JP2703294B2 - ポリエステル複合繊維、該繊維を含有する不織布および該不織布の製造方法 - Google Patents

ポリエステル複合繊維、該繊維を含有する不織布および該不織布の製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、伸縮性、伸長回復率に優れ高密度化された
不織布を得るのに適した優れた潜在捲縮能を有するポリ
エステル複合繊維、それを含有する不織布及び該不織布
の製造方法に関するものである。
(従来の技術) 潜在捲縮性を有するサイドバイサイド型のポリエステ
ル複合繊維として、低熱収縮側の重合体成分並びに高収
縮側の重合体成分としてそれぞれ重合度の低いポリエチ
レンテレフタレート(固有粘度0.40〜0.60)と重合度の
高いポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.70〜0.9
0)を配したポリエステル繊維は工業的に製造されてい
るが、かかる繊維よりなる不織布としては組織力、即
ち、繊維と繊維との拘束力に打ち勝つだけの高い伸縮
力、伸長回復力が得られず、風合的にもフイツト性に賭
けるものとなり、用途展開が狭められているのが現状で
ある。また、特開昭62−78214号公報には5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸(SIP)による共重合率が3モル
%以上6モル%以下の共重合ポリエステルを使用した複
合繊維や該繊維よりなる不織布が開示されているが、こ
の場合、SIPの共重合量が多すぎるため重合体の溶融粘
度が高くなり過ぎて重縮合反応に於いて、適度の重合度
のものを得ることが難しくなるばかりでなくコスト的に
も高くなること、更には、紡出糸の結晶性が高くなり過
ぎて、経時変化を起こし易くなり延伸性の低下を来し、
複合繊維の強力が低下してしまうという欠点を有してい
た。
最近の不織布分野では種々な方法で不織布が製造され
ており、短繊維を梳綿機によりシート状ウエブとし、繊
維を接着剤(バインダー)あるいは熱融着性繊維(バイ
ンダー繊維)と混合し熱接着する方法、更にはニードル
パンチを併用する方法などが主流をなしている。
これらの方法では製造される不織布の用途としては、
スポーツ用、医療用、特に皮膚貼付剤用の基布に広く用
いられるため、高い伸縮性、伸長回復性が望まれると同
時に基布へ薬剤(湿布薬など)を塗布するため高い嵩密
度を併せて要望されている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は伸縮性、伸長性回復性が優れ且つ高密度化可
能な不織布を得るのに適したポリエステル繊維及び該繊
維を含有する不織布の提供を目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意研究を重ね
た結果、特定の2種類のポリエステルの偏心芯鞘型また
はサイドバイサイド型複合繊維により三次元捲縮発現能
を有し、且つ延伸工程に於いて特定の熱処理をおこなう
ことによりこの目的が達成されることを見いだし、本発
明に到達した。
即ち、本発明は、 「(1) 主たる成分がエチレンテレフタレート単位で
構成され、且つ、共重合成分としてイソフタル酸2モル
%以上10モル%以下および金属スルホネート基を有する
芳香族ジカルボン酸を1モル%以上3モル%未満の範囲
で共重合したポリエステル成分(A)と実質的にエチレ
ンテレフタレート単位よりなるポリエステル成分(B)
とからなる複合繊維であって、170℃乾熱処理における
自由収縮率が20%以下で、且つ、該熱処理後に三次元捲
縮を40〜90ケ/25mm発現する潜在捲縮能を有することを
特徴とするポリエステル複合繊維。
(2) 主たる成分がエチレンテレフタレート単位で構
成され、且つ、共重合成分としてイソフタル酸2モル%
以上10モル%以下および金属スルホネート基を有する芳
香族ジカルボン酸を1モル%以上3モル%未満の範囲で
共重合したポリエステル成分(A)と実質的にエチレン
テレフタレート単位よりなるポリエステル成分(B)と
からなる複合繊維を含有する不織布であって、該不織布
の嵩密度が0.06g/cm3以上、伸度が145%以上、伸長回復
率が45%以上であることを特徴とする不織布。
(3) 請求項(1)に記載のポリエステル複合繊維を
含有するウエツブを熱処理して、該ポリエステル複合繊
維の潜在捲縮を顕在化させることを特徴とする不織の製
造方法。」である。
本発明の複合繊維において、ポリエステル成分(A)
はエチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とする
共重合ポリエステルであり、共重合成分としてイソフタ
ル酸又はそのエステル形成性誘導体及び金属スルホネー
ト基を有する芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成
性誘導体を用いて改質されたポリエチレンテレフタレー
ト系共重合ポリエステルである。ここで、金属スルホネ
ート基を有する芳香族ジカルボン酸は、例えばイソフタ
ル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳
香族ジカルボン酸の芳香環に金属スルホネート基を有す
るものであり、金属は、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム等のアルカリ金属である。具体的には、5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル
酸、5−リチウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウム
スルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホ2,6−ナフ
タレンジカルボン酸等が挙げられ、これらのエステル形
成性誘導体であってもよいが、本発明においては5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸又はそのエステル形成性誘
導体が好ましく用いられる。
本発明において、上記イソフタル酸又はそのエステル
形成性誘導体によってポリマー中に生成する共重合単位
(以下(a−1)単位と略称する。)はポリエステル成
分(A)中2モル%以上10モル%以下の割合で存在し、
金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸又はそ
のエステル形成性誘導体によって生成する共重合単位
(以下(a−2)単位と略称する。)はポリエステル成
分(A)中1モル%以上3モル%未満である。ここで、
(a−1)単位が2モル%未満では不織布に収縮性を付
与するに不充分であるばかりでなく、不織布の嵩密度も
充分とならない。また、10モル%を超えると重合体の溶
融粘度を一定レベルに保つに必要な重縮合反応において
適度の重合度を安定に得ることが難しくなり、捲縮堅牢
性が著しく低下してしまう。(a−1)単位は好ましく
は4モル%以上8モル%以下である。また、(a−2)
単位を構成する金属スルホネート基を有する芳香族ジカ
ルボン酸は熱処理時の収縮力を付与し、重合時の溶融粘
度を一定レベルに保ち、捲縮発現能を一定レベル以上に
潜在化させるために必要である。(a−2)単位が1モ
ル%未満では捲縮発現能が小さく、且つ、目標とする縮
小応力を得るには不充分で捲縮の発現が不足する。3モ
ル%以上では重合体の溶融粘度を高くなり過ぎて重縮合
反応に於いて適度の重合度のものを得ることが難しくな
ると同時にコスト的にも高くなる。更には紡出糸の結晶
性が高くなり過ぎて、経時変化を起こし易く延伸性の低
下をきたし、複合繊維の強力が低下してしまうので好ま
しくない。(a−2)単位はポリエステル成分(A)中
に好ましくは、1.5モル%以上2.8モル%以下、更に好ま
しくは1.5モル%以上2.5モル%以下で存在する。
本発明の複合繊維において、ポリエステル成分(B)
は、実質的にエチレンテレフタレート単位よりなるポリ
エステルである。
ポリエステル成分(A)及び(B)の固有粘度は特に
限定されるものではないが、夫々0.45〜0.60及び0.55〜
0.70程度であればよい。
又、ポリエステル成分(A)及び(B)には、本発明
の目的効果を損わない範囲内で、他の共重合成分を含ん
でいてもよい。更に、本発明の複合繊維においては
(A)および/または(B)成分に難燃剤、消臭剤、抗
菌剤、芳香剤、顔料、セラミツクス等種々の特性付与剤
や添加剤を任意に配合させることができる。
本発明においては、複合繊維の1成分として上記の如
き(a−1)単位及び(a−2)単位を特定量含有した
ポリエステルを用い、かかる複合繊維を原綿として不織
布を得た場合、意外にも不織布の嵩密度を高めることが
できるものである。
本発明の複合繊維を製造するに際し、紡糸口金として
は丸断面、三角断面、十字形断面、T形断面等任意の孔
形を有する口金を使用することが可能であり、複合形態
は偏心芯鞘型やサイドバイサイド型のどちらでもよい
が、後者の方が捲縮発現力に優れているという点で好ま
しい。
特に、本発明においては、(A)、(B)2成分の重
合体をサイドバイサイド型口金を用い、複合比率
(A):(B)=40〜60:60〜40の範囲で複合紡糸する
ことが望ましい。但し、複合比率(A):(B)は50:5
0から外れるに従って口金吐出部でニーイング現象を起
こしやすくなるので(A):(B)=45〜55:55〜45が
最も好ましい。また、2成分の紡出時の溶融粘度が常に
(A)>(B)であり、両者の溶融粘度差が300〜1500
ポイズの範囲内にあることが優れた潜在捲縮能を付与す
る上で望ましい。溶融粘度差が小さいと十分な捲縮数を
発現させることが困難であり、一方、大き過ぎると曳糸
性が不良となる傾向があり好ましくない。尚、本発明で
言う溶融粘度差とは約285℃におけるポリエステル成分
(A)及び(B)の各々の溶融粘度差を示すものであ
る。その他の紡糸条件は従来のポリエステル複合繊維の
紡糸条件をほぼそのまま採用することができる。
また、本発明の複合繊維を紡糸するに際し、ポリエス
テル成分(A)については、(a−1)及び(a−2)
の単位の含有率の高いポリエステルをホモポリエステル
で希釈し、所定の含有率とするようなマスターバツチ方
式によって調整してもよいし、(a−1)の単位のみを
含有するポリエステルと(a−2)の単位のみを含有す
るポリエステルとをブレンドしてポリエステル成分
(A)としてもよいが、本発明の効果を最大限に発揮さ
せるためには、イソフタル酸と金属スルホネート基を有
する芳香族ジカルボン酸とをポリエステルの重合時に反
応系へ添加して得られる改質ポリエステルを使用するこ
とが好ましい。
次に、伸縮性、伸長回復性を有する不織布を得るため
に、本発明の潜在捲縮性複合繊維は熱処理後三次元捲縮
を有することが重要であり、特に、170℃乾熱処理後に4
0〜90ケ/25mm好ましくは、50〜90ケ/mm以上の三次元捲
縮が発現するものであり、この時の捲縮率が30%以上で
あることが好ましい。捲縮率が40ケ/25mm未満では伸縮
性が著しく低下し、伸長回復性の低いものとなる。一
方、捲縮数が90ケ/25mmを越えると、不織布表面の凹凸
が目立ち、地合の劣るものとなるので実用性がない。
また、捲縮数と共に捲縮の形状(捲縮によつて生ずる
ループの状態)も不織布における伸長回復性を向上させ
るための要因のひとつであり、ループ形態はスパイラル
状で、しつかりと閉じた状態となつているものが好まし
い。かかるループの形態は、換言すると捲縮堅牢性に密
接に関連するものであり、本発明においては15〜40%の
捲縮堅牢度を有する複合繊維であることが好ましい。該
範囲内にある場合は、特に、不織布にしたときの伸長回
復性や地合が良好となる。
また、本発明の複合繊維は170℃の自由収縮乾熱処理
によつて収縮率が20%以下となるものであるが、該熱処
理時の収縮率は不織布の風合、嵩高性および伸縮性に重
要な関係をもち、本発明においては、不織布分野で一般
的な加工条件である最終乾燥温度(160〜170製紙)を代
表する温度として170℃を選び、本発明の複合繊維を170
℃で自由収縮熱処理した時の収縮率は20%以下、好まし
くは3〜18%である。収縮率が20%を越えると、不織布
が著しく硬くなったり、伸縮特性、特に伸長回復性が著
しく劣り、耐久性が低下した物になる。
このような特定の潜在捲縮能と熱収縮性とを有する伸
縮性複合繊維はポリエステル成分(A)とポリエステル
成分(B)との溶融粘度差、(A)成分のイソフタル酸
と金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸との
共重合割合、(A)、(B)の複合比率、紡糸後延伸工
程における延伸条件および熱処理条件などを適切に選定
することにより得られる。延伸倍率は紡糸原糸の破断伸
度、即ち、最大延伸倍率の60〜75%で延伸することによ
り潜在捲縮能を効率よく発現させることができ、次いで
緊張熱処理を130℃〜180℃の範囲で行うことにより、高
い結晶性を維持することができ、高い伸縮力が養われ
る。130℃未満では収縮率は満足されるが収縮力が不充
分となり伸縮性の劣るものとなる。一方180℃を越える
と繊維の配向緩和が激しく進み、伸縮力、耐久力、およ
び繊維自身の強力低下が起こり、不織布として耐久性の
ない伸縮性しか得られない。
また、本発明の複合繊維は梳綿工程を通過させるた
め、一般的な方法である押込み式捲縮機により梳綿工程
通過時ネツプや未開繊トラブルが発生しない程度の通常
の機械捲縮で捲縮数8〜20ケ/25mmを付与した原綿とす
るのが好ましい。
このようにして得られる本発明の複合繊維よりなる原
綿を、単独で又は必要に応じて通常のポリエステル繊維
や熱融着バインダー繊維と混綿して、カードにかけウエ
ツブを作成し、得られたウエツブを必要に応じてニード
ルパンチを施した後、フリーな状態で熱処理して潜在捲
縮を顕在化させることにより、繊維同志の絡みを生ぜし
め、伸縮回復性に極めて優れた不織布を製造することが
できる。ここで、本発明の複合繊維以外に通常のポリエ
ステルや熱融着バインダー繊維等他の繊維を混綿して不
織布を製造する場合は、他の繊維の使用量は全体で30重
量%以下することが好ましい。又、本発明の目的・効果
が損われない範囲で、木綿、ウール、麻等の天然繊維
や、上記のポリエステル繊維以外の合成繊維等を適宜混
綿することもできる。
ウエツブの熱処理温度は、本発明の潜在捲縮性複合繊
維が充分な捲縮を発現できるような温度であれば特に限
定されるものではないが、一般的な不織布製造工程にお
ける最終乾燥温度である160℃以上、好ましくは160℃〜
170℃程度が適当である。
本発明の製造方法によって得られる不織布は、嵩密度
が高く、且つ伸度及び伸長回復性にも優れており、不織
布を作成した時に該不織布の密度が0.060g/cm3以上、伸
度が145%以上、好ましくは150%以上、伸長回復率が45
%以上となるものが好ましく、これらの特性を同時に満
足する不織布は従来見い出されていないものである。
(実施例) 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明は何らこれらに限定されるものではない。実施例
中、溶融粘度差は、フローテスターで測定した285℃に
おける(A)成分および(B)成分の溶融粘度(ポイ
ズ)の差を示す。またその他の特性値等の測定法及び不
織布の評価については次の通りである。
(1)繊度:JIS L−1015−7−5−1Aの方法により測
定。
(2)捲縮数、捲縮率、捲縮堅牢度:JIS L−1015−7−
12−1の方法により測定。
(3)自由収縮率:JIS L−1015−7−15の方法に準じ、
170℃の雰囲気中に30分間処理、デニール当たり300mgの
荷重をかけて測定。
(4)嵩密度:不織布の厚さをJIS L−1021に準じて測
定し、該厚さと目付より求めた。
(5)伸度、伸長回復率:JIS L−1096B法に準じ、定速
伸長引張試験機により試料巾5cm試料長10cm、引張速度1
0cm、伸長率50%で測定し、次式で伸長回復率を求め
た。
伸長回復率(%)=(B−C)/B×100 Bは不織布の伸度の50%の値、CはBの値までの伸長
した後、荷重を外し、1分間放置後の測定前の試料長に
対する伸度を示す。
(6)風合い: 柔軟性・伸縮性の両方が良好 ……◎ 一方が良好で、他方が若干劣る ……○ 両方、あるいは一方が著しく劣る ……× (7)不織布の評価: 嵩高性(密度)・伸縮性の両方が良好 ……◎ 一方が良好で、他方が若干劣る ……○ 両方、あるいは一方が著しく劣る ……× 実施例1 ポリエステル成分(A)としてエチレンテレフタレー
トを主成分とし、イソフタル酸(以下IPAと略称す
る。)を5.0モル%及び5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸(以下SIPと略称する。)を2.5モル%共重合した改
質ポリエステル(溶融粘度;3300ポイズ)とポリエステ
ル成分(B)として実質的にエチレンテレフタレート単
位のみからなるポリエステル(溶融粘度;2300)を用い
て、複合溶融紡糸装置による丸断面口金孔から285℃で
複合比率50:50のサイドバイサイド型とし、345g/分の吐
出量、1150m/分の速度で捲き取り、単糸デニール5.4dの
未延伸糸を得た。
これらの未延伸糸を集束後、延伸倍率2.4倍(最大延
伸倍率の70%の比率)で延伸温度70℃で延伸し、緊張熱
処理温度145℃で熱処理を行い、押し込み式捲縮機で機
械捲縮を付与した後、51mmで切断して捲縮数11ケ/25mm
の短繊維を得た。
実施例2及び3 ポリエステルの重縮合反応時間を変えることによっ
て、異なる溶融粘度を有するポリエステル成分(A)及
びポリエステル成分(B)を製造し、第1表に示すよう
な組み合わせで、複合比率50:50のサイドバイサイド型
複合繊維を紡糸し、延伸倍率を第1表に示す如くするこ
と以外は、実施例1と同じ条件で延伸し、機械捲縮を付
与した後切断して捲縮数10ケ/25mmの短繊維を得た。但
し、ここで使用したポリエステル成分(A)はエチレン
テレフタレートを主成分とし、IPAを5.0モル%、SIPを
2.5モル%共重合した改質ポリエステルであり、成分
(B)は実質的にエチレンテレフタレート単位のみから
なるポリエステルである。
実施例4〜7および比較例1〜4 ポリエステル成分(A)としてテレフタル酸を主たる
ジカルボン酸成分とし、IPAの共重合量およびSIPの共重
合量を第2表に示す如く組み合わせ、その他の条件は実
施例1と同じ条件で、紡糸、延伸し、機械捲縮を付与し
た後、切断して捲縮数8〜12ケ/25mmの短繊維とした。
実施例8 実施例1で紡糸した未延伸糸を延伸後、緊張熱処理温
度を170℃とすること以外は実施例1と同様にしてカツ
ト長51mm、機械捲縮数12ケ/25mmの短繊維を得た。
以上の実施例及び比較例で得られた短繊維について各
種特性を評価した結果を第3表に示す。
次に、実施例1〜8及び比較例1〜4で得られた短繊
維をオープナーで開繊し、梳綿機でカーデング後ウエツ
ブを交差積層し、ランドウエツバーを通した後、針構成
40RBのニードルパンチを上下80回/cm2実施し、目付80±
5g/m2の各種のウエツブを作成した。
次いでこのウエツブを雰囲気温度165℃の赤外線ヒー
ターのオーブン中50秒間通し、カレンダーロールで整形
処理を行い不織布を得た。
得られた不織布の測定結果を風合い及び不織布の評価
と共に第4表に示す。
第4表からわかるように、本発明の不織布は同じ目付
を有する比較例の不織布に比して、密度、伸度、伸長回
復率、風合および総合的な不織布の評価の総てに亘り優
れていることが認められた。
(発明の効果) 本発明によれば、ポリエステル潜在捲縮性複合繊維の
2種類の重合体のうち一方の成分としてイソフタル酸お
よび金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を
特定量共重合した改質ポリエステルを用いることによ
り、通常のポリエチレンテレフタレート繊維に比べ大幅
なコストアツプにならず、しかも伸縮性、伸長回復性、
風合いの優れた不織布を得るのに適したポリエステル潜
在捲縮性複合繊維が提供できる。
本発明の優れた特性を有する繊維はスポーツ用、医療
用不織布、特に皮膚貼付剤用の基布の性能アツプに寄与
するところが非常に大きい。また、この特性を利用して
織物や編物にすると伸縮性に富むばかりでなく、ソフト
タツチのものが得られ、風合を改良することも可能であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−78214(JP,A) 特開 昭61−63717(JP,A) 特開 平2−133615(JP,A) 特開 平1−61511(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主たる成分がエチレンテレフタレート単位
    で構成され、且つ、共重合成分としてイソフタル酸2モ
    ル%以上10モル%以下および金属スルホネート基を有す
    る芳香族ジカルボン酸を1モル%以上3モル%未満の範
    囲で共重合したポリエステル成分(A)と実質的にエチ
    レンテレフタレート単位よりなるポリエステル成分
    (B)とからなる複合繊維であって、170℃乾熱処理に
    おける自由収縮率が20%以下で、且つ、該熱処理後に三
    次元捲縮を40〜90ケ/25mm発現する潜在捲縮能を有する
    ことを特徴とするポリエステル複合繊維。
  2. 【請求項2】主たる成分がエチレンテレフタレート単位
    で構成され、且つ、共重合成分としてイソフタル酸2モ
    ル%以上10モル%以下および金属スルホネート基を有す
    る芳香族ジカルボン酸を1モル%以上3モル%未満の範
    囲で共重合したポリエステル成分(A)と実質的にエチ
    レンテレフタレート単位よりなるポリエステル成分
    (B)とからなる複合繊維を含有する不織布であって、
    該不織布の嵩密度が0.06g/cm3以上、伸度が145%以上、
    伸長回復率が45%以上であることを特徴とする不織布。
  3. 【請求項3】請求項(1)に記載のポリエステル複合繊
    維を含有するウエッブを熱処理して、該ポリエステル複
    合繊維の潜在捲縮を顕在化させることを特徴とする不織
    布の製造方法。
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