JPH10298828A - 熱接着性複合バインダー繊維と不織布及び固綿 - Google Patents

熱接着性複合バインダー繊維と不織布及び固綿

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JPH10298828A
JPH10298828A JP9123266A JP12326697A JPH10298828A JP H10298828 A JPH10298828 A JP H10298828A JP 9123266 A JP9123266 A JP 9123266A JP 12326697 A JP12326697 A JP 12326697A JP H10298828 A JPH10298828 A JP H10298828A
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fiber
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copolyester
composite binder
low
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Yurika Seko
ゆりか 瀬古
Bunpei Hosoi
文平 細井
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Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた接着性を有し、耐熱性及び風合いが良
好な接着繊維製品を与えるポリエステル系の熱接着性複
合バインダー繊維とそれを使用した不織布及び固綿を提
供する。 【解決手段】 モル比90/10〜60/40のテレフタル酸と
アジピン酸を主たる酸成分とし、モル比80/20〜30/70
のエチレングリコールと1,4−ブタンジオールを主たる
ジオール成分とする結晶融点が 100〜190 ℃の低融点コ
ポリエステルと、結晶融点が 220℃以上の高融点ポリマ
ーとからなり、低融点コポリエステルが繊維表面の少な
くとも一部を占めている熱接着性複合バインダー繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた接着性を有
し、耐熱性及び風合いが良好な接着繊維製品を与えるポ
リエステル系の熱接着性複合バインダー繊維とそれを使
用した不織布及び固綿に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ルーフィング資材、自動車用内装
材、カーペットの基布等に用いる不織布、枕やマットレ
ス等の寝装用品の詰物、キルティング用の中入れ綿等の
繊維構造物において構成繊維(主体繊維という)相互間
を接着する目的で、熱接着性バインダー繊維(以下、単
に「バインダー繊維」という。)が広く使用されてい
る。
【0003】そして、主体繊維としては、比較的安価
で、優れた物性を有するポリエステル繊維が最も多く使
用されており、これを接着するバインダー繊維もポリエ
ステル系のものが好ましく、種々のポリエステル系バイ
ンダー繊維及びそれを用いて接着したポリエステル繊維
構造物が提案されている(例えば、米国特許第4,129,67
5 号ほか多数)。
【0004】ところで、ポリエステル系バインダー繊維
は、一般に熱接着成分としてコポリエステルを用いるの
で、明確な結晶融点を示さない場合が多く、通常、90〜
200℃で軟化するので、軟化点以上、主体繊維の融点未
満の温度で熱処理して主体繊維相互間を接着するもので
ある。
【0005】ところが、熱接着性成分のガラス転移点以
上の高温雰囲気下で使用される産業資材用の繊維製品の
場合、明確な結晶融点を示さないバインダー繊維で接着
すると、高温雰囲気下においては、接着強度が低下し、
製品の強度低下、嵩高保持性低下等が起こるという問題
があった。
【0006】結晶融点を示さないコポリエステルと高融
点ポリエステルとで複合繊維型のバインダー繊維とする
場合、紡糸後、熱延伸すると融着するため、冷延伸しな
ければならず、冷延伸したバインダー繊維では、使用時
に高融点ポリエステルが熱収縮し、接着繊維製品の外観
を損なうという問題があった。
【0007】結晶融点を示すコポリエステルからなるバ
インダー繊維も提案されており、例えば、特開昭51−12
5424号公報には、ポリブチレンテレフタレート/ポリブ
チレンイソフタレート系コポリエステルからなるものが
開示されているが、こを用いて、例えば、不織布を接着
すると、接着不織布がペーパーライクな手触りの硬いも
のになる場合があるという問題があった。
【0008】また、特開昭63−270812公報には、テレフ
タル酸、アジピン酸と1,4−ブタンジオールからなるバ
インダー繊維が開示されている。しかし、このコポリエ
ステルは、ジオール成分が全て1,4−ブタンジオールで
あるため、熱安定性が悪く、紡糸時に糸切れが多発して
操業性が悪いと共に、コスト高であるといった問題があ
った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
なバインダー繊維の問題点を解消し、低コストで、熱延
伸法により、操業性良く製造することができ、繊維構造
物の外観を損なうことなく、有効に接着することが可能
で、高温雰囲気下で使用しても接着強力の低下や型崩れ
の少ない風合いの柔らかい接着繊維構造物を与えるポリ
エステル系バインダー繊維とそれを用いた不織布及び固
綿を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するもので、その要旨は、次の通りである。 1.モル比90/10〜60/40のテレフタル酸とアジピン酸
を主たる酸成分とし、モル比80/20〜30/70のエチレン
グリコールと1,4−ブタンジオールを主たるジオール成
分とする結晶融点が 100〜190 ℃の低融点コポリエステ
ルと、結晶融点が220℃以上の高融点ポリマーとからな
り、低融点コポリエステルが繊維表面の少なくとも一部
を占めている複合バインダー繊維。 2.第1項に記載の複合バインダー繊維からなる繊度1
〜20d、繊維長30〜100mmの短繊維と、繊度1〜20d、
繊維長30〜100 mmのポリエチレンテレフタレート短繊維
とを重量比10/90〜50/50の割合で混合して形成した不
織布。 3.第1項に記載の複合バインダー繊維からなる繊度1
〜20d、繊維長30〜100mmの短繊維と、繊度1〜20d、
繊維長30〜100 mmのポリエチレンテレフタレート短繊維
とを重量比10/90〜50/50の割合で混合して形成した固
綿。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0012】本発明における低融点コポリエステルは、
明確な結晶融点を有し、結晶化速度の大きいものであ
り、モル比90/10〜60/40のテレフタル酸(TPA)と
アジピン酸(AD)を主たる酸成分とし、モル比80/20
〜30/70、好ましくは75/25〜50/50のエチレングリコ
ール(EG)と1,4−ブタンジオール(BD)を主たる
ジオール成分とする結晶融点が 100〜190 ℃のものであ
る。
【0013】結晶融点が 100℃未満のものでは、バイン
ダー繊維としたとき、接着した繊維製品を高温雰囲気下
で使用すると接着強度が低下したり、型崩れを起こした
りして好ましくなく、一方、 190℃を超えると接着温度
を主体繊維の融点に近い高温にしなければならないた
め、主体繊維の物性や繊維構造物の形状を損ない好まし
くない。
【0014】このような結晶融点が 100〜190 ℃の低融
点コポリエステルは、TPAとADとからなる酸成分
と、EGとBDとからなるジオール成分とを上記モル比
の範囲内で、所定の結晶融点となるように酸成分とジオ
ール成分のモル比を選定して共重合することにより得る
ことができる。
【0015】AD成分の割合が酸成分の40モル%を超え
ると、明確な融点を示さなくなり、ポリマーの結晶性が
低下するため、繊維構造物の耐熱性が悪くなる。一方、
AD成分の割合が酸成分の10モル%に満たないと、融点
が高くなり、繊維構造物を熱接着する際の接着温度を高
温にすることが必要となり好ましくない。
【0016】また、BD成分の割合がジオール成分の20
モル%に満たないと、結晶性が悪くなり、一方、BD成
分の割合がジオール成分の80モル%を超えると、重縮合
反応時にテトラヒドロフランが多量に生成して、熱安定
性が悪くなり、紡糸時に糸切れが多発する等、操業性が
悪くなる。
【0017】なお、コポリエステルには、その特性が大
きく変化しない範囲で、他の成分、例えば、イソフタル
酸、フタル酸、トリメリット酸、セバシン酸等のカルボ
ン酸、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ペンタエリスリトー
ル、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物等のポ
リオール等を共重合成分として少量含有させることがで
きる。
【0018】また、低融点コポリエステルは、極限粘度
が0.45以上で、温度 260℃、剪断速度1000/sでの溶融粘
度が800dPa・s 以上のものであることが好ましく、これ
より極限粘度が小さいものでは、円滑な紡糸が困難であ
る。
【0019】低融点コポリエステルは、重縮合触媒とし
て、三酸化アンチモンのようなアンチモン化合物とテト
ラブチルチタネートのようなチタン化合物とを併用し、
240〜270 ℃の範囲の温度で重縮合反応を行うことによ
り品質の良いものを効率的に製造することができる。
【0020】重縮合触媒の量は、コポリエステルを構成
する酸成分1モルに対し、アンチモン化合物1×10-4
5×10-4モル、チタン化合物0.05×10-4〜1×10-4モル
とすることが必要である。これらの量が少なすぎると短
時間で高重合度化することが困難であり、一方、多すぎ
ると、得られるコポリエステルの色調が悪化して好まし
くない。
【0021】本発明の複合バインダー繊維は、上記のよ
うな低融点コポリエステルと、結晶融点が 220℃以上の
高融点ポリマーとからなり、低融点コポリエステルが繊
維表面の少なくとも一部を占めるものである。
【0022】低融点コポリエステルと複合繊維を形成す
る高融点ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート及びこれらを主体とす
るポリエステルやナイロン66等が使用できるが、特にポ
リエチレンテレフタレート及びエチレンテレフタレート
単位が90モル%以上のコポリエステルが、強度特性の点
で好ましい。
【0023】複合の形態は、低融点コポリエステルが繊
維表面の少なくとも一部を占めるものであればよく、同
心又は偏心芯鞘型、サイドバイサイド型、海島型あるい
は紡糸パック内に静止混合素子を挿入して紡糸した高融
点ポリマーが層状もしくは筋状に分散した複合繊維等と
することができる。同心芯鞘型とすると製糸性がよく、
偏心型、サイドバイサイド型とすると潜在捲縮性となる
ので、用途に応じて適当な複合形態を選択するのがよ
い。
【0024】また、低融点コポリエステルと高融点ポリ
マーとの複合比は、重量比で40/60〜60/40とするのが
適当である。低融点コポリエステルの割合が少なすぎる
と接着力が不十分となり、これが多すぎると複合繊維化
による効果が乏しくなる。
【0025】本発明の複合バインダー繊維は、常法によ
って製造することができる。すなわち、まず、上記のよ
うな低融点コポリエステルと高融点ポリマーとを用い、
紡糸速度 700〜1000m/分で複合紡糸して未延伸糸を得
る。これをトウ状に集束し、60〜80℃の加熱ローラを使
用し、3〜5倍に延伸し、 130〜150 ℃の熱板上を通過
させ、さらにクリンパーに導入して捲縮をかけた後、カ
ッターで切断して短繊維とする。この際、カッターに入
る前のスライバーの温度を80℃以下にするのが好まし
く、クリンパー上でのスチームブローはカッター内部で
の繊維の融着状態を見て実施する必要がある。
【0026】本発明の複合バインダー繊維からなる短繊
維は、ポリエチレンテレフタレート短繊維を主体繊維と
する不織布や固綿の製造に好ましく用いられる。不織布
や固綿を製造する場合、複合バインダー繊維を、繊度1
〜20d、繊維長30〜100 mmの短繊維とし、これを繊度1
〜20d、繊維長30〜100 mmのポリエチレンフタレート短
繊維と重量比10/90〜50/50の割合で混合して用いるの
が適当である。
【0027】複合バインダー繊維の繊度が1dに満たな
いものでは、紡糸時に単糸同士が密着したり、単糸が細
すぎるため、糸切れが多発する等して操業性が悪い。一
方、この繊度が20dを超えるものでは、主体繊維と混綿
した後、熱接着させるときの繊維同士の接触点が少なく
なるため、不織布の強力が不足したり、固綿の形態が崩
れたりする。
【0028】また、複合バインダー繊維の繊維長が30mm
に満たないと、カードをかける時、カードから短繊維が
落綿し、一方、繊維長が 100mmを超えると、カードに短
繊維が絡み付くため、均一なウエブが得られない。さら
に、複合バインダー繊維の割合が10重量%に満たない
と、主体繊維を十分接着することができず、一方、この
割合が50重量%を超えると、不織布や固綿の風合いが硬
くなる。
【0029】不織布を製造するには、複合バインダー繊
維からなる短繊維と通常のポリエチレンフタレート短繊
維とを所定の割合で混綿し、カードをかけた後、目付け
を目標とする製品に合わせて30〜120 g/m2に調節した
後、低融点コポリエステルの融点以上の温度の熱風を1
〜2分間当てればよい。熱風温度は、低融点コポリエス
テルの融点以上、好ましくは融点+(5〜15)℃とす
る。
【0030】また、固綿を製造するには、不織布の場合
と同様にしてウエブを作成した後、目付けが 300〜3000
g/m2になるようにウエブを積層し、積層ウエブを低融
点コポリエステルの融点以上の温度のキャタピラ型熱接
着機で、厚みを目標とする製品に合わせて5〜50mmに調
節して加熱接着すればよい。加熱接着温度は、低融点コ
ポリエステルの融点以上、好ましくは融点+(5〜15)
℃とする。
【0031】
【作用】本発明の複合バインダー繊維は、結晶性コポリ
エステルを熱接着成分としているため、一旦溶融して主
体繊維を接着した後、降温するとコポリエステルが速や
かに結晶化し、再度昇温しても、コポリエステルの融点
付近の温度までは接着強度が低下することなく、耐熱性
の優れた接着性を示すものと認められる。また、低融点
コポリエステルが高融点ポリマーと複合されているの
で、接着後の熱接着性成分が広がらないため、不織布や
固綿の風合いが硬くならないものと認められる。
【0032】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、特性値等の測定、評価法は、次のとおりであ
る。 (a) コポリエステルの共重合組成 試料 0.5gにメタノールを加えて加熱、分解して酸成分
をメチルエステル体とし、メチルエステル体とグリコー
ル成分とを、島津製作所製ガスクロマトグラフGC-9A を
用いて定量して求めた。 (b) 極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合溶媒を用い、
濃度0.5g/1dl、温度20℃で測定した。 (c) 融点 パーキンエルマー社製示差走査熱量計 DSC-7型を用い、
昇温速度20℃/分で測定した。 (d) 熱安定性 コポリエステルを単独で溶融紡糸し、紡糸前のコポリエ
ステルの〔η〕と紡糸後の繊維の〔η〕との差により、
評価した。 ○:〔η〕の差が0.07以内、 ×:〔η〕の差が0.07よ
り大 (e) 不織布強力 不織布を幅25mm、長さ 100mmの試料となし、オリエンテ
ィック社製定速伸長型引張試験機 UTM-4-100型を用い、
引張速度 100mm/分で測定した。加熱下の強力は、試料
設置部を所定の雰囲気温度の炉中に90秒間放置した後測
定した。 (f) 固綿の耐熱性 固綿を縦30cm、横30cm、厚さ1cmの試料となし、縦20c
m、横20cm、厚さ3mm、高さ5cmの木枠に載せ、試料の
中央上部に重さ 200gの鉄球を載せ、温度70℃又は 110
℃のオーブン中で2時間熱処理し、試料の中央部のたわ
み度合いにより、評価した。 ○:たわみが5mm以内、 ×:たわみが5mmより大
【0033】実施例1 ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びその
低重合体の存在するエステル化反応缶にTPAとEGと
のモル比1/1.6 のスラリーを連続的に供給し、温度 2
50℃、圧力0.1MPaの条件で反応させ、滞留時間を8時間
として、反応率95%のエステル化物を連続的に得た。こ
のエステル化物を重縮合反応缶に移送し、これにADと
BDとのスラリーを表1に示す仕込組成となるように投
入し、重縮合触媒として、酸成分1モルに対して、三酸
化アンチモンを3×10-4モルとテトラブチルチタネート
を 0.2×10-4モル添加し、温度 240℃、圧力0.1MPaの条
件で撹拌しながら、エステル化反応を1時間行った。次
いで、反応缶内の温度を30分間で 265℃に昇温し、反応
器内を徐々に減圧して60分後に1.2hPa以下にした。この
条件下で撹拌しながら重縮合反応を3時間行い、〔η〕
0.65、融点 155℃の低融点コポリエステルを得た。この
低融点コポリエステルと極限粘度0.68、融点 256℃のポ
リエチレンテレフタレートとを同心芯鞘型複合溶融紡糸
装置に供給し、吐出孔数 225の紡糸口金により、紡糸温
度 270℃、吐出量 227g/分、複合重量比50/50で、前
者が鞘となるように複合溶融紡糸し、冷却後、 700m/
分の速度で巻き取り複合未延伸糸を得た。この未延伸糸
を10万dのトウに集束し、延伸温度62℃、 延伸倍率 3.2
で延伸し、押し込み式クリンパーで捲縮を与えた後、長
さ51mmに切断して、繊度4dの複合バインダー繊維を得
た。この複合バインダー繊維30重量%と長さ51mm、繊度
2dのポリエチレンテレフタレート繊維70重量%とを混
綿し、カードに通して50g/m2の目付のウエブとし、 1
70℃の回転乾燥機で2分間熱処理し、不織布を得た。
【0034】実施例2〜6及び比較例1〜6 仕込組成を表1に示すように変更し、実施例1に準じた
条件で低融点コポリエステル及び複合バインダー繊維を
製造した。得られた複合バインダー繊維と長さ51mm、繊
度2dのポリエチレンテレフタレート繊維とを表1に示
す割合で混綿し、実施例と同様にしてウエブとし、表1
に示す熱処理温度の回転乾燥機で2分間熱処理し、不織
布を得た。
【0035】上記の実施例2〜6及び比較例1〜6にお
ける低融点ポリエステルの特性値等及び不織布の強力を
表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】実施例1〜6で得られた不織布は、風合い
が柔らかく、良好な強力と耐熱性を示すものであった。
これに対して、比較例1では、低融点コポリエステルの
ADの共重合量が少なすぎて、接着温度が高くなり、主
体繊維の融点付近の温度で接着するため、不織布の形状
が損なわれ、不織布強力は測定できなかった。比較例2
では、低融点コポリエステルのADの共重合量が多すぎ
て、明確な融点を示さず、結晶性も悪く、不織布の耐熱
性が不足していた。比較例3では、低融点コポリエステ
ルのBDの共重合量が少なすぎて、結晶性が悪く、不織
布の耐熱性が不足していた。比較例4では、低融点コポ
リエステルのBDの共重合量が多すぎて、熱安定性が悪
く、粘度低下のため糸切れが多発し、紡糸時の操業性が
悪かった。また、比較例5では、複合バインダー繊維の
割合が少なすぎて、不織布の接着が不十分であった。比
較例6では、複合バインダー繊維の割合が多すぎて、不
織布の風合いが硬く、ペーパーライクなものであった。 実施例7〜12及び比較例7〜11 前記実施例1〜6及び比較例1〜3の複合バインダー繊
維と長さ51mm、繊度2dのポリエチレンテレフタレート
繊維とを表2に示す割合で混綿し、カードに通して 100
g/m2の目付のウエブとし、これを積層して目付が 800
g/m2、厚さが1cmとなるようにキャタピラ型熱接着機
で、表2に示す熱処理温度で加熱接着し、固綿を得た。
得られた固綿の耐熱性を評価した結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】実施例7〜12では、風合いが及び耐熱性の
良好な固綿が得られた。これに対して、比較例7では、
低融点コポリエステルのADの共重合量が少なすぎて、
接着温度が高くなり、主体繊維の融点付近の温度で接着
するため、固綿の形状が損なわれ、耐熱性の評価ができ
なかった。比較例8では、低融点コポリエステルのAD
の共重合量が多すぎて、明確な融点を示さず、結晶性も
悪く、固綿の耐熱性が不足していた。比較例9では、低
融点コポリエステルのBDの共重合量が少なすぎて、結
晶性が悪く、固綿の耐熱性が不足していた。また、比較
例10では、複合バインダー繊維の割合が少なすぎて、固
綿の接着が不十分であった。比較例11では、複合バイン
ダー繊維の割合が多すぎて、固綿の風合いが硬く、表面
がペーパーライクなものであった。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、低コストで、熱延伸法
により、操業性良く製造することができ、繊維構造物の
外観を損なうことなく、主体繊維を接着することのでき
るポリエステル系複合バインダー繊維が提供される。そ
して、この複合バインダー繊維を用いて熱接着して不織
布や固綿を製造すると、風合いが良好で、高温雰囲気下
で使用しても強力の低下や型崩れの少ない製品を得るこ
とができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モル比90/10〜60/40のテレフタル酸と
    アジピン酸を主たる酸成分とし、モル比80/20〜30/70
    のエチレングリコールと1,4−ブタンジオールを主たる
    ジオール成分とする結晶融点が 100〜190 ℃の低融点コ
    ポリエステルと、結晶融点が 220℃以上の高融点ポリマ
    ーとからなり、低融点コポリエステルが繊維表面の少な
    くとも一部を占めている熱接着性複合バインダー繊維。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の複合バインダー繊維か
    らなる繊度1〜20d、繊維長30〜100 mmの短繊維と、繊
    度1〜20d、繊維長30〜100 mmのポリエチレンテレフタ
    レート短繊維とを重量比10/90〜50/50の割合で混合し
    て形成した不織布。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の複合バインダー繊維か
    らなる繊度1〜20d、繊維長30〜100 mmの短繊維と、繊
    度1〜20d、繊維長30〜100 mmのポリエチレンテレフタ
    レート短繊維とを重量比10/90〜50/50の割合で混合し
    て形成した固綿。
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