JP4213054B2 - 極細長繊維不織布の製造方法 - Google Patents

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本発明は、熱可塑性エラストマーとポリエステル系ノンエラストマーとからなる剥離分割型複合繊維の開繊性を改善することにより、優れた品位の極細繊維不織布を容易に製造する方法に関するものである。
従来、長繊維からなる不織布は短繊維からなる不織布に比べて強力が高く、その製造方法も原綿供給部、開繊装置、カード機、クロスレイ機などの一連の大型設備を必要としないという利点があるため、土木用や農業用をはじめとして生活関連資材、衣料用など多岐にわたって使用されている。近年では構成する繊維をより細くし、品質やそれに基づく性能を向上させたものも種々提案されている。
例えば特許文献1、特許文献2などには、代表的な長繊維不織布の製造法である、紡糸直結型のスパンボンド法による長繊維不織布において、構成繊維を剥離分割型複合繊維とし、高圧水流機などで処理して該剥離分割型複合繊維を極細繊維に分割して極細繊維不織布を得る方法が提案されている。
一方、エラストマーからなる不織布は、その初期引張張力の低さから柔らかさや反発性などの風合いの面で優れ、衣料用途や衛材用途に使用されており、ポリウレタン、ポリエステル系エラストマー、オレフィン系エラストマーなどの原料からスパンボンド法やメルトブロー法などにより不織布とする方法が提案されている(特許文献3〜5参照)。しかし、メルトブロー法では極細繊維化が可能であるため、さらに柔らかさに優れた不織布を容易に得ることができるという点で優れているものの、生産性はスパンボンド法と比べて大きく劣るという問題が有る。一方、スパンボンド法はメルトブロー法と比較して生産性には優れるものの、極細繊維不織布を得ることが困難であるばかりか、繊維同士が細化される際に膠着を起こしやすいため、十分に開繊された不織布を得ることは困難であり、ポリエステル系やポリオレフィン系などの結晶性樹脂から得られる不織布と比較して均一性が著しく劣るという問題がある。
このような膠着の問題を改善するため、例えば特許文献6にはポリエステル系エラストマーにポリオレフィンと無機微粉末とを添加してメルトブローする方法が提案されている。しかしながら、該方法をスパンボンド法にそのまま適用しても、極細繊維化することが困難であるため、極細長繊維不織布を得ることは依然として難しい。
特開平4−300351号公報 特開平10−53948号公報 特開昭57−95362号公報 特公昭63−31581号公報 特公平1−47578号公報 特開平5−140852号公報
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、熱可塑性エラストマーとポリエステル系ノンエラストマーとからなる剥離分割型複合繊維の開繊性を改善し、均一性に優れた高品位の極細長繊維不織布を容易に製造できる方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、熱可塑性エラストマーとポリエステル系ノンエラストマーとからなる剥離分割型複合繊維の熱可塑性エラストマー側に、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルを5〜30重量%混合することにより、繊維の開繊性が向上して不織布の均一性が向上すること、しかも得られる不織布を例えば高圧水流機で処理することにより、エラストマーからなる極細繊維を含む極細長繊維不織布が容易に得られることを見出し、本発明に到達した。
かくして本発明によれば、「ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルを5〜30重量%含有する熱可塑性エラストマーとポリエステル系ノンエラストマーとを剥離分割型に複合してなる長繊維不織布を、分割処理して該剥離分割型長繊維を極細繊維化することを特徴とする極細長繊維不織布の製造方法。」が提供される。
本発明の製造方法によれば、剥離分割型複合繊維の一方成分として用いられている熱可塑性エラストマーにポリブチレンテレフタレート系ポリエステルを配合しているので、スパンボンド法などにより長繊維不織布を製造する際の繊維間膠着が抑制され、目付け斑のない均一性に優れた長繊維不織布を得ることができる。したがって、これを機械的方法などで分割処理することにより、風合および目付け斑のない均一性に優れた極細長繊維不織布を容易に提供することができる。
本発明においては、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルを含有させた熱可塑性エラストマーとポリエステル系ノンエラストマーとを、先ず剥離分割型に複合して、剥離分割型複合長繊維からなる長繊維不織布となす。ここで、長繊維不織布となす方法は特に限定する必要はなく従来公知の任意の方法を採用することができるが、特にスパンボンド法が簡便で生産性も良好なので好ましい。
剥離分割型複合長繊維の複合形態としては、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルを含有する熱可塑性エラストマー重合体とポリエステル系ノンエラストマーの接合界面の少なくとも一部分が繊維表面に到達している複合形態で、機械的処理などにより各成分に剥離分割できるものであれば特に限定されないが、お互いに一方成分が他方成分によって所定数に分割されている形態であることが、分割性の点で望ましい。なかでも、1成分が他成分間に放射状に配置されている断面形状が好ましい。
また、繊維断面円周に占めるポリエステル系ノンエラストマーの円弧長(B)に対する熱可塑性エラストマーの円弧長(A)の比率(以下、重合体成分円弧長比(A/B)と称する)を0.1〜2.0の範囲、特に0.2〜1.5の範囲となるよう2成分を配置することが好ましい。この重合体成分円弧長比(A/B)が2.0を超えると、開繊性が低下して不織布の目付け斑や強度低下が発生しやすくなる。一方、重合体成分円弧長比(A/B)が0.1未満であると、分割処理時、外部応力が2成分の接合界面へ充分に負荷されなくなって剥離分割が困難となる。
なお、各重合体成分の円弧長は、複合紡糸口金内での各重合体成分の合流方法、重量比、あるいは口金内合流部での粘度比を変更することで任意に設定できる。特に、溶融押出しされた重合体がスピンブロックに流入する直前の溶融体温度(以下導管ポリマー温度と称する)を各々設定することによって、各々の重合体の溶融粘度を変更し、重合体成分円弧長比(A/B)を設定する方法が簡易であり好ましい。
このように放射状に配置された剥離分割型複合長繊維は、その分割数は2成分を溶融後、口金内で合流させる方法により任意に設定可能であり、分割前の複合長繊維の単糸繊度を考慮して決定される。なかでも4〜48分割、特に8〜24分割であることが製糸性と分割の容易さおよびその効果の観点から特に好ましい。
なお、上記剥離分割型複合長繊維の一方成分の全体に対する複合割合は、該複合繊維の製糸性および後述する長繊維不織布とした後の分割極細繊維化の面から30〜70重量%の範囲、特に40〜60重量%の範囲が適当である。この範囲を外れる場合には、両重合体の粘度バランスの調整が困難となり、紡糸時のセクション不良が発生しやすくなり、また、分割極細繊維化の際の分割効率が低下しやすくなる。
かかる剥離型複合長繊維全体の断面形状は、丸断面形状、多葉断面形状、多角形形状など任意であり、また中空部を有する形態であってもよいが、中空部を有するものでは2成分の界面長さを減少させることができ、剥離分割性が向上するので好ましい。
剥離分割処理後の単糸繊度は、0.01〜0.60dtexの範囲が適当である。0.01dtex未満のものは製造が困難であり、一方0.60dtexを越えるものは、得られる不織布のカバーファクターが下がって斑が大きくなりやすく、また風合も低下する傾向にある。
本発明で用いられる熱可塑性エラストマーは、熱可塑性であれば特に限定する必要はなく、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマーなどいずれも使用することができる。なかでも、繊維形成時の熱安定性、布帛などに成形した後の製品の耐光性、耐黄変性などの観点からポリエステル系エラストマーが特に好ましい。
ポリエステル系エラストマーは、結晶性を有するポリエステルからなるハードセグメントと、ポリエーテルおよび/またはポリエステルからなる、柔軟なソフトセグメントとからなるブロック共重合体である。
上記ハードセグメントを構成する結晶性を有するポリエステルとしては、酸成分の50モル%以上特に70モル%以上がテレフタル酸であり、ジオール成分の50モル%以上特に70モル%以上が1,4−ブタンジオールであるポリブチレンテレフタレート系ポリエステルが好適である。共重合し得るその他のジカルボン酸としては、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸などを挙げることができ、ジオールとしてはエチレングリコール、トリメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどを挙げることができる。
また、上記ソフトセグメントを構成するポリエーテルとしては、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、および、これらの共重合ポリエーテルなどが好適であり、単独でも複数組合わせて使用してもよい。その平均分子量は、繊維の弾性性能および成形時の耐熱性の面から500〜5000の範囲が適当である。
また、上記ソフトセグメントを構成するポリエステルとしては、ポリカプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル、炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸および/または炭素数8〜16の芳香族ジカルボン酸を酸成分とし、炭素数3〜20の脂肪族ジオールをジオール成分とし、ガラス転移温度が常温以下のポリエステルなどが好適であり、これらにはエラストマーとしての性能を阻害しない範囲内で他の成分を共重合していてもよい。
上記ソフトセグメントのエラストマー中を占める重量割合は、少なくなりすぎると弾性性能が低下し、逆に多くなりすぎると耐熱性、成形加工性、開繊性などが低下して不織布の風合や品位が低下するので、30〜90重量%、特に40〜80重量%、さらに好ましくは50〜70重量%の範囲が適当である。
本発明においては、上記の熱可塑性エラストマーに、ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルを5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%配合することが肝要である。かくすることにより、例えばスパンボンド法のように高穿孔密度下で紡糸しても、繊維同士の膠着を抑制することができ、繊維の開繊性が著しく向上する。その結果、繊維を不織布として補集する際の均一性が向上し、後述する分割処理を施しても均一性に優れた不織布を得ることができる。なお、該ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルには、少量の第3成分を共重合していてもよいが、その結晶性を著しく損なわない範囲とすることが必要である。このポリブチレンテレフタレート系ポリエステルの含有量が5重量%未満の場合には膠着抑制効果が不十分となり、逆に30重量%を超える場合にはスパンボンドの工程安定性が低下するので好ましくない。
上記ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルを上記熱可塑性エラストマーに含有させる方法は特に限定されず、熱可塑性エラストマーを製造する際に添加する方法、複合繊維を溶融紡糸する際にそれぞれのポリマーを混合した後に溶融混練する方法、別々に溶融したポリマーを紡糸する前に混練する方法など、任意の方法を採用することができる。なかでも、それぞれのポリマーの耐熱性および溶融紡糸の作業性の観点から、それぞれのポリマーチップを混合後、溶融混練して紡糸に供するのが望ましい。
一方ポリエステル系ノンエラストマーとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリトリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、および、これらを主成分とする共重合ポリエステルなどがあげられる。なかでも、ポリエチレンテレフタレートが工程安定性、コストなどの面から好ましい。
なお、本発明の目的を損なわない範囲内であれば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、マイカ、金属微細粉、有機顔料、無機顔料など添加剤を、熱可塑性エラストマー、ポリエステル系ノンエラストマーのいずれに添加してもよい。これらの添加剤は、着色効果だけでなく、溶融粘度を高めたり低くめたりする効果があるので繊維横断面形状を調節するのにも有効である。
本発明においては、上記の剥離分割型複合長繊維を、スパンボンド法、または、紡糸・延伸して一旦巻き取った延伸糸を高速の牽引流体により開繊しながら多孔補集面上にウエブとして捕集する等の公知の方法により、ウエブとなす。なかでも、口金より紡出された糸条を高速牽引し、補集ネット上に噴射・補集するスパンボンド法が、生産性の点から特に好ましい。ここで、高速牽引の速度としては、2000〜8000m/分の範囲、特に3000〜6000m/分の範囲が適当であり、紡糸口金から吐出された複合長繊維をエジェクターやエアサッカーなどにより上記範囲の速度にて高速牽引すればよい。高速牽引により細化された複合長繊維は、開繊されながら補集ネット上に補集される。その際、コロナ放電による帯電や接触帯電などの従来公知の方法により繊維を帯電させることが、より均一性に優れたウエブを得るためには好ましい。
該複合長繊維をネット上に補集する際、他の短繊維を混綿したり、他の長繊維を積層、混合することも可能である。混綿または積層、混合される他の繊維素材としては、特に限定はされないが、例えば、レーヨンなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、ウールなどの天然繊維、ナイロン−6、ナイロン−66などのポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維などから任意に1あるいは2種以上選択して使用することができる。もちろん繊維形状なども限定されず、2種以上の熱可塑性樹脂を組み合わせた芯鞘型複合繊維や剥離分割型複合繊維、その他断面形状を異形断面とした繊維など、任意のものを用いることができる。
このようにして得られた長繊維ウエブは、必要に応じて複数枚を積層して、または単独で、必要に応じて予備的に熱接着し、一旦巻き取った後に、または、連続してニードルパンチ処理などの交絡処理を施して、長繊維不織布とする。
本発明においては、上記交絡処理が施された長繊維不織布を処理して、該剥離分割型複合長繊維を分割極細化する必要があるが、その分割方法は、分割極細化が確実に遂行できる方法であれば任意であり、特に限定されず、また複数の方法を組合わせても構わない。例えば機械的な分割処理方法としては、ローラー間で加圧する方法、超音波処理を行なう方法、衝撃を与える方法、揉み処理をする方法を例示することができ、化学的方法としては構成する片方の重合体のみ膨潤させるまたは減量させるような溶媒中で処理する、などの方法を挙げることができる。不織布の緻密化などを目的としている場合は、分割処理に引き続いて収縮熱処理を施すのが好ましいので、繊維の分割が遂行する前に熱がかかる分割処理方法は避けた方が好ましい。
以上に述べた本発明の製造方法により得られる極細長繊維不織布は、人工皮革の基布用途や衣料用途、内装材、インテリア材等の産業資材用途、工業用ワイパーやワイピングクロス等のワイパー用途、バグフィルターや濾過布などのフィルター用途、医療衛生材料などの用途に好ましく用いることができる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中における部および%は、特に断らない限り重量基準であり、また各測定値は、それぞれ以下の方法にしたがって求めたものであり、特に断らない限り、測定値は5点の平均値である。
<不織布目付斑(CV%)>
不織布を幅2cm、長さ20cmの小片に、幅が不織布の幅方向となるように切り取って重量を測定し、その標準偏差を重量の平均値で除したものを%で表し不織布目付斑とした。
<開繊性>
剥離分割前のウェブをサンプリングし開繊状態を目視判定した。
レベル1:繊維が均一に開繊しており紐状のからみは殆ど見られない。目付けの高低もほとんど認められない。
レベル2:数本の繊維が互いに繊維長手方向に絡まった紐状状繊維が少し見られるものの、開繊性は比較的良く、局所的な目付の高低も少ない。
レベル3:数本の繊維が互いに繊維長手方向に絡まった紐状繊維、あるいは紐状繊維が更に絡まったものが多数見られる。局所的な目付の高低も見られる。
<分割率>
剥離分割型複合繊維の分割率は、不織布の断面を電子顕微鏡で200倍で撮影し、100本の繊維の断面を測定し、全体の面積と未分割(完全に分割していない、例えば、2個や3個程度に分割したものも含む)のフィラメントの断面積の差を全体の面積で除して求めた。該分割率が大きいほどよく分割していることを示す。
<極細繊維の繊度>
未分割の繊維の繊度を繊度測定器(SERCH CO.LTD、型式DC−21)にて試長2.5cm、荷重1gにて測定し、それを繊維断面を構成する分割数で除して求めた。
<引張強度>
JIS L−1096記載の方法に準拠し、幅5cm、長さ15cmの試料片をつかみ間隔10cmで把持し、定速伸長型引張試験機を用いて引張速度30cm/分で伸長し、20%伸長時の応力を引張応力(σ20)、切断時の荷重値を引張強力とした。引張強力は、幅1cm、試料目付100g/m当たりに換算して求めた。
[実施例1]
テレフタル酸ジメチル167重量部、テトラメチレングリコール105重量部、数平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール325重量部を反応器でエステル交換反応させた後、内温を245℃に昇温し、弱真空下で60分間反応させ、引き続き高真空下で200分間反応させた。得られたポリエーテルポリエステルブロック共重合体(熱可塑性エラストマー)の融点は190℃、固有粘度は1.52であった。このチップを圧力133Paの減圧下115℃で16時間乾燥後、ポリブチレンテレフタレート(o−クロロフェノール中の固有粘度0.88)を10%チップブレンドした。一方ポリエステル系ノンエラストマーとしてはポリエチレンテレフタレート(o−クロロフェノール中の固有粘度0.64)を用い、これらをそれぞれ別々にエクストルーダーにて溶融後口金内で合流させ、幅1m当たり4000孔穿孔された口金から単孔当たりの吐出量を1g/分として中実丸断面孔より吐出し、エアサッカー圧力343kPa(3.5kg/cm)にて高速牽引した後、−30kVで高電圧印加処理し、空気流と共に分散板に衝突させ、フィラメントを開繊し、図1に示す16分割の多層貼合せ型断面をもつ剥離分割型複合長繊維(両成分の重量率は50/50、単糸繊度は4.1デシテックス)からなるウェブとして、補集ネットコンベアーで目付40g/m、幅1mで補集した。
得られたウェブを連続で上下100℃のエンボスカレンダーにて軽く熱接着を行い、15MPaの圧力で高圧柱状水流にて複合繊維の分割極細繊維化処理と交絡処理を行った。得られた不織布の目付は45g/mで、均一性が良く、柔らかく風合の優れた不織布であった。得られた不織布の物性を表1に示す。
[実施例2]
テレフタル酸ジメチル194重量部、テトラメチレングリコール162重量部、およびチタニウムテトラブトキサイド0.15重量部をエステル交換反応釜に仕込み、窒素ガス雰囲気下で190℃まで昇温し、生成するメタノールを系外に流出させながらエステル交換反応を行った。エステル交換反応終了後に減圧下、230℃で重縮合反応させて、固有粘度1.07、融点223℃のポリブチレンテレフタレートを得た。
一方、ジメチルイソフタレート136重量部、ジメチルセバケート62重量部、1,6−ヘキサンジオール180重量部をジブチルスズアセテート0.3重量部と共に加熱し、副成するメタノールを反応系から除去した。反応性生物を減圧可能な反応釜に移し、255℃で減圧下反応させ、固有粘度0.80の非晶性ポリエステルを得た。
上記ポリブチレンテレフタレートと非晶性ポリエステルとを、重量比で35:65となるように添加し、圧力133Paの減圧下、内温240℃で50分間反応させた後、触媒失活剤としてフェニルホスホン酸0.2重量部を添加し、さらに10分間撹袢してポリエステルポリエステルブロック共重合体(熱可塑性エラストマー)を得た。このポリマーの固有粘度は1.15、融点は205℃であった。
このポリマーを熱可塑性エラストマーとして用いる以外は実施例1と同様にして長繊維不織布を得た。このものの物性を表1に示す。
[比較例1〜3]
実施例1において熱可塑性エラストマーに混合するポリブチレンテレフタレートの量を
表1記載のとおりに変更する以外は実施例1と同様にして長繊維不織布を得た。これらの物性を表1に合わせて示す。
Figure 0004213054
表1から明らかなように、実施例1、2では、均一性に優れ、しかも、分割極細繊維化されていて風合にも優れた長繊維不織布が得られている。これに対して比較例1および比較例2では、繊維の開繊性が低いため均一性が低く、分割極細繊維化も十分行われていない風合に劣る不織布しか得られていない。また比較例3では、開繊性は良好であるものの、紡糸安定性に劣り、繊維の切断も見られるため、結果として不織布の目付の均一性が低下し、強度も低下したものしか得られない
本発明の製造方法による極細長繊維不織布は、繊維間膠着が抑制されているので目付け斑がなく、またエラストマーからなる極細繊維を含んでいるので風合にも優れている。したがって、このような特性を生かし、人工皮革用基布、ワイパー、フィルター、医療衛生材料などの用途に好適に使用することができ、その工業的価値はきわめて大きい。
本発明にかかる剥離分割型複合繊維の横断面の一概略図である。
符号の説明
1 熱可塑性エラストマー重合体
2 ポリエステル系ノンエラストマー重合体

Claims (3)

  1. ポリブチレンテレフタレート系ポリエステルを5〜30重量%含有する熱可塑性エラストマーとポリエステル系ノンエラストマーとを、剥離分割型に複合してなる長繊維不織布を、分割処理して該剥離分割型長繊維を極細繊維化することを特徴とする極細長繊維不織布の製造方法。
  2. 熱可塑性エラストマーがポリエステル系エラストマーであって、該ポリエステル系エラストマーが、ハードセグメントとソフトセグメントとからなるブロック共重合体である請求項1記載の極細長繊維不織布の製造方法。
  3. 極細化後の単糸繊度が、0.01〜0.6dtexである請求項1または請求項2記載の極細長繊維不織布の製造方法。
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