JP3397914B2 - コポリエステル及びその製造法 - Google Patents

コポリエステル及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた接着性を有する
ホットメルト型バインダー繊維用として適するコポリエ
ステル及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、枕や寝装品用の詰物、キルティン
グの詰物、マットレスの詰物等を構成する繊維(主体繊
維)を接着する目的で、ホットメルト型バインダー繊維
が広く使用されている。例えば、ポリエチレンを鞘と
し、ポリプロピレンを芯とする芯鞘型ポリオレフィン系
繊維(特開昭58−180614号、同58−191215号)、低軟化
点コポリエステルからなる繊維や低軟化点コポリエステ
ルを鞘とし、高軟化点ポリエステルを芯とする複合繊維
及びこれを用いて接着したポリエステル繊維構造物が提
案されている(米国特許第 4,129,675号、特開昭57− 6
6117号等)。
【0003】ポリオレフィン系バインダー繊維として用
いられているポリオレフィンは、接着される主体繊維が
ポリオレフィン系である場合には好ましいものである
が、接着される主体繊維がポリエステルの場合には、互
いに非相溶系であるため、接着効果が乏しく、バインダ
ー繊維を多量に使用しなければならず、肝心の主体繊維
の特性を損なうという問題があった。
【0004】現在、ポリエステル系バインダー繊維に
は、テレフタル酸とイソフタル酸及びエチレングリコー
ルを主成分とするコポリエステルが広く使用されている
が、溶融時の流動性が悪く、また、接着強力が不十分な
場合もあり、十分な接着強力を得るためには、多量に使
用する必要があった。また、より安価に製造するため、
コポリエステルの使用量を減らすか、より安価に供給さ
れる原料を使用する必要が生じてきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリエステ
ルを主体繊維とする繊維構造物の接着に適し、かつ、よ
り経済性と操業性に優れたバインダー繊維とすることの
できるコポリエステル及びその製造法を提供しようとす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために種々検討の結果、特定の共重合組成
のコポリエステルとすること及びこのコポリエステルは
特定量のスルホン酸化合物を触媒として使用して重縮合
反応を行うことにより容易に得られることを見出し、本
発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、次のとおりで
ある。 1.構成単位〜からなり、極限粘度が0.35以上で、
色調b値が13以下であるバインダー繊維用コポリエステ
ル。
【化2】 ただし、〜の単位の合計が 100モル%であり、〜
の単位の合計と〜の単位の合計とが実質的に等モ
ル、の単位との単位との合計が全構成単位の6〜55
モル%である。 2.次の成分(1)〜(4)からコポリエステルを製造するに
際し、触媒としてスルホン酸化合物を酸成分1モルに対
してスルホン酸基が0.1×10-4〜20×10-4モルとなる量
で添加し、温度280℃以下、減圧下で極限粘度が0.35以
上になるまで重縮合反応を行うことを特徴とするバイン
ダー繊維用コポリエステルの製造法。 (1) 無水フタル酸及び/又はフタル酸 5〜45モル% (2) テレフタル酸 5〜45モル% (3) イソフタル酸 0〜25モル% (4) エチレングリコール 50モル% ただし、(1)〜(4)の成分の合計が 100モル%であり、
(1)〜(3)の成分の合計と(4) の成分とが実質的に等モル
である。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】本発明のコポリエステルにおいて、構成単
位は無水フタル酸及び/又はフタル酸から誘導される
もので、全構成単位の5〜45モル%、好ましくは7〜25
モル%を占めることが必要である。
【0010】構成単位を形成する原料としては、無水
フタル酸及び/又はフタル酸が用いられるが、コストの
面で無水フタル酸を用いることが好ましい。
【0011】また、構成単位は、テレフタル酸から誘
導されるもので、全構成単位の5〜45モル%とすること
が必要である。
【0012】構成単位の割合が5モル%未満で、構成
単位の割合が45モル%を超えると、バインダー繊維と
して使用するとき、接着時の熱処理温度を非常に高くし
なければならず、主体繊維が軟化して捲縮が損なわれ、
製品の強度や嵩高性が低下して好ましくない。一方、構
成単位の割合が45モル%を超え、構成単位の割合が
5モル%未満となるとガラス転移温度が著しく低下し、
実用上取扱が困難となり好ましくない。
【0013】 さらに、構成単位は、イソフタル酸か
ら誘導されるもので、全構成単位の0〜25モル%とする
ことが必要である。構成単位は、存在しなくても差し
支えないが、コポリエステルのガラス転移温度を低下
せたくない場合には、構成単位を存在させることが好
ましい。すなわち、接着強力を大きくするため、構成単
位の割合を大きくするとコポリエステルのガラス転移
温度が低くなるが、構成単位を存在させるとコポリエ
ステルのガラス転移温度の低下を抑制することができ
る。ただし、構成単位の割合を25モル%を超えて大き
くするとコストダウンが図れない。
【0014】構成単位は、エチレングリコールから誘
導されるもので、全構成単位の35〜49モル%を占める必
要がある。また、構成単位は、ジエチレングリコール
から誘導されるか、エチレングリコールの脱水反応によ
り誘導されるもので、全構成単位の1〜15モル%を占め
ることが必要である。
【0015】構成単位の割合が49モル%を超え、構成
単位の割合が1モル%未満となると、コポリエステル
の流動性が悪いとともに、バインダー繊維として使用す
るとき、接着強力が不十分な場合もあり好ましくない。
一方、構成単位の割合が35モル%未満で、構成単位
の割合が15モル%を超えると高重合度化が困難であると
ともに、コポリエステルの耐熱性や耐候性が低下して好
ましくない。
【0016】また、構成単位と構成単位の合計が全
構成単位の6〜55モル%を占めることが必要である。こ
の割合が6モル%未満であると、軟化温度が 200℃を超
え、バインダー繊維として使用するとき、接着時の熱処
理温度を非常に高くしなければならず、主体繊維が軟化
して捲縮が損なわれ、得られる製品の強度や嵩高性が低
下して好ましくない。一方、この割合が55モル%を超え
ると、軟化温度が80℃より低くなり、バインダー繊維を
製造する際の紡糸調子が悪化する上に、ガラス転移温度
が低下して、チップを貯蔵する際にチップがブロッキン
グしたり、紡糸後の繊維がタッキングするという操業上
の問題が起こるため好ましくない。
【0017】本発明のコポリエステルは、極限粘度が0.
35以上、好ましくは0.50以上のものであることが必要で
ある。極限粘度が0.35未満では、特に複合紡糸する場
合、紡糸性が悪いため好ましくない。
【0018】また、コポリエステルの色調は、b値で13
以下であることが必要である。b値が13を超えるもので
は、バインダー繊維としたとき、その色調が悪化して好
ましくない。
【0019】コポリエステルは、その特性が大きく変化
しない範囲で、他の成分、例えば、シュウ酸、アジピン
酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸等
の脂肪族ジカルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸等の芳
香族ヒドロキシカルボン酸、ポリエチレングリコール、
プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオー
ル、ハイドロキノン、ビスフェノールA等のジオールを
共重合成分として少量含有していてもよく、安定剤その
他の添加剤を含有していてもよい。
【0020】本発明のコポリエステルは、無水フタル酸
及び/又はフタル酸、テレフタル酸(及びイソフタル
酸)並びにエチレングリコールを主たる原料とし、スル
ホン酸化合物を触媒として重縮合反応を行う方法で効率
的に製造することができる。
【0021】この方法において、無水フタル酸及び/又
はフタル酸とエチレングリコールとの反応物とテレフタ
ル酸とエチレングリコールとの反応物、さらに、必要に
応じてイソフタル酸とエチレングリコールとの反応物を
別々に製造し、これらを所定の割合で混合して重縮合す
る方法が好ましく採用される。
【0022】この場合、酸成分1モルに対してスルホン
酸基が 0.1×10-4〜20×10-4モルとなる量のスルホン酸
化合物を触媒として用いて重縮合反応を行うことが必要
である。スルホン酸化合物を触媒として用いて重縮合反
応を行うと重縮合反応とともにエーテル化反応が促進さ
れ、ジエチレングリコール結合が形成される。スルホン
酸化合物の添加量が少なすぎると高重合度のコポリエス
テルが得られないとともに、ジエチレングリコール結合
の生成量が少なくなる。一方、この量が多すぎるとコポ
リエステルが黄色に着色するばかりか、ジエチレングリ
コール結合の含有量が多くなりすぎて、高重合度化が困
難であるとともに、コポリエステルの耐熱性や耐候性が
低下して好ましくない。
【0023】スルホン酸化合物の添加量を上記の範囲と
することにより、ジエチレングリコール結合の生成量が
コポリエステルの全構成単位の1〜15モル%となるとと
もに、色調が良好(b値が13以下)で、高重合度のコポ
リエステルが得られる。
【0024】スルホン酸化合物の具体例としては、次の
ような化合物が挙げられる。硫酸、硫酸アセチル、硫酸
エステル(例えば硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸水
素エチル、硫酸水素イソプロピル、硫酸水素ドデシル、
硫酸水素オクタデシル、硫酸水素フェニル)、脂肪族ス
ルホン酸及びその誘導体(例えばメタンスルホン酸、ト
リフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、エタ
ンスルホン酸エチル、メタンスルホニルクロリド、メタ
ンジスルホン酸、2−ヒドロキシ−1−エタンスルホン
酸、3−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸、プロパ
ンスルトン、スルホ酢酸、2−アミノ−1−エタンスル
ホン酸)、芳香族スルホン酸及びその誘導体(例えばベ
ンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、3,4−ジ
メチルベンゼンスルホン酸、p−ベンゼンジスルホン
酸、1,3,5−ベンゼントリスルホン酸、p−クロロベン
ゼンスルホン酸、p−ニトロベンゼンスルホン酸、4−
クロロ−3−メチル−5−ニトロベンゼンスルホン酸、
p−フェノールスルホン酸、o−ホルミルベンゼンスル
ホン酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、スルファニル
酸、メタニル酸、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼン
スルホニルクロリド、ベンゼンスルホンアミド、o−ス
ルホ安息香酸無水物、4−スルホイソフタル酸、5−ス
ルホサリチル酸、ナフタレンスルホン酸、1,8−ナフタ
レンスルトン、1,8−ナフタレンスルタム、アントラセ
ンスルホン酸、ベンゾキノンスルホン酸、ナフトキノン
スルホン酸、アントラキノンスルホン酸)、脂環式スル
ホン酸(例えばシクロペンタンスルホン酸、シクロヘキ
サンスルホン酸)、複素環スルホン酸(例えばピリジン
スルホン酸、チアゾールスルホン酸、イミダゾールスル
ホン酸、フランスルホン酸、ピロールスルホン酸)、非
ベンゼン系芳香族スルホン酸(例えばトロポロンスルホ
ン酸、アズレンスルホン酸)、天然あるいは合成高分子
スルホン酸(例えばリグニンスルホン酸、ポリビニルス
ルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、スルホン化ポリア
クリル酸)等。
【0025】なお、これらのスルホン酸化合物が遊離の
酸性基を有している場合には、アンモニウム塩(アルキ
ルあるいはアリールアンモニウム塩を含む。)あるいは
エステルとなっていてもよいが、金属塩では重合活性が
なく、不適当である。
【0026】重縮合反応は、温度 250〜280 ℃、圧力1
トル以下の減圧下で、極限粘度0.35以上のコポリエステ
ルが得られるまで行われる。この温度が低すぎると高重
合度化が困難であり、高すぎるとコポリエステルが黄色
に着色し、b値の大きいものしか得られない。
【0027】本発明のコポリエステルは、上述の方法で
効率的に製造されるが、ジエチレングリコールを原料の
一成分として用いて製造することもできる。
【0028】この方法では、無水フタル酸及び/又はフ
タル酸とエチレングリコールとの反応物、テレフタル酸
とエチレングリコールとの反応物、及び必要に応じてイ
ソフタル酸とエチレングリコールとの反応物を別々に製
造し、これらとジエチレングリコールとを所定の割合で
混合し、アンチモン、ゲルマニウム、スズ、チタン、コ
バルト等の金属の化合物を触媒として重縮合反応を行う
方法が好ましく採用される。
【0029】しかし、この方法は、ジエチレングリコー
ルを添加するという操作が加わり、工程が複雑になるば
かりか、重縮合反応中にジエチレングリコールが反応系
外へ溜出しやすく、コポリエステル中のジエチレングリ
コール結合の含有量をコントロールするのが難しいこと
や高温での重縮合反応ではポリマーの色調が悪化すると
いう問題があり、前述のジエチレングリコールを用いず
に、スルホン酸化合物を触媒として使用して重縮合反応
を行う方法に比べて若干難点がある。
【0030】本発明のコポリエステルを常法によって溶
融紡糸することにより、バインダー繊維を得ることがで
きる。バインダー繊維とする場合、本発明のコポリエス
テルが繊維表面の一部又は全部を占めるようにすること
ができ、通常、複合繊維とされる。複合繊維とする場合
の他の成分としては、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート及びこれらを主体とする高軟
化点ポリエステルが好ましく用いられる。複合繊維の複
合形態としては、芯鞘型、サイドバイサイド型、海島型
等が挙げられるが、紡糸性及び繊維物性の点で、芯鞘型
が好ましい。
【0031】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、測定法は次のとおりである。 (a) 極限粘度(〔η〕) フェノールと四塩化エタンとの等重量混合溶媒を用い、
濃度 0.5g/1dl 、温度20℃で測定した。 (b) ジエチレングリコール(DEG) 結合の含有量(D%) 試料を濃度0.75規定の水酸化カリウムメタノール溶液中
で加水分解した後、島津製作所製ガスクロマトグラフGC
9A型を使用し、エチレングリコール(EG)と DEGを定量
し、全グリコールに対する DEGのモル%で示した。 (c) b値 日本電色社製NDΣ80型色差計を用いて測定した。b値は
黄青系の色相 (+側は黄色、−側は青味) で、極端に小
さくならない限り小さい方がよい。 (d) 軟化温度(Ts) 柳本社製自動融点測定装置 AMP-1型を使用し、昇温速度
10℃/分でシリコーン浴中での針入温度を求めた。 (e) ガラス転移温度(Tg) パーキンエルマー社製示差走査熱量計 DSC-7型を用い、
昇温速度20℃/分で測定した。 (f) 不織布強力 不織布を幅25mm、長さ 100mmの試料とし、オリエンテッ
ク社製定速伸長型引張試験機 UTM-4-100型を用い、測定
温度25℃、引張速度 100mm/分で測定した。
【0032】実施例1 無水フタル酸(PAA) とEGとからなるスラリーを撹拌装置
と充填塔を備えた反応缶に投入し、常圧下で撹拌しなが
ら温度 200℃、充填塔温度 130℃の条件で、副生する水
を反応系外に除去しながら5時間エステル化反応を行
い、反応率95%のエステル化物Aを得た。一方、ビス
(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びその低重
合体の存在するエステル化反応缶にテレフタル酸(TPA)
とEGとのスラリーを連続的に供給し、温度 250℃、圧力
0.05kg/cm2G、滞留時間8時間の条件で反応させ、反応
率95%のエステル化物Bを連続的に得た。エステル化物
A及びBを表1に示したモル比で重縮合反応缶に投入
し、5−スルホサリチル酸を 8.0×10-4モル/酸成分モ
ル添加し、反応器の温度を30分間で265℃に昇温し、反
応器内の圧力を徐々に減じて60分後に 0.1トル以下にし
た。この条件下で撹拌しながら重縮合反応を3時間行
い、表1に示す特性を有するコポリエステルを得た。こ
のコポリエステルと〔η〕0.68、融点 256℃のポリエチ
レンテレフタレートとを同心芯鞘型複合溶融紡糸装置を
用いて、吐出孔数 225の紡糸口金により、紡糸温度 270
℃、吐出量 250g/分、複合重量比1:1で、前者が鞘
となるように溶融紡糸し、冷却後、 800m/分の速度で
巻き取り、複合未延伸糸を得た。この未延伸糸を10万デ
ニールのトウに集束し、延伸温度45℃、延伸倍率 3.2で
延伸し、押し込み式クリンパーで捲縮を与えた後、長さ
51mmに切断して、繊度4デニールのバインダー繊維を得
た。このバインダー繊維30重量部と長さ51mm、繊度2デ
ニールのポリエチレンテレフタレート繊維70重量部とを
混綿し、カードに通して50g/m2の目付のウエブとし、
200℃の回転乾燥機で2分間熱処理し、不織布を得た。
【0033】実施例2〜9及び比較例1〜4 PAA/TPA のモル比、重縮合触媒の種類と添加量を表1
に示すように変更した以外は実施例1と同様に実施し
た。
【0034】比較例5 重合温度を 285℃にした以外は実施例1と同様に実施し
た。
【0035】実施例10 PAA の代わりにフタル酸を使用した以外は実施例1と同
様に実施した。
【0036】実施例11 エステル化物Aとイソフタル酸(IPA) とEGとから同様に
して得たエステル化物をTPA とIPA とのモル比が TPA/I
PA=75/25 となるように重縮合反応缶に投入した以外は
実施例1と同様に実施した。
【0037】実施例12 エステル化物Aとイソフタル酸(IPA) とEGとから同様に
して得たエステル化物をTPA とIPA とのモル比が TPA/I
PA=60/30 となるように重縮合反応缶に投入した以外は
実施例1と同様に実施した。
【0038】実施例13 エステル化物A及びBを PAAとTPA とのモル比が PAA
TPA =35/65となる割合で重縮合反応缶に投入し、これ
にDEG 15モル% (反応系の全グリコール成分に対して)
と重縮合触媒として三酸化アンチモン2×10-4モル/酸
成分モルをそれぞれ添加し、反応器の温度を30分間で 2
65℃に昇温し、反応器内の圧力を徐々に減じて60分後に
0.1トル以下にした。この条件下で撹拌しながら重縮合
反応を3時間行い、コポリエステルを得た。
【0039】上記の実施例及び比較例の結果を表1に示
す。
【0040】
【表1】
【0041】本発明の実施例では、色調が良好で、バイ
ンダー繊維を操業性よく製造することができるコポリエ
ステルが得られ、これをバインダー繊維として用いるこ
とにより接着強力の優れた不織布を得ることができた。
これに対し、比較例1及び比較例3〜4では、不織布の
強力が低く、比較例2では、糸切れが多発して操業性が
著しく悪かった。また、比較例5ではb値の大きい色調
の悪いコポリエステルしか得られなかった。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、安価な原料を使用し、
低融点で、良好な流動性及び接着性を示し、チップ化時
や紡糸時の操業性に優れたバインダー繊維とすることの
できるコポリエステルが提供される。また、本発明の方
法によれば、ジエチレングリコールを原料として添加す
ることなしに重縮合反応時にジエチレングリコール結合
を生成させることができるので、コポリエステルを効率
的に製造することができる。そして、このコポリエステ
ルを用いたバインダー繊維は、軟化点以上の温度で熱処
理すると、主体繊維の引張強度や嵩高性を損なうことな
く、速やかに主体繊維相互間を有効に接着することがで
きる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成単位〜からなり、極限粘度が0.3
    5以上で、色調b値が13以下であるバインダー繊維用
    ポリエステル。 【化1】 ただし、〜の単位の合計が 100モル%であり、〜
    の単位の合計と〜の単位の合計とが実質的に等モ
    ル、の単位との単位との合計が全構成単位の6〜55
    モル%である。
  2. 【請求項2】 次の成分(1)〜(4)からコポリエステルを
    製造するに際し、触媒としてスルホン酸化合物を酸成分
    1モルに対してスルホン酸基が0.1×10-4〜20×10-4
    ルとなる量で添加し、温度280℃以下、減圧下で極限粘
    度が0.35以上になるまで重縮合反応を行うことを特徴と
    するバインダー繊維用コポリエステルの製造法。 (1) 無水フタル酸及び/又はフタル酸 5〜45モル% (2) テレフタル酸 5〜45モル% (3) イソフタル酸 0〜25モル% (4) エチレングリコール 50モル% ただし、(1)〜(4)の成分の合計が 100モル%であり、
    (1)〜(3)の成分の合計と(4) の成分とが実質的に等モル
    である。
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