)を
行って、特図1ゲーム処理を終了する。この特図1ゲーム処理が第1変動表示ゲーム(特
図1変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。
〔特図2ゲーム処理〕
図138には、上述のタイマ割込み処理における特図2ゲーム処理(ステップX111
)を示した。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特
図2の表示の設定を行う。この特図2ゲーム処理は、基本的には上述の特図1ゲーム処理
と同様の処理を特図2について行うものである。
この特図2ゲーム処理では、まず、特図1の大当り/小当り中であるか、すなわち、特
図1変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状
態中であるかを判定する(ステップY131)。そして、特図1の大当り/小当り中でな
い場合(ステップY131;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を行い(ステップY13
2)、特図2ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新する(ステップY133)。また
、特図1の大当り/小当り中である場合(ステップY131;Y)は、ステップY133
に移行する。
大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた上大入賞口
スイッチ38aや第2特別変動入賞装置39内に設けられた下大入賞口スイッチ39aで
の遊技球の検出を監視する処理を行う。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲームの
結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入賞口ス
イッチ監視処理を行うようにしており、特図1変動表示ゲームの結果が大当り又は小当り
になることに基づき実行される特別遊技状態については上述した特図1ゲーム処理におい
て大入賞口スイッチ監視処理を行う。
次に、特図2ゲーム処理タイマの値が0であるかを判定する(ステップY134)。特
図2ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップY134;N)、すなわちタイムア
ップしていない場合は、ステップY152に移行して、それ以降の処理を行う。また、特
図2ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップY134;Y)、すなわちタイムア
ップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回
数が0であるかを判定する(ステップY135)。
この特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0でない場合(ステップY135;N)
は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を-1更新し(ステップY150)、特図2
ゲーム処理タイマ領域に長変動用タイマ値(ここでは60000ms)をセーブして(ス
テップY151)、ステップY152以降の処理を行う。
小当りの発生確率が高い特図2変動表示ゲームを通常遊技状態で遊技者が意図的に実行
することを防止するため、通常遊技状態における特図2変動表示ゲームの変動時間は非常
に長い時間(例えば10分)とされている。しかし、特図2ゲーム処理タイマとして利用
できる領域は限られているため、タイマ初期値として上限値を設定しても変動時間を一度
で計時することは困難である。そこで、規定時間(ここでは60000ms)の計時を行
う回数である繰り返し回数を用いて複数回の計時により変動時間を計時するようにしてい
る。
特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0である場合(ステップY135;Y)は、
特図2ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図2ゲームシーケン
ス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップY136)。そして、当該テーブルを用
いて特図2ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(ステップY137
)、特図2ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(ステップY138)。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図2変動表示ゲー
ムの変動開始を監視し、特図2変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図2
変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2普段処理(ステップY139)
を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図2の停止
表示時間の設定や、特図2表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2変動
中処理(ステップY140)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図2変動表示ゲー
ムの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や
、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンフ
ァーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2表示中処理(
ステップY141)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間
の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うフ
ァンファーレ/インターバル中処理(ステップY142)を行う。ステップY138にて
、特図2ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければイ
ンターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定
する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中
処理(ステップY143)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最
終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、
特図2大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステ
ップY144)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「6」の場合は
、特図2普段処理(ステップY108)を行うために必要な情報の設定等を行う特図2大
当り終了処理(ステップY145)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際
の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中
処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップY1
46)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンデ
ィングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り
中処理(ステップY147)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に
大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理
を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップY148)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図2普段処理を行
うために必要な情報の設定等を行う特図2小当り終了処理(ステップY149)を行う。
その後、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備し(
ステップY152)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップY153)を
行って、特図2ゲーム処理を終了する。この特図2ゲーム処理が第2変動表示ゲーム(特
図2変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。以上の特図2ゲーム処
理は、基本的には上述の特図1ゲーム処理と同様の処理を特図2について行うものであり
、以降の説明では特図1ゲーム処理と特図2ゲーム処理とで対応する処理を並行して説明
する。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
図139には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大入賞口スイッ
チ監視処理(ステップY102、Y132)を示した。この大入賞口スイッチ監視処理で
は、まず、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)の開放中であるかを判定する(ステ
ップY159)。そして、上大入賞口が開放中である場合(ステップY159;Y)は、
ステップY166に移行する。また、上大入賞口が開放中でない場合(ステップY159
;N)は、上大入賞口の残存球処理中であるかを判定する(ステップY160)。なお、
この判定における残存球処理には、大当りに基づく大入賞口残存球処理と小当りに基づく
小当り残存球処理の両方を含む。
上大入賞口の残存球処理中である場合(ステップY160;Y)は、ステップY166
に移行する。また、上大入賞口の残存球処理中でない場合(ステップY160;N)は、
下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)の開放中であるかを判定する(ステップY16
1)。そして、下大入賞口の開放中でない場合(ステップY161;N)は、大入賞口ス
イッチ監視処理を終了する。また、下大入賞口の開放中である場合(ステップY161;
Y)は、下大入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップY162)。
なお、ステップY159及びY161における開放中とは、第1特別結果(大当り)に
基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態での開放中と、第2特別結果(小当り)に基
づく特別遊技状態である第2特別遊技状態での開放中の両方を含む。また、ステップY1
59~Y161の判定では特図1又は特図2ゲーム処理番号を参照して判定するようにし
ても良いし、それぞれの状態であるか否かを示すフラグを設定するようにして、このフラ
グに基づき判定するようにしても良い。
下大入賞口スイッチに入力がない場合(ステップY162;N)は、大入賞口スイッチ
監視処理を終了する。また、下大入賞口スイッチに入力がある場合(ステップY162;
Y)は、今回の大入賞口スイッチ監視処理において加算される大入賞口への入賞数をカウ
ントするための入賞カウンタに1をセットし(ステップY163)、入賞による演出を行
うために大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップY164)、演出コマンド設定
処理を行い(ステップY165)、ステップY175に移行する。なお、下大入賞口につ
いての残存球処理がある場合には、当該残存球処理中に下大入賞口スイッチに入力があっ
た場合にも大入賞口カウントコマンドを演出制御装置300に送信するようにしても良い
一方、上大入賞口が開放中である場合(ステップY161;Y)又は上大入賞口の残存
球処理中である場合(ステップY162;Y)に移行するステップY166においては、
入賞カウンタに0をセットする(ステップY166)。その後、上大入賞口スイッチ1(
一方の上大入賞口スイッチ38a)に入力があるかを判定し(ステップY167)、入力
がない場合(ステップY167;N)は、ステップY171に移行する。
また、上大入賞口スイッチ1に入力がある場合(ステップY167;Y)は、入賞によ
る演出を行うために大入賞口カウントコマンドを準備し(ステップY168)、演出コマ
ンド設定処理を行う(ステップY169)。さらに、入賞カウンタを+1更新し(ステッ
プY170)、上大入賞口スイッチ2(他方の上大入賞口スイッチ38a)に入力がある
かを判定する(ステップY171)。
そして、上大入賞口スイッチ2に入力がない場合(ステップY171;N)は、ステッ
プY175に移行する。また、上大入賞口スイッチ2に入力がある場合(ステップY17
1;Y)は、入賞による演出を行うために大入賞口カウントコマンドを準備し(ステップ
Y172)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY173)。さらに、入賞カウンタ
を+1更新して(ステップY174)、ステップY175に移行する。
その後、入賞カウンタの値が0である場合(ステップY175;Y)、大入賞口残存球
処理中である場合(ステップY176;Y)又は小当り残存球処理中である場合(ステッ
プY177;Y)の何れかである場合は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、
入賞カウンタの値が0でなく(ステップY175;N)、大入賞口残存球処理中でなく(
ステップY176;N)、小当り残存球処理中でもない(ステップY177;N)場合は
、入賞カウンタの値を大入賞口カウント数に加算し(ステップY178)、大入賞口カウ
ント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数)以上となったかを判定する(ステ
ップY179)。
大入賞口カウント数が上限値(ここでは9)以上となっていない場合(ステップY17
9;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値
以上となった場合(ステップY179;Y)は、大入賞口カウント数を上限値に留め(ス
テップY180)、対象の特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアする(ステップY181
)。そして、大当りでの開放中、すなわち、大当りに基づく特別遊技状態である第1特別
遊技状態での開放であるかを判定する(ステップY182)。
大当りでの開放中でない場合(ステップY182;N)、すなわち小当りでの開放中で
ある場合は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大当りでの開放中である場合
(ステップY182;Y)、大入賞口制御ポインタ領域に大当り開放動作終了の値をセー
ブして(ステップY183)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞
口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
〔特図1普段処理〕
図140には、上述の特図1ゲーム処理における特図1普段処理(ステップY108)
を示した。この特図1普段処理では、まず、特図1が変動開始可能であるかを判定する(
ステップY201)。この判定における特図1が変動開始可能である状態とは、大当り又
は小当りとなる特図2変動表示ゲームの変動停止から特別遊技状態の終了までの間でない
ことである。なお、特図1変動表示ゲームの実行中や特図1変動表示ゲームに基づく特別
遊技状態中も変動開始できない状態ではあるが、その場合は特図1普段処理が実行されて
いない状態であるため、ここではこれについては判定しなくても良い。
特図1が変動開始可能でない場合(ステップY201;N)は、特図1ゲーム処理番号
領域に特図1普段処理番号をセーブし(ステップY217)、特図1普段処理を終了する
。また、特図1が変動開始可能である場合(ステップY201;Y)は、左打ち指示報知
済みであるか、すなわち左打ち指示報知フラグがセットされているかを判定する(ステッ
プY202)。左打ち指示報知済みである場合(ステップY202;Y)は、ステップY
206に移行する。また、左打ち指示報知済みでない場合(ステップY202;N)は、
左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップY203)、演出コマンド設定処理を行う(
ステップY204)。その後、左打ち指示報知フラグをセットし(ステップY205)、
特図1保留数が0であるかを判定する(ステップY206)。左打ち指示報知フラグは、
低確率状態での第1特別結果の導出から数えて5回目の第1特別結果に基づく特別遊技状
態が終了する際、すなわち遊技者が多数の賞球を獲得可能な有利期間が終了する際にクリ
アされるようになっており、これにより低確率状態で特図変動表示ゲームが実行される通
常遊技状態に移行する際に左打ち指示報知が行われることとなる。
そして、特図1保留数が0である場合(ステップY206;Y)は、ステップY217
に移行する。また、特図1保留数が0でない場合(ステップY206;N)は、現在の確
率状態に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップY207)、演出コマン
ド設定処理を行う(ステップY208)。その後、特図1変動表示ゲームに関する情報の
設定等を行う特図1変動開始処理を行い(ステップY209)、特図1保留数に対応する
飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップY210)、演出コマンド設定処理を行う
(ステップY211)。なお、飾り特図保留数コマンドを準備する処理(ステップY21
0)を行う時点では特図1変動表示ゲームの開始に基づく特図1保留数の減算は行われて
おらず、現在の特図1保留数から-1した特図1保留数に対応する保留数コマンドを準備
している。
次に、特図ステータス領域に特図1変動中をセット(情報加算)する(ステップY21
2)。ここで特図ステータスとは、特図変動表示ゲームの状態を示すものであり、0~5
の何れかがセットされる。特図ステータス0は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲ
ームの何れも実行されていない状態を示し、特図ステータス1は特図1変動表示ゲームの
みが実行されている状態を示し、特図ステータス2は特図2変動表示ゲームのみが実行さ
れている状態を示す。また、特図ステータス3は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示
ゲームの両方が実行されている状態を示し、特図ステータス4は大当りに基づく特別遊技
状態である第1特別遊技状態であることを示し、特図ステータス5は小当りに基づく特別
遊技状態である第2特別遊技状態であることを示す。ここでは特図1変動表示ゲームが開
始されるので、特図ステータスとして1又は3がセットされる。
次に、高確率状態中であるかを判定する(ステップY213)。そして、高確率状態中
である場合(ステップY213;Y)は、ステップY216に移行する。また、高確率状
態中でない場合(ステップY213;N)は、特図1変動チェックフラグをセットする(
ステップY215)。すなわち、低確率状態で特図1変動表示ゲームが開始された場合に
特図1変動チェックフラグがセットされる。その後、特図1変動中処理移行設定処理を行
って(ステップY216)、特図1普段処理を終了する。
〔特図2普段処理〕
図141には、上述の特図2ゲーム処理における特図2普段処理(ステップY139)
を示した。この特図2普段処理では、まず、特図2が変動開始可能であるかを判定する(
ステップY221)。この判定における特図2が変動開始可能である状態とは、大当り又
は小当りとなる特図1変動表示ゲームの変動停止から特別遊技状態の終了までの間でない
ことである。なお、特図2変動表示ゲームの実行中や特図2変動表示ゲームに基づく特別
遊技状態中も変動開始できない状態ではあるが、その場合は特図2普段処理が実行されて
いない状態であるため、ここではこれについては判定しなくても良い。
特図2が変動開始可能でない場合(ステップY221;N)は、特図2ゲーム処理番号
領域に特図2普段処理番号をセーブし(ステップY237)、特図2普段処理を終了する
。また、特図2が変動開始可能である場合(ステップY221;Y)は、特図2保留数が
0であるかを判定する(ステップY222)。なお、上述したように、特図2保留(第2
始動記憶)は、特図2変動表示ゲームを開始可能な状態において第2始動入賞口37への
入賞があった場合に、当該入賞に基づく特図2変動表示ゲームの開始処理を行うために一
時的に発生するもので、第1始動記憶のように特図変動表示ゲームの開始を保留するため
のものではない。
そして、特図2保留数が0でない場合(ステップY222;N)は、現在の確率状態に
対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップY223)、演出コマンド設定処
理を行う(ステップY224)。その後、特図2変動表示ゲームに関する情報の設定等を
行う特図2変動開始処理を行い(ステップY225)、特図ステータス領域に特図2変動
中をセット(情報加算)する(ステップY226)。ここでは特図2変動表示ゲームが開
始されるので、特図ステータスとして2又は3がセットされる。
次に、高確率状態中であるかを判定する(ステップY227)。そして、高確率状態中
である場合(ステップY227;Y)は、ステップY230に移行する。また、高確率状
態中でない場合(ステップY227;N)は、特図2変動チェックフラグをセットする(
ステップY229)。すなわち、低確率状態で特図2変動表示ゲームが開始された場合に
特図2変動チェックフラグがセットされる。その後、特図2変動中処理移行設定処理を行
って(ステップY230)、特図2普段処理を終了する。
一方、特図2保留数が0である場合(ステップY222;Y)は、特図1保留数が0で
あるかを判定する(ステップY231)。そして、特図1保留数が0である場合(ステッ
プY231;Y)は、特図1が変動中であるかを判定する(ステップY232)。そして
、特図1が変動中でない場合(ステップY232;N)は、客待ちデモが開始済みである
かを判定し(ステップY233)、開示済みでない場合(ステップY233;N)は客待
ち状態の設定に関する処理を行う。また、特図1保留数が0でない場合(ステップY23
1;N)、特図1が変動中である場合(ステップY232;Y)又は客待ちデモが開始済
みである場合(ステップY233;Y)は、ステップY237に移行する。
客待ち状態の設定に関する処理では、まず、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラ
グをセットし(ステップY234)、現在の確率状態に対応する客待ちデモコマンドを準
備して(ステップY235)、演出コマンド設定処理を行い(ステップY236)、ステ
ップY237に移行する。客待ちデモコマンドを現在の確率状態に対応するものとするこ
とで、確率状態に応じて異なる客待ち画面を表示することが可能となる。
また、何らかの原因により演出制御装置300が再起動した場合、バックアップ機能を
備えない演出制御装置300は遊技状態の情報を喪失してしまうため、適切な演出を行う
ことができなくなってしまうが、客待ちデモコマンドを現在の確率状態に対応するものと
することで、このコマンドの受信からは遊技状態に応じた演出を行うことができ、遊技状
態の変更に基づく確率情報コマンドが送信されるのを待つよりも早く遊技状態に応じた演
出に復帰できるようになる。
また、本実施形態の遊技機では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとが同
時に実行可能であり、特図1変動表示ゲームについての処理によって確率状態が変化する
ことも考えられるので、特図変動表示ゲームの開始ごとに変動開始確率情報コマンドを送
信するようにしている(ステップY207、Y223)。これにより、演出制御装置30
0において遊技状態に応じた適切な演出を行うことが可能となる。
また、変動開始確率情報コマンドを特図変動表示ゲームの開始ごとに送信するようにし
たことで、演出制御装置300が再起動した場合でもこのコマンドの受信からは遊技状態
に応じた演出を行うことができ、遊技状態の変更に基づく確率情報コマンドが送信される
のを待つよりも早く遊技状態に応じた演出に復帰できるようになる。なお、客待ちデモコ
マンドや変動開始確率情報コマンドに、演出制御装置300が再起動した場合に遊技状態
に応じた演出に復帰できるようにするためのその他の情報を含ませるようにしても良い。
〔特図1変動開始処理〕
図142には、上述の特図1普段処理における特図1変動開始処理(ステップY209
)を示した。この特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理であ
る。まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラ
グを変動図柄判別領域にセーブし(ステップY241)、特図1変動表示ゲームの結果情
報としてはずれ情報、大当り情報又は小当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ス
テップY242)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップY
243)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定す
る特図1情報設定処理(ステップY244)を行い、特図1変動表示ゲームの変動パター
ンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変
動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップY245)。
その後、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図1
変動パターン設定処理(ステップY246)を行い、特図1変動表示ゲームの変動開始の
情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップY247)を行う。これらの処理により
、これから実行される特図1変動表示ゲームの結果や変動パターンが決定される。そして
この後に、同時に実行可能である特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの間で不
都合が生じないように調整するための処理を行う。
特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは同時に実行可能であるが、一方で特別
結果(大当りや小当り)が導出された際には他方については抽選結果にかかわらず強制的
にはずれ結果として終了するようになっている。特に、特図2変動表示ゲームについては
小当りとなる確率が高いため、特図2変動表示ゲームが先に停止する場合は特図1変動表
示ゲームについてこのような処理がなされる可能性が高い。よって、例えば特図1変動表
示ゲームで期待度の高い演出をしているにもかかわらず、強制的にはずれ結果で停止され
てしまうこととなり、遊技者が不信感を抱くこととなってしまう。そこで、これから開始
しようとする特図1変動表示ゲームの終了前に特図2変動表示ゲームが終了する可能性が
ある場合には、期待度の高い演出が選択されないようにしたり、特図2変動表示ゲームで
大当りの特別結果が導出される場合に、変動表示装置4で実行する飾り特図1変動表示ゲ
ームについて特定の実行態様を設定できるようにしたりするなどの対応ができるようにし
ている。
このためにまず、高確率状態中であるかを判定し(ステップY248)、高確率状態中
である場合(ステップY248;Y)は、特図1変動開始処理を終了する。高確率状態で
ある場合は特図2変動表示ゲームを主体として遊技を進行する状態である。この状態では
特図2変動表示ゲームの変動時間が短く、かつ、高い頻度で実行されるため、特図1変動
表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止される可能性が高いことはわかっており、特図1
変動表示ゲームにおいては期待度の高い演出が選択されないように予め設定されているの
で、ここでは特別な処理は行わない。
また、高確率状態中でない場合(ステップY248;N)は、特図2が変動中であるか
を判定する(ステップY249)。特図2が変動中でない場合(ステップY249;N)
は、特図1変動開始処理を終了する。この場合は低確率状態であるので、これから特図2
変動表示ゲームが開始されたとしても当該特図2変動表示ゲームの変動時間は非常に長い
変動時間となる。よって、特図1変動表示ゲームが強制的に停止される可能性は低いため
、ここでは期待度の高い演出が選択されないようにするための処理は行わない。
特図2が変動中である場合(ステップY249;Y)は、実行中の特図2変動表示ゲー
ムの結果がはずれであるかを判定し(ステップY250)、はずれである場合(ステップ
Y250;Y)は特図1変動開始処理を終了する。この場合は特図1変動表示ゲームが強
制的に停止されない場合である。また、実行中の特図2変動表示ゲームの結果がはずれで
ない場合(ステップY250;N)は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0であ
るかを判定する(ステップY251)。特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0であ
る場合(ステップY251;Y)は、ステップY254に移行する。また、特図2ゲーム
処理タイマの繰り返し回数が0でない場合(ステップY251;N)は、特図2ゲーム処
理タイマの繰り返し回数が4以上であるかを判定する(ステップY252)。
特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が4以上である場合(ステップY252;Y)
は、特図1変動開始処理を終了する。この場合は、特図2変動表示ゲームの残り変動時間
が十分に長く、特図1変動表示ゲームの方が先に終了することとなるため、期待度の高い
演出が選択されないようにするための処理は行わない。
また、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が4以上でない場合(ステップY252
;N)は、特図2変動表示ゲームの残り変動時間を算出し(ステップY253)、これか
ら実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満
であるかを判定する(ステップY254)。これから実行する特図1変動表示ゲームの変
動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満である場合(ステップY254;Y)
は、特図1変動開始処理を終了する。この場合は特図1変動表示ゲームの方が先に終了す
ることとなるため、期待度の高い演出が選択されないようにするための処理は行わない。
また、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残
り変動時間未満でない場合(ステップY254;N)は、特図1の変動時間の方が長いこ
とを通知するコマンドを準備し(ステップY255)、演出コマンド設定処理を行い(ス
テップY256)、特図1変動開始処理を終了する。このコマンドには、特図2変動表示
ゲームの結果が大当りと小当りのいずれであるかの情報も含まれている。演出制御装置3
00では、特図1の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを受信することに基づき
、当該特図1変動表示ゲームについて期待度の高い演出の選択を規制したり特定の実行態
様を設定したりするなどの処理を行うようになっている。
なお、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残
り変動時間未満でない場合(ステップY254;N)に、特図1変動パターン設定処理(
ステップY246)で設定した変動パターンに関する情報(前後半変動パターン番号等)
を再設定する処理を行って、演出制御装置300が期待度の高い演出を選択しない変動パ
ターンに変更するようにしても良い。なお、変動パターンを再設定する処理においては、
変動時間を変更しないようにしても良いし、変更するようにしても良い。また、特図1の
変動時間の方が長いことを通知するコマンドを準備する処理(ステップY255)につい
ては行うようにしても良いし、行わないようにしても良い。
すなわち、遊技制御装置100で行われる特図1変動パターン処理(ステップY246
)は、通常遊技状態において第1変動表示ゲームの変動時間を含む変動態様情報を決定す
る場合に、第2変動表示ゲームの変動態様情報を参照することなく当該第1変動表示ゲー
ムの変動態様情報を決定することが可能な第1変動態様決定手段をなす。さらに遊技制御
装置100で行われる上記の変動パターンを再設定する処理は、第1変動態様決定手段に
よって当該第1変動表示ゲームの変動時間を含む変動態様情報を決定した際に第2変動表
示ゲームが実行中である場合に、当該第2変動表示ゲームの変動態様情報に含まれる変動
時間を参照して、決定されている第1変動表示ゲームの変動時間を変更することなく変動
パターンに関する情報を再決定することが可能である第2変動態様決定手段をなす。
また、特図1変動パターン設定処理(ステップY246)において一度決定された変動
パターンを後に変更するのではなく、特図1変動パターン設定処理(ステップY246)
において変動パターンを決定する際に、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時
間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満でないかを判定する処理(ステップY25
4)を行うようにして、遊技状況に応じた変動パターンを最初から決定するようにしても
良い。
〔特図2変動開始処理〕
図143には、上述の特図2普段処理における特図2変動開始処理(ステップY225
)を示した。この特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理であ
る。まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラ
グを変動図柄判別領域にセーブし(ステップY261)、特図2変動表示ゲームの結果情
報としてはずれ情報、大当り情報又は小当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ス
テップY262)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップY
263)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定す
る特図2情報設定処理(ステップY264)を行い、特図2変動表示ゲームの変動パター
ンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変
動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップY265)。
その後、特図2変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図2
変動パターン設定処理(ステップY266)を行い、特図2変動表示ゲームの変動開始の
情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップY267)を行い、特図2変動開始処理
を終了する。
なお、特図2変動開始処理では、同時に実行可能である特図1変動表示ゲームと特図2
変動表示ゲームの間で不都合が生じないように調整するための処理は行わない。これは、
特図1変動表示ゲームでの小当りの確率が低いため、特図2変動表示ゲームが強制的には
ずれ結果で終了させられる機会が少ないためである。ただし、特図1変動表示ゲームと同
様に、強制的にはずれ結果で停止される場合には期待度の高い演出の選択を規制するよう
にしても良い。
〔大当りフラグ1設定処理〕
図144には、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップ
Y242)を示した。この大当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ1領域には
ずれ情報をセーブし(ステップY271)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブす
る(ステップY272)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から
大当り乱数をロードして準備し(ステップY273)、特図1大当り乱数格納領域(保留
数1用)を0クリアする。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のう
ちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。
その後、実行中の特図2変動表示ゲームの大当り判定の結果である大当りフラグ2は大
当りであるかを判定し(ステップY275)、大当りである場合(ステップY275;Y
)は、ステップY279に移行する。すなわち、同時に実行される特図1変動表示ゲーム
と特図2変動表示ゲームの両方を大当りとしないようにしている。また、大当りでない場
合(ステップY275;N)は、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否か
に応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップY276)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップY276)の判定結果が大当りである場合(ステッ
プY277;Y)は、ステップY272にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域
に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップY278)、大当りフラグ1設定処理を終
了する。一方、大当り判定処理(ステップY276)の判定結果が大当りでない場合(ス
テップY277;N)は、取得した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じ
て小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップY279)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップY279)の判定結果が小当りである場合(ステッ
プY280;Y)は、ステップY271にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ1領域
に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップY281)、大当りフラグ1設定処理を終
了する。一方、小当り判定処理(ステップY279)の判定結果が小当りでない場合(ス
テップY280;N)は、大当りフラグ1設定処理を終了する。この場合は、大当りフラ
グ1領域及び小当りフラグ1領域には、はずれ情報がセーブされた状態となる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
図145には、上述の特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップ
Y262)を示した。この大当りフラグ2設定処理では、まず、小当りフラグ2領域には
ずれ情報をセーブし(ステップY291)、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブす
る(ステップY292)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域から大当り乱数をロ
ードして準備し(ステップY293)、特図2大当り乱数格納領域を0クリアする。
その後、実行中の特図1変動表示ゲームの大当り判定の結果である大当りフラグ1は大
当りであるかを判定し(ステップY295)、大当りである場合(ステップY295;Y
)は、ステップY299に移行する。すなわち、同時に実行される特図1変動表示ゲーム
と特図2変動表示ゲームの両方を大当りとしないようにしている。また、大当りでない場
合(ステップY295;N)は、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否か
に応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップY296)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップY296)の判定結果が大当りである場合(ステッ
プY297;Y)は、ステップY292にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域
に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップY298)、大当りフラグ2設定処理を終
了する。一方、大当り判定処理(ステップY296)の判定結果が大当りでない場合(ス
テップY297;N)は、取得した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じ
て小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップY299)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップY299)の判定結果が小当りである場合(ステッ
プY300;Y)は、ステップY291にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ2領域
に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップY301)、大当りフラグ2設定処理を終
了する。一方、小当り判定処理(ステップY299)の判定結果が小当りでない場合(ス
テップY300;N)は、大当りフラグ2設定処理を終了する。この場合は、大当りフラ
グ2領域及び小当りフラグ2領域には、はずれ情報がセーブされた状態となる。
〔大当り判定処理〕
図146には、上述の大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における大
当り判定処理(ステップY276、Y296)を示した。この大当り判定処理では、まず
、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップY311)、対象の大当り乱数の値が下
限判定値未満かを判定する(ステップY312)。なお、大当りであるとは大当り乱数が
大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱
数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値
である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップY312;Y)、すなわ
ち大当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY317)、大当り判
定処理を終了する。なお、判定結果としてのはずれとは、大当りの抽選にはずれたことを
示すものである。また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップY312
;N)は、高確率状態であるかを判定する(ステップY313)。
そして、高確率状態である場合(ステップY313;Y)は、高確率中の上限判定値を
設定し(ステップY314)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定す
る(ステップY316)。また、高確率状態でない場合(ステップY313;N)は、低
確率中の上限判定値を設定し(ステップY315)、対象の大当り乱数の値が上限判定値
より大きいかを判定する(ステップY316)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップY316;Y)、すなわち大当
りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY317)、大当り判定処理
を終了する。また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップY316
;N)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップY31
8)、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
図147には、上述の大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における小
当り判定処理(ステップY279、Y299)を示した。この小当り判定処理では、まず
、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満かを判定する(ステップY321)。な
お、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は
連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である下限判定値以上
で、かつ、小当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、小当りであると
判定される。また、大当り判定値と小当り判定値とが重なることはない。
対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(ステップY321;Y)、
すなわち小当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY326)、小
当り判定処理を終了する。なお、判定結果としてのはずれとは、小当りの抽選にはずれた
ことを示すものである。また、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合(ステ
ップY321;N)は、特図1の情報設定中であるか、すなわち特図1変動表示ゲームに
ついての判定であるかを判定する(ステップY322)。
そして、特図1の情報設定中である場合(ステップY322;Y)は、特図1用の小当
り上限判定値を設定し(ステップY323)、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値
より大きいかを判定する(ステップY325)。また、特図1の情報設定中でない場合(
ステップY322;N)、すなわち特図2変動表示ゲームについての判定である場合は、
特図2用の小当り上限判定値を設定し(ステップY324)、対象の大当り乱数の値が小
当り上限判定値より大きいかを判定する(ステップY325)。
大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(ステップY325;Y)、すなわ
ち小当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY326)、小当り判
定処理を終了する。また、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(ステ
ップY325;N)、すなわち小当りである場合は、判定結果として小当りを設定し(ス
テップY327)、小当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図148には、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップ
Y243)を示した。この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当り
かを判定し(ステップY331)、大当りである場合(ステップY331;Y)は、特図
1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップY
332)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定し(ステップY333)、ロードした
大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄退避領域にセーブする
(ステップY334)。この処理により大当り種類が選択される。なお、特図1変動表示
ゲームの停止図柄を特図1停止図柄領域ではなく特図1停止図柄退避領域にセーブするよ
うにしたのは、特図2変動表示ゲームで特別結果が導出された場合に強制的にはずれ結果
に変更される可能性があるためである。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップY335)、停止図柄
番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図1停止図柄パターン領域にセーブする(
ステップY336)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)
での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄
番号に対応するラウンド数上限値情報を取得して特図1ラウンド数上限値情報領域にセー
ブし(ステップY337)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して特図1
大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY338)。これらの情報は、特別遊技状
態の実行態様を設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特
図1コマンドを準備する(ステップY346)。
一方、大当りでない場合(ステップY331;N)は、小当りフラグ1は小当りである
かを判定し(ステップY339)、小当りである場合(ステップY339;Y)は、特図
1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(ステップY
340)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(ステップY341)、ロードした
小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄退避領域にセーブする
(ステップY342)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停止図柄番号
に対応する停止図柄パターンを取得して特図1停止図柄パターン領域にセーブし(ステッ
プY343)、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備する(ステップY
346)。
また、小当りフラグ1は小当りでない場合(ステップY339;N)は、はずれ時の停
止図柄番号を特図1停止図柄退避領域にセーブし(ステップY344)、はずれ停止図柄
パターンを特図1停止図柄パターン領域にセーブして(ステップY345)、停止図柄パ
ターンに対応する飾り特図1コマンドを準備する(ステップY346)。以上の処理によ
り、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図1コマンドを飾り特図1コマンド領域にセーブし(ステップY347
)、演出コマンド設定処理(ステップY348)を行う。この飾り特図1コマンドは、後
に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験
信号出力データ領域にセーブして(ステップY349)、特図1大当り図柄乱数格納領域
(保留数1用)を0クリアし(ステップY350)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保
留数1用)を0クリアして(ステップY351)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図149には、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップ
Y263)を示した。なお、特図2停止図柄設定処理は、特図1停止図柄設定処理と同じ
処理を、特図2を対象として行うものである。この特図2停止図柄設定処理では、まず、
大当りフラグ2が大当りかを判定し(ステップY361)、大当りである場合(ステップ
Y361;Y)は、特図2大当り図柄乱数格納領域から大当り図柄乱数をロードする(ス
テップY362)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定し(ステップY363)、ロ
ードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄退避領域にセ
ーブする(ステップY364)。この処理により大当り種類が選択される。なお、特図2
変動表示ゲームの停止図柄を特図2停止図柄領域ではなく特図2停止図柄退避領域にセー
ブするようにしたのは、特図1変動表示ゲームで特別結果が導出された場合に強制的には
ずれ結果に変更される可能性があるためである。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップY365)、停止図柄
番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図2停止図柄パターン領域にセーブする(
ステップY366)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)
での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄
番号に対応するラウンド数上限値情報を取得して特図2ラウンド数上限値情報領域にセー
ブし(ステップY367)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して特図2
大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY368)。これらの情報は、特別遊技状
態の実行態様を設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特
図2コマンドを準備する(ステップY376)。
一方、大当りでない場合(ステップY361;N)は、小当りフラグ2は小当りである
かを判定し(ステップY369)、小当りである場合(ステップY369;Y)は、特図
2小当り図柄乱数格納領域から小当り図柄乱数をロードする(ステップY370)。次に
、特図2小当り図柄テーブルを設定し(ステップY371)、ロードした小当り図柄乱数
に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄退避領域にセーブする(ステップY3
72)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停止図柄番号に対応する停止
図柄パターンを取得して特図2停止図柄パターン領域にセーブし(ステップY373)、
停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備する(ステップY376)。
また、小当りフラグ2は小当りでない場合(ステップY369;N)は、はずれ時の停
止図柄番号を特図2停止図柄退避領域にセーブし(ステップY374)、はずれ停止図柄
パターンを特図2停止図柄パターン領域にセーブして(ステップY375)、停止図柄パ
ターンに対応する飾り特図2コマンドを準備する(ステップY376)。以上の処理によ
り、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図2コマンドを飾り特図2コマンド領域にセーブし(ステップY377
)、演出コマンド設定処理(ステップY378)を行う。この飾り特図2コマンドは、後
に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験
信号出力データ領域にセーブして(ステップY379)、特図2大当り図柄乱数格納領域
を0クリアし(ステップY380)、特図2小当り図柄乱数格納領域を0クリアして(ス
テップY381)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
〔特図1情報設定処理〕
図150には、上述の特図1変動開始処理における特図1情報設定処理(ステップY2
44)を示した。この特図1情報設定処理では、まず、高確率中であるかを判定する(ス
テップY401)。高確率中でない場合(ステップY401;N)は、変動パターン選択
情報テーブルを設定し(ステップY402)、特図1停止図柄パターンに対応する前半オ
フセットデータ、後半オフセットデータを取得して(ステップY403)、特図1大当り
、すなわち特図1停止図柄パターンが大当りの停止図柄パターンであるかを判定する(ス
テップY404)。
特図1大当りである場合(ステップY404;Y)は、ステップY412に移行する。
また、特図1大当りでない場合(ステップY404;N)は、特図1小当り、すなわち特
図1停止図柄パターンが小当りの停止図柄パターンであるかを判定する(ステップY40
5)。そして、特図1小当りでない場合(ステップY405;N)、すなわちはずれであ
る場合は、ステップY407に移行する。また、特図1小当りである場合(ステップY4
05;Y)は、後半オフセットデータに特図1保留数を加算して値を更新し(ステップY
406)、前半オフセットデータに特図1保留数を加算して値を変換して(ステップY4
07)、ステップY412に移行する。
一方、高確率中である場合(ステップY401;Y)は、特図1大当りであるかを判定
する(ステップY408)。そして、特図1大当りでない場合(ステップY408;N)
は、高確率時特図1はずれ・小当り用の前半オフセットデータを設定し(ステップY40
9)、特図1長変動用の後半オフセットデータを設定する(ステップY411)。また、
特図1大当りである場合(ステップY408;Y)は、高確率時特図1大当り用の前半オ
フセットデータを設定し(ステップY410)、特図1長変動用の後半オフセットデータ
を設定する(ステップY411)。
そして、以上のように設定した前半オフセットデータを変動振分情報1領域にセーブす
るとともに(ステップY412)、後半オフセットデータを変動振分情報2領域にセーブ
して(ステップY413)、特図1情報設定処理を終了する。
つまり通常遊技状態における特図1変動表示ゲームは、小当りの場合には前半変動パタ
ーンと後半変動パターンの両方について特図1保留数を考慮した変動パターンが決定され
るようにし、はずれの場合には前半変動パターンのみ特図1保留数を考慮して変動パター
ンが決定されるようにし、大当りの場合は特図1保留数を考慮せずに変動パターンが決定
されるようにする。また、特定遊技状態における特図1変動表示ゲームは、特図1保留数
を考慮せずに変動パターンが決定されるようにする。
〔特図2情報設定処理〕
図151には、上述の特図2変動開始処理における特図2情報設定処理(ステップY2
64)を示した。この特図2情報設定処理では、まず、高確率中であるかを判定する(ス
テップY421)。高確率中である場合(ステップY421;Y)は、変動パターン選択
情報テーブルを設定し(ステップY422)、特図2停止図柄パターンに対応する前半オ
フセットデータ、後半オフセットデータを取得して(ステップY423)、ステップY4
28に移行する。
一方、高確率中でない場合(ステップY421;N)は、特図2大当りであるかを判定
する(ステップY424)。そして、特図2大当りでない場合(ステップY424;N)
は、低確率時特図2はずれ・小当り用の前半オフセットデータを設定し(ステップY42
5)、特図2長変動用の後半オフセットデータを設定する(ステップY427)。また、
特図2大当りである場合(ステップY424;Y)は、低確率時特図2大当り用の前半オ
フセットデータを設定し(ステップY426)、特図2長変動用の後半オフセットデータ
を設定する(ステップY427)。
そして、以上のように設定した前半オフセットデータを変動振分情報1領域にセーブす
るとともに(ステップY428)、後半オフセットデータを変動振分情報2領域にセーブ
して(ステップY429)、特図2情報設定処理を終了する。
〔特図1変動パターン設定処理〕
図152には、上述の特図1変動開始処理における特図1変動パターン設定処理(ステ
ップY246)を示した。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ
状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動
表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パタ
ーンを設定してから前半変動パターンを設定する。
この特図1変動パターン設定処理では、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設
定し(ステップY451)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアド
レスを取得して準備して(ステップY452)、特図1の変動パターン乱数1格納領域(
保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップY453)。
次に、特図1はずれ、すなわち停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであるかを
判定し(ステップY454)、特図1はずれである場合(ステップY454;Y)は、2
バイト振り分け処理を行って(ステップY455)、ステップY457に移行する。また
、特図1はずれでない場合(ステップY454;N)は、振り分け処理を行って(ステッ
プY456)、ステップY457に移行する。結果が大当りや小当りの場合は振り分け値
が1バイトであるが、結果がはずれの場合は多彩な演出を可能とするため振り分け値が2
バイトとなっている。
そして、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備
し(ステップY457)、特図1の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動
パターン乱数2をロードして準備する(ステップY458)。そして、振り分け処理(ス
テップY459)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動
番号領域にセーブする(ステップY460)。この処理により、後半変動パターンが設定
されることとなる。
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップY461)、変動振分情報1と決
定された後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップY462)。そ
して、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(
ステップY463)、特図1の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パタ
ーン乱数3をロードして準備する(ステップY464)。
その後、振り分け処理(ステップY465)を行い、振り分けられた結果得られた前半
変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(ステップY467)、特図1変動パタ
ーン設定処理を終了する。この処理により前半変動パターンが設定され、これから開始さ
れる特図1変動表示ゲームの全期間の変動パターンが設定されることとなる。
〔特図2変動パターン設定処理〕
図153には、上述の特図2変動開始処理における特図2変動パターン設定処理(ステ
ップY266)を示した。この特図2変動パターン設定処理では、まず、後半変動選択ア
ドレステーブルを設定し(ステップY471)、変動振分情報2に対応する後半変動選択
テーブルのアドレスを取得して準備して(ステップY472)、特図2の変動パターン乱
数2格納領域から変動パターン乱数2をロードして準備する(ステップY473)。
次に、振り分け処理を行って(ステップY474)、振り分けられた結果得られた後半
変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップY475)。この処理によ
り、後半変動パターンが設定されることとなる。
そして、前半変動グループテーブルを設定し(ステップY476)、変動振分情報1と
決定された後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップY477)。
次に、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(
ステップY478)、特図2の変動パターン乱数3格納領域から変動パターン乱数3をロ
ードして準備する(ステップY479)。
その後、振り分け処理(ステップY480)を行い、振り分けられた結果得られた前半
変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(ステップY481)、特図2変動パタ
ーン設定処理を終了する。この処理により前半変動パターンが設定され、これから開始さ
れる特図2変動表示ゲームの全期間の変動パターンが設定されることとなる。なお、特図
2変動表示ゲームについては後半変動の種類が少ないため、変動パターン乱数1による後
半変動グループの選択は行わず、変動パターン乱数2及び3のみを用いて変動パターンを
決定している。
〔2バイト振り分け処理〕
図154には、上述の特図1変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(ス
テップY455)を示した。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後
半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するため
の処理である。
この2バイト振り分け処理では、まず、準備した後半変動グループテーブル(選択テー
ブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるかをチェックする
(ステップY501)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動
パターングループと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが
「リーチなし」となる後半変動パターングループのみを規定する後半変動グループテーブ
ルにあっては、振分けの必要がないため、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコー
ドが先頭に規定されている。
そして、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合
(ステップY502;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(
ステップY507)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、後半変動グループテーブ
ルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップY502;N)は、後半
変動グループテーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップY5
03)。
次に、ロードされた乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップY373にて取得
された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップY504)、当該算出され
た新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップY505)。新たな乱数値
が「0」よりも小さくない場合(ステップY505;N)は、次の振り分け値のアドレス
に更新した後(ステップY506)、処理をステップY503に移行して、それ以降の処
理を行う。即ち、ステップY503にて、変動グループ選択テーブルに次に規定されてい
る振り分け値を取得した後、ステップY505にて判定済みの乱数値を新たな乱数値とし
て振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(ステップY504)。そして、
算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップY505)。
上記の処理をステップY505にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップY
505;Y)と判定するまで実行する。これにより、後半変動グループテーブルに規定さ
れている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブル
が選択される。そして、ステップY505にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ス
テップY505;Y)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新
して(ステップY507)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
図155には、上述の特図1変動パターン設定処理及び特図2変動パターン設定処理に
おける振り分け処理(ステップY456、Y459、Y465、Y474、Y480)を
示した。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半
変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動
パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特
図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
この振り分け処理では、まず、準備された後半変動選択テーブル(選択テーブル)や前
半変動選択テーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「
0」)であるか否かをチェックする(ステップY511)。ここで、後半変動選択テーブ
ルや前半変動選択テーブルは、後半変動グループテーブルと同様に、少なくとも一の後半
変動パターンや前半変動パターンと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振分
けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが
先頭に規定されている。
そして、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなし
のコードである場合(ステップY512;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのア
ドレスに更新して(ステップY517)、振り分け処理を終了する。一方、後半変動選択
テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ス
テップY512;N)は、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに最初に規定さ
れている一の振り分け値を取得する(ステップY513)。
次に、ロードされた乱数値(変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からステ
ップY513にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出した後(ステップ
Y514)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップ
Y515)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップY515;
N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップY516)、処理をステップ
Y513に移行して、それ以降の処理を行う。
即ち、ステップY513にて、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに次に規
定されている振り分け値を取得した後、ステップY515にて判定済みの乱数値を新たな
乱数値として振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(ステップY514)
。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップY
515)。
上記の処理をステップY515にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップY
515;Y)と判定するまで実行する。これにより、後半変動選択テーブルや前半変動選
択テーブルに規定されている少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンの中か
ら何れか一の後半変動番号や前半変動番号を選択する。そして、ステップY515にて、
新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップY515;Y)と判定すると、振り分けた
結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップY517)、振り分け処理を終了
する。
〔変動開始情報設定処理〕
図156には、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情
報設定処理(ステップY247、Y267)を示した。この変動開始情報設定処理では、
まず、特図1の情報設定中であるかを判定し(ステップY551)、特図1の情報設定中
である場合(ステップY551;Y)は、特図1の変動パターン乱数1~3の乱数格納領
域(保留数1用)をクリアする(ステップY552)。また、特図1の情報設定中でない
場合(ステップY551;N)、すなわち特図2の情報設定中である場合は、特図2の変
動パターン乱数2,3の乱数格納領域をクリアする(ステップY553)。
次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップY554)、前半変動番号に対応す
る前半変動時間値を取得する(ステップY555)。さらに、後半変動時間値テーブルを
設定し(ステップY556)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステ
ップY557)。そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップY558
)、加算値を対象の特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY559)。
なお、低確率状態である通常遊技状態における特図2変動表示ゲームについて結果がは
ずれ又は小当りである場合には、変動時間が非常に長い長変動が設定される。この場合に
おける上記の加算値としては、規定時間(ここでは60000ms)の計時を行う回数で
ある繰り返し回数を用いて計時可能な時間を除いた余りの時間(60000ms未満の時
間)が加算値として算出されるようになっている。
その後、特図1の情報設定中であるかを判定し(ステップY560)、特図1の情報設
定中である場合(ステップY560;Y)は、ステップY564に移行する。また、特図
1の情報設定中でない場合(ステップY560;N)、すなわち特図2の情報設定中であ
る場合は、特図2の長変動の開始であるかを判定する(ステップY561)。長変動とは
、特図2変動表示ゲームについて、通常遊技状態で結果がはずれ又は小当りの場合に設定
される変動パターンであり、設定された変動パターンの番号により判定する。
そして、特図2の長変動の開始でない場合(ステップY561;N)は、0を特図2ゲ
ーム処理タイマの繰り返し回数領域にセーブし(ステップY562)、ステップY564
に移行する。また、特図2の長変動の開始である場合(ステップY561;Y)は、9を
特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数領域にセーブし(ステップY563)、ステップ
Y564に移行する。
その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップY564)
、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップY565)、演
出コマンド設定処理を行う(ステップY566)。次に、特図1の情報設定中であるかを
判定し(ステップY567)、特図1の情報設定中でない場合(ステップY567;N)
は、変動開始情報設定処理を終了する。また、特図1の情報設定中である場合(ステップ
Y567;Y)は、特図1保留数を-1更新し(ステップY568)、特図1の乱数格納
領域の内容をシフトし(ステップY569)、シフト後の空き領域をクリアして(ステッ
プY570)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、
遊技制御装置100が、第1始動記憶手段に記憶された第1始動記憶に基づき、第1変動
表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の結果及び変動態様情報を当該第1変動表示ゲーム
の開始以前に決定することが可能な第1決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、
第2始動入賞口37への遊技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し、当該所定の乱数に基
づき第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果及び変動態様情報を当該第2変
動表示ゲームの開始以前に決定することが可能な第2決定手段をなす。また、遊技制御装
置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動
パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
以上のことから、第1始動入賞口36は、遊技領域32の一側に発射した遊技球が入賞
可能な位置に配設され、第2始動入賞口37は、遊技領域32の他側に発射した遊技球が
入賞可能な位置に配設され、変動表示ゲームの変動態様情報には、当該変動表示ゲームの
実行時間を特定可能な変動時間に関する情報が含まれ、通常状態(通常遊技状態)におい
て第2決定手段によって第2変動表示ゲームの変動時間として決定されることが可能な変
動時間は、第1決定手段によって第1変動表示ゲームの変動時間として決定されることが
可能な変動時間よりも長いこととなる。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に
送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基
づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設
定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数
)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コ
マンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンドなどが挙げ
られる。なお、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装
置300での処理を効率よく進めることができる。
すなわち、遊技制御装置100が、第1決定手段の決定結果に基づいて第1変動表示ゲ
ーム(特図1変動表示ゲーム)の実行制御を行うことが可能な第1変動表示ゲーム実行制
御手段をなす。また、特図1ゲーム処理の全体から、第1変動表示ゲーム実行制御手段が
第1変動表示ゲームに関する一連の実行制御を行うものとも言える。さらに、遊技制御装
置100が、第2決定手段の決定結果に基づいて第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲ
ーム)の実行制御を行うことが可能な第2変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、特
図2ゲーム処理の全体から、第2変動表示ゲーム実行制御手段が第2変動表示ゲームに関
する一連の実行制御を行うものとも言える。
また、遊技制御装置100が、第1決定手段によって決定された第1変動表示ゲームの
結果及び変動態様情報並びに第2決定手段によって決定された第2変動表示ゲームの結果
及び変動態様情報を制御情報として演出制御手段(演出制御装置300)へ送信すること
が可能な送信手段をなす。また、遊技制御装置100が、第1変動表示ゲーム及び第2変
動表示ゲームのそれぞれについて、変動表示ゲームの開始に応じて変動時間の計測を開始
し、当該計測時間が変動時間を経過した場合に当該変動表示ゲームの変動時間の計測を終
了する計測手段をなす。
なお、低確率状態である通常遊技状態における特図2変動表示ゲームについて結果がは
ずれ又は小当りである場合には、変動時間が非常に長い長変動が設定されるが、この場合
には、変動時間についての情報を演出制御装置300には送信せず、長変動であることの
みを示すコマンドを送信するようにしても良い。長変動の場合は単に変動表示を行えばよ
く詳細に演出を決定する必要がないので、演出制御装置300では長変動であることのコ
マンドを受信することに基づき変動表示を開始するようにする。変動時間の管理は遊技制
御装置100のみで行い、変動時間が終了することに基づき停止コマンドを演出制御装置
300に送信し、演出制御装置300では停止コマンドを受信することに基づき変動表示
を停止するようにする。このようにすれば、演出制御装置300での制御の負担を軽減す
ることができる。
〔特図1変動中処理移行設定処理〕
図157には、特図1普段処理における特図1変動中処理移行設定処理(ステップY2
16)を示した。この特図1変動中処理移行設定処理では、まず、特図1ゲーム処理番号
として「1」を設定し(ステップY601)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセ
ーブする(ステップY602)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップY603)、特図1の変動開始に
関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY604)。ここでは特別
図柄1変動中信号をONに設定する。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグ
をセーブし(ステップY605)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1
表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(ステップ
Y606)。さらに、特図1変動中図柄番号領域に初期値をセットして(ステップY60
7)、特図1変動中処理移行設定処理を終了する。
特図1変動中図柄番号領域にセットする初期値は0であり、これによりすべてのセグメ
ントが消灯した状態から変動表示が開始されるようになる。結果態様を表示した状態では
少なくとも一つのセグメントが点灯しているので、すべてのセグメントを消灯した状態か
ら変動表示を開始することで変動表示が開始したことを即座に認識することが可能となる
〔特図2変動中処理移行設定処理〕
図158には、特図2普段処理における特図2変動中処理移行設定処理(ステップY2
30)を示した。この特図2変動中処理移行設定処理では、まず、特図2ゲーム処理番号
として「1」を設定し(ステップY611)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセ
ーブする(ステップY612)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップY613)、特図2の変動開始に
関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY614)。ここでは特別
図柄2変動中信号をONに設定する。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグ
をセーブし(ステップY615)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2
表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(ステップ
Y616)。さらに、特図2変動中図柄番号領域に初期値をセットして(ステップY61
7)、特図2変動中処理移行設定処理を終了する。
特図2変動中図柄番号領域にセットする初期値は0であり、これによりすべてのセグメ
ントが消灯した状態から変動表示が開始されるようになる。結果態様を表示した状態では
少なくとも一つのセグメントが点灯しているので、すべてのセグメントを消灯した状態か
ら変動表示を開始することで変動表示が開始したことを即座に認識することが可能となる
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52において変動表示を開始する際にはすべ
てのセグメントを消灯状態とした状態から開始するとしたが、これに限られるものではな
い。例えば、何れの結果態様の点灯態様とも異なる点灯態様から変動表示を開始するよう
にしても良いし、何れの結果態様でも用いられないセグメントがあれば少なくとも当該セ
グメントを点灯した状態から変動表示を開始するようにしても良い。また、必ず毎回同じ
一のセグメントを点灯した状態から変動表示を開始するようにしてもよい。また、特図1
表示器51と特図2表示器52で変動を開始する際の点灯態様は同じでも良いし異なって
いても良い。
〔特図1変動中処理〕
図159には、上述の特図1ゲーム処理における特図1変動中処理(ステップY109
)を示した。この特図1変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新し(ス
テップY621)、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして準備して(ステッ
プY622)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY623)。
次に、飾り特図1停止コマンドを準備して(ステップY624)、演出コマンド設定処
理を行う(ステップY625)。本実施形態の遊技機では、変動開始時に設定した変動時
間よりも前に強制的に停止する場合もあるため、変動を停止する際には停止コマンドを演
出制御装置300に送信するようにしている。そして、停止図柄パターンに対応する表示
時間を設定する(ステップY627)。ここでは、はずれの場合に600ms、大当りの
場合に2000ms、小当りの場合に136msの表示時間が設定される。
その後、特図1はずれであるか、すなわち特図1変動表示ゲームの結果がはずれである
かを判定する(ステップY629)。特図1はずれである場合(ステップY629;Y)
は、ステップY644に移行する。また、特図1はずれでない場合(ステップY629;
N)、すなわち大当り又は小当りである場合は、特図2変動表示ゲームも実行中であるか
を判定する(ステップY630)。なお特図2変動表示ゲームが実行中であるか否かは特
図ステータスを参照することで把握できる。
そして、特図2変動表示ゲームが実行中でない場合(ステップY630;Y)は、ステ
ップY640に移行する。また、特図2変動表示ゲームが実行中である場合(ステップY
630;Y)は、特図2表示中処理中であるかを判定する(ステップY631)。すなわ
ちこの場合は、特図1変動表示ゲームが特別結果になることに基づき、実行中の特図2変
動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止させられる場合である。なお、特図2変動表示
ゲームがすでに変動表示を終了しているが表示時間(停止時間)が終了していない場合も
強制停止の対象となる。
特図2表示中処理中である場合(ステップY631;Y)は、ステップY633に移行
する。また、特図2表示中処理中でない場合(ステップY631;N)は、図柄確定回数
出力回数を+1更新し(ステップY632)、特図2の表示時間として上記で設定した特
図1の表示時間+4msの表示時間を設定する(ステップY633)。特図2の表示時間
として特図1の表示時間+4msの表示時間を設定することで、特図1と特図2の表示時
間が同時に終了するようになる。なお、すでに特図2変動表示ゲームが表示時間中であっ
た場合にも表示時間が再設定され、新たに表示時間が開始されるようになる。
次に、特図2ゲーム処理タイマ領域に表示時間をセーブして(ステップY634)、飾
り特図2コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップY635)、演出コマ
ンド設定処理を行う(ステップY636)。その後、飾り特図2停止コマンドを準備して
(ステップY637)、演出コマンド設定処理を行い(ステップY638)、特図2表示
中処理移行設定処理2を行う(ステップY639)。
そして、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして当り図柄コマンド領域にセ
ーブし(ステップY640)、特図1小当りであるか、すなわち特図1変動表示ゲームの
結果が小当りであるかを判定する(ステップY641)。特図1小当りである場合(ステ
ップY641;Y)は、ステップY644に移行する。また、特図1小当りでない場合(
ステップY641;N)、すなわち大当りである場合は、特図1ラウンド数上限値情報領
域から情報をロードしてラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY642)、特
図1大入賞口開放情報領域から情報をロードして大入賞口開放情報領域にセーブする(ス
テップY643)。
その後、特図1停止図柄退避領域から情報をロードして特図1停止図柄領域にセーブし
(ステップY644)、特図1表示中処理移行設定処理1を行って(ステップY645)
、特図1表示中処理を終了する。
〔特図2変動中処理〕
図160には、上述の特図2ゲーム処理における特図2変動中処理(ステップY140
)を示した。この特図2変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新し(ス
テップY651)、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして準備して(ステッ
プY652)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY653)。
次に、飾り特図2停止コマンドを準備して(ステップY654)、演出コマンド設定処
理を行う(ステップY655)。そして、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定す
る(ステップY657)。ここでは、はずれの場合に600ms、大当りの場合に200
0ms、小当りの場合に136msの表示時間が設定される。
その後、特図2はずれであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果がはずれである
かを判定する(ステップY659)。特図2はずれである場合(ステップY659;Y)
は、ステップY674に移行する。また、特図2はずれでない場合(ステップY659;
N)、すなわち大当り又は小当りである場合は、特図1変動表示ゲームも実行中であるか
を判定する(ステップY660)。なお特図1変動表示ゲームが実行中であるか否かは特
図ステータスを参照することで把握できる。
そして、特図1変動表示ゲームが実行中でない場合(ステップY660;Y)は、ステ
ップY670に移行する。また、特図1変動表示ゲームが実行中である場合(ステップY
660;Y)は、特図1表示中処理中であるかを判定する(ステップY661)。すなわ
ちこの場合は、特図2変動表示ゲームが特別結果になることに基づき、実行中の特図1変
動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止させられる場合である。なお、特図1変動表示
ゲームがすでに変動表示を終了しているが表示時間(停止時間)が終了していない場合も
強制停止の対象となる。
特図1表示中処理中である場合(ステップY661;Y)は、ステップY664に移行
する。また、特図1表示中処理中でない場合(ステップY661;N)は、図柄確定回数
出力回数を+1更新し(ステップY662)、ステップY664に移行する。
次に、特図1ゲーム処理タイマ領域に表示時間をセーブして(ステップY664)、飾
り特図1コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップY665)、演出コマ
ンド設定処理を行う(ステップY666)。その後、飾り特図1停止コマンドを準備して
(ステップY667)、演出コマンド設定処理を行い(ステップY668)、特図1表示
中処理移行設定処理2を行う(ステップY669)。
そして、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして当り図柄コマンド領域にセ
ーブし(ステップY670)、特図2小当りであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの
結果が小当りであるかを判定する(ステップY671)。特図2小当りである場合(ステ
ップY671;Y)は、ステップY674に移行する。また、特図2小当りでない場合(
ステップY671;N)、すなわち大当りである場合は、特図2ラウンド数上限値情報領
域から情報をロードしてラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY672)、特
図2大入賞口開放情報領域から情報をロードして大入賞口開放情報領域にセーブする(ス
テップY673)。
その後、特図2停止図柄退避領域から情報をロードして特図2停止図柄領域にセーブし
(ステップY674)、特図2表示中処理移行設定処理1を行って(ステップY675)
、特図2表示中処理を終了する。
〔特図1表示中処理移行設定処理1〕
図161には、上述の特図1変動中処理での特図1表示中処理移行設定処理1(ステッ
プY645)を示した。この特図1表示中処理移行設定処理1では、まず、特図1表示中
処理に係る特図1ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY681)、特図1ゲーム処
理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY682)。
次に、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステッ
プY683)。ここでは特別図柄1変動中信号をOFFに設定する。その後、特図1表示
器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動
停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップY684)、特
図1変動中処理移行設定処理1を終了する。
〔特図2表示中処理移行設定処理1〕
図162には、上述の特図2変動中処理での特図2表示中処理移行設定処理1(ステッ
プY675)を示した。この特図2表示中処理移行設定処理1では、まず、特図2表示中
処理に係る特図2ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY691)、特図2ゲーム処
理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY692)。
次に、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステッ
プY693)。ここでは特別図柄2変動中信号をOFFに設定する。その後、特図2表示
器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動
停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(ステップY694)、特
図2変動中処理移行設定処理1を終了する。
〔特図1表示中処理移行設定処理2〕
図163には、上述の特図2変動中処理での特図1表示中処理移行設定処理2(ステッ
プY669)を示した。この特図1表示中処理移行設定処理2では、まず、特図1表示中
処理に係る特図1ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY701)、特図1ゲーム処
理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY702)。
次に、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップ
Y703)、その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報と
して、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセ
ーブする(ステップY704)。
ここまでは上述の特図1表示中処理移行設定処理1と同様であり、以下、はずれ結果と
するための情報の設定を行う。まず、停止図柄パターン領域にはずれ停止図柄パターンを
セーブし(ステップY705)、特図1ラウンド数上限値情報領域をクリアする(ステッ
プY706)。
次に、特図1大入賞口開放情報領域をクリアし(ステップY707)、小当りフラグ1
領域にはずれ情報をセーブして(ステップY708)、大当りフラグ1領域にはずれ情報
をセーブする(ステップY709)。そして、特図1停止図柄退避領域をクリアし(ステ
ップY710)、特図1停止図柄領域にはずれ停止図柄番号をセーブして(ステップY7
11)、特図1表示中処理移行設定処理2を終了する。
〔特図2表示中処理移行設定処理2〕
図164には、上述の特図1変動中処理での特図2表示中処理移行設定処理2(ステッ
プY639)を示した。この特図2表示中処理移行設定処理2では、まず、特図2表示中
処理に係る特図2ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY721)、特図2ゲーム処
理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY722)。
次に、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップ
Y723)、その後、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報と
して、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセ
ーブする(ステップY724)。
ここまでは上述の特図2表示中処理移行設定処理1と同様であり、以下、はずれ結果と
するための情報の設定を行う。まず、停止図柄パターン領域にはずれ停止図柄パターンを
セーブし(ステップY725)、特図2ラウンド数上限値情報領域をクリアする(ステッ
プY726)。
次に、特図2大入賞口開放情報領域をクリアし(ステップY727)、小当りフラグ2
領域にはずれ情報をセーブして(ステップY728)、大当りフラグ2領域にはずれ情報
をセーブする(ステップY729)。そして、特図2停止図柄退避領域をクリアし(ステ
ップY730)、特図2停止図柄領域にはずれ停止図柄番号をセーブして(ステップY7
31)、特図2表示中処理移行設定処理2を終了する。
以上の図159~図164の処理により、一方の特図変動表示ゲームが特別結果となっ
た場合に他方の特図変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止されることとなる。すな
わち、特図1変動表示ゲームが特別結果となることに基づき特図2変動表示ゲームが強制
的にはずれ結果で停止される第1終了制御処理がなされ、特図2変動表示ゲームが特別結
果となることに基づき特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止される第2終了
制御処理がなされることとなる。
以上のことから、第1変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)は、第1変
動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の実行制御を行っている場合に、第2変動表示ゲ
ーム実行制御手段(遊技制御装置100)によって実行制御が行われている第2変動表示
ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が特別結果となった場合に、当該実行制御を行っている
第1変動表示ゲームを特別結果以外の結果として終了させることが可能であり、第2変動
表示ゲーム実行制御手段は、第2変動表示ゲームの実行制御を行っている場合に、第1変
動表示ゲーム実行制御手段によって実行制御が行われている第1変動表示ゲームが特別結
果となった場合に、当該実行制御を行っている第2変動表示ゲームを特別結果以外の結果
として終了させることが可能であることとなる。これにより、一方の変動表示ゲームで特
別結果が導出された際に他方の変動表示ゲームを強制的にはずれ結果で停止させることで
き、同時変動を行う場合であっても不具合が生じることのないようにすることができる。
〔特図1表示中処理〕
図165、図166には、上述の特図1ゲーム処理における特図1表示中処理(ステッ
プY110)を示した。この特図1表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における
大当りフラグ1設定処理にて小当りフラグ1領域に設定された小当りフラグ1をロードし
て(ステップY745)、小当りフラグ1領域をクリアする(ステップY746)。
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて大当りフラグ1領域に
設定された大当りフラグ1ロードして(ステップY747)、大当りフラグ1領域をクリ
アする(ステップY748)。そして、特図1は大当りか、すなわちロードされた大当り
フラグ1が大当り情報かを判定し(ステップY749)、大当りでない場合(ステップY
749;N)は、ステップY777に移行する。また、大当りである場合(ステップY7
49;Y)は、大当り回数カウンタを+1更新する(ステップY755)。この大当り回
数カウンタは高確率状態を設定可能な特定期間を管理するものであり、低確率状態での第
1特別結果の導出で1となり、特定期間での第1特別結果の導出回数を計数するものであ
る。次に、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例
えば、条件装置作動中信号をON、特別図柄1当り信号をON)を試験信号出力データ領
域にセーブする(ステップY756)。
そして、特図2異常変動解除コマンドを準備し(ステップY757)、演出コマンド設
定処理を行う(ステップY758)。すなわち、第1特別遊技状態の発生に伴い異常変動
報知を終了する。
次に、特図1停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドを当り図柄コマンド領域か
らロードして準備し(ステップY762)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY7
63)。その後、ファンファーレコマンドを準備して(ステップY764)、演出コマン
ド設定処理を行う(ステップY765)。演出制御装置300では、このファンファーレ
コマンドの受信に伴い、ゲート34を狙うように指示する演出等を行う。
次に、大入賞口開放情報と特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態に対応する
信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY766)。本実施形態の場合、
ステップY766において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当
り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情
報と確率の状態とで決まる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000ms
)を設定して(ステップY767)、設定した大当りファンファーレ時間を特図1ゲーム
処理タイマ領域にセーブする(ステップY768)。
次に、処理番号として3を設定し(ステップY774)、特図1ゲーム処理番号領域に
セーブする(ステップY775)。さらに、ファンファーレ/インターバル中処理移行設
定処理(ステップY776)を行い、特図1表示中処理を終了する。
一方、ステップY755にて、特図1は大当りでない場合(ステップY755;N)、
すなわち大当りフラグ1がはずれ情報である場合は、ロードした小当りフラグ1が小当り
(小当り情報)かを判定する(ステップY777)。そして、小当りフラグ1が小当りで
ある場合(ステップY777;Y)は、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードして
準備し(ステップY783)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY784)。さら
に、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップY785)、演出コマンド設定処
理を行って(ステップY786)、高確率中かを判定する(ステップY787)。
高確率中でない場合(ステップY787;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号
出力データ領域にセーブする(ステップY788)。ここでは発射位置指定信号1をOF
Fにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセー
ブする(ステップY789)。これにより第1遊技状態表示部56が消灯状態となり、左
打ちを指示する表示となる。
一方、高確率中である場合(ステップY787;Y)は、右打ち指示に関する信号を試
験信号出力データ領域にセーブする(ステップY790)。ここでは発射位置指定信号1
をONにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号を
セーブする(ステップY791)。これにより第1遊技状態表示部56が点灯状態となり
、右打ちを指示する表示となる。
その後、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)を開放する小当りであるかを判定し
(ステップY792)上大入賞口を開放する小当りである場合(ステップY792;Y)
は、上大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY793)、上大入賞口不正監視期
間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY794)、ステップY7
97に移行する。また、上大入賞口を開放する小当りでない場合(ステップY792;N
)、すなわち下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)を開放する小当りである場合は、
下大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY795)、下大入賞口不正監視期間フ
ラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY796)、ステップY797
に移行する。そして、特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY79
7)を行い、特図1表示中処理を終了する。
また、ステップY777にて、小当りフラグ1が小当りでないと判定した場合(ステッ
プY777;N)は、特図ステータス領域の特図1変動中をクリア(情報減算)し(ステ
ップY806)、特図1普段処理移行設定処理1を行って(ステップY807)、特図1
表示中処理を終了する。
〔特図2表示中処理〕
図167、図168には、上述の特図2ゲーム処理における特図2表示中処理(ステッ
プY141)を示した。なお、この特図2表示中処理は、上述の特図1表示中処理と同等
の処理を、特図2を対象として行うものである。この特図2表示中処理では、まず、特図
2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて小当りフラグ2領域に設定された小
当りフラグ2をロードして(ステップY805)、小当りフラグ2領域をクリアする(ス
テップY806)。
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて大当りフラグ2領域に
設定された大当りフラグ2ロードして(ステップY807)、大当りフラグ2領域をクリ
アする(ステップY808)。そして、特図2は大当りか、すなわちロードされた大当り
フラグ2が大当り情報かを判定し(ステップY809)、大当りでない場合(ステップY
809;N)は、ステップY837に移行する。また、大当りである場合(ステップY8
09;Y)は、大当り回数カウンタを+1更新して(ステップY815)、特図2変動表
示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信
号をON、特別図柄2当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステッ
プY816)。
そして、特図2異常変動解除コマンドを準備し(ステップY817)、演出コマンド設
定処理を行う(ステップY818)。すなわち、第1特別遊技状態の発生に伴い異常変動
報知を終了する。
次に、特図2停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドを当り図柄コマンド領域か
らロードして準備し(ステップY822)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY8
23)。その後、ファンファーレコマンドを準備して(ステップY824)、演出コマン
ド設定処理を行う(ステップY825)。
次に、大入賞口開放情報と特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態に対応する
信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY826)。本実施形態の場合、
ステップY826において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当
り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情
報と確率の状態とで決まる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000ms
、3000ms又は4ms)を設定して(ステップY827)、設定した大当りファンフ
ァーレ時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY828)。
次に、処理番号として3を設定し(ステップY834)、特図2ゲーム処理番号領域に
セーブする(ステップY835)。さらに、ファンファーレ/インターバル中処理移行設
定処理(ステップY836)を行い、特図2表示中処理を終了する。
一方、ステップY815にて、特図2は大当りでない場合(ステップY815;N)、
すなわち大当りフラグ2がはずれ情報である場合は、ロードした小当りフラグ2が小当り
(小当り情報)かを判定する(ステップY837)。そして、小当りフラグ2が小当りで
ある場合(ステップY837;Y)は、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードして
準備し(ステップY843)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY844)。さら
に、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップY845)、演出コマンド設定処
理を行って(ステップY846)、高確率中かを判定する(ステップY847)。
高確率中でない場合(ステップY847;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号
出力データ領域にセーブする(ステップY848)。ここでは発射位置指定信号1をOF
Fにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセー
ブする(ステップY849)。これにより第1遊技状態表示部56が消灯状態となり、左
打ちを指示する表示となる。
一方、高確率中である場合(ステップY847;Y)は、右打ち指示に関する信号を試
験信号出力データ領域にセーブする(ステップY850)。ここでは発射位置指定信号1
をONにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号を
セーブする(ステップY851)。これにより第1遊技状態表示部56が点灯状態となり
、右打ちを指示する表示となる。
その後、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)を開放する小当りであるかを判定し
(ステップY852)上大入賞口を開放する小当りである場合(ステップY852;Y)
は、上大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY853)、上大入賞口不正監視期
間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY854)、ステップY8
57に移行する。また、上大入賞口を開放する小当りでない場合(ステップY852;N
)、すなわち下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)を開放する小当りである場合は、
下大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY855)、下大入賞口不正監視期間フ
ラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY856)、ステップY857
に移行する。そして、特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY85
7)を行い、特図2表示中処理を終了する。
また、ステップY837にて、小当りフラグ2が小当りでないと判定した場合(ステッ
プY837;N)は、特図ステータス領域の特図2変動中をクリア(情報減算)し(ステ
ップY866)、特図2普段処理移行設定処理1を行って(ステップY867)、特図2
表示中処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームが第1特別結果となったことに基づ
き、条件装置の作動を伴なって特別変動入賞装置を開放する第1特別遊技状態を発生させ
る第1特別遊技発生手段をなすとともに、変動表示ゲームが第2特別結果となったことに
基づき、条件装置の作動を伴わずに特別変動入賞装置を開放する第2特別遊技状態を発生
させる第2特別遊技発生手段をなす。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
図169には、上述の特図1表示中処理及び特図2表示中処理におけるファンファーレ
/インターバル中処理移行設定処理(ステップY776、Y836)の詳細について説明
する。このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理では、まず、大当り(第1
特別遊技状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY
871)。ここでは大当り又は小当りで出力する大当り1信号をONに設定する。次に高
確率状態と時短状態(特別図柄の変動時間短縮状態)の終了に関する信号を試験信号出力
データ領域にセーブする(ステップY872)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号を
OFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF
、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFFに設定する。
その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリア
し(ステップY873)、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブして(ステッ
プY874)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする(ステップ
Y875)。
そして、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧
時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(ステップY876)。
これにより高確率状態及び時短状態が終了し、通常確率状態かつ通常状態となる。
次に、特図ステータス領域に大当り中情報をセーブし(ステップY878)、右打ち指
示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY880)、遊技状態表
示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップY881)。
その後、特図2異常変動フラグ領域に解除フラグをセーブし(ステップY882)、特
図2異常変動数を記憶する特図2異常数領域をクリアする(ステップY883)。さらに
、特図1変動回数領域を0クリアし(ステップY884)、特図2異常変動報知タイマ領
域を0クリアして(ステップY885)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定
処理を終了する。すなわち、大当りの発生に伴い、特図2異常変動に関する情報を全てク
リアする。
〔特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理〕
図170には、上述の特図1表示中処理における特図1小当りファンファーレ中処理移
行設定処理(ステップY797)を示した。この特図1小当りファンファーレ中処理移行
設定処理では、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定
して(ステップY891)、当該処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ス
テップY892)。
次に、小当りファンファーレ時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステッ
プY893)。ここでは現在の遊技状態を参照して、特定遊技状態である場合は小当りフ
ァンファーレ時間として1000msを設定し、特定遊技状態でない場合は小当りファン
ファーレ時間として4msを設定する。そして、小当りの開始に関する信号を外部情報出
力データ領域にセーブする(ステップY894)。ここでは大当り又は小当りで出力する
大当り1信号をONに設定する。さらに、特図1小当りの開始に関する信号を試験信号出
力データ領域にセーブする(ステップY895)。ここでは特別図柄1小当り信号をON
に設定する。
その後、特図ステータス情報に小当り中情報をセーブし(ステップY896)、ラウン
ドLEDポインタ領域に小当り表示ポインタをセーブして(ステップY897)、特図1
小当りファンファーレ中処理移行設定処理を終了する。
〔特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理〕
図171には、上述の特図2表示中処理における特図2小当りファンファーレ中処理移
行設定処理(ステップY857)を示した。この特図2小当りファンファーレ中処理移行
設定処理では、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定
して(ステップY901)、当該処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ス
テップY902)。
次に、小当りファンファーレ時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステッ
プY903)。ここでは現在の遊技状態を参照して、特定遊技状態である場合は小当りフ
ァンファーレ時間として1000msを設定し、特定遊技状態でない場合は小当りファン
ファーレ時間として4msを設定する。そして、小当りの開始に関する信号を外部情報出
力データ領域にセーブする(ステップY904)。ここでは大当り又は小当りで出力する
大当り1信号をONに設定する。さらに、特図2小当りの開始に関する信号を試験信号出
力データ領域にセーブする(ステップY905)。ここでは特別図柄2小当り信号をON
に設定する。
その後、特図ステータス情報に小当り中情報をセーブし(ステップY906)、ラウン
ドLEDポインタ領域に小当り表示ポインタをセーブして(ステップY907)、特図2
小当りファンファーレ中処理移行設定処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
図172には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理におけるファンファーレ
/インターバル中処理(ステップY111、Y142)を示した。このファンファーレ/
インターバル中処理では、まず、初回ラウンドであるかを判定する(ステップY940)
。初回ラウンドである場合(ステップY940;Y)は、ゲート34への遊技球の通過が
あったかを判定し(ステップY941)、通過がない場合(ステップY941;N)は、
ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
また、通過があった場合(ステップY941;Y)は、ラウンド数上限値テーブルを設
定し(ステップY942)、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施
形態の場合、16又は10)を取得してラウンド数上限値領域にセーブする(ステップY
943)。さらに、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得して
ラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップY944)。
そして、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)を開放する大当りであるかを判定す
る(ステップY945)。上大入賞口を開放する大当りである場合(ステップY945;
Y)は、上大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY946)、上大入賞口不正監
視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY947)、ステップ
Y950に移行する。また、上大入賞口を開放する大当りでない場合(ステップY945
;N)、すなわち下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)を開放する大当りである場合
は、下大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY948)、下大入賞口不正監視期
間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY949)、ステップY9
50に移行する。ステップY950では、役物連続作動装置作動中信号のオン出力データ
を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップY950)、ステップY951に移行
する。
一方、初回ラウンドでない場合(ステップY940;N)は、特別遊技状態のラウンド
数を+1更新し(ステップY951)、大入賞口開放情報とラウンド数に対応するラウン
ドコマンドを準備し(ステップY952)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY9
53)。
次に、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大当り中処理制御ポインタ初期値を設
定し(ステップY954)、ポインタ初期値を大当り中処理制御ポインタ領域にセーブす
る(ステップY955)。そして、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大入賞口開
放時間を設定し(ステップY956)、処理番号として4を設定する(ステップY957
)。ここで設定する開放時間としては、例えば29000msである。
次に特図1の大当りであるかを判定し(ステップY958)、特図1の大当りである場
合(ステップY958;Y)は、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブし(ステ
ップY959)、大入賞口開放時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステッ
プY960)。一方、特図1の大当りでない場合(ステップY958;N)は、処理番号
を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY961)、大入賞口開放時間を特図
2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY962)。
そして、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)開放の大当りであるかを判定する(
ステップY963)。上大入賞口開放の大当りであるかは設定されている大入賞口開放情
報から判別することが可能である。上大入賞口開放の大当りである場合(ステップY96
3;Y)は、大入賞口開放中処理移行設定処理1を行い(ステップY964)、ファンフ
ァーレ/インターバル中処理を終了する。また、上大入賞口開放の大当りでない場合(ス
テップY963;N)は、大入賞口開放中処理移行設定処理2を行い(ステップY965
)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理1〕
図173には、上述のファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処
理移行設定処理1(ステップY964)を示した。この大入賞口開放中処理移行設定処理
1においては、まず、上大入賞口の開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセ
ーブする(ステップY971)。ここでは特別電動役物1作動中信号をONに設定する。
そして、第1特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放するために大入賞口ソレノイド
出力データ領域に上大入賞口オンデータをセーブし(ステップY972)、大入賞口への
入賞数を計数する大入賞口カウント数をクリアして(ステップY973)、大入賞口開放
中処理移行設定処理1を終了する。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理2〕
図174には、上述のファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処
理移行設定処理2(ステップY965)を示した。この大入賞口開放中処理移行設定処理
2においては、まず、下大入賞口の開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセ
ーブする(ステップY981)。ここでは特別電動役物2作動中信号をONに設定する。
そして、第2特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放するために大入賞口ソレノイド
出力データ領域に下大入賞口オンデータをセーブし(ステップY982)、大入賞口への
入賞数を計数する大入賞口カウント数をクリアして(ステップY983)、大入賞口開放
中処理移行設定処理2を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
図175には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大入賞口開放中
処理(ステップY112,Y143)を示した。この大入賞口開放中処理では、まず、実
行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とラウンド数上限値領域のラウンド数上限
値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップY1005
)。そして、最終ラウンドでない場合(ステップY1005;N)は、ラウンド間のイン
ターバルに係るインターバルコマンドを準備し(ステップY1006)、演出コマンド設
定処理(ステップY1008)を行う。また、最終ラウンドである場合(ステップY10
05;Y)は、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係
るエンディングコマンドを準備し(ステップY1007)、演出コマンド設定処理(ステ
ップY1008)を行う。
次に、大入賞口開放情報に対応する残存球処理時間を設定し(ステップY1009)、
処理番号として大入賞口残存球処理にかかる5を設定する(ステップY1010)。残存
球処理時間としては、600ms、800ms又は1400msが設定される。そして、
特図1の大当りであるかを判定する(ステップY1011)。
特図1の大当りである場合(ステップY1011;Y)は、処理番号を特図1ゲーム処
理番号領域にセーブし(ステップY1012)、残存球処理時間を特図1ゲーム処理タイ
マ領域にセーブする(ステップY1013)。一方、特図1の大当りでない場合(ステッ
プY1011;N)は、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY1
014)、残存球処理時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY10
15)。
その後、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップY1
016)、大入賞口開放中処理を終了する。なお、ステップY1016では上大入賞口ソ
レノイドと下大入賞口ソレノイドの両方についてオフデータを設定して、何れの大入賞口
についても閉じる処理を行うようにしている。
〔大入賞口残存球処理〕
図176には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大入賞口残存球
処理(ステップY113、Y144)を示した。この大入賞口残存球処理では、まず、実
行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とラウンド数上限値領域のラウンド数上限
値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップY1041
)。
そして、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップY
1041;N)は、大入賞口開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブす
る(ステップY1042)。ここでは、特別電動役物1作動中信号をOFF及び特別電動
役物2作動中信号をOFFに設定する。次に、大入賞口開放情報と今回のラウンド数とに
対応するインターバル時間を設定し(ステップY1043)、処理番号としてファンファ
ーレ/インターバル中処理にかかる3を設定する(ステップY1044)。
ラウンドとラウンドの間のインターバル期間は、ラウンドの終了から残存球処理時間が
経過し、さらに該残存球処理時間の経過からインターバル時間が経過するまでの期間とさ
れる。例えば、特図1上大入賞口開閉パターン1であれば1400msの残存球処理時間
と600msのインターバル時間が設定されるので、インターバル期間は2000msと
なり、このインターバル期間において、表示装置41等でインターバル演出が実行される
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップY1
041;Y)は、大当り終了処理移行設定処理を行い(ステップY1045)、停止図柄
パターンに対応するエンディング時間を設定して(ステップY1046)、処理番号とし
て特図1大当り終了処理又は特図2大当り終了処理にかかる6を設定する(ステップY1
047)。
そして、特図1の大当りであるかを判定する(ステップY1048)。特図1の大当り
である場合(ステップY1048;Y)は、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセー
ブし(ステップY1049)、設定した時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(
ステップY1050)、大入賞口残存球処理を終了する。一方、特図1の大当りでない場
合(ステップY1048;N)は、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(ス
テップY1051)、設定した時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップ
Y1052)、大入賞口残存球処理を終了する。
最終ラウンドの終了から特別遊技状態の終了までのエンディング期間は、最終ラウンド
の終了から残存球処理時間が経過し、さらに該残存球処理時間の経過からエンディング時
間が経過するまでの期間とされる。例えば、特図1上大入賞口開閉パターン1であれば1
400msの残存球処理時間と9600msのエンディング時間が設定されるので、エン
ディング期間は11000msとなり、このエンディング期間において、表示装置41等
でエンディング演出が実行される。
〔大当り終了処理移行設定処理〕
図177には、上述の大入賞口残存球処理における大当り終了処理移行設定処理(ステ
ップY1045)を示した。この大当り終了処理移行設定処理においては、まず、大入賞
口の開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1071
)。ここでは、特別電動役物1作動中信号をOFF及び特別電動役物2作動中信号をOF
Fに設定する。
次に、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステ
ップY1072)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリア
して(ステップY1073)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数
上限値領域の情報をクリアする(ステップY1074)。
そして、ラウンド数の上限値判定用のフラグを記憶するラウンド数上限値情報領域の情
報をクリアし(ステップY1075)、大入賞口の開放情報判定用のフラグを記憶する大
入賞口開放情報領域の情報をクリアして(ステップY1076)、大入賞口の開閉態様を
設定するための大当り中制御ポインタ領域の情報をクリアし(ステップY1077)、大
当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔特図1大当り終了処理〕
図178には、上述の特図1ゲーム処理における特図1大当り終了処理(ステップY1
14)を示した。この特図1大当り終了処理では、まず、特図1普段処理に係る処理番号
として「0」を設定し(ステップY1101)、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域に
セーブする(ステップY1102)。
次に、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY
1103)。ここでは、大当り1信号及び大当り3信号をOFFに設定する。そして、大
当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1104)
。ここでは、条件装置作動中信号、役物連続作動装置作動中信号、特別図柄1当り信号及
び特別図柄2当り信号をOFFに設定する。
次に、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1105)、
上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY11
06)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステ
ップY1107)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1108)。なお、特
図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れ
も実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。そして、特図2ゲームウェイト
時間値(ここでは8ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY11
09)。
この特図1大当り終了処理を行うことで特図1及び特図2の何れについても特図変動表
示ゲームを開始可能となるが、タイマ割込み処理においては特図1ゲーム処理の後に特図
2ゲーム処理を行うため、特図1大当り終了処理を行ったタイマ割込みで特図2ゲーム処
理において特図変動表示ゲームを開始する処理が行われて特図1変動表示ゲームよりも特
図2変動表示ゲームの方が先に開始可能となってしまう。そこで、ステップY1109に
おいて特図2ゲームウェイト時間値を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブすることで、
特図2変動表示ゲームについての開始処理を次回のタイマ割込み処理まで遅らせるように
し、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同一のタイマ割込みで処理されるよ
うにしている。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後に、第1変動表
示ゲーム実行制御手段が第1変動表示ゲームの開始に関する処理を実行可能となるまで、
第2変動表示ゲーム実行制御手段が第2変動表示ゲームの開始に関する処理を実行可能な
状態としないようにするゲーム処理待機手段をなす。
次に、大当り回数カウンタの値が上限値であるかを判定する(ステップY1110)。
本実施形態の遊技機では、低確率状態での第1特別結果の導出を初回とし、第1特別結果
の導出回数が5回となるまでは特別遊技状態の終了後に高確率状態を設定するように構成
されている。大当り回数カウンタは第1特別結果の導出回数を計数するものであり、低確
率状態での第1特別結果の導出で1となり、上限値は5となっている。
大当り回数カウンタの値が上限値でない場合(ステップY1110;N)は、高確率状
態を設定する処理を行う。この処理では、まず高確率状態と時短状態(特別図柄の変動時
間短縮状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1
111)。ここでは、大当り2信号をONに設定する。なお、大当り2信号は特別遊技状
態中もONとなっており、これを継続するようにしている。次に、高確率状態及び時短状
態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1112)。
ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄1変動時間
短縮状態信号及び特別図柄2変動時間短縮状態信号をONに設定する。
そして、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY
1113)。ここでは発射位置指定信号1をONに設定する。次に、遊技状態表示番号領
域に高確率中の番号をセーブする(ステップY1114)。なお、本実施形態の遊技機で
は、高確率中は必ず時短状態であるので、ここではこれらを区別せずに高確率中の番号と
している。
その後、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブし(ステップY111
5)、特図ゲームモードフラグ領域に高確率フラグをセーブし(ステップY1116)、
停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブして(ステップY1
117)、特図1大当り終了処理を終了する。
一方、大当り回数カウンタの値が上限値である場合(ステップY1110;Y)は、低
確率状態を設定する処理を行う。この処理では、まず大当り回数カウンタをクリアし(ス
テップY1118)、低確率状態と時短なし状態の開始に関する信号を外部情報出力デー
タ領域にセーブする(ステップY1119)。ここでは、大当り2信号をOFFに設定す
る。次に、低確率状態及び時短なし状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域に
セーブする(ステップY1120)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2
高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号及び特別図柄2変動時間短縮状態信号
をOFFに設定する。
そして、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY
1121)。ここでは発射位置指定信号1をOFFに設定する。次に、遊技状態表示番号
領域に低確率中の番号をセーブする(ステップY1122)。その後、遊技状態表示番号
2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1123)、特図ゲームモードフラ
グ領域に低確率フラグをセーブする(ステップY1124)。さらに、停電復旧時送信コ
マンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップY1125)、左打ち指
示報知フラグをクリアして(ステップY1126)、特図1大当り終了処理を終了する。
〔特図2大当り終了処理〕
図179には、上述の特図2ゲーム処理における特図2大当り終了処理(ステップY1
45)を示した。この特図2大当り終了処理は上述の特図1大当り処理でのステップY1
109を行わない以外は同等の処理である。まず、特図2普段処理に係る処理番号として
「0」を設定し(ステップY1131)、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブ
する(ステップY1132)。
次に、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY
1133)。ここでは、大当り1信号及び大当り3信号をOFFに設定する。そして、大
当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1134)
。ここでは、条件装置作動中信号、役物連続作動装置作動中信号、特別図柄1当り信号及
び特別図柄2当り信号をOFFに設定する。
次に、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1135)、
上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY11
36)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステ
ップY1137)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1138)。なお、特
図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れ
も実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。
次に、大当り回数カウンタの値が上限値であるかを判定し(ステップY1139)、大
当り回数カウンタの値が上限値でない場合(ステップY1139;N)は、高確率状態を
設定する処理を行う。この処理では、まず高確率状態と時短状態(特別図柄の変動時間短
縮状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY114
0)。ここでは、大当り2信号をONに設定する。なお、大当り2信号は特別遊技状態中
もONとなっており、これを継続するようにしている。次に、高確率状態及び時短状態の
開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1141)。ここ
では、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮
状態信号及び特別図柄2変動時間短縮状態信号をONに設定する。
そして、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY
1142)。ここでは発射位置指定信号1をONに設定する。次に、遊技状態表示番号領
域に高確率中の番号をセーブする(ステップY1143)。なお、本実施形態の遊技機で
は、高確率中は必ず時短状態であるので、ここではこれらを区別せずに高確率中の番号と
している。
その後、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブし(ステップY114
4)、特図ゲームモードフラグ領域に高確率フラグをセーブし(ステップY1145)、
停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブして(ステップY1
146)、特図2大当り終了処理を終了する。
一方、大当り回数カウンタの値が上限値である場合(ステップY1139;Y)は、低
確率状態を設定する処理を行う。この処理では、まず大当り回数カウンタをクリアし(ス
テップY1147)、低確率状態と時短なし状態の開始に関する信号を外部情報出力デー
タ領域にセーブする(ステップY1148)。ここでは、大当り2信号をOFFに設定す
る。次に、低確率状態及び時短なし状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域に
セーブする(ステップY1149)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2
高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号及び特別図柄2変動時間短縮状態信号
をOFFに設定する。
そして、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY
1150)。ここでは発射位置指定信号1をOFFに設定する。次に、遊技状態表示番号
領域に低確率中の番号をセーブする(ステップY1151)。その後、遊技状態表示番号
2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1152)、特図ゲームモードフラ
グ領域に低確率フラグをセーブする(ステップY1153)。さらに、停電復旧時送信コ
マンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップY1154)、左打ち指
示報知フラグをクリアして(ステップY1155)、特図2大当り終了処理を終了する。
これらの特図1大当り処理及び特図2大当り処理により、低確率状態での第1特別結果
の導出を初回とし、第1特別結果の導出回数が5回となるまでは特別遊技状態の終了後に
高確率状態である特定遊技状態が設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100
が、特別遊技状態の終了後に、ゲームの結果が特別結果のうちの第1特別結果となる確率
を低確率状態よりも高めた高確率状態とすることが可能な確率設定手段をなす。また、遊
技制御装置100が、特別遊技状態の終了後に、変動表示ゲームの結果が特別結果となる
確率を通常状態よりも高めた特定遊技状態を発生可能な特定遊技状態発生手段をなす。
〔小当りファンファーレ中処理〕
次に、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における小当りファンファーレ中
処理(ステップY115、Y146)の詳細について説明する。図180に示すようにこ
の小当りファンファーレ中処理では、まず、開放パターンによる分岐を行う(ステップY
1201)。
ステップY1201にて開放パターンが小当り1(下大入賞口開閉パターン1)である
場合は、下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)開放の小当り開放中コマンドを準備し
(ステップY1202)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1203)。次に、
処理番号として小当り中処理にかかる8を設定し(ステップY1204)、特図1ゲーム
処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1205)。
その後、小当り開放時間1(ここでは48ms)を特図1ゲーム処理タイマ領域にセー
ブし(ステップY1206)、小当り動作の開始に関する信号を試験信号出力データ領域
にセーブする(ステップY1207)。ここでは特別電動役物2作動中信号をONに設定
する。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に下大入賞口オンデータをセーブし(
ステップY1208)、ステップY1230に移行する。
また、ステップY1201にて開放パターンが小当り2(下大入賞口開閉パターン2)
である場合は、下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)開放の小当り開放中コマンドを
準備し(ステップY1209)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1210)。
次に、処理番号として小当り中処理にかかる8を設定し(ステップY1211)、特図2
ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1212)。
その後、小当り開放時間2(ここでは1600ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域に
セーブし(ステップY1213)、小当り動作の開始に関する信号を試験信号出力データ
領域にセーブする(ステップY1214)。ここでは特別電動役物2作動中信号をONに
設定する。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に下大入賞口オンデータをセーブ
し(ステップY1215)、ステップY1230に移行する。
また、ステップY1201にて開放パターンが小当り3(上大入賞口開閉パターン3)
である場合は、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)開放の小当り開放中コマンドを
準備し(ステップY1216)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1217)。
次に、処理番号として小当り中処理にかかる8を設定し(ステップY1218)、特図2
ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1219)。
その後、小当り開放時間3(ここでは1200ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域に
セーブし(ステップY1220)、小当り動作の開始に関する信号を試験信号出力データ
領域にセーブする(ステップY1221)。ここでは特別電動役物1作動中信号をONに
設定する。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に上大入賞口オンデータをセーブ
し(ステップY1222)、ステップY1230に移行する。
また、ステップY1201にて開放パターンが小当り4(上大入賞口開閉パターン4)
である場合は、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)開放の小当り開放中コマンドを
準備し(ステップY1223)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1224)。
次に、処理番号として小当り中処理にかかる8を設定し(ステップY1225)、特図2
ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1226)。
その後、小当り開放時間4(ここでは1600ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域に
セーブし(ステップY1227)、小当り動作の開始に関する信号を試験信号出力データ
領域にセーブする(ステップY1228)。ここでは特別電動役物1作動中信号をONに
設定する。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に上大入賞口オンデータをセーブ
し(ステップY1229)、ステップY1230に移行する。これらの小当り種類に応じ
た処理を行った後、大入賞口への入賞数を計数する大入賞口カウント数領域をクリアし(
ステップY1230)、小当りファンファーレ中処理を終了する。
〔小当り中処理〕
図181には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における小当り中処理(
ステップY116、Y147)を示した。この小当り中処理では、まず、小当り終了画面
コマンドを準備し(ステップY1241)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1
242)。次に、開放パターンによる分岐を行う(ステップY1243)。
ステップY1243にて開放パターンが小当り1(下大入賞口開閉パターン1)である
場合は、処理番号として小当り残存球処理にかかる9を設定して(ステップY1244)
、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1245)。そして、
小当り残存球処理時間1(ここでは600ms)を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブ
し(ステップY1246)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブし
て(ステップY1247)、小当り中処理を終了する。
ステップY1243にて開放パターンが小当り2(下大入賞口開閉パターン2)である
場合は、処理番号として小当り残存球処理にかかる9を設定して(ステップY1248)
、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1249)。そして、
小当り残存球処理時間2(ここでは600ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブ
し(ステップY1250)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブし
て(ステップY1251)、小当り中処理を終了する。
ステップY1243にて開放パターンが小当り3又は4(上大入賞口開閉パターン3又
は4)である場合は、処理番号として小当り残存球処理にかかる9を設定して(ステップ
Y1252)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1253
)。そして、小当り残存球処理時間3(ここでは800ms)を特図2ゲーム処理タイマ
領域にセーブし(ステップY1254)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデー
タをセーブして(ステップY1255)、小当り中処理を終了する。
なお、ステップY1247、Y1251、Y1255では上大入賞口ソレノイドと下大
入賞口ソレノイドの両方についてオフデータを設定して、何れの大入賞口についても閉じ
る処理を行うようにしている。
〔小当り残存球処理〕
図182には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における小当り残存球処
理(ステップY117、Y148)を示した。この小当り残存球処理では、まず、特図1
の小当りであるかを判定する(ステップY1271)。特図1の小当りである場合(ステ
ップY1271;Y)は、処理番号として特図1小当り終了処理にかかる10を設定して
(ステップY1272)、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップ
Y1273)。次に、小当りエンディング時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし
(ステップY1274)、ステップY1278に移行する。
また、特図1の小当りでない場合(ステップY1271;N)は、処理番号として特図
2小当り処理にかかる10を設定して(ステップY1275)、処理番号を特図2ゲーム
処理番号領域にセーブする(ステップY1276)。次に、小当りエンディング時間を特
図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1277)、ステップY1278に移
行する。
特図1、特図2の何れの小当りであっても、小当りエンディング時間の設定(ステップ
Y1274、Y1277)においては現在の遊技状態を参照して、特定遊技状態である場
合は小当りエンディング時間として1200ms又は1400msを設定し、特定遊技状
態でない場合は小当りエンディング時間として100msを設定する。これにより、残存
球処理時間とエンディング時間を併せたエンディング期間の長さは、特定遊技状態である
場合は2000msとなり、特定遊技状態でない場合は700ms又は900msとなる
そして、小当り動作の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステ
ップY1278)。ここでは、特別電動役物1作動中信号及び特別電動役物2作動中信号
をOFFに設定する。さらに、大入賞口カウント数領域をクリアして(ステップY127
9)、小当り残存球処理を終了する。
〔特図1小当り終了処理〕
図183には、上述の特図1ゲーム処理における特図1小当り終了処理(ステップY1
18)を示した。この特図1小当り終了処理では、まず、処理番号として特図1普段処理
にかかる0を設定し(ステップY1301)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセ
ーブする(ステップY1302)。
次に、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY
1303)。ここでは、特別図柄1小当り信号をOFFに設定する。そして、上大入賞口
不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1304)、下
大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY130
5)、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1306)、特
図ステータス領域をクリアする(ステップY1307)。特図ステータス領域のクリアに
より、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示
す特図ステータス0となる。
次に、高確率中であるかを判定し(ステップY1308)、高確率中である場合(ステ
ップY1308;Y)は、ステップY1311に移行する。また、高確率中でない場合(
ステップY1308;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセー
ブする(ステップY1309)。ここでは、発射位置指定信号1をOFFに設定する。そ
して、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1310)
、特図2ゲームウェイト時間値(ここでは8ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセー
ブして(ステップY1311)、特図1小当り終了処理を終了する。ここでも特図2ゲー
ムウェイト時間値を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブすることで、特図2変動表示ゲ
ームについての開始処理を次回のタイマ割込み処理まで遅らせるようにし、特図1変動表
示ゲームと特図2変動表示ゲームが同一のタイマ割込みで処理されるようにしている。
〔特図2小当り終了処理〕
図184には、上述の特図2ゲーム処理における特図2小当り終了処理(ステップY1
49)を示した。この特図2小当り終了処理では、まず、処理番号として特図2普段処理
にかかる0を設定し(ステップY1331)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセ
ーブする(ステップY1332)。
次に、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY
1333)。ここでは、特別図柄2小当り信号をOFFに設定する。そして、上大入賞口
不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1334)、下
大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(ステップY13
35)。その後、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY13
36)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1337)。特図ステータス領域
のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていな
い状態を示す特図ステータス0となる。
次に、高確率中であるかを判定し(ステップY1338)、高確率中である場合(ステ
ップY1338;Y)は、特図2小当り終了処理を終了する。また、高確率中でない場合
(ステップY1338;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセ
ーブする(ステップY1339)。ここでは、発射位置指定信号1をOFFに設定する。
そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1340
)、特図2小当り終了処理を終了する。
〔図柄変動制御処理〕
図185には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における図柄変動制御処
理(ステップY120、Y153)を示した。図柄変動制御処理は、特図1表示器51や
特図2表示器52での特別図柄の変動の制御と特別図柄の表示データの設定を行う処理で
ある。この図柄変動制御処理では、まず、制御対象の図柄(特図1又は特図2)の変動制
御フラグが変動中であるかをチェックする(ステップY1401)。
そして、変動制御フラグが変動中である場合(ステップY1402;Y)は、制御対象
の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得し(ステップY1403)、制御対
象の図柄に係る点滅制御タイマを-1更新して(ステップY1404)、当該タイマの値
が0、すなわちタイムアップしたかを判定する(ステップY1405)。
点滅制御タイマの値が0でない場合(ステップY1405;N)は、ステップY140
8に移行する。また、点滅制御タイマの値が0である場合(ステップY1405;Y)は
、点滅制御タイマ初期値(ここでは100ms)を制御対象の点滅制御タイマ領域にセー
ブし(ステップY1406)、制御対象の図柄に係る変動図柄番号を+1更新して(ステ
ップY1407)、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステ
ップY1408)。その後、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(
ステップY1411)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、変動制御フラグが変動中でない場合(ステップY1402;N)は、制御対象の
図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(ステップY1409)。そして
、制御対象の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(ステップY1410
)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップY1411)、
図柄変動制御処理を終了する。これにより、特図1表示器51及び特図2表示器52のう
ち、制御対象となる特図表示器に図柄番号に対応した特図が表示されることとなる。
〔セグメントLED編集処理〕
図186には、上述のタイマ割込み処理におけるセグメントLED編集処理(ステップ
X112)を示した。このセグメントLED編集処理では、一括表示装置50に設けられ
た記憶表示部54、大当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動
入賞装置39の開閉回数)を表示するラウンド表示部55、左打ち(通常打ち)と右打ち
のうち遊技者に有利な打ち方を報知する第1遊技状態表示部56、特図変動表示ゲームの
確率状態(高確率状態又は低確率状態)を報知する確率表示部57を構成するセグメント
LEDの駆動に関する設定等を行う。
このセグメントLED編集処理では、まず、記憶表示部54での表示態様が規定された
特図1保留数テーブルを設定し(ステップX601)、特図1保留数に対応する表示デー
タを取得してセグメント領域にセーブする(ステップX602)。次に、ラウンド表示部
55での表示態様が規定されたラウンド表示テーブルを設定し(ステップX603)、ラ
ウンドLEDポインタに対応する表示データを取得してセグメント領域にセーブする(ス
テップX604)。
そして、確率表示部57での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル1を設定し(
ステップX605)、遊技状態表示番号に対応する表示データを取得してセグメント領域
にセーブする(ステップX606)。その後、第1遊技状態表示部56での表示態様が規
定された遊技状態表示テーブル2を設定し(ステップX607)、遊技状態表示番号2に
対応する表示データを取得してセグメント領域にセーブし(ステップX608)、セグメ
ントLED編集処理を終了する。
〔磁石不正監視処理〕
図187には、上述のタイマ割込み処理における磁石不正監視処理(ステップX113
)を示した。この磁石不正監視処理では、磁気センサ61からの検出信号に基づき異常の
有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
この磁石不正監視処理では、まず、磁気センサ61から出力されて第3入力ポート12
4(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、磁石センサ(磁気センサスイッ
チ)がオン、すなわち異常な磁気を検出した状態であるかを判定する(ステップX611
)。磁石センサがオンである場合(ステップX611;Y)、すなわち異常な磁気を検出
した場合は、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマを+1更新して(ステ
ップX612)、当該タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップX613)。
磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(ステップX613;Y)、すなわち異常
な磁気を一定期間継続して検出した場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップX
614)、磁石不正報知タイマ初期値(ここでは60000ms)を磁石不正報知タイマ
領域にセーブする(ステップX615)。そして、磁石不正報知のコマンドを準備し(ス
テップX616)、磁石不正フラグとして磁石不正発生フラグを準備して(ステップX6
17)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ス
テップX613)。すなわち、磁気センサ61が一定期間(例えば8回の割込み)連続し
てオンであった場合に異常が発生していると判定するようにしている。
一方、磁石センサ(磁気センサスイッチ)がオンでない場合(ステップX611;N)
、すなわち異常な磁気を検出していない場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステッ
プX618)、磁石不正の報知時間を規定する磁石不正報知タイマが0でなければ-1更
新する(ステップX619)。なお、磁石不正報知タイマの最小値は0に設定されている
。そして、磁石不正報知タイマの値が0であるかを判定する(ステップX620)。なお
、磁石不正監視タイマがタイムアップしていない場合(ステップX613;N)もステッ
プX619の処理に移行する。
そして、磁石不正報知タイマの値が0でない場合(ステップX620;N)、すなわち
タイムアップしていない場合は、磁石不正監視処理を終了する。また、磁石不正報知タイ
マの値が0である場合(ステップX620;Y)、すなわちタイムアップした又はすでに
タイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報
知が行われていない場合は、磁石不正報知終了のコマンドを準備する(ステップX621
)。さらに、磁石不正フラグとして磁石不正解除フラグを準備して(ステップX622)
、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップ
X623)。
そして、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップ
X623;Y)は、磁石不正監視処理を終了する。また、値が一致しない場合(ステップ
X623;N)は、準備した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブし(ステップ
X624)、演出コマンド設定処理を行い(ステップX625)、磁石不正監視処理を終
了する。
〔盤電波不正監視処理〕
図188には、上述のタイマ割込み処理における盤電波不正監視処理(ステップX11
4)を示した。盤電波不正監視処理では、盤電波センサ62からの検出信号に基づき異常
の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
この盤電波不正監視処理では、まず、盤電波センサ62から出力されて近接I/F12
1aを経由して第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態か
ら、盤電波センサ62がオン、すなわち異常な電波を検出した状態であるかを判定する(
ステップX631)。盤電波センサがオンである場合(ステップX631;Y)、すなわ
ち異常な電波を検出した場合は、電波不正報知タイマ初期値(ここでは60000ms)
を電波不正報知タイマ領域にセーブする(ステップX632)。
そして、盤電波不正報知のコマンドを準備し(ステップX633)、盤電波不正フラグ
として盤電波不正発生フラグを準備して(ステップX634)、準備した盤電波不正フラ
グが盤電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップX639)。すなわち
、電波不正の場合は磁気不正の場合と違い、異常な電波を検出した時点で異常が発生して
いると判定するようにしている。
一方、盤電波センサがオンでない場合(ステップX631;N)、すなわち異常な電波
を検出していない場合は、電波不正の報知時間を規定する電波不正報知タイマが0でなけ
れば-1更新する(ステップX635)。なお、電波不正報知タイマの最小値は0に設定
されている。そして、電波不正報知タイマの値が0であるかを判定する(ステップX63
6)。
電波不正報知タイマの値が0でない場合(ステップX636;N)、すなわちタイムア
ップしていない場合は、盤電波不正監視処理を終了する。また、電波不正報知タイマの値
が0である場合(ステップX636;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイム
アップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行
われていない場合は、盤電波不正報知終了のコマンドを準備し(ステップX637)、盤
電波不正フラグとして盤電波不正解除フラグを準備して(ステップX638)、準備した
盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップX63
9)。
そして、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致する場合(ステ
ップX639;Y)は、盤電波不正監視処理を終了する。また、値が一致しない場合(ス
テップX639;N)は、準備した盤電波不正フラグを盤電波不正フラグ領域にセーブし
(ステップX640)、演出コマンド設定処理を行い(ステップX641)、盤電波不正
監視処理を終了する。
〔外部情報編集処理〕
図189には、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップX115
)を示した。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップX105)、入賞
口スイッチ/状態監視処理(ステップX108)、磁石不正監視処理(ステップX113
)、盤電波不正監視処理(ステップX114)などでの監視結果に基づいて、情報収集端
末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッ
ファにセットする処理等を行う。
この外部情報編集処理では、まず、ガラス枠開放エラーの発生中であるかを判定し(ス
テップX701)、ガラス枠開放エラーの発生中でない場合(ステップX701;N)は
、本体枠(前面枠12)開放エラーの発生中であるかを判定する(ステップX702)。
そして、本体枠開放エラーの発生中でない場合(ステップX702;N)は、扉・枠開放
信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX703)、セキュ
リティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップX704)、ス
テップX707に移行する。
一方、ガラス枠開放エラーの発生中である場合(ステップX701;Y)や、本体枠(
前面枠12)開放エラーの発生中である場合(ステップX702;Y)には、扉・枠開放
信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX705)、遊技機
エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップX706)
、ステップX707に移行する。すなわち、ガラス枠14や前面枠12が開放されている
情報が外部情報として出力される。
次に、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化が行われた時
から所定時間(例えば256ms)を計時するセキュリティ信号制御タイマが0でなけれ
ば-1更新する(ステップX707)。なお、セキュリティ信号制御タイマの最小値は0
に設定されている。
そして、セキュリティ信号制御タイマの値が0でない場合(ステップX708;N)、
すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力
データ領域にセーブし(ステップX710)、ステップX711に移行する。これにより
、RAMに記憶されたデータの初期化が行われたことが外部情報として出力される。また
、セキュリティ信号制御タイマの値が0である場合(ステップX708;Y)は、前面枠
12に設けられた枠電波センサにより異常な電波を検出することである枠電波不正の発生
中であるかを判定する(ステップX709)。
枠電波不正の発生中である場合(ステップX709;Y)は、セキュリティ信号のオン
データを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップX710)、ステップX711に
移行する。また、枠電波不正の発生中でない場合(ステップX709;N)は、スイッチ
のコネクタ抜けなどのスイッチ異常エラーの発生中であるかを判定する(ステップX71
1)。そして、スイッチ異常エラーの発生中でない場合(ステップX711;N)は、ス
テップX713に移行する。また、スイッチ異常エラーの発生中である場合(ステップX
711;Y)は、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブ
して(ステップX712)、ステップX713に移行する。
そして、磁石不正発生中(ステップX713;Y)、盤電波不正発生中(ステップX7
14;Y)、大入賞口不正発生中(ステップX715;Y)、特図2異常変動発生中(ス
テップX716;Y)の少なくとも一つに該当する場合は、セキュリティ信号のオンデー
タを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップX718)、遊技機エラー状態信号の
オンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップX719)、ステップX7
20に移行する。すなわち、エラーの発生が外部情報として出力される。また、ステップ
X713~X716の何れのエラーも発生していない場合は、遊技機エラー状態信号のオ
フデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップX717)、ステップX72
0に移行する。
そして、第1始動入賞口36への入賞信号を編集する始動口1信号編集処理(ステップ
X720)、第2始動入賞口37への入賞信号を編集する始動口2信号編集処理(ステッ
プX721)を行う。次に、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編
集処理(ステップX722)を行い、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の設定を
行う図柄確定回数信号編集処理を行って(ステップX723)、外部情報編集処理を終了
する。
〔始動口1信号編集処理〕
図190には、上述の外部情報編集処理における始動口1信号編集処理(ステップX7
20)を示した。この始動口1信号編集処理では、まず、始動口1信号出力制御タイマが
0でなければ-1更新する(ステップX731)。なお、始動口1信号出力制御タイマの
最小値は0に設定されている。そして、始動口1信号出力制御タイマの値が0であるかを
判定する(ステップX732)。始動口1信号出力制御タイマの値が0である場合(ステ
ップX732;Y)は、始動口1信号出力回数が0であるかを判定する(ステップX73
3)。
そして、始動口1信号出力回数が0でない場合(ステップX733;N)は、始動口1
信号出力回数を-1更新し(ステップX734)、始動口1信号出力制御タイマ領域に始
動口1信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップX735)。この始動口1信号
出力制御タイマ初期値は、始動口信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば
、128ms)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば、64ms)を加算し
た時間(例えば、192ms)となっている。その後、始動口1信号をオン状態にするオ
ンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX737)、始動口
1信号編集処理を終了する。また、始動口1信号出力回数が0である場合(ステップX7
33;Y)は、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報
出力データ領域にセーブして(ステップX738)、始動口1信号編集処理を終了する。
一方、始動口1信号出力制御タイマの値が0でない場合(ステップX732;N)は、
始動1口信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップX736)
。なお、始動口1信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、始動口1信号出力制
御タイマの値が所定時間(例えば64ms)以上であることである。始動口1信号出力制
御タイマが出力オン区間中である場合(ステップX736;Y)は、処理をステップX7
37に移行する。また、始動口1信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステ
ップX736;N)は、外部装置用の始動口1信号をオフ状態にするオフデータをRWM
の外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX738)、始動口1信号編集処理を
終了する。なお、上述の外部情報編集処理における始動口2信号編集処理(ステップX7
21)は、この始動口1信号編集処理と同じ処理を始動口2信号について行う。
〔メイン賞球信号編集処理〕
図191には、上述の外部情報編集処理におけるメイン賞球信号編集処理(ステップX
722)を示した。メイン賞球信号編集処理は、入賞口への入賞により発生した賞球数(
払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に生成されるメイン賞球信号を外部装
置へ出力する処理である。
このメイン賞球信号編集処理では、まず、メイン賞球信号出力制御タイマが0でなけれ
ば-1更新する(ステップX741)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマの最小値は
0に設定されている。そして、メイン賞球信号出力制御タイマの値が0であるかを判定す
る(ステップX742)。メイン賞球信号出力制御タイマの値が0である場合(ステップ
X742;Y)は、メイン賞球信号出力回数が0であるかを判定する(ステップX743
)。
そして、メイン賞球信号出力回数が0でない場合(ステップX743;N)は、メイン
賞球信号出力回数を-1更新し(ステップX744)、メイン賞球信号出力制御タイマ領
域にメイン賞球信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップX745)。このメイ
ン賞球信号出力制御タイマ初期値は、メイン賞球信号のオン状態(例えば、ハイレベル)
の時間(例えば、128ms)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば、64
ms)を加算した時間(例えば、192ms)となっている。その後、メイン賞球信号を
オン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX
747)、メイン賞球信号編集処理を終了する。また、メイン賞球信号出力回数が0であ
る場合(ステップX743;Y)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフ
データをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX748)、メイン賞
球信号編集処理を終了する。
一方、メイン賞球信号出力制御タイマの値が0でない場合(ステップX742;N)は
、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップX74
6)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、メイン賞球信
号出力制御タイマの値が所定時間(例えば64ms)以上であることである。メイン賞球
信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップX746;Y)は、処理をス
テップX747に移行する。また、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中でな
い場合(ステップX746;N)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフ
データをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX748)、メイン賞
球信号編集処理を終了する。
〔図柄確定回数信号編集処理〕
図192には、上述の外部情報編集処理における図柄確定回数信号編集処理(ステップ
X723)を示した。図柄確定回数信号編集処理は、特図変動表示ゲームの実行回数に係
る情報の出力時間を制御するための処理である。
この図柄確定回数信号編集処理では、まず、図柄確定回数信号出力制御タイマが0でな
ければ-1更新する(ステップX751)。なお、図柄確定回数信号出力制御タイマの最
小値は0に設定されている。そして、図柄確定回数信号出力制御タイマの値が0であるか
を判定する(ステップX752)。図柄確定回数信号出力制御タイマの値が0である場合
(ステップX752;Y)は、特図変動表示ゲームが終了する毎に+1更新される図柄確
定回数信号出力回数が0であるかを判定する(ステップX753)。
そして、図柄確定回数信号出力回数が0でない場合(ステップX753;N)は、図柄
確定回数信号出力回数を-1更新し(ステップX754)、図柄確定回数信号出力制御タ
イマ領域にメイン賞球信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップX755)。こ
の図柄確定回数信号出力制御タイマ初期値は、図柄確定回数信号のオン状態(例えば、ハ
イレベル)の時間(ここでは256ms)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(こ
こでは300ms)を加算した時間(ここでは556ms)となっている。なお、本実施
形態の遊技機では特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを同時に実行可能である
ので、オン状態の時間を256msとするとともにオフ状態の時間を300msとしてい
る。
その後、図柄確定回数信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ
領域にセーブして(ステップX7547)、図柄確定回数信号編集処理を終了する。また
、図柄確定回数信号出力回数が0である場合(ステップX753;Y)は、外部装置用の
図柄確定回数信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセー
ブして(ステップX758)、図柄確定回数信号編集処理を終了する。
一方、図柄確定回数信号出力制御タイマの値が0でない場合(ステップX752;N)
は、図柄確定回数信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップX
756)。なお、図柄確定回数信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、図柄確
定回数信号出力制御タイマの値が所定時間(例えば300ms)以上であることである。
図柄確定回数信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップX756;Y)
は、処理をステップX757に移行する。また、図柄確定回数信号出力制御タイマが出力
オン区間中でない場合(ステップX756;N)は、外部装置用の図柄確定回数信号をオ
フ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX7
48)、図柄確定回数信号編集処理を終了する。
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マ
イコン(CPU)311では、図193に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処
理を行う。
〔メイン処理〕
図193に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。この
プログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設
定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、
割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップ
C5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値
をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理として
ループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアす
る(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信
号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を
行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で
行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があっ
た時に、演出内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLED
や液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う
(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を
更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェッ
ク処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編
集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定
する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を
行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/3
0秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画
像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施
形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/6
0秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイ
ミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り
替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切
り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した
場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステ
ップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)に
は、画面描画を指示する(ステップC16)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する
制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18など
のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレ
ノイド、リール6の制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、報知部72や
ポイント報知部73、累積値報知部74などによる演出を制御する盤演出設定処理(ステ
ップC20)を行って、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図194には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受
信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンド
を受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし
(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202
)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、受
信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(
ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算
する(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204
)、コマンド読出インデックスを0~31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コ
マンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。
このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、
受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマン
ド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中
に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)
を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位
でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定し
た場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド
受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、
コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステッ
プC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分の
コマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信
数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、
ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと
判定した場合(ステップC210;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。こ
のように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信した
コマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存でき
る構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図195には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示し
た。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイト
をACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正
常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及び
ACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y
)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC2
34)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でない
と判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップ
C234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC2
34;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(
ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する
(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドであ
る。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235
;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理
を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定す
る(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファ
ーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作
(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MO
DEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大
当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合
(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定す
る(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の
停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマ
ンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(
ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系
コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄
コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立する
コマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄
停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどが
ある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC24
1;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処
理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判
定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると
判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC2
44)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した
場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否
かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲で
あると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステッ
プC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、
MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)
には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するため
に必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出
ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表
示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンにな
るか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始
動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演
出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド
)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知ら
せるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信さ
れる。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に
遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
〔変動系コマンド処理〕
図196には、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC
236)を示した。この変動系コマンド処理では、まず、特図種別が未確定であるかを判
定する(ステップC361)。特図種別とは、特図の種別が特図1か特図2かを示す情報
であり、上述の図柄系コマンド処理のステップC251で設定される情報である。
この特図種別が未確定である場合(ステップC361;Y)は、変動系コマンド処理を
終了する。また、特図種別が未確定でない場合(ステップC361;N)、すなわち特図
種別が設定されている場合は、変動コマンドと図柄コマンドの組み合わせをチェックし(
ステップC362)、変動コマンドと図柄種別が不整合であるかを判定する(ステップC
363)。
変動コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップC363;Y)は、変動系コマ
ンド処理を終了する。また、変動コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップC3
63;N)は、変動コマンドから変動パターン種別を判別する(ステップC364)。図
柄種別とは図柄のカテゴリを意味し、図柄種別には例えば、はずれ図柄、16R大当り図
柄、10R大当り図柄、小当り図柄などがある。変動コマンドと図柄種別が不整合である
場合とは、はずれの変動コマンド(変動パターンコマンド)を受信したのに、16R大当
り図柄の図柄コマンドを受信していた時のような、演出を行う上で矛盾してしまう組み合
わせ(変動コマンドと図柄種別の組み合わせ)であることを意味する。
変動コマンドから変動パターン種別を判別する処理(ステップC364)では、受信し
たコマンドに応じて、特図の変動表示演出の大まかな分類である変動パターン種別を判別
する。そして、変動コマンドに応じた演出を行うための情報を設定する変動演出設定処理
を行う(ステップC365)。
次に、P機状態(パチンコ機の状態)として特図変動中を設定する(ステップC366
)。ここで、特図変動中とは、特図の変動中(客待ちデモ中や大当り中、或いはファンフ
ァーレ中等でないこと)を表している。さらに、先読み演出回数(先読み実行回数)がゼ
ロでなければ先読み演出回数を-1更新(先読み演出回数を1だけ減らす処理)し(ステ
ップC367)、変動系コマンド処理を終了する。
〔変動演出設定処理〕
図197には、上述の変動系コマンド処理における変動演出設定処理(ステップC36
5)を示した。この変動演出設定処理では、まず、変動パターン種別がリーチなし変動で
あるかを判定する(ステップC381)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合
(ステップC381;Y)は、機種コード及び特図種別とその時点の演出モードに対応す
る前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC382)。なお、リー
チなし変動であるので図柄種別は必ずはずれ図柄であり、ここでは図柄種別を特に参照し
なくてもよい。なお演出モードは、演出制御装置300が管理する遊技モードに相当し、
機種によって当然異なるが、ここでは通常モード、確変モードなどがある。さらに、各モ
ード内に予告演出の振り分け率や表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出態
様を異ならせた複数のモードを設けている。
次に、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、特図種別の保留
数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(ステップC383)
。これによりリーチなし変動の場合には、各変動中に出現する予告演出の抽選内容(具体
的には各予告演出態様の出現率)を保留数に応じて変化させることが可能となる。その後
、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステ
ップC386)。
一方、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(ステップC381;N)は、機
種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレス
テーブルを設定する(ステップC384)。そして、前半予告振分グループアドレステー
ブルを参照して、MODE、変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブル
のアドレスを取得し(ステップC385)、前半予告振分グループテーブルを使って前半
変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC386)。
次に、後半変動の予告演出を抽選する。なお、特図変動表示ゲームの後半変動とはいわ
ゆるリーチアクション(例えば、特図の複数列の表示領域のうち特定領域を除く表示領域
が大当りとなる特別結果態様(特別な図柄の組合せ)で変動表示が停止していて、特定領
域のみで変動表示している状態)の変動表示である。一方、特図変動表示ゲームの前半変
動とはリーチアクション開始前までの変動表示である。
まず、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する後半予告振分グルー
プアドレステーブルを設定する(ステップC387)。後半予告振分グループアドレステ
ーブルは、後半予告振分グループテーブルのアドレスを選択するためのテーブルである。
そして、後半予告振分グループアドレステーブルを参照してACTに対応する後半予告振
分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC388)、後半予告振分グループテ
ーブルを使って後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(ステップC389
)。
その後、MODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定し(ステップC390)、
予告抽選結果に対応する演出の内容を決定する(ステップC391)。これにより、飾り
特図変動表示ゲームの変動時間や主なリーチ内容などの演出や予告が決定されることとな
る。さらに、決定された特図変動表示ゲームの変動パターン(リーチ演出など)や予告内
容、遊技状態も参照して停止図柄を決定する停止図柄設定処理を行う(ステップC392
)。
次に、変動演出の表示設定を行い(ステップC393)、予告演出の表示設定を行う(
ステップC394)。これらの処理により、上述したように設定された飾り特図変動表示
ゲームでの演出や予告が実行可能となる。その後、特図種別に対応する保留減少の表示設
定を行う(ステップC395)。この処理では特図変動表示ゲームを開始する際に対応す
る始動記憶の減少に対応して飾り特図始動記憶表示を減少させる設定を行う。
そして、BGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である
装飾番号を設定し(ステップC396)、特図種別に対応する飾り特図変動(識別情報の
変動表示)の表示設定を行う(ステップC397)。さらに、識別情報の変動表示とは別
に飾り特図変動表示ゲームを表示する第4図柄の変動表示を設定するために、特図種別に
対応する第4図柄変動の表示設定を行い(ステップC398)、変動演出設定処理を終了
する。
〔単発系コマンド処理〕
図198には、上述の受信コマンド解析処理における単発系コマンド処理を示した。こ
の単発系コマンド処理では、まず、MODEは遊技制御装置100に設定された機種に関
する情報を含む機種指定コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC261
)。そして、MODEは機種指定コマンドに対応するものであると判定した場合(ステッ
プC261;Y)は、内部情報をコマンドに対応する機種情報に書き換える機種設定処理
を行い(ステップC262)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC261で、MODEは機種指定コマンドに対応するものでないと判定
した場合(ステップC261;N)は、RAM111Cの初期化を行ったことを示すRA
M初期化コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC263)。そして、M
ODEはRAM初期化コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC263
;Y)には、RAM初期化処理を行い(ステップC264)、単発系コマンド処理を終了
する。RAM初期化処理(ステップC264)では、初期化の必要な領域を初期化し、R
AM初期化画面情報を設定する。さらに、RAM初期化が行われた際の演出を行うために
RAM初期化用シナリオデータを設定する。
また、ステップC263で、MODEはRAM初期化コマンドに対応するものでないと
判定した場合(ステップC263;N)は、MODEはRAM111Cの初期化を行わず
に停電から復旧したことを示す停電復旧コマンドに対応するものであるかを判定する(ス
テップC265)。そして、MODEは停電復旧コマンドに対応するものであると判定し
た場合(ステップC265;Y)には、停電復旧処理を行い(ステップC266)、単発
系コマンド処理を終了する。停電復旧処理(ステップC266)では、初期化の必要な領
域を初期化し、停電復旧画面を表示するための復旧画面情報を設定する。さらに、停電復
旧の際の演出を行うために停電復旧用シナリオデータを設定する。
また、ステップC265で、MODEは停電復旧コマンドに対応するものでないと判定
した場合(ステップC265;N)は、MODEは客待ちデモの開始を示す客待ちデモコ
マンドに対応するものであるかを判定する(ステップC267)。そして、MODEは客
待ちデモコマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC267;Y)には、
客待ちデモ処理を行い(ステップC268)、単発系コマンド処理を終了する。客待ちデ
モ処理(ステップC268)では、P機(パチンコ機)状態を客待ちデモ中に設定し、客
待ち演出を行うために客待ち用シナリオデータを設定する。
また、ステップC267で、MODEは客待ちデモコマンドに対応するものでないと判
定した場合(ステップC267;N)には、MODEは特図1保留であるかを判定する(
ステップC269)。そして、MODEは特図1保留である場合(ステップC269;Y
)には、発生した保留に対応する飾り特図始動記憶表示を表示装置41に表示する処理な
どを行う特図1保留情報設定処理を行い(ステップC270)、単発系コマンド処理を終
了する。また、ステップC269で、MODEは特図1保留に対応するものでないと判定
した場合(ステップC269;N)には、MODEは特図2保留であるかを判定する(ス
テップC271)。そして、MODEは特図2保留である場合(ステップC271;Y)
には、発生した保留に対応する処理などを行う特図2保留情報設定処理を行い(ステップ
C272)、単発系コマンド処理を終了する。すなわち、演出制御装置300が、個々の
始動記憶に対応した始動記憶表示(飾り特図始動記憶表示)により始動記憶に関する情報
を表示する始動記憶報知表示を行う始動記憶表示手段をなす。
また、ステップC271で、MODEは特図2保留でない場合(ステップC271;N
)には、MODEは確率情報であるかを判定する(ステップC273)。そして、MOD
Eは確率情報である場合(ステップC273;Y)には、現在の確率状態に関する設定を
行う確率情報設定処理を行い(ステップC274)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC273で、MODEは確率情報でない場合(ステップC273;N)
には、MODEはエラー/不正であるかを判定する(ステップC275)。そして、MO
DEはエラー/不正である場合(ステップC275;Y)には、エラー報知を行うなどの
対応する処理を行うエラー/不正設定処理を行い(ステップC276)、単発系コマンド
処理を終了する。エラー/不正設定処理(ステップC276)では、エラーや不正に関す
るコマンドを受信した際の報知の処理や、右打ち指示報知コマンド又は左打ち指示報知コ
マンドを受信した際の警告表示の処理等が行われる。
また、ステップC275で、MODEはエラー/不正でない場合(ステップC275;
N)には、MODEは演出モード切替であるかを判定する(ステップC277)。そして
、MODEは演出モード切替である場合(ステップC277;Y)には、演出モードを切
り替える処理を行う演出モード切替処理を行い(ステップC278)、単発系コマンド処
理を終了する。
また、ステップC277で、MODEは演出モード切替でない場合(ステップC277
;N)には、MODEは図柄停止であるかを判定する(ステップC279)。そして、M
ODEは図柄停止でない場合(ステップC279;N)は、単発系コマンド処理を終了す
る。また、MODEは図柄停止である場合(ステップC279;Y)には、正常なコマン
ドであるかを判定する(ステップC280)。正常なコマンドであるかの判定では、例え
ば飾り特図停止コマンドの対象が現在変動中の特図を対象としたものであるかを判定する
そして、正常なコマンドでない場合(ステップC280;N)は、単発系コマンド処理
を終了する。また、正常なコマンドである場合(ステップC280;Y)は、対応する特
図の停止設定を行い(ステップC281)、全図柄が停止したなら遊技状態フラグを通常
状態に設定して(ステップC282)、単発系コマンド処理を終了する。これにより、対
応する飾り特図変動表示ゲームの変動表示が停止する。遊技状態フラグは現在の遊技状態
を示すフラグであり、通常状態の他、変動中、大当り中、小当り中などの状態を示すフラ
グがあり、状況に応じて適切なフラグが設定される。
〔大当り系コマンド処理〕
図199には、上述の受信コマンド解析処理における大当り系コマンド処理(ステップ
C238)を示した。この大当り系コマンド処理では、まず、MODEはファンファーレ
であるかを判定する(ステップC401)。すなわち、受信したコマンドが図柄情報(停
止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドや小当りファンフ
ァーレコマンドであるかを判定する。そして、MODEはファンファーレである場合(ス
テップC401;Y)は、大当り種類や小当りに応じたファンファーレ表示画像の設定な
どを行うファンファーレ演出設定処理を行い(ステップC402)、P機状態をファンフ
ァーレ中に設定して(ステップC403)、大当り系コマンド処理を終了する。
MODEはファンファーレでない場合(ステップC401;N)は、MODEはラウン
ドであるかを判定する(ステップC404)。すなわち、受信したコマンドが特別遊技状
態のラウンド数に対応するラウンドコマンドであるかを判定する。そして、MODEはラ
ウンドである場合(ステップC404;Y)は、ラウンド数表示情報の更新などを行うラ
ウンド演出設定処理を行い(ステップC405)、P機状態をラウンド中に設定し(ステ
ップC406)、大当り系コマンド処理を終了する。
MODEはラウンドでない場合(ステップC404;N)は、MODEはインターバル
であるかを判定する(ステップC407)。すなわち、受信したコマンドがラウンド間の
インターバルに関するインターバルコマンドであるかを判定する。そして、MODEはイ
ンターバルである場合(ステップC407;Y)は、インターバル中の演出の設定を行う
インターバル演出設定処理を行い(ステップC408)、P機状態をインターバル中に設
定し(ステップC409)、大当り系コマンド処理を終了する。また、MODEはインタ
ーバルでない場合(ステップC407;N)は、MODEはエンディングであるかを判定
する(ステップC410)。すなわち、受信したコマンドが最終ラウンド終了後のエンデ
ィングに関するエンディングコマンドや、小当り終了時の小当り終了画面コマンドである
かを判定する。
MODEはエンディングである場合(ステップC410;Y)は、大当りや小当り終了
時のエンディング演出の設定などを行うエンディング演出設定処理を行い(ステップC4
11)、P機状態をエンディング中に設定し(ステップC412)、大当り系コマンド処
理を終了する。また、MODEはエンディングでない場合(ステップC410;N)は、
MODEはカウントであるかを判定する(ステップC413)。すなわち、受信したコマ
ンドが特別変動入賞装置への入賞に基づく大入賞口カウントコマンドであるかを判定する
MODEはカウントでない場合(ステップC413;N)は、大当り系コマンド処理を
終了する。MODEはカウントである場合(ステップC413;Y)は、特別変動入賞装
置38への入賞に対応した演出を設定するカウント演出設定処理(ステップC414)を
行い、大当り系コマンド処理を終了する。
次に、遊技の演出について説明する。図200にはリール6a,6b,6cの図柄配列
を示した。各リールには、1~9の数字の識別情報と桃の図柄の識別情報が配されている
。星で示す図柄はブランク図柄であり、結果態様を構成する図柄ではない。図201には
変動表示装置4で実行される飾り特図変動表示ゲームの特別結果である飾り特別結果を示
した。特図変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合には、当該特別結果に対応した飾
り特別結果がいずれかの有効ライン上に並ぶようになっている。結果がはずれの場合はい
ずれの有効ライン上にも飾り特別結果が揃わないような表示となる。
飾り特別結果は、特図種類(特図1又は特図2)により特別結果との対応付けが異なる
ようにされている。図201(a)、(b)に示すように16R大当りについては特図種
類にかかわらず奇数の同じ数字が3つ並ぶ飾り特別結果と桃の図柄が3つ並ぶ飾り特別結
果が対応し、10R大当りについても特図種類にかかわらず偶数の同じ数字が3つ並ぶ飾
り特別結果が対応する。また、小当り1~4については、特図1では「123」の数字が
並ぶ飾り特別結果が対応し、特図2では桃の図柄が3つ並ぶ飾り特別結果が対応する。
変動表示装置4で表示する飾り特図変動表示ゲームは、特定遊技状態(高確率状態)で
あるか否かにより対象とする特図種類が異なっており、遊技状態に応じたメイン変動に対
応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、特定遊技状態でない場合は特図1
変動表示ゲームに対応した飾り特図1変動表示ゲームを表示し、特定遊技状態である場合
は特図2変動表示ゲームに対応した飾り特図2変動表示ゲームを表示する。これにより、
小当りについては、特定遊技状態であるか否かにより変動表示装置4における結果態様の
表示が異なるようになる。
また、特定遊技状態での飾り特図変動表示ゲームでは、特別結果により変動態様が選択
されるようになっており、飾り特別結果が導出されるまでの変動態様により特別結果を判
別可能としている。図197に示した変動演出設定処理では、特定遊技状態であるか否か
により用いる飾り特別結果を選択し、特定遊技状態である場合における変動パターンの選
択について特別結果に応じた変動態様を選択するようにしている。
なお、特図種類により特別結果と飾り特別結果の対応付けが異なるようにしたが、これ
に限られるものではない。例えば、特定遊技状態であるか否かにより特別結果と飾り特別
結果の対応付けが異なるようにしても良い。また、本実施形態の遊技機では使用していな
いが、確率状態を明確に報知しないいわゆる潜伏状態であるかや、遊技球が入賞不能な閉
状態と遊技球の入賞が容易な開状態とに変換可能な普通変動入賞装置を始動入賞口に設け
た場合に、当該普通変動入賞装置が開状態となる割合が高く入賞が容易な状態であるか否
かなどに基づき、特別結果と飾り特別結果の対応付けが異なるようにしても良い。また、
演出制御装置300が管理する演出モードに基づき、特別結果と飾り特別結果の対応付け
が異なるようにしても良いし、特別遊技状態の終了後の所定期間(所定ゲーム数、所定時
間)のような遊技における任意の期間や、RTC338の時刻情報に基づく任意の期間で
は特別結果と飾り特別結果の対応付けが異なるようにしても良い。
図202には特定遊技状態でない場合である低確率状態での変動表示装置4と表示装置
41での演出の一例を示した。これらの制御は、遊技制御装置100から受信した制御情
報に基づき演出制御装置300が制御するようになっており、主に図197に示した変動
演出設定処理において設定される。
低確率状態では、変動表示装置4においてメイン変動である特図1変動表示ゲームに対
応する飾り特図1変動表示ゲームを表示するようになっている。また、表示装置41にお
ける表示領域の左下部には特図1変動表示ゲームに対応した飾り特図1変動表示ゲームを
表示する飾り特図1変動表示ゲーム表示部81が設けられる。ここでは、左、中、右の変
動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図1変動表示
ゲームを表示する。また、表示領域の右下部には特図2変動表示ゲームに対応した飾り特
図2変動表示ゲームを表示する飾り特図2変動表示ゲーム表示部82が設けられる。ここ
では、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示すること
で飾り特図2変動表示ゲームを表示する。
表示領域の中央には、第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する記憶表
示部83が設けられる。ここに表示される飾り特図始動記憶表示は、第1始動記憶と一対
一に対応し、記憶順に並んで表示されるものであり、図202(a)では3つの第1始動
記憶があることを示している。左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された第1始動
記憶に対応する飾り特図始動記憶表示であり、消化される毎に左へ移行するようになって
いる。また、それぞれの始動記憶に対応する特図1変動表示ゲームの結果や変動パターン
等の先読み結果をその表示態様により示唆することが可能である。
表示領域の中央であって記憶表示部83の左方には、現在実行中の特図1変動表示ゲー
ムに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部84が設けられる。この
実行中記憶表示部84には、特図1変動表示ゲームの開始時に記憶表示部83の左端にあ
る飾り特図始動記憶表示が移行し、実行される特図1変動表示ゲームの結果や変動パター
ン等をその表示態様により示唆するようになっている。
図202(a)に示す状態から第1始動記憶が消化されて減少すると、図202(b)
に示すように記憶表示部83の左端にある飾り特図始動記憶表示が実行中記憶表示部84
へ流入する表示が行われる。ここでは、実行中記憶表示部84においても先読み演出と同
様の態様で特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等が示唆されている。
そして、変動表示装置4では第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームに対応する飾
り特図1変動表示ゲームが開始され、各リール6の変動表示が開始される。また、飾り特
図1変動表示ゲーム表示部81でも飾り特図1変動表示ゲームが開始され、左、中、右の
変動表示領域の各々で識別情報の変動表示が開始される。
その後、まず、図202(c)に示すように変動表示装置4の左リール6aが停止し、
次に図202(d)に示すように変動表示装置4の右リール6cが停止する。ここでは右
上がりライン及び右下がりラインのそれぞれで同じ識別情報が停止してリーチ状態となっ
ており、リーチ演出が開始される。もちろん有効ライン上に異なる識別情報が停止してリ
ーチ状態とならない場合もある。このようにリーチ状態で右リール6cが仮停止するまで
が前半変動であり、以降が後半変動となる。
そして、変動時間の終了とともに図202(e)に示すように変動表示装置4の中リー
ル6bが停止して全てのリール6が停止した状態となり結果が表示される。ここでは飾り
特別結果が何れの有効ライン上にも揃わず結果がはずれであることを示している。また、
飾り特図1変動表示ゲーム表示部81でも左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変
動表示が終了して結果が停止表示される。こちらも同じくはずれの結果が表示されている
。その後、停止時間の終了に伴い特図変動表示ゲーム及び飾り特図変動表示ゲームが終了
する。これに伴い図202(f)に示すように実行中記憶表示部84の表示が消去され、
次の特図変動表示ゲームを開始可能な状態となる。
なお、図202(f)の状態で始動記憶がなければ客待ち状態となる。また、図202
(f)の状態で結果が第1特別結果(大当り)であれば第1特別遊技状態となり、ゲート
34へ遊技球を通過させることで第1特別遊技状態のラウンド遊技が開始されることとな
る。また、図202(f)の状態で結果が第2特別結果(小当り)であれば、変動表示装
置4の有効ライン上に「123」の飾り特別結果が停止表示されて第2特別遊技状態が開
始されることとなる。
図203には特定遊技状態(高確率状態)での変動表示装置4と表示装置41での演出
の一例を示した。高確率状態では、変動表示装置4においてメイン変動である特図2変動
表示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームを表示するようになっている。また、表
示装置41における表示領域の左下部には飾り特図1変動表示ゲームを表示する飾り特図
1変動表示ゲーム表示部81が設けられ、表示領域の右下部には飾り特図2変動表示ゲー
ムを表示する飾り特図2変動表示ゲーム表示部82が設けられる。表示領域の右上部には
、第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する記憶表示部83が設けられる
。ここに表示される飾り特図始動記憶表示は、第1始動記憶の数を数字により表示するも
のである。
表示領域の中央下部には、現在実行中の特図2変動表示ゲームに対応する始動記憶に関
する情報を表示する実行中記憶表示部84が設けられる。この実行中記憶表示部84でも
実行される特図2変動表示ゲームの結果や変動パターン等をその表示態様により示唆する
ようになっている。さらに、表示領域の中央上部には、所定期間において獲得した賞球数
を表示する獲得数表示部85が設けられる。ここでは、遊技者が多数の賞球を獲得可能な
有利期間において特別遊技状態の終了から次の特別遊技状態の開始までに発生した小当り
において特別変動入賞装置へ入賞することにより獲得した賞球数の累計値が表示される。
図203(a)に示す状態は、小当りに基づく特別遊技状態が終了した状態である。こ
の状態では当該特別遊技状態を発生させた小当りの結果に対応して変動表示装置4では桃
の図柄が中段ラインに揃った飾り特別結果が結果態様として停止表示された状態となって
おり、飾り特図2変動表示ゲーム表示部82でも特別遊技状態を発生させた小当りの結果
に対応して「123」の結果態様が停止表示された状態となっている。
この状態から第2始動入賞口37に遊技球が入賞すると特図2変動表示ゲームが開始さ
れ、これに伴い飾り特図2変動表示ゲームが開始される。特図2変動表示ゲームの結果が
はずれ又は小当りである場合は、図203(b)に示すように各リール6が上下に揺れる
ように動作する変動表示が開始される。この際、各リール6の桃の図柄が表示領域である
図柄表示窓5の範囲から外れないように各リール6が上下に動作するようになっている。
この飾り特図変動表示ゲームの実行態様が第1実行態様をなす。
そして、変動時間が終了すると結果態様が停止表示される。結果が小当りの場合は、図
203(d)に示すように変動表示装置4では有効ライン上に桃の図柄が並ぶ飾り特別結
果が結果態様として停止表示される。特定遊技状態で変動表示装置4における飾り特図変
動表示ゲームは、メイン変動となる特図2変動表示ゲームに対応した飾り特図2変動表示
ゲームであり、小当りに対応する飾り特別結果は桃の図柄が揃う結果態様である。すなわ
ち結果が小当りの場合は、第1実行態様で変動表示が行われた後にこの飾り特別結果が停
止表示されることで小当りであることを認識可能となる。また、飾り特図2変動表示ゲー
ム表示部82では小当りのみに対応した結果態様である「123」の結果態様が停止表示
される。
結果がはずれの場合は、図203(e)に示すように変動表示装置4では有効ライン上
に桃の図柄が並ばないはずれの結果態様が停止表示される。このはずれの結果態様を表示
する際にも、変動表示装置4における飾り特図2変動表示ゲームでの小当りの飾り特別結
果を構成する各リール6の桃の図柄が表示領域である図柄表示窓5の範囲から外れない結
果態様を停止表示するようになっている。なお、はずれの結果態様としては、桃の図柄が
有効ライン上に並ばない結果態様であればよく、図203(e)に示したものに限られな
い。また、飾り特図2変動表示ゲーム表示部82でもはずれの結果態様が停止表示される
一方、図203(a)の状態から開始された特図2変動表示ゲームの結果がはずれ又は
大当りである場合は、図203(c)に示すように各リール6が一方向に回転する変動表
示が開始される。この際、変動表示装置4における飾り特図2変動表示ゲームでの小当り
の飾り特別結果を構成する桃の図柄は表示領域である図柄表示窓5の範囲から外れる。こ
の飾り特図変動表示ゲームの実行態様が第2実行態様をなす。
そして、変動時間が終了すると結果態様が停止表示される。結果がはずれの場合は図2
03(e)に示したように変動表示装置4では、変動表示装置4における飾り特図2変動
表示ゲームでの小当りの飾り特別結果を構成する各リール6の桃の図柄が表示領域である
図柄表示窓5の範囲から外れない位置で有効ライン上に並ばないはずれの結果態様が停止
表示される。
また、結果が大当りの場合は、図203(f)に示すように変動表示装置4では有効ラ
イン上に特別結果に対応した図柄が並ぶ結果態様が停止表示される。すなわち結果が大当
りの場合は、第2実行態様で変動表示が行われた後に特別結果に対応した飾り特別結果が
停止表示されることで大当りであることを認識可能となる。ここでは16R大当りであり
「777」の飾り特別結果が停止表示されているが、16R大当りには小当りと同じ桃の
図柄が揃う飾り特別結果も対応付けられており、この桃の図柄が揃う飾り特別結果が停止
表示される場合もある。また、飾り特図2変動表示ゲーム表示部82では大当りのみに対
応する結果態様の一つである「777」の結果態様が停止表示される。
このように大当りと小当りとで変動態様を異ならせることで、遊技者が特別結果の種類
を把握しやすくなる。特に、特定遊技状態では、変動時間が短くなり特図変動表示ゲーム
が高い頻度で実行され、さらに小当りが頻発するとともに大当りの発生間隔も短いことか
ら特別結果の発生頻度が高い状態となっている。このような遊技状態において遊技者は、
変動表示の時点から導出される特別結果の種類を把握できて飾り特図変動表示ゲーム以外
の特別変動入賞装置の開放などにも意識を向ける余裕が生まれることから、遊技者にとっ
て有利な特定遊技状態の興趣を効果的に高めることができる。また、大当りと小当りで同
じ飾り特別結果(ここでは桃の図柄が揃う飾り特別結果)が停止表示されることもあるが
、変動態様により大当りと小当りのいずれであるかを判別可能となる。
なお、変動表示の実行態様として、第1実行態様と第2実行態様を示したが、これ以外
の実行態様を設け、特別結果に割り当てるようにしても良い。例えば、一の特別結果に対
して複数の実行態様を割り当てるようにしても良い。また、16R大当りと10R大当り
の場合で実行態様が異なるようにしても良い。また、大当りと小当りで共通に選択可能な
実行態様を設けて、いずれの当りであるかを判別しにくくしても良い。また、特定遊技状
態だけではなく、他の遊技状態においても特定の実行態様を特定の特別結果に割り当てる
ようにしても良い。
また、飾り特図1変動表示ゲーム表示部81や飾り特図2変動表示ゲーム表示部82で
の飾り特別結果については、遊技状態にかかわらず図201(a)に示した飾り特別結果
を用いることで、特定遊技状態であっても特別結果の種類を判別可能としているが、変動
表示装置4と同様に図201(b)の飾り特別結果を用いるようにしても良い。
また、第1実行態様と第2実行態様を、変動表示装置4における飾り特図2変動表示ゲ
ームでの小当りの飾り特別結果を構成する桃の図柄が図柄表示窓5の範囲から外れるか否
かが異なるとしたが、これ以外の相違点も実行態様の違いとなっている。例えば、第1実
行態様はリール6が順方向と逆方向に動作するのに対して第2実行態様はリール6が順方
向のみに動作する。また、第1実行態様はリール6が1周することなく動作するのに対し
て第2実行態様はリール6が1周する。
この他に、第1実行態様と第2実行態様とでリール6の動作態様を異ならせるようにし
ても良い。例えば第1実行態様と第2実行態様のいずれもリール6を揺れるように動作す
ることを可能とし、第1実行態様では全てのリール6が揺れるように動作するのに対して
第2実行態様では一部のリール6のみが揺れるように動作し他のリール6は回転するよう
にしても良い。また、第1実行態様と第2実行態様とで各リール6の動作方向が異なるよ
うにしても良く、第1実行態様では全てのリール6が逆方向に動作するのに対して第2実
行態様では全てのリール6が順方向に動作するようにしても良い。また、一部のリール6
が逆方向に回転するようにして第1実行態様と第2実行態様とで、逆方向に動作するリー
ル6の数が異なるようにしても良い。また、第1実行態様と第2実行態様でリール6のバ
ックライトの発光態様が異なるようにしても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結
果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機10において、遊技の
演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、ゲームに
対応して複数の識別情報を変動表示した後に結果を停止表示する飾りゲームを実行し、ゲ
ームの結果が特別結果となる場合には、飾りゲームにおいて飾り特別結果を停止表示する
ように構成され、一の飾り特別結果が複数の特別結果と対応するようにしたこととなる。
したがって、異なる特別結果でも同じ飾り特別結果を表示可能となり遊技の興趣を向上す
ることができる。
また、演出制御手段は、複数の特別結果と対応する飾り特別結果を停止表示可能な飾り
ゲームを実行する場合には、当該飾りゲームの実行態様として特別結果の種類に応じて選
択される特定実行態様を設定可能であるようにしたこととなる。したがって、実行態様か
ら特別結果の種類を把握可能となるという興趣が生まれ、遊技の興趣を向上することがで
きる。
また、演出制御手段は、特定実行態様として、複数の特別結果と対応する飾り特別結果
を構成する識別情報の全部が表示領域に存在する状態で変動表示を行って当該飾り特別結
果を停止表示する第1実行態様と、複数の特別結果と対応する飾り特別結果を構成する識
別情報の一部又は全部が表示領域外に移動する変動表示を行って当該飾り特別結果を停止
表示する第2実行態様と、のいずれかを特定特別結果の種類に応じて選択するようにした
こととなる。したがって、第1実行態様と第2実行態様の判別が容易となり、遊技の興趣
を向上することができる。
また、飾りゲームを表示する変動表示装置4を備え、演出制御手段は、遊技状態に応じ
て変動表示装置4に表示する飾りゲームを異ならせることが可能であり、所定の遊技状態
では、一の飾り特別結果が複数の特別結果と対応する飾りゲームを表示し、所定の遊技状
態以外では、一の飾り特別結果が一の特別結果と対応する飾りゲームを表示するようにし
たこととなる。したがって、所定の遊技状態では特別結果の把握が容易となり、遊技の興
趣を向上することができる。
次に、イレギュラー変動において大当りが発生する場合の飾り特図変動表示ゲームの実
行態様について説明する。本実施形態の遊技機では、特定遊技状態でない場合である低確
率状態では、特図1変動表示ゲームをメイン変動とし、特図2変動表示ゲームをイレギュ
ラー変動とするように設計されている。イレギュラー変動となる特図2変動表示ゲームの
変動時間は非常に長い時間となっているが、低確率状態では特図1変動表示ゲームで特別
結果が導出される可能性が低く、小当りの確率も低いため、特図2変動表示ゲームで特別
結果が導出される可能性がある。この場合には遊技制御装置100からその旨の情報であ
る特図1の変動時間の方が長いことを通知するコマンドが送信されるようになっており、
演出制御装置300ではこの情報に基づき変動表示装置4で実行する飾り特図1変動表示
ゲームについて特定の実行態様を設定するようにしている。
図204には、特定の実行態様の一例を示した。図204(a)に示す状態は、低確率
状態において大当りとなる特図2変動表示ゲームが実行されている状態で新たな特図1変
動表示ゲームを開始する状態である。新たな特図1変動表示ゲームの変動時間は、特図2
変動表示ゲームの残り変動時間より短く、遊技制御装置100からその旨の情報が送信さ
れている。これに伴い、演出制御装置300では、図197に示した変動演出設定処理に
おいて新たな特図1変動表示ゲームについて特定の実行態様を設定する。
図204(b)に示すように特定の実行態様では、各リール6のバックライトが消灯さ
れ、各リール6が上下に揺動するような変動表示が行われる。また、表示装置41では特
定の実行態様であることを示す「ドキドキモード!」の表示が行われる。また、飾り特図
1変動表示ゲーム表示部81では変動表示が開始される。
そして、特図2変動表示ゲームの変動時間が終了すると飾り特図2変動表示ゲーム表示
部82の変動表示が終了して大当りの結果態様が停止表示される。また、これに伴い特図
1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で終了され、飾り特図1変動表示ゲーム表示部8
1の変動表示が終了してはずれの結果態様が停止表示される。また、変動表示装置4には
、はずれの結果態様が停止表示される。
結果を表示する停止時間が終了すると、特別遊技状態が開始されてファンファーレ期間
となる。このファンファーレ期間の開始に伴い、表示装置41には、右打ちを促す表示が
行われる。また、このファンファーレ期間の開始に伴い、変動表示装置4では図204(
d)に示すように各リール6を回転させる変動表示が行われ、ファンファーレ期間中に図
204(e)に示すように飾り特別結果が停止表示される。その後、ゲート34を遊技球
が通過していることを条件にラウンドが開始されて特別変動入賞装置が開放されることと
なる。
このような特定の実行態様とすることで、違和感なくイレギュラー変動の特別結果を導
出して特別遊技状態を実行することが可能となる。また、変動表示装置4において特図1
変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの両方の結果を順次表示可能となるので、遊技者
がそれぞれの結果を確認可能となる。特に、表示の自由度が低いリールを使用した遊技機
において適切な遊技進行を行うことができる。
また、イレギュラー変動となる特図2変動表示ゲームの結果の表示は特別遊技状態中に
行われ、特図変動表示ゲームの停止時間においては、メイン変動とイレギュラー変動のい
ずれが特別結果となっても、また両方ともはずれであっても常にメイン変動の結果が表示
されることとなる。
なお、特定遊技状態である高確率状態では、特図2変動表示ゲームをメイン変動とし、
特図1変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。メイン変動であ
る特図2変動表示ゲームの変動時間は短く、高い頻度で特別結果が導出されることから、
特図1変動表示ゲームで特別結果が導出される可能性は低く、特定の実行態様は設定しな
いようになっている。もちろん、特図1変動表示ゲームの特別結果が導出される際に同様
の特定の実行態様を設定するようにしても良い。
また、特図2変動表示ゲームが小当りとなることにより特図1変動表示ゲームが強制的
にはずれ結果で終了した場合は、特図2変動表示ゲームの終了に伴い変動表示装置4の変
動表示を飾り特別結果以外の結果態様で停止表示し、そのままの状態で小当りに基づく特
別遊技状態を行う。この場合、リール6の停止位置は停止コマンドを受信した際の位置と
し、図柄が有効ライン上にない状態でも停止させるようにする。
また、特図1変動表示ゲームの変動時間よりも特図2変動表示ゲームの残り変動時間が
短い場合に特定の実行態様を設定するとしたが、特図2変動表示ゲームの残り変動時間が
、特図1変動表示ゲームがはずれとなる場合に設定される最長の変動時間よりも短い場合
に特定の実行態様を開始するようにしても良い。このようにすれば、特定の実行態様を実
行する期間を一定の期間とすることができる。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結
果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機10において、始動入
賞口をなす第1始動入賞口36と、始動入賞口をなす第2始動入賞口37と、第1始動入
賞口への遊技球の入賞に基づき第1変動表示ゲームを実行する第1変動表示ゲーム実行制
御手段(遊技制御装置100)と、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づき第2変動表
示ゲームを実行する第2変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、遊技の
演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、ゲー
ムに対応して複数の識別情報を変動表示した後に結果を停止表示する飾りゲームを実行し
、ゲームの結果が特別結果となる場合には、飾りゲームにおいて飾り特別結果を停止表示
するように構成され、第1変動表示ゲーム実行制御手段及び第2変動表示ゲーム実行制御
手段は、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームを同時に実行可能であり、一方の変動
表示ゲームを実行している際に他方の変動表示ゲームが特別結果となった場合には、一方
の変動表示ゲームをはずれ結果で強制的に終了する強制停止処理を行うように構成され、
演出制御手段は、強制停止処理が行われるゲームに対応する飾りゲームの実行態様として
特定実行態様を設定するようにしたこととなる。したがって、特定実行態様となることに
より強制停止が発生する可能性があることを遊技者が認識可能となる。
また、演出制御手段は、遊技状態に応じて第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームの
うち予め定められた一方のゲームに対応した飾りゲームを変動表示装置で表示するように
構成され、飾りゲームとして表示する対象のゲームが強制停止処理によってはずれ結果で
強制的に停止された場合には、変動表示装置にはずれ結果を表示し、その後の特別遊技状
態において変動表示装置を動作して他方のゲームの結果に対応した飾り特別結果を表示す
るようにしたこととなる。したがって、両方のゲームの結果を遊技者に示すことが可能と
なる。
次に、小当り発生時の演出について説明する。図205には特定遊技状態ではない低確
率状態で小当りが発生した場合を示した。図205(a)に示すように小当りとなる特図
1変動表示ゲームが実行されている状態から変動時間が終了すると、図205(b)に示
すように結果が停止表示される。ここでは、変動表示装置4で右上がりラインに小当りに
対応した飾り特別結果である「123」が停止表示されている。また、飾り特図1変動表
示ゲーム表示部81にも小当りに対応した飾り特別結果である「123」が停止表示され
る。
その後、小当りに基づく特別遊技状態が開始されるが、図205(c)に示すように実
行中記憶表示部84の表示が消去される他は図205(b)に示した停止時間での表示の
ままとされる。そして、特別遊技状態が終了すると図205(d)に示すように次の特図
1変動表示ゲームが開始される。このように低確率状態では小当りに基づく特別遊技状態
で特別の演出を行わないことから、図109に示したように小当りファンファーレ期間や
小当りエンディング期間は必要最低限の時間とされ、スムーズな遊技の進行を可能として
いる。
図206には、特定遊技状態である高確率状態で小当りが発生した場合を示した。図2
06(a)に示すように小当りとなる飾り特図2変動表示ゲームは、桃の図柄が表示領域
である図柄表示窓5の範囲から外れないように各リール6が上下に揺れるように動作する
変動表示が行われる。その後、変動時間が終了すると、図206(b)に示すように変動
表示装置4では有効ライン上に桃の図柄が並ぶ飾り特別結果が結果態様として停止表示さ
れる。また、飾り特図2変動表示ゲーム表示部82では小当りに対応した結果態様である
「123」の結果態様が停止表示される。
小当りに基づく特別遊技状態では、まず小当りファンファーレ期間において図206(
c)に示すように実行中記憶表示部84に代えて特別変動入賞装置への入賞を促す促進表
示86が行われる。そして、小当りファンファーレ期間が終了して特別変動入賞装置が開
放され、遊技球が特別変動入賞装置に入賞すると、図206(d)、(e)に示すように
獲得した賞球数を示す獲得数表示部87の値が入賞毎に更新される。この際、獲得数表示
部85においては数値の更新は行われない。
その後、特別変動入賞装置の開放が終了して小当りエンディング期間となると、図20
6(f)に示すように特別遊技状態で獲得した賞球数の結果を示す結果表示88が表示さ
れるとともに、獲得数表示部85に特別遊技状態で獲得した賞球数の値が加算される。小
当りエンディング期間が終了して特別遊技状態が終了すると実行中記憶表示部84の表示
が再開され、次の特図変動表示ゲームを実行可能な状態となる。
このように高確率状態では小当りに基づく特別遊技状態で特別の演出が行われることか
ら、図109に示したように小当りファンファーレ期間や小当りエンディング期間は演出
を実行するのに十分な時間とされ、賞球数の情報の報知などを効果的に行うことができ、
多くの賞球を獲得可能な特定遊技状態の遊技の興趣を高めることができる。
次に、特定期間における特別結果の導出回数を報知する機能と、特別遊技状態の終了か
ら次の特別結果の導出までの賞球数に関する情報を報知する機能と、を有する報知部72
における報知態様について説明する。
本実施形態の遊技機では、低確率状態での大当り(第1特別結果)の導出を初回とし、
大当りの導出回数が5回となるまでの期間において、特別遊技状態の終了後に特定遊技状
態である高確率状態とするように構成されている。高確率状態では、次回の大当りの導出
が容易になる他、特図2変動表示ゲームを主体として遊技が進行するため小当りの発生頻
度が高くなる。この低確率状態での大当りの導出から、所定回数目の大当りの導出に基づ
く特別遊技状態が終了するまでの期間では、大当りに基づく特別遊技状態と高確率状態が
交互に発生して遊技者が多数の賞球を容易に獲得可能であり、遊技者にとって有利な期間
であることからこの期間を有利期間としている。
図2に示すようにセンターケース40の右部には、複数の色で発光可能なLEDを備え
る報知部72として、第1報知部72a、第2報知部72b、第3報知部72c、第4報
知部72dが備えられている。第1報知部72aには「1」の数字が付され、第2報知部
72bには「2」の数字が付され、第3報知部72cには「3」の数字が付され、第4報
知部72dには「4」の数字が付されている。この数字は、有利期間の開始の契機となる
低確率状態で導出された大当りを除いて有利期間において発生した大当りの回数を示すも
のである。すなわち、高確率状態で発生した大当りの回数を示すものである。さらに報知
部72ではLEDの点灯態様により有利期間において発生した大当りの回数を示すように
なっている。
なお、有利期間における大当りの導出回数は報知部の数字に1を加算することで把握可
能であり、報知部は有利期間における大当りの導出回数を報知しているとも言える。また
、有利期間における大当りの残り導出回数は、報知部の数字から4を減算することで把握
可能であり、報知部は有利期間における大当りの残り導出回数を報知しているとも言える
。もちろん、大当りの導出回数又は残り導出回数に対応するように報知部に数字を付して
も良い。
図207には報知部72での報知態様の一例を示した。低確率状態で遊技を行っている
状態では報知部72をなす第1報知部72a、第2報知部72b、第3報知部72c、第
4報知部72dは消灯された状態となっている。そして、低確率状態で大当りの特別結果
(第1特別結果)が導出されて特別遊技状態が開始されると(t31)、第1報知部72
a、第2報知部72b、第3報知部72c、第4報知部72dが点滅を開始する。点滅状
態は報知部72に対応する大当りが未だ発生していないことを示すものであり、4つの報
知部72が点滅している状態は高確率状態での大当りの導出回数が0回であり、残り4回
の大当りを導出可能であることを示している。
低確率状態で発生した大当りに基づく特別遊技状態が終了すると(t32)、高確率状
態となる。この高確率状態では特図2変動表示ゲームをメイン変動として遊技が進行し小
当りが頻発するため、遊技者が多数の賞球を獲得可能である。この高確率状態の開始から
次の大当りの発生までの期間(t32~t33)を第1計数期間として、この第1計数期
間に獲得した賞球数を計数するようになっている。また、計数した結果は表示装置41の
獲得数表示部85に表示される。
そして、次の大当りである高確率状態での1回目の大当りが発生すると(t33)、第
1報知部72aは点灯状態となり、第2報知部72b、第3報知部72c、第4報知部7
2dは点滅状態のままとなる。これにより、高確率状態での大当りの導出回数が1回であ
ることが示される。また、第1報知部72aでは当該大当りの発生により終了した第1計
数期間(t32~t33)における計数結果に対応した発光色で点灯した状態となる。す
なわち、第1報知部72aでは、高確率状態での大当りの導出回数の報知と第1計数期間
での計数結果とを同時に報知した状態となる。
計数結果を報知する発光色としては、計数結果が少ないものから順に白、青、黄、紫、
赤の5色が用意されている。なお、各色を順次変化させる虹色の発光については、表示装
置41における特図変動表示ゲームについての演出において特別結果の導出を確定的に報
知する場合に用いられるものであり、報知部72で用いると特別結果の導出を予告してい
るかのように誤認するおそれがあることから、計数結果を報知する発光色としては用いな
いようにしている。
高確率状態での1回目の大当りに基づく特別遊技状態が終了すると(t34)、高確率
状態となる。そして、この高確率状態の開始から次の大当りの発生までの期間(t34~
t35)を第2計数期間として、この第2計数期間に獲得した賞球数が計数される。また
、獲得数表示部85の表示は第2計数期間の開始に伴い0とされ、第2計数期間での計数
結果が表示される。
次の大当りである高確率状態での2回目の大当りが発生すると(t35)、第1報知部
72a、第2報知部72bは点灯状態となり、第3報知部72c、第4報知部72dは点
滅状態のままとなる。これにより、高確率状態での大当りの導出回数が2回であることが
示される。また、第2報知部72bでは当該大当りの発生により終了した第2計数期間(
t34~t35)における計数結果に対応した発光色で点灯した状態となる。第1報知部
72aについては第1計数期間における計数結果に対応した発光色で点灯した状態が維持
される。すなわち、第1報知部72a及び第2報知部72bでは、高確率状態での大当り
の導出回数の報知と各計数期間での計数結果とを同時に報知した状態となる。
高確率状態での2回目の大当りに基づく特別遊技状態が終了すると(t36)、高確率
状態となる。そして、この高確率状態の開始から次の大当りの発生までの期間(t36~
t37)を第3計数期間として、この第3計数期間に獲得した賞球数が計数される。また
、獲得数表示部85の表示は第3計数期間の開始に伴い0とされ、第3計数期間での計数
結果が表示される。
次の大当りである高確率状態での3回目の大当りが発生すると(t37)、第1報知部
72a、第2報知部72b、第3報知部72cは点灯状態となり、第4報知部72dは点
滅状態のままとなる。これにより、高確率状態での大当りの導出回数が3回であることが
示される。また、第3報知部72cでは当該大当りの発生により終了した第3計数期間(
t36~t37)における計数結果に対応した発光色で点灯した状態となる。第1報知部
72aについては第1計数期間における計数結果に対応した発光色で点灯した状態が維持
され、第2報知部72bについては第2計数期間における計数結果に対応した発光色で点
灯した状態が維持される。すなわち、第1報知部72a、第2報知部72b及び第3報知
部72cでは、高確率状態での大当りの導出回数の報知と各計数期間での計数結果とを同
時に報知した状態となる。
高確率状態での3回目の大当りに基づく特別遊技状態が終了すると(t38)、高確率
状態となる。そして、この高確率状態の開始から次の大当りの発生までの期間(t38~
t39)を第4計数期間として、この第4計数期間に獲得した賞球数が計数される。また
、獲得数表示部85の表示は第4計数期間の開始に伴い0とされ、第4計数期間での計数
結果が表示される。
次の大当りである高確率状態での4回目の大当りが発生すると(t39)、第1報知部
72a、第2報知部72b、第3報知部72c及び第4報知部72dは点灯状態となる。
これにより、高確率状態での大当りの導出回数が4回であることが示される。また、第4
報知部72dでは当該大当りの発生により終了した第4計数期間(t38~t39)にお
ける計数結果に対応した発光色で点灯した状態となる。第1報知部72aについては第1
計数期間における計数結果に対応した発光色で点灯した状態が維持され、第2報知部72
bについては第2計数期間における計数結果に対応した発光色で点灯した状態が維持され
、第3報知部72cについては第3計数期間における計数結果に対応した発光色で点灯し
た状態が維持される。すなわち、第1報知部72a、第2報知部72b、第3報知部72
c及び第4報知部72dでは、高確率状態での大当りの導出回数の報知と各計数期間での
計数結果とを同時に報知した状態となる。
高確率状態での4回目の大当りに基づく特別遊技状態が終了すると(t40)、低確率
状態となり有利期間が終了する。そして、第1報知部72a、第2報知部72b、第3報
知部72c及び第4報知部72dは消灯され、表示装置41では低確率状態での表示とな
る。
このように有利期間において次の第1特別結果が導出されるまでの期間で獲得した賞球
数を報知することで、遊技の興趣を向上することができる。特に、本実施形態の遊技機で
は、有利期間において次の第1特別結果が導出されるまでの期間でも遊技者の持球が増加
するようにしており、従来のように持球を減少させながら次の特別結果の導出を待つだけ
のものとは異なる遊技性を有している。このため、有利期間において次の第1特別結果が
導出されるまでの期間でどれだけ賞球を獲得するかという事項も遊技者の利益に関わる重
要な事項となっている。報知部72によりこの期間に獲得した賞球数を報知することで、
遊技者が獲得した利益の量をわかりやすく示すことができ、遊技の興趣を向上することが
できる。
〔カウント演出設定処理〕
図208には、上述の大当り系コマンド処理におけるカウント演出設定処理(ステップ
C414)を示した。このカウント演出設定処理では、まず、有利期間であるかを判定す
る(ステップC501)。この有利期間でない場合(ステップC501;N)は、カウン
ト演出設定処理を終了する。この場合は低確率状態において発生した小当りに基づく特別
遊技状態において特別変動入賞装置に遊技球が入賞した場合であり、特別の演出は行わな
い。
また、有利期間である場合(ステップC501;Y)は、獲得賞球カウンタを+15更
新し(ステップC502)、総獲得数カウンタを+15更新する(ステップC503)。
獲得賞球カウンタは有利期間における所定期間に特別変動入賞装置への入賞により獲得し
た賞球数を計数するものである。また、総獲得数カウンタは有利期間において特別変動入
賞装置への入賞により獲得した賞球数を計数するものである。ここでは特別変動入賞装置
への入賞により15個の賞球が発生するので、それぞれのカウンタを+15更新するよう
にしている。
その後、表示装置41の獲得数表示部85の表示を更新して(ステップC504)、カ
ウント演出設定処理を終了する。なお、本実施形態では高確率状態において獲得した賞球
数を獲得数表示部85に表示するが、特別遊技状態中において当該特別遊技状態で獲得し
た賞球数を獲得数表示部85に表示するようにしても良い。また、総獲得数については表
示していないが表示するようにしても良い。
〔報知情報設定処理〕
図209には、上述のメイン処理における盤演出設定処理(ステップC20)で行われ
る報知情報設定処理を示した。この報知情報設定処理では、まず、有利期間の開始タイミ
ング(図207のt31)であるかを判定する(ステップC511)。有利期間の開始タ
イミングである場合(ステップC511;Y)は、報知部72の表示を開始する(ステッ
プC512)。これにより報知部72の点滅表示が開始される。次に、獲得賞球カウンタ
領域を0クリアし(ステップC513)、総獲得数カウンタ領域を0クリアして(ステッ
プC514)、報知情報設定処理を終了する。
一方、有利期間の開始タイミングでない場合(ステップC511;N)は、有利期間の
終了タイミング(図207のt40)であるかを判定する(ステップC515)。有利期
間の終了タイミングである場合(ステップC515;Y)は、報知部72の表示を終了す
る(ステップC516)。これにより報知部72が消灯される。次に、獲得賞球カウンタ
の値を履歴情報としてセーブする(ステップC517)。このタイミングでの獲得賞球カ
ウンタには有利期間で最後の特別遊技状態において獲得した賞球数が記録されており、こ
の値を履歴情報としてセーブする。そして、総獲得数カウンタの値を履歴情報としてセー
ブし(ステップC518)、報知情報設定処理を終了する。総獲得数カウンタには有利期
間の開始からの賞球数が記録されており、この値を履歴情報としてセーブする。
一方、有利期間の終了タイミングでない場合(ステップC515;N)は、第1特別遊
技状態の開始タイミングであるかを判定する。ここでは有利期間が開始される際の特別遊
技状態の開始タイミングは含まず、図207のt33、t35、t37、t39のタイミ
ングが該当する。
第1特別遊技状態の開始タイミングである場合(ステップC519;Y)は、獲得賞球
カウンタの値から報知部の発光態様を選択して設定する(ステップC520)。このタイ
ミングでの獲得賞球カウンタには、前回の特別遊技状態の終了から今回の特別遊技状態の
開始までに獲得した賞球数が記録されており、この値に基づき対応する報知部72の発光
態様を選択して設定する。これにより対応する報知部72が点滅状態から点灯状態となる
次に、獲得賞球カウンタの値を履歴情報としてセーブする(ステップC521)。これ
により、前回の特別遊技状態の終了から今回の特別遊技状態の開始までに獲得した賞球数
が履歴情報としてセーブされる。その後、獲得賞球カウンタ領域を0クリアし(ステップ
C522)、報知情報設定処理を終了する。
一方、第1特別遊技状態の開始タイミングでない場合(ステップC519;N)は、第
1特別遊技状態の終了タイミングであるかを判定する(ステップC523)。ここでは有
利期間が終了する際の特別遊技状態の終了タイミングは含まず、図207のt32、t3
4、t35、t36のタイミングが該当する。第1特別遊技状態の終了タイミングでない
場合(ステップC523;N)は、報知情報設定処理を終了する。
また、第1特別遊技状態の終了タイミングである場合(ステップC523;Y)は、獲
得賞球カウンタの値を履歴情報としてセーブする(ステップC524)。これにより、今
回終了した特別遊技状態において獲得した賞球数の値が履歴情報としてセーブされる。そ
の後、獲得賞球カウンタ領域を0クリアし(ステップC525)、報知情報設定処理を終
了する。
なお、有利期間の最後に行われることとなる高確率状態での4回目の大当りに基づく特
別遊技状態において、有利期間における各計数期間での賞球数の計数結果や、有利期間に
おける大当りの種類、小当りの種類や回数の情報、各特別遊技状態での賞球数の計数結果
、有利期間の全期間における賞球数の計数結果など、有利期間における遊技の結果を表示
装置41に表示するようにしても良い。各特別遊技状態での賞球数の計数結果や、有利期
間の全期間における賞球数の計数結果の報知を行う場合には、有利期間の最後に行われた
特別遊技状態で獲得した賞球数の情報を得るために、当該特別遊技状態での残存球処理が
終了してから報知を行うようにする。また、この報知を行うために有利期間の最後に行わ
れた特別遊技状態については、エンディング時間を他の特別遊技状態よりも長くするよう
にしても良い。これらの情報の報知では、各計数期間での計数結果を記憶した履歴情報を
用いることができる。また、履歴情報を遊技者が演出ボタン25などを操作することによ
り任意のタイミングで参照できるようにしても良い。
また、報知部72は発光色により獲得した賞球数を報知するようにしたが、動作によっ
て報知するものであっても良い。例えば、獲得した賞球数が多いほど遊技領域の中心方向
への突出量が多くなるようにしたり、回転角度が大きくなるようにしたりするようにして
も良い。また、獲得数表示部85では各計数期間における計数結果を表示するとしたが、
一の有利期間における各計数期間での計数結果を通算しても良いし、一の有利期間におけ
る特別遊技状態での獲得数も含む総獲得数を表示するようにしても良い。
また、特別変動入賞装置への入賞による賞球数を計数するとしたが、他の入賞口への入
賞による賞球数も合算するようにしても良い。この場合は、遊技制御装置100が各入賞
口への入賞に基づく賞球数を演出制御装置300に送信するようにする。さらに、発射に
より消費された遊技球数を減算し、計数期間における純増数を計数できるようにしても良
い。この場合は発射球の数を計数するようにし、獲得した賞球数から減算するようにする
また、一の報知部72に2つの表示部を設け、一方に対応する計数期間での計数結果を
表示し、他方に導出された第1特別結果の種類を表示するようにしても良い。また、計数
期間に特別遊技状態の期間を含むようにしても良い。例えば、第1計数期間は低確率状態
で導出された第1特別結果に基づく特別遊技状態の開始から次の第1特別結果の導出まで
の期間(t31~t33)とし、第2計数期間を第1計数期間の終了から次の第1特別結
果の導出までの期間(t33~t35)とし、同様に第3計数期間をt35~t37、第
4計数期間をt37~t40としても良い。もちろん計数期間の区切りは任意に設定可能
であり、これ以外の区切りであっても良い。
以上のことから、始動入賞口(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37)への遊技球
の入賞に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に
有利な特別遊技状態を発生する遊技機10において、遊技の演出を制御する演出制御手段
(演出制御装置300)と、ゲームの結果が特別結果のうちの第1特別結果(大当り)と
なる確率を、低確率状態と、当該低確率状態よりも高い高確率状態と、のいずれかに設定
する確率設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、確率設定手段は、低確率状態での
第1特別結果の導出を初回とし、当該第1特別結果の導出から第1特別結果の導出回数が
予め定められた所定回数となるまでの期間では、高確率状態でゲームを実行するようにし
、演出制御手段は、第1特別結果の導出回数又は所定回数となるまでの残り回数を報知す
るとともに、低確率状態での第1特別結果の導出から、所定回数目の第1特別結果に基づ
く特別遊技状態が終了するまでの期間である有利期間のうちの所定期間における賞球数の
計数結果に関する情報を報知可能であることとなる。したがって、遊技者が多数の賞球を
獲得可能な有利期間における遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、有利期間における特別遊技状態の終了から次の第1特別結果の
導出までの期間である計数期間における賞球数を計数可能であり、一の有利期間における
複数の計数期間での計数結果を各々報知可能であることとなる。したがって、遊技者が多
数の賞球を獲得可能な有利期間における遊技の興趣を向上することができる。また、運に
よって獲得数が左右されやすい特別遊技状態以外での獲得数を把握でき、遊技の興趣を向
上することができる。
また、演出制御手段は、第1特別結果の導出回数又は所定回数となるまでの残り回数を
、有利期間における各回の第1特別結果の導出と一対一に対応する報知部72を用いて表
示するように構成され、計数期間における賞球数の計数結果に関する情報を、当該計数期
間の終了の契機となる第1特別結果の導出と対応する報知部72において表示するように
したこととなる。したがって、各計数期間の結果をわかりやすく報知することが可能とな
る。
また、始動入賞口をなす第1始動入賞口36と、始動入賞口をなす第2始動入賞口37
と、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づき第1変動表示ゲームを実行する第1変動表
示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基
づき第2変動表示ゲームを実行する第2変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置10
0)と、高確率状態となる期間において、第2変動表示ゲームの実行時間を通常状態より
も短くなるように設定した特定遊技状態を発生する特定遊技状態発生手段(遊技制御装置
100)と、を備え、ゲームの結果が特別結果のうちの第2特別結果となった場合に、遊
技者に有利な特別遊技状態として第2特別遊技状態を発生するように構成され、第2変動
表示ゲームにおける第2特別結果が導出される確率は、第1特別結果が導出される確率よ
りも高い確率とされており、演出制御手段は、第2特別遊技状態において発生した賞球数
を計数するようにしたこととなる。したがって、遊技者が多数の賞球を獲得可能な有利期
間における遊技の興趣を向上することができる。また、運によって獲得数が左右されやす
い特別遊技状態以外での獲得数を把握でき、遊技の興趣を向上することができる。
次に、遊技ポイントによる演出について説明する。遊技ポイントは遊技において所定条
件を満たすことにより付与されるようになっており、この遊技ポイントが多いほど特別結
果の導出など遊技者にとって有利な状態が発生する可能性が高いことを示唆するようにな
っている。遊技ポイントの付与は、始動記憶の発生時や、特図変動表示ゲームの開始時、
リーチ状態の発生時、特定の演出の実行時など、任意のタイミングで実行可能となってい
る。また、遊技ポイントは複数の特図変動表示ゲームにわたり累積することが可能となっ
ている。
本実施形態では、遊技ポイントにより大当りとなる可能性の高さである期待度を示唆す
るようにしており、対象となる特図変動表示ゲームにおける所定の報知タイミングでの遊
技ポイントにより期待度が示唆されるようになっている。図210(a)には遊技ポイン
トの値に応じて示唆される期待度を示した。遊技ポイントが20000ポイント以上であ
る場合はリーチ状態の発生が報知されることとなり、遊技ポイントが30000ポイント
以上である場合はSPリーチ状態の発生が報知されることとなる。また、遊技ポイントが
40000ポイント以上である場合は、大当りの発生が確定的に報知され、50000ポ
イント以上であると16R大当りであることが報知されるようになっている。
図210(b)から(f)には、遊技ポイントの付与と使用の一例を示した。図210
(b)に示すように特図変動表示ゲームの開始タイミングにおいて遊技ポイントを付与可
能である。この場合、特図変動表示ゲームの開始に伴いポイント報知部73の各表示部を
ルーレットのように順次点灯させた、付与するポイントに対応する表示部を点灯する。こ
こでは付与されるポイントが100ポイントであることを示している。また、付与された
ポイントは、累積値報知部74に加算される。ここでは累積ポイントが0ポイントである
状態で100ポイントが加算された状態となっている。
また、図210(c)に示すように特図変動表示ゲームがリーチ状態となったタイミン
グにおいて遊技ポイントを付与可能である。この場合、リーチ状態の発生に伴いポイント
報知部73の各表示部をルーレットのように順次点灯させ、付与するポイントに対応する
表示部を点灯する。ここでは付与されるポイントが10000ポイントであることを示し
ている。また、累積値報知部74では累積ポイントが100ポイントである状態から10
000ポイントが加算されて10100ポイントとなっている。
また、図210(d)に示すように新たな始動記憶が発生したタイミングにおいて遊技
ポイントを付与可能である。ここでは発生した新たな始動記憶についての事前判定の結果
、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームがはずれSPリーチを発生するものであるこ
とが判明している。よって、付与するポイントを決定する際には、ポイントの累積値が4
0000ポイント未満となるように決定する。ここでは付与されるポイントが5000ポ
イントであり、累積値報知部74では累積ポイントが10100ポイントである状態から
5000ポイントが加算されて15100ポイントとなっている。また、記憶表示部83
における当該始動記憶に対応した飾り特図始動記憶表示では表示態様を変化させる先読み
予告演出が行われている。
その後、複数回のポイントの付与があり、図210(e)に示すように累積値が376
00ポイントとなっている状態で所定の報知タイミングが開始される。これに伴い図21
0(f)に示すように10000ポイントに対応して期待度報知部75の発光部が1つ点
灯し、ここでは3つの発光部が点灯した状態となる。これにより実行中の特図変動表示ゲ
ームにおいてSPリーチが発生することが報知されることとなる。ここで、10000ポ
イントに満たない端数は消去するようにしたが、残すようにしても良い。以上のような遊
技ポイントに関する制御は、図193に示したメイン処理における盤演出設定処理(ステ
ップC20)において行われる。
なお、期待度報知部75の点灯数に応じて盤演出装置44が動作するようにしても良い
。また、遊技ポイントは所定のタイミングで加算されるとしたが、当該所定のタイミング
で減算されることがあっても良い。また、遊技ポイントの使用による予告の対象となる特
図変動表示ゲームは、事前判定により特別結果やリーチとなることが判明した始動記憶に
基づく特図変動表示ゲームに限られず、任意に設定可能である。例えば、累積された遊技
ポイントが多くなり過ぎないように適宜はずれとなる特図変動表示ゲームにおいて報知を
行って遊技ポイントを消化するようにしても良い。本実施形態では30000ポイントを
超えるとリーチの発生を予告することとなるので、30000ポイントを超える前に報知
により遊技ポイントを消化することが好ましい。逆に言えば、30000ポイントを超え
ても報知が行われていなければ、報知が行われていなくてもリーチ又は特別結果が発生す
ることが予告された状態となる。
また、累積値報知部74を獲得数表示部85として使用できるようにしても良い。例え
ば、遊技ポイントと獲得数を並列に表示するようにしても良い。また、遊技ポイントによ
る演出を特定遊技状態では行わないようにし、特定遊技状態では累積値報知部74を獲得
数表示部85として用いるようにしても良い。
また、以上の実施形態においては、一方の変動表示ゲームを実行している際に他方の変
動表示ゲームが特別結果となった場合には、一方の変動表示ゲームをはずれ結果で強制的
に終了する強制停止処理を行うとしたが、他方の特別結果に基づく特別遊技状態の終了ま
で一方の変動表示ゲームを中断するようにし、当該特別遊技状態が終了した後に中断して
いた一方の変動表示ゲームを再開するようにしても良い。また、特別結果の種類によりは
ずれ結果で強制的に終了するか、中断するかが選択されるようにしても良い。例えば、他
方の変動表示ゲームで第1特別結果(大当り)が導出された場合には、一方の変動表示ゲ
ームをはずれ結果で強制的に終了するようにし、他方の変動表示ゲームで第2特別結果(
小当り)が導出された場合には、一方の変動表示ゲームを中断するようにしても良い。
〔第1変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、
上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分につ
いては同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊
技機は、特別結果と飾り特別結果の対応付けが遊技状態によって異なっている。
図211(a)に示すように特定遊技状態以外での飾り特別結果は図201(a)と同
じ対応付けであるが、図211(b)に示すように特定遊技状態での飾り特別結果は、桃
の図柄が3つ並ぶ飾り特別結果が16R大当り、10R大当り、小当りのいずれにも対応
するようになっており、数字により構成される飾り特別結果は出現しないようになってい
る。
特定遊技状態での飾り特図変動表示ゲームでは、いずれの特別結果であっても表示され
る飾り特別結果は同一であるが、特別結果により変動態様が選択されるようになっており
、飾り特別結果が導出されるまでの変動態様により特別結果を判別可能としている。図1
97に示した変動演出設定処理では、特定遊技状態であるか否かにより用いる飾り特別結
果を選択し、特定遊技状態である場合における変動パターンの選択について特別結果に応
じた変動態様を選択するようにしている。
特定遊技状態における変動表示装置4での飾り特図変動表示ゲームの実行態様は図20
3に示したとおりであり、結果がはずれ又は小当りの場合は、図203(b)に示したよ
うな第1実行態様で変動表示が行われ、図203(d)に示したような変動表示装置4の
有効ライン上に桃の図柄が並ぶ飾り特別結果が結果態様として停止表示されるか、図20
3(e)に示したようなはずれの結果態様が停止表示される。また、結果がはずれ又は大
当りの場合は、図203(c)に示したような第2実行態様で変動表示が行われ、図20
3(e)に示したようなはずれの結果態様が停止表示されるか、図203(f)において
変動表示装置4の有効ライン上に桃の図柄が並ぶ飾り特別結果が結果態様として停止表示
される。
このように大当りと小当りのいずれであっても変動表示装置4における結果態様が同じ
となるようにしたことで、遊技者が特別遊技状態の発生を把握しやすくなる。特に、特定
遊技状態では、変動時間が短くなり特図変動表示ゲームが高い頻度で実行され、さらに小
当りが頻発するとともに大当りの発生間隔も短いことから特別結果の発生頻度が高い状態
となっている。このような遊技状態において遊技者は、桃の図柄の飾り特別結果が停止表
示されれば特別変動入賞装置が開放されるという点だけを意識すればよくなり、飾り特図
変動表示ゲーム以外の特別変動入賞装置の開放などにも意識を向ける余裕が生まれること
から、遊技者にとって有利な特定遊技状態の興趣を効果的に高めることができる。
また、各特別結果で共通の飾り特別結果を使用するが、特別結果によって並ぶ有効ライ
ンが異なるようにしても良い。例えば、16R大当りの場合は桃の図柄が中段ラインに並
び、10R大当りの場合は桃の図柄が上段ラインに並び、小当りの場合は桃の図柄が下段
ラインに並ぶようにしても良い。また、16R大当りと10R大当りの場合で実行態様が
異なるようにし、これらを判別できるようにしても良い。
また、飾り特図1変動表示ゲーム表示部81や飾り特図2変動表示ゲーム表示部82で
の飾り特別結果については、遊技状態や特図種類にかかわらず図201(a)に示した飾
り特別結果を用いることで、特定遊技状態であっても特別結果の種類を判別可能としてい
るが、変動表示装置4と同様に図211(b)の飾り特別結果を用いるようにしても良い
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結
果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機10において、遊技の
演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、ゲームに
対応して複数の識別情報を変動表示した後に結果を停止表示する飾りゲームを実行し、ゲ
ームの結果が特別結果となる場合には、飾りゲームにおいて飾り特別結果を停止表示する
ように構成され、遊技状態に応じて特別結果と飾り特別結果との対応を異ならせることが
可能であることとなる。したがって、遊技状態に応じて趣の異なる飾りゲームを実行でき
、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、所定の遊技状態以外では、一の飾り特別結果が一の特別結果と
対応するようにし、所定の遊技状態では、一の飾り特別結果が複数の特別結果と対応する
ようにしたこととなる。したがって、異なる特別結果でも同じ飾り特別結果を表示可能と
なり遊技の興趣を向上することができる。また、所定の遊技状態では特別結果の把握が容
易となり、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、所定の遊技状態における飾りゲームの結果として、複数の特別
結果と対応する飾り特別結果を停止表示する場合には、当該飾りゲームの実行態様として
特別結果の種類に応じて選択される特定実行態様を設定可能であるようにしたこととなる
。したがって、実行態様から特別結果の種類を把握可能となるという興趣が生まれ、遊技
の興趣を向上することができる。
〔第2変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、
上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分につ
いては同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
本変形例の遊技機は、大当り(第1特別結果)に基づく特別遊技状態(第1特別遊技状
態)の発生中に、リール6を回転させて特定の結果態様を停止表示するリール回転演出を
実行可能となっている。
本変形例の遊技機では、上述した実施形態の遊技機と同様、通常遊技状態(低確率状態
)での第1特別結果の導出を初回とし、第1特別結果の導出回数が所定回数(例えば5回
)となるまでの期間において、特別遊技状態の終了後に特定遊技状態(高確率状態)とす
るように構成されている。この特定遊技状態では、特図2変動表示ゲームをメイン変動と
して遊技が進行し、小当りが頻発する。そして、5回目の第1特別結果に基づく特別遊技
状態の終了後には低確率状態が設定される。
特定遊技状態において第2始動入賞口37に遊技球が入賞すると、特図2変動表示ゲー
ム(メイン変動)が開始され、当該特図2変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、
第1実行態様の飾り特図変動表示ゲームが開始される。第1実行態様の飾り特図変動表示
ゲームは、図203(b)に示すように、各リール6の桃の図柄が表示領域である図柄表
示窓5の範囲から外れないように各リール6が上下に動作する変動表示である。よって、
第1実行態様の飾り特図変動表示ゲームの開始時には、各リール6の桃の図柄は表示領域
内(図柄表示窓5の範囲から外れない位置)に配置されている必要がある。
そのため、特図2変動表示ゲーム(メイン変動)の開始時にリール6の桃の図柄が表示
領域内に配置されていない場合には、リール6が回転して桃の図柄が表示領域内に配置さ
れた状態になってから、第1実行態様の飾り特図変動表示ゲームが開始される。すなわち
、この場合には、各リール6は、特図2変動表示ゲームの変動時間が開始してから終了す
るまでの間に、当該リール6の桃の図柄を表示領域内で上下に揺動させるための往復回動
動作(第1実行態様の飾り特図変動表示ゲーム)だけでなく、当該リール6の桃の図柄を
表示領域内に配置させるための回転動作(以下「準備動作」という)も行うこととなる。
リール6の桃の図柄の位置が表示領域(図柄表示窓5の範囲)から遠いほど、準備動作
に要する時間が長くなるため、第1実行態様の飾り特図変動表示ゲームの実質的な実行時
間は短くなる。
特定遊技状態において特図2変動表示ゲームが小当りとなる場合の変動時間は非常に短
いため(図108(d)参照)、準備動作に時間がかかると、第1実行態様の飾り特図変
動表示ゲームを実行する時間を確保できないという不具合が生じる。この不具合は、複数
のリール6を有する変動表示装置4(ドラム式の可変表示器)を用いて飾り特図変動表示
ゲームを実行する遊技機に特有の不具合である。
そこで、本変形例では、準備動作に要する時間を短縮するために、準備動作の前にリー
ル回転演出を実行して、各リール6の外周面に配された複数の識別情報のうち、桃の図柄
に最も近い識別情報を表示領域内に配置する。
具体的には、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなり、当該大当りの種類が16R大
当りである場合には、当該大当りに基づく第1特別遊技状態の発生中に、リール6を回転
させて、16R大当り用の特定飾り結果を停止表示(有効ライン上に形成)するリール回
転演出を実行する。本変形例では、16R大当りに対応する飾り特別結果のうち、桃の図
柄に最も近い識別情報により構成される飾り特別結果を「16R大当り用の特定飾り結果
」とする。
図201に示すように、16R大当りに対応する飾り特別結果は「111」、「333
」、「555」、「777」、「999」及び「桃桃桃」であり、図200に示すように
、これらの飾り特別結果のうち、桃の図柄に最も近い識別情報により構成される飾り特別
結果は「111」及び「999」である。よって、「111」を16R大当り用の特定飾
り結果として採用することも可能であるし、「999」を16R大当り用の特定飾り結果
として採用することも可能であるが、本変形例では、「111」を16R大当り用の特定
飾り結果として採用する。すなわち、図212(a)に示すように、特図変動表示ゲーム
の結果が16R大当りとなった場合には、当該大当りに基づく第1特別遊技状態中に実行
されるリール回転演出において16R大当り用の特定飾り結果として「111」を停止表
示する。
なお、16R大当り用の特定飾り結果は「111」ではなく「999」であっても良い
。また、「111」及び「999」のどちらを16R大当り用の特定飾り結果として停止
表示するかを、例えば第1特別遊技状態が発生する度に抽選等によって決定することも可
能である。また、16R大当りには桃の図柄が揃う飾り特別結果(「桃桃桃」)も対応付
けられているため、「桃桃桃」を16R大当り用の特定飾り結果として停止表示すること
も可能である。「桃桃桃」を16R大当り用の特定飾り結果として停止表示する場合には
、リール回転演出によってリール6の桃の図柄が表示領域内に配置されるため、準備動作
は不要となる。
また、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなり、当該大当りの種類が10R大当りで
ある場合には、当該大当りに基づく第1特別遊技状態の発生中に、リール6を回転させて
、10R大当り用の特定飾り結果を停止表示(有効ライン上に形成)するリール回転演出
を実行する。本変形例では、10R大当りに対応する飾り特別結果のうち、桃の図柄に最
も近い識別情報により構成される飾り特別結果を「10R大当り用の特定飾り結果」とす
る。
図201に示すように、10R大当りに対応する飾り特別結果は「222」、「444
」、「666」及び「888」であり、図200に示すように、これらの飾り特別結果の
うち、桃の図柄に最も近い識別情報により構成される飾り特別結果は「222」及び「8
88」である。よって、「222」を10R大当り用の特定飾り結果として採用すること
も可能であるし、「888」を10R大当り用の特定飾り結果として採用することも可能
であるが、本変形例では、「222」を10R大当り用の特定飾り結果として採用する。
すなわち、図212(b)に示すように、特図変動表示ゲームの結果が10R大当りとな
った場合には、当該大当りに基づく第1特別遊技状態中に実行されるリール回転演出にお
いて10R大当り用の特定飾り結果として「222」を停止表示する。
なお、10R大当り用の特定飾り結果は「222」ではなく「888」であっても良い
。また、「222」及び「888」のどちらを10R大当り用の特定飾り結果として停止
表示するかを、例えば第1特別遊技状態が発生する度に抽選等によって決定することも可
能である。
次に、リール回転演出の具体例を、図213~図217を参照して説明する。
図213には、通常遊技状態(低確率状態)で特図1変動表示ゲーム(メイン変動)の
結果が16R大当りとなった場合における変動表示装置4と表示装置41での演出の一例
を示した。
図213(a)に示すように、特図1変動表示ゲーム(メイン変動)の変動時間が終了
すると、変動表示装置4及び表示装置41(飾り特図1変動表示ゲーム表示部81)の変
動表示が終了して大当りの結果態様(ここでは「777」)が停止表示される。そして、
結果を表示する停止時間が終了すると第1特別遊技状態となり、ゲート34へ遊技球を通
過させることで第1特別遊技状態のラウンド遊技が開始される。
次いで、エンディング期間が開始すると、表示装置41等においてエンディング演出が
実行される。エンディング演出の実行中、変動表示装置4では、図213(b)に示すよ
うにリール6を回転させて16R大当り用の特定飾り結果である「111」を停止表示す
るリール回転演出が実行される。このリール回転演出は、例えば、変動演出設定処理(図
197)又はエンディング演出設定処理(図199のステップC411)において設定さ
れる。なお、リール回転演出の実行中は、各リール6のバックライトを消灯しても良い。
これにより、リール回転演出中であるのか通常の変動表示中であるのかの判別が容易とな
る。また、リール回転演出における各リール6の回転態様(回転速度、回転方向等)を、
通常の変動表示における各リール6の回転態様と異ならせても良い。この場合も、リール
回転演出中であるのか通常の変動表示中であるのかの判別が容易となる。具体的には、例
えば、リール回転演出における各リール6の回転速度を、通常の変動表示における各リー
ル6の回転速度よりも遅くしても良いし、リール回転演出における各リール6の回転方向
を、通常の変動表示における各リール6の回転方向と異ならせても良いし、リール回転演
出ではリール6毎に回転方向を異ならせても良い。あるいは、これらを組み合わせても良
い。
次いで、エンディング期間が経過すると第1特別遊技状態が終了して、例えば図213
(c)に示すように、特定遊技状態が開始する。
次いで、第2始動入賞口37に遊技球が入賞すると特図2変動表示ゲームが開始され、
当該特図2変動表示ゲームの結果が小当りである場合には、演出制御装置300は、図2
13(d)に示すように準備動作を行って各リール6の桃の図柄を表示領域内に配置した
後、図213(e)に示すように第1実行態様の飾り特図変動表示ゲームを実行する。な
お、特定遊技状態において1回目に実行される小当り特図2変動(結果が小当りとなる特
図2変動表示ゲーム)では、第1実行態様の飾り特図変動表示ゲームを実行せずに、準備
動作だけを実行するようにしても良い。
また、図示は省略するが、特定遊技状態(高確率状態)で特図2変動表示ゲーム(メイ
ン変動)の結果が16R大当りとなった場合にも、演出制御装置300は、当該大当りに
基づく第1特別遊技状態の発生中にリール回転演出を行って16R大当り用の特定飾り結
果である「111」を停止表示する。
図214には、通常遊技状態(低確率状態)で特図1変動表示ゲーム(メイン変動)の
結果が10R大当りとなった場合における変動表示装置4と表示装置41での演出の一例
を示した。図214に示す例は、リール回転演出で16R大当り用の特定飾り結果ではな
く10R大当り用の特定飾り結果を停止表示する点が、図213に示す例と異なる。
具体的には、図214(a)に示すように、特図1変動表示ゲーム(メイン変動)の変
動時間が終了すると、変動表示装置4及び表示装置41(飾り特図1変動表示ゲーム表示
部81)の変動表示が終了して大当りの結果態様(ここでは「666」)が停止表示され
る。そして、結果を表示する停止時間が終了すると第1特別遊技状態となり、ゲート34
へ遊技球を通過させることで第1特別遊技状態のラウンド遊技が開始される。
次いで、エンディング期間が開始すると、表示装置41等においてエンディング演出が
実行される。エンディング演出の実行中、変動表示装置4では、図214(b)に示すよ
うにリール6を回転させて10R大当り用の特定飾り結果である「222」を停止表示す
るリール回転演出が実行される。このリール回転演出は、例えば、変動演出設定処理(図
197)又はエンディング演出設定処理(図199のステップC411)において設定さ
れる。なお、リール回転演出の実行中は、各リール6のバックライトを消灯しても良い。
また、リール回転演出における各リール6の回転態様(回転速度、回転方向等)を、通常
の変動表示における各リール6の回転態様と異ならせても良い。
次いで、エンディング期間が経過すると第1特別遊技状態が終了して、例えば図214
(c)に示すように、特定遊技状態が開始する。
次いで、第2始動入賞口37に遊技球が入賞すると特図2変動表示ゲームが開始され、
当該特図2変動表示ゲームの結果が小当りである場合には、演出制御装置300は、図2
14(d)に示すように準備動作を行って各リール6の桃の図柄を表示領域内に配置した
後、図214(e)に示すように第1実行態様の飾り特図変動表示ゲームを実行する。な
お、特定遊技状態において1回目に実行される小当り特図2変動(結果が小当りとなる特
図2変動表示ゲーム)では、第1実行態様の飾り特図変動表示ゲームを実行せずに、準備
動作だけを実行するようにしても良い。
また、図示は省略するが、特定遊技状態(高確率状態)で特図2変動表示ゲーム(メイ
ン変動)の結果が10R大当りとなった場合にも、演出制御装置300は、当該大当りに
基づく第1特別遊技状態の発生中にリール回転演出を行って10R大当り用の特定飾り結
果である「222」を停止表示する。
図215には、通常遊技状態(低確率状態)で特図2変動表示ゲーム(イレギュラー変
動)の結果が16R大当りとなった場合における変動表示装置4と表示装置41での演出
の一例を示した。
図215(a)に示すように、特図2変動表示ゲーム(イレギュラー変動)の変動時間
が終了すると、表示装置41(飾り特図2変動表示ゲーム表示部82)の変動表示が終了
して大当りの結果態様(ここでは「777」)が停止表示される。そして、結果を表示す
る停止時間が終了すると第1特別遊技状態となり、ゲート34へ遊技球を通過させること
で第1特別遊技状態のラウンド遊技が開始される。なお、変動表示装置4ではイレギュラ
ー変動に対応する飾り特図変動表示ゲームは表示されないため、変動表示装置4には最後
に実行されたメイン変動での結果が停止表示されている。
次いで、エンディング期間が開始すると、表示装置41等においてエンディング演出が
実行される。エンディング演出の実行中、変動表示装置4では、図215(b)に示すよ
うにリール6を回転させて16R大当り用の特定飾り結果である「111」を停止表示す
るリール回転演出が実行される。このリール回転演出は、例えば、変動演出設定処理(図
197)又はエンディング演出設定処理(図199のステップC411)において設定さ
れる。なお、リール回転演出の実行中は、各リール6のバックライトを消灯しても良い。
また、リール回転演出における各リール6の回転態様(回転速度、回転方向等)を、通常
の変動表示における各リール6の回転態様と異ならせても良い。
次いで、エンディング期間が経過すると第1特別遊技状態が終了して、例えば図215
(c)に示すように、特定遊技状態が開始する。
次いで、第2始動入賞口37に遊技球が入賞すると特図2変動表示ゲームが開始され、
当該特図2変動表示ゲームの結果が小当りである場合には、演出制御装置300は、図2
15(d)に示すように準備動作を行って各リール6の桃の図柄を表示領域内に配置した
後、図215(e)に示すように第1実行態様の飾り特図変動表示ゲームを実行する。な
お、特定遊技状態において1回目に実行される小当り特図2変動(結果が小当りとなる特
図2変動表示ゲーム)では、第1実行態様の飾り特図変動表示ゲームを実行せずに、準備
動作だけを実行するようにしても良い。
また、図示は省略するが、特定遊技状態(高確率状態)で特図1変動表示ゲーム(イレ
ギュラー変動)の結果が16R大当りとなった場合にも、演出制御装置300は、当該大
当りに基づく第1特別遊技状態の発生中にリール回転演出を行って16R大当り用の特定
飾り結果である「111」を停止表示する。
図216には、通常遊技状態(低確率状態)で特図2変動表示ゲーム(イレギュラー変
動)の結果が10R大当りとなった場合における変動表示装置4と表示装置41での演出
の一例を示した。図216に示す例は、リール回転演出で16R大当り用の特定飾り結果
ではなく10R大当り用の特定飾り結果を停止表示する点が、図215に示す例と異なる

具体的には、図216(a)に示すように、特図2変動表示ゲーム(イレギュラー変動
)の変動時間が終了すると、表示装置41(飾り特図2変動表示ゲーム表示部82)の変
動表示が終了して大当りの結果態様(ここでは「666」)が停止表示される。そして、
結果を表示する停止時間が終了すると第1特別遊技状態となり、ゲート34へ遊技球を通
過させることで第1特別遊技状態のラウンド遊技が開始される。なお、変動表示装置4で
はイレギュラー変動に対応する飾り特図変動表示ゲームは表示されないため、変動表示装
置4には最後に実行されたメイン変動での結果が停止表示されている。
次いで、エンディング期間が開始すると、表示装置41等においてエンディング演出が
実行される。エンディング演出の実行中、変動表示装置4では、図216(b)に示すよ
うにリール6を回転させて10R大当り用の特定飾り結果である「222」を停止表示す
るリール回転演出が実行される。このリール回転演出は、例えば、変動演出設定処理(図
197)又はエンディング演出設定処理(図199のステップC411)において設定さ
れる。なお、リール回転演出の実行中は、各リール6のバックライトを消灯しても良い。
また、リール回転演出における各リール6の回転態様(回転速度、回転方向等)を、通常
の変動表示における各リール6の回転態様と異ならせても良い。
次いで、エンディング期間が経過すると第1特別遊技状態が終了して、例えば図216
(c)に示すように、特定遊技状態が開始する。
次いで、第2始動入賞口37に遊技球が入賞すると特図2変動表示ゲームが開始され、
当該特図2変動表示ゲームの結果が小当りである場合には、演出制御装置300は、図2
16(d)に示すように準備動作を行って各リール6の桃の図柄を表示領域内に配置した
後、図216(e)に示すように第1実行態様の飾り特図変動表示ゲームを実行する。な
お、特定遊技状態において1回目に実行される小当り特図2変動(結果が小当りとなる特
図2変動表示ゲーム)では、第1実行態様の飾り特図変動表示ゲームを実行せずに、準備
動作だけを実行するようにしても良い。
また、図示は省略するが、特定遊技状態(高確率状態)で特図1変動表示ゲーム(イレ
ギュラー変動)の結果が10R大当りとなった場合にも、演出制御装置300は、当該大
当りに基づく第1特別遊技状態の発生中にリール回転演出を行って10R大当り用の特定
飾り結果である「222」を停止表示する。
ここで、メイン変動とイレギュラー変動が同時に実行された場合であって、イレギュラ
ー変動の結果が大当りとなり、メイン変動が強制的にはずれ結果で停止する場合には、例
えば図204に示すように、当該大当りに基づく第1特別遊技状態において変動表示装置
4にイレギュラー変動の結果に対応する飾り特別結果が停止表示される(図204(e)
参照)。本変形例では、この場合にも、当該大当りに基づく第1特別遊技状態において(
具体的には、変動表示装置4にイレギュラー変動の結果に対応する飾り特別結果が停止表
示された後に)リール回転演出を実行する。
また、本変形例では、メイン変動とイレギュラー変動が同時に実行された場合であって
、イレギュラー変動の結果が大当りとなり、メイン変動が強制的にはずれ結果で停止する
場合には、変動表示装置4にイレギュラー変動の結果に対応する飾り特別結果を停止表示
した後にリール回転演出を実行する一方、イレギュラー変動のみが実行された場合であっ
て、イレギュラー変動の結果が大当りとなった場合には、図215や図216に示すよう
に、変動表示装置4にイレギュラー変動の結果に対応する飾り特別結果(図215では「
777」、図216では「666」)を停止表示することなくリール回転演出を実行する
ようにしたが、これに限定されない。
例えば、メイン変動とイレギュラー変動が同時に実行された場合であって、イレギュラ
ー変動の結果が大当りとなり、メイン変動が強制的にはずれ結果で停止する場合にも、変
動表示装置4にイレギュラー変動の結果に対応する飾り特別結果を停止表示することなく
リール回転演出を実行するようにしても良い。
また、イレギュラー変動のみが実行された場合であって、イレギュラー変動の結果が大
当りとなった場合にも、変動表示装置4にイレギュラー変動の結果に対応する飾り特別結
果を停止表示した後にリール回転演出を実行するようにしても良い。その一例を図217
に示す。
図217(a)に示すように、特図2変動表示ゲーム(イレギュラー変動)の変動時間
が終了すると、表示装置41(飾り特図2変動表示ゲーム表示部82)の変動表示が終了
して大当りの結果態様(ここでは16R大当りに対応する飾り特別結果のうちの「777
」)が停止表示される。そして、結果を表示する停止時間が終了すると、第1特別遊技状
態が開始されてファンファーレ期間となる。
ファンファーレ期間が開始すると、図217(b)に示すように、表示装置41等にお
いてファンファーレ演出が実行される。このファンファーレ演出では、例えば表示装置4
1にて右打ちを促す表示が行われる(図204(c)~(d)参照)。ファンファーレ演
出の実行中、変動表示装置4では、図217(c)に示すように各リール6を回転させる
変動表示が行われ、図217(d)に示すように当該特図2変動表示ゲーム(イレギュラ
ー変動)の結果に対応する飾り特別結果が停止表示される。この図217(c)~(d)
に示す演出(リール6を回転させてイレギュラー変動の結果に対応する飾り特別結果を停
止表示する演出)は、例えば、変動演出設定処理(図197)又はファンファーレ演出設
定処理(図199のステップC402)において設定される。その後、ゲート34を遊技
球が通過していることを条件にラウンドが開始されて特別変動入賞装置が開放されること
となる。なお、所定期間(例えば、ファンファーレ演出が開始してから飾り特別結果が停
止表示されるまでの期間)においては、図204(c)~(d)に示す例と同じように、
各リール6のバックライトを消灯しても良い。
次いで、エンディング期間が開始すると、表示装置41等においてエンディング演出が
実行される。エンディング演出の実行中、変動表示装置4では、図217(e)に示すよ
うにリール6を回転させて特定飾り結果(ここでは16R大当り用の特定飾り結果である
「111」)を停止表示するリール回転演出が実行される。このリール回転演出は、例え
ば、変動演出設定処理(図197)又はエンディング演出設定処理(図199のステップ
C411)において設定される。なお、リール回転演出の実行中は、各リール6のバック
ライトを消灯しても良い。また、リール回転演出における各リール6の回転態様(回転速
度、回転方向等)を、通常の変動表示における各リール6の回転態様と異ならせても良い

次いで、エンディング期間が経過すると第1特別遊技状態が終了する。そして、当該第
1特別遊技状態の終了後に特定遊技状態となり、結果が小当りの特図2変動表示ゲームが
開始された場合には、変動表示装置4では、準備動作が実行され、当該準備動作に引き続
いて第1実行態様の飾り特図変動表示ゲームが実行される。なお、特定遊技状態において
1回目に実行される小当り特図2変動(結果が小当りとなる特図2変動表示ゲーム)では
、第1実行態様の飾り特図変動表示ゲームを実行せずに、準備動作だけを実行するように
しても良い。
このように、本変形例では、特定遊技状態の発生前にリール回転演出を実行するため、
準備動作の時間を短縮することができる。したがって、複数のリール6を有する変動表示
装置4(ドラム式の可変表示器)を用いて飾り特図変動表示ゲームを実行する遊技機に特
有の不具合、具体的には特図変動表示ゲームの変動時間が通常遊技状態よりも短くなるよ
うに設定された特定遊技状態において所定のゲーム(第1実行態様の飾り特図変動表示ゲ
ーム)を実行する時間を確保できないという不具合を解消することができる。
また、本変形例では、特定遊技状態の発生前にリール回転演出を実行するため、決まっ
たリール制御を行うだけで準備動作を完了することができる。具体的には、有効ライン上
に停止表示する結果を、16R大当り用の特定飾り結果である「111」から「桃桃桃」
を変更するためのリール制御と、10R大当り用の特定飾り結果である「222」から「
桃桃桃」を変更するためのリール制御と、のいずれか一方を行うだけで準備動作を完了す
ることができる。したがって、短時間でも制御を正確に行うことができるため、特定遊技
状態における最初の変動時(すなわち、準備動作が行われる特図変動表示ゲームの実行時
)に必要な図柄(桃の図柄)が揃えられない等の不具合を解消することができる。この不
具合も、複数のリール6を有する変動表示装置4(ドラム式の可変表示器)を用いて飾り
特図変動表示ゲームを実行する遊技機に特有の不具合であると言える。
ここで、本変形例では、第1特別遊技状態が発生すると必ず、当該第1特別遊技状態に
おいてリール回転演出を実行するよう構成されている。
第1特別遊技状態においてリール回転演出を実行する場合と実行しない場合とを設けた
場合には、リール回転演出が特別な演出(例えば保留内に大当りがあることを示唆する演
出)であると遊技者が勘違いしたり遊技機に対して不信感を抱いたりする虞がある。この
ような不都合を回避するために、本変形例では、第1特別遊技状態が発生すると必ず、当
該第1特別遊技状態においてリール回転演出を実行するようにしている。
具体的には、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなった場合には、当該特図変動表示
ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームで導出された飾り特別結果にかかわらず、当該
大当りに基づく第1特別遊技状態においてリール回転演出を実行するよう構成されている
。例えば、図213や図215に示す例において飾り特図変動表示ゲームで導出された飾
り特別結果は「777」であるが、この飾り特別結果が「777」ではなく「111」で
ある場合にもリール回転演出を実行して「111」を停止表示する。すなわち「111」
が既に停止表示されている状態でもリール回転演出を実行して「111」を再び停止表示
する。また、図214や図216に示す例において飾り特図変動表示ゲームで導出された
飾り特別結果は「666」であるが、この飾り特別結果が「666」ではなく「222」
である場合にもリール回転演出を実行して「222」を停止表示する。すなわち「222
」が既に停止表示されている状態でもリール回転演出を実行して「222」を再び停止表
示する。
また、第1特別遊技状態の終了後に特定遊技状態となるか否かにかかわらず、当該第1
特別遊技状態においてリール回転演出を実行するよう構成されている。すなわち、第1特
別遊技状態の終了後の遊技状態が通常遊技状態及び特定遊技状態のいずれであっても、当
該第1特別遊技状態においてリール回転演出を実行する。
さらに、本変形例では、特図変動表示ゲームの結果の種類とリール回転演出で停止表示
する結果の種類とが一致するよう構成されている。すなわち、特図変動表示ゲームの結果
が16R大当りである場合には、当該大当りに基づく第1特別遊技状態中に実行するリー
ル回転演出で16R大当りに対応する飾り特別結果を停止表示し、特図変動表示ゲームの
結果が10R大当りである場合には、当該大当りに基づく第1特別遊技状態中に実行する
リール回転演出で10R大当りに対応する飾り特別結果を停止表示する。
特図変動表示ゲームの結果が16R大当りであるのにリール回転演出で10R大当りに
対応する飾り特別結果やはずれ結果が停止表示される場合や、特図変動表示ゲームの結果
が10R大当りであるのにリール回転演出で16R大当りに対応する飾り特別結果やはず
れ結果が停止表示される場合のように、特図変動表示ゲームの結果の種類とリール回転演
出で停止表示する結果の種類とが一致しない場合には、実際のラウンド数と、リール回転
演出で停止表示された結果が示すラウンド数とが異なるため、遊技者が混乱してしまう。
例えば、特図変動表示ゲームの結果が10R大当りであるのにリール回転演出で16R大
当りに対応する飾り特別結果(16R大当り用の特定飾り結果)が停止表示された場合に
は、当該リール回転演出が特別な演出(例えばラウンド昇格演出)であると遊技者が勘違
いしたり遊技機に対して不信感を抱いたりする虞がある。このような不都合を回避するた
めに、本変形例では、特図変動表示ゲームの結果の種類とリール回転演出で停止表示する
結果の種類とを一致させるようにしている。
なお、リール6a,6b,6cの図柄配列は、図200に示す配列に限定されない。ま
た、リール6a,6b,6cの図柄配列によって桃の図柄に最も近い識別情報が変わって
くるため、リール回転演出で停止表示される特定飾り結果は、リール6a,6b,6cの
図柄配列に応じたものとなる。
具体的には、例えば、リール6a,6b,6cの図柄配列が図218(a)に示す配列
であるとする。図218(a)に示す配列の場合、16R大当りに対応する飾り特別結果
のうち、桃の図柄に最も近い識別情報により構成される飾り特別結果は「555」である
。よって、この場合には、図218(b)に示すように、リール回転演出において16R
大当り用の特定飾り結果として「555」が停止表示されることとなる。なお、16R大
当りには桃の図柄が揃う飾り特別結果(「桃桃桃」)も対応付けられているため、「桃桃
桃」を16R大当り用の特定飾り結果として停止表示することも可能である。
また、図218(a)に示す配列の場合、10R大当りに対応する飾り特別結果のうち
、桃の図柄に最も近い識別情報により構成される飾り特別結果は「444」である。よっ
て、この場合には、図218(c)に示すように、リール回転演出において10R大当り
用の特定飾り結果として「444」が停止表示されることとなる。
また、大当りの種類は、16R大当りと10R大当りの2種類に限定されない。
具体的には、例えば、大当りの種類が16R大当りと10R大当りと4R大当りの3種
類あり、特別結果と飾り特別結果の対応付けが図219(a),(b)に示す対応付けで
あるとする。図219(a),(b)に示す対応付けにおいて、リール6a,6b,6c
の図柄配列が図200に示す配列である場合には、16R大当り用の特定飾り結果は「9
99」となり、10R大当り用の特定飾り結果は「111」となり、4R大当り用の特定
飾り結果は「222」又は「888」となる。
また、図219(a),(b)に示す対応付けにおいて、リール6a,6b,6cの図
柄配列が図218(a)に示す配列である場合には、16R大当り用の特定飾り結果は「
777」となり、10R大当り用の特定飾り結果は「555」となり、4R大当り用の特
定飾り結果は「444」となる。
また、リール回転演出で停止表示する特定飾り結果を構成する識別情報を、リール6a
,6b,6cの図柄配列における許容範囲内から選択するようにしても良い。これにより
、準備動作に要する時間をより短縮することが可能となる。
具体的には、例えば、図219(c)に示すように、桃の図柄と桃の図柄に連続する上
下4つの図柄(ブランク図柄(星の図柄)を含む)とを含む範囲を許容範囲とする。図2
19(c)に示す許容範囲において、リール6a,6b,6cの図柄配列が図200に示
す配列である場合には、「222」、「111」、「999」及び「888」が許容範囲
内の飾り特別結果となる。よって、特別結果と飾り特別結果の対応付けが図201(a)
,(b)に示す対応付けである場合には、この許容範囲内の飾り特別結果のうち、「11
1」又は「999」が16R大当り用の特定飾り結果となり、「222」又は「888」
が10R大当り用の特定飾り結果となる。また、特別結果と飾り特別結果の対応付けが図
219(a),(b)に示す対応付けである場合には、この許容範囲内の飾り特別結果の
うち、「999」が16R大当り用の特定飾り結果となり、「111」が10R大当り用
の特定飾り結果となり、「222」又は「888」が4R大当り用の特定飾り結果となる
また、図219(c)に示す許容範囲において、リール6a,6b,6cの図柄配列が
図218(a)に示す配列である場合には、「666」、「555」、「444」及び「
333」が許容範囲内の飾り特別結果となる。よって、特別結果と飾り特別結果の対応付
けが図201(a),(b)に示す対応付けである場合には、この許容範囲内の飾り特別
結果のうち、「555」が16R大当り用の特定飾り結果となり、「444」が10R大
当り用の特定飾り結果となる。一方、特別結果と飾り特別結果の対応付けが図219(a
),(b)に示す対応付けである場合には、16R大当りに対応する飾り特別結果である
「777」及び「999」はいずれも、この許容範囲内の飾り特別結果に該当しない。よ
って、図218(a)に示す配列を採用する場合であって、図219(c)に示す許容範
囲を設定する場合には、図219(a),(b)に示す対応付けは採用されないし、逆に
、図219(a),(b)に示す対応付けを採用する場合であって、図219(c)に示
す許容範囲を設定する場合には、図218(a)に示す配列は採用されない。
また、遊技機10は、飾り特図変動表示ゲームにおいて、確変図柄が揃う飾り特別結果
が導出された際には、特別遊技状態の終了後に特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状
態(確変状態)となり、非確変図柄(通常図柄)が揃う飾り特別結果が導出された際には
、特別遊技状態の終了後に特図変動表示ゲームの確率状態が低確率状態(通常確率状態)
となる遊技機であっても良い。
このような遊技機において大当りの種類が、例えば、10R確変大当りと4R確変大当
りと10R通常大当りの3種類であるとする。この場合、特図変動表示ゲームの結果が1
0R確変大当りとなった場合には10R確変大当り用の特定飾り結果を停止表示するリー
ル回転演出が実行され、特図変動表示ゲームの結果が4R確変大当りとなった場合には4
R確変大当り用の特定飾り結果を停止表示するリール回転演出が実行され、特図変動表示
ゲームの結果が10R通常大当りとなった場合には10R通常大当り用の特定飾り結果を
停止表示するリール回転演出が実行される。
あるいは、特図変動表示ゲームの結果が10R確変大当り又は4R確変大当りとなった
場合には確変大当り用の特定飾り結果を停止表示するリール回転演出を実行し、特図変動
表示ゲームの結果が10R通常大当りとなった場合には通常大当り用の特定飾り結果を停
止表示するリール回転演出を実行するよう構成しても良い。
また、特図変動表示ゲームの結果が10R確変大当り又は10R通常大当りとなった場
合には10R大当り用の特定飾り結果を停止表示するリール回転演出を実行し、特図変動
表示ゲームの結果が4R確変大当りとなった場合には4R大当り用の特定飾り結果を停止
表示するリール回転演出を実行するよう構成することも可能である。
以上のことから、本変形例の遊技機10は、ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特
別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、外周面
に複数の識別情報が配されたリール6を複数有する変動表示装置4と、変動表示装置4の
制御を実行可能な制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、特別遊技状
態の終了後に、ゲームの実行を通常状態(通常遊技状態)よりも遊技者に有利となるよう
に設定した特定遊技状態を発生する特定遊技状態発生手段(遊技制御装置100)と、を
備え、制御手段は、ゲームの実行中に、リール6を動作させて識別情報を変動表示した後
に当該ゲームの結果に対応する停止結果(飾り特別結果又は飾りはずれ結果)を停止表示
するように構成され、特別遊技状態の発生中に、リール6を動作させて当該特別遊技状態
を発生させた特別結果(第1特別結果)の種類に対応する特定の停止結果(例えば、16
R大当り用の特定飾り結果や10R大当り用の特定飾り結果)を停止表示する特定演出(
リール回転演出)を実行可能である。
すなわち、特定遊技状態の発生前に、特定演出(リール回転演出)を実行することがで
きる。したがって、複数のリール6を有する変動表示装置4(ドラム式の可変表示器)を
用いてゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を実行する遊技機に特有の不具合、具体的には
ゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行時間(変動時間)が通常状態(通常遊技状態)より
も短くなるように設定された特定遊技状態において所定のゲーム(第1実行態様の飾り特
図変動表示ゲーム)を実行する時間を確保できないという不具合を解消することができる

なお、リール回転演出で停止表示する特定飾り結果は、有効ライン上に同じ識別情報が
並ぶ結果態様に限定されない。リール回転演出で停止表示する特定飾り結果は、例えば、
有効ライン上に異なる識別情報が並ぶ結果態様であっても良い。具体的には、本変形例で
は、リール回転演出において16R大当り用の特定飾り結果として「111」を停止表示
し、リール回転演出において10R大当り用の特定飾り結果として「222」を停止表示
するようにしたが、例えば、リール回転演出において16R大当り用の特定飾り結果とし
て「1桃1」を停止表示し、リール回転演出において10R大当り用の特定飾り結果とし
て「2桃2」を停止表示するようにしても良い。
また、本変形例では、リール回転演出において、特定飾り結果を構成する識別情報を有
効ラインのうちの中段ライン上に停止させることとしたが、特定飾り結果を構成する識別
情報が停止する有効ラインは中段ラインに限定されない。
また、本変形例の遊技機10において、制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置
300)は、特定遊技状態の発生中に、特別結果のうちの所定の特別結果(小当り)に対
応する停止結果を構成する識別情報(例えば桃の図柄)の全部が表示領域に存在する状態
で変動表示を行って当該停止結果を停止表示するゲーム(第1実行態様の飾り特図変動表
示ゲーム)を実行可能であり、特定の停止結果(例えば、16R大当り用の特定飾り結果
や10R大当り用の特定飾り結果)を構成する識別情報は、所定の特別結果(小当り)以
外の特定結果(大当り)に対応する停止結果を構成する識別情報であり、リール6の外周
面上における所定の特別結果(小当り)に対応する停止結果を構成する識別情報(例えば
桃の図柄)からの位置が、特定演出(リール回転演出)の開始時に停止表示されている停
止結果を構成する識別情報(図213(b)、図214(b)、図215(b)、図21
6(b)、図217(e)参照)よりも近い。
したがって、準備動作に要する時間を短縮できるため、特定遊技状態において所定のゲ
ーム(第1実行態様の飾り特図変動表示ゲーム)を実行する時間を効果的に確保すること
ができる。
なお、本変形例では、準備動作に要する時間が最短となるよう、リール回転演出で、リ
ール6の外周面に配された複数の識別情報のうち、桃の図柄に最も近い識別情報を有効ラ
イン上に停止させることとしたが、準備動作に要する時間を短縮できるのであれば、リー
ル回転演出で有効ライン上に停止する識別情報は、桃の図柄に最も近い識別情報に限定さ
れず適宜変更可能である。
ここで、各リール6には星の図柄(ブランク図柄)も配されているが、星の図柄は結果
態様を構成する図柄ではないため、本変形例では、星の図柄を識別情報として扱っていな
い。なお、結果態様を構成しない図柄も識別情報として扱っても良い。すなわち、星の図
柄を識別情報として扱っても良い。
また、本変形例の遊技機10は、制御手段は、特別遊技状態の終了時に行う演出(エン
ディング演出)中に特定演出(リール回転演出)を実行可能である。
したがって、特定遊技状態の開始により近いタイミングで特定演出(リール回転演出)
を実行することができる。すなわち、特別遊技状態のうちのエンディング期間以外の期間
(例えばファンファーレ期間やラウンド遊技期間)中に特定演出を実行する場合に比べて
特定演出の終了から準備動作の開始までの期間を短くすることができるため、違和感なく
特定演出を実行することが可能となる。
なお、特定演出(リール回転演出)は、特定遊技状態の開始前に実行されれば良く、エ
ンディング期間以外の期間に実行することも可能である。すなわち、特定演出は、ファン
ファーレ期間中に実行しても良いし、ラウンド遊技期間(開放期間及びインターバル期間
)中に実行しても良い。
また、本変形例の遊技機10は、第1始動入賞口36及び第2始動入賞口37を備え、
ゲームの結果が特別結果のうちの第1特別結果(大当り)となった場合に特別遊技状態と
して第1特別遊技状態を発生するとともに、ゲームの結果が特別結果のうちの第2特別結
果(小当り)となった場合に特別遊技状態として第2特別遊技状態を発生するように構成
され、制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、第1始動入賞口36へ
の遊技球の入賞に基づきゲームとして第1ゲーム(特図1変動表示ゲーム)を実行し、第
2始動入賞口37への遊技球の入賞に基づきゲームとして第2ゲーム(特図2変動表示ゲ
ーム)を実行し、第1ゲームと第2ゲームを同時に実行可能であり、第2ゲームの結果が
第2特別結果となる確率は、第2ゲームの結果が第1特別結果となる確率よりも高く、特
定遊技状態発生手段(遊技制御装置100)は、特定遊技状態として、第1特別遊技状態
の終了後に、第2ゲームの実行時間(変動時間)を通常状態(通常遊技状態)よりも短く
なるように設定した状態を発生可能であり、特定演出(リール回転演出)は、第1特別遊
技状態の発生中に実行される演出であって、リール6が動作して当該第1特別遊技状態を
発生させた第1特別結果の種類に対応する特定の停止結果(例えば、16R大当り用の特
定飾り結果や10R大当り用の特定飾り結果)を停止表示する演出である。
すなわち、小当りが頻発する特定遊技状態の発生前に特定演出(リール回転演出)を実
行することができるとともに、イレギュラー変動の結果が第1特別結果となった場合に当
該第1特別結果の種類を特定演出で報知することができる。したがって、複数のリール6
を有する変動表示装置4(ドラム式の可変表示器)を用いてゲーム(飾り特図変動表示ゲ
ーム)を実行する遊技機であって、小当りRUSHモード(小当りが高頻度で発生する演
出モード)を搭載し、かつ同時変動を実行可能な遊技機に特有の不具合を解消することが
できる。
〔第3変形例〕
次に、上述した実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、
上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分につ
いては同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
本変形例の遊技機は、特定遊技状態(高確率状態)でメイン変動となる特図2変動表示
ゲームで結果が小当りとなる場合の変動時間が、当該特図2変動表示ゲームの実行タイミ
ングによって異なっている。
図220に、本変形例において特定遊技状態(高確率状態)で結果が小当りとなる場合
に使用される変動パターンテーブルの一例を示した。なお、本変形例において使用される
その他の変動パターンテーブルは、上述した実施形態において使用される変動パターンテ
ーブル(図107(a)~(b)、図108(a)~(c))と同じであるため、図示を
省略する。
本変形例では、特定遊技状態において1回目に実行される小当り特図2変動(結果が小
当りとなる特図2変動表示ゲーム)の変動時間と、特定遊技状態において2回目以降に実
行される小当り特図2変動(結果が小当りとなる特図2変動表示ゲーム)の変動時間とが
異なっている。
具体的には、図220に示すように、特定遊技状態において2回目以降に実行される小
当り特図2変動の変動時間は、図108(d)における小当り特図2変動の変動時間と同
じである。また、特定遊技状態において実行される小当り特図1変動(結果が小当りとな
る特図1変動表示ゲーム)の変動時間は、図108(d)における小当り特図1変動の変
動時間と同じである。一方、特定遊技状態において1回目に実行される小当り特図2変動
の変動時間は、図108(d)における小当り特図2変動の変動時間よりも長い。すなわ
ち、本変形例においては、特定遊技状態において1回目に実行される小当り特図2変動の
変動時間は、特定遊技状態において2回目以降に実行される小当り特図2変動の変動時間
よりも長い。
前述したように、特定遊技状態における特図2変動表示ゲーム(メイン変動)の開始時
に、リール6の桃の図柄が表示領域内に配置されていない場合には、リール6が回転して
桃の図柄が表示領域内に配置された状態になってから、すなわち準備動作を行ってから、
第1実行態様の飾り特図変動表示ゲーム(図203(b)参照)が開始される。
リール6の桃の図柄の位置が表示領域(図柄表示窓5の範囲)から遠いほど、準備動作
に要する時間が長くなるため、第1実行態様の飾り特図変動表示ゲームの実質的な実行時
間は短くなる。
したがって、特定遊技状態における小当り特図2変動の変動時間が短いと、準備動作に
時間がかかった場合に、第1実行態様の飾り特図変動表示ゲームを実行する時間を確保で
きないという不具合が生じる。
そこで、本変形例では、特定遊技状態における小当り特図2変動の変動時間を長くする
。これにより、準備動作に時間がかかっても、すなわち上述した第2変形例のリール回転
演出を実行しなくても、第1実行態様の飾り特図変動表示ゲームを実行する時間を確保す
ることが可能となる。
特定遊技状態において結果が小当り又ははずれとなった場合には、当該特定遊技状態が
継続し、特定遊技状態において結果が大当りとなった場合には、当該特定遊技状態が終了
する。結果が小当りの場合は、図203(d)に示すように、変動表示装置4では有効ラ
イン上に桃の図柄が並ぶ飾り特別結果が結果態様として停止表示される。また、結果がは
ずれの場合は、図203(e)に示すように、変動表示装置4では有効ライン上に桃の図
柄が並ばないはずれの結果態様であって、各リール6の桃の図柄が表示領域である図柄表
示窓5の範囲から外れない結果態様が停止表示される。
すなわち、特定遊技状態において2回目以降に実行される小当り特図2変動の開始時に
は、各リール6の桃の図柄は表示領域内に配置されている。各リール6の桃の図柄が表示
領域内に配置されている場合には準備動作が実行されないため、準備動作は、特定遊技状
態において1回目に実行される小当り特図2変動では実行されるが、特定遊技状態におい
て2回目以降に実行される小当り特図2変動では実行されない。よって、本変形例では、
図220に示すように、1回目に実行される小当り特図2変動の変動時間のみを長くする

なお、特定遊技状態において1回目に実行される小当り特図2変動の変動時間は、準備
動作の開始時に表示領域内に配置されている識別情報がいずれの識別情報であっても、第
1実行態様の飾り特図変動表示ゲームを実行する時間を確保できる変動時間であれば良く
、図220に示す変動時間に限定されない。
以上のことから、本変形例の遊技機10は、ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特
別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、外周面
に複数の識別情報が配されたリール6を複数有する変動表示装置4と、変動表示装置4の
制御を実行可能な制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、特別遊技状
態の終了後に、ゲームの実行を通常状態(通常遊技状態)よりも遊技者に有利となるよう
に設定した特定遊技状態を発生する特定遊技状態発生手段(遊技制御装置100)と、を
備え、制御手段は、ゲームの実行中に、リール6を動作させて識別情報を変動表示した後
に当該ゲームの結果に対応する停止結果(飾り特別結果又は飾りはずれ結果)を停止表示
するように構成され、特定遊技状態において1回目に実行されるゲーム(小当り特図2変
動)の変動時間を、特定遊技状態において2回目以降に実行されるゲーム(小当り特図2
変動)の変動時間よりも長くした。
したがって、特定遊技状態において1回目に実行されるゲーム(特図変動表示ゲーム)
の実行時間(変動時間)、すなわち準備動作が行われるゲームの実行時間が長いため、複
数のリール6を有する変動表示装置4(ドラム式の可変表示器)を用いてゲーム(飾り特
図変動表示ゲーム)を実行する遊技機に特有の不具合、具体的にはゲームの実行時間が通
常状態(通常遊技状態)よりも短くなるように設定された特定遊技状態において所定のゲ
ーム(第1実行態様の飾り特図変動表示ゲーム)を実行する時間を確保できないという不
具合を解消することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形
態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符
号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、エ
ラー判定の一部を演出制御装置300が行う。
遊技制御装置100のプログラム容量には上限がある。よって、遊技制御装置100が
行う複数の処理の一部を演出制御装置300が行えば、遊技制御装置100のプログラム
容量を削減することができる。また、遊技制御装置100の処理負担も軽減できる。そこ
で、本実施形態では、エラー報知を行うか否か判定するエラー判定処理の一部を演出制御
装置300が行うこととする。
第2実施形態の遊技機では、遊技制御装置100が、ガラス枠開放エラー、本体枠開放
エラー、枠電波エラー(枠電波不正)、スイッチ異常エラー、磁気エラー(磁石不正)、
盤電波エラー(盤電波不正)、大入賞口不正入賞エラー(大入賞口不正)、特図2異常変
動エラー、ワンショットエラー、シュート球切れエラー、オーバーフローエラー、払出異
常エラー等のエラーを監視するエラー監視処理、すなわちエラーが発生した旨の報知を行
うか否か判定するエラー判定処理を行っている。さらに、第2実施形態では説明を省略し
たが、メイン異常エラーが発生した(具体的には、電源投入時にRWMが異常である)旨
の報知を行うか否か判定するエラー判定処理も遊技制御装置100が行っている。
これらのエラーのうち、遊技停止になるエラーや外部情報を出力するエラーについては
遊技制御装置100がエラー判定処理を行う必要がある。一方、それ以外のエラーについ
ては演出制御装置300がエラー判定処理を行っても問題はない。
遊技停止になるエラーとは、例えば、メイン異常エラーである。したがって、本実施形
態でも、メイン異常エラーが発生した旨の報知を行うか否か判定するエラー判定処理は遊
技制御装置100が行う。
また、外部情報を出力するエラーとは、例えば図189に示すように、ガラス枠開放エ
ラー、本体枠開放エラー、枠電波エラー(枠電波不正)、スイッチ異常エラー、磁気エラ
ー(磁石不正)、盤電波エラー(盤電波不正)、大入賞口不正入賞エラー(大入賞口不正
)、特図2異常変動エラーである。したがって、本実施形態でも、これらのエラーが発生
した旨の報知を行うか否か判定するエラー判定処理は遊技制御装置100が行う。
遊技停止になるエラーでもなく外部情報を出力するエラーでもないエラーとは、ワンシ
ョットエラー、シュート球切れエラー、オーバーフローエラー、払出異常エラーである。
したがって、本実施形態では、演出制御装置300が、これらのエラーが発生した旨の報
知を行うか否か判定するエラー判定処理、すなわち、ワンショットエラーが発生した旨の
報知を行うか否か判定するエラー判定処理(図226)と、シュート球切れエラーが発生
した旨の報知を行うか否か判定するエラー判定処理(図228)と、オーバーフローエラ
ーが発生した旨の報知を行うか否か判定するエラー判定処理(図229)と、払出異常エ
ラーが発生した旨の報知を行うか否か判定するエラー判定処理(図230)とを行う。
〔タイマ割込み処理〕
本実施形態の遊技機では、遊技制御装置100は、図12に示したタイマ割込み処理に
替えて図221に示すタイマ割込み処理を行う。
このタイマ割込み処理では、払出コマンド送信処理(ステップX105)の後に検出コ
マンド送信処理(ステップX116)を行う。なお、検出コマンド送信処理(ステップX
116)の実行タイミングは、払出コマンド送信処理(ステップX105)と乱数更新処
理1(ステップX106)の間に限定されず適宜変更可能である。
〔検出コマンド送信処理〕
図222に、タイマ割込み処理(図221)における検出コマンド送信処理(ステップ
X116)の一例を示した。
この検出コマンド送信処理では、まず、シュート球切れスイッチ信号の状態に対応する
シュート球切れスイッチコマンドを生成(シュート球切れスイッチ信号をコマンド化)し
て準備し(ステップX211)、演出コマンド設定処理を行う(ステップX212)。こ
れにより、シュート球切れスイッチコマンドが演出制御装置300に送信され、演出制御
装置300では、このコマンドに基づいてシュート球切れスイッチ信号がオン状態である
かオフ状態であるかが判別される。シュート球切れスイッチ信号は、例えば、払出し前の
遊技球が不足している場合にオン状態とされる。
次いで、オーバーフロースイッチ信号の状態に対応するオーバーフロースイッチコマン
ドを生成(オーバーフロースイッチ信号をコマンド化)して準備し(ステップX213)
、演出コマンド設定処理を行う(ステップX214)。これにより、オーバーフロースイ
ッチコマンドが演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、このコマンド
に基づいてオーバーフロースイッチ信号がオン状態であるかオフ状態であるかが判別され
る。オーバーフロースイッチ信号は、例えば、下皿23に所定量以上の遊技球が貯留され
ている場合(下皿23が満杯になった場合)にオン状態とされる。
次いで、払出異常ステータス信号の状態に対応する払出異常ステータスコマンドを生成
(払出異常ステータス信号をコマンド化)して準備し(ステップX215)、演出コマン
ド設定処理を行って(ステップX216)、検出コマンド送信処理を終了する。これによ
り、払出異常ステータスコマンドが演出制御装置300に送信され、演出制御装置300
では、このコマンドに基づいて払出異常ステータス信号がオン状態であるかオフ状態であ
るかが判別される。払出異常ステータス信号は、例えば、払出球検出スイッチ(払い出さ
れた遊技球を監視するスイッチ)に接続異常等の異常がある場合、払出不足の場合(実際
に払い出された遊技球が払出予定数よりも少ない場合)、又は払出過剰の場合(実際に払
い出された遊技球が払出予定数よりも多い場合)にオン状態とされる。
なお、本実施形態では、シュート球切れスイッチ信号の状態を示すコマンド(シュート
球切れスイッチコマンド)と、オーバーフロースイッチ信号の状態を示すコマンド(オー
バーフロースイッチコマンド)と、払出異常ステータス信号の状態を示すコマンド(払出
異常ステータスコマンド)の3つのコマンドを別々に演出制御装置300に送信するよう
にしたが、これに限定されない。例えば、シュート球切れスイッチ信号の状態とオーバー
フロースイッチ信号の状態と払出異常ステータス信号の状態の3つの状態を示す一のコマ
ンドを演出制御装置300に送信するようにしても良い。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
本実施形態の遊技機では、遊技制御装置100は、図19に示した入賞口スイッチ/状
態監視処理に替えて図223に示す入賞口スイッチ/状態監視処理を行う。
この入賞口スイッチ/状態監視処理では、ワンショットエラー監視処理(ステップX3
17)を行わない。すなわち、本実施形態では、遊技制御装置100は、ワンショットエ
ラーを監視する処理、すなわちワンショットエラーが発生した旨の報知を行うか否か判定
するエラー判定処理を行わない。
また、ステップX309の処理の前に、状態スキャンカウンタの値が0であるかを判定
する(ステップX318)。ステップX309では、状態スキャンカウンタの値に応じて
監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する処理を行い、ステッ
プX310では、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理
を行う。状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態
スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力さ
れる異常検知信号1に基づく状態の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値
が1である場合は払出制御装置200からのシュート球切れスイッチ信号に基づく状態の
監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が2である場合は払出制御装置20
0からのオーバーフロースイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。また、状態スキ
ャンカウンタの値が3である場合は払出制御装置200からの払出異常ステータス信号に
基づく状態の監視が設定される。
しかし、本実施形態では、遊技制御装置100は、シュート球切れスイッチ信号に基づ
く状態を監視する処理(すなわち、シュート球切れエラーが発生した旨の報知を行うか否
か判定するエラー判定処理)、オーバーフロースイッチ信号に基づく状態を監視する処理
(すなわち、オーバーフローエラーが発生した旨の報知を行うか否か判定するエラー判定
処理)、払出異常ステータス信号に基づく状態を監視する処理(すなわち、払出異常エラ
ーが発生した旨の報知を行うか否か判定するエラー判定処理)を行わない。したがって、
本実施形態では、遊技機状態監視テーブル1には状態スキャンカウンタが1から3の場合
は定義されていない。よって、ステップX309の処理の前に状態スキャンカウンタの値
が0であるかを判定し(ステップX318)、状態スキャンカウンタの値が0でない場合
(ステップX318;N)、すなわち状態スキャンカウンタの値が1から3のいずれかで
ある場合には、ステップX309,X310の処理を行わないようになっている。
〔メイン処理〕
本実施形態の遊技機では、演出制御装置300は、図193に示したメイン処理に替え
て図224に示すメイン処理を行う。
このメイン処理では、盤演出設定処理(ステップC20)の後にエラー判定処理(ステ
ップC21)を行う。なお、エラー判定処理(ステップC21)の実行タイミングは、盤
演出設定処理(ステップC20)の後に限定されず適宜変更可能である。
〔エラー判定処理〕
図225に、メイン処理(図224)におけるエラー判定処理(ステップC21)の一
例を示した。
このエラー判定処理では、ワンショットエラー判定処理(ステップC601)、シュー
ト球切れエラー判定処理(ステップC602)、オーバーフローエラー判定処理(ステッ
プC603)、払出異常エラー判定処理(ステップC604)を行う。
〔ワンショットエラー判定処理〕
図226に、エラー判定処理(図225)におけるワンショットエラー判定処理(ステ
ップC601)の一例を示した。ワンショットエラー判定処理では、第2実施形態におけ
るワンショットエラー監視処理(図128)と同等の処理を行う。
具体的には、まず、第1特別遊技状態(大当りに基づく特別遊技状態)が開始されるか
を判定する(ステップC611)。ステップC611では、遊技制御装置100からの遊
技に関するコマンドのうち、第1特別遊技状態の開始時に送信されるコマンド(例えば、
ファンファーレコマンド(ステップY764,Y824))を受信した場合に、第1特別
状態が開始されると判定する。
第1特別遊技状態が開始される場合(ステップC611;Y)は、メイン変動数を0ク
リアし(ステップC612)、イレギュラー変動数を0クリアして(ステップC613)
、ワンショットエラー報知タイマ領域を0クリアする(ステップC614)。次いで、ワ
ンショットエラーフラグ領域にワンショットエラー解除フラグをセーブし(ステップC6
15)、ワンショットエラーが発生した旨の報知の終了を設定して(ステップC616)
、ワンショットエラー判定処理を終了する。
また、第1特別遊技状態が開始されない場合(ステップC611;N)には、遊技制御
装置100からの遊技に関するコマンド(例えば、現在の確率状態に対応する変動開始確
率情報コマンド(ステップY207,Y223))に基づいて、通常遊技状態中であるか
を判定する(ステップC617)。そして、通常遊技状態中でない場合(ステップC61
7;N)は、ワンショットエラー判定処理を終了する。
一方、通常遊技状態中である場合(ステップC617;Y)は、特図1変動表示ゲーム
が開始されるかを判定する(ステップC618)。ステップC618では、遊技制御装置
100からの遊技に関するコマンドのうち、特図1変動表示ゲームの開始時に送信される
コマンド(例えば、飾り特図1コマンド(ステップY346))を受信した場合に、特図
1変動表示ゲームが開始されると判定する。そして、特図1変動表示ゲームが開始されな
い場合(ステップC618;N)は、特図2変動表示ゲームが開始されるかを判定する(
ステップC623)。また、特図1変動表示ゲームが開始される場合(ステップC618
;Y)は、メイン変動数を+1更新する(ステップC619)。
次いで、メイン変動数が規定値(例えば5)よりも小さいかを判定し(ステップC62
0)、規定値よりも小さい場合(ステップC620;Y)は、特図2変動表示ゲームが開
始されるかを判定する(ステップC623)。また、規定値よりも小さくない場合(ステ
ップC620;N)は、通常遊技状態(低確率状態)で特図2変動表示ゲームが実行され
ることにより加算されるイレギュラー変動数が0でなければ-1更新し(ステップC62
1)、メイン変動数を0クリアして(ステップC622)、特図2変動表示ゲームが開始
されるかを判定する(ステップC623)。なお、イレギュラー変動数の最小値は0に設
定されている。ステップC623では、遊技制御装置100からの遊技に関するコマンド
のうち、特図2変動表示ゲームの開始時に送信されるコマンド(例えば、飾り特図2コマ
ンド(ステップY376))を受信した場合に、特図2変動表示ゲームが開始されると判
定する。
そして、特図2変動表示ゲームが開始される場合(ステップC623;Y)は、イレギ
ュラー変動数を+1更新して(ステップC624)、ワンショットエラーフラグ領域にセ
ーブされているフラグはワンショットエラー発生フラグであるかを判定する(ステップC
625)。ワンショットエラー発生フラグである場合(ステップC625;Y)、すなわ
ちワンショットエラー報知の実行中である場合は、ワンショットエラー報知タイマに初期
値(例えば15000ms)を設定して(ステップC629)、ワンショットエラー判定
処理を終了する。また、ワンショットエラー発生フラグでない場合(ステップC625;
N)、すなわちワンショットエラー報知の実行中でない場合(ワンショットエラーフラグ
領域にセーブされているフラグがワンショットエラー解除フラグである場合)は、イレギ
ュラー変動数が規定値(例えば3)よりも小さいかを判定する(ステップC626)。
イレギュラー変動数が規定値よりも小さい場合(ステップC626;Y)は、ワンショ
ットエラー判定処理を終了する。また、イレギュラー変動数が規定値よりも小さくない場
合(ステップC626;N)は、左打ちをして特図1変動表示ゲームを主体として遊技を
進めることが推奨される通常遊技状態(低確率状態)であるにもかかわらず、遊技者が右
打ちをして特図2変動表示ゲームを実行させている場合であるため、遊技者に左打ちをす
るように促す報知を行うための処理を行う。
具体的には、ワンショットエラーフラグ領域にワンショットエラー発生フラグをセーブ
し(ステップC627)、ワンショットエラーが発生した旨の報知の開始を設定する(ス
テップC628)。これにより、例えば、「ブーブー、左打ちしてください、ブーブー、
ブーブー、ブーブー」という音声がスピーカ19a,19bから出力されるとともに、枠
装飾装置18の全赤色ランプ(演出ボタン25の系統は除く)が点滅する。その後、ワン
ショットエラー報知タイマに初期値(例えば15000ms)を設定して(ステップC6
29)、ワンショットエラー判定処理を終了する。
すなわち、低確率状態で主ではない変動表示ゲーム(イレギュラー変動)である特図2
変動表示ゲームが開始されることに基づき、異常判定数をなすイレギュラー変動数が異常
発生方向に更新(ここでは加算)されることとなる。また、主となる変動表示ゲーム(メ
イン変動)の開始に基づき異常解除数をなすメイン変動数が更新(ここでは加算)され、
当該異常解除数が所定条件を満たすことに基づき異常判定数をなすイレギュラー変動数が
異常解除方向に更新(ここでは減算)されることとなる。よって、演出制御装置300が
、主ではない変動表示ゲームの開始に基づき異常判定数を異常発生方向に更新する異常判
定数管理手段をなす。
一方、特図2変動表示ゲームが開始されない場合(ステップC623;N)は、ワンシ
ョットエラーフラグ領域にセーブされているフラグはワンショットエラー発生フラグであ
るかを判定する(ステップC630)。ワンショットエラー発生フラグでない場合(ステ
ップC630;N)、すなわちワンショットエラー報知の実行中でない場合(ワンショッ
トエラーフラグ領域にセーブされているフラグがワンショットエラー解除フラグである場
合)は、ワンショットエラー判定処理を終了する。また、ワンショットエラー発生フラグ
である場合(ステップC630;Y)、すなわちワンショットエラー報知の実行中である
場合は、ワンショットエラー報知タイマを-1更新し(ステップC631)、タイムアッ
プしたかを判定する(ステップC632)。
タイムアップしていない場合(ステップC632;N)は、ワンショットエラー判定処
理を終了する。また、タイムアップした場合(ステップC632;Y)は、ワンショット
エラーフラグ領域にワンショットエラー解除フラグをセーブし(ステップC633)、ワ
ンショットエラーが発生した旨の報知の終了を設定して(ステップC634)、ワンショ
ットエラー判定処理を終了する。
図227には、遊技の進行に伴うワンショットエラー判定処理による処理についての一
例を示した。イレギュラー変動数の変化については、図129(a)に示す例と同じであ
るため説明を省略し、ここでは、ワンショットエラー報知が行われる場合についてのみ説
明する。図227に示す例では通常遊技状態において、イレギュラー変動数が1である状
態となっている。この状態から特図2変動表示ゲームが開始されると(t51)、イレギ
ュラー変動数は1から2に更新される。さらに特図2変動表示ゲームが開始されると(t
52)、イレギュラー変動数が規定値である3に達する。
これにより、演出制御装置300は、ワンショットエラー発生フラグをセーブして、表
示や音声等によりワンショットエラーが発生した旨の報知を開始する。すなわち、演出制
御装置300が、異常判定数(イレギュラー変動数)が所定条件を満たす(規定値となる
)ことに基づき、所定の対応を行う対応手段をなす。
また、イレギュラー変動数が規定値である3に達した時点からワンショットエラー報知
タイマでの計時が開始され(t52)、所定時間(ここでは15秒)が経過することによ
り(t53)、演出制御装置300は、ワンショットエラーが発生した旨の報知を終了す
る。なお、イレギュラー変動数は、所定時間(ここでは15秒)が経過しても0クリアさ
れずに継続加算される。
また、イレギュラー変動数が規定値(ここでは3)に達している状態でイレギュラー変
動が発生したと判定された場合には、イレギュラー変動数が更新されて、ワンショットエ
ラー報知タイマに初期値が再設定される。すなわち、ワンショットエラー報知の実行中に
イレギュラー変動が発生した場合には、最後のイレギュラー変動の発生から所定時間(こ
こでは15秒)が経過したことに基づいて、当該ワンショットエラー報知(演出制御装置
300によるワンショットエラーが発生した旨の報知)が終了する。よって、所定時間の
経過前に新たに特図2変動表示ゲームが開始された場合はイレギュラー変動数が規定値以
上の状態で更新され、その時点から新たに所定時間の計時が開始される。これにより、ワ
ンショットエラーが発生した旨の報知がされているにもかかわらず特図2変動表示ゲーム
を実行する場合には、報知の期間がこれに応じて延長されることとなる。
このように、イレギュラー変動数が規定値(例えば3)に達することに基づきワンショ
ットエラーが発生したと判定することで、例えば意図せずに右側の遊技領域に遊技球が入
って第2始動入賞口37に入賞してしまった場合に、すぐにワンショットエラーであると
判定されることを防止できる。さらに、所定回数の特図1変動表示ゲームを行うことでイ
レギュラー変動数が減算されるようにしたことで、意図しない第2始動入賞口37への入
賞について発生したイレギュラー変動数はその後に遊技を行っていれば解消されるように
なり、単なるミスや他の遊技者の遊技の結果が累積してワンショットエラーであると判定
されることを防止できる。
なお、所定回数の特図1変動表示ゲームを行っても、イレギュラー変動数が減算されな
いよう構成することも可能である。すなわち、ワンショットエラー判定処理(図226)
において、ステップC611~C616の処理を行わないよう構成することも可能である
また、ワンショットエラー報知を行うこととなるイレギュラー変動数の規定値や、イレ
ギュラー変動数を減算する処理を行うこととなるメイン変動数の規定値は任意に設定可能
である。ここで設定するそれぞれの規定値は、通常遊技状態で遊技者が特図2変動表示ゲ
ームの開始を狙わないようにさせることができるような値であればどのような値でも良い
。本実施形態では、イレギュラー変動数の規定値とメイン変動数の規定値を互いに異なる
値にしたが、無論、これらの規定値は同じ値であっても良い。
また、停電が発生して復旧した場合には、停電発生前の状態から監視を再開するように
する。この場合、停電復旧時にメイン変動数やイレギュラー変動数を0クリアしても良い

また、ワンショットエラー報知を行っている場合であっても入賞に対する賞球の払出は
通常通り行う。
また、ワンショットエラー報知の実行中にメイン変動数が規定値に達した場合には、そ
の時点でイレギュラー変動数は-1更新されるが、当該ワンショットエラー報知は中止さ
れることなく予定通り行われる。すなわち、ワンショットエラー報知の実行中にイレギュ
ラー変動数が-1更新された場合(イレギュラー変動数が規定値よりも小さくなった場合
)でも、当該ワンショットエラー報知には影響を与えないようになっている。
また、ワンショットエラー報知の実行中に第1特別遊技状態(大当りに基づく特別遊技
状態)が発生した場合には、第1特別遊技状態の開始時に、当該ワンショットエラー報知
が終了する。すなわち、第1特別遊技状態の開始時に、演出制御装置300は、ワンショ
ットエラーが発生した旨の報知を終了して、メイン変動数及びイレギュラー変動数を0ク
リアする。
〔シュート球切れエラー判定処理〕
図228に、エラー判定処理(図225)におけるシュート球切れエラー判定処理(ス
テップC602)の一例を示した。シュート球切れエラー判定処理では、第2実施形態の
入賞口スイッチ/状態監視処理(図122)において状態スキャンカウンタの値が1であ
る場合(すなわち、シュート球切れスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される場合)
に行う遊技機状態チェック処理(ステップX310(図130))と同等の処理を行う。
具体的には、まず、遊技制御装置100からのシュート球切れスイッチコマンドに基づ
いてシュート球切れスイッチ信号がオン状態であるかを判定する(ステップC631)。
シュート球切れスイッチ信号がオフ状態である場合(ステップC631:N)は、シュ
ート球切れ状態フラグとして状態オフフラグを準備し(ステップC632)、シュート球
切れ状態オフ監視タイマ比較値を取得して(ステップC633)、シュート球切れ信号状
態領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップC636)。シュート球切れスイッ
チ信号がオフ状態である場合(ステップC631:N)とは、シュート球切れが発生して
いない場合である。
一方、シュート球切れスイッチ信号がオン状態である場合(ステップC631:Y)は
、シュート球切れ状態フラグとして状態オンフラグを準備し(ステップC634)、シュ
ート球切れ状態オン監視タイマ比較値を取得して(ステップC635)、シュート球切れ
信号状態領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップX636)。シュート球切れ
スイッチ信号がオン状態である場合(ステップC631:Y)とは、シュート球切れが発
生している場合である。
シュート球切れ信号状態領域の値と今回の信号の状態が一致した場合(ステップC63
6;Y)、すなわちシュート球切れスイッチ信号の状態が変化していない場合は、シュー
ト球切れ状態監視タイマを+1更新して(ステップC639)、シュート球切れ状態監視
タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップC640)。また、
シュート球切れ信号状態領域の値と今回の信号の状態が一致しない場合(ステップC63
6;N)、すなわちシュート球切れスイッチ信号の状態が変化した場合は、シュート球切
れ信号状態領域に今回の信号の状態をセーブする(ステップC637)。そして、シュー
ト球切れ状態監視タイマをクリアし(ステップC638)、シュート球切れ状態監視タイ
マを+1更新して(ステップC639)、シュート球切れ状態監視タイマの値が監視タイ
マ比較値以上となったかを判定する(ステップC640)。
シュート球切れ状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上でない場合(ステップC6
40;N)は、シュート球切れエラー判定処理を終了する。また、シュート球切れ状態監
視タイマの値が監視タイマ比較値以上である場合(ステップC640:Y)は、シュート
球切れ状態監視タイマを-1更新して比較値-1の値に留め(ステップC641)、準備
したシュート球切れ状態フラグをシュート球切れ状態フラグ領域の値と比較する(ステッ
プC642)。
そして、準備したシュート球切れ状態フラグとシュート球切れ状態フラグ領域の値とが
一致する場合(ステップX642;Y)は、シュート球切れエラー判定処理を終了する。
また、準備したシュート球切れ状態フラグとシュート球切れ状態フラグ領域の値とが一致
しない場合(ステップC642;N)は、準備したシュート球切れ状態フラグをシュート
球切れ状態フラグ領域にセーブして(ステップC643)、準備したシュート球切れ状態
フラグが状態オンフラグであるかを判定する(ステップC644)。
準備したシュート球切れ状態フラグが状態オンフラグである場合(ステップC644;
Y)は、シュート球切れエラーが発生した旨の報知の開始を設定して(ステップC645
)、シュート球切れエラー判定処理を終了する。これにより、表示や音声等によってシュ
ート球切れエラーが発生した旨の報知が開始される。具体的には、例えば、枠装飾装置1
8の全赤色ランプ(演出ボタン25の系統は除く)及び全緑色ランプ(演出ボタン25の
系統は除く)が点灯するとともに、表示装置41に「補給エラー 係員をお呼び下さい」
と表示される。
一方、準備したシュート球切れ状態フラグが状態オフフラグである場合(ステップC6
44;N)は、シュート球切れエラーが発生した旨の報知の終了を設定して(ステップC
646)、シュート球切れエラー判定処理を終了する。これにより、表示や音声等による
シュート球切れエラーが発生した旨の報知が終了する。
シュート球切れスイッチ信号は、払出制御装置200に設けられた検出手段から、払出
制御装置200の制御部を介さずに遊技制御装置100へと出力される。また、シュート
球切れスイッチ信号は、当該検出手段から払出制御装置200の制御部にも出力され、払
出制御装置200の制御部は、このシュート球切れスイッチ信号に基づいて、シュート球
切れエラー判定処理(図228)と同等の処理を行う。払出制御装置200では、例えば
、払出制御装置200に設けられた表示部にシュート球切れエラーに対応する記号(例え
ば「1」)を表示することで、シュート球切れエラーが発生した旨が報知される。すなわ
ち、シュート球切れエラーが発生した場合には、演出制御装置300により制御される報
知手段と、払出制御装置200により制御される報知手段との双方によってその旨が報知
される。
〔オーバーフローエラー判定処理〕
図229に、エラー判定処理(図225)におけるオーバーフローエラー判定処理(ス
テップC603)の一例を示した。オーバーフローエラー判定処理では、第2実施形態の
入賞口スイッチ/状態監視処理(図122)において状態スキャンカウンタの値が2であ
る場合(すなわち、オーバーフロースイッチ信号に基づく状態の監視が設定される場合)
に行う遊技機状態チェック処理(ステップX310(図130))と同等の処理を行う。
具体的には、まず、遊技制御装置100からのオーバーフロースイッチコマンドに基づ
いてオーバーフロースイッチ信号がオン状態であるかを判定する(ステップC651)。
オーバーフロースイッチ信号がオフ状態である場合(ステップC651:N)は、オー
バーフロー状態フラグとして状態オフフラグを準備し(ステップC652)、オーバーフ
ロー状態オフ監視タイマ比較値を取得して(ステップC653)、オーバーフロー信号状
態領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップC656)。オーバーフロースイッ
チ信号がオフ状態である場合(ステップC651:N)とは、オーバーフローが発生して
いない場合である。
一方、オーバーフロースイッチ信号がオン状態である場合(ステップC651:Y)は
、オーバーフロー状態フラグとして状態オンフラグを準備し(ステップC654)、オー
バーフロー状態オン監視タイマ比較値を取得して(ステップC655)、オーバーフロー
信号状態領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップC656)。オーバーフロー
スイッチ信号がオン状態である場合(ステップC651:Y)とは、オーバーフローが発
生している場合である。
オーバーフロー信号状態領域の値と今回の信号の状態が一致した場合(ステップC65
6;Y)、すなわちオーバーフロースイッチ信号の状態が変化していない場合は、オーバ
ーフロー状態監視タイマを+1更新して(ステップC659)、オーバーフロー状態監視
タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップC660)。また、
オーバーフロー信号状態領域の値と今回の信号の状態が一致しない場合(ステップC65
6;N)、すなわちオーバーフロースイッチ信号の状態が変化した場合は、オーバーフロ
ー信号状態領域に今回の信号の状態をセーブする(ステップC657)。そして、オーバ
ーフロー状態監視タイマをクリアし(ステップC658)、オーバーフロー状態監視タイ
マを+1更新して(ステップC659)、オーバーフロー状態監視タイマの値が監視タイ
マ比較値以上となったかを判定する(ステップC660)。
オーバーフロー状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上でない場合(ステップC6
60;N)は、オーバーフローエラー判定処理を終了する。また、オーバーフロー状態監
視タイマの値が監視タイマ比較値以上である場合(ステップC660:Y)は、オーバー
フロー状態監視タイマを-1更新して比較値-1の値に留め(ステップC661)、準備
したオーバーフロー状態フラグをオーバーフロー状態フラグ領域の値と比較する(ステッ
プC662)。
そして、準備したオーバーフロー状態フラグとオーバーフロー状態フラグ領域の値とが
一致する場合(ステップC662;Y)は、オーバーフローエラー判定処理を終了する。
また、準備したオーバーフロー状態フラグとオーバーフロー状態フラグ領域の値とが一致
しない場合(ステップC662;N)は、準備したオーバーフロー状態フラグをオーバー
フロー状態フラグ領域にセーブして(ステップC663)、準備したオーバーフロー状態
フラグが状態オンフラグであるかを判定する(ステップC664)。
準備したオーバーフロー状態フラグが状態オンフラグである場合(ステップC664;
Y)は、オーバーフローエラーが発生した旨の報知の開始を設定して(ステップC665
)、オーバーフローエラー判定処理を終了する。これにより、表示や音声等によってオー
バーフローエラーが発生した旨の報知が開始される。具体的には、例えば、「オーバーフ
ロー」という音声がスピーカ19a,19bから出力されるとともに、表示装置41に「
下皿の玉を抜いて下さい」と表示される。
一方、準備したオーバーフロー状態フラグが状態オフフラグである場合(ステップC6
65;N)は、オーバーフローエラーが発生した旨の報知の終了を設定して(ステップC
666)、オーバーフローエラー判定処理を終了する。これにより、表示や音声等による
オーバーフローエラーが発生した旨の報知が終了する。
オーバーフロースイッチ信号は、払出制御装置200に設けられた検出手段から、払出
制御装置200の制御部を介さずに遊技制御装置100へと出力される。また、オーバー
フロースイッチ信号は、当該検出手段から払出制御装置200の制御部にも出力され、払
出制御装置200の制御部は、このオーバーフロースイッチ信号に基づいて、オーバーフ
ローエラー判定処理(図229)と同等の処理を行う。払出制御装置200では、例えば
、払出制御装置200に設けられた表示部にオーバーフローエラーに対応する記号(例え
ば「2」)を表示することで、オーバーフローエラーが発生した旨が報知される。すなわ
ち、オーバーフローエラーが発生した場合には、演出制御装置300により制御される報
知手段と、払出制御装置200により制御される報知手段との双方によってその旨が報知
される。
〔払出異常エラー判定処理〕
図230に、エラー判定処理(図225)における払出異常エラー判定処理(ステップ
C604)の一例を示した。払出異常エラー判定処理では、第2実施形態の入賞口スイッ
チ/状態監視処理(図122)において状態スキャンカウンタの値が3である場合(すな
わち、払出異常ステータス信号に基づく状態の監視が設定される場合)に行う遊技機状態
チェック処理(ステップX310(図130))と同等の処理を行う。
具体的には、まず、遊技制御装置100からの払出異常ステータスコマンドに基づいて
払出異常ステータス信号がオン状態であるかを判定する(ステップC671)。
払出異常ステータス信号がオフ状態である場合(ステップC671:N)は、払出異常
状態フラグとして状態オフフラグを準備し(ステップC672)、払出異常状態オフ監視
タイマ比較値を取得して(ステップC673)、払出異常信号状態領域の値と今回の信号
の状態を比較する(ステップC676)。払出異常ステータス信号がオフ状態である場合
(ステップC671:N)とは、払出異常が発生していない場合である。
一方、払出異常ステータス信号がオン状態である場合(ステップC671:Y)は、払
出異常状態フラグとして状態オンフラグを準備し(ステップC674)、払出異常状態オ
ン監視タイマ比較値を取得して(ステップC675)、払出異常信号状態領域の値と今回
の信号の状態を比較する(ステップC676)。払出異常ステータス信号がオン状態であ
る場合(ステップC671:Y)とは、払出異常が発生している場合である。
払出異常信号状態領域の値と今回の信号の状態が一致した場合(ステップC676;Y
)、すなわち払出異常ステータス信号の状態が変化していない場合は、払出異常状態監視
タイマを+1更新して(ステップC679)、払出異常状態監視タイマの値が監視タイマ
比較値以上となったかを判定する(ステップC680)。また、払出異常信号状態領域の
値と今回の信号の状態が一致しない場合(ステップC676;N)、すなわち払出異常ス
テータス信号の状態が変化した場合は、払出異常信号状態領域に今回の信号の状態をセー
ブする(ステップC677)。そして、払出異常状態監視タイマをクリアし(ステップC
678)、払出異常状態監視タイマを+1更新して(ステップC679)、払出異常状態
監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップC680)。
払出異常状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上でない場合(ステップC680;
N)は、払出異常エラー判定処理を終了する。また、払出異常状態監視タイマの値が監視
タイマ比較値以上である場合(ステップC680;Y)は、払出異常状態監視タイマを-
1更新して比較値-1の値に留め(ステップC681)、準備した払出異常状態フラグを
払出異常状態フラグ領域の値と比較する(ステップC682)。
そして、準備した払出異常状態フラグと払出異常状態フラグ領域の値とが一致する場合
(ステップC682;Y)は、払出異常エラー判定処理を終了する。また、準備した払出
異常状態フラグと払出異常状態フラグ領域の値とが一致しない場合(ステップC682;
N)は、準備した払出異常状態フラグを払出異常状態フラグ領域にセーブして(ステップ
C683)、準備した払出異常状態フラグが状態オンフラグであるかを判定する(ステッ
プC684)。
準備した払出異常状態フラグが状態オンフラグである場合(ステップC684;Y)は
、払出異常エラーが発生した旨の報知の開始を設定して(ステップC685)、払出異常
エラー判定処理を終了する。これにより、表示や音声等によって払出異常エラーが発生し
た旨の報知が開始される。具体的には、例えば、「払出エラーです」という音声がスピー
カ19a,19bから出力されるとともに、枠装飾装置18の全赤色ランプ(演出ボタン
25の系統は除く)が点滅する。
一方、準備した払出異常状態フラグが状態オフフラグである場合(ステップC684;
N)は、払出異常エラーが発生した旨の報知の終了を設定して(ステップC686)、払
出異常エラー判定処理を終了する。これにより、表示や音声等による払出異常エラーが発
生した旨の報知が終了する。
払出異常ステータス信号は、払出制御装置200に設けられた検出手段から、払出制御
装置200の制御部を介さずに遊技制御装置100へと出力される。また、払出異常ステ
ータス信号は、当該検出手段から払出制御装置200の制御部にも出力され、払出制御装
置200の制御部は、この払出異常ステータス信号に基づいて、払出異常エラー判定処理
(図230)と同等の処理を行う。払出制御装置200では、例えば、払出制御装置20
0に設けられた表示部に払出異常エラーに対応する記号(例えば、払出球検出スイッチ異
常の場合は「4」、払出不足の場合は「5」、払出過剰の場合は「6」)を表示すること
で、払出異常エラーが発生した旨が報知される。すなわち、払出異常エラーが発生した場
合には、演出制御装置300により制御される報知手段と、払出制御装置200により制
御される報知手段との双方によってその旨が報知される。
以上のことから、本実施形態の遊技機10は、遊技を制御する遊技制御手段(遊技制御
装置100)と、遊技制御手段からのコマンドに基づいて遊技に関する演出を制御する演
出制御手段(演出制御装置300)と、所定の報知を行う報知手段(枠装飾装置18、ス
ピーカ19a,19b、表示装置41等)と、を備え、演出制御手段は、遊技制御手段か
らのコマンドに基づいて所定のエラー(本実施形態では、ワンショットエラー、シュート
球切れエラー、オーバーフローエラー、払出異常エラー)が発生したか否かを判定し、当
該所定のエラーが発生したと判定した場合に報知手段によるエラー報知を実行する(図2
26、図228、図229、図230)。
したがって、所定のエラー(本実施形態では、ワンショットエラー、シュート球切れエ
ラー、オーバーフローエラー、払出異常エラー)が発生した旨の報知を行うか否か判定す
るエラー判定処理を演出制御装置300が実行するため、遊技制御装置100の処理負担
やプログラム容量を削減することができる。
なお、所定のエラーは、ワンショットエラー、シュート球切れエラー、オーバーフロー
エラー、払出異常エラーに限定されず、適宜変更可能である。
また、本実施形態の遊技機10において、演出制御手段(演出制御装置300)は、遊
技制御手段(遊技制御装置100)からの遊技に関するコマンドのうち所定のコマンド(
本実施形態では、特図2変動表示ゲームの開始時に送信されるコマンド(例えば、飾り特
図2コマンド))を受信した際にエラー判定用カウンタ(イレギュラー変動数を記憶する
記憶領域)の値を更新し、当該エラー判定用カウンタの値が規定値(例えば3)に達した
場合に所定のエラー(本実施形態では、ワンショットエラー)が発生したと判定する(図
226)。
すなわち、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの遊技に関するコマンドに
基づいてエラー報知を行うか否かを判定することができる。したがって、遊技制御装置1
00は、エラー判定のためのコマンドを別途送信する必要がないため、遊技制御装置10
0の処理負担やプログラム容量を削減することができる。
なお、遊技制御手段(遊技制御装置100)からの遊技に関するコマンドのうち所定の
コマンドは、特図2変動表示ゲームの開始時に送信されるコマンドに限定されない。所定
のエラーがワンショットエラーである場合には、当該エラーの判定に用いる遊技に関する
コマンドは、特図2変動表示ゲームの開始時に送信されるコマンドであっても良いし、特
図2変動表示ゲームの実行中に送信されるコマンドであっても良いし、特図2変動表示ゲ
ームの終了時に送信されるコマンドであっても良い。
また、遊技に関するコマンドに基づいて判定する所定のエラーは、ワンショットエラー
に限定されず、適宜変更可能である。
また、本実施形態の遊技機10において、異常を検出したか否かを示す検出信号(本実
施形態では、シュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号、払出異常ステ
ータス信号)を出力する検出手段を備え、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、検出
手段からの検出信号に基づく検出コマンド(本実施形態では、シュート球切れスイッチコ
マンド、オーバーフロースイッチコマンド、払出異常ステータスコマンド(図222参照
))を演出制御手段(演出制御装置300)に送信し、演出制御手段は、遊技制御手段か
らの検出コマンドのうち異常を検出したことを示す検出信号に基づく検出コマンドを所定
期間継続して受信した場合に所定のエラー(本実施形態では、シュート球切れエラー、オ
ーバーフローエラー、払出異常エラー)が発生したと判定する(図228、図229、図
230)。
すなわち、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの検出コマンドに基づいて
検出手段が異常を検出したか否かを判定し、当該判定結果に基づいてエラー報知を行うか
否かを判定することができる。したがって、遊技制御装置100は、検出手段からの検出
信号に基づく検出コマンドを送信するだけで良いため、遊技制御装置100の処理負担や
プログラム容量を削減することができる。
なお、検出コマンドに基づいて判定する所定のエラーは、シュート球切れエラー、オー
バーフローエラー、払出異常エラーに限定されず、適宜変更可能である。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊
技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機
、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をス
ロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用す
るスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンな
どの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて
適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと
考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって
示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意
図される。
例えば、第3実施形態の遊技機は、特図2変動表示ゲームの開始を保留するための第2
始動記憶を発生するタイプの遊技機であっても良い。この場合、特図始動口2スイッチ処
理(図136)では、特図始動口1スイッチ処理(図134)のステップX534~X5
36に相当する処理、すなわち、先読み処理である特図保留情報判定処理と、特図2保留
数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する処理と、演出コマンド設定処理とが行わ
れる。したがって、第2始動入賞口37(特図2変動表示ゲームの開始条件を与える始動
入賞領域)に遊技球が入賞したことに基づいて、入賞コマンド(特図2保留数に対応する
飾り特図保留数コマンド)が演出制御装置300に送信される。
よって、この場合、ワンショットエラー判定処理では、例えば図231に示すように、
通常遊技状態(低確率状態)で特図2変動表示ゲームが実行されることにより加算される
イレギュラー変動数ではなく、通常遊技状態(低確率状態)で第2始動入賞口37に遊技
球が入賞することにより加算されるイレギュラー入賞数をカウントするようにしても良い

すなわち、演出制御手段(演出制御装置300)は、遊技制御手段(遊技制御装置10
0)からの遊技に関するコマンドのうち入賞コマンド(例えば、特図2保留数に対応する
飾り特図保留数コマンド)を受信した際にエラー判定用カウンタ(イレギュラー入賞数を
記憶する記憶領域)の値を更新するようにしても良い。
具体的には、図231に示すワンショットエラー判定処理では、例えば、特図2変動表
示ゲームが開始されるか判定する処理(ステップC623)に替えて、特図2保留入賞が
発生したか判定する処理(ステップC623a)を行う。ステップC623aでは、遊技
制御装置100からの入賞コマンド(例えば、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コ
マンド)を受信した場合に、特図2保留入賞が発生したと判定する。
また、イレギュラー変動数を+1更新する処理(ステップC624)に替えて、イレギ
ュラー入賞数を+1更新する処理(ステップC624a)を行う。
また、イレギュラー変動数が規定値(例えば3)よりも小さいかを判定する処理(ステ
ップC626)に替えて、イレギュラー入賞数が規定値(例えば3)よりも小さいかを判
定する処理(ステップC626a)を行う。
また、イレギュラー変動数が0でなければ-1更新する処理(ステップC621)に替
えて、イレギュラー入賞数が0でなければ-1更新する処理(ステップC621a)を行
う。
また、第2実施形態の遊技機は、特図2変動表示ゲームの開始を保留するための第2始
動記憶を発生するタイプの遊技機であっても良い。この場合、ワンショットエラー監視処
理(図128)では、通常遊技状態(低確率状態)で特図2変動表示ゲームが実行される
ことにより加算されるイレギュラー変動数ではなく、通常遊技状態(低確率状態)で第2
始動入賞口37に遊技球が入賞することにより加算されるイレギュラー入賞数をカウント
するようにしても良い。
また、例えば、第2実施形態及び第3実施形態の遊技機は、遊技環境や遊技状況に応じ
てイレギュラー変動数(あるいはイレギュラー入賞数)の規定値を変化させる学習機能を
有していても良い。これにより、機種のスペック、ホールの客層、釘や傾斜などの盤面構
成等に適したワンショットエラー報知を行うことが可能となる。
具体的には、例えば、第1時点から第2時点(例えば第1時点からの特図変動表示ゲー
ムの実行回数が所定回数に達した時点)までの期間(以下「所定期間」という)における
イレギュラー変動数をカウントし、第2時点になった際にイレギュラー変動数の規定値を
変更する処理を行う。
この処理では、例えば、所定期間におけるイレギュラー変動数が所定範囲を下回る場合
(例えば0回である場合)には、イレギュラー変動が少ない遊技環境や遊技状況であるた
め、意図しないイレギュラー変動でワンショットエラーが報知されないようにするべく、
イレギュラー変動数の規定値を通常値よりも大きい値(例えば50)に設定し、所定期間
におけるイレギュラー変動数が所定範囲内である場合(例えば1~5回である場合)には
、イレギュラー変動数の規定値を通常値(例えば10)に設定し、所定期間におけるイレ
ギュラー変動数が所定範囲を上回る場合(例えば6回以上である場合)には、イレギュラ
ー変動が多い遊技環境や遊技状況であるため、イレギュラー変動を狙う遊技者に対する取
り締まりを強化するべく、イレギュラー変動数の規定値を通常値よりも小さい値(例えば
1)に設定する。
あるいは、例えば、所定期間におけるワンショットエラーの発生回数(イレギュラー変
動数が規定値に達した回数)をカウントし、第2時点になった際にイレギュラー変動数の
規定値を変更する処理を行う。
この処理では、例えば、所定期間におけるワンショットエラーの発生回数が所定範囲を
下回る場合には、イレギュラー変動が少ない遊技環境や遊技状況であるため、意図しない
イレギュラー変動でワンショットエラーが報知されないようにするべく、イレギュラー変
動数の規定値を通常値よりも大きい値に設定し、所定期間におけるワンショットエラーの
発生回数が所定範囲内である場合には、イレギュラー変動数の規定値を通常値に設定し、
所定期間におけるワンショットエラーの発生回数が所定範囲を上回る場合には、イレギュ
ラー変動が多い遊技環境や遊技状況であるため、イレギュラー変動を狙う遊技者に対する
取り締まりを強化するべく、イレギュラー変動数の規定値を通常値よりも小さい値に設定
する。
また、遊技環境や遊技状況に応じて変化させる値は、イレギュラー変動数(あるいはイ
レギュラー入賞数)の規定値に限定されず適宜変更可能であり、例えば、不正発生判定個
数(ステップX325)や、磁石不正監視タイマ(ステップX612)により計時される
異常な磁気の検出期間などであっても良い。
次に、第4の実施形態の遊技機10について説明する。
なお、第1~第3の実施形態と異なる形態の遊技機10であり、以下、第1~第3の実
施形態と同様の構成を有する部分についても符号を付しての説明を改めて行う。
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
<第4実施形態>
図232に示すように本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外
枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図233参照)は
前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本
体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス
枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異
常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例
えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例え
ば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠
12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はス
ピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知
されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設
けるようにしても良い。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(
貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が
流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する
下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21
の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25a
を内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)に
は、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。
さらに、前面枠12の下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したり
する鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチ
パネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍に
サブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に
操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるた
めに操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略
)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が操作部24を回
動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前
面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル2
9を操作することによって、表示装置41(図233参照)における変動表示ゲーム(飾
り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる
次に、図233を用いて遊技盤30の一例について説明する。図233は、本実施形態
の遊技盤30の正面図である。
図233に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本
体80を備える。遊技盤本体80は木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体80の
前面には、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及び外周壁(ガ
イドレール)31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、外周壁31
で囲まれた遊技領域32内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成さ
れている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘などが
配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域3
2を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンター
ケース40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複
数の識別情報を変動表示する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置
されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン
管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表
示領域)には、演出画像として静止画や動画を表示可能であり、例えば、複数の識別情報
(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等
の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として
割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対
応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出
のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画
像等)が表示される。
センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側
に導くためのワープ流路を形成するワープ流路形成部材614と、当該ワープ流路を通過
した遊技球が転動可能なステージ部620とが設けられている。センターケース40のス
テージ部620は、始動入賞口36の上方に配置されているため、ステージ部620上で
転動した遊技球は始動入賞口36に入賞し易くなっている。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出
装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図233に示す状態から表示装置4
1の中央へ向けて動作可能となっている。
センターケース40の右方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート
)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通
過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ34a(図234参照)が設けられている
。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表
示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には、二つの一般入賞口35が配置されて
おり、センターケース40の右下方の遊技領域32には、一つの一般入賞口35が配置さ
れている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞
口スイッチ35a(図234参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図1変動表示ゲーム(第1特図変動
表示ゲーム)の開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞領域)が設けられている
。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図234参照)によっ
て検出される。
センターケース40の右部には、特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の
開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞領域)が設けられている。普通変
動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図234参照)によって
検出される。
普通変動入賞装置37は、可動部材(図示省略)を備えており、この可動部材は、常時
は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そ
して、普図変動表示ゲームの結果が所定結果となった場合には、駆動装置としての普電ソ
レノイド37c(図234参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い
開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
なお、本実施形態において、普通変動入賞装置37の可動部材は、普電ソレノイド37
cによって前後方向に進退(スライド)することで開閉する所謂ベロ型の普通電動役物で
あるが、普通変動入賞装置37の可動部材は、これに限定されない。普通変動入賞装置3
7の可動部材は、例えば、普電ソレノイド37cによって上端側が手前側に倒れる方向に
回動することで開放するアタッカ形式の普通電動役物であっても良いし、普電ソレノイド
37cによって逆「ハ」の字状に開放するチューリップ型の普通電動役物であっても良い

また、普通変動入賞装置37は、可動部材が閉状態でも遊技球の入賞を可能とし、閉状
態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としても良い。
センターケース40の右方の遊技領域32のうち、普図始動ゲート34と普通変動入賞
装置37との間には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受
け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(上大入賞口)38が設けられてい
る。第1特別変動入賞装置38は、開閉部材(図示省略)が前後方向に進退(スライド)
することで、上大入賞口を遊技球が流入可能な状態に変換する。第1特別変動入賞装置3
8は、特図変動表示ゲームの結果によって、上大入賞口を閉じた閉状態から開状態に変換
し、上大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞
球)を付与するようになっている。第1特別変動入賞装置38に入賞した遊技球は、大入
賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図234参照)によって検出される。
上大入賞口の内部(入賞領域)には、遊技球が流入可能な特定領域が設けられていると
ともに、当該特定領域への遊技球の流入確率を変化させるようにレバーソレノイド38f
(図234参照)により動作するレバー部材が設けられている。特定領域には遊技球の流
入を検出可能な特定領域スイッチ38d(図234参照)が設けられており、当該特定領
域スイッチ38dで遊技球を検出したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態が発生
する(本実施形態では、特別遊技状態の終了後に高確率状態が発生する)ようになってい
る。特定領域に流入した遊技球は第1特別変動入賞装置38の外部へ排出される。
また、上大入賞口の内部には、特定領域に流入せずに第1特別変動入賞装置38の外部
へ排出される遊技球を検出する残存球排出口スイッチ38e(図234参照)が設けられ
ている。上大入賞口の内部に設けられた大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数(
上大入賞口に流入した遊技球数)と、特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ
38eで検出された遊技球数(上大入賞口から排出される遊技球数)とが一致することに
より上大入賞口内の遊技球が全て排出されたことを確認でき、基本的にはこの確認が終了
するまでは新たな上大入賞口の開放が行われないようになっている。
センターケース40の下方の遊技領域32のうち、始動入賞口36の右方には、特図変
動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能
な第2特別変動入賞装置(下大入賞口)39が設けられている。第2特別変動入賞装置3
9は、開閉部材(図示省略)が前後方向に進退(スライド)することで、下大入賞口を遊
技球が流入可能な状態に変換する。第2特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの
結果によって、下大入賞口を閉じた閉状態から開状態に変換し、下大入賞口内への遊技球
の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになって
いる。第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ(カウントスイ
ッチ)39a(図234参照)によって検出される。
始動入賞口36の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収す
るアウト口30aが設けられている。また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体80
の右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)
及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された特図1
変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)51及び特図2変動表示ゲーム
用の特図2表示器(第2特図変動表示部)52と、LEDランプで構成された特図1変動
表示ゲームの始動記憶数報知用の第1記憶表示部53と、LEDランプで構成された特図
2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の第2記憶表示部54とを備える。
また、一括表示装置50には、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38,39の
開閉回数)を表示するラウンド表示部55、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊技者に
有利な打ち方(遊技状態に対応した打ち方)を報知する第1遊技状態表示部56、特図変
動表示ゲームの確率状態(高確率状態又は低確率状態)を報知する確率表示部57が設け
られている。なお、一括表示装置50には、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態
が高確率状態となっていることを表示する確率状態表示部、大当りが発生すると点灯して
大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。
更に、普図変動表示ゲームを表示する普図表示部58や、普図変動表示ゲームの始動記
憶数報知用の記憶表示部59、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する時
短状態報知部60等が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示
ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている
間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例
えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特図1表示器51における
特図1変動表示ゲームにおいては、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けら
れた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するようにし、特図1
と特図2との区別が可能なように構成されている。そして、ゲームの結果が「はずれ」の
ときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメント(特図1であれば加えて右方下
側の8番目のセグメント)を点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結
果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を
点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
第1記憶表示部53は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入
賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を複数のLEDの消灯、点灯(点滅)
により表示する。
第2記憶表示部54は、特図2表示器52の変動開始条件となる普通変動入賞装置37
への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を複数のLEDの消灯、点灯(
点滅)により表示する。
ラウンド表示部55はLEDランプ等で構成され、特別遊技状態中でない場合には全て
のLEDを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に
対応してLEDを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部55は7セグメント型の表示器
で構成してもよい。
第1遊技状態表示部56はLEDランプ等で構成され、例えば右打ちよりも左打ちの方
が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(通常打ち時)には全てのLEDを消灯状態にし
、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(右打ち時)には全て
のLEDを点灯状態にする。
確率表示部57はLEDランプ等で構成され、例えば大当りの確率状態が低確率状態(
通常確率状態)の場合には全てのLEDを消灯状態にし、大当りの確率状態が高確率状態
(確変状態)の場合には全てのLEDを点灯状態にする。
図234は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御
する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコ
ンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出
力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力
部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CP
U)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み
、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有
する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモ
ータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5
Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC-DC
コンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電
圧を生成するDC-DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン1
11の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、
停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や
リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが
、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制
御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及
び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電
源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成
部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成
することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(
特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが
保持されるようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、停電が発生し当該遊技
機への電源供給が停止しても遊技に関する情報を記憶保持可能であるとともに、停電復旧
後には記憶保持された情報に基づき遊技を再開可能とする遊技情報記憶保持手段をなす。
制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視して
それが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるととも
に、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点
から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このR
AM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき
遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶され
ている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化
スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行す
るメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割
込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A
、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRA
M(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数
の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作
業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM11
1Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ
状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パター
ンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている
変動パターン乱数1~3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテー
ブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるは
ずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテ
ーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の
変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテー
ブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前
半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パター
ン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置
が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特
別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)
となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、
既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をい
う。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示
結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からは
ずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しなが
ら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態
に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示
される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に
決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条
件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表
示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情
報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものであ
る場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同
一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての
変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示
領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、
ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表
示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可
能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペ
シャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3
リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチな
し<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<
プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも
特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動
表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が
導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれること
もある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大
当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装
置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや
表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しない
が、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や
大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(
各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定
するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を
生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基
づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数
生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えてい
る。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111B
に記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブ
ルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り
、小当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(低確
率状態或いは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの
中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111A
は、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パタ
ーンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得
手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフ
ェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従っ
て、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また
、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの
払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電
波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の
始動口2スイッチ37a、一般入賞口35内の入賞口スイッチ35a、第1特別変動入賞
装置38内の大入賞口スイッチ38a、第2特別変動入賞装置39内の大入賞口スイッチ
39a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、第1特別変動入賞装置38内に
配設される特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38e、遊技領域32に発
射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出するアウト球検出スイッチ32aに接続され、
これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理
の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I
/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V-11Vとされ
ることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッ
チがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常
な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124又は第4入
力ポート126へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれ
る。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ
37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a,39a及びゲートスイッチ3
4aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力の
うち、特定領域スイッチ38d、残存球排出スイッチ38e及びアウト球検出スイッチ3
2aの検出信号は第4入力ポート126へ入力される。また、近接I/F121の出力の
うち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力され
る異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。
また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用
の磁気センサ61の検出信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ65の検出信号、
遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊
技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号
も入力されるようになっている。
さらに、第3入力ポート124には、設定キー操作部の操作を検出する設定キースイッ
チ152からの信号が入力される。設定キー操作部は、設定キーを差し込む鍵穴を備え、
対応する設定キーを差し込んだ場合にのみ第1位置から第2位置(所定状態)へ当該設定
キーを回すことができるように構成されている。設定キースイッチ152は、第2位置へ
回した状態となっていることを検出可能なセンサであり、第2位置に回した状態である場
合にオン状態となり、第2位置に回していない状態である場合にオフ状態となる。
RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、特図変動表示ゲームで特別結果と
なる確率値が割り当てられた確率設定値を複数から選択するための操作部であり、これら
の操作部を操作することで、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられ
た確率設定値を選択することができ、選択された確率設定値に対応する確率値が遊技で使
用されるようになっている。ここでは確率設定値として“設定1”~“設定6”の6つが
用意されている。
確率設定値を選択する際には、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態でR
AM初期化スイッチ112を操作(押下)しながら遊技機の電源を投入することで確率設
定値を変更可能な確率設定値変更モードとなり、確率設定値変更モード中にRAM初期化
スイッチ112を操作(押下)することで確率設定値を変更することができるようになっ
ている。選択されている確率設定値は、算出されたベース値や役物比率を表示するための
性能表示装置153に表示される。具体的には、性能表示装置153には、確率設定値に
関する操作をしている間(確率設定値変更モードや確率設定値確認モードである間)は確
率設定値の情報が表示され、それ以外では算出されたベース値や役物比率が表示されるよ
うになっている。
また、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態(RAM初期化スイッチ11
2は操作しない)で遊技機の電源を投入することで、現在選択されている確率設定値が性
能表示装置153に表示されるが確率設定値の変更はできない確率設定値確認モードとな
る。なお、RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、前面枠12を開状態とし
なければ操作できないようにされている。
性能表示装置153は7セグメント式のディスプレイであり、確率設定値を1~6の数
字で表示するようになっている。もちろん表示態様はこれに限られず、確率設定値を認識
できる表示態様であれば良い。また、液晶表示装置など他の形式の表示装置でも良いし、
一又は複数のLEDの点灯態様や発光色等により確率設定値を示すものであっても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力及び第4入力ポ
ート126への出力(アウト球検出スイッチ32aの検出信号は除く)は、主基板100
から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さ
らに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37
aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように
構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル
変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動
作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポー
ト123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE
2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポ
ート124や第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設
けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号
(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステー
タス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の
遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以
上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチ
スイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込ん
でデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設
けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信
号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられてお
り、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。
電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッ
チ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイ
コン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として
扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には
制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、
遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部
130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さず
に直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポ
ート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リ
セット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するように
してもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,
124,126には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン
111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止す
るためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の
各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセ
ットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊
技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ
132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置
200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊
技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試
験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号
などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。この
バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技
制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力され
る始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さず
に中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62や振動センサ65のようにそのままでは試射
試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号
若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラ
ー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置
へ供給される。なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込ん
で試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を
中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用
マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより
選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続された第2出力ポート134が設け
られている。第2出力ポート134は、第1特別変動入賞装置38を開成させる第1大入
賞口ソレノイド(大入賞口ソレノイド1)38b、第2特別変動入賞装置39を開成させ
る第2大入賞口ソレノイド(大入賞口ソレノイド2)39b、第1特別変動入賞装置38
内のレバー部材を動作させるレバーソレノイド38f及び普通変動入賞装置37を開成さ
せる普電ソレノイド37cの動作データを出力するとともに、現在選択されている確率設
定値を表示する性能表示装置153の表示データを出力するためのポートである。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード
端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート
135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/
オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板7
1へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフ
ォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部
管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外
部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシ
ュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド
38b,39bやレバーソレノイド38fや普電ソレノイド37cの動作データ信号を受
けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力
ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ
駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表
示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ
138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外
部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第2出力ポート134から出力され
る性能表示装置153の表示データ信号を受けて駆動信号を生成し出力する第5ドライバ
138eが設けられている。なお、第2出力ポート134から第5ドライバ138eへは
、シリアル通信でデータが送信される。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため
、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。第5ドライバ138eに
は、5Vで動作する性能表示装置153を駆動できるようにするため、電源電圧としてD
C5Vが電源装置400から供給される。
また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC1
2Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じた
デジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれ
であってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード
端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よ
りセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択された
LEDに電源電圧が流れて点灯される。
外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号
に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。
なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御
装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるように
してもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラ
ムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ13
9は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送
受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通
常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を
利用して行われるため、入力ポート122,123,124,126のようなポートは設
けられていない。
なお、特に限定されるわけではないが、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、
普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口ス
イッチ38a,39a、ゲートスイッチ34aには、磁気検出用のコイルを備え該コイル
に金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接
センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠
15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられ
た本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いるこ
とができる。
次に、図235を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC
)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマン
ドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロ
セッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音
などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314
を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したP
ROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領
域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFe
RAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段を
なすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン
311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン
311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マ
イコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してV
DP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ラ
ンプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理する
ためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映
像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラク
タなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデ
オRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パ
ラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを
送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することがで
きる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や
遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYN
C、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312
から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割
込み信号INT0~n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの
状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する
映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回
路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力
されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介し
て表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主
制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続
されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INT
が入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた
上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパ
ワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成さ
れた音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力さ
れる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受
信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンド
I/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特
図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御
指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111
はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動
作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられ
ているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制
御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾
装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤3
0(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41
における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体
制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこ
れらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコ
ン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作さ
せるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演
出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵さ
れている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演
出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッ
チ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、
演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイ
コン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300
やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モ
ータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モー
タやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5
Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するよう
に構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2V
のような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3V
やDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられ
る。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マ
イコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン
311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314
、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなど
を駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリ
セット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FA
N45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆
動するようにされている。
図236には、大当り確率、転落確率、小当り確率、大当りに当選した場合の大当り種
類の振分確率を示した。なお、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果(第1特別結果
)であり、小当りは条件装置の作動を伴わない特別結果(第2特別結果)である。条件装
置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動す
るもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての
特別変動入賞装置38,39を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(
役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小
当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。
なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフ
トウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア
手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件
とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であ
り、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
大当り(第1特別結果)となる確率である大当り確率の値(確率値)は特図1と特図2
で共通であり、低確率状態での確率値と高確率状態での確率値はそれぞれ図236(a)
に示すような確率値となっている。
なお、本実施形態では、図236(a)に示すように、“設定1”~“設定6”の全て
に高確率状態での確率値として同一の確率値が割り当てられているが、異なる確率値が割
り当てられていても良い。すなわち、高確率状態での確率値は、多段階に切り替え可能で
あっても良い。
また、本実施形態では、図236(a)に示すように、“設定1”と“設定2”に低確
率状態での確率値として同一の確率値が割り当てられているが、異なる確率値が割り当て
られていても良い。“設定3”と“設定4”、“設定5”と“設定6”についても同様で
ある。すなわち、低確率状態での確率値は、多段階に切り替え可能であれば、その段数は
限定されない。また、“設定1”~“設定6”の全てに低確率状態での確率値として同一
の確率値が割り当てられていても良い。すなわち、低確率状態での確率値は、多段階に切
り替え不可能であっても良い。
また、割り当てられた低確率状態での確率値が同一の“設定1”と“設定2”で、演出
振り分け等を異ならせても良い。“設定3”と“設定4”、“設定5”と“設定6”につ
いても同様である。
また、本実施形態では、図236(a)に示すように、3種類の確率値(低確率状態で
の確率値及び高確率状態での確率値)に対し6つの確率設定値(“設定1”~“設定6”
)を割り当てているが、例えば、3種類の確率値に対し3つの確率設定値(例えば“設定
1”~“設定3”)を割り当てて残り3つの確率設定値(例えば“設定4”~“設定6”
)は不使用としても良い。
本実施形態の遊技機では、大当りに基づく特別遊技状態(第1特別遊技状態)において
第1特別変動入賞装置38の特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入して特定領域スイ
ッチ38dで検出されること(V通過)により、当該特別遊技状態の終了後に高確率状態
となり、特図変動表示ゲームの実行毎に行われる転落抽選に当選すると低確率状態となる
ように構成されている。転落抽選に当選する確率は図236(b)に示すような確率とな
っている。
また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲーム
の結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲ
ームの両方が高確率状態となる。
小当り(第2特別結果)となる確率である小当り確率は図236(c)に示すような確
率となっている。この小当り確率は特図1よりも特図2の方が高くなっている。また、小
当り確率は遊技状態や大当り確率にかかわらず常に一定である。大当りと小当りの抽選に
おいては大当りと小当りは重複して当選しない。なお、本実施形態では、小当りを特図1
に設けず特図2のみに設けるようにした、すなわち特図1の小当り確率は0であるが、こ
れに限定されず、例えば、小当りを特図1と特図2の両方に設けても良い。また、小当り
を特図1と特図2の両方に設ける場合、小当り確率は、特図1と特図2とで同じであって
も良いし、特図1よりも特図2の方が高くても良いし、特図2よりも特図1の方が高くて
も良い。
また、図236(d)には特図1と特図2で選択可能な大当り種類と、各大当り種類の
振分確率を示した。
特図1変動表示ゲームでの大当り(第1特別結果)の種類には、10R確変大当りと4
R確変大当りと10R通常大当りの3種類がある。同様に、特図2変動表示ゲームでの大
当り(第1特別結果)の種類には、10R確変大当りと4R確変大当りと10R通常大当
りの3種類がある。これらの大当り種類は大当り図柄乱数に基づき選択される。各大当り
種類の数字は実質ラウンド数を示し、確変とは特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入
する可能性が高く特別遊技状態の終了後に高確率状態(確変状態)となりやすいことを示
し、通常とは特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入する可能性が低く特別遊技状態の
終了後に高確率状態(確変状態)となりにくいことを示している。
ここで、実質ラウンド数とは、特別変動入賞装置38,39の開放によって実際に入賞
球が発生するような開放制御を行うラウンド数のことである。なお、各大当り種類の数字
は、大当り時のラウンド数(実質ラウンド数+特別変動入賞装置38,39の開放時間が
短く実際には入賞球が発生しないような開放制御を行うラウンド数)であっても良い。
また、確変大当りよりも特定領域に遊技球が流入する可能性が低いが通常大当りよりも
特定領域に遊技球が流入する可能性が高い第1特別結果を設けても良い。
また、本実施形態の遊技機では、特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入するか否か
により高確率状態となるか否かが決定されるので、大当り種類が確変であっても特定領域
に遊技球が流入しなければ高確率状態とはならず、大当り種類が通常であっても特定領域
に遊技球が流入すれば高確率状態となる。
図237(a)~(c)には、各大当り種類での各ラウンドにおける開放態様を示した
。なお、開放態様の詳細は図238に示している。
図237(a)に示すように10R確変大当りでは、1ラウンド目で第1特別変動入賞
装置38を開放するとともに特定領域(確変作動領域)を開放するVありロング開放を行
う。Vありロング開放は特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入する可能性の高い開放
態様である。そして、2ラウンド目以降は第1特別変動入賞装置38を開放するが特定領
域は開放しないVなしロング開放を行う。
図237(b)に示すように4R確変大当りでは、1ラウンド目で第1特別変動入賞装
置38を開放するとともに特定領域(確変作動領域)を開放するVありロング開放を行う
。そして、2ラウンド目から4ラウンド目までは第1特別変動入賞装置38を開放するが
特定領域は開放しないVなしロング開放を行い、5ラウンド目以降は第1特別変動入賞装
置38を開放するが特定領域は開放しないVなしショート開放を行う。Vなしショート開
放は大入賞口に遊技球が流入する可能性がVなしロング開放よりも低い開放態様である。
すなわち、Vなしロング開放は実際に入賞球が発生するような開放態様であり、Vなしシ
ョート開放は開放時間が短く実際には入賞球が発生しないような開放態様である。
図237(c)に示すように10R通常大当りでは、1ラウンド目で第1特別変動入賞
装置38を開放するとともに特定領域(確変作動領域)を開放するVありショート開放を
行う。Vありショート開放は特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入する可能性がVあ
りロング開放よりも低い開放態様である。そして、2ラウンド目以降は第1特別変動入賞
装置38を開放するVなしロング開放を行う。
特定領域(確変作動領域)へ遊技球が流入可能とされるのは1ラウンド目に行われるV
ありロング開放及びVありショート開放のみである。すなわち、本実施形態の遊技機では
、特定領域に遊技球が流入する可能性があるラウンドである特定ラウンドは1ラウンド目
である。なお、特定ラウンドは、1ラウンド目に限定されず適宜変更可能である。また、
特定ラウンドは、1ラウンド目と5ラウンド目など、複数回あっても良い。
図238(a)に示すようにVなしロング開放では、ラウンドの開始に伴い第1特別変
動入賞装置38を開放し(t11)、25000m秒の開放可能時間が経過するか所定個
数(例えば9個)の遊技球が入賞するかの何れかの条件が成立すると第1特別変動入賞装
置38を閉鎖してラウンドを終了する(t12)。その後、上大入賞口残存球処理時間が
開始され(t12)、上大入賞口残存球処理時間が終了するとインターバル時間が開始さ
れ(t13)、インターバル時間が終了すると次ラウンドが開始される(t14)。なお
、最終ラウンドである場合はラウンドの終了に伴い残存球処理時間が設定され、その後エ
ンディング時間が設定される。
図238(b)に示すようにVありロング開放では、ラウンドの開始に伴い第1特別変
動入賞装置38を開放する(t31)。さらに、ラウンドの開始に伴いレバーソレノイド
38fをON状態とするとともに、特定領域スイッチ38dを有効とする。レバーソレノ
イド38fがOFFである状態ではレバー部材が特定領域を覆って遊技球が流入できない
状態となり、レバーソレノイド38fがONである状態ではレバー部材が特定領域から退
避して遊技球が流入可能な状態となる。また、特定領域スイッチ38dが有効である状態
とは、特定領域スイッチ38dでの遊技球の検出を有効なものとして扱う状態である。こ
れに対して特定領域スイッチ38dが無効である状態は、特定領域スイッチ38dでの遊
技球の検出があっても無効なものとして扱う状態である。
レバーソレノイド38fはラウンドの開始から64m秒経過することでOFF状態とな
る(t32)。そして、レバーソレノイド38fがOFF状態となってから100m秒経
過すると特定領域スイッチ38dが無効となる(t33)。すなわち、第1特別変動入賞
装置38が開放した直後に入賞した遊技球は特定領域に流入する可能性がある。
ラウンドの開始から200m秒経過すると第1特別変動入賞装置38が閉鎖される(t
34)。そして、2700m秒経過すると再び第1特別変動入賞装置38が開放される(
t35)、25000m秒の開放可能時間が経過するか所定個数(例えば9個)の遊技球
が入賞するかの何れかの条件が成立すると第1特別変動入賞装置38を閉鎖してラウンド
が終了する(t39)。その後、上大入賞口残存球処理時間が開始され(t39)、上大
入賞口残存球処理時間が終了するとインターバル時間が開始され(t41)インターバル
時間が終了すると次ラウンドが開始される(t42)。なお、最終ラウンドである場合は
ラウンドの終了に伴い残存球処理時間が設定され、その後エンディング時間が設定される
また、第1特別変動入賞装置38の2回目の開放(t35)の後、レバーソレノイド3
8fも所定の時間に亘りON状態となる(t36~t37、t38~t39)。また、特
定領域スイッチ38dも有効となる(t36)。この第1特別変動入賞装置38の2回目
の開放は十分に長い時間の開放であるとともに、レバーソレノイド38fのON状態も長
時間継続するので、ほぼ確実に特定領域に遊技球が流入することとなる。よって、大当り
種類が確変である場合はほぼ確実に高確率状態となる。
また、レバーソレノイド38fは第1特別変動入賞装置38が閉鎖した後も所定の時間
に亘りON状態とすることが可能であり(t40~t43)、閉鎖間際に第1特別変動入
賞装置38に流入した遊技球についても特定領域への流入が可能となっている。なお、開
放可能時間の経過又は所定個数の遊技球が入賞することにより第1特別変動入賞装置38
が閉鎖し、当該第1特別変動入賞装置38に入賞した遊技球が上大入賞口残存球処理時間
内に全て排出された場合には、残存球処理時間の終了(t41)に伴いレバーソレノイド
38fがOFF状態となって動作を終了するとともに、特定領域スイッチ38dが無効と
なる。
また、開放可能時間の経過又は所定個数の遊技球が入賞することにより第1特別変動入
賞装置38が閉鎖し、第1特別変動入賞装置38に入賞した遊技球が上大入賞口残存球処
理時間内に全て排出されなかった場合であって、レバーソレノイド38fがON状態とな
る期間の終了(t43)までに全て排出された場合は、当該排出の完了時にレバーソレノ
イド38fがOFF状態となって動作を終了するとともに、特定領域スイッチ38dが無
効となる。
また、開放可能時間の経過又は所定個数の遊技球が入賞することにより第1特別変動入
賞装置38が閉鎖し、第1特別変動入賞装置38に入賞した遊技球が上大入賞口残存球処
理時間内に全て排出されなかった場合であって、レバーソレノイド38fがON状態とな
る期間の終了(t43)までに全て排出されなかった場合は、レバーソレノイド38fが
ON状態となる期間の終了(t43)をもってレバーソレノイド38fがOFF状態とな
って動作を終了する。この場合には、レバーソレノイド38fがOFF状態となってから
(t43)、100m秒経過すると特定領域スイッチ38dが無効となる(t44)。
図238(c)に示すようにVありショート開放では、Vありロング開放における第1
特別変動入賞装置38の1回目の開放と同様の開放を行い(t51~t54)、当該開放
が終了することに基づきラウンドを終了する(t54)。この第1特別変動入賞装置38
の開放は非常に短い時間の開放であるとともに、レバーソレノイド38fのON状態も短
時間であるので、特定領域に遊技球が流入する可能性は低い。よって大当り種類が通常で
ある場合に高確率状態となることはまれである。
なお、レバーソレノイド38fの動作及び特定領域スイッチ38dの有効、無効の切り
替えは、第1特別変動入賞装置38内に遊技球が残存している限りはVありロング開放の
場合と同じ動作を行う(t55~t63)。よって、上大入賞口残存球処理時間が経過し
ても第1特別変動入賞装置38内に遊技球が残存している場合は、当該残存球の排出が完
了した時点でレバーソレノイド38fがOFF状態となって動作を終了するとともに、特
定領域スイッチ38dが無効となる。また、レバーソレノイド38fがON状態となる期
間の終了(t62)までに全ての遊技球が排出されなかった場合は、レバーソレノイド3
8fがON状態となる期間の終了(t62)をもってレバーソレノイド38fがOFF状
態となって動作を終了し、レバーソレノイド38fがOFF状態となってから(t62)
、100m秒経過すると特定領域スイッチ38dが無効となる(t63)。
また、図238(b)に示すVありロング開放における第1特別変動入賞装置38の1
回目の開放(t31~t34)や、図238(c)に示したVありショート開放における
第1特別変動入賞装置38の開放(t51~t54)は、第1特別変動入賞装置38に遊
技球を最低でも1個は入賞させることができる程度の開放時間とする。
図238(d)に示すようにVなしショート開放では、ラウンドの開始に伴い第1特別
変動入賞装置38を開放し(t71)、200m秒の開放可能時間が経過するか所定個数
(例えば9個)の遊技球が入賞するかの何れかの条件が成立すると第1特別変動入賞装置
38を閉鎖してラウンドを終了する(t72)。ただし、開放可能時間が短いため閉鎖条
件となる所定個数の入賞が発生することは稀であり、開放可能時間の経過に伴い閉鎖され
ることがほとんどである。その後、上大入賞口残存球処理時間が開始され(t72)、上
大入賞口残存球処理時間が終了するとインターバル時間が開始され(t73)、インター
バル時間が終了すると次ラウンドが開始される(t74)。なお、最終ラウンドである場
合はラウンドの終了に伴い残存球処理時間が設定され、その後エンディング時間が設定さ
れる。
また、図237(d)には、第2特別遊技状態(小当りに基づく特別遊技状態)におけ
る開放態様を示した。第2特別遊技状態では、まず、小当りファンファーレ時間が開始さ
れ、小当りファンファーレ時間が終了すると、第2特別変動入賞装置39が開放され、1
600m秒の開放可能時間が経過するか所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するかの
何れかの条件が成立すると第2特別変動入賞装置39が閉鎖される。その後、小当り残存
球処理時間が開始され、小当り残存球処理時間が終了すると、小当りエンディング時間が
開始され、小当りエンディング時間が終了すると、第2特別遊技状態が終了する。なお、
第2特別遊技状態における開閉態様(開放時間と開放回数)は複数種類あっても良く、そ
の場合、例えば、小当り図柄に基づいていずれの開閉態様を設定(採用)するかを決定す
る。
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)〕
次に、遊技制御装置100の遊技制御による遊技状態の遷移(移行)について説明する
。図239は、本実施形態における遊技状態の遷移を示す遊技状態遷移図(ゲームフロー
)を例示する図である。
遊技状態には、通常遊技状態ST1、第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST
3がある。なお、この他に特別遊技状態として、第1特別結果(大当り)に基づく第1特
別遊技状態と第2特別結果(小当り)に基づく第2特別遊技状態があるがここでは省略す
る。各遊技状態では、遊技制御装置100で制御されることとなる第1特別結果が導出さ
れる特図確率、演出制御装置300で制御されて遊技の演出態様を定める演出モード、当
該遊技状態において主に狙うべき始動領域である主始動領域、主として実行するべき特図
変動表示ゲームの種類である主変動特図、及び遊技球の発射方向が定められている。
本実施形態の遊技機10においては、左打ちにより始動入賞口36への入賞を狙うこと
ができ、右打ちにより普通変動入賞装置37への入賞を狙うことができるようになってい
る。すなわち、遊技者の意思により狙う始動領域を選択可能となっている。また、各遊技
状態では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち、いずれか一方を主とし
て遊技を進行することを想定して設計されており、この設計に従い遊技者が遊技を進行す
るように、設計上で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームを主として遊技を進行し
た方が遊技者にとって有利となるように構成されている。なお、以下の説明では、各遊技
状態で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームをメイン変動と称し、他方の特図変動
表示ゲームをイレギュラー変動と称することがある。
通常遊技状態ST1は、特図確率が低確率状態であり、普通変動入賞装置37の単位時
間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートがなく、特図変動表示ゲ
ームや普図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短もない状態である。また、演出態様
を規定する演出モードは通常モードとされる。主変動特図は特図1変動表示ゲームであり
、主始動領域は始動入賞口36であって、この始動入賞口36を狙うため発射方向は左打
ちとされている。すなわち、特図1変動表示ゲームをメイン変動とし、特図2変動表示ゲ
ームをイレギュラー変動とするように設計されている。この通常遊技状態ST1では、特
図2変動表示ゲームについて非常に長い変動時間が設定されるようになっている。これに
より、特図2変動表示ゲームの実行が時間的に非効率的となり、通常遊技状態ST1にお
ける小当りの獲得を狙った特図2変動表示ゲームの実行を遊技者が選択しないようにして
いる。
第2特定遊技状態ST3は、特図確率が基本的には低確率状態である。ただし、通常大
当りに基づく特別遊技状態において第1特別変動入賞装置38の特定領域(確変作動領域
)に遊技球が流入した場合(V通過ありの場合)は高確率状態となる。また、普通変動入
賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートがあ
る状態である。普電サポートがある場合は特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変
動時間を短縮する時短もありとなる。演出態様を規定する演出モードはチャンスモードと
される。また、主変動特図は特図2変動表示ゲームであり、主始動領域は普通変動入賞装
置37であって、この普通変動入賞装置37を狙うため発射方向は右打ちとされている。
すなわち、特図2変動表示ゲームをメイン変動とし、特図1変動表示ゲームをイレギュラ
ー変動とするように設計されている。
第1特定遊技状態ST2は、特図確率が高確率状態であり、普通変動入賞装置37の単
位時間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートはなしとなり、特図
変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短はありとなる状態である。演出態様を規定する
演出モードは小当りRUSHとされる。また、主変動特図は特図2変動表示ゲームであり
、主始動領域は普通変動入賞装置37であって、この普通変動入賞装置37を狙うため発
射方向は右打ちとされている。すなわち、特図2変動表示ゲームをメイン変動とし、特図
1変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。
なお、本実施形態では、普電サポートがある状態における普図変動表示ゲームの当り結
果となる確率(普図確率)を、普電サポートがない状態と同じ確率(通常確率)とするが
、これに限定されず、普電サポートがある状態においては、普図確率を、通常確率(普図
低確率状態)よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。
また、本実施形態において、普電サポートがない状態とは、普通変動入賞装置37は開
放するが、普電サポートがある状態よりも普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放
時間が短い状態である。
第1特定遊技状態ST2及び第2特定遊技状態ST3では、特図2変動表示ゲームの変
動時間が通常遊技状態ST1の場合よりも短縮される時短状態となり、右打ちを行って普
通変動入賞装置37を狙い、特図2変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって有利となる
。特図2変動表示ゲームは特図1変動表示ゲームよりも小当りの確率が高く(本実施形態
の場合、特図1の小当り確率は0)、かつ、大当りよりも小当りの方が当選する確率が高
いため、第1特定遊技状態ST2及び第2特定遊技状態ST3では小当りが高頻度で発生
する。
第2特定遊技状態ST3において特図変動表示ゲームの結果が小当りとなった場合には
、当該小当りに基づく特別遊技状態でも普電サポートがある状態が継続し、第1特定遊技
状態ST2において特図変動表示ゲームの結果が小当りとなった場合には、当該小当りに
基づく特別遊技状態でも普電サポートがない状態が継続する。また、小当りに基づく特別
遊技状態では、第2特別変動入賞装置39は開放するが、第1特別変動入賞装置38は開
放しない(図237(d)参照)。
したがって、第2特定遊技状態ST3において特図変動表示ゲームの結果が小当りとな
った場合には、当該小当りに基づく特別遊技状態において、右打ちされた遊技球の大部分
は、普通変動入賞装置37に入賞し、普通変動入賞装置37の下方に配設されている第2
特別変動入賞装置39まで流下しない。よって、第2特定遊技状態ST3では、小当りが
高頻度で発生するが、小当りにより遊技者の持球を増加させることが困難である。
一方、第1特定遊技状態ST2において特図変動表示ゲームの結果が小当りとなった場
合には、当該小当りに基づく特別遊技状態において、右打ちされた遊技球の大部分は、普
通変動入賞装置37に入賞せずに、普通変動入賞装置37の下方に配設されている第2特
別変動入賞装置39まで流下する。よって、第1特定遊技状態ST2では小当りにより遊
技者の遊技球を増加させることが容易である。すなわち、第1特定遊技状態ST2では小
当りが高頻度で発生して遊技者の持球が増加することから、演出モードは小当りRUSH
と称するモードとされている。
これら3つの遊技状態のうち、通常遊技状態ST1が最も遊技者にとって不利な状態で
ある。第2特定遊技状態ST3は普電サポートがあるので通常遊技状態ST1よりも遊技
者にとって有利な状態である。第1特定遊技状態ST2は、高確率状態であり、さらに、
小当りの頻発により遊技者の持球が増加する状態であるので、通常遊技状態ST1及び第
2特定遊技状態ST3よりも遊技者にとって有利な状態である。
遊技状態の移行は、第1特別結果の導出に基づく第1特別遊技状態が終了すること、規
定ゲーム数を消化すること、低確率状態への移行抽選である転落抽選に当選することによ
り行われる。基本的には、確変大当りが導出されて第1特別遊技状態となり、当該第1特
別遊技状態において第1特別変動入賞装置38の特定領域(確変作動領域)に遊技球が流
入して特定領域スイッチ38dで検出された場合(V通過ありの場合)は、当該第1特別
遊技状態の終了後に第1特定遊技状態ST2に移行する。一方、確変大当りが導出されて
第1特別遊技状態となり、当該第1特別遊技状態において第1特別変動入賞装置38の特
定領域(確変作動領域)に遊技球が流入しなかった場合(V通過なしの場合)は、当該第
1特別遊技状態の終了後に通常遊技状態ST1に移行する。また、通常大当りが導出され
て第1特別遊技状態となり、当該第1特別遊技状態においてV通過なしの場合は、当該第
1特別遊技状態の終了後に第2特定遊技状態ST3(特図低確率の第2特定遊技状態ST
3)に移行する。一方、通常大当りが導出されて第1特別遊技状態となり、当該第1特別
遊技状態においてV通過ありの場合は、当該第1特別遊技状態の終了後に第2特定遊技状
態ST3(特図高確率の第2特定遊技状態ST3)に移行する。
また、第2特定遊技状態ST3において特別遊技状態の終了から100回(サポート回
数)の特図変動表示ゲームを実行した場合は通常遊技状態ST1に移行する。また、第1
特定遊技状態ST2において転落抽選に当選した場合は、通常遊技状態ST1に移行する
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しな
い場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。また、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特
図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に飾り特図変動表示ゲームと称する。また、
大当り(第1特別結果)と小当り(第2特別結果)を区別しない場合は、単に当り(特別
結果)と称する。また、大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態と、小当り
に基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態と、を区別しない場合は、単に特別遊技状
態と称する。
本実施形態の遊技機10では、図示しない打球発射装置から遊技領域32に向けて遊技
球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、
遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変
えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36
、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に入
賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から
排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第1特
別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞
口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図234参照)によって制御される
払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
本実施形態の遊技機10においては、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球
を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や、当該始動入賞口36の左方に配
設された一般入賞口35への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわ
ゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞
装置38、第2特別変動入賞装置39、当該第2特別変動入賞装置39の右方に配設され
た一般入賞口35への入賞を狙うことができるようになっている。
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための
非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34aが設けられており、遊技領域32
内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aに
より検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普
図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基
づき、普図始動記憶数が上限数(例えば、4個)未満ならば普図始動記憶数を加算(+1
)してROM111Bに普図始動記憶を1つ記憶する。この普図始動入賞の記憶数は、一
括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、ゲートス
イッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき抽出された普図変動表示ゲームの結
果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっている。
そして、普図始動記憶があり普図変動表示ゲームを開始可能な場合、すなわち、普図変
動表示ゲームの実行中でなく、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37を開状
態に変換する当り状態でもない場合は、最先に記憶された普図始動記憶に記憶された当り
判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの
当りはずれを判定し、普図変動表示ゲームを開始する処理を行う。この当り判定用乱数値
が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普
図特定結果)が導出されることとなる。
また、遊技制御装置100は普図変動表示ゲームを実行する処理として、一括表示装置
50に設けられた普図表示部58に、所定の変動時間に亘り予め定められた複数の点灯パ
ターンを予め定められた順序で繰り返し表示する普図変動中表示を行った後、結果に応じ
た点灯パターン(結果態様)を停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
なお、普図表示部58を表示装置41で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、
キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表
示するように構成しても良い。
普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示部58に特別の結果態様となる点
灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装
置37の可動部材を所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)開放する制御を行う
。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材)の変換制御を行う変換制御実
行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示部58には
ずれの結果態様となる点灯パターンを表示する制御を行う。
また、始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内
部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、始動入賞口36への
入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第1始動記憶を所定の上限数(例えば、4
個)を限度に記憶するとともに、普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動記憶(特図
始動記憶)をなす第2始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶する。始動
入賞口36や普通変動入賞装置37への入賞に基づき、それぞれ始動記憶情報として大当
り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出されるようになってお
り、抽出された乱数値は、第1始動記憶や第2始動記憶としてRAM111Bに記憶され
る。そして、この始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の第1記憶
表示部53(特図1保留表示器)や第2記憶表示部54(特図2保留表示器)に表示され
るとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として
表示される。
遊技制御装置100は、第1始動記憶に基づいて特図1表示器51(第1変動表示装置
)で特図1変動表示ゲームを行い、第2始動記憶に基づいて特図2表示器52(第2変動
表示装置)で特図2変動表示ゲームを行う。特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲー
ムは同時に実行可能であるが、一方の特図変動表示ゲームの実行中に、他方の特図変動表
示ゲームが第1特別結果(大当り)となった場合には、当該一方の特図変動表示ゲームを
特別結果以外の結果(はずれ結果)として終了させるようにしている。また、一方の特図
変動表示ゲームの実行中に、他方の特図変動表示ゲームが第2特別結果(小当り)となっ
た場合には、当該小当りに基づく特別遊技状態の終了まで当該一方の特図変動表示ゲーム
を中断するようにしている。
すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、始動入賞口36(第1始動入賞領
域)への遊技球の入賞に基づいて特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の実
行制御を行う第1実行制御手段をなす。また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、
普通変動入賞装置37(第2始動入賞領域)への遊技球の入賞に基づいて特図2変動表示
ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の実行制御を行う第2実行制御手段をなす。
特図1表示器51及び特図2表示器52では、変動表示を行った後、所定の結果態様を
停止表示する。そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合は、特図1表示器
51若しくは特図2表示器52の表示態様が第1特別結果に対応する特別結果態様(大当
り結果態様)となって大当りとなり、第1特別遊技状態(いわゆる大当り状態)となる。
また、特図変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特図1表示器51若しくは特図
2表示器52の表示態様が第2特別結果に対応する特別結果態様(小当り結果態様)とな
って小当りとなり、第2特別遊技状態(いわゆる小当り状態)となる。すなわち、特図1
表示器51が、始動入賞口36への遊技球の入賞に基づく第1変動表示ゲーム(特図1変
動表示ゲーム)を表示可能な第1変動表示手段をなす。また、特図2表示器52が、普通
変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づく第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム
)を表示可能な第2変動表示手段をなす。
また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、大当り遊技状態(第1特別遊技状態)
の終了後、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状況(当り確率が高確率であることや普電
サポートがあること)で遊技を進行可能な遊技状態(特定遊技状態)を発生させる制御を
行うことが可能である。すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100が特定遊技状態
発生手段をなす。
また、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの実行に対応して、表示装置41
にて複数種類の飾り識別情報(数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特
図変動表示ゲームが実行されるようになっている。表示装置41での飾り特図変動表示ゲ
ームには、特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームと、特図2変動表
示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームとがあり、これらは別々の表示領域に表示
される。そして、対応する特図変動表示ゲームの変動に伴い変動表示が行われ、対応する
特図変動表示ゲームでの結果態様の導出に伴い結果に対応した表示が行われる。
すなわち、表示装置41が、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)及び第2変
動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に対応して飾り識別情報を変動表示する飾り変動
表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な飾り変動表示手段をなす。なお、飾
り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームで別々の表示装置を使用するとして
も良いし、一方の飾り特図変動表示ゲームのみを表示するとしても良い。また、遊技機1
0に特図1表示器51及び特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表
示ゲームを実行するようにしても良い。
本実施形態の遊技機では特図2変動表示ゲームの方が小当りの確率が高い(特図1変動
表示ゲームの小当りの確率が0である)が、通常遊技状態である場合には特図2変動表示
ゲームの変動パターンとして変動時間が非常に長い(約10分)長変動が選択される。こ
れにより、通常遊技状態では特図2変動表示ゲームの実行が時間的に非効率的となり、通
常遊技状態における小当りの獲得を狙った特図2変動表示ゲームの実行を遊技者が選択し
ないようにしている。よって、通常遊技状態では、左打ちを行って始動入賞口36を狙い
、特図1変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって有利となる。
なお、長変動の時間は約10分としたがこれより長くても良いし、短くても良い(5分
、50分、10時間など)。また、特図2変動表示ゲームの結果に応じて長変動の時間を
異ならせても良い。具体的には、例えば、特図2変動表示ゲームの結果がはずれ又は小当
りである場合には、当該特図2変動表示ゲームの変動パターンとして変動時間が約10分
の長変動が選択され、特図2変動表示ゲームの結果が大当りである場合には、当該特図2
変動表示ゲームの変動パターンとして変動時間が約5分の長変動が選択されるようにして
も良い。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置10
0の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御につ
いて説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図240及び図241に示
すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図242に示すタイマ割込み
処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始され
る。このメイン処理においては、図240に示すように、まず、割込みを禁止する処理(
ステップX1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の
先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップX
2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップX3)、所定のレジスタ(例え
ばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX4)。本
実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h~01FFhで、上位としては0
0hか01hをとり、ステップX4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信
号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップX5)。発射許可信号は遊技
制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している
場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ152の状態を読み込み(ス
テップX6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行う。ステッ
プX7の処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置1
00からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出
制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)
が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって
従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマン
ドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することが
できる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御
装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等
)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の
対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行わ
れる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部
のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防
止することができる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行った後、停電が発生して
いるか判定し(ステップX8)、停電が発生している場合(ステップX8;Y)には、遊
技機の電源が遮断されるのを待つ。
具体的には、ステップX8では、例えば、電源装置400から入力されている停電監視
信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定
し、停電監視信号がオンであるかの判定を行う。そして、停電監視信号がオンである場合
は、設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか判定する。そして
、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合は、停電監視信号がオン
であるかの判定に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場
合には、停電が発生していると判定する。後述するステップX34,X54においても同
様である。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生し
たと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時に
おける不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電
監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせてい
る期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に
適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可さ
れておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの
停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が
発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる
一方、停電が発生していない場合(ステップX8;N)には、電源投入ディレイタイマ
を-1更新し(ステップX9)、タイマの値が0であるか判定する(ステップX10)。
タイマの値が0でない場合(ステップX10;N)、すなわち、待機時間が終了していな
い場合には、停電が発生しているか判定する処理(ステップX8)に戻る。また、タイマ
の値が0である場合(ステップX10;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合には、
RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス
許可をし(ステップX11)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定
)する(ステップX12)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施
形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステッ
プX13)、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び
乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動
する処理(ステップX14)を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のク
ロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの
発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU1
11Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供
給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
次いで、RAM異常フラグをセットする(ステップX15)。ここでは、RAMに異常
があるか否かにかかわらずRAMに異常があることを前提として、一旦、RAM異常フラ
グを所定のレジスタにセットする。
次いで、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例え
ば5Ah)であるか判定し(ステップX16)、正常であれば(ステップX16;Y)、
RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)
であるか判定する(ステップX17)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ス
テップX17;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処
理(ステップX18)を行い、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致す
るか判定する(ステップX19)。チェックサムが一致する場合(ステップX19;Y)
には、RAMに異常がないためRAM異常フラグをクリアして(ステップX20)、ステ
ップX21へ移行する。
また、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステッ
プX16;NもしくはステップX17;N)、チェックサムが一致しないと判定された場
合(ステップX19;N)には、ステップX6で読み込んだ状態に基づいて設定キースイ
ッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオン状態であるか判定する(ステップ
X21)。そして、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の少なくとも
一方がオフ状態である場合(ステップX21;N)には、RAM異常フラグがセットされ
ているか判定する(ステップX22)。RAM異常フラグがセットされている場合(ステ
ップX22;Y)には、RAMに異常があるため、遊技制御装置100が異常であること
を報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送
信する(ステップX24)。
一方、RAM異常フラグがセットされていない場合(ステップX22;N)には、確率
設定変更中フラグがセットされているか判定する(ステップX23)。そして、確率設定
変更中フラグがセットされている場合(ステップX23;Y)には、メイン異常エラー報
知のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップX24)。こ
こでセットされている確率設定中フラグは、停電発生前にセットされた確率設定中フラグ
である。すなわち、確率設定値の変更中に遊技機の電源が遮断して再起動した場合には、
遊技制御装置100の動作が停止するのでステップX24の処理を行う。
次いで、遊技停止時の7セグ表示データを、第2出力ポート134を介して第5ドライ
バ138eに出力する(ステップX25)。これにより、性能表示装置153において、
図244(h)に示すような表示が行われる。その後、セキュリティ信号のオンデータを
出力するとともにセキュリティ信号以外の信号のオフデータを出力して(ステップX26
)、ステップX25に戻る。
また、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオン状態である
場合(ステップX21;Y)には、RAM異常フラグがセットされているか判定する(ス
テップX27)。そして、RAM異常フラグがセットされていない場合(ステップX27
;N)には、確率設定変更中フラグをセットする(ステップX29)。これにより確率設
定値変更モードに移行する。その後、確率設定変更中のコマンドを演出制御基板(演出制
御装置300)に送信して(ステップX30)、ステップX31へ移行する。演出制御装
置300では、確率設定変更中のコマンドを受信することに基づき、表示装置41の表示
、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ1
9a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の変更中である旨を示す報知を行
う。
一方、RAM異常フラグがセットされている場合(ステップX27;Y)には、確率設
定値をクリアする処理(ステップX28)を行う。これにより、RWM内の確率設定値用
の領域に0がセットされて、確率設定値が“設定1”となる。その後、ステップX29,
X30の処理を行って、ステップX31へ移行する。
また、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフ
状態であり(ステップX21;N)、RAM異常フラグも確率設定変更中フラグもセット
されていない場合(テップX22;N及びステップX23;N)には、ステップX6で読
み込んだ状態に基づいて設定キースイッチ152がオン状態であるか判定する(ステップ
X35)。そして、設定キースイッチ152がオン状態でない場合(ステップX35;N
)には、ステップX6で読み込んだ状態に基づいてRAM初期化スイッチ112がオン状
態であるか判定する(ステップX43)。
RAM初期化スイッチ112がオン状態でないと判定した場合(ステップX43;N)
、すなわち設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオフ状態であ
る場合には、ステップX41へ移行して停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
一方、RAM初期化スイッチ112がオン状態であると判定した場合(ステップX43
;Y)には、ステップX44へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、RAM初期化ス
イッチ112が外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初
期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段
をなす。
また、設定キースイッチ152がオン状態である場合(ステップX35;Y)には、確
率設定確認中フラグをセットする(ステップX36)。これにより確率設定値確認モード
に移行する。その後、確率設定確認中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)
に送信する(ステップX37)。演出制御装置300では、確率設定確認中のコマンドを
受信することに基づき、表示装置41の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLED
の発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、
確率設定値の確認中である旨の報知を行う。
そして、50m秒間以上のセキュリティ信号の出力を保証するために、セキュリティ信
号制御タイマ領域に128m秒に対応する値をセーブする(ステップX31)。セキュリ
ティ信号は、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードである場合にはタイマ割込み
処理の確率設定変更/確認処理(ステップX122)で出力され、それ以外の場合はタイ
マ割込み処理の外部情報編集処理(ステップX120)で出力される。したがって、12
8m秒間未満で確率設定値変更モードや確率設定値確認モードが終了する場合には、タイ
マ割込み処理の外部情報編集処理(ステップX120)によってセキュリティ信号が継続
して出力される。すなわち、128m秒間未満で確率設定値変更モードや確率設定値確認
モードが終了する場合であっても、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードに移行
してから128m秒間はセキュリティ信号が出力される。なお、ステップX31において
セキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする値は128m秒に対応する値に限定されな
い。ただし、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードに移行してから少なくとも5
0m秒間はセキュリティ信号を出力する必要があるため、50m秒以上に対応する値をセ
ーブする必要がある。
そして、割込みを許可し(ステップX32)、設定キースイッチ152がオフ状態であ
るか判定する(ステップX33)。ステップX33では、ステップX6で読み込んだ状態
(電源投入時の状態)に基づいて判定するのではなく、タイマ割込み処理(図242)の
入力処理(ステップX103)で読み込んだ状態(現時点の状態)に基づいて判定する。
ステップX33で設定キースイッチ152がオフ状態である判定された場合に、確率設定
値が確定される。
設定キースイッチ152がオフ状態でない場合(ステップX33;N)には、停電が発
生しているか判定し(ステップX34)、停電が発生していない場合(ステップX34;
N)には、ステップX33に戻り、停電が発生している場合(ステップX34;Y)には
、ステップX55へ移行する。確率設定変更中フラグがセットされている状態でステップ
X34にて停電が発生していると判定された場合に、当該停電から復旧した後のメイン処
理(図240及び図241)のステップX23において、確率設定変更中フラグがセット
されていると判定される。
一方、設定キースイッチ152がオフ状態である場合(ステップX33;Y)には、割
込みを禁止する処理(ステップX38)を行う。割込みを許可する処理(ステップX32
)を行ってから割込みを禁止する処理(ステップX38,X55)を行うまでの間は、タ
イマ割込み処理(図242)が所定時間周期(例えば4m秒)で行われる。当該タイマ割
込み処理では、確率設定値に関する処理である確率設定変更/確認処理(ステップX12
2)が行われる。すなわち、確率設定値の変更や確認が終了するまで(あるいは停電が発
生するまで)の間、メイン処理は待機していることとなる。
次いで、報知終了のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステ
ップX39)。演出制御装置300では、報知終了のコマンドを受信することに基づき、
実行中の報知(確率設定値の変更中である旨を示す報知又は確率設定値の確認中である旨
の報知)を終了する。
次いで、確率設定変更中フラグがセットされているか判定し(ステップX40)、確率
設定変更中フラグがセットされていない場合(ステップX40;N)、すなわち確率設定
確認中フラグがセットされている場合には、初期化すべき領域(例えば、停電検査領域、
チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域)に停電復旧時の初期値をセーブする処
理等を行う停電復旧処理(ステップX41)を行う。確率設定確認中フラグは、このステ
ップX41でクリアされる。
その後、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制
御装置300)へ送信し(ステップX42)、ステップX47へ移行する。本実施形態の
場合、ステップX42では、機種指定コマンド、確率設定情報コマンド、特図1保留数コ
マンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、演出回数情報コマンド、画面指定の
コマンド等の複数のコマンドを送信する。画面指定のコマンドとしては、特図1及び特図
2について何れも後述する普段処理中である場合、すなわち特図変動表示ゲームの実行中
でもなく特別遊技状態中でもない場合である客待ち中であれば客待ちデモ画面のコマンド
を送信し、それ以外であれば復旧画面のコマンドを送信する。また、機種によっては、こ
れらのコマンドに加えて、高確率回数情報コマンド等も送信する。
一方、確率設定変更中フラグがセットされている場合(ステップX40;Y)には、確
率設定値以外のRAM領域を0クリアする(ステップX44)。ステップX44では、確
率設定値用のRAM領域(ワーク領域(確率設定値の1バイト領域))と性能表示(ベー
ス値や役物比率の表示)用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)はクリアせず、遊
技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)を0クリアする。したがって、確率
設定変更中フラグは、このステップX44でクリアされる。なお、ステップX44では、
スタック領域や未使用領域をクリアしてもしなくても良い。
そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップX45)
。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域であ
る。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信す
る(ステップX46)。本実施形態の場合、ステップX46では、機種指定コマンド、確
率設定情報コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド
、演出回数情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるととも
に、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド
)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、
演出回数情報コマンドや普電サポートありとした特図変動表示ゲームの実行回数の情報で
あるサポート回数情報コマンド等も送信する。
次いで、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップX47)。具体的には、乱
数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させる
ためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成
回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パター
ンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビッ
ト転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転
置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パ
ターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるととも
に、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一
のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても
良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)
の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する
乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、転
落抽選に当選か否かを決定する乱数(転落抽選乱数))の初期値(スタート値)としてR
WMの所定領域にセーブしてから(ステップX48)、割込みを許可する(ステップX4
9)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎に
ソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱
数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩す
ことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理
(ステップX50)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態において
は、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数は乱数生成
回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り
乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高
速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はプロ
グラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理
のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウン
タ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数において
は、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を
変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは-1
によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに
出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される
乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はハードウェア
及びソフトウェアで更新される乱数である。
なお、本実施形態では、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数)を設けていな
いため、普図の当り図柄は1種類しかないが、当り図柄乱数を設けて普図の当り図柄を複
数種類の中から選択するようにしても良い。
ステップX50の初期値乱数更新処理の後、割込みを禁止する処理(ステップX51)
を行って、性能表示編集処理(ステップX52)を行う。そして、割込みを許可する処理
(ステップX53)を行った後、停電が発生しているか判定し(ステップX54)、停電
が発生していない場合(ステップX54;N)には、初期値乱数更新処理(ステップX5
0)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と性能表示
編集処理と停電監視を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップX50)の前に割込
みを許可する(ステップX49)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが
発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新
処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、ステップX50での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処
理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合
には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数
更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、
本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内
のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それ
によってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、停電が発生している場合(ステップX54;Y)には、一旦割込みを禁止する処
理(ステップX55)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップX56)を
行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップX57
)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップX58)。
さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップ
X59)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップX60)を行った後、RW
Mへのアクセスを禁止する処理(ステップX61)を行ってから、遊技機の電源が遮断さ
れるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源
遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報
が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主
制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御
装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該
主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待
機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停
電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電
の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御
装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判
定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、
外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部
が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(
遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み
込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへの
アクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理はクロックジェネレータ
内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されるこ
とで開始される。すなわち、所定周期で開始される割込みルーチンである。遊技用マイコ
ン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図24
2のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップX1
01)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使
っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと
同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位ア
ドレスをセットする(ステップX102)。ステップX102では、メイン処理における
ステップX4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサや
スイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処
理(ステップX103)を行う。
次いで、確率設定変更中フラグ又は確率設定確認中フラグがセットされているか判定し
(ステップX104)、確率設定変更中フラグ又は確率設定確認中フラグがセットされて
いる場合(ステップX104;Y)には、確率設定変更/確認処理(ステップX122)
を行って、タイマ割込み処理を終了する。
一方、確率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグの両方がセットされていない場合
(ステップX104;N)には、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイ
ド(大入賞口ソレノイド38b,39b、レバーソレノイド38f、普電ソレノイド37
c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップX105)を行
う。なお、メイン処理におけるステップX5で発射停止の信号を出力すると、この出力処
理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状
態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。そ
の際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射
許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の
信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり
、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となってい
る場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力す
る払出コマンド送信処理(ステップX106)、乱数更新処理1(ステップX107)、
乱数更新処理2(ステップX108)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口
2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a,39aから正常な
信号の入力があるか否かの監視や、賞球の設定、前面枠やガラス枠の開放や、普通変動入
賞装置37、特別変動入賞装置38,39への不正入賞などのエラーの監視を行う入賞口
スイッチ/状態監視処理(ステップX109)を行う。
次に、異常排出発生中であるか判定する(ステップX110)。異常排出とは、第1特
別変動入賞装置38において、第1特別変動入賞装置38から排出される遊技球数(特定
領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38eで検出された遊技球数)が、第1特
別変動入賞装置38に流入した遊技球数(大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数
)を上回ることである。なお、異常排出発生中である場合には異常排出フラグがセットさ
れている。そして、異常排出発生中である場合(ステップX110;Y)には、ステップ
X116へ移行する。すなわち、遊技が進行しないようにする。
一方、異常排出発生中でない場合(ステップX110;N)には、始動口1スイッチ3
6a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップX
111)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36や普通変動入賞装置37
への遊技球の入賞に基づき、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行う。そして、特図1
変動表示ゲームに関する処理を行う特図1ゲーム処理(ステップX112)、特図2変動
表示ゲームに関する処理を行う特図2ゲーム処理(ステップX113)、普図変動表示ゲ
ームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップX114)を行って、遊技機10に設
けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLED
を所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップX115)
を行う。
次いで、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行
う磁石不正監視処理(ステップX116)、盤電波センサ62からの検出信号をチェック
して異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップX117)、振動セ
ンサ65からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う振動不正監視処
理(ステップX118)、異常排出が発生していないか判定する処理を行う異常排出監視
処理(ステップX119)を行う。さらに、外部の各種装置に出力する信号を出力バッフ
ァにセットする外部情報編集処理(ステップX120)、性能表示モニタ153の制御に
関する性能表示モニタ制御処理(ステップX121)を行って、タイマ割込み処理を終了
する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可す
る処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定
する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお
、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を
復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔確率設定変更/確認処理〕
図243には、上述のタイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理(ステップX
122)を示した。この確率設定変更/確認処理では、まず、RWM内の確率設定値用の
領域の値が正常範囲(本実施形態では0~5の範囲)内であるか判定する(ステップX1
31)。
RWM内の確率設定値用の領域の値が正常範囲内である場合(ステップX131;Y)
には、RWM内の確率設定値用の領域の値(現在の確率設定値)に対応する確率設定値表
示データを設定して(ステップX132)、当該確率設定値表示データを、第2出力ポー
ト134を介して第5ドライバ138eに出力する(ステップX134)。これにより、
性能表示装置153において、図244(a)~(f)に示すような表示が行われる。
一方、RWM内の確率設定値用の領域の値が正常範囲内でない場合(ステップX131
;N)には、確率設定値表示データとして消灯データを設定して(ステップX133)、
当該確率設定値表示データを、第2出力ポート134を介して第5ドライバ138eに出
力する(ステップX134)。これにより、性能表示装置153において、図244(g
)に示すような表示が行われる。
図244に示すように、性能表示装置153は、左右に並んだ4つの7セグ表示器(7
セグメント型の表示器)で構成されている。確率設定値変更モード中又は確率設定値確認
モード中には、これら4つの7セグ表示器のうち、右端の7セグ表示器で現在の確率設定
値を示し、残りの7セグ表示器で「SET」という文字を示すようになっている。
具体的には、RWM内の確率設定値用の領域の値が「0」である場合は現在の確率設定
値が“設定1”であるため、図244(a)に示すように右端の7セグ表示器に「1」が
表示され、RWM内の確率設定値用の領域の値が「1」である場合は現在の確率設定値が
“設定2”であるため、図244(b)に示すように右端の7セグ表示器に「2」が表示
され、RWM内の確率設定値用の領域の値が「2」である場合は現在の確率設定値が“設
定3”であるため、図244(c)に示すように右端の7セグ表示器に「3」が表示され
、RWM内の確率設定値用の領域の値が「3」である場合は現在の確率設定値が“設定4
”であるため、図244(d)に示すように右端の7セグ表示器に「4」が表示され、R
WM内の確率設定値用の領域の値が「4」である場合は現在の確率設定値が“設定5”で
あるため、図244(e)に示すように右端の7セグ表示器に「5」が表示され、RWM
内の確率設定値用の領域の値が「5」である場合は現在の確率設定値が“設定6”である
ため、図244(f)に示すように右端の7セグ表示器に「6」が表示される。また、R
WM内の確率設定値用の領域の値が正常範囲外(異常値)である場合には、図244(g
)に示すように右端の7セグ表示器が消灯状態となる。
例えば、RWM内の確率設定値用の領域の値が「0」である場合には、確率設定値表示
データとして、1桁目に「1」、2桁目に「T」、3桁目に「E」、4桁目に「S」を表
示するよう指示する確率設定値表示データが第5ドライバ138eに出力される。
次いで、セキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ-1更新する(ステップX1
35)。なお、セキュリティ信号制御タイマの初期値はメイン処理のステップX31にお
いて設定され、セキュリティ信号制御タイマの最小値は「0」に設定されている。
次いで、セキュリティ信号のオンデータを出力するとともにセキュリティ信号以外の信
号のオフデータを出力する(ステップX136)。ステップX136では、セキュリティ
信号制御タイマがタイムアップしているか否かにかかわらず、セキュリティ信号のオンデ
ータが出力される。したがって、確率設定値変更モード中や確率設定値確認モード中(確
率設定変更中フラグや確率設定確認中フラグがセットされている間)は、セキュリティ信
号が出力され続けることとなる。
次いで、確率設定変更中フラグがセットされているか判定し(ステップX137)、確
率設定変更中フラグがセットされていない場合(ステップX137;N)、すなわち確率
設定確認中フラグがセットされている場合には、確率設定変更/確認処理を終了する。一
方、確率設定変更中フラグがセットされている場合(ステップX137;Y)には、実行
中の確率設定変更/確認処理が、遊技機10の電源投入後最初のタイマ割込み処理におけ
る確率設定変更/確認処理であるか判定する(ステップX138)。
電源投入後最初のタイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理である場合(ステ
ップX138;Y)には、確率設定変更/確認処理を終了する。一方、電源投入後最初の
タイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理でない場合(ステップX138;N)
には、RAM初期化スイッチ112からの入力があるか判定する(ステップX139)。
ステップX139では、直前の入力処理(ステップX103)でRAM初期化スイッチ1
12の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)が検知された場合に、RAM初期化ス
イッチ112からの入力があると判定する。RAM初期化スイッチ112からの入力がな
い場合(ステップX139;N)には、確率設定変更/確認処理を終了する。
一方、RAM初期化スイッチ112からの入力がある場合(ステップX139;Y)、
すなわちRAM初期化スイッチ112が新たに操作された場合には、RWM内の確率設定
値用の領域の値を0~5の範囲で+1更新して(ステップX140)、確率設定変更/確
認処理を終了する。ステップX140で更新された値(更新後の確率設定値)は、次回の
確率設定変更/確認処理によって性能表示装置153に表示される。
なお、本実施形態では、図236(a)に示すように、3種類の確率値(低確率状態で
の確率値及び高確率状態での確率値)に対し“設定1”~“設定6”を割り当てているが
、例えば、3種類の確率値(低確率状態での確率値及び高確率状態での確率値)に対し“
設定1”~“設定3”を割り当てても良い。この場合、ステップX140では、RWMの
確率設定値用の領域の値を0~2の範囲で+1更新することとなる。
遊技機10の電源投入時に設定キースイッチ152及びRAM初期化スイッチ112を
操作することで確率設定値変更モードに移行することができ、確率設定値変更モード中に
RAM初期化スイッチ112を操作することで確率設定値を変更することができる。
RAM初期化スイッチ112は押圧操作のみ可能であるため、確率設定値変更モードに
移行するための移行操作と、確率設定値を変更するための変更操作とを区別することがで
きない。したがって、確率設定値変更モード中も移行操作(当該確率設定値変更モードへ
の移行の起因となったRAM初期化スイッチ112の操作)が継続している場合、すなわ
ち電源投入時からRAM初期化スイッチ112が押されっぱなしである場合には、当該操
作が移行操作であるにもかかわらず当該操作に応じて確率設定値が更新(変更)されてし
まう。
具体的には、タイマ割込み処理の入力処理(ステップX103)では、前回の入力処理
で読み込んだRAM初期化スイッチ112の状態がオフ状態であり、今回の入力処理で読
み込んだRAM初期化スイッチ112の状態がオン状態である場合に、RAM初期化スイ
ッチ112の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)が検知される。電源投入後最初
のタイマ割込み処理における入力処理(ステップX103)では、電源遮断直前の入力処
理が前回の入力処理となり、電源投入直後の入力処理が今回の入力処理となるが、電源遮
断直前の入力処理で読み込んだRAM初期化スイッチ112の状態はオフ状態である可能
性が高い。すなわち、確率設定値変更モード中も移行操作が継続している場合には、電源
投入後最初のタイマ割込み処理における入力処理(ステップX103)でRAM初期化ス
イッチ112の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)が検知される可能性が高い。
したがって、この場合、電源投入後最初のタイマ割込み処理における確率設定変更/確認
処理でステップX139,140の処理を行うと、移行操作に基づきRAM初期化スイッ
チ112からの入力があると判定されて、RWM内の確率設定値用の領域の値が更新され
てしまう不都合が生じ得る。
そこで、本実施形態では、このような不都合を回避するために、ステップX138の処
理を行って、電源投入後最初のタイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理ではス
テップX139,X140の処理を行わないこととする。これにより、確率設定値の更新
(変更)に関しては、電源投入時から継続しているRAM初期化スイッチ112の操作(
すなわち、確率設定値変更モードへの移行の起因となったRAM初期化スイッチ112の
操作)に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)は無視されることになるため、意図せぬ更
新を防ぐことができる。
以上のことから、本実施形態の遊技機10は、ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が
特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、第1
操作部(設定キー操作部)及び第2操作部(RAM初期化スイッチ112)と、ゲームの
抽選に用いる確率値が割り当てられた複数の確率設定値のうち一の確率設定値を記憶する
記憶手段(遊技制御装置100(RAM111C))と、遊技機の電源投入時における第
1操作部及び第2操作部の操作に応答して、確率設定値を変更可能な確率設定値変更モー
ドに移行するモード移行手段(遊技制御装置100)と、確率設定値変更モード中におけ
る第2操作部の操作に応答して、記憶手段に記憶されている確率設定値(RWM内の確率
設定値用の領域の値)を変更する設定変更手段(遊技制御装置100)と、を備え、確率
設定値変更モードに移行するための第2操作部の操作(移行操作)と、確率設定値を変更
するための第2操作部の操作(変更操作)と、は同一操作(本実施形態の場合、押圧操作
)であり、設定変更手段は、確率設定値変更モード中であっても、遊技機の電源投入時か
ら継続している第2操作部の操作には応答しないよう構成されている。
したがって、遊技機の電源投入時に行う第2操作部の操作(移行操作)が確率設定値変
更モードに移行した後も継続している場合には、その間は確率設定値が変更されないため
、意図しない確率設定値の変更を防止することができる。
〔始動口スイッチ監視処理〕
図245には、上述のタイマ割込み処理における始動口スイッチ監視処理(ステップX
111)を示した。この始動口スイッチ監視処理では、まず、始動口1(始動入賞口36
)入賞監視テーブルを準備し(ステップX491)、ハード乱数取得処理(ステップX4
92)を行う。そして、当該ハード乱数取得処理で始動入賞口36への入賞に基づき大当
り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるか判定する(ステップX4
93)。
始動入賞口36への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ステッ
プX493;N)には、ステップX499へ移行する。なお、この場合は始動口入賞なし
情報が設定されている。
一方、始動入賞口36への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されている場合(ス
テップX493;Y)には、特図低確率&時短なし中(通常遊技状態中)であるか判定す
る(ステップX494)。そして、特図低確率&時短なし中である場合(ステップX49
4;Y)には、ステップX497へ移行する。また、特図低確率&時短なし中でない場合
(ステップX494;N)には、右打ち指示報知コマンドを準備し(ステップX495)
、演出コマンド設定処理(ステップX496)を行う。
演出制御装置300では、右打ち指示報知コマンドを受信することに基づき、表示や音
声等により遊技者に対して右打ちをするように指示する右打ち指示報知を行う。特定遊技
状態中や特別遊技状態中である場合は右打ちの方が遊技者にとって有利であり、左打ちで
なければ入賞しないようになっている始動入賞口36で特定遊技状態中や特別遊技状態中
において入賞を検出した場合に右打ち指示報知を行うようにしている。
そして、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップX497)
、特図始動口スイッチ共通処理(ステップX498)を行う。次いで、始動口2(普通変
動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップX499)、ハード乱数取得処理
(ステップX500)を行って、普通変動入賞装置37への入賞に基づき大当り乱数を取
得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるか判定する(ステップX501)。
普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(
ステップX501;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。なお、この場合は始
動口入賞なし情報が設定されている。
一方、普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されている場
合(ステップX501;Y)には、普電(普通変動入賞装置37)が作動中であるか、す
なわち普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否か
判定し(ステップX502)、普電が作動中である場合(ステップX502;Y)には、
ステップX504へ移行する。一方、普電が作動中でない場合(ステップX502;N)
には、普電不正発生中であるか判定する(ステップX503)。
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生
判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装
置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である
。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、
このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。
そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であ
る場合に不正発生中と判定する。
普電不正発生中である場合(ステップX503;Y)には、始動口スイッチ監視処理を
終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。また、普電不正
発生中でない場合(ステップX503;N)には、始動口2による保留の情報を設定する
テーブルを準備し(ステップX504)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップX50
5)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
図246には、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(
ステップX498,X505)を示した。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイ
ッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通し
て行われる処理である。
この特図始動口スイッチ共通処理では、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2ス
イッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機1
0の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステッ
プX521)、ロードした値を+1更新して(ステップX522)、出力回数がオーバー
フローするか判定する(ステップX523)。
出力回数がオーバーフローしない場合(ステップX523;N)には、更新後の値をR
WMの始動口信号出力回数領域にセーブし(ステップX524)、監視対象の始動口スイ
ッチに対応する特図保留(始動記憶)数、すなわち更新対象の特図保留(始動記憶)数が
上限値(ここでは4)未満か判定する(ステップX525)。一方、出力回数がオーバー
フローする場合(ステップX523;Y)には、ステップX525へ移行する。ここでは
出力回数を255まで記憶できるが、上限まで記憶している場合には+1更新によりルー
プして0となってしまうため、更新後の値のセーブを行わない。
そして、更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップX525;N)には
、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、更新対象の特図保留数が上限値未満で
ある場合(ステップX525;Y)には、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図
2保留数)を+1更新して(ステップX526)、対象の始動口入賞フラグをセーブする
(ステップX527)。次に、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数
格納領域のアドレスを算出して(ステップX528)、ハード乱数取得処理で準備した大
当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップX529)。
その後、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップX5
30)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX531)。次に、監
視対象の始動口スイッチの転落抽選乱数を抽出して準備し(ステップX532)、RWM
の転落抽選乱数格納領域にセーブする(ステップX533)。
次いで、始動口2(普通変動入賞装置37)への入賞であるか判定し(ステップX53
4)、始動口2への入賞でない場合(ステップX534;N)には、ステップX537へ
移行する。一方、始動口2への入賞である場合(ステップX534;Y)には、小当り図
柄乱数を抽出して準備し(ステップX535)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセー
ブする(ステップX536)。
そして、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセ
ーブし(ステップX537)、先読み処理である特図保留情報判定処理(ステップX53
8)を行う。次いで、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留
数コマンドを準備し(ステップX539)、演出コマンド設定処理(ステップX540)
を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100(RAM111C)が、始動入賞口36への遊技球の入
賞に基づき所定の乱数を抽出し、該所定の乱数を第1始動記憶として所定の上限数まで記
憶可能な第1始動記憶手段をなす。また、遊技制御装置100(RAM111C)が、普
通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し、該所定の乱数を第2
始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な第2始動記憶手段をなす。
〔特図保留情報判定処理〕
図247及び図248には、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報
判定処理(ステップX538)を示した。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に
基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情
報の判定を行う先読み処理である。
この特図保留情報判定処理では、まず、大当り中(第1特別遊技状態中)であるか判定
し(ステップX541)、大当り中である場合(ステップX541;Y)には、特図保留
情報判定処理を終了する。一方、大当り中でない場合(ステップX541;N)には、特
図始動口スイッチ共通処理のステップX527にてセーブした始動口入賞フラグをチェッ
クして、始動口1(始動入賞口36)への入賞であるか判定する(ステップX542)。
始動口1への入賞である場合(ステップX542;Y)には、ステップX544へ移行
して先読みを行う。一方、始動口1への入賞でない場合(ステップX542;N)には、
特図低確率&時短なし中(通常遊技状態中)であるか判定する(ステップX543)。そ
して、特図低確率&時短なし中である場合(ステップX543;Y)には、特図保留情報
判定処理を終了する。すなわち、通常遊技状態である場合には特図2変動表示ゲームの変
動パターンとして変動時間が非常に長い(約10分)長変動が選択されるが、この場合に
は先読みを行わない。一方、特図低確率&時短なし中でない場合(ステップX543;N
)には、特図高確率中であるか判定する(ステップX544)。
特図高確率中でない場合(ステップX544;N)には、ステップX548へ移行する
。一方、特図高確率中である場合(ステップX544;Y)には、特図始動口スイッチ共
通処理のステップX532にて準備した転落抽選乱数の値は転落当選の判定値の範囲内で
あるか判定する(ステップX545)。次いで、判定結果に対応する先読み転落抽選情報
コマンドを準備し(ステップX546)、演出コマンド設定処理(ステップX547)を
行って、低確率判定フラグを準備する(ステップX548)。
そして、大当り乱数値が大当り判定値(大当り低確率判定値)と一致するか否かにより
大当りであるか判定する先読み大当り判定処理(ステップX549)を行う。判定結果が
大当りである場合(ステップX550;Y)には、対象の始動口スイッチに対応する大当
り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップX551)、特図始動口スイッチ共通処
理のステップX530にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(
ステップX552)、ステップX559へ移行する。一方、判定結果が大当りでない場合
(ステップX550;N)には、特図始動口スイッチ共通処理のステップX527にてセ
ーブした始動口入賞フラグをチェックして、始動口2(普通変動入賞装置37)への入賞
であるか判定する(ステップX553)。
始動口2への入賞でない場合(ステップX553;N)には、はずれの停止図柄情報を
設定して(ステップX558)、ステップX559へ移行する。一方、始動口2への入賞
である場合(ステップX553;Y)には、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否
かにより小当りであるか判定する小当り判定処理(ステップX554)を行う。そして、
判定結果が小当りである場合(ステップX555;Y)には、小当り図柄乱数チェックテ
ーブルを設定し(ステップX556)、特図始動口スイッチ共通処理のステップX535
にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップX557)、
ステップX559へ移行する。一方、判定結果が小当りでない場合(ステップX555;
N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップX558)、ステップX552又
はX557にて取得した停止図柄情報、あるいはステップX558にて設定した停止図柄
情報を図柄情報領域にセーブする(ステップX559)。
その後、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンド(
低確率)を準備して(ステップX560)、演出コマンド設定処理(ステップX561)
を行う。
次いで、高確率判定フラグを準備して(ステップX562)、大当り乱数値が大当り判
定値(大当り高確率判定値)と一致するか否かにより大当りであるか判定する先読み大当
り判定処理(ステップX563)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステッ
プX564;Y)には、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブ
ルを設定し(ステップX565)、特図始動口スイッチ共通処理のステップX530にて
準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップX566)、ステ
ップX573へ移行する。一方、判定結果が大当りでない場合(ステップX564;N)
には、特図始動口スイッチ共通処理のステップX527にてセーブした始動口入賞フラグ
をチェックして、始動口2(普通変動入賞装置37)への入賞であるか判定する(ステッ
プX567)。
始動口2への入賞でない場合(ステップX567;N)には、はずれの停止図柄情報を
設定して(ステップX572)、ステップX573へ移行する。一方、始動口2への入賞
である場合(ステップX567;Y)には、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否
かにより小当りであるか判定する小当り判定処理(ステップX568)を行う。そして、
判定結果が小当りである場合(ステップX569;Y)には、小当り図柄乱数チェックテ
ーブルを設定し(ステップX570)、特図始動口スイッチ共通処理のステップX535
にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップX571)、
ステップX573へ移行する。一方、判定結果が小当りでない場合(ステップX569;
N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップX572)、特図高確率中である
か判定する(ステップX573)。
そして特図高確率中でない場合(ステップX573;N)には、ステップX575へ移
行する。一方、特図高確率中である場合(ステップX573;Y)には、ステップX55
9にて停止図柄情報をセーブした図柄情報領域に、ステップX566又はX571にて取
得した停止図柄情報、あるいはステップX572にて設定した停止図柄情報を上書きして
セーブする(ステップX574)。なお、図柄情報領域にセーブされる停止図柄情報は、
変動パターンの先読み等で使用される。
次いで、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンド(
高確率)を準備して(ステップX575)、演出コマンド設定処理(ステップX576)
を行う。このように、本実施形態では、特図保留情報判定処理を実行する度に、大当り低
確率判定値で判定した結果と、大当り高確率判定値で判定した結果とが、演出制御装置3
00に送信される。
次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設
定処理(ステップX577)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パタ
ーン設定処理(ステップX578)を行う。
そして、特図変動表示ゲームの変動態様における変動パターンを示す変動パターン番号
に対応する先読み変動パターンコマンドを準備し(ステップX579)、演出コマンド設
定処理(ステップX580)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステッ
プX577における特図情報設定処理、ステップX578における変動パターン設定処理
は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに対する転落抽
選の抽選結果を含む先読み転落抽選情報コマンドと、先読み対象の始動記憶に基づく特図
変動表示ゲームの結果を含む先読み停止図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動
表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出
制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(転落する
か(大当りの確率状態が高確率状態から低確率状態(通常確率状態)へ移行するか)否か
や、大当り又は小当りか否かや、変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対
応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置30
0に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を
変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関
連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づき、変動
表示ゲームの結果及び変動態様情報を当該変動表示ゲームの開始以前に決定することが可
能な決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶手段に始動記憶として記憶
される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば、特別
結果となるか否か等を判定する)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶さ
れた乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、
当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔先読み大当り判定処理〕
図249には、上述の特図保留情報判定処理における先読み大当り判定処理(ステップ
X549,X563)を示した。この先読み大当り判定処理では、まず、大当り判定値の
下限判定値を設定し(ステップX581)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満か判
定する(ステップX582)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致
することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値
の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以
下である場合に、大当りであると判定される。
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップX582;Y)、すなわち大当
りでない場合には、判定結果としてはずれを設定し(ステップX587)、先読み大当り
判定処理を終了する。なお、判定結果としてのはずれとは、大当りの抽選にはずれたこと
を示すものである。
一方、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップX582;N)には、判
定フラグが高確率判定フラグであるか判定する(ステップX583)。判定フラグが高確
率判定フラグである場合(ステップX583;Y)には、現在の確率設定値に対応する高
確率中の上限判定値を設定し(ステップX584)、対象の大当り乱数の値が上限判定値
より大きいか判定する(ステップX586)。一方、判定フラグが高確率判定フラグでな
い場合(ステップX583;N)、すなわち低確率判定フラグである場合には、現在の確
率設定値に対応する低確率中の上限判定値を設定し(ステップX585)、対象の大当り
乱数の値が上限判定値より大きいか判定する(ステップX586)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップX586;Y)、すなわち大当
りでない場合には、判定結果としてはずれを設定し(ステップX587)、先読み大当り
判定処理を終了する。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップ
X586;N)、すなわち大当りである場合には、判定結果として大当りを設定し(ステ
ップX588)、先読み大当り判定処理を終了する。
〔特図1ゲーム処理〕
図250には、上述のタイマ割込み処理における特図1ゲーム処理(ステップX112
)を示した。特図1ゲーム処理では、特図1変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特
図1の表示の設定を行う。この特図1ゲーム処理では、まず、特図1変動表示ゲームが中
断されている場合にセットされる特図1中断フラグがセットされているか判定する(ステ
ップY100)。特図1変動表示ゲームは、当該特図1変動表示ゲームの実行中に特図2
変動表示ゲームの結果が第2特別結果(小当り)となって第2特別遊技状態が実行される
場合に、当該第2特別遊技状態の実行中において中断される。
特図1中断フラグがセットされていない場合(ステップY100;N)、すなわち特図
1変動表示ゲームの中断が行われていない場合には、ステップY101へ移行して、以降
の特図1変動表示ゲームに関する処理を行う。一方、特図1中断フラグがセットされてい
る場合(ステップY100;Y)、すなわち特図1変動表示ゲームが中断されている場合
には、ステップY101~Y115の特図1変動表示ゲームに関する処理を行わず、ステ
ップY116へ移行する。これにより、特図1変動表示ゲームの中断中は特図1変動表示
ゲームが進行せず(特図1ゲーム処理タイマの更新が行われず)、変動表示のみが継続す
るようになる。
特図1変動表示ゲームに関する処理では、まず、特図2の大当り/小当り中であるか、
すなわち特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される
特別遊技状態中であるか判定する(ステップY101)。そして、特図2の大当り/小当
り中である場合(ステップY101;Y)には、ステップY104へ移行する。一方、特
図2の大当り/小当り中でない場合(ステップY101;N)には、大入賞口スイッチ監
視処理(ステップY102)を行い、特定領域スイッチ監視処理(ステップY103)を
行う。
大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口ス
イッチ38a及び第2特別変動入賞装置39内に設けられた大入賞口スイッチ39aでの
遊技球の検出を監視し、大入賞口への入賞に基づいて演出制御装置300に送信する大入
賞口カウントコマンドを設定する処理や、大入賞口へ規定数の入賞があった場合に大入賞
口を閉鎖するための処理を行う。特図1ゲーム処理では、特図1変動表示ゲームの結果が
大当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入賞口スイッチ監視処理を
行うようにしており、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づ
き実行される特別遊技状態については後述する特図2ゲーム処理において大入賞口スイッ
チ監視処理を行う。
特定領域スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた特定領域ス
イッチ38dでの遊技球の検出を監視し、特定領域(確率作動領域)への遊技球の流入に
基づいて特定領域通過フラグをセットする処理を行う。この特定領域通過フラグがセット
されていることに基づき特別遊技状態を発生させる処理が行われることとなる。
次いで、特図1ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新し(ステップY104)、特
図1ゲーム処理タイマの値が0であるか判定する(ステップY105)。そして、特図1
ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップY105;N)、すなわちタイムアップ
していない場合には、ステップY116へ移行する。また、特図1ゲーム処理タイマの値
が0である場合(ステップY105;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイム
アップしていた場合には、特図1ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照
する特図1ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップY106)。
そして、当該テーブルを用いて特図1ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを
取得し(ステップY107)、特図1ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(
ステップY108)。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図1変動表示ゲー
ムの変動開始を監視し、特図1変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図1
変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1普段処理(ステップY109)
を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図1の停止表示時
間の設定や、特図1表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1変動中処理
(ステップY110)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図1変動表示ゲー
ムの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や
、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンフ
ァーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1表示中処理(
ステップY111)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間
の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うフ
ァンファーレ/インターバル中処理(ステップY112)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最
終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエン
ディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定
等を行う大入賞口開放中処理(ステップY113)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最
終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、
特図1大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステ
ップY114)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図1普段処理(ス
テップY109)を行うために必要な情報の設定等を行う特図1大当り終了処理(ステッ
プY115)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備し(
ステップY116)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップY117)を
行い、レバーソレノイド38fの動作を制御するレバーソレノイド制御処理(ステップY
118)を行って、特図1ゲーム処理を終了する。この特図1ゲーム処理が第1変動表示
ゲーム(特図1変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。
〔特図2ゲーム処理〕
図251及び図252には、上述のタイマ割込み処理における特図2ゲーム処理(ステ
ップX113)を示した。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲームに関する処理全
体の制御、特図2の表示の設定を行う。特図2ゲーム処理は、基本的には上述の特図1ゲ
ーム処理と同様の処理を特図2について行うものである。
この特図2ゲーム処理では、まず、特図1の大当り中であるか、すなわち特図1変動表
示ゲームの結果が大当りになることに基づき実行される特別遊技状態中であるか判定する
(ステップY131)。そして、特図1の大当り中である場合(ステップY131;Y)
には、ステップY134へ移行する。また、特図1の大当り中でない場合(ステップY1
31;N)には、大入賞口スイッチ監視処理(ステップY132)を行い、特定領域スイ
ッチ監視処理(ステップY133)を行う。
大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口ス
イッチ38a及び第2特別変動入賞装置39内に設けられた大入賞口スイッチ39aでの
遊技球の検出を監視し、大入賞口への入賞に基づいて演出制御装置300に送信する大入
賞口カウントコマンドを設定する処理や、大入賞口へ規定数の入賞があった場合に大入賞
口を閉鎖するための処理を行う。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲームの結果が
大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入賞口スイッチ
監視処理を行うようにしており、特図1変動表示ゲームの結果が大当りになることに基づ
き実行される特別遊技状態については上述した特図1ゲーム処理において大入賞口スイッ
チ監視処理を行う。
特定領域スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた特定領域ス
イッチ38dでの遊技球の検出を監視し、特定領域(確率作動領域)への遊技球の流入に
基づいて特定領域通過フラグをセットする処理を行う。この特定領域通過フラグがセット
されていることに基づき特別遊技状態を発生させる処理が行われることとなる。
次いで、特図2ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新し(ステップY134)、特
図2ゲーム処理タイマの値が0であるか判定する(ステップY135)。そして、特図2
ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップY135;N)、すなわちタイムアップ
していない場合には、ステップY153へ移行する。また、特図2ゲーム処理タイマの値
が0である場合(ステップY135;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイム
アップしていた場合には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0であるか判定する
(ステップY136)。
特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0でない場合(ステップY136;N)には
、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を-1更新し(ステップY137)、特図2ゲ
ーム処理タイマ領域に長変動用タイマ値(例えば60000m秒)をセーブして(ステッ
プY138)、ステップY153へ移行する。
小当りの発生確率が高い特図2変動表示ゲームを通常遊技状態で遊技者が意図的に実行
することを防止するため、通常遊技状態における特図2変動表示ゲームの変動時間は非常
に長い時間(例えば10分)とされている。しかし、特図2ゲーム処理タイマとして利用
できる領域は限られているため、タイマ初期値として上限値を設定しても変動時間を一度
で計時することは困難である。そこで、規定時間(例えば60000m秒)の計時を行う
回数である繰り返し回数を用いて複数回の計時により変動時間を計時するようにしている
特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0である場合(ステップY136;Y)には
、特図2ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図2ゲームシーケ
ンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップY139)。そして、当該テーブルを
用いて特図2ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(ステップY14
0)、特図2ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(ステップY141)。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図2変動表示ゲー
ムの変動開始を監視し、特図2変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図2
変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2普段処理(ステップY142)
を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図2の停止表示時
間の設定や、特図2表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2変動中処理
(ステップY143)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図2変動表示ゲー
ムの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や
、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンフ
ァーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2表示中処理(
ステップY144)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間
の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うフ
ァンファーレ/インターバル中処理(ステップY145)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最
終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエン
ディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定
等を行う大入賞口開放中処理(ステップY146)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最
終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、
特図2大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステ
ップY147)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図2普段処理(ス
テップY108)を行うために必要な情報の設定等を行う特図2大当り終了処理(ステッ
プY148)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際
の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中
処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップY1
49)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマン
ドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステ
ップY150)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に
大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理
を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップY151)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図2普段処理を
行うために必要な情報の設定等を行う特図2小当り終了処理(ステップY152)を行う
その後、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備し(
ステップY153)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップY154)を
行い、レバーソレノイド38fの動作を制御するレバーソレノイド制御処理(ステップY
155)を行って、特図2ゲーム処理を終了する。この特図2ゲーム処理が第2変動表示
ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。以上の特図
2ゲーム処理は、基本的には上述の特図1ゲーム処理と同様の処理を特図2について行う
ものであり、以降の説明では特図1ゲーム処理と特図2ゲーム処理とで対応する処理を並
行して説明する。
〔特図1普段処理〕
図253には、上述の特図1ゲーム処理における特図1普段処理(ステップY109)
を示した。この特図1普段処理では、まず、特図1が変動開始可能であるか判定する(ス
テップY201)。この判定における特図1が変動開始可能である状態とは、大当り又は
小当りとなる特図2変動表示ゲームの変動停止から特別遊技状態の終了までの間でないこ
とである。なお、特図1変動表示ゲームの実行中や特図1変動表示ゲームに基づく特別遊
技状態中も変動開始できない状態ではあるが、その場合は特図1普段処理が実行されてい
ない状態であるため、ここではこれについては判定しなくても良い。
特図1が変動開始可能でない場合(ステップY201;N)には、特図1ゲーム処理番
号として「0」を設定し(ステップY216)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号を
セーブして(ステップY217)、特図1普段処理を終了する。また、特図1が変動開始
可能である場合(ステップY201;Y)には、左打ち指示報知済みであるか、すなわち
左打ち指示報知フラグがセットされているか判定する(ステップY202)。
左打ち指示報知済みである場合(ステップY202;Y)には、ステップY206へ移
行する。また、左打ち指示報知済みでない場合(ステップY202;N)には、左打ち指
示報知コマンドを準備し(ステップY203)、演出コマンド設定処理(ステップY20
4)を行って、左打ち指示報知フラグをセットする(ステップY205)。左打ち指示報
知フラグは、特定遊技状態が終了する際にクリアされるようになっており、これにより通
常遊技状態に移行する際に左打ち指示報知が行われることとなる。
次いで、特図1保留数が0であるか判定し(ステップY206)、特図1保留数が0で
ある場合(ステップY206;Y)には、ステップY216へ移行する。また、特図1保
留数が0でない場合(ステップY206;N)には、現在の確率状態に対応する変動開始
確率情報コマンドを準備し(ステップY207)、演出コマンド設定処理(ステップY2
08)を行う。その後、特図1変動表示ゲームに関する情報の設定等を行う特図1変動開
始処理(ステップY209)を行い、特図1保留数に対応する飾り特図1保留数コマンド
を準備して(ステップY210)、演出コマンド設定処理(ステップY211)を行う。
なお、飾り特図保留数コマンドを準備する処理(ステップY210)を行う時点では特図
1変動表示ゲームの開始に基づく特図1保留数の減算は行われておらず、現在の特図1保
留数から-1した特図1保留数に対応する保留数コマンドを準備している。その後、時間
短縮変動回数に対応する残り遊技回数コマンドを準備して(ステップY212)、演出コ
マンド設定処理(ステップY213)を行う。
次に、特図ステータス領域に特図1変動中をセット(情報加算)する(ステップY21
4)。ここで特図ステータスとは、特図変動表示ゲームの状態を示すものであり、0~5
の何れかがセットされる。特図ステータス0は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲ
ームの何れも実行されていない状態を示し、特図ステータス1は特図1変動表示ゲームの
みが実行されている状態を示し、特図ステータス2は特図2変動表示ゲームのみが実行さ
れている状態を示す。また、特図ステータス3は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示
ゲームの両方が実行されている状態を示し、特図ステータス4は大当りに基づく特別遊技
状態である第1特別遊技状態であることを示し、特図ステータス5は小当りに基づく特別
遊技状態である第2特別遊技状態であることを示す。ここでは特図1変動表示ゲームが開
始されるので、特図ステータスとして1又は3がセットされる。その後、特図1変動中処
理移行設定処理(ステップY215)を行って、特図1普段処理を終了する。
〔特図2普段処理〕
図254には、上述の特図2ゲーム処理における特図2普段処理(ステップY142)
を示した。この特図2普段処理では、まず、特図2が変動開始可能であるか判定する(ス
テップY221)。この判定における特図2が変動開始可能である状態とは、大当りとな
る特図1変動表示ゲームの変動停止から特別遊技状態の終了までの間でないことである。
なお、特図2変動表示ゲームの実行中や特図2変動表示ゲームに基づく特別遊技状態中も
変動開始できない状態ではあるが、その場合は特図2普段処理が実行されていない状態で
あるため、ここではこれについては判定しなくても良い。
特図2が変動開始可能でない場合(ステップY221;N)には、特図2ゲーム処理番
号として「0」を設定し(ステップY238)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号を
セーブして(ステップY239)、特図2普段処理を終了する。また、特図2が変動開始
可能である場合(ステップY221;Y)には、特図2保留数が0であるか判定する(ス
テップY222)。
そして、特図2保留数が0でない場合(ステップY222;N)には、現在の確率状態
に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップY223)、演出コマンド設定
処理(ステップY224)を行う。その後、特図2変動表示ゲームに関する情報の設定等
を行う特図2変動開始処理(ステップY225)を行い、特図2保留数に対応する飾り特
図2保留数コマンドを準備して(ステップY226)、演出コマンド設定処理(ステップ
Y227)を行う。なお、飾り特図保留数コマンドを準備する処理(ステップY226)
を行う時点では特図2変動表示ゲームの開始に基づく特図2保留数の減算は行われておら
ず、現在の特図2保留数から-1した特図2保留数に対応する保留数コマンドを準備して
いる。その後、時間短縮変動回数に対応する残り遊技回数コマンドを準備して(ステップ
Y228)、演出コマンド設定処理(ステップY229)を行う。
次に、特図ステータス領域に特図2変動中をセット(情報加算)する(ステップY23
0)。ここでは特図2変動表示ゲームが開始されるので、特図ステータスとして2又は3
がセットされる。その後、特図2変動中処理移行設定処理(ステップY231)を行って
、特図2普段処理を終了する。
一方、特図2保留数が0である場合(ステップY222;Y)には、特図1保留数が0
であるか判定する(ステップY232)。そして、特図1保留数が0である場合(ステッ
プY232;Y)には、特図1が変動中であるか判定する(ステップY233)。そして
、特図1が変動中でない場合(ステップY233;N)には、客待ちデモが開始済みであ
るか判定し(ステップY234)、開始済みでない場合(ステップY234;N)には、
客待ち状態の設定に関する処理を行う。また、特図1保留数が0でない場合(ステップY
232;N)、特図1が変動中である場合(ステップY233;Y)又は客待ちデモが開
始済みである場合(ステップY234;Y)には、ステップY238へ移行する。
客待ち状態の設定に関する処理では、まず、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラ
グをセットし(ステップY235)、現在の確率状態に対応する客待ちデモコマンドを準
備して(ステップY236)、演出コマンド設定処理(ステップY237)を行い、ステ
ップY238へ移行する。客待ちデモコマンドを現在の確率状態に対応するものとするこ
とで、確率状態に応じて異なる客待ち画面を表示することが可能となる。
また、何らかの原因により演出制御装置300が再起動した場合、バックアップ機能を
備えない演出制御装置300は遊技状態の情報を喪失してしまうため、適切な演出を行う
ことができなくなってしまうが、客待ちデモコマンドを現在の確率状態に対応するものと
することで、このコマンドの受信からは遊技状態に応じた演出を行うことができ、遊技状
態の変更に基づく確率情報コマンドが送信されるのを待つよりも早く遊技状態に応じた演
出に復帰できるようになる。
また、本実施形態の遊技機では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとが同
時に実行可能であり、特図1変動表示ゲームについての処理によって確率状態が変化する
ことも考えられるので、特図変動表示ゲームの開始ごとに変動開始確率情報コマンドを送
信するようにしている(ステップY207,Y223)。これにより、演出制御装置30
0において遊技状態に応じた適切な演出を行うことが可能となる。
また、変動開始確率情報コマンドを特図変動表示ゲームの開始ごとに送信するようにし
たことで、演出制御装置300が再起動した場合でもこのコマンドの受信からは遊技状態
に応じた演出を行うことができ、遊技状態の変更に基づく確率情報コマンドが送信される
のを待つよりも早く遊技状態に応じた演出に復帰できるようになる。なお、客待ちデモコ
マンドや変動開始確率情報コマンドに、演出制御装置300が再起動した場合に遊技状態
に応じた演出に復帰できるようにするためのその他の情報を含ませるようにしても良い。
〔特図1変動開始処理〕
図255(a)には、上述の特図1普段処理における特図1変動開始処理(ステップY
209)を示した。特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理で
ある。この特図1変動開始処理では、まず、特図保留情報判定処理において変動パターン
の振り分けに用いる特図1情報設定フラグをセットする(ステップY241)。次いで、
RWMの特図1転落抽選乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードして準備し(ステ
ップY242)、特図1転落抽選乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップ
Y243)、高確率状態から低確率状態への移行を抽選する転落抽選処理(ステップY2
44)を行う。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)
の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。
次に、特図1変動表示ゲームの結果情報としてはずれ情報又は大当り情報を設定する大
当りフラグ1設定処理(ステップY245)を行い、特図1停止図柄(図柄情報)の設定
に係る特図1停止図柄設定処理(ステップY246)を行う。そして、変動パターンを設
定するためのパラメータである特図情報を設定する特図1情報設定処理(ステップY24
7)を行い、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照する
ための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する
(ステップY248)。
その後、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図1
変動パターン設定処理(ステップY249)を行い、特図1変動表示ゲームの変動開始の
情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップY250)を行って、時間短縮変動回数
更新処理(ステップY251)を行う。次いで、処理番号として特図1変動中処理にかか
る「1」を設定し(ステップY252)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブす
る(ステップY253)。
次に、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップY254)、特図1の変動開始に関
する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブす
る(ステップY255)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし
(ステップY256)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51
の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100m秒)をセーブし(ステップY257
)、特図1変動中図柄番号領域に初期値(ここではブランク図柄を示す「0」)をセーブ
して(ステップY258)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
図255(b)には、上述の特図2普段処理における特図2変動開始処理(ステップY
225)を示した。特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理で
ある。この特図2変動開始処理では、まず、特図保留情報判定処理において変動パターン
の振り分けに用いる特図2情報設定フラグをセットする(ステップY261)。次いで、
RWMの特図2転落抽選乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードして準備し(ステ
ップY262)、特図2転落抽選乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップ
Y263)、高確率状態から低確率状態への移行を抽選する転落抽選処理(ステップY2
64)を行う。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)
の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。
次に、特図2変動表示ゲームの結果情報としてはずれ情報、大当り情報又は小当り情報
を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップY265)を行い、特図2停止図柄(図柄
情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップY266)を行う。そして、変動
パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図2情報設定処理(ス
テップY267)を行い、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情
報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブ
ルを準備する(ステップY268)。
その後、特図2変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図2
変動パターン設定処理(ステップY269)を行い、特図2変動表示ゲームの変動開始の
情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップY270)を行って、時間短縮変動開始
更新処理(ステップY271)を行う。次いで、処理番号として特図2変動中処理にかか
る「1」を設定し(ステップY272)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブす
る(ステップY273)。
次に、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップY274)、特図2の変動開始に関
する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブす
る(ステップY275)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし
(ステップY276)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52
の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100m秒)をセーブし(ステップY277
)、特図2変動中図柄番号領域に初期値(ここではブランク図柄を示す「0」)をセーブ
して(ステップY278)、特図2変動開始処理を終了する。
なお、上述の特図1変動開始処理や特図2変動開始処理において特図変動表示ゲームの
変動パターンを選択する際に、設定されている確率設定値の情報を参照するようにしても
良い。これにより、確率設定値に応じた変動パターンを選択することや、確率設定値に応
じて変動パターンの選択確率を異ならせるなど、確率設定値を示唆又は報知する演出を実
行可能となる。
〔転落抽選処理〕
図256には、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理で行われる転落抽選処理(
ステップY244,Y264)を示した。この転落抽選処理では、まず、特図高確率中で
あるか判定し(ステップY581)、特図高確率中でない場合(ステップY581;N)
には、転落抽選処理を終了する。また、特図高確率中である場合(ステップY581;Y
)には、対象の転落抽選乱数の値が転落抽選下限判定値未満か判定する(ステップY58
2)。なお、転落抽選に当選するとは転落抽選乱数が転落抽選判定値と一致することであ
る。転落抽選判定値は連続する複数の値であり、転落抽選乱数が、転落抽選判定値の下限
の値である転落抽選下限判定値以上で、かつ、転落抽選判定値の上限の値である転落抽選
上限判定値以下である場合に、転落抽選に当選したと判定される。
転落抽選乱数の値が転落抽選下限判定値未満である場合(ステップY582;Y)、す
なわち転落抽選に当選していない場合には、転落抽選処理を終了する。この場合は高確率
状態が維持される。一方、転落抽選乱数の値が転落抽選下限判定値未満でない場合(ステ
ップY582;N)には、対象の転落抽選乱数の値が転落抽選上限判定値より大きいか判
定する(ステップY583)。
転落抽選乱数の値が転落抽選上限判定値より大きい場合(ステップY583;Y)、す
なわち転落抽選に当選していない場合には、転落抽選処理を終了する。この場合は高確率
状態が維持される。一方、転落抽選乱数の値が転落抽選上限判定値より大きくない場合(
ステップX583;N)、すなわち転落抽選に当選した場合には、低確率状態に移行する
ための処理を行う。
低確率状態に移行するための処理では、まず、高確率終了に関する信号を外部情報出力
データ領域にセーブする(ステップY584)。ここでは、大当り2信号をON、大当り
4信号をOFFに設定する。次いで、高確率&時短の終了に関する信号を試験信号出力デ
ータ領域にセーブする(ステップY585)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号をO
FF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、
特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFFに設定する。
そして、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY5
86)、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブする(ステップY587)。そ
の後、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブして(ステッ
プY588)、転落抽選処理を終了する。これにより、低確率状態かつ普電サポートなし
状態となって通常遊技状態に移行することとなる。なお、高確率状態の終了や普電サポー
トの終了の情報は、演出制御装置300に送信されるようになっており、演出制御装置3
00ではこの情報に基づき演出モードの変更などの処理を行う。
〔大当りフラグ1設定処理〕
図257(a)には、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ス
テップY245)を示した。この大当りフラグ1設定処理では、まず、大当りフラグ1領
域にはずれ情報をセーブする(ステップY281)。次に、RWMの特図1大当り乱数格
納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードして準備し(ステップY282)、特図1
大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップY283)。
その後、実行中の特図2変動表示ゲームの大当り判定の結果である大当りフラグ2は大
当りであるか判定し(ステップY284)、大当りである場合(ステップY284;Y)
には、大当りフラグ1設定処理を終了する。すなわち、同時に実行される特図1変動表示
ゲームと特図2変動表示ゲームの両方を大当りとしないようにしている。また、大当りで
ない場合(ステップY284;N)には、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致す
るか否かに応じて大当りであるか判定する大当り判定処理(ステップY285)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップY285)の判定結果が大当りである場合(ステッ
プY286;Y)には、ステップY281にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領
域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップY287)、大当りフラグ1設定処理を
終了する。一方、大当り判定処理(ステップY285)の判定結果が大当りでない場合(
ステップY286;N)には、大当りフラグ1設定処理を終了する。この場合は、大当り
フラグ1領域には、はずれ情報がセーブされた状態となる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
図257(b)には、上述の特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ス
テップY265)を示した。この大当りフラグ2設定処理では、まず、小当りフラグ2領
域にはずれ情報をセーブし(ステップY291)、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセ
ーブする(ステップY292)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用
)から大当り乱数をロードして準備し(ステップY293)、特図2大当り乱数格納領域
(保留数1用)を0クリアする(ステップY294)。
その後、実行中の特図1変動表示ゲームの大当り判定の結果である大当りフラグ1は大
当りであるか判定し(ステップY295)、大当りである場合(ステップY295;Y)
には、ステップY299へ移行する。すなわち、同時に実行される特図1変動表示ゲーム
と特図2変動表示ゲームの両方を大当りとしないようにしている。また、大当りでない場
合(ステップY295;N)には、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否
かに応じて大当りであるか判定する大当り判定処理(ステップY296)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップY296)の判定結果が大当りである場合(ステッ
プY297;Y)には、ステップY292にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領
域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップY298)、大当りフラグ2設定処理を
終了する。
一方、大当り判定処理(ステップY296)の判定結果が大当りでない場合(ステップ
Y297;N)には、取得した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小
当りであるか判定する小当り判定処理(ステップY299)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップY299)の判定結果が小当りである場合(ステッ
プY300;Y)には、ステップY291にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ2領
域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップY301)、大当りフラグ2設定処理を
終了する。一方、小当り判定処理(ステップY299)の判定結果が小当りでない場合(
ステップY300;N)には、大当りフラグ2設定処理を終了する。この場合は、大当り
フラグ2領域及び小当りフラグ2領域には、はずれ情報がセーブされた状態となる。
〔大当り判定処理〕
図258には、上述の大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における大
当り判定処理(ステップY285,Y296)を示した。この大当り判定処理では、まず
、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップY311)、対象の大当り乱数の値が下
限判定値未満か判定する(ステップY312)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大
当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数
が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値で
ある上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップY312;Y)、すなわち大当
りでない場合には、判定結果としてはずれを設定し(ステップY317)、大当り判定処
理を終了する。なお、判定結果としてのはずれとは、大当りの抽選にはずれたことを示す
ものである。一方、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップY312;N
)には、特図高確率中であるか判定する(ステップY313)。
そして、特図高確率中である場合(ステップY313;Y)には、現在の確率設定値に
対応する高確率中の上限判定値を設定し(ステップY314)、対象の大当り乱数の値が
上限判定値より大きいか判定する(ステップY316)。また、特図高確率中でない場合
(ステップY313;N)には、現在の確率設定値に対応する低確率中の上限判定値を設
定し(ステップY315)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか判定する(
ステップY316)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップY316;Y)、すなわち大当
りでない場合には、判定結果としてはずれを設定し(ステップY317)、大当り判定処
理を終了する。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップY31
6;N)、すなわち大当りである場合には、判定結果として大当りを設定し(ステップY
318)、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
図259には、上述の大当りフラグ2設定処理における小当り判定処理(ステップY2
99)を示した。この小当り判定処理では、まず、対象の大当り乱数の値が小当り下限判
定値未満か判定する(ステップY321)。なお、小当りであるとは大当り乱数(大当り
判定と同一の乱数)が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数
の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、小
当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。
また、大当り判定値と小当り判定値とが重なることはない。
大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(ステップY321;Y)、すなわ
ち小当りでない場合には、判定結果としてはずれを設定し(ステップY323)、小当り
判定処理を終了する。なお、判定結果としてのはずれとは、小当りの抽選にはずれたこと
を示すものである。また、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合(ステップ
Y321;N)には、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいか判定する(
ステップY322)。
大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(ステップY322;Y)、すなわ
ち小当りでない場合には、判定結果としてはずれを設定し(ステップY323)、小当り
判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(ス
テップY322;N)、すなわち小当りである場合には、判定結果として小当りを設定し
(ステップY324)、小当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図260には、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップ
Y246)を示した。この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当り
か判定し(ステップY331)、大当りである場合(ステップY331;Y)には、特図
1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップY
332)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定し(ステップY333)、ロードした
大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄退避領域にセーブする
(ステップY334)。この処理により大当り種類が選択される。なお、特図1変動表示
ゲームの停止図柄を特図1停止図柄領域ではなく特図1停止図柄退避領域にセーブするよ
うにしたのは、特図2変動表示ゲームで特別結果が導出された場合に強制的にはずれ結果
に変更される可能性があるためである。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップY335)、停止図柄
番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図1停止図柄パターン領域にセーブする(
ステップY336)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)
での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄
番号に対応する時間短縮判定データを取得して時間短縮判定データ領域にセーブし(ステ
ップY337)、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得して特図1ラウン
ド数上限値情報領域にセーブし(ステップY338)、停止図柄番号に対応する大入賞口
開放情報を取得して特図1大入賞口開放情報領域にセーブして(ステップY339)、ス
テップY340へ移行する。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するための
ものである。
一方、大当りでない場合(ステップY331;N)には、はずれ時の停止図柄番号を特
図1停止図柄退避領域にセーブして(ステップY344)、はずれ停止図柄パターンを特
図1停止図柄パターン領域にセーブする(ステップY345)。次いで、停止図柄パター
ンに対応する飾り特図1コマンドを準備して飾り特図1コマンド領域にセーブする(ステ
ップY340)。これにより、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定され
る。その後、演出コマンド設定処理(ステップY341)を行う。これにより、飾り特図
1コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する
図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY342)、特図1大当り図
柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップY343)、特図1停止図柄設
定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図261には、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップ
Y266)を示した。なお、特図2停止図柄設定処理は、特図1停止図柄設定処理と同じ
処理を、特図2を対象として行うものである。この特図2停止図柄設定処理では、まず、
大当りフラグ2が大当りか判定し(ステップY361)、大当りである場合(ステップY
361;Y)には、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数を
ロードする(ステップY362)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定し(ステップ
Y363)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図
柄退避領域にセーブする(ステップY364)。この処理により大当り種類が選択される
。なお、特図2変動表示ゲームの停止図柄を特図2停止図柄領域ではなく特図2停止図柄
退避領域にセーブするようにしたのは、特図1変動表示ゲームで特別結果が導出された場
合に強制的にはずれ結果に変更される可能性があるためである。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップY365)、停止図柄
番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図2停止図柄パターン領域にセーブする(
ステップY366)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)
での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄
番号に対応する時間短縮判定データを取得して時間短縮判定データ領域にセーブし(ステ
ップY367)、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得して特図2ラウン
ド数上限値情報領域にセーブし(ステップY368)、停止図柄番号に対応する大入賞口
開放情報を取得して特図2大入賞口開放情報領域にセーブして(ステップY369)、ス
テップY370へ移行する。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するための
ものである。
一方、大当りでない場合(ステップY361;N)には、小当りフラグ2が小当りか判
定し(ステップY375)、小当りである場合(ステップY375;Y)には、特図2小
当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(ステップY37
6)。次に、特図2小当り図柄テーブルを設定し(ステップY377)、ロードした小当
り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄退避領域にセーブする(ス
テップY378)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停止図柄番号に対
応する停止図柄パターンを取得して特図2停止図柄パターン領域にセーブし(ステップY
379)、ステップY370へ移行する。
また、小当りフラグ2は小当りでない場合(ステップY375;N)には、はずれ時の
停止図柄番号を特図2停止図柄退避領域にセーブして(ステップY380)、はずれ停止
図柄パターンを特図2停止図柄パターン領域にセーブする(ステップY381)。次いで
、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備して飾り特図2コマンド領域に
セーブする(ステップY370)。これにより、特図変動表示ゲームの結果に対応した停
止図柄が設定される。その後、演出コマンド設定処理(ステップY371)を行う。これ
により、飾り特図2コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図
柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY372)
、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(ステップY373)、特
図2小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップY374)、特図
2停止図柄設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、
遊技制御装置100が、第1始動記憶手段に記憶された第1始動記憶に基づき、第1変動
表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の結果及び変動態様情報を当該第1変動表示ゲーム
の開始以前に決定することが可能な第1決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、
第2始動記憶手段に記憶された第2始動記憶に基づき、第2変動表示ゲーム(特図2変動
表示ゲーム)の結果及び変動態様情報を当該第2変動表示ゲームの開始以前に決定するこ
とが可能な第2決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基
づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動
パターン決定手段をなす。
以上のことから、始動入賞口36は、遊技領域32の一側に発射した遊技球が入賞可能
な位置に配設され、普通変動入賞装置37は、遊技領域32の他側に発射した遊技球が入
賞可能な位置に配設され、変動表示ゲームの変動態様情報には、当該変動表示ゲームの実
行時間を特定可能な変動時間に関する情報が含まれ、通常状態(通常遊技状態)において
第2決定手段によって第2変動表示ゲームの変動時間として決定されることが可能な変動
時間は、第1決定手段によって第1変動表示ゲームの変動時間として決定されることが可
能な変動時間よりも長いこととなる。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に
送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基
づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設
定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数
)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コ
マンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンドなどが挙げ
られる。なお、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装
置300での処理を効率よく進めることができる。
すなわち、遊技制御装置100が、第1決定手段の決定結果に基づいて第1変動表示ゲ
ーム(特図1変動表示ゲーム)の実行制御を行うことが可能な第1変動表示ゲーム実行制
御手段をなす。また、特図1ゲーム処理の全体から、第1変動表示ゲーム実行制御手段が
第1変動表示ゲームに関する一連の実行制御を行うものとも言える。
さらに、遊技制御装置100が、第2決定手段の決定結果に基づいて第2変動表示ゲー
ム(特図2変動表示ゲーム)の実行制御を行うことが可能な第2変動表示ゲーム実行制御
手段をなす。また、特図2ゲーム処理の全体から、第2変動表示ゲーム実行制御手段が第
2変動表示ゲームに関する一連の実行制御を行うものとも言える。
また、遊技制御装置100が、第1決定手段によって決定された第1変動表示ゲームの
結果及び変動態様情報並びに第2決定手段によって決定された第2変動表示ゲームの結果
及び変動態様情報を制御情報として演出制御手段(演出制御装置300)へ送信すること
が可能な送信手段をなす。また、遊技制御装置100が、第1変動表示ゲーム及び第2変
動表示ゲームのそれぞれについて、変動表示ゲームの開始に応じて変動時間の計測を開始
し、当該計測時間が変動時間を経過した場合に当該変動表示ゲームの変動時間の計測を終
了する計測手段をなす。
なお、通常遊技状態における特図2変動表示ゲームでは変動時間が非常に長い長変動が
設定されるが、この場合には、変動時間についての情報を演出制御装置300には送信せ
ず、長変動であることのみを示すコマンドを送信するようにしても良い。長変動の場合は
単に変動表示を行えばよく詳細に演出を決定する必要がないので、演出制御装置300で
は長変動であることのコマンドを受信することに基づき変動表示を開始するようにする。
変動時間の管理は遊技制御装置100のみで行い、変動時間が終了することに基づき停止
コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300では停止コマンドを受信す
ることに基づき変動表示を停止するようにする。このようにすれば、演出制御装置300
での制御の負担を軽減することができる。
〔特図1情報設定処理〕
図262には、上述の特図1変動開始処理における特図1情報設定処理(ステップY2
47)を示した。この特図1情報設定処理では、まず、変動パターン選択情報テーブルを
設定し(ステップY401)、特図1停止図柄パターンに対応する前半オフセットデータ
、後半オフセットデータを取得して(ステップY402)、特図1大当り、すなわち特図
1停止図柄パターンが大当りの停止図柄パターンであるか判定する(ステップY403)
。特図1大当りである場合(ステップY403;Y)には、ステップY405へ移行する
また、特図1大当りでない場合(ステップY403;N)には、前半オフセットデータ
に特図1保留数を加算して値を変換する(ステップY404)。そして、前半オフセット
データを変動振分情報1領域にセーブする(ステップY405)。これにより、変動振分
情報1領域には変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リー
チ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グルー
プを選択するために用いられる。
その後、後半オフセットデータを変動振分情報2領域にセーブして(ステップY405
)、特図1情報設定処理を終了する。これにより、変動振分情報2領域には変動振分情報
2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む
。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために
用いられる。
このように、特図1変動表示ゲームにおいては、はずれの場合には前半変動パターンの
み特図1保留数を考慮して変動パターンが決定され、大当りの場合には特図1保留数を考
慮せずに変動パターンが決定される。
〔特図2情報設定処理〕
図263には、上述の特図2変動開始処理における特図2情報設定処理(ステップY2
67)を示した。この特図2情報設定処理では、まず、特図低確率&時短なし中(通常遊
技状態中)であるか判定する(ステップY421)。特図低確率&時短なし中でない場合
(ステップY421;N)には、時間短縮最終変動であるか判定する(ステップY427
)。ここでは、これから開始する特図2変動表示ゲームが、特別遊技状態の終了から10
0回(サポート回数)目の特図変動表示ゲームである場合に、時間短縮最終変動であると
判定する。
そして、時間短縮最終変動である場合(ステップY427;Y)には、ステップY42
8へ移行する。また、時間短縮最終変動でない場合(ステップY427;N)には、変動
パターン選択情報テーブルを設定し(ステップY423)、特図2停止図柄パターンに対
応する前半オフセットデータ、後半オフセットデータを取得して(ステップY424)、
ステップY425へ移行する。
一方、特図低確率&時短なし中である場合(ステップY421;Y)には、高確率最終
変動であるか判定する(ステップY427)。ここでは、これから開始する特図2変動表
示ゲームに対する転落抽選に当選した場合に、高確率最終変動であると判定する。
そして、高確率最終変動である場合(ステップY427;Y)には、最終変動用の前半
オフセットデータ、後半オフセットデータを設定して(ステップY428)、ステップY
425へ移行する。
また、高確率最終変動でない場合(ステップY427;N)には、特図2大当りである
かを判定する(ステップY429)。そして、特図2大当りでない場合(ステップY42
9;N)には、低確率時特図2はずれ・小当り用の前半オフセットデータを設定し(ステ
ップY430)、特図2長変動用の後半オフセットデータを設定して(ステップY432
)、ステップY425へ移行する。
また、特図2大当りである場合(ステップY429;Y)には、低確率時特図2大当り
用の前半オフセットデータを設定し(ステップY431)、特図2長変動用の後半オフセ
ットデータを設定する(ステップY432)。そして、前半オフセットデータを変動振分
情報1領域にセーブする(ステップY425)。これにより、変動振分情報1領域には変
動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リーチ開始前までの変
動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するため
に用いられる。
その後、後半オフセットデータを変動振分情報2領域にセーブして(ステップY426
)、特図2情報設定処理を終了する。これにより、変動振分情報2領域には変動振分情報
2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む
。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために
用いられる。
このように、特図2変動表示ゲームにおいては、特図2保留数を考慮せずに変動パター
ンが決定される。
〔特図1変動パターン設定処理〕
図264には、上述の特図1変動開始処理における特図1変動パターン設定処理(ステ
ップY249)を示した。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ
状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動
表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パタ
ーンを設定してから前半変動パターンを設定する。
この特図1変動パターン設定処理では、まず、変動グループアドレステーブルを設定し
(ステップY451)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレス
を取得して準備し(ステップY452)、特図1の変動パターン乱数1格納領域(保留数
1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップY453)。
次に、特図1はずれ、すなわち停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであるか判
定し(ステップY454)、特図1はずれである場合(ステップY454;Y)には、2
バイト振り分け処理(ステップY455)を行う。また、特図1はずれでない場合(ステ
ップY454;N)には、振り分け処理(ステップY456)を行う。
本実施形態において、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造
が異なる。具体的には、当り用は1バイトサイズ、はずれ用は2バイトサイズとなってい
る。はずれの発生率よりも当りの発生率が低く、1バイトでも足りるため、データ容量節
約の観点から、当り用は1バイトサイズになっている。したがって、当り時は、2バイト
の変動パターン乱数1の下位の値だけを使用している。また、当りの発生率よりもはずれ
の発生率は高く、より多彩な演出を可能とするために、はずれ用は2バイトサイズになっ
ている。
そして、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備
し(ステップY457)、特図1の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動
パターン乱数2をロードして準備する(ステップY458)。次いで、振り分け処理(ス
テップY459)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得して後半変動
番号領域にセーブする(ステップY460)。この処理により、後半変動パターンが設定
されることとなる。
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップY461)、変動振分情報1と決
定された後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップY462)。そ
して、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(
ステップY463)、特図1の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パタ
ーン乱数3をロードして準備する(ステップY464)。
その後、振り分け処理(ステップY465)を行い、振り分けられた結果得られた前半
変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(ステップY466)、特図1変動パタ
ーン設定処理を終了する。この処理により前半変動パターンが設定され、これから開始さ
れる特図1変動表示ゲームの全期間の変動パターンが設定されることとなる。
〔特図2変動パターン設定処理〕
図265には、上述の特図2変動開始処理における特図2変動パターン設定処理(ステ
ップY269)を示した。この特図2変動パターン設定処理では、まず、変動グループア
ドレステーブルを設定し(ステップY471)、変動振分情報2に対応する後半変動グル
ープテーブルのアドレスを取得して準備し(ステップY472)、特図2の変動パターン
乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップ
Y473)。
次に、特図2はずれ、すなわち停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであるか判
定し(ステップY474)、特図2はずれである場合(ステップY474;Y)には、2
バイト振り分け処理(ステップY475)を行う。また、特図2はずれでない場合(ステ
ップY474;N)には、振り分け処理(ステップY476)を行う。
そして、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備
し(ステップY477)、特図2の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動
パターン乱数2をロードして準備する(ステップY478)。次いで、振り分け処理(ス
テップY479)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得して後半変動
番号領域にセーブする(ステップY480)。この処理により、後半変動パターンが設定
されることとなる。
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップY481)、変動振分情報1と決
定された後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップY482)。そ
して、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(
ステップY483)、特図2の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パタ
ーン乱数3をロードして準備する(ステップY484)。
その後、振り分け処理(ステップY485)を行い、振り分けられた結果得られた前半
変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(ステップY486)、特図2変動パタ
ーン設定処理を終了する。この処理により前半変動パターンが設定され、これから開始さ
れる特図2変動表示ゲームの全期間の変動パターンが設定されることとなる。
〔変動開始情報設定処理〕
図266には、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情
報設定処理(ステップY250,Y270)を示した。この変動開始情報設定処理では、
まず、対象の変動パターン乱数1~3の乱数格納領域(保留数1用)をクリアする(ステ
ップY551)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップY552)、前半変
動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップY553)。さらに、後半変動時
間値テーブルを設定し(ステップY554)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を
取得する(ステップY555)。そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ス
テップY556)、加算値を対象の特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY
557)。
なお、通常遊技状態における特図2変動表示ゲームでは変動時間が非常に長い長変動が
設定される。この場合における上記の加算値としては、規定時間(ここでは60000m
秒)の計時を行う回数である繰り返し回数を用いて計時可能な時間を除いた余りの時間(
60000m秒未満の時間)が加算値として算出されるようになっている。
その後、特図1の情報設定中であるか判定し(ステップY558)、特図1の情報設定
中である場合(ステップY558;Y)には、ステップY562へ移行する。また、特図
1の情報設定中でない場合(ステップY558;N)、すなわち特図2の情報設定中であ
る場合には、特図2の長変動の開始であるか判定する(ステップY559)。長変動とは
、特図2変動表示ゲームについて通常遊技状態である場合に設定される変動パターンであ
り、設定された変動パターンの番号により判定する。
そして、特図2の長変動の開始でない場合(ステップY559;N)には、0を特図2
ゲーム処理タイマの繰り返し回数領域にセーブする(ステップY560)。また、特図2
の長変動の開始である場合(ステップY559;Y)には、9を特図2ゲーム処理タイマ
の繰り返し回数領域にセーブする(ステップY561)。
その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップY562)
、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップY563)、演
出コマンド設定処理(ステップY564)を行う。次に、対象の保留数を-1更新し(ス
テップY566)、対象の乱数格納領域の内容をシフトし(ステップY566)、シフト
後の空き領域をクリアして(ステップY567)、変動開始情報設定処理を終了する。
本実施形態では、2バイトのタイマでは足らない時間を変動させるために、特図2の長
変動には繰り返し回数が設定される。変動開始情報設定処理では、加算結果として600
00m秒のタイマ、9の繰り返し回数をセーブし、タイマ割込み処理でタイマを減算して
いき、タイムアップした時に繰り返し回数を1減算してゲーム処理タイマに60000m
秒をセットする。これにより、特図2の長変動の変動時間は10分(=60000m秒×
10)になる。タイマ割込みの周期は4m秒であるため、2バイトでは約262秒まで設
定できるが、理解しやすさのために60秒の掛け算で表せる形としている。
〔時間短縮変動回数更新処理〕
図267には、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における時間短縮変
動回数更新処理(ステップY251,Y271)を示した。この時間短縮変動回数更新処
理では、まず、特図高確率中(高確率状態中)であるか判定し(ステップY571)、特
図高確率中である場合(ステップY571;Y)には、時間短縮変動回数更新処理を終了
する。また、特図高確率中でない場合(ステップY571;N)には、特図時短中である
か判定する(ステップY572)。そして、特図時短中でない場合(ステップY572;
N)には、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、特図時短中である場合(ステッ
プY572;Y)には、時間短縮変動回数を-1更新して(ステップY573)、時間短
縮変動回数が「0」となったか判定する(ステップY574)。
時間短縮変動回数が「0」でない場合(ステップA754;N)には、時間短縮変動回
数更新処理を終了する。また、時間短縮変動回数が「0」となった場合(ステップY57
4;Y)には、時短終了に関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力
データ領域にセーブして(ステップY575)、時短状態の終了に関する信号(例えば、
特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、
普通図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、普通電動役物1開放延長状態信号をOFF)
を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY576)。
次いで、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブし(ステップY577)、特
図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブし(ステップY578
)、普図ゲームモードフラグ領域に普図時短なしフラグをセーブして(ステップY579
)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
〔特図1変動中処理〕
図268には、上述の特図1ゲーム処理における特図1変動中処理(ステップY110
)を示した。この特図1変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新する(
ステップY621)。そして、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして準備し
(ステップY622)、演出コマンド設定処理(ステップY623)を行う。
次に、飾り特図1停止コマンドを準備して(ステップY624)、演出コマンド設定処
理(ステップY625)を行う。本実施形態の遊技機では、変動開始時に設定した変動時
間よりも前に強制的に停止する場合もあるため、変動を停止する際には停止コマンドを演
出制御装置300に送信するようにしている。そして、停止図柄パターンに対応する表示
時間を設定する(ステップY626)。本実施形態では、例えば、はずれの場合に600
m秒、大当りの場合に2000m秒の表示時間が設定される。
その後、特図1はずれであるか、すなわち特図1変動表示ゲームの結果がはずれである
か判定する(ステップY627)。特図1はずれである場合(ステップY627;Y)に
は、ステップY642へ移行する。また、特図1はずれでない場合(ステップY627;
N)、すなわち大当りである場合には、特図2変動表示ゲームも実行中であるか判定する
(ステップY628)。なお、特図2変動表示ゲームが実行中であるか否かは特図ステー
タスを参照することで把握できる。
そして、特図2変動表示ゲームが実行中でない場合(ステップY628;Y)には、ス
テップY639へ移行する。また、特図2変動表示ゲームが実行中である場合(ステップ
Y628;Y)には、特図2表示中処理中であるか判定する(ステップY629)。すな
わち、この場合は、特図1変動表示ゲームが大当りになることに基づき、実行中の特図2
変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止させられる場合である。なお、特図2変動表
示ゲームがすでに変動表示を終了しているが表示時間(停止時間)が終了していない場合
も強制停止の対象となる。
特図2表示中処理中である場合(ステップY639;Y)には、ステップY631へ移
行する。また、特図2表示中処理中でない場合(ステップY629;N)には、図柄確定
回数出力回数を+1更新して(ステップY630)、特図2の表示時間として上記で設定
した特図1の表示時間+4m秒の表示時間を設定する(ステップY631)。特図2の表
示時間として特図1の表示時間+4m秒の表示時間を設定することで、特図1と特図2の
表示時間が同時に終了するようになる。なお、すでに特図2変動表示ゲームが表示時間中
であった場合にも表示時間が再設定され、新たに表示時間が開始されるようになる。この
再設定によって、停止表示の時間は延長されるが、場合によっては短くなる可能性もある
次に、特図2ゲーム処理タイマ領域に表示時間をセーブして(ステップY632)、飾
り特図2はずれ図柄コマンドを設定して準備する(ステップY633)。そして、飾り特
図2コマンド領域に図柄コマンドをセーブして(ステップY634)、演出コマンド設定
処理(ステップY635)を行う。その後、飾り特図2停止コマンドを準備して(ステッ
プY636)、演出コマンド設定処理(ステップY638)を行い、特図2表示中処理移
行設定処理2(ステップY638)を行う。
そして、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして当り図柄コマンド領域にセ
ーブし(ステップY639)、特図1ラウンド数上限値情報領域から情報をロードしてラ
ウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY640)、特図1大入賞口開放情報領域
から情報をロードして大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY641)。その後
、特図1停止図柄退避領域から情報をロードして特図1停止図柄領域にセーブし(ステッ
プY642)、特図1表示中処理移行設定処理1(ステップY643)を行って、特図1
表示中処理を終了する。
〔特図2変動中処理〕
図269には、上述の特図2ゲーム処理における特図2変動中処理(ステップY143
)を示した。この特図2変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新する(
ステップY651)。そして、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして準備し
(ステップY652)、演出コマンド設定処理(ステップY653)を行う。
次に、飾り特図2停止コマンドを準備して(ステップY654)、演出コマンド設定処
理(ステップY655)を行う。そして、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定す
る(ステップY656)。本実施形態では、例えば、はずれの場合に600m秒、大当り
の場合に600m秒、小当りの場合に136m秒の表示時間が設定される。
その後、特図2はずれであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果がはずれである
か判定する(ステップY657)。特図2はずれである場合(ステップY657;Y)に
は、ステップY677へ移行する。また、特図2はずれでない場合(ステップY657;
N)、すなわち大当り又は小当りである場合には、特図1変動表示ゲームも実行中である
か判定する(ステップY658)。なお、特図1変動表示ゲームが実行中であるか否かは
特図ステータスを参照することで把握できる。
そして、特図1変動表示ゲームが実行中でない場合(ステップY658;N)には、ス
テップY673へ移行する。また、特図1変動表示ゲームが実行中である場合(ステップ
Y658;Y)には、特図2大当りであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果が大
当りであるか判定する(ステップY659)。特図2大当りでない場合(ステップY65
9;N)、すなわち特図2変動表示ゲームの結果が小当りである場合には、特図1ゲーム
中断フラグをセットし(ステップY670)、飾り特図1中断コマンドを準備して(ステ
ップY671)、演出コマンド設定処理(ステップY672)を行い、ステップY673
へ移行する。
すなわち、この場合は、特図2変動表示ゲームが小当りとなることに基づき、実行中の
特図1変動表示ゲームが中断させられる場合である。なお、特図1変動表示ゲームがすで
に変動表示を終了しているが表示時間(停止時間)が終了していない場合も中断の対象と
なる。中断された特図1変動表示ゲームは小当り(第2特別結果)に基づく特別遊技状態
(第2特別遊技状態)の終了に伴い再開される。
一方、特図2大当りである場合(ステップY659;Y)には、特図1表示中処理中で
あるか判定する(ステップY660)。すなわち、この場合は、特図2変動表示ゲームが
大当りになることに基づき、実行中の特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止
させられる場合である。なお、特図1変動表示ゲームがすでに変動表示を終了しているが
表示時間(停止時間)が終了していない場合も強制停止の対象となる。
特図1表示中処理中である場合(ステップY660;Y)には、ステップY662へ移
行する。また、特図1表示中処理中でない場合(ステップY660;N)には、図柄確定
回数出力回数を+1更新して(ステップY661)、特図1の表示時間として上記で設定
した特図2の表示時間+4m秒の表示時間を設定する(ステップY662)。特図1の表
示時間として特図2の表示時間+4m秒の表示時間を設定することで、特図1と特図2の
表示時間が同時に終了するようになる。なお、すでに特図1変動表示ゲームが表示時間中
であった場合にも表示時間が再設定され、新たに表示時間が開始されるようになる。この
再設定によって、停止表示の時間は延長されるが、場合によっては短くなる可能性もある
次に、特図1ゲーム処理タイマ領域に表示時間をセーブして(ステップY663)、飾
り特図1はずれ図柄コマンドを設定して準備する(ステップY664)。そして、飾り特
図1コマンド領域に図柄コマンドをセーブして(ステップY665)、演出コマンド設定
処理(ステップY666)を行う。その後、飾り特図1停止コマンドを準備して(ステッ
プY667)、演出コマンド設定処理(ステップY668)を行い、特図1表示中処理移
行設定処理2(ステップY669)を行う。
そして、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして当り図柄コマンド領域にセ
ーブし(ステップY673)、特図2小当りであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの
結果が小当りであるか判定する(ステップY674)。特図2小当りである場合(ステッ
プY674;Y)には、ステップY677へ移行する。また、特図2小当りでない場合(
ステップY674;N)、すなわち大当りである場合には、特図2ラウンド数上限値情報
領域から情報をロードしてラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY675)、
特図2大入賞口開放情報領域から情報をロードして大入賞口開放情報領域にセーブする(
ステップY676)。その後、特図2停止図柄退避領域から情報をロードして特図2停止
図柄領域にセーブし(ステップY677)、特図2表示中処理移行設定処理1(ステップ
Y678)を行って、特図2表示中処理を終了する。
〔特図1表示中処理〕
図270には、上述の特図1ゲーム処理における特図1表示中処理(ステップY111
)を示した。この特図1表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラ
グ1設定処理にて大当りフラグ1領域に設定された大当りフラグ1ロードし(ステップY
751)、大当りフラグ1領域をクリアする(ステップY752)。そして、特図1は大
当りか、すなわちロードされた大当りフラグ1が大当り情報か判定し(ステップY753
)、特図1が大当りである場合(ステップY753;Y)には、特図1変動表示ゲームの
大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、
特別図柄1当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY754
)。
次に、特図1停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドを当り図柄コマンド領域か
らロードして準備し(ステップY755)、演出コマンド設定処理(ステップY756)
を行う。その後、ファンファーレコマンドを準備して(ステップY757)、演出コマン
ド設定処理(ステップY758)を行う。
次に、大入賞口開放情報と特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態に対応する
信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY759)。本実施形態の場合、
大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセ
ーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば100m秒)
を設定して(ステップY760)、設定した大当りファンファーレ時間を特図1ゲーム処
理タイマ領域にセーブする(ステップY761)。次に、処理番号として3を設定し(ス
テップY762)、特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY763)。さら
に、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY764)を行って、
特図1表示中処理を終了する。
一方、特図1が大当りでない場合(ステップY753;N)、すなわち大当りフラグ1
がはずれ情報である場合には、高確率最終変動であるか判定し(ステップY765)、高
確率最終変動でない場合(ステップY765;N)には時間短縮最終変動であるか判定す
る(ステップY766)。ここでは、実行中の特図1変動表示ゲームに対する転落抽選に
当選した場合に、高確率最終変動であると判定する。また、実行中の特図1変動表示ゲー
ムが、特別遊技状態の終了から100回(サポート回数)目の特図変動表示ゲームである
場合に、時間短縮最終変動であると判定する。
そして、高確率最終変動でない場合(ステップY765;N)及び時間短縮最終変動で
ない場合(ステップY766;N)には、ステップY774へ移行する。また、高確率最
終変動である場合(ステップY765;Y)又は時間短縮最終変動である場合(ステップ
Y766;Y)には、確率情報コマンド(低確率)を準備して(ステップY767)、演
出コマンド設定処理(ステップY768)を行う。次いで、停電復旧時送信コマンド領域
に確率状態コマンド(低確率)をセーブし(ステップY769)、左打ち指示報知フラグ
をクリアして(ステップY770)、特図2の小当り中であるか、すなわち特図2変動表
示ゲームの結果が小当りになることに基づき実行される特別遊技状態中であるか判定する
(ステップY771)。
特図2の小当り中である場合(ステップY771;Y)には、ステップY774へ移行
する。一方、特図2の小当り中でない場合(ステップY771;N)には、左打ち指示に
関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY772)。ここでは発射
位置指定信号1をOFFにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打
ち状態中の番号をセーブする(ステップY773)。これにより、第1遊技状態表示部5
6が消灯状態となり、左打ちを指示する表示となる。その後、特図ステータス領域の特図
1変動中をクリア(情報減算)し(ステップY774)、特図1ゲーム処理番号領域に特
図1普段処理番号をセーブして(ステップY775)、特図1表示中処理を終了する。
〔特図2表示中処理〕
図271及び図272には、上述の特図2ゲーム処理における特図2表示中処理(ステ
ップY144)を示した。なお、特図2表示中処理は、上述の特図1表示中処理と同等の
処理を、特図2を対象として行うものである。この特図2表示中処理では、まず、特図2
変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて小当りフラグ2領域に設定された小当
りフラグ2をロードして(ステップY811)、小当りフラグ2領域をクリアする(ステ
ップY812)。
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて大当りフラグ2領域に
設定された大当りフラグ2ロードして(ステップY813)、大当りフラグ2領域をクリ
アする(ステップY814)。そして、特図2は大当りか、すなわちロードされた大当り
フラグ2が大当り情報か判定し(ステップY815)、特図2が大当りである場合(ステ
ップY815;Y)には、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関す
る試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、特別図柄2当り信号をON)を試験信
号出力データ領域にセーブする(ステップY816)。
次に、特図2停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドを当り図柄コマンド領域か
らロードして準備し(ステップY817)、演出コマンド設定処理(ステップY818)
を行う。その後、ファンファーレコマンドを準備して(ステップY819)、演出コマン
ド設定処理(ステップY820)を行う。
次に、大入賞口開放情報と特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態に対応する
信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY821)。本実施形態の場合、
大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセ
ーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば100m秒)
を設定して(ステップY822)、設定した大当りファンファーレ時間を特図2ゲーム処
理タイマ領域にセーブする(ステップY823)。次に、処理番号として3を設定し(ス
テップY824)、特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY825)。さら
に、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY826)を行って、
特図2表示中処理を終了する。
一方、特図2が大当りでない場合(ステップY815;N)、すなわち大当りフラグ2
がはずれ情報である場合には、ロードした小当りフラグ2が小当り(小当り情報)か判定
する(ステップY827)。そして、小当りフラグ2が小当りである場合(ステップY8
27;Y)には、高確率最終変動であるか判定し(ステップY828)、高確率最終変動
でない場合(ステップY828;N)には時間短縮最終変動であるか判定する(ステップ
Y829)。ここでは、実行中の特図2変動表示ゲームに対する転落抽選に当選した場合
に、高確率最終変動であると判定する。また、実行中の特図2変動表示ゲームが、特別遊
技状態の終了から100回(サポート回数)目の特図変動表示ゲームである場合に、時間
短縮最終変動であると判定する。
そして、高確率最終変動でない場合(ステップY828;N)及び時間短縮最終変動で
ない場合(ステップY829;N)には、ステップY834へ移行する。また、高確率最
終変動である場合(ステップY828;Y)又は時間短縮最終変動である場合(ステップ
Y829;Y)には、確率情報コマンド(低確率)を準備して(ステップY830)、演
出コマンド設定処理(ステップY831)を行う。次いで、停電復旧時送信コマンド領域
に確率状態コマンド(低確率)をセーブし(ステップY832)、左打ち指示報知フラグ
をクリアする(ステップY833)。
本実施形態の遊技機10においては、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であ
る場合には、小当りの発生で大入賞口は開くが、小当りの発生を遊技者に意識させないよ
うにするために、表示装置41に表示される画面を変化させないようになっている。
次に、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップY834)、
演出コマンド設定処理(ステップY835)を行う。さらに、小当りファンファーレコマ
ンドを準備し(ステップY836)、演出コマンド設定処理(ステップY837)を行っ
て、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY838
)。ここでは発射位置指定信号1をONにするように設定する。そして、遊技状態表示番
号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップY839)。これにより第1遊技
状態表示部56が点灯状態となり、右打ちを指示する表示となる。
その後、下大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY840)、下大入賞口不正
監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY841)、特図2
小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY857)を行い、特図2表示中処
理を終了する。
また、小当りフラグ2が小当りでない場合(ステップY827;N)には、高確率最終
変動であるか判定し(ステップY843)、高確率最終変動でない場合(ステップY84
3;N)には時間短縮最終変動であるか判定する(ステップY844)。ここでは、実行
中の特図2変動表示ゲームに対する転落抽選に当選した場合に、高確率最終変動であると
判定する。また、実行中の特図2変動表示ゲームが、特別遊技状態の終了から100回(
サポート回数)目の特図変動表示ゲームである場合に、時間短縮最終変動であると判定す
る。
そして、高確率最終変動でない場合(ステップY843;N)及び時間短縮最終変動で
ない場合(ステップY844;N)には、ステップY850へ移行する。また、高確率最
終変動である場合(ステップY843;Y)又は時間短縮最終変動である場合(ステップ
Y844;Y)には、確率情報コマンド(低確率)を準備して(ステップY845)、演
出コマンド設定処理(ステップY846)を行う。次いで、停電復旧時送信コマンド領域
に確率状態コマンド(低確率)をセーブし(ステップY847)、左打ち指示に関する信
号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY848)。ここでは発射位置指定
信号1をOFFにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中
の番号をセーブする(ステップY849)。これにより第1遊技状態表示部56が消灯状
態となり、左打ちを指示する表示となる。その後、特図ステータス領域の特図2変動中を
クリア(情報減算)し(ステップY850)、特図2ゲーム処理番号領域に特図2普段処
理番号をセーブして(ステップY851)、特図2表示中処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームが第1特別結果となったことに基づ
き、条件装置の作動を伴って特別変動入賞装置を開放する第1特別遊技状態を発生させる
第1特別遊技発生手段をなすとともに、変動表示ゲームが第2特別結果となったことに基
づき、条件装置の作動を伴わずに特別変動入賞装置を開放する第2特別遊技状態を発生さ
せる第2特別遊技発生手段をなす。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
図273及び図274には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理におけるフ
ァンファーレ/インターバル中処理(ステップY112,Y145)を示した。このファ
ンファーレ/インターバル中処理では、まず、残存球カウンタが0であるか判定し(ステ
ップY941)、残存球カウンタが0でない場合(ステップY941;N)には、ファン
ファーレ/インターバル中処理を終了する。一方、残存球カウンタが0である場合(ステ
ップY941;Y)には、初回ラウンドであるか判定する(ステップY942)。
初回ラウンドでない場合(ステップY942;N)には、ステップY950へ移行する
。一方、初回ラウンドである場合(ステップY942;Y)には、普図始動ゲート34へ
の遊技球の通過があったか判定する(ステップY943)。ここで、本実施形態では、特
図変動表示ゲームにおいて大当り(第1特別結果)が導出された後に遊技球が普図始動ゲ
ート34を通過することにより特別遊技状態が開始されるようになっている。
普図始動ゲート34への遊技球の通過がない場合(ステップY943;N)には、ファ
ンファーレ/インターバル中処理を終了する。一方、普図始動ゲート34への遊技球の通
過があった場合(ステップY943;Y)には、ラウンド数上限値テーブルを設定し(ス
テップY944)、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場
合、10)を取得してラウンド数上限値領域にセーブする(ステップY945)。さらに
、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してラウンドLEDポ
インタ領域にセーブする(ステップY946)。
次いで、上大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY947)、上大入賞口不正
監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップY948)。その後
、役物連続作動装置作動中信号のオン出力データを試験信号出力データ領域にセーブして
(ステップY949)、特別遊技状態のラウンド数を+1更新する(ステップY950)
。そして、大入賞口開放情報とラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステ
ップY951)、演出コマンド設定処理(ステップY952)を行う。
次に、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大当り中処理制御ポインタ初期値を設
定し(ステップY953)、ポインタ初期値を大当り中処理制御ポインタ領域にセーブし
て(ステップY954)、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大入賞口開放時間を
設定する(ステップY955)。大当り中処理制御ポインタ初期値としては、一のラウン
ドにおいて開閉を繰り返す場合には0を設定する。本実施形態では、Vありロング開放が
相当する。また、一のラウンドにおいて1回の開放を行う場合には、大当り動作終了値(
本実施形態の場合、2)を設定する。なお、一のラウンドにおける開閉回数に応じて初期
値を0以外に設定しても良い。
次に、レバーソレノイド動作ラウンドであるか判定する(ステップY956)。レバー
ソレノイド動作ラウンドとは、レバーソレノイド38fを動作してレバー部材を動作させ
るラウンドであり、本実施形態の場合は1ラウンド目の特定ラウンドのみである。そして
、レバーソレノイド動作ラウンドである場合(ステップY956;Y)には、レバーソレ
ノイドの動作データを設定する(ステップY957)。これにより、レバーソレノイド制
御ポインタ領域にデータが設定されるとともに、レバーソレノイド制御タイマがクリアさ
れる。一方、レバーソレノイド動作ラウンドでない場合(ステップY956;N)には、
レバーソレノイドの停止データを設定する(ステップY958)。
その後、処理番号として4を設定し(ステップY959)、特図1の大当りであるか判
定する(ステップY960)。そして、特図1の大当りである場合(ステップY960;
Y)には、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY961)、大入
賞口開放時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY962)。一方、
特図1の大当りでない場合(ステップY960;N)、すなわち特図2の大当りである場
合には、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY963)、大入賞
口開放時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY964)。
そして、上大入賞口の開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(
ステップY965)。ここでは特別電動役物1作動中信号をONに設定する。次に、第1
特別変動入賞装置38の開閉部材を開放するために大入賞口ソレノイド出力データ領域に
上大入賞口オンデータをセーブし(ステップY966)、大入賞口への入賞数を計数する
大入賞口カウント数をクリアして(ステップY967)、ファンファーレ/インターバル
中処理を終了する。
本実施形態では、例えば図237及び図238に示すように、大当りに基づく特別遊技
状態(第1特別遊技状態)においては、上大入賞口(第1特別変動装置38)のみが開放
し、小当りに基づく特別遊技状態(第2特別遊技状態)においては、下大入賞口(第2特
別変動入賞装置39)のみが開放するが、これに限定されない。例えば、第1特別遊技状
態における開閉態様は、1ラウンド目は上大入賞口が開放し、2ラウンド目以降は下大入
賞口が開放するような態様であって良い。
〔特図1大当り終了処理〕
図275には、上述の特図1ゲーム処理における特図1大当り終了処理(ステップY1
15)を示した。この特図1大当り終了処理では、まず、時間短縮判定データによるサブ
ルーチンコールを行う(ステップY1101)。ステップY1101にて時間短縮判定デ
ータが時短なしの場合には、大当り終了設定処理1(ステップY1102)を行い、ステ
ップY1101にて時間短縮判定データが時短ありの場合には、大当り終了設定処理2(
ステップY1103)を行う。
次いで、特定領域通過情報があるか判定する(ステップY1104)。本実施形態では
、特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入した際に特定領域通過フラグがセットされ、
この特定領域通過フラグがセットされている場合に、特定領域通過情報があると判定する
。特定領域通過情報がない場合(ステップY1104;N)には、ステップY1106へ
移行する。一方、特定領域通過情報がある場合(ステップY1104;Y)には、大当り
終了設定処理3(ステップY1105)を行う。そして、停電復旧時送信コマンド領域か
ら確率情報コマンドをロードし(ステップY1106)、通常大当り(本実施形態の場合
、10R通常大当り)に基づく特別遊技状態における特定領域(確変作動領域)への遊技
球の流入である特定領域イレギュラー通過であるか判定する(ステップY1107)。
特定領域イレギュラー通過でない場合(ステップY1107;N)には、ステップY1
109へ移行する。一方、特定領域イレギュラー通過である場合(ステップY1107;
Y)には、確率情報コマンドにイレギュラー確変情報を上乗せして(ステップY1108
)、演出コマンド設定処理(ステップY1109)を行う。ステップY1109の処理に
よって、確率情報コマンドが演出制御装置300に送信される。ここで送信される確率情
報コマンドとしては、「高確率・時短あり」、「低確率・時短あり」、「低確率・時短な
し」の何れかに演出モードの情報が含まれた複数のコマンドがあり、確変作動領域イレギ
ュラー通過の場合はイレギュラー確変情報が上乗せされる。
次に、処理番号として特図1普段処理に係る「0」を設定し(ステップY1110)、
処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY1111)。次に、大当
りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1112)。
ここでは、大当り1信号及び大当り3信号をOFFに設定する。そして、大当りの終了に
関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1113)。ここでは、
条件装置作動中信号、役物連続作動装置作動中信号、特別図柄1当り信号及び特別図柄2
当り信号をOFFに設定する。
次に、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1114)、
上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップY1
115)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1116)。なお、特図ステー
タス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行さ
れていない状態を示す特図ステータス0となる。そして、特図2ゲームウェイト時間値(
例えば8m秒)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1117)、特
図1大当り終了処理を終了する。
この特図1大当り終了処理を行うことで特図1及び特図2の何れについても特図変動表
示ゲームを開始可能となるが、タイマ割込み処理においては特図1ゲーム処理の後に特図
2ゲーム処理を行うため、特図1大当り終了処理を行ったタイマ割込みで特図2ゲーム処
理において特図変動表示ゲームを開始する処理が行われて特図1変動表示ゲームよりも特
図2変動表示ゲームの方が先に開始可能となってしまう。そこで、ステップY1117に
おいて特図2ゲームウェイト時間値を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブすることで、
特図2変動表示ゲームについての開始処理を次回のタイマ割込み処理まで遅らせるように
し、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同一のタイマ割込みで処理されるよ
うにしている。
すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後に、第1変動表示ゲーム実行
制御手段が第1変動表示ゲームの開始に関する処理を実行可能となるまで、第2変動表示
ゲーム実行制御手段が第2変動表示ゲームの開始に関する処理を実行可能な状態としない
ようにするゲーム処理待機手段をなす。
〔特図2大当り終了処理〕
図276には、上述の特図2ゲーム処理における特図2大当り終了処理(ステップY1
48)を示した。特図2大当り終了処理は、上述の特図1大当り処理でのステップY11
09を行わない以外は同等の処理である。この特図2大当り終了処理では、まず、時間短
縮判定データによるサブルーチンコールを行う(ステップY1131)。ステップY11
31にて時間短縮判定データが時短なしの場合には、大当り終了設定処理1(ステップY
1132)を行い、ステップY1131にて時間短縮判定データが時短ありの場合には、
大当り終了設定処理2(ステップY1133)を行う。
次いで、特定領域通過情報があるか判定し(ステップY1134)、特定領域通過情報
がない場合(ステップY1134;N)には、ステップY1136へ移行する。一方、特
定領域通過情報がある場合(ステップY1134;Y)には、大当り終了設定処理3(ス
テップY1135)を行う。そして、停電復旧時送信コマンド領域から確率情報コマンド
をロードし(ステップY1136)、通常大当り(本実施形態の場合、10R通常大当り
)に基づく特別遊技状態における特定領域(確変作動領域)への遊技球の流入である特定
領域イレギュラー通過であるか判定する(ステップY1137)。
特定領域イレギュラー通過でない場合(ステップY1137;N)には、ステップY1
139へ移行する。一方、特定領域イレギュラー通過である場合(ステップY1137;
Y)には、確率情報コマンドにイレギュラー確変情報を上乗せして(ステップY1138
)、演出コマンド設定処理(ステップY1139)を行う。ステップY1139の処理に
よって、確率情報コマンドが演出制御装置300に送信される。ここで送信される確率情
報コマンドとしては、「高確率・時短あり」、「低確率・時短あり」、「低確率・時短な
し」の何れかに演出モードの情報が含まれた複数のコマンドがあり、確変作動領域イレギ
ュラー通過の場合はイレギュラー確変情報が上乗せされる。
次に、処理番号として特図2普段処理に係る「0」を設定し(ステップY1140)、
処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY1141)。次に、大当
りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1143)。
ここでは、大当り1信号及び大当り3信号をOFFに設定する。そして、大当りの終了に
関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1143)。ここでは、
条件装置作動中信号、役物連続作動装置作動中信号、特別図柄1当り信号及び特別図柄2
当り信号をOFFに設定する。
次に、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1144)、
上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY11
45)、特図ステータス領域をクリアして(ステップY1146)、特図2大当り終了処
理を終了する。なお、特図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図
2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。
〔大当り終了設定処理1〕
図277(a)には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大当り終
了設定処理1(ステップY1102,1132)を示した。この大当り終了設定処理1で
は、まず、時短なしの開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステッ
プY1151)。ここでは、大当り2信号をOFFに設定する。この時点では、データの
設定のみで出力はされない。
次に、時短なしの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップ
Y1152)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号、特別
図柄1変動時間短縮状態信号、特別図柄2変動時間短縮状態信号、普通図柄1変動時間短
縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号をOFFに設定する。
その後、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(ステップY1153)、
普図ゲームモードフラグ領域に普図時短なしフラグをセーブする(ステップY1154)
。次いで、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率及び時短なしフラグをセーブし(ス
テップY1155)、時短状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための
時間短縮変動回数領域を0クリアする(ステップY1156)。
次に、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1
157)。ここでは発射位置指定信号1をOFFに設定する。次いで、遊技状態表示番号
2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップY1158)。これにより第1遊技
状態表示部56が消灯状態となり、左打ちを指示する表示となる。その後、停電復旧時送
信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブして(ステップY1159)、大
当り終了設定処理1を終了する。この処理により、通常遊技状態となる。
〔大当り終了設定処理2〕
図277(b)には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大当り終
了設定処理2(ステップY1103,1133)を示した。この大当り終了設定処理2で
は、まず、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY
1161)。ここでは、大当り2信号をONに設定する。なお、大当り2信号は特別遊技
状態中もONとなっており、これを継続するようにしている。
次に、時短ありの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップ
Y1162)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号、特別
図柄1変動時間短縮状態信号、特別図柄2変動時間短縮状態信号、普通図柄1変動時間短
縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号をONに設定する。
その後、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(ステップY1163)、
普図ゲームモードフラグ領域に普図時短ありフラグをセーブする(ステップY1164)
。次いで、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率及び時短ありフラグをセーブし(ス
テップY1165)、時短状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための
時間短縮変動回数領域に初期値をセーブする(ステップY1166)。本実施形態の場合
、サポート回数が100回であるため、ステップY1166では初期値として100がセ
ーブされる。
そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブして(ステ
ップY1167)、大当り終了設定処理2を終了する。この処理により、特図低確率の第
2特定遊技状態となる。なお、本実施形態の場合、時短状態中は右打ちモードであるが、
大当り中から右打ちモードが設定されているので、大当り終了設定処理2では右打ちに関
する設定を行わない。
〔大当り終了設定処理3〕
図278には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大当り終了設定
処理3(ステップY1105,Y1135)を示した。この大当り終了設定処理3では、
まず、特図時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY
1171)。ここでは、大当り2信号をONに設定する。なお、大当り2信号は特別遊技
状態中もONとなっており、これを継続するようにしている。
次に、高確率&時短ありの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(
ステップY1172)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信
号、特別図柄1変動時間短縮状態信号及び特別図柄2変動時間短縮状態信号をONに設定
する。その後、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(ステップY1173
)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率及び時短ありフラグをセーブする(ステッ
プY1174)。
次に、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1
175)。ここでは発射位置指定信号1をONに設定する。次いで、遊技状態表示番号2
領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップY1176)。これにより第1遊技状
態表示部56が点灯状態となり、右打ちを指示する表示となる。その後、停電復旧時送信
コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブして(ステップY1177)、大当
り終了設定処理3を終了する。この処理により、高確率状態となる。すなわち、大当り終
了設定処理1の後に大当り終了設定処理3を実行することで、第1特定遊技状態となり、
大当り終了設定処理2の後に大当り終了設定処理3を実行することで、特図高確率の第2
特定遊技状態となる。
以上の処理により、第1特別遊技状態の終了後に高確率状態である特定遊技状態が設定
可能となる。すなわち、遊技制御装置100が、特変動表示ゲームの結果が特別結果とな
る確率を通常状態よりも高めた特定遊技状態(第1特定遊技状態ST2、特図高確率の第
2特定遊技状態ST3)を発生可能な特定遊技状態発生手段をなす。
〔小当りファンファーレ中処理〕
図279には、上述の特図2ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(ステッ
プY149)を示した。この小当りファンファーレ中処理では、まず、下大入賞口開放の
小当り開放中コマンドを準備し(ステップY1201)、演出コマンド設定処理(ステッ
プY1202)を行う。次に、処理番号として小当り中処理にかかる8を設定し(ステッ
プY1203)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY120
4)。
次いで、小当り開放時間(例えば1600m秒)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセー
ブして(ステップY1205)、小当り動作の開始に関する信号(特別電動役物2作動中
信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1206)。そして、
大入賞口ソレノイド出力データ領域に下大入賞口オンデータをセーブし(ステップY12
07)、大入賞口への入賞数を計数する大入賞口カウント数領域をクリアして(ステップ
Y1208)、小当りファンファーレ中処理を終了する。
〔特図2小当り終了処理〕
図280には、上述の特図2ゲーム処理における特図2小当り終了処理(ステップY1
52)を示した。この特図2小当り終了処理では、まず、処理番号として特図2普段処理
にかかる0を設定し(ステップY1331)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセ
ーブする(ステップY1332)。
次に、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY
1333)。ここでは、特別図柄2小当り信号をOFFに設定する。そして、下大入賞口
不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1334)、ラ
ウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブして(ステップY1335)、特図ステ
ータス領域をクリアする(ステップY1336)。特図ステータス領域のクリアにより、
特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図
ステータス0となる。
次に、特図低確率&時短なし中(通常遊技状態中)であるか判定し(ステップY133
7)、特図低確率&時短なし中でない場合(ステップY1337;N)には、ステップY
1340へ移行する。また、特図低確率&時短なし中である場合(ステップY1337;
Y)には、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY
1338)。ここでは、発射位置指定信号1をOFFに設定する。そして、遊技状態表示
番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップY1339)、特図1変動表示
ゲームが中断中であるか判定する(ステップY1340)。
そして、特図1変動表示ゲームが中断中でない場合(ステップY1340;N)には、
特図1ゲーム中断フラグ領域をクリアし(ステップY1343)、特図2小当り終了処理
を終了する。一方、特図1変動表示ゲームが中断中である場合(ステップY1340;Y
)には、飾り特図1再開コマンドを準備し(ステップY1341)、演出コマンド設定処
理(ステップY1342)を行う。その後、特図1ゲーム中断フラグ領域をクリアして(
ステップY1343)、特図2小当り終了処理を終了する。これにより、特図1変動表示
ゲームでの小当りに基づく特別遊技状態の終了に伴い、中断されていた特図2変動表示ゲ
ームが再開されるようになる。
すなわち、遊技制御装置100が、第1変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置1
00)と第2変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)のいずれか一方の変動
表示ゲーム実行制御手段によって一方の変動表示ゲームの実行制御を行っている場合に、
他方の変動表示ゲーム実行制御手段によって実行制御が行われている他方の変動表示ゲー
ムが特別結果となった場合に、一方の変動表示ゲームを中断し、他方の変動表示ゲームに
基づく特別遊技状態が終了したのちに中断していた一方の変動表示ゲームを再開する再開
制御を実行可能な再開制御手段をなす。
ここで、ROM111Bのデータ構造の一例を図281に示す。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111に設けられたROM111Bは、図281
(a)に示すように、プログラムや固定データが格納されるプログラム/データ領域と、
プログラムのタイトルやバージョンなどの任意のデータを設定可能なROMコメント領域
と、CALLV命令のサブルーチンの先頭アドレスやタイマ割込処理の先頭アドレスを設
定するテーブルが格納されるベクタテーブル領域と、遊技用マイコン111の内部機能を
ハードウェア的に設定するためのパラメータが格納されるHW(ハードウェア)パラメー
タ領域とを有している。
プログラム/データ領域には、図281(a)に示すように、先頭から順に、各種プロ
グラムが格納されるプログラムエリア111Baと、第1未使用エリア111Bbと、各
種固定データが格納されるデータエリア111Bcと、第2未使用エリア111Bdとが
設けられている。そして、CPU111Aが第2未使用エリア111Bdにアクセスする
と、イリーガルアクセスリセットが発生するよう構成されている。
データエリア111Bcには、図281(b)に示すように、大当り判定の際に使用す
る上限判定値テーブルが格納される上限判定値テーブル用の領域A1や性能表示に関する
データが格納される性能表示用の領域A3など、各種データ用の領域が設けられている。
また、データエリア111Bcにおける上限判定値テーブル用の領域A1と性能表示用の
領域A3との間には、アクセスが禁止される未使用領域A2が設けられている。そして、
CPU111Aが未使用領域A2にアクセスすると、イリーガルアクセスリセットが発生
するよう構成されている。
CPU111Aは、先読み大当り判定処理(図249)のステップX585や大当り判
定処理(図258)のステップY315において、現在の確率設定値に対応する低確率中
の上限判定値を設定する。その際、RWM内の確率設定値用の領域の値をポインタとして
、ROM111Bから現在の確率設定値に対応する低確率中の上限判定値を取得して設定
する。
また、CPU111Aは、先読み大当り判定処理(図249)のステップX584や大
当り判定処理(図258)のステップY314において、現在の確率設定値に対応する高
確率中の上限判定値を設定する。その際、RWM内の確率設定値用の領域の値をポインタ
として、ROM111Bから現在の確率設定値に対応する高確率中の上限判定値を取得し
て設定する。
先読み大当り判定処理や大当り判定処理では、RWM内の確率設定値用の領域の値が正
常範囲(本実施形態では0~5の範囲)内であるか判定する処理を行わない。そのため、
RWM内の確率設定値用の領域の値が正常範囲外である際にも、当該値(異常値)をポイ
ンタとしてROM111Bからデータが取得されることとなる。したがって、例えば図2
82に示すように、上限判定値テーブル用の領域A1の直後に未使用領域A2が配置され
ていない場合、すなわち、上限判定値テーブル用の領域A1と性能表示用の領域A3とが
隣接している場合には、正確な大当り判定ができず、著しく大当りしやすくなったり、著
しく大当りしにくくなったりするといった不都合が生じ得る。
具体的には、図282に示すように上限判定値テーブル用の領域A1と性能表示用の領
域A3とが隣接している場合であって、ROM111Bから低確率中の上限判定値を取得
する場合に、RWM内の確率設定値用の領域の値が「5」(正常範囲内)である際には、
当該値をポインタとすることで、低確率中の“設定6”に対応する上限判定値、すなわち
正確なデータを取得することができる。一方、RWM内の確率設定値用の領域の値が「7
」(正常範囲外)である際には、当該値をポインタとすることで、性能表示用の領域A3
に格納されているデータ、すなわち誤ったデータを取得してしまう。ROM111Bから
高確率中の上限判定値を取得する場合も同様である。
そこで、本実施形態では、図281(b)に示すように、上限判定値テーブル用の領域
A1の直後に未使用領域A2を配置した。これにより、RWM内の確率設定値用の領域の
値が正常範囲外である際には、当該値をポインタとしてROM111Bから上限判定値を
取得しようとすると、未使用領域(アクセス禁止領域)A2にアクセスすることになるた
め、イリーガルアクセスリセットが発生することとなる。これにより、RWM内の確率設
定値用の領域の値を初期化できるとともに、異常を知らせることが可能となる。
具体的には、イリーガルアクセスリセットが発生すると、プログラムが再起動して、メ
イン処理(図240及び図241)が開始される。その際、再起動前に停電発生時の処理
(ステップX55~X61)が実行されないため、再起動後のメイン処理では、RWM内
の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1でないと判定される(ステ
ップX16;N)。また、その際、再起動時には設定変更操作(設定キースイッチ152
及びRAM初期化スイッチ112の操作)が行われないため、再起動後のメイン処理では
、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオフ状態であると判定
される(ステップX21;N)。したがって、ステップX25,X26の処理が実行され
ることになるため、設定変更操作が要求される、すなわち異常が報知されることとなる。
そして、この要求(報知)によって、設定変更操作を実行しながら遊技機の電源が再投入
されることになるため、RWM内の確率設定値用の領域の値が初期化されることとなる(
ステップX28)。
なお、図281(c)に示すように、上限判定値テーブル用の領域A1をデータエリア
111Bcの末尾に配置しても良い。この場合、上限判定値テーブル用の領域A1の直後
に未使用領域A2を配置しなくても、RWM内の確率設定値用の領域の値が正常範囲外で
ある際にはイリーガルアクセスリセットが発生する。すなわち、上限判定値テーブル用の
領域A1をデータエリア111Bcの末尾に配置した場合、RWM内の確率設定値用の領
域の値が正常範囲外である際には、当該値をポインタとしてROM111Bから上限判定
値を取得しようとすると、第2未使用エリア(アクセス禁止領域)111Bdにアクセス
することになるため、イリーガルアクセスリセットが発生することとなる。
以上のことから、本実施形態の遊技機10は、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装
置100(CPU111A))と、制御手段による遊技の制御に必要な情報が格納された
格納手段(遊技制御装置100(ROM111B))と、を備え、格納手段が有する複数
の格納領域のうち確率値テーブル用の領域(上限判定値テーブル用の領域A1)に含まれ
る各格納領域には、当該格納領域に対応する確率設定値に割り当てられた確率値が格納さ
れ、制御手段は、複数の格納領域のうち記憶手段に記憶されている確率設定値(RWM内
の確率設定値用の領域の値)に対応する格納領域から情報(データ)を取得し、当該情報
を用いてゲームの抽選(大当り判定)を行い、格納手段では、確率値テーブル用の領域に
連続して、情報が格納されていない未使用領域(未使用領域A2、第2未使用エリア11
1Bd)が配置されるよう構成されている(図281(b),(c)参照)。
このように構成することで、記憶手段に記憶されている確率設定値(RWM内の確率設
定値用の領域の値)が正常範囲外である場合には、未使用領域(未使用領域A2、第2未
使用エリア111Bd)にアクセスすることになる。すなわち、正確な抽選結果が得られ
ない場合には抽選自体が実行されないため、著しく抽選に当選しやすくなったり、著しく
抽選に当選しにくくなったりするといった不都合を回避できる。
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マ
イコン(CPU)311では、図283に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処
理を行う。
〔メイン処理〕
図283に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。この
プログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設
定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、
割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップ
C5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値
をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理として
ループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアす
る(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信
号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を
行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で
行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があっ
た時に、演出内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLED
や液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う
(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を
更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェッ
ク処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編
集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定
する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を
行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/3
0秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画
像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施
形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/6
0秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイ
ミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り
替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切
り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した
場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステ
ップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)に
は、画面描画を指示する(ステップC16)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する
制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18など
のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレ
ノイド、リール6の制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、報知部72や
ポイント報知部73、累積値報知部74などによる演出を制御する盤演出設定処理(ステ
ップC20)を行って、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図284には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受
信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンド
を受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし
(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202
)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、受
信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(
ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算
する(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204
)、コマンド読出インデックスを0~31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コ
マンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。
このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、
受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマン
ド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中
に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)
を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位
でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定し
た場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド
受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、
コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステッ
プC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分の
コマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信
数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、
ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと
判定した場合(ステップC210;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。こ
のように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信した
コマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存でき
る構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図285には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示し
た。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイト
をACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正
常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及び
ACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y
)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC2
34)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でない
と判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップ
C234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC2
34;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(
ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する
(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドであ
る。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235
;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理
を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定す
る(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファ
ーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作
(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MO
DEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大
当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合
(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定す
る(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の
停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマ
ンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(
ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系
コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄
コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立する
コマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄
停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどが
ある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC24
1;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処
理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(
ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判
定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると
判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC2
44)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した
場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否
かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲で
あると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステッ
プC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、
MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)
には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するため
に必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出
ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表
示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンにな
るか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始
動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演
出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド
)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知ら
せるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信さ
れる。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に
遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
〔変動系コマンド処理〕
図286には、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC
236)を示した。この変動系コマンド処理では、まず、特図種別が未確定であるかを判
定する(ステップC361)。特図種別とは、特図の種別が特図1か特図2かを示す情報
であり、上述の図柄系コマンド処理のステップC251で設定される情報である。
この特図種別が未確定である場合(ステップC361;Y)は、変動系コマンド処理を
終了する。また、特図種別が未確定でない場合(ステップC361;N)、すなわち特図
種別が設定されている場合は、変動コマンドと図柄コマンドの組み合わせをチェックし(
ステップC362)、変動コマンドと図柄種別が不整合であるかを判定する(ステップC
363)。
変動コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップC363;Y)は、変動系コマ
ンド処理を終了する。また、変動コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップC3
63;N)は、変動コマンドから変動パターン種別を判別する(ステップC364)。図
柄種別とは図柄のカテゴリを意味し、図柄種別には例えば、はずれ図柄、16R大当り図
柄、10R大当り図柄、小当り図柄などがある。変動コマンドと図柄種別が不整合である
場合とは、はずれの変動コマンド(変動パターンコマンド)を受信したのに、16R大当
り図柄の図柄コマンドを受信していた時のような、演出を行う上で矛盾してしまう組み合
わせ(変動コマンドと図柄種別の組み合わせ)であることを意味する。
変動コマンドから変動パターン種別を判別する処理(ステップC364)では、受信し
たコマンドに応じて、特図の変動表示演出の大まかな分類である変動パターン種別を判別
する。そして、変動コマンドに応じた演出を行うための情報を設定する変動演出設定処理
を行う(ステップC365)。
次に、P機状態(パチンコ機の状態)として特図変動中を設定する(ステップC366
)。ここで、特図変動中とは、特図の変動中(客待ちデモ中や大当り中、或いはファンフ
ァーレ中等でないこと)を表している。さらに、先読み演出回数(先読み実行回数)がゼ
ロでなければ先読み演出回数を-1更新(先読み演出回数を1だけ減らす処理)し(ステ
ップC367)、変動系コマンド処理を終了する。
〔大当り系コマンド処理〕
図287には、上述の受信コマンド解析処理における大当り系コマンド処理(ステップ
C238)を示した。この大当り系コマンド処理では、まず、MODEはファンファーレ
であるかを判定する(ステップC401)。すなわち、受信したコマンドが図柄情報(停
止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドや小当りファンフ
ァーレコマンドであるかを判定する。そして、MODEはファンファーレである場合(ス
テップC401;Y)は、大当り種類や小当りに応じたファンファーレ表示画像の設定な
どを行うファンファーレ演出設定処理を行い(ステップC402)、P機状態をファンフ
ァーレ中に設定して(ステップC403)、大当り系コマンド処理を終了する。
MODEはファンファーレでない場合(ステップC401;N)は、MODEはラウン
ドであるかを判定する(ステップC404)。すなわち、受信したコマンドが特別遊技状
態のラウンド数に対応するラウンドコマンドであるかを判定する。そして、MODEはラ
ウンドである場合(ステップC404;Y)は、ラウンド数表示情報の更新などを行うラ
ウンド演出設定処理を行い(ステップC405)、P機状態をラウンド中に設定し(ステ
ップC406)、大当り系コマンド処理を終了する。
MODEはラウンドでない場合(ステップC404;N)は、MODEはインターバル
であるかを判定する(ステップC407)。すなわち、受信したコマンドがラウンド間の
インターバルに関するインターバルコマンドであるかを判定する。そして、MODEはイ
ンターバルである場合(ステップC407;Y)は、インターバル中の演出の設定を行う
インターバル演出設定処理を行い(ステップC408)、P機状態をインターバル中に設
定し(ステップC409)、大当り系コマンド処理を終了する。また、MODEはインタ
ーバルでない場合(ステップC407;N)は、MODEはエンディングであるかを判定
する(ステップC410)。すなわち、受信したコマンドが最終ラウンド終了後のエンデ
ィングに関するエンディングコマンドや、小当り終了時の小当り終了画面コマンドである
かを判定する。
MODEはエンディングである場合(ステップC410;Y)は、大当りや小当り終了
時のエンディング演出の設定などを行うエンディング演出設定処理を行い(ステップC4
11)、P機状態をエンディング中に設定し(ステップC412)、大当り系コマンド処
理を終了する。また、MODEはエンディングでない場合(ステップC410;N)は、
MODEはカウントであるかを判定する(ステップC413)。すなわち、受信したコマ
ンドが特別変動入賞装置への入賞に基づく大入賞口カウントコマンドであるかを判定する
MODEはカウントでない場合(ステップC413;N)は、大当り系コマンド処理を
終了する。MODEはカウントである場合(ステップC413;Y)は、特別変動入賞装
置38への入賞に対応した演出を設定するカウント演出設定処理(ステップC414)を
行い、大当り系コマンド処理を終了する。
<設定示唆演出> 演出制御装置300は、確率設定値の設定履歴をFeRAM323に
記憶可能であるとともに、当該設定履歴に基づいて過去や現在の確率設定値を示唆する設
定示唆演出を実行可能である。
遊技機10の電源投入時には、遊技制御装置100から演出制御装置300に停電復旧
時のコマンド(ステップX42)又はRAM初期化時のコマンド(ステップX46)が送
信される。これらコマンドには、確率設定情報コマンド(現在の確率設定値を示すコマン
ド)が含まれており、演出制御装置300のCPU311は、例えば、当該確率設定情報
コマンドを受信した際に、当該確率設定情報コマンドとRTC338からの情報(現在の
日時を示す情報)とに基づいて、FeRAM323の設定履歴用の領域に、現在の確率設
定値と現在日(現在の日付)とを対応付けて記憶する。
なお、設定履歴用の領域に記憶可能な確率設定値には上限(例えば90日分)が設けら
れていても良い。その場合、例えば、上限に達している状態で確率設定情報コマンドを受
信した際には、最も古い日付に対応する確率設定値をクリアして、最も新しい日付(現在
日)に対応する確率設定値を記憶するようになっている。
確率設定情報コマンドを同じ日に複数回受信した場合には、演出制御装置300のCP
U311は、例えば、FeRAM323の設定履歴用の領域の記憶されている現在日に対
応する確率設定値(現在日と対応付けられている確率設定値)を最新の確率設定値で上書
きする。よって、その日最後に設定された確率設定値が履歴として残るようになっている

なお、設定履歴用の領域に残る確率設定値は、その日最後に設定された確率設定値に限
定されず適宜変更可能であり、例えば、その日最も長い間設定されていた確率設定値であ
っても良いし、その日の所定時点(例えば正午)に設定されていた確率設定値であっても
良い。その場合には、例えば、その日の所定タイミング(例えば電源遮断時)までは、現
在日に対応する確率設定値として最新の確率設定値を記憶しておき、当該所定タイミング
になると、現在日に対応する確率設定値として該当する確率設定値(すなわち、その日最
も長い間設定されていた確率設定値や、その日の所定時点に設定されていた確率設定値な
ど)を記憶するようになっている。
また、演出制御装置300では、確率設定変更中のコマンド(ステップX30)の受信
に基づき確率設定値の変更中である旨の報知が行われ、確率設定確認中のコマンド(ステ
ップX37)の受信に基づき確率設定値の確認中である旨の報知が行われる。演出制御装
置300は、これら報知の実行中に確率設定値の設定履歴を報知するようにしても良い。
具体的には、例えば図288(a)に示すように、FeRAM323の設定履歴用の領域
に記憶されている情報(日付と確率設定値)に基づき作成した設定履歴カレンダーを表示
装置41に表示しても良い。これにより、遊技店の店員等は、過去の確率設定値を参照し
ながら、確率設定値を変更したり確認したりすることが可能となる。
図288(a)に示す例では、現在日(20××年△月31日)に対応する領域は太枠
で囲まれている。
また、図288(a)に示す例では、その日最初の電源投入時に表示された設定履歴カ
レンダーを示しているため、現在日(20××年△月31日)に対応する領域には確率設
定値が表示されていない。すなわち、その日最初の電源投入時に確率設定値が変更又は確
認される場合には、当該変更又は確認が終了した後に、その日最初の確率設定情報コマン
ドが送信されるため、当該変更又は確認の実行中はFeRAM323の設定履歴用の領域
に現在日に対応する確率設定値が記憶されていない。したがって、その日最初の電源投入
時に表示される設定履歴カレンダーには、現在日に対応する確率設定値を表示することが
できない。
図288(b)には、遊技店の店員の操作による遊技機の設定の例を示した。例えば、
客待ち状態中かつ前面枠12が開放された状態にて演出ボタン25が2回押下されるとホ
ール設定モードとなり、図288(b)に示すようなホール設定画面が表示装置41に表
示される。
図288(b)に示す例では、ホール設定画面で設定可能な項目として、遊技者設定モ
ードにおいて音量の変更を可能とする範囲の上限を設定する「音量設定」、遊技者設定モ
ードにおいて装飾に用いられるLEDの明るさの変更を可能とする範囲の上限を設定する
「LED輝度設定」、「音量設定」や「LED輝度設定」で設定した上限を有効にするか
無効にするかを設定する「遊技者調整の上限」の項目が表示されている。また、表示装置
41の輝度を設定する「液晶輝度設定」、省電力モードの有無を設定する「省電力設定」
、ロゴの表示色を設定する「ロゴカラー設定」の項目が表示されている。さらに、確率設
定値の設定履歴の記憶の有無を設定する「設定履歴記録」、設定示唆演出の実行の有無や
内容を設定する「設定示唆演出」の項目が表示されている。そして、これらの項目では現
在の設定が識別可能に表示されている。また、ホール設定モードを終了する項目、工場出
荷時の設定に戻す「工場出荷時設定」の項目も表示されている。
なお、図288(b)では図示を省略したが、ホール設定画面には、当該ホール設定画
面での操作の説明を表示しても良い。ホール設定画面では、例えば、演出ボタン25上面
のタッチパネル29の上下いずれかに触れる操作を行うことで、項目を選ぶ(カーソルを
移動させる)ことができ、タッチパネル29の左右いずれかに触れる操作を行うことで、
現在の設定を変更することができる。
項目を囲むように強調表示するカーソルにより現在選択されている項目が示されるよう
になっており、図288(b)に示す例では「設定示唆演出」の項目にカーソルが位置し
ている。「設定示唆演出」の項目において、「OFF」とは設定示唆演出を行わない設定
であり、「ON(曜日)」とは現在の曜日と同じ曜日に設定された確率設定値に応じた設
定示唆演出を行う設定であり、「ON(一週間)」とは現在日を含む直近一週間で設定さ
れた確率設定値に応じた設定示唆演出を行う設定であり、図288(b)に示す例では「
ON(一週間)」が選択されている。すなわち、ホール設定画面で、設定示唆演出を実行
するか否かや、実行する設定示唆演出の内容(種類)を選択できるようになっている。
また、「設定履歴記録」の項目において、「OFF」とは確率設定値の設定履歴を記憶
しない設定であり、「ON」とは確率設定値の設定履歴を記憶する設定であり、図288
(b)に示す例では「ON」が選択されている。すなわち、ホール設定画面で、確率設定
値の設定履歴を記憶するか否かを選択できるようになっている。
演出制御装置300は、ホール設定画面を表示装置41に表示して遊技店の店員の操作
による遊技機の設定を受け付けたり、遊技者設定画面を表示装置41に表示して遊技者の
操作による遊技機の設定を受け付けたりするための処理として、ホール・遊技者設定モー
ド処理(ステップC10)を行う。ホール・遊技者設定モード処理では、例えば、ホール
設定画面で「設定示唆演出」の現在の設定が変更された場合に、FeRAM323の設定
示唆演出用の領域に変更後の設定(設定示唆演出の実行の有無や内容)が上書きされる。
また、例えば、ホール設定画面で「設定履歴記録」の現在の設定が変更された場合に、F
eRAM323の設定示唆演出用の領域に変更後の設定(設定履歴記録の有無)が上書き
される。また、例えば、ホール設定画面の「工場出荷時設定」で工場出荷時の設定に戻す
ことが選択された場合に、FeRAM323の設定履歴用の領域に記憶されている情報(
日付と確率設定値)が全てクリアされる。
演出制御装置300のCPU311は、確率設定情報コマンドを受信すると、FeRA
M323の設定示唆演出用の領域に記憶されている設定履歴記録の有無(ON/OFF)
を確認し、「有(ON)」が記憶されている場合には、FeRAM323の設定履歴用の
領域と、FeRAM323の確率設定値用の領域(遊技制御装置100のRWM内の確率
設定値用の領域に相当する領域)とに現在の確率設定値を記憶する。一方、「無(OFF
)」が記憶されている場合には、FeRAM323の確率設定値用の領域のみに現在の確
率設定値を記憶する。
本実施形態では、演出制御装置300は、設定示唆演出として、第1特別遊技状態(大
当りに基づく特別遊技状態)中に実行されるエンディング演出の最後に表示装置41に表
示されるロゴの色を、通常の色(ホール設定画面で設定可能な色)とは異なる設定示唆用
の色(例えば銀色)で表示する演出が実行する。
また、設定示唆演出として、所定の曜日(現在の曜日と同じ曜日)で設定された確率設
定値の中に所定値以上の確率設定値がある場合に実行される“曜日設定示唆演出”と、所
定の期間(現在日を含む直近一週間)で設定された確率設定値の中に所定値以上の確率設
定値がある場合に実行される“期間設定示唆演出”と、現在の確率設定値が所定値以上で
ある場合に実行される“当日設定示唆演出”とを実行可能である。
なお、本実施形態では、所定の曜日を、現在の曜日と同じ曜日とした。すなわち、“曜
日設定示唆演出”を、現在の曜日と同じ曜日に設定された確率設定値の中に所定値以上の
確率設定値がある場合に実行する演出としたが、所定の曜日は、現在の曜日とは異なる曜
日であっても良い。また、ホール設定画面等で、どの曜日にするかを選択できるようにし
ても良い。
また、本実施形態では、所定の期間を、現在日を含む直近一週間とした。すなわち、“
期間設定示唆演出”を、現在日を含む直近一週間で設定された確率設定値の中に所定値以
上の確率設定値がある場合に実行する演出としたが、所定の期間は、現在日を含む直近一
週間に限定されず、例えば、現在日を含まない直近一週間であっても良いし、現在日を含
む(あるいは含まない)直近一か月であっても良いし、現在日を含む(あるいは含まない
)直近三日間であっても良い。また、ホール設定画面等で、期間の長さや現在日を含むか
否かを選択できるようにしても良い。
〔エンディング演出設定処理〕
図289には、上述の大当り系コマンド処理(図287)におけるエンディング演出設
定処理(ステップC411)を示した。このエンディング演出設定処理では、まず、今回
の特別遊技状態の発生の契機となった大当り種類の情報や小当り種類の情報である当り種
類情報等に基づいてエンディング演出を設定し(ステップC451)、設定したエンディ
ング演出がロゴ表示演出を実行するエンディング演出であるかを判定する(ステップC4
52)。ここで、ロゴ表示演出とは、エンディング演出の最後に実行される演出であり、
ホール設定画面の「ロゴカラー設定」で設定された色でロゴを表示装置41に表示する演
出である。
設定したエンディング演出がロゴ表示演出を実行するエンディング演出でない場合(ス
テップC452;N)は、エンディング演出設定処理を終了する。一方、設定したエンデ
ィング演出がロゴ表示演出を実行するエンディング演出である場合(ステップC452;
Y)は、設定示唆演出判定処理を行う(ステップC453)。
そして、設定示唆演出判定処理で設定示唆演出の実行を決定しなかった場合(ステップ
C454;N)は、エンディング演出設定処理を終了する。一方、設定示唆演出判定処理
で設定示唆演出の実行を決定した場合(ステップC454;Y)は、ロゴ表示演出に替え
て設定示唆演出を設定し(ステップC455)、エンディング演出設定処理を終了する。
ステップC455の処理を行うことによって、ホール設定画面の「ロゴカラー設定」で
設定された色でロゴを表示するロゴ表示演出に替えて、設定示唆用の色でロゴを表示する
設定示唆演出が実行されることとなる。なお、設定示唆用の色は、ホール設定画面で設定
不可能な色に限定されず、例えば、ホール設定画面で設定可能な色であって、ロゴの現在
の表示色(ホール設定画面の「ロゴカラー設定」で設定された色)以外の色であっても良
い。
また、設定示唆演出は、ロゴ表示演出と表示態様が異なるものであれば良い。すなわち
、設定示唆演出は、ロゴの表示色やサイズや表示位置や動き方、ロゴ表示演出で表示され
るロゴ以外の画像(例えばキャラクタ画像や文字画像)の表示色やサイズや表示位置や動
き方、ロゴ表示演出における背景色等のいずれか一又は複数がロゴ表示演出と異なるもの
であれば良い。
〔設定示唆演出判定処理〕
図290には、上述のエンディング演出設定処理(図289)における設定示唆演出判
定処理(ステップC453)を示した。この設定示唆演出判定処理では、まず、遊技機1
0の電源投入時から現在までの獲得出玉数(入賞領域への入賞に基づく払出数の合計)が
規定数(例えば5000)以上であるかを判定する(ステップC461)。入賞口スイッ
チ/状態監視処理(ステップX109)では、遊技制御装置100から演出制御装置30
0に、一般入賞口35の入賞口スイッチ35aに対応する入賞検知コマンドや、始動入賞
口36の始動口1スイッチ36aに対応する入賞検知コマンドや、普通変動入賞装置37
の始動口2スイッチ37aに対応する入賞検知コマンドや、特別変動入賞装置38,39
の大入賞口スイッチ38a,39aに対応する入賞検知コマンドが送信されるようになっ
ており、演出制御装置300では、これらのコマンドに基づいて獲得出玉数を算出可能と
なっている。
電源投入時からの獲得出玉数が規定数以上でない場合(ステップC461;N)は、設
定示唆演出判定処理を終了する。これにより、電源投入時からの獲得出玉数が規定数に満
たない場合には、設定示唆演出が実行されないこととなり、設定示唆演出の実行頻度を抑
えることができる。
一方、電源投入時からの獲得出玉数が規定数以上である場合(ステップC461;Y)
は、現在のベース値が規定値以上であるかを判定する(ステップC462)。性能表示編
集処理(ステップX52)では、遊技制御装置100から演出制御装置300に、性能表
示装置153に表示されるベース値や役物比率に関するコマンドが送信されるようになっ
ており、演出制御装置300では、このコマンドに基づいて現在のベース値を把握可能と
なっている。ここで、ベース値は、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球
(セーフ球及びアウト球)を検出するアウトスイッチでの遊技球の検出数や入賞領域への
入賞に基づく払出数から算出される値である。また、役物比率は、遊技機10の電源投入
から現在までに入賞口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当
り状態中(すなわち、ファンファーレ及びエンディング中は除外)に大入賞口に入賞した
ことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(いわゆる連続役物比率)である。
現在のベース値が規定値以上でない場合(ステップC462;N)は、設定示唆判定処
理を終了する。これにより、現在のベース値が規定値に満たない場合には、設定示唆演出
が実行されないこととなり、設定示唆演出の実行頻度を抑えることができる。また、本実
施形態の設定示唆演出は、過去又は現在の確率設定値の中に所定値以上の確率設定値があ
ること、すなわち過去又は現在の大当り確率の値(確率値)が比較的高いことを示唆する
演出であるため、現在のベース値が高い場合(現在のベース値が規定値以上である場合)
にのみ設定示唆演出を実行することによって、設定示唆演出の信頼性を高めることができ
る。また、現在のベース値が規定値以上であるかの判定(ステップC462)の前に、電
源投入時からの獲得出玉数が規定数以上であるかの判定(ステップC461)を行うため
、正確なベース値に基づいて、設定示唆演出を実行するか否か決定することが可能となる
なお、獲得出玉数の規定数が多いほど、より正確なベース値を得ることができるが、獲
得出玉数の規定数が多すぎると、獲得出玉数が規定数以上となるまで(すなわち設定示唆
演出が実行可能な状態となるまで)に時間がかかる。よって、これらのバランスを考慮し
て、獲得出玉数の規定数は設定される。
また、ベース値の規定値は、例えば、ベース値の設計上での正常範囲の下限値である。
ベース値の設計上での正常範囲は現在の確率設定値、すなわち現在の大当り確率の値(確
率値)によって異なるため、ステップC462では、現在のベース値が、現在の確率設定
値に対応する正常範囲の下限値以上であるかを判定する。また、ステップC462では、
現在のベース値が、現在の確率設定値に対応する正常範囲内であるか否か判定し、正常範
囲内でない場合に設定示唆演出判定処理定を終了し、正常範囲内である場合にステップC
463に進むよう構成することも可能である。また、ステップC462では、現在のベー
ス値ではなく、現在の役物比率を判定しても良い。
一方、現在のベース値が規定値以上である場合(ステップC462;Y)は、FeRA
M323の設定示唆演出用の領域に記憶されている設定示唆演出の実行のON/OFF(
有無)がOFFであるかを判定し(ステップC463)、OFFである場合(ステップC
463;Y)は、設定示唆演出判定処理を終了する。これにより、ホール設定画面の「設
定示唆演出」の項目でOFFが選択された場合には、設定示唆演出が実行されないことと
なる。
また、設定示唆演出の実行がONである場合(ステップC463;N)は、FeRAM
323の設定示唆演出用の領域に記憶されている設定履歴記録のON/OFF(有無)が
OFFであるかを判定し(ステップC464)、OFFである場合(ステップC464;
Y)、すなわち確率設定値の設定履歴が記憶されていない場合は、FeRAM323の確
率設定値用の領域に記憶されている確率設定値(すなわち現在の確率設定値)が、所定の
閾値(例えば設定4)以上であるかを判定する(ステップC468)。そして、現在の確
率設定値が所定の閾値以上でない場合(ステップC468;N)は、設定示唆演出判定処
理を終了する。また、現在の確率設定値が所定の閾値以上である場合(ステップC468
;Y)は、設定示唆演出の実行を決定して(ステップC469)、設定示唆演出判定処理
を終了する。
一方、設定履歴記録がONである場合(ステップC464;N)は、FeRAM323
の設定示唆演出用の領域に記憶されている設定示唆演出の内容が「曜日」であるかを判定
する(ステップC465)。そして、「曜日」でない場合(ステップC465;N)、す
なわち「一週間」である場合は、設定履歴(FeRAM323の設定履歴用の領域)から
現在日を含む直近一週間で設定された各確率設定値を抽出し、これらの確率設定値の中に
所定の閾値(例えば設定4)以上の確率設定値があるかを判定する(ステップC466)
。そして、直近一週間の確率設定値の中に所定の閾値以上の確率設定値がない場合(ステ
ップC466;N)は、設定示唆演出判定処理を終了する。また、直近一週間の確率設定
値の中に所定の閾値以上の確率設定値がある場合(ステップC466;Y)は、設定示唆
演出の実行を決定し(ステップC469)、設定示唆演出判定処理を終了する。
一方、「曜日」である場合(ステップC465;Y)は、設定履歴(FeRAM323
の設定履歴用の領域)から現在の曜日と同じ曜日に設定された各確率設定値(現在日に対
応する確率設定値を含む)を抽出し、これらの確率設定値の中に所定の閾値(例えば設定
4)以上の確率設定値があるかを判定する(ステップC467)。そして、現在の曜日と
同じ曜日の確率設定値の中に所定の閾値以上の確率設定値がない場合(ステップC467
;N)は、設定示唆演出判定処理を終了する。また、現在の曜日と同じ曜日の確率設定値
の中に所定の閾値以上の確率設定値がある場合(ステップC467;Y)は、設定示唆演
出の実行を決定して(ステップC469)、設定示唆演出判定処理を終了する。
なお、設定示唆演出判定処理において、電源投入時からの獲得出玉数が規定数以上であ
るかの判定(ステップC461)及び現在のベース値が規定値以上であるかの判定(ステ
ップC462)の少なくとも一方を省略しても良い。
また、ステップC462の処理を、ステップC466~C468の処理の後に行っても
良い。すなわち、設定示唆演出判定処理において、現在日を含む直近一週間の確率設定値
の中に所定の閾値以上の確率設定値がない場合(ステップC466;N)、現在の曜日と
同じ曜日の確率設定値の中に所定の閾値以上の確率設定値がない場合(ステップC467
;N)、あるいは、現在の確率設定値が所定の閾値以上でない場合(ステップC468;
N)に、現在のベース値が規定値以上であるかの判定(ステップC462)を行い、現在
のベース値が規定値以上である場合には、設定示唆演出の実行を決定しても良い。この場
合、ベース値の規定値を、例えば、確率設定値が所定の閾値(例えば設定4)である場合
のベース値の設計上での正常範囲の下限値とすることで、実際に設定された過去又は現在
の確率設定値の中には所定の閾値以上の確率設定値はないが実質的な確率設定値が所定の
閾値以上である場合(すなわち出玉状況が好調である場合)に設定示唆演出が実行される
こととなるため、設定示唆演出の信頼性を低下させることなく、設定示唆演出の実行頻度
を高めることが可能となる。また、この場合、現在のベース値が規定値以上であるかの判
定(ステップC462)の前に、電源投入時からの獲得出玉数が規定数以上であるかの判
定(ステップC461)を行うことが好ましい。
また、設定示唆演出は、表示装置41の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLE
Dの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより
、過去や現在の確率設定値を示唆する演出であれば良い。
また、設定示唆演出は、エンディング演出の最後に実行されるロゴ表示演出に替えて実
行するものに限定されない。すなわち、設定示唆演出は、遊技機10で実行される演出の
いずれかに替えて実行するものであれば良い。例えば、設定示唆演出が、ファンファーレ
演出中に実行されるいずれかの演出に替えて実行するものである場合には、ファンファー
レ演出設定処理(ステップC402)において設定示唆演出判定処理(図290)が行わ
れる。また、設定示唆演出が、未実行の特図変動表示ゲームに関する演出(先読み演出)
として実行されるいずれかの演出に替えて実行するものである場合には、先読み図柄系コ
マンド処理(ステップC244)又は先読み変動系コマンド処理(ステップC246)に
おいて設定示唆演出判定処理(図290)が行われる。また、設定示唆演出が、実行中の
特図変動表示ゲームに関する演出として実行されるいずれかの演出に替えて実行するもの
である場合には、変動系コマンド処理の変動演出設定処理(ステップC365)において
設定示唆演出判定処理(図290)が行われる。
具体的には、設定示唆演出は、例えば、実行中の特図変動表示ゲームに関する予告演出
に替えて実行するものでも良く、その場合には、演出制御装置300は、例えば図291
に示すような変動演出設定処理を実行する。
〔変動演出設定処理〕
図291には、上述の変動系コマンド処理における変動演出設定処理(ステップC36
5)の一例を示した。この変動演出設定処理では、まず、変動パターン種別がリーチなし
変動であるかを判定する(ステップC381)。変動パターン種別がリーチなし変動であ
る場合(ステップC381;Y)は、機種コード、特図種別、演出モードに対応する前半
予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC382)。なお、リーチなし
変動であるので図柄種別は必ずはずれ図柄であり、ここでは図柄種別を特に参照しなくて
もよい。なお、演出モードは、演出制御装置300が管理する遊技モードに相当し、機種
によって当然異なるが、ここでは通常モード、チャンスモード、小当りRUSHなどがあ
る。さらに、各モード内に予告演出の振り分け率や表示装置41における飾り特図変動表
示ゲームの演出態様を異ならせた複数のモードを設けている。
次に、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、特図種別の保留
数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(ステップC383)
。これにより、リーチなし変動の場合には、各変動中に出現する予告演出の抽選内容(具
体的には各予告演出態様の出現率)を保留数に応じて変化させることが可能となる。その
後、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ス
テップC386)。
一方、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(ステップC381;N)は、機
種コード、特図種別、演出モード、図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステ
ーブルを設定する(ステップC384)。そして、前半予告振分グループアドレステーブ
ルを参照して、MODE、変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルの
アドレスを取得し(ステップC385)、前半予告振分グループテーブルを使って前半変
動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC386)。
次に、後半変動の予告演出を抽選する。なお、特図変動表示ゲームの後半変動とはいわ
ゆるリーチアクション(例えば、特図の複数列の表示領域のうち特定領域を除く表示領域
が大当りとなる特別結果態様(特別な図柄の組合せ)で変動表示が停止していて、特定領
域のみで変動表示している状態)の変動表示である。一方、特図変動表示ゲームの前半変
動とはリーチアクション開始前までの変動表示である。
まず、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別に対応する後半予告振分グループ
アドレステーブルを設定する(ステップC387)。後半予告振分グループアドレステー
ブルは、後半予告振分グループテーブルのアドレスを選択するためのテーブルである。そ
して、後半予告振分グループアドレステーブルを参照してACTに対応する後半予告振分
グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC388)、後半予告振分グループテー
ブルを使って後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(ステップC389)
その後、MODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定し(ステップC390)、
予告抽選結果に対応する演出の内容を決定する(ステップC391)。これにより、飾り
特図変動表示ゲームの変動時間や主なリーチ内容などの演出や予告が決定されることとな
る。さらに、決定された特図変動表示ゲームの変動パターン(リーチ演出など)や予告内
容、遊技状態も参照して停止図柄を決定する停止図柄設定処理を行う(ステップC392
)。
次に、変動演出の表示設定を行い(ステップC393)、予告演出の表示設定を行う(
ステップC394)。これらの処理により、上述したように設定された飾り特図変動表示
ゲームでの演出や予告が実行可能となる。
その後、ステップC394で表示設定を行った予告演出の中に、設定示唆演出に変更可
能な予告演出があるかを判定し(ステップC399a)、設定示唆演出に変更可能な予告
演出がない場合(ステップC399a;N)は、ステップC395へ移行する。また、設
定示唆演出に変更可能な予告演出がある場合(ステップC399a;Y)は、設定示唆演
出判定処理を行う(ステップC399b)。これにより、例えば図290に示す設定示唆
演出判定処理が行われる。
そして、設定示唆演出判定処理で設定示唆演出の実行を決定しなかった場合(ステップ
C399c;N)は、ステップC395へ移行する。また、設定示唆演出判定処理で設定
示唆演出の実行を決定した場合(ステップC399c;Y)は、設定示唆演出に変更可能
な予告演出に替えて設定示唆演出を表示設定し(ステップC399d)、ステップC39
5へ移行する。
例えば、設定示唆演出に変更可能な予告演出が、リーチ中にメインキャラクタを表示す
る演出であり、設定示唆演出が、リーチ中に設定示唆用のキャラクタを表示する演出であ
る場合には、予告演出に替えて設定示唆演出が表示設定されることで、メインキャラクタ
に替えて設定示唆用のキャラクタがリーチ中に出現することとなる。これにより、遊技者
に、設定示唆演出が実行されたこと、すなわち、過去又は現在の大当り確率の値(確率値
)が比較的高いことを示唆することが可能となる。
次いで、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行う(ステップC395)。この処
理では特図変動表示ゲームを開始する際に対応する始動記憶の減少に対応して飾り特図始
動記憶表示を減少させる設定を行う。
そして、BGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である
装飾番号を設定し(ステップC396)、特図種別に対応する飾り特図変動(識別情報の
変動表示)の表示設定を行う(ステップC397)。さらに、識別情報の変動表示とは別
に飾り特図変動表示ゲームを表示する第4図柄の変動表示を設定するために、特図種別に
対応する第4図柄変動の表示設定を行い(ステップC398)、変動演出設定処理を終了
する。
また、設定示唆演出は、操作手段(演出ボタン25やタッチパネル29)に対する所定
操作があった場合に実行するものであっても良い。具体的には、設定示唆演出は、エンデ
ィング演出の最後に実行されるロゴ表示演出中に操作手段に対する所定操作があった場合
に実行するものでも良く、その場合には、演出制御装置300は、図289に示すエンデ
ィング演出設定処理に替えて、例えば図292(a)に示すようなエンディング演出設定
処理を実行する。
〔エンディング演出設定処理〕
図292(a)には、上述の大当り系コマンド処理におけるエンディング演出設定処理
(ステップC411)の変形例を示した。このエンディング演出設定処理では、設定示唆
演出判定処理で設定示唆演出の実行が決定した場合(ステップC454;Y)に、ロゴ表
示演出から設定示唆演出への変更予約、すなわちロゴ表示演出中に操作手段に対する所定
操作があった際には実行中のロゴ表示演出を終了して設定示唆演出を開始することの予約
を設定する(ステップC456)。
このように変更予約を設定することによって、ロゴ表示演出の実行中に操作手段に対す
る所定操作があった際には当該ロゴ表示演出に替えて設定示唆演出が実行されて、例えば
、ロゴの表示色が、ホール設定画面の「ロゴカラー設定」で設定された色から設定示唆用
の色に変化することとなる。これにより、遊技者に、設定示唆演出が実行されたこと、す
なわち、過去又は現在の大当り確率の値(確率値)が比較的高いことを示唆することが可
能となる。
また、設定示唆演出は、実行予定の演出に替えて実行される演出に限定されず、例えば
、実行予定の演出に加えて実行される演出であっても良い。具体的には、設定示唆演出は
、エンディング演出中に追加で実行される演出であっても良く、その場合には、演出制御
装置300は、図289に示すエンディング演出設定処理に替えて、例えば図292(b
)に示すようなエンディング演出設定処理を実行する。
〔エンディング演出設定処理〕
図292(b)には、上述の大当り系コマンド処理におけるエンディング演出設定処理
(ステップC411)の変形例を示した。このエンディング演出設定処理では、まず、当
り種類情報等に基づいてエンディング演出を設定し(ステップC451)、設定示唆演出
を実行するか否か決定するための設定示唆演出抽選を行う(ステップC457a)。そし
て、設定示唆演出抽選に当選しなかった場合(ステップC457b;N)は、エンディン
グ演出設定処理を終了し、設定示唆演出抽選に当選した場合(ステップC457b;Y)
は、設定示唆演出判定処理を行う(ステップC453)。
そして、設定示唆演出判定処理で設定示唆演出の実行を決定しなかった場合(ステップ
C454;N)は、エンディング演出設定処理を終了し、設定示唆演出判定処理で設定示
唆演出の実行を決定した場合(ステップC454;Y)は、設定示唆演出を設定して(ス
テップC457c)、エンディング演出設定処理を終了する。例えば、設定示唆演出が、
盤装飾装置46のLEDのうち始動入賞口36又は普通変動入賞装置37を装飾するLE
Dを点滅させる演出である場合には、設定示唆演出の設定(ステップC457c)によっ
て、エンディング演出中の所定のタイミングで始動入賞口36又は普通変動入賞装置37
を装飾するLEDが点滅することとなる。これにより、遊技者に、設定示唆演出が実行さ
れたこと、すなわち、過去又は現在の大当り確率の値(確率値)が比較的高いことを示唆
することが可能となる。
ここで、図292(b)に示すエンディング演出設定処理においてステップC457a
~C457bの処理は省略しても良い。
また、図292(b)に示すエンディング演出設定処理において、設定示唆演出を設定
する処理(ステップC457c)に替えて、設定示唆演出の実行予約を設定する処理、す
なわちエンディング演出中に操作手段に対する所定操作があった際には設定示唆演出を開
始することの予約を設定する処理を行っても良い。
また、遊技機10において実行可能な設定示唆演出の種類(内容)は、1種類であって
も良いし、複数種類であっても良い。
設定示唆演出の種類が複数種類である場合には、ホール設定画面(ホール設定モード時
に表示装置41に表示される画面)から、設定示唆演出の種類を指定するための指定画面
へ移行するよう構成することも可能である。具体的には、例えば図293(a)に示すよ
うに、「設定示唆演出」の項目にカーソルが位置している状態であって、当該項目におい
て「ON」が選択されている状態において、例えば演出ボタン25上面のタッチパネル2
9の中央部に触れる操作が行われた場合に、設定示唆演出の種類を指定するための指定画
面が表示される。なお、遊技者設定画面(遊技者設定モード時に表示装置41に表示され
る画面)からも、設定示唆演出の種類を指定するための指定画面へ移行するよう構成して
も良い。
この指定画面では、例えば図293(b)に示すように、設定示唆演出の種類を囲むよ
うに強調表示するカーソルにより現在選択されている種類が示されるようになっており、
図293(b)に示す例では「曜日高設定示唆」にカーソルが位置している。
ここで、図293(b)に例示する設定示唆演出の種類のうち「一か月平均示唆」は、
例えば、設定履歴(FeRAM323の設定履歴用の領域)から現在日を含む直近一か月
(あるいは現在日を含まない直近一か月であっても良い)で設定された各確率設定値を抽
出し、これらの確率設定値の平均値を算出して当該平均値に応じた態様で実行される演出
である。これにより、当該遊技機10における普段の確率設定値の傾向を示唆することが
できる。
あるいは、「一か月平均示唆」は、現在日を含む直近一か月(あるいは現在日を含まな
い直近一か月であっても良い)の確率設定値の平均値が所定値以上であった場合に実行さ
れる演出であっても良い。これにより、当該遊技機10では普段から確率設定値が比較的
高いことを示唆することができる。
また、図293(b)に例示する設定示唆演出の種類のうち「一週間平均示唆」は、例
えば、設定履歴(FeRAM323の設定履歴用の領域)から現在日を含む直近一週間(
あるいは現在日を含まない直近一週間であっても良い)で設定された各確率設定値を抽出
し、これらの確率設定値の平均値を算出して当該平均値に応じた態様で実行される演出で
ある。これにより、当該遊技機10における今週の確率設定値の傾向を示唆することがで
きる。
あるいは、「一週間平均示唆」は、現在日を含む直近一週間(あるいは現在日を含まな
い直近一週間であっても良い)の確率設定値の平均値、すなわち今週の確率設定値の平均
値が先週の確率設定値の平均値よりも高い場合に実行される演出であっても良い。これに
より、当該遊技機10では今週の方が先週よりも確率設定値が高いことを示唆することが
できる。
また、図293(b)に例示する設定示唆演出の種類のうち「一週間高設定示唆」は、
例えば、設定履歴(FeRAM323の設定履歴用の領域)から現在日を含む直近一週間
(あるいは現在日を含まない直近一週間であっても良い)で設定された各確率設定値を抽
出し、これらの確率設定値の中に所定の閾値以上の確率設定値がある場合に実行される演
出である。すなわち、前述の“期間設定示唆演出”と同一である。これにより、当該遊技
機10では今週のいずれかに比較的高い確率設定値が設定されたことを示唆することがで
きる。
また、図293(b)に例示する設定示唆演出の種類のうち「曜日平均示唆」は、例え
ば、設定履歴(FeRAM323の設定履歴用の領域)から所定の曜日(例えば現在の曜
日と同じ曜日)に設定された各確率設定値を抽出し、これらの確率設定値の平均値を算出
して当該平均値に応じた態様で実行される演出である。これにより、当該遊技機10にお
ける所定の曜日の確率設定値の傾向を示唆することができる。
あるいは、「曜日平均示唆」は、所定の曜日の確率設定値の平均値が所定値以上であっ
た場合に実行される演出であっても良い。これにより、当該遊技機10では所定の曜日の
確率設定値が比較的高いことを示唆することができる。
また、図293(b)に例示する設定示唆演出の種類のうち「曜日高設定示唆」は、例
えば、設定履歴(FeRAM323の設定履歴用の領域)から所定の曜日に設定された各
確率設定値を抽出し、これらの確率設定値の中に所定の閾値以上の確率設定値がある場合
に実行される演出である。すなわち、前述の“曜日設定示唆演出”と同一である。これに
より、当該遊技機10では所定の曜日に比較的高い確率設定値が設定されやすいことを示
唆することができる。
また、図293(b)に例示する設定示唆演出の種類のうち「3のつく日平均示唆」は
、例えば、設定履歴(FeRAM323の設定履歴用の領域)から3のつく日(3日、1
3日、23日)に設定された各確率設定値を抽出し、これらの確率設定値の平均値を算出
して当該平均値に応じた態様で実行される演出である。これにより、当該遊技機10にお
ける3のつく日の確率設定値の傾向を示唆することができる。
また、図293(b)に例示する設定示唆演出の種類のうち「3のつく日高設定示唆」
は、例えば、設定履歴(FeRAM323の設定履歴用の領域)から3のつく日(3日、
13日、23日)に設定された各確率設定値を抽出し、これらの確率設定値の中に所定の
閾値以上の確率設定値がある場合に実行される演出である。これにより、当該遊技機10
では3のつく日に比較的高い確率設定値が設定されやすいことを示唆することができる。
なお、3以外の数字がつく日の平均や高設定を示唆することも可能であり、例えば、現
在日についている数字と同じ数字がつく日の平均や高設定を示唆しても良い。また、どの
数字がつく日にするかをホール設定画面等で選択できるようにすることも可能である。
また、図293(b)に例示する設定示唆演出の種類のうち「据え置き示唆」は、例え
ば、設定履歴(FeRAM323の設定履歴用の領域)から現在の確率設定値と前日の確
率設定値を抽出し、これらが同一である場合に実行される演出である。これにより、当該
遊技機10では現在の確率設定値と前日の確率設定値とが同一であることを示唆すること
ができる。
また、図293(b)に例示する設定示唆演出の種類のうち「変更示唆」は、例えば、
設定履歴(FeRAM323の設定履歴用の領域)から現在の確率設定値と前日の確率設
定値を抽出し、これらが異なる場合に実行される演出である。これにより、当該遊技機1
0では現在の確率設定値と前日の確率設定値とが異なることを示唆することができる。
また、図293(b)に例示する設定示唆演出の種類のうち「大幅変更示唆」は、例え
ば、設定履歴(FeRAM323の設定履歴用の領域)から現在の確率設定値と前日の確
率設定値を抽出し、これらの差が2段階以上である場合に実行される演出である。これに
より、当該遊技機10では現在の確率設定値と前日の確率設定値とが大幅に異なることを
示唆することができる。さらに、設定示唆演出の種類として「大幅変更示唆」を選択する
ことで、例えば、当該遊技機10における前日の確率設定値が設定2であることが濃厚で
あった場合には、遊技者は、設定示唆演出の出現によって、現在の確率設定値が設定4以
上であることが濃厚であると判断することができる。
図293(b)に示す指定画面を表示可能である場合には、図290に示す設定示唆演
出判定処理に替えて、例えば図294に示す設定示唆演出判定処理が実行される。この設
定示唆演出判定処理では、まず、設定示唆演出を実行するか否か決定するための乱数抽選
を行う(ステップC470)。そして、乱数抽選に当選しなかった場合(ステップC47
1;N)は、設定示唆演出判定処理を終了し、乱数抽選に当選した場合(ステップC47
1;Y)は、ステップC463の処理に移行する。
そして、FeRAM323の設定示唆演出用の領域に記憶されている設定履歴記録のO
N/OFF(有無)がOFFである場合(ステップC464;Y)、すなわち確率設定値
の設定履歴が記憶されていない場合は、FeRAM323の確率設定値用の領域に記憶さ
れている確率設定値(すなわち現在の確率設定値)が所定の閾値(例えば設定4)以上で
あれば設定示唆演出の実行を決定して(ステップC474)、設定示唆演出判定処理を終
了する。すなわち、この場合、現在の確率設定値が所定の閾値以上でない場合には設定示
唆演出の実行を決定せずに、設定示唆演出判定処理を終了することとなる。
一方、設定履歴記録がONである場合(ステップC464;N)は、FeRAM323
の設定示唆演出用の領域に記憶されている設定示唆演出の内容が「一か月平均示唆」、「
一週間平均」、「曜日平均示唆」及び「3のつく日平均示唆」のいずれかであるかを判定
する(ステップC472)。そして、「一か月平均示唆」、「一週間平均」、「曜日平均
示唆」及び「3のつく日平均示唆」のいずれかである場合(ステップC472;Y)は、
設定履歴(FeRAM323の設定履歴用の領域)から対象の確率設定値を抽出し、これ
らの平均値が所定の閾値(例えば設定4)以上であれば設定示唆演出の実行を決定して(
ステップC473)、設定示唆演出判定処理を終了する。すなわち、この場合、対象の確
率設定値の平均値が所定の閾値以上でない場合には設定示唆演出の実行を決定せずに、設
定示唆演出判定処理を終了することとなる。また、対象の確率設定値とは、「一か月平均
示唆」の場合は、現在日を含む直近一か月(あるいは現在日を含まない直近一か月であっ
ても良い)で設定された各確率設定値であり、「一週間平均示唆」の場合は、現在日を含
む直近一週間(あるいは現在日を含まない直近一週間であっても良い)で設定された各確
率設定値であり、「曜日平均示唆」の場合は、所定の曜日(例えば現在の曜日と同じ曜日
)に設定された各確率設定値であり、「3のつく日平均示唆」の場合は、3のつく日(3
日、13日、23日)に設定された各確率設定値である。
また、「一か月平均示唆」、「一週間平均示唆」、「曜日平均示唆」及び「3のつく日
平均示唆」のいずれでもない場合(ステップC472;N)は、FeRAM323の設定
示唆演出用の領域に記憶されている設定示唆演出の内容が「一週間高設定示唆」、「曜日
高設定示唆」及び「3のつく日高設定示唆」のいずれかであるかを判定する(ステップC
475)。そして、「一週間高設定示唆」、「曜日高設定示唆示唆」及び「3のつく日高
設定示唆示唆」のいずれかである場合(ステップC475;Y)は、設定履歴(FeRA
M323の設定履歴用の領域)から対象の確率設定値を抽出し、これらの中に所定の閾値
(例えば設定4)以上の確率設定値があれば設定示唆演出の実行を決定して(ステップC
476)、設定示唆演出判定処理を終了する。すなわち、この場合、対象の確率設定値の
中に所定の閾値以上の確率設定値がない場合には設定示唆演出の実行を決定せずに、設定
示唆演出判定処理を終了することとなる。また、対象の確率設定値とは、「一週間高設定
示唆」の場合は、現在日を含む直近一週間(あるいは現在日を含まない直近一週間であっ
ても良い)で設定された各確率設定値であり、「曜日高設定示唆」の場合は、所定の曜日
(例えば現在の曜日と同じ曜日)に設定された各確率設定値であり、「3のつく日高設定
示唆」の場合は、3のつく日(3日、13日、23日)に設定された各確率設定値である
また、「一週間高設定示唆」、「曜日高設定示唆示唆」及び「3のつく日高設定示唆示
唆」のいずれでもない場合(ステップC475;N)は、FeRAM323の設定示唆演
出用の領域に記憶されている設定示唆演出の内容が「据え置き示唆」であるかを判定する
(ステップC477)。そして、「据え置き示唆」である場合(ステップC477;Y)
は、設定履歴(FeRAM323の設定履歴用の領域)から現在の確率設定値と前日の確
率設定値を抽出し、これらが同一であれば設定示唆演出の実行を決定して(ステップC4
78)、設定示唆演出判定処理を終了する。すなわち、この場合、現在の確率設定値と前
日の確率設定値が同一でない場合には設定示唆演出の実行を決定せずに、設定示唆演出判
定処理を終了することとなる。
また、「据え置き示唆」でない場合(ステップC477;N)は、FeRAM323の
設定示唆演出用の領域に記憶されている設定示唆演出の内容が「変更示唆」であるかを判
定する(ステップC479)。そして、「変更示唆」である場合(ステップC479;Y
)は、設定履歴(FeRAM323の設定履歴用の領域)から現在の確率設定値と前日の
確率設定値を抽出し、これらが同一でなければ設定示唆演出の実行を決定して(ステップ
C480)、設定示唆演出判定処理を終了する。すなわち、この場合、現在の確率設定値
と前日の確率設定値が同一である場合には設定示唆演出の実行を決定せずに、設定示唆演
出判定処理を終了することとなる。
また、「変更示唆」でない場合(ステップC479;N)、すなわちFeRAM323
の設定示唆演出用の領域に記憶されている設定示唆演出の内容が「大幅変更示唆」である
場合は、設定履歴(FeRAM323の設定履歴用の領域)から現在の確率設定値と前日
の確率設定値を抽出し、これらの差が2段階以上であれば設定示唆演出の実行を決定して
(ステップC481)、設定示唆演出判定処理を終了する。すなわち、この場合、現在の
確率設定値と前日の確率設定値の差が2段階以上でない場合には設定示唆演出の実行を決
定せずに、設定示唆演出判定処理を終了することとなる。
なお、図292(b)に示すエンディング演出設定処理における設定示唆演出判定処理
(ステップC453)として図294に示す設定示唆演出判定処理を行う場合には、ステ
ップC457a~ステップC457bの処理が省略される。
また、設定示唆演出は、所定のタイミングで設定履歴カレンダーを表示する演出であっ
ても良い。これにより、「曜日高設定示唆」、「一週間高設定示唆」、「3のつく日高設
定示唆」、「据え置き示唆」、「変更示唆」、「大幅変更示唆」を一度に行うことが可能
となる。
設定示唆演出が設定履歴カレンダーを表示する演出である場合、表示する設定履歴カレ
ンダーは、例えば図295(a)に示すように、確率設定値を曖昧に示唆するものである
ことが好ましい。図295(a)に示す例では、例えば図295(b)に示すように、設
定1から3のいずれかが設定された日が青色で塗られ、設定4から6のいずれかが設定さ
れた日が赤色で塗られ、さらに、そのうちのいずれかが紫色に変更されている。
また、図295(a)に示すような設定履歴カレンダーを、設定示唆演出として表示す
ることに替えて(あるいは加えて)、図295(a)に示すような設定履歴カレンダーを
、例えば、客待ち中などの所定期間中に遊技者が所定の操作を行った際に表示するように
しても良い。
以上のことから、本実施形態の遊技機10は、ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が
特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、ゲー
ムの抽選に用いる確率値が割り当てられた複数の確率設定値のうち一の確率設定値を設定
する設定手段(遊技制御装置100)と、設定手段によって設定された確率設定値を設定
履歴として記憶する記憶手段(演出制御装置300(FeRAM323))と、設定履歴
として記憶されている確率設定値のうち所定のパラメータ(例えば、曜日、一週間、当日
のみ、一か月、3のつく日、当日と前日)に対応する確率設定値に基づいて、確率設定値
に関する示唆演出(設定示唆演出)を実行する実行手段(演出制御装置300)と、を備
えるよう構成されている。
このように構成することで、現在の確率設定値に基づく示唆演出だけでなく、過去の確
率設定値に基づく示唆演出も実行可能となるため、示唆演出の実行によって、確率設定値
が変更可能な機種である旨や、普段から確率設定値を変更している旨など、確率設定値に
関して遊技者に効果的にアピールすることができる。
また、本実施形態の遊技機10は、設定履歴を記憶するか否かをホールスタッフ(例え
ば、遊技店の店員のうち、設定キーを所持し設定変更操作を行うことが可能な責任者クラ
スの店員)が選択するための第1選択手段(タッチパネル29)と、示唆演出(設定示唆
演出)を実行可能とするか否かをホールスタッフが選択するための第2選択手段(タッチ
パネル29)と、を備えるよう構成されている(図288(b)参照)。
このように構成することで、示唆演出を実行するか否か、実行する示唆演出を現在の確
率設定値のみを示唆する演出にするか過去の確率設定値も示唆する演出にするかを、任意
で選択できるため、ホールの運用に自由度を持たせることが可能となる。
なお、第1選択手段と第2選択手段は互いに異なる操作手段であっても良い。
また、本実施形態の遊技機10において、実行手段(演出制御装置300)は、所定の
パラメータ(例えば、一週間、曜日、3のつく日)に対応する確率設定値の中に所定の閾
値(例えば設定4)以上の確率設定値があるか否かに応じた示唆演出(設定示唆演出)を
実行可能であるよう構成されている(図290、図293(b)参照)。
このように構成することで、示唆演出の実行によって、過去又は現在の確率設定値の中
に所定の閾値以上の確率設定値があるか否かを示唆することができる。
なお、本実施形態では、過去又は現在の確率設定値の中に所定の閾値以上の確率設定値
がある場合にのみ設定示唆演出を実行するようにしたが、これに限定されない。例えば、
過去又は現在の確率設定値の中に所定の閾値以上の確率設定値がある場合には、第1演出
態様の設定示唆演出を実行し、過去又は現在の確率設定値の中に所定の閾値以上の確率設
定値がない場合には、第1演出態様とは異なる第2演出態様の設定示唆演出を実行するよ
うにしても良い。
すなわち、図290に示す設定示唆演出判定処理に替えて、図296に示す設定示唆演
出判定処理を実行しても良い。
図2375に示す設定示唆演出判定処理では、現在日を含む直近一週間の確率設定値の
中に所定の閾値以上の確率設定値がある場合(ステップC466;Y)、現在の曜日と同
じ曜日の確率設定値の中に所定の閾値以上の確率設定値がある場合(ステップC467;
Y)、あるいは、現在の確率設定値が所定の閾値以上である場合(ステップC468;Y
)には、第1演出態様の設定示唆演出の実行を決定する(ステップC469a)。
一方、現在日を含む直近一週間の確率設定値の中に所定の閾値以上の確率設定値がない
場合(ステップC466;N)、現在の曜日と同じ曜日の確率設定値の中に所定の閾値以
上の確率設定値がない場合(ステップC467;N)、あるいは、現在の確率設定値が所
定の閾値以上でない場合(ステップC468;N)には、第2演出態様の設定示唆演出の
実行を決定する(ステップC469b)。
そして、例えば図289に示すエンディング演出設定処理における設定示唆演出判定処
理(ステップC453)として図296に示す設定示唆演出判定処理を行った場合であっ
て、第1演出態様の設定示唆演出の実行を決定する処理(ステップC469a)を行った
場合には、ステップC455では、ロゴ表示演出に替えて第1演出態様の設定示唆演出が
設定される。
また、例えば図289に示すエンディング演出設定処理における設定示唆演出判定処理
(ステップC453)として図296に示す設定示唆演出判定処理を行った場合であって
、第2演出態様の設定示唆演出の実行を決定する処理(ステップC469b)を行った場
合には、ステップC455では、ロゴ表示演出に替えて第2演出態様の設定示唆演出が設
定される。
図294に示す設定示唆演出判定処理においても同様である。
すなわち、ステップC473において、対象の確率設定値の平均値が所定の閾値以上で
ある場合には第1演出態様の設定示唆演出の実行を決定し、対象の確率設定値の平均値が
所定の閾値以上でない場合には第2演出態様の設定示唆演出の実行を決定しても良い。
また、ステップC474において、現在の確率設定値が所定の閾値以上である場合には
第1演出態様の設定示唆演出の実行を決定し、現在の確率設定値が所定の閾値以上でない
場合には第2演出態様の設定示唆演出の実行を決定しても良い。
また、ステップC476において、対象の確率設定値の中に所定の閾値以上の確率設定
値がある場合には第1演出態様の設定示唆演出の実行を決定し、対象の確率設定値の中に
所定の閾値以上の確率設定値がない場合には第2演出態様の設定示唆演出の実行を決定し
ても良い。
また、ステップC478において、現在の確率設定値と前日の確率設定値が同一である
場合には第1演出態様の設定示唆演出の実行を決定し、現在の確率設定値と前日の確率設
定値が同一でない場合には第2演出態様の設定示唆演出の実行を決定しても良い。
また、ステップC480において、現在の確率設定値と前日の確率設定値が同一でない
場合には第1演出態様の設定示唆演出の実行を決定し、現在の確率設定値と前日の確率設
定値が同一である場合には第2演出態様の設定示唆演出の実行を決定しても良い。
また、ステップC481において、現在の確率設定値と前日の確率設定値の差が2段階
以上である場合には第1演出態様の設定示唆演出の実行を決定し、現在の確率設定値と前
日の確率設定値の差が2段階以上でない場合には第2演出態様の設定示唆演出の実行を決
定しても良い。
また、本実施形態の遊技機10において、実行手段(演出制御装置)は、所定のパラメ
ータに対応する確率設定値の平均値、変更頻度、変更量のいずれかに応じた示唆演出(設
定示唆演出)を実行可能であるよう構成することができる(図293(b)参照)。図2
93(b)に示す例において、確率設定値の平均値に応じた示唆演出は「一か月平均示唆
」、「一週間平均示唆」、「曜日平均示唆」、「3のつく日平均示唆」であり、確率設定
値の変更頻度に応じた示唆演出は「据え置き示唆」、「変更示唆」であり、確率設定値の
変更量に応じた示唆演出は「大幅変更示唆」である。
このように構成することで、示唆演出の実行によって、当該遊技機10における確率設
定値の傾向を示唆することができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊
技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機
、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をス
ロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用す
るスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンな
どの全てのスロットマシンが含まれる。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと
考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって
示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意
図される。
10 遊技機
41 表示装置
300 演出制御装置(演出制御手段)

Claims (1)

  1. 所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、
    前記ゲームに関連して演出を実行可能な演出制御手段を備え、
    前記演出制御手段は、
    第1所定演出と、当該第1所定演出の後に開始される第2所定演出と、を実行する複数の演出パターンのうちから一の演出パターンを選択して実行することが可能であり、
    前記複数の演出パターンには、
    前記ゲームの結果がはずれとなる場合に選択され、前記第2所定演出へ第1の移行タイミングで移行するはずれ第1演出と、
    前記ゲームの結果が前記特別結果となる場合に最も高い頻度で選択可能であり、前記第2所定演出へ前記第1の移行タイミングで移行する当り第1演出と、
    前記ゲームの結果が前記特別結果となる場合に前記当り第1演出よりも低い頻度で選択可能であり、前記ゲームの結果が前記はずれとなる場合に選ばれない第2の移行タイミングで前記第2所定演出へ移行する当り第2演出と、
    前記ゲームの結果が前記特別結果となる場合に前記当り第1演出よりも低い頻度で選択可能であり、前記ゲームの結果が前記はずれとなる場合に選ばれない第の移行タイミングで前記第2所定演出へ移行する当り第3演出と、を含むことを特徴とする遊技機。
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