JPWO2013136936A1 - コモンモードチョークコイル - Google Patents

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Abstract

最下層(0)の底面には入出力端子(P1〜P4)の電極が形成されている。基材層(1)〜(14)には第1線状導体(L1a〜L1n)および第2線状導体(L2a〜L2n)が形成されている。第1線状導体(L1a〜L1n)とそれらを接続するビアホール導体によって一次コイルが構成されている。また、第2線状導体(L2a〜L2n)とそれらを接続するビアホール導体によって二次コイルが構成されている。一次コイルおよび二次コイルの巻回軸方向からの平面視で、平面方向に隣接する複数の第1線状導体および第2線状導体が、第1線状導体で第2線状導体が挟まれる第1領域と、第2線状導体で第1線状導体が挟まれる第2領域とを備えている。この構造により、ノーマルモード信号の損失が少なく、コモンモードノイズの除去能の高い、小型のコモンモードチョークコイルを構成する。

Description

本発明は高周波信号の伝送線路に適用されるコモンモードチョークコイルに関する。
例えばUSB(Universal Serial Bus)やHDMI(High Definition Multimedia Interface)等の高速インターフェースでは、一対の信号線路(=平衡線路)にて位相が180°異なる信号を伝送する「差動伝送方式」が用いられている。差動伝送方式では、平衡線路にて放射ノイズや外来ノイズが相殺されるため、これらノイズによる影響を受けにくい。しかし、現実には、特に高速インターフェース用の信号線路においては、信号線路の非対称性に基づくコモンモードのノイズ電流が発生してしまう。そこで、このコモンモードノイズを抑制するため、コモンモードチョークコイルが用いられる。
通常、コモンモードチョークコイルは、特許文献1の図1や特許文献2の図2等に開示されているように、同方向に巻回された2つのコイル(一次コイル、二次コイル)を備えた小型の積層型チップ部品として構成されている。ここで、一次コイルおよび二次コイルは、積層素体の内部にて、積層方向に並べられている。
図18は特許文献1に示されているコモンモードチョークコイルの断面図である。このコモンモードチョークコイルは、積層素子1中に、同軸上に巻回され、軸方向に分離して配設された2つのコイル(積層型コイル)2,3を備えた構造を有し、各コイル2,3の始端部及び終端部は、積層素子1の両側の端面に引き出されて、所定の外部電極に接続されている。
特開2003−068528号公報 特開2008−098625号公報
しかし、一次コイルと二次コイルを積層素体の内部にて、単純に積層方向に並べただけでは、一次コイルと二次コイルの結合度を高くすることが難しい。一次コイルと二次コイルの結合度が低いと、ノーマルモード信号の通過損失が増えてしまう。他方、結合度を高くするために一次コイルと二次コイルとを近接配置すると、一次コイルと二次コイルとの間に生じる容量(浮遊容量)が増大してしまう。この容量が大きくなると、コモンモードチョークコイルの差動インピーダンスが低くなって、平衡線路のインピーダンスとマッチングできなくなる。
また、一次コイルと二次コイルを積層素体の内部にて積層方向に並べる構造では、コイルパターンの形成位置ずれやシートの積みずれがプロセス上の問題で生じる。また、プリント配線板に搭載したとき、各コイルとプリント配線板上のグランド導体との結合量が異なる等の構造上の問題により、一次コイル−グランド導体間の容量と、二次コイル−グランド導体間の容量とが不均衡になる。そのため、一次コイルと二次コイルの対称性が確保できず、コモンモードノイズがノーマルモード信号に変換されてしまう。すなわちコモンモードノイズの除去能力が低下してしまう。
また、積層素体として磁性体を用いることがあるが、磁性体は比較的大きな周波数依存性を持っているため、特に高周波帯域におけるノーマルモード信号の損失が大きくなりやすい。また、特に高周波帯域で一次コイルと二次コイルとの間で十分な結合値が得られず、ノーマルモードの損失が大きくなりやすい。
本発明は上述の課題を解消するためになされたものであり、その目的は、ノーマルモード信号の損失が少なく、コモンモードノイズの除去能の高い、小型のコモンモードチョークコイルを提供することにある。
本発明のコモンモードチョークコイルは、
複数の第1線状導体が渦巻状に巻回および接続されて構成された一次コイルと、複数の第2線状導体が渦巻状に巻回および接続されて構成され、前記一次コイルに磁気的に結合される、二次コイルと、を有し、
前記一次コイルおよび前記二次コイルの巻回軸方向からの平面視で、平面方向に隣接する複数の前記第1線状導体および前記第2線状導体が、前記第1線状導体で前記第2線状導体が挟まれる第1領域と、前記第2線状導体で前記第1線状導体が挟まれる第2領域とを備えている、ことを特徴とする。
本発明によれば、一次コイルと二次コイルとの間の容量性結合を大きくすることなく、一次コイルと二次コイルとを高い結合度で磁界結合させることができる。よって、一次コイルと二次コイルとの結合度が高く、ノーマルモード信号の通過損失が小さいにもかかわらず、差動インピーダンスの低下が生じにくい、小型のコモンモードチョークコイルを得ることができる。
図1(A)は第1の実施形態のコモンモードチョークコイル101の外観斜視図、図1(B)は側面図である。 図2(A)、図2(B)はコモンモードチョークコイル101の等価回路図である。 図3は第1の実施形態のコモンモードチョークコイルの各基材層の導体パターン等を示す分解平面図である。 図4はコモンモードチョークコイル101の各導体パターンを平面透視した図である。 図5は第3、図4におけるA1−A2線での断面図である。 図6は第3、図4におけるB1−B2線での断面図である。 図7はコモンモード電流が流れるときの電流の向きを示す図である。 図8はノーマルモード電流が流れるときの電流の向きを示す図である。 図9はコモンモードチョークコイル101の周波数特性を示す図である。 図10は第2の実施形態のコモンモードチョークコイル102の外観斜視図である。 図11(A)はコモンモードチョークコイル102の断面図、図11(B)はESD保護素子部の断面図である。 図12は放電電極De11,De12を含む部分の断面構造を表す模式図である。 図13は第2の実施形態に係るコモンモードチョークコイル102の等価回路図である。 図14は第3の実施形態に係るコモンモードチョークコイル103の平面図である。 図15は第3の実施形態のコモンモードチョークコイルの各層の導体パターン等を示す分解平面図である。 図16は第3の実施形態のコモンモードチョークコイルの2層分の導体パターンを重ねて表した平面図である。 図17は図14および図15におけるA−A線での断面図である。 図18は特許文献1に示されているコモンモードチョークコイルの断面図である。
本発明の各実施の形態について各図を順次参照して説明する。
《第1の実施形態》
図1(A)は第1の実施形態のコモンモードチョークコイル101の外観斜視図、図1(B)は側面図である。
図1に表れているように、積層素体10の外面には入出力端子P1,P2,P3,P4が形成されている。
基材層用の材料としては、HF帯用のコモンモードチョークコイルを形成する場合は渦電流損失が相対的に小さいので、磁気エネルギーの閉じ込め性の点で、磁性体材料(透磁率の高い誘電体材料)を用いることができる。この磁性体材料として、六方晶フェライトなどの高周波対応のフェライト磁性体を用いてもよい。一方、例えばUHF帯用のコモンモードチョークコイルを形成する場合は、高周波数領域での渦電流損失を抑えるために、電気絶縁抵抗の高い誘電体材料を用いることが好ましい。フェライトに代表される磁性体は透磁率に周波数依存性をもっているため、利用周波数帯が高くなるにつれ、損失が大きくなってしまうが、誘電体は周波数依存性が比較的小さいため、広い周波数帯で損失の小さい積層型コモンモードチョークコイルを実現できる。すなわち、広帯域、特に高周波帯域を含む高速インターフェースに用いられるコモンモードチョークコイルとしては、基材層として非磁性体層である誘電体層を用いることが好ましい。
基材層は低温焼成セラミックス(LTCC[Low Temperature Co-firedCeramics])のような誘電体セラミック層であってもよいし、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂からなる樹脂層であってもよい。すなわち、積層素体は、セラミック積層体であってもよいし、樹脂積層体であってもよい。また、各コイルを構成する線状導体や層間接続導体、積層素体の表面に設けられる表面導体等は、銅や銀等の比抵抗の小さな金属を主成分とする金属材料を用いることが好ましい。
図2(A)はコモンモードチョークコイル101の等価回路図である。後に詳述するように、一次コイルL1と二次コイルL2はコモンモード電流が流れることにより強く磁界結合する。一次コイルL1と二次コイルL2との間には浮遊容量が生じる。図2において、この浮遊容量を集中定数回路としてキャパシタC1,C2で表している。また、一次コイルL1の線間および二次コイルL2の線間にも浮遊容量が生じる。図2において、この浮遊容量を集中定数回路としてキャパシタC3,C4で表している。
一次コイル(L1)や二次コイル(L2)に線間容量(C3やC4)が発生すると、通過帯域内で自己共振が生じる場合があり、したがって、各コイル内の線間容量ができるだけ小さい方が好ましい。差動インピーダンスの調整のため、一次コイル(L1)と二次コイル(L2)との間の容量(C1およびC2)は必要であるが、この容量が大きくなりすぎると、差動インピーダンスが下がってしまう。
コモンモードチョークコイル101の等価回路は図2(B)のように表すこともできる。図2(B)においては、前記浮遊容量をキャパシタC11,C12,C21,C22で表している。
図3は第1の実施形態のコモンモードチョークコイルの各基材層の導体パターン等を示す分解平面図である。(0)は最下層の底面図、(1)は最下層の上面図、(15)は最上層の上面図である。図3に示すように、最下層(0)の底面には入出力端子P1〜P4の電極が形成されている。基材層(1)〜(14)には第1線状導体L1a〜L1nおよび第2線状導体L2a〜L2nが形成されている。
図3中の円形のパターンはビアホール導体の接続部(パッド部)である。二重丸のパターンはビアホール導体(層間導体)である。この構造により、層方向に隣接する線状導体と線状導体とが層間で接続されている。
第1線状導体L1a〜L1nとそれらを接続するビアホール導体によって一次コイルが構成されている。また、第2線状導体L2a〜L2nとそれらを接続するビアホール導体によって二次コイルが構成されている。
図3において、第1線状導体L1aの端部は入出力端子P1に、第1線状導体L1nの端部は入出力端子P2に、それぞれ接続されている。また、第2線状導体L2aの端部は入出力端子P3に、第2線状導体L2nの端部は入出力端子P4に、それぞれ接続されている。
図4はコモンモードチョークコイル101の各導体パターンを平面透視した図である。また、図5は第3、図4におけるA1−A2線での断面図、図6は第3、図4におけるB1−B2線での断面図である。
図4において、第1領域Z1では、第1線状導体LA1Xと第1線状導体LA1Yとの間に第2線状導体LA2X,LA2Yが挟まれるように導体パターンが配置されている。第2領域Z2では、第2線状導体LB2Xと第2線状導体LB2Yとの間に第1線状導体LB1X,LB1Yが挟まれるように導体パターンが配置されている。
図4における各線状導体LA1X,LA1Y,LB1X,LB1Y,LA2X,LA2Y,LB2X,LB2Yと図3に示した各線状導体との関係は次のとおりである。
LA1X:L1b,L1d,L1f,L1h,L1j,L1l
LA1Y:L1a〜L1n
LB1X:L1a,L1b,L1d,L1f,L1h,L1j,L1l,L1n
LB1Y:L1c,L1e,L1g,L1i,L1k,L1m
LA2X(LB2X):L2a,L2b,L2d,L2f,L2h,L2j、L2l、L2n
LA2Y:L2c,L2e,L2g,L2i,L2k,L2m
LB2Y:L2a〜L2n
このように、第1領域Z1において第1線状導体LA1Xと第1線状導体LA1Yとの間に第2線状導体LA2X,LA2Yが挟まれ、第2領域Z2において第2線状導体LB2Xと第2線状導体LB2Yとの間に第1線状導体LB1X,LB1Yが挟まれるように各導体パターンが配置されているので、すなわち、第1線状導体と第2線状導体とが層方向に重なっていないので、第1線状導体と第2線状導体との線間容量は小さい。よって、渦巻状パターンの外径(外形)寸法を最大限に大きくしつつ、一次コイルと二次コイルとの間の容量性結合を大きくせずに、一次コイルと二次コイルとを高い結合度で磁界結合させることができる。したがって、ノーマルモード信号に対しては、1次コイルと2次コイルの磁界が打ち消しあうため、コモンモードコイルのインダクタンス成分が小さくなり、インピーダンスが小さくなる。その結果、インダクタンス、容量とも小さくなるので、ノーマルモード信号の挿入損失は小さい。
なお、図5、図6に表れているように、層(4)、層(6)、層(8)、層(10)、層(12)の厚みを他の層(例えば25μm)より厚く(例えば50μm)しているので、各線状導体の層間距離を効果的に大きくでき、線間容量は小さい。例えば第1線状導体L1b−L1d間、L1d−L1f間、L1f−L1h間、L1h−L1j間、L1j−L1l間、L1c−L1e間、L1e−L1g間、L1g−L1i間、L1i−L1k間、L1k−L1m間の層間距離はそれぞれ大きい。第2線状導体についても同様である。なお、線状導体が形成されている複数の層のうち最も外側の層(入出力端子への引き回し層)である層(2)および層(14)については厚くしていない。これらの最も外側の層は、厚み方向に隣接する線状導体が片側(上または下)だけであるので、線間容量の増大に対する影響は小さい。
基材層が比誘電率εr=6〜10の誘電体セラミック(BaO-Al2O3-SiO2 [BAS])を主成分とした低温焼結セラミック材)である場合には、このように層間距離を稼いで線間容量を小さくすることが効果的である。基材層が比誘電率の小さな材料(例えばεr=3〜5程度のポリイミドや液晶ポリマ−)である場合には、基材層の厚みは均一であってもよい。
図5と図6とを対比すれば明らかなように、層(1)と層(14)以外(引き出し配線層以外)は、A1−A2断面とB1−B2断面は一次コイルと二次コイルが逆になっている。すなわち、一次コイルを構成する各線状導体と二次コイルを構成する各線状導体とは、図4の中心oを通るコイル軸に関して180度の回転対称である。平面形状でみると、図4の中心oに関して点対称である。
図7はコモンモード電流が流れるときの電流の向きを示す図である。また、図8はノーマルモード電流が流れるときの電流の向きを示す図である。これらの図において、実線の矢印は一次コイルに流れる電流、破線の矢印は二次コイルに流れる電流の方向をそれぞれ表している。図7に示すように、コモンモード電流が流れると、一次コイルの磁束と二次コイルの磁束が強め合うため、大きなインダクタとして作用する。そのため、入出力端子P1,P3からコモンモードチョークコイル101を見たインピーダンスは高く、コモンモード電流(コモンモードノイズ)は抑制される。
図8に示すように、ノーマルモード電流が流れると、一次コイルの磁束と二次コイルの磁束が打ち消されるため、実質的にインダクタとしては作用しない。したがって、ノーマルモード信号は低損失で伝送される。
本発明によれば、基材層にフェライトのような磁性体を用いなくとも一次コイルL1と二次コイルL2とを強く結合させることができるので、基材層に誘電体を用いることにより、特に高周波帯域におけるノーマルモード信号の損失が大きくならない。
また、第1線状導体L1a〜L1nおよび第2線状導体L2a〜L2nは、複数の基材層の積層方向からの平面視で、一次コイルおよび二次コイルの中心軸に関して実質的に点対称であるので、入出力端子P1−P3と入出力端子P2−P4との間での、浮遊成分を含めた回路の対称性が高い。そのため、コモンモードノイズからノーマルモード信号(ノイズ)への変換が抑制される。
図9は、前記積層体の平面サイズを1.25mm×1.0mm、厚みを0.7mm、各層の間隔を25μmおよび50μmとし、線状導体の線幅を40μm、線間を40μmとしたときのコモンモードチョークコイル101の実測による周波数特性を示す図である。ここで各特性曲線の意味は次のとおりである。
Sdd11 ノーマルモードの反射特性
Sdd21 ノーマルモードの通過特性
Scc21 コモンモードの通過特性
Scd21 コモンモードからノーマルモードへの変換成分の通過特性
図9のSdd11(ノーマルモード信号の反射特性)から明らかなように、数MHz〜5GHzの範囲でノーマルモード信号について低反射特性が得られている。また、Scc21(コモンモードノイズの通過特性)から明らかなように、数100MHz以上の周波数でコモンモード信号について大きな減衰特性が得られている。この特性で1.3GHz付近に極ができているのはコモンモードで発生するインダクタンスの自己共振による。また、Scd21(コモンモードからノーマルモードへの変換成分の通過量)から明らかなように、全周波数帯域で−25dB以下であり、充分に抑制されている。なお、Sdd21は2.27GHz付近にノッチができているが、これは一次コイルL1と二次コイルL2とのインダクタンスの違い(線長の違い)により生じる共振点である。この共振周波数を適宜設定すれば、ノーマル信号を所定の周波数を減衰させるフィルタ機能を持たせることもできる。そのため、コモンモードチョークコイル以外に例えばバランス型ローパスフィルタを別途設ける必要がなく、部品点数が削減され低コスト化が図れる。
本発明によれば、第1線状導体と第2線状導体とが実質的に層方向に隣接しないので、一次コイルL1と二次コイルL2との間に生じる浮遊容量は小さい。すなわち、一次コイルL1と二次コイルL2との磁界結合を高めるために、一次コイルを構成する第1線状導体と二次コイルを構成する第2線状導体との層間距離を小さくしても、一次コイルL1と二次コイルL2との間に生じる浮遊容量は小さい。そのため、コモンモードチョークコイルの差動インピーダンスは適正に確保でき、平衡線路のインピーダンスとマッチングできる。特に、一次コイルおよび二次コイルの巻回軸方向からの平面視で、第1領域の第2線状導体は互いに重なっていなく、第2領域の第1線状導体は互いに重なっていないので、浮遊容量はさらに小さくなり、コモンモードチョークコイルの差動インピーダンスはより適正に確保でき、平衡線路のインピーダンスとのマッチングがさらに容易となる。
また、本発明によれば、第1線状導体の線間容量および第2線状導体の線間容量は共に小さい。ゆえに、この線間容量と一次コイルおよび二次コイルのインダクタンスとによる自己共振周波数(カットオフ周波数)を高周波側にシフトさせることができ、広い周波数帯域にて優れた通過特性を確保できる。
第1の実施形態によれば、実装先のプリント配線板に形成されているグランド導体と第1線状導体L1a〜L1nとの間に生じる容量は前記グランド導体と第2線状導体L2a〜L2nとの間に生じる容量と殆ど等しいので、一次コイルと二次コイルとの対称性は確保される。すなわち、図2(B)に示したキャパシタC11,C12,C21,C22の値は、C11≒C12、C21≒C22の関係である。そのため、このキャパシタンスの不平衡によるコモンモードノイズからノーマルモード信号(ノイズ)への変換は殆どない。
《第2の実施形態》
第2の実施形態では、ESD保護素子を含むコモンモードチョークコイルについて示す。図10は第2の実施形態のコモンモードチョークコイル102の外観斜視図である。図11(A)はコモンモードチョークコイル102の断面図、図11(B)はESD(Electrostatic Discharge)保護素子部の断面図である。
このコモンモードチョークコイル102は、図11(A)において積層部LL2に第1の実施形態で示したコモンモードチョークコイルと同様の導体パターンが形成されている。そして、積層部LL1にESD保護素子Dg1,Dg2が形成されている。
図11(B)はESD保護素子Dg1部分の断面図である。この例では、シールド層Sh11、放電補助電極Se1、放電電極De11,De12、空洞層Ah1、シールド層Sh21が形成されている。
図12は放電電極De11,De12を含む部分の断面構造を表す模式図である。シールド層Sh11は絶縁性セラミック層であり、基材となるLTCCグリーンシートの一体焼成の際に基材からガラス成分が放電補助電極Se1部分へ滲出するのを防止するために設けられている。
放電補助電極Se1は放電補助材39A,39Bを含む。放電補助材39Aは、粒子状の金属材料39A1と、この金属材料39A1の表面に設けられる絶縁性被膜39A2とを備える。また、放電補助電極Se1は、粒子状の半導体材料39B1と、この半導体材料39B1の表面に設けられる絶縁性被膜39B2とを備える。ここでは、金属材料39A1はCu粒子であり、半導体材料39B1はSiC粒子である。また、絶縁性被膜39A2はアルミナ被膜であり、絶縁性被膜39B2は半導体材料39B1が酸化されてなるSiO2被膜である。
また、放電補助電極Se1には、放電補助材39A,39Bを囲むようにガラス様物質40が形成されている。ガラス様物質40は作為的に形成したものではなく、空洞Ah1を形成するために用いる犠牲層の周辺部材由来の構成材料などの酸化等の反応によって形成されるものである。
図12に示した構造により、放電電極De11−De12間に高電圧が掛かると、(1) 放電補助電極Se1の沿面放電、(2) 放電電極De11−De12間の気中放電、(3) 放電補助材39A,39Bを飛び石のように伝搬する放電、が生じる。これらの放電により静電気が放電される。
図10、図11に示したコモンモードチョークコイル102は以降に述べるような材料および工程で製造する。
前記積層部LL1部分のシールド層Sh11,Sh21は、例えば、アルミナ粉を主成分とするアルミナペーストを用いる。また、放電電極を形成するための電極ペーストは、Cu粉とエチルセルロース等からなるバインダー樹脂に溶剤を添加し、撹拌、混合することで得る。
空洞Ah1を形成する起点となる樹脂ペーストも同様の方法にて作製する。この樹脂ペーストは樹脂と溶剤のみからなる。樹脂材料には焼成時に分解、消失する樹脂を用いる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、アクリル樹脂などである。
放電補助電極Se1を形成するための混合ペーストは、導電性材料としてCu粉と、セラミック材料としてBAS粉を所定の割合で調合し、バインダー樹脂と溶剤を添加し撹拌、混合することで得る。
前記シールド層Sh11,Sh21用のペーストは下地のグリーンシートに塗布し、その後、放電電極用の電極ペーストを塗布し、空洞Ah1形成用の樹脂ペーストを塗布し、さらにシールド層Sh21用のペーストを塗布する。
図11に示した積層部LL2は、通常のセラミック多層基板と同様に、セラミックグリーンシートを積層し、圧着することにより構成する。
接合圧着された積層体は、LCフィルタのようなチップタイプの電子部品と同様にマイクロカッタでカットして、各素体に分離する。その後、各素体の端面に、焼成後に各種外部端子となる電極ペーストを塗布する。
次いで、通常のセラミック多層基板と同様に、N2雰囲気中で焼成する。また、ESDに対する応答電圧を下げるため空洞部にAr,Ne等の希ガスを導入する場合には、セラミック材料の収縮、焼結が行われる温度領域をAr,Neなどの希ガス雰囲気で焼成すればよい。放電電極De11,De12および外部電極が酸化しない電極材料である場合には、大気雰囲気で焼成してもよい。
その後、LCフィルタのようなチップタイプの電子部品と同様に、外部電極の表面に電解Ni-SnめっきによりNi-Snめっき膜を形成する。
ところで、一般に、フェライト中のFeを酸化状態とし、電極材料のCuを酸化させない状態で焼成することは極めて困難であるので、積層素体にフェライトを用いる場合には、電極材料にはAgを用いることが必要となる。しかし、前記放電電極De11,De12をAgで形成すると、マイグレーションが顕著に顕れ、スパークギャップが経時変化する。これに対し、本発明によれば、積層素体にLTCCを用いることで、電極材料にCuを用いることができる。前記放電電極De11,De12をCuで形成すると、放電時のエネルギーで電極表面Cuの酸化膜が形成されるが、この膜は放電電極材としては作用しないので、放電を繰り返しても放電ギャップは実質上一定に保たれる。
図13はコモンモードチョークコイル102の等価回路図である。以上に示した構成により、第1端が入出力端子P1、第2端が入出力端子P2である一次コイルL1と、第1端が入出力端子P3、第2端が入出力端子P4である二次コイルL2とが構成される。
入出力端子P1と入出力端子P3との間には例えば給電回路が接続される。入出力端子P2と入出力端子P4との間には例えばデジタル信号処理回路が接続される。図13中のキャパシタC1,C2は一次コイルL1と二次コイルL2間の浮遊容量を等価的に表したものである。
入出力端子P1に、保護すべき電圧を超える静電気が印加されると、前記放電電極および放電補助電極による放電素子Dg1が放電(導通)して低インピーダンスとなる。このことにより、入出力端子P1に印加された静電気は放電素子Dg1を介してグランドへシャントされる。同様に、入出力端子P3に、保護すべき電圧を超える静電気が印加されると、放電素子Dg3が導通して低インピーダンスとなる。このことにより、入出力端子P3に印加された静電気は放電素子Dg3を介してグランドへシャントされる。
放電素子Dg1,Dg3は図13に示すように、静電気が入ってくる側に設けられていることが好ましい。特に、入出力端子P2,P4に接続される回路の入力インピーダンスが低い場合でも、一次コイルL1および二次コイルL2によるコモンモードチョークコイルはESDのような高周波成分のサージに対して高インピーダンスであるので、サージがコモンモードチョークコイルで反射し、放電素子Dg1,Dg3に高電圧が掛かり、放電素子Dg1,Dg3は速やかに放電電圧に達し、放電を開始する。そのため、入出力端子P2,P4に接続される回路へのサージの流入がより確実に防止される。
このようにして、第2の実施形態のコモンモードチョークコイル102では、基材層が非磁性体層であるため、積層素体の表面または内層に、ESD保護素子を容易に取り込む(一体的に構成する)ことができる。
なお、ESD保護素子として、バリスタ等の非直線性抵抗素子を用いることもできるが、このような電圧可変抵抗方式を利用したESD保護素子は、応答性があまり良くないため、一次コイルや二次コイルの前段に配置しておくと、突入電流により、この素子自体が壊れてしまうことがある。したがって、ESD保護素子としては、積層素体の内部に形成された空洞部と、空洞部内に設けられた一対の放電電極とをそれぞれ含む、いわゆる電極間放電方式(スパークギャップ方式)のESD保護素子を構成することが好ましい。
なお、図10、図11に示した例では二つのグランド端子を設けたが、共通の一つのグランド端子を設けてもよい。また、目的によっては、入出力端子P2とグランドとの間にのみ、または入出力端子P4とグランドとの間にのみESD保護素子を設けてもよい。
なお、以上に示した各実施形態において、積層体の構成図で示したコイルのターン数および一次コイルと二次コイルの交差回数は当然ながら例示であり、各線状導体のタ−ン数および交差回数はこれらの図に示したものに限られるものではない。所望の特性に応じて定めればよい。一次コイルおよび二次コイルのターン数はノーマルモードでのインピーダンスを定めることに寄与する。また、一次コイルと二次コイルとの交差回数は一次コイルと二次コイルとの結合度に寄与する。
特に、一層あたりの線状導体のターン数が1ターン以上であると、基材層の積みずれによるインダクタンスおよび結合度のばらつきは小さくなる。また、一層あたりの線状導体のターン数が3ターン以上であると、層間で隣接する第1線状導体と第2線状導体との間の層間容量が増大する傾向がある。したがって、一層あたりの線状導体のターン数は1ターン以上3ターン以下であることが好ましい。
以上の実施形態では、基材層の面方向に第1・第2の線状導体の主要部が延びるようにした例を示したが、基材層の積層方向に第1・第2の線状導体の主要部が延びるように第1・第2の線状導体を形成してもよい。すなわち、一次コイルおよび二次コイルの巻回軸が基材層の面方向に向くように第1・第2の線状導体を形成してもよい。
《第3の実施形態》
図14は第3の実施形態に係るコモンモードチョークコイル103の平面図である。コモンモードチョークコイル103の表面には入出力端子P1,P2,P3,P4が形成されている。
図15は第3の実施形態のコモンモードチョークコイルの各基材層の導体パターン等を示す分解平面図である。(1)は第1層(最下層)の平面図、(2)は第2層の平面図、(3)は第3層の平面図、(4)は最上層の平面図である。
図16は上記4つの層のうち、層方向で隣接する2つの層の組について、各導体の接続関係を示す図である。
図17は図14および図15におけるA−A線での断面図である。図17に表れているように、コモンモードチョークコイル103は、基板20と、この基板20上に層間絶縁膜21を介して積層された複数の線状導体とを備えている。
図15、図17に示すように、最下層(1)には第1線状導体L1d、第2線状導体L2dおよび端子電極P2u,P4uが形成されている。第1線状導体L1dの第1端は端子電極P2uに、第2線状導体L2dの第1端は端子電極P4uに、それぞれ接続されている。
第2層(2)には第1線状導体L1cおよび第2線状導体L2cが形成されている。第3層(3)には第1線状導体L1bおよび第2線状導体L2bが形成されている。そして、最上層(4)には第1線状導体L1a、第2線状導体L2aおよび入出力端子P1,P2,P3,P4が形成されている。第1線状導体L1aの第1端は入出力端子P1に、第2線状導体L2aの第1端は入出力端子P3に、それぞれ接続されている。入出力端子P2,P4と最下層(1)の端子電極P2u,P4uとは層間接続導体を介してそれぞれ接続されている。
最下層(1)の導体L1d,L2dの第2端は第2層(2)の導体L1c,L2cの第2端にそれぞれ層間接続導体を介して接続されている。第2層(2)の導体L1c,L2cの第1端は第3層(3)の導体L1b,L2bの第1端にそれぞれ層間接続導体を介して接続されている。同様に、第3層(3)の導体L1b,L2bの第2端は最上層(4)の導体L1a,L2aの第2端にそれぞれ層間接続導体を介して接続されている。
図15、図16から明らかなように、第1線状導体L1a,L1b,L1c,L1dによって一次コイルが構成されていて、第2線状導体L2a,L2b,L2c,L2dによって二次コイルが構成されている。そして、入出力端子P1とP2との間に一次コイル(L1a,L1b,L1c,L1d)が構成されていて、入出力端子P3とP4との間に二次コイル(L2a,L2b,L2c,L2d)が構成されている。
図17において、1次コイルを構成する第1線状導体L1a,L1b,L1c,L1dは実線の楕円で囲んでいる。また、2次コイルを構成する第2線状導体L2a,L2b,L2c,L2dは破線の楕円で囲んでいる。ここで、破線の矩形で囲んだ第1領域Z1を平面視すると、この第1領域Z1では、第1線状導体L1aとL1bとの間に第2線状導体L2a,L2bが挟まれるようにこれらの導体パターンが配置されている。また、破線の矩形で囲んだ第2領域Z2を平面視すると、この第2領域Z2では、第2線状導体L2aとL2bとの間に第1線状導体L1a,L1bが挟まれるようにこれらの導体パターンが配置されている。
図17においては、最小部分の第1領域Z1および第2領域Z2を例示したが、層方向に隣接する2層について、他の部分にも第1領域Z1および第2領域Z2が同様に存在する。
本発明のコモンモードチョークコイルはUSBやHDMI等の高速インターフェースに用いることができる。また、スイッチング周波数の高い(たとえば1MHz以上)電源回路や、高速(たとえば転送レート600Mbit/sec)のBUSライン等のフィルタとして有用である。さらには、3GHz、5GHz、7.5GHz等のGHz帯における高速インターフェースにも適用できる。
Ah1…空洞
De11,De12…放電電極
Dg1,Dg3…放電素子
L1…一次コイル
L1a〜L1n…第1線状導体
LA1X,LA1Y…第1線状導体
LB1X,LB1Y…第1線状導体
L2…二次コイル
L2a〜L2n…第2線状導体
LA2X,LA2Y…第2線状導体
LB2X,LB2Y…第2線状導体
LL1,LL2…積層部
P1,P2,P3,P4…入出力端子
Se1…放電補助電極
Sh11,Sh21…シールド層
Z1…第1領域
Z2…第2領域
10…積層素体
20…基板
21…層間絶縁膜
101,102,103…コモンモードチョークコイル
本発明のコモンモードチョークコイルは、
複数の第1線状導体が渦巻状に巻回および接続されて構成された一次コイルと、複数の第2線状導体が渦巻状に巻回および接続されて構成され、前記一次コイルに磁気的に結合される、二次コイルと、を有し、
前記一次コイルおよび前記二次コイルの巻回軸方向からの平面視で、前記第1線状導体で前記第2線状導体が挟まれる第1領域と、前記第2線状導体で前記第1線状導体が挟まれる第2領域とを備え
前記第1領域および前記第2領域では、前記一次コイルおよび前記二次コイルの巻回軸方向からの平面視で、前記第1線状導体と前記第2線状導体とが重なっていない、ことを特徴とする。
なお、図5、図6に表れているように、層(4)、層(6)、層(8)、層(10)、層(12)の厚みを他の層(例えば25μm)より厚く(例えば50μm)しているので、各線状導体の層間距離を効果的に大きくでき、線間容量は小さい。例えば第1線状導体L1b−L1d間、L1d−L1f間、L1f−L1h間、L1h−L1j間、L1j−L1l間、L1c−L1e間、L1e−L1g間、L1g−L1i間、L1i−L1k間、L1k−L1m間の層間距離はそれぞれ大きい。第2線状導体についても同様である。なお、線状導体が形成されている複数の層のうち層(2)および層(14)については厚くしていない。これらの層は、厚み方向に隣接する線状導体が片側だけであるので、線間容量の増大に対する影響は小さい。
Sdd11 ノーマルモードの反射特性
Sdd21 ノーマルモードの通過特性
Scc21 コモンモードの通過特性
Scd21 コモンモードからノーマルモードへの変換成分の通過特性
図9のSdd11(ノーマルモード信号の反射特性)から明らかなように、広帯域でノーマルモード信号について低反射特性が得られている。また、Scc21(コモンモードノイズの通過特性)から明らかなように、数100MHz以上の周波数でコモンモード信号について大きな減衰特性が得られている。この特性で1.3GHz付近に極ができているのはコモンモードで発生するインダクタンスの自己共振による。また、Scd21(コモンモードからノーマルモードへの変換成分の通過量)から明らかなように、全周波数帯域で−25dB以下であり、充分に抑制されている。なお、Sdd21は2.27GHz付近にノッチができているが、これは一次コイルL1と二次コイルL2とのインダクタンスの違い(線長の違い)により生じる共振点である。この共振周波数を適宜設定すれば、ノーマル信号を所定の周波数を減衰させるフィルタ機能を持たせることもできる。そのため、コモンモードチョークコイル以外に例えばバランス型ローパスフィルタを別途設ける必要がなく、部品点数が削減され低コスト化が図れる。
本発明のコモンモードチョークコイルは、
複数の第1線状導体が渦巻状に巻回および接続されて構成された一次コイルと、複数の第2線状導体が渦巻状に巻回および接続されて構成され、前記一次コイルに磁気的に結合される、二次コイルと、を有し、
前記コモンモードチョークコイルは、前記一次コイルおよび前記二次コイルの巻回軸方向からの平面視で、前記第1線状導体で複数の前記第2線状導体が挟まれる第1領域と、前記第2線状導体で複数の前記第1線状導体が挟まれる第2領域とを備え、
前記第1領域および前記第2領域では、前記一次コイルおよび前記二次コイルの巻回軸方向からの平面視で、前記第1線状導体と前記第2線状導体とが重なっていない、ことを特徴とする。

Claims (7)

  1. 複数の第1線状導体が渦巻状に巻回および接続されて構成された一次コイルと、複数の第2線状導体が渦巻状に巻回および接続されて構成され、前記一次コイルに磁気的に結合される、二次コイルと、を有し、
    前記一次コイルおよび前記二次コイルの巻回軸方向からの平面視で、平面方向に隣接する複数の前記第1線状導体および前記第2線状導体が、前記第1線状導体で前記第2線状導体が挟まれる第1領域と、前記第2線状導体で前記第1線状導体が挟まれる第2領域とを備えている、ことを特徴とするコモンモードチョークコイル。
  2. 前記一次コイルおよび前記二次コイルの巻回軸方向からの平面視で、前記第1領域の前記第2線状導体は互いに重なっておらず、前記第2領域の前記第1線状導体は互いに重なっていない、請求項1に記載のコモンモードチョークコイル。
  3. 複数の基材層を積層してなる積層体を素体とし、前記一次コイルは、前記複数の基材層の表面にそれぞれ設けられた前記複数の第1線状導体と、前記複数の第1線状導体を層間にて接続する層間導体とを含み、前記二次コイルは、前記複数の基材層の表面にそれぞれ設けられた前記複数の第2線状導体と、前記複数の第2線状導体を層間にて接続する層間導体とを含む、請求項1または2に記載のコモンモードチョークコイル。
  4. 前記第1線状導体および前記第2線状導体は、前記複数の基材層の積層方向からの平面視で、前記一次コイルおよび前記二次コイルの中心軸に関して実質的に点対称である、請求項3に記載のコモンモードチョークコイル。
  5. 前記複数の基材層は非磁性体層である、請求項3または4に記載のコモンモードチョークコイル。
  6. 前記積層体の表面または内層に、前記一次コイルに接続された第1のESD保護素子、および、前記二次コイルに接続された第2のESD保護素子が設けられている、請求項5に記載のコモンモードチョークコイル。
  7. 前記第1のESD保護素子および前記第2のESD保護素子は、前記積層体の内部に形成された空洞部と、前記空洞部内に設けられた一対の放電電極とをそれぞれ含む、請求項6に記載のコモンモードチョークコイル。
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