WO2012043042A1

WO2012043042A1 - 充電ポート用カバー及び充電ポート構造

Info

Publication number: WO2012043042A1
Application number: PCT/JP2011/067089
Authority: WO
Inventors: 純一山丸; 大介高島; 晶章高木; 真人井上; 山下　徹
Original assignee: 日産自動車株式会社
Priority date: 2010-10-01
Filing date: 2011-07-27
Publication date: 2012-04-05
Also published as: JP5617506B2; CN103079859B; JP2012077514A; EP2623350A4; US8870582B2; EP2623350A1; MX2013002742A; RU2536034C1; US20130157485A1; CN103079859A; MY159642A; RU2013113554A; BR112013005313A2; EP2623350B1

Abstract

　車両に搭載したバッテリに対し、充電口（１９，２１）に充電用のガン（３０）を装着して充電を行う際に、充電口（１９，２１）を含む車両の車体（１，３）に設けた開口部（１７）を開閉可能な開閉体（７）が開放した状態で、開閉体（７）と車体（１，３）との間に形成される開放部（３６）を塞ぐカバー体（３７，３９，４１）を備えた充電ポート用カバー。カバー体は、開放部（３６）を塞いだときに、開閉体（７）と車体（１，３）との間に設けた、閉じた開閉体（７）を車体（１，３）に係合ロックするための被係合部（３４）及び該被係合部（３４）に係合する係合部（２９）にそれぞれ係合するカバー側係合部（５１）及びカバー側被係合部（８５）を備える。カバー側係合部（５１）及びカバー側被係合部（８５）は、結合部材（４８）を介して互いに一体化している。

Description

充電ポート用カバー及び充電ポート構造

　本発明は、開閉体を車体に対して開放した状態で充電口に充電用のガンを装着して充電を行う際に、開放状態の開閉体と車体との間に形成される開放部を塞ぐ充電ポート用カバー及び充電ポート構造に関する。

　従来、例えば電気自動車に搭載されるバッテリを充電する際には、充電用のガンを装着する充電口を含む車体の開口部に対して開閉可能なリッドを設け、該リッドを開放した状態で、充電口に充電用のガンを装着して充電を実施している。

特開平１１－３１８００４号公報

　ところで、充電時には、車体の開口部に対してリッドが開放し、この開放した開口部から充電口に装着した充電用のガンが外部に露出することになる。このため、特に長時間充電を実施する際には、外部から充電用のガンなどに対していたずらされるおそれがある。これに対処するためには、開放状態のリッドと車体との間の開放部をカバーで覆うことが考えられるが、その際カバーには、強固なロック機構が必要とされる。

　そこで、本発明は、充電口を含む車体の開口部を開閉体が開放した状態で形成される開放部をカバーで覆う構造としたときに、該カバーに設定するロック機構を強固なものとすることを目的としている。

　本発明の一態様では、開閉体と車体との間に、開閉体が閉じたときに車体に係合ロックする被係合部及びこの被係合部に係合する係合部を設け、カバー体は、充電時に開閉体の開放により形成される開放部を塞いだときに、被係合部及び係合部にそれぞれ係合するカバー側係合部及びカバー側被係合部をそれぞれ備え、これらカバー側係合部及びカバー側被係合部は結合部材を介して互いに一体化している。

図１は、本発明の実施形態による車両前端部の充電ポートを示す斜視図であり、リッドが開いた状態を示している。図２は、図１のリッドに、本発明に係る充電ポート用カバーを装着する状態を示す側面図である。図３は、リッドに充電ポート用カバーを装着して閉じた状態を示す斜視図である。図４は、図３のリッド近傍を車両斜め後方から見た斜視図である。図５は、本発明の実施形態による充電ポート用カバーを上方斜め前方から見た斜視図である。図６は、本発明の実施形態による充電ポート用カバーを斜め後方から見た斜視図である。図７は、充電ポート用カバーの側面部の内側を示す拡大斜視図である。図８は、充電ポート用カバーの屈曲部における断面図である。図９は、側面部を折り畳んだ充電ポート用カバーを後方から見た斜視図である。図１０は、充電ポート用カバーにおけるリッドおよび車体側との係合機構を示す斜視図である。図１１は、充電ポート用カバーを組み付けたリッドを閉じる状態を示す断面図である。図１２は、本発明の実施形態による隙間封鎖部材を示す斜視図である。

　以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。なお、以下の実施形態では、充電可能なバッテリを搭載する電気自動車を一例とするが、上記と同様なバッテリを搭載する、いわゆるハイブリッド車にも本発明は適用可能である。

　図１～図４に示すように、車両前端には車幅方向に沿ってバンパー１を設けており、該バンパー１の後方側には、モータールームを上から覆うフード３を設けている。これらバンパー１およびフード３は、車体の一部を構成している。

　フード３の前端の車幅方向中央部には、左右両側に設けた一対のリッド側ヒンジ５を介して、上下方向（前後方向）に開閉可能な開閉体としてのリッド７を設けている。リッド７は、平面視で略台形状に形成しており、後縁９の長さは前縁１１の長さよりも長く形成し、側縁１３，１３は前方に向かうにつれて車幅方向内側に向けて斜めに沿って形成している。

　リッド側ヒンジ５は、第１ヒンジアーム５ａと、第２ヒンジアーム５ｂと、リッド７の裏面から後方かつ下方に突設されたリンクブラケット５ｃとを備えている。第１ヒンジアーム５ａは、一端（下端）を車体側に回動可能に支持させ、他端（上端）をリンクブラケット５ｃの下端の車幅方向外側面に回動可能に支持させている。一方、第２ヒンジアーム５ｂは、一端（下端）を第１ヒンジアーム５ａより前方側で車体側に回動可能に支持させ、他端（上端）をリンクブラケット５ｃの下端よりやや上部（リッド７の裏面に近い位置）の車幅方向内側面に回動可能に支持させている。第２ヒンジアーム５ｂの一端側の回動支持点から他端側の回動支持点までの長さは、第１ヒンジアーム５ａの一端側の回動支持点から他端側の回動支持点までの長さよりも大きい。また、第１ヒンジアーム５ａの一端側の回動支持点と第２ヒンジアーム５ｂの一端側の回動支持点との間の距離は、第１ヒンジアーム５ａの他端側の回動支持点と第２ヒンジアーム５ｂの他端側の回動支持点との間の距離よりも大きい。
　このように構成されたリッド側ヒンジ５により、リッド７は、全閉位置（閉位置）と全開位置（開位置）との間を開閉移動する際、車幅方向に平行な軸の周りに回転しつつ前後方向に平行移動する。そして全開位置においては、リッド７は全閉位置から略９０°回転した状態となり、かつ、リッド７の後縁９がフード前端３ａの前方かつ上方へ離間して位置する。そのため、後述の充電ポート用開口部１７内に余裕のある空間が生まれるだけでなく、充電中に（例えば、後述の充電ガン３０を通常充電口２１に挿入した状態において）フード３の開閉操作が可能となる。

　また、図１に示すように、バンパー１における車幅方向中央部の前端部には、充電ポート１５を設けている。前記リッド７は、バンパー１における車幅方向中央部の上端に形成した開口部としての充電ポート用開口部１７を封鎖する部材である。また、充電ポート用開口部１７の奥には、車両右側（向かって左側）に急速充電口１９を配置し、車両左側（向かって右側）には通常充電口２１を配置している。なお、図１では、通常充電口２１に充電ガン３０を挿入している状態を示している。急速充電口１９を用いれば短時間で充電が完了するが、通常充電口２１を用いると充電が完了するまで比較的長時間かかる。

　リッド７の裏面には、断面Ｌ字状のブラケット２３，２３を左右一対取り付けてあり、それぞれのブラケット２３，２３の車幅方向外側に、後述するレール部材２５，２５を取り付けている。具体的には、断面Ｌ字状のブラケット２３の一部２３ａが凸状に屈曲してリッド７の裏面との間に隙間を形成している。この隙間に後述の隙間封鎖部材２７を挿入することで、隙間封鎖部材２７をリッド７に保持させている。

　さらに、リッド７の前端部の車幅方向中央部には、下方（リッド７の裏面側）に向けて突出するリッド側ストライカー２９を設けており、充電ポート用開口部１７の底面３１には、車幅方向中央部の前端に、前後方向に細長く延在するストライカー挿通口３３を形成している。前記リッド側ストライカー２９は、側面視でＵ字状に形成してあり、リッド７を閉じると、リッド側ストライカー２９はストライカー挿通口３３に挿入されたのち、車体側ロック装置３４に係合される。

　上記したリッド側ストライカー２９が係合部を構成し、車体側ロック装置３４が被係合部を構成している。

　また、図２に示すように、開放状態のリッド７の裏面側には充電ポート用カバー３５を装着可能であり、この装着状態でリッド７を充電ポート用カバー３５と共に閉じた状態が図３，図４である。この図３，図４の状態では、充電ポート用開口部１７における、前記リッド側ヒンジ５（図１参照）の軸線方向（車幅方向）に対向する車幅方向両側方と、前記リッド側ヒンジ５の前方（車両前方）とが、充電ポート用カバー３５によって覆われる。リッド側ヒンジ５の軸線とは、全閉位置と全開位置との間を開閉移動する際にリッド７が行う回転運動の中心軸に平行な線であり、本実施形態において、リッド側ヒンジ５の軸線方向とは、車幅方向に平行な方向である。

　上記した充電ポート用カバー３５が覆う部分は、開放状態（リッド７が全閉位置以外にある状態）のリッド７と車体（バンパー１及びフード３）との間に形成される開放部３６（図１１参照）であり、充電ポート用カバー３５は該開放部３６を塞ぐカバー体を含んでいる。本実施形態では、開放部３６は、リッド７が開放状態にあるときに該リッド７の裏面と充電ポート用開口部１７の底面３１と間に画成される空間と呼ぶこともできる。

　また、図４に示すように、充電ポート用カバー３５を装着したリッド７の後縁９とフード前端３ａとの間には、上下方向に隙間が形成されるが、リッド７に設けた隙間封鎖部材２７によって、この隙間から充電ポート用開口部１７の内部へ手や工具などを挿入することを阻止している。

　なお、図２は、充電ポート用カバー３５を装着したリッド７が全開位置にある状態を示しており、図３に示すように、リッド７に充電ポート用カバー３５を装着した状態で、充電ポート用カバー３５のカバー側ストライカー５１を車体側ロック装置３４に係合したとき、リッド７は全開位置と全閉位置との間に位置した状態となる。

　次に、本実施形態による充電ポート用カバー３５を説明する。

　図５，６に示すように、充電ポート用カバー３５は、平面視で略Ｕ字状に形成してあり、車両への装着状態における前側に配置された前面部３７と、該前面部３７の左右両端から後方に屈曲する屈曲部３９，３９と、該屈曲部３９，３９とは別体に構成され、屈曲部３９の後端から後方に延びる左右一対の側面部４１，４１と、を備えている。これら前面部３７と屈曲部３９，３９と側面部４１，４１とでカバー体を構成している。

　前面部３７における車両左側には、下端から上方に延びる縦長の充電ケーブル用切欠き４３を形成しており、車幅方向中央部の裏面には、裏面側（後方）に向けて突出する壁状のロック機構部４５を形成している。前記充電ケーブル用切欠き４３には、通常充電時において充電ガン３０（図１参照）に接続したケーブルが挿通される。

　車両右側の裏面には、リッド７に設けたリッド側ストライカー２９とロック機構部４５との係合を解除可能なロック解除レバー４７を設けている。即ち、充電ケーブル用切欠き４３とロック解除レバー４７とは、ロック機構部４５を間に挟んで互いに反対側に位置している。また、ロック機構部４５の上端には、リッド側ストライカー２９が挿通可能なストライカー挿通溝４９が形成され、下端には、側面視略Ｕ字状のカバー側係合部としてのカバー側ストライカー５１が下方に向けて突出している。

　さらに、図５に示すように、充電ポート用カバー３５の前記屈曲部３９における後端は、側面部４１が屈曲部３９に対して内側に折れ曲がる分割部５３となっている。なお、図６に示すように、充電ポート用カバー３５のストライカー挿通溝４９とカバー側ストライカー５１とは、充電ポート用カバー３５をリッド７に装着した状態において、リッド７の開閉軌跡に沿った方向（本実施形態では上下方向）に配置している。言い換えれば、カバー側ストライカー５１と後述する係止部材８５（図１０参照）の実質的なロック部分となる鈎部８９とは、リッド７の開閉軌跡に沿った方向（上下方向）に並べて配置してあるとともに、ロック時の力の伝達方向に沿って並べて配置してあることになる。また、側面部４１は屈曲部３９に対して側面部側ヒンジ４２を介して回動可能に構成している。なお、「開閉軌跡」とは、リッド７を開閉移動する際にリッド７の各部がたどる軌跡である。また、「開閉移動軌跡に沿った方向」とは、リッド７が行う回転運動の中心軸に直交する平面に対して平行な方向、換言すれば、上記回転運動の中心軸に平行な線に直交する方向であり、本実施形態のように上下方向を含む。「ロック時の力の伝達方向に沿って並べて配置」とは、リッド側ストライカー２９と係止部材８５とが係合ロック状態にあり、かつカバー側ストライカー５１と車体側ロック装置３４とが係合ロック状態にある場合において、リッド７を全開方向へ移動させる外力が作用したときに、カバー側ストライカー５１に作用する力のベクトルと鈎部８９に作用する力のベクトルとが、少なくとも同一平面上（好ましくは同一直線上）にのるように配置されていることをいう。

　また、図６，７に示すように、側面部４１の内側には、遮蔽部５５を内側（裏面側）に向けて突出して形成している。この遮蔽部５５は、図４にも示すように、リッド後縁９の左右両端の角部に形成される隙間から手や工具などを侵入させないために設けている。また、遮蔽部５５の内側端部は、リッド７に取り付けたレール部材２５（図１参照）の溝５７に挿入および係合が可能な挿入係合部５９であり、この挿入係合部５９の先端に係止突起６１を形成している。これらの遮蔽部５５、挿入係合部５９、および係止突起６１は、側面部４１に一体に形成している。なお、図７に示すように、係止突起６１は、レール部材２５の先端に形成した係止孔６３に係止可能に構成している。

　充電ポート用カバー３５における前面部３７、屈曲部３９および側面部４１にかけて、図５に示すように上部と下部に前後方向に沿って稜線６５を形成している。即ち、図８に示すように、例えば屈曲部３９においては、上端面６７および下端面６９は、断面を弧状に形成してあり、上端面６７と下端面６９との間の中間面７１は、上端面６７と下端面６９とを弧状に結ぶ二点鎖線７３に対して内側に凹んだ凹部７５に形成している。

　また、図６に示すように、ロック機構部４５の頂面は、側面部４１の先端に形成された当接部７７が当たる平坦なストッパ面７９としている。即ち、図９に示すように、左右の側面部４１，４１を、前面部３７の裏面に折り畳むようにして完全に閉じた状態においては、側面部４１の当接部７７がロック機構部４５のストッパ面７９に当接し、閉じた状態の側面部４１の位置が保持される。

　また、図１０に示すように、リッド側ストライカー２９は、リッド７の裏面に取り付けられる支持プレート８１と該支持プレート８１から下方に突出する側面視略Ｕ字状のストライカー本体８３とからなる。そして、充電ポート用カバー３５のロック機構部４５の内部には、ロック解除レバー４７に連動して回動するカバー側被係合部としての係止部材８５が回動可能に支持されている。

　即ち、カバー側係合部であるカバー側ストライカー５１および、カバー側被係合部である係止部材８５は、ロック機構部４５における結合部材としての壁部４８を介して互いに一体化していることになる。なお、この壁部４８は、前面部３７の裏面に一体化している。

　前面部３７および屈曲部３９は、図８に示すように、アウタ部材Ａとその裏面に位置するインナ部材Ｂとを備え、これら各部材Ａ，Ｂを互いに突き合わせて接合固定している。上記壁部４８は、インナ部材Ｂに一体的に形成されており、インナ部材Ｂの車幅方向中央部に後方に向けて突設されて、上下方向に略直線状に延在している。また、壁部４８は、水平断面形状が前方に開いた略Ｕ字状である中空構造を有しており、図６に示すように、後方側端面としての前記ストッパ面７９と、該ストッパ面７９の左右両側縁から、前面部３７の裏面すなわち壁部４８の両側に位置するインナ部材Ｂの一般面４８ａに向けて、相互の間隔が広がるように傾斜して延設された左右一対の傾斜面４８ｂとを備えている。

　係止部材８５の下端部は、ピン８７を介して前面部３７に略垂直な軸周りに回動可能に支持されており、係止部材８５の上端部は、先端が屈曲した鈎部８９に形成されている。なお、係止部材８５は、ピン８７に設けてある図示しないねじりコイルスプリングによって、鈎部８９が図１０のようにストライカー本体８３に係止する方向に押し付けられている。

　また、ロック解除レバー４７のロック機構部４５側には、該ロック機構部４５に向けて突出するアーム部４７ａを一体に設けてあり、その先端部に、上下方向を軸心とする図外の回動支持軸を、ロック機構部４５の上記した壁部４８に回動可能に支持させている。さらに、上記したアーム部４７ａには、該アーム部４７ａに対して略直角に前面部３７から離れる方向に屈曲する係止部材押圧部４７ｂを一体に設けている。この係止部材押圧部４７ｂの先端は、係止部材８５の車幅方向右側（図１０中では左側）の側面に当接可能である。つまり、上記アーム部４７ａおよび係止部材押圧部４７ｂを一体に備えるロック解除レバー４７は、上記した図示しない回転支持軸を中心として回動可能である。

　なお、係止部材８５は内部が空洞の壁部４８内に収容してあり、従ってアーム部４７ａは、壁部４８の側面である一方の傾斜面４８ｂを貫通し、係止部材押圧部４７ｂを含む先端側も壁部４８内に位置している。

　以上より、通常状態では、係止部材８５の鈎部８９は、リッド側ストライカー２９のストライカー本体８３に係止されており、ロック解除レバー４７を矢印Ｃの方向（前面部３７に向けた方向）に押すと、係止部材押圧部４７ｂが、上記図示しないねじりコイルスプリングに抗して係止部材８５を押しつつピン８７を中心として回動させ、その結果鈎部８９がストライカー本体８３から外れることになる。

　図１０、１１に示すように、カバー側ストライカー５１は、樹脂製の保持ブラケット９１と、該保持ブラケット９１に取り付けた側面視矩形リング状のストライカー本体９３とからなる。ストライカー本体９３は、保持ブラケット９１の回動中心５２を中心に保持ブラケット９１と一体となって、上記壁部４８に対して回動する。

　ストライカー本体９３における前面部３７側の下側の角部９５は、内周側に屈曲して傾斜部９５ａとしており、該傾斜部９５ａは、リッド７に装着した充電ポート用カバー３５を閉じるときに、車体側の開口端９７に当接するように構成している。

　また、保持ブラケット９１の前端９９は、ロック機構部４５の当接部１０１に当接可能であり、この当接によって保持ブラケット９１は、前方側（図１１中で時計方向）への回動が阻止される一方、後方側への回動が許容されている。従って、カバー側ストライカー５１は、矢印Ｄに示すように後方側へのみ回動する。

　即ち、リッド７に装着した充電ポート用カバー３５を閉じるときに、ストライカー本体９３の傾斜部９５ａが車体側の開口端９７に当接することで、カバー側ストライカー５１は矢印Ｄの方向に回動して障害物となる車体側の開口端９７を避けることができる。

　そして、図１２に示すように、隙間封鎖部材２７は弾性を有する板状の樹脂から形成してあり、横方向に長く形成された本体部１０３と該本体部１０３の左右両端から上方に延びる左右一対の係止部１０５，１０５とから一体形成している。前記本体部１０３は、両端および中間に配設された一般面１０７と、これらの一般面１０７の間に形成された凹面１０９とからなる。前記凹面１０９は、一般面１０７よりもリッド７に装着した状態において奥側（車両後方側）に凹んでいる。向かって左側の凹面１０９は、急速充電用の充電ガンを急速充電口１９に差し込む際に充電ガンの逃げ部となる部位であり、向かって右側の凹面１０９は、通常充電用の充電ガン３０を通常充電口２１に差し込む際に充電ガン３０の逃げ部となる部位である。なお、係止部１０５の両端部１０５ａは、前述したように、図１に示したブラケット２３とリッド７の裏面との隙間に嵌合されることによって、隙間封鎖部材２７が保持される。

　次に、車両に搭載したバッテリに対し、充電に長時間を要する通常充電口２１を利用して行う充電動作について説明する。まず、リッド７を閉じた状態から車内のロック解除レバーを操作して、リッド側ストライカー２９と車体側ロック装置３４とのロックを解除することで、図１に示すようにリッド７を全開位置の開放状態とする。この状態で、充電用のガン３０を通常充電口２１に装着して充電を実施する。

　そして、充電用のガン３０を通常充電口２１に装着した状態で、図５のように側面部４１，４１が前面部３７に対して開いた状態の充電ポート用カバー３５を、図２に示すようにリッド７に装着する。このとき、図６に示す充電ポート用カバー３５の挿入係合部５９を、図１に示すレール部材２５の溝５７に挿入して係合させる。なお、この挿入の際には、図６、図１０に示したロック解除レバー４７を、前面部３７の裏面に押し付けるようにして回動させることで、リッド側ストライカー２９と係止部材８５との係合ロック状態を解除しておく。

　充電ポート用カバー３５の挿入係合部５９をレール部材２５の溝５７に挿入したら、ロック解除レバー４７の押し付け動作を解除することで、ロック解除レバー４７の先端側の係止部材押圧部４７ｂによる係止部材８５への押し付けが解除される。その結果、係止部材８５は図外のねじりコイルスプリングによって回動して、図１０に示すように鈎部８９がストライカー本体８３に係止してロックされる。

　ロック解除レバー４７を前面部３７の裏面に押し付ける作業は、例えば充電ポート用カバー３５の前面部３７におけるロック機構部４５の両側部分を、下方から両手で掴むようにして行う。そのとき、両手の親指を前面部３７の表面側に位置させるとともに、両手の他の４本の指を前面部３７の裏面側に位置させて、その裏面側の４本の指のうちの少なくとも１本によって、ロック解除レバー４７を押すようにすればよい。このようなロック解除レバー４７の解除作業は、上記した表側の親指と裏面側の４本の指により充電ポート用カバー３５を単に掴む作業となんら変わることはなく容易にできる。

　このようにして充電ポート用カバー３５をリッド７に対してロックしつつ装着した後は、リッド７を、図３、図４に示すように、充電ポート用カバー３５とともに閉じる。充電ポート用カバー３５を閉じるときは、カバー側ストライカー５１におけるストライカー本体９３の傾斜部９５ａが車体側の開口端９７に当接する。この当接により、カバー側ストライカー５１は、開口端９７を避けるようにして図１１中の矢印Ｄの方向に回動中心５２を中心として回動しつつストライカー挿通口３３に入り込み、車体側ロック装置３４に係合してロックされる。

　これにより充電ポート用カバー３５は、図１１に示すように、リッド７が全開位置と全閉位置との間の例えば半開位置にある状態で、リッド７とバンパー１などの車体との間に形成される開放部３６を塞いだ状態となる。これにより、長時間充電を行う特に夜間などに、充電ポート用開口部１７の内部に対し、いたずらによる手や工具などの侵入を抑えることができる。

　この際、図４に示すように、充電ポート用カバー３５に設けた遮蔽部５５が、リッド後縁９の左右両端の角部に形成される隙間から充電ポート用開口部１７の内部への手や工具などの侵入を抑える。また、リッド７に設けた隙間封鎖部材２７が、リッド７の後縁９とフード前端３ａとの間の隙間から充電ポート用開口部１７の内部へ手や工具などの挿入を抑える。

　充電が完了した後は、車内のロック解除レバーを操作して、図１１に示す状態の充電ポート用カバー３５のカバー側ストライカー５１と車体側ロック装置３４とのロックを解除し、この状態でリッド７を充電ポート用カバー３５とともに開放する。

　その後は、図２の充電ポート用カバー３５のリッド７に対する取付作業とは逆の作業を行って、充電ポート用カバー３５をリッド７から取り外す。充電ポート用カバー３５を取り外したら、図１に示す充電用のガン３０を通常充電口２１から引き抜き、通常充電口２１に対し図外のキャップで蓋をし、その後リッド７を閉じる。

　取り外した充電ポート用カバー３５は、図５の状態から図９の状態に示すように、側面部４１，４１を前面部３７の裏面に折り畳むようにして重ね合わせる。その際、側面部４１，４１の先端の当接部７７が、ロック機構部４５のストッパ面７９に当接し、閉じた状態の側面部４１の位置が保持される。

　本実施形態の充電ポート用カバー３５によれば、開放状態のリッド７と車体との双方に係合するカバー側係合部であるカバー側ストライカー５１と、カバー側被係合部である係止部材８５とを、ロック機構部４５の結合部材となる壁部４８を介して互いに一体化している。

　これにより、カバー側ストライカー５１と係止部材８５とをそれぞれ個別に前面部３７に取り付ける構成とした場合に比較して、充電ポート用カバー３５のロック機構を強固なものとすることができる。また、カバー側ストライカー５１と係止部材８５とを壁部４８を介して互いに一体化することで、これらカバー側ストライカー５１と係止部材８５との相互の間隔を精度よく確保できる。その結果、充電ポート用カバー３５が開放部３６を塞いだ状態でのリッド側ストライカー２９と車体側ロック装置３４とのロック状態を、より確実なものとすることができる。

　また、本実施形態では、リッド側ストライカー２９と充電ポート用カバー３５の係止部材８５とを係合して充電ポート用カバー３５をリッド７に取り付けた状態で、充電ポート用カバー３５をリッド７とともに開閉するときの開閉移動軌跡に沿う方向でかつ、カバー側ストライカー５１と車体側ロック装置３４との係合ロック方向とは異なる方向（矢印Ｄで示す方向）に、カバー側ストライカー５１が前面部３７に対し、回動中心５２を中心として回動可能である。ここで係合ロック方向とは、カバー側ストライカー５１が車体側ロック装置３４に係合する際のカバー側ストライカー５１の移動方向であり、例えば、図１１の矢印Ｄに対し紙面上で略直角な矢印Ｅの方向である。開閉移動軌跡とは、充電ポート用カバー３５をリッド７に取り付けた状態で、リッド７を充電ポート用カバー３５とともに開閉移動する際に、リッド７及び充電ポート用カバー３５の各部がたどる軌跡であり、開閉移動軌跡に沿う方向とは、リッド７が行う回転運動の中心軸に直交する平面に対して平行な方向、換言すれば、上記回転運動の中心軸に平行な線に直交する方向である。従って、カバー側ストライカー５１が、上記開閉移動軌跡に沿う方向でかつ係合ロック方向とは異なる方向に回動可能であることは、カバー側ストライカー５１の回動中心５２の軸とリッド７が行う回転運動の中心軸とが略平行であることを意味する。

　これにより、リッド７に装着した充電ポート用カバー３５を閉じるときに、ストライカー本体９３の傾斜部９５ａが車体側の開口端９７に当接することで、カバー側ストライカー５１は図１１中の矢印方向に回動して障害物となる車体側の開口端９７を避けてロックすることができる。

　以上、本発明の実施形態について説明したが、この実施形態は本発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎず、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含むものである。例えば、上記実施形態では、充電ポート１５をバンパー１の車幅方向中央部に設けているが、充電ポートの位置や向きはこれに限定されず、仕様に応じて適宜設定可能であり、例えば、車体の側面に横向きに設けたり、車体の後面に上向きに設けたりしても良い。また、上記実施形態では、リッド７は、開閉移動する際に車幅方向に平行な軸の周りに回転しつつ前後方向に平行移動するように構成されているが、リッドの開閉移動の態様はこれに限定されず、例えば、回転運動は車両前後方向または上下方向に平行な軸の周りに行われるものでも良く、さらに当該回転軸は傾斜していても良い。さらに、上記実施形態では、カバー側ストライカー５１が前面部３７に対し、回動中心５２を中心として回動可能に構成されているが、カバー側ストライカーは、カバー側ストライカーの保持ブラケットと該保持ブラケットを保持する壁部とにレール及び溝を設けることで、カバーの前面部に対して前後方向に平行移動可能に構成してもよい。

　本出願は、２０１０年１０月１日に出願された日本国特許願第２０１０－２２３７９６号に基づく優先権を主張しており、この出願の全内容が参照により本明細書に組み込まれる。

　本発明によれば、開放状態の開閉体と車体との双方に係合するカバー側係合部とカバー側被係合部とを結合部材を介して互いに一体化したので、充電ポート用カバーのロック機構を強固なものとすることができる。

　１　バンパー（車体）
　３　フード（車体）
　７　リッド（開閉体）
　１７　充電ポート用開口部（開口部）
　２１　通常充電口
　２９　リッド側ストライカー（係合部）
　３０　充電用のガン
　３４　車体側ロック装置（被係合部）
　３６　車体との間に形成される開放部
　３７　充電ポート用カバーの前面部（カバー体）
　３９　充電ポート用カバーの屈曲部（カバー体）
　４１　充電ポート用カバーの側面部（カバー体）
　４５　ロック機構部（結合部材）
　５１　カバー側ストライカー（カバー側係合部）
　８５　係止部材（カバー側被係合部）

Claims

　車両に搭載したバッテリに対し、充電口に充電用のガンを装着して充電を行う際に、前記充電口を含む前記車両の車体に設けた開口部を開閉可能な開閉体が開放した状態で、前記開閉体と前記車体との間に形成される開放部を塞ぐカバー体を備え、
　前記カバー体は、前記開放部を塞いだときに、前記開閉体と前記車体との間に設けた、閉じた開閉体を前記車体に係合ロックするための被係合部及び該被係合部に係合する係合部にそれぞれ係合するカバー側係合部及びカバー側被係合部を備え、
　前記カバー側係合部及びカバー側被係合部は、結合部材を介して互いに一体化していることを特徴とする充電ポート用カバー。
　前記カバー体は、前記開閉体に設けられた前記係合部が係合する前記カバー側被係合部と、前記車体に設けられた前記被係合部に係合するカバー側係合部とを備え、
　前記開閉体の前記係合部と前記カバー側被係合部とを係合してカバー体を開閉体に取り付けた状態で、該カバー体を開閉体とともに開閉するときの開閉移動軌跡に沿う方向でかつ、前記カバー側係合部と前記車体の被係合部との係合ロック方向とは異なる方向に、前記カバー側係合部が前記カバー体に対して移動可能であることを特徴とする請求項１に記載の充電ポート用カバー。
　車体に設けられた開口部内に配置され、車両に搭載したバッテリに充電するためのガンが装着される充電口と、
　前記車体に設けられ、前記開口部を閉じる閉位置と前記開口部を開く開位置との間を開閉移動可能な開閉体と、
　前記開閉体と前記車体との間に設けられ、前記閉位置にある開閉体と前記車体とを係合ロックする被係合部及び該被係合部に係合する係合部と、
　前記閉位置以外の位置にある開閉体と前記車体との間に配置され、当該開閉体と車体との間に形成される開放部を塞ぐカバー体と、
　前記カバー体に設けられ、前記カバー体が前記開放部を塞いだときに、前記被係合部及び係合部にそれぞれ係合するカバー側係合部及びカバー側被係合部と、
　前記カバー体に設けられ、前記カバー側係合部及びカバー側被係合部を一体化する結合部材と、
　を備えたことを特徴とする充電ポート構造。