以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各図面において同じ機能を有する箇所には同一の符号を付す。
(装置構成)
図1は、本実施形態の遊技機100の正面概観の一例を示す。図1において、本実施形態の遊技機は、遊技機の役物等を盤面に据え付ける遊技盤101、特別図柄表示装置102、演出図柄表示装置103、第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口でもある普通電動役物108(以下、第2の始動入賞口108という。)、普通図柄表示装置作動ゲート(左)105、普通図柄表示装置作動ゲート(右)106、普通図柄表示装置107、大入賞口(「特別電動役物」ともいう。)109、遊技機ハンドル111、特別図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)112、普通図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)113、及び特定領域(「V領域」ともいう。)114等を主に備える。
特別図柄表示装置102は、例えば、液晶ディスプレイ又はCRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED、ドットマトリクス表示装置等があり、複数の数字や図形等の特別図柄を変動表示する。特別図柄表示装置102の停止図柄を予め定めた特定の図柄の組み合わせにすることによって大当たり表示をする。特別図柄表示装置102は、例えば、1桁又は2桁の7セグメントLEDである。
演出図柄表示装置103は、液晶ディスプレイ又はCRTディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED、ドットマトリクス表示装置、モータの回転により可変表示するドラム等であり、複数の数字や図形等からなる演出図柄を変動表示する。
第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108は、遊技者により打ち出された遊技球が入賞すると、内部の特別図柄始動スイッチのONにより入賞を検知し、それを契機に特別図柄は変動を開始する。特別図柄は、所定の変動時間経過後に変動を停止し、抽選結果を報知する。
普通図柄表示装置作動ゲート(左)105及び普通図柄表示装置作動ゲート(右)106は、遊技者により打ち出された遊技球が通過すると、内部の普通図柄作動スイッチがONになることにより、その通過球を検知し、それを契機に普通図柄表示装置107に表示される普通図柄は変動を開始する。
普通図柄表示装置107は、複数のLED等で普通図柄を変動表示(点灯・消灯)する。
大入賞口109は、第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108に遊技球が入賞すると小当たりになり、一回開放する。この小当たり時の大入賞口109の開放時間は、約0.6秒である。そして、大入賞口109が開放中に遊技球が大入賞口109の中に飛び込み、V入賞すると大当たりになる。大当たりが発生すると大入賞口109が所定の回数開放し、大入賞口109が多数の遊技球を受け付け得る状態となる。すなわち、遊技者にとって有利な遊技状態となる。大入賞口109に遊技球が入賞すると、大入賞口109の内部の大入賞口スイッチがONになる。これにより、遊技機は、大入賞口109への遊技球数を把握し、その入賞に伴う賞球(出玉、セーフ玉)払い出しを行う。なお、この遊技機は、第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108に遊技球が入賞するだけで大当たりとなる場合がある。この大当たりは、大入賞口109が開放(小当たりの発生)した後に遊技球がV入賞(大当たりの発生)する、という一連のプロセスを経ずに、突然発生する。この大当たりは、第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108への入賞時に行われる抽選処理によって、当該大当たりが抽選されたときに発生する。この大当たりが発生した場合も、大入賞口109が所定の回数開放し、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
遊技機ハンドル111は、タッチセンサ及びストップボタン(発射停止)116を備える。タッチセンサが、遊技者が遊技機ハンドル111を握ったことを検知し、次いで、遊技機ハンドル111内部の可変抵抗器が、遊技機ハンドル111が右回り又は左回り117に回されたことを検知すると、球発射装置(図示せず)は、遊技球を連続して打ち出す。遊技者は、遊技機ハンドル111を右方向又は左方向117に回して、遊技盤101上へ打ち出される遊技球の打ち出しを調整することができる。また、遊技者がストップボタン116を押すと、球発射装置は、遊技球の打ち出しを停止する。
特別図柄作動記憶表示灯112は、特別図柄の変動中に第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108に入賞すると点灯し(以下、球の保留と呼ぶ)、連続して図柄(特別図柄)変動可能な回数を報知する。尚、当該回数を演出図柄表示装置103に表示してもよい。
普通図柄作動記憶表示灯113は、普通図柄の変動中に普通図柄作動ゲート(左)105又は普通図柄作動ゲート(右)106を通過すると点灯し、連続して図柄(普通図柄)変動可能な回数を報知する。尚、当該回数を演出図柄表示装置103に表示してもよい。
遊技盤101に据え付けられた役物、釘等はその上にガラス板を被されており、ガラス板と遊技盤101との間に確保されたスペースを打ち出された遊技球が落下していく。
遊技機100は、演出切り替えスイッチ120を備える。遊技者は、演出切り替えスイッチ120を操作することにより、演出図柄表示装置103に好みの演出画面を表示させ、又は、演出用可動物の動作を制御することができる。
(遊技機の制御部の構成)
図3は、遊技機100内の制御部300の構成を示すブロック図である。
制御部300は、主に、主制御部310と副制御部340と表示制御部370の3つの制御部から構成される。不正行為防止及び法規上の制約のため、通常、各制御部は機能毎に別々の基板に実装され、通信可能に直接・間接的に接続されている。
主制御部310は、第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108への入賞を検出すると、小当たりにするか又は大当たり(通称「直当たり」)にするかの抽選処理を行う。また、主制御部310は、後述する各種コマンドの送信処理及び遊技機の全体制御を行う。主制御部310は、さらに特別図柄表示装置102も制御する。コマンドは、送信されたコマンド自体を識別して遊技状態を把握するための「コマンドID」部と、識別した遊技状態において、その中での具体的な制御情報種類を識別するための「イベント」部とから成る。
本実施形態では、後述する通り、特に、大入賞口109の内部に、V領域可動体398と、V領域可動体398を駆動するV領域可動体モータ390、V領域可動体398の位置を検出するV領域可動体左端位置センサ392/V領域可動体右端位置センサ394が設置されている。主制御部310は、V領域可動体モータ390の駆動/停止を制御する。また、主制御部310は、V領域可動体左端位置センサ392/V領域可動体右端位置センサ394からオン/オフ信号を受け取り、当該オン/オフ信号に基づいて、V領域可動体動作開始コマンドを副制御部340に送信する。さらに、本実施形態では、大入賞口109の内部に、球貯留片395と、球貯留片ソレノイド396が設置されている。主制御部310は、球貯留片ソレノイド396を制御して球貯留片395を上下動作させる。さらに、主制御部310は、球貯留片395の上下運動に伴い、球貯留片ソレノイドオンコマンドと球貯留片ソレノイドオフコマンドを副制御部340に送信する。
副制御部340は、受信した各種コマンドに基づいて、演出図柄表示装置103に表示する予告演出等の演出を制御する。また、副制御部340は、遊技領域等に設けられているランプの点滅制御、遊技機のスピーカから出力する音声の制御、モータを回転制御することによって遊技領域等に設けられているキャラクタフィギャア等の演出用可動物制御も行う。本実施形態では、後述する通り、特に、大入賞口109の内部に球貯留センサ397が設置されており、副制御部340は、球貯留センサ397からオン/オフ信号を受け取る。副制御部340は、当該オン/オフ信号、及び、主制御部310から受信した前述のV領域可動体動作開始コマンド、球貯留片ソレノイドオンコマンド、球貯留片ソレノイドオフコマンドに基づいて所定の演算処理を行うことによって本実施形態特有の予告演出を実行する。
表示制御部370は、副制御部340から送信される各種コマンドを受け、演出図柄表示装置103を制御して、演出図柄表示装置103に予告演出を含む様々な演出画面を表示させる。
尚、副制御部340と表示制御部370とを、分離した別個の制御部としてとらえずに、遊技機の演出に係わる制御を協働して行う一つの制御部としてとらえてもよい。
ここで、大入賞口109の内部構造を、図7を参照して説明する。
図7(a)は、球貯留片395が下降した状態を示し、図7(b)は、球貯留片395が上昇した状態を示す。球貯留片395は、主制御部310の制御により上下に動作をする。
球貯留片395が下降した状態(図7(a))では、遊技球は球貯留センサ397が設置されている部位を経由してV領域可動体398の方向に流れ落ちる。これに対して、球貯留片395が上昇した状態(図7(b))では、球貯留片395が、遊技球がV領域可動体398の方向に流れ落ちるのを妨げるため、遊技球は球貯留センサ397が設置されている部位に停留する。球貯留センサ397は、遊技球を検知しているときにオン信号を副制御部340に出力し、遊技球を検知していないときにオフ信号を副制御部340に出力する。
V領域可動体398は、主制御部310の制御により、可動領域に沿って左右に動作する。
主制御部310は、球貯留片395を上昇させると、球貯留片ソレノイドオンコマンドを副制御部340に送信し、球貯留片395を下降させると、球貯留片ソレノイドオフコマンドを副制御部340に送信する。また、主制御部310は、V領域可動体左端位置センサ392がV領域可動体398を検知したとき、及び、V領域可動体右端位置センサ394がV領域可動体398を検知してから所定時間経過後に、V領域可動体動作開始コマンドを副制御部340に送信する。
次に、主制御部310、副制御部340、表示制御部370の各構成・機能を詳細に説明する。
(主制御部の構成・機能)
図4は、主制御部310の内部構成を示すブロック図である。
主制御部310は、CPU422、ROM420、RAM424、大入賞口ソレノイド出力ポート428、普通電動役物ソレノイド出力ポート430、特別図柄表示用出力ポート432、普通図柄表示用出力ポート434、特別図柄作動記憶表示灯用ポート436、普通図柄作動記憶表示灯用ポート438、副制御用コマンド出力ポート440、払出制御用コマンド出力ポート442、外部情報出力ポート444、V領域可動体モータ用出力ポート455、球貯留片ソレノイド用出力ポート456、入力ポート426を備える。主制御部310は、各種スイッチのオン/オフ情報に基づいて所定の処理を行う。本実施形態では、特に、主制御部310は、V領域可動体左端位置センサ392及びV領域可動体右端位置センサ394のオン/オフ情報を入力し、これらのオン/オフ情報に基づいて内部処理及び副制御部310へのコマンド送信処理を行う。
主制御部310は、出力ポート428〜438、444を介して、特別図柄表示装置102、特別図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)112、普通図柄表示装置107、普通図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)113、大入賞口ソレノイド446、普通電動役物ソレノイド448、外部情報出力部454を直接制御する。一方、主制御部310は、副制御部340に後述する各種コマンドを送信して副制御部340に指示を出す。また、本実施形態では、特に、主制御部310は、V領域可動体モータ390を制御してV領域可動体398を左右に移動させると共に、球貯留片ソレノイド396を制御して球貯留片395を上下に移動させる。さらに、主制御部310は、払出制御部450にコマンドを送信して賞球の払出制御を行う。
次に、主制御部310が入力ポートを介して入力する各種スイッチ、主制御部310の構成要素及び主制御部の制御対象について詳細に説明する。
特別図柄始動スイッチ410は、遊技者により打ち出されて第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108に入賞した遊技球がこのスイッチを通過する時にONとなり、これを契機に、特別図柄表示装置102は特別図柄の変動を開始する。
普通図柄作動スイッチ412は、遊技者により打ち出されて普通図柄表示装置作動ゲート(左)105及び普通図柄表示装置作動ゲート(右)106を通過した遊技球が、このスイッチを通過する時にONとなり、これを契機に普通図柄表示装置107は普通図柄の変動を開始する。
V領域スイッチ414は、大入賞口109へ入賞した遊技球がV領域可動体398を通過することによりV入賞した時にONとなる。
大入賞口スイッチ416は、大入賞口109へ入賞した遊技球がこのスイッチを通過するときにONとなる。すなわち、大入賞口スイッチ416は、大入賞口109に入賞した遊技球を検出するスイッチである。大入賞口109に入賞した遊技球の数は、大入賞口スイッチ416が出力する検出信号をもとに計数される。また、大入賞口スイッチ416は、入賞球をすみやかに検出するために大入賞口109の近傍に設けられている。
CPU422は主制御部全体の制御を行う。
ROM420は、主制御部310用のプログラムや、遊技機を制御するための各種のパラメータの値を記憶する。
RAM424は、主制御部310に対する入出力データや演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを始めとする各種カウンタ等を一時記憶し、又、各保留球の情報を記憶する保留メモリを有する。
特別図柄表示装置102は、複数の数字や図形等の特別図柄を表示する。普通図柄表示装置107は、複数の数字や図形又はLEDの点灯・消灯等の普通図柄を表示する。特別図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)112は、特別図柄の変動予定回数を報知する。普通図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)113は、普通図柄の変動予定回数を報知する。
大入賞口ソレノイド446は、大入賞口109の内部の構成部材の一つで、小当たり時及び大当たり遊技中に、大入賞口109を主制御部310からの指示に基づいて開放/閉鎖する。
普通電動役物ソレノイド448は、普通図柄表示装置107が当たりの普通図柄を停止表示した場合に、主制御部310からの指示に基づいて第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108を開放する。
払出制御部450は、主制御部310から払出制御用コマンドを受け、各種スイッチで入賞が検知された場合に、賞球払出装置452に賞球の払い出しを指示する。
外部情報出力部454は、CPU422からの情報を情報表示装置201へ提供する。情報表示装置201は、遊技機の外部情報出力部454を介して遊技機と接続されている。CPU422は、外部情報出力部454を介して、図柄変動の停止、大当たり状態等がわかる信号を情報表示装置201へ出力する。その信号は、例えば、大当たり信号、入賞数信号、スタート信号、時短信号、扉開放信号である。
(副制御部の構成・機能)
図5は、副制御部340の内部構成を示すブロック図である。
副制御部340は、主制御部310と同様に、CPU514、RAM512、ROM510、各種入力ポート516、各種出力ポート518を備える。CPU514は、副制御部全体の制御を行う。ROM510は、副制御部340用のプログラムや、遊技機を制御するための各種のパラメータの値等を記憶する。
副制御部340は、主制御部310が送信する各種コマンドを受信する。
副制御部340は、球貯留センサ397からオン/オフ信号を入力する。
副制御部340は、主制御部310から受信した各種コマンド及び球貯蓄センサ397からのオン/オフ信号に基づいて、本実施形態特有の予告演出のための処理を実行し、予告演出用のコマンドを表示制御部370に送信する。この処理の詳細については後述する。
副制御部340は、ランプ表示装置520の点滅制御、効果音発生装置522が出力する効果音の発生制御、演出用可動物524の制御等を行う。このように、副制御部340が、液晶表示、ランプ点灯、効果音の生成、演出用可動物の制御等の演出を集中制御することにより、主制御部310の負荷は軽減される。
ランプ表示装置520は、遊技に関連するランプ類の表示装置であり、副制御部340の指示で複数のランプを選択的に点灯/消灯させる。効果音発生装置522は、遊技に関連する音響を発生する。演出用可動物524は、モータ等により回転制御される遊技領域等に設けられている演出用のキャラクタフィギャア等である。
副制御部340は、演出切り替えスイッチ120からの入力を受け付ける。遊技者は、演出切り替えスイッチ120を操作することにより、演出図柄表示装置103に好みの演出画面を表示させ、又は、演出用可動物524の動作を制御することができる。このように、遊技者は演出切り替えスイッチ120を操作することにより、遊技機の演出面に参加することができる。
(主制御部310の処理)
図8は、遊技者により打ち出された遊技球の第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108への入賞を契機に実行される主制御部310の処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部310は、第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108に遊技球が入賞したことを検知すると(S800)、始動入賞保留処理(S802)、特別図柄が変動中かどうかの判定処理(S804)、保留玉の有無の判定処理(S806)を経て、当たり種別の抽選処理を行う(S808)。当たり種別としては、小当たり3R(ラウンド)、小当たり8R、小当たり16R、大当たり16Rの4種類がある。小当たり3R、小当たり8R、小当たり16Rは、開放した大入賞口109の内部に遊技球が飛び込み、次いで、V領域可動体398に遊技球が入賞(V入賞)したときに発生する当たりである。小当たり3Rの場合には、大入賞口109は所定の時間3回開放し、小当たり8Rの場合は、8回開放し、小当たり16Rの場合は、16回開放することによって、遊技者にとって有利な遊技状態となる。これらの小当たりは、S808の抽選処理で抽選されても、まず事前に当たり種別を決定させるだけで、その段階では最終的な確定とはせずに、小当たり動作により大入賞口スイッチにて検出された遊技球が、V領域スイッチにて検出されてはじめて確定する。すなわち、第1段階として当たり種別を決定し、第2段階として決定した当たり種別を遊技球の動向で最終的に確定させるものであり、当たりが確定するまでに複数の条件を有するものである。これに対して、大当たり16Rは、第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108への遊技球の入賞を契機に発生する当たりであり、S808の抽選処理で抽選された場合に直ちに確定する。すなわち、当たり種別の決定(第1段階)と、決定した当たり種別の最終的な確定(第2段階)とが同時に行われ、当たりが確定するまのでの条件は始動入賞口への遊技球の入賞に伴う抽選だけであって、複数の条件を有しない。大当たり16Rの場合は、大入賞口109は所定の時間16回開放することによって、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
抽選結果が大当たり16Rの場合には、主制御部310は、当たり種別として大当たりを設定し(S812)、大当たり用の変動パターンコマンドを設定する(S816)。これに対して、抽選結果が小当たり3R、小当たり8R又は小当たり16Rの場合には、主制御部310は、当たり種別として、小当たり3R、小当たり8R、小当たり16Rのいずれかを設定し(S814)、小当たり用の変動パターンコマンドを設定する(S818)。これらの変動パターンコマンドは、特別図柄の変動を指示するコマンドである。
次いで、主制御部310は、設定した変動パターンコマンドと当たり種別指定コマンドを副制御部340に送信する(S820、S822)。図9は、主制御部310が副制御部340に送信する変動パターンコマンドと副制御部340が表示制御部370に送信する変動パターンコマンドの一例を示す図であり、図10は、当たり種別指定コマンドの一例を示す図である。
図9を参照すると、変動パターン1、2、3、4は、各々、大当たり用の変動パターンコマンド、小当たり3R用の変動パターンコマンド、小当たり8R用の変動パターンコマンド、小当たり16R用の変動パターンコマンドに対応する。例えば、抽選結果が大当たり16Rの場合には、主制御部310は、A001Hの変動パターンコマンドを副制御部340に送信し、それを受けた副制御部340は、同じく、A001Hの変動パターンコマンドを表示制御部370に送信する。また、抽選結果が小当たり3Rの場合には、主制御部310は、A002Hの変動パターンコマンドを副制御部340に送信し、それを受けた副制御部340は、同じく、A002Hの変動パターンコマンドを表示制御部370に送信する。
図10を参照すると、当たり種別が小当たり3Rの場合にはB101H、小当たり8Rの場合にはB102H、小当たり16Rの場合にはB103H、大当たり16Rの場合にはB104Hの当たり種別指定コマンドを主制御部310は副制御部340に送信する。後述するように、副制御部340は、受信した当たり種別指定コマンドを参照して予告演出の種類を選択する。
次に、第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108への入賞後に当たり種別として小当たり3R、8R、16Rのいずれかを抽選した場合の主制御部310の処理内容を、図11を用いて説明する。
主制御部310は、大入賞口109を1回開放し、大入賞口1回目開放コマンドを副制御部340に送信し(S1102、S1104)、大入賞口109の1回目の開放時間が経過すると大入賞口109を閉鎖する(S1108)。後述するように、副制御部340は、受信した大入賞口1回目開放コマンドを参照して予告演出の種類を選択する。
主制御部310は、球貯留片ソレノイド396をオンにすることによって球貯留片395を上昇させ(図7(b))、球貯留片ソレノイドオンコマンドを副制御部340に送信する(S1112)。球貯留片ソレノイドオンコマンドは、球貯留片395が上昇し図7(b)の状態になったことを副制御部340に通知するためのコマンドである。
主制御部310は、球貯留片ソレノイド396のオン時間が経過すると球貯留片ソレノイド396をオフにすることによって球貯留片395を下降させ(図7(a))、球貯留片ソレノイドオフコマンドを副制御部340に送信する(S1118)。球貯留片ソレノイドオフコマンドは、球貯留片395が下降し図7(a)の状態になったことを副制御部340に通知するためのコマンドである。
主制御部310は、開放された大入賞口に飛び込んだ遊技球がV領域を通過(V入賞)したかどうかを判断し(S1122)、V領域を通過した場合には、大当たり開始コマンドを副制御部340に送信する(S1124)
主制御部310は、大入賞口109を開放すると(S1128)、大入賞口開放コマンドを副制御部340に送信し(S1130)、大入賞口開放時間が経過すると(S1132)、大入賞口109を閉鎖し(S1134)、大入賞口閉鎖時間が経過すると(S1136)、大入賞口109を開放する(S1128)。
主制御部310は、上記の開閉動作を当たり種別に応じて所定回数繰り返し行う。すなわち、当たり種別が小当たり3Rの場合には開閉動作を3回繰り返し、小当たり8Rの場合には開閉動作を8回繰り返し、小当たり16の場合には開閉動作を16回繰り返す。
主制御部310は、所定回数の開閉動作が終了すると、大当たり終了コマンドを副制御部340に送信する(S1140)。
次に、第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108への入賞後に当たり種別として大当たり16Rを抽選した場合(V入賞を経由しない大当たり)の主制御部310の処理内容を、図12を用いて説明する。
主制御部310は、大当たり開始コマンドを副制御部340に送信する(S1202)
主制御部310は、大入賞口109を開放すると(S1204)、大入賞口開放コマンドを副制御部340に送信し(S1206)、大入賞口開放時間が経過すると(S1208)、大入賞口109を閉鎖し(S1210)、大入賞口閉鎖時間が経過すると(S1212)、大入賞口109を開放する(S1204)。
主制御部310は、上記の開閉動作を16回繰り返す(S1214)。
主制御部310は、16回の開閉動作が終了すると、大当たり終了コマンドを副制御部340に送信する(S1216)。
次に、主制御部310によるV領域可動体398の制御について説明する。
図13は、主制御部310によるV領域可動体398の制御の流れを示すフローチャートである。
主制御部310は、V領域可動体左端位置センサ392がオンかどうかを判定する(S1302)。すなわち、主制御部310は、V領域可動体398が可動領域の左端に移動したかどうかを判定する。判定した結果、V領域可動体左端位置センサ392がオンの場合には、主制御部310は、V領域可動体モータ390を1秒間停止する(S1304)。すなわち、主制御部310は、V領域可動体398を可動領域の左端に1秒間停止させる。次いで、主制御部310は、V領域可動体モータ390を駆動して、V領域可動体398の右方向への移動を開始し(S1306)、V領域可動体動作開始コマンドを副制御部340に送信する(S1308)。V領域可動体動作開始コマンドは、V領域可動体398が移動を開始したことを副制御部340に通知するためのコマンドである。
S1302で判定した結果、V領域可動体右端位置センサ392がオフの場合、主制御部310は、V領域可動体右端位置センサ394がオンかどうかを判定する(S1310)。すなわち、主制御部310は、V領域可動体398が可動領域の右端に移動したかどうかを判定する。判定した結果、V領域可動体右端位置センサ392がオンの場合には、主制御部310は、V領域可動体モータ390を1秒間停止する(S1312)。すなわち、主制御部310は、V領域可動体398を可動領域の右端に1秒間停止させる。次いで、主制御部310は、V領域可動体モータ390を駆動して、V領域可動体398の左方向への移動を開始し(S1314)、V領域可動体動作開始コマンドを副制御部340に送信する(S1316)。
上述したように、主制御部310は、球貯留片ソレノイド396をオン/オフすることによって、球貯留片395を上下に移動する。このとき、主制御部310は、球貯留片395が図7(b)に示す状態になったことを、球貯留片ソレノイドオンコマンドを使って副制御部340に通知し、球貯留片395が図7(a)に示す状態になったことを、球貯留片ソレノイドオフコマンドを使って副制御部340に通知する。さらに、主制御部310は、V領域可動体モータ390を駆動/停止することによって、V領域可動体398を可動領域に沿って左右に移動させる。このとき、主制御部310は、V領域可動体398が左端から右方向へ移動を開始したこと及びV領域可動体398が右端から左方向へ移動を開始したことを、V領域可動体動作開始コマンドを使って副制御部340に通知する。このように、主制御部310は、球貯留片395とV領域可動体398の動き情報(位置情報)を副制御部340に通知するが、その理由は、的中精度が高い予告演出を副制御部340に行わせるためである。大入賞口109に飛び込んだ遊技球がV入賞する可能性は、遊技球が球貯留センサ397の部位に貯留されるタイミングにV領域可動体398が可動領域のどの位置を移動中であるかに大きく依存する。遊技球が貯留されているタイミングにV領域可動体398が可動領域の中央近辺に位置していれば、V入賞する可能性が高く、そうでなければV入賞する可能性は低いと考えられる。V入賞する可能性が高いケース及びV入賞する可能性が低いケースを、タイムチャートを用いて表すと図14、図15のようになる。
図14は、V入賞する可能性が高いケースのタイムチャートである。
1は、主制御部310が球貯留ソレノイド396に出力するオン/オフ信号の波形を表す。この信号は1秒間オンになり、その間、球貯留片395は、図7(b)に示す状態となる。
2は、球貯留センサ397が副制御部340に出力するオン/オフ信号の波形を表す。この信号は、球貯留片ソレノイド396が出力する信号がオフからオンに立ち上がってからt秒後にオンになり、球貯留片ソレノイド396が出力する信号がオンからオフに立ち下がった瞬間にオフになる。オフになるのは、球貯留片395が図7(a)に示す状態となることにより、貯留球センサ397の部位に貯留されていた遊技球が貯留球センサ397から離れてV領域可動体398の可動領域の中央近辺に向かって流れ落ちるからである。
3は、球貯留センサ397の部位に球が貯留されている時間を表す。この時間は、(1−t)秒である。
4は、球貯留解除、すなわち、遊技球が球貯留センサ397の部位から離れて、V領域可動体398の可動領域の中央近辺に到達するまでの時間である。この時間は、計測上、0.3秒である。
7は、V領域可動体左端位置センサ392が出力するオン/オフ信号の波形を表し、8は、V領域可動体右端位置センサ394が出力するオン/オフ信号の波形を表す。
6は、V領域可動体398の左右の動きを示す。可動領域の左方向に移動しているV領域可動体398は、可動領域の左端で1秒間停止してから右方向に移動する。V領域可動体398は、右方向に移動を開始してから6秒後に可動領域の右端に到達し、そこで1秒間停止してから左方向に移動する。要するに、V領域可動体398は、可動領域に沿って、右方向に6秒間移動、右端で1秒間停止、左方向に6秒間移動、左端で1秒間停止の動きを繰り返す。
5は、遊技球がV領域に入る可能性が高い時間帯を表す。V領域可動体398が可動領域の中央近辺を移動しているときに遊技球はV領域に入る可能性は高い。計測上、V領域可動体398が左端から右方向(又は、右端から左方向)に移動を開始してから3秒から4秒の間の1秒間がV領域に入る可能性が高い時間帯である。したがって、4に示されたように、遊技球が可動領域に到達するタイミングが上記の1秒内に収まっているため、遊技球がV領域に入る可能性は高い。
図15は、V入賞する可能性が低いケースのタイムチャートである。
1〜8の内容は上述の内容と同じである。このタイムチャートによると、4に示されたように、遊技球が可動領域に到達するタイミングが上記の1秒以内に収まっていないため、遊技球がV領域に入る可能性は低い。
本実施形態では、副制御部340は、遊技球が可動領域に到達するタイミングが上記の1秒以内に収まるかどうかを計算により求め、遊技球がV領域に入る可能性が高いか低いかを判定する。そして、その判定結果に基づき、V入賞する可能性が高いことを遊技者に報知するための予告演出と、V入賞する可能性が低いことを遊技者に報知するための予告演出の制御を行う。
また本実施形態では、副制御部340は、始動入賞口への入賞時と、その入賞を契機とする大入賞口の開放時に予告演出の制御を行う。
(副制御部340の予告演出に係る処理)
まず、始動入賞口への入賞時と、その入賞を契機とする大入賞口の開放時に行う予告演出(第1の予告演出、第2の予告演出)の処理について説明する。
図16は、副制御部340による第1及び第2の予告演出の抽選処理の流れを示すフローチャートである。図17は、第1及び第2の予告演出抽選処理の際に参照される予告抽選テーブルである。図17(a)は、特別図柄の変動の開始時(始動入賞口への入賞時)に副制御部340が表示制御部370に送信する第1の予告演出指定コマンドを決定するために参照される第1の予告抽選テーブルの一例であり、図17(b)は、大入賞口開放1回目時に副制御部340が表示制御部370に送信する第2の予告演出指定コマンドを決定するために参照される第2の予告抽選テーブルの一例である。
副制御部340は、主制御部310から当たり種別指定コマンドを受信したかどうかを判定する(S1602)。図8を参照すると、当たり種別指定コマンドは、特別図柄の変動開始時に主制御部310が副制御部340に送信するコマンドである。また、図10を参照すると、当たり種別には、小当たり3R、小当たり8R、小当たり16R、大当たり16Rの4種類ある。主制御部310は、小当たり3Rの場合には「B101」Hを、小当たり8Rの場合には「B102」Hを、小当たり16Rの場合には「B103」Hを、大当たり16Rの場合には「B104」Hを送信する。副制御部340は、受信した当たり種別指定コマンドのイベント値から当たり種別を識別する。
副制御部340は、第1の予告抽選テーブルを参照して第1の予告演出の種類を抽選する(S1604)。図17(a)を参照して第1の予告演出の種類の抽選方法を説明する。副制御部340は、第1の予告抽選乱数(例えば、0〜199)と第2の予告抽選乱数(例えば、0〜210)を保持しており、第1の予告演出の抽選する際には第1の予告抽選乱数を用い、第2の予告演出の抽選をする際には第2の予告抽選乱数を用いる。S1604では第1の予告演出の種類を抽選するため、副制御部340は第1の予告抽選乱数を用いる。第1の予告抽選テーブルによると、予告演出の種類は、「予告演出無し」、「予告演出A」、「予告演出B」、「予告演出C」の4種類がある。当たり種別が小当たり3Rの場合には、170/200の確率で「予告無し」が選択され、15/200の確率で「予告演出A」が選択され、15/200の確率で「予告演出B」が選択される。一方、「予告演出C」の抽選確率は0であるため選択されることはない。また、小当たり8Rの場合も小当たり3Rと同様に選択される。なお、小当たり16Rに関しては、小当たり3R、8R決定時には選択されない小当たり16R専用の予告演出である「予告演出C」を備えており、当たり種別が小当たり16Rの場合には、この演出を表示させることによってV入賞への期待感をさらに向上させるようにしている。また、大当たり16Rの場合には、始動入賞時に大当たり16Rが確定して、V入賞という条件を要せずに大当たり動作に移行するため、必ず「予告演出無し」が選択される。
副制御部340は、抽選した予告演出の種類に対応する第1の予告演出指定コマンドを表示制御部370に送信する(S1606)。
副制御部340は、主制御部310から大入賞口1回目開放コマンドを受信したかどうかを判定する(S1608)。図11を参照すると、大入賞口1回目開放コマンドは、大入賞口の開放時に主制御部310が副制御部340に送信するコマンドである。
大入賞口1回目開放コマンドを受信した場合、副制御部340は、第1の予告演出の種類の抽選結果が「予告演出無し」であるかどうかを判定する(S1610)。「予告演出無し」が抽選されていた場合には、第2の予告演出の種類を抽選する(S1612)。図17(b)を参照して第2の予告演出の種類の抽選方法を説明する。副制御部340は、第2の予告演出の抽選するため、第2の予告抽選乱数を用いる。第2の予告抽選テーブルによると、予告演出の種類は、「予告演出無し」、「予告演出D」、「予告演出E」、「予告演出F」、「予告演出G」、「予告演出H」の6種類がある。当たり種別が小当たり3Rの場合には、177/211の確率で「予告演出無し」が選択され、30/211の確率で「予告演出F」が選択され、2/211の確率で「予告演出G」が選択され、2/211の確率で「予告演出H」が選択される。一方、「予告演出D」及び「予告演出E」の抽選確率は0であるため選択されることはない。なお、小当たり16Rに関しては、小当たり3R、8R決定時には選択されることがない小当たり16R専用の予告演出である「予告演出D」を備えており、当たり種別が小当たり16Rの場合には、この演出を表示させることによってV入賞への期待感をさらに向上させるようにしている。また、大当たり16Rの場合には、第1の予告演出抽選と同様に、始動入賞時に大当たり16Rが確定して、V入賞という条件を要せず大当たり動作に移行するため、必ず「予告演出無し」が選択される。
副制御部340は、抽選した予告演出の種類に対応する第2の予告演出指定コマンドを表示制御部370に送信する(S1614)。
以上説明したように、第1の予告演出抽選処理と第2の予告演出抽選処理は、2段階抽選の形で行い、さらには、第1の予告演出・第2の予告演出の選択制御においては両方が同時に選択されないように制御する。つまり、第1の予告演出抽選処理と第2の予告演出抽選処理は、同時に選択されることが禁止される予告演出抽選処理である。すなわち、第1の予告演出抽選処理の結果、「予告演出無し」が選択された場合のみに第2の予告演出抽選処理を行う。これによって、遊技者は、始動入賞口への入賞時と、その入賞を契機とする大入賞口の開放時のどちらか一方の効果的なタイミングに、当該タイミングに提示するのに適した予告演出を楽しむことができる。さらに、副制御部340が上記の予告演出に係る処理を実行するため主制御部310にかかる負荷も軽減できる。
次に、V入賞の可能性の高低に基づいた予告演出(第3の予告演出、第4の予告演出)の処理について説明する。
図18は、副制御部340による第3及び第4の予告演出決定処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部340は、主制御部310からV領域可動体動作開始コマンドを受信したかどうかを判定し(S1802)、当該コマンドを受信した場合には、時計機能を用いて受信した時刻を求め、その時刻をV領域可動体動作開始時刻として設定し(S1804)、S1806の処理に進む。
副制御部340は、主制御部310から球貯留片ソレノイドオンコマンドを受信したかどうかを判定し(S1806)、当該コマンドを受信した場合には、受信した時刻を球貯留片ソレノイドオン時刻として設定し(S1808)、S1810の処理に進む。
副制御部340は、球貯留片ソレノイドオフコマンドを受信したかどうかを判定し(S1810)、当該コマンドを受信した場合には、球貯留片ソレノイドオン時刻をクリアし(S1812)、S1814の処理に進む。
副制御部340は、球貯留センサ397の出力信号がオンかどうかを判定し(S1814)、オンの場合には、球貯留片ソレノイドオン時刻がクリアされているかどうかを判定し(S1816)、クリアされていない場合には、S1818に進む。
副制御部340は、球貯留センサ397がオンとなった時刻を現在時刻として設定する(S1818)。
副制御部340は、次のように、現在時刻及び球貯留片ソレノイドオン時刻を用いて球貯留時間を算出する(S1820)。
球貯留時間(秒)=(1.0−(現在時刻−球貯留片ソレノイドオン時刻))
この時間は、図14の3に示した球残留時間に対応する。ここで、現在時刻−球貯留片ソレノイドオン時刻は、tのことである。
副制御部340は、次のように、球貯留時間を用いて、遊技球が可動領域に到達するまでの時間を算出する(S1822)。
可動領域に到達するまでの時間(秒)=球貯留時間+0.3
この時間は、図14に3に示した球残留時間に、4に示した0.3を加えた時間であり、球貯留センサ397がオンになってから遊技球が可動領域に到達するまでの時間である。
副制御部340は、次のように、現在時刻及びV領域可動体動作開始時刻を用いて、V領域可動体動作開始からの経過時間を算出する(S1824)。
V領域可動体動作開始からの経過時間=現在時刻−V領域可動体動作開始時刻
この時間は、図14の6に示した左から右への移動開始時刻から、2に示した球貯留センサ397がオンになるまでの時間である。
副制御部340は、V領域可動体動作開始からの経過時間に、球貯留センサ397がオンになってから遊技球が可動領域に到達するまでの時間を加算した時間が3秒以上4秒以下であるかどうかを判定し(S1826)、当該時間が3秒以上4秒以下である場合には、第3の予告演出指定コマンドを表示制御部370に送信し、そうでない場合には、第4の予告演出指定コマンドを表示制御部370に送信する。第3の予告演出は、遊技者にV入賞の可能性が高いことを報知するための予告演出であり、第4の予告演出は、V入賞の可能性が低いことを報知するための予告演出である。すなわち、この予告演出決定処理は、当たり種別が小当たりに決定された場合に、その小当たりが確定するか否かの演出(V入賞予告演出)を選択・決定するためのものである。
副制御部340は、球貯留センサ397がオンになったことを契機に上記の演算処理及び判定処理を行い、予告演出指定コマンドを表示制御部370に送信する。
なお、第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108への入賞後に当たり種別として大当たり16Rを抽選した場合(V入賞を経由しない大当たり)には、上述した予告演出は行われない。すなわち、当たり種別が大当たりに決定された場合には、V入賞予告演出を禁止する制御を行い、V入賞予告演出を行わない。
以上説明したように、副制御部340がV入賞の可能性の高低を計算から求めるため、予測的中精度が高い予告演出を遊技者に提供することができる。また、主に副制御部340が上記の予告演出に係る処理を実行するため主制御部310にかかる負荷も軽減できる。
尚、第3の予告演出決定処理と第4の予告演出決定処理は、V入賞に関わる予告演出であり、第1の予告演出抽選処理と第2の予告演出抽選処理は、当たり種別に関わる予告演出であるので、これらの予告演出は重複して選択されても差し支えないものである。
(表示制御部の構成・機能)
図6は、表示制御部370の内部構成を示す概略ブロック図である。
表示制御部370は、各種コマンド(変動パターンコマンド、演出図柄表示用コマンド、予告演出指定コマンド等)を受信する入力ポート618、CPU620、プログラムROM610、RAM612、画像処理用LSI(VDP)622、キャラクタROM616、ビデオRAM614、出力ポート624を備える。
CPU620は、受信した各種コマンド及びプログラムROM610に記憶された画像処理プログラムにしたがって、画像表示制御を行う。RAM612は、CPU620に対する入出力データや演算処理のためのデータを一時記憶し、ワーク・エリアやバッファ・メモリとして機能する。VDP622は、CPU620からの図柄更新の指示に従って演出図柄表示装置103に表示するためのスプライト/スクロール等の画像データをビデオRAM614に展開し、CPU620からの出力指示に従って出力ポート624を介して演出図柄表示装置103の表示領域内に画像データを出力・表示する。キャラクタROM616は、CPU620からの指示を受けたVDP622がビデオRAM614に展開する、スプライト/スクロール等の画像データを記憶する。ビデオRAM614は、演出図柄表示装置103の表示領域内に出力する画像データを記憶する。演出図柄表示装置103は、LCD、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等であり、ビデオ信号を可視表示する。
本実施形態では、特に、表示制御部370は、副制御部340から受信した上述の第1〜第4の予告演出指定コマンドにしたがい、第1〜第4の予告演出を演出図柄表示装置103に表示させる。表示制御部370は、第1〜第4の予告演出指定コマンドを受信すると直ちに各コマンドに対応する予告演出を表示する。したがって、第1の予告演出は、特別図柄の変動開始時に表示され、第2の予告演出は、大入賞口1回目の開放時に表示され、第3及び第4の予告演出は、球貯留センサ397がオンになったとき、すなわち、球貯留センサ397が遊技球を検知したときに表示される。
表示制御部370は、第1の予告演出指定コマンドを受信したときには、例えば、「CHANCE」の文字等を演出図柄表示装置103に表示し(図19(a))、第2の予告演出指定コマンドを受信したときには、例えば、「ATTACK CHANCE」の文字等を表示する(図19(b))。また、表示制御部370は、第3の予告演出指定コマンドを受信したときには、例えば、「V SUPER LOCKON」の文字等を演出図柄表示装置103に表示し(図20(a))、第4の予告演出指定コマンドを受信したときには、例えば、「V LOCKON」の文字等(図20(b))を表示する。遊技者はこれらの表示を見ることによって、V入賞の可能性の高いかどうかをある程度正確に予測できる。