JP3554620B2 - 吸放湿性を有する生分解性複合繊維とその製造法 - Google Patents

吸放湿性を有する生分解性複合繊維とその製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然繊維の木綿並みの吸水性と吸放湿性を有し、かつ糸質性能に優れた生分解性複合繊維とその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
昨今、高付加価値の衣料用繊維として、従来の吸水、吸湿性繊維の代表例である木綿に相当するあるいは木綿以上の吸水、吸湿性を有する繊維の要望が極めて高い。その特性としては、吸水、吸湿性はもちろんのこと、放湿性も要求されている。
【0003】
本発明者らは、先に、ポリエチレンオキサイドの架橋物からなる熱可塑性吸水樹脂を芯成分とし、通常のポリエステル又はポリアミドを鞘成分とした吸放湿性を有する複合繊維を提案した (特願平7− 20152号) 。しかし、通常のポリエステルやポリアミドの紡糸温度は、ポリエチレンオキサイドの架橋物の分解点に近いため、溶融紡糸時にポリマーが分解して、繊維が着色したり、単糸切れや単糸の飛び出し等が発生し、操業上が悪いという問題があった。また、この複合繊維は、化学的に安定であり、廃棄物を埋め立て処理する場合、土中で長期間にわたって元のまま残るという問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、天然繊維の木綿並みの吸水性と吸放湿性を有し、糸質性能に優れた生分解性複合繊維とその製造法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するもので、その要旨は、次の通りである。
1.芯成分がポリエチレンオキサイドの架橋物からなる熱可塑性吸水性樹脂と生分解性脂肪族ポリエステル樹脂との混合物、鞘成分が生分解性脂肪族ポリエステル樹脂で構成された芯鞘型複合繊維であって、芯/鞘複合重量比が10/90〜40/60であり、ポリエチレンオキサイドの架橋物からなる熱可塑性吸水性樹脂が繊維全体の5〜30重量%を占めることを特徴とする吸放湿性を有する生分解性複合繊維。
2.ポリエチレンオキサイドの架橋物からなる熱可塑性吸水性樹脂Aと生分解性脂肪族ポリエステル樹脂Bとを別々に溶融して複合紡糸装置に供給し、AとBの一部とを紡糸口金装置内で静的に混練して芯成分を形成し、残りのBを鞘成分として複合紡糸することを特徴とする前項記載の吸放湿性を有する生分解性複合繊維の製造法。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において用いられるポリチレンオキサイドの架橋物からなる熱可塑性吸水性樹脂(以下、単に吸水性樹脂という。)としては、高分子量のポリチレンオキサイドをイソシアネートで架橋させたものやポリチレンオキサイドとジオールをイソシアネートで架橋させたものが挙げられる。このような吸水性樹脂は、例えば、住友精化社から「アクアコーク」、明成化学社から「アクアプレーン」の商品名で市販されている。
【0007】
また、生分解性脂肪族ポリエステル樹脂(以下、単にポリエステル樹脂という。)としては、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートとポリエチレンサクシネートとの共重合体、ポリブチレンサクシネートとポリチレンアジペートとの共重合体及びポリ乳酸が、適度の融点を有し、製糸性が良好である点で好ましく用いられる。これらの他、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ−3−ヒドロキシブチレートとポリ−3−ヒドロキシバリレートとの共重合体、ポリ−3−ヒドロキシブチレートとポリ−4−ヒドロキシブチレートとの共重合体等を使用することもできる。
【0008】
ポリエステル樹脂は、数平均分子量が20,000以上、好ましくは40,000以上、さらに好ましくは60,000以上のものが製糸性及び得られる糸条の特性の点で好ましい。また、重合度を高めるために少量のジイソシアネートやテトラカルボン酸二無水物等で鎖延長したものでもよい。
【0009】
本発明の複合繊維は、芯成分が吸水性樹脂とポリエステル樹脂との混合物、鞘成分がポリエステル樹脂で構成された芯鞘複合構造を有することが必要である。芯成分と鞘成分のポリエステル樹脂は、異なるものでもよいが、通常は同一のものが用いられる。
【0010】
吸水性樹脂は、単独では製糸が困難であり、仮に製糸できても実用に供し得る強伸度特性を有する繊維は得られない。一方、ポリエステル樹脂を単独で製糸しても吸水性と吸放湿性を有する繊維は得られない。また、吸水性樹脂が繊維表面に露出した複合構造とすると、溶融紡出した糸条の冷却性が悪く、単糸の密着等が発生し、製糸性が悪いとともに、繊維物性が劣ったものとなる。
【0011】
本発明の芯鞘構造にすることにより、製糸性や糸質性能が向上し、吸水性と吸放湿性が付与された生分解性繊維が得られる。なお、本発明の複合繊維は、多芯芯鞘構造となっていてもよい。
【0012】
また、本発明の複合繊維は、芯/鞘複合重量比が10/90〜40/60であることが必要である。この範囲よりも芯成分の割合が大きいと、吸水性及び吸放湿性は優れるものの、繊維の強度が低下し、製糸性も悪くなるため、好ましくない。また、芯成分の割合が上記の範囲よりも小さいと、製糸性は向上するものの、吸水性及び吸放湿性が低下するとともに、繊維の断面形状が安定せず、好ましくない。
【0013】
複合繊維の断面形状は、特に限定されず、円形断面の他、多角断面、多葉断面、扁平断面等の異形断面でもよい。
【0014】
さらに、本発明の複合繊維は、吸水性樹脂が繊維全体の5〜30重量%を占めることが必要である。この量が多すぎると吸水性は優れるものの繊維の強度が低下し、製糸性も悪くなり、一方、この量が少ないと製糸性は向上するものの、吸水性及び吸放湿性が不十分となる。
【0015】
なお、芯成分は、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸及びその共重合体、ポリメタクリル酸及びその共重合体、ポリビニルアルコールの共重合体等の他の親水性熱可塑性樹脂を本発明の効果を阻害しない範囲で含有していてもよい。
【0016】
また、本発明の繊維には、必要に応じて、艶消剤、顔料、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤等の各種添加剤を含有させることができる。
【0017】
次に、本発明の複合繊維の製造法について説明する。
本発明の複合繊維は、吸水性樹脂と脂肪族ポリエステル樹脂とを予め溶融混練して芯成分用樹脂を作製しておいて、これと鞘成分用のポリエステル樹脂とを複合溶融紡糸装置に供給して複合紡糸することによって製造することもできるが、吸水性樹脂Aとポリエステル樹脂Bとを別々に溶融して複合紡糸装置に供給し、AとBの一部とを紡糸口金装置内で静的に混練して芯成分を形成し、残りのBを鞘成分として複合紡糸することにより、高品質の繊維を効率良く製造することができる。
【0018】
図1は、このような複合紡糸方法に用いられる紡糸口金装置の一例を示す断面図である。図1において、1はトップキャップ、2〜4は中間プレート、5はノズルプレート、6は吸水性樹脂Aの導入口、7はポリエステル樹脂Bの導入口、8は複合流流路、9は静的混合器、10は芯成分流路、11は鞘成分流路、12は紡糸孔を示す。
【0019】
吸水性樹脂Aとポリエステル樹脂Bは、それぞれトップキャップ1の導入口6、7から導入される。ポリエステル樹脂Bの一部と吸水性樹脂Aは複合流流路8に一様に拡がって中間プレート3に設けられた静的混合器(混合素子は3〜8個が好ましい)9の頂部に導かれる。静的混合器9で混練された芯成分用混合物は、中間プレート4の芯成分流路10を通ってノズルプレート5に導かれ、中間プレート2〜4の鞘成分流路11を通ってノズルプレート5に導かれる鞘成分のポリエステル樹脂Bと共に紡糸孔12から複合紡出される。
【0020】
紡糸温度は、ポリエステル樹脂の融点(芯成分と鞘成分に異種のものを使用する場合は、高い方の融点)よりも40〜150 ℃高い温度で、かつ、 300℃以下の温度とすることが望ましい。紡糸温度が高すぎると紡出糸条が冷却され難くなり、単糸が密着してしまい、好ましくない。また、紡糸温度が低すぎると重合体が十分に溶融せず、製糸性が著しく劣るため、好ましくない。
ポリエステル樹脂は、低融点ものが多く、上記の範囲の温度で溶融紡糸することにより、分解開始温度の低い吸水性樹脂を熱分解させることなく、効率よく紡糸することができる。
【0021】
溶融紡出糸条は、公知の冷却装置で冷却され、紡糸油剤が付与された後、引取りローラで未延伸糸として引き取られる。この未延伸糸は一旦巻き取った後あるいは巻き取ることなく連続して延伸される。
【0022】
延伸は、1段又は2段以上の多段で行うことができ、延伸温度や延伸倍率は繊維を構成する重合体の種類や所望の強伸度特性等を考慮して適切に選定される。
【0023】
本発明の繊維は、単糸繊度が 1.5〜10d、特に2〜6dとなるようにすることが好ましい。単糸繊度が 1.5d未満であると溶融紡糸時の冷却性には優れるものの、製糸時の糸切れが多く、また、生産性が劣る等の問題がある。逆に、単糸繊度が10dを超えると生産性は向上するものの、溶融紡糸時の冷却性に劣るため、好ましくない。
【0024】
【作用】
本発明の複合繊維は、芯成分にもポリエステル樹脂を含有させているので、芯成分と鞘成分との溶融粘度の差が小さくなり、製糸性が良好であるとともに、断面形態が均一となる。
また、本発明の方法で複合紡糸すると、熱分解しやすい吸水性樹脂の分解を抑制することができ、着色のない高品質の繊維が得られる。すなわち、予め吸水性樹脂とポリエステル樹脂とを溶融混練して芯成分用樹脂を作製すると、高温に曝される時間が長くなるが、紡糸口金装置内で両樹脂を混練する方法を採用すれば、高温に曝される時間が短くなるとともに、吸水性樹脂を紡糸口金装置に導入するまでは比較的低温に保つことができる。
【0025】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を具体的に説明する。
なお、測定、評価法は、次の通りである。
(a) メルトフローレート(MFR)
JIS K 7210の方法に準じて荷重2160gで測定した。
(b) 融点
パーキンエルマ社製示差走査型熱量計 DSC−2型を用い、試料重量を3mg、昇温速度を10℃/分で測定して得た融解吸熱曲線の最大値を与える温度を融点とした。
(c) 製糸性
1時間製糸を行い、その間の糸切れ、ローラへの単糸巻き付き等の状況により、○:良好、×:不良の2段階で評価した。
(d) 強伸度
島津製作所製オートグラフ DSS−500 型を用いて、試料長30cm、つかみ間隔5cmで、20回/5cmの撚りを加え、引張速度30cm/分で伸長し、得られた切断時荷重値を単位太さ当たりに換算し、その平均値を繊維の強度とした。また、同時に得られた切断時伸長率の平均値を伸度とした。(測定回数20回とし、平均値を求めた。)
(e) 吸水能力
チップ状の試料を温度20℃、相対湿度65%の雰囲気下で調湿して重量Cを測定した後、20℃の水道水中に20分間浸漬して取り出し、定性濾紙に挟んで脱水した後、重量Cを測定し、次式で吸水能力を求めた。
吸水能力(g/g)=(C−C)/C
(f) 吸放湿性
編物状の試料を温度 105℃で2時間乾燥して重量Wを測定し、その後、温度25℃、相対湿度60%の条件下で2時間調湿して重量Wを測定し、下記の式▲1▼で初期水分率Mを求める。次にこのサンプルを温度34℃、相対湿度90%の条件下で24時間吸湿させた後、重量Wを測定し、水分率Mを下記の式▲2▼で求める。その後、このサンプルを引き続き温度25℃、相対湿度60%の条件下でさらに24時間放置した後、重量Wを測定し、放湿後の水分率Mを下記の式▲3▼で求める。
(%)=〔(W−W)/W〕×100 ▲1▼
(%)=〔(W−W)/W〕×100 ▲2▼
(%)=〔(W−W)/W〕×100 ▲3▼
(g) 生分解性
得られた繊維を土中に埋設し、1、3、6、12カ月後に掘り起こし、繊維の強度を測定し、埋設前の強度Tに対する埋設後の強度Tの比(強度保持率)を求めて評価した。
強度保持率(%)=(T/T)×100
【0026】
実施例1
図1に示した複合紡糸装置を使用し、融点が 114℃、 190℃でのMFRが25g/10分であるポリブチレンサクシネートと 250℃でのMFRが50g/10分で、吸水能力が28g/gの吸水性樹脂:「アクアコーク」との混合物を芯成分、芯成分用と同一のポリブチレンサクシネートを鞘成分として、芯/鞘複合重量比が30/70、「アクアコーク」の含有量が繊維全体の15重量%の同心円状の芯鞘複合繊維糸条を製造した。
この際、紡糸温度を 180℃とし、紡糸孔を24個有する紡糸口金を使用し、溶融紡出した糸条に15℃の空気を吹き付けて冷却し、油剤を付与した後、1500m/分の速度で未延伸糸を巻き取った。未延伸糸を延伸機に供給し、供給ローラと非加熱の延伸ローラとの間で 3.0倍に延伸し、繊度75d/24fの糸条を得た。
製糸性の良否及び得られた糸条の特性値等を表1に示す。
【0027】
実施例2
「アクアコーク」の含有量が繊維全体の5重量%となるようにした以外は実施例1とほぼ同様にして、複合繊維糸条を得た。
製糸性の良否及び得られた糸の糸質性能等を表1に示す。
【0028】
実施例3
芯鞘複合重量比を10/90とした以外は実施例2とほぼ同様にして、複合繊維糸条を得た。
製糸性の良否及び得られた糸の糸質性能等を表1に示す。
【0029】
実施例4
芯鞘複合重量比を40/60した以外は実施例1とほぼ同様にして、複合繊維糸条を得た。
製糸性の良否及び得られた糸の糸質性能等を表1に示す。
【0030】
実施例5
「アクアコーク」の含有量が繊維全体の30重量%となるようにした以外は実施例4とほぼ同様にして、複合繊維糸条を得た。
製糸性の良否及び得られた糸の糸質性能等を表1に示す。
【0031】
実施例6
ポリエステル樹脂として、融点が 108℃、 190℃でのMFRが25g/10分であるポリブチレンサクシネートとポリエチレンサクシネートとのモル比90/10の共重合体を用い、紡糸温度を 170℃とした以外は実施例1とほぼ同様にして、複合繊維糸条を得た。
製糸性の良否及び得られた糸の糸質性能等を表1に示す。
【0032】
実施例7
ポリエステル樹脂として、融点が 108℃、 190℃でのMFRが25g/10分であるポリブチレンサクシネートとポリブチレンアジペートとのモル比80/20の共重合体を用い、紡糸温度を 170℃とした以外は実施例1とほぼ同様にして、複合繊維糸条を得た。
製糸性の良否及び得られた糸の糸質性能等を表1に示す。
【0033】
実施例8
ポリエステル樹脂として、融点が 180℃、 190℃でのMFRが25g/10分であるポリ−L−乳酸を用い、紡糸温度を 240℃とした以外は実施例1とほぼ同様にして、複合繊維糸条を得た。
製糸性の良否及び得られた糸の糸質性能等を表1に示す。
【0034】
実施例9
未延伸糸を巻き取ることなく、連続して延伸する方法を採用した以外は実施例1と同様にして芯鞘複合繊維糸条を製造した。
すなわち、未延伸糸条を速度1500m/分の引き取りローラで引取り、引き取りローラと速度4500m/分の延伸ローラとの間で延伸倍率 3.0倍の条件で延伸し、複合繊維糸条を得た。
製糸性の良否及び得られた糸条の特性値等を表1に示す。
【0035】
比較例1
芯鞘複合比を5/95、「アクアコーク」の含有量を繊維全体の3重量%とした以外は実施例1とほぼ同様にして、複合繊維糸条を得た。
製糸性の良否及び得られた糸条の特性値等を表1に示す。
【0036】
比較例2
芯鞘複合比を50/50とした以外は比較例1とほぼ同様にして、複合繊維糸条を得た。
製糸性の良否及び得られた糸条の特性値等を表1に示す。
【0037】
比較例3
「アクアコーク」の含有量を繊維全体の40重量%とした以外は比較例2とほぼ同様にして、複合繊維糸条を製造することを試みた。
製糸性が極めて悪く、円滑な紡糸ができなかった。
【0038】
比較例4
融点が 114℃、 190℃でのMFRが25g/10分であるポリブチレンサクシネートを鞘成分、 250℃でのMFRが50g/10分で、吸水能力が28g/gの「アクアコーク」を芯成分として、芯/鞘複合重量比が85/15の同心円状の芯鞘複合繊維糸条を実施例1とほぼ同様にして製造した。
製糸性の良否及び得られた糸条の特性値等を表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0003554620
【0040】
表1から明らかなように、本発明の実施例では、芯鞘複合重量比、ポリエステル樹脂の種類や吸水性樹脂及びポリエステル樹脂の量によって、吸放湿性や強度に若干の差があるものの、満足すべき吸放湿性と強度とを有する生分解性繊維を製糸性良く製造することができた。
【0041】
これに対して、比較例では、吸放湿性に劣る繊維しか得られなかったり、製糸性が悪かったりして、満足すべき繊維を得ることができなかった。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、天然繊維の木綿並みの吸水性と吸放湿性を有し、糸質性能に優れ、かつ、優れた生分解性を有する繊維が提供される。
また、本発明の方法によれば、製糸性良く、上記の特性を有する高品質の繊維を得ることができる。
本発明の繊維は、衣料材料、衛生材料、生活関連用素材、産業用素材として好適であり、生分解性を有するので、自然環境保護の観点からも有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で使用される紡糸口金装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 トップキャップ
2〜4 中間プレート
5 ノズルプレート
6 吸水性樹脂Aの導入口
7 ポリエステル樹脂Bの導入口
8 複合流流路
9 静的混合器
10 芯成分流路
11 鞘成分流路
12 紡糸孔

Claims (3)

  1. 芯成分がポリエチレンオキサイドの架橋物からなる熱可塑性吸水性樹脂と生分解性脂肪族ポリエステル樹脂との混合物、鞘成分が生分解性脂肪族ポリエステル樹脂で構成された芯鞘型複合繊維であって、芯/鞘複合重量比が10/90〜40/60であり、ポリエチレンオキサイドの架橋物からなる熱可塑性吸水性樹脂が繊維全体の5〜30重量%を占めることを特徴とする吸放湿性を有する生分解性複合繊維。
  2. 生分解性脂肪族ポリエステル樹脂がポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートとポリエチレンサクシネートとの共重合体、ポリブチレンサクシネートとポリチレンアジペートとの共重合体又はポリ乳酸である請求項1記載の複合繊維。
  3. ポリエチレンオキサイドの架橋物からなる熱可塑性吸水性樹脂Aと生分解性脂肪族ポリエステル樹脂Bとを別々に溶融して複合紡糸装置に供給し、AとBの一部とを紡糸口金装置内で静的に混練して芯成分を形成し、残りのBを鞘成分として複合紡糸することを特徴とする請求項1記載の吸放湿性を有する生分解性複合繊維の製造法。
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