JP2003096624A - ポリエステル系バインダー繊維 - Google Patents

ポリエステル系バインダー繊維

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JP2003096624A
JP2003096624A JP2001296726A JP2001296726A JP2003096624A JP 2003096624 A JP2003096624 A JP 2003096624A JP 2001296726 A JP2001296726 A JP 2001296726A JP 2001296726 A JP2001296726 A JP 2001296726A JP 2003096624 A JP2003096624 A JP 2003096624A
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Masahito Tokutake
政仁 徳竹
Sachiko Okochi
幸子 大河内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ポリエステル系の繊維を主体繊維
とする繊維構造物の接着に適し、かつ、優れた接着性と
耐ブロッキング性を有し、安価に製造することができる
ポリエステル系バインダー繊維を提供する。 【解決手段】 ポリアルキレンテレフタレートAと下記
ポリエステルBとからなり、ポリエステルBが繊維表面の
少なくとも一部を占めているポリエステル系バインダー
繊維。 ポリエステルB:フタル酸成分を10モル%以上とナフタレ
ンジカルボン酸成分を5モル%以上含有する芳香族ジカル
ボン酸成分とアルキレングリコール成分とで構成され、
極限粘度が0.35〜0.65、ガラス転移温度が65℃以上であ
るコポリエステル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた接着性と耐
ブロッキング性を有するホットメルト型ポリエステル系
バインダー繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、枕や寝装用の詰物、キルティング
の詰物、マットレスの詰物等を構成する繊維(以下主体
繊維と略称する)を接着する目的で、ホットメルト型バ
インダー繊維が広く使用されている。このようなバイン
ダー繊維として、ポリエチレンを鞘とし、ポリプロピレ
ンを芯とする芯鞘型ポリオレフィン系繊維(特開昭58-18
0614号、同58-191215号等)、および低軟化点コポリエス
テルからなる繊維や、低軟化点コポリエステルを鞘と
し、高軟化点ポリエステルを芯とするポリエステル系繊
維、およびこれを用いて接着したポリエステル繊維構造
物が提案されている。(米国特許第4,129,675号、特開昭
57-66117号等)
【0003】しかし、ポリオレフィン系バインダー繊維
は、接着される主体繊維がポリオレフィン系である場合
には好ましいものであるが、接着される主体繊維が近年
広く使用されているポリエステル繊維の場合には、互い
に非相溶系であるため接着効果が乏しく、バインダー繊
維を多量に使用しなければならなくなり、肝心の主体繊
維の特性を損なうという問題があった。
【0004】現在、ポリエステル系バインダー繊維は、
テレフタル酸とイソフタル酸およびエチレングリコール
を主成分とするコポリエステルを接着成分とするものが
広く使用されているが、溶融時の流動性が悪く、また、
接着強力が不十分な場合もあり、十分な接着強力を得る
ためには、多量に使用する必要があった。
【0005】この問題を解決するものとして、特開平7-
258921号公報には、フタル酸成分を用いた特定の共重合
組成のコポリエステルを接着成分とした複合バインダー
繊維が提案されている。フタル酸成分を用いたコポリエ
ステルは、溶融時の流動性に優れ、接着強力が向上する
が、ガラス転移温度が低下するため、バインダー繊維の
製造時や輸送、保管時等にブロッキングを起こしやす
い。一旦ブロッキングを起こすとバインダー繊維は開繊
が困難となり、使用できなくなるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決し、ポリエステル系の繊維を主体繊維とする繊
維構造物の接着に適し、かつ、優れた接着性と耐ブロッ
キング性を有し、安価に製造することができるポリエス
テル系バインダー繊維を提供することを技術的な課題と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく検討した結果、本発明に到達した。すなわ
ち、本発明は、ポリアルキレンテレフタレートAと下記
ポリエステルBとからなり、ポリエステルBが繊維表面の
少なくとも一部を占めていることを特徴とするポリエス
テル系バインダー繊維を要旨とするものである。 ポリエステルB:フタル酸成分を10モル%以上とナフタレ
ンジカルボン酸成分を5モル%以上含有する芳香族ジカル
ボン酸成分とアルキレングリコール成分とで構成され、
極限粘度が0.35〜0.65、ガラス転移温度が65℃以上であ
るコポリエステル。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明におけるポリアルキレンテレフタレートA
としては、融点が220℃以上のものが好ましい。具体的
には、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレ
フタレート、ポリプロピレンテレフタレート等が挙げら
れるが、強度特性の点でポリエチレンテレフタレート
(以下、PETと略称する)が好ましい。
【0009】ポリエステルBは、フタル酸成分を10モル%
以上とナフタレンジカルボン酸成分を5モル%以上含有す
る芳香族ジカルボン酸成分とアルキレングリコール成分
とで構成される。フタル酸、ナフタレンジカルボン酸以
外の芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、
イソフタル酸等が好適である。
【0010】ポリエステルBの酸成分におけるフタル酸
成分の割合は10モル%以上とし、ナフタレンジカルボン
酸成分の割合は5モル%以上とすることが必要である。フ
タル酸成分の割合が10モル%未満であると溶融時のコポ
リエステルの流動性が悪くなり、接着強力が不十分とな
る。また、ナフタレンジカルボン酸成分の割合が5モル%
未満であるとコポリエステルのガラス転移温度が低下
し、バインダー繊維の製造時や輸送、保管時等にブロッ
キングを起こしやすくなる。
【0011】これらの成分の上限については、特に規定
はしないが、フタル酸成分の割合は50モル%以下とする
ことが好ましい。50モル%を超えると、ガラス転移温度
の低下が大きくなる場合がある。また、ナフタレンジカ
ルボン酸成分も50モル%以下とすることが好ましい。50
モル%を超えると、コストがアップするばかりか、軟化
温度が高くなって接着時の熱処理温度を高くしなければ
ならなかったり、溶融時の流動性が劣るものとなる場合
がある。
【0012】ナフタレンジカルボン酸成分としては、工
業的に入手可能な高純度原料は、ナフタレンジカルボン
酸ジメチルが挙げられるが、本発明においては、安価に
製造するために、リサイクルされたポリエステルに由来
するものを用いることが好ましい。すなわち、一度他の
用途に用いられるか、あるいは成形品等の製造工程で廃
棄物として扱われた後、回収リサイクルされたポリエス
テルであって、アルキレンナフタレート単位を90モル%
以上含有するポリエステルを解重合して用いることが好
ましい。
【0013】その場合、グリコール成分とフタル酸成分
とのエステル化反応時に、リサイクルされたアルキレン
ナフタレート単位を90モル%以上含有するポリエステル
を添加して同時に解重合を行う方法や、PETオリゴマ
ー、グリコール成分とフタル酸成分とのエステル化物を
重合反応缶に移送した後、重合反応缶にリサイクルされ
たアルキレンナフタレート単位を90モル%以上含有する
ポリエステルと解重合用のグリコール成分を添加して解
重合反応を行い、重縮合反応に移行する方法を採用する
ことが好ましい。
【0014】ポリエステルBのアルキレングリコール成
分としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。そして、
これらを単独、あるいは2種以上組み合わせて用いても
よく、特にエチレングリコールを主成分として用いたも
のが好適である。
【0015】さらに、ポリエステルBは極限粘度が0.35
〜0.65、さらに好ましくは0.45〜0.60のものとする。極
限粘度が0.35未満であると、複合紡糸する場合、紡糸性
が悪くなるため好ましくない。一方、極限粘度が0.65を
超えると溶融時の流動性が悪くなり、接着性が劣るよう
になるため好ましくない。
【0016】また、ポリエステルBは、ガラス転移温度
が65℃以上であることが必要である。65℃未満であると
バインダー繊維の製造時や輸送、保管時等にブロッキン
グを起こしやすくなるので好ましくない。上限について
は特に限定するものではないが、あまり高くなりすぎる
と、バインダー繊維を用いて接着した繊維構造物の柔軟
性が劣ったり、風合いが硬くなることがあるため、90
℃以下とすることが好ましい。
【0017】ポリエステルBには、その特性が大きく変
化しない範囲で、他の成分、例えば、アジピン酸やセバ
シン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、
ビスフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキサイ
ド付加体等の芳香族ジオール、P-ヒドロキシ安息香酸の
エチレンオキサイド付加体、ε-カプロラクトン等のヒ
ドロキシカルボン酸類等を共重合成分として少量含有し
ていてもよく、ヒンダードフェノール化合物、リン化合
物のような安定剤、コバルト化合物、蛍光剤、染料のよ
うな色調改良剤、二酸化チタンのような顔料等の添加物
を含有していてもよい。
【0018】なお、ポリエステルBは、例えば次のよう
にして得ることができる。まず、所定の温度で窒素ガス
制圧下、エステル化反応槽にエチレングリコール(以下E
Gと略称する)とテレフタル酸(以下TPAと略称する)のス
ラリーを添加し、エステル化反応物を得る。また、撹拌
装置と充填塔を備えた反応缶に、EGと、フタル酸成分と
して無水フタル酸および/またはフタル酸と、ナフタレ
ンジカルボン酸成分としてナフタレンジカルボン酸ジメ
チルのスラリーを投入し、常圧下で撹拌しながらエステ
ル化反応物を得る。これらのエステル化反応物を重合反
応缶に移送し、昇温しつつ、減圧下にて、所定の極限粘
度となるまで重縮合反応を行う。重縮合反応は、通常、
重縮合反応触媒の存在下で行われ、アンチモン、ゲルマ
ニウム、スズ、チタン、亜鉛、アルミニウム、コバルト
などの金属化合物が好適に用いられる。
【0019】そして、本発明の繊維は、繊維表面の少な
くとも一部がポリエステルBで形成されていればよく、
その形態としては、接合型、芯鞘型、海島型、多層接合
型等の複合繊維の繊維表面を占める成分の一部または全
部がポリエステルBで形成されているものであればよ
い。特に、製糸性の面から芯鞘型とすることが好まし
い。
【0020】また、複合割合は、ポリエステルBが20〜8
0質量%となるようにすることが好ましい。ポリエステル
Bが20質量%未満であると十分な接着性が得られず、80質
量%を超えると製糸性が悪化するとともに、繊維の強度
が低下して好ましくない。
【0021】本発明のバインダー繊維は、ポリエステル
AとポリエステルBとを上記のような割合及び形態となる
ように、常法により複合溶融紡糸し、延伸し、必要に応
じて切断することにより製造することができる。
【0022】そして、本発明のバインダー繊維は、短繊
維とし、ポリエステル系の主体繊維と混綿し、カードに
通してウエブとし、熱処理して不織布や詰物等とする。
また、通常のポリエステル長繊維と本発明のバインダー
繊維を混合し、短繊維とした後、ウエブを形成してもよ
い。
【0023】
【作用】本発明のバインダー繊維は、複合繊維を構成す
る一方のポリエステル成分がフタル酸成分を特定量共重
合したものであるため、溶融時の流動性が良好であり、
優れた接着性を示す。また、ナフタレンジカルボン酸成
分を特定量共重合しているため、ガラス転移温度を65℃
以上と実用上十分に高いものとすることができ、バイン
ダー繊維の製造時や輸送、保管時等に比較的高温の雰囲
気下になってもブロッキングを起こしにくくすることが
可能となる。また、従来、ナフタレンジカルボン酸成分
は高価な原料であるため、これを使用するとバインダー
繊維のコストアップが避けられなかったが、ナフタレン
ジカルボン酸成分の原料として、リサイクルされたポリ
エステルを用いることで安価に製造することが可能とな
る。
【0024】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、例中の特性値の測定は次のとおりに行った。 (a)極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンとの等質量混合溶媒を用い、
温度20℃で測定した。 (b)ポリエステルの組成 1H-NMRスペクトロメータ(日本電子社製JNM-LA4000型)
を用いて測定した。 (c)ガラス転移温度(Tg) 示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC-7型)を用い
て、昇温速度20℃/分で測定した。 (d)軟化温度(Ts) 自動融点測定装置(柳本社製AMP-1型)を用い、昇温速度1
0℃/分でシリコーン浴中での針入温度を求めて軟化温度
とした。 (e)接着性(不織布強力) 得られたバインダー繊維30質量部と、〔η〕=0.68、長
さ51mm、繊度2.2デシテックスのPET繊維70質量部とを混
綿し、カードに通して目付50g/m2のウエブとし、200℃
の回転乾燥機で2分間熱処理し、不織布を作成した。次
に、この不織布を幅25mm、長さ100mmに裁断して試料と
し、定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製テンシ
ロンUTM-4-100型)を用いて、温度25℃、引張速度100mm/
分で測定を行った。判定については、不織布強力が2000
g以上のものを合格とした。 (f)バインダー繊維の耐ブロッキング性 得られたバインダー繊維40gを80cm3の型に入れて密封
し、60℃で16時間熱処理を行い、繊維を型から取り出し
てブロッキングの程度を目視で判定した。 ○:ブロッキング無し △:一部ブロッキング部分あり ×:全体がブロッキングしており、開繊不可
【0025】実施例1 無水フタル酸(以下PAと略称する)とEGのスラリーを撹拌
装置と充填塔を備えた反応缶に投入し、常圧下で撹拌し
ながら反応温度200℃にて、生成してくる水を反応系外
に除去しながら、5時間エステル化反応を行い、反応率9
5%のエステル化物(A)を得た。また、PETオリゴマーの
存在するエステル化反応缶にTPAとEGのスラリーを連続
的に供給し、温度250℃、圧力0.1MPaGの条件で反応さ
せ、滞留時間を8時間として、反応率95%のエステル化
物(B)を連続的に得た。エステル化物(A)15.6kg、エステ
ル化物(B)30.2kgを重縮合反応缶に移送し、ナフタレン
ジカルボン酸成分を有するポリエステルとして〔η〕=
0.60の回収リサイクルされたポリエチレンナフタレート
(以下PENと略称する)のチップを6.1kg、解重合用のEGを
3.2kg(PENの酸成分に対して2.0倍のモルに相当する量)
添加し、内温270℃で30分間解重合反応を行った。次
に、反応系内に三酸化アンチモンの1.8質量%EG溶液と、
トリエチルホスフェートを加えた。そして、重縮合反応
缶内の温度を30分間で285℃に昇温しつつ、圧力を徐々
に減じて1時間後に1.2hPa以下とした。この条件で、攪
拌しながら2時間重縮合反応を行い、常法により払い出
してポリエステルBのチップを得た。このポリエステルB
のチップと、ポリアルキレンテレフタレートAとして
〔η〕=0.68のPETチップとを常法により乾燥し、複合溶
融紡糸装置を用いて、吐出孔数225の同心芯鞘型紡糸口
金により、紡糸温度270℃、吐出量250g/min、複合質量
比1:1で前者が鞘となるように溶融紡糸し、冷却して800
m/minの速度で捲取り、複合未延伸糸を得た。そして、
この未延伸糸を11万デシテックスのトウに集束し、延伸
温度45℃、延伸倍率3.2で延伸し、押し込み式クリンパ
ーで捲縮を与えた後、長さ51mmに切断して単糸繊度4.4
デシテックスのバインダー繊維を得た。
【0026】実施例2、3、比較例1、2 エステル化物(A)、(B)、および回収リサイクルされたPE
Nのチップ、解重合用EGの重合時の仕込み量を表1に示す
ものとなるように変更した以外は、実施例1と同様に行
った。
【0027】実施例4 実施例1と同様にしてエステル化物(A)、 (B)を得た。
さらに、イソフタル酸(以下IPAと略称する)とEGのスラ
リーを撹拌装置と充填塔を備えた反応缶に投入し、常圧
下で撹拌しながら反応温度200℃にて、生成してくる水
を反応系外に除去しながら、5時間エステル化反応を行
い、反応率95%のエステル化物(C)を得た。エステル化
物(A)6.8kg、エステル化物(B)30.2kg、エステル化物(C)
16.0kgを重縮合反応缶に移送し、ナフタレンジカルボン
酸成分を有するポリエステルとして〔η〕=0.60の回収
リサイクルされたPENのチップを4.3kg、解重合用のEGを
2.2kg(PENの酸成分に対して2.0倍のモルに相当する量)
添加し、内温270℃で30分間解重合反応を行った。次
に、実施例1と同様に三酸化アンチモンを加えて重縮合
反応を行い、常法により払い出してポリエステルBのチ
ップを得た。そして、得られたポリエステルBを用い、
実施例1と同様にしてバインダー繊維を得た。
【0028】比較例3、4 重縮合反応時間を比較例3では1時間、比較例4では3時間
とした以外は実施例1と同様に行い、バインダー繊維を
得た。
【0029】実施例1〜4、比較例1〜4で得られたポ
リエステルBの特性値、バインダー繊維の性能の評価結
果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1から明らかなように、実施例1〜4で得
られたバインダー繊維は、ポリエステル系の繊維を主体
繊維とする繊維構造物の接着に適し、かつ、優れた接着
性と耐ブロッキング性を有していた。一方、比較例1で
はポリエステルBにおけるフタル酸成分の割合が少なす
ぎたために、ポリエステルBの溶融時の流動性が悪くな
り、得られたバインダー繊維からなる不織布は接着強力
に劣るものであった。比較例2ではポリエステルBにお
けるナフタレンジカルボン酸成分の割合が少なすぎたた
めにガラス転移温度が低下し、得られたバインダー繊維
は耐ブロッキング性に劣るものであった。比較例3では
ポリエステルBの極限粘度が低すぎたために紡糸性が悪
く、バインダー繊維を得ることができなかった。比較例
4ではポリエステルBの極限粘度が高すぎたために、ポリ
エステルBの溶融時の流動性が悪くなり、得られたバイ
ンダー繊維からなる不織布は接着強力に劣るものであっ
た。
【0032】
【発明の効果】本発明のバインダー繊維は、ガラス転移
温度が高く、溶融時の流動性が良好なコポリエステルを
接着成分としているので、ポリエステル系の主体繊維と
の間を接着性よく接着することができ、かつ、バインダ
ー繊維の製造時や輸送、保管時等にブロッキングを起こ
すことがなく、取り扱い性に優れている。また、このコ
ポリエステルはナフタレンジカルボン酸成分として、リ
サイクルされたPEN等のポリエステルを解重合したもの
を用いることにより、安価に製造することが可能であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L041 AA07 AA20 BA02 BA05 BA21 BA49 BA59 BD04 BD11 CA06 CA10 CA61 DD01 4L047 AA21 AA28 AB02 AB10 BA09 BB06 BB09 CB09 CB10 CC06 CC07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアルキレンテレフタレートAと下記
    ポリエステルBとからなり、ポリエステルBが繊維表面の
    少なくとも一部を占めていることを特徴とするポリエス
    テル系バインダー繊維。 ポリエステルB:フタル酸成分を10モル%以上とナフタレ
    ンジカルボン酸成分を5モル%以上含有する芳香族ジカル
    ボン酸成分とアルキレングリコール成分とで構成され、
    極限粘度が0.35〜0.65、ガラス転移温度が65℃以上であ
    るコポリエステル。
  2. 【請求項2】ポリエステルB中のナフタレンジカルボン
    酸成分がリサイクルされたポリエステルに由来すること
    を特徴とする請求項1記載のポリエステル系バインダー
    繊維。
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