JPH07119011A - ポリエステル系耐熱不織布および製造方法 - Google Patents

ポリエステル系耐熱不織布および製造方法

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JPH07119011A
JPH07119011A JP5291221A JP29122193A JPH07119011A JP H07119011 A JPH07119011 A JP H07119011A JP 5291221 A JP5291221 A JP 5291221A JP 29122193 A JP29122193 A JP 29122193A JP H07119011 A JPH07119011 A JP H07119011A
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JP
Japan
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polyester
heat treatment
sheath
nonwoven fabric
core
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Application number
JP5291221A
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English (en)
Inventor
Ryokichi Kinoshita
良吉 木下
Keizo Watanabe
敬三 渡辺
Mayusato Nakao
麻由里 中尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温雰囲気下で使用したときも強力を保持し
ている耐熱性不織布およびその製造方法を提供する。 【構成】 2デニール、51mmのポリエチレンテレフ
タレート繊維50%と、芯部が融点256℃のポリエチ
レンテレフタレートで、鞘部がテレフタル酸/エチレン
グリコール/1,4ブタンジオール=100/50/50
(モル比)共重合させたものにε−カプロラクトン15
モル%共重合して得たTg53℃、Tc120℃、Tm
195℃のブロツク共重合ポリエステルであるポリエス
テル系芯鞘複合バインダー繊維50%とを混合し、18
0℃で融着熱処理を行って不織布を成形し、次いで13
0℃で5分間耐熱化熱処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温雰囲気下で使用し
たときも強力を保持している耐熱不織布およびその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ルーフイング資材、自動車用内装
材、カーペツト基布等に用いる不織布やマツトレス等の
繊維構造物において構成繊維(以下、主体繊維とい
う。)相互間を接着する目的でホツトメルト型バインダ
ー繊維が広く使用されるようになっている。主体繊維と
しては、比較的安価で優れた物性を有するポリエステル
繊維が最も多く使用されており、これを接着するバイン
ダー繊維もポリエステル系のものが多く使用されてい
る。
【0003】例えば、芯部がポリエチレンテレフタレー
ト、鞘部がイソフタル酸成分を共重合した低融点の非晶
性ポリエステルとする芯鞘型複合バインダー繊維からな
る不織布では、繊維製造時の問題が少なく、また、比較
的低温の熱処理で不織布を成形できるが、高温雰囲気下
になるほど不織布強力が弱くなり、耐熱性を有していな
いという問題点が指摘されている。つまり、結晶性の低
い共重合ポリエステルを鞘成分としたバインダー繊維か
らなる不織布では、耐熱性が十分でなく、これを改良す
るために結晶性共重合ポリエステルを鞘成分としたバイ
ンダー繊維の研究がなされてきた。しかし、この結晶性
共重合ポリエステルは結晶化速度が大きいために溶融紡
糸時の細化中に結晶化が進行し糸切れが生じるという問
題や、前記重合体の結晶化度が本願の目的を達成するほ
ど十分に高くないため十分な耐熱性を有しない。よっ
て、耐熱性と製糸性の両方の性能を十分に満足するもの
はいまだ得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
なバインダー繊維からなる不織布の問題点を解消し、優
れた耐熱性を有し、また製糸性にも優れたポリエステル
系耐熱不織布およびその製造方法を提供しようとするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な新規なポリエステル系バインダー繊維を開発すべく鋭
意検討を重ねた結果、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、ポリエステル繊維9
0〜10重量%と、芯部が融点220℃以上のポリアル
キレンテレフタレートで、鞘部がガラス転移温度20〜
80℃、結晶開始温度90〜130℃、融点130〜1
80℃である芳香族ポリエステルと脂肪族ポリラクトン
とからなるブロツク共重合ポリエステルであるポリエス
テル系芯鞘複合バインダー繊維10〜90重量%とから
なることを特徴とするポリエステル系耐熱不織布を要旨
とするものである。
【0007】また、ポリエステル繊維90〜10重量%
と、芯部が融点220℃以上のポリアルキレンテレフタ
レートで、鞘部がガラス転移温度20〜80℃、結晶開
始温度90〜130℃、融点130〜180℃である芳
香族ポリエステルと脂肪族ポリラクトンとからなるブロ
ツク共重合ポリエステルであるポリエステル系芯鞘複合
バインダー繊維10〜90重量%を混合し、〔バインダ
ー繊維の鞘部を構成する共重合ポリエステルの融点〜
(融点+30)〕℃の温度で融着熱処理を行って不織布
を成形し、次いで〔前記共重合ポリエステルの結晶開始
温度〜(融点−20)〕℃の温度で2分間以上耐熱化熱
処理を行うことを特徴とする前記ポリエステル系耐熱不
織布の製造方法を要旨とするものである。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。ポリエス
テル系芯鞘複合バインダー繊維の芯部は、融点220℃
以上のポリアルキレンテレフタレートである。ポリアル
キレンテレフタレートとしては、ポリエチレンテレフタ
レート(以下、PETと略記する。)・ポリブチレンテ
レフタレート(以下、PBTと略記する。)等が好まし
く、これらの単独重合体、もしくは、本発明の目的を損
なわない範囲であれば、イソフタル酸・フタル酸・アジ
ピン酸・セバシン酸・1,4ブタンジオール・ジエチレン
グリコール・トリエチレングリコール等を10モル%程
度共重合させた共重合体でも良く、また艶消し剤や、滑
剤等の添加剤を添加してもよい。ポリエステル系芯鞘複
合バインダー繊維の芯部の融点が220℃未満である
と、不織布成形の際、融着熱処理の安定性も悪くなり、
また熱処理により芯部の強度が低下するため好ましくな
い。
【0009】ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維の
鞘部は、ガラス転移温度20〜80℃の範囲、結晶開始
温度90〜130℃、融点130〜180℃である芳香
族ポリエステルと脂肪酸ポリラクトンとからなるブロツ
ク共重合ポリエステルである。
【0010】芳香族ポリエステルとしては、PETやP
BT等が好ましく、これらの単独重合体、もしくは、本
発明の目的を損なわない範囲であれば、20モル%以下
の範囲でイソフタル酸・フタル酸・アジピン酸・セバシ
ン酸・ジエチレングリコール・トリエチレングリコール
等を共重合させた共重合体でもよい。20モル%を越え
ると共重合体の融点が下がり本発明の目的から外れるこ
とになるので好ましくない。
【0011】脂肪族ポリラクトンとしては、炭素数4〜
11のラクトンの単独重合体または、二種以上の共重合
体が好ましく、特に,好適なポリラクトンとして、ポリ
ε−カプロラクトンが挙げられる。
【0012】芳香族ポリエステルにブロツク共重合する
脂肪族ポリラクトンの共重合量は,10〜20モル%が
好ましい。共重合量が10モル%未満では結晶性は良く
なるが、融点が180℃を越え、不織布成形の際、融着
熱処理に高温処理が必要となり、20モル%を超える
と、紡糸時の密着が発生し、製糸性が悪くなる。
【0013】ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維の
鞘部となる共重合ポリエステルの融点(以下、Tmと略
記する。)は、130〜180℃の範囲とする必要があ
る。鞘成分となる共重合ポリエステルのTmが130℃
未満では、たとえ繊維化した場合でも、高温雰囲気下で
使用した場合、融解し耐熱性が得られないことから高温
雰囲気下で使用できない。また、180℃を超えると、
高温融着熱処理が必要となり、熱処理による重合体の分
解が起こりやすくなる、経済的にも好ましくない等の問
題がある。
【0014】ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維の
鞘部となる共重合ポリエステルのガラス転移温度(以
下、Tgと略記する。)は、20〜80℃の範囲とする
必要がある。鞘部となる共重合ポリエステルのTgが2
0℃未満では、溶融紡糸時に単糸密着発生による製糸性
が悪くなり、通常の二成分複合溶融紡糸装置では、製造
することが困難である。また、80℃を超えると、延伸
温度を上げなければならず、高温延伸であるため延伸に
よる塑性変形と同時に部分的な結晶化が始まるが、芯部
と鞘部との間で結晶化に差異が生じるため、糸構造にム
ラが生じ、したがって糸切れが発生する等延伸性が低下
する。
【0015】ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維の
鞘部となる共重合ポリエステルの結晶開始温度(以下、
Tcと略記する。)は、90〜130℃の範囲とする必
要がある。ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維の鞘
部となる共重合ポリエステルのTcが90℃未満では、
熱延伸工程で結晶化が進行してしまうため、次の耐熱化
熱処理工程において安定な結晶構造を再構築することが
困難である。また、130℃を超えると融点が180℃
を越えることになりバインダー繊維として使用できな
い。
【0016】不織布を構成する繊維において、ポリエス
テル系芯鞘複合バインダー繊維を10〜90重量%有す
ることが必要である。10重量%未満では、バインダー
効果が不十分となって、十分な繊維相互間の接着強力を
得ることができない。また、90重量%を超えると、耐
熱性には優れるが、手触りが硬く、かつ嵩がなくなり好
適な風合いの不織布を得ることができない。
【0017】ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維の
芯部と鞘部の複合比率は、2/3〜3/2が好ましい
が、特に限定されるものではなく、二成分それぞれの機
能を発揮させるために適宜選択すればよい。
【0018】主体繊維は用途によって選択すればよく、
例えばクツシヨン性や嵩高性が要求されるものであれば
6〜15デニールのポリエステルステープル綿、風合い
のソフトなものが要求される時は1〜5デニール綿を混
合使用することにより、好適な不織布が得られる。
【0019】ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維
は、通常の芯鞘型複合紡糸装置を用いて溶融紡糸し得ら
れた未延伸繊維を延伸した後、必要に応じて捲縮を付与
することによって得ることができる。ついで、この繊維
を切断してステープルとした後、主体繊維であるポリエ
ステルステープルと混綿し、カード等でウエブを形成
し、〔バインダー繊維の鞘部を構成する共重合ポリエス
テルのTm〜(Tm+30)〕℃に昇温した熱処理装置
によって融着熱処理を行って、不織布を成形する。すな
わち、ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維の鞘部の
ブロツク共重合ポリエステルを溶融させ、繊維相互を点
接着し不織布を得る。また、融着熱処理の前にニードリ
ング加工を行っても良い。熱処理装置としては熱風循環
ドライヤー、回転ドラム乾燥機等が用いられる。
【0020】以上の処理で不織布が成形されるが、本発
明は成形された不織布についてさらに耐熱化熱処理を
〔バインダー繊維の鞘部のTc〜(Tm−20)〕℃の
温度で2分間以上行う。この耐熱化熱処理を行うことに
より、高温雰囲気下での不織布強力が保持できる。すな
わち、芯部のTmが220℃以上のポリアルキレンテレ
フタレートからなるため熱延伸する必要があるが、この
とき、鞘部も熱延伸の影響をうけて、結晶化が進行す
る。この際、鞘部のブロツク共重合ポリエステルのTc
が低いと結晶化がすすみ、芯部の重合体が熱分解をしな
い範囲での熱処理を施した時、鞘部に形成された結晶構
造を一旦崩壊させることはできない。従って、このよう
な繊維は、鞘部が芯部を拘束しており芯部が依然内部ひ
ずみをもったままであるため、寸法安定性に劣る。これ
に対し、本発明は鞘部のブロツク共重合ポリエステルが
前記のような高いTcをもっているため、熱延伸時には
比較的低結晶性である。そして、不織布成形後、耐熱化
熱処理を〔バインダー繊維の鞘部のTc〜(Tm−2
0)〕℃の温度で2分間以上行うことにより、新たな内
部ひずみを吸収した結晶構造を構築する。従って、寸法
安定性が著しく向上する。耐熱化熱処理時間が2分未満
では処理時間が短く不織布の耐熱性は不十分となる。ま
た10分を超えて耐熱化熱処理を行っても耐熱性は変わ
らないので、2〜10分の範囲で耐熱化熱処理を行えば
十分である。
【0021】
【作用】本発明のポリエステル系耐熱不織布は、芯鞘複
合バインダー繊維の鞘部が前記載のブロツク共重合ポリ
エステルからなるため、溶融紡糸時に単繊維相互の密着
や繊維の擦過損傷もなく製造時の操業調子も良好であ
る。さらに、前記バインダー繊維を少なくとも10重量
%混綿して得た本発明の不織布は、耐熱化熱処理を行う
ことにより芯鞘複合バインダー繊維の鞘部のブロツク共
重合ポリエステルの結晶化度が大幅に向上し熱的に安定
な構造をつくるため、耐熱性に優れた不織布となる。
【0022】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものでない。
なお、実施例に記述した諸物性の測定および評価は次の
方法により行った。 相対粘度ηR :フエノール四塩化エタンの等重量混合溶
媒で、温度20℃で測定した。 Tg・Tc・Tm:パーキンエルマー社製の示差走査熱
量計DSC−2型を用い、昇温速度20℃/分で測定し
た。 不織布強力:オリエンテツク社製UTM─4型のテンシ
ロンを用い、不織布を幅2.5cm、長さ15cmとして
温度条件変更可能な恒温槽内に投入し、引張速度10c
m/分、つかみ間隔10cmの条件で、伸長切断し、最
大点強力を読み取った。この値を高温雰囲気下の不織布
強力とした。恒温槽温度条件は、90℃、110℃の2
点とし、恒温槽投入1分後について各々試料数10個測
定し、平均値を求めて表2に記載した。また、室温下
(23℃)での不織布強力は、室温下で同様にして求め
た。 高温雰囲気下の不織布強力保持率(%):次式により求
めた。 A(%)=B/C×100 上記式において、Aは、高温雰囲気下の不織布強力保持
率、Bは、90℃あるいは110℃雰囲気下の不織布強力
(g)、Cは、耐熱化熱処理前の室温下の不織布強力
(g)とする。
【0023】実施例1〜7 芯成分に相対粘度1.38、256℃のPETペレツト、
鞘成分にテレフタル酸(TPA)/エチレングリコール
(EG)/1,4ブタンジオール(1,4−BD)=100
/50/50(モル比)共重合させたものに、ε─カプ
ロラクトン(ε−CL)およびδ−バレロラクトン(δ
−VL)を表1に示す割合に従って共重合して得た共重
合ポリエステルペレツトを各々減圧乾燥した。上記ペレ
ツトを通常の二成分複合溶融紡糸装置を用い、1:1の
複合比率(体積比)で、紡糸温度270℃、吐出量20
6g/分、口金板孔数225孔、紡糸速度700m/分
で紡糸した。紡出糸条を冷風(18℃)で冷却し、引き
取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸条を集束し、
10万デニールのトウにして延伸倍率を3.3倍、延伸温
度60℃で延伸し、次いで押し込み式クリンパーで捲縮
を付与したのち51mmに切断して単糸繊度4デニール
の実施例1〜7のポリエステル系芯鞘複合バインダー繊
維を得た。得られた実施例1〜7のポリエステル系芯鞘
複合バインダー繊維の鞘成分のブロツク共重合ポリエス
テルのTg・Tc・TmおよびηR を表1に示した。
【0024】実施例8 実施例3において、芯成分に相対粘度1.55、227℃
のPBTペレツトを使用する以外は、実施例3と同様に
して実施例8のポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維
を得た。得られた実施例8のポリエステル系芯鞘複合バ
インダー繊維の鞘成分のブロツク共重合ポリエステルの
Tg・Tc・TmおよびηR を表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】実施例1〜4、6〜8のポリエステル系芯
鞘複合バインダー繊維の製糸性は良好であった。一方、
実施例5のポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維は、
紡糸時に密着が発生し、製糸性は悪かった。
【0027】実施例11 繊度2デニール、繊維長51mmのPET繊維と実施例
3で得られたポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維を
重量割合1:1で混綿し、カード機でウエブとし、回転
乾燥機を用いて熱処理温度160℃×100秒で融着熱
処理を行って成形し、得られた耐熱化熱処理前の不織布
の室温下(23℃)での不織布強力(g)を測定して表
2に示した。次いで100℃×5分で耐熱化熱処理を行
い、目付40g/m2 の耐熱性不織布を得た。
【0028】実施例12〜16 実施例11において、表2に示す熱処理温度および耐熱
化熱処理温度で熱処理をした以外は、実施例11と同様
にして実施例12〜16の耐熱性不織布を得た。
【0029】実施例17 実施例11において、実施例2で得られたポリエステル
系芯鞘複合バインダー繊維を用いて、表2に示す熱処理
温度および耐熱化熱処理温度で熱処理をした以外は、実
施例11と同様にして実施例17の耐熱性不織布を得
た。
【0030】実施例18 実施例11において、実施例4で得られたポリエステル
系芯鞘複合バインダー繊維を用いて、表2に示す熱処理
温度および耐熱化熱処理温度で熱処理をした以外は、実
施例11と同様にして実施例18の耐熱性不織布を得
た。
【0031】実施例19 実施例11において、実施例8で得られたポリエステル
系芯鞘複合バインダー繊維を用いて、表2に示す熱処理
温度および耐熱化熱処理温度で熱処理をした以外は、実
施例11と同様にして実施例19の耐熱性不織布を得
た。
【0032】実施例20 実施例11において、繊度2デニール、繊維長51mm
のPET繊維と実施例3で得られたポリエステル系芯鞘
複合バインダー繊維を重量割合4:1で混綿した以外
は、実施例11と同様にして実施例20の耐熱性不織布
を得た。
【0033】実施例21 実施例11において、繊度2デニール、繊維長51mm
のPET繊維と実施例3で得られたポリエステル系芯鞘
複合バインダー繊維を重量割合1:4で混綿した以外
は、実施例11と同様にして実施例21の耐熱性不織布
を得た。
【0034】比較実施例1〜2 実施例11において、実施例2で得られたポリエステル
系芯鞘複合バインダー繊維を用いて、表2に示す熱処理
温度および耐熱化熱処理温度で熱処理をした以外は、実
施例11と同様にして比較実施例1〜2の不織布を得
た。
【0035】比較実施例3〜4 実施例11において、実施例4で得られたポリエステル
系芯鞘複合バインダー繊維を用いて、表2に示す熱処理
温度および耐熱化熱処理温度で熱処理をした以外は、実
施例11と同様にして比較実施例3〜4の不織布を得
た。
【0036】比較実施例5 実施例11において、実施例5で得られたポリエステル
系芯鞘複合バインダー繊維を用いて、表2に示す熱処理
温度および耐熱化熱処理温度で熱処理をした以外は、実
施例11と同様にして比較実施例5の不織布を得た。
【0037】比較実施例6 実施例11において、実施例6で得られたポリエステル
系芯鞘複合バインダー繊維を用いて、表2に示す熱処理
温度および耐熱化熱処理温度で熱処理をした以外は、実
施例11と同様にして比較実施例6の不織布を得た。
【0038】比較実施例7 実施例11において、実施例7で得られたポリエステル
系芯鞘複合バインダー繊維を用いて、表2に示す熱処理
温度および耐熱化熱処理温度で熱処理をした以外は、実
施例11と同様にして比較実施例7の不織布を得た。
【0039】比較実施例8 実施例11において、実施例1で得られたポリエステル
系芯鞘複合バインダー繊維を用いて、表2に示す熱処理
温度および耐熱化熱処理温度で熱処理をした以外は、実
施例11と同様にして比較実施例8の不織布を得た。
【0040】比較実施例9 実施例11において、繊度2デニール、繊維長51mm
のPET繊維と実施例3で得られたポリエステル系芯鞘
複合バインダー繊維を重量割合95:5で混綿した以外
は、実施例11と同様にして比較実施例21の耐熱性不
織布を得た。
【0041】比較実施例10 実施例11において、繊度2デニール、繊維長51mm
のPET繊維と実施例3で得られたポリエステル系芯鞘
複合バインダー繊維を重量割合5:95で混綿した以外
は、実施例11と同様にして比較実施例21の耐熱性不
織布を得た。実施例11〜21、比較実施例1〜10で
得られた不織布の室温23℃、及び90℃、110℃雰
囲気下の不織布強力(g)を測定し、それぞれの不織布
強力保持率(%)を求め表2に示した。
【0042】
【表2】
【0043】表2において、本発明のポリエステル系芯
鞘複合バインダー繊維を使用した不織布は、耐熱化熱処
理を行うことにより高温雰囲気下の不織布強力が明らか
に高くなり、耐熱性に優れている。比較実施例1〜4は
不織布成形条件において融着熱処理温度がポリエステル
系芯鞘複合バインダー繊維の鞘成分のブロツク共重合ポ
リエステルのTm〜(Tm+30)℃、あるいは耐熱化
熱処理温度がバインダー繊維の鞘部のブロツク共重合ポ
リエステルのTc〜(Tm−20)℃から外れた温度で
処理されたものであり、高温雰囲気下での不織布強力が
劣るものであった。比較実施例5〜8はバインダー繊維
の鞘部のTg、Tc、あるいはTmが本発明の構成要件
を満たないものである。バインダー繊維の鞘部のTmが
130℃未満である比較実施例5の不織布は、高温雰囲
気下で融解し耐熱性に劣るものであった。バインダー繊
維の鞘部のTcが130℃を越え、Tmが180℃を越
えた比較実施例6の不織布は、不織布成形の際、融着熱
処理により重合体の分解が起こり不織布強力が劣るもの
であった。バインダー繊維の鞘部のTcが90℃未満で
ある比較実施例7の不織布は、熱延伸工程で結晶化が進
行して次の耐熱化熱処理工程において安定な結晶構造が
再構築されず、高温雰囲気下での不織布強力が劣るもの
であった。バインダー繊維の鞘部のTmが180℃を越
える比較実施例8の不織布は、不織布成形の際、融着熱
処理により重合体の分解が起こり不織布強力が劣るもの
であった。比較実施例9〜10は、ポリエステル系芯鞘
複合バインダー繊維と主体繊維との構成比率が1:9〜
9:1から外れるものである。ポリエステル系芯鞘複合
バインダー繊維が本発明の構成比率より少ない比較実施
例9の不織布は、繊維相互間の接着が不十分となりその
結果、不織布強力にも劣り、また耐熱性にも劣るもので
あった。ポリエステル系芯鞘複合バインダー繊維が本発
明の構成比率より多い比較実施例10で得られた不織布
は、耐熱性および不織布強力に優れているが、手触りが
硬く、また嵩がなくペーパーライクなものであった。
【0044】
【発明の効果】本発明のポリエステル系芯鞘複合バイン
ダー繊維は、繊維製造の際、紡糸時の繊維相互間の密着
発生がない。しかも、この繊維を用いて得た不織布は、
高温雰囲気下でも強力を保持し、耐熱性を有する風合い
の柔らかいものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 1/58 A 7199−3B // C08G 63/08 NLZ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル繊維90〜10重量%と、
    芯部が融点220℃以上のポリアルキレンテレフタレー
    トで、鞘部がガラス転移温度20〜80℃、結晶開始温
    度90〜130℃、融点130〜180℃である芳香族
    ポリエステルと脂肪族ポリラクトンとからなるブロツク
    共重合ポリエステルであるポリエステル系芯鞘複合バイ
    ンダー繊維10〜90重量%とからなることを特徴とす
    るポリエステル系耐熱不織布。
  2. 【請求項2】 ポリエステル繊維90〜10重量%と、
    芯部が融点220℃以上のポリアルキレンテレフタレー
    トで、鞘部がガラス転移温度20〜80℃、結晶開始温
    度90〜130℃、融点130〜180℃である芳香族
    ポリエステルと脂肪族ポリラクトンとからなるブロツク
    共重合ポリエステルであるポリエステル系芯鞘複合バイ
    ンダー繊維10〜90重量%を混合し、〔バインダー繊
    維の鞘部を構成する共重合ポリエステルの融点〜(融点
    +30)〕℃の温度で融着熱処理を行って不織布を成形
    し、次いで〔前記共重合ポリエステルの結晶開始温度〜
    (融点−20)〕℃の温度で2分間以上耐熱化熱処理を
    行うことを特徴とする請求項1記載のポリエステル系耐
    熱不織布の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100400725C (zh) * 2006-02-09 2008-07-09 北京服装学院 抗静电、吸湿、可染皮芯型复合纤维及其制备方法
CN102959147A (zh) * 2010-06-24 2013-03-06 株式会社晓星 使用耐热性优异的聚对苯二甲酸乙二醇酯纤维的气囊用织物
CN107923093A (zh) * 2015-08-28 2018-04-17 3M创新有限公司 用于表面扣件的环构件以及成人尿布
JP2021036082A (ja) * 2019-08-30 2021-03-04 ユニチカ株式会社 熱成形体およびその製造方法

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