JP3464646B2 - 油脂組成物及びこれを用いて製造されたチョコレート複合菓子類 - Google Patents

油脂組成物及びこれを用いて製造されたチョコレート複合菓子類

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、菓子とチョコレー
トを組合わせたチョコレート複合菓子類における該菓子
を製造するために用いられ、USU(U:不飽和脂肪
酸、S:飽和脂肪酸)で表されるトリグリセリドを含有
する油脂組成物及びこれを用いて製造されたチョコレー
ト複合菓子類に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、クッキー、ビスケット、クラッカー、プレッツェ
ル、ウエハース、パイ等の焼き菓子類や、ポテトチップ
ス、ポップコーン等のスナック類、かりんとう、あられ
等の油菓子類、バターケーキ、バタースポンジケーキ等
のケーキ類、バタークリーム、シュガークリーム等のフ
ィリングクリーム類、キャラメル、ソフトキャンディー
等のキャンディー類等の菓子とチョコレートとを組み合
わせたチョコレート複合菓子が市場には多数見受けられ
る。これらのチョコレート複合菓子類は、流通過程や保
存中に菓子類の表面が白い粉をふき斑点状になる白色化
(ブルーム)現象がしばしば発生し、また、チョコレー
トのブルーム現象を伴う場合があり、このような現象を
生じると、商品価値を著しく低下する。このブルーム現
象のメカニズムは、製造の際に菓子と溶解したチョコレ
ートを複合する際や流通、保管時に油脂が溶解し、チョ
コレート中のカカオバター等の油脂が菓子中に移行(ミ
グレーション、マイグレーション)、又は菓子中の油脂
がチョコレートに移行し、菓子中やチョコレート中で結
晶化、又は再結晶化した粗大結晶であると推定されてい
る。
【0003】従来、このような現象を抑制するための方
法として、次のような提案がなされている。すなわち、
特公昭61−47491号公報には、ビスケット中の油
脂の構成脂肪酸中のトランス酸含量が30%以上で特定
の固体脂含量を有し、且つ、該油脂の固体脂量とチョコ
レート中の油脂の固体脂含量との差が20℃で35%以
下である油脂が記載されている。特開昭64−6032
5号公報には、必須成分として、魚硬化油を20%以上
と、SFI値が20℃で50%以上、30℃で30%以
上である植物性油脂を20%以上含有した油脂であっ
て、該油脂組成物のSFI値が20℃で30〜55%、
30℃で10〜30%、40℃で5%以下の油脂組成物
が記載されている。特開平4−66045号公報には、
80℃で溶解した後、30℃に移して60分後のSFC
値が15%以上であり、且つ、30℃に移して60分後
のSFC値が、上記24時間後のSFC値に対して70
%以上であることを特徴とする油脂組成物が記載されて
いる。特開昭63−126457号公報には、トリグリ
セリドを構成する3個の脂肪酸残基の内、少なくとも1
個が炭素数20〜24の飽和脂肪酸である2飽和1不飽
和型混酸基トリグリセリドを10%以上含有する油脂及
び該油脂を使用した複合菓子類の製造方法が記載されて
いる。
【0004】特開平6−311845号公報には、親油
性のポリグリセリン脂肪酸エステル、及び又は親油性の
ショ糖脂肪酸エステルを含有し、且つこれらポリグリセ
リン脂肪酸エステル、及びショ糖脂肪酸エステルを構成
する脂肪酸のうち、2個以上が炭素数18以上の飽和脂
肪酸であり、油脂のSFC値が20℃で20以上、30
℃で7以上、40℃で5以下であることを特徴とする複
合菓子用油脂組成物が記載されている。
【0005】上述した種々の提案においては、固体脂量
を増やしたり、油脂の固化速度を調整したり、トランス
酸や特定の油脂を一定量使用したり、特定の乳化剤を使
用することにより油脂の結晶を微細化する方法が採られ
ているが、いずれの方法もチョコレートとこれらの菓子
用油脂は共晶状態にあるため、粗大結晶抑制効果にしか
過ぎず、それらの効果は、温度等の環境因子に依存する
部分が多く、十分でないのが現状である。
【0006】従って、本発明の目的は、菓子とチョコレ
ートとを組み合わせたチョコレート複合菓子において、
製造、流通、保管時における油脂の移行現象によって生
じる菓子のブルームやチョコレートのブルームの発生を
防止でき、該菓子に用いられる菓子練り込み用油脂、折
り込み用油脂、スプレー用油脂、フライ用油脂、クリー
ム用油脂等に適した油脂組成物、及びこれを用いて製造
されたチョコレート複合菓子類を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、菓子とチョコ
レートを組合わせたチョコレート複合菓子類における該
菓子を製造するために用いられ、USU(U:不飽和脂
肪酸、S:飽和脂肪酸)で表されるトリグリセリドを含
有することを特徴とする油脂組成物により、上記の目的
を達成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の油脂組成物につい
て詳細に説明する。
【0009】本発明の油脂組成物は、上述したように、
菓子とチョコレートを組合わせたチョコレート複合菓子
類における該菓子を製造するために用いられ、USU
(U:不飽和脂肪酸、S:飽和脂肪酸)で表されるトリ
グリセリドを含有することを特徴とするものである。
【0010】上記のUSUで表されるトリグリセリドと
は、天然には殆ど存在せず、国豚や人乳中の一部に存在
するOPO(sn−1,3−dioleoyl−2−p
almitoyl glycerol)のみである。
【0011】これらUSUで表されるトリグリセリド
(以下、USUとする)とカカオバターに主に含有され
るSUSで表されるトリグリセリド(以下、SUSとす
る)は、USU1分子とSUS1分子でコンパウンド結
晶を形成し、微細な安定型結晶となる(特開平4−13
5453号公報参照)。本発明の特徴は、USUを含有
する油脂組成物を用いて菓子を製造した後、チョコレー
トと組合わせ、チョコレート複合菓子類を製造したと
き、何らかの要因により、チョコレート複合菓子類のチ
ョコレート中のSUSがUSUを含有する菓子に移行し
ても、或いは菓子中のUSUがSUSを含有するチョコ
レートに移行した場合においても、移行した油脂が移行
先の油脂とSUSとUSUの微細で安定型のコンパウン
ド結晶を形成することにより、ブルーム(油脂の粗大結
晶による白色化)現象を起こさないことにある(従来技
術の共晶の形成では抑制にしか過ぎなかったのに対し、
本発明ではコンパウンド結晶の形成により防止する)。
【0012】上記USUで表されるトリグリセリドのU
は不飽和脂肪酸を示すが、好ましくは炭素数16以上の
一不飽和シス型脂肪酸、さらに好ましくはオレイン酸で
ある。
【0013】また、Sは飽和脂肪酸を示すが、好ましく
は炭素数16以上の飽和脂肪酸であり、さらに好ましく
は炭素数18以上の飽和脂肪酸である。
【0014】本発明の油脂組成物中の、USUの含有量
は、全油脂分中、好ましくは5重量%以上、さらに好ま
しくは20重量%以上、最も好ましくは40重量%以上
である。
【0015】上記のUSUは、天然に存在するUSUで
も構わないし、又は分別により純度を上げたものでも構
わない。SSSとUUU、又はUUUと脂肪酸及び/又
は脂肪酸低級アルコールエステルに由来するSをエステ
ル交換し(酵素による選択的エステル交換の方が好まし
い)、さらに蒸留や分別によりUSUの純度を上げたも
の等、どのような方法によって得られたものでも構わな
い。
【0016】上記のUSUを含有する油脂としては、例
えば豚脂、或いはパーム油、パーム核油、ヤシ油、コー
ン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、
ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、カカオバタ
ー、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚
油、鯨油等の各種動植物油脂、これらの各種動植物油脂
を水素添加、分別並びにエステル交換から選択される1
又は2以上の処理を施した加工油脂、脂肪酸、脂肪酸低
級アルコールエステルを用いて製造したエステル交換油
が挙げられる。本発明では、上記の中から選ばれた1種
又は2種以上を用いる。
【0017】本発明の油脂組成物は、USU以外に次の
ような成分を含有していてもよい。例えば、USUで表
されるトリグリセリドを含有しない油脂、水、乳化剤、
糖類や糖アルコール類、増粘安定剤、食塩や塩化カリウ
ム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、ス
テビア、アスパルテーム等の甘味料、β―カロチン、カ
ラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出
物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋
白、卵及び各種卵加工品、着香料、乳製品、調味料、p
H調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コ
ーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココア
パウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品
素材や食品添加物が挙げられる。
【0018】上記のUSUで表されるトリグリセリド以
外の油脂としては、例えばパーム油、パーム核油、ヤシ
油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、ナタネ
油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、カ
カオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ
脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれ
らを水素添加、分別及びエステル交換から選択される1
又は2以上の処理を施した加工油脂が挙げられ、これら
の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができ
る。
【0019】上記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エ
ステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン
有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ステ
アロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、サポニン
類等が挙げられ、この中から選ばれた1種又は2種以上
を用いることができるし、必要がなければ乳化剤を使用
しなくてもよい。
【0020】上記増粘安定剤としては、グアーガム、ロ
ーカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、ア
ルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タ
マリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セル
ロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロー
ス、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉
等が挙げられ、この中から選ばれた1種又は2種以上を
用いることができる。
【0021】上記糖類や糖アルコール類しては、特に限
定されないが、例えばブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、
酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗
糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソ
ルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キ
シリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニト
ール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリ
ゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、
パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム等の
糖類が挙げられる。これらの糖類は、単独で用いること
もでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもでき
る。
【0022】本発明の油脂組成物は、菓子とチョコレー
トを組合わせたチョコレート複合菓子類において、該菓
子を製造するために用いられる。具体的にはスプレー用
油脂組成物やフライ用油脂組成物、練り込み用油脂組成
物、ロールイン用油脂組成物、クリーム用油脂組成物等
として菓子を製造するときに用いる。
【0023】次に、本発明の油脂組成物の製造方法につ
いて説明する。本発明の油脂組成物をスプレー用油脂組
成物やフライ用油脂組成物として用いる場合には、製造
方法は特に制限はないが、USUと必要によりその他の
成分を混合することにより得ることができる。
【0024】また、本発明の油脂組成物を練り込み用油
脂組成物、ロールイン用油脂組成物、クリーム用油脂組
成物等の可塑性油脂組成物として用いる場合の製造方法
は特に制限はないが、USUを含有する油脂を用いた油
相、必要により水相を混合乳化する。そして、次に殺菌
処理するのが望ましい。殺菌方法はタンクでのバッチ式
でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用い
た連続式でも構わない。次に、冷却可塑化する。この
際、徐冷却より急速冷却の方が好ましい。冷却する機器
としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えばボテー
ター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン
製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放
型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が
挙げられる。
【0025】また、練り込み用油脂組成物、ロールイン
用油脂組成物、クリーム用油脂組成物等の可塑性油脂組
成物を製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気
等を含気させても、させなくても構わない。
【0026】そして上記のような可塑性油脂組成物とし
て用いる場合は、マーガリンタイプでもショートニング
タイプでもどちらでもよく、またその乳化形態は、油中
水型、水中油型、及び二重乳化型のいずれでも構わな
い。
【0027】本発明は、上記のようなUSUを含有する
油脂組成物を用いた菓子とチョコレートを組合わせるこ
とによりチョコレート複合菓子類を得るものである。
【0028】ここでいう菓子としては、クッキー、ビス
ケット、クラッカー、プレッツェル、ウエハース、パイ
等の焼き菓子類や、ポテトチップス、ポップコーン等の
スナック類、かりんとう、あられ等の油菓子類、バター
ケーキ、バタースポンジケーキ等のケーキ類、バターク
リーム、シュガークリーム等のフィリングクリーム類、
キャラメル、ソフトキャンディー等のキャンディー類等
が挙げられる。
【0029】上記の菓子を製造する際に用いるUSUを
含有する油脂組成物の使用量は、特に制限はなく、US
Uを含有する油脂組成物の用途や菓子の種類により決定
される。
【0030】次に、本発明で用いるチョコレートについ
て説明する。本発明においてチョコレートとは、カカオ
マスやココアパウダー、粉乳等の各種粉末食品、油脂
類、糖類、乳化剤、香料、色素等の中から選択した原料
を任意の割合で混合し、常法によりロール掛け、コンチ
ング処理して得たものを意味する。
【0031】このとき使用する油脂類としては、カカオ
バター、その他の動植物性油脂及びこれらの分別油、硬
化油、エステル交換油等を単独でもしくは混合して使用
するものであり、好ましくはテンパリング型のものであ
る。油脂の配合量は、チョコレート中、好ましくは20
〜80重量%、さらに好ましくは30〜60重量%であ
る。
【0032】各種粉末食品としては、例えばココアパウ
ダー、粉乳、果実粉末、果汁粉末、生クリーム粉末、チ
ーズ粉末、コーヒー粉末、ヨーグルト粉末等が例示され
る。各種粉末食品の配合量は、チョコレート中、好まし
くは0.5〜60重量%、さらに好ましくは1〜50重
量%である。
【0033】使用する乳化剤は特に限定されないが、必
要に応じて粘度上昇を抑制する目的でレシチン、ポリグ
リセリン縮合リシノレイン酸エステル、蔗糖脂肪酸エス
テル等を添加する場合がある。乳化剤の配合量は、チョ
コレート中、好ましくは0.01〜10重量%、さらに
好ましくは0.1〜5重量%である。
【0034】また、菓子とチョコレートの組合わせの方
法としては、チョコレートをフィリング用、サンド用、
トッピング用、コーティング用として菓子と組合わせた
り、チップ形状のチョコレートを菓子に混合して組合わ
せたり、チョコレートを菓子に練り込むことにより組合
わせたりする方法等を挙げることができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの実施例により何等制限さ
れるものではない。
【0036】〔実施例1〕大豆極度硬化油とオレイン酸
エチルを、重量比2:3の割合で混合、溶解し1,3位
選択的酵素を用いてエステル交換反応を行った。反応物
を分子蒸留により脂肪酸を取り除き、得られた油脂を分
別、精製することによりOSO(O:オレイン酸、S:
ステアリン酸)含量60重量%の油脂を得た。このOS
O含有油脂50重量部、パーム硬化油(融点45℃)2
0重量部、菜種硬化油(融点35℃)29.3重量部、
レシチン0.2重量部、モノステアレート0.5重量部
を混合、常法により急冷可塑化しショートニングを得
た。得られたショートニングの全油脂分中のUSU
(U:不飽和脂肪酸、S:飽和脂肪酸)の含有量は30
重量%であった。
【0037】このショートニングを使用し、以下の配合
で常法によりクッキーを製造した。 ・薄力粉 100 重量部 ・ショートニング 50 重量部 ・砂糖 40 重量部 ・水 15 重量部 ・全卵 10 重量部 ・脱脂粉乳 2 重量部 ・食塩 0.5重量部 ・重曹 0.5重量部
【0038】上記の配合で製造したクッキーを、重量で
3倍量のテンパー型チョコレート(カカオバター35重
量%含有)中に表面が見える程度に埋没させ、チョコレ
ート複合菓子を得た。得られたチョコレート複合菓子を
20℃/28℃(12時間/12時間)のサイクルで1
カ月間虐待放置テストを行ったが、クッキー、チョコレ
ート共にブルームは発生しなかった。
【0039】〔比較例1〕大豆油40重量部、パーム硬
化油(融点45℃)20重量部、菜種硬化油(融点35
℃)39.3重量部、レシチン0.2重量部、モノステ
アレート0.5重量部を混合、常法により急冷可塑化し
ショートニングを得た。得られたショートニングの全油
脂分中のUSU(U:不飽和脂肪酸、S:飽和脂肪酸)
の含有量は0重量%であった。
【0040】このショートニングを使用し、実施例1と
同様に配合、製法でクッキーを製造した。得られたクッ
キーを、重量で3倍量のテンパー型チョコレート(カカ
オバター35重量%含有)中に表面が見える程度に埋没
させ、チョコレート複合菓子を得た。得られたチョコレ
ート複合菓子を実施例1と同様の方法で1カ月間虐待放
置テストを行ったところ、クッキー、チョコレート共に
ブルームが発生し、著しく商品価値を失った。
【0041】〔実施例2〕実施例1で得られたOSO含
有油脂40重量部、パーム硬化油(融点45℃)20重
量部、菜種硬化油(融点35℃)21.7重量部、レシ
チン0.2重量部、モノステアレート0.5重量部、水
16重量部、食塩1重量部、脱脂粉乳0.5重量部、バ
ターフレーバー0.1重量部を混合、常法により急冷可
塑化しロールイン用マーガリンを得た。得られたロール
イン用マーガリンの全油脂分中のUSU(U:不飽和脂
肪酸、S:飽和脂肪酸)の含有量は24重量%であっ
た。
【0042】このロールイン用マーガリンを使用し、以
下の配合で常法により薄焼きパイを製造した。 ・薄力粉 30 重量部 ・強力粉 70 重量部 ・脱脂粉乳 3 重量部 ・水 55 重量部 ・砂糖 2 重量部 ・食塩 1 重量部 ・ロールイン用マーガリン 80 重量部
【0043】上記の配合で製造した薄焼きパイ2枚を、
重量で2倍量のテンパー型チョコレート(カカオバター
35重量%含有)でサンドし、チョコレート複合菓子を
得た。得られたチョコレート複合菓子を実施例1と同様
の方法で1カ月間虐待放置テストを行ったが、クッキ
ー、チョコレート共にブルームは発生しなかった。
【0044】〔比較例2〕大豆油35重量部、パーム硬
化油(融点45℃)20重量部、菜種硬化油(融点35
℃)26.7重量部、レシチン0.2重量部、モノステ
アレート0.5重量部、水16重量部、食塩1重量部、
脱脂粉乳0.5重量部、バターフレーバー0.1重量部
を混合、常法により急冷可塑化しロールイン用マーガリ
ンを得た。得られたロールイン用マーガリンの全油脂分
中のUSU(U:不飽和脂肪酸、S:飽和脂肪酸)の含
有量は0重量%であった。
【0045】このロールイン用マーガリンを使用し、実
施例2と同様の配合、製法でパイを製造した。得られた
パイを、重量で2倍量のテンパー型チョコレート(カカ
オバター35重量%含有)でサンドし、チョコレート複
合菓子を得た。得られたチョコレート複合菓子を実施例
1と同様の方法で1カ月間虐待放置テストを行ったとこ
ろ、クッキー、チョコレート共にブルームが発生し、著
しく商品価値を失った。
【0046】〔実施例3〕大豆極度硬化油とハイオレイ
ックひまわり油を、重量比1:1の割合で混合、溶解し
1,3位選択的酵素を用いてエステル交換反応を行っ
た。得られた油脂を分別、精製することによりOSOの
含有量が40重量%で、USU(U:不飽和脂肪酸、
S:飽和脂肪酸)の含有量が40重量%の油脂を得た。
【0047】得られた油脂をフライ油として用い、スラ
イスポテトをフライし、ポテトチップスを製造した。得
られたポテトチップスは12重量%のOSOを含有して
いた。このポテトチップスに、重量で0.5倍量のテン
パー型チョコレート(カカオバター35重量%含有)で
表面に線描きし、チョコレート複合菓子を得た。得られ
たチョコレート複合菓子を実施例1と同様の方法で1カ
月間虐待放置テストを行ったが、ポテトチップス、チョ
コレート共にブルームは発生しなかった。
【0048】〔比較例3〕USU(U:不飽和脂肪酸、
S:飽和脂肪酸)の含有量が0重量%のパームオレイン
をフライ油として用いたほかは、実施例3と同様の方法
でチョコレート複合菓子を得た。得られたチョコレート
複合菓子を、実施例3と同様の方法で1カ月間虐待放置
テストを行ったところ、ポテトチップス、チョコレート
共にブルームが発生し、著しく商品価値を失った。
【0049】
【発明の効果】USU(U:不飽和脂肪酸、S:飽和脂
肪酸)で表されるトリグリセリドを含有する本発明の油
脂組成物を用いて製造した菓子とチョコレートを組合わ
せたチョコレート複合菓子は、何らかの要因により、チ
ョコレート複合菓子類のチョコレート中のSUSがUS
Uを含有する菓子に移行しても、或いは菓子中のUSU
がSUSを含有するチョコレートに移行した場合におい
ても、移行した油脂が移行先の油脂とSUSとUSUの
微細で安定型のコンパウンド結晶を形成することによ
り、ブルーム(油脂の粗大結晶による白色化)の発生を
防止することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A23G 3/00 108 A23G 3/00 108 (56)参考文献 特開 平9−37705(JP,A) 特開 平7−327604(JP,A) 特開 平4−173046(JP,A) 特開 平4−135453(JP,A) 特開 平4−66045(JP,A) 特開 昭63−126457(JP,A) 特開2002−69484(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23D 9/00 A21D 2/16 A23D 7/00 A23G 3/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 菓子とチョコレートを組合わせたチョコ
    レート複合菓子類における該菓子を製造するために用い
    られ、USU(U:不飽和脂肪酸、S:飽和脂肪酸)で
    表されるトリグリセリドを含有することを特徴とする油
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記USUのSが炭素数18以上の飽和
    脂肪酸である請求項1記載の油脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記USUのUが炭素数16以上の一不
    飽和シス型脂肪酸である請求項1又は2記載の油脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 上記USUを、全油脂分中、5重量%以
    上含有する請求項1、2又は3記載の油脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の油脂組成
    物を用いたチョコレート複合菓子類。
  6. 【請求項6】 テンパー型チョコレートである請求項5
    記載のチョコレート複合菓子類。
JP2000265206A 2000-09-01 2000-09-01 油脂組成物及びこれを用いて製造されたチョコレート複合菓子類 Expired - Fee Related JP3464646B2 (ja)

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