JP2023039485A - 可塑性油脂組成物の製造方法 - Google Patents

可塑性油脂組成物の製造方法 Download PDF

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Yoshimune Hazome
美穂 櫻田
Yoshio Sakurada
裕子 西岡
Hiroko Nishioka
勇馬 小笠
Yuma Ogasa
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Abstract

【課題】合成乳化剤を使用しなくても、離水し難い可塑性油脂組成物の製造方法を提供することにある。【解決手段】下記工程1~3を含み、下記工程3で使用される冷却機の入り口前の圧力が1~10MPaである可塑性油脂組成物の製造方法であって、可塑性油脂組成物が酵素処理卵黄を含有する可塑性油脂組成物の製造方法。工程1:油相と水相を調製する工程工程2:油相と水相を乳化させる工程工程3:乳化物を急冷捏和する工程【選択図】なし

Description

本発明は、可塑性油脂組成物の製造方法に関する発明である。
パンや菓子等のベーカリー食品には、通常、マーガリン等の可塑性油脂組成物が配合される。ベーカリー食品の製造に使用されるマーガリンは、食感の向上や物性の改善等の機能を付与することを目的として、ベーカリー食品に配合される。
ベーカリー食品の製造に使用されるマーガリンは、通常、油中水型乳化物である。従って、マーガリンの製造には、通常、乳化を安定させるために、合成乳化剤が使用される。しかしながら、近年は、消費者の健康志向から、合成乳化剤を使用しないマーガリンのニーズが存在する。
合成乳化剤を使用しないマーガリンとしては、例えば、特許文献1~3の乳蛋白を使用したマーガリンが提案されている。しかしながら、乳蛋白を使用したマーガリンは、シートマーガリン等のより苛酷な条件で製造される場合、乳化力が不十分であり、離水することがあった。マーガリンが製造時に離水すると、菌が繁殖しやすくなるため、衛生上の課題があった。
以上のような背景から、合成乳化剤を使用しなくても、離水し難いマーガリンの開発が求められていた。
特開2000-279090号公報 特開2010-220579号公報 特開2010-11800号公報
本発明の目的は、合成乳化剤を使用しなくても、離水し難い可塑性油脂組成物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、酵素処理卵黄を可塑性油脂組成物の製造に使用することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、下記工程1~3を含み、下記工程3で使用される冷却機の入り口前の圧力が1~10MPaである可塑性油脂組成物の製造方法であって、可塑性油脂組成物が酵素処理卵黄を含有する可塑性油脂組成物の製造方法である。
工程1:油相と水相を調製する工程
工程2:油相と水相を乳化させる工程
工程3:乳化物を急冷捏和する工程
本発明の第2の発明は、前記可塑性油脂組成物が、折り込み用可塑性油脂組成物である第1の発明に記載の可塑性油脂組成物の製造方法である。
本発明の第3の発明は、前記可塑性油脂組成物が、合成乳化剤を含まない第1の発明又は第2の発明に記載の可塑性油脂組成物の製造方法である。
本発明によると、合成乳化剤を使用しなくても、離水し難い可塑性油脂組成物の製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物の製造方法は、下記工程1~3を含み、下記工程3で使用される冷却機の入り口前の圧力が1~10MPaである可塑性油脂組成物の製造方法であって、可塑性油脂組成物が酵素処理卵黄を含有することを特徴とする。
工程1:油相と水相を調製する工程
工程2:油相と水相を乳化させる工程
工程3:乳化物を急冷捏和する工程
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物の製造方法は、油相と水相を調製する工程(工程1)を含む。油相と水相を調製する工程では、特に制限されることなく、通常の方法及び条件で油相と水相が調製される。油相と水相の調製は、通常、別々の調製タンクで行われる。通常、油相は油脂等の油溶性原料を溶解混合させることで調製され、水相は水等の水溶性原料を溶解混合させることで調製される。
なお、本発明で可塑性油脂組成物は、ベーカリー食品の製造に使用される可塑性を有する油脂組成物のことである。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物の製造方法は、油相と水相を乳化させる工程(工程2)を含む。油相と水相を乳化させる工程では、特に制限されることなく、通常の方法及び条件で油相と水相を混合することで乳化させる。油相と水相の乳化は、油相が調製された調製タンクに水相を添加することで乳化させてもよいし、水相が調製された調製タンクに油相を添加することで乳化させてもよいし、油相及び水相が調製された調製タンクとは別のタンクで油相と水相を乳化させてもよい。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物の製造方法は、乳化物を急冷捏和する工程(工程3)を含む。乳化物を急冷捏和する工程では、特に制限されることなく、通常の方法及び条件で乳化物を急冷捏和する。乳化物の急冷捏和には、通常、冷却機が使われる。冷却機としては、密閉型連続式チューブ冷却機(ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機)が挙げられる。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物の製造方法は、乳化物を急冷捏和する工程で使用される冷却機の入り口前の圧力が、1~10MPaであり、好ましくは1~8MPaであり、より好ましくは2.2~7.5MPaであり、さらに好ましくは4~7.5MPaである。乳化物を急冷捏和する工程で使用される冷却機の入り口前の圧力が前記範囲であると、しっかりとした硬さを備えた油脂組成物が得られる一方で、乳化力が不十分な場合に乳化の破壊が起こりやすく、離水しやすいことが知られている。しかしながら、本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物の製造方法で製造される可塑性油脂組成物は、乳化物を急冷捏和する工程で使用される冷却機の入り口前の圧力が前記範囲であっても、乳化の破壊が起こり難く、離水し難い。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物の製造方法は、好ましくは乳化物の油脂結晶を安定化させる工程(工程4)を含む。乳化物の油脂結晶を安定化させる工程では、特に制限されることなく、通常の方法及び条件で乳化物の油脂結晶を安定化させる。乳化物の油脂結晶の安定化は、通常、休止管で行われる。乳化物の油脂結晶を安定化させる工程では、通常、急冷捏和した後の乳化物が使用される。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物の製造方法は、好ましくは乳化物を成形する工程(工程5)を含む。乳化物を成形する工程では、特に制限されることなく、通常の方法及び条件で乳化物を成形する。乳化物の成形は、通常、成形機で行われる。乳化物を成形する工程では、通常、休止管で油脂結晶を安定化させた乳化物が使用される。乳化物の成形後の形状は、好ましくはシート状、ブロック状、円柱状、直方体状であり、より好ましくはシート状である。乳化物の成形後の形状がシート状の場合、大きさが、好ましくは横が210~350mm、縦が210~390mm、厚さが7~42mmであり、より好ましくは横が270~320mm、縦が270~380mm、厚さが8~16mmである。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物の製造方法は、前記工程1~前記工程3を含む場合、好ましくは前記工程1、前記工程2、前記工程3の順に行われる。前記工程1~前記工程3を含む可塑性油脂組成物の製造方法としては、例えば、練り込み用可塑性油脂組成物の製造方法が挙げられる。
また、本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物の製造方法は、前記工程1~前記工程5を含む場合、好ましくは前記工程1、前記工程2、前記工程3、前記工程4、前記工程5の順に行われる。前記工程1~前記工程5を含む可塑性油脂組成物の製造方法としては、例えば、折り込み用可塑性油脂組成物の製造方法が挙げられる。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物は、好ましくは油中水型乳化物である。また、本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物の具体例は、例えば、マーガリン、ファットスプレッドである。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物は、好ましくは折り込み用可塑性油脂組成物、練り込み用可塑性油脂組成物であり、より好ましくは折り込み用可塑性油脂組成物である。
なお、本発明で折り込み用可塑性油脂組成物とは、ベーカリー食品の製造において、焼成前の生地に折り込まれる油脂組成物のことである。折り込み用可塑性油脂組成物は、ロールイン用油脂組成物やシートマーガリンと呼ばれることもある。また、折り込み用可塑性油脂組成物を使用して製造されるベーカリー食品の具体例は、クロワッサン、デニッシュ、パイ等の層状穀粉膨化食品である。また、クロワッサン、デニッシュ、パイ等の層状穀粉膨化食品は、小麦粉等の穀粉を主成分とした生地に、折り込み用可塑性油脂組成物を複数回折り込んだ層状の生地を、焼成することによって製造される。
また、本発明で練り込み用可塑性油脂組成物とは、ベーカリー食品の製造において、焼成前の生地に練り込まれる油脂組成物のことである。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物は、酵素処理卵黄を含有する。本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物は、酵素処理卵黄を好ましくは0.1~3質量%含有し、より好ましくは0.2~2質量%含有し、さらに好ましくは0.4~1質量%含有する。
可塑性油脂組成物が酵素処理卵黄を前記範囲で含有すると、離水し難くなる。
なお、本発明で酵素処理卵黄とは、酵素処理された卵黄のことである。卵黄の酵素処理に使用される酵素は、好ましくはプロテアーゼ、リパーゼである。前記リパーゼは、好ましくはホスホリパーゼであり、より好ましくはホスホリパーゼA2である。卵黄の酵素処理に使用される酵素は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物は、好ましくは合成乳化剤を含まない。本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物は、合成乳化剤を使用しなくても、離水し難い。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物は、油脂を好ましくは75~99質量%含有し、より好ましくは78~98質量%含有し、さらに好ましくは80~95質量%含有する。
なお、本発明で油脂とは、含まれる油脂の全てを合わせた全油脂分のことである。従って、可塑性油脂組成物の油脂には、配合される油脂の他に、乳製品等の含油原料(バター、全脂粉乳等)に含まれる油脂(乳脂等)も含まれる。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物は、油脂の固体脂含量(以下、固体脂含量は、SFCと記載することもある。)が、好ましくは10℃で30~60%、20℃で10~40%、30℃で25%以下、40℃で10%以下であり、より好ましくは10℃で33~55%、20℃で13~37%、30℃で23%以下、40℃で8%以下であり、さらに好ましくは10℃で35~48%、20℃で15~35%、30℃で3~21%、40℃で7%以下であり、最も好ましくは10℃で37~45%、20℃で17~33%、30℃で6~19%、40℃で4%以下である。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物の製造に使用される油脂は、通常の可塑性油脂組成物の製造に用いられる油脂が使用される。本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物の製造に使用される油脂としては、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、乳脂等の各種の植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択された1又は2以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物の製造に使用される油脂は、上記油脂を1種又は2種以上組み合せて使用することができる。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物は、油脂中に、好ましくはパーム系油脂、ラウリン系油脂とパーム系油脂とのランダムエステル交換油脂(以下、ラウリン系油脂とパーム系油脂とのランダムエステル交換油脂は、ランダムエステル交換油脂Aとする。)、20℃で液状の油脂(以下、20℃で液状の油脂は、液状油とする。)が配合され、より好ましくはパーム系油脂が15~75質量%、ランダムエステル交換油脂Aが10~70質量%、液状油が1~30質量%配合され、さらに好ましくはパーム系油脂が18~70質量%、ランダムエステル交換油脂Aが13~65質量%、液状油が3~25質量%配合され、さらに好ましくはパーム系油脂が20~68質量%、ランダムエステル交換油脂Aが15~60質量%、液状油が5~20質量%配合され、最も好ましくはパーム系油脂が24~65質量%、ランダムエステル交換油脂Aが17~58質量%、液状油が7~18質量%配合される。
本発明でパーム系油脂は、パーム油及びパーム分別油等のパーム油の加工油脂のことである。また、本発明でパーム分別油のエステル交換油脂等のパーム分別油の加工油脂もパーム系油脂である。パーム系油脂の具体例は、パーム油、パームオレイン、パームオレインのエステル交換油脂、パームステアリン、パームスーパーオレイン、パーム中融点部(パームミッドフラクション(PMF))、ソフトパーム、ハードステアリン等である。本実施の形態においては、これらから選ばれる1種又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物の製造に使用されるパーム系油脂は、好ましくはパーム油、ヨウ素価40~50のパーム中融点部、ヨウ素価30~40のパームステアリン、ヨウ素価50~60のパームオレインのエステル交換油脂である。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物の製造に使用されるランダムエステル交換油脂Aは、ヨウ素価が50以下であり、好ましくは45以下であり、より好ましくは40以下である。
本発明でラウリン系油脂とは、油脂を構成する脂肪酸のうちラウリン酸が30質量%以上の油脂のことである。ラウリン系油脂の具体例は、ヤシ油、パーム核油及びこれらの分別油、エステル交換油脂、硬化油等である。本発明の実施の形態においては、これらから選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。
前記ランダムエステル交換油脂Aの製造に使用されるラウリン系油脂は、好ましくはパーム核油、パーム核油の極度硬化油、パーム核オレインの極度硬化油である。また、前記ランダムエステル交換油脂Aの製造に使用されるパーム系油脂は、好ましくはパーム油、ヨウ素価30~40のパームステアリン、ヨウ素価40~50のパーム中融点部、パームステアリンの極度硬化油である。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物の製造に使用されるランダムエステル交換油脂Aは、エステル交換反応を行う原料油脂のラウリン系油脂とパーム系油脂との混合比(ラウリン系油脂:パーム系油脂)が好ましくは質量比25:75~65:35であり、より好ましくは質量比30:70~60:40であり、さらに好ましくは質量比35:65~55:45である。
前記ランダムエステル交換油脂Aを製造する時のエステル交換の方法は、特に制限はなく、従来公知の方法により行うことができる。
前記ランダムエステル交換油脂Aを製造する時には、必要に応じて水素添加を行うこともできる。水素添加の方法は、特に制限はなく、従来公知の方法により行うことができる。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物の製造に使用される液状油の具体例は、大豆油、菜種油、コーン油、ひまわり油、紅花油、ごま油、綿実油、米油、オリーブ油、落花生油、亜麻仁油やこれらの油脂の加工油脂(エステル交換油、分別油、硬化油(水素添加油)等)等である。本実施の形態においては、これらから選ばれる1種又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物の製造に使用される液状油は、好ましくは大豆油、菜種油である。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物は、油脂を構成する脂肪酸中のトラン脂肪酸含有量が好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。
油脂のSFCは社団法人 日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の2.2.9-2003 固体脂含量(NMR法)に準じて測定することができる。
油脂のトランス脂肪酸含有量は、AOCS Ce1f-96に準じて、ガスクロマトグラフィー法で測定することができる。
油脂のヨウ素価は、「基準油脂分析試験法(社団法人日本油化学会編)」の「2.3.4.1-1996 ヨウ素価(ウィイス-シクロヘキサン法)」に準じて測定することができる。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物は、水分を好ましくは25質量%以下含有し、より好ましくは20質量%以下含有し、さらに好ましくは3~18質量%含有する。
なお、可塑性油脂組成物の水分とは、可塑性油脂組成物に含まれる水分の全てを合わせた全水分のことである。従って、可塑性油脂組成物の水分には、配合される水の他に、バター等の水を含有する原料に含まれる水分も含まれる。
また、可塑性油脂組成物の水分は、常法(乾燥減量法等)で測定することができる。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物は、その他に、通常可塑性油脂組成物の製造に使用される原料を配合することができる。具体的には、砂糖、乳糖及び液糖等の糖類、糖アルコール類、ステビア及びアスパルテーム等の甘味料、増粘安定剤、食塩及び塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸及びグルコン酸等の酸味料、β-カロテン、カラメル及び紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物(カテキン等)及びルチンなどの酸化防止剤、バター、粉乳、乳ペプチド、乳蛋白質及びバター酵素処理分解物等の乳製品、小麦蛋白及び大豆蛋白等の植物蛋白、卵、卵加工品、香料、調味料、pH調整剤、食品保存料、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類及び魚介類等の食品素材若しくは食品添加物を配合することができる。
本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物は、折り込み用油脂や練り込み用油脂として、ベーカリー食品の製造に使用される。
本発明の実施の形態のベーカリー食品は、本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物を使用して製造される。本発明の実施の形態のベーカリー食品は、本発明の実施の形態の可塑性油脂組成物を使用する以外は、従来公知の方法で製造することができる。
本発明の実施の形態のベーカリー食品の具体例は、ビスケット、クッキー、クラッカー、乾パン、プレッツェル、カットパン、ウェハース、サブレ、ラングドシャ、マカロン等の焼き菓子、パウンドケーキ、フルーツケーキ、マドレーヌ、バウムクーヘン、カステラ等のバターケーキ、ショートケーキ、ロールケーキ、トルテ、デコレーションケーキ、シフォンケーキ等のスポンジケーキ、チーズケーキ、ガトーショコラ、蒸しケーキ、シュー菓子、発酵菓子、パイ、ワッフル等の洋生菓子、タルト、菓子パン、フランスパン、シュトーレン、パネトーネ、ブリオッシュ、ドーナツ、デニッシュ、クロワッサン等のパンである。本発明の実施の形態のベーカリー食品は、好ましくはクロワッサン、デニッシュ、パイであり、より好ましくはパイである。
次に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
油脂のSFCは社団法人 日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の2.2.9-2003 固体脂含量(NMR法)に準じて測定した。
油脂のトランス脂肪酸含有量は、ガスクロマトグラフ法(AOCS Ce1f-96準拠)で測定した。
油脂のヨウ素価は、「基準油脂分析試験法(社団法人日本油化学会編)」の「2.3.4.1-1996 ヨウ素価(ウィイス-シクロヘキサン法)」に準じて測定した。
〔シートマーガリンの製造に使用した酵素処理卵黄〕
キユーピー株式会社製の卵黄レシチンLPL-20S(ホスホリパーゼA2で処理)を酵素処理卵黄1とした。
太陽化学株式会社製のプライムヨーク(プロテアーゼ、ホスホリパーゼで処理)を酵素処理卵黄2とした。
太陽化学株式会社製のセイバリー(プロテアーゼで処理)を酵素処理卵黄3とした。
太陽化学株式会社製のヨークレートパウダーLP(リパーゼで処理)を酵素処理卵黄4とした。
〔シートマーガリンの製造に使用した油脂〕
油脂1 原料油脂:パーム系油脂24質量%(パーム油17質量%、ヨウ素価56のパームオレインのランダムエステル交換油脂7質量%)、ランダムエステル交換油脂A 58質量%(ヨウ素価23のランダムエステル交換油脂A2 50質量%、ヨウ素価1未満のランダムエステル交換油脂A3 8質量%)、液状油18質量%(菜種油18質量%)の混合油。
油脂2 原料油脂:パーム系油脂65質量%(パーム油30質量%、ヨウ素価56のパームオレインのランダムエステル交換油脂35質量%)、ランダムエステル交換油脂A 17質量%(ヨウ素価1未満のランダムエステル交換油脂A3 17質量%)、液状油18質量%(大豆油18質量%)の混合油。
油脂3 原料油脂:パーム系油脂45.5質量%(ヨウ素価45のパーム中融点部33.3質量%、ヨウ素価32のパームステアリン1.7質量%、ヨウ素価56のパームオレインのランダムエステル交換油脂10.5質量%)、ランダムエステル交換油脂A 47.5質量%(ヨウ素価39のランダムエステル交換油脂A1 47.5質量%)、液状油7質量%(大豆油7質量%)の混合油。
ヨウ素価39のランダムエステル交換油脂A1:パーム核油40質量部、パーム油60質量部の混合油のランダムエステル交換油脂。
ヨウ素価23のランダムエステル交換油脂A2:パーム核油の極度硬化油50質量部、ヨウ素価32のパームステアリン15質量部、ヨウ素価45のパーム中融点部35質量部の混合油のランダムエステル交換油脂。
ヨウ素価1未満のランダムエステル交換油脂A3:パーム核オレインの極度硬化油50質量部、パームステアリンの極度硬化油50質量部の混合油のランダムエステル交換油脂。
<シートマーガリンの製造>
表1~2の配合で、下記工程1~5に従って、実施例1~6、比較例1~2のシートマーガリン(油中水型乳化物)を製造した。工程3で使用した冷却機の入り口前の圧力を表1~2に示した。製造したシートマーガリンの離水の有無を、以下の方法に従って評価した。結果を表1~2に示した。
工程1:油相及び水相を別々の調製タンクに調製する。油相は75℃で溶解混合し、
水相は50℃で溶解混合する。
工程2:工程1で調製した油相に、工程1で調製した水相を加えて、撹拌混合
することで、油相と水相を乳化させる。
工程3:工程2で得られた乳化物を、密閉型連続式チューブ冷却機で急冷捏和する。
工程4:工程3で得られた乳化物を、休止管に導入することで、乳化物の油脂結晶を安
定化させる。
工程5:工程4で得られた乳化物を、成形機でシート状(横290mm、縦370mm、
厚さ12mm)に成形する。
<離水の評価>
得られたシートマーガリンを目視で観察し、下記評価基準に従って、離水の有無を評価した。結果を表1~2に示した。
<評価基準>
○:離水がない。
△:若干離水している。
×:離水している。
Figure 2023039485000001
Figure 2023039485000002
実施例のシートマーガリンは、合成乳化剤を使用していない、かつ冷却機の入り口前の圧力が高いにもかかわらず、離水が認められなかった。
一方、比較例のシートマーガリンは、離水が認められた。
<シートマーガリンのパイ評価>
原料(小麦粉100質量部、食塩1質量部、ショートニング5質量部、水50質量部)を捏上温度20℃になるようにミキシングし、折り込み前生地を製造した。該折り込み前生地に、62.4質量部の実施例1のシートマーガリンを包み込み、4つ折りに折り込み、さらに3つ折りに折込み、-2℃で2時間置いた(リタード)。-2℃で2時間置いた後、3つ折りに折りこみ、更に4つ折りに折り込み、-2℃で1.5時間置くことでパイ用生地(折り数:144、厚さ:3.0mm)を製造した。該パイ用生地にピケローラーで穴を開け、22g(8.5cm×5.5cm)に成形した後、室温(温度:20℃、時間:30分間)で生地を休ませた(ラックタイム)。その後、当該生地をオーブンで焼成(上火温度:200℃、上火温度:200℃、時間:20分間)することでパイを製造した。
焼成1日後のパイの食感、ボリューム、外観を評価したところ、さくっと軽く、口どけのよい食感であり、良好なボリュームで、見栄えのよい外観であった。

Claims (3)

  1. 下記工程1~3を含み、下記工程3で使用される冷却機の入り口前の圧力が1~10MPaである可塑性油脂組成物の製造方法であって、可塑性油脂組成物が酵素処理卵黄を含有する可塑性油脂組成物の製造方法。
    工程1:油相と水相を調製する工程
    工程2:油相と水相を乳化させる工程
    工程3:乳化物を急冷捏和する工程
  2. 前記可塑性油脂組成物が、折り込み用可塑性油脂組成物である請求項1に記載の可塑性油脂組成物の製造方法。
  3. 前記可塑性油脂組成物が、合成乳化剤を含まない請求項1又は請求項2に記載の可塑性油脂組成物の製造方法。
JP2021146606A 2021-09-09 2021-09-09 可塑性油脂組成物の製造方法 Pending JP2023039485A (ja)

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