JP6820693B2 - 油脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、層状穀粉膨化食品の製造に適した油脂組成物、特に、口どけの優れた層状穀粉膨化食品の製造に適した油脂組成物に関する。
パイ、クロワッサン、およびデニッシュ等の、生地が層状を成して焼き上がる層状穀粉膨化食品は、さくっとした食感が心地よく、人気のあるベーカリー食品である。層状穀粉膨化食品の生地の調製は、油脂を包み込んだ穀粉生地を、伸展して折りたたむ作業を繰り返す必要がある。これらの作業において、生地の温度管理は重要である。特に、SFC(固体脂含有量)が縦型の油脂は、温度変化による硬さの変化が大きいので、口どけはよいが、温度変化により伸展性が著しく変わるので、扱い難い。そこで、層状穀粉膨化食品に使用される油脂は、SFCが比較的横型である。横型の油脂が使用された層状穀粉膨化食品は、焼き立ては、さくっとした食感を有し、口どけの違いはあまり分からない。しかし、横型の油脂が使用された層状穀粉膨化食品は、経時的にさくっとした食感が失われると、口どけが悪いので、おいしくない。
上記課題に対して、特開2002−306065号公報は、油相中にSL OSL (SL :パルミチン酸残基又はステアリン酸残基或いはアラキン酸残基、O:オレイン酸残基)で表わされるトリアシルグリセリンを35重量%以上含むことを特徴とする水中油型乳化ロールイン用油脂組成物を開示する。しかしながら、水中油型乳化物は、温度変化による伸展性の変化は少ないが、焼成時の生地浮きがよくない。また、特開2007−60912号公報は、シート状油中水型乳化油脂組成物全体中、カカオバター代用脂10〜50重量%、ラウリン系油脂5〜20重量%を含有し、且つ硬化油及びエステル交換油を一切使用しないことを特徴とするシート状油中水型乳化油脂組成物を開示する。しかしながら、当該シート状油中水型乳化油脂組成物は、加圧晶析により製造されるので、耐圧仕様の装置が必要とされる上、生産効率が悪い。
特開2002−306065号公報 特開2007−60912号公報
したがって、口どけのよい層状穀粉膨化食品を製造するための、SFCが縦型の油脂を使用した、伸展性が良好で作業性のよい、油脂組成物の開発が待たれていた。
本発明の課題は、口どけのよい層状穀粉膨化食品を製造するための、SFCが縦型の油脂を使用した、伸展性が良好で作業性のよい、油脂組成物を提供することにある。特に、加圧などの特別な製造装置を使用しなくても製造できる油脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、油脂組成物に含まれる油脂が、特定のSFCとトリアシルグリセロールの構成を有することにより、本課題が解決できることが見いだされた。これにより、本発明が完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を提供する。

[1]油脂組成物に含まれる油脂が、以下の条件(a)〜(e)を満たす、油脂組成物。
(a)ラウリン酸含有トリアシルグリセロールの含有量が10〜50質量%である
(b)L2Xの含有量が5〜30質量%である
(c)LX2およびXXXの合計含有量が10〜34質量%である
(d)LLLの含有量が2〜10質量%である
(e)SFC(固体脂含有量)が、10℃で30%以上50%以下であり、20℃で10%以上25%未満であり、30℃で13%未満である
ただし、L、X、L2X、LX2、XXXおよびLLLは、以下を意味する。
L:炭素数16〜24の飽和脂肪酸
X:炭素数16〜24の不飽和脂肪酸
L2X:グリセロール1分子に2分子のLと1分子のXが結合したトリアシルグリセロール
LX2:グリセロール1分子に1分子のLと2分子のXが結合したトリアシルグリセロール
XXX:グリセロール1分子に3分子のXが結合したトリアシルグリセロール
LLL:グリセロール1分子に3分子のLが結合したトリアシルグリセロール
[2]油脂組成物に含まれる油脂が、さらに、以下の条件(f)を満たす、[1]の油脂組成物。
(f)LXL/L2Xが0.5以上である
ただし、LXLは以下を意味する。
LXL:グリセロールの2位にXが結合し、1位および3位にLが結合したトリアシルグリセロール
[3]油脂組成物に含まれる油脂が、さらに、以下の条件(g)を満たす、[1]または[2]の油脂組成物。
(g)L2MおよびLM2の合計含有量が0.1〜10質量%である
ただし、M、L2MおよびLM2は、以下を意味する。
M:炭素数6〜10の脂肪酸
L2M:グリセロール1分子に2分子のLと1分子のMが結合したトリアシルグリセロール
LM2:グリセロール1分子に1分子のLと2分子のMが結合したトリアシルグリセロール
[4][1]〜[3]の何れか1つの油脂組成物が折り込まれた状態にある、ベーカリー生地。
[5][4]のベーカリー生地が焼成された状態にある、ベーカリー食品。
本発明は、口どけのよい層状穀粉膨化食品を製造するための、SFCが縦型の油脂を使用した、伸展性が良好で作業性のよい、油脂組成物を提供する。また、本発明は、当該油脂組成物を使用したベーカリー生地およびその製造方法を提供する。また、本発明は、当該ベーカリー生地を使用した、さっくりとした軽い食感および極めて良好な口どけを有する、ベーカリー食品を提供する。
以下、本発明の油脂組成物について順を追って記述する。
<条件(a)>
本発明の油脂組成物に含まれる油脂は、構成脂肪酸として少なくとも1分子のラウリン酸を含むトリアシルグリセロール(ラウリン酸含有トリアシルグリセロール、以下、ラウリンTAGとも表す)を含有する。ラウリンTAGはSFCが縦型のトリアシルグリセロールであり、油脂組成物の口どけをよくする。本発明の油脂組成物は、SFCが縦型のラウリンTAGを使用しても良好な可塑性を有する。油脂組成物に含まれる油脂に占める、ラウリンTAGの含有量は、10〜50質量%であり、好ましくは15〜45質量%であり、より好ましくは20〜40質量%である。
本発明の油脂組成物に含まれる油脂は、上記ラウリンTAGを含有するために、ラウリンTAGを豊富に含む油脂(40質量%以上、好ましくは50質量%以上のラウリンTAGを含む油脂)を含んでもよい。ラウリンTAGを豊富に含む油脂(以下、ラウリンTAG油脂とも表す)は、例として、油脂を構成する脂肪酸全量に占めるラウリン酸の含有量が30質量%以上であるラウリン系油脂、すなわち、ヤシ油、パーム核油、およびババス油など、ならびに、それらの分別油が挙げられる。ラウリンTAG油脂は、また、ラウリン系油脂と、油脂を構成する脂肪酸全量のうち90質量%以上が炭素数16以上である非ラウリン系油脂と、を含む混合油のエステル交換油脂であってもよい。当該混合油は、ラウリン系油脂と、油脂を構成する脂肪酸全量のうち90質量%以上が炭素数16以上である非ラウリン系油脂とを、好ましくは30:70〜70:30の質量比で含み、より好ましくは、35:65〜65:35の質量比で含む。
上記の、ラウリン系油脂と、油脂を構成する脂肪酸全量のうち90質量%以上が炭素数16以上である非ラウリン系油脂と、を含む混合油のエステル交換油脂は、ヨウ素価が0〜25未満であるエステル交換油脂Aであってもよい。また、当該エステル交換油脂は、ヨウ素価が25〜50であるエステル交換油脂Bであってもよい。エステル交換油脂Bは、単独で用いられてもよいし、好ましくは、エステル交換油脂Bに対するエステル交換油Aの割合(エステル交換油脂A/エステル交換油脂B)が、0.05〜0.6(好ましくは0.1〜0.3)となるように併用される。また、上記ラウリンTAG油脂は、ラウリン系油脂とエステル交換油脂とを、好ましくは、10:90〜30:70の質量比で含んでもよく、より好ましくは、10:90〜20:80の質量比で含んでもよい。ラウリンTAG油脂が、ラウリン系油脂とエステル交換油脂とを含むと、口どけの更なる向上が期待できる。ラウリンTAG油脂は、上記のように、1種または2種以上が含まれてもよい。本発明の油脂組成物に含まれる油脂に占めるラウリンTAG油脂の含有量は、好ましくは30〜70質量%であり、より好ましくは35〜65質量%であり、さらに好ましくは40〜60質量%である。
<条件(b)>
本発明の油脂組成物に含まれる油脂は、L2Xを含有する。L2XはSFCが縦型のトリアシルグリセロールであり、油脂組成物の口どけがよくなる。本発明の油脂組成物はL2Xを使用しても良好な可塑性を有する。以下、L、XおよびL2Xは、次を意味する。Lは、炭素数16〜24の飽和脂肪酸である。Xは、炭素数16〜24の不飽和脂肪酸である。L2Xは、グリセロール1分子に2分子のLと1分子のXがエステル結合したトリアシルグリセロールである。Lは、好ましくは炭素数16〜20の飽和脂肪酸であり、より好ましくは炭素数16〜18の飽和脂肪酸である。また、Xは、好ましくは炭素数16〜20の不飽和脂肪酸であり、より好ましくは炭素数16〜18の不飽和脂肪酸である。LおよびXは、好ましくは直鎖脂肪酸である。油脂組成物に含まれる油脂に占める、L2Xの含有量は5〜30質量%であり、好ましくは15〜30質量%あり、より好ましくは20〜28質量%である。
本発明の油脂組成物に含まれる油脂は、上記L2Xを含有するために、L2Xを豊富に含む油脂(40質量%以上、好ましくは50質量%以上のL2Xを含む油脂)を含んでもよい。L2Xを豊富に含む油脂(以下、L2X油脂とも表す)は、例として、ココアバター、パーム油、シア脂、サル脂、アランブラッキア脂、モーラー脂、イリッペ脂、およびマンゴー核油、ならびに、それらの分別油が挙げられる。また、すでに知られているように、パルミチン酸、ステアリン酸、あるいは、それらの低級アルコールエステルと、ハイオレイックヒマワリ油などの高オレイン酸油脂とを、1,3位選択性リパーゼ製剤を用いて、エステル交換反応をさせた後、必要に応じて分別して得られる油脂を使用してもよい。また、油脂を構成する脂肪酸の90質量%以上が炭素数16以上である非ラウリン系油脂単独のエステル交換油脂、もしくは、その分別油であってもよい。L2X油脂は、1種または2種以上が含まれてもよい。本発明の油脂組成物に含まれる油脂に占めるL2X油脂の含有量は、好ましくは15〜45質量%であり、より好ましくは20〜40質量%であり、さらに好ましくは23〜37質量%である。
本発明の油脂組成物に含まれる油脂は、また、上記ラウリンTAGと上記L2Xとを合計で、好ましくは45〜65質量%含有し、より好ましくは48〜62質量%含有する。また、L2Xの含有量に対するラウリンTAGの含有量の質量比(ラウリンTAG/L2X)は、好ましくは1.0以上1.6未満であり、より好ましくは1.1以上〜1.6未満である。ラウリンTAGとL2Xの合計含有量およびラウリンTAG/L2Xが、上記範囲内にあると、油脂組成物を使用した層状穀粉膨化食品は、さっくりとした軽い食感と優れた口どけを有する。
<条件(f)>
本発明の油脂組成物に含まれる上記L2Xは、L2Xに含まれるLXLの、L2Xに対する質量比(以下、LXL/L2Xとも表す)が、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは0.6以上である。以下、LXLは、次を意味する。LXLは、グリセロールの2位にXがエステル結合し、1位および3位にLがエステル結合したトリアシルグリセロールである。LXL/L2Xが上記範囲内にあると、油脂組成物が含有する、後述のLLLによる、口どけの低下を抑制できる。
<条件(c)>
本発明の油脂組成物に含まれる油脂は、LX2およびXXXを含有する。LX2およびXXXは、油脂組成物に好ましい艶感と伸展性を与える。以下、LX2およびXXXは、次を意味する。LX2は、グリセロール1分子に1分子のLと2分子のXがエステル結合したトリアシルグリセロールである。XXXは、グリセロール1分子に3分子のXがエステル結合したトリアシルグリセロールである。LX2およびXXXは、油脂組成物に好ましい艶感と伸展性を与えるが、油脂組成物に含まれる油脂に占める含有量が高くなると、機械耐性が低下する。したがって、油脂組成物に含まれる油脂に占める、LX2およびXXXの合計含有量は、10〜34質量%であり、好ましくは15〜32質量%であり、より好ましくは18〜30質量%である。
本発明の油脂組成物に含まれる油脂は、上記LX2およびXXXを含有するために、LX2およびXXXを豊富に含む油脂(40質量%以上、好ましくは60質量%以上のLX2およびXXXを含む油脂)を含んでもよい。LX2およびXXXを豊富に含む油脂(以下、LX2+XXX油脂とも表す)の例として、10℃で液体である油脂が挙げられる。具体的には、大豆油、菜種油、高オレイン酸菜種油、綿実油、ヒマワリ油、高オレイン酸ヒマワリ油、紅花油、高オレイン酸紅花油、コーン油、米油、スーパーパームオレインなどが挙げられる。LX2+XXX油脂は、また、上記の、油脂を構成する脂肪酸全量のうち90質量%以上が炭素数16以上である非ラウリン系油脂もしくは当該非ラウリン系油脂のエステル交換油脂を分別処理した低融点部であってもよい。LX2+XXX油脂は、1種または2種以上が含まれてもよい。本発明の油脂組成物に含まれる油脂に占めるLX2+XXX油脂の含有量は、好ましくは0〜20質量%であり、より好ましくは3〜15質量%であり、さらに好ましくは3質量%以上9質量%未満である。
<条件(d)>
本発明の油脂組成物に含まれる油脂は、LLLを含有する。LLLは、油脂組成物に好ましい機械耐性を与える。以下、LLLは次を意味する。LLLは、グリセロール1分子に3分子のLがエステル結合したトリアシルグリセロールである。LLLは、油脂組成物に好ましい機械耐性を与えるが、油脂組成物に含まれる油脂に占める含有量が高くなると、口どけが極めて悪くなる。したがって、油脂組成物に含まれる油脂に占める、LLLの含有量は、2〜10質量%であり、好ましくは3〜8質量%であり、より好ましくは3質量%以上7質量%未満である。
本発明の油脂組成物に含まれる油脂は、上記LLLを含有するために、LLLを豊富に含む油脂(50質量%以上、好ましくは70質量%以上のLLLを含む油脂)を含んでもよい。LLLを豊富に含む油脂(以下、LLL油脂とも表す)は、例として、上記の、油脂を構成する脂肪酸全量のうち90質量%以上が炭素数16以上である非ラウリン系油脂の極度硬化油や、ヨウ素価が20以下のパームステアリンが挙げられる。LLL油脂は、1種または2種以上が含まれてもよい。本発明の油脂組成物に含まれる油脂に占めるLLL油脂の含有量は、好ましくは0〜5質量%であり、より好ましくは0〜4質量%であり、さらに好ましくは0〜3質量%である。
<条件(g)>
本発明の油脂組成物に含まれる油脂は、好ましくはL2MおよびLM2を合計で0.1〜10質量%含む。以下、M、L2MおよびLM2は、次を意味する。Mは、炭素数6〜10の脂肪酸であり、好ましくは直鎖の飽和脂肪酸である。L2Mは、グリセロール1分子に2分子のLと1分子のMがエステル結合したトリアシルグリセロールである。LM2は、グリセロール1分子に1分子のLと2分子のMがエステル結合したトリアシルグリセロールである。本発明の油脂組成物に含まれる油脂は、L2MおよびLM2を合計で、より好ましくは1〜8質量%含み、さらに好ましくは2〜6質量%含む。油脂組成物に含まれる油脂に占める、L2MおよびLM2の合計含有量(以下、L2M+LM2とも表す)が上記範囲内にあると、油脂組成物は、組織の状態が良くなり、伸展性がよくなる。
上記L2MおよびLM2は、油脂組成物に含まれる油脂に占める、LM2の含有量に対するL2Mの含有量の質量比(L2M/LM2)が、好ましくは0.05〜4.5である。L2M/LM2は、より好ましくは0.3〜3であり、さらに好ましくは0.5〜2.5である。L2M/LM2が上記範囲内にあると、油脂組成物は、組織の状態が良くなり、伸展性がよくなる。
上記L2MおよびLM2の、構成脂肪酸に含まれるMの全量のうち、炭素数6の脂肪酸は、好ましくは10質量%以下を占め、より好ましくは5質量%以下を占める。さらに、上記L2MおよびLM2の、構成脂肪酸に含まれるMの全量のうち、炭素数10の脂肪酸は、好ましくは10質量%以上を占め、より好ましくは20〜100質量%を占め、さらに好ましくは40〜100質量%を占め、最も好ましくは60〜100質量%を占める。
本発明の油脂組成物に含まれる油脂は、上記L2MおよびLM2を含有するために、L2MおよびLM2を豊富に含む油脂(L2MおよびLM2を合計で、好ましくは40質量%以上、より好ましくは60〜100質量%含む油脂)を含んでもよい。L2MおよびLM2を豊富に含む油脂(以下、L2M+LM2油脂とも表す)は、従来公知の方法を用いて製造できる。L2M+LM2油脂は、例えば、Mのみを構成脂肪酸とするトリアシルグリセロールであるMMM10〜65質量部(より好ましくは20〜55質量部)と、ヨウ素価5以下かつ構成脂肪酸として炭素数16以上の飽和脂肪酸の含有量が90質量%以上の油脂(例えば、菜種油、大豆油、パーム油などを原料とする、極度硬化油)35〜90質量部(より好ましくは45〜80質量部)との混合油脂をエステル交換し、必要に応じて分別した油脂が挙げられる。また、MMMと、構成脂肪酸として炭素数16以上の飽和脂肪酸の含有量が90質量%以上の油脂(例えば、菜種油、大豆油、パーム油など)との混合油脂をエステル交換した後、極度硬化した油脂を、必要に応じて分別した油脂であってもよい。L2M+LM2油脂は、1種または2種以上が含まれてもよい。本発明の油脂組成物に含まれる油脂に占めるL2M+LM2油脂の含有量は、好ましくは0〜8質量%であり、より好ましくは0.5〜6質量%であり、さらに好ましくは1〜4質量%である。
なお、上記の、硬化(水素添加)反応およびエステル交換反応は、従来公知の方法が適用できる。エステル交換反応は、ナトリウムメトキシドなどの合成触媒を使用した化学的エステル交換、ならびに、リパーゼを触媒とした酵素的エステル交換のどちらの方法でも適用できる。上記分別は、従来公知の、ドライ分別(自然分別)、乳化分別(界面活性剤分別)、ならびに、溶剤分別などの通常の方法が適用できる。また、上記MMMは、従来公知の方法を用いて製造できる。MMMは、例えば、炭素数6〜10の脂肪酸とグリセロールとを、120〜180℃に加熱し、脱水縮合させることにより製造できる。この縮合反応は、減圧下で行うのが好ましい。上記縮合反応には、触媒を用いることができる。しかし、無触媒下で、上記縮合反応を行うことが好ましい。
<条件(e)>
本発明の油脂組成物に含まれる油脂は、特定のSFC(固体脂含有量)を有する。本発明の油脂組成物に含まれる油脂のSFCは、10℃で30%以上50%以下、20℃で10%以上25%未満および30℃で13%未満であり、好ましくは、10℃で30%以上45%以下、20℃で10%以上20%未満および30℃で11%未満であり、より好ましくは、10℃で30%以上40%以下、20℃で12%以上20%未満および30℃で3%以上10%以下である。また、本発明の油脂組成物に含まれる油脂のSFCは、好ましくは、25℃で6%以上15%以下である。本発明の油脂組成物に含まれる油脂のSFCが上記範囲内にあると、油脂に占める液体油(LX2+XXX油脂)の含有量が少なくても、油脂組成物を使用した層状穀粉膨化食品は、優れた口どけ、および、ジュージー感を有する。
<その他>
本発明の油脂組成物に含まれる油脂は、また、乳由来の油脂(バター、乳脂肪ならびにその分別油など)を含有してもよい。本発明の油脂組成物に含まれる油脂は、乳由来の油脂を、好ましくは0〜30質量%含有し、より好ましくは0〜20質量%含有し、さらに好ましくは5〜15質量%含有する。本発明の油脂組成物に含まれる油脂に占める、乳由来の油脂の含有量が上記範囲内にあると、油脂組成物を使用した層状穀粉膨化食品は、優れた口どけ、および、豊かな風味を有する。
本発明の油脂組成物に含まれる油脂は、本発明の特徴を損なわない程度において、上記の、ラウリンTAG油脂、L2X油脂、LX2+XXX油脂、LLL油脂、およびL2M+LM2油脂、以外の、食用に適する油脂を含んでもよい。
<分析方法>
本発明の油脂組成物に含まれる油脂の、ラウリン酸TAG含有量、L2X含有量、LX2含有量、XXX含有量、LLL含有量、L2M含有量、およびLM2含有量は、例えば、ガスクロマトグラフ法(JAOCS,vol70,11,1111−1114(1993)に準じて測定できる。また、L2Xにおける、LXL/L2Xは、例えば、J.High Resol.Chromatogr.,18,105−107(1995)に準じた方法で測定できる。本発明の油脂組成物に含まれる油脂のSFCは、社団法人 日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の2.2.9−2003 固体脂含量(NMR法)に準じて測定できる。
<油脂組成物>
本発明の油脂組成物は、通常ベーカリー食品の製造に用いられる油脂組成物に配合される、油脂以外の成分を配合できる。油脂以外の成分としては、例として、水、乳化剤、増粘安定剤、食塩および塩化カリウムなどの塩味剤、酢酸、乳酸およびグルコン酸などの酸味料、糖類、糖アルコール類、ステビアおよびアスパルテームなどの甘味料、β−カロテン、カラメルおよび紅麹色素などの着色料、トコフェロール、茶抽出物(カテキンなど)およびルチンなどの酸化防止剤、小麦蛋白および大豆蛋白などの植物蛋白、卵、卵加工品、香料、全脂粉乳、脱脂粉乳および乳清蛋白などの乳製品、調味料、pH調整剤、食品保存料、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類および魚介類などの食品素材もしくは食品添加物が挙げられる。
本発明の油脂組成物の実施の態様としては、例として、水相を有するマーガリン、ファットスプレッドや、水相を有さないショートニングが挙げられる。水相を有する乳化物の場合、好ましくは油中水型乳化物である。しかし、乳化物は、逆相(水中油型乳化物)であっても、また、複合乳化型であってもよい。油中水型乳化物の場合、水の含有量は、好ましくは2〜40質量%、より好ましくは4〜25質量%である。本発明の油脂組成物に含まれる油脂の含有量は、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは75質量%以上である。
本発明の油脂組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の油脂組成物の製造条件および製造方法を適用できる。具体的には、油脂組成物は、配合する油溶成分を混合溶解することで製造できる。また、油脂組成物に可塑性を付与する場合は、油脂組成物は、配合する油溶成分を混合溶解した油相を、必要に応じて、調製した水相と混合乳化した後、冷却し、結晶化させる工程により製造できる。冷却、結晶化の工程では、油脂組成物は、好ましくは冷却可塑化される。冷却条件は、好ましくは−0.5℃/分以上、より好ましくは−5℃/分以上である。この際、冷却は、徐冷却より急冷却の方が好ましい。また、油相の調製後又は混合乳化後、油脂組成物は、好ましくは殺菌処理される。殺菌方法としては、タンクでのバッチ式や、プレート型熱交換機、掻き取り式熱交換機を用いた連続式が挙げられる。冷却する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクターなどのマーガリン製造機や、プレート型熱交換機などが挙げられる。また、冷却する機器としては、開放型のダイアクーラーとコンプレクターとの組み合わせも挙げられる。
本発明の油脂組成物は、好ましくは可塑化され、成形される。本発明の油脂組成物は、その形状として、シート状、ブロック状、円柱状、直方体状など様々な形状をとり得る。その中でも、形状は好ましくはシート状である。本発明の油脂組成物をシート状とした場合の好ましい大きさは、その幅が50〜1000mm、その長さが50〜1000mm、その厚さが1〜50mmである。
本発明の油脂組成物は、好ましくは、健康上懸念されるトランス脂肪酸の含有量が低い。本発明の油脂組成物のトランス脂肪酸含有量は、好ましくは0〜5質量%であり、より好ましくは0〜3質量%であり、さらに好ましくは0〜1質量%である。
本発明の油脂組成物は、トランス脂肪酸の含有量が低く、風味が良好で、かつ、口どけがよい。本発明の油脂組成物は、例えば、菓子・パンなどのベーカリー生地への練り込み用や折り込み用、ベーカリー食品へのスプレッド用やコーティング用、ならびに、バタークリームなどのホイップ用など、として使用できる。本発明の油脂組成物は、特に、ジューシー感に優れるので、油脂を多く含むベーカリー食品である、層状穀粉膨化食品への使用に適する。
<ベーカリー生地>
本発明のベーカリー生地は、好ましくは、本発明の油脂組成物が穀粉生地の間に層状に折り込まれた、層状穀粉膨化食品生地である。層状穀粉膨化食品生地としては、デニッシュ生地、クロワッサン生地、パイ生地などが挙げられる。本発明のベーカリー生地に使用される穀粉は、通常、ベーカリー食品に使用される穀粉でよい。具体例としては、小麦粉(強力粉、中力粉、薄力粉等)、大麦粉、米粉、とうもろこし粉、ライ麦粉、そば粉、大豆粉などが挙げられる。穀粉は、好ましくは小麦粉を含む。穀粉に占める小麦粉の含有量は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上である。
本発明のベーカリー生地は、本発明の油脂組成物および穀粉以外の食品素材として、例えば、活性グルテン、でんぷん、セルロース粉末等の粉類、イースト、イーストフード、酵素、食塩、砂糖(グラニュー糖、上白糖)等の糖類・糖アルコール類、卵(全卵、液卵)、各種卵加工品、脱脂粉乳、牛乳等の乳製品、練り込み用油脂(バター等)、水、豆乳等の水性成分等を配合できる。
<ベーカリー生地の製造方法>
本発明のベーカリー生地の好ましい実施の態様である、層状穀粉膨化食品生地は、パイ生地、クロワッサン生地、デニッシュ生地などの通常の層状穀粉膨化食品生地と同様の製造条件及び製造方法により製造できる。例えば、穀粉生地原料のミキシング、発酵(一次発酵)、分割・丸め、リタード、折り込み、リタード、折り込み、リタード、成形、ホイロ(最終発酵)の工程を経て製造できる。折り込みは、シート状とした油脂組成物を穀粉生地で包み込んで折りたたみ、さらに薄く伸ばしたり折り畳んだりしながら幾多の層を形成する。折り込みは、練りパイのように、チップ状の油脂組成物を生地に練りこみ、薄く伸ばして折りたたんで層を形成してもよい。折り込み、リタードの回数は製品により適宜調整すればよく、パイ生地の場合、発酵工程は省略される。また、ホイロ前もしくホイロ後の生地は冷凍保管してもよい。また、生地以外の部分として、果実、ジャム、クリームなどを包餡、トッピング等してもよい。
本発明のベーカリー生地の好ましい実施の態様である、層状穀粉膨化食品生地は、穀粉生地100質量部に対して油脂組成物が、好ましくは25〜50質量部折り込まれ、より好ましくは30〜45質量部折り込まれる。また、層状穀粉膨化食品生地の折り数(層)は、好ましくは12〜27であり、より好ましくは16〜24であり、さらに好ましくは16〜18である。
本発明のベーカリー食品は、本発明のベーカリー生地を焼成して得られる。本発明のベーカリー食品の好ましい実施の態様である、層状穀粉膨化食品は、上記の層状穀粉膨化食品生地を加熱焼成する(焼き上げる)ことにより得られる。ここで加熱焼成(焼き上げる)は、オーブン加熱や直焼きが好ましいが、揚げる、蒸す、などの加熱調理の態様全般を指すものである。オーブン加熱の場合、例えば、190〜240℃で5〜30分間、加熱焼成すればよい。本発明のベーカリー食品の好ましい実施の態様である、層状穀粉膨化食品は、さっくりとした軽い食感および極めて良好な口どけを有し、かつジュージー感に優れる。
次に実施例により本発明を説明する。しかし、本発明はこれらの実施例により限定されない。
〔分析方法〕
油脂の、ラウリン酸TAG含有量、L2X含有量、LX2含有量、XXX含有量、LLL含有量、L2M含有量、およびLM2含有量は、ガスクロマトグラフ法(JAOCS,vol70,11,1111−1114(1993)に準じて測定された。また、L2Xにおける、LXL/L2Xは、J.High Resol.Chromatogr.,18,105−107(1995)に準じて測定された。
SFCは、社団法人 日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の2.2.9−2003 固体脂含量(NMR法)に準じて測定された。
〔ラウリンTAG油脂の調製〕
(ラウリンTAG油脂−1):ヤシ硬化油(ヨウ素価1未満、ラウリンTAG含有量81.3質量%)をラウリンTAG油脂−1とした。
(ラウリンTAG油脂−2):50質量部のパームステアリンおよび50質量部のパーム核オレインの混合油が、ナトリウムメチラートを触媒としたランダムエステル交換反応により、エステル交換された。得られたエステル交換油脂の極度硬化油脂(ヨウ素価1未満、ラウリンTAG含有量55.3質量%)をラウリンTAG油脂−2とした。
(ラウリンTAG油脂−3):60質量部のパーム油および40質量部のパーム核油の混合油が、ナトリウムメチラートを触媒としたランダムエステル交換により、エステル交換された。得られたエステル交換油脂(ヨウ素価39、ラウリンTAG含有量52.7質量%)をラウリンTAG油脂−3とした。
〔L2X油脂の調製〕
(L2X油脂−1):パーム中融点画分(ヨウ素価45、L2X含有量70.0質量%)をL2X油脂−1とした。
(L2X油脂−2):パーム油(ヨウ素価53、L2X含有量47.8質量%)をL2X油脂−2とした。
(L2X油脂−3):パームステアリン(ヨウ素価36、L2X含有量42.6質量%)をL2X油脂−3とした。
〔LX2+XXX油脂の調製〕
(LX2+XXX油脂−1):菜種油(ヨウ素価116、LX2+XXX含有量95.3質量%)をLX2+XXX油脂−1とした。
(LX2+XXX油脂−2):大豆油(ヨウ素価131、LX2+XXX含有量94.6質量%)をLX2+XXX油脂−2とした。
(LX2+XXX油脂−3):パームオレイン(ヨウ素価65、LX2+XXX含有量64.5質量%)をLX2+XXX油脂−3とした。
(LX2+XXX油脂−4):ナトリウムメチラートを触媒としてランダムエステル交換されたパームオレイン(ヨウ素価56、LX2+XXX含有量48.5質量%)をLX2+XXX油脂−4とした。
〔LLL油脂の調製〕
(LLL油脂−1):ハイエルシン菜種油の極度硬化油(ヨウ素価1未満、LLL含有量100質量%)をLLL油脂−1とした。
〔L2M+LM2油脂の調製〕
(L2M+LM2油脂−1):50質量部の菜種油の極度硬化油および50質量部の構成脂肪酸がカプリル酸とカプリン酸のみからなり、その質量比が3:7であるMMMの混合油が、ナトリウムメチラートを触媒としたランダムエステル交換反応により、エステル交換された。得られたエステル交換油脂(L2MおよびLM2の合計含有量が74.6質量%であり、LM2含有量に対するL2M含有量の質量比(L2M/LM2)が0.7である)をL2M+LM2油脂−1とした。
〔その他の油脂〕
その他の油脂として、バターオイル(乳脂)を使用した。
〔油脂組成物の調製1〕
表1〜2の配合に従って、油脂1〜10を調製した。表3の配合に従って、各油脂を使用した油脂組成物である、シートマーガリン1〜10(SM1〜10)を、常法に従って製造した。すなわち、油相と水相とをそれぞれ調製し、油相に水相を混合、乳化した。当該乳化物を、急冷混捏し、シート状(縦300mm×横200mm×高さ10mm)に押し出し成形して、SM1〜10を製造した。各油脂の配合、トリアシルグリセロール(TAG)およびSFCの分析値を、表1〜2に示した。
〔油脂組成物の評価1〕
SM1〜10のそれぞれについて、1350質量部の穀粉生地に対して、500質量部のシートマーガリンを載せ、穀粉生地でシートマーガリンを包み込んだ。リバースシーターを用いて、3×3×2(18層)の折り込み作業を、リタード、折り込み、折り込み、リタード、折り込み、リタードの順に行った。また、作業は、室温20℃の環境下で行った。折り込み後の生地を、60gに分割した。分割した生地は、35℃で65分間ホイロをとった後、200℃で15分間焼成した。折り込みの作業性、焼成品の外観、および、焼成品の食感を、以下の基準に従って評価した。結果を表1〜2に示した。
なお、SM1〜10のトランス脂肪酸含有量は1質量%未満であった。
〔油脂組成物の評価基準〕

作業性
伸びがよく、非常に良好 ◎
伸びがよく、良好 ○
ふつう △
伸びが悪く、不良 ▲
伸びが悪く、非常に不良 ×

焼成品の外観
ヴォリュームが出て、見栄えが非常に良好 ◎
ヴォリュームが出て、見栄えが良好 ○
ヴォリュームは出るが、見栄えはふつう △
ヴォリュームが出ず、不良 ▲
ヴォリュームがほとんど出ず、非常に不良 ×

焼成品の食感
焼成1日後の焼成品を、15名のパネラーにより、以下の基準に従って採点した。

食感がさっくりと軽く、口どけが非常によい 5点
食感がさくっと軽く、口どけがよい 4点
食感は軽いが、口どけはふつう 3点
食感がやや重く、口どけがよくない 2点
食感が重く、口どけが悪い 1点
層がなくパンの食感と変わらない 0点

パネラーの平均点により、以下の格付けとした。
◎以上を合格とした。

平均点が4.5以上5以下 ◎◎
平均点が4以上4.5未満 ◎
平均点が3.5以上4未満 ○
平均点が2以上3.5未満 △
平均点が1以上2未満 ▲
平均点が0以上1未満 ×
Figure 0006820693
*;さらに、ジューシー感が強い
Figure 0006820693
Figure 0006820693

Claims (5)

  1. 60質量%以上の油脂を含む油脂組成物であって、前記油脂が、以下の条件(a)〜(g)を満たす、油脂組成物。
    (a)ラウリン酸含有トリアシルグリセロールの含有量が28.3〜50質量%である
    (b)L2Xの含有量が5〜30質量%である
    (c)LX2およびXXXの合計含有量が10〜30質量%である
    (d)LLLの含有量が2〜8質量%である
    (e)SFC(固体脂含有量)が、10℃で30%以上50%以下であり、20℃で10%以上25%未満であり、30℃で13%未満である
    (f)LXL/L2Xが0.5以上である
    (g)L2MおよびLM2の合計含有量が0.1〜10質量%である
    ただし、L、X、M、L2X、LXL、LX2、XXXLLL、L2MおよびLM2は、以下を意味する。
    L:炭素数16〜24の飽和脂肪酸
    X:炭素数16〜24の不飽和脂肪酸
    L2X:グリセロール1分子に2分子のLと1分子のXが結合したトリアシルグリセロール
    LXL:グリセロールの2位にXが結合し、1位および3位にLが結合したトリアシルグリセロール
    LX2:グリセロール1分子に1分子のLと2分子のXが結合したトリアシルグリセロール
    XXX:グリセロール1分子に3分子のXが結合したトリアシルグリセロール
    LLL:グリセロール1分子に3分子のLが結合したトリアシルグリセロール
    L2M:グリセロール1分子に2分子のLと1分子のMが結合したトリアシルグリセロール
    LM2:グリセロール1分子に1分子のLと2分子のMが結合したトリアシルグリセロール
  2. 60質量%以上の油脂を含む油脂組成物であって、前記油脂が、以下の条件(a)〜(f)を満たし、かつ、前記油脂の、L2Xの含有量に対するラウリン酸含有トリアシルグリセロール(ラウリンTAG)の含有量の質量比(ラウリンTAG/LX)が、1.0以上1.6未満である油脂組成物。
    (a)ラウリン酸含有トリアシルグリセロールの含有量が28.3〜50質量%である
    (b)L2Xの含有量が5〜30質量%である
    (c)LX2およびXXXの合計含有量が10〜30質量%である
    (d)LLLの含有量が2〜8質量%である
    (e)SFC(固体脂含有量)が、10℃で30%以上50%以下であり、20℃で10%以上25%未満であり、30℃で13%未満である
    (f)LXL/L2Xが0.5以上である
    ただし、L、X、L2X、LXL、LX2、XXXおよびLLLは、以下を意味する。
    L:炭素数16〜24の飽和脂肪酸
    X:炭素数16〜24の不飽和脂肪酸
    L2X:グリセロール1分子に2分子のLと1分子のXが結合したトリアシルグリセロール
    LXL:グリセロールの2位にXが結合し、1位および3位にLが結合したトリアシルグリセロール
    LX2:グリセロール1分子に1分子のLと2分子のXが結合したトリアシルグリセロール
    XXX:グリセロール1分子に3分子のXが結合したトリアシルグリセロール
    LLL:グリセロール1分子に3分子のLが結合したトリアシルグリセロール
  3. 油脂組成物に含まれる油脂が、さらに、以下の条件(g)を満たす、請求項に記載の油脂組成物。
    (g)L2MおよびLM2の合計含有量が0.1〜10質量%である
    ただし、M、L2MおよびLM2は、以下を意味する。
    M:炭素数6〜10の脂肪酸
    L2M:グリセロール1分子に2分子のLと1分子のMが結合したトリアシルグリセロール
    LM2:グリセロール1分子に1分子のLと2分子のMが結合したトリアシルグリセロール
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の油脂組成物が折り込まれた状態にある、ベーカリー生地。
  5. 請求項4に記載のベーカリー生地が焼成された状態にある、ベーカリー食品。
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