JP5628366B2 - 油脂組成物及び当該油脂組成物を用いたベーカリー食品 - Google Patents
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Description
そこで、ソフトで歯脆くさっくりした食感のベーカリー食品の製造に適した油脂組成物の開発が望まれていた。
また意外にも、該油脂組成物を使用したベーカリー食品と油性食品とを組み合わせた複合食品は、経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化と油性食品部分のブルームが抑制されることを見出した。
(a)前記油脂組成物中の油脂のH2Xの含量が15〜45質量%であり、
(b)前記油脂組成物中の油脂のHX2の含量が30〜60質量%であり、
(c)前記油脂組成物中の油脂のH2XとHX2の質量比(H2X/HX2)が0.3
〜1であり、
(d)前記油脂組成物中の油脂のHO2とHX2の質量比(HO2/HX2)が0.6
3以下であり、かつ、
(g)前記油脂組成物中の油脂に含まれるH2Xの、HXHとH2Xの質量比(HXH
/H2X)が0.4以上である。
ただし、上記の(a)、(b)、(c)、(d)及び(g)の条件において、H、X、O、H2X、HX2、HO2及びHXHはそれぞれ以下のものを示す。
H:炭素数16以上の飽和脂肪酸
X:炭素数16以上の不飽和脂肪酸
O:オレイン酸
H2X:Hが2分子、Xが1分子結合しているトリアシルグリセロール
HX2:Hが1分子、Xが2分子結合しているトリアシルグリセロール
HO2:Hが1分子、Oが2分子結合しているトリアシルグリセロール
HXH:グリセロールの1位と3位とにHが結合し、2位にXが結合しているトリアシ
ルグリセロール
また、本発明の態様の1つ[2]は、油脂組成物中の油脂が、以下の(a)、(b)、(c)、(d)及び(j)の条件を満たす油脂組成物である。
(a)前記油脂組成物中の油脂のH2Xの含量が15〜45質量%であり、
(b)前記油脂組成物中の油脂のHX2の含量が30〜60質量%であり、
(c)前記油脂組成物中の油脂のH2XとHX2の質量比(H2X/HX2)が0.3
〜1であり、
(d)前記油脂組成物中の油脂のHO2とHX2の質量比(HO2/HX2)が0.6
3以下であり、かつ、
(j)前記油脂組成物中の油脂のC40〜46含量が2〜25質量%である。
ただし、上記の(a)、(b)、(c)、(d)及び(j)の条件において、H、X、O、H2X、HX2、HO2及びC40〜46はそれぞれ以下のものを示す。
H:炭素数16以上の飽和脂肪酸
X:炭素数16以上の不飽和脂肪酸
O:オレイン酸
H2X:Hが2分子、Xが1分子結合しているトリアシルグリセロール
HX2:Hが1分子、Xが2分子結合しているトリアシルグリセロール
HO2:Hが1分子、Oが2分子結合しているトリアシルグリセロール
C40〜46:トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の総炭素数が40〜46
であるトリアシルグリセロール
また、本発明の好ましい態様の1つ[3]は、上記油脂組成物中の油脂が、以下の条件(e)及び(f)を満たす[1]又は[2]の油脂組成物である。
(e)前記油脂組成物中の油脂のH3含量が1〜15質量%であり、かつ、
(f)前記油脂組成物中の油脂のX3含量が2〜40質量%である。
ただし、上記の(e)及び(f)の条件において、H3及びX3はそれぞれ以下のもの
を示す。
H3:Hが3分子結合しているトリアシルグリセロール
X3:Xが3分子結合しているトリアシルグリセロール
また、本発明の好ましい態様の1つ[4]は、上記油脂組成物中の油脂が、以下の条件(g)を満たす[2]の油脂組成物である。
(g)前記油脂組成物中の油脂に含まれるH2Xの、HXHとH2Xの質量比(HXH
/H2X)が0.4以上である。
ただし、上記(g)の条件において、HXHは以下のものを示す。
HXH:グリセロールの1位と3位とにHが結合し、2位にXが結合しているトリアシ
ルグリセロール
また、本発明の好ましい態様の1つ[5]は、上記油脂組成物中の油脂が、以下の条件(h)を満たす[1]〜[4]の何れか1つの油脂組成物である。
(h)前記油脂組成物中の油脂のH2LとH2Xの質量比(H2L/H2X)が0.4
以上である。
ただし、上記(h)の条件において、L及びH2Lは以下のものを示す。
L:リノール酸
H2L:Hが2分子、Lが1分子結合しているトリアシルグリセロール
また、本発明の好ましい態様の1つ[6]は、上記油脂組成物中の油脂が、以下の条件(i)を満たす[5]の油脂組成物である。
(i)前記油脂組成物中の油脂に含まれるH2Lの、HLHとH2Lの質量比(HLH
/H2L)が0.4以上である。
ただし、上記(i)の条件において、HLHは以下のものを示す。
HLH:グリセロールの1位と3位とにHが結合し、2位にLが結合しているトリアシ
ルグリセロール
また、本発明の好ましい態様の1つ[7]は、上記油脂組成物中の油脂が、以下の油脂A、油脂B及び油脂Cから選ばれる1種以上からなる油脂を10〜70質量%含有する[1]〜[6]の何れか1つの油脂組成物である。
油脂A:パーム系油脂と全構成脂肪酸中にリノール酸を35質量%以上含有する油脂と
を含む混合油脂をエステル交換することにより得られる油脂
油脂B:全構成脂肪酸中にリノール酸を35質量%以上含有する油脂と炭素数16以上
の飽和脂肪酸(H)もしくはその低級アルキルエステルとをエステル交換することにより
得られる油脂
油脂C:綿実油のステアリン部
また、本発明の好ましい態様の1つ[8]は、上記油脂組成物中の油脂が、ヨウ素価が62以上であって、
パーム系油脂、パーム系油脂を原料として含有するエステル交換油から選ばれる1種以上
からなる油脂を分別処理した低融点部、
StX2を50質量%以上含有する低融点部、
から選ばれる1種以上である油脂を10〜70質量%含有する[1]〜[7]の何れか1つの油脂組成物である。
ただし、St、X及びStX2は以下のものを示す。
St:ステアリン酸
X:炭素数16以上の不飽和脂肪酸
StX2:Stが1分子、Xが2分子結合しているトリアシルグリセロール
また、本発明の好ましい態様の1つ[9]は、上記油脂組成物中の油脂が、さらに以下の条件(j)を満たす[1]、[3]〜[8]の何れか1つの油脂組成物である。
(j)前記油脂組成物中の油脂のC40〜46含量が2〜25質量%である。
ただし、上記(j)の条件において、C40〜46は以下のものを示す。
C40〜46:トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の総炭素数が40〜46
であるトリアシルグリセロール
また、本発明の好ましい態様の1つ[10]は、上記油脂組成物中の油脂が、以下の油脂G、油脂Hから選ばれる1種以上からなる油脂を4〜40質量%含有する[2]又は[9]の油脂組成物である。
油脂G:全構成脂肪酸中に不飽和脂肪酸を15質量%以下、炭素数12〜14の飽和脂
肪酸を20〜60質量%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸を40〜80質量%含有し、か
つ、エステル交換することにより得られる油脂
油脂H:全構成脂肪酸中に不飽和脂肪酸を25〜45質量%、炭素数12〜14の飽和
脂肪酸を15〜35質量%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸を25〜45質量%含有し、
かつ、エステル交換することにより得られる油脂
また、本発明の好ましい態様の1つ[11]は、上記油脂組成物が、ベーカリー生地への練り込み用または折り込み用である[1]〜[10]の何れか1つの油脂組成物である。
本発明のまた別の態様の1つ[12]は、[1]〜[11]の何れか1つの上記油脂組成物を用いて製造したベーカリー食品である。
本発明のまた別の態様の1つ[13]は、[12]の上記油脂組成物を用いて製造したベーカリー食品と油性食品とを組み合わせた複合食品である。
また、本発明によると、本発明の油脂組成物を使用したベーカリー食品と油性食品とを組み合わせた、経時的に発生するベーカリー食品部分の白色化と油性食品部分のブルームが抑制された複合食品を提供することができる。
本発明の油脂組成物は、油脂組成物中の油脂が、以下の(a)、(b)、(c)及び(d)の条件を満たすことを特徴とする。
(a)前記油脂組成物中の油脂のH2Xの含量が15〜45質量%であり、
(b)前記油脂組成物中の油脂のHX2の含量が30〜60質量%であり、
(c)前記油脂組成物中の油脂のH2XとHX2の質量比(H2X/HX2)が0.3〜1であり、かつ、
(d)前記油脂組成物中の油脂のHO2とHX2の質量比(HO2/HX2)が0.63以下である。
なお、本発明において、Hは炭素数16以上の飽和脂肪酸を意味し、Xは炭素数16以上の不飽和脂肪酸を意味する。よって、本発明において、H2Xとは、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の2つが炭素数16以上の飽和脂肪酸残基、構成する脂肪酸残基の1つが炭素数16以上の不飽和脂肪酸残基であるトリアシルグリセロールを意味する。また、本発明において、HX2とは、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の1つが炭素数16以上の飽和脂肪酸残基、構成する脂肪酸残基の2つが炭素数16以上の不飽和脂肪酸残基であるトリアシルグリセロールを意味する。
本発明の油脂組成物において、Hは炭素数16〜18の飽和脂肪酸であることが好ましく、Xは炭素数18の不飽和脂肪酸であることが好ましい。
以後、トリアシルグリセロールはTAGと記載することがある。
なお、本発明において、Hは炭素数16以上の飽和脂肪酸を意味し、Oはオレイン酸を意味する。よって、本発明において、HO2とは、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の1つが炭素数16以上の飽和脂肪酸残基、構成する脂肪酸残基の2つがオレイン酸残基であるトリアシルグリセロールを意味する。
上記条件(a)、(b)、(c)及び(d)が、上記範囲内にあると、本発明の油脂組成物を使用したベーカリー食品は、ソフトで歯脆くさっくりした食感となり、好ましい。
なお、本発明において、H3とは、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の3つが炭素数16以上の飽和脂肪酸残基であるトリアシルグリセロールを意味する。また、本発明において、X3とは、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の3つが炭素数16以上の不飽和脂肪酸残基であるトリアシルグリセロールを意味する。
なお、本発明においてHXHは、1位と3位とに炭素数16以上の飽和脂肪酸残基が結合し、2位に炭素数16以上の不飽和脂肪酸残基が結合しているトリアシルグリセロールを意味する。
なお、本発明において、Lはリノール酸を意味し、H2Lはトリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の2つが炭素数16以上の飽和脂肪酸残基、構成する脂肪酸残基の1つがリノール酸残基であるトリアシルグリセロールを意味する。
なお、本発明においてHLHは、1位と3位とに炭素数16以上の飽和脂肪酸残基が結合し、2位にリノール酸残基が結合しているトリアシルグリセロールを意味する。
本発明の油脂組成物の調製に使用する油脂の好ましい例としては、H2L含有油脂と非ラウリン系油脂を分別処理した低融点部(以下、HX2含有油脂と略する場合がある)とを含む混合油脂が挙げられる。
上記H2L含有油脂は、油脂組成物の油脂中に10〜70質量%含有されることが好ましく、15〜60質量%含有されることがより好ましく、20〜50質量%含有されることがさらに好ましい。また、上記非ラウリン系油脂を分別処理した低融点部は、油脂組成物の油脂中に10〜70質量%含有されることが好ましく、20〜65質量%含有されることがより好ましく、30〜60質量%含有されることがさらに好ましい。
本発明の油脂組成物は油脂Aを含有することが好ましい。本発明において油脂Aとは、パーム系油脂と全構成脂肪酸中にリノール酸を35質量%以上含有する油脂とを含む混合油脂をエステル交換することにより得られる油脂のことである。
ここで、パーム系油脂とは、パーム油自体や、パーム油の加工油脂(エステル交換油、分別油、水素添加油等)のことである。パーム系油脂の具体例としては、パーム油、パームオレイン、パームミッドフラクション(PMF)、パームステアリン等が挙げられ、特に、PMFが好ましい。また、全構成脂肪酸中にリノール酸を35質量%以上含有する油脂としては、より具体的には、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、コーン油、綿実油、米油等が挙げられ、特に、全構成脂肪酸中にリノール酸を60質量%以上含有するサフラワー油、ヒマワリ油から選ばれる1種以上であることが好ましい。
本発明で用いる油脂Aは、エステル交換の原料油として、パーム系油脂と全構成脂肪酸中にリノール酸を35質量%以上含有する油脂との混合油を90質量%以上含有することが好ましく、該混合油の混合比(質量比)は、好ましくは30:70〜70:30であり、より好ましくは40:60〜60:40である。
化学的エステル交換は、触媒としてナトリウムメチラート等の化学触媒を用いて行われるものであり、反応は位置選択性の低い非選択的エステル交換となる。化学的エステル交換は、例えば、常法に従って、原料油脂を十分に乾燥させ、触媒を原料油脂に対して0.1〜1質量%添加した後、減圧下、80〜120℃で0.5〜1時間攪拌しながら反応を行うことができる。エステル交換反応終了後は、水洗にて触媒を洗い流した後、通常の食用油の精製工程で行われる脱色、脱臭処理を施すことができる。
酵素的エステル交換は、触媒としてリパーゼ製剤を用いて行われるものであり、リパーゼ製剤の選択により、1,3位選択性のあるエステル交換が可能である。酵素的エステル交換は、例えば、常法に従って、原料油脂にリパーゼ製剤を対油脂0.01〜5質量%添加した後、30〜70℃で、1〜40時間攪拌しながら反応を行うことができる。エステル交換反応終了後は、ろ過によりリパーゼ製剤を除去した後、通常の食用油の精製工程で行われる脱色、脱臭処理を施すことができる。
ここで、全構成脂肪酸中にリノール酸を35質量%以上含有する油脂は、上記油脂Aの原料油脂と同様であり、特に、全構成脂肪酸中にリノール酸を60質量%以上含有するサフラワー油、ヒマワリ油から選ばれる1種以上であることが好ましい。炭素数16以上の飽和脂肪酸(H)もしくはその低級アルキルエステルは、より具体的には、パルミチン酸もしくはステアリン酸のエチルエステルであることが好ましい。
本発明で用いる油脂Bは、エステル交換の原料として、全構成脂肪酸中にリノール酸を40質量%以上含有する油脂と炭素数16以上の飽和脂肪酸(H)もしくはその低級アルキルエステルとの質量比で好ましくは30:70〜70:30、より好ましくは40:60〜60:40の混合物を使用することが好ましい。
本発明で用いる油脂Bは、H2L含量が25質量%以上であることが好ましい。
ここで、綿実油のステアリン部とは、一般的には、綿実油より綿実サラダ油を製造するためのウインタリング工程において晶析する固体脂部分であるが、綿実油を分別して得られる固体脂部分(ステアリン部)であれば、特にその分別方法に制限はない。
本発明で用いる油脂Cは、H2L含量が25質量%以上であることが好ましい。
(α)H3含量が5質量%以下
(β)H2X含量が10〜40質量%
(γ)HX2含量が45〜75質量%
(δ)X3含量が5〜20質量%
上記非ラウリン系油脂を分別処理した低融点部(HX2含有油脂)としては、より具体的には、次に説明する油脂D、油脂E、油脂Fが挙げられる。HX2含有油脂は、油脂D、油脂E及び油脂Fから選ばれる1種以上であることが好ましい。
なお、本発明において非ラウリン系油脂とは、全構成脂肪酸中に炭素数16以上の脂肪酸を90質量%以上含有する油脂のことである。
なお、本発明において、C40〜46とは、トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の総炭素数が40〜46であるトリアシルグリセロールを意味する。脂肪酸残基の総炭素数が40であるトリアシルグリセロールとしては、例えば、脂肪酸残基がラウリン酸(炭素数12)、ラウリン酸(炭素数12)、パルミチン酸(炭素数16)から構成されるトリアシルグリセロール等が挙げられる。脂肪酸残基の総炭素数が42であるトリアシルグリセロールとしては、例えば、脂肪酸残基がラウリン酸(炭素数12)、ミリスチン酸(炭素数14)、パルミチン酸(炭素数16)から構成されるトリアシルグリセロール等が挙げられる。脂肪酸残基の総炭素数が44であるトリアシルグリセロールとしては、例えば、脂肪酸残基がラウリン酸(炭素数12)、パルミチン酸(炭素数16)、パルミチン酸(炭素数16)から構成されるトリアシルグリセロール等が挙げられる。また、脂肪酸残基の総炭素数が46であるトリアシルグリセロールとしては、例えば、脂肪酸残基がラウリン酸(炭素数12)、パルミチン酸(炭素数16)、ステアリン酸(炭素数18)から構成されるトリアシルグリセロール等が挙げられる。
本発明の油脂組成物中の油脂において、油脂Gの含量は、好ましくは4〜40質量%であり、より好ましくは4〜28質量%であり、さらに好ましくは7〜18質量%であり、最も好ましくは7〜16質量%である。
また、本発明で用いる油脂Gにおいて、全構成脂肪酸中の炭素数12〜14の飽和脂肪酸含量は、20〜60質量%であり、好ましくは25〜40質量%であり、さらに好ましくは28〜35質量%であり、最も好ましくは28〜33質量%である。
また、本発明で用いる油脂Gにおいて、全構成脂肪酸中の炭素数炭素数16〜18の飽和脂肪酸含量は、40〜80質量%であり、好ましくは46〜70質量%であり、さらに好ましくは52〜68質量%であり、最も好ましくは61〜68質量%である。
本発明で用いる油脂Gにおいて、ラウリン系油脂とパーム系油脂の混合比は、ラウリン系油脂:パーム系油脂の質量比で、好ましくは30:70〜70:30であり、より好ましくは40:60〜60:40である。
また、本発明で用いる油脂Gを調製するための水素添加の方法としては、特に制限はなく、通常の方法により行うことができる。水素添加は、例えば、ニッケル触媒の下、水素圧0.02〜0.3Mpa、160〜200℃の条件にて行うことができる。
本発明の油脂組成物中の油脂において、油脂Hの含量は、好ましくは0〜40質量%であり、より好ましくは5〜40質量%であり、更に好ましくは10〜30質量%であり、最も好ましくは15〜25質量%である。
また、本発明で用いる油脂Hにおいて、全構成脂肪酸中の炭素数12〜14の飽和脂肪酸含量は、15〜35質量%であり、好ましくは18〜32質量%であり、更に好ましくは20〜30質量%であり、最も好ましくは22〜28質量%である。
また、本発明で用いる油脂Hにおいて、全構成脂肪酸中の炭素数炭素数16〜18の飽和脂肪酸含量は、25〜45質量%であり、好ましくは28〜42質量%であり、更に好ましくは30〜40質量%であり、最も好ましくは32〜38質量%である。
本発明で用いるラウリン系油脂とパーム系油脂とのエステル交換油において、ラウリン系油脂とパーム系油脂の混合比は、ラウリン系油脂:パーム系油脂の質量比で、好ましくは30:70〜60:40であり、より好ましくは35:65〜50:50であり、最も好ましくは35:65〜45:55である。
また、本発明において、全構成脂肪酸中の含量とは、油脂組成物に含まれる油脂を構成する脂肪酸全量に対する割合のことである。また、本発明において、SFCとは、油脂組成物に含まれる油脂のSFCのことである。
具体的には、配合する油溶成分を混合溶解することで製造することができる。また、可塑性を付与する場合は、配合する油溶成分を混合溶解したものを油相とし、必要により調製した水相を混合乳化した後、冷却し、結晶化させることで製造することができる。冷却、結晶化は、冷却可塑化させることが好ましい。冷却条件は、好ましくは−0.5℃/分以上、更に好ましくは−5℃/分以上である。この際、徐冷却より急冷却の方が好ましい。また、油相の調製後又は混合乳化後は、殺菌処理することが望ましい。殺菌方法としては、タンクでのバッチ式や、プレート型熱交換機、掻き取り式熱交換機を用いた連続式が挙げられる。
冷却する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられる。また、冷却する機器としては、開放型のダイアクーラーとコンプレクターとの組み合わせも挙げられる。
本発明の複合食品は、本発明のベーカリー食品と油性食品とを接触させたものであれば、組み合わせ方法は特に制限されないが、組み合わせ方法としては、接着、被覆、挟む、注入、埋没、トッピング等が挙げられる。
本発明で用いる油性食品としては、チョコレート、グレーズ、クリーム(ホイップクリーム、サンドクリーム、バタークリーム等)、フィリング、ナッツ類等が挙げられる。本発明で用いる油性食品において、油脂の含量は、好ましくは20〜65質量%であり、より好ましくは20〜60質量%であり、最も好ましくは30〜45質量%である。本発明で用いる油性食品としては、チョコレートであることが好ましい。なお、本発明においてチョコレートとは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(全国チョコレート業公正取引協議会)のチョコレートに限定されるものではなく、カカオマス、ココアパウダー、ココアバター、食用油脂、糖類を主原料とし、必要により乳製品、香料等を加え、チョコレート製造の工程を経て製造されたもののことである(カカオマス、ココアパウダーを使用しないホワイトチョコレート、カラーチョコレートも包含する)。
以下に示す油脂組成物中の油脂の各脂肪酸含量、SFC、各トリアシルグリセロール含量、ヨウ素価の測定は以下の方法により測定した。
各脂肪酸含量は、ガスクロマトグラフィー法により測定した。
SFCは、社団法人日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の「2.2.9−2003 固体脂含量(NMR法)」に準じて測定した。
各トリアシルグリセロール含量は、ガスクロマトグラフィー法により測定した。トリアシルグリセロールの対称性は、銀イオンカラムクロマトグラフィー法により測定した。
ヨウ素価は、社団法人日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の「2.3.4.1−1996 ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法)」に準じて測定した。
パームミッドフラクション(日清オイリオグループ株式会社製造品)60質量部とハイリノールサフラワー油(リノール酸含量74質量%、日清オイリオグループ株式会社製造品)40質量部とを混合し、1,3位選択性リパーゼ製剤を原料油脂に対して0.1質量部添加して、50℃で30時間攪拌、エステル交換反応させた。反応終了後、リパーゼ製剤をろ過することによって除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して油脂A−1(H3含量2.7質量%、H2X含量29.3質量%、H2L含量12.1質量%、HX2含量44.8質量%、HO2含量10.9質量%、X3含量20.1質量%)を得た。
パームミッドフラクション(日清オイリオグループ株式会社製造品)60質量部と米油(リノール酸含量40質量%、日清オイリオグループ株式会社製造品)40質量部とを混合し、1,3位選択性リパーゼ製剤を原料油脂に対して0.1質量部添加して、50℃で30時間攪拌、エステル交換反応させた。反応終了後、リパーゼ製剤をろ過することによって除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して油脂A−2(H3含量3.9質量%、H2X含量34.7質量%、H2L含量10.2質量%、HX2含量43.3質量%、HO2含量20.7質量%、X3含量15.3質量%)を得た。
パーム油(日清オイリオグループ株式会社製造品)65質量部と菜種油(リノール酸含量19質量%、日清オイリオグループ株式会社製造品)35質量部とを混合し、1,3位選択性リパーゼ製剤を原料油脂に対して0.1質量部添加して、50℃で30時間攪拌、エステル交換反応させた。反応終了後、リパーゼ製剤をろ過することによって除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、油脂a−1(H3含量4.3質量%、H2X含量28.6質量%、H2L含量5.9質量%、HX2含量41.1質量%、HO2含量24.0質量%、X3含量20.7質量%)を得た。
ハイリノールサフラワー油(リノール酸含量74質量%、日清オイリオグループ株式会社製造品)40質量部に、ステアリン酸エチル60質量部を混合し、1,3位選択性リパーゼ製剤を0.3質量部添加して、50℃で18時間攪拌反応させた。ろ過処理によりリパーゼ製剤を除去し、得られた反応物を薄膜蒸留にかけ、反応物から脂肪酸エチルを除去して蒸留残渣(StLSt含量37.1質量%)を得た。得られた蒸留残渣を常法により脱色、脱臭処理して、油脂B−1(H3含量1.1質量%、H2X含量49.8質量%、H2L含量41.8質量%、HX2含量40.2質量%、HO2含量0.8質量%、X3含量8.8質量%)を得た。
綿実ステアリン(綿実油のステアリン部、日清オイリオグループ株式会社製造品、H3含量1.4質量%、H2X含量44.5質量%、H2L含量33.4質量%、HX2含量30.5質量%、HO2含量1.8質量%、X3含量23.3質量%)を油脂C−1とした。
パームスーパーオレイン(日清オイリオグループ株式会社製造品、ヨウ素価65.2、H3含量0.1質量%、H2X含量29.9質量%、H2L含量11.8質量%、HX2含量57.0質量%、HO2含量38.9質量%、X3含量8.4質量%)を油脂D−1とした。
パームステアリン(日清オイリオグループ株式会社製造品)50質量部とパーム核オレイン(日清オイリオグループ株式会社製造品)50質量部とを混合した混合油を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.1質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、脱色した後、ニッケル触媒を用いて160〜200℃にて水素添加を行い、ヨウ素価を2以下に調整した。ヨウ素価が2以下になったのを確認した後、温度を100℃以下に下げ、ニッケル触媒をろ過により除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭して、油脂G−1(炭素数12〜14の飽和脂肪酸含量31.0質量%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸含量64.7質量%、不飽和脂肪酸含量1.4質量%、ヨウ素価0.1)を得た。
パーム核油(日清オイリオグループ株式会社製造品)40質量部とパーム油(日清オイリオグループ株式会社製造品)60質量部とを混合した混合油を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.2質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、油脂H−1(炭素数12〜14の飽和脂肪酸含量26.0質量%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸含量33.6質量%、不飽和脂肪酸含量37.6質量%、ヨウ素価39.0)を得た。
(エステル交換油Iの調製)
パームオレイン(ヨウ素価56、日清オイリオグループ株式会社製造品)を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.1質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、エステル交換油I(ヨウ素価56)を得た。
(パーム油)
パーム油(ヨウ素価52、日清オイリオグループ株式会社製造品)を使用した。
(パームミッドフラクション:PMF)
パームミッドフラクション(ヨウ素価45、日清オイリオグループ株式会社製造品)を使用した。
(菜種油)
菜種白絞油(日清オイリオグループ株式会社製造品)を使用した。
(パーム極度硬化油)
パーム極度硬化油(ヨウ素価2以下、横関油脂工業株式会社製造品)を使用した。
油脂として表1〜2に記載の実施例1〜4と比較例1〜4の各油脂配合を用いて、各油脂99.4質量部に対して以下の乳化剤1〜3の混合物を0.6質量部添加し、溶解混合した後、オンレーターを用いて急冷可塑化することで、実施例1〜4と比較例1〜4の各油脂組成物(ショートニング)を得た。
(乳化剤)
乳化剤1:レシチン(商品名:レシチンDX、日清オイリオグループ株式会社製)
乳化剤2:グリセリン脂肪酸エステル(商品名:エマルジーP−100、理研ビタミン株式会社製)
乳化剤3:ソルビタン脂肪酸エステル(商品名:ポエムS−320YN、理研ビタミン株式会社製)
得られた実施例1〜4と比較例1〜4の各油脂組成物を使用したクッキーについて、パネラー5名により、以下の基準に従って食感を総合的に評価した。食感の評価は、◎又は○の場合を良好であるとした。評価結果を表1〜2に示した。
◎ :さっくりと軽くソフトであり崩壊感に優れている
○ :さっくりと軽くソフトである。
△ :サクサク感はあるがソフト感に乏しい
× :サクサク感はあるが硬い
油脂として表4〜5に記載の実施例5〜7と比較例5〜7の各油脂配合を用いて、各油脂99.4質量部に対して以下の乳化剤1〜3の混合物を0.6質量部添加し、溶解混合した後、オンレーターを用いて急冷可塑化することで、実施例5〜7と比較例5〜7の各油脂組成物(ショートニング)を得た。
(乳化剤)
乳化剤1:レシチン(商品名:レシチンDX、日清オイリオグループ株式会社製)
乳化剤2:グリセリン脂肪酸エステル(商品名:エマルジーP−100、理研ビタミン株式会社製)
乳化剤3:ソルビタン脂肪酸エステル(商品名:ポエムS−320YN、理研ビタミン株式会社製)
得られた各ビスケットを板状に成形したチョコレートの上に置き、ビスケットの底面とチョコレートとを接着させることで、実施例5〜7と比較例5〜7の複合菓子を得た。得られた複合菓子は、18℃8時間と32℃4時間を1サイクルとしたサイクル保存試験を40サイクル行った。保存終了後の複合菓子におけるビスケットの白色化及びチョコレートのブルームを、目視にて以下の基準により評価した。白色化及びブルームの評価は、◎又は○の場合を良好であるとした。評価結果を表4〜5に示した。
また、チョコレートは油脂含量38.3質量%のミルクチョコレート(配合:カカオマス14.8質量%、ココアバター24.13質量%、砂糖39.24質量%、全脂粉乳21.24質量%、レシチン0.5質量%、バニラ(粉体)0.1質量% 形状:縦36.5mm、横38mm、厚さ3mmに成形したもの)を使用した。
◎ :白色化なし
○ :白色化はないが表面にやや色ムラあり
△ :一部白色化
× :白色化あり
◎ :ブルームなし
○ :ブルームはないがやや艶がない
△ :一部ブルームあり
× :ブルームあり
Claims (13)
- 油脂組成物中の油脂が、以下の(a)、(b)、(c)、(d)及び(g)の条件を満たす油脂組成物。
(a)前記油脂組成物中の油脂のH2Xの含量が15〜45質量%であり、
(b)前記油脂組成物中の油脂のHX2の含量が30〜60質量%であり、
(c)前記油脂組成物中の油脂のH2XとHX2の質量比(H2X/HX2)が0.3
〜1であり、
(d)前記油脂組成物中の油脂のHO2とHX2の質量比(HO2/HX2)が0.6
3以下であり、かつ、
(g)前記油脂組成物中の油脂に含まれるH2Xの、HXHとH2Xの質量比(HXH
/H2X)が0.4以上である。
ただし、上記の(a)、(b)、(c)、(d)及び(g)の条件において、H、X、O、H2X、HX2、HO2及びHXHはそれぞれ以下のものを示す。
H:炭素数16以上の飽和脂肪酸
X:炭素数16以上の不飽和脂肪酸
O:オレイン酸
H2X:Hが2分子、Xが1分子結合しているトリアシルグリセロール
HX2:Hが1分子、Xが2分子結合しているトリアシルグリセロール
HO2:Hが1分子、Oが2分子結合しているトリアシルグリセロール
HXH:グリセロールの1位と3位とにHが結合し、2位にXが結合しているトリアシ
ルグリセロール - 油脂組成物中の油脂が、以下の(a)、(b)、(c)、(d)及び(j)の条件を満たす油脂組成物。
(a)前記油脂組成物中の油脂のH2Xの含量が15〜45質量%であり、
(b)前記油脂組成物中の油脂のHX2の含量が30〜60質量%であり、
(c)前記油脂組成物中の油脂のH2XとHX2の質量比(H2X/HX2)が0.3
〜1であり、
(d)前記油脂組成物中の油脂のHO2とHX2の質量比(HO2/HX2)が0.6
3以下であり、かつ、
(j)前記油脂組成物中の油脂のC40〜46含量が2〜25質量%である。
ただし、上記の(a)、(b)、(c)、(d)及び(j)の条件において、H、X、O、H2X、HX2、HO2及びC40〜46はそれぞれ以下のものを示す。
H:炭素数16以上の飽和脂肪酸
X:炭素数16以上の不飽和脂肪酸
O:オレイン酸
H2X:Hが2分子、Xが1分子結合しているトリアシルグリセロール
HX2:Hが1分子、Xが2分子結合しているトリアシルグリセロール
HO2:Hが1分子、Oが2分子結合しているトリアシルグリセロール
C40〜46:トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の総炭素数が40〜46
であるトリアシルグリセロール - 前記油脂組成物中の油脂が、以下の条件(e)及び(f)を満たす請求項1又は2に記載の油脂組成物。
(e)前記油脂組成物中の油脂のH3含量が1〜15質量%であり、かつ、
(f)前記油脂組成物中の油脂のX3含量が2〜40質量%である。
ただし、上記の(e)及び(f)の条件において、H3及びX3はそれぞれ以下のもの
を示す。
H3:Hが3分子結合しているトリアシルグリセロール
X3:Xが3分子結合しているトリアシルグリセロール - 前記油脂組成物中の油脂が、以下の条件(g)を満たす請求項2に記載の油脂組成物。
(g)前記油脂組成物中の油脂に含まれるH2Xの、HXHとH2Xの質量比(HXH
/H2X)が0.4以上である。
ただし、上記(g)の条件において、HXHは以下のものを示す。
HXH:グリセロールの1位と3位とにHが結合し、2位にXが結合しているトリアシ
ルグリセロール - 前記油脂組成物中の油脂が、以下の条件(h)を満たす請求項1〜4の何れか1項に記
載の油脂組成物。
(h)前記油脂組成物中の油脂のH2LとH2Xの質量比(H2L/H2X)が0.4
以上である。
ただし、上記(h)の条件において、L及びH2Lは以下のものを示す。
L:リノール酸
H2L:Hが2分子、Lが1分子結合しているトリアシルグリセロール - 前記油脂組成物中の油脂が、以下の条件(i)を満たす請求項5に記載の油脂組成物。
(i)前記油脂組成物中の油脂に含まれるH2Lの、HLHとH2Lの質量比(HLH
/H2L)が0.4以上である。
ただし、上記(i)の条件において、HLHは以下のものを示す。
HLH:グリセロールの1位と3位とにHが結合し、2位にLが結合しているトリアシ
ルグリセロール - 前記油脂組成物中の油脂が、以下の油脂A、油脂B及び油脂Cから選ばれる1種以上か
らなる油脂を10〜70質量%含有する請求項1〜6の何れか1項に記載の油脂組成物。
油脂A:パーム系油脂と全構成脂肪酸中にリノール酸を35質量%以上含有する油脂と
を含む混合油脂をエステル交換することにより得られる油脂
油脂B:全構成脂肪酸中にリノール酸を35質量%以上含有する油脂と炭素数16以上
の飽和脂肪酸(H)もしくはその低級アルキルエステルとをエステル交換することにより
得られる油脂
油脂C:綿実油のステアリン部 - 前記油脂組成物中の油脂が、ヨウ素価が62以上であって、
パーム系油脂、パーム系油脂を原料として含有するエステル交換油から選ばれる1種以上
からなる油脂を分別処理した低融点部、
StX2を50質量%以上含有する低融点部、
から選ばれる1種以上である油脂を10〜70質量%含有する請求項1〜7の何れか1項
に記載の油脂組成物。
ただし、St、X及びStX2は以下のものを示す。
St:ステアリン酸
X:炭素数16以上の不飽和脂肪酸
StX2:Stが1分子、Xが2分子結合しているトリアシルグリセロール - 前記油脂組成物中の油脂が、さらに以下の条件(j)を満たす請求項1、3〜8の何れか1項に記載の油脂組成物。
(j)前記油脂組成物中の油脂のC40〜46含量が2〜25質量%である。
ただし、上記(j)の条件において、C40〜46は以下のものを示す。
C40〜46:トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸残基の総炭素数が40〜46
であるトリアシルグリセロール - 前記油脂組成物中の油脂が、以下の油脂G、油脂Hから選ばれる1種以上からなる油脂
を4〜40質量%含有する請求項2又は9に記載の油脂組成物。
油脂G:全構成脂肪酸中に不飽和脂肪酸を15質量%以下、炭素数12〜14の飽和脂
肪酸を20〜60質量%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸を40〜80質量%含有し、か
つ、エステル交換することにより得られる油脂
油脂H:全構成脂肪酸中に不飽和脂肪酸を25〜45質量%、炭素数12〜14の飽和
脂肪酸を15〜35質量%、炭素数16〜18の飽和脂肪酸を25〜45質量%含有し、
かつ、エステル交換することにより得られる油脂 - ベーカリー生地への練り込み用または折り込み用である請求項1〜10の何れか1項に記載の油脂組成物。
- 請求項1〜11の何れか1項に記載の油脂組成物を用いて製造したベーカリー食品。
- 請求項12に記載のベーカリー食品と油性食品とを組み合わせた複合食品。
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