JP5152073B2 - センター入り油脂性菓子とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、センター入り油脂性菓子及びその製造方法に関するものである。
従来、伝統的な油脂性菓子の代表であるチョコレートは、スナップ性(パリッと割れる性質)と口溶けの良さを重視されてきた。そのため、センターの入っていない板状の形態を主流としてきた。
しかし、嗜好の変化や多様化に伴い、一般にかたい食感が好まれなくなる傾向が顕著になってきており、チョコレート類もその例にもれない。そのため100%チョコレートである板チョコよりも、他の可食素材と組み合わせた複合チョコレートや、またセンターの硬さを変えたチョコレートなどが消費者に好まれ、その生産量も増加して来ている。
可食素材としては、例えばナッツ、焼菓子、ドライフルーツなどあり、またチョコレートの食感を変える材料としては乳脂や液状脂などがある。
これらのチョコレートの特徴として、食感や口溶けの差、色彩や風味変化などの展開ができるという点で、チョコレートをより魅力的にすることができる。
また、現在は流通菓子のみにならず、生菓子の市場が大きくなっている。その中でも、生チョコを始めとするチョコレートのニーズが拡大している。これらの生菓子は、名高いパテシエによるブランドイメージもあるが、柔らかく、滑らかな食感であるガナッシュの魅力を感じている為である。これらの商品はチョコレートと生クリームを乳化させて製造している為、日持ちがせず流通菓子として適していないものである。そこで、通常、融点の低い油脂やショートニングのような半固形状の油脂を用いることにより、長期保存可能な柔らかい食感のセンター用フィリングを作ることができる。
しかし、チョコレートにこのようなセンターを組み合わせると、特に夏場の気温が高い時など陥没、変形を発生する現象があり、食感のボソつき、口溶けの悪化などが生じ、その製品価値を著しく低下させてしまう。
この現象は、外殻層とセンターとの油脂組成の違いや、径時変化による液体成分油脂の移動、或いは32℃以上の高温下での保管により溶解した油脂の移動によるものと考えられている。
したがって、センターと外殻層の油脂組成を均衡させることで解決できることは周知のことであるが、食感差がなくセンターを感じさせることが出来ないという欠点がある。
また、センターと外殻層との境界を砂糖、蛋白、多糖類のフィルム糖等でコーティングして油脂移行を遮断することができるが、フィルム部の食感の違和感、コーティングの作業が非常に煩雑であるなどの問題がある。
液状のセンターにすることで油脂移行の無い組成に変えた場合(特許文献1)、長期間の保存に劣り、年間通して販売する商品にはなり得ないものになってしまう。
また、長期間の保存性を付加させる手段として、液状センターにアルコールを添加する方法が提案されて(特許文献2)いるが、水分の蒸発やアルコールの揮発により陥没を生じる。陥没をさけるためには外殻層を厚くする必要があり、それではセンターの食感が感じ難いものとなってしまうという欠点がある。
そのため、多くの発明がなされ、たとえばセンターにゼラチンを添加させて、結晶状態をゼラチンの骨格で形成することにより、保水性に優れた組成することで陥没を生じさせないものがある(特許文献3)あるいは、植物性ステロールを配合(参考文献4)があるが、それぞれ油脂性菓子の特徴である口溶け感が損なわれてしまうという欠点がある。
また、市販のチョコレート菓子について、20〜32℃を1サイクルとする常法の虐待試験を行ったところ、1サイクルにて陥没が生じるものが多く、陥没が生じない気温である冬季限定での流通でしか適していないものが多い。
このように、センターを柔らかく口溶けの良い食感を有した油脂性菓子において、陥没せずに通年販売可能な商品の提案はいまだない。
特公昭58−138343号公報 特公昭61−53010号公報 特開平4−190742号公報 特開2001−294891号公報
従って、本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、柔らかな口溶けのよい食感を有し、かつ高温度下における耐陥没性に優れたセンター入り油脂性菓子及びその製造方法を提供することである。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、ココアバター又はココアバター代替油脂のように口溶けの良好な油脂をセンターと外殻層に使用したセンター入り油脂性菓子において、センターと外殻層にそれぞれ1,3−ジベヘニル−2−オレイルグリセロールを含有させ、さらに特定の乳化剤を併用することで、前記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、
〔1〕ココアバター又はココアバター代替油脂25〜60重量%をセンターに含有する油脂性菓子であって、該センターにグリセリン脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルと、1,3−ジベヘニル−2−オレイルグリセロール(以降、BOB脂と示す。)とを含有し、前記センターを被覆する外殻層にココアバター又はココアバター代替油脂、BOB脂及びショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴とするセンター入り油脂性菓子、
〔2〕ココアバター又はココアバター代替油脂を含む油脂組成物に、グリセリン脂肪酸エステル又はソルビタン脂肪酸エステルを混合して品温を37℃以下に調温した後、1,3−ジベヘニル−2−オレイルグリセロールを混合して、センター用生地を調製する工程、
ココアバター又はココアバター代替油脂と、ショ糖脂肪酸エステル及び油脂とを混合して品温を37℃以下に調温した後、BOB脂を混合して、外殻層用生地を調製する工程、
モールドにセンター用生地を外殻層用生地で被覆するように充填して凝固させる工程
を有することを特徴とするセンター入り油脂性菓子の製造方法
に関する。
本発明のセンター入り油脂性菓子は、常温で柔らかい食感を有するセンター入り油脂性菓子であって、高温下における耐陥没性に優れたセンター入り油脂性菓子であるため、夏と冬のように気温の差が大きな季節で通年販売しても、消費者にとって、食感が保持された耐候性に優れた菓子を提供することができる。
本発明のセンター入り油脂性菓子は、ココアバター又はココアバター代替油脂25〜60重量%をセンターに含有する油脂性菓子であって、該センターにグリセリン脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルと、BOB脂とを含有し、前記センターを被覆する外殻層にココアバター又はココアバター代替油脂、BOB脂及びショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴としている。
前記センターに使用するココアバターとは、カカオ豆から抽出される植物性脂肪である。また、ココアバター代替油脂は、サル脂やシア脂とパーム油を用いて調製したテンパー型の油脂、パーム油等で融点を調整した非テンパー型油脂のいずれの使用も可能である。なお、テンパー型油脂とは、調温(テンパリング)しないと結晶型が安定型にならない油脂であり、非テンパー型油脂とは、結晶型が調温することなしに、単に冷却することにより、準安定型になる油脂である。
本発明では、センターにおいて、BOB脂とココアバター又はココアバター代替油脂に含有されているテンパー型油脂とが混合することにより急速且つ安定的に同型の結晶を作り出すことで、高温下で溶解した油脂が再結晶化する際、添加していない油脂と比較して油脂移行を抑えることができると考えられる。
センター中におけるBOB脂の含有量は、0.03〜4重量%、好ましくは0.1〜3重量%、より好ましくは0.5〜2重量%である。
センター中におけるグリセリン脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルの含有量は、0.01重量%〜3重量%、好ましくは0.05重量%〜2重量%、より好ましくは0.1重量%〜1重量%である。
本発明では、センター中に前記ココアバター又はココアバター代替油脂に加えて、BOB脂とグリセリン脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルなどの乳化剤とを混合することで、センター生地である油脂組成物の物性を好ましいものにすることができる。例えば、前記乳化剤が0.01重量%よりも少なく、BOB脂が4重量%よりも多いと、油脂組成物の粘度が上がり充填することができない。また、前記乳化剤の含有量が3重量%より多く、BOB脂が0.03重量%より少ないと、乳化剤の風味を感じるようになり油脂性菓子の風味を損ない、且つ耐陥没性を損なう傾向がある。
本発明においては、前記のような構成を有するセンターは油脂性の外殻層で被覆されている。前記外殻層は、ココアバター又はココアバター代替油脂、BOB脂及びショ糖脂肪酸エステルを含有する。
前記外殻層に使用されるココアバター又はココアバター代替油脂としては、前記センターに使用できるものであればよい。また、テンパー型油脂と非テンパー型油脂の油脂含有率を1:0〜19:1或いは1:99〜1:19(重量比)とすることが好ましい。これはテンパー型の油脂組成と非テンパー型の油脂組成との違いにより、融点降下を避けるためである。外殻層においてテンパー型油脂を使用した場合には、混合されているBOB脂との作用により、外殻においても油脂移行を抑えることができるため、好ましい。
前記外殻層中に含有されるBOB脂及びショ糖脂肪酸エステルの含有量は、0.01〜3重量%、好ましくは0.1〜2.5重量%、より好ましくは0.5〜2重量%である。0.01重量%より少ないと油脂結晶の安定化が損なわれ高温下で陥没が生じる。3重量%より多いと、乳化剤の風味を感じるようになり油脂性菓子の全体の風味を損なう。なお、BOB脂とショ糖脂肪酸エステルの比率については、特に限定はない。
なお、本発明においては、前記センター及び外殻層に使用するココアバター又はココアバター代替油脂として、これらの油脂を予め混合しているチョコレート類、所望の風味に調整した油脂性菓子やセンター用生地として他の植物性油脂と調製したフィリングなどの油脂組成物を使用してもよい。例えば、カカオマス、ココアバター、ココアパウダーなどのカカオ成分や、アーモンド、ヘーゼルナッツ、ピスタチオなどのナッツ類、ストロベリーをはじめとする果汁パウダーと植物性油脂にて調製したフィリングを使用してもよい。これらの原料の使用量は、所望する風味や性質に基づいて適宜選択すればよい。また、添加物として、酸味料、甘味料、保存料、増粘安定剤、光沢剤、香料、着色料、調味料、苦味料など任意に添加することも可能である。
本発明のセンター入り油脂性菓子では、前記センターが前記外殻層で覆われていればよく、センター及び外殻の形状、大きさなどについては特に限定はない。
なお、センターと外殻層の重量比率は、10:90〜60:40が好ましく、10:90〜50:50がより好ましい。
以上のような構成を有する本発明のセンター入り油脂性菓子は、
ココアバター又はココアバター代替油脂を含む油脂組成物に、グリセリン脂肪酸エステル又はソルビタン脂肪酸エステルを混合して品温を37℃以下に調温した後、BOB脂を混合して、センター用生地を調製する工程、
ココアバター又はココアバター代替油脂及びショ糖脂肪酸エステルを混合して品温を37℃以下に調温した後、BOB脂を混合して、外殻層用生地を調製する工程、
モールドにセンター用生地を外殻層用生地で被覆するように充填して凝固させる工程
を有することを特徴とするセンター入り油脂性菓子の製造方法
を経て製造することができる。
中でも、本発明の製造方法では、BOB脂の混合する時期と手法に特徴がある。
BOB脂の融点は37〜39℃であり、結晶核として油脂性菓子中に存在させる必要があるため、センター用生地及び外殻層用生地に前記の特定の乳化剤を添加した工程を経てから、各構成部位の品温が37℃以下、好ましくは35℃以下となった状態でBOB脂を混合して各生地中に分散させることが好ましい。なお、品温は、常法の手段を用いて測定すればよい。
また、調温方法としては、テンパー型油脂組成であれば、生地を常法の冷却方法にて所望の温度に調整する。非テンパー型油脂組成であれば、生地を直接冷却する方法が挙げられる。
また、センター用生地および外殻層用生地を調製する際の油脂組成物と乳化剤との混合は、油脂組成物が固化しない温度、好ましくは40〜55℃で行えばよい。
前記モールドとしては、前記外殻層用生地やセンター用生地が充填可能で、所望の形状を付与でき、剥離できる型が設けられたものであればよく、材質については特に限定はない。また、各生地の粘度によっては、平板をモールドとして用いてもよい。
前記モールドへの外殻層用生地やセンター用生地の充填方法としては、前記生地をモールド内へ流し込める方法であればよい。例えば、ノズルを用いて、モールドへ各生地を吐出させればよい。なお、センター用生地は、センター入り油脂性菓子の表面上に露出しないように外殻層用生地で被覆されるように充填されればよく、充填する位置については特に限定はない。
外殻層用生地でセンター用生地を被覆するように充填する手法としては、例えば、シェルモールド充填方式及び同時充填方式が挙げられる。
シェルモールド充填方式は、具体的には、モールドに外殻層用生地を充填して凝固させ、次いでセンター用生地を充填して凝固させる工程、及び
凝固させたセンター用生地の表面に新たに外殻層用生地をボトム充填する工程
を経て行われる。
シェルモールド充填方式では、外殻層用生地、センター用生地、外殻層用生地の順番で前記モールドに充填する。なお、外殻層用生地については、1回目に充填する生地と2回目に充填する生地として、それぞれ組成の異なる生地を用いてもよい。
また、同時充填方式としては、具体的には、モールドに外殻層用生地とセンター用生地とを同時充填して凝固させる工程を経て行われる。
この場合、内側にセンター用生地を吐出するためのノズル、外側に外殻層用生地を吐出するためのノズルを有する、2重以上の多重ノズルを用いることが好ましい。
外殻層用生地とセンター用生地を同時に吐出することでセンター用生地を外殻層用生地で被覆することができる。
なお、前記モールドに充填した外殻層用生地やセンター用生地が凝固していることは、同時に作製している複数の製品の中から適当なものを選び、その製品を割って直接確認したり、あるいは温度センサーを直接差し入れて各生地の融点以下であること測定することで確認することができる。
以上のようにして得られるセンター入り油脂性菓子は、そのまま食べてもよいし、クッキーなどの焼き菓子と組み合わせた複合菓子としてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(製造例1)
ココアパウダー11.9重量部、全脂粉乳7.8重量部、砂糖35重量部、ノンテンパー型植物油脂(商品名精製ヤシ油、ニューメラリン36;不二製油社製)40重量部、乳化剤0.3重量部、香料0.1重量部を用い、常法により混合した。混合後、3段ロール(井上製作所社製)にて磨砕し、その後「Stephan真空ミキサー」(Stephan社製)によりコンチングを行い、センター用フィリングを得た。
(実施例1)
溶解したチョコレート(大東カカオ社製)にショ糖脂肪酸エステル(商品名POS−135;三菱化学フーズ社製)を各1重量部添加した後、品温が35℃となったところで結晶BOB(商品名チョコシードB;不二製油社製)を結晶量として、1重量部混合して外殻層用生地を得た。大理石にてテンパリングを行った後、モールドに注入し、その後モールドを反転し、モールドに振動を与え余分なチョコレートを除去した後20℃の室温で20分間固化させ、モールド内面にチョコレートの外殻層(以降、これをシェルと示す)を形成させた。
次に、製造例1のセンター用フィリング42.5重量部、スイートチョコレート(大東カカオ社製)42.5重量部、ノンテンパー型植物油脂(商品名ビスケッティンSF20B;Jオイルミルズ社製)3重量部、ソルビタン脂肪酸エステル(商品名ポエムS−60V;理研ビタミン社製)1重量部を混合し、品温が35℃となったところで、結晶BOB(商品名チョコシードB;不二製油社製)を結晶量として、1重量部混合してセンター用生地を得た。調温後先ほどのシェルへ充填し、冷蔵庫内にて10分間冷却固化させた。その後、上記の外層用生地15重量部を充填してボトムを形成し、冷蔵庫内にて5分間冷却固化させ剥離しセンター比率40%の食感が柔らかいセンター入りチョコレートを得た。
このセンター入りチョコレートにおいて20℃〜32℃を1サイクルとする虐待試験を行い、センター入りチョコレート表面の陥没状態を確認したところ、6サイクル経過しても陥没の起きないものであった。
(実施例2)
実施例1において、センター用フィリングの調製に使用した乳化剤をソルビタン脂肪酸エステルからグリセリン脂肪酸エステル(商品名TAISET26;太陽化学工業社製)へ変更して、センター比率40%のセンター入りチョコレートを得た。
同様に、20℃〜32℃を1サイクルとする虐待試験を行い、センター入りチョコレート表面の陥没状態を確認したところ、6サイクル経過しても陥没の起きないものであった。
(実施例3)
実施例1において、センター用フィリングの調整に使用した乳化剤をソルビタン脂肪酸エステル(商品名ポエムS−60V;理研ビタミン社製)0.5重量部とグリセリン脂肪酸エステル(商品名TAISET26;太陽化学工業社製)0.5重量部へ変更して、センター比率40%のセンター入りチョコレートを得た。
同様に、20℃〜32℃を1サイクルとする虐待試験を行い、センター入りチョコレート表面の陥没状態を確認したところ、6サイクル経過しても陥没の起きないものであった。
(比較例1)
40℃のチョコレート(大東カカオ社製)を大理石にてテンパリングを行った後、モールドに注入し、その後モールドを反転し、モールドに振動を与え余分なチョコレートを除去した後20℃の室温で20分間固化させ、モールド内面にチョコレートのシェルを形成させた。
次に、製造例1のセンター用フィリング50重量部、スイートチョコレート(大東カカオ社製)50重量部を混合し、調温後先ほどのシェルへ充填し、冷蔵庫内にて10分間冷却固化させた。その後、上記のシェル形成に用いたチョコレート15重量部を充填してボトムを形成し、冷蔵庫内にて5分間冷却固化させ剥離しセンター比率40%の食感が柔らかいセンター入りチョコレートを得た。
このセンター入りチョコレートにおいて20℃〜32℃を1サイクルとする虐待試験を行い、センター入りチョコレート表面の陥没状態を確認したところ、1サイクル経過した時点で陥没が生じた。
(比較例2)
40℃のチョコレート(大東カカオ社製)を大理石にてテンパリングを行った後、モールドに注入し、その後モールドを反転し、モールドに振動を与え余分なチョコレートを除去した後20℃の室温で20分間固化させ、モールド内面にチョコレートのシェルを形成させた。
次に、製造例1のセンター用フィリング48.5重量部、スイートチョコレート(大東カカオ社製)48.5重量部、ノンテンパー型植物油脂(商品名ビスケッティンSF20B;Jオイルミルズ社製)3重量部を混合し、調温後先ほどのシェルへ充填し、冷蔵庫内にて10分間冷却固化させた。その後、上記のシェル形成に用いたチョコレート15重量部を充填してボトムを形成し、冷蔵庫内にて5分間冷却固化させ剥離しセンター比率40%の食感が柔らかいセンター入りチョコレートを得た。
このセンター入りチョコレートにおいて20℃〜32℃を1サイクルとする虐待試験を行い、センター入りチョコレート表面の陥没状態を確認したところ、1サイクル経過した時点で陥没が生じた。
(比較例3)
40℃のチョコレート(大東カカオ社製)を大理石にてテンパリングを行った後、モールドに注入し、その後モールドを反転し、モールドに振動を与え余分なチョコレートを除去した後20℃の室温で20分間固化させ、モールド内面にチョコレートのシェルを形成させた。
次に、製造例1のセンター用フィリング42.5重量部、スイートチョコレート(大東カカオ社製)42.5重量部、ノンテンパー型植物油脂(商品名ビスケッティンSF20B;Jオイルミルズ社製)3重量部、ソルビタン脂肪酸エステル(商品名ポエムS−60V;理研ビタミン社製)1重量部、品温が35℃となったところで結晶BOB(商品名チョコシードB;不二製油社製)を結晶量として、1重量部を混合し、調温後先ほどのシェルへ充填し、冷蔵庫内にて10分間冷却固化させた。その後、上記のシェル形成に用いたチョコレート15重量部を充填してボトムを形成し、冷蔵庫内にて5分間冷却固化させ剥離しセンター比率40%の食感が柔らかいセンター入りチョコレートを得た。
このセンター入りチョコレートにおいて20℃〜32℃を1サイクルとする虐待試験を行い、センター入りチョコレート表面の陥没状態を確認したところ、2サイクル経過した時点で陥没が生じた。
(比較例4)
溶解したチョコレート(大東カカオ社製)にショ糖脂肪酸エステル(商品名POS−135;三菱化学フーズ社製)を各1重量部、品温が35℃となったところで結晶BOB(商品名チョコシードB;不二製油社製)を結晶量として、1重量部を混合した。大理石にてテンパリングを行った後、モールドに注入し、その後モールドを反転し、モールドに振動を与え余分なチョコレートを除去した後20℃の室温で20分間固化させ、モールド内面にチョコレートのシェルを形成させた。
次に、製造例1のセンター用フィリング50重量部、スイートチョコレート(大東カカオ社製)50重量部を混合し、調温後先ほどのシェルへ充填し、冷蔵庫内にて10分間冷却固化させた。その後、上記のシェル形成に用いたチョコレート15重量部を充填してボトムを形成し、冷蔵庫内にて5分間冷却固化させ剥離しセンター比率40%の食感が柔らかいセンター入りチョコレートを得た。
このセンター入りチョコレートにおいて20℃〜32℃を1サイクルとする虐待試験を行い、センター入りチョコレート表面の陥没状態を確認したところ、2サイクル経過した時点で陥没が生じた。
(比較例5)
溶解したチョコレート(大東カカオ社製)にショ糖脂肪酸エステル(商品名POS−135;三菱化学フーズ社製)を各1重量部及び結晶BOB(商品名チョコシードB;不二製油社製)を結晶量として、1重量部混合した。大理石にてテンパリングを行った後、モールドに注入し、その後モールドを反転し、モールドに振動を与え余分なチョコレートを除去した後20℃の室温で20分間固化させ、モールド内面にチョコレートのシェルを形成させた。
次に、製造例1のセンター用フィリング42.5重量部、スイートチョコレート(大東カカオ社製)42.5重量部、ノンテンパー型植物油脂(商品名ビスケッティンSF20B;Jオイルミルズ社製)3重量部、ソルビタン脂肪酸エステル(商品名ポエムS−60V;理研ビタミン社製)1重量部、結晶BOB(商品名チョコシードB;不二製油社製)を結晶量として、1重量部を混合し、調温後先ほどのシェルへ充填し、冷蔵庫内にて10分間冷却固化させた。その後、上記のシェル形成に用いたチョコレート15重量部を充填してボトムを形成し、冷蔵庫内にて5分間冷却固化させ剥離しセンター比率40%の食感が柔らかいセンター入りチョコレートを得た。
このセンター入りチョコレートにおいて20℃〜32℃を1サイクルとする虐待試験を行い、センター入りチョコレート表面の陥没状態を確認したところ、2サイクル経過した時点で陥没が生じた。
(比較例6)
実施例1において、シェルチョコレートに添加した乳化剤及び結晶BOB脂の添加量を0.005重量部へ変更して、センター比率40%のセンター入りチョコレートを得た。
同様に、20℃〜32℃を1サイクルとする虐待試験を行い、センター入りチョコレート表面の陥没状態を確認したところ、2サイクル経過した時点で陥没が生じた。
実施例1〜3、比較例1〜6で得られたセンター入りチョコレートを用いて行った虐待試験の結果を表1に示す。表1における評価基準は以下のとおり。
〈シェルチョコレートの陥没状況〉
「◎」陥没が生じていない。
「○」陥没が生じる傾向が見られる。
「×」陥没が生じている。
Figure 0005152073
表1の結果より、実施例1〜3で得られたセンター入り油脂性菓子は、前記のように25℃以上というチョコレート菓子としては高温に相当する温度条件下で虐待試験を6サイクル行っても明確な陥没が生じないものであり、きわめて耐陥没性に優れたものであることがわかる。また、これらのセンター入り油脂性菓子を虐待試験後に食べたところ、口溶けのよい柔らかな食感が保たれており、おいしく食することができた。
一方、冬季に市販されているチョコレート5種類(A、B、C、D、E)について、20〜32℃を1サイクルとする虐待試験を行ったところ、1〜2サイクルにて陥没が生じた。

Claims (2)

  1. ココアバター又はココアバター代替油脂25〜60重量%をセンターに含有する油脂性菓子であって、該センターにグリセリン脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルと、1,3−ジベヘニル−2−オレイルグリセロールとを含有し、前記センターを被覆する外殻層にココアバター又はココアバター代替油脂、1,3−ジベヘニル−2−オレイルグリセロール及びショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴とするセンター入り油脂性菓子。
  2. ココアバター又はココアバター代替油脂を含む油脂組成物に、グリセリン脂肪酸エステル又はソルビタン脂肪酸エステルを混合して品温を37℃以下に調温した後、1,3−ジベヘニル−2−オレイルグリセロールを混合して、センター用生地を調製する工程、
    ココアバター又はココアバター代替油脂及びショ糖脂肪酸エステルを混合して品温を37℃以下に調温した後、1,3−ジベヘニル−2−オレイルグリセロールを混合して、外殻層用生地を調製する工程、
    モールドにセンター用生地を外殻層用生地で被覆するように充填して凝固させる工程
    を有することを特徴とするセンター入り油脂性菓子の製造方法。
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