JP6642742B2 - コモンモードチョークコイル、モジュール部品および電子機器 - Google Patents

コモンモードチョークコイル、モジュール部品および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、コモンモードチョークコイル、このコモンモードチョークコイルを内蔵するモジュール部品、およびこれらを備える電子機器に関する。
従来のコモンモードチョークコイルに関する発明としては、例えば、特許文献1に記載のコモノードノイズフィルタが知られている。図17(A)(B)は、特許文献1に記載のコモンモードフィルタの等価回路図である。
図17(A)に示すコモンモードフィルタは、2つの第1コイル3,3と2つの第2コイル6,6を備え、第2コイル6のインダクタンス、第1コイル3と第2コイル6との結合による相互インダクタンス、第1コイル3と第2コイル6との間に発生する浮遊容量、によって、特定の周波数で減衰極が生じるように構成されている。
国際公開第2010/032464号
図17(B)は、図17(A)に示したコモンモードフィルタの、特にコモンモードノイズについての等価回路図である。このように、特許文献1に示されるようなコモンモードチョークコイルは、コモンモードチョークコイルの主要部である第1コイル3に対して、第2コイル6および浮遊容量Cを含む直列回路が並列接続された構造である。そのため、ディファレンシャルモードの信号は、第1コイル3だけでなく、第2コイル6および浮遊容量Cを含む直列回路を通過する。その結果、上記直列回路はディファレンシャルモードの信号に対して悪影響及ぼしてしまう。
本発明の目的は、ディファレンシャルモードの信号に対する影響を実質的に無くし、コモンモードノイズの減衰帯域を広くしたコモンモードチョークコイル、このコモンモードチョークコイルを内蔵するモジュール部品、およびこれらを備える電子機器を提供することにある。
(1)本発明のコモンモードチョークコイルは次のように構成される。
第1信号線に設けられた第1コイルと、第1信号線と共に差動伝送線路を構成する第2信号線に設けられ第1コイルに磁界結合する第2コイルとを含む主回路と、第1コイルおよび第2コイルに磁界結合する第3コイルと、当該第3コイルに接続されたキャパシタを含んで構成された副回路と、を有する。
第1コイル、第2コイルおよび第3コイルは、複数の絶縁性基材層が積層され実装面を有する積層体に構成される。
第1コイルおよび第2コイルは、複数の絶縁性基材層のうち第1層に形成され、互いに並走する第1コイル用導体パターンおよび第2コイル用導体パターンにてそれぞれ構成され、第3コイルは、複数の絶縁性基材層のうち第2層において、且つ平面視で第1コイル用導体パターンおよび第2コイル用導体パターンと重なる位置に形成された第3コイル用導体パターンにて構成される。
そして、第1層は単一層または複数層で構成され、第2層は単一層または複数層で構成されて第1層の上層側または下層側に設けられる。
上記の構成によれば、先ず、主回路に対して副回路が結合することによって、コモンモードノイズの減衰帯域が広くなる。また、副回路はディファレンシャルモードの信号に対しては等価的に存在しなくなり、副回路はディファレンシャルモードの信号に影響を及ぼさない。その上で、第1コイル用導体パターンと第2コイル用導体パターンとは同一層を並走し、これらと異なる層であって平面視で重なる位置に第3コイル用導体パターンが設けられていることで、第1コイル用導体パターンと第3コイル用導体パターンとの磁界結合度と、第2コイル用導体パターンと第3コイル用導体パターンとの磁界結合度とはほぼ等しい。さらに、これら磁界結合度の大きさは、第1層と第2層との間の距離で適宜定められるので、主回路の特性に対する副回路の影響も最小限に抑制できる。
(2)前記第1層は第2層より積層体の実装面側に配置されていることが好ましい。この構造により、実装面に形成されている端子電極から第1コイルおよび第2コイルまでの寄生インダクタンスおよび寄生キャパシタンスが抑制されるので、コモンモードノイズの減衰量が確保され、且つディファレンシャルモード信号の挿入損失は抑制される。
(3)前記第3コイル用導体パターンは、第2層の複数層のうち第1層に近い側の層に形成された第1導体パターンと、第1層から遠い側の層に形成され第1導体パターンと積層方向に対向する第2導体パターンとを含み、前記キャパシタは、第1導体パターンと第2導体パターンとの間に生じる容量によって構成されることが好ましい。例えば、専用のキャパシタ形成用電極を形成すると、このキャパシタ形成用電極に渦電流が生じてしまうが、上記構造によれば、渦電流が生じることもなく、第1コイル、第2コイルおよび第3コイルのQ値の低下が無く、コモンモードノイズの減衰量が確保され、ディファレンシャルモード信号の挿入損失が抑制される。
(4)前記第1導体パターンの線幅は第2導体パターンの線幅よりも細いことが好ましい。この構造により、第1コイルと第3コイルとの間に生じる容量、および第2コイルと第3コイルとの間に生じる容量がそれぞれ抑制される。このことで、ディファレンシャルモードの信号に与える副回路の影響が抑制される。また、第1導体パターンと第2導体パターンとの面方向の位置ずれがあっても、その影響を受けにくい。
(5)前記第3コイル用導体パターンの外形は、第1コイル用導体パターンおよび第2コイル用導体パターンの外形よりも小さいことが好ましい。この構造により、第3コイル用導体パターンの面方向の位置がずれても、第3コイルと第1コイルとの結合度、および第3コイルと第2コイルとの結合度の変化は小さいので、特性バラツキは小さい。
(6)前記第1層は複数層で構成され、前記第1層のうち互いに異なる層に形成された第1コイル用導体パターン間に、および第2コイル用導体パターン間に、それぞれ容量が形成されていることが好ましい。例えば、第1コイル用導体と第2コイル用導体との間に接続されるキャパシタ形成用電極を別途形成すると、このキャパシタ形成用電極に渦電流が生じてしまうが、上記構造によれば、渦電流が生じることもなく、第1コイル、第2コイルおよび第3コイルのQ値の低下が無く、コモンモードノイズの減衰量が確保され、ディファレンシャルモード信号の挿入損失が抑制される。
(7)本発明のモジュール部品は、コモンモードチョークコイルとESD保護素子とを備える。コモンモードチョークコイルは上記(1)に示したとおりに構成され、ESD保護素子は積層体に一体化され主回路に接続される。この構造により、ESD保護素子およびコモンモードチョークコイルを備える単一部品として扱うことができ、回路基板上の占有面積が縮小化される。
(8)前記ESD保護素子は、コモンモードチョークコイルより積層体の実装面側に配置されていることが好ましい。この構造により、実装面に形成されている端子電極からESD保護素子までの経路長が短く、寄生成分が小さいので、過渡電圧の抑制効果が高まる。
(9)本発明のモジュール部品は、前記ESD保護素子を設けるために、前記第1信号線に直列に挿入された第4コイルと第5コイルと、を備え、前記ESD保護素子は、前記第4コイルと前記第5コイルとの接続点と、グランドとの間に接続され、前記第4コイルと前記第5コイルとは和動接続する構成であることが好ましい。
上記構成により、ESD保護素子のESD電流経路に生じるインダクタンス成分が相殺される方向に作用する。すなわち、ESD保護素子を設けることによる等価直列インダクタンスが抑制され、ESD保護時のピーク電圧をより抑制できる。
(10)本発明のモジュール部品は、第1信号線と第2信号線との間にESD保護素子を備える場合、
前記第1信号線に直列に挿入された第4コイルと第5コイルと、前記第2信号線に直列に挿入された第6コイルと第7コイルと、を備え、
前記ESD保護素子は、第1ツェナーダイオードと第2ツェナーダイオードと第3ツェナーダイオードと、を備え、
前記第1ツェナーダイオードと前記第2ツェナーダイオードとは、前記第4コイルと前記第5コイルとの接続点と、前記第6コイルと前記第7コイルとの接続点と、の間に直列接続され、
前記第3ツェナーダイオードは、前記第1ツェナーダイオードと前記第2ツェナーダイオードとの接続点と、グランドとの間に接続され、
前記第4コイルと前記第5コイルとは和動接続し、
前記第6コイルと前記第7コイルとは和動接続する、
構成であることが好ましい。
上記構成により、ESD保護素子を設けることによる等価直列インダクタンスが抑制され、ESD保護時のピーク電圧をより抑制できる。
(11)本発明の電子機器は、差動伝送線路を有するコモンモードチョークコイルと、差動伝送線路に接続された電子回路とを備える。コモンモードチョークコイルは上記(1)に示したとおりに構成される。この構造により、電子回路が広帯域に亘る信号を扱う場合に、その広帯域に亘るコモンモードノイズが抑制され、且つディファレンシャルモードの信号に影響を及ぼさないで差動信号の入出力がなされる。
(12)本発明の電子機器は、上記(7)から(10)のいずれかに記載のモジュール部品と、差動伝送線路と、この差動伝送線路に接続された電子回路とを備える。この構造により、電子回路が広帯域に亘る信号を扱う場合に、その広帯域に亘るコモンモードノイズが抑制され、且つディファレンシャルモードの信号に影響を及ぼさないで差動信号の入出力がなされる。さらに、外部等から印加される過渡電圧が抑制される。
本発明によれば、ディファレンシャルモードの信号に対する影響を実質的に無くし、コモンモードノイズの減衰帯域を広くしたコモンモードチョークコイル、このコモンモードチョークコイルを内蔵するモジュール部品、およびこれらを備える電子機器が構成される。
図1は本発明の実施形態に係るモジュール部品101の回路図である。 図2(A)はコモンモードチョークコイル10のコモンモードノイズについての等価回路図であり、図2(B)はコモンモードチョークコイル10のディファレンシャルモード信号についての等価回路図である。 図3(A)はコモンモードノイズに対する挿入損失の周波数特性を示す図である。図3(B)は第1共振回路および第2共振回路の単体での挿入損失の周波数特性を示す図である。図3(C)は第3共振回路の挿入損失の周波数特性を示す図である。 図4は、第3共振回路、第1共振回路および第2共振回路のリアクタンスの周波数特性と、コモンモードノイズに対する挿入損失の周波数特性を示す図である。 図5はモジュール部品101の内部の各導体パターンを透視した斜視図である。 図6はモジュール部品101の内部の各導体パターンを透視した正面図である。 図7はモジュール部品101の各絶縁性基材層に形成されている導体パターンを表す平面図である。 図8は本発明に係る電子機器200のブロック図である。 図9は二つの過渡電圧サプレッサを備えるモジュール部品102の回路図である。 図10(A)、図10(B)は、インダクタLaとインダクタLbとの結合による相互インダクタンスと、ESD電流の経路に生じるインダクタンス成分との関係を示す図である。 図11は、信号ラインに対する過渡電圧サプレッサ21の接続構造を示す平面図である。 図12は過渡電圧サプレッサ21の内部構造を示す透視斜視図である。 図13(A)はESD保護素子1の構成を示す平面図であり、図13(B)はESD保護素子1の縦断面図である。 図14はESD保護素子1の回路図である。 図15は過渡電圧サプレッサの回路図である。 図16は、信号ラインに対する整合回路31およびESD保護素子1の接続構造を示す平面図である。 図17(A)は、特許文献1に記載のコモンモードフィルタの等価回路図であり、図17(B)は、コモンモードフィルタの特にコモンモードノイズについての等価回路図である。
以下、本発明の実施形態を、各図を順次参照しながら説明する。
図1は本発明の実施形態に係るモジュール部品101の回路図である。このモジュール部品101は、コモンモードチョークコイル10と過渡電圧サプレッサ20とを備える。コモンモードチョークコイル10は、主回路MCと副回路SCとを備える。主回路MCは、第1信号線SL1に設けられた第1コイルL1と、第1信号線SL1と共に差動伝送線路を構成する第2信号線SL2に設けられ、第1コイルL1に磁界結合する第2コイルL2とを含む。副回路SCは、第1コイルL1および第2コイルL2に磁界結合する第3コイルL3と、当該第3コイルL3に接続されたキャパシタC3とを含んで構成される。
図1中に符号M1で示すように、第1コイルL1と第2コイルL2とは磁界結合する。第1コイルL1と第2コイルL2に示すドットマークは、相互の結合の極性を表している。また、図1中に符号M2a,M2bで示すように、第3コイルL3は第1コイルL1および第2コイルL2とそれぞれ磁界結合する。
図1において、過渡電圧サプレッサ20はESD保護素子2およびインダクタLa,Lb,Lc,Ldで構成されている。本実施形態では、インダクタLa,Lbが第1信号線SL1に直列接続されていて、インダクタLc,Ldが第2信号線SL2に直列接続されている。インダクタLaとインダクタLbに示すドットマークは、インダクタLaとインダクタLbとの結合の極性を表している。同様に、インダクタLcとインダクタLdに示すドットマークは、インダクタLcとインダクタLdとの結合の極性を表している。これらインダクタLa,Lb,Lc,Ldによって、差動伝送線路に対するESD保護素子2のインピーダンス整合回路が構成されている。
上記インダクタLa,Lb,Lc,Ldは本発明に係る「第4コイル」,[第5コイル],「第6コイル」,[第7コイル]にそれぞれ相当する。
ESD保護素子2は3つのツェナーダイオードDa,Db,Dcを含み、インダクタLaとインダクタLbとの接続点と、インダクタLcとインダクタLdとの接続点との間に、ツェナーダイオードDa,Dbの直列回路が接続されている。ツェナーダイオードDa,Dbは互いに逆方向に接続されていて、このツェナーダイオードDa,Dbの接続点とグランドとの間にツェナーダイオードDcが接続されている。
上記ツェナーダイオードDa,Db,Dcは本発明に係る「第1ツェナーダイオード」,「第2ツェナーダイオード」,「第3ツェナーダイオード」にそれぞれ相当する。
インダクタLaとインダクタLbとは和動接続されている。また、インダクタLcとインダクタLdとは和動接続されている。後述するように、このインダクタLaとインダクタLbとの和動接続により、等価的な負のインダクタンス素子がツェナーダイオードDaに直列接続されて、ツェナーダイオードDaの等価直列インダクタンスが抑制される。同様に、インダクタLcとインダクタLdとの和動接続により、等価的な負のインダクタンス素子がツェナーダイオードDbに直列接続されて、ツェナーダイオードDbの等価直列インダクタンスが抑制される。これにより、ESD保護時のピーク電圧を効果的に抑制される。
図2(A)はコモンモードチョークコイル10のコモンモードノイズについての等価回路図であり、図2(B)はコモンモードチョークコイル10のディファレンシャルモード信号についての等価回路図である。第1信号線SL1と第2信号線SL2とで一つの差動線路が構成される。第1コイルL1と第2コイルL2とは、差動線路を伝搬するコモンモードノイズを打ち消す極性で磁界結合する。すなわち、第1コイルL1と第2コイルL2は、コモンモードノイズに対しては差動接続されていて、ディファレンシャルモード信号に対しては和動接続されている。
図2(A)(B)に表れているように、第1コイルL1とこれに並列接続されている第1キャパシタC1とで第1共振回路が構成され、第2コイルL2とこれに並列接続されている第2キャパシタC2とで第2共振回路が構成される。
コモンモードノイズについては、図2(A)に示すように、さらに、第3コイルL3と第3キャパシタC3とによる副回路で第3共振回路が構成される。第3コイルL3は第1コイルL1および第2コイルL2と磁界結合することにより、第1共振回路、第2共振回路、および第3共振回路による複共振回路が構成される。
ディファレンシャルモード信号については、第1コイルL1と第2コイルL2とが結合しないので、第1コイルL1および第2コイルL2と第3コイルL3とが結合する磁界が無い。そのため、ディファレンシャルモード信号については、図2(B)に示すように、副回路SCは等価的には存在せず、ディファレンシャルモード信号に対して、副回路SCは影響を及ぼさない。なお、図2(B)に示すキャパシタCp1,Cp2は第1コイルL1と第2コイルL2との間に生じる浮遊容量である。
図3(A)はコモンモードノイズに対する挿入損失の周波数特性を示す図である。図3(B)は第1共振回路および第2共振回路の単体での挿入損失の周波数特性を示す図である。図3(C)は第3共振回路の挿入損失の周波数特性を示す図である。また、図4は、第3共振回路、第1共振回路および第2共振回路のリアクタンスの周波数特性と、コモンモードノイズに対する挿入損失の周波数特性を示す図である。図4において上段は第3共振回路、第1共振回路および第2共振回路の単体でのリアクタンスの周波数特性を示す図である。中段は、第1共振回路および第2共振回路に第3共振回路が結合した状態でのリアクタンスの周波数特性を示す図である。下段はコモンモードノイズに対する挿入損失の周波数特性を示す図であり、図3(A)と同じ図である。
第1共振回路および第2共振回路の単体での共振周波数はf0、第3共振回路単体での共振周波数はf1であるが、これら共振回路が結合することにより、図4に示したとおり、共振周波数はそれぞれf01,f11に変位し、f01−f11間の周波数帯域が広がる。
本実施形態では、図3(A)に表れているように、特に、周波数f01(3GHz)を中心周波数とする所定帯域と、周波数f11(5GHz)を中心周波数とする所定帯域とについてコモンモードノイズが抑制される。
上記第1共振回路および第2共振回路の単体での共振周波数f0と、第3共振回路単体での共振周波数f1との設定によって、上記コモンモードノイズが抑制される周波数帯の中心周波数f01,f11を定めることができ、そのことによって、コモンモードノイズを抑制する周波数帯を定めることができる。
本実施形態によれば、主回路MCに副回路SCが結合することによって、コモンモードノイズの減衰帯域が広くなる。また、副回路SCはディファレンシャルモードの信号に対しては等価的に存在しなくなり、副回路SCはディファレンシャルモードの信号に影響を及ぼさない。
図5はモジュール部品101の内部の各導体パターンを透視した斜視図である。図6はこのモジュール部品101の内部の各導体パターンを透視した正面図である。図7はこのモジュール部品101の各絶縁性基材層に形成されている導体パターンを表す平面図である。これら導体パターンは例えばCu箔がパターン化されたものである。導体パターンの厚みは4μmから8μm程度である。隣接する導体パターンの線間距離は20μmから40μm程度である。積層方向に隣接する導体パターンの層間距離も20μmから40μm程度である。
モジュール部品101は、複数の絶縁性基材層S1〜S17が積層された積層体100に構成されている。図6に示す積層体100の下面は、このモジュール部品101を回路基板へ実装するための実装面UFである。これら絶縁性基材層S1〜S17は例えばLCP(液晶ポリマー)等の樹脂層である。
図7において、絶縁性基材層S1は最下層、絶縁性基材層S17は最上層である。絶縁性基材層(以下、単に「基材層」)S1の実装面UFには端子電極P1,P2,P3,P4,PGND が形成されている。基材層S10〜S14には第1コイル用導体パターンL1a〜L1e、第2コイル用導体パターンL2a〜L2e、第1コイル用導体パターンL1a〜L1eを層間接続する層間接続導体、および第2コイル用導体パターンL2a〜L2eを層間接続する層間接続導体がそれぞれ形成されている。第1コイル用導体パターンL1a〜L1eおよびこれらを層間接続する層間接続導体よってヘリカル状の第1コイルL1が構成されている。同様に、第2コイル用導体パターンL2a〜L2eおよびこれらを層間接続する層間接続導体によってヘリカル状の第2コイルL2が構成されている。第1コイル用導体パターンL1a〜L1eと第2コイル用導体パターンL2a〜L2eとは、基材層S10〜S14内の各層において、互いに並走するループ状の導体パターンである。これら基材層S10〜S14は本発明における「第1層」に相当する。なお、第1コイル用導体パターンL1a〜L1eと第2コイル用導体パターンL2a〜L2eは、各層において並走しているが、層毎に内周と外周の関係が入れ替わっている。これにより、第1コイル用導体パターンL1a〜L1eと第2コイル用導体パターンL2a〜L2eのインダクタンスを均等化している。また、後述するように、層間に形成される浮遊容量を均等化している。
基材層S15,S16には第3コイル用導体パターンL3a,L3bが形成されている。これら第3コイル用導体パターンL3a,L3bは、平面視で第1コイル用導体パターンL1a〜L1eおよび第2コイル用導体パターンL2a〜L2eと重なる位置に形成されている。この基材層S15,S16は本発明における「第2層」に相当する。
そして、第2層は第1層の上層側に設けられている。すなわち、基材層S15,S16は、基材層S10〜S14とは異なり、基材層S10〜S14の積層部分の範囲外の基材層である。
また、第1層(S10〜S14)は第2層(S15,S16)より積層体100の実装面UF側に配置されている。換言すると、第2層(S15,S16)は第1層(S10〜S14)より積層体100の上面TF側に配置されている。
第1コイル用導体パターンL1a〜L1eはそれぞれ間に1層を挟んで積層方向に対向する。例えば、基材層S10に形成された第1コイル用導体パターンL1aと、基材層S12に形成された第1コイル用導体パターンL1cとは積層方向に対向し、その間に浮遊容量が形成される。同様に、第2コイル用導体パターンL2aと、第2コイル用導体パターンL2cとは積層方向に対向し、その間に浮遊容量が形成される。また、基材層S11に形成された第1コイル用導体パターンL1bと、基材層S13に形成された第1コイル用導体パターンL1dとは積層方向に対向し、その間に浮遊容量が形成される。同様に、第2コイル用導体パターンL2bと、第2コイル用導体パターンL2dとは積層方向に対向し、その間に浮遊容量が形成される。
このように、第1コイル用導体パターンL1a〜L1eはそのインダクタンス成分が、図1に示した第1コイルL1を構成し、それらの積層方向で導体パターン間に生じる浮遊容量が第1キャパシタC1を構成する。同様に、第2コイル用導体パターンL2a〜L2eはそのインダクタンス成分が、図1に示した第2コイルL2を構成し、それらの積層方向で導体パターン間に生じる浮遊容量が第2キャパシタC2を構成する。
因みに、第1キャパシタC1および第2キャパシタC2を構成する浮遊容量を、隣接する層の導体パターン間の浮遊容量で構成すると、基材層の面方向の積みずれに対する浮遊容量の変動が大きいが、本実施形態のように、1層分の基材層を挟んで導体パターンを積層方向に対向させることにより、上記積みずれによる浮遊容量の変動は抑制される。
第3コイル用導体パターンL3a,L3bのうち第1導体パターンL3aは、第2層(S15,S16)のうち第1層(S10〜S14)に近い側の基材層S15に形成されている。第3コイル用導体パターンL3a,L3bのうち第2導体パターンL3bは、第1層(S10〜S14)から遠い側の基材層S16に形成されている。第1導体パターンL3aと第2導体パターンL3bとは積層方向に対向する。第1導体パターンL3aの外周端は層間接続導体を介して第2導体パターンL3bの外周端と接続される。この第1導体パターンL3aと第2導体パターンL3bとの間に生じる浮遊容量が、図1に示した第3キャパシタC3を構成する。
第1導体パターンL3aの線幅は約30μm、第2導体パターンL3bの線幅は約100μmである。すなわち、第1導体パターンL3aの線幅は第2導体パターンL3bの線幅よりも細く、積層方向からの平面視で、第1導体パターンL3aは実質的に全長に亘って第2導体パターンL3bに重なる。この構造により、第1コイル用導体パターンL1a〜L1eおよび第2コイル用導体パターンL2a〜L2eと第3コイル用導体パターンL3a,L3bとの間に生じる浮遊容量が抑制される。このことで、第1コイル用導体パターンL1a〜L1eによる第1コイルL1および第2コイル用導体パターンL2a〜L2eによる第2コイルL2と第3コイルL3とは磁界で結合し、殆ど電界結合しない。この電界結合は、第1コイルL1と第2コイルL2との間に、第3コイルL3を介して容量が生じる結合であるので、ディファレンシャルモードの信号に悪影響を与える。本実施形態では、第1コイルL1および第2コイルL2が第3コイルL3とほぼ磁界でのみ結合するので、ディファレンシャルモードの信号に与える副回路の影響が抑制される。また、第1コイル用導体パターンL1a〜L1eと第2コイル用導体パターンL2a〜L2eとの面方向の位置ずれがあっても、その影響を受けにくい。
第3コイル用導体パターンL3a,L3bの外形は、第1コイル用導体パターンL1a〜L1eおよび第2コイル用導体パターンL2a〜L2eの外形よりも小さい。例えば図6において、第3コイル用導体パターンL3a,L3bの外形幅W3は、第1コイル用導体パターンL1a〜L1eおよび第2コイル用導体パターンL2a〜L2eの外形幅W12よりも小さい。
このように、第1コイル用導体パターンL1a〜L1eと第2コイル用導体パターンL2a〜L2eとはそれぞれ同一層を並走し、これらと異なる層であって平面視で重なる位置に第3コイル用導体パターンL3a,L3bが設けられているので、第1コイル用導体パターンL1a〜L1eと第3コイル用導体パターンL3a,L3bとの磁界結合度M2aと、第2コイル用導体パターンL2a〜L2eと第3コイル用導体パターンL3a,L3bとの磁界結合度M2bとはほぼ等しい。さらに、上記磁界結合度M2a,M2bの大きさは、第1層(S10〜S14)と第2層(S15,S16)との間の距離で適宜定められるので、主回路MCの特性に対する副回路SCの影響も最小限に抑制できる。
また、第1層(S10〜S14)は第2層(S15,S16)より積層体の実装面側に配置されているので、実装面UFに形成されている端子電極P1,P2,P3,P4から第1コイルL1および第2コイルL2までの寄生インダクタンスおよび寄生キャパシタンスが抑制される。これにより、コモンモードノイズの減衰量が確保され、ディファレンシャルモード信号の挿入損失は抑制される。
図1、図6に示したように、ESD保護素子2およびインダクタLa,Lb,Lc,Ldで構成される過渡電圧サプレッサ20は、主回路MCおよび副回路SCで構成されるコモンモードチョークコイル10より積層体100の実装面UF側に配置されている。この構造により、実装面に形成されている端子電極から過渡電圧サプレッサ20までの経路長が短く、寄生成分が小さいので、過渡電圧の抑制効果が高い。
ここで、モジュール部品101において、電気的には直接的に関係のない流動防止用ダミーパターンについて示す。図7において、基材層S10,S11,S12,S13に、流動防止用ダミーパターンDP1c,DP1d,DP1e,DP1f,DP1gがそれぞれ形成されている。また、基材層S5に流動防止用ダミーパターンDP1a,DP2a,DP3a,DP4aが形成されている。同様に、基材層S6に流動防止用ダミーパターンDP1b,DP2b,DP3b,DP4bが形成されている。
これら流動防止用ダミーパターンは、基材層S5,S6,S10〜S14またはそれらに隣接する基材層に形成されている各導体パターンを、それら基材層の面内に均等に分散させる。このことで、積層加熱プレス時に、樹脂が偏って流動することが抑制され、各導体パターンの形状が設計通りに保たれる。また、加熱プレス後、積層体の上面の凹凸が小さく、滑らかになるので、このモジュール部品101を回路基板上に表面実装する際に、マウンターによるピックアップが容易となる。同様に、積層体の実装面についても凹凸が小さく、滑らかになるので、回路基板への実装性が高まる。
例えば、基材層S10〜S14に形成されている第1コイル用導体パターンL1a〜L1eおよび第2コイル用導体パターンL2a〜L2eは各基材層の中心から図7における左方へずれている。そのため、各基材層の右端付近に流動防止用ダミーパターンDP1c,DP1d,DP1e,DP1f,DP1gがそれぞれ形成されている。
また、基材層S5,S6には、ESD保護素子2(図6参照)を収容するキャビティ用開口CAa,CAbがそれぞれ形成されている。単にキャビティ用開口が形成された基材層はX軸方向、Y軸方向またはその両方向に伸びやすいが、基材層S5,S6には、流動防止用ダミーパターンDP1a,DP2a,DP3a,DP4a,DP1b,DP2b,DP3b,DP4bがそれぞれ形成されているので、基材層S5,S6およびそれらに隣接する基材層の上記「伸び」が抑制される。これにより、キャビティの形状が維持される。
上記複数の流動防止用ダミーパターンのうち、流動防止用ダミーパターンDP1a,DP1b,DP1c,DP1d,DP1e,DP1f,DP1gはY軸方向に長いパターンであるので、Y軸方向の伸びを抑制する効果が高い。また、流動防止用ダミーパターンDP2a,DP3a,DP4a,DP2b,DP3b,DP4bはX軸方向に長いパターンであるので、X軸方向の伸びを抑制する効果が高い。
上記複数の流動防止用ダミーパターンのうち、流動防止用ダミーパターンDP1a,DP1b,DP1c,DP1d,DP1e,DP1f,DP1g,DP2a,DP3a,DP2b,DP3bは、各基材層の周囲方向に伸び、基材層の中心からの放射方向に2列配置されている。そして、各流動防止用ダミーパターンは各基材層の周囲方向に不連続的に(分断されて)配置されている。この構造により、第1コイル用導体パターンL1a〜L1eおよび第2コイル用導体パターンL2a〜L2eのコイル開口を通る磁束によって、これら流動防止用ダミーパターンに渦電流が流れることが抑制される。すなわち、第1コイル用導体パターンL1a〜L1eおよび第2コイル用導体パターンL2a〜L2eの磁界結合を阻害しない。
特に、流動防止用ダミーパターンDP2a,DP3a,DP2b,DP3bは、分断位置が放射方向に重ならない形状になっている。すなわち、分断位置が分散されている。このことにより、上記渦電流が防止されるとともに、X軸方向の伸びが効果的に抑制される。
次に、本発明の電子機器の例を示す。図8は本発明に係る電子機器200のブロック図である。この電子機器200は、モジュール部品101、差動伝送線路DTL、USBコネクタCN、差動伝送線路DTLにモジュール部品101を介して接続されたUSBデバイスコントローラ201、このUSBデバイスコントローラ201に接続されたCPU202を備える。モジュール部品101の構成は図1〜図7等に示したとおりである。
本実施形態によれば、差動伝送線路DTLに重畳されるコモンモードノイズがモジュール部品101内のコモンモードチョークコイル10で抑制される。また、例えばUSBコネクタCNを介して入るESD等の過渡電圧がモジュール部品101内のESD保護素子2で抑制され、USBデバイスコントローラ201へ印加される過渡電圧が抑制される。
なお、図8に示した例は、差動伝送線路にモジュール部品101を接続したが、過渡電圧サプレッサ20を含まないコモンモードチョークコイル単体の部品を構成して、このコモンモードチョークコイルを差動伝送線路に接続してもよい。
次に、モジュール部品に設ける過渡電圧サプレッサの他の構成について示す。
図9は二つの過渡電圧サプレッサを備えるモジュール部品102の回路図である。このモジュール部品102は、コモンモードチョークコイル10と二つの過渡電圧サプレッサ21とを備える。コモンモードチョークコイル10の構成および作用は図1に示したものと同じである。
図9において、過渡電圧サプレッサ21はESD保護素子1およびインダクタLa,Lb,ESL1で構成されている。ESD保護素子1はインダクタLaとインダクタLbとの接続点CN1とグランドとの間に接続されている。インダクタESL1は、ESD電流の経路(インダクタLa,Lbの接続点CN1とグランドとの間に生じるインダクタ)に生じるインダクタンス成分(等価直列インダクタンス)である。インダクタLa,LbはESD保護素子1とのインピーダンス整合回路である。
上記インダクタLaとインダクタLbとは和動接続されている。インダクタLa,Lbは本発明に係る「第4コイル」,[第5コイル]にそれぞれ相当する。
図10(A)、図10(B)は、インダクタLaとインダクタLbとの結合による相互インダクタンスと、ESD電流の経路に生じるインダクタンス成分との関係を示す図である。図10(A)においてキャパシタCd1はESD保護素子1に生じる寄生容量である。図10(A)に示すインダクタLaとインダクタLbとの結合によるトランスは、図10(B)に示すようなT型等価回路で表される。このように、インダクタLaとインダクタLbとの結合による相互インダクタンス(−M)は接続点CN1とグランドとの間に等価的に直列に接続される。インダクタLaとインダクタLbとの結合係数をk、インダクタLaのインダクタンスをLa、インダクタLbのインダクタンスをLbでそれぞれ表すと、M=k×√(La×Lb)の関係にある。
上記インダクタLaとインダクタLbとは和動接続されているので、上記相互インダクタンス(−M)は負のインダクタンスである。そのため、上記ESDの電流経路に生じるインダクタンス成分が相殺される方向に作用する。相互インダクタンス(−M)の絶対値がインダクタESL1のインダクタンスと等しければ、ESDの電流経路のインダクタンス成分は0となる。このことにより、ESD保護時のピーク電圧を効果的に抑制される。
上述のとおり、過渡電圧サプレッサ21は、ESD保護素子1と、ESD保護素子1との整合回路と、ESL相殺回路とを備える3端子の素子として作用する。
図11は、信号ラインに対する過渡電圧サプレッサ21の接続構造を示す平面図である。この例では、過渡電圧サプレッサ21は直方体状のチップ部品であり、底面に端子Pa,Pb,PGND を備える。この過渡電圧サプレッサ21の実装先である基材には導体パターンによる信号ラインが形成されていて、過渡電圧サプレッサ21の端子Pa,Pbが二つの信号ラインにそれぞれ接続される。つまり、過渡電圧サプレッサ21は、信号ラインの途中に挿入されるように基材に実装される。また、基材にはグランド電極が形成されていて、過渡電圧サプレッサ21の端子PGND がグランド電極に接続される。端子PGNDは端子Pa,Pbの間に形成されている。したがって、過渡電圧サプレッサ21グランド電極を跨ぐように実装される。
図11に示したように、過渡電圧サプレッサ21が信号ラインに対して直列に接続(挿入)される構造であれば、信号ラインの導体パターンおよび過渡電圧サプレッサ20の配置が簡素になる。また、信号ラインのインピーダンス不整合を低減できる。
図12は過渡電圧サプレッサ21の内部構造を示す透視斜視図である。図12では厚み方向(Z軸方向)を引き延ばして図示している。過渡電圧サプレッサ21はESD保護素子1と、その再配線層RELを備える。ESD保護素子1は、後に示すように、複数のダイオード素子が形成された半導体基板である。この半導体基板の再配線層RELにインダクタLa,Lbが形成されている。再配線層RELの上面は、過渡電圧サプレッサ21の実装面であり、この面に端子Pa,Pb,PGND が形成されている。
図13(A)は上記ESD保護素子1の構成を示す平面図であり、図13(B)はESD保護素子1の縦断面図である。また、図14はこのESD保護素子1の回路図である。
ESD保護素子1はP型半導体基板PsubにN型エピタキシャル層Nepi1,Nepi2 が形成されている。この構造により、P型半導体基板PsubとN型エピタキシャル層Nepi1との間にダイオードD11,D21が構成されている。
N型エピタキシャル層Nepi1 には一つのN型領域が形成されていて、このN型領域とP型半導体基板Psubとの間にツェナーダイオードD3が構成されている。
N型エピタキシャル層Nepi2 には二つのP型領域が形成されていて、これらP型領域とN型エピタキシャル層Nepi2との間にダイオードD12,D22が構成されている。
N型エピタキシャル層Nepi2 にはさらに二つのN型領域が形成されている。これらN型領域は上記ダイオードD11,D21のカソード端子として作用する。
上記N型エピタキシャル層Nepi1 ,Nepi2に形成されたN型領域の周囲には、電気的絶縁のためのトレンチTRが形成されている。N型エピタキシャル層Nepi2 に形成された二つのN型領域の一方と二つのP型領域の一方とは、Al 配線で接続され、端子T1として用いられる。同様に、上記二つのN型領域の他方と二つのP型領域の他方とは、Al 配線で接続され、端子T2として用いられる。
図13(B)中の矢印は半導体基板Psubに流れる電流の方向を示している。以上に示した構造により、二つの端子T1,T2を有するESD保護素子1が構成される。
例えばUSB3.1 Gen2規格などに従って高速データ通信を行う回路に、本実施形態の過渡電圧サプレッサを適用する場合、ESD保護素子は高周波信号を通過させるために、低容量化が必要となる。これは、高周波信号を通すためにESD保護素子の寄生容量と等価直列インダクタンス(ESL)とによる自己共振周波数を高くする必要があるためである。しかし、一般的に低容量のものはESD保護性能が低い、という問題がある。本実施形態では、上述のとおり、インピーダンスマッチングを行うために、ESD保護素子1の容量を利用し、和動結合する二つのインダクタを含むT型マッチング回路を構成する。これによりESD保護素子1のESLをキャンセルさせ、ESD保護素子1の自己共振周波数を高めることができ、ESD保護素子1の寄生容量を低下させることなく(つまりESD保護性能を確保しつつ)、高周波信号を通過させることができる。
次に、ESD保護素子1との整合およびESLの相殺を行う整合回路31と、ESD保護素子1と、を個別の部品で構成する場合の例について、図15、図16を参照して示す。
図15は過渡電圧サプレッサの回路図である。この回路は、図9に示した過渡電圧サプレッサ21に相当する。整合回路31は、図12に示した再配線層部分が独立した一つの素子として構成されたものであり、端子Pa,Pb,Pcを備える。また、ESD保護素子1は、図12に示した半導体基板1部分が独立した一つの素子として構成されたものであり、端子T1,T2を備える。
図16は、信号ラインに対する整合回路31およびESD保護素子1の接続構造を示す平面図である。この例では、整合回路31、ESD保護素子1いずれも直方体状のチップ部品であり、整合回路31は、信号ラインの途中に挿入されるように基材に実装される。ESD保護素子1は、端子T1が基材上の導体パターンを介して整合回路31の端子Pcに接続され、端子T2がグランド電極に接続される。
このようにESD保護素子1と整合回路31とを分離すれば、所望の特性を有するESD保護素子1を選択使用できる利点がある。
《他の実施形態》
図1では、コモンモードチョークコイル10と過渡電圧サプレッサ20を備えたモジュール部品101を示したが、コモンモードチョークコイル10単体の部品を、同様に積層体に構成してもよい。
以上に示した第3コイルは、複数の第2層に形成された第3導体パターンで構成された例であったが、この第2層は単一層であってもよい。
図6では、第1コイルL1および第2コイルL2が形成された「第1層」の上層側に、第3コイルL3が形成された「第2層」が配置される例を示したが、「第1層」と「第2層」の上下関係は逆であってもよい。
図6,図7等では、樹脂多層基板にコモンモードチョークコイルを構成する例を示したが、同様にしてセラミック多層基板にコモンモードチョークコイルを構成してもよい。
最後に、上述の実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
C1…第1キャパシタ
C2…第2キャパシタ
C3…第3キャパシタ
CAa,CAb…キャビティ用開口
CN…USBコネクタ
Da,Db,Dc…ツェナーダイオード
DP1a,DP1b,DP1c,DP1d,DP1e,DP1f,DP1g…流動防止用ダミーパターン
DP2a,DP3a,DP4a,DP2b,DP3b,DP4b…流動防止用ダミーパターン
DTL…差動伝送線路
L1…第1コイル
L1a,L1b,L1c,L1d…第1コイル用導体パターン
L2…第2コイル
L2a,L2b,L2c,L2d…第2コイル用導体パターン
L3…第3コイル
L3a,L3b…第3コイル用導体パターン
L3a…第3コイル用導体パターンの第1導体パターン
L3b…第3コイル用導体パターンの第2導体パターン
La,Lb,Lc,Ld…インダクタ
MC…主回路
P1,P2,P3,P4,PGND,Pa,Pb,Pc…端子電極
S1〜S17…絶縁性基材層
SC…副回路
SL1…第1信号線
SL2…第2信号線
TF…上面
UF…実装面
1,2…ESD保護素子
3…第1コイル
6…第2コイル
10…コモンモードチョークコイル
20,21…過渡電圧サプレッサ
100…積層体
101,102…モジュール部品
200…電子機器
201…USBデバイスコントローラ
202…CPU

Claims (12)

  1. 第1信号線に設けられた第1コイルと、前記第1信号線と共に差動伝送線路を構成する第2信号線に設けられ前記第1コイルに磁界結合する第2コイルとを含む主回路と、
    前記第1コイルおよび前記第2コイルに磁界結合する第3コイルと、当該第3コイルに接続されたキャパシタを含んで構成された副回路と、
    を有し、
    前記第1コイル、前記第2コイルおよび前記第3コイルは、複数の絶縁性基材層が積層され実装面を有する積層体に構成され、
    前記第1コイルおよび前記第2コイルは、前記複数の絶縁性基材層のうち第1層に形成され、互いに並走する第1コイル用導体パターンおよび第2コイル用導体パターンにてそれぞれ構成され、
    前記第3コイルは、前記複数の絶縁性基材層のうち第2層において、且つ平面視で前記第1コイル用導体パターンおよび前記第2コイル用導体パターンと重なる位置に形成された第3コイル用導体パターンにて構成され、
    前記第1層は単一層または複数層で構成され、
    前記第2層は単一層または複数層で構成され、前記第1層の上層側または下層側に設けられ、
    前記第3コイル用導体パターンの外形は、前記第1コイル用導体パターンおよび前記第2コイル用導体パターンの外形よりも小さい、
    コモンモードチョークコイル。
  2. 前記第1層は前記第2層より前記積層体の前記実装面側に配置されている、請求項1に記載のコモンモードチョークコイル。
  3. 前記第3コイル用導体パターンは、前記第2層の複数層のうち前記第1層に近い側の層に形成された第1導体パターンと、前記第1層から遠い側の層に形成され前記第1導体パターンと積層方向に対向する第2導体パターンとを含み、
    前記キャパシタは、前記第1導体パターンと前記第2導体パターンとの間に生じる容量によって構成される、
    請求項1または2に記載のコモンモードチョークコイル。
  4. 前記第1導体パターンの線幅は前記第2導体パターンの線幅よりも細い、請求項3に記載のコモンモードチョークコイル。
  5. 前記第1層は複数層で構成され、前記第1層のうち互いに異なる層に形成された前記第1コイル用導体パターン間に、および前記第2コイル用導体パターン間に、それぞれ容量が形成されている、請求項1からのいずれかに記載のコモンモードチョークコイル。
  6. コモンモードチョークコイルとESD保護素子とを備え、
    前記コモンモードチョークコイルは、
    第1信号線に設けられた第1コイルと、前記第1信号線と共に差動伝送線路を構成する第2信号線に設けられ前記第1コイルに磁界結合する第2コイルとを含む主回路と、
    前記第1コイルおよび前記第2コイルに磁界結合する第3コイルと、当該第3コイルに接続されたキャパシタを含んで構成された副回路と、
    を有し、
    前記第1コイル、前記第2コイルおよび前記第3コイルは、複数の絶縁性基材層が積層され実装面を有する積層体に構成され、
    前記第1コイルおよび前記第2コイルは、前記複数の絶縁性基材層のうち第1層に形成され、互いに並走する第1コイル用導体パターンおよび第2コイル用導体パターンにてそれぞれ構成され、
    前記第3コイルは、前記複数の絶縁性基材層のうち第2層において、且つ平面視で前記第1コイル用導体パターンおよび前記第2コイル用導体パターンと重なる位置に形成された第3コイル用導体パターンにて構成され、
    前記第1層は単一層または複数層で構成され、
    前記第2層は単一層または複数層で構成され、前記第1層の上層側または下層側に設けられ、
    前記第3コイル用導体パターンの外形は、前記第1コイル用導体パターンおよび前記第2コイル用導体パターンの外形よりも小さく、
    前記ESD保護素子は、前記積層体に一体化され、前記主回路に接続された、
    モジュール部品。
  7. 前記ESD保護素子は、前記コモンモードチョークコイルより前記積層体の前記実装面側に配置されている、請求項に記載のモジュール部品。
  8. 前記第1信号線に直列に挿入された第4コイルと第5コイルと、を備え、
    前記ESD保護素子は、前記第4コイルと前記第5コイルとの接続点と、グランドとの間に接続され、
    前記第4コイルと前記第5コイルとは和動接続する、
    請求項またはに記載のモジュール部品。
  9. 前記第1信号線に直列に挿入された第4コイルと第5コイルと、前記第2信号線に直列に挿入された第6コイルと第7コイルと、を備え、
    前記ESD保護素子は、第1ツェナーダイオードと第2ツェナーダイオードと第3ツェナーダイオードと、を備え、
    前記第1ツェナーダイオードと前記第2ツェナーダイオードとは、前記第4コイルと前記第5コイルとの接続点と、前記第6コイルと前記第7コイルとの接続点と、の間に直列接続され、
    前記第3ツェナーダイオードは、前記第1ツェナーダイオードと前記第2ツェナーダイオードとの接続点と、グランドとの間に接続され、
    前記第4コイルと前記第5コイルとは和動接続し、
    前記第6コイルと前記第7コイルとは和動接続する、
    請求項またはに記載のモジュール部品。
  10. 差動伝送線路を有するコモンモードチョークコイルと、前記差動伝送線路に接続された電子回路とを備え、
    前記コモンモードチョークコイルは、
    第1信号線に設けられた第1コイルと、前記第1信号線と共に前記差動伝送線路を構成する第2信号線に設けられ前記第1コイルに磁界結合する第2コイルとを含む主回路と、
    前記第1コイルおよび前記第2コイルに磁界結合する第3コイルと、当該第3コイルに接続されたキャパシタを含んで構成された副回路と、
    を有し、
    前記第1コイル、前記第2コイルおよび前記第3コイルは、複数の絶縁性基材層が積層され実装面を有する積層体に構成され、
    前記第1コイルおよび前記第2コイルは、前記複数の絶縁性基材層のうち第1層に形成され、互いに並走する第1コイル用導体パターンおよび第2コイル用導体パターンにてそれぞれ構成され、
    前記第3コイルは、前記複数の絶縁性基材層のうち第2層において、且つ平面視で前記第1コイル用導体パターンおよび前記第2コイル用導体パターンと重なる位置に形成された第3コイル用導体パターンにて構成され、
    前記第1層は単一層または複数層で構成され、
    前記第2層は単一層または複数層で構成され、前記第1層の上層側または下層側に設けられ、
    前記第3コイル用導体パターンの外形は、前記第1コイル用導体パターンおよび前記第2コイル用導体パターンの外形よりも小さい、
    電子機器。
  11. 請求項からのいずれかに記載のモジュール部品と、前記差動伝送線路と、当該差動伝送線路に接続された電子回路とを備えた電子機器。
  12. コモンモードチョークコイルとESD保護素子と、第1信号線に直列に挿入された第4コイルおよび第5コイルと、第2信号線に直列に挿入された第6コイルおよび第7コイルと、を備え、
    前記コモンモードチョークコイルは、
    前記第1信号線に設けられた第1コイルと、前記第1信号線と共に差動伝送線路を構成する前記第2信号線に設けられ前記第1コイルに磁界結合する第2コイルとを含む主回路と、
    前記第1コイルおよび前記第2コイルに磁界結合する第3コイルと、当該第3コイルに接続されたキャパシタを含んで構成された副回路と、
    を有し、
    前記第1コイル、前記第2コイルおよび前記第3コイルは、複数の絶縁性基材層が積層され実装面を有する積層体に構成され、
    前記第1コイルおよび前記第2コイルは、前記複数の絶縁性基材層のうち第1層に形成され、互いに並走する第1コイル用導体パターンおよび第2コイル用導体パターンにてそれぞれ構成され、
    前記第3コイルは、前記複数の絶縁性基材層のうち第2層において、且つ平面視で前記第1コイル用導体パターンおよび前記第2コイル用導体パターンと重なる位置に形成された第3コイル用導体パターンにて構成され、
    前記第1層は単一層または複数層で構成され、
    前記第2層は単一層または複数層で構成され、前記第1層の上層側または下層側に設けられ、
    前記ESD保護素子は、第1ツェナーダイオードと第2ツェナーダイオードと第3ツェナーダイオードと、を備え、前記積層体に一体化され、前記主回路に接続され、
    前記第1ツェナーダイオードと前記第2ツェナーダイオードとは、前記第4コイルと前記第5コイルとの接続点と、前記第6コイルと前記第7コイルとの接続点と、の間に直列接続され、
    前記第3ツェナーダイオードは、前記第1ツェナーダイオードと前記第2ツェナーダイオードとの接続点と、グランドとの間に接続され、
    前記第4コイルと前記第5コイルとは和動接続し、
    前記第6コイルと前記第7コイルとは和動接続する、
    モジュール部品。
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