JP3254952B2 - 紡績糸およびそれを用いてなる織編物 - Google Patents

紡績糸およびそれを用いてなる織編物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紡績糸およびそれを用
いてなる織編物に関する。さらに詳しくは、潜在捲縮性
を有するポリエステル複合繊維と、芳香族ポリアミド繊
維からなる紡績糸、およびそれを用いてなる織編物に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は、力学的性質、熱安
定性、ウオッシャブル性等に優れているために、現在で
は衣料用、産業資材用、インテリア用など極めて広い用
途に使用されている。
【0003】その中で衣料用途、特に、スポーツ衣料等
には機能性、フィット性の要求から伸縮性および伸長回
復性に富んだ布帛が求められている。
【0004】従来より、伸縮性を付与する方法として、
潜在捲縮機能を有するポリエステル複合繊維によるもの
が知られている。例えば、特開平3−161519号公
報にはイソフタル酸による共重合率が7モル%以上15
モル%以下の共重合ポリエステルを使用した複合繊維が
開示されている。
【0005】しかし、このようなイソフタル酸1成分だ
けを共重合した複合繊維では、拘束された糸として、あ
るいは布帛内において捲縮発現が十分なされず、満足な
伸長率と回復性が得られない欠点を有していた。
【0006】また、特開昭58−109648号公報に
は、伸縮性のある長繊維糸条を用いた複合糸およびそれ
を用いた布帛が提案されているが、紡績糸の芯部に伸縮
性長繊維糸条を均一に複合化することができず、長繊維
が紡績糸の外側に配置されると伸縮性が全く得られなく
なるという欠点を有していた。
【0007】さらに近年、アウトドアスポーツ、フィッ
シングやスノーボードなどの参加人口の伸びが著しく、
それに伴って衣料用素材も従来以上に鋭利な刃物やスキ
ーのエッジなどに対する耐切創性や耐摩耗性さらには煙
草の火や火花に対する耐熱性などの機能性を一層向上し
たものが望まれている。
【0008】これに対して、耐摩耗性が高くて糸強度が
高い芳香族ポリアミド繊維100重量%のフィラメント
糸やスパン糸を部分使いで交織したものが、実公平1−
36600号公報や特公昭62−26900号公報で提
案されているが、いずれも引裂強度の改良のみが得られ
るもので、耐熱性や耐切創性は改良されておらず、また
伸縮性に劣り、さらに該糸の交織部分は染まらないため
筋状に見えるという欠点があった。
【0009】また、芳香族ポリアミド繊維を編織物中に
少なくとも80重量%を用いて構成された防水シートあ
るいは雨具が特開平2−292036号公報で提案され
ているが、この場合は、引裂抵抗性や耐切創性は大幅に
向上するものの伸縮性がなく、染色できないという欠点
がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を解決せんとするものであって、優れた潜在捲縮機能を
有するポリエステル複合繊維と芳香族ポリアミド繊維か
らなり、優れた伸縮性、伸長回復性、耐切創性、耐摩耗
性、耐熱性を有し、かつ、比較的鮮明な発色性も有する
紡績糸および織編物を安定的に供給せんとするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の紡績糸は次の構
成からなる。
【0012】すなわち、主としてポリエステル複合繊維
と芳香族ポリアミド繊維とからなる紡績糸において、前
記ポリエステル複合繊維が、2,2−ビス[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン2〜7モル%
とイソフタル酸5〜13モル%とを共重合したエチレン
テレフタレート単位主体の共重合ポリエステル(A)
と、実質的にエチレンテレフタレート単位よりなるポリ
エステル(B)とからなり、180℃における無荷重下
熱処理時の発現捲縮数が50コ/25mm以上であるポリエ
ステル複合繊維であり、前記芳香族ポリアミド繊維が短
繊維であり、かつ、前記ポリエステル複合繊維と前記芳
香族ポリアミド繊維との混率が95:5〜70:30で
構成され、かつ180℃における乾熱収縮率が20%以
上であることを特徴とする紡績糸である。
【0013】また、本発明の織編物は次の構成からな
る。
【0014】すなわち、上記紡績糸を織編物全体の20
重量%〜100重量%用いてなる織編物である。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】まず、本発明の紡績糸を構成する主成分の
一つであるポリエステル複合繊維について説明する。
【0017】本発明におけるポリエステル複合繊維は、
2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル]プロパン2〜7モル%とイソフタル酸5〜13モル
%とを共重合したエチレンテレフタレート単位主体の共
重合ポリエステル(A)と、実質的にエチレンテレフタ
レート単位よりなるポリエステル(B)とからなる潜在
捲縮性を有するポリエステル複合繊維であり、弛緩熱処
理によってスパイラル捲縮を発現する潜在捲縮繊維であ
る。
【0018】複合繊維の複合形態としては、潜在捲縮性
が発現しやすいという観点からサイド・バイ・サイドに
接合した複合繊維であることが好ましい。
【0019】本発明におけるポリエステル(A)の共重
合成分である2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエト
キシ)フェニル]プロパン(以下、「BHPP」と略称
することがある)は次の構造式を有するものである。
【0020】
【化1】 本発明におけるポリエステル(A)のBHPPの共重合
割合は、2〜7モル%とするものである。BHPPの共
重合割合が2モル%未満では、収縮特性が不十分とな
る。一方、7モル%を越えると、ポリマーの融点低下、
繊維の強力低下が著しくなる。
【0021】また、ポリエステル(A)にはBHPPの
エステル形成誘導体が共重合されていてもよい。その場
合には、BHPPとBHPPのエステル形成誘導体との
合計が共重合割合として上記のとおりの2〜7モル%の
範囲であればよい。
【0022】さらに、本発明においてポリエステル
(A)にはBHPPの他にもう一つの共重合成分として
のイソフタル酸(以下、「IPA」と略称することがあ
る)の共重合割合は5〜13モル%とするものである。
IPAの共重合割合が5モル%未満では、実質的に大き
な捲縮が得られない。一方、13モル%を越えると、ポ
リマーの融点が低下するため、熱安定性が損なわれる。
【0023】ポリエステル(A)およびポリエステル
(B)の固有粘度は、溶融紡糸を円滑に行なう観点か
ら、ポリエステル(A)の固有粘度が0.45〜0.6
0、ポリエステル(B)の固有粘度が0.55〜0.7
0であることが好ましい。捲縮発現を十分なものとし、
しかも紡糸安定性を損なわないようにする観点からは、
2種のポリマーの固有粘度の差が0.25以下とするの
が好ましい。
【0024】ポリエステル(A)およびポリエステル
(B)には、本発明の目的効果を損なわない範囲内で、
他の共重合成分を含んでもよい。さらに、本発明の複合
繊維においてはそれぞれのポリエステル成分(A)およ
び/または(B)に、難燃剤、抗菌剤、芳香剤、顔料、
セラミックス等種々の特性付与剤や添加物を任意に配合
することができる。その他の紡糸条件は従来のポリエス
テル複合繊維の紡糸条件を採用することができる。
【0025】上記のポリエステル複合繊維は、上記特定
のポリエステルを用い、通常の溶融紡糸による複合紡糸
方法で得ることができる。
【0026】さらに、本発明において用いるポリエステ
ル複合繊維は、180℃における無荷重下熱処理時の発
現捲縮数が50コ/25mm以上を有することが重要であ
る。伸縮性、伸長回復性に特に優れた織物を得る観点か
ら、60コ/25mmがより好ましい。捲縮数50コ/25mm
未満では伸縮性が著しく低下し、伸長回復率の低いもの
となるので好ましくない。捲縮数の上限は特にないが、
織物にした時、風合の良好なものを得ようとする観点か
ら、70コ/25mm以下にすることが好ましい。
【0027】次に、本発明の紡績糸を構成する主成分の
他の一つである芳香族ポリアミド繊維について説明す
る。
【0028】一般に芳香族ポリアミド繊維は、他の一般
合成繊維より強度、耐熱性がはるかに高く、伸度はほと
んどない。従って、主に産業資材分野によく使われてい
る。衣料分野においては、該繊維が染色できないという
欠点が問題になっている。
【0029】しかし、本発明においては芳香族ポリアミ
ド繊維をステープルの状態で、他の一般合成繊維ステー
プルと混紡することにより、耐切創性、耐摩耗性、耐熱
性が大きく向上し、さらには、染色性をも阻害しなくな
る。
【0030】本発明の紡績糸において、ポリエステル複
合繊維と芳香族ポリアミド繊維の混率は、95:5〜7
0:30の範囲にすることが重要である。
【0031】本発明の紡績糸は、ストレッチ性を十分に
発揮させる点から、前記ポリエステル複合繊維を70重
量%以上含有せしめることが重要である。前記ポリエス
テル複合繊維が70重量%に満たないと撚りによる拘束
状態下の紡績糸内で捲縮発現がなされない。その一方、
ポリエステル繊維が95重量%を越えるようになると芳
香族ポリアミド繊維の混率が極めて小さくなるので、耐
切創性、耐摩耗性、耐熱性が劣るようになる。
【0032】本発明の紡績糸は、主として上記ポリエス
テル複合繊維と上記芳香族ポリアミド繊維からなるもの
である。本発明の効果を損なわない範囲において他の一
般合成繊維、半合成繊維、天然繊維が混合されていても
よい。具体的には、所望される特性、風合いなどにもよ
るが、上記ポリエステル複合繊維と上記芳香族ポリアミ
ド繊維を合わせて60重量%以上から構成されているこ
とが好ましく、より好ましくは80重量%以上、さらに
好ましくは90重量%以上から構成されているものがよ
い。
【0033】本発明の紡績糸は、180℃における乾熱
収縮率が20%以上であることが重要である。乾熱収縮
率が20%未満では織物にした場合、織物の拘束力に勝
る十分な収縮力が得られず、織物で優れたストレッチ性
を発揮できない。
【0034】次に、本発明の紡績糸の製造方法について
説明する。
【0035】上記したポリエステル複合繊維は、通常の
方法により得ることができるが、梳綿工程通過時におい
てネップや未開繊トラブルが発生しない程度に、通常の
押し込み式捲縮機などにより機械捲縮8〜20コ/25mm
を付与した潜在型捲縮性原綿とするのが好ましい。
【0036】上記した芳香族ポリアミド繊維は、引張強
度15〜30g/d、破断伸度2〜5%、熱分解開始温
度500℃の物性を有するものであることが好ましい。
具体的には、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミ
ド)、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)、芳香
族共重合ポリアミドなどがあげられる。
【0037】本発明の紡績糸において、ポリエステル複
合繊維と芳香族ポリアミド繊維の混率は、95:5〜7
0:30の範囲とする。本発明の紡績糸は、ストレッチ
性を十分に発揮させる点から、ポリエステル複合繊維を
70重量%以上含有せしめることが重要である。ポリエ
ステル複合繊維が70重量%に満たないと撚りによる拘
束状態下の紡績糸内で捲縮発現がなされない。一方、芳
香族ポリアミド繊維が5重量%未満では煙草の火や摩耗
熱に対する耐熱性および、耐切創性が得られない。
【0038】なお、ポリエステル複合繊維、芳香族ポリ
アミド繊維の単繊維繊度は、特に限定されないが、繊度
が大きくなると紡績糸の構成繊維本数が少なくなり、細
番手が生産しにくくなる観点から、それぞれ単繊維繊度
3デニール以下が好ましい。また、ポリエステル複合繊
維、芳香族ポリアミド繊維の繊維長および紡績糸の製造
方法は、特に限定されず、織編物の用途に合わせて通常
の短紡方式や梳毛方式など適宜用いることができる。
【0039】紡績糸の撚り係数(K)も通常2.5〜
4.0の範囲でよいが、より高目の3.5〜4.5に設
定すると耐切創性や耐摩耗強度の向上が著しくなり、さ
らに品位も良くなるので好ましい。
【0040】ここで、撚り係数Kは、K=撚り数[回/
in]/(綿番手)1/2 で求められる値をいう。
【0041】次に、本発明の織物について説明する。
【0042】本発明の織物は、上記本発明の紡績糸を織
物全体の重量の20〜100重量%の範囲で用いてなる
ものである。上記本発明の紡績糸が織物全体の重量の2
0%未満では、十分なストレッチ性が得られない。40
〜100重量%が好ましい範囲である。
【0043】本発明の織物の伸長率は、フィット性の観
点から4%以上であることが好ましく、織物風合の観点
から20%以下であることが好ましい。織物の伸長率が
20%を越えるものは、織物を構成する紡績糸のポリエ
ステル複合繊維の捲縮発現数をかなり高くすることにな
るため織物風合が粗硬になる傾向となる。織物の伸長率
としては7%〜15%がより好ましい範囲である。
【0044】また、形態保持性の観点から織物の伸長回
復率が75%以上であることが好ましい。80%以上1
00%以下がより好ましい範囲である。
【0045】一方、本発明の織物は、織物のタテ・ヨコ
本数が極端に少なくなって本発明の紡績糸を用いてもガ
ーゼ状になると共に糸同志の交錯点がルーズになって伸
長回復性が不十分となる観点より目付が50g/m2
上であることが好ましく、糸同志の交錯点が極端に増
し、伸縮率が得られ難くなる観点から目付が900g/
2 以下であることが好ましい。
【0046】また、織物の厚さが薄くなるほど細番手の
紡績糸を用いることになるが織物としての収縮率を付与
する観点より織物の厚さが0.2mm以上であることが好
ましく、織物の厚さが厚くなるほど太番手の紡績糸を用
いて織物とすることとなり伸縮性が得られやすくなるも
のの風合が粗硬になる観点より織物の厚さは2.2mm以
下であることが好ましい。
【0047】なお、伸長率、伸長回復率の調整は、織物
設計や染色仕上げでの張力コントロールにより適宜行な
う方法が好ましく採用される。
【0048】本発明の紡績糸から織物を設計する方法と
して、本発明の紡績糸を経糸、緯糸の両方に用いる、経
糸のみに用いる、緯糸のみに用いるのいずれでもよい。
また、編物では本発明の紡績糸100重量%使いで、他
の紡績糸やフィラメントと交編し織編物全体で本発明紡
績糸を40〜100重量%の範囲で用いることができ
る。
【0049】本発明の紡績糸を用いて、織編物の用途に
合わせた経糸・緯糸密度、組織に設計し、通常の製織編
方式により本発明の織編物を得ることができる。
【0050】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳しく説明す
る。
【0051】なお、実施例における特性値等の測定法は
次のとおりである。
【0052】<原綿の評価> (1)極限粘度 o−クロロフェノール溶液中、25℃で常法に従い測定
した。
【0053】(2)繊度 JIS−L1015−7−5−1Aの方法により測定し
た。
【0054】(3)捲縮数 JIS−L1015−7−12−1の方法により測定し
た。
【0055】(4)自由収縮率 JIS−L1015−7−15の方法に準じ、デニール
当たり300mgの荷重をかけて測定した。
【0056】<織物の評価> (1)目付 JIS−L1096の方法により測定した。
【0057】(2)厚さ JIS−L1096の方法により測定した。
【0058】(3)伸長率 JIS−L1096の方法により測定した。
【0059】(4)伸長回復率 JIS−L1096の方法により測定した。
【0060】(5)切創抵抗力 枠体の中央部に約3mmの間隔で2枚の試料シートを把持
し、この試料シートのスリット部に角度60度で2辺に
刃のある刃綱の刃を垂直に立てて当て、この刃先に50
0mm/分の速度で荷重をかけていったときの該試料シー
トが切創される最大荷重を測定する。
【0061】(6)難溶融性(煙草熱溶融性) 360℃に加熱された金属棒(直径約0.6cm)の先端
に試料を5秒間接触させた時の穴開きの程度を5級(穴
開きなし)〜1級(完全に穴が開く)の5段階で級判定
する。
【0062】(7)L値 SMカラーコンピューター(スガ試験機株式会社製)を
使って、明度L値を測定する。
【0063】[実施例1〜2、比較例1〜2]ポリエス
テル成分(A)としてエチレンテレフタレートを主成分
とし、IPA7.1モル%およびBHPP4.4モル%
とを共重合したポリエステルと、ポリエステル成分
(B)として実質的にエチレンテレフタレートのみから
なるポリエステルを用いて、複合溶融紡糸装置によって
丸断面口金孔から290℃で複合比率50:50とし、
275g/分の吐出量、1200m/分の速度で巻き取
り、サイド・バイ・サイド型未延伸糸を得た。
【0064】これらの未延伸糸を収束後、延伸倍率3.
0倍、延伸温度90℃で延伸し、緊張熱処理温度140
℃で熱処理を行ない、押し込み式捲縮機で機械捲縮を付
与した後、切断して2デニール×51mm、捲縮数14コ
/25mmの短繊維を得た。180℃における無荷重下熱処
理時の発現捲縮数は57コ/25mmであった。
【0065】上記ポリエステル複合繊維(PE)90重
量%と、芳香族ポリアミド繊維(PA)として単糸繊度
1.5d、繊維長51mmのポリ(p−フェニレンテレフ
タルアミド)繊維(“ケブラー29”(登録商標))1
0重量%を混紡したものを通常の短紡方式で混紡糸番手
30S(撚り係数K=3.2)を得た(実施例1)。ま
た、上記ポリエステル複合繊維70重量%と“ケブラー
29”(登録商標)(1.5d×51mm)30重量%で
混紡したものを通常の短紡方式で混紡糸番手30S(撚
り係数K=3.2)で紡績したもの(実施例2)、およ
び、上記ポリエステル複合繊維100重量%を同様の短
紡方式で番手30S(撚り係数K=3.2)で紡績した
もの(比較例1)、上記ポリエステル複合繊維60重量
%と“ケブラー29”(登録商標)(1.5d×51m
m)40重量%で混紡したものを通常の短紡方式で混紡
糸番手30S(撚り係数K=3.2)で紡績したもの
(比較例2)も紡績した。
【0066】これら紡績糸の180℃における乾熱収縮
率を表1にそれぞれ示した。
【0067】また、経糸として150デニールのポリエ
チレンテレフタレートフィラメント(織密度:経95本
/in)に、上記それぞれの紡績糸を緯打ち込み(織密
度:緯65本/in)し得た布帛を130℃で染色し
た。これら織物の緯方向のストレッチ特性と難溶融性を
調べた結果を表1に示した。
【0068】表1の結果から、本発明に係る紡績糸を用
いて得た織物(実施例1、2)は、伸長率および伸長回
復率共に優れたストレッチ性と優れた難溶融性を有する
ものであった。
【0069】一方、紡績糸を構成する複合繊維の混率が
60重量%の比較例2は難煙融性に優れる反面、紡績糸
の乾熱収縮率が20%未満であり、伸長率6.4%、伸
長回復率67%とストレッチ性が劣っていた。
【0070】また、比較例1の複合繊維100重量%で
は優れたストレッチ性が得られるが、難溶融性は極めて
劣るものであった。
【0071】
【表1】 [実施例3〜4、比較例3〜4]実施例1〜2、比較例
1〜2で得た紡績糸を経糸および緯糸に用いて製織し、
130℃で同浴染色し仕上加工して得た織物(実施例
3、4、比較例3、4)についての特性を調べた。結果
を表2に示した。
【0072】表2の結果から明らかなように、ポリエス
テル複合繊維100重量%紡績糸からなる比較例3の織
物は、タテ×ヨコ共にストレッチ性は良好であるが、摩
耗強度、摩耗熱溶融、難溶融性、切創性はまったく劣る
ものであった。また、比較例4は摩耗強度、摩耗熱溶
融、難溶融性、切創性などに優れる反面ストレッチ性に
欠けるものであった。
【0073】実施例3、4は優れたストレッチ性と同時
に、染色性も大幅に低下することなく、摩耗強度、摩耗
熱溶融、難溶融性、切創性に優れるものであった。
【0074】
【表2】
【0075】
【発明の効果】本発明の紡績糸は、伸縮性、伸長回復性
に優れるだけでなく、耐切創性、耐熱性にも優れ、スポ
ーツ、ワーキング衣料等の機能性、フィット性の性能の
要求される用途分野に好適な布帛を提供できる紡績糸で
ある。
【0076】また、本発明の織編物は、上記紡績糸と同
様、高伸縮性に富むばかりでなく、耐切創性、耐熱性に
も優れ、しかも、芳香族ポリアミド繊維の欠点である染
色性についても阻害しない特徴を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 3/00 - 3/04 D01F 8/14,6/84 D03D 15/00 - 15/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主としてポリエステル複合繊維と芳香族ポ
    リアミド繊維とからなる紡績糸において、前記ポリエス
    テル複合繊維が、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ
    エトキシ)フェニル]プロパン2〜7モル%とイソフタ
    ル酸5〜13モル%とを共重合したエチレンテレフタレ
    ート単位主体の共重合ポリエステル(A)と、実質的に
    エチレンテレフタレート単位よりなるポリエステル
    (B)とからなり、180℃における無荷重下熱処理時
    の発現捲縮数が50コ/25mm以上であるポリエステル複
    合繊維であり、前記芳香族ポリアミド繊維が短繊維であ
    り、かつ、前記ポリエステル複合繊維と前記芳香族ポリ
    アミド繊維との混率が95:5〜70:30で構成さ
    れ、かつ180℃における乾熱収縮率が20%以上であ
    ることを特徴とする紡績糸。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の紡績糸を織編物全体の2
    0重量%〜100重量%用いてなる織編物。
  3. 【請求項3】伸長率が4%以上20%以下であることを
    特徴とする請求項2に記載の織編物。
  4. 【請求項4】伸長回復率が75%以上100%以下であ
    ることを特徴とする請求項2に記載の織編物。
  5. 【請求項5】目付が50g/m2 以上900g/m2
    下であることを特徴とする請求項2に記載の織編物。
  6. 【請求項6】厚さが0.2mm以上2.2mm以下であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の織編物。
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