JP3313878B2 - ポリエステル系バインダー繊維 - Google Patents
ポリエステル系バインダー繊維Info
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Description
ホットメルト型ポリエステル系バインダー繊維に関する
ものである。
の詰物、マットレスの詰物等を構成する繊維(主体繊
維)を接着する目的で、ホットメルト型のバインダー繊
維が広く使用されている。このうようなバインダー繊維
として、ポリエチレンを鞘とし、ポリプロピレンを芯と
する芯鞘型ポリオレフィン系繊維(特開昭58−180614
号、同58−191215号等)及び低軟化点コポリエステルか
らなる繊維や、低軟化点コポリエステルを鞘とし、高軟
化点ポリエステルを芯とするポリエステル系繊維及びこ
れを用いて接着したポリエステル繊維構造物が提案され
ている(米国特許第4,129,675 号、特開昭57-66117号
等)。
される主体繊維がポリオレフィン系である場合には好ま
しいものであるが、接着される主体繊維が近年広く使用
されているポリエステル繊維の場合には、互いに非相溶
系であるため接着効果が乏しく、バインダー繊維を多量
に使用しなければならないため、肝心の主体繊維の特性
を損なうという問題があった。
テレフタル酸とイソフタル酸及びエチレングリコールを
主成分とするコポリエステルを接着成分とするものが広
く使用されているが、溶融時の流動性が悪く、また、接
着強力が不十分な場合もあり、十分な接着強力を得るた
めには、多量に使用する必要があった。また、より安価
に製造するためにも、コポリエステルの使用量を減らす
か、より安価に供給される原料を使用する必要が生じて
きている。
ル系の繊維を主体繊維とする繊維構造物の接着に適し、
かつ、優れた接着性を有し、操業性良く、かつ、安価に
製造することができるポリエステル系バインダー繊維を
提供しようとするものである。
題を解決するために種々検討の結果、特定の共重合組成
のコポリエステルを接着成分とした複合バインダー繊維
とすることによりこの目的が達成されることを見出し、
本発明に到達した。
ある。ポリアルキレンテレフタレートAと下記ポリエス
テルBとからなり、ポリエステルBが繊維表面の少なく
とも一部を占めていることを特徴とするポリエステル系
バインダー繊維。 ポリエステルB フタル酸成分を10モル%以上含有する芳香族ジカルボン
酸成分とエチレングリコール98〜70モル%及びジエチレ
ングリコール2〜30モル%からなるグリコール成分とで
構成され、フタル酸成分及びジエチレングリコールの合
計量がポリエステルを構成する全成分の8〜55モル%を
占め、極限粘度が0.35以上のコポリエステル。
発明におけるポリアルキレンテレフタレートAとして
は、融点が 220℃以上のものが用いられる。具体的に
は、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフ
タレートが挙げられるが、強度特性の点でポリエチレン
テレフタレートが好ましい。
%以上含有する芳香族ジカルボン酸成分とエチレングリ
コール98〜70モル%及びジエチレングリコール2〜30モ
ル%からなるグリコール成分とで構成される。
分としては、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、
イソフタル酸等が使用できるが、経済性の面でテレフタ
ル酸及びイソフタル酸が好ましい。ポリエステルBの酸
成分におけるフタル酸成分の割合は、10モル%以上とす
ることが必要であり、15〜50モル%とするのが好まし
い。フタル酸成分の割合が10モル%未満であると接着時
の熱処理温度を非常に高くしなければならず、主体繊維
が軟化して捲縮が損なわれ、製品の強度や嵩高性が低下
して好ましくない。
は、エチレングリコールとジエチレングリコールとで構
成されるが、ジエチレングリコールの割合を2〜30モル
%とすることが必要であり、5〜20モル%とするのが好
ましい。ジエチレングリコールの割合が2モル%未満で
あるとコポリエステルの流動性が悪いとともに、接着強
力が不十分な場合もあり、好ましくない。また、ジエチ
レングリコール成分の割合が30モル%を超えると、高重
合度化が困難であるとともに、コポリエステルの耐熱性
や耐候性が低下して、好ましくない。
酸成分及びジエチレングリコールの合計量がポリエステ
ルを構成する全成分の8〜55モル%を占めるようにする
ことが必要である。この割合が8モル%未満であると、
軟化温度が 200℃を超え、接着時の熱処理温度を非常に
高くしなければならず、主体繊維が軟化して捲縮が損な
われるため、得られる製品の強度や嵩高性が低下して、
好ましくない。一方、この割合が55モル%を超えると、
軟化温度が80℃より低くなり、紡糸調子が悪化する上
に、ガラス転移温度が低下して、チップを貯蔵する際に
ブロッキングしたり、紡糸後の繊維がタッキングすると
いう操業上の問題が起こるため、好ましくない。
以上、好ましくは0.50以上のものであることが必要であ
る。極限粘度が0.35未満のものでは、特に複合紡糸する
場合、紡糸性が悪いため好ましくない。
しない範囲で、他の成分、例えば、シュウ酸、アジピン
酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸等
の脂肪族ジカルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸等の芳
香族ヒドロキシカルボン酸、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジ
オール、ペンタンジオール、ハイドロキノン、ビスフェ
ノールA等のジオール等を共重合成分として少量含有し
ていてもよく、安定剤その他の添加剤を含有していても
よい。
て得ることができる。まず、所定の温度で窒素ガス制圧
下のエステル化反応条件で、フタル酸(又は無水フタル
酸)とエチレングリコールとから得たエステル化反応
物、テレフタル酸とエチレングリコールとから得たエス
テル化反応物及びジエチレングリコールを所定量、重合
反応缶に移送し、常法により所定の極限粘度のコポリエ
ステルが得られるまで重縮合反応を行う。重縮合反応
は、通常、重縮合触媒の存在下で行われ、従来一般に用
いられているアンチモン、ゲルマニウム、スズ、チタ
ン、コバルト等の金属の化合物が用いられる。
部がポリエステルBで形成されていればよく、その形態
としては、接合型、芯鞘型、海島型、多層接合型等の複
合繊維の繊維表面を占める成分の一部又は全部がポリエ
ステルBで形成されているものであればよい。特に、芯
鞘型とすると製糸性がよく好ましい。
%となるようにするのが望ましい。ポリエステルBが20
重量%未満であると十分な接着性が得られず、80重量%
を超えると製糸性が悪化するとともに、繊維の強度が低
下して好ましくない。
AとポリエステルBとを複合して、常法により溶融紡
糸、延伸し、必要に応じて切断することにより製造する
ことができる。
て、他の繊維と混綿し、カードに通してウエブとし、熱
処理して不織布や詰物等とする。また、通常のポリエス
テルの長繊維と本発明のバインダー繊維とを混合し、短
繊維としたのち、ウエブを形成してもよい。
ジエチレングリコールが共重合された特定のコポリエス
テルを接着成分としているので、軟化温度が低く、か
つ、軟化時の流動性が良好なため、優れた接着性を示す
ものと推察される。
る。なお、実施例中の特性値の測定法は次のとおりであ
る。 (1) 極限粘度(〔η〕) フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒と
し、温度20℃で測定した。 (2) 軟化温度(Sp) 柳本社製自動融点測定装置 AMP-1型を用い、昇温速度10
℃/分でシリコーン浴中での針入温度を求めて軟化温度
とした。 (3) 不織布強力 オリエンテック社製定速伸長型引張試験機 UTM-4-100型
を用い、幅25mmの試料について、試料長 100mm、温度25
℃、引張速度 100mm/分で測定した。 (4) ガラス転移温度(Tg)、結晶化温度(Tc)及び
融点(Tm) パーキンエルマー社製示差走査熱量計 DSC-2型を用い、
昇温速度20℃/分で測定した。
ラリーを撹拌装置と充填塔を備えたエステル化反応缶に
投入し、常圧下で撹拌しながら温度 200℃、充填塔温度
130℃の条件で、副生する水を反応系外に除去しながら
5時間エステル化反応を行い、反応率95%のエステル化
物を得た。また、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレ
フタレート及びその低重合体の存在するエステル化反応
缶にテレフタル酸(TPA)とEGとのスラリーを連続
的に供給し、温度 250℃、圧力0.05kg/cm2G、滞留時間
8時間の条件で反応させ、反応率95%のエステル化物
を連続的に得た。エステル化物及びを表1に示した
モル比で重縮合反応缶に移送し、表1に示したモル比の
ジエチレングリコール(DEG)と重縮合触媒として三
酸化アンチモンを2×10-4モル/酸成分モルとを添加
し、反応器の温度を30分で 280℃に昇温し、反応器内の
圧力を徐々に減じて60分後に 0.1トル以下にした。この
条件下で撹拌しながら重縮合反応を3時間行い、表1に
示した特性値を有するコポリエステルを得た。このコポ
リエステルと〔η〕0.68、Tm 256℃のポリエチレンテ
レフタレートとを同心芯鞘型複合溶融紡糸装置を用い
て、吐出孔数 225の紡糸口金により、紡糸温度 270℃、
吐出量250g/分、複合重量比1:1で、前者が鞘となる
ように溶融紡糸し、冷却後、 800m/分の速度で巻取
り、複合未延伸糸を得た。この未延伸糸を10万デニール
のトウに集束し、延伸温度45℃、 延伸倍率 3.2で延伸
し、押し込み式クリンパーで捲縮を与えた後、長さ51mm
に切断して、繊度4デニールのバインダー繊維を得た。
このバインダー繊維30重量部と長さ51mm、繊度2デニー
ルのポリエチレンテレフタレート繊維70重量部とを混綿
し、カードに通して目付 50g/m2のウエブとし、 200℃
の回転乾燥機で2分間熱処理した。得られた不織布の引
張強力を表1に示す。
にした以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に
示す。なお、比較例1では、チップを貯蔵する際にチッ
プが部分的にブロッキングしたり、紡糸後の繊維が部分
的にタッキングしたりして、十分な製品量は得られなか
った。また、比較例2では、重縮合反応を1時間行った
後、払い出したが極限粘度が低く、流動性が高すぎるた
めか紡糸性が不良となり、十分な製品量は得られなかっ
た。
同様に行った。結果を表1に示す。
リブチレンテレフタレートを用いた以外は実施例1と同
様に行った。結果を表1に示す。
外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
同様にして得たエステル化物をTPAとIPAとのモル
比が50/50となるように重縮合反応缶に投入した以外は
実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
ステル化物をTPAとIPAとのモル比が67/33となる
ように重縮合反応缶に投入した以外は実施例1と同様に
行った。結果を表1に示す。
流動性が良好なコポリエステルが接着成分とされている
ので、低い熱処理温度で速やかに主体繊維間を有効に接
着することができる。また、このコポリエステルは、比
較的安価であり、チップを貯蔵する際にブロッキングし
たり、紡糸後の繊維がタッキングしたりすることがない
ので、このコポリエステルを接着成分とすることによ
り、操業性良く、安価にバインダー繊維を製造すること
ができる。本発明のバイダー繊維は、特にポリエチレン
テレフタレートのような高軟化温度のポリエステル系繊
維を主体繊維とする繊維構造物の接着に適している。
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリアルキレンテレフタレートAと下記
ポリエステルBとからなり、ポリエステルBが繊維表面
の少なくとも一部を占めていることを特徴とするポリエ
ステル系バインダー繊維。 ポリエステルB フタル酸成分を10モル%以上含有する芳香族ジカルボン
酸成分とエチレングリコール98〜70モル%及びジエチレ
ングリコール2〜30モル%からなるグリコール成分とで
構成され、フタル酸成分及びジエチレングリコールの合
計量がポリエステルを構成する全成分の8〜55モル%を
占め、極限粘度が0.35以上のコポリエステル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07258794A JP3313878B2 (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | ポリエステル系バインダー繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07258794A JP3313878B2 (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | ポリエステル系バインダー繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07258921A JPH07258921A (ja) | 1995-10-09 |
JP3313878B2 true JP3313878B2 (ja) | 2002-08-12 |
Family
ID=13493672
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07258794A Expired - Lifetime JP3313878B2 (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | ポリエステル系バインダー繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3313878B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018147251A1 (ja) * | 2017-02-09 | 2018-08-16 | 東レ株式会社 | 熱接着性芯鞘型複合繊維およびトリコット編み地 |
JP7281174B2 (ja) * | 2018-03-19 | 2023-05-25 | ユニチカ株式会社 | 芯鞘型複合熱接着性繊維 |
JP7411202B2 (ja) * | 2019-08-30 | 2024-01-11 | ユニチカ株式会社 | 耐候性熱成形体およびその製造方法 |
-
1994
- 1994-03-16 JP JP07258794A patent/JP3313878B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH07258921A (ja) | 1995-10-09 |
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