JP2010248684A - ポリカーボネート繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊度の小さいポリカーボネート繊維を得る。
【解決手段】数平均分子量が19000以下であり、分岐化度が0.1モル%〜0.8モル%の範囲内であるポリカーボネート樹脂を含む、溶融紡糸法により製造された単一繊維、および当該ポリカーボネート樹脂を含む樹脂を一成分とする、溶融紡糸法により製造された複合繊維は、紡直繊度が比較的小さい繊維として提供することができ、そのまま補強用繊維として、または各種繊維製品の原料として、好都合に使用できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネートを溶融紡糸することによって得られるポリカーボネート繊維に関し、特に、繊度が5.0dtex以下であるポリカーボネート繊維に関する。
ポリカーボネート(以下、「PC」と略すことがある)樹脂は、エンジニアリングプラスチックとして様々な分野に使用されている。ポリカーボネート樹脂は、具体的には、コンパクトディスク、携帯電話部品、自動車用ヘッドランプ、および光ファイバー等の材料として利用されている。ポリカーボネート樹脂それ自体の製造方法は、種々提案されている(特許文献5)。しかし、ポリカーボネート樹脂を繊維化する技術を開示した文献は少ない。
特許文献1には、ポリカーボネート樹脂を溶融紡糸法で繊維化する技術が開示されている。特許文献2および特許文献3には、ポリカーボネート樹脂と他の成分を組み合わせた複合繊維が開示されている。しかし、特許文献1〜3において、実施例として製造された繊維はいずれも、繊度の大きい(即ち、太い)繊維であり、繊度の小さい繊維を製造する方法を具体的に開示していない。細繊度のポリカーボネート繊維を得る方法としては、メルトブローン法によりポリカーボネートの極細繊維不織布を得ることが開示されているものの(特許文献4)、この方法は、繊維それ自体を製品として提供するものではない。
特公昭37−018328号公報 特公昭48−013730号公報 特開昭51−072610号公報 特開平5−279947号公報 国際公開パンフレットWO2008/090673号
溶融紡糸法で細い繊維を製造するためには、樹脂を溶融して紡糸口金から吐出させ、冷却してフィラメントとしたときの繊度(一般に、「紡直繊度」と呼ばれる)を細くすること、および/またはフィラメントを延伸工程に付して細くすることが必要である。紡直繊度を小さくするためには、吐出した樹脂を比較的高い速度で引き取る必要がある。本発明者らが、一般的なポリオレフィンおよびポリエステルの溶融紡糸技術を適用して、ポリカーボネート樹脂を溶融紡糸したところ、紡直繊度が50dtex以上であるポリカーボネート繊維を得ることはできた。しかし、紡直繊度をさらに小さくしようとして、引き取り速度を高くすると、糸切れが発生し、紡直繊度を小さくすることはできなかった。
また、延伸によって繊度の小さいポリカーボネート繊維を得るには、ポリカーボネート樹脂の特性を考慮すると、加熱しながら、延伸を行う必要がある。ポリカーボネート樹脂は、一般にそのガラス転移点が140〜150℃程度である。この温度以上で繊維を加熱すると、繊維同士の融着が極めて発生しやすい。融着が発生すると、製品としての繊維の価値は低下する。
上述のように、通常の溶融紡糸方法では、細繊度のポリカーボネート繊維を得ることができなかった。そこで、発明者らは、ポリカーボネート樹脂は、一般的なポリオレフィンおよびポリエステルに比べて、溶融粘度が高く、紡糸直後の糸条が細い繊度に変形するために使用できる時間(変形可能時間)が非常に短く、硬化し易いため、細繊度の繊維を得難いのではないかと考えた。さらに、本発明者らは、高い溶融粘度が、ポリカーボネート樹脂の分子量が高い点に由来するのではないかと考えた。
そこで、分子量の異なるポリカーボネート樹脂を用意し、より細い繊維を得ることを目的として、紡直繊度を小さくすることを試みた。その結果、入手可能な分子量の小さい市販のポリカーボネートのうち、紡直繊度を小さくできるものと、できないものがあることが分かった。そこで、さらに検討を加えたところ、同じ分子量であっても、分岐の有無によってポリカーボネート樹脂の溶融紡糸性に差のあることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、数平均分子量が19000以下であり、分岐化度が0.1モル%〜0.8モル%の範囲内であるポリカーボネート樹脂を含む、溶融紡糸法により製造された繊維を提供する。
本発明の繊維は、5.0dtex以下の繊度を有することが好ましい。そのような繊維は、紡績糸および不織布等、様々な繊維製品の製造において使用しやすいことによる。
本発明の繊維は、ポリカーボネート樹脂から実質的に成る単一繊維であることが好ましい。そのような繊維は、ポリカーボネート樹脂の特性を良好に発揮する。
本発明の繊維はまた、繊維化前の粘度平均分子量が19000以下又は繊維化前の数平均分子量が19000以下であり、繊維化前の分岐化度が0.1モル%〜0.8モル%の範囲内であるポリカーボネート樹脂を含む樹脂を溶融紡糸することによって得られる繊維として特定することができる。
本発明はまた、前記特定のポリカーボネート樹脂を含む樹脂から成る一成分と、他の樹脂から成る一又は複数の成分とから成る、二以上の成分からなる複合繊維を提供する。そのような複合繊維においては、ポリカーボネート樹脂の特性と、他の樹脂の特性とが、1つの繊維において得られる。
繊維化前の粘度平均分子量が19000以下であり又は繊維化前の数平均分子量が19000以下であり、繊維化前の分岐化度が0.1モル%〜0.8モル%の範囲内であるポリカーボネート樹脂を含む樹脂を溶融させて紡糸ノズルから吐出させること、および
紡糸ノズルから吐出したフィラメント状の樹脂を、風圧50mmAqu以上の冷却風で冷却すること
を含む、ポリカーボネート繊維の製造方法を提供する。この製造方法によれば、ポリカーボネート樹脂を含む繊維を、比較的小さい繊度を有するものとして得ることができる。
前記本発明の製造方法において、前記特定のポリカーボネート樹脂を含む樹脂から成る成分は、他の樹脂から成る一または複数の成分とともに、複合紡糸ノズルから吐出させてよい。その場合には、ポリカーボネート樹脂を含む成分と他の樹脂の成分とからなる複合繊維であって、比較的小さい繊度を有するものが得られる。
本発明の繊維は、ポリカーボネート樹脂を含む又はそれのみから実質的に成るにもかかわらず、小さい繊度を有するものとして得られる。よって、本発明のポリカーボネート繊維は、例えば、ポリカーボネート樹脂の成形品を補強するための繊維として使用することができ、それにより、PC/PC複合材料を提供することができる。あるいは、本発明の繊維は、他の樹脂またはセメント製品を補強するための補強繊維として使用することができる。さらに、本発明の繊維は、一般的な繊維製品(例えば、不織布等)の材料として利用することができ、ポリカーボネート樹脂が有する優れた特性(耐熱性、自己消火性、優れた寸法安定性、着色性、難燃性、引張強度、曲げ弾性、吸音性、断熱性および耐候性等)を、繊維製品を利用した製品(例えば、耐熱フィルター、吸音材、断熱材、補強材、衣料製品、カーテンおよび内装材)において利用することを可能にする。
本発明の繊維はまた、ポリカーボネート樹脂を含む又はそれのみから実質的に成る成分と他の一又は複数の樹脂成分とからなる、小さい繊度を有する複合繊維として得られる。そのような複合繊維は、前記のように、ポリカーボネート樹脂の特性を利用して、種々の用途に適用できるとともに、他の樹脂成分の特性をも利用して、当該他の樹脂からなる繊維の用途においても好ましく適用することができる。例えば、ポリカーボネート樹脂を含む成分を芯成分とし、他の樹脂成分を鞘成分とした複合繊維は、当該他の樹脂成分が与える触感および特性を維持しつつ、ポリカーボネート樹脂が有する良好な着色性に起因して、繊維全体が良好な染色性を示す。したがって、そのような複合繊維は、当該他の樹脂が染色性において劣る場合に、染色性が要求される衣料用途において用いるのに適している。
本発明は、数平均分子量が19000以下であり、分岐化度が0.1モル%〜0.8モル%の範囲内であるポリカーボネート樹脂を含む、溶融紡糸法により製造された繊維である。この繊維の実施の形態を以下において説明する。
(ポリカーボネート樹脂)
本発明の繊維において特定される、ポリカーボネート樹脂の数平均分子量、分岐化度および後述の末端OH基の割合等は、特に断りのない限り、いずれも繊維化後のものである、即ち、いずれも溶融紡糸した後に測定される。
本発明の繊維を構成するポリカーボネート樹脂は、前述の数平均分子量および分岐化度を有する限りにおいて、いずれの方法で得られたものであってよい。具体的には、ポリカーボネートは、ビスフェノール類のアルカリ水溶液とホスゲンとを有機溶媒の存在下で反応させる界面法、またはビスフェノール類と炭酸ジエステルとをエステル交換反応により重縮合反応させる溶融法のいずれで製造されたものであってよい。上記の分岐化度を有するポリカーボネート樹脂は、好ましくは溶融法により製造される。溶融法によれば、分岐構造を有するポリカーボネート樹脂を得やすく、また、分岐化度を制御することが容易となるからである。
ポリカーボネート樹脂の数平均分子量は、繊維を試料として、下記の手順に従って測定される。本発明の繊維は、そのようにして測定されるポリカーボネート樹脂の数平均分子量が19000以下である繊維である。ポリカーボネート樹脂の数平均分子量は、12000〜16000であることが好ましく、12500〜15000の範囲内にあることがより好ましい。数平均分子量が19000を超えると、溶融紡糸中の樹脂の粘度が高くなり、紡糸中の糸切れが多発し、細い繊維を得られないか、あるいは機械特性の劣った繊維しか得られない。市販のPC樹脂は一般に数分子平均量が13000程度以上(繊維化前の状態で測定される値)であり、これよりも小さい分子量のものは入手しにくいため、分子量が12000未満であるPC繊維を得ることは、コストの上昇につながることがある。
[数平均分子量および重量平均分子量の測定方法]
試料10mgをテトラヒドロフラン5mLに加え、室温(25℃)で、緩やかに攪拌し、溶解させた。次に、試料を溶解させた溶液を、孔径が0.45μmのフィルターで濾過し、測定用試料溶液を得た。ゲル浸透クロマトグラフ装置 GPC(gel permeation chromatography)に測定用試料溶液を0.2mL注入して、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定する。また、得られた数平均分子量及び重量平均分子量からQ値(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)を算出した。
上記の測定は、検出器として、示唆屈折率検出器 RI (東ソー製8020型、感度32)を、カラムとして、TSKgelGMHXL(2本)、G2500HXL(1本)を、標準試料として、単分散ポリスチレンを用い、カラム温度を23℃として測定される。
ポリカーボネート樹脂の分岐化度は、ポリカーボネートの構造単位1モルに対する分岐構造単位の合計モル数の比(モル%)で表される。ポリカーボネートの構造単位は、例えば、特許文献5に記載されているとおり、下記式(a)で示されるものであり、分岐構造単位は、下記式(b)〜(e)で示されるものである。
Figure 2010248684
Figure 2010248684

(式(a)、(b)〜(e)中、Xは、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜炭素数8のアルキリデン基、炭素数5〜炭素数15のシクロアルキレン基、炭素数5〜炭素数15のシクロアルキリデン基又は、-O-,-S-,-CO-,-SO-,-SO2-で示される2価の基からなる群から選ばれるものである。)
分岐化度は、特許文献5で説明されている方法で測定され、具体的には、次の手順に従って測定される。
試料(繊維1g)を、塩化メチレン100mlに溶解した後、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液18ml及びメタノール80mlを加え、さらに純水25mlを添加した後、室温で2時間撹拌して完全に加水分解する。その後、ここに1規定塩酸を加えて中和し、塩化メチレン層を分離して加水分解物を得る。
次に、上記の加水分解物0.05gをアセトニトリル10mlに溶解し、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用し測定を行う。逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、溶離液としてアセトニトリルと10mM酢酸アンモニウム水溶液とからなる混合溶媒を用い、アセトニトリル/10mM酢酸アンモニウム水溶液比率を(20/80)からスタートし(80/20)までグラジュエントする条件下、カラム温度40℃で測定を行う。検出は波長280nmのUV検出器(株式会社島津製作所製、SPD-6A)を用いる。
前述した式(a)〜(e)で表される構造単位は、式(f)〜(j)の化合物として検知される。構造単位の同定は、LC-MS(Agilent株式会社製Agilent-1100)及びNMR(日本電子株式会社製AL-400)を用いて行う。また、各構造単位の含有量は、各化合物の標準物質を用いて、(濃度/ピーク面積)の検量線を作成し、各構造単位の含有量を定量する。
Figure 2010248684
繊維を構成するポリカーボネート樹脂の分岐化度は、0.1モル%〜0.8モル%の範囲内にあり、0.1〜0.3モル%であることが好ましい。分岐化度が0.1モル%〜0.8モル%の範囲であると、その分岐構造に起因して、細い繊維を得ることができる。これは、ポリカーボネート樹脂を溶融状態にしたときに、分子中に適度に分岐構造があることに起因して、分岐化度が0.1モル%未満のポリカーボネート樹脂と比較して、分子同士が絡み易く、引張抵抗力が高くなるためであると予想される。溶融紡糸法は、ノズルから吐出された樹脂を引っ張り、その際に糸状の形態に変形させて、繊維化する方法であるから、引張抵抗力が高いほど、大きい引張力で変形させることができ、細い繊維を得ることができる。また、分岐化度が0.8モル%を超えると、ポリカーボネート樹脂の延性(破壊されずに変形する性質)が小さくなり、変形されずに破断してしまう。このように、繊維化可能な延性を得る観点から、分岐化度の上限は0.8モル%としている。
ポリカーボネート樹脂は、好ましくは、その重量平均分子量が43000未満であり、より好ましくは、20000以上43000未満であり、さらにより好ましくは25000以上40000未満である。重量平均分子量は、前述のように、繊維を試料として、ゲル浸透クロマトグラフ装置 GPCを使用する方法で測定される。ポリカーボネート樹脂は、いずれのQ値(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)を有するものであってよく、例えば、Q値が1.1〜5.0の樹脂を用いることができる。ポリカーボネート樹脂のQ値は、好ましくは、3.00以下であり、より好ましくは、2.30以下である。
繊維を構成するポリカーボネート樹脂は、そのメルトフローレート(以下、MFRともいう)(JIS K 7210に準じて測定される、但し温度は300℃)が10〜200g/10分であることが好ましい。MFRがこの範囲外であると、溶融紡糸が困難となることがある。
ポリカーボネート樹脂は、全末端基中の水酸基(OH)の割合が200ppm〜800ppmであることが好ましい。水酸基の割合が800ppm以下であると、紡糸工程で加水分解を起こしにくく、安定して繊維を得やすい。水酸基の割合が200ppm以上であると、セルロース繊維との親和性が向上する、繊維処理剤とのとの親和性が向上する、染色しやすい、およびスルホン基等の官能基を導入しやすいという点で好都合である。全末端基の水酸基の割合は、四塩化チタン/酢酸法(Makromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)により比色定量を行って、測定される。測定値は、ポリカーボネート重量に対する末端OH基の重量をppm単位で表示する。
繊維化後に上記所定の数平均分子量および分岐化度を有するように、繊維化前のポリカーボネート樹脂を選択する必要がある。本発明者らの観測した限りにおいて、繊維化の前後で、樹脂の数平均分子量および分岐化度はそれほど変化しない。したがって、繊維化前のポリカーボネート樹脂および分岐化度もまた、それぞれ上記範囲内にあることが好ましい。あるいは、樹脂の分子量は、繊維化後に減少する傾向にあるので、使用する樹脂の特性に応じて、繊維化前の数平均分子量が19000を超える樹脂を使用してよい。
繊維化前のポリカーボネート樹脂はまた、その粘度平均分子量又は数平均分子量が19000以下であり、分岐化度が0.1モル%〜0.8モル%の範囲内にあるものであってよい。そのような樹脂を用いると、上記所定の数平均分子量および分岐化度を有する、ポリカーボネート繊維を得ることができる。本発明の繊維の製造に適したポリカーボネート樹脂は、例えば、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社より販売されている、ノバレックスM7020A(粘度平均分子量15000、分岐化度0.2モル%、この商品は、2008年4月1日以降少なくとも本願の出願日までは、溶融法で製造されたポリカーボネート(分岐構造あり)として販売され、2008年3月31日以前に、界面法で製造されたポリカーボネート(分岐構造なし)である、商品名ノバレックス7020Aとは異なる)およびノバレックスM7020J(安定剤が添加されていないことを除いては、ノバレックスM7020Aと同じ物性を有するもの)である。
ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、ウベローデ粘度計を用いて、塩化メチレン中20℃の極限粘度[η]を測定し、以下の式より求められる。
ηsp/C=[η]×(1+0.28ηsp
[η]=1.23×10−4×(Mv)0.83
(式中、ηspは芳香族ポリカーボネートの塩化メチレン溶液について20℃で測定した比粘度であり、Cはこの塩化メチレン溶液の濃度である。塩化メチレン溶液としては、芳香族ポリカーボネートの濃度0.6g/dlのものを用いる)。
(溶融紡糸による繊維化)
次に、本発明の繊維を、溶融紡糸法により製造する方法およびその繊維形態を合わせて説明する。
本発明の繊維を、ポリカーボネート樹脂と他の樹脂とを混合した樹脂を溶融紡糸して単一繊維として製造する場合、ポリカーボネート樹脂の割合は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、さらにより好ましくは70質量%以上である。本発明の繊維は、単一繊維である場合、最も好ましくは、ポリカーボネート樹脂から実質的に成る。ここで、「実質的に」という用語は、通常、製品として提供される樹脂は安定剤等の添加剤を含むため、及び/又は繊維の製造に際して各種添加剤が添加されるため、ポリカーボネート樹脂のみから成り、他の成分を全く含まない形態の繊維が得られないことを考慮して使用している。通常、添加剤の含有量は、最大で15質量%である。
ポリカーボネート樹脂と混合する他の樹脂は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のオレフィン系ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6等のポリアミドなどのホモポリマーや共重合体である。また、ポリカーボネートと他の成分とのポリマーアロイを溶融紡糸してよい。さらに、必要に応じて、ワックス、粘着材、又は難燃剤等の添加剤を添加してもよい。添加剤の含有量は、好ましくは、10質量%以下である。
ポリカーボネート樹脂と他の成分との混合は、公知の混合装置を用いて実施することができる。公知の装置は、例えば、ヘンシェルミキサーおよびスーパーミキサー等である。あるいは、ポリカーボネート樹脂に必要に応じて添加される他の成分を、公知の単軸または2軸押出機等で溶融混合して、繊維化の前に、マスターバッチを得るようにしてよい。
本発明の繊維を、ポリカーボネート樹脂を含む成分と、他の樹脂成分との複合繊維の形態で得る場合、前記において説明したポリカーボネート樹脂を含む成分と、他の樹脂成分とを用意する。複合繊維は、ポリカーボネート樹脂を含む樹脂成分と、他の1つの樹脂成分とからなる、2成分の複合繊維であってよく、あるいは、ポリカーボネートを含む樹脂成分と他の2以上の樹脂成分とからなる、3以上の成分からなる複合繊維であってよい。複合繊維の形態は、芯鞘型複合繊維、分割型複合繊維、海島型複合繊維、およびサイドバイサイド型複合繊維のいずれであってもよい。ポリカーボネート樹脂を含む樹脂成分は、ポリカーボネート樹脂を好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらにより好ましくは70質量%以上含み、最も好ましくはポリカーボネート樹脂のみから実質的に成る。他の樹脂は、上述のポリカーボネート樹脂と混合する他の樹脂として例示したものを用いることができ、それらの樹脂は単独でまたは混合して、複合繊維の一成分を構成する。
本発明の繊維を複合繊維として提供する場合、好ましい複合繊維の一例は、ポリカーボネート樹脂を含む成分が芯成分であり、他の樹脂成分が鞘成分である、芯鞘型複合繊維である。そのような芯鞘型複合繊維からなる繊維製品(例えば、糸、織物、編物、不織布およびそれらからなる衣料製品、カーペット、内装材等)は、当該他の樹脂成分の特性(触感、撥水性、撥油性等)が製品の表面において得られるとともに、ポリカーボネート樹脂の特性が発揮されるものとなる。したがって、例えば、当該他の樹脂として染色性に劣るポリプロピレン樹脂を選択して、芯鞘型複合繊維を製造すると、芯成分のポリカーボネート樹脂が良好な染色性を繊維に付与する。その結果、そのような複合繊維は、従来、染色性の点においてポリプロピレン繊維の適用が限られていた用途(例えば、衣料製品)に好ましく適用される。
芯鞘型複合繊維を製造する場合において、ポリカーボネート樹脂を含む成分を鞘成分とし、他の樹脂成分を芯成分としてよい。その場合には、ポリカーボネート樹脂に由来する特性が表面において発揮される繊維製品を得ることができる。
ポリカーボネート樹脂を含む成分が芯成分および鞘成分のいずれを構成する場合でも、ポリカーボネート樹脂を含む成分が芯鞘型複合繊維に占める割合が小さいほど、溶融紡糸の際に発生する糸切れ等を少なくして、良好に溶融紡糸を実施することができる。具体的には、ポリカーボネート樹脂と他の樹脂成分の繊維断面における容積比は、2:8〜8:2であることが好ましく、3:7〜5:5であることがより好ましい。特に、繊維断面における容積比を3:7〜5:5にすると、ノズルから吐出させた直後の樹脂が固化し難くなり、細繊度(例えば、繊度5.0dtex以下)の複合繊維を得やすい。他の形態の複合繊維を溶融紡糸する場合にも、同様の容積比で複合紡糸することが好ましい。
ポリカーボネート樹脂の繊維化は、公知の溶融紡糸装置を用いて実施できる。紡糸温度は、250〜330℃であることが好ましい。このとき、所望の繊度および延伸を行う場合にはその条件に応じて、紡直繊度を決定する。本発明の繊維(特に、実質的にポリカーボネート樹脂のみから成る単一繊維およびポリカーボネート樹脂のみから成る成分を一成分とする複合繊維)は延伸させにくく、また、延伸処理に付しても得られる繊維の繊維強度を大幅に向上させることは難しい。したがって、延伸処理を経ずとも所望の繊度が得られるように、紡直繊度(引取繊度ともいう)が所望の繊度となるように、紡糸フィラメントを作製することが好ましい。本発明の繊維は、繊維化後の物性が所定のものとなるポリカーボネート樹脂を使用することにより、紡直繊度を、例えば3.0〜15.0dtex、より好ましくは4.0〜10.0dtex、さらに好ましくは3.5〜5.0dtexとすることができる。紡直繊度はより大きくしてよく、例えば、30dtex以上としてよい。1つの紡糸口金に設けられた同じ孔径のノズルから、同時に得られた紡糸フィラメントであっても、フィラメント間で紡直線度のばらつきが生じることがあり、ポリカーボネート樹脂を使用すると、この傾向がより強くなる。その場合には、紡直繊度の上限を設定して、所望の繊維が得られるようにする。上記において例示した繊度の紡糸フィラメントを得るために、例えば、紡糸口金の孔径が0.3〜1mmである場合において、紡糸時のドラフト倍率(延伸倍率)を、例えば、好ましくは100〜2000倍程度、より好ましくは200〜1500倍とする。紡糸ノズルの孔径は、上記ドラフト倍率を達成するために、適宜選択してよく、上記孔径に限定されない。
前記特定の数平均分子量および分岐化度を有するポリカーボネート樹脂は、溶融時の粘度が低く、溶融張力が低いため、上記のドラフト倍率を採用すると、糸切れが発生して、溶融紡糸を円滑に実施することが困難となることがある。かかる不都合を避けるために、溶融紡糸された直後のフィラメントを積極的に冷却して、粘度を上げることが好ましい。具体的には、溶融紡糸されたフィラメントは、好ましくは冷却風圧が50mmAqu(0.490kPa)以上、より好ましくは60mmAqu(0.588kPa)以上、さらにより好ましくは70mmAqu(0.687kPa)以上である冷却風を用いて冷却することが好ましい。冷却風圧の上限は特に限定されず、例えば120mmAquである。
冷却は、円周方向から中心方向に冷却風を流すタイプの環状冷却装置を用いて行うことが好ましい。かかる構成の冷却装置を用いると、環状冷却管装置の中心方向へ向かう程、風圧が高くなる。このことは、冷却風吐出口からの距離が比較的離れていて、冷却風の届きにくい紡糸ノズルの中心部から吐出される樹脂と、冷却風吐出口に近い紡糸ノズルの外周部から吐出される樹脂とが、同程度に冷却されることを可能にする。より詳細には、環状冷却装置は、円筒型の冷却チムニー(通常、1〜100mの長さを有する)であってよい。円筒型の冷却チムニーは、例えば、円筒型の送風部と冷却管部とからなり、送風部の内周に設けられた複数個の冷却風吐出口が、紡糸ノズル直下から又は後述するように紡糸ノズルに最も近い冷却風吐出口が紡糸ノズルの吐出口から垂直方向に間隔をあけて位置する場合には当該位置から、垂直方向に約20cm〜約60cmにわたって1列または複数列設けられたものである。円筒型の冷却チムニーの送風部は例えば、金属メッシュまたはパンチングプレートなどで構成されてよく、例えば、20〜300メッシュの金属メッシュまたはパンチングプレートを使用してよい。その場合、目開き部または開口部が、冷却風吐出口となる。あるいは、冷却は、外周に複数個の冷却風吐出口が設けられた冷却装置を紡糸ノズルの中心位置に設け、当該冷却風吐出口から、放射状に冷却風を吹き出すタイプの環状冷却装置を用いて実施してよい。
前記において示した冷却風圧は、紡糸ノズルに最も近い側の冷却風吐出口(後述するように、好ましくは、紡糸ノズルの吐出口から、垂直距離で約2cm〜約10cmの位置に設けられている)における風圧である。冷却風吐出口が、冷却チムニーの長さ方向において、複数列設けられているときには、冷却効率を上げる観点から、風圧は、冷却風吐出口の位置が垂直方向下側に位置するほど、より小さくすることが好ましい。
冷却風吐出口(複数列の冷却風吐出口が設けられている場合には、最上部に設けられる冷却風吐出口の位置)と樹脂が吐出される位置(例えば、紡糸ノズル)との垂直方向における距離(冷却風吐出口を含む水平面と樹脂が吐出される位置を含む水平面との間の最短距離)は、2cm〜10cmであることが好ましく、3cm〜7cmであることがより好ましい。冷却風吐出口と樹脂が吐出される位置との間に2cm以上の距離を設けると、紡糸ノズルを冷却することなく、及び/又は、ドラフト状態(繊維への変形段階)にない樹脂(例えば、バラス効果により紡糸ノズルの孔径よりも直径が大きくなっている状態にある樹脂)を冷却することなく、ドラフト状態となった樹脂のみを冷却して粘度を上げることができるため、可紡性が良くなる。
前記環状冷却装置を用いる場合、冷却風は、紡糸ノズルから吐出されるフィラメントに沿って下側に向かって流れる。しかし、冷却風圧が高くなると、冷却風の一部が上方に向かい、紡糸ノズルを冷却し、溶融紡糸に影響を及ぼすことがある。その場合には、冷却風を冷却チムニーの下から抜き取る等して、冷却風の向きをできるだけ下向きにし、それにより紡糸ノズルに冷却風があたることを避ける又は軽減することが好ましい。冷却風の抜き取りは、例えば、冷却チムニーの下方にファンを配置し、ファンを作動させることにより実施できる。
冷却風の温度は、外気温と同程度であってよく、好ましくは35℃未満であり、より好ましくは15℃以上30℃以下である。冷却風の温度が高いと、ポリカーネート樹脂が適切に冷却されないことがあり、冷却風の温度が低すぎると、ポリカーボネート樹脂、ならびに複合紡糸する場合にはポリカーボネート樹脂および/または他の樹脂が過度に冷却されて、粘度が上昇し、却って糸切れが発生することがある。
また、冷却風の風速は、40m/分〜100m/分とすることが好ましく、50m/分〜80m/分とすることがより好ましい。ここで示す冷却風の風速は、冷却風吐出口における風速を指す。風速は、冷却風吐出口から遠ざかるにつれて、減少する。ここに示す風速の範囲は、冷却風吐出口と、それに最も近接する紡糸ノズルから吐出されたフィラメント状の樹脂との間の距離が、2〜20cm程度であるときの好ましい範囲である。冷却風の風速が小さすぎると、十分な冷却効果を得られないことがあり、冷却風の風速が大きすぎると、ポリカーボネート樹脂、ならびに複合紡糸する場合にはポリカーボネート樹脂および/または他の樹脂が過度に冷却されて、却って糸切れが発生することがある。
紡糸フィラメントは、必要に応じて、延伸処理に付してよい。ポリカーボネート樹脂を含む繊維は、前述のように、ガラス転移点が140〜150℃であることに起因して、延伸処理に付すことが難しい。また、ポリカーボネート樹脂の特性上、延伸処理に付しても繊維強度を向上させることができず、また、高い倍率で延伸することが難しい。その傾向は、ポリカーボネート樹脂の割合が高いほど、顕著となる。よって、紡糸フィラメントは延伸処理に付さなくともよい。延伸処理に付す場合には、延伸温度を130℃以上150℃以下の範囲内にある温度に設定し、延伸倍率を1〜3倍とすることが好ましく、2倍程度とすることがより好ましい。延伸方法は、乾式延伸法であることが好ましい。
得られた延伸フィラメントには、所定量の繊維処理剤が付着させられる。さらに、必要に応じて、クリンパー(捲縮付与装置)で機械捲縮が与えられる。捲縮数は、例えば、カードで開繊されてウェブを形成する繊維、およびエアレイウェブを形成する繊維については、12山/25mm以上19山/25mm以下の範囲内にあることが好ましい。そのような繊維は、繊維長が10mmを超え、100mm以下である、ステープルファイバーの形態で提供される。あるいは、本発明の繊維は、繊維長が2〜10mm程度である、捲縮を有しない短繊維の形態としてよく、あるいは捲縮を有しない又は捲縮を有する、長繊維の形態で使用してよい。
以上において説明した本発明のポリカーボネート繊維は、例えば、樹脂またはセメント等を補強するための補強用繊維として、使用することができる。本発明の繊維はまた、通常の繊維と同様の方法で各種繊維製品を製造するのに利用することができる。繊維製品には、例えば、紡績糸、長繊維、不織布、織物および編物が含まれる。不織布等の布帛は、ポリカーボネート樹脂の特性を利用して、例えば、フィルター、吸音材、断熱材、補強材、衣料製品、カーテン、および内装材等として使用するのに適している。
(試験1)
溶融法で製造したポリカーボネート樹脂(商品名ノバレックスM7020A、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)を用意した。この樹脂の繊維化前の粘度平均分子量は15000であり、数平均分子量は13000であり、分岐化度は0.2モル%であり、重量平均分子量は28500であり、Q値は2.18であり、末端OH基の割合は450ppmであった。
この樹脂を、紡糸ノズル(孔径0.6mm:以下の試験2〜4においても同じ)を用い、紡糸温度を300℃として溶融押出し、紡糸ノズル付近の温度を16℃に冷却し、延伸倍率(紡糸ドラフト)を670倍として、繊度4.0dtexの紡糸フィラメントを得た。冷却は、より詳細には、風圧120mmAqu、風速96m/分、温度16℃の冷却風を、紡糸ノズルから吐出されるフィラメント状の樹脂にあてて実施した。冷却は、100メッシュのステンレスメッシュからなり、垂直方向に40cmにわたって設けられた送風部と、送風部の下部に垂直方向に5mの長さを有する冷却管部とからなる、円筒型の冷却チムニーを用いて行った(以下の試験2〜7においても同じ)。上記の風圧および風速は、最上部に位置する冷却風吐出口(紡糸ノズルとの間の垂直方向における距離が5cmとなる位置にある)におけるものである(以下の試験2〜7においても同じ)。冷却風吐出口とそれに最も近接するフィラメント状の樹脂との間の距離は、10cmであった(以下の試験2〜7においても同じ)。
得られた紡糸フィラメントに繊維処理剤を付与した後、紡糸フィラメントにスタッフィングボックス型クリンパーにて、16山/25mmの機械捲縮を付与した。そして、100℃に設定したエアスルー熱処理機にて約15分間、弛緩した状態で乾燥処理を施し、フィラメントを51mmの繊維長に切断して、ステープルファイバーを得た。溶融紡糸は、長時間安定して実施することができた。
さらに、試験1において、繊度4.0dtexの紡糸フィラメントを得た後、延伸温度を140℃、延伸倍率を2倍として、乾式延伸を施し、延伸した繊維に、上記未延伸の繊維と同様に、捲縮付与および乾燥処理を施した。
(試験2)
溶融法で製造したポリカーボネート樹脂(商品名ノバレックスM7022J、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)を用意した。この樹脂の繊維化前の粘度平均分子量は19500であり、分岐化度は0.2モル%であった。
この樹脂を、紡糸ノズルを用い、紡糸温度を310℃として溶融押出し、紡糸ノズル付近の温度を25℃に冷却し、延伸倍率(紡糸ドラフト)を270倍として、繊度10.0dtexの紡糸フィラメントを得た。冷却は、より詳細には、風圧120mmAqu、風速96m/分、温度25℃の冷却風を、紡糸ノズルから吐出されるフィラメント状の樹脂にあてて実施した。得られた紡糸フィラメントに繊維処理剤を付与した後、延伸フィラメントにスタッフィングボックス型クリンパーにて、16山/25mmの機械捲縮を付与した。そして、100℃に設定したエアスルー熱処理機にて約15分間、弛緩した状態で乾燥処理を施し、フィラメントを51mmの繊維長に切断して、ステープルファイバーを得た。溶融紡糸は、長時間安定して実施することができた。この試験において、より小さい繊度の紡糸フィラメントを得ようとしたところ、糸切れが多発し、紡糸することができなかった。
(試験3)
溶融法で製造したポリカーボネート樹脂(商品名ノバレックスM7025J、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)を用意した。この樹脂の繊維化前の粘度平均分子量は21000であり、分岐化度は0.2モル%であった。
この樹脂を、紡糸ノズルを用い、紡糸温度を320℃として溶融押出したところ、どのように紡糸条件を設定しても、安定して紡糸をすることができなかった。
(試験4)
界面法で製造したポリカーボネート樹脂(商品名ユーピロンH4000、三菱ガス化学(株)製)を用意した。この樹脂の繊維化前の粘度平均分子量は15000であり、数平均分子量は13100であり、分岐化度は0モル%であり、重量平均分子量は28400であり、Q値は2.17であった。
この樹脂を、紡糸ノズルを用い、紡糸温度を300℃として溶融押出し、紡糸ノズル付近の温度を25℃に冷却し、延伸倍率(紡糸ドラフト)を410倍として、繊度7.0dtexの紡糸フィラメントを得た。冷却は、より詳細には、風圧120mmAqu、風速96m/分、温度25℃の冷却風を、紡糸ノズルから吐出されるフィラメント状の樹脂にあてて実施した。得られた紡糸フィラメントに繊維処理剤を付与した後、延伸フィラメントにスタッフィングボックス型クリンパーにて、16山/25mmの機械捲縮を付与した。そして、100℃に設定したエアスルー熱処理機にて約15分間、弛緩した状態で乾燥処理を施し、フィラメントを51mmの繊維長に切断して、ステープルファイバーを得た。溶融紡糸は、長時間安定して実施することができた。この試験において、より小さい繊度の紡糸フィラメントを得ようとしたところ、糸切れが多発し、紡糸することができなかった。
試験1〜4で得た繊維(試験3については、繊維化前のペレット状の樹脂)から、数平均分子量、末端OH基の割合、分岐化度を測定した。それらの測定方法は、先に説明した手順または規格に従って実施した。また、MFRを、JIS K 7210に準じて、測定温度を300℃として測定した。得られた繊維の強度及び伸度は、JIS L 1015に準じて、引張試験機を用いて、試料のつかみ間隔を20mmとしたときの繊維切断時の荷重値及び伸度を測定し、それぞれ単繊維強度及び繊維伸度とした。140℃収縮として、JIS L 1015:1999に準じて、つかみ間隔を100mmとし、処理温度140℃、処理時間15分間、初荷重0.018mN/dtexにおける単繊維乾熱収縮率を求めた。1%収縮温度として、JIS L 1015:1999に準じて、つかみ間隔を100mmとして、繊維を加熱したときに、試料が1%収縮した時点での処理温度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2010248684
試験1および2では、安定して溶融紡糸をすることができ、繊維を得ることができた。また、試験1で得た繊維は、紡直繊度を5.0dtex以下とすることができた。これらの繊維から測定した、ポリカーボネート樹脂の数平均分子量は19000以下であり、かつ分岐化度は0.2モル%であった。試験1において得られた未延伸の繊維および延伸後の繊維は、同程度の物性を示した。
試験3では、紡糸そのものが不可能であった。試験3では繊維化後の数平均分子量が19000を超えており、大きい分子量が繊維化の妨げになったと考えられる。
試験1、試験1(延伸)及び試験2で得た繊維は、試験4で得た繊維と比較して、1%収縮(1%収縮する温度)が高く、140℃収縮(140℃における収縮率)が小さく、100℃〜140℃付近における寸法安定性が比較的高いと考えられる。また、試験4で得た繊維を140℃で収縮させた後、繊維に張力をかけずに自然な状態(テンションフリー)で見た場合、繊維が部分的に収縮して、繊維の外観が機械収縮で与えられた形状とは異なる、波打った形状を有していた(正弦波状になっていた)。そのような収縮の発生は、例えば、この繊維の使用を難しくし、特に高温度下で使用することを難しくする又は不可能にする。試験1、試験1(延伸)及び試験3で得た繊維は、140℃で収縮させた後も、その外観が波状とならず、外観の変化(寸法の変化を除く)は特に観察されなかった。
試験4で得た繊維から測定した、ポリカーボネート樹脂の数平均分子量は12900であり、試験1で得た繊維のそれとほぼ同じであったが、分岐化度が0であり、分岐構造を有していなかった。分岐構造の無いことが、試験4の繊維を熱収縮させたときに、試験1の繊維と比較して、大きな変形をもたらしたと考えられる。
(試験5−1)
溶融法で製造したポリカーボネート樹脂(商品名ノバレックスM7020J、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)を用意した。この樹脂の繊維化前の粘度平均分子量は15000であり、数平均分子量は13000であり、分岐化度は0.2モル%であり、重量平均分子量は28500であり、Q値は2.18であり、末端OH基の割合は450ppmであった。この樹脂は、安定剤を含まないという点でのみ、試験1で使用したポリカーボネート樹脂と異なる。また、このポリカーボネート樹脂と複合紡糸させるための樹脂として、ポリプロピレン樹脂(商品名SA03、日本ポリプロ(株)製)を用意した。
ポリカーボネート樹脂が芯成分、ポリプロピレン樹脂が鞘成分となるように、芯鞘型複合紡糸ノズルを用い、芯成分の吐出量を75g/分、鞘成分の吐出量を54g/m、芯成分の紡糸温度を300℃、鞘成分の紡糸温度を280℃として溶融押出した。紡糸ノズル付近で冷却しながら、延伸倍率(紡糸ドラフト)を559倍として、繊度5.3dtexの紡糸フィラメントを得た。冷却は、風圧50mmAqu、風速48m/分、温度25℃の冷却風を、紡糸ノズルから吐出されるフィラメント状の樹脂にあてて実施した。
得られた紡糸フィラメントに、延伸温度を140℃、延伸倍率を1.58倍として、乾式延伸を施し、延伸した繊維に、繊維処理剤を付与した後、スタッフィングボックス型クリンパーにて、16山/25mmの機械捲縮を付与した。そして、100℃に設定したエアスルー熱処理機にて約15分間、弛緩した状態で乾燥処理を施し、フィラメントを51mmの繊維長に切断して、ステープルファイバーを得た。溶融紡糸は、長時間安定して実施することができた。得られた芯鞘型複合繊維において、芯/鞘の容積比は5/5であった。
(試験5−2)
冷却を、風圧60mmAqu、風速60m/分、温度25℃の冷却風を、紡糸ノズルから吐出されたフィラメント状の樹脂にあてて実施したこと、溶融紡糸時の延伸倍率を606倍としたこと、紡糸フィラメントの延伸倍率を1.50倍としたことを除いては、試験5−2で採用した手順と同じ手順に従って芯鞘型複合繊維を得た。
(試験5−3)
冷却を、風圧70mmAqu、風速72m/分、温度25℃の冷却風を、紡糸ノズルから吐出されたフィラメント状の樹脂にあてて実施したこと、溶融紡糸時の延伸倍率を645倍としたこと、紡糸フィラメントの延伸倍率を1.46倍としたことを除いては、試験5−1で採用した手順と同じ手順に従って芯鞘型複合繊維を得た。
(試験6ー1)
試験5−1で用いたものと同じポリカーボネート樹脂およびポリプロピレン樹脂を用意した。ポリカーボネート樹脂が芯成分、ポリプロピレン樹脂が鞘成分となるように、芯鞘型複合紡糸ノズルを用い、芯成分の吐出量を75g/分、鞘成分の吐出量を80g/m、芯成分の紡糸温度を300℃、鞘成分の紡糸温度を280℃として溶融押出した。紡糸ノズル付近で冷却しながら、延伸倍率(紡糸ドラフト)を479倍として、繊度5.3dtexの紡糸フィラメントを得た。冷却は、風圧50mmAqu、風速48m/分、温度25℃の冷却風を、紡糸ノズルから吐出されるフィラメント状の樹脂にあてて実施した。
得られた紡糸フィラメントに、延伸温度を140℃、延伸倍率を1.58倍として、乾式延伸を施し、延伸した繊維に、繊維処理剤を付与した後、スタッフィングボックス型クリンパーにて、16山/25mmの機械捲縮を付与した。そして、100℃に設定したエアスルー熱処理機にて約15分間、弛緩した状態で乾燥処理を施し、フィラメントを51mmの繊維長に切断して、ステープルファイバーを得た。溶融紡糸は、長時間安定して実施することができた。得られた芯鞘型複合繊維において、芯/鞘の容積比は4/6であった。
(試験6−2)
冷却を、風圧60mmAqu、風速60m/分、温度25℃の冷却風を、紡糸ノズルから吐出されるフィラメント状の樹脂にあてて実施したこと、溶融紡糸時の延伸倍率を550倍としたこと、紡糸フィラメントの延伸倍率を1.50倍としたことを除いては、試験6−1で採用した手順と同じ手順に従って芯鞘型複合繊維を得た。
(試験6−3)
冷却を、風圧70mmAqu、風速72m/分、温度25℃の冷却風を、紡糸ノズルから吐出されるフィラメント状の樹脂にあてて実施したこと、溶融紡糸時の延伸倍率を594倍としたこと、紡糸フィラメントの延伸倍率を1.46倍としたことを除いては、試験6−1で採用した手順と同じ手順に従って芯鞘型複合繊維を得た。
(試験7−1)
試験5−1で用いたものと同じポリカーボネート樹脂およびポリプロピレン樹脂を用意した。ポリカーボネート樹脂が芯成分、ポリプロピレン樹脂が鞘成分となるように、芯鞘型複合紡糸ノズルを用い、芯成分の吐出量を75g/分、鞘成分の吐出量を125g/m、芯成分の紡糸温度を300℃、鞘成分の紡糸温度を280℃として溶融押出した。紡糸ノズル付近で冷却しながら、延伸倍率(紡糸ドラフト)を423倍として、繊度5.3dtexの紡糸フィラメントを得た。冷却は、風圧50mmAqu、風速48m/分、温度25℃の冷却風を、紡糸ノズルから吐出されるフィラメント状の樹脂にあてて実施した。
得られた紡糸フィラメントに、延伸温度を140℃、延伸倍率を1.61倍として、乾式延伸を施し、延伸した繊維に、繊維処理剤を付与した後、スタッフィングボックス型クリンパーにて、16山/25mmの機械捲縮を付与した。そして、100℃に設定したエアスルー熱処理機にて約15分間、弛緩した状態で乾燥処理を施し、フィラメントを51mmの繊維長に切断して、ステープルファイバーを得た。溶融紡糸は、長時間安定して実施することができた。得られた芯鞘型複合繊維において、芯/鞘の容積比は3/7であった。
(試験7−2)
冷却を、風圧60mmAqu、風速60m/分、温度25℃の冷却風を、紡糸ノズルから吐出されるフィラメント状の樹脂にあてて実施したこと、溶融紡糸時の延伸倍率を494倍としたこと、紡糸フィラメントの延伸倍率を1.54倍としたことを除いては、試験7−1で採用した手順と同じ手順に従って芯鞘型複合繊維を得た。
(試験7−3)
冷却を、風圧70mmAqu、風速72m/分、温度25℃の冷却風を、紡糸ノズルから吐出されるフィラメント状の樹脂にあてて実施したこと、溶融紡糸時の延伸倍率を570倍としたこと、紡糸フィラメントの延伸倍率を1.46倍としたことを除いては、試験7−1で採用した手順と同じ手順に従って芯鞘型複合繊維を得た。
(試験7−4)
冷却を、風圧120mmAqu、風速96m/分、温度25℃の冷却風を、紡糸ノズルから吐出されるフィラメント状の樹脂にあてて実施したこと、溶融紡糸時の延伸倍率を705倍としたこと、紡糸フィラメントの延伸倍率を1.34倍としたことを除いては、試験7−1で採用した手順と同じ手順に従って芯鞘型複合繊維を得た。
(試験7−5)
試験5−1で用いたものと同じポリカーボネート樹脂に、分子式が[OC(CHP(O)OCOP(O)[OC(CHで表される芳香族縮合リン酸エステル(商品名PX−200、大八化学工業(株)製)を、難燃剤として混合した。このリン酸エステルは、混合物中に占める割合が10質量%となるように混合した。このリン酸エステル含有ポリカーボネート樹脂を芯成分として使用したこと以外は、試験7−4で採用した手順と同じ手順に従って芯鞘型複合繊維を得た。
試験5−1〜3、6−1〜3、7−1〜5で得られた各芯鞘型複合繊維の製品繊度、強度、伸度、1%収縮温度、140℃収縮率を求めた。結果を表2に示す。
Figure 2010248684
試験5−1〜3は、冷却風圧および冷却風速が高くなるほど、延伸倍率(紡糸ドラフト)を高くすることができ、より細い繊度のものが得られることを示している。同様の傾向は、試験例6−1〜3および試験例7−1〜3においても見られる。即ち、ポリカーボネート樹脂の繊維化に際しては、ポリカーボネート樹脂をより強く冷却することによって、より細い繊維が得られる。
試験5〜7においては、ポリカーボネート樹脂の吐出量を一定(75g/分)とし、ポリプロピレン樹脂の吐出量を変化させることにより、芯/鞘の容積比を変化させた。したがって、試験7−1〜4における樹脂全体(PC+PP)の吐出量は、試験5−1〜3におけるそれよりも相当大きくなっている。そのため、同じ冷却風圧および冷却風速で冷却した場合でも、ポリプロピレン樹脂に覆われているポリカーボネート樹脂の冷却の度合いが異なり、試験7−1において利用可能な延伸倍率(紡糸ドラフト)は、試験5−1におけるそれよりも小さくなった。尤も、試験7において、風圧および風速をそれぞれ、120mmAquおよび96m/分とすると、試験5−3および試験6−3で得た繊維よりも小さい製品繊度を実現することができた。このことは、ポリカーボネート樹脂の繊維化において、紡糸ノズルから吐出されたフィラメント状の樹脂を強く冷却すること、即ち、風圧の大きい冷却風をあてて冷却することが、繊維の細繊度化に有効であることを示している。
本発明のポリカーボネート繊維は、比較的繊度の小さい形態で得ることができ、そのまま、例えば、樹脂またはセメントの補強用繊維として提供することができ、また、各種繊維製品、例えば、糸、織物、編物および不織布の製造に好都合に用いられる。本発明の繊維を含む繊維製品は、ポリカーボネートの特性を利用して、例えば、耐熱フィルターを構成することができる。

Claims (9)

  1. 数平均分子量が19000以下であり、分岐化度が0.1モル%〜0.8モル%の範囲内であるポリカーボネート樹脂を含む、溶融紡糸法により製造されたポリカーボネート繊維。
  2. 5.0dtex以下の繊度を有する、請求項1に記載のポリカーボネート繊維。
  3. 数平均分子量が12000〜16000の範囲内にある、請求項1または2に記載のポリカーボネート繊維。
  4. ポリカーボネート樹脂から実質的に成る、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネート繊維。
  5. 数平均分子量が19000以下であり、分岐化度が0.1モル%〜0.8モル%の範囲内であるポリカーボネート樹脂を含む樹脂成分と、他の樹脂から成る一又は複数の樹脂成分とから成る、複合繊維。
  6. 繊維化前の粘度平均分子量が19000以下であり又は繊維化前の数平均分子量が19000以下であり、繊維化前の分岐化度が0.1モル%〜0.8モル%の範囲内であるポリカーボネート樹脂を含む樹脂を溶融紡糸することによって得られる、ポリカーボネート繊維。
  7. 繊維化前の粘度平均分子量が19000以下であり又は繊維化前の数平均分子量が19000以下であり、繊維化前の分岐化度が0.1モル%〜0.8モル%の範囲内であるポリカーボネート樹脂を含む樹脂を溶融させて紡糸ノズルから吐出させること、および
    紡糸ノズルから吐出したフィラメント状の樹脂を、風圧50mmAqu以上の冷却風で冷却すること
    を含む、ポリカーボネート繊維の製造方法。
  8. 前記繊維化前の粘度平均分子量が19000以下であり又は繊維化前の数平均分子量が19000以下であり、繊維化前の分岐化度が0.1モル%〜0.8モル%の範囲内であるポリカーボネート樹脂を含む樹脂を一成分とし、当該成分を、他の樹脂から成る一または複数の成分とともに、溶融させて複合ノズルから吐出させること、および
    複合紡糸ノズルから吐出したフィラメント状の樹脂を、風圧50mmAqu以上の冷却風で冷却すること
    を含む、複合繊維の製造方法。
  9. 前記冷却風が、40m/分以上の風速を有する、請求項7または8に記載のポリカーボネート繊維の製造方法。
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