JPH0734369A - 生分解性長繊維不織布 - Google Patents

生分解性長繊維不織布

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JPH0734369A
JPH0734369A JP5201857A JP20185793A JPH0734369A JP H0734369 A JPH0734369 A JP H0734369A JP 5201857 A JP5201857 A JP 5201857A JP 20185793 A JP20185793 A JP 20185793A JP H0734369 A JPH0734369 A JP H0734369A
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JP
Japan
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biodegradable
polymer
aliphatic polyester
web
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JP5201857A
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Yoshimoto Miyahara
芳基 宮原
Shigemitsu Murase
繁満 村瀬
Koichi Nagaoka
孝一 長岡
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 脂肪族グリコールと脂肪族ジカルボン酸の縮
重合体である生分解性熱可塑性脂肪族ポリエステル系重
合体からなる長繊維から構成され,かつ構成長繊維同士
が部分的に熱接着されてなる生分解性長繊維不織布。 【効果】 生分解性を有し,機械的強度が優れ,柔軟性
に富み,医療・衛生材料用素材,拭き取り布や包装材料
あるいは家庭・業務用の生塵捕集用袋等の一般生活関連
材用素材あるいは農業用に代表される産業資材用素材と
して好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,生分解性を有し,機械
的強度が優れ,柔軟性に富み,医療・衛生材料,拭き取
り布や包装材料あるいは家庭・業務用の生塵捕集用袋等
の一般生活関連材,あるいは農業用に代表される産業資
材用の各素材として好適な長繊維不織布に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から,医療・衛生材料や一般生活関
連材あるいは一部の産業資材用の素材としてポリエチレ
ンヤポリプロピレン,ポリエステル,ポリアミド等の熱
可塑性重合体からなる不織布が知られている。これらの
不織布は,通常の自然環境下では化学的に安定な前記の
ような重合体から構成されるため自己分解性がなく,し
たがって使い捨て用途では,焼却あるいは埋め立てとい
う方法で処理されているのが実情である。焼却処理に関
しては,多大の費用が必要とされ,しかも廃棄プラスチ
ツクによる公害を生じる等,自然・生活環境保護の観点
からして問題である。一方,埋め立てに関しては,上述
したように素材が通常の自然環境下では化学的に安定で
あるため土中で長期間にわたって元の状態のまま保持さ
れるという問題がある。これらの問題を解決すべく,生
分解性を有する素材からなる不織布を選択することが考
えられる。例えば,乾式法あるいは溶液浸漬法により得
られるビスコースレーヨン短繊維不織布,湿式スパンボ
ンド法により得られるキユプラレーヨン長繊維不織布,
コツトンや麻に代表されるセルロース系繊維からなる短
繊維不織布,その他,キチン等の多糖類,カツトグツト
(脹線)あるいはアテロコラーゲン等の蛋白質,ポリペ
プチド(ポリアミノ酸),微生物が自然界で作るポリ−
3−ヒドロキシブチレート,ポリ−3−ヒドロキシバリ
レート,ポリ−3−ヒドロキシカプロレート等の微生物
ポリエステルといった天然物の化学繊維からなる不織
布,ポリグリコリドやポリラクチド等の合成脂肪族ポリ
エステルの合成繊維からなる不織布が挙げられる。しか
しながら,前者の各種レーヨン繊維,セルロース系繊維
あるいは前記天然物の化学繊維からなる不織布は,生分
解性は有するものの不織布自体の構成素材自体の機械的
強度が低くかつ親水性があるため,吸水・湿潤時の機械
的強度低下が著しい,また柔軟性が劣る,さらに素材自
体が非熱可塑性であるため熱接着性を有しない等の種々
の問題を有している。また,後者の合成脂肪族ポリエス
テル繊維からなる不織布は,生分解性を有しかつ機械的
強度は向上するものの細繊度化が困難であるため,柔軟
性の兼備を要求されるような用途分野に適用することが
困難であり,しかも重合体特性の点で湿式紡糸法に頼ら
ざるを得ないため,不織布を得るに際して段階的な複数
の工程を必要とし,また加工コストを低減しようとする
と大規模な装置を要するという問題を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,前記問題を
解決し,生分解性を有し,機械的強度が優れ,柔軟性に
富み,医療・衛生材料,拭き取り布や包装材料あるいは
家庭・業務用の生塵捕集用袋等の一般生活関連材,ある
いは農業用に代表される産業資材用の各素材として好適
な長繊維不織布を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,前記問題
を解決すべく鋭意検討の結果,本発明に到達した。すな
わち,本発明は,以下の構成をその要旨とするものであ
る。 (1)脂肪族グリコールと脂肪族ジカルボン酸の縮重合
体である生分解性熱可塑性脂肪族ポリエステル系重合体
からなる長繊維から構成され,かつ構成長繊維同士が部
分的に熱接着されてなる生分解性長繊維不織布。 (2)生分解性熱可塑性脂肪族ポリエステル系重合体
が,ポリエチレンサクシネート又はポリブチレンサクシ
ネートである前記(1)記載の生分解性長繊維不織布。 (3)生分解性熱可塑性脂肪族ポリエステル系重合体
が,ポリエチレンサクシネートの0重量%を超えかつ3
5重量%以下と,ポリブチレンサクシネートの100重
量%未満かつ65重量%以上との共重合体である前記
(1)記載の生分解性長繊維不織布。
【0005】次に,本発明を詳細に説明する。本発明に
おける生分解性熱可塑性脂肪族ポリエステル系重合体と
は,脂肪族グリコールと脂肪族ジカルボン酸の縮重合体
で,かつ融点が90℃以上のものであり,例えば,ポリ
エチレンオキサレート,ポリエチレンサクシネート,ポ
リエチレンアジペート,ポリエチレンアゼレート,ポリ
ブチレンオキサレート,ポリブチレンサクシネート,ポ
リブチレンアジペート,ポリブチレンセバケート,ポリ
ヘキサメチレンセバケート,ポリネオペンチルオキサレ
ート又はこれらの共重合体が挙げられる。本発明では,
前記脂肪族ポリエステル系重合体として,ポリエチレン
サクシネート及び/又はポリブチレンサクシネートを採
用すると,本願発明がその対象とする用途分野において
好適な不織布特性を発現させることができるため,特に
好ましい。ポリエチレンサクシネートとポリブチレンサ
クシネートは,ポリエチレンサクシネート単体あるいは
ポリブチレンサクシネート単体であってもよく,またこ
れらの共重合体であってもよいが,共重合体の場合に
は,ポリエチレンサクシネートを0重量%を超えかつ3
5重量%以下とし,ポリブチレンサクシネートを100
重量%未満かつ65重量%以上とするのが,共重合体の
融点と数平均分子量の点で必要である。すなわち,ポリ
エチレンサクシネートが35重量%を超える(すなわ
ち,ポリブチレンサクシネートが65重量%未満とな
る。)と,融点が90℃未満となるためこの重合体を用
いて長繊維不織布としたとき高温条件下での使用に困難
となり,また数平均分子量が十分に向上しないためこの
重合体の繊維形成性が低く,溶融紡糸時の製糸性が向上
しないためである。
【0006】本発明では,前記脂肪族ポリエステル系重
合体として,さらにASTM−D−1238(L)に準
じて温度200℃で測定したメルトフローレート値が2
0g/10分以上70g/10分以下のものを採用する
のが好ましい。このメルトフローレート値が20g/1
0分未満であると,重合体の粘度が高過ぎて得られる不
織布が硬い風合いのものとなるため,一方,メルトフロ
ーレート値が70g/10分を超えると,重合体の粘度
が低過ぎて長繊維のすなわち不織布の機械的強度が低下
したり,溶融紡糸時製糸性が特に高速での製糸性が低下
するため,いずれも好ましくない。なお,本発明におい
ては,上述したところの生分解性熱可塑性重合体に,必
要に応じて,例えば艶消し剤,顔料,光安定剤,熱安定
剤,酸化防止剤等の各種添加剤を本発明の効果を損なわ
ない範囲内で添加することができる。
【0007】本発明の不織布では,不織布を構成する前
記脂肪族ポリエステル系重合体からなる長繊維の単繊維
繊度は特に限定されるものではないが,敢えて限定すれ
ば1デニール以上10デニール以下とするのが好まし
い。この単繊維繊度が1デニール未満であると,例えば
機械的強度が要求される産業資材用途においてその強度
面で不十分となり,また溶融紡糸時に紡糸口金面で吐出
されたフイラメントが糸曲がりを生じるなど長繊維の製
糸性が低下したりあるいは以降の延伸性が低下したりす
るため,一方,この単繊維繊度が10デニールを超える
と,単繊維が太過ぎて得られる不織布が粗硬な地合いの
粗いものとなってその品位が劣ったり,埋め立て後でも
土中で長期間にわたって元の状態のまま保持されたり,
またウエブ化工程における開繊性が低下したりするた
め,いずれも好ましくない。なお,本発明においては,
不織布を構成する長繊維の形態は,通常の円形断面の他
に,例えば三角型,四角型,六角型,偏平型,Y字型あ
るいはT字型等種々の異型断面を有するもの,または中
空断面を有するものであってもよい。
【0008】本発明の不織布は,前記脂肪族ポリエステ
ル系重合体からなる長繊維から構成され,かつ構成長繊
維同士が部分的に熱接着されてなるものである。この部
分的な熱接着とは公知の熱接着処理により形成されるも
のであって,これにより不織布としての形態が保持さ
れ,しかも不織布に優れた機械的強度と柔軟性が発現さ
れる。
【0009】本発明の不織布では,その目付けは特に限
定されるものではないが,敢えて限定すれば通常10g
/m2 以上150g/m2 以下とするのが好ましく,1
5g/m2 以上100g/m2 以下とするのがより好ま
しい。この目付けが10g/m2 未満であると,不織布
自体の強度が低く,また不織布の地合いが粗くなるなど
その均一性が低下し,また不織布を作成するに際しての
生産性が低下したりするため好ましくない。一方,目付
けが150g/m2 を超えると,不織布が硬い風合いの
ものとなるため,特に柔軟性が要求される医療・衛生材
料や拭き取り布等の一般生活関連材の分野において不適
当となり,好ましくない。
【0010】本発明の不織布は,公知のいわゆるスパン
ボンド法により効率良く製造することができる。すなわ
ち,常法により,前記脂肪族ポリエステル系重合体を溶
融紡出し,紡出長繊維糸条を冷却空気流等の冷却手段を
用いて冷却し,紡出糸条をエアーサツカ等の引取り手段
を用いて高速で引取り,移動する捕集面上に捕集・堆積
させてウエブとし,次いで得られたウエブに熱接着処理
を施して構成長繊維同士を部分的に熱接着させることに
より得ることができる。また,公知のいわゆるスピンド
ロースパンボンド法によっても効率良く製造することが
できる。すなわち,常法によって前記脂肪族ポリエステ
ル系重合体を溶融紡出し,紡出糸条を引取りロールで引
取り,引取りロールと続いて配設された延伸ロールとの
間で延伸し,以降は前記と同様にしてウエブ化と熱接着
処理を施すことにより得ることができる。溶融紡糸にお
いて,紡糸温度は,用いる脂肪族ポリエステル系重合体
によって異なるものの,少なくとも重合体のメルトフロ
ーレート値と繊維形成性すなわち製糸性とを勘案すれば
適宜設定することができる。通常は,紡糸温度を前記脂
肪族ポリエステル系重合体の融点より少なくとも40℃
高い温度とし,特に120〜300℃とするのが好まし
い。紡糸温度が120℃未満であると,重合体の溶融粘
度が高過ぎるため溶融押出機を用いて重合体を押出すこ
とが困難となり,一方,紡糸温度が300℃を超える
と,前記脂肪族ポリエステル系重合体が熱分解をし始め
るため,いずれも好ましくない。延伸方法は,1段又は
2段以上の冷延伸又は熱延伸とする。熱延伸の場合,そ
の延伸温度は用いる脂肪族ポリエステル系重合体によっ
て異なり,例えばポリエチレンサクシネート単体あるい
はポリブチレンサクシネート単体,あるいはポリエチレ
ンサクシネート10重量%とポリブチレンサクシネート
90重量%との共重合体では,50〜100℃とするの
がよい。また,全延伸倍率は,2.0〜4.0とし,こ
れにより引張強度が3.0g/デニール以上の長繊維か
らなる不織布を得ることができる。
【0011】ウエブに部分的な熱接着処理を施すに際し
ては,公知の方法を採用することができる。例えば,加
熱されたエンボスローラと表面が平滑な金属ローラとを
用いて長繊維間に点状融着区域を形成する方法,あるい
は超音波融着装置を用いパターンロール上で超音波によ
る高周波を印加してパターン部の長繊維間に点状融着区
域を形成する方法等である。加熱されたエンボスローラ
を用いてエンボスパターン部に存在する長繊維同士を部
分的に熱接着させる場合,エンボスローラの圧接面積率
を7〜40%とし,圧接面積率が7%未満であると,融
着区域が少な過ぎるため不織布の機械的強度が低下し,
一方,圧接面積率が40%を超えると,不織布が硬直化
して柔軟性が損なわれるため,いずれも好ましくない。
また,ローラ温度を,通常は用いる脂肪族ポリエステル
系重合体の融点より5〜40℃程度低い温度とするのが
よく,この温度を適宜選択することにより長繊維間の接
着力が高く,すなわち機械的強度が優れ,しかも柔軟性
に富む不織布を得ることができる。熱エンボスローラを
用いる場合のエンボスパターンは,その圧接面積率が7
〜40%の範囲内であれば特に限定されるものではな
く,丸型,楕円型,菱型,三角型,T字型,井型等,任
意の形状でよい。なお,これらの,例えば熱エンボスロ
ーラあるいは超音波融着装置を用いる部分的熱接着処理
は,連続工程あるいは別工程のいずれであってもよい。
【0012】
【実施例】次に,実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが,本発明は,これらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。実施例において,各特性値の測定を
次の方法により実施した。 融点(℃):パーキンエルマ社製示差走査型熱量計DS
C−2型を用い,昇温速度20℃/分の条件で測定し,
得られた融解吸熱曲線において極値を与える温度を融点
(℃)とした。 メルトフローレート値(g/10分):ASTM D1
238(L)に記載の方法に準じ,測定温度を200℃
として測定した。 不織布の引張り強力(kg/3cm):JIS−L−1
096Aに記載のストリツプ法に準じて測定した。すな
わち,試料長が10cm,試料幅が3cmの試料片10
点を作成し,各試料片毎に不織布の縦方向について,定
速伸長型引張り試験機(東洋ボールドウイン社製テンシ
ロンUTM−4−1−100)を用い,引張り速度10
cm/分で伸長し,得られた切断時荷重値(kg/3c
m)の平均値を目付け30g/m2 当りに換算して引張
り強力(kg/3cm)とした。 不織布の圧縮剛軟度(g):試料長が10cm,試料幅
が5cmの試料片計5点を作成し,各試料片毎に横方向
に曲げて円筒状物とし,各々その端部を接合したものを
圧縮剛軟度測定試料とした。次いで,各測定試料毎にそ
の軸方向について,定速伸長型引張試験機(東洋ボール
ドウイン社製テンシロンUTM−4−1−100)を用
い,圧縮速度5cm/分で圧縮し,得られた最大荷重値
(g)の平均値を圧縮剛軟度(g)とした。この圧縮剛
軟度とは,値が小さいほど柔軟性が優れることを意味す
るものである。総合評価をするに際しては,この圧縮剛
軟度が120g以上である場合を不良であると評価し
た。 微生物分解性:試料を土中に3カ月間埋設した後取り出
して目視観察し,試料が不織布としての形態を消失して
いるもの,あるいはその形態を保持していても引張り強
力が初期値の50%以下にまで低下しているものを,微
生物分解性が良好であると評価した。
【0013】実施例1〜5 融点が110℃でメルトフローレート値が30g/10
分のポリエチレンサクシネート/ポリブチレンサクシネ
ート共重合体(ポリエチレンサクシネート成分が10重
量%/ポリブチレンサクシネート成分が90重量%)を
溶融し,孔径0.35mmの紡糸孔を84孔有する紡糸
口金を通して紡糸温度210℃の条件で単孔吐出量を変
更しながら溶融紡出し,紡出糸条を温度が20℃の冷却
空気流を用いて冷却した後,連続して紡糸口金面下15
0cmの位置に配設されたエアーサツカを用いて引き取
り速度3500m/分で引き取り,移動する捕集面上に
捕集・堆積させてウエブを作成し,得られたウエブを温
度が95℃に加熱されかつ圧接面積率が17%の金属エ
ンボスロールと同温度の金属平滑ロール間に線圧40k
g/cmで通して長繊維同士を部分的に熱接着させ,単
繊維繊度が2デニール(実施例1),5デニール(実施
例2),8デニール(実施例3),10デニール(実施
例4)及び12デニール(実施例5)の各長繊維からな
る目付けが30g/m2 の不織布を得た。得られた不織
布は,実施例1では引張り強力が縦方向3.17kg/
3cm,横方向1.76kg/3cm,圧縮剛軟度が2
7g,実施例2では引張り強力が縦方向2.51kg/
3cm,横方向1.57kg/3cm,圧縮剛軟度が5
5g,実施例3では引張り強力が縦方向2.35kg/
3cm,横方向1.47kg/3cm,圧縮剛軟度が8
1g,実施例4では引張り強力が縦方向1.95kg/
3cm,横方向1.39kg/3cm,圧縮剛軟度が1
05gで,それぞれ機械的強度が優れ,しかも柔軟性に
富むものであった。また,これらの不織布を3カ月間土
中に埋設した後取り出して目視観察したところ,それぞ
れ不織布としての形態を消失しており,優れた微生物分
解性を有することが認められ,したがって,総合評価と
していずれも良好と評価されるものであった。また,実
施例5では引張り強力が縦方向1.70kg/3cm,
横方向1.21kg/3cmで機械的強度が優れたもの
であり,しかも優れた微生物分解性を有することも認め
られたものの,単繊維が太過ぎるため粗硬な地合いの粗
いものとなり,しかも圧縮剛軟度が145gと高く,し
たがって,総合評価としては不良と評価されるものであ
った。
【0014】実施例6 融点が106℃でメルトフローレート値が25g/10
分のポリエチレンサクシネートを用い紡糸温度を220
℃とした以外は実施例1と同様にして,単繊維繊度が2
デニールの長繊維からなる目付けが33g/m2 の不織
布を得た。得られた不織布は,引張り強力が縦方向2.
95kg/3cm,横方向1.74kg/3cm,圧縮
剛軟度が25gで,機械的強度が優れ,しかも柔軟性に
富むものであった。また,この不織布を3カ月間土中に
埋設した後取り出して目視観察したところ,不織布とし
ての形態を消失しており,優れた微生物分解性を有する
ことが認められた。
【0015】実施例7 融点が116℃でメルトフローレート値が35g/10
分のポリブチレンサクシネートを用い紡糸温度を200
℃とした以外は実施例1と同様にして,単繊維繊度が2
デニールの長繊維からなる目付けが40g/m2 の不織
布を得た。得られた不織布は,引張り強力が縦方向3.
40kg/3cm,横方向1.89kg/3cm,圧縮
剛軟度が33gで,機械的強度が優れ,しかも柔軟性に
富むものであった。また,この不織布を3カ月間土中に
埋設した後取り出して目視観察したところ,不織布とし
ての形態を消失しており,優れた微生物分解性を有する
ことが認められた。
【0016】実施例8 融点が109℃でメルトフローレート値が32g/10
分のポリエチレンサクシネート/ポリブチレンサクシネ
ート共重合体(ポリエチレンサクシネート成分が25重
量%/ポリブチレンサクシネート成分が75重量%)を
用い単孔吐出量を変更した以外は実施例1と同様にし
て,ウエブを作成し,得られたウエブを温度が90℃に
加熱されかつ圧接面積率が14%の金属エンボスロール
と同温度の金属平滑ロール間に線圧50kg/cmで通
して長繊維同士を部分的に熱接着させ,単繊維繊度が3
デニールの長繊維からなる目付けが25g/m2 の不織
布を得た。得られた不織布は,引張り強力が縦方向2.
54kg/3cm,横方向1.60kg/3cm,圧縮
剛軟度が18gで,機械的強度が優れ,しかも柔軟性に
富むものであった。また,この不織布を3カ月間土中に
埋設した後取り出して目視観察したところ,不織布とし
ての形態を消失しており,優れた微生物分解性を有する
ことが認められた。
【0017】実施例9 融点が78℃でメルトフローレート値が40g/10分
のポリエチレンサクシネート/ポリブチレンサクシネー
ト共重合体(ポリエチレンサクシネート成分が40重量
%/ポリブチレンサクシネート成分が60重量%)を用
い紡糸温度を190℃とした以外は実施例8と同様にし
て,ウエブを作成し,得られたウエブを温度が70℃に
加熱されかつ圧接面積率が14%の金属エンボスロール
と同温度の金属平滑ロール間に線圧50kg/cmで通
して長繊維同士を部分的に熱接着させ,単繊維繊度が3
デニールの長繊維からなる目付けが25g/m2 の不織
布を得た。得られた不織布は,引張り強力が縦方向1.
44kg/3cm,横方向0.93kg/3cmで,機
械的強度が若干低いものであった。また,この不織布を
3カ月間土中に埋設した後取り出して目視観察したとこ
ろ,不織布としての形態を消失しており,優れた微生物
分解性を有することが認められた。
【0018】
【発明の効果】本発明の生分解性長繊維不織布は,脂肪
族グリコールと脂肪族ジカルボン酸の縮重合体である生
分解性熱可塑性脂肪族ポリエステル系重合体からなる長
繊維から構成されるものであって,生分解性を有し,機
械的強度が優れ,かつ柔軟性に富むものであって,おむ
つや生理用品その他の医療・衛生材料用素材,使い捨て
おしぼりやワイピングクロス等の拭き取り布,使い捨て
包装材料,家庭・業務用の生塵捕集用袋その他廃棄物処
理材等の生活関連材用素材,あるいは農業用に代表され
る産業資材用の各素材として好適である。しかも,この
不織布は,その使用後に微生物が多数存在する環境例え
ば土中又は水中に放置すると最終的には完全に分解消失
するため自然環境保護の観点からも有益であり,あるい
は,例えば堆肥化して肥料とする等再利用を図ることも
できるため資源の再利用の観点からも有益である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族グリコールと脂肪族ジカルボン酸
    の縮重合体である生分解性熱可塑性脂肪族ポリエステル
    系重合体からなる長繊維から構成され,かつ構成長繊維
    同士が部分的に熱接着されてなる生分解性長繊維不織
    布。
  2. 【請求項2】 生分解性熱可塑性脂肪族ポリエステル系
    重合体が,ポリエチレンサクシネート又はポリブチレン
    サクシネートである請求項1記載の生分解性長繊維不織
    布。
  3. 【請求項3】 生分解性熱可塑性脂肪族ポリエステル系
    重合体が,ポリエチレンサクシネートの0重量%を超え
    かつ35重量%以下と,ポリブチレンサクシネートの1
    00重量%未満かつ65重量%以上との共重合体である
    請求項1記載の生分解性長繊維不織布。
JP5201857A 1993-07-21 1993-07-21 生分解性長繊維不織布 Pending JPH0734369A (ja)

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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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