JPH09111537A - 吸放湿性を有する生分解性複合繊維とその製造法 - Google Patents

吸放湿性を有する生分解性複合繊維とその製造法

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JPH09111537A
JPH09111537A JP26673495A JP26673495A JPH09111537A JP H09111537 A JPH09111537 A JP H09111537A JP 26673495 A JP26673495 A JP 26673495A JP 26673495 A JP26673495 A JP 26673495A JP H09111537 A JPH09111537 A JP H09111537A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然繊維の木綿並みの吸水性と吸放湿性を有
し、糸質性能に優れた生分解性複合繊維を提供する。 【解決手段】 芯成分がポリエチレンオキサイドの架橋
物からなる熱可塑性吸水性樹脂と生分解性脂肪族ポリエ
ステル樹脂との混合物、鞘成分が生分解性脂肪族ポリエ
ステル樹脂で構成された芯鞘型複合繊維であって、芯/
鞘複合重量比が10/90〜40/60であり、ポリエチレンオ
キサイドの架橋物からなる熱可塑性吸水性樹脂が繊維全
体の5〜30重量%を占める複合繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然繊維の木綿並
みの吸水性と吸放湿性を有し、かつ糸質性能に優れた生
分解性複合繊維とその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】昨今、高付加価値の衣料用繊維として、
従来の吸水、吸湿性繊維の代表例である木綿に相当する
あるいは木綿以上の吸水、吸湿性を有する繊維の要望が
極めて高い。その特性としては、吸水、吸湿性はもちろ
んのこと、放湿性も要求されている。
【0003】本発明者らは、先に、ポリエチレンオキサ
イドの架橋物からなる熱可塑性吸水樹脂を芯成分とし、
通常のポリエステル又はポリアミドを鞘成分とした吸放
湿性を有する複合繊維を提案した (特願平7− 20152
号) 。しかし、通常のポリエステルやポリアミドの紡糸
温度は、ポリエチレンオキサイドの架橋物の分解点に近
いため、溶融紡糸時にポリマーが分解して、繊維が着色
したり、単糸切れや単糸の飛び出し等が発生し、操業上
が悪いという問題があった。また、この複合繊維は、化
学的に安定であり、廃棄物を埋め立て処理する場合、土
中で長期間にわたって元のまま残るという問題もあっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、天然繊維の
木綿並みの吸水性と吸放湿性を有し、糸質性能に優れた
生分解性複合繊維とその製造法を提供しようとするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するもので、その要旨は、次の通りである。 1.芯成分がポリエチレンオキサイドの架橋物からなる
熱可塑性吸水性樹脂と生分解性脂肪族ポリエステル樹脂
との混合物、鞘成分が生分解性脂肪族ポリエステル樹脂
で構成された芯鞘型複合繊維であって、芯/鞘複合重量
比が10/90〜40/60であり、ポリエチレンオキサイドの
架橋物からなる熱可塑性吸水性樹脂が繊維全体の5〜30
重量%を占めることを特徴とする吸放湿性を有する生分
解性複合繊維。 2.ポリエチレンオキサイドの架橋物からなる熱可塑性
吸水性樹脂Aと生分解性脂肪族ポリエステル樹脂Bとを
別々に溶融して複合紡糸装置に供給し、AとBの一部と
を紡糸口金装置内で静的に混練して芯成分を形成し、残
りのBを鞘成分として複合紡糸することを特徴とする前
項記載の吸放湿性を有する生分解性複合繊維の製造法。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明において用いられるポリチレンオキサイド
の架橋物からなる熱可塑性吸水性樹脂(以下、単に吸水
性樹脂という。)としては、高分子量のポリチレンオキ
サイドをイソシアネートで架橋させたものやポリチレン
オキサイドとジオールをイソシアネートで架橋させたも
のが挙げられる。このような吸水性樹脂は、例えば、住
友精化社から「アクアコーク」、明成化学社から「アク
アプレーン」の商品名で市販されている。
【0007】また、生分解性脂肪族ポリエステル樹脂
(以下、単にポリエステル樹脂という。)としては、ポ
リブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートと
ポリエチレンサクシネートとの共重合体、ポリブチレン
サクシネートとポリエチレンアジペートとの共重合体及
びポリ乳酸が、適度の融点を有し、製糸性が良好である
点で好ましく用いられる。これらの他、ポリ(ε−カプ
ロラクトン)、ポリ−3−ヒドロキシブチレートとポリ
−3−ヒドロキシバリレートとの共重合体、ポリ−3−
ヒドロキシブチレートとポリ−4−ヒドロキシブチレー
トとの共重合体等を使用することもできる。
【0008】ポリエステル樹脂は、数平均分子量が20,0
00以上、好ましくは40,000以上、さらに好ましくは60,0
00以上のものが製糸性及び得られる糸条の特性の点で好
ましい。また、重合度を高めるために少量のジイソシア
ネートやテトラカルボン酸二無水物等で鎖延長したもの
でもよい。
【0009】本発明の複合繊維は、芯成分が吸水性樹脂
とポリエステル樹脂との混合物、鞘成分がポリエステル
樹脂で構成された芯鞘複合構造を有することが必要であ
る。芯成分と鞘成分のポリエステル樹脂は、異なるもの
でもよいが、通常は同一のものが用いられる。
【0010】吸水性樹脂は、単独では製糸が困難であ
り、仮に製糸できても実用に供し得る強伸度特性を有す
る繊維は得られない。一方、ポリエステル樹脂を単独で
製糸しても吸水性と吸放湿性を有する繊維は得られな
い。また、吸水性樹脂が繊維表面に露出した複合構造と
すると、溶融紡出した糸条の冷却性が悪く、単糸の密着
等が発生し、製糸性が悪いとともに、繊維物性が劣った
ものとなる。
【0011】本発明の芯鞘構造にすることにより、製糸
性や糸質性能が向上し、吸水性と吸放湿性が付与された
生分解性繊維が得られる。なお、本発明の複合繊維は、
多芯芯鞘構造となっていてもよい。
【0012】また、本発明の複合繊維は、芯/鞘複合重
量比が10/90〜40/60であることが必要である。この範
囲よりも芯成分の割合が大きいと、吸水性及び吸放湿性
は優れるものの、繊維の強度が低下し、製糸性も悪くな
るため、好ましくない。また、芯成分の割合が上記の範
囲よりも小さいと、製糸性は向上するものの、吸水性及
び吸放湿性が低下するとともに、繊維の断面形状が安定
せず、好ましくない。
【0013】複合繊維の断面形状は、特に限定されず、
円形断面の他、多角断面、多葉断面、扁平断面等の異形
断面でもよい。
【0014】さらに、本発明の複合繊維は、吸水性樹脂
が繊維全体の5〜30重量%を占めることが必要である。
この量が多すぎると吸水性は優れるものの繊維の強度が
低下し、製糸性も悪くなり、一方、この量が少ないと製
糸性は向上するものの、吸水性及び吸放湿性が不十分と
なる。
【0015】なお、芯成分は、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸及び
その共重合体、ポリメタクリル酸及びその共重合体、ポ
リビニルアルコールの共重合体等の他の親水性熱可塑性
樹脂を本発明の効果を阻害しない範囲で含有していても
よい。
【0016】また、本発明の繊維には、必要に応じて、
艶消剤、顔料、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤等の各
種添加剤を含有させることができる。
【0017】次に、本発明の複合繊維の製造法について
説明する。本発明の複合繊維は、吸水性樹脂と脂肪族ポ
リエステル樹脂とを予め溶融混練して芯成分用樹脂を作
製しておいて、これと鞘成分用のポリエステル樹脂とを
複合溶融紡糸装置に供給して複合紡糸することによって
製造することもできるが、吸水性樹脂Aとポリエステル
樹脂Bとを別々に溶融して複合紡糸装置に供給し、Aと
Bの一部とを紡糸口金装置内で静的に混練して芯成分を
形成し、残りのBを鞘成分として複合紡糸することによ
り、高品質の繊維を効率良く製造することができる。
【0018】図1は、このような複合紡糸方法に用いら
れる紡糸口金装置の一例を示す断面図である。図1にお
いて、1はトップキャップ、2〜4は中間プレート、5
はノズルプレート、6は吸水性樹脂Aの導入口、7はポ
リエステル樹脂Bの導入口、8は複合流流路、9は静的
混合器、10は芯成分流路、11は鞘成分流路、12は紡糸孔
を示す。
【0019】吸水性樹脂Aとポリエステル樹脂Bは、そ
れぞれトップキャップ1の導入口6、7から導入され
る。ポリエステル樹脂Bの一部と吸水性樹脂Aは複合流
流路8に一様に拡がって中間プレート3に設けられた静
的混合器(混合素子は3〜8個が好ましい)9の頂部に
導かれる。静的混合器9で混練された芯成分用混合物
は、中間プレート4の芯成分流路10を通ってノズルプレ
ート5に導かれ、中間プレート2〜4の鞘成分流路11を
通ってノズルプレート5に導かれる鞘成分のポリエステ
ル樹脂Bと共に紡糸孔12から複合紡出される。
【0020】紡糸温度は、ポリエステル樹脂の融点(芯
成分と鞘成分に異種のものを使用する場合は、高い方の
融点)よりも40〜150 ℃高い温度で、かつ、 300℃以下
の温度とすることが望ましい。紡糸温度が高すぎると紡
出糸条が冷却され難くなり、単糸が密着してしまい、好
ましくない。また、紡糸温度が低すぎると重合体が十分
に溶融せず、製糸性が著しく劣るため、好ましくない。
ポリエステル樹脂は、低融点ものが多く、上記の範囲の
温度で溶融紡糸することにより、分解開始温度の低い吸
水性樹脂を熱分解させることなく、効率よく紡糸するこ
とができる。
【0021】溶融紡出糸条は、公知の冷却装置で冷却さ
れ、紡糸油剤が付与された後、引取りローラで未延伸糸
として引き取られる。この未延伸糸は一旦巻き取った後
あるいは巻き取ることなく連続して延伸される。
【0022】延伸は、1段又は2段以上の多段で行うこ
とができ、延伸温度や延伸倍率は繊維を構成する重合体
の種類や所望の強伸度特性等を考慮して適切に選定され
る。
【0023】本発明の繊維は、単糸繊度が 1.5〜10d、
特に2〜6dとなるようにすることが好ましい。単糸繊
度が 1.5d未満であると溶融紡糸時の冷却性には優れる
ものの、製糸時の糸切れが多く、また、生産性が劣る等
の問題がある。逆に、単糸繊度が10dを超えると生産性
は向上するものの、溶融紡糸時の冷却性に劣るため、好
ましくない。
【0024】
【作用】本発明の複合繊維は、芯成分にもポリエステル
樹脂を含有させているので、芯成分と鞘成分との溶融粘
度の差が小さくなり、製糸性が良好であるとともに、断
面形態が均一となる。また、本発明の方法で複合紡糸す
ると、熱分解しやすい吸水性樹脂の分解を抑制すること
ができ、着色のない高品質の繊維が得られる。すなわ
ち、予め吸水性樹脂とポリエステル樹脂とを溶融混練し
て芯成分用樹脂を作製すると、高温に曝される時間が長
くなるが、紡糸口金装置内で両樹脂を混練する方法を採
用すれば、高温に曝される時間が短くなるとともに、吸
水性樹脂を紡糸口金装置に導入するまでは比較的低温に
保つことができる。
【0025】
【実施例】次に、実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、測定、評価法は、次の通りである。 (a) メルトフローレート(MFR) JIS K 7210の方法に準じて荷重2160gで測定した。 (b) 融点 パーキンエルマ社製示差走査型熱量計 DSC−2型を用
い、試料重量を3mg、昇温速度を10℃/分で測定して得
た融解吸熱曲線の最大値を与える温度を融点とした。 (c) 製糸性 1時間製糸を行い、その間の糸切れ、ローラへの単糸巻
き付き等の状況により、○:良好、×:不良の2段階で
評価した。 (d) 強伸度 島津製作所製オートグラフ DSS−500 型を用いて、試料
長30cm、つかみ間隔5cmで、20回/5cmの撚りを加え、
引張速度30cm/分で伸長し、得られた切断時荷重値を単
位太さ当たりに換算し、その平均値を繊維の強度とし
た。また、同時に得られた切断時伸長率の平均値を伸度
とした。(測定回数20回とし、平均値を求めた。) (e) 吸水能力 チップ状の試料を温度20℃、相対湿度65%の雰囲気下で
調湿して重量C0 を測定した後、20℃の水道水中に20分
間浸漬して取り出し、定性濾紙に挟んで脱水した後、重
量Cを測定し、次式で吸水能力を求めた。 吸水能力(g/g)=(C−C0 )/C0 (f) 吸放湿性 編物状の試料を温度 105℃で2時間乾燥して重量W0
測定し、その後、温度25℃、相対湿度60%の条件下で2
時間調湿して重量W1 を測定し、下記の式で初期水分
率M0 を求める。次にこのサンプルを温度34℃、相対湿
度90%の条件下で24時間吸湿させた後、重量W2 を測定
し、水分率M1 を下記の式で求める。その後、このサ
ンプルを引き続き温度25℃、相対湿度60%の条件下でさ
らに24時間放置した後、重量W3 を測定し、放湿後の水
分率M2 を下記の式で求める。 M0 (%)=〔(W1 −W0)/W0 〕×100 M1 (%)=〔(W2 −W0)/W0 〕×100 M2 (%)=〔(W3 −W0)/W0 〕×100 (g) 生分解性 得られた繊維を土中に埋設し、1、3、6、12カ月後に
掘り起こし、繊維の強度を測定し、埋設前の強度T0
対する埋設後の強度Tの比(強度保持率)を求めて評価
した。 強度保持率(%)=(T/T0)×100
【0026】実施例1 図1に示した複合紡糸装置を使用し、融点が 114℃、 1
90℃でのMFRが25g/10分であるポリブチレンサクシ
ネートと 250℃でのMFRが50g/10分で、吸水能力が
28g/gの吸水性樹脂:「アクアコーク」との混合物を
芯成分、芯成分用と同一のポリブチレンサクシネートを
鞘成分として、芯/鞘複合重量比が30/70、「アクアコ
ーク」の含有量が繊維全体の15重量%の同心円状の芯鞘
複合繊維糸条を製造した。この際、紡糸温度を 180℃と
し、紡糸孔を24個有する紡糸口金を使用し、溶融紡出し
た糸条に15℃の空気を吹き付けて冷却し、油剤を付与し
た後、1500m/分の速度で未延伸糸を巻き取った。未延
伸糸を延伸機に供給し、供給ローラと非加熱の延伸ロー
ラとの間で 3.0倍に延伸し、繊度75d/24fの糸条を得
た。製糸性の良否及び得られた糸条の特性値等を表1に
示す。
【0027】実施例2 「アクアコーク」の含有量が繊維全体の5重量%となる
ようにした以外は実施例1とほぼ同様にして、複合繊維
糸条を得た。製糸性の良否及び得られた糸の糸質性能等
を表1に示す。
【0028】実施例3 芯鞘複合重量比を10/90とした以外は実施例2とほぼ同
様にして、複合繊維糸条を得た。製糸性の良否及び得ら
れた糸の糸質性能等を表1に示す。
【0029】実施例4 芯鞘複合重量比を40/60した以外は実施例1とほぼ同様
にして、複合繊維糸条を得た。製糸性の良否及び得られ
た糸の糸質性能等を表1に示す。
【0030】実施例5 「アクアコーク」の含有量が繊維全体の30重量%となる
ようにした以外は実施例4とほぼ同様にして、複合繊維
糸条を得た。製糸性の良否及び得られた糸の糸質性能等
を表1に示す。
【0031】実施例6 ポリエステル樹脂として、融点が 108℃、 190℃でのM
FRが25g/10分であるポリブチレンサクシネートとポ
リエチレンサクシネートとのモル比90/10の共重合体を
用い、紡糸温度を 170℃とした以外は実施例1とほぼ同
様にして、複合繊維糸条を得た。製糸性の良否及び得ら
れた糸の糸質性能等を表1に示す。
【0032】実施例7 ポリエステル樹脂として、融点が 108℃、 190℃でのM
FRが25g/10分であるポリブチレンサクシネートとポ
リブチレンアジペートとのモル比80/20の共重合体を用
い、紡糸温度を 170℃とした以外は実施例1とほぼ同様
にして、複合繊維糸条を得た。製糸性の良否及び得られ
た糸の糸質性能等を表1に示す。
【0033】実施例8 ポリエステル樹脂として、融点が 180℃、 190℃でのM
FRが25g/10分であるポリ−L−乳酸を用い、紡糸温
度を 240℃とした以外は実施例1とほぼ同様にして、複
合繊維糸条を得た。製糸性の良否及び得られた糸の糸質
性能等を表1に示す。
【0034】実施例9 未延伸糸を巻き取ることなく、連続して延伸する方法を
採用した以外は実施例1と同様にして芯鞘複合繊維糸条
を製造した。すなわち、未延伸糸条を速度1500m/分の
引き取りローラで引取り、引き取りローラと速度4500m
/分の延伸ローラとの間で延伸倍率 3.0倍の条件で延伸
し、複合繊維糸条を得た。製糸性の良否及び得られた糸
条の特性値等を表1に示す。
【0035】比較例1 芯鞘複合比を5/95、「アクアコーク」の含有量を繊維
全体の3重量%とした以外は実施例1とほぼ同様にし
て、複合繊維糸条を得た。製糸性の良否及び得られた糸
条の特性値等を表1に示す。
【0036】比較例2 芯鞘複合比を50/50とした以外は比較例1とほぼ同様に
して、複合繊維糸条を得た。製糸性の良否及び得られた
糸条の特性値等を表1に示す。
【0037】比較例3 「アクアコーク」の含有量を繊維全体の40重量%とした
以外は比較例2とほぼ同様にして、複合繊維糸条を製造
することを試みた。製糸性が極めて悪く、円滑な紡糸が
できなかった。
【0038】比較例4 融点が 114℃、 190℃でのMFRが25g/10分であるポ
リブチレンサクシネートを鞘成分、 250℃でのMFRが
50g/10分で、吸水能力が28g/gの「アクアコーク」
を芯成分として、芯/鞘複合重量比が85/15の同心円状
の芯鞘複合繊維糸条を実施例1とほぼ同様にして製造し
た。製糸性の良否及び得られた糸条の特性値等を表1に
示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1から明らかなように、本発明の実施例
では、芯鞘複合重量比、ポリエステル樹脂の種類や吸水
性樹脂及びポリエステル樹脂の量によって、吸放湿性や
強度に若干の差があるものの、満足すべき吸放湿性と強
度とを有する生分解性繊維を製糸性良く製造することが
できた。
【0041】これに対して、比較例では、吸放湿性に劣
る繊維しか得られなかったり、製糸性が悪かったりし
て、満足すべき繊維を得ることができなかった。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、天然繊維の木綿並みの
吸水性と吸放湿性を有し、糸質性能に優れ、かつ、優れ
た生分解性を有する繊維が提供される。また、本発明の
方法によれば、製糸性良く、上記の特性を有する高品質
の繊維を得ることができる。本発明の繊維は、衣料材
料、衛生材料、生活関連用素材、産業用素材として好適
であり、生分解性を有するので、自然環境保護の観点か
らも有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で使用される紡糸口金装置の一例
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 トップキャップ 2〜4 中間プレート 5 ノズルプレート 6 吸水性樹脂Aの導入口 7 ポリエステル樹脂Bの導入口 8 複合流流路 9 静的混合器 10 芯成分流路 11 鞘成分流路 12 紡糸孔
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】また、生分解性脂肪族ポリエステル樹脂
(以下、単にポリエステル樹脂という。)としては、ポ
リブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートと
ポリエチレンサクシネートとの共重合体、ポリブチレン
サクシネートとポリチレンアジペートとの共重合体及
びポリ乳酸が、適度の融点を有し、製糸性が良好である
点で好ましく用いられる。これらの他、ポリ(ε−カプ
ロラクトン)、ポリ−3−ヒドロキシブチレートとポリ
−3−ヒドロキシバリレートとの共重合体、ポリ−3−
ヒドロキシブチレートとポリ−4−ヒドロキシブチレー
トとの共重合体等を使用することもできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 芳広 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 山本 明 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯成分がポリエチレンオキサイドの架橋
    物からなる熱可塑性吸水性樹脂と生分解性脂肪族ポリエ
    ステル樹脂との混合物、鞘成分が生分解性脂肪族ポリエ
    ステル樹脂で構成された芯鞘型複合繊維であって、芯/
    鞘複合重量比が10/90〜40/60であり、ポリエチレンオ
    キサイドの架橋物からなる熱可塑性吸水性樹脂が繊維全
    体の5〜30重量%を占めることを特徴とする吸放湿性を
    有する生分解性複合繊維。
  2. 【請求項2】 生分解性脂肪族ポリエステル樹脂がポリ
    ブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートとポ
    リエチレンサクシネートとの共重合体、ポリブチレンサ
    クシネートとポリエチレンアジペートとの共重合体又は
    ポリ乳酸である請求項1記載の複合繊維。
  3. 【請求項3】 ポリエチレンオキサイドの架橋物からな
    る熱可塑性吸水性樹脂Aと生分解性脂肪族ポリエステル
    樹脂Bとを別々に溶融して複合紡糸装置に供給し、Aと
    Bの一部とを紡糸口金装置内で静的に混練して芯成分を
    形成し、残りのBを鞘成分として複合紡糸することを特
    徴とする請求項1記載の吸放湿性を有する生分解性複合
    繊維の製造法。
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Cited By (6)

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