JP2001098427A - 熱硬化型バインダー繊維 - Google Patents
熱硬化型バインダー繊維Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 繊維化が容易で、かつ、従来のホットメルト
型バインダー繊維の接着工程をそのまま利用でき、しか
も接着繊維製品を高温雰囲気下で使用しても接着強度の
低下が少ない熱硬化型バインダー繊維を提供する。 【解決手段】 融点又は軟化点が80〜 200℃であり、フ
ェノール性水酸基を少なくとも1個以上有する芳香族ジ
カルボン酸が全酸成分の2〜20モル%共重合されたコポ
リエステルが繊維表面の少なくとも一部を占める繊維で
ある。そして、繊維表面に分子中にグリシジル基を2個
以上有するエポキシ化合物が繊維重量の0.1重量%以上
存在している。
型バインダー繊維の接着工程をそのまま利用でき、しか
も接着繊維製品を高温雰囲気下で使用しても接着強度の
低下が少ない熱硬化型バインダー繊維を提供する。 【解決手段】 融点又は軟化点が80〜 200℃であり、フ
ェノール性水酸基を少なくとも1個以上有する芳香族ジ
カルボン酸が全酸成分の2〜20モル%共重合されたコポ
リエステルが繊維表面の少なくとも一部を占める繊維で
ある。そして、繊維表面に分子中にグリシジル基を2個
以上有するエポキシ化合物が繊維重量の0.1重量%以上
存在している。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生産性に優れ、耐
熱性の良好な接着繊維製品用として好適な熱硬化型バイ
ンダー繊維に関するものである。
熱性の良好な接着繊維製品用として好適な熱硬化型バイ
ンダー繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ルーフィング資材、自動車用内装材、カ
ーペットの基布等に用いる不織布、枕やマットレス等の
寝装用品の詰物、キルティング用中入れ綿等の繊維構造
物において、構成繊維(以下、主体繊維と称す。)相互
間を接着する目的でホットメルト型バインダー繊維が広
く使用されている。
ーペットの基布等に用いる不織布、枕やマットレス等の
寝装用品の詰物、キルティング用中入れ綿等の繊維構造
物において、構成繊維(以下、主体繊維と称す。)相互
間を接着する目的でホットメルト型バインダー繊維が広
く使用されている。
【0003】近年、熱排水の濾過布あるいは熱排気の除
塵フィルター等の高温雰囲気下で使用される不織布等に
おいてもホットメルト型バインダー繊維の使用が試みら
れているが、従来のホットメルト型バインダー繊維を使
用した製品では、バインダー繊維の融点又は軟化点近傍
の高温雰囲気下においては、バインダー成分が再び軟化
してしまうために接着強度が低下し、製品の強度低下、
嵩高保持性低下等が生じるという問題があった。
塵フィルター等の高温雰囲気下で使用される不織布等に
おいてもホットメルト型バインダー繊維の使用が試みら
れているが、従来のホットメルト型バインダー繊維を使
用した製品では、バインダー繊維の融点又は軟化点近傍
の高温雰囲気下においては、バインダー成分が再び軟化
してしまうために接着強度が低下し、製品の強度低下、
嵩高保持性低下等が生じるという問題があった。
【0004】このような問題を解消するために、例えば
特開昭58−203117号公報には、水酸基を有する低融点ポ
リエステル樹脂とブロックドイソシアナート化合物の硬
化剤とを混合紡糸して得られた、繊維製品の溶融接着時
に熱硬化する熱硬化型バインダー繊維が提案されてい
る。しかし、このような熱硬化型バインダー繊維を製造
する場合、架橋密度を高めて十分な耐熱性を得るのに必
要な量の水酸基を有するポリエステルは、一般に重合度
が低いために繊維化が難しく、一方、繊維化の容易な高
重合度のポリエステル樹脂は水酸基量が少ないので、架
橋密度が低くなって十分な耐熱性を示さなくなるという
問題があった。
特開昭58−203117号公報には、水酸基を有する低融点ポ
リエステル樹脂とブロックドイソシアナート化合物の硬
化剤とを混合紡糸して得られた、繊維製品の溶融接着時
に熱硬化する熱硬化型バインダー繊維が提案されてい
る。しかし、このような熱硬化型バインダー繊維を製造
する場合、架橋密度を高めて十分な耐熱性を得るのに必
要な量の水酸基を有するポリエステルは、一般に重合度
が低いために繊維化が難しく、一方、繊維化の容易な高
重合度のポリエステル樹脂は水酸基量が少ないので、架
橋密度が低くなって十分な耐熱性を示さなくなるという
問題があった。
【0005】また、特開平1-165620号公報には、不飽和
結合を有する脂肪族ジカルボン酸が共重合された、電子
線等のエネルギー線で開裂架橋することが可能な改質ポ
リエステルが提案されている。しかし、一般的に不飽和
結合を有する化合物は高温の溶融状態で不安定であるた
め、重合時や紡糸時に著しい着色を起こしたり、重合中
に開裂してゲル化を起こすという問題がある。また、硬
化工程において電子線等のエネルギー線を照射する設備
が必要となるため、設備や工程が煩雑なものとなり、接
着繊維製品の製造コストが上昇するという問題もある。
結合を有する脂肪族ジカルボン酸が共重合された、電子
線等のエネルギー線で開裂架橋することが可能な改質ポ
リエステルが提案されている。しかし、一般的に不飽和
結合を有する化合物は高温の溶融状態で不安定であるた
め、重合時や紡糸時に著しい着色を起こしたり、重合中
に開裂してゲル化を起こすという問題がある。また、硬
化工程において電子線等のエネルギー線を照射する設備
が必要となるため、設備や工程が煩雑なものとなり、接
着繊維製品の製造コストが上昇するという問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題を解決し、繊維化が容易で、かつ、従来のホット
メルト型バインダー繊維の接着工程をそのまま利用で
き、しかも接着繊維製品を高温雰囲気下で使用しても接
着強度の低下が少ない熱硬化型バインダー繊維を提供す
ることを技術的な課題とするものである。
な問題を解決し、繊維化が容易で、かつ、従来のホット
メルト型バインダー繊維の接着工程をそのまま利用で
き、しかも接着繊維製品を高温雰囲気下で使用しても接
着強度の低下が少ない熱硬化型バインダー繊維を提供す
ることを技術的な課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、融点又は軟化点が80〜 200℃
であり、フェノール性水酸基を少なくとも1個以上有す
る芳香族ジカルボン酸が全酸成分の2〜20モル%共重合
されたコポリエステルが繊維表面の少なくとも一部を占
める繊維であって、繊維表面に分子中にグリシジル基を
2個以上有するエポキシ化合物が繊維重量の0.1重量%
以上存在していることを特徴とする熱硬化型バインダー
繊維を要旨とするものである。
を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、融点又は軟化点が80〜 200℃
であり、フェノール性水酸基を少なくとも1個以上有す
る芳香族ジカルボン酸が全酸成分の2〜20モル%共重合
されたコポリエステルが繊維表面の少なくとも一部を占
める繊維であって、繊維表面に分子中にグリシジル基を
2個以上有するエポキシ化合物が繊維重量の0.1重量%
以上存在していることを特徴とする熱硬化型バインダー
繊維を要旨とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のバインダー繊維を構成するコポリエステ
ルは、アルキレンテレフタレート単位が40モル%以上を
占めるものが好ましく、バインダー繊維として要求され
る融点又は軟化点に応じてイソフタル酸や脂肪族ジカル
ボン酸、脂肪族ラクトン等の成分が共重合されているも
のが好適である。
する。本発明のバインダー繊維を構成するコポリエステ
ルは、アルキレンテレフタレート単位が40モル%以上を
占めるものが好ましく、バインダー繊維として要求され
る融点又は軟化点に応じてイソフタル酸や脂肪族ジカル
ボン酸、脂肪族ラクトン等の成分が共重合されているも
のが好適である。
【0009】本発明のコポリエステルとして好ましい組
成の例としては、ポリ(エチレンテレフタレート/イソ
フタレート)系コポリエステルや、酸成分としてテレフ
タル酸とアジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸を用い、ジ
オール成分としてエチレングリコール及び/又は1,4-ブ
タンジオールを用いたもの、あるいは、酸成分としてテ
レフタル酸とε−カプロラクトン等の脂肪族ラクトンを
用い、ジオール成分としてエチレングリコール及び/又
は1,4-ブタンジオールを用いたもの等が挙げられる。
成の例としては、ポリ(エチレンテレフタレート/イソ
フタレート)系コポリエステルや、酸成分としてテレフ
タル酸とアジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸を用い、ジ
オール成分としてエチレングリコール及び/又は1,4-ブ
タンジオールを用いたもの、あるいは、酸成分としてテ
レフタル酸とε−カプロラクトン等の脂肪族ラクトンを
用い、ジオール成分としてエチレングリコール及び/又
は1,4-ブタンジオールを用いたもの等が挙げられる。
【0010】また、本発明のバインダー繊維を構成する
コポリエステルは、融点又は軟化点が80℃〜 200℃であ
ることが必要である。融点又は軟化点が80℃未満である
と、紡糸時の溶融粘性が低くなりすぎて安定な紡糸が困
難となったり、紡出糸条が融着を起こしたりするので好
ましくない。一方、 200℃を超えると、溶融接着処理を
高温で行うことが必要となって経済的に好ましくないば
かりか、主体繊維が物性低下を起こすこともあるので好
ましくない。
コポリエステルは、融点又は軟化点が80℃〜 200℃であ
ることが必要である。融点又は軟化点が80℃未満である
と、紡糸時の溶融粘性が低くなりすぎて安定な紡糸が困
難となったり、紡出糸条が融着を起こしたりするので好
ましくない。一方、 200℃を超えると、溶融接着処理を
高温で行うことが必要となって経済的に好ましくないば
かりか、主体繊維が物性低下を起こすこともあるので好
ましくない。
【0011】本発明のバインダー繊維を構成するコポリ
エステルは、上記のような組成の他にフェノール性水酸
基を少なくとも1個以上有する芳香族ジカルボン酸が全
酸成分の2〜20モル%共重合されていることが必要であ
る。フェノール性水酸基は、通常のカルボキシル基とは
エステル結合を形成しないため、このような水酸基を有
する芳香族ジカルボン酸をコポリエステル中に共重合す
ると、フェノール性水酸基がコポリエステルの側鎖に残
り、高重合度でありながら水酸基含有量の高いコポリエ
ステルとなるのである。フェノール性水酸基を少なくと
も1個以上有する芳香族ジカルボン酸の具体例として
は、5-ヒドロキシイソフタル酸、4-ヒドロキシフタル
酸、2,5-ジヒドロキシ-1,4- ベンゼンジカルボン酸等が
挙げられる。
エステルは、上記のような組成の他にフェノール性水酸
基を少なくとも1個以上有する芳香族ジカルボン酸が全
酸成分の2〜20モル%共重合されていることが必要であ
る。フェノール性水酸基は、通常のカルボキシル基とは
エステル結合を形成しないため、このような水酸基を有
する芳香族ジカルボン酸をコポリエステル中に共重合す
ると、フェノール性水酸基がコポリエステルの側鎖に残
り、高重合度でありながら水酸基含有量の高いコポリエ
ステルとなるのである。フェノール性水酸基を少なくと
も1個以上有する芳香族ジカルボン酸の具体例として
は、5-ヒドロキシイソフタル酸、4-ヒドロキシフタル
酸、2,5-ジヒドロキシ-1,4- ベンゼンジカルボン酸等が
挙げられる。
【0012】そして、このような成分の共重合量は全酸
成分に対して2〜20モル%の範囲とすることが必要であ
る。共重合量が2モル%未満では、水酸基量が少ないた
めに架橋密度が高くならず、接着繊維製品の高温雰囲気
下での強度が低下してしまうので好ましくない。一方、
共重合量が20モル%を超えると、コポリエステルの溶融
粘性が高くなり、重合時に高重合度化できなくなるの
で、結果として、得られる繊維の強度が低くなり、好ま
しくない。
成分に対して2〜20モル%の範囲とすることが必要であ
る。共重合量が2モル%未満では、水酸基量が少ないた
めに架橋密度が高くならず、接着繊維製品の高温雰囲気
下での強度が低下してしまうので好ましくない。一方、
共重合量が20モル%を超えると、コポリエステルの溶融
粘性が高くなり、重合時に高重合度化できなくなるの
で、結果として、得られる繊維の強度が低くなり、好ま
しくない。
【0013】本発明のバインダー繊維は、繊維表面の少
なくとも一部が前記のコポリエステルで形成されていれ
ばよく、このようなコポリエステル単独からなる繊維の
ほか、他の成分との複合繊維であってもよい。複合繊維
とする場合の複合の形態としては、同心又は偏心芯鞘
型、サイドバイサイド型、海島型等とすることができ
る。また、他成分は複合溶融紡糸可能なものであればよ
く、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリブチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど融点が
高く、熱安定性がよいものが好適に用いられる。なお、
これらに少量の共重合成分、あるいは添加剤が含まれて
いても熱的物性に影響しない範囲であればよい。
なくとも一部が前記のコポリエステルで形成されていれ
ばよく、このようなコポリエステル単独からなる繊維の
ほか、他の成分との複合繊維であってもよい。複合繊維
とする場合の複合の形態としては、同心又は偏心芯鞘
型、サイドバイサイド型、海島型等とすることができ
る。また、他成分は複合溶融紡糸可能なものであればよ
く、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリブチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど融点が
高く、熱安定性がよいものが好適に用いられる。なお、
これらに少量の共重合成分、あるいは添加剤が含まれて
いても熱的物性に影響しない範囲であればよい。
【0014】また、本発明のバインダー繊維は、繊維表
面に、分子中にグリシジル基を2個以上有するエポキシ
化合物が繊維重量の0.1重量%以上存在していることが
必要である。グリシジル基は、比較的低温でもフェノー
ル性水酸基と反応して結合を作ることが可能である。し
たがって、繊維表面にこのような基を2個以上有するエ
ポキシ化合物を存在させておくことにより、溶融接着時
に繊維を構成するコポリエステル中のフェノール性水酸
基と反応して架橋構造をつくり、耐熱性に優れ、高温雰
囲気下でも強度低下の少ないの接着繊維製品を得ること
ができる。
面に、分子中にグリシジル基を2個以上有するエポキシ
化合物が繊維重量の0.1重量%以上存在していることが
必要である。グリシジル基は、比較的低温でもフェノー
ル性水酸基と反応して結合を作ることが可能である。し
たがって、繊維表面にこのような基を2個以上有するエ
ポキシ化合物を存在させておくことにより、溶融接着時
に繊維を構成するコポリエステル中のフェノール性水酸
基と反応して架橋構造をつくり、耐熱性に優れ、高温雰
囲気下でも強度低下の少ないの接着繊維製品を得ること
ができる。
【0015】分子中に2個以上のグリシジル基を有する
エポキシ化合物の具体例としては、エチレングリコール
ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリ
シジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエー
テル、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物ジグリ
シジルエーテル、水素化ビスフェノールAジグリシジル
エーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチ
ロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメリット
酸トリグリシジルエーテル等が挙げられる。
エポキシ化合物の具体例としては、エチレングリコール
ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリ
シジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエー
テル、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物ジグリ
シジルエーテル、水素化ビスフェノールAジグリシジル
エーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチ
ロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメリット
酸トリグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0016】なお、このようなエポキシ化合物の繊維表
面の存在量は、繊維重量の0.1重量%以上、好ましくは
1.0重量%以上であることが必要である。この量が繊維
重量の0.1重量%に満たないと、グリシジル基の量が少
ないために架橋密度が高くならず、接着繊維製品の高温
雰囲気下での強度が低下するので好ましくない。存在量
の上限については特に限定されるものではないが、あま
り過剰に存在させると、生産、輸送、加工等の各工程中
で脱落して機器を汚染したり、バインダー繊維同士が膠
着を起こして、カード等の工程で開繊不良となることが
あるため、概ね5重量%以下とするのが好ましい。
面の存在量は、繊維重量の0.1重量%以上、好ましくは
1.0重量%以上であることが必要である。この量が繊維
重量の0.1重量%に満たないと、グリシジル基の量が少
ないために架橋密度が高くならず、接着繊維製品の高温
雰囲気下での強度が低下するので好ましくない。存在量
の上限については特に限定されるものではないが、あま
り過剰に存在させると、生産、輸送、加工等の各工程中
で脱落して機器を汚染したり、バインダー繊維同士が膠
着を起こして、カード等の工程で開繊不良となることが
あるため、概ね5重量%以下とするのが好ましい。
【0017】本発明のバインダー繊維は、例えば次のよ
うな方法により得ることができる。まず、温度 230〜 2
50℃で窒素ガス制圧下、ビス−(β−ヒドロキシエチ
ル)テレフタレート及び/又はその低重合体(以下、P
ETオリゴマーと略す。)の存在するエステル化反応槽
に、グリコール成分/酸成分のモル比 1.1〜 2.0のエチ
レングリコール(以下、EGと略す。)とテレフタル酸
(以下、TPAと略す。)のスラリーを添加し、滞留時
間7〜8時間でエステル化反応物を得る。
うな方法により得ることができる。まず、温度 230〜 2
50℃で窒素ガス制圧下、ビス−(β−ヒドロキシエチ
ル)テレフタレート及び/又はその低重合体(以下、P
ETオリゴマーと略す。)の存在するエステル化反応槽
に、グリコール成分/酸成分のモル比 1.1〜 2.0のエチ
レングリコール(以下、EGと略す。)とテレフタル酸
(以下、TPAと略す。)のスラリーを添加し、滞留時
間7〜8時間でエステル化反応物を得る。
【0018】このエステル化反応物を重合反応缶に移送
し、5-ヒドロキシイソフタル酸(以下、5-HIPAと略
す。)、ε−カプロラクトン(以下、ε-CLと略す。)
と1,4-ブタンジオール(以下、1,4-BDと略す。)及び重
合触媒を所定量添加し、温度180〜 200℃で 0.5〜2時
間エステル化反応を行う。その後、重合反応缶の温度を
240〜 260℃に昇温し、0.01〜13.3hPa の減圧下にて、
極限粘度0.50〜0.70のコポリエステルが得られるまで重
縮合反応を行う。
し、5-ヒドロキシイソフタル酸(以下、5-HIPAと略
す。)、ε−カプロラクトン(以下、ε-CLと略す。)
と1,4-ブタンジオール(以下、1,4-BDと略す。)及び重
合触媒を所定量添加し、温度180〜 200℃で 0.5〜2時
間エステル化反応を行う。その後、重合反応缶の温度を
240〜 260℃に昇温し、0.01〜13.3hPa の減圧下にて、
極限粘度0.50〜0.70のコポリエステルが得られるまで重
縮合反応を行う。
【0019】重縮合反応は、通常、重縮合反応触媒の存
在下で行われ、触媒としては、従来一般に用いられてい
るアンチモン、ゲルマニウム、スズ、チタン、コバルト
等の金属の化合物が好適に用いられる。また、効果を阻
害しない範囲であれば、ヒンダードフェノール系化合物
のような抗酸化剤、コバルト化合物、蛍光剤、染料のよ
うな色調改良剤、顔料等の添加物を含有させてもよい。
在下で行われ、触媒としては、従来一般に用いられてい
るアンチモン、ゲルマニウム、スズ、チタン、コバルト
等の金属の化合物が好適に用いられる。また、効果を阻
害しない範囲であれば、ヒンダードフェノール系化合物
のような抗酸化剤、コバルト化合物、蛍光剤、染料のよ
うな色調改良剤、顔料等の添加物を含有させてもよい。
【0020】次に、上記の方法により得られたコポリエ
ステルと、高融点ポリエステルをそれぞれ減圧乾燥して
別々のホッパーに供給し、溶融押し出し機で 270〜 300
℃で溶融押し出しし、加熱したノズルパックに供給す
る。こうして2成分の溶融樹脂を1つのノズルパックに
導き、芯鞘型複合ノズルによりコポリエステル側が鞘部
となるように複合繊維として吐出し、吹き付け装置で糸
条を冷却して集束した後、紡糸用油剤を付与しながら、
引き取り速度 700〜1200m/分にて引き取ってケンスに収
納する。
ステルと、高融点ポリエステルをそれぞれ減圧乾燥して
別々のホッパーに供給し、溶融押し出し機で 270〜 300
℃で溶融押し出しし、加熱したノズルパックに供給す
る。こうして2成分の溶融樹脂を1つのノズルパックに
導き、芯鞘型複合ノズルによりコポリエステル側が鞘部
となるように複合繊維として吐出し、吹き付け装置で糸
条を冷却して集束した後、紡糸用油剤を付与しながら、
引き取り速度 700〜1200m/分にて引き取ってケンスに収
納する。
【0021】次いで、延伸後の繊維トウが50万〜 100万
デニールになるようにケンスを複数用意し、加熱ローラ
で60〜80℃程度で3〜4倍に延伸する。そして 100〜 1
50℃で熱処理して、さらにスチーム加熱しながら6〜20
個/2.54cmの捲縮を付与し、仕上げ油剤を付与した後、
カッターにて繊維長25〜150mm に切断すればよい。
デニールになるようにケンスを複数用意し、加熱ローラ
で60〜80℃程度で3〜4倍に延伸する。そして 100〜 1
50℃で熱処理して、さらにスチーム加熱しながら6〜20
個/2.54cmの捲縮を付与し、仕上げ油剤を付与した後、
カッターにて繊維長25〜150mm に切断すればよい。
【0022】なお、エポキシ化合物をバインダー繊維表
面に存在させるためには、紡糸後の任意の段階で糸条に
付与すればよいが、エポキシ化合物を水その他の溶剤で
希釈しておき、仕上げ油剤と混合して付与する方法は、
工程を増やすことがなく、また、付着ロスも少なくでき
るので好ましい。
面に存在させるためには、紡糸後の任意の段階で糸条に
付与すればよいが、エポキシ化合物を水その他の溶剤で
希釈しておき、仕上げ油剤と混合して付与する方法は、
工程を増やすことがなく、また、付着ロスも少なくでき
るので好ましい。
【0023】こうして得られたバインダー繊維は、主体
繊維と混綿して、コポリエステルの融点又は軟化点以上
の温度で熱処理することにより接着繊維製品とすること
ができる。このようにして得られる接着繊維製品は、溶
融接着時にコポリエステル中の水酸基とエポキシ化合物
が反応して架橋構造を形成するので、再びコポリエステ
ルの融点又は軟化点近傍の高温雰囲気になっても、接着
部分が再び溶融、軟化することがなく、耐熱性の良好な
ものとなる。
繊維と混綿して、コポリエステルの融点又は軟化点以上
の温度で熱処理することにより接着繊維製品とすること
ができる。このようにして得られる接着繊維製品は、溶
融接着時にコポリエステル中の水酸基とエポキシ化合物
が反応して架橋構造を形成するので、再びコポリエステ
ルの融点又は軟化点近傍の高温雰囲気になっても、接着
部分が再び溶融、軟化することがなく、耐熱性の良好な
ものとなる。
【0024】
【作用】本発明のバインダー繊維が生産性に優れ、高温
雰囲気下でも強度低下の少ない耐熱性の良好な接着繊維
製品を得られる理由として、本発明者は次のように推定
している。本発明のバインダー繊維を構成するコポリエ
ステルには、フェノール性水酸基を有する芳香族ジカル
ボン酸が共重合されている。この分子中のフェノール性
水酸基部分は、コポリエステルの主鎖を構成する成分の
一つである通常のカルボキシル基とはエステル結合を形
成しないが、分子中のジカルボン酸部分はコポリエステ
ルの主鎖を構成するもう一つの成分であるジオールと反
応し、エステル結合を形成してコポリエステルの分子鎖
中に組み込まれる。この結果、フェノール性水酸基はそ
のまま側鎖として残るが、この水酸基は従来のようなコ
ポリエステル分子鎖の末端に存在するものではないの
で、コポリエステルの重合度を高めても減少することが
ない。したがって、架橋密度を高めるのに必要な水酸基
量を有しつつ、重合度を高めることができるので繊維化
が容易となり、生産性がよいものとなる。
雰囲気下でも強度低下の少ない耐熱性の良好な接着繊維
製品を得られる理由として、本発明者は次のように推定
している。本発明のバインダー繊維を構成するコポリエ
ステルには、フェノール性水酸基を有する芳香族ジカル
ボン酸が共重合されている。この分子中のフェノール性
水酸基部分は、コポリエステルの主鎖を構成する成分の
一つである通常のカルボキシル基とはエステル結合を形
成しないが、分子中のジカルボン酸部分はコポリエステ
ルの主鎖を構成するもう一つの成分であるジオールと反
応し、エステル結合を形成してコポリエステルの分子鎖
中に組み込まれる。この結果、フェノール性水酸基はそ
のまま側鎖として残るが、この水酸基は従来のようなコ
ポリエステル分子鎖の末端に存在するものではないの
で、コポリエステルの重合度を高めても減少することが
ない。したがって、架橋密度を高めるのに必要な水酸基
量を有しつつ、重合度を高めることができるので繊維化
が容易となり、生産性がよいものとなる。
【0025】そして、本発明のバインダー繊維には、繊
維表面に分子中にグリシジル基を2個以上有するエポキ
シ化合物が存在している。フェノール性水酸基はグリシ
ジル基とは比較的容易に反応して結合を作るので、溶融
接着時にコポリエステル成分が溶融すると、コポリエス
テル中のフェノール性水酸基と繊維表面のエポキシ化合
物中のグリシジル基が反応して架橋構造を作る。このた
め、得られる接着繊維製品は、再びコポリエステルの融
点又は軟化点近傍の高温雰囲気下になっても、接着部分
が再び溶融、軟化することがなく、したがって強度低下
の少ないものとなるものと認められる。
維表面に分子中にグリシジル基を2個以上有するエポキ
シ化合物が存在している。フェノール性水酸基はグリシ
ジル基とは比較的容易に反応して結合を作るので、溶融
接着時にコポリエステル成分が溶融すると、コポリエス
テル中のフェノール性水酸基と繊維表面のエポキシ化合
物中のグリシジル基が反応して架橋構造を作る。このた
め、得られる接着繊維製品は、再びコポリエステルの融
点又は軟化点近傍の高温雰囲気下になっても、接着部分
が再び溶融、軟化することがなく、したがって強度低下
の少ないものとなるものと認められる。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中の特性値の測定法は、次のとおりに
行った。 (a) 極限粘度(〔η〕) フェノールと四塩化エタンとの等重量混合溶媒を用い、
温度20℃で測定した。 (b) 融点(Tm)又は軟化点(Ts) パーキンエルマー社製示差走査熱量計DSC-7 型を用い、
昇温速度20℃/分で測定した。なお、明確な結晶融点を
示さないものについては、メトラー社製ホットステージ
を使用し、昇温速度2℃/分で昇温し、顕微鏡で観察し
て軟化開始温度を測定した。 (c) コポリエステルの組成 日本電子社製NMR JNM-LA4000型で測定した。 (d) 繊維表面のエポキシ化合物量 日本電子社製NMR JNM-LA4000型で測定した。 (e) 不織布の引張強力 オリエンテック社製テンシロンUTM-4-100 型定速引張試
験機を用い、幅25mmの試料について、測定長100mm、測
定温度25℃、 150℃及び 200℃で、引張速度100mm/分で
測定した。(測定温度 150℃及び 200℃の場合は、試料
を所定の温度のオーブンに入れ、90秒間放置した後、オ
ーブン中で測定した。)
る。なお、実施例中の特性値の測定法は、次のとおりに
行った。 (a) 極限粘度(〔η〕) フェノールと四塩化エタンとの等重量混合溶媒を用い、
温度20℃で測定した。 (b) 融点(Tm)又は軟化点(Ts) パーキンエルマー社製示差走査熱量計DSC-7 型を用い、
昇温速度20℃/分で測定した。なお、明確な結晶融点を
示さないものについては、メトラー社製ホットステージ
を使用し、昇温速度2℃/分で昇温し、顕微鏡で観察し
て軟化開始温度を測定した。 (c) コポリエステルの組成 日本電子社製NMR JNM-LA4000型で測定した。 (d) 繊維表面のエポキシ化合物量 日本電子社製NMR JNM-LA4000型で測定した。 (e) 不織布の引張強力 オリエンテック社製テンシロンUTM-4-100 型定速引張試
験機を用い、幅25mmの試料について、測定長100mm、測
定温度25℃、 150℃及び 200℃で、引張速度100mm/分で
測定した。(測定温度 150℃及び 200℃の場合は、試料
を所定の温度のオーブンに入れ、90秒間放置した後、オ
ーブン中で測定した。)
【0027】実施例1 ・コポリエステルの製造 PETオリゴマーの存在するエステル化反応缶にTPA
とEGのスラリー(モル比1/1.6)を連続的に供給し、温
度 250℃、圧力0.1MPaG の条件で反応させ、滞留時間を
8時間として、反応率95%のエステル化物を連続的に得
た。これを重縮合反応缶に移送し、表1に示したモル比
となるように5-HIPA、ε-CL 、1,4-BDを添加し、重縮合
触媒としてテトラブチルチタネートを2×10-4モル/酸
成分モル添加し、温度 200℃、圧力0.1MPaG の条件で撹
拌しながらエステル化反応を1時間行った。
とEGのスラリー(モル比1/1.6)を連続的に供給し、温
度 250℃、圧力0.1MPaG の条件で反応させ、滞留時間を
8時間として、反応率95%のエステル化物を連続的に得
た。これを重縮合反応缶に移送し、表1に示したモル比
となるように5-HIPA、ε-CL 、1,4-BDを添加し、重縮合
触媒としてテトラブチルチタネートを2×10-4モル/酸
成分モル添加し、温度 200℃、圧力0.1MPaG の条件で撹
拌しながらエステル化反応を1時間行った。
【0028】次いで、反応器内の温度を30分で 240℃に
昇温し、反応器内の圧力を徐々に減じて70分後に1.2hPa
以下にした。この条件下で撹拌しながら重縮合反応を3
時間行い、表1に示す特性を有するコポリエステルを得
た。 ・バインダー繊維の製造 上記で得たコポリエステルと極限粘度0.68、融点 256℃
のポリエチレンテレフタレートを、芯鞘複合形状である
吐出孔を 225個有する複合溶融紡糸装置の紡糸口金よ
り、紡糸温度 270℃、吐出量227g/分、芯鞘比50/50重
量比で、前者が鞘となるように溶融紡糸し、吹き付け装
置により冷却した後、700m/分の速度で捲取り、複合未
延伸糸を得た。
昇温し、反応器内の圧力を徐々に減じて70分後に1.2hPa
以下にした。この条件下で撹拌しながら重縮合反応を3
時間行い、表1に示す特性を有するコポリエステルを得
た。 ・バインダー繊維の製造 上記で得たコポリエステルと極限粘度0.68、融点 256℃
のポリエチレンテレフタレートを、芯鞘複合形状である
吐出孔を 225個有する複合溶融紡糸装置の紡糸口金よ
り、紡糸温度 270℃、吐出量227g/分、芯鞘比50/50重
量比で、前者が鞘となるように溶融紡糸し、吹き付け装
置により冷却した後、700m/分の速度で捲取り、複合未
延伸糸を得た。
【0029】この未延伸糸を10万デニールのトウに集束
し、延伸温度62℃、延伸倍率 3.2で延伸し、 120℃で緊
張熱処理し、押し込み式クリンパーで12個/2.54cm の捲
縮を与えた後、エポキシ化合物としてエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル(日本油脂社製エピオールE-10
0)を30重量%含む仕上げ油剤を付与し、長さ51mmに切断
して繊度4デニールのバインダー繊維を得た。
し、延伸温度62℃、延伸倍率 3.2で延伸し、 120℃で緊
張熱処理し、押し込み式クリンパーで12個/2.54cm の捲
縮を与えた後、エポキシ化合物としてエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル(日本油脂社製エピオールE-10
0)を30重量%含む仕上げ油剤を付与し、長さ51mmに切断
して繊度4デニールのバインダー繊維を得た。
【0030】・不織布の製造 上記で得たバインダー繊維とポリエチレンテレフタレー
ト繊維(繊度2デニール、カット長51mm)とを、40/60
の重量比で混綿し、カード機に通して40g/m2の目付のウ
エブとし、熱風循環ドライヤーで風量57m3/分、温度 2
00℃で20分間熱処理し、不織布を得た。
ト繊維(繊度2デニール、カット長51mm)とを、40/60
の重量比で混綿し、カード機に通して40g/m2の目付のウ
エブとし、熱風循環ドライヤーで風量57m3/分、温度 2
00℃で20分間熱処理し、不織布を得た。
【0031】得られた不織布の評価結果を併せて表1に
示す。
示す。
【0032】実施例2 イソフタル酸(以下、IPAと略す。)とEGのスラリ
ー(モル比1/3)を撹拌装置と充填塔を備えた反応缶に投
入し、常圧下で撹拌しながら反応温度 200℃にて、生成
してくる水を反応系外に除去しつつ5時間エステル化反
応を行い、反応率95%のエステル化物(A)を得た。ま
た、PETオリゴマーの存在するエステル化反応缶にT
PAとEGのスラリー(モル比1/1.6)を連続的に供給
し、温度 250℃、圧力0.1MPaG の条件で反応させ、滞留
時間を8時間として反応率95%のエステル化物(B)を
連続的に得た。
ー(モル比1/3)を撹拌装置と充填塔を備えた反応缶に投
入し、常圧下で撹拌しながら反応温度 200℃にて、生成
してくる水を反応系外に除去しつつ5時間エステル化反
応を行い、反応率95%のエステル化物(A)を得た。ま
た、PETオリゴマーの存在するエステル化反応缶にT
PAとEGのスラリー(モル比1/1.6)を連続的に供給
し、温度 250℃、圧力0.1MPaG の条件で反応させ、滞留
時間を8時間として反応率95%のエステル化物(B)を
連続的に得た。
【0033】次いで、表1に示したモル比となるよう
に、エステル化物(A)、(B)を重縮合反応缶に移送
し、表1に示したモル比となるように5-HIPAを添加し、
重縮合触媒として三酸化アンチモンを2×10-4モル/酸
成分モルを添加し、温度 250℃、圧力0.1MPaG の条件で
撹拌しながらエステル化反応を30分行った。さらに反応
器の温度を30分で 270℃に昇温し、反応器内の圧力を徐
々に減じて70分後に1.2hPa以下にした。この条件下で撹
拌しながら重縮合反応を3時間行い、表1に示す特性を
有するコポリエステルを得た。
に、エステル化物(A)、(B)を重縮合反応缶に移送
し、表1に示したモル比となるように5-HIPAを添加し、
重縮合触媒として三酸化アンチモンを2×10-4モル/酸
成分モルを添加し、温度 250℃、圧力0.1MPaG の条件で
撹拌しながらエステル化反応を30分行った。さらに反応
器の温度を30分で 270℃に昇温し、反応器内の圧力を徐
々に減じて70分後に1.2hPa以下にした。この条件下で撹
拌しながら重縮合反応を3時間行い、表1に示す特性を
有するコポリエステルを得た。
【0034】得られたコポリエステルは、実施例1と同
様にしてバインダー繊維とし、不織布を製造して評価を
行った。その結果を併せて表1に示す。
様にしてバインダー繊維とし、不織布を製造して評価を
行った。その結果を併せて表1に示す。
【0035】実施例3〜6、比較例1〜6 コポリエステルの組成及びフェノール性水酸基を有する
芳香族ジカルボン酸の種類と添加量、繊維表面に存在す
るエポキシ化合物の種類と量を表1に示すように種々変
更した以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表
1に示す。
芳香族ジカルボン酸の種類と添加量、繊維表面に存在す
るエポキシ化合物の種類と量を表1に示すように種々変
更した以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表
1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】実施例7〜10、比較例7 バインダー繊維の複合型を表2のように変更した以外
は、実施例1と同様に実施した。なお、実施例9はコポ
リエステル成分のみで紡糸を行い、全融タイプのバイン
ダー繊維とした。評価結果を表2に示す。
は、実施例1と同様に実施した。なお、実施例9はコポ
リエステル成分のみで紡糸を行い、全融タイプのバイン
ダー繊維とした。評価結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】表1、2から明らかなように、実施例1〜
10においては、バインダー繊維の製造は通常の溶融紡糸
法で問題なく行うことができた。また、このバインダー
繊維から、通常のホットメルト型バインダー繊維を用い
た場合と同様の溶融接着方法により、接着成分であるコ
ポリエステルの融点又は軟化点を超える高温雰囲気下で
も実用可能な接着強度を有する不織布が得られた。
10においては、バインダー繊維の製造は通常の溶融紡糸
法で問題なく行うことができた。また、このバインダー
繊維から、通常のホットメルト型バインダー繊維を用い
た場合と同様の溶融接着方法により、接着成分であるコ
ポリエステルの融点又は軟化点を超える高温雰囲気下で
も実用可能な接着強度を有する不織布が得られた。
【0040】一方、比較例1ではコポリエステルの融点
が高すぎるため、主体繊維間の接着がされず、不織布を
作製できなかった。次に、比較例2では、コポリエステ
ルの軟化点が低すぎるために紡出糸条の融着が発生し、
比較例3ではコポリエステルの溶融粘性が高すぎるため
に、それぞれバインダー繊維の紡糸ができなかった。ま
た、比較例4ではフェノール性水酸基を有する芳香族ジ
カルボン酸成分の共重合量が少なすぎるため、比較例5
ではバインダー繊維表面のエポキシ化合物の量が少なす
ぎるため、比較例6ではバインダー繊維表面のエポキシ
化合物中が分子中にグリシジル基を1個しか持っていな
いため、それぞれ接着時にコポリエステルが溶融しても
架橋構造が十分にできず、コポリエステルの融点近傍の
高温雰囲気下になると不織布強力が大きく低下し、コポ
リエステルの融点を超える温度下では不織布の形態を保
てなくなり、不織布強力の評価ができなかった。なお、
比較例7ではバインダー繊維の表面にコポリエステル成
分が存在しないため、主体繊維間の接着がされず、不織
布を作製できなかった。
が高すぎるため、主体繊維間の接着がされず、不織布を
作製できなかった。次に、比較例2では、コポリエステ
ルの軟化点が低すぎるために紡出糸条の融着が発生し、
比較例3ではコポリエステルの溶融粘性が高すぎるため
に、それぞれバインダー繊維の紡糸ができなかった。ま
た、比較例4ではフェノール性水酸基を有する芳香族ジ
カルボン酸成分の共重合量が少なすぎるため、比較例5
ではバインダー繊維表面のエポキシ化合物の量が少なす
ぎるため、比較例6ではバインダー繊維表面のエポキシ
化合物中が分子中にグリシジル基を1個しか持っていな
いため、それぞれ接着時にコポリエステルが溶融しても
架橋構造が十分にできず、コポリエステルの融点近傍の
高温雰囲気下になると不織布強力が大きく低下し、コポ
リエステルの融点を超える温度下では不織布の形態を保
てなくなり、不織布強力の評価ができなかった。なお、
比較例7ではバインダー繊維の表面にコポリエステル成
分が存在しないため、主体繊維間の接着がされず、不織
布を作製できなかった。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、製糸性よく製造するこ
とが可能であり、かつ、バインダーとして用いれば、主
体繊維間を有効に接着することができるとともに、接着
した繊維製品を高温雰囲気下で使用しても接着強度の低
下が少ない熱硬化型バインダー繊維が提供される。
とが可能であり、かつ、バインダーとして用いれば、主
体繊維間を有効に接着することができるとともに、接着
した繊維製品を高温雰囲気下で使用しても接着強度の低
下が少ない熱硬化型バインダー繊維が提供される。
Claims (1)
- 【請求項1】 融点又は軟化点が80〜 200℃であり、フ
ェノール性水酸基を少なくとも1個以上有する芳香族ジ
カルボン酸が全酸成分の2〜20モル%共重合されたコポ
リエステルが繊維表面の少なくとも一部を占める繊維で
あって、繊維表面に分子中にグリシジル基を2個以上有
するエポキシ化合物が繊維重量の0.1重量%以上存在し
ていることを特徴とする熱硬化型バインダー繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27923199A JP2001098427A (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | 熱硬化型バインダー繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27923199A JP2001098427A (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | 熱硬化型バインダー繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001098427A true JP2001098427A (ja) | 2001-04-10 |
Family
ID=17608271
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27923199A Pending JP2001098427A (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | 熱硬化型バインダー繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001098427A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010075248A1 (en) * | 2008-12-23 | 2010-07-01 | 3M Innovative Properties Company | Curable fiber and compositions comprising the same; method of trating a subterranean formation |
US8813842B2 (en) | 2008-12-23 | 2014-08-26 | 3M Innovative Properties Company | Particles comprising blocked isocyanate resin and method of modifying a wellbore using the same |
US11598031B2 (en) | 2011-07-07 | 2023-03-07 | 3M Innovative Properties Company | Article including multi-component fibers and hollow ceramic microspheres and methods of making and using the same |
-
1999
- 1999-09-30 JP JP27923199A patent/JP2001098427A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010075248A1 (en) * | 2008-12-23 | 2010-07-01 | 3M Innovative Properties Company | Curable fiber and compositions comprising the same; method of trating a subterranean formation |
CN102348838A (zh) * | 2008-12-23 | 2012-02-08 | 3M创新有限公司 | 可固化纤维和包含该纤维的组合物;处理地下地层的方法 |
US8813842B2 (en) | 2008-12-23 | 2014-08-26 | 3M Innovative Properties Company | Particles comprising blocked isocyanate resin and method of modifying a wellbore using the same |
US9556541B2 (en) | 2008-12-23 | 2017-01-31 | 3M Innovative Properties Company | Curable fiber |
EA028321B1 (ru) * | 2008-12-23 | 2017-11-30 | 3М Инновейтив Пропертиз Компани | Отверждаемое волокно, композиции, его содержащие, и способ обработки подземных формаций |
US11598031B2 (en) | 2011-07-07 | 2023-03-07 | 3M Innovative Properties Company | Article including multi-component fibers and hollow ceramic microspheres and methods of making and using the same |
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