JPWO2015098932A1 - 含水型耐熱性チョコレートの製造方法、含水型耐熱性チョコレート、含水チョコレート生地の粘度上昇抑制方法、及び含水型耐熱性チョコレート中の糖骨格形成方法 - Google Patents

含水型耐熱性チョコレートの製造方法、含水型耐熱性チョコレート、含水チョコレート生地の粘度上昇抑制方法、及び含水型耐熱性チョコレート中の糖骨格形成方法 Download PDF

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Abstract

本発明の課題は、含水型耐熱性チョコレートの製造において、成型前の融液状の含水型耐熱性チョコレートの生地の粘度の上昇を抑制する方法を提供することである。本発明は、生地温度が32〜40℃である融液状のチョコレート生地に、β型XOX結晶を少なくとも含むシーディング剤を添加するシーディング剤添加工程と、前記チョコレート生地に対して、水を添加する水添加工程と、を含む、含水型耐熱性チョコレートの製造方法を提供する。(ただし、Xは炭素数が18〜22である飽和脂肪酸を示し、Oはオレイン酸を示し、XOXはグリセロールの2位にオレイン酸が結合し、1,3位にXが結合したトリアシルグリセロールを示す)

Description

本発明は、含水型耐熱性チョコレートの製造方法、含水型耐熱性チョコレート、含水チョコレート生地の粘度上昇抑制方法、及び含水型耐熱性チョコレート中の糖骨格形成方法に関する。
チョコレートを食する文化は、冷涼な気候のヨーロッパにおいて発展し、今や世界中のあらゆる国及び地域に広がっている。しかし、一般的なチョコレートである、カカオ豆に含まれるココアバターのみを油脂分として含むチョコレートは、ココアバターの耐熱温度が31℃程度であるため、暑熱環境下では融けて品質が損なわれる。従って、赤道付近等の暑い地域においては、耐熱性を備えるチョコレート(以下、「耐熱性チョコレート」という)に対するニーズがある。
チョコレートに耐熱性を付与する方法としては、チョコレート生地に少量の水を混ぜて糖骨格を形成することによって、チョコレートの耐熱性及び保形性を向上させる方法が挙げられる。この方法で得られるチョコレートを、以下、「含水型耐熱性チョコレート」という。
他方、含水型耐熱性チョコレートの製造においては、成型前の融液状のチョコレート生地に水を添加すると、チョコレート生地の粘度が急激に上昇するので、チョコレートの成形工程におけるハンドリング性が著しく低下する。これを解消するために、乳化剤を使用して粘度上昇を遅延させる方法、卵白メレンゲを使用して粘度上昇を遅延させる方法(特許文献1参照)、水の添加によって粘度が上昇したチョコレート生地を加圧押し込み器で強制的に成形する方法(特許文献2参照)等、各種の方法が提案されている。
欧州特許出願公開第0297054号明細書 国際公開第2013/083641号パンフレット
しかし、従来の方法においては、成型前の融液状の含水型耐熱性チョコレートの生地を長時間、製造に適した粘度レベルに維持することは困難であった。
本発明の目的は、含水型耐熱性チョコレートの製造において、成型前の融液状の含水型耐熱性チョコレートの生地の粘度の上昇を抑制することである。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、チョコレート生地中の油脂の結晶化が生じない高温域、具体的には、32〜40℃で、特定のシーディング剤の添加及び水の添加を行うことにより、上記課題を解決できる点を見出し、本発明を完成させた。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 生地温度が32〜40℃である融液状のチョコレート生地に、β型XOX結晶を少なくとも含むシーディング剤を添加するシーディング剤添加工程と、
前記チョコレート生地に対して、水を添加する水添加工程と、
を含む、
含水型耐熱性チョコレートの製造方法。
(ただし、Xは炭素数が18〜22である飽和脂肪酸を示し、Oはオレイン酸を示し、XOXはグリセロールの2位にオレイン酸が結合し、1,3位にXが結合したトリアシルグリセロールを示す)
(2) 前記融液状のチョコレート生地は、前記融液状のチョコレート生地中の油脂においてSOSを40〜90質量%含む、(1)に記載の含水型耐熱性チョコレートの製造方法。
(ただし、Sは炭素数が16〜22である飽和脂肪酸を示し、Oはオレイン酸を示し、SOSはグリセロールの2位にオレイン酸が結合し、1、3位にSが結合したトリアシルグリセロールを示す)
(3) 前記融液状のチョコレート生地は、前記融液状のチョコレート生地中の油脂においてStOStを24〜70質量%含む(1)又は(2)に記載の含水型耐熱性チョコレートの製造方法。
(4) 前記シーディング剤添加工程及び水添加工程後、前記チョコレート生地の生地温度を10分以上、32〜40℃に保持する保持工程をさらに含む、(1)から(3)のいずれかに記載の含水型耐熱性チョコレートの製造方法。
(5) 前記シーディング剤添加工程において、前記β型XOX結晶は、前記融液状のチョコレート生地中の油脂に対して0.1〜15質量%添加される、(1)から(4)のいずれかに記載の含水型耐熱性チョコレートの製造方法。
(6) 前記β型XOX結晶がβ型BOB結晶及び/又はβ型StOSt結晶である、(1)から(5)のいずれかに記載の含水型耐熱性チョコレートの製造方法。
(ただし、BOBは1,3−ジベヘニル−2−オレオイルグリセロールを示し、StOStは1,3−ジステアロイル−2−オレオイルグリセロールを示す)
(7) 前記β型XOX結晶がβ型StOSt結晶である、(1)から(5)のいずれかに記載の含水型耐熱性チョコレートの製造方法。
(8) 前記シーディング剤添加工程及び水添加工程後、前記チョコレート生地を冷却固化してチョコレートを得る冷却固化工程をさらに含む、(1)から(7)のいずれかに記載の含水型耐熱性チョコレートの製造方法。
(9) 前記冷却固化工程後、前記チョコレートを保温処理する保温工程をさらに含む、(8)に記載の含水耐熱性チョコレートの製造方法。
(10) 油脂中のStOSt含量が24〜70質量%であるチョコレートであって、20℃のヘキサンへ浸漬後、20分以上型崩れが起こらない、含水型耐熱性チョコレート。
(11) 生地温度が32〜40℃である融液状のチョコレート生地に、β型XOX結晶を添加し、かつ、水を添加する、含水チョコレート生地の粘度上昇抑制方法。
(12) 前記β型XOX結晶を添加し、かつ、水を添加した後、前記チョコレート生地の粘度を、前記β型XOX結晶及び前記水を添加した時点におけるチョコレート生地の粘度の1.10倍以下に抑制する、(11)に記載の含水チョコレート生地の粘度上昇抑制方法。
(13) 生地温度が32〜40℃である融液状のチョコレート生地に、β型XOX結晶を添加し、かつ、水を添加した後、チョコレートを保温処理する、含水型耐熱性チョコレート中の糖骨格形成方法。
本発明によれば、含水型耐熱性チョコレートの製造において、成型前の融液状の含水型耐熱性チョコレートの生地の粘度の上昇を抑制する方法が提供される。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
本発明の製造方法は、融液状のチョコレート生地に、β型XOX結晶を少なくとも含むシーディング剤を添加するシーディング剤添加工程と、水を添加する水添加工程と、を含む。ただし、Xは炭素数が18〜22である飽和脂肪酸を示し、Oはオレイン酸を示し、XOXはグリセロールの2位にオレイン酸が結合し、1,3位にXが結合したトリアシルグリセロールを示す。
(チョコレート生地)
本発明における「チョコレート生地」とは、チョコレート原材料の粉砕やコンチングを経て得られた液状のチョコレートであって、冷却固化されて最終的に固形のチョコレートとなる前段階の液状のチョコレートを指す。
本発明における「融液状」のチョコレート生地とは、チョコレート生地中の油脂が融解されたチョコレート生地を指す。チョコレート生地が融液状であるかどうかは、該チョコレート生地を冷却固化した後の、チョコレート生地の型抜けを確認することで判断できる。冷却固化されたチョコレート生地が成形型から型抜けしない場合(具体的には、成形型からのチョコレート生地の離型率が70%未満である場合)、チョコレート生地が融液状であると判断する。
本発明における「チョコレート生地中の油脂」とは、ココアバター等の油脂のみだけではなく、カカオマス、ココアパウダー、全脂粉乳等のチョコレート生地の原料中に含まれる油脂も全て合計したものである。例えば、一般的に、カカオマスの油脂(ココアバター)含量は55質量%であり、ココアパウダーの油脂(ココアバター)含量は11質量%であり、全脂粉乳の油脂(乳脂)含量は25質量%であるから、チョコレート生地中の油脂は、各原料のチョコレート生地中の配合量(質量%)に含油率を掛け合わせたものを合計した値となる。
本発明におけるシーディング前の融液状のチョコレート生地は、シーディングの効果を効率良く得るために、テンパー型であることが好ましい。すなわち、チョコレート生地中に含まれる油脂に、SOS型トリアシルグリセロール(以下、SOSと略すことがある)が含まれることが好ましい。ここで、SOS型トリアシルグリセロールとは、グリセロール骨格の1、3位に飽和脂肪酸(S)が、2位にオレイン酸(O)が結合したトリアシルグリセロールである。飽和脂肪酸(S)は、炭素数16以上の飽和脂肪酸であることが好ましく、炭素数16〜22の飽和脂肪酸であることがより好ましく、炭素数16〜18の飽和脂肪酸であることがさらに好ましい。本発明のシーディング前(つまり、後述するシーディング剤添加工程の前)の融液状のチョコレート生地中に含まれる油脂のSOS含量は、40〜90質量%であることが好ましく、50〜90質量%であることがより好ましく、60〜90質量%であることがさらに好ましい。
本発明におけるシーディング前の融液状のチョコレート生地は、シーディングの効果をより効率良く得るために、チョコレート生地中に含まれる油脂に、SOSの一部又は全部として、1,3−ジステアロイル−2−オレオイルグリセロール(StOSt)が含まれることが好ましい。本発明のシーディング前の融液状のチョコレート生地中に含まれる油脂のStOSt含量は、24〜70質量%であることが好ましく、26〜70質量%であることがより好ましく、27〜60質量%であることがさらに好ましく、30〜55質量%であることが最も好ましい。StOSt含量が上記範囲にあると、チョコレートの口どけを損なうことなく、シーディングの効果をより効率良く得られるので好ましい。チョコレート生地中のStOSt含量が上記範囲にあると、生地の冷却固化後に得られるチョコレートに十分な耐熱性が付与される(つまり、チョコレートを手に取ったときにベタベタした触感が抑制される)だけではなく、得られるチョコレートの口どけ及びブルーム耐性が良好となり得る。
チョコレート生地に含まれる油脂中においてStOStを24〜70質量%含むチョコレート生地は、後述するStOStを含有するカカオ代用脂を使用することにより、油脂中に所望量のStOStを含有するチョコレート生地に調製することができる。
[シーディング剤添加工程]
本発明におけるシーディング剤添加工程は、いわゆるシーディングに相当する。シーディングとは、安定結晶の結晶核として機能するシーディング剤を使用して、融液状態にあるチョコレート生地中に安定結晶の結晶核を生じさせることで、チョコレート中の油脂をV型の安定結晶として固化させ、テンパリングを促進させる工程である。シーディング剤中の安定結晶は、チョコレート生地を、チョコレート生地中の油脂の融点以下に冷やすことで結晶核として働き、チョコレート生地中の油脂において、安定結晶の形成と結晶成長を促す。
シーディング剤添加工程におけるチョコレート生地の生地温度は32〜40℃である。この生地温度は、シーディング法における通常の生地温度(約30℃)より高く、β型XOX結晶の融点と同等又はそれ以下である。チョコレート生地の生地温度を32〜40℃に保持することにより、チョコレート生地の粘度の増加を抑制でき、かつ、後述するシーディング剤に含まれるβ型XOX結晶以外の低融点の油脂成分が融解するので、β型XOX結晶がチョコレート生地中に均一に分散されやすくなり、安定したシーディングの効果が得られる。
シーディング剤添加工程におけるチョコレート生地の生地温度は34〜39℃であることが好ましく、35〜39℃であることがより好ましく、37〜39℃であることが最も好ましい。シーディング剤添加工程におけるチョコレート生地の生地温度が高い場合、後述するβ型XOX結晶を少なくとも含むシーディング剤の添加量を増やすことで効率的にシーディングを行うことができる。なお、シーディング剤添加工程における上記の生地温度は、シーディング剤をチョコレート生地に添加する時点の温度を指す。
(β型XOX結晶)
本発明のシーディング済み融液状チョコレート生地に使用されるβ型XOX結晶は、X線回折(粉末法)の測定により得られる回折ピークから判断される。すなわち、油脂結晶について、その短面間隔を2θが17〜26度の範囲でX線回折を測定し、4.5〜4.7Åの面間隔に対応する強い回折ピークを検出し、4.1〜4.3Å及び3.8〜3.9Åの面間隔に対応する回折ピークを検出しないか、微小な回折ピークである場合に、β型結晶であると判断される。また、油脂結晶について、その長面間隔を2θが0〜8度の範囲で測定し、1,3−ジステアロイル−2−オレオイルグリセロール(以下、StOStとも表す)結晶の場合は、60〜65Åに相当する強い回折ピークを検出し、1,3−ジベヘニル−2−オレオイルグリセロール(以下、BOBとも表す)結晶の場合は、70〜75Åに相当する強い回折ピークを検出する場合に、3鎖長構造であると判断される。
本発明におけるチョコレート生地に使用されるβ型XOX結晶は、20℃以下の温度(好ましくは0〜20℃、さらに好ましくは10℃)でのX線回折によって得られる4.1〜4.3Åの面間隔に対応する回折ピークの強度G’と4.5〜4.7Åの面間隔に対応する回折ピークの強度Gとの強度比(G’/G)が、0〜0.3であることが好ましく、0〜0.2であることがより好ましく、0〜0.1であることがさらに好ましい。X線回折ピークの強度比が上記範囲にあると、β型XOX結晶がシーディング剤として有効に機能する。
(β型XOX結晶及びシーディング剤)
本発明におけるチョコレート生地には、上記のシーディング剤添加工程において、β型XOX結晶を少なくとも含むシーディング剤が添加される。なお、本発明におけるシーディング剤は、β型XOX結晶からなるものでもよく、β型XOX結晶のほか、その他の油脂(ヒマワリ油、パームオレイン等)や、固形分(糖類、粉乳等)等を含むものであってもよい。シーディング剤中のβ型XOX結晶は、シーディングの効果が得られやすいという観点から、10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。シーディング剤中のβ型XOX結晶量の上限は、特に制限されないが、100質量%以下であることが好ましい。チョコレート生地のハンドリング特性やチョコレート生地中の分散性を上げるという観点では、50質量%以下であることが好ましい。
本発明におけるβ型XOX結晶は、本発明の効果が得られやすく、工業的に利用しやすいという観点から、β型BOB結晶及び/又はβ型StOSt結晶であることが好ましい。また、口どけを良好にするという観点から、本発明におけるβ型XOX結晶は、β型StOSt結晶であることが特に好ましい。
(β型XOX結晶及びシーディング剤の調製方法)
本発明におけるβ型XOX結晶は、XOXを含有する油脂から調製できる。すなわち、XOX含有油脂をそのまま、もしくは、XOX含有油脂とその他の油脂(ヒマワリ油、パームオレイン等)とを混合したものから調製できる。
XOXがStOStである場合、StOStを含有する油脂としては、例えば、カカオ代用脂の原料油脂である、サル脂、シア脂、モーラー脂、マンゴー核油、アランブラッキア脂、ペンタデスマ脂等の油脂、及びそれらを分別した高融点部乃至中融点部が挙げられる。また、StOStを含有する油脂は、既知の方法に基づいて、ハイオレイックヒマワリ油及びステアリン酸エチルエステルの混合物を、1,3位選択性リパーゼ製剤を用いてエステル交換反応を行い、反応物から脂肪酸エチルエステルを蒸留により除去した油脂、又はそれを分別した高融点部乃至中融点部であってもよい。
XOXがBOBである場合、既知の方法に基づいて、ハイオレイックヒマワリ油及びベヘン酸エチルエステルの混合物を、1,3位選択性リパーゼ製剤を用いてエステル交換反応を行い、反応物から脂肪酸エチルエステルを蒸留により除去した油脂、又はそれを分別した高融点部乃至中融点部であってもよい。
XOXを含有する油脂のXOX含量は、XOXを含有する油脂に対して40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60〜90質量%であることが最も好ましい。XOXを含有する油脂のXOX含量が上記範囲にあると、シーディング剤のXOX含量を調整しやすいので好ましい。
XOXを含有する油脂をβ型XOX結晶に調製するには、油脂中のXOX含量が低い(例えば、油脂中に40質量%未満である)場合、油脂を加熱して油脂結晶を融解させた後、オンレーター、コンビネーター、ボテーター等の急冷混捏装置により急冷結晶化を行い、27〜37℃程度で1日程度調温することにより、ペースト状又は可塑性状のβ型XOX結晶を含むシーディング剤を調製できる。
また、油脂中のXOX含量が高い(例えば、油脂中に40質量%以上である)場合、油脂を加熱して油脂結晶を融解させた後、30℃程度に冷却して、例えば、上記のように調製したペースト状のβ型XOX結晶を含むシーディング剤を添加した後、30℃程度を保持しつつ全体がスラリー状となるまで部分結晶化を行い、次いで樹脂型等に充填し、さらに28〜30℃で固化し、結晶を安定化させるエージングを適宜行うことにより塊状のβ型XOX結晶に調製できる。このように調製した塊状のβ型XOX結晶を含む油脂は、油脂結晶が溶けないように(例えば、−20℃以下の環境で)適宜粉砕し、粉末状態のシーディング剤として使用できる。
本発明におけるチョコレート生地に使用されるβ型XOX結晶を含むシーディング剤は、粉末の状態であってもよい。該粉末は、その平均粒径が10〜140μmであることが好ましい。
また、該粉末は、分散性を向上させるために、糖、澱粉、乳固形類等の固形物の粉末(好ましくは平均粒径が10〜140μmである粉末)と混合して油脂組成物を調製し、該油脂組成物を本発明におけるβ型XOX結晶を含むシーディング剤として使用してもよい。また、該粉末は、分散性を向上させるために、30℃程度で融液状のココアバターもしくはカカオ代用脂肪に分散させてスラリーを調製し、該スラリーを本発明におけるβ型XOX結晶を含むシーディング剤として使用してもよい。
XOXを含有する油脂をβ型XOX結晶に調製するための別の態様としては、例えば、XOXを含有する油脂を糖、澱粉、乳固形類等の固形状の粉末と混合し、必要に応じてロールリファイナー等で粒度を調製した後に調温することにより油脂組成物を調製し、該油脂組成物を本発明におけるβ型XOX結晶として使用してもよい。
上記XOXを含有する油脂から調製したシーディング剤が、β型XOX結晶として使用できるかどうかは、上記と同様の基準で、シーディング剤を構成する油脂のX線回折を測定することにより判断できる。X線回折の測定結果からβ型結晶であると判断される場合、シーディング剤の油脂中のXOX含量を油脂中のβ型XOX結晶含量として取り扱う。
(β型XOX結晶の添加量)
シーディング剤添加工程における、融液状のチョコレート生地に添加するβ型XOX結晶の量は、融液状のチョコレート生地中の油脂に対して0.1〜15質量%であることが好ましく、0.2〜8質量%であることがより好ましく、0.3〜3質量%あることが最も好ましい。β型XOX結晶の添加量が上記範囲であると、チョコレート生地の生地温度が高温(例えば、32〜40℃)であっても、さらに、このような高温下でチョコレート生地を保持しても、安定したシーディングの効果を期待できる。また、β型XOX結晶がβ型StOSt結晶である場合は、融液状のチョコレート生地中の油脂に対して0.1〜5.0質量%であることが好ましく、0.2〜4.0質量%あることがより好ましい。β型XOX結晶がβ型BOB結晶である場合は、融液状のチョコレート生地中の油脂に対して2.0〜10質量%であることが好ましく、4.0〜8.0質量%であることがより好ましい。
β型XOX結晶をチョコレート生地に添加した後は、撹拌等によりβ型XOX結晶をチョコレート生地中に均一に分散させてもよい。
[水添加工程]
水添加工程におけるチョコレート生地の生地温度は、シーディング剤添加工程と同様である。水添加工程において添加される水の量は、通常の含水型耐熱性チョコレートにおいて使用される量でよく、特に限定されないが、融液状のチョコレート生地に対して、0.1〜5.0質量%であってもよい。水の添加量が融液状のチョコレート生地に対して0.1質量%以上であると、糖骨格が十分に形成され、保形性に優れた含水型耐熱性チョコレートが得られる。水の添加量が融液状のチョコレート生地に対して5.0質量%以下であると、微生物汚染のリスクを抑制できる。水の添加量は、融液状のチョコレート生地に対して、0.3〜3.0質量%であってもよく、0.4〜2.5質量%であってもよい。
水添加工程において添加される水は、水のみであってもよいが、水と共に水以外の成分を含む組成物(以下、このような組成物を「含水材」という。)であってもよい。
水添加工程において添加する水は、添加量が同じだとしても、水と共に添加する成分に応じて、チョコレート生地の粘度上昇速度が変化し得る。具体的には、水のみ、又は、水分含有量の高い含水材(果汁、牛乳等)を添加すると、チョコレート生地の粘度は急激に上昇しやすい。他方、糖液やタンパク液等の含水材を添加すると、比較的緩やかに粘度が上昇する傾向にある。急激に粘度が上昇すると、水をチョコレート生地中に十分に分散できない可能性があるため、水添加工程における水は、含水材、特に糖液やタンパク液であることが好ましい。
糖液としては、果糖、ブドウ糖、ショ糖、麦芽糖、オリゴ糖等の糖と、水とを含む、還元水飴や果糖ブドウ糖液糖等の溶液が挙げられる。タンパク液としては、卵白メレンゲ、濃縮乳、生クリーム等のタンパク質と、水とを含む溶液が挙げられる。糖液やタンパク液に含まれる水分の含有量は、溶液全体に対して10〜90質量%であってもよく、10〜50質量%であってもよい。
水添加工程において、水を含水材の形態で添加する場合は、その添加量は、融液状のチョコレート生地に対する水の量が上記の範囲となるように添加すればよい。
水添加工程において使用する水や含水材の温度は、特に限定されないが、水や含水材を添加しようとする融液状のチョコレート生地の温度と同程度であることが、チョコレート生地の温度を一定に保ち、水や含水材を均一に分散させやすい点で好ましい。
水をチョコレート生地に添加した後は、撹拌等により水をチョコレート生地中に均一に分散させてもよい。
本発明の製造方法は、シーディング剤添加工程及び水添加工程を含むが、その順序はいずれが先であってもよい。また、シーディング剤添加工程及び水添加工程を同時に行ってもよい(つまり、シーディング剤及び水を融液状のチョコレート生地に同時に添加してもよい)。
[保持工程]
本発明におけるチョコレート生地は、上記のシーディング剤添加工程及び水添加工程後、融液状のチョコレート生地を10分以上、生地温度を32〜40℃、好ましくは34〜39℃、さらに好ましくは35〜39℃、最も好ましくは37〜39℃に保持してもよい。これにより、チョコレート中に分散した水の温度を高め、チョコレート中に分散する砂糖や乳糖等への水の親和性を高めて糖骨格の形成を促進できるので、チョコレート生地の粘度の上昇を効果的に抑制しつつ、チョコレートの保形性を向上させることができる。
保持工程における、32〜40℃に保持する時間は、0.25〜24時間であることが好ましく、0.5〜12時間であることがより好ましく、1〜8時間であることが最も好ましい。保持時間が上記の範囲内にあると、シーディング効果及び水添加効果を維持した状態で、シーディング剤添加工程及び水添加工程後の生地粘度を、両工程完了時の生地粘度の1.10倍以下(より好ましくは1.15倍以下)に維持できるので、エンローバー等を使用してチョコレート生地を食品に被覆等する際に、チョコレート生地の取り扱いが容易となる。なお、シーディング剤添加工程及び水添加工程後の生地粘度と、保持工程における生地粘度とは、同一の温度条件で測定して比較する。
本発明におけるチョコレート生地の粘度は、例えば、回転型粘度計であるBH型粘度計を用いて、測定温度にてNo.6のローターを4rpmで回転させ、3回転後の読み取り数値に装置係数を乗じて求める塑性粘度として計測できる。
[冷却固化工程]
シーディング剤添加工程及び水添加工程を経たチョコレート生地は、冷却固化してもよく、この工程により、チョコレート生地からチョコレートを効率的に製造できる。
冷却固化の方法は特に限定されないが、モールド成形や食品への被覆といったチョコレート製品の特性に応じて、例えば、冷却トンネル(クーリングトンネル)等での冷風吹付、冷却プレートとの接触等により冷却固化することができる(例えば、「製菓用油脂ハンドブック」(蜂屋巖訳、2010年発行、株式会社幸書房)を参照)。
冷却固化の条件は、チョコレート生地が固化する限り特に限定されないが、0〜20℃、好ましくは0〜10℃で、5〜90分間、好ましくは10〜60分間行ってもよい。
(チョコレート)
本発明において「チョコレート」とは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(全国チョコレート業公正取引協議会)又は法規上の規定等により限定されるものではなく、食用油脂、糖類を主原料とし、必要によりカカオ成分(カカオマス、ココアパウダー等)、乳製品、香料、乳化剤等を加え、チョコレート製造の工程(混合工程、微粒化工程、精練工程、調温工程、成形工程、冷却工程等)の一部又は全部を経て製造されたものを指す。また、本発明におけるチョコレートは、ダークチョコレート、ミルクチョコレートのほか、ホワイトチョコレート、カラーチョコレート等も含む。
また、本発明におけるチョコレートに含まれる油脂分(上記の「チョコレート生地中の油脂」の定義同様、チョコレートに含まれる全油脂の合計を指す)は、作業性や風味の点から30〜46質量%であることが好ましく、31〜42質量%であることがより好ましく、32〜38質量%であること最も好ましい。
油脂分はチョコレートの連続相となるので粘度の特性に大きな影響を与える。油脂分が多いほど粘度は低く、水の添加によって生じる粘度上昇の影響を軽減できるが、砂糖の比率が低下して糖骨格構造がもろくなり、得られるチョコレートの耐熱性が低下しやすい。他方、油脂分が30質量%程度であると、チョコレートの粘度が高くなり、水添加による粘度上昇の影響も大きくなり、製造時のハンドリング性が低下する可能性がある。ただし、このようなハンドリング性の低下は、減粘作用のある乳化剤(レシチン、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(PGPR)等)をチョコレート中に配合して、粘度を適宜調整することで抑制できる。減粘作用のある乳化剤の含量は、チョコレート中に0.2〜1質量%であることが好ましい。乳化剤は、レシチンとPGPRとを併用することが好ましい。レシチンとPGPRとは、質量比で4:6〜8:2で併用することが好ましい。
本発明におけるチョコレート生地及びチョコレートは、油脂のほかに、通常チョコレートに使用されるカカオマス、ココアパウダー、糖類、乳製品(乳固形類等)、乳化剤、香料、色素等のほか、澱粉類、ガム類、熱凝固性タンパク、各種粉末類等の食品改質材等が含まれていてもよい。上記のうち、糖類は、チョコレート生地中における、水添加による糖骨格形成に寄与する。糖類としては、砂糖(ショ糖)、乳糖、ブドウ糖、麦芽糖、オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、パラチノースオリゴ糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、はちみつ、還元糖ポリデキストロース、ラフィノース、ラクチュロース、還元乳糖、ソルビトール、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、トレハロース等が挙げられ、糖アルコールであってもよい。本発明におけるチョコレート生地及びチョコレートは、糖類を、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは20〜65質量%、さらに好ましくは30〜60質量%含有する。
チョコレート生地及びチョコレートは、常法に従い、原材料の混合、ロールリファイニング等による微粒化、必要に応じてコンチング処理等を行い製造することができる。コンチング処理等において、加熱により油脂結晶が完全に融解した状態のチョコレート生地を本発明におけるチョコレート生地として使用できる。チョコレートの風味を損なわないように、コンチング処理における加熱は、40〜60℃で行うことが好ましい。
本発明における製造方法から得られた含水型耐熱性チョコレートは、上記の各行程を経て、型抜きされたチョコレートをそのまま食することができる。また、本発明におけるチョコレートは、製菓製パン製品(例えば、パン、ケーキ、洋菓子、焼き菓子、ドーナツ、シュー菓子等)に、コーティング、フィリング、又は、チップとして生地へ混ぜ込む等して使用することができ、多彩なチョコレート複合食品(チョコレートを原料の一部に含む食品)を得ることができる。
[保温工程]
本発明の製造方法においては、上記冷却固化後のチョコレートを、さらに保温処理する、保温工程を設けることが好ましい。保温処理とは、冷却固化後のチョコレートを、好ましくは24〜36℃、より好ましくは26℃〜34℃、さらに好ましくは28〜32℃において、好ましくは1時間〜14日間、より好ましくは6時間〜10日間、さらに好ましくは6時間〜8日間、最も好ましくは12時間〜4日間保温する処理である。保温処理により、チョコレート中に形成された糖骨格をより強固なものとすることができる。また、保温処理される対象である、冷却固化後のチョコレートは、冷却固化後、保温処理前に、好ましくは16〜24℃、より好ましくは18〜22℃において、好ましくは6時間〜14日間、より好ましくは6時間〜10日間、さらに好ましくは12時間〜4日間エージング処理されたものであることが好ましい。
得られた含水型耐熱性チョコレートの耐熱性は、下記実施例の方法に従って評価する。また、得られた含水型耐熱性チョコレートに糖骨格が形成されているかどうかは、下記実施例に示したn−ヘキサンへの浸漬テストを行い、少なくとも20分間、チョコレートの形状が保たれていることを確認することで特定される。n−ヘキサンの浸漬テストにおいて、本発明のチョコレートは好ましくは2時間以上、より好ましくは12時間以上、さらに好ましくは24時間以上形状が保たれていることが好ましい。
以下に、実施例を提示することにより、本発明をさらに具体的に説明する。
なお、油脂中の各トリアシルグリセロール含量、X線回折の測定及び各温度におけるチョコレート生地の粘度の測定は以下の方法により測定した。
(トリアシルグリセロール含量)
各トリアシルグリセロール含量は、ガスクロマトグラフィー法により測定した。トリアシルグリセロールの対称性は、銀イオンカラムクロマトグラフィー法により測定した。
(X線回折の測定)
油脂のX線回折は、X線回折装置UltimaIV(株式会社リガク社製)を用いて、CuKα(λ=1.542Å)を線源とし、Cu用フィルタ使用、出力1.6kW、操作角0.96〜30.0°、測定速度2°/分の条件で測定した。
(チョコレート生地の粘度)
チョコレート生地の粘度は、BH型粘度計(東機産業社製)を使用し、No.6のローターを4rpmで回転させ、3回転後の読み取り数値に装置係数(2500)を乗じて求めた。
[StOSt含有油脂の調製]
既知の方法に従って、ハイオレイックヒマワリ油40質量部に、ステアリン酸エチルエステル60質量部を混合し、1,3位選択性リパーゼ製剤を添加してエステル交換反応を行った。ろ過処理によりリパーゼ製剤を除去し、得られた反応物を薄膜蒸留にかけ、反応物から脂肪酸エチルを除去して蒸留残渣を得た。得られた蒸留残渣を乾式分別により高融点部を除去し、得られた低融点部からアセトン分別により2段目の低融点部を除去して中融点部を得た。得られた中融点部を常法によりアセトン除去及び脱色、脱臭処理して、StOSt含量が67.3質量%であるStOSt含有油脂を得た。
[β型StOSt結晶(シーディング剤)の調製−I]
以下の方法に従って、β型StOSt結晶を含む油脂である、シーディング剤A及びシーディング剤Bを得た。得られたシーディング剤の結晶型及びβ型StOSt結晶含量を表1にまとめた。
(シーディング剤A)
ハイオレイックヒマワリ油75質量部とStOSt含有油脂(StOSt含量67.3質量%)25質量部とを混合し、60℃で完全に油脂結晶を融解させた後、オンレーターにて急冷結晶化を行い、27℃で1日調温して、ペースト状のシーディング剤Aを得た。
(シーディング剤B)
ハイオレイックヒマワリ油45質量部とStOSt含有油脂(StOSt含量67.3質量%)55質量部とを混合し、60℃で完全に油脂結晶を融解させた後、オンレーターにて急冷結晶化を行い、34℃で1日調温して、可塑性状のシーディング剤Bを得た。
Figure 2015098932
[チョコレートの製造及び評価−1]
(比較例1)
表2の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、生地温度が30℃である融液状チョコレート生地A(生地の油脂含量37.5質量%)を調製した。該生地Aに対して果糖−ブドウ糖液(水分25質量%)を8質量%(水として対生地2質量%)添加し、撹拌分散させた後、シーディング剤Aを対生地0.35質量%(β型StOSt結晶として融液状チョコレート生地中の油脂に対して0.16質量%)添加し、撹拌しながら引き続き30℃にて保持した。
(比較例2)
表2の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、生地温度が36℃である融液状チョコレート生地B(生地の油脂含量37.5質量%)を調製した。該生地Bに対してシーディング剤Bを対生地0.35質量%(β型StOSt結晶として融液状チョコレート生地中の油脂に対して0.35質量%)添加し、撹拌しながら引き続き36℃にて保持した。本例のチョコレート生地には水を添加しない。
(実施例1)
表2の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、生地温度が36℃である融液状チョコレート生地B(生地の油脂含量37.5質量%)を調製した。該生地Bに対して果糖−ブドウ糖液(水分25質量%)を8質量%(水として対生地2質量%)添加し、撹拌分散させた後、シーディング剤Bを対生地0.35質量%(β型StOSt結晶として融液状チョコレート生地中の油脂に対して0.35質量%)添加し、撹拌しながら引き続き36℃にて保持した。
Figure 2015098932
(粘度の測定)
上記比較例1、2及び実施例1のチョコレート生地について、生地調製直後の粘度(操作前粘度)、含水材添加後の粘度(操作W後粘度)、シーディング剤添加後の粘度(操作S後粘度)、及びシーディング剤添加後に45分又は90分間、比較例1は30℃、比較例2及び実施例1は36℃の生地温度に維持したときの粘度(45分後粘度又は90分後粘度)をそれぞれ測定した。
また、果糖−ブドウ糖液及びシーディング剤の添加分散直後と、比較例1は30℃、比較例2及び実施例1は36℃で90分間保持した後の各チョコレート生地を冷却固化し、型抜けと耐熱保形性の評価を以下の基準に従って行った。結果を表3に示す。
(型抜けの評価)
含水材及びシーディング剤添加直後(操作W&S直後)、又は含水材及びシーディング剤添加90分後(90分後)のチョコレート生地を、成形型に充填し、10℃で15分間冷却固化後、成形型より剥離した。剥離時の離型率(成形型から抜けるチョコレートの割合)を下記の基準に基づいて評価した。
◎ 非常に良好 (離型率=90%以上)
○ 良好 (離型率=70%以上90%未満)
△ 一部剥がれない部分あり(離型率=0%超70%未満)
× 不可 (離型率=0%)
(耐熱保形性評価)
型抜けの評価で得られたチョコレートのそれぞれについて、型から抜いたチョコレートを20℃で1週間保管した後、40℃で2時間静置し、外観を下記の基準に基づいて評価した。
◎ 変形がなく、非常に良好
○ ほぼ変形がなく、良好
× 変形が明確に認められる
Figure 2015098932
比較例1及び実施例1の比較から示されるとおり、本発明の製造方法から得られたチョコレートにおいては、含水材を添加しても、チョコレート生地の粘度の上昇が抑制されていた。また、本発明の製造方法から得られたチョコレートは、型抜け及び耐熱保形性がいずれも良好だった。
[チョコレートの製造及び評価−2]
(実施例2)
表4の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、生地温度が37℃である融液状チョコレート生地C(生地の油脂含量33.0質量%)を調製した。該生地Cに対してシーディング剤Bを対生地0.45質量%(β型StOSt結晶として融液状チョコレート生地中の油脂に対して0.5質量%)添加し、撹拌分散させた後、卵白メレンゲ(水分75質量%:乾燥卵白8質量部に対しグラニュー糖を17質量部配合し、水を加えて泡立てたもの)を0.67質量%(水として対生地0.5質量%)添加し、撹拌しながら引き続き37℃に保持した。
(実施例3)
表4の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、生地温度が37℃である融液状チョコレート生地C(生地の油脂含量33.0質量%)を調製した。該生地Cに対してシーディング剤Bを対生地0.45質量%(β型StOSt結晶として融液状チョコレート生地中の油脂に対して0.5質量%)添加し、撹拌分散させた後、卵白メレンゲ(水分75質量%:乾燥卵白8質量部に対しグラニュー糖を17質量部配合し、水を加えて泡立てたもの)を対生地1.3質量%(水として対生地1質量%)添加し、撹拌しながら引き続き37℃に保持した。
(実施例4)
表4の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、生地温度が37℃である融液状チョコレート生地C(生地の油脂含量33.0質量%)を調製した。該生地Cに対してシーディング剤Bを対生地0.45質量%(β型StOSt結晶として融液状チョコレート生地中の油脂に対して0.5質量%)添加し、撹拌分散させた後、果糖−ブドウ糖液(水分25質量%)を対生地4質量%(水として対生地1質量%)添加し、撹拌しながら引き続き37℃に保持した。
(実施例5)
表4の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、生地温度が37℃である融液状チョコレート生地D(生地の油脂含量33.0質量%)を調製した。該生地Dに対して果糖−ブドウ糖液(水分25質量%)を4質量%(水として対生地1質量%)添加し、撹拌分散させた後、シーディング剤Bを対生地0.45質量%(β型StOSt結晶として融液状チョコレート生地中の油脂に対して0.5質量%)添加し、撹拌しながら引き続き37℃にて保持した。
Figure 2015098932
(粘度の測定)
上記実施例2〜5のチョコレート生地について、生地調製直後の粘度(操作前粘度)、シーディング剤添加後の粘度(操作S後粘度)、含水材(果糖−ブドウ糖液、又は卵白メレンゲ)添加後の粘度(操作W後粘度)、及びシーディング剤及び含水材添加後に45分又は90分間、37℃の生地温度に維持したときの粘度(45分後粘度又は90分後粘度)を測定した。
シーディング剤及び含水材(果糖−ブドウ糖液、又は卵白メレンゲ)の添加直後と37℃で90分間保持した後の各チョコレート生地を成形型に充填後、冷却固化し、型抜けと耐熱保形性の評価を以下の基準に従って行った。結果を表5に示した。
(型抜け評価)
10℃での冷却固化後15分後の離型率(成形型から抜けるチョコレートの割合)を下記の基準に基づいて評価した。
◎ 非常に良好 (離型率=90%以上)
○ 良好 (離型率=70%以上90%未満)
△ 一部剥がれない部分あり(離型率=0%超70%未満)
× 不可 (離型率=0%)
(耐熱保形性評価)
型抜けの評価で得られたチョコレートのそれぞれについて、20℃で1週間保管した後、50℃で2時間静置し、外観を下記の基準に基づいて評価した。
◎ 変形がなく、非常に良好
○ ほぼ変形がなく、良好
× 変形が明確に認められる
Figure 2015098932
[保温工程の効果確認−1]
実施例3及び5における、操作S及び操作Wの両方が完了した直後のチョコレート生地を冷却固化し、得られたチョコレートの一部を、それぞれ20℃で2日間エージングした後、28℃で6日間、保温工程を行った。保温工程後、20℃で保存し、耐熱保形性の評価を下記のように行った。なお、表6中のダッシュが付されたチョコレート(つまり、実施例3’及び実施例5’)は、ダッシュの付いていないチョコレート(つまり、実施例3及び実施例5)と同様に調製されたものを、20℃で2日間エージングした後、保温工程を行わなかったものである。
(耐熱保形性評価:レオメーターによる耐荷重応力の測定)
各チョコレートの品温を34℃に調温し、レオメーターによる耐荷重応力を測定した。レオメーターによる耐荷重応力(単位:g)は、レオメーターCR−500DX(株式会社サン科学製)を使用し、テーブル移動速度20mm/min、定深度3.0mm、プランジャー直径3mmの条件で測定した。その結果を表6に示す。耐荷重応力は、数値が大きいほど、糖によるネットワーク形成がより強固になされていることを示す。
Figure 2015098932
表6に示されるとおり、保温工程を行うと、チョコレートの耐荷重応力が高まり(実施例3及び5)、チョコレート中に形性された糖骨格をより強固なものとすることができた。
[保温工程の効果確認−2]
実施例2〜5における、操作S及び操作Wの両方が完了した直後のチョコレート生地を冷却固化し、得られたチョコレートの一部を、それぞれ20℃で2日間エージングした後、実施例2、3及び5のチョコレートについては、28℃で6日間、保温工程を行い、保温工程後、20℃で保存した。また、実施例4については保温工程を行わず、そのまま20℃で保存した。また、対照として、20℃で保存した比較例2のチョコレートを使用した。上記それぞれのチョコレートについて耐熱保形性の評価を下記のように行った。
(耐熱保形性評価:n−ヘキサンへの浸漬テスト)
長間隔16mm、短間隔8mmで60°と120°で交差する菱形のステンレスネット上にチョコレートを載せ、20℃でn−ヘキサン中に浸漬し、経時的にネットの上に残存するチョコレートの抽出残渣の有無、及び、その形状の観察を48時間にわたって下記の基準に基づいて評価した。その結果を表7に示す。チョコレートの形状が保持されているほど、糖によるネットワーク形成がより強固になされていることを示す。
◎ 元の形状が完全に残っている
○ 一部崩れているが元の形状が残っている
△ ネット上に残渣が残っているが、形状が崩れている
× ネット上から残渣が完全に落下し、形状が完全に崩れている
Figure 2015098932
表7に示されるとおり、保温工程を行うと、n−ヘキサン中に浸漬した後でも数時間にわたってチョコレートの形状を保つことができやすく、糖によるネットワーク形成がより強固になされている傾向にあった。
[BOB含有油脂の調製]
既知の方法に従って、ハイオレイックヒマワリ油40質量部に、ベヘン酸エチルエステル60質量部を混合し、1,3位選択性リパーゼ製剤を添加してエステル交換反応を行った。ろ過処理によりリパーゼ製剤を除去し、得られた反応物を薄膜蒸留にかけ、反応物から脂肪酸エチルを除去して蒸留残渣を得た。得られた蒸留残渣を乾式分別により高融点部を除去し、得られた低融点部からアセトン分別により2段目の低融点部を除去して中融点部を得た。得られた中融点部を常法によりアセトン除去及び脱色、脱臭処理して、BOB含量が65.0質量%であるBOB含有油脂を得た。
[β型BOB結晶(シーディング剤)の調製−I]
以下の方法に従って、β型BOB結晶を含む油脂である、シーディング剤Cを得た。得られたシーディング剤の結晶型及びβ型BOB結晶含量を表8にまとめた。
(シーディング剤C)
上記BOB含有油脂を完全に融解させた後、20℃まで冷却結晶化し、その後、30℃、12時間と50℃、12時間の調温サイクルを14サイクル繰り返した後、−20℃で粉砕し、その後篩かけをして、平均粒径が100μmである粉末状BOB結晶を得た。当該BOB結晶をX線回折により結晶型を確認したところ、3鎖長(70〜75Åに該当する回折線)であり、β型(4.5〜4.7Åに該当する非常に強い回折線)であることが確認できた。当該BOB結晶と粉糖とを等量で混合し、シーディング剤Cを得た。
Figure 2015098932
[チョコレートの製造及び評価−3]
(実施例6)
表9の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、生地温度が37℃である融液状チョコレート生地E(生地の油脂含量35.0質量%)を調製した。該生地Eに対して果糖−ブドウ糖液(水分25質量%)を4質量%(水として対生地1質量%)添加し、撹拌分散させた後、シーディング剤Cを対生地5.4質量%(β型BOB結晶として融液状チョコレート生地中の油脂に対して5.0質量%)添加し、撹拌しながら引き続き37℃にて保持した。
Figure 2015098932
(粘度の測定)
上記実施例6のチョコレート生地について、生地調製直後の粘度(操作前粘度)、含水材添加後の粘度(操作W後粘度)、シーディング剤添加後の粘度(操作S後粘度)、及びシーディング剤添加後に45分又は90分間、37℃の生地温度に維持したときの粘度(45分後粘度又は90分後粘度)をそれぞれ測定した。
また、果糖−ブドウ糖液及びシーディング剤の添加分散直後(操作W&S直後)と37℃で90分間保持した後(90分後)の各チョコレート生地を成形型に充填後、冷却固化し、型抜けと耐熱保形性の評価を以下の基準に従って行った。結果を表10に示す。
(型抜けの評価)
含水材及びシーディング剤添加直後(操作W&S直後)、又は含水材及びシーディング剤添加90分後(90分後)のチョコレート生地を、10℃で15分間冷却固化後、離型率(成形型から抜けるチョコレートの割合)を下記の基準に基づいて評価した。
◎ 非常に良好 (離型率=90%以上)
○ 良好 (離型率=70%以上90%未満)
△ 一部剥がれない部分あり(離型率=0%超70%未満)
× 不可 (離型率=0%)
(耐熱保形性評価−1)
型抜けの評価で得られたチョコレートのそれぞれについて、型から抜いたチョコレートを20℃で1週間保管した後、50℃で2時間静置し、外観を下記の基準に基づいて評価した。
◎ 変形がなく、非常に良好
○ ほぼ変形がなく、良好
× 変形が明確に認められる
(耐熱保形性評価−2)
型抜けの評価で得られたチョコレートのそれぞれについて、型から抜いたチョコレートを20℃で7日間保管した後、28℃で8日間、保温工程を行い、保温工程後、20℃で保存した。長間隔16mm、短間隔8mmで60°と120°で交差する菱形のステンレスネット上にチョコレートを載せ、室温でn−ヘキサン中に浸漬し、48時間後の形状を下記の基準に基づいて評価した。
◎ 元の形状が完全に残っている
○ 一部崩れているが元の形状が残っている
△ ネット上に残渣が残っているが、形状が崩れている
× ネット上から残渣が完全に落下し、形状が完全に崩れている
Figure 2015098932
[チョコレートの製造及び評価−4]
(実施例7)
表4におけるチョコレート生地Dの配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、生地温度が37℃である融液状チョコレート生地D(生地の油脂含量33.0質量%)を調製した。該生地Dに対して果糖−ブドウ糖液(水分25質量%)を4質量%(水として対生地1質量%)添加し、撹拌分散させた後、シーディング剤Bを対生地0.9質量%(β型StOSt結晶として融液状チョコレート生地中の油脂に対して1.0質量%)添加し、撹拌しながら引き続き37℃にて保持した。
(粘度の測定)
上記実施例7のチョコレート生地について、生地調製直後の粘度(操作前粘度)、含水材添加後の粘度(操作W後粘度)、シーディング剤添加後の粘度(操作S後粘度)、及びシーディング剤添加後に10分間、37℃の生地温度に維持したときの粘度(10分後粘度)をそれぞれ測定した。その結果を表11に示す。
(型抜けの評価)
含水材及びシーディング剤添加直後(操作W&S直後)のチョコレート生地を、10℃で15分間冷却固化後、離型率(成形型から抜けるチョコレートの割合)を実施例6同様に評価した。その結果を表11に示す。
(耐熱保形性評価−1:レオメーターによる耐荷重応力の測定)
型抜けの評価で得られたチョコレートについて、型から抜いたチョコレートを20℃で1日間保管した後、28℃で1、2、又は3日間、保温工程を行い、保温工程後、20℃で保存した。各チョコレートについて、34℃に2時間保管した後に、レオメーターによる耐荷重応力を測定した。レオメーターによる耐荷重応力(単位:g)は、上記[保温工程の効果確認−1]と同様に測定した。その結果を表11に示す。
(耐熱保形性評価2:n−ヘキサンへの浸漬テスト)
型抜けの評価で得られたチョコレートについて、型から抜いたチョコレートを20℃で1日間保管した後、28℃で1、2、又は3日間、保温工程を行い、保温工程後、20℃で保存した。長間隔16mm、短間隔8mmで60°と120°で交差する菱形のステンレスネット上にチョコレートを載せ、室温でn−ヘキサン中に浸漬し、48時間後の形状を上記[保温工程の効果確認−2]と同様の基準に基づいて評価した。その結果を表11に示す。
Figure 2015098932
表11に示されるとおり、保温工程を設けると、経時的にチョコレートの耐熱保形性をより高めることができた。これは、チョコレート中に形成された糖骨格をより強固なものとなるためであると推察された。
[チョコレートの製造及び評価−5]
(実施例8)
表12の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、生地温度が34℃である融液状チョコレート生地F(生地の油脂含量33.0質量%)を調製した。該生地Fに対して果糖−ブドウ糖液(水分25質量%)を4質量%(水として対生地1質量%)添加し、撹拌分散させた後、シーディング剤Bを対生地0.9質量%(β型StOSt結晶として融液状チョコレート生地中の油脂に対して1.0質量%)添加し、撹拌しながら引き続き34℃にて保持した。
Figure 2015098932
(粘度の測定)
上記実施例8のチョコレート生地について、生地調製直後の粘度(操作前粘度)、含水材添加後の粘度(操作W後粘度)、シーディング剤添加後の粘度(操作S後粘度)、及びシーディング剤添加後に10分間、34℃の生地温度に維持したときの粘度(10分後粘度)をそれぞれ測定した。その結果を表13に示す。また、実施例8に果糖−ブドウ糖液を添加しないチョコレート生地を比較例3とした。
(型抜けの評価)
実施例8の含水材及びシーディング剤添加直後(操作W&S直後)のチョコレート生地と比較例3のチョコレート生地とを、10℃で15分間冷却固化後、離型率(成形型から抜けるチョコレートの割合)を実施例6同様に評価した。その結果を表13に示す。
(耐熱保形性評価1:レオメーターによる耐荷重応力の測定)
型抜けの評価で得られたチョコレートについて、型から抜いたチョコレートを20℃で2日間保管した後、28℃で0、4、又は8日間、保温工程を行い、保温工程後、20℃で保存した。比較例3のチョコレートは20℃で2日間保管した後、28℃で4日間保温工程後、20℃で保存した。各チョコレートについて、34℃に2時間保管した後に、レオメーターによる耐荷重応力を測定した。レオメーターによる耐荷重応力(単位:g)は、上記[保温工程の効果確認−1]と同様に測定した。その結果を表13に示す。
(耐熱保形性評価2:n−ヘキサンへの浸漬テスト)
耐熱保形性評価1を実施したチョコレートについて、長間隔16mm、短間隔8mmで60°と120°で交差する菱形のステンレスネット上にチョコレートを載せ、室温でn−ヘキサン中に浸漬し、48時間後の形状を上記[保温工程の効果確認−2]と同様の基準に基づいて評価した。その結果を表13に示す。
Figure 2015098932
表13の実施例8に示されるとおり、保温工程を設けると、経時的にチョコレートの耐熱保形性をより高めることができた。これは、チョコレート中に形成された糖骨格をより強固なものとなるためであると推察された。このような効果は、含水材(果糖−ブドウ糖液)を添加しなかった比較例3においては認められなかった。
[ホワイトチョコレートの製造及び評価−6]
(実施例9)
表14の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、生地温度が37℃である融液状チョコレート生地G(生地の油脂含量33.0質量%)を調製した。該生地Gに対して果糖−ブドウ糖液(水分25質量%)を4質量%(水として対生地1質量%)添加し、撹拌分散させた後、シーディング剤Bを対生地1.35質量%(β型StOSt結晶として融液状チョコレート生地中の油脂に対して1.5質量%)添加し、撹拌しながら引き続き37℃にて保持した。
Figure 2015098932
(粘度の測定)
上記実施例9のチョコレート生地について、生地調製直後の粘度(操作前粘度)、含水材添加後の粘度(操作W後粘度)、シーディング剤添加後の粘度(操作S後粘度)、及びシーディング剤添加後に10分間、37℃の生地温度に維持したときの粘度(10分後粘度)をそれぞれ測定した。その結果を表15に示す。
(型抜けの評価)
実施例9の含水材及びシーディング剤添加直後(操作W&S直後)のチョコレート生地を、10℃で15分間冷却固化後、離型率(成形型から抜けるチョコレートの割合)を実施例6同様に評価した。その結果を表15に示す。
(耐熱保形性評価1:レオメーターによる耐荷重応力の測定)
型抜けの評価で得られたチョコレートについて、型から抜いたチョコレートを20℃で2日間保管した後、28℃で0、4、又は8日間、保温工程を行い、保温工程後、20℃で保存した。各チョコレートについて、34℃に2時間保管した後に、レオメーターによる耐荷重応力を測定した。レオメーターによる耐荷重応力(単位:g)は、上記[保温工程の効果確認−1]と同様に測定した。その結果を表15に示す。
(耐熱保形性評価2:n−ヘキサンへの浸漬テスト)
耐熱保形性評価1を実施したチョコレートについて、実施例8同様に、n−ヘキサンへの浸漬後48時間後の形状を評価した。その結果を表15に示す。
Figure 2015098932
表15に示されるとおり、保温工程を設けると、経時的にチョコレートの耐熱保形性をより高めることができた。これは、チョコレート中に形成された糖骨格をより強固なものとなるためであると推察された。

Claims (13)

  1. 生地温度が32〜40℃である融液状のチョコレート生地に、β型XOX結晶を少なくとも含むシーディング剤を添加するシーディング剤添加工程と、
    前記チョコレート生地に対して、水を添加する水添加工程と、
    を含む、
    含水型耐熱性チョコレートの製造方法。
    (ただし、Xは炭素数が18〜22である飽和脂肪酸を示し、Oはオレイン酸を示し、XOXはグリセロールの2位にオレイン酸が結合し、1,3位にXが結合したトリアシルグリセロールを示す)
  2. 前記融液状のチョコレート生地は、前記融液状のチョコレート生地中の油脂においてSOSを40〜90質量%含む、請求項1に記載の含水型耐熱性チョコレートの製造方法。
    (ただし、Sは炭素数が16〜22である飽和脂肪酸を示し、Oはオレイン酸を示し、SOSはグリセロールの2位にオレイン酸が結合し、1、3位にSが結合したトリアシルグリセロールを示す)
  3. 前記融液状のチョコレート生地は、前記融液状のチョコレート生地中の油脂においてStOStを24〜70質量%含む請求項1又は2に記載の含水型耐熱性チョコレートの製造方法。
  4. 前記シーディング剤添加工程及び水添加工程後、前記チョコレート生地の生地温度を10分以上、32〜40℃に保持する保持工程をさらに含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の含水型耐熱性チョコレートの製造方法。
  5. 前記シーディング剤添加工程において、前記β型XOX結晶は、前記融液状のチョコレート生地中の油脂に対して0.1〜15質量%添加される、請求項1から4のいずれか1項に記載の含水型耐熱性チョコレートの製造方法。
  6. 前記β型XOX結晶がβ型BOB結晶及び/又はβ型StOSt結晶である、請求項1から5のいずれか1項に記載の含水型耐熱性チョコレートの製造方法。
    (ただし、BOBは1,3−ジベヘニル−2−オレオイルグリセロールを示し、StOStは1,3−ジステアロイル−2−オレオイルグリセロールを示す)
  7. 前記β型XOX結晶がβ型StOSt結晶である、請求項1から5のいずれか1項に記載の含水型耐熱性チョコレートの製造方法。
  8. 前記シーディング剤添加工程及び水添加工程後、前記チョコレート生地を冷却固化してチョコレートを得る冷却固化工程をさらに含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の含水型耐熱性チョコレートの製造方法。
  9. 前記冷却固化工程後、前記チョコレートを保温処理する保温工程をさらに含む、請求項8に記載の含水耐熱性チョコレートの製造方法。
  10. 油脂中のStOSt含量が24〜70質量%であるチョコレートであって、20℃のヘキサンへ浸漬後、20分以上型崩れが起こらない、含水型耐熱性チョコレート。
  11. 生地温度が32〜40℃である融液状のチョコレート生地に、β型XOX結晶を添加し、かつ、水を添加する、含水チョコレート生地の粘度上昇抑制方法。
  12. 前記β型XOX結晶を添加し、かつ、水を添加した後、前記チョコレート生地の粘度を、前記β型XOX結晶及び前記水を添加した時点におけるチョコレート生地の粘度の1.10倍以下に抑制する、請求項11に記載の含水チョコレート生地の粘度上昇抑制方法。
  13. 生地温度が32〜40℃である融液状のチョコレート生地に、β型XOX結晶を添加し、かつ、水を添加した後、チョコレートを保温処理する、含水型耐熱性チョコレート中の糖骨格形成方法。
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