JP4628808B2 - 低収縮性熱接着性繊維 - Google Patents
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すなわち、本発明は以下の(1)、(2)を要旨とするものである。
(1)融点又は流動開始温度が200℃以下の低融点ポリエステルからなる繊維であって、少なくとも繊維表面は結晶開始温度80〜140℃、融点160〜200℃である結晶性低融点ポリエステルからなり、120℃熱処理時の乾熱収縮率が10%以下である低収縮性熱接着性繊維の製造方法であって、溶融紡糸して得られた未延伸糸条を延伸した後、150℃〜160℃のヒートドラムを用いて定張又は緊張熱処理を行うことを特徴とする低収縮性熱接着性繊維の製造方法。
(2)結晶開始温度80〜140℃、融点160〜200℃である結晶性低融点ポリエステルを鞘部に、融点又は流動開始温度が200℃以下の低融点ポリエステルを芯部とした芯鞘型複合繊維であって、120℃熱処理時の乾熱収縮率が10%以下であることを特徴とする低収縮性熱接着性繊維の製造方法であって、溶融紡糸して得られた未延伸糸条を延伸した後、150℃〜160℃のヒートドラムを用いて定張又は緊張熱処理を行うことを特徴とする低収縮性熱接着性繊維の製造方法。
本発明により得られる低収縮性熱接着性繊維は、融点又は流動開始温度が200℃以下の低融点ポリエステルからなる繊維であって、少なくとも繊維表面が結晶開始温度80〜140℃、融点160〜200℃である結晶性低融点ポリエステルからなる繊維である。そして、不織布とする際には、融点の低いポリマーで構成されているため、バインダー繊維として使用することが好ましく、繊維の全部が溶融する全融タイプのバインダー繊維として用いることができる。
(1)結晶開始温度(Tc)、融点(Tm)、流動開始温度、ガラス転移点(Tg)
前記の方法で測定した。
(2)極限粘度
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、温度20℃で測定した。
(3)繊度
JIS L−1015−7−5−1Aの方法により測定した。
(4)繊維長
JIS L−1015−7−4−1Cの方法により測定した。
(6)操業性
紡糸、延伸の状況で下記の2段階で評価した。
○:紡糸時の切れ糸回数が3回/日・錘以下であり、繊維の密着がなく、かつ、延伸 時にローラ巻き付きの発生がない場合
×:紡糸時の切れ糸回数が3回/日・錘を超えるか、繊維の密着が発生するか、また は延伸時にローラ巻き付きの発生があった場合
(7)不織布の風合い
得られた不織布を15cm×15cmの正方形に切断し、パネラーによる手触りにより、風合いの柔軟性を下記の2段階で官能評価した。
○:良好
×:不良
(8)不織布の引張強度
得られた不織布を、多くの短繊維の長手方向が整列する方向を長辺として、2.5cm×15cmの短冊状に切断し、TOYO BALDWIN社製テンシロンUTM-4-100型を使用して、初期試料長10cm、引張速度100mm/分の条件で繰り返し30回の測定を行った。得られた不織布の引張強度により下記の3段階で評価した。
○:引張強度1000cN以上
△:引張強度500〜1000cN未満
×:引張強度500cN未満
(9)乾熱収縮率
JIS L−1015−7−15の方法に従い、熱処理温度を120℃として測定した。
結晶性低融点ポリエステルとして、1,4−ブタンジオールを50mol%共重合した極限粘度0.78、Tc98℃、Tm181℃、Tg48℃の共重合PETを用い、紡糸温度270℃、吐出量408g/分、紡糸速度850m/分の条件で、孔数225個の丸型断面の紡糸ノズルで紡出し、未延伸糸を得た。
得られた未延伸糸を集束し、12ktexの糸条束にした後、延伸倍率4.2倍、延伸温度50℃で延伸し、150℃のヒートドラムで緊張率1.01倍の緊張熱処理を施し、仕上げ油剤を0.12質量%となるように付与した後、押し込み式クリンパーで捲縮を施し、切断して単糸繊度5.5dtex、繊維長51mmの接着性繊維を得た。
この熱接着性繊維30質量%と、繊度1.7dtex、繊維長51mm、強度6.0cN/dtex、伸度30%のPETからなるポリエステル繊維70質量%を混合し、カード機にかけウェブとした後、連続熱処理機にて190℃、1分の熱処理を行い、目付35g/m2の短繊維不織布を得た。
実施例1の結晶性低融点ポリエステルに代えて、イソフタル酸を33.0モル%共重合したPETであって、極限粘度0.68、流動開始温度135℃、Tg69℃の低融点PET(非晶性)を用い、延伸後、ヒートドラムを加熱せず(室温で)緊張処理を行った以外は実施例1と同様にして熱接着性繊維を得た。
そして、ウェブとした後の熱処理を温度160℃に変更した以外は、実施例1と同様にして短繊維不織布を得た。
結晶性低融点ポリエステルとして、1,4−ブタンジオールを50mol%共重合した極限粘度0.78、Tc98℃、Tm181℃、Tg48℃の共重合PETを用いた。この結晶性低融点ポリエステルを鞘成分とし、イソフタル酸を33.0モル%共重合したPETであって、極限粘度0.68、流動開始温度135℃、Tg69℃の低融点PET(非晶性)を芯成分に用い、両ポリエステルを複合体積比(芯/鞘)50/50とし、紡糸温度270℃、吐出量408g/分、紡糸速度850m/分の条件で、孔数225個の丸型断面の芯鞘型複合紡糸ノズルで紡出し、未延伸糸を得た。
得られた未延伸糸を集束し、12ktexの糸条束にした後、延伸倍率4.2倍、延伸温度50℃で延伸し、150℃のヒートドラムで緊張率1.01倍の緊張熱処理を施し、仕上げ油剤を0.12質量%の付着量となるように付与した後、押し込み式クリンパーで捲縮を施し、切断して単糸繊度5.5dtex、繊維長51mmの芯鞘型熱接着性繊維を得た。
この熱接着性複合繊維30質量%と、繊度1.7dtex、繊維長51mm、強度6.0cN/dtex、伸度30%のPETからなるポリエステル繊維70質量%を混合し、カード機にかけウェブとした後、連続熱処理機にて190℃、1分の熱処理を行い、目付35g/m2の短繊維不織布を得た。
芯成分及び鞘成分のポリエステルの成分を表2に記載のように種々変更し、延伸後、ヒートドラムでの緊張熱処理温度を表2に示す値に変更した以外は実施例2と同様にして芯鞘型の熱接着性繊維を得た。そして、ウェブとした後の熱処理温度を表2に示す値に変更した以外は、実施例2と同様にして短繊維不織布を得た。
Claims (5)
- 融点又は流動開始温度が200℃以下の低融点ポリエステルからなる繊維であって、少なくとも繊維表面は結晶開始温度80〜140℃、融点160〜200℃である結晶性低融点ポリエステルからなり、120℃熱処理時の乾熱収縮率が10%以下である低収縮性熱接着性繊維の製造方法であって、溶融紡糸して得られた未延伸糸条を延伸した後、150℃〜160℃のヒートドラムを用いて定張又は緊張熱処理を行うことを特徴とする低収縮性熱接着性繊維の製造方法。
- 結晶開始温度80〜140℃、融点160〜200℃である結晶性低融点ポリエステルを鞘部に、融点又は流動開始温度が200℃以下の低融点ポリエステルを芯部とした芯鞘型複合繊維であって、120℃熱処理時の乾熱収縮率が10%以下であることを特徴とする低収縮性熱接着性繊維の製造方法であって、溶融紡糸して得られた未延伸糸条を延伸した後、150℃〜160℃のヒートドラムを用いて定張又は緊張熱処理を行うことを特徴とする低収縮性熱接着性繊維の製造方法。
- 結晶性低融点ポリエステルが、テレフタル酸成分、エチレングリコール成分を含有し、全グリコール成分に対して1,4−ブタンジオール成分を30〜70モル%共重合した共重合ポリエステルである請求項1又は2記載の低収縮性熱接着性繊維の製造方法。
- 結晶性低融点ポリエステルが、テレフタル酸成分、エチレングリコール成分を含有し、全グリコール成分に対して1,4−ブタンジオール成分を30〜70モル%共重合し、全酸成分に対して脂肪族ラクトン成分もしくはアジピン酸成分のうち少なくとも一成分を10モル%以下共重合した共重合ポリエステルである請求項1又は2記載の低収縮性熱接着性繊維の製造方法。
- 芯部に配する低融点ポリエステルが、イソフタル酸を共重合したポリエチレンテレフタレートである請求項2記載の低収縮性熱接着性繊維の製造方法。
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