JP2008263074A - 半導体装置 - Google Patents

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和康 西川
Akihiko Furukawa
彰彦 古川
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隆昭 村上
Satoshi Yamakawa
聡 山川
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Abstract

【課題】小さい占有面積で急峻な減衰特性を有するフィルタを備える半導体装置を提供する。
【解決手段】インダクタ3,4は、シリコン基板9の上方から見た場合に、シリコン基板9の主表面の面内方向に沿って並べられる。インダクタ3,4は、シリコン基板9の上方から見た場合に、主表面の所定の領域RGを囲むように渦巻状に形成される。フィルタ50には複数のインダクタが含まれるので、急峻な減衰特性を得ることが可能になる。領域RGを囲むようにインダクタ3,4を渦巻状に形成することによって、インダクタ3,4をシリコン基板9の主表面の面内方向に単に並べて配置するよりもインダクタ3,4の占有面積を小さくできる。
【選択図】図1

Description

本発明は半導体装置に関し、特に、半導体基板上に形成されたインダクタを備える半導体装置に関する。
携帯端末およびその基地局などの通信機器は、より小型であり、かつ高性能であることが求められている。そのため、これらの通信機器に組み込まれる装置(例えば高周波デバイス)の小型化および高性能化が進められている。
携帯端末などの通信機器では、送信周波数帯としてGHz帯が多く用いられている。近年ではCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)トランジスタの微細化技術の進展によってシリコン基板に形成されたトランジスタの動作周波数が高くなり、GHz帯の信号を処理する半導体装置をシリコン基板に作ることが可能になっている。このため、従来からシリコン基板上に作成されていたデジタル回路と、信号の送受信のためのアナログ回路とを1つのシリコン基板上に作ることが可能になっている。この結果、半導体装置を小さく安価に製造することができる。
送信用アナログ回路は、高パワーの信号を出力するためのパワーアンプと、その後段に設けられ、不要周波数成分を除去するためのフィルタとを含む。一般に、これらの回路は受動素子であるインダクタを含む。GHz帯の信号を扱うアナログ回路に含まれるインダクタの直径はたとえば数10μm〜数100μmであり、トランジスタなどの能動素子に比べてインダクタの占有面積は大きい。したがって、アナログ回路を備えた半導体装置を小型化するためにはインダクタを小さくすることが有効である。
インダクタの設計課題としてQ値(Quality Factor)を高くすることが挙げられる。しかし、パワーアンプやその後段に設けられるフィルタに含まれるインダクタのQ値を高くすると、そのインダクタには大きな電流が流れる。インダクタに大電流が流れると、インダクタの配線を流れる電子によって配線中の金属原子が移動する。これにより配線の欠陥が誘起されてエレクトロマイグレーション(断線)が発生する。よって、Q値を高くするだけでなくエレクトロマイグレーションを防ぐこともインダクタにとっての課題となる。
上述の課題を解決するために、たとえばCMOS技術の1つである多層配線技術を利用したインダクタが提案されている。このインダクタは、シリコン基板上の層間絶縁膜中に形成された複数の金属配線層のパターンをヴィアホールにより接続した配線を含む(特許文献1参照)。インダクタの他の従来例としては、厚い金属配線層を用いて形成されたインダクタがある(たとえば特許文献2参照)。
特開2000−124403号公報(4頁[0019]、図1) 特開平10−270248号公報(3頁[0011]、図1)
パワーアンプの後段に設けられるフィルタにおいて、禁止帯域で急峻な減衰特性を得るためにはフィルタの次数を高くする必要がある。特許文献1や特許文献2に開示されたインダクタを含むフィルタにおいてフィルタの次数を高くするためには、複数のインダクタを並べて配置する必要がある。これによりフィルタの占有面積が大きくなるので半導体装置の小型化が困難になる。
さらに、パワーアンプの後段に設けられるフィルタには電流が多く流れる。複数のインダクタを備えるフィルタでは、インダクタ間の相互インダクタンスによってインダクタ本来の特性を得ることができなくなるために、フィルタの特性が設計値と異なるという問題が生じる。すなわち、複数のインダクタの配置に応じてフィルタの特性が変化するという問題がある。
この問題を解決するために、インダクタ間の距離を大きくすることによってインダクタ間の電磁結合を弱めることが考えられる。インダクタ間の電磁結合を弱めることでインダクタ単体の特性を得ることができるので、フィルタの特性を設計値に近づけることができる。しかしフィルタの占有面積が大きくなるため半導体装置の小型化が困難になる。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、小さい占有面積で急峻な減衰特性を有するフィルタを備える半導体装置を提供することである。
本発明は要約すれば、半導体装置であって、半導体基板と、半導体基板上に形成される絶縁層と、第1および第2のインダクタとを備える。第1および第2のインダクタは、絶縁層を介して半導体基板上に形成され、半導体基板の上方から見た場合に、半導体基板の主表面の面内方向に沿って並べられる。第1および第2のインダクタは、半導体基板の上方から見た場合に、主表面の所定の領域を囲むように渦巻状に形成される。
本発明によれば、占有面積を小さくしつつ急峻な減衰特性を有するフィルタを実現することができる。
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1による半導体装置の要部を示す透過平面図である。なお図1は、半導体基板の上方から半導体装置を見た図である。
図1を参照して、この半導体装置では、シリコン基板9の表面に、図示しない絶縁膜(絶縁層)を介してフィルタ50が形成されている。半導体基板はシリコン基板に限定されず、たとえばGaAs基板、GaN基板、SiC基板等でもよい。
図2は、図1に示すフィルタ50の等価回路図である。図2および図1を参照して、フィルタ50は、入力端子1と、出力端子2と、インダクタ3(第1のインダクタ)と、インダクタ4(第2のインダクタ)と、容量5,6とを備える。図1においてインダクタ3を実線Aで示し、インダクタ4を破線Bで示す。
インダクタ3,4はシリコン基板9の主表面の面内方向に沿って並べられ、シリコン基板9の主表面の領域RGを囲むように渦巻状に形成される。インダクタ3,4は入力端子1と出力端子との間に直列接続される。パワーアンプ(図1,2に示さず)から出力された高周波信号は入力端子1に入力されて、インダクタ3,4を通り、出力端子2から出力される。
容量5は、インダクタ3,4の中央部、すなわち領域RGに配置される。これによりフィルタの占有面積を小さくすることができる。容量5の上部電極は、インダクタ3とインダクタ4との接続点(ノードN1)に接続され、容量5の下部電極は接地ノード7に接続される。容量5はノードN1と接地ノード7との間に並列に接続された複数の容量素子51を含む。容量6の上部電極はインダクタ4の終端部に接続され、容量6の下部電極は接地ノード8に接続される。
すなわち図2に示されるようにフィルタ50は2次のローパスフィルタである。フィルタ50には複数のインダクタが含まれるので、急峻な減衰特性を得ることが可能になる。
図3は、インダクタ3,4の構成を説明するための図である。図3を参照して、領域RGは正方形であり、点Oは領域RGの中心点である。インダクタ3(実線Aで示す)とインダクタ4(破線Bで示す)とは、ともに点Oを中心として領域RGに沿って渦巻状に形成される。インダクタ3の巻き数は1であり、インダクタ4の巻き数は1.5である。インダクタ3の配線とインダクタ4の配線との間隔Sは一定値である。点Oからインダクタ3の各配線までの距離と、点Oからインダクタ4の各配線までの距離とは互いに等しくなる。
インダクタ3とインダクタ4とでは巻き方向が互いに逆である。インダクタ3は時計方向に回転するに従って点Oに近づくのに対し、インダクタ4は反時計方向に回転するに従って点Oに近づく。
インダクタの直径は、インダクタの中心である点Oとその最外郭配線の中心線(正方形の1辺)との間の距離で定義される。インダクタ3の距離はD1であり、インダクタ3の距離はD2である。なおD1<D2である。
領域RGを囲むようにインダクタ3,4を渦巻状に形成することによって、これらのインダクタをシリコン基板の主表面の面内方向に単に並べて配置するよりもインダクタの占有面積を小さくできる。特に、インダクタ3,4は同心上に配置され、かつ、インダクタ3の直径とインダクタ4の直径とが異なるので、インダクタの占有面積をより小さくすることができる。このようにインダクタ3,4を配置することでインダクタ3,4により3ポートのインダクタが構成される。後述するように3ポートのインダクタをフィルタに用いることによって、フィルタの特性を設計値にあわせることができる。
領域RGを囲むようにインダクタ3,4を渦巻状に形成する方法としては、シリコン基板9の主表面に垂直な方向にインダクタ3,4を積み上げる方法も考えられる。しかしながらこの場合には、配線層の数が増えるため配線層を形成するためのコストが上昇する。また、下層側のインダクタが半導体基板表面に近づくため、導電性の基板(たとえばシリコン基板)の上方にインダクタを形成した場合にはインダクタのQ値が低下することも起こる。本実施の形態ではインダクタ3,4はシリコン基板9の表面からの高さが同じになるように配置されているため、このような問題を防ぐことができる。
図4は、図1におけるIV−IV断面図である。図5は、図1におけるV−V断面図である。図1、図4および図5を参照して、4つの金属配線層は絶縁膜により互いに絶縁され、フィルタ50はこれら4つの金属配線層を用いたCMOSプロセスで作製される。
実施の形態1では、下層の配線層から上層の配線層にかけて、第1配線層、第2配線層、第3配線層、および第4配線層がある。第1から第4の配線層には配線11〜14がそれぞれ形成される。配線11〜13の厚みは同じであるが、最上層の配線である配線14は他の金属配線層の配線よりも厚い。
なお通常は防湿や半導体装置の表面の保護のために、配線14の上にパッシベーション膜が形成される。ただし図が煩雑になるのを防ぐために、図1,3,4にはパッシベーション膜を示していない(以後の図においても同様である)。
インダクタ3,4は主として、配線12と配線13とをヴィアホール16で接続した配線、および、配線13と配線14とをヴィアホール17で接続した配線により形成される。シリコン基板9の上方から見た場合には、インダクタ3(4)において配線12で形成されたインダクタと、配線13で形成されたインダクタと、配線14で形成されたインダクタとは重なり合う。
図5に示されるように、配線13により形成されるインダクタの配線幅は、配線12により形成されるインダクタの配線幅、および配線14により形成されるインダクタの配線幅のいずれよりも広い。一方、配線13により形成されるインダクタの配線の間隔は、配線12により形成されるインダクタの配線の間隔、および配線14により形成されるインダクタの配線の間隔のいずれよりも狭い。実施の形態1では、各金属配線の配線について、配線厚さを配線幅で割った値(アスペクト比)は1以下である。
また、図1に示されるように、インダクタ3とインダクタ4とが交差する部分では配線12と配線13を用いて各インダクタの配線が形成される。この部分は1層の金属配線であるため、他の部分に比べ配線の幅を広くすることで電流容量を大きくしている。
容量5(複数の容量素子51)および容量6は配線11と、配線12と、配線11,12間に挿入された誘電体膜15とにより形成されるMIM(Metal−Insulator−Metal)容量である。配線12によりMIM容量の上部電極が形成され、配線11によりMIM容量の下部電極が形成される。容量5の下部電極を構成する配線11の一部が接地ノード7となる。容量6の下部電極を構成する配線11の一部が接地ノード8となる。
本実施の形態では、インダクタの占有面積を小さくしつつ、所望の特性を持つフィルタを得ることができる。この点についてより詳細に説明する。
図6は、インダクタ3およびインダクタ4の等価回路を示す図である。この等価回路は、シリコン基板上に作製されたインダクタ(2ポート)の等価回路を示すためによく用いられるものである。
図6においてLsはインダクタ3のインダクタンス、Rsはインダクタ3の抵抗値、Csは入力端子1および出力端子2間の容量値である。Cox1,Cox2はそれぞれ入力端子1および出力端子2に付随する容量値(層間絶縁膜の容量値)である。Csi1,Csi2はそれぞれ入力端子1および出力端子2に付随するシリコン基板容量値、Rsi1,Rsi2はそれぞれ入力端子1および出力端子2に付随するシリコン基板抵抗値である。通常ではインダクタの等価回路を導出するためには2ポートのインダクタンス素子の高周波評価を行なって図6のモデルに示した各パラメータを抽出する。
図7は、図2に示すフィルタ50に2ポートのインダクタを適用した場合の等価回路図である。図7を参照して、インダクタンスL1は、インダクタ3のインダクタンスであり、インダクタンスL2は、インダクタ4のインダクタンスである。インダクタンスL1,L2はインダクタンス素子の高周波評価により求めることができるため、インダクタンスL1,L2をフィルタ50の設計に反映させることができる。ただし、インダクタ3,4間の相互インダクタンス(結合定数をkとするとk×(L1×L2)1/2)については、インダクタンス素子単体での高周波評価では明らかにすることができない。
さらに、2ポートのインダクタを用いた場合、容量5の上部電極はインダクタ3およびインダクタ4に接続され、容量5の下部電極は接地ノードに短絡される。容量5の上部電極をインダクタ3およびインダクタ4に接続するためには配線20を引き回す必要がある。配線20の抵抗成分およびインダクタンス成分は、フィルタのレイアウトに起因して変化するが、配線20が長くなると抵抗成分およびインダクタンス成分が高周波領域において無視できなくなる。
これらのパラメータが存在するために、2ポートのインダクタを用いた場合にはフィルタの設計値とフィルタの測定値とを一致させることが困難になる。つまり、フィルタの次数を高くしようとして複数のインダクタ(2ポート)を単に並べただけではフィルタの特性を設計値とおりとすることは困難である。
図8は、図2に示すフィルタ50に3ポートのインダクタを適用した場合の等価回路図である。図8を参照して、インダクタLAは3ポートのインダクタであり、インダクタ3およびインダクタ4を等価的に示すものである。2ポートのインダクタに比べてインダクタLAでは、配線20の引き回しが生じないので、配線20に起因する寄生抵抗および寄生インダクタンスが存在しない。つまり、3ポートのインダクタでは、レイアウトに起因して変化するパラメータが存在しないので、フィルタの設計値と測定値とを一致させることが容易になる。
3ポートのインダクタの等価回路の導出は、3ポートの素子による評価でも可能であり、容量5,6を外し、容量5に代えてポートに接地電位を接続した素子でも評価することができる。
以上のように、本実施の形態では、インダクタのレイアウトに起因するパラメータ(配線20の寄生抵抗あるいは寄生インダクタンス)を除いたり、インダクタのレイアウトに起因するパラメータ(相互インダクタンス)を含めたりしてフィルタを設計することができる。よって、所望の特性を有するフィルタを実現できる。
さらに、実施の形態1では、配線13で形成されるインダクタの配線間隔を配線12(14)で形成されるインダクタの配線よりも狭くすることによって、インダクタの配線間での磁力線を密にすることができる。これによりインダクタの直径を小さくしながらインダクタンス値を大きくすることができる。すなわち、同じインダクタンス値を得るために必要なインダクタの面積を小さくすることができる。
さらに、実施の形態1では配線12〜14を相互に接続してインダクタ3(4)を形成するのでインダクタ3(4)の抵抗成分を小さくすることができる。これによりインダクタ3(4)のQ値を高くすることができる。特に、3GHz以下の帯域でフィルタを使用する場合には、これらの配線を積層することによって、インダクタの配線のエレクトロマイグレーション耐性を向上させることができるとともに、Q値の低周波領域での傾きを大きくすることができる。この結果、Q値を高くすることができる。
さらに、配線13以外の配線(実施の形態1では配線12および配線14)で形成されるインダクタにおいて、配線の線幅を配線13より狭くし、かつ、配線の間隔を配線13により形成されるインダクタの配線間隔より広くすることによって、インダクタの配線間の容量成分を小さくすることができる。これにより配線間の容量結合を小さくすることができるので、入力端子に入力された高周波信号が容量結合により出力端子に漏れることを防ぐことができる。この結果、急峻な減衰特性を持つフィルタを得ることができる。
さらに、各金属配線層で形成される配線のアスペクト比が1以下であるので、エッチング処理によってインダクタを容易に形成できる。特に、メッキ法やリフトオフ法により配線を形成する場合にアスペクト比が1以下の配線を容易に形成することができる。
さらに、実施の形態1では薄くて幅の広い配線13の上層に、配線13よりも厚く、かつ、幅の狭い配線14を用いてインダクタが形成される。これによりマスクのアライメントずれの許容値を大きくすることが可能になる。なお、ヴィアホール17を用いずに配線13で形成したインダクタに配線14を直接積層する場合においても同様である。
なお、実施の形態1では、最上層の金属配線層である配線14が最も厚いが、どの金属配線層の配線が最も厚いかは特に限定されるものではない。また、インダクタを構成する金属配線層の数は3層に限定されるものではない。
さらに、実施の形態1では、容量5は複数の容量素子51を含み、複数の容量素子51の上部電極同士をつなぐ配線、および下部電極同士をつなぐ配線がともに閉ループを含まないように形成される。これにより容量5の電極において磁場を打ち消す方向に流れる電流を小さくすることができる。
図9に示すように、容量素子51の上部電極をすべて配線12により接続した場合には、閉ループが形成される。インダクタ3,4に矢印の向きに電流が流れた場合、紙面の裏から表への向き(第1の金属配線層から第4の金属配線層に向かう向き)に磁場が発生する。しかしながら図9に示すように容量5の上部電極が接続された場合、配線12に電流が流れると、インダクタにより発生した磁場を打ち消す向きに磁場が発生する。この結果、インダクタ3,4のインダクタンスおよびQ値が低下する。
実施の形態1では、配線12が閉ループを含まないため、配線12に電流が流れてもインダクタ3,4により発生した磁界を打ち消す磁場が生じない。よって磁束密度の減少を防ぐことができるのでインダクタンスおよびQ値の低下を防止することができる。
なお、実施の形態1では、容量5,6は、配線11と、配線12とで誘電体膜15を挟んで構成される。ただし4つの金属配線層のいずれの2つの層の配線を用いて容量を構成しても、その配線が閉ループを含まなければ上述の効果が得られる。また、MIM容量以外の容量としてMIS(Metal−Insulator−Silicon)容量や拡散層を用いた容量でも同様の効果が得られる。
さらに容量5は複数の容量素子51を含むので、配線パターンのマスクを変更することによって、配線工程のみで容量5の容量値を変更することが可能である。
[実施の形態2]
図10は、本発明の実施の形態2による半導体装置の要部を示す透過平面図である。図10、および図1を参照して、フィルタ50Aは、インダクタ4の終端部と出力端子2とを接続する接続部21、および、シールド22をさらに備える点でフィルタ50と異なる。シールド22は、インダクタ3とシリコン基板9との間およびインダクタ4とシリコン基板9との間に配置される。なお図10では、図1と同様にインダクタ3を実線Aで示し、インダクタ4を破線Bで示す。
実施の形態2ではインダクタ3の終端部は容量5とインダクタ4の始端部とに共通に接続される。インダクタ4の終端部は接続部21を介して出力端子2に接続されるだけでなく、容量6にも接続される。容量6は、複数の容量素子61を含む。
図11は、シールド22の透過平面図である。図11を参照してシールド22は、複数の短冊形状の配線から構成されている。短冊形状の配線はインダクタ3,4の巻き方向と直交する方向に配置される。短冊形状の配線はグランド(接地ノード)に電気的に接続される。
図12は、図10に示すフィルタ50Aの等価回路図である。図12および図2を参照して、フィルタ50Aは、容量5の一方端および容量6の一方端がシールド22に接続される点、容量6が出力端子2とシールド22との間に並列に接続される複数の容量素子61を含む点でフィルタ50と異なる。フィルタ50Aの他の部分の構成はフィルタ50と同様である。すなわちフィルタ50Aは2次のローパスフィルタである。
図13は、図10のフィルタ50Aにおけるインダクタ3,4の構成を説明するための図である。図13を参照して、領域RG1はシリコン基板9の主表面上の領域であり、点Oは領域RG1の中心点である。領域RG1の形状は長方形である。インダクタ3,4は点Oを中心として、領域RG1に沿って渦を巻くように形成される。
実施の形態2ではインダクタ3,4はともに時計方向に回転するに従って点Oに近づく。インダクタ3の巻き数は1であり、インダクタ4の巻き数は1.5である。また、インダクタ3の直径をD1、インダクタ4の直径をD2とすると、D1<D2である。実施の形態2では実施の形態1と同様に、複数の渦巻状のインダクタを所定の領域を囲むように(より特定的には同心上に)配置することによってインダクタの占有面積を小さくすることができる。
図14は、図10におけるXIV−XIV断面図である。図15は、図10におけるXV−XV断面図である。図10、図14および図15を参照して、インダクタ3,4は主として、配線13と配線14とをヴィアホール17で接続した配線により形成される。実施の形態1と同様に、配線13により形成されるインダクタの線幅は配線14により形成されるインダクタの線幅より広く、配線13により形成されるインダクタの配線間隔は配線14により形成されるインダクタの配線間隔よりも狭い。各金属配線層の配線パターンのアスペクト比は、実施の形態1と同様に1以下である。
インダクタ4と出力端子2とを接続する接続部21は、配線11と、配線12と、配線11,12を接続するヴィアホール19とを含む。接続部21の構成は図14に示す構成に限定されるものではなく、インダクタ4に流れ得る電流量に応じて適切に定めることができる。
入力端子1は、配線13と、配線14と、配線13,14を接続するヴィアホール17とを含む。出力端子2は、配線13と、配線14と、配線13,14を接続するヴィアホール17と、接続部21と配線13と接続するヴィアホールとを含む。
図10に示されるように、容量5(複数の容量素子51)および容量6(複数の容量素子61)はインダクタ3,4の中央部(図13に示す領域RG1)に配置される。容量5(6)の上部電極同士を接続する配線および下部電極同士を接続する配線は、閉ループを含まないように形成される。
容量5,6の各々の下部電極は、配線11により形成されたシールド22に接続される。図14,図15に示されるように、容量素子51および容量素子61は、配線12と配線11との間に誘電体膜15を挟むことで形成されるMIM容量である。
シールド22はインダクタ3および4からシリコン基板9へ流れ込む誘導電流を抑制する。また、シールド22の短冊状の配線は、インダクタ3,4の巻き方向と直交するように形成されるためシールド22自体に生じる誘導電流を抑制できる。この結果、シリコン基板9での損失やシリコン基板9において磁場を打ち消す方向に流れる電流を防止することができるので、インダクタのQ値を高くすることができる。これにより実施の形態2によれば、実施の形態1よりも急峻な減衰特性を持つフィルタを得ることができる。
[実施の形態3]
図16は、本発明の実施の形態3による半導体装置の要部を示す透過平面図である。図17は、図16のフィルタ50Bの等価回路図である。図16および図17を参照して、フィルタ50Bは、入力端子1と、出力端子2と、インダクタ3と、インダクタ4と、接続部21と、容量25とを備える。実施の形態1,2と同様にインダクタ3を実線Aで示し、インダクタ4を破線Bで示す。インダクタ3とインダクタ4とはともに、点Oを中心とする正方形(領域RG)を囲むように渦巻状に形成される。インダクタ3とインダクタ4とでは渦を巻く方向が逆である。
接続部21は、インダクタ3の終端部と出力端子2とを接続するとともに、インダクタ3の終端部とインダクタ4の始端部とを接続する。インダクタ4の終端部は容量25の上部電極に接続される。容量25の下部電極は図示しないグランドに接続される。すなわち図17に示すように、フィルタ50Bは、誘導M型フィルタである。誘導M型フィルタは、遮断周波数付近の不要周波数成分の除去と通過域でのインピーダンス整合とに優れている。
誘導M型フィルタでは、遮断周波数とインピーダンスと減衰極とによってインダクタンスおよび容量値が決定される。ただし実施の形態3では、構成を簡単にするためインダクタ3の直径D1とインダクタ4の直径D2とは等しく、かつ、インダクタ3,4の巻き数はともに1.5である。
図18は、図16におけるXVIII−XVIII断面図である。図19は、図16におけるXIX−XIX断面図である。図16、図18および図19を参照して、インダクタ3,4は主として、配線12と配線13とをヴィアホール16により接続した配線および、配線13と配線14とをヴィアホール17により接続した配線により形成される。インダクタ3とインダクタ4との交差する部分の構造は実施の形態1と同様である。また、各金属配線層における配線パターンのアスペクト比は実施の形態1,2と同様に1以下である。
実施の形態3によれば、実施の形態1と同様に、複数の渦巻状のインダクタを所定の領域を囲むように(より特定的には同心上に)配置することによって、インダクタの占有面積を小さくすることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態1による半導体装置の要部を示す透過平面図である。 図1に示すフィルタ50の等価回路図である。 インダクタ3,4の構成を説明するための図である。 図1におけるIV−IV断面図である。 図1におけるV−V断面図である。 インダクタ3およびインダクタ4の等価回路を示す図である。 図2に示すフィルタ50に2ポートのインダクタを適用した場合の等価回路図である。 図2に示すフィルタ50に3ポートのインダクタを適用した場合の等価回路図である。 容量素子51の上部電極に閉ループが形成された場合の問題点を説明する図である。 本発明の実施の形態2による半導体装置の要部を示す透過平面図である。 シールド22の透過平面図である。 図10に示すフィルタ50Aの等価回路図である。 図10のフィルタ50Aにおけるインダクタ3,4の構成を説明するための図である。 図10におけるXIV−XIV断面図である。 図10におけるXV−XV断面図である。 本発明の実施の形態3による半導体装置の要部を示す透過平面図である。 図16のフィルタ50Bの等価回路図である。 図16におけるXVIII−XVIII断面図である。 図16におけるXIX−XIX断面図である。
符号の説明
1 入力端子、2 出力端子、3,4,LA インダクタ、5,6,25 容量、7,8 接地ノード、9 シリコン基板、10 絶縁膜、11〜14,20 配線、15 誘電体膜、16,17,19 ヴィアホール、21 接続部、22 シールド、50,50A,50B フィルタ、51,61 容量素子、N1 ノード、O 点、S 間隔、RG,RG1 領域。

Claims (10)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成される絶縁層と、
    前記絶縁層を介して前記半導体基板上に形成され、前記半導体基板の上方から見た場合に、前記半導体基板の主表面の面内方向に沿って並べられる第1および第2のインダクタとを備え、
    前記第1および第2のインダクタは、前記半導体基板の上方から見た場合に、前記主表面の所定の領域を囲むように渦巻状に形成される、半導体装置。
  2. 前記第1および第2のインダクタは、前記所定の領域内に位置する共通の中心点の周りに配置され、
    前記第1のインダクタの直径は、前記第2のインダクタの直径と異なる、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記所定の領域の形状は、正方形であり、
    前記共通の中心点は、前記正方形の中心点である、請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記第1および第2のインダクタの各々は、
    前記半導体基板上に積層され、かつ互いに接続された複数の配線を含む、請求項1に記載の半導体装置。
  5. 前記複数の配線のうちの1つの配線の厚みは、他の配線の厚みよりも小さく、
    前記1つの配線の幅は、前記他の配線の幅より広い、請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記所定の領域に配置される容量をさらに備える、請求項1に記載の半導体装置。
  7. 前記容量は、複数の容量素子を含み、
    前記半導体装置は、
    前記複数の容量素子を接続する配線をさらに備え、
    前記配線は、前記半導体基板の上方から見た場合に、閉ループを含まないように形成される、請求項6に記載の半導体装置。
  8. 前記半導体装置は、入力端子と出力端子とをさらに備え、
    前記第1および第2のインダクタは、前記入力端子と前記出力端子との間に直列に接続され、
    前記容量は、前記第1および第2のインダクタの接続点と、接地ノードとの間に接続される、請求項6に記載の半導体装置。
  9. 前記半導体装置は、入力端子と出力端子とをさらに備え、
    前記第1のインダクタは、前記入力端子と前記出力端子との間に接続され、
    前記第2のインダクタの一方端は、前記出力端子に接続され、
    前記容量は、前記第2のインダクタの他方端と接地ノードとの間に接続される、請求項6に記載の半導体装置。
  10. 前記半導体装置は、
    前記絶縁層内において、前記半導体基板と前記第1のインダクタとの間、および、前記半導体基板と前記第2のインダクタとの間に設けられ、基準電位と接続されるシールド部をさらに備え、
    前記シールド部は、
    前記第1および第2のインダクタを構成する配線と直交する複数の配線を含む、請求項1に記載の半導体装置。
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