JPH11241261A - 形状記憶能を有するポリエステル繊維構造体 - Google Patents
形状記憶能を有するポリエステル繊維構造体Info
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- JPH11241261A JPH11241261A JP10045202A JP4520298A JPH11241261A JP H11241261 A JPH11241261 A JP H11241261A JP 10045202 A JP10045202 A JP 10045202A JP 4520298 A JP4520298 A JP 4520298A JP H11241261 A JPH11241261 A JP H11241261A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 形状記憶能を有するポリエステル系繊維とポ
リエステル系芯鞘複合バインダ−繊維からなり、日光又
は熱による嵩回復性に優れた繊維構造体を提供する。 【解決手段】 中空度が10〜40%、単糸繊度10〜
40デニ−ルである形状記憶能を有するポリエステル繊
維90〜50重量%と、芯部が融点220℃以上のポリ
アルキレンテレフタレ−トで、鞘部がガラス転移温度2
0〜80℃、結晶開始温度90〜130℃、融点130
〜180℃であり、テレフタル酸成分、脂肪族ラクトン
成分、エチレングリコ−ル成分及び、1,4−ブタンジ
オ−ル成分からなる共重合ポリエステルであるポリエス
テル系芯鞘複合バインダ−繊維10〜50重量%からな
るポリエステル繊維構造体。
リエステル系芯鞘複合バインダ−繊維からなり、日光又
は熱による嵩回復性に優れた繊維構造体を提供する。 【解決手段】 中空度が10〜40%、単糸繊度10〜
40デニ−ルである形状記憶能を有するポリエステル繊
維90〜50重量%と、芯部が融点220℃以上のポリ
アルキレンテレフタレ−トで、鞘部がガラス転移温度2
0〜80℃、結晶開始温度90〜130℃、融点130
〜180℃であり、テレフタル酸成分、脂肪族ラクトン
成分、エチレングリコ−ル成分及び、1,4−ブタンジ
オ−ル成分からなる共重合ポリエステルであるポリエス
テル系芯鞘複合バインダ−繊維10〜50重量%からな
るポリエステル繊維構造体。
Description
【0001】
【発明に属する技術分野】本発明は、形状記憶能を有す
るポリエステル系繊維とポリエステル系芯鞘複合バイン
ダ−繊維からなり、日光又は熱による嵩回復性に優れた
繊維構造体に関するものである。
るポリエステル系繊維とポリエステル系芯鞘複合バイン
ダ−繊維からなり、日光又は熱による嵩回復性に優れた
繊維構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリエステル繊維を用いたふとん
綿などの寝装品やキルティング衣料が多く使用されるよ
うになってきた。その理由としては、ポリエステル繊維
の優れた特性、すなわち保温性の高いこと、嵩高性に優
れること、衛生的であることなどが挙げられる。一方、
ポリエステル繊維詰め物の欠点としては、日光又は熱に
よる回復性に劣ること、すなわち、使用とともに進行し
ていた嵩減りが日干し乾燥などによって元通りにならな
いことが挙げられる。また、嵩高性に優れることは、運
搬時や、ふとんを押入に保管したときなどには広い場所
を必要とするため、逆に欠点ともなる。
綿などの寝装品やキルティング衣料が多く使用されるよ
うになってきた。その理由としては、ポリエステル繊維
の優れた特性、すなわち保温性の高いこと、嵩高性に優
れること、衛生的であることなどが挙げられる。一方、
ポリエステル繊維詰め物の欠点としては、日光又は熱に
よる回復性に劣ること、すなわち、使用とともに進行し
ていた嵩減りが日干し乾燥などによって元通りにならな
いことが挙げられる。また、嵩高性に優れることは、運
搬時や、ふとんを押入に保管したときなどには広い場所
を必要とするため、逆に欠点ともなる。
【0003】ポリエステル繊維詰め綿の日光回復性を改
良しようとする試みは種々なされており、例えば、特開
昭57−66162号公報には、ポリエチレンテレフタ
レ−トとポリブチレンテレフタレ−ト−ポリエチレング
リコ−ル重合体とをはり合わせた複合繊維、特開昭62
−120873号公報にはポリエステルとナイロン6の
はり合わせ複合繊維からなる詰め物が提案されている。
また、特開平4−327880号には詰め綿用ポリエス
テル繊維として、形状記憶を有する繊維の提案がされて
いる。しかしながら、これらの詰め物は、従来のポリエ
ステル繊維詰め物に比べれば、日光回復性がかなり改良
されるものの、耐熱性のバインダ−繊維を使用していな
いため、長期にわたる使用では嵩減りが起こり、日光回
復性も不充分である。さらに、特開昭61−25235
3号公報には長期の嵩回復性改良としてバインダ−を使
用した繊維構造体が提案されている。しかし、バインダ
−として樹脂接着剤を使用しているために製造工程が複
雑であり、又、樹脂接着剤に耐熱性がないため高温下の
使用に不向きである。
良しようとする試みは種々なされており、例えば、特開
昭57−66162号公報には、ポリエチレンテレフタ
レ−トとポリブチレンテレフタレ−ト−ポリエチレング
リコ−ル重合体とをはり合わせた複合繊維、特開昭62
−120873号公報にはポリエステルとナイロン6の
はり合わせ複合繊維からなる詰め物が提案されている。
また、特開平4−327880号には詰め綿用ポリエス
テル繊維として、形状記憶を有する繊維の提案がされて
いる。しかしながら、これらの詰め物は、従来のポリエ
ステル繊維詰め物に比べれば、日光回復性がかなり改良
されるものの、耐熱性のバインダ−繊維を使用していな
いため、長期にわたる使用では嵩減りが起こり、日光回
復性も不充分である。さらに、特開昭61−25235
3号公報には長期の嵩回復性改良としてバインダ−を使
用した繊維構造体が提案されている。しかし、バインダ
−として樹脂接着剤を使用しているために製造工程が複
雑であり、又、樹脂接着剤に耐熱性がないため高温下の
使用に不向きである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、嵩回復性に
優れ、かつ、優れた物性及び加工性を有するポリエステ
ル繊維構造体を提供するものである。
優れ、かつ、優れた物性及び加工性を有するポリエステ
ル繊維構造体を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究した結果、形状記憶能を有
するポリエステル中空繊維と、ポリエステル系芯鞘複合
バインダ−繊維からなるポリエステル繊維構造体により
この目的が達成されることを見いだし、本発明に達し
た。
題を解決するために鋭意研究した結果、形状記憶能を有
するポリエステル中空繊維と、ポリエステル系芯鞘複合
バインダ−繊維からなるポリエステル繊維構造体により
この目的が達成されることを見いだし、本発明に達し
た。
【0006】すなわち、本発明は、中空度が10〜40
%、単糸繊度10〜40デニ−ルである形状記憶能を有
するポリエステル繊維90〜50重量%と、芯部が融点
220℃以上のポリアルキレンテレフタレ−トで、鞘部
がガラス転移温度20〜80℃、結晶開始温度90〜1
30℃、融点130〜180℃であるテレフタル酸成
分、脂肪族ラクトン成分、エチレングリコ−ル成分及び
1,4−ブタンジオ−ル成分からなる共重合ポリエステ
ルであるポリエステル系芯鞘複合バインダ−繊維10〜
50重量%からなることを特徴とするポリエステル繊維
構造体を要旨とするものである。
%、単糸繊度10〜40デニ−ルである形状記憶能を有
するポリエステル繊維90〜50重量%と、芯部が融点
220℃以上のポリアルキレンテレフタレ−トで、鞘部
がガラス転移温度20〜80℃、結晶開始温度90〜1
30℃、融点130〜180℃であるテレフタル酸成
分、脂肪族ラクトン成分、エチレングリコ−ル成分及び
1,4−ブタンジオ−ル成分からなる共重合ポリエステ
ルであるポリエステル系芯鞘複合バインダ−繊維10〜
50重量%からなることを特徴とするポリエステル繊維
構造体を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、「形状記憶能を有する」とは、任意の
形状Xに成形して、その形状Xをガラス転移点以上の温
度の熱処理により固定記憶させておくと、ガラス転移点
よりも低い温度の下ではその形状Xとは異なる形状Yに
外力により変形させるとその形状Yを保っており、ガラ
ス転移点よりも高い温度にて熱処理することにより、元
の形状Xに回復するという機能を有することをいう。
本発明において、「形状記憶能を有する」とは、任意の
形状Xに成形して、その形状Xをガラス転移点以上の温
度の熱処理により固定記憶させておくと、ガラス転移点
よりも低い温度の下ではその形状Xとは異なる形状Yに
外力により変形させるとその形状Yを保っており、ガラ
ス転移点よりも高い温度にて熱処理することにより、元
の形状Xに回復するという機能を有することをいう。
【0008】つまり、本発明における形状記憶能を有す
るポリエステル繊維は、ガラス転移点よりも低い温度に
することにより固定性を発揮し、ガラス転移点よりも高
い温度に加熱することにより回復性を発揮するものであ
る。
るポリエステル繊維は、ガラス転移点よりも低い温度に
することにより固定性を発揮し、ガラス転移点よりも高
い温度に加熱することにより回復性を発揮するものであ
る。
【0009】本発明における形状記憶能を有するポリエ
ステルとしては、ガラス転移点が10〜60℃の範囲の
ものが好ましく、特に15〜50℃のものが好ましい。
ガラス転移点が10℃未満のものでは、変形固定しても
室温で変形が急速に回復してしまったり、一方、60℃
を越えるものでは、日光やふとん乾燥機による加熱で嵩
を回復することができず、実用的なメリットがなくなっ
てしまう可能性がある。
ステルとしては、ガラス転移点が10〜60℃の範囲の
ものが好ましく、特に15〜50℃のものが好ましい。
ガラス転移点が10℃未満のものでは、変形固定しても
室温で変形が急速に回復してしまったり、一方、60℃
を越えるものでは、日光やふとん乾燥機による加熱で嵩
を回復することができず、実用的なメリットがなくなっ
てしまう可能性がある。
【0010】形状記憶能を有するポリエステルの具体例
としては、芳香族ポリエステルセグメント(ハ−ドセグ
メント)と脂肪族ポリエステルセグメント(ソフトセグ
メント)とが適度な割合で存在するエラストマ−や、芳
香族ポリエステルセグメント(ハ−ドセグメント)とポ
リアルキレングリコ−ルセグメント(ソフトセグメン
ト)とが適度な割合で存在するエラストマ−などが挙げ
られるが、特に前者が好ましい。
としては、芳香族ポリエステルセグメント(ハ−ドセグ
メント)と脂肪族ポリエステルセグメント(ソフトセグ
メント)とが適度な割合で存在するエラストマ−や、芳
香族ポリエステルセグメント(ハ−ドセグメント)とポ
リアルキレングリコ−ルセグメント(ソフトセグメン
ト)とが適度な割合で存在するエラストマ−などが挙げ
られるが、特に前者が好ましい。
【0011】芳香族ポリエステルセグメント(ハ−ドセ
グメント)を構成する芳香族成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、ビスフェノ−ルA、p−ヒドロキシ
安息香酸などのジカルボン酸、ジオ−ル及びヒドロキシ
カルボン酸が挙げられる。
グメント)を構成する芳香族成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、ビスフェノ−ルA、p−ヒドロキシ
安息香酸などのジカルボン酸、ジオ−ル及びヒドロキシ
カルボン酸が挙げられる。
【0012】芳香族成分とハ−ドセグメントを構成した
り、あるいはソフトセグメントを構成する脂肪族成分と
しては、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、エ
イコ二酸、エチレングリコ−ル、ブタンジオ−ル、ヘキ
サンジオ−ル、ε−カプロラクトンなどのジカルボン
酸、ジオ−ル及びオキシカルボンン酸(又はラクトン)
が挙げられる。
り、あるいはソフトセグメントを構成する脂肪族成分と
しては、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、エ
イコ二酸、エチレングリコ−ル、ブタンジオ−ル、ヘキ
サンジオ−ル、ε−カプロラクトンなどのジカルボン
酸、ジオ−ル及びオキシカルボンン酸(又はラクトン)
が挙げられる。
【0013】また、ポリアルキレングリコ−ルとして
は、ポリエチレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリ
コ−ルなどが挙げられる。
は、ポリエチレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリ
コ−ルなどが挙げられる。
【0014】ポリエステル系芯鞘バインダ−繊維の芯部
は、融点220℃以上のポリアルキレンテレフタレ−ト
である。ポリアルキレンテレフタレ−トとしては、ポリ
エチレンテレフタレート(以下、PETと略記す
る。)、ポリブチレンテレフタレ−ト(以下、PBTと
略記する。)等が好ましく、これらの単独重合体、もし
くは、本発明の目的を損なわない範囲であれば、イソフ
タル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−
ブタンジオ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレン
グリコ−ル等を10モル%程度共重合させた共重合体で
もよく、また艶消し剤や、滑剤等の添加剤を添加したも
のでもよい。
は、融点220℃以上のポリアルキレンテレフタレ−ト
である。ポリアルキレンテレフタレ−トとしては、ポリ
エチレンテレフタレート(以下、PETと略記す
る。)、ポリブチレンテレフタレ−ト(以下、PBTと
略記する。)等が好ましく、これらの単独重合体、もし
くは、本発明の目的を損なわない範囲であれば、イソフ
タル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−
ブタンジオ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレン
グリコ−ル等を10モル%程度共重合させた共重合体で
もよく、また艶消し剤や、滑剤等の添加剤を添加したも
のでもよい。
【0015】ポリエステル系芯鞘バインダ−繊維の芯部
の融点は220℃以上とすることが必要であり、好まし
くは230℃以上である。220℃未満であると、不織
布成形の際、融着熱処理の安定性も悪くなり、また熱処
理により芯部が熱劣化して強度が低下するため好ましく
ない。
の融点は220℃以上とすることが必要であり、好まし
くは230℃以上である。220℃未満であると、不織
布成形の際、融着熱処理の安定性も悪くなり、また熱処
理により芯部が熱劣化して強度が低下するため好ましく
ない。
【0016】ポリエステル系芯鞘バインダ−繊維の鞘部
は、テレフタル酸成分、脂肪族ラクトン成分、エチレン
グリコ−ル成分及び1,4−ブタンジオ−ル成分からな
るものが用いられる。
は、テレフタル酸成分、脂肪族ラクトン成分、エチレン
グリコ−ル成分及び1,4−ブタンジオ−ル成分からな
るものが用いられる。
【0017】脂肪族ラクトンとしては、炭素数4〜11
のラクトンが好ましく、特に、好適なラクトンとしてε
−カプロラクトン及びδ−バレロラクトンが挙げられ
る。
のラクトンが好ましく、特に、好適なラクトンとしてε
−カプロラクトン及びδ−バレロラクトンが挙げられ
る。
【0018】共重合ポリエステルの組成は、上記の融点
となるように選定されるが、脂肪族ラクトンの割合が酸
成分(テレフタル酸成分及びラクトン成分の合計)の1
0〜20モル%となるようにすることが好ましい。ラク
トン成分の共重合量が10モル%未満では結晶性は良く
なるが、融点が180℃を越え、熱接着処理を高温で行
うことが必要となり、20モル%を越えると、紡糸時に
密着が発生し、製糸性が悪くなる。
となるように選定されるが、脂肪族ラクトンの割合が酸
成分(テレフタル酸成分及びラクトン成分の合計)の1
0〜20モル%となるようにすることが好ましい。ラク
トン成分の共重合量が10モル%未満では結晶性は良く
なるが、融点が180℃を越え、熱接着処理を高温で行
うことが必要となり、20モル%を越えると、紡糸時に
密着が発生し、製糸性が悪くなる。
【0019】ポリエステル系芯鞘バインダ−繊維の鞘部
となる共重合ポリエステルのガラス転移温度(以下、T
gと略記する)は、20〜80℃の範囲とする必要があ
る。鞘部となる共重合ポリエステルのTgが20℃未満
では、溶融紡糸時に単糸密着発生による製糸性が悪くな
り、通常の二成分混合溶融紡糸装置では、製造すること
が困難である。また、80℃を越えると、延伸を行う際
に延伸温度を上げる必要があり、高温延伸であるため延
伸による塑性変形と同時に部分的な結晶化が始まるが、
芯部と鞘部との間で結晶化に差異が生じるため、糸構造
にムラが生じ、したがって糸切れが発生し延伸性が低下
する等の問題が生じるため、好ましくない。
となる共重合ポリエステルのガラス転移温度(以下、T
gと略記する)は、20〜80℃の範囲とする必要があ
る。鞘部となる共重合ポリエステルのTgが20℃未満
では、溶融紡糸時に単糸密着発生による製糸性が悪くな
り、通常の二成分混合溶融紡糸装置では、製造すること
が困難である。また、80℃を越えると、延伸を行う際
に延伸温度を上げる必要があり、高温延伸であるため延
伸による塑性変形と同時に部分的な結晶化が始まるが、
芯部と鞘部との間で結晶化に差異が生じるため、糸構造
にムラが生じ、したがって糸切れが発生し延伸性が低下
する等の問題が生じるため、好ましくない。
【0020】ポリエステル系芯鞘バインダ−繊維の鞘部
となる共重合ポリエステルの結晶化開始温度(以下、T
cと略記する。)は90〜130℃の範囲とする必要が
ある。鞘部となる共重合ポリエステルのTcが90℃未
満では、熱延伸工程で結晶化が進行してしまうため、次
の耐熱化熱処理工程において安定な結晶構造を再構築す
ることが困難である。また、130℃を越えると融点が
180℃を越えることになり、バインダ−繊維として使
用できない。
となる共重合ポリエステルの結晶化開始温度(以下、T
cと略記する。)は90〜130℃の範囲とする必要が
ある。鞘部となる共重合ポリエステルのTcが90℃未
満では、熱延伸工程で結晶化が進行してしまうため、次
の耐熱化熱処理工程において安定な結晶構造を再構築す
ることが困難である。また、130℃を越えると融点が
180℃を越えることになり、バインダ−繊維として使
用できない。
【0021】ポリエステル系芯鞘バインダ−繊維の鞘部
となる共重合ポリエステルの融点(以下、Tmと略記す
る。)は130〜180℃の範囲とする必要がある。鞘
成分となる共重合ポリエステルのTmが130℃未満で
は、たとえ繊維化した場合でも、高温雰囲気下で使用し
た場合、溶融し耐熱性が得られないことから高温雰囲気
下及び沸水中で使用できない。また、180℃を越える
と、高温での融着熱処理が必要となり、高温熱処理によ
る重合体の分解が起こりやすくなり、また、経済的にも
好ましくない等の問題がある。
となる共重合ポリエステルの融点(以下、Tmと略記す
る。)は130〜180℃の範囲とする必要がある。鞘
成分となる共重合ポリエステルのTmが130℃未満で
は、たとえ繊維化した場合でも、高温雰囲気下で使用し
た場合、溶融し耐熱性が得られないことから高温雰囲気
下及び沸水中で使用できない。また、180℃を越える
と、高温での融着熱処理が必要となり、高温熱処理によ
る重合体の分解が起こりやすくなり、また、経済的にも
好ましくない等の問題がある。
【0022】本発明のポリエステル繊維構造体の製造方
法を、不織布を例に挙げて説明する。まず、形状記憶能
を有するポリエステル繊維(以下、主体繊維と略記す
る。)90〜50重量%と、ポリエステル系芯鞘複合バ
インダー繊維(以下、バインダ−繊維と略記する。)1
0〜50重量%を混綿しカ−ド機にかけふとん綿を作成
する。次いで、バインダ−繊維の鞘部の融点(Tm)+
30℃の温度に昇温した熱処理装置によって融着熱処理
を行って、不織布を成形する。すなわち、ポリエステル
系芯鞘複合バインダ−繊維の鞘部の共重合ポリエステル
を溶融させ、繊維相互を点接着し不織布を得る。熱処理
装置としては熱風循環ドライヤ−、回転ドラム乾燥機等
が用いられる。主体繊維とバインダー繊維の混綿比率と
しては、主体繊維90〜50重量%、バインダー繊維1
0〜50重量%であることが必要であり、特に主体繊維
70〜60重量%、バインダー繊維30〜40重量%で
あることがより好ましい。バインダ−繊維が10重量%
未満であると回復率が小さく、耐洗濯性が劣るため好ま
しくない。バインダ−繊維が50重量%以上であると風
合いが固くなり好ましくない。
法を、不織布を例に挙げて説明する。まず、形状記憶能
を有するポリエステル繊維(以下、主体繊維と略記す
る。)90〜50重量%と、ポリエステル系芯鞘複合バ
インダー繊維(以下、バインダ−繊維と略記する。)1
0〜50重量%を混綿しカ−ド機にかけふとん綿を作成
する。次いで、バインダ−繊維の鞘部の融点(Tm)+
30℃の温度に昇温した熱処理装置によって融着熱処理
を行って、不織布を成形する。すなわち、ポリエステル
系芯鞘複合バインダ−繊維の鞘部の共重合ポリエステル
を溶融させ、繊維相互を点接着し不織布を得る。熱処理
装置としては熱風循環ドライヤ−、回転ドラム乾燥機等
が用いられる。主体繊維とバインダー繊維の混綿比率と
しては、主体繊維90〜50重量%、バインダー繊維1
0〜50重量%であることが必要であり、特に主体繊維
70〜60重量%、バインダー繊維30〜40重量%で
あることがより好ましい。バインダ−繊維が10重量%
未満であると回復率が小さく、耐洗濯性が劣るため好ま
しくない。バインダ−繊維が50重量%以上であると風
合いが固くなり好ましくない。
【0023】本発明におけるポリエステル繊維構造体の
形状記憶能を有するポリエステル繊維は、優れた嵩高
性、保温性を得るため中空率10%以上の中空繊維とす
ることが必要である。しかし、中空率が40%を越すも
のは、口金形状ならびに製糸条件で特別な配慮が必要で
あり、経済的なロスが多く、かつ延伸工程でパンク率が
多く実用的でない。このため、中空率としては10〜4
0%の範囲にすることが必要である。なお、繊維断面形
状は、丸断面をはじめ三角断面などの異形でもよく特に
限定されない。
形状記憶能を有するポリエステル繊維は、優れた嵩高
性、保温性を得るため中空率10%以上の中空繊維とす
ることが必要である。しかし、中空率が40%を越すも
のは、口金形状ならびに製糸条件で特別な配慮が必要で
あり、経済的なロスが多く、かつ延伸工程でパンク率が
多く実用的でない。このため、中空率としては10〜4
0%の範囲にすることが必要である。なお、繊維断面形
状は、丸断面をはじめ三角断面などの異形でもよく特に
限定されない。
【0024】主体繊維の繊度は、10〜40デニ−ルと
することが必要であり、15〜30デニ−ルのものが特
に好ましい。繊度が10デニール未満であると風合い、
保温性は向上するが、開繊性が不良となり、また、嵩高
性が劣ったものとなり、逆に40デニールを越えると粗
硬な風合いに加えて保温性、嵩高性が劣ったものとな
る。
することが必要であり、15〜30デニ−ルのものが特
に好ましい。繊度が10デニール未満であると風合い、
保温性は向上するが、開繊性が不良となり、また、嵩高
性が劣ったものとなり、逆に40デニールを越えると粗
硬な風合いに加えて保温性、嵩高性が劣ったものとな
る。
【0025】本発明のポリエステル繊維構造体は嵩高な
形状を記憶させて使用させる。形状を記憶させるには、
ポリエステルのガラス転移点より高く、流動開始温度よ
り低い温度で熱処理すればよい。嵩高な形状記憶させた
ポリエステル繊維構造体は、圧縮してガラス転移点より
も低い温度にすれば、嵩を小さくすることができ、運搬
時や保管時の嵩を小さくすることができる。また、圧縮
により嵩を小さくした詰め物体や使用により嵩減りした
詰め物体は、ポリエステル繊維のガラス転移点以上、流
動開始温度未満の温度に加熱すれば元の嵩高な状態に回
復する。
形状を記憶させて使用させる。形状を記憶させるには、
ポリエステルのガラス転移点より高く、流動開始温度よ
り低い温度で熱処理すればよい。嵩高な形状記憶させた
ポリエステル繊維構造体は、圧縮してガラス転移点より
も低い温度にすれば、嵩を小さくすることができ、運搬
時や保管時の嵩を小さくすることができる。また、圧縮
により嵩を小さくした詰め物体や使用により嵩減りした
詰め物体は、ポリエステル繊維のガラス転移点以上、流
動開始温度未満の温度に加熱すれば元の嵩高な状態に回
復する。
【0026】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。なお、特性値の測定法は、次のとおりである。 (1)極限粘度(η) フェノールと四塩化エタンと等重量混合物を溶媒とし、
濃度0.5wt%、20℃で測定した。 (2)繊度 JIS L−1015 7−5−1Aの方法で測定し
た。 (3)融点(Tm)及びガラス転移点(Tg) 示差走差熱量計DSC−7型(パ−キンエルマ社製)を
用いて、昇温速度20℃/分で測定した。 (4)中空率(%) 単繊維全体の横断面積Aと中空部の面積Bを、顕微鏡を
用いた画像処理装置で計測し、中空率は下記式で求め、
単繊維50本(中空割れの発生した単繊維は省く)の測
定値の平均値を計算した。 中空率(%)=(B/A)×100 (5)嵩高性 試料を20cm×20cmの大きさにカットし、全体に
5kgの荷重に取り換えて荷重時の嵩を測定した。荷重
時の嵩が23cm3 /g以上であるものを合格とした。 (6)形状記憶能の評価 試料を20cm×20cmの大きさにカットし、180
℃で30分間熱処理し、嵩高な形状を記憶させた後(こ
の時の嵩をaとする)、そのまま室温で冷却し荷重を外
して圧縮した状態の固定を行った(この時の嵩をbとす
る)。次いで、60℃で加熱して嵩高な形状を回復させ
た(この時の嵩をcとする)。この際の圧縮率(%)及
び回復率(%)を下式により求めて評価した。 圧縮率=〔(a−b)/a〕×100 回復率=〔(c−b)/(a−b)〕×100 なお、圧縮率が65%以上で回復率が90%以上のもの
を合格とした。 (7)耐熱ヘタリ性 JISK6401 K法により測定した。30%以下の
ものを合格とした。
する。なお、特性値の測定法は、次のとおりである。 (1)極限粘度(η) フェノールと四塩化エタンと等重量混合物を溶媒とし、
濃度0.5wt%、20℃で測定した。 (2)繊度 JIS L−1015 7−5−1Aの方法で測定し
た。 (3)融点(Tm)及びガラス転移点(Tg) 示差走差熱量計DSC−7型(パ−キンエルマ社製)を
用いて、昇温速度20℃/分で測定した。 (4)中空率(%) 単繊維全体の横断面積Aと中空部の面積Bを、顕微鏡を
用いた画像処理装置で計測し、中空率は下記式で求め、
単繊維50本(中空割れの発生した単繊維は省く)の測
定値の平均値を計算した。 中空率(%)=(B/A)×100 (5)嵩高性 試料を20cm×20cmの大きさにカットし、全体に
5kgの荷重に取り換えて荷重時の嵩を測定した。荷重
時の嵩が23cm3 /g以上であるものを合格とした。 (6)形状記憶能の評価 試料を20cm×20cmの大きさにカットし、180
℃で30分間熱処理し、嵩高な形状を記憶させた後(こ
の時の嵩をaとする)、そのまま室温で冷却し荷重を外
して圧縮した状態の固定を行った(この時の嵩をbとす
る)。次いで、60℃で加熱して嵩高な形状を回復させ
た(この時の嵩をcとする)。この際の圧縮率(%)及
び回復率(%)を下式により求めて評価した。 圧縮率=〔(a−b)/a〕×100 回復率=〔(c−b)/(a−b)〕×100 なお、圧縮率が65%以上で回復率が90%以上のもの
を合格とした。 (7)耐熱ヘタリ性 JISK6401 K法により測定した。30%以下の
ものを合格とした。
【0027】製造例1 テレフタル酸とエチレングリコ−ルとのエステル化反応
により得られたビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタ
レ−ト及びオリゴマ−45kgに、ドデカン二酸5.8
kg、エチレングリコ−ル9.0kg、触媒としてテト
ラブチルチタネ−ト26gを加え、窒素ガス制圧下3.
6kg/cm2 で2時間エステル化反応を行った。得ら
れたエステル化物を重縮合反応器に移して、280℃、
53Paで、3時間重縮合反応を行い、Tg=46℃、
Tm=234℃、〔η〕=0.65のポリエステルAを
得た。
により得られたビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタ
レ−ト及びオリゴマ−45kgに、ドデカン二酸5.8
kg、エチレングリコ−ル9.0kg、触媒としてテト
ラブチルチタネ−ト26gを加え、窒素ガス制圧下3.
6kg/cm2 で2時間エステル化反応を行った。得ら
れたエステル化物を重縮合反応器に移して、280℃、
53Paで、3時間重縮合反応を行い、Tg=46℃、
Tm=234℃、〔η〕=0.65のポリエステルAを
得た。
【0028】製造例2 テレフタル酸とエチレングリコ−ルとのエステル化反応
で得られたテレフタル酸成分とエチレングリコ−ル成分
とのモル比が1/1.13のPETオリゴマ−に、ε−
カプロラクトンを酸性分に対して15モル%及び1,4
−ブタンジオ−ルをジオ−ル成分に対して50モル%の
割合で添加し、1時間エステル化反応を行った後、重縮
合触媒としてテトラブチルチタネ−トを添加し、温度2
60℃、圧力1hPaで3時間重縮合反応を行い、共重
合ポリエステルBを得た。共重合ポリエステルBは、極
限粘度0.64、Tm160℃、Tg40℃、Tc94
℃であった。
で得られたテレフタル酸成分とエチレングリコ−ル成分
とのモル比が1/1.13のPETオリゴマ−に、ε−
カプロラクトンを酸性分に対して15モル%及び1,4
−ブタンジオ−ルをジオ−ル成分に対して50モル%の
割合で添加し、1時間エステル化反応を行った後、重縮
合触媒としてテトラブチルチタネ−トを添加し、温度2
60℃、圧力1hPaで3時間重縮合反応を行い、共重
合ポリエステルBを得た。共重合ポリエステルBは、極
限粘度0.64、Tm160℃、Tg40℃、Tc94
℃であった。
【0029】実施例1 製造例1で得たポリエステルAを中空繊維用紡糸装置を
用いて、紡糸温度280℃、捲取速度1000m/分で
溶融紡糸し、トウ状に集束して4.6倍に延伸し、延伸
トウを得た。続いてこのトウを押し込み式捲縮付与装置
に通して、捲縮を付与した後、180℃で5分間乾燥
し、切断して、繊度30デニ−ル、中空率25%の形状
記憶能を有するポリエステル短繊維を得た。また製造例
2で得た共重合ポリエステルBを通常の二成分複合溶融
紡糸装置を用い、1:1の複合比率(体積比)で紡糸温
度270℃、吐出量900g/分、口金板孔数225
孔、紡糸速度700m/分で紡糸した。得られた未延伸
糸を集束し、10万デニ−ルのトウにして延伸倍率3.
3倍、延伸温度60℃で延伸し、130℃の緊張熱処理
を施し、押し込み式捲縮装置で捲縮を付与し切断して、
単糸繊度15デニ−ルのポリエステル芯鞘複合バインダ
−繊維を得た。形状記憶能を有するポリエステル短繊維
とポリエステル系芯鞘バインダ−繊維を70:30の割
合で混合し、カ−ドにて目付2000g/m2になるよう
に積層したウェブを高さ10cmに規制しながら180
℃×5分で熱処理して、本発明のポリエステル繊維構造
体を得た。
用いて、紡糸温度280℃、捲取速度1000m/分で
溶融紡糸し、トウ状に集束して4.6倍に延伸し、延伸
トウを得た。続いてこのトウを押し込み式捲縮付与装置
に通して、捲縮を付与した後、180℃で5分間乾燥
し、切断して、繊度30デニ−ル、中空率25%の形状
記憶能を有するポリエステル短繊維を得た。また製造例
2で得た共重合ポリエステルBを通常の二成分複合溶融
紡糸装置を用い、1:1の複合比率(体積比)で紡糸温
度270℃、吐出量900g/分、口金板孔数225
孔、紡糸速度700m/分で紡糸した。得られた未延伸
糸を集束し、10万デニ−ルのトウにして延伸倍率3.
3倍、延伸温度60℃で延伸し、130℃の緊張熱処理
を施し、押し込み式捲縮装置で捲縮を付与し切断して、
単糸繊度15デニ−ルのポリエステル芯鞘複合バインダ
−繊維を得た。形状記憶能を有するポリエステル短繊維
とポリエステル系芯鞘バインダ−繊維を70:30の割
合で混合し、カ−ドにて目付2000g/m2になるよう
に積層したウェブを高さ10cmに規制しながら180
℃×5分で熱処理して、本発明のポリエステル繊維構造
体を得た。
【0030】実施例2 形状記憶能を有するポリエステル短繊維とポリエステル
系芯鞘バインダ−繊維を80:20の割合で混合し、実
施例1と同様の操作で本発明のポリエステル繊維構造体
を得た。
系芯鞘バインダ−繊維を80:20の割合で混合し、実
施例1と同様の操作で本発明のポリエステル繊維構造体
を得た。
【0031】実施例3 形状記憶能を有するポリエステル短繊維とポリエステル
系芯鞘バインダ−繊維を50:50の割合で混合し、実
施例1と同様の操作で本発明のポリエステル繊維構造体
を得た。
系芯鞘バインダ−繊維を50:50の割合で混合し、実
施例1と同様の操作で本発明のポリエステル繊維構造体
を得た。
【0032】実施例4 形状記憶能を有するポリエステル短繊維の中空度35%
した以外は、実施例1と同様の操作で本発明のポリエス
テル繊維構造体を得た。
した以外は、実施例1と同様の操作で本発明のポリエス
テル繊維構造体を得た。
【0033】実施例5 形状記憶能を有するポリエステル短繊維の中空度10%
した以外は、実施例1と同様の操作で本発明のポリエス
テル繊維構造体を得た。
した以外は、実施例1と同様の操作で本発明のポリエス
テル繊維構造体を得た。
【0034】実施例6 形状記憶能を有するポリエステル短繊維の繊度10デニ
−ルにした以外は、実施例1と同様の操作で本発明のポ
リエステル繊維構造体を得た。
−ルにした以外は、実施例1と同様の操作で本発明のポ
リエステル繊維構造体を得た。
【0035】実施例7 形状記憶能を有するポリエステル短繊維の繊度40デニ
−ルにした以外は、実施例1と同様の操作で本発明のポ
リエステル繊維構造体を得た。
−ルにした以外は、実施例1と同様の操作で本発明のポ
リエステル繊維構造体を得た。
【0036】比較例1 形状記憶能を有するポリエステル短繊維の繊度5デニ−
ルにした以外は、実施例1と同様の操作で比較例として
のポリエステル繊維構造体を得た。
ルにした以外は、実施例1と同様の操作で比較例として
のポリエステル繊維構造体を得た。
【0037】比較例2 形状記憶能を有するポリエステル短繊維の繊度50デニ
−ルにした以外は、実施例1と同様の操作で比較例とし
てのポリエステル繊維構造体を得た。
−ルにした以外は、実施例1と同様の操作で比較例とし
てのポリエステル繊維構造体を得た。
【0038】比較例3 形状記憶能を有するポリエステル短繊維の繊度30デニ
−ル、中空率5%にした以外は、実施例1と同様の操作
で比較例としてのポリエステル繊維構造体を得た。
−ル、中空率5%にした以外は、実施例1と同様の操作
で比較例としてのポリエステル繊維構造体を得た。
【0039】比較例4 形状記憶能を有するポリエステル短繊維の繊度30デニ
−ル、中空率45%にした以外は、実施例1と同様の操
作で比較例としてのポリエステル繊維構造体を得た。
−ル、中空率45%にした以外は、実施例1と同様の操
作で比較例としてのポリエステル繊維構造体を得た。
【0040】比較例5 形状記憶能を有するポリエステル短繊維とポリエステル
系芯鞘バインダ−繊維を40:60の割合で混合し、実
施例1と同様の操作で比較例としてのポリエステル繊維
構造体を得た。
系芯鞘バインダ−繊維を40:60の割合で混合し、実
施例1と同様の操作で比較例としてのポリエステル繊維
構造体を得た。
【0041】比較例6 形状記憶能を有するポリエステル短繊維とポリエステル
系芯鞘バインダ−繊維を85:15の割合で混合し、実
施例1と同様の操作で比較例としてのポリエステル繊維
構造体を得た。
系芯鞘バインダ−繊維を85:15の割合で混合し、実
施例1と同様の操作で比較例としてのポリエステル繊維
構造体を得た。
【0042】比較例7 ポリエステル芯鞘複合バインダ−繊維の鞘部にテレフタ
ル酸/イソフタル酸=60/40(モル比)とエチレン
グリコ−ルの共重合した〔η〕=0.62のものを使用
した以外は、実施例1と同様の操作で比較例としてのポ
リエステル繊維構造体を得た。上記の実施例および比較
例で得られた繊維および繊維構造体の評価結果を表1に
示す。
ル酸/イソフタル酸=60/40(モル比)とエチレン
グリコ−ルの共重合した〔η〕=0.62のものを使用
した以外は、実施例1と同様の操作で比較例としてのポ
リエステル繊維構造体を得た。上記の実施例および比較
例で得られた繊維および繊維構造体の評価結果を表1に
示す。
【0043】
【表1】
【0044】実施例1〜4で得られた繊維は、紡糸操業
性に問題なく、そのふとん綿は風合い、嵩の回復性、耐
熱ヘタリ性に優れ、ふとん綿性能も満足できるものであ
った。それに対し、比較例1では繊度が小さく、嵩の回
復率が大きいが開繊性が不良となる。比較例2では、繊
度が大きく製糸性に欠ける。比較例3では、主体繊維の
中空率が小さく、保温性に欠け、嵩高の回復率が小さ
い。比較例4では中空率が大きいが、製糸条件に特別な
配慮が必要で経済的なロス多く実用的でない。比較例5
では、バインダ−繊維が多いため嵩高性に欠け、また嵩
の回復率が低く保温性に欠ける。比較例6では、バイン
ダ−繊維が不足しており固綿の耐熱ヘタリ性に劣る。比
較例7ではバインダ−繊維の鞘部が非晶性となり耐熱性
が低いため固綿の耐熱ヘタリ性に劣る。
性に問題なく、そのふとん綿は風合い、嵩の回復性、耐
熱ヘタリ性に優れ、ふとん綿性能も満足できるものであ
った。それに対し、比較例1では繊度が小さく、嵩の回
復率が大きいが開繊性が不良となる。比較例2では、繊
度が大きく製糸性に欠ける。比較例3では、主体繊維の
中空率が小さく、保温性に欠け、嵩高の回復率が小さ
い。比較例4では中空率が大きいが、製糸条件に特別な
配慮が必要で経済的なロス多く実用的でない。比較例5
では、バインダ−繊維が多いため嵩高性に欠け、また嵩
の回復率が低く保温性に欠ける。比較例6では、バイン
ダ−繊維が不足しており固綿の耐熱ヘタリ性に劣る。比
較例7ではバインダ−繊維の鞘部が非晶性となり耐熱性
が低いため固綿の耐熱ヘタリ性に劣る。
【0045】
【発明の効果】本発明のポリエステル繊維構造体は、形
状記憶能を有しているため、嵩高な形状を記憶させてお
くことにより、使用により嵩減りが起こった詰物体の嵩
を加熱より回復させることができる。また、運搬時や保
管時に、圧縮して嵩を小さくしても、加熱により元の嵩
に回復させることができ、ふとん綿、キルティング衣
料、クッション、ぬいぐるみなどの詰物として好適であ
る。
状記憶能を有しているため、嵩高な形状を記憶させてお
くことにより、使用により嵩減りが起こった詰物体の嵩
を加熱より回復させることができる。また、運搬時や保
管時に、圧縮して嵩を小さくしても、加熱により元の嵩
に回復させることができ、ふとん綿、キルティング衣
料、クッション、ぬいぐるみなどの詰物として好適であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 中空度が10〜40%、単糸繊度10〜
40デニ−ルである形状記憶能を有するポリエステル繊
維90〜50重量%と、芯部が融点220℃以上のポリ
アルキレンテレフタレ−トで、鞘部がガラス転移温度2
0〜80℃、結晶開始温度90〜130℃、融点130
〜180℃であり、テレフタル酸成分、脂肪族ラクトン
成分、エチレングリコ−ル成分及び1,4−ブタンジオ
−ル成分からなる共重合ポリエステルであるポリエステ
ル系芯鞘複合バインダ−繊維10〜50重量%からなる
ことを特徴とするポリエステル繊維構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10045202A JPH11241261A (ja) | 1998-02-26 | 1998-02-26 | 形状記憶能を有するポリエステル繊維構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10045202A JPH11241261A (ja) | 1998-02-26 | 1998-02-26 | 形状記憶能を有するポリエステル繊維構造体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11241261A true JPH11241261A (ja) | 1999-09-07 |
Family
ID=12712694
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10045202A Pending JPH11241261A (ja) | 1998-02-26 | 1998-02-26 | 形状記憶能を有するポリエステル繊維構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11241261A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102006012169A1 (de) * | 2006-03-14 | 2007-09-20 | Gkss-Forschungszentrum Geesthacht Gmbh | Formgedächtnispolymer mit Polyester- und Polyethersegmenten und Verfahren zu seiner Herstellung und Programmierung |
KR100817404B1 (ko) | 2006-09-11 | 2008-04-04 | 재단법인서울대학교산학협력재단 | 의류용 형상유지직물의 제조방법 |
WO2015049027A1 (de) * | 2013-10-02 | 2015-04-09 | Carl Freudenberg Kg | Flächengebilde mit hoher temperaturstabilität |
-
1998
- 1998-02-26 JP JP10045202A patent/JPH11241261A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102006012169A1 (de) * | 2006-03-14 | 2007-09-20 | Gkss-Forschungszentrum Geesthacht Gmbh | Formgedächtnispolymer mit Polyester- und Polyethersegmenten und Verfahren zu seiner Herstellung und Programmierung |
DE102006012169B4 (de) * | 2006-03-14 | 2007-12-13 | Gkss-Forschungszentrum Geesthacht Gmbh | Formgedächtnispolymer mit Polyester- und Polyethersegmenten, Verfahren zu seiner Herstellung und Formprogrammierung und Verwendung |
KR100817404B1 (ko) | 2006-09-11 | 2008-04-04 | 재단법인서울대학교산학협력재단 | 의류용 형상유지직물의 제조방법 |
WO2015049027A1 (de) * | 2013-10-02 | 2015-04-09 | Carl Freudenberg Kg | Flächengebilde mit hoher temperaturstabilität |
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