明 糸田 自 然分解性繊維お よ び そ の 製品 技術分野
本発明 は 、 自 然分解性で あ り 、 かつ 嵩高性、 柔軟性、 風合 い な ど の 優れ た特性を有す る 繊維製品 を 提供 し う る 繊維 お よ び そ の 製品 に 関 し 、 さ ら に詳 し く は 、 異 な る 熱 特性 を有す る 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル か ら な る 自 然分解性繊 維 お よ び そ の 製品 に 関す る 。 背景技術
合成樹脂か ら な る 従来の 合成繊維 は、 自 然環境下 で の 分解速度 が遅 く 、 ま た焼却時の 発熱量が多 い た め 、 自 然 環境保護 の 見地か ら の 見直 し が必要で あ る 。 こ の た め 、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ルか ら な る 自 然分解性繊維が開発 さ れ つ つ あ り 、 環境保護への貢献が期待 さ れてい る 。 し か し、 こ れ ら の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル系 自 然分解性繊維 は、 嵩高 性、 柔軟性、 風合 い な ど の面 で不満足 な 点が あ り 、 そ の 改善が望 ま れて い る 。
従来、 通常の 繊維間複合 (混合) 体 に お い て、 収縮性 の 異 な る 繊維 を組合わせ る と 、 嵩高性や柔軟性 に 優れ た 編織物な ど の 製品がえ ら れ る こ と は知 ら れて い る 。 し か し 、 自 然分解性を有す る 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル繊維で は、 収縮性を制御す る 方法 は未だ ほ と ん ど知 ら れ て お ら ず、 ま し て収縮性の 異な る 繊維を 複合す る こ と や 、 そ れを用 い て織物や編み物の 品質を 改良す る こ と は、 全 く 知 ら れ て い な い o
ま た 、 高度 な 柔軟性 や特殊 な 断面形態や 大 き な 比表面 積 に 基づ く 各種機能を 有す る 繊維 を う る た め に 、 従来 よ り 分割型 の 複合繊維 を分割す る こ と が行 な わ れて い る 。 かか る 方法 に よ り 、 柔钦性や光沢 に 優れ た編織物、 不織 布、 人工皮革、 人工ス エ ー ド、 高性能 ワ イ ビ ン グ ク ロ ス 、 高性能 フ ィ ル タ ー な ど が開発 さ れ広 く 用 い ら れて い る 。 し か し 、 自 然環境下で分解す る 繊維の 分野 で は 、 い ま だ 分割型複 合繊維 は 提案 さ れて い な い。 そ の 理 由 は 、 分割 に適す る 紡糸材料 ( ポ リ マ ー ) の組合わせや分割方法が、 い ま だ 知 ら れ て い な い こ と に あ る 。
加熱 に よ っ て繊維の 一部が溶融 し 、 繊維が相互 に 接着 す る 自 己接着 (熱融着) 繊維 は、 合成繊維分野で広 く 用 い ら れて い る 。 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル を 使用 し た 熱融着繊 維が、 特開平 6 - 2 0 7 3 2 0 お よ び特開平 6 - 2 0 7 3 2 4 号公報 に 提案 さ れ て い る 。 し か し 、 そ の 実施例 に は 、 融点 1 0 2 °C の ポ リ エ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト を鞘 (接 着成分) と し 、 融点 1 1 8 °C の ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト を 芯 (強度保持成分) と す る 複合繊維が示 さ れ て い る に過 ぎず、 そ の 接着力 は そ れ ほ ど強 く な い 。 両成分 の 融 点差が わ ずか 1 6 °C と 小 さ く 、 接着の た め の 加熱で強度 保持成分が钦化かつ 劣化す る た め で あ る 。 ま た 、 こ の繊 維 は、 接着処理の好適温度は極めて狭い範囲に限定 さ れ、 優れた接着力 と 強度を発揮 さ せ る の はかな り 困難であ り 、 さ ら に使用 目 的 に 応 じ て接着強度を広範囲 に 変化 さ せ る こ と も 極め て困難 で、 用 途が限定 さ れ る 。 一般 に 、 熱融 着繊維で は 、 接着成分 に 低融点成分 を用 い る 。 し か し 、 融点 1 2 0 以下 の 低融点脂肪族 ポ リ エ ス テ ルを 用 い る と 、 ガ ラ ス 転移点が常温以下 と 低 く 、 凝固速度が遅 い た
め 、 溶融紡糸 時 に 繊維相互が付着 (膠着) し 易 く 、 高速 度で製造が困難 な う え 、 使用 時 も 耐熱性が低 い な ど、 実 用上の 問題が多 い 。
本発明 の 目 的 は 、 嵩高性、 柔軟性、 風合 い お よ び伸縮 性 に 優れ た 自 然分解性繊維お よ び そ れか ら 製造 さ れ た繊 維製品 を 提供す る こ と に あ る 。
本発明 の 他の 目 的 は 、 自 発巻縮性 を 有す る 自 然分解性 繊維 を 提供す る こ と に あ る 。
本発明 の さ ら に 他の 目 的 は 、 自 然分解性で あ り 、 加熱 な ど に よ っ て優 れ た 巻縮 を 発現 し て 、 柔軟性、 嵩高性、 伸縮性 な ど に 優れ た 製品 を与え る こ と がで き 、 し か も 効 能率で容易 に 製造す る こ と がで き る 自 発巻縮性繊維 を 提 供す る こ と に あ る 。
本発明 の 別 の 目 的 は 、 自 然分解性で あ り 、 改良 さ れ た 分割可能性を 有 し 、 優 れ た柔軟性や 大 き い 比表面積 を 有 す る 繊維 や繊維構造物 を製造す る こ と がで き る 複合繊維 を 提供す る こ と に あ る 。
本発明 の ま た 他 の 目 的 は 、 自 然分解性 で あ り 、 かつ 接 着の た め の 加熱処理 に よ っ て優れ た 接着性 を 発揮す る と 同時に、 強度保持成分の劣化が少な く 優れた強度を も ち、 さ ら に 溶融紡糸 を 高速で行な う こ と がで き 、 かつ 耐熱性 に 優れ た接着 さ れ た繊維構造物を 容易 に 製造す る こ と が で き る 自 己接着性繊維、 お よ び そ れを使用 し た繊維構造 物を 提供す る こ と に あ る 。
本発明 の さ ら に他の 目 的 は、 自 然分解性で あ り 、 広 い 温度範囲で接着処理可能で あ り 、 使用 目 的 に 応 じ て 広範 囲 に 接着力 を変更可能 な 自 己接着性繊維 を 提供す る こ と あ
さ ら に は 、 本発 明 の 目 的 は 、 自 然分解性で あ り 、 加熱 な ど に よ り 収縮性が異な る 複数の繊維が混合 さ れてな り 、 加熱に よ っ て繊維間に長 さ の差を生 じ、 嵩高性、 柔軟性、 風合 い な ど に 優れ た製品 を与 え う る 繊維集合体 を 提供す ') c ί'- <¾ o 発明の 開示
本発明者 ら は 、 鋭意研究を 重ね た 結果、 溶融時の 吸熱 量 (融解熱量) や 融点 な ど の 熱特性の異な る 自 然分解性 月旨肪族 ポ リ エ ス テ ル を 組合わ せ る こ と に よ っ て前記 目 的 が達成 し う る こ と を 見 い 出 し 、 本発明 を 完成す る に 至 つ た 0
し 力、 し て、 本発 明 は 、 ( A ) 融点 1 0 0 °C以上かつ 溶 融時 の 吸熱量力《 3 0 ジ ュ ー ル グ ラ ム (以下、 J Z g と 記す) 以上の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル重合体か ら な る 繊維成 分 と 、 ( B ) 融点 1 0 0 °C以上かつ 溶融時の 吸熱量が該 重合体 ( A ) の そ れ よ り も 5 J Z g 以上少 な い 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル重合体か ら な る 繊維成分か ら な る 繊維 を 提供 す る 。 本発明 に お い て、 繊維成分 ( A ) と ( B ) と か ら な る 繊維 は、 成分 ( A ) と ( B ) と が単繊維内 で複合 さ れて い る 複合繊維の 形態で あ っ て も よ く 、 あ る い は各成 分の繊維が混合 さ れ た 複合糸 の 形態で あ っ て も よ い 。 こ の繊維 は、 融解熱量の 大 き い 高結晶性成分 ( A ) と 融解 熱量の 小 さ い 低結晶性成分 ( B ) か ら な る た め、 熱収縮 性の連い に基づ く 優れた嵩高性、 柔钦性、 風合い を有 し、 特 に 複合繊維 に 形成 さ れ た も の は 、 優れ た 自 発卷縮性 を 発揮 し 、 伸縮性 に 傻れ た繊維 を 提供す る 。
さ ら に 、 本発明 は 、 ( A ) 融点が 1 4 0 °C以上 の 結晶
性 脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル 重 合体 か ら な る 繊維 成 分 お よ び ( B ) 融点が 1 1 0 で以上で あ る 結 晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル か ら な る 成分 ( H ) と 、 融点が 1 2 0 °C以下で あ つ て、 かつ 前記重合体 ( A ) よ り 融点が 1 0 で以上低 い 結 晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ま た は ガ ラ ス 転移点力 3 0 °C以 下 の 非結 晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル か ら な る 成分 ( S ) と の 組合せ か ら な る 繊維成分 か ら な る 繊維を 提供す る 。 こ の繊維の 繊維成分 ( B ) に お け る 脂肪族 ボ リ エ ス テ ル成 分 ( H ) お よ び ( S ) は、 両成分が結合 し た ブ ロ ッ ク 共 重合体の 形態で あ っ て も よ く 、 あ る い は 両成分の 混 合物 の 形態で あ っ て も よ い 。 こ の繊維 は 、 熱収縮性 の 小 さ な 高融点重 合体 か ら な る 繊維成分 ( A ) と 、 熱収縮性 に 大 き く 寄与 す る 低融点 ま た は非晶性成分 ( S ) を 含有す る 繊維成分 ( B ) と か ら な る た め、 優れた嵩高性、 柔軟性、 風合 い を 有 し て い る 。 特 に 、 融点 1 4 0 °C以上、 融解熱 量 2 0 J Z g 以上 の 結 晶 性脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル 重 合 体 ( A ) を 、 融点差が 2 0 °C以上の 少 な く と も 2 種 の 結晶 性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル成分 ( H ) と ( S ) 力、 ら な り 、 融 点 1 3 0 °C以上、 融解 熱量 3 J / g 以 上 の 高 融 点 成 分 ( H ) を 9 0 〜 : L 0 重量%、 融点 4 0 〜 1 2 0 °C、 融解 熱量 3 J Z g以上の 低融点成分 ( S ) を 1 0 〜 9 0 重量 % 含 有 す る ブ ロ ッ ク 共 重 合体 お よ び ( ま た は ) 混 合 物 ( B ) と 単繊維内 で偏心的 に 接合 し た 複合繊維 は 、 優 れ た 自 発巻縮性を有 し 、 ま た該成分 ( B ) が繊維の 表面 の 少 な く と も 一部を形成す る よ う に 接合 し た複 合繊維 は儍 れ た 自 己接着性を有す る 。 さ ら に 、 成分 ( A ) と ( B ) の 少 な く と も 一方が ポ リ オ ル ガ ノ シ ロ キ サ ン 0 . 0 5 重 量%以上含有 し て い る 、 融点 1 4 0 °C以上の 結晶性脂肪
族 ポ リ エ ス テ ル重合体 ( A ) お よ び、 融点 1 4 0 °C以上 の 結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル成分 ( H ) と 融点 1 2 0 °C 以下、 ガ ラ ス 転移点 3 0 °C以下 の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル成 分 ( S ) と の プ ロ ッ ク 共重合体 お よ び ( ま た は ) 混合物 ( B ) を 単繊維 内 で分割可能 な 形状 に接合す る こ と に よ つ て、 容易に分解 し う る 自 然分解性複合繊維がえ ら れ る。 ま た、 繊維成分 ( B ) が ブ ロ ッ ク 共重合体であ る ばあ い、 融点 1 1 0 °C以上の結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル成分 ( H ) は ゥ レ 夕 ン 結合 を 含有す る も の で あ っ て も よ い 。
ま た 、 本発明 は 、 ( A ) 融点 1 4 0 °C以上の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の 結晶性重合体 と 、 ( B ) 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル お よ び炭素数 2 〜 4 の ア ル キ レ ン 基 を も つ ポ リ ェ 一 テ ル 、 該 ポ リ エ ー テ ル誘導体、 ス ル ホ ン 基を も つ 有機化合 物、 硫酸エ ス テ ル基を も つ 有機化合物、 カ ル ボ キ シ ル基 を も つ 有機化合物、 リ ン 酸基を も つ 有機化合物、 ァ ミ ノ 基 お よ び ( ま た は ) ア ミ ド基 を も つ 有機化合物 よ り な る 群か ら 選 ば れ た 少 な く と も 1 種の 化 合物 1 〜 5 0 重量% が混合 さ れ た組成物 と が、 単繊維内 で複合 さ れ て お り 、 かつ 横断面 に お い て、 組成物 ( B ) が重合体 ( A ) を少 な く と も 2 つ の部分に分離 し て い る 複合繊維を提供す る 。 こ の複合繊維 は 、 成分 ( B ) が特定の 親水性化合物 を含 有 し て い る た め 、 加水分解を 受 け 易 く 、 容易 に繊維 の 分 割が可能で あ る 。
さ ら に、 本発 明 は、 融点 1 4 0 °C以上の 結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル重合体 ( A ) を鞘 と し 、 該重合体 ( A ) よ り も 融点が 2 0 °C以上 低 い 脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル 重 合 体 ( B ) を成分 と し て 1 0 重量 % 以上含む重合体 ( C ) を 芯 と す る 、 芯鞘型の 複合繊維 ( X ) と 、 そ れ と は異 な る
他の 自 然分解性繊維 ( Y ) と が混合 さ れて い る 糸 、 ス テ 一 プ ル、 綿、 ト ウ 、 ウ ェ ブ、 編物、 織物、 不織布 お よ び そ れ ら に類似す る 繊維の 集合体 を 提供す る 。 図面の 簡単 な説明
図 1 は 、 本発 明 の 複合繊維 の 種 々 の 態様 を 示す横断面 図で あ り 、 図 1 A は 並列型複合繊維、 図 1 B は 偏心芯鞘 型複合繊維、 図 1 C は鍵穴型複合繊維、 図 1 D は 偏心二 芯型の芯鞘型複合繊維、 図 1 E は非円形並列型複合繊維、 図 1 F は 中 空並列型複合繊維、 図 1 G は 3 層並列型複合 繊維 を 示す。
図 2 は 、 2 種の繊維が混合 さ れた 本発明 の 複合糸 の 種 々 の 態様 を 示す横断面図で あ り 、 図 2 A は 2 種の 円形断 面繊維が均一 に 混合 さ れ た複合糸、 図 2 B は 2 種 の 円形 断面繊維が偏心的 に 不均一 に 混合 さ れ た 複合糸、 図 2 C は 2 種の 円 形断面繊維が同心的 に 不均一 に 混 合 さ れ た 複 合糸、 図 2 D は 3 角 断面繊維 と 円 形断面繊維が均一 に 混 合 さ れ た 複合糸、 図 2 E は 3 角 断面繊維 と 円 形断面繊維 が 同心的 に 不均一 に 混合 さ れ た 複合糸 、 図 2 F は 3 角 断 面繊維、 円 形断面繊維 お よ び第 3 の繊維が混 合 さ れ た 複 合糸 を示す。
図 3 は 、 本発明 の 分割可能な 複合繊維の 種 々 の 態様を 示す横断面図で あ り 、 図 3 A は 3 層並列複合繊維、 図 3 B は 5 層放射型複合繊維、 図 3 C は 9 層放射型複合繊維、 図 3 D は 9 層並列型複合繊維、 図 3 E は 花弁状放射型複 合繊維、 図 3 F は並列型 と 放射型が組合わ さ れ た 複合繊 維、 図 3 G は非 円形放射型複合繊維、 図 3 H は非 円形並 列型複合繊維、 図 3 I は 中空放射型複合繊維、 図 3 J は
7 つ の 芯 を 有す る 芯鞘型複合繊維、 図 3 K は海島型複合 繊維 を 示す。
図 4 は 、 本発 明 の 自 己接着性複合繊維 の 種 々 の 態様を 示す横断面図で あ り 、 図 4 A は 円 形断面 の 芯鞘型複 合繊 維、 図 4 B は非 円形断面 の 芯鞘型複合繊維、 図 4 C は 回 転対称型複合繊維、 図 4 D は中空型芯鞘複合繊維を示す。
図 5 は 、 本発 明 の繊維集合体を構成す る 芯鞘複合繊維 の 横断面図で あ り 、 図 5 A は 同心 円型芯鞘複合繊維、 図 5 B は非 円 形同心型芯鞘複合繊維、 図 5 C は 中空同心 円 型芯鞘複 合繊維 を 示す。
図 6 は 、 本発 明 の 繊維集合体 の 一実施態様 で あ る 収縮 性の 異 な る 複数種 の 繊維が混合 さ れた糸 の 横断面図で あ り 、 図 6 A は複合繊維 4 と 他 の 繊維 5 が均一 に 混合 さ れ た 複合糸、 図 6 B は両者が芯鞘的 に 混合 さ れ た 複合糸、 図 6 C は 複合繊維 4 と 2 種の 他 の 繊維 5 、 6 、 合計 3 種 の繊維が並列 的 に 混合 さ れ た 複合糸 を示す。
図 7 は 、 走査型示差熱量計 ( D S C ) に よ る 、 ポ リ マ 一 の 昇温時の 発熱 お よ び吸熱 を 示す融解 曲線 ( D S C 曲 線 ) あ O 0
図 8 は、 走査型示差熱量計 ( D S C ) に よ る 、 融点の 異な る 2 種の 結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の 混合物 ま た は プ ロ ッ ク 共重合体 の 、 昇温時の 発熱お よ び吸熱を 示す融 解曲線 ( D S C 曲線) で あ る 。 発明 を 実施す る た め の 最良の 形態
こ こ で 、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル と は、 ( 1 ) グ リ コ ー ル 酸、 乳酸、 ヒ ド ロ キ シ プ チ ル カ ノレ ボ ン 酸な ど の よ う な ヒ ド ロ キ シ ァ ノレ キ ル 力 ノレ ボ ン 酸、 ( 2 ) グ リ コ リ ド 、 ラ ク
チ ド 、 プ チ ロ ラ ク ト ン 、 力 プ ロ ラ ク ト ン な ど の 脂肪族 ラ ク ト ン 、 ( 3 ) エ チ レ ン グ リ コ ー ル 、 プ ロ ピ レ ン グ リ コ ー ル 、 ブ タ ン ジ ォ ー ノレ、 へ キ サ ン ジ オ ー ル な ど の よ う な 脂肪族 ジ オ ー ル 、 ( 4 ) ジ エ チ レ ン グ リ コ ー ル、 ト リ ェ チ レ ン グ リ コ ー ル 、 エ チ レ ン / プ ロ ピ レ ン グ リ コ ー ル 、 ジ ヒ ド ロ キ シ ェ チ ノレ ブ タ ン な ど の よ う な ポ リ ア ル キ レ ン エ ー テ ル の オ リ ゴ マ ー 、 ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル 、 ポ リ プ ロ ピ レ ン グ リ コ ー ル、 ポ リ ブ チ レ ン エ ー テ ル な ど の ポ リ ア ル キ レ ン グ リ コ ー ル 、 ( 5 ) ポ リ プ ロ ピ レ ン カ ー ボ ネ ー 卜 、 ポ リ プ チ レ ン カ ー ボ ネ ー ト 、 ポ リ へ キ サ ン カ ー ボ ネ ー ト 、 ポ リ オ ク タ ン カ ー ボ ネ ー 卜 、 ポ リ デ カ ン カ ー ボ ネ ー ト な ど の ポ リ ア ノレ キ レ ン カ ー ボ ネ ー ト グ リ コ ー ル お よ び そ れ ら の オ リ ゴ マ ー 、 ( 6 ) コ ハ ク 酸、 ア ジ ピ ン 酸 、 ス ベ リ ン 酸、 ァ ゼ ラ イ ン 酸、 セ バ シ ン 酸 、 デ カ ン ジ カ ル ボ ン 酸 な ど の 脂肪族 ジ カ ル ボ ン 酸 な ど 、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の 製造原料 に 由 来 す る 成分 を 主成分 と し て 、 す な わ ち 5 0 重量 % 以上 (好 ま し く は 6 0 重量 % 以 上 、 さ ら に 好 ま し く は 7 0 重量%以上) 含有す る も の で あ っ て、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の ホ モ ポ リ マ ー 、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ノレ の ブ ロ ッ ク お よ び ラ ン ダ ム 共 重 合 ポ リ マ ー 、 お よ び月 肪族 ポ リ エ ス テ ル に 他 の 成分 、 た と え ば 芳 香 族 ポ リ エ ス テ ル 、 ポ リ エ ー テ ル 、 ポ リ カ ー ボ ネ ー ト 、 ポ リ ア ミ ド 、 ポ リ 尿素 、 ポ リ ウ レ タ ン 、 ポ リ オ ノレ ガ ノ シ ロ キ サ ン な ど を 5 0 重量 %以下 プ ロ ッ ク ま た は ラ ン ダ ム 共 重 合 し た も の お よ び ( ま た は ) 混合 し た も の を す ベ て 包 含 す る 。
脂肪族 ポ リ エ ス テ ル を 共重 合 や 混 合 に よ っ て 変性 す る 目 的 は 、 結 晶 性 の 低下、 融点 の 低下 ( 重 合温度 や 成型 温 度 の 低下 ) 、 摩擦係数、 柔钦性 や 弾性回 復 性 の 改良、 耐
熱性、 ガ ラ ス 転移温度や 熱収縮性の 低下 ま た は上昇、 染 色性、 親水性や撥水性の 改良、 分解性の 向上 ま た は抑制 な どが あ げ ら れ る 。
こ こ で 溶融時 の 吸熱量 (融解熱置) は 、 走査型示差熱 量計 (以下、 D S C と い う ) を用 い 、 充分 に 延伸、 熱処 理お よ び乾燥 し た 試料 に つ い て 、 試料重量約 1 0 m g 、 チ ッ 素中 、 昇温速度 1 0 °C 分の 条件で測定 し た も の で あ る 。 図 7 に 、 D S C 曲線を模式的 に 示す。 図 は ほ と ん ど結晶化 し て い な い 試料の 測定例 で、 1 9 は ガ ラ ス 転移 に よ る ベ ー ス ラ イ ン の 変ィヒを 示 し 、 2 0 は 測定時 の 加熱 に よ る 結 晶化の 発熱 ピ ー ク を 示 し 、 2 1 は結 晶 の 溶融 に よ る 吸熱 ピ ー ク を示す。 充分に結晶化 し て い る 試料で は、 発熱 ピ ー ク 2 0 は消失 し観測 さ れな い。 本発明 に お い て、 結晶 の 溶融 に よ る 吸熱 ピ ー ク 2 1 の極小値 ( 中心値) の 温度を 融点 と し 、 吸熱 ピ ー ク 2 1 の 全吸熱量 (積分値、 図 7 の斜線部 の 面積 に 比例す る ) を溶融時の 吸熱量 と す る 。 吸熱量の 単位 は 、 J Z g で あ る 。 混合物や ブ ロ ッ ク 共重合体 な ど で、 融点が複数存在す る ば あ い は 、 最 も 高 い も の を (本発 明 に お け る ) 融点 と す る 。 た だ し 、 最 も 高温の ピ ー ク の 溶融吸熱量が た と え ば 2 J Z g 程度以下 と 無視で き る 程小 さ く 、 そ れ よ り も 低温 に 溶融吸熱量が た と え ば 2 0 J Z g 以上の 大 き な 主 ピ ー ク が あ れ ば、 実 質的な融点 (ポ リ マ ーが極度に軟化、 流動開始す る 温度) は そ の 主 ピ ー ク と み な さ れ る ばあ い も あ る 。 ま た 溶融吸 熱量 は 、 すべて の 溶融吸熱 ピ ー ク の 合計 と す る 。
ま ず、 ( A ) 融点 1 0 0 °C 以上、 融解熱量 3 0 J Z g 以上の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル重合体 か ら な る 繊維成分 と 、 ( B ) 融点が 1 0 0 °C 以上で 融解熱量が重 合体 ( A ) の
そ れ よ り 5 J Z g 以上小 さ い 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル重合体 か ら な る 繊維成分 と か ら な る 繊維 ( I ) に つ い て説 明す る
こ の 繊維 ( I ) は 、 成分 ( A ) と 成分 ( B ) と が単繊 維内 で接合 さ れて い る 複合繊維 ( コ ン ジ ユ ゲ ー ト フ ア イ パ、 ) の 形態で あ っ て も よ く 、 あ る い は成分 ( A ) の繊維
( A ) と 成分 ( B ) の繊維 ( B ) と が混合 さ れ た 複合糸 の 形態で あ っ て も よ い。
本発明 の 複 合繊維 ( I ) は 、 溶融時の 吸熱量の 大 き い 重合体 ( A 1 ) と 溶融時の吸熱量の小 さ い重合体 ( B 1 ) と の 2 つ の 成分 ポ リ マ ー が複 合 (接合) さ れ て い る 。
重合体 ( A 1 ) は 、 結晶性が高 く 熱収縮性 の 小 さ な 成 分 で あ る 。 重合体 ( A 1 ) に 好適 な も の と し て は 、 結晶 性の ホ モ ポ リ マ ー お よ び、 そ れ に対 し て結 晶性を あ ま り 損 な わ な い 程度 に 少量 ( た と え ば 4 0 重量 % 程度以下、 特 に 3 0 重量%以下) の 第二成分や第三成分 を共重合お よ び ( ま た は) 混合 し た も の が あ げ ら れ る 。 本発明 の繊 維の 巻縮性、 強度、 耐熱性の 見地 か ら 、 重 合体 ( A 1 ) の 溶融 時 の 吸熱量 は 、 3 0 J Z g 以 上 が必 要 で あ り 、 3 5 J Z g 以上が好 ま し く 、 4 0 J Z g 以上が特 に 好 ま し い o 結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の ホ モ ポ リ マ ー の 溶融 吸 熱量 は 、 多 く の ば あ い 5 0 J Z g 前 後 で あ る 。 同 様 に 、 実用 的見地か ら 重合体 ( A 1 ) の 融点 は 、 1 0 0 °C 以上の必要が あ り 、 1 1 0 °C以上が好 ま し く 、 1 3 0 °C 以上が特 に 好 ま し く 、 1 4 0 °C以上が さ ら に 好 ま し く 、
5 0 °C以上が最 も 好 ま し い。
重合体 ( A 1 ) の 好 ま し い具体例 と し て は 、 ポ リ プ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト ( 融 点約 1 1 6 °C ) 、 ポ リ L — 乳 酸
( 同 1 7 5 °C ) 、 ポ リ D — 乳酸 ( 同 1 7 5 °C ) 、 ポ リ ヒ ド ロ キ シ プ チ レ ー ト ( 同 1 8 0 。C ) 、 ポ リ グ リ コ ー ル 酸 ( 同 2 3 0 °C ) な ど の ホ モ ポ リ マ ー 、 お よ び そ れ ら に 少 量 の 他成分 を 共重 合 ま た は 混 合 し た も の 、 お よ び そ れ ら の 混 合物 が あ げ ら れ る 。 ブ ロ ッ ク 共 重 合 で は 結晶 性 ゃ 融 点 の 変化 は 緩 や か で あ り 、 共重 合成分 の 比率 は 5 0 % 以 下、 特 に 1 〜 4 0 % 、 多 く の ば あ い 1 〜 3 0 % 力 好 ま し い 。 ラ ン ダ ム 共重 合 で は 結晶性 や 融点 の 変化 が顕著 で 、 共重 合成分 の 比率 は 0 . 5 〜 ; L 0 % 、 特 に 1 〜 5 % が好 ま し い 。 も ち ろ ん 、 共重合 に よ る 融点や結晶性の変化 は、 共重 合成 分 に よ っ て 大 き く 変 わ る の で 、 D S C に よ る 結 晶 の 溶 融 吸 熱量 と 融点 に 注意す る 必要 が あ る 。 他成 分 の 混 合 に よ る 融点 や 結 晶性 の 変 化 も 、 混 合成分 や 混 合率 に よ り か な り 変 わ る が 、 ラ ン ダ ム 共重 合 ほ ど 顕著 で な い こ と が 多 い 。 共重 合 や 混 合 に 用 い ら れ る 他 の 成分 の 使 用 量 は 、 本 発 明 の 目 的 を 損 な わ な い よ う に 前記 範 囲 か ら 選 ば れ る 。 他 の 成分 と し て は 、 た と え ば、 エ チ レ ン グ リ コ ー ル 、 オ ク タ ン ジ オ ー ル な ど の 脂 肪族 ダ リ コ ー ル と サ ク シ ン 酸、 デ カ ン ジ カ ル ボ ン 酸 な ど の 脂 肪族 ジ カ ル ボ ン 酸 と の ポ リ エ ス テ ル や ポ リ 力 プ ロ ラ ク ト ン な ど の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル 、 芳 香族 ポ リ エ ス テ ノレ 、 ポ リ エ ー テ ル 、 ポ リ 力 ー ボ ネ ー ト 、 ポ リ ア ミ ド 、 ポ リ 尿素、 ポ リ ウ レ タ ン 、 ポ リ オ ノレ ガ ノ シ ロ キ サ ン や こ れ ら の ポ リ マ ー の 原料 な ど が あ げ ら れ る 。
重 合体 ( B 1 ) は 、 結 晶 性 が低 く 熱収縮性 の 大 き い 成 分 で あ る 。 重合体 ( B 1 ) に 適 す る も の と し て は 、 共重 合や 混 合 に よ つ て 結 晶 の 溶融 吸 熱量 を 低下 さ せ た 脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル が あ げ ら れ る 。 重 合体 ( A 1 ) の 溶 融吸 熱
量 と 重 合 体 ( B 1 ) の 溶融 吸 熱量 の差 は 、 5 J Z g 以上 が必要 で あ り 、 強 い 巻縮 の た め に は 1 0 J Z g 以 上 が 好 ま し く 、 1 5 J g 以上 が特 に 好 ま し い 。 な お 5 J g は 、 結 晶 性 脂 肪 族 ホ モ ポ リ エ ス テ ル の 溶 融 吸 熱 量 の 約 1 0 % に 相 当 す る 。 す な わ ち 重 合体 ( B 1 ) の 結 晶 化度 は 、 重 合 体 ( A 1 ) の そ れ の 大 略 9 0 % 以下 で あ る 。
一般 に 、 大 き い 伸縮性 が必要 と さ れ る 編 み 物 な ど は 、 強 い 巻縮 が好 ま し い が、 織物 な ど に 柔 ら か さ 、 嵩 高性 や 好 ま し い 風 合 い を 与 え る た め に は 、 あ る 程度抑制 さ れ た 巻縮 が 好 ま し い ば あ い も あ り 、 使 用 目 的 に 応 じ て 、 重 合 体 ( B 1 ) を選ぶ こ と がで き る 。 ま た、 実用 的見地か ら 、 重 合体 ( B 1 ) の 融点 は 1 0 0 °C 以上 で あ る こ と が 必要 で あ り 、 1 1 0 °C 以上が 好 ま し く 、 1 3 0 °C 以上 が特 に 好 ま し く 、 1 3 5 °C 以上 が最 も 好 ま し い 。 こ の よ う な 比 較 的 融点 の 高 い も の と し て は 、 前記高 融点 ホ モ ポ リ マ ー を 主成分 ( 5 0 重量 % 以上) と す る 共 重 合体 ( ブ ロ ッ ク 共重 合体 、 ラ ン ダ ム 共重 合体 ) や 混 合体 が あ げ ら れ る 。 ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト 、 ポ リ 乳酸 、 ポ リ ヒ ド ロ キ シ プ チ レ ー ト 、 ポ リ グ リ コ ー ル 酸 な ど の 高融点 ホ モ ポ リ マ 一 と の 共重 合 や 混 合 に 用 い る 成分 は 、 前記脂肪族 ポ リ エ ス テ ル製造原 料 か ら 適 宜選 ぶ こ と が で き る 。
ホ モ ポ リ マ ー と の ブ ロ ッ ク 共 重 合 や 混 合成分 の 好 ま し い 具体例 と し て は 、 ガ ラ ス 転移点 が常 温以下、 特 に 0 °C 以下 の 脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル 、 た と え ば ポ リ 力 プ ロ ラ ク ト ン の ほか、 エ チ レ ン グ リ コ ー ル、 プ ロ ピ レ ン グ リ コ 一 ノレ、 ブ タ ン ジ ォ ー ノレ、 へキ サ ン ジ オ ー ル、 オ ク タ ン ジ オ ー ル、 ジ エ チ レ ン グ リ コ ー ノレ 、 ト リ エ チ レ ン ダ リ コ ー ル な ど の fl旨肪族 グ リ コ ー ル類 の 1 種以上 と サ ク シ ン 酸 、 ア ジ ピ ン
酸、 セ バ シ ン 酸、 オ ク タ ン ジ カ ル ボ ン 酸、 デ カ ン ジ 力 ル ボ ン 酸 な ど の 脂肪族 ジ カ ル ボ ン 酸 の 1 種以上 を 組 み 合 わ せ た ポ リ エ ス テ ル、 た と え ば ポ リ エ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト 、 ポ リ エ チ レ ン ア ジ ペ ー ト ポ リ ブ チ レ ン ア ジ ペ ー ト 、 ポ リ エ チ レ ン セ バ ゲ ー ト 、 ポ リ ブ チ レ ン セ バ ケ 一 ト な ど が あ げ ら れ る 。
体 ( B 1 ) は 、 前記 の よ う に 低結晶 性 で あ る 必 が あ る 。 結 晶性 低下 に 最 も 効 果 的 な 方 法 は 、 ラ ン ダ ム 共 重合で あ る 。 ラ ン ダ ム 共重合が容易 に可能な 例 と し て は L - 乳酸 Z D — 乳酸、 L ー ラ ク チ ド ( L L ラ ク チ ド ) D 一 ラ ク チ ド ( D D ラ ク チ ド 、 D L ラ ク チ ド ) 、 乳酸 グ リ ー ル 酸、 ラ ク チ ド Z グ リ コ リ ド 、 ラ ク チ ド Z 力 プ 口 ラ ク ト ン な ど 、 光学異性体、 異種 ヒ ド ロ キ シ カ ル ボ ン 酸 同 士 の 組 み 合 わ せ 、 異種 ラ ク ト ン 同 士 の 組 み 合 わ せ ま た は ヒ ド ロ キ シ カ ノレ ボ ン 酸 、 グ リ コ ー ル 、 ジ カ ル ボ ン 酸 な ど の 2 種 以上 を 共重 合 す る 方 法 な ど が あ げ ら れ る さ ら に 、 ラ ン ダ ム 共 重 合体 を 前記 ブ ロ ッ ク 共重 合体 ま た は 異 ポ リ マ ー と 混 合 し た も の も 好 ま し い 。 異種 ポ リ 一 と し て は 、 た と え ば芳香族 ポ リ エ ス テ ル 、 ポ リ エ 一 テ ル 、 ポ リ カ ー ボ ネ ー ト 、 ポ リ ア ミ ド 、 ポ リ 尿素、 ポ リ ゥ レ タ ン 、 ポ リ オ ゾレ ガ ノ シ ロ キ サ ン な ど が あ げ ら れ る 。
体 ( B 1 ) は 、 結 晶性 で な く て も よ い 。 非結 晶性 の ば あ い 、 融点 は 溶融 粘 度 が 1 0 万 ボ イ ズ に な る 温度 を 用 い る
体 ( A 1 ) と 重 合体 ( B 1 ) と の 複 合構造 は 、 偏 心的 で な く て は な ら な い 。 偏 心 的 と は 、 横断面 に お い て 重 合体 ( A 1 ) の 重心 と 重合体 ( B 1 ) の 重心 と がー 致 し な い 関係 を い う 。 両成 分 の 重心 が離 れ て い る ほ ど 、
心性が高 く 、 巻縮性が強い。 目 的 と す る 巻縮性 に応 じ て、 さ ま ざ ま な 偏心的複合構造 を選ぶ こ と がで き る 。
図 1 A 〜 1 G は、 本発明 の 好 ま し い 複合構造の 具体例 を示す複合繊維の 横断面で あ る 。 図 に お い て、 1 は 重合 体 ( A 1 ) を 、 2 は 重 合体 ( B 1 ) を 、 3 は 中 空部 を そ れ ぞ れ示す。 図 1 A は 並列型で偏心性が高 い 例 で あ り 、 図 1 B は 偏心の 芯鞘型で偏心性が低 い 例 で あ り 、 図 1 C は鍵穴型、 図 1 D は偏心 2 芯型、 図 1 E は非円形並列型、 図 1 F は 中空並列型、 図 1 G は 3 層並列型の 複合繊維を 示す。 図 1 A 〜 1 G 以外 の ど の よ う な 複合構造で も 、 両 成分が偏心的 に 配 置 さ れて い る も の は、 本発 明 に 応用 す る こ と がで き る 。 ま た重合体 ( A 1 ) と 重合体 ( B 1 ) の ほ か に 、 第三の 成分 を 複合す る こ と も で き る 。 た と え ば、 図 1 F の 中空部に第三の ポ リ マ ー を配置 し て も よ い。
重合体 ( A 1 ) と 重合体 ( B 1 ) と の 複合比率 (断面 積比) は、 特 に 限定 さ れず、 目 的 に 応 じ て任意 に 選択す れば よ い 。 通常、 図 1 A の よ う に 複合比力 1 / 1 の と き に 巻縮性が最 も 強 く 、 複合比が 1 Z 1 よ り 遠 ざ か る ほ ど 巻縮性が弱 い 。 多 く の ば あ い 、 複合比 は 1 Z 1 0 〜 1 0 1 の 範囲、 特 に 1 Z 5 〜 5 Z 1 の 範囲が好 ま し く 、 1 Z 3 〜 3 Z 1 の 範囲が最 も 好 ま し い。
繊維 と し た と き の 重合体 ( A 1 ) と 重合体 ( B 1 ) と の 収縮率の 差 は 、 特 に 限定 さ れ な い が、 通常 3 %以上、 特 に 5 〜 7 0 %が好 ま し く 、 1 0 〜 5 0 %程度 の 範囲が 最 も 好 ま し い 。
重合体 ( A 1 ) と 重合体 ( B 1 ) と は 、 相互接着性が 高 い こ と が好 ま し い ばあ い が多 い が、 接着性 が乏 し く て も 芯鞘型 と す れ ば剥離 を 防 ぐ こ と がで き る 。 ま た 、 た と
え ば接着性の 弱 い も の を並列型 な ど に 複合 し 、 編織物 な ど に し た の ち 、 両成分 を剥離 さ せ て、 非 円 形断面で細 く 柔 ら かい繊維の製品を う る こ と も で き る 。 こ の ばあ い も、 両成分の 収縮性 の 差 に よ る 異収縮混繊効果が、 製品 に 好 ま し い風合を 与え る 。
本発明 の 複合繊維 ( I ) の 断面 は、 円 形、 長 円形、 ひ よ う た ん 形、 多 角 形、 多葉形、 ア ル フ ァ べ ッ ト 形 そ の 他 各種 の 非 円 形 (異形) 、 中空形 な ど任意 に 選ぶ こ と がで き る 。 繊度 も 同様に使用 目 的に応 じ て任意に選ばれ る が、 通常の衣料用 に は、 単糸繊度 0 . 1 〜 5 0 デニ ー ル ( d ) 程度 の 範囲、 特 に 0 . 5 〜 3 0 d の 範囲が好 ま し く 用 い ら れ る 。 不織布、 皮革、 資材用 な ど に は も つ と 細 い も の や太 い も の も 用 い ら れ る 。
本発明の複合繊維は、 重合体 ( A 1 ) と 重合体 ( B 1 ) と を 、 溶融、 湿式、 乾式、 乾湿式 そ の 他の 方法で複合紡 糸 し て製造す る こ と がで き る が、 特 に 溶融紡糸 は能率が 高 く 好 ま し い 。 溶融紡糸 は、 巻取速度 5 0 0 〜 2 0 0 0 m Z分の 低速紡糸、 巻取速度 2 0 0 0 〜 5 0 0 O m Z分 の 高速紡糸、 巻取速度 5 0 0 O m Z分以上 の 超高速紡糸 が可能で あ り 、 必要 に 応 じ て 延伸や熱処理 を す る こ と が で き る 。 一般 に 低速紡糸 で は 3 〜 6 倍程度、 高速紡糸 で は 1 . 5 〜 2 . 5 倍程度 の 延伸 を行 な い 、 超高速紡糸 で は延伸不要 ま た は 2 倍程度以下の 延伸 を行 な う こ と が多 い。 紡糸 と 延伸 を連続 し て行 な う い わ ゆ る ス ピ ン ド ロ ー 方式 も 好 ま し く 採用 で き る 。
ま た 、 重合体 ( A 1 ) と 重合体 ( B 1 ) と を 複合 し 、 オ リ フ ィ ス よ り 紡 出 す る と 同 時 に 不織布化す る メ ル ト ブ ロ ー 法、 フ ラ ッ シ ュ 紡糸 法、 ス パ ン ボ ン ド 法な ど の 方法
を 採用 す る こ と も で き る 。
本発明 の 複合繊維 は 、 連続 フ ィ ラ メ ン ト 、 モ ノ フ ィ ラ メ ン 卜 、 マ ル チ フ ィ ラ メ ン ト 、 切断 し た ス テ ー ブ ル な ど、 使用 目 的 に応 じ て任意の形態 と す る こ と がで き る 。 ま た、 繊維や 糸 の 製造工程中 で、 ま た は 編物、 織物、 不織布 な ど の 繊維構造物 に し た の ち に 、 加熱ゃ 膨潤 な ど で収縮 さ せ て、 自 発巻縮 さ せ る こ と がで き る 。 も ち ろ ん 、 必要 に 応 じ 糸状 で仮撚ゃ押込み 法 な ど で、 機械的 に 巻縮 を付与 し た の ち 、 加熱 し て 自 発巻縮 さ せ る こ と も で き る 。 た と え ば染色仕上 げ工程で、 自 発巻縮 さ せ る こ と が広 く 行 な わ れ る 。 加熱 は乾熱、 湿熱、 赤外線 そ の 他任意の 手段 で 行 な う 。 一般 に 自 発巻縮 は 、 弛緩状態で 行 な う こ と が多 いが、 過度な緊張を加えて巻縮を制御す る こ と がで き る 。 必要 な 巻縮 の 強 さ は使用 目 的 に よ っ て異 な り 、 特 に 限定 さ れ な い が、 多 く の ば あ い 、 巻縮伸張率 は 5 0 % 以上が 好 ま し く 、 1 0 0 %以上が特 に 好 ま し く 、 1 5 0 %以上 が最 も 好 ま し く 、 1 0 0 〜 6 0 0 %程度 が最 も 広 く 用 い ら れ る 。
本発明 の 複 合糸 ( I ) は 、 溶融時 の 吸熱量の 大 き い 重 合体 ( A 1 ) か ら な る 繊維 ( A ) と 、 溶融時 の 吸熱量 の 小 さ い 重 合体 ( B 1 ) か ら な る 繊維 ( B ) と が混合 さ れ た繊維間複 合体で あ る 。
本発明 の 複合糸 の 具体例 と し て は 、 複数種の 連続 フ ィ ラ メ ン ト が混合 さ れ て い る 混合 フ ィ ラ メ ン ト (以下 「混 繊糸」 と い う ) 、 連続 フ ィ ラ メ ン ト と ス テ ー ブ ル と が複 合 さ れ た 「長 Z短複合糸」 、 お よ び複数種の ス テ ー ブル が混合 さ れ紡績 さ れ た 「混紡糸」 の 3 つ が代表 的 な も の で あ る 。 従来、 こ れ ら の繊維間複合 (混合) 体に お い て、
収縮性 の 異 な る 繊維を 組合 わ せ る と 、 嵩高性ゃ 柔钦性 に 優れた編織物な どの製品がえ ら れ る こ と は知 ら れて い る 。 し か し 、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル繊維 で は 、 収縮性 を 制御す る 方法 は 未 だ ほ と ん ど知 ら れ て お ら ず、 ま し て収縮性の 異 な る 繊維 を複合す る こ と や 、 そ れ を用 い て織物や編み 物の 品質を 改良 す る こ と は、 全 く 知 ら れて い な い 。 本発 明者 ら は、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル繊維 の 織編物な ど の 品質 の 改良 に つ い て鋭意研究 し 、 溶融時の 吸熱量 の 大 き い 重 合体 ( A 1 ) か ら な る 繊維 ( A ) は 、 加熱時の 収縮性が 小 さ く 、 他方、 溶融時 の 吸熱量 の 小 さ い 重合体 ( B 1 ) か ら な る 繊維 ( B ) は 、 加熱時の 収縮性を 大 き く す る こ と が可能で あ り 、 両者を組合 わ せ る こ と に よ り 優れ た繊 維構造物が え ら れ る こ と を 見 出 し た。 特 に 、 繊維 ( A ) と ( B ) の 収縮率の 差 に よ り 、 優れ た風合 い の 製品がえ ら れ る 。
複合糸 ( I ) の 繊維 ( A ) を構成す る 重合体 は 、 溶融 吸熱量が大 き く 熱収縮性の 小 さ な 成分 で あ り 、 前記重合 体 ( A 1 ) と 同 じ も の が用 い ら れ る 。
複合糸 ( I ) の 繊維 ( B ) を構成す る 重合体 は 、 低結 晶性で溶融吸熱量が小 さ く 熱収縮性の大 き い成分であ り 、 前記 重 合体 ( B 1 ) と 同 じ も の が 用 い ら れ る 。 重 合 体 ( A 1 ) の 溶融吸熱量 と 重合体 ( B 1 ) の 溶融吸熱量 の 差 は 、 充分 な 収縮率の 差 に よ る 良 い 風合 い の 製品を う る た め に、 5 J Z g 以上が必要で あ り 、 1 0 J Z g 以上が 好 ま し く 、 1 5 J Z g 以上が特 に 好 ま し く 、 2 0 J Z g 以上が最 も 好 ま し い。 一般 に 、 大 き い 嵩高性、 伸縮性、 柔钦性が必要 と さ れ る 編織物 な ど は、 収縮率差 の 大 き い (た と え ば 2 0 〜 5 0 % ) 組合わ せ が好 ま し い が、 あ る
程度抑制 さ れ た嵩高性 や好 ま し い風合 い を与え る た め に は、 小 さ め の 収縮率差 ( 5 〜 2 0 % ) が好 ま し い こ と も あ り 、 使用 目 的 に 応 じ て、 重合体 ( B 1 ) を選ぶ こ と が で き る 。 ま た 、 実用 的見地か ら 、 重合体 ( B 1 ) の 融点 は 1 0 0 °C以上で あ る こ と が必要で あ り 、 1 1 0 °C以上 が好 ま し く 、 1 3 0 °C以上が特 に好 ま し く 、 1 3 5 °C以 上が最 も 好 ま し い。
重合体 ( A 1 ) と 重合体 ( B 1 ) と は 、 そ れ ぞ れ別 々 に 繊維化 さ れ、 必要 に 応 じ て 延伸 、 熱処理な ど に よ り 分 子配向 さ れ、 繊維 ( A ) およ び繊維 ( B ) が製造 さ れ る 。 繊維 ( A ) お よ び繊維 ( B ) は 、 色 々 な 手段 で混合 さ れ て本発明 の 複合糸 (繊維混合体) がえ ら れ る 。 混合方法 は 、 特 に 限定 さ れ な い が、 繊維 ( A ) お よ び繊維 ( B ) が共 に フ ィ ラ メ ン 卜 の ば あ い、 同一 ま た は近接す る 紡糸 口 金 か ら 同時 に 紡糸 し 巻取 る 紡糸混繊、 別 々 に 紡糸後ェ ァ ノ ズ ル な ど を 応用 す る エ ア 混繊、 単 な る 合糸、 合撚、 混繊仮撚 (複合仮撚) な どの方法が好ま し く 用 い ら れ る 。 繊維 ( A ) お よ び繊維 ( B ) の 一方力く フ ィ ラ メ ン ト で他 方が ス テ ー ブル の ば あ い は、 紡績工程 に フ ィ ラ メ ン ト を 供給す る い わ ゆ る コ ア ス ピニ ン グ法が応用 さ れ る 。 繊維 ( A ) お よ び繊維 ( B ) が共 に ス テ ー ブ ル の ば あ い 、 通 常の 混合綿、 混合 ス ラ イ バ ー 、 混合 ゥ ュ プ な ど の 方法で 混紡糸が容易 に え ら れ る 。
図 2 A 〜 2 F は、 混繊糸、 コ ア ス パ ン 糸 (長 Z単複合 糸) お よ び混紡糸 の 具体例 を示す横断面図で あ る 。 図 に お いて、 4 は繊維 ( A ) を示 し、 5 は繊維 ( B ) を示 し、 6 は そ の 他 の 繊維 ( C ) を示す。 図 2 A は 、 円形断面の 繊維 ( A ) 1 2 本 と 、 円形断面の 繊維 ( B ) 1 2 本が比
較的均一 に 混合 さ れて い る 例 、 図 2 B は、 円 形断面の 繊 維 ( A ) 1 2 本 と 、 円形断面 の 繊維 ( B ) 1 2 本が偏心 的 ( そ れ ぞれの 重心が離れ て い る 状態) に 配置 さ れて い る 例、 図 2 C は、 円形断面の繊維 ( B ) 1 0 本が内部に、 円形断面 の 繊維 ( A ) 1 4 本が外部 に 同心的 に 配置 さ れ て い る 例 で あ る 。 図 2 D は、 円 形断面 の 繊維 ( B ) 1 2 本 と 、 三角 断面 の繊維 ( A ) 1 5 本 と が、 ほ ぼ均一 に 混 合 さ れて い る 例、 図 2 E は、 やや太い繊維 ( B ) 6 本 と 、 や や 細 い 三角 断面の繊維 ( A ) 1 5 本が芯鞘型 に 配置 さ れて い る 例、 図 2 F は、 や や 太 い繊維 ( B ) 4 本 と 、 細 い 三角 断面 の 繊維 ( A ) 1 2 本、 さ ら に そ れ ら と は別 の 円形断面の繊維 ( C ) 1 2 本が混合 さ れて い る 例であ る 。
本発 明 に お い て 、 繊維の 断面形状、 繊度、 繊維 ( A ) と 繊維 ( B ) と の 混合比率 (重量比) な ど は 、 特 に 限定 さ れず任意に選ぶ こ と がで き る 。 繊維 ( A ) と 繊維 ( B ) と の 混合比率 は 、 目 的 と す る 製品 に よ っ て選 ば れ る が、 1 0 Z 1 〜 : L Z 1 0 、 好 ま し く は 5 1 〜 ; L Z 5 、 さ ら に 好 ま し く は 3 Ζ 1 〜 1 / 3 、 と く に 好 ま し く は 2 / 1 〜 1 Z 2 で あ る 。 繊維 ( A ) と 繊維 ( B ) と の 複合 (混 合) 状態 も 限定 さ れ な い が、 図 2 A に 示す よ う に 両者が 均一 かつ ラ ン ダ ム に 分散 さ れ た も の 、 図 2 B に 示す よ う な 偏心的配置、 図 2 C に 示 す よ う な 芯鞘 ま た は 同心的配 置 の 3 種 は、 基本 的 かつ 好 ま し い こ と が多 く 、 広 く 用 い ら れ る 。 ま た、 図 2 F の よ う に 別 の繊維 ( C ) を混合 し て も よ い 。 繊維 ( C ) と し て は、 自 然分解性 の 羊毛、 綿 お よ び脂肪族 ポ リ エ ス テ ル繊維 な どが特 に 好 ま し い。
従来、 特 に 柔軟性 を 必要 と す る ド レ ス 、 プ ラ ウ ス 、 下 着、 裏地、 コ ー ト そ の ほ か の 薄地 ま た は 中 肉 の織編物な
ど で は 、 染色仕上げ加工工程 に お い て 、 ポ リ エ ス テ ル繊 維力、 ら な る 布を 強 ア ル カ リ (水酸化 ナ ト リ ウ ム の 水溶液 な ど) で処理 し 、 ポ リ マ ー の一部 (た と え ば 5 〜 5 0 %、 特 に 1 0 〜 3 0 % ) を分解除去す る ア ル カ リ 減量加工が 広 く 行 な わ れて い る 。 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル繊維 も ア ル 力 リ 減量加工可能で あ る 。 し か し 、 一般 に 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル繊維 は ア ル カ リ に極 め て 敏感 で あ り 、 従来 の 芳香族 ポ リ エ ス テ ル繊維 に 比べ、 よ り マ イ ノレ ド な 条件 (低 ア ル カ リ 濃度 、 低 p H、 低温 な ど) で行 な う 。 本発明 の 複合 糸 を使用 し た編織物の ア ルカ リ 減量加工で は、 繊維 ( B ) は繊維 ( A ) に比べ て ア ル カ リ 減量速度が大 き い 傾向 が あ る 。 し た 力 つ て、 ア ル カ リ 減量が予定 さ れ て い る ば あ い 、 繊維 ( B ) は、 そ の 減量速度 に 応 じ て繊維 ( A ) よ り も 単糸 (平均) 繊度 を 大 き く 、 た と え ば 1 0 %以上、 特 に 2 0 〜 4 0 0 % ( 5 倍) 程度大 き く し て お く こ と が 望 ま し い 。 同様 な 目 的 の 別の 方法 と し て は、 繊維 ( B ) を 単位重量当 た り の 表面積が小 さ い 円 形 ま た は そ れ に 類 似す る 断面 と し 、 繊維 ( A ) を そ れ よ り も 1 0 %以上、 特 に 2 0 〜 4 0 0 % ( 5 倍) 程度表面積の 大 き な 多 角 形 や 多葉形 と す る こ と があ げ ら れ、 ア ル カ リ 減量加工後 に 繊維 ( A ) お よ び ( B ) が、 そ れ ぞれ適切 な 繊度 お よ び 混合比率 と な る よ う に 配慮す る こ と が好 ま し い 。 も ち ろ ん前記 2 つ の方法を併用 す る こ と も で き る 。 し か し 、 ァ ノレ カ リ 減量加工 を す る ば あ い 、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル繊維 の ア ル カ リ 減量加工 は 、 ア ル カ リ の 消費量が少 な く 、 生 成す る 分解物 (乳酸な ど) は 容易 に 生物 に よ り 分解 さ れ る の で 、 環境へ の 悪影響が極め て 少 な い と い う 大 き な 利 点 が あ る 。
繊維 ( A ) と 繊維 ( B ) と の 沸騰水収縮率 ( 1 0 0 °C 沸騰水 中 、 無荷重で 1 0 分間処理 し 、 常温室 内 で 自 然乾 燥 し た と き ) の 差 は、 特 に 限定 さ れな い が、 通常 3 %以 上、 特 に 5 〜 5 0 %程度が好 ま し く 、 1 0 〜 4 0 %程度 の 範囲が最 も 広 く 用 い ら れ る 。 し た 力く つ て 、 繊維 ( A ) の 沸騰水収縮率 は 1 5 % 以下が好 ま し く 、 1 0 % 以下が 特 に 好 ま し い 。 他方、 繊維 ( B ) の 沸騰水収縮率 は 1 5 % 以上が好 ま し く 、 2 0 %以上が特 に 好 ま し く 、 3 0 〜 6 0 %程度 の 範囲が広 く 用 い ら れ る 。
繊維 ( A ) と 繊維 ( B ) の 断面 は 、 円形、 長 円 形、 ひ よ う た ん 形、 多 角 形、 多葉形、 ア ル フ ァ べ ッ ト 形 そ の 他 各種 の 非 円形 (異形) 、 中空形 な ど任意 に 選ぶ こ と がで き る 。 繊度 も 同様に使用 目 的に応 じ て任意に選ばれ る が、 通常の衣料用 に は、 単糸繊度 0 . l 〜 5 0 d程度の 範囲、 特 に 0 . 5 〜 3 0 d の 範囲が好 ま し く 、 l 〜 2 0 d の 範 囲が広 く 用 い ら れ る 。 不織布、 皮革、 資材用 な ど に は も つ と 細 い も の や太 い も の も 用 い ら れ る 。 繊維 ( A ) と 繊 維 ( B ) は 、 そ れ ぞれ断面、 繊度、 収縮率の 異 な る 2 種 以上の も の を 混合 し た も の で も よ い。
本発 明 の 複 合糸 ( I ) は 、 重 合体 ( A 1 ) お よ び 重 合体 ( B 1 ) を 用 い 、 溶融 、 湿式 、 乾式 、 乾 湿 式 そ の 他 の 方 法 で 紡 糸 し て 製 造す る こ と が で き る が 、 特 に 溶 融紡糸 は 能 率 が 高 く 好 ま し い 。 溶 融紡 糸 は 、 巻 取 速 度 5 0 0 〜 2 0 0 0 m Z分の 低速紡糸、 巻取速度 2 0 0 0 - 5 0 0 O m Z分の 高速紡糸 、 巻取速度 5 0 0 O m /分 以上 の 超高速紡糸 が可能で あ り 、 さ ら に 必要 に 応 じ て延 伸や熱処理を す る こ と がで き る 。 一般 に 低速紡糸 で は 3 〜 8 倍程度、 高速紡糸 で は 1 . 5 〜 3 倍程度 の 延伸 を 行
な い 、 超高速紡糸 で は 延伸不要 ま た は 2 倍程度以下 の 延 伸 を行 な う こ と が多 い 。 紡糸 と 延伸 を 連続 し て行な う い わ ゆ る ス ピ ン ド ロ ー 方式 も 好 ま し く 応用 で き る 。 ま た、 延伸 を比較的低 い 倍率 で行 な い 、 低温で熱処理 し た繊維 で、 あ と で高温の 加熱 に よ り 結晶化 お よ び配 向 が進行 し 繊維が伸長す る 特異 な 「 自 己伸長糸」 を 、 繊維 ( A ) に 好 ま し く 用 い る こ と も で き る 。
本発明の複合糸 は、 連続 フ ィ ラ メ ン ト 混繊糸、 合撚糸、 複合仮撚糸、 混紡糸 お よ び そ れ ら に 類似す る も の な ど、 使用 目 的 に 応 じ て任意の 形態 と す る こ と がで き 、 そ れ ら を用 い て編物、 織物、 不織布 そ の 他の 繊維構造物 を 製造 す る こ と がで き る 。 そ れ ら の 製造工程や加工工程の な か で、 ま た 製造後 に 適宜加熱 ま た は膨潤す る こ と に よ り 、 繊維 ( A ) と 繊維 ( B ) と の あ い だ に 収縮率 の 差 を 生 じ さ せ 、 製品 に 好 ま し い 嵩高性、 柔軟性、 伸縮性、 風合い を与 え る こ と がで き る 。 加熱 は乾熱、 湿熱、 赤外線、 そ れ ら の併用 そ の 他任意で あ る 。 膨潤 は 溶剤、 膨潤剤 や水 を用 い る 。 も ち ろ ん 、 必要 に 応 じ 糸 状で仮撚 ゃ押込み法 な ど で、 機械的 に 巻縮を 付与 し た の ち 、 加熱 し て収縮 さ せ る こ と も で き る 。 ま た、 た と え ば織物や編 み物の 染色 仕上 げ工程で、 加熱収縮 さ せ る こ と が広 く 行 な わ れ る 。 一般 に収縮処理 は 、 弛緩状態で行 な う こ と が多 い が、 適 度 な 緊張 を加え て収縮を制御す る こ と がで き る 。
つ ぎに 、 ( A ) 融点が 1 4 0 °C以上の 結晶性脂肪族ポ リ エ ス テ ル重合体か ら な る 繊維成分 お よ び ( B ) 融点が
1 1 0 で 以上で あ る 結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル か ら な る 成分 ( H ) と 、 融点力 1 2 0 °C以下で あ っ て 、 かつ 前記 重合体 ( A ) よ り 融点が 1 0 °C 以上低 い 結晶性脂肪族 ポ
リ エ ス テ ル ま た は ガ ラ ス 転移点力《 3 0 °C以下の 非結晶性 脂肪族 ポ リ エ ス テ ルか ら な る 成分 ( S ) と の 組合せ か ら な る 繊維成分 か ら な る 繊維 ( Π ) に つ い て説明 す る 。
こ の 繊維 ( Π ) は、 成分 ( A ) と ( B ) と が単繊維内 で接合 さ れて い る 複合繊維の形態で あ っ て も よ く 、 あ る い は 分子配向 さ れ た 各成分の 繊維 ( A ) と ( B ) と が混 合 さ れ た 複 合糸 の 形態で あ っ て も よ い。 ま た 、 繊維成分 ( B ) に お け る 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル成分 ( H ) と ( S ) は 、 両成分が結合 し た ブ ロ ッ ク 共重合体の 形態で あ っ て も よ く 、 あ る い は両成分の混合物の形態であ っ て も よ い。
繊維 ( Π ) に お け る 繊維成分 ( A ) は、 熱収縮性の 小 さ な 成分 で あ り 、 繊維成分 ( A ) に 用 い ら れ る 結晶性脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル重合体 ( A 2 ) の 融点 は、 1 4 0 °C以 上で あ る こ と が必要で あ り 、 1 5 0 °C以上が好 ま し く 、 1 6 0 °C以上力く さ ら に 好 ま し く 、 1 7 0 C以上力く と く に 好 ま し い。 ま た そ の溶融吸熱量は大 き い こ と が好ま し く 、 2 0 J Z g 以上、 さ ら に は 3 0 J Z g 以上、 特 に は 4 0 J / g 以上であ る こ と が好ま し い。 こ の よ う な高結晶性、 高融点の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の 例 と し て は 、 ポ リ L — 乳 酸 (融点約 1 7 5 °C ) 、 ポ リ D — 乳酸 ( 同 1 7 5 で) 、 ポ リ 3 — ヒ ド ロ キ シ プ チ レ ー ト (同 1 8 0 。C ) 、 ポ リ グ リ コ 一 ノレ酸 ( 同 2 3 0 。C ) な ど の ホ モ ポ リ マ 一 、 お よ び そ れ ら に 少量 ( 5 0 重量%以下、 さ ら に は 4 0 重量% 以 上、 と く に 3 0 重量%以下) の 他成分 を共重合 ま た は混 合 し た も の が あ げ ら れ る 。 重合体 ( A 2 ) の 重量平均分 子量 は 、 特 に 限定 さ れ な い が、 実用 性 の 見地 か ら 、 5 万 以上、 な かんづ く 7 万〜 3 0 万、 さ ら に は 8 万〜 3 0 万、 特 に は 8 万 〜 2 0 万、 さ ら に 特 に は 1 0 万〜 2 0 万が好
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25 ま し い 。
一般 に 、 ブ ロ ッ ク 共 重 合 で は 結 晶性 や 融点 の 変化 は 緩 や か で あ り 、 重 合 体 ( A 2 ) 中 の 共 重 合 成 分 の 比 率 は ;! 〜 5 0 重量 % 、 さ ら に は 1 〜 4 0 重量 % 、 特 に は ;! 〜 3 0 重量 % と す る こ と が で き る が 、 ラ ン ダ ム 共重 合 で は 結 晶 性 や 融 点 の 変 化 が 顕 著 で 、 共 重 合 成 分 の 比 率 は 0 . 5 〜 2 0 重量 % 、 さ ら に は 0 . 5 〜 : 1 0 重量 % 、 特 に は 1 〜 1 0 重量 % 、 さ ら に 特 に は 1 〜 5 重量 % が好 ま し い こ と が 多 い 。 も ち ろ ん 、 共重 合 に よ る 融点 や 結 晶性 の 変ィヒ は 、 共重 合成 分 に よ っ て 大 き く 変 わ る の で 、 D S C に よ る 結 晶 の 溶 融 吸熱量 お よ び 融点 に 注 意 す る 必要 が あ る 。 他 成 分 の 混 合 に よ る 融点 や 結 晶 性 の 変化 も 、 混 合 成分 や 混 合 率 に よ り 相 当 変 わ る が 、 ラ ン ダ ム 共重 合 ほ ど 顕著 で な い こ と が 多 い 。 前記 ホ モ ポ リ マ ー と の 共重 合 ま た は ブ レ ン ド に 用 い ら れ る 他の 成分 と し て は、 た と え ば、 エ チ レ ン ダ リ コ ー ノレ、 オ ク タ ン ジ オ ー ル な ど の 脂肪族 グ リ コ ー ル と サ ク シ ン 酸、 デ カ ン ジ カ ル ボ ン 酸 な ど の 脂肪 族 ジ カ ル ボ ン 酸 と の ポ リ エ ス テ ル や ポ リ 力 プ ロ ラ ク ト ン な どの前記の ご と き 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル や そ れ ら の 原料、 芳香族 ポ リ エ ス テ ル、 ポ リ エ ー テ ル、 ポ リ カ ー ボネ ー ト 、 ポ リ ア ミ ド 、 ポ リ 尿素、 ポ リ ウ レ タ ン 、 ポ リ オ ル ガ ノ シ ロ キ サ ン な ど が あ げ ら れ る 。
繊維 ( Π ) の 好 ま し い 態 様 の 1 つ は 、 ( A 2 ) 融点 1 4 0 °C以 上 かつ 溶融時 の 吸熱量 が 2 0 J / g 以上 の 結 晶 性 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル 重合体 か ら な る 繊維成分 と 、 ( B 2 ) 融点 が 1 0 °C以上異 な る 少 な く と も 2 種 の 脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル の ブ ロ ッ ク 共 重 合体 お よ び ( ま た は ) 混合体 で あ り 、 か つ 融点 1 1 0 °C以上、 溶融 吸熱量 3 J Z g 以
上の 高融点成分 ( H ) を 9 5 〜 1 0 重量 %、 お よ び融点 4 0 〜 1 2 0 °C 溶融吸熱量 3 J Z g以上の 低融点成分 ( S ) を 5 〜 9 0 重量 % 含 む ブ ロ ッ ク 共重 合体 お よ び ( ま た は ) 混合体か ら な る 繊維成分 と か ら な る 繊維 ( Π a ) で あ る 。
こ の 繊維 ( H a ) は 、 成分 ( A 2 ) と ( B 2 ) を単繊 維内 で接合 し て複合繊維 に形成 し て も よ く 、 あ る い は各 成分 の 繊維 ( A 2 ) と ( B 2 ) を混合 し て複 合糸 に 形成 し て も よ い が、 ま ず複 合糸 を製造す る ば あ い に つ い て説 明 す る 。
本発 明 の 複 合糸 ( n a ) は 、 融点 1 4 0 °C以上、 溶融 時の 吸熱量 2 0 J Z g以上で結晶性が高 い 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル重合体 ( A 2 ) か ら な る 低収縮性繊維 ( A 2 ) と 、 融点 1 1 0 °C以上の 高融点成分 ( H ) お よ び融点 4 0 〜 1 2 0 °C の 低融点成分 ( S ) を 含有す る 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) か ら な る 高収縮性繊維 ( B 2 ) と が混合 さ れ た 繊維間複 合体 で あ る 。 本発明の 複合糸 の 具体例 と し て は 、 複数種 の 連続 フ ィ ラ メ ン 卜 が混合 さ れ て い る 混合 フ ィ ラ メ ン ト (混繊糸) 、 連続 フ ィ ラ メ ン ト と ス テ ー プ ル と が複合 さ れ た 「長 Z短複合糸」 、 お よ び複数種 の ス テ ー ブルが混合 さ れ紡績 さ れ た 「混紡糸」 の 3 つ が代表 的 な も の で あ る 。
複合糸 ( D a ) に お い て、 重合体 ( A 2 ) は、 融点お よ び溶融吸熱量が高 く 、 熱収縮性 の 小 さ な成分で あ る 。 重合体 ( A 2 ) に好適 な も の と し て は、 結晶性の ホ モ ポ リ マ ー お よ び、 そ れ に対 し て結晶性を あ ま り 損 な わ な い 程度 に 少量 ( た と え ば 4 0 重量% 以下、 特 に 3 0 重量% 以下) の 第二成分や 第三成分 を 共重合 お よ び ( ま た は)
混合 し た も のがあ げ ら れ る 。 本発明の繊維混合体 ( Π a ) の 、 強度、 耐熱性 お よ び製品 の風合 い の 見地か ら 、 重合 体 ( A 2 ) の 溶融時 の 吸熱量 は、 2 0 J Z g 以上が必要 で あ り 、 3 0 J Z g 以上が好 ま し く 、 4 0 J / g 以上が 特 に 好 ま し い 。 結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の ホ モ ポ リ マ 一 の 溶融吸熱量 は 、 多 く の ば あ い 5 0 J Z g前後 ま た は そ れ以上 で あ る 。
脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) は、 融点が 1 0 °C以上異 な る 少な く と も 2 種の脂肪族ポ リ エ ス テ ル ( H ) と ( S ) と の ブ ロ ッ ク 共重合体 お よ び ( ま た は) 混 合体で あ り 、 融点が 1 1 0 °C以上の 高融点成分 ( H ) と 、 融点が 4 0 〜 1 2 0 で の 低融点成分 ( S ) と を そ れ ぞれ 9 5 〜 : L 0 重量% お よ び 5 〜 9 0 重量%含む も の で あ る 。 成分 ( H ) は脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) の 耐熱性 を維持す る た め の も の で 、 融点 は 1 1 0 °C以上の 必要が あ り 、 1 2 0 °C 以上 が好 ま し く 、 1 4 0 °C 以上 が特 に 好 ま し い 。 成 分 ( H ) の 重量比率 は、 9 5 〜 : L 0 %の 範囲で あ り 、 8 5 〜 2 0 % の 範囲力く好 ま し く 、 7 5 〜 3 0 %の 範囲力く さ ら に好ま し い。 脂肪族ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) 中の成分 ( H ) の 溶融吸熱量 は 、 3 J Z g 以上が必要で あ り 、 5 J Z g 以 上 が好 ま し く 、 1 0 J / g 以上 が さ ら に 好 ま し く 、 1 0 〜 5 0 J Z g 程度 の 範囲が特 に 好 ま し い 。
脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) 中の 成分 ( S ) は 、 該重 合体 ( B 2 ) か ら な る 繊維 ( B 2 ) の 熱収縮性 に 大 き く 寄与す る も の で 、 融点 は 4 0 〜 ; 1 2 0 °C の 範囲で あ る 必 要力 あ り 、 5 0 〜 1 1 0 °Cが好 ま し く 、 6 0 〜 1 0 0 °C の 範囲力く さ ら に 好 ま し い。 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) 中 の 成 分 ( S ) の 比 率 は 5 〜 9 0 重量 % 、 好 ま し く は 1 5 〜
8 0 重量%、 さ ら に好 ま し く は 2 5 〜 7 0 重量%であ る。 成分 ( S ) の 融点 は 、 成分 ( H ) の 融点 よ り も 少な く と も 1 0 °C低 い 必要が あ り 、 そ の 融点差 は 2 0 °C以上が 好 ま し く 、 3 0 °C以上力 さ ら に 好 ま し い 。 た と え ば融点 1 6 0 °C の 成分 ( H ) と 、 融点 8 0 °C の 成分 ( S ) の組 み 合わ せ に よ る プ ロ ッ ク 共重合体 ま た は混合物か ら な る 繊維 は 、 た と え ば 1 0 0 °C の 水 中 で 処理 さ れ る と 成 分 ( S ) が 溶 融 す る た め 大 き く 収縮 す る が 、 高 融 点 成 分 ( H ) が存在す る た め 繊維全体 は 溶融せ ず形状 を 保つ 。 し た が っ て 、 必要 と さ れ る 熱処理温度、 熱収縮性、 耐熱 性に応 じ て、 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) を構成す る 成分 ( H ) 、 ( S ) の 融点 お よ び そ の 比率 を選べ ば よ い 。 一般 に 、 低融点成分 ( S ) は 、 低結晶性で も よ い が、 結晶性が低 す ぎ る と 、 繊維 の 染色堅牢度が低下 し た り 、 加熱 な ど に よ り 粘着 を生 じ る こ と が あ る 。 し たが っ て、 収縮 さ せ る 熱処理工程の 温度 ( た と え ば 8 0 〜 : L 2 0 °C ) で は溶融 す る が、 使用 時の 温度 ( た と え ば 4 0 °C以下) で は、 充 分 に 結晶ィ匕 し て い る こ と が好 ま し い こ と が多 い。 す な わ ち成分 ( S ) は、 結晶性で、 そ の融点は 5 0 〜 1 1 0 °C、 特 に 6 0 〜 1 0 0 °C の 範囲が好適 な こ と が多 い 。 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) 中 の成分 ( S ) の 結晶 の 溶融吸熱 量 は 3 J / g 以上の 必要があ り 、 5 J g 以上が好 ま し く 、 1 0 〜 4 0 J Z g 程度の 範囲が さ ら に 好 ま し い。
脂肪族ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) は、 主要な構成成分 ( H ) と ( S ) と が、 ブ ロ ッ ク 共重合 お よ び ( ま た は ) 混合 さ れ た も の で あ る 。 分子末端 に 水酸基 を も つ 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル に は 、 力 プ ロ ラ ク ト ン 、 ラ ク チ ド、 グ リ コ リ ド な ど の ラ ク ト ン は 溶融状態で容易 に 付加反応 (重合) し 、
ブ ロ ッ ク 共重合体がえ ら れ る 。 ま た 分子末端 に 水酸基 を も つ 2 種以上 の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の 混合物 に 、 た と え ば へ キ サ ン ジ イ ソ シ ァ ネ ー ト な ど の ジ イ ソ シ ァ ネ ー ト 、 無水 フ タ ル酸 な ど の ジ カ ル ボ ン 酸無水物、 テ レ フ タ ル酸 ク ロ リ ド な ど の ジ 力 ル ボ ン 酸ハ ロ ゲ ン 化物 な ど の 2 官能 化合物 を 反応 さ せ、 そ れ ら を結合 し ブ ロ ッ ク 共重合体 を う る こ と も で き る 。 同様 に 、 複数 の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル を 溶融混 合 し 、 エ ス テ ル交換反応 に よ り ブ ロ ッ ク 共重合 体 を う る こ と も で き る 。 し か し 、 溶融混合 を 触媒存在下 に あ ま り 高温で長時間行 な う と 、 エ ス テ ル交換反応が進 み過 ぎて ラ ン ダ ム 共重合体 と な る の で 、 充分注意が必要 で あ る 。
成分 ( H ) と ( S ) と の 混合 は 、 そ れ ら の ペ レ ツ ト を 混合 し て ス ク リ ユ ー押 出機な どで溶融、 混合 し て も よ く 、 別 々 に 溶融 し た両成分 を 2 軸押 出 機 そ の 他 の 撹拌装置、 流れ の 分割 と 合流を多段的 に 繰返す静止混合器 な ど の 1 種 ま た は 複数種を組合わせ て使用 し て 混合 し て も よ い 。 こ の ば あ い も 、 エ ス テ ル交換反応が進み過 ぎ な い よ う に 注意す る 必要が あ る 。 混合物 ま た は 反応物 を D S C 分析 し 、 融点 お よ び溶融吸熱量の 低下が な け れば、 ラ ン ダ ム 共重合があ ま り 進行 し て い な い と 判定で き る 。 成分 ( H ) と ( S ) と の 混合 を安定 に 行 な う た め に は 、 両者の 親和 性が高 い こ と が望 ま し い。 両者の 親和性改善の 方法 と し て は、 成分 ( H ) の分子中 に 成分 ( S ) を ブ ロ ッ ク 共重 合 な ど の 方法で部分的 に導入す る こ と 、 成分 ( S ) 中 に 成分 ( H ) を導入す る こ と 、 親和性改善剤 (界面活性剤) と し て両成分の ブ ロ ッ ク 共重合体 を 成分 ( H ) と ( S ) の 混合物 に配合す る こ と な ど が あ げ ら れ る 。
脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) は 、 主 と し て 、 脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル 成分 ( H ) お よ び ( S ) と 力、 ら な る が 、 副 次 的 成分 ( 5 0 重量 % 以 下、 特 に 3 0 重量% 以下) と し て 他 の 成分 、 た と え ば芳 香族成 分 、 ポ リ エ ー テ ル 成分、 ポ リ カ 一 ボ ネ ー ト 成分、 ポ リ ウ レ タ ン 成分、 ポ リ ア ミ ド成 分、 ポ リ 有機 シ ロ キ サ ン 成分 そ の他を 含ん で い て も よ い。 こ れ ら の 他 の 成分 の導入 は 、 共重 合 ま た は 混 合 の 手段 に よ っ て 行 な う こ と が で き る 。
脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) の 分子量 は 、 特 に 限定 さ れ な い 力く 、 5 万以上が好 ま し く 、 8 〜 3 0 万 力《 特 に 好 ま し く 、 1 0 〜 2 0 万 の 範囲 が 広 く 用 い ら れ る 。
高 融点成 分 ( H ) に 好適 な 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の 具 体 例 と し て は 、 前 述 の 重 合体 ( A 2 ) 用 に 例 示 し た も の の ほ か 、 ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト (融点 1 1 6 °C ) 、 ポ リ へ キ サ メ チ レ ン フ マ レ ー ト (融点 1 1 7 °C ) な ど が あ げ ら れ る 。
低融点成分 ( S ) に 好適 な ポ リ エ ス テ ル の 具 体 例 と し て は 、 た と え ば ポ リ 力 プ ロ ラ ク ト ン ( 融点約 5 9 °C ) 、 ポ リ プ ロ ピ オ ラ ク ト ン ( 同 9 5 °C ) な ど の 脂肪族 ボ リ ラ ク ト ン の ほ か、 エ チ レ ン グ リ コ ー ノレ 、 プ ロ ピ レ ン グ リ コ 一ノレ 、 ブ タ ン ジ オ ー ル 、 へ キ サ ン ジ オ ー ル 、 オ ク タ ン ジ オ ー ル 、 ジ エ チ レ ン グ リ コ ー ノレ 、 ト リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル な どの 脂肪族 グ リ コ ー ル類の 1 種以上 と 、 サ ク シ ン 酸、 ア ジ ピ ン 酸 、 ァ ゼ ラ イ ン 酸、 セ ノ シ ン 酸、 オ ク タ ン ジ カ ル ボ ン 酸、 デ カ ン ジ カ ル ボ ン 酸 な ど の 脂肪族 ジ カ ル ボ ン 酸 の 1 種 以上 を 組 み 合 わ せ て え ら れ る ポ リ エ ス テ ル 、 た と え ば ポ リ エ チ レ ン ア ジ ペ ー ト (融点約 4 9 °C ) 、 ポ リ エ チ レ ン ス べ レ ー ト ( 同 6 5 °C ) 、 ポ リ エ チ レ ン ァ ゼ レ
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ー ト (同 5 2 。C ) 、 ポ リ エ チ レ ン セ バゲ ー ト (同 7 5 。C ) 、 ポ リ ブチ レ ン サ ク シ ネ ー ト ( 同 1 1 6 °C ) 、 ポ リ プ チ レ ン ア ジ ペ ー ト (同 7 2 。C ) 、 ポ リ ブ チ レ ン セ ノく ゲ ー ト (同 6 6 °C ) 、 ポ リ へ キ サ ン セ バ ゲ ー ト (同 7 4 °C ) そ の 他の ホ モ ポ リ マ ー 、 お よ び そ れ ら を 成分 と す る ブ ロ ッ ク ま た は ラ ン ダ ム コ ポ リ マ ー 力く あ げ ら れ る 。
重合体 ( A 2 ) と 重合体 ( B 2 ) と は 、 そ れ ぞれ別 々 に繊維化 さ れ、 必要 に 応 じ て延伸、 熱処理 な ど に よ り 分 子配 向、 結晶化 さ れ、 繊維 ( A 2 ) お よ び繊維 ( B 2 ) が製造 さ れ る 。 繊維 ( A 2 ) お よ び繊維 ( B 2 ) 力、 ら の 複合糸 ( D a ) の 製造方法、 加工方法、 各繊維 の 要件、 複合糸 の 断面形状、 そ の 他の 要件 な ど は 、 複合糸 ( I ) の ば あ い と 同 じ で あ る 。
つ ぎ に 、 繊維 ( Π a ) に お い て、 成分 ( A 2 ) と ( B 2 ) を単繊維内 で接合 し て複合繊維 に 形成 し た ば あ い に つ い て説明す る 。
複合繊維 ( n a ) を 製造す る ば あ い は 、 繊維成分 ( A
2 ) と 接合す る 繊維成分 ( B 2 ) と し て 、 融点差が 2 0 °C 以上 の 少 な く と も 2 種 の 結 晶 性 脂 肪 族 ポ リ エ ス テ ル ( H ) と ( S ) を 含有す る ブ ロ ッ ク 共重合体 お よ び ( ま た は ) 混合物で あ っ て、 融点 1 3 0 °C以上、 溶融吸熱量
3 J Z g以上 の 高融点成分 ( H ) を 9 0 〜 1 0 重量%、 お よ び融点 4 0 〜 1 2 0 。C、 溶融吸熱量 3 J Z g以上の 低融点成分 ( S ) を 1 0 〜 9 0 重量% 含有す る も の が好 ま し く 用 い ら れ る 。 こ の よ う な 成分 ( H ) お よ び ( S ) は前記成分 ( H ) お よ び ( S ) か ら 選択 さ れ る 。
繊維成分 ( A 2 ) と 繊維成分 ( B 2 ) を 、 単繊維内 で 偏心的 に 接合す る と き は、 自 発巻縮性 に 優れ た複合繊維
( Π a ) がえ ら れ、 単繊維内 で繊維成分 ( B 2 ) が複合 繊維の 表面の 少 な く と も 一部を形成す る よ う に 同心的 に 接合す る と き は 、 自 己接着性 に 優れ た 複合繊維 ( D a ) か'え ら れ る 。
図 8 に 、 本発 明 に 用 い る 融点が 2 0 °C以上異 な る 複数 の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ルが混合 お よ び ( ま た は ) ブ ロ ッ ク 共重合 し て い る 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) の 、 D S C 曲 線 を 模 式 的 に 示 す 。 図 に お い て 、 2 2 は 低融 点 成 分 ( S ) の溶融吸熱 ピ ー ク を示 し、 2 4 は高融点成分 ( H ) の 溶融吸熱 ピ ー ク を 示す。 ピ ー ク 2 3 (点線) は 、 高融 点成分 ( H ) が充分結晶化 し て い な い と き に 観測 さ れ る 結晶化の 発熱 ピ ー ク で あ る 。 こ の 発熱 ピ ー ク 2 3 と 低融 点成分 ( S ) の 溶融吸熱 ピ ー ク 2 2 と が重 な る と 、 溶融 吸熱 ピ ー ク 2 2 を 正確 に 把握 で き な い か ら 、 高融点成分 ( H ) は 充分結晶化 さ せ て お く こ と が必要で あ る 。
本発明 に お い て 、 融点 は結晶 の溶融 に よ る そ れ ぞれの 吸熱 ピ ー ク (図で は 2 2 お よ び 2 4 ) の 極小値 の 温度 と し 、 吸熱 ピ ー ク の そ れ ぞ れの 全吸熱量 (積分値、 図の 斜 線部 の面積 に 比例 す る ) を 溶融時の 吸熱量 と す る 。 吸熱 量の 単位 は、 J Z g と す る 。 融点 ( ピ ー ク ) が複数存在 す る ばあ い、 融点の代表値は、 最 も 高温の も の と す る が、 最高温の ピ ー ク が た と え ば吸熱量 3 J Z g 以下 と 無視で き る ほ ど 小 さ い と き は、 吸熱量の 大 き い 主要 な ピ ー ク の な かの最 も 高 い 融点を代表値 と す る 。
一般 に 、 複数種の 結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の 混合物 や ブ ロ ッ ク 共重合体 の D S C 曲線で は 、 そ れ ぞれの 成分 の 融点 に 対応す る 吸熱 ピ ー ク がか な り 明瞭 に 観測 さ れ る こ と が多 い。 し か し 、 複数種 ポ リ マ ー の プ ロ ッ ク 共重合
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33 体 の ばあ い は 、 そ れぞれの 融点 (温度) が変化 し た り 、 吸熱 ピ ー ク の 幅が広力く つ た り 、 肩が生 じ た り ダ ブル ピ一 ク が観測 さ れ る な ど複雑 な 現象が見 ら れ る こ と が あ る 。 そ れ ら が 明 瞭 に 複数の ピ ー ク と 分離 し て認 め ら れ な い と き は、 単一の ピー ク と みな し、 融点は ピ ー ク 値を用 い る。
本発明 の 自 発巻縮性複合繊維 ( D a ) は 、 融点 1 4 0 °C以上、 溶融時の 吸熱量 2 0 J Z g 以上で結晶性が高 い 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル重 合体 ( A 2 ) と 、 融点 1 3 0 °C以 上の 高融点成分 ( H ) お よ び融点 4 0 〜 1 2 0 °C の 低融 点成分 ( S ) の両成分を含む脂肪族ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) と が複合 さ れ た も の で、 繊維成分 ( A 2 ) は低収縮成分 で あ り 、 繊維成分 ( B 2 ) は 高収縮成分で、 加熱ゃ 膨潤 に よ っ て ( A 2 ) 、 ( B 2 ) 両成分 に 長 さ の 差が生 じ 、 巻縮が発現す る 。
こ の 自 発巻縮性繊維 ( n a ) の 大 き な 特徴 は 、 高収縮 性成分 ( B 2 ) と し て 、 融点が 2 0 °C以上、 好 ま し く は 3 0 °C以上異 な る 少な く と も 2 種 の 結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の ブ ロ ッ ク 共重合体お よ び ( ま た は ) 混合体 を使 用 す る こ と に あ る 。 こ の繊維 ( Π a ) に お い て は 、 かか る 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル を構成す る 低融点成分 ( S ) は 溶 融 ま た は钦化に よ っ て強 く 収縮す る が、 高融点成分 ( H ) が 溶 融 ま た は 軟化 し な い 温度 に 加 熱 す れ ば 、 繊維 成 分 ( B 2 ) 全体 と し て は 溶融す る こ と な く 収縮 し 、 繊 維 ( D a ) は巻縮す る 。 し たが っ て 、 成分 ( B 2 ) 中 の高 融点成分 ( H ) の融点 は、 高 い ほ ど好 ま し く 、 1 3 0 °C 以上の 必要が あ り 、 1 4 0 °C以上が好 ま し く 、 1 5 0 °C 以上が さ ら に 好 ま し く 、 1 6 0 °C以上が最 も 好 ま し い。 低融点成分 ( S ) は、 常温で は 結晶化 し て お り 、 適度 の
( た と え ば 5 0 ~ 1 2 0 °Cの ) 加熱 に よ っ て 溶融す る も の で 、 融点 は 4 0 〜 : L 2 0 °Cの 範囲 で あ る 。 一般 に 低融 点 の ポ リ マ ー は、 溶融紡糸 時の 固化速度が遅 く 、 巻 き 取 つ た 糸 が相互 に 接着 (膠着) し 易 く 紡糸困難 と な る 傾向 が あ る が 、 脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) は 高 融 点 成 分
( H ) の 導入 に よ り 、 膠着性が大幅 に 改善 さ れ、 製造が 容易 と な る 。
複合繊維 の 卷縮性 は、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) を 構成す る 高融点成分 ( H ) と 低融点成分 ( S ) と の比率、 低融点成分 ( S ) の 融点、 成分 ( A 2 ) と 成分 ( B 2 ) と の 複合比率、 複合形態、 加熱温度 な ど を変 え る こ と に よ り 、 非常 に 広範囲 に 制御す る こ と がで き 、 目 的、 用 途 に 応 じ て 適切 な 卷縮を選ぶ こ と がで き る 。 す な わ ち 本発 明複合繊維 は 、 溶融紡糸法 に よ り 高能率で製造可能で あ り 、 非常 に 広範囲 に 巻縮性を 制御、 調節可能 と い う 大 き な 特長 を も っ て い る 。
低収縮成分で あ る 重合体 ( A 2 ) を単独で繊維 と し た と き の 、 1 0 0 °C の 水中 で の 収縮率 は 、 2 0 %以下が好 ま し く 、 1 5 %以下、 特に 1 0 %以下が さ ら に好ま し く 、 8 %以下が最 も 好ま し い。 こ の た め に は、 重合体 ( A 2 ) は、 共重合や 混合 に よ る 変性度 の 低 い も の が特 に 好 ま し く 、 ホ モ ポ リ マ ー お よ び そ れ に 近 い も の 、 た と え ば共重 合成分や混合成分の比率は 1 0 %以下の も の が好ま し く 、 6 %以下が特 に 好 ま し く 、 3 %以下の も の が最 も 好 ま し い 0
脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) は、 融点が 2 0 以上異 な る 少 な く と も 2 種の 結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の プ ロ ッ ク 共重 合 体 お よ び ( ま た は ) 混 合 物 で あ り 、 融 点 が
1 3 0 °C以上の高融点脂肪族ポ リ エ ス テ ル成分 ( H ) と、 融点が 4 0 〜 1 2 0 。Cの 低融点脂肪族 ポ リ エ ス テ ル成分 ( S ) と を そ れ ぞ れ 9 0 - 1 0 重量% お よ び 1 0 〜 9 0
%含 む も の で あ る 。 低融点成分 ( S ) は 、 加熱 に よ り 収縮性 を 発現す る も の で、 融点 は 4 0 〜 1 2 0 °C の 範 囲 の 必要 力く あ り 、 5 0 〜 : L 2 0 °C が 好 ま し く 、 6 0 〜 1 2 0 °C の 範 囲 が特 に 好 ま し い 。 脂 肪 族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) 中 の 高融点成分 ( H ) と 低融点成分 ( S ) の 重 量比率 は 、 9 Z 1 〜 ; L Z 9 の 範囲の 必要が あ り 、 8 / 2 〜 2 8 の 範囲、 特 に 7 / 3 〜 3 Z 7 の 範囲 が好 ま し い こ と が多 い 。 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) 中 の 高融点成 分 ( H ) と 低融点成分 ( S ) の 溶融吸熱量 は 、 そ れ ぞれ
3 J g 以上が必要で あ り 、 5 〗 Z g 以上が好 ま し く 、 1 0 Z g 以上力 さ ら に好 ま し く 、 1 0 〜 3 0 J Z g 程 度の $E囲が特 に 好 ま し い 。 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) は 、 in 晶性で あ る こ と が、 溶融紡糸 時の膠着 防止 の 観点 カゝ ら 好 ま し い か ら で あ る 。
脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) 中 の 高融点成分 ( H ) と 低融点成分 ( S ) の融点差は、 2 0 °C以上の必要があ り 、 3 0 。c以上が好 ま し く 、 4 0 °C以上が特 に 好 ま し い 。 た と え ば融点 1 6 0 °Cの成分 ( H ) と 、 融点 8 0 °C の 成分 ( S ) の 組み 合わ せ に よ る プ ロ ッ ク 共重合体 ま た は 混合 物 は た と え ば 1 0 0 °Cで処理 さ れ る と 成分 ( S ) が溶 融す る た め強 く 収縮す る が、 結晶化 し た高融点成分 ( H ) が存在す る た め繊維成分 ( B 2 ) 全体 は 溶融せ ず形状を 保つ
脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) を単独で繊維 と し た ば あ い の、 1 0 0 °C水中の収縮率は、 2 0 %以上が好ま し く 、
3 0 〜 6 0 % の 範囲が特 に好 ま し い 。 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) よ り な る 繊維の 収縮率 と 、 前述の 重合体 ( A 2 ) よ り な る 繊維 の 収縮率 と の 差 は 、 5 %以上が好 ま し く 、 1 0 %以上が特 に 好 ま し く 、 2 0 〜 5 0 % の 範囲が 最 も 広 く 用 い ら れ る 。
本発 明 の 自 己接着性複合繊維 ( D a ) は、 融点 1 4 0 °C以上、 溶融時 の 吸熱量 2 0 J / g 以上 で結晶性が高 い 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル重合体 ( A 2 ) と 、 融点 1 3 0 °C以 上の 高融点成分 ( H ) お よ び融点 4 0 〜 1 2 0 °C の 低融 点成分 ( S ) の両成分を含む脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) と が複 合 さ れ た も の で 、 繊維成分 ( A 2 ) は 強度保持成 分で あ り 、 繊維成分 ( B 2 ) は接着 (熱融着) 成分で あ る o
こ の 自 己接着性繊維 ( n a ) の 大 き な 特徴 は 、 接着成 分 ( B 2 ) と し て 、 融点が 2 0 °C以上、 好 ま し く は 3 0 で 以上異な る 少 な く と も 2 種 の 結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の ブ ロ ッ ク 共重合体 お よ び ( ま た は ) 混合物 を 使用 す る こ と に あ る 。 こ の 繊維 ( Π a ) に お い て は 、 力、 力、 る 月旨 肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) を 構成す る 低融点成分 は接着 す る が高融点成分 は接着 し な い 温度 に 加熱す れば、 接着 点密度 や接着強度が相対的 に 低 い製品が え ら れ、 他方脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) を構成す る 全 て の 成分が溶融 す る 温度 に 加熱す れば、 最 も 高 い接着力 と 接着点密度が え ら れ る 。 ま た 、 低融点、 低 ガ ラ ス 転移点成分 に 起因す る 溶融紡糸時の 膠着 は、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) へ の 高融点成分 の 導入 に よ り 大幅 に 改善 さ れ る 。 さ ら に脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) を構成す る 高融点成分 と 低融 点成分 と の 比率 を 変え る こ と に よ り 、 溶融紡糸 時の凝固
性や加熱接着時 の 接着力 や接着点密度 を 広範囲 に変 え る こ と がで き る 。 そ の 結果本発明 の 繊維 ( D a ) は、 効能 率で製造可能で あ り 、 非常 に 広範囲 に 接着力 を制御、 調 節可能 と い う 大 き な 特長を 示す。
脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) は、 融点が 2 0 °C以上異 な る 少 な く と も 2 種の 結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の プ ロ ッ ク 共 重 合体 お よ び ( ま た は ) 混 合 物 で あ り 、 融 点 が 1 3 0 °C以上の 高融点脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( H ) と 、 融 点 力く 4 0 〜 1 2 0 °C の 低融 点脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル 成 分 ( S ) と を そ れぞ れ 9 0 〜 1 0 重量 % お よ び 1 0 〜 9 0 重量 % 含む。 高融点成分 ( H ) は、 成分 ( B 2 ) の 耐熱 性 を維持 し 溶融紡糸 時の 膠着を紡糸 す る た め の も の で、 融点 は 1 3 0 °C以上の 必要が あ り 、 1 4 0 °C以上が好 ま し く 、 1 5 0 °C以上が特 に好 ま し く 、 1 6 0 °C以上が最 も 好 ま し い 。 低融点成分 ( S ) は、 加熱 に よ り 接着性 を 発現す る 成分で 、 融点 は 4 0 〜 1 2 0 °Cの 範囲 の 必要が あ り 、 5 0 〜 : L 2 0 。Cが好 ま し く 、 6 0 〜 1 2 0 °C の 範 囲が特 に好ま し い。 高融点成分 ( H ) と 低融点成分 ( S ) の 夫 々 の 融点 お よ び混合 ま た は共重合比率 を変 え る こ と に よ り 、 加熱接着温度、 接着密度、 接着強度を 広範囲 に 変え る こ と がで き 、 使用 目 的 に 応 じ て そ れ ら を適宜選択 す る こ と がで き る 。 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) 中 の 高 融点成分 ( H ) と 低融点成分 ( S ) の 重量比率 は 、 9 Z 1 〜 1 / 9 の範囲の必要があ り 、 8 2 〜 2 8 の範囲、 特 に 7 Z 3 〜 3 Z 7 の 範囲が好 ま し い こ と が多 い。 脂肪 族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) 中 の 高融点成分 ( H ) と 低融点 成分 ( S ) の 溶融吸熱量 は 、 そ れ ぞれ 3 J Z g 以上が必 要で あ り 、 5 J Z g 以上が好 ま し く 、 l O J Z g 以上が
さ ら に 好 ま し く 、 1 0 〜 3 0 J Z g 程度 の 範囲が特 に 好 ま し い。 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) は 、 結晶性で あ る こ と が、 紡糸時の 膠着防止の観点か ら 好 ま し い か ら で あ る O
脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) 中 の 、 高融点成分 ( H ) と 低融点成分 ( S ) の 融点差 は、 2 0 °C以上の 必要 が あ り 、 3 0 °C以上が好ま し く 、 4 0 °C以上が特に好ま し い。 た と え ば融点 1 6 0 °Cの 成分 ( H ) と 、 融点 8 0 °C の 成 分 ( S ) の 組み 合わ せ に よ る ブ ロ ッ ク 共重合体 ま た は 混 合物 は 、 た と え ば 1 0 0 °Cで処理 さ れ る と 成分 ( S ) が 溶融す る た め 強 く 接着す る が、 高融点成分 ( H ) が存在 す る た め 繊維成分 ( B 2 ) 全体 は 溶融せずあ る 程度形状 を 保つ 。 し た が っ て、 必要 と さ れ る 接着処理温度 お よ び 圧力、 接着強度、 耐熱性、 使用 温度 な ど に 応 じ て、 脂肪 族 ボ リ エ ス テ ル ( B 2 ) を 構 成 す る 成分 ( H ) お よ び ( S ) の 融点 お よ び そ の 比率 を選べ ば よ い 。
自 発巻縮性 お よ び 自 己接着性複合繊維 ( Π a ) に お い て 、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) は 、 構成成分 ( H ) と ( S ) の 混合物 お よ び ( ま た は) プ ロ ッ ク 共重 合体 で あ る 。 混合方法 は 任意で あ り 、 通常の 溶融混合で も よ く 、 溶剤 中 で混合 し て も よ い。 混合装置 は、 機械的撹拌装置 や粒体の 流れの 分割 と 合流を 多段的 に繰返す静止混合器 を用 いて も よ く 、 両者を併用 し て も よ い。 溶融混合中 に、 両成分が部分的 に 反応 し て 、 ブ ロ ッ ク 共重合体化 し て も よ い。 た だ し 過度 に 反応 し て完全 に ラ ン ダ ム 共重合体化 (融点が消失、 非晶化) さ せ て は な ら な い 。 す な わ ち 、 溶融混合物 を D S C 分析 し 、 両成分 の 融点や 溶融吸熱量 を調査 し 、 そ れ ら を好ま し い範囲に保つ こ と が望ま し い。
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39 一方、 両 成分 の ブ ロ ッ ク 共重 合体 は 、 た と え ば 分子末端 に 水酸基 を も つ 低融点脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( S ) に対 し 、 ラ ク チ ド ゃ グ リ コ リ ド な ど の 高 融点成 分 ( H ) の 原 料環 状 ラ ク ト ン を 溶融状態 で 付加反 応 (重 合) さ せ る 方 法 に よ っ て え ら れ る 。 ま た 分子末端 に水酸基を も つ 成分 ( H ) と ( S ) の 混合物 に 、 た と え ば へ キ サ ン ジ イ ソ シ ァ ネ ー 卜 な ど の ジ イ ソ シ ァ ネ ー ト 、 無水 フ タ ル 酸 な ど の ジ 力 ル ボ ン 酸無水物、 テ レ フ タ ゾレ酸 ク ロ リ ド な ど の ジ カ ル ボ ン 酸ハ ロ ゲ ン 化物 な ど の 多 官能化 合物 (鎖延 長 剤 ) を 反 応 さ せ 、 そ れ ら を 結 合 し ブ ロ ッ ク 共重 合 体 を う る こ と も で き る 。 成 分 ( B ) を 構成 す る 重 合体 は 、 熱収 縮性 や 収縮 後 の 弾性 回 復 性 を 改善す る た め に 、 分岐 や 架 橋構造 を も た せ る こ と も 好 ま し い 。 た と え ば ト リ メ リ ッ ト 酸 、 ダ リ セ リ ン 、 ト リ イ ソ シ ァ ネ ー ト な ど 3 以上 の 官 能基 を も つ ィ匕 合物 を 使用 す る こ と が で き る 。
成分 ( H ) と ( S ) と の混合を安定 に行 な う た め に は、 両 者 の 親和性 が高 い こ と が望 ま し い 。 両 者 の 親和性 改善 は 前記 の 方 法 で 行 な う こ と が で き る 。
複 合繊維 ( D a ) に お い て は 、 重合体 ( A 2 ) と 重 合 体 ( B 2 ) は 、 相互接 着性が高 い こ と が好 ま し い 。 こ の た め 、 両者 が共通 の 成分 を も つ こ と が好 ま し い 。 た と え ば重 合体 ( B 2 ) の 高融点成分 ( H ) と 重 合体 ( A 2 ) と が 同 じ 成分 ( た と え ば ポ リ 乳酸) で あ る こ と が特 に 好 ま し い 。 同 様 に 両者が近似 の 成分 で あ る ( た と え ば ポ リ 乳酸 と 、 ポ リ 乳酸 を 主成分 と す る 共重 合体 ) こ と も 好 ま し い o
脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) は 、 主 と し て 、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル 成分 ( H ) お よ び ( S ) と か ら な る が 、 副 次
的成 分 ( 5 0 重量 % 以下、 特 に 3 0 重量 % 以下 ) と し て 他 の 成分 、 た と え ば 芳香 族成分 、 ポ リ エ ー テ ル 成分 、 ポ リ カ ー ボ ネ ー ト 成分 、 ポ リ ウ レ タ ン 成分、 ポ リ ア ミ ド 成 分、 ポ リ 有機 シ ロ キ サ ン 成分そ の他を 含ん で い て も よ い。 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) の 分子量 は 、 特 に 限 定 さ れ な い が 、 5 万 以上が好 ま し く 、 8 〜 3 0 万 が特 に 好 ま し く 、 1 0 〜 2 0 万 の 範囲 が広 く 用 い ら れ る 。
複 合繊維 ( D a ) に お い て 、 低融点成分 ( S ) に 好適 な ポ リ エ ス テ ル の 具体例 と し て は 、 ポ リ 力 プ ロ ラ ク ト ン ( 融点約 5 9 °C ) 、 ポ リ プ ロ ピ オ ラ ク ト ン ( 同 9 5 °C ) な ど の脂肪族 ポ リ ラ ク ト ン の ほ か、 エ チ レ ン グ リ コ ー ル、 プ ロ ピ レ ン グ リ コ ー ル 、 ブ タ ン ジ ォ ー ノレ、 へ キ サ ン ジ ォ ー ル 、 オ ク タ ン ジ オ ー ル 、 ジ エ チ レ ン グ リ コ ー ル 、 ト リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル な ど の 脂肪族 ダ リ コ ー ル 類 の 1 種以 上 と 、 サ ク シ ン 酸、 ア ジ ピ ン 酸、 ァ ゼ ラ イ ン 酸 、 セ バ シ ン 酸、 オ ク タ ン ジ カ ル ボ ン 酸、 デ カ ン ジ カ ル ボ ン 酸 な ど の 脂肪族 ジ カ ル ボ ン 酸 の 1 種以 上 を 組 み 合 わ せ て え ら れ る ポ リ エ ス テ ル 、 た と え ば ポ リ エ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト
(融点約 1 0 2 °C ) 、 ポ リ エ チ レ ン ア ジ ペ ー ト ( 同 4 9 °C ) 、 ポ リ エ チ レ ン ス べ レ ー ト ( 同 6 5 °C ) 、 ポ リ ェ チ レ ン ァ ゼ レ ー ト ( 同 5 2 °C ) 、 ポ リ エ チ レ ン セ ノ、 ゲ ー ト (同 7 5 °C ) 、 ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト (同 1 1 6 °C ) 、 ポ リ プ チ レ ン ア ジ ペ ー ト ( 同 7 2 ) 、 ポ リ プ チ レ ン セ バ ゲ ー ト ( 同 6 6 。C ) 、 ポ リ へ キ サ ン セ ノ、* ゲ ー ト ( 同 7 4 °C ) そ の 他 の ホ モ ポ リ マ ー 、 お よ び そ れ ら を 成分 と す る プ ロ ッ ク ま た は ラ ン ダ ム 共重 合体 で か つ 結 晶 性 の も の が あ げ ら れ る 。 自 己接着性複 合繊維 ( Π a ) か ら え ら れ る 接着 さ れ た 繊維構造物 を 、 た と え ば 染 色 し て 衣 料 と
し て 用 い る ば あ い は 、 低 融 点 成 分 ( S ) の 融 点 は 、 1 0 0 °C以上が好ま し く 、 1 1 0 °c以上が特に好ま し い。
溶 融 複 合 紡 糸 に お い て は 、 重 合体 ( A 2 ) と 重 合 体 ( B 2 ) と は、 通常の方法に従い、 そ れぞれ別 々 に溶融、 計量 さ れ、 複合紡糸 口 金内 で複合 さ れ、 オ リ フ ィ ス よ り 紡 出 し 、 冷却、 オ イ リ ン グ、 必要 に 応 じ て延伸、 熱処理 な ど に よ り 分子配 向 、 結晶 化 さ れ 、 本 発 明 の 複 合 繊 維 ( D a ) が製造 さ れ る 。 同様 に 、 重 合体 ( A 2 ) と 重合 体 ( B 2 ) と を、 溶剤を用 い別々 に溶解 し 、 湿式、 乾式、 乾湿式 な ど の方法で複合紡糸 し て も 、 本発 明 の 複合繊維 がえ ら れ る 。 溶融複合紡糸法が、 効能率 な の で特 に 好 ま し い 。 溶融紡糸 は、 巻取速度 2 0 0 O m /分以下の 低速 紡糸、 2 0 0 0 〜 5 0 0 0 m 分の 高速紡糸 、 5 0 0 0 m Z分以上 の 超高速紡糸 な どが適用 可能で あ る 。 低速紡 糸 お よ び高速紡糸 で は 、 紡糸 と 延伸工程 を別 々 に 行 な う 方法、 紡糸 と 延伸 を連続 し て 同 時 に 行 な う 方 法 な どが可 能で あ る 。 一般 に 低速紡糸 で は 3 ~ 8 倍程度、 高速紡糸 で は 1 . 5 〜 3 倍程度の 延伸 を 行 な い 、 超高速紡糸 で は 延伸不要ま た は 2 倍程度以下の延伸を行な う こ と が多 い。
複合繊維 ( D a ) は 、 連続マ ノレ チ フ ィ ラ メ ン ト 、 連続 モ ノ フ ィ ラ メ ン ト 、 切断 さ れ た ス テ ー ブ ル な ど任意 の 形 態 と す る こ と がで き 、 他の繊維 と 適宜、 色 々 な 手段で混 合 さ れ、 糸、 編物、 織物、 不織布、 フ ル ト 、 紙、 フ ィ ル ム な ど と の複合体、 そ の 他類似 の 繊維構造物 と し て 用 い ら れ る 。
自 己接着性複合繊維 ( D a ) の 接着 は 、 繊維構造物を 加熱や圧縮 し て行な う こ と が多 い。 加熱は、 乾熱、 湿熱、 赤外線、 高周波そ の 他 の方法が応用可能であ る 。 一般に、
圧 力 が大 き い ほ ど低温で接着可能 で あ る 。
自 発巻縮性複合繊維 ( n a ) は 、 加熱 に よ り 巻縮を発 現す る 。 加熱 は 乾熱、 湿熱、 赤外線 そ の 他の 方法が応用 可能で あ る 。 加熱温度、 加熱時間、 緊張の 度 合 い (張力 な ど) を 変 え る こ と に よ り 、 巻縮 を 調節、 制御可能で あ る 。 巻縮発現は、 フ ィ ラ メ ン ト 、 ト ウ、 ス テ ー ブル、 綿、 糸、 編物、 織物、 不織布、 ウ ェ ブ、 そ の 他任意の 形態で 行 な う こ と 力 で き る 。 多 く の ば あ い 、 糸 、 ト ウ 、 綿 、 ウ ェ ブ、 編物、 織物、 不織布 な ど を 無緊張 ま た は 低緊張 下で加熱 し て 巻縮を 発現 さ せ る 。 染色 な ど の 仕上 げ加工 工程の前、 仕上げ工程中で巻縮を発現 さ せ る こ と も 多 い。 巻縮は、 膨潤 に よ る 収縮に よ っ て も 発現す る。 た と え ば、 ア セ ト ン 、 メ チ ノレエ チ ル ケ ト ン ま た は そ れ ら と 水 と の 混 合物 を膨潤剤 と す る こ と がで き る 。 こ の 他の 公知 の 溶剤 を 、 水 な ど で 希釈 し た り 、 水分散液 と し た も の を 膨潤剤 と し て使用 す る こ と も で き る 。
本発 明 の 自 発巻縮性複合繊維 ( n a ) は 、 た と え ば図 1 A 〜 1 G に 示 さ れ る ご と き 断面形状 を有 し う る 。 図 に お い て、 1 は 低収縮成分 ( A 2 ) を 示 し 、 2 は 高収縮成 分 ( B 2 ) を 示 し 、 こ れ ら は 入 れ 替 え て も よ い 。 成 分 ( A 2 ) と 成分 ( B 2 ) と は 、 偏心的 に 複合 さ れ な け れ ば な ら な い 。 偏心的 と は 、 両成分 の そ れぞれの 重心の 位 置が異 な る こ と を 示 し 、 偏心性が高 い ほ ど、 複合繊維の 巻縮性が強 め ら れ る 。 図 1 A は最 も 偏心性の 高 い 例 で あ り 、 図 1 B は 偏心性の 低い 例 で あ る 。
自 発巻縮性複合繊維 ( D a ) に お け る繊維成分 ( A 2 ) と 繊維成分 ( B 2 ) と の 複合比率 (断面積比) は 、 特 に 限定 さ れな いが、 1 O / l l Z l 0 の範囲が好 ま し く 、
さ ら に は 5 1 〜 1 5、 特 に は 2 / 1 ' 1 / 2 の 範囲 が好 ま し い 複 合比率が か ら 偏 る ほ ど 、 巻縮性が 弱 め ら れ る
図 4 A〜 4 D は、 本発明の 自 己接着性複合繊維 ( Π a ) の い < つ かの例を示す繊維横断面図であ る 。 図に お い て、
1 0 は 強度保持用 の 重合体 ( A 2 ) を 示 し 、 1 1 は 接着 成分 ( B 2 ) を 示す。 図 4 A は 同心 円型 の 複 合を示 し 、 図 4 B は三角 形状断面の 同心型複合を 示 し 、 図 4 C は 回 転対称型 を 示 し 、 図 4 D は 中空 の 同心 円 型 の 複合繊維を 示す o 図 4 D に お い て、 1 2 は 中 空部で あ る が、 第 3 の ポ リ 置 き 換 え て も よ い 。 接着成分で あ る 脂肪族 ポ リ ェ ス テ ル ( B 2 ) は 、 繊維 の 表面の 少 な く と も一部を 占 め な け れ ばな ら な い 。 図 4 A 、 4 B 、 4 D は成分 ( B
2 ) が、 表面の 全部を 占 め た例、 図 4 C は表面の一部を 占 め た例 で あ る 。 成分 ( B 2 ) の 表面の 占有率が高 い ほ 着力 が大 き い 。 自 己接着性複合繊維 ( n a ) に お け る 繊維成分 ( A 2 ) と 繊維成分 ( B 2 ) と の 複合比率 (断面積比 ) は 、 特 に 限定 さ れ な い が、 2 0 Z 1 〜
2 0 好 ま し く は 1 0 / 1 〜 1 1 0 、 さ ら に 好 ま し く は 5 1 Z 5 、 特 に好 ま し く は 2 Z 1 〜 1 Z 2 で あ る 合形態 は、 繊維成分 ( A 2 ) と 繊維成分 ( B 2 ) と が同心型、 す な わ ち そ れぞれの 重心が ほ ぼ一致す る こ と が必要で あ る 。
複 繊維 ( I ) の ば あ い と 同様 に 、 複 合繊維 ( π a ) の 断面形状 は、 特 に 限定 さ れず、 円 形、 非 円 形、 多角 形 状、 多葉状、 中空状な ど種 々 の 形状 を有 し う る 。 複合繊 維 ( Π a ) の繊度 も 、 同様 に 使用 目 的 に 応 じ て任意 に 選 ばれ る が、 通常 の 衣料用 に は、 単糸繊度 0 . 1 〜 5 0 デ
ニ ー ル ( d ) 程度 の 範囲、 特 に 0 . 5 〜 3 0 d の 範囲が 好 ま し く 、 l 〜 2 0 d の範囲が広 く 用 い ら れ る 。 不織布、 皮革、 資材用 な ど に は も つ と 細 い も の や 太 い も の も 用 い ら れ る 。 本発明 の 繊維 は 、 必要 に 応 じ 仮撚法ゃ押込法 な どで、 機械的 に 巻縮を付与す る こ と がで き る 。 こ れ ら の 巻縮工程 で の 加熱 で は 、 繊維が膠着 し な い こ と が好 ま し く 、 こ の 観点力、 ら は 、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) 中 の 最 も 融点 の 低 い 成分 の 融点 は 6 0 °C 以上 が 好 ま し く 、 8 0 °C以上が特に好ま し く 、 9 0 °C以上が最 も好ま し い。
ま た 、 複 合繊維 ( I ) の ば あ い と 同 様 に 、 複 合 繊 維 ( Π a ) は、 種 々 の 添加剤 を 含有 し て も よ く 、 ま た 単独 で あ る い は 他 の 繊維 と 混用 し て糸、 紐、 ロ ー プ、 編物、 織物、 不織布、 紙、 複合材料 そ の 他の 構造物 の 製造 に 用 い る こ と カ'で き る 。
繊 維 ( Π ) の 他 の 好 ま し い 態 様 は 、 ( A 2 ) 融 点 1 4 0 °C以上の結晶性脂肪族ポ リ エ ス テ ル重合体お よ び、 ( B 2 ) 融点 1 4 0 °C以上の 結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( H ) と 融点 1 2 0 °C以下で かつ ガ ラ ス 転移点 3 0 °C以 下 の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( S ) を 含有す る ブ ロ ッ ク 共重 合体 ま た は 混 合物 と か ら な る 複 合繊維 で あ っ て 、 成 分 ( A 2 ) と 成分 ( B 2 ) の 少 な く と も 一方が ポ リ オ ル ガ ノ シ ロ キ サ ン 成分 を 0 . 0 5 重量%以上含有 し て お り 、 繊維横断面 に お い て、 成分 ( B 2 ) が成分 ( A 2 ) を少 な く と も 2 つ の 部分 に 分離 し 、 か つ 両 成 分 ( A 2 ) と ( B 2 ) が繊維表面の一部を形成す る よ う に成分 ( A 2 ) と 成分 ( B 2 ) と が単繊維内 で複合 さ れて い る 分割可能 な 自 然分解性複合繊維 ( n b ) で あ る 。
分割可能な複合繊維 ( Π b ) に お い て、 重合体 ( A 2 )
は 、 結 晶 性 が 高 く 熱 収 縮性 の 低 い 成 分 で あ る 。 重 合 体
( A 2 ) に 好適 な も の と し て は 、 前記結晶性 の ホ モ ポ リ マ 一 お よ び、 そ れ に 対 し て結 晶性 を あ ま り 損 な わ な い 程 度 に 少量 ( た と え ば 3 0 重量% 以下、 好 ま し く は 2 0 重 量% 以下、 特 に 好 ま し く は 1 0 重量% 以下) の 第 2 成分 や 第 3 成分 を 共重合 お よ び ( ま た は ) 混合 し た も の が あ げ ら れ る 。 繊維 ( n b ) か ら え ら れ る 製品 の 強度や 耐熱 性 の 見 地 か ら 、 重 合体 ( A 2 ) の 溶 融 時 の 吸 熱 量 は 、 2 0 J Z g 以上、 さ ら に は 3 0 J / g 以上、 特 に は 4 0 J / g 以上で あ る こ と が好 ま し い 。 実用 的見地 か ら 、 重 合体 ( A 2 ) の 融点 は 、 1 4 0 °C 以上 の 必 要 力 あ り 、 1 5 0 °C以上が好ま し く 、 1 6 0 °C以上が特に好ま し く 、 1 7 0 °C以上が最 も 好 ま し い 。
脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) は 、 融点 1 4 0 °C以上の 結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の セ グ メ ン ト ( H 、 以下ハ ー ド セ グ メ ン ト と い う こ と が あ る ) と 、 融点 1 2 0 °C以下 で ガ ラ ス 転移点 3 0 °C以下の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の セ グ メ ン ト ( S 、 以下 ソ フ ト セ グ メ ン ト と い う こ と が あ る ) と が結合 さ れ た ブ ロ ッ ク 共重合体で あ っ て も よ く 、 あ る い は前記結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( H ) と 前記脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( S ) と の 混合物 で あ っ て も よ い 。 成 分
( H ) と ( S ) か ら な る た め 、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) は加熱 に よ り 大 き く 収縮 し 、 そ の 結果、 ポ リ エ ス テ ル (: A 2 ) と ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) は 容易 に 分離 し 、 分 割 さ れ た繊維 は細 く な る 。 高収縮を達成す る た め に は 、 高融点ポ リ エ ス テ ル成分 ( H ) は強固な こ と が好ま し く 、 そ の 融点 は 1 4 0 °C以上の必要が あ り 、 1 5 0 °C以上が 好 ま し く 、 1 6 0 °C以上が特 に 好 ま し く 、 1 7 0 °C以上
が も 好 ま し い 。 一方、 低融点 ポ リ エ ス テ ル成分 ( S ) 下全、锥す分まポき Bo oリ C
は 柔 ら か い ほ ど熱収縮が大 き く 好 ま し く 、 結晶性 ポ リ マ の ば あ L > は 融 点 が 1 2 0 °C 以 下 の 必 要 が あ り 、 1 0 °C 以 下が好 ま し く 、 9 0 °C 以下が特 に 好 ま し く 、 8 で以下 ま た は非結晶性 (非晶性) で あ る こ と が最 も 好 し い 。 た と え ば 1 0 0 °C の 水 で 処理 し た と き 、 低融 点 リ エ ス テ ル成分 ( s ) の 融点が 1 0 0 °C 以下で あ れ ば 繊維成分 ( B 2 ) は 強 く 収縮す る 。 し か し 、 高融点 ポ エ ス テ ル成分 ( H ) の 融点 は 1 4 0 °C 以 上 で あ り 、 繊 成分 ( B 2 ) は 収縮す る が溶融 は し な い 。 同 様 に 、 大 な 収縮 を 実現す る た め に は 、 低融点 ポ リ エ ス テ ル成 分 S ) の ガ ラ ス 転移点 は 2 0 °C 以下が好 ま し く 、 0 °C 以 が特 に 好 ま し い。 低融点 ポ リ エ ス テ ル成分 ( S ) が 兀 に 非 晶性の ばあ い 、 融点 は ガ ラ ス 転移点 と 同 じ と 見 な
割型複 合繊維 ( Π b ) に お け る 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル
( 2 ) の 低融点 ポ リ エ ス テ ル成分 ( S ) 用 に 特 に 好適 な 融点が 1 2 0 °C 以下で ガ ラ ス 転移点が 0 °C以下の ポ リ 工 ス テ ル の 例 と し て は 、 ポ リ 力 プ ロ ラ ク ト ン の ほ 力、、 ポ エ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト 、 ポ リ エ チ レ ン ア ジ ペ ー ト 、 ポ エ チ レ ン セ バ ケ 一 卜 、 ポ リ エ チ レ ン ァ ゼ ラ エ ー ト 、 ポ エ チ レ ン デカ ネ 一 ト 、 ポ リ プ ロ ピ レ ン サ ク シ ネ ー ト 、 ポ プ ロ ピ レ ン ア ジ べ一 ト 、 ポ リ プ ロ ピ レ ン セ バ ケ 一 ト 、 ポ プ ロ ピ レ ン ァ ゼ ラ エ一 卜 、 ポ リ プ ロ ピ レ ン デ カ ネ 一 卜 ポ リ プ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト 、 ポ リ ブ チ レ ン ア ジ べ 一 卜 ポ リ ブ チ レ ン セ バ ケ 一 卜 、 ポ リ ブ チ レ ン ァ ゼ ラ エ 一 卜 ポ リ ブ チ レ ン デ カ ネ ー ト 、 ポ リ へ キ サ ン サ ク シ ネ ー ポ リ へ キ サ ン ア ジ べ一 ト 、 ポ リ へ キ サ ン セ パ、 ケ ー ト 、
ポ リ へ キ サ ン ァ ゼ ラ エ一 ト 、 ポ リ へ キ サ ン デ カ ネ ー ト な ど の 炭素数 2 〜 2 0 程度 の 直鎖状 ま た は 分 岐状 ア ル キ レ ン 基 を 有 す る 脂肪族 ア ル キ レ ン グ リ コ ー ル と 炭素数 4 ~ 2 2 程度 の 脂肪族 ジ カ ル ボ ン 酸 と の ポ リ エ ス テ ル お よ び そ れ ら を 成分 と す る ( ラ ン ダ ム お よ び プ ロ ッ ク ) 共重 合 体力 あ げ ら れ る 。 こ の ほ カヽ に 、 ジ エ チ レ ン グ リ コ ー ル、 ト リ エ チ レ ン グ リ コ ー ノレ 、 エ チ レ ン / プ ロ ピ レ ン グ リ コ ー ル な ど の ア ル キ レ ン グ リ コ ー ル ォ リ ゴ マ ー と 脂肪族 ジ 力 ノレ ボ ン 酸 と を 組 み 合 わ せ た ポ リ エ ス テ ル エ ー テ ル も 、 低融点 ポ リ エ ス テ ル 成分 ( S ) と し て 好 ま し い 。
一般 に 、 ホ モ ポ リ マ ー は 結 晶 性 の ば あ い 力 多 い が、 そ の 2 種以上 の 共重合 ( ラ ン ダム ま た は ブ ロ ッ ク ) に よ り 、 低融点 ポ リ エ ス テ ル 成分 ( S ) の 結 晶 化度 を 低下 し た り 非 晶 化す る こ と が で き る 。 ま た 、 繊維成分 ( B 2 ) と し て 成分 ( H ) と ( S ) の 混 合物 を 用 い る ば あ い 、 低融点 ポ リ エ ス テ ル に 結 晶 性 高 融点 ポ リ エ ス テ ル を プ ロ ッ ク 共 重 合 し た も の は 、 高 融点 ポ リ エ ス テ ル ( H ) と の 親和 性 が高 く 、 容 易 か つ 均 一 に 混 合 で き る の で 、 低 融点 ポ リ ェ ス テ ル ( S ) と し て 特 に 好 ま し い 。 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) 中 の 低融点 ポ リ エ ス テ ル成分 ( S ) の分子量 は、 特 に 限定 さ れ な い が、 ブ ロ ッ ク 共重 合体 の ば あ い 、 ソ フ ト セ グ メ ン ト ( S ) の 分 子 量 は 、 た と え ば 1 0 0 0 〜 1 5 万、 さ ら に は 2 0 0 0 〜 1 0 万 が 好 ま し い こ と が 多 く 、 5 0 0 0 〜 5 万 が特 に 好 ま し い こ と が 多 く 、 ポ リ マ 一 ブ レ ン ド の ば あ い 、 低融点 ポ リ エ ス テ ル ( S ) の 分子 量 は 、 た と え ば 1 万 〜 3 0 万 、 さ ら に は 2 万 〜 2 5 万 が 好 ま し い こ と が多 く 、 5 万 〜 2 0 万 が特 に 好 ま し い こ と が 多 い 。 さ ら に 、 繊維 成分 ( B 2 ) の 収縮 性 を 高 め る た
め に 、 可塑剤 な ど を 添加 し て も よ い。
脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) 中 の 結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ルで あ る 高融点ポ リ エ ス テ ル成分 ( H ) の具体例 は、 前述の と お り で あ る 。 こ の 部分を 強固 に す る に は 、 結晶 性が高 い 必要が あ り 、 結晶性 を保つ に は、 ホ モ ポ リ マ ー が最 も 好 ま し く 、 共重合や 混合 に よ る 変性の ば あ い も 第 2 成 分 の 量 を 抑 制 す る こ と 、 た と え ば 第 2 成分 の 量 は 2 0 重量 % 以下が好 ま し く 、 1 0 重量%以下が特 に 好 ま し く 、 5 重量% 以下が最 も 好 ま し い 。 繊維成分 ( B 2 ) と し て ポ リ マ ー ブ レ ン ド を用 い る ば あ い 、 低融点 ポ リ ェ ス テ ル を プ ロ ッ ク 共重合 し た 高融点 ポ リ エ ス テ ルが、 低 融点 ポ リ エ ス テ ル成分 ( S ) と の 混和性が高 く 、 高融点 ポ リ エ ス テ ル成分 ( H ) と し て好 ま し い 。 高融点 ポ リ ェ ス テ ル成分 ( H ) の 分子量 は 、 特 に 限定 さ れ な い が、 ブ ロ ッ ク 共重合体の ば あ い 、 ハ ー ド セ グ メ ン ト ( H ) の 分 子量 は 、 た と え ば 5 0 0 0 〜 2 0 万、 さ ら に は 8 0 0 0 〜 1 0 万が好 ま し い こ と が多 く 、 1 万〜 5 万が特 に 好 ま し い こ と 力く多 く 、 ポ リ マ ー ブ レ ン ド の ば あ い 、 高融点 ポ リ エ ス テ ル ( H ) の 分子量 は、 5 万〜 3 0 万、 さ ら に は 8 万 〜 2 5 万 が好 ま し い こ と が多 く 、 1 0 万 〜 2 0 万が 特 に 好 ま し い こ と が多 い 。
脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 2 ) が、 高融点 ポ リ エ ス テ ル ( H ) と 低融点 ポ リ エ ス テ ル ( S ) と の 混合物で あ る ば あ い 、 混合状態 は 特 に 限定 さ れな い が、 両成分が微細 か つ 均一 に 混合 さ れて い る こ と が好 ま し い。 微細かつ 均一 に混合す る ため に は、 相互親和性が高い こ と が好ま し く 、 一方 ま た は双方が混合相手の 成分を た と え ば高 々 5 0 重 量%、 好 ま し く は 5 〜 3 0 重量%程度、 さ ら に 好 ま し く
は 1 0 〜 2 0 重量% ブ ロ ッ ク 共重合 し た も の が好ま し い。 ま た 両成分の 混和性を 高 め る た め に 、 副次的 第 3 成分 た と え ば界面活性剤 の 機能を も つ も の ま た は 混和剤 を 添加 し て も よ い 。 高融点 ポ リ エ ス テ ル ( H ) と 低融点 ポ リ ェ ス テ ル ( S ) と の 重量比率 は 、 使用 す る 各成分 の 特性 に よ っ て異な る が、 好ま し い繊維の強度、 弾性率、 耐熱性、 熱収縮性 な ど を う る た め に は 、 こ の 比率 は 1 Z 9 〜 9 Z 1 、 好 ま し く は 2 Z 8 〜 8 Z 2 、 さ ら に好 ま し く は 3 Z 7 〜 7 / 3 で あ る 。 高融点 ポ リ エ ス テ ル ( H ) の 結晶性 と 融点が高 く 強固 な ほ ど、 あ る い は 低融点 ポ リ エ ス テ ル ( L ) の 結晶性 と 融点が低 く 柔 ら か い ほ ど、 そ れ ぞれ少 量で も 効果が あ る 。
ポ リ マ ー ブ レ ン ド ( B 2 ) の 分子量 は、 特 に 限定 さ れ な い が、 重合体 ( A 2 ) と 溶融混合紡糸 す る た め に は、 成分 ( A 2 ) と ( B 2 ) の 溶融粘度が ほ ぼ等 し い こ と が 望 ま し く 、 ポ リ マ ー ブ レ ン ド ( B 2 ) 全体 の 重量平均分 子量 も 重合体 ( A 2 ) の そ れ に 近 い こ と が好 ま し い。 す な わ ち ポ リ マ ー ブ レ ン ド ( B 2 ) の 重量平均分子量 は 、 5 万以上、 さ ら に は 7 万〜 3 0 万、 特 に は 8 万〜 2 0 万 の 範囲が好 ま し い。
ポ リ マ ー ブ レ ン ド ( B 2 ) は高融点ポ リ エ ス テ ル ( H ) と 低融点 ポ リ エ ス テ ル ( S ) と を混合 し て え ら れ る 。 混 合方法 は 特 に 限定 さ れ な い が、 た と え ば両者の ペ レ ツ ト を 所定比率で混合 し 、 ス ク リ ユ ー 押 出機や 2 軸押 出混練 機 あ る い は そ の他 の 混練機な どで溶融混合 し て も よ い 。 同様 に 、 別 々 に 溶融 し た両者を、 機械的撹拌装置で混合 し て も よ く 、 静止混合器で混合 し て も よ い。 静止混合器 は 、 流れの 案 内 装置 に よ っ て ポ リ マ ー 流 の 分割 と 合流 を
繰 り 返 す も の で 、 機械 的撹 拌装 置 と 併用 し て も よ い 。 溶 融法 で 混 合 す る と 、 高 融点 ポ リ エ ス テ ル ( H ) と 低融点 ポ リ エ ス テ ル ( S ) と が反 応 し て 共重 合体化す る こ と が あ る 。 共重 合体 化 に よ る 融点 の 低下、 耐熱性 の 劣化 な ど を 防止 す る 必要が あ る ば あ い は 、 溶融 混合 は で き る だ け 短 時 間 、 た と え ば 3 0 分以 内 、 特 に 2 0 分以 内 に 行 な う こ と が好 ま し い 。 同 様 に 、 両 成 分 の 反 応 を 防 ぐ た め に 、 ポ リ マ ー の 分子 末端 を エ ス テ ル化 な ど し て 封鎖 し て お く こ と も 可能 で あ る 。 ま た 、 両成分 を 溶 剤 に 溶解 し て 混 合 す る こ と も で き る 。
月旨肪族 ポ リ エ ス テ ノレ ( B 2 ) が ノヽ ー ド セ グ メ ン ト ( H ) と ソ フ ト セ グ メ ン ト ( S ) と が結 合 さ れ た ブ ロ ッ ク 共重 合体 で あ る ば あ い 、 結 合 の 方式 は 特 に 限定 さ れ ず、 通常 の 化学結合で よ い。 た と え ばエ ス テ ル結合、 ア ミ ド結合、 ウ レ タ ン 結 合、 ゥ レ ア 結合 そ の 他 で も よ い 。 た と え ば ソ フ ト セ グ メ ン ト 用 の 低融点脂肪族 ポ リ エ ス テ ル で 末 端 に 水酸基 を も つ も の に 、 ラ ク チ ド ゃ グ リ コ リ ド を 反 応 ( 重 合) さ せ 、 ハ ー ド セ グ メ ン ト を 形成 し て も よ い 。 ま た 、 共 に 末端 に 水酸基 を も つ ソ フ ト セ グ メ ン ト 用 ポ リ エ ス テ ル と ハ ー ド セ グ メ ン ト 用 ポ リ エ ス テ ル に ジ 力 ノレ ボ ン 酸無 水物 ま た は ハ ロ ゲ ン 化物 を 反 応 さ せ て 継 い で も よ い 。 こ れ ら の ば あ い 、 継 ぎ 目 は エ ス テ ル 結 合 で あ る 。 ま た 末端 水酸基 に ジ イ ソ シ ァ ネ ー ト を 反 応 さ せ 、 ウ レ タ ン 結 合 で つ な ぐ こ と も で き る 。 ハ ー ド セ グ メ ン ト ( H ) と ソ フ ト セ グ メ ン ト ( S ) と の 重量比 率 は 、 使用 す る 各成分 の 特 性 に よ っ て 異 な る が、 好 ま し い 繊維 の 強度 、 弾性率、 耐 熱性 、 熱収縮性 な ど を う る に は 、 こ の 比率 は 2 8 〜 8 / 2 、 好 ま し く は 3 Ζ 7 〜 7 Ζ 3 、 特 に 好 ま し く は 4 /
6 〜 6 Z 4 の 範囲 で あ る 。 ハ ー ド セ グ メ ン ト ( H ) 力 強 固 な ほ ど 、 あ る い は ソ フ ト セ グ メ ン 卜 が柔 ら か い ほ ど、 そ れぞれ少量で も 効果があ る 。
ブ ロ ッ ク 共重合体 ( B 2 ) の 重量平均分子量 は、 特 に 限定 さ れ な い が、 多 く の ばあ い 、 5 万以上、 さ ら に は 8 万 〜 3 0 万、 特 に は 1 0 万 〜 2 0 万 の 範囲が好 ま し い 。
本発明 の 複合繊維 ( Π b ) が、 比較的容易 に 分割 (剥 離) 可能で あ る 第 1 の要因 は 、 前述の 重合体 ( A 2 ) と 重合体 ( B 2 ) の 熱収縮力 ま た は収縮率の 差が大 き い こ と で あ る 。 重 合体 ( A 2 ) の 沸騰 水 に よ る 収 縮 率 は 、 2 0 % 以 下 が好 ま し く 、 1 5 %以 下が 特 に 好 ま し く 、 1 0 %以下が最 も 好 ま し い 。 同様 に 、 重合体 ( B 2 ) の 収縮率 は 、 2 0 %以上が好 ま し く 、 3 0 %以上が特 に 好 ま し く 、 4 0 %以上が最 も 好 ま し い 。 重合体 ( A 2 ) と 重合体 ( B 2 ) と の 収縮率の 差 は 、 1 0 %以上が好 ま し く 、 2 0 %以上が特 に 好 ま し く 、 3 0 %以上が最 も 好 ま し い。 一般 に 重 合体 ( B 2 ) 中の 低融点 ポ リ エ ス テ ル成 分 ( S ) が多 い ほ ど 、 そ の 収縮率が大 き い 傾 向 が あ る 。 こ れ ま で の説明 に従い、 重合体 ( A 2 ) と 重合体 ( B 2 ) と を選 び、 容易 に 充分 な 収縮率の 差を 実現で き る 。
本発明 の 複合繊維 ( n b ) が、 比較的容易 に 分割可能 で あ る 第 2 の 要因 は 、 重合体 ( A 2 ) と 重合体 ( B 2 ) の一方 も し く は双方が ポ リ 有機 シ ロ キ サ ン 成分 を含む た め 、 相互接着性が低 い こ と で あ る 。 ポ リ 有機 シ ロ キ サ ン は ア ルキ ル基 お よ び ( ま た は ) ァ リ ー ル基の 側鎖 を も つ も の で、 た と え ば ポ リ ジ メ チ ノレ シ ロ キ サ ン 、 ポ リ メ チ ル ェ チ ノレ シ ロ キ サ ン 、 ポ リ ジ ェ チ ル シ ロ キ サ ン 、 ポ リ メ チ ル フ エ ニ ノレ シ ロ キ サ ン 、 ポ リ ジ フ エ ニ ル シ ロ キ サ ン な ど
力く あ げ ら れ る 力く 、 ポ リ ジ メ チ ル シ ロ キ サ ン が 最 も 好 ま し い こ と が多 い 。 成分 ( A 2 ) ま た は ( B 2 ) 中 の ポ リ 有 機 シ ロ キ サ ン 成 分 が 多 い ほ ど 、 成分 ( A 2 ) と 成 分 ( B 2 ) の接着性が低下 し 、 剥離が容易 に な る 。 成分 ( A 2 ) お よ び ( B 2 ) の 少 な く と も 一方 の ポ リ 有機 シ ロ キ サ ン 成分 の 含 有 率 は 0 . 0 5 重量 % 以 上 で あ り 、 好 ま し く は 0 . 1 重量 % 以上、 よ り 好 ま し く は 0 . 3 〜 8 重量 % 、 特 に 好 ま し く は 0 . 5 〜 5 重量 % で あ る 。 特 に 、 ポ リ 有 機 シ ロ キ サ ン 成 分 は 、 成分 ( A 2 ) よ り も 成分 ( B 2 ) に 多 く 含 有 さ せ る こ と や 、 成 分 ( B 2 ) だ け に 用 い る こ と が 好 ま し い 。
ポ リ 有機 シ ロ キ サ ン を 成分 ( A 2 ) ま た は ( B 2 ) に 含有 さ せ る 方 法 に は 、 共重 合 法 と 混 合 法 が あ る 。 共重合 法 は 末 端 な ど に 水酸基 を も つ ポ リ 有機 シ ロ キ サ ン と 脂肪 族 ポ リ エ ス テ ル 製造原料 、 た と え ば ラ ク チ ド ゃ グ リ コ リ ド と を 反 応 ( 重 合) さ せ て も よ く 、 末 端 に 水酸基 を も つ 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル と 混 合 し 、 た と え ば ジ カ ル ボ ン 酸無 水物 、 ジ カ ル ボ ン 酸 ノヽ ロ ゲ ン 化物 、 ジ ィ ソ シ ァ ネ 一 ト な ど を 反応 さ せ 両 者 を 結合 し て も よ い 。 た と え ば、 ポ リ シ ロ キ サ ン 末端水 酸基 に 等 モ ル の ジ イ ソ シ ァ ネ ー ト を 反応 さ せ た ( イ ソ シ ァ ネ ー ト 基 を も つ ) プ レ ボ リ マ ー を 、 水 酸基 を も つ 脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル に 混 合 し 反 応 さ せ る こ と が で き る 。
混 合 法 は 、 脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル に ポ リ 有機 シ ロ キ サ ン を 混 合 す る 方 法 で あ る が、 両 者 は 相 互親 和 性 が乏 し く 、 均一 に 混 合 す る こ と は か な り 困難 で あ る 。 親和 性 改善 の 一つ の 方 法 は 、 界面活性剤 の 使用 で あ る 。 他 の 方 法 は 脂 肪族 ポ リ エ ス テ ノレ と ポ リ 有機 シ ロ キ サ ン と の プ ロ ッ ク 共
重合体 を 用 い る 方法で あ る 。 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル と ポ リ 有機 シ ロ キ サ ン と の ブ ロ ッ ク 共重合体の 製造法 は 、 前述 の と お り で、 別途製造 し た ブ ロ ッ ク 共重合体 を脂肪族 ポ リ エ ス テ ル に 均一 に 混合す る の は 、 比較的容易で最 も 実 用 的 で あ る 。 こ の ブ ロ ッ ク 共重合体 を別途製造す る こ と は、 必要量が少量 の た め 、 通常の 装置 や方法、 た と え ば 強力 な 撹拌装置、 超音波装置、 界面活性剤 な どが使用 可 能で比較的容易 で あ る 。 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル と 混合 さ れ る べ き か か る 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル と ポ リ 有機 シ ロ キ サ ン と の ブ ロ ッ ク 共重合体 中 の ポ リ 有機 シ ロ キ サ ン 成分の 含 有率 は、 5 〜 9 5 重量%、 好ま し く は 1 0 〜 9 0 重量%、 よ り 好 ま し く は 2 0 〜 8 0 重量% で あ る 。 こ の ブ ロ ッ ク 共重合体 は 、 ポ リ 有機 シ ロ キ サ ン を 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル に 分散 (混合) す る と き の 分散剤 (界面活性剤) と し て 用 い る こ と も で き 、 応用範囲が広 く 、 本発 明 に 特 に 有用 あ る 。
複合繊維 ( n b ) の 断面 に お い て、 重合体 ( B 2 ) は 重合体 ( A 2 ) を 少 な く と も 2 つ の 部分 (以下、 層 と い う こ と が あ る ) に 分離 し て お り 、 かつ 両成分 は繊維の 表 面の一部 を 占 め て い る 必要が あ る 。 こ の 複合構造 に よ つ て、 複合繊維 ( Π b ) は、 複数 に 分割可能 と な り 、 繊度 が小 さ く 特殊 な 断面の繊維がえ ら れ る 。 単繊維内 の 重合 体 ( A 2 ) の 層 の 数が多 い ほ ど、 細 く 比表面積の 大 き い 繊維 が え ら れ る 。 分割 数 は 2 以 上 の 必要 が あ り 、 3 〜 2 0 程度が最 も 広 く 用 い ら れ る 。 分割数が 3 〜 1 0 程度 の も の は、 ド レ ス 、 ブ ラ ウ ス 、 女性下着 な ど に 好適 で あ り 、 4 〜 2 0 の も の は超極細繊維 と し て 、 超高密度編織 物、 不織布、 人工 ス エ ー ド 、 人工皮革、 フ ィ ル タ ー 、 ヮ
ィ ピ ン グ ク ロ ス な ど に 好適で あ る 。
図 3 A 〜 3 I に 本発明 に 好適 な 複合繊維 ( n b ) の横 断面構造 を 示す。 図 に お い て 、 7 は 重合体 ( A 2 ) を、 8 は 重合体 ( B 2 ) を、 9 は 中空部を そ れ ぞれ示す。 図 3 A は 3 層並列型で 3 分割型 の 例 で あ る 。 並列型 と は 、 両成分が交互 に 配列 さ れ て い る 構造を い う 。 図 3 B は 、 放射状の 重合体 ( B 2 ) の層 に よ り 、 重合体 ( A 2 ) が 4 つ の 層 に 分割 さ れて い る 例 で あ る 。 放射型 と は 、 一方 の 成分、 た と え ば重合体 ( B 2 ) が放射状の 形態で あ る も の を い う 。 図 3 C は 9 層 の 放射型、 図 3 D は 9 層 の 多 重並列型、 図 3 E は花弁状 の 9 層放射型、 図 3 F は 放射 型 と 多重並列 型の 組合 わせ 、 図 3 G は非 円 形放射型、 図 3 H は変形多 重並列型、 図 3 I は 中空放射型の 複合繊維 を 示 す。 図 3 A 〜 3 I 以外 に も 、 本発 明 に 従 っ て 、 多 種 多 様 な 複合が可能で あ る 。 重合体 ( A 2 ) お よ び重合体 ( B 2 ) の ほ か に 第 3 の 成分 を 複 合す る こ と も で き る 。 た と え ば 、 図 3 I の 中 空部の 代 わ り に 第 3 の ポ リ マ 一 を 配 置 し て も よ い 。 一方 の 成分が、 繊維 の 全表面 を 占 め る 複合構造、 た と え ば図 3 J 、 3 K に 示 さ れ る ご と き 芯鞘 型 や 海 島型構造 は複合繊維 ( n b ) に 用 い る こ と は で き な い o
重合体 ( A 2 ) と 重合体 ( B 2 ) と の 複 合比 ( 断面積 比) は 特 に 限定 さ れず、 目 的 に 応 じ て任意 に選択す れば よ い 。 多 く の ば あ い 、 複合比 は 2 0 1 〜 1 / 5 の 範囲 が好 ま し く 、 1 0 1 〜 : L Z 2 の 範囲が特 に 好 ま し い 。 す な わ ち 、 高 収縮成分 ( B 2 ) よ り も 、 低収縮成分 ( A 2 ) の比率が大 き い も の が好適で あ る こ と が多 く 、 複合 比 ( A 2 ) / ( B 2 ) は 、 1 0 Z 1 〜 1 / 1 の 範囲が最
も 好 ま し い 。
複 合繊維 ( n b ) の 断面形状 は 、 任意 に 選 ぶ こ と がで き る 。 単糸繊度 (分割前) も 同様 に 、 使用 目 的 に 応 じ て 任意 に 選 ばれ る が、 通常 0 . 5 〜 5 0 デニ ー ル、 特 に 1 〜 3 0 デ ニ ー ル の 範 囲 が好 ま し く 用 い ら れ 、 1 . 5 〜 2 0 デニ ー ル の 範囲が特 に好 ま し く 用 い ら れ る 。
重合体 ( A 2 ) と 重合体 ( B 2 ) か ら 複合繊維 ( n b ) を 製造す る 方法 は 、 複合繊維 ( I ) の ば あ い と 同 じ で あ る o
本発明 の 複 合繊維 ( n b ) は 、 連続 フ ィ ラ メ ン ト 、 モ ノ フ ィ ラ メ ン ト 、 マ ル チ フ ィ ラ メ ン ト 、 切断 し た ス テ ー プ ル な ど、 使用 目 的 に 応 じ て任意の 形態 と す る こ と がで き る 。 複合繊維 ( n b ) の な か で 、 シ リ コ ン 成分を 多量 に 用 い て成分間の 相互接着性 を特 に 弱 め た も の は 、 延伸 だ け で剥離 ま た は 亀裂が見 ら れ る こ と が あ る 。 加熱ゃ膨 潤す れば さ ら に 剥離 · 分割 が進行す る 。 剥離性が弱 い と き は 、 加熱ゃ膨潤 の ほ か、 必要 に 応 じ 、 仮撚、 揉 み 、 叩 き な ど の 機械的方法 を 応用 し て も よ い 。 重合体 ( B 2 ) を 溶剤 で溶解除去 し 分割す る 方法 も 応用 可能で あ る が、 剥離法の ほ う が重量損失が な く 好 ま し い。 一般 に 、 繊維 製造中や編織物な ど に加工中 は 、 剥離 は潜在す る 程度 に 抑制 し 、 編織物 な ど に し た の ち 、 た と え ば染色仕上 げ工 程で完全 に 剥離 · 分割す る こ と が好 ま し い こ と が多 い。 極細雄維、 超極細繊維 は製造や加工工程の 摩擦 な ど で切 断 し 易 く ト ラ ブ ルの 原因 と な る こ と が多 い か ら で あ る 。
繊維 ( Π ) の さ ら に 別の好 ま し い態様 は、 ( A 2 ) 融 点が 1 4 0 °C以上で溶融時の 吸熱量が 2 0 J Z g 以上の 結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル重合体か ら な る 繊維成分 お よ
び ( B 2 ) 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル を主成分 と し 、 実質的 に 非結晶性で あ り ガ ラ ス 転移点が 4 0 °C以下 で あ る ソ フ ト セ グ メ ン ト ( S ) と 、 融点 1 1 0 °C以上 の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の 結晶性 セ グ メ ン ト お よ び ( ま た は ) ウ レ タ ン 結 合を 有す る セ グ メ ン ト か ら な る ハ ー ド セ グ メ ン ト ( H ) と が結合 さ れ て い る プ ロ ッ ク 共重合体 か ら な る 繊維成分 と か ら な る 繊維 ( n c ) で あ る 。
繊維 ( n c ) は 、 繊維成分 ( A 2 ) と ( B 2 ) を 単繊 維内 で接 合 し て複合繊維 に 形成 し て も よ く 、 あ る い は各 成分 の 繊維 ( A 2 ) と ( B 2 ) を 混合 し て複合糸 に 形成 し て も よ い 。 繊維成分 ( B 2 ) の 熱収縮性 に 基づ き 、 繊 維 ( n c ) は優 れ た 嵩高性、 柔軟性、 風合 い を有す る 。 繊維成分 ( A 2 ) と ( B 2 ) を偏心的 に 接合 し た 複合繊 維 は 、 さ ら に 優 れ た 自 発巻縮性を 発揮 し 、 卷縮 さ れ た繊 維 は 伸縮性 に も 優れて い る 。
繊維 ( D C ) に お い て、 重合体 ( A 2 ) は 、 熱収縮性 の 小 さ な 成分で あ る 。 重合体 ( A 2 ) に 好適 な も の と し て は 、 結晶性 の ホ モ ポ リ マ ー お よ び、 そ れ に 対 し て結晶 性 を あ ま り 損な わ な い 程度 に 少量 ( た と え ば 4 0 重量% 以下 、 好 ま し く は 3 0 重量 % 以下 、 さ ら に 好 ま し く は 2 0 重量 % 以下) の 第 2 成分や第 3 成分 を 共重合 お よ び ( ま た は ) 混合 し た も の が あ げ ら れ る 。 繊維の 巻縮性、 強度、 耐熱性あ る い は風合い の見地か ら 、 重合体 ( A 2 ) の 溶 融 時 の 吸熱量 は 、 2 0 J Z g 以上 が必要 で あ り 、 3 0 J Z g 以上が好 ま し く 、 4 0 J Z g 以上が特 に 好 ま し い 。 実用 的見地か ら 重合体 ( A 2 ) の 融点 は、 1 4 0 °C以上の 必要が あ り 、 1 5 0 °C以上が好 ま し く 、 1 6 0 °C以上が さ ら に好ま し く 、 1 6 5 °C以上が特に好ま し い。
重合体 ( B 2 ) は、 実質的 に 非結晶性 (非 晶性) で、 ガ ラ ス 転移点が 4 0 °C以下 の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル を主成 分 と す る ソ フ ト セ グ メ ン ト ( S ) と 、 特定 の ハ ー ド セ グ メ ン 卜 ( H ) 力、 ら な る ブ ロ ッ ク 共重合体で あ り 、 そ れ に 少量 ( 5 0 重量% 以下、 好 ま し く は 4 0 重量% 以下、 さ ら に 好 ま し く は 3 0 重量%以下) の 他 の 成分 を共重合 ま た は 混合 し た も の も 包含す る 。 こ こ で セ グ メ ン ト は 、 ポ リ マ 一分子鎖の 一部分 を 意味 し 、 ブ ロ ッ ク と も い う 。
の 特異 な 構造 に よ り 、 重合体 ( B 2 ) は い わ ゆ る エ ラ ス ト マ 一的 な 弾性挙動 を 示 し 、 引 き 伸 ば さ れ た 状態 力、 ら の 回復性 に す ぐ れ、 繊維化 さ れ る と 高 い 熱収縮性 を 示す。 高 い 熱収縮性 を 示す た め に は 、 ソ フ ト セ グ メ ン ト ( s ) の ガ ラ ス 転移 点 は 、 4 0 °C 以 下 の 必 要が あ り 、 2 0 °C以下が好 ま し く 、 0 °C以下力 さ ら に 好 ま し い 。 複 合繊維を 製造す る ば あ い は 、 ソ フ ト セ グ メ ン ト の ガ ラ ス 転移点 は 2 0 °C以下、 な かん づ く 0 °C以下で あ る こ と が 好 ま し い。 ガ ラ ス 転移点 は 、 図 7 に 示す よ う に D S C で も 測定可能で あ る が、 粘弾性の 測定 ( た と え ば 1 〜 6 0 へ ル ッ で測定) で の 力学的損失 ( t a n 5 ) の 主分散の 極大値温度が、 よ り 正確で あ る 。 実質的 に 非結晶性 (非 晶性) と は、 D S C 曲線 に お け る 溶解吸熱量が 5 J g 未満の も の を い い、 3 J Z g未満であ る こ と 力、'好ま し い。
ソ フ ト セ グ メ ン ト ( S ) に 好適 な 例 と し て は、 共重合 や 混合に よ っ て結晶性を 消失 ま た は 実質的 に 非晶化 し た 脂肪族 ポ リ エ ス テ ルが あ げ ら れ る 。 結晶性 を 消失 ま た は 実質的 に非晶化す る に は、 2 成分の ばあ い の 共重合 (重 量) 比率 は 1 Z 1 の 周辺、 す な わ ち 2 Z 1 〜 1 Z 2 程度 の 範囲が好 ま し い こ と が多 い 。
ソ フ ト セ グ メ ン ト ( S ) と し て 好適 な ガ ラ ス 転移点 が 0 °c 以 下 の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ノレ の 例 と し て は 、 ポ リ カ ブ ロ ラ ク ト ン 、 ポ リ エ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト 、 ポ リ エ チ レ ン ア ジ ペ ー ト 、 ポ リ エ チ レ ン セ バ ゲ ー ト 、 ポ リ エ チ レ ン ァ ゼ ラ エ ー ト 、 ポ リ エ チ レ ン デ カ ネ ー ト 、 ポ リ プ ロ ピ レ ン サ ク シ ネ ー ト 、 ポ リ プ ロ ピ レ ン ア ジ ペ ー ト 、 ポ リ プ ロ ピ レ ン セ バ ゲ ー ト 、 ポ リ プ ロ ピ レ ン ァ ゼ ラ エ ー ト 、 ポ リ プ ロ ピ レ ン デ カ ネ ー ト 、 ポ リ プ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト 、 ポ リ ブ チ レ ン ア ジ ペ ー ト 、 ポ リ ブ チ レ ン セ バ ゲ ー ト 、 ポ リ ブ チ レ ン ァ ゼ ラ エ ー ト 、 ポ リ プ チ レ ン デ カ ネ ー ト 、 ポ リ へ キ サ ン サ ク シ ネ ー ト 、 ポ リ へ キ サ ン ア ジ ペ ー ト 、 ポ リ へ キ サ ン セ バ ゲ ー ト 、 ポ リ へ キ サ ン ァ ゼ ラ エ ー ト 、 ポ リ へ キ サ ン デ カ ネ 一 ト な ど の 炭素数 2 ~ 2 0 程度 の 直鎖状 ま た は 分 岐 状 ア ル キ レ ン 基 を 有 す る ポ リ エ ス テ ル が あ げ ら れ る 。 前 記 の ほ か、 ジ エ チ レ ン グ リ コ ー ル、 ト リ エ チ レ ン グ リ コ ー ノレ 、 エ チ レ ン / プ ロ ピ レ ン グ リ コ ー ル な ど の ァ ノレ キ レ ン ダ リ コ ー ル オ リ ゴ マ ー と 脂肪族 ジ カ ル ボ ン 酸 と を 組 合 わ せ た ポ リ エ ー テ ル エ ス テ ル も ソ フ ト セ グ メ ン ト 成分 と し て 好 ま し い 。 こ れ ら の ポ リ エ ス テ ル の ホ モ ポ リ マ 一 は 一般 に 結晶 性 で あ り 、 し た が っ て そ の 2 種以 上 を 混 合 し た り 共 重 合 ( ラ ン ダ ム お よ び ( ま た は ) ブ ロ ッ ク 共 重 合 ) し て 、 結晶性 を 実質 的 に 消 失 さ せ る 必要 が あ る 。 ソ フ ト セ グ メ ン ト の 分子量 は、 特に 限定 さ れな い が、 た と え ば 1 0 0 0 〜 2 0 万、 さ ら に は 1 5 0 0 ~ 1 5 万、 特 に は 2 0 0 0 〜 1 0 万 が好 ま し い こ と が多 く 、 5 0 0 0 〜 5 万 程度 の も の が最 も よ く 用 い ら れ る 。
重 合体 ( B 2 ) の ソ フ ト セ グ メ ン ト ( S ) は 、 実 質 的 に 非結晶性 (非晶性) の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル を主成分 と
す る も の で あ る 非晶性 S1曰肪族 ポ リ エ ス テ ル は 、 前記の ご と く 、 複数の 脂肪族 ポ リ ェ ス テ ル ま た は そ れ ら の 製造 原料を ラ ン ダ ム 共重合 ま た は ブ ロ ッ ク 共重合す る こ と に よ っ て容易 に え ら れ る 。 た と え ば、 ポ リ ェ チ レ ン ア ジ ぺ — 卜 と ポ リ プ ロ ピ レ ン ア ジ ぺ ― 卜 の 原料を 、 モ ル比 1 /
3 ~ 3 1 程度 の 範囲、 特 に 1 2 2 Z 1 の 範囲で混 合 し て重合す れ ば、 低結晶 te 〜非晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ルがえ ら れ る 。 ま た 、 た と え ば、 分子末端 に 水酸基 を も つ ポ リ エ チ レ ン ア ジ ぺ ー ト と ポ リ プ ロ ピ レ ン セ バ ゲ 一 ト の 重量比 1 Z 1 の 混合物 4 0 重量部 と ラ ク チ ド 6 0 重量 部 と を 溶融重合す れ ば、 ポ リ 乳酸 Z ポ リ ェ チ レ ン ア ジ べ 一 ト 、 ポ リ 乳酸 Z ポ リ プ ロ ピ レ ン セ ノ ' ケ 一 卜 の 2 種の ブ o ッ ク 共重合体が混合 し た ポ リ マ ー が え ら れ、 こ の 混合 ポ リ マ 一 に お い て、 ポ リ エ チ レ ン ア ジ べ 一 ト セ グ メ ン ト と ポ リ プ ロ ピ レ ン セ ノく ケ ー ト セ グ メ ン ト の 部分 は 非晶性 の ソ フ ト セ グ メ ン ト を形成 し 、 ポ リ 乳酸セ グ メ ン ト は結 晶性 の ハ ー ド セ グ メ ン ト を形成す る 。 す な わ ち ソ フ ト セ グ メ ン ト の 非晶化 は 、 複数成分の ラ ン ダ ム 共重合、 プ ロ ッ ク 共重 合 ま た は混合な ど の 方法で、 容易 に 行な う こ と がで き る 。 成分が 2 つ の ば あ い 、 共重合 ま た は 混 合の 重 量比率 は 1 2 〜 2 1 の 範囲が好 ま し い こ と が多 い。 実質的 に 非晶性で あ る か ど う か は 、 D S C に よ る 結 晶 の 溶融吸熱量が、 5 J ノ g 未満、 特 に 3 J Z g 未 ?i¾ し 5 め か ど う か で判定 で き る 。
重合体 ( B 2 ) の ハ ー ドセ グ メ ン ト ( H ) に は 、 2 種 類 の 型 と そ れを組み 合わ せ た も の 計 3 種が用 い ら れ る 。
ハ 一 ド セ グ メ ン ト ( H ) の 第 1 の 型 は、 融点 1 1 0 °C 以 上 、 好 ま し く は 1 2 0 3C 以 上 、 さ ら に 好 ま し く は
1 4 0 °C 以 上 の 結 晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル で あ る 。 こ の よ う な 高 融点 の 結 晶 性脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル の 具 体例 は 前 記 し た と お り で あ る 。 こ の よ う な 高 い 融点 を 保 っ た め に は 、 ホ モ ポ リ マ ー が好 ま し く 、 共重 合 な ど に よ る 変性 の ば あ い も 第 2 成分 の 量 を 抑制 す る こ と 、 た と え ば第 2 成 分 の 量 は 2 0 重量 % 以下、 さ ら に は 1 0 重量 % 以 下、 特 に は 5 重量 % 以下 が好 ま し い 。 結晶 性 ハ 一 ド セ グ メ ン 卜 の 分子量 は 特 に 限 定 さ れ な い が、 充分 に 高融 点 で 結 晶 す る に は 、 分 子 量 は 5 0 0 0 〜 2 0 万 、 さ ら に は 1 万 〜 1 0 万 、 特 に は 1 万 〜 5 万 が好 ま し い こ と が 多 い 。
重 合体 ( B 2 ) の ハ ー ド セ グ メ ン ト ( H ) の 第 2 の 型 は 、 ウ レ タ ン 結 合 を 有 す る 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル で あ り 、 た と え ば 末端 に 水酸基 を も つ ソ フ ト セ グ メ ン ト 用 の 前記 脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル に イ ソ シ ァ ネ ー ト 、 好 ま し く は ジ ィ ソ シ ァ ネ ー ト を 反 応 さ せ て 形成 す る こ と が で き る 。 ジ ィ ソ シ ァ ネ ー 卜 の 例 と し て は 、 プ チ レ ン ジ イ ソ シ ァ ネ ー ト 、 へ キ サ ン ジ イ ソ シ ァ ネ ー ト 、 オ ク タ ン ジ イ ソ シ ァ ネ ー ト 、 フ エ 二 レ ン ジ イ ソ シ ァ ネ ー ト 、 ト リ レ ン ジ イ ソ シ ァ ネ 一 ト 、 キ シ レ ン ジ イ ソ シ ァ ネ ー ト 、 ジ フ エ ニ ル メ タ ン ジ ィ ソ シ ァ ネ ー ト な ど の 脂肪族 お よ び芳香族 ジ イ ソ シ ァ ネ ー ト が使用 で き る 。 さ ら に 、 エ チ レ ン グ リ コ ー ル 、 プ ロ パ ン ジ オ ー ル、 ブ タ ン ジ オ ー ル、 ネ オ ペ ン チ ル グ リ コ ー ノレ、 へ キ サ ン ジ オ ー ル な ど の ジ オ ー ル を 鎖伸 長剤 と し て 添加 し 、 必要 に 応 じ ジ イ ソ シ ァ ネ ー ト を や や 過剰 に 用 い 、 ハ 一 ド セ グ メ ン 卜 の 分子量 ゃ ゥ レ タ ン 結 合 の 数 を 増 や し 、 ハ 一 ド セ グ メ ン ト を よ り 強固 に す る こ と が で き る 。 し 力、 し 、 鎖伸 長剤 と し て ジ ア ミ ン を 多 く 用 い て ゥ レ ア 結 合 を (高 密度 で ) 導 入 す る と 、 融点が高 く な り 過 ぎ ( た と え
ば 2 3 0 °C 以上 な ど) 、 溶融紡糸 が困難 に な る の で 、 好 ま し く な い。 な お、 芳香族 ジ イ ソ シ ァ ネ ー ト を用 い る と 、 弾性的性質 は優れ る が、 変色 し 易 く 、 生分解性 も 劣 る 傾 向 が あ り 、 他方脂肪族 ジ イ ソ シ ァ ネ ー ト は 逆の 傾向があ り 、 目 的 や用 途 に 応 じ て選ぶ こ と がで き る 。 な お鎖伸長 剤や イ ソ シ ァ ネ ー ト 類 に 3 官能以上の 化合物 を 少量 (た と え ば 5 モ ル % 以下) 用 い 、 ポ リ マ ー に 分岐や 架橋構造 を導入す る こ と も で き る 。
ハ ー ド セ グ メ ン ト ( H ) の 第 3 の 型 は 、 前記 2 つ の 型 の 組合わ せ で 、 た と え ば、 結晶性ハ ー ド セ グ メ ン ト 用 ポ リ エ ス テ ル の 末端水酸基 と 、 非晶性 ソ フ ト セ グ メ ン ト 用 ポ リ エ ス テ ル の 末端水酸基 に ジ イ ソ シ ァ ネ ー ト を反応 さ せ 、 両者 を結合 し て う る こ と がで き る 。 こ の ば あ い 、 ポ リ マ ー の 結晶 の 周 辺 に 水素結合可能 な ゥ レ タ ン 結合部分 が生 じ 、 ハ ー ド セ グ メ ン ト が強化 さ れ る 。
重合体 ( B 2 ) の ハ ー ド セ グ メ ン ト ( H ) と ソ フ ト セ グ メ ン ト ( S ) と の 比率お よ び弾性的性質 は 、 特 に 限定 さ れず、 用 い る ハ ー ド セ グ メ ン 卜 と ソ フ ト セ グ メ ン 卜 の 性質や 、 製品 の 目 的 , 用途 な ど に 応 じ 適宜選べ ば よ い。 複合糸 の ばあ い 、 一般 に ハ ー ドセ グ メ ン 卜 が多 い ほ ど繊 維 は 固 く 耐熱性がす ぐ れ、 ソ フ ト セ グ メ ン ト が多 い ほ ど 繊維の 柔軟性が優れ る 傾向が あ る 。 繊維 ( B 2 ) の 弾性 的性質 は 、 い わ ゆ る ス パ ン デ ッ ク ス (弾性糸 ) の よ う に 極め て強 い 弾性回復率を も つ も の か ら 、 紡糸、 延伸、 熱 処理で、 あ る 程度分子配列が固定 さ れ、 の ち の 熱処理 に よ っ て さ ま ざ ま な収縮率や収縮力 で収縮す る も の ま で、 広範囲の も の が製造可能で あ る 。 し か し 、 一般 に 、 本発 明 の 目 的 に は 、 紡糸、 延伸、 熱処理で、 あ る 程度分子配
列 が固定 さ れ、 1 0 0 °Cの 水 中 で処理 し た と き の 収縮率 が 1 5 〜 8 0 % 、 特 に 2 0 〜 7 0 %の も の が好 ま し い こ と が多 く 、 3 0 6 0 %程度 の も の が最 も 広 く 用 い ら れ る 。 こ の た め 、 複合糸 の ば あ い 、 重合体 ( B 2 ) 中 の ハ 一 ド セ グ メ ン ト ( H ) の 含有率 は、 1 0 〜 9 0 重量%、 さ ら に は 2 0 〜 8 0 重量% 、 特 に は 3 0 〜 7 0 重量% の 範囲が好 ま し い 。
合繊維 の ば あ い 、 重合体 ( B 2 ) の ハ ー ド セ グ メ ン 卜 ( H ) と ソ フ ト セ グ メ ン ト ( S ) と の 重量比 は 、 2 0
/ 8 0 〜 8 0 / 2 0 さ ら に は 2 5 / ' 7 5 〜 7 5 Ζ 2 5 、 特 に は 3 0 7 0 7 0 3 0 の 範囲 力 好 ま し い 。 一般 に ノヽ 一 ド セ グ メ ン ト の構造が強固で固 い ほ ど、 ま た ソ フ ト セ グ メ ン ト の ガ ラ ス 転移点が低 く 非晶性で熱運動 の 自 由 度 が高 く 柔 ら か い構造を も つ ほ ど、 繊維成分 ( Β 2 ) の 弾性 的性質が優れ、 複合繊維 の 巻縮性が高 い 。 ま た、 よ り 強固 な ハ ー ド セ グ メ ン ト は 少量で も 効果が あ り 、 同 様 に ガ ラ ス 転移点が 0 。C以下 の ソ フ ト セ グ メ ン ト は 、 少 量で も 効果力く咼' い。
ブ □ ッ ク 共重 合体 ( B 2 ) の 分子量 は 特 に 限定 さ れ な い が 、 5 万〜 3 0 万 , な かん づ く 8 万〜 2 0 万が好 ま し い o
複合糸 ( H e ) の製造方法、 加工方法や、 繊維 ( A 2 ) と ( B 2 ) の 沸騰水収縮率、 断面形状、 繊度、 混合比お よ びそ の他につ いて、 ま た複合繊維 ( n c ) の製造方法、 断面形状、 繊度、 巻縮加工や成分 ( A 2 ) と ( B 2 ) の 熱収縮率差、 複合比お よ びそ の他につ いて は複合糸 ( I ) お よ び複合繊維 ( I ) の ば あ い と 同 じ で あ る の で、 そ れ ら の 説明 は 省略す る 。
本発明者 ら は 、 比較的 ア ル カ リ 加水分解 を受 け 易 い 脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル に さ ら に親水性化合物 を 配合 し 、 こ れ を 融点が 1 4 0 °C以上の 結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル と 単 繊維内 で複合す る と き は 、 化学処理 に よ っ て容易 に 分割 可能 な 複 合繊維がえ ら れ る こ と を 見出 し た。 し か し て、 本発 明 は 、 さ ら に ( A 3 ) 融点 1 4 0 C以上の 結晶性脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル重合体 と 、 ( B 3 ) 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル お よ び炭素数 2 〜 4 の ア ル キ レ ン 基 を も つ ポ リ エ ー テ ル 、 該 ポ リ エ ー テ ル誘導体、 ス ル ホ ン 基を も つ 有機化合 物、 硫酸エ ス テ ル基を も つ 有機化合物、 カ ル ボ キ シ ル基 を も つ 有機化合物、 リ ン 酸基を も つ 有機化 合物、 ァ ミ ノ 基 お よ び ( ま た は ) ア ミ ド基 を も つ 有機化合物 よ り な る 群か ら 選 ば れ た少な く と も 1 種の 化合物 1 〜 5 0 重量% が混合 さ れ た組成物 と が、 単繊維内 で複合 さ れて お り 、 かつ 横断面 に お い て 、 組成物 ( B 3 ) が重合体 ( A 3 ) を少 な く と も 2 つ の 部分 に分離 し て い る 複合繊維 ( m ) を 提供す る 。
本発明 の 複合繊維 ( m ) に お い て は、 融点が 1 4 0 °C 以上 の結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル重合体 ( A 3 ) と 、 特 定 の 親水性成分が配合 さ れ た 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル系組成 物 ( B 3 ) と が複合 (接合) さ れて い る 。 組成物 ( B 3 ) の ア ル カ リ 水溶液 に よ る 加水分解性が、 重合体 ( A 3 ) よ り も 大 き い た め に 、 こ の 複合繊維 は ア ル カ リ 水溶液処 理 に よ っ て容易 に 分割 さ れ る 。
重合体 ( A 3 ) は、 ア ル カ リ 水溶液 に よ る 加水分解性 が相対的 に 小 さ い も の で あ っ て 、 好 ま し い も の の 具体例 と し て は 、 ポ リ L 一 乳酸 (融点 1 7 5 °C ) 、 ポ リ D — 乳 酸 (同 1 7 5 °C ) 、 ポ リ 3 — ヒ ド ロ キ シ プ チ レ ー ト (同
1 8 0 °C ) 、 ポ リ グ リ コ ー ル酸 ( 同 2 3 0 °C ) な ど の ホ モ ポ リ マ ー 、 お よ び そ れ ら に 少量の 他成分 を 共重合 お よ び ( ま た は ) 混合 し た も の が あ げ ら れ る 。 一般 に 、 プ ロ ッ ク 共重合で は 結晶性や融点の 低下 は緩や かで あ り 、 共 重合成分の比率 は 5 0 重量%以下、 特に 1 〜 4 0 重量%、 多 く の ば あ い 1 〜 3 0 重量% が好 ま し い が、 ラ ン ダ ム 共 重合で は 結晶性や 融点の 変化が顕著で あ る の で、 共重合 成分の 比率 は 0 . 5 〜 2 0 重量% 、 特 に 1 〜 1 0 重量% が好 ま し い こ と が多 い 。
重合体 ( A 3 ) に は 、 ア ル カ リ に よ る 加水分解を抑制 す る た め 、 撥水成分を 混合 ま た は 共重合 に よ っ て導入 し て も よ い 。 撥 水成分 と し て は 、 炭素数 1 0 以上 、 特 に 1 5 以上の ア ルキ ル基を も つ脂肪酸や脂肪族ア ル コ ー ル、 そ れ ら の エ ス テ ル や ア ミ ド、 ワ ッ ク ス 類、 ポ リ エ チ レ ン お よ び そ の 誘導体、 ポ リ 有機 シ ロ キ サ ン ( た と え ば ポ リ ジ メ チ ル シ ロ キ サ ン ) お よ び そ の 誘導体 な ど が あ げ ら れ る 。 重合体 ( A 3 ) 中 の 撥水成分の 含有量 は 、 特 に 限定 さ れ な い が 、 多 く の ば あ い 0 . 1 〜 2 0 重量 % 、 特 に 0 . 5 〜 1 0 重量 %程度の 範囲が好 ま し い 。 重合体 ( A 3 ) の 分子量 は 特 に 限定 さ れ な い が、 多 く の ば あ い、 5 万以上、 さ ら に は 7 万〜 3 0 万、 特 に は 8 万〜 2 0 万が 好 ま し い 。
重合体 ( A 3 ) は、 結晶性が高 く 、 加水分解速度が低 い成分 で あ る が、 さ ら に耐熱性が高 く 、 熱収縮性が低 い こ と が好 ま し い 。 強度や耐熱性の 見地か ら 、 重合体 ( A 3 ) の融点は、 1 4 0 °C以上、 好ま し く は 1 5 0 °C以上、 さ ら に 好 ま し く は 1 6 0 °C以上、 特 に 好 ま し く は 1 7 0 °C以上で あ る 。 実用 的 見地か ら 、 重合体 ( A 3 ) の 溶融
時の 吸熱量 は 、 2 0 J Z g 以上、 さ ら に は 3 0 J Z g 以 上、 と く に は 4 0 J Z g 以上が好 ま し い。
組成物 ( B 3 ) は、 結晶性 ま た は非晶性 の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル と 、 特定 の 親水性化合物、 す な わ ち 炭素数 2 〜 4 の ァ ノレ キ レ ン 基 を も つ ポ リ エ ー テ ル、 該 ボ リ エ ー テ ル の 誘導体、 ス ル ホ ン 基を も つ 有機化合物、 硫酸エ ス テ ル 基を もつ有機化合物、 カ ルボキ シ ル基を も つ有機化合物、 リ ン 酸基 を も つ 有機化合物、 ア ミ ノ 基 お よ び ( ま た は) ア ミ ド基 を も つ 有機化合物 よ り な る 群力、 ら 選 ば れ た少 な く と も 1 種 の 化合物 と が混合 さ れ た も の で あ る 。 こ の 親 水性成分 に よ っ て 、 組成物 ( B 3 ) は水 お よ び ア ル カ リ 金属 ( ナ ト リ ウ ム 、 カ リ ウ ム 、 リ チ ウ ム 、 カ ノレ シ ゥ ム 、 マ グネ シ ウ ム な ど) 化合物の水溶液に極め て敏感に な り 、 容易に加水分解 さ れ、 そ の結果、 本発明の複合繊維 ( ffl ) は 分割 さ れ、 ま た は他の 手段、 た と え ば機械 的手段や化 学的膨潤 に よ る 分割方法を併用 し た ば あ い の 分割が容易 と な る 。 こ の た め に は、 繊維状で の 組成物 ( B 3 ) の 弱 ア ル カ リ 水溶液で の 、 た と え ば炭酸 ナ ト リ ウ ム (炭酸 ソ ー ダ) 3 重量% の水溶液中 9 8 〜 1 0 0 °C で の 分解速度、 す な わ ち単位時間当 た り の重量減少率は、 重合体 ( A 3 ) の そ れの 1 . 5 倍以上、 さ ら に は 2 倍以上、 特 に は 5 倍 以上、 さ ら に特 に は 1 0 倍以上で あ る こ と が好 ま し く 、 通常 5 〜 2 0 0 倍程度の 範囲が広 く 用 い ら れ る 。 組成物 ( B 3 ) に 混合 さ れ る 親水性化合物 は、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル と 溶融混合可能で、 かつ 組成物 ( B 3 ) は 溶融複合 紡糸可能で あ る こ と が好 ま し い。
親水性ィヒ合物の 第 1 の グル ー プ は、 炭素数 2 〜 4 の ァ ルキ レ ン 基を 有す る ポ リ エ ー テ ルお よ び そ の 誘導体で あ
る 。 ポ リ エ ー テ ル の 具 体例 と し て は ポ リ エ チ レ ン ダ リ コ ー ル 、 ポ リ プ ロ ピ レ ン グ リ コ ー ル 、 ポ リ ブ チ レ ン グ リ コ ー ル 、 そ れ ら の 共重 合体 が あ げ ら れ、 そ の 誘導体 の 例 と し て は 、 こ れ ら の ポ リ エ ー テ ル ( オ リ ゴ マ ー も 含 む ) と 他 の 成分 と の 反 応物、 た と え ば 、 ポ リ エ ー テ ル と ア ル キ ル基 ゃ ア ル キ ル ァ リ 一 ル基 を も つ 成分 と が エ ス テ ル 結合 や エ ー テ ル結 合 で 結 合 さ れ た 非 イ オ ン 界面活性剤 類、 ポ リ エ 一 テ ル と 他 の ポ リ マ ー 特 に 脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル と の 共重 合体 ( 特 に ブ ロ ッ ク 共重 合体) な ど が あ げ ら れ る 。 た と え ば ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ノレ と 脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル と の ブ ロ ッ ク 共 重 合体 は 、 組成物 ( B 3 ) の マ ト リ ク ス 成分で あ る 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル と 親和性が高 く 好 ま し い。 特 に 該 プ ロ ッ ク 共重 合体 中 の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の プ ロ ッ ク ( セ グ メ ン ト ) が 、 マ ト リ ク ス 成分 で あ る 脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル と 同 一 で あ れ ば、 相互親和 性 が最 も す ぐ れ、 容易 か つ 安定 に 混 合 で き る 。 た と え ば、 組成物 ( B 3 ) の マ ト リ ク ス ポ リ マ ー を ポ リ 乳酸 ま た は そ の 共重 合体 と し 、 ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル と ポ リ 乳酸 と の ブ ロ ッ ク 共 重 合体 を 親水性化 合物 と す る 組合 わ せ は 、 相 互親和 性が 極 め て 高 く 好 ま し い 。 同 様 に 、 マ ト リ ク ス ポ リ マ 一 を ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト と し 、 親水性化 合物 を ポ リ ェ チ レ ン グ リ コ ー ノレ / ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト プ ロ ッ ク 共 重合体 と す る 組 合 わ せ も 好 ま し い 。 ポ リ エ ー テ ル Z 脂肪 族 ポ リ エ ス テ ル の プ ロ ッ ク 共 重 合体 の 製造法 の 例 と し て は 、 末端 に 水酸基 を も つ ポ リ エ ー テ ル に 脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル の 重 合原料 を 反 応 さ せ る 方法、 末端 に 水酸基 を も つ 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル に ア ル キ レ ン ォ キ シ ド ( エ チ レ ン ォ キ シ ド な ど) を 付加反 応 ( 重 合) さ せ る 方 法 が あ げ ら れ
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67 る 。 ポ リ ブ チ レ ン ダ リ コ ー ル は、 必ず し も 親水性 は高 く な い が、 他 の 極性基 を も つ 化合物 を 混合 し て 、 優 れ た親 水性がえ ら れ る こ と が多 い 。 こ れ ら の ポ リ エ ー テ ル成分 を も つ ポ リ マ ー や非 イ オ ン 界面活性剤 な ど は 、 溶融流動 性が高 く 、 他の た と え ば極性基を も つ化合物 と 混合 し て、 そ の 熱可塑性を改良す る こ と も で き る 。
親水性ィヒ合物の 第 2 の グ ル ー プ は 、 ス ル ホ ン基 (特 に ア ル カ リ 金属塩) ま た は硫酸エ ス テ ル基を も つ 有機化合 物 で 、 た と え ば ビ ニ ル ス ノレ ホ ン 酸、 ス ノレ ホ ン 化 ス チ レ ン ( ナ ト リ ウ ム 塩 ) 、 メ タ リ ノレ ス ル ホ ン 酸 ソ ー ダ 、 2 — ァ ク リ ノレ ア ミ ド 2 — メ チ ル プ ロ ノ ン ス ル ホ ン 酸 ソ ー ダ な ど の ス ノレ ホ ン 基 ( ナ ト リ ウ ム 塩 な ど ) を も つ ビ ニ ル モ ノ マ — を 重合 ま た は共重合 し た 熱可塑性 ポ リ マ 一 、 ア ル キ ル ベ ン ゼ ン ス ル ホ ン 酸 ソ ー ダ、 各種高級 ア ル コ ー ル の 硫酸 エ ス テ ル ( ナ ト リ ウ ム塩) な ど の 界面活性剤が あ げ ら れ る 。 な お、 こ れ ら の ス ルホ ン化合物や硫酸エ ス テ ル類は、 熱可塑性が必ず し も 高 く な い ばあ い があ る が、 前記の 非 イ オ ン 界面活性剤 や ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル な ど の ポ リ ェ 一 テ ル と 混合 し て、 優れ た溶融流動性がえ ら れ る こ と が多 い。 特 に 、 ス ル ホ ン化合物 は耐熱性 に 優れ る の で 、 実用 性が最 も 高 い 。
親水性ィヒ 合物 の 第 3 の グ ル ー プ は 、 カ ル ボ キ シ ル 基
(特 に ア ル カ リ 金属塩 ま た は ア ン モ ニ ゥ ム 塩) を も つ 有 機化合物で、 各種有機 カ ル ボ ン 酸、 多価 カ ル ボ ン 酸 な ど の ほか、 ア ク リ ル酸、 メ タ ク リ ル酸、 マ レ イ ン 酸、 フ マ ル酸 な ど カ ル ボキ シ ル基を も つ ビニ ル モ ノ マ ー の 重合体 お よ び共重合体が あ げ ら れ る 。 熱可塑性が低 い ば あ い で も 、 前記の よ う に非 イ オ ン 界面活性剤や ポ リ エ チ レ ン グ
リ コ ー ル な ど と 混合 し て、 優れ た 溶融流動性がえ ら れ る こ と が多 い 。
親水性ィ匕 合物の 第 4 の グ ル ー プ は リ ン 酸基 を も つ も の (特 に ア ル 力 リ 金属塩 お よ び ア ン モ ニ ゥ ム 塩) で リ ン 酸 の モ ノ エ ス テ ル、 ジ エ ス テ ル な ど の ナ ト リ ウ ム塩や カ リ ゥ ム 塩力く あ げ ら れ、 こ れ ら も 前記の よ う に 非 イ オ ン 界面 活性剤 や ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル な ど と 混合 し て、 優れ た溶融流動性が え ら れ る こ と が多 い 。
親水性 ィ匕 合 物 の 第 5 の グ ル ー プ は 、 ア ミ ノ 基 お よ び ( ま た は ) ア ミ ド基 を も つ も の で 、 特 に 4 級 ア ン モ ニ ゥ 厶 塩 は 親水性が高 い 。 こ の よ う な ア ミ ノ 基ゃ ア ミ ド基 を も つ も の と し て、 た と え ばア ルキ ルァ ミ ン 、 多価ァ ミ ン、 ァ ミ ン と カ ル ボ ン 酸 と の 反応で え ら れ る ア ミ ド、 ァ ク リ ル ア ミ ド の 共重合 に よ っ て え ら れ る ア ミ ド基を も つ ポ リ マ ー 、 ポ リ エ チ レ ン ィ ミ ン 、 ポ リ ビ ニ ル ピ ロ リ ド ン 、 ァ ミ ン 類 に エ チ レ ン ォ キ シ ド な ど を 付加反応 さ せ て え ら れ る ア ミ ノ 基 を も つ ポ リ エ ー テ ル類 な ど が あ げ ら れ る 。
組成 物 ( B 3 ) 中 の 親水 性 化 合 物 の 含有 率 は 、 1 〜 5 0 重量 % の 範囲 で あ り 、 多 く の ば あ い 、 3 〜 3 0 重量 %程度、 と く に 5 〜 2 0 重量% の 範囲が好 ま し い。
組成物 ( B 3 ) の 主成分 ( 5 0 重量%以上) は 、 脂肪 族 ポ リ エ ス テ ル で あ り 、 ア ル 力 リ に よ っ て容易 に 加水分 解す る も の が好 ま し い。 そ の た め に は 、 結晶性が低 い も の 、 た と え ば 溶 融 時 の 吸熱量 が 3 0 J / g 以下 、 特 に 2 0 J 以下の も の が好 ま し く 、 非晶性で も よ い 。 ま た、 組成物 ( B 3 ) を構成す る 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル は 、 融点 1 2 0 °C以下、 な かん づ く 1 0 0 °C以下 の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル成分を 1 0 重量% 以上、 な か ん づ く 2 0 重量
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% 以上共重合お よ び ( ま た は ) 混合 に よ っ て含有 し て い る も の が 好 ま し く 、 融 点 1 2 0 °C 以 下 、 な か ん づ く 1 0 0 °C以下の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ルが特 に 好 ま し い 。 同 様 に 、 該脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の ガ ラ ス 転移点 は、 3 0 °C 以下、 さ ら に は 0 で以下が好 ま し い 。 融点や ガ ラ ス 転移 点が低 い 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル は、 1 0 0 °c 以下の ア ル 力 リ 水溶液で の 分解速度が大 き い 。
組成物 ( B 3 ) の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の 分子量 は、 特 に 限定 さ れ な い が、 重合体 ( A 3 ) と 溶融複合紡糸 す る た め に は 、 溶融粘度が重 合体 ( A 3 ) と ほ ぼ等 し い か近 似 し て い る こ と が望 ま し く 、 組成物全体 の 重量平均分子 量 も 重合体 ( A 3 ) の そ れ に 近 い こ と が好 ま し い 。 す な わ ち 組成物 ( B 3 ) の 平均分子量 は 、 5 万以上が好 ま し く 、 7 万 〜 3 0 万が特 に 好 ま し く 、 8 〜 2 0 万 の 範囲が 最 も 好 ま し い 。
組成物 ( B 3 ) は脂肪族 ポ リ エ ス テ ル と 親水性化合物 と を混合 し てえ ら れ る 。 混合方法は特に限定 さ れな いが、 た と え ば両者の ペ レ ツ ト ゃ粉末 を 所定比率で混合 し 、 ス ク リ ユ ー 押 出機や 2 軸押 出 混練機あ る い は 他 の 混練装置 な ど で溶融混合 し て も よ い 。 同様 に 、 別 々 に 溶融 し た両 者を 、 機械的撹拌装置 で混合 し て も よ く 、 静止混合器で 混合 し て も よ い。 静止混合器 は 、 流れの 案 内 装置 に よ つ て ポ リ マ ー 流の 分割 と 合流を繰 り 返す も の で 、 機械的撹 拌装置 と 併用 し て も よ い 。 ま た 、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の 重合に支障がな い ばあ い は、 重合工程で混合 し て も よ い。 組成物 ( B 3 ) は 、 加工工程で完全 に 分解除去 さ れ、 最 終製品 に は残 ら な い こ と が多 い 。 し た が っ て 、 そ の 着色 や 染色堅牢度 な ど は あ ま り 問題 に な ら な い こ と が多 い。
し か し 加水分解の 生成物 は、 た と え ば活性汚泥法で完全 に 分解 さ れ る こ と が好 ま し い。 前記の 親水性化合物 と し て 、 本質的 に生分解性 の も の を選ぶの は 容易 で あ る 。
複合繊維 ( m ) の 断面 に お い て、 組成物 ( B 3 ) が重 合体 ( A 3 ) を少 な く と も 2 つ の 部分 (以下、 層 と い う こ と 力 あ る ) に 分離 し て い る こ と が必要で あ る 。 こ の 複 合構造 に よ っ て 、 複合繊維 ( m ) は、 組成物 ( B 3 ) が 分解除去 さ れ る こ と に よ っ て 、 複数 に 分割可能 と な り 、 繊度が小 さ く 特殊 な 断面の繊維が え ら れ る 。 単繊維内 の 重 合体 ( A 3 ) の 層 の 数が多 い ほ ど、 細 く 比表面積の 大 き い繊維が え ら れ る 。 分割数 は 2 以上の 必要が あ り 、 3 〜 5 0 程度、 特 に 4 〜 3 0 程度が最 も 広 く 用 い ら れ る 。 分割数力く 3 〜 1 0 程度の も の は 、 ド レ ス 、 プ ラ ウ ス 、 女 性下着 な ど に 好適で あ り 、 4 〜 3 0 の も の は 超極細繊維 と し て 、 超高密度編織物、 不織布、 人工 ス エ ー ド 、 人工 皮革、 フ ィ ル タ 一、 ワ イ ビ ン グ ク ロ ス な どに好適であ る 。
複合繊維 ( ΠΙ ) の 断面、 繊度、 製法 は 、 複 合繊維 ( Π b ) の ば あ い と 同 じ で あ る 。 複合繊維 ( m ) は 、 た と え ば図 3 A 〜 3 K に 示す ご と き 種 々 の 断面構造 を 有す る こ と がで き 、 図 3 J お よ び 3 K に 示す ご と き 芯鞘構造や海 島構造で あ っ て も よ い 。
重合体 ( A 3 ) と 組成物 ( B 3 ) と の 複合比 (断面積 比) は 特 に 限定 さ れず、 目 的 に 応 じ て任意 に 選択すれ ば よ い。 多 く の ば あ い 、 複合比 は 2 0 " 1 〜 1 2 の 範囲 が好 ま し く 、 1 0 / 1 〜 1 / 1 の 範囲が特 に 好 ま し い 。 す な わ ち 、 重合体 ( A 3 ) の 比率が、 組成物 ( B 3 ) の そ れ よ り も 大 き い も の が、 ア ル カ リ 加水分解 に よ る 重量 損失が小 さ く 好適で あ る こ と が多 い。
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71 本発明 の 複合繊維 ( m ) は 、 連続 フ ィ ラ メ ン ト 、 モ ノ フ ィ ラ メ ン ト 、 マ ノレ チ フ ィ ラ メ ン ト 、 切断 し た ス テ ー プ ノレ 、 紡績糸 な ど、 使用 目 的 に 応 じ て 任意 の 形態 と す る こ と が で き る 。
複合繊維 ( ΙΠ ) は、 成分 ( A 3 ) 、 ( B 3 ) 間 の相互 接着性 を 弱 め る た め に 、 複合繊維 ( Π b ) に お け る ご と く ポ リ オ ノレ ガ ノ シ ロ キ サ ン を 含有 し て も よ い。
分割 の た め の ア ル カ リ 処理 は、 水酸化 ナ ト リ ゥ ム 、 水 酸化 カ リ ウ ム 、 炭酸 ナ ト リ ウ ム そ の 他 の ア ル カ リ 性化合 物の水溶液で、 常温 ま た は加熱下で行な う こ と がで き る 。 ア ル カ リ 化 合物の 種類、 濃度、 p H 、 処理時間 な ど は 任 意で あ る が、 p H 7 . 5 以上、 さ ら に は 8 以上、 特 に は 9 以上が好 ま し い こ と が多 い 。 た だ し 、 p H が高す ぎ る と 、 重合体 ( A 3 ) も 分解 さ れ る の で 、 重合体 ( A 3 ) があ ま り 分解や損傷 さ れな い条件を選ぶ こ と が好ま し い。
—方、 分解性や剥離性が弱 い と き は 、 加熱ゃ膨潤 の ほ か、 必要 に 応 じ 、 仮撚、 揉み 、 卩 (3 き な ど の 機械的方法を 応用 し て も よ い。 す な わ ち 、 ア ル カ リ 処理 に よ る 分割の ほ か に 、 そ の 他 の 化学的方法や機械的方法 に よ る 分割 も 採用 で き る 。 機械 的方 法 な ど に よ る 剥 離 法 は 、 組 成 物
( B 3 ) を ア ル カ リ 加水分解 に よ り 完全除去 し 分割す る 方法 に比べ る と 、 重量損失が少 な い と い う メ リ ッ ト が あ る 。 一般 に 、 繊維製造中や編織物 な ど に 加工 中 は 、 剥離 や 分割 は 抑制 し 、 編織物 な ど に し た の ち 、 た と え ば染色 仕上げ工程で完全 に剥離 · 分割す る こ と が好 ま し い。 極 細繊維、 超極細繊維 は、 製造や加工工程 の 摩擦な どで切 断 し 易 く 、 ト ラ ブルの原因 と な る こ と が多 い か ら であ る 。
低融点脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の 高収縮性 お よ び高融点脂
肪族 ポ リ エ ス テ ル の 形状保持性を利用 し て、 低融点脂肪 族 ポ リ エ ス テ ル を 芯 と し 、 高融点脂肪族 ポ リ エ ス テ ル を 鞘 と し て こ れ ら を接合 し た 複合繊維 は 、 優れ た 高収縮性 を発揮 し 、 こ の 複合繊維を他の 自 然分解性繊維 と 混合す る こ と に よ り 嵩高性、 柔軟性、 風合 い な ど に 優れた 自 然 分解性繊維製品 を う る こ と がで き る 。 し か し て 、 本発明 は、 ま た 、 融点 1 4 0 °C以上の 結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ル重合体 ( A 4 ) を鞘 と し 、 該重合体 ( A 4 ) よ り も 融 点が 2 0 °C以上低 い脂肪族 ポ リ エ ス テ ル重合体 ( B 4 ) を 1 0 重量% 以上含む重合体 ( C ) を 芯 と す る 、 芯鞘型 の 複合繊維 ( X ) と 、 そ れ と は異 な る 他 の 自 然分解性繊 維 ( Y ) と が混 合 さ れ て い る 繊維集合体 を 提供す る 。
繊維集合体 と は、 糸、 ス テ ー ブル、 綿、 ト ウ 、 ゥ ヱ ブ、 編物、 織物、 不織布お よ び そ れ ら に類似す る 構造物を 意 味す る 。
鞘 に 適す る 融点 1 4 0 °C以上の 結晶性脂肪族 ポ リ エ ス テ ノレ ( A 4 ) の 例 と し て は、 ポ リ L 一 乳酸 (融点約 1 7 5 °C ) 、 ポ リ D — 乳酸 ( 同 1 7 5 °C ) 、 ポ リ 3 — ヒ ド ロ キ シ ブ チ レ ー ト (同 1 8 0 °C ) 、 ポ リ グ リ コ ー ル酸 (同 2 3 0 °C ) な ど の ホ モ ポ リ マ ー 、 お よ び そ れ ら を主成分 ( 5 0 重量%以上、 特 に 7 0 重量%以上) と し 、 そ れ ら に 少量 ( 5 0 重量%以下、 特 に 3 0 重量% 以下) の 他成 分 を 共重 合 お よ び ( ま た は ) 混合 し た も の で 、 融 点 が 1 4 0 °C以上の も の が あ げ ら れ る 。 他の 成分 と し て は、 た と え ば、 エ チ レ ン グ リ コ ー ル、 オ ク タ ン ジ オ ー ル な ど の脂肪族 グ リ コ 一 ノレ と サ ク シ ン 酸、 デ カ ン ジ カ ル ボ ン 酸 な ど の 脂肪族 ジ カ ソレ ボ ン 酸 と の ポ リ エ ス テ ル ゃ ポ リ カ ブ ロ ラ ク ト ン な ど の 前記の ご と き 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル や そ
1
73 れ ら の 原料 、 芳 香 族 ポ リ エ ス テ ル 、 ポ リ エ ー テ ル 、 ポ リ カ ー ボ ネ ー ト 、 ポ リ ア ミ ド 、 ポ リ 尿素 、 ポ リ ウ レ タ ン 、 ポ リ オ ル ガ ノ ン ロ キ サ ン な ど 力 あ げ ら れ る 。
耐熱性成分 で あ る 重 合体 ( A 4 ) の 融点 は 、 1 4 0 °C 以上 の 必要 が あ り 、 1 5 0 °C以上が好 ま し く 、 1 6 0 °C 以 上 が さ ら に 好 ま し い 。 ま た そ の 溶 融 時 の 吸 熱 量 は 、 2 0 J Z g 以上 が好 ま し く 、 2 0 〜 5 5 J Z g 力く さ ら に 好 ま し い 。 重 合体 ( A 4 ) と し て は 、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の ホ モ ポ リ マ ー が好 ま し く 用 い ら れ る が 、 耐熱収縮性 を 高 め た り 染 色性 そ の 他 の 改良 の 目 的 で 、 他 成 分 を 適度 に 混 合 し た り 共 重 合 し た も の も 好 ま し く 用 い ら れ る 。 重 台体 ( A 4 ) の 分子量 は 特 に 限定 さ れ な い が、 実 用 性 の 見地 か ら 、 5 万 以上、 さ ら に は 8 〜 3 0 万 、 特 に は 1 0 〜 2 5 万 が 好 ま し い 。
—方、 芯 は 、 重 合体 ( A 4 ) よ り も 融点 が 2 0 °C以上 低 い 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル 重 合体 ( B 4 ) を 1 0 重量 % 以 上含 む 脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル 重 合体 ( C ) か ら な る 。 す な わ ち 芯 は 、 低 融 点 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ( B 4 ) そ の も の ( 1 0 0 % ) 、 ま た は そ れ を 1 0 重量 % 以上 含 む 重 合体 混 合物 ま た は ブ ロ ッ ク お よ び ( ま た は ) ラ ン ダ ム 共重 合 体 か ら 形成 さ れ る 。
こ の よ う に 、 芯 お よ び鞘 に 用 い ら れ る 重 合体 は 、 ホ モ ポ リ マ ー 、 複数 の ポ リ マ ー の 混 合物、 お よ び 複数 の ポ リ マ ー の ブ ロ ッ ク お よ び ( ま た は ) ラ ン ダ ム 共重 合体 の い ず れ で も よ い 。 た と え ば 、 ポ リ L — 乳酸 ポ リ プ チ レ ン ア ジ ペ ー ト の 9 0 Z 1 0 ( 重量比) の 混 合物、 同 ブ ロ ッ ク 共重 合体、 お よ び こ れ ら ポ リ マ ー の 製造原 料 の ラ ン ダ ム 共 重 合体 は 、 い ず れ も 低融点成分 で あ る ポ リ プ チ レ ン
ア ジ べ一 ト を 1 0 重量%含有 し 、 芯用 の 重合体 ( C ) と し て 使用 す る こ と が で き る 。
前記複合繊維 ( X ) の 大 き な 特徵 は 、 鞘 は 高融点 の 耐 熱性成分か ら な り 、 芯 は 低融点成分を 含む高収縮成分で あ る こ と で あ る 。 た と え ば、 低融点脂肪族 ポ リ エ ス テ ル 成分 は軟化 ま た は溶融す る が高融点脂肪族 ポ リ エ ス テ ル (鞘成分 A ) は軟化 ま た は溶融 し な い温度に加熱す る と 、 複合繊維 は 強 く 収縮す る が全体 と し て は钦化ゃ溶融 は し な い で形状を 保つ。 こ の 効果 は 、 低融点脂肪族 ポ リ エ ス テ ル 成分 ( B 4 ) が芯 に 1 0 0 % ま た は主成分 と し て 用 い ら れ て い る ば あ い 、 お よ び そ れが プ ロ ッ ク 共重合 さ れ て い る ば あ い と 混合 さ れて い る ば あ い に (融点が明瞭) 顕著 で あ る 。 低融点成分 ( B 4 ) が、 少量 ラ ン ダ ム 共重 合 さ れ て い る 重合体 ( C ) の ば あ い は 、 低融点成分 に 基 づ く 融点 は 不明瞭 と な る が、 そ の収縮率増大効果 は 充分 認め ら れ る 。 い ずれ の ば あ い も 、 芯 ( C ) の 複合比率が 大 き い ほ ど 、 芯 ( C ) 中 の 低融点成分 ( B 4 ) の 量が多 い ほ ど 、 複 合繊維 ( X ) の 熱収縮性 は 強 い 。 こ れ ら を適 宜選ぶ こ と に よ り 、 広 い範囲 の 熱収縮温度や 収縮率 を 実 現 し 、 多様 な 使用 目 的 に適合 さ せ る こ と がで き る 。
な お、 一般 に 低融点脂肪族 ポ リ エ ス テ ル は、 溶融紡糸 時 に 繊維相互が接着 (膠着) し 易 い傾向 が あ り 、 溶融紡 糸 に よ る 効率的 な繊維の 製造が極め て 困難で あ る こ と が 多 い が、 複合繊維 ( X ) は、 芯 に 低融点成分を 用 い て い て も 、 高融点 ポ リ マ ー の 鞘 に 保護 さ れ て い る の で 、 溶融 紡糸 は容易 で あ る 。 さ ら に、 一般 に 低融点成分 は 、 ア ル カ リ 水溶液 な ど に 敏感で、 容易 に し か も 極 め て速 や か に 分解 さ れ る が、 複合繊維 ( X ) は 低融点成分 を 用 い て い
て も 、 比較 的分解速度 の 遅 い 高融点 の 鞘 に 保護 さ れ て い る の で 、 ア ル カ リ 分解速度 が比較 的 遅 い 傾 向 が あ り 、 ァ ル カ リ 減 量加工 が容易 で あ る と い う 利 点 を も 有 す る 。 こ の 利点 は 、 他 の 繊維 と 混用 し て 編織物 な ど を 形成 し た の ち 、 ア ル カ リ 減量加工 し て繊維表面 の ポ リ マ ー を た と え ば 5 〜 3 0 %程度 除去 し 、 製 品 に 優 れ た 柔軟性 を 与 え る ば あ い に 、 特 に 効果 的 で あ る 。 ア ル カ リ 減量加工 に 対 し て は 、 芯 と 鞘 が 同心 的で あ る こ と す な わ ち 横 断面 に お い て 両 者 の 重心が ほ ぼ一致 す る こ と や 、 鞘 の 厚 み が ほ ぼ一 定 で あ る こ と が 、 特 に 好 ま し い 。
低融点成分 ( B 4 ) と し て 好適 な ポ リ エ ス テ ル の 第 1 グ ル ー プ は 、 融点 1 2 0 °C以下 の 低 融 点脂 肪族 ポ リ エ ス テ ル を 主 成 分 と す る も の で あ り 、 そ の 具体 例 と し て は 、 た と え ば 、 ポ リ 力 プ ロ ラ ク ト ン (融点約 5 9 °C ) 、 ポ リ プ ロ ピ オ ラ ク ト ン ( 同 9 5 °C ) な ど の 脂肪族 ポ リ ラ ク ト ン ; エ チ レ ン グ リ コ ー ノレ 、 プ ロ ピ レ ン グ リ コ ー ノレ 、 ブ タ ン ジ ォ 一 ソレ 、 へ キ サ ン ジ ォ ー ノレ 、 オ ク タ ン ジ オ ー ル 、 ジ エ チ レ ン グ リ コ ー ル 、 卜 リ エ チ レ ン ダ リ コ ー ル な ど の fl 肪族 グ リ コ ー ル 類 の 1 種以上 と 、 サ ク シ ン 酸、 ア ジ ピ ン 酸、 ァ ゼ ラ イ ン 酸、 セ ノく シ ン酸、 オ ク タ ン ジ カ ル ボ ン 酸、 デ カ ン ジ カ ル ボ ン 酸 な ど の 脂肪族 ジ カ ル ボ ン 酸 の 1 種以 上 と を 組 合 わ せ て え ら れ る 融点 1 2 0 °C以下 の 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル、 た と え ば ポ リ エ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト ( 融点 約 1 0 2 で ) 、 ポ リ エ チ レ ン ア ジ ペ ー ト ( 同 4 9 °C ) 、 ポ リ エ チ レ ン ス べ レ ー ト ( 同 6 5 。C ) 、 ポ リ エ チ レ ン ァ ゼ レ ー ト ( 同 5 2 。C ) 、 ポ リ エ チ レ ン セ バ ケ 一 ト ( 同 7 5 °C ) 、 ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト ( 同 1 1 6 °C ) 、 ポ リ プ チ レ ン ア ジ ペ ー ト ( 同 7 2 て ) 、 ポ リ ブ チ レ ン セ
バ ケ 一 卜 ( 同 6 6 °C ) 、 ポ リ へ キ サ ン セ バ ゲ ー ト (同 7
4 。C ) な ど の ホ モ ポ リ マ ー お よ びそ れ ら を主成分 と す る ブ 口 ッ ク ま た は ラ ン ダ ム 共重合体 ; お よ び こ れ ら の 低融 点脂肪族ポ リ エ ス テ ルを主成分 ( 5 0 重量%以上) と し、 そ れ に 他 の 成分 た と え ば高融点 ポ リ エ ス テ ルや芳香族 ポ リ ェ ス テ ノレ原料 を 5 0 重量% 以下混合 ま た は 共重合 し た も の な ど が あ げ ら れ る 。
低融点成分 ( B 4 ) と し て好適 な ポ リ エ ス テ ル の 第 2 グル — プ は 、 融点 1 4 0 °C以上 の 高融点脂肪族 ポ リ ェ ス テ ル を主成分 ( 5 0 重量%以上 ) と し 、 そ れ に 他の 成分 を 共重合 お よ び ( ま た は ) 混合 し て 、 融点や 結晶性を 充 分 に ( た と え ば 2 0 °C 以上) 低下 さ せ た も の で あ る 。 た と え ば ポ リ L 一 乳酸 に D — 乳酸 を 3 モ ル % 以上、 特 に 4 モ ル %以上 ラ ン ダ ム 共重合す れ ば、 ポ リ L 一 乳酸 ( ホ モ ポ リ マ 一 ) よ り も 融点が 2 0 °C 以上低 い 共重合体が容易 に え ら れ る 。 光学異性体の 共重合の ほ か、 乳酸 Z グ リ =i 一 ル酸、 乳酸 Z酪酸、 酪酸 Z吉草酸 な ど異種 の ヒ ド 口 キ シ 力 ル ボ ン 酸や そ れ ら に 力 プ ロ ラ ク 卜 ン、 ブ チ ロ ラ ク 卜 ン な ど の 脂肪族 ラ ク ト ン を組合 わ せ た 共重合体 な どが あ げ ら れ る 。
、 * - 刖記の ご と き 高融点脂肪族 ポ リ エ ス テ ル と 、 脂肪族 ジ 力 ル ボ ン 酸 と 脂肪族 グ リ コ ー ル か ら な る 低融点脂肪族 ポ リ ェ ス テ ノレ と の 組合わ せ、 た と え ば そ れ ら の ブ ロ ッ ク 共 重合体 は、 低融点脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の 含有量が 1 0 重 量%以上 で あ れ ば、 複合繊維 ( X ) の 芯成分 ( C ) と し て好 ま し く 用 い ら れ る 。 た と え ば ポ リ L — 乳酸 Z ポ リ ブ チ レ ン ア ジ ぺ ー 卜 の 7 0 / 3 0 ブ ロ ッ ク 共重合体 は 、 低 融点成分 を 3 0 重量 % 含 み 、 複 合繊維 ( X ) の 芯 成 分
( C ) と し て好 ま し い。 共重合の 方式 に つ い て は 、 ラ ン ダ ム 共重合 は 、 融点や結晶性の 低下 に 効果的で あ り 、 ブ 口 ッ ク 共重合 は 結晶性や耐熱性 を あ ま り 損な わ な い で低 融点成分 を導入可能 と い う 特徴が あ り 、 と も に 有用 で あ る 。 同様 に 、 ポ リ 乳酸 な ど の 高融点脂肪族 ポ リ エ ス テ ル ま た は そ れ ら の 原料 に 少量 の 芳香族 ポ リ エ ス テ ル原料 を 共重合す る こ と も 可能で あ り 、 ま た他の成分を少量混合 し て も よ い 。
芯成分重合体 ( C ) 中 の 低融点脂肪族 ポ リ エ ス テ ル成 分 ( B 4 ) の 含有率が大 き い ほ ど 、 複 合繊維 ( X ) の 熱 収縮性が高 い 。 低融点脂肪族 ポ リ エ ス テ ル成分 ( B 4 ) の 含有率 は 、 1 0 重量 % 以上、 好 ま し く は 2 0 重量% 以 上、 さ ら に 好 ま し く は 2 5 〜 : L 0 0 重量% で あ る 。 さ ら に 、 収縮性や 弾性回復性を 改良す る た め 、 芯 お よ び ( ま た は ) 鞘 ポ リ マ ー は 、 少量の (溶融重合や 溶融紡糸可能 な 範囲 で ) 分 岐構造や 架橋構造を 含ん で い て も よ い 。 そ の た め 、 3 以上 の 官能基を も つ ポ リ エ ス テ ル原料、 た と え ば ト リ メ リ ッ ト 酸、 グ リ セ リ ン そ の 他 を 少量 ( た と え ば 5 モ ル %以下、 特 に 3 モ ル % 以下) 用 い る こ と も で き る 。 ま た 、 芯成分重合体 ( C ) 中 に 、 た と え ば 5 〜 7 0 重量% 、 特 に 1 0 〜 6 0 重量% 程度の鞘成分 ( A 4 ) と 同 じ ま た は近似す る 高融点成分を 含 ま せ て お く こ と が、 芯 と 鞘 と の 接着性 を高め た り 、 適度の ヒ ー ト セ ッ ト 性 を 与 え、 の ち の 加熱 に よ る 収縮を 効果的 に 起 こ す に 好都合 で あ る こ と が多 い。
低融点成分 ( B 4 ) の 融点 は 、 鞘成分 ( A 4 ) の 融点 よ り も 2 0 °C以上低 い こ と が必要で あ る が、 こ の 融点差 は 3 0 °C以上が好 ま し く 、 4 0 〜 1 2 0 °C程度の 範囲が
さ ら に 好 ま し い 。 た と え ば 鞘 成 分 ( A 4 ) の 融 点 を 1 7 5 °C と し 、 低融点成分 ( B 4 ) の 融点を 1 0 0 °C前 後 と す れ ば、 9 0 〜 1 3 0 °C の 湿熱や乾熱で充分 な 収縮 率がえ ら れ る 。 な お複合繊維の製造工程で、 芯成分 ( C ) の ポ リ マ ー は 、 延伸 に よ り 生 じ た 分子配 向 が 一 時 固 定 ( ヒ ー ト セ ッ ト ) さ れ、 の ち の 加熱収縮工程 に よ り そ れ が解放 さ れ収縮す る こ と が好 ま し い。 す な わ ち 芯成分 は 結晶性 で あ る こ と ま た は ガ ラ ス 転移温度が常温以上の 成 分を含む こ と が好ま し い。 一般に弾性回復性の見地か ら、 ガ ラ ス 転移温度 の 低 い (常温以下の ) 成分 を あ る 程度含 み 、 かつ や や 低 い 結晶性の も の す な わ ち 溶融吸熱量 5 〜 4 0 J Z g 程度、 特 に 1 0 〜 3 0 J / g 程度 の も の が、 芯成分 ( C ) と し て好 ま し い こ と が多 い。 な お前記低融 点脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の ガ ラ ス 転移点 は 、 ほ と ん ど常温 以下、 多 く は 0 °C以下で あ る が、 ポ リ 乳酸の ガ ラ ス 転移 点 は 特異 的 に 高 く 5 8 °Cで あ る 。 し た が っ て 、 融点 4 0 〜 1 2 0 °C、 特 に 融点 6 0 ~ 1 2 0 °Cの脂肪族 ポ リ エ ス テ ル は 、 そ の ホ モ ポ リ マ ー も 芯成分 ( C ) と し て 好 ま し く 、 そ れ に 少量の 他の (高融点 な ど の ) 成分 を 混 合お よ び ( ま た は ) ( ラ ン ダ ム お よ び ( ま た は) ブ ロ ッ ク ) 共 重合 し た も の も 好 ま し い 。
芯成分 ( C ) の 分子量 は特 に 限定 さ れ な い が、 5 万以 上、 さ ら に は 8 〜 3 0 万の 範囲が好 ま し く 、 1 0 〜 2 5 万の 範囲が最 も 広 く 用 い ら れ る 。
重合体 ( A 4 ) お よ び ( C ) は、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル を 主成分 と す る が、 副次的成分 ( 5 0 重量%以下、 特 に 3 0 重量 %以下) と し て他の 成分 た と え ば芳香族成分、 ポ リ エ ー テ ル成分、 ポ リ カ ー ボ ネ ー ト 成分、 ポ リ ウ レ タ
ン 成分、 ポ リ ア ミ ド成分、 ポ リ 有機 シ ロ キ サ ン 成分 そ の 他 を 含ん で い て も よ い。
複合繊維 ( X ) は、 前記の ご と き 通常の 複 合紡糸方法 に よ り 製造で き る 。 複合比率 (断面積比) は特 に 限定 さ れ な い が、 鞘 Z芯比率 は通常 5 Z 9 5 〜 8 0 Z 2 0 、 好 ま し く 〖ま 1 0 Z 9 0 〜 7 0 / 3 0 、 特 に 好 ま し く は 1 5 / 8 5 〜 6 0 / 4 0 で あ る 。 鞘 の 複合比率が 2 〜 1 0 % と 極 め て 小 さ い と き は、 鞘 は極 め て 薄 く な り 、 収縮性が 極 め て 強 く 、 芯が強 く 収縮 し た の ち は 鞘 が カ メ ラ の 蛇腹 状の 凹凸を呈 し 、 独特の サ ラ リ と し た (摩擦係数が低い) 風 合 い がえ ら れ る こ と が あ り 、 特殊 な 編物 や織物 な ど に ¾ 用 で あ る 。
複合繊維 ( X ) の収縮率 は 、 使用 す る ポ リ マ ー 、 複合 比率、 配向度 (延伸倍率) 、 熱処理 な ど に よ り 広範かつ 自 由 に変え る こ と がで き る。 高い収縮性を う る た め に は、 延伸後の 熱処理は行な わ な いか比較的低温で行な わ れ る 。 複合繊維 ( X ) の 、 無荷重下、 1 0 0 °C の 水 で 1 0 分 間 処理 し た と き の 収縮率 は 、 1 5 %以上、 さ ら に は 2 0 % 以上、 特 に は 2 5 〜 7 0 % 程度が好 ま し い。
複合繊維 ( X ) は 、 連続マ ル チ フ ィ ラ メ ン ト 、 連続 モ ノ フ ィ ラ メ ン ト 、 切断 さ れ た ス テ ー ブ ル な ど任意 の形態 と す る こ と がで き 、 他の 繊維 と 適宜、 色 々 な 手段 で混合 さ れ、 糸、 編物、 織物、 不織布、 フ ュ ル ト 、 紙、 フ ィ ル ム な ど と の 複合体、 そ の他類似の繊維集合体す な わ ち 繊 維構造物 に 用 い ら れ る 。
混合す る 相手繊維 は 自 然分解性で あ る こ と 以外 に 特 に 限定 さ れ な い が、 熱収縮率の 低 い も の 、 た と え ば 1 0 0 で の 水 に よ る 収縮率力 1 5 %未満、 特 に 1 2 %以下の も
の が好 ま し く 、 1 0 %以下の も の (加熱 に よ り 伸 び る も の を含む) が最 も好ま し い。 天然繊維で は綿、 麻、 羊毛、 絹 な ど も 好 ま し く 用 い ら れ る が、 人造繊維で は再生 セ ル ロ ー ス お よ び脂肪族 ポ リ エ ス テ ル繊維が好 ま し い 。 た と え ば、 ポ リ 乳酸 を主成分 と す る ポ リ エ ス テ ル を鞘 (重合 体 ( A 4 ) ) と し 、 融点 1 0 0 °C程度 の 低融点脂肪族 ポ リ エ ス テ ル を ポ リ 乳酸 に 2 0 〜 8 0 重量% 程度 プ ロ ッ ク 共重合 し た ポ リ マ ー を 芯 と し た複合繊維 ( X ) と 、 ポ リ 乳酸 を 主成分 と す る ポ リ エ ス テ ル繊維 ( Y ) と の 混合物 は、 特 に 好 ま し い 具体例 で あ る 。 混合の 方法 や構造 は特 に 限定 さ れ な い が、 フ ィ ラ メ ン ト Zフ ィ ラ メ ン ト 、 フ ィ ラ メ ン ト / ス テ 一 プ ル 、 ス テ 一 プ ル / ス テ 一 プ ル の 組合 わせ が代表 的で あ り 、 い わ ゆ る 紡糸混繊、 延伸混繊、 合 糸、 合撚糸 、 仮撚混繊、 混合 ウ ェ ブ、 混紡、 コ ア ス パ ン 糸、 そ れ ら を 用 い た 混合織物、 混合編物、 混合不織布 な ど は 、 本 発 明 実施 の 好 ま し い 具 体例 で あ る 。 複 合 繊 維 ( X ) の 熱収縮率 と 、 混合相手の繊維 ( Y ) の 熱収縮率 の差が大 き い ほ ど 、 え ら れ る 繊維製品 の 嵩高性や 柔軟性 が 優 れ る が 、 収 縮率 差 は 5 〜 7 0 %程 度、 特 に 1 0 〜 5 0 %程度 が好 ま し く 用 い ら れ、 1 5 〜 4 0 %程度が最 も 広 く 用 い ら れ る 。
前述の よ う に 、 複合繊維 ( X ) と 他の 繊維 ( Y ) を混 用 し た繊維構造物を ア ル カ リ 減量加工す る ば あ い 、 複合 繊維 ( X ) の鞘成分 ポ リ マ ー の 耐 ア ル カ リ 性 は、 混合相 手繊維 ( Y ) の そ れ と ほ ぼ同等 ( 1 2 〜 2 Z 1 ) 以上 が好 ま し い 。 ア ル カ リ 減量率 は 、 通常 5 〜 3 0 % 、 特 に 1 0 〜 2 5 %程度で あ る か ら 、 ア ル カ リ 減量が予定 さ れ て い る ば あ い 、 鞘 の 複合比率 は 、 1 0 %以上、 好 ま し く
は 2 0 %以上、 さ ら に 好 ま し く は 3 0 〜 5 0 %で あ る 。 複合繊維 ( X ) を収縮 さ せ 、 繊維集 合体 に 嵩高性ゃ 柔 钦性 を与 え る た め の 加熱 は 、 乾熱、 湿熱、 赤外線 そ の他 の 方法が応用 可能で あ る 。 加熱温度、 昇温速度、 加熱時 間、 緊張 の 度合 い (張力 な ど ) を変え る こ と に よ り 、 収 縮 を調節、 制御可能で あ る 。 加熱 に よ る 収縮 は、 フ イ ラ メ ン ト 、 ト ウ 、 ス テ ー ブ ル 、 綿、 糸、 編物、 織物、 不織 布、 ウ ェ ブ、 そ の 他任意の 形態で行 な う こ と がで き る 。 多 く の ば あ い 、 糸、 ト ウ 、 綿、 ウ ェ ブ、 編物、 織物、 不 織布 な ど を 無緊張 ま た は低緊張下 で加熱 し て 収縮 し 、 両 繊維 の 長 さ に 3 %以上、 特 に 5 %以上、 多 く の ば あ い 7 〜 5 0 %程度 の 差を生 じ さ せ 、 嵩高性や 柔軟性を 発現 さ せ る 。 布の ば あ い は、 精練、 染色 な ど の 仕上 げ加工工程 の前、 ま た は 仕上 げ工程中 で収縮処理す る こ と が多 い 。
図 5 A 〜 5 C に本発明 に 用 い ら れ る 複合繊維 ( X ) の 横断面 の 例 を 示す。 図 に お い て 1 3 は 鞘 で あ り 1 4 は 芯 で あ る 。 図 5 A は 同心 円 型 の 複 合繊維、 図 5 B は 非 円形 型 (三角 形状) の 複合繊維、 図 5 C は 中 空同心 円 型 の 複 合繊維を示す。 図 5 C に お い て、 1 5 は 中空部であ る が、 鞘 と 同 じ ポ リ マ ー に 置 き 換え て も よ く 、 第 3 の ポ リ マ ー に 置 き 換 え る こ と も で き る 。 同心型 は、 鞘 と 芯の そ れ ぞ れ の 重心が ほ ぼ (実質的 に ) 一致す る も の で 、 複合紡糸 も 容易 で好 ま し い 。 図 5 A 〜 5 C 以外 に も 、 た と え ば 円 形繊維に 非 円形の 芯を組み 合わせ た も の 、 非 円形繊維 に 円 形の 芯 を組み 合わ せ た も の 、 複数の 芯を 同心的 に 配置 し た も の な ど、 さ ま ざ ま な 同心の 芯鞘型 が あ り 、 本発明 に適用可能であ る 。 芯 と 鞘が偏心的 に配置 さ れた構造 も、 本発明 に 適用 可能で あ る が、 ア ル カ リ 減量加工や 複合紡
糸 の 容易性 か ら 、 同心型が特 に 好 ま し い 。 な お鞘 は 、 繊 維 の すべ て の 表面積を 占 め 、 芯 は 表面 に 露 出 し な い 。
図 6 A 〜 6 C は 、 本発明 の 実施態様を 例示 す る 複合繊 維 ( X ) と 他の繊維 ( Y ) と が混合 さ れ た糸 (複合糸)
5 の 断 面 図 で あ り 、 図 に お い て 1 6 は 複 合繊維 ( X ) 、
1 7 は 他 の 繊維 ( Y ) 、 1 8 は 別 の他の繊維 を示す。 図 6 A は 、 円 形断面の 複 合繊維 ( X ) 9 本 と 他 の 円 形断面 繊維 ( Y ) 9 本が ほ ぼ均一 に 混合 さ れ た複合糸 で あ り 、 図 6 B は 円 形断面 の 複合繊維 ( X ) が中心部 に 、 非 円 形 if) 断面 の 他繊維 ( Y ) が周 辺 に 配置 さ れ た 芯鞘 型複 合糸 で あ り 、 図 6 C は 円 形断面 の 複 合繊維 ( X ) と 2 種 の 非 円 形断面 の 他繊維 ( Y ) が並列 的 に 混合 さ れて い る 複合糸 を 示す。
複合繊維 ( X ) と 他の 繊維 ( Y ) の 混合比 は特 に 限定 is さ れ ず 、 目 的 に 応 じ て 調 整 さ れ る が 、 通常 5 9 5 〜
9 5 / 5 (重量比) 、 さ ら に は 1 0 / 9 0 〜 9 0 Z 1 0 、 特 に は 2 0 / 8 0 〜 8 0 / 2 0 か ら 選ばれ る 。
複 合繊維 ( X ) お よ び他の 繊維 ( Y ) の 断面形状 は、 特 に 限定 さ れず、 円形、 非 円形、 多角 形状、 多葉状、 中 20 空状 な ど と す る こ と が で き る 。 複合繊維 ( X ) お よ び他 の 繊維 ( Y ) の繊度 も 、 同様 に 使用 目 的 に 応 じ て 任意 に 選 ば れ る が、 通常の衣料用 に は、 単糸繊度 0 . 1 〜 5 0 デニ ー ノレ ( d ) 程度の 範囲、 特 に 0 . 5 〜 3 0 d の 範囲 が好 ま し く 、 l 〜 2 0 d の 範囲が広 く 用 い ら れ る 。 不織 25 布、 皮革、 資材用 な ど に は も つ と 細 い も の や 太 い も の も 用 い ら れ る 。 複合繊維 ( X ) は、 必要 に応 じ 仮撚法ゃ押 込法 な ど で 、 機械的 に 卷縮を付与す る こ と が で き る 。 こ れ ら の 巻縮工程で の 加熱で は、 繊維が膠着 し な い こ と が
好 ま し く 、 こ の 観点か ら も 、 本発明 に 用 い る 高融点 の 鞘 で保護 さ れ た 複合繊維 ( X ) は 膠着 し に く い の で 、 好 ま し い o
本発明の複合糸を構成す る 各繊維お よ び複合繊維に は、 各種顔料、 染料、 着色剤、 撥水剤、 吸水剤、 難燃剤、 安 定剤、 酸化防止剤、 紫外線吸収剤、 金属粒子、 無機化合 物粒子、 結 晶核剤、 滑剤、 可塑剤、 抗菌剤、 香料 そ の 他 の 添加剤 を配合す る こ と がで き る 。
本発明 の 複合糸 お よ び複合繊維 は 単独で、 ま た は 他 の 繊維 と 混用 し て 糸、 紐、 ロ ー プ 、 編物、 織物 、 不織布、 紙、 複合材料 そ の 他 の構造物の 製造 に 用 い る こ と が で き る 。 他の 繊維 と 混用 す る ば あ い 、 綿、 羊毛、 絹 な ど の 天 然有機繊維、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル繊維 な ど の 自 然分解性 繊維 と 混合使用 す れば、 完全 に 自 然分解性の 製品が え ら れ る の で特 に好 ま し い。
本発明 の 繊維 は 、 自 然分解性 で あ り 環境汚染す る こ と が少な く 、 し か も 柔钦性、 嵩高性、 弾力性、 耐熱性、 伸 縮性 な ど に 優れ た編物、 織物、 不織布 な ど の 製品 を 提供 す る こ と が で き 、 各種衣料、 工業資材、 産業資材、 家庭 用 品 な ど に 好適 に 利用 す る こ と がで き る 。 本発 明 の 繊維 は 、 溶融紡糸が容易 で あ る た め 、 製造能率が高 く 低 コ ス ト で あ る 。 さ ら に、 自 発巻縮性繊維 は 、 色 々 な 強 さ の 卷 縮 を 容易 に 発現 さ せ る こ と がで き る た め 、 使 い 易 く 、 応 用 範囲が極 め て広 い と い う 利点 を 有 し 、 ま た 自 己接着性 繊維 は、 広 い 温度範囲 で所望の 強度 で接着可能で あ る の で使用 し 易 く 応用範囲が極め て広 く 、 し か も え ら れ る 接 着 さ れた 製品 は耐熱性が高 い と い う 優れ た 利点を有 し て い る 。 ま た 、 本発明 の 分割型 の 繊維 は 、 容易 に 分割 が可
能で あ り 、 自 然分解性で、 し か も 極 め て 柔 ら かで高性能 の 繊維製品 を 提供す る こ と がで き る 。 一般 に 、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル繊維 は 、 自 然環境下で分解す る だ け で な く 、 従来使 わ れ た 合成繊維 よ り も 燃焼時の 発熱量が少 な く 、 焼却 も 容易 で あ る 。 な かで も ポ リ 乳酸 は 、 原料の 乳酸 は 農産物 か ら 発酵法 な ど でえ ら れ、 自 然の 物質循環系 の な か に 組み込 ま れ る の で、 空気 中 の 炭酸 ガ ス を増加 さ せ る こ と が な く 、 ポ リ 乳酸を主成分 と す る 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル は 、 環境保護 の 見地か ら 最 も 好 ま し い 。
つ ぎ に 本発 明 を 実施例 に 基づ い て 説明 す る が、 本発 明 は こ れ ら 実施例 に 限定 さ れ る も の で は な い 。 な お 、 以下 の 実施例 に お い て、 % 、 部 は 特 に 断 ら な い 限 り 重量基準
C, あ 0
本発 明 に お い て 、 脂肪族 ポ リ エ ス テ ル の 分子量 は 、 試 料の ク ロ 口 ホ ル ム 0 . 1 %溶液の G P C 分析 に よ る 分子 量 1 0 0 0 以下 の 成分を 除 く 高分子成分 の 重量平均分子 量で あ る 。
複 合 繊 維 の 巻 縮 伸 張 率 は 、 試 料 フ ィ ラ メ ン ト を 約 1 0 0 0 ( 9 5 0 〜 1 0 5 0 ) デニ ー ル 、 長 さ 5 0 c m の 束 に し 、 無荷重で沸騰水中 で 1 0 分間処理 し た の ち 遠 心脱水 し 、 2 3 °C、 湿度 6 5 %の 室 内 で無荷重で 2 4 時 間以上 自 然乾燥 し た の ち 、 荷重 0 . 5 g を加え て 1 分後 の 長 さ L 1 と 、 荷重 5 0 0 g を加え て 1 分後 の 長 さ L 2 を 測定 し 、 [ ( L 2 — L 1 ) Z L 1 ] X 1 0 0 ( % ) の 式 に よ っ て計算す る 。
繊維 の 熱収縮率 は、 試料 フ ィ ラ メ ン ト を約 1 0 0 0 デ ニ ー ル、 長 さ 約 5 0 c mの 束 と し 、 無荷重で 1 0 0 °C の 温水 中 で 1 0 分 間処理 し 、 2 2 °C、 湿度 6 5 % の 室内 で
2 4 時間 自 然乾燥 し た の ち の 長 さ L 4 と 、 熱処理前 の 長 さ し 3 と か ら 、 [ ( L 3 - L 4 ) / L 3 ] X 1 0 0 ( % ) の 式で計算す る 。 繊維 の 長 さ は、 1 デニ ー ル 当 た り 荷重
0 m を加 え て 1 分後 に 測定す る 。
施例 1
分子量 8 0 0 0 で両末端が水酸基 の ポ リ ェ チ レ ン グ リ コ 一ル ( P E G ) 3 部、 L — ラ ク チ ド 9 8 部、 ォ ク チ ル 酸 0 0 p p m、 ナ ノ ガ イ ギ ー 社の 酸化防止剤 ィ ル ガ ノ ッ ク ス 1 0 1 0 の 0 . 1 部を 混合 し 、 チ ッ 素雰囲気中 1 9 0 °c で 1 2 分 間、 2 軸押 出機中 で 溶融撹拌重合 し 、 冷却 チ ッ プ化後、 1 4 0 °C チ ッ 素雰囲気 中 で 4 時 間処理 (固相重合 ) し て、 ポ リ 乳酸 と P E G の ブ ロ ッ ク 共重合 ポ リ マ 一 P 1 を え た。 ポ リ マ 一 P 1 は 、 分子量 1 5 3 0 0 0 、 P E G 成分の 含有率約 3 %、 融点 1 7 4 °C、 充分 に 配 向 結晶化 し た と き の 溶融吸熱量 は 5 5 J Z g で あ つ o さ ら に 、 ラ ク チ ド と し て L — ラ ク チ ド 9 5 . 5 部、
D ― フ ク チ ド 2 . 5 部 の 混合物 を 用 い た 以外 は ポ リ マ — P 1 と 同様に し て ボ リ マ - - P 2 をえ 六 ,。 ポ リ マ ー P 2 は、 分子量 1 5 8 0 0 0 、 融点 1 6 3 °C、 溶融 吸熱量 は 2 7 J / S で あ
ポ リ マ 一 P 1 お よ び ポ リ マ ー P 2 を 、 そ れ ぞ れ 別 に
2 2 0 °C の ス ク リ ュ ー 押 出機で溶融 し 、 複合紡糸 口 金の 2 つ の ポ リ マ ー 供給部 に 供給 し た。 両 ポ リ マ ー を 図 1 A に 示 さ れ る よ う な 並列型 (複合比 1 1 ) に 複 合 し 、 直 径 0 . 2 5 m m、 2 2 5 °Cの オ リ フ ィ ス よ り 紡 出 し 空気 中 で冷却、 オ イ リ ン グ し な 力 ら 1 5 0 0 m 分の 速度で 取 り 、 8 0 °Cで 4 . 5 倍延伸 し て 7 0 デニ ー ル Z 2 4 フ ィ ラ メ ン 卜 の 延伸糸 F 1 を え た 。 延伸糸 F 1 は 、 強度
4 . 6 g / d 、 伸度 2 9 % . 巻縮発現後の 卷縮伸張率 は
2 2 6 % と 優 れて い た 。
比較 の た め に 、 P E G を 使用 し な い 以外 は ポ リ マ ー P 1 と 同様 に し て ポ リ 乳酸 ホ モ ポ リ マ 一 P 3 を 製造 し た。 ポ リ マ 一 P 3 は、 分子量 1 6 2 0 0 0 、 融点 1 7 5 °C、 溶融吸熱量 は 5 5 J Z g で あ っ た。 さ ら に 、 ポ リ マ ー P
1 と 同 様 に し て、 た だ し P E G を 6 部、 L ー ラ ク チ ド を 9 5 部 と し て ポ リ マ ー P 4 を製造 し た。 ポ リ マ ー P 4 〖ま、 分子量 1 5 5 0 0 0 、 共重合成分 と し て P E G を約 6 % 含 むが、 融点 1 7 3 °C、 溶融吸熱量 は 5 5 J Z g で あ つ た。 ポ リ マ 一 P 3 お よ び P 4 を 用 い 、 以下延伸糸 F 1 と 同様に し て延伸糸 F 2 (比較例) をえ た 。 延伸糸 F 2 は、 強度 4 . 8 g Z d 、 伸度 3 1 %、 巻縮発現後 の 巻縮伸張 率 は 1 9 % で 、 巻縮性が極 め て 弱 い も の で あ っ た 。
実施例 2
P E G の 代 わ り に 分子量 1 2 7 0 0 0 、 末端が水酸基 の ポ リ プ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト を 3 0 部用 い た 以外 は実施 例 1 の ポ リ マ ー P 1 の 製造 と 同様 に し て ポ リ マ ー P 5 を
/ o ポ リ マ 一 P 5 は 、 分 子 量 1 2 9 0 0 0 、 融 点 1 6 2 °C、 溶融吸熱量 は 3 5 J / g で あ っ た 。
ポ リ マ ー P I と 同様 に し て、 た だ し P E G の 代 わ り に 分子量 1 2 7 0 0 0 、 末端が水酸基の ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト を 1 0 部、 L ー ラ ク チ ドの代わ り に L — ラ ク チ ド、 8 8 . 5 部、 D — ラ ク チ ド 2 . 5 2 部 と し て ポ リ マ ー P 6 を え た 。 ポ リ マ ー P 6 は 、 分子量 1 3 4 0 0 0 、 融 点 1 5 1 °C、 溶融吸熱量 は 2 6 J / g で あ っ た o
実施例 1 の 延伸糸 F 1 と 同様 に し て 、 た だ し ポ リ マ ー P 1 と ポ リ マ ー P 5 を 用 い て延伸糸 F 3 を え た。 延伸糸
F 3 は 、 強度 4 . 7 g / d 、 伸度 2 8 %、 巻縮伸張率 は
2 2 3 %で 、 巻縮性が優れ て い た。
同 じ く 実施例 1 の 延伸糸 F 1 と 同様 に し て、 た だ し ポ リ マ ー P 1 と ポ リ マ ー P 6 を 用 い て延伸糸 F 4 を え た。 延伸糸 F 4 は 、 強度 4 . G g Z d 、 伸度 2 9 %、 巻縮伸 張率 は 2 3 6 % で、 巻縮性が優れ て い た 。
実施例 3
実施例 1 と 同様 に し て ポ リ 乳酸 と P E G の ブ ロ ッ ク 共 重合 ポ リ マ ー P 1 を製造 し た 。 ポ リ マ ー P 1 を 2 3 0 て の ス ク リ ユ ー 押 出 機で溶融 し 、 2 2 5 °C、 直径 0 . 2 m m の オ リ フ ィ ス よ り 紡 出 し 空気 中 で冷却、 オ イ リ ン グ し な が ら 1 5 0 0 m 分の 速度 で巻取 り 、 8 0 °Cで 4 . 5 倍延伸 し 緊張下 1 1 0 °Cで熱処理 し 4 0 デニ ー ル 2 フ ィ ラ メ ン ト の 延伸糸 A 1 を え た。 延伸糸 A 1 の 強度 は 4 . 5 g Z d 、 伸度 2 9 %、 沸騰水 中 の 収縮率 は 1 2 % で あ っ た
さ ら に 、 実施例 1 と 同様 に し て ポ リ マ ー P 2 を 製造 し た。 ポ リ マ ー P 2 を 2 2 0 °Cの ス ク リ ユ ー 押 出 機で溶融 し 、 2 2 5 °C、 直径 0 . 2 m m の オ リ フ ィ ス よ り 紡 出 し 空気中で冷却、 オ イ リ ン グ し な 力く ら 1 5 0 0 m /分の 速 度 で巻取 り 、 8 0 °Cで 4 . 5 倍延伸 し 、 熱処理 し な い で
6 0 デニ ー ル / 1 2 フ ィ ラ メ ン 卜 の 延伸糸 B 1 を え た。 延伸糸 B 1 の 強度 は 4 . 4 g Z d 、 伸度 3 3 %、 沸騰水 中の収縮率 は 2 7 %で あ っ た。
延伸糸 A 1 お よ び延伸糸 B 1 を 各 1 本ずつ 用 い エ ア ノ ズル に よ り 混合 し 、 糸断面内 で両者が均一 に 混合 さ れ た 混繊糸 M Y 1 を え た。 混繊糸 M Y 1 を 、 6 0 0 回 で 撚糸 し た も の を経糸 に 、 撚糸 3 0 T Z m の も の を緯糸 に
用 い 2 Z 1 の綾織物を作成 し 、 精練後弛緩状態で 1 2 0 °C乾熱で 1 5 分間熱処理 し 、 さ ら に 8 0 °C の 苛性 ソ 一 ダ 0 . 5 % 水溶液で 1 0 分間処理 (減量加工) し た 0 そ の 後洗浄 し 柔軟仕上 げ剤 を 0 . 2 %付与 し 1 3 5 °C で緊張 下で熱処理 し て織物 M F 1 を え
比較の た め に 、 実施例 1 と 同様 に し て融点 1 7 5 °C、 溶融吸熱量 5 5 J Z g の ポ リ 乳酸ホ モ ポ リ マ ー P 3 お よ び融点 1 7 4 °C 、 溶融吸熱量 5 5 J / g の ポ リ 乳酸 / P E G ブ □ ッ ク 共重合 ポ リ マ ー P 4 を製造 し た o 不 リ マ ー P 3 を 用 い 、 延伸 糸 A 1 と 同様 に し て 、 4 0 デニ ー ル Z 1 2 フ イ ラ メ ン ト の 延伸糸 A 2 を え た 。 延伸糸 A 2 の 強 度 は 4 . 6 g κ d 、 伸度 3 0 % 沸牖水中 の 収縮率 は 1 2 % で め っ た ο ポ リ マ ー P 4 を用 い 、 延伸糸 A 1 と 同様 に し て 、 6 0 デニ ー ル / 1 2 フ ィ ラ メ ン ト の 延伸糸 B 2 を え た。 延伸糸 B 2 の強度は 4 . 5 g / ' d 、 伸度 2 9 %、 沸騰水 中 の 収縮率 は 1 5 % で あ つ た o 延伸 糸 A 2 と 延伸 糸 B 2 と を 1 本ずつ エ ア ノ ズ ルで均一 に混繊 し 、 混繊糸 M Y 2 を え た 。 混繊糸 M Y 2 を 用 い 、 ア ル 力 リ 減量加工 を苟 te ソ ー ダ 0 . 6 % 、 処理時間 3 0 分 と し た以外 は織 物 M F 1 と 同様 に し て織物 M F 2 を え た 。 織物 M F 1 お よ び織物 M F 2 の特性を 表 1 に 示す。
織物 柔軟性 嵩高性 風合い 備考
M F 1 良好 良好 良好 本発明
M F 2 やや不良 やや不良 やや不良 比較例
実施例 4
実施例 2 と 同様 に し て ポ リ 乳酸 と ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ 一 ト の ブ 口 ッ ク 共重合 ポ リ マ ー P 5 お よ び ポ リ マ ー P 6 を 製造 し た o
ポ リ マ ー P 5 を用 い 、 紡糸 と 延伸 を連続 し て行 な う ス ピ ン ド ロ ー 方式 で、 紡糸速度 4 0 0 O m Z分、 延伸 温度
8 0 V 、 延伸倍率 1 . 6 倍、 熱処理 な し と し た 以外 は 実 施例 3 の 延伸 糸 B 1 と 同様 に し て 延伸糸 B 3 を え た 。 延 伸糸 B 3 の 強度 は 4 . 7 g Z d 、 伸度 3 3 %、 沸騰水 中 の 収縮率 は 3 8 % で あ っ た 。
施例 3 の ポ リ マ _ P 1 を 用 い 、 延伸後 1 2 0 °C で熱 処理 し た 以外 は 延伸糸 B 3 と 同様 に し て 延伸糸 A 3 を え た o 延伸糸 A 3 の 強度 は 4 . 9 g Z d 、 伸度 2 9 % 、 沸 騰水中 の 収縮率 は 1 3 % で あ っ た。
ポ リ マ ー P 6 を用 い 、 延伸糸 B 3 と 同様 に し て延伸糸
B 4 を え た 。 延 伸 糸 B 4 は 、 強度 4 . 6 g Z d 、 伸 度 2 9 % 、 沸騰水 中 の 収縮率 は 3 5 % で あ っ た。
延伸糸 A 3 と 延伸糸 B 3 と をエ ア ノ ズルに よ り ife繊 し、 実施例 3 の 織物 M F 1 と 同様 に し て織物 M F 3 を え た 。 織物 M F 3 の 柔軟性、 嵩高性、 風合 い は い ずれ も 優 れ て 。 同様 に 、 延伸糸 B 4 お よ び延伸糸 A 3 の 混繊糸 か ら え た織物 M F 4 の 柔軟性、 嵩高性、 風合 い は い ずれ も 優れて い た
実施例 5
分子量 8 0 0 0 で両末端が水酸基の ポ リ エ チ レ ン ダ リ コ 一ル ( P E G ) 3 部、 L — ラ ク チ ド 9 8 部、 ォ ク チ ル 酸錫 1 0 0 p p m 、 チ バ ガ イ ギ 一 社の 酸化防止剤 ィ ル ガ ノ ッ ク ス 1 0 1 0 の 0 . 1 部を 混 合 し 、 チ ッ 素雰囲気中
1 8 8 °Cで 1 2 分間、 2 軸押 出機 中 で溶融撹拌重合 し 、 冷却 チ ッ プ化後、 1 4 0 °C チ ッ 素雰囲気 中 で 4 時 間処理 (固相重合) し て、 ポ リ 乳酸 と P E G の ブ ロ ッ ク 共重合 ポ リ マ ー P 1 を え た。 ポ リ マ ー P 1 は、 分子量 1 5 . 5 万、 P E G 成分の 含有率約 3 %、 融点 1 7 5 。C、 充分 に 配向結晶化 し た繊維の溶融吸熱量は 5 5 J / g であ つ た。 ポ リ マ ー P I を 2 3 0 °C の ス ク リ ュ ー 押 出機で溶融 し 、 2 2 5 て 、 直径 0 . 2 m mの オ リ フ ィ ス よ り 紡 出 し 空気 中 で冷却、 オ イ リ ン グ し な 力 ら 1 5 0 0 m /分 の 速度で 巻取 り 、 8 0 °Cで 4 . 5 倍延伸 し 緊張下 1 1 0 °c で 熱処 理 し 4 0 デニ ー ル Z 1 2 フ ィ ラ メ ン ト の 延伸糸 A 1 を え た。 延伸糸 A 1 の 強度 は 4 . 5 g Z d 、 伸度 2 9 % 、 沸 騰水 中 の 収縮率 は 1 2 %で あ っ た。
ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト ( P B S ) と ポ リ プ チ レ ン ア ジ ペ ー ト ( P B A ) の 4 Z 1 ( モ ル比) の ラ ン ダ ム 共 重合体で分子量 1 2 . 5 万、 融点 9 2 °C、 溶融吸熱量 5 7 J Z g の も の 3 0 部、 L — ラ ク チ ド 7 1 部、 前記 ィ ル ガ ノ ッ ク ス 0 . 1 部、 ォ ク チ ノレ酸錫 1 0 0 P P m を 混合 し 、 以下 ポ リ マ ー P 1 と 同様 に し て、 プ ロ ッ ク コ ポ リ マ 一 B P 1 を え た。 B P 1 の 分子量 は 1 4 . 7 万、 融点 は 主要 な も の 力 1 6 6 °C と 8 5 。Cの 2 つ あ り 、 そ の 吸熱量 は 3 2 J Z g と 1 2 J Z g で、 そ れ ぞれ ポ リ L 一 乳酸セ グ メ ン ト ( ブ ロ ッ ク ) お よ び P B S Z P B A 共重合体 セ グ メ ン 卜 の 結晶 に 対応す る と 推定 さ れ る 。
コ ポ リ マ ー B P 1 を 2 2 0 °Cの ス ク リ ュ 一押 出機で溶 融 し 、 2 2 5 °C、 直径 0 . 2 m mの オ リ フ ィ ス よ り 紡 出 し 空気 中 で冷却、 オ イ リ ン グ し な が ら 1 5 0 0 m Z分 の 速度で 巻取 り 、 8 0 °C で 4 . 5 倍延伸 し 、 熱処理 し な い
で 4 0 デニ ー ル . Z 1 2 フ ィ メ ン 卜 の延伸糸 B 5 をえ た。 延伸糸 B 5 の 強度 は 4 . 3 g d 、 伸度 3 5 % , 沸騰水 中 の 収縮率 は 3 6 % で あ つ
延伸糸 A 1 お よ び延伸糸 B 5 を各 1 本ずつ 用 い エ ア ノ ズ ル に よ り 混合 し 、 糸断面 内 で両者が均一 に 混合 さ れた 混繊糸 M Y 3 を え た。 混繊糸 M Y 3 を 、 6 0 0 回 111 で 撚糸 し た も の を経糸 に 、 撚数 3 0 回 Z mの も の を緯糸 に 用 い 2 1 の 綾織物を作成 し 、 弛緩状態で精練剤を 含む 9 8 °Cの 水中 で 1 5 分間処理 し 、 さ ら に 6 0 °Cの 炭酸 ソ ー ダ 2 . 5 % 水溶液で 1 0 分間処理 (減量加工) し た。 そ の の ち 洗浄 し 柔軟仕上 げ剤 を 0 . 2 %付与 し 1 2 0 °C で緊張熱処理 し て織物 M F 5 を え た。
比較の た め に 、 延伸糸 A 1 を 2 本合撚 し た糸 を 用 い 、 以下 M F 5 と 同様 に し て織物 M F 6 を え た。 織物 M F 5 お よ び織物 M F 6 の 特性を 3¾ 2 に 不す。 表 2
実施例 5 の P B S / P B A共重合体の ペ レ ツ ト 3 0 部、 コ ポ リ マ ー B P 1 (親和性改善用 ) の ペ レ ッ ト 1 0 部 お よ び ポ リ マ ー P 1 の ペ レ ッ ト 7 0 部を 混合 し 、 2 軸押 出 機で 2 2 5 °Cで溶融混合 し 、 2 2 5 °Cの 紡糸 口 金 よ り 紡 糸 し 、 以 下 実施 例 5 の 延伸 糸 B 5 と 同 様 に し て 延 伸 糸 B 6 を え た 。 延伸糸 B 6 の 強度 は 4 . 3 g / d 、 伸度 は
3 3 % 、 沸騰水中 の 収縮率 は 3 3 % で、 融点 お よ び溶融 吸熱量 は 1 7 2 。C、 3 1 J Z g 、 8 8 。C、 1 7 J Z g で あ つ た。 実施例 5 の 延伸糸 A 1 の 1 本 と 延伸 糸 B 6 の 1 本を 用 い 、 実施例 5 の 混繊糸 M Y 3 と 同様 に し て、 混繊 糸 M Y 4 を え た。 混繊糸 M Y 4 を用 い 、 実施例 5 の 織物
M F 5 と 同様 に し て織物 M F 7 を え た。 織物 M F 7 の 柔 钦性、 嵩高性、 風合 い な ど は、 実施例 5 の M F 5 と ほ ぼ 同等で、 比較例 M F 6 と 比べ る と は る か に 優 れ て お り 、 混繊の 効果が充分 に認 め ら れ た。
実施例 7
分子量 8 0 0 0 で両末端が水酸基の ポ リ エ チ レ ン グ リ 一 ノレ ( P E G ) 3 部、 L — ラ ク チ ド 9 8 部、 ォ ク チ ル 酸錫 1 0 0 p p m、 チ バガ イ ギ 一 社の 酸化防止剤 ィ ル ガ ノ ッ ク ス 1 0 1 0 の 0 . 1 部 を 混合 し 、 チ ッ 素雰囲気中 8 8 °Cで 1 2 分間、 2 軸押 出機中 で溶融撹拌重合 し 、 冷却 チ ッ プ化後、 1 4 0 °C チ ッ 素雰囲気中 で 4 時間処理 (固相重合) し て、 ポ リ 乳酸 と P E G の ブ ロ ッ ク 共重合 ポ リ マ ー P 1 を え た。 ポ リ マ ー P 1 は 、 分子量 1 5 . 5 万、 P E G 成分 の 含有率約 3 %、 融点 1 7 5 °C、 充分 に 配向結晶化 し た繊維の溶融吸熱量は 5 5 J Z gであ っ た。
分子量 1 2 . 5 万、 融点 1 1 4 、 溶融吸熱量 6 8 J g の ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト ( P B S ) 3 0 部、 L ラ ク チ ド 7 1 部、 前記イ ノレ ガ ノ ッ ク ス 0 . 1 部、 ォ ク チ ル酸錫 l O O p p m を混合 し 、 以下 ポ リ マ ー P 1 と 同 様 に 重合 し て ブ ロ ッ ク コ ポ リ マ ー B P 2 を え た。 B P 2 の 分子量 は 1 3 . 7 万、 融点 は主要 な も の が 1 6 5 °C と 0 3 。C の 2 つ あ り 、 そ の 吸 熱量 は 2 8 J Z g と 2 7 Z g で、 そ れぞれポ リ L —乳酸セ グ メ ン ト ( ブ ロ ッ ク )
お よ び P B S セ グ メ ン 卜 の結晶 に対応す る と 推定 さ れ る。 ポ リ マ — P 1 と コ ポ リ マ ー B P 2 を 、 そ れ ぞれ別 々 に 2 2 0 °c の ス ク リ ユ ー 押 出機で溶融 し 、 ギ ア ポ ン プで計 量 し な が ら 複合紡糸 口 金 に送 り 込み、 両者を 複合比 1 Z 1 ( 体積 比 ) で 図 1 A に 示す よ う な 並 列 型 に 複 合 し 、
2 2 5 。C 、 直径 0 . 2 m m の オ リ フ ィ ス よ り 紡出 し 空気 中 で冷却、 オ イ リ ン グ し な が ら 1 5 0 0 m Z分の 速度で 巻 取 り 、 7 0 °C で 4 . 1 倍 延 伸 し 、 1 5 0 デ ニ ー ル Z 4 8 フ ィ ラ メ ン ト の 延伸糸 Y 1 を え た。 延伸糸 Y 1 の 強 度 は 4 . 1 デニ ー ル、 伸度 2 7 % 1 0 0 °C の 水中 で 巻縮発現 さ せ た と き の 巻縮伸 張率 は 、 2 3 1 % と 優れ て い た。
比較の た め に 、 ポ リ マ ー P 1 を 溶融 し 、 単独で 2 2 5 。C、 直径 0 . 2 m m の オ リ フ ィ ス よ り 紡 出 し 、 以下延伸 糸 Y 1 と 同様 に し て延伸糸 R 1 を え た 。 同様 に し て コ ポ リ マ 一 B P 2 か ら 延伸糸 R 2 を え た。 R 1 お よ び R 2 の 熱収縮率 は 、 そ れぞれ 1 1 . 4 % お よ び 3 7 . 4 % で あ つ た
実施例 8
実施例 7 の P B S と ポ リ マ ー P 1 の ペ レ ツ ト を 2 Z 3 (重量比) で混合 し 、 2 2 0 °C の ス ク リ ュ ー 押 出機で溶 融 し 、 素子 3 0 個 を も つ ケ ニ ッ ク ス 型静止混合器 を通 し た の ち 複合紡糸 口 金 に供給 し 、 別 に 溶融 し た ポ リ マ ー P
1 と 図 1 A に示す よ う な 並列型 に 複合 し 、 以下実施例 7 の延伸糸 Y 1 と 同様 に し て、 延伸糸 Y 2 を え た。 延伸糸
Y 2 の 強度 は 4 . l g Z d 、 伸度 2 7 %、 1 0 0 °C の水 中 で巻縮発現 さ せ た と き の 巻縮伸張率 は 、 2 0 2 % と 優 れ て い た 。 比較の た め に 前記 P B S と P 1 の 混合 ポ リ マ
一 か ら え た 延伸糸 R 3 の 収縮率 は 2 9 . 6 % . D S C 分 析 に よ る 融点 は 1 7 4 °C と 1 1 0 °Cで、 溶融吸熱量 は そ れ ぞれ 2 6 . 3 』 / 2 ぉ ょ び 2 5 . 5 J Z g で あ っ た。 実施例 9
実施例 7 と 同様 に し て ポ リ L 一 乳酸 と P E G の ブ ロ ッ ク 共重合 ポ リ マ ー P 1 お よ び ポ リ L — 乳酸 と ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト ( P B S ) の ブ ロ ッ ク コ ポ リ マ ー B P 2 を え た。
ポ リ マ ー P 1 と コ ポ リ マ ー B P 2 を 、 そ れ ぞれ別 々 に 2 2 0 °C の ス ク リ ュ ー 押 出機で溶融 し 、 ギ ア ポ ン プ で計 量 し な 力 ら 複合紡糸 口 金 に 送 り 込み 、 ポ リ マ ー B P 2 を 鞘 に ポ リ マ — P 1 を芯 に し て、 複合比 2 ノ 1 (体積比) で図 4 A に示 さ れ る よ う な 同心円型に複合 し 、 2 2 5 °C、 直径 0 . 2 m mの オ リ フ ィ ス よ り 紡 出 し 空気 中 で冷却、 オ イ リ ン グ し な が ら 1 5 0 0 m 分の 速度で卷取 り 、 合 糸 し て ト ウ と し 7 0 °Cで 3 . 9 倍延伸 し 、 ト ウ T 1 を え た。 単糸繊度 は 3 デニ ー ルで あ る 。
ポ リ マ ー P 1 を 2 2 0 °Cで溶融 し 、 単独で 2 2 5 °C、 直径 0 . 2 m m の オ リ フ ィ ス よ り 紡 出 し 、 以下 ト ウ T 1 と 同様 に し 、 た だ し 延伸温度 を 8 0 °C と し て、 ト ウ T 2 を え た。 ト ウ T 1 と T 2 と を 1 / 3 (重量比) で混合 し、 押込法で 6 5 °Cで巻縮 し 長 さ 5 O m m に 切断 し て混合 ス テ 一 プル B S 1 を え た。 混合 ス テ ー ブル B S 1 を 用 い 、 カ ー ド法 に よ り 目 付 2 0 0 g Z nf の 不織布 W 1 を え た。 不織布 W 1 を 5 枚重ね て プ レ ス し 、 1 3 0 °Cの 乾燥機中 で 1 5 分 間処理 し 、 熱接着 さ れ た不織布 S W 1 を え た。 不織布 S W 1 は 、 繊維相互が強 く 接着 さ れて お り 、 ク ッ シ ヨ ン 材料 に 好適 な も の で あ っ た。 な お 不織布 W 1 は 、
熱処理温度 9 0 〜 1 6 0 °Cの広い範囲で 自 己接着可能で、 も ち ろ ん 高温 ほ ど強 く 接着す る 。
比較 の た め 、 前記 P B S を 鞘 に ポ リ マ ー P 1 を 芯 に 複 合 し 、 以下 ト ウ T 1 と 同様 に 複合紡糸 し ょ う と し た が、 巻 き 取 っ た繊維力 < P B S の 膠着の た め 、 巻 き 戻 し 不可能 で あ っ た 。
実施例 1 0
実施例 9 の P B S と ポ リ マ ー P 1 の ペ レ ツ ト を 2 Z 3 (重量比) で混合 し 、 2 2 0 °Cの ス ク リ ュ ー 押 出 機で溶 融 し 、 素子 3 0 個 を も つ ケ ニ ッ ク ス 型静止混合器を 通 し た の ち 複合紡糸 口 金 に 供給 し 、 別 に 溶融 し た ポ リ マ ー P 1 を芯 と し 、 前記混 合 ポ リ マ ー を 鞘 と し 、 複合比 1 Z 2 (体積比) で 同心の 芯鞘型 に 複合 し 、 以下実施例 9 の 不 織布 S W 1 と 同様 に し て 、 接着 さ れた 不織布 S W 2 を え た。 S W 2 は繊維相互が強 く 接着 さ れて お り 、 ク ッ シ ョ ン な ど と し て好適 な も の で あ っ た。 な お、 前記混合 ポ リ マ ー の 融点 は 、 1 7 3 °C お よ び 1 1 1 °Cで 、 溶融吸熱量 は そ れ ぞれ 3 3 J Z g と 2 1 J Z g で あ り 、 相互反応 に よ る プ ロ ッ ク ポ リ マ ー 化 は 殆 ど起 き て い な い と 推定 さ れ る 。 溶融混合時間が長 い ( た と え ば 1 5 分以上、 特 に 2 0 分以上) 場合 は、 一部 ま た は か な り の 部分が共重合体 化す る が、 そ れぞれ結晶性が維持 さ れ、 D S C で融点が 分離 し て認 め ら れ る ば あ い は、 本発明 に 有用 で あ る 。 実施例 1 1
分子量 8 0 0 0 で両末端が水酸基の ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ノレ ( P E G ) 3 部、 L ー ラ ク チ ド 9 8 部、 ォ ク チ ル 酸錫 1 0 0 p p m、 チ バ ガ イ ギ 一 社の 酸化防止剤 ィ ル ガ ノ ッ ク ス 1 0 1 0 の 0 . 0 5 部 を 混合 し 、 チ ッ 素雰囲気
中 1 8 8 °Cで 1 5 分間、 2 軸押 出機中で溶融撹拌重合 し、 口 金 よ り 押 出 し 冷却 チ ッ プ化後、 1 4 0 °C チ ッ 素雰囲気 中 で 4 時 間処理 (固相重合) し 、 塩酸を 0 . 1 %含む ァ セ ト ン で 洗浄 し 、 続 い て ア セ ト ン で 5 回洗浄 し た の ち 乾 燥 し て、 ポ リ 乳酸 と P E G の ブ ロ ッ ク 共重合 ポ リ マ ー P 1 を え た 。 ポ リ マ ー P 1 は 、 分子量 1 4 . 8 万、 P E G 成分の 含有率約 3 %、 融点 1 7 4 °C、 充分 に 配向結晶化 し た と き の 溶融吸熱量 は 5 J Z g で 、 融点、 結晶性 な ど は ポ リ 乳酸 ホ モ ポ リ マ ー と ほ ぼ同 じ で あ る が、 溶融流動 性や 延伸性 に 優 れ、 溶融複 合紡糸が容易で、 延伸糸 の 沸 騰水 に よ る 収縮率 は 、 多 く の ば あ い 、 1 0 〜 1 5 % 程度 乙" め る 。
ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト と ポ リ ブ チ レ ン ア ジ ぺ ー ト と の モ ル比 4 κ 1 の ラ ン ダ ム 共重合体で、 両末端が水酸 基で分子量 1 2 . 5 万、 融点 9 3 °Cの も の 2 5 部、 L — ラ ク チ ド 7 6 部、 ォ ク チ ル酸錫 8 0 p p m を 混合 し 、 以 下前記 ポ リ マ ー P 1 と 同様 に 重合 し て、 ポ リ 乳酸 と ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト / ア ジ ペ ー ト と の 約 3 Z 1 の プ ロ ッ ク 共 重 合体 B P 3 を え た 。 ポ リ マ ー B P 3 は 分 子 量 1 1 . 7 万、 D S C に よ る 溶融吸熱 ピー ク は 2 力 所あ り 、 そ の 融点 お よ び溶融吸熱量 は 1 6 8 °C ( 3 6 J / g ) 、 8 6 °C ( 6 . 5 J Z g ) で、 そ れ ぞれ ポ リ 乳酸セ グ メ ン ト お よ び ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト Zア ジ べ 一 ト 共重合 体セ グ メ ン ト に 対応す る も の と 推定 さ れ る が、 こ の ポ リ マ ー の 融点 (代表値) は、 1 6 8 °C と す る 。 ポ リ マ ー B P 3 か ら え ら れ る 延伸糸 の 沸騰水 に よ る 収縮率 は、 多 く の ば あ い 、 3 0 ~ 7 0 %程度 で あ る 。
L ー ラ ク チ ド 1 モ ノレ に 対 し て ォ ク チ ノレ ア ノレ コ ー ル 1 /
5 0 モ ル 、 ォ ク チ ル酸錫 1 0 O p p m を 混合 し 、 以下 ポ リ マ ー P 1 と 同様 に 重合 し て片末端 に 水酸基 を 有す る 分 子量 6 7 0 0 の ポ リ 乳酸 を え た。 1 8 0 °Cで溶融 し た ポ リ 乳酸 に 対 し 、 等 モ ル の へ キ サ ン ジ イ ソ シ ァ ネ ー ト を 混 合 、 反 応 さ せ 、 え ら れ た 末端 に イ ソ シ ァ ネ ー ト 基 を 有す る プ レ ボ リ マ ー に 、 片末端 に 水酸基 を有す る 分子量
5 5 0 0 の ポ リ ジ メ チ ル シ ロ キ サ ン を 等 モ ル 混 合 し 、 1 8 0 °Cの 2 軸押 出機で溶融混合 し た の ち 、 素子 1 2 0 を も つ 静止混合器 を通過 さ せ つ つ 3 0 分 間反応 さ せ て ポ リ 乳酸 Zポ リ ジ メ チ ル シ ロ キ サ ン = 約 5 5 Z 4 5 (重量 比) の ブ ロ ッ ク 共重合体 B P 4 を え た 。
ポ リ マ ー B P 3 を 2 2 0 。Cで溶融 し て送 り つ つ 、 そ れ に対 し 2 2 0 °Cで溶融 し た ポ リ マ ー B P 4 を 3 %混合 し 素子 6 0 個 の ケ ニ ッ ク ス 型静止混合器で さ ら に 混合 し た の ち 、 計量ポ ン プに よ り 複合紡糸 口金に供給 し た。 一方、 ポ リ マ ー P 1 を ス ク リ ユ ー押 出機で 2 2 0 °Cで溶融 し 、 計量 ポ ン プで複合紡糸 口 金 に 供給 し 、 ポ リ マ ー P 1 を 図 3 B に 示 さ れ る 成分 7 と し 、 ポ リ マ ー B P 3 と ポ リ マ ー B P 4 の 混合物を 図 3 B に 示 さ れ る 成分 8 と し 、 複 合比 4 / 1 (体積比) で図 3 B に 示 さ れ る 放射型構造 に 複合 し 、 直径 0 . 2 0 m mの オ リ フ ィ ス か ら 紡 出 し 、 空気中 で 冷却、 オ イ リ ン グ し な が ら 1 5 0 0 m ノ 分 の 速 度 で 巻取 り 、 8 0 °C で 3 . 9 倍 に 延 伸 し 、 つ づ い て 緊 張 下 1 0 0 °Cで熱処理 し て、 7 5 デニ ー ノレ Z 2 5 フ イ ラ メ ン ト の 延伸糸 D 1 を え た。
比較の た め 、 ポ リ マ ー P 1 と ポ リ マ ー B P 3 を 用 い て ( ポ リ ジ メ チ ル シ ロ キ サ ン を 含有す る ブ ロ ッ ク 共重合体 B P 4 を 用 い る こ と な く ) 延伸糸 D 1 と 同様 に し て 複合
繊維 の 延伸糸 D 2 (比較例) を え た 。
延伸糸 D 1 を 用 い て丸編物を製造 し 、 そ れ を 沸騰水 に 投入 し 1 5 分間煮沸 し た の ち 取 り 出 し 、 乾燥後、 サ ン ド ペ ー パ ー を 卷付 け た 回転 ロ ー ル に接触 さ せ て 、 起毛編物 K 1 を え た 。 本発明 の繊維か ら え ら れ た編物 K 1 中 の 立 毛繊維 は 、 殆 ど分割 さ れて お り 、 編物 は極 め て柔 ら か い 感触 を も っ て い た。 同様 に 、 比較例 の 延伸糸 D 2 か ら え た編物を 煮沸、 乾燥、 起毛 し て え た起毛編物 K 2 中 の 立 毛繊維 は 、 殆 ど分割 さ れて お ら ず、 編物 K 2 の触感 は硬 い も の で あ っ た 。
実施例 1 2
実施例 1 1 に お け る ポ リ マ ー B P 3 の 製造 と 同様 に し て、 た だ し 末端 に 水酸基 を も つ 分子量 1 2 . 8 万、 融点 6 0 °C の ポ リ 力 プ ロ ラ ク ト ン 2 5 部 に 、 L — ラ ク チ ド 7 6 部を 反応 さ せ て、 ポ リ 乳酸 Zポ リ 力 プ ロ ラ ク ト ン = 約 3 / 1 (重量比) の ブ ロ ッ ク 共重合 ポ リ マ ー B P 5 を え た。 ポ リ マ ー B P 5 の 分子量 は 1 0 . 3 万、 D S C に よ る 融点お よ び溶融吸熱量は、 1 6 6 °C ( 3 5 J / g ) 、 5 2 °C ( 6 . 6 J / g ) で、 融点 (代表値) は 1 6 6 °C で、 こ れか ら え ら れ る 延伸糸 の 沸騰水 に よ る 収縮率 は 、 多 く の ば あ い 、 3 0 〜 7 0 %程度 で あ る 。
実施例 1 1 の 複合繊維 D 1 と 同様 に し て、 た だ し ポ リ マ 一 B P 3 の 代わ り に 前記 ポ リ マ ー B P 5 を 用 い て複合 繊維 D 3 を え た。 複台繊維 D 3 を 用 い、 実施例 1 1 と 同 様 に し て 、 起毛編物 K 3 を え た。 本発明 に よ る 起毛編物 K 3 は 、 立毛が分割 さ れた細 い繊維か ら な り 、 極め て柔 ら か い触感を も っ て い た。
実施例 1 3
01588
99 分子量 8 0 0 0 で両末端が水酸基の ポ リ エ チ レ ン ダ リ コ ー ル ( P E G ) 3 部、 L — ラ ク チ ド 9 8 部、 ォ ク チ ル 酸錫 1 0 0 p p m、 チ バ ガ イ ギ 一 社 の 酸化防止剤 ィ ル ガ ノ ッ ク ス 1 0 1 0 の 0 . 0 5 部を 混合 し 、 チ ッ 素雰囲気 中 1 8 8 °Cで 1 5 分間、 2 軸押出機中で溶融撹拌重合 し、 口 金 よ り 押 出 し 冷却 チ ッ プ化後、 1 4 0 °C チ ッ 素雰囲気 中で 4 時間処理 (固相重合) し 、 塩酸 を 0 . 1 %含 む ァ セ ト ン で洗浄 し 、 続 い て ア セ ト ン で 5 回洗浄 し た の ち 乾 燥 し て、 ポ リ 乳酸 と P E G の ブ ロ ッ ク 共重合 ポ リ マ ー P 1 を え た 。
ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト ( P B S ) と ポ リ ブ チ レ ン ア ジ ペ ー ト ( P B A ) と の モ ル 比 4 / 1 の ラ ン ダ ム 共 重 合体 で 、 両末端が水酸基で分子量 1 2 . 5 万、 融点 9 3 °C の も の 1 0 部、 L ー ラ ク チ ド 9 1 部 、 ォ ク チ ノレ 酸 錫 9 O p p m を用 い て ポ リ マ ー P 1 の 製造 と 同様 に し て 、 ポ リ 乳酸 と P B S Z P B A 共重合体 と の 約 9 Z 1 (重量 比) の ブ ロ ッ ク 共重合体 B P 6 を え た 。 ポ リ マ ー B P 6 は 分子量 1 3 . 5 万、 D S C に よ る 融点 お よ び溶融吸熱 量 は 1 7 4 、 4 5 J Z g で、 ポ リ 乳酸の 変性 は わ ずか で あ る が、 P B S / P B A 共重合体 と の 親和性 は か な り 改善 さ れ て い る 。 ポ リ マ ー B P 6 と 前記 P B S Z P B A 共重合体 と の 2 Z 1 (重量比) の 混合物か ら え ら れ る 延 伸糸 の 沸騰水 に よ る 収縮率 は 、 通常 3 0 〜 7 0 %程度で め る 。
実施例 1 1 と 同様 に し て ポ リ 乳酸 ポ リ ジ メ チ ル シ ロ キ サ ン - 約 5 5 Z 4 5 (重量比) の ブ ロ ッ ク 共重合 ポ リ マ ー B P 4 を え た。
ポ リ マ ー B P 2 と 前記 P B S Z P B A 共重合体 の ペ レ
ッ 卜 を 2 / 1 (重量比) で混合 し 、 2 2 0 °Cの ス ク リ ュ 一押 出機で溶融 し て送 り つ つ 、 そ れ に 対 し 2 2 0 °Cで溶 融 し た ポ リ マ ー B P 4 を 3 %混合 し 、 素子 6 0 個 の ケ ニ ッ ク ス 型静止混 合器で さ ら に 混合 し た の ち 、 計量 ポ ン プ に よ り 複 合紡糸 口 金 に 供給 し た。 一方、 ポ リ マ ー P 1 を ス ク リ ュ 一押 出機で 2 2 0 °Cで溶融 し 、 計量 ポ ン プ で複 合紡糸 口 金 に 供給 し 、 ポ リ マ 一 P 1 を 図 3 B に 示 さ れ る 成分 7 と し 、 ポ リ マ ー B P 6 、 P B S Z P B A共重合体、 ポ リ マ ー B P 4 の混合物を図 3 B に示 さ れ る 成分 8 と し、 複合比 4 / 1 (体積比) で図 3 B に 示 さ れ る 放射型構造 に 複 合 し 、 直径 0 . 2 0 m m の オ リ フ ィ ス か ら 紡 出 し 、 空気 中 で 冷却 、 オ イ リ ン グ し な が ら 1 5 0 0 m Z分 の 速度 で巻取 り 、 8 0 °Cで 3 . 9 倍 に 延伸 し 続 い て 緊張下 1 0 0 °c で 熱処理 し て 、 7 5 デ ニ ー ル Z 2 5 フ イ ラ メ ン 卜 の 延伸糸 D 4 を え た 。 比較の た め 、 シ リ コ ン 含有 ポ リ マ 一 B P 4 を 使 用 し な い 以外 は 同 様 に し て 延伸 糸 D 5 (比絞例 ) を え た。
延伸糸 D 4 を 用 い て 丸編物 を 製造 し 、 そ れ を 沸騰水 に 投入 し 1 5 分 間煮沸 し た の ち 取 り 出 し 、 乾燥後、 サ ン ド ペ ー パ ー を 巻付 け た 回転 ロ ー ル に 接触 さ せ て 、 起毛編物
K 4 を え た。 本発明 の 繊維か ら え ら れ た編物 K 4 中の立 毛繊維 は 、 殆 ど分割 さ れて お り 、 編物 は極 め て柔 ら か い 触感 ¾ も つ て い た。 同様 に 、 比較例 の 延伸糸 D 5 か ら え た編物を 煮沸、 乾燥、 起毛 し て え た起毛編物 K 5 中 の 立 毛繊維 は 、 殆 ど分割 さ れて お ら ず、 編物 K 5 の触感 は硬 い も の で め っ た o
実施例 1 4
実施例 1 3 と 同様 に し て、 末端 に 水酸基 を も つ 分子量
1 2 . 8 万、 融点 6 0 °Cの ポ リ 力 プ ロ ラ ク ト ン ( P C L ) 1 0 部 と L ー ラ ク チ ド 9 1 部 を 反 応 さ せ て ポ リ 乳 酸 Z P C L = 約 9 Z 1 (重量比) の ブ ロ ッ ク 共重合 ポ リ マ ー B P 7 を え た。 ポ リ マ ー B P 7 の 分子量 は 1 1 . 2 万、 D S C に よ る 融点 お よ び溶融吸熱量 は 、 1 6 9 °C、 4 5 J Z g で あ っ た。 ポ リ マ ー B P 7 と 前記 P C L の 3 Z 1 (重量比) の 混合物か ら え ら れ る 延伸糸 の 沸騰水 に よ る 収縮率 は 、 多 く の ば あ い 、 3 0 〜 5 0 %程度で あ る 。
ポ リ マ ー B P 6 の 代わ り に ポ リ マ ー B P 7 を用 い た以 外 は 実施例 1 3 の 複合繊維 D 4 の 製造 と 同様 に し て 複合 繊維 D 6 を え た。 複合繊維 D 6 を用 い 、 実施例 1 3 と 同 様 に し て 、 起毛編物 K 6 を え た。 本発明 に よ る 起毛編物 K 6 は 、 立毛が分割 さ れ た細 い繊維か ら な り 、 極 め て柔 ら か い 触感 を も っ て い た。
実施例 1 5
分子量 8 0 0 0 で両末端が水酸基の ポ リ エ チ レ ン グ リ ッ コ ー ル ( P E G ) 3 部、 L — ラ ク チ ド 9 8 部、 ォ ク チ ル酸錫 1 0 0 p p m、 チ バ ガ イ ギ 一 社 の 酸化防止剤 ィ ル ガ ノ ッ ク ス 1 0 1 0 の 0 . 1 部を 混合 し 、 チ ッ 素雰囲気 中 1 8 8 °Cで 1 5 分間、 2軸押出機中で溶融撹拌重合 し、 口 金 よ り 押 出 し 冷却 チ ッ プ化後、 1 4 0 °C チ ッ 素雰囲気 中で 4 時 間処理 (固相重合) し 、 塩酸を 0 . 1 %含 む ァ セ ト ン で洗浄 し 、 続い て ア セ ト ン で 5 回 洗浄 し た の ち 乾 燥 し て、 ポ リ 乳酸 と P E G の ブ ロ ッ ク 共重 合 ポ リ マ ー P 1 を え た 。 ポ リ マ ー P 1 は 、 分子量 1 5 . 1 万、 P E G 成分の 含有率約 3 %、 融点 1 7 4 °C、 充分 に配向結晶化 し た と き の 溶融吸熱量 は 5 5 J Z g で あ っ た 。
2 , 2 — ジ メ チ ル プ ロ ノ、。 ン ジ ォ 一 ノレ と セ バ シ ン 酸 の縮
合 ポ リ エ ス テ ル で分子量 1 2 . 7 万、 両末端が水酸基 の も の 1 5 部、 ブ タ ン ジ オ ー ル と ア ジ ピ ン 酸の 縮合 ポ リ エ ス テ ル で分子量 1 2 . 2 万、 両末端が水酸基 の も の 1 5 部、 L — ラ ク チ ド 7 1 部、 ォ ク チ ル酸錫 8 0 p p m を 混 合 し 、 以下 ポ リ マ ー P 1 と 同様 に し て ポ リ マ ー B P 8 を え た。 ポ リ マ 一 B P 8 は、 結晶性の ポ リ 乳酸を ノヽ ー ド セ グ メ ン ト と し 、 ポ リ ジ メ チ ノレ プ ロ パ ン セ ノく ケ 一 ト ( P D M P S ) と ポ リ プ チ レ ン ア ジ ペ ー ト ( P B A ) の 混合物 を ソ フ ト セ グ メ ン ト と す る ブ ロ ッ ク 共 重 合体 で 、 融 点 1 6 4 °C、 吸熱量 2 5 . 5 J Z g で 、 分子量 は 1 1 . 9 万 で あ っ た 。 ポ リ マ ー B P 8 の ノヽ ー ド セ グ メ ン ト 成 分 ( ポ リ 乳酸) の 比率 は約 7 0 %で あ る が、 融点や 吸熱量 な ど か ら み て 、 結晶部分 は 5 0 %前後 と 推定 さ れ る 。 な お、 ポ リ マ ー B P 8 の 分子量 は 、 ソ フ ト セ グ メ ン ト 用 原 料 の P D M P S や P B A よ り も 低 い が、 こ れ は 一部 に ェ ス テ ル交換反応ま た は分解が生 じ て い る た め と 思われ る。 し か し 、 G P C 分析で は 、 分子量の 主分散 は単一の ピ 一 ク を 示 し 、 ポ リ 乳酸 Z P D M P S Z P B A の 均一 な プ ロ ッ ク 共重合体が生成 し て い る こ と が確認 さ れ た。 D S C 分 析 で 、 ソ フ ト セ グ メ ン ト に 関係 す る 吸 熱 ピ ー ク は 、 3 5 °Cお よ び 8 0 °C に 2 J Z g 以下の も の が 2 力 所見 ら れ た が、 無視で き る 程度で、 ソ フ ト セ グ メ ン ト は 実質的 に 非晶質 と み な さ れ る 。 な お ガ ラ ス転移点 は約 一 1 2 °C で あ つ た o
ポ リ マ ー P 1 お よ び ポ リ マ ー B P 8 を 、 そ れ ぞれ別の 2 2 0 °Cの ス ク リ ユ ー 押 出機で溶融 し 、 複合紡糸 口 金の 2 つ の ポ リ マ ー 供給部 に 供給 し た。 両 ポ リ マ ー を 図 1 A に 示 さ れ る よ う な並列型構造 (複合比 1 1 ) に複合 し、
直径 0 . 2 2 m m 、 2 2 5 °C の オ リ フ ィ ス よ り 紡 出 し 空 気中 で冷却、 オ イ リ ン グ し な が ら 4 0 0 0 mノ分 の 速度 で 巻 取 り 、 8 0 °C で 1 . 5 倍 延 伸 し て 7 0 デ ニ ー ル Z
2 4 フ ィ ラ メ ン ト の 延伸糸 F S 1 を え た。 延伸糸 F S 1 は 、 強度 4 . 7 g Z d 、 伸度 2 9 %、 巻縮発現後 の 巻縮 伸張率 は 3 3 0 % と 優れて い た。
参考 の た め に 、 ポ リ マ ー B P 8 の 製造 と 同様 に し て、 ソ フ ト セ グ メ ン ト 成分 と し て分子量 1 2 . 5 万 の ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト (融点 1 1 4 。C ) 3 0 部 と 、 ハ ー ド セ グ メ ン 卜 成分 と し て L ー ラ ク チ ド 7 0 部 を 反応 さ せ て 分子 1 . 8 万 の ポ リ 乳酸 P B S ブ ロ ッ ク 共重合体
B P 9 を 製造 し た。 ポ リ マ ー B P 9 は 、 D S C 分析で 2 つ の 結日日 融点を 示 し 、 そ れぞれの 融点、 溶融吸熱量 は 、 1 0 3 °C、 2 7 J / g , 1 6 6 °C、 2 9 J / g であ っ た。 延 伸 糸 F S I と 同様 に し て 、 ポ リ マ ー P I と ポ リ マ ー
B P 9 と を用 い て延伸糸 F S 2 をえ た。 延伸糸 F S 2 は、 強度 4 . 7 g ノ d 、 伸度 2 8 % 、 巻縮発現後 の 巻縮伸 張 率 は 1 2 1 % で 、 か な り よ い 巻 縮 性 を 示 す が 、 延 伸 糸 F S 1 に比べ る と 卷縮性 は劣 っ て い た。
実施例 1 6
ポ リ ブ チ レ ン セ ノ ·ί ケ ー 卜 と ポ リ ジ メ チ ル プ ロ ハ。 ン セ バ ケ 一 ト の 1 / 1 ( モ ル比) ラ ン ダム 共重合体 3 0 部、 L ク チ ド 7 1 部、 ォ ク チ ル酸錫 8 0 p p m を混合 し 、 以下実施例 1 5 の ポ リ マ ー B P 8 と 同様 に し て、 ブ ロ ッ ク 共重合 ポ リ マ ー B P 1 0 を え た。 ポ リ マ ー B P 1 0 の ta 曰曰融点 は 1 6 4 °C 、 吸熱量 2 5 J / g の 1 つ だ け で、 ソ フ ト セ グ メ ン ト は非晶性で あ っ た。
方、 分子量が 1 2 0 0 0 で両末端が水酸基の ポ リ エ
チ レ ン ア ジ べ一 ト 1 モ ル と 、 分子量が 8 0 0 0 で両末端 が水酸基 の ポ リ ジ メ チ ル プ ロ パ ン ア ジ ぺ ー ト 1 モ ノレ と を チ ッ 素気流中、 1 0 0 °Cで溶融撹拌 し な が ら 、 ジ フ ヱ 二 ル メ タ ン ジ イ ソ シ ァ ネ ー ト を 4 . 5 モ ル 徐 々 に 滴下 し て 3 時間反応 さ せ て プ レ ボ リ マ 一 を え 、 該 プ レ ポ リ マ ー 全 量 に 対 し 1 , 4 一 ブ タ ン ジ オ ー ルを 2 . 5 モ ノレ と な る よ う に 添加 し つ つ 、 温度 2 0 0 °Cの 2 軸混練押 出機 に連続 的 に 供給 し 、 7 分間反応 さ せ た の ち 口 金 よ り 水 中 に 押 出 し 、 ペ レ ツ 卜 化、 乾燥 し て ポ リ マ ー B P 1 1 を え た。 ポ リ マ ー B P 1 1 は ウ レ タ ン 結合 を も つ ノヽ 一 ド セ グ メ ン 卜 と 非晶性 の ソ フ ト セ グ メ ン ト 力、 ら な り 、 融点 1 9 3 °C、 分子量 4 9 0 0 0 で あ っ た 。
実施例 1 5 の ポ リ マ ー P 1 と ポ リ マ ー B P 1 0 と を 用 い、 以下実施例 1 5 の 延伸糸 F S 1 と 同様 に し て、 延伸 糸 F S 3 を え た 。 延伸糸 F S 3 は、 強度 4 . 7 g Z d 、 伸度 3 1 %、 巻縮伸張率 は 3 2 3 %で、 卷縮性が優れて い た o
同 じ く 実施例 1 5 の ポ リ マ ー P 1 と ポ リ マ ー B P 1 1 を用 い 、 以下実施例 1 5 の 延伸糸 F S 1 と 同様 に し て、 延伸糸 F S 4 を え た。 延伸糸 F S 4 は、 強度 4 . 4 g / d 、 伸度 4 0 %、 巻縮伸張率 は 4 5 3 %で、 巻縮性が極 め て優れて い た 。
実施例 1 7
分子量 8 0 0 0 で両末端が水酸基 の ポ リ エ チ レ ン ダ リ コ ー ノレ ( P E G ) 3 部、 L ー ラ ク チ ド 9 8 部、 ォ ク チ ル 酸錫 1 0 0 p p m、 チ バガ イ ギ 一 社の 酸化防止剤 ィ ル ガ ノ ッ ク ス 1 0 1 0 の 0 . 1 部 を混合 し 、 チ ッ 素棼囲気中 1 8 8 °C で 1 2 分間、 2 軸押 出機中で溶融撹拌重合 し 、
冷却 チ ッ プ化後、 1 4 0 °Cチ ッ 素雰囲気中 で 4 時間処理 (固相重 合) し て、 ポ リ 乳酸 と P E G の ブ ロ ッ ク 共重合 ポ リ マ ー P 1 を え た。 ポ リ マ ー P 1 は、 分子量 1 5 . 5 万、 P E G 成分 の 含有率約 3 %、 融点 1 7 5 °C、 充分 に 配向結晶化 し た繊維の溶融吸熱量は 5 5 J / g であ っ た。 ポ リ マ ー P 1 を 2 3 0 °Cの ス ク リ ユ ー 押 出機で溶融 し 、 2 2 5 °C、 直径 0 . 2 m mの オ リ フ ィ ス よ り 紡出 し 空気 中 で冷却 、 オ イ リ ン グ し な が ら 1 5 0 O m Z分の速度で 巻取 り 、 8 0 °Cで 4 . 5 倍延伸 し 緊張下 1 1 0 °Cで熱処 理 し 4 0 デ ニ ー ル / 1 2 フ ィ ラ メ ン ト の 延伸糸 A 1 を え た。 延伸 糸 A 1 の 強度 は 4 . 9 g Z d 、 伸度 2 9 %、 沸 騰水中 の 収縮率 は 1 2 % で あ っ た。
ブ タ ン ジオ ー ル、 プ ロ ピ レ ン グ リ コ ー ル、 サ ク シ ン酸、 ア ジ ピ ン 酸の 等 モ ル ラ ン ダ ム 共重合体で、 分子量 8 . 5 万、 非晶性 の も の 3 0 部、 L ー ラ ク チ ド 7 1 部、 前記 ィ ル ガ ノ ッ ク ス 0 . 1 部、 ォ ク チ ル酸錫 l O O p p m を 混 合 し 、 以下 ポ リ マ ー P 1 と 同様 に し て、 プ ロ ッ ク コ ポ リ マ ー B P 1 2 を え た 。 B P 1 2 の 分子量 は 1 4 . 7 万、 融点 は 1 6 6 °C、 吸熱量 は 3 0 J / g で、 こ れ は ポ リ L — 乳酸セ グ メ ン ト ( ブ ロ ッ ク ) の 結晶 の 融点で あ る 。
コ ポ リ マ ー B P 1 2 を 2 2 0 で の ス ク リ ユ ー 押 出機で 溶融 し 、 2 2 5 °C、 直径 0 . 2 m m の オ リ フ ィ ス よ り 紡 出 し 空気 中 で冷却、 オ イ リ ン グ し な が ら 1 5 0 O m Z分 の速度で巻取 り 、 8 0 °Cで 4 . 5 倍延伸 し 、 熱処理 し な い で 4 0 デ ニ ー ル / " 1 2 フ ィ ラ メ ン ト の 延伸糸 B S 1 を え た。 延伸糸 B S 1 の強度は 4 . 5 g Z d、 伸度 3 5 %、 沸騰水中 の 収縮率 は 3 5 % で あ っ た。
延伸糸 A 1 お よ び延伸糸 B S 1 を各 1 本ずつ 用 い エ ア
ノ ズ ル に よ り 混合 し 、 糸断面内 で両者が均一 に混合 さ れ た 混繊糸 M Y S 1 を え た。 混繊糸 M Y S 1 を 、 6 0 0 回 Z mで撚糸 し た も の を経糸 に 、 撚数 3 0 回 Z mの も の を 緯糸 に用 い 2 ノ 1 の 綾織物を作成 し 、 精練後弛緩状態で 1 2 0 °C 乾熱で 1 4 分間熱処理 し 、 さ ら に 8 0 て の 炭酸 ソ ー ダ 2. 5 %水溶液で 1 0分間処理 (減量加工) し た。 そ の の ち 洗浄 し 柔钦仕上 げ剤 を 0 . 2 %付与 し 1 3 5 °C で緊張下で熱処理 し て織物 M F S 1 を え た。
比較の た め に 、 延伸糸 A 1 を 2 本合撚 し た 糸 を 用 い 、 以下 M F S 1 と 同様 に し て織物 M F 6 を え た 。 織物 M F S 1 と 織物 M F 6 の 特性 を 表 3 に 示す。 表 3
両末端が水酸基の ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト Zポ リ プ チ レ ン ア ジ ペ ー ト の 4 Z 1 ( モ ル比) ラ ン ダ ム 共重合体 で 分 子量 1 2 . 5 万 、 融点 9 2 °C の も の 1 4 部 、 ポ リ ( 2 , 2 — ジ メ チ ル プ ロ パ ン ア ジ ペ ー ト ) ホ モ ポ リ マ ー で融点 3 7 °C 、 分子量 8 . 1 万 で両末端が水酸基 の も の 1 4 部、 L — ラ ク チ ド 7 3 部、 ォ ク チ ル酸錫 I O O P P m、 ィ ル ガ ノ ッ ク ス 0. 1 部を混合 し 、 以下実施例 1 7 と 同様に反応を行な い プ ロ ッ ク 共重合体 B P 1 3 を え た。 ポ リ マ ー B P 1 3 の 分子量 は 1 4 . 7 万、 融点 は 1 6 8 で、 こ れ は ポ リ 乳酸セ グ メ ン ト の 融点で あ る 。
ポ リ マ ー B P 1 3 を 2 2 0 °C で溶融 し 、 2 2 5 °C の紡 糸 口 金 よ り 紡糸 し 、 実施例 1 7 と 同様 に し て 延伸糸 B S 2 を え た。 延伸糸 B S 2 の 強度 は 4 . 6 g Z d 、 伸度 は 3 3 % 、 沸騰水中 の 収縮率 は 3 6 % で あ っ た 。 実施例 1 7 の 延伸糸 A 1 の 1 本 と 延伸糸 B S 2 の 1 本 を 用 い、 実 施例 1 7 と 同様 に し て、 混繊糸 M Y S 2 を え 、 混繊糸 M Y S 2 を用 い 、 実施例 1 7 と 同様 に し て混繊糸織物 M F S 2 を え た 。 織物 M F S 2 の 柔軟性、 嵩高性、 風合 い な ど は 、 実施例 1 7 の M F S 1 と ほ ぼ同等で、 比較例 M F 6 に 比べ る と は る か に優れて お り 、 混繊の 効果が充分 に 認め ら れ た。
実施例 1 9
L — ラ ク チ ド に 対 し 、 エ チ レ ン グ リ コ ー ル 0 . 0 5 % 、 ィ ル ガ ノ ッ ク ス 0 . 1 %、 ォ ク チ ノレ酸錫 I O O P P m を 混合 し 、 以下実施例 1 7 と 同様 に 反応を 行 な い 両末 端 に 水酸基 を も つ 分子量 5 . 2 万 の ポ リ 乳酸 P L 1 を え た。 両末端 に 水酸基を も つ 分子量 1 2 0 0 0 の ポ リ ェ チ レ ン ア ジ ペ ー ト 1 モ ル 、 両 末 端 に 水 酸基 を も つ 分 子 量 8 0 0 0 の ポ リ ジ メ チ ル プ ロ ノ、。 ン ア ジ ペ ー ト 1 モ ルを 混 合 し 、 1 0 0 °C 、 チ ッ 素気流中 で溶融撹拌 し な が ら フ エ ニ ソレ メ タ ン ジ イ ソ シ ァ ネ ー ト 4 . 0 2 モ ル を 徐 々 に滴下 し 3 時間反応 し て プ レ ボ リ マ ー P P 1 を え た。 2 軸押 出 機を用 い 1 8 5 °Cで前記ポ リ 乳酸 1 部を溶融撹拌 し つつ、 そ れ に対 し て プ レ ボ リ マ 一 P P 1 を 0 . 4 部、 ラ ウ リ ル ア ル コ ー ル 2 % を混合 し 、 5 分間反応 し た の ち 口 金 よ り 押 出 し 、 水中で冷却、 切断 し て ブ ロ ッ ク コ ポ リ マ ー B P 1 4 を え た。 ポ リ マ ー B P 1 4 は 、 ポ リ 乳酸の 結晶 と ゥ レ タ ン 結合を も つ ハ ー ド セ グ メ ン 卜 と 非晶性 の 脂肪族 ポ
リ エ ス テ ル セ グ メ ン ト か ら な る ブ ロ ッ ク コ ポ リ マ ー で 、 ノヽ 一 ド セ グ メ ン ト の 融点 は 1 7 2 。C、 分子量 は 1 8 . 8 万 で あ っ た。 B P 1 4 を 2 2 0 °Cの ス ク リ ュ ー 押 出機で 溶融 し 2 3 0 °C、 直径 0 . 2 m mの オ リ フ ィ ス 1 2 個 よ り 紡出 し 、 同様 に 溶融紡 出 し た 実施例 1 7 の ポ リ マ ー P 1 の 繊維 と 合糸 し エ ア 混繊 し つ つ 1 5 0 O m Z分の 速度 で 卷取 り 、 8 0 °C で 3 . 9 倍 に 延 伸 し 8 0 デ ニ 一 ノレ / 2 4 フ ィ ラ メ ン ト の 混繊糸 M Y S 3 を え た 。 M Y S 3 を 用 い 、 実施例 1 7 と 同様 に し て織物を 製造 し 、 M F S 1 と 同様 に 優 れ た嵩高性、 柔钦性を も つ 織物 M F S 3 を え た 。
実施例 2 0
分子量 8 0 0 0 で両末端が水酸基 の ポ リ エ チ レ ン ダ リ コ ー ゾレ ( P E G ) 3 部、 L ー ラ ク チ ド 9 8 部、 ォ ク チ ル 酸錫 1 0 0 p p m、 チ バ ガ イ ギ 一 社の 酸化防止剤 ィ ル ガ ノ ッ ク ス 1 0 1 0 の 0 . 1 部 を混合 し 、 チ ッ 素雰囲気 中 1 8 8 °Cで 1 2 分間、 2 軸押 出機中 で溶融撹拌重合 し 、 最後 に シ リ コ ン オ イ ル ( ジ メ チ ル シ ロ キ サ ン ) を 0 . 1 % 混 合 し た の ち 、 口 金 よ り 押 出 し 冷 却 チ ッ プ ィ匕 後 、 1 4 0 °C チ ッ 素雰囲気中 で 4 時間処理 (固相重合) し 、 塩酸を 0 . 1 %含 む ア セ ト ン で洗浄 し 、 続 い て ア セ ト ン で 5 回 洗 浄 し た の ち 乾 燥 し て 、 ポ リ 乳酸 ( P L A ) と P E G の ブ ロ ッ ク 共重合 ポ リ マ ー P 1 を え た。 ポ リ マ ー P 1 は、 分子量 1 2 . 2 万、 P E G成分の含有率約 3 %、 融点 1 7 4 、 充分 に 配 向結晶化 し た と き の 溶融吸熱量 は 5 5 J Z g で あ っ た。
ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト ( P B S ) と ポ リ ブ チ レ ン ア ジ ペ ー ト ( P B A ) と の モ ル 比 4 Z 1 の ラ ン ダ ム 共 重
合体 で 、 両 末端が水酸基で分子量 1 2 . 5 万、 融点 9 3 °Cの も の 8 0 部、 分子量 2 0 0 0 0 の P E G 5 部、 L 一 ラ ク チ ド 2 0 部、 ォ ク チ ル酸錫 3 0 p p m、 前記 ィ ル ガ ノ ッ ク ス 0 . 1 部を 混合 し 、 以下前記 ポ リ マ ー P 1 と 同 様 に 重合 し て 、 P B S Z P B A 共重合体 と ポ リ 乳酸 と の ブ ロ ッ ク 共重合体 ( P B S Z P B A P L A ) と 、 ポ リ 乳酸 と ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル と の プ ロ ッ ク 共 重 合 体 ( P L A Z P E G ) と の 混合物 で融点 9 0 °Cの M P 1 を え た。 各末端水酸基の 反応性が等 し く ラ ク チ ドがす べ て 反応 し た と 仮定す れば、 P B S Z P B A Z P L A ブ ロ ッ ク 共重合体 中 の P L A 成分 は約 1 8 %、 分子量 は約 1 5 万程度、 P L A ノ P E G ブ ロ ッ ク 共重合体 中 の P L A 成 分 は約 5 2 %、 分子量 は約 4 万 と 推定 さ れ、 両 ポ リ マ ー は P L A と い う 共通成分を も っ た め親和性がかな り 问 ぐ 、 均一 に 混合 さ れ て い る 。
分子量 2 0 0 0 0 の P E G 8 0 部 に 、 L — ラ ク チ ド 2 0 部、 前 記 ィ ル ガ ノ ッ ク ス 0 . 2 部 、 ォ ク チ ル 酸 錫 2 0 p p m を 混合 し 、 1 8 0 °Cで 3 0 分 間反応 さ せ て分 子量 4 万 の P E G / P L A プ ロ ッ ク 共重合体を え た 。 分 子量 2 0 0 0 0 の P E G 5 0 部、 ド デ シ ル ペ ン ゼ ン ス ゾレ ホ ン 酸 ソ ー ダ 5 0 部、 前記 ィ ル ガ ノ ッ ク ス 0 . 3 部 を混 合 し 、 1 8 0 °。 、 圧カ 1 丁 0 1" 1" で 1 時間撹拌 し 完全 に 脱水 し た も の 1 部 と 、 え ら れ た P E G Z P L A ブ □ ッ ク 共重合体 4 部 と を 1 8 0 °Cで溶融混合 し て混合物 M P 2 を え た。 さ ら に M P 2 と 前記 M P 1 と を 7 Z 9 3 の 重量 比で 2 2 0 °Cで溶融混合 し て混合物 M P 3 を え た
P L A / P E G ブ ロ ッ ク 共重合体 P 1 と 混合物 M P 3 と を別 々 に 2 2 0 で で溶融 し 、 そ れ ぞれ ギ ア ボ ン プで計
量 し な 力《 ら 複合紡糸 口 金 に 送 り 、 P 1 を 図 3 B に 示 さ れ る 成分 7 と し 、 M P 3 を 図 3 B に 示 さ れ る 成分 8 と し 、 複合比 (体積比) 4 Z 1 で図 3 B に 示 さ れ る 放射状構造 に 複合 し 、 2 2 0 °C、 直径 0 . 2 5 m m の オ リ フ ィ ス か ら 紡 出 し 、 空気中 で冷却、 オ イ リ ン グ し な 力 < ら 1 5 0 0 m Z分の 速度で巻取 り 、 8 0 °Cで 3 . 9 倍 に 延伸 し 続 い て緊張下 1 0 0 °Cで熱処理 し て、 7 5 デニ ー ル Z 2 5 フ ィ ラ メ ン ト の 延伸糸 D F 1 を え た。 比較の た め 、 前記 と 同様 に し て、 P 1 を 図 3 B に 示 さ れ る 成分 7 と し 、 融点 1 1 6 °C、 分子量 1 2 . 5 万 の ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト を 図 3 B に 示 さ れ る 成分 8 と し て用 い て 延伸糸 D F 2 (比較例) を え た。
延伸糸 D F 1 を 用 い て丸編物を 製造 し 、 そ れを 9 8 °C の 炭酸 ソ ー ダ 3 %水溶液 に投入 し 1 0 分間処理 し た の ち 取 り 出 し 、 乾燥後、 サ ン ド ペ ー パ ー を巻付 け た 回転 ロ ー ル に 接触 さ せ て、 起毛編物 D K 1 を え た 。 本発明 の 繊維 か ら え ら れ た編物 D K 1 中 の 立毛繊維 は、 殆 ど分割 さ れ て お り 、 編物 は 極 め て柔 ら か い触感を も っ て い た 。 同様 に 、 比較例 の 延伸糸 D F 2 か ら え た編物 を 煮沸、 乾燥、 起毛 し て え た起毛編物 D K 2 中 の 立毛繊維 は 、 殆 ど分割 さ れて お ら ず、 編物 D K 2 の 触感 は硬 い も の で あ っ た。 実施例 2 1
P B S Z P B A ラ ン ダ ム 共重合体 (融点 9 3 °C ) の か わ り に 、 ポ リ ブ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト ( ホ モ ポ リ マ ー ) で 融点 1 1 6 °C、 分子量 1 2 . 5 万の も の を 用 い た以外 は 実施例 2 0 と 同様 に し て 延伸糸 D F 3 を え 、 そ れか ら 同 様 に し て 起毛編物 D K 3 を え た。 起毛編物 D K 3 は 起毛 編物 D K 1 と 同様 に 立毛が完全 に 分割 さ れて お り 柔钦性
に 優れ て い た。
実 施 例 2 2
分子量 8 0 0 0 で両末端が水酸基の ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル ( P E G ) 4 部、 L ー ラ ク チ ド 9 7 部、 ォ ク チ ル 酸錫 1 0 0 p p m、 チ バ ガ イ ギ 一社 の 酸化防止剤 ィ ル ガ ノ ッ ク ス 1 0 1 0 の 0 . 1 部を 混合 し 、 チ ッ 素雰囲気 中 1 8 8 °C で 1 2 分間、 2 軸押 出機中 で溶融撹拌重合 し 、 冷却 チ ッ プ化後、 1 4 0 °C チ ッ 素雰囲気中 で 4 時間処理 (固相重合) し て、 ポ リ 乳酸 と P E G の ブ ロ ッ ク 共重合 ポ リ マ ー P l a を え た 。 ポ リ マ ー P I a は 、 分 子 量 1 6 . 2 万、 P E G成分の含有率約 4 %、 融点 1 7 5 °C、 充分 に 配 向結晶化 し た と き の 溶融吸熱量 は 5 5 J Z g で あ つ すこ 0
ポ リ プ チ レ ン サ ク シ ネ ー ト ( P B S ) と ポ リ ブ チ レ ン ア ジ ペ ー ト ( P B A ) の 4 Z 1 (モ ル比) ラ ン ダ ム 共重 合体 で 、 分子量 1 2 . 5 万 、 融点 9 2 °C 、 溶 融 吸 熱 量 5 7 J / g の も の 3 0 部、 L — ラ ク チ ド 7 1 部、 前記 ィ ル ガ ノ ッ ク ス 0 . 1 部、 ォ ク チ ル酸錫 l O O p p m を 混 合 し 、 前記 と 同様 に 重合 し て ブ ロ ッ ク コ ポ リ マ ー B P 1 を え た。 B P 1 の 分子量 は 1 3 . 7 万、 融点 は 主要 な も の 力 1 6 5 °C と 8 5 。C の 2 つ あ り 、 そ の 吸 熱量 は 3 2 J Z g と で、 そ れ ぞれ ポ リ L 一 乳酸セ グ メ ン ト ( プ ロ ッ ク ) お よ び P B S Z P B A 共重合体 セ グ メ ン ト の 結晶 に 対応す る と 推定 さ れ る 。 8 ? 1 は 融点 9 2 の P B S Z P B A 共重合体 を成分 と し て約 3 0 %含む。
ポ リ マ ー P 1 a と ポ リ マ ー B P 1 を 、 そ れ ぞ れ 別 に 2 2 0 。Cの ス ク リ ユ ー 押 出機で溶融 し 、 ギ ア ポ ン プで計 量 し な 力く ら 複合紡糸 口 金 に送 り 込み 、 ポ リ マ ー P l a を
鞘 に ポ リ マ ー B P 1 を 芯 に 、 複合比 1 4 (体積比) で 図 5 A に示 さ れ る ご と き 同心型構造に複合 し、 2 2 5 て、 直径 0 . 2 m m の オ リ フ ィ ス よ り 紡出 し 空気 中 で冷却、 オ イ リ ン グ し な 力 ら 1 5 0 O m Z分 の 速 度 で 巻 取 り 、 6 0 °C で 4 . 1 倍延 伸 し 、 7 0 デ ニ ー ル ( d ) Z 2 4 フ ィ ラ メ ン ト ( f ) の 延伸糸 Z 1 を え た。 延伸糸 Z 1 の 強度 は 4 . l g Zデニ ー ル、 伸度 2 7 %、 1 0 0 °C の 水 中 で の 収縮率 は 、 2 9 . 3 %で あ っ た。
ポ リ マ ー P 1 a を 溶 融 し 、 単 独 で 2 2 0 °C 、 直 径 0 . 2 m m の オ リ フ ィ ス よ り 紡出 し 、 以下延伸糸 Z 1 と 同様に し て、 た だ し延伸後に 9 0 °Cで緊張下熱処理 し て、 7 0 d / 2 4 f の 延伸糸 Z 2 を え た。 延伸糸 Z 2 の 強度 は 4 . 8 g / d 、 伸度 2 9 %、 1 0 0 °C水 に よ る 収縮率 は 1 2 . 6 %で あ っ た。
延伸糸 Z 1 と 延伸糸 Z 2 と を エ ア ジ ヱ ッ ト ノ ズ ル を通 し な 力' ら 混繊 し 、 さ ら に 9 0 0 t Z m の 撚 を か け た も の を縱糸 と し 、 同 じ く 2 0 0 t Z mの撚 を か け た も の を 糸 と し て平織物 を つ く り 、 界面活性剤 (洗浄剤) 0 . 1 % を含む 1 0 0 °Cの水中で無緊張で 1 5 分間収縮処理 し、 続 い て 分散染料 ミ ケ ト ン ポ リ エ ス テ ル ブ ル 一 3 R T (三 井東圧社製) l % ( o w f ) 、 酢酸 0 . 0 2 %、 浸透剤 (活性剤) 0 . 2 %を 含む 1 0 0 °Cの 水 中 で 6 0 分間染 色、 水洗後、 さ ら に 柔軟加工剤 を 0 . 1 %付与 し 、 弱 い 張力下で乾燥 し て織物 Z W 1 を え た。
比較の た め 、 延伸糸 Z 2 を 2 本用 い て混繊 し 、 撚糸 し た の ち 、 以下同様 に 収縮、 染色、 柔軟加工、 乾燥 し て織 物 Z W 2 を え た。
織物 Z W 1 お よ び Z W 2 の 嵩高性、 柔钦性を 表 4 に 示
T/JP 1
113 す。 表 4 に示 さ れ る よ う に、 本発明 に よ る 織物 Z W 1 は 比較例 Z W 2 よ り も 優れた嵩高性、 柔軟性を も っ て い る
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実施例 2 2 の ポ リ マ ー P l a を鞘 と し 、 実施例 2 2 の P B S Z P B A 共重合体を 芯 と し 、 複合比 1 Z 3 で 図 5 A に 示 さ れ る よ う な 同心型構造 に 複合 し 、 以下実施例 2 2 の 延伸糸 Z 1 と 同様 に し て、 延伸糸 Z 3 を え た。 延伸 糸 Z 3 の 強度 は 3 . l g Z d 、 伸度 3 3 %、 1 0 0 の 水中 で の 収縮率 2 7 . 1 %で あ っ た。 延伸糸 Z 3 と 実施 例 2 2 の 延伸糸 Z 2 を混織 し 、 以下実施例 2 2 の 織物 と 同様 に 、 撚糸、 織 り 、 洗浄お よ び収縮処理 し 、 さ ら に 炭 酸 ソ 一 ダ 0 . 3 %水溶液で 9 0 °Cで 1 2 分 間 ア ル カ リ 減 量加工 し て繊維表面の ポ リ マ ー を約 1 1 %分解除去 し 、 続 い て洗浄、 染色、 柔钦加工、 乾燥 し て織物 Z W 3 を え 実施例 2 2 の P B S Z P B A 共重合体 と ポ リ マ ー P 1 a の ペ レ ッ ト を 1 Z 1 (重量比) で混合 し 、 2 2 0 の ス ク リ ュ ー 押 出機で溶融 し 、 素子 3 0 個 を も つ ケ ニ ッ ク ス 型静止混合器を通 し た の ち 複合紡糸 口 金 に 供給 し 、 そ れを 芯 と し 、 別 に 溶融 し た ポ リ マ ー P I a を鞘 と し 複合 比 1 Z 3 で 図 5 A に 示 さ れ る よ う な 同心の 芯鞘型構造 に 複合 し 、 以下実施例 2 2 の 延伸糸 Z 1 と 同様 に し て 、 延
伸糸 Z 4 を え た 。 延伸糸 Z 4 の 強度 は 3 . 4 g Z d 、 伸 度 3 2 %、 1 0 0 て の 水 中 で の 収縮率 2 5 . 8 %で あ つ た。 延伸糸 Z 4 と 実施例 2 2 の 延伸糸 Z 2 を 混繊 し 、 以 下織物 Z W 3 と 同様 に し て織物 Z W 4 を え た 。 織物 Z W 3 お よ び Z W 4 は、 共 に 嵩高性、 柔軟性 は 極 め て 優れて い たが、 そ れは ア ルカ リ 減量加工の寄与が大 き い。 な お、 こ れ ら は 、 ア ル カ リ 減量加工 し な け れ ば、 実施例 2 2 の 織物 Z W 1 と 同 じ 程度 の 風合 い で あ る 。