JP6084398B2 - 芯鞘型複合繊維の製造方法 - Google Patents

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本発明は、ポリ乳酸とポリアルキレンサクシネートからなる芯鞘型複合繊維の製造方法に関する。
近年、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド等の自然界で分解しないポリマーからなる合成繊維に替えて、自然環境への影響を考慮し、自然界で分解性を有する、いわゆる生分解性ポリマーからなる繊維が注目され、繊維の原料となる生分解性ポリマーの開発が盛んに行われている。そのなかでも、耐熱性、製糸性に優れるポリ乳酸が注目されており、ポリ乳酸を用いたバインダー繊維についても検討されている。
このようなバインダー繊維として、低融点のポリ乳酸を鞘部、高融点のポリ乳酸を芯部に配したバインダー繊維が提案されている(特許文献1)。しかし、このバインダー繊維を熱処理して得られた繊維製品は、ポリ乳酸の性質上、熱接着処理により溶融した鞘部の熱接着成分の剛性が非常に強いため、得られる繊維製品はソフト性に欠けるものであった。
本件出願人は、上記特許文献1の問題を解決するために、熱処理後の繊維製品においてソフト性を維持することができる生分解性を有するバインダー繊維として、芯部がポリ乳酸で構成され、鞘部がポリアルキレンサクシネートに乳酸を1〜6モル%共重合した重合体で構成される芯鞘型複合繊維を提案している(特許文献2)。
特許第3355026号公報 特許第4578929号公報
本発明者等は、特許文献2記載の芯鞘型複合繊維を製造しようとすると、繊維同士の融着が発生しやすく、繊維製造における操業性が良好であるとはいいがたいことに着目した。また、この芯鞘型複合繊維を用いて繊維製品を得るための加工の際には、摩擦や熱によっても、繊維同士が融着し、得られる繊維製品の品位が劣ることにも着目した。
そこで、本発明は、バインダー繊維として使用した場合であっても、ソフト性を有する繊維製品が得られる複合繊維であって、操業性が良好に製造することができる方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は以下の構成を要旨とする。
芯部にポリ乳酸、鞘部にポリアルキレンサクシネートを配してなる芯鞘型複合繊維の製造方法であって、鞘部のポリアルキレンサクシネートは、アルキレングリコールとコハク酸とから構成されるものであり、他の共重合成分を含有しておらず、DSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線が下記式1を満足し、
230℃における溶融粘度が500〜2000dPa・secであり、かつ230℃におけるポリ乳酸の溶融粘度より大きい値を示すものであり、
水分率が50〜1000ppmであり、
融点が、ポリ乳酸の融点よりも低いポリアルキレンサクシネートを用い、
ポリ乳酸を芯部に、ポリアルキレンサクシネートを鞘部に配するように、芯鞘型複合紡糸口金を用いて、溶融紡糸することを特徴とする芯鞘型複合繊維の製造方法。
式1 : b/a≧0.25 (mW/mg・℃)
なお、式中、aは、降温結晶化を示すDSC曲線における傾きが最大である接線とベースラインとの交点の温度A1(℃)と、傾きが最小である接線とベースラインとの交点の温度A2(℃)との差(A1−A2)であり、bは、ピークトップ温度におけるベースラインの熱量B1(mW)とピークトップの熱量B2(mW)との差(B1−B2)を試料量(mg)で除した値である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における芯鞘型複合繊維は、芯部にポリ乳酸、鞘部にポリアルキレンサクシネートが配される。本発明における芯鞘型複合繊維は、熱処理により、鞘部を溶融させてバインダー繊維としても使用できるように、芯部のポリ乳酸は、鞘部のポリアルキレンサクシネートよりも融点が高いものを用いる。両者の融点差は40℃以上設けることが好ましい。
鞘部のポリアルキレンサクシネートは、主としてアルキレングリコールとコハク酸とから構成されるものであり、具体的には、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート等が挙げられる。中でも、融点が比較的高く、高結晶性であるポリブチレンサクシネートを用いることが好ましい。
ポリアルキレンサクシネートは、DSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線が下記式1を満足するものであり、中でもb/a≧0.30であることが好ましい。b/aが大きいほど降温時の結晶化速度が速く、結晶性に優れるものとなるが、本発明で目的とする効果を奏するには、b/aの上限は0.70とするとよい。
b/a≧0.25 (mW/mg・℃) (1)
ポリアルキレンサクシネートの融点とDSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線は、パーキンエルマー社製示差走査型熱量計(Diamond DSC)を用いて、窒素気流中、温度範囲マイナス20℃〜220℃、昇温(降温)速度20℃/分、試料量8mgで測定する。
上記b/aは、DSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線より求められる。そして、図1に示すように、aは、降温結晶化を示すDSC曲線における傾きが最大である接線とベースラインとの交点の温度A(℃)と、傾きが最小である接線とベースラインとの交点の温度A(℃)との差(A−A)であり、bは、ピークトップ温度におけるベースラインの熱量B(mW)とピークトップの熱量B(mW)との差(B−B)を試料量(mg)で除した値である。
b/aは、降温時の結晶性を表す指標であり、b/aの値が大きいほど結晶化速度が速く、逆に0に近くなるほど結晶化速度が遅いことを示す。b/aが0.25(mW/mg・℃)未満の場合、ポリアルキレンサクシネートの結晶化速度が遅くなり、溶融紡糸時に、鞘部に配されたポリアルキレンサクシネートが冷却されにくく、単糸間の溶着が発生し、紡糸操業性が悪くなる。また、延伸・熱処理工程における熱処理温度を高くすると、繊維の融解・膠着が生じ、高温での熱処理を行うことができないため、得られる繊維は、熱収縮率が高く、高温雰囲気下で収縮しやすいものとなる。
本発明においては、b/a≧0.25を満足するポリアルキレンサクシネートを選択するが、共重合組成を特定のものとすることによって、この規定範囲のものにすることができ、他の共重合成分を実質的に含有しない
本発明に用いるポリアルキレンサクシネートの230℃における溶融粘度は、500〜2000dPa・秒であり、かつポリ乳酸の230℃における溶融粘度より大きい値を示す。230℃での溶融粘度が、2000dPa・秒を超えると、溶融粘度が高くなりすぎ、紡糸温度をより高くする必要が生ずるとともに、複合するポリ乳酸の紡糸温度も高くする必要があり、熱分解による紡糸操業性の悪化を招くため好ましくない。また500dPa・秒を下回ると、糸条の冷却不良が発生し、糸条間が密着しやすく、これも操業性が悪化するとともに、繊維の品質が劣るものとなる。また、ポリ乳酸の230℃における溶融粘度と同じ、もしくはより小さい値のものを採用した場合も同様に、糸条の冷却不良が発生し紡糸操業性が悪化するため好ましくない。なお、溶融粘度は、せん断速度1000(単位 1/秒)での値とする。
本発明に用いるポリアルキレンサクシネートの水分率は、50〜1000ppmの範囲のものを選択し、より好ましくは100〜500ppmの範囲のものであり、最も好ましくは200〜400ppmである。後述する分解速度定数が0.6以下であるポリアルキレンサクシネートを選択することにより、50ppm以上の水分率であっても、溶融時の分子量低下が少なく紡糸可能であるが、1000ppmを超えると気泡が発生し、紡糸操業性が悪化することがある。また、50ppmを下回るものとするためには樹脂の乾燥時間をかなり長くする必要があり、経済的に好ましくない。
本発明におけるポリアルキレンサクシネートは、分解速度定数が0.6以下であるとよい。分解速度定数とは、技術文献「押出装置内におけるpoly(ethylene terephthalate)の分解挙動の解析(SEN’I GAKKAISHI報文 Vol.60、No.11)」に記載の導出方法を用いて算出したものである。
具体的には、
1/X−1/X=kt+C
であり、滞留時間の影響を受けない因子Cについては無いものとし、
k=(1/X−1/X)/t
で表される。ここで、
k=分解速度定数(単位:×10−6 −1
=溶融後の重合度
=溶融前の重合度
t=溶融時間(単位:秒)
分解速度定数を0.6以下とするためには、ポリアルキレンサクシネートの重合反応時の触媒種類、触媒量、反応温度、反応時間を適宜設定して適正化することによって達成される。また、繊維の製造における溶融紡糸時の溶融温度が高すぎたり、溶融時間(滞留時間)を長くしすぎたりしないことも考慮する。溶融紡糸時の溶融温度は、230℃前後が好ましく、210〜250℃の範囲に設定するとよい。また、溶融時間は、300〜1200秒の範囲とするとよい。分解速度定数が0.6を超える場合は、紡糸時の分子量低下が大きくなり、切れ糸や糸条の密着が発生するため好ましくない。分解速度定数は小さい値であるほど好ましいが、0.1以下とするためには、溶融温度を低くする必要があり、複合紡糸するポリ乳酸の適正紡糸温度(210〜230℃)を考慮すると、0.1〜0.6の範囲内とすることが好ましい。
本発明に用いるポリアルキレサクシネートの融点は、90〜130℃であることが好ましい。融点が90℃未満であると、紡糸や延伸時に複合繊維同士の融着あるいは密着が起こるため好ましくない。また、融点が130℃を超えると、複合繊維をバインダー繊維として用いる際に、熱処理温度を高温にせざるを得なくなり、その結果、併用する主体繊維の種類が限定される。
本発明に用いるポリアルキレンサクシネートは、通常の手法により製造したものを用いればよい。例えば、所定のアルキレングリコール、コハク酸を所定量混合させた反応系内で直接溶融重合させる方法によって製造したものが挙げられる。
本発明において、ポリアルキレングリコールと複合し、芯部に配するポリ乳酸としては、ポリL−乳酸、ポリD−乳酸、L−乳酸とD−乳酸との共重合体であるポリDL−乳酸、あるいはポリL−乳酸とポリD−乳酸との混合物(ステレオコンプレックス)のいずれでもよい。また、ポリDL−乳酸を用いる場合のL−乳酸とD−乳酸の共重合比(D/L)は、100/0〜95/5、5/95〜0/100であることが好ましい。上記共重合比を外れた共重合体は、融点が低くなると共に結晶性が低下するため、得られる複合繊維の耐熱性や寸法安定性が低下する傾向にあるためである。
本発明においては、得られる繊維の耐久性を高めることを目的として、本発明の目的を達成できる範囲で、用いる重合体中に脂肪族アルコール、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、エポキシ化合物などの末端封鎖剤を添加してもよい。さらには、各種顔料、染料、撥水剤、吸水剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、滑剤、可塑剤、抗菌剤、香料その他の添加剤を含有させることができる。
本発明は、上記したポリアルキレンサクシネートとポリ乳酸を用い、ポリ乳酸を芯部に、ポリアルキレンサクシネートを鞘部に配するように、芯鞘型複合紡糸口金を用いて、常法によって複合紡糸することによって芯鞘型複合繊維を製造する。すなわち、ポリアルキレンサクシネートとポリ乳酸とを、芯鞘型複合口金を用いて、従来公知の溶融複合紡糸法で溶融紡糸し、横吹付や環状吹付等の従来公知の冷却装置を用いて、吹付風により冷却した後、油剤を付与し、引き取りローラを介して未延伸糸として巻取機に巻取る。巻取った未延伸糸は、公知の延伸機にて周速の異なるローラ群間で延伸し、芯鞘型複合繊維を得る。繊維の形態が連続繊維の場合は、必要に応じて、延伸機にて延伸・捲き取りした繊維であって、複数本引き揃えてなる糸条に所望の撚りを付与したり、仮撚加工等の加工を行ってもよい。また、特定の繊維長を有する短繊維を得たい場合は、延伸機にて延伸して得られた繊維を、押し込み型の捲縮機などで捲縮を付与した後、もしくは捲縮を付与せずに、ECカッターなどのカッタ−で目的とする長さに切断すればよい。
本発明において、芯鞘型複合繊維の単糸繊度は、生産性、操業安定性、バインダー繊維として用いた場合の接着性能などを考慮して1〜80dtex程度であることが好ましく、1.7〜50dtexであることがより好ましい。
芯鞘型複合繊維の断面形状は、円形断面に限定されるものではなく、扁平断面、多角形、多葉形、ひょうたん形、アルファベット文字形、あるいはその他各種の非円形(異形)などであってもよい。
本発明により得られた芯鞘型複合繊維は、それ単独からなる繊維集合体としてもよいが、他の繊維を混合して用いた繊維集合体としてもよい。すなわち、他の繊維と混綿したウェブを紡績して紡績糸としたり、他の繊維と混繊して混繊糸としたり、また、他の繊維と混綿したウェブからなる不織布等の繊維集合体とするとよい。混綿、混繊、混紡する際の他の繊維としては、繊維集合体の用途に応じて適宜選択すればよいが、生分解性や接着性を考慮すると、ポリ乳酸からなる繊維を好ましく用いられる。なお、本発明において、繊維集合体とは、本発明により得られた芯鞘型複合繊維を含む糸、組紐、不織布、織編物等のあらゆる繊維製品が挙げられる。
本発明によれば、芯部にポリ乳酸を配し、鞘部にDSCにより求めた降温結晶化を示すDSC曲線から求められる特定の値を有し、かつ特定の溶融粘度、水分率を満足するポリアルキレンサクシネートを鞘部に用いているため、操業性良く、芯鞘型複合繊維を得ることができる。
本発明のポリ乳酸系バインダー複合繊維において、ポリアルキレンサクシネートのDSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線の一例である。
以下実施例によって本発明を詳しく説明するが、これらに限定されるものではない。
なお、実施例における特性値等の測定法は次の通りである。
(1)融点、DSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線
パーキンエルマ社製の示差走査型熱量計(Diamond DSC)を用い、窒素気流中、温度範囲−20℃〜220℃、昇温(降温)速度20℃/分、試料量8mgで測定した。
(2)水分率
カールフィッシャー水分滴定装置CA−06型(三菱化学社製)により水分率を測定した。
(3)溶融粘度
フローテスター(島津製作所製、型式CFT−500)を用いて、温度230 ℃、剪断速度1000sec−1の条件で測定した。
(4)重合度
Waters社製ゲル浸透クロマトグラフにより、ヘキサフルオロイソプロパノールとクロロホルムとの重量比5/95の混合物を溶媒として分子量分布曲線を求め、数平均分子量を算出した。重合度は数平均分子量からポリアルキレンサクシネートのモノマー単位(ポリブチレンサクシネートの場合は190)を除して求めた。
(5)紡糸操業性
紡糸工程において、糸条の密着や断糸が発生した場合を×、良好に紡糸できた場合を○とした。
(6)単糸繊度(dtex)
JIS L−1015 7−5−1−1Aの方法により測定した。
実施例1
ポリ乳酸(溶融粘度1400dPa・s、D−乳酸/L乳酸の共重合比=1.3/98.7、融点170℃)を芯部とし、ポリブチレンサクシネート(三菱化学製 商品名<GSPla FZ71PN> 溶融粘度1600dPa・s、水分率400ppm、b/a=0.35、重合度340)を鞘部とし、孔数1014孔、円形断面芯鞘複合紡糸口金を用い、芯鞘比率が溶融容積比として、芯:鞘=50:50となるように計量し、紡糸温度(溶融温度)230℃、紡糸速度700m/分で溶融紡糸し、芯鞘型複合繊維の未延伸糸を得た。次いで、得られた未延伸糸を延伸温度60℃、延伸倍率3.10倍で延伸を行い、次いで、押し込み式の捲縮機により捲縮を付与した後、仕上げ油剤を付与後に、60℃で乾燥させ、繊維長51mmに切断し、繊度が2.2dtexである芯鞘型複合繊維を得た。なお、溶融紡糸の際の溶融時間(滞留時間)は600秒としたので、この条件で滞留後(溶融後)のポリブチレンサクシネートの重合度を確認したところ、320であり、分解速度指数(×10−6−1)は、0.31であった。
実施例2〜8
ポリブチレンサクシネートの水分率、紡糸温度(溶融温度)、滞留時間を表1に示すように種々変更したこと以外は実施例1と同様に実施した。
比較例1
ポリブチレンサクシネートとして、三菱化学製 商品名<GSPla AZ71TN > 溶融粘度1140dPa・s、水分率200ppm、b/a=0.18、重合度330 を用いた以外は実施例1と同様に実施した。
比較例2
ポリブチレンサクシネートとして、三菱化学製 商品名<GSPla FZ91PN > 溶融粘度2600dPa・s、水分率400ppm、b/a=0.35、重合度420 を用い、紡糸温度(溶融温度)を280℃とした以外は実施例1と同様に実施した。
比較例3
ポリブチレンサクシネートの水分率、紡糸温度(溶融温度)、滞留時間を表1に示すように種々変更したこと以外は実施例1と同様に実施した。
表1より、明らかなように、本発明の要件を満たす実施例1〜8は、紡糸性が良好であった。
一方、比較例1は、結晶性(b/a値)の低いポリブチレンサクシネートを使用したため、糸条の密着が発生しうえ、切れ糸が多発した。
比較例2は、ポリブチレンサクシネートの溶融粘度が高いため、紡糸温度を280℃に設定する必要があり、ポリ乳酸の熱分解を引き起こしたため操業性不良であった。
比較例3は、水分率が高く、糸条の冷却不良が発生した。

Claims (1)

  1. 芯部にポリ乳酸、鞘部にポリアルキレンサクシネートを配してなる芯鞘型複合繊維の製造方法であって、鞘部のポリアルキレンサクシネートは、アルキレングリコールとコハク酸とから構成されるものであり、他の共重合成分を含有しておらず、DSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線が下記式1を満足し、
    230℃における溶融粘度が500〜2000dPa・secであり、かつ230℃におけるポリ乳酸の溶融粘度より大きい値を示すものであり、
    水分率が50〜1000ppmであり、
    融点が、ポリ乳酸の融点よりも低いポリアルキレンサクシネートを用い、
    ポリ乳酸を芯部に、ポリアルキレンサクシネートを鞘部に配するように、芯鞘型複合紡糸口金を用いて、溶融紡糸することを特徴とする芯鞘型複合繊維の製造方法。
    式1 : b/a≧0.25 (mW/mg・℃)
    なお、式中、aは、降温結晶化を示すDSC曲線における傾きが最大である接線とベースラインとの交点の温度A1(℃)と、傾きが最小である接線とベースラインとの交点の温度A2(℃)との差(A1−A2)であり、bは、ピークトップ温度におけるベースラインの熱量B1(mW)とピークトップの熱量B2(mW)との差(B1−B2)を試料量(mg)で除した値である。
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