<第1実施形態>
図1に示すように本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、演出ボタン25右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。また、センターケース40の左部及び右部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図11参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、特図1変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口36(始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図11参照)により検出される。また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下方には、特図2変動表示ゲームの開始条件を与える第2始動入賞口37(始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。第2始動入賞口37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図11参照)により検出される。
遊技領域32におけるセンターケース40の下方であって、第1始動入賞口36の右側には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(上大入賞口)38が配設されている。
第1特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって上大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、第1特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての上大入賞口ソレノイド38b(図11参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される上大入賞口を備え、大当りや小当りに基づく特別遊技状態中は、上大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより上大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。上大入賞口の内部(入賞領域)には、当該上大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての上大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図11参照)が配設されている。
図3には第1特別変動入賞装置38における遊技球の流路を示した。第1特別変動入賞装置38の内部(入賞領域)には、当該第1特別変動入賞装置38に入った遊技球を検出する検出手段としての上大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38aが配設されている。第1特別変動入賞装置38に入った遊技球はすべて上大入賞口スイッチ38aを通って検出され、上部流路38jに流入する。
上部流路38jには、遊技球が流入可能な確変作動領域38hが設けられているとともに、当該確変作動領域38hへの遊技球の流入確率を変化させるようにレバーソレノイド38f(図11参照)により動作するレバー部材38iが設けられている。レバー部材は前後方向にスライド可能な板状の部材で、図3に示すように前方に突出して確変作動領域38hを覆い、確変作動領域38hに遊技球が流入不能な閉状態と、後方に退避して確変作動領域38hに遊技球が流入可能な開状態とに変換可能となっている。すなわち、確変作動領域38hが、遊技球が入賞不能な閉状態と、遊技球が入賞可能な開状態と、に変換可能であり、内部に遊技球が流入可能な特定領域をなし、レバー部材38iが、特定領域(確変作動領域38h)へ遊技球が流入不能な状態と、遊技球が流入可能な状態と、に変換可能な流入規制部材をなす。
確変作動領域38hには遊技球の流入を検出可能な確変作動領域スイッチ38dが設けられており、確変作動領域38hに流入した遊技球は確変作動領域スイッチ38dで検出された後、下部流路38kに流入する。この確変作動領域スイッチ38dで遊技球を検出することに基づき、特別遊技状態の終了後に特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となるようにされている。
また、上部流路38jにおける確変作動領域38hより左方の下流側には、遊技球の通過を検出可能な通過口スイッチ38gが設けられており、確変作動領域38hに流入しなかった遊技球は通過口スイッチ38gで検出された後、下部流路38kに流入する。下部流路38kは、確変作動領域38hを通過した遊技球が流下する流路と、通過口スイッチ38gを通過した遊技球が流下する流路が下流側で合流するようになっている。そして、下部流路38kの下流端部には、遊技球の通過を検出する排出確認スイッチ38eが設けられており、下部流路38kに流入したすべての遊技球は排出確認スイッチ38eで検出された後、遊技機の外部へ遊技球を排出する排出流路へ流入する。
このように構成された第1特別変動入賞装置38では、上大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数と、確変作動領域スイッチ38d及び通過口スイッチ38gで検出された遊技球数とが一致することにより、上部流路38jに流入した遊技球が全て排出されたことを確認できる。さらに、確変作動領域スイッチ38d及び通過口スイッチ38gで検出された遊技球数と、排出確認スイッチ38eで検出された遊技球数とが一致することにより、下部流路38kに流入した遊技球が全て排出されたことを確認できる。また、上大入賞口スイッチ38aで検出された流入する遊技球数と、排出確認スイッチ38eで検出された遊技球数とが一致することにより、第1特別変動入賞装置38に流入した遊技球が全て排出されたことを確認できる。
図2に戻り第1始動入賞口36の直下には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(下大入賞口)39が配設されている。第2特別変動入賞装置39は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な開閉扉39cを備えている。
第2特別変動入賞装置39は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉39cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって下大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、第2特別変動入賞装置39は、例えば、駆動装置としての下大入賞口ソレノイド39b(図11参照)により駆動される開閉扉39cによって開閉される下大入賞口を備え、大当りや小当りに基づく特別遊技状態中は、下大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより下大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
下大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての下大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)39a(図11参照)が配設されている。また、第2特別変動入賞装置39の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
なお、第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39の配置はこれに限られるものではない。例えば、図2において第1特別変動入賞装置38の上側又は下側に隣設して第2特別変動入賞装置39を設けるようにしても良い。この場合、上下に完全に重なっていても良いし、左右にずれて一部のみが上下に重なるようにしても良い。また、開閉扉38c、39cについてもアタッカ形式に限られず、大入賞口を閉鎖することが可能な板状の部材をスライド移動させることにより大入賞口を開放することが可能なスライド形式など、他の形式としても良い。
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで第1始動入賞口36への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで第2始動入賞口37や第1特別変動入賞装置38への入賞を狙うことができるようになっている。なお、第2特別変動入賞装置39は左右どちらの遊技領域に遊技球を発射しても狙うことができる。
ここで、本実施形態の遊技機10において、右側遊技領域に対応する位置には、センターケース40の右端部に取り付けられた流路形成部材42が配設されており、右側遊技領域へと発射された遊技球は、流路形成部材42によって形成される流路を通過するよう構成されている。なお、流路形成部材42の少なくとも前面の材質は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球を外部から視認可能な材質になっているので、遊技者等は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球(すなわち、右側遊技領域を流下する遊技球)を、流路形成部材42の前方から流路形成部材42を透して視認することができる。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、図4に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された特図1変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)51(D1)及び特図2変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)52(D2)と、LEDランプで構成された特図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54(D11〜D14)とを備える。
また、一括表示装置50には、大当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60(D3〜D7)、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊技者に有利な打ち方(遊技状態に対応した打ち方)を報知する第1遊技状態表示部77(D8〜D10)、特図変動表示ゲームの確率状態(高確率状態又は低確率状態)を報知する確率表示部78(D15〜D18)が設けられている。なお、一括表示装置50には、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する確率状態表示部、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。更に、従来の遊技機のように普図変動表示ゲームを実行し、該普図変動表示ゲームが特定結果となったことに基づいて遊技球が入賞可能となる第2始動入賞口を構成する普通変動入賞装置を備えた場合に、普図変動表示ゲームを表示する普図表示部や、普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する時短状態報知部等が設けられていても良い。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームにおいては、図4(b)に示すように、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するようにし、特図1と特図2との区別が可能なように構成されている。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメント(特図1であれば加えて右方下側の8番目のセグメント)を点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
記憶表示部54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を、図4(c)に示すように複数のLEDの消灯、点灯(点滅)により表示する。ラウンド表示部60はLEDランプ等で構成され、図4(d)に示すように特別遊技状態中でない場合には全てのLEDを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応してLEDを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
第1遊技状態表示部77は、例えば図4(e)に示すように、右打ちよりも左打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(通常打ち時)には全てのLEDを消灯状態にし、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(右打ち時)には全てのLEDを点灯状態にする。確率表示部78は、図4(e)に示すように大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合には全てのLEDを消灯状態にし、大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合には全てのLEDを点灯状態にする。
図5には、大当り及び小当りの確率と、大当りに当選した場合の大当り種類の振分確率、小当りに当選した場合の小当り種類の振分確率を示した。なお、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果(第1特別結果)であり、小当りは条件装置の作動を伴わない特別結果(第2特別結果)である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
大当り(第1特別結果)となる確率である大当り確率は特図1と特図2で共通であり、低確率状態である通常遊技状態と高確率状態である特定遊技状態での確率はそれぞれ図5(a)に示すような確率となっている。本実施形態の遊技機では、大当りに基づく特別遊技状態(第1特別遊技状態)において、第1特別変動入賞装置38の確変作動領域38hに遊技球が流入して確変作動領域スイッチ38dで検出されること(V通過)により、当該特別遊技状態の終了後に高確率状態となり、所定回数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行すると低確率状態になるように構成されている。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
小当り(第2特別結果)となる確率である小当り確率は図5(b)に示すような確率となっている。この小当り確率は特図1よりも特図2の方が高くなっている。また、小当り確率は遊技状態や大当り確率にかかわらず常に一定である。大当りと小当りの抽選においては大当りと小当りは重複して当選しない。よって、高確率状態では特図2について大当りと小当りの何れかに必ず当選することとなる。なお、はずれ結果となる場合があるようにしても良い。
また、図5(c)には特図1と特図2で選択可能な大当り種類と振分確率を示し、図5(d)には特図1と特図2で選択可能な小当り種類と、各小当り種類で開放される特別変動入賞装置、開放時間と開放回数及び振分確率を示した。図5(c)に示すように、特図1変動表示ゲームでの特別結果の種類には、12R確変、5R確変、12R通常の3種類があり、特図2変動表示ゲームでの特別結果の種類には、12R確変、2R確変の2種類がある。これらの特別結果の種類は大当り図柄乱数に基づき選択される。各大当り種類の数字はラウンド数を示し、確変とは確変作動領域38hに遊技球が流入する可能性が高く特別遊技状態の終了後に高確率状態(確変状態)となりやすいことを示し、通常とは、確変作動領域38hに遊技球が流入する可能性が低く特別遊技状態の終了後に高確率状態(確変状態)となりにくいことを示している。なお、確変当りよりも確変作動領域38hに遊技球が流入する可能性が低いが通常当りよりも確変作動領域38hに遊技球が流入する可能性が高い特別結果を設けても良い。
なお、本実施形態の遊技機では、確変作動領域38hに遊技球が流入するか否かにより高確率状態となるか否かが決定されるので、大当り種類が確変であっても確変作動領域38hに遊技球が流入しなければ高確率状態とはならず、大当り種類が通常であっても確変作動領域38hに遊技球が流入すれば高確率状態となる。また、特図2の2R確変については、出球はそれほど多くはないが確変作動領域38hに遊技球が流入する可能性が高く、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数が再度100回に設定される。この2R確変に基づく特別遊技状態では、高確率状態で実行可能なゲーム数が上乗せされるような演出を行う。また、小当りに基づく特別遊技状態(第2特別遊技状態)では、確変作動領域38hへの流入の有無による確率状態の変更は行われず、小当り発生時の確率状態が維持されることとなる。
図6には、各大当り種類での各ラウンドにおける開放態様を示した。なお、開放態様の詳細は図7に示している。図6(a)に示すように12R確変では、1ラウンド目で第1特別変動入賞装置38を開放する上V開放を行う。上V開放は確変作動領域38hに遊技球が流入する可能性の高い開放態様である。そして、2ラウンド目以降は第2特別変動入賞装置39を開放する下ショート開放を行う。図6(b)に示すように5R確変も同様に1ラウンド目で第1特別変動入賞装置38を開放する上V開放を行い、2ラウンド目以降は第2特別変動入賞装置39を開放する下ショート開放を行う。また、図6(c)に示すように2R確変も同様に1ラウンド目で第1特別変動入賞装置38を開放する上V開放を行い、2ラウンド目で第2特別変動入賞装置39を開放する下ショート開放を行う。
図6(c)に示すように12R通常では、1ラウンド目で第1特別変動入賞装置38を開放する上ショート開放を行う。上ショート開放は確変作動領域38hに遊技球が流入する可能性が上V開放よりも低い開放態様である。そして、2ラウンド目以降は第2特別変動入賞装置39を開放する下ロング開放を行う。なお、確変作動領域38hへ遊技球が流入可能とされるのは1ラウンド目に行われる上V開放及び上ショート開放のみである。すなわち、本実施形態の遊技機では、特定領域をなす確変作動領域38hに遊技球が流入する可能性があるラウンドである特定ラウンドは1ラウンド目である。
図7(a)に示すように下ロング開放では、ラウンドの開始に伴い第2特別変動入賞装置39を開放し(t11)、25000msの開放可能時間が経過するか所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するかの何れかの条件が成立すると第2特別変動入賞装置39を閉鎖してラウンドを終了する(t12)。その後、下大入賞口残存球処理時間が開始され(t12)、下大入賞口残存球処理時間が終了するとインターバル時間が開始され(t13)、インターバル時間が終了すると次ラウンドが開始される(t14)。なお、最終ラウンドである場合はラウンドの終了に伴い残存球処理時間が設定され、その後エンディング時間が設定される。
図7(b)に示すように上V開放では、ラウンドの開始に伴い第1特別変動入賞装置38を開放する(t31)。さらに、ラウンドの開始に伴いレバーソレノイド38fをON状態とするとともに、確変作動領域スイッチ38dを有効とする。レバーソレノイド38fがOFFである状態ではレバー部材38iが確変作動領域38hを覆って遊技球が流入できない状態であり、レバーソレノイド38fがONである状態ではレバー部材38iが確変作動領域38hから退避して遊技球が流入可能な状態となる。また、確変作動領域スイッチ38dが有効である状態とは、確変作動領域スイッチ38dでの遊技球の検出を有効なものとして扱う状態である。これに対して確変作動領域スイッチ38dが無効である状態は、確変作動領域スイッチ38dでの遊技球の検出があっても無効なものとして扱う状態である。
レバーソレノイド38fはラウンドの開始から64ms経過することでOFF状態となる(t32)。そして、レバーソレノイド38fがOFF状態となってから100ms経過すると確変作動領域スイッチ38dが無効となる(t33)。すなわち、第1特別変動入賞装置38が開放した直後に入賞した遊技球は確変作動領域38hに流入する可能性がある。
ラウンドの開始から200ms経過すると第1特別変動入賞装置38が閉鎖される(t34)。そして、2700ms経過すると再び第1特別変動入賞装置38が開放される(t35)、25000msの開放可能時間が経過するか所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するかの何れかの条件が成立すると第1特別変動入賞装置38を閉鎖してラウンドが終了する(t39)。その後、インターバル時間と上大入賞口残存球処理時間が開始され(t39)、上大入賞口残存球処理時間が終了するとインターバル時間が開始され(t41)インターバル時間が終了すると次ラウンドが開始される(t42)。
また、第1特別変動入賞装置38の2回目の開放(t35)の後、レバーソレノイド38fも所定の時間に亘りON状態となる(t36〜t37、t38〜t39)。また、確変作動領域スイッチ38dも有効となる(t36)。この第1特別変動入賞装置38の2回目の開放は十分に長い時間の開放であるとともに、レバーソレノイド38fのON状態も長時間継続するので、ほぼ確実に確変作動領域38hに遊技球が流入することとなる。よって、大当り種類が確変である場合はほぼ確実に高確率状態となる。
また、レバーソレノイド38fは第1特別変動入賞装置38が閉鎖した後も所定の時間に亘りON状態とすることが可能であり(t40〜t43)、閉鎖間際に第1特別変動入賞装置38に流入した遊技球についても確変作動領域38hへの流入が可能となっている。なお、開放可能時間の経過又は所定個数の遊技球が入賞することにより第1特別変動入賞装置38が閉鎖し、当該第1特別変動入賞装置38に入賞した遊技球が上大入賞口残存球処理時間内に全て排出された場合には、残存球処理時間の終了(t42)に伴いレバーソレノイド38fがOFF状態となって動作を終了するとともに、確変作動領域スイッチ38dが無効となる。
また、開放可能時間の経過又は所定個数の遊技球が入賞することにより第1特別変動入賞装置38が閉鎖し、第1特別変動入賞装置38に入賞した遊技球が残存球処理時間内に全て排出されなかった場合であって、レバーソレノイド38fがON状態となる期間の終了(t43)までに全て排出された場合は、当該排出の完了時にレバーソレノイド38fがOFF状態となって動作を終了するとともに、確変作動領域スイッチ38dが無効となる。
また、開放可能時間の経過又は所定個数の遊技球が入賞することにより第1特別変動入賞装置38が閉鎖し、第1特別変動入賞装置38に入賞した遊技球が上大入賞口残存球処理時間内に全て排出されなかった場合であって、レバーソレノイド38fがON状態となる期間の終了(t43)までに全て排出されなかった場合は、レバーソレノイド38fがON状態となる期間の終了(t43)をもってレバーソレノイド38fがOFF状態となって動作を終了する。この場合には、レバーソレノイド38fがOFF状態となってから(t43)、100ms経過すると確変作動領域スイッチ38dが無効となる(t44)。
図7(c)に示すように上ショート開放では、上V開放における第1特別変動入賞装置38の1回目の開放と同様の開放を行い(t51〜t54)、当該開放が終了することに基づきラウンドを終了する(t54)。この第1特別変動入賞装置38の開放は非常に短い時間の開放であるとともに、レバーソレノイド38fのON状態も短時間であるので、確変作動領域38hに遊技球が流入する可能性は低い。よって大当り種類が通常である場合に高確率状態となることはまれである。
なお、レバーソレノイド38fの動作及び確変作動領域スイッチの有効、無効の切り替えは、第1特別変動入賞装置38内に遊技球が残存している限りは上V開放の場合と同じ動作を行う(t55〜t63)。よって、上大入賞口残存球処理時間が経過しても第1特別変動入賞装置38内に遊技球が残存している場合は、当該残存球の排出が完了した時点でレバーソレノイド38fがOFF状態となって動作を終了するとともに、確変作動領域スイッチ38dが無効となる。また、レバーソレノイド38fがON状態となる期間の終了(t62)までに全ての遊技球が排出されなかった場合は、レバーソレノイド38fがON状態となる期間の終了(t62)をもってレバーソレノイド38fがOFF状態となって動作を終了し、レバーソレノイド38fがOFF状態となってから(t62)、100ms経過すると確変作動領域スイッチ38dが無効となる(t63)。
また、図7(b)に示す上V開放における第1特別変動入賞装置38の1回目の開放(t31〜t34)や、図7(c)に示した上ショート開放における第1特別変動入賞装置38の開放(t51〜t54)は、第1特別変動入賞装置38に遊技球を最低でも1個は入賞させることができる程度の開放時間とする。
図7(d)に示すように下ショート開放では、ラウンドの開始に伴い第2特別変動入賞装置39を開放し(t71)、1808msの開放可能時間が経過するか所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するかの何れかの条件が成立すると第2特別変動入賞装置39を閉鎖してラウンドを終了する(t72)。ただし、開放可能時間が短いため閉鎖条件となる所定個数の入賞が発生することは稀であり、開放可能時間の経過に伴い閉鎖されることがほとんどである。その後、下大入賞口残存球処理時間が開始され(t72)、下大入賞口残存球処理時間が終了するとインターバル時間が開始され(t73)、インターバル時間が終了すると次ラウンドが開始される(t74)。なお、最終ラウンドである場合はラウンドの終了に伴い残存球処理時間が設定され、その後エンディング時間が設定される。
この下ショート開放は、小当り2に基づく特別変動入賞装置の開放とほぼ同じ開放態様となっている。これにより、小当りが頻発しているかのような印象を与えることができる。なお、小当りに基づく開放可能時間は1792msであり、大当りの下ショート開放での開放可能時間は1808msであるが、これらの差は16msであり、遊技者が開放可能時間の差を判別することは困難なものとなっている。開放可能時間の差はこれ以上であっても良いが、遊技者が両者を判別することが困難な差とすることが好ましい。もちろん両者の開放可能時間を同一としても良い。
図8には、遊技状態の遷移を示した。遊技状態には、通常遊技状態ST1、第1特定遊技状態ST2、第2特定遊技状態ST3がある。なお、この他に特別遊技状態があるがここでは省略する。各遊技状態では、遊技制御装置100で制御されることとなる特別結果が導出される当り確率、演出制御装置300で制御されて遊技の演出態様を定める演出モード、当該遊技状態において主に狙うべき始動領域である主始動領域、主として実行するべき特図変動表示ゲームの種類である主変動特図、及び遊技球の発射方向が定められている。
上述したように本実施形態の遊技機10においては、左打ちにより第1始動入賞口36への入賞を狙うことができ、右打ちにより第2始動入賞口37への入賞を狙うことができるようになっている。すなわち、遊技者の意思により特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとの何れを実行するかを選択できるようになっている。また、各遊技状態では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち、いずれか一方を主として遊技を進行することを想定して設計されており、この設計に従い遊技者が遊技を進行するように、設計上で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームを主として遊技を進行した方が遊技者にとって有利となるように構成されている。なお、以下の説明では、各遊技状態で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームをメイン変動と称し、他方の特図変動表示ゲームをイレギュラー変動と称することがある。
通常遊技状態ST1は、当り確率が低確率状態であり、特図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短状態ではない状態(時短なし)である。演出態様を規定する演出モードは通常モードとされる。また、主変動特図は特図1変動表示ゲームであるので主始動領域は第1始動入賞口36であり、この第1始動入賞口36を狙うため発射方向は左打ちとされている。すなわち、特図1変動表示ゲームをメイン変動とし、特図2変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。後述するようにこの通常遊技状態ST1では、特図2変動表示ゲームについて非常に長い変動時間が設定されるようになっている。これにより、特図2変動表示ゲームの実行が時間的に非効率的となり、通常遊技状態ST1における小当りの獲得を狙った特図2変動表示ゲームの実行を遊技者が選択しないようにしている。
第1特定遊技状態ST2は、当り確率が高確率状態であり、特図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短状態である状態(時短あり)である。演出態様を規定する演出モードは小当りRUSHモードとされる。また、主変動特図は特図2変動表示ゲームであるので主始動領域は第2始動入賞口37であり、この第2始動入賞口37を狙うため発射方向は右打ちとされている。すなわち、特図2変動表示ゲームをメイン変動とし、特図1変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。この第1特定遊技状態ST2では、特図2変動表示ゲームの変動時間が通常遊技状態ST1の場合よりも短縮される時短状態となり、右打ちを行って第2始動入賞口37を狙い、特図2変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって有利となる。特図2変動表示ゲームの結果には大当りと小当りの何れかしかなく、大当りよりも小当りの方が当選する確率が高いため、この第1特定遊技状態ST2では小当りが高頻度で発生して遊技者の持球が増加する。このように小当りが高頻度で発生することから演出モードは小当りRUSHと称するモードとされている。
第2特定遊技状態ST3は、当り確率が高確率状態であり、特図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短状態ではない状態(時短なし)である。演出態様を規定する演出モードはHighモードとされる。また、主変動特図は特図1変動表示ゲームであるので主始動領域は第1始動入賞口36であり、この第1始動入賞口36を狙うため発射方向は左打ちとされている。すなわち、特図1変動表示ゲームをメイン変動とし、特図2変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。特図変動表示ゲームの変動時間等の実行態様は通常遊技状態ST1と同様であるが、確率状態が高確率状態である点が異なる。
なお、上述の各遊技状態での演出モードである通常モード、小当りRUSHモード、Highモードはそれぞれ異なる演出態様であるので、遊技者が何れの遊技状態であるかを把握可能となっている。また、演出モードにより遊技状態を把握可能とすることに加え、遊技球の発射方向が報知されるようになっており、遊技者が発射方向や主変動特図を把握可能となっている。特に、Highモードについては、遊技者が高確率状態であることを明確に把握可能な確変報知表示を行うようにして、遊技者が遊技をやめてしまわないようにするようにしても良い。
この3つの遊技状態のうち、通常遊技状態ST1が最も遊技者にとって不利な状態である。第2特定遊技状態ST3は高確率状態であるので通常遊技状態ST1よりも遊技者にとって有利な状態であり、第1特定遊技状態ST2は高確率状態かつ時短状態であるので通常遊技状態ST1や第2特定遊技状態ST3よりも遊技者にとって有利な状態である。
遊技状態の移行は、特別結果の導出に基づく特別遊技状態の終了又は規定ゲーム数の消化により行われる。基本的には、特別結果が導出されて特別遊技状態となり、当該特別遊技状態において第1特別変動入賞装置38の確変作動領域38hに遊技球が流入して確変作動領域スイッチ38dで検出された場合(V通過あり)は、当該特別遊技状態の終了後に第1特定遊技状態ST2に移行する。また、特別結果が導出されて特別遊技状態となり、当該特別遊技状態において第1特別変動入賞装置38の確変作動領域38hに遊技球が流入しなかった場合(V通過なし)は、当該特別遊技状態の終了後に通常遊技状態ST1となる。また、第1特定遊技状態ST2や第2特定遊技状態ST3のような高確率状態において、特別遊技状態の終了後から規定ゲーム数(ここでは100回)を実行した場合は通常遊技状態ST1に移行する。
遊技状態の移行の例外として、通常遊技状態ST1又は第2特定遊技状態ST3において、主変動特図ではない特図2変動表示ゲームで特別結果が導出されて特別遊技状態となり、当該特別遊技状態において第1特別変動入賞装置38の確変作動領域38hに遊技球が流入して確変作動領域スイッチ38dで検出された場合(V通過あり)が挙げられる。この場合は、当該特別遊技状態の終了後に第1特定遊技状態ST2ではなく第2特定遊技状態ST3に移行するようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、当該特図変動表示ゲームが主となる特図変動表示ゲームであるか否かによって遊技者に付与される遊技価値を異ならせていることとなる。ここでは、特図2変動表示ゲームを時短状態とするか否かの遊技価値が異なっている。
なお、ここでは特図2変動表示ゲームについて当該特図変動表示ゲームが主となる特図変動表示ゲームであるか否かによって遊技者に付与される遊技価値を異ならせているが、特図1変動表示ゲームについても同様に当該特図変動表示ゲームが主となる特図変動表示ゲームであるか否かによって遊技者に付与される遊技価値を異ならせても良い。また、異ならせる遊技価値について時短状態の有無としたがこれに限られるものではない。例えば、特別遊技状態におけるラウンド数や第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39の開放態様を異ならせても良い。また、確変作動領域38hへの遊技球の流入のしやすさを異ならせても良い。また、時短状態とするゲーム数を異ならせるようにしても良い。この他に、演出上の遊技価値として、特定の映像や音声などを実行するか否かを異ならせても良い。さらにこれらの組み合わせであっても良い。
また、特別遊技状態において、当該特別遊技状態の終了後に第1特定遊技状態と第2特定遊技状態のいずれに移行するかを報知する演出を行うようにしても良い。このような演出を行うことで、特別遊技状態の終了後における遊技球の発射方向を予め報知することができる。演出の実行タイミングは特別遊技状態中のどのタイミングでも良く、例えば特定のラウンドやエンディング中に行う。
また、演出として、移行する遊技状態の候補として第1特定遊技状態と第2特定遊技状態を示し、このうちから一つをルーレットなどにより選択する演出を行うことが挙げられる。このように、抽選によって移行する遊技状態が設定されたかのように思わせる演出とすることで、主変動特図ではない特図変動表示ゲームで特別結果が導出されたことによって不利な遊技状態に移行する場合の違和感や落胆感を軽減することができる。特に、主変動特図であるか否かにより移行する遊技状態が異なることを知らない遊技者にとっては、特別遊技状態において第1特別変動入賞装置38の確変作動領域38hに遊技球が流入したにもかかわらず予想していたよりも不利な遊技状態に移行するため違和感や落胆感を持つ。しかし、抽選を行うような演出を実行することで抽選にはずれたことにより不利な遊技状態に移行したと思わせることができ、違和感や落胆感を軽減することができる。
また、主変動特図が切り替わった直後の所定期間や所定ゲーム数以内においては、発射方向を切り替えたとしても、すでに発射された遊技球が主始動領域ではない始動入賞口に入賞して意図せず主変動特図ではない特図変動表示ゲームが実行されて当該特図変動表示ゲームで特別結果となることが考えられるが、このように意図せず主変動特図ではない特図変動表示ゲームで特別結果が導出された場合に、主変動特図でない特図変動表示ゲームで特別結果が導出されたことを遊技者が認識していないことが考えられ、このような場合に上述した抽選を行うような演出を実行することが特に効果的である。
図9、図10には、特図変動表示ゲームの変動パターンを示した。図9(a)には、通常遊技状態ST1又は第2特定遊技状態ST3で結果がはずれとなる場合の変動パターンを示した。上述したように通常遊技状態ST1及び第2特定遊技状態ST3では主変動特図が特図1変動表示ゲームとなっており、遊技者が特図1変動表示ゲームを主として遊技を進行するように、特図2については何れの変動パターンが選択された場合であっても約10分の変動時間が設定される長変動が選択されるようになっている。なお、長変動の時間は約10分としたがこれより長くても良いし、短くても良い(5分、50分、10時間など)。
すなわち、通常遊技状態ST1及び第2特定遊技状態ST3において、特図2変動表示ゲームの変動時間として決定可能な変動時間は、特図1変動表示ゲームの変動時間として決定可能な変動時間よりも長くなっている。特図2変動表示ゲームは小当りの確率が特図1変動表示ゲームよりも高いが、はずれ結果の場合や後述する小当りの場合に変動時間を長時間とすることで、通常遊技状態ST1及び第2特定遊技状態ST3では特図2変動表示ゲームの実行が時間的に非効率的となるようにし、通常遊技状態ST1及び第2特定遊技状態ST3においては遊技者に特図1変動表示ゲームを主として遊技を進行させるようにしている。そして、さらに上述したように、通常遊技状態ST1及び第2特定遊技状態ST3において特図2変動表示ゲームで大当りとなっても第1特定遊技状態ST2に移行しないようにして特図1変動表示ゲームよりも不利なものとし、遊技者に特図1変動表示ゲームを主として遊技を進行させるようにしている。
図9(b)には、第1特定遊技状態ST2で結果がはずれとなる場合の変動パターンを示した。なお、特図2変動表示ゲームについて抽選の結果がはずれとなる場合がないため変動パターンは設定されていない。また、特図1変動表示ゲームについては一つの変動パターンのみが選択である。この第1特定遊技状態ST2では、上述の通常遊技状態ST1及び第2特定遊技状態ST3の場合とは逆に、特図2変動表示ゲームをメイン変動とし、特図1変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。
ここで、第1特定遊技状態ST2でイレギュラー変動となる特図1変動表示ゲームではずれ結果となる場合の変動時間は、通常遊技状態ST1又は第2特定遊技状態ST3でイレギュラー変動となる特図2変動表示ゲームではずれ結果となる場合の変動時間(図9(a)参照)よりも短く設定されている。これは、後述するように第1特定遊技状態ST2において特図2変動表示ゲームが大当り又は小当りとなる場合の変動時間として短い時間が設定されており、さらに第1特定遊技状態ST2では特図2変動表示ゲームについて抽選の結果がはずれとなる場合がないためである。
つまり、特図2変動表示ゲームの変動時間が短く、時間的に効率良く実行可能となる第1特定遊技状態ST2では、抽選の結果としてはずれ結果がある特図1変動表示ゲームの方が明らかに不利であり、それほど長時間の変動時間を設定しなくても遊技者に特図2変動表示ゲームを主として遊技を進行させることができる。よって、特図1変動表示ゲームの変動時間としては必要以上に長い変動時間を設定しなくても良いが、特図2変動表示ゲームと同時に実行された場合には特図2変動表示ゲームが主として遊技が進行するように、特図2変動表示ゲームの変動時間に対して充分に長い変動時間として、特図2変動表示ゲームの大当り又は小当りにより強制的に停止させられるようにしている。
図10(a)には、通常遊技状態ST1又は第2特定遊技状態ST3で結果が大当りとなる場合の変動パターンを示した。特図2についてはリーチ状態を発生させない変動パターンのみ選択可能である。なお、通常遊技状態ST1又は第2特定遊技状態ST3において、特図2変動表示ゲームが大当りとなる場合の変動時間を、特図1変動表示ゲームが大当りとなる場合に選択可能な変動時間よりも長い変動時間としても良い。また、上述したように通常遊技状態ST1又は第2特定遊技状態ST3で特図2変動表示ゲームにおいて結果が大当りとなり確変作動領域38hへ遊技球が流入したとしても、第2特定遊技状態ST3となるようにされており、イレギュラー変動により大当りが発生した場合に遊技者に有利になり過ぎないようにし、メイン変動である特図1変動表示ゲームの実行を促すようにしている。
図10(b)には、第1特定遊技状態ST2で結果が大当りとなる場合の変動パターンを示した。何れもリーチ状態を発生させず、非常に短い変動時間の変動パターンが選択される。特に、特図1変動表示ゲームについては、特図2変動表示ゲームで大当り又は小当りとなる場合に選択可能な変動時間も含めて比較すると、2番目に短い変動時間が選択されるようになっている。これにより、第1特定遊技状態ST2であってもイレギュラー変動となる特図1変動表示ゲームがメイン変動となる特図2変動表示ゲームより先に停止する可能性を高め、特図1変動表示ゲームの大当りが強制的にはずれ結果に変更される可能性が低くなるようにしている。なお、特図2の変動パターンの振分を前述の大当り種類によって行うようにしているが、乱数等により決定するようにしてもよい。
図10(c)には、通常遊技状態ST1又は第2特定遊技状態ST3で結果が小当りとなる場合の変動パターンを示した。特図2についてはリーチ状態を発生させず、約10分の変動時間が設定される長変動が選択されるようになっている。図10(d)には、第1特定遊技状態ST2で結果が小当りとなる場合の変動パターンを示した。何れもリーチ状態を発生させず、非常に短い変動時間の変動パターンが選択される。なお、特図1変動表示ゲームについては、第1特定遊技状態ST2におけるはずれの場合と同じ時間としているが、これもはずれの場合と同様に特図2変動表示ゲームの大当り又は小当りにより強制的に停止させられるのに充分な時間となっている。第1特定遊技状態ST2において特図1変動表示ゲームがはずれ又は小当りとなる場合の変動時間については、特図2変動表示ゲームの大当り又は小当りにより強制的に停止させられるのに充分な時間であれば、ここに示した時間より短くても良い。
以上のことから、特別結果には、第1特別遊技状態を発生可能な第1特別結果(大当り)と、該第1特別遊技状態よりも遊技者に付与可能な遊技価値が低い第2特別遊技状態を発生可能な第2特別結果(小当り)と、が含まれていることとなる。
以上のようにすることで、遊技機の設計に沿った遊技が行われるようにすることができる。すなわち、通常遊技状態ST1及び第2特定遊技状態ST3において特図1変動表示ゲームよりも小当りの発生確率が高い特図2変動表示ゲームを意図的に狙う行為が行われると、遊技機の設計において想定していた遊技者に付与可能な利益を大幅に超えてしまうこととなる。しかし、特図2変動表示ゲームの変動時間の設定や、特図2変動表示ゲームが主変動特図でない場合に大当りとなった場合に移行する遊技状態を上述のようにすることで、特図2変動表示ゲームが主変動特図でない場合に意図的に狙う行為を防止できる。また、このように主変動特図であるか否かにより付与する遊技価値を異ならせることができるようにしたことで、大当り確率や種類、時短回数などの遊技機の設計の自由度が高まり、より多彩な遊技機を開発可能となる。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。また、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に飾り特図変動表示ゲームと称する。また、大当り(第1特別結果)と小当り(第2特別結果)を区別しない場合は、単に当り(特別結果)と称する。また、大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態と、小当りに基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態と、を区別しない場合は、単に特別遊技状態と称する。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図11参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
第1始動入賞口36への入賞球は、内部に設けられた始動口1スイッチ36aによって特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。特図1変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、第1始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口36に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って第1始動記憶が記憶されて、第1始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに第1始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲームが開始され、この際に第1始動記憶数が1減算される。一方、特図1変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲームが行われてその特図1変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口36に遊技球が入賞すると、第1始動記憶数が上限数未満ならば、第1始動記憶数が1加算されて第1始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、第1始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図1変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、第1始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された第1始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲームが開始される。
第2始動入賞口37への入賞球は、内部に設けられた始動口2スイッチ37aによって特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出される。特図2変動表示ゲームを開始可能な状態において第2始動入賞口37への入賞があった場合には、当該入賞に基づき即座に特図2変動表示ゲームが実行される。また、特図2変動表示ゲームを直ちに開始できない状態、例えば、既に特図2変動表示ゲームが行われてその特図2変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第2始動入賞口37に遊技球が入賞しても第2始動記憶は発生しない。なお、特図2変動表示ゲームを開始可能な状態において第2始動入賞口37への入賞があった場合には、処理の都合上第2始動記憶が一旦発生するが、当該第2始動記憶は即座に消化されることとなるため、特図2変動表示ゲームの開始を保留するための第2始動記憶は発生しない。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図11参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として所定回数(例えば、第1始動記憶については最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部54(特図1保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、第1始動入賞口36への入賞又は第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51(第1変動表示装置)で特図1変動表示ゲームを行い、第2始動入賞口37への入賞に基づいて、特図2表示器52(第2変動表示装置)で特図2変動表示ゲームを行う。特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは同時に実行可能であるが、一方の特図変動表示ゲームの実行中に、他方の特図変動表示ゲームが特別結果(大当り又は小当り)となった場合には、当該一方の特図変動表示ゲームを特別結果以外の結果(はずれ結果)として終了させるようにしている。
特図1表示器51及び特図2表示器52では、図4(b)に示したような表示態様で変動表示を行った後、所定の結果態様を停止表示する。そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合は、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が第1特別結果に対応する特別結果態様(大当り結果態様)となって大当りとなり、第1特別遊技状態(いわゆる大当り状態)となる。また、特図変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が第2特別結果に対応する特別結果態様(小当り結果態様)となって小当りとなり、第2特別遊技状態(いわゆる小当り状態)となる。すなわち、特図1表示器51が、第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づく第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)を表示可能な第1変動表示手段をなす。また、特図2表示器52が、第2始動入賞口37への遊技球の入賞に基づく第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)を表示可能な第2変動表示手段をなす。
また、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの実行に対応して、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の飾り識別情報(数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。飾り特図変動表示ゲームには、特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームと、特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームとがあり、これらは別々の表示領域に表示される。そして、対応する特図変動表示ゲームの変動に伴い変動表示が行われ、対応する特図変動表示ゲームでの結果態様の導出に伴い結果に対応した表示が行われる。
すなわち、表示装置41が、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)及び第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に対応して飾り識別情報を変動表示する飾り変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な飾り変動表示手段をなす。なお、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームで別々の表示装置を使用するとしても良いし、一方の飾り特図変動表示ゲームのみを表示するとしても良い。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
図11は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り、小当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(低確率状態或いは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、各種のスイッチやセンサが接続される。そして、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121a,121bが設けられている。近接I/F121a,121bは、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121a,121bには、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口35内の入賞口スイッチ35a、第1特別変動入賞装置38内の上大入賞口スイッチ38a、第2特別変動入賞装置39の下大入賞口スイッチ39a、第1特別変動入賞装置38内の確変作動領域38hに設けられる確変作動領域スイッチ38d、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37内の始動口2スイッチ37a、第1特別変動入賞装置38内で確変作動領域38hに流入しなかった遊技球を検出する通過口スイッチ38g、第1特別変動入賞装置38から排出される遊技球を検出する排出確認スイッチ38e、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62が接続される。
近接I/F121a,121bの出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121a,121bの出力のうち、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、上大入賞口スイッチ38a、下大入賞口スイッチ39a、確変作動領域スイッチ38d、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。
また、近接I/F121a,121bの出力のうち、通過口スイッチ38g、排出確認スイッチ38e、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1,2は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。また、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121a,121bの出力のうち、第2入力ポート123への出力と、第3入力ポート124への出力のうちの通過口スイッチ38gの出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121a,121bの出力のうち始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121a,121bは、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121a,121bには、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121a、121bから出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され第1特別変動入賞装置38を開成させる上大入賞口ソレノイド38b、第2特別変動入賞装置39を開成させる下大入賞口ソレノイド39b及び第1特別変動入賞装置38内のレバー部材38iを動作させるレバーソレノイド38fの動作データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される上大入賞口ソレノイド38bや下大入賞口ソレノイド39b、レバーソレノイド38fの動作データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
なお、特に限定されるわけではないが、上記第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37内の始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、上大入賞口スイッチ38a、下大入賞口スイッチ39a、第1特別変動入賞装置38内の確変作動領域スイッチ38d、排出確認スイッチ38e、通過口スイッチ38gには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
次に、図12を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
これらの制御回路においては、第1始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値等を抽出してRAM111Cに第1始動記憶を記憶する。この第1始動記憶の大当り判定用乱数値等をROM111Bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当りはずれや変動パターンを決定する処理を行う。また、第2始動入賞口37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値等を抽出してRAM111Cに第2始動記憶を記憶する。この第2始動記憶の大当り判定用乱数値等をROM111Bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当りはずれや変動パターンを決定する処理を行う。なお、第2始動記憶は、特図2変動表示ゲームを開始可能な状態でのみ発生可能であり、特図2変動表示ゲームを開始するために必要な情報を一時的に記憶するものであって、特図2変動表示ゲームの開始を保留するものではない。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、上大入賞口ソレノイド38bにより第1特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、上大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。または、下大入賞口ソレノイド39bにより第2特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放させ、下大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特別遊技状態において第1特別変動入賞装置38の確変作動領域38hへの流入を規制するレバー部材38iを動作させるレバーソレノイド38fを制御する。そして、確変作動領域38hに遊技球が流入して確変作動領域スイッチ38dで検出されたこと(V通過あり)に基づき、特別遊技状態の終了後に高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、低確率状態に比べて高い状態である。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。すなわち、遊技制御装置100が、特別変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)の開閉態様及び流入規制部材(レバー部材38i)の動作態様を制御する動作態様制御手段をなす。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図13及び図14に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図17に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図13に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップX1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップX2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップX3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップX4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップX5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップX6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップX7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップX8からX12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップX8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップX9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップX9;Y)は、ステップX8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップX10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップX10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップX9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップX10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップX9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップX11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップX12)。タイマの値が0でない場合(ステップX12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップX8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップX12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップX13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップX14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップX15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップX16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップX16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップX17)、正常であれば(ステップX17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップX18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップX18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップX19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップX20)。チェックサムが一致する場合(ステップX20;Y)は、図14のステップX21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップX16;Y)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップX17;NもしくはステップX18;N)、チェックサムが正常でない(ステップX20;N)と判定された場合は、図14のステップX23へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図14のステップX21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップX21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号フラグ領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
その後、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている特図ステータスに対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップX22)、ステップX28へ進む。本実施形態の場合、ステップX22では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。画面指定コマンドとしては、特図1及び特図2について何れも後述する普段処理中である場合、すなわち特図変動表示ゲームの実行中でもなく特別遊技状態中でもない場合である客待ち中であれば客待ちデモ画面のコマンドを送信し、それ以外であれば復旧画面のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
一方、ステップX16、X17、X18、X20からステップX23へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップX23)、ビジー信号フラグ領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップX24)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップX25)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップX26)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップX27)、ステップX28へ進む。本実施形態の場合、ステップX27では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
ステップX28では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップX28のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップX29)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップX30)、割込みを許可する(ステップX31)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップX32)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップX32の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップX33)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップX34)。停電監視信号がオンでない場合(ステップX34;N)は、初期値乱数更新処理(ステップX32)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップX32)の前に割り込みを許可する(ステップX31)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップX32での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップX34;Y)は、ステップX33で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップX35)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップX35;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップX34)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップX35;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップX36)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップX37)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップX38)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップX39)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップX40)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップX41)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップX42)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔チェックサム算出処理〕
図15には、上述のメイン処理におけるチェックサム算出処理(ステップX19、X40)を示した。このチェックサム算出処理では、まず、算出アドレスの開始値としてRWMの先頭アドレスを設定し(ステップX51)、繰り返し数を設定し(ステップX52)、算出値として「0」を設定する(ステップX53)。繰り返し数には使用しているRAMのバイト数が設定される。
その後、算出アドレスの内容に算出値を加算した値を新たな算出値とし(ステップX54)、算出アドレスを+1更新して(ステップX55)、繰り返し数を−1更新し(ステップX56)、チェックサムの算出が終了したかを判定する(ステップX57)。算出が終了していない場合(ステップX57:N)は、ステップX54へ戻って上記処理を繰り返す。また、算出が終了した場合(ステップX57:Y)は、チェックサム算出処理を終了する。
〔初期値乱数更新処理〕
図16には、上述のメイン処理における初期値乱数更新処理(ステップX32)を示した。この初期値乱数更新処理では、まず、大当り図柄初期値乱数を+1更新し(ステップX61)、小当り図柄初期値乱数1を+1更新して(ステップX62)、初期値乱数更新処理を終了する。ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームでの大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数、「小当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームでの小当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理はクロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。すなわち、所定周期で開始される割込みルーチンである。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図17のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップX101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX102)。ステップX102では、メイン処理におけるステップX4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップX103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(上大入賞口ソレノイド38b、下大入賞口ソレノイド39b)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップX104)を行う。なお、メイン処理におけるステップX5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップX105)、乱数更新処理1(ステップX106)、乱数更新処理2(ステップX107)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、上大入賞口スイッチ38a、下大入賞口スイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX108)を行う。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップX109)を行う。始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口36や第2始動入賞口37への遊技球の入賞に基づき、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行う。そして、特図1変動表示ゲームに関する処理を行う特図1ゲーム処理(ステップX110)、特図2変動表示ゲームに関する処理を行う特図2ゲーム処理(ステップX111)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップX112)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップX113)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップX114)を行う。さらに、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップX115)を行う。
次に、確変作動領域スイッチ監視処理(ステップX116)を行う。この確変作動領域スイッチ監視処理では、確変作動領域38h内に設けられた確変作動領域スイッチ38dでの遊技球の検出を監視する処理を行う。その後、レバーソレノイド38fの動作を制御するレバーソレノイド制御処理(ステップX117)を行ってタイマ割込み処理を終了する。ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔入力処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入力処理(ステップX103)の詳細について説明する。図18に示すように、入力処理においては、まず入力ポート1、即ち、第1入力ポート122に取り込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(ステップX121)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップX122)、読み込まれた入力ポート1の状態をRWM内のスイッチ制御領域1にセーブ(格納)する(ステップX123)。
次に、入力ポート2、即ち、第2入力ポート123のアドレスを準備し(ステップX124)、RWM内のスイッチ制御領域2のアドレスを準備する(ステップX125)。
そして、未使用のビットデータを準備(ステップX126)した後、反転するビットデータを準備し(ステップX127)、スイッチ読込み処理(ステップX128)を行う。
その後、入力ポート3、即ち、第3入力ポート124のアドレスを準備し(ステップX129)、RWM内のスイッチ制御領域3のアドレスを準備する(ステップX130)。
そして、未使用のビットデータを準備(ステップX131)した後、反転するビットデータを準備し(ステップX132)、スイッチ読込み処理(ステップX133)を行い、入力処理を終了する。
なお、本実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
また、上記の未使用のビットデータや反転するビットデータについての情報は、各入力ポートに対応して用意された情報を用いるようになっている。
〔スイッチ読込み処理〕
次に、上述の入力処理におけるスイッチ読込み処理(ステップX128、X133)の詳細について説明する。図19に示すように、スイッチ読込み処理においては、まず、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態を読み込む(ステップX141)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップX142)、反転の必要なビットを反転(ステップX143)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態1にセーブ(格納)する(ステップX144)。その後、2回目の読込みまでのディレイ時間(0.1ms)が経過するのを待つ(ステップX145)。
ディレイ時間(0.1ms)が経過すると、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態の2回目の読込みを行う(ステップX146)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップX147)、反転の必要なビットを反転(ステップX148)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態2にセーブ(格納)する(ステップX149)。その後、1回目と2回目の読込みで状態が同じビットを1、違うビットを0とした確定ビットパターンを作成し(ステップX150)、確定ビットパターンとポート入力状態2との論理積をとり、今回確定ビットとする(ステップX151)。
次に、1回目と2回目の読込みで状態が同じビットを0、違うビットを1とした未確定ビットパターンを作成し(ステップX152)、未確定ビットパターンと前回割り込み時の確定状態との論理積をとり、前回保持ビットとする(ステップX153)。これにより、スイッチのチャタリング等によるノイズを除去した信号の状態を得ることができる。そして、今回確定ビットと前回保持ビットを合成し、今回確定状態としてセーブし(ステップX154)、前回と今回の確定状態との排他的論理和をとり、立上りエッジとしてセーブして(ステップX155)、スイッチ読み込み処理を終了する。
なお、スイッチの読込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(例えば2ms)には、各割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読込みを行なって前回の読込みの結果と比較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込み処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しい判定が行なえないおそれがある。これに対し、本実施例のように、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読込み処理を行うことで、上記のような不具合を回避することが可能となる。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップX104)の詳細について説明する。図20に示すように、出力処理では、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力するポート135(図11参照)にオフデータを出力(リセット)する(ステップX161)。次に、上大入賞口ソレノイド38b、下大入賞口ソレノイド39bのデータを出力するソレノイド出力ポート134に出力するデータを合成して出力する(ステップX162)。
そして、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新して(ステップX163)、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得し(ステップX164)、取得した情報と外部情報データを合成する(ステップX165)。そして、合成したデータをデジット出力用のポート136及び外部情報出力用のポート137に出力する(ステップX166)。その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(ステップX167)、ロードしたデータをセグメント出力用のポート135に出力する(ステップX168)。
続いて、外部情報端子板71へ出力するデータをロードして合成し(ステップX169)、合成したデータと発射許可の出力データを合成して(ステップX170)、合成したデータを外部情報出力用のポート137へ出力する(ステップX171)。次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップX172)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップX173)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップX174)。さらに、試射試験装置の試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップX175)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力し(ステップX176)し、出力処理を終了する。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップX105)の詳細について説明する。図21に示すように払出コマンド送信処理では、まず、入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする(ステップX181)。
入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111Cに設けられ、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置へ出力するメイン賞球信号を送信するために用いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(例えば、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようになっている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であるのに対し、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする処理(ステップX181)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。そして、カウント数がない場合(ステップX181:N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域のアドレスを更新し(ステップX182)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップX183)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップX183;Y)と判定すると、ステップX192に移行する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップX183;N)と判定すると、ステップX181へ戻って上記処理を繰り返す。
また、上記ステップX181で、カウント数がある(ステップX181;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)し(ステップX184)、対象の入賞数カウンタ領域に対応する払出数を取得する(ステップX185)。そして、賞球残数領域の値と取得した払出数を加算して新たな賞球残数とし(ステップX186)、賞球残数領域にセーブする(ステップX187)。なお、この処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されている。
その後、加算結果からメイン賞球信号の出力の基準となる所定数である10を減算し(ステップX188)、減算結果が0以上であるかを判定する(ステップX189)。減算結果が0以上でない場合(ステップX189;N)は、ステップX192に移行する。なお、この場合は減算した結果は賞球残数領域にセーブされないため、減算前の値が賞球残数領域に記憶された状態となる。減算結果が0以上である場合(ステップX189;Y)は、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新し(ステップX190)、減算結果を賞球残数領域にセーブして(ステップX191)、ステップX188に戻る。
これにより、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中などの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防止することができる。
ステップX192では、払出コマンド送信タイマが0でなければ−1更新し(ステップX192)、払出コマンド送信タイマが0になったかを判定する(ステップX193)。払出コマンド送信タイマが0でない場合(ステップX193;N)は、払出コマンド送信処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが0である場合(ステップX193;Y)は、払出ビジー信号フラグがビジー中であるかを判定する(ステップX194)。
払出ビジー信号は払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態とされる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか否かを示す信号とも言える。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。払出ビジー信号フラグは、払出ビジー信号の状態に基づき払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを設定した情報であって、払出制御を即座に開始可能なアイドル状態、払出制御を即座に開始可能でないビジー状態、状態が不定である不定状態の何れかが設定される。
なお、不定状態は、例えば電源投入時の処理でビジー信号フラグ領域がクリアされることで設定される。この不定状態は、払出ビジー信号の状態が、払出制御を即座に開始可能なこと又は不能なことを示す状態に所定期間に亘り維持されることに基づき、アイドル状態又はビジー状態が設定されることで解消する。つまり、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御装置200に送信せず、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御装置200に送信する。これにより、払出制御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
この払出ビジー信号フラグがビジー中である場合(ステップX194;Y)は、払出コマンド送信処理を終了する。なお、ここでは不定状態である場合もビジー中であるものと判定する。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにすることで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
払出ビジー信号フラグがビジー中でない場合(ステップX194;N)は、入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする(ステップX195)。入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする処理(ステップX195)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。
そして、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域にカウント数がない場合(ステップX195;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域のアドレスを更新し(ステップX196)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップX197)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップX197;Y)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップX197;N)と判定すると、ステップX195へ戻って上記処理を繰り返す。
また、上記ステップX195で、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域にカウント数がある(ステップX195;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップX198)、対象の入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出コマンドを取得する(ステップX199)。そして、取得したコマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップX200)、払出コマンド送信タイマ領域に初期値をセーブして(ステップX201)、払出コマンド送信処理を終了する。払出コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として例えば200msが設定される。
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンドに基づき所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
従来の遊技機(例えば、特開2000−312759号公報の遊技機)では、何らかの原因により電源の遮断状態が発生した場合、払出制御装置200は自身の記憶手段にデータをバックアップし、電源遮断直前のデータによる払出制御状態を維持するようにしている。しかしながら、従来の遊技機では、バックアップするための機能が必要となるため、コストアップにつながるという問題があった。本発明によれば、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できるようにすることができる。
また、外部の装置に送信されるメイン賞球信号は払出ビジー信号の状態に関係なく出力されるので、遅滞なくメイン賞球信号を出力でき、ホールコンピュータなどの外部の装置では賞球の払い出しの時期を正確に把握でき、例えばベース値を正確に把握できるようになる。また、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタと、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタとを別々に備えるので、送信タイミングが異なる賞球指令とメイン賞球信号の情報を別々に管理でき、情報を確実に管理することができる。
以上のことから、統括的に遊技制御を行うとともに、遊技領域32に設けられた入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、一般入賞口35、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号(ビジー信号)に基づいて賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段に送信せず、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしていることとなる。
また、遊技領域32に賞球数の異なる入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、一般入賞口35、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)を複数設け、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球数毎に、遊技球の払出制御を指示する賞球指令の未送信の有無を特定可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)を備え、状態信号が払出制御を開始可能であることを示し、かつ、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令がある場合に、賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するようにし、状態信号が当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かの特定を、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令があるか否かの特定よりも先に行うようにしていることとなる。
また、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、一般入賞口35、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段(遊技制御装置100)と、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含む賞球信号(メイン賞球信号)を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段(遊技制御装置100)と、を備え、外部情報出力手段は、払出制御手段から出力される状態信号が、払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かに関係なく賞球信号の出力を行うようにしたこととなる。
また、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、停電が発生し該停電から復帰した場合には、状態信号が払出制御を開始可能であることを示していたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信せず、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している状態が所定期間に亘って継続していることに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしたこととなる。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)と、賞球信号(メイン賞球信号)に関する情報を記憶可能な賞球信号カウンタ(遊技制御装置100)と、を備え、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、一般入賞口35、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)への一の入賞を単位として賞球指令を生成し、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に一の賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するように構成され、賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、払出制御手段への賞球指令への送信に対応させて更新を行うことで、送信していない賞球指令の数を記憶可能とし、外部情報出力手段は、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数を累積し、累積値が所定数に達する毎に賞球信号を遊技機の外部に出力するように構成され、賞球信号カウンタは、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、外部情報出力手段による賞球数の累積処理に対応させて更新を行うことで、未だ累積処理を行っていない賞球数を記憶可能であることとなる。
〔乱数更新処理1〕
図22には、タイマ割込み処理(図17参照)における乱数更新処理1(ステップX106)を示した。乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。この乱数更新処理1では、まず、大当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップX221)。
大当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップX221;N)は、小当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップX224)。また、大当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップX221;Y)は、次回初期値として大当り図柄初期値乱数をロードし(ステップX222)、ロードした大当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップX223)。その後、小当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップX224)。
小当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップX224;N)は、乱数更新処理1を終了する。また、小当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップX224;Y)は、次回初期値として小当り図柄初期値乱数をロードし(ステップX225)、ロードした小当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定し(ステップX226)、乱数更新処理1を終了する。
〔乱数更新処理2〕
図23には、タイマ割込み処理(図17参照)における乱数更新処理2(ステップX107)を示した。乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、本実施形態の遊技機では、変動パターン乱数として1バイトの乱数(変動パターン乱数2、3)と、2バイトの乱数(変動パターン乱数1)があり、乱数更新処理2は両方を更新対象とし、割込みが発生するごとに更新対象を切り替えて処理する。しかも、更新対象の乱数が2バイトの場合には、上位のバイトと下位のバイトに対して異なる割込み時に更新処理を行うようになっている。即ち、メイン処理に対する一の割込み処理において実行される乱数更新処理2による2バイトの変動パターン乱数1(リーチ変動態様決定用乱数)の更新は、上位1バイト若しくは下位1バイトの何れかについて実行されるように構成されている。
この乱数更新処理2では、まず、更新すべき複数の乱数のうちいずれの乱数を今回の更新処理の対象とするかを順番に指定するための乱数更新スキャンカウンタを更新する(ステップX231)。次に、乱数更新スキャンカウンタの値に対応する演出乱数更新テーブルのアドレスを算出する(ステップX232)。そして、算出されたアドレスに基づいて参照したテーブルから乱数の上限判定値を取得する(ステップX233)。このとき参照するテーブルには、乱数の種類ごとに上限判定値、即ち、乱数が一巡したか否かを判定するための値が格納されている。
続いて、例えば本実施例において遊技用マイコンに設けられているM1カウンタの値をロードする(ステップX234)。M1カウンタの値を使用することで、乱数にランダム性を付与することができる。次に、M1カウンタの値をマスクするためのマスク値を取得してM1カウンタの値をマスクする(ステップX235)。なお、マスク値は、更新対象の乱数によって異なるビット数、例えば、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットに、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットに設定されている。乱数の種類によって上限値が異なるためである。なお、マスク値として、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットを、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットを例示したが、数値は一例であってこれに限られるものではない。
次に、更新する乱数領域(乱数カウンタ)が2バイト乱数の上位1バイトであるかを判定する(ステップX236)。そして、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトである場合(ステップX236;Y)は、加算値として上位1バイトをマスク値によってM1カウンタの値をマスクすることによって残った値(以下、これをマスクした値と称する)に「1」を加算したマスク更新値に設定し、下位1バイトを「0」に設定して(ステップX237)、ステップX239に進む。また、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトでない場合(ステップX236;N)は、加算値として上位1バイトを「0」に設定し、下位1バイトを上記マスク更新値に設定して(ステップX238)、ステップX239に進む。なお、マスクした値に「1」を加算するのは、マスクした値が「0」になる場合があり、「0」を後に加算すると加算する前の値から変化しないので、それを避けるためである。
そして、更新する乱数が2バイト乱数かを判定し(ステップX239)、2バイト乱数である場合(ステップX239;Y)は、更新する乱数領域の値(2バイト)を設定して(ステップX240)、ステップX242に進む。また、更新する乱数が2バイト乱数でない場合(ステップX239;N)は、乱数値の上位1バイトとして「0」を設定し、乱数値の下位1バイトとして、更新する乱数領域の値(1バイト)を設定し(ステップX241)、ステップX242へ進む。
ステップX242では、乱数値にステップX237又はX238で決定した加算値を加算した値を新たな乱数値とし、この新たな乱数値がステップX233で取得した上限判定値よりも大きいかを判定する(ステップX243)。そして、新たな乱数値が上限判定値より大きくない場合(ステップX243;N)は、新たな乱数値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップX245)。また、新たな乱数値が上限判定値より大きい場合(ステップX243;Y)は、新たな乱数値から上限判定値を減算した値を再度の新たな乱数値とし(ステップX244)、この値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップX245)。
次に、更新した乱数が2バイト乱数であるかを判定し(ステップX246)、2バイト乱数でない場合(ステップX246;N)は、乱数更新処理2を終了する。また、2バイト乱数である場合(ステップX246;Y)は、新たな乱数値(再度の新たな乱数値を算出した場合はその値)を2バイト乱数の上位の乱数領域にセーブし(ステップX247)、乱数更新処理2を終了する。
このように、CPU111Aは、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。従って、CPU111Aは、第1始動入賞口36や第2始動入賞口37の始動領域への遊技球の流入に基づいて抽出される各種乱数のうち、特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)を決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新手段をなす。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図24には、タイマ割込み処理(図17参照)における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX107)を示した。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)内の上大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル1を準備し(ステップX301)、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップX302)を実行する。
入賞口監視テーブル(不正監視テーブル)には、対象のスイッチに入力があるかを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口スイッチテーブルのアドレス、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が定義されている。また、入賞口スイッチテーブルには、監視の繰り返し数(スイッチの数)、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1のアドレス、入賞数カウンタ領域2のアドレスの情報が定義されている。これらの不正監視テーブルや入賞テーブルは、監視対象のスイッチのそれぞれに応じたものが用意されている。
その後、下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)内の他方の下大入賞口スイッチ39aに対応する入賞口監視テーブル2を準備し(ステップX303)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップX304)を実行する。次に、常時入賞可能な入賞口スイッチ(ここでは始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップX305)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップX306)を行う。そして、特図1変動表示ゲームを主体として実行することが予定されている通常遊技状態における特図2変動表示ゲームの実行を監視する特図2異常変動監視処理を行う(ステップX307)。
次に、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(ステップX308)。この状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップX309)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップX310)を行う。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号1に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は払出制御装置200からのシュート玉切れスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が2である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップX311)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップX312)を行う。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はガラス枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は前面枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が2である場合は枠電波不正信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値が0であるかを判定し(ステップX313)、エラースキャンカウンタの値が0でない場合(ステップX313;N)は、ステップX317に移行する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。また、エラースキャンカウンタの値が0である場合(ステップX313;Y)は、遊技機状態監視テーブル3を準備し(ステップX314)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップX315)を行う。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号2に基づく状態の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが1から3の場合は定義されていない。
その後、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号に基づきビジー信号フラグを設定する払出ビジー信号チェック処理(ステップX316)を行って、ステップX317に移行する。なお、ステップX314からX316の処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が0の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4ms毎に行われる場合は、16ms毎にステップX314からX316の処理が行われることとなる。
次に、確変作動領域スイッチ38dでの異常な入力の検出を監視するV異常通過監視処理(ステップX317)を行い、上部流路38jに残留する遊技球を監視する残存球監視処理(ステップX318)を行う。さらに、下部流路38kに残留する遊技球を監視する排出球監視処理(ステップX319)を行って、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。
〔V異常通過監視処理〕
図25には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理におけるV異常通過監視処理(ステップX317)を示した。このV異常通過監視処理においては、まず、確変作動領域38hが有効中であるかを判定する(ステップX251)。確変作動領域38hが有効中とは、確変作動領域スイッチ38dでの遊技球の検出を有効なものとして扱う状態である(図7参照)。確変作動領域38hが有効中である場合(ステップX251;Y)は、ステップX258に移行する。また、確変作動領域38hが有効中でない場合(ステップX251;N)は、確変作動領域スイッチに入力があるかを判定する(ステップX252)。
そして、確変作動領域スイッチに入力がない場合(ステップX252;N)は、ステップX258に移行する。また、確変作動領域スイッチに入力がある場合(ステップX252;Y)は、ステップX253以降のV異常通過エラー発生に関する処理を行う。確変作動領域38hへはレバー部材38iが確変作動領域38hから退避した状態でのみ流入可能である。そして、確変作動領域スイッチ38dが有効な期間は、レバー部材38iが退避した状態となることにより開始され、レバー部材38iが確変作動領域38hを覆う状態となってから流入した遊技球が確変作動領域スイッチ38dで検出されるのに十分な所定時間を経過した場合、又はレバー部材38iが確変作動領域38hを覆う状態となった場合に終了するようになっている。よって、確変作動領域スイッチ38dが有効中でない場合に確変作動領域スイッチ38dに入力があることは通常では発生しない異常な状態であり、V異常通過エラー発生に関する処理を行う。
V異常通過エラー発生に関する処理では、まず、V異常通過報知タイマ領域に初期値(ここでは60秒に相当する値)をセーブし(ステップX253)、V異常通過フラグ領域の値がエラー発生中フラグであるかを判定する(ステップX254)。そして、V異常通過フラグ領域の値がエラー発生中フラグである場合(ステップX254;Y)、すなわち既にエラー発生中となっている場合は、V異常通過監視処理を終了する。
また、V異常通過フラグ領域の値がエラー発生中フラグでない場合(ステップX254;N)、すなわち今回の処理においてエラーと判定された場合は、V異常通過フラグ領域にエラー発生中フラグをセーブし(ステップX255)、V異常通過発生コマンドを準備する(ステップX256)。その後、演出コマンド設定処理を行い(ステップX257)、V異常通過監視処理を終了する。演出制御装置300では、V異常通過発生コマンドの受信に伴いエラーを報知する処理を行う。
一方、ステップX258に移行した場合は、V異常通過報知タイマが0であるかを判定する(ステップX258)。そして、V異常通過報知タイマが0である場合(ステップX258;Y)は、V異常通過監視処理を終了する。この場合はV異常通過エラーが発生中でない場合である。また、V異常通過報知タイマが0でない場合(ステップX258;N)は、V異常通過報知タイマを−1更新し(ステップX259)、V異常通過報知タイマが0になったかを判定する(ステップX260)。
V異常通過報知タイマが0になっていない場合(ステップX260;N)は、V異常通過監視処理を終了する。この場合はV異常通過エラーの報知が継続する場合である。また、V異常通過報知タイマが0になった場合(ステップX260;Y)は、V異常通過フラグ領域に正常中フラグをセーブし(ステップX261)、V異常通過解除コマンドを準備する(ステップX262)。その後、演出コマンド設定処理を行い(ステップX263)、V異常通過監視処理を終了する。演出制御装置300では、V異常通過解除コマンドの受信に伴いエラー報知を終了する処理を行う。
〔残存球監視処理〕
図26には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における残存球監視処理(ステップX318)を示した。この残存球監視処理においては、まず、確変作動領域38hに流入しなかった遊技球を検出する通過口スイッチ38gに入力があるかを判定する(ステップX271)。通過口スイッチ38gに入力がない場合(ステップX271;N)はステップX273に移行する。また、通過口スイッチ38gに入力がある場合(ステップX271;Y)は、上部流路38j内の遊技球数を管理する残存球カウンタが0でなければ−1更新し(ステップX272)、ステップX273に移行する。
次に、確変作動領域スイッチ38dに入力があるかを判定し(ステップX273)、入力がない場合(ステップX273;N)は、ステップX275に移行する。また、確変作動領域スイッチ38dに入力がある場合(ステップX273;Y)は、上部流路38j内の遊技球数を管理する残存球カウンタが0でなければ−1更新し(ステップX274)、ステップX275に移行する。
そして、上大入賞口スイッチに入力があるかを判定し(ステップX275)、入力がない場合(ステップX275;N)は、ステップX278に移行する。また、上大入賞口スイッチに入力がある場合(ステップX275;Y)は、上部流路38j内の遊技球数を管理する残存球カウンタを+1更新し(ステップX276)、残存球監視タイマ領域にタイマ初期値をセーブして(ステップX277)、ステップX278に移行する。残存球監視タイマは、遊技球が上部流路38j内に長時間留まった場合に残存球エラーと判定するためのものである。ここでは、初期値としては異常がない状態で上部流路38jに流入してから排出されるまでにかかる時間よりも十分に長い時間が設定される。また、ここでは以下の処理で値が−1更新されるため、初期値として3秒に相当する値+1の値をセーブすることで3秒間を計時できるように設定している。
次に、残存球カウンタが0であるかを判定し(ステップX278)、残存球カウンタが0である場合(ステップX278;Y)、すなわち上部流路38j内に遊技球がない場合は、残存球エラー解除中フラグを準備し(ステップX284)、残存球エラー解除コマンドを準備して(ステップX285)、ステップX286に移行する。
一方、残存球カウンタが0でない場合(ステップX278;N)、すなわち上部流路38j内に遊技球がある場合は、既に残存球エラー発生中であるかを判定する(ステップX279)。既に残存球エラーの発生中である場合(ステップX279;Y)は、残存球監視処理を終了する。また、既に残存球エラーの発生中でない場合(ステップX279;N)は、残存球監視タイマを−1更新し(ステップX280)、残存球監視タイマが0であるかを判定する(ステップX281)。
残存球監視タイマが0でない場合(ステップX281;N)は、残存球監視処理を終了する。また、残存球監視タイマが0である場合(ステップX281;Y)は、残存球エラー発生中フラグを準備し(ステップX282)、残存球エラー発生コマンドを準備する(ステップX283)。そして、準備した状態フラグが残存球エラーフラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップX286)。
準備した状態フラグが残存球エラーフラグ領域の値と一致する場合(ステップX286;Y)は、残存球監視処理を終了する。また、準備した状態フラグが残存球エラーフラグ領域の値と一致しない場合(ステップX286;N)は、準備した状態フラグを残存球エラーフラグ領域にセーブし(ステップX287)、演出コマンド設定処理を行って(ステップX288)、残存球監視処理を終了する。演出制御装置300では、残存球エラー発生コマンドの受信に基づきエラー報知を開始する処理を行い、残存球エラー解除コマンドの受信に基づきエラー報知を終了する処理を行う。
すなわち、以上の処理により、上部流路38jへの最後の遊技球の流入から所定時間(ここでは3秒)経過しても全ての遊技球が上部流路38jから排出されていない場合には残存球エラーと判定するようにしている。これにより、例えば糸を付けた遊技球(糸釣り球)を上部流路38j内に残留させるような不正行為を防止することができる。
〔排出球監視処理〕
図27には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における排出球監視処理(ステップX319)を示した。この排出球監視処理においては、まず、下部流路38kから排出される遊技球、すなわち第1特別変動入賞装置38から排出される遊技球を検出する排出確認スイッチ38eに入力があるかを判定する(ステップX411)。排出確認スイッチ38eに入力がない場合(ステップX411;N)はステップX413に移行する。また、排出確認スイッチ38eに入力がある場合(ステップX411;Y)は、下部流路38k内の遊技球数を管理する排出球カウンタが0でなければ−1更新し(ステップX412)、ステップX413に移行する。
次に、確変作動領域38hに流入しなかった遊技球を検出する通過口スイッチ38gに入力があるかを判定し(ステップX413)、入力がない場合(ステップX413;N)は、ステップX416に移行する。また、通過口スイッチ38gに入力がある場合(ステップX413;Y)は、下部流路38k内の遊技球数を管理する排出球カウンタを+1更新し(ステップX414)、排出球監視タイマ領域にタイマ初期値をセーブして(ステップX415)、ステップX416に移行する。
次に、確変作動領域38hに流入した遊技球を検出する確変作動領域スイッチ38dに入力があるかを判定し(ステップX416)、入力がない場合(ステップX416;N)は、ステップX419に移行する。また、確変作動領域スイッチ38dに入力がある場合(ステップX416;Y)は、下部流路38k内の遊技球数を管理する排出球カウンタを+1更新し(ステップX417)、排出球監視タイマ領域にタイマ初期値をセーブして(ステップX418)、ステップX419に移行する。
通過口スイッチ38g及び確変作動領域スイッチ38dは、下部流路38kへ流入する遊技球を検出するスイッチとしての機能も有しており、これらのスイッチでの遊技球の検出に基づき排出球カウンタを+1更新して排出球監視タイマ領域にタイマ初期値をセーブする。排出球監視タイマは、遊技球が下部流路38k内に長時間留まった場合に排出球エラーと判定するためのものである。ここでは、初期値としては異常がない状態で下部流路38kに流入してから排出されるまでにかかる時間よりも十分に長い時間が設定される。また、ここでは以下の処理で値が−1更新されるため、初期値として3秒に相当する値+1の値をセーブすることで3秒間を計時できるように設定している。
次に、排出球カウンタが0であるかを判定し(ステップX419)、排出球カウンタが0である場合(ステップX419;Y)、すなわち下部流路38k内に遊技球がない場合は、排出球エラー解除中フラグを準備し(ステップX425)、排出球エラー解除コマンドを準備して(ステップX426)、ステップX427に移行する。
一方、排出球カウンタが0でない場合(ステップX419;N)、すなわち下部流路38k内に遊技球がある場合は、既に排出球エラー発生中であるかを判定する(ステップX420)。そして、既に排出球エラーの発生中である場合(ステップX420;Y)は、排出球監視処理を終了する。また、既に排出球エラーの発生中でない場合(ステップX420;N)は、排出球監視タイマを−1更新し(ステップX421)、排出球監視タイマが0であるかを判定する(ステップX422)。
排出球監視タイマが0でない場合(ステップX422;N)は、排出球監視処理を終了する。また、排出球監視タイマが0である場合(ステップX422;Y)は、排出球エラー発生中フラグを準備し(ステップX423)、排出球エラー発生コマンドを準備する(ステップX424)。そして、準備した状態フラグが排出球エラーフラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップX427)。
準備した状態フラグが排出球エラーフラグ領域の値と一致する場合(ステップX427;Y)は、排出球監視処理を終了する。また、準備した状態フラグが排出球エラーフラグ領域の値と一致しない場合(ステップX427;N)は、準備した状態フラグを排出球エラーフラグ領域にセーブし(ステップX428)、演出コマンド設定処理を行って(ステップX429)、排出球監視処理を終了する。演出制御装置300では、排出球エラー発生コマンドの受信に基づきエラー報知を開始する処理を行い、排出球エラー解除コマンドの受信に基づきエラー報知を終了する処理を行う。
すなわち、以上の処理により、下部流路38kへの最後の遊技球の流入から所定時間(ここでは3秒)経過しても全ての遊技球が下部流路38kから排出されていない場合には排出球エラーと判定するようにしている。これにより、例えば糸を付けた遊技球(糸釣り球)を下部流路38k内に残留させるような不正行為を防止することができる。
〔不正&入賞監視処理〕
図28には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における不正&入賞監視処理(ステップX302,X304)を示した。この不正&入賞監視処理は、第1特別変動入賞装置38の上大入賞口スイッチ38a、第2特別変動入賞装置39の下大入賞口スイッチ39aに対して行なわれる処理である。大入賞口(特別変動入賞装置38、39)については、無理やり開閉扉を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行なわれ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
この不正&入賞監視処理においては、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(ステップX321)、不正監視期間中であるかを判定する(ステップX322)。不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが上大入賞口スイッチ38aである場合は第1特別変動入賞装置38を開放する特別遊技状態中以外の期間であり、エラー監視対象の入賞口スイッチが下大入賞口スイッチ39aである場合は第2特別変動入賞装置39を開放する特別遊技状態中以外の期間である。
そして、不正監視期間である場合(ステップX322;Y)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップX323)。対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップX323;N)は、対象の報知タイマ更新情報をロードする(ステップX332)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップX323;Y)は、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップX324)、加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば5個)を超えたかを判定する(ステップX325)。
判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球が大入賞口スイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しないようにするためであり、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。
そして、判定個数を超えていない場合(ステップX325;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(ステップX330)。また、判定個数を超えた場合(ステップX325;Y)は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップX326)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば60000ms)をセーブする(ステップX327)。次に、対象の不正発生コマンドを準備し(ステップX328)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備して(ステップX329)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップX340)。
一方、不正監視期間でない場合(ステップX322;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備し(ステップX330)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更新処理(ステップX331)を行う。そして、対象の報知タイマ更新情報をロードし(ステップX332)、報知タイマの更新許可の有無を判定する(ステップX333)。そして、報知タイマの更新が許可されない場合(ステップX333;N)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、報知タイマの更新が許可される場合(ステップX333;Y)は、対象の報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップX334)。なお、報知タイマの最小値は0に設定されている。なお、本実施形態では報知タイマの更新は常に許可される。
その後、報知タイマの値が0であるかを判定し(ステップX335)、値が0でない場合(ステップX335;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、不正&入賞監視処理を終了する。また、値が0である場合(ステップX335;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、対象の不正解除コマンドを準備し(ステップX336)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップX337)。そして、報知タイマの値が0になった瞬間であるかを判定する(ステップX338)。
報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップX338;Y)、すなわち今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、対象の不正入賞数をクリアし(ステップX339)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップX340)。また、報知タイマの値が0になった瞬間でない場合(ステップX338;N)、すなわち前回以前の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップX340)。
そして、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップX340;Y)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップX340;N)は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップX341)、演出コマンド設定処理を行い(ステップX342)、不正&入賞監視処理を終了する。以上の処理により、エラーの発生に伴いエラー報知コマンドが演出制御装置300に送信され、エラーの解除に伴い不正入賞エラー解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
図29には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理及び不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップX306,X331)を示した。この入賞数カウンタ更新処理においては、まず、入賞口監視テーブルの入賞口スイッチテーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得し(ステップX351)、対象の入賞口スイッチに入力(正確には入力の変化)があるかを判定する(ステップX352)。
入力がない場合(ステップX352:N)は、テーブルアドレスを次のレコードのアドレスに更新し(ステップX361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップX362)。また、入力がある場合(ステップX352;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域1の値をロードし(ステップX353)、ロードした値を+1更新して(ステップX354)、オーバーフローするか判定する(ステップX355)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップX355;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域1にセーブし(ステップX356)、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップX357)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップX355;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップX357)。
対象の入賞数カウンタ領域2の値をロード(ステップX357)した後、ロードした値を+1更新して(ステップX358)、オーバーフローするか判定する(ステップX359)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップX359;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域2にセーブし(ステップX360)、テーブルアドレスを次のレコードのアドレスに更新して(ステップX361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップX362)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップX359;Y)は、テーブルアドレスを次のレコードのアドレスに更新して(ステップX361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップX362)。
全スイッチの監視が終了していない場合(ステップX362;N)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する処理(ステップX352)に戻る。また、全スイッチの監視が終了した場合(ステップX362;Y)は、入賞数カウンタ更新処理を終了する。以上の処理により、入賞領域への入賞に基づき入賞数カウンタ領域1及び2が更新されて入賞の情報が記憶されることとなる。
〔演出コマンド設定処理〕
図30には、上述の不正&入賞監視処理での演出コマンド設定処理(ステップX342)を示した。なお、この演出コマンド設定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における演出コマンド設定処理に共通する処理である。この演出コマンド設定処理では、まず、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込んで(ステップX371)、送信バッファが満杯であるかを判定する(ステップX372)。
送信バッファが満杯である場合(ステップX372;Y)は、ステップX371に戻る。また、送信バッファが満杯でない場合(ステップX372;N)は、コマンドデータ(MODE(上位バイト))を演出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップX373)、シリアル送信バッファのステータスを読み込んで(ステップX374)、送信バッファが満杯であるかを判定する(ステップX375)。
送信バッファが満杯である場合(ステップX375;Y)は、ステップX374に戻る。また、送信バッファが満杯でない場合(ステップX375;N)は、コマンドデータ(ACTION(下位バイト))を演出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップX376)、演出コマンド設定処理を終了する。
このように、演出制御装置300に対してはシリアル通信でコマンドを送信するようにしたことで、遊技制御装置100の負担を軽減できるとともに、コマンドの解析を困難にすることができる。また、コマンドの送出タイミングが早まるとともに、データ線の本数を減らすことができる。さらに、演出制御装置300においてもストローブ内でのコマンドの取り込みが必要なくなり、負担を軽減することができる。
〔特図2異常変動監視処理〕
図31には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における特図2異常変動監視処理(ステップX307)を示した。上述したように、本実施形態の遊技機では、通常遊技状態ST1又は第2特定遊技状態ST3である場合には特図1変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって有利であるが、これを知らない遊技者や、意図的に特図2変動表示ゲームの実行を狙う遊技者が右打ちを行うことも考えられる。特図2異常変動監視処理では、このような遊技者に対して左打ちを行うように促す報知を行うための処理を行う。
なお、ここでの異常変動とは、主ではない特図変動表示ゲームであるイレギュラー変動を意味する。通常遊技状態ST1又は第2特定遊技状態ST3であっても第2始動入賞口37への入賞は可能であるのでイレギュラー変動であっても正当な特図変動表示ゲームではあり、糸を付けた遊技球や磁石の使用、電波の発射等により不正に入賞を検出させて特図変動表示ゲームを実行するような不正行為とは異なる。ただし、遊技機の設計上で主とすると定めた特図変動表示ゲームでなはい特図変動表示ゲームが実行され続けることは好ましくないことであり、ここではこのようなイレギュラー変動を検出して特図2異常変動数を計数し、特図2異常変動数が規定値に達すると対応する処理を行うようにしている。もちろん糸を付けた遊技球や磁石の使用、電波の発射等により第2始動入賞口37で不正に入賞を検出させてイレギュラー変動となる特図2変動表示ゲームを実行した場合にも特図2異常変動数は計数される。つまり、不正行為であるか否かにかかわらず、イレギュラー変動となる特図2変動表示ゲームを実行した場合には特図2異常変動数が計数される。
この特図2異常変動監視処理では、まず、特図1変動チェックフラグがあるかを判定する(ステップX381)。特図1チェックフラグは、特図1変動表示ゲームが主変動特図である状態(通常遊技状態ST1又は第2特定遊技状態ST3)で特図1変動表示ゲームが開始された場合に設定されるフラグである。この特図1変動チェックフラグがない場合(ステップX381;N)は、特図2変動チェックフラグがあるかを判定する(ステップX387)。また、特図1変動チェックフラグがある場合(ステップX381;Y)は、特図1変動チェックフラグをクリアし(ステップX382)、特図1変動数を+1更新する(ステップX383)。
そして、特図1変動数が規定値(例えば18)よりも小さいかを判定し(ステップX384)、規定値よりも小さい場合(ステップX384;Y)は、特図2変動チェックフラグがあるかを判定する(ステップX387)。また、規定値よりも大きい場合(ステップX384;N)は、特図1変動表示ゲームが主変動特図である状態(通常遊技状態ST1又は第2特定遊技状態ST3)で特図2変動表示ゲームが実行されることにより加算される特図2異常変動数が0でなければ−1更新し(ステップX385)、特図1変動数を0クリアして(ステップX386)、特図2変動チェックフラグがあるかを判定する(ステップX387)。なお、特図2異常変動数の最小値は0に設定されている。
特図2チェックフラグは、特図1変動表示ゲームが主変動特図である状態(通常遊技状態ST1又は第2特定遊技状態ST3)で特図2変動表示ゲームが開始された場合に設定されるフラグである。この特図2変動チェックフラグがあるかの判定(ステップX387)において、特図2変動チェックフラグがない(ステップX387;N)は、ステップX390に移行する。また、特図2チェックフラグがある場合(ステップX387;Y)は、特図2変動チェックフラグをクリアし(ステップX388)、特図2異常変動数を+1更新して(ステップX389)、特図2異常変動数が規定値(例えば5)よりも小さいかを判定する(ステップX390)。
すなわち、特図1変動表示ゲームが主変動特図である状態(通常遊技状態ST1又は第2特定遊技状態ST3)で特図2変動表示ゲームが開始されること、すなわち、イレギュラー変動となる特図2変動表示ゲームが開始されることに基づき特図2チェックフラグが設定され、この特図2チェックフラグの設定に基づき、異常判定数をなす特図2異常変動数が異常発生方向に更新(ここでは加算)されることとなる。また、特図1変動表示ゲームが主変動特図である状態(通常遊技状態ST1又は第2特定遊技状態ST3)で特図1変動表示ゲームが開始されること、すなわち、メイン変動となる特図1変動表示ゲームが開始されることに基づき異常解除数をなす特図1変動数を更新(ここでは加算)し、当該異常解除数が所定条件を満たすことに基づき異常判定数をなす特図2異常変動数を異常解除方向に更新(ここでは減算)することとなる。よって、遊技制御装置100が、主ではない変動表示ゲームの開始に基づき異常判定数を異常発生方向に更新する異常判定数管理手段をなす。
特図2異常変動数が規定値よりも小さくない場合(ステップX390;N)は、特図2異常変動数を規定値−1とし(ステップX391)、特図2異常変動報知タイマに初期値(例えば60000ms)を設定する(ステップX392)。次に、特図2異常変動発生フラグを準備し(ステップX393)、特図2異常変動発生コマンドを準備して(ステップX394)、ステップX399に移行する。この場合は、左打ちをして特図1変動表示ゲームを主体として遊技を進めることが推奨される通常遊技状態ST1又は第2特定遊技状態ST3であるにもかかわらず、遊技者が右打ちをして特図2変動表示ゲームを実行させている場合であり、遊技者に左打ちをするように促す報知を行うための処理を行う。
一方、特図2異常変動数が規定値よりも小さい場合(ステップX390;Y)は、特図2異常変動報知タイマを−1更新し(ステップX395)、タイムアップしたかを判定する(ステップX396)。タイムアップしていない場合(ステップX396;N)は、特図2異常変動監視処理を終了する。また、タイムアップした場合(ステップX396;Y)は、特図2異常変動解除フラグを準備し(ステップX397)、特図2異常変動解除コマンドを準備する(ステップX398)。
その後、準備したフラグは現在の特図2異常変動フラグ領域の値と同じであるかを判定する(ステップX399)。そして、準備したフラグと現在の特図2異常変動フラグ領域の値とが同じである場合(ステップX399;Y)、すなわち状態の変化がない場合は、特図2異常変動監視処理を終了する。また、準備したフラグと現在の特図2異常変動フラグ領域の値とが同じでない場合(ステップX399;N)、すなわち状態の変化があった場合は、準備したフラグは特図2異常変動解除フラグであるかを判定する(ステップX400)。
準備したフラグは特図2異常変動解除フラグでない場合(ステップX400;N)、すなわち特図2異常変動発生フラグであった場合は、準備したフラグを特図2異常変動フラグ領域にセーブし(ステップX402)、演出コマンド設定処理を行って、特図2異常変動監視処理を終了する。一方、準備したフラグは特図2異常変動解除フラグである場合(ステップX400;Y)は、特図2異常変動数を0クリアしてから(ステップX401)、ステップX402、X403の処理を行って(ステップX403)、特図2異常変動監視処理を終了する。以上の処理により、特図2異常変動の検出に伴い特図2異常変動発生コマンドが演出制御装置300に送信され、特図2異常変動の解除に伴い特図2異常変動解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、特図2異常変動報知の開始、終了が設定されることとなる。
図32、図33には、遊技の進行に伴う特図2異常変動監視処理による処理についての一例を示した。図32に示す例では通常遊技状態ST1において、特図2異常変動数が3であり、特図1変動数が15である状態となっている。この状態から次の特図1変動表示ゲームが開始されると(t11)、特図1変動数は15から16に変化する。また、特図2変動表示ゲームが開始されると(t12)、特図2異常変動数は3から4に変化する。
その後、特図1変動表示ゲームが開始される毎に特図1変動数は+1更新される(t13、t14)。ここで、特図1変動数が規定値である18に達すると(t14)、特図2異常変動数が−1更新されて4から3に変化するとともに、特図1変動数は0クリアされる。以降も同様に、特図1変動表示ゲームが開始される毎に特図1変動数は+1更新され(t15〜t17)、特図1変動数が規定値である18に達すると(t17)、特図2異常変動数が−1更新されて3から2に変化するとともに、特図1変動数は0クリアされる。すなわち、規定数(ここでは18回)の特図1変動表示ゲームを実行する毎に特図2異常変動数が減算されるようになっている。
図33には特図2異常変動報知が行われる場合を示した。この例では通常遊技状態ST1において、特図2異常変動数が3である状態となっている。この状態から特図2変動表示ゲームが開始されると(t21)、特図2異常変動数は3から4に更新される。さらに特図2変動表示ゲームが開始されると(t22)、特図2異常変動数が規定値である5に達する。
これにより、特図2異常変動発生フラグがセーブされ、このフラグに基づき特図2異常変動が発生したことを示す外部情報と遊技機エラー状態信号の遊技機外部の装置への出力が開始され、遊技店の管理装置等で特図2異常変動の発生を把握可能となる。また、演出制御装置300に対して特図2異常変動発生コマンドが送信される。演出制御装置300ではこのコマンドの受信に基づき、表示や音声等により特図2異常変動が発生した旨の報知を行う。すなわち、遊技制御装置100及び演出制御装置300が、異常判定数(特図2異常変動数)が所定条件を満たす(規定値となる)ことに基づき、所定の対応を行う対応手段をなす。
また、特図2異常変動数が規定値である5に達した時点から特図2異常変動報知タイマでの計時が開始され(t22)、所定時間(ここでは60秒)が経過することにより(t23)、特図2異常変動数を0クリアし、外部情報と遊技機エラー状態信号の出力を停止する。また、演出制御装置300に対して特図2異常変動解除コマンドが送信され、演出制御装置300ではこのコマンドの受信に基づき、特図2異常変動が発生した旨の報知を終了する。
なお、特図2異常変動数は、規定値(ここでは5)に達して特図2異常変動が発生したと判定された後に規定値−1(ここでは4)とされる。よって、所定時間の経過前に新たに特図2変動表示ゲームが開始された場合は特図2変動数が規定値となり、その時点から新たに所定時間の計時が開始される。これにより、特図2異常変動が発生した旨の報知がされているにもかかわらず特図2変動表示ゲームを実行する場合には、報知の期間がこれに応じて延長されることとなる。
このように、特図2異常変動数が規定値(例えば5)に達することに基づき特図2異常変動が発生したと判定することで、例えば意図せずに右側の遊技領域に遊技球が入って第2始動入賞口37に入賞してしまった場合に、すぐに特図2異常変動であると判定されることを防止できる。さらに、所定回数の特図1変動表示ゲームを行うことで特図2異常変動数が減算されるようにしたことで、意図しない第2始動入賞口37への入賞について発生した特図2異常変動数はその後に遊技を行っていれば解消されるようになり、単なるミスや他の遊技者の遊技の結果が累積して特図2異常変動であると判定されることを防止できる。
なお、特図2異常変動報知を行うこととなる特図2異常変動数の規定値や、特図2異常変動数を減算する処理を行うこととなる特図1変動数の規定値は任意に設定可能である。ここで設定するそれぞれの規定値は、通常遊技状態ST1及び第2特定遊技状態ST3で遊技者が特図2変動表示ゲームの開始を狙わないようにさせることができるような値であればどのような値でも良い。また停電が発生して復旧した場合には、停電発生前の状態から監視を再開するようにする。また特図2異常変動報知を行っている場合であっても入賞に対する賞球の払出は通常通り行う。
〔遊技機状態チェック処理〕
図34には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における遊技機状態チェック処理(ステップX310、X312、X315)を示した。この遊技機状態チェック処理では、まず、状態スキャンカウンタに対応する状態監視テーブルを取得し(ステップX451)、監視対象である信号がオンであるかを判定する(ステップX452)。
状態監視テーブルには、状態スキャンカウンタに対応した情報が定義されている。この情報としては、例えば、状態監視領域の先頭アドレスの下位アドレス、対象の信号情報が保存されているスイッチ制御領域のポート入力状態領域の下位アドレス、対象の信号のビットだけを取り出すマスクデータ、信号オンの判定データ、状態オフコマンド(エラー系の場合はエラー報知終了コマンドをなす)、状態オンコマンド(エラー系の場合はエラー報知開始コマンドをなす)、状態オフ監視タイマ比較値、状態オン監視タイマ比較値が含まれる。
対象の信号がオンでない場合(ステップX452:N)は、状態フラグとして状態オフフラグを準備し(ステップX453)、対象の状態オフコマンドを取得して準備する(ステップX454)。その後、対象の状態オフ監視タイマ比較値を取得して(ステップX455)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップX459)。対象の信号がオンでない場合(ステップX452:N)とは、エラー系の信号ではエラーでない(正常である)ことを示す状態であり、タッチスイッチからの信号ではタッチされていないことを示す状態である。
一方、対象の信号がオンである場合(ステップX452:Y)は、状態フラグとして状態オンフラグを準備し(ステップX456)、対象の状態オンコマンドを取得して準備する(ステップX457)。その後、対象の状態オン監視タイマ比較値を取得して(ステップX458)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップX459)。対象の信号がオンである場合(ステップX452:Y)とは、エラー系の信号ではエラーである(異常や不正である)ことを示す状態であり、タッチスイッチからの信号ではタッチされていることを示す状態である。
対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致した場合(ステップX459;Y)、すなわち信号の状態が変化していない場合は、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップX462)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップX463)。また、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致しない場合(ステップX459;N)、すなわち信号の状態が変化した場合は、対象の信号制御領域に今回の信号状態をセーブする(ステップX460)。そして、対象の状態監視タイマをクリアし(ステップX461)、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップX462)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップX463)。
対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上でない場合(ステップX463;N)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上である場合(ステップX463:Y)は、状態監視タイマを−1更新して比較値−1の値に留め(ステップX464)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域の値と比較する(ステップX465)。
そして、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致する場合(ステップX465;Y)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致しない場合(ステップX465;N)は、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域にセーブし(ステップX466)、演出コマンド設定処理を行って(ステップX467)、遊技機状態チェック処理を終了する。これにより、ステップX454で準備した状態オフコマンド又はX457で準備した状態オンコマンドが演出制御装置300に送信されることとなる。
〔払出ビジー信号チェック処理〕
図35には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における払出ビジー信号チェック処理(ステップX316)を示した。この払出ビジー信号チェック処理においては、まず、払出制御装置200から入力される払出ビジー信号がオンであるかを判定する(ステップX471)。なお、払出ビジー信号は、払出制御装置200が払出制御を開始できない場合にオン状態とされるようになっている。
払出ビジー信号がオンでない場合(ステップX471;N)は、状態フラグとしてアイドル状態フラグを準備して(ステップX472)、オフ確定監視タイマ比較値(例えば32ms)を設定する(ステップX473)。また、払出ビジー信号がオンである場合(ステップX471;Y)は、状態フラグとしてビジー状態フラグを準備して(ステップX474)、オン確定監視タイマ比較値(例えば32ms)を設定する(ステップX475)。
その後、ビジー信号状態領域の値は今回の信号の状態と同じであるかを判定、すなわちオン、オフの変化があったかを判定し(ステップX476)、同じである場合(ステップX476;Y)は、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップX479)。また、同じでない場合(ステップX476;N)は、ビジー信号状態領域に今回の信号の状態をセーブし(ステップX477)、ビジー信号監視タイマを0クリアして(ステップX478)、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップX479)。
次に、ビジー信号監視タイマの値が、先に設定したオン確定監視タイマ比較値又はオフ確定監視タイマ比較値よりも大きいか、すなわち信号確定時間(例えば32ms)に達したかを判定する(ステップX480)。信号確定時間に達していない場合(ステップX480;N)は、払出ビジー信号チェック処理を終了する。また、信号確定時間に達した場合(ステップX480;Y)は、ビジー信号監視タイマを−1更新して、先に設定したオン確定監視タイマ比較値又はオフ確定監視タイマ比較値の−1の値に留め(ステップX481)、準備した状態フラグを払出ビジー信号フラグ領域にセーブして(ステップX482)、払出ビジー信号チェック処理を終了する。
この処理により、払出ビジー信号に基づきビジー信号フラグが設定される。この際に、払出ビジー信号の状態が変化してもすぐにはビジー信号フラグを変更せず、信号確定時間に亘り変化した状態が継続した場合にビジー信号フラグを変更するようにしており、ノイズ等の影響を受け難くしている。
また、電源投入時にビジー信号フラグがクリアされるので、何れかの信号状態が信号確定時間に亘り継続するまではビジー信号フラグは設定されず不定状態となる。これにより、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令が払出制御装置200に送信されないようになり、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令が払出制御装置200に送信されるようになる。これにより、払出制御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における始動口スイッチ監視処理(ステップX109)の詳細について説明する。図36に示すように、始動口スイッチ監視処理では、まず、始動口1(第1始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップX491)、ハード乱数取得処理を行う(ステップX492)。そして、当該ハード乱数取得処理で第1始動入賞口36への入賞に基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるかを判定する(ステップX493)。
第1始動入賞口36への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ステップX493;N)は、ステップX499へ移行する。なお、この場合は始動口入賞なし情報が設定されている。一方、第1始動入賞口36への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されている場合(ステップX493;Y)は、通常遊技状態又は第2特定遊技状態であるかを判定する(ステップX494)。そして、通常遊技状態又は第2特定遊技状態である場合(ステップX494;Y)は、ステップX497に移行する。また、通常遊技状態又は第2特定遊技状態でない場合(ステップX494;N)は、右打ち指示報知コマンドを準備し(ステップX495)、演出コマンド設定処理を行う(ステップX496)。その後、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップX497)、特図始動口1スイッチ処理を行う(ステップX498)。
演出制御装置300では、右打ち指示報知コマンドを受信することに基づき、表示や音声等により遊技者に対して右打ちをするように指示する右打ち指示報知を行う。通常遊技状態ST1又は第2特定遊技状態ST3以外である場合、すなわち第1特定遊技状態ST2又は特別遊技状態では右打ちの方が遊技者にとって有利であり、左打ちでなければ入賞しないようになっている第1始動入賞口36で入賞を検出した場合に右打ち指示報知を行うようにしている。
次に、始動口2(第2始動入賞口37)入賞監視テーブルを準備し(ステップX499)、ハード乱数取得処理を行い(ステップX500)、第2始動入賞口37への入賞に基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるかを判定する(ステップX501)。
第2始動入賞口37への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ステップX501;N)は、始動口スイッチ監視処理を終了する。なお、この場合は始動口入賞なし情報が設定されている。一方、第2始動入賞口37への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されている場合(ステップX501;Y)は、第1特定遊技状態であるかを判定する(ステップX502)。そして、第1特定遊技状態である場合(ステップX502;Y)は、ステップX507に移行する。また、第1特定遊技状態でない場合(ステップX502;N)は、大当り中、すなわち大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態中であるかを判定する(ステップX503)。
大当り中である場合(ステップX503;Y)は、ステップX507に移行する。また、大当り中でない場合(ステップX503;N)は、第1最終変動中であるかを判定する(ステップX504)。第1最終変動中とは、第1特別遊技状態が終了して第1特定遊技状態となってから所定回数目(ここでは100回目)の特図変動表示ゲームの実行中(停止時間を含む)であって、第1特定遊技状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームの実行中である。
この第1最終変動中である場合(ステップX504;Y)は、ステップX507に移行する。また、第1最終変動中でない場合(ステップX504;N)は、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップX505)、演出コマンド設定処理を行う(ステップX506)。その後、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップX507)、特図始動口2スイッチ処理を行って(ステップX508)、始動口スイッチ監視処理を終了する。
演出制御装置300では、左打ち指示報知コマンドを受信することに基づき、表示や音声等により遊技者に対して左打ちをするように指示する左打ち指示報知を行う。通常遊技状態ST1又は第2特定遊技状態ST3である場合は左打ちの方が遊技者にとって有利であり、右打ちでなければ入賞しないようになっている第2始動入賞口37で入賞を検出した場合に左打ち指示報知を行うようにしている。
なお、第1特別遊技状態では第1特別変動入賞装置38が開放されることがあるため左打ち指示報知を行わないようにしている。また、第1特定遊技状態で最後に実行される特図変動表示ゲームでは、当該ゲームの開始時の抽選後に低確率状態に変更されるため当該ゲーム中は低確率状態であるが、当該ゲームについては高確率状態で判定を行っているため特別遊技状態が発生する可能性が高く、また、当該ゲームの終了までは第1特定遊技状態の演出を行うため、左打ち指示報知を行わないようにしている。
〔ハード乱数取得処理〕
図37には、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップX492、X500)を示した。このハード乱数取得処理では、まず、始動口入賞なし情報を設定し(ステップX511)、対象のスイッチに入力があるかを判定する(ステップX512)。
対象のスイッチに入力がない場合(ステップX512;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。また、対象のスイッチに入力がある場合(ステップX512;Y)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップX513)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップX514)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップX514;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップX514;Y)は、対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備する(ステップX515)。そして、始動口入賞あり情報を設定して(ステップX516)ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図始動口1スイッチ処理〕
図38には、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口1スイッチ処理(ステップX498)を示した。この特図始動口1スイッチ処理では、まず、第1始動入賞口36への入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号1出力回数をロードし(ステップX521)、ロードした値を+1更新して(ステップX522)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップX523)。そして、出力回数がオーバーフローしない場合(ステップX523;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号1出力回数領域にセーブし(ステップX524)、特図1保留数(第1始動記憶数)が上限値未満かを判定する(ステップX525)。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップX523;Y)は、ステップX525に移行する。ここでは出力回数を255まで記憶できるが、上限まで記憶している場合には+1更新によりループして0となってしまうため、更新後の値のセーブを行わない。
特図1保留数が上限値(ここでは4)未満である場合(ステップX525;Y)は、後述する特図保留情報判定処理において変動パターンの振り分けに用いる特図1情報設定フラグをセットし(ステップX526)、特図1保留数を+1更新する(ステップX527)。次に、特図1保留数に対応する乱数格納領域(特図1用の乱数格納領域)のアドレスを算出し(ステップX528)、上述のハード乱数取得処理で準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップX529)。
その後、大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップX530)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX531)。さらに、小当り図柄乱数を抽出してRWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX532)。続いて変動パターン乱数1から3を抽出して各乱数に対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップX533)。そして、先読み処理である特図保留情報判定処理(ステップX534)を行い、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップX535)、演出コマンド設定処理を行って(ステップX536)、特図始動口1スイッチ処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100(RAM111C)が、第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し、該所定の乱数を第1始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な第1始動記憶手段をなす。
〔特図保留情報判定処理〕
図39には、上述の特図始動口1スイッチ処理における特図保留情報判定処理(ステップX534)を示した。特図保留情報判定処理は、特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該特図1始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。この特図保留情報判定処理では、まず、第1特定遊技状態であるかを判定し(ステップX541)、第1特定遊技状態である場合(ステップX541;Y)は、特図保留情報判定処理を終了する。また、第1特定遊技状態でない場合(ステップX541;N)は、大当り中、すなわち大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態中であるかを判定する(ステップX542)。
大当り中である場合(ステップX542;Y)は、特図保留情報判定処理を終了する。また、大当り中でない場合(ステップX542;N)は、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を行う(ステップX543)。そして、判定結果が大当りである場合(ステップX544;Y)は、大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップX545)、準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップX546)、停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備する(ステップX551)。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップX544;N)は、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を行う(ステップX547)。そして、判定結果が小当りである場合(ステップX548;Y)は、小当りの停止図柄情報を設定し(ステップX549)、停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備する(ステップX551)。また、判定結果が小当りでない場合(ステップX548;N)は、はずれの停止図柄情報を設定し(ステップX550)、停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備する(ステップX551)。
停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備(ステップX551)した後、演出コマンド設定処理を行う(ステップX552)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図1情報設定処理(ステップX553)を行い、特図1変動表示ゲームの変動態様を設定する特図1変動パターン設定処理を行う(ステップX554)。
そして、特図1変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップX555)、演出コマンド設定処理を行い(ステップX556)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップX553における特図1情報設定処理、ステップX554における特図1変動パターン設定処理は、特図1普段処理の特図1変動開始処理で特図1変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームの結果を含む先読み停止図柄コマンドと、当該特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、特図1始動記憶に対応した結果関連情報(大当り又は小当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図1変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、第1始動記憶手段に記憶された第1始動記憶に基づき、第1変動表示ゲームの結果及び変動態様情報を当該第1変動表示ゲームの開始以前に決定することが可能な第1決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
なお、この特図保留情報判定処理は特図1変動表示ゲームに対してのみ行われ、特図変動表示ゲームの開始を保留するための始動記憶を発生しない特図2変動表示ゲームに対しては行われない。また、第1特定遊技状態である場合には先読み処理を行わないようにしている。これは、第1特定遊技状態は特図2変動表示ゲームが主体となる状態であり、この特図2変動表示ゲームで特別結果が導出されることにより特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止されることがほとんどであるためである。すなわち、ほとんどがはずれとなるため先読み結果の報知にあまり意味がないことや、特図1変動表示ゲームで特別結果となる先読み結果を報知した後に強制的にはずれ結果に変更されることで予告との矛盾が生じてしまうことがあるからである。
ただし、特図2変動表示ゲームについては当該特図2変動表示ゲームの開始を保留するための始動記憶を発生しないため、第1特定遊技状態の最初の期間で第1始動記憶があるうちは特図1変動表示ゲームのみが行われる可能性が高く、このような場合には当該第1始動記憶について先読み演出を行うようにしても良い。このような先読み演出を行う第1始動記憶のうち、第1特定遊技状態の開始前に発生したものについては先読み処理が行われているのでその結果を用い、第1特定遊技状態の開始後に発生したものについては、このような先読み演出の対象となるものについて先読み処理を行うようにする。もちろん確率状態に関係なく先読み処理は行い、別の処理にて当該先読み処理の結果に基づく先読み演出を行うか否かを判断するようにしても良い。
〔特図始動口2スイッチ処理〕
図40には、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口2スイッチ処理(ステップX508)を示した。この特図始動口2スイッチ処理では、まず、第2始動入賞口37への入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号2出力回数をロードし(ステップX561)、ロードした値を+1更新して(ステップX562)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップX563)。そして、出力回数がオーバーフローしない場合(ステップX563;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号2出力回数領域にセーブし(ステップX564)、始動口2(第2始動入賞口37)入賞無効中であるかを判定する。
始動口2入賞無効中とは、特別結果(大当り又は小当り)となった特図1変動表示ゲームの停止中(後述の特図表示中処理中)、第1又は第2特別遊技状態中及び特図2変動表示ゲームの実行中である。この始動口2入賞無効中である場合(ステップX565;Y)は、特図始動口2スイッチ処理を終了する。また、始動口2入賞無効中でない場合(ステップX565;N)は、特図2保留数を1に設定し(ステップX566)、特図2用の乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップX567)、上述のハード乱数取得処理で準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップX568)。
その後、大当り図柄乱数を抽出し(ステップX569)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX570)。さらに、小当り図柄乱数を抽出してRWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX571)。続いて変動パターン乱数2及び3を抽出して各乱数に対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップX572)、特図始動口2スイッチ処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第2始動入賞口37への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出して記憶する始動入賞記憶手段をなす。なお、特図2変動表示ゲームについては変動パターンの種類が少ないことから変動パターン乱数1は用いない。
〔特図1ゲーム処理〕
図41には、上述のタイマ割込み処理における特図1ゲーム処理(ステップX110)を示した。特図1変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図1の表示の設定を行う。この特図1ゲーム処理では、まず、特図2の大当り/小当り中であるか、すなわち、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態中であるかを判定する(ステップY101)。
特図2の大当り/小当り中でない場合(ステップY101;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を行い(ステップY102)、特図1ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(ステップY103)。また、特図2の大当り/小当り中である場合(ステップY101;Y)は、ステップY103に移行する。
大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた上大入賞口スイッチ38aや第2特別変動入賞装置39内に設けられた下大入賞口スイッチ39aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。特図1ゲーム処理では、特図1変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入賞口スイッチ監視処理を行うようにしており、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態については後述する特図2ゲーム処理において大入賞口スイッチ監視処理を行う。
次に、特図1ゲーム処理タイマの値が0であるかを判定する(ステップY104)。特図1ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップY104;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップY119に移行して、それ以降の処理を行う。また、特図1ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップY104;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図1ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図1ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップY105)。そして、当該テーブルを用いて特図1ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(ステップY106)、特図1ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(ステップY107)。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図1変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図1変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図1変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1普段処理(ステップY108)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図1の停止表示時間の設定や、特図1表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1変動中処理(ステップY109)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図1変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1表示中処理(ステップY110)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップY111)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップY112)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図1大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップY113)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図1普段処理(ステップY108)を行うために必要な情報の設定等を行う特図1大当り終了処理(ステップY114)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップY115)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップY116)を行う。
ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップY117)を行う。ステップY107にて、特図1ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図1普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1小当り終了処理(ステップY118)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備し(ステップY119)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップY120)を行って、特図1ゲーム処理を終了する。この特図1ゲーム処理が第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。
〔特図2ゲーム処理〕
図42には、上述のタイマ割込み処理における特図2ゲーム処理(ステップX111)を示した。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図2の表示の設定を行う。この特図2ゲーム処理は、基本的には上述の特図1ゲーム処理と同様の処理を特図2について行うものである。
この特図2ゲーム処理では、まず、特図1の大当り/小当り中であるか、すなわち、特図1変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態中であるかを判定する(ステップY131)。そして、特図1の大当り/小当り中でない場合(ステップY131;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を行い(ステップY132)、特図2ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(ステップY133)。また、特図1の大当り/小当り中である場合(ステップY131;Y)は、ステップY133に移行する。
大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた上大入賞口スイッチ38aや第2特別変動入賞装置39内に設けられた下大入賞口スイッチ39aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入賞口スイッチ監視処理を行うようにしており、特図1変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態については上述した特図1ゲーム処理において大入賞口スイッチ監視処理を行う。
次に、特図2ゲーム処理タイマの値が0であるかを判定する(ステップY134)。特図2ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップY134;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップY152に移行して、それ以降の処理を行う。また、特図2ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップY134;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0であるかを判定する(ステップY135)。
この特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0でない場合(ステップY135;N)は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を−1更新し(ステップY150)、特図2ゲーム処理タイマ領域に長変動用タイマ値(ここでは60000ms)をセーブして(ステップY151)、ステップY152以降の処理を行う。
小当りの発生確率が高い特図2変動表示ゲームを通常遊技状態ST1及び第2特定遊技状態ST3で遊技者が意図的に実行することを防止するため、通常遊技状態ST1及び第2特定遊技状態ST3における特図2変動表示ゲームの変動時間は非常に長い時間(例えば10分)とされている。しかし、特図2ゲーム処理タイマとして利用できる領域は限られているため、タイマ初期値として上限値を設定しても変動時間を一度で計時することは困難である。そこで、規定時間(ここでは60000ms)の計時を行う回数である繰り返し回数を用いて複数回の計時により変動時間を計時するようにしている。
特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0である場合(ステップY135;Y)は、特図2ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図2ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップY136)。そして、当該テーブルを用いて特図2ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(ステップY137)、特図2ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(ステップY138)。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図2変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図2変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図2変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2普段処理(ステップY139)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図2の停止表示時間の設定や、特図2表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2変動中処理(ステップY140)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図2変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2表示中処理(ステップY141)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップY142)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップY143)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図2大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップY144)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図2普段処理(ステップY108)を行うために必要な情報の設定等を行う特図2大当り終了処理(ステップY145)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップY146)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップY147)を行う。
ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップY148)を行う。ステップY138にて、特図2ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図2普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2小当り終了処理(ステップY149)を行う。
その後、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備し(ステップY152)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップY153)を行って、特図2ゲーム処理を終了する。この特図2ゲーム処理が第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。以上の特図2ゲーム処理は、基本的には上述の特図1ゲーム処理と同様の処理を特図2について行うものであり、以降の説明では特図1ゲーム処理と特図2ゲーム処理とで対応する処理を並行して説明する。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
図43には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ステップY102、Y132)を示した。この大入賞口スイッチ監視処理では、まず、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)の開放中であるかを判定する(ステップY161)。そして、上大入賞口が開放中である場合(ステップY161;Y)は、ステップY166に移行する。また、上大入賞口が開放中でない場合(ステップY161;N)は、上大入賞口の残存球処理中であるかを判定する(ステップY162)。なお、この判定における残存球処理には、大当りに基づく大入賞口残存球処理と小当りに基づく小当り残存球処理の両方を含む。
上大入賞口の残存球処理中である場合(ステップY162;Y)は、ステップY166に移行する。また、上大入賞口の残存球処理中でない場合(ステップY162;N)は、下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)の開放中であるかを判定する(ステップY163)。そして、下大入賞口の開放中でない場合(ステップY163;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、下大入賞口の開放中である場合(ステップY163;Y)は、下大入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップY164)。
なお、ステップY161及びY163における開放中とは、第1特別結果(大当り)に基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態での開放中と、第2特別結果(小当り)に基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態での開放中の両方を含む。また、ステップY161〜Y163の判定では特図1又は特図2ゲーム処理番号を参照して判定するようにしても良いし、それぞれの状態であるか否かを示すフラグを設定するようにして、このフラグに基づき判定するようにしても良い。
下大入賞口スイッチに入力がない場合(ステップY164;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、下大入賞口スイッチに入力がある場合(ステップY164;Y)は、今回の大入賞口スイッチ監視処理において加算される大入賞口への入賞数をカウントするための入賞カウンタに1をセットし(ステップY165)、ステップY175に移行する。
一方、上大入賞口が開放中である場合(ステップY161;Y)又は上大入賞口の残存球処理中である場合(ステップY162;Y)に移行するステップY166においては、入賞カウンタに0をセットする(ステップY166)。その後、上大入賞口スイッチに入力があるかを判定し(ステップY167)、入力がない場合(ステップY167;N)は、ステップY175に移行する。
また、上大入賞口スイッチに入力がある場合(ステップY167;Y)は、大入賞口カウントコマンドを準備し(ステップY168)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY169)。第1特別変動入賞装置38の場合は、入賞による演出を行うために大入賞口カウントコマンドを送信するようになっている。さらに、入賞カウンタを+1更新し(ステップY170)、ステップY175に移行する。
その後、入賞カウンタの値が0である場合(ステップY175;Y)、大入賞口残存球処理中である場合(ステップY176;Y)又は小当り残存球処理中である場合(ステップY177;Y)の何れかである場合は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、入賞カウンタの値が0でなく(ステップY175;N)、大入賞口残存球処理中でなく(ステップY176;N)、小当り残存球処理中でもない(ステップY177;N)場合は、入賞カウンタの値を大入賞口カウント数に加算し(ステップY178)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数)以上となったかを判定する(ステップY179)。
大入賞口カウント数が上限値(ここでは9)以上となっていない場合(ステップY179;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(ステップY179;Y)は、大入賞口カウント数を上限値に留め(ステップY180)、対象の特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアする(ステップY181)。そして、大当りでの開放中、すなわち、大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態での開放であるかを判定する(ステップY182)。
大当りでの開放中でない場合(ステップY182;N)、すなわち小当りでの開放中である場合は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大当りでの開放中である場合(ステップY182;Y)、大入賞口制御ポインタ領域に大当り開放動作終了の値をセーブして(ステップY183)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
なお、下大入賞口スイッチに入力があった場合(ステップY164;Y)も大入賞口カウントコマンドを演出制御装置300に送信するようにしても良い。また、下大入賞口についての残存球処理がある場合には、当該残存球処理中に下大入賞口スイッチに入力があった場合にも大入賞口カウントコマンドを演出制御装置300に送信するようにしても良い。
〔特図1普段処理〕
図44には、上述の特図1ゲーム処理における特図1普段処理(ステップY108)を示した。この特図1普段処理では、まず、特図1が変動開始可能であるかを判定する(ステップY201)。この判定における特図1が変動開始可能である状態とは、大当り又は小当りとなる特図2変動表示ゲームの変動停止から特別遊技状態の終了までの間でないことである。なお、特図1変動表示ゲームの実行中や特図1変動表示ゲームに基づく特別遊技状態中も変動開始できない状態ではあるが、その場合は特図1普段処理が実行されていない状態であるため、ここではこれについては判定しなくても良い。
特図1が変動開始可能でない場合(ステップY201;N)は、特図1ゲーム処理番号領域に特図1普段処理番号をセーブし(ステップY217)、特図1普段処理を終了する。また、特図1が変動開始可能である場合(ステップY201;Y)は、左打ち指示報知済みであるか、すなわち左打ち指示報知フラグがセットされているかを判定する(ステップY202)。左打ち指示報知済みである場合(ステップY202;Y)は、ステップY206に移行する。また、左打ち指示報知済みでない場合(ステップY202;N)は、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップY203)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY204)。その後、左打ち指示報知フラグをセットし(ステップY205)、特図1保留数が0であるかを判定する(ステップY206)。左打ち指示報知フラグは、第1特定遊技状態で最後に行われた特図変動表示ゲームが終了する際にクリアされるようになっており、これにより通常遊技状態に移行する際に左打ち指示報知が行われることとなる。
そして、特図1保留数が0である場合(ステップY206;Y)は、ステップY217に移行する。また、特図1保留数が0でない場合(ステップY206;N)は、現在の確率状態に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップY207)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY208)。その後、特図1変動表示ゲームに関する情報の設定等を行う特図1変動開始処理を行い(ステップY210)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップY211)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY212)。なお、飾り特図保留数コマンドを準備する処理(ステップY210)を行う時点では特図1変動表示ゲームの開始に基づく特図1保留数の減算は行われておらず、現在の特図1保留数から−1した特図1保留数に対応する保留数コマンドを準備している。
次に、特図ステータス領域に特図1変動中をセット(情報加算)する(ステップY212)。ここで特図ステータスとは、特図変動表示ゲームの状態を示すものであり、0〜5の何れかがセットされる。特図ステータス0は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示し、特図ステータス1は特図1変動表示ゲームのみが実行されている状態を示し、特図ステータス2は特図2変動表示ゲームのみが実行されている状態を示す。また、特図ステータス3は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの両方が実行されている状態を示し、特図ステータス4は大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態であることを示し、特図ステータス5は小当りに基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態であることを示す。ここでは特図1変動表示ゲームが開始されるので、特図ステータスとして1又は3がセットされる。
次に、第1特定遊技状態であるかを判定する(ステップY213)。そして、第1特定遊技状態である場合(ステップY213;Y)は、ステップY216に移行する。また、第1特定遊技状態でない場合(ステップY213;N)は、第1最終変動中であるかを判定する(ステップY214)。第1最終変動中とは、第1特別遊技状態が終了して第1特定遊技状態となってから所定回数目(ここでは100回目)の特図変動表示ゲームの実行中(停止時間を含む)であって、第1特定遊技状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームの実行中である。
第1最終変動中である場合(ステップY214;Y)は、ステップY216に移行する。また、第1最終変動中でない場合(ステップY214;N)は、特図1変動チェックフラグをセットする(ステップY215)。すなわち、通常遊技状態又は第2特定遊技状態で特図1変動表示ゲームが開始された場合に特図1変動チェックフラグがセットされる。その後、特図1変動中処理移行設定処理を行って(ステップY216)、特図1普段処理を終了する。
〔特図2普段処理〕
図45には、上述の特図2ゲーム処理における特図2普段処理(ステップY139)を示した。この特図2普段処理では、まず、特図2が変動開始可能であるかを判定する(ステップY221)。この判定における特図2が変動開始可能である状態とは、大当り又は小当りとなる特図1変動表示ゲームの変動停止から特別遊技状態の終了までの間でないことである。なお、特図2変動表示ゲームの実行中や特図2変動表示ゲームに基づく特別遊技状態中も変動開始できない状態ではあるが、その場合は特図2普段処理が実行されていない状態であるため、ここではこれについては判定しなくても良い。
特図2が変動開始可能でない場合(ステップY221;N)は、特図2ゲーム処理番号領域に特図2普段処理番号をセーブし(ステップY237)、特図2普段処理を終了する。また、特図2が変動開始可能である場合(ステップY221;Y)は、特図2保留数が0であるかを判定する(ステップY222)。なお、上述したように、特図2保留(第2始動記憶)は、特図2変動表示ゲームを開始可能な状態において第2始動入賞口37への入賞があった場合に、当該入賞に基づく特図2変動表示ゲームの開始処理を行うために一時的に発生するもので、第1始動記憶のように特図変動表示ゲームの開始を保留するためのものではない。
そして、特図2保留数が0でない場合(ステップY222;N)は、現在の確率状態に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップY223)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY224)。その後、特図2変動表示ゲームに関する情報の設定等を行う特図2変動開始処理を行い(ステップY225)、特図ステータス領域に特図2変動中をセット(情報加算)する(ステップY226)。ここでは特図2変動表示ゲームが開始されるので、特図ステータスとして2又は3がセットされる。
次に、第1特定遊技状態であるかを判定する(ステップY227)。そして、第1特定遊技状態である場合(ステップY227;Y)は、ステップY230に移行する。また、第1特定遊技状態でない場合(ステップY227;N)は、第1最終変動中であるかを判定する(ステップY228)。第1最終変動中とは、第1特別遊技状態が終了して第1特定遊技状態となってから所定回数目(ここでは100回目)の特図変動表示ゲームの実行中(停止時間を含む)であって、第1特定遊技状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームの実行中である。
第1最終変動中である場合(ステップY228;Y)は、ステップY230に移行する。また、第1最終変動中でない場合(ステップY228;N)は、特図2変動チェックフラグをセットする(ステップY229)。すなわち、通常遊技状態又は第2特定遊技状態で特図2変動表示ゲームが開始された場合に特図2変動チェックフラグがセットされる。その後、特図2変動中処理移行設定処理を行って(ステップY230)、特図2普段処理を終了する。
一方、特図2保留数が0である場合(ステップY222;Y)は、特図1保留数が0であるかを判定する(ステップY231)。そして、特図1保留数が0である場合(ステップY231;Y)は、特図1が変動中であるかを判定する(ステップY232)。そして、特図1が変動中でない場合(ステップY232;N)は、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップY233)、開示済みでない場合(ステップY233;N)は客待ち状態の設定に関する処理を行う。また、特図1保留数が0でない場合(ステップY231;N)、特図1が変動中である場合(ステップY232;Y)又は客待ちデモが開始済みである場合(ステップY233;Y)は、ステップY237に移行する。
客待ち状態の設定に関する処理では、まず、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットし(ステップY234)、現在の確率状態に対応する客待ちデモコマンドを準備して(ステップY235)、演出コマンド設定処理を行い(ステップY236)、ステップY237に移行する。客待ちデモコマンドを現在の確率状態に対応するものとすることで、確率状態に応じて異なる客待ち画面を表示することが可能となる。
また、何らかの原因により演出制御装置300が再起動した場合、バックアップ機能を備えない演出制御装置300は遊技状態の情報を喪失してしまうため、適切な演出を行うことができなくなってしまうが、客待ちデモコマンドを現在の確率状態に対応するものとすることで、このコマンドの受信からは遊技状態に応じた演出を行うことができ、遊技状態の変更に基づく確率情報コマンドが送信されるのを待つよりも早く遊技状態に応じた演出に復帰できるようになる。
また、本実施形態の遊技機では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとが同時に実行可能であり、特図1変動表示ゲームについての処理によって確率状態が変化することも考えられるので、特図変動表示ゲームの開始ごとに変動開始確率情報コマンドを送信するようにしている(ステップY207、Y223)。これにより、演出制御装置300において遊技状態に応じた適切な演出を行うことが可能となる。
また、変動開始確率情報コマンドを特図変動表示ゲームの開始ごとに送信するようにしたことで、演出制御装置300が再起動した場合でもこのコマンドの受信からは遊技状態に応じた演出を行うことができ、遊技状態の変更に基づく確率情報コマンドが送信されるのを待つよりも早く遊技状態に応じた演出に復帰できるようになる。なお、客待ちデモコマンドや変動開始確率情報コマンドに、演出制御装置300が再起動した場合に遊技状態に応じた演出に復帰できるようにするためのその他の情報を含ませるようにしても良い。
〔特図1変動開始処理〕
図46には、上述の特図1普段処理における特図1変動開始処理(ステップY209)を示した。この特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップY241)、特図1変動表示ゲームの結果情報としてはずれ情報、大当り情報又は小当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップY242)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップY243)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図1情報設定処理(ステップY244)を行い、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップY245)。
その後、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図1変動パターン設定処理(ステップY246)を行い、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップY247)を行う。これらの処理により、これから実行される特図1変動表示ゲームの結果や変動パターンが決定される。そしてこの後に、同時に実行可能である特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの間で不都合が生じないように調整するための処理を行う。
特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは同時に実行可能であるが、一方で特別結果(大当りや小当り)が導出された際には他方については抽選結果にかかわらず強制的にはずれ結果として終了するようになっている。特に、特図2変動表示ゲームについては必ず大当り又は小当りとなるため、特図2変動表示ゲームが先に停止する場合は特図1変動表示ゲームについてこのような処理がなされることとなる。よって、例えば特図1変動表示ゲームで期待度の高い演出をしているにもかかわらず、強制的にはずれ結果で停止されてしまうこととなり、遊技者が不信感を抱くこととなってしまう。そこで、これから開始しようとする特図1変動表示ゲームの終了前に特図2変動表示ゲームが終了する可能性がある場合には、期待度の高い演出が選択されないようにするなどの対応ができるようにしている。
このためにまず、第1特定遊技状態であるかを判定し(ステップY248)、第1特定遊技状態である場合(ステップY248;Y)は、ステップY257に移行する。第1特定遊技状態である場合は特図2変動表示ゲームを主体として遊技を進行する状態である。この状態では特図2変動表示ゲームの変動時間が短く、かつ、高い頻度で実行されるため、特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止される可能性が高いことはわかっており、特図1変動表示ゲームにおいては期待度の高い演出が選択されないように予め設定されているので、ここでは特別な処理は行わない。
また、第1特定遊技状態でない場合(ステップY248;N)は、第1最終変動中であるかを判定する(ステップY249)。第1最終変動中とは、第1特別遊技状態が終了して第1特定遊技状態となってから所定回数目(ここでは100回目)の特図変動表示ゲームの実行中(停止時間を含む)であって、第1特定遊技状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームの実行中である。
第1最終変動中である場合(ステップY249;Y)は、ステップY257に移行する。第1最終変動となる特図2変動表示ゲームは短い時間で停止することとなるので、これから開始される特図1変動表示ゲームが短い時間で強制的に停止される可能性が高い。よって、特図1変動表示ゲームについて仮に期待度の高い演出が選択されたとしても当該演出の開始前に終了することとなるため、ここでは期待度の高い演出が選択されないようにするための処理は行わない。
また、第1最終変動中でない場合(ステップY249;N)は、特図2が変動中であるかを判定する(ステップY250)。特図2が変動中でない場合(ステップY250;N)は、ステップY257に移行する。この場合は通常遊技状態又は第2特定遊技状態であるので、これから特図2変動表示ゲームが開始されたとしても当該特図2変動表示ゲームの変動時間は非常に長い変動時間となる。よって、特図1変動表示ゲームが強制的に停止される可能性は低いため、ここでは期待度の高い演出が選択されないようにするための処理は行わない。
特図2が変動中である場合(ステップY250;Y)は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0であるかを判定する(ステップY251)。特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0である場合(ステップY251;Y)は、ステップY254に移行する。また、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0でない場合(ステップY251;N)は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が4以上であるかを判定する(ステップY252)。
特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が4以上である場合(ステップY252;Y)は、ステップY257に移行する。この場合は、特図2変動表示ゲームの残り変動時間が十分に長く、特図1変動表示ゲームの方が先に終了することとなるため、期待度の高い演出が選択されないようにするための処理は行わない。
また、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が4以上でない場合(ステップY252;N)は、特図2変動表示ゲームの残り変動時間を算出し(ステップY253)、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満であるかを判定する(ステップY254)。これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満である場合(ステップY254;Y)は、ステップY257に移行する。この場合は特図1変動表示ゲームの方が先に終了することとなるため、期待度の高い演出が選択されないようにするための処理は行わない。
また、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満でない場合(ステップY254;N)は、特図1の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを準備し(ステップY255)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY256)。その後、高確率状態とする期間の管理を行うための高確率変動回数更新処理を行い(ステップY257)、特図1変動開始処理を終了する。演出制御装置300では、特図1の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを受信することに基づき、当該特図1変動表示ゲームについて期待度の高い演出の選択を規制するなどの処理を行うようになっている。
なお、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満でない場合(ステップY254;N)に、特図1変動パターン設定処理(ステップY246)で設定した変動パターンに関する情報(前後半変動パターン番号等)を再設定する処理を行って、演出制御装置300が期待度の高い演出を選択しない変動パターンに変更するようにしても良い。なお、変動パターンを再設定する処理においては、変動時間を変更しないようにしても良いし、変更するようにしても良い。また、特図1の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを準備する処理(ステップY255)については行うようにしても良いし、行わないようにしても良い。
すなわち、遊技制御装置100で行われる特図1変動パターン処理(ステップY246)は、通常遊技状態において第1変動表示ゲームの変動時間を含む変動態様情報を決定する場合に、第2変動表示ゲームの変動態様情報を参照することなく当該第1変動表示ゲームの変動態様情報を決定することが可能な第1変動態様決定手段をなす。さらに遊技制御装置100で行われる上記の変動パターンを再設定する処理は、第1変動態様決定手段によって当該第1変動表示ゲームの変動時間を含む変動態様情報を決定した際に第2変動表示ゲームが実行中である場合に、当該第2変動表示ゲームの変動態様情報に含まれる変動時間を参照して、決定されている第1変動表示ゲームの変動時間を変更することなく変動パターンに関する情報を再決定することが可能である第2変動態様決定手段をなす。
また、特図1変動パターン設定処理(ステップY246)において一度決定された変動パターンを後に変更するのではなく、特図1変動パターン設定処理(ステップY246)において変動パターンを決定する際に、これから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満でないかを判定する処理(ステップY254)を行うようにして、遊技状況に応じた変動パターンを最初から決定するようにしても良い。
また、特図2変動表示ゲームの結果としてはずれ結果を選択可能である場合には、特図2変動表示ゲームが特別結果となる場合にのみこれから実行する特図1変動表示ゲームの変動時間が特図2変動表示ゲームの残り変動時間未満でないかを判定する処理(ステップY254)を行うようにする。特図2変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合は特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止されることがないためこの処理は不要となる。
〔特図2変動開始処理〕
図47には、上述の特図2普段処理における特図2変動開始処理(ステップY225)を示した。この特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理である。まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップY261)、特図2変動表示ゲームの結果情報としてはずれ情報、大当り情報又は小当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップY262)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップY263)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図2情報設定処理(ステップY264)を行い、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップY265)。
その後、特図2変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図2変動パターン設定処理(ステップY266)を行い、特図2変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップY267)を行う。これらの処理により、これから実行される特図2変動表示ゲームの結果や変動パターンが決定される。その後、高確率状態とする期間の管理を行うための高確率変動回数更新処理を行い(ステップY268)、特図2変動開始処理を終了する。
なお、特図2変動開始処理では、同時に実行可能である特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの間で不都合が生じないように調整するための処理は行わない。これは、特図1変動表示ゲームでの小当りの確率が低いため、特図2変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で終了させられる機会が少ないためである。ただし、特図1変動表示ゲームと同様に、強制的にはずれ結果で停止される場合には期待度の高い演出の選択を規制するようにしても良い。
〔大当りフラグ1設定処理〕
図48には、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップY242)を示した。この大当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブし(ステップY271)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップY272)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードして準備し(ステップY273)、特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。
その後、実行中の特図2変動表示ゲームの大当り判定の結果である大当りフラグ2は大当りであるかを判定し(ステップY275)、大当りである場合(ステップY275;Y)は、ステップY279に移行する。すなわち、同時に実行される特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの両方を大当りとしないようにしている。また、大当りでない場合(ステップY275;N)は、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップY276)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップY276)の判定結果が大当りである場合(ステップY277;Y)は、ステップY272にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップY278)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップY276)の判定結果が大当りでない場合(ステップY277;N)は、取得した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップY279)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップY279)の判定結果が小当りである場合(ステップY280;Y)は、ステップY271にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ1領域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップY281)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(ステップY279)の判定結果が小当りでない場合(ステップY280;N)は、大当りフラグ1設定処理を終了する。この場合は、大当りフラグ1領域及び小当りフラグ1領域には、はずれ情報がセーブされた状態となる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
図49には、上述の特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップY262)を示した。この大当りフラグ2設定処理では、まず、小当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブし(ステップY291)、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップY292)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域から大当り乱数をロードして準備し(ステップY293)、特図2大当り乱数格納領域を0クリアする。
その後、実行中の特図1変動表示ゲームの大当り判定の結果である大当りフラグ1は大当りであるかを判定し(ステップY295)、大当りである場合(ステップY295;Y)は、ステップY299に移行する。すなわち、同時に実行される特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの両方を大当りとしないようにしている。また、大当りでない場合(ステップY295;N)は、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップY296)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップY296)の判定結果が大当りである場合(ステップY297;Y)は、ステップY292にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップY298)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップY296)の判定結果が大当りでない場合(ステップY297;N)は、取得した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップY299)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップY299)の判定結果が小当りである場合(ステップY300;Y)は、ステップY291にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ2領域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップY301)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(ステップY299)の判定結果が小当りでない場合(ステップY300;N)は、大当りフラグ2設定処理を終了する。この場合は、大当りフラグ2領域及び小当りフラグ2領域には、はずれ情報がセーブされた状態となる。
〔大当り判定処理〕
図50には、上述の大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップY276、Y296)を示した。この大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップY311)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(ステップY312)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップY312;Y)、すなわち大当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY317)、大当り判定処理を終了する。なお、判定結果としてのはずれとは、大当りの抽選にはずれたことを示すものである。また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップY312;N)は、高確率状態であるかを判定する(ステップY313)。
そして、高確率状態である場合(ステップY313;Y)は、高確率中の上限判定値を設定し(ステップY314)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップY316)。また、高確率状態でない場合(ステップY313;N)は、低確率中の上限判定値を設定し(ステップY315)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップY316)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップY316;Y)、すなわち大当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY317)、大当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップY316;N)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップY318)、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
図51には、上述の大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における小当り判定処理(ステップY279、Y299)を示した。この小当り判定処理では、まず、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満かを判定する(ステップY321)。なお、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。また、大当り判定値と小当り判定値とが重なることはない。
対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(ステップY321;Y)、すなわち小当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY326)、小当り判定処理を終了する。なお、判定結果としてのはずれとは、小当りの抽選にはずれたことを示すものである。また、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合(ステップY321;N)は、特図1の情報設定中であるか、すなわち特図1変動表示ゲームについての判定であるかを判定する(ステップY322)。
そして、特図1の情報設定中である場合(ステップY322;Y)は、特図1用の小当り上限判定値を設定し(ステップY323)、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいかを判定する(ステップY325)。また、特図1の情報設定中でない場合(ステップY322;N)、すなわち特図2変動表示ゲームについての判定である場合は、特図2用の小当り上限判定値を設定し(ステップY324)、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいかを判定する(ステップY325)。
大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(ステップY325;Y)、すなわち小当りでない場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップY326)、小当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(ステップY325;N)、すなわち小当りである場合は、判定結果として小当りを設定し(ステップY327)、小当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図52には、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップY243)を示した。この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(ステップY331)、大当りである場合(ステップY331;Y)は、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップY332)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定し(ステップY333)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄退避領域にセーブする(ステップY334)。この処理により大当り種類が選択される。なお、特図1変動表示ゲームの停止図柄を特図1停止図柄領域ではなく特図1停止図柄退避領域にセーブするようにしたのは、特図2変動表示ゲームで特別結果が導出された場合に強制的にはずれ結果に変更される可能性があるためである。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップY335)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図1停止図柄パターン領域にセーブする(ステップY336)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得して特図1ラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY337)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して特図1大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY338)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備する(ステップY346)。
一方、大当りでない場合(ステップY331;N)は、小当りフラグ1は小当りであるかを判定し(ステップY339)、小当りである場合(ステップY339;Y)は、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(ステップY340)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(ステップY341)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄退避領域にセーブする(ステップY342)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図1停止図柄パターン領域にセーブし(ステップY343)、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備する(ステップY346)。
また、小当りフラグ1は小当りでない場合(ステップY339;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄退避領域にセーブし(ステップY344)、はずれ停止図柄パターンを特図1停止図柄パターン領域にセーブして(ステップY345)、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備する(ステップY346)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図1コマンドを飾り特図1コマンド領域にセーブし(ステップY347)、演出コマンド設定処理(ステップY348)を行う。この飾り特図1コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップY349)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(ステップY350)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップY351)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図53には、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップY263)を示した。なお、特図2停止図柄設定処理は、特図1停止図柄設定処理と同じ処理を、特図2を対象として行うものである。この特図2停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ2が大当りかを判定し(ステップY361)、大当りである場合(ステップY361;Y)は、特図2大当り図柄乱数格納領域から大当り図柄乱数をロードする(ステップY362)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定し(ステップY363)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄退避領域にセーブする(ステップY364)。この処理により大当り種類が選択される。なお、特図2変動表示ゲームの停止図柄を特図2停止図柄領域ではなく特図2停止図柄退避領域にセーブするようにしたのは、特図1変動表示ゲームで特別結果が導出された場合に強制的にはずれ結果に変更される可能性があるためである。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップY365)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図2停止図柄パターン領域にセーブする(ステップY366)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得して特図2ラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY367)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して特図2大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY368)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備する(ステップY376)。
一方、大当りでない場合(ステップY361;N)は、小当りフラグ2は小当りであるかを判定し(ステップY369)、小当りである場合(ステップY369;Y)は、特図2小当り図柄乱数格納領域から小当り図柄乱数をロードする(ステップY370)。次に、特図2小当り図柄テーブルを設定し(ステップY371)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄退避領域にセーブする(ステップY372)。この処理により小当り種類が選択される。その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して特図2停止図柄パターン領域にセーブし(ステップY373)、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備する(ステップY376)。
また、小当りフラグ2は小当りでない場合(ステップY369;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄退避領域にセーブし(ステップY374)、はずれ停止図柄パターンを特図2停止図柄パターン領域にセーブして(ステップY375)、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備する(ステップY376)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図2コマンドを飾り特図2コマンド領域にセーブし(ステップY377)、演出コマンド設定処理(ステップY378)を行う。この飾り特図2コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップY379)、特図2大当り図柄乱数格納領域を0クリアし(ステップY380)、特図2小当り図柄乱数格納領域を0クリアして(ステップY381)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
〔特図1情報設定処理〕
図54には、上述の特図1変動開始処理における特図1情報設定処理(ステップY244)を示した。この特図1情報設定処理では、まず、第1特定遊技状態であるかを判定する(ステップY401)。第1特定遊技状態でない場合(ステップY401;N)は、変動パターン選択情報テーブルを設定し(ステップY402)、特図1停止図柄パターンに対応する前半オフセットデータ、後半オフセットデータを取得して(ステップY403)、特図1大当り、すなわち特図1停止図柄パターンが大当りの停止図柄パターンであるかを判定する(ステップY404)。
特図1大当りである場合(ステップY404;Y)は、ステップY412に移行する。また、特図1大当りでない場合(ステップY404;N)は、特図1小当り、すなわち特図1停止図柄パターンが小当りの停止図柄パターンであるかを判定する(ステップY405)。そして、特図1小当りでない場合(ステップY405;N)、すなわちはずれである場合は、ステップY407に移行する。また、特図1小当りである場合(ステップY405;Y)は、後半オフセットデータに特図1保留数を加算して値を更新し(ステップY406)、前半オフセットデータに特図1保留数を加算して値を変換して(ステップY407)、ステップY412に移行する。
一方、第1特定遊技状態である場合(ステップY401;Y)は、特図1大当りであるかを判定する(ステップY408)。そして、特図1大当りでない場合(ステップY408;N)は、第1特定遊技状態時特図1はずれ・小当り用の前半オフセットデータを設定し(ステップY409)、特図1長変動用の後半オフセットデータを設定する(ステップY411)。また、特図1大当りである場合(ステップY408;Y)は、第1特定遊技状態時特図1大当り用の前半オフセットデータを設定し(ステップY410)、特図1長変動用の後半オフセットデータを設定する(ステップY411)。
そして、以上のように設定した前半オフセットデータを変動振分情報1領域にセーブするとともに(ステップY412)、後半オフセットデータを変動振分情報2領域にセーブして(ステップY413)、特図1情報設定処理を終了する。
つまり通常遊技状態及び第2特定遊技状態における特図1変動表示ゲームは、小当りの場合には前半変動パターンと後半変動パターンの両方について特図1保留数を考慮した変動パターンが決定されるようにし、はずれの場合には前半変動パターンのみ特図1保留数を考慮して変動パターンが決定されるようにし、大当りの場合は特図1保留数を考慮せずに変動パターンが決定されるようにする。また、第1特定遊技状態における特図1変動表示ゲームは、特図1保留数を考慮せずに変動パターンが決定されるようにする。
〔特図2情報設定処理〕
図55には、上述の特図2変動開始処理における特図2情報設定処理(ステップY264)を示した。この特図2情報設定処理では、まず、第1特定遊技状態であるかを判定する(ステップY421)。第1特定遊技状態である場合(ステップY421;Y)は、変動パターン選択情報テーブルを設定し(ステップY422)、特図2停止図柄パターンに対応する前半オフセットデータ、後半オフセットデータを取得して(ステップY423)、ステップY428に移行する。
一方、第1特定遊技状態でない場合(ステップY421;N)は、特図2大当りであるかを判定する(ステップY424)。そして、特図2大当りでない場合(ステップY424;N)は、通常遊技状態及び第2特定遊技状態時特図2はずれ・小当り用の前半オフセットデータを設定し(ステップY425)、特図2長変動用の後半オフセットデータを設定する(ステップY427)。また、特図2大当りである場合(ステップY424;Y)は、通常遊技状態及び第2特定遊技状態時特図2大当り用の前半オフセットデータを設定し(ステップY426)、特図2長変動用の後半オフセットデータを設定する(ステップY427)。
そして、以上のように設定した前半オフセットデータを変動振分情報1領域にセーブするとともに(ステップY428)、後半オフセットデータを変動振分情報2領域にセーブして(ステップY429)、特図2情報設定処理を終了する。
〔特図1変動パターン設定処理〕
図56には、上述の特図1変動開始処理における特図1変動パターン設定処理(ステップY246)を示した。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
この特図1変動パターン設定処理では、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(ステップY451)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得して準備して(ステップY452)、特図1の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップY453)。
次に、特図1はずれ、すなわち停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであるかを判定し(ステップY454)、特図1はずれである場合(ステップY454;Y)は、2バイト振り分け処理を行って(ステップY455)、ステップY457に移行する。また、特図1はずれでない場合(ステップY454;N)は、振り分け処理を行って(ステップY456)、ステップY457に移行する。結果が大当りや小当りの場合は振り分け値が1バイトであるが、結果がはずれの場合は多彩な演出を可能とするため振り分け値が2バイトとなっている。
そして、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(ステップY457)、特図1の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードして準備する(ステップY458)。そして、振り分け処理(ステップY459)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップY460)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップY461)、変動振分情報1と決定された後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップY462)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(ステップY463)、特図1の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードして準備する(ステップY464)。
その後、振り分け処理(ステップY465)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(ステップY467)、特図1変動パターン設定処理を終了する。この処理により前半変動パターンが設定され、これから開始される特図1変動表示ゲームの全期間の変動パターンが設定されることとなる。
〔特図2変動パターン設定処理〕
図57には、上述の特図2変動開始処理における特図2変動パターン設定処理(ステップY266)を示した。この特図2変動パターン設定処理では、まず、後半変動選択アドレステーブルを設定し(ステップY471)、変動振分情報2に対応する後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備して(ステップY472)、特図2の変動パターン乱数2格納領域から変動パターン乱数2をロードして準備する(ステップY473)。
次に、振り分け処理を行って(ステップY474)、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップY475)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
そして、前半変動グループテーブルを設定し(ステップY476)、変動振分情報1と決定された後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップY477)。次に、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(ステップY478)、特図2の変動パターン乱数3格納領域から変動パターン乱数3をロードして準備する(ステップY479)。
その後、振り分け処理(ステップY480)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(ステップY481)、特図2変動パターン設定処理を終了する。この処理により前半変動パターンが設定され、これから開始される特図2変動表示ゲームの全期間の変動パターンが設定されることとなる。なお、特図2変動表示ゲームについては後半変動の種類が少ないため、変動パターン乱数1による後半変動グループの選択は行わず、変動パターン乱数2及び3のみを用いて変動パターンを決定している。
〔2バイト振り分け処理〕
図58には、上述の特図1変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(ステップY455)を示した。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
この2バイト振り分け処理では、まず、準備した後半変動グループテーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるかをチェックする(ステップY501)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動パターングループと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動パターングループのみを規定する後半変動グループテーブルにあっては、振分けの必要がないため、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップY502;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップY507)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップY502;N)は、後半変動グループテーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップY503)。
次に、ロードされた乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップY373にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップY504)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップY505)。新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップY505;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップY506)、処理をステップY503に移行して、それ以降の処理を行う。即ち、ステップY503にて、変動グループ選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、ステップY505にて判定済みの乱数値を新たな乱数値として振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(ステップY504)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップY505)。
上記の処理をステップY505にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップY505;Y)と判定するまで実行する。これにより、後半変動グループテーブルに規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。そして、ステップY505にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップY505;Y)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップY507)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
図59には、上述の特図1変動パターン設定処理及び特図2変動パターン設定処理における振り分け処理(ステップY456、Y459、Y465、Y474、Y480)を示した。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
この振り分け処理では、まず、準備された後半変動選択テーブル(選択テーブル)や前半変動選択テーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるか否かをチェックする(ステップY511)。ここで、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルは、後半変動グループテーブルと同様に、少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップY512;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップY517)、振り分け処理を終了する。一方、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップY512;N)は、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップY513)。
次に、ロードされた乱数値(変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からステップY513にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出した後(ステップY514)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップY515)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップY515;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップY516)、処理をステップY513に移行して、それ以降の処理を行う。
即ち、ステップY513にて、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、ステップY515にて判定済みの乱数値を新たな乱数値として振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(ステップY514)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップY515)。
上記の処理をステップY515にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップY515;Y)と判定するまで実行する。これにより、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに規定されている少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンの中から何れか一の後半変動番号や前半変動番号を選択する。そして、ステップY515にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップY515;Y)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップY517)、振り分け処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
図60には、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップY247、Y267)を示した。この変動開始情報設定処理では、まず、特図1の情報設定中であるかを判定し(ステップY551)、特図1の情報設定中である場合(ステップY551;Y)は、特図1の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域(保留数1用)をクリアする(ステップY552)。また、特図1の情報設定中でない場合(ステップY551;N)、すなわち特図2の情報設定中である場合は、特図2の変動パターン乱数2,3の乱数格納領域をクリアする(ステップY553)。
次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップY554)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップY555)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップY556)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップY557)。そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップY558)、加算値を対象の特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY559)。
なお、通常遊技状態及び第2特定遊技状態における特図2変動表示ゲームについて結果がはずれ又は小当りである場合には、変動時間が非常に長い長変動が設定される。この場合における上記の加算値としては、規定時間(ここでは60000ms)の計時を行う回数である繰り返し回数を用いて計時可能な時間を除いた余りの時間(60000ms未満の時間)が加算値として算出されるようになっている。
その後、特図1の情報設定中であるかを判定し(ステップY560)、特図1の情報設定中である場合(ステップY560;Y)は、ステップY564に移行する。また、特図1の情報設定中でない場合(ステップY560;N)、すなわち特図2の情報設定中である場合は、特図2の長変動の開始であるかを判定する(ステップY561)。長変動とは、特図2変動表示ゲームについて、通常遊技状態及び第2特定遊技状態で結果がはずれ又は小当りの場合に設定される変動パターンであり、設定された変動パターンの番号により判定する。
そして、特図2の長変動の開始でない場合(ステップY561;N)は、0を特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数領域にセーブし(ステップY562)、ステップY564に移行する。また、特図2の長変動の開始である場合(ステップY561;Y)は、9を特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数領域にセーブし(ステップY563)、ステップY564に移行する。
その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップY564)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップY565)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY566)。次に、特図1の情報設定中であるかを判定し(ステップY567)、特図1の情報設定中でない場合(ステップY567;N)は、変動開始情報設定処理を終了する。また、特図1の情報設定中である場合(ステップY567;Y)は、特図1保留数を−1更新し(ステップY568)、特図1の乱数格納領域の内容をシフトし(ステップY569)、シフト後の空き領域をクリアして(ステップY570)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、第1始動記憶手段に記憶された第1始動記憶に基づき、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の結果及び変動態様情報を当該第1変動表示ゲームの開始以前に決定することが可能な第1決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、第2始動入賞口37への遊技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し、当該所定の乱数に基づき第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果及び変動態様情報を当該第2変動表示ゲームの開始以前に決定することが可能な第2決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
以上のことから、第1始動入賞口36は、遊技領域32の一側に発射した遊技球が入賞可能な位置に配設され、第2始動入賞口37は、遊技領域32の他側に発射した遊技球が入賞可能な位置に配設され、変動表示ゲームの変動態様情報には、当該変動表示ゲームの実行時間を特定可能な変動時間に関する情報が含まれ、通常状態(通常遊技状態)において第2決定手段によって第2変動表示ゲームの変動時間として決定されることが可能な変動時間は、第1決定手段によって第1変動表示ゲームの変動時間として決定されることが可能な変動時間よりも長いこととなる。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンドなどが挙げられる。なお、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
すなわち、遊技制御装置100が、第1決定手段の決定結果に基づいて第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の実行制御を行うことが可能な第1変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、特図1ゲーム処理の全体から、第1変動表示ゲーム実行制御手段が第1変動表示ゲームに関する一連の実行制御を行うものとも言える。さらに、遊技制御装置100が、第2決定手段の決定結果に基づいて第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の実行制御を行うことが可能な第2変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、特図2ゲーム処理の全体から、第2変動表示ゲーム実行制御手段が第2変動表示ゲームに関する一連の実行制御を行うものとも言える。
また、遊技制御装置100が、第1決定手段によって決定された第1変動表示ゲームの結果及び変動態様情報並びに第2決定手段によって決定された第2変動表示ゲームの結果及び変動態様情報を制御情報として演出制御手段(演出制御装置300)へ送信することが可能な送信手段をなす。また、遊技制御装置100が、第1変動表示ゲーム及び第2変動表示ゲームのそれぞれについて、変動表示ゲームの開始に応じて変動時間の計測を開始し、当該計測時間が変動時間を経過した場合に当該変動表示ゲームの変動時間の計測を終了する計測手段をなす。
なお、通常遊技状態及び第2特定遊技状態における特図2変動表示ゲームについて結果がはずれ又は小当りである場合には、変動時間が非常に長い長変動が設定されるが、この場合には、変動時間についての情報を演出制御装置300には送信せず、長変動であることのみを示すコマンドを送信するようにしても良い。長変動の場合は単に変動表示を行えばよく詳細に演出を決定する必要がないので、演出制御装置300では長変動であることのコマンドを受信することに基づき変動表示を開始するようにする。変動時間の管理は遊技制御装置100のみで行い、変動時間が終了することに基づき停止コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300では停止コマンドを受信することに基づき変動表示を停止するようにする。このようにすれば、演出制御装置300での制御の負担を軽減することができる。
〔高確率変動回数更新処理〕
図61には、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における高確率変動回数更新処理(ステップY257、Y268)を示した。この高確率変動回数更新処理では、まず、高確率中であるかを判定し(ステップY581)、高確率中でない場合(ステップY581;N)は、高確率変動回数更新処理を終了する。また、高確率中である場合(ステップY581;Y)は、高確率状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する高確率変動回数を−1更新し(ステップY582)、高確率変動回数が0であるかを判定する(ステップY583)。
高確率変動回数が0でない場合(ステップY583;N)、すなわち高確率状態が継続する場合は、高確率変動回数更新処理を終了する。また、高確率変動回数が0である場合(ステップY583;Y)すなわち高確率状態を終了する場合は、高確率状態及び時短の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY584)。ここでは大当り2信号をOFFにするように設定する。さらに、高確率状態及び時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY585)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFFに設定する。
さらに、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブし(ステップY586)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率、時短なしフラグをセーブする(ステップY587)。そして、変動開始する図柄及び終了する遊技状態(第1特定遊技状態又は第2特定遊技状態)に対応する最終変動フラグをセットして(ステップY588)、確変作動領域通過情報領域をクリアし(ステップY589)、高確率変動回数更新処理を終了する。なお、確変作動領域通過情報領域の情報は、この処理の他、特図1表示中処理、特図2表示中処理で結果が大当りである場合や、遊技機の電源投入によりクリアされることとなる。
本実施形態の遊技機では、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで高確率状態を設定するようにしているが、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを同時に実行可能であるので、高確率状態の回数を管理する高確率変動回数更新処理は特図変動表示ゲームの開始時に行うようにしている。従来のように一方の特図変動表示ゲームの実行中は他方の特図変動表示ゲームを実行しないようにする遊技機であれば、所定回数目の特図変動表示ゲームの終了までに確率状態を低確率状態に変更すれば問題は生じない。しかし、本実施形態の遊技機のように特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを同時に実行可能である場合は、所定回数目の特図変動表示ゲームの終了時に確率状態を低確率状態に変更するものとすると、当該一方の特図変動表示ゲームの実行中に開始される他方の特図変動表示ゲームまでも高確率状態で判定が行われてしまい、所定回数以上に亘り高確率状態で遊技を実行可能となってしまう。よって、本実施形態の遊技機のように特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを同時に実行可能である場合は、所定回数目となる一方の特図変動表示ゲームを高確率状態で判定した後に、他方の特図変動表示ゲームの開始までに低確率状態としておく必要があり、ここでは、所定回数目となる一方の特図変動表示ゲームについて開始時の処理を終えた後すぐに低確率状態へ変更できるようにしている。
このように高確率変動回数更新処理は特図変動表示ゲームの開始時に行われるため、高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームについては、当該特図変動表示ゲームの変動表示中にはすでに低確率状態になっている。よって、当該特図変動表示ゲームの変動表示中において他の処理が現実の確率状態を参照して処理を行うと、低確率状態であるものとして処理が行われてしまうために不都合が生じる虞がある。そこで、当該特図変動表示ゲームについては高確率状態として実行しているゲームとして扱うことができるようにするために最終変動フラグを設定するようにしている。また、最終変動フラグは、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態の何れでの抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームであるかや、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れであるかを判定できる情報を含んでいる。なお、本実施形態では、第1特定遊技状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームについての最終変動フラグについては第1最終変動フラグと称し、第2特定遊技状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームについての最終変動フラグについては第2最終変動フラグと称する。
〔特図1変動中処理移行設定処理〕
図62には、特図1普段処理における特図1変動中処理移行設定処理(ステップY216)を示した。この特図1変動中処理移行設定処理では、まず、特図1ゲーム処理番号として「1」を設定し(ステップY601)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY602)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップY603)、特図1の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY604)。ここでは特別図柄1変動中信号をONに設定する。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップY605)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(ステップY606)。さらに、特図1変動中図柄番号領域に初期値をセットして(ステップY607)、特図1変動中処理移行設定処理を終了する。
特図1変動中図柄番号領域にセットする初期値は0であり、これによりすべてのセグメントが消灯した状態から変動表示が開始されるようになる。結果態様を表示した状態では少なくとも一つのセグメントが点灯しているので、すべてのセグメントを消灯した状態から変動表示を開始することで変動表示が開始したことを即座に認識することが可能となる。
〔特図2変動中処理移行設定処理〕
図63には、特図2普段処理における特図2変動中処理移行設定処理(ステップY230)を示した。この特図2変動中処理移行設定処理では、まず、特図2ゲーム処理番号として「1」を設定し(ステップY611)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY612)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップY613)、特図2の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY614)。ここでは特別図柄2変動中信号をONに設定する。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップY615)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(ステップY616)。さらに、特図2変動中図柄番号領域に初期値をセットして(ステップY617)、特図2変動中処理移行設定処理を終了する。
特図2変動中図柄番号領域にセットする初期値は0であり、これによりすべてのセグメントが消灯した状態から変動表示が開始されるようになる。結果態様を表示した状態では少なくとも一つのセグメントが点灯しているので、すべてのセグメントを消灯した状態から変動表示を開始することで変動表示が開始したことを即座に認識することが可能となる。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52において変動表示を開始する際にはすべてのセグメントを消灯状態とした状態から開始するとしたが、これに限られるものではない。例えば、何れの結果態様の点灯態様とも異なる点灯態様から変動表示を開始するようにしても良いし、何れの結果態様でも用いられないセグメントがあれば少なくとも当該セグメントを点灯した状態から変動表示を開始するようにしても良い。また、必ず毎回同じ一のセグメントを点灯した状態から変動表示を開始するようにしてもよい。また、特図1表示器51と特図2表示器52で変動を開始する際の点灯態様は同じでも良いし異なっていても良い。
〔特図1変動中処理〕
図64には、上述の特図1ゲーム処理における特図1変動中処理(ステップY109)を示した。この特図1変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新し(ステップY621)、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして準備して(ステップY622)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY623)。
次に、飾り特図1停止コマンドを準備して(ステップY624)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY625)。本実施形態の遊技機では、変動開始時に設定した変動時間よりも前に強制的に停止する場合もあるため、変動を停止する際には停止コマンドを演出制御装置300に送信するようにしている。
その後、第1特定遊技状態の最終変動であるかを判定する(ステップY626)。なお、特図1変動表示ゲームが第1特定遊技状態の最終変動である場合は特図1の第1最終変動フラグが設定されている。そして、第1特定遊技状態の最終変動でない場合(ステップY626;N)は、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定し(ステップY627)、ステップY629に移行する。また、第1特定遊技状態の最終変動である場合(ステップY626;Y)は、最終変動時の表示時間を設定し(ステップY628)、ステップY629に移行する。なお、ここで設定される特図1変動表示ゲームの表示時間(停止時間)としては、第1特定遊技状態の最終変動でない場合には、はずれの場合に600ms、大当りの場合に2000ms、小当りの場合に136msの表示時間が設定される。また、第1特定遊技状態の最終変動である場合には、結果にかかわらず7000msの表示時間が設定される。
その後、特図1はずれであるか、すなわち特図1変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定する(ステップY629)。特図1はずれである場合(ステップY629;Y)は、ステップY644に移行する。また、特図1はずれでない場合(ステップY629;N)、すなわち大当り又は小当りである場合は、特図2変動表示ゲームも実行中であるかを判定する(ステップY630)。なお特図2変動表示ゲームが実行中であるか否かは特図ステータスを参照することで把握できる。
そして、特図2変動表示ゲームが実行中でない場合(ステップY630;N)は、ステップY640に移行する。また、特図2変動表示ゲームが実行中である場合(ステップY630;Y)は、特図2表示中処理中であるかを判定する(ステップY631)。すなわちこの場合は、特図1変動表示ゲームが特別結果になることに基づき、実行中の特図2変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止させられる場合である。なお、特図2変動表示ゲームがすでに変動表示を終了しているが表示時間(停止時間)が終了していない場合も強制停止の対象となる。
特図2表示中処理中である場合(ステップY631;Y)は、ステップY633に移行する。また、特図2表示中処理中でない場合(ステップY631;N)は、図柄確定回数出力回数を+1更新し(ステップY632)、特図2の表示時間として上記で設定した特図1の表示時間+4msの表示時間を設定する(ステップY633)。特図2の表示時間として特図1の表示時間+4msの表示時間を設定することで、特図1と特図2の表示時間が同時に終了するようになる。なお、すでに特図2変動表示ゲームが表示時間中であった場合にも表示時間が再設定され、新たに表示時間が開始されるようになる。
次に、特図2ゲーム処理タイマ領域に表示時間をセーブして(ステップY634)、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップY635)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY636)。その後、飾り特図2停止コマンドを準備して(ステップY637)、演出コマンド設定処理を行い(ステップY638)、特図2表示中処理移行設定処理2を行う(ステップY639)。
そして、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして当り図柄コマンド領域にセーブし(ステップY640)、特図1小当りであるか、すなわち特図1変動表示ゲームの結果が小当りであるかを判定する(ステップY641)。特図1小当りである場合(ステップY641;Y)は、ステップY644に移行する。また、特図1小当りでない場合(ステップY641;N)、すなわち大当りである場合は、特図1ラウンド数上限値情報領域から情報をロードしてラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY642)、特図1大入賞口開放情報領域から情報をロードして大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY643)。
その後、特図1停止図柄退避領域から情報をロードして特図1停止図柄領域にセーブし(ステップY644)、特図1表示中処理移行設定処理1を行って(ステップY645)、特図1表示中処理を終了する。
〔特図2変動中処理〕
図65には、上述の特図2ゲーム処理における特図2変動中処理(ステップY140)を示した。この特図2変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新し(ステップY651)、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして準備して(ステップY652)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY653)。
次に、飾り特図2停止コマンドを準備して(ステップY654)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY655)。その後、第1特定遊技状態の最終変動であるかを判定する(ステップY656)。なお、特図2変動表示ゲームが第1特定遊技状態の最終変動である場合は特図2の第1最終変動フラグが設定されている。
そして、第1特定遊技状態の最終変動でない場合(ステップY656;N)は、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定し(ステップY657)、ステップY659に移行する。また、第1特定遊技状態の最終変動である場合(ステップY656;Y)は、最終変動時の表示時間を設定し(ステップY658)、ステップY659に移行する。なお、ここで設定される特図2変動表示ゲームの表示時間(停止時間)としては、第1特定遊技状態の最終変動でない場合には結果にかかわらず600ms、第1特定遊技状態の最終変動である場合には結果にかかわらず7000msの表示時間が設定される。
その後、特図2はずれであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定する(ステップY659)。特図2はずれである場合(ステップY659;Y)は、ステップY674に移行する。また、特図2はずれでない場合(ステップY659;N)、すなわち大当り又は小当りである場合は、特図1変動表示ゲームも実行中であるかを判定する(ステップY660)。なお特図1変動表示ゲームが実行中であるか否かは特図ステータスを参照することで把握できる。
そして、特図1変動表示ゲームが実行中でない場合(ステップY660;N)は、ステップY670に移行する。また、特図1変動表示ゲームが実行中である場合(ステップY660;Y)は、特図1表示中処理中であるかを判定する(ステップY661)。すなわちこの場合は、特図2変動表示ゲームが特別結果になることに基づき、実行中の特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止させられる場合である。なお、特図1変動表示ゲームがすでに変動表示を終了しているが表示時間(停止時間)が終了していない場合も強制停止の対象となる。
特図1表示中処理中である場合(ステップY661;Y)は、ステップY664に移行する。また、特図1表示中処理中でない場合(ステップY661;N)は、図柄確定回数出力回数を+1更新し(ステップY662)、ステップY664に移行する。
次に、特図1ゲーム処理タイマ領域に表示時間をセーブして(ステップY664)、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップY665)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY666)。その後、飾り特図1停止コマンドを準備して(ステップY667)、演出コマンド設定処理を行い(ステップY668)、特図1表示中処理移行設定処理2を行う(ステップY669)。
そして、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードして当り図柄コマンド領域にセーブし(ステップY670)、特図2小当りであるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果が小当りであるかを判定する(ステップY671)。特図2小当りである場合(ステップY671;Y)は、ステップY674に移行する。また、特図2小当りでない場合(ステップY671;N)、すなわち大当りである場合は、特図2ラウンド数上限値情報領域から情報をロードしてラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップY672)、特図2大入賞口開放情報領域から情報をロードして大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップY673)。
その後、特図2停止図柄退避領域から情報をロードして特図2停止図柄領域にセーブし(ステップY674)、特図2表示中処理移行設定処理1を行って(ステップY675)、特図2表示中処理を終了する。
〔特図1表示中処理移行設定処理1〕
図66には、上述の特図1変動中処理での特図1表示中処理移行設定処理1(ステップY645)を示した。この特図1表示中処理移行設定処理1では、まず、特図1表示中処理に係る特図1ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY681)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY682)。
次に、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY683)。ここでは特別図柄1変動中信号をOFFに設定する。その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップY684)、特図1変動中処理移行設定処理1を終了する。
〔特図2表示中処理移行設定処理1〕
図67には、上述の特図2変動中処理での特図2表示中処理移行設定処理1(ステップY675)を示した。この特図2表示中処理移行設定処理1では、まず、特図2表示中処理に係る特図2ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY691)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY692)。
次に、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY693)。ここでは特別図柄2変動中信号をOFFに設定する。その後、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(ステップY694)、特図2変動中処理移行設定処理1を終了する。
〔特図1表示中処理移行設定処理2〕
図68には、上述の特図2変動中処理での特図1表示中処理移行設定処理2(ステップY669)を示した。この特図1表示中処理移行設定処理2では、まず、特図1表示中処理に係る特図1ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY701)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY702)。
次に、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY703)、その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブする(ステップY704)。
ここまでは上述の特図1表示中処理移行設定処理1と同様であり、以下、はずれ結果とするための情報の設定を行う。まず、停止図柄パターン領域にはずれ停止図柄パターンをセーブし(ステップY705)、特図1ラウンド数上限値情報領域をクリアする(ステップY706)。
次に、特図1大入賞口開放情報領域をクリアし(ステップY707)、小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブして(ステップY708)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップY709)。そして、特図1停止図柄退避領域をクリアし(ステップY710)、特図1停止図柄領域にはずれ停止図柄番号をセーブして(ステップY711)、特図1表示中処理移行設定処理2を終了する。
〔特図2表示中処理移行設定処理2〕
図69には、上述の特図1変動中処理での特図2表示中処理移行設定処理2(ステップY639)を示した。この特図2表示中処理移行設定処理2では、まず、特図2表示中処理に係る特図2ゲーム処理番号「2」を設定し(ステップY721)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY722)。
次に、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY723)、その後、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブする(ステップY724)。
ここまでは上述の特図2表示中処理移行設定処理1と同様であり、以下、はずれ結果とするための情報の設定を行う。まず、停止図柄パターン領域にはずれ停止図柄パターンをセーブし(ステップY725)、特図2ラウンド数上限値情報領域をクリアする(ステップY726)。
次に、特図2大入賞口開放情報領域をクリアし(ステップY727)、小当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブして(ステップY728)、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップY729)。そして、特図2停止図柄退避領域をクリアし(ステップY730)、特図2停止図柄領域にはずれ停止図柄番号をセーブして(ステップY731)、特図2表示中処理移行設定処理2を終了する。
以上の図64〜図69の処理により、一方の特図変動表示ゲームが特別結果となった場合に他方の特図変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止されることとなる。すなわち、特図1変動表示ゲームが特別結果となることに基づき特図2変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止される第1終了制御処理がなされ、特図2変動表示ゲームが特別結果となることに基づき特図1変動表示ゲームが強制的にはずれ結果で停止される第2終了制御処理がなされることとなる。
以上のことから、第1変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)は、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の実行制御を行っている場合に、第2変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)によって実行制御が行われている第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が特別結果となった場合に、当該実行制御を行っている第1変動表示ゲームを特別結果以外の結果として終了させることが可能であり、第2変動表示ゲーム実行制御手段は、第2変動表示ゲームの実行制御を行っている場合に、第1変動表示ゲーム実行制御手段によって実行制御が行われている第1変動表示ゲームが特別結果となった場合に、当該実行制御を行っている第2変動表示ゲームを特別結果以外の結果として終了させることが可能であることとなる。これにより、一方の変動表示ゲームで特別結果が導出された際に他方の変動表示ゲームを強制的にはずれ結果で停止させることでき、同時変動を行う場合であっても不具合が生じることのないようにすることができる。
〔特図1表示中処理〕
図70、図71には、上述の特図1ゲーム処理における特図1表示中処理(ステップY110)を示した。この特図1表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて小当りフラグ1領域に設定された小当りフラグ1をロードして(ステップY751)、小当りフラグ1領域をクリアする(ステップY752)。
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて大当りフラグ1領域に設定された大当りフラグ1ロードして(ステップY753)、大当りフラグ1領域をクリアする(ステップY754)。そして、特図1は大当りか、すなわちロードされた大当りフラグ1が大当り情報かを判定し(ステップY755)、大当りでない場合(ステップY755;N)は、ステップY777に移行する。また、大当りである場合(ステップY755;Y)は、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY756)。
そして、特図2異常変動解除コマンドを準備し(ステップY757)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY758)。すなわち、第1特別遊技状態の発生に伴い異常変動報知を終了する。その後、ラウンド数上限値テーブルを設定し(ステップY759)、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、12,5又は2)を取得してラウンド数上限値領域にセーブする(ステップY760)。さらに、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップY761)。
次に、特図1停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドを当り図柄コマンド領域からロードして準備し(ステップY762)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY763)。その後、ファンファーレコマンドを準備して(ステップY764)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY765)。
次に、大入賞口開放情報と特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY766)。本実施形態の場合、ステップY766において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば100ms)を設定して(ステップY767)、設定した大当りファンファーレ時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY768)。そして、確変作動領域通過情報領域をクリアし(ステップY769)、上大入賞口不正入賞数領域をクリアして(ステップY770)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップY771)。さらに、下大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY772)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY773)、ステップY774に移行する。
次に、処理番号として3を設定し(ステップY774)、特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY775)。さらに、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY776)を行い、特図1表示中処理を終了する。
一方、ステップY755にて、特図1は大当りでない場合(ステップY755;N)、すなわち大当りフラグ1がはずれ情報である場合は、ロードした小当りフラグ1が小当り(小当り情報)かを判定する(ステップY777)。そして、小当りフラグ1が小当りである場合(ステップY777;Y)は、最終変動であるかを判定する(ステップY778)。ここでの最終変動には、第1最終変動と第2最終変動の両方を含む。すなわち、第1特別遊技状態が終了して第1又は第2特定遊技状態となってから所定回数目(ここでは100回目)の特図変動表示ゲームの実行中(停止時間を含む)であって、第1又は第2特定遊技状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームの実行中であり、高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームである。
最終変動でない場合(ステップY778;N)は、ステップY783に移行する。また、最終変動である場合(ステップY778;Y)は、確率情報コマンド(低確率)を準備し(ステップY779)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY780)。そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップY781)、左打ち指示報知フラグ及び最終変動フラグをクリアする(ステップY782)。左打ち指示報知フラグをクリアすることで、次回行われる特図1普段処理において左打ち指示報知コマンドが設定されて左打ちを指示する報知が行われるようになる。なお、左打ち指示報知フラグのクリアは第1最終変動の場合のみ行うが、第2最終変動の場合も行うようにしても良い。
その後、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップY783)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY784)。さらに、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップY785)、演出コマンド設定処理を行って(ステップY786)、第1特定遊技状態かを判定する(ステップY787)。
第1特定遊技状態でない場合(ステップY787;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY788)。ここでは発射位置指定信号1をOFFにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップY789)。これにより第1遊技状態表示部77が消灯状態となり、左打ちを指示する表示となる。
一方、第1特定遊技状態である場合(ステップY787;Y)は、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY790)。ここでは発射位置指定信号1をONにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップY791)。これにより第1遊技状態表示部77が点灯状態となり、右打ちを指示する表示となる。
その後、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)を開放する小当りであるかを判定し(ステップY792)上大入賞口を開放する小当りである場合(ステップY792;Y)は、上大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY793)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY794)、ステップY797に移行する。また、上大入賞口を開放する小当りでない場合(ステップY792;N)、すなわち下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)を開放する小当りである場合は、下大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY795)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY796)、ステップY797に移行する。そして、特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY797)を行い、特図1表示中処理を終了する。
また、ステップY777にて、小当りフラグ1が小当りでないと判定した場合(ステップY777;N)は、最終変動であるかを判定する(ステップY798)。ここでの最終変動も第1最終変動と第2最終変動の両方を含む。すなわち高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームであるかを判定する。
最終変動でない場合(ステップY798;N)は、ステップY806に移行する。また、最終変動である場合(ステップY798;Y)は、確率情報コマンド(低確率)を準備し(ステップY799)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY800)。そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップY801)、左打ち指示報知フラグ及び最終変動フラグをクリアする(ステップY802)。なお、左打ち指示報知フラグのクリアは第1最終変動の場合のみ行うが、第2最終変動の場合も行うようにしても良い。
次に特図2の小当り中、すなわち特図2変動表示ゲームで発生した小当りに基づく第2特別遊技状態中であるかを判定する(ステップY803)。特図2の小当り中である場合(ステップY803;Y)は、ステップY806に移行する。これにより右打ちを指示する状態が維持される。また、特図2の小当り中でない場合(ステップY803;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY804)、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップY805)。その後、特図ステータス領域の特図1変動中をクリア(情報減算)し(ステップY806)、特図1普段処理移行設定処理1を行って(ステップY807)、特図1表示中処理を終了する。
〔特図2表示中処理〕
図72、図73には、上述の特図2ゲーム処理における特図2表示中処理(ステップY141)を示した。なお、この特図2表示中処理は、上述の特図1表示中処理と同等の処理を、特図2を対象として行うものである。この特図2表示中処理では、まず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて小当りフラグ2領域に設定された小当りフラグ2をロードして(ステップY811)、小当りフラグ2領域をクリアする(ステップY812)。
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて大当りフラグ2領域に設定された大当りフラグ2ロードして(ステップY813)、大当りフラグ2領域をクリアする(ステップY814)。そして、特図2は大当りか、すなわちロードされた大当りフラグ2が大当り情報かを判定し(ステップY815)、大当りでない場合(ステップY815;N)は、ステップY837に移行する。また、大当りである場合(ステップY815;Y)は、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY816)。
そして、特図2異常変動解除コマンドを準備し(ステップY817)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY818)。すなわち、第1特別遊技状態の発生に伴い異常変動報知を終了する。その後、ラウンド数上限値テーブルを設定し(ステップY819)、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、12,5又は2)を取得してラウンド数上限値領域にセーブする(ステップY820)。さらに、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップY821)。
次に、特図2停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドを当り図柄コマンド領域からロードして準備し(ステップY822)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY823)。その後、ファンファーレコマンドを準備して(ステップY824)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY825)。
次に、大入賞口開放情報と特図変動表示ゲームにて大当りとなる確率の状態に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY826)。本実施形態の場合、ステップY826において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば100ms)を設定して(ステップY827)、設定した大当りファンファーレ時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY828)。そして、確変作動領域通過情報領域をクリアし(ステップY829)、上大入賞口不正入賞数領域をクリアして(ステップY830)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップY831)。さらに、下大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY832)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY833)、ステップY834に移行する。
次に、処理番号として3を設定し(ステップY834)、特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY835)。さらに、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY836)を行い、特図2表示中処理を終了する。
一方、ステップY815にて、特図2は大当りでない場合(ステップY815;N)、すなわち大当りフラグ2がはずれ情報である場合は、ロードした小当りフラグ2が小当り(小当り情報)かを判定する(ステップY837)。そして、小当りフラグ2が小当りである場合(ステップY837;Y)は、最終変動であるかを判定する(ステップY838)。ここでの最終変動には、第1最終変動と第2最終変動の両方を含む。すなわち、第1特別遊技状態が終了して第1又は第2特定遊技状態となってから所定回数目(ここでは100回目)の特図変動表示ゲームの実行中(停止時間を含む)であって、第1又は第2特定遊技状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームの実行中であり、高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームである。
最終変動でない場合(ステップY838;N)は、ステップY843に移行する。また、最終変動である場合(ステップY838;Y)は、確率情報コマンド(低確率)を準備し(ステップY839)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY840)。そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップY841)、左打ち指示報知フラグ及び最終変動フラグをクリアする(ステップY842)。左打ち指示報知フラグをクリアすることで、次回行われる特図1普段処理において左打ち指示報知コマンドが設定されて左打ちを指示する報知が行われるようになる。なお、左打ち指示報知フラグのクリアは第1最終変動の場合のみ行うが、第2最終変動の場合も行うようにしても良い。
その後、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップY843)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY844)。さらに、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップY845)、演出コマンド設定処理を行って(ステップY846)、第1特定遊技状態かを判定する(ステップY847)。
第1特定遊技状態でない場合(ステップY847;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY848)。ここでは発射位置指定信号1をOFFにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップY849)。これにより第1遊技状態表示部77が消灯状態となり、左打ちを指示する表示となる。
一方、第1特定遊技状態である場合(ステップY847;Y)は、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY850)。ここでは発射位置指定信号1をONにするように設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップY851)。これにより第1遊技状態表示部77が点灯状態となり、右打ちを指示する表示となる。
その後、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)を開放する小当りであるかを判定し(ステップY852)上大入賞口を開放する小当りである場合(ステップY852;Y)は、上大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY853)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY854)、ステップY857に移行する。また、上大入賞口を開放する小当りでない場合(ステップY852;N)、すなわち下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)を開放する小当りである場合は、下大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップY855)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップY856)、ステップY857に移行する。そして、特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY857)を行い、特図2表示中処理を終了する。
また、ステップY837にて、小当りフラグ2が小当りでないと判定した場合(ステップY837;N)は、最終変動であるかを判定する(ステップY858)。ここでの最終変動も第1最終変動と第2最終変動の両方を含む。すなわち高確率状態での抽選が行われた最後の特図変動表示ゲームであるかを判定する。そして、最終変動でない場合(ステップY858;N)は、ステップY866に移行する。また、最終変動である場合(ステップY858;Y)は、確率情報コマンド(低確率)を準備し(ステップY859)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY860)。そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップY861)、左打ち指示報知フラグ及び最終変動フラグをクリアする(ステップY862)。なお、左打ち指示報知フラグのクリアは第1最終変動の場合のみ行うが、第2最終変動の場合も行うようにしても良い。
次に特図1の小当り中、すなわち特図1変動表示ゲームで発生した小当りに基づく第2特別遊技状態中であるかを判定する(ステップY863)。特図1の小当り中である場合(ステップY863;Y)は、ステップY866に移行する。これにより右打ちを指示する状態が維持される。また、特図1の小当り中でない場合(ステップY863;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY864)、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップY865)。その後、特図ステータス領域の特図2変動中をクリア(情報減算)し(ステップY866)、特図2普段処理移行設定処理1を行って(ステップY867)、特図2表示中処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームが第1特別結果となったことに基づき、条件装置の作動を伴なって特別変動入賞装置を開放する第1特別遊技状態を発生させる第1特別遊技発生手段をなすとともに、変動表示ゲームが第2特別結果となったことに基づき、条件装置の作動を伴わずに特別変動入賞装置を開放する第2特別遊技状態を発生させる第2特別遊技発生手段をなす。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
図74には、上述の特図1表示中処理及び特図2表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップY776、Y836)の詳細について説明する。このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理では、まず、大当り(第1特別遊技状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY871)。ここでは大当り又は小当りで出力する大当り1信号をONに設定する。次に高確率状態と時短状態(特別図柄の変動時間短縮状態)の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY872)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFFに設定する。
その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステップY873)、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブして(ステップY874)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率、時短なしフラグをセーブする(ステップY875)。
そして、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップY876)、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための高確率変動回数領域をクリアする(ステップY877)。これにより高確率状態及び時短状態が終了し、低確率状態かつ通常状態となる。
次に、特図ステータス領域に大当り中情報をセーブし(ステップY878)、最終変動フラグ領域をクリアする(ステップY879)。最終変動フラグ領域には第1最終変動フラグと第2最終変動フラグの何れかが設定されるが、何れが設定されていてもクリアされる。さらに、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップY880)、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(ステップY881)。
その後、特図2異常変動フラグ領域に解除フラグをセーブし(ステップY882)、特図2異常変動数を記憶する特図2異常数領域をクリアする(ステップY883)。さらに、特図1変動回数領域を0クリアし(ステップY884)、特図2異常変動報知タイマ領域を0クリアして(ステップY885)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理を終了する。すなわち、大当りの発生に伴い、特図2異常変動に関する情報を全てクリアする。
〔特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理〕
図75には、上述の特図1表示中処理における特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY797)を示した。この特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップY891)、当該処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY892)。
次に、小当りファンファーレ時間(例えば4ms)を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY893)、小当りの開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY894)。ここでは大当り又は小当りで出力する大当り1信号をONに設定する。さらに、特図1小当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY895)。ここでは特別図柄1小当り信号をONに設定する。
その後、特図ステータス情報に小当り中情報をセーブし(ステップY896)、ラウンドLEDポインタ領域に小当り表示ポインタをセーブして(ステップY897)、特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理を終了する。
〔特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理〕
図76には、上述の特図2表示中処理における特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップY857)を示した。この特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップY901)、当該処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY902)。
次に、小当りファンファーレ時間(例えば4ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY903)、小当りの開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY904)。ここでは大当り又は小当りで出力する大当り1信号をONに設定する。さらに、特図2小当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY905)。ここでは特別図柄2小当り信号をONに設定する。
その後、特図ステータス情報に小当り中情報をセーブし(ステップY906)、ラウンドLEDポインタ領域に小当り表示ポインタをセーブして(ステップY907)、特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
図77には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップY111、Y142)を示した。このファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップY951)、大入賞口開放情報とラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備し(ステップY952)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY953)。
次に、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大当り中処理制御ポインタ初期値を設定し(ステップY954)、ポインタ初期値を大当り中処理制御ポインタ領域にセーブする(ステップY955)。大当り中処理制御ポインタ初期値としては、一のラウンドにおいて開閉を繰り返す場合には0を設定する。ここでは、上V開放が相当する。また、一のラウンドにおいて連続した1回の開放を行う場合には、大当り動作終了値である2を設定する。なお、一のラウンドにおける開閉回数に応じて初期値を0以外に設定しても良い。
そして、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大入賞口開放時間を設定し(ステップY956)、処理番号として4を設定する(ステップY957)。ここで設定する開放時間としては、例えば200ms、25000msの何れかである。
次に特図1の大当りであるかを判定し(ステップY958)、特図1の大当りである場合(ステップY958;Y)は、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY959)、大入賞口開放時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY960)。一方、特図1の大当りでない場合(ステップY958;N)は、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY961)、大入賞口開放時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY962)。
そして、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)開放のラウンドであるかを判定する(ステップY963)。上大入賞口開放のラウンドである場合(ステップY963;Y)は、大入賞口開放中処理移行設定処理1を行い(ステップY964)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。また、上大入賞口開放のラウンドでない場合(ステップY963;N)は、大入賞口開放中処理移行設定処理2を行い(ステップY965)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理1〕
図78には、上述のファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処理移行設定処理1(ステップY964)を示した。この大入賞口開放中処理移行設定処理1においては、まず、上大入賞口の開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY971)。ここでは特別電動役物1作動中信号をONに設定する。そして、第1特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放するために大入賞口ソレノイド出力データ領域に上大入賞口オンデータをセーブし(ステップY972)、大入賞口への入賞数を計数する大入賞口カウント数をクリアする(ステップY973)
次に、レバーソレノイドの動作ラウンドであるかを判定する(ステップY974)。レバーソレノイド動作ラウンドとは、レバーソレノイド38fを動作してレバー部材38iを動作させるラウンドであり、本実施形態の場合は1ラウンド目の特定ラウンドのみである。レバーソレノイド動作ラウンドである場合(ステップY974;Y)は、レバーソレノイドの動作データを設定し(ステップY975)、大入賞口開放中処理移行設定処理1を終了する。これにより、レバーソレノイド制御ポインタ領域にデータが設定されるとともに、レバーソレノイド制御タイマがクリアされる。また、レバーソレノイド動作ラウンドでない場合(ステップY974;N)は、レバーソレノイドの停止データを設定し(ステップY976)、大入賞口開放中処理移行設定処理1を終了する。この場合は第1特別変動入賞装置38が開放されるがレバーソレノイド38fを動作しない場合である。なお、本実施形態ではレバーソレノイド動作ラウンド以外に第1特別変動入賞装置38を開放する場合がないためこの処理は行われない。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理2〕
図79には、上述のファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処理移行設定処理2(ステップY965)を示した。この大入賞口開放中処理移行設定処理2においては、まず、下大入賞口の開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY981)。ここでは特別電動役物2作動中信号をONに設定する。そして、第2特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放するために大入賞口ソレノイド出力データ領域に下大入賞口オンデータをセーブし(ステップY982)、大入賞口への入賞数を計数する大入賞口カウント数をクリアして(ステップY983)、大入賞口開放中処理移行設定処理2を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
図80には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップY112,Y143)を示した。この大入賞口開放中処理では、まず、大当り中処理制御ポインタをロードし(ステップY1001)、ロードした値が大当り動作終了値(ここでは2)以上であるかを判定する(ステップY1002)。
ロードした値が大当り動作終了値(ここでは2)以上でない場合(ステップY1002;N)は、大当り動作移行設定処理を行って(ステップY1003)、大当り中処理制御ポインタを+1更新し(ステップY1004)、大入賞口開放中処理を終了する。この場合は一のラウンド中に開閉が行われる場合であり、更新された大当り中処理制御ポインタに応じて特別変動入賞装置の開閉態様が設定されることとなる。
一方、ロードした値が大当り動作終了値(ここでは2)以上である場合(ステップY1002;Y)は、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップY1005)。そして、最終ラウンドでない場合(ステップY1005;N)は、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備し(ステップY1006)、演出コマンド設定処理(ステップY1008)を行う。また、最終ラウンドである場合(ステップY1005;Y)は、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備し(ステップY1007)、演出コマンド設定処理(ステップY1008)を行う。
次に、大入賞口開放情報に対応する残存球処理時間を設定し(ステップY1009)、処理番号として大入賞口残存球処理にかかる5を設定する(ステップY1010)。残存球処理時間としては、1300ms又は1700msが設定される。そして、特図1の大当りであるかを判定する(ステップY1011)。
特図1の大当りである場合(ステップY1011;Y)は、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY1012)、残存球処理時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY1013)。一方、特図1の大当りでない場合(ステップY1011;N)は、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY1014)、残存球処理時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップY1015)。
その後、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップY1016)、大入賞口開放中処理を終了する。なお、ステップY1016では上大入賞口ソレノイドと下大入賞口ソレノイドの両方についてオフデータを設定して、何れの大入賞口についても閉じる処理を行うようにしている。
〔大当り動作移行設定処理〕
図81には、上述の大入賞口開放中処理における大当り動作移行設定処理(ステップY1004)を示した。この大当り動作移行設定処理では、まず、大当り中処理制御ポインタの値が偶数か奇数かによる分岐処理を行う(ステップY1021)。なお、ここでは0は偶数であるとして分岐処理を行う。
ステップY1021にて大当り中処理制御ポインタの値が偶数である場合は、制御ポインタに対応するウェイト時間を設定する(ステップY1022)。ここではウェイト時間として2700msを設定する。なお、ポインタの値によって異なるウェイト時間を設定するようにしても良い。次に、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブし(ステップY1023)、ステップY1026に移行する。なお、ステップY1023では上大入賞口ソレノイドと下大入賞口ソレノイドの両方についてオフデータを設定して、何れの大入賞口についても閉じる処理を行うようにしている。
一方、ステップY1021にて大当り中処理制御ポインタの値が奇数である場合は、制御ポインタに対応する大入賞口開放時間を設定する(ステップY1024)。ここでは大入賞口開放時間として大当り中処理制御ポインタの値が1である場合に25000msを設定する。次に、大入賞口ソレノイド出力データ領域に上大入賞口オンデータをセーブし(ステップY1025)、ステップY1026に移行する。なお、本実施形態の遊技機では一のラウンド中に開閉を繰り返すのは上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)のみであるため、ステップY1024では上大入賞口ソレノイドについてオンデータをセーブしている。もちろん遊技機の設定によっては下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)についても一のラウンドにおいて開閉を繰り返すことができるようにしても良い。
その後、特図1の大当りであるかを判定し(ステップY1026)、特図1の大当りである場合(ステップY1026;Y)は、設定した時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1027)、大当り動作移行設定処理を終了する。また、特図1の大当りでない場合(ステップY1026;N)は、設定した時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1028)、大当り動作移行設定処理を終了する。以上の処理により、一のラウンドにおいて大入賞口の開閉を繰り返すことが可能となる。
〔大入賞口残存球処理〕
図82には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップY113、Y144)を示した。この大入賞口残存球処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップY1041)。
そして、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップY1041;N)は、大入賞口開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1042)。ここでは、特別電動役物1作動中信号をOFF及び特別電動役物2作動中信号をOFFに設定する。次に、大入賞口開放情報と今回のラウンド数とに対応するインターバル時間を設定し(ステップY1043)、処理番号としてファンファーレ/インターバル中処理にかかる3を設定する(ステップY1044)。
ラウンドとラウンドの間のインターバル期間は、ラウンドの終了から残存球処理時間が経過し、さらに該残存球処理時間の経過からインターバル時間が経過するまでの期間とされる。例えば、下ロング開放であれば1700msの残存球処理時間と300msのインターバル時間が設定されるので、インターバル期間は2000msとなり、このインターバル期間において、表示装置41等でインターバル演出が実行される。
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップY1041;Y)は、大当り終了処理移行設定処理を行い(ステップY1045)、停止図柄パターンに対応するエンディング時間を設定して(ステップY1046)、処理番号として特図1大当り終了処理又は特図2大当り終了処理にかかる6を設定する(ステップY1047)。
そして、特図1の大当りであるかを判定する(ステップY1048)。特図1の大当りである場合(ステップY1048;Y)は、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY1049)、設定した時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1050)、大入賞口残存球処理を終了する。一方、特図1の大当りでない場合(ステップY1048;N)は、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップY1051)、設定した時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1052)、大入賞口残存球処理を終了する。
最終ラウンドの終了から特別遊技状態の終了までのエンディング期間は、最終ラウンドの終了から残存球処理時間が経過し、さらに該残存球処理時間の経過からエンディング時間が経過するまでの期間とされる。例えば、下ロング開放であれば1700msの残存球処理時間と2300msのエンディング時間が設定されるので、エンディング期間は4000msとなり、このエンディング期間において、表示装置41等でエンディング演出が実行される。
〔大当り終了処理移行設定処理〕
図83には、上述の大入賞口残存球処理における大当り終了処理移行設定処理(ステップY1045)を示した。この大当り終了処理移行設定処理においては、まず、大入賞口の開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1071)。ここでは、特別電動役物1作動中信号をOFF及び特別電動役物2作動中信号をOFFに設定する。
次に、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップY1072)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリアして(ステップY1073)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をクリアする(ステップY1074)。
そして、ラウンド数の上限値判定用のフラグを記憶するラウンド数上限値情報領域の情報をクリアし(ステップY1075)、大入賞口の開放情報判定用のフラグを記憶する大入賞口開放情報領域の情報をクリアして(ステップY1076)、大入賞口の開閉態様を設定するための大当り中制御ポインタ領域の情報をクリアし(ステップY1077)、大当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔特図1大当り終了処理〕
図84には、上述の特図1ゲーム処理における特図1大当り終了処理(ステップY114)を示した。この特図1大当り終了処理では、まず、確変作動領域38hに遊技球が流入した場合に設定される確変作動領域通過情報があるかを判定する(ステップY1101)。確変作動領域通過情報がない場合(ステップY1101;N)は、大当り終了設定処理2を行い(ステップY1102)、ステップY1104に移行する。この場合は高確率状態とならず通常遊技状態となる場合である。また、確変作動領域通過情報がある場合(ステップY1101;Y)は、大当り終了設定処理1を行い(ステップY1103)、ステップY1104に移行する。この場合は高確率状態かつ時短状態となり第1特定遊技状態となる場合である。すなわち、特図1変動表示ゲームでは、大当り図柄や遊技状態にかかわらず確変作動領域38hに遊技球が流入した場合には第1特定遊技状態となる。
次に、特図1普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップY1104)、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY1105)。そして、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1106)。ここでは、大当り1信号及び大当り3信号をOFFに設定する。その後、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1107)。ここでは、条件装置作動中信号、役物連続作動装置作動中信号、特別図柄1当り信号及び特別図柄2当り信号をOFFに設定する。
次に、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1108)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1109)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップY1110)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1111)。なお、特図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。その後、特図2ゲームウェイト時間値(ここでは8ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1112)、特図1大当り終了処理を終了する。
この特図1大当り終了処理を行うことで特図1及び特図2の何れについても特図変動表示ゲームを開始可能となるが、タイマ割込み処理においては特図1ゲーム処理の後に特図2ゲーム処理を行うため、特図1大当り終了処理を行ったタイマ割込みで特図2ゲーム処理において特図変動表示ゲームを開始する処理が行われて特図1変動表示ゲームよりも特図2変動表示ゲームの方が先に開始可能となってしまう。そこで、ステップY1112において特図2ゲームウェイト時間値を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブすることで、特図2変動表示ゲームについての開始処理を次回のタイマ割込み処理まで遅らせるようにし、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同一のタイマ割込みで処理されるようにしている。
すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後に、第1変動表示ゲーム実行制御手段が第1変動表示ゲームの開始に関する処理を実行可能となるまで、第2変動表示ゲーム実行制御手段が第2変動表示ゲームの開始に関する処理を実行可能な状態としないようにするゲーム処理待機手段をなす。
〔特図2大当り終了処理〕
図85には、上述の特図2ゲーム処理における特図2大当り終了処理(ステップY145)を示した。この特図2大当り終了処理では、まず、確変作動領域38hに遊技球が流入した場合に設定される確変作動領域通過情報があるかを判定する(ステップY1121)。確変作動領域通過情報がない場合(ステップY1121;N)は、大当り終了設定処理2を行い(ステップY1125)、ステップY1126に移行する。この場合は高確率状態とならず通常遊技状態となる場合である。また、確変作動領域通過情報がある場合(ステップY1121;Y)は、第1特定遊技状態で開始された特図2変動表示ゲームでの当りであるかを判定する(ステップY1122)。
第1特定遊技状態で開始された特図2変動表示ゲームでの当りである場合(ステップY1122;Y)、すなわち特図2変動表示ゲームが主変動特図である場合の当りである場合は、大当り終了設定処理1を行い(ステップY1124)、ステップY1126に移行する。この場合は高確率状態かつ時短状態となり第1特定遊技状態となる場合である。また、第1特定遊技状態で開始された特図2変動表示ゲームでの当りでない場合(ステップY1122;N)、すなわち特図2変動表示ゲームが主変動特図でない場合の当りである場合は、大当り終了設定処理3を行い(ステップY1123)、ステップY1126に移行する。この場合は高確率状態となるが時短状態とならず第2特定遊技状態となる場合である。すなわち、大当り図柄にかかわらず確変作動領域38hに遊技球が流入した場合には高確率状態となるが、主変動特図での当りであれば時短状態となり、主変動特図での当りでなければ時短状態とらないようにされている。
次に、特図2普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップY1126)、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY1127)。そして、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1128)。ここでは、大当り1信号及び大当り3信号をOFFに設定する。その後、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1129)。ここでは、条件装置作動中信号、役物連続作動装置作動中信号、特別図柄1当り信号及び特別図柄2当り信号をOFFに設定する。
次に、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1130)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1131)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップY1132)、特図ステータス領域をクリアし(ステップY1133)、特図2大当り終了処理を終了する。なお、特図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。
〔大当り終了設定処理1〕
図86には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大当り終了設定処理1(ステップY1103,1124)を示した。この大当り終了設定処理1では、まず、高確率状態と時短状態(特別図柄の変動時間短縮状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1141)。ここでは、大当り2信号をONに設定する。なお、大当り2信号は特別遊技状態中もONとなっており、これを継続するようにしている。
次に、高確率状態及び時短状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1142)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号及び特別図柄2変動時間短縮状態信号をONに設定する。その後、特図ゲームモードフラグ領域に高確率及び時短フラグをセーブし(ステップY1143)、高確率状態での特図変動表示ゲームの実行回数を管理するための高確率変動回数領域に初期値(ここでは100)をセーブする(ステップY1144)。
次に、遊技状態表示番号領域に高確率中の番号をセーブし(ステップY1145)、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1146)。ここでは発射位置指定信号1をONに設定する。その後、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1147)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブして(ステップY1148)、大当り終了設定処理1を終了する。この処理により、高確率状態かつ時短状態となり第1特定遊技状態となる。
〔大当り終了設定処理2〕
図87には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における大当り終了設定処理2(ステップY1102,1125)を示した。この大当り終了設定処理2では、まず、低確率状態の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1151)。ここでは、大当り2信号をOFFに設定する。
次に、低確率状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1152)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号及び特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFFに設定する。その後、特図ゲームモードフラグ領域に低確率及び時短なしフラグをセーブする(ステップY1153)。
次に、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブし(ステップY1154)、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1155)。ここでは発射位置指定信号1をOFFに設定する。その後、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1156)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブして(ステップY1157)、大当り終了設定処理2を終了する。この処理により、低確率状態かつ時短なしとなり通常遊技状態となる。
〔大当り終了設定処理3〕
図88には、上述の特図2ゲーム処理における大当り終了設定処理3(ステップY1123)を示した。この大当り終了設定処理3では、まず、高確率状態の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップY1161)。ここでは、大当り2信号をONに設定する。なお、大当り2信号は特別遊技状態中もONとなっており、これを継続するようにしている。
次に、高確率状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1162)。ここでは、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄2高確率状態信号をONに設定し、特別図柄1変動時間短縮状態信号及び特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFFに設定する。その後、特図ゲームモードフラグ領域に高確率及び時短なしフラグをセーブし(ステップY1163)、高確率状態での特図変動表示ゲームの実行回数を管理するための高確率変動回数領域に初期値(ここでは100)をセーブする(ステップY1164)。
次に、遊技状態表示番号領域に高確率中の番号をセーブし(ステップY1165)、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1166)。ここでは発射位置指定信号1をOFFに設定する。その後、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1167)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブして(ステップY1168)、大当り終了設定処理3を終了する。この処理により、高確率状態かつ時短なしとなり第2特定遊技状態となる。
以上の処理により、第1特別遊技状態の終了後に100回の特図変動表示ゲームを実行するまで高確率状態である特定遊技状態が設定可能となる。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後の所定期間に亘り、変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率を通常状態よりも高めた特定遊技状態を発生可能な特定遊技状態発生手段をなす。また、特定遊技状態発生手段は、特定遊技状態として所定期間に亘り変動表示ゲームの結果が第1特別結果となる確率を通常状態よりも高めるようにしていることとなる。
〔小当りファンファーレ中処理〕
次に、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(ステップY115、Y146)の詳細について説明する。図89に示すようにこの小当りファンファーレ中処理では、まず、開放パターンによる分岐を行う(ステップY1201)。
ステップY1201にて開放パターンが小当り1である場合は、下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)開放の小当り開放中コマンドを準備し(ステップY1202)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1203)。次に、処理番号として小当り中処理にかかる8を設定し(ステップY1204)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1205)。
その後、小当り開放時間1(ここでは48ms)を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1206)、小当り動作の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1207)。ここでは特別電動役物2作動中信号をONに設定する。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に下大入賞口オンデータをセーブし(ステップY1208)、ステップY1230に移行する。
また、ステップY1201にて開放パターンが小当り2である場合は、下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)開放の小当り開放中コマンドを準備し(ステップY1209)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1210)。次に、処理番号として小当り中処理にかかる8を設定し(ステップY1211)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1212)。
その後、小当り開放時間2(ここでは1600ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1213)、小当り動作の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1214)。ここでは特別電動役物2作動中信号をONに設定する。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に下大入賞口オンデータをセーブし(ステップY1215)、ステップY1230に移行する。
また、ステップY1201にて開放パターンが小当り3である場合は、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)開放の小当り開放中コマンドを準備し(ステップY1216)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1217)。次に、処理番号として小当り中処理にかかる8を設定し(ステップY1218)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1219)。
その後、小当り開放時間3(ここでは1200ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1220)、小当り動作の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1221)。ここでは特別電動役物1作動中信号をONに設定する。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に上大入賞口オンデータをセーブし(ステップY1222)、ステップY1230に移行する。
また、ステップY1201にて開放パターンが小当り4である場合は、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)開放の小当り開放中コマンドを準備し(ステップY1223)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1224)。次に、処理番号として小当り中処理にかかる8を設定し(ステップY1225)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1226)。
その後、小当り開放時間4(ここでは1600ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1227)、小当り動作の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1228)。ここでは特別電動役物1作動中信号をONに設定する。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に上大入賞口オンデータをセーブし(ステップY1229)、ステップY1230に移行する。これらの小当り種類に応じた処理を行った後、大入賞口への入賞数を計数する大入賞口カウント数領域をクリアし(ステップY1230)、小当りファンファーレ中処理を終了する。
〔小当り中処理〕
図90には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における小当り中処理(ステップY116、Y147)を示した。この小当り中処理では、まず、小当り終了画面コマンドを準備し(ステップY1241)、演出コマンド設定処理を行う(ステップY1242)。次に、開放パターンによる分岐を行う(ステップY1243)。
ステップY1243にて開放パターンが小当り1である場合は、処理番号として小当り残存球処理にかかる9を設定して(ステップY1244)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1245)。そして、小当り残存球処理時間1(ここでは600ms)を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1246)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップY1247)、小当り中処理を終了する。
ステップY1243にて開放パターンが小当り2である場合は、処理番号として小当り残存球処理にかかる9を設定して(ステップY1248)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1249)。そして、小当り残存球処理時間2(ここでは600ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1250)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップY1251)、小当り中処理を終了する。
ステップY1243にて開放パターンが小当り3又は4である場合は、処理番号として小当り残存球処理にかかる9を設定して(ステップY1252)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1253)。そして、小当り残存球処理時間3(ここでは800ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1254)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップY1255)、小当り中処理を終了する。
なお、ステップY1247、Y1251、Y1255では上大入賞口ソレノイドと下大入賞口ソレノイドの両方についてオフデータを設定して、何れの大入賞口についても閉じる処理を行うようにしている。
〔小当り残存球処理〕
図91には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップY117、Y148)を示した。この小当り残存球処理では、まず、特図1の小当りであるかを判定する(ステップY1271)。特図1の小当りである場合(ステップY1271;Y)は、処理番号として特図1小当り終了処理にかかる10を設定して(ステップY1272)、処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY1273)。次に、小当りエンディング時間(ここでは100ms)を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1274)、ステップY1278に移行する。
また、特図1の小当りでない場合(ステップY1271;N)は、処理番号として特図2小当り処理にかかる10を設定して(ステップY1275)、処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップY1276)。次に、小当りエンディング時間(ここでは100ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップY1277)、ステップY1278に移行する。
そして、小当り動作の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1278)。ここでは、特別電動役物1作動中信号及び特別電動役物2作動中信号をOFFに設定する。さらに、大入賞口カウント数領域をクリアして(ステップY1279)、小当り残存球処理を終了する。
〔特図1小当り終了処理〕
図92には、上述の特図1ゲーム処理における特図1小当り終了処理(ステップY118)を示した。この特図1小当り終了処理では、まず、処理番号として特図1普段処理にかかる0を設定し(ステップY1301)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1302)。
次に、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1303)。ここでは、特別図柄1小当り信号をOFFに設定する。そして、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1304)、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1305)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1306)。特図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。
次に、第1特定遊技状態であるかを判定し(ステップY1307)、第1特定遊技状態である場合(ステップY1307;Y)は、ステップY1310に移行する。また、第1特定遊技状態でない場合(ステップY1307;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1308)。ここでは、発射位置指定信号1をOFFに設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1309)、特図2ゲームウェイト時間値(ここでは8ms)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップY1310)、特図1小当り終了処理を終了する。ここでも特図2ゲームウェイト時間値を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブすることで、特図2変動表示ゲームについての開始処理を次回のタイマ割込み処理まで遅らせるようにし、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同一のタイマ割込みで処理されるようにしている。
〔特図2小当り終了処理〕
図93には、上述の特図2ゲーム処理における特図2小当り終了処理(ステップY149)を示した。この特図2小当り終了処理では、まず、処理番号として特図2普段処理にかかる0を設定し(ステップY1331)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップY1332)。
次に、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1333)。ここでは、特別図柄2小当り信号をOFFに設定する。そして、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップY1334)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(ステップY1335)。その後、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(ステップY1336)、特図ステータス領域をクリアする(ステップY1337)。特図ステータス領域のクリアにより、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れも実行されていない状態を示す特図ステータス0となる。
次に、第1特定遊技状態であるかを判定し(ステップY1338)、第1特定遊技状態である場合(ステップY1338;Y)は、特図2小当り終了処理を終了する。また、第1特定遊技状態でない場合(ステップY1338;N)は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップY1339)。ここでは、発射位置指定信号1をOFFに設定する。そして、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(ステップY1340)、特図2小当り終了処理を終了する。
〔図柄変動制御処理〕
図94には、上述の特図1ゲーム処理及び特図2ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップY120、Y153)を示した。図柄変動制御処理は、特図1表示器51や特図2表示器52での特別図柄の変動の制御と特別図柄の表示データの設定を行う処理である。この図柄変動制御処理では、まず、制御対象の図柄(特図1又は特図2)の変動制御フラグが変動中であるかをチェックする(ステップY1401)。
そして、変動制御フラグが変動中である場合(ステップY1402;Y)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得し(ステップY1403)、制御対象の図柄に係る点滅制御タイマを−1更新して(ステップY1404)、当該タイマの値が0、すなわちタイムアップしたかを判定する(ステップY1405)。
点滅制御タイマの値が0でない場合(ステップY1405;N)は、ステップY1408に移行する。また、点滅制御タイマの値が0である場合(ステップY1405;Y)は、点滅制御タイマ初期値(ここでは100ms)を制御対象の点滅制御タイマ領域にセーブし(ステップY1406)、制御対象の図柄に係る変動図柄番号を+1更新して(ステップY1407)、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップY1408)。その後、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップY1411)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、変動制御フラグが変動中でない場合(ステップY1402;N)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(ステップY1409)。そして、制御対象の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(ステップY1410)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップY1411)、図柄変動制御処理を終了する。これにより、特図1表示器51及び特図2表示器52のうち、制御対象となる特図表示器に図柄番号に対応した特図が表示されることとなる。
〔セグメントLED編集処理〕
図95には、上述のタイマ割込み処理におけるセグメントLED編集処理(ステップX112)を示した。このセグメントLED編集処理では、一括表示装置50に設けられた記憶表示部54、大当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊技者に有利な打ち方を報知する第1遊技状態表示部77、特図変動表示ゲームの確率状態(高確率状態又は低確率状態)を報知する確率表示部78を構成するセグメントLEDの駆動に関する設定等を行う。
このセグメントLED編集処理では、まず、記憶表示部54での表示態様が規定された特図1保留数テーブルを設定し(ステップX601)、特図1保留数に対応する表示データを取得してセグメント領域にセーブする(ステップX602)。次に、ラウンド表示部60での表示態様が規定されたラウンド表示テーブルを設定し(ステップX603)、ラウンドLEDポインタに対応する表示データを取得してセグメント領域にセーブする(ステップX604)。
そして、確率表示部78での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル1を設定し(ステップX605)、遊技状態表示番号に対応する表示データを取得してセグメント領域にセーブする(ステップX606)。その後、第1遊技状態表示部77での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル2を設定し(ステップX607)、遊技状態表示番号2に対応する表示データを取得してセグメント領域にセーブし(ステップX608)、セグメントLED編集処理を終了する。
〔磁石不正監視処理〕
図96には、上述のタイマ割込み処理における磁石不正監視処理(ステップX113)を示した。この磁石不正監視処理では、磁気センサ61からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
この磁石不正監視処理では、まず、磁気センサ61から出力されて第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、磁気センサ61(磁気センサスイッチ)がオン、すなわち異常な磁気を検出した状態であるかを判定する(ステップX611)。磁気センサがオンである場合(ステップX611;Y)、すなわち異常な磁気を検出した場合は、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマを+1更新して当該タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップX613)。
磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(ステップX613;Y)、すなわち異常な磁気を一定期間継続して検出した場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップX614)、磁石不正報知タイマ初期値(ここでは60000ms)を磁石不正報知タイマ領域にセーブする(ステップX615)。そして、磁石不正報知のコマンドを準備し(ステップX616)、磁石不正フラグとして磁石不正発生フラグを準備して(ステップX617)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップX613)。すなわち、磁気センサ61が一定期間(例えば8回の割込み)連続してオンであった場合に異常が発生していると判定するようにしている。
一方、磁気センサ61(磁気センサスイッチ)がオンでない場合(ステップX611;N)、すなわち異常な磁気を検出していない場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップX618)、磁石不正の報知時間を規定する磁石不正報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップX619)。なお、磁石不正報知タイマの最小値は0に設定されている。そして、磁石不正報知タイマの値が0であるかを判定する(ステップX620)。なお、磁石不正監視タイマがタイムアップしていない場合(ステップX613;N)もステップX619の処理に移行する。
そして、磁石不正報知タイマの値が0でない場合(ステップX620;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、磁石不正監視処理を終了する。また、磁石不正報知タイマの値が0である場合(ステップX620;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合は、磁石不正報知終了のコマンドを準備する(ステップX621)。さらに、磁石不正フラグとして磁石不正解除フラグを準備して(ステップX622)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップX623)。
そして、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップX623;Y)は、磁石不正監視処理を終了する。また、値が一致しない場合(ステップX623;N)は、準備した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブし(ステップX624)、演出コマンド設定処理を行い(ステップX625)、磁石不正監視処理を終了する。
〔盤電波不正監視処理〕
図97には、上述のタイマ割込み処理における盤電波不正監視処理(ステップX114)を示した。盤電波不正監視処理では、盤電波センサ62からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
この盤電波不正監視処理では、まず、盤電波センサ62から出力されて近接I/F121aを経由して第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、盤電波センサ62がオン、すなわち異常な電波を検出した状態であるかを判定する(ステップX631)。盤電波センサがオンである場合(ステップX631;Y)、すなわち異常な電波を検出した場合は、電波不正報知タイマ初期値(ここでは60000ms)を電波不正報知タイマ領域にセーブする(ステップX632)。
そして、盤電波不正報知のコマンドを準備し(ステップX633)、盤電波不正フラグとして盤電波不正発生フラグを準備して(ステップX634)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップX639)。すなわち、電波不正の場合は磁気不正の場合と違い、異常な電波を検出した時点で異常が発生していると判定するようにしている。
一方、盤電波センサがオンでない場合(ステップX631;N)、すなわち異常な電波を検出していない場合は、電波不正の報知時間を規定する電波不正報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップX635)。なお、電波不正報知タイマの最小値は0に設定されている。そして、電波不正報知タイマの値が0であるかを判定する(ステップX636)。
電波不正報知タイマの値が0でない場合(ステップX636;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、盤電波不正監視処理を終了する。また、電波不正報知タイマの値が0である場合(ステップX636;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合は、盤電波不正報知終了のコマンドを準備し(ステップX637)、盤電波不正フラグとして盤電波不正解除フラグを準備して(ステップX638)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップX639)。
そして、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップX639;Y)は、盤電波不正監視処理を終了する。また、値が一致しない場合(ステップX639;N)は、準備した盤電波不正フラグを盤電波不正フラグ領域にセーブし(ステップX640)、演出コマンド設定処理を行い(ステップX641)、盤電波不正監視処理を終了する。
〔外部情報編集処理〕
図98には、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップX115)を示した。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップX105)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX108)、磁石不正監視処理(ステップX113)、盤電波不正監視処理(ステップX114)などでの監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
この外部情報編集処理では、まず、ガラス枠開放エラーの発生中であるかを判定し(ステップX701)、ガラス枠開放エラーの発生中でない場合(ステップX701;N)は、本体枠(前面枠12)開放エラーの発生中であるかを判定する(ステップX702)。そして、本体枠開放エラーの発生中でない場合(ステップX702;N)は、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX703)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップX704)、ステップX707に移行する。
一方、ガラス枠開放エラーの発生中である場合(ステップX701;Y)や、本体枠(前面枠12)開放エラーの発生中である場合(ステップX702;Y)には、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX705)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップX706)、ステップX707に移行する。すなわち、ガラス枠14や前面枠12が開放されている情報が外部情報として出力される。
次に、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化が行われた時から所定時間(例えば256ms)を計時するセキュリティ信号制御タイマが0でなければ−1更新する(ステップX707)。なお、セキュリティ信号制御タイマの最小値は0に設定されている。
そして、セキュリティ信号制御タイマの値が0でない場合(ステップX708;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップX710)、ステップX711に移行する。これにより、RAMに記憶されたデータの初期化が行われたことが外部情報として出力される。また、セキュリティ信号制御タイマの値が0である場合(ステップX708;Y)は、前面枠12に設けられた枠電波センサにより異常な電波を検出することである枠電波不正の発生中であるかを判定する(ステップX709)。
枠電波不正の発生中である場合(ステップX709;Y)は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップX710)、ステップX711に移行する。また、枠電波不正の発生中でない場合(ステップX709;N)は、スイッチのコネクタ抜けなどのスイッチ異常エラーの発生中であるかを判定する(ステップX711)。そして、スイッチ異常エラーの発生中でない場合(ステップX711;N)は、ステップX713に移行する。また、スイッチ異常エラーの発生中である場合(ステップX711;Y)は、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップX712)、ステップX713に移行する。
そして、磁石不正発生中(ステップX713;Y)、盤電波不正発生中(ステップX714;Y)、大入賞口不正発生中(ステップX715;Y)、特図2異常変動発生中(ステップX716;Y)の少なくとも一つに該当する場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップX718)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップX719)、ステップX720に移行する。すなわち、エラーの発生が外部情報として出力される。また、ステップX713〜X716の何れのエラーも発生していない場合は、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップX717)、ステップX720に移行する。
そして、第1始動入賞口36への入賞信号を編集する始動口1信号編集処理(ステップX720)、第2始動入賞口37への入賞信号を編集する始動口2信号編集処理(ステップX721)を行う。次に、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理(ステップX722)を行い、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の設定を行う図柄確定回数信号編集処理を行って(ステップX723)、外部情報編集処理を終了する。
〔始動口1信号編集処理〕
図99には、上述の外部情報編集処理における始動口1信号編集処理(ステップX720)を示した。この始動口1信号編集処理では、まず、始動口1信号出力制御タイマが0でなければ−1更新する(ステップX731)。なお、始動口1信号出力制御タイマの最小値は0に設定されている。そして、始動口1信号出力制御タイマの値が0であるかを判定する(ステップX732)。始動口1信号出力制御タイマの値が0である場合(ステップX732;Y)は、始動口1信号出力回数が0であるかを判定する(ステップX733)。
そして、始動口1信号出力回数が0でない場合(ステップX733;N)は、始動口1信号出力回数を−1更新し(ステップX734)、始動口1信号出力制御タイマ領域に始動口1信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップX735)。この始動口1信号出力制御タイマ初期値は、始動口信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば、128ms)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば、64ms)を加算した時間(例えば、192ms)となっている。その後、始動口1信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX737)、始動口1信号編集処理を終了する。また、始動口1信号出力回数が0である場合(ステップX733;Y)は、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX738)、始動口1信号編集処理を終了する。
一方、始動口1信号出力制御タイマの値が0でない場合(ステップX732;N)は、始動1口信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップX736)。なお、始動口1信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、始動口1信号出力制御タイマの値が所定時間(例えば64ms)以上であることである。始動口1信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップX736;Y)は、処理をステップX737に移行する。また、始動口1信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップX736;N)は、外部装置用の始動口1信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX738)、始動口1信号編集処理を終了する。なお、上述の外部情報編集処理における始動口2信号編集処理(ステップX721)は、この始動口1信号編集処理と同じ処理を始動口2信号について行う。
〔メイン賞球信号編集処理〕
図100には、上述の外部情報編集処理におけるメイン賞球信号編集処理(ステップX722)を示した。メイン賞球信号編集処理は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に生成されるメイン賞球信号を外部装置へ出力する処理である。
このメイン賞球信号編集処理では、まず、メイン賞球信号出力制御タイマが0でなければ−1更新する(ステップX741)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマの最小値は0に設定されている。そして、メイン賞球信号出力制御タイマの値が0であるかを判定する(ステップX742)。メイン賞球信号出力制御タイマの値が0である場合(ステップX742;Y)は、メイン賞球信号出力回数が0であるかを判定する(ステップX743)。
そして、メイン賞球信号出力回数が0でない場合(ステップX743;N)は、メイン賞球信号出力回数を−1更新し(ステップX744)、メイン賞球信号出力制御タイマ領域にメイン賞球信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップX745)。このメイン賞球信号出力制御タイマ初期値は、メイン賞球信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば、128ms)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば、64ms)を加算した時間(例えば、192ms)となっている。その後、メイン賞球信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX747)、メイン賞球信号編集処理を終了する。また、メイン賞球信号出力回数が0である場合(ステップX743;Y)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX748)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
一方、メイン賞球信号出力制御タイマの値が0でない場合(ステップX742;N)は、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップX746)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、メイン賞球信号出力制御タイマの値が所定時間(例えば64ms)以上であることである。メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップX746;Y)は、処理をステップX747に移行する。また、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップX746;N)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX748)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
〔図柄確定回数信号編集処理〕
図101には、上述の外部情報編集処理における図柄確定回数信号編集処理(ステップX723)を示した。図柄確定回数信号編集処理は、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための処理である。
この図柄確定回数信号編集処理では、まず、図柄確定回数信号出力制御タイマが0でなければ−1更新する(ステップX751)。なお、図柄確定回数信号出力制御タイマの最小値は0に設定されている。そして、図柄確定回数信号出力制御タイマの値が0であるかを判定する(ステップX752)。図柄確定回数信号出力制御タイマの値が0である場合(ステップX752;Y)は、特図変動表示ゲームが終了する毎に+1更新される図柄確定回数信号出力回数が0であるかを判定する(ステップX753)。
そして、図柄確定回数信号出力回数が0でない場合(ステップX753;N)は、図柄確定回数信号出力回数を−1更新し(ステップX754)、図柄確定回数信号出力制御タイマ領域にメイン賞球信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップX755)。この図柄確定回数信号出力制御タイマ初期値は、図柄確定回数信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(ここでは256ms)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(ここでは300ms)を加算した時間(ここでは556ms)となっている。なお、本実施形態の遊技機では特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを同時に実行可能であるので、オン状態の時間を256msとするとともにオフ状態の時間を300msとしている。
その後、図柄確定回数信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX7547)、図柄確定回数信号編集処理を終了する。また、図柄確定回数信号出力回数が0である場合(ステップX753;Y)は、外部装置用の図柄確定回数信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX758)、図柄確定回数信号編集処理を終了する。
一方、図柄確定回数信号出力制御タイマの値が0でない場合(ステップX752;N)は、図柄確定回数信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップX756)。なお、図柄確定回数信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、図柄確定回数信号出力制御タイマの値が所定時間(例えば300ms)以上であることである。図柄確定回数信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップX756;Y)は、処理をステップX757に移行する。また、図柄確定回数信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップX756;N)は、外部装置用の図柄確定回数信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップX748)、図柄確定回数信号編集処理を終了する。
〔確変作動領域スイッチ監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における確変作動領域スイッチ監視処理(ステップX116)の詳細について説明する。図102に示すように確変作動領域スイッチ監視処理では、まず、確変作動領域38hが有効中であるかを判定する(ステップX801)。確変作動領域38hが有効中とは、確変作動領域スイッチ38dでの遊技球の検出を有効なものとして扱う状態である(図7参照)。確変作動領域38hが有効中でない場合(ステップX801;N)は、確変作動領域スイッチ監視処理を終了する。また、確変作動領域38hが有効中である場合(ステップX801;Y)は、確変作動領域スイッチに入力があるかを判定する(ステップX802)。
そして、確変作動領域スイッチに入力がない場合(ステップX802;N)は、確変作動領域スイッチ監視処理を終了する。また、確変作動領域スイッチに入力がある場合(ステップX802;Y)は、確変作動領域通過コマンドを準備し(ステップX803)、演出コマンド設定処理を行う(ステップX804)。これにより、演出制御装置300では確変作動領域38hに遊技球が流入したことに対応した演出を実行可能となる。その後、確変作動領域通過情報を確変作動領域通過情報領域にセーブして(ステップX805)、確変作動領域スイッチ監視処理を終了する。
〔レバーソレノイド制御処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理におけるレバーソレノイド制御処理(ステップX117)の詳細について説明する。図103に示すように、レバーソレノイド制御処理では、まず、レバーソレノイド制御ポインタが更新なしコード(ここでは−1)であるかを判定する(ステップX821)。レバーソレノイド制御ポインタが更新なしコードである場合(ステップX821;Y)は、レバーソレノイド制御処理を終了する。また、レバーソレノイド制御ポインタが更新なしコードでない場合(ステップX821;N)は、レバーソレノイド制御タイマを−1更新し(ステップX822)、レバーソレノイド制御タイマが0となったかを判定する(ステップX823)。
レバーソレノイド制御タイマが0となっていない場合(ステップX823;N)は、レバーソレノイド制御処理を終了する。また、レバーソレノイド制御タイマが0となった場合(ステップX823;Y)は、レバーソレノイド制御テーブルを設定し(ステップX824)、レバーソレノイド制御ポインタに対応するテーブルアドレスを算出する(ステップX825)。そして、次動作の制御ポインタを取得してレバーソレノイド制御ポイント領域にセーブし(ステップX827)次動作の出力データを取得してレバーソレノイド出力データ領域にセーブする(ステップX828)。その後、確変作動領域有効判定フラグを取得して確変作動領域有効判定フラグ領域にセーブして(ステップX829)、レバーソレノイド制御処理を終了する。
以上の処理により、所定時間が経過するごとにレバーソレノイド制御ポインタが順次更新され、図7(b)、(c)に示すようにレバーソレノイド38fのON、OFFが設定されるとともに、確変作動領域スイッチ38dの有効、無効が設定される。なお、所定の条件を満たすことによりレバーソレノイドの動作を終了する場合には、レバーソレノイド制御ポインタとして0を設定することで、レバーソレノイド38fがOFFとなるとともに確変作動領域スイッチ38dが無効となる。そして、レバーソレノイド制御ポインタとして0を設定した後にレバーソレノイド制御ポインタとして−1を設定して動作を停止した状態が継続するようにする。
なお、以上の実施形態では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを同時に実行可能な遊技機について説明したが、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを同時に実行しない遊技機であっても良い。この場合、一方の特図変動表示ゲームを優先的に実行するようにしても良いし、始動入賞口への入賞順に特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、発射勢の調節によって遊技者の意思により第1始動入賞口36と第2始動入賞口37の何れを狙うかを選択できるようにしたが、同時に両方の始動入賞口を狙うことができるようにしても良い。
また、確変作動領域38hに遊技球が流入したことに基づき高確率状態を発生するようにしたが、特別結果の種類のみにより高確率状態とするか否かを決定しても良い。また、特図2変動表示ゲームについて主変動特図であるか否かにより付与する遊技価値を異ならせるようにしたが、特図1変動表示ゲームについても主変動特図であるか否かにより付与する遊技価値を異ならせるようにしても良い。異ならせる遊技価値については時短状態の有無に限られるものではない。例えば、特別遊技状態におけるラウンド数や第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39の開放態様を異ならせても良い。また、確変作動領域38hへの遊技球の流入のしやすさを異ならせても良い。また、時短状態とするゲーム数を異ならせるようにしても良い。この他に、演出上の遊技価値として、特定の映像や音声などを実行するか否かを異ならせても良い。さらにこれらの組み合わせであっても良い。
また、主変動特図であるか否かだけでなく他の条件も考慮して付与する遊技価値を決定するようにしても良い。例えば、特図1変動表示ゲームが主変動特図でない場合に大当りとなった場合において、特別結果の種類が確変当りである場合は確変作動領域38hに遊技球が流入した場合に高確率状態とするが時短状態としないようにし、特別結果の種類が通常当りである場合は確変作動領域38hに遊技球が流入した場合に高確率状態かつ時短状態とするようにしても良い。そして、特図1変動表示ゲームが主変動特図である場合に大当りとなった場合において、確変作動領域38hに遊技球が流入した場合には高確率状態かつ時短状態とする。すなわち、少なくとも主変動特図での当りであるか否かが付与する遊技価値の決定にかかわっていれば良い。
また、特図2変動表示ゲームが主変動特図でない場合に大当りとなり確変作動領域38hに遊技球が流入した場合には第2特定遊技状態ST3に移行するとしたが、第1特定遊技状態ST2が終了して通常遊技状態ST1に移行してから所定期間においては、主変動特図でない特図2変動表示ゲームで大当りとなり確変作動領域38hに遊技球が流入した場合に第1特定遊技状態ST2に移行するようにしても良い。この所定期間は、通常遊技状態ST1の開始から所定ゲーム数を実行するまでとしても良いし、所定時間が経過するまでとしても良い。このようにすることで、発射方向を左打ちに戻したにもかかわらず既に右方向へ発射してしまっていた遊技球が第2始動入賞口37に入賞することに基づき実行された特図変動表示ゲームで特別結果が導出された場合に遊技者が不利益を被ることを防止できる。この場合は遊技者が意図せず発射したものであり、第1特定遊技状態ST1へ移行可能とすることで正当に遊技を行っている遊技者が不満を持つことを防止できる。
また、逆に、この所定期間において主変動特図でない特図2変動表示ゲームで特別結果が導出されて確変作動領域38hに遊技球が流入した場合には第2特定遊技状態ST3に移行し、所定期間以外で主変動特図でない特図2変動表示ゲームで特別結果が導出されて確変作動領域38hに遊技球が流入した場合には第1特定遊技状態ST2に移行するようにしても良い。このようにすれば遊技機の設計において想定していたものよりも遊技者側に有利になりすぎてしまうことを防止できる。
また、全ての遊技状態で主変動特図を定めるようにしたが、一部の遊技状態でのみ主変動特図を定めるようにしても良い。主変動特図を定めない遊技状態において特別結果が導出されて確変作動領域38hに遊技球が流入した場合には、第1特定遊技状態ST2と第2特定遊技状態ST3のうち予め定められた一方へ移行するようにしても良いし、特別結果の種類や別途の抽選によりいずれに移行するかを決定するようにしても良い。
また、主変動特図である場合の当りの方が主変動特図でない場合の当りよりも付与される遊技価値が高くなるようにしたが、逆に主変動特図である場合の当りの方が主変動特図でない場合の当りよりも付与される遊技価値が低くなるようにしても良い。すなわち、主変動特図でない場合の当り方が発生する頻度が低く、発生させることが困難であるため、このような希少な当りの場合に付与する遊技価値を高くするようにしても良い。また、通常当りで確変作動領域38hに遊技球が流入した場合も同様に、確変当りで確変作動領域38hに遊技球が流入する場合よりも頻度が低く困難であることから、付与する遊技価値を高くするようにしても良い。
また、第3特定遊技状態として、当り確率が低確率状態であり、特図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短状態である状態(時短あり)を設けても良い。この遊技状態の演出態様を規定する演出モードは時短モードとして他の遊技状態と区別可能とする。また、主変動特図は特図1変動表示ゲームであり主始動領域は第1始動入賞口36であって、第1始動入賞口36を狙うため発射方向は左打ちとする。この第3特定遊技状態へ移行する場合としては、例えば図8の例で、第1特定遊技状態ST2において大当りとなったがV通過なしであった場合とする。
また、より詳細に移行する条件を設定しても良く、例えば、第1特定遊技状態ST2において主変動特図でない特図1変動表示ゲームで大当りとなったがV通過なしであった場合に第3特定遊技状態に移行するようにしても良い。または、第1特定遊技状態ST2において主変動特図でない特図1変動表示ゲームで確変大当り(12R確変又は5R確変)となったがV通過なしであった場合に第3特定遊技状態に移行するようにしても良い。このようにした場合、主変動特図である特図2変動表示ゲームで大当りとなったがV通過なしであった場合は通常遊技状態ST1に移行するようにして、主変動特図での当りであるか否かにより、付与する遊技価値が異なるようにしても良い。この場合は、主変動特図である場合の当りの方が主変動特図でない場合の当りよりも付与される遊技価値が低くなる場合となる。
また、通常遊技状態ST1で特図2変動表示ゲームが実行されて特別結果となる場合には、遊技者が意図的に特図2変動表示ゲームの実行を狙う場合の他、第1特定遊技状態ST2の終了により通常遊技状態ST1に移行した際に左打ちへ戻すまでの期間において右側の遊技領域に発射されてしまった遊技球が第2始動入賞口37に入賞することにより特図2変動表示ゲームが実行されるような遊技者が意図しない実行もありえる。上述の実施形態ではこれらの場合を区別してはいないが、区別して付与する遊技価値を異ならせるようにしても良い。
例えば、第1特定遊技状態ST2の終了から所定期間において発生した第2始動入賞口37への入賞に基づき実行される特図2変動表示ゲームで特別結果が導出されてV通過した場合は、第2特定遊技状態ST3ではなく第1特定遊技状態ST2に移行するようにしても良い。なお、第1特定遊技状態ST2の終了から所定期間とする他、第1特定遊技状態ST2の終了から所定回数までの特図2変動表示ゲームとしても良い。
以上のことから、遊技領域32に設けた始動入賞口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生する遊技機において、始動入賞口として、第1始動入賞口36と、第2始動入賞口37と、を備え、第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行可能な第1変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、第2始動入賞口37への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行可能な第2変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、遊技状態に応じて、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのうち一方の変動表示ゲームが主となる変動表示ゲームとして定められるように構成され、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのうちの一方又は両方について、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、当該変動表示ゲームが主となる変動表示ゲームであるか否かによって遊技者に付与される遊技価値を異ならせることが可能であることとなる。したがって、遊技機の設計に沿った遊技が行われるようにすることができる。
遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、遊技の演出が異なる複数の演出モードから一の演出モードを選択するように構成され、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、当該変動表示ゲームが主となる変動表示ゲームであるか否かによって遊技者に付与される遊技価値が異なる場合は、付与される遊技価値に応じた異なる演出モードを設定可能であることとなる。また、前記第1特定遊技状態と前記第2特定遊技状態とで異なる演出モードを設定可能であることとなる。したがって、遊技者が付与された遊技価値を把握しやすくなる。
また、第1始動入賞口と第2始動入賞口は異なる位置に配設され、第1始動入賞口と第2始動入賞口は、遊技球の発射勢を調整することにより、第1始動入賞口への入賞を狙う状態と、第2始動入賞口への入賞を狙う状態とを選択できるように遊技領域32に配設されていることとなる。したがって、遊技者の意思によって主となる変動表示ゲームを実行することが可能となる。
また、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームは、同時に実行可能であり、一方の変動表示ゲームが実行されている場合に、他方の変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合には、一方の変動表示ゲームをはずれの結果で終了させていることとなる。
また、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのうちの一方又は両方について、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、当該変動表示ゲームが主となる変動表示ゲームである場合には、特別遊技状態の終了後に第1特定遊技状態に移行可能であり、当該変動表示ゲームが主となる変動表示ゲームでない場合には、特別遊技状態の終了後に第1特定遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値が低い第2特定遊技状態に移行可能であることとなる。したがって、遊技機の設計に沿った遊技が行われるようにすることができる。
また、遊技領域32に設けた始動入賞口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生する遊技機において、特別遊技状態において、遊技球が入賞不能な閉状態と、遊技球が入賞可能な開状態と、に変換可能であり、内部に遊技球が流入可能な特定領域(確変作動領域38h)を備える特別変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38)と、始動入賞口として、第1始動入賞口36と、第2始動入賞口37と、を備え、第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行可能な第1変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、第2始動入賞口37への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行可能な第2変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、特別変動入賞装置に入賞した遊技球が特定領域に流入することに基づき、遊技球が特定領域に流入しなかった場合よりも遊技者に有利な遊技状態を当該特別遊技状態の終了後に発生可能であり、遊技状態に応じて、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのうち一方の変動表示ゲームが主となる変動表示ゲームとして定められるように構成され、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのうちの一方又は両方について、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、当該変動表示ゲームが主となる変動表示ゲームであるか否かによって遊技者に付与される遊技価値を異ならせることが可能であることとなる。したがって、遊技機の設計に沿った遊技が行われるようにすることができる。
また、遊技領域32に設けた始動入賞口への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生する遊技機において、始動入賞口として、第1始動入賞口36と、第2始動入賞口37と、を備え、第1始動入賞口36への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行可能な第1変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、第2始動入賞口37への遊技球の入賞に基づき前記変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行可能な第2変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、遊技状態に応じて、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのうち一方の変動表示ゲームを主となる変動表示ゲームとして定めることが可能であり、主となる変動表示ゲームが定められた所定の遊技状態へ移行した場合に、当該遊技状態において主となる変動表示ゲームで特別結果が導出された場合には、特別遊技状態の終了後に第1特定遊技状態に移行可能であり、当該遊技状態において主ではない変動表示ゲームで特別結果が導出された場合には、特別遊技状態の終了後に第1特定遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値が低い第2特定遊技状態に移行可能であることとなる。したがって、遊技機の設計に沿った遊技が行われるようにすることができる。
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311では、図104に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。
〔メイン処理〕
図104に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)には、画面描画を指示する(ステップC16)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図105には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステップC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC210;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図106には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップC234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC234;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC241;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するために必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
〔変動系コマンド処理〕
図107には、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC236)を示した。この変動系コマンド処理では、まず、特図種別が未確定であるかを判定する(ステップC361)。特図種別とは、特図の種別が特図1か特図2かを示す情報であり、上述の図柄系コマンド処理のステップC251で設定される情報である。
この特図種別が未確定である場合(ステップC361;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、特図種別が未確定でない場合(ステップC361;N)、すなわち特図種別が設定されている場合は、変動コマンドと図柄コマンドの組み合わせをチェックし(ステップC362)、変動コマンドと図柄種別が不整合であるかを判定する(ステップC363)。
変動コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップC363;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、変動コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップC363;N)は、変動コマンドから変動パターン種別を判別する(ステップC364)。図柄種別とは図柄のカテゴリを意味し、図柄種別には例えば、はずれ図柄、12R確変大当り図柄、5R確変大当り図柄、2R確変大当り図柄、12R通常大当り図柄、小当り図柄などがある。変動コマンドと図柄種別が不整合である場合とは、はずれの変動コマンド(変動パターンコマンド)を受信したのに、12R確変大当り図柄の図柄コマンドを受信していた時のような、演出を行う上で矛盾してしまう組み合わせ(変動コマンドと図柄種別の組み合わせ)であることを意味する。
変動コマンドから変動パターン種別を判別する処理(ステップC364)では、受信したコマンドに応じて、特図の変動表示演出の大まかな分類である変動パターン種別を判別する。そして、変動コマンドに応じた演出を行うための情報を設定する変動演出設定処理を行う(ステップC365)。
次に、P機状態(パチンコ機の状態)として特図変動中を設定する(ステップC366)。ここで、特図変動中とは、特図の変動中(客待ちデモ中や大当り中、或いはファンファーレ中等でないこと)を表している。さらに、先読み演出回数(先読み実行回数)がゼロでなければ先読み演出回数を−1更新(先読み演出回数を1だけ減らす処理)し(ステップC367)、変動系コマンド処理を終了する。
〔変動演出設定処理〕
図108には、上述の変動系コマンド処理における変動演出設定処理(ステップC365)を示した。この変動演出設定処理では、まず、変動パターン種別がリーチなし変動であるかを判定する(ステップC381)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(ステップC381;Y)は、機種コード及び特図種別とその時点の演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC382)。なお、リーチなし変動であるので図柄種別は必ずはずれ図柄であり、ここでは図柄種別を特に参照しなくてもよい。なお演出モードは、演出制御装置300が管理する遊技モードに相当し、機種によって当然異なるが、ここでは通常モード、確変モード、時短モード及び潜伏モードなどがある。さらに、各モード内に予告演出の振り分け率や表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出態様を異ならせた複数のモードを設けている。
次に、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(ステップC383)。これによりリーチなし変動の場合には、各変動中に出現する予告演出の抽選内容(具体的には各予告演出態様の出現率)を保留数に応じて変化させることが可能となる。その後、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC386)。
一方、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(ステップC381;N)は、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC384)。そして、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC385)、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC386)。
次に、後半変動の予告演出を抽選する。なお、特図変動表示ゲームの後半変動とはいわゆるリーチアクション(例えば、特図の複数列の表示領域のうち特定領域を除く表示領域が大当りとなる特別結果態様(特別な図柄の組合せ)で変動表示が停止していて、特定領域のみで変動表示している状態)の変動表示である。一方、特図変動表示ゲームの前半変動とはリーチアクション開始前までの変動表示である。
まず、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC387)。後半予告振分グループアドレステーブルは、後半予告振分グループテーブルのアドレスを選択するためのテーブルである。そして、後半予告振分グループアドレステーブルを参照してACTに対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC388)、後半予告振分グループテーブルを使って後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(ステップC389)。
その後、MODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定し(ステップC390)、予告抽選結果に対応する演出の内容を決定する(ステップC391)。これにより、飾り特図変動表示ゲームの変動時間や主なリーチ内容などの演出や予告が決定されることとなる。また、後述する基本演出、特定演出及び共通演出の内容も決定されることとなる。さらに、決定された特図変動表示ゲームの変動パターン(リーチ演出など)や予告内容も参照して停止図柄を決定する停止図柄設定処理を行う(ステップC392)。
次に、変動演出の表示設定を行い(ステップC393)、予告演出の表示設定を行う(ステップC394)。これらの処理により、上述したように設定された飾り特図変動表示ゲームでの演出や予告が実行可能となる。その後、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行う(ステップC395)。この処理では特図変動表示ゲームを開始する際に対応する始動記憶の減少に対応して飾り始動記憶表示を減少させる設定を行う。
そして、BGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である装飾番号を設定し(ステップC396)、特図種別に対応する飾り特図変動(識別情報の変動表示)の表示設定を行う(ステップC397)。さらに、識別情報の変動表示とは別に飾り特図変動表示ゲームを表示する第4図柄の変動表示を設定するために、特図種別に対応する第4図柄変動の表示設定を行い(ステップC398)、変動演出設定処理を終了する。
〔単発系コマンド処理〕
図109には、上述の受信コマンド解析処理における単発系コマンド処理を示した。この単発系コマンド処理では、まず、MODEは遊技制御装置100に設定された機種に関する情報を含む機種指定コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC261)。そして、MODEは機種指定コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC261;Y)は、内部情報をコマンドに対応する機種情報に書き換える機種設定処理を行い(ステップC262)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC261で、MODEは機種指定コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC261;N)は、RAM111Cの初期化を行ったことを示すRAM初期化コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC263)。そして、MODEはRAM初期化コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC263;Y)には、RAM初期化処理を行い(ステップC264)、単発系コマンド処理を終了する。RAM初期化処理(ステップC264)では、初期化の必要な領域を初期化し、RAM初期化画面情報を設定する。さらに、RAM初期化が行われた際の演出を行うためにRAM初期化用シナリオデータを設定する。
また、ステップC263で、MODEはRAM初期化コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC263;N)は、MODEはRAM111Cの初期化を行わずに停電から復旧したことを示す停電復旧コマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC265)。そして、MODEは停電復旧コマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC265;Y)には、停電復旧処理を行い(ステップC266)、単発系コマンド処理を終了する。停電復旧処理(ステップC266)では、初期化の必要な領域を初期化し、停電復旧画面を表示するための復旧画面情報を設定する。さらに、停電復旧の際の演出を行うために停電復旧用シナリオデータを設定する。
また、ステップC265で、MODEは停電復旧コマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC265;N)は、MODEは客待ちデモの開始を示す客待ちデモコマンドに対応するものであるかを判定する(ステップC267)。そして、MODEは客待ちデモコマンドに対応するものであると判定した場合(ステップC267;Y)には、客待ちデモ処理を行い(ステップC268)、単発系コマンド処理を終了する。客待ちデモ処理(ステップC268)では、P機(パチンコ機)状態を客待ちデモ中に設定し、客待ち演出を行うために客待ち用シナリオデータを設定する。
また、ステップC267で、MODEは客待ちデモコマンドに対応するものでないと判定した場合(ステップC267;N)には、MODEは特図1保留であるかを判定する(ステップC269)。そして、MODEは特図1保留である場合(ステップC269;Y)には、発生した保留に対応する飾り始動記憶表示を表示装置41に表示する処理などを行う特図1保留情報設定処理を行い(ステップC270)、単発系コマンド処理を終了する。また、ステップC269で、MODEは特図1保留に対応するものでないと判定した場合(ステップC269;N)には、MODEは特図2保留であるかを判定する(ステップC271)。そして、MODEは特図2保留である場合(ステップC271;Y)には、発生した保留に対応する処理などを行う特図2保留情報設定処理を行い(ステップC272)、単発系コマンド処理を終了する。すなわち、演出制御装置300が、個々の始動記憶に対応した始動記憶表示(飾り始動記憶表示)により始動記憶に関する情報を表示する始動記憶報知表示を行う始動記憶表示手段をなす。
また、ステップC271で、MODEは特図2保留でない場合(ステップC271;N)には、MODEは確率情報であるかを判定する(ステップC273)。そして、MODEは確率情報である場合(ステップC273;Y)には、現在の確率状態に関する設定を行う確率情報設定処理を行い(ステップC274)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC273で、MODEは確率情報でない場合(ステップC273;N)には、MODEはエラー/不正であるかを判定する(ステップC275)。そして、MODEはエラー/不正である場合(ステップC275;Y)には、エラー報知を行うなどの対応する処理を行うエラー/不正設定処理を行い(ステップC276)、単発系コマンド処理を終了する。エラー/不正設定処理(ステップC276)では、エラーや不正に関するコマンドを受信した際の報知の処理や、右打ち指示報知コマンド又は左打ち指示報知コマンドを受信した際の警告表示の処理等が行われる。
また、ステップC275で、MODEはエラー/不正でない場合(ステップC275;N)には、MODEは演出モード切替であるかを判定する(ステップC277)。そして、MODEは演出モード切替である場合(ステップC277;Y)には、演出モードを切り替える処理を行う演出モード切替処理を行い(ステップC278)、単発系コマンド処理を終了する。
また、ステップC277で、MODEは演出モード切替でない場合(ステップC277;N)には、MODEは図柄停止であるかを判定する(ステップC279)。そして、MODEは図柄停止でない場合(ステップC279;N)は、単発系コマンド処理を終了する。また、MODEは図柄停止である場合(ステップC279;Y)には、正常なコマンドであるかを判定する(ステップC280)。正常なコマンドであるかの判定では、例えば飾り特図停止コマンドの対象が現在変動中の特図を対象としたものであるかを判定する。
そして、正常なコマンドでない場合(ステップC280;N)は、単発系コマンド処理を終了する。また、正常なコマンドである場合(ステップC280;Y)は、対応する特図の停止設定を行い(ステップC281)、全図柄が停止したなら遊技状態フラグを通常状態に設定して(ステップC282)、単発系コマンド処理を終了する。これにより、対応する飾り特図変動表示ゲームの変動表示が停止する。遊技状態フラグは現在の遊技状態を示すフラグであり、通常状態の他、変動中、大当り中、小当り中などの状態を示すフラグがあり、状況に応じて適切なフラグが設定される。
次に、表示装置41における表示態様について説明する。図110(a)には第1特定遊技状態ST2における表示を示した。表示装置41の表示領域の左上部には、現在の遊技状態を表示する遊技状態表示81が表示される。ここでは第1特定遊技状態ST2の名称である小当りRUSHモードと表示される。また、表示領域の右上部には発射方向を指示する発射方向指示表示82が表示される。この発射方向指示表示82では、発射方向を矢印の向きと文字によって表示する。また、表示領域の左上部であって遊技状態表示81の下方には、現在の遊技状態で実行可能な特図変動表示ゲームの残り回数を表示する残回数表示83が表示される。
また、表示領域の中央には、実行中の特図変動表示ゲームの結果を示唆する演出である示唆演出表示84が表示される。この示唆演出表示84はキャラクタ84aの動作や台詞84bにより特図変動表示ゲームの結果を示唆するようになっている。また、示唆演出表示84のキャラクタ84aが走る方向は発射方向と同じ方向(ここでは右方向)となるようにされている。また、表示領域の中央右側には、実行中の特図変動表示ゲームが大当りとなる期待度を示す期待度表示86が表示される。この期待度表示86では、複数の領域が上下に並んでおり、下の領域から順次表示色が変化して表示色が変化した領域の数により期待度を示すものである。なお、示唆演出表示84や期待度表示86は、常時表示するようにしても良いし、演出を実行する場合など必要な場合のみ表示するようにしても良い。
また、表示領域の中央右側であって期待度表示86の下方には、演出ボタン25やタッチパネル29の操作を促す操作促進表示87が表示される。この操作促進表示87は、演出ボタン25やタッチパネル29の操作が演出に反映される操作反映演出において操作が可能な期間に表示され、遊技者に操作を促すものである。また、表示装置41の表示領域の中央下部には、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する飾り特図変動表示ゲーム表示部85が設けられる。ここでは、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。
図110(b)には、第2特定遊技状態ST3における表示を示した。図110(a)に示した第1特定遊技状態ST2の場合と比べて、発射方向指示表示82の表示位置が異なり、表示領域の上部に表示される。発射方向を矢印の向きと文字によって表示する点は同じであるが表示される幅などの表示態様が異なっている。また、示唆演出表示84における演出は第1特定遊技状態ST2の場合と同様にキャラクタ84aと台詞84bにより行われるが、キャラクタ84aが走る方向が発射方向である左方向となっている。また、飾り特図変動表示ゲームを表示する飾り特図変動表示ゲーム表示部85は、表示領域の中央に示唆演出表示84と重なるように設けられる。また、遊技状態表示81、残回数表示83、期待度表示86、操作促進表示87の表示態様(表示方法や表示の背景、表示を囲む枠の態様など)や表示位置は第1特定遊技状態ST2の場合と同じである。
表示領域の中央下部には始動記憶の情報を表示する記憶表示部88が設けられる。本実施形態の遊技機では、特図変動表示ゲームの実行を保留するための始動記憶としては第1始動記憶のみ記憶するため、主変動特図が特図2変動表示ゲームである第1特定遊技状態ST2では記憶表示部88を表示しない。この記憶表示部88では、始動記憶の上限数(ここでは4)に対応する数の表示領域88bが設けられ、この表示領域88bに始動記憶と一対一に対応する飾り特図始動記憶表示88aが記憶順に並んで表示される。ここでは1つの始動記憶があることを示している。左端の表示領域88bに表示された飾り特図始動記憶表示88aが最先に記憶された始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示であり、消化される毎に左へ移行するようになっている。また、それぞれの始動記憶に対応する特図1変動表示ゲームの結果や変動パターン等の先読み結果をその表示態様により示唆することが可能である。
記憶表示部88の左方には、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部89が設けられる。この実行中記憶表示部89には、特図変動表示ゲームの開始時に記憶表示部88の左端にある飾り特図始動記憶表示88aが移行し、実行される特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等をその表示態様により示唆するようになっている。
第1特定遊技状態ST2と第2特定遊技状態ST3は、いずれも大当り確率が高確率状態であるため、上述のように表示装置41における表示を一部共通とすることで、いずれにおいても高確率状態で特有の演出を実行でき、遊技の興趣を向上することができる。また、表示を共通とすることで、演出制御装置300に記憶しておく画像や演出のデータや処理を共通化でき、遊技の制御の負担を軽減することができる。
図110(c)、(d)には、指示した発射方向と異なる発射方向への遊技球の発射を検出した場合に表示する警告表示90の例を示した。なお、警告表示90は、演出制御装置300が右打ち指示報知コマンド又は左打ち指示報知コマンドを遊技制御装置100から受信した場合に行われるが、始動口スイッチ監視処理(図36参照)で設定される右打ち指示報知コマンド又は左打ち指示報知コマンドを受信した場合に警告表示90を行い、これ以外で設定される右打ち指示報知コマンド又は左打ち指示報知コマンドを受信した場合は発射方向指示表示82を開始する。これらのコマンドの識別は、演出制御装置300においてコマンドを受信した際の状況により識別するようにしても良いし、遊技制御装置100がこれらのコマンドを識別できる情報を付加して送信するようにしても良い。
図110(c)は第1特定遊技状態ST2において警告表示90を表示する例であり、図110(d)は第2特定遊技状態ST3において警告表示90を表示する例である。いずれの場合も表示領域の中央に他の表示よりも優先して前側に警告表示90が表示される。図110(c)に示す第1特定遊技状態ST2の場合における警告表示90は、図110(d)に示す第2特定遊技状態ST3における発射方向指示表示82と同様に、表示領域の左右にわたり延在する横長の矢印により表示される。また、図110(d)に示す第2特定遊技状態ST3の場合における警告表示90は、図110(c)に示す第1特定遊技状態ST2における発射方向指示表示82と同様に太い矢印により表示される。
図110(e)、(f)には、警告表示90の別例を示した。図111(e)は第1特定遊技状態ST2において警告表示90を表示する例であり、図111(f)は第2特定遊技状態ST3において警告表示90を表示する例である。この例では図111(e)に示す警告表示90と、図111(f)に示す警告表示90とは表示内容が異なるようにされている。なお、図110(c)、(d)の例については互いに表示態様や表示内容が異なる警告表示90であるとも言え、図110(e)、(f)の例については互いに表示態様が同じ警告表示90であるとも言える。
また、図111(a)、(b)にも、警告表示90の別例を示した。図111(a)は第1特定遊技状態ST2において警告表示90を表示する例であり、図111(b)は第2特定遊技状態ST3において警告表示90を表示する例である。この例では図111(a)に示す警告表示90と、図111(b)に示す警告表示90の表示態様及び表示内容が同じものとされている。
また、図111(c)から(f)にも、警告表示90の別例を示した。図111(c)は第1特定遊技状態ST2において警告表示90を表示する例であり、図111(d)は第2特定遊技状態ST3において警告表示90を表示する例である。また、図111(e)は通常遊技状態ST1において警告表示90を表示する例であり、図111(f)は当り確率が低確率状態であり特図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短状態である状態(時短あり)である第3特定遊技状態(時短モード)を設けた場合において警告表示90を表示する例である。なお、第3特定遊技状態は時短ありなので、主変動特図が特図2変動表示ゲームであり発射方向は右打ちとなる。この例では図111(c)から(f)に示す警告表示90の表示態様及び表示内容がすべての遊技状態で同じものとされている。なお、図111(a)に示した警告表示90でもすべての遊技状態で共通に使用可能である。
この他に表示装置41に表示する表示として、特別遊技状態中であって新たな特図変動表示ゲームの開始を待機している状態であることを報知する待機表示を行うようにしても良い。特図変動表示ゲームで小当り又は大当りが発生して特別遊技状態が発生した場合には、当該特別遊技状態が終了するまで新たな特図変動表示ゲームが開始できない状態となる。特に、主変動特図ではない特図変動表示ゲームが特別結果となり特別遊技状態が発生する場合は遊技者が意図していない場合が多く、主変動特図である特図変動表示ゲームが一時的に開始できない状態となることに対して遊技者が不信感を持つおそれがある。
そこで、特別遊技状態が発生しているために特図変動表示ゲームを開始できないことを遊技者に報知する待機表示を表示して、遊技者が不信感を持たないようにするようにしても良い。このような待機表示としては、例えば表示装置41に「少し待ってね」と待機を促す表示を行うようにしても良いし、小当りが発生していることを明確に報知する表示を行うようにしても良い。なお、大当りとなった場合は明確に認識できるため、待機表示を行わないようにしても良い。
また、遊技状態に応じて待機表示を行うか否かを選択するようにしても良い。例えば、主変動特図が特図1変動表示ゲームである通常遊技状態ST1や第2特定遊技状態ST3では待機表示を行い、第1特定遊技状態ST2では特定表示を行わないようにする。通常遊技状態ST1や第2特定遊技状態ST3では、主変動特図でない特図2変動表示ゲームについては変動時間が非常に長い時間とされるため、特図2変動表示ゲームが開始された場合に当該特図2変動表示ゲームが実行されていることを忘れてしまうことが考えられる。特図2変動表示ゲームの結果には小当りと大当りしかないため、遊技者が実行中であることを忘れている特図2変動表示ゲームが終了することにより意図せず特別遊技状態が発生すると、上述のように主変動特図である特図1変動表示ゲームが一時的に実行できない状態となる。特に、特図1変動表示ゲームについては所定数の始動記憶を記憶可能であるので、始動記憶があるにもかかわらず特図変動表示ゲームが開始できない状況について遊技者が不信感を持つおそれがある。このため、通常遊技状態ST1や第2特定遊技状態ST3では待機表示を行うようにして特図変動表示ゲームの実行を待機していることを報知することが好ましい。
〔大当り系コマンド処理〕
次に、特別変動入賞装置の開放時間の報知について説明する。図112には、上述の受信コマンド解析処理における大当り系コマンド処理(ステップC238)を示した。この大当り系コマンド処理では、まず、MODEはファンファーレであるかを判定する(ステップC401)。すなわち、受信したコマンドが図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドや小当りファンファーレコマンドであるかを判定する。そして、MODEはファンファーレである場合(ステップC401;Y)は、大当り種類や小当りに応じたファンファーレ表示画像の設定などを行うファンファーレ演出設定処理を行い(ステップC402)、P機状態をファンファーレ中に設定して(ステップC403)、大当り系コマンド処理を終了する。
MODEはファンファーレでない場合(ステップC401;N)は、MODEはラウンドであるかを判定する(ステップC404)。すなわち、受信したコマンドが特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドであるかを判定する。そして、MODEはラウンドである場合(ステップC404;Y)は、ラウンド数表示情報の更新などを行うラウンド演出設定処理を行い(ステップC405)、P機状態をラウンド中に設定し(ステップC406)、大当り系コマンド処理を終了する。
MODEはラウンドでない場合(ステップC404;N)は、MODEはインターバルであるかを判定する(ステップC407)。すなわち、受信したコマンドがラウンド間のインターバルに関するインターバルコマンドであるかを判定する。そして、MODEはインターバルである場合(ステップC407;Y)は、インターバル中の演出の設定を行うインターバル演出設定処理を行い(ステップC408)、P機状態をインターバル中に設定し(ステップC409)、大当り系コマンド処理を終了する。また、MODEはインターバルでない場合(ステップC407;N)は、MODEはエンディングであるかを判定する(ステップC410)。すなわち、受信したコマンドが最終ラウンド終了後のエンディングに関するエンディングコマンドであるかを判定する。
MODEはエンディングである場合(ステップC410;Y)は、大当り終了後の遊技状態に対応する画面情報の設定などを行うエンディング演出設定処理を行い(ステップC411)、P機状態をエンディング中に設定し(ステップC412)、大当り系コマンド処理を終了する。また、MODEはエンディングでない場合(ステップC410;N)は、MODEはカウントであるかを判定する(ステップC413)。すなわち、受信したコマンドが特別変動入賞装置38への入賞に基づく大入賞口カウントコマンドであるかを判定する。
MODEはカウントでない場合(ステップC413;N)は、大当り系コマンド処理を終了する。MODEはカウントである場合(ステップC413;Y)は、特別変動入賞装置38への入賞に対応した演出を設定するカウント演出設定処理(ステップC414)を行い、大当り系コマンド処理を終了する。
〔カウント演出設定処理〕
図113(a)には、上述の大当り系コマンド処理におけるカウント演出設定処理(ステップC414)を示した。このカウント演出設定処理では、まず、当り図柄情報を取得する(ステップC501)。当り図柄情報は、特別遊技状態の開始時に遊技制御装置100から送信される当り図柄コマンドに基づく情報であり、当り図柄の種類の情報である。この当り図柄情報に基づき、実行中の特別遊技状態が確変大当りに基づくものであるかを判定する(ステップC502)。
実行中の特別遊技状態が確変大当りに基づくものでない場合(ステップC502;N)は、カウント演出設定処理を終了する。この場合は特別変動入賞装置への入賞に基づく演出は行われない。また、実行中の特別遊技状態が確変大当りに基づくものである場合(ステップC502;Y)は、特定ラウンドであるかを判定する(ステップC503)。特定ラウンドは特定領域をなす確変作動領域38hに遊技球が流入する可能性があるラウンドであって、本実施形態では1ラウンド目である。
特定ラウンドでない場合(ステップC503;N)は、カウント演出設定処理を終了する。また、特定ラウンドである場合(ステップC503;Y)は、特定ラウンドでの入賞数を計数するための入賞カウンタを+1更新し(ステップC504)、当り図柄情報に対応する報知時間テーブルを取得する(ステップC505)。そして、入賞カウンタ値に対応する報知時間を取得し(ステップC506)、取得した報知時間を獲得時間表示92に表示して(ステップC507)、カウント演出設定処理を終了する。
図113(b)には報知時間テーブルの一例を示した。当り図柄が12R確変である場合は、特定ラウンドにおいて第1特別変動入賞装置38に遊技球が1個入賞すると、報知時間として1.80秒が選択される。その後、2〜8個目の入賞毎に約1.80秒ずつ報知時間が加算され、特定ラウンドでの入賞の上限数である9個目の入賞により報知時間が19.89秒とされる。12R確変大当りの場合、特定ラウンドの後の2〜12ラウンドでの開放態様は下ショート開放であるので1808msの開放可能時間となっており、この2〜12ラウンドでの開放可能時間の合計値は19888msである。特定ラウンドでの入賞毎にこの合計値の一部が順次報知され、特定ラウンドでの上限値まで入賞すると合計値のすべてが報知されることとなる。
5R確変大当りの場合も同様に、特定ラウンドでの入賞毎に開放可能時間の合計値である9040msの一部が報知され、特定ラウンドでの上限値まで入賞すると合計値のすべてが報知されることとなる。2R確変大当りの場合は5個目の入賞で開放可能時間のすべてが報知されるようになっている。このように、特定ラウンドでの入賞毎に後の開放可能時間が順次報知されることで、特定ラウンドにおける興趣を向上させるようにしている。
なお、図113(b)に示した報知時間テーブルは一例であって、これ以外の報知態様を選択できるようにしても良い。例えば12R確変大当りの場合に、1〜8個目までは5R確変大当りと同様とし、9個目の入賞により19.89秒の表示とするようにしても良い。また、12R確変大当りの場合であっても5R確変大当りと同様の報知とし、開放可能時間のすべてを報知しない場合があっても良い。この場合、2ラウンド目以降の特定のタイミングで時間値が上乗せされるような演出を行うようにしても良い。
また、特定ラウンドにおいて上限数まで遊技球が入賞しなかった場合には、特定ラウンドの終了に伴い獲得時間表示を「??秒」と曖昧な表示としても良いし、特定ラウンドの終了又は2ラウンド目の開始に伴い上限数まで遊技球が入賞した場合と同様の値を表示するようにしても良い。または、特定ラウンドで入賞した遊技球数に応じた時間値を表示したままとし、2ラウンド目以降の特定のタイミングで時間値が上乗せされるような演出を行うようにしても良い。
図114、図115には開放可能時間の報知の一例を示した。この例では第1特定遊技状態ST2となっており、図114(a)に示すように図110(a)に示した表示と同様の表示がなされている。また、ここでは通常遊技状態ST1の終了から次に通常遊技状態ST1となるまでに獲得した遊技球数を表示する獲得球数表示部91が表示されている。ここでは1250球獲得していることを示している。
そして、図114(b)に示すように特図変動表示ゲームの結果として特別結果が導出されて特別遊技状態が開始される。特別遊技状態の1ラウンド目は特定ラウンドであり、図114(c)に示すように特定ラウンドの演出が行われる。この演出では、第1特別変動入賞装置38への入賞により特別変動入賞装置の開放時間が増加するような演出が行われるようになっていて、現在の遊技状態を表示する遊技状態表示81に「タイムストックモード」と表示されるとともに、表示領域の中央に「入賞させて時間をためろ!!」と表示する説明表示と、獲得した時間を表示する獲得時間表示92(ここでは0秒)が行われる。
また、飾り特図変動表示ゲーム表示部85は表示領域の左下部に移動し、導出された特別結果を表示する。さらに、獲得球数表示部91の表示は継続され、特別遊技状態で獲得した遊技球数も加算されるようになっている。
その後、1個目の遊技球が入賞すると、図114(d)に示すように獲得時間表示92に特別結果の種類と入賞数に応じた時間値が加算される。ここでは特別結果が12R確変であるので、1.80秒が加算されている。さらに、2個目の遊技球が入賞すると、図114(e)に示すように獲得時間表示92に1.80秒が加算されて3.60秒となる。そして、特定ラウンドでの上限数である9個目の遊技球が入賞すると、図114(f)に示すように獲得時間表示92の値が19.89秒となる。
特定ラウンドである1ラウンド目が終了してインターバル時間となると、図115(a)に示すように表示領域の中央の説明表示が「ストック解放中」となり、獲得した時間が放出されることが示される。次に2ラウンド目が開始されて第2特別変動入賞装置39が開放されると、開放されている期間にわたり獲得時間表示92の時間が減少する。2ラウンド目での開放可能時間は1808msであるので、2ラウンド目の開放終了時には図115(c)に示すように獲得時間表示92の値は18.08秒となる。
また、ストックが解放される2ラウンド目の開始に伴い、飾り特図変動表示ゲーム表示部85で表示していた特別結果の表示を消去する。これにより、特別遊技状態中であることを意識させないようにし、第1特定遊技状態ST2において小当りが発生したかのような印象を与えることができる。なお、2ラウンド目から図114(a)に示したような第1特定遊技状態ST2での演出表示と同様の演出表示としても良い。
3ラウンド目も開放可能時間は1808msであり。図115(c)に示すように3ラウンド目の開放終了時には獲得時間表示92の値が16.27秒となる。そして、最終ラウンドである12ラウンド目の開放終了時には図115(d)に示すように獲得時間表示92の値は00.00秒となり、説明表示に「ストック解放完了」の表示がなされて特別遊技状態が終了することとなる。特別遊技状態の特定ラウンドにおいて確変作動領域38hに遊技球が流入した場合は、特別遊技状態の終了に伴い図115(e)に示すような第1特定遊技状態ST2での表示となる。また、特別遊技状態の特定ラウンドにおいて確変作動領域38hに遊技球が流入しなかった場合は、特別遊技状態の終了に伴い通常遊技状態ST1での表示となる。
上述のように、特別遊技状態での演出を特別遊技状態であることを明確に示さず、第1特定遊技状態ST2が継続しているような演出とすることで、従来にない斬新な演出とすることができる。すなわち、本実施形態では、第1特定遊技状態ST2において小当りが頻発し、小当りに基づく特別遊技状態が頻発するようになっている。このような遊技状態において特別結果となった場合に、複数のラウンドを小当りに基づく特別遊技状態と同様の動作態様及び演出とすることで、各ラウンドが小当りに基づく特別遊技状態であるかのような演出を行うことができる。これにより、遊技者にとって有利な第1特定遊技状態ST2が長期間継続しているかのように見せることができ、遊技の興趣を向上することができる。
なお、ラウンド間のインターバル時間を第1特定遊技状態ST2において小当り結果となる場合の特図変動表示ゲームの実行時間と同等の時間とすれば、より特別遊技状態中の遊技が第1特定遊技状態ST2での遊技のようになり、遊技の興趣を向上することができる。さらに、インターバル時間において図114(a)と同様に飾り特図変動表示ゲーム表示部85で疑似的に変動表示を行って特定の結果態様で停止した後に次のラウンドが開始するようにすれば、特別遊技状態中の遊技が第1特定遊技状態ST2での遊技のようになり、遊技の興趣を向上することができる。特定の結果態様としては、例えば、小当りの結果態様又は特別遊技状態中でのみ導出可能な結果態様が挙げられる。また、特別遊技状態でのファンファーレ時間及びエンディング時間を短い時間(例えば100ms)とすれば、特別遊技状態の開始及び終了がわかりにくくなり、より遊技の興趣を向上することができる。
また、インターバル時間において飾り特図変動表示ゲーム表示部85で行う疑似的な変動表示では、疑似的な変動表示であることをより明確にするために、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームでは使用されない識別情報を用いるようにしても良い。また、飾り特図変動表示ゲーム表示部85の背景や縁を異なる態様にすることで疑似的な変動表示であることを明確に報知しても良い。異なる態様とする方法としては、例えば、透明度を異ならせること、濃淡を異ならせること、色を異ならせること、大きさを異ならせることが挙げられる。また、結果態様としてこれから開始されるラウンドを示す結果態様を表示するようにしても良い。例えば2ラウンド目と3ラウンド目の間のインターバル時間において行う場合には、結果態様として「3」「R」「目」という結果態様を表示し、3ラウンド目を開始するようにしても良い。
また、特図2変動表示ゲームについても始動記憶として第2始動記憶を複数記憶できるようにし、第2始動記憶の情報を表示する飾り始動記憶表示を表示装置41に行うようにしても良い。この場合に特別遊技状態中でも飾り始動記憶表示を表示するようにし、疑似的な変動表示では飾り始動記憶表示が減少しないことにより疑似的な変動表示であることを理解できるようにしても良い。また、後述する図117に示すような現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部89を設けた場合に、この実行中記憶表示部89を特別遊技状態中でも表示し、ここに「当」等の特定画像を表示させておくようにしても良い。このようにすることでも疑似的な変動であることを示すことができる。
また、第1特定遊技状態ST2で発生した特別遊技状態中での飾り特図変動表示ゲーム表示部85の表示として特別結果態様をそのまま表示するようにしたが、これ以外の表示態様であっても良いし、表示しないようにしても良い。他の表示態様としては、一の識別情報のみを表示するようにしても良いし、当りであることを示す情報として識別情報とは異なる情報を表示するようにしても良い。このようにすることで、特別遊技状態中であることを意識させないようにすることができ、特別遊技状態中の遊技が第1特定遊技状態ST2での遊技のようになり、遊技の興趣を向上することができる。
また、第1特定遊技状態ST2での飾り特図変動表示ゲームにおける特別結果態様を通常遊技状態ST1での飾り特図変動表示ゲームにおける特別結果態様(同じ数字のぞろ目)と同じとしたが、通常遊技状態ST1での特別結果態様とは異なる特別結果態様としても良い。このようにすることで、特別結果の導出を意識させないようにすることができてその後の特別遊技状態を意識させないようにすることができ、特別遊技状態中の遊技が第1特定遊技状態ST2での遊技のようになり、遊技の興趣を向上することができる。
このような特別結果態様としては、例えば、同じ数字のぞろ目ではなく、「123」のように右へ行くにつれて識別情報が+1される順目や「321」のように右へ行くにつれて識別情報が−1されるな逆目としても良い。また、「121」や「112」、「211」のように一部の変動表示領域が他の変動表示領域の識別情報に+1したものとしても良いし、逆に「212」や「221」、「122」のように一部の変動表示領域が他の変動表示領域の識別情報に−1したものとしても良い。また、例えば「492」のように通常遊技状態ST1でははずれ結果の結果態様であるもののうちの特定の結果態様としても良い。また、「1A1」や「AAA」のように一部又は全部の変動表示領域が、通常遊技状態ST1では用いられない識別情報(ここでは「A」)で停止するものとしても良い。
また、特定ラウンドを1ラウンド目としたが、これ以外のラウンドであっても良い。また、一のラウンドで複数回の開状態への変換を行うようにしても良い。例えば、各ラウンドで一旦閉状態とする期間を設けて2回の開状態への変換が行われるようにしても良い。もちろん3回以上の開状態への変換が行われるようにしても良い。このようにする場合でも、開状態とする期間は小当りに基づく特別遊技状態での開放時間と略同じ時間とすることが好ましい。また、一旦閉状態とする期間は、第1特定遊技状態ST2において小当り結果となる場合の特図変動表示ゲームの実行時間と同等の時間とすることが好ましい。これにより、第1特定遊技状態ST2が長期間継続しているかのような印象を与えることができる。一のラウンドで複数回の開状態への変換を行う場合も各回の開放可能時間を合計した時間値を報知することが可能である。
また、特別遊技状態における開放可能時間を報知するのではなく、開放回数を報知するようにしても良い。例えば、12R確変大当りの場合、特定ラウンドにおいて残り11回の開放があることを報知し、ラウンドの実行毎に残り回数を減算するようにする。一のラウンドで複数回の開状態への変換が行われる場合は開状態への変換回数を示すようにする。例えば、各ラウンドで一旦閉状態とする期間を設けて2回の開状態への変換が行われるようにした場合は、残り22回の開放があることを報知可能である。開放可能時間が長く特別変動入賞装置に上限数の遊技球が入賞することでラウンドが終了する可能性のあるラウンドがある場合には、開放可能時間を報知しても報知した時間に満たないでラウンドが終了してしまう可能性があり、報知に矛盾が生じるおそれがあるが、開放回数を報知するようにすればこのような問題が発生することを防止できる。
また、開放可能時間の報知の条件を特定ラウンドで遊技球が第1特別変動入賞装置38に入賞することとしたが、これに限られるものではない。例えば、特別遊技状態の発生や特定ラウンドの開始、特定ラウンドの開始から所定時間の経過などを報知の条件としても良い。
また、開放可能時間の合計値を報知する場合に秒未満の値は報知しなくてもよい。又は秒未満の値は実際の開放可能時間とおおよそ合っているような表示でよい。秒未満の値は遊技者からすると一瞬であるため正確に表示しなくても問題は生じない。また、区切りのよい値で表示する方が残り時間をイメージしやすくすることができる。例えば、図113(b)に示した報知時間テーブルにおいて14.40秒と規定されている場合に、秒未満の値を四捨五入又は切り捨てて14秒と表示するようにしても良い。また、0.5秒を単位として表示するようにし、報知時間テーブルにおいて14.40秒と規定されている場合には0.1秒加算して14.5秒と表示するようにしても良い。このように、図113(b)に示した報知時間テーブルには秒未満の値も含む開放可能時間を規定し、表示の際に秒未満の値を補正するようにしても良い。この場合補正する値も報知時間テーブルに規定しておいても良いし、その都度算出するようにしても良い。また、報知時間テーブルの値自体を秒未満の値を補正したデータとしても良い。
また、獲得時間表示92で表示する時間は、特別変動入賞装置が開状態とされる開放可能時間の他に、インターバル時間や特別変動入賞装置の開放動作又は閉鎖動作に必要な時間、表示装置41の画像の更新に必要な時間、エンディング時間等を含めても良い。例えば、1ラウンド目が終了したタイミングである特別変動入賞装置が閉鎖したタイミングから、エンディングが終了して特図変動表示ゲームが開始されるまでの期間の全てを含めた時間を表示するようにしても良い。
また、獲得時間表示92では開放可能時間の一部を報知し、獲得時間表示92に時間値が加算され得ることを示唆又は報知する演出を行うようにしても良い。図116にはこのような演出の一例を示した。なお、ここでは12R確変大当りに基づく特別遊技状態の例を示した。
図116(a)に示すように特定ラウンドが開始されると獲得時間表示92が表示される。その後、特別変動入賞装置に1個目の遊技球が入賞すると図116(b)に示すように獲得時間表示に1.80秒が加算される。また、表示領域の右下部にストック表示97が表示される。このストック表示97は、獲得時間表示92に時間値が追加されることを示唆又は報知するものである。すなわち、獲得時間表示92に開放時間がストックされるとともにストック表示97に更なる開放時間がストックされている可能性がある。このストック表示97は、特別変動入賞装置への入賞毎に値が1つ増加するようになっている。
この例では12R確変大当りに基づく特別遊技状態であるが、獲得時間表示92の変化は5R確変大当りと同じ変化とされる。そして、特定ラウンドでの上限数である9個目の遊技球が入賞すると、図116(c)に示すように獲得時間表示92の値が9.04秒となるとともに、ストック表示の値が9となる。ここでは12R確変大当りに基づく特別遊技状態であるので、2R〜12Rの開放可能時間の合計は19.89秒であり、獲得時間表示92では開放可能時間の一部のみを報知した状態となっている。
特定ラウンドである1ラウンド目が終了してインターバル時間となると、図116(d)に示すように表示領域の中央の説明表示が「ストック解放中」となり、獲得した時間が放出されることが示される。その後、特別変動入賞装置の開放に伴い獲得時間表示92の値は減少し、5ラウンド目の終了に伴い図116(e)に示すように獲得時間表示92の値は0秒となる。
そして、図116(e)に示すようにストック表示97が獲得時間表示92に向けて放出されて獲得時間表示92に働きかける演出が行われる。この時、ストック表示97の値の分だけ繰り返して演出が行われるようになっており、演出毎にストック表示97の値が減少するとともに獲得時間表示92の値を増加可能となっている。この演出の結果、図116(f)に示すように獲得時間表示92の値が増加して6ラウンド目が開始される。なお、5R確変大当りの場合も図116(a)から(e)までと同じ演出を行い、図116(f)の段階では獲得時間表示92に時間値が加算されず0秒のままとなって特別遊技状態を終了することが可能である。
なお、図116(e)の演出において、複数個のストック表示97が同時に獲得時間表示92に放出されるようにしても良い。また、一のストック表示97による獲得時間表示92の値の増加量は1ラウンド分の1.8秒を上限としても良いし、上限なく増加可能としても良い。また、特定ラウンドでは入賞毎に必ずストック表示97の値が増加するようにしても良いし、入賞しても増加しない場合があっても良い。また、ストック表示97の値が1つずつ増加するようにしても良いし、2以上増加するようにしても良い。また、入賞とは関係なくストック表示97の値が増加するようにしても良い。さらに、ストック表示97の値が多い方が図116(e)の演出で獲得時間表示92の値の増加量が多くなる可能性が高いことを示唆するようにしても良い。
また、特定ラウンド以外でもストック表示97の値を増加可能としても良い。例えば、図116(d)から(e)の期間にストック表示97の値が増加するようにしても良い。さらに図116(f)以降のラウンドで再度ストック表示97の値が増加するようにしても良い。この場合は図116(f)の段階で予定されている開放可能時間の一部を報知するようにしても良い。また、図116(e)に示したような獲得時間表示92の増加は、ストック表示97によるものでなくても良く、なんらかの演出を伴って又は特に演出を伴わずに時間値が加算されるようなものであれば良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、遊技を制御する制御手段(遊技制御装置100)と、遊技球が入賞不能な閉状態から遊技球が入賞可能な開状態に変換可能な特別変動入賞装置38,39と、を備え、制御手段は、特別遊技状態における複数のラウンド毎に所定の開放時間に応じて特別変動入賞装置を開状態に変換可能であり、所定の報知条件が成立することに対応して当該報知条件が成立した後に予定されている特別変動入賞装置の開状態に応じた開放時間を報知可能であることとなる。したがって、従来にない斬新な演出を行うことができ、遊技の興趣を向上することができる。なお、特別変動入賞装置の開状態に応じた開放時間の報知は、必ずしも正確な値を報知するものに限られず、おおよその時間を報知するものや、時間ではなく開放時間の長さを複数段階(例えば3段階)で報知するものなどでも良い。
また、報知条件は、特別遊技状態における特定のラウンドとなることであり、制御手段は、報知条件が成立することに対応して特定のラウンドより後の各ラウンドにおける特別変動入賞装置の開状態に応じた開放時間の合計時間値を報知することとなる。したがって、従来にない斬新な演出を行うことができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、特別遊技状態における特定のラウンドにおいて特別変動入賞装置に遊技球が入賞することに対応して当該特定のラウンドより後のラウンドにおける特別変動入賞装置の開状態に応じた開放時間を報知可能であることとなる。したがって、従来にない斬新な演出を行うことができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、制御手段は、ラウンドにおいて所定数の遊技球が特別変動入賞装置に入賞した場合には、特別変動入賞装置の開状態に応じた開放時間が経過する前であっても当該ラウンドを終了して特別変動入賞装置を閉状態とするように制御し、特別遊技状態における特定のラウンドでは、特別変動入賞装置に遊技球が入賞する毎に当該特定のラウンドより後の各ラウンドにおける開放時間の合計時間値の一部を報知し、所定数の遊技球が特別変動入賞装置に入賞した場合には、当該特定のラウンドより後の各ラウンドにおける開放時間の合計時間値の全てが報知されるようにしたこととなる。したがって、従来にない斬新な演出を行うことができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、特別結果には、条件装置の作動を伴う第1特別結果と、条件装置の作動を伴わない第2特別結果とを含み、制御手段は、第1特別結果に対応した遊技者に有利な遊技状態における複数のラウンド毎に所定の開放時間に応じて特別変動入賞装置を開状態に変換可能であり、第1特別結果に対応した遊技者に有利な遊技状態における特定のラウンドにおいて、当該特定のラウンドより後のラウンドにおける特別変動入賞装置の開状態に応じた開放時間を報知可能であり、第1特別結果に対応した遊技者に有利な遊技状態における特定のラウンドより後のラウンドにおける特別変動入賞装置の開状態に応じた開放時間は、第2特別結果に対応した遊技者に有利な遊技状態における特別変動入賞装置の開状態に応じた開放時間と同じ開放時間としたこととなる。したがって、従来にない斬新な演出を行うことができ、遊技の興趣を向上することができる。
なお、第1特別結果(大当り)での開放可能時間(開放時間)と、第2特別結果(小当り)での開放可能時間(開放時間)を同じとするとしたが、完全に同一であっても良いし、遊技者が両者を判別することが困難な程度の差があっても良い。上述の実施形態では、小当りに基づく開放可能時間は1792msであり、大当りの下ショート開放での開放可能時間は1808msであって異なる開放可能時間となっているが、これらの差は16msであり、遊技者が開放可能時間の差を判別することは困難なものなので実質的に同じ開放可能時間と言える。開放可能時間の差はこれ以上であっても良いが、遊技者が両者を判別することが困難な差とすることが好ましい。
また、制御手段は、ラウンドにおいて所定数の遊技球が特別変動入賞装置に入賞した場合には、特別変動入賞装置の開状態に応じた開放時間が経過する前であっても当該ラウンドを終了して特別変動入賞装置を閉状態とするように制御し、第1特別結果に対応した遊技者に有利な遊技状態における特定のラウンドでは、特別変動入賞装置に遊技球が入賞する毎に当該特定のラウンドより後の各ラウンドにおける特別変動入賞装置の開状態に応じた開放時間の合計時間値の一部を報知し、所定数の遊技球が特別変動入賞装置に入賞した場合には、当該特定のラウンドより後の各ラウンドにおける特別変動入賞装置の開状態に応じた開放時間の合計時間値の全てが報知されるようにしたこととなる。したがって、従来にない斬新な演出を行うことができ、遊技の興趣を向上することができる。
次に、リーチ演出における期待度の示唆について説明する。まず、通常遊技状態ST1における表示装置41での表示について説明する。図117(a)に示すように表示装置41の表示領域の中央には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第1飾りゲームを表示する飾り特図変動表示ゲーム表示部85が設けられる。ここでは、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。表示領域の左上部には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第2飾りゲームを表示する第2飾りゲーム表示部95が設けられている。この第2飾りゲーム表示部95に表示される第2飾りゲームは、飾り特図変動表示ゲーム表示部85に表示される第1飾りゲームと同様に、左領域、中領域、右領域の各領域で識別情報を変動表示した後に停止して結果を表示するようになっている。
また、表示領域の中央下部には始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する記憶表示部88が設けられる。記憶表示部88に表示される飾り特図始動記憶表示は、第1始動記憶と一対一に対応し、記憶順に並んで表示されるものであり、ここでは3つの第1始動記憶があることを示している。左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示であり、消化される毎に左へ移行するようになっている。
また、それぞれの始動記憶に対応する特図1変動表示ゲームの結果や変動パターン等の先読み結果をその表示態様により示唆することが可能である。なお、図117(a)では、消化順序が1番目の第1始動記憶について飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる先読み演出が行われている。
記憶表示部88の左方には、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部89が設けられる。この実行中記憶表示部89には、特図変動表示ゲームの開始時に記憶表示部88の左端にある飾り特図始動記憶表示が移行し、実行される特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等をその表示態様により示唆するようになっている。また、表示領域の右上部には、始動記憶数を表示する始動記憶数表示部96が設けられる。この始動記憶数表示部96には第1始動記憶の数が表示される。
図117(a)に示す状態から第1始動記憶が消化されて減少すると、図117(b)に示すように記憶表示部88の左端にある飾り特図始動記憶表示が実行中記憶表示部89へ流入する表示が行われる。ここでは、実行中記憶表示部89においても先読み演出と同様の態様で特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等が示唆されている。また、始動記憶数表示部96では数値が1つ減少する。
そして、飾り特図変動表示ゲーム表示部85では第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが開始され、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報の変動表示が開始される。また、第2飾りゲーム表示部95においても第1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが開始され、左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が開始される。
その後、リーチ状態となる場合には図117(c)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の左変動表示領域と右変動表示領域で同じ識別情報が仮停止する。仮停止している状態では識別情報が揺れるように表示され、完全に停止していないことが示されている。また、第2飾りゲーム表示部95でも左領域と右領域で同じ識別情報が仮停止する。
そして、SPリーチに発展する場合には図117(d)に示すようにキャラクタ等による演出が行われる。この場合は飾り特図変動表示ゲーム表示部85、記憶表示部88及び実行中記憶表示部89を消去して表示領域の中央でリーチ演出を表示する。なお、第2飾りゲーム表示部95及び始動記憶数表示部96の表示は継続され、特図変動表示ゲームの状況や始動記憶数を確認可能となっている。
図117(c)に示す状態で中変動表示領域の識別情報が停止して特図変動表示ゲームが終了するリーチ状態がNリーチであり、図117(d)に示すようにキャラクタ等による演出が行われるリーチ状態がSPリーチである。SPリーチの演出にはここに示した演出以外にも複数種類の演出がある。それぞれのリーチ演出については特別結果となる場合の選択確率が定められている。すなわち、それぞれのリーチ演出には特別結果となる期待度が定められていることとなる。
また、NリーチやSPリーチで行われるリーチ演出を基本演出とし、この基本演出に対して共通に実行可能な共通演出を付加して実行することが可能となっている。図118には共通演出の一例を示した。
図118(a)は味方キャラクタが敵キャラクタから逃げ切れば大当りとなるリーチ演出(基本演出)であり、図118(b)〜(e)はこの基本演出をなすリーチ演出に共通演出94が付加された例である。また、図118(f)は味方キャラクタと敵キャラクタが戦い、味方キャラクタが勝てば大当りとなるリーチ演出(基本演出)であり、図118(g)〜(j)はこの基本演出をなすリーチ演出に共通演出94が付加された例である。また、図118(a)、(f)に示すように、基本演出においては演出内容を文字情報により示す特定演出93を実行可能である。
共通演出94は、それぞれの基本演出に対して共通に、「期待度UP」の文字情報を伴う演出を行うものである。共通演出94にも複数種類の演出があって、図118(b)、(g)の共通演出94は文字情報のみを表示する演出であり、図118(c)、(h)の共通演出94は文字情報を実線で囲んで表示する演出であり、図118(d)、(i)の共通演出94は文字情報を網掛けで表示する演出である。
また、図118(e)、(j)は、演出内容を文字情報により示す特定演出93と共通演出94が同時に実行される演出である。この場合の共通演出94には、図118(b)に示したような文字情報のみを表示する演出、図118(c)に示したような文字情報を実線で囲んで表示する演出、図118(d)に示したような文字情報を網掛けで表示する演出が存在する。なお、図118の(b)〜(e)、(g)〜(j)では共通演出94として「期待度UP」の文字情報を伴うものを示したが、これ以外にも複数種類が存在する。また、特定演出93は演出内容を文字情報により示すものに限られない。
各共通演出にも期待度が設定されており、基本演出の期待度と共通演出94の期待度とにより特別結果となる期待度がより明確に示唆されるようになっている。この共通演出94の期待度は同じ種類の共通演出94であっても組み合わされる基本演出の種類によって異なるようにされている。
図118の例では、図118(a)に示す基本演出の期待度が50%であり、図118(f)に示す基本演出の期待度が60%となっている。そして、文字情報のみを表示する共通演出94の期待度は、図118(b)の場合に10%であり、図118(g)の場合に20%となっている。また、文字情報を実線で囲んで表示する共通演出94の期待度は、図118(c)の場合に40%であり、図118(h)の場合に10%となっている。また、文字情報を網掛けで表示する共通演出94の期待度は、図118(d)の場合に30%であり、図118(i)の場合に30%となっている。
さらに、特定演出93とともに行われる文字情報を実線で囲んで表示する共通演出94の期待度は、図118(c)の場合に50%であり、図118(h)の場合に20%となっている。特定演出93が同時に実行された場合の共通演出94の期待度は、同じ種類の共通演出94が特定演出93と同時に実行されない場合の期待度に10%加算された値となっている。
すなわち、共通演出94は複数の要素(文字情報や囲み枠等)から構成され、少なくとも一の要素が共通であり他の要素が異なる複数種類の共通演出94があり、当該複数種類の共通演出94の期待度をそれぞれ異ならせることが可能である。さらに、組み合わされる基本演出や特定演出93の種類により当該複数種類の共通演出94の期待度をそれぞれ異ならせることが可能であることとなる。また、各要素が同じ共通演出94であっても、組み合わされる基本演出によって期待度を異ならせることが可能であることとなる。
このように、共通演出94の期待度は同じ種類の共通演出94であっても組み合わされる基本演出の種類によって異なる。そして、ある基本演出と組み合わされた際における複数種類の共通演出94の期待度の順と、他の基本演出と組み合わされた際における複数種類の共通演出94の期待度の順は、必ずしも一致しないこともあるようにされている。これにより、単純に共通演出が付加されたことで期待度が高いことが示されるものではなく、基本演出と共通演出94の組み合わせにより共通演出94の期待度が決まるので、一の共通演出94に対して複数の期待度が対応付けられることとなり、演出全体に対する興趣を高め、遊技の興趣を向上することができる。
また、基本演出で示す期待度と共通演出94で示す期待度はそれぞれ独立したものであり、複数の指標により期待度が示されることで、正確な期待度を把握しやすくなる。例えば、基本演出と共通演出94の両方で期待度が高い演出が行われれば期待度が高いことが推測される。また、基本演出と共通演出94の一方は期待度が高い演出が行わているが、他方は期待度が低い演出である場合は、期待度が低い可能性があることが推測される。
なお、上述の期待度では、それぞれの基本演出に対して同じ共通演出94を行った場合における当該共通演出94の期待度の差は異なる値(図118(b)と(g)では10%の差、図118(c)と(h)では30%の差、図118(d)と(i)では0%の差)となっているが、この差を基本演出での期待度の差と同じ値とするようにしても良い。例えば、図118(a)に示す基本演出の期待度である50%と、図118(f)に示す基本演出の期待度である60%では10%の差があるので、それぞれの基本演出に対して同じ共通演出94を行った場合における当該共通演出94の期待度の差も10%となるようにしても良い。
また、図118(b)〜(d)、(g)〜(i)に示すように、特定演出93が実行されている期間は共通演出94が行われないようにすることが可能であるとともに、共通演出94が表示される領域を特定演出93が表示される領域と一部又は全部が重なるようにすることが可能である。
このように特定演出93と共通演出94が同時に行われないようにすることで、多数の演出が同時に実行されて演出内容が複雑になることを防止し、特に文字情報を伴う演出が同時に実行されないようにしたことで、遊技者の理解を容易にしている。さらに、共通演出94が表示される領域は特定演出93が表示される領域と一部又は全部が重なるようにしたことで、遊技者が情報を確認する位置が大きく変化することを防止し、情報の取得が容易になるようにしている。
また、特定演出93と共通演出94が同時に行われないことを原則として、例外的に図118(e)、(j)のように特定演出93と共通演出94を同時に実行可能とすれば、この場合の共通演出94が大当りとなる可能性がより高いことを示していることが明確となる。逆に、特定演出93と共通演出94を同時に実行することを原則として特定演出93と共通演出94が同時に行われないことを例外とし、特定演出93と共通演出94が同時に行われない場合の方が期待度が高くなるようにしても良い。
また、演出制御装置300では、共通演出94を基本演出や特定演出93とは別のレイヤに割り当てるようにし、共通演出94のレイヤを最前面に配するようにする。このようにすることで、共通演出94を確実に視認可能とすることができる。また、共通演出94のレイヤは後方のレイヤの画像が透けるような半透明としても良い。このようにすることで、異なる複数の基本演出に対して共通演出94を表示するとしても、後方の基本演出の画像が透けることから常に基本演出が視認可能となり、基本演出を作成する際に共通演出94の表示位置を考慮しなくても良く、基本演出を作成する上での自由度を損なうことがない。
このような基本演出及び共通演出は、図108に示した変動演出設定処理において特図変動表示ゲームの結果や遊技制御装置100で選択された変動パターンに基づき選択されるようになっている。また、実行態様が図118(b)〜(d)、(g)〜(i)の場合は、特定演出93と共通演出94とが同時に実行されないように、また、実行態様が図118(e)、(j)の場合は、特定演出93と共通演出94とが同時に実行されるように両者の実行タイミングも設定される。
なお、特定演出93や共通演出94は文字情報を伴うものに限られず、キャラクタ表示等であっても良い。また、各共通演出94の実行態様は上述したものに限られず、大きさや文字の色を異ならせるなど、各共通演出94を区別できるものであれば良い。また、特定演出93と共通演出94をほぼ同じ大きさで表示するとしたが、一方が他方よりも大きく表示されるようにしても良い。また、共通演出94を2つ以上実行可能としても良い。この場合、複数の共通演出94が同時に実行されないようにしても良いし、複数の共通演出94を同時に実行可能としても良い。
また、共通演出94自体には期待度を設定せず、基本演出や特定演出93との組み合わせにより演出全体の期待度が決まるようにしても良い。例えば、図118(b)〜(e)では、(b)、(c)、(d)、(e)の順に期待度が高いことを示すようにし、図118(g)〜(j)では、(j)、(i)、(h)、(g)の順に期待度が高いことを示すようにしても良い。さらに、期待度を決めるための組み合わせの対象として、リーチとなっている識別情報の種類や、他に実行された予告演出、先読み演出などを含むようにしても良い。すなわち、共通演出94は、当該共通演出94とは異なる他の演出との組み合わせにより期待度を示すものとしても良い。
また、基本演出の期待度に共通演出94の期待度が加算されるようにしても良い。例えば図118に示した「期待度UP」の文字情報を伴う共通演出94において、文字情報のみを表示する演出により期待度が+5%、実線で囲んで表示する演出により期待度が+10%、網掛けで表示する演出により期待度が+15%加算されるようにしても良い。さらに、特定演出93と同時に実行されることで各共通演出94の加算値にさらに+5%するようにしても良い。この場合、図118(a)の基本演出の期待度が50%とすれば、図118(b)の期待度は55%、図118(c)の期待度は60%、図118(d)の期待度は65%、図118(e)の期待度は図118(c)の期待度である60%に5%を足した65%となる。また、2つ以上の共通演出94を実行可能としても良く、実行された共通演出94の分だけ期待度が加算されるようにする。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な状態を発生する遊技機において、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、ゲームの結果が特別結果となる期待度が異なるように設定された複数種類の基本演出と、複数種類の基本演出と併せて実行可能であり、複数種類の基本演出のそれぞれに対して共通に実行可能な共通演出と、を実行可能であり、共通演出は、複数種類の基本演出のそれぞれにおいて同一の演出態様で表示可能であり、併せて表示される基本演出の種類に応じて当該共通演出における期待度が異なるようにしたこととなる。したがって、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、複数種類の基本演出と、複数種類の基本演出と併せて実行可能であり、複数種類の基本演出のそれぞれに対して共通に実行可能な共通演出94と、を実行可能であり、基本演出において特定演出93が実行される期間では共通演出を実行しないようにしたこととなる。したがって、演出の内容を把握することが容易となり、効果的な演出を実行可能となって遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段により制御されて遊技の演出を表示可能な表示装置41を備え、演出制御手段は、基本演出において実行される特定演出93として文字情報を表示装置41に表示する演出を実行し、共通演出94として文字情報を表示装置41に表示する演出を実行するようにしたこととなる。したがって、文字情報が重複して表示されることを防止でき、演出の内容を把握することが容易となり、効果的な演出を実行可能となって遊技の興趣を向上することができる。
また、演出制御手段は、表示装置41において特定演出93を表示する領域と、共通演出94を実行する領域と、が重なるように演出を実行するようにしたこととなる。したがって、演出の内容を把握することが容易となり、効果的な演出を実行可能となって遊技の興趣を向上することができる。
なお、上述の実施形態では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを同時に実行可能としたが、一方の特図変動表示ゲームを実行している間は他方の特図変動表示ゲームの実行を待機するようにしても良い。この場合、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの一方を優先的に実行するようにしてもいし、始動記憶の発生順に順次特図変動表示ゲームを行うようにしても良い。また、二種類ではなく一種類の特図変動表示ゲームのみを実行するものとしても良い。
また、確変作動領域38hへの遊技球の通過により高確率状態となるとしたが、大当り図柄に基づき高確率状態となるか否かを決定するようにしても良い。このようにすれば、確変作動領域38hへ遊技球を通過可能とするために長時間開放するラウンドを設ける必要がなく、全てのラウンドを小当りと同等の開放可能時間とすることができる。
〔第1変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特定遊技状態の終了条件が異なる。
図119には本変形例での状態遷移図を示した。本変形例の遊技機では、第1特定遊技状態ST2及び第2特定遊技状態ST3の終了条件が転落抽選に当選することとなっている。転落抽選は、第1特定遊技状態ST2及び第2特定遊技状態ST3における特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの開始時に行われるようになっていて、この抽選に当選することにより当該特図変動表示ゲームから通常遊技状態ST1となるようにされている。
本変形例の遊技機では、図46に示した特図1変動開始処理及び図47に示した特図2変動開始処理における高確率変動回数更新処理(ステップY257、Y268)は行わない。また、図46に示した特図1変動開始処理及び図47に示した特図2変動開始処理の最初に、図120に示す転落抽選処理を行う。
〔転落抽選処理〕
図120には、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの開始時に行われる転落抽選処理を示した。なお、図61に示した高確率変動回数更新処理と同様の処理には同じ符号を付した。この転落抽選処理では、まず、高確率中であるかを判定し(ステップY581)、高確率中でない場合(ステップY581;N)は、転落抽選処理を終了する。また、高確率中である場合(ステップY581;Y)は、転落抽選乱数を取得し(ステップY591)、判定値に参照して転落抽選に当選したかを判定する(ステップY592)。
転落抽選に当選していない場合(ステップY592;N)は、転落抽選処理を終了する。この場合は高確率状態が維持される。また、転落抽選に当選した場合(ステップY592;Y)は、ステップY584以降の高確率状態を終了する処理を行う。
このように特定遊技状態の終了条件を転落抽選に当選することとした場合に、図114、図115に示したような特別遊技状態中の演出を行うことで、獲得時間表示92に時間値が残っている期間は第1特定遊技状態ST2が終了せずに継続することが保証されているように見せることができる。これにより、転落抽選がある遊技機において転落しない期間が設けられているように見せることができて従来にない斬新な遊技とすることができる。
以上のことから、制御手段(遊技制御装置100)が、ゲームの結果が特別結果となる確率状態として、通常確率状態よりも確率を高めた高確率状態を設定可能な確率設定手段(遊技制御装置100)と、記高確率状態である場合に、ゲームの実行毎に通常確率状態へ移行させるか否かを決定するための転落抽選を行う転落抽選手段(遊技制御装置100)と、を備え、特別遊技状態における複数のラウンド毎に特別変動入賞装置を所定の開放時間にわたり開状態に変換可能であり、所定の報知条件が成立することに基づき、当該報知条件が成立した後に予定されている開放時間を報知可能であることとなる。したがって、通常確率状態に移行しない期間を報知可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
なお、第1始動入賞口36に普通変動入賞装置を設けるようにしても良い。この普通変動入賞装置は、逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換可能な一対の可動部材を備え、一対の可動部材が常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しており、この遊技球の直径程度の間隔を通って第1始動入賞口36に入賞可能となっている。そして、特図変動表示ゲームとは別の普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイドによって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。すなわち、普通変動入賞装置は、閉状態と、該閉状態よりも遊技球の入賞が容易な開状態と、に変換可能なものである。普通変動入賞装置の制御及び普通変動表示ゲームの制御は遊技制御装置100で行う。
この普通変動入賞装置の動作及び普図変動表示ゲームの実行態様には、普電サポートあり状態と普電サポートなし状態の2つの状態がある。普電サポートあり状態は普電サポートなし状態よりも単位時間当たりの第1始動入賞口36への入賞数が多くなるように制御する状態である。単位時間当たりの第1始動入賞口36への入賞数が多くなるような制御とは、普図変動表示ゲームの変動時間である普図変動時間や、普図変動表示ゲームの結果態様を表示する時間である普図停止時間を短くすること、普図変動表示ゲームが当りとなる確率を高めることが挙げられる。また、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって普通変動入賞装置を開放する際における開放回数を増やすことや開放時間を長くすることが挙げられる。
図121には、第1始動入賞口36に普通変動入賞装置を設けた場合の遊技状態の遷移を示した。図119に示した遊技状態の遷移を基本的には同じであるが、通常遊技状態ST1、第1特定遊技状態ST2及び第2特定遊技状態ST3では普電サポートなし状態とされる。また、通常遊技状態ST1及び第2特定遊技状態ST3において特図1変動表示ゲームで特別結果が導出されて特別遊技状態となり、当該特別遊技状態において第1特別変動入賞装置38の確変作動領域38hに遊技球が流入して確変作動領域スイッチ38dで検出された場合(V通過あり)は、第3特定遊技状態ST4に移行するようになっている。
第3特定遊技状態ST4は、当り確率が高確率状態であり、特図1変動表示ゲームの変動時間を通常遊技状態ST1よりも短縮する時短状態である状態(時短あり)である。なお、特図2変動表示ゲームの変動時間は短縮されない。演出態様を規定する演出モードはサポートモードとされる。また、主変動特図は特図1変動表示ゲームであるので主始動領域は第1始動入賞口36であり、この第1始動入賞口36を狙うため発射方向は左打ちとされている。すなわち、特図1変動表示ゲームをメイン変動とし、特図2変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。なお、第1始動入賞口36の配置を右打ちでも狙えるような位置とし、第3特定遊技状態ST4では右打ちとするようにしても良い。
この第3特定遊技状態ST4は、通常遊技状態ST1よりも特別結果となる確率が高いとともに第1始動記憶が発生しやすく特図1変動表示ゲームの変動時間も短縮されるため、短時間で特別結果が発生する可能性が高く、遊技者にとって有利な状態である。また、第1始動入賞口36への入賞が容易であることから賞球の払い出しも多く、この点でも遊技者にとって有利な状態である。ただし、持球数が増加するほどではなく、通常遊技状態ST1ほどではないが徐々に持球数は減少するようになっている。
この第3特定遊技状態ST4において、転落抽選に当選せず所定回数の特図変動表示ゲームが実行されると第1特定遊技状態ST2に移行する。この移行に伴い普電サポートなし状態となるとともに、特図2変動表示ゲームの変動時間が通常遊技状態ST1の場合よりも短縮される時短状態となる。なお、特図1変動表示ゲームの変動時間は短縮しても良いし、しなくても良い。
第1特定遊技状態ST2へ移行する条件となる所定回数は、第3特定遊技状態ST4へ移行する契機となった特別結果の種類に基づき選択されるようにしても良いし、特別結果の種類に関わらず一定の回数であっても良い。例えば、飾り特図変動表示ゲームの結果態様として偶数のぞろ目が対応する特別結果であった場合は50回、飾り特図変動表示ゲームの結果態様として7以外の奇数のぞろ目が対応する特別結果であった場合は30回、飾り特図変動表示ゲームの結果態様として7のぞろ目が対応する特別結果であった場合は10回とするようにしても良い。
また、飾り特図変動表示ゲームの結果態様として特定の図柄が対応する特別結果であった場合は0回として第3特定遊技状態ST4を経由せずに第1特定遊技状態ST2に移行するようにしても良い。また、飾り特図変動表示ゲームの結果態様として特定の図柄が対応する特別結果であった場合は第1特定遊技状態ST2に移行しないようにしても良い。また、所定回数は、特別結果によらずに特別遊技状態の終了時などに抽選によって決めるようにしても良い。
遊技者にとっては転落抽選に当選せずに高確率状態が継続する方が有利である。また、高確率状態であっても上述したように第3特定遊技状態ST4では徐々に持球数が減少する傾向にあるので、持球数の増加が見込める第1特定遊技状態ST2へ移行する方が遊技者にとって有利であり、さらに移行が早い方が遊技者にとっては有利である。すなわち、所定回数の特図変動表示ゲームを実行することで遊技者にとってより有利な状態に移行するようにしており、この所定回数の違いにより特別遊技状態の終了後における有利な度合いが異なるようにされている。
従来の遊技機では、特別遊技状態の終了後には第3特定遊技状態ST4と同等の状態となるのみであったため、高確率状態であるにもかかわらず次回の特別結果が長期間発生しない状態であるいわゆる嵌り状態となると持球数は減少し続けるだけであり、単調な遊技が継続することもあって遊技の興趣が低下してしまっていた。しかし、上述のように一定期間の第3特定遊技状態ST4を行った後に第1特定遊技状態ST2に移行するようにしたことで、第1特定遊技状態ST2まで到達すれば持球数が増加することとなり、従来とは逆に嵌るほど遊技者にとって有利となるので嵌り状態であっても遊技の興趣を向上することができるようになる。
また、第1特定遊技状態ST2への移行により、転落せずに長期間高確率状態を維持したことに対する特典を遊技者に与えることができて遊技の興趣を向上することができる。さらに、第1特定遊技状態ST2への移行が嵌り状態に対する救済を与えることとなり遊技を継続する意欲を与えることができる。そして、第1特定遊技状態ST2では、持球数を増加させるために特別結果が導出されないことを期待するという従来にない遊技性を持たせることができる。
また、従来の遊技機では、第3特定遊技状態ST4と同等の遊技が長期間続くことにより、上皿21の遊技球が減少または無くなった状態となり、視覚的にも持球数の減少が明確となって遊技の興趣が低下してしまう。さらに、上皿21の遊技球が減少または無くなった状態となると、特別結果が導出されたとしても特別遊技状態で獲得した遊技球はまず上皿21に排出されるため、下皿23への払い出しが少なく特別遊技状態で獲得した遊技球が少ない印象を与えてしまっていた。しかし、上述のように第1特定遊技状態ST2に移行可能とすることにより上皿21の球数を特別遊技状態の終了時と同じ状態まで戻すことが可能となり、視覚的にも満足感を与えることができ、さらに、特別遊技状態の開始時から下皿23への払い出しがなされ、特別遊技状態で獲得した遊技球数が多い印象を与えることができる。
また、第3特定遊技状態ST4を経由するようにしたことで、この期間に特別結果が導出された場合には第1特定遊技状態ST2での特典は付与されないこととなるので、遊技者が一方的に有利となることはなく、遊技者と遊技店との利益のバランスを適切なものにすることができる。
なお、所定回数として選択され得る値として10、30、50の3つがあることを示した上で、飾り特図変動表示ゲームの結果からは第1特定遊技状態ST2に移行する所定回数を把握困難とし、第3特定遊技状態ST4では実行したゲーム数を報知するようにしても良い。このようにすることで、実行ゲーム数が10又は30達する際に第1特定遊技状態ST2に移行するか否かについての興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。さらに、実行ゲーム数が50まで到達すれば必ず第1特定遊技状態ST2に移行することが示されているので安心して遊技を行うことができる。もちろん第3特定遊技状態ST4で所定回数に到達するまでの残りゲーム数を報知し、第1特定遊技状態ST2への移行を分かり易く示すようにしても良い。
〔第2変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特図2変動表示ゲームについても特図1変動表示ゲームと同様に所定の上限数(例えば4つ)まで第2始動記憶を発生可能としている。そして、当該第2始動記憶についても当該第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームの開始タイミングよりも前に結果等の事前判定を行い、当該事前判定結果に基づく示唆又は報知を行う先読み演出を行うことができるようにしている。
図122には先読み演出の一例を示した。この例では図122(a)に示すように第1特定遊技状態ST2において特図2変動表示ゲームを実行している状態で、12R確変大当りとなる第2始動記憶が発生し、これに伴い先読み演出が開始されている。図122(b)に示すように先読み演出が開始されると、遊技状態表示81に「タイムストックモード」と表示される。また、操作促進表示87の表示色が変化して演出ボタン25の操作を促すとともに、「ボタンを押してストック!!」の説明表示がなされる。
遊技者が演出ボタン25を操作すると図122(c)、(d)に示すように獲得時間表示92の値が増加する。ここでは12R確変大当りとなる第2始動記憶があるので、図122(e)に示すように獲得時間表示92の値が19.89秒となってストック完了となり、図122(f)に示すようにストック解放待機中となる。その後、図122(g)に示すように特別結果が導出され、図122(h)に示すように特定ラウンドとなる1ラウンド目が開始される。この特定ラウンド中はストック解放待機中となり、2ラウンド目の開始に伴い図115に示したのと同様の演出が行われる。
このように先読み演出として開放可能時間を報知可能とすることで、特別結果が導出されることの示唆、特別結果の種類の示唆及び開放可能時間の示唆を同時に行うことができ、従来にない先読み演出を行うことができる。なお、このような先読み演出は特図変動表示ゲームの実行中に限られず、特別遊技状態中であっても実行可能である。特別遊技状態中に行う場合には、当該特別遊技状態での開放可能時間として獲得時間表示92において報知している時間値に、後に実行される小当り又は大当りに基づく特別遊技状態での開放可能時間を加算して報知するようにしても良い。
このような先読み演出を行うため、図40に示した特図始動口2スイッチ処理では、図38に示した特図始動口1スイッチ処理と同様に、特図2保留数を上限数(例えば4)まで記憶するようにする。また、図39に示した特図保留情報判定処理について、第1特定遊技状態ST2や大当り中でも判定を行うようにするとともに、特図2始動記憶についても結果の判定を行い演出制御装置300に先読み情報を送信するようにする。
以上のことから、始動入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37)での遊技球の検出に基づきゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶された始動記憶に対応するゲームが実行されるよりも前に始動記憶を判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、制御手段(遊技制御装置100)は、事前判定手段により特別結果となる始動記憶があると判定された場合に、当該特別結果に対応して実行される特別遊技状態における特別変動入賞装置の開状態に応じた開放時間を報知可能であることとなる。したがって、従来にない斬新な演出を行うことができ、遊技の興趣を向上することができる。
〔第3変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、第1特別変動入賞装置38の動作態様が異なる。
図123には、本変形例での第1特別変動入賞装置38及び第2特別変動入賞装置39の開放態様を示した。図123(a)に示す下ロング開放は、図7(a)と同じである。図123(b)に示す上V開放は、第1特別変動入賞装置38がラウンドの途中で閉鎖されずに連続して開放される点が図7(b)と異なる。レバーソレノイド38fの動作や確変作動領域スイッチ38dの有効状態は図7(b)と同じである。図123(c)に示す上ショート開放は、第1特別変動入賞装置38の開放態様が図123(b)に示す上V開放と同じである点が図7(c)と異なる。レバーソレノイド38fの動作や確変作動領域スイッチ38dの有効状態は図7(c)と同じである。
すなわち、第1特別変動入賞装置38の開放態様は確変大当りと通常大当りとのいずれでも同じであり特別結果の種類によらずに設定可能である。これに対してレバーソレノイド38fの動作や確変作動領域スイッチ38dの有効状態については、確変大当りと通常大当りとのいずれであるかに基づき決定するようにしており、特別結果の種類に基づき決定される。レバーソレノイド38fの動作や確変作動領域スイッチ38dの有効状態については、確変大当りの場合には図123(b)に示す第1動作態様が設定され、通常大当りの場合には第1動作態様よりも確変作動領域38hへの流入が困難な図123(c)に示す第2動作態様が設定される。
図7に示す動作態様では、上ショート開放において第1特別変動入賞装置38の開放期間が短くわずかな遊技球しか入賞できないため、同じラウンド数の確変大当りと通常大当りでは、当該上ショート開放のラウンドの分だけ通常大当りの方が得られる賞球数が少なくなっていた。しかし、図123のようにすることで、図7に示す場合と比べて上ショート開放においても他のラウンドと同様の賞球数を得ることができ、確変大当りと通常大当りとで獲得可能な賞球数を同じとすることができる。
なお、図123(b)に示す上V開放における第1特別変動入賞装置38の開放態様と、図123(c)に示す上ショート開放における第1特別変動入賞装置38の開放態様を、いずれも同じ開放態様として連続した開放としたが、図123(b)、(c)の場合について図7(b)に示した上V開放における開放態様のように、途中で閉鎖を挟むようにしても良い。また、図123(b)、(c)の場合について、第1特別変動入賞装置38の開放態様を同一としたが異なっていても良い。図123(c)の場合について所定数の遊技球が入賞し得る開放態様であれば良く、当該所定数はラウンドの終了条件となる規定数よりも少なくても良い。また、図7(c)に示した上ショート開放も選択可能とし、特別結果の種類に応じて開放態様を選択するようにしても良い。
また、レバーソレノイド38fの動作や確変作動領域スイッチ38dの有効状態について、確変大当りの場合の図123(b)に示す第1動作態様と、通常大当りの場合の図123(c)に示す第2動作態様とで、1回目のレバーソレノイド38fの動作態様や確変作動領域スイッチ38dの有効状態を同じものとしたが(t31〜t33とt51〜t53)、異なるものとしても良い。通常大当りの場合は、確変大当りの場合に設定される動作態様よりも確変作動領域38hへの流入が困難な動作態様が設定されれば良く、動作態様等は任意に設定可能である。
また、図123(b)に示す上V開放において、1回目のレバーソレノイド38fの動作終了(t32)から2回目のレバーソレノイド38fの動作開始(t36)の待機期間(t32〜t36)を一定の時間としているが、この時間は任意に設定可能である。ただし、第1特別変動入賞装置38を閉鎖する条件である規定時間(例えば開放から30秒)よりも短い所定の時間(例えば5秒〜10秒)とすることが好ましい。
また、この待機期間は時間以外の条件により設定するようにしても良い。例えば、1回目のレバーソレノイド38fの動作終了(t32)の後に、所定数の遊技球が第1特別変動入賞装置38に入賞したことに基づき待機期間を終了して2回目のレバーソレノイド38fの動作を開始するようにしても良い。この場合の所定数としては、第1特別変動入賞装置38を閉鎖する条件である規定数(例えば10個)よりも小さい値とし、好ましくは半数以下(例えば5個)とすることが好ましい。この所定数を規定数に近い値(例えば8個や9個)とすると、確変作動領域38hに流入する可能性が極端に低くなり、確変大当りであるにもかかわらず高確率状態へ移行できない可能性が高まる。もちろん所定数を規定数に近い値(例えば8個や9個)としても良く、この場合は最後の数個の入賞球により高確率状態へ移行できるか否かのゲームを行わせることができる。なお、待機期間の終了条件として時間と入賞数の両方を設定し、いずれか一方が達成されることに基づき待機期間を終了するようにしても良い。
以上のことから、特別変動入賞装置に、特定領域へ遊技球が流入不能な状態と、遊技球が流入可能な状態と、に変換可能な流入規制部材(レバー部材38i)を備え、特別変動入賞装置の開閉態様及び流入規制部材の動作態様を制御する動作態様制御手段(遊技制御装置100)を備え、動作態様制御手段は、特別変動入賞装置を開放する複数回のラウンドのうち、特定のラウンドにおいて特定領域への遊技球の流入を可能とし、当該特定のラウンドにおける流入規制部材の動作態様については、特別結果の種類に応じて、第1動作態様と、第1動作態様よりも特定領域への流入が困難な第2動作態様と、のいずれかの動作態様で制御し、当該特定のラウンドにおける特別変動入賞装置の開閉態様については、特別結果の種類によらず同一の開閉態様で制御可能であることとなる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。