JP4101433B2 - ファットブルーム防止剤およびその利用 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チョコレートのファットブルーム防止剤およびその使用に関する。さらに詳細には、チョコレート類に使用した際に優れたファットブルーム耐性をもたらすファットブルーム防止剤、ならびに、これを含むハードバター組成物およびチョコレート類に関する。
【0002】
【従来の技術】
チョコレート類は本来、カカオマス、ココアバター、砂糖、粉乳等を主原料として製造される。このうちココアバターは価格、供給ともに不安定であるため、従来から種々のハードバターがココアバターに併用もしくは代用して、チョコレート用油脂として使用されている。ハードバターは、価格が安いのみでなく、融点調整ができる等、ココアバターに存在する種々の欠点に対する品質改良剤としての地位を確立している。
【0003】
ハードバターとしては、その物理的特性及びその組成をココアバターに類似させ、ココアバターとの相溶性を改良したテンパー型に分類されるもの、ラウリン酸を主要構成脂肪酸とするラウリン系ノーテンパー型に分類されるもの、そしてトランス型不飽和脂肪酸を主要構成脂肪酸とする非ラウリン系ノーテンパー型に分類されるもの等がある。
【0004】
ココアバターおよび/またはハードバターを使用して製造されたチョコレート類では、一定以上の温度下での保存において、また温度変化の大きい保存条件下、あるいは完全融解状態から徐々に温度を下げていく条件、いわゆる徐冷の条件において、チョコレート表面に白い粉がふいたような現象がしばしば観察される。この現象はブルームと呼ばれ、チョコレート中の砂糖に由来するシュガーブルームと、油脂の微細結晶の粗大化により発生すると考えられるファットブルームとがある。ファットブルームには、高温で起きるもの(高温ブルーム)ならびに低温で起きるもの(低温ブルーム)がある。ブルームの発生に伴い、チョコレート内部では組織が粗くなり、ボサボサの食感を有する現象を呈する。
【0005】
ココアバターは融点の違いによりI型からVI型までの結晶があり、I型からVI型に向かうにつれ融点が高く安定化し、最も安定した結晶はVI型(Journal of American Oil Chemists’ Society, 43,491−496,1966)である。しかしながら、VI型は粗大な結晶であるため口どけが悪く、ファットブルームの原因になる。ファットブルームを起こりにくくするにはV型の微細結晶を多く作り、VI型への移行を阻止することが効果的である。テンパリングを行わなければ冷却固化後にココアバター中の不安定な結晶(例えばIV型)がより安定な結晶に移行するとともに結晶が粗大化し、その結果ファットブルームの原因が生成する。このようなファットブルーム生成を抑制するためにテンパー型チョコレートおよびテンパー型ハードバターの製造においては、テンパリング工程によって不安定結晶を安定なV型結晶に転移させることができる量のV型種結晶を生成させ、冷却固化後に最終的に安定型結晶ができるだけ多く存在するようにしている(New Food Industry、31、53−74,1989)。
【0006】
しかしこのようなテンパー型チョコレートなどであっても、温度が高くさらに温度変化の大きい保存条件ではチョコレート中に残存する不安定結晶の一部が融解して表面へ移行することにより、チョコレート表面において融解した油脂が再結晶化し、結晶は成長を繰り返して粗大化し、次第に、ファットブルームが生成する(この現象を高温ブルームと呼んでいる)。このため、長期間の保存は困難であり、このような温度変化の大きい保存条件でもファットブルームを抑制する方法が要望されている。
【0007】
また、ビスケットやクッキーなどの小麦粉、油脂、砂糖を主原料とした焼菓子類に、チョコレートをコーティングした組み合わせ菓子、センターにクリーム類を充填したシェルタイプチョコレートなどで、マイグレーションしてきた焼菓子中に含まれるマーガリン、ショートニングなどの液体油脂、もしくはセンタークリーム側の液体油脂にエンローバーチョコレート中、もしくはシェル側のチョコレート中の油脂結晶が溶けて表面に押し出され、再結晶化することで結晶の粗大化がおき、ファットブルームが生成する。この現象を低温ブルームと呼んでいる。
【0008】
この様なチョコレート類におけるファットブルームの発生を防止するため、従来から製造方法の改良、ココアバターとの相性のよい油脂(ハードバター)の開発、また添加剤としてのファットブルーム防止剤の開発が試みられ、すでにそれらを使用した若干の製品が上市されている。
【0009】
具体的には例えば、特開昭62−6635号公報、特開昭63−56250号公報、特開昭63−240745号公報および特開平1−60330号公報では、ベヘン酸を含むトリグリセリドを利用する方法によってチョコレート類のブルーム発生を改良する方法が開示されている。特開昭61−40745号公報および特開平1−285153号公報では、ポリグリセリン脂肪酸エステルを利用する方法によってチョコレート類のブルーム発生を改良する方法が開示されている。特開平01−39945号公報および特開平02−249452号明細書では、結合脂肪酸が主として炭素数12以下の飽和脂肪酸からなるショ糖脂肪酸エステルを利用する方法によってチョコレート類のブルーム発生を改良する方法が開示されている。特開平3−147741号公報では、一分子内に2個以上の不飽和結合を有する一種又は二種以上のジグリセリドを含有するハードバターを使用することでテンパー型チョコレートのブルーム発生を抑制する方法が開示されている。
【0010】
しかしながら、より改良された新規なファットブルーム防止剤に対する需要が、依然として存在する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点の解決を意図するものであり、チョコレート類、特にテンパー型ハードバターを使用して製造されたチョコレート類におけるファットブルームの発生を抑制するためのファットブルーム防止剤、ならびにこれを含むハードバターおよびチョコレート類を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は鋭意研究の結果、特定のグリコシルジグリセリドをチョコレート類に添加したとき著しく優れたブルーム耐性が得られることを見出し、これに基づいて本発明を完成させた。
【0013】
本発明のファットブルーム防止剤は、以下の式で表されるグリコシルジグリセリドを含有し、ここで、X1は、モノグリコシル基またはジグリコシル基を示し、R1およびR2は、脂肪酸の残基を示す:
【0014】
【化2】
Figure 0004101433
【0015】
1つの実施態様では、上記グリコシルジグリセリドは、約30重量%以上含有される。X1は、ガラクトシル基、グルコシル基、マンノシル基およびグルクロノシル基、ならびにこれらが任意に組み合わせられたジグリコシル基からなる群より選択され得、より好ましくは、ガラクトシル基またはジガラクトシル基であり得る。上記R1およびR2は、独立して、炭素数が10〜24の脂肪酸の残基であり得、好ましくは、独立して、炭素数が16〜18の脂肪酸の残基であり得る。
【0016】
上記グリコシルジグリセリドは、天然のソースから抽出され得る。天然ソースは、植物または微生物であり得る。上記グリコシルジグリセリドは、植物または微生物由来であり得る。植物は、カボチャ、トウモロコシ、ニンジン、パンコムギ、ココヤシ、アブラヤシ、ダイズ、ナタネ、ゴマ、ワタ、オリーブ、ベニバナ、およびヒマワリからなる群より選択され得る。上記グリコシルジグリセリドは、より好ましくは、カボチャの果実、トウモロコシの果実、ニンジンの根、および小麦粉から抽出され得るか、または、油糧植物の種子または果実から油脂を製造する工程で発生する副産物から抽出され得る。副産物は、パーム油またはコーン油を製造する工程で発生する副産物、または廃白土であり得る。
【0017】
本発明のファットブルーム防止剤は、炭素原子数18個〜22個の不飽和脂肪酸の残基と、それぞれ独立して炭素原子数20〜24個の飽和脂肪酸の残基とを有する2−不飽和−1,3−ジ飽和グリセリドをさらに含有し得る。
【0018】
本発明のハードバター組成物は、上記のいずれかのファットブルーム防止剤を含有する。ここで、ハードバター100重量部に対して、上記グリコシルジグリセリドは約0.4重量部以上含有される。
【0019】
本発明のチョコレート類は、上記のいずれかのファットブルーム防止剤を含有する。ここで、チョコレート生地100重量部に対して、上記グリコシルジグリセリドは約0.1重量部以上含有される。
【0020】
本発明のチョコレート含有菓子は、上記のチョコレート類を含む。1つの実施態様では、チョコレート類は、焼菓子の表面に被覆される。焼菓子は、プレッツェルであり得る。別の実施態様では、チョコレート類は、センタークリームおよび/またはナッツ類を含むチョコレートである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0022】
<ファットブルーム防止剤の材料>
本発明のファットブルーム防止剤は、以下の式で表されるグリコシルジグリセリドを含有する。ここでX1は、モノグリコシル基またはジグリコシル基を示し、R1およびR2は、脂肪酸の残基を示す:
【0023】
【化3】
Figure 0004101433
【0024】
好ましくは、X1は、天然に存在するモノグリコシル基またはジグリコシル基である。より好ましくは、X1は、ガラクトシル基、グルコシル基、マンノシル基およびグルクロノシル基、ならびにこれらが任意に組み合わせられたジグリコシル基からなる群より選択される。さらにより好ましくは、X1は、ガラクトシル基またはジガラクトシル基である。モノガラクトシルジグリセリドは、以下の式で表される:
【0025】
【化4】
Figure 0004101433
【0026】
ジガラクトシルジグリセリドは、以下の式で表される:
【0027】
【化5】
Figure 0004101433
【0028】
好ましくは、R1およびR2は、独立して、炭素数が10〜24の脂肪酸の残基であり、より好ましくは、独立して、炭素数が16〜18の脂肪酸の残基である。さらにより好ましくは、R1およびR2は、少なくとも1つの不飽和結合を含む。脂肪酸の例としては、カプリン酸(C10:0)、ラウリン酸(C12:0)、パルミチン酸(C16:0)、ステアリン酸(C18:0)、オレイン酸(C18:1)、リノール酸(C18:2)、リノレン酸(C18:3)、アラキドン酸(C20:4)、エイコサペンタエン酸(C20:5)、ベヘン酸(C22:0)、エルカ酸(C22:1)、ドコサヘキサエン酸(C22:6)などの残基が挙げられる。
【0029】
グリコシルジグリセリドは、グリセロ糖脂質に分類される。グリセロ糖脂質は、多くの植物体および微生物のような天然物中に含まれている。天然の植物体および微生物中よりグリコシルジグリセリドを抽出・精製するための方法は、公知である(特開昭62−178596号、および生物化学実験法1・脂質分析法入門、42〜46、68〜83頁、学会出版センターを参照のこと)。天然由来のグリコシルジグリセリド自体、またはそれと同一の構造を有するように合成されたグリコシルジグリセリドを利用することは、安全性、生分解性の観点から、特に好ましい。グリコシルジグリセリドを合成するための方法もまた公知である(例えば、特開平6−70789号公報、Journal of Fermentation and Bioengineering、78、1、70〜73、1994)。
【0030】
本発明において、グリコシルジグリセリドは、天然の植物体または微生物より抽出および精製する方法、脂肪酸モノグリセリドと糖との酵素反応を利用する合成方法、エステル交換反応を利用する合成方法等、いずれの方法によって調製してもよい。
【0031】
グリコシルジグリセリドは、1つの実施態様では天然ソースから抽出される。「天然ソース」とは、植物体および微生物など天然物自体およびその一部ならびにそれらの加工物を含む、天然のグリコシルジグリセリドを与える任意の供給源をいう。天然ソースは、好ましくは任意の植物または微生物である。
【0032】
グリコシルジグリセリドは、好ましくは、植物または微生物由来である。ここで「植物由来である」とは、グリコシルジグリセリドが植物体の一部または全部から直接抽出されるか、または植物の加工物から抽出されることをいう。ここで、「加工物」とは、グリコシルジグリセリドが変性されない程度に加工されたものをいい、具体的には、乾燥物、粉砕物、抽出物、その加工の際に生じる副産物などをいう。
【0033】
植物の例としては、ウリ科(Cucurbitaceae)、イネ科(Poaceae)、アカザ科(Chenopodiaceae)、またはセリ科(Apiaceae)、ヤシ科(Arecaceae)、マメ科(Fabaceae)、アブラナ科(Brassicaceae)、ゴマ科(Pedaliaceae)、アオイ科(Malvaceae)、モクセイ科(Oleaceae)、キク科(Compositae)、またはアマ科(Linaceae)に属する植物が挙げられる。
【0034】
植物は、好ましくは、カボチャ属(Cucurbita)、トウモロコシ属(Zea)、パンコムギ属(Triticum)、ホウレンソウ属(Spinacia)、ニンジン属(Daucus)、ココヤシ属(Cocos)、アブラヤシ属(Elaeis)、ダイズ属(glycine)、アブラナ属(Brassica)、ゴマ属(Sesamum)、ワタ属(Gossypium)、オリーブ属(Olea)、ベニバナ属(Carthamnus)、ヒマワリ属(Helianthus)、またはアマ属(Linum)などに属する。
【0035】
植物は、より好ましくはカボチャ、トウモロコシ、ニンジン、ホウレンソウ、パンコムギ、ココヤシ、アブラヤシ、ダイズ、ナタネ、ゴマ、ワタ、オリーブ、ベニバナ、ヒマワリ、またはアマである。
【0036】
植物は、さらにより好ましくは、カボチャ、トウモロコシ、ニンジン、パンコムギ、ココヤシ、アブラヤシ、ダイズ、ナタネ、ゴマ、ワタ、オリーブ、ベニバナ、またはヒマワリである。
【0037】
植物は、上記の植物種の植物体の全体またはその部分(例えば、種子、果実、花、葉、茎、塊茎、根、塊根、球根など)であり得る。好ましい植物の部分の例としては、カボチャ、トウモロコシ、オリーブなどの果実;パンコムギ、ココヤシ、アブラヤシ、ダイズ、ナタネ、ゴマ、ワタ、ベニバナ、ヒマワリ、アマなどの種子;およびニンジンなどの根などが挙げられる。
【0038】
植物の加工物の例としては、カボチャの果実のペースト、乾燥粉末など;トウモロコシ果実(穀粒)の粉末;小麦粉;油糧植物(ココヤシ、アブラヤシ、トウモロコシ、パンコムギ、ダイズ、ナタネ、ゴマ、ワタ、オリーブ、ベニバナ、ヒマワリ、アマなど)の種子または果実から得た油脂または油脂を製造する工程で発生する副産物などが挙げられる。なお、本明細書中で「副産物」とは、通常であれば廃棄物として捨てられるものを含む。通常廃棄物として捨てられているものを利用すれば、コストの面で有利である。かつ廃棄物の削減による環境保護という面でも非常に有利である。廃白土などの副産物には、未加工の植物中よりもグリコシルジグリコシドが濃縮されている。グリコシルジグリセリドが濃縮されたものを原料として用いると、製造コストが削減されるという点で有利である。
【0039】
油脂の例としては、パーム油、パーム核油、やし油、コーン油、コムギ胚芽油、ダイズ油、ナタネ油、胡麻油、綿実油、オリーブ油、サフラワー油、ヒマワリ油、または亜麻仁油が挙げられる。これらの油脂製品には、微量のグリコシルジグリセリドが含まれるので、これを単離して用いてもよい。副産物の例としては、搾り粕、ガム質(油滓)、オリ、または廃白土が挙げられる。
【0040】
ここで、上記植物から油脂を製造する工程を説明する。通常、上記植物(例えば、油糧植物の種子または果実)は、圧搾され、および/またはヘキサンなどの有機溶剤で抽出されて原油が得られる。得られる原油を貯蔵タンクで静置することにより、沈澱物(いわゆる、オリ)を析出させるか、または水もしくは水蒸気を吹き込んでガム質(すなわち、油滓)を水和および凝集させる。沈澱物またはガム質を分離して除去し、次いで、必要に応じて脱酸、脱色、脱臭等の精製処理を施した後に製品として油脂が得られる。ここで、植物を圧搾する際に、搾り粕が油脂を搾取した残りかすとして得られる。沈澱物またはガム質を分離除去する際は、それぞれオリおよびガム質が得られる。また、油脂の精製の際の脱色工程などでは、活性白土を油脂に加えて加熱し、油脂中に存在する色素類を活性白土に吸着させて油脂から除去する。油脂の処理に使用した後の白土を、一般に廃白土と称する。廃白土にはグリコシルジグリセリドが、原料植物中よりも濃縮されて含まれているため、グリコシルジグリセリドの分離に好都合であるとともに、通常廃棄される廃白土が有効利用できることは、コスト的にも環境保護の面でも非常に有利である。従って、廃白土からグリコシルジグリセリドを得ることが好ましい。
【0041】
微生物の例としては、クロレラなどの藻類、バチルス属などの細菌が挙げられる。これらの微生物を常法により溶剤などで抽出して精製することによりグリコシルジグリセリドが得られる。微生物の加工物とは、微生物の乾燥物、粉砕物、濾材などの他の物質との混合物をいう。具体的には、例えば、乾燥クロレラ、海苔、乾燥ビール酵母などである。
【0042】
本発明において好ましいグリコシルジグリセリドは、カボチャ由来のモノガラクトシルジグリセリドおよびジガラクトシルジグリセリド、トウモロコシ由来のモノガラクトシルジグリセリド、ニンジン由来のモノガラクトシルジグリセリドおよびジガラクトシルジグリセリド、コムギ由来のモノガラクトシルジグリセリド、ならびにアブラヤシ由来のモノガラクトシルグリセリドである。
【0043】
本発明を実施するために、存在することが公知であるグリコシルジグリセリドを天然ソースから抽出し、そのファットブルーム防止効果を確認して、ファットブルーム防止剤として利用することができる。ファットブルーム防止効果が確認されたグリコシルジグリセリドについて、それをより多量に含む他の天然ソースをスクリーニングして、より好ましい供給源を同定することができる。あるいは、ファットブルーム防止効果が確認されたグリコシルジグリセリドと類似の構造を有するグリコシルジグリセリドを抽出または合成により入手して、そのファットブルーム防止効果を確認して、ファットブルーム防止剤として利用することができる。本発明の定義上、ファットブルーム防止効果を有するグリコシルグリコシドとは、実施例2と実質的に同一の条件下で評価したとき、ココアバターのV型からVI型への結晶型の転移をカボチャ由来のモノガラクトシルジグリセリドと同程度以上に防止し得るグリコシルジグリセリドをいう。
【0044】
本発明のファットブルーム防止剤は、グリコシルジグリセリドを、約30重量%以上、好ましくは約40重量%以上、より好ましくは約50重量%以上含有し得る。従って、所望のグリコシルジグリセリドを一定量以上含有する天然ソースからの抽出物は、本発明のファットブルーム防止剤として、そのまま利用され得る。
【0045】
本発明のファットブルーム防止剤には、ファットブルーム防止効果を有する第2の有効成分として、さらに、炭素原子数18〜22個の不飽和脂肪酸の残基と、それぞれ独立して炭素原子数20〜24個の飽和脂肪酸の残基とを有する2−不飽和−1,3−ジ飽和グリセリドが添加され得る。2−不飽和−1,3−ジ飽和グリセリドの例としては、1−ベヘン酸−2−オレイン酸−3−ベヘン酸トリグリセリド(BOB)が挙げられる。このような2−不飽和−1,3−ジ飽和グリセリドを、グリコシルジグリセリドと併用することにより、より良好なファットブルーム防止効果が奏され得る。
【0046】
上記のような2−不飽和−1,3−ジ飽和グリセリド及びその製造法は、米国特許第4241054号、特開昭62−6635号、特開昭63−240745号明細書等に公知であり、それらのいずれの方法に基づいてでも製造することができる。
【0047】
本発明のファットブルーム防止剤は、必要に応じてその他の成分、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどを含み得る。
【0048】
<ハードバター組成物の材料および調製>
本発明のファットブルーム防止剤は、単独の成分として、あるいはあらかじめハードバターと混合したハードバター組成物の形態で、チョコレートの製造に使用され得る。
【0049】
本明細書中で「ハードバター」とは、上昇融点が約50℃以下、好ましくは約40℃以下、さらに好ましくは約37℃以下である、任意の食用油脂をいう。このような油脂の例としては、ココアバターを含む植物性または動物性の天然由来の油脂、および水素添加油脂、エステル交換油脂が挙げられる。
【0050】
ハードバター組成物に含まれるグリコシルジグリセリドは、ハードバター100重量部に対して、任意の割合で含まれ得る。含有量の上限は、代表的には、約25重量部であり、好ましくは約10重量部であり、より好ましくは約5.0重量部である。含有量の下限は、代表的には、約0.1重量部であり、好ましくは約1.2重量部であり、より好ましくは約2.5重量部である。
【0051】
本発明のハードバター組成物は、ファットブルーム防止剤に加えて、炭素原子数18個〜22個の不飽和脂肪酸と炭素原子数20〜24個の飽和脂肪酸とからなる2−不飽和−1,3−ジ飽和グリセリドを、ハードバター100重量部に対して約0.1〜10重量部、好ましくは約0.5〜5重量部含有し得る。この2−不飽和−1,3−ジ飽和グリセリドを含ませることにより、グリコシルジグリコシドの使用量を低減し得る。また、2−不飽和−1,3−ジ飽和グリセリドとグリコシルジグリセリドとの組合せにより、それぞれを単独で使用した場合とは異なる効果が奏され得る。これ以外の炭素数の脂肪酸からなるグリセリドも分子構造によって同等の効果が得られる場合がある。
【0052】
本発明のハードバター組成物は、上記のファットブルーム防止剤、および必要に応じて2−不飽和−1,3−ジ飽和グリセリドを、所望のハードバターに添加し、均一に混合することによって調製され得る。
【0053】
<チョコレート類の材料>
本発明のチョコレート類は、ファットブルーム防止効果を有するグリコシルジグリセリドを含有するように、上記のファットブルーム防止剤またはハードバター組成物を使用して調製される。
【0054】
本明細書中で「チョコレート」とは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」によるチョコレートおよび準チョコレートの基準に従う製品を含むがこれらには限定されず、グリコシルジグリセリド、ハードバターおよび糖類を含む任意の油脂性食品をいう。本発明のチョコレート類の例としては、配合面からはミルクチョコレート、ブラックチョコレート、生チョコレート、ホワイトチョコレート等が例示され、そして用途面からは固形チョコレート、シェルチョコレート(センタークリームを含むチョコレート)、コーティングチョコレートが例示される。
【0055】
本発明のチョコレート類には、ココアバターの他、当該分野で公知の任意のハードバターを用い得る。当業者に公知のように、ココアバターは、カカオマス中に油脂分として約55%含まれるので、ココアバターの少なくとも一部を与えるものとしてカカオマスを本発明のチョコレート類中に配合してもよい。
【0056】
本発明のチョコレート類に含まれる糖類としては、ショ糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース、糖アルコールであるマルチトール、パラチニットなどが挙げられる。甘味を補うために、その他の甘味料を併用してもよい。
【0057】
本明細書中で「チョコレート生地」とは、本発明のファットブルーム防止剤以外のチョコレート類の原料の混合物をいう。
【0058】
チョコレート類に含まれるグリコシルジグリセリドは、チョコレート生地100重量部に対して、任意の割合で含まれ得る。含有量の上限は、代表的には約20重量部であり、好ましくは約10重量部であり、より好ましくは約5.0重量部である。含有量の下限は、代表的には約0.01重量部であり、好ましくは約0.1重量部であり、より好ましくは約2.5重量部である。グリコシルジグリセリドの量が多すぎると、得られるチョコレートの風味がチョコレート本来の風味と異なる場合がある。使用量が少なすぎると、添加の効果が得られにくい。
【0059】
本発明のチョコレート類は、グリコシルジグリセリドの添加の効果を実質的に損なわない限り、必要に応じて他の成分を含むことができる。他の成分としては、例えば、乳製品、カカオパウダー、乳化剤、香料、色素、甘味料(糖類を除く)、食塩、調味料(糖類、甘味料および食塩を除く)などが挙げられる。乳製品としては、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、チーズパウダーなどが挙げられる。カカオパウダーは、カカオマス中のココアバター以外の成分である。乳化剤としては、ダイズレシチン、卵黄レシチンなどのリン脂質、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ならびにプロピレン脂肪酸エステルのような脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0060】
本発明のチョコレート類の好ましい配合例としては、カカオマス約25〜35重量部、ココアバター約20〜30重量部および必要に応じて他の植物性油脂約15〜35重量部、糖分約30〜60重量部、ならびにグリコシルジグリセリド約1〜10重量部が挙げられる。
【0061】
本発明のチョコレート類は、ファットブルーム防止剤を含有することにより、優れたファットブルーム耐性を示す。ここで「優れたファットブルーム耐性」とは、実施例4と実質的に同一の条件下で20℃12時間と32℃12時間との交互の繰り返しを1サイクルとする条件下に保存して10サイクル経過した後に、ファットブルームが認められないことをいう。
【0062】
本発明のチョコレート類は、当該分野における常法に従って、グリコシルジグリセリド、ハードバター、糖類および任意の他の成分を含むチョコレート類の原料を混合、ロール掛け、コンチング、必要に応じてテンパリングおよび冷却することにより製造することができる。本発明のチョコレート類は、本発明のハードバター組成物をハードバターとして用いることにより、またはハードバターとは別に、製造工程のいずれかの段階(好ましくは、初期の原料混合時)において本発明のファットブルーム防止剤を添加することにより、製造され得る。
【0063】
本発明のチョコレート類は、それ自体、任意の形状および大きさで最終製品として提供され得るが、後述するチョコレート含有菓子の材料としても有用である。
【0064】
<チョコレート含有菓子>
本発明のチョコレート類は、種々のチョコレート含有菓子の製造において好適に用い得る。チョコレート含有菓子の例としては、焼菓子を本発明のチョコレート類でコーティング(被覆)したもの(組合せ菓子ともいう)、およびセンタークリームを本発明のチョコレートでコーティングしたもの(シェルチョコレートともいう)、およびフライまたはローストしたナッツ類を本発明のチョコレート類に埋没させたものなどが挙げられる。
【0065】
焼菓子の例としては、ビスケット類、クラッカー類、パイ類、ケーキ類、およびドーナツが挙げられる。ビスケット類とは、小麦粉を主原料として、糖類、食用油脂および食塩を副原料とし、必要により乳製品、卵製品などの原料を加えて、膨張剤で膨化しながら焼成したものである。ビスケット類は、配合、製品の食感などにより大別され、例えば、プレッツェル、ハードビスケット、ソフトビスケット、クッキーなどがある。クラッカー類とは、小麦粉、糖類、食用油脂および食塩を原料とし、必要により乳製品、卵製品、イースト、酵素、膨張剤などの原料を加えて焼成したものであり、比較的甘味が少なく、塩味および脂肪分の多い焼菓子のことである。パイ類とは、小麦粉、糖類、食用油脂および食塩を原料とし、必要により乳製品、卵製品、イースト、膨張剤などの原料を加えて、焼成したものである。ケーキ類とは、小麦粉、糖類、卵、および食用油脂を主原料とし、乳製品、膨張剤などの副原料を加えて焼成したものである。ドーナツとは、小麦粉を主原料とし、卵製品、糖類、乳製品、イースト、膨張剤などの原料を加えた生地をフライしたものである。
【0066】
本発明に従って製造されるチョコレート含有菓子は、上記のおよび他の公知の焼菓子のいずれでもよい。好ましくはビスケット類である。
【0067】
チョコレート含有菓子の大きさおよび形状は、特に限定されない。代表的には、チョコレートで焼菓子の表面を被覆する。ここで、「被覆」とは、焼菓子の表面の少なくとも一部(通常は約50%以上だが、それ以下、例えば約10%程度であってもよい)がチョコレートに包まれることをいう。
【0068】
本発明のチョコレート含有菓子におけるチョコレート類の使用量は特に限定されない。チョコレート含有菓子の被覆具材として使用する場合、焼菓子100重量部に対して、代表的には約10〜1000重量部、好ましくは約50〜500重量部のチョコレート類が用いられる。
【0069】
いうまでもなく、本発明のチョコレート類は、そのファットブルーム防止効果が損なわれない限り、上記以外の任意の菓子原料と組み合わせて用いることができる。当業者は、これらチョコレート含有菓子の原料、生地の調製方法、焼成条件などを適宜選択し、設定することができる。
【0070】
【実施例】
以下の実施例に従って、本発明についてより具体的に説明する。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0071】
(実施例1:グリコシルジグリセリドの精製)
エビスカボチャの果実(生重量150g)より既知の方法(特開昭62−178596号、生物化学実験法1・脂質分析法入門、前出を参照のこと)で、モノガラクトシルジグリセリド、ジガラクトシルジグリセリドおよびトリガラクトシルジグリセリドを抽出および精製し、それぞれ、105mg、126mgおよび92mgを得た。それぞれの純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)での測定により90%以上であった。
【0072】
また、スイートコーンの果実(生重量150g)より同様に既知の方法でモノガラクトシルジグリセリドを抽出および精製し、160mgを得た。その純度は、HPLCでの測定により90%以上であった。
【0073】
得られたグリコシルジグリセリド類の脂肪酸組成を、ガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を以下の表1および表2に示す。
【0074】
【表1】
Figure 0004101433
【0075】
【表2】
Figure 0004101433
【0076】
カボチャ由来のグリコシルジグリセリドはリノレン酸が最も多く、次いでリノール酸、パルミチン酸が主要な構成脂肪酸であった。トウモロコシ由来のグリコシルジグリセリドはリノール酸、オレイン酸、リノレン酸が主要な構成脂肪酸であった。トウモロコシ由来のグリコシルジグリセリドは、カボチャ由来のものよりリノレン酸の割合が少なく、オレイン酸の割合が多く、全体的に不飽和度が小さかった。
【0077】
(実施例2)
ココアバター10gを60℃でよく溶解した後、30℃の恒温水槽中で放置した。次に、カボチャ由来のモノガラクトシルジグリセリド(MGDG)、ジガラクトシルジグリセリド(DGDG)またはトリガラクトシルジグリセリド(TDGD)をそれぞれ500mg(ココアバター100重量部あたり、5重量部)添加した後、混合して、さらにSOSグリセリド(2−オレイン酸−1,3−ジステアリン酸トリグリセリド)のチョコシードA(不二製油製)を25mg加えてよく攪拌した後、冷蔵庫(10℃)で冷却固化した。
【0078】
トウモロコシ由来のモノガラクトシルジグリセリド、および卵黄由来のジグリセリド(DG:和光純薬(株)製)についても同様の手順で行なって、グリセリド添加ココアバターを得た。無添加のココアバターをコントロールとした。なお、卵黄由来の(グリコシル基を有さない)ジグリセリドの脂肪酸組成は表3の通りである。
【0079】
【表3】
Figure 0004101433
【0080】
次いで冷却固化した各サンプルを20℃、5日エージングした後、20℃12時間と32℃12時間の交互繰り返しを1サイクルとする条件下に保存し、ココアバターの安定結晶型の変化をDSC(示差走査熱量測定)分析法によって観察した。図1〜図7のDSCチャートは、試料サンプル約10mgをアルミ製試料パンに採取し、空の対照パンと共にDSC試料室内にセットし、0℃に急速冷却した後、5℃/分の速度で昇温させる条件で、吸収された熱量を電気的に測定することにより得られた。
【0081】
測定結果を図1〜図7に示す。
【0082】
DSCにおける各ピーク面積を垂直分割した値を以下の表4および表5に示す。
【0083】
【表4】
Figure 0004101433
【0084】
【表5】
Figure 0004101433
【0085】
コントロール(無添加)では、スタート時にV型の結晶型のみであったものが、サイクル数が進むに従ってVI型の結晶型への転移が見られ、その割合も大きくなっていた(図1)。一方、カボチャ由来MGDG(図2)およびDGDG(図3)の5重量部添加では、同様にV型からVI型への結晶型の転移が見られたもののコントロール(無添加;図1)と比べるとその割合は小さく、特にDGDGによる結晶型転移抑制の効果が高かった(図3)。トウモロコシ由来MGDGの5重量部添加でも、同様にV型からVI型への結晶型の転移が見られたもののコントロール(無添加:図5)と比べるとその割合は小さかった(図6)。さらに、卵黄由来DGの5重量部添加では、V型からVI型への結晶型の転移の程度は、コントロール(無添加)と比べてあまり変わらなかった(図7)。本実施例により、ココアバターにグリコシルジグリセリドを添加することにより、ココアバターのV型の結晶型からVI型の結晶型への転移を抑制し得ることがわかった。
【0086】
(実施例3)
市販のビターチョコレート10gにカボチャ由来のジガラクトシルジグリセリド(DGDG)250mg(ビターチョコレート100重量部あたり、2.5重量部)を混合して、60℃でよく溶解した後、30℃の恒温水槽中で放置した。次にSOSグリセリドのチョコシードA(不二製油製)を25mg加えてよく攪拌した後、冷蔵庫(10℃)で冷却固化した。次いで冷却固化したグリセリド添加チョコレートを20℃、5日エージングした後、20℃12時間と32℃12時間の交互繰り返しを1サイクルとする条件下に保存し、経時的にファットブルームの発生及びその程度を観察した。無添加のビターチョコレートを、コントロールとした。
【0087】
測定結果を図8および図9に示す。
【0088】
コントロール(無添加:図8)では、スタート時にV型の結晶型のみであったものが、サイクル数が進むに従ってVI型の結晶型への転移が見られ、その割合も大きくなっていた。一方、DGDGの2.5重量部添加(図9)では、同様にV型からVI型への結晶型の転移が見られたものの、コントロール(無添加)と比べるとその割合は小さかった。本実施例により、DGDGの添加により、チョコレート中でもココアバターのV型の結晶型からVI型の結晶型への転移を抑制し得ることがわかった。
【0089】
(実施例4)
かぼちゃピューレー(カゴメ冷凍食品(株)製)20kgを凍結乾燥し、エタノール90リットルを加え、一晩攪拌した。この溶液を遠心分離後、上清に同量の水を加え、50%エタノール溶液で平衡化したイオン交換樹脂(アンバーライトXAD−7;オルガノ(株)製)に供した。十分に50%エタノール溶液で洗浄して色素等を除去し、続いて75%エタノール溶液で溶出した。各溶出画分をエバポレーターを用いて濃縮してから、凍結乾燥することにより、ジガラクトシルジグリセリドを含むグリコシルジグリセリド分画(ジガラクトシルジグリセリドを約40%含有)が得られた。
【0090】
次に、以下の原料組成よりなるチョコレート生地を調製した:
原料組成(チョコレート配合) (g)
カカオマス 33
粉糖 42
ココアバター 25
レシチン 0.5
このチョコレート生地100gに、上記で得られたグリコシルジグリセリド分画を6.25gまたは12.5g(チョコレート生地100重量部あたり、ジガラクトシルジグリセリドとして2.5重量部または5.0重量部)混合して、60℃でよく溶解した後、ハンドテンパリングし、型に流し20℃で冷却固化した。
【0091】
比較として既存のファットブルーム防止剤であるBOBシード剤(不二製油(株)製)、POS−135(三菱化学フーズ(株)製)についても同様の手順で、チョコレート生地100gに対してそれぞれ、2.5gまたは5.0gを添加して行なった。
【0092】
次いで型抜きしたチョコレートを20℃、5日エージングした後、20℃12時間および32℃12時間、または20℃12時間および35℃12時間の交互繰り返しを1サイクルとする条件下に保存し、経時的にファットブルームの発生及びその程度を観察した。
【0093】
測定結果を以下の表6に示す。
【0094】
【表6】
Figure 0004101433
【0095】
コントロール(無添加)では、サイクル数が進むに従ってファットブルームの発生が見られた。DGDGの添加により、ファットブルームの発生は明らかに抑制され、特に5.0重量部DGDG添加では、20℃/32℃のサイクルでは、15サイクル後もファットブルームの発生は全く見られなかった。なおPOS−135添加では、冷却固化した時にモールド(型)から離れにくくなり、5.0重量部POS−135添加では、全く離れないためその後の測定を行うことができなかった。
【0096】
(実施例5)
実施例4で用いたものと同じ原料組成よりなるチョコレート生地100gに、実施例4で得られたカボチャ由来のグリコシルジグリセリド分画(ジガラクトシルジグリセリドを約40%含有)を0.75、1.5、3.0、または6.0g(チョコレート生地100重量部あたり、ジガラクトシルジグリセリドとして0.3、0.6、1.2、または2.4重量部)を混合し、さらに、BOBシード剤(不二製油(株)製))1.0gを混合して、60℃でよく溶解した後、ハンドテンパリングし、型に流し20℃で冷却固化した。比較として、グリコシルジグリセリド分画およびBOBシード剤の代わりに、BOBを単独で、1.3、1.6、2.25、または3.5g混合して、同様にBOB添加チョコレートを得た。次いで型抜きしたチョコレートを20℃、5日エージングした後、20℃12時間および32℃12時間、または20℃12時間および35℃12時間の交互繰り返しを1サイクルとする条件下に保存し、経時的にファットブルームの発生及びその程度を観察した。
【0097】
測定結果を以下の表7に示す。
【0098】
【表7】
Figure 0004101433
【0099】
コントロール(無添加)では、サイクル数が進むに従ってファットブルームの発生が見られた。1.0重量部BOB添加では、サイクル数が進むに従って、コントロールに比べてファットブルームの発生は抑えられていた。さらに、1.0重量部BOBに0.3〜2.5重量部DGDGを添加した場合、同じ重量部のBOBを単独で用いた場合に比較しても、ファットブルームの発生はより効果的に抑えられていた。これは、DGDGとBOBとを同時に用いることにより、ファットブルーム防止効果に相乗効果が見られることを示唆する。この効果は特に、32℃/20℃のサイクルで顕著であった。
【0100】
(実施例6)
下記の原料組成よりなるチョコレート生地を調製した:
原料組成(チョコレート配合) (g)
カカオマス 35
粉糖 41
ココアバター 10
ハードバター 14
レシチン 0.5
このチョコレート生地100gに実施例4で得られたグリコシルジグリセリド分画を6.25gまたは12.5g(チョコレート生地100重量部あたり、ジガラクトシルジグリセリドとして2.5または5.0重量部)を混合して、60℃でよく溶解した後、ハンドテンパリングした。小麦粉200部、砂糖15部、マーガリン15部、食塩0.5部、水20部からなる配合で棒状のプレッツェルを製造した。このプレッツェルに上記のチョコレート生地をエンローバーした後、20℃で冷却固化した。このサンプルを20℃で保存し、経時的にファットブルームの発生およびその程度を観察した。
【0101】
コントロールとして、無添加のチョコレート生地を、同様にプレッツェルにエンローバーし、ファットブルームの発生およびその程度を観察した。
【0102】
結果を以下の表8に示す。
【0103】
【表8】
Figure 0004101433
【0104】
コントロール(無添加)では、14日目には明らかなファットブルームの発生が見られた。一方、2.5重量部および5.0重量部DGDG添加では、30日経過後もファットブルームの発生は見られなかった。
【0105】
(実施例7:グリコシルジグリセリドの精製)
実施例1の方法と同様にニンジンの根(乾燥重量100g)より既知の方法でモノガラクトシルジグリセリドおよびジガラクトシルジグリセリドを抽出および精製し、それぞれ、91mgおよび112mgを得た。それぞれの純度は、HPLCでの測定により90%以上であった。
【0106】
小麦粉(生重量100g)より同様に既知の方法でモノガラクトシルジグリセリドを抽出および精製し、102mgを得た。その純度は、HPLCでの測定により90%以上であった。
【0107】
得られたグリコシルジグリセリドの脂肪酸組成を、ガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を以下の表9および表10に示す。
【0108】
【表9】
Figure 0004101433
【0109】
【表10】
Figure 0004101433
【0110】
ニンジンの根由来のグリコシルジグリセリドはパルミチン酸、リノール酸が主要な構成脂肪酸であった。小麦粉由来のグリコシルジグリセリドはリノール酸が最も多く、次いでパルミチン酸が主要な構成脂肪酸であった。
【0111】
(実施例8:パーム油精製工程中より排出される廃白土からのグリコシルジグリセリドの精製)
パーム油廃白土500gにヘキサン1リットルを加え、攪拌を行った。遠心分離後、沈殿物にアセトンを1リットル加え、攪拌抽出を行った。抽出液を分離後、エバポレーターにて濃縮乾燥し、油脂状物質を16.7g得た。得られた油脂状物質をクロロホルムに溶解し、シリカゲルカラムを用いてクロロホルム、クロロホルム/アセトン(80:20)、クロロホルム/アセトン(60:40)の順に流して分画する。クロロホルム/アセトン(60:40)画分を取り出し、エバポレーターで濃縮乾燥し、モノガラクトシルジグリセリド4.0gを得た。その純度は、HPLCでの測定により90%以上であった。
【0112】
得られたモノグリコシルジグリセリドの脂肪酸組成を、ガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を以下の表11に示す。
【0113】
【表11】
Figure 0004101433
【0114】
パーム油廃白土由来のグリコシルジグリセリドはリノレン酸が最も多く、次いでオレイン酸、リノール酸、パルミチン酸が主要な構成脂肪酸であった。
【0115】
(実施例9)
ニンジンの根由来のモノガラクトシルジグリセリドおよびジガラクトシルジグリセリド、および小麦粉由来のモノガラクトシルジグリセリドについて実施例2と同様の手順で行って、グリセリド添加ココアバターを得た。
【0116】
実施例2と同じ条件下で保存し、ココアバターの安定結晶型の変化をDSC分析法によって測定した。
【0117】
DSCによる測定結果を図10〜図12に示す。
【0118】
DSCにおける各ピーク面積を垂直分割した値を以下の表12に示す。
【0119】
【表12】
Figure 0004101433
【0120】
ニンジンの根に由来するMGDG(図10)およびDGDG(図11)の5重量部添加では、V型からVI型への結晶型の転移が見られたもののコントロール(無添加:図5)と比べるとその割合は小さかった。小麦粉由来MGDG(図12)の5重量部添加でも、同様にV型からVI型への結晶型の転移が見られたもののコントロール(無添加:図5)と比べるとその割合は小さかった。
【0121】
(実施例10)
パーム油廃白土由来のモノガラクトシルジグリセリドについて実施例2と同様の手順で行って、グリセリド添加ココアバターを得た。
【0122】
実施例2と同じ条件下で保存し、ココアバターの安定結晶型の変化をDSC分析法によって測定した。
【0123】
DSCによる測定結果を図13および図14に示す。
【0124】
パーム油廃白土由来MGDG(図14)の5重量部添加では、V型からVI型への結晶型の転移が見られたものの、コントロール(無添加:図13)と比べるとその割合は小さかった。
【0125】
(実施例11)
エビスカボチャの果実20kgを凍結乾燥し、エタノール90リットルを加え、一晩攪拌した。この溶液を遠心分離後、上清に同量の水を加え、50%エタノール溶液で平衡化したイオン交換樹脂(アンバーライトXAD−7;オルガノ(株)製)に供した。50%エタノール溶液で十分に洗浄して色素等を除去し、続いて75%エタノール溶液で溶出した。各溶出画分をエバポレーターを用いて濃縮してから、凍結乾燥することにより、モノガラクトシルジグリセリドおよびジガラクトシルジグリセリドをそれぞれ24.2%および15.4%含む糖脂質画分が得られた。
【0126】
下記の原料組成よりなるチョコレート生地を調製した。
原料組成 ブラックチョコレート(g) ミルクチョコレート(g)
カカオマス 35 20
砂糖 45 42
ココアバター 10 10
ハードバター 10 15
全粉乳 − 13
このチョコレート生地それぞれ100gに、上記で得られたモノガラクトシルジグリセリドおよびジガラクトシルジグリセリドを含む糖脂質画分を0.4g、1.0gまたは2.0g(チョコレート生地100重量部あたり、モノガラクトシルジグリセリドおよびジガラクトシルジグリセリドの合計として0.16重量部、0.4重量部、0.8重量部)混合して、60℃でよく溶解した後、ハンドテンパリングし、型に流し20℃で冷却固化した。
【0127】
比較として既存のチョコレート用乳化剤である大豆レシチン(味の素(株)製)についても同様の手順でチョコレート生地それぞれ100gに対して0.4g、1.0gまたは2.0gを添加してダイズレシチン添加チョコレートを得た。
【0128】
次いで型抜きしたチョコレートを20℃、5日間エージングした後、20℃12時間および30℃12時間、20℃12時間および32℃12時間の交互繰り返しを1サイクルとする条件下に保存し、経時的にファットブルームの発生及びその程度を観察した。無添加のチョコレートを、コントロールとした。
【0129】
観察結果を以下の表13および表14に示す。
【0130】
【表13】
Figure 0004101433
【0131】
【表14】
Figure 0004101433
【0132】
ブラックチョコレートおよびミルクチョコレートともにコントロール(無添加)および大豆レシチン添加では、サイクル数が進むに従ってファットブルームの発生が見られた。モノガラクトシルジグリセリドおよびジガラクトシルジグリセリドを含む糖脂質画分の添加により、ファットブルームの発生は明らかに抑制され、特に2.0重量部添加では、20℃/32℃のサイクルでは、ブラックチョコレートで20サイクル後、ミルクチョコレートで25サイクル後もファットブルームの発生は全く見られなかった。
【0133】
【発明の効果】
本発明のファットブルーム防止剤及びそれを配合してなるハードバターは、口溶け性や作業性を損なうことなく、ファットブルームに対して著しい防止効果を有し、チョコレート類の製造上極めて有用である。
【0134】
本発明によるファットブルーム防止剤の効果は、チョコレート等のハードバター製品中の結晶を微細化し不安定結晶の偏在・凝集・移行を抑制する作用によって得られると考えられる。また、チョコレート等の保存時において高温また時間的温度変化により表面の融解、更にチョコレート中の油脂結晶の一部が融解し表面へ移行し表面で結晶化と融解を繰り返す場合には、油脂の結晶成長、粗大結晶化を抑制する作用がさらに組み合わさってファットブルーム防止効果が発揮されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コントロールのココアバターの示差走査熱量測定チャートを示すグラフである。
【図2】 カボチャ由来のモノガラクトシルジグリセリドを添加したココアバターの示差走査熱量測定チャートを示すグラフである。
【図3】 カボチャ由来のジガラクトシルジグリセリドを添加したココアバターの示差走査熱量測定チャートを示すグラフである。
【図4】 カボチャ由来のトリガラクトシルジグリセリドを添加したココアバターの示差走査熱量測定チャートを示すグラフである。
【図5】 コントロールのココアバターの示差走査熱量測定チャートを示すグラフである。
【図6】 トウモロコシ由来のモノガラクトシルジグリセリドを添加したココアバターの示差走査熱量測定チャートを示すグラフである。
【図7】 卵黄由来のジグリセリドを添加したココアバターの示差走査熱量測定チャートを示すグラフである。
【図8】 コントロールのチョコレートの示差走査熱量測定チャートを示すグラフである。
【図9】 カボチャ由来のジガラクトシルジグリセリドを添加したチョコレートの示差走査熱量測定チャートを示すグラフである。
【図10】 ニンジン由来のモノガラクトシルジグリセリドを添加したココアバターの示差走査熱量測定チャートを示すグラフである。
【図11】 ニンジン由来のジガラクトシルジグリセリドを添加したココアバターの示差走査熱量測定チャートを示すグラフである。
【図12】 小麦粉由来のモノガラクトシルジグリセリドを添加したココアバターの示差走査熱量測定チャートを示すグラフである。
【図13】 コントロールのココアバターの示差走査熱量測定チャートを示すグラフである。
【図14】 パーム油廃白土由来のモノガラクトシルジグリセリドを添加したココアバターの示差走査熱量測定チャートを示すグラフである。

Claims (17)

  1. 以下の式で表されるグリコシルジグリセリドを含有するファットブルーム防止剤であって、ここでXは、モノグリコシル基またはジグリコシル基を示し、RおよびRは、独立して、炭素数が16〜18の脂肪酸の残基を示す、ファットブルーム防止剤:
    Figure 0004101433
  2. 前記グリコシルジグリセリドを、約30重量%以上含有する、請求項1に記載のファットブルーム防止剤。
  3. 前記Xが、ガラクトシル基またはジガラクトシル基である、請求項1に記載のファットブルーム防止剤。
  4. 前記グリコシルジグリセリドが、植物または微生物由来である、請求項1に記載のファットブルーム防止剤。
  5. 前記植物が、カボチャ、トウモロコシ、ニンジン、パンコムギ、ココヤシ、アブラヤシ、ダイズ、ナタネ、ゴマ、ワタ、オリーブ、ベニバナ、およびヒマワリからなる群より選択される、請求項に記載のファットブルーム防止剤。
  6. 前記グリコシルジグリセリドが、カボチャの果実、トウモロコシの果実、ニンジンの根、または小麦粉から抽出される、請求項に記載のファットブルーム防止剤。
  7. 前記グリコシルジグリセリドが、油糧植物の種子または果実から油脂を製造する工程で発生する副産物から抽出される、請求項に記載のファットブルーム防止剤。
  8. 前記副産物が、パーム油またはコーン油を製造する工程で発生する副産物である、請求項に記載のファットブルーム防止剤。
  9. 前記副産物が、廃白土である、請求項に記載のファットブルーム防止剤。
  10. 炭素原子数18個〜22個の不飽和脂肪酸の残基と、それぞれ独立して炭素原子数20〜24個の飽和脂肪酸の残基とを有する2−不飽和−1,3−ジ飽和グリセリドをさらに含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載のファットブルーム防止剤。
  11. 請求項1〜1のいずれか1項に記載のファットブルーム防止剤を含有するハードバター組成物であって、ハードバター100重量部に対して、前記グリコシルジグリセリドを約0.4重量部以上含有する、ハードバター組成物。
  12. 請求項1〜のいずれか1項に記載のファットブルーム防止剤を含有するチョコレート類であって、チョコレート生地100重量部に対して、前記グリコシルジグリセリドを約0.重量部以上含有する、チョコレート類。
  13. 請求項10に記載のファットブルーム防止剤を含有するチョコレート類であって、チョコレート生地100重量部に対して、前記グリコシルジグリセリドを約0.1重量部以上含有する、チョコレート類。
  14. 請求項12または13に記載のチョコレート類を含む、チョコレート含有菓子。
  15. 前記チョコレート類が、焼菓子の表面に被覆される、請求項14に記載のチョコレート含有菓子。
  16. 前記焼菓子がプレッツェルである、請求項15に記載のチョコレート含有菓子。
  17. 前記チョコレート類が、センタークリームおよび/またはナッツ類を含むチョコレートである、請求項14に記載のチョコレート含有菓子。
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